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ベジマギ攻略VGMGトップ スキル一覧 ⇒ やさい詳細 ・ 品種改良・レシピ ・ 試練エリア 2体目のSSRやさい。 品種改良元のナバナと比べて、2倍くらいのステータスがある。 移動範囲・スキルコスト・スキル効果を考えても、ナバナの完全上位互換。 ●移動方向 ■ ■ ■ や ●特徴 やさい名 レア度 コスト スキル マナ スキル詳細 スキルの依存 永遠の闘士チーマディラーパ SSR 3 覇道神空烈風斬 1 全マナ消費、高HPの敵に連続攻撃、連携効果あり AT、ロマネスコ ロマネスコがいる状態だとスキルがヒットした敵にHP吸収が付与される。 ●ステータス・グラフ(自軍のやさいLvは最大100。それ以上は敵軍のデータ) Lv HP AT スキル効果 1 105 35 35×マナ 30 483 133 133×マナ 90 1266 337 337×マナ 100 1396 371 371×マナ
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エピックプログレ / EPIC PROG 【エピックプログレ】 龍と娘の物語はここから始まる…弾き倒す鍵盤とプログレッシブな展開に注目! エピックプログレ / EPIC PROG ハイライト発生箇所 他のBEMANIシリーズへの収録 その他関連 収録作品 ロング版収録 関連リンク ポップンミュージック Sunny Parkで登場した楽曲。担当キャラクターはモード。 初出がjubeatからの移植曲で、ミミニャミ・コタローのフライングキャッチ!のイベント隠し曲として登場した追加配信曲。 量子の海のリントヴルム / 黒猫ダンジョン BPM 280 新難易度 EASY NORMAL HYPER EXTRA 12 28 41 48 ハイライト EASY NORMAL HYPER EXTRA 3 3 3 3 jubeat copiousからの移植曲。量子という理系分野にRPGらしいファンタジックな要素を組み合わせた曲名やアーティスト名から、TOMOSUKEの曲であることが分かる。バロックの流れを継いだ幻想的な雰囲気とデジタルなシンセの組み合わせといい、コードのラインなどTOMOSUKEらしい部分が垣間見える。ジャケットには龍と少女・モードが描かれている辺り、「龍と娘」という伝承が元になっていると思われる。続編曲としては、IIDX20 tricoroで登場した「龍と少女とデコヒーレンス」があり、同名義でREFLEC BEAT colleteで登場した「リリーズと炎龍とレーヴァテイン」も関連しているので、一種の物語を思わせる。 基本BPMが280で非常に速い上に変拍子な分、ハイスピードの設定は慎重に。プログレ系に見られる階段譜面を軸とした、ほとんどが単押しの階段・乱打・スライドばかりだが、終盤などで出てくる縦2連打に注意。実質的にThe Least 100 sec(H)やアンセムトランスREMIX(H)と類似した傾向を持つといっていいだろう。3個以上の同時がフィニッシュの1つだけなので、ランダムも視野に入る。EXは階段・乱打の傾向はそのままで、物量の増した譜面となり体力勝負。後半になるほど密度が上がり、同時押し連打で体力を消耗しやすいので温存を心がけよう。それ以外は極端に難しい箇所は無いのでLv48ではクリアの安定がしやすい部類だろう。 ハイライト発生箇所 番号 5Buttons / EASY NORMAL HYPER EXTRA 1 2 3 他のBEMANIシリーズへの収録 jubeat ジャケット copiousで初登場した条件隠し曲。初登場作品での獲得条件は、Lv10のEXT譜面でマッチングした4人が、その譜面を全員同時にフルコンボを満たすという困難な条件であった。しかし伝導でも獲得できるため、こちらに頼った人も多いだろう。 POLICY BREAK Medley from SOUND VOLTEX×jubeat Qubellにおいて登場した、jubeatとSDVXのPOLICY BREAK関連曲を繋げたメドレーのラストに、この曲が使われている。SDVXでの配信から1週間後(2017/04/07)に登場。 FLOOR INFECTIONの第24弾、POLICY BREAKの第25弾の楽曲を全て出現させている場合にこの曲がプレイ可能となっている。 REFLEC BEAT limelightで登場し、APPEND TRAVELにおいて追加された「jubeatグラス」の第3段階を一定値まで貯めると出現。当時、HARDは今まで最多ノーツだったBad Maniacsを超えており、BPMの速さと合わさってリズム難・連打などの要素も加わり、トップ10に入るほどの難しさとなっていた。 またMEDIUM譜面も当初Lv8だったのが、詐称という声の多さから、colleteにおいて当時のMEDIUM譜面としては初のLv9に上昇した。 GITADORA(GUITARFREAKS&drummania) 「Triple Journey」で、「量子の海のリントヴルム -GITADORA ver.-」としてGITADORAに登場。サブタイトル通りギタドラ向けのアレンジで、黒繋がりで96がアレンジに関わっている。 ギターのEXTは9.50とトップクラスの難しさに加え、ドラムEXTは随所に配置された16分が難易度を上げている要因となっている。 ミライダガッキ Ver.2で、2014/05/01から登場。ぶたちょ銀行で出現する隠し曲。 SOUND VOLTEX IIIで、2015/05/21からPOLICY BREAKを通して登場。 同時にジェネシスカードでも関連のものが登場している。 IVにおいて、稼働終盤となる2018/11/15から、新規のjubeatのPOLICY BREAKが行われる事に伴い、ブロックで解禁ができるようになった。 POLICY BREAK Medley from SOUND VOLTEX×jubeat IVにおいて2017/03/31に登場(詳細は上記のjubeat参照)。 FLOOR INFECTIONの第24弾、POLICY BREAKの第25弾の楽曲を全て出現させている場合にこの曲がプレイ可能となっている。 この曲の存在によりハイスピード設定で悩まされやすく、直前のJOMANDAでハイスピを切り替えられるかがカギ。 beatmaniaIIDX 23 copulaで、2015/11/26からの「開通!とことこライン」で出現する楽曲として登場。ジャンル名はポップンのバナー表記ではなく「エピックプログレ」と片仮名表記。この移植で、この時点におけるIIDXにおいて黒猫ダンジョン関連曲が全て揃った。 セグメント表示では「MAUD AND HER WATER DRAGON」と表記されており、関連曲の[リリーゼと炎龍レーヴァテイン]のセグメント表示である「LILIZE AND HER FIRE DRAGON」と対比関係になっている。 copula公式の楽曲ページにおいて、この曲紹介のURLにセグメント表示のものが使われている。 専用ムービーが新設されている。 ムービーでは「EPIC PROGRESSIVE」の表記が確認できるため、IIDXにおけるジャンル名表記の当初の名残だったことを窺わせる(ポップンにおける「プログレ」表記をPROGRESSIVE表記(子供の落書き帳)にする、に近いか)。 BeatStream アニムトライヴで、2016/01/14から「タカハシサンのお年玉キャンペーン!」という形で登場。この日から3プレイ目を終えると次回からプレイ可能となる。 IIDXで追加された専用ムービーがそのまま使われている。 ノスタルジア 毎週!いちかの超BEMANIラッシュ2020を通してプレイ可能な曲として登場。期間中に楽曲の初出機種を1回プレイ、もしくはこの機種を10回プレイすることで出現。 