約 2,800,366 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/853.html
※東方キャラ出現注意 ※性格の悪いゆっくり出現注意 よく晴れたコバルトブルーの空を鴉天狗の少女が忙しそうに飛んでいた。 「号外~号外だよ~幻想郷一早くて正確な『文々。新聞』だよ~」 名前は射命丸文。 彼女は『文々。新聞』という新聞の発行を行っている。 とは言ってもこの新聞の発行は不定期で多くても月五回ほどしかなく、ほとんど趣味のようなものである。 「お~い、文ちゃ~ん」 文を見つけた老人が縁側から手を振る。 それに気付き文はゆっくりと速度を落とし庭先に降りる。 「こんにちわ、田中のお爺さん。はい、『文々。新聞』です」 「いつもすまないねぇ。歳をとると出掛けるのも億劫でな。文ちゃんの持ってきてくれる新聞は数少ない楽しみの一つなんじゃよ」 「あやや、ありがとうございます」 老人の嬉しそうな顔に思わず営業スマイルも崩れ、素の笑みが浮かぶ。 どちらかというと『文々。新聞』は内容を叩かれる事が多い(主に記事にされた人間や妖怪から)。 しかし里の人間には人知を超えた熱く華麗な弾幕ファイト、そして稀に特集される美少女たちを目当てになかなかの人気を博している。 お世辞にも娯楽が盛んだとは言えない幻想郷においてこの老人のように文の発行する新聞を楽しみにする人間は珍しくないのだ。 「おおぅ、そうじゃ。これを持って行きなせぇ。あのわんちゃんと一緒に食べてくれ」 「あややや! これはおいしそうなおはぎですね。ありがとうございます」 「それでは今後とも『文々。新聞』をご贔屓に」 「おう、気ぃつけてなぁ~」 その様子を縁の下から見ていた一匹のゆっくりがいた。 * 所変わって同日の夕方、人間の里付近のゆっくり集落にて。 「ゆゆっ? しんぶんをつくるの?」 「そうだよ! しんぶんをつくってにんげんからたべものをもらうんだよ!」 文の新聞配達を老人宅で見ていたゆっくりまりさは集落に帰るとゆっくり会議でみんなにその出来事を伝えた。 この会議では冬篭りのための食料収集が芳しくない状況をどう打破するかを話し合っていた。 昨年までは人間の家から盗んできた食べ物で賄っていたが人間たちがゆっくり対策を始めたせいで容易には侵入できなくなった。 そして会議と言っても所詮は餡の集合体でしかないのでいつも碌な案が出ずにお開きになっていた。 そんな状況の中、まりさから得られた情報はこの集落のゆっくりたちが春まで生き延びるための最後の望みになった。 だが一匹のゆっくりがまりさに疑問をぶつける。 「でもしんぶんってなにをかけばいいの?」 「ゆっ!? う~ん……」 まりさは新聞というものを人間にあげれば食料を貰えるということを知っているだけで新聞自体がなんであるかは知らなかったのだ。 せっかく見えてきた希望がまた遠ざかろうとしている。 困り果てていたみんなのところへ集落一の知識者であるゆっくりぱちゅりーが現れた。 「むきゅ! ごめんなさい! ばんごはんをゆっくりたべていておそくなったわ!」 「ゆゆっ! ぱちゅりー! ちょうどいいところにきたよ! 」 「ねぇぱちゅりー! しんぶんってなにがかいてあるかしらない?」 「ちんぽー?」 打ってつけのゆっくりの登場にみんながぱちゅりーに質問する。 その辺にいる見せ掛けだけのぱちゅりー種とは違い、まともに知識を持つこのぱちゅりーは冷静に答えを導き出した。 「しんぶんはおこったできごとやいろいろなじょうほうをみんなにつたえるためのものよ! でもそれがどうしたの?」 「ゆゆっ! まりさたちでしんぶんをつくるんだよ!」 「そしてたべものをもらうんだよー! わかるよー!」 取らぬ狸のなんとやらと言う言葉がお似合いのように、ゆっくりたちはまだ見ぬ食べ物を思い浮かべ涎を垂らしている。 新聞を作るという話を聞いたぱちゅりーはみんなとは対照的に浮かない表情をしている。 「むきゅう……でもしんぶんはつくるのがむずかしいわ! そんなことよりじみちにたべものをあつめたほうが……」 「そんなこというならぱちゅりーはひとりでたべものをあつめてね!」 「れいむたちはしんぶんをつくってらくしてたべものをあつめるからね!」 「わけてあげないよー!」 「おお、みじめみじめ」 ぱちゅりーの意見はもう食べ物が手に入った気でいるゆっくりたちの耳には届かなかった。 こうしてぱちゅりーも渋々新聞作りをやらざるを得なくなったのだ。 翌日。 ゆっくりたちは食料集めもせず朝から新聞制作を開始した。 紙はその辺の民家から盗んでいた和紙、筆記具は同じく盗んできたクレヨンと鉛筆だ。 大量に作らないといけないためゆっくりは家族ごとや気の合う仲間に分かれて作業をする。 「ゆゆっ! みんなおえかきしちぇるよ!」 「れいみゅもかかしぇちぇね!」 作業を見た赤ちゃんゆっくりが勝手に新聞に絵を描きだす。 「ゆゆっ! これはあそびじゃ……」 「まってよれいむ! あかちゃんたちのえをみてごらん!」 「ゆゆ?……うわあ! すっごくかわいいね!」 「でしょ? きっとにんげんもこのえをみてゆっくりできるよ!」 「そうだね! れいむたちのあかちゃんはてんさいだね!」 また別の場所では、 「まりさたちでれみりゃをたおしたことをかくんだぜ!」 「ゆゆっ! しんぶんにかいてみんなにつよさをしらしめるんだぜ!」 自身の武勇伝を書くものや、 「とかいはのありすはしんぶんにすっきりすとをかくわ!」 「やっぱりいちばんはまりさね! あのふわふわのかみとすてきなぼうしをみるとおもわずすっきりしたくなっちゃうわ!」 どのゆっくりが一番すっきりできるかを書くものや、 「きのうはばんごはんにおさかなをたべたよー!」 「それをしんぶんにかくんだねー! わかるよー!」 昨日食べた晩御飯を書くものや、 「ちんぽー!」 「ちんぽー!」 ひたすら卑猥な言葉を書くものがいた。 そして丸一日かかって新聞を作り次の日の早朝、ゆっくり新聞の配達の日がきた。 * 「ゆっくりおきてね! ゆっくりしんぶんだよ!」 「ゆっくちちんぶんだよ!」 民家の前で家族揃って大声で叫ぶゆっくり。 程なくして住民が現れた。 「朝っぱらからうっせぇぞ! 饅頭共が何の用事だ!」 非常に機嫌の悪い男が出てきた。 早朝から不快な声で起こされ玄関に並ぶ気味悪い大小の饅頭家族が目に入ったのだ。 これで機嫌を悪くしないほうがどうかしてる。 しかしこのゆっくりの一家は全く空気が読めなかった。 「ゆゆっ! おじさん! まりさたちしんぶんをもってきたよ!」 「だからゆっくりたべものをちょうだいね!」 「ちょうらいね!」 まりさは頭の上に乗せた新聞と思われるものを男の前に差し出す。 子供たちはれいむに輪唱する形で食べ物を要求する。 「次大声出したらぶっ飛ばすぞ!」 男はゆっくりを無視しさっさと玄関を閉めてしまった。 「ゆゆぅ! どおしてうけとってくれないのおぉ!? れいむのあかちゃんもいっしょうけんめいかいたのにぃぃ!」 「きっとまりさたちのげいじゅつがわからなかったんだよ!」 「ゆゆっ! そうだね! おじさんはばかだからわからなかったんだね!」 「つぎのおうちでゆっくりたべものをもらおうね!」 今度はその隣の家の前に整列した。 「ゆっくりおきてね! ゆっくりしんぶんだよ!」 「ゆっくちちんぶんだよ!」 しばらくして中年の男が出てくる。 扉を半開きにしてゆっくりの様子を窺っているようだ。 「ゆっくりしんぶんだよ! ゆっくりよんでね!」 「よんだらたべものをちょうだいね! おかねでもいいよ!」 「おきゃねでもいいよ!」 まりさが玄関の男の前まで行き口で新聞を差し出す。 やっとこのゆっくりたちが何をしているのかを把握した男は無言でまりさを蹴り抜いた。 「ゆぶぅぅ!!」 「ま、まりざあああぁぁぁ!」 「おとおしゃぁぁん!」 まりさは木に強く叩きつけられ持ってた新聞は宙を舞った。 餡子を吐き出しながらビクビク痙攣している。 幸いにも命に別状は無いようだ。 「ゆぐぐうぅぅ! どぼぢでこんなごとずるのおおぉぉ!?」 「ゆっくちおとうしゃんにあやまっちぇね!」 「あやまれー!」 れいむと子供たちが男の入っていった家に抗議の声を上げる。 だがそれがいけなかった。 「うるせえっつたろうがこのクソ饅頭が!」 さっきの家の男である。 隣でも大声を出しているのを聞いてとんできたのだ。 男は手に持っている爆竹の束をゆっくりに投げつけた。 快音を立ててゆっくりの近くで爆竹が破裂する。 「あちゅいよ! ゆっくちやめちぇね!」 「ゆぎいいぃぃ!」 「いだい! ゆっくちできない!」 爆竹は殺傷力の低いものだったが貧弱なゆっくりには大ダメージだった。 「次はねぇぞ! いいな!」 男は爆竹でところどころ焦げたゆっくりを見ると再び家に帰っていった。 新聞は蹴られた時に遠くへ飛んだので幸いにも引火する事だけはなかった。 「ゆゆぅぅ……ここはゆっくりできないよ!」 「ほかのところでゆっくりしんぶんをくばろうね!」 「ゆゆっ! きっとこんどはたべものもらえるよ!」 まりさたちは体に負った火傷も気にせず、食べ物が貰えると信じてまた配達を始めた。 しかしその希望も空しくどこの家でも追い返されてしまった。 このままではいけないと作戦を練ったまりさたちは一旦子供たちだけで新聞を配達させる事にした。 「「「ゆっくちおきちぇね! ゆっくちちんぶんだよ!」」」 「あかちゃんたちだけならきっとうけとってくれるよ!」 「ゆゆっ! れいむのあかちゃんたちかわいいもんね! これならきっとせいこうするよ!」 子供だけならかわいさのあまり受け取ってくれるかもしれない。 自分たちなら絶対引っかかってしまうすばらしい作戦だ。 まりさとれいむは近くの木の陰に隠れて子供たちの様子を見ていた。 玄関では男と子供たちが会話しているようだ。 今まで会話すら出来なかったのだから大きな進歩だ。 やはり作戦に間違いは無かったのだと両親は思った。 「……これは何が書いてあるのかな?」 ゆっくりたちが書き殴った文字のような絵。 当然人間に読めるわけが無い。 新聞を配達し始めて初めて話を聞いてくれる人間の登場に子供たちが饒舌に説明しだす。 「これはにぇ、かっこいいおとおしゃん!」 「こっちはおかあしゃんでふたりはらぶらぶなんだよ!」 「それでにぇ、こっちはかわいいれいみゅたち!」 説明を聞いたが絵はさっぱり分からない。 果たしてこれを新聞と言ってもいいものなのか。 聞いた限りだとこれはただの絵だ。 興味本位で見てみたがどうみてもただの紙ゴミにしか見えない。 断ろうと思っていた男に驚くべき言葉が聞こえてきた。 「よんだらゆっくちたべものをちょうらいね!」 「おきゃねでもいいよ!」 「いちまんえんでもいいよ!」 どうやら新聞と引き換えに食べ物を貰おうという魂胆らしい。 しかも向こうの影でこっちの様子を窺っているゆっくりがいる。あれはこの子の両親だろう。 男はゆっくりが赤ちゃんをだしに食料を集めている事を把握した。 そしてその腐った根性に腹を立てた。 赤ちゃんを隠れる両親にも分かるように高々と摘み上げる。 「ゆゆっ!おしょらをとんでいるみたい♪」 「ああ、今飛ばしてやるよ」 そのままの体勢から赤ちゃんを傍にあった井戸に投げる。 両親が止めに行こう駆け出した時には既に遅く、赤ちゃんが発した着水音だけが響いてた。 「ま゛、まりざのあがぢゃんがあああぁぁ!!」 「れいむ゛のあがぢゃんがえじでええぇぇ!!」 「まりしゃのおねえちゃんがあああぁぁぁ!!」 「あの子みたいになりたくなかったら二度と来るなよ!」 男は音を立てて玄関の扉を閉めた。 まりさとれいむは急いで子供の落ちた井戸に駆け寄る。 井戸の縁に登って中を見ると蟻のように小さい子供が見えた。 「ぶぐぶぐ……しじゅんじゃうよ! ゆっくちたしゅけてね!」 子供は両親を信じて必死に助けを求めていた。 「おとおしゃんたしゅけてね!はやくたしゅけてね!」 しかし人間の作った井戸はゆっくりにとっては深く、降りたら最後だ。 「ごぼっどぼじてえぇぇ! なんでみんなみてるだけなおおぉぉごぼごぼ!」 普段なら助けてあげてと騒ぐゆっくりの姉妹もこの深さに黙り込んでしまった。 「もっどゆっぐぢ……しだがっだよ……」 子供の最後を見届け、れいむとまりさは悲しみに暮れながらその家を後にした。 そして悲しみに暮れたゆっくりは変貌した。 「れいむ! まりさいいことかんがえたよ!」 「どおしたのまりさ?」 「にんげんがしんぶんにきをひかれているうちにやっつければいいんだよ!」 「そうだね! れいむたちのしんぶんをりかいできないにんげんがわるいよね!」 「そーだ! そーだ!」 「まりしゃはちゅよいもんね!」 ただの強盗に成り下がっていた。 だがこのゆっくりたちは非常に運が悪かった。 普通の人間に当たっても結末は変わらないのによりによって一番当たってはいけない人間に当たってしまった。 「ゆっくりしんぶんだよ! ゆっくりよんでね!」 「よんじぇね!」 まりさたちは他の家よりも少し大きくて豪華な屋敷の前にいた。 どうせ狙うのならお金持ちの家がいいと判断した結果だ。 しばらくすると家の中から女の子がでてきた。 頭に飾った綺麗な花と黄緑と黄色と赤のカラフルな着物が印象的なかわいい女の子だ。 (「ゆゆっ! よわそうなにんげんだよ!」) (「これなららくしょうだね!」) まりさとれいむは目を合わせニヤリと笑う。 「まあ、こんな朝早くから何の御用かしら?」 女の子は他の人間とは違い早朝に押しかけたゆっくりに対してとても礼儀正しかった。 まりさは新聞を口で差し出す。 「ゆっくりしんぶんだよ!」 「へぇ! 新聞を書いたんですか? どれどれ……」 そして女の子が新聞を手に取った瞬間、 「ゆっくりしね!」 隣にいたれいむが女の子に襲いかかる……がその言葉がれいむの最後の言葉になってしまった。 襲い掛かったれいむに女の子の手が貫通していた。 れいむは口をぱくぱくさせるがそれはもはや声にならなかった。 想定外の事に残ったゆっくりも悲鳴を上げるだけだった。 「れいむがあああぁぁぁ!!」 「おかあしゃああん!!」 「へんじしてええぇ!!」 騒ぐゆっくりをよそに女の子はれいむから腕を引き抜くと瞬く間に子供たちを捕らえた。 今、彼女の広げられた左右の手の指と指の間には子供たちが全員、合計で八匹挟まれている。 その一連の動きは非常に洗練されていて、とても普通の少女が成せる動きとは思えなかった。 「ゆゆっ! ゆっくちはなしちぇね!」 「くるしいよぉぉ!」 「おとうおしゃぁぁん!」 「ふふっ、早起きは三文の得と言いますけれどもまさか本当に得になるとは……私も驚きです」 女の子は指に挟まれた赤ちゃんゆっくりを観察する。 「あら? よく見たらところどころ焦げてるわね……なかなかのセンスね」 火傷を見て何かを把握したかのように女の子は頷いていた。 まりさはあの手馴れた赤ちゃんゆっくりの捕獲を見て思った。勝てる相手ではないと。 こうなるとその後の行動は早かった。 「ゆゆっ! ずらかるんだぜ!」 「どぼじでみずでるのおおぉぉ!?」 「おとおしゃんだずげでええぇぇ!」 「うらぎりも゛のおおぉぉぉぉぉ!」 まりさは子供たちの助けを無視し逃走してしまった。 「あらら……ここに玄翁があれば始末できたのに残念……まいっか、今日はこの赤ちゃんで楽しみましょう♪」 「ゆゆぅぅぅ! たしゅけてぇぇぇ!」 「いやあぁぁぁ! だれかあぁぁぁ!」 女の子は「稗田」と書かれた表札の付いた屋敷の中へ戻った。 連れて行かれた赤ちゃんゆっくりがどうなったかは誰も知らない。 * その日の夕方。 朝出発してなかなか戻ってこないゆっくりたちに留守番していたぱちゅりーは不安になっていた。 秋の天気は崩れやすく黒い雲が空を覆い、強い風が周りの木をギリギリと軋ませている。 「むっきゅ~ん……みんなどうしたのかしら?」 そこへ瞳を涙でぬらしたありすが帰ってきた。 ただならぬ事態にぱちゅりーが動揺する。 「むきゅう! ありすどうしたの? なんでないてるの?」 「かわいいあかちゃんがみんないけにしずめられちゃったああぁぁ! ありすはとかいはのしんぶんをくばっていただけなのにいいぃぃ!」 ありすを宥めていると続々とぼろぼろになったゆっくりたちが帰ってきた。 それぞれ配達先でひどいことをされたというのが見てわかる。 