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「グオオオォォォォ!!」 Leafのアダルトゲーム『痕 -きずあと-』に登場する鬼……というかなんというか。 時々エルルゥと間違われる事があるが、そちらは同じくLeaf(リーフ)のゲーム『うたわれるもの』のメインヒロインで、名前以外は似ても似つかない。 『うたわれるもの』にもエルクゥとよく似たキャラクターが数名登場するが、ネタバレを含むため割愛する。 + 原作ネタバレ 原作の設定で言えば、鬼と言うより過去に地球に飛来したエイリアンの一種。 原作中ではその末裔である主人公の柏木耕一(かしわぎ こういち)と柳川裕也(やながわ ゆうや)がこの姿を取る。 なお、外見が変化するのは男性のみで、女性はエルクゥの力を解放しても外見は変化しない。 しかし、外見はともかく体組織の組成は劇的に変化しているらしく、質量の大幅な増大が起こるようである。*1 エルクゥは地球時間で物語開始の500年程前に「山神様」によって地球に連れてこられた異星人の末裔。 あらゆるものを斬り裂く爪を持ち、風の如き疾走が可能で、大気を震わす雄叫びを放つ等圧倒的な戦闘能力を誇り、その凶悪性は見るものを凍てつかせる。 「山神様」は、鯨の数百倍程もある真っ白な流線型の身体と宇宙空間航行能力を持つ雌雄同体の知的生命体。 作中では「鬼を運ぶ箱船」「ヨーク」という名でも呼ばれている。 地球時間で物語開始の一万年ほど前に宇宙の果てにおいて誕生した。 体内には人間の様な消化器官は無く巨大な空洞になっており、そこにあらゆる環境を再現可能。 この空洞内部に他の生物を収納し、宇宙船の様に惑星から惑星へと航行する事が可能である。 「山神様」はそのようにして他種族を運びながら一生を送る。 心の声で話すため、同族は勿論、他の知的生命体とも距離や言語の違いを問わず意思疎通する事が可能。 人間の一生分の記憶をコンピューターのデータベースのように保存でき、さらには他の人間にそれをコピーする事も可能である。 ある時「山神様」は、とある惑星(レザム/真なるレザム)において自分と同様に心の声で意思疎通を行い、 宇宙船で他の惑星へ航行可能な程の高度な科学文明を持つ知的生命体と遭遇した。 しかし、宇宙空間での活動に適応して心の声で意思疎通できる「新人類」はごく一部であり、彼らはその超能力故にそれを持たない「旧人類」から怖れられ、 徹底的に迫害されて滅亡寸前まで追いやられていた(要は『ガンダム』におけるニュータイプや『X-MEN』のミュータントと同じ)。 この時、膨大な時間を孤独な旅に費やしてきた「山神様」は、意思疎通のできる友を渇望していたため、迫害されていた「新人類」を仲間として受け入れた。 そして、「旧人類」への復讐を誓い力を渇望する「新人類」の要求に応じ、彼等の遺伝子を改造して「旧人類」を駆逐出来る程の強大な力を与え、 「旧人類」の死に対し性的な快楽を得られるようにする事で「旧人類」への憎悪を子々孫々に受け継ぐ事を可能にしたのだった。 こうして生まれたのがエルクゥ…「鬼」という存在である。 つまり、地球で鬼と呼ばれているエルクゥは「山神様」によって人工的に創り出された改造生命体なのである。 こうして、エルクゥは母星の「旧人類」を駆逐し、それからいくつかの集団に分かれると、 「山神様」が産んだ子供達(宇宙船)に乗って別の宇宙域に逃げた「旧人類」を追っていった。 世代交代を重ねるうちにエルクゥの「旧人類」への復讐心は狩猟本能へと変化し、 エルクゥは自らを「狩猟者」と称して「旧人類」狩りを続けていった。 多種族間の争いというデリケートな事に安易に干渉したせいで恐ろしい悲劇を生み出してしまい、自らの軽率さを後悔する「山神様」。 しかし、エルクゥの中にも人間であった頃の「他者を思いやる優しい心」を持つ者が現れた。 それが、エルクゥの中で唯一「山神様」と直接交信する事を許された皇女リネットである。 その頃には「山神様」に二度目の出産期が訪れていた。 しかし「山神様」の種族にとって、二度目以降の出産は生命の危険を伴う行為であった。 出産をすれば、死なないまでも宇宙空間航行能力は失ってしまうだろうし、 そうなると体内に共生するエルクゥ達を故郷へ帰す事ができなくなってしまう。 彼等を無視して己だけの都合で出産をする事など許されるはずもなく、「山神様」は二度と子を産めない身体になる事を承知の上で出産を断念しようとした。 そんな「山神様」をリネットは説得し、銀河の外れにある惑星…即ち地球の衛星軌道上まで「山神様」を導くと、出産をさせてくれた。 その甲斐あって「山神様」は五人の子供を産んだが、その代償として宇宙航行が不可能となり、 地球の重力に引きずられ、以降地球に留まる事を余儀なくされてしまったのであった。 これこそが、地球時間で物語開始の500年程前に起こった出来事の全てである。 耕一をはじめ柏木家の人間達はリネットの末裔に当たり、エルクゥ(鬼)の力を受け継いでいる。 こうして見ると実に立派なSF作品と言えるだろう。 余談だが、後述のMUGENキャラとして製作されているエルクゥは、 原作ゲームの登場人物であるエルクゥの血を引く一人、柳川裕也が変身した個体を基としている。 一部ルートではラスボスを務めたキャラクターであり、 当初は主人公の父が死んだ事件を捜査する若手エリート刑事の優男であったが、 とあるきっかけで連続殺人や拉致監禁、強姦、薬物濫用など、MUGENでの性能以上に凶悪かつ性質の悪い犯罪者へと変貌した。 (どんな外見をしているかに関しては、yuki氏のエルクゥのSFF内にスプライトが存在するためそれで確認してほしい) + 血に振り回された男達(更にネタバレ注意) 補足すると、この作品におけるエルクゥの血が男性に引き起こす性欲や殺戮の衝動は凄まじく、 主人公の耕一の父である賢治の死の原因も、この衝動に負けてからの破滅を回避するためであった。 柏木家の歴代の男達でその衝動に打ち勝てた者は稀であり、 耕一はそれに対抗し得る資質を持っていてルート次第によっては打ち勝つ事ができるものの、 展開によっては一介の鬼へと成り果てる結末もある(といっても一ルートだけだが)。 そして柳川は耕一の祖父、耕平と妾との間にできた子供であり、 望まれぬままエルクゥの血の宿命を背負わされたという暗い生い立ちが背景にあるため、 血の衝動に負けてしまってからの犯罪の数々を一概に彼の責任と言い切れない部分もある。 柳川が耕一はじめ柏木家の住まう土地に赴任してきたのは全くの偶然に過ぎず、 そもそも善良な人物だった彼が変貌したのは彼と全く無関係のホモヤクザに暴力を振るわれ殺されかけたことが原因である (この際、エルクゥの血の衝動が発現しヤクザを惨殺。自身の正体を自覚した柳川は凶行に及ぶようになる)。 主人公と戦う因縁も、数々の凶悪犯罪も、全ては不幸な因果によってもたらされたもの、 もっと言うと人間の業がもたらしたものと言える。 …やはり鬼とは人の心に棲まうものなのかもしれない。 とあるルートの場合、耕一が自身の血の衝動に打ち勝ち自在にその力を振るえるようになるが、 その力はエルクゥの本能のままに戦う柳川を上回っており、事件の決着を彼の最期を以て付ける事になった。 + …と、思っていたら 後に発売されたファンディスク『初音のないしょ!!』の中に収録されたポケモン風ゲーム『リーフファイト'97』では、 当初こそ敵として戦うが、その後自軍最強クラスの戦力として共に戦う事になる。 原作では丸っきり暴走状態オンリーだったが、こっちでは普通に制御可能になっている。 登場時に耕一達から「死んだはずなのに何故!?」といった反応があるのと、 この作品では耕一が鬼の力を完全に制御しているため、恐らくは原作千鶴ルートの後の話だと思われるが、 一度死に掛けたか死んだかしたのが切っ掛けで制御可能になったのかもしれない。 戦闘中の台詞は相変わらず恐ろしい事を言っているが。 その一方で敗北時に「これで…いい…」と台詞を残して倒れる。 原作での敗北と死は、もしかしたら柳川の心の内では望んだものだったのかもしれない。 + ちなみに 『痕』は1996年に発売されて以来ニ回のリメイク作が出ているが、三作品でエルクゥのイラストが微妙に違っている。 特に2009年版は明らかに今までのエルクゥとはかけ離れた、別のキャラと見間違える程になっている。 エロゲーなので手が出せないという人は、全年齢対象の漫画版がメディアワークスから出ているのでそっちを読んでもらえば分かるが、 「普通のマッチョな鬼っぽい容姿」になっている。 MUGENの狂キャラとして名高い方は旧版の外見を参考にしているため、両者を見比べると同一キャラと言われてもよく分からないだろう。 MUGENにおけるエルクゥ yuki氏(たくしあげの人じゃない方)による改変手描きドットのエルクゥが有名。 他にも萌えキャラと化した「ちびえるくぅ」や、yuki氏のものを神キャラに改変した「惨殺者」等が存在する。 + yuki氏製作 yuki氏製作 システムは『QOH』風(もちろん『QOH』には登場しない)。 やられモーションでも分かる通り、ドットはギルティギアのザトーの一部モーション(ダッシュや空中技など)をベースにして作られている。 かなり古くから存在するキャラでありながら、現在もなお狂キャラの代名詞的存在としてMUGEN界に君臨している。 iswebライト終了によるサイト削除により一時入手できなくなり、その後移転したサイトもサービス廃業により再びDLできなくなっていたが、 現在はFC2ブログに移転してめでたく復活した。 また、この際におよそ 14年 ぶりに更新され、バグ修正が行われた(ついでにパッチやAIの製作が自由化された)。 + 主な技性能 強襲 凄まじいスピードの突進技。しかし突進速度もさる事ながら、 1F目から攻撃判定が発生する上、持続時間が長い 発生から終わり際まで長めの無敵時間がある ヒット・ガード問わず硬直がやたら長い という特徴を持つ、かなり凶悪な技。 エルクゥの代名詞にして生命線とも呼べる技であり、対処は困難を極める。 光のパイル・クロスパイル 手からビームを発射する。光のパイルは横一直線に、クロスパイルは横と斜め上に放つ。 ビームの範囲は広く、画面端から反対側の画面端にギリギリ届かない程度。 一見飛び道具のようだが実は本体攻撃であり、相手を壁まで追い込んだ状態でヒットさせると自分が大きく後退する。 エルクゥの攻撃の中では発生が比較的遅めであるが、強襲のヒット硬直からは確定で繋がる。 衝撃波 その場で地響きとともに周囲に衝撃波を発生させ、相手を吹き飛ばす。 喰らい中でも使用可能で、使用時にライフ・パワー両方を少し消費する。 サイクバーストなどと異なり何度でも使用する事が可能で、 しかも発動直後から技終了後もしばらく持続するほどの長い無敵時間が発生する。 コストの割にかなり高性能で、これもエルクゥの生命線の一つ。 ただし発動できるのは地上限定であり、デフォAIは低確率でしか使用しない。 鬼の爪 大きな爪で前方を切り裂く必殺技。 上段・中段・下段の三種類があるが、特筆すべきは下段である。 画面1/3以上のリーチを持ちながらモーションが小さく、連発するだけで連続ガードになる。 デフォAIはこれをひたすら連発して固め、距離が離れたら無敵の突進で間合いを詰めて再度固めて来るため、 ガードキャンセルの無いキャラだとほぼ削り殺されてしまう。 普通にヒットしたらしたで浮かされてしまうため、空中コンボや下手をすれば即死攻撃の「鬼の爪零式」に繋げられてしまう。 狩猟(弱) 前方を半月状に大きく切り裂く。 