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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人の旅行物語 私こと上条当麻は今上空1万mにいる。 だからといって時速7000kmオーバーの超音速旅客機に乗ってるわけでも、そこから放り投げられたわけでもない。 ごく普通の飛行機に乗ってちゃんと機内の座席に座っている。 じゃあ何も心配する必要がないかというとそれも違う。 隣に大きなイレギュラーが存在するのだ。 シャンパンゴールドの色の髪でヘアピンぐらいしか特徴を挙げることのできない美少女。 これだけ聞くとおそらく世の中のほとんどの男性の方々は羨ましいだの爆発しろなどと言うだろう。 しかし、この見た目だけは可憐な彼女は、実は学園都市第3位の超能力者という化け物で、致死量の電流を浴びせてくる恐ろしいやつなのだ。 それでいて、本当は泣き虫で儚い存在でもある。まぁ細かい説明は面倒くさいし省く。 そもそもなんで俺はコイツと飛行機に乗っているのだろうか。思い出すために記憶を辿ってみた。 ああ… そうだ、確かあれは夏休み開始の2週間前だった気がする。 『アンタ夏休み暇?』 いつもみたく電撃を飛ばされ、一段落したときだった。 『なんで?』 『あ…あのさ、ちょっと旅行行かない?福引で特賞当てて、ヨーロッパ旅行のチケットが当たったんだけどさ』 『すごいな!ちなみにそれ何日くらい?』 『40日』 『パス』 『早っ!なんでだめなのよ!?』 『あのな…夏休みの上条さんには宿題と補習という試練が待っているんだ!よって旅行に行く暇なんてありません!』 『な~んだ。そんなことか。ならこの美琴センセーに任せなさい!』 『は?あなた様は一体何をおっしゃっているのでしょうか』 『要するにアンタは宿題と補習さえなければ来るのよね?』 『ま、まぁそうだが。それが御坂となんの関係が?』 『だ、だから私が今日からアンタの面倒を見るって言ってんのよ!』 『ええええええ!?』 『何よ、何か文句でも?』 そう言った御坂から発せられるオーラが垣根提督と戦った一方通行のそれに酷似していた。 『イエ、アリマセントモ。ワタクシカミジョウトウマはアナタサマニシタガウショゾンデゴザイマス。』 『んじゃ決まりね。それじゃ今から私の寮に行くわよ』 『何のために?』 『さっき言ったでしょ。アンタの面倒をみるって』 『これから試験終わるまでア、アンタん家に泊まるから』 『何言ってやがんだこのお嬢様!駄目に決まってるだろ!』 『さっき従うって言ってたわよね。それとも何?楽しい楽しい夏休みの思い出が宿題と補習だけでもいいわけ?』 『…』 『じゃあ私の寮に行くわよ』 『ハァー…、仕方ねーな。とりあえずインデックスは小萌先生の所に預けるとして…』 こうしてわけ分からないうちに、御坂と同居&御坂とヨーロッパ旅行に行くことが決定したのである。 当初御坂を迎え入れることに不安しか感じられなかったが、御坂と過ごした2週間は決して悪くはなかった。 むしろ良かったと思う。 御坂の料理は自分のよりおいしかったし、指導してもらったおかげでテストも全教科で赤点を免れ、宿題も2日で終わってしまった。 もちろん、風呂あがりの御坂に対してラッキースケベが発動して放たれた超電磁砲で家が半壊したり、電撃を浴びた家電が2つお亡くなりになったりなど不幸も絶好調だった…。 そんなことがあって今に至るわけだが…隣のお嬢様がなぜか飛行機に乗ってから全く話しかけてこない。 それどころか非常に強い殺気を感じる。 「あの…御坂さん?なぜそんなに怒っていらっしゃっているのですか」 「んー?別に怒ってないわよー」 嘘だ!清楚な笑顔とは裏腹に目が非常にヤバイ事になっている。 今なら視線だけで小動物くらいなら簡単にコロリといきそうだ。 とりあえず落ち着かせないと、上条さんがヨーロッパじゃなくて天国にいく羽目になっちゃう! 「ほーら、これから旅行だってのにそんなんじゃ楽しめないだろ。だからいつもの可愛い美琴さんに戻ってくれ」 そう言った瞬間、御坂はいきなり顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。 怒ってしまったのだろうか…? ああ…何もかもが終わった。短い人生だったな…。 横目で見たアイツの顔は全てを諦めた人間の顔そのものだった。 どうせアイツのことだから私が今怒っているって勘違いしているに違いない。 そりゃあさっきまでは機嫌は悪かったことは自覚している。 無理もない。アイツの悪い癖が出たのだ。 空港で女の人の落し物を拾ってあげたり、転びそうになったキャビンアテンダントを支えたり、挙句の果てには迷子になった幼稚園児くらいの女の子の親を探して、フラグを立てた。 寮を出発して飛行機に乗り込むまでの2時間でアイツにフラグを立てられた女性(女児含む)はおそらく20人を下るまい。 改めてアイツのフラグ体質の恐ろしさを知ったのと同時に不安にもなった。 (もしアイツが私でない他の誰かを好きになったら…) (もしアイツの隣にいるのが私でない別の誰かだったら…) 一度考え出すとなかなか負の思考から抜け出せない。 だけどアイツの言葉は私の不安を吹き飛ばしてくれたどころか私を天にも昇る気分にさせてくれた。 ゆるみきった私の顔をアイツに見られるわけにもいかないのでそっぽを向いたのだ。 とはいえ、いつまでもこうしてるわけにもいかない。 顔が元に戻ったのを確認した私は気持ちを入れ替えることにした。 「まあいいわ。アンタの言うとおりだもんね…この旅行精一杯楽しみましょ」 「ああそうだな…っと、危ねぇ…」 すぐそばの通路で他の搭乗客が躓いたのをアイツが支えたのだ。 「ご迷惑おかけしてすみませんでした」 「いえいえ、いいんですよ。それよりけがとかありませんか?」 よく見ると心なしかその女性の顔が赤い。 「あ…いえ、だ、大丈夫です。その、あ…ありがとうございました////」 そう言ってその女性は去って行った。 「どうした御坂?」 「ア・ン・タはー!言ったそばからこれかー!!」 不思議そうな顔を浮かべているアイツの顔面に構わず私は拳(ビリビリ付き)を叩き込んでやった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人の旅行物語
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【初出】 SSスレPart4 32 目を開けると一方通行はソファーに座っていた。 ここは『グループ』の隠れ家の一室。一方通行以外誰もいないようだ。 近くのテーブルには飲みかけの缶コーヒー、手に取り口元に運ぶ。 (夢にしてはハッキリと思い出せるし回想にしてはリアルすぎだなおい、オレは寝ていたのか?考えていたのか?まぁいいか。) 「・・・・・結局・・・・・・そうゆう事かよ。」 学園都市1位もしょせん人間、初めて湧いた感情に戸惑い どう扱えばいいかの分からず、どう接しればいいのか分からず どう向き合えばいいのか分からず、どう表現すればいいのか分からなかった それだけだった 「結局どうゆうことなんですか?」 声の方に目を向けると海原光貴が立っていた。 「おい!テメェはいつから盗み聞きが趣味になったんだ?」 「すいません。ですがたとえその様な趣味があったとしても命のが惜しいですからね あなたの独り言は避けることに越したことはないですよ。これからは気おつけます。」 謝罪なのか言い訳なのか分からないことを笑いながら語る海原。 一方通行はどうでも良いと結論づけ、立ち上がる。 「どちらに行くのですか?」 「缶コーヒー買いに行くんだよ。」 海原が固まる。 「・・・・・・・・・・・・冷蔵庫の中にある3ダースほどのコーヒーはどうするのですか?」 「要らないから飲んでいいぞ。」 「・・・・・・・・・・・・ありがとうございます。」 一方通行は隠れ家を出てコンビニに向かった。 一方通行はもう揺るがない 一方通行は強くなった 一方通行は闇になった 打ち止めに闇が忍び寄るならその闇を喰らってやる あらゆる闇より強大な闇となって全てを飲み込んでやる 一方通行は 永久の闇に、ただ一つの誓いを持ち込み進む。