ぱちゅりーは他のゆっくりたちにも話を聞いた。 そして冬篭りの食料を集めるどころか多くの仲間を失う結果となったことを知った。 子供たちを見捨てたまりさもようやく帰ってきた。 「……た、ただいまなんだぜ」 「まりさ! あなたのかぞくはどうしたの?」 「まりさはすきをついてにげたけどれいむとあかちゃんは……」 「それいじょういわなくてもいいわ! つらかったわね……」 「ううっ、ぱちゅりーはやさしいんだぜ……」 ぱちゅりーに頬を擦り付けられるまりさ。 家族を失った悲しさなどここに帰ってくるまでにどうでもよくなっていたがぱちゅりーの肌が心地よくて悲しんだ振りをしていた。 そしてれいむがいなくなった代わりにぱちゅりーと結婚しようとなどと考えていた。 ぱちゅりーの肌を堪能していたまりさだがその帰宅に気付いたゆっくりたちがぞろぞろと詰め寄ってきた。 「もとはといえばまりさがしんぶんをつくろうっていったのがいけなかったのよ!」 「そうだねー! まりさのせいだよー!」 「おかあさんをかえせ!」 「ちんぽー! ちんぽー!」 ゆっくりたちが怒りの表情でまりさを責める。 まりさ種に優しいありす種でさえ怒っている。 雲行きのよくない状況を見たぱちゅりーが間に割って入る。 「むきゅー! まりさもかぞくをうしなってかなしんでるのよ! せめるなんてひどいわよ!」 「そうだぜ! まりさはひがいしゃなんだぜ! やさしくしてほしいんだぜ!」 まりさもいつも通り自分は悪くないと言い張る。 そんな陳腐な言い訳も今のゆっくりには火に油を注ぐだけだった。 「ぜんぶまりさのせいよ! まりさのせいでありすのかわいいあかちゃんはしんだのよ!」 「ぱちゅりー! どくんだよー! まりさはここにいちゃいけないゆっくりなんだよー!」 「おかあさんのかたきいぃぃ!」 「ちんぽー!」 ぱちゅりーの必死の静止も聞かず大人から赤ちゃんまでみんなでまりさに襲い掛かる。 「やめるんだぜ! いだいんだぜ! はなずんだぜ!」 「ゆっぐりじね! ゆっぐりじね!」 「わかるよー! まりさのようなやつがいるからせんそうがおわらないんだよー!」 「くるしんでしね!」 「ちんぽー!」 運動神経が高いまりさ種だがこの人数差ではなす術もなかった。 自慢の帽子は破れ、頬も食い破られ餡子が漏れ出している。 それでもゆっくりたちはまりさを攻撃するのをやめない。 「だれかああぁ! けんかをとめてぇぇ! まりさがしんじゃうううぅぅ!」 ぱちゅりーの叫びが巣の中を木霊する。 願いが届いたのか一人の少女が巣の前に現れた。 「あやや、やっと見つけましたよ! 貴方たちが新聞を配ってたゆっくりですね? 取材を伺いに来ました射命丸文です。どうぞよろしく」 いつもの営業スマイルをゆっくりにも向ける文。 ゆっくりたちもまりさへの攻撃を止め視線を射命丸へと移す。 ぼろ布になったまりさにもその姿が目に映る。 あの時縁の下で見た光景が、みんなで楽しく新聞を作る光景がまりさの頭の中にフラッシュバックする。 「お……おまえさえいなければ……まりさは……」 まりさがずるずると這いながら文に近づく。 「あやや!? どうしたんですか? このゆっくりボロボロじゃないですか?」 「おまえさえ……いなければっ!」 自分の方を激しい憎悪を込めた瞳で睨むまりさに文は疑問符を浮かべる。 面識の無い他のゆっくりはまりさが何故文を睨んでいるのかがわからない。 「あの……私、何か粗相をしましたでしょうか?」 「まりさはわるくない! おまえのせいでこうなったんだ! ゆっくりしね!」 まりさは質問に答えず文の足首に噛み付いた。しかし相手が人間ならいざ知らず、人間を遥かに越える鴉天狗である。 渾身の力を込めた噛み付きも文の白く細い足に傷一つ負わせる事ができなかった。 「……椛」 「はい、先輩!」 文の合図に草むらに隠れていた椛が写真機のシャッターを切る。 「今の光景を写真に撮りました。今度の新聞にあなた方が非常に危険で排除するべき存在であることを写真付きで掲載させて頂きます。取材ご協力ありがとうございました」 まりさに噛み付かれながらも笑顔を崩すことなくゆっくりにお辞儀をする文。 その笑顔に見る見るうちにゆっくりたちの顔が青ざめていく。 「むきゅううぅぅぅ! それだけはやめてぇぇぇ!」 「やめてよー! ゆっくりできなくなるよー!」 「おねえさんおねがいいぃぃ!」 「私のモットーは『清く、正しく』ですのでありのままをみなさんに伝えるだけです。それでは」 文は飛び立とうとしてまだ足に噛み付いているまりさに気がついた。 「……そしてこれは正当防衛です」 腰に挿していた団扇を一振りすると目の前に巨大な竜巻が現れた。 竜巻はその場にいた全てのゆっくりを巻き込み、巣を削り壊し、草を刈り取り、木をなぎ倒し、岩を跳ね飛ばした。 「せんぱーい、少しやりすぎじゃないですか?」 先を飛ぶ文に山から伸びる一本の竜巻を見ながら椛が問う。 「新聞記者に危害を加えてきたんだから当然です……あ、田中のお爺さんからおはぎを貰ってるんで夕飯後に一緒に頂きましょう♪」 「……はーい♪」 椛はこの人だけは敵にまわさないでおこうと決心するのであった。 * まりさは水滴の滴りで意識を取り戻した。 正確には雨が降り出していた。 ボロボロになった体を起こし周りを見渡す。 そこにはまりさの家も草も木も岩もなく、小石と抉れた大地だけが広がっていた。 「ゆうううぅぅ!? みんなどこ? おうちは? ぱちゅりーは!?」 まりさは体を引きずりながら仲間を探す。 帽子を失い、頭に雨が降ってくるのも構わなかった。 しばらくして折れた木の前に髪飾りが集められている場所を見つけた。 そしてそこにぱちゅりーがいた。 「ゆゆぅ! ぱちゅりー! いきてたんだね!」 「……」 「みんなしんだかとおもったよ! でもよかったよぱちゅりーだけでもいきてて!」 「……」 「ねぇ、ぱちゅりー! いきなりだけどまりさとけっこんしてほしいんだぜ!」 「……」 「みんなしんじゃったけどまりさといっぱいすっきりしてあかちゃんつくってまたたのしくやっていこうだぜ!」 「……」 「ぱちゅりーきいてる?」 呼びかけても反応の無いのでまりさが覗き込もうとした瞬間ぱちゅりーは振り返った。 ぱちゅりーの口には尖った枝が咥えられていた。 とっさの出来事に避ける事ができず腹を貫かれる。 まりさは目の前の現実が信じられないといった顔でぱちゅりーを見た。 「ゆ゛ぐっ……どぼじで……」 「まりさの……まりさのせいでれいむもありすもちぇんもみょんも……みんなしんだのよ! なんでまりさだけいきてるのよ!」 枝が引き抜かれそしてもう一度まりさに刺さる。 「ゆ゛っ……ぱ、ぱちゅり……や゛めで……」 「きやすくなまえをよぶな!しねっ! ゆっくりしねっ! このやくびょうがみ! ごみくず!」 もう一度まりさに刺さる。 「ゆ゛っ……ゆ゛ぶっ……」 もう一度。 「ゆ゛っ……」 ぱちゅりーは自分の体が雨で溶けて動かなくなるまで何度もまりさを刺し続けた。 後日、『文々。新聞』にゆっくりが非常に危険な生物であると書かれ、人々がゆっくりを殲滅していくことになるのだがそれはまた別のお話。 ―ゆっくり新聞―おしまい <あとがき> かぶってしもた上にかなり遅れた/(^o^)\ナンテコッタイ 『文々。新聞』って幻想郷の人里の人間から見ればすごく面白いものだと思うんだけどどうなんだろ? 求聞史紀見てもカフェーで人気程度しか書いてなくてわかんね。 あとこんなかわいい子が配達してくれるなら文自身にもかなりファンが多いと思う。 そんなことを妄想しながら書いた。 (積み重なる黒歴史) ゆっくりフルフォース お兄さんの歪んだ愛 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/448.html
「ふー」 家に帰ってきて一息、すこし休んだところで買ってきたものを台所の上に広げる。 今日買ってきたのは冷凍ちびゆっくり12個パック、甘さ控えめなもの。 生まれたてのあかちゃんを瞬間冷凍で凍らせもので加工所で売っている。 用途は主に食用だが、他の目的で買っていく人もいるかもしれない。 食べるにしてもなんにしても、まずは解凍する必要がある。 解凍は、真空パックされた袋を切り口をいれる。 中に空気が入ると中の発熱剤が反応してゆっくりと暖められていくのだ。 「…ゆー!」最初に目覚めたゆっくりが声をあげる。 「ゆー!」次に目覚めたのも同様に声を上げ、全員が目を覚ますと、 「「「「「ゆっくりー!!」」」」」みんなで声を揃えてお目覚めの挨拶をする。 「おかーさん!おなかすいたよ!!」 「ごはんにしてね!!」 「ゆー!ゆー!はやくしてね!!」 目を覚ますことなく袋づめされたゆっくりたちにとって、 今、目の前にいる自分物こそが母親である。 「おはよう、みんな!さっそくだけど、みんなこの穴の中にはいってね! はいったらご飯にしようね!!」 そう言って、ゆっくりたちの前に丁度同じぐらいの大きさの穴が開いた板を置く。 「ゆー♪ごはんだよー♪」 「ごっはん♪ごっはん♪」 「れいむがいちばんだよ!いっぱいちょうだいね!!」 「ずるいよ!!そこはれいむがはいろうとしていたとこだよ!!」 「ゆっくりしたけっかがそれだよ!ゲラゲラ!!」 「ゆー!!!もういいよ!!れいむはこっちのあなにするよ!!!」 こうして12匹のゆっくりは6×2個の穴にすっぽりと収まる。 すっぽりとはまりすぎて、あたまから入ったまま動けなくなるゆっくりもいるので 今のうちに直して全員上を向くようにしておく。 「さあ、ごはんだよ!いっぱいおたべ!!」 そういって小麦粉をミルクで練っただけのものを与える。 かすかにミルクの甘味があるだけの塊だがゆっくりにとってはご馳走だ。 食べやすい大きさでちぎってゆっくり達の口にいれてやる。 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「「「「「「しし♪♪あわせ~~~♪♪♪♪」」」」」 順番に口に入れてやることでゆっくりたちの輪唱が聞こえてくる。 「おいしいよ!もっとちょうだいね!!」 「もっと♪もっと♪」 「れいむにも~!!もっとたべたいよ!!!」 「はいはい、お腹一杯食べさせてあげてるからね。」 「やったー!!ゆっくりたべるよ!!!」 「「「「ゆっくりたべさせてね!!!!」」」」 ごはんを心行くまでたべたゆっくりたちはうとうととお昼寝を始める。 そろそろコンロに火をつけよう。 「はい、これデザートね!一人一個だよ」 産地直送のまだピクピクと動いているたこの足を、 ゆっくりたちが食べられるように一口だいに切り分ける。 「zz…ゆゆ!なにそれ!!はやくたべさせてね!!!!」 眠気をどこかに吹き飛ばし、目をきらきらとさせて期待のまなざしでこちらを見つめる12匹のゆっくりたち。 切ったたこの足をさっきと同じように順番に口に入れてやる。 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 先ほどと同じようにゆっくり味わおうとするゆっくりたちであったが今度はそうはいかない。 新鮮な蛸の足は吸盤がまだ生きていて、口の中に張り付いているのだ。 突然の出来事に驚いたゆっくり達は目を白黒させて、吐き出そうとしたり飲み込もうとしたりする。 だが強力な吸盤の力をゆっくり達どうにかすることは出来なかった。焦って吐いたり飲んだりを繰り返していたせいもあるかもしれない。 ゆっくり達がそうこうしているうちに、ゆっくり達が入っている穴もゆっくりと熱を帯びて行く。 やがてジューという音がするほど熱くなるが、蛸の相手に精一杯なゆっくり達は気づく余裕がなかった。 そんな中、ゆっくり達の一匹が異変に気づく。 それにつられて他のゆっくりも悲鳴をあげ始める。 ゆっくり達が入っている穴はどんどん熱くなるが、そこから逃げることは出来ない。 さっき心行くまでご飯を食べ、少し膨れたゆっくりたちは穴にすっぽりと嵌ってしまったのだ。 鉄で出来た板はどんどん熱をあげ、ゆっくり達の皮に焦げ目をつけていく。 最初は全力で悲鳴をあげていたゆっくり達も随分静かになってしまった。 そろそろいい頃合だ。太い針のような棒を使ってゆっくり達をひっくり返す。 まず、鉄板から剥すために穴に沿って焦げ目を削る。 次に、次に棒を下の方まで差しこんで、クルリとまわすようにひっくり返す。 ひっくり返したらしばらくそのまま。 ピクピクとした震えが止まったら丁度いい頃合。 同じ要領でもう一度ひっくり返す。 白目を向いて焼きあがっているゆっくり達が見えたら、はい!完成!! あとは、ソースやマヨネーズをお好みでどうぞ あとがき 後半はどうみても手抜きです本当にありがとうございました。 ゆっくりの台詞をひらがなで打っているとIMEがどんどんゆっくりになっていきます。 本当にありがとうございました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/966.html
家に帰ると、居間の方から話し声が聞こえて来た。 「ゆ!そろそろうまれそうだよ!」 「ゆっくりしたあかちゃんになりそうだね!」 居間を覗き込んでみると二匹のゆっくりがこちらに背を向けている。 黒い帽子と赤いリボン、まりさ種とれいむ種だろう。 れいむの方は2本ほどツタが生えており、赤ちゃんまりさが1匹に 赤ちゃんれいむが3匹ほどぶら下がっている。 植物型の妊娠は1度に10匹弱〜10数匹は産むのだと思っていたが、 ツタの表面につぼみが落ちたような後が何箇所か付いている。 恐らく外敵にでも追われて必死に逃げたら、ツタを揺らしすぎて 落としてしまったとかそんな所だろうか。 妊娠した母体のゆっくりは安全な巣で出産を待つと言う。 この家に居ると言う事は巣も無いのに妊娠したのだろう、 誠におばかである。 居間に入っていくと、ゆっくりはこちらに気が付いたようだ。 「ゆっ!ここはまりさたちのいえだよ!」 「これからあかちゃんをうむからゆっくりしないででていってね!」 早速腹が立つ事を言ってくれる。 だが本当は自分の家だと教えてもゆっくりは理解しようとしない。 ばかなの?しぬの?と余計な事を言ってくるだけだろう。 部屋が荒らされていないか見回してみるが、さすがに妊娠したつがいでは そう暴れる事も出来なかったのだろう。せいぜい空の酒瓶が倒れて たんすの下の段が開いていたり布団がぐちゃぐちゃになっているくらいである。 いや、布団は元からかもしれない。 「ゆ゛うぅぅ!さっさとででいげぇ!」 さっきからゆっくりの言葉に返事もせず、部屋の状況を確認するのに 夢中になっていたのが気に食わないのかまりさが足を押してくる。 必死になっているが足は全くうごかず、まりさの方が足にめり込んで変形している。 そのまま足で押すように蹴りとばし、れいむの方を向きあぐらをかいて座ると 赤ちゃんに手を出されると思ったのかれいむは少し怯えたように後ずさりする。 すぐに潰したり外に投げ捨てたりするのもいいが、折角だから出産シーンを 見物させてもらおう。 「なにするの?ゆっくりできな…ゆっ!?」 抗議の言葉を投げかけようとしたれいむが頭上の異変に気づき動きを止める。 ツタに生った赤ちゃんのうち1匹がぷるぷると震えだし、その震えが 伝染したかのように他の赤ちゃんも全て震えだした。 先ほど蹴り飛ばして「ゆべっ」と倒れていたまりさも 抗議する事すら忘れて見入っている。 さほど時間がかかることもなく、4匹の赤ちゃんゆっくりは次々と落ちてきた。 すこし地面の上でぷるぷると震えた後、眼をキラキラさせて声を揃える。 「「ゆっくりしていっちぇね!」」 「すごくゆっくりしたあかちゃんだね!」 「ゆっくりしていってね!いっぱいゆっくりしていってね!」 定番の挨拶をした後、ツタを生やしたままのれいむはこちらに向き直り 「かわいいあかちゃんでしょ!げんきにそだつように さっさとごはんをもってきてね!」 とのたまう。さっきは出て行けと言っていたのにもうこれだ。 最初は頭の上のツタを赤ちゃんに食べさせるそうだから、 赤ちゃんをダシに人間から自分のご飯も貰おうと考えているのだろう。 「さっさとしてね!」 「「ごはんちょうだいね!」」 まりさや赤ちゃんも同調する。まりさなどは先ほど蹴られた恨みもあるのだろう。 細目で笑っているのか無表情なのか、非常に憎たらしい表情である。 