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Ⅰ ドカドカドカ、と鈍器で頭でも殴られたんじゃないかと疑問に思ってしまうような擬音と共に分厚い本を目の前に置かれてから2日経った頃、俺は早くも心に土嚢でも負ったかのように挫折しかけていた。1週間でノルマ5冊。これは読書が好きな人でも結構キツいんじゃなかろうか。 「よりによって哲学‥‥」 俺はいよいよブラック企業に務めたかのような感覚に押し入られてしまった。 ハルヒ曰く、 「SOS団たる者、多少の本を読んで常に知的な人材である必要があるのよ!」 「本を読んでいるイコール頭良いなんていう安直な考えは止めた方がいいぞハルヒ」 「皆、異論はある? あるなら読書大会が終わった後原稿用紙10枚分みっちり書いてきたなら、見てやらないことはないわよ」 俺の言葉は遠回しすぎたのか、異論としては認められなかった。いや、仮にボウリング玉がピンと接触するぐらいの近さでの言葉を言ったってハルヒの奴は耳をきっと傾けない。要するに知的云々は置いといて、長門のように本が読みたかったのだろう。ただ自分1人で読むのは嫌だから、SOS団を巻き込んだわけだ。長門はなんとなく嬉しそうに見えた気がするが。 そして、まさかの分野別である。何でもかんでも5冊読めばいいとなると、俺は市立図書館にある絵本やら雑誌やらで済ましてしまうとハルヒは先に睨んだようだ。どうしてそんなことばかりに気がついて宇宙人や超能力者は未来人に気づかないのか。全くもって不服だ。 「さあ、1本引くのよ!」 SOS団の市内探索の時のように、ハルヒはどこからか爪楊枝を取り出し、俺達に1本ずつ引かせた。爪楊枝な先には文字が書いてあったが、‥‥というよりなんて器用な奴だ‥‥はさておき、字を書いたのはご立派だがハルヒ、 「なんて書いてあるんだ、これ」 「おや、僕はエッセイですか」 「あ、‥‥私は小説のようです」 「‥‥‥‥‥」 「何よ、キョン。あんたまさか日本語を読めないわけ?」 いや、というより他の奴らの視力が可笑しいんじゃないか。油性のインクが滲んでて全く読めない。何故に爪楊枝に書いたんだハルヒ。 「貸しなさいよ、もう! 哲学って書いてあるじゃないの」 お前それ適当に言ってないだろうな。 「あたしが医学だから、有希は科学ね。じゃあ各自1週間の内に5冊読むこと。いいわね!ちゃんと感想文書くのよ。凄かった、の一言で終わるものなら、‥‥‥」 「‥‥‥終わるものなら?」 ニヤリ、と笑ったハルヒの顔に俺は初めて背中にゾクゾクとする恐怖を感じた。駄目だこいつ。罰金以上の何かえげつないことをするに違いない。私達が笑うまで一発芸よ、かもしれない。 そして、そんなこんなで現在に至るわけだ。医学に当たらなかっただけマシと言えるが、にしても哲学‥‥。俺はページを捲るも、圧倒的文字数と量、その威圧感に早くも今日の夕飯が口や鼻のような穴という穴から出そうになった。これはまずい‥‥。 異変でもないので長門に頼むわけにはいかず、かといって本をほったらかしにするわけにもいかない。 「勘弁してくれ‥‥‥」 ついつい独り言が出てしまうが、こればっかりは本当に参った。まるで身を隠す草原もなければ助けてくれる仲間もいない、数えきれないライオンに囲まれたシマウマのような心境だ。 俺はトイレ休憩風呂タイム挟む2時間の中で本と向き合ったが、進んだのは5ページほどだった。 ‥‥なんか変だな、と思ったのは朝登校してから数分経った後だ。いつもならハルヒがぎゃあぎゃあと耳もとで叫び、ハイテンションで 「キョン、読書はちゃんと進んでるでしょうね!?」 と聞いてきそうなものだが、今回は何も言ってこない。どうしたもんかと後ろを振り向くと、窓の外をボケーと見つめる、いかにも日向ぼっこをするお爺さんのような光景が見てとれた。いや、ハルヒの場合ならお婆さんか。 「どうした。本を読みすぎて夜更かしでもしたか?」 「‥‥‥うるさいわね」 どうやら虫の居所が悪いらしい。俺はそうですかと曖昧な返事をしておいて、大人しく前を向いておくことにした。久しぶりに機関が働くかもしれない時に、あまり刺激しておかない方がいいと思ったのだ。言っておくが、古泉のことではない。新川さんや森さん、多丸さんに夏にお世話になったから、そう思っただけのことだ。 しかし気になることがある。 目の下にクマを作ってる奴が、どうして今寝ない? ハルヒは授業中お構いなしに昼寝してることなんてしょっちゅうだし、それで教師に起こされて俺にやつ当たりするのだからほとほと迷惑をしている。しかしどうだろうか。そのハルヒが眠いのを我慢して窓の外を見ているのだ。何か面白いものがあるのかと俺も見たが、そこにはいつもと変わらない空と風景があるだけだった。 「‥‥‥変ですね。閉鎖空間は発生しておりませんし、涼宮さんともあろう方が自分の体の健康管理を出来ていないなんて。それなら僕達機関の方に何かしら報告されているはずですが‥」 「あのな、ハルヒだって女子高生なんだろ。夜更かしの1つや2つ、ましてや今は本を読んでるんだ。読んでて時間をつい忘れちゃったーなんてこと、あってもおかしくないんじゃないか」 「涼宮さんが小説を読んでいるのならまだ分かりますが、医学です。体にどのようなことをしたら害が出るかが乗っている本で、それはないと思います。第一イライラしたのなら僕達が真っ先に分かるはずなんです。夢の内容によってでさえ閉鎖空間を出す彼女ですから」 「…つまり、ハルヒは正常なのか?」 「健康そのもの、のはずです」 驚いたことに。 放課後にはきっといないだろうと踏んだのにもかかわらず、笑顔を誰かれ構わず振り撒く詐欺師のような高校生は独りで詰め将棋ならぬ詰めチェスをやっていた。閉鎖空間はどうした、と聞けば 「なんのことでしょう?」 と聞き返してきたのだ。きっとハルヒの鬱憤に付き合わされているに違いないと思ったのに、見当違いにもハルヒは健康そのものだという。しかしどの角度から見たって、ハルヒの目の下にはクマがある。 「真後ろから見たら頭しか見えませんよ」 黙れ古泉。そういう意味で言ったんじゃない。 ともかく、俺はまた何か嫌な予感がしてたまらなくなった。次はなんだ。巨大カマドウマの後なんだから秋らしくコオロギか? 「大丈夫ですよ。前にも言いましたが、此処は力が攻めぎ合いとっくに異空間化していますから。害のある者は立ち入れません」 「‥‥‥異空間の真っ只中にいるとは信じられない光景なんだがな」 肝心のハルヒはどこかへ行っているらしく、朝比奈さんは今日はメイド姿のまま小説に没頭、長門はいつも通り窓際の椅子に腰かけて読書。古泉はチェス盤を片付けはじめ、将棋盤の準備をする。はさみ将棋を俺とするようだ。 「古泉、お前本の方はどうだ?」 古泉はふう、とわざとらしく溜め息をつきながら 「それがまだ2冊目に入ったばかりで」 なんて嫌味を言いやがった。俺と代われ、俺と。 「そうはいきませんよ。涼宮さんは、貴方に哲学を読んで欲しいから貴方は哲学と書いてある爪楊枝を取ったのです。それを僕と代わってしまったら、それこそ閉鎖空間発生の種ですよ」 「サルトル、ソクラテス、カント‥‥キリストの教えなんてなんの役に立つ? なんで俺と一番無縁な哲学を持ってきたんだ、ハルヒは」 「貴方がノーと言えない日本人だからですよ」 イエスだけにか、と突っ込むと思ったら大間違いだぞ古泉。お前はどや顔をしているが、ちっとも上手くない。 「‥‥‥ハルヒは」 「お待たせぇー‥」 俺が古泉に口を開きかけた時、ドアがゆっくりと開いてハルヒが入ってきた。先日までの元気は宇宙の果てでさ迷っているのか、目にしたハルヒはやはりどことなく弱っていた。 古泉の目つきが少しだけ変わる。 「‥‥あっ、お茶を用意しますね」 ハルヒの存在に気付いた朝比奈さんは、可憐な姿のまま急須の元へ。ハルヒは何も言わず、ただ1冊の分厚い本を抱えてパソコンの前に座った。 長門も少し顔を上げて、ハルヒの状態を観察‥‥いや、分析しているようだ。ハルヒはそれに気付かず、パソコンの電源もつけずに本をパラパラと捲った。 「‥‥ハルヒ、朝から元気ないじゃないか。まさか2日間かけて4冊読んだときじゃないだろうな」 「うるさいわね‥‥アンタはちゃんと読んでるの? 感想文出さなかったら、死刑だからね」 感想文を出さなかったら死刑という法律が出来れば、日本人の9割は恐らく日本海に沈められるだろう‥‥‥じゃなくて。 人がせっかく心配したのにこの態度だ。俺がハルヒを心配するなんてまずないことなんだがな。その物珍しい出来事を自ら蹴り飛ばすとはね。わかった、もう心配しねーよ。 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「涼宮さん、お茶です」 「ありがとう、みくるちゃん」 ズズズとハルヒがお茶をすする音以外何も存在しないかのように思える空間。古泉は何故だかマジな表情でハルヒを見ているし、長門も相変わらずだ。 朝比奈さんは古泉と長門の様子に戸惑っているらしい。そんな朝比奈さんの姿はとっても可愛い。が、いつまでも見ているのも失礼だ。 古泉は何事もなかったかのように盤上をいじりだし、俺もようやく朝比奈さんから目を離してはさみ将棋をし始めた。 後でまた4人で集まるのだろうかと思考しながら古泉を7連敗させた後、長門のパタンと本を閉じる音でSOS団の活動は終わった。これではまるで文芸部だ、っとまだここは文芸部室だったな。 帰り道にそっと古泉に今日集まるのかどうかを聞いたが、 「もう1日様子を見ましょう。長門さんも何も言わないことですし」 と、どうやら何も面倒事なく今日1日は無事終了するようだ。しかし俺は家で積んである哲学書5冊の事を思い出し、平穏な日常などまずこの1週間の内はあり得ないなと頭を悩ませることになったのは言うまでもない。 そして結局本を1ページも読まずに登校した翌日、ハルヒの体調はさらに悪化していた。クマは濃くなり、明らかに一睡もしてないのが目に見えて分かる。 「ハルヒ、本に夢中になるのも良いけどな、それで体壊したらアホみたいだぞ。知的な人材を揃えるためにやってるんじゃなかったのか?」 「‥‥‥‥」 昨日の不機嫌な反応より、 「うっさいわねバカキョン! あんたにそんなことを言われる筋合いないわよこのエロキョン!!」 とでも言ってくるものかと思っていたら、まさかのダンマリだ。これはいよいよ本当に不味いような気がしてきた。 あのハルヒがこんなに萎れてるとは、リアルインディペンデンス・デイが勃発するくらい信じられないことだ。ここには宇宙人もいるし、ハルヒの感情次第で世界が滅びるやら何やら言われているがもちろんそういう意味じゃない。サイコロが10連続1が出るような確率のようなもんだということだ。 「涼宮さんがそう望めば、サイコロで連続1が出ることも可能ですよ」 と古泉なら言いそうだ。 「ねえ、キョン‥‥‥」 返事を返さないもんだからまた無視されたものかと見なしていたら、ハルヒは窓の外を昨日と同じように頬杖つきながら目を向けていた。一体どうしたというんだ。 「なんだ」 「‥‥前に、自分がいかにちっぽけな存在かを話したじゃない?」 あれはお前が勝手に話したんだがな‥‥ってちょっと待て。お前が読んでたのは哲学じゃなくて医学の本だったろ。なんでそんな断食など意味がないと気づいてしまった、悟りの領域を越したムハンマドみたいなことを言いだすんだ。 「人ってさ、自分の中にさらに他の自分がいるとしたら、人の数なんていうのは、本当はもっと多いのよね‥‥‥」 何を言い出すんだハルヒ。 「そのたくさんある中の1つがさ‥‥‥その人物の人柄と見なされて表に出てくるのよね‥‥‥。でも、せっかく出てこれたその1人も‥‥本当は世界と比べたらちっぽけな存在で‥‥‥」 「一体なんの本を読んだのかまるで分からないがな、ハルヒ。今日はもう寝ろ。俺が許す」 「‥‥‥‥‥」 睡眠不足のせいか、しっかりと思考が働いてないようであるハルヒは、またもやせっかくの俺の気配りを無下にした。確かに俺に昼寝を許可出来るなんていう夢のような権限はないけどな。 そしてこの日もハルヒは、午前午後の授業をボーと過ごした。 「涼宮さんがそうまでして寝ないのは、一体何故なんでしょう‥‥」 朝比奈さんがそう呟いて答える者が誰1人いない部室内で、古泉はお手上げとばかりわざとらしく両手を上げて 「長門さんの方はどうです? 情報統合思念体は、何か言っておられますか?」 と、やはりこいつも最後の頼みの綱にかける他なかったようだ。しかしその長門でさえも 「情報総合思念体からは何も報告を受けていない。でも私から推察するに、涼宮ハルヒは本来年齢約15~18歳までに必要とされている最低睡眠量の内、14時間22分17秒が不足している。原因は彼女が読んでいる医学本‘人格と精神’の熟読。でも、何故彼女が睡眠を一定以上の我慢を強いているかは不明」 と、古泉のようにスタイリッシュアクションで示さないものの、どうやらダメらしい。 「なんでハルヒはそんな本に夢中なんだ?」 「5日前の午後7時02分から放送した‘精神の病’のプログラムの中にあった、多重人格についての内容がさらに詳しく現在彼女が読んでいる本に記載しているというのが、最も考えられる動機。でも彼女が何故異常なまでにそれに固執するのかまでが、不明」 「‥‥そりゃ、なんでだ」 「彼女の記憶をこれ以上読もうとすると、彼女の意思とは関係ないプロテクトが自動的に展開される。根本的な理由というものがその先にある。でも私の今のクッキング能力ではここまでが限界。これ以上は涼宮ハルヒの精神になんらかの異常を脅かす危険性がある。だから私にはこれ以上のことは不明」 つまりだ。2度目だが長門にも無理だということだ。 となれば話は1つだ。 「ハルヒ、なんでそんな本にえらくこだわるんだ?」 「‥‥‥‥‥」 ハルヒ本人が弱々しい状態でなんとかやっと来てから、作戦1として、完璧なおかつ完全、本人に直接聞くという方法が我がSOS団団員その1、2、3、副団長で決定されて実行されたが、あえなく敗退した。どうやらハルヒがこの本‘人格と精神’を読み続ける理由は、応募者100名様限定超プレミアム完全真空パックの切り取り線つき袋閉じ、なくらい秘密らしい。しかしそんなハルヒも、この本と格闘するのが疲れたのか、はたまた単なる睡眠不足なのか、キーボードに突っ伏す形で寝息を立てて寝始めた。また下校時刻まで時間はあるし、暫く寝かせておくのもいいだろう。 その間に 「長門、その本に何が書かれてるのか読んでみてくれないか」 「了解」 ハルヒの顔のすぐ隣にある‘人格と精神’を長門がパッと取ると、世界速読王でさえびっくりするような、新幹線のぞみ級の速さで長門はページを捲っていった。いつも読んでる速度はなんなんだ一体。本を読む速さをさらに鍛えるためにかなりの制限をつけているとしか思えん。 「‥‥‥‥‥」 長門は静かに、元あったように本をハルヒの隣に置いた。結局、ハルヒを虜にするような内容とはなんだったのか。 「この本に、涼宮ハルヒに過度な依存をさせる内容はない」 「なんだと」 「念のため、人体寄生タイプのウイルスが仕組まれているかを確認した。でもそのような物が仕組まれた跡も発動した形跡もない」 そりゃそんな寄生虫みたいなものが図書館の本にあったら大変なことだろう。しかし、どうしようか。これでまた謎が深まってしまった。 「ちょっと失礼します」 古泉がガタリとパイプ椅子から立ち上がり、微笑みフェイスのままハルヒの方へて歩み寄り、その本へと手を差し伸ばした。やめとけ、俺はまだ見てもいないがお前じゃ出来ないと思うぞ。 「もしかしたら、ですけれど‥‥‥」 パラパラと捲り、斜め読みをしていく超能力者は、大体半分辺りまでいった辺りで長門の方へと振り向いた。 「長門さん、この本に暗号が混ざっているという可能性はないでしょうか?」Ⅰ 暗号? 「よくあること、というわけではないのですが、こういった本の作者が茶目っ気を入れ混ぜて、暗号を隠しているということです。つまり、涼宮さんはどうやってかこの本に暗号があることを知り、それを解くために夜更かしをしているわけです。寝たら負ける、というルールのもとで」 なんだその訳の分からん推理は。