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある底辺と頂点の禁断恋愛 プロローグ 『最下層の生活』 学園都市、人口230万人。その8割以上が学生という街だ。 世間から技術力が30年も進んでおり、何より特徴的というのが『能力開発』。 そんな学園都市の能力者はレベル0からレベル5の六段階に分けられている。 その様な格差が出来てしまっている学園都市では『格差社会』となったおり、優遇され、裕福に暮らせる貴族のような扱いのレベル4、レベル5。 逆に冷遇され、貧乏な暮らしを送っているのはレベル0やレベル1だ。 その中でも知名度が格段的にある第三位の『超電磁砲』。 学園都市の女王と呼ばれ、また『姫君』や『エリザベス』と呼ばれていた。 その正反対の呼称がある上条当麻。『大罪人』、『悪魔』などと呼ばれ最下層人物としてそれ相応の暮らしをしていた。 しかし上条は『大罪人』と呼ばれても『悪魔』と罵られても。あの行動を後悔しない。 「……不幸だー。今日の晩御飯は鮭の塩焼きと白ご飯~。はぁ足らねぇよなぁ」 照明がピカピカ、と光ったり消えたりを繰り返していく。 部屋の隅には蜘蛛の巣が貼ってあったり、ふすまにはキノコが生えている。 とってもとっても生えてくるのが何故か悲しい。 上条は学園都市でも三人しか居ない『最下層人物』だ。それ相応の暮らしを用意され、奨学金は雀の涙にも及ばない。 たったの七千円。一ヶ月をこれで暮らすのは不可能に近い。 「このキノコって食えんのかな?」 ふすまに生えたキノコを見つめていった。しかし頭をブンブンと振ってキノコを強引に引きぬいた。 そして壊れかけの窓を開いて、投げた。 ポチャン、と音がして川に流れたのが分かった。 「さ、さて食うか」 上条は箸を加えて骨がところどころ見える鮭をつまんでいく。 そして白ご飯と一緒に口に含んでいった。 それにしても暑い。蒸し暑い。外は雨で、天井から雨漏りしてバケツからは雨が溢れていた。 上条の体は雨臭い。そうだ、雨で体を洗っているからだ。 無能力者(レベル0)でもこんな暮らしをしている人は居ないだろう。上条は少し泣きたい気持ちになった。 「……ごちそうさま」 鮭を冷蔵庫になおす。固まった白ご飯を雨水で綺麗に流しそしてシンクに置いた。 梅雨。6月の真ん中で、湿気と雨が上条家を襲う。 キノコがそこら中に生えて、随分前には制服にも生えていた。 「はぁ、一度でいいから肉食ってみたいな」 そんな時だった。壊れかけの木のドアがドンドン!と叩かれた。 「はい?」 「カミやーん、俺だにゃー」 「おお、土御門か。今昼飯食ったとこだ」 ドアを開けて、傘をさしている土御門を招き入れる。 彼の手には半分食べた野菜炒めがあって、上条に手渡す。 「……ありがとうな。土御門」 「いいんだぜい?」 そう言って土御門は上条家を出た。 上条は冷蔵庫になおして、湿っている畳みの上に寝転がった。 ボサボサで傷んだ髪の毛を掻いて、そして硬い床で昼寝をする事にする。 * 「アレイスター、お前の幻想殺しはあんな極貧の生活を送っているが」 「もう幻想殺しなど必要ない。もちろん、エイワスを顕現する事も出来ない。プランはもう完成する事すら出来ないのだ。 学園都市の体制の崩壊によってな。統括理事会などもう何の権限もない。 今、一番力を持っているのは外部個人主義組織だ。体制は既に『格差社会』になっている。 警備員(アンチスキル)も風紀委員(ジャッジメント)も存在しない私の作っていた学園都市とは全く違ったモノになってしまった訳だ」 「それで、無能力者達に支援していると言う訳か」 アレイスターと呼ばれた者は大きな生命維持装置の中で培養液に浸かりながら苦虫を噛み潰した様な表情をした。 しかし決してこの格差社会を打開できない訳じゃない。 全体の六割を占める無能力者を使えば。 「土御門、学園都市はもうすぐ改革するぞ。幻想殺しはあんなに有意義な者だとは。彼は誰よりも良い位置にいる。 底辺と頂点か……こういうのは嫌いなんだが」 「何が言いたい」 「直に判る。それまで彼が死なない様に支援しておいてくれたまえ」 「……アレイスター……あとで泣きを見るのはお前だ」 「ふふ、それは―――楽しみだ」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある底辺と頂点の禁断恋愛
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4スレ目ログ ____ ________________ 4-8 ◆pAn3AKtpUw 小ネタ こっちでもよろしく頼むぜ 4-17 ヤシの実 ◆sz6.BeWto2 とある子猫な超電磁砲(レールガン) 2 1日目 4-35 ∀(2-230) 小ネタ 本当と嘘 4-63 桜並木(4-027) 未来からうちの子がやってきた 1 第一章 泣きっ面に核ミサイル But_it_is_a_happiness,isn t_it 4-82 豚遅(1-892) とある乙女の菓子聖戦 4-101 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 1 Ti_Amo. 4-116 ぐちゅ玉(1-337) とある両家の元旦物語 5 後編 4-133 メリー(4-131) とある笑顔の守り方 4-152 つばさ(4-151) どこにでもあるハッピーエンド 1 目覚め 4-174 ∀(2-230) バイト生活 5 5日目 4-188 ◆pAn3AKtpUw 豆撒きの日に 2 4-214 4-197 逝去告白 1 4-227 3-327 とある実家の入浴剤 4 4-240 七国山の栗鼠 ◆t9BahZgHoU 小ネタ 「籍」 4-243 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 2 Ti_Amo. 4-264 黒丸(4-263) Week 1 4-274 2-631 少女の奏でる旋律は―― 3 4-288 ◆/BV3adiQ.o 小ネタ バイト数の関係により中略 4-299 ヤシの実 ◆sz6.BeWto2 とある子猫な超電磁砲(レールガン) 3 1日目 4-304 Ж(4-303) ―ビリビリチョコレートアタック― 1 4-308 Aサイド ◆kxkZl9D8TU たまには立ち位置を変えて 4-337 4-323 幸せへと至る道 1 4-349 4-323 幸せへと至る道 2 4-365 寝てた人 ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―帰省/家族― 3 2章 帰省1日目 二つの再会 4-370 寝てた人 ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―帰省/家族― 3 2章 帰省1日目 二つの再会 4-387 3-351 とある美琴の突撃訪問 4-395 桜並木(4-027) 未来からうちの子がやってきた 2 第一章 泣きっ面に核ミサイル But_it_is_a_happiness,isn t_it 4-417 ぐちゅ玉(1-337) 白井黒子は動かない 4-435 ◆/BV3adiQ.o 小ネタ MELTっぽい 4-455 4-323 幸せへと至る道 3 ~後日談~ 4-464 ヤシの実 ◆sz6.BeWto2 とある子猫な超電磁砲(レールガン) 4 1日目 4-473 琴子(4-448) とある乙女の手製菓子 4-492 Aサイド ◆kxkZl9D8TU 美琴の不幸な初体験 4-502 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 3 Once_in_a_lifetime. 4-527 4-526 とあるコンビニ 1 4-536 七国山の栗鼠 ◆t9BahZgHoU とある恋人の日常風景 5 第五章 御坂さんの彼氏さん ~ 十二月九日 (前) 4-563 3-327 とある実家の入浴剤 5 4-580 ぐちゅ玉(1-337) 想いを乗せたココロの向かう先 4-588 ヤシの実 ◆sz6.BeWto2 小ネタ 盛夏祭でのワンシーンについて 4-590 Ж(4-303) ―ビリビリチョコレートアタック― 2 4-601 4-600 小ネタ バレンタインネタ 4-611 qp(4-609) 寿命が 4-618 ∀(2-230) 小ネタ バレンタインでの不幸(?) 4-627 4-625 小ネタ Was yea ra melenas yor. 4-653 4-649 未来の娘の訪問 1 4-669 志室谷(4-668) 世界で一番の 4-684 4-600 バレンタインネタ 4-699 腹黒タヌキ(2-539) 小ネタ ~私の居場所~ 4-705 小ネタ 何気ない仕草から 4-710 小ネタ 最終回連想モノ 4-716 4-649 未来の娘の訪問 2 4-732 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 4 永遠 If_tomorrow_comes. 4-745 ミーナ ◆zfqD0wujwA 小ネタ とある上琴の日常生活? 4-750 寝てた人 ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―帰省/家族― 4 3章 帰省1日目 思い出の無いアルバム 4-759 寝てた人 ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―帰省/家族― 4 4章 帰省1日目 天使 4-771 ◆/BV3adiQ.o 初恋オワタ 4-784 ぐちゅ玉(1-337) 向かう先は、ミコトDX? 4-793 ユミシロ(4-793) 美琴先生 1 予告編 4-803 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 5 永遠 If_tomorrow_comes. 4-817 蒼(4-816) embrace 4-837 ∀(2-230) 悪夢 4-869 ユミシロ(4-793) 美琴先生 2 4-880 キラ(4-879) 小ネタ 不幸と書いて…… 4-884 4-883 小ネタ チョコをあげよう 4-889 びり(3-040) 絆 4-897 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 6 とどかぬ思い Welcome_to_the_Edge. 4-912 3-327 とある実家の入浴剤 6 4-953 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 7 とどかぬ思い Welcome_to_the_Edge. 4-979 4-969 小ネタ スキージャンプペア ▲
