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核鉄(ピーキーガリバー) 出典:武装錬金 尻・叩・きでフィニッシュ!に支給。 原作でホムンクルス金城が使用した、ガントレットの武装錬金。 能力は、使用者の腕の巨大化。 蝶ネクタイ型変声機 出典:名探偵コナン 勇者アイギスに支給。 阿笠博士が発明した、探偵グッズの一つ。様々な声を出すことができる。 ニアデスハピネスの核鉄 出典:武装錬金 【恋哀】ロキューダに支給。 原作でパピヨンが使用した、黒色火薬(ブラックパウダー)の武装錬金。 長足クラウン号 出典:からくりサーカス 【恋哀】ロキューダに支給。 列車型の自動人形。 サハラの決戦で自動人形たちの脱出手段として登場したが、阿紫花たちが奪取して使用。 その後フウの改修を受け、終盤で貴重な移動手段として活躍する。 デルフリンガー 出典:ゼロの使い魔 死闘秘法に支給。登場と同時に折られた。 ヴィルマの投げナイフ 出典:からくりサーカス 這い寄る鬼面に支給。 仲町サーカスに所属するナイフ投げの名手、ヴィルマ・ソーンの使用するナイフ。 ヌケサクの死体入りDIOの棺 出典:ジョジョの奇妙な冒険 逃走王子に支給。 読んで字のごとく、吸血鬼・ヌケサクの死体が入った棺。 バヨネット 出典:HELLSING となりのもふもふ地図職人に支給。 アレクサンド・アンデルセンの愛用する武器。本来は銃に装着して使うが、アンデルセンは直接手に持って使う。 核鉄「シルバースキン」 出典:武装錬金 遅れてきた後方支援に支給。 原作でキャプテンブラボーが使用した、防護服の武装錬金。 攻撃はもちろんのこと、使用者にとって有害なものを全てシャットアウトする最強の防具である。 ただし、ロワではある程度弱体化しているはず。 ダーツの矢 【勇気】ハーグに支給。 黒王号 出典:北斗の拳 決意と出会いと6/氏に支給。 拳王ラオウの愛馬。並の馬とは比較にならない巨体を誇る。 自分が認めた人間しかその背に乗せない……はずだが、ロワでは割と寛容。 キング・クリムゾンのDISC 出典:ジョジョの奇妙な冒険 女プーチン書き手に支給。 第5部のボス、ディアボロのスタンドが封じられたDISC。 時間を吹き飛ばし、他者が時間の流れを関知できない状態の中を自分だけ動くことができる。 また、数秒先の未来を予知する「エピタフ」というサブの能力もある。 スーパーエイジャ 【破転】ワンキューに支給。 波紋を増幅する「エイジャの赤石」の中でも、最も優れたもの。 太陽光を集束してビームを放つことができる。 犯人追跡眼鏡 レオーネ・アバッキオに支給。 漫画ロワに出てくる、名探偵コナン黒の組織編の常連アイテム。 左の蔓にあるスイッチを入れるとアンテナが伸び、発信機の現在地が分かる。 また、右の蔓の先端には盗聴器が付いている。 盗聴器および発信機の両方が各1つづつ支給された。 なお、説明書に書いていなかったためアバッキオは気が付かなかったが、射程距離が20km程しかないという欠点がある。 クルーザー 【魂爆】ウィクスゥに支給。 仮面ライダーXの専用バイク。最高時速は700Km。 さらに飛行や潜行まで可能なスーパーマシンである。 破壊の杖 出典:ゼロの使い魔 びーはち(仮称)に支給。 才人の世界からルイズの世界に流れ着いた武器。 いわゆるロケットランチャーである。 ヘルダイバー 出典:仮面ライダーSPIRITS 狂人スヴェルグに支給。 BADANの戦闘員が使用するバイク。ZXも三影から奪ったものを愛用している。 仮面ライダーのバイクのご多分に漏れず、現実のバイクをはるかに凌駕する性能を誇る。
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761 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/14(水) 11 26 38 ID qSp7PmVM その時私は走っていた。 とにかく竹井久を助けるために。 どうしてそんなに竹井久を守りたかったのか、自分でも分からない。 ただ、どんなことがあってもキャスターさんを止めなければならないと、そう思った。 だから無我夢中でしがみついた。 キャスターさんの伸ばした右腕に。 律「久、逃げて!!」 キャスター「りっちゃん!何故?!」 部長「りっちゃん…ごめんなさい!」 ダッ キャスター「竹井久!逃さないわ!」 律「キャスターさん、もうやめて!浮気したのは私なの!責めるなら私を攻めて!」 キャスター「だからその感情こそがマインドコントロールなのよ! 離しなさい、りっちゃん!今その原因を根元から断つ!」 バッ 律「きゃ!」 キャスター「竹井久…もう許さないわ…粉々に砕くだけでは気が収まらない… 原子分解…いえ!お前という存在を因果ごと掻き消してやるッッ!」 律「キャスターさん!見て!」 キャスター「!」 律「ほら、キャスターさん。おっぱいだよ。毎晩揉みしだいてるおっぱいだよ? 今ここでわたしを無茶苦茶にしてもいいんだよ?」 キャスター「りっちゃん…」 フラ… 律「ね…?わたし、キャスターさんのこと一番大切だよ? だからそんな怖いことしないで…ね?」 キャスター「自分の身体を使ってまで竹井久を護りたいというの、りっちゃん… わたしの事がそこまで嫌いになったというの、りっちゃん…」 律「きゃ…キャスター…さん?違う!そんなんじゃない!なんで分かってくれないの!?」 キャスター「ハハ…消えちゃえ…こんな世界なんて…消えちゃえばいいのよ…」 キャスターさんはわたしを突き飛ばし、闇を身に纏うと詠唱を始めた。 わたしにはそれが、世界の崩壊する音に聞こえた。 762 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/14(水) 15 14 59 ID zrCmbtBY ?「やらせるかああああああ!」 ?「させませんっ!」 バシーン!(キャスターの顔面に蹴りが2発クリーンヒット) キャスター「ぺぽっ!」ズザー! 律「ムギに、刹那さん…」 オーナー「なんとか間に合ってよかったわ」 ガンダムバカ「ここを崩壊させるわけにはいけないからな」 オーナー「こんなことが起こりそうな気がしてたけど、まさかね」 ガンダムバカ「竹井は節操がなくて困る」 律「えっ、なんで…」 オーナー「最近の盗撮テープを見てたらわかるわよ。まるで倦怠期に入ったみたいだったもの」 律「…」 オーナー「りっちゃん、キャスターさんは私たちが抑えるからその間に理由を話して謝りなさい」 ガンダムバカ「理由はどうあれ、非はそちらにあるのだろう?ならば筋は通せ」 律「…わかった。ありがとうムギ、刹那さん」 オーナー「…さて行くわよ」ダッ! ガンダムバカ「了解」ダッ! キャスター「よくもよくも邪魔を…」 オーナー「前衛は任せるわ。とにかくりっちゃんが謝るまで何とか抑えるわよ」 ガンダムバカ「わかっているさ」 763 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/14(水) 16 10 41 ID ZJ9m6Utc 上条「嫌だ~!離せ~!」ズルズル ひたぎ「男がいつまでも喚かないでくれる?カッコ悪いわよ」スタスタ 上条「男だろうが何だろうが嫌なものは嫌なんだよ!」ズルズル ひたぎ「でも普通の謝罪じゃ許してもらえなかったんだからしょうがないじゃない」スタスタ 上条「だから焼き土下座って言うのは短絡的過ぎません!?」ズルズル ひたぎ「ここではそれが常識じゃない」スタスタ 上条「そんな常識聞いた事ねぇよ!!」ズルズル ひたぎ「…そこまで言うなら選ばせてあげるわ」ピタッ 上条「えっ!?焼き土下座以外の選択肢が!?」 ひたぎ「ええ…選びなさい、焼き土下座か…」 ジャキンッ ひたぎ「文房具か…」 上条「怖すぎるんですけどッ!?」 ひたぎ「たかが文房具に、何でそんなに恐怖しているの?」 上条「全面的に貴方のせいですよッ!!」 ひたぎ「失礼ね…大体…ん?」 ドカカカカーーーーーン!! ひたぎ「………」 上条「………」 ひたぎ「…随分面白いことになってるみたいね」 上条「どこが!?明らかに大規模戦闘が起こってるように見えるんですけど!?」 764 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/14(水) 16 11 22 ID ZJ9m6Utc ひたぎ「とにかく、上条君の焼き土下座or文房具は後回しね」 上条「…どっちかするのは確定なんですね…」 ひたぎ「とりあえず、食堂のみんなにも知らせましょう」 上条「じゃあ俺が一っ走り…」 ひたぎ「その必要はないわ」ピポパ 上条「って携帯!?」 ひたぎ「もしもし?どうも今…」 ―――食堂――― C.C.「うん…そうか…分かった…」ピッ 美琴「…その携帯どうしたの?」 C.C.「いつもの執事に頼んだらくれた」 黒子「…あの執事さん何者ですの?」 衣「その執事とはどんな奴だ?衣も会いたいぞ」 C.C.「あ~…まあいつか、な…」 士郎「で、何だったんだ?」 C.C.「どうもキャスターの奴がなんやかんやで暴れてるらしい」 美琴「なんやかんやって…」 C.C.「そういう訳ですぐに向かった方がよさそうだぞ…ひーちゃんと上条はもう向かったらしい」 アーチャー「今から間に合うかは分からんが…行くしかないな」 士郎「セイバー!行くぞ!!」 セイバー「待ってくださいシロウ…まだデザートが…」モグモグ インデックス「私が代わりに食べておくかも!」モグモグ セイバー「させません!!これは私の物です!!」モグモグ 黒子「…結局また全部食べてしまいましたの…」 アーチャー「戻ったらまた作り直さねば…はぁ~…」 765 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/14(水) 16 12 02 ID ZJ9m6Utc 衣「よく分からないが…衣も行っていいのか?」 C.C.「ダメだ。コロちゃんは私とインデックスと一緒に留守番だ」 衣「何故だ?そこにはいっぱい人が居るのであろう?衣は友達を作りたいのだ」 美琴「残念だけど、今から行くところは友達を作れるような状況じゃないの…」 黒子「心配せずともすぐにお友達は増やせますわ…だから待っていて欲しいのです…」 衣「…分かった…」 C.C.「じゃあ使い古された言葉だが…気を付けてな…」 アーチャー「ふん…言われるまでもない」 セイバー「私の食事を邪魔したことを後悔させてあげます…キャスター…」モグモグ 士郎「いや食べてるじゃん…」 美琴「それじゃ…行ってきます!」 黒子「行ってきますの!」 衣「行ってらっしゃい!!」 バタン 衣「行ってしまったな…」 C.C.「さて、待ってる間何をするか…」 インデックス「それじゃ麻雀をするんだよ!」 衣「おお!…しかしここには三人しかいない…三人麻雀と言うのもあるにはあるが…」 C.C.「心配ない」 ハロ「マージャン!マージャン!」ピョンピョン C.C.「こんなこともあろうかとハロを持ってきている」 衣「おお!シーちゃんは何でも持っているんだな!!」 C.C.「何でもは持ってないさ、持っている物だけだ」 【食堂組、第二安土城へ…間に合うか?】 766 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/15(木) 01 27 51 ID 3sAY0u6A 【第二安土城一階出入り口付近】 部長「はぁはぁはぁ…やっぱり私ってか弱い乙女っていうか文化系少女ね… こんなことならスタミナつけとくんだったわ…もちろん夜の競技はタフネスだけどね☆ そうこうしている内に出口ね…刹那くん、打ち合わせ通りにできるかしら…って… あちゃ~裏目ったわ…」 【第二安土城】 ガンダムバカ「キャスター、その歪み、許す訳にはいかない。ガンダムマイスターの名において貴様を討つ!」 オーナー「既に貴女は詰んでいるわメイガス!おとなしく投降しなさい!」 キャスター「ふふふふふ…詰む?なにを言ってるのかしら?」 ブンッ ガンダムバカ「な、なに?!」 オーナー「なんの触媒も無しに竜牙兵を?!しゃらくさい!」 ズバババババ アンデッド「あ゛~あ゛~」 オーナー「効かない?!」 キャスター「ふふふ…竜牙兵を超える特別製のゴーレムよ。マナが濃密なここならば触媒すら必要じゃないわ。 鎧と武器は既に強化済み。通常火器じゃヒビ一つ入らない。 つまり貴方達ではどうしようもないってこと。そこで指をくわえてこの世界が滅ぶさまをご覧なさい…」 ガンダムバカ「ならば尋常でない武器ならば通用するということだな?ホンダム!支援砲撃!」 ・・・ ガンダムバカ「ホンダムどうした?!…なに?!」 オーナー「まさか…」 キャスター「そうよ。だって儀式魔術を使うんですもの。当然でしょ? 結界を張らせてもらったわ。極上の、ね」 767 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/15(木) 02 34 33 ID 3sAY0u6A 【対策本部】 黒服「ダメです!サーズデイの攻撃すら通りません!」 ミサカ「私たちの飽和攻撃でもダメです!とミサカはミサカネットワークを通じて報告します!」 小萌「上条さんは?!」 黒服「黒子さんによるピストンテレポートで現場に到着しました!」 真宵「これはもう第二段階に移行するべきでは?!」 小萌「アレはこちらの動力炉を著しく消耗します!出来れば使いたくは…」 上条『こちら上条!駄目だ!消えねぇ!』 小萌「なんですって?!」 アーチャー「そういえば、あいつの右手は例の公園の結界を破ることが出来なかったな…」 小萌「白井さんのテレポートでは行けませんか?!」 黒子『…ダメですの!道が見えませんわ!』 小萌「どうして?!」 美琴「あの子のテレポートは15次元を通じる移動手段にすぎないのよ。 次元の道が遮断されていれば使うことは出来ないわ」 アーチャー「なるほど。では行くとしよう」 小萌「お願いしますぅ」 ホンダム『~~~~~!』 撫子「先生!ホンダムがなにか伝えたさそうです!」 小萌「…これは」 真宵「先生も気づかれましたか」 小萌「えぇ…でもチャンスは一回。失敗はできないですぅ」 真宵「どちらにしますか?」 小萌「…龍門渕さんなら違う方を取ったと思いますけど、先生にはコレを選ぶしか頭にありません!」 真宵「了解。…先生のそんな所、私は好きですよ。 総員!対ショック対閃光防御!」 小萌「トランザム・バースト!」 770 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/15(木) 04 02 38 ID a4mizPY6 ズドオオオオン! ホンダム「…」 キャスター「な、何が起きてるの!?」 ガンダムバカ「小萌は切り札を発動させたか」 オーナー「使わざるを得なかったが正しいでしょうね」 キャスター「くっ、この…」 オーナー「ガンダムバカ!」パァンパァン ガンダムバカ「わかっている!」ダッ キャスター「この程度の射撃…な、突っ込んでくる!」 ガンダムバカ「取ったぞ…」ガシッ キャスター「ちょ、離しなさい!」 オーナー「手伝うわ!」ダッ ガンダムバカ「頼む!」 オーナー「キャスターさん、ちょっと大人しくしてくださいね」ガシッ キャスター「この…」 ムギ「りっちゃん、今よ!トランザムバーストの影響があるとはいえガンダムバカと私は所詮人間。サーヴァントをどれだけ抑えられるかわからないわ!」 律「わかったぜ!…キャスターさん」 キャスター「な、何よ?どうせマインド…」 律「ごめんなさい!(土下座)」