当たり判定は横幅は画面の2/3以上、高さは画面の1/2と非常に大きく、 それでいながらモーションは小パン・小足並に短いというとんでもない必殺技。 ノックバックがかかる前に再度同じ技を繋げる事ができるため、 ヒット・ガード問わず、とにかく当たればひたすら連続で出し続けてそのまま10割となってしまう。 ただし攻撃判定がエフェクトの見た目通りに付いているため、目の前に判定が無い部分があり、 空中の相手に当たった場合はきちんと連続ヒットしない事がある。 デフォAIはこれを使ってくる事は殆ど無いが、強さを追求した外部AIはこれを多用する。 ちなみに狩猟(強)も存在し、こちらはしっかり目の前にも判定があるが、 判定の高さは低くなっており、少し硬直が長いため連続で繋がらないなど使い勝手が大きく異なる。 斬空(弱) 空中で目の前を大きく切り裂く。 空中で使用できる狩猟(弱)といったような性能である。斬空(強)がイマイチな使い勝手なのも共通 狩猟(弱)と同じようにハメる事もできるが、使用できるのが空中なので状況は限られる。 これもデフォAIの方はあまり使わない。 ライフ→パワー変換 名前通りライフを減らしパワーゲージを回復する特殊な技。 発動時に発生する火柱には攻撃判定がある。また、モーション中は無敵。 「パワー→ライフ変換」という技もある。減少と回復が逆になった以外の性質は同じ。 鬼門開封・改 相手を一瞬で画面端まで運び、爪で連続で切り裂く超必殺技。 5ゲージ消費に見合ったかなりのダメージ量で、並大抵のキャラは直撃ならこれで即死、 運よくガードできたとしても8割近い削りダメージを受け瀕死となる。 しかし相手のパワーゲージを大幅に上昇させるという特徴があり、 倒し切れなかった時、あるいは次ラウンドに強力なゲージ技を使われるデメリットが存在する。 -我ラガ「ヨーク」 全画面に落雷を発生させる超必殺技。5ゲージ消費。 所謂全画面攻撃であるが、当たり判定が見た目通り落雷のみなので「無に還ろう」等とは少し性質が異なる。 落雷の発生位置は完全ランダムで、当たり方によってダメージが変化する。 発動中は無敵状態だが、暗転前の一瞬と技の終わり際は無敵状態ではない。 単純に無敵時間を活かした回避兼攻撃として使える他、空中だと衝撃波が使えないエルクゥにとって、 空中にいる相手を安全に撃ち落とせる数少ない攻撃でもある。 鬼の爪零式 10ゲージ消費で使用できる即死攻撃。後述する演出から、エルクゥの代名詞として有名。 相手に突進し、ヒットすると専用カットインと共に大きく唸り声を上げ、その後画面が斬撃と出血に覆われて見えなくなる…という演出。 シンプルだがかっこいいと評判で、MUGEN界で最も芸術性の高い技の一つとも言われる。 サムネにもちょくちょく採用されており、エルクゥ出場の目印となっている。 このように技性能からかなり凶悪で、更に体力とパワーゲージの自動回復が付いていたりとやりたい放題 (回復速度はライフが減るほど早くなる)。 ただジャンプが大きくふんわりしているため、空中戦は苦手である。 残り体力が3割以下になると「夜が来る!」という技が自動発動し、エルクゥが暗闇に紛れて見えにくくなる。 あくまで背景にエルクゥが紛れて見えにくくなるだけのAI殺しならぬプレイヤー殺しであり、喰らい判定などはそのまま。 ちなみにこの技、ただ単に背景を暗くして月を出しているだけで「回復が速くなっている」と誤解されやすいがそれは別の仕様である。 しかし、この「別の仕様」で体力が少なければ少ないほど強化されているため、この状態のエルクゥはかなり危険である。 別名「狂キャラ審査員」。 MUGEN界で長きに亘ってもなお、狂下位キャラとしてど真ん中な強さを持つ彼は、審査員としてとても優秀であると言えるだろう。 ただし狂キャラ審査員という性質上、他の狂キャラ達はその審査を潜っている(エルクゥと互角かそれ以上)ため、 狂キャラを相手にすると少々分が悪い。*2 諏訪大陸などの製作者で知られるにんにく氏によってAIが製作されている(通称「鬼化パッチ」)。 狂下位全般のキャラを圧倒する、狂中位クラスの凶悪なAIだったが長らく公開停止されていた。 しかし本体更新と利用規約変更に伴い、更に凶悪になって再公開された。 鬼の爪による低速削りや遊び要素だった空中永久を使わなくなり、 「新たにTU時に回復技を使うようになる」「鬼の爪零式が効かなかった場合もう使わなくなる」 など動きが徹底されており、ランク的には狂上位レベル。 更新で永久パターンが増加し、1ラウンド目に限り再び空中永久を使うようになった。 また、喰らい抜け頻度を変更可能になり、本体バグの一つである打撃技のダメージが1固定になる不具合をスイッチで直せるようになった。 逆に弱体化パッチも存在していたが、こちらは再公開されていない。 旧版 新版 現在は神人豪鬼改変パッチなどを制作した名無しのぽろろ氏によるAI+改変パッチも公開されている。 アドガや本体ダメージなど多くの不具合が修正されている他、更新でラウンド開始前は無敵状態になり、フライング攻撃に強くなった。 AIは記述のミスを修正したデフォAIや、前述したにんにく氏AIパッチのような行動をする強力な新AIが搭載されている。 初期は新AIでもにんにく氏AIにはやや及ばなかったが、その後の更新で大幅に強化され互角の強さとなった。 にんにく氏AIパッチに比べて強襲の使用頻度が低く、代わりにライフ→パワー変換や我ラガ「ヨーク」を多用するのが特徴。 こちらも喰らい抜けの設定を調節可能で、デフォ仕様AIでも喰らい抜けをさせたりと、ランクに合わせて幅広い調節が可能。 他にも海外製作者のdusk氏によって本体同梱でAIが作られており、通常技やエリアルを絡めた多彩なコンボを見せてくれる。 瀕死時は強襲による回避とパワー→ライフ変換技を自重しないのでかなりしぶとい。 にんにく氏AIやぽろろ氏AIには及ばないものの、狂中位で戦うには十分な立ち回りを見せてくれる。 以上のように相手にすると厳しいが、人操作だと扱いにくいキャラとしても有名。 だが扱いに慣れると、CPU戦だと普段負けてしまう金ゆっくりやCCジェネラル、弾幕七夜(Lv13)も倒す事が可能。 横長ステージで発揮された運送の極意 そして何と記録更新(24:55~) また、海外では改変されたエルクゥもいくつか存在し、 中でもZiggerfreud(aka Zigg4d)氏とIroncommando氏によるものは鬼化パッチ付きエルクゥと互角以上に戦える。 本家との主な違いは…… 常時アーマー 最大3ゲージ 「鬼の爪零式」のエフェクトが違う&これでKOすると相手が四散し死体が残らない 「鬼の爪零式」は敵がアーマーであっても倒せる 「我ラガ「ヨーク」」は画面全体を電撃で覆うものが雷球から稲妻を落とすものに変更されている 「我ラガ「ヨーク」」の簡易版のような通常飛び道具技が搭載されている 「夜が来る!」発動でパワーアップする 空中コンボが得意(バルログを意識しているらしい。だから投げ技は持たない) 最終ラウンドに特定の技で勝利すると特殊な演出に入る 敵の首を引っこ抜くフェイタリティを持つ AIレベルを変更できる(yuki氏のデフォAIと改変AIの切り替え) 咆哮ボイスがより不気味なものに差し替えられておりホラー要素UP↑ 参考動画(09 45~) + タツノオト氏製作 ちびえるくぅ タツノオト氏製作 ちびえるくぅ なんと萌えキャラ化したエルクゥ。 その名の通り本家と比べてサイズはかなり小さいが、搭載されている技はほとんどが別物。 恐怖の鬼は一体何処へ行こうとしているのか……。 残念ながら2010年5月20日開発中止が告知され、未完成ではあるが公開された。 製作者曰く改変、流用、使用は自由との事。 それから4年の月日を経て、パピット氏による改変版が公開された。 未完成あるいは没技と思われる技も使用可能になっており、AIもデフォルトで搭載されている。 特殊カラーも存在し、本家エルクゥではKOできない相手をKOできたりするため、 従来のエルクゥでは対応できなかった環境でも上下共に活躍できるようになっている。 + Dormir氏製作 惨殺者 Dormir氏製作 惨殺者 神キャラ化したエルクゥ。2018年5月公開。 その名に恥じぬ凄まじい殺傷力を持ち、神上位クラスの実力を持つ。 技は本来の技に加えメテオや鬼の爪系大魔法、ちびエルクゥ召喚などを使う。 特にちびエルクゥは、ラウンド開始と同時に通常エルクゥが画面外へ離脱し、 そのまま本体がちびエルクゥに 数分ほど 交代するのでかなり印象的。 また、専用対策でのみ強制死の宣告を使うのだが、 その内容が「どっかで聞いたSEと共にやってきた千鶴に自分が殺される」というこれまたインパクト抜群のもの。何故これで相手が倒せるのか 出演動画 ニコニコ動画におけるエルクゥ 大会ではカービィに 回転切りでハメ殺されたり 、凶悪キャラグランプリの紹介映像で宇宙意思に瞬殺されたりとイマイチいい所が無かったが、 『 ニコニコRPG 』の11話で強力なボスとして登場し、その存在感を示した。 『ニコニコRPG』11話における雄姿(10 59~)※有志による再投稿版 だが上には上が居るわけで、色んな意味でトラウマな凶悪キャラ達がボスとして立ち塞がり、 後にエルクゥ以上にMUGENで猛威を振るっている更なる恐怖(非公式追加パッチ)も現れた。 余談だが、33話では登場人物達がMUGENで遊んでいるシーンがある。 また、プレイヤーが操作できる登場人物達は(製作者の意向や版権問題でニコニコMUGENWIKIでの紹介や動画使用を禁止されてるキャラクターを含めると)、 全員がMUGEN入りを果たしている(矢部野彦麿と琴姫は元ネタのステージが国内で公開されている)。 また、トキアミバトーナメントでは一撃で死ぬ・攻撃技が無い・いるだけで常時ゲージ消費というお荷物キャラクターコイキングと最強と最弱タッグを組み、 ハンデ(タッグ補正が無くなるのである意味ダミーと同じ様なものだが、ゲージを減らす分もっとタチが悪い)を背負いながらも大暴れし、 元祖狂キャラの意地を見せ付けた。1vs2の試合だと何故か名勝負を量産する。 こちらはフィギュア化したもの 出場大会 + 一覧 【エルクゥ】 シングル 俺凶悪フォルダ最強CPU大会 せめて即死で葬ろう大会 No.3は誰だ?怪獣大戦争トーナメント みんなスペランカー体質(落下的な意味で)トーナメント 【狂100人 VS 神1Pカラー50人】神々への挑戦トーナメントII 続☆【たぶんSMH未満】凶&狂キャラシングルトーナメント 強以上上限無しトーナメント【強~神クラス】 狂キャラシングルミニ大会 神未満シングルランセレトーナメント 紫もやし基準 ありえねぇ!ミズチ収穫祭【狂タッグ+a】 凶と狂の境界で台パンするシングルトーナメント 地獄門リーグ みんなが平等に闘える大会【一撃必殺】 レアアクマ被害者の会 シングルランセレ大会 うp主も参戦 狂下位前後トーナメント 狂乱の宴【狂下位前後トーナメント】 狂下位以上狂中位付近ランセレバトル 浅黒杯 「なんだ格ゲーじゃないか」ランセレシングルトーナメント 筐体クラッシャーズ集合!台パンシングルランセレバトル 凶と狂の境界で台パンするシングルトーナメント勝手に2Re 大丈夫。Mugenの狂下位だよ。ランセレシングルバトル この胸に 凶中位の闘魂ある限り 【シングルランセレ】 ランセレクレイジーバトル2 クソゲー確定!ぶっ壊れ性能爆発狂下位ランサバ 幕末前後!核ゲー入門ランセレバトル 狂下位の彼方 シングルランセレ大会 > 突然の死 <トーナメント 狂リスペクト 狂中位 夏の新作オンリー大会 ランセレに愛されろ!