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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある恋人の日常風景 第二章 それは偶然か必然か ~ 十二月一日 「あー。今日も疲れた疲れたぜ疲れましたよ三段活用? 上条さんはもう心身ともにへとへとです。 インデックスは小萌先生のとこで焼肉パーティーらしいし、今日のところは久しぶりにファミレスで 優雅に晩飯でも食いますか」 放課後、上条は上機嫌で雑踏の中を歩いていた。いや、実際には上機嫌などではなく、ここ数日 の不幸続きで逆にハイになっているといったところか。 彼の不幸?は今日も例外ではなく、六限目が体育だったのだが、諸事情により授業に遅刻した上 条は罰として校庭を約四キロ分ぐるぐると走らされ、帰り際に小萌先生から『上条ちゃんはバカなの で課題をプレゼントです。期限は明日までに必ずですよー』と例の如く大量の宿題を渡され、学校の 正門前では車に轢かれそうになり、さらには美琴とデートの約束をしていたのだがドタキャンされて しまった。 ちなみにデートのドタキャンは、カエル顔の医者と御坂妹から呼び出しを喰らったとのことで、心配 になった上条は俺も一緒に付いて行くと言ったのだが、『私と妹の問題だからアンタがいちゃダメな のよ』とのことで断られてしまった。ただ、十九時に病院へ来るようにとのご命令は下りている。 という訳で、それまで何もすることがない上条は、久しぶりにちゃんとしたご飯でも食べようかななど と考えた結果、ファミレスでも寄って腹ごしらえと時間潰しでもしようということに決めたのであるが……。 「んー? あの変なツインテールは白井か?」 前方にふらふらと歩く見知った少女の存在を認めた。 「なにやってんだあいつ。ぼーっとしてるっぽいけど」 * (はぁ…。一体どうしてしまったというのでしょう。訳が解りませんの……) 白井黒子は、自身の胸中を支配しつつある莫大な感情に戸惑いを隠せずにいた。 白井は今、学生で多くあふれる放課後の第七学区を一人で歩いている。ただ、他の多くの学生た ちとは違い、彼女はここで遊んでいる訳ではない。風紀委員として巡回しているのだ。白井は人一倍 の正義感と、決して悪を許さないという強く堅い意思を持つ人間である。だからこそ、彼女は『風紀委 員』であるし、どんなに危険で大きな悪に対しても、その幼さの残る小さな体で立ち向かう。そんな揺 るぎない強く堅い意思は、彼女にとって憧れの存在となるお姉様――白井のルームメイトであり、学 園都市の頂点・超能力者(レベル5)の第三位である『超電磁砲(レールガン)』御坂美琴を想い慕う 気持ちも変わらない……はずであった。 白井は今、学生で多くあふれる放課後の第七学区を一人で歩いている。風紀委員として巡回して いるのだ。しかし、彼女は周囲の光景をはっきりと認識していない。なぜなら、白井は今かつてない ほどの莫大な“何か”という感情に戸惑い、悩んでいるからだ。最近見た映画やドラマなど、いろいろ な事を考えても、目を凝らして周囲を見回してみても、気付いた時にはその“何か”について考え悩ん でしまっているのである。 (それもこれもすべてあの殿方のせいですの。ええ、絶対そうですの) 白井が今、ぐるぐると同じ思考を繰り返しているのには大きな訳がある。彼女が想い慕うお姉様、 つまり御坂美琴に、上条当麻という彼氏(こいびと)ができてしまったからだ。そして、その事実を 知ったとき、自分の胸の奥底から“何か”という感情が溢れ出したからだ。 美琴と上条が付き合っていることを本人たちは公表していない。黒子は先の事情により知ってしま っているが、それ以外に“事実”を知るものはいない。しかし、常盤台中学の校内では既に様々な噂 が飛び交っていて、美琴を祝福する者や妬む者も存在する。今の白井が“どちらの立場なのか”と 問われれば、間違いなく祝福する者ではないと断言できる。嫉妬しているのだ。しかし、その嫉妬と は一体“何に対して嫉妬”なのだろうか。 なぜ自分がそんなくだらないことを繰り返し考えているのかは解らない。しかし、頭の中では美琴 と上条のことばかり考えてしまう。本当に、そんなことばかり考えて歩いていた。周囲の喧騒など耳 に入らない。周囲の風景など目に入らない。だからだろう、目の前に地下街の入口があることにも 気づかず、白井はそのまま足を踏み出してしまった。 「ッ――!」 一瞬の出来事だった。足元にあるべき地面が“突然無くなった”。 いや、違う。白井は地下街の入口で階段を踏み外したのだ。 地下街というものは意外と深いもので、万が一転倒してしまった場合、ビル二階分もの階段を一 気に転げ落ちるような場所だって存在するのだ。下手をすれば骨折どころでは済まない。人間とは とても弱い生き物である。打ち所が悪ければ、たった1メートルの高さから落下しただけでも簡単に 命を失うのだ。 白井の能力は大能力者(レベル4)の『空間移動(テレポート)』である。空間移動では、三次元上、 つまり普段我々が認識している“この空間”に存在するものを、そのまま目的の場所へ投げるように 飛ばすのではなく、座標を一一次元上の埋論値に置き換えて空間を再把握・計算し、物体が今現在 ある座標から指定した座標へ“転送する”のである。三次元上からは一旦“消滅”させ、移動先の空 間を押しのけて“出現”するような格好になるのだ。 例えば鋼鉄の棒をまっすぐ立て、そこへ薄い紙切れを転送したとする。その棒のうち紙を転送され た場所は、転送したもの・されたものの強度に関係なく、その転送した紙の分だけ上下左右に押しの けられてしまう。もし棒の平面積より紙の平面積が広ければ、柱は完全に分割・切断されてしまうだ ろう。壁や土の中に物体を転送して、埋め込んでしまうことだって可能だ。白井が被疑者確保や護身 用として良く使う『金属の矢』もこれの応用なのである。 しかし、一見攻撃性が高くまた移動便利に見える白井の能力だが、ご存知の通り重大な欠点が、 大きく言って二つある。 一つとして、自らの体表面に触れているか、着衣やアクセサリーなどの体表面から極めて近い距 離、つまり能力の有効範囲内にあるもの以外は移動できないのだ。その為、遠くにあるものを移動 させる――例えば飲み物や雑誌などを、置いてある場所から自らの手元に転送させる、といった便 利な使い方は残念ながら出来ない。 そしてもう一つの欠点が、非常に複雑な一一次元上の埋論値に置き換えなければ空間把握・座 標計算を行えないため、正確な移動や転送のためには高い集中力と極めて高度な演算能力が求 められる。能力を発動する際に突然の衝撃などにより集中力が途切れてしまうと、正確な座標計算 が出来なくなり、能力が無効化(キャンセル)されたり転送を失敗してしまう。 つまり、現在の状況下では、白井は自身の能力を使用して安全な場所へ自身を転送することも、 衝撃緩和のためにクッションとなりうる物体を下に準備することもできない。自身の能力など、何の 役にも立たないのだ。重力に逆らうことも、危険を回避することもできない。 そして―――― 「…ぇ?」 白井は、階段を転げ落ちることはなかった。 能力が使えたのではない。誰かが白井の右腕を掴んだのだ。 「おい、大丈夫か!? お前何やってんだよ、危うく大ケガするところだったぞ」 「……か、上条さん。すみませんの、少し考え事をしていたもので。おかげで助かりましたわ」 「ったく、気をつけろよな。