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美術商 絵画や地図を購入することができる。絵画を買うと屋敷に飾られ、モンテリジョーニの価値が上がる。 なお、買うことができる絵画と地図は町ごとに異なる。 絵画 フィレンツェ 名前 値段 絵画の詳細など 聖母子 320f キリストの洗礼 280f 春 2950f パラスとケンタウロス 3050f 受胎告知 429f 洗礼者聖ヨハネ 1608f 音楽家の肖像 20f フランチェスコ・オペレ 1492f モンテリジョーニ/ヴィラ 名前 値段 10%オフ 15%オフ 絵画の詳細など 白貂を抱く貴婦人 81f 77f 73f 聖クリソゴヌス 3126f 2961f 2797f 聖フランチェスコ法悦 552f 523f 494f 理想都市 2708f 2565f 2423f ベティスタとフェデリコ 1177f 1115f 1053f トスカーナ サン・ジミニャーノ 名前 値段 絵画の詳細など 海から上がるヴィーナス 7220f 眠れるヴィーナス 9140f ヴィーナスと鏡 1035f シモネッタ・ヴェスプッチ 125f 貴婦人の肖像 525f ダ・モンテフェルト 325f ロマーニャ フォルリ 名前 値段 絵画の詳細など ヴィーナスの誕生 14800f ユピテルとイオ 6969f ラ・フォルナリーナ 32f レダと白鳥 200f 三美神 500f イヴ 800f ヴェネチア 名前 値段 絵画の詳細など 聖ヒエロニムス 53f 東方三博士の礼拝 1290f 聖セバスティアヌス 163f 書斎の聖ヒエロニムス 4300f 聖なる愛と俗なる愛 6295f 宝の地図 地図を買うとマップに宝箱のマーカーが表示され、宝箱の位置がわかるようになる。 宝箱の正確な位置がわかるため一切宝箱を回収しないという人以外は購入するべき。 値段も安く宝箱1,2個を回収すれば十分元がとれる。 新しい地域に入ったら真っ先に美術商に寄って購入するべき。 表示されるのは宝箱のみで羽や像はマップに表示されない。 ゴンドラの宝箱?も表示されない。 ※羽などの収集系を狙う場合はマーカーが出て邪魔なだけ 名前 値段 サン・ジョヴァンニ(フィレンツェ) 395f サン・マルコ(フィレンツェ) 150f サンタ・マリア・ノヴェッラ(フィレンツェ) 160f アルペン山脈(フィレンツェ、フォルリ) 150f モンテリジョーニ 271f(5%off) サン・ジミニャーノ 245f トスカーナ 175f フォルリ 260f ロマーニャ 235f サン・ポーロ(ヴェネツィア) 550f サン・マルコ(ヴェネツィア) 500f ドルソデューロ(ヴェネツィア) 495f カステッロ(ヴェネツィア) 485f
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星空凛&アサシン ◆VUBZx4BclE 深夜――人気はなく、その闇を街灯が照らしているだけである。 その路地には音もなく、ただ風が吹く音が通り過ぎるだけ・・・だったのだが。 暗がりの中にある、どこにでもあるような一軒家から、銃声と人が騒ぐ声が鳴り響いてきた。 しかし、そんな騒音も数分でやんだ。 聞いた者はいない。ここには通る者がおらず、近くに住む者は夢の中だ。 「...こんなところか」 その家の中には死体が散乱していた。そんな地獄絵図の中、そこに立つ者がいた。 その男の顔は、一目で『外国人』だとわかるだろう。 「どいつもこいつも『殺すぞ』だァ?オレはお前らがそうやって『殺す』『殺す』って言い合って慰め合っているような弱虫共の世界で生きてねーんだ」 しかし、その男はこの家の住人ではなかった。この男が一人で片付けたのだ。 このギャング達を―――いや、ジャポーネの言葉でいうと「ヤクザ」だったか。 「おい...入ってきていいぞ...凛」 その言葉に呼応するように一人の人物が入ってくる。 その姿は小柄で、仔猫のよう...いや、この世界では仔猫同然であった。 まぎれもない、ただの少女だったのだから。 「本当に殺しちゃったのにゃ...?」 「コイツらはNPCだ...殺しても罪になりゃあしないし、何よりもここは―――」 「聖杯戦争――殺し合いの場だ」 アサシンが襲撃したのはヤクザのアジトだった。中には10人弱の人間がいて入るや否や「殺すぞ、ゴラァッ!!」と威嚇してきたが、 アサシンは獲物のリボルバー式拳銃で全員を難なく殺害し、このアジトを乗っ取ることができた。 アサシン―――その真名はプロシュートという。イタリアのギャング組織にて暗殺チームに所属していた経歴を持つ男。 対して、そのマスターの名は星空 凛。魔術師でもなければ死神でもなく、犯罪者でもない。ただのスクールアイドルをしている女子学生である。 (これでこの世界に来てからの当面の目標は達成できたな...) アサシンは心の中でひとりごちる。 ヤクザのアジトを襲撃したことには理由があった。 第一に、ただの一般人である凛は魔力が乏しい(アイドルとして活動していたことによりファンからの信仰が魔力となっていて少しはマシなようだが)。 そのため、どうしても魔力が枯渇しがちで、NPCの魂を吸収する必要があった。 第二に、凛は戦う力を持っていなかった。それを少しでも補うために武器が必要であった。 「よし、魔力は当分は問題ねーな。武器も予想以上にあるし冷蔵庫もある。寝床や金も氷も申し分ない」 ・・ 「ただ、残念なことは...『掃除』が大変なことと当分は血生臭いにおいが消えねーことくらいか」 「ねえ兄貴、本当によかったのかな...」 凛が近づいてきて不安な表情で問うてきた。 「凛は兄貴を見捨てて元の世界に帰るのも嫌だけど・・・関係ない人を殺すのも――」 「凛...オメー明るそうに『オレを切り捨てずに聖杯戦争を生き残りたい』っていってたよな?...いいか?俺達は『マスターとサーヴァント』の関係・・・ 一心同体だ。目的である聖杯をゲットするために『オレ達』は生き残らなくっちゃあならねぇ。そのためにオレは全力を尽くす。オメーに必要なことを教え る。銃の使い方も含めてな」 「っ...!」 凛の表情がさらに強張る。その目には涙が浮かんでおり、恐怖を隠せない様子が見て取れる。 アサシンはここに来る前はここまで弱気になることはなかったのにと思いつつ怯える凛を諭す。 ・・・・・・ 「オメーがそれでいいなら『令呪』を使ったっていい。ただ、覚えとけ...聖杯戦争に関わることは『そういうこと』...オメーにも危険が及ぶ可能性だって 十分にある。オレがこれから教えていくことはオメーが自分を守ることにつながるんだ」 「兄貴...」 「まぁ―――」 「オメーを無理やり巻き込んだオレが偉そうに言える立場じゃあないんだけどな」 そう、凛がなぜ戦う力がないのかというと『巻き込まれた』のだ。 時間は数時間前にさかのぼる...。 「オメーが俺のマスターだと?」 ・ 東京都千代田区にある廃工場...そこでアサシンは男に召喚された。 「ああそうだ。俺の名前は...と言いたいところだが時間がねぇ。追手がここまで来ているかも...」 その男はひどく焦っていた。もとはヤクザだったが、薬を売ったところ、そこで手に入った金のあまりの巨額さに目がくらみ、それを組織に渡さずに逃げ出 した。そして現在、組織に追われているわけである。 「このテレホンカードさえあれば...金は俺のモンだぁ...向こうの世界に言ったら全員ブチ殺して...ヒヒヒ...」 「......」 プロシュートは呆れて物も言えなかった。 まさかこんなマンモーニ(ママっ子)にも及ばねえ弱虫に召喚されるとは...。 内心では腹が煮えくり返る思いだった。 男がテレホンカードを見てそうこうしているうちに、廃工場の外で何台もの車のエンジン音が鳴り響いた。 「...ヒィ!!お、追手が...」 「...とにかく、隠れるぞ」 気分を悪くしながらも、軽蔑さえ交じったそっけない口調でアサシンは男を誘導する。 隠れて様子を見ていると、男の言う追手が工場の中に入ってきた。 しばらく男はその様子を見ていたが、アサシンの意識は別の方向にあった。 この男は恐怖のあまり、『テレホンカードを使って別世界に逃げるという選択肢』すら失念している...。 そのことや『忘れ物』のことをアサシンが言わなかったのはこの男を軽蔑していて死んでほしいとすら思ったからかもしれない。 「ああ!!!俺の金!俺の金があああ!!」 男が奪ってきたと思われる金を入れたアタッチケースが元いた場所に置いたままであった。 追手が来ていることを忘れ、男は揺れる布を見た闘牛のように向かっていく。 当然、轟いたのは何十発もの銃声。男は聖杯戦争に参加することなく死んだ。 「チィ...ッ!」 ただ、歯噛みするしかなかった。数十秒の間で男の遺体は回収され、1分が経つ頃には既に男の追手はいなかった。 アサシンは咄嗟に男が落とした赤いテレホンカードを手に、アサシンは切迫した表情で走り出す。 (いつオレの魔力が切れるかわからねぇ...あと1分、いや30秒...?とにかく時間がねぇ!) このままでは魔力が尽きて現界できなくなり、消滅してしまう。 そんな最期だけはアサシンのプライドが許さなかった。 新しいマスターを誰でもいいから見つけなければッ!! 「新しいレストランがオープンするんだって!凛ちゃんも真姫ちゃんも今度3人で行ってみようよ!きっとおいしいお米を仕入れているんだろうなぁ...」 「それはダメにゃ!その前に新しいラーメン屋にいってからにゃ!」 「どっちでもいいけど、二人とも食べ過ぎないでよ?」 廃工場からそう遠くない歩道を、3人の少女が歩いていた。 この時、凛は下校中で楽しそうに親友の真姫と花陽とおしゃべりをしていた。 どうやら空いた時間に行く店について話をしているらしい。 しばらくして、花陽が歩道の向こう側から猛スピードで向かってくる影を見つける。 「あれ...あの人なんかこっちに向かってくるよ...?」 花陽が示した方向を見てみると、黒いスーツを着た怪しい男の人がスゴイ顔をしてこっちに向かってくる。 そして 「オイッ!誰だっていい!今すぐこのテレホンカードを手に取れ!」 「え...な、何するの?」 「な、なによあなた!いきなり凛の手をつかんで!ちょっと!凛から離れなさい!」 アサシンは迷うことなく凛の手首をつかみ、その手をテレホンカードに近づける。 「いいから取るんだ...時間がないッ!」 「ひっ、は、はい」 凛はあまりに突然な出来事に気が動転してしまい、正確な判断を下せなくなっていた。 真姫のアサシンへの抗議やおろおろする花陽も認識せずに、テレホンカードを受け取ってしまう。 その瞬間、凛とアサシンの姿は消えていた。 「え...?」 真姫と花陽はなにが起こったのかが理解できなかった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「凛が男に手首をつかまれて『男が持っていた何かを取ったと同時に消えていた』...何が起こったの...!」 「凛ちゃん...どこにいるの...?」 その言葉を聞く者はいなかった。 「ん......え...?」 凛は目を覚まし、妙に気だるい体を起こすとそこは見知らぬ世界だった。 景色はがらりと変わり、下校中の夕方ではではなく真っ暗な夜。辺りは空地の草原のようで、自分は地面で寝ていたらしい。 制服が汚れるとかどうしてこんなに長い時間を眠っていたかなど様々な考えが頭に浮かんだが、 「目を覚ましたか...『マスター』」 「にゃアア!?」 隣にいたいかにも裏社会に通じていそうな男の人に声をかけられ、眠たげだった精神が完全に覚醒する。 そんな凛の隣にいたのは先ほど自分の手首をつかんでよくわからないことをしていた外国人の男の人。 確か放課後のμ sでの練習が終わって友達と何気ないおしゃべりをしていて...気づいたらここで寝ていた。 この人がマジックで凛をワープさせたのかな? 本当はそんなチャチなものでは断じてないのだが、混乱のあまりに間抜けな思考が頭を通り過ぎる。 とにかく、自分に何をしたのかを聞かねばと思い、苦手な英語の知識を駆使して、 「え、ええと...あ、あいあむ...凛――」 「安心しろ、言葉は通じる」 英語で話しかけようとしたところ普通に日本語で返された。そういえば自分が目が覚めた時も日本語で話していた。 そこで、凛は改めて話そうと思ったが、その前に外国人の男が口を開いた。 「いいか、よく聞け。『マスター』は今、聖杯戦争の場にいる」 「聖杯戦争...?」 聞いたことのない単語を聞かされ、オウム返しをするしかなかった。 「以上が聖杯戦争について俺が知っている情報だ。...オイ、聞いてんのか?」 