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868 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/08/05(金) 00 42 32 ID G92JuEYl 「なぜこんなことをした!」 吼えるククールの目をゼシカはじっと見た。 青い虹彩に縁取られた深い穴のような瞳孔はこちらを向いたまま動こうとしない。 「ごめん…なさい」 その冷たい瞳に耐えられず、ゼシカは思わず顔を逸らす。 するとククールはゼシカの顎を掴み、自分の顔の方に向けた。きっちり固定され顔を逸らせなくなる。 「もう一度聞く」 ククールの語調が強まり、怒気が含まれているのが判る。 射られるように強い直視に、ゼシカの汗は引いていく。白い睫が二度三度瞬く。 「どうしてこんなことをした?」 もう目は逸らせそうにない。 「…あなたの、ためだったからよ」 ゼシカは不意に、距離の変わらないはずのククールが遠のいていく気分になる。 視点が崩れ、頭が揺れているような感覚に襲われる。音が、遠い。 870 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/08/05(金) 04 39 12 ID kMXkHEbA 「俺の…ため…?」 耳にざわつく単語を聞いた顔で、ククールが掠れた声を出した。 『こいつは何を言っているのだ?』 それがまず、理解出来なかった。 俺の為にしたというその唇は、青ざめてはいたがみずみずしくて 思わず奪いたくなるほど愛らしい。 …俺が、望むことは『それ』だけだったはずだ。思いやりなど求めちゃいない。望んですらいない。 「…!!」 不意に苦いものがこみ上げてきて、ククールはゼシカを掴んでいた手を離してしまった。 今、『彼女』を側に置いておきたくなかった。 872 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2005/08/05(金) 12 31 29 ID axS7PVBV 不思議な泉周辺で野営をしていた一行はゼシカの姿が見えないというエイトの言葉で目を覚まし、手分けしてゼシカを探していた。 そしてついさっき、崖から落ちて倒れているゼシカをククールが発見したのだった。 幸い下が柔らかい草だったので大きなケガはなく、ククールのべホイミで完全に回復したが、そんなところを魔物に襲われていたら一たまりもなかっただろう。 「これだけは言っておく。二度とこんなマネするな・・・どれだけ心配したと思ってるんだ・・・」 その言葉に込められた苦悩にゼシカも思わず叫ぶ。 「私だって、あなたが心配なのよ!」 ゼシカは続ける。敵の攻撃を受けても、ククールはいつも仲間の回復を優先し、自分自身は後回しだ。回復手段を持たないゼシカにはそれが苦しかった。 「せめて、一つでも多く薬草をって・・・」 薬草を探すために一人で危険な夜道を歩き回っていたのだと言う。 「・・・怒鳴って、悪かった」 ククールの胸の内は複雑だった。 875 868[sage]2005/08/05(金) 22 37 38 ID 4OX4sqgQ 「私もほんとに、ほんとにごめん。もう…危ないことしないから」 「いい、わかった、俺も悪かった」 二人はしばし沈黙した。 だがククールとゼシカの複雑な思いをよそに、時間だけは過ぎようとする。 「…戻ろ、エイトもヤンガスも心配してる」 歩き出し、遠慮がちにこちらを見るゼシカの表情が辛かった。 気づけば暁も消え去り、暗く静かな夜だった。先ほどから無言で二人は歩いている。 足元がふらふらするのは、果たして打身の痛みだけだろうか?ゼシカはククールの一喝に痺れたような感覚を覚えていた。 腰の袋に詰め込まれた薬草も、この痛みは癒せないかしらね、とぼんやり考えながら黒い木立を見つめる。 「行くなよ」 不意にククールが言った。 「え?」 ゼシカは立ち止まる。 「もう一人で…行くなよ」 ゼシカが振り返ると、腕組をしたククールが立っている。 その表情は先ほどまでの険しさは微塵も感じない、穏やかだが限りなく無に近い表情だった。 「俺のためとか言われても、お前が怪我したらシャレになんねぇし…その」 じっとゼシカの目を見た。 「青ざめたゼシカなんて呪われてる間だけで十分だし、なんつーの? 決して嬉しくないわけじゃないけど、心配してもらってありがたいけど、…俺なんかのためにもういいよ」 「やめてよ、そういう顔するの」 ゼシカの前に立つククールは、穏やかだが悲しそうな顔をしている。 「私のお節介がいけなかったって思ってる…でももうそんなこと言わないで?」 ゼシカの胸で悲しみが湧き起こる。 「いつもそんな風に一人で諦めたようにして、自分は捨て鉢みたいなくせにみんなばっかり心配して、 見てて苦しくなるの。だから、だから…」 ゼシカは俯いて、泣いてしまった。 876 868[sage]2005/08/05(金) 22 39 38 ID 4OX4sqgQ 「…俺、あなたのためとか言われたことなかったんだ」 ポツリとククールは言った。 「ゼシカを心配してたのに何言ってんだかわかんなくて、理解が追っつかなくて、混乱した。 俺が心配するのは慣れてる。でも思いやられるとか、慣れてないんだ。 いつもみたいに軽口も叩けない。なあ、俺どうすればいい? 俺のために何かしてくれるゼシカになんて言ったらいい?」 「ククール」 うつろにこちらをみるククールがゼシカには泣きそうに見えた。 「薬草ありがとう、ほんとにありがとう。ゼシカにお礼まだ言ってなかった」 手袋を外して、ゼシカの涙をぬぐった。だが、荒れる気持ちは一向に収まらなかった。
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ダムド達が残した跡を目印に走る望だったが、ダーク・ネフティスが急降下してストップをかけた (ダメよ望!アイツらったら数が多いわ!) 「(5人ぐらいなら本気を出せば何とかなると思う)」 (ダメ、8人はいるわぁ) 数が多ければ、それだけ時間がかかり逃げる時間を与えてしまう。相手が町内でもトップレベルになりつつある 浴屋には1ターンキルを叩き込まれたが、精神を高ぶらせた本気の望ならばレアハンター程度 蹴散らすのは容易いだろう。しかしそれにも限度というものがある。銭湯のデュエリスト相手に応援を求めても いろんな意味で怪しまれるだろう。この状況を打破するにはと考えた望は 「(えっと、いったん樋道さんのところに行こう!」 (きゃーんっ欄ちゃんの所ねぇん!こんなじゃなければトロッちとお喋りしたいけど仕方がないわ) (傭兵でも集めるのか?いると良いが・・・) 「(信じるしかないよ、とにかく急ごう)」 戦況が不利と踏んだ望は一度、この町の数少ないデュエルバーmayに足を運ぶ事となった。 デュエルバーとは酒類やつまみを提供する、普通のバーにデュエルスペースを設けた デュエリストのためのバーとでも言うべき店。未成年が入るのは好ましくないのだが 欄と認識のある望は酒こそ飲まないが、つまみと炭酸水で1杯やりながら 時としてデュエリストを雇う事がある。主にレアハンターの殲滅戦のためだったり 他にも怪しげなデュエリスト、つまり邪神復活を狙う秘密結社の情報収集のためである 「こんばんわ欄さん、席開いてます?」 「あら望君?こんな時間に珍しいわね何時ものでいい?」 「ジンジャーエールがあったらお願いします」 「あら珍しい」 欄にオーダーするついでに、他の席を見るがどうやら戦いの基本の倍で殴り返すには 届かず3人しかデュエリストがいなかった。だが贅沢は言っていられない 1日もあればブリューナクは売られてしまうかもしれないからだ。 はたして風邪の時のショウガ湯と同じ原理で暖かくなるかは、極めて微妙だが どうせオーダーするならとジンジャーエールを頼み、軽く一口すると 「(ナッツかディップでも頼めばよかった)あちらの方にオーダーを頼めます?」 「・・・分かったわ」 サーモンやチーズのディップとクラッカーを、他のデュエリストにオーダーする 子供の望が依頼を仲介してもらうためにする行動で、常連客ならば この意味をよく知っており、欄がメニューを運ぶと軽く頷き リーダー格の男が望の隣に座る。終園家の者である望はいくら少年といえ 大事な客でもあり将来のラインになりえると考え、馬鹿にせず真面目に取り合ってくれるのだ。 「坊主、内容は?」 「レアハンターグループです、今から奇襲をかけてください」 「数は?」 「情報では8人です。依頼内容は他言無用です」 「おいおい随分な数じゃねぇか」 「皆さんレアハンターなんかに負けると思ってません。報酬はきちんと払いますですから・・・」 「依頼主みてーな言葉遣いしおってからにこいつめ。大人をその気にさせるのが上手いぜよし乗った、報酬は何時もどおりだ」 祈るように、不安げに見上げる望が男の本能を擽ったのだろう。 男がワイングラスを差し出した、これに自分のグラスを乾杯することが契約成立の合図であり 望がジンジャーエールのグラスをカチンっと当ると、男は早速立ち上がって 奥の席で飲んでいた男たちに依頼内容を話し、襲撃ポイントを確かめると 男たちは一度デュエルバーmayを後にした。望もジンジャーエールを飲み干して 辛いのを我慢してお代を払おうとサイフを取り出すため、コートのポケットに手を突っ込んだ 「まだジンジャーだけは早いんじゃない?」 「あっすいません・・・」 「未来の常連さんだからね、サービスしなきゃ」 差し出されたチョコレートと牛乳を口に含み、落ち着いたようにすると今度こそサイフを取り出し 本来メニューには存在しない、子供料金分のお代を取り出し確認してもらい そのまま外に出ようとしたが扉の前で立ち止まり、くるりとまた欄のほうを見た。 「お願いがあります、ここにきたことは内密に」 「心得てるわ」 「これからもよろしくお願いします。ご馳走様でした。」 (望、湯冷めは身体に悪い早々に終わらせるぞ) こうして望のレアハンター殲滅作戦が始まるのだが、それを見る影が一つ望の後ろにあったことをまだ彼は知らない 男たちは一足先にレアハンターアジトに到着して早速レアハンターの青年たちを蹴散らしていた。 「いけ!究極強獣!ビッグバンアブソリュートパワーバイト!!」 「お、俺の千年の盾とラビリンスウォールが!!」 所詮は相手を選んでアンティか、それか窃盗でレアカードを巻き上げるレアハンター 本場のデュエリストに勝てる要素などなく、突然の事なのでプレイングが無茶苦茶になるものが続発し レアハンター殲滅作戦が開始されて早10分、本拠地であった、路地裏の廃墟は大混乱となった。 「レインとレビュアタンでダイレクトアタック!究極魔轟暗黒殺!!」 「な、何でだ!何で激流葬もミラーフォースも発動したのに!なんで死なないんだ!?」 「そちらの手札は2!私の手札も2、ユニコールが存在する限り私の神は無敵なのです」 またレアハンターを光と闇の悪魔の波動が貫き、ライフポイントを奪い取る 怪物的な実力差に怯むレアハンターの青年たちだが、負けて捕まるかと立ち向かうも 「高等儀式術発動、デッキの甲虫装甲騎士2枚を生贄に捧げジャベリンビートル召還、さらに墓地の昆虫族を除外してデビルドーザーを」 「も、もうイヤだやめてくれぇ!」 「くそっ何でいきなり・・・」 戦っている下っ端ではその勢いを止める事もできず、このままでは全滅の時間の問題だろう。 リーダー格と思われる人物は、最後尾からゆっくりと後ろに下がり夜の闇に紛れ 路地裏に逃げ出した。フードを被っているためか顔は見られておらず 「アイツらに闇のゲームの力をかけたし、目が覚めたころには私のことはキレイさっぱりか」 闇のゲーム、つまりこの人物が福本の倒したレアハンターに罰ゲームをかけた張本人なのだ。 一人だけここから逃げ出そうとしているようだが、それをまっていたと 闇の中から、小さな人影がゆらりと現れる。まるで死神のそれのように 「!?っなんだ子供か・・・」 だがその人影の正体が分かるとそのまま走り抜けようと、また走り出す 逃げ切れた、そう勘違いをしながら。 「あなたがブリューナクを盗んだ犯人ですか?」 デュエルディスクの光と、展開音が闇夜に無機質に響き拡散し、不気味さを運ぶ。 ギクリとして足を止めたレアハンターは、振り返りデュエルディスクをかまえる 「レアハンター狩り?ミイラ取りがミイラになるって言葉知ってる?」 「ブリューナクを盗んだか聞いてるんです」 「だったらどうする?」 