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第五回放送候補 タイトル 作者 A 第五回定時放送 ~黒衣の男~ ◆MQZCGutBfo B 第五回定時放送「死に行く女の為に出来ること」 ◆1aw4LHSuEI C みんなのアイドル☆イリヤちゃんの第五回定時放送 ◆5iKodMGu52
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111 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/27(水) 22 34 20 ID in0442CU はっはっはー、ただの自己満足の為に整理するのだー 【各勢力一覧】 《風紀委員》龍門渕透華 トレーズ・クシュリナーダ 月詠小萌 リリーナ・ドーリアン 伊藤開司 黒桐幹也 加治木ゆみ 竹井久 セイバー 真田幸村 御坂美琴 バーサーカー アーニャ・アールストレイム ヒイロ・ユイ ファサリナ 妹E 上条当麻 《特攻野郎》琴吹紬 刹那・F・セイエイ 八九寺真宵 明智光秀 本田忠勝 戦場ヶ原ひたぎ 神原駿河 船井譲治 アーチャー ゼクス・マーキス レイ・ラングレン 海原光貴 妹F R妹 平沢唯 中野梓 千石撫子 《伊達軍団》伊達正宗 片倉小十郎 ヴァン プリシラ 衛宮士郎 福路美穂子 池田華菜 田井中律 キャスター 玄霧皐月 ライダー 浅上藤乃 デュオ・マックスウェル 張五飛 C.C. ユーフェミア・リ・ブリタニア 安藤守 《運営係?》マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア カギ爪の男 兵頭和尊 利根川幸雄 ハロ達 黒服達 【種目一覧】 《個人競技》100m走/大玉転がし/障害物競争/二人三脚/パン食い競争/借りモノ競争/寒中オイルレスリング/電撃イライラ迷路/タマ取り? 《団体競技》長縄跳び/綱引き/棒倒し/玉入れ/風雲!安土城/ムカデ競走/チーム対抗リレー/チーム対抗騎馬戦 《その他》運動会ライブ/フォークダンス/組体操 種目を選定した先人には申し訳ないが、「借り物+借り人=借りモノ」のように統合します。あと、「タマ取り」ってなんですか? 116 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/27(水) 23 14 38 ID 1Fx2Q.hg 小十郎「精一杯タマァ殺らせて戴きやす。」 撫子「ひいっ!」 池田「そーいうんじゃないし!」
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拡散スルハ死ノ恐怖 ◆X5.tKUFx82 『【ライダー】 【ヒイロ・ユイ】 【レイ・ラングレン】 【ゼクス・マーキス】 以上、4名です。残り参加者は22名となります。 これをもちまして、私からの連絡事項の通達を……』 早くも四回目となる定時放送。 淡々と死者の名を告げるそれに、一方通行は微笑を浮かべつつ耳を傾けていた。 最初は忌々しく思えたというのに、その面影はまるで感じさせられない。 もはやその声には、慣れすらも覚えてしまったのだろうか。 (おいおいおい……何だよ、こりゃぁ?) そんな彼が、この放送に対して感じた疑問は三つ。 まず一つ目は、これまでの放送と比較すれば誰でも気付く事ではあるが。 (たった四人しか死ンでねぇだと? 幾らなんでも、ペース落ちすぎだぜ……!!) 死者の数が、圧倒的に減少しているのだ。 十人越えがもはやデフォルトと化していただけに、これはとんだ肩すかしだ。 では、どうしてこうなったかと言えば、その理由は至極簡単。 殺し合いに乗った人間の数が減少したか、そう易々とは殺せない実力者ばかりが残り始めたか。 あるいは……その両方かだ。 これは、主催打倒を目指す者達にとっては喜ばしい情報であり。 優勝を目指す者からすれば、同時に警戒すべき事でもあるだろう。 しかし……事、一方通行に関しては、僅かながら事情が異なる。 (レイの野郎は兎も角、後の三人は…… 全員、俺の目の前でくたばった奴じゃねぇか) そう、一方通行は名を呼ばれた四人全てを知っていた。 その内で唯一、レイのみは彼の預かり知らぬところで死んだのだが。 しかし、後の三人に関しては……全員が、一方通行の目の前で死しているのだ。 ―――スザク達からはライダーとかいう名前で聞いていた、ボディコン女。 もはや死に体であったその身に、一方通行はトドメの一撃をぶちかました。 ―――あのクソうぜェ女がヒイロって呼んでやがった、ゼクスの仲間。 信長を潰す為、見事な自爆を決めた。 ―――そして……ゼクス。 勝つ事の意味を遺言として残し、目の前で爆殺した。 四人中二人、実に半分は一方通行がその命を奪った。 また、ライダーに関しては放っておいても死んでいたであろう重傷を負っていたが、 それは現場の状況からして信長か、ファサリナかヒイロかがやらかしたのだと容易に想像が出来る。 そして、後者の二人は殺し合いには乗っておらず、ヒイロは信長と己の存在が死に追い込んだ。 一方、レイに関してなのだが……どういう事か彼の死体は、スザクから奪ったデイパックの中にあったのだ。 死因は、胸部にある銃創を見ればすぐに分かる……心臓をぶち抜かれての即死だ。 銃撃、それも急所である心臓をピンポイントに撃ち抜いたとあれば、誤射であるとは考えにくい。 ならば、レイの死には少なくとも一人―――殺し合いに乗った人間が絡んでいる可能性が高い。 (そういりゃ、死体といえば……気になンのはこいつだな) さて、ここで一方通行は少し考えを切り替えた。 死体と言えば気になるのが、スザクの持ち物の中でも最も特異と言えるソレ。 もう一つ収まっていた、一方通行もほんの数分だけだが会話を交わした男―――アリー・アル・サーシェスの骸だ。 (……おかしすぎンぜ、こりゃよ) この死体、一方通行からすれば不可解にも程がある。 まず一つ目は、本来あるべき首輪が何故かこの死体には無かった事。 それも、首を切り落として取り外したのなら兎も角、顔と胴体は繋がったままだ。 もしかすれば、首輪を何かしらの方法で解除したのかもしれない。 最初、一方通行はそんな希望にも近い考えを持ってしまったが……すぐにそれを否定する。 死体の首輪が幾らか機能を失っている事は、既に調査済みだ。 ならば、例えばテレポーテーションの能力者が実験的に首輪を外したという可能性も、十分ありうるだろう。 故に、この問題に関してはそう簡単に答えを出す事は出来ないが……はっきり言って、これは些細な事だ。 何故ならば、もう一つ……首輪の件よりもずっと、無視できない問題があるのだから。 (この野郎……どうして、放送で名前が呼ばれてねェんだよ?) そう、アリー・アル・サーシェスの名前は放送で呼ばれていないのだ。 こうして死体が目の前にあるにも関わらず、だ。 これは流石に、奇妙なんてレベルではない大きすぎる矛盾。 主催側の手違いで、生死についての判別がつかなくなったのだろうか。 いや……そんな温いミスを、主催側が犯すとも思えない。 だとすれば、一体何があるというのか。 (妹達みたいな、本人そっくりのクローンって事か?) ありえるとするなら、この死体がサーシェス本人ではないという事。 彼に似た、クローンの様な何者かという事だ。 妹達という存在を知っている一方通行にとって、そう考えるのは容易い事だった……が。 (……いや、首輪の事も含めりゃやっぱおかしい。 偶然にしちゃ、流石に重なり過ぎてるぜ) しかし、そうだとはやはり断言できない。 何せこの死体には首輪が無く、しかも放送でその名を呼ばれていない。 ここまで奇妙な重なり合いとなれば、単なる偶然とは言い切りにくい。 この死体に何かもっと深い意味があるのだと、どうしても思わせてしまう。 (チッ……駄目だな、流石に材料が少なすぎる。 この死体の事は何か分かるまで放っておくしかねぇな……アリー・アル・サーシェス。 こいつ……一体、何者なンだよ?) しかし、ここでは考えようにも少々推理材料が欠けている。 この死体に関しては、何でもいいから情報を集めなければ、解決の仕様が無いだろう…… ただ、このまま放置するには不気味すぎる為、いずれかは謎を解き明かさなければならないのだが。 それまで、この奇異極まる死体は当分デイパックの中に封印だ。 それによる、言葉では上手く言い表せない漠然とした不安を、感じつつではあるのだが…… ―――この時、一方通行は夢にも思わなかっただろう。 ―――己が抱いた『妹達みたいなもの』という考えが、実はかなり的を得ていたとは。 ―――アリー・アル・サーシェスが、その『妹達』の肉体を得て生き延びていようとは。 ―――それも、殺し合いを目論む首魁の介入によるものだとは。 ――――――彼が抱いた、言葉に表せない不安は……間違いではなかったという事だ。 ◇ ◇ ◇ (となりゃ、当面の問題は……) さて、ここで一方通行は考えを戻し、ある事について頭を悩ませた。 この第四放送では、先に告げたようにたった四人しか死亡しておらず。 その四人中三人の結末を彼は見届けている……その結果、ある厄介な問題が持ち上がるかもしれない。 (もう殺し合いに乗ってンのは、俺と信長以外じゃ最悪たった二人しかいねぇって事か?) それは最悪の場合、ここまでの生き残りでかつ殺し合いに乗っているのは、一方通行自身も含めてたった四人しかいないという事だ。 加えて、その場合は内一人が誰なのかは簡単に答えが出せる。 それはライダーと行動を共にし、一方通行自身も交戦をした能力者らしき相手―――藤乃という名の女に他ならない。 その名前はまだ放送では呼ばれておらず、今もなお生き延びている事は間違いない。 ちなみに、ここで彼が三人と判断しなかった理由は、言うまでも無くレイの死因。 殺傷能力の高い能力を持つ藤乃が、わざわざ銃殺という手をとるとも思えないが為である。 (ハッ……こりゃ、残ってる連中はもっと早く仕留めなきゃならねェな、オイ?) この仮定が真実ならば、能力制限を持つ一方通行にとっては少し不利な状況だ。 何せ生存者22名中、殺戮者がたった4名。 流石に効率が悪すぎる……長期戦にならざるを得ないのはもはや必然である。 また、この仮定が外れていたとしても。 死者の状況からして、殺し合いに乗った人間の数が少なくなってきているのは事実だろう。 ならば、これより求められるのは迅速な殺人。 よりスピーディに、よりスムーズに。 そして……より確実に、相手を殺さなければなるまい。 (ああ……能力の無駄使いは避けてぇ。 確実に、ブチ殺したって確認できる状況ってのは大事だよな) それは、一方通行がこの放送を聞いて覚えた、二つ目の疑問。 呼ばれるだろうと思っていた名前が、放送で呼ばれなかった事。 予想とは裏腹に死を避けた参加者が、一人だけいたという事実だ。 (あの怪我で生き伸びてやがるたぁ思わなかったぜ、スザク……?) 枢木スザク。 放送の少し前まで一戦交えた相手であり、一方通行は反射の能力で彼の脚の骨を折り、ゴム弾で肋骨を叩き折った。 その挙句、追いつめられたスザクは苦肉の策として自らの片腕を鉈で切断し、大量出血の末に逃走…… 誰がどう見ても、瀕死の重傷に違いない筈の身だった。 事実、一方通行も直に野たれ死ぬのがオチと思っていた。 