約 2,795,785 件
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/34.html
SS元ネタ一覧 話数 タイトル 元ネタ 001 闇に舞い降りた奴隷 同作者「アカギ~闇に舞い降りた天才」 002 征天魔王 戦国BASARAにおける信長の二つ名 003 阿良々木暦の憂鬱 涼宮ハルヒの憂鬱 004 つむぎマウス 化物語風タイトル(人名ひらがな表記+動物名) 005 血風大伽藍!小十郎vsサーシェス 戦国BASARA 第8話 「血風大伽藍!小十郎絶体絶命」 006 死ぬほど痛いぞ ヒイロの自爆の感想 010 我が身の全ては想い人の為に シェリー=クロムウェルの魔法名『我が身の全ては亡き友のために』 011 rendezvous ランデヴー。エースコンバット5、同名のBGM 012 復讐するは我にあり ガン×ソード第7話「復讐するは我にあり」 013 流れ星-fool s mate- うみねこのなく頃に 第5話「fool s mate」 014 ♪かわいい陰謀 けいおん!劇中BGM 016 かしまし~ボーイズ・ミート・バッドガールズ~ かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜 017 まよいザワザワ 化物語第3話「まよいマイマイ」 018 モンキー&ドラゴン TVドラマ「タイガー&ドラゴン」 019 最強証明―― 秋田 禎信「エンジェル・ハウリング」 6巻サブタイトル 020 Vince McMahon ビンス・マクマホン。米国のプロレス団体WWEの代表取締役会長兼CEO 021 海からの呼び声、強いられた結合 TVアニメPERSONA -trinity soul- 第5話「強いられた結合」第9話 「海からの呼び声」 022 薔薇アッー! 俺がガンダムなのか!? 刹那の台詞「俺がガンダムだ」 024 人生美味礼賛 ALI PROJECTの曲「人生美味礼賛」 025 桃色教師のあいしかた とある魔術の禁書目録 同人誌「超電磁砲のあいしかた」 026 5910 ~隔離された小島で~ Wii,PSPソフト「428 ~封鎖された渋谷で~」 028 そんなことはどうでもいいんだ、重要なことじゃない スーパーロボット大戦Kの主人公ミスト・レックスの名(迷)言 029 ジェットコースターガール 「作曲できる奴ちょっとこい」オリジナルソング 031 塔――The Tower―― タロットカードの大アルカナ16番。「悲嘆・災難・不名誉・転落」を意味する。 032 Magician’s circle 遊戯王カード「Magician’s circle」 033 魔人が蘇る日 コードギアス 反逆のルルーシュR2 第1話「魔神 が 目覚める 日」 034 正義のためなら悪となる 仮面ライダーアマゾンの主題歌の一節『正義の為なら鬼となる』より 038 機動戦士ホンダム00~ツインドライヴ~ 機動戦士ガンダム00 2nd Season 第2話「ツインドライヴ」 039 人生逆転ゲーム カイジ映画版副題「カイジ 人生逆転ゲーム」 040 Overlooking View 空の境界第1章 俯瞰風景の英語サブタイトル 042 電車男 2chで起きた出来事。後に書籍化、TVドラマ化 045 アリー・アル・サーシェスは大いに語り大いにバトルロワイアルを楽しむ バッカーノ! 第4話「ラッド・ルッソは大いに語り大いに殺戮を楽しむ」なお、ラッド・ルッソの声はサーシェスと同じ藤原啓治氏 046 ♪Falling reinforced concrete けいおん!劇中BGM 047 支配より協調を、征服の代わりに友情を ガン×ソード かぎ爪の男の演説の一節 048 殺し合いに吹く熱風――――アクセラレータ ジョジョの奇妙な冒険の劇中の台詞。「『メキシコに吹く熱風!』という意味の「サンタナ」というのはどうかな!」 050 Break & Peace 戦国BASARA EDテーマ
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/2103.html
ep.00 -Re;quiem- ◆ANI3oprwOY 戦いの日々が続く。 トリガーを引き、連動して愛機(ランスロット)の持つ左手の剣が敵機の胴体を泣き別れにする。 右手に持つライフルから射出される熱線が風穴を空ける。 世界に争いは絶えない。 次元が違ったところでありようはそう違うわけでもなく、当たり前のように戦いが始まる。 数えきれない屍を重ね、夥しい量の血を流す。 戦争の在り方は人ではなく機械同士のものへと姿を変え、今や王の握るスイッチひとつで戦局が確定する。 死を見ることなく人を殺すそれは、直接殺し合ったあの場所よりもある意味で残酷な所業だ。 ナイトオブゼロの役割。ゼロレクエイム成就のための露払い。 即ちは、皇帝ルルーシュの剣として在ること。 ブリタニア領で倒れていたのを発見され現在の状況を把握出来るまでに回復してからの、枢木スザクの日常が続く。 刃向う者、逆らう者は全て消す。 人の意識を捻じ曲げる呪いで隷属させ、圧倒的な武力によって処刑する。 向かってくる数がいなくならない限り何度でも、何度でも繰り返す。 誰もが憎しみを込めて指さす。悪逆皇帝、歴代で最も暴虐で傲慢な独裁者と。 身を変えては権力者に尾を振る売国奴、裏切りの騎士と。 「それでいい。僕らは証のために罪を犯した。 多くの戦いを起こし、多くの命を奪った。その怨嗟の声は当然のものだ」 この世の誰からも憎まれて。誰よりも惨たらしく死ぬよう望まれる。 そうなるように振る舞い、その通りに成るべく行動してきた。 人々の願い/怒りがひとつに集まり、頂点に達した瞬間。 悪逆皇帝は正義の反逆者の刃に倒れ、全ての膿を引き連れて血に沈む。 そこに―――礎になることを喜べと、傲岸に生贄を強いる神と、違いがあるといえるだろうか。 人の救世を豪語したリボンズ・アルマークにも、そこには大義はあった。 それによって救われる人も、あるいは本当にいたのかもしれない。 他者との軋轢はなくなり争いは地上から永遠に消え。 死すべき運命だった人と共にいつまでも生きられる。 世界の平和。どれだけ年月が経っても色褪せない完成された絵画。 根底の理念はどうあれ、目指した地平は同じだった。 全てを救えるとは言わない。 報われぬ人は出てくる。これは完全なる救済とは程遠い、目指す未来には遥かに遠い一歩に過ぎない。 平和が訪れても、死んでいった人の怨嗟、涙は無にならない。 過去の蟠りを消し去っても、人が変わらない限りいずれまた憎しみは芽吹く。 結果がどんなに美しく、過程の犠牲に見合うのだとしても、犠牲そのものを忘れていいはずがない。 ゼロレクイエムの役割の意味は贖罪であり、清算だ。 苦しみ、悲しみ、間違い続けながらも考え抜いた答え。 人の愚かさを知り、醜さを味わい尽くして、それでも人は明日を進めると信じた。 その一歩を踏み出すために、これまでの罪科の全てをゼロにする手段。 数えきれない過ちがある。 その時は最善と思った選択が誤っていて、望まない被害を生み出していった。 今度こそはと志しても、残る現実は後悔と絶望の連続だった。 もっと上手くやれたのかもしれない。そう思わなかった時などなかった。 だけど、忘れてはならないこともある。 その失敗が、苦渋が、涙が、怒りがあったからこその、ゼロレクイエムなのだと。 悲劇を知った者がだけが、その重さを本当に知ることが出来る。 撃たれなければ、真の痛みは分からない。 ……神との決定的な違いはそこだ。 遍く救済は同時に一方的な、安易な幸せの強制になる。 自分達はそれを良しとしなかった。罪も痛みも愚かさも、人類が未来を築くのに必要な枷。 傷ついて這ってでも進んでみせろと、突き放すように信頼を込めて後を押す。 その思いが、続く世界をここまで形作って来たことを無駄にはしたくないと、総ての意識が帰る場所で誓った。 「そうだ。だから、嘘にはしない。 あそこにいたルルーシュが辿り着いた最期を、ただのあり得た未来に変えるわけにはいかない」 バトルロワイアルの真実。 平行世界も聖杯も、そこにあった出会いも、別れも。 そんな痕跡は、この世界の何処にも残してはならない。 残されていたメッセージには、ルルーシュの死―――ゼロレクイエムが完遂されたことしかなかった。 未来の情報、現在のルルーシュに伝えればより理想的な結果に導けるだろうものも、何も。 本人が一番分かっているのだろう。見えぬ明日を明確に知ってしまえば、自分は同じ道には進めなくなると。 同時に、この筋書きでいいとそう肯定している。この道で間違いはないと声なき後押しを聞いた己に送ったのだ。 だから全てに蓋をする。 ゼロレクイエムに協力する者、ルルーシュ本人にすらも約二日の失踪の理由を明かすことはしなかった。 どれだけ追及を受けようとも口を噤み、ただ計画に支障はないとだけ答えた。 最終的には行動で示すことで皆に納得をもらい、療養期間を除いて作戦の大幅修正もなく進行に移っていった。 変わるのは、独り知る己の心だけ。 歴史がつつがなく流れる裏で、禁忌の真実を隠し通す。 そうでもしなければ釣り合わない。地獄を生き残った枢木スザクが背負うべき責任。 体は鋼に。心は鉄に。 戦いにも似た激しさで、己を殺していく。 フレイヤを載せたダモクレスを持つ、シュナイゼル卿と黒の騎士団の連合軍にも。 そこにトウキョウ租界で死んだと思われたナナリーが生きて対立したことにも。 戦友だったジノも、射出されたフレイヤの相殺も、最後に戦うカレンの紅蓮にも。 不意に溢れそうになる思いを封殺し切って、ナイトオブゼロの役割を果たし抜いた。 最期の交錯。