まぁ、ケガしなくて何よりだ。お前いつも一人で突っ走ってそうだし、これ以 上ケガされちゃ困るしな。つーか考え事? 悩みでもあるなら、この上条さんが何でもお聞き致しま すよ」 上条はそう言うが、白井の悩み事の原因がまさか自分と美琴にあるなんて思っていないだろう。 実際、上条は「風紀委員での仕事が大変なんだろうな」程度にしか考えていない。確かに白井以外 の人間からしたら、そちらのほうが重要なのだろうし。 「ご心配いただいて光栄ですわ。ただ、せっかくですが考え事のほうは大丈夫ですの。風紀委員の 支部でもうすぐ大掃除があるのですが、片付けなければならない書類が多いもので、今から頭が痛 くなっていただけですから」 白井は上条の胸元にぶら下がる、どこかで見たようなオープンハートのネックレスに気付いた。 彼女の心の中の“何か”傷む。それが“何なのか”、そして何故痛むのかはわからない。 「あら? 随分と可愛らしいネックレスされてますのね」 「あ、ああ。……男がピンクのハートってやっぱ変か?」 「別に、趣味は人それぞれですわよ。あと、せっかく助けて頂いたのに申し訳ないですが、今わたくし とても忙しいもので……。お礼は後日必ず致しますの」 忙しいなんていうのは嘘だ。白井は今暇であり、だからこそ支部に詰めずに巡回をしているのだ。 ではなぜ忙しいなんて言ったか? それは、なぜか上条の前から早く立ち去りたくなったのだ。しか し、それがなぜかはわからない。 「お礼? 別にいらねーよ。お礼してもらうために助けた訳じゃねえしさ。お前がケガしないで済んだ んだから、それだけで十分」 「あなた、本当に無条件で人を助けるんですのね……。ですが、お礼はわたくしが勝手にさせて頂き ますの。……それでは」 「ああ、気をつけろよ」 歩き始めた白井は、「あ、それと……」と何かを思い出したように立ち止まると、上条の方へと振り 返り、 「わたくしのお姉様にちょっかい出されましたら、例え命の恩人であろうと決して許しませんので、 そのつもりで」 にこやかな笑顔で上条にそう告げ、再び歩き出した。 その笑顔は、皮肉や当てつけではなく、“彼女なりの強がり”であった。 * 上条はかかりつけと言っても差し支えないほどまでに来なれた病院の前にいた。といっても彼の 体に異常はないし、入院患者の見舞いに来た訳ではない。そもそも時間は既に十九時であって、 本来ならば部外者は出入りできない時間だ。ではなぜここにいるかというと、この病院に入院して (住んで)いるとある少女に会いに来るようにと、美琴から呼ばれていたからだ。 妹達(シスターズ)――御坂美琴の軍用量産型体細胞クローンのうち、上条から御坂妹と呼ばれ ている検体番号(シリアルナンバー)一〇〇三二号を含む数名の“ミサカ”は、かつての絶対能力進 化(レベル6シフト)計画の中止後にこの病院へ保護された。ここで彼女たちはそれぞれが“ひとりの 人間として”、制限があるとはいえ普通に(と言えるかは別だが)生活できるようになったのだ。 「どっから入りゃいいんだ? つーかこんな時間に一体何なんだ??」 上条は病院の前で立ち尽くしていた。正面玄関はすでに閉まっていて、どこから入ればいいのか わからない。まさか救急入口から入る訳にはいかんだろう。美琴にメールしてみようかと思ったが、 院内では携帯の電源を切っているだろうから意味ないだろうと判断した結果、こうして途方に暮れ てしまっている。 恐らく帰宅するところであろう職員が、上条を怪訝な表情で見ている。はっきり言って、こんな時間 にこんな場所をうろつく男は不審者以外の何者でもない。そして、その職員と思わしき男性が上条 に近づく。 「あの、どうなさいました? 何かご用でしょうか。面会時間は十七時までですが」 「い、いや、別にあやしい者では」 その返答はおもいっきり不審さをアピールするようなものである。どう返答すればよいかわからな かった上条はついうろたえ、職員が彼を不審者として通報しようとする。そこに、突然第三者からの 声がかかった。 「どうしたんだい?」 「せ、先生! この少年がうろついていたもので」 「ああ。いいんだよ? 彼は僕の知り合いだからね?」 カエルのような顔をした医者が誤解を解く。 「はー助かった……。先生、ありがとうございます。いや、一体どこから入ればいいのかと……」 「ああ、それはすまないことをしたね? 彼女、入り方を君に伝えていなかったんだね?」 カエル顔の医者はそう言うと、上条を職員通用口へと案内した。そして、白衣の胸ポケットからID カードを取り出すと、 「君のIDは登録してあるからね? これ、上条クンのIDカードだ。いつでも好きな時に入っていいよ?」 「……、はい??」 カエル顔は、さも当然とでも言うように、 「君はとても重要な関係者だよ? 自由に出入りできるのは当たり前の事じゃないかい?」 「……あの、先生。なぜこのわたくし上条当麻がとても重要な関係者なんでせう?」 「とても重要な関係者だからに決まっているからだね?」 それは答えになってない、という言葉は飲み込んでおくとして、なぜか上条は自分の行く先が不安 でたまらないのであった。 結局、カエル顔の先生(美琴曰くリアルゲコ太)に案内されるがまま病院内へと足を踏み入れた上条 だったが、先生は医局へ戻るとのことで、一人で御坂妹の“部屋”へと向かうことになった。 臨床研究エリア――この病院にはそう呼ばれる区画がある。位置的に関係者以外が訪れることは ないと言ってもいいほど静まったエリアで、その一部では同じ身体の少女たちが一〇人ほど生活して おり、事実上そこは少女たちのための場所になっている。 その臨床研究エリアへと入ってすぐ、上条の目になにやら奇妙な光景が飛び込んできた。そこには 色違いのパステルカラーで無地の、ブラウスタイプのパジャマを着た四人の少女と、常盤台中学の冬 服を着た一人の少女が、“姉妹ゲンカをしていた”。 「またコソコソと汚い真似をしていたのですね! とミサカ一〇〇三二号はコイツを非難します!」 サックスのパジャマを着た、少年から唯一“御坂妹”と呼ばれる少女がそう声を張り上げると、 「ちょっとあんた! なんで私より“大きいのよ”!」 ベージュのブレザーを着た、彼女たちのお姉様である御坂美琴が怒り、 「み、ミサカは自らに迫る危機を――――ッ!」 ピンクのパジャマを着た、いま四人から取り囲まれている一九〇九〇号は、 「逃がしません! とミサカ一三五七七号は実力行使します」 オレンジのパジャマを着た少女に“上半身を脱がされ”、 「やはり明らかに大きいです、とミサカ一〇〇三九号は報告します!」 パープルのパジャマを着た少女に“胸を後ろから揉むように鷲掴みにされた”。 そして、上条にとって不幸なことに、 「い、いや、見ないで下さい、とミサカは……」 人一倍恥ずかしがりな一九〇九〇号が、上条を見つけてしまった。 * ここで状況を説明しておこう。 上条当麻と呼ばれるツンツン頭の高校生はいま、一九〇九〇号を除く四人の少女からフルボッコ にされ、床にへたり込んでいる。 一般的に、女性はパジャマの下にはブラジャーをつけない。これは寝る時に圧迫感があったり、ワ イヤー入りのブラの場合これが刺さったりして痛いからだ。だからこそ、パジャマ姿の彼女たちはいま ブラをつけていないし、もしそのブラウスタイプのパジャマの前ボタンを全部開放させたらどうなるかは わかるであろう。 つまり上条当麻は、いま顔を赤く染め涙目で自分の身体をぎゅっと抱きしめるようにしている一九〇 九〇号の胸をばっちりと見てしまったのだ。