しかし、その予想を裏切ってスザクの名は放送では呼ばれなかった。 辛うじて放送を乗り越え、その後に息絶えたか。 それとも、幸運にも誰かが助けて手当てをしたか、重傷ながらも根性で生き延びているのか。 考えられる可能性は幾らかあり……そして。 もし彼が今も『生きている』ならば、その行動パターンを読む事は難しい事じゃない。 (ならよ……当然、テメェはここに向かってンだよなぁ) 一方通行は地図のある一点を睨み、そこにスザクが向かっている、あるいは既に到着していると半ば確信した。 それは、ここより僅か1エリア離れただけの施設にして、この会場で唯一傷の治療が行える場。 即ち、E-7……薬局だ。 まさかあの重傷で、スザクが治療を蔑ろにするとは思えない。 こうして近場に施設がある以上、そこへ向かわない理由があるだろうか? あるとするなら、それは彼が死にたがりだった場合ぐらいだ。 そして、この話は何もスザクに限定したものではない。 戦闘における負傷、今後それを治す為にも薬局に立ち寄る者は必ずいる筈だ。 (ああ……首輪にある魔術礼装ってのをぶち壊せる奴だって、例外じゃねェ……!!) そして一方通行の狙いは、死に体のスザクだけではない。 いや、寧ろスザクより本命はこちら…… 首輪にかかる魔術礼装、それを破壊できるであろう者の存在だ。 それさえ見つける事が出来れば、首輪の解除へと一気に近づく事が出来る。 もっとも、そんな都合の良い人間がいればの話にはなるが…… (ところがギッチョンってかぁ? それっぽいのがいやがんだよなぁ……それも二人もよ!) 一方通行の望みを叶えられる人間は、彼が知る限りこの会場内に少なくとも二人いる。 ―――力を"殺せ"ば、そんなものあってもなくても同じことだからな。 一人は、両儀式。 この会場内においては唯一、一方通行の反射をぶち破り直接的な攻撃を加えてきた存在だ。 具体的にどの様な能力を保有しているかは知らないが、「力を殺す」という言を信じる限り、十分な可能性がある。 ―――歯を喰いしばれよ最強、俺の最弱は……ちょっとばっか響くぞ!! そして、もう一人は一方通行にとって深い因縁を持つ相手―――宿敵といってもいい―――上条当麻。 もはや彼の能力については、説明するまでも無い。 信長が放つ瘴気ですらも打ち消すその右手なら、魔術礼装の破壊を成す事は恐らく訳ないだろう。 唯一問題点があるとすれば、彼等が必ずしも薬局に現れるとは限らない事だが…… 両儀式は兎も角、上条当麻に限っては十分可能性がある。 何せ、彼は困っている者を放っておけない底無しの御人好し…… 怪我人を背負ってくる姿を想像する事など、実に容易いではないか。 (イイぜイイぜイイぜッ……!! 三下どもが、待ってやがれよ。 テメェ等はこいつを外す為に、散々利用しつくして……) 力も回復し、状態は万端。 デイパックを手に、一方通行は民家の外へと迷わず踏み出した。 主催をぶち殺す突破口……それがついに、見えてきた。 (襤褸雑巾のように、捨ててやっからよォッ!!) 今……彼の感情はこれ以上無いまでに高ぶっていた。 【D-5 南部/二日目/深夜】 【一方通行@とある魔術の禁書目録】 [状態]:精神汚染(完成) [服装]:私服 [装備]:パチンコ玉@現実×大量、アンチスキル用ニニ口径ゴム弾拳銃@とある魔術の禁書目録 [道具]:基本支給品一式×4、缶コーヒー各種@現実×多数、首輪×3(アーチャー、利根川、ゼクス)、 H K MARK23 ソーコムピストル(自動拳銃/弾数5/12発/)@現実、3499万ペリカ、おもちゃの双眼鏡@現地調達、 真田幸村の槍×2、H K MP5K(SMG/40/40発/)@現実、その他デパートで得た使えそうな物@現地調達、ピザ×10@現実 Draganflyer X6(残バッテリー約10分)@現実、Draganflyer X6の予備バッテリー×4@現実、士郎の首輪解析メモ デイパック(サーシェスの死体入り)、ノートパソコン@現地調達、オレンジハロ@機動戦士ガンダムOO、9mmショート弾(14発) 救急救命セット@現実、柳刃包丁@現実、工具一式@現実、雑誌@現実×多数、真田幸村の首輪、 果物ナイフ@現実 作業用ドライバー数本@現実 タバコとライター@現実、ショットガンの予備弾丸×78 文化包丁@現実 レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード、ドラグノフ@現実(10/10)、 GN首輪探知機@オリジナル、平バール@現実、麻雀牌@咲×31個、ユンケルスター@現実×8 コンビニの商品多数(内容は後の書き手さんにお任せします) [思考] 基本:どいつもこいつもブチ殺して打ち止めを守る。 1:打ち止めを守る(※打ち止めはゲームに参加していません)。 2:このゲームをぶっ壊す! 3:薬局へ向かい、参加者を待ちかまえる。 もしそこに居たのならば、死に体のスザクは仕留めておく。 4:首輪を解析する。首輪を解除出来たらあの女(荒耶)をブチ殺す。 5:魔術礼装破壊の為、上条当麻もしくは両儀式と接触。 能力を利用した後にブチ殺す、特に上条当麻は絶対に殺す。 6:サーシェスの死体について、何か情報を集めてみる。 [備考] ※飛行船で首輪・制限の制御を行っている・主催側で制限を調節できるのではないかと仮説を立てました。 ※ゼクス、政宗、神原、プリシラ、スザク、レイと情報を交換しました。 ※ライダーの石化能力・藤乃の念動力の制限・信長の瘴気・荒耶の魔術(不完全)を分析しました。 ※橙子(荒耶)の名前は知りませんが、首輪の魔術礼装の作者ではないかと考えています。 ※ゼクスから士郎が解析した首輪の構造情報を入手しました。 ※赤ハロとオレンジハロ間で通信が出来るようになりました。通信とは言えハロを通しているため、声色などはハロそのものにしかなりません。 ※当麻と式の力で、首輪の魔術礼装をどうにかできる可能性があると判断しています。 ※最悪の場合、生存者の中で殺し合いに乗った人間は、己を含めて四人しかいないと予想を立てており、 その内の二人は織田信長と浅上藤乃であると判断しています。 ※サーシェスの名前が放送で呼ばれなかった事には、死体に首輪が無かった事も含めて、 何か厄介な裏があると見ています。 ◇ ◇ ◇ 「……あの小僧……」 一方通行が民家を出た、そのタイミングだった。 放送を聞いた織田信長は、進撃をすべくデパートより地上へ降り立とうとして。 途中の階より、窓を通して一方通行の姿を確認していた。 一度ならず二度までも、魔王に牙を向けてきた忌まわしき餓鬼だ。 しかし信長は、墳怒の念が沸々と沸き上がるのを感じつつも、敢えてそれを見逃した。 いや、幾らかは見逃さざるを得なかったと言えばいいだろうか。 「……是非も無し」 そうした理由は簡単。 姿こそ確認できども、距離が流石に離れ過ぎていたからだ。 信長がいる階層は、残念ながら地上よりまだ離れている。 その手に銃器の類があるなら兎も角、騎士剣一つでは距離的に攻撃を仕掛けるのは不可能だ。 こうなれば地上に降りてから直接仕掛けるしかないが、その前に一方通行は大きく移動しているだろう。 一応、ここから飛び降りるという大幅なショートカットルートもあるにはあったが…… それを実行しなかったのは、あの魔人の言葉があったからだろう。 「荒耶宗蓮……貴様の言葉に偽りあらば、命無き者と思え」 先の放送直後、荒耶が示した方角。 即ち西方において参加者が集まっているという話を、信長はこれより確かめようとしていた。 これは既にそれなりの時間が経過している現状、一見無意味な行動に思える……ただし。 それは、この第四回放送さえ無ければの話だ。 「その真偽、この目で確かめてみせようぞ」 信長もまた、一方通行程ではないにせよそれなりに考えていた。 たったの四人……死者の数が、片手で数えるほどにしかいなかった事について。 荒耶が言う、信長が望む殺戮には程遠い結果だ。 これが彼に、僅かながらの疑念を荒耶に対して抱かせていた。 しかし、かといって完全には疑う事も出来ない……何せだ。 ―――殺戮を望むのならば、この方角に向かうがいい。 荒耶の言葉には、その方角に殺戮者がいるという旨など一切無い。 あくまで、殺戮を望むならば行けという指示に過ぎなかった。 ならばこれは、西方に殺し合いを良しとせぬ集団がいるとも、単純に取る事が出来る。 無論、信長同様に皆殺しを目的とする者がいた可能性も零ではないが…… だからこそ、信長は事実を確かめる為に動こうとしていた。 西にその様な集団がもしあるというならば、現在地的に考えて、確実にぶち当たれるからだ。 しかし、もしそれが無ければ……荒耶の命運は、決まったも同然と言えよう。 「西方浄土とは、よく言うたものよ……!!」 学園都市最強の能力者、一方通行が薬局を目指し南下を始めたのに対し。 第六天魔王織田信長は、西へとその歩を向ける。 今や生存者の中でも一・二を争う危険人物となった両者は、同じ地点より拡散して動き始めたのだ。 双方共に潰し合いという、他者にとって都合の良い展開は一切起こらず…… 真逆の結果として、死の恐怖はより広い範囲へ振りかかろうとしている。 全ては、殺し尽くさんが為に。 【D-5 デパート出入り口/二日目/深夜】 【織田信長@戦国BASARA】 [状態]:ダメージ(中)治療済み [服装]:ギルガメッシュの鎧 [装備]:カリバーン@Fate/stay night [道具]:なし [思考] 基本:皆殺し。 1:荒耶の言葉を確かめるべく、西に向かい参加者を皆殺しにする。 2:荒耶は可能な限り利用しつくしてから殺す。 3:首輪を外す。 4:もっと強い武器を集める。その為に他の者達の首をかっきり、ペリカを入手する事も考慮。 5:高速の移動手段として馬を探す。 6:余程の事が無ければ臣下を作る気は無い。 [備考] ※光秀が本能寺で謀反を起こしたor起こそうとしていることを知っている時期からの参戦。 ※ルルーシュやスザク、C.C.の容姿と能力をマリアンヌから聞きました。どこまで聞いたかは不明です。 ※視聴覚室の遮光カーテンをマント代わりにしました。 ※トランザムバーストの影響を受けていません。 ※思考エレベータの封印が解除されましたが、GN粒子が近場に満ちたためです。粒子が拡散しきれば再び封印されます。 ※瘴気によって首輪への爆破信号を完全に無効化しました。 ※首輪の魔術的機構は《幻想殺し》によって破壊されました。 ※具体的にどこへ向かうかは、次の書き手にお任せします。 ※荒耶との間に、強力な武具があれば譲り受けるという約束を結びました。 ※荒耶からの情報に不備があった場合、問答無用で殺すつもりでいます。 時系列順で読む Back はじまりのおはなし Next 友達の定義 投下順で読む Back はじまりのおはなし Next 友達の定義 258 夢幻の如くなり(後編) 織田信長 287 裏切り者、二人と一匹 267 生物語~すざくギアス~(下) 一方通行 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ
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新たなる旅立ち ◆9kuF45dxA2 戦国最強は狂戦士に敗れた。最強は証明された。 そして、その戦いによって狂戦士が払った代償はあまりにも大きかった。 全ての装備を失い、多量の魔力を消費した。そして何より、狂戦士を最強たらしめていた『十二の試練』の消滅。 残る参加者は恐らく40余り、あの戦国最強以外にもかなりの手練が揃っている。 身一つでこれを殲滅しようとすればかなり厳しい戦いになることは間違いない。 そのためにも今のうちに体勢を整えることは必須。 現在、周囲に一切の気配を感じない。この機会に休息を取らずにいつ休むというのか。 そうと決まればまずするべきことは魔力の回復。 サーヴァントであるバーサーカーにとって魔力は水や空気よりも大切なもの。魔力が尽きれば自身を維持することすらできない。 逆に魔力さえあれば肉体は疲れを知らず、また傷の再生すらも容易い。 しかし困ったことに彼は効率よく魔力を回復する方法を考え付く事が出来なかった。 思いついた手段は他の生命から魔力を頂戴することのみ。必要なものが無ければ有るところから持ってこればいいだけのこと、至極単純な話だ。 当然ながらキャスターのような技術は持ち合わせていないため、あまり効率的とは言えないが魔力を含んだ肉体ごと取り込むという手段を取ることになる。 肝心のモノについては心配無用。何しろ、この会場には既に10を超える屍が転がっているのだから。 ☆ 予想通り、目当てのものはすぐに見つかった。 G-3エリア工業地帯、とある建物の屋上に一人の少女が横たわっていた。 血が乾いていることを見れば、死んでから相当な時間が経っているだろう。 恐らく死因は転落死。何者かに突き落とされたか、はたまた自身から飛び降りたのか。 彼にそれを知る事はできないし、また知るつもりもない。 少女の足を掴み、その体を逆さ吊りにする。 だらりと力無く垂れ下がった腕、その指先を狂戦士の顎が噛み砕こうとした時、 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!」 哭いた。彼は哭いた。 僅かに残された理性の欠片、その全てを動員して己の無力を、罪深さを嘆き悲しんだ。 ただ魔力の補充のためだけに死肉を漁り、その事に何の感慨も持たない己に恐怖した。 何より彼はすでに知っているのだ。この行為には何の意味も無いということを。 ――――このゲームはとんだ茶番だ。 主催者を信じるのならば、このゲームの優勝者となった者には賞金が与えられ、その金で買い物ができるという。 商品は様々だが、その中には「元の世界への帰還」という選んで当然の者まで含まれている。 普通の者ならば何も問題はない。元の世界への帰還を選んだ後、残りの金で好きに買い物を続ければいい。 だが、理性を失った者はどうなる? 仮に彼がこのゲームを制したとして、その後は一体どうなる? 選んで当然のものでも、主催者からみればあくまで任意。選択しなければそれまでだ。 そんな芸当は狂戦士である彼にできるかというと、答えは否。 賞金は与えられるだろう。選択肢も提示されるはずだ。 そしてそこで終わり。何も選択しないのなら、何も与えられることはない。 主催者は立ち尽くす彼を見て、笑いながらその場に放置するに違いない。 参加者達を殺して回ったところで彼の願いは叶わない。 では、主催者を打倒して魔法を奪い取るか? それこそ不可能だ。相手は魔法を有している上、首輪によって監視されている。 どうやっても首輪を爆破されるのがオチだ。 ゲームに乗っても、主催者に立ち向かっても結果は変わらず、彼に待っているのは絶望のみ。 それでも彼は立ち止ることはできない。 わかっていてもやめることなどできない。 召喚時に付与されたクラススキル「狂化」がそんなことは許さない。 彼に後退は許されず、愚鈍なまでに一つの道を進み続ける。 ならば、せめて。 この身に与えられた使命を完膚なきまでに全うしよう。 彼を道具と侮った連中に、その力を見せつけてやろう。 もしあの少女が彼の最後を知った時、彼はやはり最強であったと胸を張れるように。 思うままに力を振るう獣では無く、明確な意思の元に狂う戦士として。 それは意地。駒と成り下がった大英雄の、最後の誇りだった。 ☆ ほどなくして彼は食事を終えた。 そして彼は走りだす。 彼を待つ白い少女のために。 たとえ、その未来が破滅しかないとわかっていても。 彼はその歩みを決して止めはしないのだ。 【G-3/南部/一日目/昼】 【バーサーカー@Fate/stay night】 [状態]:魔力消費(中)、狂化 [服装]:全裸 [装備]:長曾我部元親の碇槍@戦国BASARA [道具]:無し [思考] 基本:イリヤ(少なくとも参加者にはいない)を守る。 1:立ち塞がる全ての障害を打ち倒し、その力を示す。 2:キャスターを捜索し、陣地を整えられる前に撃滅する。 3:余裕があれば武田信玄の軍配斧を取りに行きたい。 [備考] ※“十二の試練(ゴッド・ハンド)”Verアニ3は使い切りました。以降は蘇生不可能です。 ・無効化できるのは一度バーサーカーを殺した攻撃の2回目以降のみ。 現在無効リスト:対ナイトメア戦闘用大型ランス、干将・莫耶オーバーエッジ、偽・螺旋剣(カラドボルグ)、Unlimited Brade Works おもちゃの兵隊、ドラグノフ、大質量の物体、一定以下の威力の刃物、GN粒子を用いた攻撃、輻射波動、ゲフィオンディスターバー ※狂化について 非戦闘時に限り、ある程度の思考能力を有します。 時系列順で読む Back ひたぎクラブ/とうまブレイク/■■■アーチャー/???ウィッチ Next 徒物語~ももこファントム~(上) 投下順で読む Back ひたぎクラブ/とうまブレイク/■■■アーチャー/???ウィッチ Next 徒物語~ももこファントム~(上) 149 Beyond The Grave バーサーカー 192 パンドラを抱きし者
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このゲームの本質について、僕はそろそろ考える必要があると思う。 殺し合い。生き残り。奇跡の報酬。その意味するところ。 なぜ、殺し合いなのか。なぜ、生き残った一人なのか。なぜ、報酬が与えられるのか。 人生は有限だ。誰にだって死ぬときは訪れるし、赤ん坊でもなければその事実を知っている。 長寿を全うして逝く人。道が途切れるように、不慮の事故や病気によっていなくなってしまう人。 時に劇的に、時に呆気なく。 理由や形は様々だけど、とにかく人は死ぬし、それが当たり前だ。 人じゃなくても変わらない。 どんな動物だってそう、生きているものはみな死ぬ。 獣だって、昆虫だって、空想の生き物だって、怪奇だって、例えば不死身の吸血鬼だって、死んでしまうのだから。 不死身すら、死んでしまうのだから。 だから誰もが強く意識し、そして知っている死生。 それを賭けるゲームとはすなわち、生きる理由を賭けるゲーム。 この場所で生きる誰もの、『願い』を賭けたゲームだったのでは、ないだろうか。 『―――――』 神を名乗る者、リボンズ・アルマークは語る。 未だ地上で生きるもの全て、崇高な願いの糧になれと。 自らの正当性を疑わない、絶対的な自信と力を感じさせる声で、彼は僕ら全員に死ねと命じた。 殺し合い。これほどの理不尽と残酷を押し付けて、それでも自らが正しいと信じられる願いとは何だろう。 なんて、今更のように僕は考える。 ここに集められた全ての命よりも尊いと信じられる願いとは、どれだけ膨大で強大な物なのか。 願望(りゆう)には、裏と表がある。 神原の一件で、身に染みて学んだ教訓だ。 帝愛の、どこまでも身勝手で残虐な趣味的願いがもしも、殺し合いにおける表の願望だとするならば。 リボンズ・アルマークの崇高に語るそれは、あるいは裏の願望だと言うのだろうか。 裏の願いが、表よりも悪辣になるとは限らない。 真実が清廉ってこともあるだろうし、だからこそ残酷な事実もあると僕は思う。 僕らを地獄に突き落としたゲームの実態が、実は綺麗な目的なんだよと言われても、 だから死ねと言われても、どうして納得できるというのだろう。 少なくとも僕は納得ができなくて。 それでも事実は揺るがず。 納得できないと言うならば。 死にたくないとゴネるなら。 方法は、一つ。 女神の役を担うもの、イリヤスフィールは語る。 誰かの願いによってのみ、己は奪われ使われるのだと。 それによってのみ、天より降り注ぐ死に抗せよと。 ならば納得できない僕たちは、等しく、定めなければならないのだろう。 最後の戦いに挑む、その理由。 誰にも太刀打ちできない主催者の誇る、強大な願い。 それに対する回答を。 決して敵わない彼を打ち破るべき個々の、ちっぽけな身勝手を。 僕も、阿良々木暦も、また、決めなければならないのだろう。 僕の、僕だけの、定める、願い。 彼女(せいはい)に懸けるべき、祈りの形を。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ COLORS / TURN 4 『終物語』 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 波の音が聞こえる。 暗い洞窟を進みながら、僕は目的の場所が近づいていることを予感していた。 エリア【F-2】、孤島に浮かぶ遺跡へと繋がる地下道。 経路は出立前にインデックスから教わった通り、デバイスの表記にしたがって、迷うこともなく進むことが出来ている。 放送が終わり、そして直後に起こった『アレ』を見た後、僕は一人、駆け足気味にここまで来た。 その間ずっと、僕に残された役割を考えながら。 「……さむっ」 雨が降っても常春のような気温だった地上に比べ、洞窟内は空気が冷えている。 もう少し厚着してくれば良かっただろうか。 まあ後悔したところで遅い、服なんて取りに戻ってる時間はない。さっさと洞窟を抜けてしまうしかないだろう。 体も温まるし、と駆け出そうとしたところで、何かが足に当たり、僕は思わず動きを止めていた。 僕に蹴られ、こんっ、こんっ、と間の抜けた音を出しながら暗がりに消えていったそれは、見間違いでなければ空き缶だった……のだろうか。 確証はすぐに得られた。 見下ろせば、僕の足元には散乱した缶コーヒー(それもすべて同じメーカーで同じ種類の物だった)。 そして同じように残されていた、缶詰など、少しの食糧。 ついさっきまで誰かがここに居た事を意味している。 「多分、運が良かった、のか」 いったい誰がここに居たのかは、ハッキリしない。 だけど現在生き残っている人物を考えると、わずか数人に絞り込むことは容易だった。 きっと、僕がこのタイミングで出会うべきじゃない人物だったと思う。 同時に出会わなかったことも必然めいているように感じられた。 ここで体を休めていた人物が何故居なくなったのか。 その理由が天から降り注ぐ死、そして地から這いだした何かに、起因しないはずが無いのだから。 とにかく今は誰もない洞窟の中を進んでいく。 人の名残を感じたならば、いよいよ近い。 僕の予感を裏付けるように、洞窟の終わりが目前に迫っていた。 ◆ ◆ ◆ 神を名乗る者の宣誓は、僕の耳の中でリピートされる。 『せめてその魂の価値を磨き、疾く女神の糧となれ』 女神の役たる少女の放送は、僕の頭の中で反響している。 『――私はここで、誰かの願いを、ただ待っている』 僕は思う。少し見え始めた自分の役割。 その先にあるもの。 