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ファイナルファンタジーXV 【ふぁいなるふぁんたじーふぃふてぃーん】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション4Xbox OneWindows (Microsoft Store/Steam/Origin) 発売・開発元 スクウェア・エニックス 発売日 【PS4/One】2016年11月29日【Win】2018年3月7日 定価 【PS4/One】9,680円(税込)【Win】8,580円(税込) 廉価版 【PS4/One】ROYAL EDITION 2018年3月6日/8,580円(税込) 判定 なし ポイント オープンワールドで「旅」を表現映画・アニメ等のマルチメディア展開期間限定イベントなどのアップデート食い合わせの悪い要素の数々多数のバグ(後に概ね改善)説明不足で分かりづらいシナリオ ファイナルファンタジーシリーズ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 移植・関連作品・タイアップなど その後の展開 父と子。そして王の物語。 概要 『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング第15作。略称は『FFXV』『FF15』 元々は『XIII』の関連作である『ヴェルサスXIII』という名称で2006年に発表されたが、同時発表された『アギトXIII』(後の『零式』)と違い、インタビュー、PVなどが幾度か公開された後は音沙汰がないままであった。 2013年に対応機種の変更、タイトルも改題され『XIII』シリーズから切り離された新規ナンバリングタイトルとして発売されることが発表された(*1)。 2016年に発売日が正式発表されるも延期を挟み、実際に発売されたのは最初の発表から実に10年以上が経過した2016年11月29日となった。 また、マルチメディア展開としてアニメ・映画も存在し、アニメは前日譚、映画は本編1章と同時系列となっている。 実在する様々な有名ブランドとのコラボや、ゲーム内ミニゲームを(現実の)スマホアプリとして配信するなど、現代のライフスタイルを随所に反映した展開が行われた。 特徴 オープンワールドと一本道 オープンワールドを本格的に採用。 スタート直後からメインストーリーによる行動制限がシリーズ中でもゆるいため、昼夜や天候の変化もある大自然を駆け巡り、狩りや観光に勤しむのも乙なもの。 フィールドマップはストーリーの進行に応じて、通路封鎖の解除という形で探索できる範囲が少しずつ拡張されていく。 『ライトニングリターンズ』でもオープンワールドが採用されているが、戦闘がエンカウント式であり、フィールドも今作ほど広いものではなかった。 ゲーム終盤はオープンワールドではなく、過去作のようなリニア展開(一本道)になる(オープンワールドマップへ戻ることは可能)。 強力な敵「シガイ」 夜間やダンジョンなど、日の当たらない場所に現れる。 ストーリーが進むにつれ「星の病」と言う影響により夜の時間はだんだん長くなっていく。 宿泊でレベルアップ 今作は一般的なRPGと違い、敵を倒すなどして得た経験値は蓄積という扱いになり、宿泊時などにまとめて清算される。 宿泊はキャンプ・施設の利用で行うことができ、キャンプはイグニスが作る料理を食べることで、一定時間能力が上昇する。 宿泊施設は料理による能力上昇がない代わりに、経験値にボーナスが入る。 フィールド・戦闘 戦闘はアクション形式 プレイヤーはノクティスを操作し、他のメンバーはAIで動く。 仲間を操作可能になるアビリティを修得することでノクティス以外も操作可能になる。 方向キーに割り当てた4つの武器を切り替えながら戦える。 □ボタン押しっぱなしで自動回避など(都度MPを消費)、アクションが苦手な人でも細かいボタンのタイミングは意識しないでよい作りになっている。 一部の敵の攻撃は画面に合図が表示され、正しくボタンを押すことで「パリィ」や「カウンター」を行える他、背後から攻撃を当てると「バックアタック」となり威力が上がる。 △ボタンで「シフト移動」が可能。いわゆるワープ能力だが、敵に向かってワープした場合はシフトブレイク攻撃となり、距離に比例したダメージを与える。 これらはノクティスの場合であり、他のキャラの場合は戦闘システムが別のものに変わる。 やや特殊なHPシステム 0になると「ピンチ状態」となり、さらに攻撃を受けると「戦闘不能」となる。 ピンチ状態では攻撃不能など多くの制限がかかり、仲間からの救助や回復アイテムの使用で復帰可能だが、その際は最大HPが減少する(減少した分は宿泊などで回復可能)。 一部の攻撃や、HPが低い状態で大ダメージを受けるなどすると、ピンチ状態を介さず一気に戦闘不能となる。 魔法 マップ上に存在する炎・氷・雷のエレメントを回収・精製することで使えるようになる。 武器と同様、装備することで使用可能で、MPは消費しないが回数制限がある。 精製時にアイテムを追加投入することもでき、特殊効果の付与や回数増加などの効果を得られる。 仲間との連携 パリィやバックアタックを仲間の近くで成功させると、仲間の追撃演出が入り高いダメージを与えられる。 時間経過でたまるコマンドゲージを使い、仲間に指示を出して固有技を使わせることも可能。一部コマンドはタイミングよくボタンを押すと、ノクティスが追撃を行う。 ファントムソード召喚 王族の武器「ファントムソード」を手に入れると、ノクティスは一定時間戦闘力を強化する「ファントムソード召喚」が使えるようになる。 HPが0にならない・攻撃の手数が増える・敵の射撃攻撃などを自動で弾くなどの効果がある。 ファントムソードは複数存在し、多く手に入れるほどファントムソード召喚そのものも強化されていく。 通常武器としても装備可能で、それだけで大幅なステータス強化を得られるが、攻撃にはHPを消費してしまう。 料理 キャンプとレストランでは料理を食べる事ができる。料理によって異なる能力上昇効果を得られる。 各キャラにはそれぞれ好物が設定されており、その場合ボーナス効果を得られる。 キャンプではイグニスが料理を作っており、そのレシピは新しい食材を入手した時、イグニスのスキルレベルが上昇した時、フィールドの何処かをチェックした時や一部のレストランのメニューを食べた時など、様々な場面で閃き増えていく。 写真 旅の途中、仲間のプロンプトが写真を撮ってくれるという形でプレイ中の光景が記録されていく。 宿泊時に撮った写真をチェックすることになり、気に入った写真は保存しておくことができる。 撮ってくれる写真はイベント会話の選択肢や保存した写真の傾向など、プレイによってある程度変化する。 ドライブ ノクティスたちは「レガリア」と名付けられた車を所有しており、主要な移動手段のひとつとしている。 運転はオート・マニュアルを選択でき、車を通して各所へのファストトラベルも可能。 カスタマイズにより性能の向上、カラーの変更、ステッカーの貼り付けなどを行える。 他社とのコラボ 『ヴェルサスXIII』のキャッチコピーである"現実に基づいた幻想"を色濃く受け継いだ要素として、日清カップヌードルなど、現実に存在する物が多数登場している。 主人公たちの衣装や所持するコールマンのキャンプ器具の他、アメックスの店舗用ステッカーなどの小ネタも存在する。 過去に『ASSASSIN S CREED ORIGINS』やスクウェア・エニックスカフェとのコラボイベントを配信していたこともあった。 Steam版では、Steam Workshopに『Half-Life』のHEVスーツやバールを追加する公式MODを配信している。 DLC DLCエピソードは基本的に本編よりも難易度が高く、「ロイヤルパック」を除き、本編とは独立したモードとなっている。 「エピソード グラディオラス」2017/3/28配信 グラディオラスを操作し、コル将軍と共にルシスの遺跡に入り、剣聖ギルガメッシュの試練に挑む物語。 ノクティスとはガードシステムが異なり、ジャストガードに成功するとダメージ倍率が上がり、それを前提とした調整がなされている。 「エピソード プロンプト」2017/6/27配信 プロンプトを操作し、アラネア准将と共に帝国基地から抜け出し、彼自身の謎を紐解く物語。 銃を武器とするプロンプトらしく戦闘はTPSとなり、DLCの中でもシステムが他キャラと大きく異なる。 オンライン拡張パック「戦友」2017/11/15配信 映画キングスグレイヴに登場した「王の剣」を操作し、ノクティスの帰還を待つ10年間を戦い抜く物語。 ジョブシステムのような「王の加護」から一つを選び、プレイヤーの魔法アビリティなどを選択できる。 簡単かつ奥深いキャラメイクシステムを実装。小太りのオッサンから絶世の美女まで、幅広く作る事ができる。 戦闘システムも、映画の要素を逆輸入した上で本編とは違ったものに昇華させており、評判は上々。 NPCを同行させるという形でオフラインプレイも可能だが、協力プレイが前提なのでバランスはシビア。 後に『スタンドアロン版』になった。 「エピソード イグニス」2017/12/13配信 イグニスを操作し、レイヴス将軍と共にオルティシエでの窮地のもと、ノクティスを救うべく帝国軍に立ち向かう物語。 ノクティスに似て俊敏な立ち回りが可能。また、時間内の攻撃ヒット数に応じてダメージ倍率が上昇していく。 「ロイヤルパック」2018/3/6配信 本編を拡張する大型アップグレード版。 最終章のマップ・ストーリー拡張及び世界観情報アイテムや一人称視点モード、クルーザーの開放など。 基本的には最終章のリメイクが目玉。また、クルーザーをオープンワールドで操作できるようになり、ルシスとオルティシエがシームレスに接続された。 「エピソード アーデン」2019/03/26配信 アーデンを操作し、初代王ソムヌスに復讐する物語。 上下左右、縦横無尽な移動が可能。アーデン自体が強力なキャラクターのため難易度は低め。 前半は帝国の研究所、後半は王都インソムニアが舞台。綺麗な王都をゲーム中で初めて実際に観光できる。 DLCの中で唯一、プロローグとなるアニメが公開されている。 「未来への夜明け」開発中止 「アーデン」「アラネア」「ルナフレーナ」「ノクティス」の4つが開発されていたが、「エピソード アーデン」以外は開発中止となった。 後に、残りの3つは小説に形を変えて発売された。 評価点 シームレスに繋がる広大なマップ。 イベントシーンやバトルはもちろん、ダンジョンに入る際にも基本的に強制的にロードを挟むことはない。 章の変わり、ファストトラベルを行ったり、PC性能などによってはさすがに長いロードを挟むが(後述)、基本的には間を置かずプレイし続けることができ、没入感に一役買っている。 BGMさえもシームレスに切り替わり、入店時などに見られる自然な切り替えはそれを意識すらさせないほど。 自由度の高めなアクションバトル。 複雑な操作を要求されることは少ないものの、○ボタン押しっぱなしだけでなく、左スティック+○ボタン押し直しにもそれぞれ技が用意されている。技を出し分けるのは難しいが、魅せる要素はある。 武器ごとにアクションが違い、コンボ中であっても切り替え可能で自由度が高い。 回復アイテムの性能が平均して高いだけでなく、召喚獣による形勢逆転・魔法による特殊効果や、時間が止まるウェイトモードなど、アクションが苦手な人でも楽しめるように、戦闘での難易度を抑える要素がいくつも存在する。 やろうと思えばシフトまたはパリィだけで勝つことも可能。この場合はほぼ「ブーストソード」頼りになるが。 「効率・スマートさ」などを追及し、目押しで武器切り替えからのジャストガードなどテクニカルなプレイも可能。仲間との連携や装備なども加味すると、戦術の幅はさらに広がる。 アクションにこだわる場合も様々なボタンを駆使しスタイリッシュに動かすことができる。他、リニア展開突入後にイベントの一環で突入する空中戦は、演出面においてもクライマックスであることをまざまざと感じさせる。 + 中盤の空中戦動画 ※ネタバレ注意 後のアップデートによって、ノクティス以外の仲間キャラクター3人を操作できるようになった。 こちらは各DLCのバトルシステムを本編向けに改良したもので、各キャラで使い方こそ異なるものの、いずれも強力に仕上がっている。 言わば全く別のバトルシステムが単純に3つ追加された事でもあるため、戦略性が大幅に増加、今作の優れた戦闘がより向上する事となった。 仲間操作にはアビリティツリーで中程度のAPを消費する必要があるが、別のDLCでAPを稼ぎやすくなっているため大した問題はない(*2)。 ちなみに仲間操作中、ノクティスは好き勝手に暴れ回っている。