大破したランスロットの爆炎と共に、枢木スザクの人生は闇に消える。 死者になり、新たな仮面(ペルソナ)を被り表舞台に立つ頃には、自分の存在は世間に認知されなくなる。 全てを捨ててこそこの役割を果たすことが出来る。 身を隠し、名を無くし、身分も失せ、生者の資格さえ捨て去って。 何もかも削ぎ落としても、生きている自分に残るものがあるだろうか。 ……時が来た。 託された、最後の命を果たそう。 ◇ 約束の日の空は、晴れやかな晴天だった。 世界を統一した皇帝の記念式典。 引き連れた反逆者を処刑する壮大なパレードの下で、英雄は復活する。 黒衣と仮面、個人としての記号を排除した無貌の出で立ち。 虐げられる無辜の人々の願いを背負って立ち上がる、名無し(ゼロ)の反逆主。 貫通した切っ先が艶やかに濡れ光る。 肉の感触を確かめるように、剣の柄を強く握り締める。 剣は確実に胸の中心、心臓を穿っていた。死を避けようのない、致命傷だ。 自らの血に濡れ、力なく倒れて寄りかかる皇帝。 ここに、鎮魂歌(レクイエム)は真に完遂した。 「これは、お前にとっても罰だ。 お前は正義の味方として、仮面を被り続ける……」 外す意図を浮かべることも、感情の揺れが手元を狂わせることもなく、始めから決めた通りに滑らかに事を成した。 当然だ。 異界に連れ去られるよりも、ずっと前からこの結末を決めていた。 変えようなどと思ったことはなく、この手で今度こそ命を奪えることに安堵すらした。 ただ、事前に決める覚悟が二重になっていただけ。 「枢木スザクとして生きることは、もう無い。 人並みの幸せも、全て世界に捧げてもらう……永遠に―――」 背中から剣を生やして、息も絶え絶えで紡ぐ声を聞く。 レンズ越しで横目に入る顔は血を失って蒼白になっている。 血の脈動も止まり、あと僅かの逡巡で死が訪れるのだと握った剣で感じ取れる。 この世界における、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの死。 枢木スザクにとって、二度目の光景を目の当たりにする。 同じ人間の死を二度経験しても、心は摩耗せず同じ感情を抱いている。 悲しみも、憎しみも、どちらも消えていない。 自分はやはりこれからもルルーシュを憎み、そして死を悼むだろう。 君が行ってきたこと。 君が目指したもの。 間違いも正しさも全て、空になった胸に留める。 「そのギアス……確かに受け取った」 これより先、永遠に縛り続ける命。 願いにも似た呪いを受け取る。 その時頬を熱いものが流れ落ちる。 ああそうか。 俺はまだ、ここに。 「――――――ありがとう、ルルーシュ。 僕に生きろと、願ってくれて」 剣を引き抜く。 敵であり、友であった男との別れが済まされる。 血飛沫がこぼれ、ルルーシュの体が崩れ落ちる。 『――――――ああ、ありがとう、スザク。 これでようやく、俺も明日に向かえる』 吹いた一陣の風。 それに混じって、遠い遠いの空から、声が聞こえた。 「―――、■■■■■……?」 呟いた自分の声は言葉に成りきらず、湧き上がる歓声に飲み込まれた。 見上げてもそこには何もない。 無限の彼方まで広がる、宇宙(そら)の先まで続いてそうな蒼い空があるだけだ。 血溜まりだけがある地面を眺める。 その下から聞こえるのは、少女のむせび泣く声。 ルルーシュの落ちた先、玉座の置かれた場所の真下に誰がいるのかを知っている。 刺した後の所作までは決めていないのだから、祭壇からずり落ちてそこに辿り着いたのは偶然でしかない。 けどその偶然が、あのルルーシュにも起きていたのなら―――ふたつ重なれば、それは運命と呼んでいいだろうか。 彼が戦うことを志した理由の起源。 永遠に悪名を背負うことになる男への最後にかける声が彼女であること。 世界を騙しおおせた嘘吐きに等しく同じ餞(はなむけ)があってくれるように。 そう、願った。 ―――日は昇った。 さあ、次の道を歩き始めよう。 誰にも先が分からない、未知の明日が待っている。 ◇ ひとつ、訂正しなければならないことがあった。 ダモクレス攻略に向かう直前の日。 義手は生身と変わりない性能の腕だが定期的なメンテナンスは必要になる。 ジェレミア卿改造の際のマテリアルのお陰でさほど苦労なく調整が出来るようになったのは幸いだった。 調整にメディカルルームへ向かう通路の途中。 「……C.C.?」 翠の長髪をたなびかせて、C.C.が立っていた。 まるで、自分が来るのを待っていたかのように。 僅かに、心臓の鼓動が早まる。 帰ってから二人だけで話す機会は無く、そもそも以前からそんな関係でもない。 それが逆に、ルルーシュとは違って彼女への反応は曖昧になりがちになってしまうから。 「化け物扱いは慣れてるが、死人を見るような目で見られるのはさすがにそう多くないな。 そんなにも、むこうの私は酷い死にざまだったのか?」 開口一番。 心臓を穿つような、握り締めるような一言。 開口一番にこの奔放な魔女は、特大の爆弾を放ってきた。 衝撃を顔に出さないよう必死になるあまり、体の中で鼓動の早さに対応できていない。 「安心しろ。周りには誰もいないし聞かせる気もない。 私も、自分の死んだ体験談なぞ頼まれても語りたくはないしな。一生胸にしまっておくつもりだよ」 語る内容の意味お大きさを他所に、C.C.はいつも通りだ。 彼女にとって死の経験など慣れている……というのもあるだろうが。 どうあれ、C.C.はあの事実を知っている。殺し合いについての記憶がある。 そして今スザクに芽生えた疑念はC.C.に対してのものではなかった。 「ルルーシュは……知っているのだろうか」 最も恐れていること。 ここのルルーシュにも、バトルロワイアルの記憶が継がれているようなことはないだろうかと。 「知らない。この世界であそこの記憶を受けられたのはアーカーシャの剣とアクセスできた私―――つまりコードを持つ者だけだ。 まあCの世界に接触したルルーシュもある意味資格があったが、私がカットしておいた。"余計なお世話だ"とな」 「……そうか。安心した。ありがとう、C.C.」 妨げになる可能性があった不安要素を除いてくれたことに、感謝の念を口にする。 するとC.C.は、苦い顔をして変な不満を垂れだした。 「……お前に感謝を言われるのは慣れんな。第一これはお前の為ではなくて―――ああくそ、調子が狂う。 あっちの自分がやった事を思い出させるんじゃなかった。恥ずかしいったらない」 顔を手で覆い天に仰ぐ。 ……普段見ない様子に少し驚く。本当に忘れたいぐらいの不覚があったようだ。 あそこで出会ったC.C.がどんな道を辿り、誰と関わってきたかはあまり知らない。 一人と妙に馬が合った会話をしていたが、それ以外にも彼女に変化をもたらす出来事があったのかもしれない。 死を望んでいた頃の魔女が、命を投げ出して庇い立てたくなるような。 「しかしなぜ、今頃僕に?機会は他にもあったし、そもそも言う必要もなかったと思うけど」 「これが最後になるからな。お前は死者として扱われ新たなゼロになり、私は元の放浪者に戻る。互いの接点は消えてなくなる。 ……言うかどうかは悩んだが、やはりお前だけでも知っておくべきだと思った。その責任があると、思ったから。 ―――ああ、そうだ。最後に伝えたいことがあったんだ。 私の言葉ではない、どこぞの坊やみたいな思考だけど」 言って、一端口を止め瞳を閉じる。 虚空に散った泡を拾い上げるような繊細な優しげな口調で、C.C.はその言葉を口にした。 「『ずっと、待っている』」 それは簡潔な、他愛ない再会の約束。 誰からの言葉かなど、聞くまでもない事だった。 「―――――――――――――――――――あぁ」 答えを返しはしない。第一言うべき当の本人はここにはいない。 出すべきでない言葉をぐっと堪え、面と向かって言い出すまで溜め込んでおく。 抱えた嘘が増えてしまったが、同じく消える僕が持っているぶんには構いはしないだろう。 いなくなる人間が存在しない出来事を憶えたところで、世の中に変わりはないのだから。 ゼロがゼロを抱えるだなんて、酷い矛盾だと思うけど。 それからはもったいぶった挨拶もなく、脇を通り過ぎてあっさりと別れる。 歴史に何も残らない会話は終えた。この内容が何かに記録されることは、永劫ない。 憶えているのは、二人の男と女。世界から"ない"ものとして認知される異端者。 死ぬことで人の社会から消え失せ。死なないが故に人の社会に混じれない。 そんな二人だけが識っている、この世界に一つもない物語。 失うだけ失って、新しく得るものがない人生に与えられたそれが―――最後の報酬だった。 【 アニメキャラ・バトルロワイアル3rd / 枢木スザク -To the next story!- 】
https://w.atwiki.jp/kakiterowa4/pages/156.html
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル3rd 書き手紹介 511 :HEROES:2013/04/09(火) 03 32 49 ID QBvQVhPk0 紹介が一年半ほど前で今はもうジョセフよりも康一くんやウェザーのイメージが強いので紹介投下 書き手紹介 【サヴェージ・ガーデン(◆c.g94qO9.A)@ジョジョの奇妙なバトルロワイアル3rd】 ジョジョロワ3rdの始まりはこの人と共にあり! 見せしめの選定やその展開から強烈なインパクトを誇るOPを投下した期待の書き手さんは今やダントツのトップ書き手に。 そのオールラウンダーっぷりもさることながら、投下速度の速さ、そしてジョジョならではの使えるものを全て使ったバトルと駆け引きが目を引く。 ジョジョロワ3rdはまさに彼にとっての庭であるッ!