強気でデュエルディスクを展開し、余裕を見せるレアハンター 自分を止めに来たのが少年で安心したのだろうか?それとも 「取り返します」 「ナマ言うなガキ!」 「「デュエル!!」」 相手の威嚇を気にせず、望は先行宣言しドロー、手にしたカードを見て デュエルディスクに引いたばかりのカードをセットする。 「終末の騎士を召還、デッキからネクロガードナーを墓地に落しカードを2枚伏せてターンエンド」 これで望の墓地はネクロガードナー、フィールドには終末の騎士と伏せカードが2枚といいスタートを切る だが相手は不適に笑い、一つ目のような金色のペンダントを取り出す。それはデュエルとは関係ないが デュエルを変化させてしまう力の証。デュエルを過酷なゲームへと変貌させるアイテム 「サレンダーするなら今のうちだよ!」 「しなければどうすると言うんですか?」 「ガキがしゃしゃってんじゃねーよ!」 その威圧が暗闇を、異質な気色悪い黒で尽くし景色をゆがめていく。闇のデュエルそれは 敗者の精神を蝕む危険なゲーム、福本の倒したレアハンターの意識を奪った力である 「これは・・・」 「闇のゲームの始まりだ!泣いても遅いよ!」 闇の力の余波でフードが外れると、相手は女性デュエリストだったらしく10代後半ぐらいだった。 そして彼女は挑発するようにフードが外れたのに気にしない理由を話し始める。 「何でフードを外したか分かるか?お前は負けて私のことを忘れるからだよ!」 「初めから闇の力を持っていたと思えません、そのアイテムはどこで?」 「テメッすまし顔すんな!キラートマト召還、終末の騎士に攻撃だ!!」 終末の騎士とキラートマトは攻撃力こそ同じだが、キラートマトは戦闘で破壊された時にデッキから攻撃力1500以下 そして闇属性のカードを召還する特殊能力が存在する。これにより望だけが一方的に終末の騎士を失い フィールドのカードを失うこととなるのだ。しかし望もそれを許すほど甘くはなかった 「速攻魔法収縮!」 「何っ」 突撃してきたキラートマトがだんだんと縮み、最後には終末の騎士の足元で跳ねる程度の大きさになってしまった。 速攻魔法収縮は名のとおり相手を収縮する魔法カード、これにより攻撃力が半分になったキラートマトを 終末の騎士が突き刺すと、血にも似たトマトの汁が終末の騎士の刃にこびり付いた 「くそっ米版キラートマトが!けどデッキからレベルスティーラーを召還」 キラートマトの汁が大地に吸い込まれ、その跡から何かが這い出てきたかと思うと星を背負った 天道虫のようなモンスターだった。貧弱な攻撃力で攻撃表示にするには危険極まりない そんなモンスターを呼び出して何をするつもりなのか、それはまだ不明である。 「カードを3枚伏せてターンエンド!」 「ドロー・・・僕はダークグレファーを召還します」 そして現れたダーク・グレファーは攻撃力1700の攻撃的なモンスター。このカードと終末の騎士の攻撃が通れば 相手に大ダメージを与える事が可能だが、望は相手の動きにイヤな予感を感じていた。 「(おかしいキラートマトからキラートマトでもいいはずなのに・・・)」 そう、相手のターンの攻撃に備えキラートマトを呼び出し、少しでもダメージを減らしつつデッキを圧縮 レベルスティーラーの流れでも良い筈なのだ。つまりこれは伏せられた3枚で何かをするという 相手からの誘い・・・望はそう判断すると、残り3枚の手札と相談するそして 「終末の騎士を守備表示に変更、僕は手札からナイトエンドソーサラーを捨ててデッキからレベルスティーラーを墓地に」 ダークグレファーは攻撃力だけではない、手札のレベル5以上の闇属性モンスターを墓地に送り自分を手札から特殊召還 そして手札の闇属性モンスターを捨てて、1ターンに一度だけデッキの闇属性モンスターを墓地に落せるのだ。 これにより望の墓地のモンスターは3体そろい戦線が整いつつあった。だが伏せカードに対してのアンサーがまだ存在しないため 「永続魔法、漆黒のトバリを発動そして・・・ターンエンドです」 「ビビッて攻撃できなかったな!私のターンドロー!」 望はターンを終了しなければならなかった。だが発動した漆黒のトバリは後に大きな活躍をなす そして相手のターン、ここで相手は引いたカードを早速手札から放った。 「メインフェイズ!キラートマト召還そして・・・サイクロン発動!!」 「くっ闇霊術「欲」を発動!」 サイクロン、あらゆる魔法罠1枚を破壊する汎用性の高いこのカードに狙われた、裏側カードを無駄にしないため 望はそれを発動して終末の騎士を生贄に2ドローの可能性を得た。だがこのカードは魔法カードを相手が見せると ストップしてしまう博打的な一面も存在する。だが相手はカードを使いすぎて手札が殆ど存在しない、そして 「モンスターを自分から破壊しやがった・・・くそっ魔法が!」 「魔法カードを見せないなら2枚ドローします」 「レベルスティーラーを守備表示、ターンエンドだ」 「ドロー・・・プリーステスオームを捨てて、もう1度ドロー・・・今度はダーククルセイダーを墓地に送りドロー・・・ここで終わりです」 漆黒のトバリ、それはドローしたカードが闇属性だった場合にそのカードを捨てて再びドローを行う夜を遮る 夜の証。これにより望の墓地はさらに増えるのだが、レアハンターは笑い始めた 「んだよ、もしかして手札事故か?」 「僕は手札から闇の誘惑を発動、2枚カードをドロー・・・コストとしてDDクロウを除外します」 「死んだな、DDクロウ捨てなきゃいけないくらい手札がないみたいじゃ」 クククっと笑う相手を気にせず、望は墓地のカード枚数を確認する。6枚そろった墓地のカードに 何かを感じるがまだ時間じゃないと、次に行った行動はまた墓地肥やしであった。 「ダークグレファーの効果発動、手札からレベルスティーラーを墓地に送りデッキから・・・しかたがない、バトルフェーダーを墓地に」 「おいおいサレンダーしたほうが良かったな?」 バカかと言いたげにヘラヘラとするレアハンターだが望は表情を崩さない。 「さらにダーク・グレファーでレベルスティーラーを攻撃します、ダークスピリットスラッシュ!」 「させっか!炸裂装甲で吹き飛ばしてやる!!」 攻撃モンスターを吹き飛ばす罠カード炸裂装甲、そのまえにダーク・グレファーは吹き飛ばされ消滅してしまう やはりかと苦い顔をした望だが損失を嘆いてばかりもいれず、モンスターカードと魔法罠カード1枚を伏せターンを終了する 「どうすんの?サレンダーしても死ぬよ?」 「・・・」 勝てると踏んだか、彼女はさらに強気になり脅すようにゲラゲラと笑っていた。 そしてラッシュをかけるべく手札からカードを召還する。 「アポピスの化身を発動!さらにガガガマジシャンを召還!」 ガガガマジシャン、そう呼ばれたモンスターカードは魔法使い族にしてはガラが悪いまるで不良のようなカードだが このカードには他のカードには無い、特殊効果が隠されていたのだ。だがそれはまだ明らかにならず それよりも早く、裏側カードへの攻撃が始まろうとしていた。 「バトルフェイズ!ぶっ潰せアポピスの化身!ガガガマジシャン!」 まずアポピスの化身の剣が裏側カードを破壊する。真っ二つに引き裂かれ破壊されたカードの正体は・・・ 「ジャイアントウィルス効果発動、戦闘破壊をトリガーに効果発動!」 「キラートマトと同じリクルーター!?ぎゃあっ!」 「デッキから同名カードをフィールドに特殊召還して、500のダメージを与えます。」 破壊されたジャイアントウィルスは、レアハンターに取り付くとダメージを発生させ 2体に分裂して望の前に現れる。ダメージとリクルーター効果の2大効果 だがジャイアントウィルスは攻撃表示で特殊召還されてしまう つまりガガガマジシャンの攻撃が通れば、望へとダメージが発生するのだ。 「やれガガガマジシャン!ダメージなんざこの際受けてやる!」 「攻撃対象になったジャイアントウィルスに対して罠カード発動!闇霊術「欲」」 「またかよドローしろよクソが!!」 再び望が2枚カードをドローするが、どのみち巻き戻して再びジャイアントウィルスに攻撃が放たれ望のライフは500削られることとなった さらにまだキラートマトの攻撃も残っている。これで1900もライフを削られた望は大ピンチを迎えることとなる フィールドには漆黒のトバリが1枚、手札は3枚。そして相手のフィールドにはモンスターが3体もいる。 「私はカードを1枚伏せてターンエンド、さぁどうするよ?」 「ドロー・・・メインフェイズ、僕は終わりの始まりを発動します。」 「あ?」 終わりの始まり、それは墓地の闇属性が7枚以上あるときに5枚カードを除外して3枚カードをドローする 強力だが扱いの難しいドローカード、このカードは使いづらいのだが望はカードを貯めに貯めて 12枚もの闇属性モンスターを墓地に存在させているのだ。流石にこれには相手も胡散臭さを感じ始める。 「(何だアイツ・・・まさかエクゾディア!?いやそんなはずないあんな超レアカード・・・)」 「除外するのはグレイブスクワーマー・プリーテスオーム・ダーククルセイダー・終末の騎士・ダークグレファーです」 「いいよ、思う存分ドローしてデッキアウトしろよ!」 これで5枚になった望の手札から、レアハンターは自分の死期が目の前に迫ったかのような寒気を感じた。 まるで自分の闇のゲームの力と自分の命、一緒くたに奪われてしまうような それを闇のアイテムが知らせたように思えたが、相手のフィールドはがら空き 何が出来るというのか。気のせいだと不安を切り捨てたが 「墓地の闇属性は5体以上!これにより僕はダーククリエイターを特殊召還!」 望のがら空きのフィールドに舞い降りた、闇よりも暗き漆黒の創造主「ダーククリエイター」 ダークモンスターの一人である彼の能力はフィールドにモンスターが存在せず 墓地の闇属性カードが5枚以上存在する場合にのみ舞い降りる、終焉の果ての世界の創造主たる効果 「攻撃力2300のレベル8!?」 「墓地のジャイアントウィルス2枚を除外、ダークネフティスを手札から墓地へ!」 そして創造主に続き、来世を約束されしカードが一度、死の世界へと舞い降りた ダークネフティスは墓地の闇属性カード2枚を除外して、墓地に舞い降りる 風変わりな効果を持つが、その効果は来世を約束された復活の効果である。 「墓地のレベルスティーラー2枚を特殊召還!!これで墓地は3枚!」 荒廃した大地に下りたダーク・クリエイターが、両手に己の位を表す星を二つ出現させるとその星がだんだんと 虫の形を取る。創造主の手から舞い降りた最初の命。レベルスティーラーは墓地に存在する時 レベル5以上のカードを星を一つ食らい蘇る効果を持っているのだ。 「そして墓地のカードが3枚の今、ダークアームドドラゴンの召還条件が満たされました」 そして次に現れたのは暗黒の武装竜。ダークアームドドラゴンである効果は墓地の闇属性カードが3枚のみ その特殊な条件をクリアしたプレイヤーのフィールドに特殊召還されるというもの 難しい条件だが、溜まった墓地をこうして調整すれば不可能ではないのだ。 「僕は全てこれを特殊召還した、つまり通常召還が残っているレベルスティーラー2枚を生贄にダークホルスドラゴン!」 そして止めと言わんばかりに、現れたのはダークホルスドラゴン。このカードは自力で特殊召還する方法がないが 相手の魔法が発動する度に墓地のレベル4の闇属性を復活させる魂を操り魔法を制する力を持っているのだ。 「ざ、ざけんな!?最上級がこんなポンポンでるかよ!?」 「ダークアームドドラゴンの効果発動、ダークネスギガパイル!三連続発射!!」 狼狽するレアハンターを無視して、ダークアームドドラゴンの効果が発動する。このカードの効果は墓地の闇属性を除外して 相手のカード1枚を粉砕するという、無慈悲なまでに凶悪な破壊効果でありレアハンターの伏せた 炸裂装甲・マジックシリンダー・キラートマトが発射されたドリルに粉砕され、レアハンターのフィールドには アポピスの化身、そしてガガガマジシャンとレベルスティーラーが残されるだけとなった。 「ひっ!?」 「僕は・・・カードを1枚伏せてターンエンドです」 だが望はターンエンドを宣言してしまった。このまま行けばレアハンターのフィールドを壊滅できたというのに これを見たレアハンターは、舐めてるのかと腹を立たせた後、最後に伏せてあったカード それを警戒したのだと、笑いがこぼれる。はたしてそのカードの正体とは? 「私のターンドロー!ガガガマジシャンの効果発動!レベル8にして手札からアドバンスドロー!」 「ガガガマジシャンの効果はレベルの倍化だったのか・・・」 「どんなレベルも自由自在、シンクロに使えなくてもこれならなぁ!」 