約 2,907,468 件
https://w.atwiki.jp/maskedhunters/pages/69.html
チャート ジャンボ村で誕生 10歳でハンターになる訓練開始 15歳で試験を突破し両親と記念の狩りへ ↓ クック先生からのレクチャー後楔の刺さったクシャルダオラと遭遇 両親が応戦するも逃げ帰って危機を伝えた紅牙が目にしたのはぼろぼろになって帰ってきた両親だった クシャルダオラの一時撃退には成功したが両親はその傷からハンターの引退を決意。 武器を紅牙に託し、2週間後息を引き取る。 ↓ 数日後、がむしゃらに強くなるため狩りをしていた紅牙は楔の刺さったクシャルダオラと再会 戦いを挑むが返り討ちに 後一撃食らったら終わるというピンチでチャルド登場 ↓ チャルドの語りかけに応じ紅玉から力を解放 紅玉とポーチに残っていたフルフル亜種の皮と勇気の証がメダルに変わり変身 仮面アーチャーとして覚醒 数発放った矢の1本が偶然背中にあった楔に当たり楔を破壊 正気に戻ったクシャルダオラは一礼して去っていく ↓ 変身を解くと紅玉のほかに変身に使った素材とモノライザーが紅牙の手に。 チャルドから楔について説明を受け楔を打ち込む犯人探しと楔に蝕まれたモンスターの救出が始まる ↓ 数日後ドスランポス達の様子がおかしいと連絡を受け密林へ調査へ 一休みのため入った洞窟の上からチャルドに楔が打ち込まれ暴れ出すが紅玉を取り出した瞬間一時的に理性を取り戻す チャルドの言葉に従い紅玉を額へかざす紅牙 輝きとともにみるみるうちにチャルドの肉体は石化 魂と意識と力を紅玉に封印したことで難を免れる ↓ ポッケ村でのハンター募集開始の報を村長から聞き旅立ちを決意 紅玉とライザーを手に北へ旅立つ ↓ ポッケ村へ向かう途中山麓でマフモフシリーズ購入 それを着用して山道をゆく途中で楔が打ち込まれたティガレックスから襲撃され顔に傷を負う。 ↓ ポッケ村の小屋で目覚め村長達から事情と楔を打ち込む集団の噂を聞く 村の依頼をこなしながらなんとか自分を襲撃したティガレックスの楔を抜き取ることに成功 しかしその夜楔を打ち込む犯人の一人に接触するが結局逃げられ手がかりを求めてユクモ村へ ↓ 途中ライザーが輝き出す ライザーの力で世界の壁を越えとある世界からこの世界へ飛んでいく ちなみに到着時上手く着地できずユクモ村はずれに豪快に墜落 ギャグテイストに「…大丈夫じゃないよ大問題だよ…」と泣きながら言うシーンを用意する予定 ↓ ユクモ村でハンター登録がすんだその夜自宅にて終焉を喰らう者の3体が夢に登場 襲われたところで目が覚め以後村の外に双剣と弓以外を持ち出せなくなる ↓ このあとどこで仮面の戦士達と合流するかが未定。 要相談だがネメシスと出会った際ギルドバードのせいで武器を構えて警戒されるシーンを盛り込みたい。 またガンナーたちと最初のラスボスに挑む前に終焉を喰らう者を終わらせ呪縛を解いておくことにする。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/70.html
アリス・マーガトロイド&アーチャー ◆ZTnr6IpaKg なるほど、とマスターとして覚醒したアリスは先程までの自分を思い返す。 自分を失い、人形として操られるだけだった自分。 何も考えることなく、意思が伴わないまま外面だけで喜怒哀楽を表現し 意思持つ人間と何一つ遜色無い行動をとり続ける自分。 自立人形の完成を目指し、数多くの人形を作ってきたが、 まさか自分自身が人形になることを体験することになるとは思わなかった。 アレこそ単なる人形の限界、自分が目指すのはその先の先。 少なくとも自分の人形はあの意思を持たない段階を越えている、それは自信を持って言える。 しかし、一歩進んだだけでは、幾らかの心が宿っているというだけでは、 結局のところ他者の命令に従うという人形の人形たる限界を本当の意味で越えたわけでは無いのだ。 本当に自分の人形はアレと違うのかと言われれば、自分のどこか冷静な部分は 根本では同じだと認めてしまうかもしれない。 そう思ってしまうことに屈辱感のようなものを感じざるを得ない。 しかしだ、それを知ることができたというのは重要だ。 どれだけ長いかわからない自分の目標までの道のり。 その道中のどこに自分がいるのか、何が足りないのか、それを実体験として幾分か理解できたのだ。 そして、少し前まで人形であった自分は今、自立して動いている。 操り人形が自分の紐を切ったその瞬間を、自分自身で観測できたのだ。 無論、これは封じられていた意思を解放しただけであるので、本当の意味の人形の自立とは異なる。 しかしそれに通じる現象ではあるだろう。 これを経験できただけでも自分の目的に対する大きな糧になった。 この『方舟』で一つ、とても貴重な経験をし、学んだ。 それは良い。良いのだが、それはそれとして。 今現在直面している問題に目を向け、頭を悩ませた。 「本気の殺し合い、というのはね……。 まるで私向きじゃないわ」 アリスは本気を出さない。 魔法使いとして非常に高い能力を持ち、挑まれた勝負は避けない程度には好戦的なアリスであるが、 力押しで勝利するというのはどうも合わず、何事も相手の力を見極め、 それを少し上回る程度の力を上限として戦うのが彼女のスタイルだ。 例えそれで負けても構わない。 勝負自体は楽しいものになるだろうし、本気を出して負けて後が無くなってしまうのも嫌だ。 余りの強者と戦うのも好まない。余裕を持つことが第一だ。 そんな彼女が、魔術師と英霊が命と願いをかけて鎬を削る 聖杯戦争なんてものに参加するということ自体がまずありえない。 戦いに自信が無いというのではないが、弾幕ごっこならともかく、 どんなに商品が豪華なマジックアイテムであろうが形振り構わない全力本気の戦いをするなんて御免なのだ。 ではなぜここにいるのかというと、それもわからない。 願いが無いとは言わない。さしあたっては完全な自動人形の完成だ。 しかしそれはアリスの力で到達してこそ意味があるもので、聖杯に叶えてもらうものではない。 そんな彼女が、なぜ『方舟』とやらに呼ばれてしまったのか。 そもそも、召喚に必要な『ゴフェルの木片』とやらも心当たりが無い。 ここに来る前の最後の記憶では魔法の森の上空を飛んでいたはずだが、 そんな木片など持っていなかったし、木をぶつけられたということもなかった。 普段はそれこそ人形の様に表情を崩すことなく優雅に振る舞っているはずの少女が、 珍しく眉間に皺を寄せて本気で悩んでいた。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ……一人で悩んでも仕方ない。サーヴァントとやらの意見も聞いてみましょうか。 と、ここでようやく気付いた。サーヴァントはどこだ? 見回して、少し離れたところにそれらしき何かがいるのを見つけた。 実体化はしていないようだが、ラインの繋がりとアリスの幻視は霊体を捉えることを可能としていた。 悩んでいたアリスを気遣って待っていてくれたようだ。 ステータスを確認し、声をかける。このサーヴァントは―― 「――アーチャー。 ごめんなさい。気を遣わせたみたいね。 少しお話ししましょう。実体化してくれる?」 (――はい) やわらかい女性の声、続いてその姿が現れる。 胸当てと赤い袴を身に着けた黒髪の女性。弓を持つのはまさしくアーチャーらしい。 しかし右肩に妙に大きな盾?を身に着け、背にも矢筒と金属製らしい何かゴタゴタしたものを背負っている。 「アーチャーのサーヴァント。航空母艦、赤城です。 空母機動部隊を編成するなら、私にお任せくださいませ」 「コウクウ…ボカン?」 意思持つ人形を目指す少女と、 意思持つ船である女性。 その出会い。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「ふぅん……つまり、付喪神みたいなものね?」 「ええ、そういう認識で大体合ってますよ。 私の様な物が実体を持ちやすい神秘のあり方の世界線がありまして、 その世界でこういうヒトガタの英霊として成ったものですので」 お互いに自己紹介と情報交換を済ませたが、このアーチャー、本来は巨大な『船』だという。 それが人に似せた意思と姿を以て現世に現れた『艦娘』という存在だと。 付喪神ならば幻想郷にもそれなりにいるが、聖輦船が付喪神になって動いている様なものと考えれば 幻想郷のそれらとはスケールが違うことを実感できる。 彼女は自立する船で、自分は人形を以てそこに至らんとしている。 器もあり方も異なるが、それでもある意味自分の目指す様な存在が召喚されたというのは、何かの縁だろうか。 戦闘方法に近しい所があるのも興味深い。彼女の場合は力押しの部分もかなり大きいが。 まだ少し話をしただけであるが、結構こちらに好意的な態度をとってくれているようだ。 これなら相談してみるのも悪くないか。 嘘はつきたくないからどちらにせよ話さなければならないことであろうし。 ……彼女を怒らせることにならなければ良いのだが。 普段のすました所のあるアリスでは考えにくいことであるが、 すんなりと自分の悩み、あるいはこの聖杯戦争においては弱みとすらいえるものを打ち明けることとした。 状況が状況だから、大分まいっていたところがあったのだろう。 「実は、私にはこの戦いに参加する動機は無いのよ」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「―――それでは、何とか脱出する方法を探しますか?」 「………貴女はそれで構わないというの? 何か願いがあって、この戦いに参加したのではなくて?」 「ええ、無いとは言いません。 私が成った世界では、今この時も多くの提督と仲間達が戦い続けているでしょう 彼らを助け、私たちの敵を根絶することが私の願いです」 そう言って、何かを思い出す様に目を伏せるアーチャー。 自分の世界に思いを馳せているのか。 「しかし、彼らも私達も、それぞれ覚悟や想いを抱いて命がけの戦いに挑むものです。 自分たちが守るべきもののために、剣を取り盾となる。 その戦いに、無関係の方を巻き込むのは皆に顔向けができませんし、私自身もそれを認められません。 マスターが自分の願いの為に戦いたいというならば、私も共に願いを叶えることを目指したでしょうが、 貴女は純粋に巻き込まれた被害者です。 ならば私は貴女を助けるために力を尽くしたい」 アーチャーの眼差しがこちらを向く。 その眼と言葉からは、心からの自分への慈しみが伝わってくる。 ……これが物が意思を持つことか、と思う。 使われるだけだったはずの物が、心を持ち、その有り方に誇りを持ち、 自らの意思と望みとして役割を果たす者となる。 自分が目指す者、その同類である彼女にこれだけの想いを向けられている。 そのことに、彼女の願いを叶えられないことに申し訳なさを感じるとともに、 それでも、嬉しいと思ってしまった。 ……そこまで言ってくれるなら、甘えさせてもらおうかしら? 「フフッ。ありがとう、アーチャー。 それならお願いするわ。家まで送ってくれるかしら?」 「ええ、了解しましたマスター。 これでも無敵艦隊と呼ばれた身ですからね。 大船に乗ったつもりでいてください!」 アーチャーが自信満々に言い、二人で笑いあう。 うん、きっと何とかなりそうね。 【サーヴァントステータス】 【出典】艦隊これくしょん -艦これ- 【CLASS】アーチャー 【マスター】アリス・マーガトロイド 【真名】赤城 【性別】女性 【属性】秩序・中庸 【ステータス】筋力D 耐久A++ 敏捷D(C) 魔力E 幸運C 宝具E+++ 【クラス別スキル】 対魔力:E+++ 魔術に対する守り。 本来であれば無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する程度であるが、 宝具の効果により、対人規模の魔術であればダメージを著しく下げる。 単独行動:E- マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクE-ならば、マスターを失っても30ターンの現界が可能。 自立しているとはいえ、『人に使役されるもの』としての本質も残しているため、 このスキルは最低ランクでしか持てない。 【固有スキル】 艦娘 『軍艦』が、人型をとって現界した英霊であることを示すスキル。 本来は武装や宝具として扱われるべき『物』でありながら、意思を持ち自立的な行動を可能とする。 また、『資材』を消費することにより魔力の補充、損傷や武装の修復が可能となる。 『軍艦』であるので水上に対するBランク相当の地形適応スキルの効果を備え、 水上では敏捷をワンランク上げての行動を可能とするが、水中や陸上では逆に敏捷がランクダウンする。 服従:C+ 『軍艦』である故の上官に従う性質。 令呪の範囲および効果が強化され、命令行動に伴なう判定に補正がかかる。 命令者が『提督』であるか否か、及びアーチャーが命令者に向ける感情に応じて ランクが上下する。 千里眼:C++ 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 艦載機を通してより遠方を見ることを可能とする。 自己改造:C 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。 資材の取り込み、他の艦装の装備、および近代化改装によるステータスの向上を行うことができる。 本来であればこのランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていくが、 アーチャーは『軍艦』であり、改造により強化されることはそのあり方として正常なものであるため、 英雄の格が低下するペナルティは発生しない。 【宝具】 『零式艦上戦闘機』『九九式艦上爆撃機』『九七式艦上攻撃機』 ランク:E+ 種別:対軍宝具 レンジ:10-99 最大捕捉:100人 アーチャーの搭載機。 人型をとる英霊の武装としては、弓により射る矢として発艦され、 小型化された機体はアーチャーの意思とパイロットである妖精により操縦される。 航空機であるために長時間・長距離の飛行が可能で、それぞれの機体に搭載された武装で攻撃する。 艦載機は補充が可能なものであるという性質を宝具化しても保持しており、破壊された場合でも 宝具としては少ない魔力の消費で復元が可能。 真名解放と共に発艦させることにより、発艦後に機体のサイズとスペックが航空機としてのものに戻る。 本来の対軍規模の攻撃力を発揮するが、逆にピンポイントの対人攻撃は難しくなる。 また、真名解放後は完全な航空機であり飛び道具の領域を逸脱するため、 矢避けの加護による機体への対応を無効化する。 『赤城』 ランク:E+++ 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大捕捉:1隻 アーチャー自身が宝具である。 アーチャーの服と体そのものがEランクの神秘を帯びた装甲としての性質を持ち、非常に頑強。 また、本質が巨大な『軍艦』であるために、あらゆる対人規模の攻撃のダメージを大幅に削減し、 生物を対象とするスキルや宝具等の特殊効果の一切を受け付けない。 真名解放により、アーチャーは人型から本来の航空母艦へと姿を変える。 このとき、周囲に自分のマスターがいる場合、瞬間移動させ自分に乗せることができる。 宝具としてのランクは低いが、非常に巨大な質量を実体化させるため相応に魔力を消費する。 また、当然ながら水上でなければ移動は不可能。 しかし、人型のアーチャーがいた場所の周囲の任意の場所に出現することができるため、 敵の頭上に出現することで、その大きさと重量で押し潰すことが可能。 【Weapon】 『無銘・弓』 人型をとったアーチャーの艦装。 小型化された艦載機を矢として発艦させる。 『高速修復剤』 艦娘を高速で修復させる作用を持つ。 但し、修復に必要な魔力や資材は通常通りに消費する。 【人物背景】 大日本帝国海軍に所属する航空母艦。 「八八艦隊」で設計された天城型巡洋戦艦の2番艦として建造を開始されるが、 ワシントン軍縮条約の締結により建造途中で空母への改装を受ける。 完成した正規空母「赤城」は、その当時は空母そのものが運用の黎明期であったために 実験的な要素を多数持っており、それ故に問題が多かった。 しかし、後に近代化改装を受け、第一航空戦隊旗艦として太平洋戦争初期に大活躍を遂げる。 