約 2,717,213 件
https://w.atwiki.jp/gundamwarnexa/pages/671.html
永遠のフォウ [部分編集] 第2弾 02A/C BK010U COMMAND 3-黒2 (攻撃ステップ):敵軍手札を全て見て、その中にあるカード1枚を選んで、持ち主の本国の上に移す。本来の名称が「さよならロザミィ」であるカードが、自軍G、または自軍ジャンクヤードにある場合、この効果のタイミング部分は(常時)に変更される。 束縛 リンク 黒-Z 第2弾に収録された「特定のカードが存在すると効果が上昇する」リンクコマンドの1つ。 旧GWのシンデレラ・フォウを彷彿とさせるコマンド。 本国の上に移すためなんらかの手段で本国にダメージを与えなければそのまま引かれてしまうことになる。しかし、これを利用して相手のゲインを失敗させることもできる。 また、敵軍手札を確認できるため相手の行動の予測を立てることも可能となるはずだ。 さよならロザミィが自軍Gか自軍ジャンクヤードにある場合、起動タイミングが広がり、ドローフェイズに引いたばかりのカードを対象にしたり、本国にダメージを与えてより確実に本国の上に移したカードを流すことが可能になる。
https://w.atwiki.jp/nvws/pages/15.html
自信を持つ 謙虚というのは、いきすぎると卑屈になってしまう。 他人の目や意見を気にするあまり、それに怯え、少しでも否定的な意見がつくと平身低頭してしまう……。 ちょっと待ってみよう。 落ち着いて、深呼吸をして。もう一度、その作品を読み直してみよう。 その作品は、そんなにダメな作品だろうか。 そんなことはないだろう。世の中には、色々な感性を持った人がいる。その作品を「おもしろい」と思う人もいれば「つまらない」という人もいるはず。そして、得てして否定的な意見をいう人の方が、声は大きかったりする。そんな声の大きい人の否定的な意見ばかりを聞いて落ち込むよりも、自分のいいところをほめてくれた人の声にも、耳を傾けてみてはどうだろう。 文章技術は、数を書くだけである程度のレベルまでは上げることができる。 「つまらない」「退屈」といわれた物語も、少し構成を変えれば大化けする可能性だってある。 その作品には、いいところだって沢山あるはず。 批評は自分へのアドバイスとして受けとめて自分の肥やしとして、より高いところを目指せばいい。 もっと、自信を持っていこう。
https://w.atwiki.jp/itmsanime/pages/422.html
【作品名】京四郎と永遠の空 OP 【曲名】クロス*ハート 【歌手】CooRie 【ジャンル】J-Pop 【価格】¥200 □■iTMS■□ 【作品名】京四郎と永遠の空 ED 【曲名】微睡みの楽園 【歌手】Ceui 【ジャンル】J-Pop 【価格】¥200 □■iTMS■□
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1422.html
冠を持つ神の手 設定説明、各キャラ共通の序盤:part50-23 タナッセ(愛情ED):part50-25~28 ローニカ(愛情ED):part50-29~31 リリアノ(愛情・裏切・友情・憎悪・殺害ED):part51-31~37,294~299 ユリリエ(愛情・憎悪・裏切・殺害・友情ED):part60-74~80 ヴァイル(友情・愛情・憎悪・裏切・殺害ED):part65-366~370 23 :冠を持つ神の手:2010/02/24(水) 15 58 15 ID 5Bvu2lzE0 ファンタジー世界が舞台の、ギャルゲーと乙女ゲーが融合したようなゲームで、 男5人・女5人・無性別1人の計11人、14歳から52歳のキャラを攻略対象にしている。 普通に恋し合うこともできるし、殺したり、陥れたりもできる。 ◆どのルートでも共通する序盤の展開 舞台となる王国の人々は、無性別で生まれて15歳で成人してから性を選択するという種族。 まだ14歳の主人公は、辺境の村に住む無性別の子供。 母子家庭で、学はなく読み書きもできないレベル。 主人公の額には生まれつき、緑色に光る妙な痣があった。 みっともないからと母に言われままに額を隠して暮らしていたが、 突然の母の事故死で放心する日々の中で、言いつけをすっかり忘れてしまっていた。 露わにされた額の痣を見た村長は驚き、やがて遠く離れた王城から使いの者が呼ばれて来た。 この国の王制は特殊なもので、神に与えられたという「選定印」を持って生まれた者だけが王座につける。 主人公の額の痣こそがその印だった。 王城では既に、次期王である主人公と同い年の14歳の者が、生まれた時から王としての訓練を受けていた。 継承式は次代の王が数えで成人(15歳)を迎えたら行われる。 同時代に現れた二人の王候補、その一方を無視するわけにもいかないと、 主人公は半ば強制的に連れ出され、成人までの一年間を王城で暮らすことになった。 25 :冠を持つ神の手 タナッセ愛情ver.A&B 1/4:2010/02/24(水) 16 00 03 ID 5Bvu2lzE0 タナッセ・ランテ=ヨアマキスは、今の国王(女)の息子で、17歳。 額に印を持たない彼は、学もないのに印を持っているだけで王候補とされる主人公を嫌い、 そもそも印を持つ者が国王になるという制度自体に懐疑的だった。 タナッセは秀才で努力家ではあったが、優秀な王である母からすれば見劣りし、 そのことをコンプレックスにしていた。母の尊大な口調を真似ていたが、彼が使うと上滑りしていた。 なにかと絡んでは長文で嫌味を言ってくるタナッセのことを主人公も嫌い、いがみあうようになる。 城に来てからの時は経ち、王城での訓練を積み重ねた主人公は、 武勇においても知力においても優れた、城中の人々から認められる存在になった。 印を持つ者は身体頑健・意思強固・才多しと言われており、 主人公も磨けばすぐに人並以上に成りうる存在だったのだ。 それでもやはり、生まれた時から訓練しているもう一人の王候補者の存在は大きく、 城内に住む貴族連中たちの中には、もう一人の方を推して主人公を侮蔑している者も依然として存在した。 そんな時、タナッセは主人公にある誘いをもちかけてきた。 それは、主人公とタナッセの婚約だった。 「もちろん仲睦まじい夫婦になろうとは誰も言っていない。当然だが。 私と同じくらいに、お前も私を嫌っている。そうだろう?」 王息であるタナッセが主人公の側につけば反対派の貴族たちに対して睨みがきくし、 最近では評判を上げてきた王候補者が婚約者となれば、タナッセにも益があるということだった。 主人公はその誘いに乗った。 主人公は訓練を重ねて名を上げていく。そして、憎みながらも表向きはタナッセの婚約者として振る舞った。 ある時、主人公はタナッセと貴族との会話をたまたま漏れ聞いた。 その貴族の青年は、王子という立場に甘えているだけの能無し、的な悪口をタナッセに言っていた。 年が明ければ母王は譲位するが、それでも威光は残るだろうからうらやましい的な嫌味も言う。 その青年が去った後に、タナッセは怒りにまかせて壁を蹴った。 「確かに私がここにいる資格なぞ、母に与えられたものに過ぎない。 私自身のものではありはしない。そんなことは最初っから分かっている。 ふん、だが、そういう奴らはどうだというのだ。 私を揶揄する奴の中で、己の力でその場所に立っている者など見たことがないわ!」 そうひとしきり憤るとタナッセは「もはや躊躇っている時ではないということか」とつぶやき、 側近に「奴と連絡を取る」と言って自室へと去って行った。 出て行きそこねた主人公は、ただその一連の様子を見ているだけだった。 主人公はタナッセの部屋へと招かれた。 タナッセは杯に飲み物をそそぎ、それを主人公に勧めてくる。 「飲む」を選択→主人公は意識を失う。 「飲まない」を選択→タナッセの側近に羽交い締めにされて無理矢理飲まされ意識を失う。 目覚めると、主人公は覚えのない部屋で、手足を縛られた状態で転がされていた。 「お前にとってその印はどんな意味を持つ? 祝福か? 啓示か? 呪詛か? 必然か? いずれにしろ、お前の身には過ぎた代物だ。喜べ。楽にしてやろう」 タナッセは、主人公の額の印を剥がして自分に移植するという。 そんなことは不可能なはずだが、魔術の力を借りれば可能らしい。 タナッセの側には、フードを深くかぶって顔を隠した奇妙な雰囲気の男がいた。 男は魔術師で、呪文を唱え始めた。途端に、主人公は体力をごっそりと失った。 26 :冠を持つ神の手 タナッセ愛情ver.A&B 2/4:2010/02/24(水) 16 01 06 ID 5Bvu2lzE0 朦朧とする中、タナッセが呻く声が聞こえた。 印を移植するための術は、移植先のタナッセにも負担があるようだった。 「さっきから奴は声すら出さないが、大丈夫なのだろうな」 「そうですね、このまま続ければたぶん死にます」 タナッセと魔術師はそう言葉を交わす。 その言葉にタナッセは驚いているようだった。 彼は、印を奪った後は、主人公を城外に追い出す程度のつもりで、命まで奪う気はなかったのだった。 魔術師も、初めは殺さずに移植するつもりだったらしいが、実践は予想以上に困難で、仕方がないようだった。 タナッセは、殺すのは困ると渋る。魔術師は、こんな子供一人ぐらい死んでも困らないだろうと言う。 主人公はまともに視界もきかない状態だったが、タナッセがいる方向をただ見つめた。 そうされた途端にタナッセは息を飲み、そしてすぐに魔術師に向かって叫んだ。 「止めだ! 止めだ止めだ止めだっっ! こんな気色が悪いこと、これ以上一刻たりとも耐えられるものか!!」 魔術師は術を止め、なら主人公を殺しておくかと言うが、タナッセはそれも止める。 すると魔術師はそれまで丁寧だった態度を一変させてタナッセを嘲った。 「こいつを生かしておけば、どうなるかぐらいは分かるだろう。泥をかぶるのは全部あんただ。 臆病心で自分の命を捨てるとは、なかなか酔狂だ」 魔術師が去っていく気配がした。主人公は、頬になにか温かいものが触れるのを感じた。 「何だこれは。冷え切って……くっ……」 そんなタナッセの台詞を聞いたのを最後に、主人公の意識は途絶えた。 目覚めた時には五日が経過していた。体調はボロボロだったが、主人公の命も印も無事だった。 王城に来てから主人公に仕えるようになった老侍従は、一体誰にこんな目にあわされたのだと訊ねる。 主人公はタナッセの名を告げなかった。 その日の夕刻に、タナッセが主人公の部屋を訪れた。 「何故、言わない。お前は言うべきだ。 こんな仕打ちを受けたあげく、犯人が捕まらないとなれば、どうなると思う。 軽んじられる。次を誘発しかねない。 そうなれば、お前はいついかなる時も心休まることはないだろう。 訳の分からぬ情けはかけないでもらおう。そんなつもりで私は……!」 なにも言わない主人公に対して一方的にまくしたてた後、 自分の始末は自分でつけるしかないと言って、タナッセは城を出ると宣言した。 「私の弱さに、お前を巻き込んでしまった。……すまなかった」 そう言い残して席を立とうとするタナッセを引きとめ、主人公は愛の告白をした。 タナッセは何を言われているのか理解できない様子で、凍りついた。 「どうした、頭の線でも切れたか? それとも何か、そういう嗜好の持ち主だったのか?」 タナッセは赤面しながら、困惑した様子で頭を抱え、再び席についた。 「ああ、おい、待て。そうだ。言い間違いか。そうだな。それとも聞き間違えか。ああそうだ。 そうに違いあるまい。紛らわしい言葉を吐くな。そうだとも、ばかげている。 お前が、私のことを、何だと? そんなことがあってたまるか!」 主人公はもう一度同じことを言った。 「いいか、考え直せ! 頭を冷やせ! どうせ熱でもあるんだろう、寝ろ! 寝てしまえ!」 タナッセは立ち上がり、部屋を出て行こうとして扉にぶつかった。 悪態をつきながら扉の向こうへと消えた後、盛大にこけたらしい音が響いてきた。 城を出るという話は混乱の中ですっかり消えているようだった。 27 :冠を持つ神の手 タナッセ愛情ver.A&B 3/4:2010/02/24(水) 16 02 25 ID 5Bvu2lzE0 回復して部屋の外を出歩けるようになった主人公は城内でタナッセと遭遇した。 踵を返して逃げ出すタナッセを追う主人公。 観念して振り向いたタナッセは、もう自分に近づくなと言うと、主人公から逃げて行った。 後日、再び主人公はタナッセと会った。 主人公を生かすべきではなかった、そしたら妄言にふりまわされずにすんだ、 そう憎まれ口を叩いて去っていくタナッセを主人公は追いかける。 