「うっ...ひっぐ...」 凛は泣いていた。それも無理もないだろう。いきなり聖杯戦争という殺し合いに参加させられたら泣きたくなるものである。 ましてや泣き虫なきらいがある女子学生の凛なら当然である。 「ひどいにゃ!凛はこんなとこ全然来たくなかったのに!」 目に涙を溜めながら凛は反発する。 だが、アサシンが凛以外の誰かをマスターにするかそのまま消えていれば...とは言えなかったし、そう考えようともしなかった。 もし凛以外をマスターに選んでいたら、確実に親友の花陽か真姫が巻き込まれていただろう。 また、アサシンはなぜ新しいマスターを何としてでも見つけようとした理由にも共感するところがあったからだ。 誰だって夢を果たせずとも無様な死に方をしたくはない。 凛も、例えば友を守るために死んでいくキャラクターのような死に様は美しいと思っていたし、 漫画で何回も読んできた(さすがに現実では死に様どころか人が死ぬ場面も見たことがないが)。 「それは悪かったな。謝っておく。すまない」 「...」 「もとの世界に...どうやったらみんなにまた会えるのにゃ?」 しかし、やはり凛はこんな世界から早く帰りたかった。早くμ sのみんなに会いたい。その願いだけが凛を支配していた。 「それなら...オメーの右手を見てみろ」 その言葉のままに右手を見てみると、そこには特徴的な形をした印が浮き出ていた。 「それは『マスター』の令呪だ。それを使えば『サーヴァント』である俺にどんな命令も聞かせられる」 「その令呪を使ってオレに自殺させろ。そしたらオメーは6時間以内にそのテレホンカードで電話をかければ元の世界に帰れる。そもそも、『マスター』が ここにきた原因はオレにある。悔いはないといえば嘘になるが...最悪の死に方はせずに済んだからな」 「そ、そんなこと...」 できるはずがない。先ほどのアサシンの説明の中に魔力の供給とあった。その魔力がなければアサシン曰く『あっけなく消えちまう』とのことだ。 凛はアサシンがたとえ初対面のギャングでも切り捨てることはできなかった。 「それができねえのなら、この聖杯戦争を生き残っていくしかねえ。どうする、『マスター』?」 「...その前に、聞かせてほしいことがあるにゃ」 「なんだ?」 「聖杯って願い事がなんでも叶うって言ってたけど...アサシンは何を叶えたいのにゃ?」 アサシンはしばらく黙りこんで...こう言い放った。 「復讐だ」 「復讐...?それって今までのことをもう一度勉強する『復習』じゃあ――」 「ない。あまりオレ自身のことはいいたくはねぇんだが...オレはギャングの暗殺チームに入っていた。が...そのギャングのボスを探っていた仲間が殺され た。その復讐だ」 凛は、あまりの生々しさに何も言えなかった。ただ、『絶対に負けるわけにはいかない』。そんなアサシンの持つ覚悟を感じることができた。 「逆に聞くが『マスター』はどんな願いがあるんだ?」 「願い...」 凛は確かに夢がある。μ sの仲間と一緒にラブライブで優勝するという夢が。 しかし、凛はそれを叶えようとは思わなかった。この願いは自分で叶えてこそかけがえのない価値があるのだから。 「ないにゃ」 「...まぁ予想はしていたがな。もとはただの通りすがりだったわけだからな」 「だから...凛はアサシンを見捨てずに生き残りたい。聖杯戦争に参加するにゃ!」 「それはありがたいが...お前自身、どんな能力がある?あまり期待はしねーがな。もう一度言うがこれは聖杯戦争...つまり、殺し合いだ。生半可な強さじ ゃあ勝てねぇぞ」 「う...た、体力に自信があるにゃ!自分でいうのも恥ずかしいけど...運動神経がいいにゃ!」 「他には?」 「そ、それだけにゃ」 アサシンは目を閉じてため息をつく。それを失望と見たのか、凛は心配そうにアサシンを見ていた。 「オレから巻き込んどいていうのも癪だがよォ...同情して聖杯戦争に参加しようっていうんなら願い下げだぞ?」 その言葉を聞いた凛は、先ほどのアサシンのように目を閉じた。しかしため息をつくことはなく、やがて目を開き、アサシンを見つめるとともに静かに口を 開く。 「凛には夢があるにゃ。凛はスクールアイドルっていう、学校の部活でアイドル活動をしているにゃ。こっちの世界にはラブライブっていうスクールアイド ルの大会があって、それに優勝したい。今はそれに向けてみんなと頑張ってるにゃ」 「けれど...それを聖杯で叶えたくなんかないにゃ。アサシンは同情っていってたけど...そんなことないにゃ!凛はただ、アサシンを切り捨ててまで元の世 界に帰りたくないだけにゃ!凛は確かに願いがないといった...けど、それは『聖杯で叶えたくない』ってことッ!この凛には夢があるッ!それを自分の、 『自分達』の力で叶えたいッ!このことも同じ...凛は令呪に頼らずに、アサシンと生き残ってもとの世界に帰りたいにゃ。だからッ!凛と一緒に戦ってほ しい!」 凛は真剣な顔つきでアサシンを見た。アサシンは何も言わずに黙って凛を見つめていたが...やがて、 「これからよろしくな...『マスター』」 と短く答えた。それを聞いた凛の表情が明るくなり、「うん!」と大きく首を縦に振った。 また、冒頭でのヤクザの家に向かっている途中のことである。 「アサシン...『アサシン』ってなんだか呼びにくいにゃ。やっぱり『プロシュート』って呼んだ方が――」 「バカ言うな。真名を呼ばれることは弱点をさらけ出すのと同じって言っただろ」 「でもこっちの世界からすると物騒で呼びにくいにゃ~。じゃああだ名にする?『プロシュー』?『潰シュー』?『相手のゴールにシュー』?あまりしっく りこないにゃ~」 凛がなにやら馬鹿げたあだ名をつけようとしているらしい。確かに真名がばれなければ特に問題はないが...「潰シュー」みたいな潰れたシュークリームみ たいなあだ名で呼ばれたらこっちの調子が狂ってしまう。 そのため、アサシンはかつての弟分が自分を呼ぶ際に使っていた名前を差し出した。 「『兄貴』...そうだ、俺のことは『兄貴』って呼べばいい」 「『兄貴』...うん、わかったにゃ、『兄貴』!それと、凛の名前は『マスター』じゃなくて『星空 凛』て名前があるんだから、『凛』って呼ぶにゃ!」 「あいよ、『凛』...」 そして、現在に至る。 (出発したときはあんなに明るかったんだがな...) そんな凛も、いざ『その手のこと』に関わるとなるとやはり気後れしてしまうようだ。 現在、凛は銃を持っている。あれから外に出て、基本的な銃の扱いを教えるために人気のない場所を探し、先ほどの空地へたどり着いた(鍵はかけてきた) 。 さて、これからどう戦うか。マスターの魔力も少ない、自分はアサシンだから直接対決は不得手、さらに戦うためには宝具のスタンド『ザ・グレイトフル・ デッド』の使用が必要。問題は山積みだ。だが...『栄光』を掴んでみせる。アサシンは静かに決意した。 「あ、兄貴ィ~」 「どうした、凛?」 「この銃、撃てないにゃ...」 アサシンが銃を見てみると、発砲するためのあるプロセスを凛はすっ飛ばしていたことに気づく。 「凛、オメー...」 「安全装置を知らないのか?」 【真名】 プロシュート@ジョジョの奇妙な冒険 【パラメータ】 筋力C 耐久C+ 敏捷A- 魔力C 幸運D 宝具B+ 【属性】 秩序・悪 【クラス別スキル】 気配遮断:C+ サーヴァントとしての気配を絶つ。 完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】 兄貴:C+ 共に行動する者の能力を向上させる。スキル『カリスマ』に似たスキル。 弟分(妹分)に対しては厳しくも面倒見がいいプロシュートの一面。 その人物の持つ弱さを指摘しつつも、強い部分を評価して 「お前ならできる」と鼓舞する姿はよき兄貴分であり、師匠でもある。 彼と行動を共にし、彼の「覚悟の強さ」を見た者はどんなマンモーニ(ママっ子)でさえも その弱さを捨て、驚異的な成長を遂げる。 戦闘続行:B 覚悟の強さ。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の重傷を負ってなお戦闘可能。 瀕死の状態でもスキル・宝具を平常時と同等以上のレベルで使える。 目的を達成するためならば、腕をとばされようと脚をもがれようと行動を続ける(能力を解除しない)。 耐久力:C+のプラス補正は生前に瀕死の重傷を負いながらも能力を使い続けたことに由来しており、 どれだけ致命傷を負わせても彼を死に至らしめるのは難しくなっている。 心の中の行動:D プロシュートがかつて弟分に暗殺者として教えていた言葉がそのままスキルに昇華したもの。 心の中で思った行動を反射的に実行することができる。 そのスピードは心の中で思ったと同時にその行動がスデに終わっているほど速い。 俊敏:Aはこのスキルに由来するものであり、移動速度的な意味合いでの俊敏はC相当である。 心眼(真):B 暗殺チームの一員として数々の戦闘の経験で培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 このアサシンの場合、戦闘時でなくとも敵の様子を見て状況を推量することができる。 【宝具】 『偉大なる死(ザ・グレイトフル・デッド)』 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~200 最大捕捉:1000 生命が持つ精神エネルギーが具現化した存在。聖なるビジョン『スタンド』。 目が全身のあちこちにあり、巨大な2本の腕だけで身体を支えている下半身のないスタンド。 全身の目玉から広範囲に周囲の生物を老化させるガスを噴射する。植物や果物にも効果がある。 その老化ガスを浴びた者は肉体のみならず精神力、記憶力、魔力までも減衰してしまう。 本体であるプロシュートが直接対象に触ることにより、老化スピードを急激に上昇させることが可能。 極限まで老化させられた場合、自力で動くのが困難なレベルになってしまい、寿命が尽きて死ぬ。 ただし、体温が低ければ老化のスピードが遅くなる。そのため、若干体温が低い女性には効果が薄い。 さらに無差別にガスをまき散らすため敵味方の区別はできず、あらかじめ氷などで体を冷やすなど対策を取っておく必要がある。 また、この能力を応用して、自分を老化させて老人に変装することができる。 『気配遮断』と組み合せばサーヴァントとして気づかれずに容易に接近することができる。 スタンドビジョンのダメージは本体にフィードバックされる。 『偉大なる栄光(ザ・グレイトフル・グローリー)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:―― 死ぬ直前まで、たとえ瀕死のダメージを負おうとも スタンドを解除せず戦ったエピソードから生まれた宝具。 アサシンは例え霊骸を破壊されようと、十数ターンの間『偉大なる死』を発動し続ける。 【weapon】 ミスタ愛用のリボルバー式拳銃 『偉大なる死』により戦闘不能にしたグイード・ミスタから奪った拳銃。威力はそこそこ。 宝具『偉大なる死』のスタンドビジョン ステータスは破壊力 B スピード E+++ 持続力 A 精密動作性 E 成長性 C相当。 スタンドで格闘戦を行うことが可能。 ただしスピードにプラス補正がかかるのは移動を伴わない動作をしているときのみ。 直接戦闘では相手が老化していることが前提となるため、 たとえ能力ランクA以上の相手でも老化の進行次第で互角以上に戦える。 【人物背景】 イタリアのギャング組織「パッショーネ」の暗殺チームに所属するイタリアンギャング。 目的のためならばたとえ無関係の人を巻き込もうとも躊躇しない強い覚悟の持ち主である。 しかし面倒見がいい一面があり、弟分のペッシが恐怖でスタンド能力を解除した時は ペッシの精神の弱さを厳しく指摘しつつも、ペッシが自分の勘に自信を持てない時は「自信を持て」 「お前の能力はその気になればだれにも負けない」「ここが正念場だ」と鼓舞していた。 生前はペッシとともにフィレンツェ行の特急列車にて乗客ごとブチャラティ一行を襲撃。 その目的はパッショーネのボスに仲間のソルベを惨殺されたことへの復讐をするために、 ボスの情報を得る手がかりとなるボスの娘・トリッシュの身柄を確保することだった。 しかし、ブチャラティとの戦闘の末、列車の外へ放り出されスタンド能力が解除されたため死亡した・・・ かに見えたが、列車の車輪の間に入り込み、致命傷を受けながらも生き延びていた。 以降は、スタンド能力を再発動し、列車に残ったペッシのブチャラティとの戦闘を援護。 