一応上条を擁護すると、胸の大きさについて揉めた少女 たちが実力行使した際、偶然上条が来てしまい見えてしまった、ということで、決して上条がケダモノ になった訳ではない。 しかし、見てしまったという事実は変らないため、美琴と三人の妹達から鉄拳制裁を喰らった訳で、 上条によると「ふ、不幸、だ……」とのことである。 妹達――それは“造られた心”を持った“造られた実験動物”であった。しかし、とある事件での とある少年の行動や言動がきっかけとなって、“自らの心”を持った“一人の少女”へと少しずつ 変っていった。 あれから三ヶ月以上が経ち、彼女たちはかなりの個性が出始めている。彼女たちが着ているパジ ャマの色もその表れだ。性格・趣味・趣向など、それぞれがそれぞれの“人間”へと成長を遂げている。 多くの妹達は感情や表情が多彩になり、自然な笑顔も見せるようになった。一九〇九〇号の恥ずか しがり屋という“個性”、御坂妹の表情が相変わらず乏しめという“個性”。それらは決して造られたも のではない、彼女たちの自然なものなのだ。 閑話休題。 上条はいま四人の同じ顔をした少女から睨まれている。理由は先の通りだ。 「あんた! ナニ人の許可もなく勝手に妹の胸見てんのよ!」 「いくらミサカがコイツの愛玩奴隷だからといって、これは許せません。とミサカはこの浮気男を睨み つけます」 「今の一〇〇三二号の奴隷宣言は聞き逃せません! と、ミサカは初めて会う当麻様に心奪われそ うになるのを我慢しながら二人を交互に睨みつけます」 「また一九〇九〇号は抜け駆けしようとしてますね? とミサカ一〇〇三九号は――」 「だから不可抗力だあああ!」 矢継ぎ早に飛び交う同じ顔の少女たちの言葉。 そして弁明する上条。 どういうわけか美琴と妹達は口調のみならず声色まで違うので、一人だけ別の声の美琴は聞き分 けがつくし、首にかかるネックレスでも見分けはつく。また、御坂妹は他の妹達より表情が乏しめ(穏 やかとも言う)であり、これまた首にかかるネックレスで見分けがつく。しかし、小っこいのを除いた他 の妹達に会うのは今回が初めてであり、恥ずかしがり屋で口調がごにょごにょした一九〇九〇号は すぐに掴めたが、後の二人はまったく見分けがつかない。 とりあえず今回はパジャマの色(一人は制服だが)で見分けることにした上条は、自らに怒りをぶつ ける“妹達に”、こう声をかけてしまった。 「そ、そうだ、お前ら、そのパジャマ似合ってるじゃねえか」 少女たちの怒りの声が止んだ。(お姉様を除く) そして、唯一隅で黙って顔を赤くしていた一九〇九〇号が、 「あ、あの、可愛い……、ですか? と、ミサカは不安になりつつ聞いてみます」 と上条に問いかけ、 「え? ああ、可愛いと思うぞ」 と上条が上条らしからぬ答えを返したことにより、 「か、可愛いと言ってもらえました、とミサカの胸は幸せでいっぱいになってしまいます」 と彼女は喜んでいたが、 「「「「……。」」」」 無言の怒りのような重圧が、ひしひしと上条に伝わってくる。 「あんたは……、」 「は、はい?」 「そんなに恥らう妹が好きかこのシスコンがぁぁぁあ!」 「ち、違う! そういう訳じゃねえええ!」 「では、姉妹セットでご購入ということですね? とミサカはこの粗大ゴミを見下ろしながら問います」 「粗大ゴミはこんな所に放置せず病院裏の集積所へ捨てるべきです。とミサカは一三五七七号はす ぐに実行しようと考えつつ提案します」 「粗大ゴミは勿体無いのでリサイクルすべきではないでしょうか。と、一〇〇三九号は独占を狙いつ つ――」 「ちょっとアンタたち、私の彼氏を粗大ゴミ扱いしてんじゃないわよ!」 「粗大ゴミは粗大ゴミです。とミサカは空気の読めないお姉様の発言に苛立ちを――」 * 結局、再び?燃え上がった姉妹ゲンカに巻き込まれ、何の為に病院へ行ったんだかまったくわから ないうちに、お怒りモードの美琴に連れられ外へ出た。なぜ怒っているのか問いかけたところ、「アン タがあの子たちにまで手を出すからでしょうがどバカ!」と怒鳴られた。どうやらさらに怒らせてしまっ たらしい。 仕方がないので少し恥ずかしいが抱きしめてキスしてやったら、途端に猫モードにシフトチェンジ したらしくおとなしくなった。最近ようやく美琴の扱い方がわかってきたかもしれない。 「アンタね、ちょっとは人の気持ち考えなさいよ」 「だから悪かったって。ほら、ヤシの実サイダーおごってやるからさ」 「い、いらないわよそんなもの。モノで釣れると思ったら大間違いなんだから。だいたい、私は飲み物 より、あ、アンタが……」 美琴は顔を赤く染めながら上条の顔を見上げていた。 「俺が、どうしたのか?」 「……ッ! このバカ!」 これは可愛すぎる訳で……。 しかし、ぎゅっと抱きしめたくなる衝動はぐっとこらえ、気になっていたことを聞いてみた。 「そういえばさ、結局何だったんだ? お前はなんだかずっと姉妹ゲンカしてたし、なんか知らねえ けど勝手に俺のIDカード作られてて関係者扱いされたし」 「え? あ、あー……、それね。私はあの子達に呼ばれたから行ったのよ。話しがあるからってね」 「話?」 「そう。なんかアンタと手つないで歩いてるところ見られちゃったらしくてねー。問い詰められただけよ」 「何だそんなことか……。てっきりあいつらに何かあったんかと心配してたんだぜ」 「……、あったと言えばあったわね、一人。胸とかお腹とか腕とか」 「は、はい?」 恥ずかしがり屋さんのスタイルの件を引きずっているらしい。 ちなみに抜け駆けの常習犯さんは、引き締まったウエストだけでなくバストも大きくなっている。 美琴や妹達の中で最もスタイルが良いらしいが上条はそれを知る由もない。 「なんでもないわよ! こっちの話」 「あのー、すげえ気になるんですが」 「気にすんなバカ」 「バカで悪かったですよー。じゃなくて、じゃあ関係者ってのは何なんだ? 勝手に俺の写真がIDカー ドに転写されてるんだが」 重要なのはそこである。上条の個人情報・写真などをもとにIDカードが作られていて、さらに指紋 なども登録されていた。本人の知らないうちに、だ。 「あー、それねー。私のIDカード作るって言うから、あんたのもついでに作ってもらったのよ」 「テメェかッ! 何勝手に作らせんだよ!!」 「いいじゃない。アンタはあの子達のお兄ちゃんなんだからね」 「お、お兄ちゃん?」 「私はあの子達の姉なのよ? その姉の彼氏は兄みたいなもんじゃない。だいたい、アンタがあの子 達を助けてくれたんだし、懐かれてるんだから立派な関係者よ」 「あのなぁ、それは否定しないけどな、一言くらい何かあってもというか本人の許可くらい取るだろふ つう」 「ゴチャゴチャうるさいわね。せっかく夜に星空の下を二人で歩いてるんだから、手つなぐとかもっと そういう雰囲気作りなさいよ」 そう言って、美琴は上条の右手を握った。が、 「ダメ。今は強引なお嬢様にお説教タイムです。とにかく、何で俺のID作らせたんだ? ついでじゃなく てなんか理由あるんだろ? 正直に言いなさい」 「ないわよ」 さらり、即答である。そして美琴は続ける。 「あったほうが無いより便利じゃない。それに、これからはアンタが関係者として病院へ行くことも増え るんだから」 「何で増えんだよ」 「私としては悔しいけど……、アンタも知ってる通り、あの子達はアンタの存在を必要としてるのよ? だからたまにでいいからアンタも“あの子達の家”に遊びに行ってあげること。おっけー?」 