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808 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/17(土) 19 58 19 ID 3NL7w5P. 【第二安土城内】 部長「はは…これは今度こそダメだわ」 < 残り"三分"です > 部長「体力使い過ぎたかなぁ…足腰が立たないわ… 生き返ったら毎日走り込もうかな… 一階に爆弾集めたのが裏目ったわねぇ…。どうあがいても爆風モロに浴びて瞬殺じゃない。 まぁ…痛いの嫌だから即死の方がいいのかな~」 < 残り二分です > 部長「死ぬのはこれで二度目かぁ。梓に突き落とされた時は実感する間もなかったけど… 今回はなに考えながら死のうかしら…」 < 残り一分です > 部長「はやっ!あーえーっと急がなきゃ! えーっとえーっと天江さんと激しい麻雀が出来ますように! ついでにあたしの恋人になってくれたら御の字です! もっともっと可愛い子たちと仲良く出来ますように! もっと麻雀がしたいです! やった三個願い事言えた! あー違う!流れ星じゃないんだから! …誰か突っ込んでよ、もう」 部長「あー死ぬのって寂しいなぁ…」 部長「今度死ぬ時はあの子が傍に居てくれないかなぁ…」 < 残り三十秒です > 809 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/17(土) 22 30 58 ID Q7u5.fmI ―――サザーランド内部――― 衣「おおー速い速い!」 インデックス「これならあっという間なんだよ!」 C.C.「………おい」 衣「ん?何だシーちゃん?」 C.C.「何で二人ともコクピットに乗ってるんだ?」 インデックス「正直掌の上はもう勘弁なんだよ」 C.C.「…それにしても一人乗りのコクピットに三人乗り込むのは無茶だろ…いくらお前たちが小柄でも…」 衣「む、今衣がチビだと馬鹿にしたな?」 インデックス「そこはかとなく幼児体型だと馬鹿にしたね?」 C.C.「自意識過剰な奴らだ…馬鹿にはしていない。見下しただけだ」 二人「「尚更悪い!!」」 C.C.「それよりこのサザーランド…所々壊れていると思ったが、どうやらある程度修理されているようだ…」 衣「え?そうなのか?」 C.C.「ああ…どうせなら完璧に修理すればいいものを…」 インデックス「…と言うより、まだ修理の途中って気がするかも…」 衣「ふーん…一体誰が修理してるんだろうな?」 ―――機関室――― デュオ「ハックション!…死んでも風邪なんか引くのかね…?」 810 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/17(土) 22 41 32 ID 3NL7w5P. 【某所】 ボボボボボ…プスン C.C.「う~…うん?」 衣「どうした?」 C.C.「分からん。クラッチを入れ忘れた訳でもないのにエンストする」 インデックス「動かないの?」 C.C.「平たく言うと故障だ(ほっ」 衣「なんと…衣はここでものけ者なのか…。 みんなと一緒に楽しめないのか…」 インデックス「ころちゃん元気を出して! 今は無理でもいつかきっと動くようになるんだよ!」 衣「うぅっ…うああ…うえええ~ん! グラハムすまない!衣はここでも役立たずだ~うえええ~ん!」 C.C.(…しまったな。これはかなり厄介だ) タタタタタタ、キキーッ とーか「衣を泣かせたのはだれですの!?」 インデックス「ふえっ?!いきなり誰!」 衣「とーかぁ~!ロボが動かなくてぇ衣が役立たずでぇグラハムがぁ~!」 とーか「分かりましたわ。このロボを直せばいいんですのね?」 C.C.「いや、これは精密機械でお嬢様には修理は…」 とーか「ハギヨシ!」 パチン インデックス「ふええええ~?!誰も手をつけてないのにひとりでにピカピカになっていくんだよ!」 C.C.「は、速いな」 衣「うわーうわああー」パアアア バンッ! とーか「修理完了のようですわね」 衣「凄いぞ、とーか!素敵滅法!」 とーか「礼ならハギヨシにおっしゃいなさいまし」 衣「ハギヨシ…?ハギヨシもこれに参加させられてしまったのか?」 とーか「よくは分かりませんが死んだ主に尽くすこの手捌き! まさしくハギヨシの仕事ですわ!」 衣「確かに!週数百点のカラー背景を瞬時に処理していくがごとき手並みはまさしくハギヨシ! ありがとう、ハギヨシ!衣はよき執事を持った!」 とーか「さぁ、衣!素晴らしい城郭を貴女にお見せしますわ!」 衣「うわー!さすがはとーかだ!」 インデックス「…凄い勢いなんだよ」 C.C.「ついていけないな…」 とーか「さぁ!お願いいたしますわ!レッツ第二安土城!」 C.C.「やれやれ…」 811 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/17(土) 23 05 49 ID 3NL7w5P. 【本部】 ヒイロ「GN粒子砲ならこのGNバスターランチャーが…」 デュオ「アホっ!竹井を消滅させるつもりか!」 セイバー「ならばエクスカリバーで…」 デュオ「ドアホっ!死者スレを廃墟にする気か!」 ヘラクレス「思いっきりぶん殴るとか」 デュオ「それで結界が割れたら苦労しねーよ!機動兵器で試しまくってんだよ、こっちは!」 小萌「あぁ~どうしたら~」 真宵「第二安土城へ向かう機影2、確認!」 カギ爪「どうやらあれは…グラスゴーと馬のようですねぇ」 真宵「結界を破らなければ意味なんてないのに…」 < 爆発まであと三十秒! > 812 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/17(土) 23 24 02 ID 3NL7w5P. 【第二安土城前】 律「クソッ!開け!開けよー!」ドンドンッ! キャスター「高速詠唱…クッ間に合わない…」 ガンダムバカ「もう諦めろ!すぐ爆発する!」 アーニャ「バカな…っ!中にタケイがっ!」 ガンダムバカ「俺達は死者と言えど人間だ 人は存在する限り存在する事を放棄してはならない」 律「あんた…久がどうなってもいいのかよ!」 オーナー「りっちゃん…ガンダムバカの言う通りよ… 引きましょう。竹井さんの意志をフイにしてはいけないわ」 律「くっ…」 ヒヒーン! キャスター「馬?!ダメよ!そのまま結界に突っ込むだなんて自殺行為だわ!」 オーナー「福路美穂子…?」 パリーン! アーニャ「わ、」 律「結界が!」 キャスター「嘘っ?!」 オーナー「割れた?!」 < 残り二十秒 > 813 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/18(日) 00 01 21 ID rFtbOIsQ 【第二安土城内】 部長(あと三十秒、か。死ぬのはやっぱりなれないなぁ… う…今になって怖くなってきた…!ヤダ…震えが止まらない…! 死にたくない!いやよ、なんで私が死ななくちゃいけないの?! 神様…拝んだ事なんて一回も無いけど拝ませて下さい…! あたし、死にたくなんてありません!) パリーン 部長「え…?!天使…?」 美穂子「上埜さん!捕まって!」 部長「え…?!な、なに?!」 ガシッ 部長「なんで貴女が?!」 美穂子「いいから早く!キャッ?!」 ドサッ ヒヒーン… 美穂子「そんな…あなた、脚がもう限界なの?!」 抱きっ 美穂子「え…」 部長「良かった…死ぬ時はあなたと一緒がよかったのよ…」 美穂子「…!私も…です…」 < 残り10秒 > 814 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/18(日) 00 40 43 ID eTrX.w/2 【第二安土城前】 キキーッ とーか「さぁ着きましたわ!ここが貴女の為だけに築城した その名もKOROMOキャッスルですわ!」 衣「うわぁースゴイ!勇壮だぞ、とーか!」 インデックス「うわ、デカ…うえっ?」 ガシッ!ヒョイ、ポイ インデックス「んもー!なに操縦席からレディを放り投げてるんだよ!」 アーニャ「C.C.、突っ込め」 C.C.「…あとで事情は聞かせてもらうぞ」 【第二安土城内】 部長「浮気してごめんなさい…」 美穂子「いいんです…それはもう、いいから…」 ギュゥゥゥゥーン! アーニャ「タケイー!」 部長「…アーニャ?!」 アーニャ「機体に掴まって!」 部長「う、うん!貴女も!」 美穂子「はい!」 アーニャ「C.C.!バック!」 C.C.「Uターンの方が早い!」グッ キュイイイイイイン! 刹那「よし、みんな力の限り退避ーっ!」 律「おー!」 とーか「あれ、皆さんなにを急いでいらっしゃいますの?」 衣「?」 馬イク(え…俺だけ城内においてけぼりなん…?) カッ! 【カウント・ゼロ】
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79 :名無しさんなんだじぇ:2010/06/01(火) 07 55 21 ID 0Zz.oyYA 池田「キャスターさん、光秀さん、船井さん、駿河、アーニャ、紬、レイさん…」ブツブツ 律「な、何だよ人をそんなに見つめてさ」 池田「律って顔広いけど、そのぶんまともじゃない人との関係も深いと思うし」 律「…おいおいその言い方は失礼じゃ――」 まともじゃない人達「池田ァ!!!」 ズドオオオオォォン!!!!! 池田「にゃぎゃああああああああああぁ!!」 律「か、華菜ああぁ!!」 【池田 消し炭に】
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贈る言葉 ◆LJ21nQDqcs わたし、福路美穂子は木陰で、未だ寝ている唯ちゃんを涼ませていた。 燦々と降り注ぐ陽の光は容赦なく大地を照らし、照り返しで地面そのものが眩しいくらいだ。 膝枕されている唯ちゃんは、時々誰かの名前を呟いているようだが、嬉しそうに微笑んでいる。 夢のなかでお友達と会ってるのだろう。 私は唯ちゃんの髪を撫でながらも、自分の中に嫉妬があることを否定出来なかった。 伊達さんは、片倉さんを前に胡座を組んでいる。 掛ける言葉も、何かしてあげることも、私には出来なかった。 逃れようの無い罪、そのものを目の前に突きつけられて、動揺していたと言うのもある。 だから放送まで一人にさせてくれ、という伊達さんの言葉は私にとっても有り難かった。 伊達さんの気持ちを置いて、唯ちゃんにかまっている私は、やはり酷い人間だと思う。 冷たく厳然とした死という現実から逃れて、 暖かい、生命そのものとも言える唯ちゃんに逃避していた。 逆に言えば唯ちゃんが居なければ、わたしはどうしようもなく泣き崩れていたかもしれない。 わたしは、少なくとも泣いて時間を浪費するよりは、唯ちゃんを気遣っている方が前向きであり、 ややマシな時間の使い方だ、と自分を騙していた。 ヴァンさんは、といえば腰を曲げながら、何をするでもなく帽子を胸に立ち尽くしていた。 わたしや、おそらく伊達さんからしてみれば重大事ではあるが、 傍から見ればやり過ごすべき茶番なのだろう。 ある意味、この場で誰よりも放送を心待ちにしているのかも知れない。 それにしても、 『ヴァン』 船井さんが注意するべきと言っていた14人の内の一人。 ヴァンさんで三人目ではあるが、その三人全てがやはり超人的な身体能力の持ち主だった。 恐ろしい明智光秀、瞬烈なる二連撃を見せた伊達さん、落馬しつつも怪我一つないヴァンさん。 ことに伊達さんの懐の広さは驚嘆に値する。 どう見ても異形のわたしをあっさりと受け入れ、超人であるヴァンさんもすんなりと引き込んだ。 それはわたし達がどんなタイミングで翻意したとしても、 十分に対処出来るという自信の裏返しとも言える。 突き抜けた強さとはそういう事なのだろう。 片倉さんを殺しながら、わたしを捨て置いた、あの眼帯の女もそう。 絶対的な力の差があるからこそ、わたしは見逃されたのだ。 いつでも殺せるから、と判断して。 明智光秀にしてもそうだろう。 闘技場から逃げるわたし達を追うことは、いくらでも出来たはずだ。 神様から貰い受けた"左腕"をもってしても、それだけのアドヴァンテージが、彼にはあった。 二人とも、いずれ遭遇した時、また見逃してくれるとは思えない。 生死は彼女と彼の胸先三寸であり、わたしなどはその荒波の中でさまよう一葉に過ぎない。 力が欲しい。 やはり、そう思わずには居られない。 力があれば、伊達さんのように泰然自若としていられるというのに。 こんな風に心を乱すこともなくなるだろうに。 華菜を、上埜さんを、片倉さんを失わずに済んだというのに。 そしてわたしが渇望し、唯ちゃんが熟睡し、伊達さんが胡座をかき、ヴァンさんが立ち尽くす中、 第二回定時放送が始まった。 ■ 出だしは前回同様、機械的すぎる少女の声から始まった。 ここまで感情を殺すことが出来るのだろうか。 最初の、あの龍門渕の部長さんが殺された放送の時、 遠藤という人は【人質】【ゲスト】などと言っていた。 インデックスと名乗る、この少女のことを【ゲスト】と読んでいたが、 この感情をなくした様子を見るに、わたしから見たらどう考えても【人質】に他なら無い。 拘束するのに面倒が無いよう、従順にするために感情を消したのかも知れない。 そう言えば船井さんは、闘技場の控え室でどうやらわたし達に薬を盛る予定だったようだ。 あの時、琴吹紬が事を起こさなかったら、もしかしたらわたしや唯ちゃんも、 あのように感情を殺され、船井さんにいいように使われていたのかも知れない。 わたしはどうでもいいが、唯ちゃんが利用されるのは我慢がならない。 やはり船井さんは殺されて当然だった。同情する余地は全く無い。 思考をたぐらせていると、進入禁止エリアが読み上げられる。 【A-2】【C-7】【D-6】 地図に書き込む。今回は前回と違い、施設は禁止エリアに入っていない。 ただD-6はホームがあり、これから列車を利用する際に不便が出るだろうことは予想出来る。 それにしても列車は復旧するのかしら?随分長いこと止まっているけど。 また、河を挟んだ向こう側、東側の真ん中を横切る形で禁止エリアが広がったので、 東側の南北に人が大移動するかも知れない。 D-5、E-5、E-6は回廊になった為、もしここで待ち伏せされた場合はかなり危険だろう。 この3エリアには近づかない方が無難と言える。 それにしても7×7の49エリアしかないのに、毎回の放送で3エリアも立入禁止になるとは。 たった二回の放送で禁止エリアは、かなり面倒な配置になった。 最終的には第16回放送、四日目の終わりには最後の1エリアで決着する形になる。 それまでに何としてでも、このくだらないゲームを止めなくては。主催者を殺さなくては。 そして死亡者が読み上げられて行く。 特に断りが無いので、おそらく第一回放送と同じく死亡順なのだろう。 船井さんと琴吹紬の名前が読み上げられた後に、三名の名前が続いた。 