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ゆっくりアスパラかかし 制裁 俺設定 「おじさああん!ゆぐっ!ゆっぐりだすけてね!いだい、いだいよおおお!!」 朝、俺が畑に出てみると、一匹の子まりさが身動きもせずに泣き叫んでいた。 「・・・何やってんだお前。助けるって、何を」 「うごけないのおお!!あんよに、なにか、ささってるよおお!」 うん、なるほど。俺は一人で納得した。 まりさの足元には、ホワイトアスパラガスを栽培していたのだ。 「ゆぐっ!ぬけないよ!はやぐたすけてえええ!!」 ご存じの方も多いだろうが、ホワイトアスパラの特徴は土をかぶせて栽培することだ。 日光に当てて栽培すると、緑色素が多くなり普通のグリーンアスパラになる。 このまりさは土の下に隠れたホワイトアスパラに気付かず、上に跳び乗って刺さってしまったようだ。 「どれ、ちょっと見せてくれ」 俺はまりさの頭をつかみ、刺さっているであろうアスパラを軸に半回転させた。 「ゆぐりゅっ!いだ、いだあああ!!」 実にきれいに刺さっている。底面のど真ん中に、垂直にだ。 普通こんなことにはならず、アスパラが折れるかどうかすると思うのだが。よほどうまく跳び乗ったらしい。 「はははやくう!ぬいでええ!!」 昨日の時点でアスパラは10cm弱まで育っていた。まりさの身長は20cmくらい。 体の半分まで刺さっている。そりゃ自力で抜けないわな。 「・・・よく考えたら、何でお前ここにいるんだ。おい、いつ、何のためにこの畑に入った」 「そんなのどうでもいいからはやくぬいてよおおお!!なんなの?ばかなの?しぬの?」 「いいから答えろ。答えないと抜く前に叩き潰すぞ」 「ゆうううぅぅっ!?」 まりさは話し始めた。 昨日の日没頃、家族みんなでここに野菜を食べに来た。みんな野菜を食べてしあわせーだった。 まりさは他にも野菜がないかと探していて、土の山を踏んでしまった。 すると何かが刺さり、身動きが取れなくなってしまった。 家族は気付かずにまりさを置いて帰ってしまった。 「・・・要するに畑荒らしじゃねーか」 辺りをよく見てみると、あちこちの苗にゆっくりの歯形が。 「やってくれたな・・・俺が丹精込めて育てている野菜を・・・」 「おやさいさんはかってにはえてくるんだよおお!? それよりいいかげんにしてね!ゆっくりしすぎだよおお!!」 情状酌量の余地無し。殺す。 引っこ抜いて叩きつけてやろうと手を伸ばしたが、ふと考えついた。 このままにしておくのも面白いかもしれない。 「いや、そのままゆっくりしててくれよ」 「ゆううう!?どぼしでそんなごど・・・」 「いちいち土かけるのが面倒なんだよ」 アスパラは気温が上がりさえすればどんどん生長する野菜だ。 暖かいゆっくりの体内ならすくすくと伸びていくだろう。 「ゆううう!いかないでえええ!ゆっくりしていってよおお!!」 俺は真っ青な空を見上げた。今日はいい天気になりそうだ。 時折響くゆっくりの叫び声を聞きながら、いつも通り畑仕事に励んだ。 翌朝。俺は一番にまりさの様子を見に行った。 「さむいよ・・・おなかへったよ・・・」 かなり参っているようだ。 一昨日の夜から何も食べていないし、春とはいえまだ相当冷え込む夜に二晩も放置されていたのだ。 「まりさ、調子はどうだ?」 「おじさああん!はやぐ!はやぐだずげっ・・・いだいいい!!」 それでも俺が近づくと激しく反応した。まだまだ餓死することはなさそうだ。 「どこか変わったところはないか?頭が痛くなったとか」 「ゆゆっ!あだまいだいよ!がんがんするよおお!!」 アスパラも順調に生長しているらしい。そのうち頭頂部を突き破って出てくるかな。 「だすげて!おじさん!ゆっぐりさぜて・・・」 「はい、じゃあ今日も一日そのまま頑張ってね」 「どぼじでええええっ・・・!!いだいいいい!!」 今日も空は雲一つ無し。一生懸命働こう。 また翌朝。拘束3日目となるわけだが、どうなっているだろうか。 アスパラ畑の中にぽつんと黒い帽子が一つ。まりさは―― 「ゆっっkぐりぃしゅでやぁtぱrrr・・・」 ――壊れていた。 聞くところによると、ゆっくりには中枢餡というものがあって、それが思考や行動の全てを司っているらしい。 おそらく生長したアスパラがそれを傷つけてしまったのだろう。 しかしこれじゃもう面白くないな。楽にしてやるか。 