そのスタンド能力はプロシュートが死ぬまで解除されることはなく、 ペッシはプロシュートの覚悟の強さを見て成長を遂げ、 「10年の修羅場を潜り抜けたスゴ味と冷静さをもつギャング」へと変貌、ブチャラティを震撼させた。 【サーヴァントとしての願い】 仲間のソルベを殺したボスに復讐する。 【基本戦術、方針、運用法】 ステータスは全体的に平均程度だが、単純なステータスにおいては 近距離戦では筋力・耐久で劣るセイバーやライダーなどに、 遠距離戦では宝具が直接攻撃に向いていないためアーチャーやキャスターに劣るため、 他のサーヴァントとの正面対決ではどうしても不利になりがちである。 しかし、アサシンらしく気配を消すことで近づき、 最大で半径約200mにも及ぶ範囲の老化ガスをまき散らし、相手を弱体化させることで全クラスに優位に立てる。 そのため、相手を老化させ、戦力を弱めるのが基本戦術。 アサシン自身が老人に扮して相手のマスターを数秒で老人にし、魔力を枯渇させて再起不能にするという芸当も可能である。 たとえ氷などで対策を打たれても、体温さえ上がれば誰にでも効くので何としても老化させたい。 しかし、何よりもの問題点は宝具を使わないと真価が発揮できないこと。 幸い範囲は広いものの、迂闊に宝具を使うと弱点をさらけ出すことになるため使いどころを見極めよう。 さらに、マスターがただの巻き込まれた一般人であること。 これは致命的で、NPCを殺すなどして魔力を温存しておかないとすぐに魔力が枯渇してしまう。 幸い女性なので宝具の影響は少ないが、本人が戦力になることが難しい分、 なんとしてでも先手を優位に立ちたい。 マスターには必然的にサポート役に回ってもらうことになるだろう。 NPCから武器を奪ってそれを使わせるのもいい。 弱点は多いものの、スキルは有用なものがそろっており、 戦闘においては『心眼(真)』の知略が光り、特に咄嗟に相手の体温を上げる方法を思いつくのにも役立つ。 移動速度的な意味での俊敏は並クラスだが、『心の中の行動』でかなり素早い判断と行動も可能。 耐久性もC+だが、スキル『戦闘続行』などで重傷を負っても問題なく戦える上、 重傷を負うと必ずといっていいほど+補正がかかるのでかなりタフ。 スキル『兄貴』で一般人のマスターも強化できなくはないので、自分は相手の老化に徹して (少々酷だが)武器を持たせて相手のトドメを任せるのも選択肢としてアリ。 【マスター】 星空凛 【出展】 ラブライブ! 【参加時期】 アニメ二期の2話以降で5話より前 【マスターとしての願い】 兄貴(アサシン)を見捨てずにこの聖杯戦争を生き残る 【weapon】 ヤクザのアジトにあった銃など 【能力・技能】 運動神経が優れていて体力がかなり高いくらいしかない。 アイドルとして歌ったり踊ったりできる。 【人物背景】 音ノ木坂学院一年生で、μ sに所属。高坂穂乃果の後輩にあたる。 趣味はスポーツ全般、特に陸上系。バスケのシュートが特技で本人曰く、「鼻もきく」とのこと。 μ sの中では比較的小柄で、胸の大きさもワーストクラス。 チャームポイントはキュッと上がったお尻。 好きな食べ物はラーメン。だが、料理は苦手なのでカップラーメンくらいしか作れない。 体育会系で明るく、面倒見がいいが、泣き虫なところも。 小学生のころによく女の子っぽくないとからかわれていたためか、 ライブでセンターを務めるときは自信を持ちきれなかったという弱気な面がある。 また、「~にゃ」という語尾を付ける癖がある。 今回の聖杯戦争では、マスターを失ったアサシンに半ば強引に契約させられ、参戦することになった。 魔術師でもなくただの人間のため魔力はかなり低いが、 アイドルとして活動していたことにより、 ファンからの信仰が魔力になっていて、少しはマシなようである。 本人の希望で、アサシンのことを「兄貴」と呼んでいる。 聖杯戦争のルールは理解したが、実際にどんな人たちが参加しているかわかっていない。 【方針】 アサシンと共に生き残る。そのためにアサシンから戦う術を学ぶ。 確かに学ぶといったが、いざ銃を握ると、 殺し合いの場にいることが現実味を帯びてきて怖い。
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ララ&アサシン ◆faoWBgi.Rg ◆◆◆◆ Lacrimosa dies illa (涙の日 その日は) qua resurget ex favilla (罪ある者が裁き受けんがために) judicandus homo reus (灰の中からよみがえる日) Huic ergo parce, Deus (神よ どうかこの者をお許しください) pie Jesu, Domine (慈悲深き主 イエスよ) ◆◆◆◆ 日は落ち、月が昇り、街は静けき夜の帳に包まれている。 通りの一つに面した、その西洋風の市民劇場は、入り口にささやかな灯をともして、ひっそりと夜の色に同化していた。 閉じきられた扉の中からは、とぎれとぎれに、歌声が漏れ聞こえている。 劇場の前には、共有の休憩所と、喫煙所があり、仕事帰りらしい男が二人、煙草を片手に、話し合っている。 「最近、出るらしいな」 「何が」 「『火吹き男』だよ。『火吹き男』」 「火吹き男?」 「こんな月の出た晩に、一人で歩いてたらさ。見上げたら、屋根の上にいるんだと。こう、長い手足をばあっと広げて…物凄い笑い声をあげて」 「なんだそりゃ。子供のおとぎ話じゃないんだから。通り魔とか、変質者ならともかく」 「そうだけどな。ここいらでやたらと噂を聞くもんだから」 男の言葉に、もう一人の男は、劇場の灯をちらりと顧みながら、 「こんなところで噂なんか聞くからだろう」 と言った。 「最近、若い子が妙に来るようになったからな。この劇場。前は金持ちの爺さん婆さんの御用達だったのに」 相方に合わせ、最初に口火を切った男も、劇場の扉へと目をやる。 「やっぱり、あの歌かね。今晩も……」 ◆◆◆◆ 外国のホールを模した、円形の観客席と、それが見下ろすステージ。 明かりを落としたその暗がりの中に、浮かび上がるようにして、ライトの真ん中で、一人の少女が歌っている。 “Lacrimosa dies illa……” 伴奏のない独唱。 音響装置も、最低限のものしか備えられていない。 それでも、少女の柔らかな、ゆったりとした歌声は、劇場の中にうねり、沁みるように響き渡る。 “qua resurget ex favilla……” 天上の歌声――聴く者の脳裏に、そんなありふれた修辞も浮かぶが、同時に、そう喩うるにはどこか哀しすぎる、やはりこれは、この地上の音楽である……そうも思わせる。 “judicandus homo reus……” 少女は歌い続ける。 身に付けた衣装もまた、とても舞台の上に立つものとは思えないほどに質素なそれである。 だが、観客は皆、少女の歌声だけでなく、その姿にも見入っていた。 布の覆いに包まれながら、そこから零れ、腰まで伸びる豊かな金の髪。 なめらかな、白い肌。 歌を紡ぎ出す小さな花のような唇。 そして、まっすぐに虚空を見つめる、冷たい宝石のような瞳。 その片方は、怪我でもしているものか、包帯に覆われている。 “Huic ergo parce, Deus……” 少女は、歌い続ける。 聴き惚れ、見惚れる客席にも、多くの「少女」の顔がある。 みな、いくらかの差異こそあれ、同じくらいのあどけなさを残し、同じくらいの大人びた気配を滲ませた顔だ。 少女たちは恐らく、誰ひとりとして、舞台の上から紡がれる歌声の、その歌詞の意味を――遠い異国の言葉の、訴えかけ、示そうとするところを理解していない。 それでも、彼女たちの目からは、自然と零れ落ちるものがあった。 それは、何の涙であっただろうか。 この架空の町で、幸せな夢の中で暮らす彼女たちの、かつての記憶と、抱いていたはずの思いと、願いと―――いまや失われたそれらへの、浮かぶはずのない涙であっただろうか。 “pie Jesu, Domine……” 少女は――――。 『ララ』という名を持つ歌姫の少女は、歌い続けた。 光に照らされながら、闇の中の少女たちへ向けて、彼女の『子守唄』を。 ◆◆◆◆ 夜も更け、劇場が全ての灯を落とし、再び扉を閉じた後。 ララは、一人で、劇場の裏の路地を歩いていた。 雲のない夜空から月が見下ろし、街灯の少ない道に、青い、不吉な色を与えている。 舞台の上と同じ衣装のまま、多くの歌手や役者たちがそうであるはずの、解放された風もなく、歌姫は歩いてゆく。 やがて、教会の前まで来たところで、ふと、空を見上げた。 月を背景にして――教会の、鋭角な屋根の上に、何かが立っている。 異様な長身であった。 真っ黒い全身から伸びた、奇妙なまでに長い手足が、縦長のそれの姿をさらにアンバランスにしている。 顔には二つの火が――不気味に燃える両の目があり、そればかりではなく、横に裂けた口からも、青白い炎が零れている。 それは、見上げるララを認めると、嗤った。 ひどく耳障りな、馬車の軋むような声で。 そして、長い肢を曲げ、たわめると、次の瞬間、空へ跳び上がり――急降下して、物凄い速さで、ララの眼前に降り立った。 地面が砕け、瓦礫が散り、ぷん、とひどい硫黄の匂いが立ち込める。 ごう、と音がして、青白い炎がララの前を掠め、その光に照らされて、怪人の、丈の長い黒いマントと、黒いシルクハットと、表情のない鉄仮面が明らかになる。 ララは、表情を変えなかった。 ただ、じっと怪人を見つめた。宝石のような片目で。 背を曲げかがめ、ランプのような両眼で、ララの顔を見下ろしていた怪人は―― 「なぜ、ずっと気付かないふりをしていた」 口を、利いた。 「お前はすでに、この聖杯戦争のマスターとしての記憶を取り戻していたはずだ。 知識、情報、課せられたルール。 そしてこの町が、造られた“贋物”であることも」 怪人は、口から炎を吐き出しながら、続ける。 「それなのに、オレを呼ぶこともせず、夜な夜なあの劇場で歌い続けていた……」 「……そう、あなたが、私のサーヴァント」 怪人の言葉の途中で、ララは少し笑みを浮かべ、その姿をしげしげと眺めると、 「あなた、“お化け”でしょう? 劇場に来る子たちが、噂していたわ。火を吹くお化けが出るって……」 確かめるように、そう言った。 「……ああ」 怪人は、肯定する。己が「怪人」であることを。 今のみならず、かつてにおいてもまた、人々の間に、恐怖と驚愕を以て語られた存在であることを。 ララはその顔を見つめながら、私と同じね、と呟く。 「でも。あなたのそれは、仮装でしょ。お化けの仮装。 ……私は、違うよ」 そう言いながら、頭の覆いを、片目を覆う包帯を、ゆっくりと取り去った。 綺麗な金の髪。その上に、幾つもの機械の突起があった。 包帯の下。そこに、陶器のような顔面のひび割れと、破損した眼球があった。 怪人は。 怪人は、それを見て驚くでもなく、ふん……と声を洩らした。 ララは笑う。 「わかってたのね。そう、私は、人間じゃない」 そして語る。 かつて語られた一つの「奇怪」を。 「神に見はなされた地」に棲み付いた亡霊の話を。 絶望に生きる人々を慰めるために造られた、歌う快楽人形の話を。 五百年もの長きにわたり、その人形は、「ララ」は、その名をすら知られることなく、少女と化け物の中間の何かとして、乾いた土地の怪異として在り続けた。 一人の子供に出会うまで。 そして、悪魔と、悪魔祓い師たちと出会い、破壊されるまで。 「私の心臓は、特別なの。神様の――呪いなんだって」 胸に手を当てながら、己の中に埋め込まれた〈神の結晶〉、彼女を彼女たらしめた“イノセンス”と呼ばれる神秘のことを告げる。 彼女の物語は終わり、すでに取り去られた筈のそれが――自分の中に戻り、息づいていることの違和感。 寄り縋るように、ただ、歌うしかなかったことも。 「お前……願いは、ないのか」 少女人形の語りを聞き終えて、怪人が問う。 この世界に、この戦争に誘われた者たちは、多く、何かしらの願いを抱いているはずだった。 「――貴方が、叶えてくれるの? お化けさん」 悪戯っぽく、ララが問い返す。 怪人は、その瞳に込められたものを測りかね、少し考えた後、答える。 「残念だが、オレは弱い。勝ち抜けるのかと言われれば、怪しいかもな」 同じ“ジャック”でも、別の奴が出ていれば違ってただろうが、と、どこか自嘲を帯びた口調で付け加えた。 ララは、怒るでも、失望するでもなく、ふふっと笑った。 「そんな怖い見た目なのに、けっこう気が弱いんだね」 そうしてから、空を見上げる。宙天にかかる大きな月を見る。 五百年前も、彼女は、こんな月を見た気がした。 「私は……私は、ただあの子と。 たった一人、私を愛してくれた、受け入れてくれた人と、一緒にいたかった」 独り言のように、人形の唇から漏れた言葉に、怪人が、動かぬ鉄仮面の下の顔が、刹那、沈黙する。 