ごはんといってもな、何かこいつらが食えそうな物などあっただろうか。 食事と聞いてなぜ連想してしまったのか、つい倒れた酒瓶の方に目を向ける。 先の細くなった瓶の口を見て、いたずらを思いついてしまった。 「よし」 つぶやいて、立ち上がらずに酒瓶に手を伸ばす。 よし、と言う返事からご飯をくれると思ったゆっくりは笑顔で跳ねる、 と素早い動きで赤ちゃん4匹はヒョイヒョイと掴まれてしまった。 「ゆ゛っ!?」 「なにするの!?ゆっくりはなしてね!」 急な動きに意表を突かれた親は固まってしまう。 れいむの方はまりさよりも若干だが頭が良いのだろう、 すぐ状況を把握して子供を放すように要求して来た。 その言葉に耳を貸さず、手元で瓶の口と赤ちゃんゆっくりを近づけると、 遊んでもらっていると思ったのか赤ちゃんはキャッキャと喜んでいる。 プチトマトサイズでは瓶の口を通るには少し狭いが、やわらかい饅頭なら 変形すれば大丈夫だろう。 瓶の口に赤ちゃんれいむの顔をあてがい、親指で後頭部をグッグッと押していく。 「ぎゅっ!?ゆ゛っゆ゛っ」 ちょっと小さい口に押し込まれた赤ちゃんは明らかに苦しそうな声を上げる。 その声を聞いた親は異常な事態にパニックを起こしだした。 「な゛にやっでるの゛おぉぉ!」 「はなぜ!さっさどじねぇ!」 れいむはツタをふりふりさせながら足に体当たりし、 好戦的なまりさは腕に飛び掛ってくるが、どちらも全く効き目がない。 「ゆ゛ぶっ!いじゃい゛い!」 変形しながら瓶の口を通り抜けた赤ちゃんれいむは瓶の底まで転がっていき、 少量の餡子を吐き出しながら泣き出した。これならちゃんと通れるな。 残った赤ちゃん3匹も瓶の中に入れてしまう。 先に入った赤ちゃんの悲痛な声を聞いていたゆっくりは 自分の番が来ると目をウルウルさせながら手の中で暴れるが、 れいむ種2匹はさっきと同じ要領で瓶に入れてしまう。 「や゛めで!お゛ねがいだがだやめでーっ!」 親二匹も攻撃が通じないと判ったのか、泣きながら懇願するばかりである。 最後は赤ちゃんまりさの番だが、まりさ種特有の帽子が邪魔になる。 「まりじゃのおぼうぢがぁぁ!」 帽子を取り上げた赤ちゃんまりさを、れいむと同じように瓶の口にあてがい また親指で押し込んだら、帽子だけを後から入れてやる。 「ゆう゛、う゛う゛…」 無理やり変形させられた痛みに涙が出るが、ひらひらと落ちてきた帽子をみると もぞもぞと被りに行く。 ボトルシップはピンセットを使い、瓶の中で部品を組み立てるそうだが これは部品が自分で勝手に帽子を被ってくれるので楽なものである。 これで4匹全員が瓶の中。赤ちゃんゆっくりは決して広いとは言えない 瓶の底面で泣きながらふらふらしている。 「くちゃい!ここなんだかくちゃいよ!」 空になる前は酒が入っていたからなぁ。 親は親で、舌を入れるのも困難そうな瓶の口の細さに 「どうじだらいい゛のお゛!」と叫んでいる。 舌を入れられたとしても、赤ちゃんを強く押して変形させながらで やっと入れられた細さの口である。苦痛を感じる赤ちゃんを無理やり 引っ張り出すなどゆっくりの力ではとても出来ないだろう。 もし頭のいいゆっくりなら割って助けると言う選択も思いつくだろうが、 中に居る赤ちゃんが衝撃に耐えられるか不安な所である。 自分の力では出せないと判った親はこちらに文句を言ってくる。 「はやくあかちゃんをだしてあげてね!」 「ゆっくりできないから、あかちゃんをだしたら ゆっくりしないでしんでね!」 れいむは赤ちゃんにツタを食べさせるタイミングを失ったいる為、 怒ったセリフに合わせてゆさゆさとツタが揺れる。 そう言えば赤ちゃんは租借したえさか、このツタしか食べられないんだったなぁ。 瓶の中の赤ちゃんに目を向けると、腹が減ったのか元気が無さそうにうつむいている。 きつい酒の匂いに気分が悪くなっているのもあるのだろうが。 とりあえず、れいむから生えている2本のツタをつまみ、ぷちっと引き抜く。 「ゆゆ!それはあかちゃんのだからとらないでね!」 と抗議されるがそのまま瓶の中に落として上げると、 赤ちゃんにごはんを上げてくれたのだと判断したのだろう。 「ごはんをあげてくれてありがとう!れいむたちにもごはんをちょうだいね。」 「なんどもはねてつかれたよ、おいしいおかしをもってきてね!」 自分の分までねだって来た。怒ったりねだったり忙しい、 まったくゆっくりしていないゆっくりである。 瓶の中ではさっそく赤ちゃんたちがツタに群がっている。 さすがにツタ2本だけで、瓶の中では餌を租借して渡すのも困難となると 長くもたないのではないか、と考えがよぎり、また思いついてしまった。 無ければ作ればいいのである。 「どうしてだまってるの!?ばかなの?しぬの?」 と癇癪を起こしだす親二匹の後頭部をわっしと掴み持ち上げる。 「ゆ゛!?なにするの、ゆっくりおろしてね!」 「ゆ、ゆへへ、まりさたちはおおきくてびんにははいらないんだぜ! そんなこともわからないなんてばかなんだぜ!」 さっき持ち上げられた赤ちゃんと同じように瓶に入れられると思ったのだろうか、 言われなくても入らない事くらいわかるのに自信満々なまりさの頬と れいむの頬をぐっと押し付けると、ごしごしと揉み洗いをするように2匹の頬を 擦り付ける。無理やりほお擦りをさせる形である。 「ゆっゆっ、いだいよ、やめて!」 力加減が強すぎるのか、痛みを訴えるが無視して摺り続けると 次第に頬の皮が絡みつくようにねっとりとし、二匹の顔も上気しだす。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ…」 それでも止めずに続ると、声にも艶が出てきて顔全体がじっとりと粘液で覆われる。 突然甘い声を出し始めた親のスキンシップ、赤ちゃんたちは瓶の中からその行為を 息を呑んで見つめる。まだ何をしているのかも判らないのだろうが、 とても気持ちよさそうにしているのは通じるらしく、 となりの赤ちゃんとほお擦りを始めている。 親二匹がいわゆるアヘ顔になってから十数秒も経つと、突然ぺっかー!と笑顔になり 「「すっきりー!」」と叫んだ。これで交尾も終了のはずである。 すっきりの気持ちよさに、目をトロンとさせている二匹を床に下ろすと、 まりさの側頭部からスルスルと2本のツタが伸びだした。 被っている帽子のつばが邪魔になるため、側頭部から帽子の外まで横に伸びた後 若干カーブして上向きに伸びる。2本の角のように見えて、ふとせんとくんと言う 言葉が浮かんだか何の事だか判らないなぁ。 まりさとれいむのつがいだと、れいむが母親になるケースが多いようだが、 確かに大きな帽子を被ったまりさと植物型出産は相性が悪いように見える。 「ゆゆ、まりさおかあさんになっちゃった…」 急に慈愛に満ちたような表情でまりさがしおらしく呟く。 正直まりさらしくないが、母親はこうだ、と言う思い込みがあるのだろう。 そんな事を考えているうちにツタの表面につぼみが出来始めた。 子供を増やしてしまっては意味がないので早速側頭部からツタを引き抜く。 「ゆあっ!まりさのあかじゃんにな゛にずるの!!!」 目を見開いて叫ぶが気にせず、ツタから出来かけのつぼみをちぎり取る。 さっきれいむから引き抜いた、直前まで子供を育てていたツタと比べると 若干細いような気がする。中の管に子供の為の栄養も流し始めていないのだろう。 これでは瓶の中の子供の栄養としては不十分かもしれない、 となれば質より量を求めるしかない。 まりさから抜いたツタも瓶の口から放り込み、またまりさとれいむを掴む。 「ゆっ!もうすっきりしてつかれたからゆっくりさせてね!」 二匹の頬をくっつけ、すっきりするまで擦り付ける。 「ゆっゆっゆっゆっゆっ、やっ、ゆっ、やめてっ、ゆっ…」 … 「ゆ゛っ、すっ、すっきりー!」 恍惚とした表情のゆっくりからスルスルと生えてくるツタを引き抜き、瓶に入れる。 「あがちゃんどらな゛いでぇぇー!」 これを繰り返す。何回も何回も。 気づけば瓶の口からは入りきらなくなったツタが十数本、もっさりとはみ出している。 食事も与えずに何回もすっきりさせられた親はもはや虫の息、と言った感じで 上気させながらもやつれた顔で倒れている。 赤ちゃんも食べる以上に放り込まれるツタが動くスペースを無くし、 何度も何度も親のすっきりを見せ付けられた事もショックだったのか ツタに囲まれながらぶるぶる震えている。 今にも死にそうな親は、ツタが無くなった後に中身の餡子を 子供の餌にすればよい。 今あるツタを食べ終わる頃には、赤ちゃんもみんな体が大きくなって 瓶の中では窮屈になるだろう。その時この4匹が親の餡子を奪い合って どんな醜態を見せてくれるかと思うと今から待ち遠しくなる。 おわり。 お帽子の人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2508.html
ゆっくり先生 「はい注目ー!今日の授業はゆっくりの行動についてだ。いいか、よく聞くように。」 教壇に立って大声を張り上げている彼の名前は、鬼意山。 もともとは生物学者だったが、今は小学校の教師をやっている。 彼の担当は理科。中でもゆっくりを使った実験で生徒から人気を集めている。 その残酷で楽しい授業から、いつしか「ゆっくり先生」と呼ばれるようになっていた。 「まず、ここに1匹のゆっくりがいる。どうだ?ゆっくりしてるだろう。」 「ゆっくりしていってね!!!」 『ゆっくり』という言葉に反応して、鬼意の連れてきたゆっくりが鳴き声をあげる。 教室の生徒も「すげぇ!ゆっくりだぜ!」「あたい、ゆっくり見たの初めてだよ。」などと騒ぎ出す。 生徒が興奮するのも無理はない。ここは大都会のど真ん中だ。 ゆっくりなんて、めったに見かけない。 見つけたとしても、死体で発見される場合が多い。 鬼意は教卓をバンバンと叩いて、教室の空気を鎮めると、再び授業を再開する。 「さっきの行動だが、あれは条件反射という。頭で考えるんじゃなくて、体が自然に反応するんだ。 ほら、もう一回いくぞ。ゆっくりしていってね。」 「ゆゆっ!?ゆっくりしていってね!!!」 またも『ゆっくり』に反応して鳴き声をあげる。 そう、このゆっくりは実験教材なのだ。 もともとは、群れでゆっくりしていたのだが、運悪く鬼意に捕まってしまって現在にいたる。 「この反射は自分の意思とは無関係に起こる。じゃあ、ゆっくりにエサを与えてみるぞ。ホラ食え。」 鬼意は理科室の水槽から、水草を1本出してゆっくりに与える。 もちろん、ゆっくりはそれを「む~しゃむ~しゃ」しながら食べ始める。 「ゆっくりは今エサを食べているな。今こいつの頭の中はエサを食べることで一杯だ。ゆっくりしていってね」 「む~しゃむ~、ゆゆゆ!?ゆっくりしていってね!!!」 「おk!こいつは今、意識的に反応したんじゃないぞ。頭の中はエサのことで一杯だったが、体が「ゆっくり」という言葉に反応したんだ。」 「ゆぅ!ごはんのときはしあわせ~!させてね!ゆっくりできないよ。ぷんぷん。」 ぷくぅ~、と膨らんで怒りをあらわにするが、鬼意は顔色ひとつ変えずに授業を進める。 「反射には始動させる原因になる刺激がある。車でいうキーみたいなもんだ。たとえば、この場合は「ゆっくり」という言葉。 こういった刺激のことを『かぎ刺激』というわけだ。はいここ、テスト出るから。」 カツカツと黒板にチョークを走らせながら説明を続ける。 この説明の間も、ゆっくりは「む~しゃむ~しゃ」しているわけなのだが、鬼意の説明で「ゆっくり」という単語が出るたびに反応してしまう。 エサをまともに食べられない状態では、ゆっくりのストレスがマッハだ。 しかし、本当の地獄はここからである。 「じゃあ、これ回すからみんなでやってみろ。殺すんじゃないぞー、これ次も使うから。」 そういって鬼意は最前列右端の生徒にゆっくりを渡す。 「へへっ!ゆっくりだぜ!初めてさわったよ。ゆっくりしていってね。」 「ゆ~おそらをとんでるみたゆゆゆゆ!ゆっくりしていってね!」 「はははっ!おもしれー、マジで反応するぜ。ホラ、ゆっくりしていってね~」 「ゆぅ!ゆっくりしていってね!」 生徒は生まれて初めてのゆっくり苛りにテンションが上がっている。 ゆっくりは完全に生徒たちのオモチャと化してしまった。 「オイ俺にも貸せよ!」 「早く~!あたしもやる~。」 「ほらほら~ゆっくりしていってね!」 「ゆぐぅ・・・ゆっくりできな・・・ゆっ!ゆっくりしていってね!」 「お前ら一人一回だー!あとのヤツはノート取れー。黒板消すぞー!」 どんどん広がるゆっくり苛りの輪。もはや教室の空気はカオスだ。 ゆっくりは自分の意思とは関係なく「ゆっくりしていってね」と無理やり鳴かされて、どんどん弱っていく。 生徒が全員さわり終わって、鬼意のところに帰ってきたゆっくりは、「ゆ・・?ゆっぐ、ゆゆっぐ!ゆっぐ?!」 などと始終ブツブツ言うだけの気持ち悪い饅頭になっていた。 「あー、お前ら苛りすぎだ。ほら見ろ、もう死にそうじゃねぇか。」 「せんせー!そのゆっくり死ぬんですかー?」 「バカいうな。こういういい加減な生き物はな、こうすると生き返るんだ。」 鬼意は『業務用特濃オレンジ全力800』と書かれたビンに入っている怪しげなオレンジの液体を、死に掛けているゆっくりに掛けてやる。 「ゆ。。。。ゆ。。。。ゆゆゆうゆ~~~ん!」 ゆっくりは跳ね起きると、アゴを張って「ゆっくりしていってね!!!」と鳴いた。 「おぉおおおおおおおお!」「すげぇーーー!」「ゆっくりちゃん死ななくてよかったねー。」 教室から歓声が巻き起こる。授業開始から20分が経っていた。 「じゃあおまいら、校庭出ろー!10分以内な。ゆっくりしてると成績下げるぞ。」 「ゆっ!ゆっくりしていってね!」 またもゆっくりが反応し、ドッっと教室中が笑いに包まれる。どうやら生徒はゆっくりを気に入ったようだ。 10分後、生徒は校庭に集合し、鬼意はさっきのゆっくりを連れてやってきた。 「じゃあ次は、ゆっくりの移動について説明すっぞ。ゆっくりは基本的に跳ねて移動する。これは体の弾力を使った移動方法だ。 じゃあ実験するぞ。ホラ、取ってこい。」 鬼意は飴玉を10mくらい離れたところに投げる。 ゆっくりはそれを追って「ゆっ!ゆっ!」と跳ねていく。 ていんていんとバカみたいな効果音が校庭に響き渡る。 「また、ゆっくりは食べ物や虫に「○○さん」などと敬称をつけて鳴く習性がある。これは反射ではなく本能行動だ。反射と違って、かぎ刺激などは必要ない。 しかも通常種のすべてのゆっくりが例外無くこの鳴き方をする。良く見ていろ。」 「ゆっ!ゆっ!あまあまさん、ゆっくりたべられてね!」 鬼意の言ったとうりに行動するゆっくりを、生徒達はニコニコ見守っている。 「では次は底面だけの移動だ。これは内部の餡子を使って、底面を波打たせることによって移動する方法だ。」 「ゆぐ!?ゆゆゆ!ゆげっ!ゆげぇ・・・・」 突如、餡子を吐き出し始めるゆっくり。 鬼意は黙って見ているが、生徒達は心配そうだ。 「せんせー!ゆっくりが苦しんでるよ?オレンジジュースあげないの?」 心配した優しい女の子が、ゆっくりの所に駆け寄ろうとするが、鬼意はその肩をつかんで制す。 「今ゆっくりに与えた飴には毒が混ぜてある。これで体内の餡子を半分ほど吐き出させるんだ。 そうすることによって、弾力を失い跳ねることができなくなると、ゆっくりは底面を波打たせて移動するようになる。 これは授業だ。よく観察したまえ。」 鬼意の顔からは、さっきまでの笑顔は消えていた。 それは以前加工所に勤めていた時のような恐ろしい顔だ。 「ほら!ゆっくり!ここにオレンジジュースがあるぞ。さぁ取りにこい!」 どこから出したのか、鬼意はビーカーに入ったオレンジの液体を手に持っている。 「ゆ・・・ゆげぇ・・・・そろーり・・・そ・・ゆげぇ・・・そろーりそろーり・・・」 ついさっきまでの元気は無く、餡子を吐きながら、ゆっくりと地面を這って来る。 鬼意はニヤニヤとその様子を見守っている。 「ゆっ・・・ゆっぐりしだいよ・・・おにーざん・・・あまあまかけてね・・・ゆっくりのませてね・・・」 鬼意はビーカーを傾けると、液体をゆっくりに頭から掛けてやる。 しかし、ゆっくりの様子が変わらない。 なにやらジューーという変な音が聞こえてくる。 