約 735,354 件
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/14644.html
|【文明】||全ての文明に存在 |【命名ルール】||次元〇(色の名前)龍 (その色の別表記) |【多種族冠詞】||いない |【進化冠詞】||いない 作者:Orfevre ディメンション・クリーチャーのみが持つ種族、アナザーなのは、異次元の存在だからか。
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/25617.html
アナザー・N・ワールド VR 水文明 (9) クリーチャー:サイバー・コマンド/ハンター 9000 ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、各プレイヤーは自身のシールドゾーンと墓地のカードをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、各プレイヤーは自身の山札の上から5枚を裏向きのまま、それぞれ新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加える。 ■W・ブレイカー 作者:wha + 関連カード/1 《サイバー・N・ワールド》 IP-02 「アイデアパック02:エピソード・アナザーワン」 カードリスト:wha 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wc2008/pages/149.html
5勝するとWCモードにネオスペースコンダクター: まだないよが出現 獲得カード カオス・ソルジャー-開闢の死者- ダンディライオン E・HERO アナザー・ネオス ホーリーフレーム E・HEROネオス ダークフレーム デッキ名:新・世・界
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/2792.html
21日目アナザーその1の続き 420: 二十一日目アナザーIF と、いうわけで分岐√です。 なんやかんやあって、昨日の騒動もあって闇城のことが心配になったのと ニューヒナミンを見せつけるため、闇城宅へ向かったヒナミン。 一善くンと不良を撃退しつつ、何とか現場から逃走したのだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ☆ 崎野「ハァ、ハァ……何とか現場からは逃げ切ったわ……あの毒舌コーン(一善くン)もいつの間にかいなくなってるし」 崎野「結局、闇城の家の場所はわからずじまいだしっ!」 崎野「どうしようかなぁ………」 1 諦めて帰る 2 恵みの大地で知り合った石墨に聞いてみる 3 恵みの大地で知り合った対馬に聞いてみる (いずれも参照は闇城の夏休み8日目) 4 さっきの乱闘の件で風紀委員に職務質問される(人物も指定。風紀委員限定。秒数1の位が奇数なら逃走成功) 5 ブラブラしてたら闇城宅を偶然発見!(秒数1の位が2、6、0の場合のみ成功) 6 その他(別ルートで実現した『ゴドリックに道を聞く』以外) ※秒数安価がゾロ目の場合、宿敵?ホナミンが現れます。 回避したい場合は書き込み内に「ホナミン回避」と記入。偶数の場合のみ回避成功。 421: ■■■■ ホナミン回避 5。失敗なら4 422: ■■■■ ホナミン回避できませんでした……… ――――――――――――――――――――――――――――――――― 崎野「とりあえずダメもとで誰かに聞いてみようかしらね………!?」 ホナミン「」スタスタ・・・ 崎野「アイツはホナミン!?まさかこんな所で会うなんて!」 崎野「ってアイツ何してんの?」 ※ヒナミンとホナミンと闇城の関係はこちら2つを参照 闇城の夏休み16日目・闇城の夏休み17日目 ホナミンは何をしていた? 423 1 普通に歩いていた 2 ファンに囲まれていた 3 友人と思われる誰かと一緒にいた(誰なのかも指定) 4 風紀委員に職務質問されていた 5 どこかに向かっているようだ 6 その他 そして崎野に気付いた? 424 1 全く気付いていない 2 「あっ!あなたは相棒(闇城)の友達の………」 3 「あっ!ヒナミン!」 4 その他 423: ■■■■ :2014/10/28(火) 21 47 14 秒数1の位が奇数なら4。偶数なら5 424: ■■■■ 1 425: 二十一日目アナザーIF ホナミン「」スタスタ・・・ 崎野「アイツ、やけに早足で歩いてるわね。こっちのことも全然気づいてないみたいだし」 ホナミン「……そろそろ………急がないと………」スタスタ・・・ 崎野「まあアイツが全然こっち向かないからなんだけどね」 崎野「そういやプールに行った時はホナミンの胸が本物だってことだけで、急成長の秘密は結局わからないままだったのよね」 崎野「一度夏の映画でヒナミンとコラボしていて面識がある(設定)で共闘してた時はあんなに大きくなかったハズだし…たぶん」 崎野「しかし!今のニューヒナミンの敵ではないわ!」ボインッ 崎野「あっ、でも今だと秘密を探る意味もなくなったかな………追跡してたら間違いなく闇城の家、わかんないままだろうし」 学生「……………」ナンダアノコ・・・ 崎野「どうしようかしら」 1 ホナミンの後を付ける(どこに向かっているのかは記入してもしなくてもOKです) (秒数1の位が奇数だとホナミンが尾行に気付きます) 2 後を付けない。闇城の家探しを続ける 3 帰る 4 ヒナミンの行動が気になった学生(誰なのかは指定してもしなくてもOK)に声をかけられる(内容は指定) 5 その他 426: ■■■■ 5 ナンパされる 427: 二十一日目アナザーIF ??「ねえねえ、そこの女の子!」 崎野「?」 ??「君だよ君!そこの金髪で胸が大きい女の子!」 崎野「……………」 ??「ねえってば!」 崎野「えっ?私!?」ボインッ ??「そうだよ?」 崎野(あっ、胸が大きいって言われたから私じゃないと思ったら、ニューヒナミンに進化して胸大きくなったんだったわ………)ポヨンポヨン ??(むっ、胸を持ち上げてる!?)ドキドキ・・・ 428: 二十一日目アナザーIF ホナミン「」スタスタ・・・ 崎野「…ってホナミンの奴、私に気付かないまま歩いて行っちゃった」 ??「君さえよかったら一緒に遊ぶか、どこかでお茶でもしないかい?」 崎野(それにしても………ナンパされるなんて初めてだわ。いえこれも乳もといニューヒナミンに進化したからかしら) 崎野(それとも完全武装少女ヒナミンにようやく時代が追い付いてきたのかしら!?)ジーン・・・ 崎野(仮にコイツが変態やスキルアウトでも1人や2人なら十分戦える…妙なマネしたらぶっ飛ばせばいいだけよ) 崎野(いえ、もし仮にこの人がそういう人間じゃないなら、ヒナミン布教のチャンス!それに彼氏もできれば万々歳よ!!)ババーン!! ??「えーっと………何かさっきから独り言を言ってるみたいだけど、どうしたんだい?何か用事でもあった?」 崎野(どれどれ、どんな人かしら………)クルッ ヒナミンをナンパしてきたのは誰?(複数もOK。2人まで) 429 1 工口紳士 2 出若銘助 3 地野宮雪雄 4 一色丞介 5 武佐紫郎 6 桃園先生 7 残念。スキルアウトだった… 8 残念。由利野愛華だった… 9 運任せ( 429の秒数1の位に準ずる。9,0の場合は上記以外の人物となる) ナンパに対してヒナミンはどうする? 430 1 「ごめんなさい。ちょっと用事があるの」(闇城宅を再び目指す) 2 「ごめんなさい。ちょっと用事があるの」(ホナミン尾行続行) 3 問答無用でぶっ飛ばす(相手によっては問答無用で逃走に変更) 4 「ええ、いいわよ。どこに行く?」 5 「私、ちょっとあの娘(ホナミン)に用事があるのよ」 6 その他(別人物乱入の場合もここで) 429: ■■■■ 1と4 430: ■■■■ 4 431: 二十一日目アナザーIF 崎野(スキルアウトではなさそうね………) 崎野「で、あなたたちは誰?」 工口紳士「おっと、これは失礼。俺は工口紳士(たくみぐちしんし)。決してエロ紳士ではないよ」 崎野「名前自体がネタって…どんな名前よ」 一色丞介「僕は一色丞介。風紀委員ですのっ!なんてねっ♪」 崎野「アンタ本当に風紀委員!?……って本当に腕章してるし!!」 工口「君さえよかったら俺たちと一緒に遊びに行かないかい?」 一色「しかも僕は風紀委員だから変なことはしないよ!」キリッ 工口「俺は紳士だから女の子を泣かすようなマネはしないぜっ」キリッ 崎野「そう言うと余計に胡散臭いんだけど」 432: 二十一日目アナザーIF 崎野(一応こっちもヤバくなったら対処する心構えはしてるしね………) 崎野「……………………」 工口「………まあ強制はしないよ。君も何か用事あったりとかするかもしれないしね」 一色「さすがは紳士兄さん!女の子の気持ちの配慮も忘れないッ!」 崎野「ええ、いいわよ。どこに行く?」 工口&一色「Σ(゚ロ゚;)」 崎野「自分で誘っといて驚いてんじゃないわよ!!」 工口「おっとすまない。意外とすぐにOKしてくれたから俺たちも嬉しくてね」 工口「そうだねえ……… 432に行ってみよう!」 一色「さすがは紳士兄さん!僕もそれがいいと思うよ!」 どこに行く? (二十一日目アナザーで登場した施設、成瀬台高校、百来軒、シルク・ド・ラ・クローヌ以外) 433: 二十一日目アナザーIF ごめんなさい。安価は 434で。 434: ■■■■ 学舎の園 435: 二十一日目アナザーIF 工口「そうだねえ………学舎の園に行ってみよう!」 一色「さすがは紳士兄さん!僕もそれがいいと思うよ!」 崎野「へぇ、悪くないわね」 崎野「あそこ限定のグッズやスイーツもあるそうだし、女子の間では行っただけでもステータスだって話もあるしね!」 工口「でしょ?でしょ?俺のセンス抜群でしょ?」 一色「ではいざ出発!!」 シュバッ!! 崎野「あっ!ちょっと!!」 436: 二十一日目アナザーIF ☆学舎の園付近 工口「と、いうわけで我々は学舎の園のそばにいる」 一色「常盤台や枝垂桜学園をはじめとする、由緒あるお嬢様学校が集う正に女の園!我らにとっては聖地ですな」 崎野「ゼエ…ゼエ……ちょっ………、ちょっと待ちなさいよ!」 崎野(つーかコイツら妙に足速いし………もしかして学舎の園への執着心から!?) 工口「ではさっそく参ろうぞ!」 崎野「待てい!」 工口&一色「??」 崎野「さっきは言いそびれちゃったけど、無理でしょ!」 工口「何ゆえ!?」 崎野「まず学舎の園は、たとえ警備員だろうが男子禁制空間でしょうが!それに私は常盤台の生徒でもないし!」 一色「えぇー」 崎野「えぇーとか言っても無理!あー、でもさっき言った通り、学舎の園自体は魅力的だわ」 崎野「それともアンタたちそういうコネでもあるの?」 崎野「私は女子だから入れたとしても、アンタら2人は男子禁制だから入れないけどさ」 工口「」 一色「」 437: 二十一日目アナザーIF 工口(しっ、しまったああああ!!浮かれまくってて大事なことを忘れてたああああああ!!) 一色「いや!紳士兄さんのことだ!何か秘策があるのだろう!故にこの学舎の園に来た!そうでしょう?兄さん!!」キラキラ 工口(一色くゥゥゥゥン!?そんな期待を込めた純朴な子供のような目で見るのはやめてくれええええ!!) 崎野「えっ!?そうなの!?それはちょっと期待しちゃうじゃない!私も前から行ってみたかったのよね!」キラキラ 工口(ぐおおお!こっちもそんな目で見られると………女の子にそんな目で見られると…見られると………) 工口「…………………」 工口「……………ふぅ………」 崎野「!?」 一色(賢者タイム!?) 工口「フッ、この俺が無策でここまで来るわけがないだろう?」キリッ 崎野「どうするっての?」 工口「そうだな………」 1 「諦めて帰る」 2 「俺には○○という常盤台の友人がいるんだ!」(嘘か本当かは問わないが、誰なのか) 3 「女装して潜入する」 4 「一色君の風紀委員としてのコネを使うのだ!」 5 「強行突破だ!!」 6 「そうだ!あの娘に声をかけてみよう」(常盤台の人物) 7 その他 438: ■■■■ 3 439: 二十一日目アナザーIF 工口「女装して潜入しよう!」キリッ 崎野「あんたバカァ?学舎の園のセキュリティを女装でごまかせる訳がないでしょ!?」 一色「兄さん!変装セットは確保できました!」 工口「よし、ではさっそく参ろうぞ!」 崎野「ホントにやるの!?」 ☆ 工口子「と、言うわけで女装完了したわよ!」 一色子「かがくのちからってすげー!一見では男だなんてわからないよ!」 崎野「………ホントにやりやがった………」 崎野(しかも後ろに「子」をつけるだけという手抜き表現…って、こればっかりはしょうがないわね) 崎野(でも学舎の園限定グッズやここでのヒナミン布教など夢も広がるわね………)ワクワク 440: 二十一日目アナザーIF 野茨姫子「あら?あなたたち学舎の園に用事でもあるの?ちなみに私はこう見えても常盤台の教師です」 崎野「えっ、ええ。まあ、そうです。友人の紹介で来まして」 野茨「そうですか………」ジーッ 崎野(何かジロジロ見られてるわよ!バレたんじゃないの!) 工口子(ああっ!そんなに見つめられると………興奮するじゃないかっ!!)シャキーン! 崎野(シャキーン!じゃないわよ!思いっきり怪しまれてるじゃないのよ!!) 一色子「さすがは常盤台!貴女のような若く美しい先生までいらっしゃるとは素晴らしい!!」 野茨「そそそ、そげなこと…ゲフン…そんなこと言われると照れてまうべ…ゲフン…照れますね…」 崎野(照れてまうべ!?…って一色!!今の状況忘れたの!?今は女装してんでしょうが!!) 一色子(あっ、しまった…いつもの調子で口説いてしまったよ。美しい女性を称えるのは紳士の嗜みだからね!) 崎野(ああもう!このナンパ風紀委員があああ!!) 野茨「……………………」ジーッ 崎野(やっぱり怪しまれてる!?それとも私たちが珍しいだけかしら…わっ、私は別に怪しくないわよね!ヒナミンだし!) (注:根拠はありません。むしろヒナミンになってたら間違いなく門前払いでした) 野茨(………この娘、ものすげえ胸でっけえべ。羨ましいべさ………)ペターン 崎野(って何故か私も見られてる!?)ボインッ 崎野(このままだとマズいわね………) 1 崎野「実は私たち○○さんの紹介で来たんです!」(○○は常盤台生限定。原作キャラもOK) 2 バレそうになったので強行突破! 3 バレそうになったので逃走! 4 野茨、どこかに電話をかけ始める 5 誰か別の人物が加わる(誰かも指定。科学サイド限定) 6 その他 441: ■■■■ 5 寮監様 442: 二十一日目アナザーIF 寮監様「お前たち何をしている?」 野茨「あっ寮監さん、こんにちわ」 寮監様「こんにちわ野茨先生。こんな所で一体何を?」 野茨「私もさっき会ったばかりなんですがこの子たち、学舎の園に誰かの紹介で遊びに来たらしいんです」 寮監様「ほほう」ギラリ 崎野「メガネが本当にギラリって光る人、初めて見たわ」 一色子「!?」 崎野「どうしたの一色?」 一色子(ゲエッ!アレは泣く子もレベル5も黙る常盤台の寮監様!?) 工口子(何だと!?) 崎野(そんなにヤバい人なの!?) 工口子(おいおいそりゃーヤベェな、ヤバ過ぎるぜ………すごく………興奮するじゃないか!!)ハアハア・・・ 一色子(いや兄さん!アレはガチでヤバいっす!バレちまったら確実に討ち取られるっす!) 443: 二十一日目アナザーIF 寮監様「…………………」ジロジロ・・・ 崎野(なっ、何かめっちゃ見られてる!?) 一色子「」ガクガク・・・ 工口子「」ハァハァ・・・ 崎野&一色(おいいいいいい!?) 寮監様「」クンクン 崎野&工口子&一色子&野茨「?」 寮監様「………………………」 寮監様「あまりハメを外し過ぎないようにな。さもないと…恐ろしいことが起きるぞ☆」ニヤリ 崎野&工口子&一色子&野茨「はっ、はいぃぃぃぃ!!」 野茨(ってうっかり私も一緒になって返事しちゃったべさぁぁぁ!教師だけど恐かったべ………) 野茨「では私もそろそろ失礼すんべ…ゲフン…失礼します」 寮監様「……………」 この後の寮監様はどうする? 1 「ところでお前たちは誰の紹介で来たんだ?」 2 「やっぱりお前らちょっと待て。臭う、臭うぞ。男の臭いがする!!」 3 「野茨先生、もしお時間があれば彼女たちの引率をお願いします」 4 他の不審者を発見!!即、首狩りに向かう 5 問答無用で工口と一色を首狩り(秒数1の位が0なら回避成功) 6 野茨以外の全員を首狩り(秒数1の位が0なら回避成功) 7 突如ヒナミンに異変が!? 8 その他 444: ■■■■ 次の書き込みの秒数1の位が 1=1 2=2 3=3 4=4 5=5 6=5(首狩り回避) 7=6 8=6(首狩り回避) 9=7 0=8(1~7以外のおまかせ) 445: ■■■■ :2014/11/08(土) 20 39 33 どうなる!? 446: 二十一日目アナザーIF 一番出そうにないのが出ました ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 寮監様「野茨先生、もしお時間があれば彼女たちの引率をお願いします」 野茨「えっ?私がですか?」 寮監様「ええ。どうやらこの娘たちは学舎の園は初めてのようですし、野茨先生も一緒なら大丈夫でしょう」 寮監様「それに私はこれから首狩…ゲフン…少し用事がありましてね」 野茨(明らかに言うことが変わったっぽいけど、何を言おうとしたんだべか………) 寮監様「野茨先生も何か用事があるなら無理にとは言いませんが」 野茨(エエエェェェ(゚Д゚)ェェェエエエ!そっ、そげなこと言わると緊張するべさーーー!でもこれは教育者としての責任を任されたとも言えるべっ!) 野茨(それに………いんや、それは考えすぎかもしんねえべ………) 野茨「わかりました。少しの間なら………」 寮監様「そうですか。それはよかった。では私はこれで」 寮監様(あいつめ、私の前で校則違反とはいい度胸だ………)ギラリ シュバッ! 野茨(ああ、あの生徒…ご愁傷様だべ………) 工口子「ワープした!?それに今、目が光った!?」 一色子「いっ、いや眼鏡だよね!今光ったのって眼鏡であって、目ではないよね!………たぶん」 崎野「アレは獲物を狩る虎の目だったわね………」 447: 二十一日目アナザーIF 一色子(とにかく危機は去ったのか!?) 工口子(よし。では学舎の園めぐりに参ろうぞ!!) 崎野(いやあの先生どうすんのよ。このまま一緒に行動するの?) 野茨「どうしました?行きますよ~」 崎野「はっ、は~い」 一色子(寮監様に狩られる危機は去ったが…この先生を振り切るか否か……) 工口子(確かに一色君は風紀委員なだけにバレると俺よりもヤバそうだしな) 工口子(まあそういう危機的シチュエーションが俺をさらに興奮させるんですがね!)キリッ 一色子(いやそれは兄さんだけっす!