確かによくサウナとかで、一番最後まで出ないなんていった特に景品がもらえるわけでもない独り我慢大会を起こしている人がいるが、それとこれを結びつけるのはさすがに無理があるぞ古泉。第一今回不思議がっているのは、こんなに睡眠不足でイライラが貯まっているはずなのに閉鎖空間が出ないってとこにあるんじゃないのか。暗号解けなかったら余計イライラが貯まって、大規模な閉鎖空間が発生するんじゃないのか? 「それもそうですね。でしゃばって申し訳ない」 そうだ、古泉。お前はもう出てこなくていいぞ。 「涼宮さん、このままだと風邪ひいちゃいますね‥‥」 そう言いながら、朝比奈さんはコスプレ衣装のとこから上着のようなものを取り出し、ハルヒの背中にかけてやった。朝比奈さんのこんな姿を見たら、マザーテレサ、更には天使でさえ感涙するだろう。 「朝比奈さんは、どう思いますか?」 「‥‥‥涼宮さんの身近に、誰かそういった症状を抱えておられる方がいるんじゃないんでしょうか?」 「ハルヒの周りに、ですか?」 「はい」 朝比奈さんは、今頃ノンレム睡眠に入っているだろうハルヒを見てから、優しく微笑んだ。 「涼宮さん、優しいですから」 そりゃ貴方のことですよ、朝比奈さん。 「確かに、涼宮さんともなると、一度決めたことは意地でもやり通すのもプロ級ですからね。身近にいる生徒‥‥あるいは近所の子供か、涼宮さんがどうしても助けたいと思える人がすぐそばにいるのなら、そして尚且つかかっている病気が精神病ならば、この一連の行動に説明がある程度つきます。しかしですね」 朝比奈さんの言いたいことはもちろんわかる、が癪なことに古泉の言わんとすることも分かる。 「それならば、読書大会なるものを開かずに、自分で勝手に読み始めてしまう可能性の方が高いと言えます」 「涼宮さんが、読書大会を決めた後にそのような人がいたと気づいたとは、考えられませんか?」 「涼宮さんがこの本に興味を持ったのは、5日前に見たテレビが原因でしたよね、長門さん?」 「そう」 「となれば、彼女はテレビで多重人格というものに興味を持ち、そして読書大会を開き、たまたま自分が読みたかった医学の本が回ってきた‥‥‥そしてタイミングを見計らったようにそういった病を持つ人が現れた。これはつまり、涼宮さんがそれを望んだということになります」 ハルヒには願望を実現させる能力があるらしい。だから今古泉が言ったように、自分がその症状を解決、または分析したいがために今の状況を作り出したということになってしまう。偶然、の一言で片づけてしまうならばそれまでだが、それは少し考えにくい。 つまり、ハルヒは私利私欲のために誰かが病気になることを望んだということになる。いくらハルヒが無自覚の能力とはいえ、さすがにそんなことを願ったりはしないだろう。そうだろ。ハルヒ? 「だがな、古泉。ハルヒの能力関係なしに、本当にそういった偶然があるかもしれない。その線を探る必要もあるんじゃないのか?」 「もちろんです。機関の方に、最近涼宮さんと接触した者の中で、そういった心の病を抱えておられる方がいるかどうかを当たってくれるように申請しておきます。それと、どうして閉鎖空間が発生しないのか‥もね」 そこまで話したところでハルヒがうーんと唸りながら寝返りをうったので、この話はお開きとなった。しかし、長門でさえ原員不明とはな‥‥‥。 だがさっきまで信じられないスピードで本を捲っていたのに、今はまたいつものスピードでペラペラと本を読んでいる宇宙人も、冷めてしまったお茶をまた温めている未来人も、珍しくボード盤を開かずに誰かのエッセイを読んでいる超能力者、そしてこの俺も。今までやっていた隠れミーティングが無駄だったんじゃないかと思うのは、ハルヒが下校時刻5分前に起きてからだった。 「あっー!!もうこんな時間じゃないのよ! どうして誰も起こしてくれないのっ!」 起きてから第一声がこれだ。だが、さっきに比べて随分元気そうに見える。それを見計らったかのように長門は本をパタンと閉じ、帰り支度をし始めた。俺は結局、この時間の間、宿題をして時間を過ごした結果となったわけだ。哲学書は家にあるしな。 「もう! 次からはちゃんと起こしなさいよキョン。ふぁあ‥‥‥あー、でもよく寝たわ」 背伸びを存分にしてから、ハルヒも‘人格と精神’を鞄の中にしまい、鍵を持って部屋を出た。どうせその鍵は俺が返すはめになるんだろうがな。 と、思った矢先だ。 「あたし、鍵返してくるから皆先帰ってていいわよ」 信じられない発言がハルヒの口から飛び出したことを俺は確認した。睡眠をし終えたばかりで気分が絶好調なのか、あるいはまだ寝ぼけているのかどうかを疑うような状態じゃないか。ハルヒ、お前家に帰ってからもっかい寝た方がいいぞ。 ‥‥‥と言うわけもなく、俺はハルヒの好意に甘えることにした。自ら面倒くさいことを進んでやるハルヒなんて、珍しいことこの上ないからな。 「では、お先に失礼します」 「あ‥‥あたし待ちますよ」 「いいのみくるちゃん。ちょっと用事もあるしね。先行ってて。すぐ追いつくから」 ハルヒがこう言ってるんだ。朝比奈さん、先に行きましょう。 「で‥‥でも」 朝比奈さんがそう戸惑っている間に、ハルヒは駆けてくように職員室へと向かって行った。ここに置いてある鞄はどうやら俺が運ぶはめになるらしい。 「‥‥‥‥‥」 「どうした長門。科学の本をまだ5冊読み終えてないのか?」 長門の沈黙具合がいつもと違ったように感じたので、そう声かけてみたが 「今25冊目」 と、1日8冊読んでもそんなにも読めないペースで読んでいるらしいということだけが分かった。長門の無機質な声にも最近変化が感じとれるようになってきたと感じた俺だったが、しかし今の返答を見るとまだまだ俺は長門の心情をちゃんと察しているわけではないんだなと改めて分かる。長門は苦労しても顔に出さないから、知らず知らずの内に負担をかけてないといいが‥‥‥。 朝比奈さん、古泉や長門とも別れ、それでもハルヒが来ないので、俺は踏切前で重い鞄を持ちながら待つことにした。ハルヒの奴、いつもこんな重い鞄持ってるのか。ここ最近たまたま‘人格と精神’が入っているせいかもしれないが、にしてもこんな鞄を持ってよくあんな細い腕でいられるな。草野球の時だって、あいつだけは長門の力を借りずにパコンパコンとヒット打ってたしな。どこからそんな力を蓄えているのやら‥‥。 そんなことを暗くなっていく空を眺めながらボーっと考えていると、ようやくにしてハルヒが姿を現した。一体何の用事だったんだ。 「貸しなさいよ」 鞄を俺からひったくり、そのまま何事もなかったようにハルヒは帰っていく。お前、そこはありがとうだろ。 「なーんてね、ウソウソ。」 ハルヒは振り返りながら俺の顔を直視し、 「ありがと、キョン」 と言って走り去って行った。 ‥‥‥‥‥。 「えっ?」 ハルヒの睡眠不足がもうすでに精神を相当脅かしているんじゃないかと疑ったのは、まさにこの瞬間だった。 →涼宮ハルヒの分身 Ⅱへ
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次の日の放課後、俺とハルヒは、約束の通り、あの不動産屋を訪れた。 「そうか、君たちの部屋を探してたのかい。それでいいのは見つかったかい?」 「それが、どれもいまいちピンと来ないのよねえ」 かいつまんで話した「事の顛末」をニコニコ顔で聞いてくれる店主と、そんなのはそっちのけで物件リストの中にサイコ・ダイビングしてしまうハルヒ。 「すいません。目標を追い出すと周りが見えなくなる肉食獣な奴で」 「いいよいいよ、気にしないで。住むことは生きることなり、だ。真剣に探すのは当然だよ」 「住むことは生きることなり、ですか」 「実感が湧かないかな。若いうちは元気で外を飛び回っていて、家なんか帰って寝るだけ、ということも多いからね」 ハルヒが部屋探しに打込む様子を目の前にしても、どこか違和感を感じるのは、「外を飛び回ってる」ハルヒのイメージがどうしたって強烈すぎて、「帰って寝るだけ」のものに注がれるこいつの情熱とそのイメージが、俺の中でうまく結びつかず惑っているからだ。 「そうですね」 「そんなことないわ」 忙しくファイルを繰っているはずのハルヒから声が飛んで来た。 「人間なんて一生のうちの三分の一は寝てんのよ。赤ちゃんや9歳以下の子供をのぞいても、1日のうち11時間は寝るとか食べるとかに費やして、仕事に7時間、それ以外に自由に使えるなんて6時間くらいのものよ。それに働くといえば家の外へお勤めに出るみたいなイメージだけど、サラリーマンが働く人全体の半分を超えたのは1960年ぐらいからよ。それ以前はもちろん、それ以降もずっと家で仕事をしてる人は大勢いたわ。しかもサラリーマンっていうくらいで、ほとんどの家で勤めに出るのは男だけで、女はずっと家にいたの。共稼ぎの世帯がサラリーマンと専業主婦の世帯数を越えたのは1992年だったかしら。とにかくね、家が『帰って寝るだけ』のところなんて暴言もはなはだしいわよ、キョン!」 思わぬ集中砲火をあびて、たじろぐ俺。言葉の銃弾を連射しながらも、ファイルを繰る手を止めないハルヒ。そういえば、ハルヒが小さい頃、こいつの母さんは入退院を繰り返していて、仕事で飛び回ってる親父さんとたまにお見舞いに行く以外はこいつはずっと家にいて、小さな頃から家事全般を任されていたのだと聞いたことがあった。こいつはそんな話をした後、いつものアヒル口になって「だって他にする人がいないんだからしょうがないじゃない」みたいなことを言っていた気がする。 店主はハルヒのマシンガン・トークを、これまたニコニコと聞いていたが、それが鳴り止み、ハルヒが物件情報の海に再びダイブするのを見届けてから、ゆっくりした口調でこう始めた。 「おじさんはこの仕事を継いだのが遅くてね。頑固な父親で、そりが合わなかったから、最初は別の仕事について、しばらく勤め人をしてた。父親も、自分が死んだらここも閉めてしまおうと思ってたらしい。それが酒がたたって、父親の予定からすると随分と早くに脳卒中で倒れた。呼び付けられて実家に帰ると、手招きで呼び寄せられて父親にこう怒鳴られたよ。 『道路、河川は本なり。水道、家屋は末なり。って言葉、知ってるか?』 知らないと答えたら、『おまえ、それでも不動産屋の倅か』とこうだ。 『維新からこの方、国の偉い連中はみんなそれでやってきた。都を地震で壊され空襲で焼かれても相も変わらずだ。だがな、辺り一面の原っぱを馬が駆け抜けてくだけで道なんかひとつも見えない大平原でも、ラクダしか進めねえ砂の海でも、目をこらすと人がいるところじゃ必ず煙があがってる。その下には世界のどこいったって家がある。中にはバラしてロバに積めるような家がある、洪水に流されるままの筏の上に建てた家がある、地面を掘り下げただけの家がある。『家屋は末なり』だ? ああ、結構だ。どんな大通りの真ん中を歩いてる連中だって、家からやってきて家へ帰っていくじゃねえか。人の歩きだした端、歩いていった先は、確かに末端だ、行く末だ。俺たちの世代には、自分の家に帰りたい帰りたいと思いながら、のたれ死にした奴だって大勢いる。畳の上で、しかも自分の家で死ぬなんて、それだけで往生だ。病院になんかやるこたあないぞ』 それで心残りはないかと聞いたら、また怒鳴られた。 『あるに決まんてるだろ!』と言った後、泣き出したので、それで思わず、 『末のことはまかせろ』と言ってしまったんだ。で、現在に至るというわけさ」 「……ここを継ぐ前の仕事って何だったんですか?」 「ああ、役人だよ。道路や橋を作ってた。まるで落語だね」 「その、お父さんは?」 「一昨年死んだ。『おまえが一人前になるまで死ねるか』とよく言ってたから、ようやく一人前と認めてくれたのかな」 店主は、俺とハルヒに、タバコはいいかな?と承諾をとって、大きなマッチ箱を取り出してマッチをすり、火をタバコの先に持っていった。細い煙があがって、その先を見るような目で、店主は続きを話してくれた。 「今、私が座ってる机の引き出しには、不動産業とはあまり関係のない、父親の資料が入っていてね。世界中の家の写真なんだ。どうやって集めたんだろうと思うね。父親は、私が子供の頃から、ずっとこの椅子に座っていて、どこかに出掛けた覚えなんかほとんどなかったから」 店主は引き出しを開け、古いアルバムのようなものの中から一冊を抜いて、机の上で広げた。 「これは中国の山西省にある窰洞(ヤオトン)という住居。山西省や河南省あたりを黄土高原というのだけれど、『黄土高原は風がつくった大地である』という言葉があるくらいでね。ゴビ砂漠から風が運んできた黄色い砂塵でできた堆積層は、深いところで200メートルもある。土壌は均質かつ多孔質、雨の振らない地域だから数万年の年月で乾燥し切ってる。この土はとてもやわらかく掘りやすい、それに掘っても崩れにくい。中庭にあたる正方形を掘り下げて、そうしてできた土の壁に、今度は横に穴をあけて部屋をつくる。鋤一本と根気さえあれば、誰だって家がつくれる。材料はどこからも持って来なくていい、みんな自分の足の下にあるからね。こうしたところで、自分の住むところをつくるのに、「建てる」のでなく「掘る」人たちが暮らしている。住居ばかりか、工場も、学校も、ホテルも、役所も、延安大学の学生寮も、みんなそう。調査された中で一番古い窰洞(ヤオトン)は唐の詩人杜甫の生家で、1200年ほど前のものが残っているそうだよ」 「これは熱帯アフリカのバオバブの木。大きな木は幹の直径が10m近くにもなる。材質が非常に柔らかいので、これも彫り抜いて窰洞(ヤオトン)のように「引き算の建築」ができる。生きている木につくった大きな穴の家で暮らしている人たちも大勢いる」 「こっちは、乾期と雨期の間で河の水位が何mもある東南アジアの水の民の家。ノアの箱船は洪水から逃れるためにつくられたけれど、この人たちは最初から定期的に襲ってくる洪水を前提に暮らしている。この丸木小屋みたいなのは全部これも丸太でできたイカダの上に組み立てられている。ほら、どの家にも周りに20mぐらいの高い4本の柱が立っているだろ。この柱は、水に浮かんだ時にイカダ住宅を綱でつなぐおくためのものなんだ。ひとたび洪水になれば、村全体が、家や商店、集会所、そして犬小屋までも、自動的に浮かび上がる。彼等は土の上とほとんど同じ暮らしを、今度は水の上で続ける。20mの柱はね、これがないとイカダ住宅がどこかに流れて行ってしまうからだけど、ただつなぎ止めるためなら1本の柱でよさそうなものじゃないか。4本あるのは、家の向きを変えないためなんだよ。つまり四隅とも柱につないでないと、家の向きが変わってテレビの写りが悪くなる」 「テレビ?」 「ほら、屋根の上にアンテナがある。洪水を非常時と考えるとテレビなんて、と思うかもしれないが、洪水が日常の人たちには大切な問題だ」 「電気はどうしてるんですか?」 「普段は電線で供給されているところも増えたみたいだけれど、ガソリン・エンジンがついた発電機も持っている」 店主の話に引き込まれるように聞き入っていると、いつのまにかハルヒが隣に座っていた。 そりゃそうだ。この手の話をハルヒが聞き逃すはずがない。 俺は続いて何が出てくるのだろうと、無意識に腰を浮かせて机越しに見えない引き出しの中を覗こうとしていた。ハルヒがそんな俺の肩をひっつかみ強引に引き戻し、その反動で自分はバネ仕掛けのようにぶんと席から立ち上がった。 「おじさんは、家の写真、集めてないの?」 「うん。集めてるんだけど、捗々(はかばか)しくないな。うちは一人でやってるし、休みもあってないようなものだから、なかなか時間がなくてね。父親も同じ条件だったのに、何だこの量は、っていつも不思議に思うんだよ」 「それはね、協力者がいたからよ!」 ああ、断言したよ、こいつ。 「キョン、あんた、話が見えてないでしょ? おじさんはすぐにピンと来たみたいだけど」 「あ、ああ。どういうことだ、ハルヒ?」 「写真の隅っこをよく見なさい。どれにも小さくイニシャルみたいなものが入ってるでしょ?」 「ん?あ、ああ。これか。だがこれだけだと何とも言えんぞ」 「言えるのよ。さっきから何枚、写真を見せてもらったの?