あの凶事から一時間も経っていない。 残り人数が激減しているというのに、死亡者数が変わらない。 つまり殺人ペースは確実に早くなっている。 均衡が崩れつつあるのだろう。 「注意するべき14人」も4人死んだ。 ここに居る伊達さんとヴァンさん、明智光秀を除けばあと7人。 超人14人が互いに殺し合っているのかも知れない。 B-3の城を崩した人も、その中に居るのかも。 あのようなパワーを叩きつけられたら、わたしなどは苦も無くこの世から消滅するだろう。 天江衣、東横桃子、阿良々木暦、張五飛、平沢憂、秋山澪 そしてあの人の名前は呼ばれなかった。 ホゥ、と一息つく。 唯ちゃんの妹である憂さんが無事なのは良かった。 田井中律、琴吹紬の二人を失い、秋山澪があのような状況にある以上、 憂さんの無事は唯ちゃんにとって一番の関心事に違いない。 わたしは自分の事以上にそれが嬉しい。 それにしても深堀さんが姿が見えなかったと言っていた、東横桃子はともかく、 肉体的には脆弱な子供のそれでしか無い、天江衣が生き残っていたことは意外だった。 わたしも唯ちゃんも秋山澪も、神様から貰ったこの"左腕"が無ければきっと死んでいた。 力の無いものがあっさりと死んでしまう。それがこのくだらないゲームだ。 ならば、天江衣はなにか強力な力を手にいれたのか、 それとも強力な庇護者を味方につけたのか。 あの悪夢のような場の支配を思い出す。 華菜を徹底的にいたぶったあの支配が、もし洗脳などに使えるのであれば。 投薬の必要もなく人を操れるのだとしたら、それは本当に悪魔のような力であろう。 そして、インデックスと名乗る少女は言葉を閉じ、マイクが切り替わる。 前回の放送と同じく、遠藤という男ががなりたてるのだろう。 あの不愉快な声は耳に障る。しかし放送には有為な情報も多い。 聞きそびれ無いようにしなくては。そして男の声が響きわたる。 ■ 『おおっと……! 待ってくれ、まだ終わりじゃないぞ……! こんにちは、諸君! 遠藤勇次だ……!』 ドクン 「え?」 脈打つはずの無い、わたしの身体に鼓動が響き渡る。 ドクン 違う、脈動は"左腕"。 そこから血が一斉に送り出されて 心臓が いや!やめて!わたしはそんな事望んでいない! ドクン 【 殺 す 】 "左腕"が一気に膨張する。振動する。鼓動する。 それにつれてわたしの身体も、黒い鼓動によって衝動が突き上げる。 そうだ。 主催者は殺さなくてはならない。 このゲームは殺さなくてはならない。 そう誓った。 そう願った。 それがわたしの望みだ! 「うああああああああああああああああああああああああああああ!!」 抵抗と歓喜と恐怖と殺意と諦観と興奮と絶望と。 全て渾然一体となったわたしの絶叫は、伊達さんやヴァンさんを振り向かせた。 ■ ヴァンさんや伊達さんが、どうしたんだと近寄ってくる。 駄目。 近づかないで。 わたしは今わたしじゃない。 だってこんなにも誰かを、今すぐ殺したくなっている。 何かの拍子で溢れ出した殺意が、周りの全てを蹂躙しようと奔走しようとしている。 どうやらその殺意の根源である"左腕"を必死に抑えるが、 そもそもわたしの身体が、わたし自身が殺意の塊となっている。 とても抑えきれるものではない。 そうか。 この"左腕"は神様からの贈り物なんかでは無かった。 それとは真逆の、あぁ、卑しいわたしにはむしろ相応しいではないか。 これは悪魔だ。 人を騙し、人を欺き、人心を惑わし、混乱をもたらす。 その為にわたしを生かしていただけだ。 滑稽な操り人形。 それがわたしだ。 このままでは唯ちゃんを守るどころか、重石にしかならない。 最悪わたしが唯ちゃんを殺すことになりかねない。 駄目だ。 それだけは駄目だ。 わたしが全てを失って、そしてようやく掴んだ希望を、 わたし自身が摘んでしまうだなんて、そんな馬鹿なことが、あっていいはずが無い。 まだ自由がなんとか効く右腕で傍らにある刀を鞘走らせる。 思考に雑音が混じる。 『殺ス』 駄目だ。殺すのは、殺されるのはわたし自身だ。 『殺ス殺ス殺ス』 違う。この殺人衝動をこそ殺す。 『殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス』 嫌だ、殺したくない! 『殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス』 今すぐ刀を首に押しあてなければ。 『殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス』 早く!早く! 『殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス』 ごめんね、唯ちゃん。わたしは馬鹿な人間でした。 あたなのように太陽のような、全てを照らす人と一緒に居られなくて当然な、 馬鹿な、滑稽な、人間でした。 だから 「殺ス!」 わたし自身を! ◇ だりぃ。 馬に騙されて、ダンにも会えずに、死体と一緒に旅をして。 そんで振り落とされて、地面を転がって、身体起こしたらしんみりした雰囲気。 弔いっていう神聖な時間は結構だ。 だが俺も急いでいる。 はええ所宇宙開発局やらに行って、ダンを取り戻さなきゃならねーんだ。 まぁこのなんとかいう旦那も、どうとかいう女も、悪い人間じゃなさそうだし、 俺を騙した馬にも天誅やったみたいだから、いちいち邪魔をする気はないが。 あ~、陽が照りつけてあちぃ。 しかし、一本しか無い木陰を占領するとか、この女もなかなかいい度胸してやがるな。 寝てる人間を陽に晒しちゃそりゃまずいがよ。 時々扇いで風送ったりして甲斐甲斐しいなぁ、おい。 気がつきゃあ、俺をほっぽり出した馬の野郎も起き上がってやがる。 まだ気が収まらねぇから、あとでしめておくか。 お、放送が始まった。 これが終わったら、そろそろお暇するか。 14人か、結構死んだな。 胡座かいて座ってる旦那がなんとなく反応したみてぇだが、俺には関係ない。 さて、行くかってな具合でディバッグを拾った、その時に異変は起こった。 「なんだぁ、こりゃ」 風が逆向きに吹いている。 つーか一点に向かって集まってきてやがる。 一点。 つまりあの女のところへ。 どういう理屈かを考えるのは苦手だ。 ただこれがやばい事態だってのは分かる。 どんどんと、あの女の左腕が異様なパワーを蓄えてるのが分かる。 「こりゃすげぇな。力とパワーとストレングス、三つ全てを兼ね備えようとしてやがる」 「それ全部同じですよね」 やかましい!と言おうと横を見ると、なんだ馬か。 「馬だけに馬いツッコミ。なるほど、いい感性をしてますね」 「ごちゃごちゃうるせェ!」 見ればあの女、殺る気満々の癖して、刀を自分の首に押し当ててやがる。 なんでこの島の女は、みんなめんどくせぇ奴ばっかなんだよ! ◇ あと一息で終止符を打てるという所で、わたしはヴァンさんの武器で右腕を拘束された。 絶妙な力の加減だろうか、右腕から刀がポロリと落ちる。 と、同時に背後から伊達さんがわたしを羽交い締めにする。 だが"左腕"はわたしの意志を既に無視して、悪あがきを続ける。 二人が何事かを叫んでいるようだが、"左腕"を抑えこもうと集中するわたしの耳には入らない。 ヴァンさんが今度は"左腕"を拘束しようと武器を飛ばす。 しかし"左腕"はヴァンさんを一本釣りし、投げ飛ばした。 わたしの意志は、既にわたしの身体の中に閉じ込められていた。 もはやわたしは自分で体を動かすことも出来ないのか。 これではもう、私は死んだも同然なのではないのか。 いや、それ以前に闘技場で毒を飲んだ時、わたしは死んでいた。 ならば今のわたしは残滓でしか無い。 あぁそうだ。わたしは既に死んでいたんだ。 伊達さん、もう手加減せずにわたしの首をへし折って下さい。 わたしは既に死んでいるんです。 これ以上、生きている人たちに迷惑を掛けたくない。 だから、唯ちゃんを誰にも渡したくないから、みんな死んで下さい。 そうだ、みんな死んでしまえば、唯ちゃんはわたしだけのものになる。 そうすれば、 ?! まさか。 まさか、わたし自身が望んでいたというの? 参加者全てが死ぬことを。 第一、唯ちゃんをわたしだけのものにしてどうしようというの? 分からない。もう、自分自身すら分からない。 もうイヤだ! 上埜さん、華菜、片倉さん、 わたしを助けて! こんなわけの分からない心のまま、死にたくない! ◇ チッ、なんてぇ力だ。 本気出したら対抗出来なくもねぇが、俺は引っ張られるままに空中に放り出された。 旦那が羽交い絞めにすることで、ほぼあの女の動きは止められているが、 それだけでどうやら手一杯のようだ。 人ひとりを傷つけずに拘束するのは、結構な力量差が必要だからな。 ましてや頑丈な野郎相手ならいいが、どうみてもあの女は体自体は普通の女だ。 旦那が遠慮して本気を出せないのも仕方のない話だろう。 こうなったら、この隙にあの女の意識自体を断ち切らねぇといけねぇか。 とりあえず、着地せんとっと思って足元を見ると、あのバカ馬が落下地点に居やがる。 いいタイミングだ。 人馬合体! 「気がきくな!ただの喋る馬じゃないな、お前」 「こういう無茶なことする人には慣れてますから」 「よし、んじゃいくぜぇ!」 無茶な機動と軌道で、無駄にものすごいスピードを出して突っ込む。 狙いは羽交い締めにされて、無防備に頭上を泳ぐあの女の左腕! どうやらあの異形は頑丈っぽいし、なんだか分からねぇが危ないっぽいからな! 「チェストおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 ものすごい速さと、俺の力によって、蛮刀は白銀の閃光となって炸裂する! ゴィンという間抜けな音とともに、女の左腕をぶっ叩く。 その衝撃か、女の動きは完全に停止したように見える。 ふぅ、と一息つく。どうやらこれでなんとかなるだろう。 と思って正面を向くと。 樹。 馬が急停止した反動で前方に放り出された俺は、そのまま樹に激突した。 このバカ馬、やっぱり許さねぇ! ◇ 「Shit!全く、揃いも揃って気を失いやがって」 俺は軽く肩をすくめて両手を上げる。 平沢唯、福路美穂子、ヴァン。 三人全員眠っちまってちゃ、俺が光秀の野郎を追えねえじゃねえか。 この福路美穂子って娘は少しはしっかりしていると思ったら、いきなり暴れ出しやがるし。 まったく神原駿河といい、福路美穂子といい、バテレンの娘はワケが分からねぇ。 しかも左腕に変な装飾でもするのが流行ってやがるのか? それにしては平沢唯の左腕には何も無いが。 まぁ幸い、誰も近づいてくる気配も無い。 途中までだが聞いた放送の内容を思い出す。 「真田幸村、本多忠勝、か」 二人ともどこまでも真っ直ぐな愚直なまでの武将だった。 あいつらだったら主催に対して真っ向からぶつかっていくだろう。 そして、生き急いじまったか。 ことに幸村とは再戦も果たしたかった。 しかし、感傷に浸る暇はない。 元々独りだろうが、主催の野郎を倒すと決めている。 (ならどうして、この三人を見守っておられるのです?) そりゃお前、害意を持っていない人間を、無駄に見殺しにする必要も無いからだろうが。 (あの福路美穂子は、明らかに害意を持っているように見えましたが) お前が守った女だからな。突然暴れだしたことについても本意じゃあるまい。 小十郎、お前も思ってもいないことを俺に聞いてくるな。 ン?小十郎? 俺は自分の言葉に驚いて振り向く。 そこにあるのは小十郎の遺体のみ。 Ha!俺もやけが回ったか。幻聴が聞こえるだなんてな。 (幻聴じゃありやせんぜ、政宗様) Okay。お前が言うんだったら、そうなんだろうな。 で、なんだ。死んですらも俺に小言を言いに来たのか。 (首輪のことです) あぁ、胸糞悪いこの首輪か。 放送じゃ辺離加(ペリカ)ってえ金に替えられるとか言ってたな。 (政宗様。この小十郎の最後の頼み、聞いてくれやしませんか) なんだ、埋葬してくれって言うのか?全くお前は足止めばかりさせるな。 そんなに光秀の野郎と戦わせたくないのかよ。 (いえ、僭越ながら、我が首級を上げていただきたいのです) ■ 「Ha!お前の首を切ろだと?!そんな小銭にたかる餓鬼みてえな真似を 後の天下人たる俺にやれって言うのか?!」 Shit!幻聴だけじゃなく、幻視まで見えてきやがった。 土下座する小十郎の姿が奴の遺体に重なって見えやがる。 やめろ、そんなことをしても、俺がお前の首を切るだなんて、出来るはずないだろうが。 (既に死んで役立たずとなったこの身に、未だ政宗様の役に立つ価値があるのならば、 喜んで差し出すのが小十郎の忠義にございます) 「馬鹿野郎!そんな事までしなくていいと、いつも言ってるだろうが! 主に向かって自分の首を切れ、だぁ?斬られたいならな、戦場で裏切り者として斬られろ!」 「バカとはなんだ、バカとは!」 背後で怒号が聞こえたんで振り向いてみたら、なんだヴァンの寝言か。 余程言われ続けてるんだろうなぁ。まぁあんな気絶の仕方してちゃ、言われても仕方ねぇが。 (では聞きますが政宗様。あんたは配下の者が首を斬られても知らん振りする、 そんな情けねぇ主なんですかい?) 小十郎のいつもの小言、そんな時に発せられるいつもの挑発。 あいつは死ぬまでこの調子で、俺に小言ばかり言って、俺を困らせていた。 「んだとテメェ!俺は奥州筆頭独眼竜伊達政宗だ! この胸くそ悪ぃ島から出たら、すぐにでも戦国の世を統一してみせる男だ! お前にゴタゴタ言われる筋合いはねぇ!斬らねぇものは斬らん!」 気宇壮大な夢を、それこそ俺の背となり脚となり支え続けた、小十郎。 そんな男の首を斬るなんざ出来るはずも無い。 (うるせぇぞ、藤次郎!あぁくだらねぇ!変なプライドばかりでかくて全体を見やしやがらねぇ! こんな情けねぇ男に一生を捧げたのかと思うと、自分の見る目のなさと不運に涙が出らぁ!) 「あぁ分かった!斬ってやる!この不忠のコンコンチキ野郎! 死んで主君から見放されるなんざ、とんだ忠臣だ、お前は!」 小十郎が言うことはいつも俺と、俺の夢のためだった。 俺のPrideを崩してまで、お前の首輪に、首を斬ることに価値があるってんなら、 「Good-Luck、小十郎。面と向かって別れを言えるとは思わなかったぜ」 六爪から一振り抜いて構える。 (おさらばでございます。政宗様) 辞めろ、そんな顔で見るな。 幼少の頃よりつるんできた、お前との思い出が蘇るじゃねぇか! 想起される思い出を振り払うかのように、俺は丹田に力を集めて愛刀を振り下ろす 「うああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 雷光が、大地を穿った。 ◇ 何分ほど気を失っていたのだろうか。 わたしは身体を起こすと辺りを見渡す。 まず最初に"左腕"を見る。 未だ異形の腕は私に生えたままだ。 その異形とわたしの上腕につながる一点に、あの人がつけた、あの人と過ごした証がある。 ちっちゃなちっちゃな、針の跡。 「存外、主張が激しいんですね、貴方」 くすりと笑って傍らを見る。 両隣で唯ちゃんとヴァンさんが寝息を立てているのを見ると、 どうやら酷い事にはならなかったのだと、胸をなでおろした。 しかし、最早わたしの存在は唯ちゃんの重石にしかならない。 唯ちゃん以外の存在を殺そうとする、あの衝動がまた何時襲ってくるか分からない。 