「遊びにって何だ? 何しろって?」 「雑談したりするだけでいいのよ。あの子達は“上条当麻という異性がいるから個性が出る”の。悔し いけどね。あ、許可なく浮気したらダメよ? 音速十倍以上で一〇センチくらいの鉄球を超電磁砲で プレゼント」 さらっととんでもないことを言う。しかし怒らせたら本当にされそうで恐いのだが。 「じゅ、十倍!? 三倍じゃねえのかよ?」 「三倍は公称値よ。コインを五十メートルプールの水に向かって限界まで手加減して音速の三倍毎分 八連発、それ以上だと測れないどころかプールが消滅するし。やったことないけど、巨大な金属の塊 でも本気でぶっ放したら、衝撃波で学園都市どころか都心まで吹っ飛ぶんじゃない?」 「いや、あの、やったことあったらもう俺どころか東京都民ほとんど死んでますから」 「大丈夫よ。もしそうなってもアンタだったら私を止めてくれるでしょ? 当麻には負けないけどこの右 手には勝てないわよ」 そう言って、美琴は自分の左手を握り締める上条の右手を引き上げた。幻想殺し(イマジンブレイ カー)――それは美琴にとっては敵であり必須でもある大切な彼の手。以前ほど漏電することはなく なったとはいえ、やはり不意打ちされたり妙に意識してしまうと漏電してしまうので、そんな時は右手 で止めてもらわなくてはならない。 「っていうか話はぐらかしすぎだろお前!」 「いいじゃない!」 美琴はクスリと笑い、 「私のため妹のため。裏も表も無いんだから、アンタはそう考えてればいいのよー」 「あ、おい待てコラ!」 上条の手を離し、タッ、と走り出す美琴。 そして美琴を上条が追う。 いつもとは逆の追いかけっこが、星空の下で始まった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12月1日  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 今日、街で考え事をしながら歩いていて つい周りが見えなくなってしまいましたの。 気付いた時には階段を転落しそうになり、 能力も使えず大怪我を覚悟したところ、 あの腐れ類人猿がまたしても わたくしを助けてくださいましたの。 そんなことで高感度をあげて、お姉様を 奪おうなんて百年早いですわ。 ケッケッケ。 でも、本当に助かりましたの。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある恋人の日常風景
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるベランダの超電磁砲 第二章 明確なる敵~melt downer~ 部屋に入ってきたのは女だった。 「たくっ、手間掛けさせやがって。やっと見つけたと思ったら男の所にしけこんでたとはな。まあいい、さっさと死にな」 女は手から白い光線を放つ。 美琴はそれを電撃で弾く。 「糞が、本当にムカつくね。その能力」 「そりゃどうも」 この状況を理解できていないのは上条だ。 「おい、ちょっと待てよ。人ん家にいきなり入ってきて、御坂を攻撃して、いったいなんなんだよ!?」 「あ?私に指図しようっての?ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね」 女が光線を上条へ向けて放つ。 (超能力!!) 上条はとっさに右手を構え、それを打ち消す。 「は?何で消えた?」 納得がいかないのは女のほうだ。 もう一度光線を放つが、その度に上条は右手で打ち消す。 「やめろよ。お前が何度それを撃ったって、俺は何度でもそれを打ち消す。もう諦めて帰ってくれ。それにどうして、御坂を狙うんだ」 「糞が!!何なんだよその右手はあァァあァァあ!!私は超能力者だぞ!『原子崩し』の麦野沈利だぞ!!テメェごときに」 激怒した麦野は、連続で『原子崩し』を撃つ。 それでも上条は全て打ち消す。 「クソ、埓が明かねぇ」 麦野は懐からカードを取り出し、空中へと放り投げると、それに向かって『原子崩し』を撃つ。 「これでも打ち消すことができるかにゃーん」 カードに当たった『原子崩し』が拡散し、上条を襲う。 (な、こんなに消せるわけ!!) 拡散しているので避けることもできない。 (俺、死ぬのか) 上条が死を覚悟したその時、 拡散した『原子崩し』が彼を避けるように軌道を変えた。 (え、生き・・・てる?) 「やらせは、しないわよ!!」 上条には原理はわからなかったが、どうやら美琴が電撃で『原子崩し』を防いだようだ。 「御坂!」 「第三位か」 もう一度 「パリィ!パリィ!パリィ!ってかぁ!!そんなんじゃいくら防げてたって私に勝つことなんざできねぇぞ!!」 「うおぉお!!」 迫り来る『原子崩し』を避け、上条は攻撃に入る。 「接近すれば勝てると思ったぁ?甘いよ!!」 「ぐあっ!!」 麦野の蹴りが上条の腹に直撃する。 その隙に美琴が電撃を放つがそれも弾かれる。 「・・・・・・御坂、俺がもう一度前に出る。頼むぞ」 「うん」 具体的なことは言わなかった。 それでも美琴を信じて前へ出る。 「やけになったか。終わりだよ!!」 今までよりも1回りも2回りも大きい『原子崩し』が上条を襲う。 それでも上条の足は止まらない。 直撃しようとしたが、『原子崩し』が真ん中から2つに裂けた。 まるで彼に道を開けるように。 そして、麦野の前へ出た。 「しまっ!」 「俺は事情なんてわからない。だけど、お前が御坂を殺そうって言うなら」 今の攻撃の反動で麦野は動けない。 「その幻想をぶち殺す!!」 右手が麦野の顔面に当たり、後ろへ飛ばされる。 「気絶してるみたいだ、今のうちに逃げるぞ。ここにいてもまずい」 「逃げるって、どこに」 「あてはある。行くぞ」 美琴の手を掴んで上条は走り出す。 「・・・ごめん。こんなことになって」 走りながら美琴が話す。 「お前が無事ならそれで良いよ」 「・・・・・・」 美琴は何も言えなかった。 突然襲われて、命懸けで自分を助けて、今も一緒に逃げてくれる上条に。 けれども、決して言葉にできなくても、彼女は感謝していた。 彼女が唯一助けを求めることができた上条当麻に。 「御坂、着いたぞ」 着いた場所は学園都市には似合わない、木造のアパートだった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるベランダの超電磁砲