https://w.atwiki.jp/kakiterowa4/pages/44.html
支給品一覧 ロワ内にて登場したアイテムの出典別一覧です。 支給品だけでなく衣類、現地調達したものも含みます。 ・【新安価ロワイアル】 書き手の支給品 ・【モバマス・ロワイアル】 書き手の支給品 ・【仮面ライダーオーズバトルロワイアル】 書き手の支給品 ・【多ジャンルバトルロワイアル】 書き手の支給品 ・【RPGキャラバトルロワイアル】書き手の支給品 ・【俺ODIOロワ】書き手の支給品 ・【新西尾維新バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【パラレルワールド・バトルロワイヤル】書き手の支給品 ・【あと3話で完結ロワ】書き手の支給品 ・【川崎宗則バトル・ロワイアル】書き手の支給品 ・【中学生バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【ニコニコ動画バトルロワイアルγ】書き手の支給品 ・【バーチャルリアリティバトルロワイアル】書き手の支給品 ・【Perfect World Battle Royale】書き手の支給品 ・【変身ロワイアル】書き手の支給品 ・【ホラーゲーム・バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【マルチジャンルバトルロワイアル】書き手の支給品 ・【リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【ロワイアル×ロワイアル】書き手の支給品 ・【アニメキャラバトルロワイアル3rd】書き手の支給品 ・【オールジャンルバトルロワイアル】書き手の支給品 ・【2ちゃんねる・バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【オールスターロワイヤル】書き手の支給品 ・【古生物バトルロワイヤル】書き手の支給品 ・【少女漫画キャラバトルロワイアル】書き手の支給品 ・【新々漫画バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【新漫画バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【全開バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【東方Projectバトルロワイアル】書き手の支給品 ・【二次キャラ聖杯戦争】書き手の支給品 ・【アナザールート・バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【INFLATION BATTLE ROYALE】書き手の支給品 ・【ジョジョの奇妙なバトルロワイアル3rd】書き手の支給品 ・【テラカオスバトルロワイアル外伝】書き手の支給品 ・【AAAキャラ・バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【波平さんがバトルロワイヤルを主催するスレ】書き手の支給品 ・【ネギまバトルロワイヤル】書き手の支給品 ・【ヒーローズ・バトルロワイアル】書き手の支給品 ・【平成仮面ライダーバトルロワイアル】書き手の支給品 ・【漫画キャラバトルロワイアル】書き手の支給品
https://w.atwiki.jp/kakite3/pages/167.html
【参加者名】遅れてきた後方支援 【トリップ】◆h6KpN01cDg 【所属ロワ】kskアニメキャラバトルロワイアル 【ロワ内性別】 【外見設定】ウォーズマン@キン肉マンシリーズ 【特徴その他】 【書き手紹介】 主に繋ぎの話が得意であり、あれよこれよと様々な手で次の人へとパスを回していく kskロワの根っこを支える、正に『後方支援』の名にふさわしいお方 他にも煽り文を投下するなどkskロワに尽力なさっている 代表話である048話God Knows…… 倦怠ライフ・リターンズでは 奉仕マーダーとなったkyonが奉仕相手のハルヒを殺してしまう、という展開で読者の度肝を抜いた なお書き手紹介(ネタ)1で容姿がウォーズマンなのは、後方→コーホー的な意味で深い理由はない 【主な作品】 048 God Knows…… 倦怠ライフ・リターンズ、109 っていうか、疑心暗鬼で呉越同舟?(前編)(後編)、のこされるもの 【登場話:話】
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/317.html
乗り損・エスポワール・スタンダード ◆zg9MHZIP2Q 「とっ! やっ! はっ! 」 振りかざす両腕は空を切り……吐き出される息は喝を生む。 許されざる悪党どもを、血塗られしこの手で刈らんと燃ゆ。 「ちぇすとーっ! 」 与えられる任務は絶対服従……しかしそれらのほとんどは命を捨てる覚悟で望まねばならぬものばかり。 闇に生き、月光に染まり、死線に酔うくの一。されど傍目には軽薄で能天気な女にしか見えない……! 「はい!ほい!はい!ほい!はーい! 」 女忍者ヒラサワ・ユイ。 悪の暗殺集団『化夷怨舞』の抜け忍である彼女は、毎日が追手と戦う日々。 「はいはいはいはいはいだらー! 」 表の職業は寺の住職タクアン和尚。正体は上流階級の名士たちを金で操る珍問屋、ハッピー・ツムギ。 猫の妖怪『猫又』の血を引く半人半妖のカギ爪使い、ナカノアズニャー。 光り輝く額とカチューサ。吉原を牛耳るイタリア帰りのマフィア、リッチアーノン・タイナッカー。 柳のように垂れた黒髪で結ばれた弦楽器。それは死への誘い。三途の川からの甦り“閻魔少女”ミオ。 正体不明。相手の戦闘スタイルを真似て殺すことを身上としている。“ドッペル”ウィー。 「滅っ! 」 それでも彼女は情に流されることなく、昔の仲間に決別を誓う。 組織は彼女に軽蔑の念をこめて――『利意奴擬他』と呼んだ。 ◇ ◇ ◇ (――ナレーションをつけるなら、こんな感じッスかねぇ) ことわっておくが、上の説明文は当然ウソ……! 『化夷怨忍者ヒラサワ・ユイ』はフィクションであり……関係者、団体名、その他一切関係ありません……! 東横桃子が平沢唯の動きに合わせて喋った……! 唯がガンダニュウム合金で作られたカードを振り回す姿が、忍者のように見えたから。 とどのつまりアテレコっ……! 「どっからでも、かかってきなさい! 」 天然……まっこと天然の女……! バトルロワイアルの状況下においてこの体たらく……! カードと戯れるあまり本分を見失う……まさに現実逃避……しかも無意識……! (早く部屋から、出してほしいッスよ) そのおかげで東横桃子は出られなくなってしまった。 彼女たちがいる衣装部屋の扉は1つだけ。その扉の前で唯が踊っているのだ。 ステルス能力に長けていれど、ドアの前で遊ぶ人間に気づかれないようにドアを開けるのは難しい。 万が一、唯の手がたまたま桃子に当たってしまったら、ご破算である。 (窓から部屋を出るのも……今はダメッスね) 窓ガラスに頬をぴったりと当てる桃子。 ひんやりとした感触と、かすかに伝わる振動。きっと外が騒がしいせいであろう。 町中に流れる、大規模な放送。締め切った部屋にいる桃子たちには、内容を正確に聞き取ることはできない。 「あうっ!? 」 何と何かがぶつかり合う音。 桃子はそれがドアとドアの前にいた人のせいとわかっていた。 「……何をしとんのや唯さん」 ノブを握りながら、船井が拍子抜けしたように唯を見下ろしている。 後頭部を抑えながら、尻餅をついている少女は、笑ってごまかすしかなかった。 ◇ ◇ ◇ 「ええー! さっきの音って放送だったんですかぁ!? 」 「俺も最初からしっかり聞いとったわけやない……が、ちょっと気になってな」 素っ頓狂な反応にすっかり慣れてしまったのか、船井は淡々と会話を続ける。 彼が話題にあげたのは、謎の人物からの大規模な連絡。彼は知る由もないが――張五飛の通信についてだった。 自分たちが聞いたのがバトルロワイアルにおける放送連絡だったなら、なぜ定時に流れなかったのか。 「ど、ど、どうしよう……私、全然聞いてなかった」 「まあ大事な放送なら、どっかで記録ぐらいはされとるやろ。オレもしっかりした内容をもっかい聞いときたい」 船井は放送に重要性があると判断。 放送内容がもう一度確認できそうな施設へ向かうことを決意した。 あわよくば、その施設から放送が流されているかもしれないからだ。 「ついでに、人探しもやっとくで」 暗闇の町中に、一台の乗用車が進行中……運転手は船井譲次っ……! 「唯さん、ほんまに忘れ物はないな? 」 「はいっ! 大丈夫ですっ」 一通り民家を調べ終えた船井組、各々手に入れたした品を回収……! 一行は民家に隠されていた乗用車を発見し……使用することを決定……! 一見すれば、自らの存在を知らしかねない騒音の散布……しかし船井は発想を逆転……! 一人の人間を探すのではなく……向こうから探させることで手間を短縮っ……! 「こんだけ広い土地や。いぶり出すくらいせんと」 この土地に招待されたものの……いきなり殺しを強要されて、殺せるわけがない……! むしろ迷い……困惑し……うずくまる……何も出来ずに……! ――そこへ現れる一筋の光っ……! 船井組の車を見たものは皆気づく……現実に引き戻される……! 仲間を探す者が出てくる……平沢唯のように……! あるいはどこかへ逃げる者もいる……隠れていても意味のない状況と悟り……! わずか一日分も満たない食料……同じ場所に隠れ続けることは至難の業っ……! 飢餓と渇きと不安に押しつぶされそうになれば……しがみつくっ……誰かにしがみつくっ……! とにかく、人間を動かす……これこそが船井組の狙い……! 「待ち合わせなら、ようわからん道よりデートスポットやろ」 人を探す者は……地図を見る……! 人と会う約束をするものは……出会いやすい場所を選ぶ……! 知らず知らずに動いてしまう……記載された目立つ場所に……! こちらは先回りして待つ……向こうからやってくるのを待つだけ……! 