そう思っていると、遠くから声が聞こえてきた。 「おちびちゃああん!!どこおおお!!」 「おねーちゃああん!ゆっくりへんじしてええ!!」 俺は近くのビニールハウスの陰に隠れた。 「ゆーっ!おちびちゃん!まりさ!おちびちゃんがいたよおお!!」 「ゆっ!ほんとうなのぜ!?」 ばいんばいんと跳ねてきたのは成体れいむ。少し遅れて成体まりさや子れいむ数匹もやってきた。 「おちびちゃん!ごめんねぇ・・・さびしかったでしょおお・・・」 やはり子まりさの家族のようだ。身動きのできない我が子に声をかける親れいむ。 しかし、返ってきた言葉に硬直した。 「ゆぷっkりあやkきあううう・・・」 「・・・・・・ゆ?」 「・・・ど・・・どうしたんたぜ!?」 「ゆゆyゆyyがp・・ゆぎゃああ・・・」 子まりさの目玉はぐりんぐりんと回転し、口は無意味にガッパンガッパンと開閉する。 「おねーちゃん・・・こわいよ・・・」 「どどどどうしたのおちびちゃん!しっかりしてえ!ゆっくりしてええ!!」 「ゆbぶbbbぶbううb」 明らかに異常な子まりさの様子を見て、一家は怯え始めた。 「おねーちゃん!ゆ・・・ゆっくりしてえ!」 「ゆぎゃーん!!こわいよおおお!!」 「ゆ・・・ゆうっ!おちびちゃんのあんよになにかささってるよ! まりさ!みんな!たすけてあげるよ!」 親れいむは異常の根源に気付いたようだ。だが、他の家族はすっかり怖じ気づいてしまった。 「こんなの・・・おねえちゃんじゃないよ・・・」 「ま、まりさのおちびちゃんはもっとゆっくりできるんだぜ!こんなのしらないんだぜ!」 「どぼじでそんなごどいうのおお!?はやくたすけてあげないと・・・」 「まりさのゆっくりできるおちびちゃんたち!あっちにおやさいさんをたべにいくんだぜ!」 「「「ゆーっ!!」」」 離脱する親まりさと子れいむ達。あとには親れいむと子まりさだけが残った。 「ゆくっくっくrrrれれr・・・」 「・・・ひ、ひどいよおおおお!おちびちゃん!れいむがなおしてあげるからね!ぺーろぺーろ!」 「本当にひどいなお前ら。家族だろうが」 「あんなのかぞくでもなんでもないんだぜ! それよりいまからむーしゃむーしゃするから、じゃましないでほしいんだぜ!」 「あ、そ。ところで、2日ほど前にもここで野菜食ったよな?」 「ゆゆっ?どうしてしってるんだz・・・ゆぎゃああああ!!」 「いやあああああ!!」 「やべてええええ!!」 不埒なゆっくり達の頭を叩き割って戻ってきてみると、親れいむはまだ子まりさの顔を舐めていた。 「ぺーろぺーろ!おちびちゃん!しっかり!」 「ゆp・・・おが、おがーsy・・・」 何と、子まりさはわずかに反応している。 「ゆっ!そうだよ!おかーさんだよ!ぺーろぺーろ!」 舐めるのに夢中な親れいむの背後に忍び寄り、スコップを脳天めがけて振り下ろす。 「ゆぶぺっ!!」 顔面と後頭部がきれいに分かれた。親れいむは舌を突き出したまま、白目をむいて頓死した。 「おが・・・しゃん・・・ゆっぐ・・・」 子まりさはだいぶ落ち着いていた。まさか、治るのか? 俺は家からオレンジジュースを取ってきて、子まりさにかけてみた。 「ゆpッ!ゆくっ!ゆっ!・・・ゆっくり!ゆっくりしていってね!」 「・・・ああ、ゆっくりしていってね」 俺は半ば呆れていた。人間で言う脳髄を傷つけられたはずなのに、オレンジジュースで治ってしまった。 「ゆっ?いまおかーさんがいたよう・・・なあああああ!!」 眼前で真っ二つになっている母親に気付き、絶叫する子まりさ。 「ゆわあああ!!おかーしゃ・・・いだい!あだまいだいよ!おじさん!はやくぬいでええええ!!」 後遺症も無し。つくづく不思議な生き物だ。 俺は親れいむの死体を回収し、静かに立ち去った。 「ゆわああああん!ゆわあああああん!!」 オレンジジュースで元気になったまりさの泣き声が、夕方まで響いていた。 それからの日々は、まりさに「逆かかし」として過ごしてもらった。 「ゆーっ!おやさいさんがいっぱいだよ!」 「ゆっくりむーしゃむーしゃするよ!」 「ゆ?あそこにまりさがいるよ!」 「ほんとだ!いってみようよ!」 「ゆうううっ!おねーさんたち!まりさをたすけてええええ!」 「ゆうぅ!まりさのあしになにかささってるよ!」 「ゆっくりまってね!ゆっくりたすけるよ!」 「ゆうう・・・ぬけないよ・・・!」 「いだい!いだいよおおお!」 「ようまりさ。今日もご苦労さん」 「ゆぎゃああああ!