最初の窰洞(ヤオトン)とこっちとこっちの写真。撮影された場所はもちろん、時期も、撮った人も違うと見ていいでしょうね。筆跡から言ってもそう。なのに、どの写真にも同じイニシャルが入っている。そして、この不動産屋さんの屋号。これは名字からでしょ?」 「ああ、そうだよ。なるほど、まいったな」 「写真のイニシャルと屋号も合う。つまり、いろんな人が、おじさんのお父さんのために撮った写真なのよ、ここにある奴は全部!」 「なるほどな。探すべきものは、余所じゃなくて、ここにあったのか」 「青い鳥って奴よ、おじさん!」 おいおい、おまえが言うのか、そのセリフ。俺は二度とは言わんけどな。 「父のアドレス帳と年賀状の束は捨てずに取ってあるから、まずそのあたりからだね」 「お父さんのネットワークが解き明かされると、きっとすごいことになるわ」 「ああ、私が全然知らなかった父が、きっといるんだろう」 いつのまにか意気投合しちまって、二人で盛り上がる店主とハルヒ。気を利かせて横を向いててやる。 「青い鳥か。……そうか、君はもう見付けたんだな」 「ええ、そうよ」 見なくても、誇らしく胸を張っているハルヒの姿が見える。 「それから、あたしからおじさんに一つ提案があるわ」 何故だろう、嫌な予感がする。 「店番は、あたしたちに任させて、どんどん不思議探検に行っちゃいなさい!」 おい、ハルヒ、おまえな! ……いま、あたし《たち》と言わなかったか? 「難しい契約なんかは資格もいるだろうしできないけど、電話番ぐらいにはなるわ。いつお客さんが来るのかわからないのがネックなんだし、店番を活用したら,細切れ時間だって有効活用できるでしょ? まあ、話は、何日かあたしたちにやらせてみて、おじさんが『これならいける』と思ってからに当然なるけど」 おいおい、話をどんどん進めるな。 「わかってないあんたのために、この計画のすばらしいメリットを特別に説明してあげるわ。あたしたちの場合、軍資金は少しでも多いに越したことはないし、それにこうしていれば優良物件を見逃す事もないし、物件の選び方探し方のノウハウも身に付くってものよ」 とここまで言って、早や家庭教師と変身したハルヒは、例の100ワットの笑顔を2割増しに輝かした。 「というわけでキョン、あんたへの家庭教師も《ここ》でやっちゃうからね」 「おいおい。それってバイトの掛け持ちというか、職務専念義務とかに反するんじゃないのか?」 「あんたの家庭教師はボランティアなんだし、あたしにとっては好きな本でも読んでるのと変わらないわよ。あんたが問題解くのに考えている間、どうせあたしは時間が空くんだから、これこそ効率的な時間の使い方よ! という具合に3者が3者とも得する計画なんだけど、おじさん、どうかしら?」 なんか話の途中から聞いて笑ってましたよね。ほとんど爆笑に近いくらいに。 「あー、愉快だよ。痛快だ。こんなにむちゃくちゃで強引で、しかも筋も通っていれば利もあるなんてね。……見習い期間は月〜金の5日間、その間はバイト代なし。本採用なら次の週から早速お願いする、ということでどうだろう。時間とバイト代は委細相談の上ということで」 「かまわないわ!」 ともあれ、これもまた明日のためのその一、ということだろうか。 うちの親への説得も、まだ残ってるんだぞ、ハルヒ。 「わかってるわよ。それも今夜やっちゃいましょう!」 やれやれ。多分、一番の難関なんだぞ。 「わかってるわよ。でも,進まないと明日はないわ。キョン、あたしに付いて来なさい!!」 ハルキョン家を探す その1 ハルキョン家を探す その2 →ハルキョン家を探す その3 ハルキョン家を探す その4 ハルキョン家を探す その5
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アシナンテ風里、この小さな町の大事件をここに記す****** 大陸暦885年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 大陸歴885年12月末 安価だけ見た場合のキャラの動きジム様の行動(意外と訓練好きだった領主。しっかりドラゴン対策してるいい領主。) コーラの行動(意外と指定安価で動いている武官筆頭。後半はほぼやるめに丸投げw) 霊夢の姉御の行動(やるめに頼ることが多い姉御。お姉ちゃんっ子?w) 番長の行動(基本誰かに聞きに行く番長。さすがワイルド……!) ジュライの行動(基本的に文句あんの!?【3・5・7・11月】+コミュで行動はほぼ決められていたw) はる閣下の行動(一番自由に動いていた閣下。やるめと一緒が多い。) 大陸暦885年 1月 最寄の山にドラゴンが住み着く。一年後のメガザル巡視の際に、ドラゴンが退治されていないと領主、騎士たちは解任されるかも?! 領主ジムの元、高師やるめ、パトリック・コーラサワー、番長こと鳴神悠、博麗霊夢 、天海春香そしてジュライの6人からなる家臣団は 1年以内に領内の状況を改善し、レッサードラゴンを倒すと言う難題に立ち向かうこととなった。 やるめ、春香、霊夢は農業振興を、ジム様、番長、コーラサワーは調練に成功、ジュライもまた盗賊のアジトを探り出すとまずは順調に滑り出す。 また海馬コーポレーションと交渉し、レッサードラゴンを退治する代償として、前金および今後の取引の優遇といった条件を引き出すことができた。 コーラサワー&ジュライに報告するも、「難しいことはお前に」と一任されたやるめを待っていたのは、臨時収入の資材200の処理であった。 2月 ジム、春香、やるめは順調に農業を振興させる。番長は町を見回り、締め上げた不良になつかれた。 トリオDE馬鹿は、盗賊のアジトへ潜入、ダンジョンのプロの格を見せつけ、敗残兵上がりの盗賊を殲滅し、領内の治安を高めた。 春香、番長との夕食の席上で料理の腕が話題になる。ボール奥様が抜群だとか。 本家であるガンダムさんの領・ミセテモラ桜花にてダンジョン探索依頼を受領。 ドラゴンによって生態系が変わったためか魔物の群れが来襲。 女性陣おっぱい番付(アシナンテ場所)横綱:春香(83D)大関:霊夢ちびっ子相撲:やるめ&ジュライ(板)番外:ボール様 3月 番長、コーラ、霊夢の全力を持って襲来した魔物を討伐。やるめは春香GM様とともに工業振興、 ジュライはガンダムさんちのダンジョン探索し、およそ7割程度まで探索を進めるもボス(亜竜)と遭遇。勝率10%ではいかんともしがたく敗走。 おパンツは犠牲になったのだ。 クロコダイン子爵領ギガブレイク出恋にて、ドラゴンへの対処等を折衝。7月の合同演習に合意し、またアイテム鑑定依頼を受領する。 しかしアイテム鑑定は、クロコダイン子爵の意図せぬセクハラ&パワハラにより失敗。 ダンジョンシスターズによるガンダムさんちのダンジョン攻略作戦中、自称美少女騎士やるめが領内女性家臣の最年長であることが判明w なお16歳のハードボイルド巫女、霊夢はコーヒーが苦くて苦手。 4月 番長が王様ゲームスレの影響でガッツリスケベ(ロリコン種)に進化…進化? アシナンテに今季初の税収。 GM様は古傷の養生でお休み、やるめ&はるかは農業振興、ダンジョンシスターズはガンダムさんちのダンジョン攻略、コーラサワーは治安維持で 治安100ボーナスを目指す。また7月の合同演習に備え、第三部隊を設立。なおジュライは新しいダンジョン捜索を命じられるというハードワークである。 なお亜竜の素材については、社長のコネでアイテムに加工してもらうことになりました。不足する費用は依頼受領で賄います。 一般領アシナンテ(兵力150×2)から見たグラズヘイム戦役は…不死身の二人組みが死を覚悟する激戦だったようです… 番長が妹プロジェクトを立ち上げたり、お茶の入れ方講座したり、昨年の車椅子レースを回想したり…今日もアシナンテは平和なのでした。 武官連中に魔物討伐、ダンジョンアタック対策についてインタビュー。 28歳のコーラサワーは年上派、16歳の番長は年下派二人の馬鹿に囲まれて胃が痛いお局様である。 ワイルド姐御が安定供給できる食料として、「蛇」を発見しました… 5月 社長の依頼については、番長コーラの統率ペアに加えてGM様も出動。やるめ、春香、霊夢の女の子同盟は農業振興、ジュライはダンジョン探索+ダンジョン捜索。 春香がはるかっかに目覚めたようです。ジュライを待ち受ける粘液ぬとぬとダンジョンのボスは【触手】であった!あまりのR18使用に流石のジュライも探索失敗。 服は犠牲になったのだ。 社長依頼のほうは何事もなく無事終了。ガンダムさんからアッガイファイトの練習相手と新型鎧の開発に関する依頼を受領。 GM様とボール様の思いで話を聴きつつ、好きな物語話に花を咲かせるジュライとやるめなのでした。 6月 コーラサワーはアッガイファイト、GM様霊夢は部隊訓練、番長はやるめ監視下で治安維持に当たることになった。春香はお弁当持参でアッガイファイトの応援です。 ジュライは先月発見したおどろおどろしいダンジョンの探索に。最奥部にて人体をつなぎ合わせたようなキメラグールと対決しこれを撃破。ダンジョンを踏破した。 このとき入手した手記が、後のロンダルキアの運命に大きな影響を与えようとは。 コーラサワーは筆頭武官の意地を見せ、アッガイファイトに勝利。霊夢、GM様も調練に成功。やるめは番長を撃破し治安を守った…? 来月の合同訓練に向けて、ギガブレイク出恋領にてうちあわせ。どうもドラゴン襲来には何か秘密が? やるめ、春香、霊夢の女の子同盟はウィンドウショッピング中。自称腕利き傭兵のオッサンから武具をまとめ買い。実は販売許可を持って無かったオッサンは、 罰金に加えて身ぐるみを置いていくことに。このとき、重要アイテムグンマー語の辞書を入手する。 また近隣の森でゴブリンが繁殖中…この忙しい時期に迷惑なことである。 7月 番長コーラGM様でゴブリン討伐、ダンジョンシスターズは粘液の森ダンジョン探索、やるめ&春香は商業振興にあたることとなる。 ゴブリン討伐は危なげなく成功、また粘液ダンジョンもダンジョンシスターズにとってはさしたる障害ではなく踏破。 但しゲペ子の服は犠牲になったのだ。 やるめ&春香の商業振興も問題なく成功。 ギガブレイク出恋領との合同訓練にはアシナンテ領の総力を投入。残念ながら敗北に終わったが、メガザルの元帥閣下との対話によりドラゴン襲来の裏事情=【グンマー の外法師がロンダルキアの何者かの支援を受けつつ、メガザル打倒を画策している】という重要情報を入手する。そして余談だが、元帥閣下にフラグ立てる。 GMさまのコネを駆使して、ロンダルキア内政官フレイザードとの面談に望むやるめは、フレイザードの屋敷で奇妙な老人を見かけるのだった。 フレイザード内政官は、なんと言うか「愛国心(と、自尊心)が行き過ぎて、情勢が見えていないだけの素敵な人」でした…orz というかロンダルキアェ… 番長とジュライを交えて合同訓練の反省会。アシナンテは今月は豊作のようです。 8月 特殊諜報員で謎の手記を解読した結果、グンマーの外法師・マモーなる人物がロンダルキアの何者かの協力を得て、盗賊や孤児を材料にキメラグールを作成していた ことが判明した。マモーはさらに、ドラゴンを召喚しこれをグール化することでメガザル打倒を考えていたようだが、ドラゴンがなぜかアシナンテに来てしまったらしい。 やるめの深く静かな怒りが爆発、アシナンテの総力を挙げて対処することが決まった。 霊夢はミセテモラ桜花の技術者からの依頼に、GM様、コーラ、春香は工業振興に、やるめ、番長、ジュライは情報収集に当たる。 工業振興は無事成功し、収入合計が2500に達した。霊夢は依頼に失敗するもマモーの足取りを入手。情報収集班はドラゴンのすむダンジョンおよびマモーの居場所を 突き止める。 さらに社長との折衝で、社長からの4つの依頼を受ける代わりの怪しい人物=フレイザードの情報と大領主五更瑠璃へのコネを入手する。 訓練にいそしむコーラサワーと霊夢。領内最強はハードボイルド巫女のようですw一方領内に冷害が発生、春香が資材を投入して対応したようです。 9月 総員で社長の依頼にあたる。内訳は次のとおり。【家出娘の捜索】ジュライ、【ダンジョン探索の手伝い】霊夢・ジム、【調整業務】やるめ・春香、【開拓村の指導】番長 お留守番のコーラサワーは治安に当たることに。 ジュライは無事13歳の少女を暴漢の手から救出、お姉さまと呼ばれることに。霊夢・ジムは全裸の冒険者アスラン・ザラと遭遇、ダンジョン最奥部に到達するも、ボス戦 に敗北し負傷する。なお最奥に達したことで依頼は達成した。やるめ・春香のアシナンテ最強内政官の前に書類作業は敵ではなかった。また社長からの資料に隠した情報 提供を受け、フレイザードとマモーをつなぐ証拠がために成功する。番長は、何は運命の出会いをしたりしながらも、開拓村の自警団を訓練し、ゴブリンを撃退した。 社長に紹介された大領主五更瑠璃ことアークエンジェル閣下との折衝へ。超ノリノリで交渉は順調に推移、無事閣下の協力を取り付ける。 番長とジュライを交えて、最近のマモーの動向を確認。決戦に向けて決意を固める一同である。 10月 GM様、霊夢は今月はお休みして怪我の回復に専念。コーラ&番長は治安維持、ジュライはマモーのアジト探索、やるめ&春香は農業振興を行った。 アジト探索、農業振興は残念ながら失敗に終わる。 アークエンジェル閣下の下へ定期連絡。閣下の愛らしさを堪能しつつ、マジックアイテム貸与の約束を取り付ける。 妹分のジュライが泣かされたことに激怒する霊夢はやるめ、コーラとともに決戦への決意を示した。 またジュライの過去と彼女の思いを聞き、改めてジュライを受け止め、姉と呼ばれるやるめであった。 なお余談であるが、やるめが自分を差し置いてジュライから姉と呼ばれたことに拗ねた霊夢が、ジュライをつれて服を買いに行くのは11月のことである。 11月 霊夢、コーラ、ジュライはマモーのアジトを探索、GM様、番長は部隊調練、やるめは治安維持、春香は商業振興に当たる。 春香は商業振興の難易度を目にして断念した。GM様&番長は部隊訓練に成功。アジト探索組みは無事最奥部に到達、キメラグール重戦闘型および通常型との戦闘に勝利 諸悪の根源であるマモーを捕らえる。その後の調査で、マモーは100人近い犠牲者を出していたことが判明。一同は怒りをこらえ、アークエンジェル閣下にマモーを 引き渡すのであった。なおこのときアークエンジェル閣下ファンクラブにかかわる対談がなされたとの風聞がある。 春香はやるめ&ジュライにいずれ吟遊詩人に戻ることを伝え、また我が家であるアシナンテ風里へ帰ってくると約束する。 風車が老朽化により破損、資材を投入し即時に対応する。 12月 ジュライの特殊諜報員により、敵戦力と取り巻きを排除する場合のルートの情報を入手。やるめ、コーラと霊夢は、このルートでダンジョンに突入し取り巻きモンスター を排除することに。またジュライ、春香、番長は決戦に向けての情報収集に当たった。GM様は工業振興を予定していたが、目標値の高さからこれを断念。 やるめたちはダンジョンに突入、最奥部に達し無事取り巻きモンスターの排除に成功する。 できることはすべてやった。後はドラゴンを打ち倒す、それだけである! 大陸歴885年12月末 アシナンテ風里軍、自領の山麓に布陣。山頂付近に住むレッサードラゴンの討伐に、軍を動かす。 対して、周辺の魔物の長となっていたレッサードラゴンもまた、周辺の魔物を糾合し、攻め上がって来るアシナンテ軍に対抗する構えを見せた。 この状況で、アシナンテ軍には選択肢があった。山頂付近にある開けた台地で戦うか、罠が張り易い少し離れた盆地に敵を誘いこむか。 アシナンテ風里軍はリスクを嫌い、山頂に近い台地に布陣。 ドラゴン側も、その位置まで自分の縄張りに踏み込んで来たアシナンテ軍に向けて、進軍を開始する。 同日午後、両軍が台地にて接触。アシナンテ軍と魔物軍の決戦が始まった。 戦闘の開始は、アシナンテ風里領主夫人、ボールによる砲撃から始まった。 砲撃一閃。 レッサードラゴンの鱗を貫いた一撃が、開戦の号砲となる。 続けて飛び出したのは、当然というか何と言うか、 アシナンテが誇る対魔物決戦兵器こと、巫女。