だが、1942年6月5日、ミッドウェー海戦にてアメリカ海軍空母「エンタープライズ」の艦載機の攻撃を受け大破炎上。 第四駆逐隊の雷撃処分により沈没した。同年9月25日、除籍。 英霊は人間ではない動物や機械などでも成る可能性があり、 彼女はその後者、艦船が英霊の域へと到達した存在である。 深海棲艦と呼ばれる存在が跋扈する世界において、『艦娘』と呼ばれる人型の英霊体で現界し、 自分たちを扱う素養のある提督(マスター)の指揮下に入り、祖国の人々を守るために日夜戦い続けている。 【サーヴァントとしての願い】 マスターに従い、助ける。 【基本戦術、方針、運用法】 アーチャークラスの中でも、広域破壊に特に長ける。 空母であり、武器が航空機であるために、攻撃範囲と破壊力は人間の延長に過ぎない他のアーチャーの追随を許さない。 サーヴァントの戦闘力は戦闘機1機分と例えられるが、それを数十機も操るわけである。 しかし、音速の攻撃にすら対応可能なサーヴァントの領域にあって、彼女の航空機は遅い部類に入る。 至近距離で不意打ち気味に巨大化させてぶつける場合などでない限り、 真名解放した航空機を1機や2機程度サーヴァントに向かわせても対処されてしまう可能性は否定できない。 宝具としてのランクも低いので、相応の宝具や技の持ち主が相手では破壊されやすいもの問題である。 対人攻撃を狙うのではなく、一度に多数の機体を投入して 敵には対応不可能な距離・高度から敵マスターを巻き込むことも視野に入れた 爆撃や機銃掃射などの範囲攻撃で一方的に叩くのが基本的な戦術となる。 宝具ランクの低さから大軍宝具としては真名解放の魔力消費は少な目で、 それにもかかわらず破壊力そのものは兵器であるために飛びぬけている。 しかし、効果的な運用には数が必要で、そのうえ戦場を選ばずに爆撃などやると 周囲への被害が大きくなるためペナルティを負う危険がある。 対人戦闘では、艦載機の真名解放は有効活用法が極めて限られるため基本的に小型のまま運用せざるを得ないが、 前述の通り速度に劣るため、接近戦の領域では容易く撃墜される可能性がある。 しかし、矢を射た後も矢が方向を自在に変えて自立的に動くのは通常のアーチャーには無い特性である。 放たれた後も敵を狙い続ける矢を多数放ち、数で攻めるのが常套手段となる。 また、軍艦であり自身が宝具あるために単純に頑丈であることに加え、 対人規模の攻撃である限り宝具であろうと彼女には殆ど通用しないのも強み。 接近戦での奥の手は、航空母艦としての船体での押し潰し。 4万トンを超える重さの鋼鉄の宝具が瞬時に頭上に現れ降ってくるという攻撃は、 どれだけ筋力・耐久・敏捷が高くとも対処は困難。 敵のマスターを巻き込めるならばなおさらである。 しかし、咄嗟の大軍宝具で撃墜される危険性はゼロとは言えないし、 天を支えたヘラクレスの様に非常に重いものを支えた逸話がある英霊には真っ向から対抗されてしまうかもしれない。 そしてこちらの宝具も周囲への被害が馬鹿にならない。 総合的に見て、主兵装が多数の同時運用を前提とする大軍宝具であるため、 燃費はかなり悪い部類のサーヴァントであり、運用する部隊の規模は常に注意が必要となる。 しかし通常のサーヴァントとは異なり資材による維持が可能であるので、 纏まった量を手に入れられれば逆に魔力効率は劇的に改善する。 たとえそうでなくとも、現在のマスターが魔法使いとして非常に優秀であるので、 資材の補給が無くとも十分な戦闘が可能である。 最大の問題は、周囲への被害を考慮する場合かなり戦場が限定されてしまうこと。 【マスターステータス】 【出典】東方Project 【名前】アリス・マーガトロイド 【性別】女性 【参加方法】 ムーンセルによる召還。 しかし彼女は『ゴフェルの木片』に関する一切の心当たりが無い。 【マスターとしての願い】 幻想郷への帰還。 『方舟』からの脱出方法を探す。 【能力・技能】 『主に魔法を扱う程度の能力』『人形を操る程度の能力』 七色の人形使いの二つ名を持つ、万能型の魔法使い。 しかし基本的には自作の人形を魔法で操って戦うスタイルをとる。 弾幕と人形で敵を追い詰める業師。 十体以上の武器を持つ人形を同時に操り、敵に多対一を強いることで優位に立つ戦術をとるが、 アリス本人は人形の操作で手一杯になってしまうらしく、そこが弱点である。 だが実際は人形を操りつつも縦横無尽に動けるので、本当に弱点なのかは疑わしい。 また、人形を大切に思ってはいるが、爆発物を搭載して特攻させることもある。 能力は高いが、戦闘での欠点として、本気を出したがらないというものがある。 本気を出して負けてしまうと後が無くなり、それを嫌うためである。 そしてその結果負けても、それはそれで構わないと思っている。 後が無くなるということを単純に嫌う性格をしているだけなのか、 戦略上奥の手を見せることを避けているのか、その詳しい理由は不明。 流石に聖杯戦争において本気を出さずに負けて殺されることを受け入れはしないだろうが、 それでもこの流儀が基本となっていることは大きな隙となるかもしれない。 【Weapon】 『人形』 自作の人形。魔法により操作する。 どれだけの数を持っているかは不明だが、非常に多い。 人形は色々な武器を持っていたり、弾幕を放ったり、爆発したりする。 人形が他の人形を操ることもできる。 【人物背景】 魔法の森の洋館に住む魔法使い。 属性の得手不得手の無い、万能型の魔法使いにして人形師。 元人間で、修行を積んで種族としての魔法使いなった妖怪の一種である。 しかし、人間の感覚がかなり残っており、不要であるはずの食事や睡眠をとり、 祭りになると街中で人形劇を披露するなど人里との交流が深い。 かつては魔界と呼ばれるところに住んでいたらしいが、経歴には不明な点が多い。 【方針】 幻想郷への帰還手段を探すことを第一とする。 戦闘自体には忌避感は持っておらず、必要であれば戦うが、 あまり本気を出す様なことはしたくはないと思っている。 【その他】 ○赤城は艦これ世界の彼女よりもだいぶ強化されている。 あちらは艦娘という英霊が当たり前の様に出現する、それが常識である世界であるため、 艦娘そのものの神秘の格が全体的に低くなっている。 それに対してこちらは本来の英霊としての格を保持したまま現界している。 上記の様な宝具を持っているのはそのため。 ○赤城が残念なところを見せるのは多分これから。お互いに気を許してから。 まあ最初だし、しっかりしたところを見せたがるよね。
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/1128.html
インフェルニティ・アーチャー 効果モンスター 星6/闇属性/悪魔族/攻2000/守1000 自分の手札が0枚の場合、 このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。 インフェルニティ 上級モンスター 悪魔族 直接ダメージ 闇属性
https://w.atwiki.jp/strike_witches/pages/636.html
LEIGH ANDREA ARCHER 所属リベリオン合衆国陸軍航空隊第332戦闘航空群第302戦闘飛行隊ユニット先端を赤く塗ったことから「レッド・テイル」と呼ばれる。 スオムス義勇独立飛行中隊 連合軍第507統合戦闘航空団「サイレントウィッチーズ」 階級少尉(『ブレイブウィッチーズPrequel』3巻当時) 中尉(1944年5月昇進) 身長 175cm 年齢 17歳(1944年?) 誕生日 9月6日 使い魔 ピューマ 固有魔法 不明 使用機材 ノースリベリオン P-51C 使用武器 M2 12.7mm機関銃 その他アフリカ系リベリオン人(黒人)。アフリカ系リベリオンウィッチのことを、その訓練地の名前から「タスキーギ・エアウィッチ」と呼ぶ。特に護衛任務への信頼が高い。北国にまで腕利きを派遣するなんて、リベリオンも太っ腹ね by ロスマン 祖国はよくこういうことをします by リー 1943年8月、スオムス義勇独立飛行中隊に転属。1944年1月、大型ネウロイ「マントゥ(アカマツ)」と「リウクマキ(滑り台)」を立て続けに撃破。この戦果により503JFWから誘いを受けた。 1944年5月、中尉に昇進。 イメージモデル リー・アーチャー(1919-2010)フルネーム リー・アンドリュー・アーチャー・ジュニア(Lee Andrew Archer, Jr.) 撃墜数 4 その他アメリカ合衆国最初の黒人軍事パイロット「タスキーギ・エアメン」の一人。当時のアメリカの人種差別志向のため、軍は黒人(アフリカ系)がパイロットになることを認めていなかった。 「タスキーギ・エアメン」は黒人の差別撤廃要求への対応(および人種隔離政策の一環)として初めて設けられた一連の黒人飛行隊のパイロットたちの通称。 陸軍航空軍第332戦闘航空群に所属し、ヨーロッパ戦線で活躍。 出典 『ブレイブウィッチーズPrequel』
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/45.html
天本玲泉&アーチャー ◆lHaWUMA7LM ――――幸せになりたい、と。 生まれて初めて、少女は涙を零した。 ◆ 日の沈む街の中で、家が赤く染まっていた。 夕日の赤だと思っていたものに、黒が混ざり始めた。 背負ったランドセルと同色の赤から、家を染まっていた赤は黒く濁りだし、やがて、それが赤でないことに気づいた。 それは火だった。 パチパチと、空気を弾く音が耳に届き始めた。 意味が分からなかった。 母は、母は無事なのだろうか。 父の顔も知らぬ少女にとって、母は唯一の家族だった。 燃え盛る家へと駆け出すが、すぐに駆けつけていた消防団のおじさんに止められた。 必死で叫んだ。 蒸発した父親と頭のおかしな祖母を持つためか、普段は寡黙と言ってもいいほどの少女。 その少女の叫びに、周囲が意外そうな表情を形作った。 母の名を叫び、叫び、叫び。 その叫びも、少女の声量では空気を弾き木を燃やし尽くす火炎音に掻き消された。 ガタン、と。 大きな音が響き、屋根が崩れ落ちた。 少女が首を大きく曲げてようやく見えていた屋根は、崩れ落ち、少女の目線と同じ高さに瓦を落とした。 少女は消防団員に問いかけた。 『母は?』 母は暗い女性だった。 仕事以外では他人と関わることもなく、少女と短く語り合うだけで生きている人間だった。 今日、仕事は休みだ。 ならば、まず間違いなく室内に居る。 だからこそ、少女はここまで取り乱したのだ。 まず、間違いなく、居る、はず――――だが。 それでも、ひょっとしたら、自宅に居なかったかもしれない。 可能性は0ではない。 少女は縋るように、消防団員にもう一度問いかけた。 『母は……どこですか?』 万が一はなかった。 母の遺体が見つかった。 少女には、最初はその遺体が母だと分からなかった。 黒く炭焦げた体は、しかし、わずかに肉を残していた。 肉は皮膚を食い破り、露出している。 沸騰した血が血管を破ったのか、露出した肉は歪な形をしていた。 人ではなく肉に見えたそれは、母の遺体だった。 それが母だとわかったのは、母が残していたロケットだった。 ロケットの中身を一度だけ盗み見たことがある。 蒸発して少女と母を残して消えた父と、少女を残して肉となった母と、何も分からずに眠る赤子の少女の写真だ。 『……』 それは、つまらないほどの日常の中に起こった、一つの異変に過ぎなかった。 ただ、その異変は偶然じゃなかった。 焼身自殺だった。 心神を侵した母は、少女を残して一人だけ消えていった。 母にとって、少女とは残しても良いものだったのだ。 少なくとも、少女は幼心にそう感じた。 残された少女は祖父母に引き取られた。 島では、少女の両親の話は禁忌となった。 少女は、泣くことを辞めた。 母と少女を残して勝手に消えた父と、少女を遺して勝手に消えた母に、屈しているようだった。 泣くことでは、幸せになど来ない。 だから、絶対に泣いてなどやらないと決めた。 泣くことを辞め、いつか晴らすことだけを夢に見て。 少女、天本玲泉は笑みを顔に貼り付け続けた。 ◆ 「呪いですね」 ニコニコ、と。 少女、天本玲泉は笑いながら言った。 少年、小波四郎は間の抜けた顔で玲泉を眺める。 呪い。 本土から、海の向こうからやってきた少年を契機にして起こった異変。 日ノ出高校が甲子園に出場しなければ、日ノ出高校野球部の部員は『神隠し』に遭う。 神隠しに遭った者は、人々の記憶から消え去る。 呪いをかけられた当人である四郎と、呪いをかけている者以外は。 誰も覚えていないのだ。 「つまり……甲子園に行けってこと?」 曰く、戦後生き残ってやっと帰ってくるところを船が難破して死亡した若者達の呪い。 曰く、戦争が終わってようやく野球が出来ると喜んでいたのに急にその喜びを奪われたものの呪い。 曰く、自分たちが出来ない野球をやれるのに腑抜けて真面目にやらないものへの怒りによる呪い。 曰く、その呪いを解くためには、真面目に野球へと取り組んで、甲子園に出場すること。 「お祖母様の言うとおりだとすると、そうなります」 「無茶だ!」 四郎は叫んだ。 甲子園とはそんな簡単なものではない。 実力だけではなく、運も必要なものだ。 今の四郎には、今の日の出高校野球部には実力も特別な運もない。 行こうと思ったから行けるものではないのだ。 「でも、行こうと思わなければ行けないもの。 そうではないですか?」 「……そ、そうだけど」 四郎は困ったように眉を寄せた。 玲泉は笑った。 悪意というものを、四郎は感じなかった。 釣られるように、困ったように、四郎は笑った。 笑顔に釣られて笑顔になり、仕方ないから、これから頑張れるだけ頑張っていこうと思った。 愚痴を言ってもしょうがないと、そう思った。 ――――翌朝、玲泉は日の出高校の部室に火を付けた。 部室も用具もなくなった日の出高校野球部は、四郎を除いて部員が居なくなった。 ◆ 玲泉は、祖母が嫌いだった。 優しかった祖父とちがって、祖母は厳しかった。 いや、厳しいだけならばよかった。 ただ、優しかった祖父を御座なりにして、若いころのロマンスばかり夢に見ていた。 ロマンス――――戦争に帰ってこようとしていた恋人が、難破によって死んでしまった事実。 いい年をして、いや、いい年になってまで悲劇のヒロインを気取っているのか。 あれだけ優しい祖父が居て、何が不満なのか。 玲泉は、祖母が嫌いだった。 祖父が亡くなってからは、それがさらに強くなった。 だから、『邪魔』をした。 『日の出高校野球部に呪いをかける』ことで、『日の出高校野球部を野球へと真剣に取り組まそう』としている祖母を。 玲泉は『邪魔』をした。 日の出高校野球部が甲子園に出たら、亡くなった恋人が喜ぶというのだろうか。 後輩が野球に対して真剣に楽しんでいれば、亡くなった恋人が喜ぶというのだろうか。 不快な感情が、玲泉を襲った。 ――――まずは、部室に火を付けた。 そもそもとして、四郎以外の呪いを認識していない人物は必死ではない。 部室も用具もなくなれば、野球を辞めてしまうだろう。 玲泉はそう考えた。 だが、野球部は再建した。 四郎が部員集めに奔走したからだ。 問題はなかった。 練習の期間を短くすることが出来た、後は一年と半年もない。 四郎の言ったとおり、『出ようと思って出れる』ようなものではないだから。 ――――次は、一回戦を勝ち抜いた野球部に笑いが止まらなくなるきのこを匿名で差し入れた。 試合当日、部員は病院に運び込まれ、不戦敗となった。 二年目の秋のことだ。 これで、残りは三年目の夏しか残されていない。 祖母は、日に日に弱っていた。 神隠しの呪いをかけることから生まれる負担が、祖母の身体を襲いかかっているのだ。 恐らく、近いうちに死ぬだろう。 ◆ ある日の事だった。 「俺は、天本さん好きだからさ」 何の気もなしに、玲泉は四郎から告げられた。 相変わらず困ったように笑う四郎を前にして、いつもの笑顔を作ることも忘れた。 「だから、付き合ってください」 呆けた顔を崩すことが出来ず、ただ、時が流れた。 四郎の笑みが崩れてきた。 断られた、と思ったのだろうか。 「……あっ」 その時、玲泉の目に、一つの生き物が映った。 死にかけの猫だった。 四郎の告白を一度置いておいて、玲泉は猫を抱えた。 「……車に、惹かれたんですね。 