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一人の少女がいた。 彼女は誰からも愛される、聖女のような女だった。 10万3000冊の魔道書を記憶した禁書目録――――魔道図書館。 完全記憶能力を持ち、無数の魔道書を記録させられた彼女は、1年の周期で記憶を消去されなければ、生きてはいけない状態という。 それが納得できなかった、あの笑顔が、あの仕草が、二度と自分に向けられないなどと――あるいは、他の誰かに向けられるなどと。 そう考えたのが自分だけではなかったということを知らされて、できることはもう何もなくなって。 諦めらきれるものではなかった。失いたくなどなかった。それでも、そうしなければ彼女が死ぬと言われれば否応はない。 受け入れるしかないのかと、そう思っていた彼は―――― 「………うま……とう………とうま! 起きてよとうま!」 学生寮の一室で、ありえない声を聞いて、ツンツン頭の少年は目を覚ました。 修道服を着た、銀髪の少女が、少年を起こそうとしていた。 「もう、とうまったら、早くしないと寝坊するんだよ?」 「は……? インデックス……!?」 飛び起きる。その声が、まだ自分に向けられているとうことが信じられなくて。 そのまま彼女の両肩を掴み、緑色の瞳を覗き込みながら、 「お前、俺のことを覚えてるのか? じゃあステイルは!? 神裂!? あの魔術師二人はどうしたんだ!?」 「……ちょっと、とうま。まだ寝ぼけてるのかな? ――――魔術なんて、なにをわけのわからないことを言ってるのかな」 「……は?」 言われて、記憶を振り返る。 目の前の少女――インデックスは、イギリスからの留学生で修道女見習いだ。 自分の通う高校に転校してきた、現在のルームメイトでもある。 ……魔術師なんてものが介在する余地は欠片もない。 そもそも魔術なんてマンガやアニメの中でしか見たことがない、空想上の存在だ。 超能力と同じく――――? (なんだ、これ……おかしいぞ。何かがおかしい。 どうして俺は、そんな当たり前のことが納得できないんだ……?) そう、おかしい。この文句のつけようのない現状に違和感を覚えた自分がおかしい。 そうでなければ彼女はどうしてここにいるのだ。 と、そう考えた彼を業を煮やした彼女はぷんすかと怒りながら急き立てた。 「とうま、そろそろいかないと遅刻するんだよ!」 「あ、ああ……そうだな。着替えるから先出ててくれ」 「わかった」 ベッドから降りて、外に出る彼女を見送り、上条当麻は―――― 「……出てきてくれよ、サーヴァント。 これは聖杯戦争とかいう願いを叶える競争で、お前が俺とチームを組む相棒なんだろ?」 そんな言葉を、唐突に口にした。 当然、それに応える者などいるはずもない。常識で考えれば、だが。 「おやおや、これはまた随分と手際のいい。こうも早く記憶を取り戻したか。 先ほどのやり取りを見る限り、あの少女が原因かな? いや素晴らしい。 愛の奇跡、見せてもらった――――と、まあ評しておこうか」 応じて、現れたのは真紅の巨体。まるで機械のごとき前進と、赤髪たなびかせた仮面の男。 サーヴァント――――そう呼ばれたこの男こそが、上条当麻の相棒になるという。 自身に埋め込まれたその情報を、少年は受け入れていた。 「まずは名乗らせてもらおうか。アサシンのサーヴァント、マルス-No.ε。 お前さんの相棒、ということになるらしいな――少年」 その眼光、威圧感は常軌を逸したものがあった。 第一印象は、端的に言って怪物だ。悪の組織の怪人とも言えるか。 とはいえ、少年からすればそれも含めて、現状もっとも重要なのは、 「聖杯――あらゆる願いを叶える願望器って話だけどよ。 具体的にはどうなんだ? どこまでの願いなら叶えられる? 魔術を駆使してなお救われなかった女の子を助けられるのかどうか、まずはそこを教えてくれ」 自己紹介すら省いての質問攻めは、相手によっては不快に感じられたことだろう。 だが巨体のアサシンは、欠片の困惑すら見せずに答えてみせた。 「ずいぶんと焦っているように見えるな、相棒。 まあ、おおよその理由は察せるが。魔術を持ってして救われない少女。 起きてからの会話を見るに、さっきの修道服のNPCの元となった存在だろう。 ――明確に可能だと断言はできんが、過去に死んだ存在すらサーヴァントとして呼び戻す力はとてつもない。 万能の願望器というのは伊達ではないと、オレは思うがね」 「可能性は……あるわけだな」 そう思いたい、というのが正直なところかもしれない。 あの少女を自分が助けられる可能性がある、と信じたいだけかもしれない。 それでも、自分自身の手で彼女を助けられる可能性があると思えただけで。 全身が歓喜に震えていた。 「ふむ。随分とやる気のようだが、覚悟はあるかね? 他者の願いを踏みにじり、その命を奪ってでも願いを叶える、という覚悟は」 勿論、必ず殺さねばならないということはない。 マスターとサーヴァントの片方を脱落させればいいという話である。 サーヴァントを打倒すればマスターが死ぬ、というわけではないのだし。 