何処か誰もいないところで、ひっそりと死のう。 唯ちゃんに気付かれないように。 「澪ちゃん」 唯ちゃんが寝言を呟く。 そうだ、どうせ死ぬなら、あの狂人から秋山澪を救い出して死のう。 それがせめてもの、唯ちゃんに出来る恩返し。 私に生きる希望と意味を一瞬でも与えてくれた、あなたに対しての。 伊達さんがわたしの方を振り向いて、あぁ起きたのかと声をかけて来る。 片手にはちょっと大きめの袋が。血が、滴っていた。 まさかと思い、飛び起きて片倉さんの遺体があった辺りを見る。 案の定、片倉さんは首を失って、指を組んで横たわっていた。 「まさか、片倉さんの首を切ったんですか?!」 分かりきったことを聞く。しかし聞かずにはいられない。 片倉さんが伊達さんを敬愛していたことを知っているからだ。 その忠誠に対して、この仕打ちはあまりではないか。 あぁ斬った、と伊達さんは応えた。 髪の毛が逆立つのを感じた。 片倉さんと過ごした六時間弱。 それは片倉さんにとっての最期の六時間でもある。 ほんの些細な時間ではあるが、それでもあの人のひととなりは十分すぎるほど伝わった。 誠実で真っ直ぐで、そして強くて。 こんなくだらないゲームで死んでいいはずの人でも、 ましてや、主君に首を斬られてぶら下げられるような人でも無い! 「なんでです?!片倉さんはあなたのことをずっと、ずっと支え続けていた人なのでしょう?!」 思わず食って掛かる。生殺与奪の権利は伊達さんが担っているというのに。 「あいつは俺の家臣だ。なら死んだあいつをどう扱おうと俺の勝手だ」 冷たく、伊達さんは言い放つ。 普段のわたしなら、その言葉の奥に潜む悲しみに気付けただろう。 いや、気づいていてもなお、言わずには居られない。 それが片倉さんに守られた、わたしの義務だ。 「だからって、そんな事して、片倉さんが喜ぶはずないです!」 「あいつが言ったんだよ、斬れってよ」 すかさず伊達さんが言う。 「Coolになれ、福路美穂子。お前は聞いてなかったかも知れないが、 首輪換金制度って奴が出た。他の誰かにこいつの首を渡すわけにもいかねぇ。 だったら俺が取っちまうのが、一番あいつのためになる。You See?」 遠藤なる男が話した瞬間、わたしの意識は混乱した。 だから遠藤の話を、私は全く耳にいれてない。 首輪換金制度。 確かにあいつらの考えそうな、ゲスな、最低なシステムだ。 片倉さんの首を他の誰にも奪われたくない、と言う気持ちも分かる。 わたしの怒りは憤りは急速にしぼんでいってしまった。 「I see」 そう呟くのが精一杯、だった 「Thank you、福路美穂子。その怒りはあいつの為だろう?主として礼を言っておくぜ」 あぁ、やはりこの人は大きい人だ。 わたしのような卑小なものの卑小な怒りすら簡単に抱き込んでしまう。 わたしは涙を流すしか無かった。 ■ 「それでどうするつもりだ、福路美穂子」 伊達さんが見た目落ち着いたわたしに聞いてきた。 わたしは先程の考えを打ち明けた。 我ながら捨鉢にも程があるとは思うが、唯ちゃんの負担になる自分を許せはしない。 だが 「そりゃ無理だろうな」 伊達さんはあっさりと言い放った。 伊達さんは整然とわたしの考えを崩していった。 ひとつ、光秀とわたしの実力差は明らかであり、 捨て身で行ったとしても秋山澪を救い出すなどと言う難事をこなせないだろうと言う事。 ひとつ、既に闘技場での凶事より二時間が経過しており、 光秀は既にその居場所を変えている可能性が高いこと。 ひとつ、一旦決めたことを勝手に変えるのは間違っていると言う事。 確かにそうだ。他人に言われると自分の浅慮が恥ずかしい。 ならばわたしはどうしたらいいのだろう。 「簡単だ。今まで通り、平沢唯を守ってギャンブル船に行けばいいだろう」 そうか。やはりそれしか無いのか。 自分の暴走が心配ではあるが、決めたことは最期まで貫き通さなければならないだろう。 「わかりました。伊達さんはどうなさるんです?」 「ちょっと待て。この島には光秀や信長、あの城をぶっ壊した奴まで居る。 その中をこのお嬢さんを守っていけるってな、本気で思ってるのかい?」 先程の提案をなにを覆そうとしているのだろう、この人は。 「さっき言っていたことと違うじゃないですか!わたしは唯ちゃんを守ります!」 なんだろう、さっきからわたしは怒りっぽくなっている。 「だから福路美穂子、お前独りじゃ無理だって言ってるだろ」 「無理でもやるんです!出来ようが出来なかろうが、守るって決めたんです!」 伊達さんは首をすくめた。 アメリカ人がよくやるポーズだが、戦国武将がやると違和感がものすごい。 「福路美穂子、Coolになれ。無理なことは無理と認めるのは恥じゃない」 「恥とか恥じゃないとか、どうでもいいんです!」 あぁ駄目だ。これって平行線だ。なんでこうなったんだろう。 わたしって、こんなに聞き分けの悪い人間だっただろうか。 「んじゃあよぉ」 不意に傍らで声がする。ヴァンさんだ。起きていたんだ。聞いていたんだ。 恥ずかしい。 「つまり旦那はこう言いたいんだろ?"俺が着いて行くから安心しろマイハニー"ってよ」 えーっと。 こういう時言う言葉って一つだと思うんです。 「「はぁ?!」」 思わずハモって言ってしまった。 ■ 結局の所、伊達さん自身は南下するらしい。 時間が経ったとはいえ、何らかの痕跡を見つけることは出来るだろうと言うことだ。 わたしは秋山澪の件を今一度頼み込み、ひとまず二手に分かれることにした。 ヴァンさんは変なことを言った責任を取る意味で、わたしたちと同行することとなった。 もしかしたらギャンブル船の景品に、ダンが居るかも知れないというと 何故かすごく怖い顔をして、同行することに同意してくれた。 さて、出発しようか、と言うところで唯ちゃんが起きてくれた。 まだ眠いのか目元をゴシゴシと擦る姿が愛らしい。 「ん~、おはようございま~す」 あくびとともに発せられた言葉は、私が忘れかけていた日常そのもので。 やはり唯ちゃんはすごいって、素直に思えた。 唯ちゃんは伊達さんの姿を見ると、急にかしこまって頭を下げた。 え?唯ちゃん、伊達さんのこと知っているの? 「筆頭さん、あずにゃんをありがとうございました」 言われた伊達さんも呆気にとられている。 どうやら面識はないみたいだ。 なら、どうしてだろう。寝ぼけているのだろうか。 「唯ちゃん、あずにゃんさんってもしかして中野梓さんのこと?」 闘技場で聞いていた唯ちゃんの後輩の名前を出す。 「うん、真面目でね。すごい練習熱心なすごい子だよ」 「その梓と言う女と俺が、どんな関係があるってんだ?」 伊達さんは怪訝と言う言葉を形にしたような顔で、唯ちゃんに聞く。 「えと、あずにゃんにそう言われたから、言っただけで。 あ、宝石と綺麗な着物をありがとうって言ってました!」 言われて伊達さんは彼にしては珍しいだろうことに、驚きを隠そうとはしなかった。 「なんでそれを知っていやがる?!」 【C-4/北西/一日目/日中】 【伊達政宗@戦国BASARA】 [状態]:健康 [服装]:眼帯、鎧 [装備]:六爪@戦国BASARA [道具]:基本支給品一式(ペットボトル飲料水1本、ガーゼ消費)不明支給品1(武器・確認済み)、田井中律のドラムスティク×2@けいおん! [思考] 基本:自らの信念の元に行動する。 1:なんでそれを知っていやがる?! 2:闘技場を目指す。 3:小十郎の仇を取る。 4:主催を潰す。邪魔する者を殺すことに抵抗はない。 5:信長、光秀の打倒。 6:ゼクス、一方通行、スザクに関しては少なくとも殺し合いに乗る人間はないと判断。 7:戦場ヶ原ひたぎ、ルルーシュ・ランペルージ、C.C.に出会ったら、12時までなら『D-6・駅』、 その後であれば三回放送の前後に『E-3・象の像』まで連れて行く。 8:馬イクを躾けなおす。 [備考] ※信長の危険性を認知し、幸村、忠勝とも面識のある時点。長篠の戦いで鉄砲で撃たれたよりは後からの参戦です。 ※長篠で撃たれた傷は跡形も無く消えています。そのことに対し疑問を抱いています。 ※神原を城下町に住む庶民の変態と考えています。 ※知り合いに関する情報をゼクス、一方通行、プリシラと交換済み。 ※三回放送の前後に『E-3 象の像』にて、信頼出来る人間が集まる、というゼクスのプランに同意しています。 政宗自身は了承しただけで、そこまで積極的に他人を誘うつもりはありません。 ※政庁で五飛が演じるゼロの映像を見ました。映像データをスザクが消したことは知りません。 ※スザク、幸村、暦、セイバー、デュオ、式の六人がチームを組んでいることを知りました。 ※荒耶宗蓮の研究室の存在を知りました。しかしそれが何であるかは把握していません。 また、中野梓の遺体に掛かりっきりで蒼崎橙子の瓶詰め生首@空の境界には気付きませんでした。 ※小十郎の仇(ライダー)・浅上藤乃の外見情報を得ました。 ※中野梓が副葬品(金銀・宝石)と共にB-3付近に埋葬されました。 ※宝物庫にはまだ何らかの財宝(金銀・宝石以外)があります。 【福路美穂子@咲-Saki-】 [状態]:前向きな狂気、恐怖心の欠如、健康だが心音停止 [服装]:血まみれの黒の騎士団の服@コードギアス、穿いてない [装備]:レイニーデビル(左腕)、大包平@現実 [道具]:支給品一式、童子切安綱@現実、燭台切光忠@現実、中務正宗@現実、雷切@現実、和泉守兼定@現実 [思考] 基本:唯ちゃんを守る 1:唯ちゃん? 2:主催者を殺す。ゲームに乗った人間も殺す。 3:みんなで神様に祈る場所を通って、ギャンブル船に向かう 4:ひとまず魔法と主催の影を追う。この左腕についても調べたい 5:力を持たない者たちを無事に元の世界に返す方法を探す 6:対主催の同志を集める。その際、信頼できる人物に政宗から受け取った刀を渡す 7:阿良々木暦ともし会ったらどうしようかしら? 8:張五飛と会ったらトレーズからの挨拶を伝える 9:トレーズと再会したら、その部下となる? ?:唯ちゃんを独占したい。 [備考] 登場時期は最終回の合宿の後。 ※ライダーの名前は知りません。 ※トレーズがゼロの仮面を被っている事は知っていますが ゼロの存在とその放送については知りません ※名簿のカタカナ表記名前のみ記載または不可解な名前の参加者を警戒しています ※浅上藤乃の外見情報を得ました ※自分が死亡もしくはそれに準ずる状態だと認識しました ※織田信長の外見情報を得ました ※レイニーデビルを神聖なものではなく、異常なものだと認識しました。 【黒の騎士団の服@コードギアス】 黒の騎士団発足時に井上が着ていたコスチューム 超ミニスカ 【レイニーデビル@化物語】 魂と引き替えに三つの願いを叶える低級悪魔。 自らの意志は持たないが、所有者の表の願いの裏に潜む願いすらも叶えようとする。 叶えることが不可能と判断した場合、契約を返上する。 なお、福路美穂子の肉体は既に死亡しているが契約により生かされている状態である。 また、何らかの理由でレイニーデビルが去った場合、福路美穂子は死亡確定となる。 福路美穂子の願い 表1:平沢唯を守る 裏1:主催者を殺す(主催者の一人である遠藤の声に反応する) 【ヴァン@ガン×ソード】 [状態]:健康、ダンを奪われた怒り [服装]:黒のタキシード、テンガロンハット [装備]:ヴァンの蛮刀@ガン×ソード [道具]:基本支給品一式、調味料×大量、徳用弁当×6、1L入り紙パック牛乳×5 [思考] 基本:ダンを取り戻す 0:なんで俺がついていかなきゃならねぇんだよ?! 1:また宇宙開発局を目指す 2:機械に詳しい奴を探す 3:向かってくる相手は倒す 3:上条当麻を探して殴る 4:主催とやらは気にくわない [備考] ※26話「タキシードは明日に舞う」にてカギ爪の男を殺害し、皆と別れた後より参戦。 ※ヴァンは現時点では出会った女性の名前を誰一人として覚えていません。 ※死者が蘇生している可能性があることを確認しましたが、結論は保留にしました。 ※馬イクに騙されていることに気付きました。 【伊達軍の馬@戦国BASARA】 [状態]:イノベイターの兆し [服装]:なし [装備]:傷ついたゲイボルグ(メタファー) [道具]: [思考] 基本:ヒヒーン 1:アレ?声が出ない?! [備考] ※バイクのハンドルとマフラーっぽい装飾類を失くしました。見た目では普通の馬と大差ありません。しかし、色々な意味で「馬イク」です。 ※主催の調教の効果消失。乗せる人間をある程度選ぶようになりました。 ※GN粒子の影響下において意思の交信が可能です。こちらが伝えようと思ったこと以外は相手に伝わりません。可能領域・限界時間については不明です。 ※GN粒子の影響で身体に変化が起きました。少なくとも身体能力や新陳代謝は向上しています。 ※女性によって急所に大ダメージを負った事で女性恐怖症になりました。 人の生死は、どの瞬間に決まるのであろうか。 現代医学においてすら、その境界線は定まらない。 死は誰の上にも降り注ぐものでありながら、その実態を知るものは誰ひとりとして居ないのだ。 平沢唯の身に起こった事態は、そういった神の領域での出来事。 だが、これは珍しいことでは決して無い。 臨死体験を経験した者は数知れず居るし、虫の知らせを経験したものも多いだろう。 これが平沢唯のただの夢であるか、完全なる予知夢であるか、 何らかの手段で得た魔術であるか、GN粒子なら仕方ないのか、 結界の歪みが生んだ結果なのか。 それは神のみぞ知る、もしくはのちの書き手さんのみぞ知ることなのだ。 【平沢唯@けいおん!】 [状態]:健康 [服装]:桜が丘高校女子制服(夏服) [装備]: [道具]:武田軍の馬@戦国BASARA [思考] 基本:みんなでこの殺し合いから生還! 1:あずにゃんからの伝言も伝えたし、みほみほと一緒にギャンブル船にGOGO! 2:妹を探す。でもどんな状況にあるかはあんまり考えたくない…… 3:澪ちゃんにまた会ったらどうしよう…… 4:魔法かあ……アイスとかいっぱい出せたらいいよね…… [備考] ※東横桃子には気付いていません。 ※ルルーシュとの会話の内容や思考は後の書き手さんにお任せ ※浅上藤乃と眼帯の女(ライダー)の外見情報を得ました 時系列順で読む Back 「無題」じゃあ今いち呼びにくい! このシュトロハイムが名づけ親になってやるッ! そうだな……『メキシコに吹く熱風!』という意味の「サンタナ」というのはどうかな! Next 裸だったら何が悪い!~ヒイロ―! ヒイロ―!~(前編) 投下順で読む Back 「無題」じゃあ今いち呼びにくい! このシュトロハイムが名づけ親になってやるッ! そうだな……『メキシコに吹く熱風!』という意味の「サンタナ」というのはどうかな! Next 裸だったら何が悪い!~ヒイロ―! ヒイロ―!~(前編) 165 揺れる片の眼 悲を呼ぶ邂逅!(後編) 伊達政宗 190 旋律の刃で伐り開く(前編) 165 揺れる片の眼 悲を呼ぶ邂逅!(後編) 平沢唯 192 パンドラを抱きし者 165 揺れる片の眼 悲を呼ぶ邂逅!(後編) 福路美穂子 192 パンドラを抱きし者 165 揺れる片の眼 悲を呼ぶ邂逅!(後編) ヴァン 192 パンドラを抱きし者 165 揺れる片の眼 悲を呼ぶ邂逅!(後編) 伊達軍の馬 192 パンドラを抱きし者