おじさん!こないでええええ!!」 「ゆっ!おじさん!まりさをたすけてあげ・・・ゆぎゃああああ!!」 「れいむううう!!おじさん!なにするの・・・ゆげえええええ!!」 「おねえええさああん!!」 このように、畑に侵入したゆっくりをまりさに引きつけてもらい、叩き潰す。 この方法のおかげで、畑の被害は激減した。 5日おきに、オレンジジュースを文字通り浴びるように飲ませてやれば餓死することはない。 雨の日はちゃんと透明な箱をかぶせて守ってやる。オレンジジュース代がかさむが、畑の被害に比べれば安いもんだ。 だんだんとまりさは精神をすり減らしていき、助けを求めるとき以外は黙ってじっとするだけになった。 まれに涙を流しているときもあったが。 そうして2週間ほどが経過したある日のこと。 「あ゛あ゛あ゛っ・・・あ゛あ゛」 突然まりさが呻き始めた。畑仕事を中断し、様子を見に行ってみた。 「あ゛あ゛っ・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 虚空をぼんやりと見つめ、ただひたすらに呻いている。 また中枢餡がやられたか、と思ったがどうも違うようだ。 俺は少し考え込み、あることに思い当たった。 まりさの帽子を持ち上げる。 「あ゛あ゛あ゛・・・おぼうし・・・やめて・・・」 頭頂部からアスパラの白い先端が1cmほど飛び出ていた。 「貫通、おめでとう」 「・・・・・・」 このアスパラは20cmを超えたわけだ。やはり他のに比べて生長が速い。 これはもうそろそろ収穫だな―― 「・・・ごろじて」 ――と考えていると、まりさがぼそりと呟いた。 「もう・・・ころして」 また少し考え込んだあと、俺はまりさの頭に帽子を返した。 「まあ、もうちょっとゆっくりしていけよ」 「いや・・・やめて・・・」 「今日はジュースの日だったな。飲んで元気出せよ」 「もう・・・いやだよ・・・やめてね・・・」 個人的に興味があるので、もう少しこのままにしてみよう。 俺はオレンジジュースを取りに家に戻った。 「ゆーっ!おやさいさんがいっぱいだよ!」 「ゆっくりむーしゃむーしゃするよ!」 「ゆ?あそこにまりさがいるよ!」 「ほんとだ!いってみようよ!」 「おでーざんだぢ!ごないでね!ゆっぐりしないでにげてね!」 「ゆう?どうして?」 「ゆっくりできないおじさんがいるよ!ゆっくりできなくなるよ!」 「ゆゆ!だいじょうぶだよ!れいむはれみりゃよりもつよいんだよ!」 「やべて!ゆっぐりしないでにげてね!」 「いやー、毎度毎度ご苦労さん」 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆっ!ゆっくりできないおじさんだね!」 「れいむにまかせてね!ぷくー・・・ぶびゅうううう!!」 「れいむうううう!!・・・ゆぎゃああああ!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 また2週間が経過した。ホワイトアスパラ達は軒並み20cmを超えたので収穫していった。 しかし、まりさのアスパラはそのままだ。 「おねがい・・・ころして・・・」 そう言い続けるまりさの頭の上の帽子が、何だか少し浮いてるように見える。 ついに来たか。俺、何だかワクワクしてきたぞ。 次の日には、はっきりと目に見えて浮いていた。 伸びたアスパラが、まりさの三角帽子までをも押し上げ始めたのだ。 「おぼうしさん・・・まって・・・ゆっくりしていってね・・・」 まりさも気付いたが、どうすることもできない。 幸か不幸か、この日から3日続けてゆっくりの侵入はなかった。 アスパラはじわじわと伸び、帽子とまりさの頭との距離は5cmくらいになった。 「ゆーっ!おやさいさんがいっぱいだよ!」 「とかいはなところね!ゆっくりむーしゃむーしゃするわ!」 「ゆ?あそこに・・・『ゆっくりできないゆっくり』がいるよ!」 「ほんとうね!いくわよれいむ!」 「ゆうううう!!やべてえええええ!!」 「ゆっくりできないゆっくりはさっさとしんでね!」 「いなかものはいなかものらしくしんでね!」 「ゆぎゃあああ!!いだ、いだいよおおお!!」 俺はまりさが攻撃されるのを陰から見ていた。 たった5cm先に帽子があろうとも、飾りを持っていないゆっくりとして認識されるらしい。 アスパラに磔にされたまりさは、為す術もなく嬲られ、絶命した。 