まだ、生きてはいますけど、このケガでは…… 家に、連れて帰りますね」 か弱く震えていた。 震えが止まるのも近いことだと、玲泉は分かった。 玲泉は、困ったように四郎へと顔を向けた。 「ああ、うん、一緒に行くよ」 逃げたと、思われたかもしれない。 事実、逃げはあった。 それでも、この死にかけの孤独な猫を放っておくことが出来なかった。 なるべく、揺らさないように抱えて神社へと向かう。 「なんじゃ? 死にかけの猫なんぞ持って帰ってきて。 さっさと殺してやったほうがそいつのためじゃぞ」 その様子を見た玲泉の祖母、不吉ババアは冷たく言い放った。 瞬間、四郎の頭に血が上る。 「なっ……! そんな言い方――――!」 「気まぐれです」 「えっ?」 ただ、その怒りをぶつける前に、玲泉の言葉が被さった。 不思議そうに、四郎は玲泉を見た。 普段の笑顔が張り付いている。 仮面のようだった。 「この猫の生きている残りの時間は、苦しみだけ。 ですから、これは優しさではなく気まぐれです」 四郎は、玲泉を眺めた。 本気で言っているようだった。 「……フン。勝手にせい」 不吉ババアはいつもの調子で背を向けた。 海の見える場所へと向かう。 四郎は、死にかけの猫を抱える玲泉に隣り合って座った。 「………そろそろ、ですね……お休みなさい」 眉を寄せて、哀しみの表情を作った。 笑みのままでも、玲泉は悲しんでいた。 四郎は、言葉が零れた。 「本当に、気まぐれなの?」 聞いてはいけないことだったのかもしれない。 それは、玲泉の自分でも自覚していない部分に触る言葉だから。 「はい。 こうして死ぬときに、誰かがそばに居てくれるのは良いものかと。 そう思ったものですから」 玲泉は本気でそう言っていた。 これは優しさではない、と。 自分にそう言った感情はないのだ、と。 四郎は、耐え切れずに聞いた。 「それが、優しさじゃないのかな」 玲泉は、一瞬笑みが止まった。 「……小波さん、この猫を埋めるの、手伝ってもらえませんか」 四郎は頷いた。 小さな穴を作り、その猫を埋めた。 やがて猫の遺体は栄養となり、他の植物の一部となる。 土に帰るの生命は、決して一人にはならない。 「……その、さっきの答えですが」 ぴくり、と。 四郎が震えた。 玲泉も震えた。 少年と少女は震え、顔を動かした。 震える瞳と瞳が交錯した。 玲泉の唇が、ゆっくりと動いた。 「よろしく、お願いします……四郎さん」 ◆ 「いやだ、俺は……俺は……! 天本さんと、幸せに――――!!!」 . ◆ 「ハァ……ハァ……」 表情は作れなかった。 テレビは、慈悲もなく結果を発表するだけであった。 「所詮、ここまでか」 玲泉の祖母、不吉ババアと島民から嫌煙されている老婆は倒れ込みながら呟いた。 玲泉は側で同じくテレビを眺めている。 笑顔の仮面が、わずかに崩れていた。 甲子園の出場を決めたのは、日の出高校はなかった。 日の出高校は、甲子園に出場できなかった。 つまり。 小波四郎は。 神隠しに――――。 「ゲフッ、クッ、フォ!!」 その思考を止めるように、祖母が苦しそうに呻いた。 呪いをかけすぎたことが原因で、ただでさえ弱っていた身体に限界が訪れたのだ。 このままでは、死んでしまうだろう。 玲泉は無意識に電話を手にとった。 「すまんなぁ……廉也さん、すまんなぁ……日の出高校の名前を……甲子園に連れて行けず……」 祖母は苦しそうに呻きながら、誰かに謝り続けている。 その言葉を聞いて、電話を取る手が止まった。 憎しみではない感情があった。 哀れみにも似た、それでいて哀れみとも違う感情だった。 苦しそうでありながら、申し訳なさそうでありながら、どこか、満たされた顔だった。 「…………」 祖母は、最後に夢を見れたのだ。 かつて愛した恋人と『酷似した少年』が野球をやっている姿を見れて。 小波四郎の姿に、かつての恋人を重ねた。 その少年が必死に野球をすることで、どこか、理不尽で醜悪な満足を覚えていた。 ただ、玲泉は不思議とその姿を憎いと思わなかった。 ようやく、救われたのだとすら思った。 そもそも、自分の妨害がなければ、少年はもっと練習が出来た。 『少年』から『あと一歩』を埋めるための練習を奪ったのは、『少女』なのだ。 四郎が消えたことで、祖母を恨むのは見当違いなのだ。 祖母は、死んだ。 玲泉は、医者に電話をかけた。 葬儀をすました翌日。 神社は無人となっていた。 島民の間では、可哀想な少女の話は禁句となっていた。 島民の間では、日の出高校野球部はとうの昔に廃部になっていた。 神隠しは、人の記憶から少年の事実を奪っていった。 神隠しは、人の歴史から少女の事実を奪っていった。 少女には、何も残されていなかった。 だから、何も残さないことに決めた。 蒸発した父は、すぐに見つかった。 少女は、何も残さないために動き出した。 ◆ 「おじ様は、ご家庭をお持ちなんでしょう?」 『嫌なことを聞く』と言った意味合いの言葉を返してきた。 誘ってきたのはソッチのほうだ、という意味合いを持った言葉でもある。 玲泉は笑った。 泣いているようにも見える笑みだった。 何時頃からか、そんな笑みしか出来なくなっていた。 男にとっては、そんな笑みが妙にエロティックで、劣情をそそった。 「悪い人ですね」 ハハっと、男は笑った。 男は妻と子供を愛していたが、どうしようもないほどのセックス依存症だった。 女性を孕ませることに偏執的なまでの執着を持った男だった。 虚言癖の、セックス依存症。 今回の家庭でようやく落ち着いたように思っていたが、それは消えていなかった。 「本当に……悪い人」 そもそもとして、誘ってきたのは少女のほうだ。 セックスに対する興味を口にして、セックスパートナーとしての関係を求めてきた。 男は断らなかった。 妻に対する負い目も感じはしたが、セックスは死ぬほど好きだったからだ。 現に、今も玲泉の手首を掴んで、ベットに押し倒して顔を近づけた。 だから、玲泉のその言葉を聞くまでは、何の反省もしていなかったのだ。 「血を別けた娘の処女を奪って、まだ性交を続けようるだなんて」 さっと、男の顔が青ざめた。 男の唇が動いた。 『あ、ま、』まで動いたところで、封じるように玲泉は口づけを行った。 中年特有の臭気が漂う息が口内に入っても、玲泉は笑っていた。 そして、泣いてるようにも見える笑みを浮かべたまま言葉を奪った。 「覚えていませんか、『天本玲泉』って名前?」 男の唇が震えていた。 玲泉はまだ嘲笑っていた。 「お母様からは、貴方が名づけてくれたと聴きましたよ」 トン、と胸を軽く押した。 男は大げさなほどに尻もちを付いた。 玲泉は、まだ嘲笑えていた。 「私は古臭くて大っ嫌いだから、『天本ちゃん』のままでいいですけど、まあ、それはそれとしてですね」 その瞬間、玲泉の笑みが消えた。 母を亡くしてから、ずっと貼り付けていた仮面が取れた。 不自然なほどに、のっぺりとした顔だった。 懐から、コンドームを取り出す。 同時に、ピンを取り出し、コンドームを貫いた。 ◆ 「私、赤ちゃんが出来ました」 「もちろん、堕ろしますので手術代をお願いしますね……お父様」 ◆ わー、わー、と。 少年の声が響き渡る。 なんてことはない、河川敷。 当然のように少年たちが白球を追いかけている。 懐古の念が湧き上がる。 もう、覚えても居ない、覚えることが出来なくなった少年への想いが、理解も出来ず蘇る。 カキン、と。 金属バットがボールを叩く音が響く。 視界が、揺れた。 破滅へと向かうことに、どこか憧憬を抱いていた。 破滅することでしか、自分は救われないのではないかと、本気で思っていた。 ただ。 『本当に、気まぐれなの?』 少年が遺したあの一言だけが、少女の中で生きている。 覚えているはずのない言葉なのに。 神隠しの『共犯』であって、『主犯』ではない少女は、神隠しに遭った人間のことを覚えていない。 なのに。 『それが、優しさなんじゃないのかな?』 少女が忘れてしまったはずの言葉が、それでも消えずに胸のうちに残っている。 誰かに優しくされたことを、誰かを好きになったことを。 少女は忘れてなどいなかった。 ひょっとすると、別の形で幸せになれたのではないだろうか。 満たされないのは、こんな復讐を望んでいたわけではないからではないだろうか。 本当は、祖母のことを好きだったのではないだろうか。 本当は、父を不幸になどしたくなかったのではないだろうか。 本当は、幸せな人を妬んでいただけなのではないだろうか。 少女は、涙が零れていることに気づいた。 腹部に、大きな穴が空いたような気がしている。 初めから何も無いと思っていたのに、何を失くしたのだろうか。 初めから何も無いと思っていたのに、なんでこんなにも喪失感が襲い掛かってくるのだろうか。 涙は止まらなかった。 少女は、涙を止めなかった。 もう、生きている残りの時間は苦しいだけだ。 なのに、自分の側には誰もいない。 他のだれでもない。 側に居てくれたかもしれない誰かを、自分が消したのだ。 18の誕生日だった。 側には、誰も居なかった。 少女は、泣いた。 ――――幸せになりたい、と。 生まれて初めて、少女は涙を零した。 ◆ 「ヤマダくん、実はね、俺は別の世界から来たんだ」 「別の世界……海の向こうでやんすか?」 「空の向こうさ……太陽の昇る島なのさ」 カラカラと。 笑いながら勇者は友人に語りかけた。 勇者、と言っても、彼には劇的な力はない。 時には龍の潜む山から魔宝を見つけ出し。 時には呪法に満ちた砂漠の遺跡から魔宝を見つけ出し。 時には魔王の棲む城に足を運んで交渉の末に魔宝を手にした。 彼は怪物のような強さを持っているわけではなかった。 国の誰よりも頼りになり、間違いなく指折りの戦士であった。 それでも、彼はあくまで人間の範疇にあった。 そんな彼が勇者で在り続けたのは、生存に長けていたからだ。 ただ、生き延び続けた。 戦争もないこの国で、平和を守るために生き延び続けた。 「いろんなことを残してきたからさ」 空を眺めながら。 太陽の昇る朝空を眺めながら。 その先に、辿りつけない故郷を見ながら。 勇者は呟いた。 「いつか帰りたいな…… 俺じゃないと出来ない、なんて言わないけど……それでも、幸せにしてあげたかったんだ。 もう、名前も顔も覚えてないけど……ね」 それは目標ではなく夢。 辿りつけないことを認識した上で見る、理想の話。 勇者は諦めている。 この異世界で生きると、諦めたのだ。 故に、もはや故郷に遺した父の顔も名前も覚えていない。 故に、もはや故郷で出会った初恋の少女の顔も名前も覚えていない。 勇者は目の前のゴーレムを撫でた。 それでも、忘れていないものがあった。 「キャッチボールしようよ、ヤマダくん」 「えー……なんでオイラが野球人形のまね事なんか……」 口ではそう言いながらも、ヤマダは立ち上がった。 勇者の秀でた箇所。 それは投石とも呼ばれる、『投げる』という動作にあった。 これで爆弾を投げて、投げて、投げて。 時には爆弾魔の異名をもらいながらも、モンスターを倒し続けた。 そうだ、野球だ。 かつてあったもの。 かつて『少年』であった勇者と、もはや名前を覚えていない『少女』を繋ぐもの。 みっともないほどに、今の勇者とかつての少年を『繋ぐもの<野球>』に縋り付いている。 野球人形を、優しく撫でた。 これは勇者伝記の、その一文。 キングダム王国の危機を幾度もなく救った、勇者の出生の謎。 曰く、勇者は日出づる島より訪れたとのこと。 その一端を察することが出来る、なんてこともないお話。 ◆ 「此度の聖杯戦争において、アーチャーのクラスにて現界した」 「まずは、問おう――――君が、俺のマスターかい?」 . ◆ 斯くして。 仮面の少女は聖杯に導かれ。 異界の勇者は少女に誘われた。 少女と勇者の視線が交錯する。 お互いに、懐かしい感情が蘇った。 だけど、それだけ。 少女は自らの意思で少年の存在を消して。 勇者は自らの諦観で少女の存在を忘れた。 それでも、残ったものがある。 勇者は、ふと、視界が潤んでいることに気づいた。 少女は、ふと、頬が濡れていることに気づいた。 失ったものは取り戻せないかもしれないけど。 ――――忘れてしまったものならば、いつか思いだせるだろう。 【クラス】 アーチャー 【真名】 勇者シロウ(小波四郎)@パワプロクンポケット4 RPG風ファンタジー編 【パラメーター】 筋力:D 耐久:D 敏捷:C 魔力:D 幸運:D 宝具:C+ 【属性】 中立・中庸 【クラススキル】 単独行動:C マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 【保有スキル】 心眼(真):E 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。 異世界に放り出された勇者が、生存のために行った冒険の末に身につけた生存技術。 仕切り直し:A+ 窮地から脱出する能力。 不利な状況であっても逃走に専念するのならば、相手がAランク以上の追撃能力を有さない限り逃走は判定なしで成功する。 勇者が勇者となり得た原因は、ひとえに『生存』に長けていたためである。 被呪体質:D あらゆる呪いに対して不利な判定が働くバッドスキル、呪いと名の付く物には対魔力スキルを発動することが出来ない。 神隠しによって(便宜上)『異世界』と呼べる世界へと飛ばされたことで、勇者は被呪体質を持っている。 【宝具】 『日出づる島より訪れし勇者(ザ・ブレイブ)』 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 勇者として成した伝承において、必ず異なった武装と機転を以って伝説を作り上げた逸話が幻想と化した宝具。 勇者は特別な神剣・魔槍・聖弓のいずれも所持しておらず、また、特殊な戦車を駆ったこともない。 己の肉体と唯一常備する無銘の剣、使い捨てを前提した爆薬、そして、己の機転と経験を以って伝説を成した。 その逸話が転じて、彼が所持する武装は全てEランク相当の神秘が施される。 『炸裂する幻想(ブレイブ・ファンタズム)』 ランク:D+ 種別:対人宝具 レンジ:1-10 最大捕捉:5人 ドラゴンを爆弾によって打ち払った逸話が幻想と化した宝具。 勇者は武装を意思によって『爆発』させることが出来る。 『神秘を爆発させる』というよりも、『物体をEランク相当の爆弾に変える』という能力。 つまり、どれだけ神秘の込められた物体を爆破させても、『Eランク相当』の神秘へと劣化する。 そのため、場合によっては魔具を用いて行う通常の魔術よりも大きく劣る威力になり得る。 『野球人形(キングダム王立野球軍) 』 ランク:E 種別:対軍宝具 レンジ:100 最大補足:9 野球をするための、人型ロボット。 上記宝具で四肢・胴体・頭部の野球人形のパーツを集め、組み上げることで完成する。 野球以外の目的で動くことはなく、戦闘の役には立たない。 勇者が遂にはその生涯で帰還することが出来なかった、『日出づる島』に残してきた未練の塊のような宝具。 この聖杯戦争を戦う上でも、全く役に立たない代物である。 【weapon】 『無銘・剣』 『勇者』の肩書が『冒険者』であった頃から使っている剣。 携帯に優れ、戦闘に限らずサバイバル生活における様々な局面で扱う。 『手投げ式爆弾』 龍が棲む山の主や王国を襲った巨大ゴーレムを撃退した際に使用した手投げ式の爆弾。 【人物背景】 キングダム王国を幾度となく救ってきた勇者。 秀でた戦士ではあるが、特殊な武装や技術は持たない。 それでも英雄となれたのは運か、それとも目には見えない技術によるものか。 装甲車バトルディッガー編では伝話として代々彼の活躍が語り継がれていることが確認できる。 その正体は、別世界で神隠しに遭ってファンタジー世界に飛ばされた野球少年である。 本土の都会から日の出島に引っ越してきた野球少年。 誕生日は6月の第1週。 高校は元々大安高校に通っていたが、父親の都合で日の出高校に転校してきた。 引っ越してきて早々にあけぼの丸の慰霊碑を倒してしまい、そのせいで「甲子園で出場しないと解けない神隠しの『呪い』」を受けることになる。 その呪いの結果、一時は日の出高校野球部解散の危機にまで陥ってしまうが、一から部を立て直すことに成功する。 満を持して、最後の夏に挑むが敗北し、神隠しに遭う。 この世界から『小波四郎』という人物は消え去ってしまった。 【サーヴァントとしての願い】 元の世界を見たい。 【基本戦術、方針、運用法】 あらゆる武器を爆弾に変えて投擲することが出来る。 また、トップクラスの仕切り直しスキルを所持しているため、ヒット・アンド・アウェイの戦法が主となる。 【マスター】 天本玲泉@パワプロクンポケット4 日の出高校編 【マスターとしての願い】 幸せになりたい。 【weapon】 なし。 【能力・技能】 特別な技能は持たない。 【人物背景】 主人公の同級生、いつも笑顔で物静かな優等生タイプの女の子。 日の出神社で巫女として手伝いながらセツと二人暮らしをしている。 二人暮しの理由は、まず最初に父親が玲泉が生まれる前に蒸発。 その後、玲泉が9歳のときに母親が焼身自殺をしたことにより、両親を失う。 このせいか、彼女の両親の話は日の出島で禁忌とされており、周囲の人物も中々話そうとしない。 実はこの『父親』はメガネ一族の父親と一緒、つまり彼女もメガネ一族の一人である。 そして、矢部明雄や、同作に登場する山田平吉とは異母兄妹にあたる。 山田が教室で矢部明雄の話をした時に、玲泉が反応を示すイベントがあるが、 これは「『父親』の苗字は『矢部』であると、生前の母親から聞かされていた」故の反応である。 なお、この時点では自身と山田の関係については知らなかったようである。 いつも笑顔でいる理由は「表情が不器用だから」「笑っていれば幸せがくるかもしれない」とは本人の弁。 ただし主人公(4)は彼女にした場合のアルバムで、「あの笑顔は他人から自分を守る為の盾だった」と回想している。 また、パワポケダッシュのキャラクター図鑑においても「いつも、わらっているのは、自己防衛(じこぼうえい)のため」と明記されており、 主人公の見方は正しかったと示唆されている。 祖母のことを憎んでいると口にはするが、心の奥では嫌ってはいない。 歪んでしまった『良い子』であり、幸せは自分から失ってしまっただけ。 【方針】 幸せになりたい。