博麗霊夢である。 符の乱舞と、やたらと頑丈な御払い棒による打撃。 よくぞこれまでと言いたくなるほどの弾幕と、もう勘弁してやって下さいと言いたくなる鈍器殴打。 魔物の軍勢が、じわりと後退する。 そのタイミングに見事に付け込んだのが、アシナンテ軍の実質的な指揮官、鳴上悠。 後退を試みた所に、かぶせるように弓が降り注ぎ、 更にアシナンテの兵の中でも精兵と言える突撃部隊がその傷口につけ込むように突撃を開始する。 だが無論、全ての魔物が怯んだわけではない。 中には強力な戦意と武勇で、逆撃を加えようとする魔物も居た。 だが。 霊夢のように突撃をせず、主力軍の援護に回っていたジュライがそれに対応。 主力軍は魔物軍の反撃を押しのけ、蹂躙する。 そして。 魔物の軍勢を追い散らした後、全軍でドラゴンに総攻撃を仕掛け――― 弓、槍衾で弱らせた所を、筆頭武官パトリック・コーラサワーが援護を受けながら突撃。 その槍がドラゴンを貫き、アシナンテ風里領の、一年に渡るドラゴン討伐作戦は、ここに勝利を以て終結したのだった。 安価だけ見た場合のキャラの動き ジム様の行動(意外と訓練好きだった領主。しっかりドラゴン対策してるいい領主。) 1月:部隊訓練 7月:ゴブ退治で安価無し 2月:農業振興 8月:やるめに聞きに来る 3月:部隊訓練 9月:社長の依頼で安価無し 4月:何もしない .10月:やるめに聞きに来る 5月:護衛依頼で安価無し 11月:部隊訓練 6月:コミュで安価なし .12月:工業振興 コーラの行動(意外と指定安価で動いている武官筆頭。後半はほぼやるめに丸投げw) 1月:治安維持 7月:ゴブ退治で安価無し 2月:コミュで安価なし 8月:ジム様に聞きに行く(実質やるめ) 3月:軍事行動で安価無し .9月:コミュで安価なし 4月:治安維持 .10月:やるめに聞きに来る 5月:護衛依頼で安価無し 11月:コミュで安価なし 6月:アッガイ依頼で安価無し 12月:やるめに聞きに来る 霊夢の姉御の行動(やるめに頼ることが多い姉御。お姉ちゃんっ子?w) 1月:やるめに聞きに来る .7月:ダンジョンに行く 2月:ダンジョンに行く 8月:やるめに聞きに来る 3月:軍事行動で安価無し 9月:社長の依頼で安価無し 4月:コミュで安価なし 10月:何もしない 5月:やるめに聞きに来る 11月:コミュで安価なし 6月:やるめに聞きに来る 12月:やるめに聞きに来る 番長の行動(基本誰かに聞きに行く番長。さすがワイルド……!) 1月:主君(ジム)に聞きに行く .7月:ゴブ退治で安価無し 2月:やるめに聞きに来る .8月:コミュで安価なし 3月:軍事行動で安価無し 9月:社長の依頼で安価無し 4月:やるめに聞きに来る 10月:コミュで安価なし 5月:護衛依頼で安価無し 11月:部隊訓練 6月:治安維持 .12月:やるめに聞きに来る ジュライの行動(基本的に文句あんの!?【3・5・7・11月】+コミュで行動はほぼ決められていたw) 1月:情報収集 7月:文句あんの先に使用で安価無し 2月:コミュで安価なし 8月:コミュで安価なし 3月:情報収集 9月:社長の依頼で安価無し 4月:コミュで安価なし .10月:コミュで安価なし 5月:上司(コーラサワー)に聞きに行く .11月:情報収集 6月:コミュで安価なし .12月:コミュで安価なし はる閣下の行動(一番自由に動いていた閣下。やるめと一緒が多い。) 1月:農業振興 7月:商業振興 2月:農業振興 8月:工業振興 3月:コミュで安価なし 9月:社長の依頼で安価無し 4月:農業振興 10月:農業振興 5月:農業振興 11月:商業振興 6月:上司(コーラサワー)に聞きに行く .12月:コミュで安価なし
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もくじを見る データ 技 入手方法 登場歴 備考 関連項目 コメントフォーム データ ポケモンデータ 分類 ポケモン タイプ 特性 隠れ特性 高さ 重さ 性別 ♂:50%♀:50% タマゴグループ 技 わざ タイプ 覚え方 レベルアップ わざマシン 入手方法 出現場所 シンボル パルデア図鑑を参照 登場歴 世代 出典 第7世代 SM USUM 第8世代 剣盾 備考 『SM』から登場したポケモン。 関連項目 ポケモン 新規登場 ニャオハ ニャローテ マスカーニャ ホゲータ アチゲータ ラウドボーン クワッス ウェルカモ ウェーニバル グルトン パフュートン タマンチュラ ワナイダー マメバッタ エクスレッグ パモ パモット パーモット ワッカネズミ イッカネズミ パピモッチ バウッツェル ミニーブ オリーニョ オリーヴァ イキリンコ コジオ ジオヅム キョジオーン カルボウ グレンアルマ ソウブレイズ ズピカ ハラバリー カイデン タイカイデン オラチフ マフィティフ シルシュルー タギングル アノクサ アノホラグサ ノノクラゲ リククラゲ ガケガニ カプサイジ スコヴィラン シガロコ ベラカス ヒラヒナ クエスパトラ カヌチャン ナカヌチャン デカヌチャン ウミディグダ ウミトリオ オトシドリ ナミイルカ イルカマン ブロロン ブロロローム モトトカゲ ミミズズ キラーメ キラフロル ボチ ハカドッグ カラミンゴ アルクジラ ハルクジラ ミガルーサ ヘイラッシャ シャリタツ コノヨザル ドオー リキキリン ノココッチ ドドゲザン イダイナキバ サケブシッポ アラブルタケ ハバタクカミ チヲハウハネ スナノケガワ テツノワダチ テツノツツミ テツノカイナ テツノコウベ テツノドクガ テツノイバラ セビエ セゴール セグレイブ コレクレー サーフゴー チオンジェン パオジアン ディンルー イーユイ トドロクツキ テツノブジン コライドン ミライドン ケンタロス(パルデアのすがた) ウパー(パルデアのすがた) 歴代ポケモン フシギダネ フシギソウ フシギバナ ヒトカゲ リザード リザードン ゼニガメ カメール カメックス キャタピー トランセル バタフリー ビードル コクーン スピアー ポッポ ピジョン ピジョット コラッタ コラッタ(アローラのすがた) ラッタ ラッタ(アローラのすがた) オニスズメ オニドリル アーボ アーボック ピカチュウ ライチュウ ライチュウ(アローラのすがた) サンド サンド(アローラのすがた) サンドパン サンドパン(アローラのすがた) ニドラン♀ ニドリーナ ニドクイン ニドラン♂ ニドリーノ ニドキング ピッピ ピクシー ロコン ロコン(アローラのすがた) キュウコン キュウコン(アローラのすがた) プリン プクリン ズバット ゴルバット ナゾノクサ クサイハナ ラフレシア パラス パラセクト コンパン モルフォン ディグダ ディグダ(アローラのすがた) ダグトリオ ダグトリオ(アローラのすがた) ニャース ニャース(アローラのすがた) ニャース(ガラルのすがた) ペルシアン ペルシアン(アローラのすがた) コダック ゴルダック マンキー オコリザル ガーディ ガーディ(ヒスイのすがた) ウインディ ウインディ(ヒスイのすがた) ニョロモ ニョロゾ ニョロボン ケーシィ ユンゲラー フーディン ワンリキー ゴーリキー カイリキー マダツボミ ウツドン ウツボット メノクラゲ ドククラゲ イシツブテ イシツブテ(アローラのすがた) ゴローン ゴローン(アローラのすがた) ゴローニャ ゴローニャ(アローラのすがた) ポニータ ポニータ(ガラルのすがた) ギャロップ ギャロップ(ガラルのすがた) ヤドン ヤドン(ガラルのすがた) ヤドラン ヤドラン(ガラルのすがた) コイル レアコイル カモネギ カモネギ(ガラルのすがた) ドードー ドードリオ パウワウ ジュゴン ベトベター ベトベター(アローラのすがた) ベトベトン ベトベトン(アローラのすがた) シェルダー パルシェン ゴース ゴースト ゲンガー イワーク スリープ スリーパー クラブ キングラー ビリリダマ ビリリダマ(ヒスイのすがた) マルマイン マルマイン(ヒスイのすがた) タマタマ ナッシー ナッシー(アローラのすがた) カラカラ ガラガラ ガラガラ(アローラのすがた) サワムラー エビワラー ベロリンガ ドガース マタドガス マタドガス(ガラルのすがた) サイホーン サイドン ラッキー モンジャラ ガルーラ タッツー シードラ トサキント アズマオウ ヒトデマン スターミー バリヤード バリヤード(ガラルのすがた) ストライク 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ハルヒがニート略してハルヒニート その1 その2 その3 終章・前編 終章・後編
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ハルヒのおかげかそうでないのか、俺は無事進級できたわけだ いや、ハルヒがやけにうれしそうに俺に勉強を教えてくれたおかげなのかもな 三月のホワイトデーという難関も無事に突破し、春休みの半分以上はSOS団活動で 終わった。 新学期、幸か不幸か俺はまたハルヒと同じクラスになり、席も相変わらずだ まあ他の面子にはあまり変わりが無く、俺も少しほっとしたわけだ 俺たちは今二年生なわけで当然、新入生も入ってきた 俺は新入生を見て、俺もあんな初々しかったのかな、などと感慨にふけり でも実際は一年しか経っていないわけで、新入生とあまり変わっていないのだと思う ハルヒは新入生の調査で忙しいらしく、新学期が始まって一週間はまともに部室には来なかった またとんでも属性の人を連れてこないのか若干ひやひやしてたが そんなことはなく結局ハルヒは誰も連れてくることはなかった もし仮にハルヒがまた変なやつを連れてきても、俺は甘んじてそれを受け入れるがな そしてSOS団のメンバーに変わりはなく、この五人で活動している 活動と言っても、特に何もしてないのだが 今は五月、一年生が学校に慣れてきて少々うるさい時期である 俺はそんなことは気にせず、いつもどおりの生活を送っていた ちょっと刺激が足りない気がするが、ナイフを持った女子に追い掛け回されたり でかい虫に追いかけられたり、そんなことはもう勘弁してもらいたいからな 今に、ハルヒがまたドアを破るように開け厄介ごとを持って来るさ 今の俺にはそれくらいがちょうどいいのさ しかしここ最近ハルヒの様子がおかしい おかしいと言っても何がおかしいのかよくわからない 授業中は俺を突いてくるし、休み時間になると教室からいなくなる 行動自体はなんら普段と変わりないのだが、おかしい そのことに気づいてから一週間が経ち、俺は少し心配していた 他の団員は気づいてないのだろうかと思い、あまり気が進まんが古泉あたりに聞いてみよう 「なあ古泉」 「なんですか」 「ここ最近ハルヒの様子がおかしくないか?」 「おかしいとは、どのようにおかしいんですか?」 「いやうまく説明できないんだが、なんとなくな」 「また何か良からぬ企画を練ってるんじゃないですか?」 「まあそういうことならいいんだが、なんか違う気がするんだよ」 「しかし僕から見た限りいつもの涼宮さんに見受けられましたけど」 「俺の勘違いならそれでいいんだ」 「あなたにしては珍しく涼宮さんの心配ですか?ですが機関からも何も報告は来てませんし 特に何もないと思いますよ」 「そうか」 俺の勘違いなのか?だがまだ疑念は拭えない 手っ取り早く長門に聞くとするか、あいつならずばり答えてくれるだろうし 「長門」 「なに」 「ここ最近ハルヒの様子がおかしくないか?」 「……質問の意図が理解しかねる」 「だからなんていうか、最近どことなくいつもと違くないか?」 「涼宮ハルヒからは異常は感知していない」 「そうか」 長門がこう言うんだからそうだとは思うんだが 多分同じ答えが返ってくるだろうけど、朝比奈さんにも聞いてみるか 「朝比奈さん」 「なんでしょう」 「最近ハルヒを見てて、なにか様子がおかしいと感じませんでしたか?」 「え?特に何もおかしいところはなかったと思いますよ。涼宮さんと何かあったんですか?」 「あ、いえ何もないですよ。俺の勘違いでしょう」 「ふふっ変なキョン君」 期待はしてなかったが同じ答えが返ってきたか 三人とも何も感じないのか?俺にはなんか無理に明るく振舞ってるように見えるんだが 直接聞いてみるか 次の日 掃除を終わらせた俺はいつものように部室に行った 珍しいこともあるもんだ、部室にはハルヒしかいなかった 「あれ?ハルヒだけか」 「あたしだけじゃ不都合があるって言うの?」 「いやむしろ好都合だ」 「へ?」 「いや、それより他の連中はどうしたんだ」 「え?ああ有希はコンピ研に行って、みくるちゃんは進路相談、古泉君はなんか急にバイトとか言って帰ってわ。みんな怠けすぎよ、SOS団を第一に考えるべきだわ」 今更、SOS団が最優先事項になったのは初耳だがあえてつっこまないでおこう 「そうか」 「そうよ。そこんところ今度みんなに教えないとだめね」 「ああ、そうしてくれ」 「……あんた、今日はやけに素直じゃない頭でも打ったの?」 「どこも打ってないし、どこもおかしくなってない」 「そう。変な日もあるわね」 と言いパソコンをいじり始めた 「じゃあ帰ろうぜ。みんな時間かかるみたいだしさ」 「あんたまでサボろうとしてるわけ、そんなの認めるわけないじゃない」 「頼むよ。今日だけ、な?」 両手を合わせ頼んでみる 「…仕方ないわね。今日だけよ、そのかわり帰りに何かおごりなさいよ」 「はいはい」 ハルヒは部室のドアに張り紙をして、俺たちは帰ることになったのだが どう切り出せばいいんだ?『悩みでもあるのか?』こんな直接聞くのもおかしいよな でも聞かないでイライラするより聞いたほうがいいだろう 帰り道 坂を下りながら 「なあハルヒ」 「なによ」 「最近悩み事でもあるのか?」 いきなり立ち止まりやがった、またゆっくりと歩き出し 「何でそんなふうに思ったの?」 「なんとなくだが、ここ最近ハルヒと接してて違和感を覚えてな、いつも通りと言われればそうなんだが、なんか引っかかってな」 「……」 この三点リーダはハルヒのだ。俺はさらに続ける 「なんか、無理に元気出して振舞ってるように見えたんだ。いや俺の勘違いならそれでいいんだ」 「……」 否定も肯定もないハルヒを見るのは初めてだが、やっぱりなにかあるんじゃねーか 「悩みがあるなら話してみろよ。話ならいくらでも聞いてやるぞ」 「……」 「無理に聞こうなんて思ってない、ハルヒが話したくないならそれでいい。男の俺に話しづらい事なら朝比奈さんや長門にでも話してみろよ」 「……」 「俺はいつでも話し聞いてやるから、俺に話して解決するかわかんねーけど、誰かに話したら少しでも気が楽になる事だってあるんだ」 「……」 「あんまり一人で抱え込むんじゃねーぞ。らしくないハルヒを見てるのはつらいんだ」 「……」 その後、俺たちは一言もしゃべらないまま坂を下りた 坂がおわった所でハルヒがようやく話してきた 「いつ気づいたの?」 「一週間か十日ぐらい前かな」 「そう」 「あたしこっちだから」 「あれ?奢らなくていいのか」 「今日は帰るわ」 「そうか」 「じゃあね」 そう言って歩いて帰っていった そのときのハルヒの後姿はとても小さく見えた そのまますっきりしないまま家に着き夕飯を食べ、俺にまとわりついてくる妹をスルーし、部屋に着いた なんだか落ち着かん。何なんだこの感じは? しかしこれ以上考えてもどうにもならん。話したくなったら話してくれるさ そう思い、いつもより早くベッドに入った 明日は土曜日、不思議探索があるしな 深夜、俺もようやく眠りに入った頃に、電話があった 誰なんだこんな夜中に 着信 涼宮ハルヒ いつもならあまり驚かない電話なんだが、昨日あんなこと言っちまったし 眠い目をこすりながらなるべく平静を装いながら電話に出た 「もしもし」 「起きてた?」 寝てたに決まってんじゃねーか何時だと思ってんだ、なんて言えるはずもなく 「ああ、なんとなく寝付けなくてな。