だけどこの女の園は捨てがたいッ!) 崎野「コイツら………」 野茨「?」 次の野茨先生の行動は? 1 崎野たちに巻かれる 2 野茨「………あなたたち、男子ですね?」 3 工口紳士たちの女装に全く気付かず、学舎の園のどこかに同行する(場所も指定) 4 学舎の園や常盤台の施設や歴史のうんちくを語りまくる 5 ??「おや?野茨先生、ごきげんよう」(常盤台生限定) 6 ??「風紀委員です。この学舎の園に男が入り込んだという情報がありまして」(風紀委員限定) 7 その他 448: ■■■■ 3か4 449: 二十一日目アナザーIF ☆学舎の園のとあるカフェ 野茨「………という訳でですね、学舎の園というのは常盤台中学や枝垂桜学園をはじめとするお嬢様学校によって形成されていて………」ペラペラ 崎野「へ、へぇ~そうなんですか………」 崎野(あんまり喋らなさそうだったのに、学舎の園や常盤台の話になった途端に喋りまくりだわ………) 工口子「それにしても野茨先生に引率してもらってよかったですよ。機密が多い地域のため衛星地図も非公開ですから」 崎野「ええっ?そうなの!?」 崎野(ヒナミンはデートスポットは抑えてるけど男子禁制だからデートスポットに使えないココのことはあんまり知らなかったわ) 野茨「各校はライバル関係でもあることと、機密性の問題からも詳細な見取り図は公開されていないのですよ」フンス! 野茨(やっぱり人にこうやって物事を教えるって素晴らしいべさ!私も立派な教師って感じだべさ!!) 450: 二十一日目アナザーIF 崎野(この先生、先輩風っつーか教師風吹かせたかったのね……) 工口子(………この先生はこの先生で………いいなあ………ふぅ………) 一色子「同感っす。スタイル抜群の女子もいいけど、こういう先生も好きです!」 野茨「そっ、そうだべか…ゲフン…そうですか。そう言われると嬉しいですね」 崎野(でも何だか憎めないわ)フフッ 崎野(能力ガーとか学校の体質ガーとかうるさい明知(ウチ)の先公共とは大違いだわ!) 崎野(まあウチにも朱宮先生のような先生もいるし、嫌な先公共ばっかりではないけどね) 崎野「とかなんとか話してると夕方かぁ………今日は何かと濃い日だったわね」 店員「お客様、そろそろ………」 野茨「あっ、そうでした!学舎の園は店が閉まるのが早く、夕暮れに染まる前には閉店してしまうのです」 崎野「えっ?そうなの?」 工口子「むむっ、それは不覚だった!次は早い時間から来なければ!」 一色子「そうっすね!」 野茨「あっ!でもまだ話したいことあるんだべ………あるんでした」 この後どうなる? 1 崎野ら、このまま話を素直に聞き続ける 2 野茨の方言混じりにツッコミをいれる 3 まさかの突然ヒナミンPR 4 ふとした拍子で工口と一色の女装がバレる 5 その他 451: ■■■■ 1 452: 二十一日目アナザーIF 崎野(まあ悪い人ではなさそうだし、ここは素直に聞いておきましょうか) 野茨「今日はみんな、私の話や引率に最後まで付き合ってくれてありがとう。またいつでも遊びに来てね」 一色子「いえいえ。こちらこそ可愛い先生に引率してもらってラッキーでしたっ!」 工口子「お…私も興奮しちゃったわっ!」 野茨「そそそ、そげなこと素直に言われっと照れるっぺ…でも、あんがとな」 崎野「ちょっとアンタたち素がガッツリ出まくりだわよ!」 崎野「フフッ、でもまあヒナミンとしてではなく、こういう普通の女の子としての戯れも悪くはないわね」 ☆ 一厘「………やっぱり見つかりませんね。木原一善のヤツ」 厳原「そうね。このへんで見たって情報があるから、もしかしたらこの学舎の園に潜伏している可能性もあったのだけど」 一厘「見つからなかったのは残念ですが、でもある意味よかったです」 厳原「どうして?」 453: 二十一日目アナザーIF 一厘「だってここは警備員ですら男性厳禁ですからね。仮に潜伏してたら………」 厳原「……女装してることになるわね………」 一厘「アレの女装姿は想像するだけでもキッツイですよ」 厳原「ドギツイわね。それだけで既にジャッジメントものね」 崎野(木原一善?やっぱりあの不良ロボコーンの奴、風紀委員に追われてたのね。存在自体が犯罪みたいな奴だったし!) 崎野(あー、でもまた面倒事に巻き込まれそうな予感もするし…どうしようかしら) どうする? 1 帰る 2 一善くンの情報を話に行く 3 工口たちにも事情を話して一緒に話に行く 4 下手すりゃ自分たちも捕まりそうなので見なかったことにする 5 その他 454: ■■■■ 3 455: 二十一日目アナザーIF 崎野「ねえ、さっきの風紀委員たちが話してた木原一善って奴なんだけど」 工口子「ん?どうしたんだい?」 一色子「そういや159支部からウチの176支部にも協力要請が来てたな」 崎野「実は私、アンタたちにナンパされる前に木原一善に会ったんだ」 工口子「な、なんだってー(AA略)」 一色子「でも僕らのこの格好(女装)や状況的(学舎の園に女装で侵入している)に下手すりゃ捕まりそうな気も………」 工口子「それはそれでスリリングで………」 工口子「興奮するじゃないかっ!しかも相手は可愛い女の子!興奮も最高潮じゃないかっ!!」キリッ! 崎野「いやその理屈はおかしいから」 一色子「いや俺も風紀委員って立場上、非常にマズいっすから」 崎野「………とにかく話を戻すわね。目撃したって情報を正直に話すのも正義の1つだと思うんだ」 崎野「だから私はあの人たちにきちんとその情報を話す。だけど私1人だと不安だから、ついてきてほしいの」 一色子「そういうことか…OK。この一色丞介、困っている女の子を助けるのが役目だ」 工口子「ならば俺も行こう!」 崎野「ありがとう…あっ、でもアンタらは女装バレるとヤバいからそのへんは気を付けてね」 456: 二十一日目アナザーIF 厳原「やっぱりいないようね。今日のところは一度帰りましょうか」 一厘「そうですね。次は捜査以外で招待したいものです」 崎野「おーい!」 厳原&一厘「?」 崎野「さっき言ってた木原一善って奴、私見ました!」 厳原「本当!?詳しく聞かせてくれる?」 一厘「………ってアンタは昨日鉄枷と闇城と一緒にいて破輩先輩に叱られてたコスプレ女!」 (参照:闇城の夏休み20日目) 崎野「あっ!あそこの支部の人だったの!?」 崎野(マズいのに会ってしまったわ………) 厳原「私は別の捜査班だったから、まだあまり詳しい話を聞いてないんだけど昨日の闇城って人の知り合いかしら?」 一厘「ええ。実はコイツら…」 工口子「それよりも!この娘(崎野)が木原一善を目撃したのは少し前です!!」 一色子「まずは話を聞いてください」 厳原「何ですって!?一厘さん、昨日のことはともかく、この人たちの話を聞いてみましょう。今は少しでも手がかりが欲しいわ」 一厘(昨日のコスプレ女にこの3人組の1人は………どこかで見たような顔なのよね) 一厘(それに学舎の園だと見かけない顔だし………何か不自然なところもあるしね。信用できるのかな) 今まで触れられなかった工口子&一色子の外見に対して一厘が不自然に思った点は? 457 1 やっぱり気のせいで、特に不自然ではなかった 2 どこの学校の人かわからなかった 3 女子にしては背が高かった 4 女子にしては毛が濃かった 5 不自然に胸がなかった 6 不自然に胸が大きかった 7 その他 一厘はどうする? 458 1 「………わかりました。厳原先輩がそう言うなら」 2 「厳原先輩、念のために透視能力でこの人たち見てもらってもいいですか?」 3 「やっぱり昨日の怪しいコスプレ女は信用できません!」 4 「厳原先輩、コイツらが木原一善の手先って可能性もありますよ」ボソッ 5 「とりあえず支部で話を聞きましょうか」 6 その他 457: ■■■■ 7 目つきがなんかいやらしく、身体全体を見られている気がする 458: ■■■■ :2014/11/28(金) 07 14 37 この書き込みの秒数1の位が奇数なら2。偶数なら5 459: 二十一日目アナザーIF 一色子(さすがは常盤台!一厘先輩やっぱ綺麗だぜ………)ジロジロ 工口子(もう1人の眼鏡の女の子も美人でスタイル抜群だな!ますます興奮しちゃうよ!)ジロジロ 一色子(一厘先輩は厳原先輩やヒナミンと比べると胸が慎ましやかだけど、これはこれでいいなぁ………) 崎野(全くコイツらは……あっ、でもやっぱり常盤台なだけに綺麗ね。同性だけどついつい見ちゃうわ) 一厘「……………」 一厘(目つきがなんかいやらしく、身体全体を見られている気がするわ) 一厘(厳原先輩やコスプレ女と比べて…いやこの中で一番胸が小さいのを馬鹿にしてんのかしら)ピキピキ 厳原「どうしたの一厘さん?眉間にしわが寄ってるわよ」 一厘「!?…いっ、いえ、なんでもありません!」 一厘(いけない!うっかり顔に出ちゃってたようね)ブンブン! 一厘(あるいは、もしかしたらこの娘たち………常盤台でも一部にいる白井さんみたいな百合な人かしら…;;) ☆ 原作ではおなじみの風紀委員177支部 白井「ヘックションですの!」 初春(ですの!?) 初春「………白井さん?」 白井「大丈夫ですの初春。風邪をひいたわけではありませんの。誰かが噂でもしているのかもしれませんの」 初春「白井さんの変態ぶりに関してですか?」 白井「う~い~は~る~ぅ!そこになおりなさい!」 初春「痛い、痛いです!じょ、冗談ですってば~~!」 460: 二十一日目アナザーIF ☆ 再び学舎の園 一厘(どちらにしろこれじゃ埒が明かないわね。でもこの娘たちも疑わしいし………) 一厘「厳原先輩、ちょっと耳をかしてください」 厳原「わかったわ」 一厘(厳原先輩、念のために透視能力でこの人たち見てもらってもいいですか?) 厳原(一般人に使うのはちょっと気乗りしないんだけど…) 一厘(正直アイツら疑わしいです。なのでどちらにしろ早いうちに白黒つけておいた方がいいかと思いまして) 厳原(………あまり気乗りはしないけど、そういうことなら仕方ないわね………) 一厘(白黒の他にコイツらの胸(特にヒナミン)が本物かどうかも個人的に気になるしね) 崎野&工口子&一色子「「「???」」」 厳原「ちょっと失礼するわね」ジーッ・・・ 透視結果は!?(秒数1の位で展開が決定) 1 工口ら逃走。透視失敗 2 一善くンの情報を優先して、工口達の女装は見なかったことにする 3 胸の詰め物とご対面 4 股間のエンデュミオンとご対面 5 透視直前に別の人物がやってくる 6 胸の詰め物とご対面 7 股間のエンデュミオンとご対面(厳原気絶) 8 一善くンの情報を優先して、工口達の女装は見なかったことにする 9 股間のエンデュミオンとご対面 0 厳原「………どうやら風紀委員として別の仕事が増えたようねぇ~」ピキピキ 461: ■■■■ :2014/11/28(金) 18 02 53 どうだ・・・? 462: 二十一日目アナザーIF 厳原「………………」 <●><●>クワッ! 厳原「………これは………詰め物が見えるわ」 崎野&工口子&一色子「「「!?」」」 一厘「やっぱりアンタたち詰め物してたのね!私が睨んだ通りだったわ!」 一色子(何とか股間のエンデュミオンはバレなかったようだ………) 工口子(エンデュミオン発見だと、それはそれで興奮しちゃうけどね!) 崎野(セクハラ発言やめい!ジャッジメントされちゃうわよ!) 一厘「特にこの一番デカいコスプレ女!ちょっと詰め過ぎじゃないの?」 ムニュ 崎野「あっ、ちょっと!何すんの!」 厳原「いえ、その人は本物………」 一厘「」 463: 二十一日目アナザーIF 崎野(もしかしてこの一厘って人、胸がニセモノかどうか気にしてたのかしら?) 崎野(以前の私なら残念ながらビンゴだったけど、ニューヒナミンに進化した今は違うわ!) ボインッ! 崎野(どうよ?)フフン 一厘「これ見よがしに突き出して来やがって………」ギリギリ 厳原「落ち着きなさい、一厘さん。それはそうと、あなたたちどこで木原一善を見かけたの?」 崎野「路地裏の通称『ケンカ通り』と言われるあたりです。時間はここに来る前なので1時間以上は経ってると思います」 一厘「ホントかしら~」 崎野(何かこの人やけに突っかかってくるわね………) 崎野「あのコーン頭は絶対に見間違えないと思います」 一厘「残念ながらあんまり有力な手がかりではなかったわね……」 厳原「そうね…残念だけど仕方ないわね。明日はそのあたりを中心に捜索してみましょう」 一厘「はい」 厳原「協力ありがとう。もし今度見かけたら159支部にすぐに連絡してね」 スタスタ・・・ 崎野「アンタたちの女装は何とかバレなかったみたいね」 一色子「そうみたいだね。ではそろそろ退散しようか」 工口子「そうだな。出口もすぐそこだ」 崎野「んん?出口の前に誰かいるわ」 誰? 1 厳原&一厘再び 2 寮監様 3 その他ヒナミンの知り合いの誰か(初登場もOK。ただし闇城、一善くン以外) 464: ■■■■ 3 初出のキャラでおまかせ 465: 二十一日目アナザーIF ??「だからこの学舎の園の麗しい女子達が俺を呼んでいるんだ!」 女警備員「そんなワケないでしょ!だいたい学舎の園は男子厳禁よ」 ??「彼女たちは俺と遊びたくてしょうがないんだよ!俺の頭の中でだけどね!」キリッ 女警備員「ちょっと!隙を見て入ろうとしない!これ以上変なことするなら補導するわよ!」 工口子「むむっ!アレは我が弟・工口中二(たくみぐちちゅうじ)ではないか!」 一色子「おお、本当だ中二君だ!おーい………」 崎野「待てい!せっかく今まで女装がバレなかったのにそれを無駄にする気かっ!!」 崎野「それに今飛び出したら、アンタらも補導されるかもしんないわよ」 工口子「しかし俺はあのエロマンガ島に行ってみたいほど『勉強熱心』な弟を見捨てることはできん!」 崎野「オイ、どういう勉強よ」 一色子「それに彼は僕と同級生であり『勉強熱心』な同志でもあるんだ」 崎野(『勉強』の意味が何故か妙にやましく聞こえるのは気のせいかしら………) 466: 二十一日目アナザーIF 崎野「正直とばっちりくらうのは御免だし…かと言って見捨てるのも悪いような気がするし………」 どうする? 1 中二を助ける(方法も指定) 2 中二を助けない 3 一度学舎の園から出て、自分たちが補導される理由をなくしてから改めて中二を助けに行く 4 ??「そこの怪しい3人、ちょっと待ちなさい」(学舎の園なので、科学サイド女性キャラ限定) 5 中二、崎野にラッキースケベをかます 6 その他 467: ■■■■ 5 468: ■■■■ 支援 ヒナミンと一善くン ドット絵 ttp //fast-uploader.com/file/6973413978523/ (残念ながらリンク切れ・・・) 469: 二十一日目アナザーIF 468 人様のキャラで安価こっそりやっちゃってる上に、 安価作品も人様作のメインがあるという、他人の褌で相撲取りまくり状態ですが、 まさかの暖かい支援ありがとうございます。 ゆるーくですが頑張って進めていきたいと思います。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 崎野「とにかくここを出ましょう。私たちまで補導されちゃ元も子もないわ」 工口子「ムゥ………女装状態で助けるのもスリリングで勃k…ゲフンゲフン…興奮しちゃいそうだが、仕方ないか………」 崎野(今、シレッとコイツものすごくヤバそうなこと言いかけたーーー;;) 一色子「風紀委員がジャッジメントとかシャレにもならないっすからねー」 崎野(いやアンタは一度ガチでジャッジメントされた方がいいかもしんない) 崎野「とにかく急ぐわよ!………学舎の園を抜けた後なら私たちが補導される理由は消えるから」ボソッ 工口子「うむ。待っていろよ中二………」 一色子「中二君、今少しの辛抱だ………」 470: 二十一日目アナザーIF ☆ 工口紳士「と、言うわけで学舎の園を抜けた後に女装解除して、我々が補導される理由はなくなった訳だ」 紳士「我が愛弟・中二の登場により表記も紳士に変わったぞ!紳士………うーん、やっぱりいい響きだ」 一色「決して子の字をつけるのがいい加減面倒になった訳でも、女装描写とか絡みとかなかったから全然無意味かもしれなかったと思った訳でもないのだ!」 崎野「だからメタ発言はやめなさいって!キャラ的に私が言いそうになるハズだったのに!!」 (参照・ヒナミンプロフィールの下の方) 崎野「とにかくさっきの中二とかいう奴を助けに行きましょう!」 紳士「うむ!待ってろ弟よ!」 ☆ 再び学舎の園前 工口中二「………………………」ジーッ 女警備員「………………………」 中二「………………………」ジーッ 女警備員「………………………ちょっとアナタねぇ………」 中二「俺はただ、学舎の園の外から景色を眺めているだけですが何か?」キリッ 女警備員(この野郎………うっとうしいけど『不法侵入』はしていないから捕まえられない………)ギリギリ・・・ 女警備員(いえ、この際覗きってことで捕まえてやろうかしら………) 紳士「中二!」 中二「あっ、紳士兄ちゃんに一色君!…と女の子!?」キュピーン! 崎野「目が光った!?」 中二「やあ麗しきお嬢さん。俺は工口中二!どうぞよろしくっ!」 中二「………ぐおお………」 崎野「!?…急にどうしたの!?」 471: 二十一日目アナザーIF 中二「っぐわ!………くそ!………また暴れだしやがった…」 中二「くっ!静まれ俺の右腕…!」 中二「この工口中二の揺るぎない信念をもってしても、このサイズの胸となると輪廻の輪から逃れることは出来ないのか……!!」 崎野「ちょっと!名前のせいなのかどうかわかんないけど、何か痛い台詞吐きまくってんじゃないわよ!」 一色(まあヒナミンも人のこと言えなかったりするんですがね) 中二「くっ!この圧倒的な吸引力には逆らえぬっ!おおっと体全体が滑ったあああ!!」 ムニュッ 崎野「」 一色「ラッキーもクソもないレベルでπタッチしおったーーー裏山死ね」 紳士「中二死ね」 女警備員(ダイレクトに!?まさかのツッコミ不在!?…どうなる!?) 1 マテリアル☆ブレイクシュート!(物理) 2 紳士「中二、お兄ちゃんから鉄拳制裁(プレゼント)だよ♪」 3 女警備員「現行犯で逮捕よ!変態野郎がああああああああ!!」 4 ヒナミン母性?に目覚める 5 その他 472: ■■■■ あえて王道をはずすっ! 4! 473: 二十一日目アナザーIF 崎野「」スッ・・・ 紳士「ヒナミンが手を挙げた!?鉄拳制裁の時間か?」 一色「いや!その後、そっと中二君の頭に手を置いたっす!」 女警備員「つーか、女の子にダイブした坊主頭(中二)といい、突然実況解説始めたアンタらといい、学舎の園の前で何やらかしてんのよ?」 崎野「…………………」 崎野(なっ、何だろう…この気持ち………こんな風に胸触られたら、いつもならマテリアル☆ブレイクシュート!(物理)をお見舞いしてやるところなのに………) 崎野(小さい子供に慕われているような気持ち…煩わしいけど、どこか心地よいような………) 紳士「いい加減に離れろ中二!」ハガイジメッ! 中二「うぐっ!?………ハッ、俺は一体何を!?