https://w.atwiki.jp/shujitu/pages/309.html
《スターリットアーチャー》 効果モンスター 星4/光属性/魔法使い族/攻700 /守500 このカードの攻撃力・守備力はフィールド上に存在するモンスターのレベルの合計×100ポイントアップする。 自分フィールド上に存在するモンスターのレベルの合計が15以上の時、このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。 フィールド上モンスターのレベルの合計によって攻撃力が変化するモンスター。 元々の攻守は低いため、既に高レベルモンスターが場に出ている、または 破壊されない工夫をしてから場に出さなければ活躍する前に破壊される。 《魔導戦士‐フレイ‐》や、高レベルのアタッカーなどで援護すれば 使いやすいか。 また、相手の攻撃に対して《メタル・リフレクト・スライム》などの 罠モンスターを発動した場合、攻守を上げて迎撃できる。 狙ってみるのも一興かもしれない。
https://w.atwiki.jp/ljksscenario/pages/153.html
――ディーンが記憶を取り戻したのは必然だった。 日本に来日したFBI捜査官の役割を与えられたディーンは警察組織に協力を要請され 前代未聞の大量殺人事件の犯人を追う事になり 捜査会議で公開された防犯カメラにうつっていた犯人と思われる刺青の男を見た瞬間 一瞬で記憶が戻り、その夜自身のサーヴァントであるアーチャーと出会い ここが偽りの東京である事、そして聖杯戦争の舞台である事など全てを教えられた。 ディーンはサムが巻き込まれていない事を祈りつつ、アーチャーに大量殺人の下手人と思われる刺青の男を追う事と 聖杯戦争からの脱出を目指す事を告げた。 ディーンが胸の内を全て打ち明けた理由は、本来隠していた方が都合がいい令呪の事などを教えてくれた事や アーチャー自身が既に望みを果たしているため願いが無い事を話してくれたからだった。 ハンターとして生きてきたディーンは、黒い服を着た東洋人の右目が青く三本の爪の傷あとがあるこの男―アーチャーが 同じハンターである事を感じ取りしっかりとした協力関係をきずきたいという思いもあった。 幸いアーチャーはディーンに協力を約束してくれたため、ディーンはアーチャーと共に刺青の男を追う事になった。 事件の聞き込みを開始したディーンはすぐ傍に霊体化しているアーチャー、鏢に問い掛けた。 「アーチャー、犯人はやはりサーヴァントか?」 「おそらくはそうだろう。見た所バーサーカーだがマスターの意思の元した事なのかどうかは不明だ。」 「そうか…」 アーチャーの返答に難しい顔をして考え込むディーン。 そんなディーンにアーチャーは、最初に出会った時に疑問に思った事を聞いてみる事にした。 思えば最初に犯人を追う事を決めたのは、正義感からきた物だと思っていたが あの表情からはそれだけではないのが見て取れた。 「ディーン、奴を追う理由はなんだ?」 アーチャーの問い掛けにディーンは立ち止まって振り返ると、真剣な顔つきで答えた。 「『奴』が■■■なら、俺は対決する必要がある。なぜなら…」 ――ディーンは考えている事を全て打ち明けた。それも最悪の可能性を… 『奴』が■■■なら、サーヴァントかマスターのどちらかにあの『刻印』があるはずだ。 そして『元始の剣』もこの偽りの東京都のどこかに… ―リンクジョーカーの聖杯戦争解析計画は恐ろしい速度で進んでいくのだった。予想を超える程に…― 【クラス】 アーチャー 【真名】 鏢(ひょう)@うしおととら 【ステータス】 筋力:C 耐久:C 敏捷:B 魔力:A++ 幸運:E- 宝具:EX 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 対魔力:B(A) 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 生前アーチャーは長い時を生きる大妖の雷を防いだため 敵が妖怪や魔物などの場合スキルの値が括弧内に修正される。 単独行動:A 家族の仇をほとんど一人で探し続けたアーチャーはマスター不在でも行動できる。 ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。 【保有スキル】 狂化:E- 妖怪に家族を殺されたアーチャーは、仇と出会った際に『笑み』を浮かべた。 恩恵はないが女性や子供を殺害した敵相手には、アーチャーは一切の容赦をしないだろう。 戦闘続行:C+ 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。 片腕と右目の代わりとなっていた浄眼を犠牲にして見事アーチャーは敵討ちを遂げた。 符術師:A+++ このスキルは、同ランクの中国武術、本来キャスターのスキルである陣地作成:D、道具作成:Bを持つ。 また敵が妖怪や魔物などの場合、筋力、耐久、俊敏が1ランクアップする。 桃源郷の道士に師事したアーチャーは、白面の者から力を貰った仇の紅煉からアーチャーほどの符術師はほとんどいないと言われた。 心眼(真):A 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。 逆転の可能性がゼロではないなら その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 【宝具】 『浄眼』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:1 右目の代わりとなっている青紫水晶を磨いてできた翠竜晶。 あらゆるまやかしを見破ることができ、妖怪の姿をも見ることが可能。 また一種の暗示をかけることもできる。 暗示はDランクの対魔力スキルで抵抗できる。 『十五雷正法』 ランク:E~A 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大補足:1~50 妖怪を滅するための退魔術が宝具となったもの。 『爆砕符』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1 仇の妖怪を討ち果たした捨て身の技が宝具となったもの。 体内からの攻撃なため相手の対魔力スキルを無効にして致命傷を与える。 しかし生前右目をえぐり爆砕符を仕込んだ右腕ごと相手に喰わせた事から 令呪一画が必要な上相当な魔力を消耗する。 まさに切り札で、これを使う時は相当追い詰められしまっている事だろう。 そのため安易に使う事はできない宝具となっている。 【weapon】 鏢(ひょう)などの飛び道具。 呪符などの退魔術の道具。 【人物背景】 元は家族を愛する優しい男であった。 ある夜家族が妖怪に殺されてしまい自身も重傷を負い 復讐の鬼となり退魔術を苦しい修行の末身につけて 仇の妖怪を追い詰めて、捨て身の技で敵討ちを遂げた。 その後満足して息を引き取った。 その後霊となってうしおととらと白面の者の最終決戦でうしおととらを助けた。 【サーヴァントとしての願い】 ディーンを助ける。 【マスター】 ディーン・ウィンチェスター@スーパーナチュラル 【マスターとしての願い】 聖杯戦争からの脱出と刺青の男を追う。 【weapon】 銃。 【能力・技能】 悪魔や悪霊、怪物、はては天使に至るまでありとあらゆる人外の者と戦ってきたハンターとしての力。 その実力はカインに後継者として認められた。 大天使ミカエルの器として選ばれた事もあるため、魔力量も桁外れ。 【人物背景】 スーパーナチュラルの主人公の一人で凄腕のハンター。 カインから刻印を受け継ぎ、元始の剣を使いアバドンを倒したが代償で呪われた。 その後仲間達の助けもあって呪いから解放された。 【方針】 サーヴァントの刺青の男とマスターを見つけるため情報を集める。 【補足】 来日したFBI捜査官という役を与えられています。 刺青の男の男の正体に感づいているかもしれません。 ディーンは刺青の男、もしくはそのマスターに刻印があるのではと考えています。 また東京都内に元始の剣があるかもしれません。 候補作投下順 Back 戦艦長門もしくは…… Next タダ&キャスター
https://w.atwiki.jp/222seihaisensou/pages/31.html
なるほど、とマスターとして覚醒したアリスは先程までの自分を思い返す。 自分を失い、NPC――人形として操られるだけだった自分。 何も考えることなく、意思が伴わないまま外面だけで喜怒哀楽を表現し 意思持つ人間と何一つ遜色無い行動をとり続ける自分。 自立人形の完成を目指し、数多くの人形を作ってきたが、 まさか自分自身が人形になることを体験することになるとは思わなかった。 アレこそ単なる人形の限界、自分が目指すのはその先の先。 少なくとも自分の人形はあの意思を持たない段階を越えている、それは自信を持って言える。 しかし、一歩進んだだけでは、幾らかの心が宿っているというだけでは、 結局のところ他者の命令に従うという人形の人形たる限界を本当の意味で越えたわけでは無いのだ。 本当に自分の人形はアレと違うのかと言われれば、自分のどこか冷静な部分は 根本では同じだと認めてしまうかもしれない。 そう思ってしまうことに屈辱感のようなものを感じざるを得ない。 しかしだ、それを知ることができたというのは重要だ。 どれだけ長いかわからない自分の目標までの道のり。 その道中のどこに自分がいるのか、何が足りないのか、それを実体験として幾分か理解できたのだ。 そして、少し前まで人形であった自分は今、自立して動いている。 操り人形が自分の紐を切ったその瞬間を、自分自身で観測できたのだ。 無論、これは封じられていた意思を解放しただけであるので、本当の意味の人形の自立とは異なる。 しかしそれに通じる現象ではあるだろう。 これを経験できただけでも自分の目的に対する大きな糧になった。 この『方舟』で一つ、とても貴重な経験をし、学んだ。 それは良い。良いのだが、それはそれとして。 今現在直面している問題に目を向け、頭を悩ませた。 「本気の殺し合い、というのはね……。 まるで私向きじゃないわ」 アリスは本気を出さない。 魔法使いとして非常に高い能力を持ち、挑まれた勝負は避けない程度には好戦的なアリスであるが、 力押しで勝利するというのはどうも合わず、何事も相手の力を見極め、 それを少し上回る程度の力を上限として戦うのが彼女のスタイルだ。 例えそれで負けても構わない。 勝負自体は楽しいものになるだろうし、本気を出して負けて後が無くなってしまうのも嫌だ。 余りの強者と戦うのも好まない。余裕を持つことが第一だ。 そんな彼女が、魔術師と英霊が命と願いをかけて鎬を削る 聖杯戦争なんてものに参加するということ自体がまずありえない。 戦いに自信が無いというのではないが、弾幕ごっこならともかく、 どんなに商品が豪華なマジックアイテムであろうが形振り構わない全力本気の戦いをするなんて御免なのだ。 ではなぜここにいるのかというと、それもわからない。 願いが無いとは言わない。さしあたっては完全な自動人形の完成だ。 しかしそれはアリスの力で到達してこそ意味があるもので、聖杯に叶えてもらうものではない。 そんな彼女が、なぜ『方舟』とやらに呼ばれてしまったのか。 そもそも、召喚に必要な『ゴフェルの木片』とやらも心当たりが無い。 ここに来る前の最後の記憶では魔法の森の上空を飛んでいたはずだが、 そんな木片など持っていなかったし、木をぶつけられたということもなかった。 普段はそれこそ人形の様に表情を崩すことなく優雅に振る舞っているはずの少女が、 珍しく眉間に皺を寄せて本気で悩んでいた。 □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ ……一人で悩んでも仕方ない。サーヴァントとやらの意見も聞いてみましょうか。 と、ここでようやく気付いた。サーヴァントはどこだ? 見回して、少し離れたところにそれらしき何かがいるのを見つけた。 実体化はしていないようだが、ラインの繋がりとアリスの幻視は霊体を捉えることを可能としていた。 悩んでいたアリスを気遣って待っていてくれたようだ。 ステータスを確認し、声をかける。このサーヴァントは―― 「――アーチャー。 ごめんなさい。気を遣わせたみたいね。 少しお話ししましょう。実体化してくれる?」 (――はい) やわらかい女性の声、続いてその姿が現れる。 胸当てと赤い袴を身に着けた黒髪の女性。弓を持つのはまさしくアーチャーらしい。 しかし右肩に妙に大きな盾?を身に着け、背にも矢筒と金属製らしい何かゴタゴタしたものを背負っている。 「アーチャーのサーヴァント。航空母艦、赤城です。 空母機動部隊を編成するなら、私にお任せくださいませ」 「コウクウ…ボカン?」 意思持つ人形を目指す少女と、 意思持つ船である女性。 その出会い。 □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ 「ふぅん……つまり、付喪神みたいなものね?」 「ええ、そういう認識で大体合ってますよ。 私の様な物が実体を持ちやすい神秘のあり方の世界線がありまして、 その世界でこういうヒトガタの英霊として成ったものですので」 お互いに自己紹介と情報交換を済ませたが、このアーチャー、本来は巨大な『船』だという。 それが人に似せた意思と姿を以て現世に現れた『艦娘』という存在だと。 付喪神ならば幻想郷にもそれなりにいるが、聖輦船が付喪神になって動いている様なものと考えれば 幻想郷のそれらとはスケールが違うことを実感できる。 彼女は自立する船で、自分は人形を以てそこに至らんとしている。 器もあり方も異なるが、それでもある意味自分の目指す様な存在が召喚されたというのは、何かの縁だろうか。 戦闘方法に近しい所があるのも興味深い。彼女の場合は力押しの部分もかなり大きいが。 まだ少し話をしただけであるが、結構こちらに好意的な態度をとってくれているようだ。 これなら相談してみるのも悪くないか。 嘘はつきたくないからどちらにせよ話さなければならないことであろうし。 ……彼女を怒らせることにならなければ良いのだが。 普段のすました所のあるアリスでは考えにくいことであるが、 すんなりと自分の悩み、あるいはこの聖杯戦争においては弱みとすらいえるものを打ち明けることとした。 状況が状況だから、大分まいっていたところがあったのだろう。 