生き残った、天に抗う者達のことを。 そして、平沢憂。 憂いの名を持つ少女のことを。 彼女は今、どうしているのだろう。 最後の戦いを目前にして、彼女が行かなきゃいけない場所。 それが何かは分からない。だけど僕が触れていい事じゃないと、それだけは明らかで。 だから僕は、彼女の手を離し、違う場所で歩んでいる。 もう一度、出会う、と。 『もう一度君の手を引く』と、そんな約束だけを置き去りにして。 果たせるだろうか。 後戻りできない戦いを間近に控え、簡単な口約束にすら自信を持つことが出来ない。 だけど、果たしたいと、僕は強く思う。 彼女との約束。 それが、それだけが、失うばかりだった殺し合いの中で、最後に唯一得られた物かもしれないから。 平沢だけじゃない。 枢木スザク、両儀式。 そして座り込んだグラハムさんと、雨の中一人で佇むインデックス。 全員と、僕は約束をした。もう一度、生きて出会う、と。 一人一人の顔を思い浮かべる。 そして彼ら彼女らとの、長いようで短い交流を通して、少しずつ分かり始めた僕自身のこと。 果たしてこの物語は、短いようで、長く続いたこの物語は、『何』物語なのだろう。 一体どういうお話として、完結するのだろう。 誰かが、誰もが、生きる意味を、願い、賭け、戦い、そして失われ続けた物語の向かう果て。 主催者、リボンズ・アルマークはきっと、高尚な神話として終わらせようとしている。 奴自身がそう言った。 全てを救う。僕らにその為の贄となれと。 ならば僕たちは、どういう終わりを望むのだろう。 長く続いたこの物語を、いったい何物語として、終わらせたいのだろう。 僕たちの、僕の、望む、終わりとは―――― 「さて、と」 思考は、目的の場所に到着したことで途切れてしまう。 来る途中、壁越しに聴いていた波音はもう直に聞こえるし、発生源も見渡せる。 四方海に囲まれた孤島、遺跡エリア。その中心に僕はいる。 小高い丘の上、設置された自販機と首輪換金装置、そして施設サービス。 日暮れ間際。 落ち行く太陽に照らされる本島を、ここからならじっくりと眺めることも出来た。 だから分かる。 もうすぐ、物語は終わるのだと、その光景が目の前に広がっているのだから。 太陽から現れた巨大な城と、守護するように降臨する天使。 まるで地上に残された僅かな命を断罪する剣のように、強烈な光を発しながら下降するそれは結構真面目に、本当に神々しくて。 他らなぬ自分自身がアレに抗おうとしている事実を顧みれば、変な苦笑いが表情に出てくるのを抑えられない。 そして更に、その真下に在るモノ。 黒き塔。天の白と対極にある、黒。神を名乗る者と互するほどの異様が、最後の放送終了と同時に湧き上がっていた。 確か地図上では展示場が建てられていた辺りの場所から、禍々しく空へと伸びたそれは挑戦するように、天の神威が降りてくる座標にある。 浮かぶ女神の城を掴まんというように、泥の手を伸ばした黒は、胎動を続けながら少しずつ大きくなっているように見えた。 放送が終われば粛清が行われる旨は聞いていたけど、これは流石に聴いてない。 もしも空の主催にとってすらコレが異常事態とするならば、僕ら地に残る参加者の誰にとっても不明の事態が発生した事になる。 降りてくる白。 昇っていく黒。 ゆっくりと、近づいていく、黒白。 遠目に見える光景はただただ異様で、一体何が起きていて、そして起きようとしているのか、僕には全く分からない。 白き城や天使と違って、黒の塔については完全に正体不明。 だけど、分かることはある。 いや正確にはただの直感で、理屈も何もあったもんじゃないけど、だけど感じたのは僕だけじゃないはずだ。 湧きだした黒色を見た瞬間にきっと、ここで生き残っていた誰もが思ったはずだ。 『アレは、アレだけは、存在を許してはならない』 天の白は抗わなければならないもので、僕らにとってどれだけ最悪の存在であっても、本質は聖なるモノだと感じさせる。 だけどアレは、あの黒は、駄目だ、絶対に駄目だと、理屈じゃない感覚で、人間の本能的な部分で確信する。 見た瞬間、全身を支配する寒気、嫌悪、絶対的な死のイメージ。 決して近づいてはならないという危機感。 たとえ主催者にとって害となる存在であったとしても、僕らにとって良いものであるはずが無い。 主催の目論見より尚単純でたちの悪い最悪の代物。 それどころか、もはや主催者を置いてでも、何よりも最優先で対処しなければならない災厄にしか見えなかった。 猿の手の一件で僕が学んだ教訓をもう一つ。 裏の願いは、表の願いを肯定する。 つまり、主催の裏の願いがもしも崇高で清廉なものだと言うならば。 表の、かつて帝愛が語った身勝手で趣味的で至極単純な悪意の願いもまた、このゲームの真実なのだと、あの黒は語っている。 胎動する泥塔はまるで何かを孕んでいるようで、その内側で育つ者の存在を匂わせる。 つまり、まだ『アレは生まれていない』。 これから誕生する厄であると。 おそらく、僕だけじゃない、最後まで抗うと決めた全員が感じている筈だから。 「行くっきゃ、ないよな」 施設サービスの転移を利用し、僕はどこに行くのか。 もうとっくに結論は出ていた。 ペリカというコストを支払い、起動する転移。 体の周囲を魔法陣が覆う。 こういう魔法的なものに詳しくはないけど、雰囲気からしてインデックスの世界の魔法と同じ感覚がした。 「展示場へ」 視界いっぱいに広がる大理石と、その向こうに見渡せる海、そして本島、白と、黒。 あふれかえる黒。 決して近づいてはならないと全神経が危険信号を発する場所。 僕は今からそこに行く。 だって、結局、なんだかんだで、他に、僕に出来ることなんて無かったから。 考えても考えても、他に役割なんて存在しなかったから。 消去法だ。 遠く、空から降りる天使へと、向かい行く彗星の如き光が見えた。 枢木の乗るランスロットだろう、宣言通りリボンズ・アルマークの対処を買って出るべく出撃したのだ。 翼もなくて、機械の鎧もなくて、空を飛べない僕は、そこに駆けつけることは出来ない。 駆けつけられたところで、何も出来ない事実は揺るがない。 なら信じることしかできない。 枢木のことを、そしてもう一人の、翼を持つ人を。 そして行くことしかできない。 翼が無くても行ける場所へ。 空から降りてくる聖なる死は、きっと、ともにまた会うという約束を交わした誰かが留めてくれるから。 いま、阿良々木暦に出来ることは、地から這いだしてくる災厄の権化を止めに行くこと。 覚悟を、決めよう。 この景色が変わったらきっと、僕の、最後の戦いが始まるのだから。 「…………始まっ……うぐぇ……ぉぉっ…!」 転移の開始と同時、ぐにゃりと曲がる視界と五感。 急激に歪む景色、体の内部がかき混ぜられるような錯覚に、一気にこみ上げる嘔吐感。 全身の血管がぶくぶくと泡立つ気持ち悪さに悲鳴を上げかけた。 跳ぶんじゃなくて、繋がるという奇妙な感触の中で、一歩踏み出す。 視界はどんどん歪んでいく。 今まで体感したどんな『酔い』よりも凄まじいそれに堪らず、胃をひっくり返すようにして吐いた。 地面……かどうかすらもう瞭然としないどこかの空間にさっき食べた色々をぶちまけながら。 勿体ないなって、思いながら。 曲がり曲がって気色の悪い景色の向こう側に頭の中を投射して。 今迄出会った色んな奴の顔を思い浮かべて。 この場所で失った多くのもの、そしてほんの僅かに得たものが、フルオートで再生されて。 まともな思考なんて出来ないレベルの不愉快の、その真っただ中で。 僕は理解する。 なんとなく、分かった気になる。 阿良々木暦は理解する。 望み。 願い。 賭けるべき、願望。 阿良々木暦が信じる、かくあるべきこと。 それは、とても、とても、とても―――――――― 僕は多分、今までで一番の苦笑いを浮かべながら、歪み切ったゲートを抜けた。 ◆ ◆ ◆ 瞬転。 「うおえええぇぇぇえぇえええぇええええぇええぇぇぇ…………」 目の前には、ついさっきまでは何キロもの距離を隔てて眺めていたはずの、黒き塔。 いや……違う。 周囲の街路樹や民家を飲み込みながら聳え立つそれが、展示場という施設の変わり果てた姿だと、僕はこの距離まで近づいて初めて理解した。 これはもう建造物なんかじゃない、蠢く巨体は、展示場を喰らって成長した泥の怪物、その足元に、今、僕はいる。 近づいてみると、全身を包む嫌悪感はもはや暴走状態と言って良いまで高められ、その証拠に先ほどから嘔吐が止まらない。 「ええぇっぇぇええうぇっ……」 吐き出すものが胃液だけになっても、僕は吐き続けていた。 一瞬にして長い距離を詰め、エリア【F-2】からエリア【F-6】へと僕は来た。 実感は吐き気が保証してくれてる。 というか、この不快感は転移酔いによるものじゃない。 来てみればわかる。 唐突な体調不良の正体はほぼ、この場所に来るという行為そのものに対する嫌悪だったのだろう。 この体は中途半端に怪奇だから、黒い泥の瘴気に当てられて。 この体は中途半端に人間だから、その不快に耐えられない。 せめて完全な怪奇だったなら。 せめて普通の人間だったなら。 ここまでじゃ、なかったんだろうけど。 「おげっ……えっ……がぁ……」 這いつくばった地面には、黒い染みが幾つもある。 周囲に舞い散る黒き灰。 その降り積もったもの、だろうか。 不快感に耐えながらなんとか立ち上がろうと全身に力を込める。 あまり、この場に長くとどまらない方がいいだろう。 この灰に埋もれてしまえば、半吸血鬼の体ですらどんな悪影響が……。 「いやー、嘔吐しながら空間を飛び越えて来るなんて、エキセントリックな登場だね。阿良々木くん」 だけど僕は、すぐに全身の不快感を忘れるくらい、思考を空白にしてしまっていた。 「……ぁ……?」 なぜならそこに、顔を上げたそこに、瘴気立ち込める悪環境の路上で、傘を差しながら立っていた男は……。 「何かいいことでもあったのかい?」 この殺し合いの場所に連れてこられてから、幾度となく思い浮かべていた奴、頼りたいと、心のどこかで思い続けていた。 だけどやっと、僕が僕の理由を見つけられたかもしれないタイミングでやってきたそいつは、 「お……し……の?」 僕の見知った、そして今更過ぎる、アロハシャツだったから。 「久しぶりだね」 数十分前まで一緒にいたインデックスを背負って、目の前に立っていた、忍野メメ。 そしてもう一人、彼の背後に佇む、少女。 「彼が阿良々木暦くんだ……って、君は知ってるよね、ほら自己子紹介だよ、原村ちゃん」 体の一部分が中々に存在感を放つ、とあるアウトサイダーな少女との。 「はじめまして……原村和……です」 会ったことのない、だけど聞き覚えのある名前との。 その狙いすましたような遭遇に。 僕は、地面に這いつくばった体制のまま、硬直することしか出来ず。 「あ、阿良々木暦……です」 黒い塔の目前。 そんな、何ともしまらないやり取りが僕の、最後の戦いの、幕開けとなっていた。 【 TURN 4 『終物語』-END- 】 時系列順で読む Back COLORS / TURN 3 『泪のムコウ』 Next [[]] 投下順で読む Back COLORS / TURN 3 『泪のムコウ』 Next [[]] 329 See visionS / Fragments 12 『黄昏』-Index-Librorum-Prohibitorum- 阿良々木暦 [[]] 321 See visionS / Intermission 1 『LINE』 - Other - 忍野メメ 338 COLORS / TURN 7 『Chase the Light!』 原村和