プレイヤー操作時の強さそのままでオートになるため、単なる操作キャラ変更以上にパーティの戦闘力の上昇が見込める。 昨今の『FF』に劣らずグラフィックは高品質。 特に料理のグラフィックは他の追随を許さないレベルであり、スタッフのこだわりが窺える。 フィールド・モンスターに関しても高水準を満たしており、AAAタイトルとして肩を並べるに十分なものとなっている。 ピンチのときに発動する召喚魔法もド派手でスケールがデカく、限界値を何度も叩き出す桁違いのダメージがその印象を引き立てる。 また、場所の違いや一部の敵に対しては演出も変化する。 ノクトなどの人間キャラは1人当たり10万ポリゴン前後というゲームとしては膨大なポリゴン数が使われており、それに合わせてテクスチャ解像度も高水準。 また、人間キャラや雲、樹木などのセルフシャドウも綺麗である。 町の看板などにはFFシリーズ由来のネタなども多数。 一応、細かいところまで見るとミスが全くないわけではない(*3)が、プレイしていても特には気にならないだろう。 グラフィックだけでなくモーションも作り込まれている。 戦闘時のモーションはスピード感溢れるスタイリッシュでカッコよく、それが自分で動かせられるのだから堪らないものがある。 昼間に出現するモンスターについては現実世界における動物を参考にしてモーションが作られている。 アナクであればキリン、キュウキであればオオカミ、コカトリスであればニワトリと、現実の似た動物を上手くゲームに落とし込んでおり、没入感を深めると共に、架空のモンスターと思わせないほどのリアリティを持たせる事に成功している。 クリア後要素となるが、レガリアが改装によって飛行機能を得る。『IX』以来16年ぶりとなる、自由に飛びまわれる飛空艇の復活となった(*4)。 かなりの高度で飛ぶことができ、そこから見られる景色は一見の価値あり。 こちらもシームレスに飛行可能で、専用マップへの切り替えやロードもない。 仲間のプロンプトが撮影する写真の楽しさ。 任意の撮影機能こそアップデートなどでの実装となったが、道中勝手に撮ってくれるおかげで意識せずとも堪能できる。プレイヤーの意志が介入しない第三者視点の写真は非常に新鮮。 公式のスクショかと思うものから、思わず笑ってしまうネタ的な物まで様々な写真が撮られている。 一例を挙げると、状態異常「カエル」に掛かった時にバッチリ撮られる。しかもやたらとリアルで可愛らしい。 プロンプトのスキルレベルやコマンドに関わるものの、ゲーム上では有利不利といった実用性には全く関わらない。 だが、この要素は今作のテーマである「旅」の表現を担う軸の1つとなっており、その思い出を振り返ることができる演出としては掛け値なしに重要な役目を持っていると言える。 豊富なサブクエスト。 今作は基本的に世界の探索や寄り道をしながら進めることを主軸としたゲームデザインになっているが、それに十分な物量のサイドクエストが用意されている。 討伐クエストやイベント的なクエストなどその種類も多岐にわたっており、推奨レベルも細かく設定されているため、スピードクリアをしようとしない限りは途中で詰まりにくい。 攻略していくことでスタンプラリーのようにマップ上のファストトラベルポイントが埋まっていくため、移動が便利になっていく実感が得られるようになっている。 サブクエストとは別に用意されている討伐依頼「モブハント」もまた十分な数が用意されている。 戦闘中やダンジョンの要所など随所で聴ける豊富なボイス。 ただ歩いているだけでも様々なやり取りが行われ、キャラの関係や心情を知るのに一役買っている。 サブクエストの数々にも専用の移動中会話が用意されていたりと、そのバリエーションは非常に多い。 加えて、これらはイベントシーンではなくゲームプレイの最中に行われるものも多いため、操作や物語を妨げるような事が少ない。 実はこの中に『ヴェルサスXIII』時代に収録したボイスも使われている。 BGMの評価は非常に高い。 『キングダムハーツ』シリーズなど、スクウェアソフト時代から知られる下村陽子氏が今作の作曲を担当。 「Somnus」「APOCALYPSIS NOCTIS」「Valse di Fantastica」など多数の人気曲がある。 中でも「Somnus」は『ヴェルサスXIII』時代で最初に作られたタイトル曲であり、今作を象徴するテーマ曲の一つとなっている。 また、レガリアでの移動中は過去作の人気曲を流せる。ナンバリング以外の曲も収録されており、収録数は全300曲以上にも及ぶ(*5)。 アップデートにより、レガリアに乗っていない時でもこういったBGMを流せるようになった。 各追加エピソードには従来作のアレンジBGMも多く、『NieR RepliCant』の岡部啓一氏が手掛ける「ビッグブリッジの死闘」や、デスゲイズの出現と共に流れる『VI』の「決戦」等、従来作のファンが唸るようなチョイスが行われている。 今作の主なミニゲームといえる「釣り」のクオリティが高い。ドイツの釣り専門誌から取材を受けた他、これを抜粋したPS VR専用ゲームも後に作られた。 ノクティスのスキルレベル、イグニスの料理に関わるだけでなく、専用のサイドクエストまで用意されており、釣り自体がやりこみ要素の1つとして成立している。 釣った魚はギャラリーの図鑑にその体格記録が記録された上で、換金アイテムや食材アイテムとして手に入れられる。 最高難易度に位置づけられる魚は「今作最強の敵」と評されるほどの集中力を要求される。 リアルな料理描写 キャンプで作る料理は非常にリアルに描写されており、実写と見紛うほど。この精巧な料理がキャンプシーンの臨場感を高め、「旅を楽しんでいる」感を高める。 チョコボのアクションが豊富 シリーズお馴染みの乗り物「チョコボ」のアクションがシリーズ中最も豊富であり、従来のようにただ乗って移動するだけでなく、ダッシュ・ジャンプ・ホバリング・ドリフトと自由度が高いものとなっている。 今作はオープンワールドなので、チョコボの子気味良いアクション・操作性が、オープンワールドの広大なフィールドと上手くマッチしているのも高ポイントである。 賛否両論点 男性キャラのみのPT。一時的な離脱こそあるものの、原則的に最初から最後まで固定の4人で旅をすることになる。 独自の雰囲気やノリを表現できてはいるが、男性統一PTはFC版『III』以来なので、必ず女性キャラクターが常駐するようになったそれ以降のシリーズ作品としては異例である。 登場する女性キャラ達が軒並み好評のため、余計に「PTに女性が欲しい」と言う意見が多い(ゲスト参戦する場面があるのも尚更)。 AIについて。 「世界に通用するレベルと言われる高度なAI」と称されている(浜村弘一氏談)。 「この状況に対しては、この行動を取る」ではなく「AI自身が状況を判断し、行動を選択する」と言うAIが搭載されている。 人工知能学会の論文誌にも、今作のAI論文が掲載された。またAIシステム詳細の講演も行われた。 気になる物があれば勝手に見に行く、敵に囲まれると背中を守りに来たりと、実際に生きているかのような動きは十分に表現できている。 しかし、こと戦闘面では話が違ってくる。人間味を残すためにあえて完全でないものにしているらしいが、比較的仲間自身のガードが甘かったり、銃を使うプロンプトが近距離で戦い返り討ちに合うシーンも多く見られるなど、ゲームとしては爽快感を削ぐ要素となってしまっている。 特にプロンプトは連携中に、ターゲットと自分の間に別のモンスターがいても気にせず射撃するので他のターゲットへ命中したりする。 魔法の使い勝手 今作の魔法は効果自体は非常に強力だが、「魔力を込めた玉を投げる」という手榴弾のような扱いで統一されている。敵を追尾する誘導弾、敵の接近で発動する設置魔法といったバリエーションはなく、使いやすい反面やや淡白な印象を受ける。可燃物バレルがあればファイアで爆発させられる等を行えるが、それができるのはごく一部のエリアのみに限られる。 魔法にアイテムを合成し、連続魔・ケアル・カーズといった様々な効果を付与できるが、基本的な使い勝手は変わらない。ノクティスのみ使用可能な指輪魔法というものがあり、通常魔法とは大きな差異があるが、その使用は終盤~クリア後である。また、魔法は仲間にも当たりその際は文句を言われる。一応、仲間へのダメージはごく僅かで、放つ構えを取ると離れてはくれる。 シンプルで使いやすいのは確かだが、映画では様々な魔法を使い分けていた分、それらが本編で使えないのは悔やまれる。ちなみにDLC「戦友」の魔法システムは、同名でも本編とは全く異なり、本編には登場しない魔法を使用でき、上手く差別化している。 問題点 シナリオ・キャラクター 今作最大の批判点。概ね「説明不足・描写不足・纏まりがない」という評価であり、批判意見の殆どがここに集約されると言っても過言ではない。 + やや長いので折り畳み マルチメディア展開にした事の弊害。 『XV』の物語は、今作の他に「映画:キングスグレイヴ」「アニメ:ブラザーフッド」等を見て、初めて全体が繋がる構成になっている。今作の本編だけでなく、これらも含めての『XV』であり、今作はあくまでも「ノクティスを主人公とした物語」に過ぎない。しかし、このマルチメディア展開を採用したことが、物語の全体像の把握を困難にしており、意欲的な試みではあったものの、決して成功・好評とは言い難い結果になってしまった。 例えば、本編開始前の事柄は「キングスグレイヴ」で、仲間の過去や関係性は「ブラザーフッド」で描かれ、今作ではほとんど描写されない。ルナフレーナ関連も然り。彼女はノクティスに光耀の指輪を渡すことを目的の1つとしているが、何故渡そうとしているのか、そもそも光耀の指輪とは何なのかは、今作ではロード画面の僅かな文章でしか触れられず、「キングスグレイヴ」を観る以外に知る由がない。 それらの完成度・評価自体は決して悪いものではなく、「キングスグレイヴ」に至ってはむしろ高い評価を得ている。しかしマルチメディア展開であるが故に、今作の物語への理解度が視聴したか否かで大きく変わり、やはり上手なやり方だったとは言い難い。未視聴者からは「本編前に何があったのか分からない」「感情移入し辛い」といった声が多数聞かれた。 スタッフは映画については当初は視聴しなくとも問題ないと発言していたが、後に撤回し「やはり必ず観て欲しい」と発言している。 オープンワールドにした事の弊害。 ゲーム序盤で主人公達の祖国が敵対勢力に襲撃され、以降は安否不明・音信不通という、極めてシリアスかつ重大な展開になる。一方で今作のテーマは「旅」であり、メンバー4人の冒険は実にほのぼのとした雰囲気で、時には「ここで写真撮ろうぜ」などの会話すらも入る。祖国が襲撃されて家族や臣下も安否不明の状況下で、このような雰囲気で旅をするのは不自然であり、致命的に物語とマッチしていない。この声は「キングスグレイヴ」の視聴者から特に多く聞かれ、呑気に観光している場合なのかという批評が相次いだ(*6)。 別の意見として、今作のオープンワールドマップを一言で表すなら「アメリカの田舎道」である。マップは主に大自然・舗装された車道・小規模の集落・まばらに点在する遺跡等で構成されており、正にアメリカの田舎の雰囲気である。ノリ的には「モンスターを狩って路銀を稼ぎながら大自然を観光している」という感覚で、イメージソングからして映画「Stand By Me」がモチーフになっている。無論それはそれで悪くないが、従来のような異世界を冒険するという感覚の旅とは大きく異なる他、やはり物語とミスマッチすぎる。 今作はオープンワールドRPGであり、探索やサブクエスト等の寄り道をしながら少しずつ進める、というゲームデザインになっている。しかし、同ジャンルへの親しみが無く、従来通りの「メインストーリーを消化しながらクリアする」という進め方をしたプレイヤーからは、ストーリーが短いという評価をされることもあった。もっとも、メインストーリーだけ消化した場合はボリュームがない、というのは他オープンワールド作品でもよくあることだが。 レベルデザインも数多くの寄り道をする前提となっているようで、旅を楽しむのは後にしてシリアスなメインストーリーを率先して消化しようとすると敵のレベルが加速度的に上昇していく。加えてそういった進め方の場合アビリティ修得のためのAPも稼ぎにくいため、前述した爽快感溢れるアクションも楽しむことができない。結果としてポーションをがぶ飲みしながらひたすらシフトブレイクを繰り返す、爽快感とは無縁な単調でグダグダした戦闘しか知らないプレイヤーを多く生み出してしまったのは惜しいことである。 本編を「ノクティスの物語」に絞ったために、キャラクターの動向・心情や、イベントの繋がり等が把握し辛いものになっている。 