曲コメントはポップンの一部を抜粋している。 Dance Dance Revolution コナステ版GRAND PRIXにおいて、2022/06/24から配信された「スペシャル楽曲パック feat.jubeat vol.2」に収録されている4曲中の1曲として登場。購入することでAC版A3においてもプレイ可能となる。 「スペシャル楽曲パック feat.jubeat vol.1」も購入することで、鬼譜面もプレイ可能になる(AC版も同様)。 SP鬼譜面は驚異的なBPMで8分同時踏み・12分の発狂が混じる、レベル18の中でも19に近い難しさがあると言われる。 DANCERUSH STARDOM 量子の海のリントヴルム(STARDOM Remix)が、2023/09/17からスターを300消費して解禁できる曲として登場。かめりあ#?によるREMIXバージョンとなっている。ミッションはABCいずれも「スコアを合計3000点以上」のため、これを満たすと半分のスター消費で解禁可能となる。 元々は2023/06/14から期間限定で行われた「STARDOM Remix投票決定戦」のREMIX候補となる3曲の中の1曲であった。見事1位に輝いたことで、投票数によって先行してプレイができ、最も早いのが2023/07/19からであった。 その他関連 メダルゲーム「スマッシュスタジアム」で2020/07/14から、スマッシュポイントで獲得できる「フィーバー楽曲パックVol.1」の1曲として追加された。 子供の落書き帳と同じく「プログレ」と略しているものの、バナー表記ではソーサリープログレッシヴと同様に「PROG」という略称表記になっている。 Twitterにおいて、正体がTOMOSUKEであることが分かった。 ドキドキポップ君を設定すると分かりやすいが、変拍子ゆえに小節線の都合上、パートごとに拍取りが内部的に異なっていることが分かる。特に8分単位で脈打つ部分も結構ある。 収録作品 AC版 ポップンミュージック Sunny Parkからの全作品 ミミニャミ・コタローのフライングキャッチ!のイベント隠し曲。 CS版 ロング版収録 BEMANI SYMPHONY ORIGINAL SOUNDTRACK オーケストラアレンジを収録。 関連リンク 関連曲 [龍と少女とデコヒーレンス] [リリーゼと炎龍レーヴァテイン] TOMOSUKE 楽曲一覧/ポップンミュージック Sunny Park
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第007話 「みんなでお食事」 (5) 「──という訳で、二学期からの転入となる一年、ヴィクトリア=パワードだ」 防人の紹介が終わると食堂全体から歓声が上がった。 さもあらん。紹介されたのは金髪で透き通るような白い肌を持つ、外国人の少女だ。 緊張しているようだが、声はなめらかで日本語も流暢で、とかく聞くものの耳に心地よい。 生徒達は思い思いに誕生日から星座からなんでもかんでも聞きまくり、果てはスリーサイズ を知りたがる不逞の輩や罵倒を期待するマゾ気質のブタ野郎(いやに声が低い。マジに)ま でもが出現し、食堂はお祭り状態になった。 少女はそれらに、間延びしたどこかとろくさい声で答えたり、時にはクスクス笑ったり ひどく慌てたりと、表情豊かに反応を返すから、生徒達の印象はますます良くなる。 さて、紹介を終えた防人は斗貴子を連れて部屋の片隅にこっそり移動した。 斗貴子は落ち着かない。 先ほどの爆音の正体が気になるのか、外の方をちらちら見る。 ヴィクトリアがホムンクルスであるコトを知っているせいか、黒山の人だかりをちらちら見る。 今にも彼女を生徒から引き剥がしたくて仕方ないらしい。 「早く説明して下さい戦士長。どういう経緯で彼女が転校してくるのか」 低く押し殺したハスキーな声が、徐々に早口へなっていく。 「大体、横浜(神奈川県)にいた彼女がどうやってココ(埼玉県)まで」 「移動自体は私が」 ひょっこり会話に参入してきたのは千歳だ。 白い半そでの割烹着を身につけ、下は紺のGパン。 折り目正しく被った三角巾から雪のように白い耳たぶが覗き、レトロな色気が漂っている。 さっきまではカレーをよそっていたが、ヴィクトリア登場のあおりで鍋前がほぼ無人なので来た。 右手に真新しいおたまを持っているのはなぜか斗貴子は気になったが、もし千歳までもが 「その方がカッコイイから」と答えたらすごく人間不信になりそうなので突っ込まない。 「おとといのコトよ」 千歳は任務に必要な下準備を果たすべく、クローン技術に長けたヴィクトリアの協力を仰いだ。 「その時、彼女が出した条件が銀成市(ココ)への移動だったの」 ──「私の知っている場所はココしかないけど、大丈夫?」 ──(中略)「じゃあ私のいう通りにして」 ──千歳は少女の望みを聞くと意外そうな顔をしたが、追求はしない。 ──華奢な肩をそっと抱いて、六角形の画面にペンを走らせた。 「ちなみに転校は秋水の発案だ。一応、大戦士長の許可も得ているが……その」 斗貴子が一気に不機嫌になるのを、防人は(やっぱり)という顔で見た。 「スマン。もっと早くいうべきだったんだが、残党狩りやもう一つの調整体のコトで遅れてしまった」 「……彼はカズキの真似でもしたいんですか?」 「いや、そうじゃなくもっとブラボーな理由があるんだが」 皮肉交じりの斗貴子にそういいかけた防人だが、二の句はやや詰まる。 単なるカズキの真似じゃないと知ってはいるが、動機を詳しく説明する為にはカズキが月に 消えた戦いへ触れねばならず、触れれば斗貴子が傷つく。 よって笑顔が好きで涙が嫌いな防人としては避けたい。 「だいたい、こんな人手がいる時にアイツはどこへ。まったく姉弟揃ってフザけて……」 険しい目つきで斗貴子は桜花を見た。 メイド服を着てお冷をにこにこと注いでいる桜花を。 これでもかと短いスカートと青と白の縞模様のニーソックスの狭間でわずかに太ももを覗か せながらしゃなりしゃなりと歩いて、生徒の要望に応じてお冷を注ぐ。 エプロンドレスの胸元ははちきれんばかりに膨らみ、ウェストは60とやや太めながらも、実 状以上に悩ましくくびれて見るものを悩殺する。 このサービスがついてタダでカレーを喰えるのだから恐ろしい。 新参の転校生なんぞより天下の生徒会長が好きな生徒はひたすらお冷を飲んでいる。 それにしてもこの姉さん、ノリノリである(キートン山田氏の声でお読み下さい)。 とても溌剌とした笑顔で「はい。お注ぎしますね」とかやっている。 そして斗貴子の目線をキャッチすると、にこっと笑って声をかけた。 「あら。津村さんもコレ着たいの? でもごめんなさいね私のじゃないから一存じゃ……」 「う、うるさい! そんなヒラヒラした服を着れるか! というかそれ誰のだ!」 「私のだけど」 千歳がぽつりと呟いた。おたまを無表情な頬の横へ掲げながら。 (クソ。やっぱりこの人も戦士長と同類か。というか本当におたまは何なんだ) 斗貴子は肩を落とすが、千歳は比較的マシな部類だろう。 ただ衣装とそれを着る自分の年齢の関連性を考える機能が致命的なまでに欠落しているだ けである。7年前(18歳当時)は自分が小学生として潜入できると本気で考えていたのである。 「ところでさっきの話題だけど、きっと前歴が似ているからよ。違う? 防人君」 自然な呼吸で千歳は防人の会話をリリーフした。これで話は例の戦いから逸れるだろう。 ヴィクトリアという少女は、望んでホムンクルスになったワケではない。 100年前、父・ヴィクターが、存在(い)ながらにして死を撒き散らす怪物と化し、錬金戦団に 壊滅的打撃を与え続けていた頃、あろうコトか、その錬金戦団の手によって彼女はホムンク ルスへその身を変えられた。 以来、ヴィクトリアはホムンクルスも武装錬金も、錬金術に関わる物全てを嫌悪している。 そして100年。神奈川は横浜にある、ニュートンアップル女学院の地下で。 