胸囲もとい脅威の吸引力に惹かれてしまったのか!?」 崎野(………こっ、この気持ちは一体何なの!?ニューヒナミンに進化した副作用!?それとも………) 崎野「!?」 どうなる? 1 ヒナミン、元のスタイルに戻る 2 やっぱりマテリアル☆ブレイクシュート!(物理)をお見舞いする 3 女警備員「とりあえずお前ら全員ちょっと署まで来い」 4 他の変化が起きる 5 とりあえず帰る 6 その他。特に変化なし 474: ■■■■ 4女装した一善くン「なにやってんだお前」 475: 二十一日目アナザーIF 女装した一善くン「なにやってんだお前」 紳士「何だこの女装した不良は!?女装してるにも関わらず明らかに男だし」 中二「ごっ、がああああああ!今度は女装したコーンゴリラの幻想がああああ!本当に俺は今日どうしちまったんだ!?ガフッ!」 崎野「鼻血と吐血して倒れた!?色々な意味で大丈夫なのコイツ!?」 一善「誰が女装コーンゴリラだョ!すり潰すぞコラァ!………って勝手に自滅してんじゃねえョ。バカが」 紳士「中二イィィィィィーーー!テメェよくも我が弟・中二をやりやがったな!」 一善「ハァ!?何言ってやがんだョ?そのハゲが勝手に吐血して倒れただけじゃねーか!」 一色「ジャッジメーント!!」バキッ! 一善「テメェは出会い頭に飛び蹴りかましてんじゃねえョ!あっ、ズラ飛んだじゃねえかョ!」 紳士「やかましーーーーー!!女性を愛する我々を冒涜する女装をかましてるテメェは存在自体が犯罪じゃコノヤローーーーーーーーーーー!!」 一色「テメェの女装なんざ誰得だコノヤローーー!様々な女性を愛する愛の風紀委員である俺も我慢の限界じゃあああああああああああああ!!」 一善「なんだョ、クソ共がまとめて相手してやんぞコラァ!」 崎野「あーもー!ツッコミが追いつかないわよこのアホどもがあああ!」 崎野「全力全開マテリアル☆ブレイクシュート!(無双的な物理)」 476: 二十一日目アナザーIF 中二「」(吐血にて気絶中) 一色「ベンケイミタイダッタナ・・・」ボロ・・・ 一善「チッ、クソガ!ユダンシテタゼ!」ボロ・・・ 紳士「ハァハァ・・・イイッ!」ボロ・・・ 一色&一善「ええっ!?」 崎野「ハァ……ハァ……何とか落ち着いたみたいね。おかげで今日の武装品全部使い切っちゃったじゃない!」 崎野「そもそも不良ロボコーンは女装までして何してんのよ!」 一善「質問を質問で返してんじゃねえョバーカ。俺様の勝手だろうが!テメェらに答える義務なんざねえョ」 一善(クソォ………乖離の野郎…俺様のサイボーグ修理の代金代わりに変な要求出してきやがって) 一善(性能テストだとか抜かしてやがったが、女装の意味ネェだろうがョ。もしかしてアイツに遊ばれてんのかァ~?) 一善(かと言って安い材料や自己流でああなるのは二度とゴメンだしなァ………) (参照:闇城の夏休み16日目) 477: 二十一日目アナザーIF ゾロゾロ……… ??「ちょっと!アンタたちいい加減にしなさいよ!」 一善「アァン?うるせえョ。今取り込み中なんだョ」 崎野「いやそんなこと言ってる場合じゃないわよ!」 一色「いつの間にか警備員が集まってる!?」 紳士「ふぅ…なかなか興奮するシチュエーションじゃないか!」 一善「テメェだけだョ。この変態が!何で興奮してんだョ!」 作者もガチで存在を忘れかけていた女警備員「そりゃあんなに騒いでるアホどもを放っておくわけないでしょ!」 女警備員「って余計なタグ入れてんじゃないわよ!大人しくしてりゃ手荒なマネはしないわよ?」 崎野「ヤバッ!みんな逃げるわよ!………って工口兄弟と一色のヤツもう逃げてるし!!」 ダダダダダッ! 崎野「アイツら普段からああやって逃げ慣れてやがるんだわチクショオォォォーーー!!」 一善「ハッ、テメェらは勝手に逃げてろや腰抜けどもが。警備員ごとき全員返り討ちにしてやんョ!かかって来…」 黄泉川「ほう。どうやらヤンチャそうな奴がいるみたいじゃん?」 一善「!?」 一善「…………………」 一善「」シュバッ! 崎野「コラッ!アンタも速攻で逃げてんじゃないのよ!」 一善「前言撤回だ!アレ(黄泉川)はヤバい。俺様の直感がとにかく逃げろと言ってやがんだョ!死にたくなけりゃテメェも逃げろや!」 黄泉川「面白そうじゃん!その鬼ごっこ付き合うじゃん!ヤンチャ坊主ども!!」 崎野「ゲェーー!追いかけてきたじゃん!」 一善「あの警備員の口癖がうつってんじゃねーかョ!」 478: 二十一日目アナザーIF ☆ 崎野「ゼェ…ゼェ…何とか逃げ切ったわ……せっかく学舎の園に入れたのに、これじゃしばらく近寄れそうにないわね………」 崎野「あの不良ロボコーンもいつの間にかいなくなってるし!」 崎野「逃げ切れるかどうかで選択肢が出そうな予感がしたけど、さすがに今日は疲れたわ………帰ろ」 崎野(そういや治験の時に研究者がこんなこと言ってたけど、大丈夫だよね?) ――――――――――――――――― 研究者『個人的には控えてほしいけど、“データに支障をきたすような激しい運動をしなければ”許可しているよ』 (参照:闇城の夏休み15日目) ――――――――――――――――― 崎野「まさかね………元に戻ったりとか違う変化とか出たりしないよね………」 二十一日目アナザーIF――学舎の園周辺は意外と変態だらけでした――完
https://w.atwiki.jp/dispecter/pages/133.html
プロローグ 龍魂珠が滅びたのち、鬼の歴史と龍の歴史のどちらが真にMAXかを巡り、2つの歴史の間で史上最大の争いが始まった。 ………………………………………… しかし、この歴史ではそうならなかった。龍魂珠の多元宇宙を股にかけた逃走劇、そしてパラレルワールドさえ容易く破壊するような強大なディスペクターの出現、更には上位者たちの介入……壮絶な戦闘が、世界法則を変貌させた。そして、誰も想像だにしなかった可能性までもが実現することになる。 もはや、時空は我々の知る形をしていない。 伝説の英雄は、我々の知る彼等ではない。 見るがいい。 あれこそ我々のよく知る、 しかして未知なる歴史の姿だ。 外来種、侵襲 六の魔槍が、妖精國を翠に染める 公演、開幕 響き合う絶唱の裏で、暴力は静かに跳梁する スーパーヒーロータイム、始動 希望を届ける為、英雄の新たな戦いが始まる 天星、鳴動 未踏宙域に輝くは、数多の命と未知なる星々 猫王、出陣 絶対種が動く、世界の全てが彼等に従う 電脳世界、開帳 生と死の狭間で、0と1のエゴが踊り出す 全世界、喝采 輝けるスタァが、冒涜者へと剣を向ける 共鳴の鳳、飛翔 ねじれたキャストが送る、不思議な舞台 古代兵器、復活 それはΑにしてΩ、在らんとして在る者である 甘味、進撃 お菓子の王は、彼の世界ほど甘くない 殺王鬼、襲来 龍なき歴史より来るは、血に飢えた武人達 運命、再起動 終わった筈の物語が、再び動き出す 歴史は1つではない。2つでもない。 無限の可能性世界、その片鱗をご覧あれ デュエル・マスターズ 王来外伝篇 ?の章アナザー・マスターズ 作者 不明 タグ SS 別の歴史 創作エキスパンション 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sousakujojiouma/pages/63.html
アナザーのじゃロリ猫達の生誕 アナザーのじゃロリ猫図鑑 ・のじゃロリ猫の遺伝子を特に濃く継ぐ者達 のじゃロリ狐 のだロリ狸 なのロリ兎 ござるロリ鼬 だよロリ犬 でちロリ鼠 ですロリ蛇 だべロリ白熊 ありんすロリ蝙蝠(リア・スン) だもんロリ梟 アルロリ大熊猫(パンダ) よねロリ牛 でちゅロリペンギン おじゃるロリアザラシ だっちゃロリ虎 スロリ猿 じゃけんロリティラノサウルス ぜよロリ龍 だメロリ羊 ですわロリ馬 でありますロリ鷹 よんロリ猪 ケロロリ雨蛙 しゃロリ鮫 肉片から派生した者達 哺乳類種(哺乳類の姿に変じた者達) じゃんロリハリモグラ だなロリジャッカル ちゃがロリ和牛 ちゃがロリ豚 でそうろうロリアリクイ でさーねロリカモノハシ ガスロリスカンク (笑)ロリ山羊 ✨ロリ白馬 みゃーロリヤマネコ ほげ~ロリ鹿 ましロリ龍猫 、ロリライガー 。ロリレオポン するンさロリ貘 にゃんロリ子猫 鳥種(空中戦にも対応できるような進化を遂げた者達) からロリ駒鳥 であるロリ軍鶏 っしょロリタンチョウ ちゃがロリ地鶏 ですわロリブルーバード (怒)ロリ火喰鳥 かいロリ白鳥 だおロリメジロ はっぴーロリ燕 だいロリカラス 魚種(海中の生き物に変化した者達) かもロリピラニア だぜロリ鯱 やでロリ蛸(御堂くくる) でしょロリクラゲ ぞよロリ蛸 だにロリうなぎ さーロリさくら げすロリ烏賊 やんすロリ金魚(ソウランカ) だねロリシロナガスクジラ だがねロリクリオネ だがやロリプラナリア だがらロリジュゴン ですのよロリウミウシ ですことロリ真珠貝 じゃきロリクラーケン てことねロリアカエイ 爬虫類種(水陸共存に力をいれて進化していった者達) どすロリ草亀 だらロリワニ やじのロリカメレオン(よだロリカメレオン) ですますロリ海蛇 しぃロリコブラ DESUロリアオダイショウ たもうロリ毒蛇 めらロリアホロートル(めらロリサラマンダー) ザンスロリヤドクガエル だじゃロリイグアナ 蟲種(人類に対して殺戮を行う事もある種、本能のままに動く。語尾を必要としないモノ、ロリを使用しないモノ、そもそも人の形を成さない異様なモノなど奇々怪々な者達) だわよロリ蛾 じゃのロリカブト ・・・ロリカイコ WWWロリゴキブリ でしゅロリ桃色ヤママユ ありますロリ女王蟻 参謀アリ(パラポネラ) かロリ蚊 植物種(地上に根を張るような変化をした希少な種) けロリガーベラ うほロリ薔薇 キマシタワーロリ百合 古代種(古代から来た希少な種。じゃけんロリティラノサウルスと関係が疑われるが、関係ないものもいるようだ) のよなロリアルシノ じゃけぇロリオルニトミムス れろロリベールゼブフォアムピンガ たまえロリアンキロ 幻獣種・架空種(架空のモノノケや妖怪、幻とされる存在の姿をしている者達) ざますロリ女郎蜘蛛 あますロリ土蜘蛛 じゃのうロリキメラ カタカナロリスライム デスロリクソバード でぎゃロリドラゴンゾンビ けんロリ狛犬 でございますロリキキーモラ てきなロリスフィンクス ばいロリバイコーン がじゃロリキメラザウルス 特殊な類(様々な異常が産み出した者達。様々な危険性を孕んでおり、同時に様々な思考や正義感を持って行動する種達) 本落幸来 いぬぬわんロリマロロン なりロリロボット 武者猫くん てやんでいロリマグロ缶 白い化け猫
https://w.atwiki.jp/haruka4/pages/42.html
バッドエンディング 孤高の書・五章 青龍召還獲得後の骸神戦で敗北 孤高の書・終章 3部隊に分かれた戦いで敗北 アシュヴィンの書・終章 黒龍戦で敗北、再戦しない アナザーエンディング(モノローグが入るED) ○風早 孤高の書・六章 風早を待つ主人公、「過ぎてしまったことを~」を選択 髪を切る主人公、このとき☆5未満 天秤5「失われたその髪に触れ」で、「それなら…私~」を選択 孤高の書・八章(成就ED狙い) 風早の正体を知ったとき、「だめだ、きっと~」を選択 風早の書・終章 見知らぬ男性と会い、「知らない人~」を選択or正解選択肢でも☆8未満の場合はアナザーED ○アシュヴィン アシュヴィンの書・八章 アシュヴィンが出かけたところで「(心配しすぎるのも~)」を選択 天秤6「近づく想い」で、選択肢1「(心配していた私が~)」or選択肢2「何を言ったって~」を選択 アシュヴィンの書・九章 天秤7「夜を駆けていく」で、「そう…だね~」を選択 ○サザキ サザキの書・八章 天秤6「詮議」で、「(もう、翼のないサザキを~)」を選択 一緒に飛ぼうという約束を思い出すが、「(きっと忘れてる…)」を選択 ○那岐 那岐の書・六章 獣の姿をした人が現れたところで、「(でも、なんだか~)」を選択 那岐との再会で、「それなら、私も~」を選択 那岐の書・七章 一緒に海へ出かけ、「でも、やっぱり~」を選択 那岐の書・終章 那岐の真意が分からなくなり、「(それでも、これ以上~)」を選択 狭井君から那岐のことを聞き、「そうね、それが~」を選択 天秤7「この手を離さずに行こう」で、「どうしようもない…~」を選択 ○布都彦 布都彦の書・七章 ムドガラが黒龍に消され、選択肢1「勝てる見込みは~」or選択肢2「それならば、もう~」or選択肢3「やっぱり、神に~」を選択 布都彦の書・八章 天秤6「決意の重さは」で、「そうね、布都彦が~」を選択 布都彦の書・終章 中つ国の兵との戦いに敗れる(再戦不能) ○柊 孤高の書・終章 黒龍が現れたところで、「信じられない…」を選択 戦いが終わった後、選択肢1「よくわからないけど~」or「どうしよう…」、選択肢2「やっぱり~」or「…私、いったい~」を選択 柊の書・終章 柊と出会い、選択肢1「(やっぱり~別人)」or選択肢2「あなたが死ぬ未来より~」を選択 比良坂へ向かうところで「やっぱり怖い…~」を選択 ○遠夜 孤高の書・七章 天秤7「人になっても」で、選択肢1「そうね…昔より~」or選択肢2「失敗だったのかな」を選択 ○葛城忍人 忍人の書・八章 天秤6「星空の下で」で、選択肢2「(でも、私の考えすぎ~)」or選択肢4「命じます、~」or選択肢5「それでも~」を選択 忍人の書・終章 生太刀に変わった後、「風早の言うとおり~」を選択
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/5130.html
超神星アナザー・ヴァーミンガム 火 スーパーレア 9 13500 フェニックス ■G・ゼロ―自分のシールドが1枚もない時 ■超無限デッキ進化―自分の山札を見てクリーチャーを1体以上選びその上にこのクリーチャーを重ねつつバトルゾーンに出す。クリーチャーがない時、自分はゲームに負ける。そのあと山札をシャッフルする。 ■このクリーチャーがブロックされる時、ブロックするかわりに次のどれかを選ぶ。 ・メテオバーン―自分のマナゾーンにあるカードを30枚墓地に置いてもよい。そうした場合自分はゲームに勝利する。 ・相手のマナゾーンにあるカードを3枚まで墓地に置く。 作者:影虎 収録 襲影編 第一弾 逆転のオーロラorデビルドレーン→アナザーヴァーミンガム(Gゼロ)→ロイヤルドリアン→あひゃぁ!! という面白コンボを真っ先に思いつきますね 普通に使ったら、相手はブロックしなけりゃいいんで、物足りないです エクストラウィンも難易度高いですし 紅鬼
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1484.html
アナザー・マインド part53-47~56,59~73,88,95 47 :アナザー・マインド:2010/07/28(水) 13 42 03 ID nwHgqZq50 主な登場人物 キミ…プレイヤー自身のこと。デフォルト名は「真野俊平」。正体不明だが少なくとも男なのは間違いない。 説明書には「なるべく自分の名前を入力しましょう」と書いてあるが、 女性プレイヤーの存在は想定されてないっぽいので 女の名前を入力するのはやめたほうがいい。 葉山 瞳…主人公。名前変更可。高校2年生。キミの意識が入り込んでしまった女の子。 鳴海 健一…K県警の刑事。 高木 真理子…瞳のクラスメイトで親友。 明円 輝夫(みょうえん てるお)…フリーのルポライター。 向井 夏子…心理療法士。 第一章 「あなたは誰?」 キミは真っ暗な世界で覚醒する。何も聞こえない、何も見えない。 ここはどこなのか、キミは考えたが、何も思い出せない。 『あなたは、誰?』 いきなり女の子の声がしたので、キミは驚く。 “僕は――。” キミは名前を名乗った。 『私は葉山瞳と言います。16歳。N学園に通ってて…。 って、こんなこと話してもしょうがないですよね。あの、私、買い物に行ってて…。 それで車にはねられて…。ということは、私、死んでしまったのかしら』 “さぁね。僕には何もわからない。” 『そうですか…』 3月23日(月) 真っ暗だった世界に突然光が射す。看護婦がこちらを覗き込んでいる。ここはきっと、病院だ。 「大丈夫ですか、葉山さん」 看護婦はこちらを見て、女の子の名前を呼ぶ。 唐突にキミは理解する。どういうわけか、キミは意識だけの存在になり、 葉山瞳という女の子の中に入り込んでしまったらしい。 看護婦は、ここはT大学付属病院だということ、瞳は交通事故に遭って1ヶ月間意識不明だったことなどを話す。 看護婦が去っていった後、瞳はキミに話しかける。 『あの…いますか?』 “僕は君の中にいる。” 『やっぱり、夢じゃなかったんだ…。出て行ってください、と言いたいところですけど…』 “出来ればそうしたいよ。だけど、今の僕はこうして瞳と話すことしか出来ない。 出て行く方法もわからないし、僕の体も、どこにあるのか…。” 『そうですよね…。こうなったら仕方がありません。これからよろしくお願いしますね』 “こちらこそ、よろしく。” 『それで、私、考えたんですけど、あなたは幽霊なんじゃないですか?』 “そうかも知れない。死んだ自覚は無いけど。” 『この病院に入院してて、死んじゃった、とか。名前がわかってるんだから、そこから何とかならないかしら』 3月26日(木) 今日は検査の日だ。黒川という医師に連れられて、瞳は検査室に行く。 そこで瞳はCTスキャンにかけられた。そのときキミはデジャヴのようなものを感じる。 夜、瞳はぼんやりとテレビを見る。ニュースで、F市のパチンコ店に強盗が入ったと報じている。 「F市って、隣の市じゃない。いやぁねぇ」 3月27日(金) 看護婦がやってきたとき、キミは幻覚を見る。 【看護婦の背後に謎の影が忍び寄る。看護婦は振り返って驚く。】 『あの、あなたも見ました?看護婦さんが襲われているところ…』 “うん。” どうやら瞳も同じ幻覚が見えたようだ。 その幻覚が何を意味するのか。キミと瞳は戸惑うばかり。 キミに繋がる手がかりを得ようと、瞳は夜中にこっそりベッドを抜け出し、霊安室を調べる。 ドアには意外にもカギはかかっていなかった。中に入って見回すが、それらしい遺体は無いようだ。 と、そこに看護婦が倒れているのを発見する。 「見回りをしていたら、男に襲われて…」 『これって、もしかして…』 “ニュースでやってた、強盗犯、かもな。” 瞳は電話の元へ走り、警察に通報する。 もしかしたら、昼間に見えたビジョンはこのことを予言していたのでは、とキミは考える。 ホッとしたのも束の間、謎の男がこちらに向かってやってくるのが見える。看護婦を襲ったヤツだろうか。 瞳は病院中を逃げ回り、空き病室に入り、ロッカーの中に隠れる。 息を殺して待つ。しばらく後、男がやってきて、瞳が隠れたロッカーを開ける。 恐怖のためか、瞳はそこで気を失う。 3月28日(土) 瞳の病室に男が訪ねて来る。 「私、K県警捜査一係の鳴海という者です」 鳴海刑事は、事件のあらましを瞳に話す。 瞳を追ってきた男は、病院に忍び込んだ例の強盗犯で間違いないようだ。 