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ぶっ生き返す/ふわふわタイム(前編) ◆zZobvbdlGE ◇ ◇ ◇ ◇ いささか物騒な邂逅を果たしたルルーシュとモモであったが、 今は凪の海のように穏やかな雰囲気で食事を取っている。 無論海中にはどんな海流が渦巻いているか定かではないが、 表面上は朝日を浴びながら朝食を取るワンシーンがそこに有った。 2人はキャンプ用の折り畳み椅子に腰をかけ、丸いテーブル上の皿に盛りつけられた食事に手を伸ばす。 クロワッサン、バターロールにトーストはもちろん、温かいスープにハムやサラダ、目玉焼きにオレンジジュース、 ティーポットに沸かされた芳しい香りと湯気を立ち上らせるダージリンティーまで用意されている。 1日の始まりからエネルギーを多めに補給しようという意図が見て取れる。 「次はいつ食事に有りつけるか分からないからな。栄養は取れる時に摂取しておくのがいいだろう。 食事は喉を通るようでなにより――――なぁ桃子。」 「……意地悪な言い方っすね。私にはしょんぼり落ち込んでる暇なんてないんすよ。 絶対先輩を生き返らせて見せるんす……!」 「100%とは言い難いが、奴らがそういう力を持っている可能性は十分あるな…フム、上々。」 紅茶の香りを楽しんでいたルルーシュがカチャっと音を立ててカップを皿に置く。 モモは大皿に盛られたサラダを小皿に取って、 香り豊かなゴマだれ風味のドレッシングをかけている。 「それにはまず情報が必要だ。危険人物の特徴や力が分かれば生存率は上がるからな。」 「……分かってるっすよ。クチビルさんとは結構いい情報交換が出来たじゃないっすか。」 「ゼロや危険人物の情報が得られたのは僥倖だったな。ゼロの件はまぁ…今となってはどうでもいいことだ…」 ルルーシュは夜明け前に偽物のゼロによる演説を聞き、必ず殺すと怒り心頭だった。 “自分とは異なった世界から数人単位で連れて来られている” という情報を知らなかった為だ。 ルルーシュはスタート時に電車の中に転移させられて、平沢憂と出会うまで他の参加者に出会う事が無かった。 黎明に偽物のゼロによる放送を見た時は、自分が生きてきた世界以外の存在など予想もしなかった。 “悪逆皇帝”の悪名高さ故に、他の参加者と出会う事は接敵と同義であると考えていたのだが、 平沢憂は、ルルーシュの顔を見ても何ら反応する事はなかった。 顔を見るなり威嚇の為に機関銃を撃ち掛けた為、腰が引けていたが、 それでも“悪逆皇帝”の顔を見て驚くような事はなかった。 “悪逆皇帝”を少女だから知らないという事はない。 それだけの眼を瞑りたくなるような、耳を塞ぎたくなるような悪行を繰り返したのだ。 逆らう者は一族郎党皆殺しにして、徹底的に殲滅した。 世界中に、天空要塞ダモクレスと強大な兵力を持って、恐怖を徹底的に叩きこんだ。 ――――そう、救世主ゼロが悪に鉄槌を下し世界を救うまで。 それだけでは確証は持てなかったのだが、船井譲次という男と情報交換をしたことで、更に信憑性が増した。 【平沢憂、平沢唯、秋山澪、田井中律、琴吹紬、中野梓、伊藤開司、利根川幸雄、安藤守、船井譲次】 …彼らは同じ世界の人間の可能性がある。 女子高生は帝愛などと言う闇金の存在を知らないかもしれないからだ。 日本が存在する世界、ナイトメアフレームが跋扈する、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの世界、 遺書を残して自殺した男、カギ爪の男が住む惑星エンドレス・イリュージョン。 少なくとも3つの世界から参加者は呼び出されていると類推するできる。 そして… (船井と情報交換していた間、琴吹紬がうわ言で喚いていた、“浅上さん”、“凶げないで”というキーワード…… “浅上さん”は浅上藤乃の事、“凶げないで”は…恐らく人を凶げないでか…) 人を念力の様なもので捻じ切ったら、ああいう感じで傍の人間に返り血が飛ぶだろう。 (仮に歪曲としよう…ギアス能力者にはそういう力は宿らない。 ギアスは全て例外なく脳や精神に影響を及ぼす力だ。) もし浅上藤乃…エリア11の人間がそういう力を持っていたら、100%ブリタニアの敵になっていただろう。 それだけブリタニアによるの植民エリアへの統治は苛烈だった。 (浅上藤乃も3つとは別の世界の人間か…日本の戦国武将やセイバー、アーチャーなどといった一定の法則を持った参加者。 これを人括りにすると…戦国武将、ユフィの召喚… 参加者は、知人の死によって影響を受ける7人から5人程度の人間を一群として、複数の世界、時空から召喚されている。) ルルーシュは情報の断片から、参加者が複数の世界、時間から数名単位で召喚されていると推論を立てた。 そんな思考の変化もあって、やりたければ自分の世界に帰って勝手にやればいいというスタンスになっていた。 ルルーシュの世界では意味を持つ仮面も、他の世界では腕のいい職人が作った高性能な仮面でしかない。 そのことよりもスザクやC.C.、ユーフェミアと合流する事を最優先に考えていた。 「とはいえ、必ず障害になるだろう。優勝を目指すお前の敵であることには変わりはない。」 「有無を言わせず銃で撃って来たっすからね。私もそう思うんすけど、 クチビルさんも模倣犯と殺しの罪をゼロに押し付けるような人を警戒してたっすよ。」 モモが船井のベンツに同行していた間、理解しているかも定かではない唯を相手に、 船井が自分に言い聞かせ再確認するように考察を語っていた事を思い出した。 「当然だ。俺たちが見かけるゼロは船井が遭遇した奴とは別の人間かもしれないぞ…? そうだな…ゼロのマントが手に入った事だ…いっそ俺たちでゼロをやるのもいいな。 “狐”と“泥眼”と“夜叉”の面ならスーパーで支給品バッグに入れたはずだ。」 冗談めいた言い方をしながら、3つの面をモモに見せてきた。 この会場に来ているルルーシュの知人はアーニャ以外全員ゼロの正体を知っている、 この戦場に限って言えばゼロが悪の代名詞、参加者に恐怖を与え、戦いを煽る存在として流布されるのも悪くない。 あの放送を利用できないか考え始める。 「ふんふん…それもいいかもしれないっすね。第一の模倣犯になろうって訳っすか。」 モモは目の前に座る男こそが、真のゼロである事に気が付くこと無く軽く納得した。 「一つ質問なんすが、クチビルさんと情報交換して直ぐ船に戻った筈なのに、どうして私より後に帰って来たんすか?」 「さぁ、なぜだろうな…?」 モモの質問にルルーシュは首を傾げて、誤魔化すように口元だけで笑った。 「ちょっと、ルルさん恍けるのはやめるっすよ。」 「これを聞けば、お前は1人でここから出ていくかもしれないな。」 「行かないっすよ…私には他に行くところなんて無いっすから。」 ルルーシュは分かったと言うように目を伏せて、席を立ちあがり船室の中に入って行った。 少しして戻って来たルルーシュの手に何かが握られていた。 手で握るのにちょうど良いサイズで、チェスのキングを模したスイッチの様なものと、 心臓程の大きさで、機械の付いた透明な容器にピンク色の液体が入った得体のしれない物だった。 「この船はな…流体サクラダイトという物質を使って動力を得ている。」 「流体…何っすか…?」 よく分からない単語がルルーシュの口から出た事に、モモが疑問を差し挟んだ。 ルルーシュの世界では都市の発電やナイトメアフレームのエナジーフィラーなどに使用され、 その保有量がそのまま国家のパワーバランスに繋がる貴重な物質だが、モモは見た事も聞いた事も無い。 「サクラダイトだ。俺の世界ではエネルギーによく使われるレアメタルだ。」 「それで “流体サクラダイト”とやらがどうしたんすか……?ん……まさか…そのピンク色の液体が入った機械は…」 モモは今までの会話でルルーシュのやりそうな「ある事」が推測出来てしまった。 「フハハハハ…!お前分かって来たな。その通り…!サクラダイトを使った爆弾を幾つか作った。 船は後25キロしか移動できなくなったが、海を移動できるのは今だけだ。いずれ禁止エリアばかりになる。」 「……!!まさかとは思ったっすけど…やっぱり爆弾だったっすか……」 「爆弾の起爆もそうだが、船のミサイル発射管も取り外して、このスイッチで発射させるシステムも構築した。」 ルルーシュは自慢するように手のひらの黒いチェスの駒を模したスイッチをモモに見せる。 「チェスのキングっすか?支給品バッグってホント不思議っすね…私はルルさんに会うまで知らなかったっすよ。 まさか船があって、こんなに朝ご飯が食べられるなんて思わなかったっす。」 「支給品だけ武器という訳じゃないだろ…?消化器だろうが民家に有るナイフだろうが、ようは使い方次第だ。 この心臓大の爆弾一発で半径10m位は消し飛ぶ。灯油のポリタンクをそのまま使った特大の物も2つ用意した。 これならば宇宙開発局の展示場、タワーレベルの建物なら土台から崩せるだろう。」 ゼロであった頃も皇帝になった後も、爆発物を使い建物を崩壊させたりする機会が異常に多かっただけに、 爆薬の威力や、製造方法、何処にセットすれば建物を崩壊させられるかなど、十分すぎるほどに熟知していた。 敵の虚をつく爆破のタイミング、それによる戦局の崩し方などは神がかり的ですらあった。 黒の騎士団で自分が使っていた揚陸艇が手に入ったことでカードが揃いつつある。 「ウソ…っすよね?正直、手榴弾程度だと思ってたっすよ…」 「事実だ。この心臓大の物を1つ船井の車の下に取り付けてきた。 車の構造に詳しい奴でないと気付けない程度だが…排気管の類に見えるよう偽装してある。」 モモは意地の悪い気持ちで悪巧みを聞いていた表情を一変させ目を見開いて驚いた。 ルルーシュは何事も無かったかのように、再び紅茶のカップを手に取り一息付いている。 咄嗟にはそれが何を意味するのか理解できなかった。この人は一体何を言っているのだろう? 理解できる言語で話しているはずなのに、モモのこれまで培ってきた常識が、それを理解する事を許さなかった。 「“これ”と後2つ…この船に有ったパーツ類で作った盗聴器、発信機を船井の車に取りつけてきた。」 「無茶苦茶するっすね…?」 モモは驚きを通り越して、「おかしい」とか「異常」だなどと、突っ込む気も起こらなかった。 そんなモモをルルーシュは気にすることなく、またまた支給品バッグから古臭いCDプレイヤーを取りだした。 突然出てきたCDプレイヤーにモモは疑問を隠せない。 「外見上は、ただの大きく古いタイプのCDプレイヤーだが中身は全く違う。これは発信機と盗聴器の受信端末だ。」 「どうやって使うんすか…?」 「CDを聞くプレイヤーとしても使えるよう偽装してある。このイヤホンは当然だが盗聴した音声を聞くものだ。 発信機に関してはこのリモコンの液晶に、移動速度と矢印で上下左右斜め8方向の内、 どちらに移動しているかが現れるようになっている。」 モモがそれを見て中をのぞいてみるとCDが入っているのが見える。 蓋を開けるとCDには「ジン 解読不能」と書かれていた。 電源を入れて液晶をモモが見ると、今は移動速度50、↑と文字が表示されている。 「へぇー…あのベンツが襲われたりしたら、どの辺で襲撃を受けているか分かるっすね。」 「そうだ。この戦場で一番大事なのは殺しの数でも、徒党の人数でもない、情報だ。 襲撃者のおおよその位置、能力、武装、特徴などが分かれば遭遇を回避し、対処する事も出来るだろう…?」 「クチビルさんたちは露払いっすか…」 「そんな所だ。位置情報と車内の音声で火器による襲撃か、魔法の類による襲撃か分かるだけで大分違う。 フフフフ…アレはもう快適な移動手段なとではない、走る棺となった…」 ―――――そして…棺の上に乗るような罰当りにも消えて貰う… 「……」 ルルーシュは遠回しに、車に襲撃者が取りついたら爆弾を作動させると言い切った。 モモは加治木ゆみの復活を目指して全てを討つ覚悟を決めたつもりだったが、 例え同じ物を支給されたとしても思いつく事も無かっただろう。 「フハハハハ…!しかし船井も大失態だな。」 「何がおかしいんすか…?」 衝撃的な事実をあっさり語り、悪びれることもなく声を上げて笑い出したルルーシュに、モモは怪訝な表情をした。 「あの疑り深い男が、俺が憂を連れているように姉を連れて居るんだからな。 御同類が居るとは、笑いをこらえるのが大変だったよ。大した情報を出さなかった俺を見て油断したな。」 「人の悪そうなクチビルさんが、保父さんみたいになってたっす。」 「足手纏いの御守りで大事なことを見落とすとはな。」 「天然さんに、発作の様に取り乱す人を背負い込んでるっすからね。」 船井達に見つからないように、姿を消して彼らの一部始終を見ていたモモは、その光景をありありと思い出していた。 「だが…そろそろ足手纏いは切り時と考えているだろう。この辺が奴の限界…」 「あっ…!そう言えば…その話に出たゴスロリさんっすけど、どうするんすか…?」 モモは「俺が憂を連れている」という言葉を聞いて、思い出したように話を切り出した。 ルルーシュが薬局で船井や唯たちと出会って情報交換をする所や、 ある思惑から平沢姉妹を会わせまいとして、憂を船に戻そうとしていた所をモモは一部始終見ていたのだ。 予め船の中に潜んでいたモモがルルーシュを銃で脅して揚陸艇を出させたせいで。 揚陸艇を繋いだ所に戻っていなかった憂を、薬局から揚陸艇が止めていたあたりに放置してきてしまった。 「正直男1人と存在感の薄い女1人では怪しい。なぜこれだけ時間が経っているにも関わらず1人なのか… よく見るともう1人女がいるじゃないか…しかもこんな船までどうやって……これが俺たちに出会った者の思考だ。」 「なるほど…ゴスロリさんは餌っすか…?ルルさんって本当に人間っすか…?」 先程からから不穏当な発言ばかりするルルーシュにモモは毒を吐いた。 「何とでも言え…分かっているようだな。 人を殺して不安定になっていた所を拾ってやったんだが、駒として使えそうにない。」 「……!」 「まぁ肉の盾や正義感の強い男をその気にさせる誘蛾灯の役割ぐらいが関の山だろう。」 「サラっと言うっすね……」 「今更お前に隠しても仕方ないだろう…?優勝狙いの癖に温い事を。」 ルルーシュが挑発するような言葉を投げかけるとモモはスネたように睨んだ。 (この人「悪い人」じゃない。極悪人っすよ…!爆弾…?人を殺すことに全く躊躇が無いっす。 頭はキレるし、他人を簡単に切り捨てられる人……クチビルさんご愁傷様っす… この選択良かったんすかね…?先輩……) それを受け流してルルーシュはカップに口を付けて、ダージリンティーの香りを楽しんでいる。 「ふん…イヤな感じっすね。で…ゴスロリさんは迎えに行くんすか…?」 「捨て置くという選択肢もあったが、いた方が徒党を組みやすい。まぁ保険だな。」 「何度も同じ所を行ったり来たりしてるっすねー。」 モモが投げやりにそんな言葉を返すと、ルルーシュが少し不機嫌な顔をした。 「お前が言うな…今船は戻りつつある。停泊は岸から100m程の海上が限界だ。」 「いつまでもプカプカ沿岸に浮いてると危ないっすからね。」 「フッ…警戒心が強いのは結構なことだが、視野狭窄と言わざるを得ないな。 俺は上陸前に薬局周辺の人影を入念にチェックした上で、揚陸艇を泊める所を決めたんだよ。 俺たちが船から離れている間に、薬局から揚陸艇までの間で戦闘が行われた形跡はなかった。 