レベル8のモンスターを素材に、カードを2枚ドローするアドバンスドローは通常では使い勝手が悪いが レベル4の性能のガガガマジシャンならば、失っても大きな損失とならないのだ。 「さらにアポピスの化身を伏せてたマジックプランターの素材に・・・よしよしよしよし!!」 そしてブラフとして伏せられていたカード、マジックプランターが発動して毒々しい色の鍋の中にアポピスの化身が 落ちて2枚のカードとなり浮かび上がる。このカードは発動している永続罠を生贄にカードを2枚ドローするのだ。 こうして増強されたレアハンターの手札。それを見てレアハンターは逆転の可能性を見つけたようだ 「私は深海のディーヴァ召還!効果でデッキからニードルギルマン召還!」 そして現れた深海のディーヴァ。このカードの効果は召還時にデッキからレベル3までの海竜族を召還する このカード自信もチューナーなのでレベル5までシンクロ召還が可能となる。だが彼女のフィールドには レベルスティーラーが、そうつまりレベル6までのシンクロ・・・ 「レベル2深海のデーヴァにレベル3ニードルギルマンとレベル1レベルスティーラーをチューニング!!ぶっ潰せブリューナク!!」 「・・・」 「最高だよこのカード、売らずに私の代名詞にでもなってもらおうじゃん!」 ブリューナクがシンクロ可能となるのだ、レアハンターの手札はまだ4枚、望のフィールドのモンスターたちを一掃して 止めを刺す事も可能なのだ。突如として現れたこの大型モンスターにはたして望は・・・ 「(こいつで3発効果を叩き込んでも釣りがくる!勝った!!)手札を3枚墓地に!!消し飛べ闇ヤロー!!」 3枚のカードを墓地に送り、ブリューナクがその息吹を放つとダークモンスターたちが氷結し無残にも 巨大な氷の塊と化し、打ち砕かれ原初へと返される。これにより望のフィールドはモンスターがゼロ となるはずだった。だが打ち砕かれたはずのダークモンスターたちが手札に存在しない それどころかフィールドから離れていないのだ。ショックで動けないのかと笑うレアハンターだが 「あれ?」 (小娘、幻影を相手に喜ぶのは、滑稽という物だ) 「え?」 レアハンターの耳元で誰かがささやくと、ブリューナクの後ろにいつの間にかダーククリエイターが立ち その首を握っていた。何が起きたか分からず慌てふためくレアハンターに望は伏せていたカード見せる。 「カウンター罠「闇の幻影」闇属性に対する対象を取る効果を無効にして破壊します」 「なっ」 (というわけだ小娘) パキパキと氷が割れる音、ブリューナクの身体がガラスのようにひび割れ、氷のように砕け散った。 ここにきてレアハンターはようやく事態を把握したのか、必殺の逆転手段を破壊されて慌てふためく。 だが彼女には2枚の手札が残っている。それが落ち着きを取り戻させ、敗北を忘れさせた。 「よかった、ブリューナクは本当に売られてないみたいで」 「くそっカードを伏せてターンエンド!(ミラフォ・・・こいつでぶっ壊して)」 「ドロー・・・」 彼女の伏せたミラーフォース、それが発動すれば望のフィールドを消し飛ばすことができる そう思っていたのだが、再び耳元で誰かがささやく (そんな悪いカードは壊しちゃいましょうね☆) 伏せてあったはずのミラーフォースが黒炎に焼かれ消し炭に姿を変える。望が先ほど墓地に送ったダークネフティスだ ダークネフティスは自身の効果で墓地に送られた場合、次のスタンバイフェイズで復活する転生の能力 そして特殊召還を引き金に、魔法罠を1枚破壊する特殊能力を持っているのだ。 「う、嘘だ・・・」 「先ほど、僕がトバリで落したカードを覚えてます?」 「な、何!?」 「僕は先ほど終焉の王デミス・トライホーンドラゴン・闇より出でし絶望を墓地に送りました。これで墓地は5枚」 「5枚・・・はっ」 「貪欲な壺発動!」 相手に確認させると、トバリで落したカード郡と生贄に使用したレベルスティーラー2体をデッキに戻し ディスクのシャッフル機能でデッキがシャッフルされる。ダークモンスターとの相性が悪い貪欲な壺だが 望のデッキにはそれを承知でこのカードが組み込まれている、その理由は高等儀式召還術に唯一対応する トライホーンドラゴンやデミスの回収、ジャイアントウィルスをデッキといったものである。 「て、てめぇ・・・」 「本気で行きます!高等儀式術発動、デミスを選択しデッキからトライホーンドラゴンを捧げます」 そしてドローしたカード、高等儀式術と終焉の王デミスによりデュエルの終わりが始まる 「終焉の君が下に命ずる汝、我が前に立ちふさがる悪の終焉なり!儀式召還!!」 辺りを包んでいた闇が形を変えていく。まるで王の降臨に跪きそれを待つかのように 闇が引いていく。変わりに世界を包み込むは青い終末の波動。まるで世界を止めるように 広がり闇のゲームを別の何かにしてしまう。事態の変化がつかめず もはや心ここに在らずなレアハンターはただ、彼の地より出、終焉の王の降臨を待つしかなかった。 「終焉の王デミス!!」 「てめぇ最初からブリューナク対策で・・・」 「それもあります、けれど貴女に聞きたいことがありました」 追い討ちのように現れたデミスに、最初からこれが狙いだったのかと、狼狽するレアハンター その答えに望は頷き、そしてもう一つの狙いを話し始めた。 「その闇の力をどこで?」 (女、とっととしゃべらねーとぶっ殺す!) 「も、モンスターが喋った!?」 (あらぁ?闇の力があってモンスターが喋ることが出来ないなんて、そんなことないわよん?) ダークアームドドラゴンの苛立ちの声と、モンスターが喋った事実に腰を抜かすレアハンターに ダークネフティスが口元に手をやりクスクスと笑ってみせる。 この終焉の力が支配した空間では、モンスターが喋るなど容易いことなのだ。 (その力は本来、おぬしが持つべきではない外道の術だ) (簡単に言えば邪悪な力、そのうち身を滅ぼしかねないぞ) 「わ・・・わわわ・・・」 デュエルフィールドは終焉の世界に引き込まれ、あたりの建物などは一見すれば何時もの物だが そっくりな別世界であり中には誰も存在せず、モンスターがそれを壊そうと誰も困りはしない。 ダムドが先ほどまでのレアハンターのように言葉で脅し、壁を壊し力で威圧する ダーククリエイターはビルの屋上で腕組をして見下し。周りをダークネフティスが飛び回る レアハンターの精神が削れ始めたので。ダークホルスとデミスは情報のため特に何もしなかった 「教えてください、その力はどこで?」 「し、知らないよぉ本当だよ勘弁してよぉ」 (そんなはず無かろう?それをどこで拾ったかだけでも教えてくれないか?) 「邪神がどうとかいう変なのがこれ渡して!それ以外知らない!!」 邪神、それしか分からないが相手がこれ以上嘘を言えるはずも無い ガタガタと持っていた金色の眼がついた首飾りを差し出し、倒れそうなレアハンターに ダムドは納得が行かないのか、尻尾を回転させて道路を粉砕する (嘘付け!!他にもあるだろ!) 「ひぃっ本当に知らない!知らないってば!アジトに突然やってきてそれで渡されただけなんだって!」 (シラを切るなら・・・) 「わぁあああ!!」 「や、やめてダムド!本当に知らないんだよ下ろしてあげて!」 (だが望よ、こいつぁレアハンターだぜ?) ここまで傷つけるつもりが無かった望は、ダムドが強硬手段に出ようとして血の気が引いた 届くはずが無いが、ダークアームドドラゴンの手に背伸びをしてジャンプをして 必死に止めようとする。望の行動に仕方がないとダムドも渋々レアハンターを地面に下ろした。 「す、すいません・・・」 「命だけは勘弁してもうレアハンターなんてしないから!!」 「あ、あの・・・」 「うわぁあもうやだぁあああ!!」 うずくまって泣き出したレアハンターに、あたふたとするしかできない望の変わりにデミスが前に出て まずレアハンターの闇のアイテムを握りつぶし、残っていた闇の力を終焉させる。 ただの人間に戻った後、この世界のことを覚えていても、不幸になるだけだろうと デミスがレアハンターの頭に手をかざす、この動作にレアハンターは泣き喚きながら命乞いをするが 「うわぁああ勘弁して!!殺さないで!!」 「ここであったことはこれで終わりだ、もう悪さはしてくれるなよ?」 そして青いオーラがレアハンターの目前に迫ると、レアハンターの意識は段々と闇の中に落ちていく 眠りについたレアハンターからは、このデュエルの記憶は全て消え、闇のゲームの記憶も消えている これがデミスの言う終わりで、この終焉の世界でのデュエルも終わりを見せ、辺りが下の世界へと戻っていた。 「必要以上に怖がらせちゃったね・・・」 (気にすんなよ、あのビビリようじゃマジで知らないみたいだが) 「もうっやりすぎだよ!!ダムド今度からあんなことしちゃだめだよ!」 (いくらデミス召還のためでも、バカにされてカチンと来てたんだよ反省するよ・・・) (んもう、ダムやんってば怒りん坊ねけど若いうちはそんなものね) 本来ならば、デミスが出る前のターンにレベルスティーラーを弾丸にすればレアハンターのフィールドは壊滅 勝利できたのだがブリューナクの確認と、切り札の召還で確実に仕留める攻撃力のために 望はあえて1ターンだけ待ったのだ。今回のレアハンターの予想以上の怯えように 罪悪感を感じ、ごめんなさいと眠るレアハンターに手を合わせる望だったが、罪悪感に浸ってばかりもいられない (望よ囚われた氷結界の竜を取り戻さねば) 「あっそうだった、他に盗まれたカードがいないか聞いてみて皆」 こうして盗まれた、奪われたカードの救出が開始されつけていたフード付コートから、無数のレアカードが出てきて 骨が折れると頬をかいた。その数はざっと50枚はありバランスを考えなければ デッキが作れてしまうほどだった。デッキケースに入るか考えている望に一部のカードの精霊が顔を出し (あの、知らぬお方ワシらは遠い場所から来たんじゃ帰りたいが・・・) 「デュエリストの名前を教えてください、きっと送り届けますよ」 (望・・・いや、彼の家の力ならば名前だけでも送り届けることも可能だろう。) 終園家の力を使えば、家の分からない迷子の精霊を持ち主の家に届けるなど容易いことなのだ。 それをデミスが説明すると、精霊たちは安心したように喜びの声を上げて出てくる 一安心かと微笑を零す望だったが、ダーククリエイターが何かに気づく (望、見られてしまったようだ) 「えっ」 「こんばんわボウヤ、お疲れ様」 「ち、近神さんっ!?」 驚きで腰を抜かしかけた望むに、そんなに驚かなくてもと苦笑いをする女性 近神弓奈、リチュア使いであり快楽主義の彼女に どこからかを見られてしまったのだ。面倒な事にレアハンターが倒れている この場面を見られたという事は、胡散臭いと思われても仕方が無い状況 「こ、これはですねその」 「ブリューナク、返すのにボウヤの手からじゃ気まずいとおもうんだけど?」 「あの、この事は・・・」 「楽しそうだけど、何かありそうだし黙ってあげる。」 この一言に、ほっと一息をつく望だが安心してばかりもいられない。とっとと帰らないと また誰かに目撃されかねないからだ。近神の言葉を信じここから立ち去ろうとするが そのまえに、近神に美影のブリューナクを手渡した。 「これ、よければ美影さんに・・・」 「私が?」 「女の人同士だから、上手い言い訳も近神さんなら出来そうですし・・・」 胡散臭い近神は、この手の不思議な現象があっても「近神だから」と思われることも多い 分かったわとブリューナクを受け取ると、望は路地裏から廃墟に戻っていく リーダー格の女性の引渡しなどを任せて傭兵デュエリストたちに、報酬額などを再確認して 望は足早に帰っていく。家に帰ってからカードたちの身元を聞かなければいけないが何より 「どうしよう!!お皿も洗ってないしお風呂も掃除してないよぉ!」 非常にらしい問題を解決せねばならなかったからだ。 「さて、これで聖ちゃんの楽しいことをもっと楽しくしようかしら・・・」 近神がブリューナクに軽く口付けすると、なにやら企んでいる様だはたして何を企んでいるのか・・・ 続くそんなデュエルしないSSおまけ