人気のないところにまでやってきたタナッセは、側近に主人公を殺すよう命じる。 それでも主人公は逃げようとせず、タナッセはすぐに命令を取り消した。 タナッセは、どうして逃げようともしないのだと主人公を非難し、主人公に近づく。 そして主人公の唇にキスをした。 「……だ、だから、お前はどうして抵抗しないのだ! うるさい、だまれ、いいか、今のことは忘れろ!」 主人公は何も言っていないのにタナッセはそう叫んで、その場から逃げだしていった。 それからしばらく、タナッセはちょっとは落ち着き、主人公と普通に話したり、一緒に夕御飯を食べたりした。 年末の日、主人公はタナッセと出会った。 タナッセは、王息という点でしか評価されない自分がこれからどう生きていくか、 譲位の式が行われる年明けが以前から不安であったという。 しかし不安は、いつしか主人公に関する悩みにすりかわったという。 「あの時の言葉、本気などとまだ言うのではあるまいな。 私を赦すのが、その……。……そういった気持から、というような戯言を」 主人公は、本気であると告げる。 タナッセは、自分の居場所がない王城が嫌いで、これからも居心地が良いとは感じられないに違いない、 だから主人公が王位を継承しようとしないであろうと、いつかは主人公の側を逃げるかもしれないと言う。 そう言われても主人公のタナッセへの気持は変わらなかった。 「分かった。私は出来うる限り、ここに留まろう。お前の側に。……それが私の望みでもあるのだからな」 タナッセは、主人公の存在が発覚した時、主人公が王城にやって来た時、不愉快でたまらなかったと言う。 自分の額にどうして印がなく、主人公にはあるのかと逆恨みしていたという。 「王になりたかった訳ではない。今も昔も、地位などというものに執着はない。 ただ……赦しが欲しかったのだと思う。ここにいても構わないのだという、赦しが」 タナッセは、以前に主人公と交わした見せかけの婚約のことを挙げる。 「お前さえ良ければ、だが……。私と、ごまかしでなく本当に結婚してほしい」 主人公がそれを承諾すると、タナッセは憎まれ口を叩きつつも主人公を抱きかかえた。 「二度とあんな目にお前が遭わないようにしよう。 私のような輩は、この世界には飽きるほどうろついているのだから」 (ここまではver.AでもBも共通する。ここまでの分でも、細かい台詞や展開などは分岐によってやや異なる) 28 :冠を持つ神の手 タナッセ愛情ver.A&B 4/4:2010/02/24(水) 16 04 44 ID 5Bvu2lzE0 (愛情ver.A) 年が明け、主人公は次の国王に任命された。 成人した主人公は、神殿で神に向かい、「女」になると宣誓した。 王としての振る舞いを身につけるための訓練は今まで以上に厳しく、主人公は忙しい日々を送った。 「まあ、仕方があるまいな。母上の性格上、励めば励むほど張り切る。 といっても、手を抜けばひどい目に遭うぞ。分かっていると思うが、心しておけ」 たまに出会うとタナッセはそんな風に苦笑する。タナッセも近頃は忙しいようだった。 彼は文官や儀官たちの政務を手伝わせてもらいつつ、色々なところに顔を突っ込んでいるらしかった。 「もはや王子でも何でもない以上、役立たずのまま、ここに居続ける訳にもいかないからな」 今まで誰に対しても尖った振る舞いをしていたタナッセを煙たく扱う者もいたが、 王配として認められるために努力しているようで、その姿は少しずつ周囲に受け入れられているようだった。 タナッセ自身、以前の刺々しい態度はだいぶ和らいでいた。 「もう少しお互い落ち着いた頃合となったら、私はお前に正式に申し入れをするからな。 断るも受けるもお前の勝手だが……心の準備はしておけ。いいな」 やがてタナッセは、新たな王と結ばれ、その職務を影で支えたという。 (おわり) (愛情ver.B) 年が明け、王座はもう一人の候補者に渡り、主人公は他の職につくことになった。 成人した主人公は、神殿で神に向かい、「女」になると宣誓した。 忙しそうな新国王を横目に、主人公は今まで通りに気ままに修練を積む日々を送っていた。 タナッセは新王朝でなにか役目を受けた訳でもないのに何故か忙しそうで、なかなか会う事ができなかった。 そして「しばらく留守にする」と言って城を出たきり、半月ほど戻ってこなかった。 やっと城へと戻ってきて久々に顔を見せたタナッセは、自分が行っていた場所を地図で示した。 その土地を得るための手続きなどを行っていたのだという。無事に、そこは彼の領地となった。 「お前が望むならば今後はそこで暮らすことができる。つまりだ。 私はお前に……正式に結婚を申し入れる、ということだ」 やがてタナッセは主人公と結ばれ、共に領地をよく治めたという。 (終わり) 補足 ・この世界では魔術師は都市伝説的な存在で、忌まれてはいるが信じられてはいない。 もちろん印の移植という発想自体普通はない。 ・タナッセは「自分よりも弱い相手でないと愛情と認識できない」という人物らしいので、 死にかけて弱ってる主人公の姿に萌えて憎悪が一気に愛情に反転したらしい。 主人公がどうしてタナッセをころっと好きになったかは不明。 吊り橋効果でなんとなく説、原因であるとはいえ土壇場で自分を助けてくれたから説、 魔術によって「食われた」体力を取り返そうと本能的にタナッセを求めるようになった説、などがある。 29 :冠を持つ神の手 ローニカ愛情ver.A&B 1/3:2010/02/24(水) 16 36 03 ID 5Bvu2lzE0 ローニカ・ベル=ハラドは52歳の男で、主人公に仕える老侍従。 主人公を村まで迎えに来た人物でもある。 王城に不慣れな主人公に親切に接する、優しくて礼儀正しいおじいさん。 突然現れた二人目の王候補者である主人公を嫌う者たちが多い中で、 ローニカはさりげなく気遣い主人公を守ってくれ、 礼儀作法や武術などについても適確なアドバイス与えてくれた。 主人公はそんなローニカにすぐに心を開いた。 (愛情ver.A) 隔週で行われる城内の市に現れる、20歳ぐらいの商人の青年に主人公は惹かれていた。 商人は、額を隠して市にやってくる主人公の素性を知らず、主人公にごくフレンドリーに接してきた。 外部の者が入り混じる市は危険だからとローニカに言い含められていたが、 主人公は彼にだけは額を見せて素性を打ち明けていた。 やがて商人への思いがつのった主人公は、彼に愛の告白をした。 商人は、自分も同じように主人公が好きだと返してくれた。 しかし、王になれるかどうかはともかく、印を持つ特別な存在である主人公と、 一介の商人の仲が許されるはずがない。商人は、駆け落ちをしようともちかけた。 主人公はその誘いに頷いた。 次の市の日、主人公は商人の荷の中にまぎれて城を出た。 城外にて商人は、主人公にどうしても会いたいという人がいるから会ってくれという。 そうして行った先には貴族の男がいた。 男は王への反乱を企てており、その正当性を得るために印持ちの主人公を得ようとしていた。 商人は実はその男に雇われた者であり、最初から主人公を騙して男に引き渡すために市に来ていた。 男は、身柄さえ確保すればそれでいいと、抵抗する主人公を兵士らに手荒に捕まえさせようとする。 しかし、兵士たちの手が主人公に届くことはなかった。商人が彼らを退けたのだった。 商人は、土壇場になって情が勝り、主人公にひどい真似をさせられないと男を裏切ったのだった。 商人に連れられてその場から逃げだす主人公だが、男の追手が追いかけてくる。 近くの相手に切り付けられ、遠くの相手に矢を放たれ、商人は傷だらけになった。 すると、遠くから矢を射ていた人物たちが次々と倒れていくのが見えた。 何かが投げつけられているらしかったが、その動きがあまりにも速すぎて主人公にはわからなかった。 傍らにいた商人が悲鳴をあげるので横を見ると、商人の首元に刃物を向ける者がいた。 その人物はローニカだった。ローニカは商人を縛りあげ、主人公を王城へと連れ戻した。 ローニカは、実は優れた武術の腕を持っており、主人公の影の護衛役だった。 いきなり現れた王候補者である主人公を狙う者は多く、護衛が必要ではあるが、 元は田舎の子供であった主人公にいきなり物々しい護衛をつけては委縮されるかもしれないと、 一見するとただの老人であるローニカがつけられたのだった。 ローニカは、四代目の前王と、五代目の現王をもかつては非公式で守る懐刀であった。 追手たちは、主人公を探してやって来た彼の飛び道具によって倒されたのだった。 商人は本来なら王候補を攫ったとして処刑されるところだったが、主人公の嘆願によって免れた。 国王は、主人公と商人の間の感情を知り、商人を主人公の護衛にしたらどうだと言った。 ローニカはふさわしくないと渋るが、老い先短いローニカの後釜が必要と言われては仕方がなかった。 普段は主人公に優しいローニカも、ヘラヘラとした商人との折り合いは悪いらしく、 商人に対しては非常に厳しく接し、根本から礼儀作法を叩きこもうとするようになった。 30 :冠を持つ神の手 ローニカ愛情ver.A&B 2/3:2010/02/24(水) 16 38 36 ID 5Bvu2lzE0 商人はローニカの眼力などを恐れつつも、それでもやはり主人公へのフレンドリーな態度は変わらず、 ローニカはそんな商人を軽薄だと思い、また、嫉妬も感じて主人公に言う。 「私めは貴方様がどのようなお相手を選ぼうが、応援させていただくつもりではおりました。 当然のことでございます。……が、あれにだけはそのような気持にはなれません」 そして、商人の勢いに押されて軽薄な関係を築かないよう忠告する。 「貴方様にとって、我らのようなものとの深い関わりは、良い結果をもたらすものではないのです。 我らはあくまで陰より貴方様を支える者。我らが慕うのは必然なれど、貴方様が応える必要はないのです」 主人公はローニカと商人、二人の護衛を同時に愛するようになっていた。 年明けが近づく頃、ローニカは主人公を避けるようになった。 明らかに態度に出すわけではないが、主人公と二人きりになることを巧妙に回避していた。 年末の最後の日、主人公は強引にローニカを連れ出し、愛の告白をした。 「貴方は自分でもおかしいと思われないのですか? 身分の違いは置いておきましょう。 貴方はそれを叩きこまれていないのですから、実感されなくても仕方がございません。 けれど、年の差は貴方でも実感できるもののはずです。 神でもなければ、取り返しのつかぬことなのですから。 何故、貴方の最も良い時期を、このような爺にかまけて過ごそうなどとお思いなのですか」 どのような失礼にあたろうとも気持は受け取れない、とローニカはキッパリと断った。 そこに現れた商人は、ならば自分が主人公をもらうと言いだした。 ふざけるな離れろ、と激昂して叫ぶローニカ。 商人は、自分が貴族の男の密偵であったことに、事件が起こるまでローニカが気づかないはずがなかった、 反乱分子をいぶり出すためにローニカは主人公を囮にしていたのだ、と非難する。 しかし、そう言われても主人公は思いを捨て切れず、ローニカを選んだ。 商人がその場を去った後にローニカは言う。 「やはり……私の返事は変わりません。私には貴方の想いを受け取る資格などない」 ローニカは拳を奮わせながら続けて言った。 「けれど、それとあれとは話が別です。私は少なくとも、あれなんぞに貴方をお渡しする気などない! ……ああ、いえ、もちろん、そんなことに私めが口出しする権利もないのですが、 しかしいくら何でもあれの好きにはさせません!」 そして、主人公をこれからも側で守り続け、商人の再教育もみっちりやると宣言した。 「貴方のお側におります。私の出来る限りの時間をもって。貴方のお側にいさせてください」 年が明けて、成人した主人公は神殿で神に「女」になると宣誓した。 譲位が行われ、前国王は城下へと下って行った。 「私はあの方のことが、本当に好きでしたよ。本当に。けれど、私はここに残る。 貴方は私の三番目の……そして最期の主です」 主人公にいつか相応しい相手が見つかることを祈っていたが、 いざその時が来たらきちんと認められるかわからない、自信がないとローニカは言う。 「ええと、その……。……私は何をお話しているのでしょうね。年甲斐もなく……」 ローニカはそう呟きつつ、主人公のためのお茶を淹れに行った。 それから、ローニカは寿命が尽きるその時まで主人公に仕え続けた。 (おわり) 補足 ・この世界は、幼児の死亡率はそれほど高くないものの、平均寿命は50~60歳。 31 :冠を持つ神の手 ローニカ愛情ver.A&B 3/3:2010/02/24(水) 16 41 14 ID 5Bvu2lzE0 (愛情ver.B) Aと同様に、主人公はローニカの正体を知り、彼に惹かれて行く。