空気勢滅殺シングルバトル! 狂下位級!叩け筐体ランセレトーナメント 狂_100 狂+凶クラストーナメント 【スーパーメカ翡翠杯】(審査員) 第3回狂キャラ大会( OP ) 狂キャラ大会( OP ) ランセレクレイジーバトル(ボス) タッグ トキ&アミバがトーナメントに参戦 凶悪タッグトーナメント アメコミ・海外キャラと小規模タッグトーナメント 遊撃祭 最終鬼畜全部世紀末タッグトーナメント 問題児タッグトーナメント【兎鍋】 男達の凶狂タッグトーナメント 人の持つ可能性タッグトーナメント【カイザーナックル杯】 第2回遊撃祭 タタリフェスティバルッ!! タッグで挑め!強vs狂 下克上杯 狂キャラ最麗グランプリ 【たぶんSMH未満】凶&狂キャラトーナメント コンボムービー杯 タッグトーナメント 【クレイジークラスの】ランセレタッグバトロワ大会 ありえん(笑)狂キャラタッグ大会【ミズチ感謝祭】 春の狂キャラタッグ大会 凶キャラ70人 最凶タッグ決定戦 神一歩手前ランセレタッグトーナメント 紫もやし基準 ありえねぇ!ミズチ収穫祭【狂タッグ+a】 第3回遊撃祭 【ゆっくり主催】お前ら魔界でやれタッグトーナメント 曲者揃いのランセレタッグバトロワ大会【強~狂級】 2010狂キャラタッグ忘年会 普通の師範による小規模なリーグ どこにでもいる一般的な師範基準 凶~狂タッグリーグ 昨日の地獄は今日の相棒!? カオス成分山盛りタッグBATTLE 俺二人で十分だ 狂タッグ()ミニトナメ サム雷杯!狂キャラタッグ大会 超お神杯凶上位前後タッグバトル(敗者復活戦門番) チーム 凶悪キャラダブルストーナメント 自重率0%世紀末チームトーナメント【全部チート級】 高性能大将クラスチームトーナメント Pokemon的属性別チームトーナメント【ミズチ大感謝祭】 紫もやし基準 ありえねぇ!ミズチ収穫祭【狂タッグ+a】 続☆続【たぶんSMH未満】凶&狂キャラトーナメント クソゲー上等!凶キャラチームトーナメント 六大連合総力対抗チームバトル 昨日の敵は今日の友 狂下位前後チームトーナメント 凶連合VS狂連合 職種別 ブラック企業バトル トリオ・ザ・クラッシャーズ 闇鍋パーティー(Part2、イベントボス) RPGしようぜ!お前手駒な!大会(魔王役) その他 コイキングを守れ!ディフェンスに定評の(ryトーナメント 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(第1回)└ 暇つぶしにうってつけの日 夢幻屋敷にようこそ 名探偵ぱちぇ子 女神異聞録アルカナ もえるく。(主人公・萌えキャラ) 幽香の農業王国物語 ロック・ボガードの憂鬱 *1 『Queen of Heart 99』での柏木千鶴の裏モード「鬼千鶴」は、 その設定を踏まえて着地時に地響きが鳴る演出が加えられている。 *2 完成度はかなり高いのだが、AIだと使用しない強い技があったり起動するのに時間が掛かる事があったり、 ゲージ技をよく外したりしている。それでもあの強さである。 むしろミスが多いながらも通常キャラを圧倒する性能だからこそ狂キャラの登竜門に相応しいと言えるのである。 新AIの強さを見れば、きっと今まで見て来たエルクゥはかなり自重していたものである事に気付くであろう…。
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ボス攻略はこちら Leafのゲーム「痕(きずあと)」に登場する、一般的に「鬼」と呼ばれる種族。 エルルゥではない。 + 以下、原作ネタバレ その正体は宇宙人では?とされている。 主人公・柏木耕一およびその従兄妹の千鶴・梓・楓・初音、耕一の父親、 姉妹の父親、祖父、そして祖父と愛人との子(血筋的には耕一たちの叔父にあたる) 柳川裕也が鬼の力を持っていると描写されている。 これは、柏木家の先祖「次郎衛門」が、エルクゥの娘「エディフェル」の力によって エルクゥとされ命を救われた後、エディフェルの妹「リネット」との間に子をもうけ 現在に至るためである。 男性は、変身能力をもちエルクゥと化すと全身の筋肉がより戦闘向きなものへと 再構成されていき巨大な体躯となる。 本作11話で出現するエルクゥがまさにそれである。 なお、女性は外見そのものに劇的な変化は見られない(しかし、体重が急激に増えていく 描写があるため、身体そのものの体積は変更せず筋肉を発達させているものと思われる)。 柏木家の男子はその鬼の血に翻弄される運命にあり、ほとんどが成長するとともに鬼の血に 飲み込まれていき、その破壊衝動を制御できなくなっていく。 それゆえに、愛するものを傷つける恐怖に勝てず、あるものは自殺し(耕一の父) またあるものは、妻が心中を行った(姉妹の父母)。 しかし、稀にその力を制御し自在に操るものが出てくる(祖父および耕一)。 ニコニコRPGに登場したエルクゥのグラフィック及び技は、「M.U.G.E.N」の キャラデータとして公開されているものが元ネタである(詳細は後述)。 M.U.G.E.Nの動画でもたまにエルルゥと間違われることがある。 初登場時の表記は「鬼」 ステータス 量産型エルクゥ MHP MMP 攻撃力 防御力 精神力 敏捷性 経験値 所持金 1600 10 250 200 60 100 2000 1400 よろめき、驚き、魅了無効 属性有効度(ここに表記してないものは100%。ただし♂♀は0%) 量産型エルクゥ 神聖 150% 斬撃 75 刺突 75 打撃 75 MUGENにおけるエルクゥ ニコニコにおいてエルクゥといえばMUGENのキャラクターとしても有名だろう。 MUGENにはかなり昔からオリジナルキャラとして製作されていた。 その強さは圧倒的でありハメに近い通常技連打や自動回復、即死技など並のキャラが勝つことは極めて難しい強さである。 RPGで体力低下時に暗闇に紛れて姿が見えなくなるのもMUGENのキャラ仕様の再現ではないかと思われる。 ニコニコでは狂キャラとして認識されており、よく「狂キャラ審査員」と呼ばれている。 これは「エルクゥにタイマンで勝てるキャラは狂キャラランクだ」とされているため。 狂キャラにしては癖が無く普通にそこそこ強いためだと思われる。 そのため、狂キャラの製作動画ではよく練習台、試験官として登場するが 逆に言えば大抵の狂キャラには負けているために狂、神ランクの大会ではかませ犬の立場に甘んじていることが多い。 関連動画 強~凶ランクの大会だが「最強と最弱」タッグとして出場。 二対一というハンデをものともせず大活躍している。 _,r´フ /从\/三三Ξ二二冫===ゝ´ ,、 r-‐ニニミ/ /从从从=\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /| ///ミ/` /´从从从从从从 \r三三三三三三二===、___ |.;| ///.;ノ/ミ/ /从从从从从从从从从从从从从从从二二===、 |=| /ミ//三 |/ミ/ ./从从从从从从从从从从从从从 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |=ヽ, |=∥从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从二===____ `l=| ./从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从二==、_ |=冫/从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从ヲ-、____ ` ̄´ \从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从ミ\ヽ三ミミヘ、_____、____/从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从= ヽ ヽ三三三\、从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从=冫  ̄ ヽ__从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从| \从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从ミヽ_____ `l从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从从\ {从从ミ/`l从从从从从从从从从从从ミ/`ヽ从从从从从从从从从从从从从从从从从ヽ ヽ从/ イ三ム´\从从从从从从 ヽ ヽ从从从从从从从从从从从从从从从从从 _r-‐´三三ゝl\ ヽ-、从从从从ヽ 冫从从从从从从从从从从从从从从从从 Y从/l从l´ ̄ \ \ ヽ从从从从 ヽ 冫从从从从从从从从从从从从从从从从 |从/ ゝヾ、___/从ミ| ヽ-从从从从ヽ r-‐´~从从从从从从从从从从从从从从从从从 ヽ从从从从从从从=冫 \从从从从Y从从从从从从从从从从从r---、从从从从从从 ヽ从从从从从从/ `l从从从从从从从从从从从从从从/ \从从从从从 ヽ从从从从从从====、____ヽ从从从从从从从从从从从从从ヽ \从从从从从从从从从从从从从从从从从从从/ヽ从从从| `ゝ‐--、从从从从从从从从从从从从从从从/ |从从从| \从从从从从从从从从从从Ξ/ \从从=ヽ__ \从从从从从从从从从从/ r-、冫从从从从 ヽ |从从从从从 / |从从从从从从/ M.U.G.E.Nキャラデータ「エルクゥ」の配布サイト http //uglt.hp.infoseek.co.jp/
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_-ーーーーーーニ=‐ / \ / > / ○ ○ \ ./ \ </// /// \ ヽ ル-=ーヾ ヽ ソ /~~~ヽ 丿 / | | | / | | / | ゞ ゝ--- | ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【エルクゥ】 ♂ 種族:エルクゥ 性格:あまえんぼう Lv3 獣系 こうげき / B ぼうぎょ / D+ まりょく / C せいしん / D+ すばやさ / D+ キャパシティ ./ 【14/14】 【装備】 ・鬼の爪 《爪》 【斬撃/なし】 【特技】 ・げっこう 消費:MP40 【魔王/なし】【3】 敵全体に特殊攻撃を行う その後、幻月を展開する ・みなごろし 消費:MP6 【2】 敵味方をランダムに狙う高威力の物理攻撃を行う ・鬼の爪零式 消費:T3 「奥義」【斬撃/なし】【*】 敵単体に超威力の物理攻撃を行う その後、現在HPが1の敵味方全てを戦闘不能にする 幻月が展開されている時のみ使用可能 【パッシブスキル】 ・月下に狂う 【3】 幻月が展開されている時、あらゆる攻撃の威力が上昇する ・月下に忍ぶ 【2】 幻月が展開されている時、攻撃を回避しやすくなる ・月下に吠える 【2】 幻月により自身のHPが回復する度、自身のテンションを上昇させる 【アクティブスキル】 なし ステータス・特技・PS・AS解析済み