強盗犯は何故か瞳を襲わずに、逃げ出したという。 4月2日(木) 数度に渡る検査の結果は異常なしだった。瞳は無事退院する。 だが、学校に行けるようになるには、まだ少しかかりそうだ。 第一章 終わり 4月12日(日) もしかしたら、キミは何らかの事故や事件に巻き込まれたのかも知れない。 そう考えたキミと瞳は、図書館へ行く。 過去の新聞記事を調べてみたが、それらしいものは見つからない。 第二章 TIAMATの呪い 4月16日(木) 【そこは学校の屋上だ。「待ってくれ!」と男は言うが、少女は虚空に足を踏み出し、落ちていく】 瞳は冷や汗にまみれながら飛び起きた。例のビジョンだ。 『リアルで…イヤな夢だった。まさか死ぬなんて…。』 “ああ、そうだな…。” 今日は瞳が退院後、初登校する日だ。 通学路の途中で、瞳の親友である真理子に会う。 学校の校門に着く。校門の柱に、赤いチョークで落書きがしてある。 逆三角形の中に「TIAMAT」という文字が書いてある。 それをじっと見ている少年がいる。瞳と同じクラスの金田だ。 ホームルームの時間になり、文化祭の実行委員を決めることになった。 まず真理子が立候補する。そして早くクラスになじめるようにと、真理子は瞳を推薦してきた。 戸惑った瞳はキミに相談する。 『あの、どうしましょう?』 “僕は受けた方がいいと思う” 『じゃあ、やってみようかな…』 こうして瞳も実行委員をやることになった。男子は金田と北川だ。 放課後、実行委員4人は、担任の樋口という男性教諭も交えてミーティングを行う。 4月17日(金) 真理子は瞳に、例の三角形の落書きが増えていることを話す。 確かに校内のいたるところに落書きがされているようだ。 放課後、ミーティングに向かおうとした瞳は、 下駄箱に「文化祭を中止せよ」との脅迫状があるのを発見する。 どうやら実行委員4人全員に脅迫状は届いているらしい。 脅迫状を樋口に見せると、とりあえず今日はこれで解散ということになる。 落書きのことが気になったキミは、瞳に調査をするよう提案する。 瞳は真理子と一緒に、校内の落書きを調べて回る。 落書きは尽く何者かに消されていた。 「あ、ほら、見てよ、これ」 屋上に向かう途中の階段の壁に書かれたその落書きをよく見てみると、 うっすらと二重に書かれているのがわかる。 「一度消して、その上からまた書いたみたい」 確かに、真理子が言う通りだ。 瞳たちは、用務員のおじさんが落書きを消している場面に遭遇する。 「まったく、こんな訳のわからん落書きを書いて…。 でも、樋口先生は意味を知っているみたいだったがのぅ」 瞳たちは樋口に会いに行くが、不在だった。 「あなた、2年生?」 校門を出たところで、瞳は他校の女子生徒に呼び止められる。 「金田って知ってる?」 「クラスメイトですけど…」 女子生徒は「火浦菜々子」と名乗る。 「彼が悪いことしないかどうか、気をつけて見てて」 瞳は菜々子を呼び止めようとしたが、彼女は無視して去って行く。 4月20日(月) 今日は金田が休みだ。 放課後、瞳は樋口に会う。 「あの落書きのこと、教えてください」 樋口は、TIAMATとは風のカオ…ではなく、古代の女神のことだと言う。 「それが、何か?」 「そういう意味ではなく…。あの落書き、うっすらと二重になってました。 昔、誰かが――」 【学校の屋上に書かれた、TIAMATの落書きの前に立つ女子生徒】 突然、例のビジョンが見える。 『今の…』 “ああ、見えた、な。” 「話が終わったなら、帰りなさい」 他の教師に邪魔されて、それ以上話を聞くことは出来なかった。 下校途中のこと。 「あなた、N学園の生徒ですよね?よかったらお話、聞かせてくれません?」 瞳は見知らぬ男に呼び止められ、喫茶店に行く。 「フリーライターやってます、明円輝夫です」 明円は瞳に名刺を渡す。 「5年前、N学園の女子生徒が、学校で死んでいるんだ。学園祭の前日にね」 屋上から落ちる女子生徒のビジョン、あれは本当にあったことだったのかと、キミは思う。 「教師にフラれて、そのショックで飛び降りたと言われていたんだけど、真相はわからないままさ。 気になるのは、その子が死ぬ少し前に、赤いチョークの落書きがされていたことだ。 最近になって、その落書きが復活したらしいって噂を聞いてね。 ま、そのところの真相を究明したいわけだ。協力してくれないかな」 「何をすれば…?」 「これから、何か分かったことがあったら、教えて欲しい」 「それだけでいいんですか?わかりました。協力します」 4月28日(火) とうとう、文化祭の前日になった。準備のために、普段立ち入り禁止になっている屋上へと行かねばならない。 瞳たち実行委員は、樋口に連れられて、屋上へ行く。 屋上の床には、大きくTIAMATの落書きが書かれていた。 「5年前もこうだったんですか?」 金田は樋口に言う。 「これは、たちの悪いイタズラだ」 樋口の顔が真っ青になっている。 「この落書きは私が消しておくから、君たちは他の準備を進めなさい」 瞳たちは屋上から追い出されてしまった。 真理子の携帯電話が鳴り出す。しばらく話した後、真理子は携帯電話を切り、瞳に言う。 「明円さんが金田くんのことで話があるって。大至急」 明円と真理子はいつの間にか知り合いになっていたらしい。 キミは樋口や金田の様子が気になったが、明円に会おうと瞳に言う。 瞳と真理子はこの前の喫茶店に行く。そこには、明円の他に菜々子も待っていた。 菜々子の顔を改めて見て、キミと瞳は、屋上に立つ女子生徒のビジョンとそっくりだと思う。 「そっくり…ですね」 瞳は素直な感想を口にする。 苗字こそ違うが、菜々子は5年前に死んだ女子生徒「大沢杏子」の妹なのだ。 明円から事情を聞く。金田と杏子は幼馴染だった。そして、杏子は樋口と付き合っていた。 「危ないことしないように、って言ったけど、どうやら遅かったみたいね」 菜々子はため息をつく。 「たぶん、脅迫状も、三角形の落書きも、金田くんの仕業だろうね」 「どうして…」 「彼は樋口先生を裁こうとしているのよ」 あの落書きは、杏子が樋口を呼び出すときの合図だったという。 「金田君、無茶しなきゃいいけど…。学校へ行きましょう」 辺りはすっかり暗くなっていた。瞳たちは急いで学校へ戻り、屋上へ駆けつける。 金田は今にも落ちそうな位置に立っている。そんな金田を見て、樋口はオロオロしている。 「もういいでしょ、金田君」 瞳たちは金田を説得しようとするが、金田は聞かない。 「こんなことで許されると思っているのか、樋口! 杏子は死んだ。あんたはのうのうと生きて…。そんな虫のいい話ってあるか? お前も杏子と一緒に飛び降りて死ぬべきだった。だから猶予をやったのに、 知らない顔をしていやがった。脅迫状も、落書きも、全部無視して…」 金田は樋口を睨む。樋口はうつむきながら話す。 「おれには、何も言う資格は無い」 「逃げるんじゃねぇよ。杏子が死んだときみたいに、逃げるのか? 先生はいいよなぁ。学校がかばってくれるんだから。 でも、二人目の生徒を殺しても、学校は守ってくれるかな、先生?」 金田は飛び降りようとする。明円が飛び出していって、金田をつかんで引き戻す。 金田は助かった。 4月29日(水) 文化祭当日。当然というべきか、金田は学校に来ていなかった。 瞳は、樋口と学年主任の教師が話しているのを立ち聞きしてしまう。 「結局、私は金田を助けることが出来なかった。自分の言うことが全て嘘に思えて、 生徒たちに語るべき言葉が無い」 「また逃げるんですか、樋口先生。教師だって人間です。間違うことだってあります。 とりあえず、この辞表は預かっておきますよ」 第二章 終わり 5月3日(日) 瞳は、心理療法士の向井夏子の元へ行き、カウンセリングを受ける。 瞳は夏子に、キミのことを説明する。 「なるほど。頭の中で男の声がする…と。彼と直接話をすることは出来ないかしら」 「どうするんですか」 「瞳さんの意識を一時的に消して、彼の意識を浮かび上がらせるの。やってみていいかしら?」 「どうぞ」 夏子は瞳に催眠術をかける。瞳の意識が消え、キミの意識が浮かび上がる。 キミは夏子にいろいろと質問されるが、それに素直に答える。 夏子が指を鳴らすと、瞳の意識が復活し、キミの意識はまた瞳の中に戻る。 「先生、私って二重人格なんでしょうか?」 「それはまだわからないわ。また来てください。彼ともっとお話がしたいわ」 第三章 明神池の怪 5月9日(土) 瞳と真理子、そして明円は列車のボックス席に座っている。 窓の外をのどかな風景が通り過ぎていく。 三連休を利用して、瞳と真理子は温泉旅行の計画を立てたのだが…。 「でも、どうして明円さんがついて来るんです?」 真理子は不満そうに言う。 「瞳ちゃんに付いて行けば、面白いことに遭遇出来ると思ってね」 明円はそう答える。 静かな田舎の駅で、瞳たちは列車を降りる。 駅前のバス停に行ってみるが、今日のバスはもう無い。 近くにレンタカーもあったが、明円は免停中とのことで、運転はできない。 仕方なく瞳たちは歩いて旅館を目指す。 山道を歩いて1時間ほど行ったところに、ガス欠になった車が乗り捨ててあるのを見つける。 ドアのロックはかかっておらず、キーはさしたままになっている。 辺りを見回してみたが、車の持ち主らしき人物は見当たらない。 【男は山の斜面を転がり、悲鳴を上げながら池に落ちる。】 キミと瞳は例のビジョンを見る。その男は何らかの事故に巻き込まれたようだ。 その車はレンタカーだったので、明円は携帯電話を取り出し、レンタカー会社に連絡する。 「おたくの車が乗り捨ててあって…。え?二条?違いますよ。おれが借りた車じゃなくて…」 とにかく、ガス欠ではどうしようもない。瞳たちはその車を見捨てて再び歩き出す。 日暮れ頃、ようやく旅館に着く。 瞳と真理子は早速露天風呂へと向かう。脱衣所で服を脱ぎだす真理子。 瞳は慌てて脱衣所を出る。 “瞳、どうした?” 『あなたが見ないとも限りませんから。真理子が脱衣所を出るまで待たないと』 “わかった。見ません。” 『その心がけは立派です』 瞳はしばらく待った後、キミに真理子の裸を見せないよう慎重に露天風呂に入り、目を閉じる。 キミの視覚は瞳と共通のものなので、これでは何も見えない。 旅館の食堂で夕食となる。 「そうだ、女将さん。この近くで、何か面白い場所、ありませんか?」 明円が女将に尋ねる。女将は、旅館の近くには「明神池」という古池があって、 半魚人が住んでいるとか、そんな伝説がある、と答える。 夕食後、瞳はあてがわれた部屋に戻る。 そこには見慣れぬ大きいバッグが置かれ、中身が広げられている。 「何これ?カメラ?」 部屋を間違ったわけではない。戸惑っていると、男が部屋に入ってくる。 「あ、ゴメン。部屋を間違えたみたいだ」 男は、カメラマンの大崎と名乗った。瞳と大崎はしばらく話をする。 “瞳、この男、怪しいぞ。” 『うん、そうかも』 “カメラのことについて聞いてみよう。何かボロを出すかも知れない。” 『わかったわ。でも、私、カメラのこと、わからない』 “レンズの明るさについて聞くんだ。” 「ねぇ、大崎さん。これ、大崎さんのカメラなんですか?」 「そうだけど」 「えっと、このレンズなんですけど、どんな明るさなんですか?」 「ここに書いてあるよ、ほら。135ミリ」 “135ミリは、レンズの焦点距離のことだ。大崎は偽のカメラマンだ。” 大崎は荷物をまとめて、そそくさと部屋を出て行こうとする。 【何かの液体の入ったビンが高いところから落ちて割れる。液体が床に飛び散る。】 このビジョンが何を意味するかわからないが、大崎は何かをしでかすに違いない。 とりあえず大崎の様子に注意することにする。 5月10日(日) 「きえええええーっ!!」 朝早く、奇声によって瞳と真理子は起こされる。 どうやら隣の部屋から聞こえてくるようだ。二人は隣の部屋を訪ねる。 そこには、いろいろな色で書かれた文字が躍っている紙が散らばっている。 その中心に、気難しそうな老人が座っている。彼はどうやら、前衛的な書家の先生らしい。 瞳は書家の先生としばらく話をする。彼は字を書く際に奇声を発する癖があるようだ。 瞳は自分の部屋に戻った。まだ朝早いので、寝なおそうかと迷っていると、隣の部屋から物音が聞こえてくる。 「明神池の半魚人?」 「まさか、そんなわけないでしょ」 しばらくして、物音が収まった後、瞳は再び書家の先生の部屋へ行く。 中には誰もいない。見回すと、テーブルの端の落ちそうなところに、 液体の入ったビン――絵の具のリムーバーが置いてある。その側に、携帯電話が置かれていた。 老人には似つかわしくない、最新機種のものだ。携帯電話を調べてみると、「大崎」とネームが入れられている。 後で大崎に返すことにして、瞳はとりあえずその携帯電話をポケットに入れた。 瞳と真理子と明円、そして何故か大崎も交え、4人で観光することになる。 リフトに乗って山の頂上へ。 昼頃、大崎は明円から携帯電話を借り、何処かへ電話をかける。 瞳のポケットの中の、大崎の携帯電話が震える。 帰りに、瞳たちは書家の先生と会った。先生は大崎に話しかけるが、大崎は先生を睨んだ。 夜、瞳たちがロビーでくつろいでいるところへ、女将が慌てた様子でやって来る。 「玄関に人が倒れてて…」 玄関に倒れていた男はロビーへと運び込まれる。幸い、大した怪我もなく、意識もはっきりしているようだ。 「僕、大崎って言います。交通事故に遭って、気が付いたら池に落ちてて…」 昨日見えたビジョンはこの男のことだったのか、とキミは思う。 「あ、僕のカメラ、拾ってくれたんですね」 もう一人の大崎が持っているカメラを見て、助けられた大崎は言う。 「大崎さん、話があります。付いて来てください」 瞳はもう一人の大崎を部屋に連れて行き、話をする。 「あなた、本当は二条さんでしょう?大崎さんの荷物を拾って、大崎さんになりすました」 「……」 「そして、書家の先生の部屋に携帯電話を置いて、振動でビンが落ちるように細工した。 あのビン、ラベルを見たら、毒性あり、って書かれてました。先生に何の恨みがあるんですか?」 「どうしてこんなことになっちまったんだろうな。あんた、男と付き合ったこと、あるかい? まぁ、大人になれば、わかるよ」 ニセ大崎――二条は、瞳の言ったことを否定も肯定もせず、そう言う。 「私にだって、いつも一緒にいてくれる男の人くらい、います」 それは自分のことか、とキミは思う。 「何背伸びしたこと言ってんだよ。じゃあな」 二条は瞳に背を向けて逃げ出す。 二条を追って旅館の玄関を飛び出そうとした瞳は、意外な人物と出会う。 「あれ?夏子さん?どうしてこんなところに?」 「瞳さん…父と会ったのね」 実は書家の先生は、「向井正三」という、夏子の父だったのだ。 そして、二条はかつて、夏子の元へ通っていた患者だという。 二条は明神池のほとりにいた。 二条は自分の思いを吐露する。二条は夏子を一方的に思いつめていた。 その恋を正三に邪魔されたと思い、正三を恨むようになった。 「おれは大崎になりきって、自分から解放されたんだ」 二条は池に入っていこうとする。それを明円が体を張って止めた。 5月11日(月) 帰り道、妙円は素直な感想を述べる。 「いや、世の中にはいろんな人間がいるもんだな、と思ってさ。 きっと、みんな何かに救いを求めたいんだな」 第三章 終わり 5月16日(土) 夏子の元でカウンセリングを受ける。 瞳に催眠術がかけられ、キミの意識が浮かび上がる。 キミは夏子の質問に答えていく。 『それで、あなたは、瞳さんをどうしたいの?』 “僕は瞳を助けたい。” 『私と目的は同じみたいね。協力してくれる?』 “僕に出来ることなら、何でも。” 『そう、良かった。これからよろしくね』 夏子が指を鳴らすと、キミの意識は瞳の中へと沈む。 「どうでした?」 「彼も協力してくれるって。きっと、彼は瞳さんに必要だから、現れたんだと思うの。 必要がなくなれば、瞳さんの意識と統合して、消えるはずよ」 「消える…いなくなるってことですか?」 キミの存在は、ただ脳内で作り出されただけの妄想の産物なのかと、瞳は夏子に問う。 「それは…まだわからないわ」 第四章 夕暮れ爆弾男 5月17日(日) 瞳は真理子と一緒に、NKホールへとやって来る。今夜は若者に人気の歌手のコンサートがある。 開場一時間ほど前、すでにホールの前には列が出来ている。真理子はトイレに行った。 瞳が一人で待っていると、挙動不審な男がやってくる。あのブルゾンはきっと、コンサートのスタッフだろう。 男はアタッシュケースを置いて去っていこうとする。 「あの、これ忘れてます!」 【ステージ上で歌手が歌っている。そのとき、どこかに置かれたアタッシュケースが、爆発する】 瞳がアタッシュケースを持って男に渡そうとしたとき、ビジョンが見える。 「あ、ああ」 男はアタッシュケースを受け取り、去って行く。 『あのアタッシュケースの中身、あれって…』 “たぶん、時限爆弾だろう。” 『大変!あの人を追わなくちゃ』 瞳はコンサートをあきらめて、男を捜すことにした。 やがてコンサートが始まるが、まだ見つからない。スタッフなら、一般人が入れないところにも行ける。 そうなったらもうお手上げだ。 『どうしよう…』 “瞳、警察に通報だ。” 『でも私、携帯電話持ってないし、ホールの外に出なきゃ…』 ホールの外に出ようとしたが、どの出入り口にもカギが掛かっている。閉じ込められたようだ。 “瞳、非常ベル!” 非常ベルを鳴らそうとボタンを押したが反応が無い。 「え?どうして…」 そのとき、同じく閉じ込められたと知って途方に暮れている、あの爆弾男と会う。 「あなた、このホールに爆弾を仕掛けたでしょ」 「なんでわかった?…まぁいいや。どうせおれは死ぬ運命だ。まんまとハメられたよ」 男はホールに爆弾を仕掛けたが、共犯者に裏切られ、逃げられなくなってしまったと語る。 「どうしてそんなことを…」 「爆弾に関する知識、おれにはそれしか誇れるものが無かったんだ」 男はポケットから酒の小瓶を取り出し、ちびりちびりと飲み始める。 「爆弾、止めに行きましょう」 瞳は、このままでは共犯者の思う壺だ、それで悔しくないのかと男を説得する。男は説得に応じる。 「まずは、控え室だ」 瞳と男は控え室に行く。そこに置かれたアタッシュケースを男は開く。 「もう酒はやめだ。これはあんたに預かってもらおう。 今のおれは、酒が無いと手が震えちまう。情けねぇ」 男は瞳に酒瓶を渡してから、見事な手つきで作業を進め、爆弾を解除する。 もう一つの爆弾を探すためステージ裏へ。爆弾は面倒な場所に置かれていたので、探すのに手間取る。 そして男はアタッシュケースを開いて作業を始めるが、何だか手つきがおぼつかない。 と、電子音とともに、タイマーが作動し、カウントダウンを始める。 「しまった!酒が切れて、手が震えて…」 男は、瞳が抱きかかえている酒瓶を物欲しそうに見る。 「ダメだ。このままじゃ、元の木阿弥じゃねぇか」 “瞳!お前が、あの男の手になって、爆弾を解除するんだ。” 『えっ?そんなこと、出来ないよ』 “それしか方法が無い!” 『わかった。どうなっても知らないから!』 「私がやりますから、解除の仕方、教えてください」 「でも…」 「あきらめないで!」 