約 2,639,733 件
https://w.atwiki.jp/bambooserver/pages/32.html
出現モンスター MVP 名前 ドロップ 備考 シーサーペント スターライト鉱石オリハルコニウム ガオガイガー スターライト鉱石オリハルコニウム 名前 ドロップ 備考 フィーリル アブソリュートメタル超合金ルナチタニウム 兵士A ブルーメタル超合金アブソリュートメタル 兵士B アブソリュートメタルルナチタニウム ミュウ ブルーメタル超合金 ※すべてのモンスターに共通 オリハルコン・各カードをドロップ
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/1209.html
ボストン・シャドウ 題名:ボストン・シャドウ 原題:The Strangler (2007) 作者:ウィリアム・ランデイ William Landay 訳者:東野さやか 発行:ハヤカワ文庫HM 2007.07.25 初版 価格:\980 1960年11月23日、アメリカ中がジョン・F・ケネディの暗殺のニュースで悲嘆に暮れる中、ボストンの町でこの物語は幕を開ける。ボストン生まれの三兄弟を軸とした、ボストン暗黒史。時には、エルロイのように、時にはマリオ・プーヅォのように、壮大なビルディングス・ロマンが、じっくりと描かれる。 軸は、三兄弟である。ミステリアスな殉死を遂げたボストン警察殺人課の父の遺子である三兄弟は、長男の刑事ジョー、次男の検事マイケル、三男の泥棒リッキー。それぞれがあまりに異なる性格と感性と行動パターンとで、ボストンの闇を掻き回してゆく。時には濁流に呑まれるように、時には砂塵を掻き分けるように、時にはアスファルトを走り抜けるように。緩急をつけて。それぞれの抱え込んだ闇の巨大さに呻きながら。 時に現実の歴史と物語の虚構とが、彼らの思いを絡み取り、混沌に投げ込まれた真実は途方もなく溟いさなかにあり、何もかもが血の悲鳴を挙げている。ギャングたちに抑え込まれた街。狂って行くのは、少年たちであり、再開発の波に解体されゆく家々であり、警察組織に蔓延る腐敗である。1952年を舞台にエルロイが描いた暗黒の街と、1960年にランディに描かれたボストンは、共鳴するかのようだ。少なくとも読者は同じ種類の闇を歩くことになるだろう。ここは決してスペンサーの住む、再開発後の洒落た都会などではない。 実際の事件としては、ボストン絞殺魔事件が三兄弟の運命に、大きな影を落としてゆく。ストラングラー(絞殺魔)による老女連続殺人事件は、アルバート・デサルヴォという実在の自白者によって解決を見るが、どう見ても警察が、街が、政治が、事件をさっさと丸く治めてしまおうという、おざなりでふざけたものだった。狂ったデサルヴォは別の事件で無期刑に処されるが、ストラングラー事件は結局のところ闇に葬られる。 一方で、父の死に疑惑を抱くマイケルは、公には絞殺魔を追う立場に就きながら、心は常に父を殺した真犯人、その容疑者である独りの警察官を追跡し続けてゆく。一方、タフガイであるジョーは、ギャング組織のナンバー2ヴィンセント・ガルガーノに徐々にがんじがらめにされてゆき、破滅への崖を転落してゆく。 ここでのジョーは、まるでゴッドファーザーのソニーのようであり、ボストン絞殺魔事件は、リッキーやマイケルにとり、大きな犠牲を伴わざるを得なかったブラック・ダリア事件のようでもある。アメリカの戦後のこの時期を捉えると、多くの闇が、都市という都市を覆っていたのではないかと思われる展開の背景に、ケネディ暗殺があり、軍部の台頭があり、ギャングの成熟があり、トンキン湾事件があって、すべてはヴェトナムへと肥大してゆく、悪と暴力の種子となる。 アメリカ現代史が決して避けて通ることのできないこの時代の、黒々とした異常な闇を貫いて、マイケルのようなデリケートな人間が、徐々に自らを戦いと血の中に投じてゆく変化こそが、アメリカの真の悲劇であるようにさえ思われてくる。兄弟がある時代や事件を通して急激に変わり行く姿を通して、壮大なうねりのようなものを体感させてくれる、これは見事なまでの大作だ。一作目を凌駕して、さらに魅せてくれたランディという新しい作家の、ふたたびの傑作と言っていいだろう。 (2007/09/24)
https://w.atwiki.jp/aceshigh/pages/143.html
概要 アメリカ合衆国からイギリスに供与されたA-20です。 夜間爆撃に用いられたものは、米軍での呼称と同じくハボックと呼ばれていました。 AcesHighにおけるボストンIII バージョン3.04パッチ5(2019年1月17日公開)で、AH1の頃から変わっていなかった3Dモデルが更新されました。 実戦では重宝された爆撃機でしたが、AHでは今ひとつ活躍の場が無い爆撃機となっています。 高ENY値であることを利用して、爆撃機のパーク・ポイントを稼ぐのに利用されることが多いようです。 防御火器が上部後方向き銃座と前方機銃のみと貧弱で爆弾搭載量も少なく、速度等飛行性能も平凡・・・ 防御用の銃座は、後上方のみ、前方武装も機関砲ではなく機関銃のみ なお機体はA-20と同型であり、共通アイコンも「A20」です。 なお、A-20はdroneで編隊を組むことがでませんが、Bostonはそれが出来るため遠距離で3機編隊のA-20がいれば、「BOSTONキター!」となります。 固有アイコンは「BOST3」 性能諸元 No. 爆弾 数 爆弾 数 合計 1 500lb 4 2,000lb 2 500lb 2 1,000lb 3 250lb 4 1,000lb コメント 使い途がない機体だな -- 名無しさん (2012-05-27 07 19 44) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/rustflow/pages/255.html
主な仕掛け、キャラクター 青いマーク →オレンジ地下通路 左の出入口 →ホール通路(上側) その他
https://w.atwiki.jp/irosuma_doujinshi/pages/89.html
人物 語尾にゴワスをつけるボストロール。パワータイプのファイター。 ちなみにボストンバッグとは一切関係ない 性格 これといった特徴的な性格はないが、少し顔が怖い 強さ 見た目のとおりパワータイプ。棍棒で相手をどんどんなぎ倒す。 技 ヘルボルケーノ
https://w.atwiki.jp/boondockbabies/pages/13.html