「実は、私にはこの戦いに参加する動機は無いのよ」 □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ □ ◆ ◇ ■ 「―――それでは、何とか脱出する方法を探しますか?」 「………貴女はそれで構わないというの? 何か願いがあって、この戦いに参加したのではなくて?」 「ええ、無いとは言いません。 私が成った世界では、今この時も多くの提督と仲間達が戦い続けているでしょう 彼らを助け、私たちの敵を根絶することが私の願いです」 そう言って、何かを思い出す様に目を伏せるアーチャー。 自分の世界に思いを馳せているのか。 「しかし、彼らも私達も、それぞれ覚悟や想いを抱いて命がけの戦いに挑むものです。 自分たちが守るべきもののために、剣を取り盾となる。 その戦いに、無関係の方を巻き込むのは皆に顔向けができませんし、私自身もそれを認められません。 マスターが自分の願いの為に戦いたいというならば、私も共に願いを叶えることを目指したでしょうが、 貴女は純粋に巻き込まれた被害者です。 ならば私は貴女を助けるために力を尽くしたい」 アーチャーの眼差しがこちらを向く。 その眼と言葉からは、心からの自分への慈しみが伝わってくる。 ……これが物が意思を持つことか、と思う。 使われるだけだったはずの物が、心を持ち、その有り方に誇りを持ち、 自らの意思と望みとして役割を果たす者となる。 自分が目指す者、その同類である彼女にこれだけの想いを向けられている。 そのことに、彼女の願いを叶えられないことに申し訳なさを感じるとともに、 それでも、嬉しいと思ってしまった。 ……そこまで言ってくれるなら、甘えさせてもらおうかしら? 「フフッ。ありがとう、アーチャー。 それならお願いするわ。家まで送ってくれるかしら?」 「ええ、了解しましたマスター。 これでも無敵艦隊と呼ばれた身ですからね。 大船に乗ったつもりでいてください!」 アーチャーが自信満々に言い、二人で笑いあう。 うん、きっと何とかなりそうね。 【高松/2014年7月14日(月)1730】 【サーヴァントステータス】 【出典】 艦隊これくしょん -艦これ- 【CLASS】 アーチャー 【マスター】 アリス・マーガトロイド 【真名】 赤城 【性別】 女性 【属性】 秩序・中庸 【ステータス】 筋力D 耐久A++ 敏捷D(C) 魔力E 幸運C 宝具E+++ 【クラス別スキル】 対魔力:E+++ 魔術に対する守り。 本来であれば無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する程度であるが、 宝具の効果により、対人規模の魔術であればダメージを著しく下げる。 単独行動:E- マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクE-ならば、マスターを失っても30ターンの現界が可能。 自立しているとはいえ、『人に使役されるもの』としての本質も残しているため、 このスキルは最低ランクでしか持てない。 【固有スキル】 艦娘 『軍艦』が、人型をとって現界した英霊であることを示すスキル。 本来は武装や宝具として扱われるべき『物』でありながら、意思を持ち自立的な行動を可能とする。 また、『資材』を消費することにより魔力の補充、損傷や武装の修復が可能となる。 『軍艦』であるので水上に対するBランク相当の地形適応スキルの効果を備え、 水上では敏捷をワンランク上げての行動を可能とするが、水中や陸上では逆に敏捷がランクダウンする。 服従:C+ 『軍艦』である故の上官に従う性質。 令呪の範囲および効果が強化され、命令行動に伴なう判定に補正がかかる。 命令者が『提督』であるか否か、及びアーチャーが命令者に向ける感情に応じて ランクが上下する。 千里眼:C++ 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 艦載機を通してより遠方を見ることを可能とする。 自己改造:C 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。 資材の取り込み、他の艦装の装備、および近代化改装によるステータスの向上を行うことができる。 本来であればこのランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていくが、 アーチャーは『軍艦』であり、改造により強化されることはそのあり方として正常なものであるため、 英雄の格が低下するペナルティは発生しない。 【宝具】 『零式艦上戦闘機』『九九式艦上爆撃機』『九七式艦上攻撃機』 ランク:E+ 種別:対軍宝具 レンジ:10-99 最大捕捉:100人 アーチャーの搭載機。 人型をとる英霊の武装としては、弓により射る矢として発艦され、 小型化された機体はアーチャーの意思とパイロットである妖精により操縦される。 航空機であるために長時間・長距離の飛行が可能で、それぞれの機体に搭載された武装で攻撃する。 艦載機は補充が可能なものであるという性質を宝具化しても保持しており、破壊された場合でも 宝具としては少ない魔力の消費で復元が可能。 真名解放と共に発艦させることにより、発艦後に機体のサイズとスペックが航空機としてのものに戻る。 本来の対軍規模の攻撃力を発揮するが、逆にピンポイントの対人攻撃は難しくなる。 また、真名解放後は完全な航空機であり飛び道具の領域を逸脱するため、 矢避けの加護による機体への対応を無効化する。 『赤城』 ランク:E+++ 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大捕捉:1隻 アーチャー自身が宝具である。 アーチャーの服と体そのものがEランクの神秘を帯びた装甲としての性質を持ち、非常に頑強。 また、本質が巨大な『軍艦』であるために、あらゆる対人規模の攻撃のダメージを大幅に削減し、 生物を対象とするスキルや宝具等の特殊効果の一切を受け付けない。 真名解放により、アーチャーは人型から本来の航空母艦へと姿を変える。 このとき、周囲に自分のマスターがいる場合、瞬間移動させ自分に乗せることができる。 宝具としてのランクは低いが、非常に巨大な質量を実体化させるため相応に魔力を消費する。 また、当然ながら水上でなければ移動は不可能。 しかし、人型のアーチャーがいた場所の周囲の任意の場所に出現することができるため、 実体化すれば周囲の物を吹き飛ばし、敵の頭上に出現すればその大きさと重量で押し潰すことが可能。 【Weapon】 『無銘・弓』 人型をとったアーチャーの艦装。 小型化された艦載機を矢として発艦させる。 『高速修復剤』 艦娘を高速で修復させる作用を持つ。 但し、修復に必要な魔力や資材は通常通りに消費する。 【人物背景】 大日本帝国海軍に所属する航空母艦。 「八八艦隊」で設計された天城型巡洋戦艦の2番艦として建造を開始されるが、 ワシントン軍縮条約の締結により建造途中で空母への改装を受ける。 完成した正規空母「赤城」は、その当時は空母そのものが運用の黎明期であったために 実験的な要素を多数持っており、それ故に問題が多かった。 しかし、後に近代化改装を受け、第一航空戦隊旗艦として太平洋戦争初期に大活躍を遂げる。 だが、1942年6月5日、ミッドウェー海戦にてアメリカ海軍空母「エンタープライズ」の艦載機の攻撃を受け大破炎上。 第四駆逐隊の雷撃処分により沈没した。同年9月25日、除籍。 英霊は人間ではない動物や機械などでも成る可能性があり、 彼女はその後者、艦船が英霊の域へと到達した存在である。 深海棲艦と呼ばれる存在が跋扈する世界において、『艦娘』と呼ばれる人型の英霊体で現界し、 自分たちを扱う素養のある提督(マスター)の指揮下に入り、祖国の人々を守るために日夜戦い続けている。 【サーヴァントとしての願い】 マスターに従い、助ける。 【基本戦術、方針、運用法】 アーチャークラスの中でも、広域破壊に特に長ける。 空母であり、武器が航空機であるために、攻撃範囲と破壊力は人間の延長に過ぎない他のアーチャーの追随を許さない。 サーヴァントの戦闘力は戦闘機1機分と例えられるが、それを数十機も操るわけである。 しかし、音速の攻撃にすら対応可能なサーヴァントの領域にあって、彼女の航空機は遅い部類に入る。 至近距離で不意打ち気味に巨大化させてぶつける場合などでない限り、 真名解放した航空機を1機や2機程度サーヴァントに向かわせても対処されてしまう可能性は否定できない。 宝具としてのランクも低いので、相応の宝具や技の持ち主が相手では破壊されやすいもの問題である。 対人攻撃を狙うのではなく、一度に多数の機体を投入して 敵には対応不可能な距離・高度から敵マスターを巻き込むことも視野に入れた 爆撃や機銃掃射などの範囲攻撃で一方的に叩くのが基本的な戦術となる。 宝具ランクの低さから大軍宝具としては真名解放の魔力消費は少な目で、 それにもかかわらず破壊力そのものは兵器であるために飛びぬけている。 しかし、効果的な運用には数が必要で、そのうえ戦場を選ばずに爆撃などやると 周囲への被害が大きくなるためペナルティを負う危険がある。 対人戦闘では、艦載機の真名解放は有効活用法が極めて限られるため基本的に小型のまま運用せざるを得ないが、 前述の通り速度に劣るため、接近戦の領域では容易く撃墜される可能性がある。 しかし、矢を射た後も矢が方向を自在に変えて自立的に動くのは通常のアーチャーには無い特性である。 放たれた後も敵を狙い続ける矢を多数放ち、数で攻めるのが常套手段となる。 また、軍艦であり自身が宝具あるために単純に頑丈であることに加え、 対人規模の攻撃である限り宝具であろうと彼女には殆ど通用しないのも強み。 接近戦での奥の手は、航空母艦としての船体での押し潰し。 4万トンを超える重さの鋼鉄の宝具が瞬時に頭上に現れ降ってくるという攻撃は、 どれだけ筋力・耐久・敏捷が高くとも対処は困難。 敵のマスターを巻き込めるならばなおさらである。 しかし、咄嗟の大軍宝具で撃墜される危険性はゼロとは言えないし、 天を支えたヘラクレスの様に非常に重いものを支えた逸話がある英霊には真っ向から対抗されてしまうかもしれない。 そしてこちらの宝具も周囲への被害が馬鹿にならない。 総合的に見て、主兵装が多数の同時運用を前提とする大軍宝具であるため、 燃費はかなり悪い部類のサーヴァントであり、運用する部隊の規模は常に注意が必要となる。 しかし通常のサーヴァントとは異なり資材による維持が可能であるので、 纏まった量を手に入れられれば逆に魔力効率は劇的に改善する。 たとえそうでなくとも、現在のマスターが魔法使いとして非常に優秀であるので、 資材の補給が無くとも十分な戦闘が可能である。 最大の問題は、周囲への被害を考慮する場合かなり戦場が限定されてしまうこと。 【マスターステータス】 【出典】 東方Project 【名前】 アリス・マーガトロイド 【性別】 女性 【参加方法】 『方舟』による召還。 しかし彼女は『ゴフェルの木片』に関する一切の心当たりが無い。 【マスターとしての願い】 幻想郷への帰還。 『方舟』からの脱出方法を探す。 【能力・技能】 『主に魔法を扱う程度の能力』『人形を操る程度の能力』 七色の人形使いの二つ名を持つ、万能型の魔法使い。 しかし基本的には自作の人形を魔法で操って戦うスタイルをとる。 弾幕と人形で敵を追い詰める業師。 十体以上の武器を持つ人形を同時に操り、敵に多対一を強いることで優位に立つ戦術をとるが、 アリス本人は人形の操作で手一杯になってしまうらしく、そこが弱点である。 だが実際は人形を操りつつも縦横無尽に動けるので、本当に弱点なのかは疑わしい。 また、人形を大切に思ってはいるが、爆発物を搭載して特攻させることもある。 能力は高いが、戦闘での欠点として、本気を出したがらないというものがある。 本気を出して負けてしまうと後が無くなり、それを嫌うためである。 そしてその結果負けても、それはそれで構わないと思っている。 後が無くなるということを単純に嫌う性格をしているだけなのか、 戦略上奥の手を見せることを避けているのか、その詳しい理由は不明。 流石に聖杯戦争において本気を出さずに負けて殺されることを受け入れはしないだろうが、 それでもこの流儀が基本となっていることは大きな隙となるかもしれない。 【Weapon】 『人形』 自作の人形。魔法により操作する。 どれだけの数を持っているかは不明だが、非常に多い。 人形は色々な武器を持っていたり、弾幕を放ったり、爆発したりする。 人形が他の人形を操ることもできる。 【人物背景】 魔法の森の洋館に住む魔法使い。 属性の得手不得手の無い、万能型の魔法使いにして人形師。 元人間で、修行を積んで種族としての魔法使いなった妖怪の一種である。 しかし、人間の感覚がかなり残っており、不要であるはずの食事や睡眠をとり、 祭りになると街中で人形劇を披露するなど人里との交流が深い。 かつては魔界と呼ばれるところに住んでいたらしいが、経歴には不明な点が多い。 【方針】 幻想郷への帰還手段を探すことを第一とする。 戦闘自体には忌避感は持っておらず、必要であれば戦うが、 あまり本気を出す様なことはしたくはないと思っている。 【備考】 ○赤城は艦これ世界の彼女よりもだいぶ強化されている。 あちらは艦娘という英霊が当たり前の様に出現する、それが常識である世界であるため、 艦娘そのものの神秘の格が全体的に低くなっている。 それに対してこちらは本来の英霊としての格を保持したまま現界している。 上記の様な宝具を持っているのはそのため。 ○赤城が残念なところを見せるのは多分これから。お互いに気を許してから。 まあ最初だし、しっかりしたところを見せたがるよね。
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/222.html
じくりと心が痛んだ。 これで何度目なのだろうかと男は自身に問いかける。 至って平凡なサラリーマンをしていたはずだった。 そう、そのはずだった。 なのに何故か、ここ最近になって謎の鈍痛が心から離れてくれないのだ。 ベビーカーの中で眠る赤子を、それを押しながら慈母の笑みで赤子の寝顔を見つめる母を。 公園のベンチで周りなど気にせずに泣き叫ぶ赤子を、それを両手で持ち上げながら変な顔を作ってあやす母を。 ヒモでおぶられ、無邪気に手足を動かす赤子を、時折当たる手足に苦笑いをしながらも買い物を続ける母を。 満足気な顔で哺乳瓶よりミルクを飲む赤子を、腕の中にいるその体を空いた手で撫でる母を。 そして母と父に囲まれ、惜しみない愛を注がれながら無垢な顔で眠る赤子を。 街で見かけるたびに心に得も言えぬ痛みが滲み出てくるのだ。 何が原因かは彼も分かっていない。 親にトラウマがあったわけではない、齢26で結婚に焦る歳でもない。 カップルを見てもこの痛みが湧き上がらないことから、『赤子』というキーワードが関わっているのは分かった。 分かったが、そこで終わりである。 今も道を歩いてる最中で偶然見つけた親子に対して思わず胸を抑えてしまいそうな痛みが走った。 「僕は……どうなってしまっているんだ?」 最初は違和感程度だった痛み。 それが徐々に徐々に増してゆき、今となっては肉体に影響を及ばさんばかりに膨れ上がってしまっている。 深呼吸を数度して落ち着いた彼の目に、またしても乳母車の影が見えた。 またかと彼は少しだけウンザリしたような表情を浮かべる。 赤子は嫌いではない、むしろ好きな方だ。 しかし、何度も精神を絞るような痛みを与えられると疎ましく思う気持ちが浮かぶのも事実。 出来る限り関わらないようにして通りすぎよう。 わずかに早足となった彼。 父と母に囲まれたてはしゃぐ赤子を極力目に入れにように両親の脇を通り過ぎ―――― 「清子ったら本当に元気なんだからなぁ」 父親の朗らかな声が耳に飛び込む 「ッッ!ウウウウウゥゥゥゥ」 その瞬間彼を襲ったのはやはり痛みだった。 しかし、今までのものとは違う、頭が割れんばかりの痛みが彼を襲う。 心臓ははち切れんばかりに鼓動を打ち、脂汗が顔中に滲み、唸り声が漏れだす。 そしてフラッシュバックする光景。 ―――清子といいます。清い子と書きます。 自分の声で、自分の口調で、誰かが喋る。 その声色は嬉しげで、楽しげで、そして慈しみがあった。 まるで、我が子を思う父のように。 見覚えがない光景があたかも自分のものであるかのように流れこむ感覚。 