瞳はペンチを持ち、男の指示通りに爆弾の配線を切っていく。 そして、タイマーはゼロになる前に止まる。 「やった…。すごいよ、あんた」 「ところで、名前、聞いてませんでしたね」 「荒井ってんだ、おれ」 コンサートは無事終了し、荒井は駆けつけた警官に逮捕される。 「荒井さん…」 パトカーに乗り込む直前、瞳は荒井を呼び止める。 荒井は振り返って瞳を見つめる。 第四章 終わり 5月24日(日) 【マンションのカギを開けて部屋の中に入っていく。床に、胸を血に染めた女の人が倒れている。 女の人を抱きかかえて揺するが、もう事切れている。】 瞳は悲鳴をあげながら目を覚ます。 “どうした、瞳?” 『とても悲しかった。あの女の人、知らない人なのに、どうして?』 夏子の元へ行く。瞳は夏子に、今朝見た夢のことを説明する。 「その夢の中では、私、男の人だったんです」 夏子はしばらく考えた後、言う。 「今日は、瞳さんの記憶を遡ってみようと思うの」 夏子は瞳に催眠術をかける。すると、頭の中に数々の場面が浮かんでは消えていく。 最近の記憶から徐々に過去へと遡っていく。 温泉旅行、文化祭、入院していた頃、初めて目を覚ましたとき、そして――。 【パジャマ姿の女の人が病院のベッドに腰掛けて、ぼんやりと天井を見ている。】 病院にいた女の人はたぶん、アパートで倒れていた女の人と同じだ。 瞳は、今見たビジョンを夏子に話す。 「その女の人を見たとき、ああ、妹だな、って思いました。私は一人っ子なのに」 夏子は、その女の人の幻覚はキミの記憶なのではないか、と言う。 「今度は、彼の記憶を遡らせてみたいわ」 「ぜひ、やってください」 「今日はダメよ。瞳さん、とても疲れているでしょうし。また今度にしましょう」 第五章 夢猫 5月27日(水) 下校途中、瞳は捨て猫を見つける。かわいい白い猫だ。 瞳はその猫を拾って帰宅した。瞳は母に猫を飼ってもいいか聞いたが、拒否された。 だが今からまた捨てに行くのは忍びないと思い、 とりあえず今晩だけは自分の部屋に白猫を泊めることにした。 「優美(ゆみ)お嬢様」 優美は召使に起こされ目を覚ます。 そこは巨大でレトロなお屋敷だ。優美はすでに両親を亡くしており、家族は偏屈な祖父だけ。 広い食堂で、祖父と二人だけの寂しい朝食を済ませる。 そしてお勉強の時間となった。優美の部屋へ、教育係の「砂原(さはら)」という小説家の男がやってくる。 砂原はお屋敷に居候している。 優美の具合が悪そうなので、砂原は勉強は中止にしましょうと言い、 自室に帰って小説の続きを書き始める。 午後、広い庭へテーブルと椅子を持ち出し、お茶の時間となる。 周囲には誰もいない。今がチャンスだ、とキミは思う。 “おい、瞳!” 『ふふっ、バレたか』 今朝目が覚めた途端、自然に優美になりきっていた、と瞳は言う。 “ここはどこなんだ?夢なのか?” 『私にもわからない。でも、お嬢様になれるなんて、滅多に出来ない体験よね』 瞳はお屋敷の中を探検してみることに。その途中で、白いかわいい猫と出会う。 その猫は、砂原が飼っている「雪風」という猫らしい。 大した収穫もなく、瞳は眠りに就いた。 翌日。目が覚めると元に戻っていた…ということもなく、相変わらずあのお屋敷の中だ。 『いつまでもこのままでいいわけない、よね?元に戻るには、どうすればいいんだろう』 “何か、現実につながるものを探すんだ。” 『現実に…そうだ、雪風のことね』 瞳は雪風を探し回るが、見つからない。 また次の日。瞳は書斎に行く。そこには「もう一人の私」という本がある。 タイトルが気になったので、瞳はそれを読んでみることにする。 なんと、その本の中には、瞳とキミのことが書かれている。 『でも、現実とちょっと違う。温泉旅行が海外旅行になってたり。でも、ほとんど同じよ』 その本の作者は砂原だ。 砂原は、現実での出来事を小説の中の出来事にすることで、瞳とキミをこの世界に閉じ込めた。 現実を小説に、そして小説を現実にすりかえてしまったのだ。 瞳は砂原の部屋へ行った。そこに雪風がいたが、砂原はいない。 瞳は砂原の書きかけの原稿を読む。そこに書かれていたのは優美というお嬢様の話だ。 【とあるボロアパートの一室。砂原は雪風を抱き上げる。 「僕の作品を理解してくれるのは君だけだ。さあ、僕たちの小説の続きを書こう」砂原は雪風に言う。】 「書きかけの原稿を読むなんて、いい趣味とは言えませんね、瞳さん」 「砂原さん、私たちを元に戻してください!」 「ここにいれば、現実の辛いことも全て忘れていられるというのに…」 「こんなこと、続けてはいけないと思います」 「こうでもしなきゃ、僕の作品は誰にも読んでもらえない」 瞳の説得に、砂原は耳を貸そうとしない。 「雪風は、一人でも多くの人に読んでもらおうと、この世界を作ったんです。あなたのために」 雪風の名を聞いて、砂原は思い直したようだ。 砂原は、自分はもう死んでいることや、最後の原稿が心残りだということを話す。 と、瞳はランプを倒してしまい、辺りは火に包まれる。 「あっ、原稿が!!」 「もういいんです、瞳さん。ありがとう。ここまで読んでくれたのは、あなたが初めてです」 砂原は炎に包まれながら笑う。 5月28日(木) キミと瞳は、現実の世界で目を覚ます。 瞳は明円に連絡する。砂原から言われたことを話し、砂原の原稿を探すよう依頼する。 6月2日(火) 砂原の原稿は、砂原が言った通りの場所にあった。 ただ不思議なことが一つある。その小説の主人公は優美ではなく、瞳になっていたのだ。 第五章 終わり 6月4日(木) 夏子の元へ向かう。 「じゃあ今日は、約束通り、彼の記憶を遡らせてみるわね」 夏子は瞳に催眠術をかけ、キミの意識を浮かび上がらせた後、さらに催眠術をかける。 キミの記憶は過去へと飛び、ついに瞳と出会う前まで遡る。 【マンションのカギを開けて部屋の中に入っていく。床に、胸を血に染めた女の人が倒れている。 女の人を抱きかかえて揺するが、もう事切れている。】 【パジャマ姿の女の人が病院のベッドに腰掛けて、ぼんやりと天井を見ている。】 【カーテンをレールから外していく。青い表紙のファイルから中身の紙を取り出し、 折りたたんでカーテンの縫い目の間に入れる。】 「どう?何か見えた?」 “青いファイルを、カーテンに隠した。” 「それが何を意味するのかはわからないけど、とりあえず、 あなたにとって重要なことなのは間違いなさそうね」 第六章 メリーゴーランド 6月12日(金) 《こんばんは!》 夜、瞳が眠った後、突然、何者かがキミに話しかけてくる。 《あなた、あたしがわかる?》 相手はどうやら女性のようだ。 “誰だ?” 《あっ、ごめん。今日は時間ないの。もう行かなくちゃ。また明日ね》 “おい、ちょっと!” キミは叫んだが、相手はもう答えない。 6月13日(土) 瞳は目を覚ますと、大慌てで支度をして家を飛び出す。 駅前で真理子と待ち合わせし、映画館へ。やがて、映画が始まる。 【遊園地のメリーゴーランドの前に、女性が待っている。しばらくして、男性がやってくる。 女性は男性に迫るが、男性は拒絶し、去っていく。女性は泣き崩れる。】 《ハーイ♪》 “君は昨日の…。” 昨日キミに話しかけてきた女性が、また話しかけてきた。 『え?何?誰なの?』 《こんにちは。あなた、瞳ちゃんよね?あたしは「渡瀬鈴(わたせ りん)」。 一度、あなたたちと話がしたかったの。パパがね、あなたたちのこと話してたから。》 キミと瞳は、鈴と話をする。 鈴は、他人の精神や残留思念と自由に交信できるという、テレパシーのような能力を持っている。 鈴はキミに、自分と同じように他人と会話出来ないかと聞く。 “僕は、瞳と話すことしか出来ないよ” 《そう?でも、あなたたちも見えるんでしょ?人の記憶や未来なんかが。 あたしと同じ能力だと思うんだけどなー。パパが、アナザーマインドって呼んでた能力。》 “アナザーマインド…?” 『ねぇ、パパって誰なんですか?』 《パパはあたしの父親みたいな人よ。ね、明日、デートしましょ。 海浜公園で午後1時に待ってるから。それじゃ、バイバイ!》 鈴は言いたいことだけ言ってコンタクトを打ち切る。 気が付くと映画は終わっていた。 “明日、どうする?” 夜、キミは瞳に話しかける。 『気が進まないけど、鈴さんに会って、話を聞かないと』 “そうだな。アナザーマインドのことも気になる。” 「アナザーマインド」という言葉は、今の自分の状態にピッタリだと、キミは思う。 キミと瞳は海浜公園で鈴を待つ。帰ろうとする瞳をキミはなだめる。 鈴は30分遅れてやってきた。 「ごめんなさい。待ち合わせとか慣れてなくて…」 鈴はそんな言い訳をする。 「あたし、ずっと寝てたの。植物人間ってやつ」 鈴は自分のことを語る。17歳のときに水難事故に遭い、それから3年間意識不明だったこと。 そして半年前に目を覚ますと、件の能力が使えるようになっていたらしい。 「ねぇ、あたし、行きたいところがあるんだけど…」 鈴は瞳を遊園地に連れて行く。鈴は自分勝手、良く言うとマイペースだな、とキミは思う。 鈴は絶叫マシンに乗ろうと誘う。キミに異存は無いが、瞳はそういった乗り物が苦手だという。 「もっと他のに乗りません?ほら、メリーゴーランドとか…」 瞳がそう言うと、鈴は悲しそうな顔をする。 「あれは、見てるのがいいのよ」 結局、瞳は鈴によって強引にジェットコースターに乗せられてしまう。 日が暮れる頃、メリーゴーランドの前へ行く。ライトアップされているメリーゴーランド。 なるほど、見てるのもいいな、とキミは思う。 「知ってる?このメリーゴーランドに一緒に乗ったカップルは、別れるってジンクスがあるのよ」 鈴はそんなことを言う。 “ってことは、これに乗ったら僕と瞳が…。” 『えっ?ち、違いますよ。私たちはカップルとかそんなんじゃ…』 「ふふっ、嘘よ」 そのとき、ビジョンが見える。 【メリーゴーランドの前に、女性が待っている。しばらくして、男性がやってくる。 女性は男性に迫る。男性は女性にそっと口づける】 昨日と似た幻覚だが、少し違うのは何故か、とキミは考える。 「見たんでしょ、あたしの記憶」 鈴が言う。 『あの女性、鈴さんに似てましたね』 “うん。確かに、あれは鈴だ” 「さてと。瞳ちゃん、今日はありがと♪」 鈴は別れを告げ、去っていく。 6月15日(月) 『待ち合わせに慣れてない人は、移動時間を考えに入れてないんです。 だから、待ち合わせに遅れてしまう。鈴さんは30分遅れて来たから…』 “なるほど、それで、ここなのか” 鈴にもう一度会おうと、キミと瞳はショッピングモールへとやって来た。 瞳の推理だと、鈴は海浜公園から30分移動したところに住んでいることになる。 とりあえず、ショッピングモールを歩いてみる。やがて、端にたどり着く。 そこにはフラワーショップがある。 「いらっしゃい。今日はかすみ草が安いですよ」 瞳に話しかけてきたのは、鈴だった。いや、よく見ると、鈴とは雰囲気が違う。 「あの、鈴さんですか?」 「私、鈴の姉で玲(れい)と申します。鈴は双子の妹です」 鈴と玲から話を聞く。 「3年前、私たち、海難事故に遭いました。私は助かりましたが、鈴は意識不明になりました。 途方に暮れていたところへ、あるお医者様が、画期的な治療法があると言われて…」 「それがパパよ。天才医学博士、桐原育生(きりはら いくお)」 「それで、その治療法を施したら、私の意識の中に鈴の精神が感じられるようになったんです」 『それって、私たちと似たような状態ですね』 “そうだな。” 「桐原先生は、その状態のことをアナザーマインドと呼んでいました。 しばらく経った後、鈴の精神を鈴の体に戻しました」 「そして、あたしが目を覚ましたら、その能力が使えるようになってた、っていうわけ」 そのとき、電子音が鳴り響いた。玲が持っていたポケベルが鳴っていたのだ。 それは、玲と交際中の「良介」という男性からの呼び出しだ。 玲は良介の元へと向かう。 残された鈴はキミたちに語る。 2年前、鈴が玲の意識に入り込んでいた頃、玲は良介と出会った。 奥手な玲に鈴がいろいろアドバイスしたお陰で、玲は良介と付き合うようになった。 「でも、あたしが戻ったら、すっかり邪魔者扱いなんだもん」 “鈴は良介が好きなんだな。” 鈴はキミの問いには答えず、話を続ける。 鈴は目を覚ました後、玲のフリをして良介に会いに行ったが、見破られてしまったという。 キミは似ているが結末が違う2種類のビジョンの意味を理解する。 男――良介にフラれて泣いていたのが鈴で、良介とキスしたのが玲だ。 「それじゃあね。今日は帰る」 鈴は去っていく。 第六章 終わり 6月17日(水) キミと瞳が図書館にやって来るのも、もう何度目になるだろう。 その度に新聞を調べてみるのだが、全て徒労に終わっていた。 新聞を閲覧していく。閉館時間が近付き、今回も徒労かと思い始めた頃、 それらしい記事を見つける。 1月8日、冴子という27歳の女性が自宅の朝日台マンションで胸を刺されて殺されていた。 第一発見者の兄が警察に通報した。 以前見たビジョンと状況が同じだ。 『それじゃ、やっぱり、あの女の人は、あなたの妹だったんですね』 “そうみたいだな。でも、確証がない。写真があれば…。” それから2ヵ月後、3月の新聞記事に、ついにキミの名前を発見する。 新聞社に勤めている32歳の冴子の兄――キミに、冴子を殺した容疑がかかっているが、 行方不明になっていると書かれている。 “僕は、妹を殺したのか…?” 『あのビジョンが本当なら、そんなはずないです。あんなに悲しかったのに…』 “やっぱり、写真、だな。明円にでも頼んでみたらどうかな?” 『わかりました。明円さんに頼んでみます』 瞳は明円に連絡し、冴子の写真のことを頼む。 第七章 明かされた過去 6月19日(金) キミと瞳は明円の事務所へ向かう。そこには明円の他に鳴海がいた。 明円から写真を受け取る。 「やっぱり…」 マンションで死んでいた女性、そして病院のベッドに腰掛けていた女性は、キミの妹、冴子だった。 「それで、何がやっぱりなんだい?話してくれないかな。もちろん、口外はしないよ」 「わかりました。信じてもらえないかも知れないけど、話します」 瞳は明円と鳴海に、キミのことを説明する。 「なるほどな。おれは信じるよ。職業柄、不思議なことには幾つも遭遇してるんでね」 明円は信じると言った。鳴海も信じると言う。 実は鳴海は、この殺人事件を担当していたのだった。鳴海は、キミは犯人ではないと考えていたらしい。 「冴子は精神病を患っていて、看病疲れが殺しの動機とされている。 だが、彼はそんな素振りを見せていない」 冴子は、医療機器メーカーに勤めていて、とあるプロジェクトに参加していた。 ある日、冴子は精神薄弱状態で発見された。 冴子は病院に入院していたが、キミは冴子をわざわざ引き取り、自分のマンションで面倒を見ることにしたという。 そんな人は妹を殺さないだろう、と鳴海は言う。 冴子が参加していたプロジェクトが怪しいと、鳴海は睨んでいるらしい。 そのプロジェクトは、「精神医療開発センター」という施設の所長である桐原がリーダーを務めている。 『桐原って…』 “鈴が言っていた、パパのことだ。” 6月21日(日) 桐原の話を聞こうと、鈴と玲に会いにショッピングモールの端のフラワーショップへ。 そこには誰もいない。 「あれ?玲さん?いませんか?」 そのとき、瞳は何者かに後ろから襲い掛かられて、気を失う。 6月22日(月) 瞳は目を覚ます。そこは、今は使われていない倉庫だ。 “大丈夫か、瞳?” 『大丈夫。怪我とかはしてないみたい。でも、手も足も縛られてて…』 外には見張りとしてチンピラが二人立っているのが見える。 瞳は辺りを見回す。 “瞳、あそこの廃材から釘が飛び出ているだろ?あれでなんとかならないか?” 『やってみます』 瞳は這って廃材に近付き、手を縛っているロープを釘にこすりつけた。 こすり続けること2時間弱。ついにロープは切れた。足を縛っていたロープも解く。 それから、キミと瞳は逃げる算段を始める。そのとき、チンピラが倉庫内に入ってきた。 瞳がロープを切っているのを見て、チンピラは逆上し、瞳に襲い掛かる。 そこへ鳴海刑事がやってきて、チンピラを倒し、瞳を連れて逃げる。 倉庫を出たところで、車が通りかかる。 「乗りたまえ。さぁ、早く!」 瞳と鳴海は、夏子の元へと連れてこられた。二人を車に乗せたこの男が、桐原博士だ。 桐原から話を聞く。 5年前、桐原がリーダーとなってアナザーマインドプロジェクト、略してAMPが発足した。 人の脳細胞に磁気的な刺激を与えて、精神的疾患を治療する。 そんな研究をすることを目的としたプロジェクトだった。 とある医療機器メーカーと協力し、装置が完成した。 健常者の脳と患者の脳を繋げて、異常個所の修正を施す装置だ。 そして2年前、昏睡状態の患者にその装置が使われた。その患者はアナザーマインド状態になった。 それは鈴と玲のことだな、とキミは思う。 アナザーマインド状態となった者の意識がシンクロするとき、 何らかの超常的な現象が発生することがわかった。 そして、患者に再び装置を使い、患者の意識を元に戻すと、患者はアナザーマインド状態を得た。 つまり、その装置を使えば、マインドコントロール可能な超能力者をいくらでも生み出せるということだ。 AMPは桐原の手を離れて勝手に動き始めてしまった。 桐原は、装置を作った医療機器メーカーに勤めていた冴子と協力し、AMPを中止させようとした。 だが、冴子は捕まり、実験台にされた挙句、廃人同様になってしまった。 桐原は、キミと連絡をとり、このことを新聞で告発しようとした。 しかし、冴子は殺され、キミは殺人の濡れ衣を着せられてしまった。 桐原はT大学付属病院の黒川医師にキミを託した。黒川は、桐原の古い友人だという。 だが黒川は既にAMPに買収されていた。黒川は、病院の患者を使って人体実験を行っていたらしい。 黒川はキミを装置に入れ、記憶を消した。そして、瞳にキミの意識を移した。 意識を失ったキミの体は暴走した。 あの病院での夜、瞳を追いかけてきたのは、自我を失ったキミの体だった。 瞳の中のキミの意識に、キミの体が引き寄せられたのだ。 その事件で警察が騒ぎ出したので、黒川はAMPに始末されてしまったらしい。 キミの体はたぶん、AMPの手に渡っていることだろう。 「どうして、警察に通報しなかったんですか?」 そこまで聞いて、瞳は桐原に疑問を投げかける。 「証拠が無いんだ。人の精神を他人に移動させるなんて、荒唐無稽な話を警察が信じるとは思えない。 だが、冴子君が持ち出した資料がどこかにあるはずだ。青いカバーのファイルなんだが…」 【冴子はキミに、青いカバーのファイルを渡す。】 「桐原博士、彼は以前、こう言っていました。青いファイルをカーテンの中に隠した、と」 夏子の言葉に、桐原は目を見開く。 「それだ!早速向かおう」 桐原は夏子と一緒に、朝日台マンションへと向かう。 第七章 終わり 第八章 隠したもの 隠されたもの 6月23日(火) 夜の12時を回り、日付が変わる。瞳は鳴海と、桐原と夏子の帰りを待つ。 キミは桐原のこと考える。瞳を助けに来たとき、やけにタイミングがよかったのが怪しい。 