(商人は関係しない) 年末の日、主人公はローニカに愛の告白をした。 その気持ちは嬉しいが、それを受け取るわけにはいかないとローニカは言う。 「貴方はとても聡いお方です。だから、既に勘づかれていらっしゃるのでしょう? 私がどうして貴方をお迎えに上がったのか。どうして貴方付きの侍従として任ぜられたのか」 ローニカはいつも浮かべている微笑みを消し、自分は主人公をいつでも始末できるよう側に置かれたのだと言う。 「貴方はいるはずのない存在だった。いえ、いてはならぬ存在だった。 このような時期に国に混乱をもたらす、悪意を持った存在だった。 だから私は参ったのです。王の威厳を知らしめるために。 ……けれど、神は何とも馬鹿げた悪戯をなさったもので、貴方は真実の存在だった」 初めて出会った時からのにこやかな態度は演技でしかなかったが、 主人公が本当に選定印を持っていたため、その演技を続行しただけに過ぎないと言う。 そして、いざという時には現国王に命令されるまでもなく、 独自の判断で主人公を始末する権利も与えられているのだという。 「今は……絶好の機会だとは思いませんか?」 怖気のするような冷たい目線を向けられながらそう言われるが、 主人公は、ローニカにそんな事ができるはずがない、 やれるものならやってみせろと挑発した。 「容易でございますよ。道具など一つも必要ございません」 少し空いていたはずの距離はいつの間にか詰められ、 気づけば主人公の首はローニカに締めあげられていた。 「いくら老いたとはいえ、成人前の細首ぐらい握りつぶす力程度は まだ持ち合わせていると存じます。お試しになられますか?」 ローニカの力が強すぎて主人公は首をふって答えることもできなかった。 その問いかけを最後にローニカは黙り込み、主人公をしばらく見つめた。 「貴方を……。お迎えに行かねば良かった。私のようなものが……」 主人公はやっと解放される。 「お分かりになられたでしょう。 私は貴方の息の根など、容易に止めることができる。ただ、そう命じられさえすれば。 躊躇いなく、私はそれを成し遂げることでしょう。 それでも貴方は、私を変わらずお側に置いてくださいますか?」 主人公は、それでもローニカに側にいてほしくて頷いた。 「かしこまりました。私は貴方の側にありましょう。今までと変わらぬように、これからも。 それが貴方の望みならば、それに従いましょう。いつしか貴方が望まれなくなるその時まで」 年が明けて、成人した主人公は神殿で神に「女」になると宣誓した。 肉体が変化するまでの篭りの期間も、それが過ぎてからもローニカは今まで通り侍従として主人公に仕えた。 一体どのような事をすると自分は始末されることになるのだろうからと主人公が訊ねると、 それは状況次第であるとローニカはいつも通りに微笑みながら返してきた。 「ご安心ください、その時が訪れましたら必ず私めの手でと決めておりますので。 それまでは他の者に一切手出しはさせません。……お護りいたします、この命に代えても。 それが貴方に対する私の……。……いえ、気になさらないでください」 それから、ローニカは、まるで監視するかのようにいつも主人公の側に在り続けたという。 (おわり) 31 :ゲーム好き名無しさん:2010/04/22(木) 20 57 03 ID S3zH7eQe0 予約していた冠を持つ神の手(リリアノルート)行きます。 とりあえずいちいち世界観とか設定を書くと長くなるんで、用語や人名はWikipedia参照でよろしく。 ttp //ja.wikipedia.org/wiki/冠を持つ神の手 【リリアノ愛情】 王であるリリアノは常に側付きの護衛に守られ多忙な身だったが、 主人公が顔を出すと昼食を共にし、話をする機会を持ってくれた。 ある日、リリアノは主人公を連れ出し、城の外れにある小島へと向かう。 そこは歴代の国王が眠る墓所だった。王が月に一度参らねばならない場所らしい。 花を供えた後、彼女は主人公に言い聞かせる。 「分かっておるな。いずれ、我もお主もここに並べられることとなるだろう」 印を持つということは、即ち神に選ばれたということ。 生きている間は城に。死した後は神の御許に。 自分達は死してなお望みの場所には帰れないのだと、リリアノは静かに語る。 その後も度々顔を合わせたり、舞踏会で踊ったりする内、徐々にリリアノに想いを寄せて行く主人公。 しかし彼女は王であり、何より子供も居る身。 それとなく好意をほのめかしても相手にされず、それどころか子供扱いでかわされてしまう。 そんなある夜、主人公はリリアノから呼び出しを受けた。 彼女は本音で話して欲しいとわざわざ前置きした後、「我がお主を殺すと思ったことはないか?」と、唐突に問いかけてきた。 すぐさま否定すると、彼女はそれを愚かだと笑い、酷薄に言い放つ。 「我の胸一つだ。誰もお前の処刑に反対はせぬ。 王が与える死は正当な死。それが正当でないとされるのは、王が打ち破られた時のみだ」 だから自分を信用すべきではないと彼女は言う。 だが、同時にリリアノはこうも言った。 「ただ一人だけ王が正当なる死を与えられぬ人物が居る。 それが誰だかお主は分かるか?」 「……王自身だよ」 やがて年末がやってきた。最後の日、主人公はリリアノが居る王座の間を訪れる。 彼女は、物言いたげな主人公の様子を察して人払いをしてくれた。 二人きりになった席で主人公は想いの丈を打ち明ける。 それを聞いたリリアノは暫く黙り込んだ後、小さく笑い声を零してそれに答えた。 「我はお主の母になれるかもしれんがな。お主の女にはなれぬよ」 自分達の関係はこれ以上変わる事がない。――変えられないのだと、リリアノは言う。 「だが……そうだな。それでも構わぬとお主が承知するならば、 残された時間、お主と過ごしてみるのも悪くはない」 その言葉に一も二もなく承諾する主人公。 しかしリリアノは、そんな彼に赦して欲しいと懺悔する。 これは自分の弱さから出た望み。主人公を感傷に巻き込んでいるだけなのだと。 意味を把握しかねている主人公に今は分からなくていいと呟いて、彼女は最後にこう告げた。 「お主という存在は、我にとって救いだった」……と。 32 :ゲーム好き名無しさん:2010/04/22(木) 20 57 51 ID S3zH7eQe0 (愛情ver.A) 年が明け、主人公は次の国王に任命された。 成人した主人公は神殿で神に向かい、「男」になると宣誓した。 王に指名された以上、主人公がリリアノと共に居られるのは正式な譲位が行われる来年までの話となった。 引退した王がいつまでも城に留まれば、いらぬ火種を招いてしまう。 あっさりそう言い放つリリアノを引き止める事ができないまま、主人公は新王となるための準備に追われていく。 そんなある日、宣誓の練習をしていた主人公を見ながらリリアノは呟いた。 「我にとってお主はいつも不可解だった。故に、惹かれたのかもしれぬ。 もし、お主があと二十年ほど前に現れてくれたのなら……」 そんな事を言っても仕方が無いと自嘲気味に笑い、彼女は練習を続けろと急かしてくる。 「立派に役目を果たしてもらおう。誰もが認める王として。 お前は我の最期の仕事になるのだからな」 やがて故郷に隠棲したリリアノは暗殺者の毒牙にかかり、その生涯を終えたという。 (終わり) (愛情ver.B) 年が明け、王座はもう一人の候補者に渡り、主人公は他の職につくことになった。 成人した主人公は神殿で神に向かい、「男」になると宣誓した。 無事に譲位を済ませたリリアノに付き従い、主人公は彼女の故郷で共に暮らすようになった。 時折、屋敷の裏にある海に面した崖を二人きりで散歩する。 引退してこのかた、リリアノは護衛も置かず無防備に過ごす事が多くなっていた。 「お主は行ってみたいと思うか、あの向こうへ。 我は……分からぬよ。 ここで生き、ここで朽ちる。それが我の選んだ道だ」 海を臨みながら不意に彼女はそんな事を呟いて、いつものように主人公と額を合わせる。 そうすると、互いの印を通じて暖かなものが流れ込んでくるような、不思議な感覚がしてくるのだ。 「お主もまた、何れ流れていくのだろう。 今少し、ここに留まってほしいがな」 小さく囁いて踵を返すリリアノを追いかけながら、主人公は「あと幾度、こうやって散策できるのだろう」と、予感めいたものを覚えていた。 やがてリリアノは暗殺者の毒牙にかかり、その生涯を終えたという。 (終わり) ※補足 ・リリアノは王として色々なものを切り捨てて生きてきた人なので、 王でなくなった時は報いを受けなければならないと固く覚悟している節があります。 なので、ゲーム全体を見ても生き残る事の方が少なかったりします。 33 :ゲーム好き名無しさん:2010/04/22(木) 20 59 12 ID S3zH7eQe0 【リリアノ裏切】 ※愛情ルートの条件を満たした上で、相手と同性を選ぶと裏切EDになります。 「女」になると宣誓を終えたその晩、主人公の部屋にリリアノがやってきた。 彼女は何時も通りの毅然とした態度で、女を選んだのは賢い選択だ、それでいいと言う。 やがて無事に成人した主人公は日々多忙を極めていた。 そのためリリアノとまともに顔を合わせる暇もなく、彼女はあっさり譲位を済ませ故郷へと下ってしまう。 突然の訃報が主人公の元に舞い込んだのはそれから暫く後のこと。 いくらもう王ではなく、貴族ですらないとはいえ、リリアノの影響力は未だ根強い。 だから暗殺者を差し向けたのはおそらく……。 そこで思考を打ち切って、主人公は青空へと視線を向けた。 「どちらにしろ、もう彼女はこの地上に存在しないのだ」――そんな風に考えながら。 【リリアノ友情】 主人公は継承者としての才能を発揮し、周囲に一目置かれるようになった。 リリアノはそんな主人公の元を訪れては度々王としての心得を説き、やがて二人は対等な関係を築いて行く。 (友情ver.A) その一方、主人公は図書室付きの文官(モゼーラ)とも親しくしていた。 彼女は真面目な好人物だが聊か正義感が強すぎるところがあり、特に傲慢な貴族というものを毛嫌いしていた。 ある時、モゼーラは「ネセレ」という人物の話をしてくれる。 リリアノの前の代、つまり四代国王だったネセレは主人公と同じく平民の出で、王宮内ではある種タブー視されている人物らしい。 また風の噂によると、彼は譲位が行われる少し前に謎の死を遂げており、 当時まだ未成年だったリリアノが暗殺したのではないかと、実しやかに囁かれていた。 ネセレに興味を持った主人公は、彼の事を調べようと図書室に向かう。 しかしどういう訳か四代についての資料がまったく見当たらない。 途方に暮れているとモゼーラが声をかけてきた。 主人公がネセレについて調べていると知った彼女は、彼を私室に招き、保管してあった資料を見せてくれる。 「これらは全て、四代国王の治世の証。 いなかったことにされた彼を拾い上げ、形にしたものです」 その資料には四代に対する口汚い罵倒や批判の言葉が連ねられていた。 どうやらネセレは貴族制度を解体しようとしたために、貴族から大変嫌われていたらしい。 数日後、偶然鉢合わせたモゼーラは、どこか真剣な様子で口を開いた。 「貴方ならもう……私が、どうしてこの城に来たか、察しがついていらっしゃるんじゃないでしょうか?」 主人公がそれに正しく答えると、彼女は感心した様子で続ける。 「私は四代国王ネセレ……いえ、産みの父の足跡を捜しにここにやって来たんです」 モゼーラは自分が四代の落胤だと思っているらしい。 しかし決定的な証拠は無く、手がかりは彼女が肌身離さず持ち歩いている一冊の記録書だけ。 ネセレ直筆の品さえあれば照合ができるのだが、 表向きは存在すら消されている四代だけに、それは難しいように思われた。 34 :ゲーム好き名無しさん:2010/04/22(木) 21 00 14 ID S3zH7eQe0 しかし、主人公は王と継承者しか入る事の出来ない宝器庫への出入りを許される。 それを聞きつけたモゼーラは、ネセレ直筆の記録か何かを捜してきてほしいと頼んできた。 早速リリアノに頼んで宝器庫に向かう主人公。 しかし何事か企んでいる事をあっさり看破され、モゼーラの事を全て白状してしまう。 リリアノは呆れた様子ながらも、何を思ってかネセレが書いた帳簿を渡してくれた。 それをモゼーラが持つ本と比べてみると筆跡はぴたりと一致する。 彼女は、本当に四代国王の子だったのだ。 モゼーラの件は片付いたが、もうひとつ気になる事があり、主人公は再びリリアノの元を訪れた。 ネセレの死――即ち、リリアノが暗殺したという噂は本当なのかということだ。 それを直接本人に問うと、彼女は笑い声を上げた後、存外あっさりと四代の殺害を認める。 