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある記憶の消失問題 -③上条の御見舞い- 「ちくしょう…なんでこんなことに……」 上条は現在の時刻を携帯で確認しつつ病院に走る 時刻は夕刻を過ぎ、月が昇ってしまった 「それもこれも筋肉猛獣の所為だー!!」 と叫び、今日を振り返る上条 朝、上条は昨晩の美琴の電話で一睡も出来なかった 「悪夢で眠れねーよりましか…」 そう呟き上条は起き上がり布団を干す 朝食は作る気にも食う気にならず、早々に学校に向け出発する上条 「学校行けば放課後は小萌先生が補習組んでんだろうな……」 出発していつもの公園あたりで上条は肩をがっくりと落としながらそう呟く その後も平穏に歩いて学校に向かった 学校に着き上条は眠い目を擦りながらも授業を全うした 「やっと終った…ってか一時限目でこれってやばくないか……」 しかし、上条の不安はこれ一つではなかった…クラスの女子数名からは正体不明(期待)の眼差しを そして男子からはからかう様な眼差しを向けられている 「多分あれだ…昨日の土御門のチェーンメールの所為だ……絶対そうだ」 本日その土御門と青髪ピアス、吹寄、姫神は何故か揃って風邪でお休みだ そしてもう一つの不安、それは… 「おいっ! そこ上条!! ボーっとすんな!!!」 小萌先生も休みというか俺が休んだ辺りから風邪が流行だしていたらしく、今日一日の授業担当の先生がフルで休み そして……あの筋肉猛獣こと災誤先生が今日一日自習監督を務めることになったのだ…不幸だ 上条はその後、居眠りなどをに犯して放課後に校庭整備を命じられる羽目になったのだ そして月が昇るまで筋肉猛獣の監修の元、校庭整備をさせられていた上条だった 意識を今に戻す上条は一つ心配していることを呟く 「あー、美琴泣いてねえよな…いや、いくらなんでも泣きはしない……よな?」 不安だが昨日の約束を早々に破りかけている上条は今の予測が当たっている気がしてならない それでも上条は駆ける、どんなに遅くなっても会いに行く…そう約束したから 上条はその想いだけで今は全速力で前に進んでいる気がした □ □ □ 病室の室内を照らす夕焼けの日差しが月光の光に変わっても想い人は来ない 「わかってはいるんです、当麻さんにも事情があって来れない日があることくらい… それでも、約束した日が会えないって…少し悲しいな」 病室で美琴はそう呟き、窓の外を見る…街の建物には明かりが灯り、空は黒く月と一部の星だけが光を放つ そんな少し寂しい夜空を見ていたがコツコツという何かが叩かれる音が聞こえ、そちらを見る そこには窓を叩く上条の姿、美琴は心臓が跳ねるような喜びを感じ目に涙が溜まってくる 嬉し泣き…と言えばいいのか 上条はそれを見て慌てている様子だが美琴自身は気付かない、美琴は窓を開ける 「当麻さん、ここ何階だと思ってるんですかっ!」 開口一番、最大の疑問をぶつける美琴 「ん? 3階だろ…あと木登ればここの部屋は届くし問題ないだろ」 と上条はさして気にすることなく木から開けた窓に足をかけ、入ってくる 「で…だ、美琴…遅れて本当に申し訳ない…」 美琴がベッドに腰掛、上条はそれに対峙し謝る…暗い顔をしているのは先程の涙が原因だろう 「いいですよ当麻さん、こうして会いに来てくれましたし…うれしいです」 そう言って美琴は上条に微笑み、頬を赤くし続けてこう言った 「当麻さん…無理なお願いがあるんですけど我が侭を一つ聞いてくれませんか?」 なんだろう? と上条は思ったが 「ああ、いいぞ…遅れたお詫びに何でも聞いてやる」 といかにも上条らしい答えを返す 「私の……恋人…になってもらえませんか?」 上条は硬直し、美琴は真赤になる 「えっと、美琴…さん? そのお誘いは大変嬉しいのですが、それはフリでしょうかそれとも本気なのでしょうか…」 以前に恋人ごっこをしたので念のための確認なのかもしれないと意外と美琴は冷静に判断する 「だ、ダメですか? …私じゃ当麻さんの恋人にはしてもらえませんか?」 しかし口に出して言えたのは冷静とは反対の焦りの入り混じった言葉 「いや、ダメじゃないです…むしろ上条さんとしては万々歳なのですが… 記憶喪失の内から恋人になるのは…と上条さんは少し思うわけで…」 と上条は了承してくれる反応を示すがどうやら今はダメとも言いたいようだ 「当麻さん…あのですね、私は当麻さんのことが好きになりました 出会って数日しか経っていないのにこの気持ちになるのは変だと思いますか?」 美琴は上条にそう問う 「私は今の気持ちに気づいてからなんだかとても落ち着けなくて、心地良いんです… もしかしたら記憶喪失以前もこういう気持ちだったのかな…なんて思えたんです」 そう言って美琴は一息つき 「と言っても…事実として本当にそうだったかはわからないんですけど……でも、でもですね… 本気で私と付き合ってくれませんか? 記憶が戻るまで仮の恋人でもいいです、ですからお願いします!」 と続けた…必死に、そして泣きそうな顔で 「なんて…顔してんだよ、そんな顔されたら断れねーじゃねーか」 その様な顔の美琴を見て上条は優しくそう言った、そして嬉しそうに…そして恥ずかしそうにこう続けた 「俺でいいなら…こちらこそよろしくおねがいします」 こうして夜、病院に不法侵入をした上条当麻に御坂美琴という彼女が出来た その後、実は無音で作動していた防犯システムにより上条が警備員に連れて行かれそうになるのはもう少し後の話 □ □ □ 翌日、上条は美琴の病室で目が覚めた…時刻は7時ちょっと前 「俺、なんでここに…ってそうか昨日の夜…」 上条は思い出す、警備員に必死に美琴が説明してくれたため連行は避けられた上条であったが帰ろうとした時に 「今晩は私の近くにいてくれませんか?」 と少し震えて美琴が言うので上条はずっとベッドの横にパイプ椅子を持って頭を撫でてやっていたのだ 回想が終わり顔を上げるとまだぐっすりと眠っている美琴の顔が目に映る 「やっぱり…可愛いよな、美琴は……」 と上条は言って美琴の頭を優しく撫でる そうすると美琴は気持ち良さそうな顔をして「う、ん…むにゃむにゃ」と猫の様に身をよじる 「そういえば…俺達恋人同士になったんだっけ…」 上条は恥ずかしそうにそう呟き 「実感わかねー」と小さく笑う そうしてしばらく美琴の寝顔を優しく見ているのであった それから時間が経ち7時半前に美琴が目を覚ました 「あれ、当麻さん…ふぁ……おはようございまふ」 まだ眠そうでトロンとした目をしている美琴 「よっ、やっと起きたか」 そう言って上条はニカッと美琴に笑いかける 「あ、お待たせしました…」 上条の笑顔を見て照れたかのように顔を赤くする美琴 「うんうん、やっぱり…」 「やっぱり…なんですか?」 「あー…いや、なんでもない」 「変な当麻さん、ふふっ」 少し赤くなって「なんでもない」そういった上条を見て美琴も笑みを浮かべる □ □ □ 「でさ…記憶喪失の美琴に聞くのもなんだが……恋人ってなにするんだ?」 「うーん、知識としては食事やデートだと思うんですけど…」 上条はあの後、学校に向かい夕方に改めて病室を訪れて話をしていたのだがこういう話になり 「でも、今の私は外にあまり出ないほうが良いですよね……」 そう言った時の美琴の少し残念そうな顔を見てこれはなんとかならないか…と思った そして、面会時間終了という時間まで話をしていたので美琴には先程「また明日な」と言って病室を出た だが上条は玄関ホールに向わずに病院内を歩いている…ある人物を探しているのだ、が 「あれ? 上条さん、面会時間はもうすぐ終わりですけどどうしたんですか?」 と急に声をかけられ上条は振り返る 「あ、ども…ってそうだ、あの先生ってどこにいますか?」 そこには上条と美琴の担当であった看護婦、丁度良いと思い上条はカエル顔の医者の居場所を聞く 「ああ、あの先生ですか…確か今、あそこの休憩室でコーヒーを買ってたと思いますよ」 そう言って看護婦は少し先の休憩室のところを指差し「それじゃあね上条さん」と言って行ってしまった 「ふぅ…で何か用かな?」 上条が休憩室に顔を出すと「わかってるよ」とでも言うかのような言葉をいきなりかけられる 「なんでわかるんですか…、まあいいですけど…美琴に外出許可を貰えませんか?」 「いいよ」 と上条の質問に即答のカエル顔の医者 「はやっ! ってかいいんですか!? そんな簡単に出して!」 「君はどっちがいいんだい…」 上条はツッコミを速攻で入れたが結果、カエル顔の医者に半眼でおいおいと見られることになる 「いや、外出できるのは嬉しいんですけど……なんというかあっさりしてて」 そうだ、今までの経験上何かしらありすぎてこうあっさりいくと不気味でしょうがない 「まあ、君が言うのはわかるよ、それに条件があるからね……条件は君が一緒にいることだ、いいね?」 