どうしたんだ?こんな時間に」 「うん。その今日の帰りのことなんだけど」 「なんだそのことか、やっぱりなんか悩んでるのか?」 「そのことなんだけど、明日キョンの家に行っていい?」 おかしすぎる、こんなふうに言われるなんて数えるほどしかないぞ。いや、なかったか 「俺はかまわんが明日は不思議探索じゃなかったか?」 「そうだったんだけど明日は中止にするわ。ほかのみんなにはあたしから連絡しとくから」 「そっか」 「じゃあおやすみ」 「ああ」 話が終わり、携帯で時間を見てみた。2時15分 ハルヒはこんな時間まで起きてて、電話してきたのか そういや何時に来るか聞いてなかったな、こんな時間まで起きてたんだ朝来ることはないだろう 話の内容が気になるがさすがに眠い、もう一眠りするか 翌朝 朝起きる気はこれっぽちもなかったが、いつも通り妹に起こされてしまった 「キョン君おきて、ハルにゃんが来てるよ」 「なに?今何時だ」 「8時だよ」 いくらなんでも早すぎんだろ 「ハルヒは今どこにいるんだ?」 「居間で待ってもらってるよ。早く起きてきてね」 なんだって?これはマズイ。色々とヤバイ。何がマズイかよくわからんが 俺は急いで服を着替えて、寝癖を直さないまま居間に向かった 幸運なことにそこには親の姿はなく、とてもほっとした 動揺を悟られぬように 「よう、ハルヒ」 「おはよう」 食卓テーブルに座りながら、お茶を飲んでるハルヒがいた 妹はニコニコしながら俺とハルヒを交互に見ている、何が面白いんだおまえは 「来るの早かったな」 「ごめんね。早く起きちゃったから」 初めて聞いたぞそんなセリフ、まさかここはもうすでに違う世界とか ちょっと前の俺ならそんなことも疑うが、昨日のハルヒの様子からしてそうではないだろう 「いや、いいんだ」 こう言うのが精一杯である 「それより他のみんなにはもう連絡したのか?」 「もうしたわ。7時くらいに」 よく起きてたな、まあみんなは不思議探索あると思ってんだし起きてるか それよりここにハルヒをおいとくわけにもいかんな 「ハルヒ、俺の部屋に行っててくれないか」 「わかったわ。じゃあ先に行ってるね」 「ああ」 ハルヒについていこうとする妹を捕まえ、今日は俺の部屋に入るなと何度も言い聞かせていた 「むぅ~わかったよ。キョン君のイジワル」 何とでも言ってくれ 俺は手早く寝癖を直し、パンを食べ、部屋に戻った ノックしたほうがいいよな 「どうぞ」 床に正座で座り、窓の外を見ているハルヒがいた。何を見てるんだ? 「おそかったわね」 「そうか?」 「そうよ」 ハルヒの向かいに座り、テーブルの上に手を置き 「で、どうしたんだ?」 「昨日あんた言ってくれたでしょ?悩みがあるなら聞いてくれるって。本当は話す気なんかなかった。あんたに話してもどうしようもないことだから。でも、もうちょっと疲れたみたい、あんたに頼るなんて。」 「……」 「昨日の帰りに何も言わなかったのは、ビックリしたからなの。何で気づいたの?どこでばれたの?そう思って何も言えなかった。でも嬉しかったの。こういう時だからこそいつも通り明るく振舞おうとしてた。実際いつも通りにしてたと思うわ。でもキョンは気付いてくれた。それが嬉しかったの」 「……」 「だから話そうと思って来たの、あんたは今から言うことを黙って聞いてほしい。聞くだけでいい解決してほしいなんて思わないから」 「わかった。遠慮なく言ってくれ」 「うちの親、離婚しそうなの」 ……それは悩むよな。そうか。 「二週間ぐらい前からなんかギクシャクしてたの。夫婦喧嘩なら今まで何回も見てきたけど今回はなんか違ったわ。その何日か後に家に帰ったら怒鳴り声が聞こえたの」 「お母さんがよく怒鳴ってるのは聞くけど、今回は二人そろってデカイ声出して喧嘩してた『おまえは何もわかってない』『あんたこそ何考えてるのかしら』そんなことを言ってたわいつもなら親父がすぐ謝るんだけど、今回それはなかったわ」 「夜になったらまた喧嘩しだすし、あたしも止めるんだけど、うまくいかなくて」 「喧嘩の原因を二人に聞いても、『母さんに聞いてくれ』『お父さんに聞いたら』なんて事しか言わないの。訳わかんないわよ」 「それで一昨日、お母さんが独り言みたいに『離婚しようかしら』なんて言うのよ。今までそんな事聞いた事ないからひどく悩んだの。ここ最近まともに寝てないし。昨日も」 「……そうか」 なんて言ってやればいいかわからない。今に仲直りするさ、こんな無責任な事言えんし また俺はこんな事しか言えないのか。情けない 「そうよ」 おもむろにハルヒは立ち上がり、俺の横に座って俺の肩をつかみながら 「どうすればいいの?」 そう言って俺の肩を前後にゆすり始めた 涙を流しながら 「ねえ、教えてよ。どうすればいいのよ。教えなさいよ」 俺は下を向いて俯くことしか出来なかった 「どうっうぅすればっいいっの?」 ハルヒは俺の肩から手を離し、俺の胸で泣き始めた。ハルヒの手は俺の背中に回され俺の背中に爪を立ててしがみついている 「うっうっうっ」 声をあまり上げずに苦しみながら泣いているハルヒを見て、俺もとても苦しかった ハルヒにロックされてない右手でハルヒの頭をそっと撫ぜてやる これくらいしか出来なくてごめんな 何十分そうしていただろうか、背中にまわされた手の力が弱くなってる事に気がついた 泣き声も出していない。ハルヒの手をそっと離し顔を見てみる 寝てる 涙のあとがくっきりついた顔で寝てる。とても安心した顔で 寝てないって言ってたもんな。出来るだけ衝撃を与えないようにしてハルヒを抱き上げて俺のベットに寝させた ハルヒを抱き上げてみてとても軽い事に気付いた。やっぱ女の子なんだよな ハルヒは体を丸め、こちらを向きながら寝ている これ以上ハルヒの寝顔を盗み見する趣味はないので、俺は自分の部屋を出て居間に向かった 連絡しときたい相手もいたしな。トイレに入り携帯を見てみる 着信あり 12件 やはりな。その内1件は朝比奈さん、残りは古泉 気持ちはわかるんだがちょっとかけすぎじゃないか 俺は着信履歴の三分の一以上を占めてる古泉の名を見て、気分が悪くなった でも、かけてやるか 便器に座ったまま、古泉に電話した 「お待ちしてました」 おい、ワンコールで出るなよ。 「おまえに待たれてもうれしくないな」 「まあそう言わないでくださいよ。今朝、涼宮さんから電話がありまして、いきなり今日は中止だから、と言われまして。いつもならただの気まぐれだろうと思うんですけど、どこか様子がおかしかったものですから。あなたに連絡してみたんですけど」 「出なかった、か」 「そこで機関に連絡して、涼宮さんの事について色々調べさせてもらいました」 「あまりいい趣味とは言えんな」 「申し訳ございません。何分、あまりいい事態が起こってるとは思えなかったものですから。今涼宮さんはそちらにいらっしゃるんですよね?」 「俺の部屋で寝てる」 「そうですか」 「おまえはどこまで知ってるんだ?」 「ええ、涼宮さんのご両親の仲が最近あまりよくないことしかわかりませんでした」 「そうか。それで今大変なのか?閉鎖空間だかは」 「いえ、閉鎖空間は発生してませんよ」 「なんだと?」 あんなに不安げにしてたのにどうしてだ? 「あなたがこちらの心配をしてくれるのはうれしいですが、やはり何かあったんですか?」 「いや大丈夫だ。ハルヒが起きたら家まで送っていくよ」 「わかりました。少々心配したんですけどあなたがご一緒してるなら大丈夫そうですね。何かありましたら連絡ください」 「ああ」 「それとあんなに電話して申し訳ありませんでした。それではまた」 とは言ったものの、どうするべきか 古泉はあまり状況把握が出来てないみたいだし、あいつらしくない 朝比奈さんには今日あった事を伏せて電話しておいた。俺に話してくれたんだ、あまりベラベラしゃべるのはよくないよな 時計を見ると、もう4時を過ぎていた そろそろ起きてるかな、そう思い部屋に戻った まだ寝てるか、俺はベットによしかかり何か言ってやれることはないのか、必死に考えていた でも他人が夫婦仲に入って、何か言うのもなあ 「はぁ」 何も思い浮かばん。これ以上考えても駄目だな 俺はいつも通り振舞うしかないな。ハルヒに余計な心配かけたくないし それしかないな 色々と考えていたが『ガバッ』と音が聞こえるような勢いでハルヒが起きた 「ようやくお目覚めか」 ハルヒは俺を一瞥し周りをきょろきょろ見て 「あれ?あたし寝ちゃったの?」 「ああ、起こすのもかわいそうなくらいぐっすりな」 「そっか」 急に顔を真っ赤にして、俺から視線をはずした 「今何時?」 「8時ちょい過ぎだ」 「なんですって?……あたし何時間寝てたの?」 「8、9時間ぐらいじゃなのか?」 「そ、そんなに寝てたの?」 「ああ」 それから俺の方に向き直り、何かを決意したのか話し始めた 「今日は話を聞いてくれてありがとう」 なんと?聞いたことないぞそんな言葉 「あんたの言った通りね、全部話したらスッキリしたわ。もう涙が出ない位泣いたし」 「さっきはあんたに話しを聞いてくれるだけでいい、なんて言っといてあんなことしてごめ「そういえば他のみんなも心配してたぞ、いきなり不思議探索が中止になったから」 ハルヒが何を言おうとしてるかわかったから、わざと割り込ませた これが今俺に出来ることさ、これ以上ハルヒの口からそんなこと言わせたくないからな 「……そっか」 「他のみんなには何も言ってないから心配すんな」 「うん」 それからしばらくの沈黙が続いた 「あーなんか久々に寝た気がするわ。スッキリしたらお腹へってきちゃった、今日何も食べてない もの。そろそろ家に帰るわ」 「そうか。じゃあ送ってくよ」 「いいわよ、そんなことしなくて。一人で帰れるわ」 「駄目だ」 「何が駄目なのよ、でもどうしてもって言うなら許可するわ」 「じゃあどうしてもだ」 「仕方ないわね、じゃあお願いするわ」 少し元気が出たみたいだな それから家を出て、自転車で二人乗りしてハルヒの家へ向かった 最初の方、後ろに乗っているハルヒはどこも掴まないで黙って後ろに乗っていた 途中から俺の腰に手を回し、頭を背中に預けて、黙って乗っていた 俺はひたすらペダルを漕ぎ続けた 俺とハルヒは自転車に乗ってから、一言も話さなかった 30分ほど走っただろうか、ようやくハルヒが口を開いた 「この辺でいいわ。止めて」 「ああ」 「じゃあね」 そう言って走って帰っていった 帰り道、ハルヒは後ろに乗っていないのに足が重く、家まで1時間かかった 少し疲れたかな 家についてベットに倒れこむようにして横になり、テレビをつけた もう12時か、そろそろ寝るか そう思い寝ようとしたら、また電話があった ハルヒからだった 「キョン、ちょっと聞いてよ」 随分うれしそうな声だな、いい事でもあったのか 「なんだ?何があったんだ」 「さっき家に着いたら、二人して抱き合ってるのよ。意味わかんないわよ」 「それでね、仲直りしたの?って聞いたのよ。そしたら二人して『喧嘩なんかしてたっけ』なんて言うのよ」 「こんなに悩んだあたしがバカみたいじゃない。でね、どうしても喧嘩の理由が知りたいからしつこく聞いてみたの。そしたら、あたしの進路のことで揉めてたみたいなの」 「進路?」 「そうよ。大学に行かせるだの、なんだのって揉めてたみたいなんだけど、あたしの好きにさせる事で決着がついたみたい。あたしそれを聞いてイライラを通り越して、あきれたわ」 「でも今後こんなことはごめんだから、二人に正座させて今まで説教してたわけ」 俺はハルヒが親に説教してる姿を想像して笑ってしまった。いや親は見たことないけど 「何笑ってんのよ。笑い事じゃないのよ」 「ああ、すまん。それよりおまえは親にまで説教するのか?」 「当たり前じゃない。そんなことに親も子供も関係ないわ」 「おまえらしいな。でもよかったじゃないか、仲直りしてくれて」 「そうね、安心したわ。それより明日、あんた暇?」 「おまえが俺の予定をきくなんて珍しいこともあったもんだな」 「そんなことはどうでもいいじゃない、どっちなのよ。暇なの?」 「暇だが」 「それならもっと素直にはじめから言いなさいよ」 「おまえにだけは、言われたくないね。それで明日なんかあるのか?」 「明日の昼12時にいつもの待ち合わせ場所に来て。じゃあおやすみ」 切りやがった、俺はまだハイもイイエも言っていない気がするのだが しかし今日は何も文句はないね、良かったじゃないか いつも通りのハルヒに戻って 俺は心底安心していた 「はぁよかった」 次の日 いつもより遅く起き、適当に身支度を済ませ家を出た 15分前には着くだろう、俺にとってはいつもより早めだ なんとなく早く出たんだ、そこに深い意味などない 到着 そこにはハルヒしかいなかった、まあ予想はしていたが 「遅い、でも今日は罰金は無し」 「というか遅刻はしてないんだがな」 「いいからここに座んなさい」 そう言ってハルヒが座ってるベンチに座った 「今日は何なんだ?」 「昨日の話しに決まってんじゃない」 「もうあの話は終わったんじゃないのか?」 「詳しいことは全然話してないわ」 それからハルヒは昨日の出来事を話し始めた ハルヒは怒りながら笑い、笑いながら怒り、などととても器用なことをしながら話していた 俺は適当に相槌を打っているだけで話は頭に入ってこなかった とても安心していた、良かった元に戻って、今日はいつもよりさらに元気じゃないか だが、ここで一生の不覚をしでかしてしまった ハルヒは話を急にやめ、俺の顔を覗き込むようにして 「何で泣いてんの?」 「へ?」 驚いたことに俺の目からは涙が出ていたのである 「どうしたの?だいじょうぶ?」 「あ、ああ大丈夫だ」 目を軽くこすりながら、何で泣いてんだ俺、と思っていた 「どっか痛いの?」 「いやそういうんじゃない」 「でも、もう大丈夫なんだよね?」 「ああ」 少し話が途切れ、俺は恥ずかしいことを口にしていた 「たぶんな、たぶん安心したんだ。今日のハルヒを見て安心したんだ」 「え?」 「いつもの元気なハルヒが見れて、安心したんだ」 「そう、なの?」 「ああ、たぶんな」 「俺は昨日おまえに何も言ってやれなかった。おまえが苦しんでるのに気の利いたこと何も言えなかった。本当情けねーよ。昨日はごめんな」 「あんたバカじゃないの?」 「は?」 「あたしがあんたに話してどれだけ元気が出たと思ってんのよ。もしあんたに話してないで一人で抱え込んでたら、なんて考えるだけでぞっとするわ。あんたは黙って話しを聞いてくれた、真剣に、いつもなら変につっこむけど、そんなことなかったでしょ?」 「ああ」 「だからあたしに謝らないで。わかった?」 「わかった」 「よろしい」 「キョンにこの事、相談しなくてもこの問題は解決したと思うの。でもね今はあんたに話してよかったと思ってるの」 「どうしてだ?」 「わかんないの?」 「わからんからきくんだろうが」 「はぁ本当にあんたってあれよね」 「あれってなんだ?」 「教えるわけ無いでしょ」 そう言って勢いよく立ち上がり 「でも、あたし、とても大切なことに気付いたから、今回は辛かったけど、良かったわ」 「何に気付いたって?」 「だーかーら、教えるわけ無いでしょ」 俺の手を取り走り始めた。俺の好きな笑顔で やれやれ ハルヒが気付いた事は結局わからなかったが 今回、俺が気付いた事とハルヒが気付いたことが、同じであると 俺はそう願いたい