「罪とは思うておらぬよ。 同じように、仕方がなかったこととも思うてはおらぬ」 リリアノが叩きつけた告白を受け、主人公は悩んだ末にそのことをモゼーラにも明かす。 彼女はひどく打ちひしがれた様子で、暫く一人で考えたいと、その場を後にした。 やがて年末がやってきた。最後の日、主人公はリリアノが居る王座の間を訪れる。 彼女は、物言いたげな主人公の様子を察して人払いをしてくれた。 二人きりになった席で、主人公はモゼーラについての話を切り出す。 一度彼女に会って欲しい。そう懇願するとリリアノは明らかに機嫌を害した様子だったが、 終いには折れて、モゼーラとの会見の席を設けてくれた。 緊張しきりのモゼーラを連れ、主人公はリリアノの部屋を訪れた。 まず、リリアノはモゼーラがネセレの血縁であるという証拠を要求し、例の筆跡が四代のものであると確かめる。 「お主は四代の名を盾に、我に何を要求するつもりだ? その名乗りで、何を得られると思っている?」 要求次第では穏便に済まさないということらしい。 しかしモゼーラは気丈にも「貴方の口から真実を」とだけ答える。 暫く黙り込んだ後、リリアノは彼女に四代の死について話して聞かせる。 彼は理想の虜であり、悲願を叶えるためには時間が足りなかった。 故に彼は王座にしがみ付こうとし、その刃は誤ってリリアノの弟へと振り下ろされたのだと。 だからと言って殺すのは正しい方法とは思えないと、モゼーラは食い下がる。 その後も二人の価値観は噛み合わず、話は平行線を辿った。 だが、モゼーラは最後にひとつだけ問いかける。「貴方の理想は何ですか?」と。 リリアノはその質問に答えなかった。 モゼーラは席を立ち、一度ぐらいは本当の両親に会ってみたかったと言い残して退出する。 35 :ゲーム好き名無しさん:2010/04/22(木) 21 03 06 ID S3zH7eQe0 「……言われてしまったな」 二人きりになった室内で、どこか苦笑気味にリリアノは呟いた。 確かに自分には理想なんてものは無い。常に波風の立たない選択をしてきたからこその安定だと、彼女は話す。 「面白いものだな、つい先ほどまで、この部屋には三代が揃うておった。 全ては繋がり、流れていく。しかし、流れに呑まれて良しとするのも、そうだな、考えてみれば性に合わぬ」 モゼーラとの会見が、リリアノの心境になんらかの変化を与えたらしい。 どこか吹っ切れた様子で彼女はそんな風に呟くのだった。 その後、無事に成人した主人公は日々多忙を極めていた。 リリアノの話によるとモゼーラもあれ以来はりきって仕事に勤めているらしい。 あの調子なら、近い内に元の部署に戻してやれるかもしれないとのことだ。 主人公は、リリアノに譲位が済んだらどうするつもりなのか尋ねる。 すると彼女は挑戦的な目で見返し、こう言うのだった。 「……そうだな、高みの見物と行こうか。 何しろ理想がないとまで言われ、喧嘩を売られてしまったのだからな。 そう抜かすお主たちがどのような世を作るのか、是非見届けてやりたくなるのも道理だろう?」 やがてリリアノは故郷に隠棲し、陰に日向に新たな王を助けたという。 (終わり) (友情ver.B) ※友情BとCは、モゼーラ関係なく、ただリリアノと友情を深めていれば見れます。 最後の日、二人きりになった主人公はリリアノに今後どうするつもりなのか尋ねた。 彼女は引継ぎを終え次第、城を去る予定だという。 「……お主、わざわざ尋ねてくるということは、何となく察しておるのだろう? だが、何も言うてくれるなよ。前から決めていたことだ」 己に返ってきたことが己に返る。それだけの事だと、リリアノは目を閉じる。 「納得がいかぬのならばお主は別の道を選べ。 それが、我の救いとなるからな」 年が明け、主人公は次の国王に任命された。 成人となった主人公に待っていたのは、継承の儀のための訓練だった。 なにしろ時間が無い。王として一人前に仕上げるため主人公は多忙を極めていたが、 持ち前の呑みこみの速さが功を奏し、徐々にそんな生活にも余裕が出てきた。 そんな主人公を、リリアノは呆れ半分感心半分な様子で見守る。 「過去と未来を我らは繋ぐ。 少しでも良い未来を、お主が選び取ることを願うよ」 やがて故郷に隠棲したリリアノは暗殺者の毒牙にかかり、その生涯を終えたという。 (終わり) 36 :冠を持つ神の手:2010/04/22(木) 21 03 56 ID S3zH7eQe0 (友情ver.C) ※最後の日は友情Bと同じ 年が明け、王座はもう一人の候補者に渡り、主人公は他の職につくことになった。 成人となってみると、外は継承の儀の準備一色だった。 皆が忙しそうに動き回る中、主人公も儀式の手順について叩き込まれ、忙しい日々を送っている。 そんなある日、自分以上に忙しいリリアノが久しぶりに昼食を誘ってきた。 明らかに疲れた様子の主人公を見ながら、彼女はこう言う。 「お主は、王にならなんだ自分の可能性を見せてくれる。 我にとっても、ヴァイルにとってもな。それはある意味……救いなのだ」 そしてリリアノは、ヴァイルが羨ましいと告白する。 もし自分の時に主人公が現れていれば、これから選ぶ道は異なったかもしれないと。 「何、気にするな。お主はお主の道を行けばいい。 いずれ交わるその時は、また宜しく頼むぞ、我が友よ」 やがて故郷に隠棲したリリアノは暗殺者の毒牙にかかり、その生涯を終えたという。 (終わり) 294 :冠を持つ神の手:2010/05/26(水) 19 15 10 ID XQewtzbX0 なんか気がついたら軽く一ヶ月以上経ってましたが、 かもかてリリアノルートの続きを行きます。 【リリアノ憎悪】 ※途中までタナッセ愛情と共通です (タナッセと婚約→憎み合い→印を奪われそうになる) 印を奪われそうになった五日後、目覚めた主人公はタナッセのことを告発した。 いくら王子とはいえ継承者に危害を与えるのは重罪にあたる。 不届き者には然るべき処罰が与えられるだろう、すまなかったと、リリアノは王として謝罪する。 数日後、主人公はリリアノの元を訪れタナッセの減刑を願い出た。 しかしそれはあくまで上辺だけの言葉。 主人公が内心タナッセに強い憎しみを抱いている事を見抜き、リリアノは苦渋を滲ませる。 「お願いだから余計な希望をちらつかせてくれるな。 我にとって、それはこの上なく魅力的な餌なのだから」 いくら気丈な王であるとて一人息子の処刑に前にして平静でいられるわけがない。 これ以上掘り返さないでほしいのだと、彼女は珍しく懇願するような口調で言う。 更にある日、中庭を散策していた主人公はそこで偶然リリアノと鉢合わせた。 彼女はいい機会だから少し話がしたいと言う。王ではなく、人の話がしたいと。 「我はな、子を成すかどうかはずっと迷っておった。 選定印の発現に血の繋がりは関係ないとはいえ、どうしても期待されるものだ」 リリアノは王としての重責を子供にまで背負わせたくなかったらしい。 彼女の願い通りタナッセは印を持たず生まれてきたが、それが逆に今回の事件を引き起こしてしまった。 これではまるで印とは逃れられない呪縛のようだと、彼女は自嘲気味に笑う。 そして最後に「もう我に近づくな」と主人公に再三念を押した。 「お前は被害者で、あやつは加害者だ。 だが、人としての我は、そうは振舞えぬのだよ」 295 :冠を持つ神の手:2010/05/26(水) 19 15 55 ID XQewtzbX0 (憎悪ver.A) やがて年末がやってきた。最後の日、主人公は忠告を無視してリリアノの元を訪れる。 目的はただひとつ――即ち、殺られる前に殺れ。 人払いをし二人きりになった席で、主人公は隠し持っていた懐剣を迷わず彼女の身体へ突き刺した。 傷口から多量の血を流しながら、しかしリリアノはにやりと笑い口を開く。 「これで全ては正しき場所に収まったというわけだ」 その時、騒ぎに気づいた衛士たちが室内に押し入ってきた。リリアノは保護され、主人公は拘束される。 「ここからどう動かすかはお主の才覚だぞ。お手並み拝見といこうか」 引き立てられていく主人公に視線を向けながら、瀕死のリリアノは尚も言い募るのだった。 罪人が王に任命されるわけもなく、自動的に王座はもう一人の候補者の手に渡ることとなった。 リリアノが負った傷は決して軽いものではなかったが、ぎりぎり死には至らなかったらしい。 主人公は王を暗殺しようとしたのだから極刑を免れないはずなのだが、なぜか牢ではなく部屋に放り込まれ、表面上は今までと同じように過ごせている。 何かの思惑が働いているのか、それとも情が移りでもしたのか。 どちらにしろ、彼は自分の処置が決まるのを、ただ待つ事しかできないのだった。 一方リリアノは傷が癒えた後に故郷へと隠棲したが、暗殺者の毒牙にかかり、その生涯を終えたという。 (終わり) (憎悪ver.B) やがて年末がやってきた。最後の日、主人公は忠告を無視してリリアノの元を訪れる。 人払いをし、二人きりになった席で彼女は口を開いた。これは王としての最後の警鐘であると。 「リリアノに気をつけよ。リリアノ・ランテ=ヨアマキスに。 なぜなら、それはお主を恨んでいるのだから」 今回のことはタナッセの自爆だとしても、リリアノは怒りの矛先を主人公に向けることしかできない。 「人としての我がいかに不公正であるのかを、お主はやがて知ることになるぞ。 我が持つ、唯一のものを奪い取ったのだから」 その後、無事に成人となった主人公は比較的静かな毎日を送っていた。 ときたまリリアノと顔を合わせる事もあったが、彼女は不穏な様子ひとつ見せず王として相応しい態度で接してくる。 奇妙に静かな日々は過ぎ去り、ついにタナッセが処刑されるその時がやってきた。 刑は呆気ないほど簡単に執行されたが、彼の首が落とされたその刹那、主人公はリリアノと視線を交錯させる。 彼女の瞳の奥に閃いた剣呑な光を眺めながら、主人公は「これからだ」と覚悟を決めるのだった。 やがて故郷に隠棲したリリアノは陰から権力を振るい、国に影響を及ぼしたという。 (終わり) 296 :冠を持つ神の手:2010/05/26(水) 19 16 42 ID XQewtzbX0 【リリアノ殺害】 城での不自由な生活に、いつしか主人公はリリアノを憎むようになった。 表面上は無難な態度を取りながらも憎悪はどんどん蓄積し、やがて明確な殺意として形を成していく。 (殺害ver.A) 最後の日、主人公は日頃の恨みを晴らすべくリリアノの元を訪れた。 人払いをし二人きりになった席で、隠し持っていた懐剣を手に彼女へと飛び掛る。 しかし暗殺は寸前で失敗に終わった。 リリアノは主人公を見下ろして不敵に笑い、どういう訳か「今の事は忘れてやる」と告げる。 「今一度、機会をやろう。 お主の力はまだ小さなものに過ぎない。それを育てるが良い。 お主が再び我にその刃を向けた時が、戦いのはじまりだ」 年が明け、主人公は次の国王に任命された。 成人となった主人公は正式な継承の準備に日々追われていた。 リリアノと対峙する機会は多かったが、余計なことを企んでいる暇もないくらい忙しい。 しかし時折二人きりになると、彼女は何気ない様子で主人公に冷ややかな言葉を突きつけてくる。 「お主に全てを譲り渡そう。我の持つ全てを」 それはリリアノが王として背負う重責であり、力であり、罪のことだ。 一度手にしたら逃れられないが、茨の道を選び取ったのは他ならぬ主人公自身だと彼女は言う。 「そうやって我らは代を重ねていくのだ。 今のお主には分からぬかもしれぬ。けれど、何れお主にも本当に分かる時が来る」 今はリリアノに従うしかできない。だが彼はいつかその力を奪い取るだろう。 そしてその願いが叶う時は、さほど遠い未来ではないのだ。 やがて故郷に隠棲したリリアノは急逝し、その死には主人公の影があったという。 (終わり) 297 :冠を持つ神の手:2010/05/26(水) 19 18 07 ID XQewtzbX0 (殺害ver.B) ※最後の日は殺害Aと同じ 年が明け、王座はもう一人の候補者に渡り、主人公は他の職につくことになった。 瞬く間に一年が過ぎ、城は新王の司る領域となった。 居場所を無くした主人公はリリアノに付き従い彼女の故郷に下ることとなる。 「厄介者の寵愛者を前王が監視するのだろう」と口さがない者たちは噂したが、実際の内情は少し違う。 主人公は未だリリアノの暗殺を諦めていなかった。 そしてリリアノもまた、自らに向けられる殺意を承知の上で主人公を受け入れた。 挑戦的に笑いかけるリリアノと密かに武者震いする主人公を乗せ、鹿車は旅路を滑り出して行く。 間もなくリリアノは急逝し、その死には主人公の影があったという。 (終わり) (殺害ver.C) ※おおまかな流れは友情Aと共通 表面上はリリアノやモゼーラと親交を深める一方、主人公は城内の市に現れる占い師の元に通いつめていた。 彼女は人の心の傾向を操ることができるらしい。 いかにも眉唾な話だが、主人公は占い師にリリアノの憎悪を煽るよう頼む。 同じ事を何度か繰り返したある日、占い師は笑いながら呟いた。 「人の運命を握り、意のままにしたいという欲望。それは人のありふれた願い。 幾度もその手助けをしてきたものよ。私たちは人と共に生きる者だから」 そして主人公を『人の王の子』と呼び、彼に『望みを叶える毒』を授けてくれる。 「それは貴方が憎んだ相手にしか毒とならないもの。 貴方の想いからできたもの。 貴方の想いが消えぬほど強いものならば……それで事を成しなさい」 その言葉を最後に占い師の姿は目の前から掻き消えた。 後に残ったのは、主人公の手に握られた小さな瓶がひとつだけ。 298 :冠を持つ神の手:2010/05/26(水) 19 19 09 ID XQewtzbX0 やがて年末がやってきた。最後の日、主人公はモゼーラの元を訪れる。 リリアノがネセレを暗殺したという真相を知り、未だ彼女の混乱は続いているようだった。 これからどうするべきだろう?と、主人公に相談を持ちかけてくる。 そんなモゼーラに主人公はリリアノの暗殺を唆した。 彼女は一瞬驚いたようだったが、冗談ではないと見て取ると思いつめた様子で彼の考えに同意を示す。 「彼女がかつてそうしたというのならば、彼女もまたそうされるのが正しい道……」 とはいえ相手は国王だ。生半可な方法では暗殺など到底不可能に近い。 主人公は占い師から貰った毒の小瓶を、モゼーラへと手渡した。 「分かりました。機会を……伺います。 貴方はどうか、ゆっくりと篭りの時をお過ごし下さい」 年が明け、主人公は成人となるために篭りの期間へと入っていった。 体の変化が終わるまでは絶対の安静を必要とされる。 外部から隔絶され、身の回りの世話をしてくれる侍従としか顔を合わせることもない。 だがある日異変が起こった。 夜になって部屋を訪れたローニカ曰く、リリアノが急逝したらしい。モゼーラは暗殺を成し遂げたのだ。 「この時期にお隠れになられるということは、貴方の身にも大きく影響して参ります。 継承の取り決めも、無効と言い立てる貴族たちが出て参るでしょう」 これから主人公は本当の意味で自らの才覚を試されるのだろう。 ローニカに表情を見られないよう顔を伏せ、彼はいつもと変わらない窓の外の景色に視線を向けるのだった。 (終わり) ※補足 ・モゼーラではなくトッズに毒殺してもらうパターンもありますが、 エンディングの内容は大して変わらないのでここでは割愛しました。 ・占い師の正体は明かされていません。とりあえず人外なのは確定だと思われ。 299 :冠を持つ神の手:2010/05/26(水) 19 19 52 ID XQewtzbX0 以上でリリアノルートは終了です。 サブイベントばっさり切ってるんで、分かり難い部分があったかもしれませんが……。 ついでに他ルートのリクエストがありましたら遠慮なくどうぞ。 74 :冠を持つ神の手:2012/01/26(木) 20 04 38.43 ID nKKUhiJI0 ユリリエ・ヨアマキス=サナン タナッセの父方の従兄(※女性)。17歳。 一見すると優雅な令嬢だが、なかなか毒舌。幼少期は腕白だった。 色事を楽しむ質で、良くも悪くも貴族社会では噂が絶えない。 【愛情ED】 ユリリエは「本当の愛」を求めて多くの男性と付き合ったが、彼女の求める愛をくれる男性は見つからなかった。 やがてユリリエは、本当の愛なんてものは存在しないのではないか、と考えるようになる。 ※フラグを立てるとver.A、フラグを立てずに好感度を一定の範囲まで上げるとver.Bに分岐します。 (ver.A) 成人の儀を明日に控えた日、主人公はユリリエに愛を告げる。ユリリエは一時だけ満面の笑みを浮かべるが、すぐに探るような目を向けた。 愛とはいつか終わるもの、移ろうもの。 では、愛とは何なのか? 虚ろな言葉遊びに過ぎないのか? けれどユリリエは、そうではないと信じたかった。 「私が欲しいのはただ一つ、偽りなき愛だけ。……ねえ、もう一度仰っていただきたいの。貴方から私への約束。嘘偽りなき誓い。決して変わる事のない、永遠の愛を」 だが主人公がユリリエに誓ったのは、永遠の愛ではなく「本当の愛」だった。 永遠でない愛に意味などあるのか、それは本当の愛と呼べるものなのか。主人公の言葉にユリリエは困惑するが、同時に強く惹かれる。 結局、ユリリエからの返事は成人の儀を終えるまで保留となった。 成人の儀を終え、篭りの期間が過ぎて男の体になった主人公の元へ、ユリリエが返事をしに来る。 いつか消え失せてしまう愛が、どうして本当の愛と呼べるのか、ユリリエには分からなかった。 だが、そもそも永遠など存在しない。人はいつか死を迎える。肉体が朽ち、魂が生まれ変わって新しい生を得た時には、前世の想いも忘れてしまう。 愛は確かに終わる時が来る。だが、死の時のように全て忘れてしまう訳ではない。 もしかしたら明日、主人公のことをとても嫌いになるかもしれない。けれど明後日、今以上に愛を深めるかもしれない。 「どうして私は、失せるばかりだと思い込んでいたのかしら。再び生まれ出て育つこともあるでしょうに。……少し、焦り過ぎていたのかもしれませんわ。私はもっと、私に愛を捧げて下さった方々と自分自身とをゆっくり見極めるべきだった」 それがユリリエの出した結論であり、彼女の「本当の愛」だった。 ユリリエは主人公に愛を誓い、二人は結婚した。 75 :冠を持つ神の手:2012/01/26(木) 20 06 04.52 ID nKKUhiJI0 (ver.B) ユリリエは主人公に強く惹かれていた。それが愛なのか、単なる好奇心に過ぎないのかは分からないが、彼女は主人公の側に寄り添いたいと言う。主人公はそれを受け入れた。 成人の儀を終え、篭りが明けたところで、ユリリエが祝いに来る。 実は、リリアノから貴族たちに「成人の儀を終えるまで、主人公に縁談を持ちかけてはいけない」という通告が出ていた。 結果的に貴族たちを出し抜いてしまったユリリエだったが、 「恋の抜け駆けはしたもの勝ち。他の人に取られてしまう事に比べれば、貴族たちから非難を受けるくらい容易いものですわ」 と言って笑う。 きっと彼女となら何が起こっても大丈夫だろう。そう思う主人公だった。 76 :冠を持つ神の手:2012/01/26(木) 20 07 17.02 ID nKKUhiJI0 【憎悪ED】 主人公はユリリエに愛を告げておきながら、他にも告白して二股をかける。 ユリリエは主人公の不誠実な行為に怒り、主人公を非難する。彼女は何人もの男と付き合ってきたが、二股をかけた事は一度もなかった。 ユリリエの胸にあった愛情は憎悪へと変わり、主人公の内にあった愛情もまた、彼女に対する憎しみへと変わった。 主人公はユリリエへの復讐を計画する。 (ver.A) 成人後、主人公はユリリエを婚約者に指名する。中級貴族の令嬢に過ぎないユリリエには、印持ちからの求婚を拒む権利はない。 成人の祝いにやってきたユリリエは優雅に微笑んでいたが、その瞳の奥に温かみはなかった。 (ver.B) 成人後、主人公は裏から手を回し、ユリリエの立場を苦しめようと目論む。しかしユリリエの方もまた、主人公に報復する算段を立てていた。 その後、ユリリエの生涯には多くの風説がまとわりつき、特に色恋沙汰の噂が絶えなかったという。 77 :冠を持つ神の手:2012/01/26(木) 20 09 43.57 ID nKKUhiJI0 【裏切りED】 成人の儀で女性を選択した場合。 ※性別を利用して相手を振るのは、凄まじい侮辱に当たる(作者曰く「結婚式の日に会場に乱入してきた男が花嫁をさらっていくレベル」とのこと)。 (ver.A) 愛情ルートから派生。 同性を選択した主人公に、ユリリエは再び愛を誓う。 「私はずっと貴方のお傍におります。貴方がどんな選択をしようとも。貴方はきっと知ることになりますわ。時に、愛は与えるより受け取る方が苦しいものだということを」 その後、ユリリエの男性遍歴はぴたりと止み、主人公に寄り添う姿が多く見られたという。 (ver.B) 憎悪EDver.Aのルートから派生。 主人公はユリリエに愛を捧げろと命令しておきながら、女性を選択した。 「宜しいですわ、私の心は貴方のもの。きっとそうなのでしょう。だって、これからどなたと婚姻の契約を結ぼうとも、私は事ある毎に貴方のことを思い出してしまうでしょうから……貴方もまた、そうなのではないかしら?」 その後、ユリリエは侯爵の息子と結婚した。おそらくは、主人公と戦う為の力をつける為に。 これから始まるであろう水面下の応酬が、主人公の目に浮かぶようだった。 78 :冠を持つ神の手:2012/01/26(木) 20 11 33.33 ID nKKUhiJI0 【殺害ED】 (ver.A) 愛情ルートから派生。 心変わりした主人公は、儀式前日にユリリエの隙をついて刺し殺す。しかし刺されたユリリエは満足げに微笑んだ。 「これで私は永遠に貴方のもの。そしてきっと貴方も私のもの。それも悪くありませんわ」 直後、人が駆けつけたものの、主人公がユリリエを殺した事実は揉み消された。 篭りの最中、主人公の夢にユリリエが出てくる。夢の中の彼女は、血を流しながら微笑んでいた。 『私は貴方の側におりますわ。いつまでも、ずっと』 (ver.B) 憎悪ルートから派生。 主人公はユリリエの元彼を焚き付け、彼女を油断させて刺殺する。 主人公の犯行は発覚せず、ユリリエの死は痴情のもつれだと噂された。 79 :冠を持つ神の手:2012/01/26(木) 20 14 43.64 ID nKKUhiJI0 【友情ED】 主人公を結婚相手として見ていたユリリエだったが、ダンスの下手な主人公にレッスンをしたり、個人的な相談に乗ったりする内に、自分と近しいものを感じて友情を深めていく。 ※主人公が王に指名されればver.A、そうでない場合はver.Bに分岐します。 (ver.A) ユリリエは主人公に、王の座を射止めたことを感謝する。 王の座に就けるのは、選定印を持つ寵愛者ただ一人。しかしそれは、印を持つ者が玉座に縛られ続ける事を意味する。ヴァイルがずっとそうであったように。 しかし主人公の登場によって、初めて「王になりたい者が王になった」のだ。 もしかしたら、これからも二人の候補者が並び立つ事があるかもしれない。そうであれば、王というものの有り様も変わっていく事だろう。 「さあ、見せて下さいませ。新たなこの国を。期待しておりますわ、国王陛下」 その後、ユリリエは出自故に軽視されがちだった主人公の傍らに仕え、指南役として貢献したという。 (ver.B) 成人した主人公の元に、貴族達がすり寄って来る。その様を見て笑うユリリエ。 「貴方という存在は、いるだけでこの国を大いにかき回してくれますわ。変化もなく澱み始めていたこの国を……それに、貴方ともあろう方が、まさかこれきりで全てを諦める訳でもないでしょう? 貴方がこれからどんな道を進んでいくのか、楽しみに見守らせていただきますわ」 主人公とユリリエは深い友情で結ばれ、貴族社会で恐れをなす存在となった。 80 :冠を持つ神の手:2012/01/26(木) 20 17 59.42 ID nKKUhiJI0 以上です。 366 :冠を持つ神の手:2013/05/09(木) 21 21 30.90 ID TOnCYn/q0 ヴァイル・ニエッナ=リタント=ランテ もう一人の王候補。主人公と同じ14歳。タナッセの従弟。 陽気で活発。子供っぽいところがあるが、目から鼻へ抜けるような聡明さも併せ持つ。 ヴァイルは小さい頃から王位継承者として城での生活を強いられ、孤独で退屈な思いをしていた。そのため、自分と同じ印持ちである主人公に強い関心を持つ。 だが、ヴァイルには人間関係の心の傷が多かった。彼の母は第二子を妊娠中に事故死。父はそれから精神を病んだのか海へと消えた。 幼少期には使用人に裏切られ、あわや誘拐されかけた事もある。選定印のせいで従兄タナッセとの関係もこじれており、寄って来る人間はヴァイルを利用しようと企む者か、彼を遠巻きにする者ばかりだった。 【友情END】 主人公の出現によって、ヴァイルの退屈な日々に張り合いが生まれた。主人公はそんなヴァイルと共に勉強したり、時には悪戯に興じたりしながら友情を深めていく。 エンディングはどちらが王になるかでver.Aとver.Bに分かれるが、どちらでも一方がもう一方の良き片腕となって国を治めていく。 