「あ、は…はい、それはいいですけど…外出の理由はないんですか? それに…回復しますよね…美琴の記憶…」 と歯切れが悪い上条にカエル顔の医者は 「言っておくけど、記憶喪失が治るには時間がかかるものだからね、あまり気にしない事だよ」 そう言ってカエル顔の医者は持っていたコーヒーを一気に飲み干し上条の肩を軽く叩く 「あと、理由だけど病院内にずっといて回復を待つよりも外に出て色々体験した方が戻り易いかもしれないからね」 そしてカエル顔の医者は休憩室から出て行った 上条はカエル顔の医者が出て行ったのを見て自分は玄関ホールへと向って行く…すると 「ちょっといい加減にして下さいませんの! いるんですの? いないんですの! はっきりして下さいまし!!」 と聞き覚えのある声が聞こえてきたのでそちらを向く そこには面倒くさそうに受付を閉めようとしている看護婦とその看護婦にギャーギャーと言っている白井の姿 「………何してんだ? アイツ…」 上条はそう呟いていた 「ん? ってあなたは!」 その呟きが聞こえていたらしい白井は看護婦に向けていたであろう鬼のような形相を上条に向ける そして、これはチャンスと思ったのか看護婦は受付を閉めて猛ダッシュで立ち去った 「………はやっ、ってこっちもそれどころじゃねえ!」 上条は看護婦さんのスピードを見て唖然としていたが白井が迫ってきている事に気付き叫び、逃げる 「逃げるんじゃないっですの!」 「だったらせめてその顔をやめろ! それに金属矢もしまえー!!」 と叫び病院から離れて行く二人を見つめる二人の少女が居た事を上条は知る由もないし、白井はすっかり忘れていた 恐怖の空間移動追いかけっこに突入した結果……上条はもちろん逃げ切った、が この時ある人物が上条を追跡していた事を上条はまだ知らないのであった □ □ □ 「あー、やっと自宅に帰って来れましたか…」 上条は自分の家に着き玄関にへたり込む…、するとコンコンと控えめなノック音が聞こえた …だれだろ?「はーい、ちょっとまってください」カチャ ドアを開けるとそこには長髪の髪に白い花の髪飾りをつけた少女が立っていた 「………えっと、どちらさまですか?」 「私、佐天涙子っていいます、御坂さんの事についてお聞きしに来ました」 上条は観念した…自宅にまで来られた以上、逃げる事は無理に等しい 「はぁ…仕方ない、説明するから中へどうぞ…」 上条は仕方なしにそのまま部屋の中へ佐天を招く 「……………と言う訳だ、俺は…後悔してる、一緒にいた俺の方が美琴を守らなきゃいけなかったのに…」 上条はお茶を出し佐天に事故とその後をすべて話した 「…………わかりました、これは白井さんには内緒にしておきます…で、上条さんもう一人呼んでもいいですか?」 「は?」と上条が首を傾げているとコンコンと再びノック音が聞こえた 上条が動く前に佐天が玄関に走りドアを開け招き入れたのは遠くから見れば頭が花瓶のようになっている少女だ 「私も御坂さんの友人の初春飾利です、上条さん私も一緒にお話に加わってもよろしいですか?」 と聞いてきたがここまでくれば加わらない方がおかしいだろう 「ああ」 上条はそう言って立ち上がり、初春の分のお茶を淹れて再び座る 「で…上条さん、一つ確認しておきたいんですけど」 「なんだ?」 佐天の真剣な顔と言葉に首を傾げる上条 「上条さんって御坂さんのことが好きなんですか?」 「なんだ、そんなことかそりゃ好きだぞ……あ」 あまりの真剣な表情になにか重大なことを聞かれると思っていたのであった上条だが… 予想外に別角度の話にポロっと本音がこぼれ、二人の少女を見ると顔を赤くしてしてやったりの笑みを浮べている 「なるほど、なるほど、上条さんは御坂さんが好きなんですね…で恋人なんですか?」 「いや…これ以上は言えないと言うか…」 「白井さんにばらしますよ」 佐天の質問に顔を背け解答拒否をする上条に初春が脅しをかける 「ちょ、初春黒っ!」 「拒否権無しかよっ!」 各々の反応を返す二人に初春は 「利用できるものは利用するんですよ、佐天さん」 と変なスイッチが入った初春を見て佐天は 「あー、上条さん…私、初春止められないんで覚悟決めてください…」 「はぁ……不幸だ」 それから上条は初春に聞きだせる情報をすべて引き出されるのであった… □ □ □ その後、夜道を歩く三人 「それにしても記憶喪失なのに御坂さんから告白してくるなんてなんかすごいですよね」 佐天が上条にそう言ってくる 「俺としてはそれを受けちまって本当に良かったのかどうかまだわからないんだがな… でも、俺も嬉しかったな…告白されて前も同じ気持ちだったかもなんて言われたからな」 上条は照れ隠しのように天を仰ぎ、頬を掻く 「でも、記憶喪失が早く治ってほしいですよね…」 「ああ…」 初春の心配に上条は短くそう答えた 「上条さんも身体に気をつけてくださいよ、今御坂さんを支えられるのは上条さんだけなんですから」 「わかってる…ありがとな、二人とも…美琴もこんな友人を持ってすげー幸せ者だな」 上条は初春と佐天に美琴の代わりに感謝の言葉を告げる 「それじゃ、上条さんはもっと幸せなんじゃないですか~?」 「そうですよね~、御坂さんに告白されるくらいですし」 と初春と佐天にからかわれるのであった 「あ、それじゃここまででいいですよ私達すぐそこですから」 と、佐天が言い、上条は 「そうか? それじゃ気をつけて帰れよ」 「「はーい」」 二人は元気にそう言うと上条に振り返り手を振って去っていった 二人が見えなくなるまで上条は見送るとある場所に向けて歩を進める □ □ □ とある公園 上条はベンチに腰掛てヤシの実サイダーを一口飲む 「美琴にこれ買ってってやるかな…」 そう言ってさらに一口飲む 「やっぱり、出かけるなら早いうちがいいよな…今日は金曜だし明日行くか…」 携帯を取り出し、上条は美琴にかける ピリリリ、ピリリリリ…カチャ 「もしもし、美琴?」 「どうしたの、当麻」 ほぼワンコールで出てくれた美琴 「先生には許可貰ってあるからさ…明日一緒にデートしないか?」 「え、いいの? 行く行く! 絶対行くよ、当麻」 美琴はすごく嬉しそうな声で答えてくれた 「そうか、それなら明日朝迎えに行くから今日は早めに寝るんだぞ」 と上条はそう言ってまた一口喉を潤すためにサイダーを飲む 「はーい、それじゃ当麻おやすみ」 「ぶふっ! ごほごほっ…いや、もう寝るのかよ…」 まさかこんなに早く寝ようとするとは思わなかった上条は吹いた 「うん♪ だって明日寝坊したくないんだもん」 「そ、そうか…それじゃあな」 携帯を切り、残りのサイダーを一気に飲み干す 「さて、俺も明日の準備をしねーとな…」 上条はベンチから立ち上がり、缶を自動販売機横のゴミ箱に投げ捨てる… カンッと音が鳴って投げた缶はゴミ箱のふちに当たって地面に落ち、転がって行く 「はぁ…直に捨てた方がよかったか…」 上条は素直に缶を拾いに歩き出し…ある人物がそこにいることに気付く 「あれ? 青髪ピアス…か?」 そう、本日も学校を熱で休んでいたはずの青髪ピアスがそこにいた 「カ、カミやんが…女の子とデートの約束をしとったなんて…まさか、あのチェーンメールはほんまやったんか…」 そう呟いてフラフラとどこかへ歩いて行ってしまった 「おーい…って行っちまったか、大丈夫かアイツ…」 と上条は頭を傾げたが「まあいいか」とスッパリと忘れる事にし、缶をゴミ箱に捨て帰路につく 上条は知らない、この時の青髪ピアスが何をするのか… そして上条と美琴のデートがどのようになってしまうのか…… だが、デートがどうなるかは本日上条がどれだけ頑張って調べて計画を練るかにかかっているのだ 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある記憶の消失問題
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し 序章 ②激闘の終わり 少女は戦う少年の姿に何処か既視感を覚えていた。 (学園都市に来る前も、誰かにこうやって助けて貰ったことがある気がする) 少女は記憶の中を探るが、何か靄が掛かったように思い出すことが出来ない。 それはとても辛い記憶… 少女のアイデンティティさえ崩してしまうような惨い記憶… 温かい手をした少年が迷子になった自分の手を引いて歩いていた。 少女は確かにその少年のことが幼いながらに好きだったんだと思う。 思いがけず蘇った初恋の記憶に少女は戸惑うものの、 より深い記憶の深層に足を踏み入れていく。 高電離気体を消されて怒り狂う一方通行は妹へ向かって歩を進めていく。 その間に少女は割り込むように立ち塞がった。 「…させると思う?」 「ハッ、図に乗ってンじゃねェぞ格下が。 オマエじゃ俺に届きゃしねェよ、足止めすらできやしねェ。 視力検査ってなァ、2.0までしか測れねェだろ? それと一緒さ、学園都市にゃ最高位のレベルが5までしかねェから、 仕方なく俺はここに甘ンじてるだけなンだっつの」 一方通行は顔面を引き裂くような笑みを浮かべている。 それは見た者なら誰でも凍りつかせるような笑みだったが、 少女は不思議と恐怖を感じることはなかった。 (どうしてだろう、全然 恐いって思わない。 この一帯を包むように懐かしい安心感が漂ってる) そんな状況でも少女は記憶の中に足を踏み入れるのを止めなかった。 とてもそんなことをしている状況でないことは分かっている。 