そして、ややあって、再び問う。 「……それが、願いなのか」 ララは戸惑うように、かぶりを振る。 ――――ホラ こんなにきれいになったよ ララ ――――ララ ずっと側にいてくれ ――――そして 私が死ぬ時 私の手で お前を壊させてくれ ――――僕が この二人の犠牲になればいいですか? ――――可哀そうとか そんなキレイな理由 あんま持ってないよ ――――僕は ちっぽけな人間だから 大きい世界より 目の前のものに心が向く 彼女は。 快楽人形の物語は。 ――――ぼくのために うたってくれるの…? ――――ララ ――――大好きだよ 「……私、最後は、あの子のために歌えたの」 ララは、目を閉じて、最後の瞬間を想い浮かべながら、呟く。 「グゾルに会いたいけど、でも……わからない。 本当なら、今すぐこの心臓を取り出して、壊れてしまえばいいのかもしれない」 老いたグゾル。「変わっていく」彼の前で、ララはずっと「変わらなかった」。 最後には、変われたのか。 人形は、何かになれたのか。 「わからない」 怪人は、ただ見つめていた。 月光が、二人の間にある教会を照らし、その門の前に置かれた、聖母の像の―――眠る幼子に顔寄せた表情が、己がマスターの、少女の、人形の顔に重なる。 或いは、かつて彼を変えた女性……愛するものと結ばれ、幸せに人生を全うしたはずの、一人の女性の姿が。 或いは、彼の前で、少年の袖を握る、彼の姪の小さな手が。 あきゃきゃきゃきゃきゃ!! 馬車の軋むような笑い声が再び響いたかと思うと、いつの間にか怪人の姿は、夜の間に溶けるかのように消え去り――――ララのそばに、一人の男が立っていた。 豪奢な服に身を包み、長めの金髪に、険のある目。傲慢な笑みを浮かべた口元。 「わからない、か。まあ、それも面白い」 片手に鉄仮面を携えて、男は、ララに告げた。 「答えが見つからないのなら、探せばいい。 “バネ足ジャック”が、最後まで付き合ってやるよ、マスター」 教会の前、時は夜半、まだ月だけが、見下ろしている。 ―――― 【クラス】 アサシン 【真名】 ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド(ジャック・ザ・スプリンガルド)@黒博物館スプリンガルド 【パラメータ】 筋力C(E) 耐久D(E) 敏捷B(E) 魔力D(E) 幸運D(C) 宝具C 【属性】 混沌・善 【クラススキル】 気配遮断:C サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適したスキル。 ただし、攻撃態勢に移るとランクは大きく下がる上、アサシンの場合は後述するスキル「跳梁する恐怖」もあって、怪人としての攻撃時には確実に己の存在を気取らせてしまうだろう。 【保有スキル】 跳梁する恐怖:B 暗殺者と言うよりは、出現と存在そのものによって人々に影響を及ぼす「怪人」の特性。異様な姿を現すと共に特徴的な甲高い笑い声を上げ、相手サーヴァントの敏捷値を下げた状態で対峙を開始する。また、魔術師や一般人に対しても、精神抵抗力に応じてショック状態のバッドステータスを付与する。このスキルの効果は、NPC含む周囲へのアサシンの姿や噂の流布によって強化される。 阻まれた顔貌:C 正史では遂に特定され得なかったバネ足ジャックの正体。狂人と称されるような振る舞いの数々を残した、傲岸不遜な若き貴族としての顔。同ランク分までの精神干渉を相殺する。 また、「バネ足ジャック」を装着していない状態において、アサシンのパラメータは()内のものに変化し、跳躍力や各種機構及びスキル「跳梁する恐怖」を失う代わりに、サーヴァントとしての気配を全く気取られなくなる。 精神防壁に、気配遮断の条件強化・正体隠蔽を複合したスキルとも言える。 単独行動:C マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。ロンドンを縦横無尽に跳び回り、不可解なまでに広い範囲で出現が噂された逸話からこのスキルを獲得している。 Cランクならば1日程度の現界が可能。 情報抹消:C 対戦が終了した瞬間に、目撃者と対戦相手の記憶・記録から、アサシンの「怪人としての外見及び特徴的な笑い声」を除く能力・挙動などすべての情報が消失する。たとえ戦闘が白昼堂々でも、カメラなどの機械の監視でも効果は変わらない。 【宝具】 『霧の都、月に跳ぶ怪人』(ブラックミュージアム・スプリンガルド) ランク C 種別 対軍宝具 レンジ 1~10 最大補足 50人 夜の間に限り、アサシンは「仕切り直し:A」のスキルを追加で得ると共に、 無数の建物や尖塔の幻 青白い月光を帯びた霧 の二点をそれぞれ任意で出現・発生させることができる。 建物群、尖塔の幻影は地理感覚を狂わせると共に、アサシンとそのマスターのみが触れ得る足場となる。 霧は、対象を求めて指向性をもって広がり、触れた者の魔力を自動的に放出消耗させていく。また、サーヴァントであれば耐久値を1ランクダウンさせ、防御・遮蔽・回避系のスキル及び宝具の効果を減衰させる。 なお、この霧の効力は、対象が「怪人」の存在を強く意識しているほどに強まり、「バネ足ジャック」の名を看破している状況下において最大の補正を受ける。 霧に触れた誰に効果を与え、誰に効果を与えないのかは宝具の使用者が選択可能。 霧によって方向感覚が失われるため、振り切るにはランクB以上のスキル"直感"、もしくは何らかの魔術行使が必要になる。 後世の伝承・創作の中で、霧の撒く月下に数多の怪人が闊歩する魔都と化したロンドンの形象(イメージ)、その一角の再現。 【weapon】 バネ足ジャック:当時最先端の工学技術を応用した悪趣味なバネ足怪人の仮装。本来はなんら神秘性を持たない装備だが、都市伝説「バネ足ジャック」として人々に認識され恐怖されたため、相応の神秘を帯びている。人体を引き裂く強力な鉄の爪(本来は女性の衣服を掻き破るためのものだが)、銃兵隊を呑み込むほどの青い火焔の放射ギミック、さらにはスプリングの脚部による、代名詞とも言える驚異的な跳躍力・滞空能力を誇る。 【人物背景】 19世紀ヴィクトリア朝、切り裂きジャックの犯行よりはるか以前、ロンドン中の話題をさらった謎の怪人「バネ足ジャック」の正体にして、広大な領地を構える英国の若き侯爵。 狂人と揶揄されるほどに破天荒な放蕩貴族であるが、それは幼少期に家庭環境から負った孤独な心傷の反動によるもので、一人の女性との出会いをきっかけに彼は変わり始める。 最終的には、新たなバネ足ジャックを騙り連続殺人事件を引き起こしたかつての友人と人知れず戦い、彼女を守り抜いた。 【サーヴァントとしての願い】 マスターを守る。何がやりたいのかを見つけるまで、付き合う。 【マスター】 ララ@D.Gray-man 【マスターとしての願い】 わからない。グゾルと会いたい……? 【weapon】 なし。 【能力・技能】 自立稼働する人形。特殊な技能はないが、巨大な石柱を掴んで投擲できるほどの怪力は備えている。 その生命の根源として、神の結晶たるイノセンスを心臓とする。イノセンスはノアの洪水の時代より存在する神秘の結晶であり、加工によっては千年伯爵の生みだす兵器・AKUMAへの対抗武器ともなりうる未知の物質だが、この聖杯戦争においては基本的に魔力の源として以上の意味は持たないであろう。これが奪い去られると、ララはただの人形となってしまう。 【人物背景】 「神に見離された地」マテールにおいて噂されていた「亡霊」。 正体は、イノセンスによって命を持った快楽人形であり、何百年もの間、存在価値を果たせないまま孤独な時を過ごしていたが、醜さゆえにマテールへ放逐された少年・グゾルによって初めて名前を与えられる。 出会いから80余年、歳を重ねるグゾルと静かな時を過ごしていたが、イノセンスを巡る黒の教団とAKUMAとの戦闘に巻き込まれ、エクソシスト・アレン=ウォーカーらの尽力もむなしく、イノセンスを奪われてただの人形に戻ってしまい、グゾルも致命傷を負う。 アレンによって取り返されたイノセンスを心臓に戻されるも元の姿に戻ることはなく、死したグゾルの傍で人形として歌い続け、三日目の夜、最後のほんの刹那に、アレンへ感謝の言葉を告げて機能停止した。 【方針】 わからない。 BACK NEXT -007 山田なぎさ&アサシン 投下順 -005 白坂小梅&バーサーカー -007 山田なぎさ&アサシン 時系列順 -005 白坂小梅&バーサーカー BACK 登場キャラ NEXT Happy Birthday! ララ&アサシン(ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド) 000 前夜祭 002 ばねあしジャックと人形の家
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不況によって閉鎖された工場の中で、一人の男が座り込んでいた。 男は深いため息を吐き、神に懺悔するように項垂れ両手を合わせた。 「大丈夫か、マスター」 男しかいなかった空間に声が響いた。 同時に剣を携え軽装鎧を纏った青年が現れた。 「ああ、少し寝付けないだけさ」 「なら良いが……あまり気に病むな。あれは仕方のないことだった」 軽装鎧の青年、セイバーは主の苦悩の原因が昨日倒した主従にあると知っていた。 人当りの良い、優しい性格のセイバーのマスターは突然巻き込まれた聖杯戦争に消極的だった。 セイバーを召喚してすぐできるなら誰も殺さず家族の元に帰りたいと打ち明けられたことを昨日のことのように覚えている。 しかし結果として男の願いは叶わなかった。昨日バーサーカーとそのマスターの襲撃に遭った折、正当防衛に近い形でセイバーが彼らを屠ったから。 「彼らは我々に敵対的だったし、第一討ったのは私だ。貴方は罪悪感を感じる必要などない」 「…そう思えれば楽になれるんだろうね。でも僕が君のマスターである以上間接殺人には違いない。 それに彼らも僕と同じように理不尽に巻き込まれただけだったんじゃないのか? 帰れるものなら帰りたいと、そう思っていたのかもしれない」 セイバーのマスターは数代前に魔術回路が絶えた家系の出だった。 偶然にもセイバーとの契約を機に閉じていた回路が開きそれなりに魔力供給を行えるようになったわけだが。 一般人同然に育った男は良き勤め人であり善き夫であり親孝行な息子であった。 当然そんな男に人殺しの経験などあるはずもなく、男の脳裏には死んでいったマスターの怨みの声が過っていた。 「きっと僕は良い死に方はできないだろうね」 「何を言っているんだ。貴方は妻子や両親の元へ帰るんだろう? どうしても奪った命を気に病むというのなら、せめて彼らの分も幸福に生きるべきだ」 「…そう、だな。ありがとう、確かに僕は死ぬわけにはいかない。 それにどこかには手を取り合えるマスターもいるかもしれない。きっとまだ希望はあるはずだ」 「その意気だ。今日はしっかり休んでおいた方が良い。 人避けの結界を張ってあるから誰かに見咎められる心配はない」 セイバーは剣術のみならず魔術にも心得のあるサーヴァントだった。 これまでにも危うい状況を魔術で切り抜けたことが何度かあった。 男もセイバーを信頼しているためもう一度寝袋に入り眠りにつこうとしていた。 明日には当面の住居も確保できる算段だった。 ――――――I am the born of my sword そう、明日を迎えることができさえすれば。 「マスター!!!」 剣の英霊の卓越した聴覚が異常を察知した。 何かが飛来することを察知したセイバーは戦士の直感に従い有無を言わさずマスターを抱え駆けだした。 正確なところはわからない。だがここに留まるのは間違いなく命取りだ―――! 瞬間、工場の屋根が破られ白い爆光が二人を照らした。 セイバーは間一髪のところでマスターと共に全壊した工場から逃げ果せた。 だが無事とは言い難い。マスターは重度の火傷を負った上に建物の破片が身体のあちこちに刺さっている。 セイバーをしてもマスターを完全に守り通すことは敵わなかったのだ。 そしてセイバー自身今の一撃で鎧の半分が壊れマスター同様深い火傷を負っていた。 「今のは…アーチャーの狙撃か?だとすればここに留まるわけには……」 マスターは瀕死の重傷を負っている。すぐにも魔術で応急処置を施す必要があるがまずは狙撃されない場所へ行く必要がある。 そう思ったせいだろうか、近距離への警戒が僅かとはいえ薄れていたのは。 「葬る」 「何っ!?」 未だ立ち込める煙の中から黒い影が迫り、寸でのところで影の振るった凶刃を受け止めた。 明らかなマスター狙い、間違えようもないサーヴァントの気配はアサシン以外に有り得ない。 