367 :冠を持つ神の手:2013/05/09(木) 21 22 23.22 ID TOnCYn/q0 【愛情END】 次第に、主人公とヴァイルの間に恋愛感情が芽生える。 ヴァイルは主人公に「ずっと自分の傍にいると約束してほしい」と訴える。主人公はそれを受け入れ、二人は誓いを交わした。 (※誓いを拒んだ場合、憎悪ルートに派生) (ver.A) 成人の儀の直前、主人公とヴァイルはリリアノの前で結婚の約束をする。甥の行く末を案じていたリリアノは、収まりの良いところに落ち着いてくれてよかった、と喜ぶ。 その後、主人公とヴァイルは王と王配として寄り添い、良く国を治めたという。 (ver.B) 約束を交わす所まではver.Aと共通。 一緒にいると約束したものの、主人公(orヴァイル)の愛情が揺らいでしまう。不安を感じたヴァイルは約束を撤回すると言い出し、二人は気まずくなる。 ある日、廊下を歩いていた主人公は何者かに毒矢を放たれるが、ヴァイルが主人公を庇い、毒矢を受けて瀕死に陥ってしまう。 (※主人公がある人物から魔術を学んでいるか、その人物と親しかった場合、ヴァイルは魔術で蘇生する。そうでない場合は死亡) この一件をきっかけに主人公とヴァイルは互いに愛情を再確認し、成人の儀の前に将来を誓う。 なお、ヴァイルは成人前なので、主人公の性別選択に合わせてエンディングでの性別が変わる。ヴァイル自身は男を選択するつもりだったが、主人公が男を選びたいと言えば、女を選択する。どちらを選んでも別人のように成長するので必見。 368 :冠を持つ神の手:2013/05/09(木) 21 23 39.76 ID TOnCYn/q0 【憎悪END】 最初からヴァイルに嫌われる言動を繰り返すか、愛情ルートでヴァイルとの誓いを拒んだ場合のエンディング。 最後の日、リリアノが次の王に指名したのは主人公だった。納得できないヴァイルは決闘を申し出る。 (※主人公が決闘に勝てばver.Aへ。ヴァイルが勝った場合、ヴァイルから主人公への嫌悪感が低ければver.Bへ。高ければver.Cへ。) (ver.A) 主人公は決闘に勝ち、王位に就く。だがそれは、今まで選定印に縛られ続けたヴァイルにとって、到底受け入れがたいものだった。 ヴァイルは城を去り、いずこかへ行方を眩ましてしまった。 (ver.B)(ver.C) ヴァイルは決闘に勝ち、王位に就く。そして成人の儀の後、彼は歪んだ執着心から主人公を監禁してしまった。(verB.は城、ver.Cはヴァイルの所領に監禁される) なお、他の攻略キャラとの好感度が高い場合、そのキャラの後日談に、主人公を巡ってヴァイルと敵対したことが記される(詳細は個々に異なる)。 【裏切END】 (ver.A) 愛情ルートから派生。 成人の儀の直前、主人公はヴァイルとどちらがどの性別を選択するかを確認するが、成人の儀で違う性別を選択する。それを知ったヴァイルは精神的に不安定になり、篭りの最中に体調を崩してこの世を去ってしまった。 周囲が主人公を白い目で見る中、リリアノがぽつりと零す。 「あやつは、大人になれなかったのだな」 (ver.B) 愛情ver.Bより派生。 結局、主人公はヴァイルと気まずいまま成人の儀を迎える。 だが、篭りを終えた主人公に、ヴァイルの死が知らされる。一旦は生還したものの、結局は体力が戻らなかったのだとリリアノは語る。 「ずっと一緒にいる」という約束は、ヴァイルの死によって永遠に果たされることがなくなってしまった。 369 :冠を持つ神の手:2013/05/09(木) 21 27 13.02 ID TOnCYn/q0 【殺害END】 (ver.A) 愛情ルートver.Bで、ヴァイルが毒から助からなかった場合。 ヴァイルは成人することなくこの世を去り、ヴァイル付きの医者であるテエロも責任を感じたのか自害してしまった。 (毒矢を放ったのはテエロ。彼の本来の職務はヴァイルの護衛だが、ヴァイルの事が好きなあまり、彼を苦しめる者を暗殺してしまうというヤンデレな性格。ヴァイルに試合で怪我をさせた衛士を惨殺したことも) (ver.B)(ver.C) 成人の儀の直前、主人公は油断したヴァイルを突き落として殺害し、王に即位する。または王位を巡る決闘で、事故に見せかけてヴァイルを殺害する。 ヴァイルが死んだ以上、主人公を国王に据えるしかない。そのため主人公の犯行が露見することはなかったが、誰もが主人公に疑惑の目を向けるのだった。 370 :ゲーム好き名無しさん:2013/05/09(木) 21 32 37.34 ID TOnCYn/q0 以上で「冠を持つ神の手」ヴァイルENDは終了です。
https://w.atwiki.jp/gods/pages/8454.html
アス~ 【アア~】【アカ~】【アサ~】【アタ~】【アナ~】【アハ~】【アマ~】【アヤ~】【アラ~】【アワ~】 【アサ~】【アシ~】【アス~】【アセ~】【アソ~】 アス アス(2) アス(3) アズ アズィアベリス アズィーザーバーディーマハル アズィーザーバードマハル アズィーズ アズィーズッディーンムハンマドアーラムギール アズィーズンニサーベーグム アズィームウッシャーン アズイウグムキムクティ アスイガ アズィムア アズー アスヴァセーナ アスヴィン アスウビヤ アスーラ アスェル アスカ アスカ(2) アスカーニオイッセイコロンナ アスカイマサツネ アスカカワカミニイマスウスタキヒメ アスカカワカミニマスウスタキヒメ アスカシンノウ アズガデ アスカテンノウ アスカトル アスカニウス アスカニウス(2) アスカニオス アスカニオス(2) アスカニオス(3) アスカニオス(4) アスカニオス(5) アスカノカワカミニイマスウスタキヒメ アスカノキヨミハラノオオミヤニオオヤシマグニ アスカフロア アスカベオウ アスカベノオオキミ アスカベノナトマロ アスカベヒメ アスカモー アスガヤギガゲイ アスカラプス アスカラボス アスカラポス アスカラポス(2) アスカリー アスカリク アスカリッヒ アスカロト アスカン アスキ アズキアゲ アズキアライ アズキアライギツネ アズキアラエ アズキール アズキコシ アズキゴシャゴシャ アズキザックリ アズキサラサラ アズキソギ アズキソギババア アズキッソギ アズキトギ アズキトギバアサマ アズキトギババア アスキバ アズキバア アズキハカリ アズキババア アズキババー アズキヤロ アズキヨナゲ アズキヨロイ アスク アスクラボール アスクル アスクレーピオス アスクレピウス アスクレピオス アスケ アスゲール アスコココ アスコルド アスゴン アズサワケ アスシュナミル アススキ アスタイ アスダイエ アスタキエ アスタキエー アスタコス アスタスペス アズダハー アズダハーク アズダハーグ アスタパイオス アスタビス アスタファイ アスタファイオス アスタフィオス アスタフィオス(2) アスタモール アスタル アスタル(2) アスタルガティス アスタルテ アスタルテ(2) アスタルテ(3) アスタルテー アスタルト アスタルド アスタロス アスタロッテ アスタロト アスタロト(2) アスタロト(3) アスタンファイウス アスタンファイオス アスタンファエウス アスタンファエウス(2) アスタンフェアオス アスチュアゲース アスチュアナクス アスディーヴ アスティナス アステール アズデガルヤズド アステュアギュイア アステュアゲス アステュアゲス(2) アステュアナクス アステュアナクス(2) アステュアナックス アステュアロス アステュオケ アステュオケ(2) アステュオケ(3) アステュオケ(4) アステュオケ(5) アステュオケ(6) アステュオケ(7) アステュオケ(8) アステュオケー アステュオケー(2) アステュオケー(3) アステュオケー(4) アステュオケー(5) アステュオケー(6) アステュオケー(7) アステュオケー(8) アステュオコス アステュクアテイア アステュクラーティア アステュクラテイア アステュクラテイア(2) アステュクラティア アステュコス アステュゴノス アステュダメイア アステュダメイア(2) アステュダメイア(3) アステュダメイア(4) アステュノオス アステュノオス(2) アステュノオス(3) アステュノメ アステュノメ(2) アステュノメ(3) アステュノメー アステュノメー(2) アステュノメー(3) アステュノモス アステュノモス(2) アステュパライア アステュパライアー アステュビエース アステュビエス アステュピュロス アステュメドゥーサ アステュメドゥーサ(2) アステュメドゥサ アステュメドゥサ(2) アステュロコス アステリア アステリア(2) アステリア(3) アステリア(4) アステリア(5) アステリア(6) アステリアー アステリアー(2) アステリアー(3) アステリアー(4) アステリアー(5) アステリアー(6) アステリエ アステリエ(2) アステリエ(3) アステリエ(4) アステリエ(5) アステリエー アステリエー(2) アステリエー(3) アステリエー(4) アステリエー(5) アステリオーン アステリオーン(2) アステリオーン(3) アステリオーン(4) アステリオス アステリオス(2) アステリオス(3) アステリオス(4) アステリオス(5) アステリオス(6) アステリオン アステリオン(2) アステリオン(3) アステリオン(4) アステリデース アステリデス アステル アステローペ アステロディア アステロディア(2) アステロディア(3) アステロディア(4) アステロディアー アステロディアー(2) アステロディアー(3) アステロディアー(4) アステロト アステロパイオス アステロピア アステロピア(2) アステロピアー アステロピアー(2) アステロペ アステロペ(2) アステロペ(3) アステロペ(4) アステロペ(5) アステロペ(6) アステロペ(7) アステロペ(8) アステロペー アステロペー(2) アステロペー(3) アステロペー(4) アステロペー(5) アステロペー(6) アステロペー(7) アステロペー(8) アステロペース アステロペーテース アステロペス アステロペテス アステン アスト アズドウッダウラ アストーウィーザートゥ アストーウィザートウ アストーウィダーツ アストーヴィダートゥ アストヒク アストミ アストラ アストライア アストライアー アストライオス アストライオス(2) アストライオス(3) アストラバコス アストラピオス アストラボール アストリア アストリーズ アストリス アストリッド アストリッド(2) アストリッドアヴスヴェーリエ アストリッドオーロフスドッテル アストリッドオーロフスドッテルアヴスヴェーリエ アストリッドジョゼフィーヌシャルロットファブリジアエリザベートパオラマリア アストリッドソフィアロヴィーサテューラ アストリッドドスエード アストリッドドベルジック アストリッドマウドインゲビョルグ アストリッドロースドッテル アストリルド アストルド アストルフォ アストルフォ(2) アストレア アストレーア アストレート アストレス アストレス(2) アストレト アストロペ アストワトウルタ アスナール アスナールガリンデスイッセイ アスナールガリンデスニセイ アスナールガリンドイッセイ アスナールサンチェス アスナールニセイガリンデス アスナールフォルトゥネス アスナールムニョス アスナス アスナタ アスナド アズノミコ アスハ アズバ アズバ(2) アスバザーデンペンカウル アスバザデン アスパシアマノス アスパタ アスハミョウジン アスパラス アスパリオン アズハルッディーン アズハルッディーンムハンマドアズィーム アスパルフ アスビール アズヒダハーカ アスピック アスピドケローネ アスピドケロン アスピドデロン アスビョルン アスビョルンウルフセン アスピリアーン アスピリアン アスピレトス アスプ アスファエル アスファロス アスフォデル アスフォデルブランディバック アズブク アスブリドドルーグ アスベエル アスベル アスポス アスポディコス アスボロス アスマー アスマイノヤン アスマダイ アズマテル アズマトマハル アズマビトノアタエ アズマベテ アズマベテ(2) アズマベテ(3) アズマベテ(4) アズマヤサマ アズマヤノクニツカミ アズマヤノヌマ アスマン アスマン(2) アズミ アズミノムラジハマコ アスモーデ アスモダイ アスモダイオス アスモダエウス アスモデ アスモデイ アスモデオ アスモデウス アスモデル アスラ アスラ(2) アズラ アズラーイール アズラーイル アスライ アズライール アズライグゴーッホ アズライル アスラヴィスワヴェーダ アスラウグ アスラエル アズラエル アスラクマーラ アスラクル アスラグル アスラグルスクラチャリヤ アスラシ アスラデル アスラパリヴァーラ アスラフィル アズラフィル アスラマズダ アスリエル アスリエル(2) アズリエル アズリエル(2) アズリエル(3) アズリエル(4) アズリエル(5) アズリカム アズリカム(2) アズリカム(3) アズリカム(4) アズル アズル(2) アズル(3) アスレイ アズレン アズレンクグザ アズレンクバ アスワタマン アスワン アスンクリト アスンタアリーツェフェルディナンデブランカレオポルディーナマルガレーテベアトリクスラファエラミヒャエラフィロメナ アスンタフォンエスターライヒトスカーナ