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸なHappy days 元彼代打 「ふふふ、残り半月を二千円で過ごすことになるとは。さすがの上条さんも乾いた笑いしか出ないのであります」 太陽があっても寒さを感じる日中、銀行から出てきたゾンビもとい上条当麻は例のごとく不幸により金欠であった。 「……いろいろあった事件が『例のごとく』でまとめられた気がする」 「あ、いたいた」 「どうインデックスに伝えれば生還できるかねぇ。あれ、恐怖をまき散らす食欲魔神の姿が目に浮かぶよ?」 「ちょうどよかった、アンタを探し……」 「しかしこれを打ち消すことはできないのです。なぜならこれは幻想ではなく未来に起こる現実だからだー」 「……って相変わらずのスルーか!!ふっざけんなあああ!!!」 上条は例のごとく右手で電撃を打ち消す。 「おーい御坂、お前も『例のごとく』扱いだぞ」 「何のことだ!!だいたいそっちがいつもシカトしてるんでしょうが!!」 「いや、テンプレは必要かなと思案しまして」 「テンプレはいいんかい!」 そんな『いつも』のやりとりに、『いつも』じゃない二つの影が近づく。 「あ、その人ですか?」 「あぁ、借り物競走の時の人ですね」 その発言に対し上条が声を発する前に、御坂美琴はとんでもないことを言ってのけた。 「そう、コイツが私の<元彼>」 上条の時が止まった。 「どもー柵川中学の佐天涙子です」 「同じく初春飾利です。御坂さんとは仲良くさせてもらってます」 「あーこれはご丁寧に、上条当麻っていいます。……ちょっと来い御坂」 佐天たちから顔をそむけ、ひそひそ話を始める二人。余談だが、この時の距離の近さを美琴が気付いたのは夜中の十一時。大規模な漏電をしてしまい、寮監に首を絞められることになる。 「どういうことだ?」 「えーと、ついつい見栄を張っちゃって」 「恋愛経験豊富だと嘘をついたと」 「お願い、元彼の振りをして」 「はぁ、いいかい御坂君『嘘は泥棒の始まり』と言ってね「給料も出すから」そうやってお金で解決しようとするの「二千円」もいただけない。金を出すから共犯者に「五千円」なってくれと頼むっていうのはおかしいでしょう。上条さんは正直に話した方が「五万円」乗った」 背に腹は代えられないのだ。 「御坂の元彼です。こいつと付き合うのは大変でした」 「(何だとコラ!!)これでホントだって分かってもらえたかしら」 佐天と初春は視線を交えた後、二人に向き合う。 「いやいや、二人で嘘を言っている可能性もありますし」 「忘れてませんよね、嘘だったらなんでもお願い聞いてもらいますからね」 再びアイコンタクトをとる二人。 (*1) 佐天は輝く笑みを浮かべながら考える。 (御坂さんを一日好き放題させてもらおう。着せ替え人形にしたり、昔の事や「アイツ」の事を根掘り葉掘り聞いてやろう。さらに電撃使いを利用して電気代節約としゃれこもうかぁ) 初春は聖母の微笑みで思う (いちご焼きそばにメロン丼、小豆シチューに栗バーガー、そして特大ジャンボパフェ。よだれが止まりませんねぇ) 「ということで、そこのファミレスでお話ししましょう」 顔が引きつった二人を連れ、笑顔の二人が先を行く。 これより、「生活」「娯楽」「面子」「甘味」を賭けた戦いが始まる。 そして「アイコンタクト」に対する「ひそひそ話」。上条たちはあきらかに劣勢であった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸なHappy days
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるベランダの超電磁砲 第一章 ベランダの少女~rail gun~ 上条当麻は人間だ。 女の子を助ければ不良に追いかけられ、 ビリビリ中学生に会えばビリビリされ、 朝起きて電話に出れば『上条ちゃーん、バカだから補習ですー♪』と、担任からの連絡網(ラブコール) そして7月20日8時現在 「・・・・・・ダメだ、腐ってやがる」 謎の雷によって冷蔵庫がやられ、中身も全滅していた。 これでは朝食も作れない。 「さ、さーて、布団でも干すか」 どうしようもないので布団を干すことにした。 布団を持ち上げ、ベランダへ向かうと、何かを踏んだ。 見ると賞味期限一週間前の焼きそばパンだが、もはや日常なので気にしない。 「いやー、今日は天気もいいし、絶好の布団干し日和だ」 (・・・・・・あれ?俺いつ干したっけ?ていうかこれ) 上条がベランダの窓を開けると、彼の見覚えのあるものが干されていた。 「・・・・・・何でビリビリが俺んちに干されてんの?」 「ビリビリ言うな」 いつもだったらすぐに電撃を飛ばすところだが、何故かしない。 少し、元気もようだ。目に少し隈(くま)もできている。 「えっと、まあ、入れよ、御坂」 ベランダに干したままにすることもできないので、部屋に入れることにした。 「というか、制服はどうしたんだよ」 彼女が着ているのはいつもの常盤台の制服では無い。 ハートの絵が施されたシャツと短パンを履いている。 「で、何でお前は俺んちに干されてたの?」 「いいでしょ、別に」 服のことはもういい。そろそろ本題に戻そう。 「ちょっと追われててね。詳しいことは、ごめん。今は言えない。ねえ、少しだけ、ここにいさせて」 「騒動がおさまるまで、家にいるか。落ち着くまでここに居ていいぞ」 「・・・・・・ありがと、じゃあ少し、ここにいさせて」 「そうか、って、もうこんな時間!!じゃあ俺、補習行ってくるから」 上条は補習へと出かけてしまう。 (どうして、ここに居させてって言っちゃたんだろう。迷惑かけるかもしれないって、わかってたのに・・・・・・でも) でも何故か彼女は言ってしまった。 上条だから、甘えることができた。 (それにどうして、あいつは居ていいって行ったのかな。事情も言えないってのに) 上条がどうしてそうしたのかは、今の彼女にはわからなかった。 「・・・・・・何しようかな」 上条が出かけてしまい、手持ち無沙汰になってしまった美琴。 ふと、上条の布団が目に付いた。 おもむろに、布団にくるんでみる 「あいつの布団、あったかい。これで寝たら、あの夢も・・・見なくて、済み・・・そう・・・」 「ただいまー、御坂?」 「スー、スー」 美琴が上条の毛布にくるまって寝ている。 (寝てんのか、まあ疲れてたみたいだったし) その顔はとても安らかだ。 「可愛い寝顔じゃねえか。いつでもそんなだったらいいのに」 いつもは会うたびにビリビリして勝負を仕掛けてくる。 そんな彼女にもこんな一面があるのだと、上条は思った。 なんとなく、美琴の髪を優しく撫でてみる上条。 (って、なにやってんだ俺!?) 上条は慌てて美琴から手を離す。 「・・・んにゅ・・・あれ」 今ので美琴が起きてしまったらしい。 「あ、すまん、起こしちまった」 自分が寝てしまっていた事に気付く美琴。 「あ、ごめん、寝てた」 「いいよ、そろそろ夕飯を作るけど食ってくか?」 「・・・・・・食べてく」 「よし、今日は腕によりをかけて、上条さん特製のシチューだぞ。お嬢様の口に合うかはわからんけどな」 上条が夕飯を作ろうとしたその時 白い光線が、目の前を横切った。 (え・・・な、にが・・・・・・) 謎の光線が当たった窓ガラスが溶けてなくなっていた。 「チッ、外れたか」 声の聞こえた方を見ると、大きく穴が空いた扉から『化物』が、入ってきた。 「やっと見つけたぞ、第三位!!」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるベランダの超電磁砲