上記で若干触れた事だが、この構成にした結果、関連作品に触れなかったりDLC無しで今作の本編をプレイしただけでは「特定キャラの出番・描写が少なすぎる」という印象をほぼ確実に持たれる。 主要パーティメンバー4人のうち、イグニスとプロンプトに関しては本編シナリオ後半での描写不足が目立ち、それぞれの専用エピソードのDLCをプレイしなければキャラの設定や心情などを正確に理解することはできない。 重要キャラであるルナフレーナやレイヴスも同様で、複数のエピソードを上手く繋いでいかないと、動向・心情等はまず把握できないだろう。 その他のキャラに関しても、例えばドラットーは「キングスグレイヴ」の主要キャラだが、今作ではオープニングにしか出番がなく、それも僅か一言の台詞のみ。ヴァーサタイルも序盤では「神凪はよい研究材料だ」と不穏な台詞を残す帝国側の重要キャラとして描写されていたが、本編ではそれっきり出番がなく、補完となるプロンプトのDLCでは深く描写されている。 これと併せた、あるいは別の問題として、「キャラクターの動向・心情の表現がそもそも上手くない」という印象を受ける。 設定などを全て把握したところで、物語そのものが全体的にややトリッキーな展開であるため、万人には受け入れられにくい。 同じ神話体系を使っていた『XIII』シリーズとは逆に、「与えられた運命に殉じる」ためにノクト達が滅びへと向かっていくという流れが肌に合うかどうかが、今作の物語を好めるかどうかの分かれ目であろう。 今作には『XIII』シリーズのオートクリップ、『零式』のクリスタリウムのようなゲーム内辞典や、世界観を示唆する類のテキストアイテムなどが、1年間以上長らく存在していなかった点も、『XV』の物語をより難解にしている。 なお、今作の描写不足などの点は同ライターが手掛けた『ディシディア ファイナルファンタジーNT』にも指摘されている。 繰り返すが、個々の要素は決して悪いものではない。 細部まで作り込まれたオープンワールドは実に美しく、世界観も魅力的、物語も賛否が分かれやすいが悪いものではない。 問題なのは、これらが悪い意味で完璧に絡み合ってしまい、様々な悪印象をプレイヤーに与えてしまったことである。 要は「素材はいいが調理に失敗している」の典型なのである。 オープンワールドとしての問題 自由度の足りない行動範囲。 遠景まで見渡せる素晴らしい描画範囲ではあるものの、マップを隔てる障害物や見えない壁が多く、川を泳いで向こう岸へ、山を越えて反対側へといった行動は不可能になっている。 一例としてリード地方の平原から、ガーディナへと向かう道は小さな崖に囲まれたジグザグの道路を通り雄大な海へと続く作りだが、道路に極近い範囲以外は高い崖と見えない壁に囲まれており、単なる細い一本道と見て差し支えない。 ガーディナも周囲を崖に囲まれており砂浜から極近い距離までしか登れる場所は無い。こういった「ワールドマップや視認範囲」と「実際に行動可能な範囲」との大きなギャップが程度の差こそあれフィールド全域に存在している。 アップデートによりダスカアーチを登る事ができるようになったものの、焼け石に水と言わざるを得ないだろう。 ちなみにゲーム内に実際泳ぐ場面はリヴァイアサン戦のみ。 フィールドの広さに反してキャラクターの足は遅い。レガリアの置けるポイントから目的地までが長いとストレスが溜まりやすい。 なお、このゲームの爽快感の源の1つであるシフトによる高速長距離移動は基本的に戦闘やイベント以外で使えないため、移動の不自由さは単純な不便さ以上に強く感じられてしまう。 一応、発売当日のアップデートにより、非戦闘時でもフィールド移動中に前方へのシフトを行うことが可能となったが、それでもマップシフトなどと比較すると距離がかなり短い為、多少はマシになったという程度である。 作中で町と呼べる箇所はレスタルムとオルティシエだけで、残りは郊外のガソリンスタンドのみ。 その内オルティシエも別エリア扱いとして独立しており、歩き回れる場所もそこまで自由度はない(*7)。 ロイヤルパックを導入すればオルティシエまでクルーザーでシームレスに移動できるようになった。 舞台が一地方であるためか地形やオブジェクトの種類や数も少ない。また全体的に平原のような地形が多いため、平坦で起伏に乏しく、立体的な移動がほぼ無いのでオープンワールドの特徴である探索の楽しみが非常に薄い。 見えない壁の場所はまちまちだが、基本的にこのゲームで歩ける地域は車道周辺+α。 これらの例として最も顕著なのがレスタルム周辺、目前に山や谷の様な起伏に富んだ景色を望むことができるが、実際は街中と街に入るための二本の車道しか踏破できる場所は存在しない。 アップデートにより一部の見えない壁は撤去されたものの、依然として多くの箇所は通れなくなっている。 発売してからしばらくの間、レガリアでは道路等の整備された車道しか走れず、窮屈な状態となっていた。マニュアルドライブでの移動もできるものの、自動車と言うよりは列車のようなハンドル補正が掛かるため評価は芳しくなかった。 2017年6月のアップデートによって、オフロード仕様(Type-D)が追加された事でこの問題は解消される。ただし見えない壁のあるエリアや水場にはこちらでも侵入できず、また一部イベントはオフロード仕様のままでの進行はできない。 条件を満たせば変形によって飛行可能になるものの、離着陸に失敗すると即ゲームオーバーなので、正直使い勝手がかなり悪い。もっとも、飛行形態にするメリットは後述するプティウォス遺跡に行けるのみで、それ以外のメリットは景色を楽しむ程度である。トロフィーも換装した時点で獲得できるため、無理に使う必要ははない(飛行形態の存在意義が疑われるという別の問題があるが)。 ファストトラベルは、マップに記録されたスタンドとレガリアのある地点のみにしか行えない。 レガリアは言わば「移動可能な簡易拠点」という扱いであり、ファストトラベルと車道の走行という、大まかな移動を担当する。 逆に細かな移動はチョコボが担当しており、こちらは移動速度・操作性共に上々で使い勝手が良く、レンタル料も非常に安い。 要はレガリアとチョコボを使い分けるというゲームデザインなのだが、これに気付かないと移動でかなり不便を感じる事となる。 逆を言えば、小回りの利く移動という役割上、「レンタルしない時間」はプレイする上でほとんどなく、この仕様にした意味が薄いとも。 僅かな手間だが定期的にレンタルし直す必要があるため、何らかのイベントでこの手間が不要になるなどの配慮は欲しかったところ。 上記のような仕様からダンジョン攻略や特定のミニゲームに集中する場合を除いて、ゲームプレイ時間の大半が探索にも該当しない純粋な「移動のみ」で時間が消費されやすい。 討伐クエストや写真撮影など昼夜で制限のあるクエストの攻略に支障をきたす場合が多い。特に一旦シナリオクリアするまでは夜の時間がドンドン伸びるため頻繁に遭遇することになる。 ただし、夜間限定の討伐クエストはその受注時のみすぐに夜に移行する事は出来る。 「夜の設定」はシナリオにおいて非常に重要な要素であり必然性自体はあるため、この点もまた「テーマ・設定」と「ゲームシステム」との齟齬から生じた問題と言える。 ロードが長い。 オープンワールドゲームの宿命ではあるが、ゲーム開始、新章開始時には長めのロードを挟む。ファストトラベル時は、距離が離れているほどロードも長くなり、長い時には1分程かかる。 その他ゲームシステム・バランスなどの問題 戦闘中のアイテム使用に関する問題 今作は戦闘中に各種回復アイテムを使用する機会が多いにもかかわらず、アイテム選択関連のインターフェースは洗練されておらず操作性も悪い。 戦闘中に使えるアイテムは20種以上あるのに、リスト上では一度に6種までしか表示されず、カーソルは上下に1段ずつ動かすことしかできないため、アイテム選びにどうしても手間が掛かる。 誰も状態異常に陥っていない時でも「状態異常回復用の各種アイテム」がリストの途中に並んでおり、アイテム選択の邪魔になりやすい。 ただしアイテムの選択中は戦闘の時間経過は止まるので、この操作性の悪さが難易度を不要に上げているわけではない。 「フェニックスの尾」などのアイテムを使う際、そのキャラがアイテムを使う様子をカメラがアップで映す演出が発生する。この演出は時間が長めであり飛ばすこともできず、戦闘のテンポを損ねている。 全体マップに関する問題 車の機能にてパーキングポイントのリストから移動先を選ぶ際、「リスト上で現在選択中のパーキングポイント」と「全体マップ上でのそのパーキングポイントの場所を示すカーソル位置」がことごとくズレているバグがあり、そのパーキングポイントが地図上のどこにあるのかプレイヤーを混乱させる。そのためこの機能を利用せず、全体マップ上でカーソルを動かして移動先を選ぶことになりやすい。 ダンジョンの中には複数の階層に分かれる複雑な構造のものもいくつかあるのだが、ダンジョン内での全体マップは現在居る階層のものしか表示されないため、いまいち全体の構造を把握しにくく不便。 クエストに関して 長らく討伐依頼は一つずつしか受注できず、受注・完了は依頼所でしか行えないため、数をこなすには大きな手間が掛かっていた。序盤の金策はこれに頼る部分も大きく、達成後にファストトラベルで戻ろうにも、後述のロード時間の関係で不便な仕様となっていた。17年11月のアップデートで複数を受注可能になり改善されたが、発売から約一年後の対応だったため、もっと早く改善を…との声も。 QTEの存在。 数こそ多くはないが、批判的意見の多いQTEが一部登場する。即ゲームオーバーにはならないが逆にボタンを押しても押さなくても演出は変わらないと言う、意味の無いQTEが多々存在するため。 + シナリオ終盤について。(ネタバレ注意) 13章の完成度の低さ。 端的に言えば、長いダンジョンで縛りプレイを強要される仕様となっている。 武器を使用できず、特殊な魔法のみを使い、パーティーを分断されノクティス1人で攻略する必要があると言う中々厳しいもの。 ある程度進めると武器も仲間も戻ってくるが、道中はホラーゲームのような演出も多く、ストレスが溜まりやすい要因となっている。 勿論、「主人公の危機的状況」「仲間が少しずつ合流してくる」といった演出・要素は、他RPGにも散見されるものであり、一概には問題点とは言えない。最大の批判点はやはり「長すぎる」ことである。 ステージそのものも『BIOHAZARD』と評される程無駄にホラー要素が強く、『FF』の作風に全くそぐわないと批判が多かった また、敵国のトップがこれと言った説明もなしに死亡(シガイ化)しているなど、シナリオ面でも相変わらずの説明不足である。 特定箇所にて、あるキャラクターの設定に関する重大な秘密が語られ始めるのだが、その台詞の途中でプレイヤーが付近の資料を調べると、肝心の台詞の続きが語られなくなってしまうという仕様上の欠陥がある。この現象が起こる可能性は割と高く、本来その時点で明かされるはずのキャラクター設定をプレイヤーが知ることなくゲームを先に進めてしまうことが十分に起こり得る。少し後の展開で本来よりも遅れてその設定を知ることはできるが、その場合はより唐突な展開に感じられてしまう。 2017/3/27のアップデートにより、魔法の性能改善・ノクティスではなくグラディオラス側の視点で進行できるルート選択の追加・シナリオ演出の強化がなされ、問題がある程度緩和された。 グラディオラスルートでは普段と近い感覚でプレイでき、シナリオの描写も増えた。とはいえストーリー全体を回収するにはノクティスルートのプレイも依然として必要であり、周回前提となる。初回プレイでは主人公であるノクティスルートで進行するプレイヤーが大半と考えられ、グラディオラスルートはノクティスルートを一度終えた後の補完という趣向が強い。 ノクティスルートの道中が長すぎる問題が未改善である点に加え、PS4版プレイヤーの多くがアップデート前の時点でプレイ済みであるため、このアップデートでも13章の悪評を大きく覆すほどには至っていない。 シナリオのラストも色々謎が残る展開となっており、歯切れの悪さを感じたプレーヤーは多い。 このような部分は過去作ではアルティマニアでの補足があったりしたのだが、今作のアルティマニアでのインタビューにはラストの展開について「ご想像に任せる」と表記されていた。 その後、今作は追加エピソードでの補完などを予定することになった。 + クリア後の隠しダンジョン プティウォス遺跡 通常のRPGにおける隠しダンジョンに期待するものと言えば、通常の個体を遥かに凌駕する雑魚モンスターや強い隠しボスなのだが、今作の隠しダンジョンはそんな常識とはかけ離れたものになっている。 そういったものは全て、既存ダンジョンの隠しフロアに関連するサブクエストなどの要素として用意されている。隠しフロアが99階層続いて本編では出てこないような強敵を倒しながら進むダンジョンがあったり、「隠しダンジョン」にこだわらなければRPGの王道らしい楽しみ方ができるエンドコンテンツはいくらでもあるのだが。 