https://w.atwiki.jp/ocg-o-card/pages/11942.html
《永遠の少女 アリス》 融合モンスター 星5/光属性/魔法使い族/攻 100/守2500 「白魔導師ピケル」+「静寂の聖者」 自分フィールド上に「乙女の不思議世界」が存在している時、 このカードの攻撃力は1000アップする。 part21-8 作者(2007/10/04 ID m555qy9f0)の他の投稿 part21-11 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/meteor089/pages/319.html
18 永遠の光 前へ 戻る 「ククールよ、ワシやおぬしのような男前は何を着ても似合うもんじゃ!ほれ、着てみぃ!」 「おっさん……ククールはともかく、おっさんは男前に入らないでがすよ……」 「何を言っとるんじゃ!ワシはこれでも『トロデーン美男子コンテスト』で、 第5回から現在に至るまで連続優勝を果たしておるのだぞっ!!」 「そのコンテスト、怪しいでがす!きっと審査員もおっさん自身に決まってるでがすよ!!」 「……あんたら、人の結婚式にまで来てケンカすんなよ……」 オレはため息混じりに、前でギャーギャー騒いでるトロデ王とヤンガスに言ったんだ。 ほんと、相変わらずだよ……この二人は、さ。 狭い部屋に一つだけある小窓からは、春特有の薄ぼんやりした太陽の光が差し込んでいて、 部屋の中を白く照らしている。 ほんのり暖かい部屋の空気の中で、オレは上着を脱いで、壁に寄りかかっていた。 「お前さんもつべこべ言ってないで、さっさと着替えちまいな!せっかくここの騎士団が用意してくれたんだからさ!」 そう言いながらドニの町からやって来たセイラが、オレの前に大きな木の箱をドン、と置いた。 その箱から視線を逸らし、オレは窓際の衣装掛けにぶら下がっているタキシードをちらっと見たんだ。 「普通、新郎ってさ……タキシードとか着るんじゃねーのかよ」 「お前さんは一応、騎士の端くれだろ?騎士の正装は騎士の服、って決まってんだよ! ……それとも、結婚式用の衣装をせっかく作ってもらったから、もったいないと思ってんのかい?」 「いや……あれは作ってもらったというか、勝手に作られてたっていう方が近いんだけどさ……」 オレはセイラに勧められるままに箱の蓋を開けた。 中には新品の聖堂騎士団の服が一式、綺麗に畳まれて入っている。 それは、オレがここにいた頃には着たことが無かった青い騎士の服……だった。 「王様からもサッシュと勲章を貰ったんだから……付けなきゃ損だよ。さっさと着替えちまいな!」 「そうじゃぞ!おぬしのためにわざわざ新しい称号まで考えて、勲章を作ったのだぞ! 早よ着替えて、勲章も付けるがよいぞ!」 「へいへい、判りましたよ。……で、新しい称号って何だ?」 着ていた服を脱ぎながらオレが尋ねると、トロデ王は偉そうに胸を張って答えた。 「モテモテじゃったおぬしが結婚するのだからな……その名もズバリ!『年貢の納め時騎士』じゃっ!!!」 「……有難みがねーな」 オレは何だかバカバカしくなり、トロデ王に背を向けた。 で、さっさと着替えることにしたんだ。 胴着とズボンを身に付けて胴着を押さえるようにしてサッシュベルトを巻いていく。 そして上着を着て、近くにあった椅子に腰掛けてブーツを履いた。 「ほら、ゲートルも新しいのに替えるんだよ!」 オレはセイラから真新しいゲートルを受け取り、ボタンを外してブーツの上から付けながら、ヤンガスに話しかけた。 「そう言えば……ヤンガス、この先の海岸に船が着岸してたけど、あれってゲルダのだよな。 お前、あの船でここまで来たのか?」 そうヤンガスに問いかけると、ヤンガスは少し照れくさそうに頭を掻きながら、答えた。 「まぁ……そういうことでがすよ。待っててくれるってんで、帰りも世話になろうと思ってるんでがすが……」 「へぇ……。じゃあお前、まだゲルダのところにいるんだ」 「ははは……ゲルダは盗みの腕がピカイチなのは間違いねぇんでがすが、 何せ魔物と戦う能力はこれっぽっちも持ち合わせてないもんで、アッシが手伝っているんでがすよ。 いわゆる……腐れ縁ってやつでがすかね?」 「そりゃお前が言うことじゃなく、ゲルダのセリフだと思うぜ?」 皮肉っぽく笑うオレの言葉を聞いて、ヤンガスは呆れたようにオレを見て言った。 「……結婚しようとしまいと、やっぱり相変わらずでがすよ、ククールは……」 「ほら、無駄口叩いてないで、剣も付けて!」 そう言ってセイラから手渡された剣は、オレのレイピアじゃなかった。 鞘や柄に、丁寧な彫刻の装飾が施された高価そうな騎士用の剣だ。 ……これ、どっかで見たような記憶があるんだよなぁ。 「これ……何だよ」 「騎士団の服と一緒に騎士団の人が持って来たんだよ。お前さんが付けろ、ってことだろ?」 鞘をよく見てみると、何か文字が彫ってある。 ――親愛なる神の御子、マルチェロヘ 己の人生は己の身のものだけにあらず。仲間と共のものなり。 聖堂騎士団団長就任の祝として マイエラ修道院院長 P.オディロ 「こういうところには、ダジャレは使わないんだよな……オディロ院長はさ……」 オレは独り言のように呟きながら、ソードベルトを腰に付けてその剣を差し込んだ。 ――何でわざわざ、こんなものまでオレに寄越すかなぁ……。 セイラに左胸に勲章を付けてもらい、右の肩からサッシュを掛けた。 白い手袋を胸ポケットに入れて、着替えが終わり、オレは「どうだ?」と 両腕を広げながらトロデ王とヤンガスの前に歩いていった。 「……おお!見ちがえたぞ!まるでどこかの青年貴族のようじゃ……。やっぱり男前は違うのぉ!」 「ほんとでがす!さすがククールは顔とイカサマだけが取り柄の男でがすよ!!」 「……褒めてねーだろうよ、それじゃ!」 オレが怒鳴ると、ヤンガスは「さっきの仕返しでがすよ!」とニンマリ笑ってやがる。 「さて、ワシらはゼシカの様子でも見にいこうかのぉ……。ゼシカの花嫁姿なら、さぞかし美しかろう!」 「そうした方がよさそうでがすな。兄貴や馬……いやミーティア姫様は、 ゼシカの部屋にいるらしいんで、交代してくるでがすよ!」 そう言いながら二人は部屋のドアを開けて出て行った。 「じゃあオレも……」 オレが二人の後を追って部屋を出ようとすると、後ろからセイラが襟首を掴んで引き止めた。 「お前さんはまだゼシカちゃんに会えないっつってんだろ!」 「オレだって見たいぜ?ゼシカの花嫁姿……」 「後で十分見られるだろうさ!結婚式も始まってないのに、 花嫁に堂々と会いにいく花婿なんてどこの世界にいるんだい!?」 セイラはオレを大声で窘めながら、引っ張られたせいでひん曲がったオレの襟元を直している。 「……ったく、お前さんは変わんないねぇ。せっかく幸せ掴んだと思ったら、 まだガキのまんまだよ!これじゃあゼシカちゃん苦労するね!」 オレは何だか恥ずかしくなって、プイと横を向いた。 「……余計なお世話だよ」 「でも……あたしはさ、本当にホッとしたんだよ。お前さんが結婚するって聞いてさ……。 あんな泣き虫でチビだったククールが、やっと地に足つけて過ごせる場所が出来たんだなぁ……って思ってさ」 セイラは襟元から手を離し、オレの胸をポン、と叩いた。 「幸せになるんだよ。……ならなきゃダメだよ」 その時、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。 「ククール……いる?」 ――エイトの声だ。 オレが「ああ、入れよ」と言うと、エイトがドアを開けて入って来て、続いてミーティア姫様もやって来た。 エイトは見慣れた旅の服じゃなく、王族独特の薄手の布で出来た服を着て、マントまでしている。 二人はオレに歩み寄り、セイラに軽く会釈した。 「久しぶりだね!今日はおめでとう! 」 エイトはニコニコしながらオレの手を取って、ぎゅっと握り締めながら言った。 「ゼシカ、とっても綺麗になってたよ!」 「オレも見たくて堪んないんだけどな」 オレの言葉に、エイトの隣にいるミーティア姫様は、ふふ、と微笑んでいる。 「それは後のお楽しみ……ですわね。元々ゼシカさんは可愛くって魅力的な女の子でしたけど、 すっかり女性らしくなってましたわ!……ククールさんのおかげ、かしらね?」 その話を聞いて、セイラがオレをからかうように、ヒューと口笛を吹いている。 オレは咳払いを一つして、エイトの顔を見た。 旅をしている時はいかにも兵士らしく日に焼けて勇ましい顔をしていたのに、今じゃ少し色白になり、 王族としての風格も見えるようになっていたんだ。 「王様になるために勉強してる、とか言ってたよな?どんな勉強してんだ?」 オレが尋ねると、エイトは少し首を傾げ、上目遣いで話し始めた。 「トロデーン法典とか、歴代の国王陛下たちが書いた書物を毎日読んだりとか……。 あと、国王陛下からお話を聞いたり、学者の先生から講義を受けたり……って感じかなぁ?」 「うわぁ……絶対オレには出来ねーな!」 オレの言葉に、後ろからセイラが笑いながら突っ込んでくる。 「誰もお前さんになんか、王様になって欲しいなんて思ってないから安心しな!」 エイトもミーティア姫様も、セイラと一緒になって笑っている。 少ししてエイトは笑うのを止め、少し真剣な面持ちでオレの全身を見回した。 「似合うね……その服」 「そうかな?ま、オレなら何でも似合うだろうよ」 「相変わらずだねぇ、ククールは!……あ、そう言えばね、中庭で女の人が三人大泣きしながら 『ククールのバカ!』とか叫んでたんだけど……あれってククールの知り合いかなぁ?」 オレの後ろで、オレが着ていた服を片付けながらセイラが言った。 「ああ、そりゃうちの町のバニーガールたちだね。お前が結婚するってんで、そりゃあショックみたいだよ。 ……ほんとにお前さんは『年貢の納め時騎士』だね!トロデーンの王様はいいとこ突いてるよ!」 セイラの話に、またエイトとミーティア姫様は笑い始めている。……何だよ、まったく……。 するとその時、ドアをノックする音と共に、ワイン色のドレスを着て、 いつも以上に気合いの入った化粧をしたゼシカの母さんが部屋へ入って来た。 「失礼しますわね……まぁ、ククールさん!まるでどこかの国の王子様みたいですわ!! 素敵ねぇ!……あ、そうそう、そろそろお時間ですの。 列席者の皆様は、聖堂のお席に付いて頂いてよろしいかしら?」 ゼシカの母さんに答えるようにエイトは頷いた。 「判りました。じゃあ、僕らは先に行ってるよ。セイラさんも行きましょう」 「そうですね。……ククール、しっかり頑張るんだよ!」 三人が出て行って一人きりで部屋にいると、部屋の外からバタバタと走ってくる音が聞こえて来た。 そしてノックもなしにバン!とドアがいきなり開いたんだ。 「おーい、ククール!」 ――ポルクとマルクだ……。 オレは二人へ歩み寄り、ポルクの両方の頬を思いっきり引っ張ってやった。 「……呼び捨てにするなと何回言ったら解るんだ?『ククールさん』と呼べ!!『ククールさん』と!」 「わーかったよ!痛ぇよ!離せってば!!」 オレが手を離すと、ポルクは頬を押さえて顔を歪めている。 ポルクの隣にいるマルクは、いつものように指を咥えながらオレを見て、ゆっくりと話し始めた。 「えっとね……もう時間だから、ククールさんも聖堂の方に来て欲しいんだってさ」 「判ったよ。……今日はお前ら、何かやるんだよな?」 ポルクとマルクはプレスのよく効いた白いシャツに、黒の蝶ネクタイをしている。 それに黒い半ズボン、三つ折ソックスにエナメルの靴、という格好は、 いつものやんちゃな二人を、少し利口な子供に見せていた。 「ゼシカ姉ちゃんのベールを持つんだよ!……じゃ、オレたちも行こうぜ、マルク!」 ポルクが大声で言い、二人で部屋を出ようとした時、オレはふとある考えが浮かんだんだ。 