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きっかけは、偶然に過ぎなかった。 第七回定時放送が開始される、その少し前のこと。 何の変哲もないどこにでもありそうな路地を、平沢憂は一歩一歩踏みしめるようにゆっくりと歩いていた。 そんな憂の十メートルほど前にある角を曲がって現れた枢木スザクは、 どこかで着替えてきたらしく、それまでの服とは違う白いパイロットスーツに身を包んでいた。 スザクの後ろには、彼に付き従うかのように歩く黒猫と、その黒猫のそばでちょこまかと動く子猫の列。 「……ぁ」 突然現れたスザクに、憂の足が止まる。 憂の足を止めさせたのは、『怖れ』という名の感情だった。 その怖れが、スザクに起因するものではなく 彼に対し何もしていない、何もできてない、自分自身に原因があるのだということを、憂は自覚していた。 それでも――だからこそ。 憂は、スザクが怖かった。 スザクがちらりと憂のほうを見る。 だが、二人の目が合うことはなく、次の瞬間にはスザクは何事もなかったかのように歩き出していた。 猫たちがそれに続き、スザクの姿を見つめていた憂も少し遅れて歩き出す。 二人の目的地は同じ方角。 自然と、憂がスザクについて行くような形になってしまう。 分岐点にさしかかる度、憂の頭に『遠回りをしてでも彼と違う道を行こうか』という考えが過ぎる。 そしてその度に、憂はスザクと同じ道を行くことを選んだ。 猫二匹を連れたスザクと、その十メートルほど後ろを一人で歩く憂。 小さな公園の入り口に設置された時計は、放送が始まる二十分前を示していた。 (……あれ?) 信号機の無い横断歩道を渡り切ったところで、憂はふと、今の状況に疑問を持った。 前を歩くスザクとの距離が、先ほどからほとんど変わっていないのだ。 普通に歩けば、身長が高く男性であるスザクのほうが自分よりも速いだろうということくらい簡単に想像できる。 まして、今の憂は普段よりもゆっくり歩いている。 だが、二人の距離は変わらない。 憂がアスファルトがめくれ上がった箇所を避けた時に少し距離が開いたが、すぐに元に戻る。 距離が開かないよう、スザクがわざと調整して歩いているのでない限り、こうはならない。 ならばそれは、何のために―― 憂がそこまで考えた時だった。 それまで憂のことなど見向きもしなかった子猫が急に振り向いたのは。 「えっ……」 スザクに、というよりはスザクの後ろを歩いていた猫・アーサーにくっついていた子猫は、くるりと向きを変え、 駆け寄ってきたかと思うと、憂の足元にちょこんと座り、憂を見上げてくる。 警戒心はない、「遊んで」と言わんばかりの視線に、憂は躊躇いがちに子猫を抱き上げた。 両手で抱いて支えきれない程ではないけれど、今の憂にとっては楽に運べる軽さでもない。 小さな猫は、憂の腕の中で、確かな重さを伝えてくる。 その重さは苦しいくらい優しくて、痛いくらいに温かい。 腕の中の子猫の頭を撫でた後、子猫に向けていた視線を少し上げて そこで憂は初めて、振り返ったスザクが自分を見ていることに気がついた。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ COLORS / TURN 1 『Continued Story』 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 「……っ」 完全に猫に意識を取られていた憂は、スザクに見られているという、たったそれだけのことで 固まって、立ち尽くしてしまっていた。 『負い目』。どうしようもないことを、どうすればいいのか分からない。 そんな感情が渦を巻いている。 スザクはそんな憂のほうへと歩を進め、それまで縮まることのなかった距離が三分の一程度になったところで立ち止まった。 「平沢さん」 短くはない沈黙の後、スザクが口を開く。 「気になってたんだけど」 「あ、あのっ、すみません。別に後をつけてたわけじゃないんです。私もあっちに用があって」 「もしかして、その子のこと知ってるのかな」 「……え?」 それは憂にとってはあまりにも唐突で、予想外の問いだった。 質問の内容、スザクの言う「その子」が憂の抱いている子猫のことだということを理解するのにさえ、数秒を要した。 「えっと……知ってる猫かも、しれません。 違うかもしれないけど……一回しか会ったことないから、自信はないです」 そう答えてもスザクからの反応はない。 こうして一度話してしまうと、僅かな沈黙さえもが怖くて、憂は耐えきれず言葉を繋ぐしかなかった。 以前、友達が友達から預かった猫でなんです。 その友達……えっと、猫を預かったほうの友達が、預かった子猫の具合が悪いって、電話してきて……。 それで様子を見に行ったんです。 で、えと……あ、猫は大丈夫でした。毛玉を吐いてただけだったんです。その友達は……猫を飼ったことなかったから知らなくて……」 「猫の名前は?」 「……は『あずにゃん2号』って。……あ、『あずにゃん』っていうのは猫を預かった友達のことで、 その子は預かってただけだから『あずにゃん2号』っておかしいんですけど……でも、私もそう呼んでました」 「そう」 それだけ言ってスザクは子猫へと視線を向ける。 つられて憂も子猫のほうを見る。 たった二文字の短い言葉で、スザクは会話を切り上げてしまった。……と、憂が思った瞬間 「……あずにゃん2号」 スザクが、子猫へと呼びかけた。 子猫はスザクの方をみたものの、答えるでもなくスザクの方へ行こうとするでもなく、憂の腕の中でじっとしている。 それ以上は何をすることもなく、スザクは歩き出したが スザクの顔に、ほんの一瞬、僅かに寂しそうな表情が浮かんだのを、憂は見逃してはなかった。 スザクの背中を見ながら、憂は迷う。 憂はスザクに対して、いろんな想いを抱えている。 言わなければならないことも、聞かなければならないことも、きっとたくさんあるはずで だが、それが何なのか、自分の中で未だ整理はついていない。 でも時間は容赦なく流れ、戦いの時は迫っている。 死ぬかもしれない。生きていてもまた会えるという保証はない。次の機会なんてものは、ないかもしれない。 だから憂は、意を決してスザクの後ろ姿へと声をかけた。 「あのっ……枢木さん!」 スザクが足を止め、憂の方を振り返る。 「……ありがとう……ございました」 「何が?」 「ルルーシュさんの……カセットテープの、こと……お礼、言ってなかったなって……」 「あれは元々、ルルーシュが君に宛てた、君の物だ。僕はお礼を言われるようなことなんて何もしていない」 「でも枢木さんが渡してくれたから、私は受け取ることができたんです。 だから、枢木さんにとってはそうじゃなくても、私にとってはお礼を言うようなことなんです。 ……どうもありがとうございました」 そう言って、憂は勢いよく頭を下げる。 そのままの姿勢で十秒ほど待ってみたものの、何も反応がないのでゆっくりと顔を上げてみれば スザクは憂にもわかるくらいに、「答えに困っています」という表情を浮かべていた。 「……平沢さんに渡したラジカセの中にもう一本、カセットテープが入ってたと思うんだけど、聞いた?」 そしてようやくスザクから出てきた言葉は、憂に対する返答ではなかった。 思いがけない言葉に、憂は息を呑む。 「……聞いてません、けど…… あ、もしかしてあれは、枢木さんの」 「違う。あのラジカセはファサリナという人の持ち物だった。 彼女が死んだ後、荷物の整理をした時に僕が持つことになったけど、その時点ですでに入っていた物だ」 「そう……そう、ですか…… ずっと、『あのラジカセ』に入って……」 「僕の知る限りはそうだ。僕にとっては必要のない物だから、いらないなら捨ててくれて構わない」 「捨て……ません」 「そう」 「え……あ……あの、ほら、別に、邪魔になるような物でもないですから。だから……あの……」 「どうするかは、平沢さんに任せるよ。あれはもう、君の物だから」 二人の会話は、それで途切れた。 スザクは再び歩き出し、その後にアーサーが続く。 少し悩んで、憂はスザクの後ろではなく、隣りに並んだ。 数分も歩けば、周囲は徐々に、住宅街から戦いの跡地へと様相を変えてゆく。 崩れた塀。割れた窓ガラス。壁の一部を失くした家。 足元も徐々に悪くなっていく。 アスファルトに亀裂が入り、瓦礫が散乱する道を行くのは、憂にとっては大変なことだった。 だが、憂はスザクに助けを求めることはせず、スザクも憂に手を差し延べることはしない。 ただ、憂とスザクの距離が変わることはなかった。 そうして、二人は並んで、三叉路へと辿り着く。 憂の足が、そこで止まる。 それに気づいたスザクも数歩先で足を止め、憂の方へと振りむいた。 分かれ道。右へ行けばランスロットが、左に行けば―― 「私は、左へ行きます。私には、リボンズって人が最後の戦いを始めてしまう前に、まだ、やらなきゃいけないことが、あるから…………枢木さん。 別れちゃう前にひとつだけ、聞いてもいいですか?」 風が吹いた。 砂埃が舞い上がる。 スザクからの答えは無く、それでも憂は、問いを投げた。 「ルルーシュさんは枢木さんにも、ギアスをかけたんですか?」 風が止む。 沈黙が落ちる。 静寂に重さなんてないはずなのに、憂ははっきり、重いと感じていた。 潰されそうになる。 それでも、訊いたのは自分だから、スザクが答えてくれるまで、 あるいはスザクに答える意思が無いのだとわかるまで、この重さに耐える覚悟はあった。 「うにゃっ」 音を発したのは、憂でもスザクでもなく、憂の腕の中の子猫。 自分の腕から抜け出そうともがく猫を見て、憂は初めて、自分が腕に力を入れてしまっていたことを知る。 憂はごめんねと子猫の頭を撫でて、地面に下ろした。 地面に降りた子猫が、スザクの傍らにいるアーサーの近くまで行ったのを見届けて立ち上がった憂の耳に 「―――――ろと」 危うく聞き逃してしまうくらいの声が、届いた。 「え……?」 思わず聞き返す。 半ば諦めかけていたスザクからの答えが、そこにある。 「ルルーシュは僕に、『生きろ』と命じた」 ――生きろ。 スザクにかけられたギアス。 そのギアスの意味が、重さが、ゆっくりと憂の心に滲む。 「命じたって…… それ、命令じゃなくて、お願いじゃないですか」 そうして憂が呟いたのは、彼女が抱いた素直すぎる感想だった。 「お願い?」 「はい。……ルルーシュさんのギアスは、願い、なんですね」 「違う」 憂の言葉をスザクは即座に否定する。 憂にとってそれは、スザクが初めて自分に対して向けた、明確な意思表示だった。 「ルルーシュのギアスは、相手の意思を捻じ曲げる卑劣な力だ。 今まで、ルルーシュはギアスの力で多くの人を傷つけ、命を奪った。罪のない人たちに犠牲を強いた。 君だって、彼のギアスの」 「知ってます。それは……知ってます……私には『裏切るな』ってギアスをかけてたって。 私は……あんなこと、したくなかったのに……させられて……」 「そこまでわかっていて、君はあの力を『願い』と呼ぶのか?」 スザクの問いへの答えに、憂の中に迷いは無かった。 「はい」 だから、はっきりと答えられる。 