「ゆぅううううううぎゃぁあああああ!あづいいいぃいいいい!あづいよぉおおおおお!じにだくないぃいいいい!おうぢがえるぅううう!」 「ふふふ・・・ハハッハッハ!ヴァカめ!塩酸だよ、それは!絵の具で着色してあるけどねーーーー!ヒャッハァアアア!」 鬼意の虐待スイッチは、いつのまにかONになっていた。 こんなことを生徒の前でやっていいわけがない。 だが、ゆっくりを虐待するのは俺の本能行動だ。 「ゆっくりしていってね!!!」を聞くと殺さずにはいられないのは俺の脊髄反射だ。 ゆっくりはしばらく苦しんだ後、黒こげの塊となって動かなくなった。 生徒たちの空気が凍りつく。 あの優しい鬼意先生が、まさか虐待おにいさんだったなんて。 普通なら、生徒からの信頼を失い、もうだれも真面目に授業を聞いてはくれないだろう。 しかしこのクラスは、何かがズレていた。 「やだ・・・なにこれ・・・イイじゃない・・・」「う・・うほっ!おっきしてきた!」「キャハ!ゆっくりってこんな風に叫ぶのね・・・」 「じにだくない~♪あん!たまんないわ!」「フーハー・・・・フーハー・・・・フゥウウウウハァアアア!!」 「いいぞ!もっとやれ!」「もう終わり?つまんなーい。」「先生、今度ウチにおいでよ。フフ・・・僕様の美麗なる虐待を拝見させてあげるよ。」 生徒は皆、ゆっくりの断末魔を聞き、キラキラと目を輝かせていた。 鬼意はスッキリとした顔で空を見上げた。 鬼意の様子を見て、生徒もまた、空を見上げた。 その視線の先には、大きなくじら雲が浮かんでいた。 キーンコーンカーンコー-ン 授業終了のチャイムが鳴り響く。 次は皆大好きな昼休みだ。 「今日の授業はここまで。みんな家に帰ってから復習するように。ところで、ここに1匹の子ゆっくりがいるのだが・・・」 鬼意はポケットから、テニスボールサイズの子ゆっくりを取り出す。 一瞬にして生徒の目つきが変わる。 「俺は飼わないから、ここに逃がしてやろう。」 鬼意はニヤニヤしながら、子ゆっくりを校庭の隅に置いた。 「ゆっくりしていってね。」 「ゆっくちちちぇっちぇにぇ!」 別れの挨拶を交わすと、子ゆっくりに背を向けて歩き出す。 子ゆっくりは、いきなり広い校庭に置き去りにされ、キョロキョロと戸惑っている。 生徒達は1ミリも動かない。ただじっと鬼意の背中を見つめる。 鬼意が校庭を出て、校門の門を曲がった。次の瞬間。 「「「「「「「「「ッヒャァアアアアアアア!!!虐待ッダァアアぁあああああああああ!!!」」」」」」」」」」 「ゆゆ!?ゆっくちやめ・・・」 「ハッハッハ。目覚めたか・・・少年達よ・・・」 鬼意はニヤリと黒い笑みを浮かべたまま、理科室へと戻るのだった。 あとがき 読んでいただいてありがとうございます。 この前、体付きのれいむ&まりさのSSを書いた人です。 感想ありがとうございました。 今回は虐待描写を多くするように頑張ってみました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/693.html
ゆっくり戦争 ある年ある時、A国がX国に対して宣戦布告した。 X国は戦いを拒み平和的に解決しようとしたが、A国はそれを拒否した。 しかしX国は小国で、武器や兵士も少ない。 これでは圧倒的虐殺ではないかと提案されたのがゆっくり戦争である。 ゆっくり、というのは元々いつの間にかいた珍獣らしきもので、体は餡子でできている。 研究に研究を重ねて人工的にゆっくりを作る事も可能にし、これを実践投入すればまさに人間に被害のない平和的に戦争ができるという事だ。 元が餡子なのでコストも低く、量産する事ができる。 A国もゆっくりを使う事を合意した上で戦争が始まった。 A国領土の離島付近。 「今日は実戦だ! 何時死ぬかわからないし何時敵が来るかもわからない! だが、お前たちは過酷な訓練を勝ち抜いてきた兵士だ! 今日ここで我々にゴミクズと呼ばれていたお前らは立派な兵士となる! 行け!」 教官の合図とともにボートが発進する。 ボートの数はおよそ100、ゆっくりが10人入ると計算して1000匹ものゆっくりがボートに収納されている。 「ゆっ! いよいよだね!」 「れいむたちからおかしをとったやつらからしかいしするときだね!」 なにやら勘違いをしているようだが、これも教官の刷り込みである。 ゆっくりたちにとっては、敵は『ゆっくりプレイスに侵入してくる悪いゆっくり』なのだ。 「ゆゆ! 見えてきたよ!」 「みんないくよ!」 島が視認できる頃、轟音が鳴り響く。 ゆっくりまりさ二等兵がボートから顔を覗かせると、他のボートが沈んでいた。 「だずげべえ゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ」 「じにだぐだい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!」 沈むボートに取り残されたゆっくりたちは悲鳴を上げるが、波に飲まれて消えて行く。 まりさ二等は歯軋りをして船の先頭についてある機関銃の上に乗った。 構造は普通の銃とは変わりない。 だが、手のないゆっくり達のためにボタン式の銃となっている。 つまり、機関銃の前に立ってジャンプをすればフルオートで弾が発射される仕掛けである。 「ゆっくりしね!」 ジャンプすると轟音が鳴り響き、機関銃から弾が発射される。 それを見たほかのボートのゆっくり達も、機関銃に乗って弾を乱射する。 島から襲い来る雨のような弾丸にボートの中にいるゆっくり達も被弾し死亡する。 そして。 「りくちだよ! みんなおりてね!」 まりさ二等が叫び声を上げ、武器の槍を装備する。 槍といっても木を斜めに切っただけという質素なもの。 ゆっくりの戦争に通常兵器など使ってられない。 機関銃の弾も、コストが低い特殊なものを使っている。 「ゆゆ! わかったよぶべぁ!」 出てきたれいむ一等兵が被弾し頭が砕け散る。 島の防衛ラインからの攻撃だった。 「いそいで! はしらないとたまにあたるよ!」 まりさ二等を先頭に、ゆっくり達は走り出す。 他のボートからもゆっくり達が飛び出し、撃たれながら進む。 「ゆあああああああ!!」 叫び声とともに丘に登り、防衛ラインにいたゆっくりれいむを突き刺す。 「ぎゅげっ!」 悲鳴とともに絶命する敵れいむ。 だが、仲間のゆっくり達がすぐに槍を持ってまりさ二等に突っ込んできた。 「まりさあぶない!」 突っ込む敵ゆっくりをありす二等が刺し殺す。 もしありすが助けなければ、まりさ二等は串刺しにされていただろう。 「ありがとうだぜありす!」 「べ、べつにあんたのためなんかじゃないわ! てきがいたからたおしただけよ!」 戦闘中によくそんな悠長なことがいえたものだ。 まりさ二等の班は、もう3匹しか生き残っておらず、まりさ二等、ありす二等、れいむ一等のみとなった。 A国上陸別地点。 れいむ伍長率いる班は、弾丸の雨から抜け出せずにいた。 彼女の班に新兵達も、がくがくと震えているだけだ。 使えない奴ぞろいだ、とれいむは思った。 「もうげんかいだぜ! まりさはいくぜ!」 「だめだよ! いまいったら――!!」 業を煮やしたまりさ新兵が制止を無視して雨の中を駆け抜ける。 だが、すぐに被弾して体から餡子が噴出した。 「ぎゅぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 悲鳴を上げてまりさはのた打ち回る。 れいむ伍長はそれを冷ややかな目で見た。 どうだ、命令違反をすればこうなるんだ。 「たいちょう! まりさをたすけてください!」 「まだいきてるよ!」 他の新兵たちは助ける事を要求する。 だが、れいむはそれを却下した。 「ばかなこといわないでね! みんないまたすけにいったらぜんめつだよ!」 「うるさいよ! ひとごろしのたいちょうはしね!」 ぐさり、とれいむの頬に槍が刺さる。 「ばがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! だれをねらっでるんだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 れいむの叫びを無視し、新平たちは上官を刺し殺した。 自分達ならやれるはずだ。 こんな無能な上官の言う事など聞いてられるか。 そう皆が思い、まりさの救出に向かった。 「まりさあああああ! たすけにきたよおおおおおおお!!」 「ゆぐひゅ……ぐひゅ……」 息も絶え絶えのまりさ新兵のもとへ、他の新兵達が集まる。 「だいじょうぶ?! いまたすけてあげびゅばがばっ!!!!」 笑顔で元気付けようとしていたれいむの顔が吹き飛ぶ。 残ったのは焼け焦げた匂いとれいむの下半身だけだった。 「れいむうううううううううう!!!」 「いそいではこぼうね! みんなはやく!」 急いで傷ついたまりさ新兵を抱きかかえ、海岸の岩陰に隠れようとする。 だが、ゆっくり一匹分を担いでいるゆっくりなど、ただの的だ。 「ゆ! あそこでのろまなやつがいるよ! ばかだね!」 敵まりさは新兵達を見つけてそこに機関銃を向ける。 「ばかなゆっくりたちはしね!」 そしてジャンプをした。 鉛の雨が新兵達を貫く。 「ゆがががががががががっががあがががげあがげあえげげあげ!!!!!」 「だずげばびょべばっ!!!」 「ゆ゛っぐじじぢゃぎゃっだびょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 こうして、仲間の命を優先した新兵たちは死に、任務遂行を第一に考えたゆっくり達は生き残った。 皮肉な事だが、これは戦争なのだ。 ■■■ 「我が国の海岸の離島が制圧されました!」 通信兵が上官に告げる。 もちろん人間だ。 「糞! ゴミクズ共め! 自分の国さえ守れんのか!」 それは間違っている。 ゆっくり戦争をする上での条約がある。 一、戦争にはゆっくりを使う。人間はサポートのみとする。 二、兵力は均等にする。もしこれを違えた場合は人間を実戦投入する。 三、使う武器も均等に、さらに平等にする。槍と機関銃、爆弾のみとする。 四、ゆっくりが人間を攻撃した場合、敵国であれど問答無用で射撃して良い。 つまり、ほぼ五分五分の戦いなのだ。 つまり、この戦争において重要なのは上官がいかに有能かということにゆだねられる。 もし突撃しか知らない上官が知識をもった上官に挑もうとすれば、当然知識を持った者が勝つのだ。 兵力の問題や兵器の問題ではない、指揮する人間に問題がある。 「離島はあとで取り戻す! 国境ラインに防御を固めろ! クズ共にわが国の恐ろしさを思い知らさせろ!」 A国国境ライン。 「いいか? 俺たちは空のタクシーだ。 塹壕まで連れてってやるから後は自分達で何とかしな!」 「ゆっ! わかったよ!」 ヘリに乗せられたゆっくり達は国境ラインぎりぎりに位置する場所に掘られた塹壕に降ろされる。 その時、鉄を叩いたような音が響いた。 ヘリに弾が当たった音だ。 「おい、ちょっとそれとってくれ」 パイロットの隣にいた兵士がゆっくりに銃を求めた。 素直にゆっくりはそれを兵士に渡す。 「人間様にたてついた糞饅頭はどこだぁっ!」 ロープを腰に巻きつけ、ヘリの足の部分に自分の足をかける。 そして国境ラインに近づき発砲した。 「ゆぎょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「ぶべいだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 ライフルの弾が機関銃を撃った敵まりさの体を貫いた。 餡子を撒き散らし、目玉が飛び出て死亡する。 「はっ! たいした力もないくせに……、おい! 帰ったら酒飲みに行くぞ! うんと高い奴飲んでやる!」 「はいはい……」 撃ち終わった兵士たちは基地へと帰っていった。 塹壕にいたゆっくり達はそれを見て勇気付けられる。 「てきはばかだからおにーさんたちにころされたんだね! ばかだね!」 そして皆が笑い出す。 だが、それも轟音で掻き消された。 機関銃が塹壕に向かって一斉射撃されたのだ。 対抗しようと塹壕の中にある機関銃を放つ。 そして皆槍を持ち突撃した。 相手の国も、ゆっくりが突撃してくる。 「ゆぎゃっ!」 「じにだぐだにいいいいいいいい!!」 悲鳴、怒号、狂喜。 幾多の言葉が戦場に鳴り響く。 それはまるで音楽だ。 「しねっ! しねっ! しね!」 あるまりさはもう死んでいるれいむの顔に何度も何度も槍を突き立てる。 「うふっ、うふふふふふふ! うふふあははははははは!!」 恐慌状態に陥ったれいむは笑いながら銃弾の雨を浴びる。 「まりざああああああ!! ずっぎりじようねええええええええええ!!!」 気が狂ってしまったありすは、ゆっくりの死骸に向かって体を摺り寄せる。 阿鼻叫喚の戦場の中、みな思い思いに死んで行く。 決して自分が安らぐ事も知らずに。 戦いが終わった後の自分達の行方も知らずに。 じじいのファックの方が気合あるおまけ。 某国の基地にて。 「隊長、それなんですか?」 「さぁな、だがこれで射的の練習をしろだとよ」 隊長(CV:大塚明夫)が奇妙な生き物を連れてきた。 ゆっくりれいむとか言うらしい。 「人を殺すのに抵抗がある新兵にはもってこいだって教官が言ってたな」 「そうですか」 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!」 隊長の足元でぴょんぴょんと跳ね回る。 俺はそれを掴んだ。 「はなしてね! ゆっくりはなしてね!」 喚きだすそいつに俺はすこしだけ苛立った。 なんだか知らないがこいつはすごくむかつく。 「で、どうするんですかこいつ」 「まぁ見ていろ」 そう言って隊長はゆっくりを野に放した。 不思議なものを見るかのようにあたりを散策し始めるゆっくりれいむ。 犬だったら可愛いかもしれないが特にそうは思わなかった。 突然、隊長が銃を構える。 そして。 「ゆっぐりでぎだいよ! だずけてね!」 「少し照準がずれてるな……、ちゃんと整備しろといっただろ」 「すみません」 頭を掻いて俺は謝る。 れいむはなにがおきたのか分からず恐怖のために逃げ出している。 隊長は狙いを定めた。 「三ミリずれてると考えて……この辺か」 ぱん、と一発の銃声が鳴り響く。 「ゆ゛っ!」 丁度れいむの後頭部を直撃して体から黒い物体を飛び散らせた。 近寄ってみると、丁度額の真ん中に風穴が開いている。 さすが隊長である。 「どうだ! 頭に当たってるか!?」 遠くで隊長が聞く。 「はい! すごいですね隊長!」 俺は素直に賞賛した。 「悪いんだがその死体は教授のところに持っていってくれ!」 「あ、はい、わかりました!」 俺は死骸を持って研究室と書かれた部屋へ向かう。 なかにはやせ細った眼鏡金髪の男がいた。 これが教授(CV:子安武人)である。 「おやおやさっそくゆっくりれいむで試し撃ちですかな? クークック」 この笑い方が癪に障るがとにかく死骸を渡した。 「これ、なんですか?」 そう聞くと教授は眼鏡を輝かせ俺にどアップで近づく。 「聞いて驚いてくれたまえ! これこそ我が生涯で最高傑作! 知能を持った饅頭なのだ!」 教授はくるくる回転しながら笑い出す。 そうとうマッドだ。 中の人もそうなので仕方ないが。 「はぁ、そうですか」 再びキラリと眼鏡が光る。 俺はそれを見て少し引く。 「きみぃ、わかっていないようだね? このまんじゅうのおもしろさを?」 「い、いえ……決してそんなこと――」 「ならば教えてあげよう! ゆっくりはもっとも人間に近づける事ができた生物なのである! チンパンジーやオランウータンなどではできなかった言語を喋る生き物!」 ぽちっとどこぞに仕掛けてあったボタンを押す。 床が割れて鉄板が現れ、うえからは透明なケースに入れられたゆっくりが現れる。 だが、さっきのとは違う黒い帽子をかぶった奴だった。 「おじさん! ここからだしてね!」 さっきのれいむと違う、普通に人間の言葉を喋っていた。 「これぞまさしく究極的に人間に近づいたゆっくりまりさである!」 「どこらへんがですか?」 「ふふん、良くぞ聞いてくれたよきみぃ。 ゆっくり! 仲間の居場所を吐けば助けてやるぞ!」 そう言うとまりさは体を膨らませた。 「いやだよ! そんなことできないよ!」 