長い間ありがとう、まりさ。お前のくれたアイディアと死は無駄にはしない。 「ゆっ!これでゆっくりできるね!」 「そうね!おやさいさんをたべ・・・ゆぎゃあああああ!!」 どちらかというと脆そうなありすは叩き潰した。 「ゆうううう!ありすうううう!! ゆがっ・・・はなしてねおじさん!」 「逆かかし」の2代目は、このれいむに決定だ。 土台は別にアスパラでなくてもいい。何か金属棒でいいだろう。 もう一度まりさに深く感謝し、アスパラに引っかかっていた帽子を風に飛ばした。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき アスパラ炒めてて思いつきました。 過去作品 ゆっくりバルーンオブジェ 暗闇の誕生 このSSに感想をつける
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ゆっくりアスパラかかし 制裁 俺設定 「おじさああん!ゆぐっ!ゆっぐりだすけてね!いだい、いだいよおおお!!」 朝、俺が畑に出てみると、一匹の子まりさが身動きもせずに泣き叫んでいた。 「・・・何やってんだお前。助けるって、何を」 「うごけないのおお!!あんよに、なにか、ささってるよおお!」 うん、なるほど。俺は一人で納得した。 まりさの足元には、ホワイトアスパラガスを栽培していたのだ。 「ゆぐっ!ぬけないよ!はやぐたすけてえええ!!」 ご存じの方も多いだろうが、ホワイトアスパラの特徴は土をかぶせて栽培することだ。 日光に当てて栽培すると、緑色素が多くなり普通のグリーンアスパラになる。 このまりさは土の下に隠れたホワイトアスパラに気付かず、上に跳び乗って刺さってしまったようだ。 「どれ、ちょっと見せてくれ」 俺はまりさの頭をつかみ、刺さっているであろうアスパラを軸に半回転させた。 「ゆぐりゅっ!いだ、いだあああ!!」 実にきれいに刺さっている。底面のど真ん中に、垂直にだ。 普通こんなことにはならず、アスパラが折れるかどうかすると思うのだが。よほどうまく跳び乗ったらしい。 「はははやくう!ぬいでええ!!」 昨日の時点でアスパラは10cm弱まで育っていた。まりさの身長は20cmくらい。 体の半分まで刺さっている。そりゃ自力で抜けないわな。 「・・・よく考えたら、何でお前ここにいるんだ。おい、いつ、何のためにこの畑に入った」 「そんなのどうでもいいからはやくぬいてよおおお!!なんなの?ばかなの?しぬの?」 「いいから答えろ。答えないと抜く前に叩き潰すぞ」 「ゆうううぅぅっ!?」 まりさは話し始めた。 昨日の日没頃、家族みんなでここに野菜を食べに来た。みんな野菜を食べてしあわせーだった。 まりさは他にも野菜がないかと探していて、土の山を踏んでしまった。 すると何かが刺さり、身動きが取れなくなってしまった。 家族は気付かずにまりさを置いて帰ってしまった。 「・・・要するに畑荒らしじゃねーか」 辺りをよく見てみると、あちこちの苗にゆっくりの歯形が。 「やってくれたな・・・俺が丹精込めて育てている野菜を・・・」 「おやさいさんはかってにはえてくるんだよおお!? それよりいいかげんにしてね!ゆっくりしすぎだよおお!!」 情状酌量の余地無し。殺す。 引っこ抜いて叩きつけてやろうと手を伸ばしたが、ふと考えついた。 このままにしておくのも面白いかもしれない。 「いや、そのままゆっくりしててくれよ」 「ゆううう!?どぼしでそんなごど・・・」 「いちいち土かけるのが面倒なんだよ」 アスパラは気温が上がりさえすればどんどん生長する野菜だ。 暖かいゆっくりの体内ならすくすくと伸びていくだろう。 「ゆううう!いかないでえええ!ゆっくりしていってよおお!!」 俺は真っ青な空を見上げた。今日はいい天気になりそうだ。 時折響くゆっくりの叫び声を聞きながら、いつも通り畑仕事に励んだ。 翌朝。俺は一番にまりさの様子を見に行った。 「さむいよ・・・おなかへったよ・・・」 かなり参っているようだ。 一昨日の夜から何も食べていないし、春とはいえまだ相当冷え込む夜に二晩も放置されていたのだ。 「まりさ、調子はどうだ?」 「おじさああん!はやぐ!はやぐだずげっ・・・いだいいい!!」 それでも俺が近づくと激しく反応した。まだまだ餓死することはなさそうだ。 「どこか変わったところはないか?頭が痛くなったとか」 「ゆゆっ!あだまいだいよ!