「お友達、いるとええな」 「みんななら、ぜったい私を見つけてくれます! 」 もし、このバトルロワイアルが船井譲次の想像するようなものだったら、この作戦は正しい。 『ただの一般人が1つの島に集められて殺し合いをさせられる。大企業が開催する闇の娯楽』。 これが現時点で船井が認識するバトルロワイアルの全貌だ。 最初から進んで殺しを行う者は、精神異常をきたしたか、その筋の者か……よくて全体の1~2割。 超能力、魔法、未来の技術、異世界の介入などない。あくまで自分の常識を基準として使える悪夢。 船井も唯も、このバトルロワイアルの本質をまるで理解していない。 殺すことに何の躊躇もない人間……いや、人間どころか人外がいることを。 殺すことを前提として行動できる人間だらけの宴。 過去人、異世界人、超能力者などはいて捨てるほどいる。 彼らはまだ玄関の扉さえノックしていないのだ。 (確かに。街中でベンツ乗り回す人なんて、そうはいないッス) 後部座席に一人陣取り、窓ガラスから周囲を覗く、東横桃子。 車に乗り込むチャンスはいくらでもあった。 乗車する前から唯が大袈裟にベンツの周りで騒いでいたからだ。 唯にしてみれば高級車に乗る事はそれだけ新鮮味に感じたのだろう。 その挙動不審っぷりが船井にもスキを作らせてしまったのだ。 (それにしても……何でクチビルさんの名前が、載ってないんスかね) “ベンツは帝愛側が用意したサービス。これくらいの援助はありえる” 船井の話では、彼の支給品の1つが『遠藤勇次のベンツの鍵』だった。 付属の説明書によると、船井が最初にいた場所からそう遠くない地点に隠されているとのこと。 しかし、それを立ち聞きにしていた桃子には、その言葉を素直に受け入れることは出来なかった。 (クチビルさんとサングラスさんは、裏で繋がってる――コンビ打ちかもしれないッス) 『遠藤勇次』は主催者として最初に現れた人物である。 その男の車のカギを、名簿に載っていない『船井譲次』が持って現れた。 船井は自らをリピーターと名乗り、しきりに逃げ道のありかを匂わせている。 桃子にとっては船井は、嘘つきっ……そんな認識を頭に抱え始めていたっ……! (……ん? あれってもしかして……) しかしその刹那っ……! まさにその刹那っ……! 「「(――バイク!? )」」 流れるっ……! 桃子の思考、流れるっ……! いや、桃子だけではない……船井も唯も行き着く疑問はみな同じ……! 静寂を突き破らんと鳴り響く爆音……闇を切り裂かんと飛び出した黒い彗星……! 滞りなく進行していた平穏に、突如現われた一台のバイクっ……! 「しっかり捕まっとき! 」 いち早く危機を察知した船井がハンドルを回すっ……! 本来ならば……正面からやってくる車体に対して……急なハンドル操作は極めて危険……! だがそこは船井……かつてはエスポワールを突破したリピーター……! バイクが方向修正するどころか、むしろスピードを上げてきたのを察知……! 相手が正面衝突をも辞さない運転であることを看破……車線を大きくまたぎながら退避成功……すぐさま車を再度発進……! 「冗談やないでホンマ! 」 「船井さん!あの人、怪我をしているかも……」 「唯さん、今はそうも言ってられん。逃げるのが先や」 「へ? に、にげ――」 しかしバイク、いまだ危険な運転を止めずっ……! 再びをマフラーを吹かせて発進……獲物を逃がさんとばかりに船井たちを追尾開始……! この事故は偶然ではない……バイクの狙いは最初から船井組……! 「まったく何を考えとるんや! 」 相手の狙いがわからぬ船井……歯噛みすっ……! 無理もない。バトルロワイアルで、最初から殺人を前提に動く(可能性をもつ)相手と接触したのはこれが始めて……! 初体験……船井初体験っ……! 進んで殺しを行う者……バトルロワイヤルという船に人が簡単に乗りかかるとは……頭では信じきれない……! 一歩間違えば自分が死ぬかもしれない愚考を、平気で行う人間など、常識の範疇を越える……! スピードを上げて逃げるベンツ……しかしそのわずか数メートル後を追うバイク……! 気がつけば、これはもはやカーチェイス……ベンツをバイクのカーチェイス……不釣合いなコラボレーションっ……! 「仮面っ……仮面っ……あの人っ……仮面っ……!」 ざわざわと騒ぐ唯の指示を受け、船井しっかり後方確認っ……! バイクの運転手は仮面着用……素性を割ることは不可能……! 「なん……やと……!? 」 ここで船井に、電流が走るっ……! バイクの運転手はハンドルから両手を離していた。 代わりに握っていたものは――拳銃。狙いはもちろん、ベンツ一択。 「いかん! 頭を伏せんかっ! 」 懸命にアクセルを吹かし、船井はベンツを走らせる……! 次なる目的地はタワー……エリアG-5に聳え立つタワーっ……! ◇ ◇ ◇ 「…………」 「…………」 (…………) 静寂っ……! どんなに切羽詰まった状況であろうと、終わってしまえばそれは過去……! 永遠に続くと思われた地獄のカーチェイスは、わずか数分で終了……! 追跡を諦めたのか、それとも発砲時に距離が開けたせいなのか……バイクはいつの間にか消失……! 「……………………」 船井組、生還っ……! 命からがらバイクをまくことに成功っ……! 現在地はG-5のタワー内部……! すでにベンツを駐車場に置き、予定通りタワーの探索を開始……! 「……………………」 ちなみに、探索中の会話はゼロっ……まったくのゼロっ……! この沈黙はベンツをタワーの駐車場に停車させてから、ずっと続いている……! 喜びを分かち合うことも無く……不平不満を出すことも無く……泣きべそをかくわけでもなく……! せっかく生き延びたのに、誰も言葉を口に出そうとしない……! (……………………) 船井は……ベンツを止めた後、まず車の傷の具合を確認。 傷は、激しい運転をしたときについた掠り傷に加えて、銃痕を1つ発見した。 銃弾の当たり所は車の使用に支障をきたすものではなかったが、相手は走行中のバイクにまたがり発砲したのである。 その事実は、あのバイク乗りがいかに銃器の扱いに慣れているかを物語っていた。 船井の記憶には、バイクが突っ込んできたときの映像が焼きついている。 夜なのにライトも点けず真正面からきたバイク。何の躊躇もない……迫りくる狂気。 桃子は……ベンツが止まった後、すぐにペンを取り出して絵を作成。 名簿の隙間に即興でバイクの運転者の姿を書く。特に仮面を強調して的確に。 名前もわからぬ誰かとして、頭の隅に留めておくわけにはいかなかった。 桃子の記憶には、拳銃を発砲した男の覚悟がセンセーショナルすぎた。 余りにも非現実的な現実……これが真実であると受け入れるかのように、桃子のペンは狂気を描く。 唯は……ベンツを止めた後も、しばらく助手席で震えていた。 恐怖で体が金縛りになったあげく、彼女の耳が暴走を始めていたのだ。 道路をこするタイヤの音、無理な操作で生じたブレーキ音、マフラーの排気音、そして銃声。 すべての音が自分たちを追ってこないか――唯はそればかり考えていた。 その音が再びやってきたら、ついてきてしまったら、またあの人がやってくる。 どうしたらいい? どうすればいい? いや、どうにもできない。 自分はあの時、何をどうしていいかまったくわからなかった。だから、次も同じ。 絶望というほど落胆しているのではない。彼女の底抜けの明るさは、そうは狂気に落ちない。 しかし、それは現状察知能力に乏しいことへの裏返し。 ぬるま湯に放り込まれた蛙と同じなのだ……湯が沸騰しても……気づくことなく……茹だって死んでいく。 体は船井について行くのがやっと。彼女の耳は今も狂気に混乱している。 「ここや……! ええかんじに揃っとるな」 誰に聞かせるわけでもなく、船井が顔を見上げて、ぽつりとつぶやいた。 その場所はタワーにある1部屋。1階からエレベーターで登った先にある管制室。 最初に侵入したときに見た施設の掲示板をもとに、船井が探し当てた新たなる目的。 放送機器が充実ぶり、タワーに入る前に見た、屋上のアンテナ。条件は良好。 「これなら、どっか他の施設に連絡もできるかもしれん。唯さん、オレらはついとるで! 」 逸る気持ちを抑えて、船井は管制室のシステムを起動させていく。 きびきびと手際良く動く船井……まるで何かを忘れたがっているかのように。 パチ、とスイッチを押す右手は……汗でぐっしょりと濡れている……! ――その時だった。 ”突然の無礼を、まずは詫びよう。 私の名はゼロ。諸君と同じ、このバトルロワイアルの参加者だ” 衝撃っ……! やっと……やっと逃げ切れたと思っていたのに……! モニターからぼわっと……バイクの運転手登場っ……! 船井の操作が、一度送られたはずの通信データを管制室でリピートすっ……! もちろん彼らは知るよしもない……! この映像はタワーに来た人間が閲覧できるよう、張五飛が意図的に残していたものっ……! “人々よ、我を恐れよ! 私はここに、諸君ら全員の抹殺を宣言する! ” あっさりっ……こうもあっさりと宣言っ……! まさかまさかの皆殺し上等っ……! その者の名前はゼロっ……正体不明の仮面の者ゼロっ……! “諸君らが本当に『生きている』と、自らの行いが『正しい』と確信があるのなら――抗ってみせろ!” ついさっきまで、自分たちを追いかけていた者は殺人者っ……! 伊達や酔狂ではない……物取りや冷やかしでもない……バトルロワイアルに生きるリアルな現実……! 余りにも唐突な突きつけ……! 何の反論もできずに……沈黙っ……船井たちは沈黙っ……! なぜなら自分たちは……ついさっきまで……本物の死線を渡らせられていたのだ……! ゼロの放送で移動を開始し……ゼロの追撃を受け……ゼロの存在を知らしめらた……! てのひらっ……! すべてはゼロの掌のうえっ……! ◇ ◇ ◇ 道路脇にバイクを止めて、五飛はヘルメットを外す。 「あやうく怪我をしそうになったのは、お互い様だ」 彼が語るものは、船井たちが運転していたベンツとの交通事故についてである。 タワーを後にした彼が、もう少しで正面衝突しそうになったのは偶然である。 慣れぬバイクの操作に手間取りながらの運転だったので、ライトの灯火を失念していた。 