「ルルーシュさんは、優しいから」 自分は何も知らないのかもしれないと、憂は思う。 少なくともスザクよりはルルーシュのことを知らないだろうと、憂は思う。 でも、それでも、憂は信じていた。 「私にかけたギアスも、自分が生き残るためじゃなくて、誰かのためだったってわかったから」 ルルーシュを ルルーシュの優しさを 自分の中にあるルルーシュへの想いを、信じていた。 「彼は、優しくなんかない」 「優しかったですよ、ルルーシュさんは」 自分のことには、なにひとつ自信は持てない。 それでも憂は、自分の想いを、必死に紡ぐ。 「きっと、これは間違った方法で…… 枢木さんの言うとおり、ギアスは卑劣な力なのかもしれないけど…… でも、それでも……誰かのためだったなら、それは願いなんじゃないかなって。 『生きろ』なんてギアスかけちゃうくらい大切な人のためだったんだってわかったら 私はもう、恨んだりとか、怒ったりとか、できないです……」 憂は、泣きそうな顔で笑った。 涙は耐えた。 スザクの前で――ルルーシュが生きてほしいと願った人の前で、泣きたくはなかったから。 「……ここで死んだルルーシュに、本当に『生きろ』と願われたのは君だ。 ギアスなんかじゃなく、彼は最後の最後で、自らの命でそれを示した」 「命で示したって言うのなら、それは、枢木さんに対して、ですよ」 「いや、平沢さ――」 スザクが言いかけた言葉を、憂は首を横に振ることで遮る。 「やめましょう、譲り合うようなことじゃないですよ。 ……枢木さんは、ルルーシュさんは私を残したんだって言ってくれましたよね。 だから今度は私が言います。 ルルーシュさんは、枢木さんを残したんです。枢木さんに生きててほしいって、願ったんです。 私と枢木さんが生きてるのは、ルルーシュさんが、そう願ったからです」 憂は、スザクを真っ直ぐに見ていた。 「私は、そう思います」 ルルーシュを殺した事実が変わらない以上、スザクに憎まれて当然だと思う。 だけど、それも受け止められる気がした。 ルルーシュが生きてほしいと願い、 自分が迎えに行った時、ルルーシュのために迷わず来て戦ってくれた人の想いなら、 それがどんなものでも受け止めたいと思った。 憂はもう、スザクのことを怖いとは思わない。 「私がルルーシュさんの願いに気づけたのは、枢木さんが届けてくれたからですよ」 そう言って、憂は微笑んだ。 ◇ ◇ ◇ 『――――それじゃあ、時間になったから、第七回定時放送を始めるわ』 放送が始まった時、スザクは独りだった。 スザクは結局、憂に何も言わなかった。 憂は少し寂しそうに、スザクにお辞儀をして、一人、自分の選んだ道を去り―― そして、それを見送ったスザクだけが、その場に立ち尽くしていた。 「リボンズと戦う前に、やらなきゃならないこと、か……」 ぽつりと呟き、そしてスザクも歩き出す。 一分と経たず、周囲はもはやどこが道路なのかもわからないほどになったが、構わずに進み続けた。 放送は、聞く気にもならない連絡事項の後、これまでの死者の名を一人ずつ読み上げてゆく。 この島で出会って、だけどもうどこにもいなくなってしまった人たちの顔が、スザクの脳裏に浮かんでは消えてゆく。 彼らの言葉が向かう先は『誰』だったのか―― 彼らの想いを受け取るべきは『誰』だったのか―― 『――私はここで、誰かの『願い』を、ただ待っている』 スザクは、ランスロットと、いつの間にかその足元にいた二匹の猫の前を通り過ぎる。 『――――これで、第七回定時放送を終了するわ』 そして、放送の終わりを――つまりは戦いの始まりを、告げる言葉と共に。 大破したサザーランドの傍らで、足を止めた。 ◇ ◇ ◇ 「………………ルルーシュ」 声をかけても答えなんてあるわけがないことを、僕はちゃんと知っていた。 僕の目の前で彼は死んで、今ここにあるのはただの金属の塊。 仮に無理矢理ハッチを抉じ開けたところで、ルルーシュの死体だとわかる物が残っているのかさえ怪しい。 でも、他に何も無いんだからしょうがない。 「……随分と、慕われたものだよね。平沢さん、君のこと優しいって言ってたよ?」 それが、ただの彼女の勘違いなのか、 ここにいた君は本当に優しかったのか、 僕がルルーシュの優しさを知らなかっただけなのかはわからない。 二つ目はもはや確かめる術もない。 三つ目ならば、もしかしたらまだ、確かめられるかもしれないけど。 「ギアスのことも、『願い』だってさ……」 平沢さんがそう言った時、僕は自分の中にある感情を抑えつけるのに必死だった。 僕の知るルルーシュがギアスで何をしたのか、 僕が自分にかけられたギアスで何をしたのか、洗い浚いぶちまけてやりたかった。 それをしなかったのは、彼女に対する思いやりなんかじゃない。 僕の知るルルーシュとここにいたルルーシュは別の存在かもしれないからと思い直したわけでもない。 ルルーシュを信じる平沢さんを傷つける自分を、見たくなかっただけだ。 「ギアスは『呪い』だ。あんな力で一方的に押しつけられたものを『願い』なんて呼んでたまるか!!」 ああ、そうだ。 俺はギアスを許せない。 ギアスを使って人を駒のように扱ったルルーシュを絶対に赦さない。絶対に赦せない。 「……ルルーシュ、俺は君が憎い」 ――それなのに、どうしてだろう。 俺の中はぐちゃぐちゃだ。 でももう、どうしようもない。 これ以上、目を背けることはできない。 逃げられない。 当たり前だ。逃げ場なんて、最初からどこにもなかったんだ。 「僕が君を赦す日は、永遠に来ない」 泣いたのも。 笑ったのも。 迷ったのも。 選んだのも。 祈ったのも。 悔やんだのも。 逃げたのも。 進んだのも。 死にたかったのも。 夢を見たのも。 愛したのも。 憎んだのも。 全部、僕だった。 全部、『枢木スザク』の想いだった。 「でも……俺、は…………」 僕は『枢木スザク』が嫌いだった。 だけど僕は結局、どんなに足掻いても『枢木スザク』以外の何にもなれなかった。 『枢木スザク』なんて存在は、消えていいと、殺したいと、本気で思った。 だけど、僕が出会った人たちが 僕のことを心配したり、必要としてくれた人たちが見ていたのは、いつだって『枢木スザク』だった。 彼等の想いは、『枢木スザク』が受け取るためのものだった。 「僕は…………」 想ったのも、想われたのも、いつだって『枢木スザク』だったんだ。 だから言える。 僕は生きているから、僕は枢木スザクだから、――――だから、思える。 「……僕は、ルルーシュが死んで、悲しかったんだ」 殺したいほど憎い相手が、死んだら悲しい相手だなんて。 こんなに酷い矛盾はない。 だけど消せない。抱えて進むしか、僕にはできない。 デイパックから、カセットテープと自販機で買った騎士服を出して、サザーランドの傍の瓦礫の上へと置いた。 ルルーシュのメッセージと、ユフィの血の付いていない白い騎士服。 どちらも、僕の帰る場所には存在しない物だ。持って帰るわけにはいかない。 「行こうか」 近くにいたアーサーを抱き上げるつもりで伸ばした手を、僕は途中で止めた。 僕の考えていることがわかったのか、それともアーサー自身の判断なのか 僕の手に頬を摺り寄せるなんてらしくないことをして、僕を見上げた後、 くるりと背を向け瓦礫の上へと飛び乗って騎士服の隣で丸くなった。 その隣で、アーサーを真似るようにあずにゃん2号も丸くなる。 ここにいるアーサーが僕とは違う世界のアーサーなのだとすれば、一緒に帰ることはできない。 だからここでお別れということなんだろう。 「アーサー、……一緒にいてくれて、ありがとう」 僕もアーサーに背を向ける。 そしてもう一度だけ、サザーランドを仰ぎ見た。 「僕がこの島で捜していたのは君だった。この島で、僕が守ろうとしたのは君だった。 君の推測どおり、君と僕の知るルルーシュが別人だったとしても、この事実は変わらない」 君は、何を為す者だ?―― あの時、僕の問いに答えたのは、ここで死んだ彼だった。 生きろ――この島で、僕にそう命じたのは、ここで死んだ彼だった。 「だから、この島にいる間は、僕は君のナイトオブゼロだ」 見上げた空には、翼を広げたガンダムが見える。 そしてその向こうには巨大な塔――空中要塞・ダモクレス。 この島での最後の敵の姿を前に、僕は誓う。 「――――君の命を、枢木スザクは必ず果たす」 【 TURN 1 『Continued Story』-END- 】 時系列順で読む Back 第七回定時放送 ~Another Heaven~ Next COLORS / TURN 2 『ARIA』 投下順で読む Back 第七回定時放送 ~Another Heaven~ Next COLORS / TURN 2 『ARIA』 329 See visionS / Fragments 12 『黄昏』-Index-Librorum-Prohibitorum- 枢木スザク [[]] 平沢憂 336 COLORS / TURN 6 『U&I』
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667 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/06(月) 01 08 28 ID dz9QqN4g ~~控室前~~ セイバー「シロウ!! 私です、セイバーです!! 開けて下さい!!」 池田ァ「だからまだ仮投下だし!! 我慢するんだし!!」 セイバー「ええい、邪魔するな!! 約束された勝利の剣!!!」 池田ァ「にぎゃああああああァーッ!!!」 アーチャー「くっ、やはり池田では止められんか! 上条、食い止めろ!」 上条「って、盾にするな!! 不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 美穂子「華菜、しっかりして!!」 池田ァ「うう……きゃぷて……」 部長「あーあ、近年稀に見る暴走っぷりね。 仕方ない、私も止めに行きましょうか」 美穂子「そんな、危険です!!」 部長「大丈夫よ。 じゃあ、池田さんは任せたわよ」 小萌「最終防衛ライン、突破されますぅ!!」 とーか「対魔術防壁はどうしましたの!?」 小萌「上条ちゃんなら、マヂ切れした御坂ちゃんがアーチャーさんを超電磁砲で吹き飛ばして連れていっちゃいましたですぅ!!」 とーか「ええい、このままでは……!」 オーナー「やれやれですね。 平和ボケが脳にまで進行しましたか?」 とーか「貴女は……琴吹さん!? まさか、また共闘ですの!?」 オーナー「役立たずの風紀委員の手など借りたところで、足手まといなだけです。 後は私達に任せて貰います。 ガンダムバカ、ゴースト、ホチキス、みっちー、ホンダムモンキー、ふなちゃん。 特攻野郎Sチーム、ミッション開始お願いします!」 特攻野郎一同『『『『『『『サー、イエッサー!!!』』』』』』』 【控室前 阿鼻叫喚確認】 ~~控室~~ 士郎「……なあ、外が妙に騒がしいんだけどさ……」 レイ「黙って修理しろ。 カギ爪、今度こそ貴様を八つ裂きにしてやろう」 男A「君も相変わらずですねえ。 大体、「戦場の絆」の筐体が故障したのも君が勝手に改造したからでしょうに」 レイ「黙れ。 おい、まだ修理出来ないのか」 士郎「ああ、もう少し待ってくれ。 それにしても、本当に騒がしいな。 