「ほほう、ではこんなことでも?」 ボタンを押すと水が流れ鉄板の上に流れる。 だが、一瞬にしてそれは湯気となった。 そこへまりさが落とされる。 「あじゅい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!! ゆっぐりでぎないよおおおおおおおおおおお!!!!」 悲鳴を上げるまりさ。 やかましいので少し耳を塞ぐ。 「これって動物虐待にならないんですかね?」 「問題ないのだよ、実はゆっくりはまだ動物としても認められていないからねぇ」 くいくいと教授は眼鏡を直す。 この程度だったら俺はまだ吐かないかな。 「いぎいいいいいいいいい!! あづいいいいいいだずげで! ゆっぐりざぜでよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 「気になったんですがゆっくりするって何ですか?」 「そこっ! そこ重要なのだよきみぃ! この饅頭たちにとってゆっくりするということは自分の思い通りに事が進み、かつ欲求が満たされる事こそがゆっくりということ! つまりっ! 人間の本能と同じ作りになっているのだああああああああ!!」 やかましいので耳をさらにふさぐ。 なるほど、つまりゆっくりは本能のままに生きているというわけか。 「だが悲しい事に人間には理性というものがある、理性を保って生活している人間にとって本能だけで生きているゆっくり達とは相容れないものなんだ」 急に真面目な口調になり俺は吃驚した。 「いいまず! だがらだずげでぐだざいいいいいいいいいいい!! おねがいでずううううううう!!」 ついにだめになったのかまりさは助けを求めてきた。 自分のために仲間を売るとは、軍法会議ものだな。 「クークック、んじゃお前は元のところへー、ぽちっと」 ボタンを押してまりさはケースに回収される。 底辺が火傷して動けなくなったまりさは頬がグチャグチャになるまで泣いていた。 「どうだねぇ? 興味が沸いてきただろうぅ? ぜひまた私のところに来てくれたまえ! いま私は論文を書かなければならないのでね!」 そう言って追い出された。 なんだったのだ、あの人は。 訓練所に戻された俺は愕然とする。 的がすべてゆっくりになっていた。 しかもそれを兵士達が嬉々として撃ち殺している。 俺はめまいがしながらも、銃を手に取った。 あとがき おまけが本番だった。 所詮ゆっくりなんて戦争の道具か的が関の山だろ、な? ごめんこ。 パチュリーの名前はよく間違えるんだ、勘弁してくれ このアフォが書いた作品。 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング1~3 霊夢のバイト 慧音先生とゆっくり ゆっくりCUBE ゆっくりと男 虐待おねーさん 紫饅頭にクイズ出せば自滅してくれる 昔の遊び 書いた少尉(なんかのゲームで少尉止まり):神社バイト このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/102.html
人里から遠く離れた小さな山に、多くのゆっくりが暮らす森がある。 日当たりの良い広場があり、きれいな川が流れ、木の実を付ける広葉樹で構成されており、 小鳥は囀り、げっ歯類以上の大きさの哺乳類はおらず、妖怪も人間も足を踏み入れないというそこは、ゆっくり達の理想郷であった。 そんな美しい森に、とても生存本能の強いゆっくりぱちゅりーが居た。 他のゆっくりぱちゅりーは自らの運命…先天的に病弱で、長生きする事は叶わない自らの体質を受け入れている。 だが流石にこのゆっちゅりーは格が違った。自らの運命を自らの手で(ゆっくりなので手は無いが)変えようと強く思っていた。 ある日ゆちゅりーが短時間の散歩を楽しんでいると、木の洞に詰まって身動きが取れなくなっているゆっくりまりさがいた。 ふと、ゆちゅりーの拙い思考回路があるアイデアを生み出した。 まりさ種はゆっくり達の中でも殊に活動的だ。その点では、ゆちゅりーの理想と言ってもいい。 そのゆまりさの健康で活動的な肉体を得れば、自分もああなれるのではないか。 無論、肉体を手に入れると言っても脳を移植する訳ではない。元よりゆっくりにそのような知識は無い。 あるのは本能だけ。故に、他者の肉体を得る方法はただ一つ。―――食べる事だけだ。 ゆちゅりーは虚ろな表情で、ゆっくりとゆまりさににじり寄る。 「ゆっ!たすけてくれるの!!?ゆっくりひっぱってね!!!」 「…………」 ゆちゅりーは答えない。というか、聞こえていない。今のゆちゅりーにあるのは強烈なまでの食欲だけだ。 「ど、どうしたの!!?さっさとたすけてね!!!」 「…………」 偶然にも周囲にゆっくりの姿は無い。まるでゆっくりの神があるいは悪魔がセッティングしたかのような状況である。 もうゆまりさの体温すら感じられる程に肉薄している。耳障りな雑音も聞こえない。 ぶよぶよと震える皮は美味そうとしか考えられない。 普段は友愛を喚起させられる体臭も今では食欲をそそる香りだ。 肌身離さずかぶっている帽子や、美しい金色の髪に至るまでが御馳走に見える。 そして、 「ゆ゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!や゛め゛で!!!や゛め゛でよ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 思い切り良く頬に食らいついた。その瞬間、口の中をかつて無いほどの至福が駆け抜けた。 ―――すごい。こんなにまりさがおいしいなんて。ゆめみたい。 全身が四散しそうな程衝撃的な味は、ゆちゅりーを虜にした。 一心不乱にゆまりさを喰らう。否、このゆちゅりーはゆまりさをただ食っているのではない。愛しているのだ。 今のゆちゅりーの最大限の愛情表現こそがこの共食いという最も恐るべき行為だった。 「う゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!どうじで!どうじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 一口齧る毎に、一声絶叫される毎に、ゆちゅりーは心身共に活力に満ちて行くのを実感していた。 このような感覚は生まれて初めてだった。母の蔓に生まれ、目を覚ました時ですらここまでの爽快感は無かった。 「ぐがが……お゛ぼぉ゛……ゆ゛……ゆ゛ぐぐ……ゆ゛っぐり゛ざぜでね゛!!!!!」 それがこのゆまりさの最期の叫びだった。後はただゆまりさの残骸を余さず食う音だけが響いていた。 「むきゅぅーん……」 ゆちゅりーは涙した。一時の激欲に身を任せて友を食べてしまった自責の念で。 もう二度と自分の知らない場所にまで連れて行ってくれた相手と会えない悲しみで。 そして、身も心もかつてない程のゆっくりに満ち溢れている喜びで。 もっと。もっとこのエネルギーが欲しい。友を喪うのは悲しいけれど、それを遥かに上回る喜びが得られるのなら。 「だから……!(福山潤の声で)」 翌日の朝、ゆちゅりーは森の中を全速力で駆け回っていた。恐らくゆっくりまりさと同等の速度だろう。 ゆちゅりーは感動している。速く走れるとはこんなに素晴らしいことなのか。それもこれもまりさと一つになったお陰だ。 もっとだ。もっと食べれば、もっと生きていられる。もっとゆっくりできる。そう、食えば食う程―――強くなる。 ……新たな餌を、発見した。 数年後、そこにはかつての貧弱さなど微塵も感じさせない力強いゆっちゅりーが居た。 体躯は通常のゆっくりより一回りも二回りも大きく、その眼力に他のゆっくりはただ畏れるしかなかった。 今やゆっくりれみりゃさえもゆっちゅりーには近付かない。 ぱちゅりー種でありながら餌を横取りされたゆっくりれみりゃの群れ十匹を返り討ちにするような怪物に逆らう程、ゆっくりも馬鹿ではないのだ。 そう。今やこのゆっちゅりーはこの森に住まうゆっくり達の王なのである。 好きな時に好きなゆっくりと共にゆっくりし、好きな時に好きなゆっくりを食べる。それが王の在り方だった。 だが、王はこの生活にも飽きてきた。以前とは比較にならない位強大な生命力を得た王にとって、通常のゆっくりでは物足りないのだ。 もっと。もっと大きくて栄養のある餌が欲しい。際限無い欲望を持つという点では、人間の王とゆっくりの王は大差無かった。 決意するのに、そう時間はかからなかった。王はこの楽園を捨て、新天地へ向かう事を決意した。 大丈夫。今の自分は強い。ゆっくりれみりゃやゆっくりフランでさえ自分を恐れて近付かない程に。 どんな敵が現れようと打ち倒し、食べるだけだ。 そうして王は向かった。幻想郷の中心部にある人間の里へ。 森を出て三時間、里の外れの外れにある小さな集落を発見した。 地面にしゃがみ込み何かをしている人間が居る。第一村人発見である。王はこいつが記念すべき最初の人間だと決定した。 射程距離まで音を立てず慎重に移動する。まだだ。あと十ym(ゆっくりメートル)。あと八ym、六ym、よし今だ―――! その瞬間、人間がこちらに気付いた。だが構うものか。後は飛び掛り、組み伏せ、食い尽くすだけなのだから。だが…… 王は知らなかった。ゆっくりと人間など、同じような物だと慢心しきっていた。 世界で最も強かったのはゆっくりフランで、自分はそれ以上の生物なのだと勘違いしきっていたのだ。 そう、つまり―――ゆっくり内での序列がどうあれ、ゆっくりである限り人間の食料に過ぎない事をまるでワカっていなかった。 「ごらー!おらの畑で何しとるだァー!!」 食い物である筈の人間はそう叫ぶと、手に持った棒切れを振りかざし、王の頭に振り下ろした。 ぐしゃり。 決定的な音を、王は確かに聞いた。懐かしい感覚。自分の意識から立ち昇る死の匂い。 嫌だ。せっかく生きられるようになったんだ。こんな絶望から逃げる為に同胞まで食ったんだ。 助けて、助けて、助けてまりさ。れいむ。ありす。にとり。うどんげ。にいと。あやや。てんこ。ちぇん。さくぽ。れみりゃ。フラン。 助けろ!私は、私はお前らの王なんだぞ……!! と、ありえない光景を見た。森に居た多くの仲間達が自分を見ている。ああ、やっぱり助けに来てくれた……皆! 「たすけろ、だってさ」 「おお、いやだいやだ」 大勢の仲間が、嫌な笑顔でこちらを見ていた。 どうしてこんな顔を向けられるんだろう。 どうしてこんな事になってしまったんだろう。 わたしはただ、みんなとゆっくりしたかっただけなのに…… 「おーい母ちゃん。こんなもんが畑を荒らしとったぞー」 「あんらーお前さんそりゃ『ゆっくり』だよぉ。それを里に持っていくと高く売れるんだわー」 「へぇそうかい。そいじゃちょっくら売ってくらぁ。おぅ、種蒔きは代わりにやっといてくれよ」 「そんな事言ってまた遊んでくるんじゃないんだろうね!いやだよこの間みたいに土産とか言ってエロ同人誌五十冊も買って来るのは」 「へっへっへ、もうあんな事はしねえよぉ。んじゃ行って来る」 「全く。気を付けて行って来てなあ!最近は妖怪が出るとか言うけんねー!」 「おおう!妖怪なんざ俺のコブラツイストでボッコボコにしちゃるけん!」 「調子いい事言うんだから。妖怪になんて勝てる訳……おや、何だいこりゃあ」 彼女の足元には文字が刻まれていた。そこはかつての王が息絶えた場所だ。そこにはこう書かれていた。 「ゆっくりしていってね!!!」 DEAD END
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/588.html
「厳しいゆっくり」 そのゆっくり一家の様子は、普通とは何かが違っていた。 一家を率いるのはバレーボールサイズのゆっくりまりさ。そこは何もおかしくない。 ついていくのはゆっくりまりさとゆっくりれいむ。数は大体半々ぐらい。そこもおかしくない。 普通とは何が違うのか…その違いは、話しかけてみて始めて分かった。 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりの本能を深く揺さぶる、僕の一声。 普通なら、この言葉に反応しないわけがなかった。ところが… 「……ゆっ!」「…ゆ!」 子供たちは皆、少し声を漏らしただけ。 何か言いたげな顔はしているが、『ゆっくりしていってね!!』という元気な返事は返ってこなかった。 「おにーさん!!まりさたちはほかのばしょでゆっくりするからね!! なにもようがないなら、まりさたちはもうゆっくりいくよ!!」 先頭に立っている母まりさが、僕に向かって言ってくる。 こいつからも元気な返事はない。おかしいな…こいつら病気なのか? 試しに、もうちょっと揺さぶってみるか。 「まりさ、どこに行くのか知らないが、お兄さんはもっとゆっくり出来る場所を知ってるよ」 「ゆ!?そうなの!?ゆっくりちゅれていってね!!」「れいむもゆっくりしたいよ!!」 もう我慢できない、と言わんばかりに子ゆっくりたちが口を開いた。 そうそう、それが普通の反応である。だが、母まりさは普通ではなかった。 「ゆ!!そんなこというとゆっくりできないよ!!」 「ゆ゛!!」「びゃっ!!」 何も悪いことをしていないのに、母まりさに突き飛ばされた子ゆっくりたち。 転がるほどの勢いも、皮が破れるほどの破壊力もない、ただ痛いだけの攻撃だった。 子供たちは涙目で何かを無言で訴えてくるが、僕にも母まりさにも…何も伝わらない。 「おにーさん!!わるいけどまりさたちはゆっくりいそいでるからね!!じゃましないでね!!」 そう言い放つと、母まりさはとっとと先へ進んでいってしまった。 子供たちだけが、僕を名残惜しそうに見上げていたが… 「…ゆっくりしすぎだよ!!」 母の一言で、子供たちは飛び上がるようにして母の後を追いかけていった。 あの母まりさ、どう考えても普通じゃない。 『ゆっくりしていってね!!』『もっとゆっくり出来る場所がある』という二つの言葉。 ゆっくりの本能を最も刺激するはずの言葉に、母まりさは釣られなかった。 突然変異なのか、それとも病気なのか… 「こいつは面白そうだな…」 どちらにしても、この面白そうなネタを放っておくわけにはいかない。 僕は先ほどの一家をゆっくり追いかけることにした。 一家の巣はすぐに見つかった。木の根元に、精妙にカムフラージュされた大きな穴だ。 決して大きな穴ではないが、母まりさ+数匹の子ゆっくりなら十分な広さだろう。 僕は静かに巣穴に近づいて、隙間から中を覗いてみた。 「にんげんにはなしかけられても、しゃべっちゃだめっていったよね!!」 「ゆびゃああああぁぁl!!」 「みんな、おかーさんとのやくそくやぶってしゃべっちゃったよね!!」 「ぎゅべぇおおおおお!!」 「やくそくをやぶったわるいこはゆっくりできないよ!!おしおきだよ!!」 「あぎゅあああぁっぁ!!!」 合計5匹の子ゆっくりが一列に並んでいる。 よく見れば子ゆっくりというより、赤ちゃんゆっくりぐらいの大きさだ。 母まりさは、何か言葉を発するごとに子ゆっくりに一匹ずつ体当たりを食らわせる。 その勢いは母まりさの怒りに比例して強くなり…最後に体当たりされた子れいむは、壁にぶつかると口から 餡子を大量に吐き出してしまった。 ゆっくりにとって、命の源である餡子を吐き出すことは一大事だ。 処置を怠れば、死に至ることだってある。それは子ゆっくりもよく知っていた。 「うぶっ!!ゆべえええぇっぇぇえ゛え゛え゛ぇぇぇあ゛あ゛あ゛ぃ!!!!」 「ゆゆ!!おかーさん!!れいむが!!れいむがゆっきゅりできなくなっちゃうよ!!」 「ゆっくりたしゅけてあげてね!!ゆっくりなおしてあげてね!!」 周りの子ゆっくりたちが、必死に母親に助けを求める。 だが、母まりさは鼻で笑いつつこう言い返した。 「ふん!やくそくをまもれないバカなこは、ずっとそうしてゆっくりしてればいいよ!! みんなもやくそくやぶるとこうなっちゃうからね!!ゆっくりりかいしてね!!」 自分の仕事を成し遂げたと思っているのか、母まりさの顔は満足げだ。 それに対して、子ゆっくりたちの表情は完全に沈んでしまっている。 「子供を虐めるなんて…酷い母親だなぁ」 僕はくすくすと笑いながら、そのまま様子を観察し続けた。 母が食料を取りに出かけた後、しばらくして先ほど餡子を吐いた子れいむが目を覚ました。 