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涼宮ハルヒのOCG④ (2008/11~ ぐらいの時期だという前提でお願いします) 「えーっとね、潜水艦でキョンくんに攻撃して・・・カードを一枚伏せてわたしの番は終わりだよ。」 「違うわよ妹ちゃん、ターンエンドの前にこのカードを伏せとくの。そうすればキョンが何か出してきても一発で除外・・・」 今俺の目の前にはなぜかカードを握る我が妹と、その後ろからあーだこーだと口出ししてるハルヒがいる。長門はというと後ろの方で俺の本棚をあさっている、マンガぐらいしかないから面白くないと思うぞ長門。そして場所は俺の部屋だ。さて、何でこんな状況になったんだろうな。少し時間を遡って話していくか・・・。 朝倉との奇妙な再会の翌日、やはり朝倉は北高に転入してきた。俺のクラスではなく長門のクラスだったので大した騒ぎにはならなかったのだが、我らが団長がそんなニュースを聞き逃すわけも無く、放課後部室で朝比奈さんのお茶を飲みながら一緒にデュエルをしている(ディアボリックガイを制限解除したのは絶対にミスだ)と、ハルヒがドアを蹴っ飛ばして、 「突然転校して突然転入した、うちのクラスの元委員長にして今は有希の友達、朝倉涼子よ!今日からSOS団の一員ね!」 と、一気に朝倉の自己紹介をした。俺たちの中で一番長かったんじゃないか?まあ、俺と長門はされたことすらないような気もするが。ともあれこんな感じで朝倉も放課後の部室に姿を現わすようになり、デュエルができることが分かると、 「すごいじゃない涼子!パーミッションなんてデッキ今まで見たことなかったわ、あたしと勝負よ!勝負!」 と当然のようにデュエルを始め、俺は朝比奈さんや長門、古泉と交替で勝負したり、ウィキでカードの裁定を調べたり(ライラのカード破壊効果、対象は相手の伏せてある天罰。ライラの効果にチェーンして天罰を使用して、天罰に魔宮の賄賂をチェーンしたとき、逆順処理後ライラは守備になるか)と、だんだん日常化しつつある放課後を過ごし、金曜の放課後をむかえると 「明日は全員で駅前に集合ね!遅れたら罰金よ!」 いつもの団長の命令で解散となった。 そして不思議探索の日、俺は罰金を免れた。前代未聞のことだが、理由は朝倉と長門が二人そろって遅れてきたためだ。どうやら朝倉が長門の服を選ぶのに時間をとられたらしい。 「長門さん、せっかくのお出かけなのに制服で行こうとするから、私の服と長門さんの服をいろいろ合わせてたの、そしたら・・・」 とのことである。珍しいこともあるものだ。まあ長門の私服姿は新鮮だったし、何より俺がおごりを免れたので万々歳だ。そして午前中のクジ分けだが・・・ 「あたしは無印」 「僕は印入りですね」 「無印」 「印入りです」 となって俺の手には無印の爪楊枝があり、朝倉の手には印入りの爪楊枝があった。つまり俺・ハルヒ・長門と、朝比奈さん・古泉・朝倉となったわけだ。各々の会計を済ませ(割り勘ってのはいいね)分かれて歩き出すと、 「ねえ、今日はキョンの家行ってみない?」 とかハルヒが言い出した。こいつの発言が突発的なのはいつものことだが、なんでまた俺の家なんだ。 「なんか冬以来妹ちゃんに会ってなかったし、シャミセンも見てみたくなったから」 なんとも適当な理由だな。確か今日は両親とも妹の学級懇談会かなんかで午前中不在だったし、妹も一人での留守番を寂しがってた気もする。まあこの二人を連れてけば妹も喜ぶだろうし、あちこち連れまわされるよりはマシだが・・・ 「長門、お前はどうしたい?」 一応、見慣れない私服姿の宇宙人娘の意見も聞かなくてはならな・・ 「賛成、私も彼の自宅を訪問する。」 「決まりね」 というわけで先ほど出たばかりの俺の家へ舞い戻り、 「キョンの部屋がいいわ」 「賛成」 「わたしも~」 賛成3棄権1により俺の部屋へと入り、長門とハルヒがデュエルを始め(というかデッキ持ってきてたのか)、興味をもった妹が友達にもらったというカードを自分の部屋から持ってきて、3人で新しいデッキを構築。ルールを覚えつつの模擬戦ってことで今俺と妹+ハルヒがデュエルしていて・・・冒頭に戻るわけだ。 「裏守をリリースして邪帝召喚、効果でサブマリンロイドを除外、ダイレクトアタックで俺の勝ちだ妹よ。」 「うーキョン君つよーい。ハルにゃんくやしいよ。」 「そうよキョン、すこしは手加減しなさい!邪帝なんて壊れカード使っちゃダメよ」 ガイザレス使ってるお前に言われる筋合いはないぞ。ハルヒの教え方がいいのか、妹はルールの飲み込みが速い。カード名はまだ全然覚えてないようだが。 「一度あなたとあなたの妹だけで闘うべき」 いつのまにか後ろにいた長門が言った。そうだな、試しに一回ハルヒ抜きでやってみないか? 「そうね。一回やってみましょ。妹ちゃん、ちょっとこっちに来て、作戦会議よ!」 なにやら部屋の隅でごそごそやり始めたハルヒと妹を一瞥して、俺のベッドの上に腰掛けて珍しそうにマンガを読んでる長門を見た。 「面白いか?」 「・・・ユニーク。ただ、ラーの翼神竜は裁きの龍の完全下位に思える。」 まあそりゃそうだな。読みたきゃ借りていってもいいぞ? 「そう。」 ハルヒ達の方は終わったらしい、よし、いくぞ妹よ。 「うん。えへへ今度こそ負けないよキョンくん。」 「キョン、先攻は妹ちゃんにあげなさいよ」 ああわかってる。おれだってそのくらいのハンデはやるさ。 「じゃあわたしからね、どろー。モンスターカードを一枚セットして、カードを3枚伏せて、終わりだよ。」 3伏せとは気になるな・・・。まあいい、ドロー、俺はハーピイ・クイーンを召喚し・・ 「えーっとキョンくん、キョンくんがモンスターを召喚したときにね、この伏せたカードを発動したいの」 ・ ・・奈落の落とし穴、か。さらば俺のハーピイ。カードを一枚伏せてターンエンドだ。 「キョンくんの番がおわったときに、サイクロンを使って伏せたカードなくしちゃうね。やったーキョンくんのとこにカードなんにもなくなった!」 げ・・・。エンドサイクなんてできたのか妹よ。しかも神宣とかおいしいのを破壊するとは・・ 「いいわよ妹ちゃん!」 ハルヒが後ろでエールを送っている。くそ、忌々しいがいかんともしがたい。 「わたしの番だね、どろー。もぐらをだして、キョンくんにこーげき!カードを一枚伏せて終わりだよ。」 もぐらといってもグランモールではない。ドリルロイドである。よって俺のライフは残り6400というわけだ。俺のターン、ドロー。霊滅術師カイクウを召喚、ドリルロイドに攻撃だ。んでカードを2枚伏せてターンエンドだ。 「どろー、潜水艦をだして・・・」 おっとそうはいかん、召喚したときに激流葬を発動だ。フィールド上のモンスターを全部破壊するぜ。 「えーーつ、キョンくんずるーい。」 「キョン少しは遠慮しなさいよ。」 そうはいわれてもな、それに除外されないだけマシだと思うぞ。妹よ、ターンエンドか? 「あ、うん。」 俺のターン、ミストバレーの戦士を召喚、プレイヤーにダイレクトアタックだ。そしてカードを一枚伏せてターンエンドだ。 「うわーライフが6100になっちゃった。ハルにゃんー、大丈夫かな?」 「平気よ平気、ライフが0にならなきゃ全然問題ないわ。」 全然問題なくも無いがな、ハルヒ。800きるかきらないかってのはけっこう微妙なラインだぞ。洗脳的な意味で。 「えと、わたしの番だね、どろー。裏側でモンスターを出して、カードをもう一枚伏せておわりだよ。」 裏守か・・・。おそらくトラックロイドか何かだろうが伏せも気になるしここは普通に攻撃といこう。ミストバレーの戦士で裏守に攻撃だ。 「ひっくりかえって召喚。ひっくりかえったからメタモ・・メタモルポッドの効果をつかうね。キョンくん手札捨てて5枚引いてー。」 なんてこった。今までのデュエルであんなカードは出てきてないぜ。さてはハルヒの差し金か。仕方ない、カードを5枚ドローだ。そしてメイン2、霊滅術師カイクウを召喚。8シンクロでダークエンドドラゴンを特殊召喚。一枚伏せてターンエンドだ。 「わたしのターン。カードをひいて、伏せてあったカードを使うね。チェーン・マテリアル!手札・デッキ・墓地からトラックと新幹線ともぐらさんと戦闘機をフィールドの外に置いて、手札から線路が3本伸びてるカードを発・・・」 そうはいかん。ビークロイド・コネクション・ゾーンにチェーンして神の宣告だ。 「えーっと、キョンくんの神の宣告にね、わたしもカードを使うの、神の宣告!」 ふっ・・・それも読んでたぜ。さらにチェーンしてもう1枚神の宣告を発動だ。悪いな妹よ。そう簡単にやられはしないぜ。 「キョンくんのカードに・・チェーンして・・・魔宮の・・・・ハルにゃん、これなんて読むんだっけ??」 「わいろよ妹ちゃん!」 「そうだった。魔宮の賄賂を発動するね。」 ちょっと待て、なんで魔宮の賄賂なんていう高額カードが妹のデッキに入ってるんだ?うちにそんなカードはないぞ。というかあったら俺がデッキに入れてる。ふと視線をずらすとハルヒがニヤニヤしながらこっちを見てる。なるほど、これもハルヒの差し金か・・。 「甘いわよキョン!あたしたちがさっきの作戦会議でなんにもしてないと思ったの??」 一杯くわされたな。まあ仕方ない。逆順処理でビークロイド・コネクション・ゾーンは有効。ライフは妹が1525、俺は1600.んで、何を召喚するんだ? 「ロボット!」 スーパービークロイド・ステルスユニオンね、了解だ。だがチェーンマテリアルを使ったターンは攻撃できない。俺のターンだ、ドロー! 破壊耐性はあっても墓地へおくる効果への耐性はないぜ!ダークエンドの効果を使い・・ 「読んでたよ!てへっ! 天罰をはつどう!」 なんだって、なんか朝倉の時以上にカウンターばっかりされてるな・・・。裏側守備でモンスターをセット、ターンエンドだ。裏守なら吸収はされない、なんとか次のターンまで・・・ 「わたしのターン、ドロー。もぐら・・じゃなくてドリルロイドをしょうかん!ドリルロイドでキョンくんの裏側モンスターを攻撃!そしてステルスユニオンでキョンくんにダイレクトアタック! やったーキョンくんに初めて勝った!ハルにゃんやったよー」 「すごいわ妹ちゃん、えらいえらい。」 ハルヒと妹は手を取りあって小躍りしてる。負けた・・・なんだか普通に負けた。あんなにカウンターされるとは思ってもいなかった。正直いおう、ショックだ。 「勝負は時の運」 長門が呟くように言った。そうだな、まあこういうこともあるよな。 「そう。この漫画を借りたい。」 ん?○戯王か? 構わんが今日はこれから午後もあるのにもって歩くのは邪魔じゃないか? 「大丈夫。情報操作は得意。私の家まで転送する。」 そうか。まあそれならいいんだが。長門、最近情報操作能力の使いどころがおかしくないか? 「気のせい」 気のせいではないと思うんだが・・・まあいいか。 「おっと、もうこんな時間ね。キョン、有希、午前の部は終わりだからそろそろ出かけるわよ!」 妹とはしゃいでいたハルヒが時間に気づいていいだした。今度は俺もデッキを持っていけとのことらしい。午後もどっかでデュエルするのか? 「お邪魔しましたー。妹ちゃん、またね!」 「うん、ハルにゃん、有希ちゃん、楽しかったよ~。」 妹と別れて家をでた俺たちは(結局デュエルするためだけに俺の家に来たんだな)再集合場所の駅前へ向かった。なんか今日は一日が長いぞ。まだ半分も終わってないとか信じられん。だが・・・久々に妹があんなに喜んでいるのを見たような気がする。これもハルヒのおかげか。ありがとうな、ハルヒ。 「な、何よ急に・・・」 「なんか妹が喜んでたからさ、その礼さ。」 「ふ、ふん。あんたが普段かまってあげないからでしょ! でも・・・・・・・・・どういたしまして。」 最後の方は消え入るような声で言ったハルヒはプイと前を向いてしまった。やれやれ、午後のクジ分けはどうなるかな、少し楽しみだ。 ハルヒ+長門+妹という奇妙な組み合わせで午前中を過ごした俺達は(といってもただ決闘していただけだが……)駅前で再集合してファーストフード店で昼食をとったあと、午後の部のクジ分けをした。 「いつも爪楊枝じゃ面白くないわ!たまには変わったクジ分けをしましょ!」 というハルヒの鶴の一声によりハルヒのデッキの中から罠とモンスターを各三枚ずつ選んでテーブルの中央に置き、それぞれ引くことになった。爪楊枝と根本的には何も変わらないような気がするのは気のせいだ、多分。 「俺は剣闘獣の戦車」 「あたしはダリウスね」 「僕は剣闘獣ムルミロです」 「………次元幽閉」 「えと…魔宮の賄賂です」 「私は剣闘獣ベストロウリィね」 という結果になり(見れば見るほど剣闘獣だ。やれやれ)午後は俺・長門・朝比奈さん、ハルヒ・朝倉・古泉になった。あれ、また長門が一緒か……まあこういう日もあるだろう。 「今日中に最低1つは○ナミの不思議裁定を見つけるわよ!各自分かれて探索開始っ!」 そう宣言するや否やハルヒは朝倉の手をとってあっという間に行ってしまった。そのあとを古泉が小走りで追いかけている、ごくろうなこった。というか不思議裁定を見つけるならわざわざ街をぶらつく必要もない気もするが、ここは敢えてツッコまないでおこう、ハルヒのことだ、代わりに何を言いだすかわからん。それに今の状況は両手に花、しかも未来がらみも宇宙がらみもないときてる。この状況に文句を言ったらバチがあたるぜ。 「あのぅ………キョン君?」 俺がよからぬ妄想に入りかけたとき、朝比奈さんが声をかけてきた。なんでしょう? 「えーと、今日このあと行きたいところとか、予定とかありますかぁ?」 いえ、とくにはないですが……長門はどうだ?図書館とか行きたいか? 「今日はそれほど行きたいわけでもない。」 長門にしては曖昧な表現だ。まあ何か予定があれば合わせると考えて問題ないだろう。 「二人とも何もないのなら……鶴屋さんの家に行きませんか?」 鶴屋さんの家に行くのはバレンタイン以来か。あのときは全く大変だったな。今回は「みちる」さんも連れていく必要もなさそうだしあちこち歩き回るよりはゆっくりできそうだ。長門、どうだ? 「構わない」 ということで朝比奈さん、俺も長門も賛成です。 「よかったぁ…。じゃあ、案内しますね!」 朝比奈さんは可愛らしくうなずくと前にでて駆けていった。俺も何回か付近まで行ってるから道は知ってるんだがな。まあそこをつっこむのは野暮ってものさ。 「やあやあみくるにキョン君に有希っ子、よく来たねっ!さあさあ中へ入った入った!」 鶴屋さんの家である和風の邸宅(相変わらず広いな)の入り口につくと、朝比奈さんが連絡したらしく、ハイテンションの鶴屋さんが迎えてくれた。どうやら今日の午後は朝比奈さんと鶴屋さんは遊ぶ約束をしていたらしく、もし不思議探索があったとしてもそのメンバーも連れてくることになってたらしい。ハルヒとペアが一緒になってたらどうしたんだろうな、いやでも鶴屋さんの誘いならハルヒも応じたかもしれん。 「さぁさぁみんなこっちにょろ」 鶴屋さんが案内した先は1つの部屋だった。この屋敷は和風で統一されているのだが、この部屋は最近作ったらしく半洋風半和風といった感じだ。 「今日はここで思いっきり遊ぶっさ!」 鶴屋さんがその部屋の戸を開くと、 「うわぁ………」 「すげぇ……」 「……………驚愕」 そこには○ナミのカードゲームセンターを彷彿させるような光景が広がっていた。壁にはガラスケースに飾られた大量のカード(なんとサモプリもプリズマーもある)、部屋の中央には長テーブルと椅子、テーブルの上には印刷されたデュエルフィールド、さらにライフカウンターまでおいてある。やっぱ鶴屋さんって金持ちだったんだな……。というか親御さんはなんていってるんですか? 「なんか元々うちは○ナミの大株主だったらしくてさっ、わたしが興味もったっていったらいい機会だからって会社の人が作ってくれたんだよっ。今度ここで公認大会もやるらしいっさ!まぁカードゲームセンター鶴屋店ってとこだねっ!」 鶴屋さんはアハハと快活に笑った。ん?鶴屋さんは確か「興味をもった」っていってたな。ということは興味をもつきっかけがあったはずだ。鶴屋さんと仲のいい友達といえば……… 「鶴屋さん、こないだ遊んだときに家でデュエルやったらすごく面白がって、それからたまに一緒にやるようになったんですよ」 俺が答えに辿り着くよりも先に、朝比奈さんが答えてくれた。ううむ……たったそれだけでこんな部屋まで作ってしまうとは、ハルヒといい長門といいデュエルには何か人をひきつける魅力があるのだろうか?まぁ俺も今となっちゃ面白いが、初体験でここまでいれこんだかどうかは正直わからんな。 「キョン君、私と一緒にやらないかい?」 デッキを片手に(緑色のスリーブだ)鶴屋さんは言った。つまりデュエルやらないかい?ってことだろう。いいですよ、じゃあその奥のテーブルで…………ってちょっと待て、いつのまにか俺と鶴屋さんの間に人が割り込んでいた。ライトロード使いの宇宙人である。 