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「ちくしょう、次があったらまた来てやるぞこんにゃろー!」 ‐ある来場者(27歳・男性)の叫び‐ さて、農業博覧会だ。 たまの休みに家族サービスのひとつもしないでいると、カミさん(2●歳)から「それって父親としてどうなの」いう視線がやんわりと突き刺さってくるので、こんなところに来ていたりする。 さすがにNW中から出展者参加者を募っただけあって、広い会場のあちこちから賑やかな声と水が焼ける音、甘芳しい香りにスパイスの効いた食欲をそそる香りやらが溢れかえっている。 そんな中、最近「お母さんに似てきたわね」とご近所に評判の娘(7歳)は、先ほど平らげたマンゴープリンで口の周りをベタベタにしながら、地鶏の串焼きを両手に装備してご満悦な様子だ。 なるほど、確かに似てきているかもしれない……いてえ、脛を蹴るな!脛を!てか俺の心を読まないでください! ‐ 一方俺はカミさんの買い物の品を次から次へと抱え込まされているので絶賛空腹中だ。 くそ、さっきから顔の横に挟んだ箱がガサガサ動いてる気がするんだが、まさか生きてるんじゃねえだろうなこの海産物め。 背中に背負った籠には、もう何が何やらと言う状態で野菜と果物がぎっちり詰め込まれていやがる。 いくら美容効果もあると言っても、食べた分は動かないと体重はふえイデデデ耳を引っ張るな引っ張らないでくださいあだだだだ! ‐ 周りに目を向けて見ると家族連れやカップルから、友人同士の集まりらしい集団がいくつも見える。 最近はどうにもお祭りごとを楽しむ気分にはならなかったが、やはり来てみると自然と気分が上向くようだ。 家に帰れない日の分もあるし、今日位は振り回されるのもいいかもしれないな。 いつも振り回されてるんじゃないのかとは言わないでくれ、ちょっと泣きたくなるから。 ‐ さて、ところで先ほど言ったように俺の両手は荷物で塞がっていて自分では物を食えない。 その窮状を訴えたところ、カミさんが「じゃあ私が食べさせてあげます」と言ってフルーツの盛り合わせ(カクテル風)から一つを摘み上げて俺の口元に持ってきた。 オーケイ、状況を整理しよう。 ここは品評会?会場人ごみど真ん中、そんな中を歩きながらいわゆる「はい、あ~ん(しかも指で)」をしてくださると仰られるのですこのお方は。 付き合い始めた頃にやってみて以来、恥ずかしいですから、と言って普段家でもしてくれないくせに何で今だよ! ちくしょう、ああ食うさ食うとも!腹減ってんだ!カミさん愛してるんだ! なんで拍手してやがるギャラリーども!そして煽らないでくれ娘(7歳)ええええ!!!! そしてそんなこんなあって、俺の我ながらよく分らない捨て台詞を残し、我が一家は家路に着いたのであった。
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生徒会SS 生徒会SSあっちん・T・アキカン あんかけ 死怒美洒巣 スカラ・カーン 猪狩信吾1 猪狩信吾2 あっちん・T・アキカン 希望崎学園の校舎から少し離れたところにある小屋。 そこに向かってピョコピョコ駆けていく者(物?)がいる。 それは扉の前まで到着すると、必死でジャンプする。 体長約20cm。それでも取っ手に届くのだからたいしたもんだ。 だが、それが限界だった。 ぶら下がりながら足をばたつかせる。 “コンコンコン・・。” 「ん?あぁ、ヤツが来たみたいだな。おい、開けてやれ。」 “ぎぃ~っ” 「よう、よく来たな。今日はどんな指令を預かってきたんだ?」 「ち、違うメカ。今日は個人的に来ただけメカよ。」 「はぁ?何しに?」 「何しにって・・。明日はついに決戦メカよ~!!」 「おいおい、まさか参加するつもりかよ。」 「あんたは役立たずなんだから、お家に帰りな!!」 「そ、そんな冷たいこと言わないで欲しいメカ・・。あたちも仲間メカよ。」 「仲間じゃねぇよ!!」 「お前はただの“あの御方”からの使いだろ?せっせと伝言だけ預かってくればいいんだよ。」 「で、でもこの日のためにパワーアップしてきたメカよ。腕立てと腹筋も毎日忘れずにやってるメカ・・。」 「へ~、どうパワーアップしたって?」 「おい、もう、こんなのに構うなよ。作戦会議しよ~ぜ。時間の無駄だ。」 「いいから聞くだけ聞いてみようぜ。きっとおもしれ~から。」 「よくぞ聞いてくれたメカ。まずは王者の剣メカ!!」 「そして、これが光の鎧と勇者の盾メカ!!伝説の勇者が装備していたものメカよ。ゾーマだって倒せるメカ。」 「え・・・?プッ・・。マジで言ってるの?ぎゃははは・・・!!!」 「腹痛ぇ~よ!!」 「ちょっ!!おまっww これ、折り紙じゃん。」 「ちょっと貸してみ? ほら紙飛行機になったぜ。」 「お!俺にも貸してくれよぉ。」 「あ・・、投げちゃ駄目メカよ~。一生懸命折ったメカ。あたちの大切な武器メカ~。」 ・・・・・。 「あ~ぁ、破れちまった。ほら、返してやるよ。ビリビリになったけど」 「うん、それと戦力外だから。さっさと帰ってくんないかな?迷惑なんだけど。」 「あ・・あぁ・・グスン・・。あ・・あたちも皆の力になりたかったメカ。一緒に番長Gを倒したかった・・大切な仲間になりたかった・・・メカ・・よ。」 「あ・・明日の決戦・・がんばって下さい・・メカ。・・・・陰ながら、応援・・しているメカ。」 トボトボとゆっくり外へ向かう。涙すら出てこない自分の体の構造を呪いながら・・。 「ふ~、あぶねえ。あんなのが参加してたら番長Gに舐められちまうよ。」 「あれ?あいつの後ろに何かくっついてないか?手紙みたいの。」 「あ、本当だ。」 “ピリッ” 「ん、どれどれ? おぉ、あの御方からのメッセージじゃんかよ。」 『新生徒会諸君!! 私は貴殿らを誇りに思う。私が援助を申し出てから、約一年。貴殿らの努力結果、憎き番長Gと対抗できうる組織を作り上げてくれた。明日の最終決戦に私が参加できないのが非情に残念だ。その代わりと言ってはなんだが、一つ兵器をプレゼントさせて欲しい。明日の決戦に非常に役に立つものだ。この手紙を貼り付けておいたアキカンの中にそれを入れておいた。おっと、今開けてはいけないぞ。裏に取り扱い説明を付けておいたから、良く読んでおいてくれ。 それでは貴殿らの勝利を祈っている。 Kより』 「お、おい・・。ちょっと待て!!」 「やっぱり、アキカンちゃんの力が必要かなぁ~って思ったりして。えへへ」 「え?ほ、本当メカ~!!」 「う、うん・・。お前がいないと勝てないかなぁって。な、なぁ、そう思うだろ?」 「え?お・・おう。俺は最初からアキカンの力が必要だと、うん、思ってたぜ!!」 「さっき、折り紙壊しちゃって・・その、ごめんなさい。」 「あ、気にしてないメカよ!!それより仲間と認められた方が嬉しいメカ!!明日はこの破れた紙飛行機で戦うメカ。友情の証メカ!!」 「そ、そっか。・・じゃあ、俺らは作戦を詰めるから、アキカンはもう帰って休んどきな。明日に備えとくんだぞ。」 「はいメカ!!今とっても幸せメカ。こんなに優しくされたの生まれて初めてメカよ。」 「明日は番長Gをメッカメカにするメカよ~!!!」 「お、おうよ。じゃ、明日な。転んで体に穴を開けたりすんなよ~。」 「もちろんメカ!バイバイメカ~。」 「ふ~、帰ったか・・・。」 「しかし、コタ・・いや、“あの御方”もとんでもないものをくれたなぁ。」 「あぁ、だが、使い方次第で強力な武器になることは間違いないな。くくく・・。」 「あいつも可哀相なヤツだよな~。ま、アキカンだから仕方ないか。」 「今幸せみたいだし、他のアキカンに比べたらマシなんじゃね?」 「そっか~、そうだよな!! ははは・・・!!」 あんかけ 「このトロトロ感は、期待できますね~。温度も34℃。一番リラックスできる温度です。・・・さて、肝心の部分は・・。うん、この粘り具合はいい!!さらに優しく循環し、最適な圧力で包み込む・・・。完璧です!!」 あんかけは満足していた。今までの研究の成果がついに最終段階まで進んだのだ。 「で、では早速、自分の体で実験を・・。」 小麦粉が部屋の中で舞い上がり、優しくあんかけに張り付いていく。それらは勢いを増し、ほど良い熱を持ちながら、ついに全身を包み込んだ。 「この体全体が浮いている感覚。そして、小麦粉に混ぜてあるアロマのかすかな香り・・。とてもよい感じです。」 「あ、ぬぉ~・・。このチ○コが吸い込まれる感覚。素晴らしい!! うっ・・。」 「あ、・・あぁ・・。らめぇ・・。そんなとこ刺激したら、らめぇぇええ!!!!」 射精と同時に小麦粉はどこかに消え去った。 「ふぅ・・。やっぱり最高だね!こんなに気持ち良いものなのに、みんなは防御能力としか見てくれなかったもんな・・。」 「でも、さすがにここまで感度を上げれば・・。グヒヒw」 「あ、そうだ。次郎丸さんと鳩子さんの分はどうしよう? 」 これは問題だった。童貞のあんかけにはサッパリ分からない分野である。 でも、女の子だけ無機質な小麦粉で包むわけにはいかなかった。彼にもプライドがある。彼女たちにも気持ちよくなってもらいたい。 ~2週間後~ あんかけは駅前の繁華街に向かっていた。 路地を少し入ったところで1軒の古い建物がある。 人目を気にしながら、あんかけは地下へと降りていった。 看板には『魔人ご用達、大人の玩具屋』と書いてあった 「おやっさん、例のもの出来たかい?」 「もちろんだ。これだよ。文字通り最新作だ。」 そう言いながら、茶色い紙袋を渡す。 「どれどれ・・。ん?どこが最新作なんだ?店に置いてある方が太くて大きくない?」 「フフ・・。これだから若い者は・・。大きければ良いってもんじゃないんですよ。大事なのはフィット感ですよ。当店の自信作です。騙されたと思って使ってみてくださいよ。」 あんかけは店から出ると、部屋に篭って、手に入れたそれの大きさや形、そして動きを忠実に観察し続けた。 そして、ついに完璧に小麦粉でコピーすることに成功したのだ。 「や、やっと全て完成した!!完全なる防御、完全なる快楽を追求した小麦粉が・・。」 ここ何ヶ月間かの研究の成果、努力の結果が今ここで発揮される!! 死怒美洒巣 「チッ・・。ヘロインが切れかかってやがる。」 手が震えている・・。 自分を「パンクの精神」と崇拝する人間は多い。 だが、この呼び名は嫌いだった。 別にパンクなんか、音楽なんか全く興味はないのだ。 気付いたら、ベーシストになっていて 気付いたら、ヘロインにはまり 気付いたら、客を殴っていた。 何故、引けもしないベースなんか持たされているのだろう? 自分の意思で動いたことなど今までなかった。 というより、自分の意思を持ったことが一度もなかった。 それが怒りを増幅させる。 自分が本当にやりたいこと、そんなものは何もなかった。 何をやっても、そう感じる。 全ては誰かの手のひらの上で踊らされている。 この思考も誰か、いやヤツの思惑のウチだろう。 怒りが欲しい。全てを忘れるくらいの。 本当の自由を手にいれられる程の・・。 胸をカミソリで切り刻む。「FUCK」と かすかな痛みが不思議な高揚感を与えてくれる。 このイラついた感情を吐き出したい。 “全てを破壊せ” ポケットの中にある全てのヘロインをボンペイサファイアのビンの中に入れシャッフルする。 一気にジンを飲み干すと手の震えは止まった 「あぁ、ちょうどいいのが目の前にいるじゃんかよ。」 この怒りは永遠に消えやしない。 こいつらを殴っても何も変わらない。 それは・・・分かっている。 だけど・・・。 もう自分を止めることなんか出来やしないんだ・・・・。 スカラ・カーン 眼前に敵を捉え、漢――スカラ・カーンは、自慢の拳を握りしめ・・・・・・構える。 『魔人拳』 暑さ数十センチにも及ぶコンクリートすら粉砕しうる、彼のその能力を受けた者は数多く その人知を超えた凄まじい威力の前に膝を屈した者も、受けた者達の数だけ存在していた 神速のごときスピードで、薄汚れた廊下を駆ける。 ところどころに付着した毒々しい色の血痕は、先に倒れた味方の血か、敵の血か。 通常の人間であれば、恐怖を呼び起こすその痕跡を目にしても、しかし――彼の心には一瞬のゆらぎもない。 なぜならば、彼は、現希望崎において、最高峰の脳筋バカなのだから。 今、彼の頭の中にあるのはただひとつ。 この自慢の拳を持って、眼前の敵を――粉砕する。それだけだ。 接近するスカラ・カーンに気づいたのか、敵は・・・・・・いや、的は、その両腕を組み、防御姿勢をとった。 だがそれも、無駄なこと。 彼の拳はまさに一撃必殺。いかなる防御も防壁も、彼の能力の前には意味をなさない。 時計の秒針が3度時を刻むころには、全ては終わっている。 勝利は既にスカラの手に 敗者はただ、力なく床に横たわるのみ。 猪狩信吾1 猪狩「あ、あぶないって・・。廊下は走ったらダメなんだよ~。」 死怒「あぁ?もう敵が目の前にせまっているのになに悠長なこと言ってるんだ、てめぇは?いいからそこドケ!!!」 