「ゆ…ゆううぅぅ……!」 「ゆ!ゆっくりおきてね!!」「ゆっくりしていってね!!」 周りで見守っていた子ゆっくりたちが喜びの声を上げる。 気絶していた子れいむは特に外傷はないらしく、次第に元気を取り戻してゆっくりし始めた。 僕は母まりさがいなくなった今しかないと思い、巣穴に首を突っ込んだ。 「やあ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!!」 今度は5匹の子ゆっくり全員が応えてくれた。 やっぱり、普通じゃなかったのはあの母まりさに原因がありそうだ。 「さっきのおにーさん!!どうしたの!?」 「ここはれいむたちのおうちだよ!!ここでゆっくりすると、おかーしゃんにおこられちゃうよ!!」 怒られるというのは…たぶん“やくそく”のことだろう。 先ほどの様子からしてこの子ゆっくりたちは、母まりさと幾つか約束を交わしているらしい。 それらを破ると、先ほどのように罰を受ける…命に関わりかねない罰を。 つくづく理不尽な母親である。自分の都合を押し付けて、破ったら虐待だなんて。 「大丈夫だよ。すぐに出て行くからね。それより、皆に美味しい食べ物を持ってきたよ」 「ゆ!?たべもの!!ほちいよ!!ゆっくりちょうだい!!」「ちょうだいちょうだい!!」 クッキーを放り込んでやると、5匹の子ゆっくりは一斉に群がって貪り始めた。 母との約束という重圧を忘れた5匹は、本能に忠実な普通のゆっくりだった。 「ゆはっ!!うっめ!!めっちゃうっめ!!」「むーしゃむーしゃ!!しあわせー♪」 「じゃあお兄さんはもう行くからね。みんなはゆっくりしていってね!!」 って、食べ物に夢中だからたぶん聞こえてないな。 僕は食事を邪魔しないよう、追加のクッキーを数十枚放り込んで、静かにその場から立ち去った。 後ろからは、クッキーを貪り食う子ゆっくりの下品な声が聞こえてくる。 母まりさが帰ってくる頃に戻ってきて、“あれ”を実行することにしよう。 帰ってきた母まりさは、巣の中の様子に驚愕した。 一面を埋め尽くす見慣れぬ食べ物。それを美味しそうに食べている5匹の子供たち。 「ゆ!おかーしゃんおかえりなさい!!」「みんなでゆっくりしようね!!」 口の周りに食べかすをつけた子供たちが、出迎えの挨拶をする。 だが、母まりさはそれに応えない。 「これはだれからもらったの!?ゆっくりせつめいしてね!!」 母まりさの疑問は当然のものだった。子供たちが自力で食料を集められるわけがない。 しかも、5匹が食べきれないほどの量だ。母まりさだって、これだけの量を集めるのには2週間はかかる。 つまり当然の結論…『この食べ物は、誰かからもらった』 「ゆ……と、ともだちのまりさにもらったんだよ!!」「そ、そうだよ!!」 「うそをつかないでね!!にんげんからもらったにきまってるよ!!」 「ゆ゛!?」 母が真相を口にした瞬間、子供たちは固まってしまった。 “恐怖”…生まれたときから植えつけられてきた感情、たった一つに縛り付けられて。 約束を破ったことが母にバレた…その次に待っているのは、無慈悲な“罰”であることを知っているから。 横一列に、背を壁に向けて並べられた子供たち。 自分達のこれからを想像して、がたがたと震えている。 されることはいつもと同じ。だが、未だにその痛みに慣れることが出来ない。 「やくそくをやぶったらゆっくりできないよ!!」 「ゆぎゃああ゛あ゛ぁぁ!!」 「やくそくやぶるこは、おかーさんのこどもじゃないよ!!」 「ごみんあじゃあぁぁぁい゛い゛!!」 「にんげんとはゆっくりできないよ!!ゆっくりおぼえてね!!」 「もうゆるじでええぇぇぇぇえ゛!!」 「にんげんはわるいものだよ!!ぜったいゆっくりしちゃだめだよ!!」 「うがやおああおおおおぉおぉぉ!!」 壁と母まりさの身体で挟み撃ちにされる度に、悲痛な叫びを上げる子ゆっくりたち。 何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も。 繰り返し繰り返し、母まりさは5匹の子ゆっくりに順番に体当たりする。 『人間とはゆっくりできない』『人間と一緒にゆっくりしたら二度とゆっくりできなくなる』 全ては理解してもらうため。このことを理解して、覚えてもらうためだ。 自分は母に人間の危険性を教えてもらっても、すぐに忘れてしまった。 そして人間についていったばっかりに、友達を皆食べられてしまった…そんな自分の二の舞にならないように。 子供たちには忘れて欲しくない。ずっと覚えていて欲しい。だってそうしないとゆっくりできないのだから。 「がまんしてね!!がまんしてゆっくりできるこになってね!!」 「げりょうあおあおあおあおああああああ!!!」 母まりさは、何度も何度も、子ゆっくりたちに伝わることを願って…体当たりを続けた。 昼になって、例の巣に戻ってきて見ると…巣の中では再び虐待が行われていた。 母まりさが子ゆっくりに体当たりするたびに、張り裂けんばかりの悲鳴が僕の耳を突く。 「うぎゃあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁ!!!」 「ぎゅええええべべべべええ!!!」 「あばばばばあああああぁぁぁぁあ!!」 何故だか分からないが、母まりさは相当怒っているらしい。 母まりさの言葉は乱れすぎていて何と言っているか聞き取れないが…かなりノリノリである。 待てど暮らせど、虐待の嵐はなかなか止まない…痺れを切らした僕は、釣り針を握るとそっと巣の中に手を 突っ込んだ。 「……よし」 虐待に夢中になっている母まりさは、自分の帽子に釣り針が刺さったことに気づいていない。 子ゆっくりたちも、すっかり怯えきってしまって周りの様子など目に入っていなかった。 僕は、糸を思いっきり引っ張った。それに従って、母まりさの帽子が脱げて瞬く間に巣の外へ飛んでいく。 「ゆ!!まりさのぼうし!!ゆっくりまってね!!」 即座に異変に気づいた母まりさは、帽子を追って巣の外へ。 終わりなき虐待から開放された子ゆっくりたちも、安堵の表情を浮かべながら恐る恐るついてくる。 「おにーさん!!それはまりさのぼうしだよ!!ゆっくりかえしてね!!」 糸にぶら下がった帽子をぶらぶら振り回す僕。 まりさは必死にジャンプしてそれを口で咥え取ろうとするが、ぎりぎり届かない高さに調節しているので、 どんなに頑張っても…帽子まで後一歩、というところで勢いを失ってしまう。 「ゆぎゅうううぅぅぅ!!ゆっぐりがえじでね゛!!がえざないどゆっぐりざぜであげないよ゛!!」 「あっそう、じゃあ返してあげるよ、ほーれほーれ♪」 上から目線で物を言う母まりさを、僕は満面の笑みでおちょくる。 ぶんぶん振り回される帽子を目で追いながら、あんぐりと口を開けて狙いを済まして… 命と同じくらい大事な帽子を奪い返そうと、必死にピョンピョン跳ね続けている。 「うぎゅうううぅぅぅ!!!いじわるしないでね゛!!ゆっくりがえじでね!!」 ふと、巣の入り口近くにいる子ゆっくりたちに視線を移す。 さっきからじっとこっちを見ているが…母を応援する声は聞こえてこない。 普通の一家なら、『おかーさんがんばってねぇ!!』とか、『おにーさんとはゆっくりできないよ!』の 一言ぐらいあるものだが… つまり、そういうこと。子ゆっくりたちにとって、母まりさは“そういう”存在なのだ。 「お母さんまりさにひとつ提案だよ。子供の帽子かリボンを持ってきたら、この帽子と交換してあげる」 「ゆ!?」 果たして口車に乗って、子供の髪飾りの強奪に乗り出すかどうか… 僕にとっては一種の賭けだったのだが…どうやら僕の勝ちだったようだ。 母まりさは目の色を変えて、巣の入り口に集まっている子ゆっくりたちに襲い掛かった。 「ゆっくりにげないでね!!おかーさんにぼうしとりぼんをちょうだいね!!」 「おがーざんごっじごないでえ゛え゛ぇぇぇ!!!」 「ぞんなごどずるおがーじゃんどはゆっぐりでぎない゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 子ゆっくりにとっても、帽子やリボンは大事なものだ。簡単に取られるわけがない。 母まりさに捕まらぬよう、子ゆっくりたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。 「ゆっくりつかまってね!!にげるこはゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「やだあああぁぁぁぁ!!!づがまるどゆっぐりでぎないよ゛!!」 「おがーざんやめでね゛!!ゆっぐりごっぢにごないでね゛!!」 母と子には体格差があると言っても、命と等価のモノがかかっているこの状況では、子供たちはなかな捕まらない。 実のところ、先ほどのクッキーにはゆっくりの運動能力をちょっとだけ強化する薬物が入っていたのだが… 母まりさも、当の子ゆっくりたちもそのことにはまったく気づいていない。 「おがーざんにぼうしどりぼんちょうだい!!そうすればみんなでゆっぐりでぎるよ゛!!」 なかなか追いつかないので、目に涙を浮かべながら子供を説得しようとする。 しかし、そんな言葉で釣られるほど子ゆっくりは愚かではなかった。 「おがーざんうそづいでるよ!!うそづくおがーじゃんどはゆっぐりでぎないよ゛!!」 「ゆっぐりついてこないでね゛!!ゆっくりどっかいってね゛!!」 「ゆぐぐぐぐぐ…どうじでぞんなごどいうの゛!!ゆっぐりでぎなぐなっでもしらないよ゛!!」 まだまだ子ゆっくりたちには追いつきそうにない母まりさ。 僕は母まりさにもっと必死になってもらうために、ライターで母まりさの帽子に火をつけた。 ボオォッ!! 何の素材で出来ているのかわからないが、本当によく燃える。 「ゆぎゃああああーーー!!!まりさのぼうしもやざないでえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!!」 子ゆっくりを追いかけるのを止めて、燃え上がる自分の帽子目掛けて飛びついてくる母まりさ。 だが、僕がうまく糸を動かして帽子をひょいっと遠ざけたので、母まりさはそのまま地面に激突した。 「ゆぶっ!!やめでね゛!!まりざのぼうじもやざないで!!はやぐひをげしでよお゛お゛お゛ぉぉぉ!!!」 「まぁまぁ焦るなって。結構綺麗に燃えてるじゃないか」 地面に顔から落ちて身悶えている隙に、母まりさの髪を釘に結び付けて地面に打ちつけた。 これで母まりさは、ほとんど身動きが取れなくなった。 「ひをげしで!!うぶゅ!!いだい゛!!いだいよ゛!!がみがひっばられでるううぅぅぅぅ!!!」 帽子を燃やされている悔しさと、髪を引っ張られる痛みで…母まりさの顔は涙でボロボロになる。 痛みにのたうち回ろうとすればさらに痛みが襲うので、下手に動けない状況だ。 それでも母まりさは、何度も何度も助けを求める叫び声をあげた。 「まりさをだずげでぇ!!ごのままじゃゆっぐりでぎなぐなる゛!!」 「おねがいだがら!!ごっがらはなぢでえええぇぇえ!!!あだまがいだいいいいぃぃぃい!!!」 「ぼうじ!!まりざのぼうし!!もやざないでよ゛ぅ!!」 「……らんぼうするおかーしゃんは、ずっとそこでゆっくりしてればいいよ!!」 突然、一匹の子れいむが震えながら力いっぱい言い放った。 するとそれに続いて、次々と子ゆっくりたちが母まりさに罵詈雑言を浴びせる。 痛めつけられる母まりさの姿を見て、子ゆっくりたちの心境に変化が生じたのだろう。 母まりさが動けないことに気づいた、というのもあるだろうが。 「そうだそうだ!!おかーしゃんのぼうしなんか、ゆっくりもえちゃえばいいよ!!」 「おかーさんはずっとそこでゆっくりしててね!!こっちにこないでね!!」 「ばかなおかーさんはゆっくりしねばいいよ!!」 「いや゛ああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!ひどいごどいわないでえ゛え゛え゛ええぇぇぇぇえぇえぇ!!!!」 次々に打ち明けられる子ゆっくりたちの本音が、母まりさの心を深く抉る。 今まで母まりさに虐待され続けてきた子ゆっくりの鬱憤が……ここで爆発した。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「らんぼうもののおかーさんはゆっくりしね!!」 「れいむたちにいたいことしたよね!!だからおかーさんにもいたいことしゅるよ!!」 身動きの取れない母まりさを取り囲んだ5匹は、怒りを爆発させながら集団リンチを始めた。 つい数分前まで母の虐待に怯えていた子ゆっくり…僕がちょっと手伝ってやっただけで、立場は逆転した。 「いだっ!!いだいよ゛!!ゆっぐりやめでね゛!!やめだらゆっぐりさせてあげるよ゛!!」 「うるさいよ゛!!おかーさんのいうごとなんか、もうきかないよ゛!!」 「おかーさんのせいでいままでゆっくりできなかったよ!!ゆっくりしんでいってね!!」 一体どれだけの間、母まりさに虐待されてきたのだろうか…その間に溜めてきたストレスは相当のものらしい。 容赦ない体当たりが、母まりさの身体を深く傷つけていく。 ところどころ餡子が漏れ出し、さらに傷は広がって痛みを誘発させる。 「あぎゃああああああっぁぁぁあぁ!!やめでやめでやめでやめでやめでやめでやめで!!!! じぬ゛ぅ!!じんじゃう゛!!ごのままじゃじんじゃう゛!!おねがいだがらやめでよおおおおぉぉぉ!!」 母まりさの悲鳴を完全に無視し、リンチを続ける子ゆっくりたち。 僕はそんな子ゆっくりたちに優しく話しかけた。 「そろそろ疲れてこない?お母さんの帽子が燃えてるのを見ながら、ゆっくり休憩しなよ」 「ゆ!そうだね!!ゆっくりつかれてきたよ!!」 「ゆっくりやすもうね!!みんなでゆっくりしようね!!」 「おにーさんあたまいいね!!おかーさんとはおおちがいだよ!!」 そんなことを言いながら、母まりさから離れていく。 取り残された母まりさの姿は…それはもう酷いものだった。 「ゆぶ……どぼぢで…?……まりざはっ…みんなのだめにっ…!!」 目玉は片方が抉られ、口は不細工に引き裂かれ、頬も深く噛み千切られている。 まだ生きているが…このまま餡子を漏らし続ければ、命が尽きるのは時間の問題だ。 「ゆー!きれいだね!!」「ほのおってきれい!!」「ゆっきゅりー!!」 「もえろもえろー♪」「ゆっくりもえろー♪」 炎をあげて燃える母まりさの帽子。それを見つめる子ゆっくりたちの目は輝いている。 やっと母まりさの圧制から解放される。明日からは自由にゆっくり出来る。 掴み取った明るい未来を見据えた…そんな目だ。 僕は糸を木の枝に固定して子ゆっくりたちから離れると、そっと母まりさに近づいた。 「やぁ、気分はどうだい」 「うぎゅ…だじゅげで……ゆっぐりでぎな…いよ…!!」 「でも、子供たちは今までゆっくり出来てなかったんだよ。お母さんである君が虐めていたせいでね」 「うぞだよ!……まりじゃは!…まりじゃは……みんな゛のっ…ために゛…!」 まだ悪あがきを続けている。うねうねと動く母まりさの頬の皮が気持ち悪い。 「みんなのために……ねぇ」 僕はため息をつきながら振り向いて、子ゆっくりたちに声をかけた。 子供たちは糸にぶら下がった帽子が燃えているのを、まだ楽しそうに見物している。 「なぁみんな!!このお母さんどうする?助けてあげる?」 「ゆ?そんなのほっといていいよ!!それよりおにーさんもこっちでゆっくりしようね!!」 「おかーしゃんなんかそのまましねばいいよ!!ゆっくりしんでね!!」 との返答を貰い、そのまま視線を母まりさに戻す。 「…だとさ」 僕は母まりさに向けてニコリと微笑んだ。 母まりさは、僕にとって最高の表情をしたまま…最期の叫び声をあげた。 「ゆ゛っ……ゆぎゃああああぁあぁぁぁぁぁぁぁあがえんrぎなえりおいりあがあrがにrg!!!!」 声にならない叫びをあげたが最後、母まりさは動かなくなった。 子供たちにはずっとゆっくりしてもらいたい。だからこそ、厳しく接してきた。 だが、子供たちには伝わっていなかった。それどころか家族を崩壊させる一因になってしまった。 どうしてこんなことになってしまったのか、自分は間違っていたのだろうか。 母まりさは考える。考える。考える。でもわからない。餡子が足りないからわからない。 子供たちに伝わらなかった想い。伝わらなかった願い。 一生懸命伝えたつもりだった。でも、伝わらなかった。伝えたかったのに、伝わらなかった。 そしてこれからも、その想いと願いは、伝えることはできない… 傍らで笑いあう子供たちの声が、遠くに聞こえる。 母まりさは、ゆっくりと後悔しながら…さいごのいのちを吐き出した。 あとがき この話、本当にかわいそうなのは誰だろう? 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/816.html