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人の旅行物語 あれから10時間余りの時間をかけて飛行機はイタリアの飛行場に着陸した。 「着いたな」 「そうね」 空港を出てタクシーを利用した俺達を出迎えたのが巨大な建造物だった。 「なんだここ?」 「ここはサン・ピエトロ大聖堂。カトリックの総本山でもある場所よ」 大聖堂の中へ入った俺達はその後も芸術品の一つ一つに感心させられた。 近くのシスティーナ礼拝堂ではミケランジェロ作の”最後の審判”を穴が空くほど眺めていた。 結局その日は疲れてたこともあり、近くのホテルに入って休むことにした。 で、今ホテルのフロントにいるのだが… 「御坂さん」 「なによ」 「一つつかぬことをお聞きしてもよろしいでしょうか」 「質問は一個までよ」 「なんで俺達同じ部屋に泊まることになってんだよ!」 「べ、別にいいじゃない。減るもんじゃないし」 「すり減るから!俺の精神が。やっぱ倫理的にマズイだろ、同じ部屋に年頃の男女ってのは」 「ふーん。でもアンタ中学生には手を出さないんでしょ?」 「当たり前だ。お前を襲ったら焼肉になっちまうしな。猛獣になんか手を出せるか。」 ちなみに上条の寮では上条が頑として譲らなかったので美琴はベッドで、上条は風呂場で寝た。 とりあえず黙って対黒子のために開発した蹴りをアイツに放った。 「ごばぁぁぁぁ!」 ゴキッという洒落にならない音とともにアイツは地に伏した。 これはやりすぎたかなという気もしたので、アイツの頭を膝に乗せてみた。 世間一般で言う”膝枕”である。 やってみてから気づいたがこれは相当恥ずかしかった。 あの時は必死すぎてそのことに気付けなかったのだろう。 本当に良かったと思う。もし気づいてたならアイツはとどめの電撃を受けて今頃天国にいたことだろう。 (全く…人様がここまでやってるというのに…いい加減気づきなさいよね) 「バカ当麻…」 そんなわけで夜も更けていき、旅行の1日目が終わった。 旅行2日目、ホテルの食堂にて 「今日はどこを回るんだ?」 「トレヴィの泉を見た後、アカデミア美術館のダビデ像を見て、夜はナポリに行くわよ」 「ナポリって何かあんのか?」 「アンタ、知らないの?世界三大夜景のひとつじゃない」 「へー。あとふたつって何なんだ?」 「香港と函館」 「楽しみだな。上条さんワクワクしてきましたよ」 夕方、ナポリ道中― ナポリ付近に道を歩く1組の男女がいる。よく見てみると何やら女性のほうが男性を慰めているようだ。 「ア、アンタ大丈夫…?」 「大丈夫なわけねーだろ!写真を撮ろうと思ったらカメラが急に故障するわ、財布をすられるわ、 スリと間違えられて警察に逮捕されるわで、上条さんのライフはもうゼロです。不幸だ…」 「ま、まぁ無罪って信じてもらえたわけだし…ね」 「それまでにだいたい5時間は取調室におっさん2人とカンヅメだったけどな…」 「ったく、仕方ないわねー。なら、この美琴センセーがそんな上条君を元気にしてあげよう!」 「は?どうやって?」 「こ…こうやってよ!」ギュッ 御坂のやつ何を思ったか、いきなり腕に抱きついてきた。 「うおっ!////」 「…////」 (YABAI!何か慎ましいものが腕にー!!!しかもなんか甘い匂いが) (って何考えてんだ俺はー!!相手は中学生、相手は中学生…) 「み、みみ御坂さん?離してくれると上条さん的には嬉しいんですが…」 (せっかくのチャンスを棒に振ってたまるか!いいわね御坂美琴、ここでアイツを意識させてやるんだから!) 「えっ?ダメ…かな?」ウワメヅカイ 「あ、いや、だめじゃないぞ////」 「じゃあこのままでもいいわね♪」 (少しは意識してくれてるかしら?) (やべえ、御坂がかわいい…、さっき落ちかけたぞ。保ってくれよ俺の理性、お前はやればできる子だ!) 「うおおお!スッゲー綺麗だな」 「わあああ!綺麗ね」 「さっきのカメラがあればなー…今ほど自分の不幸が恨めしいと思ったことはないぞ」 「…なあ、御坂」 「何よ?」 「ありがとな。旅行に誘ってくれて」 「どうしたのよ、藪から棒に」 「いやいや、御坂さんには感謝だよ。おかげで良い思い出ができたよ。この夜景もそうだけど、腕組みのほうも////」 「べべべ、別にいいわよ。////それにこの程度で満足してんじゃないわよ。もっと思い出つくるんだから////」 その後、二人は言葉を発さずただ恋人のように寄り添いながら夜景を眺めていた。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人の旅行物語
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とあるキャスター とあるキャスター とあるキャスター・夜間偵察 とあるキャスター・その戦い
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とある都市の反乱因子(ハイレベルズ) Ⅳ 「『一方通行(アクセラレータ)』ッ!!!!」 上条は反射的に叫んだ。その叫びは、絶望しかない暗闇でまばゆい光を見つけたような者の声だった。 「…俺はこんなめんどォくさそうなことには関わらねェぞ…」 叫ばれた『一方通行(アクセラレータ)』は、何か集団でいじめられている子どもを見るような目つきで上条を眺める。 「賢明な判断ですわね、学園都市第1さん」 「あんた今ここで手を出すっつんなら、ネットワークぶっ壊すわよ」 「あれ…?あなたは…?」 3人ともども、学園都市第1位の者に掛ける言葉とは思えない言葉を掛ける。まあ、ひとりはその事実を知らないのだが。 「…そうゆうことだ。俺が殺せるぐらいにはとりあえず生き残っとけ」 「なにぃぃぃ!?まだお前俺を諦めていないのかっ!?いやいい加減…」 「…お前」 一方通行が上条をさらにかわいそうな人間を見るような目で見る。 「へ…?」 と、上条が思考するまもなく。 「とうまぁ!とうまは女の子だけじゃ飽き足らなく、この人にもあんなことやこんなことをした上であっさり捨てたって言うのかなぁ!!??」 「は!?あ、いや違いますよインデックスさん!!??あの発言はそういう意味じゃなく、『まだ俺を殺すことを諦めていなかったのか』という意味のものでして!」 「あんたねぇ!!!」 「(…よ、よし…これで美琴お姉様をめぐる最大の強敵(ライバル)が確実に葬られそうですわね…そうなればっっ!!!)」 と、なにやらいろいろと勘違い(していない者も1人居るのだが、有効利用中)されているところで、さらに何人か上条の病室に訪れるものが居た。 「あっれー?何であなたはちゃんと病室に入ろうとしないの?ってミサカはミサカは疑問を投げかけてみる」 「それには子供には分からない深い深い事情があるのです、とミサカはあなたに現実を直視させないような言葉を発します」 「御坂妹ッ!!!お前も何か壮絶な勘違いをしていないか!?」 「いえ、ミサカはミサカたちの上位固体である『打ち止め(ラストオーダー)』に汚い現実を見せないようにしているだけです、とミサカは特に考えることなく答えます」 「!?って、ちょっとあんた――――ッ!!!」 とそこで、美琴が場違いに緊張した声を発する。その美琴の視線の先には。 「…?ミ、サカ…??ま、まさか」 「あんたは何も聞くな!そして何も見るな!!さらに何も問うな!!!絶対めんどくさいことにっ!!」 「お姉様ッ!!!いったい、黒子にどのような隠しごとをっ!?」 と、なにやら場の雰囲気がよくつかめなくなったとき。 「に、逃げてくださいッ!!!」 突然、切羽詰った声が病室内に響いた。 全員の視線が病室の扉に行く。そこには、見覚えのある少女が居た。 滝壺理后。 対フィアンマ戦のときに一緒に戦ってくれた上条たちの仲間である。彼女は特にフィアンマ戦では致命傷は負っていないのだが、前々から使用していた『体昌』というものがいろいろあるらしく、今は絶対安静を保たなければいけないはずなのだが。 「超能力者(レベル5)が、あなたたちを狙いにここを襲撃してきますッ!!!」 やはり切羽詰った声で彼女は言い放った。 「…?」 だが、やはり一同はいまいち状況がつかめない。その一同の薄い反応を見た滝壺は、 「ちょ、超能力者たちがここを襲撃しようとしています…もう、ここの病院にいる一般人の方にも避難を開始してもらっています…」 そこまで言ったところで、滝壺の体がふらっとゆれ、熱中症にかかったように後ろに倒れこむ。 