トロフィーの取得対象になってる隠しボスは、HPこそ圧倒的な高さを誇るものの戦闘能力はそこまで高くない。この隠しボスを倒して「最強のモンスターを倒した」と思い込んで、その弱さに不満を抱えたままゲームを卒業するケースも少なくない。 今作でクリア後・かつ飛行艇で行けるようになる隠しダンジョンは、一切の敵が出現せず、ノクト一人でジャンプを駆使して道を進むアクションステージとなっている。落下や罠によるゲームオーバーはないが、特定ポイントに戻される他、途中2Dスクロールアクションのようになる箇所もあるため非常に難易度が高い。 ダンジョンは暗い上に長く、謎解きもあるのでクリアまで初見で3~4時間はかかる。しかもセーブポイントはダンジョン外にしかない(シビアな飛行の後にセーブできるのが救い)上、ダンジョン内ではシフト移動も使えない。そして何より、決して精度の高くない『XV』のジャンプでアスレチックアクションをやるのは結構なストレスになる。 ダンジョン内は何の説明もなしにノクト一人で進むことになり、ノクトも「何なんだよ!?」「意味わかんねえ!」等と独り言を言う。もしかしたら本作で最も主人公とプレイヤーの心情が一致する場面かもしれない。 ちなみにこのダンジョンをクリアせずとも、トロフィー/実績のコンプリートには一切影響しない。終点では強力なアクセサリが拾える他、道中で大量の記念硬貨も獲得できる。正に苦行とも言えるダンジョンだが、その分クリアした際の見返りは大きい。 バグ 当初の家庭版では視覚的に面白いバグが多発しており、各所でネタにされることになった(チョコボに直立騎乗する、増殖する仲間など)。 もちろん、そればかりではなく、地形にハマり動けなくなる、光源の異常発光やフリーズなど、ゲームプレイに支障が出る有害なバグも存在した。 なお、かつては「修正するもアップデート追加イベントで別のバグが発生」などということもあったが、アップデートを重ねた現在では、普通にプレイする分には何ら問題のない範疇に落ち着いている。 だが、最終ver.である1.30(*8)においては有志によって多くのバグが発見されている。ゲームを有利にするものだったり、面白おかしいバグがあったりする。過去にあったバグは形を変えて残っている。どのバグにおいても意図的でやらないと発生しない。 総評 「旅」というテーマを掲げているだけあり、火山の天辺から地下坑道の奥深くまでシームレスに移動できる秀麗なフィールド、車での移動、料理に宿泊・キャンプ、写真や釣りといった様々な要素が旅情を感じさせる。 グラフィック・BGM・アクション・モーションなど、シナリオ面以外はいずれも概ね高水準であり、リッチなゲーム体験を得ることができるだろう。 累計出荷本数は『VII』『VIII』に次ぎシリーズ3番目に多い890万本を記録し、平均ユーザースコアは7.6と一定の評価を得ている。 しかしながら難産な作品ゆえに欠点も多く、特にシナリオが今作のテーマと噛み合っていない点に批判が集中。 また、前日談のアニメ・映画などの幅広いメディア展開を行ったことで、本作のストーリーを楽しむには様々な媒体でのコンテンツを網羅することが必要となってしまう。 結果として、本編のみではキャラクターなどの掘り下げが不十分になってしまったことも否めない。 後半のリニアパートのテコ入れを始めとするアップデート配信も多数実施され、様々な機能の実装・イベントの追加などが行われたが、当初の評価を大きく覆すには至らなかった。 特に日本国内ではバグシーンがネットで拡散されたことで未プレイユーザーへも悪い印象を与えてしまった。 上記の批判点やシリーズ中でもかなり尖った作風のために万人にオススメできるとは言い難い。しかしシリーズ初の試みも多くやり込み要素も豊富なので、シリーズの中でも長く遊ぶことのできる作品であるとは言い切れるだろう。 余談 ここまで読んでわかる通り、今作は最初の構想発表から10年後、CS版発売から実に1年強たった今までDLCを含むアップデートにより全面的な要素とシーン追加や改善を図る方針をとることになったなど、想像を絶する難産だったことは明白である(*9)。 『ヴェルサスXIII』時代に発表されたPVは元より、『XV』に改題した後から発表されたPVであっても場面が製品版になったら劣化したといった些細なものから、PVに登場したシーンやセリフがまるごと登場しないといったことが指摘され、PV詐欺であると批判された。 かつて『XIII』でも同様の指摘を受けており、スクエニの悪い面であると認識されている。 + 『ヴェルサスXIII』時代の映像 + エンディングに関するネタバレ エンディングにおけるノクトの「とある台詞」は、今作を代表する台詞の1つとして様々な意味で話題となった。 ただし、否定派からは作品を馬鹿にする意図で多用されていた台詞であり、今作のファンからはかなりの反感を買うので、ネタとして安易に使用する事は控えて欲しい。 評価点に書かれている料理の描写について、発売延期時のインタビューで「CG的にリヴァイアサンと同じスペックに」と語られた事について、発売前に物議を醸した。 「無駄な事に労力を費やすから発売延期になるのだ」等と批判されたが、実際には料理は作中の臨場感を増すのに大きく貢献しており、全く無駄ではない。 また、「リヴァイアサンと同じ 容量 」と言うデマも流布されたが、原文は上記の通りであり、容量が同じとは一言も言われていない。 発売日の1週間前にドバイのプレイヤーがフラゲ配信をした(*10)ことが大きな話題になった。 流通事情で早めに手に入る事自体は珍しくないが、ネットで全世界へ発信できる現代の問題として非常に考えさせられる1件であった。 その後発売3日ほど前になり何故か日本のみ発売日まで配信が制限されたが、海外はそのままだった模様。 『零式』のHD版に、今作の特別体験版「エピソードダスカ」をDLできるプロダクトコードが同梱されていた。現在は配信を終了している。 後にVer2.0へとアップデートされたのだが、体験版のアップデートはSIE(*11)にとっても初の事例であったという。 ファミ通アワード2016で主人公であるノクト役の鈴木氏が「男性キャラクターボイス賞」を受賞。 プレイステーションアワード2017において、アジア地域(日本含む)で100万本以上売れたソフトとして、今作は「Platinum Prize」賞を取った。 2020年2月29日にNHKにて放送された「全ファイナルファンタジー大投票」では、事前に投票を受け付けていたシリーズ57作品中で10位であった。 得票数の女性率が7割にのぼり、これは6割ほどの女性票を獲得した『IX』を抑えてもっとも女性票を獲得したシリーズとなる。 今作の開発チームは、レガリアの飛行機能を実装するに当たって『Just Cause 3』の開発元で、スクウェア・エニックス傘下であるアバランチスタジオとの技術コラボを行なっている。 2021年6月22日にスクエニのテクノロジー推進部リードAIリサーチャーである三宅陽一郎氏が、今作のにおけるAIの実例を基にした論文で「2020年度人工知能学会論文賞(JSAI Best Paper Award 2020)」を受賞した。 また同発表によると、「本論文により接点を与えられた読者がゲーム開発に貢献する可能性が高い」等といった点が高く評価され、「ゲームAIに関する記念碑的論文になり得る内容」として受賞に至ったとのこと。 移植・関連作品・タイアップなど 2018年3月7日にWin版『ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION』が発売。販売ストアはMicrosoft Store/Steam/Originの3か所。 『ロイヤルエディション』の高画質対応版といった内容で、環境さえ揃えば最大8K+HDR10による高画質でプレイできるほか、MOD/ユーザークリエイト要素への対応を予定していたが、上述したDLC展開中止に伴い、こちらの拡張も取りやめになった。 2018年2月9日には各種スマートフォン向け移植版『FINAL FANTASY XV POCKET EDITION』が配信。独自にデフォルメされたキャラデザインや簡略化されたサイドクエストなど、スマートフォンの領分内で本編ストーリーに重点を置いたアレンジ移植となっている。 2018年9月7日にはPS4/Oneで、9月14日にSwitchにてHD版がDL専売で配信された。ナンバリングでは『VI』以来となる任天堂ハードでの発売となる。 2018年12月13日には『FFXIV』とのコラボクエスト「異世界の冒険者」が無料アップデートとして配信された。ゲーム内の演出にも『XIV』由来のものが取り入れられている。 翌2019年には『XIV』側で『XV』とのコラボイベント「英雄への夜想曲」が実施。2021年にも再演された。 『DISSIDIA』や『シアトリズム』といった『FF』シリーズを集めたオールスターゲーム等にも順次参戦している他、『XV』のみを題材にしたスマホゲームも配信されている。 今作自体も、世界観内(FFXV UNIVERSE)での作中作として他のゲームを取り込む試みをしている。スマホ用ゲームである『JUSTICE MONSTERS FIVE』をミニゲームとして収録する他、ノクティスとプロンプトが『キングスナイト -Wrath of the Dark Dragon-』について言及する点がそれに当たる。 他社からのタイアップ要素を多く取り込んでいる今作だが、逆に他社作品へのコラボ参加も数少ないながら行われている。 2017年8月2日、One版の『XV』もしくは『Forza Horizon 3』を所持するユーザーには無料DLCとしてレガリアを『Forza Horizon 3』でも乗り回すことができると言う特典がある。 『Forza Horizon 3』の既存プレイヤーでは「何の告知もなしにガレージに追加されていた」なんて報告も。一方、『Forza Horizon 3』未プレイの『XV』プレイヤーにはDLコードが配布された模様である。 ForzaVistaモードでも、ボンネットやドア、屋根の開閉など独特なギミックが再現されている。 後に『Forza Horizon 4』でも期間限定のチャレンジにおける賞品として登場し、さらに別形態となる「Type-D」も登場している。 バンダイナムコの『鉄拳』シリーズにて、家庭用版『鉄拳7』の3人目のDLCキャラクターとしてノクティスが参戦。2018年3月20日より配信開始(*12)。 ハンマーヘッドステージが同梱されており、イグニス・グラディオ・プロンプトの3人や、チョコボ・シドニー・シドはこのステージの背景に登場。DLCのミニゲーム「Ultimate TEKKEN BOWL」をノクティスでプレイする際も、イグニス・グラディオ・プロンプトの3人がギャラリーとして賑やかしてくれる。 『XV』での各衣装も別コスチュームとして使用可能。 その後、2019年2月13日に稼働開始した『鉄拳7 FATED RETRIBUTION ROUND 2』にて、アーケード版でもノクティスが使用可能となった。 レベルファイブのアプリゲーム『妖怪ウォッチぷにぷに』でもノクティスが実装されている(*13)。期限内のログインボーナスで無料で入手。最初はSランクだが、ガチャの低確率で入手できる父王の剣と合成すればZランクのPS(ファントムソード)ノクティスへ進化出来る。現在は入手不可。 NHN×ドワンゴの共同開発したリアルタイムオンライン対戦ゲーム『#コンパス 戦闘摂理解析システム』にノクティスが参戦。初のスクウェア・エニックス枠で『鉄拳7』から一年ぶりの他作品コラボとなる。『XV』についての話題とゲームが再燃した(バグも含めて)。 ゲーム関連のグッズとしてはおそらく最高額と言えるであろう製品がある。それがこちら。 コンセプトブック(カタログのような物)の配布キャンペーン(Twitter上で30名限定)などがあった(製作費は1冊あたり約10万円だそう)。 この車両は、2019年1月11日~13日に幕張メッセで開催された“東京オートサロン2019”で展示された他、特設サイトで1月11日~20日12:00~20日10:00にオークションが開催された(参照)(落札済み)。 少なくとも6000万円以上で落札されたのは確実(終了1日前の時点で突破していた為)らしいが、詳細な金額は不明。 発売当初は、最近の他のゲームのように、流通形態ごとに付属する特典があったり、豪華版パッケージなどがあった。 この内、セブンイレブンのものは主人公の父親たちが若いころをモチーフにしたミニゲームと、ノクトのラバーストラップが付くなど他よりやや豪華なものであった(*14)。 