死怒は、猪狩の胸ぐらをつかむと、軽々と放り投げた。 猪狩「イテテ・・。どうしても走っていくというのかい?」 死怒「あたりめーだボケ!!歩いていって反撃されたらどうするんだ?気付かれたら不意打ちの意味ねーだろ?」 猪狩「それでも僕は友達を走らせるなんて危険な目に合わす訳にはいかない。」 猪狩は両手を広げて死怒の前に立ちふさがった。 “ボゴォッ!!” 有無を言わさず死怒の鉄拳が飛ぶ 死怒「ったく・・。何なんだよ。うぜぇ~・・。意味わからね~とこで邪魔すんなよ。」 猪狩(痛え・・。超痛え~。それに怖い・・。殺されるかもしれない。足が震えてるよ。 でも・・、逃げちゃダメだ!!逃げちゃダメだ!!) 猪狩は必死の思いで死怒の足にしがみつく。 死怒「てめぇ~、本気で俺を怒らせやがったな!!番長Gの前にコイツで死んでみるか?あ?」 死怒はついに自慢のベースを取り出した。 とうとう猪狩は観念したように言う。 猪狩「分かった・・。そこまでの決意があるなら、もう止めはしないよ。でも少しでも危険が短くなるように細工をさせてくれないか?」 四方の空間がぐにゃりと曲がる、と同時に前方の景色がせまってきた。 「ふん・・・。」 まだ怒りがおさまらない死怒は、猪狩を蹴飛ばすと番長Gへ向けて走っていく。 ・・・・・。 “プルルル・・・・。プルル・・・。” 猪狩「あ、会長ですか?小竹様の指示通り、死怒の怒りをMAXにさせたまま特攻させました。 スカル「うむ、ご苦労。そのまま次の支持を待て。」 猪狩信吾2 みんな死んだ。 突如現れたあの謎の人間。 過去、いくとどなくダンゲロス・ハルマゲドンの戦いの場に訪れ、状況を混沌とさせてきた、恐ろしい敵の手によって、多くの味方が死んでいった。 だが、戦いは終わっていない。 この戦いは、その乱入者を倒すために行われてるのではなく 番長たちを倒し、この学園に新たな秩序を築くためなのだから だからこそ、猪狩は涙をぬぐって自らの力を使う 勝利をこの手につかむために。死んでいった友達に報いるために 空間をゆがめるこの力を。ただ、仲間と創る新たな世界に向けて――
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新参陣営最終応援ボーナス:229点 『血に染まる雪』 【武論斗さん】 【D・P´0008】 『一流騎士の世界』 ●グリーンアイズ・グリードマインド ●獅子身中の虫 ●悪気はないんです 埴井葦菜と愉快な仲間たち⑦「埴井葦菜の憤慨」 『AチームOPデモ』 『血に染まる雪』 幼い頃の審刃津 志武那は孤独な少年であった。 理由は褐色の肌だ。志武那の母方にアラブ系の血が入っている為である。 子供というのは純粋であり、それ故に残酷だ。 分かりやすい皆と違うところがあるというだけで、子供は容赦なく攻撃するのだ。 「なんかお前、変な色だよなー」 言ってる側としては攻撃という意思は無く、面白がってるだけかもしれない。 だが言われた側としては別だ。少年がそんな言葉を受け流すことが出来るほど精神ができているわけはなく。 結果として志武那は同年代の子供達と距離を取るようになった。 そんな彼に転機が訪れる。家の隣にある家族が引っ越してきたのだ。 新たな隣人は日本人と英国人の夫婦。そしてハーフの娘が1人。 英国人である母親の血を濃く受け継いだ娘は、白い肌に金髪碧眼の見目麗しい少女であった。 少女の名は古門 ソーリス。彼女もまた特異な見た目から、以前住んでいた場所では同年代の子供達から仲間外れにされていた。 それ故に臆病となったソーリス。彼女が何に怯えているかを同じ立場の志武那は痛いほどに理解していた。 そんな2人が仲良くなるのには、そう時間は必要なかった。 そして時は流れ、2人は中学2年生になった。 志武那は歳相応に成長し、また周囲も肌の色程度で差別するような事は減ったので、心許せる友人がソーリス以外にもできるようになった。 ソーリスはソーリスで日本人離れした美貌は周囲の羨望を集め、一躍人気者となった。 尤も、周囲からの扱いが変わるようになっても幼い頃から作り上げられた性格はそう変わることなく、ソーリスは常に志武那の保護を求めるように彼の後を追いかけるのだが。 幼馴染の運命というやつか。2人は小学校に入学してから今に至るまで一度も違うクラスになったことはない。 時期は冬。周囲がもうすぐ訪れるクリスマスに向けて浮き足立つ12月半ば。 「待ってよ、志武那ちゃ~ん!」 下校する為に志武那が靴をロッカーから取り出していると、慌てた様子で階段を下りているソーリスの姿が目に入る。 「あー、ソーリス。足元をちゃんと――」 見ろよ、と志武那が言い終わるよりも先にソーリスは階段を踏み外して見事にこけてしまった。 不幸中の幸いなのは、高さが殆どなかったことだ。酷い怪我にはならないだろう。 ちなみに見えたパンツの色は白。その上に黒タイツを履いており、タイツに透けたパンツという中々に趣深いものを志武那は見ることができた――とはいっても彼にとってはある意味日常風景なのだが。 志武那はため息を吐きながらソーリスの傍に寄り、手を伸ばす。 「全く……起きられるか?」 「うん、ありがとう――っ!?」 志武那の手を取り、起き上がろうとしたソーリスだが足の痛みに顔を顰める。どうやら足を捻ってしまったようだ。 ソーリスの表情と足を庇う仕草を見て、志武那も彼女の状態に気づく。 「保健室に行った方がいいかな‥‥。余計な手間をかけさせる」 「う、うぅ……ごめんね?」 「いつもの事だ。慣れている」 ひょい、とソーリスを抱き上げる志武那。いわゆるお姫様抱っこというやつである。 「し、志武那ちゃん!?」 下校時間とはいえ、学校にはまだ多くの生徒がいる。衆人観衆でお姫様抱っこという状況で、恥ずかしさからソーリスを顔を真っ赤にする。 「あうあう、皆に見られて‥‥こんなの恥ずかしいよー!」 「おんぶし直すのも面倒だ。俺は恥ずかしくないから我慢しろ」 「うぅ……はい……」 元はといえば悪いのは自分だ。ソーリスは覚悟を決めて受け入れる。 それに彼女としてもこのシチュエーションは悪くなかった。‥‥大好きな人にお姫様抱っこしてもらえるのだから。 「えへへ……」 赤面したままだが、少し大胆に手を志武那の首に回すソーリス。そのまま体を志武那へと預け、密着度を上げる。 柔らかな感触が志武那の胸板に伝わる。ん、と小さく志武那が声を洩らすがソーリスはあまり気にしていないようであった。 それから、保健室で治療を受けたソーリスは志武那に背負われて帰宅することとなった。 「えと……その、重くない……?」 「重い、と言ったら軽くなるのか?」 「あぅ……ならないです……」 こんな風に会話をしながら歩く2人。時々、2人の知り合いとすれ違う事もあったが、基本的には暖かい目で見られていた。 何故なら皆知っているからだ――志武那とソーリスはなんだかんだで相思相愛であることを。 ソーリスは志武那の背中に体だけでなく、心まで預け。 志武那はソーリスの温かさに愛しさを覚える。……尤も、ツンデレ体質の志武那がその愛情を表に出すことは無いのだが。 こんな幸せがいつまでも続くと思っていた。 ――その時までは。 「きゃぁぁぁ!?」 突如、辺りに響く女性の悲鳴。 何事かとそちらを見やれば、悲鳴の主だろう女性が倒れている男性に駆け寄っていた。 「そんな……起きて、起きてよ!?」 倒れている男性をよく見れば、胸……ちょうど心臓の辺りから、鮮血が流れているのが見える。 そして、そんな2人を見下ろすように、傘を持った少年がすぐ傍に立っていた。 「まーったくよぉ、クリスマスが近いからってイチャついてんじゃねぇよ。許せねぇ、許せねぇよなぁ」 傘の先端は――赤く染まっていた。 「なぁ、お前もそう思うよな?」 傘を持った少年が志武那らを見る。 直感的にやばいと判断した志武那は即座に逃げようと踵を返すが……何もかもが遅かった。 「まったく見せつけんじゃねぇよ!」 少年が、傘を振るう。傘の先端は志武那への胸元に吸い込まれるように―― 突き刺さらなかった。 「――え?」 「し、ぶな……ちゃん……。逃げ、て……」 危険を察したソーリスが無理矢理志武那を体勢を崩し、その結果――傘の先端が彼女の胸元へと突き刺さったのだ。 直後、騒ぎを聞きつけたのだろう魔人警官が傘の少年を取り押さえる。 「あぁ、くそ……! 全然カップルどもを粛清してねぇのに……!」 だが志武那にとっては傘の少年がどうなろうと最早どうでもよかった。 「おい、ソーリス……? なんの冗談だよ、これ……!?」 彼の腕の中でソーリスの体がどんどん冷たくなっていく。 愛しさを感じた温かみは……もう腕の中にはない。 「ソーリス……! ソーリスゥゥゥゥゥ!!!」 雪が……降り始めた。 降り積もる雪は、しかし血の赤を隠すことなく、赤く染まっていく。 後日、ソーリス他数名を殺した傘の少年に対して裁判が行われることとなった。 結果は無罪。刑法三十九条「魔人の犯罪は能力覚醒直後に限り不問とされる」によって、覚醒直後だった傘の少年は罪を問われることは無かったのだ。 当然だが傍聴席にいた志武那は激怒し――そしてまた、彼も魔人として覚醒することとなった。 「あぁ、そうか。……裁きってのは不公平なものなんだな」 先ほどまで何も持っていなかった筈の手に、天秤がある。 「では、俺が裁こう。……何、俺も罪に問われないんだろ?」 天秤が――傾いた。 【武論斗さん】 面接官「特技はグランドヴァイパとありますが?」 ブロント 「それほどでもない」 面接官「グランドヴァイパとは何のことですか?」 ブロント 「敵に致命的な致命傷を与えられる。色も黒っぽいのでダークパワーが宿ってそうで強い」 面接官「え、ダークパワー?」 ブロント 「ちなみにダークパワーっぽいのはナイトが持つと光と闇が両方そなわり最強に見える。暗黒が持つと逆に頭がおかしくなって死ぬ」 面接官「・・・で、そのダークパワーは当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」 ブロント 「俺がどうやってメリットだって証拠だよ。大体そう言うお前にメリットあるかよ。見ろ、見事なカウンターで返した。調子に乗ってるからこうやって痛い目に遭う」 面接官「いや、当社には襲ってくるような輩はいません。それに人に危害を加えるのは犯罪ですよね。」 ブロント 「自慢じゃないがPT組んでる時に「ヴァナのイチローですね」と言われた事もある」 面接官「浅はかさは愚かしい」 ブロント 「黙想で敵のTPを溜めないでもTP100~300のWSで自由自在の破壊力ばつ牛ンの連携を決めれるんですよ。」 面接官「いい加減にしろよてめーぶっ殺すぞこっちが礼儀正しい大人の対応してればつけあがりやがってよ」 ブロント 「口で説明するくらいならおれは牙をむくだろうな。おれパンチングマシンで100とか普通に出すし」 面接官「このままでは俺の寿命がストレスでマッハなんだが・・」 ブロント 「お前ハイスラでボコるわ・・」 面接官「いや今のハメでしょ?俺のシマじゃ今のノーカンだから」 ブロント 「グランドヴァイパでトドメさすよ」 面接官「おい、やめろ馬鹿」 【D・P´0008】 面接官「特技は完全蘇生とありますが?」 D・P´0008 「はい。完全蘇生です。」 面接官「完全蘇生とは何のことですか?」 D・P´0008 「受け継いだ異能です。」 面接官「え?」 D・P´0008 「同マスの味方を完全蘇生します。」 面接官「・・・で、その完全蘇生は当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」 D・P´0008 「はい。敵が襲われても生き返ります。」 面接官「いや、当社には襲ってくるような輩はいません。」 D・P´0008 「でも、便利ですよ。」 面接官「いや、便利とかそういう問題じゃなくてですね・・・」 D・P´0008 「死んだキャラがもう一度使えるんですよ。」 面接官「ふざけないでください。それにDP2消費って何ですか。だいたい・・・」 D・P´0008 「2ダンゲロスポイントです。DGPとも書きます。ダンゲロスポイントというのは・・・」 面接官「聞いてません。帰って下さい。」 D・P´0008 「あれあれ?怒らせていいんですか?使いますよ。完全蘇生。」 面接官「いいですよ。使って下さい。完全蘇生とやらを。それで満足したら帰って下さい。では死にます。」 D・P´0008 「運がよかったな。今日はDPが足りないみたいだし、女性にしか使えないし、スタメンでも使えなかった。」 