瞬間、セイバーの脳裏に浮かんだのは同盟の二文字。複数のマスターが共謀して自分たちに狙いを定めたのか? 「セイバーのサーヴァント…葬る」 「できると思うか?」 だが目の前のアサシンがセイバーの事情を汲むはずもなく日本刀で斬りかかってくる。 暗殺者であることが信じがたいほど卓越した剣技、剣速に次第にセイバーが押されていく。 それも当然、今のセイバーは万全からは程遠い。 昨日の戦闘での消耗に狙撃で受けた負傷が重なり十全の力を発揮することができない。 しかしセイバーには時間がない。今すぐ襲撃者を退けマスターを救助しなければならない。 「ならばっ……!」 セイバーは賭けに出た。敢えてアサシンの斬撃を身体で受け返す刀で打ち倒す。 肉を切らせて骨を断つ捨て身の策を成すため一気に踏み込みアサシンの斬撃を防がずさらに迫る。 「………あ?」 アサシンを斬り伏せようとした時、セイバーの霊核たる心臓が破壊され地に倒れ伏した。 何故?アサシンから受けた傷は決して致命傷の類ではなかったはずなのに。 (まさか……宝具………) 手遅れになってようやく解答に辿り着いた。 アサシンが持つ刀には何らかの極めて強力な概念が宿っていたのだ。 無念の言葉を口にすることすら許されず、セイバーは聖杯戦争の舞台から永遠に消え去った。 ず、ず、ず、という音を立てながら男は地べたを這いずっていた。 自分が最早助からないことを半ば以上確信しながら、それでも生きるために。 わかっていた。間接的であっても人を殺めた自分は必ず報いを受ける時が来るだろうことは。 それでも、まだ生きたい。死ぬわけには、いかない。 「帰ら、なきゃ……かえ………」 這いずる男の視界にぼんやりと人影が二人分映った。 ああ、間違いようもない。あの二人はずっと会いたかった―――――― 「何だ…そこに、いたのか……」 そう言い残し、男は事切れた。 元の世界へ戻ることなく、死の間際にたった一つの安らぎだけを得て。 爆発によって倒壊した工場から三キロメートルほど離れた高層マンションの屋上に黒塗りの弓を持った少年がいた。 元は赤銅だったのだろう頭髪は所々白くなり、肌も部分的に褐色化しておりさらにオッドアイという奇異な容姿だった。 『士郎、標的は仕留めた』 「わかった、じゃあ警察やマスターが来る前にこっちに合流してくれ」 少年、衛宮士郎は首尾良くセイバーを討ち取ったアサシンのサーヴァント、アカメと念話で交信してから一息ついた。 これでまた一人、倒すべきマスターを葬ったことになる。 アサシンの偵察によってあの主従が人気のない工場跡を根城にしていることは事前に知っていた。 その好機を逃すことなく士郎とアサシンは奇襲を仕掛けることにした。 士郎が投影魔術によって生み出した宝具、偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)で狙撃、着弾と同時に壊れた幻想で爆破することで敵を炙り出す。 即座にアサシンが強襲し、必要があれば引き続き士郎が援護射撃を行うという手筈だった。 実際は第二射の必要もなくアサシンが敵を討ち取ってくれたが。 「あと何人殺せば聖杯に手が届く?あと何人殺せば…今度こそ美遊を救うことができる?」 自分が今こうしている間にも最愛の妹が世界を救済するための生贄にされようとしているかもしれない。 何度浮かんだか知れない焦りの念を深呼吸をして封殺した。 「……落ち着け、未熟者。俺が死んだら、誰が美遊を―――」 そうだ。失敗は決して許されない。 聖杯。生きた聖杯である妹とは違う別世界の聖杯。 その力を以ってすれば美遊を犠牲にせずとも世界を救うことができ、エインズワースも美遊から手を引くだろう。 そのためならこの身は何度でも悪を為そう。この世全ての悪を背負うことになったとしても―――構わない。 「士郎、また妹のことを考えていたのか?」 「アサシンか。…参ったな、すっかりお見通しか」 気づくと気配遮断を解いたアサシンがすぐ傍にいた。 彼女は願いがないそうだが、妹を救いたいという士郎の願いに共感を示してくれている。 こんな自分に一人でも味方してくれる者がいるなど何と贅沢なことか。 「大丈夫だ、士郎は私とは違う。お前はまだ間に合う」 アサシン、アカメにもクロメという妹がいた。 最愛の存在だった彼女はしかし、いつしか心を病み殺すことでしか救えない状態にまでなってしまった。 聖杯に願って人生をやり直そうとは思わない。 死んだ者は決して蘇らない、かつての選択をやり直すことはできない。それがアカメの考えだから。 だからこそ、今を生きる誰かを自分にできる方法で支えるのだ。 「そうだな。きっとまだ間に合う。今日はもう帰ろう」 二人は以前仕留めたマスターが戸籍を偽造して借りたアパートの一室を乗っ取る形で鎌倉に根を下ろしていた。 投影した刀剣や骨董品を質に出すことで当座の活動資金も確保してある。 「士郎、肉が食べたい」 「わかったわかった、帰ってからな」 最後に今も火の手が上がっている工場跡地を見やった。 自分が為したことを、これから先何があっても忘れないように。 【マスター】 衛宮士郎@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 【マスターとしての願い】 あらゆる手段を尽くして聖杯を手に入れ、美遊を運命から救う 【参戦時期】 牢獄でイリヤと会話してから子ギルの手引きで脱出するまでの間 【weapon】 投影魔術によって生み出した武装の数々 【能力・技能】 経緯は不明ながらアーチャー(英霊エミヤ)のクラスカードの力を引き出しており、その真髄までも理解し使いこなしている。 クラスカードの影響か人間離れした身体能力を手に入れている。 【無限の剣製】 衛宮士郎の内にある錬鉄の固有結界。 結界内には、あらゆる「剣を形成する要素」が満たされており、目視した刀剣を結界内に登録し複製、荒野に突き立つ無数の剣の一振りとして貯蔵する。 ただし、複製品の能力は本来のものよりランクが一つ落ちる。 刀剣に宿る「使い手の経験・記憶」ごと解析・複製しているため、初見の武器を複製してもオリジナルの英霊ほどではないがある程度扱いこなせる。 士郎が扱う投影、強化といった魔術は全てこの固有結界から零れ落ちたものである。 アカメと契約しているため外部からのバックアップなしでは魔力不足で固有結界の起動、展開はできなくなっている。 また起動に必要な魔力があっても肉体のコンディションが極端に悪いと本人曰く「身体が先に音を上げてしまう」ためやはり起動できない。 【人物背景】 本作に登場するヒロインの一人、美遊・エーデルフェルトの兄であり衛宮士郎という人間の可能性の一つ。 彼の行動指針は「妹を守り、幸せにすること」。そのためなら自身の命はもとより世界の命運を切り捨てることすら厭わない自称「最低の悪」。 【クラス】 アサシン 【真名】 アカメ@アカメが斬る! 【属性】 混沌・善 【ステータス】 筋力:D 耐久:D 敏捷:A 魔力:D 幸運:C 宝具:B 【クラススキル】 気配遮断:A+ サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】 精神耐性:B 精神干渉に対する抵抗力。 同ランク以下の精神干渉効果を完全に無効化する。 心眼・真:B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 【宝具】 『一斬必殺・村雨』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:1人 日本刀型の帝具であり、この刀で傷をつけられると傷口から呪毒が入り込み、心臓に到達すると死亡する。 アカメが英霊となり信仰を集めたことにより生前よりも必殺性が向上しており、呪毒が心臓へ到達するまでの時間がより短くなっている。 また斬りつけた相手が持つ呪い・毒への耐性や戦闘続行に関係する能力をBランク分削減する。 心臓さえあれば人間外の生物であろうと確実に死に至らしめるが心臓の無い者、あっても機能していない者には効果がない。 また全身鎧や機械など身体に直接傷をつけられない場合も効果がなく、そういった相手には普通の刀として使う他ない。 ちなみにこの刀の必殺の概念は所有者に対しても有効となっており、生前のアカメは村雨の手入れに細心の注意を払っていた。 常時解放型宝具としては非常に強力な効果を持つがその分融通が利かず、敵との相性に左右されやすい。 『桐一文字』 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:1人 アカメが帝国の暗殺者であった頃に使用していた日本刀型の臣具。 この刀で斬りつけられた箇所は桐一文字を破壊するか所有者であるアカメを滅ぼさない限り治癒不能となる。 武器としての性能や宿す概念など多くの面で村雨に劣るが知名度でも劣っている。 そのため村雨を使う時よりもアカメの真名を特定されにくいというメリットもある。 また強敵に対し桐一文字で傷をつけ弱体化させてから村雨で止めを刺すという運用も可能。 【人物背景】 暗殺集団・ナイトレイドに所属する黒髪赤眼の少女。 肉好きの大食らいで、野生児がかったところがある。 寡黙かつ無表情なためにとっつきづらいが、感情の薄い立ち居振る舞いは上辺だけのものであり仲間への想いは非常に強い。 幼少期に妹のクロメとともに帝国に売られ、帝都の養成機関で暗殺者として育てられた。 帝都に言われるままに仕事をこなす暗殺者として暗躍していたが、仕事をこなすごとに帝国の闇を徐々に知っていき、やがて標的だったナジェンダに説得されて帝国を離反した。 クロメにも一緒に離反しようと声を掛けたが否定され、袂を分かつこととなる。 最愛の妹を救済(ころ)してやりたいと思っているが、実際は妹と戦うことに心を痛めている。 【サーヴァントとしての願い】 マスターの願いを叶える BACK NEXT -005 丈槍由紀&アサシン 投下順 -003 エミリー・レッドハンズ&バーサーカー 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT DATE LOST 衛宮士郎 000 封神演義 アサシン(アカメ)
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『本日午後六時ごろ、都内の一軒家にて火災が発生しました。 その火災で住人である会社員、野崎和夫氏と、妻の主婦、花菜氏が死亡。 次女の小学生祥子ちゃんが、火傷による重傷を負い、都内の病院へと緊急搬送されました』 聖杯戦争の舞台である模倣東京にて、TVからニュースが流れる。 それは内容こそ痛ましいものの、被害者の名前に覚えがなければ聞き流してしまいそうな程ありふれた話だ。 『近隣の住人曰く、火がいきなりついたとの証言がいくつもあり、 更に取材の結果、火元は家の外壁であることが判明しました。 警察はこれらの証言と火元から、放火とみて捜査を進める模様です』 だが続きが流れれば、住人は恐れをなす。 もしや次は我が身ではないかと、いつの間にか知人の誰かが被害に遭うのではないかと。 『また、火事の際外出していたことで難を逃れた長女、春花氏には、警察が被害者に何らかのトラブルが無かったかなどを――』 ◆ 野崎家放火のニュースから数日後。 時は深夜、都内の病院。 ここには、ニュースにて名前が知れ渡った野崎祥子が入院している。 病室は個室で、彼女の意識はなく、予断を許さない為に面会謝絶となっている。 「ふん」 だがここに祥子以外に、一人の男がいた。 顔は端正であるものの、祥子とは似ても似つかない。 冷酷で鋭い眼つきにペイズリー柄のシャツと黒いジャケットが、医療従事者とも思わせない。 彼女の親族ではない。病院の関係者でもない。では何者か。 「私のマスターは、今日も生き長らえているようだな」 彼は、この東京で行われている聖杯戦争のサーヴァントである。 クラスはアサシン。真名は鬼舞辻無惨。 とある世界において、平安時代から大正時代までの千年間、日本の裏側において数多の被害を出し続けた鬼と呼ばれる怪物の始祖だ。 そしてマスターは、ここで重傷患者として入院している野崎祥子である。 彼女は本来の世界において、今の状態になってから聖杯戦争に巻き込まれた。 その辻褄合わせの為にNPCである彼女の両親は本来と同じように死亡した。 ここで何の因果か、彼女の姉である春花だけは助かったが、これは本来の世界と合わせた結果なのか、それとも単なる偶然なのか、それを知るものはいない。 そして祥子は知ろうと考えることもできず、彼女のサーヴァントであるアサシンは興味すらない。 それどころか、アサシンは祥子の生死すらどうでも良かった。 