船井たちは無灯火のバイクを認識するのに、時間がかかってしまったのだ。 かろうじて緊急回避をしたので、怪我はなかったのだが……。 「少し、派手にやりすぎたか」 なんと五飛はこの偶然を利用することを思いつく。 進行方向を変えて船井たちを追い回し、彼らに殺意をもってつっかかったのだ。 最後の支給品である『ラッキー・ザ・ルーレットの拳銃』で威嚇射撃も行った。 代償として、運転しながら発砲したために、フルスロットルで飛ばしたベンツに逃げる余裕を与えてしまった。 常識で考えればこれは当然のことだ。 運転しながら銃器を扱うことは、普段の何倍も多大な集中力を消費する。 隙が生じてしまうのは仕方のないこと。 しかし、これで彼らは結果的に仮面をつけた男を危険人物として勘違いするだろう。 そもそも五飛は彼らと最後までやりあうつもりなどなかったのだから。 「さて……」 再びヘルメットをかぶり直して、五飛はエンジンをかけた。 神龍の次の獲物はいずこに。 【F-6/道路/一日目/黎明】 【張五飛@新機動戦記ガンダムW】 [状態]:健康 [服装]:マリーメイア軍の軍服 分厚いマント [装備]:ラッキー・ザ・ルーレットの二丁拳銃(銃弾1発消費)@ガン×ソード ゼロの仮面@コードギアス 刹那のバイク@機動戦士ガンダム00 [道具]:デイパック、基本支給品、干将・莫耶@Fate/stay night [思考] 基本:オレが参加者の脅威となる! 1:殺し合いに乗ったものは倒す。 2:ゼロとして『戦う意思』のない者達を追い詰める。……それでも『戦う意思』を持たなければ―― 3:人間の本質は…… [備考] ※参戦時期はEndless Waltz三巻、衛星軌道上でヒイロを待ち構えている所です。 ※バイクはデュオの私物だと思っています。 ※船井たちの顔をはっきりと確認できたかどうかはわかりません。 支給品解説 【ラッキー・ザ・ルーレットの二丁拳銃@ガン×ソード】 ラッキー・ザ・ルーレットがロシアンルーレットで使っていたもの。 リボルバータイプのため、銃弾の装填数は6つ。 予備弾薬が一緒に支給されているのかは不明。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「唯さん、名簿を見せてくれへんか……!」 船井さっそく見直し……自分が調べた名簿ではなく……唯の名簿を見直し……! ない……ない……ゼロという名などどこにも載っていない……! 「ワシの持ってる名簿も、唯さんの名簿にも、ゼロなんて奴は載っとらん 早いとこ、手を打ったほうが――あっ」 この時船井は、ゼロに対し2つの可能性を考えていた。 1つ……ゼロは帝愛が用意した駒……殺すことになんの躊躇も無いプロっ……! 船井のように名簿に登録されていない、内通者でもある……! いたずらに恐怖心を煽り、適度に間引きをする……いわば死亡者帳尻合わせの請負人っ……! 船井のようなリピーターとは似て非なるものだが……帝愛が用意することは道理っ……! 彼らは結局、弱者が慌てふためき無様な姿を晒すのを見たいだけなのだから……! 帝愛にとって厄介な人間をゼロに始末させれば……バトルロワイアルはスムーズっ……便利なゼロっ……! 2つ……ゼロは参加者の成りすまし……正体を隠して円滑の殺しを行なおうとする……これもプロっ……! 確実に殺しにかかるリスクと負担を減らすための雲隠れ……! 露骨なまでに相手を煽っていたのは……感情の矛先をゼロに向けるためっ……! 頭のおかしい快楽殺人者を仕立て上げ、何食わぬ顔で仲間を作ることも可能……! 善人のフリをしていれば……罪は全部ゼロが背負ってくれるのだから……! 「あっ……! ああっ! あっ……!」 そう思いかけていた船井に……再び驚愕が走るっ……! 目の前の通信システムを活用すれば、ゼロの存在を他の参加者に知らせるのは可能っ……! だが忘れてはならない、ゼロの宣言を自分たちが知ったのは偶然っ……! ゆえにゼロが何者であろうと、この情報はすべての参加者に知らされていないのは必然っ……! ひょっとすれば、平沢唯のように聞き逃している者もいるかもしれない……! わざわざこちらが『ゼロ』という情報を広めるには、リスクが伴う……! 「このサバイバルは持久戦やない……下手すると……超短期決戦……! 」 放っておけば、ゼロも、ゼロを利用する者もどんどん数を増やしていく……! これはもはや狂言ではないっ……! システムっ……! バトルロワイアルを活性化させてしまうシステムっ……! (会場が偽ゼロだらけになってまう! ) ゼロの話を聞いて“しめしめ”と喜ぶ参加者を作ってしまったら……それはゼロの増殖を促す……! 最悪のケースは全参加者ゼロ状態……まさしく64 の キセキっ……! それに現状ではゼロを話をしても誰も信じてくれない……逆に疑われるのが関の山っ……! ――そして…… (……知られてマズいのは悪い人だけじゃないッス) 東横桃子も迷うっ……! 彼女もまた船井と同じくゼロについて思案すっ……! (ゼロさんのおかげで得をするのは、善人も同じ) ちらりと左を見る桃子……視線の先は平沢唯……混乱のあまり頭がパーンと弾けて、呆けてしまった平沢唯……! (もし彼女がクチビルさんを、不慮の事故で殺してしまったとするッス。 死んだのは“ゼロのせい”と言ったら……お友達は彼女を疑うッスかね? ) “私、実はゼロさんがいなくなるまで、何も出来なくて~。な、なんて謝ったらいいか~” 仮定っ……! もし、無邪気な平沢唯が船井を殺してしまったケースに対し……起こりうる可能性っ……! “気にするな唯。唯はわるくないよ! ” ”おねえちゃんは悪くないよ。おねえちゃんがそんなことするはずないもん” 真実が明るみにならない……! 心から信頼していた人間が殺人を犯していたとしても……違うと否定出来てしまうから……! “そうです。悪いのは先輩じゃないです! 悪いのはゼロ!” “唯さん、手をかしましょう。さあ、立ってください” ゼロが罪を被ってくれるからっ……! 全部ゼロのせいっ……ゼロが悪いっ……ゼロの馬鹿っ……! 自分が信じている相手が犯罪をするはずがないと……! “みんなでゼロをぶっとばしにいこーぜー! ” 疑いこそすれ……問い詰めようとは……簡単にはできない……きっとゼロのせいだから……! 楽だから……ゼロのせいであった方が都合がいい……傷つく必要もない……お互いに……! あれは間違いだった……きっと何かの間違い……! ““““““おー!”””””” 後回し…… ゼロを憎むだけで……現実から目を背ける……! 憎むだけで後回しっ……ゼロが現われたら本気出すっ……! 「相変わらずえげつないことしてくれるわ……! 」 単純に殺し周る者よりは、騙し討ちを得意とする者のほうがゼロの恩恵を受けるだろう……! だが、その人を騙してナンボの者よりも、ゼロに助けられるのは……善意の皮を被った者なのだ……! 船井は大きくため息を吐く。 帝愛という組織に対する侮蔑を、再確認させられたから。 それがまったくの勘違いとも知らずに。 『ゼロ』の情報が広まるほど……バトルロワイアルの人間模様が複雑になるのは確実……! 特にバトルロワイアルにノリノリな者ほど……自ら殺しに興じる者ほど……その影響を受ける。 罪を被せられる……だから乗っても損っ……! 「通信システムか――他の使い道……活路……見出せんか……? 」 船井、唯、桃子。 3人はバトルロワイアルに関してはまだまだ素人……! 神の視点など持つはずのない彼らの行動は、暗闇を迷うかのごとく……! 希望の船『エスポワール』のような攻略方法で挑めるほど、この殺し合いは甘くない……! お膳立てされた通信システムに対し、彼らが取る次の行動は 吉となるか凶となるか……っ! 【G-5/タワー管制室/1日目/黎明】 【平沢唯@けいおん!】 [状態]:健康 [服装]:桜が丘高校女子制服(夏服) [装備]:ジャンケンカード(チョキ)@逆境無頼カイジ [道具]:デイパック、基本支給品(+水1本)、ジャンケンカード×十数枚(グーチョキパー混合)、不明支給品x0-2 [思考] 基本:みんなでこの殺し合いから生還! 1:船井さんを頼りにする。 2:友人と妹を探す。でもどんな状況にあるかはあんまり考えたくない…… 3:ゼ、ゼロ……? 殺し……? [備考] ※東横桃子には気付いていません。 ※張五飛の襲撃とゼロの演説で混乱しています。 【船井譲次@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor】 [状態]:健康 [服装]:私服 [装備]:ナイフ、コンパス。他にも何かあるかは後続にお任せ [道具]:デイパック、基本支給品、不明支給品x0-2 遠藤のベンツの鍵@逆境無頼カイジ Ultimate Survivor [思考] 基本:優勝か別の手段か、ともかく生還を目指す。 1:まずは唯の友人らを探す方法を考える。利用できそうなら利用する。 通信システムを使うかどうか迷っている。 2:仲間を勧誘し、それらを利用して生還の道を模索する。 3:絶対に油断はしない。また、どんな相手も信用はしない。 4:嘘かどうかさておきゼロの情報は……大切せんとな。悪人も善人にも旨みがある。 [備考] ※東横桃子には気付いていません。 ※登場時期は未定。 ※ゼロの正体に気づいてません。 【東横桃子名@咲-Saki-】 [状態]:健康、ステルス [服装]:鶴賀学園女子制服(冬服) [装備]: [道具]:デイパック、基本支給品(-水1本)、不明支給品x1-3 [思考] 基本:自分と先輩(加治木ゆみ)の生還を目指す。 1:船井の策にこっそり相乗り。機を見て横取りする。ただし必要と感じるならステルス状態解除も視野に入れる。 2:先輩を探す。または先輩のために武器、道具、情報を収拾する。 3:信じにくいッスけど、ゼロの情報は……ヤバイッス。悪人も善人にも美味しいッス。 [備考] ※登場時期は未定。 ※ゼロの正体に気づいてません。 支給品解説 【遠藤のベンツの鍵】 主催者である遠藤が乗っていたベンツ。 カイジがタイヤに傷をつけていたときのもの。 時系列順で読む Back Only lonely girl Next 存在 投下順で読む Back 届かなかった言葉 Next こよみパーティー 041 Card 平沢唯 096 この重さは命の重さ、この意味は生きる意味 041 Card 船井譲次 096 この重さは命の重さ、この意味は生きる意味 041 Card 東横桃子 096 この重さは命の重さ、この意味は生きる意味 060 その 名は ゼロ 張五飛 105 夜明けのゼロ