がんがんするよおお!!」 アスパラも順調に生長しているらしい。そのうち頭頂部を突き破って出てくるかな。 「だすげて!おじさん!ゆっぐりさぜて・・・」 「はい、じゃあ今日も一日そのまま頑張ってね」 「どぼじでええええっ・・・!!いだいいいい!!」 今日も空は雲一つ無し。一生懸命働こう。 また翌朝。拘束3日目となるわけだが、どうなっているだろうか。 アスパラ畑の中にぽつんと黒い帽子が一つ。まりさは―― 「ゆっっkぐりぃしゅでやぁtぱrrr・・・」 ――壊れていた。 聞くところによると、ゆっくりには中枢餡というものがあって、それが思考や行動の全てを司っているらしい。 おそらく生長したアスパラがそれを傷つけてしまったのだろう。 しかしこれじゃもう面白くないな。楽にしてやるか。 そう思っていると、遠くから声が聞こえてきた。 「おちびちゃああん!!どこおおお!!」 「おねーちゃああん!ゆっくりへんじしてええ!!」 俺は近くのビニールハウスの陰に隠れた。 「ゆーっ!おちびちゃん!まりさ!おちびちゃんがいたよおお!!」 「ゆっ!ほんとうなのぜ!?」 ばいんばいんと跳ねてきたのは成体れいむ。少し遅れて成体まりさや子れいむ数匹もやってきた。 「おちびちゃん!ごめんねぇ・・・さびしかったでしょおお・・・」 やはり子まりさの家族のようだ。身動きのできない我が子に声をかける親れいむ。 しかし、返ってきた言葉に硬直した。 「ゆぷっkりあやkきあううう・・・」 「・・・・・・ゆ?」 「・・・ど・・・どうしたんたぜ!?」 「ゆゆyゆyyがp・・ゆぎゃああ・・・」 子まりさの目玉はぐりんぐりんと回転し、口は無意味にガッパンガッパンと開閉する。 「おねーちゃん・・・こわいよ・・・」 「どどどどうしたのおちびちゃん!しっかりしてえ!ゆっくりしてええ!!」 「ゆbぶbbbぶbううb」 明らかに異常な子まりさの様子を見て、一家は怯え始めた。 「おねーちゃん!ゆ・・・ゆっくりしてえ!」 「ゆぎゃーん!!こわいよおおお!!」 「ゆ・・・ゆうっ!おちびちゃんのあんよになにかささってるよ! まりさ!みんな!たすけてあげるよ!」 親れいむは異常の根源に気付いたようだ。だが、他の家族はすっかり怖じ気づいてしまった。 「こんなの・・・おねえちゃんじゃないよ・・・」 「ま、まりさのおちびちゃんはもっとゆっくりできるんだぜ!こんなのしらないんだぜ!」 「どぼじでそんなごどいうのおお!?はやくたすけてあげないと・・・」 「まりさのゆっくりできるおちびちゃんたち!あっちにおやさいさんをたべにいくんだぜ!」 「「「ゆーっ!!」」」 離脱する親まりさと子れいむ達。あとには親れいむと子まりさだけが残った。 「ゆくっくっくrrrれれr・・・」 「・・・ひ、ひどいよおおおお!おちびちゃん!れいむがなおしてあげるからね!ぺーろぺーろ!」 「本当にひどいなお前ら。家族だろうが」 「あんなのかぞくでもなんでもないんだぜ! それよりいまからむーしゃむーしゃするから、じゃましないでほしいんだぜ!」 「あ、そ。ところで、2日ほど前にもここで野菜食ったよな?」 「ゆゆっ?どうしてしってるんだz・・・ゆぎゃああああ!!」 「いやあああああ!!」 「やべてええええ!!」 不埒なゆっくり達の頭を叩き割って戻ってきてみると、親れいむはまだ子まりさの顔を舐めていた。 「ぺーろぺーろ!おちびちゃん!しっかり!」 「ゆp・・・おが、おがーsy・・・」 何と、子まりさはわずかに反応している。 「ゆっ!そうだよ!おかーさんだよ!ぺーろぺーろ!」 舐めるのに夢中な親れいむの背後に忍び寄り、スコップを脳天めがけて振り下ろす。 「ゆぶぺっ!!」 顔面と後頭部がきれいに分かれた。親れいむは舌を突き出したまま、白目をむいて頓死した。 「おが・・・しゃん・・・ゆっぐ・・・」 子まりさはだいぶ落ち着いていた。まさか、治るのか? 俺は家からオレンジジュースを取ってきて、子まりさにかけてみた。 「ゆpッ!ゆくっ!ゆっ!・・・ゆっくり!ゆっくりしていってね!」 「・・・ああ、ゆっくりしていってね」 俺は半ば呆れていた。人間で言う脳髄を傷つけられたはずなのに、オレンジジュースで治ってしまった。 「ゆっ?いまおかーさんがいたよう・・・なあああああ!!」 眼前で真っ二つになっている母親に気付き、絶叫する子まりさ。 「ゆわあああ!!おかーしゃ・・・いだい!あだまいだいよ!おじさん!はやくぬいでええええ!!」 