山の中をゆっくりと歩く。 普段からこの近辺の里の人間はこの山の恩恵を預かっている。 その山にゆっくりの群れが移住してきたというので私がそれを確かめに行く事になった。 山の中を歩いていると程なく目的の物体を見つけた。 言うまでもない、ゆっくりだ。 「ゆ~♪みてまりさ!ここにはごはんがいっぱいあるよ!!」 「本当だねれいむ!ここはゆっくりできるね!」 オーソドックスなペアの饅頭を見つけると私は話しかけた。 「やあこんにちは。ゆっくりしているかい?」 「「ゆ!ゆっくりしていってね!!」」 こちらに気づいてお決まりの挨拶を返した 「おじさんもゆっくりしていってね!」 「おじさんはゆっくりできるひと?」 まだ対して山に踏み入っていないのに見つかるとは……思ったよりも人里の近くに住み着いたんだろうか。 「ああ、ゆっくりできるよ。ほら、これをやろう」 そういって私は持っていた袋の中からお菓子を渡してやる。 「「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!!」」 よし、食ったな……。 「「おじさんありがとう!もっとお菓子をちょうだいね!!」」 さてと、目的を果たさないとな 「ああ、もっとあげよう、ただその前にちょっと聞いていいかい?」 「「ゆ!ゆっくりきかせてね!!」」 私は質問を続けた。 「君たちの群れのリーダーに会わせてくれないかい?」 「りーだー?ねえまりさどうしよう?」 「ゆ!だいじょうぶだよれいむ!このおにいさんはゆっくりできるひとだよ!」 「わかったよまりさ!ゆっくりつれていこうね!」 「「ゆっくりついてきてね!!」」 そういってゆっくりたちは私を案内する様に跳ねていった。 よし、まずは成功と。 少しの間歩くと、開けた草原にたどり着いた。 ここは里から来た時に休憩に使ったりする人も多い場所だ。 今は山に立ち入る時期でもないから人の姿を見る事はない。 その代わりに、大量のゆっくりがゆっくりとしていた 数が多いな……。 「「ゆ!ついたよ!!ゆっくりおかしをちょうだいね!!」」 全くこの饅頭、もう約束を忘れているな。 「その前にリーダーを連れてきてね。そうすれば皆にもお菓子をあげるよ」 そんな問答をしていると、突然目の前に鈍い音を共に巨大な何かが降ってきた。ふむ、これは…… 「「「どすまりさだーー!!」」」 ゆっくりの群れってのはドスが登場する時は必ずこう言うのであろうか?まあどうでもいいが とつぜんのドスの登場に群れのゆっくり達も集まってきていた。 「ゆ!人間がなんの用なの!ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!!」 そう言って威嚇している。 「ゆゆ!ちがうんだよどす!!」 「そうだよ!このおにいさんはゆっくりできるひとだよ!!」 「ゆ?どういうことなの?」 そうドスが聞き返したので代わりに答える。 「いやなに、最近ここらにゆっくりが住み着いたっていうからね、これはお近づきの印だよ」 そう言うと私は持っていた袋を逆さまにして中身をぶちまけた。 あふれ出るお菓子の山に集まっていたゆっくり達は呆然としていた。 「ゆ?ゆゆ??」 「おかしだ!ゆっくりできるよ!!」 「でもにんげんのもってきたものだよ!たべたらゆっくりできなくなるかもしれないよ!!」 「ゆ~でもおいしそうだよ!!」 「おか~しゃんゆっきゅりちゃべたいよ!!」 突然の出来事にゆっくり達がざわめく。ここで一斉に群がらなかったのは意外ではあった。 「ドスまりさ、私は別にお前達をどうこうしようと思ってきたわけじゃない。ちょっと聞きたいことがあるんだ」 とつぜん食べ物をくれる人間に正直戸惑いを隠せないドスまりさだが 食べ物が増えるのは正直望ましい。 「だいじょうぶだよどす!」 「さっきまりさたちもたべたけどゆっくりできたよ!」 その言葉が決定打になったのか、ドスまりさは私のほうに向かって口を開いた。 「分かったよ!人間さんはゆっくりできそうだね!皆!食べてもいいよ!!」 その言葉を皮切りに、群れ全体がお菓子の山に向かって殺到していった。 ゆっくり達の群がる山から聞こえるしあわせ~の連呼。 それを尻目に私はドスまりさに質問を始めた。 「じゃあ聞きたいんだがドスまりさ。お前達はなんでここに移住していきたんだ?」 「前に済んでいたお山さんがゆっくりできなくなっちゃんだんだよ!!」 「ふむ…それは何でだ?」 「皆でゆっくりしようと食べ物を集めていたんだけど、虫さん達やお花さんたちがいなくなっちゃったんだよ!!」 「なるほど、それでここに来たのか」 そこまで聞いて私は話す内容を変えることにした。 「ところでドスまりさ。お前はいっぱいリボンがついているな」 「そうだよ!皆が自分の命よりも大事なおリボンをつけてくれたんだよ!!」 そういって誇らしげに胸(?)を張った。 「そのリボンはこの群れのゆっくりたちのなのかい?」 「そうだよ!それだけ皆に信用されているんだよ!!」 「ふぅむ。なあドスまりさ、それは群れの皆のリボンなんだよな?」 「そうだよ!さっきも言ったでしょ!!」 ……こいつは気づいていないのか? 「じゃあドスまりさ。なんでここのゆっくり達はお前にリボンを預けているのに、リボン無しのゆっくりがいないんだ?」 「……ゆ?…ゆゆゆ!??」 ここまで言われてやっと気づいたらしい、この群れには飾りのないゆっくりが一匹もいない事に。 「どゔい゙ゔごどな゙の゙ーーーー!!!??」 その言葉を聞いて一匹のゆっくりれいむがドスに近づいてきた、このタイミングで来たってことはサブリーダーか何かかな? 「どうしたのどす!ゆっくりしようよ!」 「れ゙い゙む゙!!ごの゙り゙ぼん゙ばど゙ごがら゙もっ゙でぎだの゙ーーー!!? その一言で察したのか、ゆっくりれいむは慌てた様子だった。 「ちがうんだよどす!これはどすがよろこぶとおもってみんなでやったんだよ!!」 「ゆ゙ゔゔゔ!!?どゔじでぞん゙な゙ごどずる゙の゙!??」 尚も言い募るれいむだが横槍を入れてやる 「あーあ。可愛そうにな、そのリボンのゆっくりたちは今頃全然ゆっくりできなくなっているだなあー」 「ゆ゙ゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔ!!!??」 ドスまりさはショックで叫んでいる。さて少し様子をを見るか。ちょうど騒ぎを聞きつけたゆっくり達が固唾を呑んでいる。 ……しばらくたって叫び続けていたドスまりさがいきなり黙った。落ち着いたようだ。 さて、どうでるかな。 「ゆうう……。仕方ないね!おリボンを取られたゆっくりは可哀想だけど皆でゆっくりしようね!!」 ふむ……それがお前の答えか、ドスまりさ。 その答えを聞いたゆっくり達は安心したかのようだった。 「そうだよ!しかたないよ!」 「どすにつけるからっていったのにいやがったゆっくりたちがわるいんだよ!」 「れいむたちのリボンはあげちゃうとゆっくりできなくなるからそうしたんだよ!しかたないよね!!」 次々と言い出すゆっくりたち。 さて、じゃあ最後の仕事にかかるかな…。 「ふーん。まあいいや、ところでドスまりさ。ちょっとこっちを見てくれ」 「ゆ?ゆっくり見るよお兄さん」 そういって素直にこちらを見つめるドスまりさに 私は隠し持っていたものをゆっくりを突きつけた。 「ゆゆ?お兄さんそれは何?」 そう言ったドスまりさの声と、突きつけられたものから出た轟音は同時だった。 「ゆ゙っぎ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙っ゙ぃ゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い」 「「「「「「どずま゙り゙ざがあ゙あ゙あ゙あ」」」」」」 轟音の後には片目から大量の餡子を流して悶えるドスまりさと、それを見て混乱に陥ったゆっくりの群れだった。 別にたいしたことはしていない、ただ隠し持っていた猟銃をほぼ零距離でドスまりさの目に向かって撃っただけだ。 いくら硬い皮だといっても目は別だ、至近距離で当てれば目を突き破り中まで弾丸で抉られる。 変わったところといえばその猟銃は隠しやすいように銃身を切り詰めてあるのと、中に入っているのが対巨大ゆっくり用の 弾丸である所くらいだ。その弾丸はゆっくりの体内で反応を起こしてゆっくりの餡子をどろどろにしてしまう。 即効性が高く即巨大ゆっくりを行動できなくして、じわじわと死に至らしめる。 この弾丸、試してはいないが実はドスまりさの皮に当たっても体内にめり込んでくれるらしいので、当たりさえすればいいらしいが わざわざ目に撃ち込んだのこの方が苦しいからというのと、弾丸を撃ち込むゆっくりは大体気に食わないというだけだ。 普通ならば銃を突きつける前にドスまりさに警戒されるようなものだが、前もってお菓子を与えた事と話をしたことで ワンクッション置いてから、握手をするように銃を突きつけたことがドスまりさの判断を鈍らせることになった。 「さてドスまりさ、お前に言っておくことがある」 「ゆ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙」 身悶えているがこちらを睨んでいる事から聞こえてはいるだろう。 「お前は前いた山から食べ物が消えたといったな?それは間違いだ。お前達が後の事を考えずに取りすぎた結果だ」 「ゆ゙……だっ゙でだべも゙の゙な゙い゙どみ゙ん゙な゙ゆ゙っ゙ぐり゙でぎな゙い゙でじょ゙よ゙お゙お゙!!」 「それも間違いだ。お前が群れを考えなしに肥大化させずに管理していれば、その山はそんな事にはならなかった」 さらに私は続ける 「そしてお前は自分のリボンは他のゆっくりを犠牲にしたものであるにも分かったのに外さなかった。自分の群れの事しか考えられない お前達はこの山を食い尽くし、その後は近くの人里にも襲い掛かるだろう。そんな群れはここに置くわけにはいかない」 まあ他にも言いたいことはあるが大まかにはこんなものだ。 「ぞん゙な゙ごどじな゙い゙よ゙お゙お゙お゙お!!!!」 弾丸の毒が効いて動けないドスまりさが叫ぶ。 叫びながら餡子を口から大量に吐き出した。あ、なんか幻覚とかドスパークとかに使うキノコも一緒に出てる。 これで完全に危険は無くなったな。まあどのみち後は死ぬだけだが。 「お前がどう思おうと別にそれはどうでもいいんだ。問題はお前達はいずれはそうするから駆除するって事だけさ」 そう言いながら、私は用が済んだので帰り支度をする。 そうしている私の周りをゆっくり達が取り囲んだ。 「よ゙ぐも゙どずを゙ごろ゙じだな゙!お゙ま゙え゙ばゆ゙っ゙ぐり゙じね゙!!」 「「「「「「「ゆ゙っ゙ぐり゙じね゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!」」」」」」」 そう言って群れ全体が波のように私になだれ込んできた。 もうドスは死亡認定かよ。 ここで反省すれば死なずに済んだかもしれないのに…。 そう思っていると私を囲んで突進してきたゆっくり達が私にたどり着く前に突進する勢いのまま倒れ込んでいった。 「ゆ゙ゔ!!ぐる゙じい゙よ゙お゙お゙お゙!!」 「どゔじでえ゙え゙え゙え゙え゙!!」 「ゆ゙ぎゅゔゔゔゔぐる゙ぢい゙よ゙お゙お゙お゙お゙お゙゙!!!!」 まあさっきあげた菓子にも当然一服盛ってある。 これも特殊なものでゆっくりのみに反応する毒らしい。 食べても普通に生活する分には問題は無いが、殺意を持った攻撃を仕掛けたりする位興奮すると反応するらしい。 それにしてもこれをくれたあの鬼意山…一体どうやってこんなものを。 そう思いながら私はゆっくりと苦しみながら壊滅するしかない群れを後にした。 私のする事はたいしたことではない。新しく来たゆっくりの群れがそこにいても大丈夫なものかを判別するだけだ。 山の生態系を再起不能なまで壊さないか、人間に害が無いかぐらいを確かめて、大丈夫ならば何もしない。 どんな群れでもとりあえず毒入りの菓子は渡しておく。 群れが心変わりした時の為の、言わば保険だ。 毒の効き目は一世代のみらしいので次の世代のゆっくりや新しく群れに加わったゆっくりがゲスだったりしたら あまり意味は無いが他の問題は別に対処する鬼意山がいるので私の考えることではない。 あくまでも私のすることは住み着いた時点のゆっくりの査定だけだ。 最近はドスのふりをした巨大ゲスゆっくりとかもいるらしいし、案外今回もそうだったかもしれないなあ。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/640.html
その日は縁日だった、何気なく立ち寄ったゆっくり屋で、私は子ゆっくりを買うことにした 子ゆっくりはテニスボールくらいの大きさで、みんな元気に跳ね回っていた 私は隅っこにいた、ゆっくりれいむを一匹買うことにしたのだが 「いやだよ!まりさとはなれたくないよ!」 「そうだよ!まりさはれいむといっしょにいたいよ!」 などと、野良ゆっくりだった頃の友達だろうか?れいむを連れて行こうとする私にまりさが抗議をする 怒ったテキ屋の兄ちゃんが、ゆっくり棒で軽く殴るが連れて行かせまいと、れいむの前に立って体を膨らませて威嚇している ゆっくりの美しき友情に心底感動した私は、当初の予定を変更して、この仲の良いゆっくり達を全て買い取ることにした 「一匹飼うのも二匹飼うのもそう変わりません、仲の良い友達同士、離れ離れにするのは酷なことですからね、二匹とも買い取りましょう」 「そうか、いやぁ~すみませんね、お兄さん」 仲間と離れ離れにならず、みんなで一緒にいられると聞くとゆっくり達はとても喜んでくれた 「ゆゆ~!ありがとうおにーさん!」 「まりさたちをゆっくりかわいがってね!」 君達を可愛がる?そんな事をする気は毛頭無い こうして二匹のゆっくりを購入した後、途中で射的をしたり、綿飴やりんご飴を買ったりして家路についた 道中、ゆっくり達は歌を歌ったり、仲間と一緒にとび跳ねたりして楽しそうにしていた 見ていると本当に心がなごむ、愛らしい姿なんだろう、最も私には不快にしか映らないが お腹がすいたというので千切った綿飴を少しあげると、喜んで食べてくれた 「おにいさんはゆっくりできるひとだね!れいむとってもゆっくりできるよ!」 「おいしいおかしだね!とってもおいしいよ!」 普通のゆっくり達ならお菓子を奪い合ったり、喧嘩をするが、このゆっくり達は平等に綿飴を分け合って食べている ゆっくり達の顔はどれも名前の通り、安心しきった、ゆっくりとした表情をしていた あぁ、早くこの顔を絶望に歪ませたい 家に着くと、ゆっくり達はさそっくお家宣言を始めるゆっくり達 「おっきなおうちだね!れいむたちのゆっくりプレイスにするよ!」 「まりさたちにぴったりのおうちだね!」 家に入るとすぐに自分たちのお家宣言をする、これはゆっくりの悪い癖だ、このセリフのせいで虐待されたゆっくりはどれだけ居るのだろうか? ともかく玄関先で騒がれては近所迷惑になってしまう、私はゆっくり虐待用の部屋にゆっくり達を連れていき、籠から出してやる ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねながら楽しそうにしている虐待し甲斐のあるゆっくり達だ 「おにいさん!おなかへったよ!」 「ごはんをもってきたらまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいよ!」 何がおなか減っただ、身の程をわきまえないとひどい目にあうということを教え込んでやる 楽しそうに飛び跳ねているれいむの髪を掴んで、乱暴に持ち上げる 「いっ!