それと、冴子がキミにファイルを渡したときのあの目は、何かを訴えているような…。 “二人とも、遅いな…。” 『そうですね。こんなとき、あの幻覚が見えればいいのに…』 “そうだ瞳、桐原博士は、「意識がシンクロするとき超常的な現象が起こる」って言ってたよな?” 『ええ』 “だから、僕たちの意識がシンクロするようにすればいいんだよ。同じことを考えるとか。” 『そうですね。やってみましょう』 キミと瞳は夏子のことを考える。すると、ビジョンが見える。 【桐原は夏子を謎の施設へと運び込む。】 「鳴海さん、精神医療開発センターって、どこにあるか、わかりますか?」 「わかるけど、どうして?」 「たぶん、夏子さんはそこにいます」 瞳と鳴海は精神医療開発センターへと駆けつける。 「それで、夏子さんはどこへ?」 ビジョンに従い、2階の部屋に行くと、そこに夏子が横たえられていた。 夏子を助け起こす。どうやら記憶を消されたりはしていないようだ。 「さぁ、帰りましょう、夏子さん」 「まだよ。ここには彼の体がある」 キミと瞳は意識をシンクロさせ、キミの体がある部屋を探り出す。 そこには、CTスキャンに似た謎の装置に入れられた男の体がある。あれがキミの体だ。 そして、傍らには桐原が立っている。 「よくここがわかったな」 桐原がAMPを中止させようとしたというのは、真っ赤な嘘だ。 冴子を殺したのも、キミに濡れ衣を着せたのも、桐原だ。 桐原は、事情を知る者を排除しようと、黒川を殺し、瞳を誘拐した。 そして今、キミに危害を加えようとしている。 「そのへんでやめといたらどうだ、桐原」 やってきたのは明円だった。 「ファイルを回収して、夏子さんの記憶を消せば、それで済むと思ったのか? 彼は、ファイルのコピーを残していたんだよ」 追い詰められたはずなのに、桐原は笑っている。 「それで私を追い詰めたつもりか?私を自由に出来るのは、私だけだ」 桐原は懐から毒物が入った瓶を取り出し、中身を一気に煽る。桐原は息絶える。 6月25日(木) いよいよ、この時がきた。 瞳はT大学付属病院に行き、謎の装置の前に立つ。 『元に戻るの、うれしいはずなのに、何だか寂しいような気がします』 “僕も、寂しいよ。” 『元に戻っても、私のこと、忘れませんよね?』 “もちろん!” 瞳は装置に入る。キミの意識は暗闇に飲み込まれる。 第八章 終わり 第九章 アナザー・マインド 7月3日(金) 真っ暗な世界に突然光が射す。ここは、病院だ。瞳がこちらを覗き込んでいる。 「気が付いたんですね」 「ああ、瞳か…」 「私、一週間前に目が覚めたんです」 「まさか、毎日お見舞いに来てくれたのかい?ありがとう」 何だか様子がおかしい、とキミは思う。この体は自分のもののはずなのに、動かせない。 “おい、瞳!” キミは瞳に呼びかけてみるが、もちろんその声は届かない。 『これがアナザーマインドか。興味深い感覚だな』 キミの意識に男が語りかけてくる。 『私が誰か、わかるかね?』 キミは考える。キミより先に、キミの体の中に入ることが出来た人物。それは――。 “桐原、か?” 『正解だ。桐原育生はここにいる。君は自分の体を動かすことも出来ず、 ここで死ぬまで傍観することになる…』 7月8日(水) キミの体を乗っ取り、キミになりすました桐原は退院し、朝日台マンションへ。 そこで、桐原は恐ろしい計画をキミに語る。 鳴海刑事や夏子や明円、そして瞳。事情を知っている邪魔者を全て殺し、AMPを復活させるという。 『AMP――増幅。精神を増幅させるのだ。まさに、正鵠を射た名前だろう?』 “みんなを殺すなんて…そんなことさせるか。止めてみせる!” 『君に何が出来るというのだ。まぁ、大人しく見ていたまえ。 手始めに葉山瞳、あの小娘を排除するとしよう』 桐原はキミのフリをして、瞳に電話をかける。 「やぁ、瞳ちゃん。明日、どこかへ行かないか?デートのやり直しをしよう」 “瞳、来ちゃダメだ!” 『無駄だよ。君の声は彼女には届かない』 7月9日(木) 何も知らない瞳は、待ち合わせ場所の喫茶店へとやってくる。 「こうして面と向かって話をするのも、何だか新鮮だな」 「えっ、やだ、そんなにじっと見ないで下さいよ」 キミになりすました桐原は、瞳としばらく話しこむ。 「それにしても、いろんなことがありましたよね。 退院した後、初めて学校に行った日とか、もうずいぶん昔のことみたいで…。 そうだ、あの落書きのこと、覚えてます?」 『落書きとは何だ?答えたまえ』 “あれは確か、四角形の落書きだったな” 「ああ、あれは四角形だったよね」 「違いますよ。三角形だったじゃないですか」 『後で覚えておきたまえ!』 こんな調子で、キミは桐原の質問に嘘をつき続けた。 「今、私の前にいるあなたは、まるで別人みたい。あなたは、誰なの?」 瞳は桐原を睨む。 「や、やだなぁ。僕は僕だよ。瞳ちゃんが一番よく知ってるじゃないか」 「…そうだ、あの約束、覚えていますか?」 『約束とは何だ?』 “約束なんて、していない。” 『本当だな?』 “本当だ。” 「…ああ、確か、君に服を買ってあげる約束だったね」 「うれしい、やっぱり覚えててくれたんですね。あ、ちょっと、トイレ行ってくるね」 瞳が席を外した後、桐原はキミに語りかける。 『見たかね?まんまと騙されて。所詮、子供だな』 瞳と桐原は喫茶店を出る。 「ちょっと、ここへ寄って行きましょう」 瞳はひと気の無い公園へと桐原を誘う。 「少し、歩きませんか?」 散歩道を歩いていく。 「桐原!」 背後からの声に、桐原は思わず振り向く。それは明円の声だった。 桐原は、いつの間にか夏子や鳴海や真理子たちに取り囲まれていた。 「引っかかったな、桐原」 「わ、私は桐原では…」 「嘘。本当の彼は、そんな話し方しないわ」 瞳は語る。 「桐原さん、私は彼と何の約束もしていないんです。 でも、その約束が無いことが、逆に彼と私との約束になっていたんです。 あなたは、喫茶店で何度も言い間違えた。 それは彼が、私との思い出を守ろうとして、嘘をついたんだと思います。 でも、あなたは最後に彼の本心までも疑って、ありもしない約束をしゃべった。 それが、決定的だったんです。こんなこと出来るのは、桐原博士しかいない。 そして、トイレに行くフリをして、みんなを呼びました」 「おれが名前を呼んだら、あっさり振り向いたな。もう言い逃れは出来ないぞ」 “桐原、これは僕と瞳の、絆の勝利だ!” 第九章 終わり エピローグ 数日後。キミは病院のベッドの上で目を覚ます。 「気が付いた?」 瞳がこちらを覗き込んでいる。 「瞳…」 キミは、今度こそ本当に、自分の体を取り戻したことを確認する。 桐原は、キミの体の中から出された後、コンピュータのメモリの中に入れられたという。 「瞳、僕が退院したら、どこかに行こう」 「そうですね。今度こそ、デートのやり直しです」 Fin 88 :ゲーム好き名無しさん:2010/07/31(土) 10 19 02 ID VZifCSJs0 アナザーマインド乙です。 鈴って死ななかったっけ? 95 :ゲーム好き名無しさん:2010/07/31(土) 13 07 57 ID 8mPLsnnI0 88 条件によっては生きている。 死ぬパターンでも鈴を殺す必然性がストーリー上全く感じられない よって鈴は死んだとも生きてるとも明言していない模様
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/237.html
アナザー・マインド part53-47~56,59~73,88,95 47 :アナザー・マインド:2010/07/28(水) 13 42 03 ID nwHgqZq50 主な登場人物 キミ…プレイヤー自身のこと。デフォルト名は「真野俊平」。正体不明だが少なくとも男なのは間違いない。 説明書には「なるべく自分の名前を入力しましょう」と書いてあるが、 女性プレイヤーの存在は想定されてないっぽいので 女の名前を入力するのはやめたほうがいい。 葉山 瞳…主人公。名前変更可。高校2年生。キミの意識が入り込んでしまった女の子。 鳴海 健一…K県警の刑事。 高木 真理子…瞳のクラスメイトで親友。 明円 輝夫(みょうえん てるお)…フリーのルポライター。 向井 夏子…心理療法士。 第一章 「あなたは誰?」 キミは真っ暗な世界で覚醒する。何も聞こえない、何も見えない。 ここはどこなのか、キミは考えたが、何も思い出せない。 『あなたは、誰?』 いきなり女の子の声がしたので、キミは驚く。 “僕は――。” キミは名前を名乗った。 『私は葉山瞳と言います。16歳。N学園に通ってて…。 って、こんなこと話してもしょうがないですよね。あの、私、買い物に行ってて…。 それで車にはねられて…。ということは、私、死んでしまったのかしら』 “さぁね。僕には何もわからない。” 『そうですか…』 3月23日(月) 真っ暗だった世界に突然光が射す。看護婦がこちらを覗き込んでいる。ここはきっと、病院だ。 「大丈夫ですか、葉山さん」 看護婦はこちらを見て、女の子の名前を呼ぶ。 唐突にキミは理解する。どういうわけか、キミは意識だけの存在になり、 葉山瞳という女の子の中に入り込んでしまったらしい。 看護婦は、ここはT大学付属病院だということ、瞳は交通事故に遭って1ヶ月間意識不明だったことなどを話す。 看護婦が去っていった後、瞳はキミに話しかける。 『あの…いますか?』 “僕は君の中にいる。” 『やっぱり、夢じゃなかったんだ…。出て行ってください、と言いたいところですけど…』 “出来ればそうしたいよ。だけど、今の僕はこうして瞳と話すことしか出来ない。 出て行く方法もわからないし、僕の体も、どこにあるのか…。” 『そうですよね…。こうなったら仕方がありません。これからよろしくお願いしますね』 “こちらこそ、よろしく。” 『それで、私、考えたんですけど、あなたは幽霊なんじゃないですか?』 “そうかも知れない。死んだ自覚は無いけど。” 『この病院に入院してて、死んじゃった、とか。名前がわかってるんだから、そこから何とかならないかしら』 3月26日(木) 今日は検査の日だ。黒川という医師に連れられて、瞳は検査室に行く。 そこで瞳はCTスキャンにかけられた。そのときキミはデジャヴのようなものを感じる。 夜、瞳はぼんやりとテレビを見る。ニュースで、F市のパチンコ店に強盗が入ったと報じている。 「F市って、隣の市じゃない。いやぁねぇ」 3月27日(金) 看護婦がやってきたとき、キミは幻覚を見る。 【看護婦の背後に謎の影が忍び寄る。看護婦は振り返って驚く。】 『あの、あなたも見ました?看護婦さんが襲われているところ…』 “うん。” どうやら瞳も同じ幻覚が見えたようだ。 その幻覚が何を意味するのか。キミと瞳は戸惑うばかり。 キミに繋がる手がかりを得ようと、瞳は夜中にこっそりベッドを抜け出し、霊安室を調べる。 ドアには意外にもカギはかかっていなかった。中に入って見回すが、それらしい遺体は無いようだ。 と、そこに看護婦が倒れているのを発見する。 「見回りをしていたら、男に襲われて…」 『これって、もしかして…』 “ニュースでやってた、強盗犯、かもな。” 瞳は電話の元へ走り、警察に通報する。 もしかしたら、昼間に見えたビジョンはこのことを予言していたのでは、とキミは考える。 ホッとしたのも束の間、謎の男がこちらに向かってやってくるのが見える。看護婦を襲ったヤツだろうか。 瞳は病院中を逃げ回り、空き病室に入り、ロッカーの中に隠れる。 息を殺して待つ。しばらく後、男がやってきて、瞳が隠れたロッカーを開ける。 恐怖のためか、瞳はそこで気を失う。 3月28日(土) 瞳の病室に男が訪ねて来る。 「私、K県警捜査一係の鳴海という者です」 鳴海刑事は、事件のあらましを瞳に話す。 瞳を追ってきた男は、病院に忍び込んだ例の強盗犯で間違いないようだ。 強盗犯は何故か瞳を襲わずに、逃げ出したという。 4月2日(木) 数度に渡る検査の結果は異常なしだった。瞳は無事退院する。 だが、学校に行けるようになるには、まだ少しかかりそうだ。 第一章 終わり 4月12日(日) もしかしたら、キミは何らかの事故や事件に巻き込まれたのかも知れない。 そう考えたキミと瞳は、図書館へ行く。 過去の新聞記事を調べてみたが、それらしいものは見つからない。 第二章 TIAMATの呪い 4月16日(木) 【そこは学校の屋上だ。「待ってくれ!」と男は言うが、少女は虚空に足を踏み出し、落ちていく】 瞳は冷や汗にまみれながら飛び起きた。例のビジョンだ。 『リアルで…イヤな夢だった。まさか死ぬなんて…。』 “ああ、そうだな…。” 今日は瞳が退院後、初登校する日だ。 通学路の途中で、瞳の親友である真理子に会う。 学校の校門に着く。校門の柱に、赤いチョークで落書きがしてある。 逆三角形の中に「TIAMAT」という文字が書いてある。 それをじっと見ている少年がいる。瞳と同じクラスの金田だ。 ホームルームの時間になり、文化祭の実行委員を決めることになった。 まず真理子が立候補する。そして早くクラスになじめるようにと、真理子は瞳を推薦してきた。 戸惑った瞳はキミに相談する。 『あの、どうしましょう?』 “僕は受けた方がいいと思う” 『じゃあ、やってみようかな…』 こうして瞳も実行委員をやることになった。男子は金田と北川だ。 放課後、実行委員4人は、担任の樋口という男性教諭も交えてミーティングを行う。 4月17日(金) 真理子は瞳に、例の三角形の落書きが増えていることを話す。 確かに校内のいたるところに落書きがされているようだ。 放課後、ミーティングに向かおうとした瞳は、 下駄箱に「文化祭を中止せよ」との脅迫状があるのを発見する。 どうやら実行委員4人全員に脅迫状は届いているらしい。 脅迫状を樋口に見せると、とりあえず今日はこれで解散ということになる。 落書きのことが気になったキミは、瞳に調査をするよう提案する。 瞳は真理子と一緒に、校内の落書きを調べて回る。 落書きは尽く何者かに消されていた。 「あ、ほら、見てよ、これ」 屋上に向かう途中の階段の壁に書かれたその落書きをよく見てみると、 うっすらと二重に書かれているのがわかる。 「一度消して、その上からまた書いたみたい」 確かに、真理子が言う通りだ。 瞳たちは、用務員のおじさんが落書きを消している場面に遭遇する。 「まったく、こんな訳のわからん落書きを書いて…。 でも、樋口先生は意味を知っているみたいだったがのぅ」 瞳たちは樋口に会いに行くが、不在だった。 「あなた、2年生?」 校門を出たところで、瞳は他校の女子生徒に呼び止められる。 「金田って知ってる?」 「クラスメイトですけど…」 女子生徒は「火浦菜々子」と名乗る。 「彼が悪いことしないかどうか、気をつけて見てて」 瞳は菜々子を呼び止めようとしたが、彼女は無視して去って行く。 4月20日(月) 今日は金田が休みだ。 放課後、瞳は樋口に会う。 「あの落書きのこと、教えてください」 樋口は、TIAMATとは風のカオ…ではなく、古代の女神のことだと言う。 「それが、何か?」 「そういう意味ではなく…。あの落書き、うっすらと二重になってました。 昔、誰かが――」 【学校の屋上に書かれた、TIAMATの落書きの前に立つ女子生徒】 突然、例のビジョンが見える。 『今の…』 “ああ、見えた、な。” 「話が終わったなら、帰りなさい」 他の教師に邪魔されて、それ以上話を聞くことは出来なかった。 下校途中のこと。 「あなた、N学園の生徒ですよね?よかったらお話、聞かせてくれません?」 瞳は見知らぬ男に呼び止められ、喫茶店に行く。 「フリーライターやってます、明円輝夫です」 明円は瞳に名刺を渡す。 「5年前、N学園の女子生徒が、学校で死んでいるんだ。学園祭の前日にね」 屋上から落ちる女子生徒のビジョン、あれは本当にあったことだったのかと、キミは思う。 「教師にフラれて、そのショックで飛び降りたと言われていたんだけど、真相はわからないままさ。 気になるのは、その子が死ぬ少し前に、赤いチョークの落書きがされていたことだ。 最近になって、その落書きが復活したらしいって噂を聞いてね。 ま、そのところの真相を究明したいわけだ。協力してくれないかな」 「何をすれば…?」 「これから、何か分かったことがあったら、教えて欲しい」 「それだけでいいんですか?わかりました。協力します」 4月28日(火) とうとう、文化祭の前日になった。準備のために、普段立ち入り禁止になっている屋上へと行かねばならない。 瞳たち実行委員は、樋口に連れられて、屋上へ行く。 屋上の床には、大きくTIAMATの落書きが書かれていた。 「5年前もこうだったんですか?」 金田は樋口に言う。 「これは、たちの悪いイタズラだ」 樋口の顔が真っ青になっている。 「この落書きは私が消しておくから、君たちは他の準備を進めなさい」 瞳たちは屋上から追い出されてしまった。 真理子の携帯電話が鳴り出す。しばらく話した後、真理子は携帯電話を切り、瞳に言う。 「明円さんが金田くんのことで話があるって。大至急」 明円と真理子はいつの間にか知り合いになっていたらしい。 キミは樋口や金田の様子が気になったが、明円に会おうと瞳に言う。 瞳と真理子はこの前の喫茶店に行く。そこには、明円の他に菜々子も待っていた。 菜々子の顔を改めて見て、キミと瞳は、屋上に立つ女子生徒のビジョンとそっくりだと思う。 「そっくり…ですね」 瞳は素直な感想を口にする。 苗字こそ違うが、菜々子は5年前に死んだ女子生徒「大沢杏子」の妹なのだ。 明円から事情を聞く。金田と杏子は幼馴染だった。そして、杏子は樋口と付き合っていた。 「危ないことしないように、って言ったけど、どうやら遅かったみたいね」 菜々子はため息をつく。 「たぶん、脅迫状も、三角形の落書きも、金田くんの仕業だろうね」 「どうして…」 「彼は樋口先生を裁こうとしているのよ」 あの落書きは、杏子が樋口を呼び出すときの合図だったという。 「金田君、無茶しなきゃいいけど…。学校へ行きましょう」 辺りはすっかり暗くなっていた。瞳たちは急いで学校へ戻り、屋上へ駆けつける。 金田は今にも落ちそうな位置に立っている。そんな金田を見て、樋口はオロオロしている。 「もういいでしょ、金田君」 瞳たちは金田を説得しようとするが、金田は聞かない。 「こんなことで許されると思っているのか、樋口! 杏子は死んだ。あんたはのうのうと生きて…。そんな虫のいい話ってあるか? お前も杏子と一緒に飛び降りて死ぬべきだった。だから猶予をやったのに、 知らない顔をしていやがった。脅迫状も、落書きも、全部無視して…」 金田は樋口を睨む。樋口はうつむきながら話す。 「おれには、何も言う資格は無い」 「逃げるんじゃねぇよ。杏子が死んだときみたいに、逃げるのか? 先生はいいよなぁ。学校がかばってくれるんだから。 でも、二人目の生徒を殺しても、学校は守ってくれるかな、先生?」 金田は飛び降りようとする。明円が飛び出していって、金田をつかんで引き戻す。 金田は助かった。 4月29日(水) 文化祭当日。当然というべきか、金田は学校に来ていなかった。 瞳は、樋口と学年主任の教師が話しているのを立ち聞きしてしまう。 