後遺症も無し。つくづく不思議な生き物だ。 俺は親れいむの死体を回収し、静かに立ち去った。 「ゆわああああん!ゆわあああああん!!」 オレンジジュースで元気になったまりさの泣き声が、夕方まで響いていた。 それからの日々は、まりさに「逆かかし」として過ごしてもらった。 「ゆーっ!おやさいさんがいっぱいだよ!」 「ゆっくりむーしゃむーしゃするよ!」 「ゆ?あそこにまりさがいるよ!」 「ほんとだ!いってみようよ!」 「ゆうううっ!おねーさんたち!まりさをたすけてええええ!」 「ゆうぅ!まりさのあしになにかささってるよ!」 「ゆっくりまってね!ゆっくりたすけるよ!」 「ゆうう・・・ぬけないよ・・・!」 「いだい!いだいよおおお!」 「ようまりさ。今日もご苦労さん」 「ゆぎゃああああ!おじさん!こないでええええ!!」 「ゆっ!おじさん!まりさをたすけてあげ・・・ゆぎゃああああ!!」 「れいむううう!!おじさん!なにするの・・・ゆげえええええ!!」 「おねえええさああん!!」 このように、畑に侵入したゆっくりをまりさに引きつけてもらい、叩き潰す。 この方法のおかげで、畑の被害は激減した。 5日おきに、オレンジジュースを文字通り浴びるように飲ませてやれば餓死することはない。 雨の日はちゃんと透明な箱をかぶせて守ってやる。オレンジジュース代がかさむが、畑の被害に比べれば安いもんだ。 だんだんとまりさは精神をすり減らしていき、助けを求めるとき以外は黙ってじっとするだけになった。 まれに涙を流しているときもあったが。 そうして2週間ほどが経過したある日のこと。 「あ゛あ゛あ゛っ・・・あ゛あ゛」 突然まりさが呻き始めた。畑仕事を中断し、様子を見に行ってみた。 「あ゛あ゛っ・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 虚空をぼんやりと見つめ、ただひたすらに呻いている。 また中枢餡がやられたか、と思ったがどうも違うようだ。 俺は少し考え込み、あることに思い当たった。 まりさの帽子を持ち上げる。 「あ゛あ゛あ゛・・・おぼうし・・・やめて・・・」 頭頂部からアスパラの白い先端が1cmほど飛び出ていた。 「貫通、おめでとう」 「・・・・・・」 このアスパラは20cmを超えたわけだ。やはり他のに比べて生長が速い。 これはもうそろそろ収穫だな―― 「・・・ごろじて」 ――と考えていると、まりさがぼそりと呟いた。 「もう・・・ころして」 また少し考え込んだあと、俺はまりさの頭に帽子を返した。 「まあ、もうちょっとゆっくりしていけよ」 「いや・・・やめて・・・」 「今日はジュースの日だったな。飲んで元気出せよ」 「もう・・・いやだよ・・・やめてね・・・」 個人的に興味があるので、もう少しこのままにしてみよう。 俺はオレンジジュースを取りに家に戻った。 「ゆーっ!おやさいさんがいっぱいだよ!」 「ゆっくりむーしゃむーしゃするよ!」 「ゆ?あそこにまりさがいるよ!」 「ほんとだ!いってみようよ!」 「おでーざんだぢ!ごないでね!ゆっぐりしないでにげてね!」 「ゆう?どうして?」 「ゆっくりできないおじさんがいるよ!ゆっくりできなくなるよ!」 「ゆゆ!だいじょうぶだよ!れいむはれみりゃよりもつよいんだよ!」 「やべて!ゆっぐりしないでにげてね!」 「いやー、毎度毎度ご苦労さん」 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆっ!ゆっくりできないおじさんだね!」 「れいむにまかせてね!ぷくー・・・ぶびゅうううう!!」 「れいむうううう!!・・・ゆぎゃああああ!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 また2週間が経過した。ホワイトアスパラ達は軒並み20cmを超えたので収穫していった。 しかし、まりさのアスパラはそのままだ。 「おねがい・・・ころして・・・」 そう言い続けるまりさの頭の上の帽子が、何だか少し浮いてるように見える。 ついに来たか。俺、何だかワクワクしてきたぞ。 次の日には、はっきりと目に見えて浮いていた。 伸びたアスパラが、まりさの三角帽子までをも押し上げ始めたのだ。 「おぼうしさん・・・まって・・・ゆっくりしていってね・・・」 まりさも気付いたが、どうすることもできない。 