日清食品のカップヌードルでは、今作のPVにMODを使用した映像を使ったCM、および15種類のカップヌードルと専用のおまけ等をプレゼントする企画などがあった。 このころ、様々なコラボをやっていたカップヌードルだが、他のものでは配布ではなく特装版パッケージの販売であったのに対し、こちらは抽選で無料配布という差があった。 後に、このときに使用された(と思われるファイルを使用したアイテム)が、実際にゲーム内で使用できる形で追加された。 2018年放送のアニメ『ポプテピピック』にて、ノクティスと思わしき今作のキャラクターが出演している。 これを受けてか、2019年放送のテレビスペシャルでは公式に映像を提供するという斜め上なコラボが行われた。 さらに2022年から放送のTVシリーズ第2期では全面協力として『FF』を含めたスクエニ作品とのコラボが行われている。 その後の展開 追加ストーリーDLCの開発中止について 2018年11月、今作の特別番組の中で、今作の開発を担当した田畑Dがスクエニ及び開発会社のルミナスプロダクションの退社を発表。後述する『XV』の開発チームの独立の影響もあって、新ダウンロードコンテンツ「未来への夜明け」の4本の内、3本が開発中止と発表された。 DLCの内訳は「エピソードI アーデン」「外伝 アラネア」「エピソードII ルナフレーナ」「エピソードIII ノクティス」の4本立てだったが、アーデンのエピソード以外の全てが開発中止となった。 ただしゲームとしては凍結されたものの、前述の通りお蔵入りとなった3つのエピソードは小説として発売された。内容についての賛否はあれど、一通り発表されたことでこれらの騒動も一旦は落ち着いた。 後継作品・続編 2018年3月27日に『XV』を手掛けたスタッフが主導となる開発スタジオ「Luminous Productions」が発足、COO兼スタジオヘッドには今作のディレクターである田畑端氏が就任した。 しかし、その田畑氏は同年10月31日にLuminous Productions及びスクウェア・エニックスから退職。独立後の同年12月3日には株式会社「JP GAMES」を設立し代表取締役に就任する。 その一方で、2020年6月12日にはLuminous Productionsが開発する完全新規IPとなる「PROJECT ATHIA」が発表、2021年3月19日には正式タイトルが『FORSPOKEN』であると同時にジャンルがオープンワールドのアクションRPGであることが発表された。 対応機種はPS5/Winで、2回の延期があったものの2023年1月24日に発売された。しかし、その約4ヶ月後の同年5月1日に開発元のLuminous Productionsはスクエニに吸収合併され消滅してしまった(参照)。 2020年9月17日にシリーズナンバリング最新作『ファイナルファンタジーXVI』が発表された。 『VII』以降のシリーズ作品で主流だった「現代文明を基軸にしたスチームパンク風のファンタジー世界」とは異なり、『XVI』はシリーズ初期作や『IX』『XII』のような中世ヨーロッパのファンタジーをモチーフにした「シリーズの原点回帰」と言える世界観となっている。 一方で、本作以上にスタイリッシュなアクションや、過去のナンバリングタイトルでは見られないような激しい流血描写が確認でき、レーティングはナンバリングシリーズでは初となるCERO D(17歳以上対象)となっている。 プロデューサーは『XIV』の吉田直樹氏が、ディレクターも『XIV』の髙井浩氏が担当していると明かされた。対応機種は次世代機であるPS5で、2023年6月22日に延期もせずに発売された。 『XV』での過剰な宣伝の反動か、本作では比較してあまり宣伝が行われないなど地味なものとなっている。
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攻略の参考にして下さい。 【宇宙世紀年表】第1部『一年戦争編』 第2部『ジオン再興編』 第3部『次世代闘争編』 【宇宙世紀年表】 第1部『一年戦争編』 年代 出来事 作品 0079.01.03 一週間戦争 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY 宇宙の蜉蝣 0079.01.15 ルウム戦役 機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録(第1話) 0079.0X.XX 地球侵攻作戦 機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録(第2話) 0079.09.18 サイド7遭遇戦 機動戦士ガンダム 0079.10.04 ガルマ・ザビ戦死 機動戦士ガンダム 0079.10.06 ガルマ・ザビ国葬 機動戦士ガンダム 第08MS小隊 0079.10.24 ヅダの開発成功発表 機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録(第3話) 0079.11.05 ランバ・ラル戦死 機動戦士ガンダム 0079.11.07 オデッサ作戦 機動戦士ガンダム機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles 0079.11.29 BD1号機遭遇戦 機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY 0079.11.30 ジャブロー攻略戦 機動戦士ガンダム 0079.12.0X 連邦軍宇宙艦隊発進 機動戦士ガンダム MS IGLOO 黙示録0079(第1話)機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに 0079.12.09 連邦軍北極基地襲撃 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 0079.12.14 チェンバロ作戦 機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに… 0079.12.15 キャリフォルニアベース奪還作戦 機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY 0079.12.18 BD2号機強奪事件 機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY 0079.12.19 ルビコン計画 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 0079.12.24 ソロモン攻略戦 機動戦士ガンダム 0079.12.24 グラナダ艦隊分断作戦 機動戦士ガンダム宇宙、閃光の果てに… 0079.12.25 クリスマス作戦 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 0079.12.XX ア・バオア・クー侵攻 機動戦士ガンダム MS IGLOO 黙示録0079(第2話) 0079.12.31 ア・バオア・クー攻略戦 機動戦士ガンダム機動戦士ガンダム MS IGLOO 黙示録0079(第3話) 0080.1.1 終戦協定締結 機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに… 第2部『ジオン再興編』 年代 出来事 作品 0083 デラーズ紛争 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY 0087 グリプス戦役 機動戦士Ζガンダム 0088 第一次ネオ・ジオン抗争 機動戦士ガンダムΖΖ 0093 第二次ネオ・ジオン抗争 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 第3部『次世代闘争編』 年代 出来事 作品 0105 マフティー動乱 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 0120 オールズモビル戦役 機動戦士ガンダムF90 0123.02 ゼブラゾーン事件 機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91 0123.03 コスモ・バビロニア建国戦争 機動戦士ガンダムF91 0133 木星戦役 機動戦士クロスボーン・ガンダム 013X 木星帝国残党掃討戦 機動戦士クロスボーン・ガンダム スカル・ハート 0153 ザンスカール戦争 機動戦士Vガンダム
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Dの死世界デスファンタジー SR 闇文明 (6) D2フィールド: ■相手のクリーチャーがバトルゾーンに出る時自分のクリーチャーを1体破壊しても良い。そうした場合、そのクリーチャーをかわりに墓地に置く。 ■Dスイッチ:自分のターンの始めにこのD2フィールドをゲーム中で1度上下逆さまにしても良い。そうしたら、バトルゾーンにあるこのカード以外のカードを全て墓地に置く。 作者:ヨッシー(代理作成:ヴァン) フレーバーテキスト 収録 関連 評価 名前 コメント
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※計算ミスによりずれが生じている恐れが大いにあります、大体の目安として見て下さい。 ※比較対象として世界史年表を表示しています 年数 冥界 人間界 備考 ??? 冥界発足 ~ 長きに亘って天界との争いが続く 1450頃 冥界、天界に大敗 戦争終結、冥界は天界に従属 1517 ルター宗教改革 1540 フェレスト・リヴィード、侯爵叙任 フェレスト35歳 1543 コペルニクスが「地動説」を唱える ~ 1771 イザベル誕生 1789 王都が王政から議会・民主政治へ移行する イザベル6歳 1891頃 XCIX転生 イザベル40代 1914 第一次世界大戦 1915 ベス誕生 アインシュタインが一般相対性理論を完成 イザベル48歳 1939 イザベル、冥王給仕長就任 ベス8歳 1951 クリス誕生 ベス11歳 2002 現冥王失踪 ベス29歳 2006 カノン転生 カノン23歳
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The Fierce Battle 収録作品:ファイナルファンタジーVI[SFC/PS/GBA] 作曲者:植松伸夫 概要 魔大陸のアルテマウェポン戦、瓦礫の塔での三闘神戦といった一部のボス戦で流れるBGM。 GBA版では隠しダンジョンのボスであるカイザードラゴン戦およびオメガウェポン戦でも使用された。 メロディーや楽曲の構成は通常ボス戦の「決戦 」とよく似ているが、こちらはより緊張感・威圧感を全面に出した曲調。 これまでとは違うまさに「別格」のボスであることを、まずはこの音楽で分からせるような強烈なインパクトを持つ。 この曲はやはり一番最初に使われるアルテマウェポン戦での印象がとても強い。 なんか尻尾のついた変なモンスターが道をふさいでいると思って接触してみたら、 我が名はアルテマ……たい古に作られし最高の力なり…… 我は力であり、生命にあらず……弱き生命体よ、きえされ!! といういきなり物々しい台詞と共にこの曲が初登場。こうした戦闘の流れに度肝を抜かれたプレイヤーは多いと思われる。 戦闘でもフレアやトルネドといったお目にかかれたことのない上位魔法をどんどん使うので、正真正銘の“死闘”という緊張を味わえる。 なお瓦礫の塔に出現する上位種(?)のアルテマバスターの戦闘曲はなぜかこれではなく『決戦』。このボスは色々な意味で扱いが悪い。 己の記憶の先にあるものは この世界すべての記憶か、 自ら切り開く未来か。 我との戦いに、その答えを見出すがよい。 『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』では「世界の記憶」という曲名で高橋雄蔵氏編曲のアレンジ版が使用。 フルオーケストラで構成されたアレンジで、原曲から壮大さと威圧感がよりパワーアップしている。 『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』では「神竜戦」で使用された。 過去ランキング順位 第2回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 280位 第5回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 603位(時忘れの迷宮) 第6回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 767位 第7回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 501位 第8回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 651位 第9回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 977位 みんなで決めるスクウェア・エニックス名曲ベスト100 124位 FINAL FANTASY BGMランキング 59位 みんなで決めるスーパーファミコンBGMベスト100 73位 みんなで決めるRPGバトルBGMランキングベスト100 100位 みんなで決めるボス戦BGMベスト100 68位 サウンドトラック ファイナルファンタジーVI オリジナル・サウンド・ヴァージョン 関連動画 【Video Soundtrack】死闘(ファイナルファンタジーVI)