「……じょうぶ、大丈夫ですか!」 遠くなる意識が急に呼び起こされた。 霞む視界が徐々に鮮明になってゆく内に見えたのは、今しがたすれ違ったばかりの父親の顔。 「すみません……立ちくらみがしたもので」 何度も安静にしているように呼びかけてくる彼を静止し、覚束ぬ足取りで歩き始める。 目的地は分かっている。 行かねばならぬ場所は分かっている。 何故そこに行かねばならないかは分かっていないが、行かなくてはならないという使命感だけは存在していた。 一向に良くならぬ体調に、足を引っ張られながらも彼は一度も休むことなく歩き続けた。 そして辿り着いたのは街の外れに存在している倉庫。 周囲には背の高い草が生い茂り、壁面のペンキは所々が剥げている粗末なモノ。 敷地への入り口に置かれたフェンスを乗り越え、扉に架かっていた鍵を近くに落ちていたブロックで無理やり破壊し、彼は倉庫の中へと入ってゆく。 「あ、あぁ……」 そこにあった物を見た瞬間、彼は全てを思い出した。 「そうか、僕は」 残してきた妻子、容赦なく命を奪いにくる戦場、臆病者と呼ばれようとも生き残ることを選んだ自分。 教え子たち、見捨ててきた同胞達、そして最後の決意、特攻という名の黄泉路へと飛び立っていったこと。 全てを、そう、全てを彼は思い出した。 零戦二一型。 最期を共にすると思われた戦闘機の姿を彼はただ呆然と眺めていた。 いつまでそうしていたのだろう。 時間が経つのも忘れて呆然としていた彼は、半ば衝動的に戦闘機のコクピットへと乗り込んでいた。 「なぜ……なぜ、俺は死ねなかった」 彼を知るものなら誰もが驚愕するであろう言葉が彼の口から漏れだした。 生きて家族の元へ帰る信念を持ち続けていた彼が初めて死を仄めかす言葉を吐いた。 そう言ったきり彼は操縦桿へと突っ伏し、またしても動きを止める。 またしても時が流れてゆく。 薄暗い倉庫は静寂に包まれ、時が止まったかのような様相を見せている。 「原寸大の零戦ですか、とても懐かしいものを見ました」 落ち着いた声が止まった時を動かし始めた。 宮部が顔をあげると、1人の少女が倉庫の入り口に立っていた。 「航空母艦、赤城です。空母機動部隊を編成するなら……じゃなくって。 貴方が私の提督(マスター)なのでしょうか?」 「赤城……だって?」 道着に赤い袴、胸当て。そして手にした弓と矢筒。 記憶とともに聖杯戦争の知識を得た宮部にはそれがアーチャーのサーヴァントであることが一目で分かった。 しかし、そんなものは彼にとってはどうでもよかった。 問題なのは彼女の名乗った「航空母艦赤城」という名、そして肩に備え付けられた見覚えのある甲鈑の姿。 「はい、一航戦赤城です!」 「すみません、僕が知っている赤城は人ではなく船だったはずなのですが?」 二度目の名乗りを経ても事態が飲み込めぬ宮部。 当の赤城はというと、それもそうでしたねと得心の行ったように手を叩き、自己紹介を始めた。 曰く、彼女は艦娘という艦艇が転生して生まれた存在であること。 曰く、彼女たちはあくまでも艦船が転生した存在であり見た目は少女なれど中身は人にあらざるものであること。 曰く、彼女たちが存在しているのは大東亜戦争が終戦してから遥か未来であること。 曰く、彼女たちは深海棲艦と呼ばれる異形と日時戦っていること。 「そうでしたか、あなたは今も戦っているのですね」 全てを聞き終えた宮部は、静かに声を出した。 彼女の話を疑う様子はない。 聖杯戦争に巻き込まれた今、空母が少女の姿をしていてもおかしくないのでは、そう思えたのだ。 「あの、見当違いでいたらすみません。もしかしてあなたは私の―――」 「申し遅れ失礼致しました。私、航空母艦赤城の元乗組員……宮部久蔵少尉であります」 宮部の口ぶりから感じるものがあった赤城は抱いた疑念を率直に話す。 彼女の予想は正しかった。宮部は赤城の艦載機のパイロットとして真珠湾攻撃からミッドウェー海戦までを戦ってきたのだ。 綺麗な敬礼をする彼がかつての戦友であったことを知り、彼女の胸に何か感慨のようなものが生まれる。 「あんまり堅苦しくならないでも大丈夫です、マスター。 それにしても、不思議な感覚ですね。私を看取った人と今、こうして同じ戦場で再会するとは」 「そうですね、私もそう思っております」 両者の口元に小さな笑みが浮かんだ。 楽しい話ではない。 辛いことも共有している2人。 それでも彼らは思い出話に花を咲かせた。 しばしの間、彼らの歓談は続き、ミッドウェー海戦の直前で終わる。 看取ったものと看取られて者という関係上、触れにくいのだろう。 宮部の気遣いを感じ取った赤城は、話を変えることにした。 別段当時の話を避けたいわけでもないが、厚意を無駄にするのも忍びないと思ったのだ。 そして、彼女が口にするのは当然の疑問。 聖杯戦争に赴いた人間には必ず尋ねられるであろう話題。 赤城は何気なく口にした。 「伺ってもよろしいでしょうかマスター、あなたは何を望みこの聖杯戦争に挑むのでしょう?」 空気が凍りついた。 その時宮部が浮かべた表情を見た赤城は、何故こんな質問をしてしまったのだろうかと後悔した。 元同僚、同じ戦場で戦った人間。 そんな彼が何を抱えて聖杯戦争に赴いたのかなど、分かるはずだった。 たとえ詳細は分からずとも、理解できるものはあったはずだった。 赤城の悔いを知ってか知らずか、宮部は言葉を発した。 「分からない……」 「分からない、ですか?」 分からない、そう呟いた宮部が小さくなって行く。 元々持っていた柔らかなそれが完全に消えてゆき、空虚さが生まれ出た。 赤城が咄嗟に聞き返した言葉に対し、宮部はポツポツと語り始める。 「私には一つだけ願いが有りました。 臆病者と周りからなじられようとも、これだけは絶対に果たさねばならない願い」 宮部久蔵は周囲より臆病者であると嘲笑われていた。 少しでも劣勢になるとすぐに戦場から離脱する臆病者。 あまつさえ、周囲にまで誇りでなく命を惜しめと吹聴して回る始末。 戦闘機乗りとしての実力だけは誰もが認めるものであれど、彼は物腰の柔らかさと、その事から周囲に軽んじられていた。 それでも宮部は周囲の言葉に耳を貸さずに自身のスタンスを貫き続けていた。 たったひとつの約束を守り抜くために。 「私は生きて家族の元へと帰りたかったのです。 松乃、妻とも必ず帰ると約束を交わしていました。 清子、娘を腕に抱いた瞬間、その望みはより強くなりました。」 軍人失格ですね、彼は自嘲気な笑みを浮かべた。 赤城は喉元まで込み上げてきた『そんなことはない』という言葉を飲み込む。 話の全てを聞かずに軽々しく否定できるものではない。 彼の背負っているものを知らずに答えが出せるものではない。 赤城の心情も他所に、張り付いた笑みを消し再び空虚さを纏い始めた彼が話を続ける。 「赤城さん、特攻隊というものを知っていますか?」 赤城の心臓が掴みあげられたかのように大きく跳ねた。 艦娘として現界してから、けじめとして先の大戦を調べている時に見つけた存在。 記述を読んで思わず本を取り落とすまでに手が震えた作戦。 まさか。 そんな考えも出ず、疑念を通り越して確信となった。 「私は、特攻隊の一員として出撃した直後にここに呼ばれたのです」 宮部の言葉は、赤城の予測を上回ることも下回ることもなかった。 当たっていてほしくない。彼女は心の底からそう思っていた。 そんな願望は脆くも崩れ去ることとなってしまう。 僅かに狼狽した赤城に構うことなどなく、宮部は言葉を紡いでゆく。 「実を言うと、生き残る好機はあったのです。 あの時、私はあの機体の故障に気がついていました。 きっと、このまま出撃すれば途中で着陸せねばならないことになると。 私はただそ知らぬ顔で故障した機体に乗り込めばよかったのです。 敵艦に体当たりをせず、翌日以降に希望を繋ぐことができると知りながら、私はその選択をしなかった。 私は最期には家族と生きる権利を手放したのです」 軽く息継ぎをし、彼は続けた。 「私は教え子の大石少尉に生きる権利を譲ったのです。死ぬ覚悟を決めてしまったのです」 なぜ、その選択をしたのかは語ることはない。 赤城にとって、それは理解できることであり、理解できないことでもあった。 全てを聞いてもきっとその答えは分からないのだろう。そんな確信もあった。 「家族は大石少尉に託しました。心配はありません。 彼は約束を果たしてくれる、そんな男だと知っています」 彼がようやく、自嘲ではない笑みを見せた。 しかし、そこにあるのは純粋な喜びや安堵でもない。 色々な感情をまぜこぜにして、それを表に出したら笑みになった。 そう形容するしか相応しくない表情であった。 「ならば、僕は何を願えばいいのでしょう? 僕に家族の元へ帰る権利があるのでしょうか、見殺しにした僚機に償いをしなくてもよいのでしょうか。 私が生きるための犠牲となった教え子を救わなくてもよいのでしょうか。 生還して特攻を成功させなければならないのでしょうか。 初めから大東亜戦争をなかったとこにする、それは許されることなのでしょうか? そもそも僕に生きる資格があるのでしょうか。 分からない……僕には分からないのです……」 分からない。 またしても彼はその言葉を呟く。 願いは確かにある。 願いはあるのだが、彼にはどうしてよいのかが分からなかったのだ。 必然、赤城にも彼が本当に望むことが分かるはずもない。 「大石少尉に別れを告げた時、私は確かに覚悟を決めていました。 最期に時に至るまで心は静かに澄みきり、微笑みすら浮かべられるのではないか、そんな心持であったのです」 あの時の彼は確かに覚悟を決めていた。 自身の気持ちはともかく、『いく』という意思だけはあった。 ですが、と血を吐くように彼は呟く。 「私は生き延びてしまった」 彼の覚悟は宙ぶらりんとなってしまった。 生き延び、あまつさえは何でも願いが叶うと言われる。 そのような状態で彼は何もかもを見失っていた。 いっそ、死の際に立った方が自身の本当の願いが浮き彫りになるのではないか。 そう思うほどに彼の心は擂り潰されていた。 「赤城さん。貴女は何故戦えるのですか? 僕は零戦から貴女が死んでゆく姿を見ました。 炎に囲まれ、爆風に巻かれ、そんな無残な姿を上空から見届けていました。 だから疑問に思わずにはいられないのです。 深海で静かに眠っていられたら、そうは思わないのですか」 「……私は"そういうもの"として生まれましたから。 民の、戦友の、大切なモノのために戦う、空母であった頃から艦娘になるまで抱き続けた不変の信念です。 それが私の矜持であるとも言えるでしょうね」 赤城は、いや艦娘はその一点でぶれることがない。 信念のもと戦い続ける。 宮部にとって彼女は太陽であった。 あまりに眩しく、近づこうとすると妬け死んでしまいそうな存在。 「その大切なモノを失い続けたとしても?」 宮部の質問に、赤城は僅かな躊躇すら見せず首を縦に振る。 「ええ、全てを失うまでは。いえ、全てを失ったとしても」 彼女は幾度も喪い続けてきた。 艦船だった頃の乗務員、僚機達、守るべきだった国民。 艦娘になってからの仲間。 喪った命を悼みながらも、彼女は戦うという行為を決してやめようとしない。 羨ましいですね。宮部がポツリと呟いた。 「そうやって信念を貫くことができない、できなかった――――」 「僕は……どうすればいいのでしょう?」 赤城はついに彼の苦悩に応えることができなかった。 彼女と共に戦った乗組員は、艦娘は強い意思を持って戦っていた。 彼もきっとそのそうな人間だったのだろう、赤城にもそれは分かる。 故に、その信念が崩された今、どうすればいいのか分からなくなっているのだろう。 それも理解できる。 だが、彼にかける言葉が見つからなかった。 彼女の前で弱音を吐く人間や艦娘が居ないわけではなかった。 が、彼ら彼女らが見せる弱みは断末魔の囁き。 赤城にも聞かぬことにする情けが、慰めの言葉と共に看取る優しさが無いわけではなかった。 そんな彼女でも、眼前に居る男に何を言うべきなのか分からなかった。 これからの存在している生きた屍にどのような言葉を掛けるべきなのか答えを出せなかった。 彼女は自分の無力さに臍を噛む。 「赤城さん、僕は――――」 【出典】艦隊これくしょん -艦これ- 【CLASS】アーチャー 【マスター】宮部久蔵 【真名】赤城 【性別】女性 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力C 耐久A 敏捷C 魔力E 幸運C 宝具E 【クラス別スキル】 対魔力:E 魔術に対する守り。 無効化は出来ない。ダメージ数値を多少削減する。 近代の英雄である赤城は魔力に対する耐性を持たない。 艦娘が英霊に近似した存在であるといえども、魔術の無い世界の英霊は魔力への耐性を持ち得なかった。 単独行動:B マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 艦娘は人の手から独立し、自身の意思で動き始めた艦船であるため、そこそこの単独行動スキルを得ている。 【固有スキル】 艦娘:A 軍艦より転生した存在であることを示すスキル。 その存在故に宝具でありながら英霊であるという特異な性質を持っている。 外見は少女ながら、その身体能力は人間とは比べ物にならない。 また、高速修復材(ここでは魔力で代用する)などを用いることで瞬時に回復することも可能。 奇襲 B 真珠湾攻撃に加わっていた史実より。 初撃時のみに同ランクの気配遮断と同程度の気配遮断能力を得る。 逆に通常時などには能力を発揮することがない。 なお、真珠湾攻撃が奇襲になったのは幾つかの要因が重なったゆえの結果的なものであり、赤城自身はこのスキルを好いていない。 水上戦:A 彼女たちは本来は海上で戦うために生まれた存在であり、故に水上戦ではランクが1上昇する。 自己改造:B 本来ならば、自身の肉体に別の肉体を付属・融合させるスキルであるが、空母である彼女は肉体ではなく資材を自身の体に融合させる。 それによって改造や近代化改修を行い、ステータスを上げることができる。 【宝具】 『正規空母 赤城』 ランク:E 種別:対軍宝具 レンジ:10-99 最大捕捉:100人 艦娘としての特性ゆえに彼女自身が宝具として扱われている。 空母である彼女は艦載機を飛ばすことによって攻撃や索敵を行うことができる。 艦載機は人間体となった彼女のサイズに合わせて小型化している。 なお、喪った機体は魔力によって比較的低コストで補充が可能。 彼女の艦載機は『零式艦戦21型×18』『九九式艦爆×18』『九七式艦攻×27』 宮部久蔵の搭乗機であった『零戦二一型』も離陸させることが可能である。 その際にサイズが縮むこともなく、魔力が付加されるためサーヴァントにダメージを与えることも可能。 大破しても魔力で修繕することができるがパイロットは宮部自身となっている。 また、彼女は多大な魔力を消費することで『改造』し赤城改になることができる。 改造を行うとステータスが上昇するが、一般人の宮部の魔力量では不可能であり、令呪によるブーストなどが必須である。 【Weapon】 『無銘』 人間体となった赤城の持っている弓。 赤城はこれにより艦載機を射出している。 【人物背景】 当初は戦艦として製造されたものの、ワシントン海軍軍縮条約を経て空母へと改造される。 1925年4月22日進水。 近代化改修を経て真珠湾攻撃に参加し多大なる戦果を上げる。 が、ミッドウェー海戦において大破炎上。味方艦によって雷撃処分され軍艦としての生涯を終えた。 その後、艦娘として転生し新たな提督の下で深海棲艦と戦い続けている。 性格は温和であるが、慢心しがち。 資材をやたらと食う(実際は彼女以上に資材を要する艦娘もいるが)ことから二次創作では大食いキャラとしてネタにされることもしばしば。 【基本戦術、方針、運用法】 水上戦が真骨頂であるが、聖杯戦争においてその条件をみたすのは厳しいのが辛い。 アウトレンジからの攻撃を得意としているので、艦載機を用いて相手を近づけずに自身の間合いで戦い続けるのが肝か。 【マスター】 宮部久蔵@永遠の0 【参加方法】 何らかの方法で『ゴフェルの木片』を入手。 【マスターとしての願い】 ??? 【weapon】 零戦二一型 【能力・技能】 軍人として日夜鍛え続けた肉体があるが、超人たちには敵わない。 彼の真骨頂は誰もが「エース」と認める程の操縦技術にある。 【人物背景】 第二次世界大戦時の旧大日本帝国軍人。 大体本文で書いたからそっち、欠けてる部分は原作を参照して頂ければ 【方針】 ???