https://w.atwiki.jp/kakite3/pages/180.html
【参加者名】となりのもふもふ地図職人 【トリップ】◆S828SR0enc 【所属ロワ】kskアニメキャラバトルロワイアル 【ロワ内性別】 【外見設定】高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【特徴その他】 【書き手紹介】 投下があり参加者が動きを見せる度に素早く地図更新して下さる『地図職人』 一時期は毎日更新に加え、見やすいように方角を追加したり禁止エリアや時間帯別に参加者の色を変えたりと とにかく気の利くお方 本業のほうでも序盤のギャグ気味な空気をピリッと引き締めるシリアスな話を投下し、その後も圧倒的把握量に掘り下げられたキャラの深い真理を描き続けている 「古泉一樹の考察」では地図の配置から主催者の意図までを理論的に考察し名探偵古泉を誕生させた ともかくオールマイティな方で、死亡者を除いては参加者全員書きそうな勢い 【主な作品】 094話 「少女奔走中...」「古泉一樹の考察」 098話「命の選択を:序」「命の選択を:破」「命の選択を:急」 【登場話:話】
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1076.html
残酷な策略の中で――《第三回定時放送》 ◆SDn0xX3QT2 『インデックスです。 バトルロワイアル開始より十八時間が経過しました。三回目の定時放送を開始します。 一回目、二回目の放送と同様、内容の問い合わせには応じられませんので、お聞きのがし無きようにご注意ください。 ………………。 よろしいでしょうか。それでは連絡事項を伝えます。 島内に設置された自動運行の列車ですが、現在は区間運転となっております。 午後八時に【B-4】エリアの駅を出発する列車より、全線での運転を再開する予定です。 また、【D-6】エリアの駅が禁止エリアとなりましたので、代替として【C-6】に仮設駅を設けました。 全線での運転再開後は、【B-4】エリアの駅から【D-2】エリアの駅の区間を片道二時間程度で走行する徐行運転となります。 なお、線路の一部が禁止エリアとなっておりますが、列車の車両内部は例外的に禁止エリアとなりませんのでご安心ください。 作業の進行に遅れがあった場合は、運行再開が先送りになる可能性もあります。 詳しくは各駅構内の電光掲示板を参照ください。 続いて、禁止エリアの発表です。 三時間後の午後九時以降、【B-3】【C-1】【F-7】の三ヶ所が新たに立ち入り禁止エリアとなります。 次に、第二回定時放送から現在までに死亡が確認された参加者を発表させて頂きます。 【トレーズ・クシュリナーダ】 【伊藤開司】 【明智光秀】 【神原駿河】 【アーチャー】 【ヴァン】 【海原光貴】 【伊達政宗】 【張五飛】 【平沢唯】 【バーサーカー】 以上十一名です。 では続きまして、本バトルロワイアルへの新たな参加者を発表致します。 【ジョシュア・ラングレン】 【武田信玄】 【ティエリア・アーデ】 繰り返します。 【ジョシュア・ラングレン】 【武田信玄】 【ティエリア・アーデ】 以上三名が、参加者としてこの放送の終了と同時に会場内のどこかに転送されます。 参加者の追加に伴い、会場内の三ヶ所に一枚ずつ『ドロップアウトカード』を配置致しました。 お手元のデバイスをご覧ください。現在デバイスに映し出されているカードが『ドロップアウトカード』です。 『ドロップアウトカード』を使用されると、即時にバトルロワイアルから離脱、その後の元の世界への帰還を保証させていただきます。 カードの使用方法については、カード裏面に記載しておりますのでそちらをご確認ください。 『ドロップアウトカード』は、【火口】【吊り橋】【トンネル】の三ヶ所に一枚ずつ置かれています。 では、これで三回目の定時放送を終了致します』 ◇ ◇ ◇ 原村和は、自室で放送を聞いていた。 これはおかしい――そう思いながら。 今までと異なり遠藤抜きで放送が行われたことも気になるが、それ以上に気になることが和にはあった。 質問対応マニュアルと五分ほど前に黒服から届けられた資料、そして参加者の現在地を示すモニターを眺めつつ、 静かに思考を巡らせる。 参加者の追加とドロップアウトカードの導入。 これについては事前に説明があった。 第三回放送から第五回放送のいずれかの放送のタイミングで参加者の追加が行われる。 追加される参加者の人選とドロップアウトカードの設置場所に関しては その時の状況を見て決定するので、参加者の追加が発表される放送の開始直前に改めて連絡する、と。 連絡は、予定の中では最も早いタイミング――第三回放送直前に和へと届いた。 宮永咲が参加者として会場に送られることはないと言われていたが、それでも不安で、 和は真っ先に追加される参加者の名前を確認し……咲の名前が無いことに安堵するのと同時に、 追加参加者となった三人の情報を見て疑問を抱いたのだ。 ドロップアウトカードの設置場所を知り、和の疑問は更に大きく強いものへと変わった。 (これでは、バトルロワイアルの進行が阻害されてしまうのでは………) 和は参加者の追加が行われると聞いた時、殺し合いを促進するための手段なのだろうと思った。 途中参加者は体力を消耗していないぶん他の参加者より有利に殺し合いを進めることが可能になる。 だから、確実に殺し合いに乗る人間を投入することで、ゲームの進行を早めることが目的なのだろうと考えたのだ。 しかし、追加される参加者は人質として身柄を拘束している者の中から選抜し、 支給品の入ったデイパックを渡して会場に転送、 その際に主催側と取引や契約は行わず、会場内では他の参加者と同等の自由は保証されると説明された。 つまり、追加参加者は、ゲームへの参加は強制されても、殺し合いに乗ることを強制はされないということだ。 そして、実際に参加者となったジョシュア・ラングレン、武田信玄、ティエリア・アーデの三人。 手元の資料を見る限り、和には彼等が積極的に殺し合いに乗るタイプとは思えなかった。 殺し合いに乗らない参加者が三人増えれば、それだけでバトルロワイアルの終了は遠くなる。 更に、ドロップアウトカードの配置場所を考えれば、参加者の位置が現状よりも分散することが予想される。 そうなれば参加者同士が遭遇し難い状況となり、必然的に戦闘等が発生する確率も下がる。死亡ペースは落ちるだろう。 (何か、あまり早く優勝者が決まってしまっては困る事情でもあるのでしょうか…… そうだとしても、ただゲーム終了を引き延ばしたいだけにしてはリスクのある方法という気がしますが……) まず思いつくのは、武田信玄とティエリア・アーデの存在だ。 真田幸村と刹那・F・セイエイが死亡している以上、信玄とティエリアには脅しに使える人質はいないはず。 そんな人間を、首輪は嵌められているとはいえ、人質でいるよりは自由の効く参加者という立場にすれば、 主催側に危険を及ぼす可能性は充分に考えられる。 (私に与えられている情報が全て真実だとすれば、参加者の追加投入とドロップアウトカードの導入は 冒す必要のないリスクをわざわざ冒しているような行為に思えるのですが……さすがに考えすぎでしょうか) そこまで考えて、和はいったん思考を切り替える。 帝愛の思惑は気になるが、咲の安全のためには、自分の役割を果たさねばならない。 黒服に渡された質問対応マニュアルの追加分――ドロップアウトカードについての項目に目を通す。 ・ドロップアウトカードは、カードとカード裏面に記載されたアイテムを同時に首輪換金ボックスに投入することで使用可能。 投入時点でその効力が発生する。 ・カードと同時に投入するアイテムは、カードごとに異なるものが指定されている。 ・基本的にカードの効力は使用した本人に発生するが、カード・指定のアイテムと同時に5000万ペリカを投入することで、 カードを使用することで与えられる権利を他の参加者に譲渡することができる。 ―――ここまでは、国士の間のノートパソコン起動直後の時点で回答可能な項目となっている。 カードの現在地と使用済みかどうかも同様。 カードの所持者も、起動後一回目の放送を越えれば回答可能となっているので、既に答えることができる。 それぞれのカードに書かれたアイテムが何なのかを答えられるのは国士の間のノートパソコン起動後、三回目の放送以降。 指定アイテムの内容は追加参加者の情報を収めたファイルに記載されていた。 他にもいくつかの項目が列挙されている。 最後の項目は『ドロップアウトカード使用時にペリカを所持している場合、そのペリカを用いた主催側との交渉が行えるか』。 これについては、起動後四回目の放送以降回答できるとされている。 (先程の放送でもこの部分は明確にはされていませんでしたね) 報酬などいらないからこの殺し合いから逃げ出したい、何としても生還させたい相手がいる、というケースならば ペリカで交渉が行えるかどうかに大した意味はないかもしれない。 だが、蘇生させたい相手がいる場合などには、交渉が行えるかどうかは重要なことだ。 そもそも『即時にバトルロワイアルから離脱、その後の元の世界への帰還を保証』という含みのある言い方に 引っ掛かりを感じる参加者は少なからずいるだろう。 (この質問は、早い段階で答えてしまった方がいいような気がしますが…… 指定されているアイテムを見る限り、カードを使用させる気はあまり無いようですから 交渉ができるか否かなど答える必要は無いということでしょうか?) 帝愛のやり口に憤りを感じながら、和は追加参加者についての項目も確認していく。 ・追加参加者は三人とも、他の参加者と同様に開会式の映像と定時放送の内容を知っている。 ・ジョシュア・ラングレンは、一日目午後五時までD-6エリア駅構内とその周辺の映像(音声無し)が確認できる状況下にあった。 ・武田信玄は、一日目午後五時まで政庁内部の映像(音声無し)が確認できる状況下にあった。 ・ティエリア・アーデは、一日目午後五時まで敵のアジト内の映像(音声無し)が確認できる状況下にあった。 追加参加者について現時点で回答できる項目は『第三回放送以前に与えられていた情報に関して』のみ。 おそらく、誰も質問してこないであろう内容だ。 一通り確認を終えた和は、デスクに置いたカップに手を伸ばし、ゆっくりと口元へ運ぶ。 冷めたココアは、お世辞にも美味しいとは言えない。 だが、温かければ美味しいと感じたのだろうかと考え、こんな時に何かを美味しいと感じることなど無いだろうと思ったら急に ココアの温度など、どうでもよくなった。 【???/飛行船・原村和の部屋/1日目/夜】 【原村和@咲-Saki-】 [状態]:健康 [服装]:私服 [装備]:エトペン@現実 [道具]:デスクトップPC×数台、会場監視モニタ×数台、質問対応マニュアル(電子ファイル) 質問対応マニュアル追加分(追加参加者とドロップアウトカードに関するもの) [思考] 基本:帝愛に従い、咲さんを救う 1:役割(麻雀・サポート窓口)をこなす。 2:咲さんが心配。一目だけでも無事な事を確認したい。 3:参加者の追加やドロップアウトカード導入の目的は何なのでしょう…… 4:どうせ打つなら守る為の麻雀を打ちたい。 5:忍野メメを警戒。従ってはいるものの、帝愛は許せない。 [備考] ※登場時期は最終回の合宿終了後です。 ※基本的に自分の部屋から離れられません。部屋に監視カメラがついていることを知っています。 ※参加者が異世界から集められていることを知っています。 ※以下の事柄はSOA!(そんなオカルトありえません)と思っています。 ・死者が蘇る。 【質問について】 現在回答可能 参加者の居場所 ※但し一回の放送ごとに利用できるのは一人までで、居場所が分かるのも二人までです。 ドロップアウトカードの基本的な使用方法 ドロップアウトカードの現在地・所有者・使用済みかどうか ※ドロップアウトカード関連の質問について、一度に答えられる範囲に制限があるかは他の書き手氏にお任せします。 追加参加者(ジョシュア、信玄、ティエリア)が、ゲーム開始後第三回放送までの時点で把握している情報について 時間経過により回答可能になる質問 原村和についての質問 →国士の間のノートパソコンを起動してから三回目の放送以降(第五回放送以降)回答可能 各ドロップアウトカードに記載された、ドロップアウトカード使用に必要なアイテム →国士の間のノートパソコンを起動してから三回目の放送以降(第五回放送以降)回答可能 殺し合いに巻き込まれた理由、殺し合いの目的 →国士の間のノートパソコンを起動してから四回目の放送以降(第六回放送以降)回答可能 ドロップアウトカード使用時にペリカを所持している場合、そのペリカを用いた主催側との交渉が行えるか →国士の間のノートパソコンを起動してから四回目の放送以降(第六回放送以降)回答可能
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1418.html
第四回定時放送 ~十二時(リミット)~ ◆SDn0xX3QT2 太陽が沈んだ頃から、空模様は不安定だった。 月はその光を惜しみなく地上へ降らせていたかと思えば、厚い雲に覆われ姿を隠す。そんなことを繰り返していた。 雨が降ることこそなかったが、それもこの先はわからない。 月明かりは頼れるものではなくなりつつある。 そして――― 一日が終わり新たな一日が始まったその瞬間、ヒトが作りだした灯りはあっけなく、島の中から消え失せた。 ◇ ◇ ◇ 『こんばんは、インデックスです。 バトルロワイアル開始より二十四時間が経過しました。四回目の定時放送を開始します。 内容の問い合わせには応じられませんので、お聞きのがし無きようにご注意ください。 …… ………… ……………… よろしいでしょうか。それでは連絡事項を伝えます。 現在、島内全域で停電となっております。 島内の電力システムに不具合が発生した為、修復のために電力供給をストップ致しました。 復旧は六時間後、午前六時の予定です。 この停電によって、島内の首輪換金ボックスならびに無人販売機は使用不可能となっております。 施設サービスはご利用が可能です。 また、列車は電力システムが別となっているため通常通り運行中です。 線路の一部が禁止エリア内を走っていますが、車内は禁止エリアとはなりませんのでご安心ください。 続いて、禁止エリアの発表です。 三時間後の午前三時以降、【A-4】【D-4】【F-7】の三ヶ所が新たに立ち入り禁止エリアとなります。 次に、第三回定時放送から現在までに死亡が確認された参加者を発表させて頂きます。 【ライダー】 【ヒイロ・ユイ】 【レイ・ラングレン】 【ゼクス・マーキス】 以上四名です。 私からの連絡事項は以上です』 『こんばんは、諸君。遠藤だ。 突然の停電に驚いた者も多いだろう‥‥‥ だが、夜とは本来こういうもの‥‥! 暗いからこそ夜‥‥ この闇こそが、正しい夜の姿っ‥‥‥! 夜は眠り身体を休める‥‥それもいいだろう‥‥‥ 闇に紛れ行動する‥‥それもいいだろう‥‥‥ ‥‥ ‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥ ‥‥俺が何かいい情報でも喋ると思って待っているのか‥‥? だとすれば、それは大間違い‥‥! ‥‥愚か‥‥ あまりにも、愚かっ‥‥‥!! 自分で考え、自分で動き、自分で確かめ、自分で決める‥‥ それが出来ない者は、生きていないも同然っ‥‥‥! さあ‥‥ 今から六時間後‥‥ 午前六時の次の放送の時に、果たして何人が生き残っているかな‥‥? 諸君らの健闘を祈るっ‥‥‥!!』 ◇ ◇ ◇ 放送が終わった島の中に光は無く、だが、バトルロワイアルの会場のすべての場所から光が失われたわけではない。 たった一ヶ所の例外。 会場の中でありながら、島の中ではない場所――――ギャンブル船。 闇の中でその船だけが、人工の光に溢れていた。
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/110.html
OP案 ◆YzRSe62wUQ これは一つの数奇な物語の始まりよりさらに前のこと、 厳密には物語の一部とは呼べない、プロローグですらない部分の出来事である。 一人の男と一人の女が並んで歩いていた。 かつかつかつ、と足音を床に響かせながら、二人は目的地へと歩みを進める。 二人の間には沈黙が横たわり、その場にはあまり穏やかではない空気が流れていた。 「そう緊張することはないさ、レディ」 その沈黙を振り払ったのは、男のそんな一声。 その声は場違いな程、落ち着いており、聞く者を安心させる不思議な優雅さ含んでいる。 「しかし、トレーズ様、これでは………」 対してレディ、と呼ばれた女のその声は決して穏やかな物ではない。 切迫していて、どこか屈辱を孕んでいる声だった。 男は静かにその声へ言葉を返す。 「何、少しばかり道化を演じるだけだ。 道化を演じ、人々を争わせる。私とて今まで経験がない訳ではないさ」 女はその言葉を聞いて、押し黙る。 その表情は依然として固く、男の言葉に納得している筈がなかった。 「だが、例え道化だとしても……せめてエレガントに演じたいものだ」 Animated character Battle Royale 3rd Episode000 Die Meistersinger von Nürnberg 僕、阿良々木暦は高校生だ。 それもかなりレベルの高い、県内有数の進学校へ通っているが、僕個人の成績はあまり振るわない。自信を持てるのは精々数学くらいで、後の教科ではテストの度に赤点との熾烈な戦いを繰り広げている、落ちこぼれと呼ばれるのに相応しい存在だ。 また、僕個人もあまり社交的な性格をしておらず、少し前まで一人として友達が居なかった。 友達を作ると人間強度が下がる、少し前まで僕はそんなことを真面目に思っていたのだ。が、そんな僕にも最近友達ができ、ようやくというべきか受験勉強も始めた。 これは僕にとって相当な変化であり、成長でもあったのだろう。 だが、その成長に至るまでの道筋は決して綺麗なものではなく、血塗られた傷だらけの物語であり、詳しい説明は省くが僕は少し前――春休みに一人の美しい鬼に会い、一度死に、吸血鬼として生き返った。 紆余曲折を経て、今はほとんど人間に戻ることは出来たのだけれど、それでも僕は厳密にいえば人では無くなっている。 ほとんどの力は失ったとはいえ、僕が鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼の眷属だったことは確かであり、人よりも少し身体が頑丈で強い回復力を持っているのだ。 だからなのだろう、僕はその場において少し早い段階で目覚めることができた。 その場には複数の人の気配があり、僕は彼らのすぅすぅという静かな寝息を聞いた。 どうやら、僕らはどこか暗い部屋の中に居るようだ。 さて、僕は決して社交的な人間ではない。春休み以来、人と接することも多くなったが、それでも僕は見知らぬ人達と集団でお泊り会を開くような気はなかったし、これからも ないだろう。 さらに、この状況についての、僕への説明はなく、当然、僕の意思はどこにもなかった。 それは紛れもなく、集団誘拐事件だった。 …………………………………………。 「なんて唐突な………………」 思わず声に出してしまった。 それ程までに、脈絡のない、唐突すぎる展開である。 ……僕の知る限り、こんなことへの伏線は特になかった筈なんだけどなぁ。 見落としていたのか。それとも何だろう、人気が出なくなってバトル路線に強引に変更したんだろうか。 打ち切りフラグだ。 「しかも、何だこれ……首輪?」 