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制作者 yuki氏 最新版 Ver3.816/07/13 概要 Leafのアダルトゲーム『痕 -きずあと-』に登場するキャラクター。 キャラ設定等はニコニコmugenwikiへどうぞ。 公開されて以来、凶悪キャラクターの代名詞として存在していた。 性能解説 勿論エルクゥはあくまで格ゲーの範疇で戦っているキャラクターのため、神キャラ等と戦っても歯が立たない。 しかし、普通のキャラと比べるととても凶悪な性能になっている。 +その凶悪な性能 まず、デフォルトで体力・攻撃力・防御力が高い。 体力は1500で平均的なキャラクター(KFM)の1.5倍。攻撃力と防御力は共に1.2倍ある。 さらに、体力・パワーゲージの自動回復もある。 そのスピードは体力が減れば減るほど早くなるため、例え追い詰めても油断はできない。 技の性能もなかなか狂っており、一瞬で画面の端まで届く通常技、無敵の突進技、 高性能の喰らいキャンセル、5ゲージ全画面攻撃などなどとんでもない性能の技がいくつもある。 そして恐いのが、連発可能な「鬼の爪下段」。 範囲もさることながら、ヘルパーによる攻撃のために本体にノックバックが全く発生しない上、 削りダメージもある。 そのためガードしたら最期、ガードキャンセル技のないキャラクターはそのまま削り殺されてしまう。 極めつけは「鬼の爪零式」で、大ダメージのHitdefとtargetlifeaddによる即死攻撃。 余談だがこの時の演出はシンプルだがかっこいいとの評判で、ニコニコ動画ではよく サムネホイホイにも利用される。 また、体力が1/3以下で自動的に発動する「夜が来る!」という技は、背景を真黒にして月を浮かべる技。 ただでさえ黒いエルクゥがその闇に紛れてしまうため、一種のプレイヤー殺しになるだろう。 しかし、性能が高いためなのかプレイヤー操作だと逆に少々扱いにくいとのこと。 以上のような(格ゲーをやっている範疇としては)凄まじいまでの性能から、「狂キャラ審査員」と呼ばれている。 デフォルトで搭載されているAIは自重しているのか、そこまで正確に技を決めるわけではない。 しかしその能力を力任せにに振舞うある意味では鬼そのものと言えよう。 AIパッチ 2009年ににんにく氏により更に凶悪なAIが公開された。 即死コンボやAIの反応速度が強化されている他、バグ修正もされている。 これにより普通の格ゲーキャラはおろかジェネラルやマスターギースといった 狂下位クラスのキャラ達を圧倒する強さとなった。 また、16/7/13の本体の更新に合わせてパッチ・AI作成が自由化され、 16/7/19に更に強化されたにんにく氏のAIが公開された。 コンボやAIの思考が09年版とは大幅に変化し、 狂中位どころか狂上位に喰い込むとんでもない強さとなった。
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「痕」より、柏木耕一を召喚 ゼロのエルクゥ - 01 ゼロのエルクゥ - 02 ゼロのエルクゥ - 03 ゼロのエルクゥ - 04 ゼロのエルクゥ閑話1 ゼロのエルクゥ - 05 ゼロのエルクゥ - 06 ゼロのエルクゥ - 07 ゼロのエルクゥ - 08 ゼロのエルクゥ - 09 ゼロのエルクゥ閑話2 ゼロのエルクゥ - 10 ゼロのエルクゥ - 11 ゼロのエルクゥ - 12 ゼロのエルクゥ - 13 ゼロのエルクゥ閑話3 ゼロのエルクゥ - 14 ゼロのエルクゥ - 15 ゼロのエルクゥ - 16 ゼロのエルクゥ閑話4 ゼロのエルクゥ - 17 ゼロのエルクゥ - 18 ゼロのエルクゥ閑話5 ゼロのエルクゥ - 19 ゼロのエルクゥ - 20 ゼロのエルクゥ - 21 ゼロのエルクゥ - 22 ゼロのエルクゥ - 23 ゼロのエルクゥ閑話6 ゼロのエルクゥ - 24 ゼロのエルクゥ - 25 ゼロのエルクゥ - 26 ゼロのエルクゥ - 27 痕 - Wikipedia http //ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%95
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“加虐遊戯(エンドレス・チェックメイト)”雨音 エルクゥ(あまね えるくぅ) PL: 好きな決め台詞をいれてね! シンドローム:ハヌマーン/ノイマン ワークス:FHセルリーダーD カヴァー:セルリーダー 年齢:20 性別:女 身長:159cm 体重:この項目は消去されました 血液型:B 【肉体】1 【感覚】1 【精神】5 〈意志〉2 【社会】4 〈交渉〉1〈調達〉2 〈情報:FH〉2 【HP】27 【イニシアティブ値】7 侵食率:29% 経験点:147 エフェクト:ハヌマーン 〈風の渡し手〉1 〈声援〉2 〈ファンアウト〉1 〈波紋の方陣〉1 〈彼方からの声〉1 〈無音の空間〉1 エフェクト:ノイマン 〈アドヴァイス〉5 〈弱点看破〉2 【所持品】 サポートスタッフ コネ:FH幹部 思い出の一品 【キャラクター背景】 ライフパス 出自:兄弟 経験:疑惑(経験表:FH) 欲望:愛情 覚醒:感染(14) 衝動:加虐(15) 兄:雨音 ヴァニラ □好奇心 ■隔意 ■が表の感情 仲間:アルフレッド・コードウェル □懐旧 ■恐怖 ザコ:春日 恭二 □尊敬 ■不信感 説明 【キャラクターコンセプト】 【他己紹介】
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前ページ次ページゼロのエルクゥ 「そっか……ごめんな、楓ちゃん。辛い思いをさせた」 「いえ……構いません」 「助けられてばっかりか……一年前も、今も」 「私も……耕一さんに、ずっと助けられていますから」 「そうかな。俺は、こっちが助けられてばっかりに感じるよ」 「いいえ……耕一さんがいなければ、私は……」 「楓ちゃん……」 「耕一さん……」 タバサの『錬金』で作られた簡単なポンチョのようなもので、変身から解けた裸身を包んでいる耕一に、楓は常に寄り添っていた。 1ヶ月ぶりの、もしかしたら二度と会えないかもしれないとまで思い詰めた状況で果たされた再会に、恋人達の交わしあう視線は、その熱を下げる事がまったくない。 「やれやれ。『男を腹の上で泣かせられれば一人前の女だ』、とは言うけどねぇ……身を引くと公言しといてなんだけど、あれだけ見せ付けられるとちょっと妬けちゃうわ」 風の妖精の名を冠した竜が空を駆けるその背で、その二人から少し離れて一人ごちるのは、赤い髪を緩やかな風に流すキュルケ。 「…………」 その傍で愚痴を聞かされているポジションのタバサは、しかしキュルケの言葉には反応を示さず、じっと眼下に広がる戦場跡を眺め続けている。 エルクゥが蹂躙してきた道。静寂を取り戻した岬へと続く街道は、血の海に沈んでいた。 「……すごいものね。これ全部コーイチがやったのかしら」 「……恐らくは」 風竜の背より垣間見た黒き鬼の姿を思い出して、タバサは自らの体が自然と震えを訴え出すのを自覚した。 あれなら、この凄惨な光景を作り出す事が可能だ。一見トロール鬼より小柄なあの体躯には、その万倍もの力が煮えたぎっていた事を、タバサは感じとっていた。 「……サイト」 自らの二の腕を抱きすくめながら呟くと、震えは止まってくれた。 弱くなった。そう思うと同時に……気が安らいでもいる。 彼に出会うまでの自分ならば、黒き鬼の力を心底羨ましいと感じ、何とか手に入れ、利用しようとしたであろう。 復讐の誓いは変わらない。今も変わらないが……タバサはその先を、全てを投げ打って仇を討つつもりで今まで考えもしなかった、復讐を果たしたその後の事を、考えるようになっていた。 悪魔の力でも何でも、強い力ならば渇望して止まないはずだったのに、今は……死を、死に繋がる強大な力を、恐れるようになっていた。 「タバサ」 「……?」 ぽん、と頭に乗せられる手。 寒々しい蒼の髪を通してもほんのりと暖かい、『雪風』の友人である『微熱』の手。 「それでいいのよ。そう思うわ、私は」 「…………」 主語の省かれた言葉にタバサは何も言わず、髪の毛をくしゃくしゃにされるに任せていた。 「見えてきたわね」 キュルケが前方を見やって呟いた。 その先には、先の細い岬の突端に立つ堅城、ニューカッスル城の姿があった。 § 「つ、疲れたのね。おなかすいたのねー……」 ホントの本気の全速力で数時間飛び続けさせられた風韻竜の幼生は、その背に乗せていた4人の人間が城に入っていくのを見やってポツリと漏らし、ぐでーんとうなだれた。 普通に飛ぶのなら一日でも二日でも飛んでいられるが、全速力となれば四半日が限界だ。ちょうど人間が、歩くのならば数時間でも歩いていられるが、全力で走れば一分と経たず息が切れるのと同じように。 それでなくては間に合わなかった用事だというのは理解していたし、まともに進めば一日二日かかる道程を四半日弱で踏破した事は誉められてしかるべきだったが、人間でも竜でも、疲れた頭というのはろくな判断を下さないものだった。 「お肉たくさんもらわないと割りに合わない! 帰ったら思いっきり食べさせてもらうのね! いやいっそここで食べさせるのね! きゅいきゅい!」 じたばたしてみても、周囲には誰もおらず、ただ雲海から吹きつける風が通り抜けるばかりだった。 「……空しいのね」 ひとしきり暴れると、シルフィードはぐったりと地面に顎をつけた。 「それにしてもあの男の子、やっぱりすごく怖い子だったわ。シルフィの目に狂いはなかったのね」 彼―――コーイチという男が召喚された時から、シルフィードは主人に口を酸っぱくして『あれは危険なのね。近づかない方がいいのね』と言い続けていた。 先程あの黒い鬼の姿を見て、それは確信に変わった。オーク鬼ぐらいのちびすけの癖に、韻竜の成体をも脅かす力を持っている異形だ。あんな生き物、見たことも聞いたこともない。 「……でも、悪い人じゃないみたい?」 しかし、あれを支配していたのは、通常のオーク鬼やそれに類する亜人が持つような、破壊の欲求、暴行の快楽ではなく―――人間のような怒りだった。 出力こそ、人には辿り着けぬ境地の憤怒と言って差し支えないそれはしかし、凡百の亜人どものような醜いものではない、何か大切なものを踏みにじられた時のような、熱い熱い感情だった。 「まあ細かい事はいいのね。お兄さまがいない間は、このシルフィがお姉さまを守るのね! 危険じゃないっていうのはいい事ね!」 幼竜の疲れ果てた頭脳は、そこで考える事を放棄した。 わたし、わたし今良い事言った! とカメラ目線でカッコつけようとポーズをとった、その時。 ぐぅ~…… 存外に大きな、太鼓を響かせるような重低音が響き渡り。 「おなかすいた……」 シルフィードは、先程の決意も何処へやら、ぺたりとその場に伏せってしまったのだった。 § 「ルイズ……」 「ルイズちゃん……」 城の一室のベッドに横たわるルイズに、キュルケと耕一は沈痛な顔で名を呼んだ。 反応はなく、ルイズは静かな呼吸音と共に胸を上下させている。 「この人が……耕一さんの」 「ああ。まあ……ご主人様、という事になるのかな。ウェールズ皇太子を庇って、裏切り者に刺されてね」 「……まったく、ゼロのルイズの癖にでしゃばっちゃって」 キュルケの軽口も、眉が下がって瞳が潤んでいては、ただの強がりだった。 「傷は塞がり、何とか命は繋いでいますが、目を覚ましません。血が流れすぎてしまったのかも……数日治療を続ければ峠は越えると思うのですが、現状でこれ以上の治療は、スクウェアの水メイジでもないと……」 水のラインであるらしい女性のメイジが説明するのを、4人は言葉なく聞いていた。 ウェールズが精鋭のメイジを率いて敵の本陣に奇襲を掛けに出て行き、城内に残っていたのは、ルイズの治療に当たった水のメイジ達と、最低限の守りとしての風や土のメイジが十数人だけであった。 