それに俺が奇襲や伏兵による襲撃を受けていないことから考えて、あの時点では安全地帯だった…という事。 船にはとんだ子猫が忍び込んでいたようだが――――」 ルルーシュはパンにバターを塗りながらモモにチクッと刺を差す。 「…。女の子を子猫呼ばわりとはキザな人っすね。」 「こういう仕様だ。ほっておけ。」 ◇ ◇ ◇ ◇ モモはフォークで突き刺したハムを口に運んで、ちょぼちょぼと咀嚼している。 テーブル上の皿に幾つも盛りつけられた料理をバランス良く食べて、オレンジジュースで喉を潤す。 少し前にルルーシュの背中に銃を突きつけた事を忘れたように、投げやりで力の無い口調で会話を続けている。 ルルーシュも一時命を握られた事を気にすることなく、スラスラとモモ相手に憂をどうするかを説明すると、 置いてあった重厚な機関銃から、その上部に据え付けられたスコープを取り外した。 「岸から250m程の海上に停泊して、これで1時間監視…来なければ憂は置いていく。」 「で、行き先は?また工業地帯の方に行くんすか?」 「フン…何度同じ所を行ったり来たりするつもりだ…?そんな時間のロスはもう許されない。 こうしている間にも自衛の為のグループや徒党が出来つつあるだろう…後になればなる程入り込むのは難しくなる。 丁度隣のエリアだ、先に政庁を調査したい。確認したい事もあるしな…」 「確かにその通りっす。皆1人では限界を感じて仲間が欲しいと感じるはずっすから。」 ルルーシュは先刻の放送で、名簿に表記されていない参加者として追加で名を呼ばれた、 ユーフェミアの動向を気にしていた。 (悪趣味なこのゲームの事だ、ユフィをここに召喚した時期は間違いなく“あの時”だろう。 そうでなければ虫も殺せない彼女を参加者にしても、死体が一つ増えるだけだ。 どういう基準で集められたのか、この会場には日本人と思われる名前が多い。 ユフィが強力な戦闘力を持つ者に “あの命令”を実行して返り討ちにさせる訳にはいかないし、 その者の命を奪ってしまっても状況は最悪だ。ユフィが行きそうな所を探すしかないな。) モモが返事をするまでの一瞬で思案した。 「――――いい答えだ。頭は回るようだな。」 「私だって1人では限界だったからこそ、ルルさんに声をかけたんすよ。」 「声かけたというのか…?あれを…?」 ルルーシュの出来のいい生徒を褒める様な言いように、茶目っ気が出てきたモモはしれっと「声をかけた」と答えた。 そう言いようにルルーシュはじと眼でモモを見る。 「まぁいい…戦力は確認しておきたい。お前の能力は姿を消すことか…?」 「能力とかそういうのとはちょっと違うっす。学校とかにいるじゃないっすか…? 毎日同じ教室に通っているのに顔や名前を覚えてもらえない、存在感が薄くて休み時間にいつも一人でいるような… 1人で居る事に慣れて、煩わしさからコミュニケーションを放棄していたら、周りの人に全く認識されなくなったんすよ。」 「存在感が希薄な特性が極端になったものが、その光学迷彩じみた“ステルス”というわけか。」 モモの語る言葉に納得したように、ルルーシュが顔の横に手を添えるお決まりのポーズを取る。 「ルルさんは麻雀をやるっすか?」 「麻雀をやるか?」というモモの唐突な質問に、ルルーシュがハッと何かに気付いたような顔をした。 「ん…?フハハハハ…!そういうことか。存在感の薄いお前を、例の加治木ゆみが誘ってくれて学校で麻雀をやっている。 卓を囲んだ相手はお前の振り込みに気付かない…か。なるほどな。」 「ご名答…流石ルルさんっすね。麻雀と言っただけなのに一瞬でそんな事まで分かる解るんすね。」 麻雀という言葉だけを聞いて直結で答えに行きつくルルーシュの頭脳にモモは舌を巻いた。 これから加治木先輩とモモの関係、モモが麻雀を打つと局が進むにつれ対戦相手に捨て牌が見なくなり 勝手に振り込む、という話をするつもりだっただけに、思考を先読みされたような気がして戦慄した。 感情を排したデジタル的な判断力があり、驚異的な頭の回転で未来予知じみた思考の先読みすらするような人が、 本気で麻雀を打てばどんな打ち手になるんだろうとモモは思った。 「麻雀か…?ネット麻雀をやっていたことがある。俺はギャンブルと名のつくものには1度も負けた事はない。 チェスだけは幼い頃年の離れた兄に何度も負かされたが最後には勝ったしな。」 「へぇ…ルルさんって何やってる人っすか…?」 最後の対局だけはチェスではなかったのだが、ルルーシュはそれを億尾にも出さずチェスと言い切った。 「その他ポーカー、ハイアンドロー、ブラックジャックにルーレット、競馬にパチンコ、パチスロ…チンチロリンまで… 違った人生があったならギャンブラーになっていたかもしれないな。」 そんな事をルルーシュが何か懐かしい物を思い出すような顔をした。 アッシュフォードの学生だった頃はリヴァルのサイドカーに乗り賭場に繰り出していた事、 非合法の賭けチェスやギャンブルの類で自分とナナリーの生活費を稼いでいたなと思いだしていた。 眼を閉じれば浮かんでくる。 傍には何気ない日常があり幸せだった過去の走馬灯に幸せそうな表情を初めて見せた。 鬼畜の類だと思っていたルルーシュの柔らかい表情を見たモモは眼を見張り、緩く握った手の甲を口元に当てて笑った。 「うふふ、違った人生じゃなくても、ギャンブラーになればいいじゃないっすか。」 「フフ…まぁ…それは言っても仕方のないことだ。麻雀は打てる。で…それがどうした?」 作為の無い笑顔すら見せるほどルルーシュの態度と物腰がまた少し柔らかくなる。 「私たちの世界では麻雀が世界的な競技になっていて、中学や高校の部活で麻雀部っていうのが多いんすよ。 毎年全国大会が行われて強豪校なんて呼ばれている所も幾つかあるっす。 それはテレビでも中継されたりもして、大会で活躍した人や強豪プロは世間で栄誉と称賛を一身に受けるんすよ。」 「ほぉ……麻雀が強ければ……か。なんとも平和な世界で羨ましい限りだ。」 その失礼な言いようにモモはむっとした顔をする。 「平和で悪いんすか…?そんなの分かんないっす。自分の世界の事しか知らないっすから。」 「まぁ…そうだろう…すまないな。」 ルルーシュは自分の世界との文化の違いに気の抜けたような、感心したような声を上げる。 同じように学校の制服を着て、年齢も左程変わらないはずなのに、 血で血を洗う生涯を送って来た自分と、この少女の違いは一体どれだけなのか? 想像する事も馬鹿らしくなって思考を遮断した。 「だが…そんな世界なら居るんじゃないのか……?存在感が薄いというだけのお前に“ステルス”が宿るんだ… そういう不利を物ともしない魔物……麻雀の主の様な奴が――――」 再びルルーシュの瞳は鋭くなり表情から笑みが消える。 モモの知りうる情報は全て絞り出す為、真剣に語りかけた。 「……いる…全国なら当然。確かに居るっす…県大会でも決勝レベルからチラホラ…って感じっすよ。」 「ギャンブル船はペリカを求める参加者を集める餌の類だと憂には言ったが……なるほど、認識を改めなければな……」 ルルーシュは判断を誤った…失態を犯したかもしれないと思った。 憂の申し出を反故にした事は過ちだったか…?情報が不足していた事も理由の一つだが、 もう少し熟慮するべきだったのだろうか? 麻雀しか能のないような少女たちを殺人ゲームに放り込む理由は何だ……? “金で魔法を買った” というこのゲームの根底…コンセプトについてモモと会話をしながらも深く思案をし続ける。 「お前たちの世界からは、ここに何人来ている?」 「スタート前に頭を吹き飛ばされた龍門渕桃華、加治木先輩と…風越のネコミミさん…清澄の部長さんは… もう……いないっす…後は……私、風越のキャプテンさん、そして――――龍門渕の天江衣がいるっす……」 モモは泣き出しそうな暗い顔をして、愛する先輩と知った人間の戦線離脱を口にする。 そして最後にその名を絞り出した。龍門渕の天江衣と…… 「ありがとう。だが、あだ名は止めろ。ネコミミと清澄の部長、風越のキャプテンの名は…?」 「ネコミミさんは池田華菜さん、部長さんは竹井久さん、風越のキャプテンさんは福路美穂子さんっす。」 池田華菜、竹井久、福路美穂子…確かにルルーシュの記憶と照合すると一致する名前だ。 「確かに放送で呼ばれた名だな。福路美穂子、天江衣か……どんな打ち手だ…?」 「福路さんは卓で起こっている全ての状況を見透かしたような打ち回しをして、他家を使って場を操ったり、 その驚異的な洞察力で危険牌を回避したりするっす。」 「お前の“ステルス”に対して神眼と言ったところか…?俺の打ち回しに近いかもしれないな…」 ルルーシュは福路美穂子の打ち回しを聞いて、自分が打つ時のスタイルと似ていると感じた。 モモは再び話を続ける。 「そして魔物じみているのは天江衣……上がる時は必ず海底が付くんすよ。鳴いてズラしても引いてくるっす。 天江に場が支配されると他家は副露も出来なくなって、テンパイ率も異常に下がってしまうっす。 ここにはいないっすけど清澄の嶺上さんはカンをすると王牌が殆どドンピシャで、数え役満を上がったりしてたっす。 後おっぱいさんと嶺上さんには“ステルス”が効かなかったっす。」 「おっぱいさんって誰だ…!?名前で言え!しかし確立や場の運機を我が物にするような奴がいるのか… 麻雀以外の勝負事でも発揮されそうだな。」 「そういう訳っす。ステルス”位ではどうにもならない魔物みたいな人達なんすよ。」 そう言いながらもモモは嬉しそうな表情をしていた。 残念ながら県大会で負けてしまったせいで、今年の全国には行けなくなってしまったが新しい目標が生まれた。 「そういう割には嬉しそうだな…?強い相手と戦うのは望む所と言う訳か…?」 「先輩は生き返っても卒業しちゃうっすけど、私はもっと強くなって来年は必ず全国に行きたいんすよ。」 ◇ ◇ ◇ ◇ 「大体お前達の事はよく分かった…そろそろさっき揚陸艇を止めた所が見えてきたな。 お前の責任だ。そのスコープで覗け、憂を見つけたら直ぐに岸に付けて回収する。」 「回収する」という言葉にモモは苦い物を飲んだような嫌な顔をした。 「回収っすか……あーあ。正直ルルさんと一緒に来たのは失敗だったかもしれないっす…」 「そうか…?俺はそうは思わないな。割といいコンビになるかもしれないと思っている。それには――――」 「ふん、それには……?」 柔らかい表情を浮かべていたルルーシュの顔から冗談の色が抜け落ち、鋭い眼光がモモを射抜いた。 出会ってから初めて見る本気の眼に緊張が走り、弛緩していた全身が硬直する。 比較的穏やかだった空気はピンと張り詰めモモの生唾を飲み込む音が聞こえる。 弱き人々を駆り立て幾度も奇跡を起こし希望を与えてきた男、世界中に暴虐と悪意を振り撒き絶望に叩き落とした男。 それはどちらでも変わらない… ―――――――――――――ゼロであった時の、皇帝ルルーシュであった時の矜持。 「撃つ覚悟と撃たれる覚悟……それをお前に求めたい。」 「撃つ覚悟と撃たれる覚悟……」 「――――そう…!このゲームを本当に勝ち抜きたければ力を示せ……!!」 「力っすか……そんなの……」 強い口調で煽るルルーシュにモモが自信のなさそうな表情を浮かべた。 女子高に通う普通の少女であるモモに出来る事と言えば麻雀ぐらいのもの。 先輩は雀力を買って勧誘してくれたようだが、恐らくそれすらも“ステルス”なしの平手で打てば、 大会で当ったような強豪にはほぼ負けるだろう。 存在感の薄さゆえに周りの人間に気付かれないという特性、“ステルスモモ”だからこそ先輩の力になれたのだ。 「勝ち残るためには他の参加者を蹴落とさないといけない…そう言いたいんすか? 私には“ステルス”以外力なんて無いっすよ…」 「力とは暴力や戦闘力の事ではない。戦う覚悟、決意、罪から逃げない勇気…つまり思いの力だ。」 「覚悟はしてるっす…絶対に生き残って先輩を生き返らせたいんすよ……!」 モモはスカートの上に組んだ小さな拳を握りしめて、改めて自分の願望を打ち明ける。 「桃子、お前は本当に引き金を引く事が出来るか…? 憂は1度引いたがもう無理だろう。自分の心を守るのに精一杯だ。次は撃てない――――」 モモの決意を試すようにルルーシュが問いかけを続ける、修羅の道を逝く覚悟が有るのか無いのかを… 「加治木ゆみただ一人を蘇生させる為に他人の屍を踏み付けにして、泥水を啜ってでも生き残る… 優勝すれば死者の復活という不確定な事象に自らを投げ込み、殺人を犯し続けたとして、 お前はその罪に耐えられるのか?その重みを引き摺って先に進む事が出来るのか…?」 モモは掴んだスカートをぐしゃぐしゃにして言葉を絞り出した。 「そんなのやってみないと…分からないっす。人なんて殺した事なんてないっすから。」 「皆過ちで人を撃つことは容易く出来るが、覚悟して敵を撃ち続ける事はなかなか難しい。 その引き金…俺が引いてやろうか…?俺の名の下に敵を討てばいい――――― これから憂を回収したら言ってやるつもりだ、お前は悪くない……俺が命じると…な。」 その双眸は全く感情が感じられないほど無機質だが、口元だけは笑っていた。 「………ッ!!それは…いけない事っす……!やっぱり私が引き金を引いたら私のせいなんっすよ……! いくらルルさんの命令だったとしても、私の罪ってことには変わりはないっす……!!」 その重荷を俺が代わりに持ってやろうかという甘い誘惑を、モモにしては珍しく強い口調で拒否する。 幸薄く内気で引っ込み思案な目立たない人間だと言っていたのに、 まっすぐ眼を合わせてくるモモを見てルルーシュは感心するような顔をした。 「東横桃子お前の覚悟に敬意を表そう。 緊急事態の時はお前に攻撃を命じるかもしれないが、引き金はお前が引け。いいな?」 モモは覚悟を決めて傍に置いてあったブローニング・ハイパワーを握りしめた。 「はい。私は自分の意思で引き金を引くっす……!」 「最後に…他人の屍を踏み付けにして進むものは、自らも撃たれる覚悟が無ければならない。 修羅の道を逝く覚悟はあるか…?」 「修羅道でも地獄の一丁目でも逝ってやるっすよ…!加治木先輩が死んだって聞いて私も一回死んだんすから。 死んで先輩に会うか、生き返らせてから会うかの違いしかないっす…!!」 「フハハハハ…!やはりいいコンビになれそうだ。これは何処の誰が仕組んだ組み合わせだ…? 展開次第では本当に俺かお前どちらかが生き残るかもしれないな。」 堅いルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの表情から一転、悪戯っぽい顔を見せて笑い声を上げた。 戦う決意、敵を撃つ覚悟を決めた“ステルスモモ”これ程の駒は中々手に入らないだろう。 チェスの駒で言うならさしずめビショップと言ったところか。 「私も生き残るのは剣や魔法を凄い力でブンブン振るう人じゃなくて、 ルルさんみたいな人なんじゃないかって思うっすよ。」 しかしルルーシュはここまでモモを煽ってはみたものの、何か引っかかりを感じる。 「とは言ったものの…メデタシメデタシとはいかないな。その決意が“ステルス”を消す恐れがある。」 「確かに激情に駆られて人に襲いかかったりしたら、丸見えになっちゃうっす。」 大きな泣き声のせいでレイ・ラングランと遭遇した時の事を思い出して口にした。 「やる気満々な所申し訳ないが無気力、無味、無臭の方が“ステルス”は強く発揮されそうだな。 