ロケ地 Filming Locations ボストン編 トロント編 番外編 ボストン編 ロケ地プロット Google Maps Live Search Church of the Covenant コヴェナント教会 (冒頭の教会シーン&兄弟が朝のミサに向かうシーン&スメッカーが告解に向かう教会のドア) プロテスタントのメソジスト派の教会。 教会内部の撮影を協力してくれたのはここだけだったとか。 撮影のためカトリックの教会に見立てた映画セットを設置。 ここ以外の教会は脚本の内容に反対し(暴力的で内容に宗教的な含みがあるため)、撮影協力拒否。 本教会は Berkeley St. と Newbury St. が交差する地点にあり、右上の写真でマクマナス兄弟がミサから出て来てタバコに火を点けている場所が Berkeley St. 側の入口。また、Newbury St. に面した側にある教区館 (左下の写真の手前の建物) は既に教会行事には使われておらず、1973年から地元劇団 "The Pocket Mime Theatre" の本拠地舞台として使用され、1977年以降は Gallery NAGA というアート・ギャラリーに貸し出されている。右下の写真でロッコが入ろうとしているのが Newbury St. 側のドアで、ギャラリーの入口として使われている。 [参考URL] iamtimmo@Flickr (Berkeley St.側 … 礼拝堂入口) tutibutsie@Flickr (Newbury St.側 … ギャラリー入口) 住所:67 Newbury St. Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps Longfellow Bridge ロングフェロー橋 (オープニングで兄弟が川を眺めている橋) ボストンとケンブリッジを隔てる Charles River に架かる橋 (監督トロイ・ダフィーはUS版DVDのコメンタリーで "Charles Street Bridge" と呼んでいる)。1906年開通、全長539m。自動車・歩行者に加え、地下鉄が走る。 Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps Custom House Tower カスタム・ハウス・タワー (オープニング・クレジット、「SEAN PATRICK FLANERY」の背景) 1915年完成のボストンで最初の摩天楼 (151m)。ボストン税関の拡張施設として建てられた。 1998年からマリオット系列のホテル Marriott's Custom House (マリオット・カスタム・ハウス) として使われている。 住所:3 McKinley Sq. Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps Rowes Wharf ローズ・ワーフ (オープニング・クレジット、「NORMAN REEDUS」の背景) 1988年建築、Boston Harbor Hotel (ボストン・ハーバー・ホテル) を中心にコンドミニアムやオフィスが入ったボストンのウォーターフロントを代表する施設。 左写真のドーム状の屋根をした Fosters Pavilion は、結婚披露宴のパーティー会場などに利用されている (このシーンは Northern Avenue Bridge 上から撮影)。 住所:Rowes Wharf Google Maps Live Search Maps Prudential Tower プルーデンシャル・タワー (オープニング・クレジット、「WILLEM DAFOE」の背景) 1964年完成の現在ボストンで2番目に高い高層ビル (229m)。通称 "The Pru"。 最上階の展望台は Prudential Center Skywalk (プルーデンシャル・センター・スカイウォーク)。 住所:800 Boylston St. Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps Bunker Hill Monument バンカー・ヒル記念塔 (オープニング・クレジット、「DAVID DELLA ROCCO」の背景) 独立戦争の際繰り広げられた1775年のBattle of Bunker Hill (バンカー・ヒルの戦い) を記念して1843年に建てられたアメリカで最初のオベリクス (67m)。 住所:Monument Ave, Charlestown Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps (Old) Northern Avenue Bridge (オールド) ノーザン・アヴェニュー・ブリッジ (オープニング・クレジット ロシアン・マフィアを襲撃しに行くシーン) ダウンタウンとサウスボストンを隔てる Fort Point Channel に架かる1908年竣工の鉄橋で、Rowes Wharf の南端に位置する。1995年、南隣に近代的な Evelyn Moakley Bridge が完成し解体撤去の予定であったが、市民らによる歴史的建造物保存の運動もあり歩行者専用として保存されることになった。当初橋の名称を継承するはずであった新橋に対し、"Old" を冠して呼ばれることもある。夏期には橋上で週一回、マーケットが開かれる。 左画像 (精肉工場での仕事を終え帰宅途中のシーン) は橋の中程で上り線 (北側) の元歩行者用レーンをサウスボストン方面に歩いているところ。右画像も同じく上り線のかつての車道を歩いているところで、ロシアン・マフィア襲撃にダウンタウンに向かうはずであるが、ストーリーの流れとは逆に、やはりサウスボストン方面に向かって歩いている。右画像画面奥のつきあたりに見える茶系色の建物は1987年建設の現在ボストンで5番目に高いビル One International Place (183m、46階建。互いに連結した3棟からなるビル群の一棟)。 [参考URL] ボストン市道路網整備計画, bonbayel@Flickr, AntyDiluvian@Flickr, saulblum@Flickr Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps Trinity Church トリニティ教会 (ロシアン・マフィアを襲撃しに行くシーン背景) 住所:206 Clarendon St. Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps The Fairmont Copley Plaza Hotel フェアモント・コプリー・プラザ・ホテル (ロシアン・マフィア襲撃現場となったホテル) 住所:138 St. James Ave. Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps "Hoag" Maximum Security Prison ホーグ最重要犯罪者刑務所 (イル・ドゥーチェが収容されていた刑務所) 実際の建物の名前は (ex-) Suffolk County Jail (旧・サフォーク郡刑務所)、通称 "Charles Street Jail"。 1851年、ボストンの街中に開設された歴史ある刑務所だが、移転に伴い建物自体は1990年に閉鎖。翌年 Massachusetts General Hospital に一帯が買い取られ、東側のウィング (上の写真で右下の部分) は2002年に外来患者用新棟 Yawkey Building 建設のため解体。建物の残りの部分は、歴史的建造物であることから外観を保存しつつ、2007年夏 The Liberty Hotel としてオープン。 [参考URL] 増改築時の模様が archBOSTON.com のフォーラムでリポートされています(写真多数)。 住所:215 Charles St. Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps ちなみに、移転後の新・Suffolk County Jail はここを参照。 Express エクスプレス (告解に向かうスメッカーをロッコが追いかけるシーン) アパレル・ショップ 住所:80 Newbury St.(現在は店舗移転のため存在しない) Google Maps (ストリートビュー対応) Live Search Maps Images displayed on this page © 1999 South Boondock Productions, Inc.