ヴィクターが怪物と化した時の巻き添えで首から下の機能を失い、クローン技術によって脳だ けで生き続けていた母・アレキサンドリアと共に、閉じた世界で生きてきた。 だが8日前、太平洋上でヴィクターが叫んでいる頃、アレキサンドリアは死んだ。 クローンの大元となる細胞が100歳を超えてしまった為、老化に耐え切れなかったのだ。 秋水のかつての望みは、『桜花と2人きりで永遠に生きるコト』だったと千歳は聞き及んでいる。 前歴はヴィクトリアとかなり近い。だから秋水は動いたのだろう。 ちなみに千歳は前述の任務の最中、ヴィクトリアを探していた時に彼女を説得する秋水をヘ ルメスドライブ(対象を映すレーダーの武装錬金)で見てしまっている。 ──その人物はいつもの居住地で、別の人物を会話をしているようだ。 ──(中略)対象と話をしている人物は、ひどく端正な顔立ちだ。 ──にもかかわらず、その前歴は特異で、かつ波乱と闇に満ちている。 ──戦団に入るのがもう少し早ければ、再殺部隊へ編入されていただろうと思わせるほどだ。 秘めた何かを変えようとする秋水の表情は、けして真似から出たものと千歳は思いたくない。 それはきっと7年前の失態以来、ずっと冷静たろうと務めてきた姿勢ゆえの親近感だろう。 もっとも、「小学生として潜入中のホムンクルスに気付かず、自分が戦士と漏らして任務を失 敗に導いた」千歳が、ホムンクルスの転入を認めるのは皮肉めいてもいる。 更に斗貴子は惨劇の唯一の生き残りだから、学校にホムンクルスを招いて平気な筈もない。 「人喰いについては大丈夫だ。キミが女学院を調査した時、そういう話は聞かなかっただろう?」 斗貴子は頷く。 「神隠し」により一時的に姿を消した生徒のウワサなら小耳に挟んだが、死者や行方不明者 の話はなかった。人喰い不可避のヴィクトリアが100年も住んでいたにも関わらず。 「しかし、外部の人間をさらっていたら話は別です。武装錬金を使えば完全に隠蔽も──…」 「それはないと思うわ。彼女は錬金術の力を嫌っているから」 千歳は粛々と説明する。 「武装錬金を使ってまで隠蔽はしない筈よ。人喰いの衝動自体、かなり辛いでしょうしね……」 理を持って諭されると、それ以上抗弁できない斗貴子である。 そも、ヴィクトリアをホムンクルスにしたのが戦団と知っているから殺意はあまり抱けない。 「ただ、いま私がいったコトは、闇の中のわずかな光明にすぎないの」 (その"わずか"に多くの人々の命をかける訳にはいかない、か) むかし斗貴子にいったセリフを使われて、防人は複雑な微笑で頬をかいた。 「冷たくいえば人喰いの可能性はゼロじゃないから、あなたの不安も分かるわ。だから……」 千歳はちらりとヴィクトリアを見て、Gパンのポケットに触れた。 そこには核鉄が入っているから、ヘルメスドライブで監視する、といいたいのだろう。 「確実な手段だが、あまり気が進まないな」 防人がため息をつくと、千歳も微妙な表情をした。 ヴィクトリアは戦団の被害者だし、容貌もまだまだ幼い少女だ。 7年前、小学生の姿のホムンクルスに出し抜かれていながらなお、監視には抵抗がある。 (せめて戦士・根来が入院中でなければなぁ……) (確実に遂行するでしょうね) 単身痩躯で鋭い目つきをした同僚の冷徹さが、防人や千歳には羨ましい。 だが根来は重傷。退院まであと9日は要するだろう。 「私にはそれ(監視)を強制する権利はありません。戦士長の判断にお任せします」 斗貴子は呟くだけだ。千歳の提案を推挙しないのは、彼女なりの葛藤があるせいだろう。 (……カズキ。キミだったらきっと真っ先に、彼女を人間に戻そうとするんだろうな) 「大丈夫! ヴィクターだって白い核鉄がもう1つあれば人間に戻れる! だったらホムンク ルスから人間に戻る手段だって絶対にある! 一緒に探そう!」 などと力強く励ましながら。 口調や身振り手振りや表情がリアルに思い浮かび、斗貴子は寂しそうに微笑した。 そういう感傷があるからこそ、秋水がやっている真似事は気に入らない。 (カズキの代わりはいない。誰もカズキの代わりになれるはずもない) そういう率直な感想が、なぜか段々自分へ言い聞かせる言葉へと変じていく。 奥底に抱いた願望や希望を諦めようとするように。叶わぬ辛い願いを断ち切ろうとするように。 (分かっている) 斗貴子は、陽光なき寒色を瞳に宿し佇んだ。 ところでどうも今晩の早坂姉弟は日常を満喫できない運命らしい。 桜花は御前から「震洋現る。秋水とまひろがそれに遭遇し、総角が倒された」という報せを 受けて、急いで防人たちに声を掛けた。 「震洋?」 「L・X・Eの信奉者だ。行方をくらましていたが……」 千歳に説明する防人へ、桜花は報告を続ける。 「ハイ。ただ彼、逆向凱の武装錬金を使ってるんです」 「俺の部下が倒したという幹部のか」 防人は顎に手を当て軽くうめいた。 (気になるな。まぁ戦えば正体も判るだろうが……どうも色々ありすぎる。正直、人手が欲しい) と防人は考えてみるが、現在の戦団の状況からすれば望みは薄い。 そもそも、防人、千歳、斗貴子、桜花、秋水の5人だけでも他から見れば戦力過剰のむきがある。 「ともかく私が出る! まひろちゃんをアイツに任せるワケにはいかない! だが桜花」 ぶっきらぼうな声が桜花に刺さる。斗貴子だ。 鋭い直視の眼差しは対ホムンクルス並みに殺伐としていて、千歳は7年前とのギャップに息を 呑む思いをした。しながらも、一団の神経が本来目的の監視から外れそうなので、食堂を見る。 「いいか。戻ってきたらなんで秋水の奴がまひろちゃんと一緒にいるか聞くからな!」 「ム! それは俺も気になるな。戦士・秋水もストロベりたい年頃か?」 防人は興味津々だ 「タダのお食事」 桜花はしれっと笑った。 「以前、私をお見舞いに来てくれたコトへのお礼だそうです。だから今度は津村さんの番かも」 もちろん秋水にその気はない。まひろへの誘いだって桜花の提案だ。 しかも桜花は、デートの体裁になるのを半ば計算の上ですすめたのである。しかし。 (津村さんに本当のコトなんていったら私の身が危ないもの。嘘はついてないからいいわよね) ある程度の打算によって、安全が図れる言葉を吐いているのである。 「冗談じゃない! 誰がアイツの誘いなど……まぁいい、今はそれどころじゃない」 凄まじい勢いで食堂を脱出する斗貴子を、千歳はおたまを振って見送った。 (あらあら。ひょっとしたら秋水クンとまひろちゃんにとって一番の障害になるかも。困ったわ ね……私が何とかしてあげないと) 桜花は意味ありげな薄ら笑いを浮かべ……お冷を注ぎに戻る。 すると、鍋からカレーを非常に大きなタッパーに移す見慣れぬ生徒がいた。 髪は黒いが明らかに浮き、カツラだと語っている。首筋には金色の煌きが覗いている。 背は秋水とほぼ同じで、フザけたコトに鼻メガネ着用だ。そして胸には……認識票。 桜花は防人とアイコンタクトを取り頷くと、2人がかりで近づいていく。 千歳は(監視していたのに……どうやってそこへ)と、核鉄を握り締めた。 彼らの事情を別として、ヴィクトリアへの質問、続く。 ほやほやした性格のまひろでも、流石に目をぎゅっとつぶって見るのを避けた。 文字通りの胴体着陸。湿ったおぞましい音の反響。 逆胴により真っ二つの逆向は、腸ブチ撒く腹を地面に叩きつけた。 (チ。どうやら例の光の原理はライダーマンの右手と同じらしいな。大抵の武装錬金を防げる といえど、エネルギー吸収の特性だけは例外…… つまりはいつもの構図かよ。武器持ちの クズがだらだら俺らを削りやがる構図かよ。変わり映えろや気にいらねェ) 残心怠りなき秋水が踏み込み、逆向を唐竹に割らんと剣を振りかざす。 (だが!) 「嘲笑」というテーマであつらえた胸像があるとすれば、いまの逆向はそれに似ている。 「サシならばまだやりようはあんだよクズ!」 逆向の下半身がしゅうしゅうと煙(けむ)に溶けるやいなや、イナゴの群れのようにソードサム ライXにまとわりついた。 