でも止めるわけにはいかない、何故かそれはとても大事なことだと感じる。 少年に向かって石が投げつけられる。 大怪我を負って退院したばかりの少年のことを 大人達がカメラを回して嘲笑を浮かべながら取り囲んでいる。 少年を庇うように立ち塞がる少年の両親。 おじさんのことも おばさんのことも大好きだった。 おじさんとおばさんの顔は思い出せるのに、少年の顔だけが思い出せない。 少年達がいなくなる前の日、少女は少年と最後に一度だけ遊んだ。 以前とは違い翳が差した少年の寂しそうな笑顔。 その笑顔が少女の中に蘇るように浮かび上がった。 「…お兄ちゃん?」 少女は呟くように言った。 「あァ、何言ってやがるンだァ?」 一方通行は少女の呟きを理解できないようだった。 妹も少女が何を言っているか分からない。 一方通行が少女から殺してしまえと考えた、その時… がさり、と一方通行の背後で何か物音が聞こえた。 一方通行は恐る恐る振り返る。 そこに、信じられない光景が広がっていた。 風速120mもの暴風に吹き飛ばされて、 風力発電の支柱に激突したはずの少年がゆっくりと立ち上がる所だった。 少年の体には無数の傷があり、 少しでも筋肉に力を込めるだけであちこちから血が噴き出しているようだった。 その体にはもうまともな力が入らず、両の脚はがくがくと震え、 両の手は柳の枝のようにぶらりと垂れ下がっていた。 それでも、少年は倒れない。 絶対に、倒れない。 「ったく、お前は昔から人の居ないところで無茶ばっかりしやがって… その度に俺は心配して駆けずり回ることになってたんだぞ」 少年はボロボロの体を動かして一歩前へ進む。 その姿はやはり見ていて辛くなるほど弱々しいものだった。 だが少女は目を逸らすことをしない。 何故ならこの物語のハッピーエンドが既に見えていたから… それは妄信ともいえる願望だということは少女自身 分かっていた。 でも少年なら、自分が大好きだった少年なら最高の物語の結末を作り出してくれる。 少女にはそんな確信があった。 「面白ェよ、オマエ…」 一方通行の声が響き渡る。 「…最っ高に面白ェぞ、オマエ!」 そうして、夜空に吼えるように絶叫した一方通行は 少年を撃破するために拳を握って駆け出した。 地面を蹴る足の力のベクトルを変更した、 砲弾じみた速度であっという間に距離を縮めてくる。 それは少年にとって好都合だった。 向こうから近づいてきてくれるなら、それに越した事はない。 今の少年のボロボロの体では、 一方通行の元まで辿り着く前に倒れてしまっていただろうから。 少年には何の力も残されていない。 その体には、自分の足で立って歩くだけの力も、 自分の舌で言葉を紡ぐだけの力も、自分の頭で何かを考えるだけの力も、 …そんなわずかな体力さえも、残されていない。 少年に残されているとすれば、幼い日の少女と遊んだ懐かしい日々の記憶だけだった。 少年にとっては幸福ともいえるその記憶だけが、今の少年を支えていた。 だから、少年は右手を握る。 視線を上げる。 一方通行は、弾丸のような速度で真っ直ぐに少年の懐へと飛び込んできた。 右の苦手、左の毒手。 共に触れただけで人を殺す一方通行の両の手が、少年の顔面へと襲いかかる。 瞬間、時間が止まった。 体に残る、絞りカスのような体力の全てを注ぎ込んで、 少年は頭を振り回すように身を低く沈めた。 右の苦手が虚しく頭上を通り過ぎ、 追い討ちをかける左の毒手を少年は右手で払い除ける。 「歯を食いしばれよ、最強(さいじゃく)…」 二重の必殺を封殺され、心臓を凍らせた一方通行に少年は言う。 密着するほどの超至近距離で、獣のように獰猛に笑い、 「…俺の最弱(さいきよう)は、ちっとばっか響くぞ」 少年の右手の拳が、一方通行の顔面へと突き刺さった。 一方通行の華奢な白い体が勢い良く砂利の敷かれた地面へ叩きつけられ、 乱暴に手足を投げ出しながらゴロゴロと転がっていった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し
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STAGE00 アリサ編 STAGE01 STAGE02 STAGE03 STAGE04 STAGE05 STAGE06 STAGE07 STAGE08 STAGE09 STAGE10A STAGE11 STAGE12 STAGE13 STAGE14 STAGE15 STAGE10B STAGE16 STAGE17 STAGE18 STAGE19 STAGE20 STAGE21 STAGE22 STAGE23 STAGE24 STAGE25 STAGE26 STAGE27 STAGE28 STAGE29 STAGE30 STAGE31 STAGE32 STAGE33 STAGE34 STAGE35 STAGE36 STAGE37 STAGE38 STAGE39 STAGE40 STAGE41 STAGE42A STAGE43 STAGE44 STAGE45 STAGE42B STAGE46 STAGE47 STAGE48 STAGE49 STAGE50 STAGE51 STAGE52 STAGE53 STAGE54 STAGE55 STAGE56 STAGE57 STAGE58 Ending ストーリーイベントインターミッション STAGE42Aランキング マップ 入手アイテム 味方 敵 ストーリーイベント インターミッション セットアップ ネットワーク フォーラム メール ネットワークショップ デスクトップ シミュレーター セーブ ロード 終了 STAGE42A 上へ STAGE42A 名古屋下水処理場 勝利条件 敵パイロットの全滅もしくは投降 敗北条件 プレイヤーパイロットの全滅 出撃パイロット選択 和輝 / 亮五 / アリサ / リュウ / 美穂 / ファム / ラン / メイヤー ランキング 基準値 敵排除数 8 総戦闘回数 35 平均ダメージ 115 平均武器レベル 14 ターン数 12 NPC残数 - マップ 地形 進入不可 段差 スロープ 平地 X 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 Y 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 気絶不可 - 混乱不可 - 戦意喪失、投降不可 - 強制排出不可 - 序盤、敵ユニット(敵6)は、味方ユニットが接近するまで行動しない 序盤、敵ユニット(敵3 / 4)は移動後、味方ユニットが接近するまで行動しない 上へ 入手アイテム 入手先 名称 備考 敵1 / 2 / 3投降 ボディ 111式 春陽 Lアーム 111式 春陽 Rアーム 111式 春陽 レッグ 111式 春陽 敵5 / 6投降 バックパック BX056 上へ 味方 No. 名前 移動力 バーツ 武器 人物 アイテム APNow / Max Body HP状況Now / Max 格闘力 減少率 AP設定/改造LV 防御 L.Grip 属性 種類 AP 熟練 攻撃 弾数Now / Max 射程 命中率 距離低下率 段差低下率 HPNow / Max エースランク ポイント バトルスキル L.Arm 命中 命中 L.Shld 武器熟練度 回避(回避率) R.Arm 命中 R.Grip 格闘武器 ショットガン グレネード Leg バーニア ダッシュ 回避 R.Shld マシンガン 火炎放射 キャノン 属性防御 B.Pack 追加出力 ライフル ミサイル ビーム 1 × 2 × 3 × 4 × 上へ 敵 No. 名前 移動力 バーツ 武器 人物 アイテム PRIZEMONEY APNow / Max Body HP状況Now / Max 格闘力 減少率 AP設定/改造LV 防御 L.Grip 属性 種類 AP 熟練 攻撃 弾数Now / Max 射程 命中率 距離低下率 段差低下率 HPNow / Max エースランク ポイント バトルスキル L.Arm 命中 命中 L.Shld 武器熟練度 回避(回避率) R.Arm 命中 R.Grip 格闘武器 ショットガン グレネード Leg バーニア ダッシュ 回避 R.Shld マシンガン 火炎放射 キャノン 属性防御 B.Pack 追加出力 ライフル ミサイル ビーム 1 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 3 111式 春陽 579 / 579 113% 15% ■ ■ ■ 日西90MF 貫通 マシンガン 5 D★★ 18×10 ∞ 1~4 80% 10% 5% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 リベンジⅡ 150 17 / 17 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ------ 32% 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐炎熱 111式 春陽 440 / 440 6段 3倍 ■ ■ ■ ------ D★★ ------ 2 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 