「結局、私は金田を助けることが出来なかった。自分の言うことが全て嘘に思えて、 生徒たちに語るべき言葉が無い」 「また逃げるんですか、樋口先生。教師だって人間です。間違うことだってあります。 とりあえず、この辞表は預かっておきますよ」 第二章 終わり 5月3日(日) 瞳は、心理療法士の向井夏子の元へ行き、カウンセリングを受ける。 瞳は夏子に、キミのことを説明する。 「なるほど。頭の中で男の声がする…と。彼と直接話をすることは出来ないかしら」 「どうするんですか」 「瞳さんの意識を一時的に消して、彼の意識を浮かび上がらせるの。やってみていいかしら?」 「どうぞ」 夏子は瞳に催眠術をかける。瞳の意識が消え、キミの意識が浮かび上がる。 キミは夏子にいろいろと質問されるが、それに素直に答える。 夏子が指を鳴らすと、瞳の意識が復活し、キミの意識はまた瞳の中に戻る。 「先生、私って二重人格なんでしょうか?」 「それはまだわからないわ。また来てください。彼ともっとお話がしたいわ」 第三章 明神池の怪 5月9日(土) 瞳と真理子、そして明円は列車のボックス席に座っている。 窓の外をのどかな風景が通り過ぎていく。 三連休を利用して、瞳と真理子は温泉旅行の計画を立てたのだが…。 「でも、どうして明円さんがついて来るんです?」 真理子は不満そうに言う。 「瞳ちゃんに付いて行けば、面白いことに遭遇出来ると思ってね」 明円はそう答える。 静かな田舎の駅で、瞳たちは列車を降りる。 駅前のバス停に行ってみるが、今日のバスはもう無い。 近くにレンタカーもあったが、明円は免停中とのことで、運転はできない。 仕方なく瞳たちは歩いて旅館を目指す。 山道を歩いて1時間ほど行ったところに、ガス欠になった車が乗り捨ててあるのを見つける。 ドアのロックはかかっておらず、キーはさしたままになっている。 辺りを見回してみたが、車の持ち主らしき人物は見当たらない。 【男は山の斜面を転がり、悲鳴を上げながら池に落ちる。】 キミと瞳は例のビジョンを見る。その男は何らかの事故に巻き込まれたようだ。 その車はレンタカーだったので、明円は携帯電話を取り出し、レンタカー会社に連絡する。 「おたくの車が乗り捨ててあって…。え?二条?違いますよ。おれが借りた車じゃなくて…」 とにかく、ガス欠ではどうしようもない。瞳たちはその車を見捨てて再び歩き出す。 日暮れ頃、ようやく旅館に着く。 瞳と真理子は早速露天風呂へと向かう。脱衣所で服を脱ぎだす真理子。 瞳は慌てて脱衣所を出る。 “瞳、どうした?” 『あなたが見ないとも限りませんから。真理子が脱衣所を出るまで待たないと』 “わかった。見ません。” 『その心がけは立派です』 瞳はしばらく待った後、キミに真理子の裸を見せないよう慎重に露天風呂に入り、目を閉じる。 キミの視覚は瞳と共通のものなので、これでは何も見えない。 旅館の食堂で夕食となる。 「そうだ、女将さん。この近くで、何か面白い場所、ありませんか?」 明円が女将に尋ねる。女将は、旅館の近くには「明神池」という古池があって、 半魚人が住んでいるとか、そんな伝説がある、と答える。 夕食後、瞳はあてがわれた部屋に戻る。 そこには見慣れぬ大きいバッグが置かれ、中身が広げられている。 「何これ?カメラ?」 部屋を間違ったわけではない。戸惑っていると、男が部屋に入ってくる。 「あ、ゴメン。部屋を間違えたみたいだ」 男は、カメラマンの大崎と名乗った。瞳と大崎はしばらく話をする。 “瞳、この男、怪しいぞ。” 『うん、そうかも』 “カメラのことについて聞いてみよう。何かボロを出すかも知れない。” 『わかったわ。でも、私、カメラのこと、わからない』 “レンズの明るさについて聞くんだ。” 「ねぇ、大崎さん。これ、大崎さんのカメラなんですか?」 「そうだけど」 「えっと、このレンズなんですけど、どんな明るさなんですか?」 「ここに書いてあるよ、ほら。135ミリ」 “135ミリは、レンズの焦点距離のことだ。大崎は偽のカメラマンだ。” 大崎は荷物をまとめて、そそくさと部屋を出て行こうとする。 【何かの液体の入ったビンが高いところから落ちて割れる。液体が床に飛び散る。】 このビジョンが何を意味するかわからないが、大崎は何かをしでかすに違いない。 とりあえず大崎の様子に注意することにする。 5月10日(日) 「きえええええーっ!!」 朝早く、奇声によって瞳と真理子は起こされる。 どうやら隣の部屋から聞こえてくるようだ。二人は隣の部屋を訪ねる。 そこには、いろいろな色で書かれた文字が躍っている紙が散らばっている。 その中心に、気難しそうな老人が座っている。彼はどうやら、前衛的な書家の先生らしい。 瞳は書家の先生としばらく話をする。彼は字を書く際に奇声を発する癖があるようだ。 瞳は自分の部屋に戻った。まだ朝早いので、寝なおそうかと迷っていると、隣の部屋から物音が聞こえてくる。 「明神池の半魚人?」 「まさか、そんなわけないでしょ」 しばらくして、物音が収まった後、瞳は再び書家の先生の部屋へ行く。 中には誰もいない。見回すと、テーブルの端の落ちそうなところに、 液体の入ったビン――絵の具のリムーバーが置いてある。その側に、携帯電話が置かれていた。 老人には似つかわしくない、最新機種のものだ。携帯電話を調べてみると、「大崎」とネームが入れられている。 後で大崎に返すことにして、瞳はとりあえずその携帯電話をポケットに入れた。 瞳と真理子と明円、そして何故か大崎も交え、4人で観光することになる。 リフトに乗って山の頂上へ。 昼頃、大崎は明円から携帯電話を借り、何処かへ電話をかける。 瞳のポケットの中の、大崎の携帯電話が震える。 帰りに、瞳たちは書家の先生と会った。先生は大崎に話しかけるが、大崎は先生を睨んだ。 夜、瞳たちがロビーでくつろいでいるところへ、女将が慌てた様子でやって来る。 「玄関に人が倒れてて…」 玄関に倒れていた男はロビーへと運び込まれる。幸い、大した怪我もなく、意識もはっきりしているようだ。 「僕、大崎って言います。交通事故に遭って、気が付いたら池に落ちてて…」 昨日見えたビジョンはこの男のことだったのか、とキミは思う。 「あ、僕のカメラ、拾ってくれたんですね」 もう一人の大崎が持っているカメラを見て、助けられた大崎は言う。 「大崎さん、話があります。付いて来てください」 瞳はもう一人の大崎を部屋に連れて行き、話をする。 「あなた、本当は二条さんでしょう?大崎さんの荷物を拾って、大崎さんになりすました」 「……」 「そして、書家の先生の部屋に携帯電話を置いて、振動でビンが落ちるように細工した。 あのビン、ラベルを見たら、毒性あり、って書かれてました。先生に何の恨みがあるんですか?」 「どうしてこんなことになっちまったんだろうな。あんた、男と付き合ったこと、あるかい? まぁ、大人になれば、わかるよ」 ニセ大崎――二条は、瞳の言ったことを否定も肯定もせず、そう言う。 「私にだって、いつも一緒にいてくれる男の人くらい、います」 それは自分のことか、とキミは思う。 「何背伸びしたこと言ってんだよ。じゃあな」 二条は瞳に背を向けて逃げ出す。 二条を追って旅館の玄関を飛び出そうとした瞳は、意外な人物と出会う。 「あれ?夏子さん?どうしてこんなところに?」 「瞳さん…父と会ったのね」 実は書家の先生は、「向井正三」という、夏子の父だったのだ。 そして、二条はかつて、夏子の元へ通っていた患者だという。 二条は明神池のほとりにいた。 二条は自分の思いを吐露する。二条は夏子を一方的に思いつめていた。 その恋を正三に邪魔されたと思い、正三を恨むようになった。 「おれは大崎になりきって、自分から解放されたんだ」 二条は池に入っていこうとする。それを明円が体を張って止めた。 5月11日(月) 帰り道、妙円は素直な感想を述べる。 「いや、世の中にはいろんな人間がいるもんだな、と思ってさ。 きっと、みんな何かに救いを求めたいんだな」 第三章 終わり 5月16日(土) 夏子の元でカウンセリングを受ける。 瞳に催眠術がかけられ、キミの意識が浮かび上がる。 キミは夏子の質問に答えていく。 『それで、あなたは、瞳さんをどうしたいの?』 “僕は瞳を助けたい。” 『私と目的は同じみたいね。協力してくれる?』 “僕に出来ることなら、何でも。” 『そう、良かった。これからよろしくね』 夏子が指を鳴らすと、キミの意識は瞳の中へと沈む。 「どうでした?」 「彼も協力してくれるって。きっと、彼は瞳さんに必要だから、現れたんだと思うの。 必要がなくなれば、瞳さんの意識と統合して、消えるはずよ」 「消える…いなくなるってことですか?」 キミの存在は、ただ脳内で作り出されただけの妄想の産物なのかと、瞳は夏子に問う。 「それは…まだわからないわ」 第四章 夕暮れ爆弾男 5月17日(日) 瞳は真理子と一緒に、NKホールへとやって来る。今夜は若者に人気の歌手のコンサートがある。 開場一時間ほど前、すでにホールの前には列が出来ている。真理子はトイレに行った。 瞳が一人で待っていると、挙動不審な男がやってくる。あのブルゾンはきっと、コンサートのスタッフだろう。 男はアタッシュケースを置いて去っていこうとする。 「あの、これ忘れてます!」 【ステージ上で歌手が歌っている。そのとき、どこかに置かれたアタッシュケースが、爆発する】 瞳がアタッシュケースを持って男に渡そうとしたとき、ビジョンが見える。 「あ、ああ」 男はアタッシュケースを受け取り、去って行く。 『あのアタッシュケースの中身、あれって…』 “たぶん、時限爆弾だろう。” 『大変!あの人を追わなくちゃ』 瞳はコンサートをあきらめて、男を捜すことにした。 やがてコンサートが始まるが、まだ見つからない。スタッフなら、一般人が入れないところにも行ける。 そうなったらもうお手上げだ。 『どうしよう…』 “瞳、警察に通報だ。” 『でも私、携帯電話持ってないし、ホールの外に出なきゃ…』 ホールの外に出ようとしたが、どの出入り口にもカギが掛かっている。閉じ込められたようだ。 “瞳、非常ベル!” 非常ベルを鳴らそうとボタンを押したが反応が無い。 「え?どうして…」 そのとき、同じく閉じ込められたと知って途方に暮れている、あの爆弾男と会う。 「あなた、このホールに爆弾を仕掛けたでしょ」 「なんでわかった?…まぁいいや。どうせおれは死ぬ運命だ。まんまとハメられたよ」 男はホールに爆弾を仕掛けたが、共犯者に裏切られ、逃げられなくなってしまったと語る。 「どうしてそんなことを…」 「爆弾に関する知識、おれにはそれしか誇れるものが無かったんだ」 男はポケットから酒の小瓶を取り出し、ちびりちびりと飲み始める。 「爆弾、止めに行きましょう」 瞳は、このままでは共犯者の思う壺だ、それで悔しくないのかと男を説得する。男は説得に応じる。 「まずは、控え室だ」 瞳と男は控え室に行く。そこに置かれたアタッシュケースを男は開く。 「もう酒はやめだ。これはあんたに預かってもらおう。 今のおれは、酒が無いと手が震えちまう。情けねぇ」 男は瞳に酒瓶を渡してから、見事な手つきで作業を進め、爆弾を解除する。 もう一つの爆弾を探すためステージ裏へ。爆弾は面倒な場所に置かれていたので、探すのに手間取る。 そして男はアタッシュケースを開いて作業を始めるが、何だか手つきがおぼつかない。 と、電子音とともに、タイマーが作動し、カウントダウンを始める。 「しまった!酒が切れて、手が震えて…」 男は、瞳が抱きかかえている酒瓶を物欲しそうに見る。 「ダメだ。このままじゃ、元の木阿弥じゃねぇか」 “瞳!お前が、あの男の手になって、爆弾を解除するんだ。” 『えっ?そんなこと、出来ないよ』 “それしか方法が無い!” 『わかった。どうなっても知らないから!』 「私がやりますから、解除の仕方、教えてください」 「でも…」 「あきらめないで!」 瞳はペンチを持ち、男の指示通りに爆弾の配線を切っていく。 そして、タイマーはゼロになる前に止まる。 「やった…。すごいよ、あんた」 「ところで、名前、聞いてませんでしたね」 「荒井ってんだ、おれ」 コンサートは無事終了し、荒井は駆けつけた警官に逮捕される。 「荒井さん…」 パトカーに乗り込む直前、瞳は荒井を呼び止める。 荒井は振り返って瞳を見つめる。 第四章 終わり 5月24日(日) 【マンションのカギを開けて部屋の中に入っていく。床に、胸を血に染めた女の人が倒れている。 女の人を抱きかかえて揺するが、もう事切れている。】 瞳は悲鳴をあげながら目を覚ます。 “どうした、瞳?” 『とても悲しかった。あの女の人、知らない人なのに、どうして?』 夏子の元へ行く。瞳は夏子に、今朝見た夢のことを説明する。 「その夢の中では、私、男の人だったんです」 夏子はしばらく考えた後、言う。 「今日は、瞳さんの記憶を遡ってみようと思うの」 夏子は瞳に催眠術をかける。すると、頭の中に数々の場面が浮かんでは消えていく。 最近の記憶から徐々に過去へと遡っていく。 温泉旅行、文化祭、入院していた頃、初めて目を覚ましたとき、そして――。 【パジャマ姿の女の人が病院のベッドに腰掛けて、ぼんやりと天井を見ている。】 病院にいた女の人はたぶん、アパートで倒れていた女の人と同じだ。 瞳は、今見たビジョンを夏子に話す。 「その女の人を見たとき、ああ、妹だな、って思いました。私は一人っ子なのに」 夏子は、その女の人の幻覚はキミの記憶なのではないか、と言う。 「今度は、彼の記憶を遡らせてみたいわ」 「ぜひ、やってください」 「今日はダメよ。瞳さん、とても疲れているでしょうし。また今度にしましょう」 第五章 夢猫 5月27日(水) 下校途中、瞳は捨て猫を見つける。かわいい白い猫だ。 瞳はその猫を拾って帰宅した。瞳は母に猫を飼ってもいいか聞いたが、拒否された。 だが今からまた捨てに行くのは忍びないと思い、 とりあえず今晩だけは自分の部屋に白猫を泊めることにした。 「優美(ゆみ)お嬢様」 優美は召使に起こされ目を覚ます。 そこは巨大でレトロなお屋敷だ。優美はすでに両親を亡くしており、家族は偏屈な祖父だけ。 広い食堂で、祖父と二人だけの寂しい朝食を済ませる。 そしてお勉強の時間となった。優美の部屋へ、教育係の「砂原(さはら)」という小説家の男がやってくる。 砂原はお屋敷に居候している。 優美の具合が悪そうなので、砂原は勉強は中止にしましょうと言い、 自室に帰って小説の続きを書き始める。 午後、広い庭へテーブルと椅子を持ち出し、お茶の時間となる。 周囲には誰もいない。今がチャンスだ、とキミは思う。 “おい、瞳!” 『ふふっ、バレたか』 今朝目が覚めた途端、自然に優美になりきっていた、と瞳は言う。 “ここはどこなんだ?夢なのか?” 『私にもわからない。でも、お嬢様になれるなんて、滅多に出来ない体験よね』 瞳はお屋敷の中を探検してみることに。その途中で、白いかわいい猫と出会う。 その猫は、砂原が飼っている「雪風」という猫らしい。 大した収穫もなく、瞳は眠りに就いた。 翌日。目が覚めると元に戻っていた…ということもなく、相変わらずあのお屋敷の中だ。 『いつまでもこのままでいいわけない、よね?元に戻るには、どうすればいいんだろう』 “何か、現実につながるものを探すんだ。” 『現実に…そうだ、雪風のことね』 瞳は雪風を探し回るが、見つからない。 また次の日。瞳は書斎に行く。そこには「もう一人の私」という本がある。 タイトルが気になったので、瞳はそれを読んでみることにする。 なんと、その本の中には、瞳とキミのことが書かれている。 『でも、現実とちょっと違う。温泉旅行が海外旅行になってたり。でも、ほとんど同じよ』 その本の作者は砂原だ。 砂原は、現実での出来事を小説の中の出来事にすることで、瞳とキミをこの世界に閉じ込めた。 現実を小説に、そして小説を現実にすりかえてしまったのだ。 瞳は砂原の部屋へ行った。そこに雪風がいたが、砂原はいない。 瞳は砂原の書きかけの原稿を読む。そこに書かれていたのは優美というお嬢様の話だ。 【とあるボロアパートの一室。砂原は雪風を抱き上げる。 「僕の作品を理解してくれるのは君だけだ。さあ、僕たちの小説の続きを書こう」砂原は雪風に言う。】 「書きかけの原稿を読むなんて、いい趣味とは言えませんね、瞳さん」 「砂原さん、私たちを元に戻してください!」 「ここにいれば、現実の辛いことも全て忘れていられるというのに…」 「こんなこと、続けてはいけないと思います」 「こうでもしなきゃ、僕の作品は誰にも読んでもらえない」 瞳の説得に、砂原は耳を貸そうとしない。 「雪風は、一人でも多くの人に読んでもらおうと、この世界を作ったんです。あなたのために」 雪風の名を聞いて、砂原は思い直したようだ。 砂原は、自分はもう死んでいることや、最後の原稿が心残りだということを話す。 と、瞳はランプを倒してしまい、辺りは火に包まれる。 「あっ、原稿が!!」 「もういいんです、瞳さん。ありがとう。ここまで読んでくれたのは、あなたが初めてです」 砂原は炎に包まれながら笑う。 5月28日(木) キミと瞳は、現実の世界で目を覚ます。 瞳は明円に連絡する。砂原から言われたことを話し、砂原の原稿を探すよう依頼する。 6月2日(火) 砂原の原稿は、砂原が言った通りの場所にあった。 ただ不思議なことが一つある。その小説の主人公は優美ではなく、瞳になっていたのだ。 第五章 終わり 6月4日(木) 夏子の元へ向かう。 「じゃあ今日は、約束通り、彼の記憶を遡らせてみるわね」 夏子は瞳に催眠術をかけ、キミの意識を浮かび上がらせた後、さらに催眠術をかける。 キミの記憶は過去へと飛び、ついに瞳と出会う前まで遡る。 【マンションのカギを開けて部屋の中に入っていく。床に、胸を血に染めた女の人が倒れている。 女の人を抱きかかえて揺するが、もう事切れている。】 【パジャマ姿の女の人が病院のベッドに腰掛けて、ぼんやりと天井を見ている。】 【カーテンをレールから外していく。青い表紙のファイルから中身の紙を取り出し、 折りたたんでカーテンの縫い目の間に入れる。】 「どう?何か見えた?」 “青いファイルを、カーテンに隠した。” 「それが何を意味するのかはわからないけど、とりあえず、 あなたにとって重要なことなのは間違いなさそうね」 第六章 メリーゴーランド 6月12日(金) 《こんばんは!》 夜、瞳が眠った後、突然、何者かがキミに話しかけてくる。 《あなた、あたしがわかる?》 相手はどうやら女性のようだ。 “誰だ?” 《あっ、ごめん。今日は時間ないの。もう行かなくちゃ。また明日ね》 “おい、ちょっと!” キミは叫んだが、相手はもう答えない。 6月13日(土) 瞳は目を覚ますと、大慌てで支度をして家を飛び出す。 駅前で真理子と待ち合わせし、映画館へ。やがて、映画が始まる。 【遊園地のメリーゴーランドの前に、女性が待っている。しばらくして、男性がやってくる。 女性は男性に迫るが、男性は拒絶し、去っていく。女性は泣き崩れる。】 《ハーイ♪》 “君は昨日の…。” 昨日キミに話しかけてきた女性が、また話しかけてきた。 『え?何?誰なの?』 《こんにちは。あなた、瞳ちゃんよね?