例のエネルギー吸収が発動しないところを見ると、物質的な攻撃のようだ。 刀身を逆向の脳天近くでぴたりと捉え、斬撃を終息させた。 「クク、『もう1つの調整体』の特質がァ、防御のみだと思うなよッ!」 煙の中で細かい光が瞬いた。 チェーンソーと赤子の鳴き声をブレンドした不気味きわまる怨嗟の音を響かせながら。 秋水はまひろをかばえるラインで飛びのく。が、煙から刀を引き抜く時、嫌な手ごたえが走った。 見ればソードサムライXの至るところがばらばら崩れつつある。 もはや武器としての使用は望めない。救援を呼ぶ時間も。 「どうだ? 構図に慣れきった堅物にはなかなか絶望的な光景だろう!!」 逆向の顔の光が激し、鉛のように中空で塗り固められた煙が最高潮の殺気を上げる。 正体不明の刃の音を内包しつつぎゅらぎゅらと。 「喰らい尽くせッ! ブライ・シュティフト!」 瓦解の剣を携え、なおまひろを守らんと佇む秋水。その背中を悲しげに見つめるまひろ。 救援が訪れたのは正にその時。 「フ。何が出るかは知らんが、1体1でしか功を奏さぬならば阻止は容易い」 秋水は目を見開いた。逆向も同じく。 「俺が参戦すればいいだけだからな。最適の武器と技を選択した状態で」 天空から聴きなれた声が響いた。 「出でよ! 戦闘槌(ウォーハンマー)の武装錬金、ギガントマーチ!」 「ア、アイツ生きてたのか? しかもわざわざニアデスハピネスで飛んでる!」 寄宿舎上空の御前は数10m先の上空に、意外な影を見た。 学生服姿で背中から蝶の羽を生やしている金髪の男を。 「あ、解除した。で別のが」 頷くような仕草で視線を落とし、御前は「なんでもアリじゃねーのアイツ?」と 難しい顔をした。 影が振ってきた。逆向の脳天めがけて。 牛の頭ほどある鉄塊を長い柄につけただけのシンプルな槌を振りかぶり。 「標的変更! 行──…」 中空から落下する物体は、質量が多ければ多いほど速度を帯びる。 例えばなんらかのアクシデントで戦闘相手と落下した場合、鎧を着ている方が早く落ちる。 ロビンマスクがいうんだから間違いない。 煙が影を狙い撃つ頃には、轟然と風切る槌はすでに致命の射程内。 「チッ」 すんでの所でかわした逆向のすぐ横に槌がめり込み、ソニックブームを界隈に走らせた。 「おや。避ける必要がない物をわざわざ避けたか。ちょっとした地震が起きてしまうな」 余裕たっぷりな人影──…総角の足下で逆向は歯軋りした。 確かに避ける必要はない。が、意表をつかれ反射的に回避を選んでしまっていた。 「クズが。どうして生きている」 「フ。それは俺こそお前に言いたいセリフなんだが。どうだ、教えてくれたら核鉄を2 個やろう。悪い話ではないだろう?」 「フザけやがって」 屈辱に唇わななかせつつ逆向は、片腕だけで跳躍。 寄宿舎から走ってきた斗貴子が目を尖らせながら殺到したのはこの時だ。 彼女も同じく飛ぼうとした。がその瞬間地震が起こり、充分な跳躍を許可しなかった。 ギガントマーチの特性は……地震発生。 7年前、防人や千歳と同じ部隊にいた戦士(現在は戦士長)が戦った時には、山肌をブッ叩いて 土石流を巻き起こし、一集落をまるまる壊滅させた。 ちなみに本来の使い手は、斗貴子の顔に一文字の傷を刻んだ男でもある。 「惜しかったなァ! 飛んで一撃食らわし叩き落せば、クズども全員で俺を袋にできただろうが」 付近の民家の屋根へ手をつくと、逆向は彼を見上げる者たちへ濁った瞳を向けた。 「下らん小競り合いに終始する俺じゃない。一時退く。だが、そのうち面白いコトになるぞ。 『奴ら』は既に動き始めている。ネズミのように街を走り回る貴様らとその仲間も! 戦士も! 人間も! いずれ坩堝に飲み込まれて死に尽くせ!!」 それだけを言い残すと、逆向は屋根伝いに跳躍し姿を消した。
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名称:永遠の少年・ピーターパン レアリティ:☆11 属性 木 一覧番号 2569 入手先 入手先1:入手先2:入手先3: レベル 1(99) HP 24789(59654) 攻撃力 7023(16623) 治癒力 1117(2281) コスト 11 売却価格 ??? 進化必要素材 進化先 必殺技:空飛ぶ鷲 必要ターン数 20(10) 効果(Lv1) 1、発動時、味方木属性攻撃力11倍。更に、33%の確率で次ターンに継続。味方必殺技カウント5減少。2、発動したターン、50%の確率でチェリーが成立する抽選を行う。 効果(Max) 1、発動時、味方木属性攻撃力23倍。更に、66%の確率で次ターンに継続。味方必殺技カウント10減少。2、2ターンの間、100%の確率でチェリーが成立する抽選を行う。 リーダースキル:永遠の少年 木属性攻撃力22倍、HP治癒力6倍。敵を倒した次ターン味方攻撃力+800%、毎Tハズレを木図柄に変換&PC消滅無効。
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永遠の魂友(ウラフィキ・ワ・ミレーレ)ワチャゴナ・コール VR 光/自然 (5) クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハイパー・フォウル・コード 5000 ■革命チェンジ−光または自然のドラゴン ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から5枚を表向きにする。その中から多色のクリーチャーをすべて選んで手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番下に置く。 作者:翠猫 DMAE-11「ラスト・ナイト」収録のジュラシック・コマンド・ドラゴン。革命軍とハイパー・フォウル・コードを併せ持つ。 光または自然のドラゴンから革命チェンジする。登場時に山札の上から5枚を見て、その中から多色のクリーチャーをすべて選んで手札に加えられる。確実性はないが更なる革命チェンジクリーチャーを呼び寄せることができる。 元は《族長の魂友 ワチャゴナ》。しかし種族はガーディアン・コマンド・ドラゴンではなくなっている。 収録エキスパンション DMAE-11「ラスト・ナイト」 関連 《族長の魂友 ワチャゴナ》 評価 名前 コメント
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広域射撃を持つカード一覧 広域射撃を持つカード チルノ リリーホワイト アリス・マーガトロイド アルバート・ウェスタリス 博麗 霊夢 富竹 ジロウ 鷹野 三四 葛西 辰由 リリーブラック 鈴仙・U・イナバ 四季映姫・ヤマザナドゥ 「パゼストバイフェニックス」 シエスタ45 シエスタ410 ウッドスフィア ハーディア イノセンス 鍵山 雛 大場 遼太郎 志波 尚 広域射撃を与えることができるカード 速符「ルミネスリコシェ」 志波 尚