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ファイナルファンタジーアギト プラス(オンライン専用ソフト) 公式サイト http //www.jp.square-enix.com/ff-agito/ff-agitoplus/ 機種 PS Vita 発売日 未定 定価 パッケージ版:4,104円(税込)+アイテム課金 / DL版:基本プレイ無料+アイテム課金 ジャンル オンラインRPG 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 スクウェア・エニックス オフラインプレイ人数 オフラインプレイ不可 多人数プレイ要素 <協力>オンライン通信 年齢区分 審査予定 初回特典 <メーカー特典>・レアアイテムダウンロードコード『SR:玄武甲冑【王の鎧】』・レアアイテムダウンロードコード『SR:軍神衣【氷の女王】』 限定版 備考 iPhone版、Android版とは別サーバー プレイ画像 PV ※動画はiPhone版
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作品名:PARADISE LOST 使用者:ラファエル、アスト 神座万象シリーズに登場する術技。 天使の使う“式”の1つ。 使用者を軸に竜巻を生み出し、竜巻に触れたものを空間ごと別次元へ放逐する +詠唱 虚空より、陸空海の透明なる天使たちをここへ呼ばわん Huc per inane advoco angelos sanctos terrarum aerisque, この円陣にて我を保護し、暖め、防御したる火を灯せ marisque et liquidi simul ignis qui me custodiant foveant protegant et defendant in hoc circulo. 幸いなれ、癒しの天使 Slave Raphael, その御霊は山より立ち昇る微風にして、黄金色の衣は輝ける太陽の如し spiritus est aura montibus orta vestis aurata sicut solis lumina さればありとあらゆる災い、我に近付かざるべし 我何処に居れど、聖なる天使に守護される者ゆえに Non accedet ad me malum cuiuscemodin quoniam angeli sancti custodiunt me ubicumeque sum. 黄衣を纏いし者よ、YOD HE VAU HE―――来たれエデンの守護天使アクセス、マスターモード”パラダイスロスト”より、ラファエル実行 ※取り消し線はおそらく省略された詠唱 術技についての詳細歪空間断層(ディストーション) 使用者との関連性魔鏡による複製 元ネタ 関連項目 関連タグ リンク 術技についての詳細 歪空間断層(ディストーション) 空間消去の竜巻を発生させる消去された空間は修復力で接着され、“消去されたもの”の痕跡は完全になくなる。 瞬間の突風が、アストを軸に天地を貫く竜巻と化した。 (中略) リリス「歪空間断層——ッ!?」 旋風に触れていた一帯が、世界から消えていた。削り取られた空間ごと別次 元へと放逐し、開いた傷痕が“世界を縮めて”接着される。 使用者との関連性 魔鏡による複製 ラファエルの式をコピーしたリリエルの“式”以外はコピーしている。 「これが私……アスタロスと名付けられたシステムが、完全にその意 義を発揮した姿です。正確には、同タイプがあと三種類ほどありま すが……」 元ネタ 詠唱 小五芒星追儺儀式のラテン語版。 ラファエル(Raphael) ユダヤ教、キリスト教、イスラム教に登場する天使。宗教・宗派によって位階が変わる。 名前は「神は癒される」という意味。イスラム教ではイスラーフィールと呼ばれる。 癒しを司る天使。 旧約聖書の「トビト記」では「偉大なるアナニアの子アザリアス」としてトビト達の旅に同行し、息子トビアスの危機を助け、ティグリス河の魚の胆汁から薬を調合してトビトの盲目を癒した。 ラグゥエールの娘サラ(トビアスの妻となる女性)を悪魔アスモデウスから救出すべく同じ魚の心臓と肝臓を燻して悪魔祓いを行う法をトビアスに教授した。 このためラファエルは旅人、病人、盲人、悪魔憑き達の守護者とされている。 キリスト教では「トビト記」は正典ではないが、『ヨハネによる福音書』にて語られる『ペトサダの池にて時折水を動かして癒しを行う天使』がラファエルであるとされている。 ガブリエル同様にユダヤ人がカルデア(新バビロニア)王国の捕囚となった際に取り込まれた神とされる。 元の名前はラビエル(Labbiel)という。 関連項目 クウィンテセンス ラファエルを実行するためのエネルギー。 魔鏡 ラファエルをコピーした能力。 関連タグ PARADISE_LOST 神座万象シリーズ 空間消滅 術技 風 リンク Wikipedia ラファエル
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The Decisive Battle 収録作品:ファイナルファンタジーVI[SFC/PS/GBA] 作曲者:植松伸夫 概要 作中の多くのボス戦で流れるBGM。 ボス戦でもアルテマウェポン戦や三闘神戦などではこの曲ではなく「死闘」が使用される。 前半のロックオルガン・シンセベース・スネアの激しい掛け合いと、後半のストリングスによる引き伸ばされた美しい旋律が特徴。 1ループ1分弱とやや短めだが、かなりインパクトのある中身の濃い1曲であり、シリーズのボス戦の中でも高い人気を持ち、アレンジや演奏もよくされている。 本ランキングでも頻繁にランクインしており、同じ名前の『FF5』の「決戦」と共に高順位に入っていることが多い。 またこの曲はボスの他に、一部の宝箱の中に潜むモンスター(プレゼンター・トンベリマスター・サムライソウルの三体)でも流れる。 なぜこの三体だけこの曲が流れるのが不明だが、この三体は並みのボス敵よりも手強いモンスターなので、『FF5』で同じく宝箱の中に潜んでいた神竜戦みたいに、強敵としての危機感を煽らせる…のつもりだったのかもしれない。 アドバンス版では採譜ミスがあり、メロディフレーズ後半の主旋律が間違いがある。 過去ランキング順位 第1回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 24位 第2回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 125位 第3回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 127位 第4回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 53位 第5回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 48位 第6回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 65位 第7回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 94位 第8回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 88位 第9回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 141位 第10回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 268位 第11回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 200位 第12回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 403位 第13回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 100位 第14回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 549位 第15回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 641位 第16回みんなで決めるゲーム音楽ベスト100 341位 みんなで決めるスクウェア・エニックス名曲ベスト100 9位 第2回みんなで決めるスクウェア・エニックス名曲ベスト100 2位 FINAL FANTASY BGMランキング 2位 みんなで決めるスーパーファミコンBGMベスト100 10位 みんなで決めるRPGバトルBGMランキングベスト100 8位 みんなで決めるゲーム音楽歴代ベスト100ランキング 237位 みんなで決めるアレンジBGMランキング 125位(FFPR) みんなで決める1990年代の名曲ランキング 99位 みんなで決めるボス戦BGMベスト100 6位 サウンドトラック ファイナルファンタジーVI オリジナル・サウンド・ヴァージョン THE BLACK MAGES/黒魔導士 関連動画 【Video Soundtrack】決戦(ファイナルファンタジーVI)
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カサブランカ それにしても・・・。 毎度のことながら、シンは姿をカモフラージュするセイバートリィを見て感心していた。ボタン一つで完全に周りの景色と同化する仕組みとは、一体どんなものなのだろう。 「すげーな、おい。どうやったんだ、俺にも教えろよ」 ハイネが興味津々とばかりに早速アレックスに突っかかっているから、空賊なら誰でも知っているという技術でもないらしい。 と言う事は。 これもアレックスが作っちゃった装置・・・って奴なのか。 「企業秘密だ」 「秘密って、俺達同じ空賊だろ~」 呆れるミーアと何か言いたそうなラクスを横に、街の入り口でアレックスは一人ハイネと奮闘している。 砂漠を超え、僅かばかりの緑の向こうにあるのは煙を吐く火山だった。鉄の城門でぐるりと囲まれた連邦の玄関口は、コスモス連邦の領土と言う緊張感を誘うには少しばかり違っていた。溢れる旅人に商人、帝国も連邦も無い、交易の要衝としてその町はある。 アプリリウスをぎゅっと凝縮したような街。 「最初はこんなもんだろ」 「俺、なんか緊張して損した」 しかし、ステラは目を輝かして街の様子に見入っていた。 「ステラ、ここ来たことがある!」 「そいつは良かったな」 街の中には、小さなバザールが山のようにたち、歩く隙間もない程賑わっている。確かにこれだけ人が居ればネオ本人が見つからなくても、手がかりくらいは見つかりそうだ。なんと言ってもネオは金髪に妖しい仮面と言うとても目立つ格好をしている。 「この中から探し出すのか・・・」 「君、いきなり見つかるとでも思ってるの?」 人混みにうんざりしているアレックスと、見つかるわけがないと決め付けているキラをシンは睨む。 「とにかく情報を集めませんと」 こんな時、ラクスの建設的な意見がありがたかった。逆に、張り合っている二人が子供っぽく見える。 「一刻おきにここで報告な、えっと、あんた・・・」 「ミーアよ」 「留守番頼めるか?」 キャンベラのミーアはこの混雑の中でも目立つ。その上腕も立つから誰かに危害を加えられることもない。確かにいい人選だ。 「うーん、いいわ。