面接官「へんじがない、ただのしかばねのようだ」 『一流騎士の世界』 おれは腕力も強いしシマでも圧倒的な影響力と人気を得ていたから希望崎学園にいってもぜんえzんだいじょうぶだと思っていたがやはりそのとおりさすがにナイトは格が違った きうぶざき学園にきた理由はナイトの謙虚さとスペしゃルさを見せつけてやるためにまちがいちがいない 校門を余裕でくぐりぬけたらどうやらおれの汚メアgネにかなうくらいよりちょっと劣るくらいの速さだったからさすがのおれでもほんのすこしビビッた うどやらはんぷくよこっとびをしている事だと理解できたのは日ごろのくんえrんで目がよくなるし力トエイニイングのおかげだとさとったときにはおれはすごく眼がよくなっていることにきづいた 「おいそこのおれと同じくらいのレベウでバックステッポの少年すぐにそこをどいたほうが身のためだぞバラバラにされたくないならどいたほうがみのためdえぞ」 するとピュんぴゅんっていう音がとっまたのはピュンピュンするのがとまった男は忍者のようふくを着てきている事になっていた にnじぇは汚いヒキョウなやつらだからおれはこころの心底からぶんあぐってやろうかと思ったが以外にも隙がないみたいな感じだったのでちょっとよそ見しながらめをあわせた おれがパチンチングマシンで100出す時の百倍のパンチんグをおみあmいしてやろうかと瞬間にギリギリのtあみングではなしかけえtきたのでこまった 「ドーモ、ハジメマシテ。ブロント=サン。サタカです」 「サタカとかいう名前におれのともだちも裏不良界にもいないがなんでおまえはおれのなまえをしっているっていうんだよ? おい?」 「オツカレサマデス。ハルマゲドンに参加しますか」 あたりまえだ俺は裏世界でも十本の指がかぞえられる凄腕ナイトとして有名なナイトのおれがハげるまオdンに参加しないりゆうがないはずがない そもそもおれがたまに学校に行くとみんなが注目するkとはリアルモンクだから当然だが最近みんなやるきない感じのはkしあnとかいうアワレなやつがのさばらっていると聞いたときにまじぶっころしょと考えたときにすでに行動はおわっているんだよ 「やるます!」 すこしかんじがダサさになったところだがこれがおれのユニークなところでもある なんかはやい忍者はおれをとおしたあとすぐにステッポえお刻んでいたのですごくがんばッテることに深い関心をだいたが時間が金なりという名セリフを胸にきざんだ これがダんげロスとかいうへんなのにさんかするはめになったのはきっかけはぜんぶヒキョウな忍者のせいだ 会議にはほととんどおれを必要としないレベルだったからじょこ紹介レスをみていたらなんだとビックリの完全リたーn復活があることに気付いたときにワクワクした ナイトが一番のジョブといってもほんのときどきのたまに死ぬこともあるが死ななくなったらナイト無敵→チームが無敵→戦いの秘訣をきかれる→人気者 おれは一級ナイトの限界を越えた二級ナイトだからみんなのためにおれがしんだら想像を絶する悲しみにチームが悲しむことは想像できるのでおれは完全ふっあつのキュラに会った そいつはヒキョウなジョブだった女だけのみしか相手にしていないとかいっていた おれは生き返らさない事があるといわれたので「おれをいきかえらさないとみんな死ぬよ?」と優しくきいてみたが返答はNO そいつが汚い性格だったと思ったので無視してやろうとしたが話かけられなかったのでおれが無視していることに気付いてないオロカなやつだと決めた 俺は実はででお四天王の一人 だからダンげバゲマルドンがなにかあまり五里霧中しているときでもおれはハるげんdまに参加したしおれは戦闘をきって下段ガートが硬かった ナイトの信頼度は違いすぎるからおれは期待にこたえてやったのは簡単にできる事だった おれがたたかたったカイの未熟者は気の毒なほど見失ってあせっていたので「タイムアップでもいいんだが?」と聞いたらそいつは6ダメージ与える技を使えるらしくてあぶないところdえかみひとえだった 目の前におれを同じタイプのナイトがいたから得意なジュツのひつつのわざにグラットンスウィフトでバラバラする事があることになった しかしおれがまさにヌードメーカーになってハイスラを使おうとしたすんかんに後ろにいたブンブンうるsい女はちオンナがおれの腕をつかんだ事はおれが好きなのだとおもったがおれは孤高の騎士だからモテるのがとうぜんの事といえたのだった いsかしおれの予想とすこしちがっていて照れ隠しだとおもうがすぐに腕をはなして「これは模擬戦だから殺したらダメよ」といった おれはれんsゆうのときでもいつも全力パワーをだしてしまうことが基本だからバラバラに殺さないようにするのがせいいっぱい力をおさえていた そのかいあってLSにふしょうした弱いやつはいなかっただけどひとりのパツギンが瀕死みたいなかんじで倒れていたレイズを掛けたがたちあがらなかったので「なにごとか」と近くのヤツに聞いてみたらそいつは倒れてたヤツとおあじ顔をしてた そのとき初めて耳に聞いたのだがその男はけんぴょうで分裂するスキルを憶えているようでおれは謙虚に褒めたたえてやったら照れ隠しにそっぽむいていたことで照れ屋がおおいところだと知った なるほどおれが一番のナイトであるのはしぜんのせつり だがナイトがすばらしぐすぎてナイトのまねのナイトみたいなのが増えすぎているのはたしかだがやppあり真の一流ナイトは「ヴァナのイチロー」といわれたおれくらいしかいない しかしイチローで思い出したがほかのキュラで野球部のヤツがちゃあほあされているのが気にはいらない そいつはヒキョウに自分はうごかないで他人を背をプッシュするようなキタナイやつだったが押されるエネルギでたくさんすすむという考え方は科学的だ その男以外にも押すだけのやつが二三体いたがおれの家来になるかとおもって話そうとしたらチームが違うとか言って逃げた すぐにおれと比べられうことが恐いのだと気付いたがおれはあえてなにもいわなかったがきっとあいつは本能的に長寿タイプ おれは格が違うから恥ずかしがっうtのあ確定的に明らかだからグラットンソードが最強だから雷属性の左をジョーにヒットさせてKOする日も近い おれにたちに立てつくこすぁんどもは調子に乗ってると裏世界でひっそりと幕を閉じる ●グリーンアイズ・グリードマインド 特殊能力の取材に埴井のもとへやってきた夢追であったが…… 「何よ!そんなに脚を見せびらかして!自慢!?」 「えぇっ!?いえ、あのお話を」 「言っておくけどあたしのほうがよっぽど美脚だからね!そんなんで目立とうったってそうはいかないから!」 「あのせめて話を」 「キャラ被りなんて最悪じゃない!私が目立つのがそんなに嫌なの!?」 「ちょっと落ち着いて」 「蜂さん達!ヤッチマイナー!」 「ギャー!」 ※この後、夢追はD・P´0008の完全蘇生によって事なきを得ました ●獅子身中の虫 新参陣営本部にて、弐之宮と夢追が侃侃諤諤喧喧囂囂の議論を繰り広げている。 「着物なんてもんは“女性は着飾って座ってりゃいい”って精神の象徴だろ!」 「何を言いますか!あんなに綺麗な服は世界中探したってありませんよ!」 「……どうやらお互い譲れないところまで来たらしいな」 「……ええ。微妙に論点ずれてますからこのまま話し合っても決着はつきそうにありませんしね」 「こうなったら俺の『THE JUDGE』でお前の覚悟を試してやろう」 「いいですね、脈絡のない熱血展開。私は好きですよ。でも私がむざむざ技を喰らうまで突っ立っているとでも?」 「お前の速さは知っているが……決めてやるぜ!」 特殊能力を発動させるため精神集中を始めた弐之宮であったが、夢追の行動は弐之宮の能力発動よりも速かった。 (頑張れっ!) 握り拳を固め、心の中で弐之宮の能力発動を応援する夢追。 綺麗に弐之宮の能力を喰らった。 弐之宮晶のTHE JUDGE!こうか は ばつぐんだ! 「痛いっっっったぁぁぁーーーーい!」 「避けんかいっ!」スパァーン 思わず突っ込む朱音。 「で、でも……初めての特殊能力ですし……」ハァハァ 「あんなー……本番ではホント頼むで、ジブン」 「は……はいっ!全力で頑張れっ!って応援します!」 「ええかげんにせいっ!」スパァン 朱音多々喜のハリセン・BON!こうか は ばつぐんだ! 「ウボァー!」 「おいィ?」 「はっ!アカン!あまりのことに加減を忘れてもーた!」 ※この後、夢追はD・P´0008の完全蘇生によって事なきを得ました ●悪気はないんです 校内新聞の記事を書いている夢追を眺める緑風。 (ああ……これで言動がまともならなぁ……) 「どうしました?緑風くん」 「あーっと、何の記事を書いてるんだ?」 「野球の記事ですよ。先日、五郎丸くんが壮絶な投手戦を繰り広げたやつです」 「あぁー。あれ相手チームのピッチャーもよく心が折れなかったよな。バッターの援護がまったく見込めなかったってのに」 「あれぞ熱血球児魂ってやつですね」 「熱血って言やあ秋刀も延長戦最後まで声を張り上げてて大したもんだったよな」 「あれぞ折れぬ男の鋼の魂ってやつですね。えーっと記事の見出しはどうしようかな」 (まともに話してるとやっぱ可愛いなぁ……) 「よしっ!『エースがちんこ対決』っと」 「お前わざとやってるだろぉぉぉぉぉ!!!」 ※緑風の傷心はD・P´0008でも治せませんでした 夢追の家にて。夢追と親友の会話。 「えへへ。『アナフィラキシー・ハック 突発奥義 蜂覆絶討』に『THE JUDGE』、あと『ハリセン・BON!』っと」 「ねぇ……」 「それに『完全蘇生』!今日は色々な凄いことが体験できたなー」 (胃が痛い……) 埴井葦菜と愉快な仲間たち⑦「埴井葦菜の憤慨」 「あんたたち、気でも狂ってるんじゃないの!?」 嫉妬深さに定評のある魔人・埴井葦菜は激怒した。 拠点教室で彼女と相対するのは、仲間たる二人の魔人。 怒られている二人は、訳が分からないよ、といった風な表情を浮かべている。 「なんじゃい、オドレは」 地底の怪物の如き低い声で答えるのは、応援団長魔人・秋刀魚広である。 一年生にして応援団長を務める彼は、硬派で不器用ながらも人望を備えた正しく漢である。 その漢ぶりに惚れた多数の男子生徒のファンを持つ彼だが、今は心なしか困惑した様子であった。 「用件はさっさと済ませてくれない? 私、まんことお話しするほど暇じゃないの」 衝撃的な一言をさらりと言い放つのは、献身的乙女魔人・鶴崎一途である。 彼女は男性器を異常なほど愛し、学内のほとんどの男性器をその膣中に収めていた。 その反動形成とでも言おうか、女性器に対して苦手意識を持っているようであり、今も一刻も早く帰りたそうな雰囲気を醸し出している。 「手短に話してあげるわ。あんたたち、二人とも強いわよね」 悔しいけど、そこは認めるわ。と葦菜が――あの葦菜が言うとおり、二人は一年生陣営でも屈指の強能力者であった。 味方の移動する力を底上げする秋刀と味方に敵と壁をすり抜ける力を与える鶴崎のコンビは、確かに最高峰のシナジーがあると言えた。 だが、強い魔人能力には、それ相応の“制約”がつきものであり、それが葦菜の怒りの原因でもあった。 「それなのに、なんで、このあたしをシカトするかのように『男性のみ』なワケ? ねえ、なんでよ!?」 そう、この二人の能力は、共に『男性のみ』に有効な能力であった。 自分の力を最高のものだと信じてやまない葦菜には、この展開は到底納得しうるものではなかったのだろう。 しかし、能力の習得にはそれ相応の原理があるものだ。制約もそれ準ずるのだから仕方ない。 「ワシの応援は、女子にはウケが悪いからのォ……」 「確かに意味わかんないわね」 「私の愛はちんこにのみ注がれるものだし」 「た、確かに、あたしには、その、ゴニョゴニョは、生えてないし……」 冷たく吐き捨てたり、一転恥ずかしそうに呟いたりしながら、一応納得した様子でいる葦菜。 まあ、能力の可不可にケチをつけることほど不毛なこともない。それは分かっていた。 けれど、真に許せないのは―― 「よおおお! 少し遅れちまっただか?」 「大・遅・刻よッ!」 葦菜の不機嫌の最大の原因が、今やってきた。 その者の名は、蝦夷威もとじ。幽霊を信じないことが特徴の魔人である。 尤も、一年生陣営所属の幽霊少女・梨咲みれんを見た時は頭を抱えていたようが―― 「どうどう、そんなに怒んなや」 「あたしは、馬じゃ、ないっ!」 ぷりぷり怒りながら、葦菜は数日前を思い出す。 あの頃、一年生陣営は最大限に焦っていた。強力な補助能力者を抱えていながら、そのお眼鏡にかなう男性アタッカーが不足していたからだ。 