戦闘音みたいなのまで聞こえるし……」 668 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/06(月) 05 53 05 ID ml5UYOSY 部長(とはいうものの、今の私って乙女の細腕なのよねぇ…。←注:勘違いしたままです ただの人間に、アレを止められるかしら…ま、頑張るしかないわよね) ???「水臭いぞ!竹井久!」 部長「あ、貴方達はっ?!」 ■ 池田「キャプテン…」 美穂子「華菜!喋っちゃダメ!今アーニャさんを呼ぶから!」 池田「死ぬのは慣れっこです…だから…キャプテンのやりたいように、してください…」ガクッ 美穂子「華菜!?華菜!…」 かじゅ「大丈夫、死んだだけだ。正直、この死者スレでは死より重傷の方が痛みが長引く分厄介だからな」 美穂子「…加治木さん、華菜を頼みます」 かじゅ「行くのか?久が怒るぞ。それに泥ばかりか聖杯の力も上条に破壊されただろう?」 美穂子「今の私はただの足手まといかもしれない。でも、あの人だけを行かせたくは、ないんです」 ■ 部長「まさか、貴方達が力を貸してくれるなんて…ありがとう」 海原「お世話になっているのに貸さないはずがないでしょう」 アーニャ「ディナーの約束がまだ履行されてない。それだけ」 小十郎「竹井殿に万が一の事があれば福路殿が哀しみます」 筆頭「まぁ俺はPartyが楽しめればそれでいいんだがよ。なぁ幸村」 幸村「左様!腕が鳴るでござる!」 ヴァン『うぉーい、なんでおれが来る羽目になってんだよ』 筆頭「少しは役に立ちやがれってことだよ、COWBOY!」 【竹井勢力、にわかに立ち上がり中】 669 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/06(月) 09 31 13 ID v6uhje1s 律「……久しぶりにセイバーが荒れてますね」 キャスター「まぁ、今回ばかりは仕方ないちゃ仕方ないかもしれないわ」 唯「でも、あのままじゃみんな危ないんじゃ…」 梓「こんなに離れてても瓦礫やらエクスカリバーやらが飛んできてますしね」 キャスター「そうね。ふぅ…面倒だけど同じサーヴァントだし、私も抑えるの手伝ってこようかしら」ザッ 律「あ、危ないですよキャスターさん!」 キャスター「大丈夫よ、律ちゃんのおかげで魔力も満タンだし」 律「キャスターさん……」 ガシャンッ 律「なら、私も行きます。真・豆鉄砲も本調子に戻りましたし」 キャスター「…無茶しちゃだめよ?」 律「キャスターさんこそ」 唯「りっちゃん…!」 律「唯、お前は…えっと…ガー太だっけ?あれで瓦礫砕いて梓守っとけ」 唯「でも……」 律「お前あれちゃんと制御できないだろ?私なら大丈夫だからさ。なんか暴れ龍とか言われてるし。ガオー、なんちって」 梓「律先輩…死なないでくださいね。池田さんみたいに」 律「変なこと言うなっての。……よし、いきましょう、キャスターさん」 キャスター「えぇ」 【キャス律 出陣】
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136 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/31(日) 07 12 25 ID WhMXHxyI 真宵「トリック・オア・トリートです!」 カイジ「? いきなり何だ八九寺?」 真宵「分かりませんか? ハロウィンですよハロウィン!」 カイジ「ハロウィン? ‥‥ああ、子供が近所を回ってお菓子をせびるあれか」 真宵「言い方は悪いですが、まあそんな所です。 で、どうします?」 カイジ「? ああ、さっきアーチャーから貰った飴で良かったら持って行くか?」 真宵「まあ良しとしておきましょうか。 あ、米河さーん、トリック・オア・トリートですー!」 利根川「む、八九寺か。 煎餅くらいしか無いが‥‥」 真宵「貰えるだけでもマシですよ。 あ、負債さん、トリック・オア・トリートです!」 船井「? あー、ハロウィンかい。 スマンけど、今何も持ってへんのや」 真宵「そうですか。 仕方ありませんね」パチン ヒューーーン……ズゥン!!! カイジ「な‥‥っ!?」 利根川「‥‥八九寺、これはどういう事だ?」 真宵「何って、お菓子が貰えなかったから「悪戯」したんですよ」 カイジ「いや、コンテナ落とすのは悪戯の域を超えてるだろ!!」 利根川「相変わらず末恐ろしいガキだなこいつは‥‥」 【船井 トリート確認】 137 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/31(日) 10 00 58 ID D3U9.zhY 唯「とりっくおあとりーと!」 紬「トリート!」 キャスター「あら、みんな可愛い格好しちゃって」 律「ハロウィンですからね」 キャスター「うふふ、わかってるわ。はい、お菓子よ」 梓「ありがとうございます!」 律「キャスターさん、ありがとうございました。…さぁて次はどこに行k」 キャスター「律ちゃん」ガシッ 律「は、はい?」 キャスター「トリック・オア・トリートよ」 律「へ?ふ、普通ハロウィンでお菓子ねだるのは子供だけじゃ…」 キャスター「何言ってるの。楽しい行事に子供も大人もサーヴァントも関係ないわ」 律「は、はぁ…。すみません、今手持ちにお菓子キャスターさんからもらったのしかなくて……」 キャスター「トリート決定ね」 律「へ?」 アッーーーー!! 神原「…なるほど」 ひたぎ「何してるの」 神原「戦場ヶ原先輩、今日はハロウィンだ。お決まりのアレを言わなくては」 ひたぎ「何言ってるの。そんな柄じゃないわよ」 神原「行事を楽しむのに柄もないもない、とキャスターさんは言っていた」 ひたぎ「はぁ、しかたないわね…。神原、トリック・オア・トリート」 神原「はっはっは!残念!私は今何も手元にない!」 ひたぎ「…」ムカッ 神原「というわけで先輩。思う存分私をトリートしてくれってちょっと待って欲しいそのホッチキスは一体何に」 ア゙ーーーー!! カイジ「ハロウィンのトリートってのはもっと可愛いものじゃないのか……?」 【律、神原 トリート確認】 138 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/31(日) 11 12 44 ID WhMXHxyI 真宵「何なら開司さんも私にトリート(悪戯)してみますか?」 カイジ「絶対やらないから安心しろ」 真宵「ノリが悪いですねえ。 韮良木さんなら嬉々としてトリートしてくれたでしょうに」 カイジ「あんなロリコンと一緒にするな、というか戦場ヶ原には絶対言うなよそれ」 139 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/31(日) 12 08 03 ID wj.YsSn2 刹那「ハロウィンはお菓子をあげないとデリートされるのか」 池田「それほど上手いこと言ってないし!」 美穂子「………………プッ」 池田「どこにウケル要素がー!?」
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416 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/22(日) 01 38 32 ID pPrI7W8o 律「あふぅ…」 キャスター「一日がかりになるとは思わなかったけど…どうかしら?」 律「なんか、身体が熱いです…」 ムギ「キャスターさん!そろそろやめないとりっちゃんが…!」 律「アレ?なんか元気が出てきました。なんかしたんですか?」 キャスター「ほら、腸は栄養を吸収する部位でしょ?そこに直接体力回復用の霊薬を塗りまくったのよ」 律「あぁ、だからあんなに身体の中でもてあそんでたんですか…」 キャスター「あとはまぁ医療行為だけだとつまらないから、ちょっと気を入れちゃったけど」 律「…すっごく気持ち良かったです。癖になったらどうするんですか?」 キャスター「あら、新しい性癖身についてよかったじゃない」 律「もう、キャスターさんったら!」 アーニャ「神算鬼謀」 ムギ「なんていうか、本当に出鱈目ね…」 律「おー、ムギー!なんか復活したから今度の水泳大会出場させてもらうぞー」 ムギ「まぁ大人しくされてるより、よっぽどりっちゃんらしいわよね」 417 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/22(日) 02 32 45 ID Pf5hGUf6 真宵「松さん、松さん。今度の水泳大会に出るならウチのほうに入りませんか?」 律「そうだな……いいぜ、唯にムギ、梓がいるからな」 真宵「ありがとうございます」 律「なあに、気にすんな。ほいじゃあちょっと体を動かしてくるか。それじゃあな」 真宵「……ふふふ、これでひとつ私の策の駒が増えましたよ。しかも高いさんと同じくらい人間をやめている橘さん、と。これは「キィー!」と叫びながら地団駄を踏む効果さんに向かってm9(^д^)プギャーするのにも現実味を帯びてきましたよ」 ムギ「……なんというか手が早いわね」 真宵「そうでなければ、あなたの右腕は勤まらないのでは?」 ムギ「それもそうね。水泳大会での策にも期待してるわよ」 真宵「わかりました。では次の作業に……」
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See visionS / Fragments 5 『クライ』 -グラハム・エーカー- ◆ANI3oprwOY 男は失意の底にいた。 暗い穴の最奥で一人、蹲っていた。 ここは滅びた町の一角。 男の傍に壁はなく、頭上には灰色の空が広がっている。 しかしそこは紛れもなく底であり、暗闇の中だった。 少なくとも、男にとってはそうだった。 「…………」 男、グラハム・エーカーは暗い暗いその場所で止まっている。 希望を失くし、目からは輝きが消え、何も見えていない。 滅びた町も、ひび割れた地も、曇天の空も、服を濡らす雨の雫も。 何も認識していない。 虚空を眺め、制止する。 それが彼の現在だった。 「……………」 戦意が潰れている。 剣が折られている。 炎が、消えている。 「…………天江……」 呟く名は、守るべき者は、もういない。 残された残骸を握り締める事しか、許されない。 真っ赤に濡れたカチューシャ。 それはかつて守ると誓った命が染みこんだ、ただの残骸にすぎなかった。 「…………衣……」 呟くその名に、今は何の意志も込められていなかった。 まだ在った頃に、真摯に思った優しさは無い。 喪失の瞬間、張り裂けた悲哀すら無い。 なにも、何もない。 「…………」 失った後には、ただ虚空だけがあった。 空虚だけを、噛み締めていた。 故に、ここには何もなかった。 グラハム・エーカーはなにも見ていない。 暗い、暗い、穴の底にいた。 ◆ ◆ ◆ See visionS / Fragments 5 『クライ』 -グラハム・エーカー- ◆ ◆ ◆ 「…………誰だ」 かさり、と。 そのとき、穴の底に、小さく足音が響いた。 グラハムは、機械的にそれに問う。 何も見えない目前、気配がある。 背の低い小柄な体躯の、グラハムの守りたかった少女にどこか近しい。 「シスター、か」 少女だった。 インデックスと呼ばれた端末。 それが、失意の男の前に立つモノだった。 