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“蒼を受け継ぎし者”レーレ 『宇宙(そら)から見たこの地球(ほし)は、とても蒼く綺麗だった。決して、穢させやしない』 1.基礎能力 体 力 敏捷力 知 力 生命力(HP) 9 14 15 13(65) 防御点 移動力 6(妖精は2) 8(妖精は6) 2.役割 ・調査フェイズ 透明化する妖精を使役し、潜入調査が行なえる ・戦闘時 妖精から炎、冷気、電撃、光球、闇の渦を放つ ・CP消費召喚時 「城」にNPCを匿う 3.人間としての顔 ・外見年齢・性別 20代前半・女性 ・戸籍・職業 偽造戸籍・アクセサリーショップの店長(表の商店街にあるってコト以外はあんまり具体的には決まってない…) ・性格 いわゆるお堅い性格 約束を破れない 兄姉の命を重視する 正義感が強い 4.妖力・妖術 【妖精召喚】(分裂) 身長40cmほどの妖精を召喚する 【能力者探知】(妖力探知) 妖力と同等の能力を持つ人間を見分ける 【オーラ感知】 人間と妖怪とをオーラで見分ける 【透明感知】 [心理的透明]も看破する 【小さな海】(液体作成、門) 指差した場所にごく小さな海を作り出し、自分の「城」へと帰還する 海水から海水へと移動することもできる 5.弱点 殺意・敵意を形とした攻撃に弱い 定期的に潮風を浴びないと消滅する 毎週違った物語を読まないと消滅する 大きな音に恐怖を感じる 6.ハンドリング ・依頼方法 とにかく兄と姉が弱点(姉はほぼ登場しないが) また、未成年の少女に対する義務感もあるのでそこを突けるか ・封殺方法 兄同様、いかにして“約束”をさせるかが彼女を操る鍵。それゆえ、簡単に“約束”を結ぶことはしないが なお、兄とは異なり吸血衝動は持たない 7.生まれ 世界で最も美しい蒼をした海を見渡せる土地に生まれた その蒼を、兄と双子の姉とともに永遠に見ていたいと願った 永遠の命を手にするため、血の犠牲を伴う古の儀式に手を染めた そして、いつしか蒼も永遠の命のことも忘れ、ただ血のみを求めるようになった兄に殺されてしまった そんな物語を何度も繰り返し、そして現実の世界に滲み出てしまった 兄の凶行をとめるため、商店街のメンバーと手を取り、兄を討ち果たした 8.設定 物語の元となった城と海と言う隠れ里を持つ 兄と双子の姉がおり、兄のライザは琥珀川商店街に所属しているが、姉のルールは城に閉じ篭っている 血の儀式を悔いているため、吸血鬼と間違われることを嫌い、(逆恨みで)吸血鬼そのものも嫌っている 一度だけ宇宙へ行ったことがあり、そこから見た地球の青さが強く心に焼き付いている …まさかの名前変更(苦) しかもルールとレーレを逆にしてた(汗) 9.絆 名前 感情 備考 ルール 親愛 いつか、城から出してあげられる日が来ることを願っている 宇宙調査機いなば 幼子 いつか、かえってくることを願っている
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マルピック エネルギー:12 バトル:10 地域 画像 機体名 攻撃 防御 HP ターン 備考 共通 MK-II グリーン 2286 98 4487 2 共通 MK-II ダーク 2154 98 5142 2 共通 MK-II レッド 2113 98 4836 2 共通 MK-II ブルー 2210 98 4293 2 共通 MK-II サンライズ 2196 98 4838 2 共通 グリーンベアシュミット 6959 5 16437 4 共通 グリーンペルソナIII 9174 65000 17 6 共通 ナートナイト 2362 142 7648 2 共通 ナンナナイト 2365 142 7012 2 共通 ダークペルソナIII 10050 65000 17 6 共通 ランナイト 2496 142 6858 2 共通 レッドベアシュミット 6438 5 15433 4 共通 レッドウルフラトロ 2936 98 13496 4 共通 レッドペルソナIII 10285 65000 17 5 共通 バルデールファイター 2358 142 6708 2 共通 ブルーベアシュミット 6959 5 16061 4 共通 ブルーウルフラトロ 2870 98 13803 4 共通 ブルーペルソナIII 9966 65000 17 5 共通 サンライズペルソナIII 9214 65000 17 5 共通 ウルフラトロ 2979 98 6932 4 共通 フェンリルナイト 2318 135 6725 2 9地域 ウンター 2862 126 101197 2 9地域 ウンター 2862 126 101197 2 9地域 ウンター 2862 126 101197 2 10地域 モルス 62407 1260 374968 6 (コメント) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ファイアスピア 効果 鋭い突き攻撃を与え、クリティカル攻撃が発生すると2ターンの間、攻撃速度が増す。 ターン 毎ターン レベルアップ SLv2: SLv3: SLv4: SLv5: SLv6: SLv7: SLv8: モンスター インプ(火) コグーマ(火)
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限りある永遠の中で(2) 誰もが現状をつかみ切れていない最中、木原マサキが嘲笑をあげた。 「心残りなく、だと?あれだけ裏から手を回していたお前が意味もなく命をさらすはずがない。 大方……自分が出ていかなければならない事情ができた。 違うか!?」 ユーゼスは何一つ声のトーンを変えず、淡々と答えた。 「好きに受け取るがいい。仮にそうだとしてもそれが何か分からんお前は、私の掌から出ることはかなわん。 それに、私は役目を終えた道具を残す趣味はないのでな」 そう言うと、そっとジュデッカが2本の腕を上げる。 「第三地獄……トロメア」 ユーゼスが指を鳴らす。すると、何万という虫型ロボットと甲虫が這い出るように生まれた。 「お前の役目は、終わった。一足先にヘルモーズに戻れ。ヘルモーズ内は禁止エリアにしておいた。首輪をはずして入れ」 「しかし………」 「いいと言っている。 聞こえんのか? それならヘルモーズではなくここで分解してもいいが」 「………了解しました」 天使が、ふわりと、闇の空を舞う。そして、そのまま見えなくなった。 「分解、だと? 彼女を……いったいどうするつもりだ?」 「言ったろう、『私は役目を終えた道具を残す趣味はない』と。ラーゼフォンが敵にわたれば厄介なことになる。 せめてそのわずかに生まれた魂でゼストの糧になるようにひきつぶすだけだ」 「何故だ」 フォルカが目を閉じ、押し殺した声で言った。 「だから言っているだろう、『私は役目を終えた道具を残す趣味はない』と」 「その彼女は、お前のために命すら捨てると言った。……そのことに何も感じないのか」 「残念だが―――あれは目的を遂行するために作った人形だ。そのような感情は持ち合わせていない」 天を覆い尽くさんという勢いで虫は空を飛ぶ。そんな、世紀末の光景の中。 フォルカの頭の芯が、ふつふつと熱くなる。彼自身驚くほどに、怒りがこみ上げていた。 これまで、この地獄の中で戦い死した戦士たち。ただ死んでいった人々。 フォルカが閉じていた眼を開けた。 エスカフローネがジュデッカを見上げる。 「ほう……私の人形も気遣うか。大した余裕だ。だが…… 言っておく。余計な事を考えるのもかまわんが、それで生き残れると思うな」 参加者たちにジュデッカが体を向ける。 「ユーゼス・ゴッツォ……天に還る刻が来たのだ!」 「クッハハハハ……私を前にしてその言葉を言いきるか。ならば見るがいい……最終地獄を!」 出力臨界。ジュデッカの瞳が大きな灯火のように燃え上がる。 「「「「「「「「「 」」」」」」」」」 巨体が発する圧倒的な音が、空間を激震させる。 目の前に立つだけで、魂を引きはがされてしまうのではと感じるほどの存在感を持って、ジュデッカは立ちふさがる。 しかし、誰一人として引くことはない。ここにいるのは、百戦錬磨の強者のみ。 木原マサキも、この敵を前にしてジュデッカから距離をとっているとはいえ、イキマとフォルカとともに戦おうとしている。 エスカフローネが跳んだ。グルンガストが最大ブーストで突っ込む。 ジュデッカの十分の一ほどしかないマシンが、ジュデッカに拳を打ち込む。 「受けろ!機神拳!!」 蒼い闘気に包まれた拳がジュデッカの右肩をとらえた。確かに装甲は貫く。 さらに、突き刺さった拳が内部から気を発し、波紋のように周囲の装甲を引きはがした。 しかし、あまりにも小さすぎる。それらを加えても、せいぜい5mばかりだ。 「計都!羅喉剣ッ!!」 グルンガストが、振り上げた剣を重力加速も加えて叩きつける。 