とっさに御坂妹が彼女を抱きかかえる。 「…どういうことだァ?」 一方通行がしらっと言う。 そこに。 「いいからっ!説明してる暇はねぇんだ!!もうお前たち以外の人間は全員避難したから、さっさとお前らも逃げろ!!」 浜面仕上。 それがこの声の主の名前だ。彼もまた同様に、対フィアンマ戦で一緒に戦ってくれた仲間である。 前は『武装無能力者集団(スキルアウト)』のリーダーを務めていた時がある彼が、動揺しまくりの声で言う。 「説明は出来ない!さっさと逃げろ!!!」 「待て」 もう半分パニック状態に陥りつつある浜面に、冷静な声で一方通行が問いかける。 「つまり、俺らを潰すために能力者がここを襲撃する、ってェことでいいんだよなァ?」 「あ、ああ。だけど全員超能力者(レベル5)で、8人も居るって…」 「もうどうせ逃げられねェだろ。しかもこの病院内には他の奴らは居ない。だったら」 一方通行が言葉を切る。 「ここを戦場にしたほうが早くねェかァ?」 とある都市の反乱因子(ハイレベルズ) Ⅴ 「ばっ…」 その言葉にいち早く反応した美琴が言う。 「何言ってんの!?いくらあんたが学園都市最強だからって、『超能力者(レベル5)』8人を相手できるはず無いでしょうが!」 「…の前に、なぜその襲撃の事実が彼女に分かるのか、ということは誰も気に止めませんの…?」 白井が不思議そうな顔で言う。 滝壺理后の能力は、『大能力(レベル4)』の『能力追跡(AIMストーカー)』。一度記録したAIM拡散力場の持ち主をどこにいようとも確認・追跡できる、という能力だ。それ以外にもあるのだが、今重要なのはその能力。 白井黒子以外は対フィアンマ戦に参加(とあるひとりはネットワーク経由で)しているのでそのことが分かっている。 白井にもそれを説明してやればいいだけなのだが。 「時間が無いらしィから説明はなしだ。とりあえず団体で行動する。 俺と打ち止め(ラストオーダー)と滝壺、浜面。上条と『超電磁砲(レールガン)』と妹達(シスターズ)と白井で行動だ。これくらいの戦力があればそうそう死なねェだろ」 そういって、一方通行は立ち上がる。 「反論は?」 誰も何も言わない。 状況はあまりよくつかめていないが、互いがかなりの信頼関係を築き上げている分、そのあたりは固い。 「よし」 上条がベッドから立ち上がる。 「まーた不幸なことがおきるっぽいが…」 もはや慣れました、という表情をつくり、 「全員、死ぬんじゃねぇぞ」 その言葉を聞き、一斉に病室から駆け出した。 「…くそ…」 ある『人間』が、画面のモニターを見て言う。 「…やはり、『幻想守手(イマジンガードナー)』達が関わっているか…」 その画面には、先ほどの上条達のやり取りが映っていた。 『あまりにも、不信感が無いな』 またもや脳内に直接『響く』様な声が『聞こえた』。 『…まさか、私の『計画(プラン)』に気づき…?』 『それは無いだろうな。おそらく、子供たちが妙に不信感を持ち、行動を鈍らせて負傷する、という事態を避けたいだけだろう』 『…』 アレイスターは応えなかった。 『…さすがに、この戦力では持たないな』 『確かにな。しかし、あの『幻想操者(イマジンコントローラー)』が事件に関わっているのだから、すぐに応援は集まるだろう』 『その応援も、微々たる者、ということは十分にありえる』 『心配性だな。何かあれば私が出る』 その言葉で全てが収まる。それほど説得力があるのだ。 もはや、『それ』を造りだしたアレイスターより『それ』が強くなっている今。 『ふふ。しかし、一方通行はやるな。とりあえず戦力を固め、生存率を上がらせることに専念しているようだ』 『…まあ、そこは一番実戦が多いからな…』 1万回以上は戦場に出ているのだからな、とドラゴンが笑いながら『発する』。 『体制を整わせる気か。だが…』 そこで、ドラゴンが言葉を切る。 『そんなに消極的な答えで、奴らは持つかな?』 『…なんとも言えんな。もしかしたら、『超電磁砲(レールガン)』が今『覚醒』するかもしれんし、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が『真』に目覚めるかもしれん』 『はは。たいした戦力だ』 軽い口調で言うドラゴン。 『とりあえずは、大丈夫だろう。『奴ら』にしてもまだ未完成のはずだ』 『…『超能力者(レベル5)』たち、か…』 アレイスターが考え込むように目を閉じる。 『…しかし、垣根聖督はこれだけの戦力で本当にお前を追い詰められる、とでも思っているのか?』 嘲るようにドラゴンが言う。 『こんな矮小な力、イギリス清教のトップでも一人で潰せる』 『…ローラ=スチュアート…』 またため息をつきそうになるアレイスター。 『…まぁ、事の成り行きに任せるとするか…』 アレイスターには珍しく、適当に判断を下した。
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第二章 とある二人の最悪の再会 学園都市の反乱組織が行動を起こす前に排除せよ。 それが春木の今回の仕事だった。 「たく!どうせ失敗すんだから。意味無いつぅの!」 彼女が向かっているのは、反乱組織の隠れ家だ。彼女は依頼人が用意した車に乗っている。 余裕の表情をしている春木に、運転手は質問した。 「人数は五十人前後と聞いてますが、余裕ですね?何か秘策でも?」 「ん?無いよそんなの。必要なぁいし。」 「ではどうやって?」 「風ってけっこぉ使えるよぉ。くふぅすれば、岩も切れるしぃ。」 「はぁそうですか。あっ着きましたよ。」 着いたのは一見見れば普通のアパートだ。 「んじゃねぇ。」 春木はアパートの横の階段を駆け上がると、一室の前に立つ。 部屋は静かだ。しかし耳を澄ませばカチャカチャと音が聞こえてくる。得物のチェックをしているのだ。 春木はドアをぶっ飛ばし言う 「はぁい。【ウィング】でぇす。あたしが来たからには、一人残らず潰してあげるからぁ。覚悟しろ。」 反乱組織は、ギョッとした顔で春木を見つめた。 そして彼等は思い出す。春木が【ウィング】と名乗った事を。 顔色が変わる。不安と恐怖と疑問が入り混じった顔だ。 彼等は逃げようとする。しかし春木は許さない。 ビュンと、風が吹き彼等を部屋の中に連れ戻す。 「なぁにぃ?女の子一人に逃げ出すのぉ?」 彼等は春木に銃口を向ける。リーダー格っぽい男が叫ぶ 「あいつは一方通行じゃねえ!!銃で撃たれれば死ぬんだ!!撃て!!!」 「んーんー。いぃよぉ。じゃんじゃんこぉい。」 余裕の顔の春木を不気味に思うが、彼等はとりあえず撃った。後は銃弾が勝手に蜂の巣にしてくれる。 が、春木の体は変わらない。蜂の巣にならない。 春木の起こした風で銃弾の軌道がそれ、彼等に向かってた。 「ッ!?」 のたうちまわる彼等を見て笑っていた。 うっすらと。 「排除成功♪」 春木は笑っていた。見下すように。 と、声をかけられた。 「なにやってんだよ・・・・。」 路地裏であった少年。上条当麻だ。 (どうする殺す?ダメだ。まだ誤魔化せる。) 慌てて恐怖の顔に変える 「・・・・じゅっ銃声が・・・聞こえて・・・きたら・・・犯人が逃げて・・・。 あっあっ警備員呼ばないと・・・あたしの電源切れてて。」 「そうか・・・あっ俺のもクソッどっかに公衆電話は―――」 ドタドタドターと階段を下りていった。 居なくなったのを確認し電話をかける。 「終わったよ。回収早くね。見つかったから。」 『えっどうい―――』 春木は返事を待たずに電話を切った。 (早く離れないと。) 窓から下に下りた。急いで離れる。 知られる訳にはいかないのだ。 彼を闇に堕とさないように。