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/35.html
時槻雪乃&アーチャー ◆yy7mpGr1KA 人間とこの世界は、〈神の悪夢〉によって常に脅かされている。 神は実在する。全ての人間の意識の遥か奥、集合無意識の海の深みに、神は存在している。 この概念上『神』と呼ばれるものの最も近い絶対存在は、人間の意識の遥か奥そこで有史以来眠り続けている。 眠っているから人間には無関心で、それゆえ無慈悲で公平だ。 ある時、神は夢を見た。 神は全知なので、この世に存在するありとあらゆる恐怖を一度に夢に見てしまった。 そして神は全能なので、眠りの邪魔になる、この人間の小さな意識では見ることすらできないほどの巨大な悪夢を切り離して捨ててしまった。 捨てられた悪夢は集合無意識の海の底から泡となって、いくつもの小さな泡に分かれながら、上へ上へと浮かび上がっていった。 上へ―――人間の、意識へ向かって。 人間の意識へと浮かび上がった〈悪夢の泡〉は、その『全知』と称される普遍性ゆえに人の意識に溶けだして、個人の抱える恐怖と混じり合う。 そしてその〈悪夢の泡〉が人の意識より大きかった時、悪夢は器をあふれて現実へと漏れ出すのだ。 かくして神の悪夢と混じり合った人の悪夢は、現実のものとなる。 〈神の悪夢〉である〈童話〉に似た形で、恐怖は現実のものとなる。 ◇ ◇ ◇ 時槻雪乃はこの地に来て即座に記憶を取り戻した。 それは彼女が世間でいうところの霊能者で、異常事態に精神的にも、能力的にも耐性があったからかもしれない。 あるいは幸か不幸か、彼女が一人じゃなかったからだろうか。 『おはよう、雪乃。起きたかしら?それともまだ夢の中?』 神の泡による異常現象、それを曰く〈泡禍(バブル・ぺリル)〉と呼ぶ。 全ての怪奇現象は神の悪夢の欠片であり、この恐怖に満ちた現象は容易く人の命と正気を喰らうが、ごくまれに存在する〈泡禍〉より生還した人間には、巨大なトラウマと共に〈悪夢の泡〉の欠片が心の奥に残ることがある。 〈断章(フラグメント)〉と呼ばれるその悪夢の欠片は、心の中から紐解くことで自ら経験した悪夢的現象の片鱗を現実世界に喚び出すことができる。 時槻雪乃もそんな〈断章保持者(ホルダー)〉の一人で、時槻風乃は彼女の断章の一部だ。 姉、風乃はかつて泡禍を引き起こし、3年前に両親を惨殺して自殺。いまは雪乃の〈悪夢〉の一部となっている。 その亡霊を黙殺し階下に歩む。 「おはよう、雪乃」 『久々だけど、いい人たちじゃない。私のいない家はこんなにも平和』 リビングに惨殺されたはずの両親がいた。 あるいは記憶を取り戻したのはこの時だったかもしれない。 起き抜けで意識が覚醒しきっておらず、戦意を持っていなかったのは幸か不幸か。 異常事態に反射的に一帯を焼き払っていてもおかしくはなかった。 〈聖杯戦争〉について理解したのは、慌てて部屋に駆け戻った瞬間だった。 『あら?もしかして妙なことになっているのに気付いてなかったのかしら?』 異常事態を認識した。 かつて彼女も巻き込まれ、そして憎み続けている現象。 いつの間にか〈泡禍〉は進行しているらしい。 「どうなってるのかしら、姉さん?」 『さあ。詳しい話はむしろこちらが聞きたいくらいなのだけれど。私が殺したはずのあの二人が生きているなんて、どこの誰の泡禍かしら?』 話をしながら部屋の私物を確かめる。 ゴシックロリータのドレス、カッターナイフ、携帯電話、他諸々の家具なども記憶のままであると確認。 そして携帯のアドレスを確認するが……そこにあるのは親戚やら学校やらの知り合いの名前だけ。 以前から知っている名前だったか、植えつけられた記憶かすら定かではない。 神狩屋も、葬儀屋も、群草ロッジも、喫茶アプルトンも……白野蒼衣のも何一つ残っていなかった。 ひとまずリボンを身に付け、カッターの刃を引き出し心身ともに戦闘態勢をとる。 すると 「痛っ…」 右手首の内側に痛みが走り、雪の結晶のような聖痕が浮かび上がる。 そしてその痛みに断章が引き出され、左手に巻いた包帯から煙が上がる。 そして引き出された断章が、トラウマとは別の形でどこかに流れていくような感覚と共に、炎ではない像を結ぶ。 …その像は胸に穴の開いた、長身の男性の形になると、即座に刀の切っ先を風乃に向けた。 「マスター、急いでここから離れてくれ」 雪乃に対して気だるげに、しかし慌てたように警句を送る。 雪乃自身も突如現れた男に、何よりその尋常ならざる速度と空気に気圧されるが、男に見えるステータスと与えられた知識から何が起きているかを理解し、対処する。 「やめなさい、その人は敵じゃないわ」 『あら、私は構わないわよ。敵じゃないと言ってくれるのは嬉しいし、可愛いアリスとも出会えたけれど、それでも私を認識できる稀少な人なんだもの。 好意の反対は無関心、というでしょう?気付かれないよりもこうして刃を向けられる方がよっぽど喜ばしいわ』 制止の言葉と陶酔したような応答、よくよく見れば近似した容姿に敵ではないのかと至り、刃を収め霊体化しようとする。 しかしそこにさらなる乱入者。 「うだうだ言ってねーで離れろ!スタークの霊圧に潰されるぞ!」 角の生えたヘルメットのようなものをつけた少女が雪乃を引き離そうとする。 新たな人物の登場に今度は雪乃が戦意を表そうとするが 『よせ、リリネット』 霊体と化しても確かな力強さを感じる念話を送る。 反抗的な声を僅かに漏らすがしぶしぶ従い、少女もまた姿を消す。 『ほら雪乃も落ち着いて。色々と確認した方がいいでしょう?』 『そうだな。そちらさん同様こっちもいろいろ気になるしな』 『顔を見せて話してよ。意外とシャイなの?それとも先日の〈泡禍〉みたいに赤ずきんを食べようとしているのかしら?』 風乃の言葉と、先ほどまでの雪乃の様子も鑑み、恐る恐るといった感じで再び姿を現すスターク。 「あんたたち、俺の霊圧でも何ともないんだな……」 『さっきの子も気にしてたわね、レイアツって』 「あなたの〈断章効果(エフェクト)〉?私も〈断章保持者〉だから多少なら大丈夫だけれど」 雪乃たちに霊圧という概念はなく、故に自らの断章が耐性となってスタークの能力が無効化されているのがどれだけ尋常ならざることかわからない。 対してスタークは〈探査神経(ペスキス)〉を走らせ、雪乃が霊能者であることを理解する。 それがかつてのスタークの霊圧を無視できるほどのものではないにもかかわらず、今の彼女たちは平然としていることも。 「そうか……俺は、いや俺たちは、弱くなったんだな」 サーヴァントとなったことによる弱体化。 その事実を自嘲気に、しかし嬉しそうに受け入れる。 「何だか納得しているところ悪いけれど、色々と聞きたいことがあるわ」 「ん、ああ。俺に答えられることならね」 「〈聖杯戦争〉とは何か、そしてあなたとさっきの子が何か」 予想通りの問いに面倒くさそうな顔をするが、一つ一つ答える。 アーチャーのサーヴァント、コヨーテ・スターク/リリネット・ジンジャーバックという存在である事。 聖杯戦争のルール、サーヴァントによる殺し合いと万能の願望器のこと、存在するNPCのこと、己が能力など。 『〈聖杯戦争〉、円卓の騎士の真似事が今回の〈泡禍〉の物語かしら?アリスの意見も聞いてみたいところね』 「ところであんたはマスターの何なんだ?破面の一種かと思ったぞ」 「その人は私の姉で、私の〈断章〉の一部。本当は私にしか認識できないはずなんだけど、あなたも人の悪夢を共有するとかそういう〈断章〉を持ってるの?」 白野蒼衣という風乃を認識できる〈断章保持者〉という前例がなければ、聖杯戦争の知識がなぜか植えつけられてなければ、風乃への対応に平静ではいられなかっただろう。 それでもこの男の能力に疑念を持ち、さらに問う。 「さっきから言ってる断章ってのは何なんだ?あんたの斬魄刀か?」 質問に対する答えは、補足説明の要求。 互いの常識の差異が理解を滞らせる。 風乃の発言も交えて〈泡禍〉について、〈断章〉について話す。 聖杯戦争もその泡禍でないかという考えも述べるが、それには疑念を返される。 「マスター達が泡禍とかいうのを経験したのを疑うつもりはない。断章とかいうのを持ってることもな。 俺の霊圧の影響を受けてないみたいだし、魔力供給もされているからな。 そっちの姉さんとやらが見えてるのは俺が虚という霊だったからか、マスターの魔力で現界してるからかは分からんが。 だが聖杯戦争まで泡禍だってのは飛躍しすぎだし、ましてや俺の能力はあんた達のとは別物だ」 「泡禍以外の異常現象が存在するとしても、聖杯戦争という〈物語〉の形をとっている以上、私はこれを泡禍と判断するわ。 人を異常な形で巻き込み、死傷に至るなら私にとっての敵と何も変わらないのだから……あなたはどうなの?私の敵になるなら」 殺すわよ。 右手にカッターナイフを持ち、そう凄む。 その殺気が偽りないものであると感じたか、再びリリネットが割って入ろうとするが 「よせ」 再びスタークが軽くあしらい、送還する。 「……俺の願いは殆どもう、叶ってるんだ。あとはマスターと信頼関係が築ければ完璧なくらいだ」 「随分と都合のいい物言いに聞こえるけど」 『あら、そうでもないと私は思うわよ』 従順な姿勢を崩さないスタークに雪乃は疑惑の目を向けるが、対称的に風乃は肯定的に愛おしいものに向ける目。 『彼はね、一匹狼なのよ。知ってる?本当は狼は群れで過ごす生き物なんだって。 普通は群れを乗っ取るか、一匹狼同士寄り添うことで群れを形成するものだけれど、彼はそれができなかったの。 あまりに強大になってしまったがゆえに共に過ごせるものはいなかった。当然よね、人と巨人が共に過ごせば些細なことで人は踏みつぶされてしまうでしょう。 私とあなたは知らず知らずのうちに野獣に寄り添う乙女になっていたのよ、雪乃』 時槻風乃は生前も人の内面を見通す少女だった。 スタークの語った能力とこれまでの振る舞いから、内に抱えた孤独を、その願いを見抜き、そして肯定する。 『絆という字はもとは家畜を繋ぐための縄の事、束縛やしがらみを意味するの。 それでも人は弱いから人と絆を結ぼうとする。たとえそれが絞首台の縄でも。 とても強いのに、こんなにも弱々しいなんて可愛らしいじゃない』 くすくすと笑いながらスタークを援護する。 スタークの方はマスターへのある種の依存と、かつて傅いた男のことを言外に指摘され苦い顔。 最もここまでの風乃の発言に悪意はなかったが 『でもあなたの力が本当に〈泡禍〉によるものではない保証はないんじゃない? 泡禍はあなたの恐怖を具現する。孤独を恐れたあなたに孤独が訪れたのは泡禍によるものではないとなぜ言えるの? あなたの〈断章〉が例えば周囲の人物を認識し、それを死に至らしめることであなたを孤独にするものであるとしたら、私を認識できるのにも納得いくわ。 雪乃の〈断章〉で無効化できているののは事実なのだし』 今度は悪戯心、程度の悪意を籠めた発言。 しかしさすがは〈神の悪夢〉の欠片か、トラウマに触れるその話しぶりにはスタークに仲間意識などない雪乃も顔をしかめた。 「……あんたの姉さん、いい性格してるな。おまけにまだ何か言いたげと来た」 まだ何かか言いたげな風乃に皮肉をいいつつ、続きを促す。 風乃は笑みを深め、さらに雪乃に対しても少しの悪戯心を持って答える。 『〈断章効果〉が聞かない人間は三種類。〈断章保持者〉に〈潜有者(インキュベーター)〉に〈異端(ヒアティ)〉。 下にいる雪乃の両親のようなナニカは、聖杯戦争に則っていうならNPC。私たちの認識でいうなら〈泡禍〉により生み出された化生、〈異端〉だわ。先日焼いた赤ずきんの狼のようにね。 もしあなたの能力が〈断章〉で、かつこの聖杯戦争が〈泡禍〉なら彼らにあなたが触れても倒れることはないでしょう……試してみたら?』 能力と現状の確認、という一点だけ見ればその一手は効率的だ。 生じ得る犠牲の可能性を考慮しなければ、だが。 「……おい、いいのか?」 「…………あなたがいいなら、いいわ。やって」 偽りとは言え彼らは雪乃の、そして風乃の両親だ。それを危険にさらすような真似をするのか、という問い。 答えに悩むが、偽りに過ぎない両親への心配など無意味と切って捨て、むしろそんなくだらないことで〈断章〉を晒すのかという彼女なりの心配を返す。 僅かに煩悶したのちにスタークが首を縦に振り、それを受け雪乃もゴシックロリータに着替える。 もしもNPCが〈異端〉であり、スタークの力に反応して襲い掛かってきても構わないよう戦闘態勢になる。 着替え終わると部屋の外で待たせたスタークと合流し、階下に降りて再び偽りの両親と邂逅する。 幸か不幸か、戦闘になることはなかった。 スタークが近付き少しすると、両親ともに意識を失ったから。 スタークはそれを見て悲しげな顔をするとすぐに霊体化し、今度はこちらからリリネットを召喚、両親をベッドに運ばせる。 雪乃の細腕では両親を運ぶことは難しく、スタークが実体化してては命を削ることになりかねないから。 「……あなたが〈断章保持者〉であるなら、聖杯戦争は〈泡禍〉ではない。逆に聖杯戦争が〈泡禍〉ならばあなたは〈断章〉ではない異能の保持者。 少なくともそれは認めなければいけないみたい、ね」 『ああ、そうらしいな。それでそれが分かって何か心情に変化は?』 「ないわ。聖杯戦争が〈泡禍〉であってもそうでなくとも、これの原因を断つ。その方針を改めるつもりはない。 あなたも、私の力で形になっている姉さんのようなものだと考えれば、〈断章〉みたいなものだと思える。戦力としては多少は当てになりそうだしね」 『出立かしら、雪乃?』 出ようとする雪乃に風乃が声をかける。 ゴシックロリータのままだが、当然だ。これが雪乃の戦闘着で、きっと死装束なのだから。 学園の制服を着て日常にかまけるつもりなどない。 一刻も早くこの事態を解決する。 『この家とあの二人はそのままにしておくの?こんな愚かしい藁の家の存在を許すの? こんな、聖杯なんてものに作られた偽りであっても日常を受け入れたら、あなたを動かしている憎悪、痛み、血、その全てを否定することになる。 ……焼いてしまいましょう?このあり得ない歪な異物を灰に帰してしまいましょう?』 風乃が日常的に囁く、破滅への導き。 だがこの場に置いては〈泡禍〉を殺せ、という騎士としての責務でもあった。 いつもなら一蹴するが、これを一蹴はできず、彼女も騎士として答えた。 「神狩屋さんにも葬儀屋さんにも連絡がつかない以上、隠蔽ができない……今はまだ、早い」 家庭の夫婦の死、それが報じられては活動に支障をきたす。 田上颯姫の援護なしに大事は起こせない。 神狩屋がない以上、ここを拠点にする必要もあるだろう。 『あら、そう。つまり、〈食害〉や〈アンデルセンの棺〉が用意できるなら彼らを殺すのね?』 悪戯心などではない、明確な悪意に満ちた問い。 しかし〈泡禍〉を、怪奇現象を憎む以上、死者である両親がいるなどという異常事態は許せないのが〈雪の女王〉だ。 だから 「殺すわ」 カッターを強く握り、そう答える。 『それなら彼らとの連絡手段も模索しなきゃね。可愛いアリスとも話はしたいし』 愉快気に笑みをこぼし、妹に両親の殺害を教唆する姉の亡霊。 