しかし、それをジュデッカはオオバサミのような腕を使いつかむと、逆に押し返した。 パキリ、と計都羅喉剣にヒビが入る。 「エスカフローネでは火力が足らん、グルンガストは鈍過ぎる……」 ジュデッカの体が青白く光った。その光は、徐々に強くなり、白みを増していく。 次の瞬間、氷塊が溢れかえる。遠雷の如く、氷がぶつかり合う音が轟く! 「く……おおおおおぉぉ!!?」 グルンガストが氷塊の海にのみこまれ、流されるようにジュデッカから遠ざかっていく。 エスカフローネは、氷塊の上を八艘飛びもかくやというステップで踏み越え、さらに機神拳を叩き込むべく接近する。 「まだだ!」 長く戦っては不利、というのを体格差から悟ったフォルカは一気に攻勢を仕掛ける。 両手を打ち合わせると、両の拳が蒼く輝く。 「轟・覇・機・神・拳!」 先ほどと同じかたちで、胴に一発。それでは終わらない。見えぬほど数の拳が現れては消え、ジュデッカの装甲を叩く。 拳が速すぎて衝撃波<ソニックブーム>が十重二十重と巻き起こる。 「はぁぁあああああ!!」 とどめとばかりに、ねじ込まれた腕が一筋の光の柱を撃ち放つ。 見事にジュデッカを貫通し、胴の7割近くを吹き飛ばす。 すごい、と見ていたマイは驚嘆した。ジュデッカがどれだけ恐ろしい機体か彼女はその身をもって知っている。 それを、あれほど一方的に屠るフォルカの実力。端々から見て取れた彼の力は、紛うことない本物だったのだ。 「むんッ!」 拳を引き抜き、後方一回転宙返りまで鮮やかにきめて着地する。 「これほどとはな……なるほど予定通りだ」 涼やかなユーゼスの声。 「そんな……!ジュデッカのコクピットは胴体、今ので終わるはず……ッ!」 「それは、どうかな?」 吹き飛んだ部分に、メギロードとドビシが吸い込まれていく。それだけでは済まず、全身を虫が覆う。 虫が数秒してはなれた時、またジュデッカは元通りの姿を取り戻していた。 いや、それどころか一回りも二回りも大きくなっている。 「そんな……どう観測してもそんな現象起こるはずがありません!」 エルマが、目の前の現象を解析し、うなった。 ユーゼス以外知る由もないが、このジュデッカはCPSにより、因果をある程度ではあるが操作されている。 操作された因果律に比べれば、大きさも、強度も、取るに足らない瑣末なことにすぎない。 ただ、在る。絶対的なものとして在る。 世界そのものを相手にしているといっても、決して過言ではないのだから。 ジュデッカが身をふるい、動き出した。 次の瞬間、ジュデッカは消滅した。 「コクピットや一部を吹き飛ばしても無駄なら……全身ならどうだ?」 木原マサキの声。後ろに下がって、静かにしていたのはなにも戦う気がなかったのではない。 この男は、直接ブラックホールクラスターを、ワームホールを通してジュデッカに転移させたのだ。 結果、体内に発生した超重力を受けて、一見突然消えたように見えた……というわけだ。 「やはり、無駄だ」 何もなくなったはずの空間が、拡張される。 「単純な、事象を操作する……という意味ではCPSに勝るものはない。 グランゾンの重力操作といえど、CPSをもってすれば打ち消すのは造作もない」 ポップコーンが膨らむように、複雑怪奇な曲面を描きながらジュデッカは拡大し、もとにまた戻っていく。 ちっ、と木原マサキは舌打ちする。 「つまり、切るなりしなければ意味がないというわけか。次元連結システム並みの技術を持っているとはな」 グランワームソードを取り出すと、グランゾンが構えた。 吹き飛ばされたグルンガストも、ヨロヨロと起き上がる。先ほどの攻撃で、さらに装甲の亀裂は大きくなっていた。 「ということだが、いけるか? 寝ておいても別にかまわんがな」 「……黙れ、ユーゼスを倒した後は、お前の番だ」 ニィッと口の端を釣り上げマサキが笑う。 「やれるものならやってみろ」 グルンガストと、グランゾンが剣を構え、一人前衛のような恰好でエスカフローネが拳を構える。 「そうだ、それでいい。可能な限り運命に抗う……それが人の性(サガ)だ」 虫が集まり、60mほどの巨体を2体生み出した。腹部に輝く爬虫類のような一つ目。 その下についた丸い口と、頭頂にパックリ開いた口。片手は、カマ。虫なのか爬虫類なのか判然としない。 「メギロードを利用して強化したカイザードビシだ。破滅を呼ぶものとして、お似合いだろう?ゆっくりと楽しむといい」 (キュィイイイイイイイイイイイイイイイイイッッ!!!) 奇怪な鳴き声をあげる2体のカイザードビシ。 その両方が、前に出ていたフォルカを完全に無視し、グランゾンとグルンガストの前に降り立った。 「何ッ?」 カイザードビシが、両腕を振り上げグルルガストを押さえつける。 グランゾンに向かったほうは、触手のような下を伸ばし、絡めとろうとする。 倒そう、という攻撃には見えなかった。 あの巨体ならば、そのまま力に任せて暴れるだけでもそれなりの成果は上がるはずだ。 それらの攻撃は、あくまで足止め、と言わんばかり。 「くッ!?」 「おれたちにかまうな!行け!」 フォルカが後ろの二人を助けるか、ユーゼスへ突っ込むか悩む刹那、イキマの声が飛ぶ。 「おれたちではお前の足手まといにしかならん!お前がユーゼスを倒せ!」 グルンガストが、カイザードビシの一撃を受け、膝をつく。しかし、素早くガストランダーに変形。 「うおおおお!!」 ドリルアタックがカイザードビシの腹の口に突き刺さる。 (キュ……イイイイWEEEEEEEEEEイイイEEE!!?) やはり生物なのか苦悶のような叫び声をあげるカイザードビシ。 しかし、その青黒い血を垂れ流す傷は、あっという間に新たなメギロードとドビシがふさいでしまう。 「長くは持たん、急げ!」 「……すまん、まかせろ!」 エスカフローネがジュデッカに駆けだす。 「そうだ、それでいい!修羅の力を見せてみろ!」 走りながらフォルカはまた力を貯める。 「受けろ!機神双獣撃ッ!!」 拳から放たれた二体の獣魔が、うねりとうなりを上げて3本まとめてジュデッカの腕に食いついた。 そのまままったく足を止めない。逆に加速をつけて、矢が突き刺さるように抉り込む! 拳、 拳、 蹴り、 蹴り、 拳、蹴り、拳、拳拳蹴り蹴り蹴り蹴り!! どんどん加速していき、もはや次の一手が撃ち込まれた時には、その三発後が撃ち込まれている。 矛盾すらはらむありえない体感を与えるほどの速度で足と腕が飛ぶ。 「機神………猛撃拳!!」 フィニッシュに、地面を踏みしめ蹴り上げの回し蹴り。 地面をこすり、ジュデッカが吹き飛ぶ。 「ククク……本当に素晴らしい力だ。それでこそ、というものだ」 やはり、ジュデッカは再生。 「……まだ笑う余裕があるか、なら」 さらにフォルカが加速。白い光の尾を引いて、エスカフローネを攻め立てる。 「クッククク……」 どんどんどんどんフォルカがジュデッカを削り取る。 ジュデッカの攻撃をかいくぐり放っているにもかかわらず、その速度は徐々にジュデッカの再生速度を上回り始めていた。 「やった!マイさん、見てください!このままいけば、ユーゼスを倒せますよ!」 エルマのうれしそうな声。確かに、どこをどう見てもフォルカの勝ちは揺るぎそうにない。 それでも、マイの顔はうかなかった。 何か見落としているのではないか? その想いが払拭できない。 ―――ユーゼスは、意味もなくこんなことをしない。やつが動くのは、絶対の自信と終わりが見えたときだけだ。 手が汗ばむ。その疑念は、マイのなかで拡大していく。 それでも、マイは見ていることしかできない。コクピットしかないR-1では、何もできない。 このままでは、駄目だ。 そう思っていても、体を動かすこともできないし、口も挟むこともできない。 悪寒の中、時間のみがジリジリとたっていく。状況は、フォルカ優勢のままで。 「機神……猛撃拳!」 いったい何発目の機神拳だったろうか。数え切れないほどの拳が衝突した。 光一閃。 ついに、頭部を残し、ジュデッカが砕けた。 「クククク………ところで言ってやるが」 それでもユーゼスの笑いは止まらない。 