「……ちょっと待て。そう言えばお前ら、オレの子分になったんだよなぁ?オレの頼みごと、聞いてくれないか?」 エイトとミーティア姫様が結婚したあの日の帰り、リーザス塔へこの弱虫の代わりにいった代償として、 オレはこいつらを「子分」とすることにしたのさ。 ま、二人はあんまり納得してないみたいだけどな。 「何言ってんだ?もう時間がないんだよ!」 反論するポルクの両頬を、オレはもう一度思いっきり引っ張った。 「……聞けるよなぁ?子分だもんなぁ……」 「い、痛ってーって!!判ったよ!何だよ!」 オレはポルクの頬を離すと、二人に用件を耳打ちした。 オレが「頼んだぞ」と言うと、二人はしぶしぶ「……はーい」と行って、部屋を出て行った。 オレは胸ポケットから白い手袋を取り出し、左手に持って部屋を出た。 廊下を通って聖堂の横にある入り口から中に入ると、列席者はみんなオレが入ってくるのをじっと見ている。 ゆっくりと歩き、祭壇の前へ近づいたところで、ふと立ち止まった。 祭壇を見上げると……そこには神父として、マルチェロがいた。 マルチェロは騎士の服は着ておらず、黒地の法衣を着ている。 腰には……剣は無かった。 そうだよな、オレが今、こいつの剣を身に付けてんだから。 オレとゼシカが三角谷に行ったあの日から数日後、マルチェロはこの修道院へと戻って来たらしい。 そしてすぐに聖堂騎士団の連中に付き添われて、ニノ法王の元へ出頭した、ということらしいぜ。 法王から言い渡されたマルチェロへの処罰の内容は、 「騎士としての活動を今後一切禁止。一聖職者として、 前法王殺害の罪を贖罪し続け、冥福を祈ることだけに一生を捧げよ」 というもので、実刑では無かったんだよ。 まさにトロデ王が嘆願した、「寛大な措置」だったってことだよな……。 ま、ニノ法王が大司教時代にマルチェロを利用しようとしたことが、 ゴルド崩壊の原因を作ったようなモンだから、法王だってマルチェロを強く攻める訳にもいかないだろうしなぁ。 祭壇にいるマルチェロは、オレの視線に気づいたらしく、オレの方をちらっと見た。 「緊張すんなよ、兄貴」 オレが小声で話しかけると、ヤツは声を出さずに、口の動きだけで返事をした。 ――だ ・ ま ・ れ オレは苦笑いして、「はいはい」と軽口を叩くように返事をして、 赤い絨毯の敷かれたヴァージンロードの途中まで行き、歩みを止めた。 すると、聖堂にパイプオルガンの音色が鳴り響いてきたんだ。 その後に重々しい扉の開く音がして、扉が開き切ると、外から射す光の中に花嫁姿のゼシカがいた。 父親役の代わりとして、トロデ王がセシカと手を繋いでいる。 二人がこちらに近づいてくると、次第にゼシカの姿がはっきりと見えて来た。 レースの縁取りが付いたベールの中に見える、伏目がちなゼシカの顔は、いつも以上に綺麗に見えた。 オレはそんなゼシカを見て、思わず顔が緩んじまったよ。 髪をゆるやかに上へ纏め上げているので、ゼシカの細い首筋が露になっている。 ドレスに刺繍された銀色の糸が、聖堂の中を点す蝋燭に反射して、キラキラと光っていた。 ゼシカの後ろでは、ポルクとマルクが緊張で顔を強張らせながらベールを持ってて、何だか滑稽な感じがしたな。 サテンレース地のドレスの裾をゆらゆらと揺らしながらゼシカがオレのところまで来ると、 ゼシカはトロデ王と手を離し、オレと腕を組んだ。 そして二人でゆっくりと祭壇へ向かい歩いて行ったんだ。 マルチェロは、オレたちが祭壇の前に立ったことを確認すると、 聖書を開いて神の言葉を告げ、オレたちに永遠の愛を誓わせる。 それが済むと、オレは祭壇に用意されていた結婚指輪をゼシカの左手の薬指にはめた。 ゼシカがさ、結婚指輪はオレの聖堂騎士団の指輪がいい、って言ったんだよ。 オレもゼシカの母さんも、もっといい指輪がいいだろうって言ったんだけどさ……。 ゼシカが「初めてククールと会った時には貰う気がしなかったけど、今は貰いたい気持ちになったから……」 と言って聞かなかったんで、結局ゼシカの言う通りにしたって訳さ。 その後、ゼシカのベールを上げて誓いのキスを交わし、式が終了した。 マルチェロは聖書をぱたんと閉じ、無表情なままでオレを見て、また口の動きだけで話をした。 ――お ・ め ・ で ・ と ・ う オレは思わず肩をすくめて、マルチェロへ軽く会釈した。 オレたちは祭壇に背を向けて、聖堂の扉へと向かって歩いて行ったんだ。 外へ出ると、リーザス村の人たちやドニの町の人たちが、歓声を上げながら、 たくさんの量のライスシャワーを掛けてくる。 そして聖堂の鐘が鳴り始め、空高く響き渡っていった――。 式の後、修道院の中庭で宴が開かれたんだ。 オレとゼシカは、ワインを片手に中庭の中央にある大きなテーブルの脇に立って、 みんなから代わる代わる祝いの言葉を掛けられていた。 中庭には、ここだけを照らし出すかのように光が差し込んで来ていて、すべての人の顔が輝いて見えたな。 ドニの町の踊り子たちが歌って踊って、リーザス村の男たちが鼻の下を伸ばしながら囃し立てて……。 エイトやミーティア姫様、それにヤンガスとトロデ王も、酒を飲んで、顔を赤くしながら笑い合っている。 修道院の連中もさ、マルチェロの法王就任祝いの時のように大酒を飲んでいたんだ。 でも……その中に、マルチェロはいなかった。 「……いない、か」 オレが思わず呟くと、ゼシカがオレの顔を覗き込んできた。 「探してるんでしょ。マルチェロのこと」 ゼシカはふざけたような口調で、笑いながら言った。 「あの融通の利かない人のことだもの、『罪人である自分には、このような華やかな場はふさわしくない』とか言って、 一人で修道院の中にいるに決まってるわよ」 「まぁ……そうだろうけど……あいつ、オレのこの服だけじゃなく、自分の剣までオレに用意してたんだよ。 それがどういう意味なのか、さっぱり解んなくってさ」 オレが大きくため息をつきながら言うと、ゼシカは微笑みながら話し出した。 「複雑な意味なんか無いんじゃない?ククールにただ着て欲しかっただけ、 ただ剣を持ってて欲しかっただけ、だと思うわよ。 だってあの人……もう騎士にはなれないんでしょ?」 「まぁな……」 「自分が大切にしてきたものを、誰かに引き継いで欲しかったんじゃないかなぁ?それだけよ」 ゼシカが話し終えると、突然中庭を突風が吹きぬけて来てさ、それと一緒に何処からともなく、 桜の花弁がたくさん舞い散って来たんだよ。 中庭にいるみんなは、突風に煽られて、目を閉じながら驚きの声を上げている。 しばらくして突風が収まると、桜の花弁は空中を舞う力を失って、ゆっくりと地面に降り積もるように落下していった。 そんな花弁の舞い落ちる様子を見て、ゼシカは「綺麗……」と言って見とれていた。 確かに……本当に綺麗だったんだ。 優しい日差しの中を、白い花弁がそれぞれにいろいろな道筋を描いて地面へと辿り着く光景は…… もし本当にあるとしたら、「天国」ってこんなかんじなんじゃないかなぁ?と思えるくらいだった。 「……綺麗だな。空から差し込んでくる光も……ここってこんなに綺麗な場所だったかな?」 オレがいた頃は、ここは灰色に澱んだ世界としか思えなかったんだけどなぁ。 うんざりするような、深い泥沼の中のような……さ。 それなのに今は、ここを本当に美しい場所だと思えているんだよ。 ――何だろうな、この違いは……。 ぼーっと花弁を見ているオレに、ゼシカがにっこり微笑んで、オレに言った。 「きっと、ククールが変わったのよ」 「オレが?」 「私もね、呪いの杖から解き放たれた後、リブルアーチで朝日を見てたら、 今までと全然違ってものすごーく世界が綺麗に見えたのよ。 で、いつの間に世界は変わってたんだろう……って言ったら、一緒に朝日を見ていたおばあちゃんに、 『世界なんてそう変わらない。変わったのはあんただ』って言われたことがあるの。 だから……ククールも変わったのよ、きっと」 「そういう……モンかなぁ」 「そういうモンです!」 オレはふと空を見上げた。 太陽は薄雲に隠れながらも、柔らかな光をオレたちに与え続けている。 そっと瞳を閉じてみた。 そしてオレは、思わず神様に祈っちまったんだよな。 ――神様。オレはあんたが本当にいる存在だなんて、信じたことはほとんど無かったけど、 今日はあんたに祈らずにはいられないよ。 ――どうぞ、この美しい光が、永遠にみんなの中で続きますように。 そして、この光がマルチェロの心にも届きますように……。 その時、中庭の芝生をオレの方へ向かって駆けて来る音が聞こえてきたんだ。 目を開けて正面を見ると、ポルクがオレに向かって走り寄って来ていた。 ポルクはオレの前で立ち止まると、オレを指差して、言った。 「おい!さっきのお前の頼みごと、ちゃんと伝えて来たからな!」 オレは焦って、ゼシカに聞こえないように小声でポルクに耳打ちする。 「……バカ!ゼシカのいる前で言うなって言ってんだろ!」 「えっ!でも、報告しないとって思って……」 オレとポルクがひそひそと話している後ろで、殺気立つ気配が感じられる……。 「ポルク……一体何のこと?私に何を隠しているの?」 少しドスが効いたゼシカの声に、オレは怖くて後ろを振り返れなかったね……。 ポルクはゼシカの顔を見て「ひっ……」と一声叫び、蛇に睨まれた蛙のように、体を硬直させて動けなくなってたんだ。 「言いなさい、ポルク!」 ゼシカの声に、次第に怒りが混じってきている。 体をカチンカチンにしたままで、ポルクはしどろもどろになりながら、ゼシカに答え始めた。 「け、結婚式の、ま、前に、ク、ククールに……」 「ククールに……何?」 「な、中庭で泣いてるバニーガールたちに……『結婚しても必ず会いに行くから、待ってろ』って…… 伝えてくれって言われたんだ……」 ポルクの言葉を聞いて、ゼシカの声が急に低音になった。 「……ふーん……。私と結婚したっていうのに、まだそんなことしてるんだ……。 あんた、本当はまだ全然変わってないみたいね……」 オレが必死の思いで後ろを振り返ると、呪いの杖で呪われていた時よりも 数倍怖い顔をしたをしたゼシカが立っている。 シュウ……という音を立てながら、ゼシカの手からは火花が迸り始めていた。 ……これって絶対、メラゾーマを唱えるつもり……だよな……。 「ゼ、ゼシカさん……ストップ……」 オレは顔を引きつらせて、思わず後ずさりした。 ――ああ、神様……もう一つお願いごとがあります。どうかこのゼシカの怒りを抑えてください……。 前へ 戻る
https://w.atwiki.jp/yougosq/pages/6599.html
■思念の冠(しねん-の-かんむり) 世界樹の迷宮5で登場する防具。樹海に散った冒険者の思念を遺すべく作られた禍々しい見た目だがどこか温かみを感じる冠。 売却した素材より安価で販売される珍しい兜。 1週1個しか入手できない。 ↑ 今作はラスボスが数日で復活するので、一応何個でも手に入る。ただし復活したころには6層のより強い装備を持っている可能性が高い。 防御力はさほどでもないが、TP+30はアースランにはうれしい性能。 偽ベリー食べたままマッドドッグに襲われてhageたボウケンシャーの思念とか遺ってたら辛そうだ。 ものすごくジャガーさん素材から作られそうな設定だがジャガーさんとは全く関係がない 頭突きができたり、しかも脳波コントロールできたりはしない グリフォンの家の娘の思念も残っているのだろう 無念の冠やないかい! 素材売値25000en、買値24000en。何気にスゴイ装備だ。 死ねんの冠 差し引き1000en損してでも世界樹を攻略したことを言外に祝ってくれるセリク君はやっぱ聖人だと思う 思念を遺す禍々しい冠…「あの」ヘッドギアかな?なお他人の脳に脳波をコピーするには、少なくともショック死するほどの電流を流さねばならないそうだ ×1週1個 〇2週(14日)1個 ボスマラソン一周で一個ってことでしょ() ハウンドの笛Lv10の消費SP賄うのにお世話になってた。コンパウンドボウ、ヲモダカと合わせて75ちょうどだし 文明の存続みたいな見た目してそう 禍々しい…アスピック?多分温かみとは物理的な意味だったのだ コメント
https://w.atwiki.jp/bsnazo/pages/233.html
2020年7月15日 公式サイトより 誤 永遠のキズナ 篠乃宮 まゐ 正 永遠のキズナ 紫乃宮 まゐ し……しののみや……さん?(翌日に修正された) 公式サイト 誤植
https://w.atwiki.jp/tale2380/pages/373.html
《永遠の雪華(とわのゆきはな)》 通常罠 発動ターンのエンドフェイズまで、シンクロモンスター以外の「[[氷結界]]」と名のついたモンスターは 戦闘またはカード効果によって破壊されない。