幸か不幸か、この日から3日続けてゆっくりの侵入はなかった。 アスパラはじわじわと伸び、帽子とまりさの頭との距離は5cmくらいになった。 「ゆーっ!おやさいさんがいっぱいだよ!」 「とかいはなところね!ゆっくりむーしゃむーしゃするわ!」 「ゆ?あそこに・・・『ゆっくりできないゆっくり』がいるよ!」 「ほんとうね!いくわよれいむ!」 「ゆうううう!!やべてえええええ!!」 「ゆっくりできないゆっくりはさっさとしんでね!」 「いなかものはいなかものらしくしんでね!」 「ゆぎゃあああ!!いだ、いだいよおおお!!」 俺はまりさが攻撃されるのを陰から見ていた。 たった5cm先に帽子があろうとも、飾りを持っていないゆっくりとして認識されるらしい。 アスパラに磔にされたまりさは、為す術もなく嬲られ、絶命した。 長い間ありがとう、まりさ。お前のくれたアイディアと死は無駄にはしない。 「ゆっ!これでゆっくりできるね!」 「そうね!おやさいさんをたべ・・・ゆぎゃあああああ!!」 どちらかというと脆そうなありすは叩き潰した。 「ゆうううう!ありすうううう!! ゆがっ・・・はなしてねおじさん!」 「逆かかし」の2代目は、このれいむに決定だ。 土台は別にアスパラでなくてもいい。何か金属棒でいいだろう。 もう一度まりさに深く感謝し、アスパラに引っかかっていた帽子を風に飛ばした。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき アスパラ炒めてて思いつきました。 過去作品 ゆっくりバルーンオブジェ 暗闇の誕生 このSSに感想をつける
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hosl /// / アスパラガス \ 13 seren klel hostlo(頭がうろこ状になっていることから)\
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あ アスパラガス か きゃべつ コーンフレーク さ さくらんぼ た トマト な にんじん は ピーマン ひよこ豆 ブルーベリー ブロッコリー ま もやし や ら わ ひながた
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むかしむかし、わんわんていこくというところに 宰相府藩国という藩国がありました。 そこには夏の庭という、すてきな庭があったのです。 この庭は常に夏で、植物園などのある観光スポットでもありました。 「あー、うみー」 この庭を一個の缶が歩いています。 缶は、ながい旅をしてここにたどりつきました。 なにしろ評価値-5 道にまよったり、知らない人にあめちゃんもらいにいったりと いろいろ大変だったのです。 悲しむことはありません。つぶれても復活するのでひどい目にあっても死んだりはしませんし、 そもそも頭が悪いので、すぐに忘れます。 だから缶はいつも元気、おちこんだりもしません。 「はー、ここはあったかいなぁ」 今日の気分はコーヒー缶!とかいいながらコーヒーのうた(コーヒーにがいよ、おさとうあまいよ)を歌い歩いていました。 「い、いぬだー!!!」 なんと目の前に犬が現れたではありませんか。 ここはわんわん帝国なので犬がいてもおかしくはありませんが、なかなかに大きな犬です。 「もふもふー」 缶は頭が弱いので、自ら犬に突撃していきます。 「とりあえずもふもふしたかった。 いぬをもふれるならなんでもよかった、とくに反省はしていない」 後日缶は、犬に出会ったときの感想をこう述べていました。 ぺしり! 犬にとっていきなりあらわれた缶はよいおもちゃにしか見えませんでした。 走り寄ってくる缶を前足で蹴り倒すと、そのまま口にくわえます。 「わふ!」 「え?」 犬の唾液が缶にかかります。 「うわ、なになに!」 「わっふわふ!」 犬にがりがりとかじられて缶に穴があきました。 「いやぁ!!」 「わっふー」 ばたばたと暴れて逃げようとする缶。自動で動くおもちゃなんて、珍しいと、一旦口から外して地面に置く犬。 ここから一匹と一缶のおいかけっこがはじまりました。 日が暮れ夜になるまで、追いかけっこは続き。 なんということでしょう、最後は缶は土にうめられてしまったのです。 「うっうー」 そしてそのまま朝になりました。 「ひ、ひどい…わんこひどい!」 