あたしは「渡瀬鈴(わたせ りん)」。 一度、あなたたちと話がしたかったの。パパがね、あなたたちのこと話してたから。》 キミと瞳は、鈴と話をする。 鈴は、他人の精神や残留思念と自由に交信できるという、テレパシーのような能力を持っている。 鈴はキミに、自分と同じように他人と会話出来ないかと聞く。 “僕は、瞳と話すことしか出来ないよ” 《そう?でも、あなたたちも見えるんでしょ?人の記憶や未来なんかが。 あたしと同じ能力だと思うんだけどなー。パパが、アナザーマインドって呼んでた能力。》 “アナザーマインド…?” 『ねぇ、パパって誰なんですか?』 《パパはあたしの父親みたいな人よ。ね、明日、デートしましょ。 海浜公園で午後1時に待ってるから。それじゃ、バイバイ!》 鈴は言いたいことだけ言ってコンタクトを打ち切る。 気が付くと映画は終わっていた。 “明日、どうする?” 夜、キミは瞳に話しかける。 『気が進まないけど、鈴さんに会って、話を聞かないと』 “そうだな。アナザーマインドのことも気になる。” 「アナザーマインド」という言葉は、今の自分の状態にピッタリだと、キミは思う。 キミと瞳は海浜公園で鈴を待つ。帰ろうとする瞳をキミはなだめる。 鈴は30分遅れてやってきた。 「ごめんなさい。待ち合わせとか慣れてなくて…」 鈴はそんな言い訳をする。 「あたし、ずっと寝てたの。植物人間ってやつ」 鈴は自分のことを語る。17歳のときに水難事故に遭い、それから3年間意識不明だったこと。 そして半年前に目を覚ますと、件の能力が使えるようになっていたらしい。 「ねぇ、あたし、行きたいところがあるんだけど…」 鈴は瞳を遊園地に連れて行く。鈴は自分勝手、良く言うとマイペースだな、とキミは思う。 鈴は絶叫マシンに乗ろうと誘う。キミに異存は無いが、瞳はそういった乗り物が苦手だという。 「もっと他のに乗りません?ほら、メリーゴーランドとか…」 瞳がそう言うと、鈴は悲しそうな顔をする。 「あれは、見てるのがいいのよ」 結局、瞳は鈴によって強引にジェットコースターに乗せられてしまう。 日が暮れる頃、メリーゴーランドの前へ行く。ライトアップされているメリーゴーランド。 なるほど、見てるのもいいな、とキミは思う。 「知ってる?このメリーゴーランドに一緒に乗ったカップルは、別れるってジンクスがあるのよ」 鈴はそんなことを言う。 “ってことは、これに乗ったら僕と瞳が…。” 『えっ?ち、違いますよ。私たちはカップルとかそんなんじゃ…』 「ふふっ、嘘よ」 そのとき、ビジョンが見える。 【メリーゴーランドの前に、女性が待っている。しばらくして、男性がやってくる。 女性は男性に迫る。男性は女性にそっと口づける】 昨日と似た幻覚だが、少し違うのは何故か、とキミは考える。 「見たんでしょ、あたしの記憶」 鈴が言う。 『あの女性、鈴さんに似てましたね』 “うん。確かに、あれは鈴だ” 「さてと。瞳ちゃん、今日はありがと♪」 鈴は別れを告げ、去っていく。 6月15日(月) 『待ち合わせに慣れてない人は、移動時間を考えに入れてないんです。 だから、待ち合わせに遅れてしまう。鈴さんは30分遅れて来たから…』 “なるほど、それで、ここなのか” 鈴にもう一度会おうと、キミと瞳はショッピングモールへとやって来た。 瞳の推理だと、鈴は海浜公園から30分移動したところに住んでいることになる。 とりあえず、ショッピングモールを歩いてみる。やがて、端にたどり着く。 そこにはフラワーショップがある。 「いらっしゃい。今日はかすみ草が安いですよ」 瞳に話しかけてきたのは、鈴だった。いや、よく見ると、鈴とは雰囲気が違う。 「あの、鈴さんですか?」 「私、鈴の姉で玲(れい)と申します。鈴は双子の妹です」 鈴と玲から話を聞く。 「3年前、私たち、海難事故に遭いました。私は助かりましたが、鈴は意識不明になりました。 途方に暮れていたところへ、あるお医者様が、画期的な治療法があると言われて…」 「それがパパよ。天才医学博士、桐原育生(きりはら いくお)」 「それで、その治療法を施したら、私の意識の中に鈴の精神が感じられるようになったんです」 『それって、私たちと似たような状態ですね』 “そうだな。” 「桐原先生は、その状態のことをアナザーマインドと呼んでいました。 しばらく経った後、鈴の精神を鈴の体に戻しました」 「そして、あたしが目を覚ましたら、その能力が使えるようになってた、っていうわけ」 そのとき、電子音が鳴り響いた。玲が持っていたポケベルが鳴っていたのだ。 それは、玲と交際中の「良介」という男性からの呼び出しだ。 玲は良介の元へと向かう。 残された鈴はキミたちに語る。 2年前、鈴が玲の意識に入り込んでいた頃、玲は良介と出会った。 奥手な玲に鈴がいろいろアドバイスしたお陰で、玲は良介と付き合うようになった。 「でも、あたしが戻ったら、すっかり邪魔者扱いなんだもん」 “鈴は良介が好きなんだな。” 鈴はキミの問いには答えず、話を続ける。 鈴は目を覚ました後、玲のフリをして良介に会いに行ったが、見破られてしまったという。 キミは似ているが結末が違う2種類のビジョンの意味を理解する。 男――良介にフラれて泣いていたのが鈴で、良介とキスしたのが玲だ。 「それじゃあね。今日は帰る」 鈴は去っていく。 第六章 終わり 6月17日(水) キミと瞳が図書館にやって来るのも、もう何度目になるだろう。 その度に新聞を調べてみるのだが、全て徒労に終わっていた。 新聞を閲覧していく。閉館時間が近付き、今回も徒労かと思い始めた頃、 それらしい記事を見つける。 1月8日、冴子という27歳の女性が自宅の朝日台マンションで胸を刺されて殺されていた。 第一発見者の兄が警察に通報した。 以前見たビジョンと状況が同じだ。 『それじゃ、やっぱり、あの女の人は、あなたの妹だったんですね』 “そうみたいだな。でも、確証がない。写真があれば…。” それから2ヵ月後、3月の新聞記事に、ついにキミの名前を発見する。 新聞社に勤めている32歳の冴子の兄――キミに、冴子を殺した容疑がかかっているが、 行方不明になっていると書かれている。 “僕は、妹を殺したのか…?” 『あのビジョンが本当なら、そんなはずないです。あんなに悲しかったのに…』 “やっぱり、写真、だな。明円にでも頼んでみたらどうかな?” 『わかりました。明円さんに頼んでみます』 瞳は明円に連絡し、冴子の写真のことを頼む。 第七章 明かされた過去 6月19日(金) キミと瞳は明円の事務所へ向かう。そこには明円の他に鳴海がいた。 明円から写真を受け取る。 「やっぱり…」 マンションで死んでいた女性、そして病院のベッドに腰掛けていた女性は、キミの妹、冴子だった。 「それで、何がやっぱりなんだい?話してくれないかな。もちろん、口外はしないよ」 「わかりました。信じてもらえないかも知れないけど、話します」 瞳は明円と鳴海に、キミのことを説明する。 「なるほどな。おれは信じるよ。職業柄、不思議なことには幾つも遭遇してるんでね」 明円は信じると言った。鳴海も信じると言う。 実は鳴海は、この殺人事件を担当していたのだった。鳴海は、キミは犯人ではないと考えていたらしい。 「冴子は精神病を患っていて、看病疲れが殺しの動機とされている。 だが、彼はそんな素振りを見せていない」 冴子は、医療機器メーカーに勤めていて、とあるプロジェクトに参加していた。 ある日、冴子は精神薄弱状態で発見された。 冴子は病院に入院していたが、キミは冴子をわざわざ引き取り、自分のマンションで面倒を見ることにしたという。 そんな人は妹を殺さないだろう、と鳴海は言う。 冴子が参加していたプロジェクトが怪しいと、鳴海は睨んでいるらしい。 そのプロジェクトは、「精神医療開発センター」という施設の所長である桐原がリーダーを務めている。 『桐原って…』 “鈴が言っていた、パパのことだ。” 6月21日(日) 桐原の話を聞こうと、鈴と玲に会いにショッピングモールの端のフラワーショップへ。 そこには誰もいない。 「あれ?玲さん?いませんか?」 そのとき、瞳は何者かに後ろから襲い掛かられて、気を失う。 6月22日(月) 瞳は目を覚ます。そこは、今は使われていない倉庫だ。 “大丈夫か、瞳?” 『大丈夫。怪我とかはしてないみたい。でも、手も足も縛られてて…』 外には見張りとしてチンピラが二人立っているのが見える。 瞳は辺りを見回す。 “瞳、あそこの廃材から釘が飛び出ているだろ?あれでなんとかならないか?” 『やってみます』 瞳は這って廃材に近付き、手を縛っているロープを釘にこすりつけた。 こすり続けること2時間弱。ついにロープは切れた。足を縛っていたロープも解く。 それから、キミと瞳は逃げる算段を始める。そのとき、チンピラが倉庫内に入ってきた。 瞳がロープを切っているのを見て、チンピラは逆上し、瞳に襲い掛かる。 そこへ鳴海刑事がやってきて、チンピラを倒し、瞳を連れて逃げる。 倉庫を出たところで、車が通りかかる。 「乗りたまえ。さぁ、早く!」 瞳と鳴海は、夏子の元へと連れてこられた。二人を車に乗せたこの男が、桐原博士だ。 桐原から話を聞く。 5年前、桐原がリーダーとなってアナザーマインドプロジェクト、略してAMPが発足した。 人の脳細胞に磁気的な刺激を与えて、精神的疾患を治療する。 そんな研究をすることを目的としたプロジェクトだった。 とある医療機器メーカーと協力し、装置が完成した。 健常者の脳と患者の脳を繋げて、異常個所の修正を施す装置だ。 そして2年前、昏睡状態の患者にその装置が使われた。その患者はアナザーマインド状態になった。 それは鈴と玲のことだな、とキミは思う。 アナザーマインド状態となった者の意識がシンクロするとき、 何らかの超常的な現象が発生することがわかった。 そして、患者に再び装置を使い、患者の意識を元に戻すと、患者はアナザーマインド状態を得た。 つまり、その装置を使えば、マインドコントロール可能な超能力者をいくらでも生み出せるということだ。 AMPは桐原の手を離れて勝手に動き始めてしまった。 桐原は、装置を作った医療機器メーカーに勤めていた冴子と協力し、AMPを中止させようとした。 だが、冴子は捕まり、実験台にされた挙句、廃人同様になってしまった。 桐原は、キミと連絡をとり、このことを新聞で告発しようとした。 しかし、冴子は殺され、キミは殺人の濡れ衣を着せられてしまった。 桐原はT大学付属病院の黒川医師にキミを託した。黒川は、桐原の古い友人だという。 だが黒川は既にAMPに買収されていた。黒川は、病院の患者を使って人体実験を行っていたらしい。 黒川はキミを装置に入れ、記憶を消した。そして、瞳にキミの意識を移した。 意識を失ったキミの体は暴走した。 あの病院での夜、瞳を追いかけてきたのは、自我を失ったキミの体だった。 瞳の中のキミの意識に、キミの体が引き寄せられたのだ。 その事件で警察が騒ぎ出したので、黒川はAMPに始末されてしまったらしい。 キミの体はたぶん、AMPの手に渡っていることだろう。 「どうして、警察に通報しなかったんですか?」 そこまで聞いて、瞳は桐原に疑問を投げかける。 「証拠が無いんだ。人の精神を他人に移動させるなんて、荒唐無稽な話を警察が信じるとは思えない。 だが、冴子君が持ち出した資料がどこかにあるはずだ。青いカバーのファイルなんだが…」 【冴子はキミに、青いカバーのファイルを渡す。】 「桐原博士、彼は以前、こう言っていました。青いファイルをカーテンの中に隠した、と」 夏子の言葉に、桐原は目を見開く。 「それだ!早速向かおう」 桐原は夏子と一緒に、朝日台マンションへと向かう。 第七章 終わり 第八章 隠したもの 隠されたもの 6月23日(火) 夜の12時を回り、日付が変わる。瞳は鳴海と、桐原と夏子の帰りを待つ。 キミは桐原のこと考える。瞳を助けに来たとき、やけにタイミングがよかったのが怪しい。 それと、冴子がキミにファイルを渡したときのあの目は、何かを訴えているような…。 “二人とも、遅いな…。” 『そうですね。こんなとき、あの幻覚が見えればいいのに…』 “そうだ瞳、桐原博士は、「意識がシンクロするとき超常的な現象が起こる」って言ってたよな?” 『ええ』 “だから、僕たちの意識がシンクロするようにすればいいんだよ。同じことを考えるとか。” 『そうですね。やってみましょう』 キミと瞳は夏子のことを考える。すると、ビジョンが見える。 【桐原は夏子を謎の施設へと運び込む。】 「鳴海さん、精神医療開発センターって、どこにあるか、わかりますか?」 「わかるけど、どうして?」 「たぶん、夏子さんはそこにいます」 瞳と鳴海は精神医療開発センターへと駆けつける。 「それで、夏子さんはどこへ?」 ビジョンに従い、2階の部屋に行くと、そこに夏子が横たえられていた。 夏子を助け起こす。どうやら記憶を消されたりはしていないようだ。 「さぁ、帰りましょう、夏子さん」 「まだよ。ここには彼の体がある」 キミと瞳は意識をシンクロさせ、キミの体がある部屋を探り出す。 そこには、CTスキャンに似た謎の装置に入れられた男の体がある。あれがキミの体だ。 そして、傍らには桐原が立っている。 「よくここがわかったな」 桐原がAMPを中止させようとしたというのは、真っ赤な嘘だ。 冴子を殺したのも、キミに濡れ衣を着せたのも、桐原だ。 桐原は、事情を知る者を排除しようと、黒川を殺し、瞳を誘拐した。 そして今、キミに危害を加えようとしている。 「そのへんでやめといたらどうだ、桐原」 やってきたのは明円だった。 「ファイルを回収して、夏子さんの記憶を消せば、それで済むと思ったのか? 彼は、ファイルのコピーを残していたんだよ」 追い詰められたはずなのに、桐原は笑っている。 「それで私を追い詰めたつもりか?私を自由に出来るのは、私だけだ」 桐原は懐から毒物が入った瓶を取り出し、中身を一気に煽る。桐原は息絶える。 6月25日(木) いよいよ、この時がきた。 瞳はT大学付属病院に行き、謎の装置の前に立つ。 『元に戻るの、うれしいはずなのに、何だか寂しいような気がします』 “僕も、寂しいよ。” 『元に戻っても、私のこと、忘れませんよね?』 “もちろん!” 瞳は装置に入る。キミの意識は暗闇に飲み込まれる。 第八章 終わり 第九章 アナザー・マインド 7月3日(金) 真っ暗な世界に突然光が射す。ここは、病院だ。瞳がこちらを覗き込んでいる。 「気が付いたんですね」 「ああ、瞳か…」 「私、一週間前に目が覚めたんです」 「まさか、毎日お見舞いに来てくれたのかい?ありがとう」 何だか様子がおかしい、とキミは思う。この体は自分のもののはずなのに、動かせない。 “おい、瞳!” キミは瞳に呼びかけてみるが、もちろんその声は届かない。 『これがアナザーマインドか。興味深い感覚だな』 キミの意識に男が語りかけてくる。 『私が誰か、わかるかね?』 キミは考える。キミより先に、キミの体の中に入ることが出来た人物。それは――。 “桐原、か?” 『正解だ。桐原育生はここにいる。君は自分の体を動かすことも出来ず、 ここで死ぬまで傍観することになる…』 7月8日(水) キミの体を乗っ取り、キミになりすました桐原は退院し、朝日台マンションへ。 そこで、桐原は恐ろしい計画をキミに語る。 鳴海刑事や夏子や明円、そして瞳。事情を知っている邪魔者を全て殺し、AMPを復活させるという。 『AMP――増幅。精神を増幅させるのだ。まさに、正鵠を射た名前だろう?』 “みんなを殺すなんて…そんなことさせるか。止めてみせる!” 『君に何が出来るというのだ。まぁ、大人しく見ていたまえ。 手始めに葉山瞳、あの小娘を排除するとしよう』 桐原はキミのフリをして、瞳に電話をかける。 「やぁ、瞳ちゃん。明日、どこかへ行かないか?デートのやり直しをしよう」 “瞳、来ちゃダメだ!” 『無駄だよ。君の声は彼女には届かない』 7月9日(木) 何も知らない瞳は、待ち合わせ場所の喫茶店へとやってくる。 「こうして面と向かって話をするのも、何だか新鮮だな」 「えっ、やだ、そんなにじっと見ないで下さいよ」 キミになりすました桐原は、瞳としばらく話しこむ。 「それにしても、いろんなことがありましたよね。 退院した後、初めて学校に行った日とか、もうずいぶん昔のことみたいで…。 そうだ、あの落書きのこと、覚えてます?」 『落書きとは何だ?答えたまえ』 “あれは確か、四角形の落書きだったな” 「ああ、あれは四角形だったよね」 「違いますよ。三角形だったじゃないですか」 『後で覚えておきたまえ!』 こんな調子で、キミは桐原の質問に嘘をつき続けた。 「今、私の前にいるあなたは、まるで別人みたい。あなたは、誰なの?」 瞳は桐原を睨む。 「や、やだなぁ。僕は僕だよ。瞳ちゃんが一番よく知ってるじゃないか」 「…そうだ、あの約束、覚えていますか?」 『約束とは何だ?』 “約束なんて、していない。” 『本当だな?』 “本当だ。” 「…ああ、確か、君に服を買ってあげる約束だったね」 「うれしい、やっぱり覚えててくれたんですね。あ、ちょっと、トイレ行ってくるね」 瞳が席を外した後、桐原はキミに語りかける。 『見たかね?まんまと騙されて。所詮、子供だな』 瞳と桐原は喫茶店を出る。 「ちょっと、ここへ寄って行きましょう」 瞳はひと気の無い公園へと桐原を誘う。 「少し、歩きませんか?」 散歩道を歩いていく。 「桐原!」 背後からの声に、桐原は思わず振り向く。それは明円の声だった。 桐原は、いつの間にか夏子や鳴海や真理子たちに取り囲まれていた。 「引っかかったな、桐原」 「わ、私は桐原では…」 「嘘。本当の彼は、そんな話し方しないわ」 瞳は語る。 「桐原さん、私は彼と何の約束もしていないんです。 でも、その約束が無いことが、逆に彼と私との約束になっていたんです。 あなたは、喫茶店で何度も言い間違えた。 それは彼が、私との思い出を守ろうとして、嘘をついたんだと思います。 でも、あなたは最後に彼の本心までも疑って、ありもしない約束をしゃべった。 それが、決定的だったんです。こんなこと出来るのは、桐原博士しかいない。 そして、トイレに行くフリをして、みんなを呼びました」 「おれが名前を呼んだら、あっさり振り向いたな。もう言い逃れは出来ないぞ」 “桐原、これは僕と瞳の、絆の勝利だ!” 第九章 終わり エピローグ 数日後。キミは病院のベッドの上で目を覚ます。 「気が付いた?」 瞳がこちらを覗き込んでいる。 「瞳…」 キミは、今度こそ本当に、自分の体を取り戻したことを確認する。 桐原は、キミの体の中から出された後、コンピュータのメモリの中に入れられたという。 「瞳、僕が退院したら、どこかに行こう」 「そうですね。今度こそ、デートのやり直しです」 Fin 88 :ゲーム好き名無しさん:2010/07/31(土) 10 19 02 ID VZifCSJs0 アナザーマインド乙です。 鈴って死ななかったっけ? 95 :ゲーム好き名無しさん:2010/07/31(土) 13 07 57 ID 8mPLsnnI0 88 条件によっては生きている。 死ぬパターンでも鈴を殺す必然性がストーリー上全く感じられない よって鈴は死んだとも生きてるとも明言していない模様