アサシン、鬼舞辻無惨には人間を自身と同じ鬼に変える力がある。 彼の血を人間に与えることで、人間は鬼へと変化するのだ。 そして鬼になれば、どれほどの傷であろうと、あっという間に治ってしまう。 つまり祥子の傷を治すこと自体は容易いのだ。 しかしアサシンはそれをしない。 なぜなら、鬼になれば目立つからだ。 鬼はごく一部の例外を除き、人間に対し強烈な食欲を覚える。 祥子がその例外になる保証などなく、仮になったとしても、一夜で重傷が治ればたちまち取材が殺到するだろう。 サーヴァントには召喚された際、聖杯から現代知識が与えられる。 これにより、日本人以外のサーヴァントであっても日本語が使えたり、生前との違いを理解できたりするのだ。 その現代知識の中にはインターネットに関するものもあり、アサシンは何か目立つようなことがあれば、あっと言う間に自分達の情報が拡散されると認識していた。 そしてアサシンは、自身の情報が拡散されることを酷く恐れている。 故に、彼は祥子を助けない。 仮に祥子が死亡しても、アサシンは単独行動というスキルを所持している。 本来、サーヴァントはマスターなくして現界できない。 だがこのスキルがあれば、ランクによって期間は異なれどマスターなしで現世に留まれる。 なので、最悪はマスターを見殺しにして違うマスターを見繕うという手も取れる。 今の所、代わりになりそうなマスターは見つかっていないので、あまり切り捨てるつもりはないが。 それに、アサシンは今のマスターを悪く思ってはいなかった。 彼は目的の為なら頭を下げることも、弱者とみられることにも抵抗はない。 だがその実酷く感情的で独善的で、よほどのことがない限り自身を省みないタイプだ。 故に、余計なことが一切できないマスターはアサシンとしては悪くない。仮に存在が足を引っ張るなら、その時は切り捨てればいいだけのこと。 「無惨様」 そこに、病室の窓から一人の男が入ってきた。 彼は、アサシンが鬼に変えたNPCの内一人である。 アサシンは祥子を鬼にするつもりは一切ないが、だからといって他の誰かを鬼にしないつもりもない。 アサシンはインターネットの情報拡散を警戒しつつ、自身もそれを使えないかと考えていた。 しかし彼はサーヴァントであるが故ネットに繋がるものは所持しておらず、マスターである祥子は家が焼けたせいか同様に所持していなかった。 そこで、彼は町を歩いている適当なNPCの男達を鬼に変え、ネットに繋がるスマホを奪い取ったついでに、鬼にした男達に情報収集を命じていた。 「聖杯戦争のマスターを一人、発見いたしました」 「そうか。ならばさっさと、ネットで情報をばらまいて他のサーヴァント達に始末させろ。 無論、我らが聖杯戦争に関わる存在だと分からないようにな」 「はっ」 敵を一人発見した報告をする部下に対し、アサシンは次の指示を下す。 アサシンはよほどのことがない限り表に出たがらない。 臆病者と言われようと、卑怯者と憎まれようとも。 日向には出られない二人の聖杯戦争は、まだ始まったばかり。 【クラス】 アサシン 【真名】 鬼舞辻無惨@鬼滅の刃 【パラメーター】 筋力B+ 耐久A 敏捷C 魔力D 幸運C 宝具A 【属性】 中立・中庸 【クラススキル】 気配遮断:A 本来は自身の気配を消すスキル。 だが無惨の場合は攻撃態勢に移らない限り自身がサーヴァントであることと、鬼であることを隠すスキルとなっている。 【保有スキル】 鬼:A+ 平安時代に一人の医者によって生まれた、人喰いの怪物。 強靭な肉体や特殊な能力を持つが、日光に弱く、浴びると消滅する。 また、同ランクの戦闘続行と、Dランクの怪力の効果も有する。 彼は鬼の始祖なので最高峰のランクだが、上には日光を克服した二匹の鬼が控えているので頂点ではない。 仕切り直し:A++ 戦闘から離脱、あるいは状況をリセットする能力。機を捉え、あるいは作り出す。 また、不利になった戦闘を初期状態へと戻し、技の条件を初期値に戻す。同時にバッドステータスの幾つかを強制的に解除する。 自身より圧倒的に格上の、神仏の寵愛を一身に受けた日輪の剣士から逃走を成功させた逸話が昇華されたもの。 単独行動:B マスターとの繋がりを解除しても長時間現界していられる能力。Bランクなら2日は現界可能。 無惨の心に他人は必要ない。 カリスマ:E カリスマ性の高さを示す能力。 無惨は心が歪んでいる、もしくは空っぽの相手にのみカリスマ性を発揮する。 【宝具】 『鬼の始祖。鬼舞辻無惨』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1 アサシン、鬼舞辻無惨自身の肉体。 鬼の始祖である彼は1000年の時を生きたため、彼自身が神秘を持ち宝具と化している。 彼は鬼の中でも特に多彩な能力を持つ。 気配から変えるレベルの変身を長時間保つ、自身の血を人間に与えることで鬼へと変化させる、 九千年無補給でも戦い続けられる、自身の部下と距離に関係なく連絡が取れる、など。 また、彼が作り出した鬼は須らく彼の呪いを受け、彼の名前を人間の前で口に出すと死亡する。 『受け継いでくれ。私の想いを』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:??? 最大捕捉:1 無惨の消滅時、彼から一番近くにいるマスターもしくはサーヴァントが対象となる宝具。 この宝具の対象となった者は無条件でBランク以上の鬼となり、同時にBランクの狂化スキルも無条件で与えられ周囲にいる存在を襲い始める。 なお、鬼のBランク以上というのは対象の鬼としての素質によって変わり、最低でBランクであり、最高峰ならA+++ランクの場合も存在する。 無惨が生前、死亡する前に鬼としての力と自身の想いを、敵である一人の少年に無理矢理託した逸話から生まれた宝具。 その少年は人の想いによって人間に戻れたが、この聖杯戦争内でどうなるかは誰にも分からない。 【weapon】 『鬼の始祖。鬼舞辻無惨』 【人物背景】 平安時代、とある医者によって鬼にされた男。 生きることにのみ固執する生命体。 最後には受け継がれた人の想いによってその命を絶たれた。 【サーヴァントとしての願い】 太陽を克服し、現世に蘇る。 【基本戦術、方針、運用法】 マスターの意識がないため、無惨主導で聖杯戦争に臨んでいる。 基本的には、他のサーヴァントを潰し合わせたり、アサシンらしく不意討ちやだまし討ちなど、手段を選ぶつもりはない。 【備考】 NPCが数人ほど鬼@鬼滅の刃 となっています。 鬼になったNPCからスマホを一台奪い、所有しています。使い方も覚えました。 【マスター】 野崎祥子@ミスミソウ 【マスターとしての願い】 ??? 【weapon】 なし 【能力・技能】 なし 【人物背景】 父親の転勤で田舎に引っ越してきた、東京出身の小学生。 だが姉の受けているイジメの余波で家が放火され、大火傷を負い現在は意識不明の重体。 【方針】 なし。そもそも意識不明なため、聖杯戦争自体を把握していない。 【備考】 参戦時期は1巻、放火された家から助け出された後。 現在は大火傷に意識不明の状態で、会場内の病院に入院しています。
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デザインの変更要望や勝手な削除による規制願いなど。 名前 携帯からの閲覧許可してくれませんかねえ…。iPhoneから見れない。 - 名無しさん 2013-03-19 09 49 08 EDのすぐ前のみっしょんクリアしたんですけどクリアしたあとまた同じミッション出るんですけどなりますか? - 刹那 2012-03-13 18 04 19 全部見ましたが記載されてないようなので、一応、シークエンス13の最中にアウディトーレ邸に行くとジョバンニや兄、弟、妹、母の一家全員をタカの眼状態で見ることができます。一度きりですが。 - sakana 2011-12-05 19 08 21 砂のかけ方がわかりません - nono 2011-08-20 00 11 45 突然、羽ページのマップが表示されなくなりました。設定等をいじった記憶もなく、原因がわかりません。なにか考えられる修復方法があれば教えてください。 - mo 2011-08-12 17 25 41 シーケンスが変わるとたまにあるレオナルドと歩くのでレオナルドを殺せる。それが終わってレオナルドの帰る時を攻撃すると怯えて死なない - ミドル 2011-08-07 21 45 12 槍を持ったまま軽く走り壁の直前でフリーランをすると槍が壁に刺さる。 - ミドル 2011-08-07 21 40 08 服装の部分が明らかに説明不足です - 名無しさん 2011-06-25 17 44 25 モバイル版の表示が禁止されているのはなぜですか? もし問題なければ解除していただきたいのですが。よろしくお願いします。 - 名無しさん 2011-06-19 09 05 01 荒らしが結構いるようですが多分単一IPなのでISPに通報したほうがいいのでは? - 名無しさん 2011-05-26 23 01 40
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SEQUENCE 6 『ド・ヴァロワ男爵』 - 150x年xx月・ローマ ◆Memory-1 「門番」 フランス兵の突入を防ぐ為、兵舎に通じる3つの門を閉ざす兵舎に通じる門を閉ざす 残りのフランス兵を片づける バルトロメオについていく フル・シンクロ条件 - ノーダメージ ◆Memory-2 「フレンチキス」 敵の将軍をだますためにローマの遺跡にいるフランス兵を20人倒し、バルトロメオの部下達が彼らの鎧を奪えるようにするローマ遺跡でフランス兵を20人倒す フル・シンクロ条件 - 見つからないこと ◆Memory-3 「トロイの木馬」 変装した状態で、夜明け前までにフランス軍の砦に行く。途中、敵兵に気付かれた際は始末するバルトロメオと傭兵達についていく 男爵の部下達を撃退する バルトロメオと傭兵達についていく 傭兵が気づかれる前に検問所の兵を倒す バルトロメオと傭兵達についていく 傭兵が気づかれる前に検問所の兵を倒す バルトロメオと傭兵達についていく 傭兵が気づかれる前に検問所の兵を倒す バルトロメオと傭兵達についていく 男爵の部下達を撃退する フル・シンクロ条件 - ノーダメージ ◆Memory-4 「オ・ルヴォワール」 ヴァロワ男爵に追いつき、暗殺する屋上を伝って城砦を横切る 番兵を4人倒して門を開ける 門を開ける 姿を見られず男爵を倒す フル・シンクロ条件 - 5分以内にミッションを完了する 実績 / トロフィー「ローマのパリジャン」取得 シークエンス6・補足 >>>シークエンス7へ Sequence 6開始直後開始年月不明推定1503年(ド・ヴァロワ男爵の没年が1503年) 新コントラクトがアンロック 鍛冶屋で新しいアイテムがアンロック 美術商で新しいアイテムがアンロック 盗賊ミッションが追加盗賊ギルドで狐と話す 娼婦ミッションが追加薔薇の館でマリアと話す アニムスから出てイベント Memory-1 「門番」周りの敵を倒して門を閉めたくても次から次へと敵が湧いて来るし、閉め終わった直後に切られてフル・シンクロ出来なくなるなど門を閉めるタイミングが難しいので、門の前で煙幕を投げてその間に門を閉め、効果が切れる前に次の門へ移動し、また門の前で煙幕を投げるの繰り返しの動作をすると楽 閉めきった後は建物の屋上に行くとすぐに次に進む Memory-2 「フレンチキス」遠くから、なるべく沢山のフランス兵を画面内に表示させ、矢の嵐で倒しまくるのが簡単 弟子が育っているなら敵は大体固まっているので砦内の敵を一人ロックできるところまで近づき呼ぶのも有効 砦外を巡回する兵は投げナイフで同時に処理 Memory 3~4は連続ミッション Memory-3 「トロイの木馬」男爵の部下達は矢の嵐で瞬殺可能 最初の部下と最後の戦闘以外は戦闘状態にならないため暗殺やクロスボウで対処 最後の戦闘はすぐに攻撃されてしまうためムービー終了後即矢の嵐を発動する Memory-4 「オ・ルヴォワール」終了後ド・ヴァロワ男爵の肖像画を入手 シンクロ率 100%アサシン呼び放題、アンロック >>>シークエンス7へ
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医者 その場でライフを回復してくれる。薬やブレードポイズン用の毒もここで買う。 回復 50f 薬 75f 毒 150f