『数日の治療』が出来る可能性は、全滅を覚悟していた彼女らにとっては、いまだ望めるものではないのだろう。その声に、希望は感じられなかった。 「血、か……」 自らの右手を見つめながら、耕一がぽつりと呟く。 「耕一さん……」 「大丈夫。そんな事するつもりはないよ。思い出してただけさ」 かつて、自らの命を救い……そして、後に続く柏木の悲劇の幕開けとなった出来事。 それを思い出し、耕一は頭を振った。 「思わせぶりね。何かルイズを助ける方法でもあるの?」 「…………命だけなら。ある意味、命を奪うよりも酷い事だから、やるつもりはないけど」 「……参考までに、聞かせてもらえる?」 耕一は俯き、開いていた掌を、ぐっと握り拳にした。 「俺達の血を与えて、エルクゥにする。エルクゥの肉体回復力は人間より遥かに強いから、腹を貫かれた程度なら、問題なく治るはずだ」 「……そんな事が出来るの?」 「ああ。何せ……正確には違うけど、俺自身がそうやって楓ちゃんに命を助けられた人間だからね」 「…………」 楓が俯いてしまい、タバサが耕一の顔をじっと見つめた。 正確には二人の前世であるが、説明してもしょうがない事だと省いた。今や前世の記憶を自らの物としている二人には、まさに自分の事でもあるのだし。 「ふぅん……で、それのどこが酷い事なの? まあ、亜人になっちゃうなんて、確かに微妙な気分だけれど……人間より遥かに強い体になるんだから、いい事でもあるんじゃないの?」 キュルケの言葉に、耕一を見つめていたタバサの瞳が、微かに伏せられた。 「……エルクゥは、ただ体が強いだけじゃないんだよ」 淡々と、耕一は続ける。 「エルクゥには、人の命をろうそくの炎のようにして見る事が出来る。そして……それが燃え尽きる瞬間に一際大きく燃え上がるのを、何よりも好む習性があるのさ」 それも、自らの手で『燃え尽きさせる』事をね。 そう続けながら、ぽんと楓の頭に手を乗せ、耕一は微笑んだ。 「それって、つまり……」 「そう……人殺しを楽しむ鬼になってしまう。食うためでもなく、生き残るためでもなく、ただ殺すために殺す。そんな化け物に」 「…………」 「雌のエルクゥはそこまで強い衝動じゃないが、雄のエルクゥは……力を制御できずに殺人衝動に負けてしまえば、本当に、人類を殺し尽くすまで止まらない化け物に成り果てる可能性がある」 「……ルイズは女だから、大丈夫なんじゃないの?」 「産まれてくる子供が、相手が人間でも、エルクゥとして産まれてしまうんだ。それは……子供を産まないか、殺人鬼になってしまった自分の子を殺さなければならない、という事になる」 なるほど、女として、それは悲劇以外の何者でもなかった。 そして、耕一の口振りからして、それは決して低い確率ではなく……むしろ、制御できる方が珍しいのだと、キュルケもタバサも気付いた。 「……わかったわ。変な事聞いてごめんなさい」 「いいさ。もうあの姿を見られてるわけだし、話したくなかったら話さないだけだから」 耕一の微笑みが本当に吹っ切れているものだと判断したキュルケは、一つお辞儀をして、寝ているままのルイズに向き直った。 「変な話になったけど、結局、ルイズはこのまま治療を続けるしかないって事なのね」 「あの、実を言うと、それは難し……っ!?」 少し離れて話を聞いていた女性メイジが口を開いた瞬間、がくん、とベッドが軋む音がした。 「ごほっ! がふっ! あ、うううっ!」 「ルイズ!? ルイズ!!」 それまで静かな呼吸以外の運動をしていなかったルイズが突然体を折り、激しく咳き込み始める。 咳には血が混じり、白いベッドのシーツに赤い斑点を刻み込んだ。 「いけない! くっ!」 女性メイジが慌てて杖を取り出して呪文を唱えると、ルイズが淡い薄青色の光に包まれる。 血の咳は止まったものの、その顔には珠のような汗が浮かび、苦しげに喉を鳴らしていた。 「血を吐いてる……内臓の修復が完全じゃなかったの? う、だめ、私だけの力じゃ……!」 「誰か人を呼んでくるわ!」 「いえ……もうトライアングルの方々は精神力を使い果たしてしまっていて……私のようなラインやドットでは、体の中の傷は、熱や血を止めるのが精一杯で……!」 「く……!」 キュルケが歯噛みして、苦しげな息を吐くルイズを見つめる。 タバサも杖をかざして詠唱を始めるが、『水』が専門ではない彼女の治癒ではドットレベルに等しく、焼け石に水のようだった。 「…………く」 「……?」 その様子を不安げに見つめていた楓が、耕一の異変に気付いた。 左手の使い魔のルーンが強く明滅し……何かに耐えるように、歯を食いしばっていた。 「―――耕一さん!?」 そっとその手を取り……その冷たさに、思わず声をあげてしまった。 いや、体温が冷たいわけではなかった。金属の刃を背中に押し当てられたような、そんな怜悧なイメージが脳裏に走ったのだった。 それは、あの―――さっきまで耕一が変身していたエルクゥに感じたものと、同じ。 「ダメだと、わかってる……あんな事は絶対に繰り返しちゃいけない。わかってるのにっ……死ぬより辛い事だって、俺はわかってるはずなのに、なんでっ……!」 「コーイチ!?」 「……っ!」 ぎり、と耕一の握り込まれた左手の骨が軋み……その内から、爪で掌を突き破ったらしい血が流れ落ちる。 ルーンの光が強くなり、無理矢理糸で吊っているかのようにゆっくりと、その腕が上がっていく。 「なんで、死なせるよりマシだなんて思っちまうんだっ!!」 ぽたり、ぽたり、と拳から滴る血が、シーツから、ルイズの顔の横を汚していき―――。 「耕一さんっ!!!」 前ページ次ページゼロのエルクゥ
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前ページ次ページゼロのエルクゥ 結論から言えば、間に合っても間に合わなくても同じだった。 大学の講義室を思わせる、すりばち上の構造になっている教室に戻るなり、 「皆さんお疲れさまでした。本日の授業はこれでおしまいとしますので、皆さんは今日1日、使い魔との親睦を深めてください」 と解散となってしまったのだから。 コルベールは、解散宣言を出すや否や、何をするのも惜しい、といった様子で、教室を走り去っていく。 彼と話をしてみようと考えていた耕一だったが、ルイズに合わせて一番後ろの席についていた耕一には、引きとめる間すらなかった。 「……あー」 本来ならエルクゥ同士でしか感じられないはずの感情のシグナルすら、あのコルベールからは感じられたような気がした。 混じりっ気なしの、『好奇心』という色が。 ……どうしよう。 考えていた行動計画が初っ端から頓挫して、耕一はぽりぽりと頭を掻いた。 あの様子だと、追いかけてもまともに話を聞いてくれるかどうか危うそうだ。 「……ん?」 やるかたなしに周囲を見渡すと、耕一とルイズを遠巻きに見つめ、ひそひそと声を潜めるグループが、ちらほら。 それらの声や態度から読み取れる感情は―――困惑だとか、虚勢だとか、侮蔑だとか、嫌悪だとか。あまり良いお話ではなさそうだった。 ま、大方、さっきの出来事を計りかねているんだろう、と、耕一はそれを意識から切った。 「何ぼーっとしてるのよ。行くわよ」 そんな声に振り向くと、ルイズが既に席を立って、入り口に歩き出していた。 「行くって、どこへ?」 「部屋に帰るのよ。ついでに学院内の案内もしてあげるから、早くしなさい」 「ん……わかった」 耕一は少し悩んだが、今さっきのコルベールを無理に追ってもしょうがなさそうだと思い直し、ルイズに従って席を立った。 「今居るここが、2年生の教室塔よ。で、真ん中の一番大きな塔が本塔。本塔には、先生方の事務所、アルヴィーズの食堂、宝物庫、医務室、男子寮……。 その他、この学院の主な施設が集まってるの。本塔の一番上が、学院長であるオールド・オスマンのお部屋」 教室のある建物から出て、ルイズは指差しながらそんな説明をしてくれる。 「本塔を囲むように、5つの塔が、ペンタグラムを模して配置されているの。1年生、2年生、3年生の各教室がある塔に、ここで奉仕する平民たちの寮、そして女子寮の5つ。 それぞれがアーチで区切られた広場を、それぞれ、ノルズリ、スズリ、アウストリ、ヴェストリ、ユミルの広場と呼んでいるわ」 本塔と教室塔との間には、荘厳な石のアーチ建築で、通路が掛かっている。他の塔ともそうなのだろう。 「これは、始祖ブリミルと、5つの系統魔法を表しているの」 「しそぶり……なんだって?」 「始祖ブリミル。あんたってホントに何にも知らないのね」 聞いた事のない固有名詞に首をひねる耕一に、ルイズは呆れたようにため息を一つついた。 「ブリミルっていうのは、今から6000年ぐらい前、このハルケギニアに降り立った伝説のメイジよ。神様から、"虚無"と呼ばれる今はもう失われてしまった系統の魔法を授かって、自分でも火、水、土、風の4つの系統魔法を生み出した。 その力でもって、ブリミルと、ブリミルに魔法の力を授けられた貴族のご先祖様たちは、ハルケギニアに跋扈していた先住種族や亜人、魔獣たちを討伐し、人間の住めるところにしたの。 そして、彼の4人の子供がそれぞれ、今このハルケギニアにある4つの王家の始祖となったのよ」 だから、全てのメイジの始祖。始祖ブリミル。 ハルケギニア(ここら一帯を表す地名らしい。話を聞く限り、文化圏、と言った方が正しいかもしれない)では、神と並んで崇拝される、伝説の偉人だという。 「キリストみたいなもんか」 「きりすと?」 「こっちの世界で、数々の奇跡を起こしたって言われて、神の子って呼ばれてる人だよ。2000年ぐらい前の人だったかな」 「ふーん……聞いた事ないわね」 興味なさげに、ルイズは鼻を鳴らした。 クリスチャンなら気分を害しただろうが、耕一は宗教的にはちゃらんぽらん甚だしい日本人であったので、苦笑を返すだけだった。 「一回りして、場所だけ確認しましょ」 「ああ」 ぐるり、と、5つの塔を繋ぐ石の外壁に沿って回り、塔と広場の名前や、正面門のそばにある馬の厩舎などの説明を受ける。馬は、地球の馬となんら変わらないようだった。 途中の広場には、ルイズと同じ2年生であろう、使い魔らしき様々な動物とじゃれあう少年少女たちが溢れていた。 犬猫のような馴染みある動物から、見たこともないような動物、果たして動物なのやら疑問符がつくようなナマモノも多く、ここはファンタジー世界なんだなぁ、と否応無く実感させてくれた。 「しかし、結構広いな……」 一周に20分はかかった気がするぞ、と腕時計を見る素振りをして、家に居るときには外していた事に気付いた。 「……そういや、今何を持ってたっけな?」 思いついてポケットの中などを探ってみるが、文明の利器っぽいものは何も見つからず、あったのは丸まったコンビニのレシートだけだった。 まあ、感熱紙も立派な文明の産物であり、コルベールあたりが聞いたら飛び上がって驚いた後に『"火"で文字が書けるなんて! なんという素晴らしい紙なんだ!』などと狂喜乱舞する事だろうが、残念ながら現状、単体で何かの役に立つとは言いがたい。 ―――携帯電話とか財布とかも部屋に置きっぱなしだったっけなぁ。いくら楓ちゃんとのまったり時間だったとはいえ、身軽すぎだろ俺。 「何ゴソゴソしてんのよ」 「ああ、いや、今自分は何持ってたかなって、持ち物の確認をな」 「何かあったの?」 「役に立ちそうなものは何も」 そう。とやっぱり興味なさげに言って、ルイズは、自分の部屋があるという女子寮に入っていく。 「って、俺も入るのか?」 「当たり前でしょ。使い魔がご主人様と一緒に居なくてどうするのよ」 「いや、だとしても、女子寮に男が入るのはまずくないか?」 