https://w.atwiki.jp/assault_lily/pages/382.html
ボストンブレイヴァーズガーデン アメリカのガーデン。シューティングモードを重視した教育を行う。(*1) 親G.E.H.E.N.A.主義(穏健派)の立場をとる。(*2) レギオン編成は教導官認可制。(*3)
https://w.atwiki.jp/mahousyoujo/pages/199.html
7 門番戦終了~地下通路 メイド「いやあぁぁぁっ!!、誰か助けてください~!!」 広い場所には祭壇があり、その上にはメイド服姿の少女がいて、黒マントの男に襲われていた。 男を押し返そうとする少女の手には、銀色の玉が握られている。 アナ「祭壇の上で謎の少女を襲う黒マントの怪人だ! 喜べミルク!これはポイント高そうな場面だぞ~♪」 黒「へ、変態……?」 青『変態だな』赤『変態じゃね?』 思考は似通うところがあるのがまた不思議な3人組であった。 広場に一番乗りしたアナスタシアは、悲鳴も状況も無視して記録石を使い始めた。 メイド「はわわわ~っ!!助けてくれないなんて酷いです~っ!!」 ギ「た、大変だよ!助けなきゃ!!」 慌てるギズモ フリ「落ち着きなさいな!もしかしたらプリンセスミミックの一種かも知れませんわ!!」 プリンセスミミックとは怪物に襲われる少女に擬態してそれを助けようとする冒険者を捕食する危険な存在である フリ「まあ・・・どちらにせよとりあえず男の方をみんなで取り囲んでリンチ・・・もとい死なない程度に懲らしめて 襲われてるメイドも正体が怪物だったら一緒にやっつければいいだけですわね」 ヴ「ひぃ・・・ご、ご主人。 フリージアが怖いのだが?」 フリージアさんまじで外道 ギズモとどっちが悪魔だかわからないぐらいである まあこれはフリージアさんの身内と友達以外はわりとどうでもいいという価値観によって導き出されたもので ある意味仕方がないと言えるだろう フリ「とりあえずこれで頭を冷やしなさいな!!」 フリージアはいつものように身の回りに防御用の雪の結晶を大量に浮かべると 攻撃用の相手を凍らせる雪の結晶を二、三発男に向かって投げつけるのであった 人は見た目に寄らないものもし逆に少女の方が怪物で男が正義の味方だったとしても これなら殺さずにすむ 間違っていてば謝れるのである リリアーナが到着した時、氷の結晶を食らった黒いマントの裾がみるみる凍り付いていく。 リリ「あなた方、ここで一体何をしているんですか? よく分かりませんが、とりあえずその・・・・・・人の嫌がる事をしたらいけないと思います!!」 状況が全くわからないリリアーナは、とりあえず思いついたことを口にした。 マオ「こいつは本気で言ってて面倒だから早く謝ったほうがいいぞ」 その時、男の体は爆発的に膨れ上がって、そこから無数の蝙蝠が飛び出した。 マオ「これは……蝙蝠か?」 集まって擬態してたのか…どおりで反応がないと思った。 しかしどうするかな……鳴き声から察するに敵意むき出しだ。 凍りついた少数の蝙蝠を見つめながらヴァンエレンはボソリとつぶやく。 ヴ「吸血鬼ではない…」 なきにしもあらず。 ミル「うわわわっ!なんだこれ!!」 キイキイと耳障りな音を立てて飛び交う蝙蝠の群れの下に、男の姿は無い。 そのかわりに凍りついた蝙蝠が何匹か転がっている。 さっきの男、蝙蝠の群体だったのか!! リリ「・・・・・・ん?何?この音は??」 広場の入り口に立っていたリリアーナは、遠くから変な音が近づいてくるのに気づいた。 リリ「ねえ皆、何か変な音がしない?あっちの方から」 リリアーナは入り口に立ち、通路の奥のほうを指差した。 リリ「ほら、だんだんはっきり聞こえてきた。まるで太鼓みたいよね?」 リリアーナは音の正体を探るべく、宙に浮いたランタンを、通路の奥のほうへと飛ばしてみた。 そこで目にしたのは――――。 リリ「嫌――――っ!!蜘蛛!蜘蛛、蜘蛛――――!!!」 リリアーナは震え上がった。 マオ「馬鹿、変に叫んで蝙蝠達が刺激でもされたらどうする……!?」 ヴ「げぇ!スパイダーマ!?」 それはまた違うものです。 ミル「蜘蛛くらいで大袈裟な!こっちは蝙蝠がいっぱい…って、ジャイアントスパイダー!?」 ジャイアントスパイダーは割と有名なモンスターで、ようするに巨大化した蜘蛛のこと。 知能は無きに等しいけど、いつも腹ペコで獲物を毒や糸で捕まえて食べる凶暴な奴。 もちろん人間だって連中から見たらご馳走だ! ミル「こんにゃろーっ!でかいだけの蜘蛛なんざ怖がると思ってるのかーっ!!」 さて、ミシェルは今回の対処に百科全書はあまり使わないことにした。 いかに巨大だろうとたかがクモ、頭上には大蝙蝠とそれに従う蝙蝠たち 生徒が何とかするだろうから彼はそのフォローに回るつもりだ 逃げるなら殿、潰すなら遊撃。ブルって立ちすくんだら自らクモ退治 最後の場合は、いささか生徒としては残念だと思うが……… リリ「キャ――――!!キャ――――!!キャ――――!!キャ・・・・レ、レベッカさん?!」 脱兎のごとく逃げ出そうとしたリリアーナだったが、大蜘蛛の頭に光る物に気づき、何とか踏みとどまる。 (足ががくがくしてるのはご愛嬌である) クリ(なんだ、あの変態槍もどこかにいるのか? ) ミル「へ?レベッカって…」 メギドの照準を合わせていた大蜘蛛の頭、そこに刺さってるのは見覚えの槍。 いやいやいやまさか、そんな都合よくレベッカが刺さってるなんてねえ? あれはきっと槍違いに決まって… レヘ「よう、リー。やっと会えたな。みんなも無事みてーでなによりだ。」 刺さってたー!! クリスは、声が聞こえてくるのが槍からだと気づいた。 マオ「何言っているんだ!どう見ても無事どころか危険な状態だ!!」 相変わらずのレベッカに僕は大声を出す。 ミル「あ、あ、あ、な、な、な……」 あんたなんでそんなとこに刺さってるんだとの言葉が、驚きで切れ切れになる。 代わりに、リリアーナが聞きたかったことを代弁してくれた。 リリ「な、な、何でそんなところに刺さってるのよ~? まさかと思うけど、その蜘蛛ってレベッカさんのお友達なの~?」 レヘ「いんや。俺は今大蜘蛛にさらわれた悲劇のヒロインをやってるところだ。 ここでブルースが助けにきたら完璧だけど、猫車に乗ってないんだから来れるわけねーけどな。」 なんという生兵法。 リリ「そんな場合じゃないでしょ――――!!」 そう叫び返したリリアーナだが、レベッカの言葉に少し落ち着きを取り戻したようだ。 リリ「とにかく、いったん祭壇のある場所まで下がりましょう。 この状況で悲劇のヒロインなんぞ演じて何の得があると思ってるんだ。 ミル「とにかく、これであたしは蜘蛛にメギドを撃てなくなったわけか…」 撃てば槍レベッカまでぶっ飛ばしちゃうから、図らずも人質を取られた形になったわけだ。 マオ「面倒だからもうメギド撃たないか?悲劇のヒロインやってるみたいだし悪い気分じゃないだろう?」 とはいったものの……本当に撃つわけにはいかない。 