「午後は私が」 とデッキ(スリーブは白だった)を片手に瞬間移動としか思えないスピードで俺と鶴屋さんの間に移動した長門は言った。あー、なんだつまり午前中はデュエルしなかったから午後はやりたいと、そういうわけか? 「そう」 といいつつ長門は首だけをこちらにむけた。 「わはは、面白いね有希っ子は!わたしはどっちでもいいにょろ?」 鶴屋さんは快活に笑って俺の判断を待っている。うーむどうしたものか。 「だめ?」 長門が数ミリ首をかしげた。その仕草は反則だぜ。分かった、先に鶴屋さんとやっててくれ。後で代われよ? 「わかった」 長門はわずかにうなずくと鶴屋さんとテーブルに向かいあって座ってデッキをきりはじめた。 「よしっ!有希っ子!じゃんけんっさ!」 ジャンケンの結果、長門が先攻になった。鶴屋さんのデッキがわかる前にデュエルが終わらなければいいのだが……。ちなみに俺も朝比奈さんもデュエルはやらずに長門VS鶴屋さんを見ている、まあSOS団の面々同士は毎日のようにやってるしな。 「私の先攻、ドロー。スタンバイフェイズ終了、メインフェイズに移行する。手札よりソーラーエクスチェンジを発動、ライトロード・ビースト ウォルフをコストにする。デッキから二枚カードをドロー、二枚墓地へ送る。」 ちなみに墓地へ落ちたのはライコウと奈落の落とし穴だ。まあ普通の落ちかただろう。 「よしっ!有希っ子!じゃんけんっさ!」 ジャンケンの結果、長門が先攻になった。鶴屋さんのデッキがわかる前にデュエルが終わらなければいいのだが……。ちなみに俺も朝比奈さんもデュエルはやらずに長門VS鶴屋さんを見ている、まあSOS団の面々同士は毎日のようにやってるしな。 「私の先攻、ドロー。スタンバイフェイズ終了、メインフェイズに移行する。手札よりソーラーエクスチェンジを発動、ライトロード・ビースト ウォルフをコストにする。デッキから二枚カードをドロー、二枚墓地へ送る。」 ちなみに墓地へ落ちたのはライコウと奈落の落とし穴だ。まあ普通の落ちかただろう。 「ライトロード・パラディン ジェインを通常召喚。ターンエンド。エンドフェイズ、ライトロード・パラディン ジェインの誘発効果 デッキからカードを二枚墓地へ送る。」 うげ…、ライロぶんまわりだな全く。というか長門、そんなにモンスター名を正確に言わなくても大丈夫だぞ、大会じゃないんだしな。いや大会でもライロのモンスター名を毎回一字一句違わずに読むやつなんてそうそういない気がする。 「そう」 長門は僅かに首肯した。 「有希っ子らしいといえばらしいんだけどねっ!私のターンっさ!ドロー。サイバードラゴンを特殊召喚。ライオウを通常召喚。サイドラでジェインに攻撃にょろ。」 「ダメージステップ、ダメージ計算時」 あーオネストか。あそこまでポーカーフェイスでいられるとなんかすごいプレッシャーだな。 「でも鶴屋さんにはあんまり効果がないような気がします」 と朝比奈さん。まぁたしかにあの年中ハイテンションの鶴屋さんにはプレッシャーを感じることなどなさそうだ。 「とくになし。ジェインは破壊。」 ……ってブラフだったのか!長門が心理作戦を使うとは驚きだ。いったい誰から習ったんだ? 「朝倉涼子に聞いた」 納得。あいつは毎回重要どころでオネストを使ってきやがる。おかげでアルテミス攻撃表示でも迂闊に攻撃できやしない。やれやれ。 「ライオウで攻撃にょろ」 「攻撃をうける」 「カードを三枚伏せてターンエンドっさ!」 鶴屋さんのデッキはまだよくわからない。場にでてるカードだけだと朝倉のパーミッションとあんまり変わらんな。 「私のターン、ドロー。スタンバイ、メイン。手札よりおろかな埋葬を発動。ウォルフを墓地に送って誘発効果発動、特殊召喚する」 「特殊召喚にチェーン!奈落の落とし穴にょろ」 「ウォルフは除外。ルミナスを通常召喚、優先権行使、手札からガロスを捨てて墓地のウォルフを特殊召喚する。」 「スルーするっさ!」 「バトルフェイズ、ウォルフでライオウに攻撃する。」 「ターンエンド。ルミナスの誘発効果発動。デッキから三枚墓地へ送る。」 うーむ、奈落にライオウにサイドラか…。鶴屋さんのデッキはメタビートか?いかんせん汎用性が高すぎるカードばかりで全然分からん。朝比奈さんは鶴屋さんとやったことあるんですよね? 「はい何回もやりましたし、実はあのデッキもわたしがアドバイスして組んだんですよ?」 なんだってー、そういや朝比奈さんはSOS団の中で唯一の古参だったんだっけ。ん?なら朝比奈さんなら鶴屋さんのデッキを知ってるはずだ。 「朝比奈さ……」 「禁則事項です☆デュエルの勝敗が出てからの方が面白いですよ。」 うっ…朝比奈さんに考えを読まれるとは………普段はドジっ娘メイドでも、時々朝比奈さん(大)の片鱗が伺えるぜ。俺としてはいつまでも可愛らしくいてほしいのだが………いやそれはそれで将来が不安か。というか将来は既定事項か。あーもうわけがわからん。 「私のターンっ、ドロー!エアーマンを召喚っ!誘発効果でデッキからアナザーネオスをサーチっさ。バトルフェイズ!エアーマンでルミナスに攻撃っさ!」 「破壊される」 「カードを二枚伏せてターンエンドにょろ」 俺と朝比奈さんが話している間にもデュエルは進んでいた。そういやハルヒ達はどこいったんだろうな?午前はただ俺の家に来て妹と遊びつつデュエルしただけで終わったんだが、午後も似たり寄ったりか?それとも○ーガやアメ○リとかのカード屋を巡ったりとか、まあそんなとこだろう。黙ってれば普通に可愛いハルヒと谷口的美的ランクAA+の朝倉、悔しいが顔はいい古泉が店内に入ってきたら客はどんな反応をするのかね。 「私のターン、スタンバイ、メイン。ウォルフをリリースしてケルビムをアドヴァンス召喚。誘発効果、コストで墓地に4枚送る。対象はサイバードラゴンと伏せカード1枚。チェーンは?」 「あるにょろーん。効果にチェーンしてスキルドレインを発動。コストでライフを1000払うっさ!」 「バトルフェイズ、エアーマンに攻撃する」 「受けるよー」 「カードを1枚セットしてターンエンド」 「私のターンっ!手札から神獣王バルバロスを通常召喚さっ!バトルフェイズっ、ケルビムに攻撃っ」 ……鶴屋さんのデッキはスキドレバロスだったらしい。やれやれなんつう高額デッキだ。 「攻撃宣言時、罠カード光の召集を発動する。」 「あちゃ~これはやばそうにょろ」 スキドレ発動下でも何故か発動できるオネスト。長門や朝倉には悪いがやっぱやっかいだと思うのは俺だけだろうか。OCG化でこんなにも強力になったカードも他にはないだろうな。というかなんでいつも闇と光が優遇されるんだ!風属性のオネストを出せ、風属性を。 「オネストを手札より捨てて効果発動。ケルビムの攻撃力を3000上昇させる。バルバロスは破壊。」 「やられたにょろ~。ターンエンド!」 デッキ的には鶴屋さんのもオネストがいてもおかしくないんだが、どうやらいなかったようだ。 「…私のターン、ドロー。裁きの龍を特殊召喚。ジェインを通常召喚。バトルフェイズ、裁きでサイバードラゴンに攻撃。」 「攻撃宣言時に次元幽閉を発動っ!」 「裁きの龍は除外。ケルビムでサイバードラゴンに攻撃。」 「破壊にょろ。ジェインの攻撃も受けるっさ。」 「ターンエンド」 うーむ。鶴屋さんの状況はかなり厳しいな…。手札にはエアーマンでサーチしたアナザーネオスがあることはわかってるんだが、長門の場にはケルビムとジェインがいる。幽閉か聖バリ、ライボルをひけばなんとかなるってとこだろう。 「私のターン!ドロー!アナザーネオスを召喚っ!ジェインに攻撃!」 「ジェインは破壊。」 「カードを一枚伏せてターンエンドっ」 お、鶴屋さんカウンター罠をひいたのか? 「ブラフかもしれないですけどね…。一応アナザーネオスは光属性だし…オネストも警戒させられますね」 え?朝比奈さん、やっぱあのデッキにオネスト入ってるんですか? 「え?えーっと………禁則事項です☆」 ………多分入ってるんだろう。やれやれ。長門は攻撃してくるかな? 私のターン、ドロー。スタンバイ、メイン。バトルフェイズ…………………………………」 あれ、珍しく長門が長考している。一枚の伏せとアナザーネオスが光属性であることが攻撃を躊躇わせているのだろうか。まあ確かにこの攻撃の後ケルビムが除去されれば、スキルドレイン発動下ではかなり危険だ。バルバロスか死者蘇生で次のターン負けることもあり得るしな。 「……………ケルビムでアナザーネオスに攻撃する。宣言時何か?」 「ないよっ!」 「ダメージステップのダメージ計算時、優先権を放棄」 「こっちからはなんにもなしっさ!」 「アナザーネオスを撃破。ターンエンド。」 「鶴屋さんなんにもなかったみたいですね……」 朝比奈さんが俺の隣で呟いた。うーむこれはいったいどうなんだろうな。 「私のターン、ドローっ!私の負けにょろ。サレンダーっさ!」 「………了承する。」 サレンダーと共に鶴屋さんが手札と伏せを公開した。伏せはサイクロン。今ひいた手札は魔宮の賄賂、持っていたのはスキルドレインのようだ。やれやれ、伏せも全部ブラフだったってことか。 「なかなか楽しかったっさ!真剣勝負は面白いにょろ。」 鶴屋さんは負けたというのに相変わらずのハイテンションだ。鶴屋さんにとっては勝敗よりもデュエルすること自体が楽しいんだろうな。 「じゃあキョンくん。お待たせっさ!私と決闘!」 そういえば最初は俺とやるはずだったな。すっかり忘れてたぜ。 「………先にやらせてくれたことを感謝する」 席を変わろうとしたとき、長門が小さく言った。そんな大したことじゃないぜ。 「…………そう」 長門は僅かに頷くとカードが展示されているガラスケースの方へ向かった。 「こっちはいつでもいいよっ!」 見ると、鶴屋さんがデッキをディールして待っていた。よし、じゃあやりましょうか。じゃんけん、ほい。俺の先攻、ドロー! ………その後もしばらく鶴屋さんの家で遊んでいると、ハルヒの再集合の電話がかかってきたので(なんか機嫌が良さそうだった、なんでだろうな)俺と長門と朝比奈さんはいつもの駅前に向かった。ちなみに鶴屋さんとの決闘は俺の3勝2敗だった。ダルシムとデスカリが結構効いた。2敗のときはバルバロスとスキルドレインでこてんぱんにやられたけどな。 傾きかけた夕日に彩られた駅前にはハルヒと朝倉と古泉が既に待っていた。古泉があまり疲れた表情をしてないところを見るとそんなにあちこち振り回されたわけでもなさそうだな。よう古泉、そっちはどうだったんだ? 「フリー対戦会に参加しましてね。流石は涼宮さん、11勝4敗という素晴らしい成績でしたよ」 まあ剣闘獣だからそう簡単には負けんだろうな。ちなみに4敗のうち1つは朝倉らしい。パーミッション恐るべしだぜ。当のハルヒは朝倉や朝比奈さん、長門と談笑していたが、どうやら終わったらしい。 「本日のSOS団の活動はここまで!解散よ!」 腰に手をあてていつもの如く宣言し、俺達はそれぞれの帰路についた。長門は朝倉と、古泉と朝比奈さんは1人で、そして俺は……………ハルヒと二人でだ。たまたま駅前からの帰り道が一緒というだけなのだが、不思議探索の後ハルヒが上機嫌の時はいつもこうして帰っている。不機嫌の時はどうかって?触らぬ神に祟りなし、というか勝手にハルヒが帰ってしまうから必然的に別行動になる。ともあれ今日はフリー対戦会でボロ勝ちしたせいかえらく上機嫌だ。 「今日の大会楽しかったわよ」 ハルヒが言った。古泉から聞いたぜ、ボロ勝ちだったらしいな。 「あたしの剣闘獣がそう簡単に負ける分けないじゃない!……涼子には負けたけど」 らしいな。ちなみに朝倉や古泉の戦績はどうだったんだ? 「涼子は7勝5敗だったわ。『大寒波それ無理。』とか言ってたわね。古泉くんはボロボロだったけど、3勝はしてたわ。しかも商品で王宮の弾圧あてたのよ!すごいわよねー」 ハルヒは嬉々として言った。随分面白そうだったんだな。今度は俺も参加してみたいものだ。 「あったりまえじゃない!6人全員で参加してSOS団の名を天下に轟かすのよ!」 そんなこんなでハルヒと俺は帰り道を話ながら帰っていった。鶴屋さんが決闘できること、デッキはスキドレバロスであること、古泉だけなんであんなにデッキ構築が滅茶苦茶なのか、とかな。 ……ちなみに新パックはSOS団で箱買いが決定した。ダークダイブボンバーが当たることを期待するぜ。 END
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二人と別れた俺は、おそらく一人しか中にいないであろう部室へと向かう。 今まではずっと不安だったが、とりあえずハルヒに会えることが嬉しい。 いつものようにドアをノックしてみるが、中からは返事がない。ハルヒはいないのか? 恐る恐る俺はドアノブに手をかけ静かにドアを開けてみる。 『涼宮ハルヒの交流』 ―第五章― 「遅かったわね」 ……いるんじゃねえか。返事くらいしろよな。ってえらく不機嫌だな。 「当然よ。有希もみくるちゃんも古泉くんも、用事があるとかで帰っちゃったし。それに……」 ドアの方をビシッと音がしそうな勢いで指差す。 「なんでか知らないけど部室の鍵が開きっぱだったし」 あっ、すまん。それ俺だ。 などとはもちろん言うことはできない。 「なんでだろうな。閉め忘れたとかか?」 キッ、と睨まれる。まさかばれてんじゃないだろうな。 「おまけにあんたは……」 俺が何だ? 「なんでもないわよ」 何だ?わけがわからねえぞ。まさか『俺』の方が何かしたのか? とりあえずやることもないが、立っているままもどうかと思い、いつもの椅子に腰を降ろす。 なんか落ち着かねえ。緊張してるのか?俺。まぁ実際ずっとハルヒに会いたかったわけだからな。 「で?」 顔を上げると、ハルヒがこっちをじっと見ている。 「で、って?」 「なんか言いたいことでもあるんじゃないの?そんな顔してるわよ。 いつも言ってるでしょ。言いたいことを言わないのは精神衛生上良くないのよ」 言いたいことねえ。あるにはあるんだが、なんと言えばいいやら。 「ああ、そうだな。とりあえず昨日の昼は悪かったな」 「昼?何のこと?」 ハルヒの頭の上に?マークが浮かんでいる。 「いや、だから昨日の昼につい……」 ちょっと待てよ。ひょっとすると、昨日の俺の昼間の出来事はないことになっているのか? そういえば古泉も昨日は閉鎖空間は発生してないようなこと言ってたし。 「あんた、あたしに何したのよ」 ハルヒはじとーっとした目でこちらを見ている。 「いや、お前にはわからないかもしれないな。まぁそれでもいいさ。謝らせてくれ」 「………」 「昨日は少し言い過ぎた。つまらないことで怒ってしまって悪かった」 そう言って軽く頭を下げる。 「………」 ハルヒは話は聞いているのだろうが、何も喋る様子はない。 というよりも、おそらくはこの状況がわかってないんだろうな。 俺は椅子から立ち上がり、ハルヒに近付き、ハルヒの正面に立つ。 「けど、お前にとっては確かにつまらないことかもしれないが俺にとっては大事なことだったんだ。 ……なんでかって言われると少し困るが、たぶん俺はお前のことが――」 「違うわ!」 ハルヒは声を荒げて俺の言葉を遮る。 ……違う?何がだ? 「どういう意味だ?何が違うってんだよ」 「何がって、言う相手が違うに決まってんでしょ。それはあたしに言うことじゃないわ」 は?どういう意味だ?ますます意味がわからん。 「お前は涼宮ハルヒだろ?じゃあ間違ってないじゃないか」 じゃあ他の誰に言うんだ?長門か?朝比奈さんか?それとも古泉か?いやいやそんなわけあるか。 「そうだけど、あたしはあんたの思ってる涼宮ハルヒじゃないのよ」 何を言ってるんだこいつは?ハルヒはハルヒだろ? 「何の話だ?お前はハルヒだけど違うハルヒだとでも言うのか?」 「そうよ。だってあんたはあたしの知っているのとは違うキョンなんでしょ?」 ――ッ!?何でだ?何でわかる? 「どうして知ってるんだ!?」 ハルヒは得意満面といった笑顔を浮かべる。 「あたしに知らないことなんかないのよ!」 嘘吐け。 いや、待てよ。俺がここにいるのがこいつの力によるものなら知っている可能性もあるのか。 「ていうか一目瞭然よ。