「使い魔のオスなんか誰も気にしないわよ」 「……さいですか」 無理をしている感がなくもなかったが、大人しく頷いておいた。 外壁と同じ石作りの廊下を歩き、一つの部屋にたどりつく。 鍵を差し込み、ドアを開ける。 ルイズの部屋は、寮部屋というにはちょっと広すぎる部屋だった。さすが貴族というところだろうか。 「……うーん、これが格差ってやつか……」 所々に施された意匠や、華美な装飾の家具、天蓋付きのキングサイズベッドと……東京の自宅であるワンルームを思い出して、耕一はちょっと悲しくなった。 柏木は名士の家。鶴来屋グループという有数の企業体を牛耳る一族なんてとんでもない金持ちであるし、召喚される直前までいた柏木の屋敷も、一般的な日本家屋とは比べるのも馬鹿らしいほど広い家だ。 しかし、本家から長い事離れて暮らしていた耕一の金銭感覚は、庶民そのものであった。 「はぁ。なんだか疲れたわ」 ルイズはぼふんとベッドに体を投げ出すと、そのまま仰向けに倒れ込んだ。 「おいおい、服が皺になるぞ」 「ならないわよ。学院の制服には『固定化』がかかってるんだもの』 「こていか?」 「物を保存する魔法よ。食べ物にかければ腐らないし、金属なら錆びなくなるし、服なら皺や汚れがつかなくなるわ」 「はー……便利なもんだな」 「普通は一着一着服になんかかけないけど、伝統あるこの学院の制服は特別ね」 そう言うと、気だるげに上半身だけを起こす。 「そんなところに立ってないで、座りなさい。本当に何も知らないみたいだから、色々と教えてあげるわ」 言われるままに、近くにあったテーブルについた。 「さて、まずは使い魔の役目からね。契約した使い魔は、主人の眼となり耳となる能力を与えられるの」 「眼? 耳?」 「使い魔が見たり聞いたりした事を、主人も知る事が出来るのよ」 「へえ。俺が見てるものが見えるのか?」 言ってみると、ルイズは腕を組んでしばらくうーっとうなった後、口をへの字に曲げた。 「……見えないわ。あんたじゃ無理みたいね」 「そっか」 感覚の共有か。エルクゥの精神感応に似てるな。 そんな事を思いついて、試しにルイズにシグナルを向けてみた。色は……そうだな、『外敵に気をつけろ』とでも―――。 「ひゃっ!? な、何今のっ!?」 送った瞬間、ルイズがビクンと体を震わせて驚いた。 「お。通じるのか」 「な、何やったのっ!? なんか黄色くなってぞわって悪寒がしたんだけど!」 「俺の一族は、そんな風に意識を通じあわせる事が出来るんだ。 もしかしたらと思ってやってみただけ。 ちなみに今送ったのは、『外敵に気をつけろ』っていう警告の信号」 「……本当に亜人だったのね、あんた」 「なんだ、信じてなかったのか?」 「別の世界だとか妙ちきりんな事言われても、信じられるわけないじゃない」 ま、それもそうだ、と耕一は何も言わなかった。 耕一だって、あの事件が起こらなかったら、鬼だのエルクゥだの聞いても一笑に付すだけだっただろう。 「あんた、何か他に出来る事はあるの? というか、あんたの種族って何?」 そう聞かれて、むっと腕を組んだ。 エルクゥ。人を狩る鬼。人を狩る事に愉悦を覚える狩猟者。 強靭な身体能力を持ち、人の命を感じ取る事ができ、同族と意識を通じあわせ、宇宙進出を果たせるまでの科学力を生み出す高度な知性を持つ。 「何よ。黙り込んじゃって」 「いや、どう説明したもんかなぁと」 ……そんな事を言ったら、全力で討伐されそうだ。 「……むぅ」 「まぁ、何を悩んでるのか知らないけど、後でいいわ。こっちの話を続けるわね」 こほん、と仕切りなおすように咳払いをした。 「使い魔の役目だけど、次に、主人の望むものを見つけてくる、っていうのがあるわ」 「望むもの?」 「例えば、秘薬の材料とか。硫黄とか、コケみたいな」 「へえ」 そういう化学的な面もあるのか、とちょっと感心した後、硫黄なんて、元の世界と同じ物質があるのか、と驚いた。 「何か知ってるみたいだけど、何か取ってこれそうなの?」 「いや、無理かな……硫黄っていうのは俺の世界にも存在するけど、どうやって取るのかまでは知らない。ごめんな」 「ふーん。ま、期待はしてなかったからいいわ。本来、水の中とか、火山の火口とか、高い山の上とか、地中深くとか、そういう人間が行けないところから材料を取ってくるのが貴重って意味だもの」 「なるほど。高いところぐらいなら何とかなるけど、他は厳しいな」 「……そ、その時になったら頼むわ」 先程の人間ジェットコースターを思い出したのか、ルイズはぶるりと一つ震えた。 「最後、これが一番重要なんだけど、使い魔は主人を護る存在であるのよ。 その能力で、主人を敵から守護するのが一番の役目! あんな事が出来るんなら、もちろん簡単よね?」 「……そうだな。簡単かどうかはわからないけど、それならなんとかなりそうだ」 人を狩る為に生み出されたエルクゥの力を、人を護る為に使う、か。 元の世界に居る時もそうあろうとはしていたが、現代日本では、そうそう純粋な戦闘能力が発揮される事などない。 実際にそれを揮う機会があるとなれば、それはなかなか魅力的な提案に思えた。 「さて、それじゃあ次は、あんたの事を教えてくれる? 使い魔の事を知らないメイジなんて、主人失格だもの」 「そうだなぁ。さて、何から話そうか―――」 当り障りのないように、エルクゥの能力の事だけを吟味して話しているうちに、太陽はその身を休め―――ハルケギニアの双月が、夜を照らしだした。 前ページ次ページゼロのエルクゥ
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前ページ次ページゼロのエルクゥ 「―――かふっ」 口が勝手に、鉄の味がする液体と一緒に、湿った空気を吐き出した。 ルイズは、ぼおっと熱くなっていく体が、急速に自らの制御から離れていくのを感じ取っていた。 「―――くっ!」 ルイズの腹部を貫いた『エア・ブレイド』はそこで止まり、ターゲットであるウェールズには届いていない。 一つ舌打ちして、ルイズの体から『ブレイド』を抜く。噴出す血糊に、ワルドの心が小さな、ほんの小さな衝撃を覚える。 ワルドはすぐにそれを揉み消し、ようやく驚きの表情を浮かべたウェールズに閃光の突きを放とうと腕を振りかぶった。 しかし、その一瞬の躊躇が―――エルクゥには十分な時間だった。 「ぐぅっ!!」 ばしゅっ、と水の詰まった風船が弾け飛ぶような音がして、ワルドが吹き飛んだ。 空中に投げ出されたワルドは、くるりと回転して危なげなく地面に降り立つ。 同時に、力を失ったルイズの体が床に倒れ伏した。 「ぐ……ふふ、ははははは! それが貴様の本気か!! ガンダールヴ!!!」 ワルドは右肩を押さえながら、目を爛々と輝かせて哄笑する。 押さえた右肩から先の腕は、丸々なくなっていた。 「…………」 ルイズとウェールズを背に庇うように立った耕一。その右手の手首から先が、大きく肥大していた。 その手の肌は、黒曜石のような硬質な輝きを放っている。禍々しい光が見る者全てを畏怖させる、鬼の腕。 それが、怒りに力の制御を忘れた耕一の神速の飛び込みと共に、ワルドの右腕を吹き飛ばしたのだ。 「……ワルドさん、あんた」 「くく、まさかルイズがウェールズを庇うとはね。全く計算していなかったよ。おかげで、当初の目的は一つしか達成できそうにない」 「ワルド子爵! 貴様、『レコン・キスタ』かっ!」 ウェールズが吠え、杖を構える。 「いかにも。未熟な大使殿の護衛としてウェールズ殿下に近付き、その命を頂戴するお役目を受けていたのだがね。今しがたしくじったところだ」 「なんと大胆な……だが、最早逃げられると思うな!」 周囲のアルビオン貴族は、既に一人残らず杖を抜き放ち、ワルドに向けている。 「スクウェア・メイジと言えども、その負傷でこの数を振り切る事など出来はしまい! 覚悟せよ!」 「くく、確かに。このままでは、私は逃げる事すら叶わぬだろう」 そう嘯くワルドの顔から、笑みは消えていない。 はっと、ウェールズが何かに気付いた。その視線は、そこから先が吹き飛んでしまったワルドの右肩で止まっている。 「気をつけよ! 腕から血が流れておらぬ! 『偏在』だ! 本体がどこかにいるぞ!」 ウェールズの一喝にアルビオン貴族が反応する前に、どごーん! という爆発音と共に練兵場が大きく揺れた。 天井の一部が大きく破壊され、ガラガラと建材が落ちてきた。真下にいた貴族が慌てて回避する。 「くくく」 その混乱と土煙の中、片腕を失ったワルドが、ひゅうんと開けられた穴まで飛んでいく。見咎めた貴族達から散発的に火の玉や氷の矢が放たれるが、ヒラヒラとそれをかわし、ワルドは穴の縁に立つ。 そして、右肩を押さえていた左手をひらひらと振った。その手には、一枚の便箋らしき紙がある。 「アンリエッタの恋文、確かに頂いた。これでトリステインはゲルマニアとの同盟結ぶ事叶わぬ。貴様の命は貰い損ねたが、なに、すぐに押し寄せる『レコン・キスタ』の軍勢によって始祖の御許に行けるであろうさ!」 その横に、なんとワルドがもう一人現れる。 もう一人の五体満足なワルドが手紙を受け取ると、片腕のワルドは、まるで空気に溶けるようにして消滅してしまった。 「……分身?」 「風の『偏在』という魔法だ。風の吹くところどこでも、実体とそれぞれ独立の意思を持つ分け身を作り出す事が出来る」 ウェールズが唇を食みながら、飛び去っていくワルドを見上げる。 「その通りさ、ウェールズ。ではな、ガンダールヴ! せいぜいお役目通り、主人を守ってあげたまえ! もしかしたら、守る前に死んでしまうかもしれないがね!」 ワルドがマントを翻すと、姿は見えなくなった。 「ミス・ヴァリエール!」 ワルドの言葉にウェールズがしゃがみ込み、倒れ伏すルイズを抱き起こす。 その胸元に耳を当て、キッと表情を引き締めると、杖を振った。 青く優しい光が、ルイズの体を覆う。 「まだ息はある! 今居る水のメイジは全力でヴァリエール嬢の治療を! 僕では気休めにしかならない!」 「は、はっ!」 「城中から秘薬と水のメイジをかき集めよ!! 後の戦に残そうなどと思うな! 我ら王軍が最後にもてなした大使を死なせたとあっては、歴史の恥ぞ!!」 ウェールズの檄の下、アルビオン貴族達は迅速に行動を開始した。緊急事態に心を切り替えられない者は、ここまでついてくる事も出来なかったのだ。 「…………」 「う、うおっ、な、なんだこの心の震え! あ、相棒っ!」 耕一は、じっと、ワルドが飛び去ったその穴を見つめている。 ドクン、ドクン、と。その黒曜石の腕が大きく拍動しているのに気付いた者は、その逆の手に握られた物言う剣のみであった。 「ミスタ。どうか安心してくれ。ヴァリエール嬢の命は、アルビオンの名に掛けて必ず救い上げてみせる」 「……ウェールズ王子、少し、お願いがあるんですが」 「……どうか、したのかね?」 「王子の……ここにいる貴族達の名誉ある敗北に泥を塗る事を、お許しいただきたい」 「どういう、事だね?」 そのただならぬ様子に、ウェールズが息を呑む。 膨れ上がる鬼氣。自らの意志により、荒れ狂う激情により……エルクゥの遺伝子が発現し、体がそれに沿うように作り変えられていく。 「名誉あるあなた方の敵を、鬼の晩餐と貶める事、お許しいただきたい」 足が膨れ上がる。履いていたズボンが無残に破け散り、黒曜石の輝きを持つ筋骨隆々とした二本の足が、大地を踏みしめる。 腕が膨れ上がる。服が同じように破れ、右手の先から侵蝕されるように、黒く、大きく膨れていく。 体が膨れ上がる。その体躯全てが、二回り大きなそれへと変化していく。瞬時に伸びたたてがみが逆立ち、突き出た牙が唸り、伸びた爪が空を凪ぐ。 「ミスタ、君は……!」 同盟など、どうでもいい。 亡命など、どうでもいい。 