みんながちゃきちゃき働くのを高みの見物してるわね」 「おいミーア・・・」 連邦でもキャンベラが珍しい種であることには変わりがないらしく、ミーアをちらちら見る視線が多いこと多いこと。しかも赤面したり、邪な瞳まで混じっているではないか。今ではシンもすっかり慣れてしまったけれど、本当に目もくらむようなスタイルをしている。 「あら心配? 大丈夫よ。アタシはアレックスがこの人混みで迷子になっちゃわないかって事のほうが心配だわ」 自覚があるのか、口を噤む彼。あまりにはっきり言われてぐぅの音もでないアレックスの横で、シンは思わず肩を震わせる。 「何笑ってるんだ、お前」 「イテッ」 バシッと頭を叩かれてシンは頭を押さえる。 こういう所が横暴なんだと改めて思う。ステラに同意を得ようと彼女に話しかけようとしたら、彼女の視線は人混みのある一角を見つめていた。 「・・・ステラ?」 そこに何があるのだろうと、人々が行き交う大通りを見る。荷車を引いているバザールの店主が麻袋を背負った商人とぶつかって騒ぎになっている。彼らの足元には割れた瓶がいくつも散らばっていた。 見物人も集まってちょっとした集団を形成している。 群集のざわめきの中に怒鳴り声が混じり、それでも、気の利いた市場の誰かが間に立って収めている。 騒ぎが収まって人がばらけて行くその向こう、通りの反対側にどこかで見たことのある人物がいた。溜息を付いて頭の上で腕を組む仕草。もっと大きな騒ぎになるのを楽しみにしていたのに、これで終わってしまって残念。そんな雰囲気で引き返していく。 あれって。 シンの脳裏に浮かぶ二人。確か―――。 「アウル! スティーング!!」 シンが口にする前にステラが駆け出していた。 「あっ、ステラっ!」 シンは慌てて追いかけて、人混みの群れに突っ込んだ。 「いきなりビンゴかよ!?」 ハイネが後を追う。 キラが駆け出し、完全に出遅れたアレックスがミーアとラクスに事情を説明することになる。 「どうやら見つかったみたいだな。シンやハイネたちが追いかけた見たいだから、俺達はここで待っていようか」 ネオ達を知らないラクスが今更追いかけたところで皆には追いつけない。元々留守番のミーアと一緒にのんびり吉報を待とうと提案したが。ミーアがそれを許すはずもなかった。 「何言っているのよ。アタシ達は大丈夫。だから早く追いかけなさいって!」 「やっぱりか・・・」 苦笑して軽く手を上げる。大通りに向かえばすぐに人混みに紛れてしまった。 「どうも最近、親父くさいのよね・・・変に保護者ぶってると言うか・・・」 呆れたミーアの呟きに、ラクスがこっそり彼女を見る。 「でも、それも素敵な魅力ですわ」 「あらまあ、どうしちゃったの?」 目をぱちくりさせてミーアがラクスを見る。 「わたくし、少し分かった気がして」 ミーアがアレックスが去っていった人混みを見つめるラクスの視線を追って苦笑する。彼女はアレックスがいつも視界の片隅でラクスを捉えていることを知っている。それは何も、彼女が王女様でも、報酬の為でもない。 「空賊ってだけじゃ括れない面があるってことね」 ラクスが横のミーアを見る。キャンベラ族のミーアはラクスよりも頭半分背が高い。勿論長い耳を除いての話。見上げる空色の瞳が気持ち見開かれているのを見て、ミーアは微笑を濃くする。 基本的に女性に弱く、流されやすい。 けれど、ラクスには結構、言いたい放題だった。 「空賊にだって色々なタイプが居るって事よ。結局、大切なのはその人、一人一人」 「確かに彼は少し空賊らしくありませんわ。あんなに『空賊なんて・・・』と思っていたのに、今思えば―――」 時に耳に痛い言葉も、さりげない言葉遣いも、『王女様』と突き放しながらもラクスは彼に大事にされている。純粋に飛空艇が好きで、空に上がると嬉しそうにセイバートリィを飛ばす姿は少年のようで。 国に縛られた自分とはかけ離れた存在だった。 「わたくしは、本当は彼に一番分かって欲しかった、のですね。だから、亡くした人の幻影に彼の姿を重ねた・・・わたくしの事を応援して欲しかった・・・」 その気持ちがアプリルでの惨事を招いてしまった。後悔しても仕切れない過去でも、一つの真実をラクスは手に入れることになった。 きっと、わたくしは彼が好き。 「迷惑な男だわ。女心に疎くて無関心、その上不器用なんだから。・・・厄介な奴に引っかかったわね、ふふ」 ともすればミーアに対する宣戦布告のような事を言っているのに、彼のパートナーである彼女は笑って受け流していた。人の時間よりも何倍も長く生きるキャンベラ族の彼女にとっては、彼も通り過ぎる風のようなものなのだろうか。 アレックスが迷惑だと不器用だと散々な言われようなのにつられて、ラクスが相槌を打とうとした時。 「全く、その通りだと思うぜ」 不意に背後から投げられた声にラクスとミーア、二人が同時に振り返った。 「ラスティ!?」 派手なオレンジ色の髪が太陽の光を反射している。ミーアが気配を感じて視線を戻すと、そこには金髪の男が爽やかに笑いながら立っていた。 「―――ミゲル!」 ミーアがラクスの手を掴んで、駆け出した。 ミーアとラクスが思わぬ危機に見舞われている時、走りに走って、シンはステラを見失わないようにするのに必死だった。以下、ハイネ、キラ、少し遅れてアレックスと男達が連邦の玄関口の街中を走る。 ステラは少女と思えない程の速さで人混みを駆け抜けていく。 「ステラっ! 待てよっ!!」 シンが追いかけるステラも当然、アウルとスティングを追っている。と言う事は、つまり彼らも走り回っていると言う事だ。 どう言う事だよ!? 事態のおかしさにようやく気がついたシンは、ハイネに肩を掴まれて、この追跡劇が終わりを告げたことに気がつく。目の前、人気のない公園のような所でステラが立ち止まっていた。その前にアウルもスティングも居る。 「これはまた、計算が狂ったなあ」 崩れかけた壁の向こうから姿を現したのは、金髪に妖しげな仮面をつけたネオだった。かなりの様相を見てハイネが耳打ちする。 「アイツがネオか?」 「ああ」 シンとハイネにキラが追いついた時、ステラがネオを呼びかけた。 「ネオ! 会いたかった」 「ステラも無事だったみたいだな? そっちは・・・シンか?」 「うん! ステラ、シンと一緒に空賊見習いなったの!」 「そうか、偉いぞ」 ネオに褒められて本当に嬉しそうな彼女。 分かっていても、複雑だった。ステラにとってネオがどれだけ特別な人間かは初めて会った時から知っていたはずなのに。 「それで、人工種石は手に入れたのか?」 ステラがびくんと肩を震わせる。 ネオの台詞にシンは耳を疑う。今、人口種石と言わなかったか? 胸の奥がもやもやとして、心臓が鼓動を早める。 すっかり忘れていた。 ステラを空中都市まで追いかけたのはなぜだった? 「・・・ごめんなさい。それ、もう、ない」 項垂れる彼女を見て、アウルが言う。 「なら、なんでもっと早く戻って来ないんだよ?」 「だって・・・シンが」 少しはステラの中に自分が居ることを知ってシンは嬉しかった。嬉しかったけれど、シンは手を伸ばしたい衝動に駆られた。 「戻って来いステラ。ちょうど移動する所だったんだ」 ネオの誘いに乗らないでくれと、シンは祈る。行かないでくれと・・・。 戸惑っているステラがシンを見るから、何か言わないと、と焦る。だが、焦れば焦るほど、喉の奥が閉まって彼女に答えることができない。 弱弱しく彼女の名前を呼ぶ。 「ステラ・・・行くなよ。ほら、俺達まだ半人前だし、一緒に空賊を目指すんだよな!」 彼女を引き止める決定的な何かが欲しかった。 本当はネオから4つ目の種石のありかを聞きだす予定だったことなど、すっかり忘れていた。 「うん。シンと約束した。けど・・・」 「ステラ!」 ネオが語気を荒くして彼女を呼んだ。今度はビクンと震えて、ステラがネオを凝視する。ネオの口元は笑っているのに、吐き出されることはとても冷たいものだった。 「もうすぐ恐ろしいモノがやって来て、俺達を殺す」 目に見えて、彼女が震え始める。 「なんてことを言うんだ。いきなり!」 「ステラのやることはなんだ?」 「・・・ステラ・・・みんなを守る。準備する」 誘導されるように、彼女は零していた。 一歩、ふらりと揺れてネオの方へと足を踏み出す。 「ちょっと待てよ、ステラっ!?」 シンが伸ばした手を制して、キラがネオに問いかける。 「その前に種石の在り処を教えてくれますか? 僕達、その為に貴方を探していたんです」 ステラを抱きとめたネオが、くっと唇の端を上げる。彼の前には庇うようにアウルとスティングが立ちはだかる。シンと彼らは知らない仲じゃない、それなのに敵を見るような目で見られるのが辛かった。 「教えるとでも?」 答えはノーだった。 「シン。君には悪いが、ステラはうちの子だから。見つけて、ここまで連れて来てくれて礼を言うよ。だが、あちこち連れ回してくれたのは感心しないな」 シンは唇をかみ締めて、拳を握る。 わざとそうしたわけじゃないのに、結果的にそうなってしまっていた。もっと早く彼女をネオに返すべきだったのに、数々の危険に晒してしまった。 ステラが楽しそうにしていたから、と言うのは言い訳にしか過ぎないと分かっているから反論できない。 「おいおい。そういう言い方ないだろーが」 「まあ、そう怒らないで貰いたい。いろいろ、難しい子なんでね、スティング、アウル、行くぞ」 「ステラ!」 シンは一瞬、彼女と目が合う。 少しだけ潤んでいるように見えるたのは気のせいだったのだろうか。けれど、すぐにネオに向けられた視線があまりに安堵したものだったから、シンは追いかけることができなかった。本当に人目のない公園でただ立ち尽くすだけ。 「何かあったのか?」 遅れてやって来たアレックスにシンはずかずかと歩み寄って、思わず拳を振り上げていた。 「アンタ、遅いんですよっ!!」 シンのパンチは軽々と掴まれてしまったが、戸惑うアレックスの前で、シンは涙目を懸命に堪えて見上げる。震える唇と、ハイネとキラの凝視する視線に何か良くないことが起こったのを察して、シンの肩に手を置く。 「ステラは?」 ため息を付くハイネとキラ。 シンは言葉を詰まらせたまま、うっ・・・と鼻を啜る。 「行っちゃいましたよ! ネオ達と一緒に!!」 「えっ、ネオ?!」 そのネオを探していたのではなかったか? ステラはネオが種石の在り処を知っていることを知っていた。なぜかと言えば、ステラは連邦と帝国を行き来する商隊に居て、ネオはそこのお頭的存在だったからで・・・。 「あっ、そうか・・・」 アレックスも元々ステラはネオの仲間だったのだと言うことを思い出した。シン共々、成り行きで面倒を見ていたからすっかり忘れていた。 「振り出しに戻ったんだよ」 「ここでずっと立っていても時間の無駄だ。ミーア達の所に戻ろうか」 しかし、街の入り口付近の待ち合わせ場所に二人の姿はなく、アレックスはキラをはじめとする男連中に睨まれる結果となっていた。 「一体、君は何をやっていたのさっ!」 「何って、君と同じだろうが。そんなに慌てるなよ、ミーアの居場所ならすぐに分かるから!」 アレックスが腕を構えて、方角を探る。よく見れば手首にベルトのようなものが巻きつけられていて、それを覗き込んでいるようだった。 「南西の方角・・・こっちだ」 怪訝な顔のキラと、面白そうに口を鳴らしたハイネの後を、シンは恨めしそうに付いて行く。 ステラがいないのに、なんだよ・・・。 そりゃ、ステラはラクスとは違ってただの商人の仲間で空賊見習いさ。でも、もうちょっと心配してくれたっていいじゃないか。 連邦の高官から議会で演説してくれと頼まれたラクスと、ただの少女。 どちらが重要なのかはシンにだって分かるから、何かやりきれないものを抱えてアレックスの後を歩く。 その間も、ステラの影を探して人混みに目をやっているから、畢竟歩みは遅くなり、その度にハイネに腕を掴まれていた。 「お前、いい加減にしろ。もう二度と会えなくなったわけじゃあるまいし、腰をすえてじっくりいくしかないだろ?」 分かってるよ。 けれど、シンはそうは言えなくてただ、ハイネを睨みつけるだけだった。 街の中を優に一刻は歩き回った時、アレックス達は前方から歩いてくるミーアとラクスにばったりと出くわした。向こうも移動していたから、中々居場所が掴めなかったのだ。 「ごめんなさい。ちょっとしたアクシデントがあって・・・」 「こっちも大トラブルだ」 ラクスとミーアは誰かを探すように視線を泳がせる。 「あの・・・ステラさんは?」 ラクスの問いかけに無言の瞬間が流れ、シンが重たい口を開けた。 「ステラなら帰ったよ」 「帰った・・・とは?」 ラクスが言葉を引き継ぐが、事態を察したミーアがアレックスを見る。彼が微かに首を振ったから事情を飲み込んで、シンを抱きしめた。 「ネオに会ったのね。ステラは彼らの元に帰ったのね・・・」 「それでは、種石の事は・・・」 「分からない。教えられないと言われたよ。僕達には教えられないのか、本当に知らないのか」 キラが苦しそうに吐き出す。 