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世情とは隔離され、“異端”を生み出し続ける学園。 「―――――なんでオレがこんなトコに・・・。」 「仕方ないじゃないよ、式。橙子さんの頼みなんだから。」 学園都市を訪れた、 静謐なる死の魔眼を持つ少女と少年。 「・・・ん。これで虚数学区に関する情報は全部か、土御門?感謝するよ。」 「良いってことよ。他ならぬ橙子姉ちんの頼みだからにゃー。」 暗躍する、faller825“背中刺す刃” とred456“奇跡を護る者”。 「・・・こいつ、死の線が見えないっ・・・!?」 「コンビニで買ってきた雑誌が帰り道にゴミ捨て場に放置してあったのを目撃して 欝になっていた上条さんはなんかいきなり電波ゼリフを吐く皮ジャン着物女に 出会いました、・・・・・・不幸だ・・・。」 交錯する、“幻想殺し”と“直死の魔眼”。 「神裂火織。聖人たるお前の力、私が貰い受ける。『 』には程遠いが、仕方あるまい」 「私を聖人と知ってなお襲うとは・・・何者ですか、あなたはっ!」 「―――――魔術師、荒耶宗蓮。」 女教皇と、結界の魔術師。 「へぇ・・・レールガンって言うんだ・・・。すごいね、ソレ。」 「え、そ、そんなことないです!あの、えっと・・・ごにょ・・・。」 “探す者”としての力に長けた少年と、災害級の“超電磁砲”少女。 やがて、物語の歯車はかみ合い、運命は加速する。 「ふぅん・・・キミが噂の“禁書目録”だね。ボクに力を貸しておくれ。 あの憎き“痛んだ赤色”を殺すために。」 「コーネリウス=アルバ・・・アグリッパの末裔・・・。」 齢50歳を超える青年魔術師と、10万3000冊の魔道書を抱えた少女。 「彼女に手を出させるわけにはいかない・・・。しかし、ボクのイノケンティウス では稀代の魔術師コーネリウス=アルバには敵わない・・・。だから、キミたちの 力を借りたい。上条当麻、両儀式。」 魔術師、ステイル=マグヌス。 すべてが交錯して動き出す時、あの■■にスルー以外の伝説がーーーっ!? ディープブラッドに引き寄せられて現れた、『ある生き物』。 「我が名はネロ。朽ちず蠢く吸血種の中にあって、混沌と称され恐れられるもの・・・。」 「うふふ・・・かなりピンチ。でもメインキャラで出られるからいいの・・・。」 あ、作品違ったんでやっぱナシで。 「・・・・・・・・(涙」 「ククク・・・式・・・お前はオレのものだ・・・。」 両儀式を追って現れた、「捕食者」の根源を持つ者。 「うぎゃあっ!ぐぼげぇぇぇぇぇぇっ!!」 「はーはっはっはっ!!悪役顔キャラならもう十分オレ様だけで役は足りてんだよ 足りてんデースヨー?根源がどうしたってぇー?お前の根源が「捕食者」だってぇんならオレ様は ――――― 「一方通行」ってぇところかな?ぎゃはははははっ!!!」 リオの出番はここまでです。 とある境界の直死の魔眼(1) 電撃講談社より近日販売ーーーーー!! ごめんなさい、妄想が暴走しました。 っていうか、書いてる途中で思ったが、月姫だと■■最強説が急ふじょ(ry
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるベランダの超電磁砲 第八章 悪夢殺し~imagine breaker~ 「ハッ、気障なこといいやがって。面白しれェ」 一方通行は地面を蹴り飛ばし、いくつものもの石が、散弾銃のように襲いかかる。 「ぐ、・・・おぉ」 「死ぬならどっちがいい、『苦手』か『毒手』か、両方か」 身をふせて、地面を蹴ると、砲弾のように上条へと向かってきた。 (ちくしょう!!) 美琴なんて最初から相手にされてなかった。 今度は本気で、上条へと殺しにかかる。 『苦手』と『毒手』が同時に向かってくる。 触れられたら、待っているのは『死』だ。 上条は無我夢中で右手を振った。 そうすると、殴られた一方通行が転がった 「・・・・・・え・・・?」 驚いたのは上条自身だ。 まさかたった一発で効果があるとは思わなかった。 (もしかして) この一発が、上条に確かな自信を与えた。 (もしかしてこいつ、めちゃくちゃ弱い!?)? 「反射が、効かねェだと!?どォやったか知らねェが、調子に乗ンじゃねェぞ、三下がァ!!」 再び地面を蹴り、突進をする。 一方通行の能力はベクトル操作。 もし右手以外が一方通行に触れようものなら血流操作でもやられ、体が弾けるだろう。 だから右手以外が触れないよう気をつけるため、 一撃は弱くなってしまう。 それでも、確実にダメージを与えている。 そうして出来た隙を狙い、右手で力いっぱい殴りつける。 「今まで能力に頼ってたんだ。喧嘩なんてしたことねえだろ」 (俺が・・・負ける?) 初めて、 (力が、ほしい。何者も寄せ付けない、圧倒的な力が) 悔しい。 勝ちたい。 そんな彼の髪が風に揺れる。 (風・・・そォだ、まだ!) 「くき、くけか」 両手を上げ、立ち上がる。 「くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくけけこかくけきかこけききくくくききかきくこくくけくかきくこけくけくきくきくきこきかかか――――――!!」 一方通行の真上に風が集まり、高電離気体が形成され始める。 全てを破壊する『暴力』が。 その余波だけで上条は吹き飛ばされた。 「初めてだが、やってみるもンだなァ!おら無能力者、覚悟はできてンだろォだなァ!!」 「待ちなさい、一方通行!!」 声を上げたのは美琴だ。 だけども一方通行の目は、美琴など相手にしてないようだ。 電撃で妨害したところですぐに再生する。 それなら、やることは1つ。 傷ついた体を 「や、めろ・・・み、さか・・・・・・や、めてくれ」 「ごめん」 上条自身が、美琴を奮い立たせる理由そのものともしらずに。 美琴は超電磁砲を打ち出そうとする。 ここで撃てば、真っ直ぐに戻ってきて美琴は死ぬだろう。 それで全ては終わり。そうすれば上条も死ななくて済むはずだ。 だがもし、助かる道があるのなら たとえば、風の向きを変えるとか・・・・・・ 「あ・・・・・・」 何を思ったか、美琴が10032号の元へ駆け寄る。 「お願い、起きて。あんたの力が必要なの。このままじゃあいつが死んじゃう、それだけは絶対にいやなの。」 「なぜ、でしょうか・・・その言葉は、こころがあたたまります。なにを、すればよろしいでしょうか」 「ぎゃはははは!!」 高電離気体がもうすぐ完成する。 だがあと少しというところで小さくなっていき、やがて消滅した。 (なンだ!?俺の計算式に狂いはねェはずだ!!どォして!?) 驚く彼の目に、10032号が映る。 (あの、野郎!!) おそらくミサカネットワークを使い、全ミサカで風の流れを変えたのだろう。 攻撃のターゲットを変えようとしたとき、 ざっ、と石を踏む音がした。 上条だ。 守りたいもののため、ボロボロの体を投げ打って、立ち上がった。 「面白ェ、最っ高に面白ェぞ。お前はァ!!!」 脚力の向きを操作し、両手を突き出し上条へ向かう。 一方通行の右手をしゃがんでよけ、追い打ちの左手を上条の右手が払う。 そして上条は右手を強く握る。 「歯ァ食いしばれよ最強、俺の最弱は、ちっとばかし響くぞ!!」 決着がついた。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるベランダの超電磁砲