「これで終わりだッ……!」 最後の一撃が放たれんと、フォルカが拳を振り吹いたとき………――― 「エスカフローネがお前の力に耐えられると思っているのか?」 ガラスが割れるような甲高い音。 「な……に?」 砕け散る。 ジュデッカの頭、ではなく。 エスカフローネの腕が。 ジュデッカに吸い込まれるように、甲が、手首が、肘が。 その芸術品のような右腕が破片と散った。 その光景を、マイは呆然と見ているしかなかった。 「ぐ……ああああああああああぁぁぁあああ!!!」 エスカフローネは、痛みをダイレクトに操縦者に伝える。 今のフォルカの痛みは、腕をばらばらに粉砕するのとまったく同量の痛みだった。 痛み慣れしていた修羅だからこそ意識を手放さないが、常人なら気がふれるほどの痛みだ。 その僅かの間に、ジュデッカはまた再生する。 地面に転がるエスカフローネを、尾でジュデッカは弾き飛ばす。 「というわけだ。全く残念だ。もし、お前が零影のような機体に乗っていれば話は変わっていただろう。 もっとも、決して手を抜いたわけではない。まさか本当に単騎でジュデッカを追い詰める力が想像以上だったのでな。 これは、次善策だったのだが」 とんだ三文芝居を、とフォルカは歯を食いしめた。 相手はこの会場すべてを牛耳る主なのだ。最初からこうなると予見してのことだったのだろう。 思えば、なぜ自分たちの目の前に現れたかを考えるべきだった。 あれは……わざと自分に今の機体で手を出させるための罠だったのか。 自分の不甲斐無さに、フォルカはどうしようもなく腹が立った。思慮も浅く怒りにかられて戦うなど……! 「さて……」 ユーゼスはもはやフォルカなど眼中にないというように、背を向けた。 今、ジュデッカが向いているのは、R-1のコクピットだ。 その巨体に似合わぬ速度でジュデッカは地面をこすりながら移動。光る腕を振り上げた。 「あ……あ……」 コクピットの中で、マイは息を呑んだ。 今のコクピットしかないマイでは……いやそうでなくてもどうにもならないだろう。 イキマ達も、カイザードビシを捌くので精一杯だ。 「待て……ッ!」 エスカフローネが、なお立ちあがる。そして、回り込んでジュデッカの腕に体をぶつけた。 そのため、腕はそれてコクピットの僅か横に、振り下ろされる。 「フォルカ……」 マイの前に立つのは、フォルカ。マイは、ここに着て何度この男の背中を見たことだろうか。 前に立って、なおも構えるエスカフローネを見て、ユーゼスは息を吐く。 「悪いが……戦えない修羅に興味がない。この状況を打破する力がない以上、脅威にならん。そこをどけ」 フォルカも、そのくらいは分かっている。残った左腕も、一度打てば砕けるだろう。 だが、引けない。引くわけにはいかない。 「よせ!フォルカなら新しいマシンさえあればユーゼスに勝てるんだ!」 「だからなんだッ! ……それではマイはどうなるッ!」 確固たる意志をもってフォルカは答えた。一切の迷いはないと、言外に言っていた。 「私は……リュウを……私なんかより、フォルカが生きるべきなんだ!だから……だから……」 最後はすぼむように小さくなっていくマイの声。すすり泣くような声が通信を通して伝わる。 「なら、二人とも……いや全員で生きればいい!」 けして、やけになっていっているのではない。誰も見捨てない。可能な限り、拳がある限り救う。 それは、散っていって修羅たちとの誓い。ゆえに……引けない。 「今のお前に何ができる、現状を変えられるというならやってみるがいい」 ユーゼスの不快な声がフォルカをなじる。 「なら、見せてやる」 アリオン、メイシス、フェルナンド、兄さん……修羅王! 僅かでいい、俺に―――――――― 力を ! ! 燐光を、エスカフローネが放つ。 白いエスカフローネの装甲が、さらに穢れのない純白の白へと変化する。 闘気を揺らめかせて、ほのかな光輝を放っていた。 「全てなくなっても……俺は諦めない! だから!」 いや、ほのか、などというものではない。陽炎のようにフォルカの周りだけ、歪んでいる。 周囲と温度が、密度が、気迫が違う。闘気で地面が音を立ててへこんでいく。亀裂となって広がる。 「俺が新たな修羅王というのならできるはずだッッ! 不滅の遺志よ! 刃となれ!!」 エスカフローネが残った腕を地面に叩きつける。 その瞬間、残ったエスカフローネの腕は砕け散った。衝撃で、空へと舞い上がる破片たち。 その微細な破片は、陽光浴び、鏡面のように光りを照り返す。七色のプリズムを放ちながら、虚空へ解けていく。 「おおおおお……これが……修羅……魂すら喚び寄せる修羅の力……これが……」 「「 闘 鬼 転 生 ! ! 」」 粒子となった一粒一粒が、光りを放つ。 「え……?」 「何……だと?」 「これは……」 イキマ、マイ、マサキが三者三様に驚きの声をあげた。 なぜなら、ありえない現象が目の前で起こったのだから。 壮観な光景だった。 大きいロボットもいる。小さいロボットもいる。 SF小説に出るようなスタイリッシュで細身なロボットも、生物的な人間に近いロボットいる。 その数、約60。 そう、エスカフローネを中心に、60機以上のロボットが現れたのだ。 6機の修羅神だけのフォルカはつもりだった。しかし、現実使用した闘鬼転生は、60という異常な数の闘神を映し出した。 しかも、それだけではない。闘鬼転生は、あくまで自分が戦った相手を再現するもの。 なのに、戦うどころか見たことすらないものが多く……いやほとんどなのだ。 その中の一体が、マフラーをなびかせて空へと舞い上がる。 玉状の物体が燃えるように輝き、頭部の眼帯のようなものが展開する。 背部と脚部から放たれている光を翼のように羽ばたかせ、空を切り裂く。 その急降下の一撃は、動けなくなったグルンガストにとどめを刺そうとしていたカイザードビシを粉砕した。 ……大雷鳳。 それを修復すべく、多量のメギロードとドビシが集結する。 その数えるのも嫌になるような数を……馬の顔を持つ影が割り込み、正確に一体ずつ打ち落とした。 合計、1000発。 ……修羅神アガレス。 ジャベリンをふるい、さらに切り裂く者がいる。 青い翼を広げ、五色の光でドビシを飲み込む者もいる。 白い天使の翼をはためかせ、一筋の巨砲でドビシを打ち抜く者もいる。 12体の分身を飛ばし、爆発させる者もいる。 数多の伝説を作った黒歴史の勇者たち。ガンダムの名を連ねるもの達。 ……RX-78 ガンダム。 ……フリーダムガンダム。 ……ウィングガンダムゼロカスタム。 ……マスターガンダム。 二体のバルキリーがいた。二体の人型汎用決戦兵器がいた。二体のバーチャロンがいた。 DGGの1号機がいた。ビルトファルケンが。ビルトビルガーが。ザクⅢが。 「あれは……」 マイは見た。そのマシンの中に、R-1がいるのを。 エルマは見た。確かに、セレーナの姿がその中にあるのを。 イキマは見た。そのマシンの中に、鋼鉄ジーグ……司馬宙がいるのを。 巨大な船影が、空を包む。エクセリヲンが、一斉に砲撃を始めた。 一言も言葉を発さぬ姿。 しかし、その身からあふれる生気が、彼らが黙する死者ではないことを雄弁に物語っていた。 ――――しかし、その魂全てが清浄とは限らない 。 「外部からのシステム干渉だと……っ!どうした! 何が起こっている!? 動けグランゾン!」 グランゾンが機能を停止したように動きを止める。背面にエネルギーの放出を自動的に始めた。 コントロール画面にスクロールされていく膨大な数のヘブライ語。 3人同様に、マサキは見た。 グランゾンの内部データが、猛烈な勢いで書き換えられていくのを。 それに飽き足らず、機体の装甲や動力炉が作り替えられるのを。 グランゾンが完全なOUT OF CONTROL に入る。 「これは……なんだ!?」 珍しく焦ったマサキの声。 グランゾンはふわりと浮きあがると、巨大な重力波を形成した。 グランゾンの殻が、外れていく。 「いったいなんだ!