3 111式 春陽 579 / 579 113% 15% ■ ■ ■ 日西90MF 貫通 マシンガン 5 D★★ 18×10 ∞ 1~4 80% 10% 5% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 リベンジⅡ 150 17 / 17 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ------ 32% 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐炎熱 111式 春陽 440 / 440 6段 3倍 ■ ■ ■ ------ D★★ ------ 3 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 3 111式 春陽 579 / 579 113% 15% ■ ■ ■ 日西90MF 貫通 マシンガン 5 D★★ 18×10 ∞ 1~4 80% 10% 5% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 リベンジⅡ 150 17 / 17 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ------ 32% 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐炎熱 111式 春陽 440 / 440 6段 3倍 ■ ■ ■ ------ D★★ ------ 4 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 6 キャセルM2 895 / 895 125% 30% ■ ■ ■ ハイバスター 衝撃 格闘武器 1 D★★ 130×1 ∞ 1 100% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 150 17 / 17 キャセルM2 502 / 502 ×5%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ------ 32% キャセルM2 502 / 502 ×5%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐貫通 キャセルM2 660 / 660 6段 3倍 ■ ■ ■ ------ ------ 5 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 2 109式 炎陽 502 / 502 115% 15% ■ ■ ■ ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 ミサイル弾 150 17 / 17 109式 炎陽 316 / 316 ×12%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ナイチンゲール 炎熱 ミサイル 10 D★★ 124×1 6 / 6 3~9 80% 0% 0% 32% 109式 炎陽 316 / 316 ×12%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐衝撃 109式 炎陽 463 / 463 7段 4倍 ■ ■ ■ ------ BX056 D★★ 6 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 2 109式 炎陽 502 / 502 115% 15% ■ ■ ■ ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 ミサイル弾 150 17 / 17 109式 炎陽 316 / 316 ×12%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ナイチンゲール 炎熱 ミサイル 10 D★★ 124×1 6 / 6 3~9 80% 0% 0% 32% 109式 炎陽 316 / 316 ×12%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐衝撃 109式 炎陽 463 / 463 7段 4倍 ■ ■ ■ ------ BX056 D★★ No. 名前 移動力 バーツ 武器 人物 アイテム PRIZEMONEY APNow / Max Body HP状況Now / Max 格闘力 減少率 AP設定/改造LV 防御 Hand 属性 種類 AP 熟練 攻撃 弾数Now / Max 射程 命中率 距離低下率 段差低下率 HPNow / Max エースランク ポイント バトルスキル L.Arm 命中 命中 武器熟練度 回避(回避率) R.Arm 命中 格闘武器 ショットガン グレネード Leg バーニア ダッシュ 回避 マシンガン 火炎放射 キャノン 属性防御 B.Pack 追加出力 ライフル ミサイル ビーム 7 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 2 ------ ハンドガン 貫通 ハンドガン 2 9×1 ∞ 1~2 90% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 0 26 / 26 ------ 不能 ------ -- ------ ------ 8 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 2 ------ ハンドガン 貫通 ハンドガン 2 9×1 ∞ 1~2 90% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 0 26 / 26 ------ 不能 ------ -- ------ ------ 上へ
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「カミやん!起きてるにゃー?」 「インデックス!冷蔵庫の中身夜食べただろ!」 「食べてない!私が食べたっていう証拠が何処にあるの、とうま!」 「ほほう…。その口についたチョコは何なのかなぁ…?」 「ビクッ!た、食べてないもん!」 「あーもう時間じゃねえか…あれ、土御門、ちょっと待っててくれ」 「うにゃー…」 「じゃな、インデックス。お昼、そこのおにぎり食べててくれ」 土御門に案内してもらいつつ、学校へ向かう。 「あれ、カミやん昨日小萌先生からラブコール(電話)来なかったんにゃ?」 「電話線抜いてるから」 土御門の顔がひきつった。 しょうがないんだ、電話なんて怖くて取れないぜ畜生! 「あーそこが女子寮だにゃ」 「ふーん…クラスメイトって何人?」 「覚えてにゃいにゃー」 「あ、○○駅で下車だぜい」 「歩いて通えるようにもなったほうがいいよなー」 電車が止まった時、道が分からないとか間抜けすぎる。 「あ、そこのパン屋にとあるばかがいるんだにゃー」 「…」 「あ、オレとカミやんとそいつで三馬鹿って呼ばれてるぜい」 「まじかよ」 こんな風に、二人は歩いて行った。 「ちょっと早かったぜよ…。今の時間、小萌先生は職員室だにゃ!」 「えーと、小萌先生って、担任?」 「そうだぜい。あ、教室に行っててだにゃー。小萌先生呼んでくるから」 ふらりと歩いていく土御門を必死の思いで止める。 「待て土御門、教室ってどこだよ!?」 「あー…向こうにある一年の、そこの教室」 「さんきゅ。わりいな、色々」 「困った時はお互い様だにゃー」 土御門に教えてもらった教室に入る。 (ふーん…この間までここで授業受けてたんだ…) 教室の戸がからからと開く。 「で、土御門ちゃんは何しに来たですか〜?」 「いやまあいろいろだにゃー…(ホントは忘れものなんてしてないにゃー)」 「あ、上条ちゃん。じゃ、授業を始めるですよー」 ………。 「(土御門、この小学生誰!?)」 「(いうなカミやん!小萌先生は小学生じゃなくビールの味の違いがわかる大人だぜい!)」 「(それもう犯罪じゃ…!?)」 ちなみにこの会話、先生にも聞こえちゃったようで。 小萌先生、俯いてプルプル震えてます。 表情が確認できてたら泣きそうかもしれません。 「…上条ちゃんは、上条ちゃんは、せ、先生をからかいに来たですかー…?」 「ち、違うんだにゃー、これには訳があるんだにゃー」 「記憶、喪失?」 「はい…。そうです」 「か、上条ちゃんが?ど、どどどうしてですかっ!?」 小萌先生があわてている。そりゃそうだろう、誰だって知り合いが記憶喪失になれば驚く。 「いや、それも覚えてません」 「…原因だけ覚えてたらある意味怖いにゃー」 教室で、先生と生徒二名が向き合って座っていた。 一人が土御門元春、一人が上条当麻、そして先生が小萌先生である。 「そそそんなっ…か、上条ちゃん、大丈夫なのですか!?」 「平気です」 そういって、笑った。その笑みは、何処となく透明だった。 「な、何かあったら先生に言うのですよー?」 「あ、ありがとうございます」 「…今日は、特別に休みにします。だから、ちょっと頭の中整理してくるのですよ?」 「…はい」 「じゃ、気をつけてなのですよ」 「はい、さよなら」 まず当麻が出て行こうとした時。 そこにあった机に足を引っ掛けて転んだ。 「あー…不幸っぷりは健在なんだにゃー」 「…今のはドジというのではないですかー?」 そして、先に当麻が出ていき、土御門も行こうとした時に小萌先生に呼び止められた。 「あ、つ、土御門ちゃん!」 「…なんだにゃー?」 「………か、上条ちゃん、気にかけてあげてくださいなのですよ」 「OKですよ、小萌先生?」