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『 』&アサシン◆c92qFeyVpE 都市伝説ってご存知ですか? そう、都市伝説です、俗にフォークロアとかいう言葉で語られる、あれです。 ほとんどが眉唾なものだらけですが、実在してなくもなさそうな身近なお話。 これからお話し致しますのは、そんな都市伝説に巻き込まれた兄妹と。 『都市伝説そのもの』な可愛い女の子のお話です。 おや、興味がありそうな顔をしてますね。 いつもより入りが巻き進行だったので不安があったりもしたのですが。 ああ、ひょっとして可愛い女の子って辺りに反応しましたかね? 男の子ってそういうものですよね。 っとと、分かりました話を始めましょう。 社会不適合な引きこもりの兄妹による、聖杯戦争のお話を――― ◇ とある民家の一室。 そこに一組の男女がいた。 光のない目で周りを見渡しながら、男の方が口を開く。 「なあ、妹よ」 「……ん」 「『人生』なんて、無理ゲーだ、マゾゲーだと、何度となく思ったが」 「……うん……」 兄妹は、声をハモらせて言う。 「「ついに『バグった』……もう、なにこれ、超クソゲェ……」」 ◇ こんな噂をきいたことがありますか? あまりにゲームが上手すぎる者のもとには、ある日、メールが届くという。 本文には、短い文と、URLが貼られているだけ。 そのURLをクリックすると―――この世界から消えるという。 そして、異世界へと誘われるという、そんな『都市伝説』。 ◇ ―――君ら兄妹は、生まれる世界を間違えたと感じたことはないかい?――― 兄妹―――巷で『都市伝説』となっている『 』へと届いたのはそんなメールであった。 二人は奇妙なメールに首を捻りつつ、出来うる限りのセキュリティソフトを回しながら貼られていたURLをクリックし、 この電脳世界へと飛ばされた。 「あー、やっぱり究極のセキュリティはそもそも触れないことだな……ノー○ン先生もお手上げだ」 「それで、にぃ、どうする……?」 「そーだな……俺らは明らかにイレギュラーっぽいし」 言いながら空は自分の左手を見る。 その甲に刻まれた令呪は『2画』、通常刻まれる画数より一つ欠けている。 残る1画がどこにあるかと言えば―――すぐ隣、白の右手。 通常一人のマスターに渡される令呪が二人に分けて渡されているのだ。 「記憶を取り戻したのも同時だし、俺らはニコイチってことか」 「……好都合?」 「ま、確かにな。あのはた迷惑なメールの送り主も、そこら辺は理解してくれてるらしい」 『 』は一人では『 』足り得ない。 この兄妹は互いが側にいなければマトモに日常生活すら過ごすことができず、 二人で一人という扱いは望むべきところ、というかそうでなくては困る。 「あー……それで、と」 「はい、私が貴方達のサーヴァントです」 空の言葉を先読みし、声を発したのはその部屋にいる三人目の存在。 「クラスはアサシン、名前は一之江 瑞江、普段は一之江とでも呼んでください」 「……? クラス名、じゃなくて……?」 「ええ、それも偽名ですから。真名はステータスを参照下さい」 「なるほどね、それならクラス名で呼ぶよりも能力は推測されにくい、と」 一之江の言葉に満足そうに頷く。 「よし、それでは一之江、これより俺たちの行動を伝える!」 「どうぞ」 「うむ! これより俺たちは―――この部屋に引きこもる! 以上だ!」 「………えっ」 高々と宣言された言葉に、戸惑った表情を返す。 引きこもる、それ自体は決してあり得ない選択肢ではないだろう。 だが、それは一之江にとって望ましい選択肢ではない。 「あの、私のステータスは見ているんですよね? だったら」 「……都市伝説、知られれば知られるほど、能力が上がる……」 「却下だ、アサシンなんてクラスの奴が、周りに存在ひけらかしてどーすんだ? リスクに対してリターンが少なすぎるだろうが」 進言をあっさりと否定され、小さく唸る。 正論ではあるが、隠れ潜むというのは『ロア』である彼女の存在の仕方と真逆の方向だ。 『ロア』とはフォークロア、つまりは人々の噂、都市伝説そのものだ。 人々に自分の噂が広まれば広まるほど『ロア』としての力は強くなり、 誰からも忘れ去られてしまえば、その存在を保つことさえできなくなる。 故に『ロア』は誰もが自らの存在を広めようとする、それが聖杯戦争のセオリーとは違うといえ、補えるだけのスキルもある。 「まあ、最低限は噂を広める。他のマスターにまで知られない程度に、慎重にな」 「……ということは、口伝ですか」 自分の存在が消えかけるような事は無さそうだ、と一之江が安心したのも束の間。 「口伝」の一言を聞いた瞬間に空と白は二人揃って頭を抱えて震えだす。 「口伝……他人と、話す……」 「うおおおお! しかもそのためには外に、出る!? 嫌だ、陽の光を浴びると俺は灰になる……!」 「……」 ここに来て、一之江は悟る。 あ、このマスターハズレだ。 と。 【クラス】アサシン 【真名】月隠のメリーズドール 【出典】101番目の百物語 【性別】女性 【属性】中立・中庸 【パラメーター】 筋力:D 耐久:C 敏捷:B 魔力:D 幸運:C 宝具:A 【クラススキル】 気配遮断:B 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 彼女は常に『主人公』の背中にいたが、それに気づく者はいなかった。 【保有スキル】 都市伝説:A 噂で成り立つ都市伝説そのもの。 その地において『メリーズドールの都市伝説』を知る者が多い程にステータスが向上していく。 彼女は人々の噂によって、人間から都市伝説へと変貌した。 戦闘続行:C 戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 【宝具】 『想起跳躍(リンガーベル)』 ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:― 最大捕捉:1人 自分の声を聞いた相手の元に瞬間移動する。 「もしもし、私よ 今、貴方の後ろにいるの」 『見返殺害(メリーズピリオド)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:― 振り向いて彼女を見た相手に死をもたらす。 ―――メリーさんを見た者は皆死んでしまう。 『月隠の呪言人形(月隠のメリーズドール)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:1人 捨てられた人形を配置し、それを見てなんらかの心の動きを見せた者へ発動する。 『ロア』の世界へと相手を閉じ込め、メリーズドールの物語になぞらえて追い詰め、最終的に振り向かせて殺害する。 『ロア』の世界の中では、物語になぞらえない限り首を刎ねられても死ぬことはない。。 魔術師でない『 』には『ロア』の世界を維持するだけの魔力がないため、必然的に令呪を三角とも消費する必要がある。 【weapon】 ナイフ 極普通のナイフである。 【人物背景】 『月隠の呪言人形』(月隠のメリーズドール)の『ハーフロア』。 ロア化しているときは都市伝説の人形と同じように、ボロボロのドレスで金髪になる。 ハーフロアとしての経験を積んだため、身体能力は一般人をはるかに超越しており、戦闘能力は高い。 『百物語の主人公』を殺すためにモンジを襲ったが、モンジの説得に根負けして諦め、彼の『物語』となった。 以降はモンジの戦力となるとともに、戦闘の指導役も担う。彼に最初に取り込まれたせいか、モンジとの精神的なつながりが最も強い。 傍から見ると基本的に清楚で物静かな風だが、直に話せば淡々と冗談や毒舌を口にし、特にモンジにだけは物言いが辛辣。 ミステリアスに見せているのは、そうすることで噂されやすくなり、『ロア』としてより強力になるためという意味もある。 【サーヴァントとしての願い】 『ロア』としての存在を確固たるものに 【基本戦術、方針、運用法】 『想起跳躍(リンガーベル)』によって背後へ周り『見返殺害(メリーズピリオド)』で殺害する、というのが基本戦法。 『見返殺害(メリーズピリオド)』が効かない相手に対してもある程度の肉弾戦は可能、だがその場合は撤退したほうがよいだろう。 最大の問題点はマスターの脆弱さであり、それをいかにカバーするかがポイントとなるだろう。 【マスター】『 』 【出典】ノーゲーム・ノーライフ 【性別】空・男性 白・女性 【令呪の位置】空の左手に2画、白の右手に1画 【マスターとしての願い】 ゲームをするだけで生きていける世界を作るor行きたい! 【weapon】 なし 【能力・技能】 駆け引き・読みあい・揺さぶり合い 空の特技、対人戦における「不確定要素」を見抜く力が、常人の域を越えている。 その卓越した先読みは、未来予知に近いとすら評される。 イカサマ 空の特技、相手にバレないイカサマを仕掛けるのが非常に上手い、また、相手のイカサマを見抜く能力にも長けている。 演算能力 白の特技、あらゆる事象を計算し先読みできる。 空曰く「本物の天才」、1~3歳までの間に知能検査と称したゲームを全て「計測不能」にした過去を持つ。 【人物背景】 『 』 「『 』に敗北はない」と「ゲームは始める前に終わっている」が信条であり、あらゆるゲームで不敗を誇り、ツールアシスト、チートを使っても勝てないとされる都市伝説にまでなったゲーマー。 その正体は空と白の二人組の義兄妹。 一人ではコミュニケーションを取ることもできないコミュ障なので、いつもお互いが認識できる範囲にいる。 互いが認識できなくなると極度に怯え、まともに動くことも会話することも不可能となる程に強い共依存症。 280を超えるゲームで頂点に立ったが、『リアル人生ゲーム』と『リアル恋愛ゲーム』の2つだけはルールも理解できずまともにプレイしたことがない。 またドラッグオンド○グーンには深甚なトラウマを持っている。 空 18歳。無職・童貞・非モテ・コミュニケーション障害・ゲーム廃人・白の義兄(再婚の父親の連れ子)。 18年間童貞を続けているだけあって、恋愛に関しては非常に鈍感。 白に出会う以前は他人の顔色を伺い(誰に対してもまったく同じ笑顔を向ける)ながら生きていたため、10歳にして前述の才能を駆使し、『天才』の白と互角の戦いを演じた。 人類は自分を含めて無能だと思っているが、その中に存在する“天才(ホンモノ)”の可能性は信じている。 白と離れることができないので全年齢と18禁の境目を模索している。 白 11歳。不登校・友達なし・いじめられっ子・対人恐怖症・ゲーム廃人・空の義妹(再婚の母親の連れ子)。 兄とは違い天才少女だったため、周りに理解されず孤立する。 チェスなどの二人零和有限確定完全情報ゲームやFPSを得意とし、チェスではグランドマスターを完封したコンピュータープログラムに20連勝した。 ゲームにおいては数学を主体とした計算式による演算を行い、先読みを行う。 そのため、自由意志が介入しないゲームにおいて、(チート、ツールアシストを用いても)白に勝てるものは存在しない。 1歳にして言葉を発し、その言葉を聞いた母親を恐怖させる。 そんな彼と初めて行ったゲームで人生初めての引き分けをし、生まれて初めてゲームの楽しさを感じる。 また、空に兄以上の感情を抱いているが、空本人は気付いていない。 【方針】 メリーズドールの都市伝説を広めつつも、基本は引きこもる。