「“愛しい人”はわしらのもんだ…わしらのもんだよー!」 大蜘蛛のお腹が膨らみ、無色無臭のガスが噴出した。 このガスの正体は、体内の水(H2O)を分解して精製した酸素(O2)である。 意外かもしれないが、高分圧の酸素を長時間吸引すると酸素中毒を起こし、 激しい痙攣を発症して最悪死亡する危険性があるのだ。 地下道は地上よりも気圧が高い。 祭壇にいる者達はともかく、逃げ場の無い地下道にいる者達には脅威だろう。 誰よりも速く行動を起こしたヴァンエレンはこうもりに化けてマオの後ろに隠れてしまった。 リリ「な、なんかイヤ~な音がするんですけど・・・・・・」 ミル「今あいつ何出したかわかる人いる!?毒ガスじゃないの!?」 マオ「蜘蛛は通常牙から神経毒を送り込む。毒ガスではない……と思う」 ミル「毒ガスじゃないなら大丈夫か……かといっておならでもないだろうし、なんなんだ…?」 正直なところ、自信はない。 リリ「じゃあただのオナラ?特に匂いはなさそうだけど。 そもそも愛しい人って誰のことなのよ?!誰か心当たりは無いの?!」 どうやら黒い衣の怪人は、たくさんの蝙蝠が集まって出来ていたようである フリ「ヴァンエレンさんの同類かしら?」 吸血鬼と蝙蝠の怪人はぜんぜん違います メイド「た、助けてくださってありがとうございます~!」 フリージアの攻撃で男が蝙蝠の群れに戻ったため、メイド服の少女は自由になって逃げてきた。 メイド「この球を祭壇から持ってきたら、急にあの男の人が襲いかかってきたんです~! わ、私もう駄目かと思っちゃいました~!」 少女の手にはしっかりと銀玉が握られている。 見た目や仕草では見破ることは出来ないが、魔力や生命力などの違いでわかる人もいるだろう。 彼女は精巧に造られたゴーレムだ。 フリ「それってあなたが悪いんじゃ・・・・・」 ギ「窃盗は犯罪だよお姉ちゃん・・・・」 「“愛しい人”はわしらのもんだ…わしらのもんだよー!」 クリ(盗人ってなあ、そこのメイド服は知らんが俺らはなにも取ってないぜ。 今の状態で話し合いができるとは思わんけど。 ) ミル「えっ!?上から声!?」 見上げれば、天井からぶら下がるでっかいでっかい蝙蝠の親玉が。 「阿呆な盗人は死んでしまえい!」 大蜘蛛が酸素を噴出すると、それに呼応するように天井から声がした。 見上げれば無数の蝙蝠を従える大蝙蝠が見えるだろう。 「これで終わりじゃあ!」 大蝙蝠が呪文を唱えると、大量の火矢が出現して下に降り注いだ。 あたしたちを盗人認定した親玉は、魔法を使って大量の火矢を撃ってくる。 ミル「ひえええっ!?助けてフリージア!」 まともな防御法のないあたしは慌てて、近くにある安全地帯、つまりフリージアの側に逃げ込んだ。 降り注ぐ大量の炎の矢 クリ「グレイズ!! 蜘蛛の方を頼む!!」 氷のカートリッジを魔銃に装填しながら要請する。 大量に矢を降らせようと当たるのは一部のみ。 そこを防げばしのぐことはできるはずだ。 まずは自分に当たりそうな矢から撃ち落とそうとトリガーを引く、のだが・・・ クリ「・・・あれ?」 普段なら氷の弾が出るはずが、なにも出てこなかった。 まさかドライブモードで故障したか? ミシェルはシールドを頭上に張り、シールドの表面に動きをつけて当たった矢を自分の周りに刺さるよう工夫した。 リリ「わ――――!!『来たれ、ロックバスター!!』」 リリアーナは召喚した銃を使い、自分に飛んできた火矢を打ち落ちした。 魔銃の故障に気を取られ、炎の矢の接近を忘れていたクリスは クリ「熱っ!!」 降ってきた炎の矢があたり、服に引火する。 これ以上被害を被らないうちに、急いで上着を脱ぐ。 (髪も少し焦げているが気付いていない) もし魔力の入った特殊繊維の服でなかったら、今頃火ダルマとなっていただろう。 フリ「こんなこともあろうかとこんなこともあろうかと あらかじめ雪の結晶を大量に作っておきましたわ!!」 周りに浮かべてあった防御用の雪の結晶はフリージアを自動的に守る 下は何とかなりそうだ。なら上は? 取り敢えずの解決策として ミシ「アナスタシア研修生、生徒のフォローを任せました!!」 と上を指差しながら天使先生に指示をとばす。研修過程である事を盾にというのは 少しばかりズルいやり方ではあるが、これくらいはしないと彼女に指示はとばせそうにないから仕方ない。 アナ「え~私がするのか?仕方がないなー、ちょっとだけだぞ?ほい!」 アナスタシアが空に向かって天使の輪を投げ上げると、輪は大きくなって投げ輪のように蝙蝠の動きを封じた。 「ぬわ~っ!な、なんじゃこれは~!?」 大蝙蝠が慌てて抜け出そうとして暴れても、輪は外れない。 逆に飛べないのに暴れた大蝙蝠は、ドサリと下に落ちてきた。 蝙蝠が混乱して暴れている間は危険は無いだろう。 フリ「フリィィィィジング!シィィィルド!ラァァイ!!」 シールドを貼っているフリージアに、ギズモが話しかける。 ギ「このお姉ちゃんを素直に引き渡した方が早くないかなお母さん?」 フリ「多分相手は人間を餌ぐらいにしか思ってないですわ いまさらそんなことしても無駄だと思いますわよ」 ギ「そうだ!ヴァンエレンさんなら!ヴァンエレンさんなら蝙蝠を説得してくれるよ!!」 え~という顔をするフリージアさん ヴァンエレンに過剰な期待を寄せているギズモだが、確かにこんな状況なら頼りたくもなる。 ヴ「えぇ?私がいくのかい?」 マオ「というわけだヴァンエレン、説得することができるか? フリージアに任せてると天上とか破壊しそうだからな……」 ヴァンエレンに尋ねながらMagnetic forceで向かってくる火矢に磁力を与えて自分から逸らし続ける。 ヴ「うう・・・ご主人がそう言うならそうしよう。 がだ過度な期待はしないでね?」 その時、蜘蛛の方にいった数本の火矢の火炎が急激に強くなり色が青く変わる。 マオ「………まさか…いやそうか…」 無色無臭で、炎を近づけると急激に…あの噴出したガスの正体が分かったぞ! マオ「待てグレイズ!おいミルク、奴のガスの正体がわかったぞ。 おそらく噴出したガスは高圧の酸素だ。さっき方向を変えた火矢が色を変えたことからも分かる。 高圧の酸素は吸い続けると失明したり最悪死ぬ可能性もある。ならば拡散燃焼させてやればいいんだ」 ミル「酸素?酸素って治療に使うやつでしょ、なんで酸素吸って死ぬのよ。 それに拡散燃焼ってどうやって…」 マオ「要するに!炎をぶつけてやればあのガスは無力化できるかもしれないってことだ!」 ミル「それならごちゃごちゃ言わずに最初からそう言えってのーっ!」 グレイズは7割方理解しているようだが、あまりピンと来ないらしい。 Bは『なるほど……』とつぶやき、Rはいわずもがな。 黒「ということは……Rの出番だね。R!」 赤『俺の出番か!おっけーまかしんしゃい!』 体は犬耳が引っ込み黒から赤毛へ。人形は赤から黒の髪の毛に変わり、犬耳が生える。 何もわかってないグレイルの登場だ! そして僕はグレイルに代わってもらうようにグレイズに頼み。 