唯でさえ時間がなく、無駄にできる時がないというのにいきなりの大ブレーキである。 「手がかりが無くなってしまったのですね」 改めてそう言われると、一同意気消沈である。下手な慰めを言っても逆効果になりかねないと言うのに、平然とそれを口にできる男がいた。 「そうでもないぜ。心当たりがある・・・」 ハイネである。 ラクスとシンがパッと顔を上げた。アレックスとキラが厳しい顔をしたのと対照的に、ハイネは思い出すそぶりをして腕を込む。 「確かあいつらが、連邦の領土で怪しげな施設を見つけたと昔、言っていたような・・・」 「あいつらって誰のこと?」 「あー、オレンジの奴らだ」 「オレンジ団か・・・」 途端に嫌そうな顔をするアレックスは分かるとして、ラクスとミーアが顔を合わせるの見て疑問に思う。ラクスはミゲルやラスティを知っていただろうか? と。 「あの彼らか。空賊じゃ今どこにいるか分からないね。それに信憑性も怪しい」 価値がないと切って捨てるキラにハイネが口を尖らせる。 「厳しいなあ」 「どちらにしても、今すぐどうこうできる話じゃない」 ハイネもアレックスも諦めムード。 シンはステラのことで頭がいっぱいで、皆の会話が頭をすり抜けていく。本当なら今すぐ追いたいのに、のこのこ引き下がって来てしまった。 今から追いかけてもどうせ間に合わない。 ステラは元々ネオ達の仲間だったんだから、俺がどうこう言える立場じゃない。 「アタシ達、あいつらに会ったわ」 「は?」 思案していたアレックスが顔を上げてミーアとラクスを見る。 「ですから、わたくし達、彼らに追いかけられて逃げていたのです」 嬉しそうに両手を合わせるラクスに、ポカンと口を開けるアレックスと呆然とするキラがちょっと間抜け面だなあ、なんてシンは思う。 「えっ、ちょっとどう言う事?!」 「まーなんだ。立ち話もなんだし、どこか宿でも取ろうぜ」 ハイネの提案で、シン達は手ごろな居酒屋兼宿屋を探すことになった。 事の次第を聞き終えたアレックスが、やはり大きく溜息をつく。 「ちょっと、そういう態度はないんじゃない?」 「だって、つまりミゲル達がこの街にいるかも知れないってことだろ?」 恨みがましい目でミーアを見るが、ラクスは至って平然と答えを寄越す。 「そう・・・なりますわね」 「ミーア、俺があいつらに狙われてるって知ってるよな」 うふふと笑って肯定を示すミーアを見て、知っていて言っているのだとシンは少しアレックスを気の毒に思う。 「この街の中からあの二人を探し出すなんて、できるの?」 あくまで懐疑的なキラに、ちっちっちと指を振るハイネ。 「そこはそれ。蛇の道は蛇ってね、空賊やハンター達の情報網を甘く見てもらっちゃ困るよ」 ますます嫌そうな顔になるアレックスを除けば、善は急げと情報収集に繰り出すシン達。 「シンは気乗りしないか」 一緒に街の居酒屋巡りをすることになったアレックスが唐突に問い正した。 「そういう訳じゃ、ないけど」 「ステラの事、やっぱりちょっと悔しいよ」 「俺だってすっごく! 悔しいです。俺の事、ステラの中にあまり残っていなかったんだなって」 俺のほうがずっとステラの事を思っているのだと噛み付くが、シンはまた項垂れる。今頃口にした所でステラに伝わらなかったことには変わらない。 「そう凹むなよ。また会えるさ」 「そういう言い方、止めてくださいよ。何の根拠があって・・・」 先を行くアレックスが振り返って、立ち止まったシンを見る。 シンの視線は自分の足元の少し先に落ちていた。連邦の玄関口のこの街の大通りは石で補強されていて、砂埃や土臭さはなかった。帝国で見慣れた鎧姿もぐっと数が少なくて、代わりに連邦の警備兵特有の全身を覆う柔らかそうな鎧姿を見た。彼らは剣ではなく肩から銃を下げ、街を警備している。 世話しなく動き回る人や亜人で、午後の街は相変わらずの活気だった。 警備兵も商人も誰一人立ち止まらない街で、目の前で立ち止まった気配にのろのろと顔を上げる。 「そうじゃないさ。ステラは人工種石を探していただろ? それにさ、自分は人口種石より強いだの、頑張るだの言っていただろう。きっと、彼女は種石に深く関係がある」 アレックスは歩み寄らずにシンが歩き出すのを待っていた。 「種石を追っていれば、いつかまた、会えるんじゃないか?」 不思議と最初から戦い方を知っていたステラ。 今にして思えば、彼女は元から訓練されていたのかも知れない。認めたくなかったけれど、ステラは、彼女は、連邦のスパイだったのかも知れない。 時として常人を超える力を発揮していた。 もしかしたら、その力が種石によるものだとしたら。 そうだ。 あの連邦の女軍人も言っていたじゃないか。種石を研究していたのは帝国だけじゃないって。 「また、会える・・・ステラと」 もしかして、俺を励ましてくれてるのか? 「敵としてか味方としてかは分からないけどな」 浮上したシンの精神を、心なし打ちのめす言葉を吐いてアレックスがまた歩き出す。シンも彼の後を付いて行く。僅かに短い歩幅に気がついて、足早にアレックスを抜かして前を歩く。 俺ばっかり沈んでいられない・・・んだよな。 過ぎたことをあれこれ悩んでも仕方ない。仮に今度、敵として再会したのなら、その時また説得するまでだ。 ステラにだってステラの事情があるのだから。 シンは一人、『うん』と気持ちを切り替える。 オレンジ頭の若い男を見たと言う情報から居酒屋を探し当て、シン達がこっそり彼らの元へと押しかけたのは、もうその日の夕方になっていた。何だかんだで、ちゃんと彼らを探し出せた情報網に感嘆する。 空賊御用達のダウンタウンの居酒屋で、のんびり寛ぐミゲルとラスティがいた。 「わお。アンタ達のほうから来てくれるなんて、どういう風の吹き回し?」 前面に立つのはキラで、続いてハイネとラクスが立つ。シンとアレックス、ミーアが少し離れて様子を見守る。 「知りたいことがある」 「へえ。どんなこと?」 「連邦で怪しい研究施設を見たって言う話、本当かな?」 問いが右から左へと抜けて行ったのか、二人の様子に変化はなく、ただグラスを煽る。 「さあ、よく覚えていないな」 ヒュン。 風を切る音がして、テーブルの上にあったランタンが途中から上半分が消えてなくなっていた。 「ちゃんと思い出してくれないと、首が飛ぶよ」 剣を抜いたキラが無表情に立っていた。 その様子を見て、ミゲルがグラスをテーブルの上におき、ラスティが消し飛んだランタンの上半分を探して、無駄だと分かっていて引っ付かないか試している。 「あーあ、乱暴だな。飛んだら答えられないってのにね・・・研究施設か。そうだ、ラスティ、3年前に遭遇した妙な輸送機」 「あ、あの馬鹿でかい輸送機と護衛艦隊のことか?」 キラに刃を付きたてられながらも、ラスティとミゲルがうんうんと頷きあっている。そして二人してニタリと笑う。 「で、ただで聞き出そうってわけ? アプリルの将軍のくせにけちくさい奴だな」 「勿論、それなりに報酬は払うよ」 キラ振り返って、シンを見る。 にっこり笑うキラを見て、シンは背中を冷や汗が流れるのを感じる。 まさか、帝国からせびる気か? 「彼、賞金首でしょ? 似るなり焼くなり好きにしていいから」 身構えたシンの背後で息を呑む音。 キラはシンではなくアレックスを差し出していた。 「おいっ!!」 速攻アレックスから抗議の声が上がる。 「だって、君が彼らに捕まれば一石二鳥じゃない? 一生遊んで暮らしてもお釣りが来るくらいの賞金なら文句はないはずだし、ね」 「何が、『ね?』だ!」 「あの派手で下品な色の飛空艇は、僕が操縦するから心配する必要は無いよ」 開いた口が塞がらないアレックスを他所に話はどんどん進んでいく。 「ちょっと待て。セイバートリィなら、ここは同じ空賊として俺が責任もって操縦するぜ」 話が変な方へ進み始めたと思ったら、ハイネがとんでもない事を言い出す。それこそ、ハイネのでたらめな操縦を身をもって経験しているシンからすれば、却下である。 「だー!! アンタは駄目です。ハイネに任せるくらいなら俺が飛ばした方がましです!」 俺はれっきとしたこの人の弟子で、空賊見習いなんだから! 俺にこそ、飛ばす権利がある。 フンと意気込むシン達の輪に、ミゲルが割って入る。 「はー、ったく、俺達を無視して勝手に話を進めるなよ」 「調子狂うなあ、あんな不確かな情報ならいくらでもくれてやるよ。深紅の空賊も安くなったよなあ・・・そう思わないか、ハイネの旦那」 ははは・・・とハイネが乾いた笑いを漏らす。 笑いのネタにされた当の本人は、もうとっくに言い返す気力もないのか、ミーアの肩に顔を埋めていた。 「輸送機は連邦のロドニア方面へ向かって行ったぜ」 「妙な警備部隊がいて領空を封鎖してる。謎の研究施設があるって噂だ」 ロドニア方面。 連邦の地図がさっと頭に浮かばないシンは、それがどのあたりなのか検討もつかない。まずは連邦の形を思い浮かべ、首都JPワシントンの位置を思い出そうとして、頭の中をひっくり返す。 「首都の手前ね」 「オーブ領を超えていくのが近道だが」 シンはアレックスの独り言に反応したキラを見逃さなかった。 去り際に残した二人の忠告に拳を握るキラを、シンは無言で見つめていた。 「あそこは今も人が住めない地だぜ」 「最も、今じゃあ普通に通り過ぎるくらいなら平気らしいって話だ」 帝国と同じくコスモス連邦も、周辺諸国を吸収合併して領土を拡大してきた歴史は変わらない。これから目指すことになったロドニア地方も、元は帝国に隣接した小国で、その途中で通ることになるオーブも吸収され滅ぼされた小国である。 領空を封鎖されていると聞いて、俄然、目を輝かせたアレックスをパコンとミーアが叩く。 「危険に挑んでどうするのよ」 と言うわけで、シン達は飛空艇を降りて陸路を進むことになったのだ。 運よく遭遇した、ニコルにセイバートリィとヨウラン、ヴィーノを預けて、長旅の装備を整える。 「保管は任せてください。預かり屋ニコルが責任を持って預かりますから!」 「お前、情報屋じゃなかったのか・・・? しかも、どうしてこの街に・・・」 「いや~、愛だねぇ・・・」 これって、愛・・・なのか? 疑問符を浮かべるシン。 感心するハイネをニコルとアレックスが横目で睨み、キラが視線を鋭くするから、口を挟む間もなく、ニコルが微笑み満開になる。 「やだなあ。必要とあれば何でもするのが情報屋ニコルのモットーですから」 にっこり。 「じゃ、ニコル悪い」 「西門を出た所で馬が借りられますから」 連邦の玄関口、始まりの街を出て、シン達はロドニア地方を目指して馬上の人となった。3日も進めば、すぐに旧オーブ領。 草花が生い茂り、蔦が建物を這うのどかな田園地帯。 澄み切った清流が流れ、見たこともない美しい昆虫や小動物で溢れていた。 シンは冷たそうな水に惹かれて手を伸ばす。 「シン! その水は身体に毒だよ」 「え?」 シンは掬い上げた透明な水を見る。 指の隙間から零れていく水は、清流に混じると僅かに水色をしていた。太陽の光を受けて、川魚の背が光る。 「草も花も全部、身体に悪いから、うかつに口に入れちゃ駄目だよ」 ミーアが目を閉じて美しい光景から目を逸らす。 キラの忠告に、花の香りを楽しんでいたラクスが慌てて身体を離した。5つのオレンジ色の花びらはとても美しく、強い花の香りを放っている。蝶や蜜蜂が花々の間を飛び交っているのに。 ここには唯一つ、人の気配だけがなかった。 戻る 次へ 前回あまり進まなかったので、なんだか急遽進めてしまいました。なんだかいっぱい人が出てきましたし! 懐かしい顔オンパレード過ぎて、なんだか、いっぱいいっぱいです。サブタイトルのカサブランカにたいした意味はありません。何となく、出会いと別れを髣髴とさせるような気がしたので・・・なんとなく、カサブランカに。
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年表 1999年(小6~中1) 10月 ゲームカントリー、開設。初めてのオフ会(第一回MFPオフ) 2000年(中1~中2) 1月 H,K,S事件発生 4月 ゲームカントリー、リニューアルにより、ゲームカントリー通に 共同チャット活性化。益富ページ、ゲムカンの一コーナーとして開設 9月 益富ニュース、開設 10月 女のヒットマン事件発生。益富ニュース休止 2001年(中2~中3) 1月 自己中返り討ち事件発生。益富ページ、一時休止状態 4月 益富ページリニューアルにより、eccentricに。日記開始 5月 替え歌公開が教師にバレ、危うく閉鎖になるも、なんとか回避 7月 自我存続大決戦発生 8月 日記休止 9月 大○○尾の事情発生 2002年(中3~高1) 4月 共同チャットオフ開催。日記復活 2003年(高1~高2) 2月 100個チョコ事件発生 3月 ある日の外出 5月 共同チャット帝都オフ開催 2004年(高2~高3) 5月 TANPAKU QUEST 始まる。非日常開始 2005年(高3~大1) 1月 87% 僕の3週生存率 2006年(大1~大2)