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学校の教室にて 当麻「でっ何のようだ?」 土御門「実はカミやんにやってほしいことがあるにゃー」 当麻「……重要なことか?」 土御門「あぁ…かなりな…」 スッと、あるディスクを取り出し、 土御門「コレをやって欲しい」 当麻「なんだ?」 土御門「いいから…ほれパソコン」 ノートパソコンを手渡され取りあえず当麻はディスクを入れると 『とある少女の恋愛シミュレーション』 ゲームタイトルが出てきた。 当麻「……何コレ?」 土御門「そんなに知りたきゃ教えてやる…こいつは!どんな少女達とのフラグも完璧にこなす為に 学園都市の最新技術で作り上げた!!!最新恋愛シミュレーションゲームだぁぁ!!!!」 当麻「なに訳わかんねぇ物作ってんだ!!」 大声で何を言ってんだと思いながら、ツッコミを入れた。 当麻「なんでゲームに学園都市の最新技術をつぎ込んでんだよ!!」 土御門「まあまあ、そう言わずに作るのかなり苦労したんだぜーい」 当麻「って!?お前が作ったの!?そっちの方がすごいんだけど!!」 土御門「ほらっ細かい事は気にせず、やってみるにゃー」 当麻「まぁ…いいけどさ」 『ゲームスタート』 当麻「でも、俺恋愛シミュレーションなんてやった事ないぜ」 土御門「大丈夫、俺がいろいろと説明するにゃー」 当麻「……まぁ取りあえず話を進めていくか…んっ?なんでライフゲージがあるんだ?」 土御門「あぁそれなら後で分かるから、今は気にしなくていいぜーい」 当麻「…?だってコレ恋愛シミュレーションだろ?ライフゲージなんて何に使うんだよ?って、おぉ?」 御坂ルート 目の前に常盤台の超電磁砲の御坂美琴が歩いている…話しかけますか?yes or no 当麻「御坂出んのかよ」 土御門「そりゃあ、俺の知っている女子だけで作ったからにゃー」 当麻「なるほど…まぁ話さなきゃ始まんないよな、yesっと」 土御門「あぁ、言い忘れたたけどカミやん、あんまり不用意に近づくと…」 御坂『なんで、あんたがここにいんのよ!!』ズドォォォォォン!!! ライフが50減った。 土御門「レールガンでライフが減る」 当麻「いやっ!!何でだよ、話しただけだぞ!!しかもライフってここで使うのかよ!?おまけに開始1分で 半分になったぞ!!」 土御門「だから、不用意に近づくなって言ったにゃー、ほらギャーギャー言ってないで選択肢を選んで」 当麻「選択肢?」 御坂『でっ?何のよう?』 A いや、ただお前に会いたくて… B 可愛かったから…つい C 殺し合いをしよう 当麻「おいっ!!なんだCって!すげー危なっかしいのがあるけど!?」 土御門「細かい事は気にせず、ほらっA,B,Cのどれか選ぶにゃー」 当麻「ん~、まぁ急にこんな事言うのは変だと思うが…Aぐらいにしとくか」 御坂『なっ!?何よ急に!?べっ別にうれしくないんだからねっ!!』 『GAME CLEAR』 当麻「なんでだぁぁ!!始まって2分で終ったぞ!!」 土御門「『超電磁砲』はこの中で一番簡単におとせるにゃー」 当麻「簡単すぎんだろ!!」 インデックスルート 数分後… インデックス『ねぇーお腹すいたぁー』 A 分かったよ、なんか食べに行こう B 家まで我慢しろ C そんな暇はない 当麻「インデックスのルートか…」 土御門「にゃー、どうするにゃー?」 当麻「つーか、ゲームの中でもこのキャラかよ」 土御門「俺なりに実物に近づけたつもりなんだけどにゃー」 当麻「近すぎんだろ…まぁゲームの中でくらい我慢してもらうか…Bっと」 インデックス『お腹すいたぁーお腹すいたぁー!!』 インデックスが噛み付いてきた…ガブリ……ライフが0になった 『GAME OVER』 当麻「何でだぁぁぁぁ!!」 土御門「インデックスは腹ペコゲージがMAXになると噛み付かれゲームオーバーになるにゃー」 当麻「つまりあれか!?最初の選択肢の3分の2がゲームオーバーになるってことか!?」 神裂ルート またも数分後… 神裂『どうも…お久しぶりです…』 当麻「神裂のルートか…」 土御門「にゃー、ねーやんの攻略は困難だにゃー」 当麻「まぁ…俺もそんな気がするけど…」 土御門「数ある選択肢の中で一つでも間違えると…」 神裂『うるっせぇんだよ!!ど素人が!!!』 ドシュッ!! 『GAME OVER』 土御門「バッドエンド…」 当麻「難易度高っ!!」 小萌先生ルート またまた数分後… 主人公『やっべぇ、遅刻だ!!』 主人公は、学校へと急いだ… 当麻「これは、ありがちだな…」 車が飛び出してきた。キキッー!、ドゥゥゥゥン!! 小萌先生『大丈夫ですかぁー!?』 土御門「これは、ちょっとベタだったかにゃー?」 当麻「ベタとかじゃねぇーよ!!コレは事故だ!!つーか小萌先生ルート!?」 姫神ルート またまた数分後… 姫神『コレ…運ぶの手伝って…』 手伝いますか? yes or no 当麻「姫神ルートか…これは結構まともだな」 土御門「にゃー、他のヒロインと違って毎日会ってる分、作りやすかったにゃー」 当麻「いろいろめちゃくちゃだったけど…こういう学園ものなら分かりやすいな…」 土御門「だけど、一回姫神フラグを立てて、一日一回も会わない日が会ったら…」 姫神『私って…影が薄いのね…』 その日から…彼女を見なくなった。 『GAME OVER』 土御門「行方不明になる…」 当麻「なんでだぁぁぁぁ!!」 土御門「寂しがりや何だにゃー」 当麻「そういう問題じゃねぇーよ!!姫神に謝れ!!そして姫神ファンにも!!」 吹寄ルート またまた数分後… 吹寄『貴様!!なんのようだ!!』 A いや、ただお前に会いたくて… B 可愛かったから…つい C お前が好きだ 当麻「吹寄ルートか…」 土御門「にゃー、吹寄はねーやん以上に攻略困難にゃー」 当麻「まぁ…確かに難しいだろうな…選択肢もなんか同じようなものばっかだし、取りあえずAっと」 土御門「にゃー言い忘れたが…ちなみに吹寄は」 吹寄『このっ!!』 ドカンっ!! 『GAME OVER』 土御門「口説こうとすると、99.9%の確率でバッドエンド」 当麻「コレもか!?つーかこの不幸の塊である上条さんに0,1%の奇跡なんて起こるわけねぇだろ!!」 土御門「ちなみそれを10回繰り返す」 当麻「確率で言ったら!0,000000って、あぁぁもう何回言えばいいのか分からん!!」 舞夏ルート またまた数分後… 舞夏『メイドは大変なんだぞー』 当麻「舞夏まで出したのか…」 土御門「にゃー、こうすればいつでも舞夏との、初々しい初恋が何回でも出来るにゃー」 当麻「動機もやる事も不純でしかないな」 土御門「ちなみ舞夏は攻略すると専属のメイドになってくれるにゃー」 当麻「意味は分からんが…嫌いではない」 土御門「最終的には…兄である俺と戦って勝つとハッピーエンド」 当麻「……結局のこのゲームのジャンルはなんなんだ?」 土御門「………ラブストーリー?」 当麻「今のところ全部のストーリーで命が危険にさらされてるぞ」
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【初出】 禁書SS自作スレ>>658-660 ◇ ◇ 学園都市二大祭事の一つ、全学合同大規模文化祭、一端覧祭。 開催をいよいよ明日に控え、学園都市の全学校は授業を取りやめにして準備を行っている。 大覇星祭のように他校と点数を競いあうといったことはないが、店の売り上げや展示の客入りが多ければ多いほど今後のステイタスになる。そのため学生達の気合の入れようはすさまじかった。 そんな祭の直前に特有の緊張感に包まれた、ここ第七学区のとある場所にこじんまりとした喫茶店がある。 小喫茶「かるでら」。 「開店」の札がやや見えにくい場所にあり、時には喫茶店だと気付かれずに通り過ぎられてしまうこともあるような地味な店だ。しかし格安で質の高いコーヒーや、名物のパイに惚れ込んで足繁く通っている客も少なからずいる。いわゆる隠れた名店という奴だった。 ただし今日に限っては近所の学校が会場校に選ばれたらしく、その準備に追われているためか昼を過ぎても客足はほとんどない。今店内にいるのはマスターとバイトのウェイター(学生。一見爽やかな好青年だがこの時間にバイトなんかしているあたりある意味で将来有望)を除けば午前中からずっといる男性客が一人だけだった。 窓際のテーブル席に陣取って、コーヒー一杯でねばり続けているその男は、一見したところでは学生にも教師にも見えない。この街でそれ以外の人種というと研究者くらいしかいないのだが、それこそ一番似合っていない。 恐らく二十代中盤。学生ではありえない年齢だが、教師にしては纏う雰囲気が剣呑に過ぎる。服装はどこにでもあるような秋物のシャツとズボンだが、サイズがだぼだぼだ。