グレイルとミルクに適当にレベッカに当たらないように弱めに火の魔法を連発するように指示する。 マオ「隙ができたら身体能力の高いグレイル、お前がレベッカの槍を引き抜け。 槍が抜ければミルクも思う存分魔法が使えるだろ?」 赤「いえーっさー!頼りになんなーマオマオ!んじゃいっくぜー、“飛び出せ火の玉、俺の前方に”ッ!!」 言われたとおり、蜘蛛の周り目掛けサッカーボール大のファイヤーボールを次々撃ち出していく。 どっちかというとあの変態は放っておきたいがリリアーナがうるさいだろうしな…… フリ「蝙蝠はそれで何とかなるとしても蜘蛛はどうしますの?」 蜘蛛には炎が有効だと思いますけどそれだとレベッカさんの体も燃えてしまいますわ」 スライムとか蜘蛛の糸とかなんかねばねばしてるやつは燃やしとけというのは母の教えである ついでに言うとフリージアは炎の魔法は使えないのであんまり意味が無い教えでもある レベッカが逆アンパンマンで穂先さえ残っていれば大丈夫というのならフリージアはためらい無く 胸の谷間からドワーフの黒い水(ジルべリアで採れる原油)の入ったビンを取り出し 蜘蛛にぶつけ誰かに炎の魔法を使わせ焼き殺し そして後で何事も無かったかのごとく10フィートの棒と合体させるだろうが まあそんな都合のいい話があるはずも無く・・・・・・ フリ「そっちがそうくるなら全力で反撃させていただきますわ!ファンネ・・・じゃなかった フリィィィィジング!カッタァァァ!!」 新たに攻撃用の雪の結晶を大量に精製し反撃をするのであった 「あぁあー!?」 フリージアの雪の結晶を蜘蛛の足にぶつかり、切断とまではいかなかったが大きく裂けた。 青い血が流れるが、それでもなお、大蜘蛛の機動力を削ぐには至らなかったらしい。 ギ「お姉ちゃん人のものを盗むのは犯罪だよ! だからそんな目にあうんだよ馬鹿なの?死ぬの?」 その横でメイド少女をSEKYOUするギズモ フリージアの陰に隠れていればだいたい安全であるためか態度が大きい メイド「犯罪だなんて酷いです~! それに!私は馬鹿じゃありません~!! そりゃドジとか言われたり失敗する事もありますけど…私だってやるときはやるんですから~!」 ギズモの説教に、メイド少女は顔を真っ赤にして必死に言い返した。 フリ「フリージングドールマリオネット!ドリルブリザァァァド!!」 フリージングドールを生み出しドリルブリザードで攻撃するフリージアさん 「痛いのはだめーん!」 大蜘蛛は巨体に似合わない俊敏さで飛び跳ね、 ドリルブリザァァァド!!を避けつつ祭壇の壁に張り付いた。 フリ「おっぱ・・・・・ごほん!フリィィィィジングミサァァァイル!! フリージングドールのおっぱ・・・もとい胸部装甲が外れて大蝙蝠めがけて飛んでいく その時、大蜘蛛のお腹がしゅっと縮んだ。 「どかんといくよー!」 フリ「な、んですって・・・・・」 フリージングドールのおっぱいが、フリージングドールのおっぱいが、 大蜘蛛の前で起きた破裂音と共に砕けた。(大事な器官なので二つあります。) ギ「ああ!?お母さんの人形がリリアーナお姉ちゃんみたいな胸に!?」 余計なことを言うギズモ きっとあとでお仕置きである 大蜘蛛は水(H2O)を分解して酸素(O2)を生成した。それと同時に、 体内には水素(H2)が溜まっていたのだ。水素は可燃性のガスである。 それを目前に転移させ、電気刺激を加えるとどうなるのか? 水素が酸素と結合…すなわち爆発的な燃焼と共に水を生じさせるわけである。 マオ「まさかあいつ!水素爆鳴気現象を!?」 確かに高圧の酸素を作り出す過程で大量に溜まっていくものは水素だ。 だがそれを逆に活用するなど、ある程度の知能を持ってないとできない芸当。 いや言語を解することを考えたらそのぐらいの応用はできて当然か…… 今回砕けたのはフリージングドールの胸部装甲だったが、 これが人間だったらどうなっていただろうか? リリ「だめだよマオマオ、いくらグレイルの身が軽いからって、あんな攻撃まともに食らったら死んじゃうよ! 」 マオ(あのかなりのスピードを持つフリージアのおっぱ……胸部装甲を狙って落とせるんだ。 相当精確だな……転移範囲はどのくらいだ?いますぐこっちに放ってこないということは ここまではとどかないのか……? ) ねえクリスさん、トラップ作りが得意ってことは、魔道工学科だよね? 何か役に立つ道具とか持って無いの?」 クリ「とにかく槍を抜けば蜘蛛を何とかできるんだろ? だったらマオの磁力魔法で反発させることはできないのか?」 もし槍と蜘蛛を別々に帯電させることができたら槍を抜くことができるだろう。 それがだめなら直接抜きに行くしかない。 「あいつら魔法使いだよー…旦那様がこれを見たら何と言うかよー…」 大蜘蛛のお腹がまた膨らみ、高分圧の酸素を放出しはじめた。 今までの状況を考察すれば、お腹の中に水素が溜まっていることがわかるはずである。 赤「そろそろだよなー?もうアレ取ってきていいよなー!」 マオ「グレイル!!ストップ!接近はなし、距離を取るんだ!」 このまま突っ込んでも爆発に巻き込ませるだけだ、グレイルをいったん下がらせる。 飛び出そうとしたところでグレイルは制止される。 ちえーと不満ながら暢気に後ろに下がった。細かい話?この馬鹿が聞くはずもない。 マオがクリスのタリスマンとカートリッジで氷塊を作っているのも暇そーに眺めているだけである。 考えているとクリスが僕の魔法で遠隔から槍を引き抜くという提案をする。 だが……どうなんだろうか……蜘蛛に帯電させたときに水素と反応して爆発を起こすかもしれない。 いっそ僕やリリアーナと槍を引き合わせるよう磁力を発生させるか……? でも危険なことに変わりはない。それに今はミルクがメギドを使っているから引っ張ってこっちに来る間に燃えたら終わりだ。 かといってメギドで敵の糸を牽制し相手に一定の距離を取らせているのも事実。 ここでやめさせたらそれはそれで危険だ。しかし隙がないわけじゃない。 奴はさっき高圧の酸素を追加させるためにお腹を膨らませた。 水素はおそらくその過程で生まれる。ということはもう一度爆発を起こさせている間に引き抜けばいい。 リリ「・・・・・・・・・・・あっ!あの人!!」 何を思ったのか、クリスと話している最中だというのに、突然リリアーナは走り出した。 リリアーナはメイドの前に回り込むと、両手を広げて立ちふさがる。 リリ「メイドさん、あなたは誰に頼まれてその銀の玉を取りに来たの? それはどんなもので、何に使うつもりなのかな? ギズモも言ってたようだけど、いくら遺跡にあるものとはいえ、持ち主がいるものを盗むのは、泥棒だよ。 だから下の場所に戻して。 銀の玉を持ってる限り、あなたはずーっと襲われ続けることになるのよ?それでもいいの?」 リリアーナは断固とした顔で、メイドの行く手を遮っていた。 メイド「ずーっとストーカーされるなんて困りますけど…でも! この玉を返すなんて絶対にダメです~! それに!