そんなところに颯爽と現れた蝦夷威は、正に『ヒーローは遅れてやってくる』という言葉を体現しているようでさえあった。 「(あの二人の恩恵を受けられるだけでも懲罰モンだってのに、後から来てあたしより目立つとか、万死に値するわ!)」 ただでさえ嫉妬深い葦菜が、こんな格好の獲物を看過しようはずがない。 二人は初顔合わせ以降、出会う度に衝突を繰り返していた(まあ、葦菜から蝦夷威への一方的なものだが)。 今回も葦菜が三人を呼びつけたのは、この問題を白黒つけるためであるらしかった。 「最後にもう一度訊くわ……あたしよりこの男と組むって言うのね?」 「何度も言っとろうが、ワシらの能力は男にしか効かんけぇのォ」 「バナナ大好き♪」 「わはは、俺の方が人気のようじゃの!」 あっ……と、この中では断然常識のある秋刀が止めようとした時には、蝦夷威は既に言い切っていた。 この、嫉妬魔人・埴井葦菜に対する最大のタヴーを――! 「あああああああ、あんた! 言ってはならないことを言ってしまったわね! こうなったら決闘よ!」 言い終わるが早いか、持ち歩いているペット用キャリーバッグの扉を開け、蜂達を解き放つ! そして蜂達が状況を把握する間も与えずに指示を飛ばす―― 「目の前にいるのが標的よ! ぶっ殺しちゃいなさい!」 決闘と言っといて不意打ちの速攻かよ、とか、そういえば最初の方で殺しは嫌とか言ってなかった?、とか、蜂達にも言いたいことは多々あった。 でも言わないのだ。なんだかんだで主人に対して甘いのであった。 とにもかくにも命令通りに蝦夷威に向かって突撃をかけるが――? 「来るか? ならば――ぬうんっ!」 蝦夷威が力を込めると、辺りの雰囲気が一変した。 恐らく能力を発動させたのだろう――その場にいた全員がそう思った。 「っ――止まりなさい!」 途端、葦菜はその能力の異様な圧力を感じ取り、蜂達の侵攻をストップさせた。 この蝦夷威の能力は「死した後、地縛霊となり他人を呪い殺す」というものだが、幽霊を信じない蝦夷威は自分の能力について多くを知らない。 「きっとスゴイ能力なんだべなあ」くらいの淡い認識しか存在しなかったが、それでも彼は己の能力に自信を持っていた。 「止めたか。懸命だやなあ。でも、来んのなら俺がいくべ!」 言うと同時、懐からフライングディスクを取り出す! 自分が中距離を得意としている葦菜の痛恨のミス――相手もまた、中距離を得意とする者であったのだ。 「イヤーッ!」 「グワーッ!」 蝦夷威の放ったフライングディスクは、精確に葦菜の首をとらえた。 躰は紅き噴水と化し、目をひん剥いたままの壮絶な表情の生首が、血だまりにばちゃりと落下した。 これには流石の秋刀もドン引きであった。いや、仲間殺しちゃマズイだろう……と。 「はああン! 蝦夷威君、強いのオ! すごいのオ!」 「わははは! 俺の勝ちじゃな!」 教室の対岸では、勝利に酔った蝦夷威とちんこに酔った鶴崎がずっこんばっこんお愉しみの最中であった。 頭を抱える秋刀。誰か、マトモや奴はおらんのか……!? しかし、ここでふと気付く。葦菜の繰り出した蜂達の姿が見えないことに。 「どこに行ったんじゃァ……?」 キョロキョロと見まわしていると、やがて、ブンブンという独特の羽音が聞こえてきた。 戻ってきたようだ、と思ったのも束の間、別のことにも気付く。 もうひとつ――これは、人間の足音……? 「……ここですね」 死体と性交のひしめくカオスな教室へと足を踏み入れたのは、仮面と白衣を身に付けし存在。 彼の者の名は、D・P´0008。とあるマッドサイエンティストのクローンと言われている。 その出自は一切が謎に包まれているが、一つだけ確かなものがある。それこそが、“受け継いだ異能”――! 「彼女ですね……首の切断面が非常に綺麗です。これならば、難なくイケるでしょう」 呆気にとられる秋刀の前で、テキパキと検視を進めるDP。 やがて葦菜の首と躰とをピッタリ合わせ、能力を発動させる! すると、一瞬の閃光が周囲に煌めいた後―― 「う、うぅ~ん……なに、なんなのよこの赤いの。あと誰よあんた」 「術式は完了です。報酬はキチンといただきますよ」 復活した葦菜の疑問を華麗に無視し、すっくと立ち上がって教室を出ていくDP。 そう、このDPの能力は、ズバリ『完全蘇生』である。 数多の魔人が所属するこの希望崎学園においてもいっとう稀有な能力者であり、葦菜が殺された直後、その存在に気付いた蜂達が連れてきたのだ。 「確か、蝦夷威のやつと戦ってたんじゃなかったかしら……」 だいぶ状況の把握が進んできたらしく、蝦夷威を探して視線を彷徨わせる。 すると、鶴崎と絶賛結合中の蝦夷威と目があった。 その痴態に「ひっ」と目を背けるが、一方の蝦夷威は信じられないものでも見ているかのように葦菜から目を離さない。 「う、嘘だべ……死んだ人間が、生き返るだ……べ……!?」 「ねェ、続きしよぉよお?」 「ゆ、夢に決まってんだべええええええええええええええ!」 思考がパンクしたらしい蝦夷威は、繋がったままの鶴崎ごと教室を飛び出して何処かへ走り去ってしまった。 後に残されたのは、イマイチ釈然としない葦菜と早くおうちに帰りたい気分の秋刀のみ。 秋刀は未だポカーンとしている葦菜に、締めの言葉をかけた。 「まあ、なんじゃ……蝦夷威は逃げたけぇの、オドレの勝ちでえんじゃのォか?」 「な、納得いかねー!!」 埴井葦菜の憤慨も、尤もであった。 <終> 『AチームOPデモ』 =新参陣営総本部= 「なー、Bチームの連中知らねえ?」 「なんか、前哨戦だそうですよー」 「へー。んじゃ、俺等もいっとく?」 「そうはいっても、もうだいたい片付いちゃってますよ?」 「心配ゴム用。ほれ、第二波だ」 BGM:『恋の積尸気冥界波~僕は魚座に恋をした(Ver.ReMIX)』 ◆ 「支配を求めるのは、決まって古い人間ね」 皮膚が焼ける。肉が裂ける。頭蓋は砕け、脳漿が吹き出す。 …否。そこにあるのは、ただ痛みだけ。全くの無傷のまま、呻き、のたうち、事切れる。 「苦しいでしょう?辛いでしょう?あの子は、きっともっと辛かった」 【二之宮 晶】ーー保有痛覚『THE JUDGE』. ◆ 「ヒャッハァーー!死にやがれェー!!」 飛びかかる雑魚生徒、その数、十。 四方八方並びに上下、もはやそこに死角はない。はずだったがーー、 「うらうらうらうらぁぁーーーーーーー!!!!!!!!!」 包囲網に穴が開く。ひとつ。ふたつ。 やがて十の敗者が転がり、ひとり立っているのは、戦場に飢えた獣。 「うっひょー、いいねえ!どいつもこいつも、俺がブッ潰してやるよ」 【浦 優輝】ーー保有暴力『TNN(調子のんな)』. ◆ 「いいから野球しようぜ!」 ボールを投げる。当たる。ボールが返る。ボールを投げる。当たる。ボールが返る。 神掛かり的な一方的キャッチボールの末うまれた、九人の犠牲者。 「よっしゃあ、ゲームセット!ノーヒットノーラン、コールド勝ち!」 「…あ?おう、いいぜ!向こうの群れへ行くんだな?せーのっ」 【五郎丸 卒塔婆】ーー保有投法『魔人球』. ◆ 「ばーか、こっちじゃねえよ、五郎丸!」 突如飛んできた流れ球から、男が飛び出した。 二本の筆を振りかざし、その空間に芸術を作り出す。 美しい黒が、雑魚生徒の四肢を切り離した。 「あー、くさくさする。憂さ晴らしでもせんとやってらんねえぜ」 懐から引き抜いた書がはためく。 「離散」「爆散」「雲散霧消」 爆音と共に、周囲一帯のものが消し飛んだ。 「ひっひ、…あーあ、収まらねえなあ」 【道之せんとう】ーー保有書道『全方位不機嫌』. ◆ 「フレ”エ”エ”エ”エ”エエェエェェェエェ、フレ”エ”エ”エ”エ”エェェェエェェエエエェエ、しいいいぃぃいいぃんんんんんざああああぁぁぁあぁぁああん!!!」 「うるせえェーーーーッ、黙りやがれッ、こんちくしょォーーーーッ!!」 「おう貴様、魂の応援を愚弄するんか、おぉ?」 その体躯、殴る為、蹴る為にあらず。 その体躯、他者を奮い立たせる為に在り。しかして、他者を奮い立たせる為に殴り蹴る時、その膝をつかぬ者などいない。 他数名を巻き込んで、雑魚生徒はバラバラに吹き飛んだ。 「お”お”お”おおおう、フレ”エ”エ”エ”エ”ェェェエエェェェエエェエエエエ」 【秋刀 魚広】ーー保有声援『他者を応援することを通し己を応援する。それが“応援”ッ!』. ◆ 「いいねえ秋刀!よっしゃ、テンション上がってきたぜ!」 疾走する少年は、何かに躓き盛大に転んだ。多くの者を巻き込んで。 桃、桃、桃、時々あわび。 「む!これは…とんだTo LOVEる…!!」 何の因果であろうか、女性雑魚生徒の半数以上が、彼のもとに引き付けられていた。惹き、ではなく引き、である。コレ重要。 「きゃーー!!もう、これいったいなんなのよ!?」 周囲の男共がたまらず飛び込むが、流れ弾とか隕石とかに阻まれて、一向にたどり着く気配はない。 そこに男は彼一人。資格を持つ者のみ立ち入れる、桃色領域である。 【一 一】ーー保有ラブコメ『To LOVEるメイカー』 ◆ 「ねえ君、その肩パッドすっごいお洒落だね♪」 「ありがとうございまッすゥゥゥ、これ友達料ッすゥゥゥ」 死体うずたかく積み上がる戦場で、不気味とさえ言える和やかな雰囲気があった。 狂信的にお布施を入れる雑魚生徒の顔面を蹴り飛ばしながら、愛想を振り撒く少女。 このような光景が、どうして和やかに見えるのだろう、しかし、そこにあるのは皆の笑顔だけである。 「本当ごめんね、友達なんだし、許してねー」 【寅貝 きつね】ーー保有コミュ力『友達屋』 ◆ 「ははは、私は怪盗!魔人怪盗である!」 滑空するグライダーから颯爽と飛び出す白銀紳士。身構えるAチーム。 「あなた方の体の一部に魔人爆弾を仕掛けました!外せばボカン!外さずともボカン!うひゃひゃ、木っ端微塵になるがいいですよ!せーの、ボッカーン!」 戦場が静寂に包まれる。 「…ボッカーン!」 やはり何も起こらない。そこへ歩み寄る妙な男。歩を進める度に、可愛らしいリボンが上下に揺れる。 「やれやれ。紛い物の怪盗など、私にかかればただの阿呆だな」 【紫野 縁】ーー保有眼力『イビルアイ』 ◆ 「うおおおい、あんなとこに薬草落ちてるぞーー!!!」 「よっしゃあああ、いっただきいいいい」 のそり。薬草が立ち上がり、こちらに向き直った。 「おうワレェ、ブリ大根食わねえかィ」 言うなり、雑魚生徒の口にブリ大根が突っ込まれる。 「うんめええええ、すっげええええなんだこれ!あ、お前死んどけええええええ!!!」 「ぎゃああああ、てめー味方に何すんだああああああ」 「…人を動かすものがなんだかわかるか?それは金でもなければ食いモンでもない。心、だよ」 【大魂】ーー保有人生『とろっとろにとろけたブリ大根食わせるぞワレェ!』 ◆ 「はあああ痛い!ああ!痛い!あっ、あっ、はあああん」 目、脛、みぞおち、股間。敵の攻撃全てを、自身の急所で受け止める者がいた。 「いやー、ああ痛い!素晴らしいな!君達も一緒に行こう!幸福の世界へ!」 「うあっが、げぎゃあぁああぁぁっぁぁあっぁぁぁ!!!!!!」 その痛みで失神している一方で、その痛みで失禁している男。同じ痛みで、こうも差が出るものなのか。 彼もまた、新参陣営Aチームが一人である。 【伊丹 護】ーー保有信仰『繋がる世界』 ◆ 「ねえ貴方!ふくしってさ。どういう意味だと思う?」 一見穏和そうな少女の問いに、ついつい返事をしてしまう。 「いきなり何言ってんだ…んー、ふざけんなクソヤロウ死んでしまえ、の略だな!なんつって。ひゃっh」 「あ?ふざけんなクソヤロウ死んでしまえ!!!」 何が彼女の琴線に触れたか、その刹那、彼の胴は三つに分かたれていた。 「て、てめぇー、俺の相棒に何しやがった!?ゆるさねェーッ」 問いかけ。捕捉の合図。彼女に声を掛けられれば、それすなわち絶命を意味する。 「ねえ!貴方はどう?ふくしってさ。どういう意味だと思う?」 【己木樹来貴生】ーー保有正義『ふくしってさ。』 ◆ 「はあっ!ふっはっ!」 右、左、そして右。目にもとまらぬ速さで道を阻む、忍者が一人。 「てててめェ、ここ通しやがれ!」 「ちくしょう、こうなりゃ強行突破だ!!」 特攻を試みた雑魚生徒の腕が吹き飛ぶ。 「ひっ、ヒィ!!!?」 「なっ、ならこいつで蜂の巣にしてやるッ!!」 「馬鹿!やめろォーーッ」 呼び声虚しく、跳弾に貫かれる雑魚生徒達。 凄まじき速度の反復横跳びは、何者をも受け付けぬ究極の壁となっていた。 「ふっはっ!とうっ!…ふう、325回か。うむ、今日は自己ベストが出せそうだ。そろそろ、俺の分身会得の日も近いかな」 【左高速右】ーー保有忍法『高速反復横跳び』 ◆ 男の拳、そして男の拳。