全ての元凶を潰してしまえば、煩わしい事など考えなくていい。 麗しき王女が別れに苦しんでいるのも、優しき王子が諦めに苦しんでいるのも……勇敢な主人が、今死の床に苦しんでいるのも、全て。 ―――元凶である『レコン・キスタ』とやらを悉く鏖にすれば、何も考えなくていい事ではないか。 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」 今ここに生誕した『エルクゥ』が、大きく産声を上げた。 § 「……あ……」 全身を暖かな光に照らされているような心地で、ルイズはふと目を覚ました。 滲む目をゆっくりと開ける。そこには、真っ黒なシルエットがあった。 巨大な背中だった。トロール鬼をもっと筋肉質にしてスリムにしたような、どう見ても恐ろしげな化け物のようであるそれは―――少女の目には、どこまでも優しく、頼もしく思えた。 「エル……クゥ……」 そう、あれこそがエルクゥ。 鬼。化け物。狩猟者。そして……それを飼い慣らした、人間。 あれの主人たる自分には、何の説明もなくともそうだと理解できる。それが酷く心地よかった。 「ミス・ヴァリエール!」 王子が整った顔を歪めて、必死に自分に呼びかけている。 ああ、無事だったのですね。よかった。これで姫さまが悲しまないで済みます。 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」 咆哮。生きとし生ける者全てを畏怖させる鬼神の声は、とても心地よい子守唄のようで。 黒き鬼神が天井に開いた穴から外へ飛び出していくのを見送ったルイズは、ゆっくりとその瞳を閉じた。 § 「宣戦布告で時間を指定して、それより前に奇襲か。さすが生臭坊主、お偉い騎士様にゃ立てられん作戦だな」 「ま、矢面に立たされる俺らにとっちゃ、ありがたい事だよ。馬鹿正直に正々堂々やって平民傭兵がメイジに勝てるかっての」 「まったくだ。こんな地形、そうじゃなきゃ入り込みたくもねぇや」 進軍する『レコン・キスタ』の先陣を務める傭兵達は、細い岬の先端に立つニューカッスル城を眺め、ため息をついた。 真正面から相対しては、細く平坦な地面の上を歩く歩兵など、城壁からの魔法で一蹴されてしまう。 城に篭るメイジ達の精神力が尽きるまでそれを繰り返させ、美味しい所だけ貴族連中が持っていく。攻略戦に当たってそんな光景がありありと想像されて、逃げ出す算段までしていた傭兵達だったが、現在の士気は高かった。 彼らの目にニューカッスルの城壁が見えてきた頃。どずん……と軽い地響きが響き渡った。 「なんだぁ? もう大砲でも撃ち込んでんのかぁ?」 傭兵の一人がそんな風に笑い、周囲もそれに倣った。 彼らの所属する貴族派と眼前の城に篭る王党派には、あまりに圧倒的な戦力差がある。そんな楽観的な考えの方が、むしろ当然の判断であると言えた。 しかし、その地響きは、自軍からの援護射撃などではなかった。 「おい、なんだあれ?」 どれ大砲をどこに撃っているんだと前方に目を凝らしていた兵の一人が、訝しげな声を上げた。 その視線の先には、城壁の前に立つ黒い影。 距離があるからか随分と小さく見えるが、幾多の戦場を渡り歩き、遠目での距離感に慣れた傭兵の目には、その巨体ぶりが理解できた。 優に人間の1.5倍はある。もしかしたら、2倍に届くかもしれない。 「オーク鬼? 一体だけか?」 「王党派の偉そうな連中が亜人兵なんか使うか?」 「真っ黒いオーク鬼なんかいるかよ」 「じゃあなんだってんだよ。トロール鬼だって黒くなんてねぇぞ」 動揺、とまではいかない、軽い戸惑いのような空気が広がっていく。 黒い影は彼らの方を向き、発見したとばかりに身をよじると、その丸太のような腕を大きく横に開き、天を仰いだ。 さあ、今この時より、この場は名誉の掛かった戦場などではない。 人を狩る鬼、呪われし狩猟者により、命の炎が歌い踊る―――神楽の舞台。 「■■……■■■…………■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」 エルクゥは、大きく牙の光る口を開いて鬨の声を上げると、『レコン・キスタ』陸戦部隊五万の命をことごとく散らさんがため、竜族の飛翔など遥かに凌駕する速度で疾駆を開始した。 前ページ次ページゼロのエルクゥ
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前ページ次ページゼロのエルクゥ 体の中心が引き裂かれるような衝撃。 スクウェアの風の刃は、容易く臓腑を貫き……痛み、なんて言葉では到底表せない致命傷の苦痛に、ゼロのメイジの意識は闇に落ちた。 ―――死ぬのかな。私。 ―――任務を果たせず申し訳ありません、姫さま。 ―――ワルド様が、なんで……。 ―――ああ、ウェールズ様。私などに構わず、お早くお逃げください……。 麻痺した意識とも夢の中ともつかない闇の中に、そんな言葉が浮かんでは消える。 ―――コーイチ。 最後に浮かぶのは、変貌した自らの使い魔の、大きな背中。 あれが、エルクゥ。なんと恐ろしい生き物だろう。なんと力強い生き物だろう。 命を賭してようやく人一人をなんとか一度庇えるぐらいでしかない『ゼロ』が、なぜあんなものを使い魔にできたのだろう。 わからない。なぜだろう。なぜ―――。 「―――?」 思考が螺旋に入り込んだところで、周囲の闇がゆっくりと晴れていく。 目に映ったそこは、街並み……おそらく、街並みであろうという風景だった。 見た事もない風景が流れていく。 灰色で幾何学的に窓がついている四角い建物。 魚の鱗のような奇天烈な屋根がついた三角の建物。 色とりどりの不可思議な……そう、コーイチと同じような、てぃーしゃつ、とか、じーんず、とかいう服を着た人々。 道の端には四角い建物と同じ灰色の柱が幾本も立ち並び、そのてっぺんには黒いひもが蜘蛛の巣のように張り巡らされている。足元は固い何かで綺麗に覆われ、舗装されていた。 やがて到着したのは、大きな邸宅だった。 魚鱗屋根のついたタイプで、周囲を大きく塀で囲まれている。 ヴァリエール家の本邸に比べれば猫の額に等しいが、これまで見てきた建物の中では、随一の広さを誇っていた。 木とガラスで出来た引き戸を開けて中に入ると、板張りの廊下の先に、なんと紙で出来た扉があった。 徹頭徹尾見慣れない、異国と言うのもおこがましいほどの異風景。 しかし、怪我のために意識の薄いルイズは気にもせず、足が歩くに任せていく。 靴を脱ぎ、廊下に上がり、見た事のない木々が生え揃う庭を眺めながら廊下を抜けて、紙の扉を開けた。 「おかえりなさい、耕一さん」 「おかえり、耕一」 「おかえりなさい! 耕一お兄ちゃん!」 「……おかえりなさい」 4人の女性が、そこにはいた。 優しげな微笑みを浮かべながら、どこか自らの長姉を思わせる鋭さを持つ女性。 活動的な短髪をヘアバンドでまとめたボーイッシュな外見のくせに、けしからん胸部装甲を持つ女。 それとは違ってかなり親近感の持てる体型の、ぴょこんと一本髪の毛の飛び出した、一番小さな女の子。年下っぽいのに雰囲気が次姉に近く、不思議な感じ。 そして……どこか陰を背負ったような、残りの一人。 「ど、どうも。お邪魔します……」 そこは『ただいま』と言うべきじゃないのかしら、と思ったが、『私』の口から出たのは、そんな他人行儀な挨拶だった。 彼女達は四姉妹であり、『私』の父の兄の子……つまりは従姉妹だった。 『私』の父は彼女達四姉妹と住んでおり、『私』の住んでいるところは、ここ―――隆山ではなく、遠くの東京というところで。 その父が死に、その葬式のために、この家に厄介になりに来た、というところであるらしい。 色々と複雑な事情でそうなっていたようだが、『私』にはそれ以上の事を彼らの会話から聞き取る事は出来なかった。 ……これは、コーイチの記憶。 流れるように時間が過ぎていく中でルイズが思ったのは、まずそれだけであった。 § 「きゃああああああああっ!!」 ニューカッスル城客室から、絹を裂くような悲鳴が響き渡った。 「ぐ、う、あああっ……!!」 「コーイチっ!? カエデ、あなた何を!?」 耕一が腕を抑えて膝をつき、キュルケが目を剥いて叫ぶ。 ―――耕一の左の手首から先が、すっぱりと切り落とされていた。 「……! 左手の、使い魔のルーンが?」 「……こりゃ、おでれーた」 「やっぱり、これが耕一さんを……っ!」 どくどくと床が赤く染まっていく。 床に落ちた左手の甲から、スゥッと使い魔のルーンが消え失せるのを見ていたのは、タバサと楓の二人と腰に差さっているデルフリンガーだけだった。 「使い魔のルーン? どういう事よ、説明して……ああもう! その前にコーイチを治さないと! ほらあんた! 混乱してないで早く治療して! ルイズの方は落ち着いたんでしょ!?」 「あっ、は、は、はいっ!」 あまりの光景に、最初に金切り声を上げたまま放心していた水メイジの女性は、キュルケの一喝に、慌てて耕一に向かって杖をかざす。 先ほどまで血を吐いて苦しんでいたルイズの呼吸は、うって変わって落ち着いていた。 落ちた手首を切断面に当て、杖をかざして呪文を唱える。 水色の光が患部に灯り、じわじわと出血が止まっていった。多量の出血のためか、苦悶に歪んでいた耕一の顔がふっと緩み、床に倒れ込んで眠り始めてしまう。 「……すいません。残っていた精神力では応急処置が精一杯で……見た目だけはくっつけられましたけど、中身は全然……」 「ありがとう。とりあえず命が助かったんならそれでいいわ。さあカエデ、説明してもらうわよ」 女性がふらつきながら言うのに頷いたキュルケは、騒動を引き起こした張本人―――今しがた、その手刀で恋人の手首を切り落とした少女に視線を向けた。 「……はい。ですが、その話は、行きがてらにしましょう」 「? どこへ行くのよ?」 「……耕一さんとルイズさんを、治せる人のところへ」 § どうやら、『私』はあまり父親の事が好きではなかったらしい。 お葬式の間、四姉妹達はひどく悲しみに暮れていたというのに、『私』の態度は平静そのものだったからだ。 式も終わり、しばらく父親の傍にいてやって欲しい、という姉妹の長女の頼みで、『私』はその家―――柏木家に滞在する事となった。 ブツダン、という、おそらく死者を弔うためのものであろう祭器におざなりに手を合わせ、やる事もなく退屈を持て余して日々が過ぎていく。 そして、夢を見る。 今の『私』が夢を見ているような状態なのに、その中でまた夢を見るというのは不思議な体験だったが、その夢は、そんなものを吹き飛ばすほどの衝撃だった。 怪物が、自分を乗っ取ろうとしてくる。 乗っ取られれば、その怪物は圧倒的な力で、周りの人間と言う人間を殺し尽くすだろう。 そんな事をさせるわけにはいかない。 少しでも気が緩めば、怪物は表へと出てくる。 気を張り詰め、心の中の檻を抑え付け、じっと目が覚めるのを待つ事しかできないのだ。 朝になれば、怪物は大人しくなる! 朝だッ! 朝はまだか! アサだあッ! アサあッ! 朝はまだかあぁーッ!! § 少しの後、未だ眼を覚まさないルイズと、出血の為に眠っている耕一を連れた5人は、空の上の人となっていた。 困憊していたシルフィードは一度ぐずったものの、特に急がなくていい&帰ったら好きなだけ肉を食べさせるという(彼女の主人にしては)破格の約束を取り付け、今は上機嫌で翼を広げていた。 「違和感はあったんです。エルクゥの力ではない、何か別のものが、耕一さんを動かしている……と」 「それが、使い魔のルーン?」 キュルケの答えに、こくりと楓は頷いた。その膝の上では、少し青い顔で、耕一が寝息を立てている。 