僕はそう呟きながら、首に嵌っている肌に不審な感触を確認した。 嵌っている場所が場所だけに、細部までは良く分からないが、それは首にぴったりと嵌っていて簡単には外せそうにない。 また、それにアクセサリ的な装飾はなく、無機質で冷たい物だった。 さて、これは一体どうしたものだろう。 僕がこの謎の状況と、謎の首輪に対して思考を巡らせようとした時である。 どこかに仕掛けてあったであろうスピーカーから大音量で音楽が流れ始めた。 「うわ……」 それが余りにも突然だった為、僕は変な声を挙げてしまった。 だが、そんな僕の声などかき消すくらいの大音量で音楽は流れ続ける。 「えーと、この曲は確か……」 その曲はクラシックだった。 別に僕にクラシック音楽を嗜む趣味はないが、それでも聴いたことはあるくらいメジャーな奴である。 その曲は目覚ましのようなものだっただろう。他の眠っていた人達も起き始めているようだ。 確か前、車のCMで使われていた気がするそれは、かなり派手な曲で、何というか人を叩き起こすのにとても向いている曲だった。 名前は確か……………。 「皆さん、本日は了解なく、このような場にお連れした無礼をお許しください」 僕が、未だに状況に混乱していると一つの声が聞こえて来た。 マイクでも使っているのか、大音量のクラシックをBGMにしながらも、しっかりとその声は響き渡る。 声のした方向を向くと、そこには軍服を着た一組の男女がいた。 その場にのみスポットライトが当たっており、僕はその二人の姿をはっきりと見ることができた。 「貴方達はある一つの戦争に参加して頂くことになったのです」 男は僕達を眺めつつ言葉を続ける。 容姿端麗な男だった。 豪華な装飾の施された軍服、その胸に差した薔薇、落ち着いた物腰、それらがとても似合っていて、何というか、エレガントな男である。 「人は有史以来、他の存在を蹴落とすことでその存在を維持し、繁栄してきました。 そのことを再現して頂きます。 即ち、殺し合い―バトルロワイヤルで」 対して、隣に居る女性は眼鏡を掛けている。 硬そうな軍服を身に纏い、見るからに真面目そうだ。 真面目で眼鏡、というと僕的には羽川翼が思い浮かぶのだけれど、女に羽川のような委員長的なオーラはなく、他人を寄せ付けない、委員長というよりはきつい教師のようなオーラがあった。 彼女は微動だにせず、まるで人形のようだ。 「今から、貴方達をとある場所にお届けします。 その時に、水に食料、地図、名簿、そしてランダムに何かを支給します。 その何かは基本的に武器で、それを使って最後の一人になるまで殺し合って貰います」 そして、ほとんどの者が完全に覚醒した頃になっても音楽は鳴り止んでいなかった。 流石に音量は幾分か下がっているが、それでも流れ続けている。 …………思い出した。 この曲は確か、『ニュルンベルクのマイスタージンガー・第一幕への前奏曲』だっただろうか。 ワーグナーの曲だった気がする、というかワーグナーの曲なんてこれしか知らない。 「ただし、そのランダム支給品の中には所謂、外れというものもあります。 外れを引いてしまった悲運な方は、他人から奪ってしまうことをお勧めしますよ」 さて、一通りその場の描写が終わったことだし、そろそろ先程から男の言っていることに触れてみようと思う。 実を言うとこの時、僕はかなり落ち着いていた。 最初は集団誘拐かと思って焦っていたが、マイスタージンガーが流れ始めた時辺りから冷静になり始め、男が何か言い出した時にはもう平静といってもいいくらいだったのだ。 状況があまりにも非常識過ぎて、一回り回って精神が安定している。 だから、今までに男が言ったことは、ほぼ正確に聞いていた。 「そして、6時間ごとにこのバトルロワイヤル脱落者を放送します。 その時に禁止エリアも発表します。禁止エリアについての詳細は第一回目の放送で説明しましょう」 しかし、バトルロワイヤル、ねぇ……。 マジでバトル路線に変更したのだろうか。 だとしたら、これから全部バトルパートになるのか。 ……命が幾つあっても足りないな。 何て暢気に考えられるくらい僕は落ち着いていて、裏を返せば危機感が全くなかったのだ。 後から考えるとこれは余りにも浅はかで、愚かなことだったのだろう。 「これでバトルロワイヤルの説明を終わります。 ただ―――」 急に。 急に男の声のトーンが変わった。 そして、気のせいか辺りの空気も、冷たくなった気がした。 「皆様のほとんどは未だに状況が分かっていないでしょう。 そんな方の為に、一つ実演と行きましょう」 そう言って男はパチン、と指を鳴らした。 そして、マイスタージンガーをBGMにして ぼん。 隣に居た、女の首が、爆発した。 そして、女の生首が、静かに転がる。 ころころと、ころころと。 「な…………」 僕は、絶句する。 そのスプラッターな光景は作り物めいていて、嘘くさい。 だけど、今までの暢気な気分を吹き飛ばすには十分な出来事だった。 「お分かり頂けましたか? 貴方達の首にも彼女と同様のものが仕掛けられています。 こうなりたくないのなら、貴方たちは歯向かわずに殺し合いをして下さい。 それだけが生き残る方法です」 思わず、自分の首に触れてしまう。 首輪は先程と変わらず指先に冷たい感触を与えくる。 これはもうバトルとはいえないな……強いて言うなら、ホラーか。 「ただ、この中には友人関係の者たちも何人かいます。 自らの友人を手にかけることは辛いでしょう。 なので、優勝商品を用意しました」 パチン。 再び男は指を鳴らした。 すると 「っ……!?」 僕は、驚いた。それはもうかなり。 先程、眼鏡の女が死んだ時も驚いたが、それでもどこか映画を見ているような気分だったのだろう。 女が、 首が爆発して死んだ女が、 「この場で死んだ死者の蘇生。 それを約束しましょう」 生きていた。 生きて、男の隣に居た。 ちゃんと首も繋がっている。 先程まで死体が在った筈の場所は綺麗に片付いていて、赤い鮮血はどこにもなかった。 首が爆発したら死ぬ、それは人である以上、当たり前のことだし、一度胴体と頭が離れてしまえば二度と生き返ることはない。 だから、さっき女が死んだことは、ある意味、至極当然なことであり、それ自体はまだ常識の範囲内の出来事だったのだろう。 少なくとも、死んだ人間が平然と生きて立ち上がっているよりは。 「流石に全員とはいきませんが、それでも十人程なら蘇生を約束しましょう。 また、蘇生が別に必要がないという方は、それ相応の『宝』を渡しましょう」 男は今、起こった常識外のことなど気にも留めずに言葉を続ける。 女が自分の隣に居ること、それがさも当たり前のことのように。 「では、これでバトルロワイヤルのルール説明を終わります。 最後まで戦い抜いてください。 人は、戦っている時が最も美しいのですから」 男はそう言って、言葉を締め括った。 そして、次の瞬間、僕の視界が 「なっ…………!?」 まばゆい光に包まれていく。 そこでの展開は、最後 まで唐突で脈絡の なく、どうし ようもない 程に現 実だっ た 。 Animated character Battle Royale 3rd The Opening Completed. そうして、バトルロワイヤルは開始された。 理不尽なルールを説明された63人の参加者は既に戦場へ旅立っている。 だが、前奏曲であるマイスタージンガーはまだ演奏を終えてはいなかった。 「全く、まさしく道化だな」 全てが終わった後、トレーズはそう短く呟いた。 その表情は心なしか疲れているようだ。 トレーズはこの場にいるもう一人の者―レディ・アンに声を掛ける。 「レディ、人形との入れ替えはうまくいったかね?」 「はっ、あの暗さも手伝って誰一人として、私の入れ替わりに気付いた者は居なかったでしょう」 「そうか。なら良い。これで渡された役割は完璧にこなした。 奴らも文句はないだろう」 レディ・アンは生き返ったのではなかった。 そもそも死んでいないのだ。 爆破されたのは人を模した人形であり、彼女はタイミングを見計らって、爆破する人形と入れ替わった。 勿論、彼女一人でやったのではなく、彼らの“脚本家”ともいうべく存在の手を借りて。 阿良々木暦はレディ・アンのことをこう思った、まるで人形ようだ、と。 それはまさしく真実であったのだ。 それでも、彼らがやったことは所詮手品であり、平時なら誰もそれで死人が生き返ったなどとは思わないだろう。 だが、それまでに起こった出来事が非常識過ぎた故、ほとんどの者はレディ・アンが生き返ったと思った筈だ。 レディ・アンは死んでいない。 それはつまり彼らの死者蘇生の約束は虚偽であるということだった。 「では、トレーズ様。一旦、部屋に戻って奴らに対する対策を――」 「いや、レディ。私も戦場に向かう」 トレーズはレディ・アンの言葉をそう遮った。 レディは言葉の意味が、分からずトレーズを注視する。 そして、彼がやっていることを見た時、彼女は驚きの余り声を挙げた。 「トレーズ様!一体何を……」 トレーズは、自らに首輪を付けていた。 がちり、そんな金属の軋む音が鳴り響いて、首輪はトレーズの首にしっかりと固定される。 それはトレーズの身分が参加者達と同等の物になったことを意味する。 「人は戦っている時が最も美しい。そうは思わないかね、レディ?」 「え……」 トレーズはレディを見つめながら、静かに言葉を紡ぐ。 その姿はまさしくエレガントであった。 「道化を演じるにしても美しく戦って、敗者になりたい」 トレーズはだから、と言葉を繋ぎ 「私も道化―ジョーカーとして参加しよう。この、戦争に」 そう言って、トレーズの姿は光に包まれる。 その姿にレディ・アンは何も言うことが出来ず、ただ立ち尽くすことしかできなかった。 光が完全に消えた時、その場にはもう誰も居ない。 こうして最後の参加者が戦場へと旅立った。 マイスタージンガーは演奏を終え、物語の幕が開く。 【主催 ???】 【進行役 レディ・アン@新機動戦記ガンダムW】 ※参加者には優勝賞品として【死者の復活】もしくは【宝】を用意すると伝えられています。ただし、真偽は確かではありません。 ※トレーズ・クシュリナーダ@新機動戦記ガンダムWの名前は名簿に記されていません。