いたいよおにいさんゆっくりおろしてね!」 痛みに顔をしかめながら、れいむは私をぷくーと膨れて睨みつけてくる お友達が痛い目に逢っているのを見るなり、まりさもぷくーと膨れて怒っている 「おにいさん!れいむのかみをつかむのやめてあげて!」 友達が痛い目にあうと、自分のことのように怒る、良い子だな本当に、だからこそ痛めつける 「ははは、すまないね僕は良いゆっくりにも、悪いゆっくりにもとても厳しいお兄さんなんだ 特にこのれいむは心の汚れた悪いゆっくりだから、特別痛めつけてやるんだよ」 私の滅茶苦茶な説明を聞くなり、れいむは涙声で反論する 「ひどいよ!ひどいよ!れいむはいいゆっくりだよ!」 うるさいゆっくりだ、お仕置きが必要だな、私は素早くポケットから縫い針を取り出すとれいむの後頭部に軽く突き刺す もちろん、これで殺すわけではないあくまで浅く突き刺す、しかしれいむにはとても痛かったようだ 「ゆ゛っ゛!いだぁい!」 れいむの声がうるさいので、泣きわめくれいむにゆっくり用の猿轡をつけると、加工所のベストセラー商品、透明な箱に入れる ちなみに、この透明な箱の底には薄く水が張っておいた、少しでもゆっくりに不快な気分になってもらうための一工夫だ 中でれいむはふごふご言っているが無視 まりさはれいむを傷つけた私に向って怒鳴り始めた 「ひどいよおにいさん!まりさたちのおうちからでていってね!」 馬鹿なゆっくりだな、ここは先祖代代受け継いできた家だ、貴様らの家だと笑わせるな 「ここが君のうち?馬鹿言わないでくれ、先祖代代受け継いできた家なんだぜ 君みたいな身の程知らずの馬鹿には死ぬまで苦しんでもらうよ」 私はまりさの帽子を取り上げると、まりさの頭を針で何度も突き刺す 「ゆゆっ!いだいおにーさんやめて!やめて!」 まりさは針から逃げようと右往左往逃げ回る、愉快な奴だ 軽く蹴り飛ばすと「グッびゅ!」と鳴きながら転がっていく 箱の中でれいむがまたふごふご言いだした、大事なお友達が痛めつけられるのをよく見とけ、ボケが 痛みで動けないまりさをれいむと同じ様に、透明な箱に入れる そして、箱の中に河童印の唐辛子スプレーを吹きかける 「ゆぎゅっ゛つ゛!い゛だぁ!」 体中に焼けるような痛みを感じて、鼻水と涙を流しながらまりさは悶え苦しむまりさ 苦し紛れに飛び跳ねているから、透明な箱中に鼻水や涙が飛び散っている、汚いゆっくりだ さて、少し運動もしたし腹が減った夕食にでもしよう 私は虐待部屋から出るとすぐ、食事を始めた 炊き立てのご飯に昨日のカレーの残りと温泉卵を乗っける、独り身だと夕食なんたこんなもんだ 食べ終わるとすぐに私はゆっくり虐待部屋に向かう 食事の間中も頭の中はゆっくりを痛めつけることで一杯だった、こんな私は巷で話題のゆっくり虐待脳なのだろうか? 私は虐待部屋に戻ると、透明な箱に入っていたれいむとまりさを乱暴に引きづり出した れいむは箱から出るなり私に体当たりをしようとする、しかし、長い間底部が水に浸かっていたせいか、ふやけてうまく跳ねれない かといって、罵詈雑言を吐こうにも猿轡を噛んでいてはそれも叶わない、結局膨らむだけにしたようだ 一方まりさはさっきのスプレーでのどを痛めたのか、しきりに咳をしている ざまぁみろゴミ虫め 「君達も疲れているだろう、このダンボールの中で寝なさい」 出来るだけ優しく言ってやったが 「ん~!んんむんむ~!」 「おにいさんのいうことなんかきかないよ!とっとときえてね!」 だそうだ、人の好意も素直に受け取れない糞ゆっくりは…こうだ! 二匹の髪を掴むと、ダンボールの中に手加減して叩きつける 「ゆ゛っ!ひどいよおにーさん!」 「ん゛ん゛んぅ!ん゛~む゛ぅん!」 「ゆっくりできてないよ!れいむだいじょうぶ!れいむ!」 まりさは体が少しへこむ程度で済んだが、れいむは違った 水を吸ってふやけていた底部が破けて、餡子が滲み出できている 痛みに身をよじって体を揺らしている、おおきもい、きもい こんなに痛がるなら猿轡を外してからやればよかった、そうすればれいむの苦しむ声をたっぷり聴くことができたのに 少し軽はずみな行為をしてしまった事を恥じながら、れいむの猿轡を外す 「ゆ゛ぅえ゛っぐ…ひ゛っぐれ~むのあしが!」 「おちついて!ゆっくりなおるからおちついてね!」 「ゆっぐ…ひっ…ぐ…ゆっゆ」 「おちついて!だいじょうぶだよれいむ!」 ゆっくりにとっての足の部分が破けたショックで、過呼吸気味のれいむを落ち着かせようと、まりさが頬擦りを始めた 頬擦りはゆっくり達の友愛の証でこれをする方もされる方もゆっくりできるらしい しかし、私に貴様らをゆっくりさせる気は全く無い ゆっくり共の入ったダンボールを持ち上げると、上下左右に素早く小刻みに揺らす 中のゆっくり達はピンポン玉のように、あっちに飛んだりこっちに飛んだりして、ダンボールにぶつかる度に悲鳴を上げているいる これなら、ゆっくりピンボールとか作ったら売れそうだな 「じしんだよ!こわいよいやだよ!」 「いだいよ!いだっひぅあしがいっだいよぉ!」 まりさは地震と勘違いしてしまったようだ、眼を固くつぶって震えながら転がっている、馬鹿な奴だな れいむの方は揺れて転がることで傷口がどんどん広がっている、漏れ出す餡子の量も多くなってきている ここで殺すのもありだが、もう少し生かしてやることにした ダンボールから二匹を出すと、まりさが私に泣きついてきた 「おにーさん!このままじゃれいむがしんじゃうよ!いままでのことゆるしてあげるかられいむをなおして!」 「まりさだけでもにげて!このままじゃまりさがゆっくりできなくなるよ!」 「れいむはだまっててね!まりさはれいむといっしょじゃなきゃゆっくりできないよ!」 この言葉には普通の人なら感動するだろうが、私には骨の髄までゆっくり虐待の血が流れている どんな感動的なことをしたとしても、それがゆっくりなら虐待するまでだ 「なるほど、まりさはれいむのことを治してあげたいんだね?」 「そうだよ!ゆっくりしないでれいむをなおしてね!」 「しょうがないな、私なりのやり方で治してあげるよ!」 私は素早くれいむを仰向けにすると、濡れてふやけた底部の皮をむりやり剥ぎ取る 「ゆっ!いだい!いだぁい!いだい!」 「れ…れいむになにするのー!しね!しね!」 まりさは顔を真っ赤にして私に突撃してくる、それこそ私を殺すつもりの体当たりだったのだろう しかし、しょせんはゆっくり、痛くもかゆくもない、むしろぷにっとして気持ちいい だが、ゆっくり風情が人間様に楯突くとはどういうつもりだ 私は力の差を教えるためにも、まりさを捕まえると、右目の部分に噛み付き、引きちぎった 口の中が程よい甘さでいっぱいになる、しかし私は辛党だ、ゆっくりなど食べても不快な気分にしかならない 嫌々、何度か咀嚼してすぐに吐き捨てる、左目は縫い針で何度も突く、突き刺すたびに目からは餡子とは違った、透明な液が噴出する 言葉にならない叫びを発するまりさを思い切り殴りつける、後頭部がへこんで口からボトボトと餡子をおう吐し始めた ふぅ…すっきりした、たまにはこんな風にワイルドに痛めつけるのも悪くない 第一、れいむに関しては本当に直してやるつもりだったんだ、それを死ね、などと言われたら少しくらい怒ってもしかたないではないか 「こないでぇ!いじめるのはまりさにして!こないで!」 「ぎぃ!う!うっぷうっ…おぇ~」 さて、れいむはというと、さっきまりさにやった折檻がよほど恐ろしかったようだ 足のない身で、必死に私から離れようとしている まりさの方は、噛みちぎられた右目のあった場所と口から、命の源の餡子を垂れ流している 左目はどんより濁って、なにも映してはいないようだ しかし、れいむの「いじめるならまりさにして」発言は良く聞こえたようだ 「びどぉい!でいむびどいよ!」 と、餡子を口から飛ばしながら叫んでいる、それから一分とかからずまりさは息を引き取った まりさが死んだことを確認すると、私はまりさの底部をれいむのように剥ぎ取った 私は、逃げようとするれいむに近付くと、出来るだけ穏やかな表情を作って話しかける 「れいむ、今から私は君の体の治療をする、痛くするつもりは毛頭無い けど、もし逃げようとしたり、泣いたり、私を不快にするようなことをしたら、ただではすまないよ」 「わわかったよ!にげないしなかないよ!」 それなら良い、私はまりさから剥ぎ取った底部をれいむの底部に張り付ける、ぴったりとはいかなかったが ゆっくりは単純でいい加減な生物だ、すぐに癒着するだろう 「これで大丈夫、しばらく動かなければきちんと歩けるようになるよ」 「ゆっ!それじゃあうごかなふぎゅ!」 すかさずれいむを踏みつける 「何かしてもらったら、普通はありがとうございましたって言わないかな?」 「ゆぐ…ありぎゃとうごじゃいまちた!」 痛みに耐えてれいむはお礼を言った、この男に逆らえば絶対にゆっくりできない、というのがゆっくりブレインにもよく分かった それからしばらくすると、れいむの皮とまりさの皮はきっちり癒着して、普通の状態に戻っていた 「良し、治ったね、それじゃあちょっとジャンプしてくれ」 「ゆっ!わかったよ!ぽよーん!」 なるほど、きちんと癒着しているようだジャンプ力も問題ない れいむが不快な擬音を口にして飛び上った瞬間、私はれいむの底部をけり上げた 「ゆぎゅ!」 移植したばかりだった、れいむの底部は簡単に破れた 痛みに悶絶するれいむを無視して、まりさの死骸から口を削ぎ落とす そして底部の破れた場所に、無理やり押しあてる 「ぎゅぅ!!!いふぁい!いだいぢだい!」 「黙れ、殺されたいか」 「ぎゅ!っつ…ん…む」 私のことを本当に恐れているのだろう、れいむはすぐに静かになった それから五分後、れいむは底部に口を持つ、世にも珍しい二つの口を持つゆっくりになっていた その結果に満足した私は、れいむを小さな透明な箱に入れると、今日一日の疲れを癒すべく寝室に向かった 一方れいむは、男への怒りで体中が爆発しそうだった 透明な箱はれいむのサイズより一回り小さかったが、男に無理やり押し込められた、身動き一つ取れない なんで可愛いれいむがこんな目に会わなきゃいけないの? 腹立たしげにれいむは呟いた 「「ゆっくりできないよ!」」 れいむは驚愕した、自分の体から死んだはずのまりさの声がしたのだ 「「まっまりさ!いきてたの?」」 しかも、不気味な事に自分の言うことを真似してくる これは、まりさの霊がれいむを祟りに来たんではないか そう思うと、体中から冷や汗が出てくる 「「れっれいむはわるくないよ!」」 「「しんでるくせにふざけないでね!」」 「「まねしないでよ!」」 「「ねぇ!やめてよ!」」 「「れいむはわるくない!ほんとだよ!」」 「「おねがいだから!まねしないでね!」」 「「やめてやめてれいむはわるくないよ!」」 れいむは朝まで自分の発した声に怯えていた 私は朝起きると、朝食をしっかり取ってから虐待部屋に直行した 中ではれいむが何やらぶつぶつ言っている、そして同時に死んだはずのまりさの声も聞こえてくる、どうやら成功したようだ 「おはようれいむ、昨日はよく眠れたかい?」 「「おにーさん!たすけて!まりさがどこかにいるよ!れーむのまねをするよ!」」 私は塩水をたっぷりれいむにかけてやった 「「ぎゅぅ!からいよ!くるしいよ!」」 「朝のあいさつはおはようございますだろ、言ってみなさい」 「「おはようございます!」」 「よろしい」 れいむは辛い辛いと騒いでいたが、いきなり真っ青になって私に体の異変を訴えてきた 「「ゆ゛っ!へんだよ!すっごくへんだよ!」」 「何が変なんだい、言ってごらん、れいむ」 「「れいむのあしがあじがわかるんだよ!へんだよ!おかしいよ!」」 私は苦笑してれいむの疑問に答えてやった 「それはね、君にまりさの口を移植してやったからさ、君の足にはまりさの口があるんだよ」 「「そそんなはずないよ!いやだよおくちはひとつでいいよ!」」 真実を教えてやったのに、そこまで言うなら仕方ない、れいむを透明な箱から取り出すと床に落とす ゆっくりの底部は頑丈で弾力がある、普通のゆっくりならこれ位痛くもかゆくもない しかし、れいむは違った 「「いだぁい!いだぁいよなんで!」」 れいむの底部には、まりさの口が付いていた ゆっくりの口はそう頑丈じゃない、裏返してみると何本か歯がへし折れていた 騒ぐれいむを無視して、私は一メートル四方の超巨大透明な箱を持ち出す 中にたっぷり塩を入れると、その中にれいむを放り込む れいむは底部を塩の床につけるなり、辛い辛いと騒ぎだした 騒げば騒ぐほど、底部の口から塩がれいむの体内に入っていく あと数分もすれば、このれいむは大嫌いな塩でお腹いっぱいになれるだろう 「ゆっくり味わって食べなよれいむ、塩はたくさんあるんだから」 「「いや!たすけて!ゆっくりできないよ!からいよ!くるしいよ!たすけて!」」 二つの声で何かに助けを求めるれいむ ゆっくりにとって、塩は大量に摂取すれば死の危険性もある食糧だ、帰ってくる頃には苦悶の表情で死んでいるだろう 朝から愉快なものが見れた私は、虐待部屋から出た後すぐにゆっくり加工所に向かった そう、私はゆっくり加工所で働いているのだ、家に帰っても虐待、職場でも虐待 私はこの世で最も幸せな男なのではないだろうか、といつも思う 自分の本当に好きなことを職業にできたのだから 作:ゆっくりな人 以前書いた虐待 ゆっくりカーニバル 臭い付きゆっくり(上) 臭い付きゆっくり(下) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5213.html
初投稿、虐待描写少なめ。 ゆっくり包丁とお兄さん 「おきゃあしゃああん!ゆんやぁぁぁぁ!ゆんやぁぁっぁ!!」 「お姉しゃん!?こっちこにゃいでね!?こにゃいでぇぇぇ!!」 ガラス製のボウルにいれられたゆっくり達が体をぐねぐねとくねらせながら泣き叫んでいます。 知能の低い赤ゆたちでも親ゆの無残な姿を見れば、自分達が何されるかぐらいは解るのでしょう。 私はゆっくりれいむだった物からゆっくりと「ゆっくり包丁」を引き抜くと、ボウルの赤ゆに手を伸ばします。 「まりしゃはおそらを・・・ゆぴぃぃぃぃ!!」 「ゆわぁぁ!いもうちょー!」 私はその小さなゆっくりまりさに包丁を・・・ 私が「ゆっくり包丁」に出会ったのはもう5年も前のこと。 料理学校に通うことになった私に、父が包丁を買ってくれました。 次の休みの日に一緒に買いに行こうと父が言ってくれて、休みの日が待ち遠しかったのを覚えています。 そして当日、街の金物屋に行った時その包丁はありました。 野菜を切る包丁、お魚を切る包丁、普通の包丁、それらと一緒に並んでいたその包丁は、 今まで見たことのない不思議な形をしていました。 「それはね、ゆっくり専用の包丁さ」 隣にいたお兄さんがそう言いました。 「ゆっくりはね、苦しめば苦しむほど甘みと弾力が出て美味しくなるんだ、 余計な傷が付かないような鋭い刃、あえて傷を付ける鋸のような刃、 側面で潰したり叩いたり出来るようにそれなりの厚さと重さにしてある」 そう教えてくれました。 「この包丁に興味を持つなんて、君は虐待おn・・・いやいや料理人としての見込みがあるね」 そう言って私の頭をポンと叩くとお兄さんはお店を出て行きました。 その日は普通の包丁を買って貰ったのですが、私は「ゆっくり包丁」の事が気になって仕方ありませんでした。 ゆっくりって美味しいのかな、どのくらい甘くなるのかな、包丁高いかな、そんな事をいつも布団の中で考えていました。 今思えば、その時からもう私はその「ゆっくり包丁」に魅せられていたのです。 昔のことを思い出しながら私は下ごしらえを終えました。 さっきまではやかましかった厨房もいまでは静まり返っています。 料理に使えない親ゆの死骸はゴミ袋へ、皮と餡子そして中枢餡を分けた元赤ゆ達はそれぞれ別の容器へ。 「下ごしらえは済んだかな?それじゃ、そろそろ店を開ける準備をしようか」 「はい、山越オーナー」 料理学校のゆっくり科で優秀な成績だった私は、学校からの紹介でこの料理店で修行中です。 この店のオーナーはなんとあの時のお兄さん、私に「ゆっくり包丁」を教えてくれたお兄さん。 ここはレストランヤマゴエ、都内で有名なゆっくり専門の料理店です。 おしまい