サラっと行けばいい、ただのゲームだと思えばいい。」 「ゲーム脳も大概にしてください…!さっきからなんなんすか…? 爆破だの駒だの、覚悟しろって言ったり、やる気出すなって言ったり…」 「ゲーム脳だと…?まぁいい…やる気を出さずに“こう”すればいいだろ…? 若しくは…そうだな…麻雀で対局相手の危険牌を捨てる時の感覚だ。」 ルルーシュ笑みを浮かべながら指で銃の形を作って撃つようなジェスチャーをした後、 思案してモモに麻雀で危険牌を切る時の感じで行けと牌を切るような仕草をした。 「なるほど…ちょっと今やってみるっすよ。」 モモがそう言って集中したような顔をすると、希薄だった気配が更に薄くなり、遂には見えなくなった。 その光景に数々のギアス能力者を知っているルルーシュも驚いたような顔を見せた。 光の屈折や、目の錯覚みたいなそんなチャチなものでは断じてなかった。 傍に居るはずのモモが透明人間のように完全に消えたのだ。 「これが正真正銘の“ステルス”か…やるじゃないか。足音を立てるように歩いてみてくれないか…?」 「了解っす。」 声を出す為に頭から肩までを幽霊のように出し、また消えていった。 見えている部分も首から下は煙のように捉え所がなく、肩から下は完全に消えていた。 「歩いてるっすよ。どうっすかね…?」 「参加者には気配に敏感な奴もいるだろうが…これは…そういうレベルじゃないな。 気配だけじゃない…音や匂い、人が動いた時に発生する風なども全く感じない。」 匂いという言葉を聞いた瞬間、モモは顔を赤くして“ステルス”を解除した。 「ちょっと…匂いって!やめるっすよ…!恥ずかしいっす。」 「誤解するな…!そういう意味じゃない。本当に無気配、無味、無臭、無音だった事に驚いている。 俺も憂も探索に行く前に体を流した。気になるならお前も体を流してこい。 格納庫に熱湯とシャンプーとボディーソープがある。水で調節して適温にするといい。しかし… それは憂を船に乗せてからだな。」 「後で頂くっすよ。さっきの“ステルス”はここに来てから一番調子が良かったんじゃないっすかね…?」 本気の“ステルス”を解除したばかりだからなのか、まだ腕のあたりが煙の様に揺らめいている。 モモは腰に両手を当てて胸を張り得意げな顔をした。 「そうだろうな。船井達を追跡していた時は、余計な事を考えていただろう…? “ステルス”を使う時はその意識を忘れるなよ。」 「南場で完全に消えてバタバタ危険牌を切る時のあの感覚っすね。」 「そう平常心を心がけろよ。冷徹、非情…自らの精神を完璧な状態に保たなければならない。 人を殺す前の緊張や、殺した後のショックで心を乱したら死ぬと思え。」 「そうっすね。叫びながら人に襲いかかるなんて“ステルス”とは程遠い行動っすからね。気を付けるっすよ。」 モモは何かに納得したように真剣な面持ちで頷いた。 加治木先輩を捩じ切って惨殺した浅上藤乃と出会った時、私は平静でいられるのだろうか…? いや、そうしないといけないんだ、例え仇が相手でも取り乱したりしてはいけない。 私の目的は復讐じゃない、そう…邪魔者を消して優勝にたどりつくことだ。 モモはその先を見る事を決意した。 「後、切り札はいざという時以外は見せるな。この会場にいる参加者は特殊能力に制限が掛っている可能性がある。 持続時間や破壊規模、何度も力を使えないほどの疲労…あるいは能力のレベルなど。」 「ずっと消えてると“ステルス”の精度が落ちるってことっすか…?」 「恐らくお前の場合そうだろう。周りが全滅するまで姿を消せるような奴がいてはゲームにならないからな。 確実に制限が掛っているだろう… 逆に…普段から眼を“封印”しているような奴は、100%“それ”が強力な切り札だ。 歓迎できない遭遇戦もあるかもしれないが、戦闘はなるべく遮蔽物の多い所に誘導して行うように気を付けるべきだな。」 モモは驚いたような顔をすると、その考察に納得したようにフムフムと頷いた。 それと同時にそんな事まで深く考察しているという事は、 ルルーシュもなんらかの能力を持っているんじゃないかと疑問が湧いてきた。 「…?そんな事を考えつくって事はルルさんも何か能力を持ってるんすよね…? クチビルさんは魔法の存在にすら懐疑的だったっすよ。」 「ああ、俺の能力には確実に掛かっているな。まだ実験中だが……」 「どれだけ凄い力なんすか…?」 「機会があれば見せてやる…楽しみにしておけ。…ん?」 お楽しみは後に取っておけと言わんばかりに笑って目をそらすと、ルルーシュは何かに気付いて席を立った。 「ちょっと待つっすよ…!私の事ばっかり一方的に聞いてばかりでズルいっすよ…!」 「桃子、1時間待つ所かもう憂が見つかった。あの目立つ服だろう…なんだ…?宙に浮いているように見えるが… おい…スコープで確認してくれ。憂の傍に何か居る…」 「もう、話をそらしてホントズルいっすよ…!はいはい了解、了~解~っす…!」 モモは一方的に情報を搾取された事が不服なようで、頬を膨らませて不機嫌そうにスコープを覗き込んだ。 岸壁のあたりをスコープ越しに覗き込みながら、舐めるように左右に動かし調査を始めた。 「ふんふん…別にゴスロリさんが居る以外は何も…って…ん?なんなんすかね…アレ…?」 「どうした…?裸眼では詳しく分からなかったが、やはり憂以外に誰か居たのか…?」 何かを発見したような怪訝な表情と疑問の声に、気になったルルーシュが隣まで近づいてくる。 モモは椅子に座ったまま体の向きを変えて、片目を瞑り両手を添えて憂の方を見ている。 「ゴスロリさんの下に何かいるっすよ…ん…?…あれ…マズくないっすかね…?蟹?大きくて、透明で…」 「何…?透明な蟹だと……?俺にも確認させてくれ。」 「どうぞ。」 モモはスコープを覗き込むのを止めて、ルルーシュに手渡した。 「なんだ…あれ、確かに俺にも見える…蟹…か…?憂の能力…?桃子、船をあそこに付けるぞ。」 「あっ、ちょっと待って下さい…置いて行くなんて酷いっすよ…!」 ルルーシュはスコープでそれを確認し終えると支給品バッグに仕舞い込み、武器などを入れ下船の準備をし始めた。 さっさと船を降りようとするルルーシュにモモは抗議の声を上げて、自分も席を立ちいそいそと支度をし始めた。 時系列順で読む Back ワールドイズマイン Next ぶっ生き返す/ふわふわタイム(後編) 投下順で読む Back ワールドイズマイン Next ぶっ生き返す/ふわふわタイム(後編) 114 夢を過ぎても(後編) 平沢憂 136 ぶっ生き返す/ふわふわタイム(後編) 114 夢を過ぎても(後編) ルルーシュ・ランペルージ 136 ぶっ生き返す/ふわふわタイム(後編) 114 夢を過ぎても(後編) 東横桃子 136 ぶっ生き返す/ふわふわタイム(後編)
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戦場に生きる者達(後編) ◆0hZtgB0vFY 節々が痛む体をどうにかするより先に、乱れる呼吸と脈拍を落ち着けたいと思う式は、そんな思いとは裏腹に体を酷使する。 五飛より預かった剣。歪短剣よりは遙かにマシだ。 何処の名工の作かは知らないが、優れた硬度と軽量さを両立させ、神秘をすら漂わせる武器をこうして振るえるのは、悪い気はしない。 だが、最も使いやすいと思えるのは、やはり刀であろう。これではまだ短すぎる。 かといって今信長が振り回してる刀は長すぎだとは思うのだが。 守勢に回ったらあっという間に押し切られる。それは最初に刀を合わせた時から分かっている事だ。 しかしこのバケモノを相手に攻勢を維持し続けるのは至難の業。式の尋常ではない程に高い運動能力を持ってしても、である。 三人がかりで抑え込むのがやっと。それでも代償に式は吸い取られる勢いで体力を消耗してしまう。 いずれ、鈍った動きの隙をつき、信長の斬撃が襲い来るだろう。 唯一の勝機はその直後。腕か足の一本程度でこれをかわしきれれば、返しの一撃の前に一矢突き刺してやる事が出来る。 暗い煙に覆われ奇妙な程に見えずらい死の線も、あくまで見えずらいだけであって見えないわけではないのだ。 だがそれも、儚い希望かもしれない。 いや冷静に状況を見て取れる者がいれば、妄想の域を出ぬと笑い飛ばしたであろう。 それ程に、式は消耗しきっていたのだ。 信長阻止臨界点、とでも言うべきか。 式が五飛、デュオと共に信長を抑えきれる時間には限りがあって、その刻限が少しづつ迫って来ていた。 織田信長はその辺りが何処までわかっているのか、最初に遭遇した時から延々刀を振り続けているにも関わらずまるで疲労の跡が見られない。 尚壮健なまま、掬い上げるような一撃を、式へと見舞う。 同じく、下から斬り上げんとしていた式の刀と絡み合う。 『!?』 咄嗟に莫耶の背に残る左腕を押し当てられたのは、僥倖であったろう。 さもなくば、信長の斬り上げを防ぎきれず、下腹から無残に斬り殺されていただろうから。 体重を落とし更なる刀の侵攻を防がんとする式。 しかし式の体重では、疲労から術技を駆使する余裕もなくなった式の刀では、信長の剣撃を食い止める事は出来なかった。 ならばと逆に刀に重心を預けきる。 信長が委細構わず振りぬく刀に、ちょうど式は全身で乗っかる形になる。 下手に弾かれて振り抜かれれば、必ず体の何処かを持っていかれる。それも次撃を防ぎずらい形でだ。 だったらこの剛剣の威力に任せて後ろに下がってしまえという乱暴な式の策だ。 距離さえ開けられれば、デュオの銃撃も活きてくるはず。 「ぬうううううああああああああっ!!」 間接を固定し、体勢が崩れぬようにしながら信長の刀に乗って振るわれるがままに投げ飛ばされる。 バイクで加速するのとはまた違う、下腹に何かが来るような浮遊感。 そして、式の予想をすら超えた信長の、信じられぬ跳躍であった。 刀を振って跳ね飛ばした物体に、直後、自ら飛んで空中で追いつくなどと、現実に起こり得るものなのだろうか。 一体その足には何が詰まっているというのか。 先程バイクに追いすがった時のような空中からの一撃。今度はデュオと違って足を支える場所も無く、式自身も刀を振れる体勢には無い。 とんでもない勢いだ。おそらくこの速度ならば、式が大地に落着するより早く、式の着地点にすらたどり着けてしまうだろう。 最後に無理矢理踏ん張ったのがまずかったのか、式の体は意思に反してぴくりとも動かず。酷使が余程お気に召さなかったようだ。 そんな状況で、まるで他人事のように呟く。 「……お前、案外頼りになる奴だったんだな」 「でえええええええいっ!」 飛ぶ信長の、真横から駆け寄って来るはデュオ・マクスウェル。 この位置取りなぞ、それこそ信長の動きを読んでいなければ出来ぬ芸当だ。 大鎌を空に向けて放り投げると、神速の技にて銃を抜き、両手で保持して引き金を引く。 大音量と火薬の煙が鼓膜と視界を覆う中、反動を半秒で殺しきった銃を腰に仕舞い、大きく上に飛び上がる。 ぴたりのタイミングで空から降ってきた大鎌を両手で受け取り、銃撃で体勢を崩した信長に振り下ろした。 モビルスーツで散々鎌を使ってきたおかげか、癖のあるこの武器もあっさりと使いこなすデュオは、一撃必殺をしかし狙わず腕一本を叩き落すつもりで鎌を振るう。 銃弾は鎧で弾いたせいか、信長の体に衝撃がずんと染み渡る。 しかしデュオの大鎌は、マントが無数の釘状に変形し、伸び来た穂先に弾かれる。 「何だあ!?」 「愚かなり! 貴様等の児戯には飽いたと言ったぞ!」 土煙を上げ、デュオが乗り捨てたバイクが走り来る。 操るはこれまた見事な操縦を見せる五飛だ。 「乗れ!」 「おうよ! ってうおあああああっ!」 サイドカーに跳ねられそうになりながら、後部席に飛び乗るデュオ。 震える膝を騙しながら式もサイドカーに乗り込む。こちらは、座席に座るというよりは身を投げ出すだけで精一杯の様子だ。 「轢き殺す気かお前!」 「黙れ! それより後ろから来るぞ!」 デュオの文句を無視してライディングに専念する五飛。それほどに余裕が無いのだ、三人には。 文句を飲み込む程人間が出来ていないデュオは、全力で無駄口を叩きながら後方に銃をぶっ放す。 「こっちはお前やヒイロと違ってデリケートに出来てんだ! もうちょい労わりやがれ!」 15.24mmの銃弾はさしもの信長とて無視は出来ない。 受け、弾き、かわし、そんな挙動と同時にこの速度の追撃は信長にも難しい。 だが、第六天魔王の怒りを、この程度で凌げようはずもない。 光秀の大鎌、二本ある内のもう一本は、信長のバッグにしまわれたままであった。 これに、黒い闇を纏わせて、全力で振りかぶり投げ放ったのだ。 元が光秀使用物であるだけに闇のノリが良いとでもいうのか、大鎌は眼にも止まらぬ大回転を始め、刃の円となって三人に襲いかかる。 風切る轟音は死出の秒読み、瘴気に包まれ日を照り返す事すらない大鎌は、触れてすらいない大地を衝撃のみにて削り取る。 後ろを振り向いていたデュオは確信する。これをもらったら、最後尾のデュオはもちろん、前の五飛どころかバイクごと式もまとめて真っ二つにされてしまうと。 一瞬で覚悟を決める。自爆上等のガンダムパイロットは伊達ではない。 自分の体で軌道を逸らす。これなら、犠牲はデュオのみで五飛と式、そして逃亡用のバイクは生き残れる。 「あばよ、元気でやれよお前等」 陽気に言い放ち、バイクから飛び出そうとするデュオ。 その腕を、グロッキーであった式が掴む。 「……肩、貸せ」 「何?」 サイドカーより身を乗り出す式は、疲労困憊で見るからに弱々しく儚げな挙動で、デュオの肩に手を置き、刀を肩越しに振り上げていた。 「おい、お前何する……」 「アイツに比べれば幾分かは殺しやすい」 信長の武器も防具すら殺せなかったのは、それを持つ、身に着ける奴の動きが尋常のものではなかったからこそ。 こうして手を離れているのなら、近接してすら死の線を狙えぬ程の巧みな動きはありえない。 式の突き出した刀が大鎌と激突し、甲高い悲鳴を上げる。 思わずデュオが耳を覆いたくなる程、前だけに集中せんとしていた五飛ですら振り返りそうになる程、大きく響き渡った絶叫は、乾いたぱりんという音と共に消えてなくなった。 「お前、一体何した?」 「……うるさい、疲れてるんだ。しゃべらせるな」 のそのそとサイドカーに戻ろうとする式に、五飛が偉そうに命じる。 「女! お前はデュオと席を代われ! そのザマでパッセンジャーは無理だ!」 単語が意味不明すぎて反応に困る式であったが、代われというのであれば別にそれでも構わないとデュオが何かを言いかけるのも聞かず飛び移ろうとする。 「ああもう! 落ちるなよ式!」 合図をしたわけでもなかろうに、絶妙の間で走るサイドカーの上をすれ違うデュオと式。 疲れからか危うくずり落ちそうになって、五飛が式の襟首をひっ掴むといったシーンもあったが、何とか席替えも完了。 「女! お前はとにかく落ちないようにだけしていればいい! 後は俺達がやる!」 「……そもそも今は他に何も出来そうにない。オレはこれだけ働いたんだ、お前等もやる事はきっちりやれよ」 サイドカーのシートに座ったデュオは、先の五飛の台詞で何をするかは察している模様。 「おい五飛! こいつは専用のサイドカーマシンじゃねえんだから無茶はすんなよ!」 「馬鹿が! 無茶をせずにあれを振り切れるものか!」 猛烈なスピードで追ってくるのは、そう、織田信長であった。 