このあたしがまさか自分の好きな男を間違えるわけないでしょ?」 ……今なんてった? 「ちょっと待ってくれ。てことはお前は『俺』、というかあいつとそういう仲なのか?」 「そういうってどういうよ。今はあいつからの告白待ちね。でもあいつヘタレなのよね」 おい、ひどい言われようだぞ、『俺』。 それにしてもやっぱり俺が知っている世界とは微妙に違うみたいだな。これは違うハルヒだ。 「だからあんたはさっきの話は元の世界に戻って、そこのあたしにしてやりなさい」 なんだって?元の世界?どういうことだ?俺に帰る場所があるのか? 「無駄に質問が多いわね。仕方ないから説明したげるわ。ここは簡単に言うとパラレルワールドってやつ? あんたから見ると異世界ってことになるのかしら。あたしからすればそっちが異世界だけど」 じゃあ、ハルヒの言ってることが確かなら俺は元の世界からこの世界に飛ばされて来たってことなのか? 飛ばされて来たっていうかこいつに引っ張ってこられたんじゃないか?いや、そうだろ。間違いない。 古泉、長門、お前らの推理は大外れみたいだぜ。やれやれ、ドキドキさせやがって。 とにかく、俺にはまだ元の居場所に帰れるってこてなのか?でも、それなら、 「なんで俺はここにいるんだ?」 「そんなの知らないわよ。あ、別にあたしの力であんたを連れてきたわけじゃないわよ」 このハルヒの仕業じゃないってのか?……じゃなくてそんなことより、 「お前……自分の力を知ってるのか?」 「まぁ薄々はね。正確には良くわからないわ。いちおうみんなには知らないふりで通してるけど」 確かに、古泉も長門もそんな話はしてなかったような気はするが。 二人ともハルヒには自覚がないってことを前提に話してたよな。確か。 これはまずいんじゃないのか?いや、でも特に危険なことは起こっていないみたいだし。 「別にあんたが心配することじゃないわよ」 まぁそりゃそうかもしれんが。 「他のみんなのことも知ってるのか?」 「みんなのこと?ちょっと普通じゃないっぽいなー、くらいにしか知らないわ」 「そっか、まぁそれでいいと思うぜ。ちなみに俺は至って普通な――」 「ま、そんなことはどうでもいいわ。帰りたいなら元の世界に戻ったら」 くそっ、またこいつは俺の話を……。それにそんな簡単に言われてもなぁ。 「それが出来りゃ苦労はしてない」 「そうなの?帰ろうと思えば帰れるはずよ。少しくらいなら手伝ってあげるわ」 何だって?そんなことまで出来るのか?出来るのならぜひとも頼みたいものだが。 「そんなこと出来るのか?そのためには俺はどうすりゃいい」 「どうって、帰りたいんでしょ?帰ればいいじゃない」 ダメだこいつ……。全く会話にならん。俺の話ちゃんと聞いてんのか?聞いてないんだろうなあ。 まぁ会話にならんのはいつものことか。 「あのなぁ。だから、どうすりゃ帰れるのかって話だよ」 「知らないわよそんなこと。帰りたいって思ってりゃ帰れるのよ」 こいつはまた無茶苦茶言ってるし。 「仕方ないからヒントをあげる。昔の人は言ったわ。Don t think,feel.よ」 いや、全くわからん。とりあえずこいつ適当なこと言ってるだろ。 てことは考えてもわからんってことか?わかりそうにはないが。なら勘で動いてみるか? それとも時間が経てば勝手に帰れるのか?だったらいいな。 「まぁいい。なんとかするさ。無事に帰れることを祈っててくれ」 とは言ってみたもののどうすればいいやら。 「ぶっちゃけ言うと返そうと思えば返せるのよね。具体的にどうするとは言えないけど」 こいつはまたとんでもないことを言い始めた。 なんだと。じゃあ今まででの会話は一体なんだったんだ? というか俺の扱いが物みたいになっている気がするんだが、気のせいか?気のせいだよな? 「このままでも面白いかなと思ったけど、本気で帰りたいみたいだから帰らせてあげるわ それに……向こうからも呼び出しがかかってるみたいだし」 ハルヒがそう言った瞬間、俺の後ろ、ドアの向こうから気配を感じる。 うわあ、本当に気配って感じるものなんだな。……なんて感心している場合じゃない。 これは、ハルヒか? 「ハルヒが……呼んでる?」 「そうね。向こうのあたし。っていうか向こうのあたしってホントに無意識で力使ってんのね」 変なところで感心しているハルヒを後ろに、俺は自分の世界の気配をはっきりと感じていた。 この世界ともお別れか。たった一日だが、かなり長い時間過ごした気がするぜ。 少しばかり名残惜しいな。 「色々と世話になったな。助けてくれてありがとよ」 「別にいいわ。たいしたことはしてないし。もうちょっとあんたで遊びたかったけどね」 あんたで、ね。やれやれ、勘弁してくれ。 その言葉とは裏腹に寂しそうな表情を浮かべるハルヒを見ていると、それも悪くないと思えるから不思議だ。 だが、かといってここにずっといるわけにはいかない。 「すまんな。気が向いたら『俺』にももう少し優しくしてやってくれよ」 「気が向いたらね。……あ!」 突然何かを閃いたのか、ハルヒが急に異常なほど嬉しそうな顔を見せる。 「どうした?」 「……ん、なんでもないわよ」 おいおい、そんな顔でなんでもないってことはないだろ。何を企んでんだか。 まぁおそらくは『俺』が何らかの苦労をするんだろうなあ。頑張れ、『俺』。異世界から応援してるぞ。 「じゃあそろそろ帰るわ。あ、そういえば一つ頼みがあるんだがいいか?」 「頼みによるわ」 「俺がお前に正体をばらしたことはできたら内緒にしておいてくれ。特に長門には」 「別にいいけど。なんでよ」 当然だが不思議そうな顔で聞いてくる。 「いや、ちょっと大見得きってきたからな。かなりカッコ悪いことになってしまうのさ」 今になって思い返してみるとかなり恥ずかしいこと言ってた気がする。いや、言ってたはずだ。 「わかったわ。けどどうせ何したってあんたはたいしてカッコ良くないわよ。」 「へいへい、わかってるよ」 ドアの前まで来て首をひねり背中越しにハルヒに顔を向ける。 「じゃあな。案外楽しかったぜ」 じゃあな。こっちの『俺』、古泉。もう会うことはないかもしれないが元気でな。 長門。お前の期待には答えてやれなかったな。すまない。俺にはまだ帰れるところがあるみたいなんだ。 朝比奈さん……は会ってないけどお元気で。 ハルヒからの返事も聞かず、ドアに手をかけ、一気に開ける。 するとドアの向こうにあるはずの廊下は見えず、全身が真っ白な光に包まれる。 何も見えん。 意識があるのかないのかもはっきりしないまま、後ろからハルヒの声が微かに聞こえた気がする。 「じゃあ、―――でね」 最後にハルヒが何と言ったのか、最後までは聞き取れなかった。 いや、聞こえてはいたのだが、意識が朦朧としていたせいか、はっきりと理解できなかった。 おそらくは別れの挨拶だろう。じゃあな、もう一人のハルヒ。 そして俺の意識はゆっくりと薄れていく。 ……ような気がしただけだった。 目の前には同じように白い景色が浮かんででいるが、これは……天井? 「ここは……どこだ?」 わけもわからないまま、口からはとりあえず口にすべきであろう言葉が溢れる。 「おや、お目覚めになりましたか」 ◇◇◇◇◇ 第六章へ
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←戻る 「よ……よし、これにしよう」 ハルカさんがお風呂の準備をしている間にオレが選んだメニューは、ズバリ……カレーライス! 多分この中でこれが一番早くできると思う! それで、早く食べてハルカさんと……ええへ……ッ 「どれにするか決めた?」 「……う、うわあぁ!!」 そんな事をボーっと考えていると突然後ろから抱きつき、オレの肩に顔を乗せてメニュー表を覗き込むハルカさん。 うぅ……びっくりして思わず大声を出しちゃったよ…… 「ふふっ、どうしたの? そんなにビックリする事無いでしょ?」 「そ、そうですね……あ、あははっ…………えっと……、オ、オレこれに決めました」 オレの様子を見て笑うハルカさんに、カレーライスを指差してそう言うと、 「んー……じゃあ私も同じのにしようかな♪」 と、同じものを選んでフロントへ電話。 カレーライスとは言え、出来上がるまでどうやら10分はかかるらしい。 「うーん、ただ10分間も待ってるの暇よねぇ……お料理が来るまでちょっとお話しよっか」 「お話……ですか?」 「じゃあまず私から…………えっとねぇ、マコは私のどこが好きなの?」 ハルカさんの唐突過ぎる質問に、オレは思わず固まってしまった。 だって、どこが好きかって言われたって、全部好きなんだからなんて答えたらいいのか分からないじゃないか! 「マコ…………私の事、好きじゃないの?」 「えっ、い、いや、そんな事無いです!!」 とにかく何でも良いから好きな所を答えなきゃ。そうじゃないと男としてNGだ! 目の前に座るハルカさんをジッと見つめてみる。 美人・料理が上手・優しい・スタイルが良い・髪が綺麗・いい匂いがする・頭が良い・面倒見がいい…… とにかくオレは、思い浮かぶだけの長所を全部伝えた。 「あと、えっと……それと、それと…………」 「無理してそんなにいっぱい言わなくてもいいのよ? ……あっ…………でも――――」 何かを言いかけると、ハルカさんは上着を脱いでキャミソール姿になる。 そしてベッドの上に戻ると、目の前で四つん這いになる様に手を前に付き、 「他にもマコが好きなところ……一か所忘れて無い?」 と、訊ねると、 両腕でギュッと胸を寄せ、少し悪い笑みを浮かべながらハルカさんは首を傾げた。 「マコが一番大好きな所……マコの口から聞かせて。ね?」 そう言って肩のひもを片方ずらし、どんどん色っぽくなっていくハルカさん。 きっと、ハルカさんはオレに「胸が好きです」って言わせたいんだ。 前々からハルカさんには時々こう言う時がある。 何故か判らないけど、オレに恥ずかしい事を言わせて喜んでるって言うか…… 「ほら、早く聞かせて……マコ、ここが好きなんでしょ?」 今度は人差し指で服の胸元を下にずらすハルカさん。 「ど、どうしてですか? 分かってるなら言う必要ないんじゃ……」 「もぉー……じゃあ、言ってくれないならもう触らせてあげない!」 「えぇ?!」 「だって、好きじゃないんだったら触れなくても平気でしょ?」 ちょっと大変な事になったぞ。 だって、ハルカさんの胸って……柔らかくて、大きくて、フカフカで…… それに胸を触るとハルカさん可愛い声出すし。その胸に触れなくなるなんて―― 「あっ、胸に触らせないって事は抱きつくのも無理だよね?」 「そんなぁ!!」 これはもう死活問題だ! 恥ずかしいとか、そう言う事言ってる場合じゃない。 「あ、あの! す、……好きです……ハルカさんの……その、胸が…………」 そう言うと、ハルカさんは満足そうな表情をしてオレの顔にめがけて飛び付いてくる。 大きなマシュマロが二つ、顔に押しつけられて苦しい。……でも幸せ。 「ぷはッ……ハルカさん、少し苦しいです」 胸の間から顔を出しそう伝えると、ハルカさんは申し訳なさそうにオレから少し離れた。 「ごめんね、マコがあんまり可愛かったからつい……」 ハルカさんはチアキやカナがいない時、こうしてよく飛びついてくるんだけど、 いつも「可愛い」って言うんだよな…………オレ、一応男なんだけどこれって褒められてるの? そうだ、せっかくの機会だしオレも一つ質問させてもらおうかな。 「あの、ハルカさんはオレのどこが好きなんですか?」 「好きなところ? …………そうねぇ……可愛い所かな」 「可愛いってなんですか? ……具体的に教えて下さい!」 「具体的に? うーん……やっぱり色んな表情かな?」 表情……表情ってどう言う事なんだろう? 頭にクエスチョンマークを浮かべていると、 それに気づいたのか何も言わなくてもハルカさんが説明を始めた 「例えばさっきのマコ。恥ずかしそうに「胸が好き」みたいな事言ったでしょ?」 「はい」 「それが私にはたまらなく可愛いのよ!」 ……ん? 全然よく分からないや。 「ハルカさん、恥ずかしがってるオレが好きなんすか?」 「それもあるけど他にも……たとえば――――」 あごに指を当て、ハルカさんはジッと考えだす。 そして何かを思いついたのか、手をパンッと叩くと真剣な顔をし、 「マコ、実は私……藤岡君の事が好きなの」 「そ、そんな、じゃあオレは……、オレはどうしたら……ッ」 いきなりの事に慌てるオレを見て、ハルカさんはクスッと笑う。 「冗談よ、冗談。ホントにすぐ騙されるんだから……でも、今のマコの慌てた顔すっごく可愛かった」 「な……なんだ、冗談か……ハァー……」 それを聞いてホッとしたのと同時にこみ上げる、からかわれた事に対するちょっとした怒り。 「もぉー! 冗談でもそんな事言わないでください!」 珍しく……と言うか、はじめてハルカさんに大きな声を上げた。 今の所は怒ってもいい所だよな? ……うん、絶対そうだよ! でも、自分にそう言い聞かせハルカさんの方を見てみると…… 「フフッ……マコは怒った顔も可愛いよ♪」 って、本当に怒ったのにぜんぜん懲りて無い!! もう何を言っても無駄だ。 そう思ったオレはハルカさんから目を逸らし、壁の方を向いた。 ハルカさんの事は大好きだけど、からかわれてばっかりだとオレだって怒る事はあるんだから! 「マコ? ねぇ、こっち向いてよ。可愛いお顔見せて?」 「ダ、ダメです。ハルカさんがちゃんと謝ってくれるまでそっち向きません!」 自分なりに少し意地を張ってみた。 すると後ろからハルカさんが抱きついて来て、今度はオレの覗き込むようにしてそのまま―――― 「んっ……んんー! ぷはぁッ! ハルカさ……んんっ、ぁ…………んっ、」 口の中にハルカさんの舌が入ってくる。 離れてもすぐに……それは何回も何回も。 すごく強引で、息が苦しくなるくらいすごく激しくて……すごく気持ち良くて…… 体が溶けちゃいそうになるくらい幸せで―――― 「んー……んッ、……これで許してくれる?」 「は……はぃ…………」 謝って貰って無いのに、結局キスで骨抜きにされてしまった……。 頭がポーっとするし顔も熱くて、口の中はハルカさんの味でいっぱい。 ううっ、キスの後っていつも放心状態になっちゃうな。 そんな姿を見たハルカさんは耳元で 「キスの終わった後、その表情もすーっごく可愛いよ……」 と囁き、オレの体を押し倒して上に覆いかぶさった。 「ハァ……ッ、んっ、マコの可愛い表情……もっと見ちゃってもいいよね?」 さっきのキスでハルカさんもドキドキしてるのかな? 何もしてないのに顔が真っ赤で息も少しあがってる…… その姿がすっごくエッチで、そんな姿見せられたらこっちまで心拍数が上昇しちゃうよ…… ハルカさんはオレの前髪を上げると、まずオデコに軽くキスをして、 今度はほっぺ、耳……首筋……いろんな所にキスを繰り返す。 「きゃっ……ううっ、ハルカさん、耳……ダメです……」 「うん、耳が一番可愛い表情……もっと見せて……あむっ、ちゅっ……」 「あっ、んっ! ダメで……す、そんな……くすぐった……いっ! あッ」 それでもハルカさんが止めてくれる事はなく、それどころか行為はエスカレート。 声を出しちゃダメだ! ……と思って口を押さえてジタバタするも、何故かハルカさんが喜んでしまい逆効果。 結局飽きるまで攻め続けられ、終わった頃にはまたも骨抜きにされてしまっていた。 「ハルカさん……それ以上…………もうオレ……壊れちゃいそう……です」 「そうね、これ以上可愛い姿見せられたら、私だってもう壊れちゃいそう……」 ハルカさんはそう言うと、手をオレのスカートの中へ忍ばせる。 そしてその手がソコへ触れようとしたまさにその時、 ――――ピンポーン♪ 『お食事お持ちしました』 入口の方から聞こえる人の声。そうか、ご飯が出来ちゃったんだ。 「……残念。続きはご飯の後でね♪」 そう言い残し、ハルカさんは食事を取りに向かう。 こんなことならもっと時間のかかる料理を頼めば良かったかな…… オレはそう思いながら急いでカレーライスを頬張るのだった。 ちなみに、そんな後悔をしながら食べたカレーライスの味を、 後日マコちゃんはどうしても思い出す事が出来なかったと言う。 名前 コメント 8スレ目 この野郎氏 保管庫