この玉は元は私たちの物なんですよ! この玉が無かったらお城への道が開かないんですから!! 私、急いでお城に行かないとご主人様に怒られちゃいます~!」 少女はそう言うと、取り上げられると思ったのか、銀玉を抱え込むようにしっかりと持ち直した。 リリ「元々あなたたちの物?お城への道?それっていったいどういう事なの?」 ミシ「一つ、仮説ですが。強力なマジックアイテムが周囲に影響を与えるのはよくあります。 あのコウモリたちはその球体の魔力におかされているのかもしれません」 もしそうだとしたら、そんなに強力なアイテムをどうするのかは訊いたほうがいいかもしれない。 個人の勝手だと言われてしまえばそれ以上は詮索できないのだが。 フリ「昆虫ですらない節足類の癖に生意気ですわ!リロード!!」 内部図解の様なカットインが入り 新しいミサイルが装填され元に戻るフリージングドールの胸 「お前らもあのピンク色の女と同じ目にあわせてやるよー! あの女もとっくにわしらの子供達に食われてるよー!いい気味よー!」 大量の糸を吐き出す大蜘蛛 捕まったら動けなくなってしまうに違いない フリ「こうなればフリージングドールを突貫させますわ!!」 ミル「メギド!」 喋りながら大蜘蛛が飛ばしてきた糸を、空中に放った核熱魔法で迎え撃つ。 フリ「やっぱり蜘蛛の巣には炎でしたわね」 糸は焼けるし酸素も減らせるし一石二鳥…なんて言ってる場合じゃない! ミル(今こいつなんて言った!? ) リリ「えっ?!まさかメイレン様のこと?ちょっと、食われてるってどういう事なのよ?!」 ―――― あまりに驚いたリリアーナは、一瞬メイドから注意が逸れてしまった。 前に立ちふさがるリリアーナの注意が逸れた隙を、メイド少女は見逃さない。 メイド「ごめんなさ~い!!」 少女は、リリアーナの横をすり抜けて脱兎のように逃げ出した。 リリ「あっ!!待って!!」 ミシ「余所見はチョーク投げを食らいますよリリアーナくん。 一つの事にもう少しだけ集中しなさいな」 メイドは、リリアーナたちの入ってきたのでも、蜘蛛が来た方でもない第三の通路に飛び込んでいく。 リリアーナは追いかけたが、メイドの足は思ったよりも速かった。 リリ「わーっ!!」 同じ通路に飛び込みかけたリリアーナだったが、運悪くまた落とし穴のトラップを発動させてしまったようだ。 リリ「キャ――――っ?!」 どうやら本当に、トラップに引っかかる才能があるようだ。 リリ「すみません先生、メイドさんを逃がしてしまいました・・・・・」 命からがらトラップから脱出したリリアーナは、消え入りそうな声でミシェルに報告した。 ミシ「いえいえ、無事で何よりです」 しょんぼりしているリリアーナに、ミシェルは柔らかく笑ってみせる。 実際、深追いしてはぐれられても困るというものだ。 ミル「てかレベッカ! あんたアイシャやメイレンさんと一緒に居たんじゃなかったの!? アイシャやメイレンさんはどーしたんだよ! まさか本当に蜘蛛に食われちゃってますとか言わないよな!?」 レヘ「メイレンは蜘蛛に食われたぞ。この大蜘蛛は何でもお見通し、ごもっともだ。」 ミル「そんなに落ち着いて言うことか!? 家族の危機ぐらい驚け!慌てふためけ!」 マオ「あわてるなミルク、蜘蛛は神経毒を注入したあと、消化液を送り込みながら ゆっくりと捕食する。まだ間に合うかもしれない。すぐにこいつを倒してメイレンのとこまでいければ…」 大蜘蛛は、口から粘着質の糸を撒き散らした。 この糸に絡まると、機動力を大幅に削がれるだろう。 蜘蛛は口から糸をまき散らしらしてきた。クリスは糸をよけようと動くが、左腕に絡まってしまう。 クリ「・・・こっちは中に入っただけだぞ。 それを突然わけのわからない言って襲ってきやがって・・・。」 不満を呟きながら試作の剣に炎のカートリッジを装填する。 クリ「少しはこっちの話もききやがれぇ!!」 試作の剣の機能を発動して左腕の糸を断ち切る。 そして出力を最大にして10mにわたる炎の刃を蜘蛛に向かって振り下ろし始めた。 それはつまり、10mにわたる炎の刃を“レベッカ”に向かって振り下ろし始めた、と同じ意味である。 レヘ「こら!馬鹿なまねすんじゃねー!俺まで焼け死ぬだろうが!おい、誰かそいつを止めろ!」 レベッカが抗議するが、頭に血が上っている状態でまともに聞こえているはずもない。 ミル(自分の危機には普通に慌ててるもんなぁ。 マオじゃないけど、一回燃やして本当に悲劇のヒロインにしてやりたくなってきたぞ。 ) ミル「気持ちは分かるけど、剣を降ろすのはちょっと待ってクリス! あの蜘蛛の頭に刺さってる槍には、留学生のレベッカの魂が宿ってる! 今槍を燃やしたらレベッカが死んじゃうかもしれない!」 何人かに抑えられている間に、クリスのカートリッジの魔力が尽きて炎の刃は収まった。 そんな時、クリスの強化型タリスマンとカートリッジに目が行く。これを借りるか…… マオ「クリス、悪いけどこれ借りるぞ!!」 強化型タリスマンとカートリッジを手に取りタリスマンに氷のカートリッジを無理やり押し込み、 強化型タリスマンを起動させた後蜘蛛の周りの床とタリスマンに引き合う磁力を発生させて投げ込む。 クリ「それ使用法間違ってるぞ!!」 クリ(・・・これでカートリッジ一個作りなおし確定だな。 タリスマンももうダメか・・・ ) カートリッジに込められていた魔法が強化型タリスマンによって今日かされ大きな氷塊と変化していきながら 蜘蛛の方へと向かっていく。タリスマンの効果で延々と大きくなっていく氷塊。 この状況、水素爆発を起こして氷塊を粉砕するしか相手にないはずだ! 「痛いの嫌よー!」 大蜘蛛は太鼓を叩くような足音と共に壁を這って避けようとしたが、 強化型タリスマンと大蜘蛛は磁力で引かれ合っているので避けられない。 マオ「ミルク!相手が氷塊を砕いたらメギドいったんやめていいぞ!」 そうすれば隙ができる。磁力で引き抜いてもいいしグレイルのスピードで向かっていっても十分間に合う!! 「同じことを繰り返すなんてとんだ馬鹿よー!」 大蜘蛛のお腹がしゅっと縮んでいく。 マオ「フフ………馬鹿ははたしてどっちかな」 マオ「ミルク!相手が氷塊を砕いたらメギドいったんやめていいぞ!」 ミル「わかった!砕いたらすぐね!」 「どっかん、どっかんよー!」 マオの読みどおり、大蜘蛛はまた爆発で迫る氷塊を打ち砕く。 それを見て一度メギドを撃つのを止めて、ミルクは大蜘蛛に狙いを移した。 フリ「何をやるかは知らないけど任せましたわよ!!」 勝負となるのは、大蜘蛛が次に酸素放出するまでの15秒である。 そして15秒後に、大蜘蛛は“同じことを繰り返す馬鹿”が自分自身であったことを知るだろう。 ここ自分が余計な手を出したらたぶん失敗する そう判断したフリージアは見守ることにした フリ「さあレベッカさんが救出出来たらみんなで全力攻撃ですわ!」 ミル「急いでメイレンさんを助けに行かないとダメだしな! 火力なら任せとけーっ!」 ヴ「ありゃあ私の出る幕はないね。 