またネックレスには小型携帯扇風機を四つもぶら下げている上に、髪はジェルか染料で固められて毬栗(いがぐり)みたいになっている。スニーカーの靴紐はなぜか1メートルほども垂らされており、廊下側にまで出てきていた。誤って踏んでも気付かれない長さだ、とマスターとウェイターは囁きあう。 だが、“感心はその程度で終わってしまう”。 この街で教師にも学生にも研究者にも見えない人物がいれば、それは立派な不審人物だ。極めつけに怪しげな長袋(槍でも入ってそうな長さだ)を携えているとなれば、善良な一般市民はすぐさま警備員(アンチスキル)に通報するべきだろう。 しかし、マスターもウェイターも全くそんなつもりになれず、「まあそんな人もたまにはいるかな」ですませてしまう。怪しさを打ち消すほど存在感が薄い男だった。 ――正確には意識して存在感を薄くしていたのだが。完全に消し去るのではなく、最低限度に知覚させることで、駅ですれ違う人の顔のような「その他大勢」に混じることで他者に記憶させないようにする技術。 戦闘の中よりも社会の中で効果を発揮する技である。そして男はそれを呼吸のように自然に行っている。 謎の、そしてその謎を感じさせない男はただソファに深く腰掛けて、パラパラと一端覧祭のパンフレットをめくっていた。 彼が持つのは学園都市内の全会場校を網羅した完全版ではなく、第七学区に限定された縮小版である。 それを気だるげな眼差しで眺めながら、男は誰かを、あるいは何かを待っているようだった。 チリリリリーン……という涼やかな音が鳴った。 音の出所は店の入り口にかけられた小さな鈴だ。こんな日に喫茶店を訪れる酔狂な客が他にもいたのか、と図らずとも店内の人間の感想が一致する。 控えめにドアを開けて入ってきた客は、またも男性で、またも異様だった。 身に着けているスーツは葬式帰りかと思えるほどの黒尽くめ。更に見上げるほどの巨躯であった。一人目の客も長身の部類に入るが、明らかにこの男の方が体格がいい。年齢はそういくつも違わないだろう。糸のように細められた目はどこを見ているのか定かではないが、かもし出す雰囲気は不思議と落ち着きを感じさせる。右手には大きめのボストンバッグを持っていた。 早速暇を持て余していたウェイターが応対する。 「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」 「いえ、待ち合わせをしていまして」 二人目の客はちらり、と窓際の男を見る。最も瞳が見えないほどに目を細めたままなので、あくまでそれらしい挙動をしたということだが。 ウェイターは、おかしな話もあるものだ、と思いながら黒尽くめの男を席まで案内する。 一人目の客はパンフレットを閉じ、テーブルを挟んで向かいに座る黒尽くめの男をしげしげと眺めた。 ウェイターがカウンターに戻ったのを確認してから、長袋の男は口を開く。 その口調は待ち合わせをしていた仲にしては、刺々しい。 「なあお兄ちゃん。俺の記憶が正しけりゃ、俺はお前さんの顔も見たことがないんだが」 「奇遇だな。私もだ」 拍子抜けするくらい正直な答えだった。長袋の男の眉間に皺がよる。 「じゃあ何か。男相手のナンパか。そいつぁお断りなのよな」 「これまた奇遇だ。私もそのような趣味は持ち合わせていない」 「…………、ああ分かった。喧嘩売りに来たのかお前さん」 長袋の男の目つきがさらに険しくなる。気の弱い者なら失禁しかねないほどの殺気が真正面に放たれる。 しかし黒尽くめの男はわずかに怯みもせずに、細められた――長袋の男はここで初めて気付いたが、彼は目を細めているのではなく完全に閉じていた――目を向けて、 「その通りだ」 と答えた。 「単刀直入に尋ねる。ここ数日、学園都市第七学区でこそこそとよからぬ動きをしているのは貴様だな?」 「………………………………、」 「何をたくらんでいるのか知らないが、不愉快だ。即刻消え失せてもらおうか」 断言。ファーストコンタクトが最後通告とは理不尽にも程がある。が、黒尽くめの男の表情にはいささかの冗談も含まれていなかった。 「……、」 長袋の男は沈黙し、観察し、熟考し、 「はぁ~~」 嘆息した。 この上なく気だるげに、長袋の男は言う。 「お兄ちゃん。俺だってまあ、あんまり褒められたことしてるわけじゃないって自覚くらいあるのよ。でもそれを他人にどうこう言われるのはまた別の問題な訳でな。第一、“こそこそ何かやってるのはお互い様だろうに”。折角これまで見逃して来てやったのを自分から喧嘩降りかけて無駄にするかね普通」 「――ほう」 黒尽くめの男の手が横に置いたボストンバッグの口にかかる。ほぼ同時に長袋の口紐もほどかれていたが。 「警告だけで済ませてやってもいいと思っていたが……そういう訳にもいかなくなった」 「俺はそれでも構わんのだがね。でもお前さんが俺やこの街にいらん迷惑かけようって言うのなら、放ってはおけんなあ」 「は。よく言う。どちらのことだというのだそれは」 そこで会話が途切れた。 瞬間、戦場が発生する。 戦闘を望む者が複数居れば、どこであろうとそこは戦場になるのだ―― 「失礼します」 と、動きだす直前に横からウェイターの声が割って入った。いつの間にかカウンターから戻ってきていたのだろう、地面と平行にした掌の上に色々な物が載せられたお盆がある。 「ご注文はお決まりでしょうか」 爽やかな営業スマイルを向けられて、黒尽くめの男は一瞬反応に詰まる。 「あ、い、いえ。何かおすすめのようなものはありますか?」 寿司屋じゃねぇんだから、と長袋の男が小声で言うのを閉じた目で牽制。ついでに一杯飲んだら表出てヤルぞこら、とも伝えておく。 長袋の男は可笑しげに口元を吊り上げて笑った。了承の意味を込めて。 ウェイターはそんなやり取りが行われているとは露知らず、変わらぬ営業スマイルで、 「そうですね。本日のおすすめはパンプキンパイとシナモンティーでしょうか。珍しい薔薇の形をした角砂糖もございます。さらには」 お盆から水の入ったコップ、おしぼり、黒い石のナイフを順に手にとって、 「魔術師の方限定で、全身をバラバラにするサービスも行っております」 直後。 窓から注ぐ遠い星の光を集めて、物質分解の魔術が発動した。 部品(パーツ)に分解され崩れ落ちるテーブルセット。 それに巻き込まれる前にそれぞれ逆方向へ大きく飛びのいた二人の男は、床に着地するなり全く同時にこう叫んだ。 「「何者だ!」」 瓦礫の向こう。 爽やかウェイター――その皮を被っていた少年は石のナイフを手の中で幾度か回転させると、 「何者って、貴方達に言われる筋合いは無いとおもいますが。それにしてもおかしな話もあったものです。まさかこんな何の変哲もない店に魔術師が“三人”も集まるなんて」 魔術師。 その言葉に今さらながら男達の背筋が冷える。 科学至上の学園都市の正逆に位置する世界の住人。それが魔術師だ。 この少年“も”そうだというのか。 だが、と長袋の男は恐怖と共に戦慄する。数時間同じ店の中に居たにも関わらず、互いの素性に自分だけが気付けなかった! この街にいてもおかしくない学生の身分を装っていたことを差し引いても、「魔」の気配を隠すことにかけては少年の方が上手であるようだった。 また、ふと店の奥に目をやってみると、マスターが眠るようにカウンターに突っ伏している。さっきの魔術を目撃されることを恐れての少年の仕業だろうが、それすらも不可認の内にやってのけたとは、想像を絶する力量である。 長袋の男は少年の『役割』を推察した。 「お前さん。暗殺者か」 「いえいえ。とっくに廃業して今はしがないスパイですよ。自分みたいな容姿の人間は、この街に入り込む分には重宝されましてね」 ナイフの切っ先は右と左、二人の男の間を油断なく揺れ動く。 すぐに追撃してこない所を見ると、先ほどの物質分解は連発が出来るタイプの魔術ではないらしい。あるいは制限のようなものがあるかだ。その隙に男達は己の獲物を準備する。 長袋から引き出されるのは、波打つ刃を持った西洋風の長剣――フランベルジェ。 ボストンバッグから取り出されるのは、小型の弓が機巧(からくり)で取り付けられた篭手。 男達が装備を整えるのを、少年は黙して許した。余裕からかそれとも時間稼ぎのためか。 どちらにせよ、武器を下ろさないということは、 「お前さんも混じりたいってことだな?」 「ええ。是非。……自分は静かに日々の暮らしを過ごしていきたいと思っているのに、何故かいつも邪魔が入るので少しムシャクシャしていたところです。それに貴方がたのような輩を見過ごしておくと、申し訳の立たない人が近所にいますしね」 黒石のナイフが掲げられる。照準は少年の真正面。窓だ。 長袋の男――もとい長剣の男は野蛮な笑みを見せて獲物を振り上げる。 「ははは。そういや俺の知り合いにもおるのよな。あんたらみたいなのを見かけたら後先考えずに殴りかかりそうなのが。祭りの前だ、余計な気苦労かけさせんよう骨を折っておくのも大人の責任かもしれんわな」 黒尽くめの男――もとい篭手の男は静かに機巧を動かし弦を巻き上げる。 「奇遇が多いな。私の恩人もこの街にいる。もし彼が貴様らのことを知れば……いや、ここで終わらせれば済むことだ」 そこで会話は終わった。 刹那の後。 閃光と白氷と烈風、三種の力で窓ごと喫茶店の壁が吹き飛ばされたのを合図に、戦場が始まった。 さて。 関係ない話はこのくらいにして、そろそろ本筋に戻るとしよう。