「何用……かな。今更、私に出来ることなど何もないが」 感情の篭らない、脱力した声でグラハムは聞く。 何もかもが億劫という様相を、既に隠し繕う気力もない。 「観察です。あなたの、正確には生存者の、記録を実行しています」 口を開いた少女から感情は読み取れなかった。 だからグラハムも、 「そうか」 とだけ、言った。 「…………」 「…………」 「…………」 「…………」 二人、何も言わない。 黙したままで、そこに留まり続ける。 瓦礫と砂利の丘に背を付けて座るグラハム。 崩落した町を背景に直立するインデックス。 両者、黙したまま、静かな時だけが流れていく。 二人、意志はなく。 二人、虚無を見つめ。 二人、何かをなくしたもの同士。 そういう意味で、彼らは非常に似通っているのかもしれない。 「君は……」 果たして、どれ位の沈黙が過ぎ去っただろうか。 永遠に続くかと思われた黙祷のようなそれを終わらせたのは、グラハムだった。 だがやはり何も見ぬままに、ただの気まぐれのように、彼は口を開いたに過ぎず。 「君は何故、ここにいる。ここでそんな、無駄なことをしているんだ」 証拠に、洩れだした言葉はあまりにも弱弱しい。 回答を求めない故に、言葉尻に疑問符すらつかない。 この男の常を知っているものにしてみれば、別人と疑うほどの脆弱だった。 「こんな私を見て、なんになるという」 滲む物は諦観一色。 「無駄なことだぞ」 「では逆に――」 その一色に、一石を投じるでなく、切り裂くでなく、端末は訥々と話す。 同じく脆弱な存在のまま、意志もなく、意義も無く。 それは空回り続けていた。 「あなたは何故、そこに留まるのですか」 お互いに、疑問符のつかない会話を展開する。 語尾を上げる力すら、両者にはなく、両者ともに返答を望まない。 けれど端末は、それを続けた。 「――データ参照。 グラハム・エーカーの行動パターンと性格特性(メンタルレベル)を二重に分析。 その重複結果。 あなたはここで脱落(リアイア)する行動方式を有してはおりません」 一切の感情が篭らない声。 断じて、信じていると言っている訳でも、勇気づけている訳でもありえない。 ただそうであると、断じているに過ぎなかった。 「シナリオパターンCを出展とする。 天江衣の死はグラハム・エーカーに対して極大の衝撃、ダメージとなります。それは事実。 しかしそれは、それまでのこと、あなたの心を折るには至らない」 絶対の計算式から導き出した答え。 『グラハム・エーカーはここで折れない』 もう一度立ち上がる。 それが用意されたシナリオなのだから。 「悲しみを怒りに転化する。守る意志を破壊する意志へと帰化する。 貴方はグラハム・エーカーという存在を捨てる」 それが法則、ロジカルな道理、結果であるはずなのだと。 足し算と引き算をして、解を述べただけ。 グラハム・エーカーはそういうものだ。 そう出来ている。構成されているという解法がある。 つまり、この場合(パターン)ならば、 守るべき者の死を乗り越え、怒りを胸に燃え上がらせて、庇護者を復讐者に変え立たせる状況。 「シナリオ通りであるならば、貴方は今までの自分を捨てて、仮面を身につける。 さながら――」 そう、それはさながら。 武士道と呼ばれた、否、呼ばれる未来という。 「本来のグラハム・エーカーが歩むはずだった。 歴史をなぞるように……」 キャストは限界まで収縮された。 故に外れようのない、計測されうるシナリオは正史の反復。 武士道を名とする男の誕生と。 「果てに貴方は、神に挑み、そして散る」 復讐者は遍く死と交差し、終焉するのが定めだった。 「なのに貴方はこの場所に留まっています」 しかし現実は違った。 グラハム・エーカーは散る以前に、立ち上がることすら成し遂げない。 ここで消沈するのは、喩え最終的な結果が同じだとしても、計算外であることは否めない。 用意されていたシナリオから外れていることは確かだった。 「さてね、何故だろうな」 男の反応はそっけない。 辿るはずだった未来を語られて、なのに響いていない。 刺激の無く、変化は見られなかった。 ただ、自嘲だけが、ある 「ああ確かに、私はここで倒れる人間ではない。 私自身、そう思っていたのだ」 それは自虐や諧謔ではなく。 本心からの言葉であった。 「立ち上がる理由など、幾らでも見つけられるだろう。 天江衣を殺された直後のように、怒りに任せて動くことも出来た。 天江衣と約束したように、市民を守るため義にしたがって戦う事も出来たはずだ……」 グラハムとは、その様なものであるという認識。 インデックスに説明される以前から、この男は知っていたのだろう。 知っていて尚、この状況に甘んじるわけとは即ち。 「しかし、な。不思議だな。立てないのだよ」 本人すら分からない。 知らない何かが在るという。 「火が……な」 「……火」 聞き返すでなく反復した端末へと、もう一度苦笑って。 グラハムは虚空に呟いた。 「火が、つかんのだ」 まるで「気分が乗らない」とでも言うような軽さ。 同時にどこまでも深い奈落の諦観と共に。 「彼女が死んで、そしてそれを確かめてより、何故だろうか分らないが……」 一度消えたそれは、取り返しがつかないのだと。 「火がな、無い。私の中で、当然のようにあったそれが、ない」 だから立てないのだと。 「理論と反します。意図も、掴めません」 理由になっていない。 計算式を覆す要素になっていない。 言い返す端末に、責めないでくれと、グラハムは漸く少女を見つめ。 「しかたないさ。私にも分らないことだ。知らないことだ」 肩をすくめて、空を仰ぐ。 「だが、これだけは言える」 そして小雨を降らせる曇り空を、瞳に浮かべて。 「彼女と出会う前ならば、私は何を失おうとも、こうはならなかったろう。 例えば君が先ほど言ったようなシナリオ、ああ良いな、心が震えたかもしれない。 しかし今は――なんと言えばいいのかな、そうだな……」 こう、締めくくった。 「この気持ちに……愛がない……」 魂の、欠如。 いつの間にか急速に、超大の存在となった少女は、グラハムの中心に在ったものとすり替わっていた。 まるで魔法のような、幻想のような、少女。 いずれにせよ失ったものは、其れほどまでに特別な存在だった。 グラハムだけでなく、この世界全てにとって、決して失われてはならない者だったのだと。 失われてはならない彼女を守ることこそ、己に課せられた役割だったのだと、失った今こそ、心から信じられるから。 己は間違いなく敗北したのだ、と。 再起は不可能なのだと、確信する。 「つまり――」 インデックスという端末はポツリと呟きながら、 グラハムの視線を追うように、空を仰いだ。 神のシナリオを歪ませるほど、彼女の存在は物語の中心にあったのでしょうか、と。 端末は、言外に、黙する。 意図せぬ黙祷が再び流れた。 今度はより決定的な。 何かを諦めるには十分すぎる冷たさだった。 「いずれにせよ」 再びグラハムがそれを、終わらせる。 今度は明確な、会話の末に向って言う。 「物語(シナリオ)はここまでだ」 彼女亡き今、変えられる筋書きは、グラハムの意志が折れるのを早めただけという。 ただそれだけのことだと。 「はい。その言葉に異論はありえません。終着(ピリオド)に変更は皆無。 第七回放送以後、このまま殺し合いが再開されなければ。 神が降り、彼の手によって地は燃え、殺し合いは強制的に終焉を迎えます。 それは変えられない事実です」 「だろうな」 グラハムは納得し、そして覆す気力も無い。 一貫した、諦観と悲哀。 諦観は己に、そして悲哀は、とどのつまり、 いまだに諦めることすらできない、あの少年に。 「何かが変わったとしても、終わりは何も変わらない」 「はい。肯定します」 グラハムは、憐れんでいる。 インデックスは、ただ肯定する。 「我々は、死ぬ」 「肯定します」 変えられない事実。 変わらない現実を、二人は、見つめていた。 「抵抗するものは僅か。そして勝ち目などない」 「肯定します」 意志のない二人。 確認作業に従事していた。 「悲劇で、幕は閉じる」 「……肯定します」 バッドエンド、確定しているそれを、彼らは語り終えた。 ここで会話は終わる。 終わるはずだった。 けれどグラハムは無意識に、ついでのようにもう一つだけ口にした。 特に聞く必要もない余計なこと。 答えのわかっている、無駄なことを。 「生きる意志を示す者は、阿良々木暦、一人だけ、か」 哀れにも止まれない、諦められなかった少年の、孤独な敗北。 その、最終確認において―― 「否定します」 一つだけ、またしても、齟齬が生じた。 「……なに?」 「もう一人」 曇り空から視線を切ったインデックスが、今、見据える先に。 「たった今、確認されました」 滅び廃れた地を踏みしめて、此方に歩いてくる、『二人分』の足音。 一人は少年、阿良々木暦。 「照合――」 そしてもう一人、少年に手を引かれたその姿。 おぼつかない足取りで、それでも確かに自分の足で、こちらに向かって歩いてくる少女。 立ち上がった者が、ここに、少なくとも、一人きりではなく―― 「阿良々木暦と、そして平沢憂。 現時点で、この二名に対し、生存の意志を確認できます」 一人は、二人になって、 とても僅かな、けれど確かな変化が今、ここに帰還する。 喩え目に見えぬほど、感じ取れぬほど僅かな差異であろうとも。 それは即ち、決められていたシナリオを食い違わせる。 変調の因子に他ならなかった。 【 Fragments 5 『クライ』 -End- 】 時系列順で読む Back See visionS / Fragments 4 『君の知らない物語』 -平沢憂- Next See visionS / Fragments 6 『あめふり』 -Index-Librorum-Prohibitorum Ⅱ- 投下順で読む Back See visionS / Fragments 4 『君の知らない物語』 -平沢憂- Next See visionS / Fragments 6 『あめふり』 -Index-Librorum-Prohibitorum Ⅱ- 319 See visionS / Fragments 4 『君の知らない物語』 -平沢憂- 阿良々木暦 320 See visionS / Fragments 6 『あめふり』 -Index-Librorum-Prohibitorum Ⅱ- 319 See visionS / Fragments 4 『君の知らない物語』 -平沢憂- 平沢憂 320 See visionS / Fragments 6 『あめふり』 -Index-Librorum-Prohibitorum Ⅱ- 316 See visionS / Fragments 1 『もう幾度目かの敗北の跡は』 -Index-Librorum-Prohibitorum- グラハム・エーカー 320 See visionS / Fragments 6 『あめふり』 -Index-Librorum-Prohibitorum Ⅱ- 316 See visionS / Fragments 1 『もう幾度目かの敗北の跡は』 -Index-Librorum-Prohibitorum- インデックス 320 See visionS / Fragments 6 『あめふり』 -Index-Librorum-Prohibitorum Ⅱ-