がんばれーご主人!」 マオ「まあ僕はエリートだから、こんな蜘蛛ぐらい余裕だ」 ヴァンエレンの声援を聞いて得意げに鼻で笑う。 さてと、後は僕の磁力で引っこ抜いてもいいしどうとでもなる。 氷が砕かれると同時に、グレイルが走り――出してない。 赤「なーなー何時行きゃーいいんだよー?」 青『阿呆、今だ!早く行け馬鹿!』 マオ「よしグレイル!もう行ってもいいぞ!さっきの爆発はしばらくは使えない。 槍を引き抜いてやるんだ!」 赤「え?今?よっしゃ!」 Bとマオの指示に従い、やはり何時も通りの足の速さで蜘蛛に接近をする。 そして槍レベッカを両手で掴むと、蜘蛛の頭に足を掛けてから思い切り引き抜いた。 ずぼっ、という音とともに抜けるレベッカ。 晴れて自由の身?の筈だが…… 赤「ひゃ―――っほ―――っ!槍ゲーット!!いやっは――――っ!」 レヘ「おう、やるじゃねーか赤いの。…っておいい!?」 グレイルは持ち前の運動神経を持ってレベッカを振り回し回転させる。 手首を軸にして回したり、勢いをつけて回転させながら空中に投げた後キャッチ! 単にブンブンぶん回したりetcetc…。 レヘ「おい、てめー!俺で遊ぶんじゃねーよ!そういうのレ○プっていうんだぞ!」 マオ「馬鹿!!早く戻ってこい!!」 ミル「グレイルーっ!そこに居られたらメギド撃てないだろーっ! 戻ってこい、カムバッーク!!」 みんなの呼びかけが通じたか、グレイルはクリスに槍を放り投げた。 クリ「もうちょっと物は大事に扱え!!」 そう叫びつつ飛んできた槍を取ろうと思ったが、結構回転がかかっていたので避けるしかなかった。 レヘ「ちょ、とか言いつつなんで避けるんだよお前は!(笑)」 リリ「わーっ!レベッカさんが!!!」 リリアーナは慌てふためきながら、クリスとレベッカのほうへ駆け寄った。 黒『あ、ああ馬鹿R!あの中には留学生の魂が……』 赤「しっらねー!んでさー、こいつどーすんだー?連れて帰る?」 蜘蛛のすぐ傍に立り、けらけら笑いながらげしげしと蹴って遊び始めるグレイル。 レヘ「あの赤いバカやろう!後でケツの毛を一本残らず抜いてやる!」 マオ(蜘蛛がもう一度ガスでも放ったらどうする気なんだ? ) ミル「巻き添えで燃やされたいのかこらーっ!!」 赤「んあ?マオマオ達なんで慌ててんだー?」 黒『Rがどうしようもなく馬鹿だからだよ!!馬鹿!!』 青『お前は本ッッ当に馬鹿で馬鹿で仕方の無い馬鹿だな馬鹿野郎!』 全員から声がかかっているにも関わらず動かないグレイルに、いよいよバッグの中の二人が喚き出した。 この赤髪の馬鹿は本当に馬鹿すぎである。馬鹿。 「何すんのー!」 マオ「Magnetic force」 大蜘蛛が怒り、頭上のグレイルをその巨大な足で殴ろうとしたが、 マオがグレイルを磁力で引っ張ったので当たらなかった。 頭にクエスチョンマークを浮かべながらへらへら笑うグレイル。 赤「おーなんだこりゃー!」青j『磁力だな』 リリ「レベッカさん大丈夫? ねえクリスさん、レベッカさん蜘蛛の身体に刺さってたけど、何ともないかな?」 クリ「槍はもともと攻撃に使うためのものなんだから蜘蛛に刺さってただけで異常は起きないと思う。」 まあ、その蜘蛛が強力な酸を持っていて酸に触れていたのなら溶けているかもしれないが・・・ 目立った傷がないと分かると、リリアーナは安堵の息を吐き出した。 だが次第に目つきが険しくなっていく。 リリ「・・・・・・もう!皆レベッカさんのこと、すっごく心配したんだからね。 誰もいない場所に一人で飛ばされてたらどうしようって!! ほら、クリスさんも何とか言ってやってよ!!」 クリ(・・・俺に何を言えと。) クリスはリリアーナに何も答えず、ウェストバッグから必要な道具を取り出すとすぐに魔銃を分解し始める。 リリ「クリスさんって、本当に無口よね・・・・・・」 レヘ「ひでーな、おい。俺は手も足もでないんだぜ?どうしろっていうんだよ。」 レベッカがリリアーナの言葉に悪態をついた。 リリ「それから、ミシェル先生の話だと、確かメイレン様とアイシャさんと一緒だったのよね? 二人はどうしてるの?蜘蛛に食べられるってどういう事? 愛しい人って何の話?」 レヘ「メイレンは蜘蛛に食べられた。アイシャがどうなったかは知らん。 愛しい人って言うのは…たぶん金玉のことだ。 その金玉をメイレンが食っちまったから蜘蛛が怒ってるのさ。」 リリ「ええっ、メイレン様が?!レベッカさん何でそんな大変な事を淡々と言ってるのよ!!」 リリアーナはがくがく槍を揺すったが、すぐに気を取り直した。 レヘ「何でって…メイレンが嫌いだからだよ。ブルースが妖怪を嫌いなのと同じように。 ついでに、そんなブルースをお前が嫌っているのと同じようにな。」 リリ「・・・・・・・本当に?」 リリアーナは何か言いたそうだったが、何度かためらった後、言葉を飲み込んだ。 リリ「確かに私は、ブルースさんが苦手かもしれない。 でも、もし彼の身に何かあったら・・・・・・・・・やっぱり嫌だな」 リリ「ううん、メイレン様やアイシャさんが、そんなあっさりやられるわけ無いわよね。 急げばまだ間に合うかもしれないわ。レベッカさん、いっしょに行こう!! クリスさんはどうする?」 クリ「・・・少し待ってくれ。」 今魔導回路の重要な部分を繋いでいる。 そのため返事をすることはできなかった。 レベッカは何も言わなかった。 マオ「戻ってこいっていっただろグレイル…まあとにかく後はつぶすだけだ。ミルク」 ミル「マオナイス!人質も無くなったし、後は一発ドンとメギドでぶっ潰すわよ!」 ミルクにメギドを放つように目でサインを送った後、 マオは大蜘蛛に勝利の笑みを浮かべながら語りかける。 マオ「残念だったな、だがせめても慈悲として最後の言葉を聞こうじゃないか……」 リリ「マオマオ、気をつけて!!」 マオ「何を言っているんだリリアーナ。気をつけるも何も……」 ミル「え!?」 リリアーナの声でとっさにメギドラを撃つのをやめた視線の先で。 大蜘蛛は部分的にさらに大きくなっていた。 「憎い盗人どもめ…もう絶対に許さないよー!」 大蜘蛛のお腹が、先ほどよりもずっと大きく膨らんだ。 しかも、先ほどと違って大蜘蛛のまわりに酸素が放出されなかったのだ。 そう、本来吐き出していた酸素までもお腹の中に蓄えているのである。 いまや大蜘蛛は、巨大な爆弾と同じだ。 「お前らはもうお終いよ… ちょっとでもわしらにへんなちょっかいをだせば、たちまっち大どっかんよー!」 確かにちょっとでも変な衝撃を加えればたちまち水素と酸素が反応しあって 爆発を起こすだろう。この距離ではおそらく爆発で僕たちは…そうでなくても この地下通路に生き埋めになるだろうな。 青『さっきは水素の爆発を操ったし、酸素を噴出した。今は二つとも中に留めて……か』 赤「うおー!すっげぇー!」 冷静に状況把握をしているBとはやはり真逆に、グレイルは目を少年の如く光らせて何かにあこがれている。 もうひとつの人形に居るSはただその状況を見守っていた。 