そして狂々と自論を語り続ける。 『でもそれが意味のある行動だといいわね?眠って起きたら、ここにいた。 まるで〈不思議の国のアリス〉。蒼衣(アリス)と夢見子(ウサギ)が出会ったあの時から、少女(あなた)は眠って夢を見ていたのかもしれないわね……そして今も。 ここが少女(アリス)の見る夢なら、あなたは〈チャシャ猫〉のように巻き込まれただけかも。ここが夢なら、悪夢から覚めなければ彼らに会うことはできないわ。 ……それともこれは〈美女と野獣〉かしら?もしかすると〈雪の女王〉かもしれないわね?』 「うるさいわ。いい加減黙ってて」 どうでもいい。 これがどんな〈童話〉を象った〈泡禍〉でもどうでもいいのだ。 それが〈泡禍〉であるならなんだろうと滅ぼすと3年も前に決めた。 自分だって。両親だって。蒼衣(アリス)だって。 それが泡禍の根源なら、殺すだけ。 【クラス】 アーチャー 【真名】 コヨーテ・スターク@BLEACH 【パラメーター】 筋力C 耐久B 敏捷A+ 魔力C 幸運E 宝具EX 【属性】 中立・中庸 【クラススキル】 単独行動:EX 宝具により規格外にまでなっている、最早呪いじみた《孤独》の運命。 マスター無しでも現界、全力戦闘が可能。 しかし当然無尽蔵ではなく、宝具の乱発などすれば一人孤独に消えていくことになる。 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術・儀礼呪法など大がかりな魔術は防げない。 【保有スキル】 十刃:A+ 虚(ホロウ)が仮面を剥ぎ、死神の力を手にした種族、破面(アランカル)。その中でも指折りの戦闘力を持つ者に与えられる称号。 第一の数字を与えられ、また特に死神に近い特徴を持つ彼は最上位で保持する。 虚の技能である虚閃(セロ)という光線、死神の斬魄刀と能力解放を模した帰刃(レスレクシオン) 他に破面の技能である響転(ソニード)という高速移動や虚弾(バラ)という高速光弾、探査回路(ペスキス)という感知能力、身体特徴である鋼皮(イエロ)という強靭な外皮 さらに十刃のみが扱う王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)に黒虚閃(セロ・オスキュラス)など多彩な能力を保持する霊的存在である。 神性を持つ相手に追加ダメージ判定を行う。相手の神性が高ければ高いほど成功の可能性は上がる。 また魂を喰らう種族であるため『魂喰い』による恩恵が通常のサーヴァントより大きい。 直感:D 戦闘時、つねに自身にとって有利な展開を“感じ取る”能力。 攻撃や敵の能力をある程度は予見することができる。 魂魄改造:―(A) 自身の霊体、魂を改造する能力。 このランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていく。 これにより彼は自らの魂を引き裂き分かち合い、スタークでもありリリネットである弾頭を呼び出せる。 またかつて自らの魂を斬魄刀ではなくもう一人の自分として形成したこともある。 帰刃状態でのみ行使可能なスキル。 道具作成:E 魔力を帯びた道具を作成する技能。 霊子で構成された武器を発現させる。 様々な武器を発現可能で、劇中では剣を発現させ使用している。 【宝具】 『一人(プリメーラ・エスパーダ)』 ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:1~8 最大捕捉:上限なし 十刃(エスパーダ)には個々に司る死の形があり彼のそれは《孤独》である。 実体化している限り、現界に消費した魔力量に応じて自身の周囲に無意識に霊圧を放ち、一定以下の実力者はその霊圧にすら魂を削られる。 レンジ内で長時間存在した場合、4つ以上Cランク未満のパラメータを持つ、または3つ以上Dランク未満のパラメータがあるもので意識混濁、4つ以上Dランク未満のパラメータがあるもので意識消失、しばらくすると死亡する。 大多数のマスターやNPCは堪えるのが難しいが、サーヴァント化により大幅に弱体化しており即座に離脱すれば影響は少ない。 また対魔力やそれに準ずる呪術、魔力、霊障などへの耐性があれば容易く無効化も出来るようになっている。 この宝具は現界に消費する以上の魔力は要求しないが、自身のマスターにも効果を及ぼし、令呪を以てしても停止・破棄できない。 またいかなるクラスで召喚されようと単独行動のスキルをEXランクで保持させる。 『二人(リリネット・ジンジャーバック)』 ランク:EX 種別:― レンジ:― 最大捕捉:― スタークが破面化した際、通常は肉体と刀に分ける虚の力を1体の虚が2つの肉体に分けた半身の様な存在。 彼女が存在する限りスタークは一人じゃない。 分身であるリリネットと一体化することで後述の宝具は解放される。 ステータスは筋力:E 耐久:C 敏捷:E 魔力:E 幸運:E 相当。刀身が湾曲した形の刀を武器とし、折れた角のような部分から取り出す。一応虚閃も撃てる。 本来スタークの一部であるため『一人(プリメーラ・エスパーダ)』による影響を受けない。 そして彼女も《孤独》の運命を背負っており、EXランクの単独行動スキルを持つ。 ある意味で魂の物質化という第三魔法に近付く偉業であるためEXランクとなっているが、戦闘などに役立つかといえば否。 猫の手よりはまし程度だろう。 一応宝具化に伴い霊体化というか、送還可能になっているが、勝手に出てくることもある。 基本的に余計を消耗を控える為に、用もなく出てくると引っ込められる可能性が高いが。 虚は死者の魂が心をなくしたものであり、大虚(メノスグランデ)はその集合体、破面はその進化系である。 そうした成り立ちの者が魂を引き裂き、固有の人格を成しているのは愛染惣右介の産み出したホワイトという虚に、ひいては二枚屋王悦の作り出した斬魄刀に近似する。 ただ力の核を刀の形状にした他の破面とは違い、もう一人の自分として《具象化》しているスタークはより《死神》に近い存在と言える。 『二人で一人の群狼(ロス・ロボス)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:10人 帰刃(レスレクシオン)状態であり、解号は「蹴散らせ」。 分身であるリリネットと一体化することで解放される。 解放するとオオカミの毛皮のようなコートをまとったカウボーイを思わせる姿に変わり、左目部分にポインターの様な仮面の名残が形成される。 リリネットは2丁拳銃に変化しており、会話も可能。 自分の魂を引き裂き分かち合う能力で狼の弾頭を召喚し、2丁拳銃からの虚閃と狼の弾頭を操って戦う。狼の弾頭は攻撃を受けると分裂する上、標的に喰らい付くことで大爆発を起こす。 魂を引き裂き過ぎると『二人(リリネット・ジンジャーバック)』を失うことになるが、十分な『魂喰い』か魔力供給があればそのリスクを減らせる。 【weapon】 『浅打・偽』 四角形の四つの角に牙がついている鍔がある刀。 一応宝具には劣るが、それなりの神秘は宿す。 大多数の破面と異なり彼は己の力の核を先述の宝具としているため、この刀の戦力は他の破面や死神に比すと劣るところがある。 【人物背景】 あるものが命を落とし、霊となった。 霊として長く在るうちに心をなくし虚(ホロウ)となった。 なくした心を求めて虚を喰らい、最下級大虚(ギリアン)となった。 ギリアンと化しても、さらに成長して中級大虚(アジューカス)となっても共食いを続け、圧倒的な力を持つ最上級大虚(ヴァストローデ)となった。 当然周りに誰もいなかった。 一人に耐えかねて仲間を作るが、自身の力に耐えかねてそこにいるだけで魂が削られ皆死んでいった。 一人に耐えかねて魂を分かち、二人になった。 二人以外にも仲間が欲しかった。 力に耐えられるような強い仲間が欲しかった。 そんなことを気にせずにいられる弱いやつが羨ましかった。 …………力を見込まれて強い男たちの仲間になった。 仲間が、そのなかでもそれなりの地位の男が倒れた。 弔い合戦なんて経験なかったし、柄じゃないけど、普通ならやるもんだろうと思ってた。 けれど、仲間だと思っていたやつもそいつの部下もそれに何の感情も表さなかった。 仲間じゃなかったのかもしれない。 また、二人になった。 戦いの中、ついに一人になった。 そして誰もいなくなった。 【サーヴァントの願い】 弱くなりたい……叶った。 またリリネットに会いたい……叶った。 あとは、仲間が欲しい。 命を懸けて守りあえるような、敵を討ちたいと互いに思い合えるような本当の仲間が。 【マスター】 時槻雪乃@断章のグリム 【マスターとしての願い】 泡禍への復讐……だがそれは聖杯なんて訳の分からないものに託すものではない。 ましてや彼女は聖杯戦争も泡禍であると考えている。 【weapon】 カッターナイフ 何の変哲もないカッターナイフ。 殺傷能力はあるので一応武器としても扱えなくはないだろうが、主に後述のトラウマ、ひいては断章を起動するための条件付けに用いる。 作中で名言はされていないが、トラウマを想起しやすいよう姉が実際に使っていた、またはそれと同じデザインのカッターであると思われる。 他の刃物や別形のカッターでは駄目な可能性が高い。 ゴシックロリータ 何の変哲もないゴシックロリータの衣装。 別に防刃加工とか魔術的な守りなどはない。 後述のトラウマ、ひいては断章を制御するための一助であり、これを身に纏うことで断章を引き出しやすくする。 逆にこれを纏わないことにより日常において断章が暴走するのを防ぐ役割もある。 リボンだけを身に付けることで日常と戦場を兼ねたような精神状態に身を置くこともある。 【能力・技能】 断章『雪の女王』 かつて起きた〈泡禍〉により宿した神の悪意の泡の欠片。 『私の痛みよ、世界を焼け』と、断章詩を唱え自身の手首に刃を走らせることで炎を放つ、痛みを代価に火炎を発生させる能力。 ただし、その苦痛に集中していなければ、現出させた炎を維持できない。一度発生させていれば『焼け』の一言のみでさらに炎を発生させることができる。 詳しく言うなら『トラウマをフラッシュバックさせることでその原因もフラッシュバックさせる』能力のような現象。 彼女の場合、実姉、時槻風乃の焼身自殺がトラウマとなっているため実姉のことを思い出すことで焼身自殺の状況を再現=発火現象を引き起こす。 また風乃の存在そのものもトラウマとなっているため彼女の幽霊のようなものが常に彼女のそばにいる。 より断章を引き出すことで風乃は実体を伴う現象にまでなり、それに伴いより鮮明に焼身自殺が再現される=より正確に強力な炎を放てる。 彼女の姉はゴシックロリータを常に纏い、リストカットの常習犯で、最期に「私の痛みよ、世界を焼け……」と呟いて家に火を放ち、父母と共に死亡した。 そのトラウマを想起する事象で身を固めることで断章を放つ。 引き起こす現象は極めて強力だが、発動にはトラウマをフラッシュバックさせる、リストカット、風乃による炎の行使にはさらに深くトラウマと向き合い今までのリストカットの傷全てが開くなどの条件が必要。 精神肉体両面でのダメージは激しく、トラウマに心を壊せば自信を含めた全てを焼き尽くす「焼身自殺」の再現となる。 なお風乃の幽霊は、生前の人格を再現しているのに加え、同種の〈泡禍〉を感知し、魔力も多少なら感知できる。 断章とは「無意識に住まう神の悪意の欠片」であり、つまり雪乃はアラヤの悪意とそれに伴う魔力を受け取っている。 例えるなら「この世全ての悪」の泥ではなく泡を宿している。 膨大な魔力を持つが、もしこの泡が弾けて器(雪乃)の外にあふれたならそれは〈泡禍〉という悲劇を招くだろう。 恐らく彼女のそれは、巨大な火災。 そしてすでに「神の悪意の欠片」を宿しているため彼女の意識の容量はすでにほぼ一杯であり、他の要素が入り込む余地が少ない。 そのため断章保持者は断章、ひいては神秘を伴う異能に耐性を持つ。 記憶を奪う断章に触れても不快感ですみ、、侵入を禁じ認識を阻害する断章の効果も受けず、針の山や鳩の爪によるダメージもそれが〈泡禍〉に由来するものならば少なく済む。 特に霊的、精神的異能に対しては強力な耐性となり、スタークの『一人(プリメーラ・エスパーダ)』のよる影響を受けていない。 ……だがあくまで耐性にすぎず万能ではない。 人魚に変えられてしまう断章も少量なら傷の治癒でとどめることができるが、過剰に与えられれば異形になってしまう。 『一人(プリメーラ・エスパーダ)』は無力化が容易な宝具だが、他のサーヴァントによる異能などへの抵抗はほぼできないだろう。 そして逆もまたしかり、神秘の塊であるサーヴァントへの断章によるダメージは少ない。 纏めると「魔力タンク」「そこそこの異能耐性」 「魔力探知してくれる姉の亡霊(一部の能力者しか認識できない)がいる」 「詩を唱えリストカットをすることで周囲を焼き尽くす(サーヴァントにはあまり効かない)」 「詩を唱え、リストカットの古傷を全て開くことで姉の亡霊を受肉させ、さらに強力かつ正確に周囲を焼き尽くす(同上)」 「ただしめっちゃメンタル削るし、制御失敗すると『この世全ての悪』的な代物の欠片が暴走してヤバイ」 【人物背景】 道を歩くだけで人目を引くほどの整った白皙の美貌と長い黒髪を結んだゴシック調のリボンが特徴の美少女。 その外見は常に不機嫌そうに見え、冷たい瞳と手首の傷を隠す包帯が他人を寄せつけず、また彼女自身も他人と必要以上に触れ合う事を忌み嫌っている。 また、両親の惨殺死体と自宅が炎上する様を目の当たりにした事で、肉類が一切食べられないため、栄養補給の手段は専らサプリメントに頼っている(生前は精神安定剤と睡眠薬漬けだった風乃の劣化行為の側面も兼ねている)。 姉の時槻風乃に浮かび上がった〈泡禍〉で家族を全て失い、〈騎士〉となった。 多くの〈泡禍〉――時折〈童話〉にまで発展した――を焼き払い、〈雪の女王〉としての畏怖を集める。 そしておよそ三年〈騎士〉を 続け、赤ずきんの〈泡禍〉を焼き尽くした傷も癒えてきたころの参戦。 周囲の大人達が心配するほど〈泡禍〉に対して激しい憎悪を持っており、それと同時に「普通の日常」に生きる事を放棄している。 好戦的な性格と無表情故にあまり動じない印象を受けるが、 断章 で人らしいものを殺した日の夜は風乃の 泡禍 を思い出して涙を流すことがよくあるらしい。 そもそも攻撃的な性格は 泡禍 との戦いのための行動の賜物のようで、余裕がないときなどには無意識のうちに元来の性格に由来する情に厚い行動をとることもある。 一応必要と判断すれば情報収集のためのコミュニケートはとるし、情報操作などのバックアップの必要性は分かっている。 現場での同僚無しでやっていた時代もあり、敵に容赦はないが、誰彼問わず敵対しようとなどはしない、作中指折りの常識人である。 ……比較対象が〈泡禍〉に触れて精神的に病んでいる面のある人ばかりなのはあるが。 【令呪】 右手首内側、雪の結晶状。 一画使うごとに六つの角が二つ消える。 【方針】 神狩屋たちと連絡を取る術を模索しつつ、この聖杯戦争の元凶となった者を殺し、止めるべく動く。 ……それがたとえ自分や知り合いであっても。