缶は少しだけ不満そうに思うと缶の中から一冊の本をとりだしました。 【よいこのかがく!さんがつごう ふろく:評価値-5からでも できる! ばいおてろ!】 なんだかよくわからないけど、困った時は本を読むといいのです。 本は知識の源、みんなもちゃんと本を読もう。 手近にある本のページをぱらぱらとめくると きれいなカラーの絵がついているページにたどり着きました。 この本は庭に植えるとある意味バイオテロを引き起こす 植物の一覧です。 迂闊に植えないようにしましょう。 アスパラガス カモミール ベルガモット ドクダミ みょうが ミント 「この・・は?える??」 空き缶はかわいそうなことに漢字がよめませんでした。 なんていっても全評価値-5です。 たぶん、ありえないぐらいおばかさんです。 ただ、アスパラは食べ物、というのは理解できたようです。 「あすぱら!おいしいからうえる!」 ふろくについてきたアスパラの種をばらまきます。 すでに犬に埋められたことなど忘却の彼方でした。 「えいよー!」 ついでに付属の肥料も与えてしまいました。 不毛の大地にアスパラが広がっていきます。 ついでに「すごい!むちゃくちゃ成長する」とか書いてありますが 一種のマジックアイテムかもしれません。 最近のふろくってすごいですね。 「おおおー、すごーい、あすぱらー!」 近辺に広がる緑の絨毯。 グリーンアスパラです。 夏の庭の太陽と、なぞの栄養素のおかげで元気いっぱい 十代の少年のように育ち盛りです。 「あすぱらべーこん、あすぱらべーこん!」 さくっと近くにあるアスパラを取って炒め始めました。 こういうときのためのキャンプセットも缶のなかからでてきます。 質量保存の法則などおかまいなしです。 カセットコンロを使い。バターを出して、収穫したばかりのアスパラを炒めます。 一緒に一口サイズに切ったベーコンも忘れてはいけません。 塩とこしょうでぱぱっと味付け。とれたて新鮮な野菜は常においしいのです。 「ごちそうさまぁ!!」 おなかいっぱい。空き缶は元気いっぱい。 楽しい旅の続きをはじめることにしました。 一方そのころ。太陽の恵みと大地の恵みを吸収したアスパラガスは 夏の庭の一部を覆い尽くそうとしています。 実はアスパラガスとても成長が早く、1日に2回は収穫できるすぐれもの。 当然うっかり植えると、ひっこ抜くのが大変なのです。 そのため「ばいおてろ」といわれるほどのものになるわけですが 缶にそれを理解する知能はありません。 むしろ植えたことすら忘れているのかも。 こうして夏の庭の一部にやたらアスパラだらけの草原ができあがったのでした。 ちなみに缶はすっかりわすれて別の国に旅立っていくのですが それはまた別の話。
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たくあん こんにゃく アスパラガス おはぎ 豆腐 暗黒物質(ダークマター) . 堅あげポテト ポテトチップス(のりしお) よっちゃんイカ 肉 サイダー飯 .
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飯山 森林浴のできる日本一の豪雪地帯。雪解け水で育ったアスパラガスも日本一 物件駅 登場作:桃太郎電鉄CHUBU 元ネタガイド 最寄り駅:飯山駅(JR飯山線)
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#blognavi ご飯 味噌汁 目玉焼き アスパラガスのバター炒め ロースハム カテゴリ [ごはん] - trackback- 2006年03月23日 07 15 00 #blognavi
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アスパラP213(アスパラガスのPランクの経験値が213でした。)当分の間は報告相次ぐと思うのでちょっとまとまってからメンテナンスした方がいいと思うのでこちらで報告。 -- (だうと) 2011-11-24 21 56 56 タマネギ (黄たまねぎ)P39 -- (だうと) 2011-11-26 11 59 20 ルバーブ 経験値Cは135です。 -- (名無しさん) 2023-04-07 22 01 56 反映しました。ありがとうございます。 -- (名無しさん) 2023-04-07 23 33 13