何が―――――――― マサキの声の尾を引き、グランゾンから現れたモノは、重力波の中に消えた。 【木原マサキ 搭乗機体:グランゾン?(スーパーロボット大戦OG) 機体状況:??? パイロット状態:疲労、睡眠不足 、混乱、胸部と左腕打撲 、右腕出血(操縦には支障なし) 現在位置:??? 第一行動方針: ??? 最終行動方針:ユーゼスを殺す 備考:グランゾンのブラックボックスを解析(特異点についてはまだ把握していません)。 首輪を取り外しました。 首輪3つ保有。首輪100%解析済み。 クォヴレーの失われた記憶に興味を抱いています。 機体と首輪のGPS機能が念動力によって作動していると知りました】 ジュデッカの前に、ソウルゲインとツヴァイザーゲインが並び立つ。 一瞬の交錯とともに放たれる二奏・麒麟。 ジュデッカが腕を組み、防ごうとするが、それをいとも簡単に貫く。 空を埋め尽くしていたドビシとメギロードは、もうほとんど残っていなかった。 『彼ら』によって殲滅され、ジュデッカは再生のための素材を失った。 「クハハハハハハハハ……フハハハハハ……ハハハハハッ!」 しかし、ユーゼスの笑いはさらに高く大きくなっていく。 「我……成せり! 私の思惑通りだッ!」 ジュデッカが、破損せず残っていた腕を空に掲げた。 空気が鳴動を始める。………ジュデッカが現れた時のように。 「お前たちが解放されたここでッ!闘鬼転生を使えば、寄ってくるのは目に見えていたのだ! 私という………極上の餌に釣られてな!」 光がひときわ輝いた後、顕れたのは、『門』。これもまた同じように横滑りして開いてく。 しかし、ここからが違った。 逆に、吸い込んでいくのだ。闘鬼転生で形を得た魂たちを。 『門』の吸引を受け、砂になるように崩れ、形を失っていく『魂』。 「闘鬼転生を……狙っていただと!?」 「そうだ!逃げた魂を集めるために……私に仇なすためとなれば、この愚か者たちは力を貸す! まして、直接復讐できる器があるとなれば来ないはずがない、お前の闘鬼転生はその呼び水とさせてもらった!」 ジュデッカが、エスカフローネに突っ込んでいく。 よけようとしたフォルカは……後ろのマイのことを思い出し、動きがわずかに遅れた。 ジュデッカは、その両手にエスカフローネと、R-1のコクピットをつかむ。 「待てッ!」 イキマが、グルンガストを動かそうとする。しかし、その動きはあまりにも鈍い。 フォルカが、逃れようと暴れるが、両腕を失った今のエスカフローネではどうしようもない。 そうしている側でも、確実に『魂』は呑み込まれていく。 「すべては、私の手の上ということだ!何も変わりはしない!」 ジュデッカの出力が、臨界を超えて上昇を続ける。傍目から見ても、明らかに様子がおかしい。 「まさか、これがお前の目的!?」 おかしい、とイキマは思った。いくらなんでも、出力を上げ過ぎている。 この出力のマシンで自爆して生きていられるとは思えない。 なのに、なぜそのような真似を……と思い、ついにたどり着いた。 そう、人魂をささげ、力を集め行うこと……それは、『死者の復活』か、『神の降臨』か。 大きく分けてこの二つに大別される。 真実に辿り着き、顔色を変えたイキマの様子を見て、ユーゼスは目を細めた。 「ついに気付いたか。 その通り、私は神を降臨させる! いや私が神になる!」 もう、7割近くが吸い込まれた。このままでは、結果的にユーゼスの思惑通りになってしまう……! 「そうは……させん!」 エスカフローネが、中空を蹴る。 「が……あああああああッ!!」 その勢いで、手の中から逃れるが、全身の装甲がはがれ、中身が見え隠れしている。 もちろん……その痛みはフォルカにも伝わるはずだ。 「これで最期だ……!」 両腕と、全身の装甲を破壊されたエスカフローネが、『門』へと突っ込んだ。 「おおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」 エスカフローネの突撃を受け、『門』がテレビのノイズのように乱れ始めた。 「馬鹿な、物理的な干渉をクロス・パラダイムゲートが受けるはずがない……! この男、何をやっている!?」 ついに初めて、ユーゼスが焦りを見せた。 フォルカは、『次元の壁』に直接干渉しているのだ。 エルマを通して、ユーゼスが知りえなかったフォルカの切り札。 たった一度、それだけで人間よりはるかに強い生命力をもつ修羅の…… そのまた選ばれた存在ですら、長き眠りにつかねばならなくなる最終技。 「今が……その時だ!」 「完全な回収どころかそんなことをすればCPSが歪む! そうなればどうなるかは完全にわからんのだぞ!貴様、因果地平の挟間を彷徨うつもりか!」 「この修羅の世界を作ったお前とともに逝けるというのなら、それも本望だッ!」 ジュデッカの腕は、2本だけではない。何本か欠損しても、まだあまりはある。 その腕を使い、『門』からエスカフローネを引き剥がそうと、ユーゼスが操縦桿を傾ける。 「させない……そんなことは絶対にさせない!」 ユーゼスのこめかみに、鋭い痛みが走る。R-1のコクピットが発光、というより明滅を繰り返している。 「馬鹿な……念動指数 36だと……レビ・トーラーでも強制出力で28のはず!何をやっているこの木偶人形が!」 「私は木偶人形なんかじゃない…… 私は、フォルカやリュウ、アヤ……SRXチームとみんなと一緒にいれて変わったんだッ!」 ジュデッカのシステムが、マイに乗っ取られて動きを止めた。もはやユーゼスにはシステム停止もできない。 結果、あふれ続ける神の降臨に回すはずだったエネルギーが、余計な弁により、暴走を始めた。 「空間の許容限界を突破ッ!」 エルマが現在の状況を知らせた。 『門』が、白む。世界が、白む。イキマの目の前で、すべてが白に塗りつぶされていく。 その中心で、ひときわ白くエスカフローネが、R-1のコクピットが在り続けた。 黒い邪神を塗りつぶす、白い神の力。ジュデッカの内部が、あらわになる。 終わる。終焉する。 「………美しい」 あまりにも場違いな一言だった。しかし、それはイキマ自体の本心から漏れた言葉だった。 今まで見てきた、悪夢的な意味で信じられない光景ではない。 神話を、眼の前でそのまま見ているような……幻想的な光景だった。 「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」 3つの声が入り混じる中……すべてが消えていった。 残ったのは、ただ流れるままの風。 【イキマ 搭乗機体:ウイングガスト(バンプレストオリジナル) パイロット状況:ゲームの終了を確信。戦闘でのダメージあり、応急手当済み。マサキを警戒。 機体状況:装甲に大程度のダメージ、メインカメラ破損。 ほとんどろくに動けませんが、移動は問題なく可能。詳細は次の人にお任せします。 コックピットの血は宗介のものです。 現在位置:E-4 第一行動方針:他者に、ユーゼスの死亡を伝える。 第二行動方針:トウマに代わり、クォヴレーを支える 第三行動方針:主催者打倒の為の仲間を探す 最終行動方針:仲間と共に主催者を打倒する】 備考:ディス・アストラナガンを特に警戒 ガイキングの持つ力(DG細胞)が空間操作と関係があると推測 ディス・アストラナガンがガイキングの力(DG細胞)と同種のものと推測 剣鉄也らの背後の力(デビルガンダム)が空間操作装置と関係があると推測 空間操作装置の存在を認識。D-3、E-7の地下に設置されていると推測 C-4、C-7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測 【ラミア・ラヴレス 搭乗機体:ラーゼフォン(ラーゼフォン) パイロット状態:精神的動揺 機体状態:装甲に僅かなダメージ、EN 1/3ほど消費 現在位置:ヘルモーズ内 第1行動方針:特になし 最終行動方針:ゲームを進行させる】 【マイ・コバヤシ 消滅】 【フォルカ・アルバーグ 消滅】 【ユーゼス・ゴッツォ 消滅】 限りある永遠の中で(3)へ