「耕一さんが鬼となって暴れていた時と、先ほどルイズさんをエルクゥにしようとした時……何か金属の刃のような、熱いような、冷たいような感じがして……その時に、ルーンが光っているのが見えたんです」 「ルーンがコーイチの意志を無視して体を操り、ルイズの仇を取るために暴れさせて、ルイズの命を助けようとさせた……って事? そんな強力な強制効果、使い魔のルーンには無いわよ」 「でも、そうとでも考えないと……耕一さんが、他の人間をエルクゥに変えようとするなんて、するはずがないんです……」 「……と、言ってもねえ」 楓の言葉に嘘はないとはわかる。しかし、『コントラクト・サーヴァント』によって刻まれる使い魔の証の紋章にそんな強い服従の効果があるというのも、またキュルケの知識ではあまり考えられない事だった。 「……考えられなくはない」 「タバサ?」 風竜の背びれに背中を預け、本に目を落としていたタバサが、ぽつりと呟いた。 「『コントラクト・サーヴァント』は、危険な魔獣であっても主人に友好的にしたり、小さな小動物が人間の言葉を理解出来るようになったり、主従で感覚のやりとりが出来るようになったり……かなり強く、頭の中身を変えてしまう魔法とも言える」 最後の言葉を語る際、タバサの声がほんの少しだけ沈んだが、気付いた者はいなかった。 「人間に掛けられた例は、少なくとも記録にはない。人、もしくはそれに類する思考や意志を持つ者に掛けられた場合、その者の意志を、主人に友好的なように誘導、強制する効果は、どちらかと言えば、あると考えるのが自然」 そして、少しだけタバサの言葉が熱を帯びる。 「何かしらの行動が使い魔本人の性質や信条に著しく反するようなものであり、尚且つ、その行動をしなければ主人の命が危ない、というような極限の場合には……もしかしたら、無理矢理に体だけを強制させる、と言うような事もあるのかもしれない」 例として、通常の動物の使い魔が自発的に主人を庇って死んだと言う話は枚挙に暇がない、と付け加えた。 「……なるほどね」 「特に……彼についていたのは、ガンダールヴのルーン。どんな効果があっても不思議ではない」 タバサの言葉に、カチリ、と耕一の差している剣が微かな金属音を立てた気がした。 「がんだーるぶ? 何それ?」 「始祖ブリミルに仕えたという4体の使い魔の一人。神の左手ガンダールヴ」 「始祖ブリミルの使い魔って……ちょっとちょっと、初耳よ?」 「……どちらにしろ、今は消えてしまったもの。もう意味は無い」 「……はあ。もう、つれないんだから」 打ち切るように言葉を切ったタバサに、キュルケは髪を書き上げて溜め息を付いた。 「それにしても、珍しく饒舌ね、タバサ」 「……機会があって、調べた事があるから」 ふい、と、まるで照れて顔を背けるかのように、タバサは本に目を落とす。 それを見て、キュルケはくす、と小さく含み、楓に向き直った。 「話を戻すと、だからルーンのあった左手を切り落とした、って事?」 「はい。耕一さんにあんな事をさせるものを、放ってはおけなくて……」 「……無茶するわねえ。消えてくれたから良かったようなものの、右手とかに新しく出てきたりしたらどうするつもりだったの?」 呆れたような、微笑ましいような、そんな複雑そうな感情を滲ませて、キュルケは苦味を含んで笑った。 ……右手だったらヴィンダールヴ、とタバサが本に目を落としたまま小さく呟いた言葉は、風に消えていった。 「……ごめんなさい。衝動的にしてしまった事ですから、そこまでは考えていませんでした」 「私に謝られてもね。ま、後でゆっくりコーイチに謝っておきなさいな」 「はい……」 耕一のあまり整えられていないざんばらな髪をそっと手櫛で梳いて、楓はそっと顔を伏せた。 § ……うわぁ。コーイチって、ロリコンだったんだ。 目の前に展開されるピンク色の光景に浮かんだ感想は、ただそれだけだった。 滞在して数日。あれよあれよという間に、四姉妹の三女―――少し陰のあるカエデという少女といい仲になってしまい、その部屋で男女の関係を築いてしまっているのだから。 ―――いや待て。待つんだルイズ。そうじゃない、そうじゃないぞ。 だって、今この状況をロリコンだと認めてしまったら、このカエデとかいうあまり発育の良くない少女よりさらにヤバイ私は、ロリータなどという言葉では表しきれない幼児体型という事になってしまうではないか。 それはない。ないから、コーイチはロリコンではない。これ既定事項ね。破ったら殺すから。ここ、殺すから。 『私』が現実逃避をしている間に、二人は行為を終えて身なりを整え、真剣な顔で話し込んでいた。 それはいつか聞いたお話だった。そう、確か……『雨月山物語』。 剣士の男と鬼の娘の、悲しい恋の物語。 それはこの地方に伝わる昔話であり、コーイチとカエデはその二人の生まれ変わりだというのだ。 なるほど、と疑問が氷解した。それは、スッキリと心地よい感覚だった。エルクゥと、ジローエモンと、コーイチの関係。本人ではないが同一人物であったと。 何はともあれ、来世で再びと誓った二人は今ここに結ばれ、めでたしめでたし。 ―――とはいかなかった。 エルクゥとは、紛れも無い『鬼』であるのだから。 § そして数刻。シルフィードの背に乗った一行の目に、大きな森が見えてくる。 「あの森の中です。しばらく行ったところに森を切り開いた小さな村があります」 楓の指示通り、タバサはシルフィードを下降させ始める。 「そんなところに、腕のいい医者がいるっていうの?」 「……医者、というわけではなくて」 どう言ったものだろう、と思考を巡らせたところで、ふと気が付いた。 「……そういえば、お二人とも、エルフと言うのはご存知ですか?」 彼女は、この世界では迫害、敵対種族であるらしい、という事に。 「そりゃ知ってるわよ。この世界のメイジでエルフの事を知らない奴なんていないわ」 「ん」 二人ともが、肯定の意を示した。 彼女はきっと、そういう事に敏感だ。先に言っておくべきだろうと楓は判断した。 「怪我を治せる人というのは、エルフ……いえ、人間とエルフの間に生まれたハーフエルフらしいんです。見ても驚かないであげてください」 「ええええええええっ!!?」 見てもどころか、聞いただけで、キュルケが素っ頓狂な声を上げた。 「ちょっ、ハーフエルフっ? 何それ、なんでエルフがこんなところに? いや、そんな事より、エルフとの間に子供なんて出来るものなの? ああもうっ、今日は驚いてばっかりだわあたしっ!」 自棄になったかのような言葉だが、その語調は、どこか愉しげですらあった。 世界は、まだまだ新鮮な発見と驚きに満ちている! ゲルマニアの、ツェルプストーの血は、学院で楓に出会ってからというもの、騒ぎっぱなしだった。 「……そのハーフエルフが、治療を?」 「はい。耕一さんの痕跡を追っていた私を偶然召喚した方なんですが……私を送り出す際、誰かに怪我があれば戻ってこい、完全に死んでいなければ治す事が出来るから、と」 「エルフの治療、か。確かに良く効きそうではあるわね。オーケー、機嫌を損ねないようにしとくわ」 キュルケが爛々と目を輝かせて頷き……タバサは、俯いていた顔をゆっくりと上げた。 「……一つ、いい?」 「タバサ?」 「その人が治せるのは……怪我だけ?」 「……何を治したいのかは知りませんが、ごめんなさい、わかりません。私も、そう言われただけですから」 「……そう。……降りる」 特に何の感慨もないように言い、小さく宣言した通り、ばさっばさっと翼のはためく音が響き渡って、シルフィードは地に降り立つ。 そこは、港町ロサイスの近郊、ウエストウッドと呼ばれる森だった。いきなり村の広場に竜が舞い降りてきたので、遊んでいた子供達は驚きつつも、興奮を隠そうとせずにはしゃぎまわる。 ちょうど子供達の遊び相手をしていたティファニアは、最初こそ戸惑っていたものの、その背に乗っている人影の一人を見て、ぱあっと顔を綻ばせた。 「カエデさん!」 「テファさん、いきなりですいません、この人の治療をお願い出来ますか?」 眠ったままの耕一を抱えて風竜の背から降りた楓は、挨拶をするのももどかしいというように、耕一を地面に横たえた。 「この人は……わ、わ、手、手がっ!?」 ティファニアはその人物をぐるりと眺め回し、その左手首を見て仰天した。赤黒く幾筋もの血線が走っており、くっつききっていないところから向こう側の地面が垣間見える。 「水の魔法で外だけはくっつけたらしいのですが、中までは駄目だったと……」 「わ、わ、わかりました」 ティファニアは深呼吸をして気を落ち着けると、その指にはまっている指輪をかざし、目を閉じた。 「……お願い、お母さん。おともだちの大事な人を、助けてあげて……っ!」 その小さな願いの言葉が届いたのか、指輪と耕一の体が青く光りだし、みるみるうちに左手首の傷が無くなっていく。 光が消えた時には、手首だけでなく耕一の体全体が、すっかりと血色を取り戻していた。 すがりつくように、楓がその体を一度抱きしめる。続けて風竜の背から降りてきたキュルケ達が、その光景をほっとした様子で見守っていた。 「ありがとうございます……テファさん」 「う、ううん。治療したのは私じゃなくて、この指輪だし……そ、それに、わ、私達、おともだちでしょ?」 「……はい」 その透き通るような白い肌を朱に染めながら、ティファニアは言う。二人はじっと見つめあい、ほんわかとした雰囲気が流れ始めた。 入りにくい空気ねえ……と淑女らしくなくぽりぽり頭を掻いて、キュルケが一歩進み出た。 「あー、再会を喜んでるところ悪いんだけど、こっちも治してもらえるかしら?」 「は、はいっ!?」 「ご、ごめんなさい、キュルケさん」 ティファニアが飛び上がるように驚き、楓が我に帰って頭を下げた。 「あちらの桃色の髪の子も治してあげてくれますか。お腹を刺されたそうなんです」 「う、うん。わかったわ」 戸惑いつつも、ティファニアは同じように指輪をかざす。ぽうっとルイズの体に青い光が灯り、消えた。 「どうもありがとう。貴女がカエデを召喚したっていうハーフエルフのお方? 随分と可愛らしい方ですのね」 キュルケが一礼して胸を張ると、そのメロンのような双子の山が、まるでその正面にあるスイカに対抗するかのように、健康的に跳ねた。 「…………エイケニスト」 タバサは、じーーーーっと、そのティファニアの胸元のスイカだけを見つめ、誰にも聞こえないほど小さく何事かを呟いた。 「あ、あの、あ、あなたがたは? というか、ハーフエルフって……ええええっ!? わ、私の事、怖くないんですかっ!?」 「……なんだか、本当に可愛らしいわね。エルフって、皆こんなのなのかしら?」 夜に出歩く悪い子はエルフが来て食べられちゃうぞ、と母親が子供を躾るぐらいにハルケギニアで怖れられている種族を目の当たりにしたキュルケは、どこか気の抜けたような、安堵したような顔で、ほっと溜め息を付いた。 § 長く艶やかなその黒髪が、風もなく、自然と舞い上がる。 吹き付ける冷気が、彼女―――四姉妹が長女、千鶴の『鬼』を示していた。 そして、それに呼応するように、『私』も『鬼』を目覚めさせる。 目の前の千鶴は人の姿をとったままだが、『私』は違う。 目覚めた鬼の遺伝子が、体を作り変えていく。 人間の域を越え、骨と筋肉が増殖、再構成されていく。 膨張する体が内側から服を破り、膨れ上がった腕の先に刃のような爪が伸びた。 体の奥底から溢れ出る力。 『私』は目覚めた殺戮の本能のまま、近くにいた楓に爪を振るい、それを庇う千鶴との殺し合いを始めた。 何合も何合も、腕と爪を交差させる。 そのたびに風が舞い、地は震え、水を揺らし、火が身体中を駆け巡る。 人智を越えた戦いの神楽の中、『私』は思った。 ―――ああ。私も『これ』になってしまったのだ、と。 前ページ次ページゼロのエルクゥ