二つが混じり合った時、そこにうまれるのは真剣勝負である。 「へっ、てめえ…やるじゃねえか…」 「貴様こそ、ここまで骨のある奴だとは思わなかったぜ!いくぞ、タイグァー、アパカッ」 真剣勝負?否、これは戦争である。あらゆる手を尽くした者こそが、勝利の喜びを獲得する、非情な戦場。 「なっ、なんだァ、コレはッ…み、身動きが取れねぇ…!!」 「悪いがな、俺はもう格闘家じゃないんだ。あんたもストリートファイターだ、わかるだろ?」 「う、うわあーッ!こっちに来るんじゃねェーッ」 【ロッキー池田】ーー保有奥の手『溢れ出るこの思い』 ◆ 一枚のフライングディスクが、戦場を横切る。 四肢を断ち、胴を断ち、その軌跡は死体によって彩られる。 「隙在りッ!!そこだァッ!!」 しかし雑魚生徒といえど、やはり三年。油断は禁物なのだ。心の臓を貫かれ、絶命する少年。 「ヒャッハー、一人ブッ潰したぜェーーーッ!」 「お、おいお前…後ろッ…」 「あァ?」 雑魚生徒の顔から生気が抜ける。取り殺された…! 駄目だ。逃げろ。 いや、既に遅い。そこにいた雑魚生徒は、もう、皆死んでいた。 「な、なんだよコレよー!俺、死んでんべ!?何コレ!得しちまったようっひょー!」 【蝦夷威もとじ】ーー保有怨念『限地の誘冥人』 ◆ 「み、皆さん頑張って…!私に出来るのは、これだけだけど…!!」 無防備にも丸腰で、必死に祈り続ける少女がいた。 手柄を焦った外道雑魚生徒が群がる。 「こ、来ないで下さい!」 壁際に詰められた。下衆めいた笑みを浮かべ襲い来る雑魚生徒。しかし。 壁からの斬撃。一人の男が現れ、彼女に微笑みかけて、去っていく。 「…頑張って下さい…!!」 彼女は祈り続ける。戦地を駆ける、愛する人の為に。 【鶴崎 一途】ーー保有愛情『DressUp4U』 ◆ 「ヒャッハァー!馬鹿共め!本拠地が丸腰だぜ!ブッ潰してやる!!」 「…留守番していて良かったよ。僕の能力に、今回出番は無さそうだが」 「グッギャァアアアーーーッ」 もぬけの殻となる総本部を、その双肩に担う者。 彼は何を思い、何を知るのだろう。 【D・P´0008】ーー保有宿命『完全蘇生』 ◆ タイトルデモ 『魁! ダンゲロス 新参Aチーム』 『38%の確率で野球しようぜ!』 朱音「なんやこのタイトル!38%ってなんや!しかも間にあっとらんやんけ!」 五郎丸「いいから野球しようぜ!」
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シスイの協力者であるDr.スカルが率いる秘密結社シルバースカルの機体。 独自の理念で機体設計を行っている。 そのため全体的に機体の生産性は高くない。 パイロットスーツは特殊合成金属のスーツを用いる。 魔力適正が低い場合はスーツを用いない場合もある。 レリアス ソフロニティス オブシディアン ソフロレリア
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『小さな花』☆『空 プール』☆『プリンセスとナイト』☆『刹那♂×刹那♀』 ☆『風香×史也SS風』☆『カモがネギを背負ってやってくる』☆『屋上にて』 ☆『刹那 バッドエンド(?)』☆『刹那 挙式』☆『千雨♂×夕映』 ☆『月読♂×千草』☆『決して結ばれない恋』☆『大きな背中』 ☆『夏×コタ美』☆『いつもそばにいるよ』☆『アナタと歩く、帰り道』
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bn13129.2 ↑意味不明な部屋に迷い込みました↑ bn13353.3 ↑う~ん、意味不明ですね↑ この意味不明な部屋について情報提供求む!! [JONY]BICHIにフレンドが付いてるのはバグって付いただけです。 -- ビチ (2008-11-11 10 39 38) 関係ないけど我慢してくださいねオンライでホスト立ててくれない? -- ? (2008-12-08 12 14 16) 名前 コメント
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第五回放送までの本編SS 【未明】 NO. タイトル 作者 登場人物 184 さようなら、ロンリー仮面ライダー(前編)さようなら、ロンリー仮面ライダー(後編) ◆gry038wOvE 涼村暁、石堀光彦、桃園ラブ、涼邑零、結城丈二、ゴ・ガドル・バ、ン・ガミオ・ゼダ、ラ・バルバ・デ、ラ・ドルド・グ 185 外道合戦 血祭ドウコク、筋殻アクマロ、外道シンケンレッド 186 Tusk of Darkness レイジングハート・エクセリオン、暗黒騎士キバの鎧 188 大いなる眠り(前編)大いなる眠り(後編) 孤門一輝、蒼乃美希、沖一也、高町ヴィヴィオ、左翔太郎、フィリップ、佐倉杏子、花咲つぼみ、響良牙、冴島鋼牙 189 究極 ゴ・ガドル・バ、ン・ガミオ・ゼダ、ラ・バルバ・デ、ラ・ドルド・グ 190 みんなの言葉! 思い出は未来のなかに!! ◆LuuKRM2PEg 涼村暁、石堀光彦、桃園ラブ、涼邑零 【黎明】 NO. タイトル 作者 登場人物 187 愛しのジュリエット ◆gry038wOvE 天道あかね 191 黎明の襲撃者(小雨 2 00~2 10)黎明の襲撃者(雨 2 10~2 20)黎明の襲撃者(雷雨 2 20~2 30)黎明の襲撃者(風雨 2 30~)黎明の襲撃者(曇心 2 30~) 孤門一輝、蒼乃美希、沖一也、高町ヴィヴィオ、左翔太郎、フィリップ、佐倉杏子、花咲つぼみ、響良牙、冴島鋼牙、桃園ラブ、涼村暁、石堀光彦、涼邑零、ゴ・ガドル・バ、レイジングハート・エクセリオン、暗黒騎士キバの鎧 【早朝】 NO. タイトル 作者 登場人物 192 あなたが遺してくれたもの ◆LuuKRM2PEg 天道あかね 193 三番目のN/ああ鳴海探偵事務所三番目のN/孤門、目覚める ◆gry038wOvE 孤門一輝、蒼乃美希、沖一也、高町ヴィヴィオ、左翔太郎、佐倉杏子、花咲つぼみ、響良牙、桃園ラブ、涼村暁、石堀光彦、涼邑零、レイジングハート・エクセリオン 194 HOLDING OUT FOR A HERO!! - I need a hero -HOLDING OUT FOR A HERO!! - You need a hero - 孤門一輝、蒼乃美希、沖一也、高町ヴィヴィオ、左翔太郎、佐倉杏子、花咲つぼみ、響良牙、桃園ラブ、涼村暁、石堀光彦、涼邑零、レイジングハート・エクセリオン、血祭ドウコク、外道シンケンレッド、ゴハット 【第五回放送】 NO. タイトル 作者 登場人物 195 第五回放送Z ◆gry038wOvE 脂目マンプク、カイザーベリアル 第一回放送まで 第二回放送まで 第三回放送まで 第四回放送まで 第五回放送まで ゲーム終了まで
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「ふたば系ゆっくりいじめ 661 クリスマス心暖まる愛でSSの様なもの/コメントログ」 良いゆっくりが無謀な行動で自滅するのを見ると楽しいのはなぜなんだぜ? -- 2010-03-22 18 24 49 ↓ まりさは鬼意山なんだねー わかるよー -- 2010-06-27 00 56 29 ↓ らん「ちぇぇぇぇん!そんなゲスまりさに近寄っては危ないぞ!! ゆかりさまも心配している。早く帰ろう!! (汚らわしい下等種の分際で、私のちぇんの周りをウロウロしやがって…あのまりさは後で殺しておこう)」 -- 2010-06-30 00 59 49 やっぱこの人は引退させるべきじゃなかったよ。なぜ叩いたし -- 2010-07-06 02 18 21 せっかくゆっくりできるSSも腐れたゆっくりの真似する感想が目に入って不快になったわ -- 2010-07-13 03 09 45 こち亀みたい -- 2010-07-21 18 22 33 らん邪魔 -- 2010-07-25 13 13 53 れいむもお姉さんも可哀想。人間でも子供が親のために何かしようとして悲劇に見舞われることはよく聞くね。 父親に弁当を届けに行って踏切で電車にはねられたり、母親を助けようと食事の用意を手伝うつもりが火災をおこしたり… ゆっくりでも人間でも善意や少しの不注意が取り返しのつかない悲劇につながることがある。 ゲスゆもゲス人間もいないのに、どうしようもなく悲劇はおきる。 こういう話を読んだり聞いたりするたびに、「ひどいよ神様…」って思ってしまう。 -- 2010-07-25 15 07 00 馬鹿ごみ饅頭がつぶれただけの事。 こういう堕ちる作品いいですね。 -- 2010-07-26 16 13 19 じゃあ貴方の家族が死んでも馬鹿なヒトガタが静かになっただけですねー -- 2010-08-01 22 49 45 人間と饅頭を一緒にするって頭可笑しいんですねぇー 愛でにしても末期だなお前 -- 2010-08-03 18 29 12 たかがゆっくりの話で人の家族の生き死にとかに言及するべきじゃない。 あとこういう場所だからゆっくりを擁護して善人ぶるのはやめた方がいい。 -- 2010-08-07 01 05 23 おおっと!コメントが荒れているぞ!注意書きをよく読んで投稿してね! -- 2010-08-21 02 06 30 れいむはざまあwwだが お姉さんにはちょっとだけ同情してしまった。鬼意山までの道のりはまだまだ長いな… -- 2010-08-21 09 26 43 可哀想だなーれいむもお姉さんも。 可愛がってたれいむが死んだ事をお姉さんは知らないまま、なんだろうな。 貼り紙作って必死に探したりするのを想像すると泣ける;; -- 2010-10-23 22 40 53 れいむざまあ -- 2010-11-03 08 25 08 れいむもお姉さんも可哀想。人間でも この時点で基地愛護団体と同じ臭いしかしねえw -- 2010-12-09 20 00 37 それよりクリスマスを糞饅頭と過ごすおねえさんがかわいそう… -- 2010-12-19 16 05 02 てかこの世界にはバッジ制度は無いのか -- 2011-01-07 22 29 42 ははは!ざまあれいむ!てめえなんざまだ幸せだ!ゴミ箱に捨てられてだけなんだからな。本来ゆっくりなんぞは虐待の限りを尽くされて朽ち果てる物なんだぞ!この幸せモノが!! -- 2011-01-10 04 48 45 ヒトガタが静かになったとか言い出してる人、普通にすげえ馬鹿だな…論理の欠片も無い。小学校出てるのか本気で心配だ。 -- 2011-01-22 17 54 36 子れいむが死んだのはゆっくりできたが 即興で書いたというだけあって思いついた文だらだらと書き 全てが中途半端のままで子れいむの死をもって終わらせただけだね -- 2011-06-08 01 21 53 ↓すごい上から目線 -- 2011-07-08 12 25 46 ↓↓ものすごい上から目線 -- 2011-09-01 20 30 59 ↓↓↓ものすごーく上から目線-- -- 2011-11-05 23 51 28 下から6番目の米失せろや。そーいうの見て苛ついてる奴もいるから。そんなこともわかんないの?愛でで何が悪いんだよ。 -- 2012-04-18 17 45 35 失礼しました 4番目の米でした。すみませんでした。 -- 2012-04-18 18 08 31 とりあえず絵が良いな。作品も素晴らしい出来だった -- 2012-04-18 22 29 09 おねえさん可哀想。今回は、珍しくまともな、子ゆっくりだったんに!後、れいむざまぁとか言ってる奴、そんな、悲しいこと言うんだだったら、愛でスレみて来いや。ボケ∑(゚Д゚) -- 2014-05-31 11 54 27 今更ながらバッチ無しなのが悪い -- 2016-07-13 15 11 07 自分の読解力がなくて以下の点がわからない。すまないが誰か教えてくれ。 ・飼い主がお姉さんと分かるまでの文章が長い。 ・子れいむはどうやって台所の窓まで登れた? ・「地面に着地」の前に、室外機の上も十分に硬くて痛いと思うのだが? ・そもそもお姉さん家は一軒家?アパート?(文章全体的に風景がわからない) ・お兄さんはいつ子れいむを部屋に入れた? ・お姉さんは結局どうしたんだ? -- 2018-02-12 13 25 59 おねえさんはれいむががいないことに気づかなかったのか -- 2023-05-20 00 00 53