走る速度は間違いなくバイクの方が早いのだが、下手に直線に位置してしまうと、あの意味のわからん大ジャンプで突っ込んで来る。 色々と物理を無視しすぎていて、いっそ清々しい程である。 まだ直線が続く、そんな道路で五飛はいきなり左にハンドルを切る。 明らかなオーバースピードである。対向車線に乗り出す所か、そのままガードレールを突き破りかねない勢いだ。 「こなくそーーーーーー!」 デュオはサイドカーの内側にあるバーを両手で掴んだまま、思いっきりイン側に身を乗り出す。 地面と水平になる位置まで横に倒した体。突き出した頭は、道路からほんの数センチ程の距離である。 特徴的な後ろのみつあみが、ぴんぴんぴんと三度地面を跳ねる。 こうして力づくで重心を変えコーナーリングフォースを生み出す。これこそサイドカーの特徴である。 バイク本体に乗る者をライダー、サイドカーに乗る者をパッセンジャーと称する。 サイドカーはこの二人が互いを信頼し、ライダーは自身のみでは決して曲がれぬ速度でコーナーに飛び込み、パッセンジャーは地面により近いという恐怖に耐えて体を乗り出し、全身の力でマシンを曲げるのだ。 ガードレールからは十センチ程しか余裕が無いが、それでも何とか曲がりきったデュオと五飛。 「はっ! びびってんじゃねえのか五飛さんよ! 左コーナーならまだまだいけるぜ!」 「抜かせ! お前のミスを考慮に入れたまでだ! 次は右コーナーだ! 何としてでも曲げてみせろ!」 「ば、馬鹿野郎! 後部席にゃ式が居るんだぞ!」 これは式を思いやっての台詞、ではない。 右コーナーを曲がる際は、通常ライダーのすぐ後ろにパッセンジャーが体を寄せる事でコーナーリングフォースを得るのだが、現在そこには式が陣取っており、更に疲労困憊の為大した動きを期待出来ないのだ。 泣き言を無視して右コーナーへと突入する五飛。 もちろん速度はデュオの体重移動を計算に入れてのものである。 仕方なくデュオは五飛と式の間に体をねじ込み、落ちないように式を押さえつつ、自分も吹っ飛ばぬように残る片手のみで全体重を支え、マシンが曲がりきれるよう内側に体重を寄せる。 もんの凄い重量を乗せているせいか、両腕が爆発するかと思う程の激痛が走る。 しかしその甲斐あってか、何とかコーナーはクリア。 「フン、やれば出来るじゃないか」 「やかましい! こうなりゃヤケだ! 好きなだけぶっ飛ばしやがれ! ぜーんぶ腕づくで曲げてやるぜこんちくしょー!」 サイドカーに乗ったまま突っ伏して動かないのが一人。 バイクに寄りかかるようにしながら動かないのが一人。 二人の為にバックから飲料を取り出し渡してやると、のろのろと二人はこれを口にした。 自分の分の飲料の封を切った五飛は、一人立ったままで壁に寄りかかって喉を潤す。 超人的な体力を誇る五飛とて、やはり疲れるものは疲れるのだ。 火照った体に染み渡る清涼飲料水は、何にも代えがたい程に美味であった。 数口分、全てを忘れてこれを堪能した後、五飛はあの男の事を考える。 『俺は随分と、トレーズに拘っていたのだな』 我が身を振り返り、そう自嘲する。 宇宙空間でナタクに乗ったままヒイロを待ち構えていた自分。 悪だと、そうあらんとした自身を省みて、その姿が五飛を理解者だと言い放った男にダブって見える。 こうして拘り無くトレーズを見れるようになって、初めてあの男を理解出来た気がする。 最後の時が、随分と満足気だった理由も。 「……本当に、勝手な男だ」 結局の所、やはりトレーズと和解などありえなかったし、共に何かを為すような相手でもなかった。 接点が存在するのなら敵味方としてのみであり、もし、この名簿に載っている通りトレーズがあの爆発の中生き残っていたとしても、見つけ次第殺し合いになるだけの話だろう。 それでも、殺しあう前に一言二言話をしてやってもいいかと思う程度には、五飛はトレーズのあり方を認めてやる気になれたのだった。 この場に来て、既に何度も戦闘を行っているが、やはり体の違和感は拭えぬまま。 それでもこうして戦い続ける事で、ようやく、慣れてきた。 何時からそうだったかは最早記憶にも無い。 しかし、気づいた時にはごく自然に、手足を扱うように黒き瘴気を操れるようになっていた。 天下布武の野望を燃やす度、黒き気配はよりいっそう勢いを増し、武によって日ノ本を得んとする信長の強大な力となった。 これは血縁によるものなのか。妹であるお市からも闇の気配は感じられた。 あまりに手足として馴染みすぎたせいでか、この地に来て、瘴気の力が弱まると戦闘がどうにも思うように展開しきれなくなってしまった。 失われた訳ではないのだが、常なら何も考えずとも体の周囲を漂っている黒き気配も、そうあれと念じなければ発生せぬ程度には弱まっている。 だからどうしたとゴリ押して来たが、戦果は思うように上げられぬままであった。 しかし、そんな不手際続きもこれまで。 思うように動ききらぬ体も、地の底、身の内より呼び来る黒き瘴気も、全てが信長の内にて再構成され一個の魔王として作り直された。 「調整役としては充分な働きであった。褒めてとらすぞ貴様等」 鉄の馬にて何処ぞに逃げ去った三人に、聞こえるとも思えないがそんな言葉をかける信長。 瘴気の塊を全身に這わせると、背負ったマントから闇の眷属が顔を出す。 大地より突き出す黒き刃は、狙い過たず彼方まで伸びゆく。 体の動きの調整は、最早万全と言っていいだろう。 今の信長ならば一度の反撃すら許さず、死ぬまで押し切る連撃すら可能であろう。 しかし、と信長は笑う。 「この地に集いし者の腰の抜けようは想像を絶するわ。少々不利になった程度でこのザマとはな。これが日ノ本であれば、命尽きるまで挑んで来る者は幾らでも居ようものを」 【D5東部/一日目/午後】 【織田信長@戦国BASARA】 [状態]:健康、全身に裂傷、満腹 [服装]:ギルガメッシュの鎧、黒のマント [装備]:物干し竿@Fate/stay night、マシンガン(エアガン)@現実 [道具]:基本支給品一式、予備マガジン91本(合計100本×各30発)、予備の遮光カーテンx1 、マント用こいのぼりx1 電動ノコギリ@現実 トンカチ@現実、その他戦いに使えそうな物x? [思考] 基本:皆殺し。 1:いざ戦場へ ……。 2:目につく人間を殺す。油断も慢心もしない。 3:信長に弓を引いた光秀も殺す。 4:首輪を外す。 5:もっと強い武器を集める。 6:ちゃんとした銃器を探す。 8:高速の移動手段として馬を探す。 9:余程の事が無ければ臣下を作る気は無い。 [備考] ※光秀が本能寺で謀反を起こしたor起こそうとしていることを知っている時期からの参戦。 ※ルルーシュやスザク、C.C.の容姿と能力をマリアンヌから聞きました。どこまで聞いたかは不明です。 ※視聴覚室の遮光カーテンをマント代わりにしました。 ※トランザムバーストの影響を受けていません。 ※思考エレベータの封印が解除されましたが、GN粒子が近場に満ちたためです。粒子が拡散しきれば再び封印されます。 【D5中央付近/一日目/午後】 【両儀式@空の境界】 [状態]:疲労困憊 [服装]:私服の紬 [装備]:ルールブレイカー@Fate/stay night、莫耶@Fate/stay night [道具]:基本支給品一式、首輪、ランダム支給品0~1 [思考] 1:……疲れた 2:幹也のためにできることを考える。 3:浅上藤乃……殺し合いに乗ったのか。 4:荒耶がこの殺し合いに関わっているかもしれないとほぼ確信。 5:荒耶が施したと思われる会場の結界を壊す。 6:光秀と荒耶に出会ったら、その時は殺す。 7:首輪は出来るなら外したい。 [補足] ※首輪には、首輪自体の死が視え難くなる細工がしてあるか、もしくは己の魔眼を弱める細工がしてあるかのどちらかと考えています。 ※荒耶が生きていることに関しては、それ程気に留めてはいません。 しかし、彼が殺し合いに何かしらの形で関わっているのではないかと、確信しています。 ※A-5の敵のアジトが小川マンションであると分かりました ※以下の仮説を立てています。 ・荒耶が殺し合いの根幹に関わっていて、会場にあらゆる魔術を施している。 ・施設に点在している魔法陣が殺し合いの舞台になんらかの作用がある。 ・上の二つがあまりに自分に気付かせんとされていたこと自体に対しても疑念を抱いている。 ・首輪にはなんらかの視覚を始めとした五感に対する細工が施されてある。 【デュオ・マックスウェル@新機動戦記ガンダムW】 [状態]:疲労困憊 [服装]:牧師のような黒ずくめの服 [装備]:フェイファー・ツェリザカ(弾数5/5)@現実、15.24mm専用予備弾×70@現実、桜舞@戦国BASARA(一本のみ) [道具]:基本支給品一式×2、デスサイズのパーツ@新機動戦記ガンダムW、メイド服@けいおん! 、 BMC RR1200@コードギアス 反逆のルルーシュR2、首輪×2 [思考] 基本:なるべく殺したくはない。が、死にたくもない。 1:つっかれたー 2:荒耶宋蓮に警戒。 3:明智光秀、平沢憂には用心する。 4:首輪の解析は現状の段階ではお手上げ。 5:デスサイズはどこかにないものか。いやこんなリアル鎌じゃなくて、モビルスーツの方な [備考] ※参戦時期は一応17話以降で設定。ゼクスのことはOZの将校だと認識している。 正確にどの時期かは後の書き手さんにお任せします。 ※A-5の敵のアジトが小川マンションであると分かりました。 ※以下の情報を式から聞きました。 ・荒耶が殺し合いの根幹に関わっている可能性が高い。 ・施設に点在している魔法陣が殺し合いの舞台になんらかの作用があるかもしれない。 ・首輪にはなんらかの視覚を始めとした五感に対する細工が施されてあるかもしれない。 【張五飛@新機動戦記ガンダムW】 [状態]:疲労(中) [服装]:マリーメイア軍の軍服 [装備]:ラッキー・ザ・ルーレットの二丁拳銃(4/6)@ガン×ソード、干将@Fate/stay night、防弾チョッキ@現実 [道具]:デイパック、基本支給品、ファサリナの三節棍@ガン×ソード、ゼロの仮面とマント@コードギアス、USBメモリー@現実 [思考] 1:ひとまず休息を取るか 2:トレーズの存在と『魔法』に対する疑念 3:人間の本質は……戦おうとしない者と弱い者への怒り 4:MSの可能性がある施設を探す (地図に名前が載っている施設(展示場も含む)はなるべくよりたい) 5: 扉を開く条件を満たしたらまたホールに戻りたい ※参戦時期はEndless Waltz三巻、衛星軌道上でヒイロを待ち構えている所です。 ※サーシェスにガンダムWの世界観を話しました(サーシェスがゼクスから聞いた話を大まかに事実と認めました)。 「柱の男」じゃあ今いち呼びにくい! このシュトロハイムが 名づけ親(ゴッドファーザー)になってやるッ! そうだな……『メキシコに吹く熱風!』という意味の「サンタナ」というのはどうかな! 《ゼロとしての思考》 基本:オレが参加者の脅威となる! 1:殺し合いに乗ったものは倒す。 2:ゼロとして『戦う意思』のない者達を追い詰める。……それでも『戦う意思』を持たなければ―― 時系列順で読む Back 戦場に生きる者達(前編) Next 旋律の刃で伐り開く(前編) 投下順で読む Back 戦場に生きる者達(前編) Next 旋律の刃で伐り開く(前編) 189 戦場に生きる者達(前編) 織田信長 [[]] 189 戦場に生きる者達(前編) 張五飛 [[]] 189 戦場に生きる者達(前編) デュオ・マックスウェル [[]] 189 戦場に生きる者達(前編) 両儀式 [[]]
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【空の境界】出典の支給品 ナイフ アリー・アル・サーシェスに支給。 両儀式が愛用しているナイフ。 特に変わったところは無い、普通のナイフである 九字兼定 田井中律に支給。 五百年以上前に打たれた名刀。銘はない。 兼定という刀匠の作だとされる、なかご(=握り部分の刀)に九字(=臨兵闘者皆陣烈在前)を刻んだ刀。 抜き身にするだけで結界を切り裂く業物。 ブラッドチップ(低スペック) レイ・ラングレンに支給。 起源覚醒を促すオリジナルのブラッドチップではなく、白純里緒が調整した覚醒剤の中でも比較的容易に手に入る類の物。 実際に使用してみた黒桐曰く、「効き始めは服用から十分前後の速効性、持続時間は四時間前後、幻覚性よりも共感覚の方が強い」とのこと。 形は唇に軽く乗るぐらいのペーパー、染み込ませてある。 蒼崎橙子の瓶詰め生首 荒耶宗蓮に支給。 封印指定を受けた魔術師でもあり人形師でもある蒼崎橙子の生首。 脳を破壊すると、蒼崎橙子本人と寸分違わないスペア人形が、蒼崎橙子本人として、脳が破壊される寸前までの記憶を継承して行動を開始する。 蒼崎橙子の人形 ヴァンに支給。 最高位の人形師といわれる蒼崎橙子の作品。 製作者の蒼崎橙子と外観はそっくりだが・・・? 臙条家の鍵 アーチャーに支給。 小川マンションの住人、臙条巴の部屋の鍵。「405 臙条」と書かれた名札付き。 エレベーターの仕掛けにより実際の「臙条巴」の部屋は410室なのだがその仕掛けがこの場で適用されてるかは不明。 影絵の魔物 明智光秀に支給。 封印指定の人形師、蒼崎橙子の使い魔。オレンジ色の鞄の中に影で出来た黒いネコみたいなものが潜んでる、 というのは見せかけで鞄内にある幻灯機により大気中にエーテル体で構成された体のため、 幻灯機が動く限り何度でも復活できる。 ただし幻灯機の稼働時間は10分程度。それ以降1時間経過しないと再稼動できない。 現在使用時間超過。再起動まで1時間。
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319 :名無しさんなんだじぇ:2011/02/23(水) 03 27 48 ID Xi9sOvkY 池田「あ!」 美穂子「どうしたの、華菜」 池田「そういえば昨日は私の誕生日だったし!」 美穂子(…なんで昨日の夕食にケーキが出たと思ってたのかしら) 池田「しまった、キャプテンに誕生日のお祝いをねだるのを忘れてた!」 美穂子「そうね、華菜さえ良かったら一日遅れの誕生日プレゼントをさせてもらっていい?」 池田「も、もちろんだし!え、えーとじゃあ一つだけ」 美穂子「えぇ、なに?」 池田「今日一日だけ、私の奥さんになってください!そして私のことを愛してください!」 美穂子(…願い事が二つになってるわよ、華菜)
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852 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/22(水) 15 34 47 ID ajcKiW8U 部長「あ、その書類とって」 美穂子「はい、分かりました」 小十郎「なぁ、お前福路殿の信者だったよな?」 池田「信者とか意味が分からないけど崇拝してるし」 小十郎「あんなにお二人が親密になられてるのを見てどうとも思わないのか?} 池田「キャプテンはああしている方がいいんだ。あたしがそう判断したからアレでいいんだ」 小十郎「そう言うもんか…」 池田「そーゆーあんたはもういいのか?」 小十郎「おれは政宗さまとあの世を統一すると決めたからな。福路殿に構ってもいられない!」 池田「ふーん」