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雨宮桂馬&アサシン◆CKro7V0jEc 雨宮桂馬は、オタク刑事である。 警視庁渋谷中央署生活安全課少年係。 これが桂馬の正式な肩書だ。 本人は、「オタク」ではなく、「ゲーマー」なので、「ゲーマー刑事」という呼び名が欲しいと主張している。 しかし、渋谷には彼をそんな風に呼ぶ人間はいない。 下手をすると、本名の「あめみやけいま」を、「あまみやけいま」と呼ぶ事さえもある。 それが故意なのか、それとも本当に間違えての事なのかはわからない。 性格は至って温厚だが、少し抜けていて刑事としての迫力には欠ける。 だが、それでいて、彼には人を見る目があって、刑事としての強いカンと粘り強さと刑事の魂も持ち合わせている。 だからこそ、今日子供でさえも信じないような噂にも、彼は強い嗅覚でその噂の危険性をかぎつけ、目を向けていた。 それは数週間前、いつものように、パソコン通信をしていた彼が、自然と耳に入れる事になった噂だ。 今では、パソコン通信だけではなく、桂馬と関わりのある渋谷の少年少女たちの間にもその噂が広がっていた。 噂の目が出てから渋谷中に花を咲かせるまで、数週間程度だというのだから恐ろしい。 ≪紅い満月が、願いを叶えてくれる≫ ≪紅い満月はどんな願いでも叶えてくれる。死者の蘇生も、人生をやり直す事も可能である≫ ≪紅い満月を見た者は、そのまま月に運ばれるが、運が良ければ願いを叶えてこの世界に帰ってくる事ができる≫ ≪ブラッドムーンと呼ばれる皆既月食とは別物である。見た人にはそれがわかる≫ それが、今回桂馬が目にした噂だった。 口裂け女、首なしライダーときて、「紅い満月」。 街のオカルトチックな噂の中では、それだけは唯一恐怖とは無縁なロマンチックな話だった。 口裂け女や首なしライダーというよりは、七夕とか流れ星に似ている。 普通と違うのは、「紅い満月を見た」という人間がいない事だ。 目撃者が月に連れていかれてしまうルールだから仕方がないかもしれない。 「運が良ければ戻って来られる」というのが、この噂が流れた理由の予防線となっているのも特徴だ。月に連れられて帰って来られなくなってしまえば、噂が出てくる事もない。 しかし、人に流行らせる技巧としては少し弱い。 先述の口裂け女や首なしライダーのような噂には、必ず「目撃者」がいたのである。だから噂は現実味を保った身近な恐怖として爆発的に広がった。そういうメカニズムがある。 この「紅い満月」は、ファンタジーの世界にしか存在しない。これまで誰が目撃したわけでもなく、誰がその恩恵を被ったわけでもない。自作自演でも、発信者は「自分が見た」と言うべきではないだろうか。 だから、桂馬も初めてパソコン通信で見かけた時には、この噂が浸透する事はないと思っていたし、密かに怖がりだった桂馬も全くその噂を恐れる事はなかった。 (しかし、どうにも気になる……) 彼も最初に見た時には、そう思っていた。 結論から言えば、一笑して忘れる事ができなかったのだ。 刑事としての勘が、この噂の不穏さに過敏に反応していた。 気づけば、噂について、パソコンサイトを通じて調べている。 コーヒー牛乳片手に、ここ数日の行方不明事件を洗い、ネット通信仲間にその噂について詳しく知らないか聞いてみる。 それが約一時間。 行方不明になった人間の何パーセントかが、実は紅い満月とやらに連れられているのかも……と考えたところで、やはり馬鹿らしくなってしまった。 (まあ、月に爆弾が仕掛けられているわけでもないでせう) 渋谷でとある爆弾事件を解決して以来、彼はどうやら、「爆弾事件」に縁がある。 本来は少年課の刑事であるはずが、何故だか爆弾に関わる事件に巻き込まれてしまうのだ。 忘れるつもりで、パソコン通信を閉じてから、今日までの数週間。 結局、桂馬はその噂を忘れなかった。 いや、これだけ渋谷中で流行してしまったばかりに、忘れようにも次々と耳に入ってきてしまうのだ。 初めて見た翌日には、もう先輩刑事の麻生しおりがその噂を口にし始めていた。 一週間後には遂に、若者の噂など知るはずもない頑固親父のゴロイチまでその噂をするようになってしまった。 やがて、町中がその噂の奇怪さに怯えている事に気づいた。 (……もしかして、本当に?) 桂馬もそう思い始めていた。 そういう悪寒が、何故か桂馬だけは強く感じていた。 そして、ある日、紅い満月を実際に見かける事によって、オタク刑事は真実を知る事になった……。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ────そして、紅い満月を見た桂馬が辿り着いた先は───── ……また、渋谷の街だった。 厳密には、電脳空間に模造された月の裏の≪街≫なのだが、今の彼がそんな事を知る由もない。 「……すると、アサシンさんも渋谷には来た事があるのでせうか」 雨宮桂馬は、自らが呼び出したサーヴァント≪アサシン≫にそう訊く。 紅い満月を見た桂馬が連れて来られた先では、「聖杯戦争」というゲームが始まっていた。 それは、桂馬が大好きなアーケードゲームでもテレビゲームでもなく、リアルゲームである。 サーヴァントと呼ばれるパートナーと共に、魔術を駆使してこのゲームで生き残るのが趣旨らしい。 他のマスター/サーヴァントを襲撃し、他のマスター/サーヴァントの奇襲を回避し、生き残ったペアだけが、この紅い満月から解放され、元の日常に回帰できる。 この電脳空間では、それぞれ役割が与えられ、その記憶を埋め込まれる場合がある。桂馬などは、もろにその影響を受けているようで、元の日常についてはぼんやりとしか覚えていなかった。 噂に聞いていた、「運が良ければ元の世界に帰れる」とはこの事だったのである。 そして、≪アサシン≫はサーヴァントの種別の一つだ。 どうも、暗殺者(アサシン)はあまり桂馬が好むタイプの英霊ではない。 警察だった──この世界では彼は「警察をやめて私立探偵になった男」である──彼にとって、証拠を残さずに「暗殺」する手の人間は厄介だ。 やはり、事件は証拠を残して起こしてくれた方が警察としては楽である。 まあ、事件なんて起こさないのが一番なのだが。 そんなアサシンの真名はカナンといった。「約束の地」を意味する言葉であるのはどこの世界でも一緒だろう。 桂馬よりも若い容姿だ。褐色、色の抜けた綺麗な銀髪、整った容姿の外国人である。 日本語は達者。服装はこの世に召喚された時点でも十分に当世風。桂馬も、その肌の色と横顔に少しぽーっとなった。 到底、暗殺なんていう物騒な言葉とは無縁であるかのように思えるが、感情を殺したようなその瞳は、確かに常人とは違った。 「ああ。私の友達が住んでいる」 「いづれ、僕もその友達には会ってみたいですね」 桂馬の意に反して、やる気の籠らない空の返事が出た。 それも、やはりカナンの容貌に見惚れているからであろう。 褐色肌、というのもなかなかよろしいカテゴリである。 「で、そのお友達の名前と年齢は?」 しかし、その友達とやらも同じ渋谷の街に住んでいるなら、どこかですれ違っているかもしれない。 ……若者ならば尚更だ。 桂馬の前の職業は若者の相手をするのが仕事の「少年課」刑事である。 彼女の友人がどの年代かにもよるが、アサシンと同年代ならばおそらくは知り合っていてもおかしくはないだろう。 一応、訊いてみた。 「大沢マリア。20歳くらいだと思う。聞いた事はないか?」 「えっと……渋谷も広いですからね」 桂馬には、心当たりはなかった。20歳となると、もう桂馬にもわからない年代かもしれない。 アサシンも、期待こそしていなかったが残念そうである。 「……そうか」 まさか、桂馬もそれが日本屈指の大手製薬企業・大越製薬の研究所所長の娘であるとは思うまい。 また、渋谷に住んでいるとはいっても、桂馬が召喚された時代ではまだ大沢マリアは10歳の少女である。 この10年後に、ウーア・ウイルスという史上最悪の細菌兵器をめぐる事件が同じ渋谷で起こり、マリアはその渦中で巻き込まれる事も桂馬はまだ知らない。 「そうだ、桂馬。あやとりをした事はあるか?」 友達、という話題から、アサシンが連想したのは「あやとり」だった。 そのマリアとの思い出があやとりの中にある。 日本人はみんなあやとりができるとマリアに聞いていた。 「ええ。そりゃ、昔……大人になった今はもうほとんどやりませんけど」 「そうか。残念だ……あやとりも楽しいのに」 本格的に項垂れるアサシンの姿に、また少し見惚れる。 麻生しおりの大人のセクシーさにまた匹敵する色っぽさがアサシンにはあった。 無感情なようで、このような可愛い言葉が出てくるのだから堪えがたい。 なんでせう、この胸のドキドキは……。 「なぁ、桂馬」 「な、なんでせう」 「好意とまではいかないようだが、私には桂馬の感情がよくわかる。……その。もう少し、抑えてほしい」 「は、はい……」 ……どうやら、桂馬の感情も「色」として出ているらしい。 大方、日本の色彩感覚で言うならばピンク色にでもなっていたのだろうか。 思わず、恥ずかしがって、桂馬は帽子を深く被って目を隠した。穴があったら入りたい気分である。 桂馬はすぐさま話題を変える事にした。 「……と、ところで、アサシンさん」 「何?」 なんでもないような顔をしてアサシンはそう訊く。 しかし、桂馬にとってはなんでもない話ではない。 だって、今いるのは…… 「どうして、僕たち────こんな、高い所にいるのでせう」 ……そう、ここは渋谷と言っても、センター街の巨大ビルの屋上だ。 しかも、その中でも最高所、足場の悪い貯水タンクの真上に立っている。 例によって、夜風が強く吹いており、コーヒー牛乳を持つ手はぴくぴく震え、左手で帽子を強く抑えている。 トレンチコートが、はためくというより、もはやほとんど風に持って行かれるような形で桂馬の右側に重量を集めていた。 ここは、他のサーヴァント、マスターの気配を読む為に、アサシンが選んだ最適所だ。 周囲数十キロを「見て」、「聞いて」、「触れて」、「嗅いで」、「味を確かめる」事が出来る場所。 ゆえに、アサシンはここを選び、周囲を見ている。 桂馬は、もしかすると……「自分は吊り橋効果なる物に惑わされて、アサシンの横顔に色気づいたのではないか」、と気づきつつあった。 【クラス】 アサシン 【真名】 カナン@428~封鎖された渋谷で~/CANAAN 【属性】 混沌・中庸 【ステータス】 筋力D 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具B 【クラス別スキル】 気配遮断:B サーヴァントとしての気配を絶つ。隠密行動に適している。 マスターや他のサーヴァントは気配を察知することで彼我の位置を探っているので、 その基本戦術を無意味にしてしまう、この技能の重要性は高いと思われる。 【固有スキル】 共感覚:A+ 独立している五感が同時に機能している特異体質。 文字に色がついていたり、音が形として見えたり、人間の感情を察知したりといった事が可能。 その為、気配察知や千里眼のスキルも同時に併せ持つ。 戦闘続行:B 瀕死の傷でも撤退を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り逃げ延びる。 心眼(真):C 幼少期からの実戦経験によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 【宝具】 『鉄の闘争代行人(テツノトウソウダイコウニン)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1~99人 ウーアウイルスによって人為的に齎されたアサシンの驚異的な身体能力や共感覚。 共感覚をフル稼働させる事により、戦闘区域や敵の位置を完全把握する事が出来、それにより、全く土地勘のない場所でも地形を生かした戦闘が可能。 また、アサシンの身体能力や戦場における知性そのものが異常に高く、その場にある武器の最適な使い方を理解し、見事に駆使する事ができる。 『希望の地(カナン)』 ランク:B 種別:結界宝具 レンジ:∞ 最大捕捉:1~5人 大事な人間を守る為の固有結界。 結界内では、アサシンとそのマスターに殺意を持つ者は全て、自分のスキルと宝具を活用する事ができなくなる。また、ステータスにも何らかの影響が及ぶ事がある。 唯一、殺気を遮断する事ができる相手には弱い諸刃の剣。 【Weapon】 ベレッタPx4ストーム 毛糸のあやとり 【人物背景】 鉄の闘争代行人と呼ばれるフリーランスの傭兵。 かつてウーア・ウィルスで全滅した中東の村の生き残りであり、抗ウィルス剤なしで症状を耐えきった初めての人物。その結果、元々持っていた『共感覚』が大幅に強化され、五感を全て同時に使用する事ができる。 NGOの夏目に依頼され宿敵、アルファルド・アル・シュヤが率いる組織「蛇」との戦いに臨む。 以前、中東で出会った大沢マリアという女性に深い友情を感じている。 【サーヴァントとしての願い】 大沢マリアのいる世界へと帰る。 【方針】 不明。 今は周囲にサーヴァントや魔術師がいないか確認中。 【マスター】 雨宮桂馬@街~運命の交差点~ 【マスターとしての願い】 不明。 【weapon】 コーヒー牛乳 【能力・技能】 アーケードゲーム、テレビゲームが得意。 警察としての最低限の能力。 【人物背景】 警視庁渋谷中央署生活安全課少年係のオタク刑事。ただし本人はゲーマー刑事と主張する。25歳。帽子とメガネとトレンチコートが特徴。 渋谷を巡回中に「シャチテの悪魔」からの時限爆破予告を発見し、「シャチテの悪魔」との渋谷を賭けた暗号ゲームに挑む。 桂馬の尽力によって、一度渋谷は爆弾の魔の手から救われた。 ゲーム、パソコン、コーヒー牛乳を好み、「けふ(今日)」、「~でせう」、「ヤバ吉」など独特の言葉を使う。 本来は、カナンの初出である「428~封鎖された渋谷で~」にも登場予定だったがボツになった(警察をやめて私立探偵になったというのはその場合の設定である)。 【方針】 とりあえず高いところから降りる。