ミル「どうやらお腹だけじゃなくて頭もスカスカみたいね! お終いなのはあんただけよこの虫野郎!」 ユリに言わせると蜘蛛や百足は虫じゃないそうだけど、かまうもんか。 あたしから見たら気持ち悪い生き物は大抵虫だ。 ミル「フリージア!カチンと爆弾処理よろしく!! こんな雑魚さっさと倒して、メイレンさんやアイシャを助けに行くわよ!」 マオ「というわけだ。出番だぞフリージア、凍りつかせてやれ…」 フリ「お~っほっほっほっほ!どうやら出番のようですわね」 いつにも無く偉そうなフリージアさん フリ「知ってるかしら?爆発物は凍らせてしまえば無効化できますのよ!!」 拳を前に突き出し気合をこめるフリージアさん フリージアの拳から光とともに冷気が吹き荒れる フリ「さあ氷の彫像になりなさいな!冷凍拳フリィィィィジング・フィスト!!」 フリージア拳から放たれる冷凍光線!! 実際には光線ではなく攻撃範囲が狭く相手を破壊しないフリージング・ディストラクション 云わばプチフリージングディストラクションであり 相手を凍らせる細かい雪の結晶を大量に発射する技である 凍った大蜘蛛は、壁から、ゆっくりゆっくりと落ちて、床に落ち着いた。 今の大蜘蛛はとても軽いからだ。(水素は全ての気体で最も軽い。) 床に落ちて派手に砕けるものだと思ってたので、ちょっと予想外である。 まあ、蜘蛛は寒さに弱いらしいから死んでるだろう。多分。 ゆっくりと落下する蜘蛛を見ながら、フリージアを評価するB。 青『……フリージア、なんとも恐ろしいやつだ。こういうことをひょいひょいやってのける』 黒『そんなに凄いんだ?』青『ああ、精密性なら俺のが上だろうが、威力や魔力に関して言えばかなり』 ひそかに自分と比べたりと、ライバル心が見えるグレイブである。 ミシ「マオ・ミゼット!有事の際には皆を纏めて逃げるように!! 理性的な判断と迅速な指示、献身的な立ち回りを期待する」 青『あん?ミシェル教諭か……珍しい、常時丁寧語って聞いたがな』 暫定リーダーを決めておく。ミシェルが丁寧語でなく命令の形で指示を出すことは 学園に来てからは元より教会在籍時にも珍しかった。 だからどう。という訳ではない。こういう時は勇ましい言葉の方が締まる。というだけだ。 ただ、マオには少なからず期待している。彼女がエリートだと自負しているならば エリートなりの義務や責任と言うものがついて回る。その事に対する自覚を期待しているのだ。 なるほど代理だろうが一応リーダーというものを掲げておくことによって 個人の連携を良くしようということか。確かに基本的にスタンドプレイをする人間ばかり… ここで教師という立場の人間が公認のリーダーを決めておくことには大きな意味がある。 そしてこの中で最もその素質があるのは僕……フフフフ、中々に分かっているじゃないかミシェル教員は。 マオ「もちろん……僕はエリートだから期待は裏切らない。」 メイドの後を追っていくミシェルを見送る。 リリ「先生、お気をつけて!」 (188で〆) 7 地下広間~城 7 地下広間~蜘蛛の巣窟 - -
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/6114.html
世界の様子・事件 / アメリカ / ボストン・マラソン爆破事件 この項は、ボストン・マラソン爆破事件 にて記事収集。 .
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/1024.html
ボストン、沈黙の街 題名:ボストン、沈黙の街 原題:Mission Flats (2003) 作者:ウィリアム・ランデイ William Landay 訳者:東野さやか 発行:ハヤカワ文庫HM 2003.09.30 初版 価格:\1,000 装丁や広告で謳っているほどに派手な作品ではない。出版社が目論むほどの売上が期待できるかというと、その手の(ディーヴァーやグリシャムのような)メジャーに乗ってゆく作品というわけでも別にない。思いのほか地味で、静かな作品である。 ボストンという街に対して抱くわれわれの犯罪イメージがどの程度を考えた場合、やはりそれはニューヨークやマイアミといったよく知られる組織犯罪のエリアには遠く及ばない気がする。かろうじてロバート・B・パーカーがスペンサーシリーズで描いてきたボストンのイメージから、大学や芸術や品のいい街という表の顔の向こうに、ホークやヴィニイ・モリスの生きる暗黒街が影のように従って見えるに過ぎない。 この物語の主人公はおまけにボストンの人間ではない。ボストン生まれの母と田舎町ヴァーセイルズ(架空の町)の警察署長であった父の間に生まれ、ボストンで大学教授を目指してアカデミックな世界に身を置いていた主人公は、アルツハイマー病に冒された母のために故郷に帰り、引退した父の後を継いで警察署長へ転身してる。 ヴァーセイルズの湖畔で起きた殺人事件。被害者は地方検事。犯人は地方検事が調べていたボストンのギャングらしい。主人公はボストンへ乗り出す。引退した警察官であるケリーと二人連れで。捜査のいろはを教えられ、育ちながら。田舎の父親との電話ケーブル越しの葛藤を感じながら。母の思い出に胸をふたがれながら。恋をしながら。銃撃を浴びながら。 なぜこれほど複雑な物語が一人称で語られるのだろうかとの疑問が最初からあった。一人称文体には限界がある。あまりにも長く深い物語はある意味では一人称では持たないところがあるという気がする。なのに、本書は徹底した一人称文体で語られる。主人公本人とは遠いところの物語まで伝聞の形で。そこに無理を感じた。どうしてだろうとの疑問が何度も繰り返された。実はそれこそがこの作品の核心部分であることを、別のどこかで幽かに感じながら。 三人称はある程度公平を期した文体にならざるを得ないが、一人称には作為をこめることができる。作家の作為ではなく、主人公の作為を。そこに既に小説としての技術を盛り込むことができる。それが謎やトリックのサイドで使われることは現に少なくないと思う。しかしそれを主人公の心理の奥底に向かう形で敢えて使ってゆく本書のスタイルはけっこう珍しいものであるかもしれない。 主人公の田舎町から逃げ出したいという渇望や、ボストンにまで事件を追って出かけてゆく衝動、父との会話の破片に見られる不確かさ、周囲の警察官たちへの疑念や、納得し難い態度。すべてが一人称文体に引きずられてゆく。じわじわと染み出してくる主人公の内部の湿潤部分。じっくりと読んでゆく楽しさはあり、最後の最後まで生真面目で誇り高い文章。事件はアガサ・クリスティーのように一堂に集まった関係者に説明なんてされない。事件は永遠に謎であり、人間そのものの内部にある。そういった主人公の独白が最後までぴりっと効いてくる。本書は皮肉な真相への暗い道程を描いた作品であって、主人公の最後の選択についてどう捉えるべきか、読者はきっと迫られることになると思う。 (2003/10/05)