サーヴァントはそもそもが死者であるというのだから、願いの為なら納得できる範疇だろう。 だが、 「サーヴァント同士の戦闘は苛烈を極めるだろう。 確実な勝利を、とはオレにも言えん。願いがあるならマスターの殺害も行う必要はある。 そのことに関して、おまえさんはどう思うのか――聞かせてくれよ、我がマスター」 試すように、あるいは値踏みするかのように、アサシンは問いかける。 「俺はあいつを助けたい。失敗したくないんだよ、だったら答えは一つだろ」 できればサーヴァントだけを倒したい、と思う。 他のマスターを殺したくない、という感情は当然のものだ。 それでも、一度目の前でインデックスという聖女を失いかけた男は、堕ちる。 彼女との離別を経験した、いつかどこかで出会うはずだった錬金術師と同じように。 「聖杯を手に入れて、あいつを救う。必要ならなんだってやってやるさ」 少年は、口にした。 アサシン――マルスと名乗る巨漢は、マスターの値踏みを終えた。 「救いたい少女の為に、自分と他者の命すら擲つ行為。 ――――いい物語だ。共感する者は多いだろう。 まんざら否定されるべきことでもないぜ、我がマスターよ。 理由を聞けば、なるほどそれなら仕方がないと、そう思う者もいるだろうよ ならばオレもまた、おまえの願いを叶える為に全力を尽くすとしようか」 少年の決意、覚悟、そしてその底にある迷いを見て取った。 総じて素晴らしい、と称賛するように、その想いを認めたのだ。 「まだ迷いはあるようだが、それもまた当然だろう。 そうも簡単に決められることではないのだからな。 ……安心しろよ、相棒。ああは言ったが、マスター殺しは必須じゃあない。 案外、誰一人殺さずに聖杯を得られるかもしれんぞ」 あくまで万が一の場合の覚悟を確かめたまでだ、と。 そんな、思っていない言葉ばかりを並べ立てて。 アサシンは生粋のシリアルキラーだ。ただ殺したいから殺す、という感情だけで構成された殺人鬼。 だが生前彼はその動機を隠し、なにか事情があるかのようにふるまった。 時には悪徳な借金取りに天誅を下したかのように。 時には見知らぬ他人を相手に旧知の友を仕方なく殺したかのように涙を流し。 時には戦場で、人の命の輝きを守っているかのように。 そうした殺戮の果てに捕縛され、処刑され、今の身体に成り果てた。 その彼からしてみれば、少年の語る動機は、言い訳として、大義名分として申し分ない。 聖女を救わんが為に、ただ殺戮を続ければいい。 「いいマスターに出会えてオレは幸運だよ」 それは確かに、本音だった。 「ではまあ、一応聞いておくとしようか。なあ相棒、お前さんの名前は?」 「あ……わ、悪い! 上条だ、上条当麻。 異能の力なら、原爆級の火炎の塊だろうが、戦略級の超電磁砲だろうが、神様の奇跡だって打ち消せる。 そんな、何の役にも立たない右手を持った、普通の高校生だよ」 大仰な物言いで、令呪の宿った腕と逆の手を見せつけながら。 その力が役立たずだと言い捨てるその姿。 それもまた、らしい振る舞いではあるのだろう。 一般人であったが故か、魔力供給が僅かしか行われていないのもまた、魂喰いの伏線としては悪くはない。 総じて素晴らしい。殺人許可証を得る為の役者として、これ以上のものはないだろう。 「では行こうか、相棒。一人の少女を救う為に戦うその姿。 オレは決して否定しない」 「……ありがとうな、アサシン」 【クラス】アサシン 【真名】マルス-No.ε 【出典作品】シルヴァリオ ヴェンデッタ 【属性】混沌・悪 【能力値】 筋力:B 耐久:B 敏捷:C 魔力:D 幸運:A 宝具:B 【クラススキル】 気配遮断:B-- サーヴァントとしての気配を断つ。完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。 ただしアサシンの殺意の巨大さゆえ、僅かでも攻撃の意思を持てば、その時点で気配遮断は無効となる。 【保有スキル】 狂言回し:B 剛毅、かつ実直。独自の美学を持つ戦闘狂。あるいは使命に殉じる敬虔な使徒。 そうであるかのように見せかける技術、嘘と偽りで獲物を揺さぶる言葉の奇術師。 生前から行い続けてきた動機の偽装を可能とした話術スキル。 殺戮の動機を偽り、他者に信じさせる技能。サーヴァント化により、自身の属性の偽装が可能となった。 同ランク以上の看破系スキルを保有するか、あるいは言動の矛盾を突かなければ看破は不可能。 アサシンの場合、下記のスキルの都合上、全力を出した場合、このスキルは無効となる。 人造惑星:B 魔星。眷星神とも呼ばれる星辰奏者の完全上位種。 その正体は素体となる死体を元にオリハルコンを宿して製造された生きた死体。生前の衝動に強く引きずられる性質を有する。 自身の出力を任意に変化させることが可能であり、筋力、耐久、敏捷、魔力のパラメーターを1ランク上昇、あるいは低下させる。 上昇に応じて魔力消費が激しくなり、生前の衝動を発露させる。 アサシンの場合、ステータスを上昇させると殺人衝動が強くなり、気配遮断、及び狂言回しの効果が無効化する。 擬似的な神性としての側面も有しており、神殺しに類する宝具・スキルの効果を受ける。 【宝具】 「義なく仁なく偽りなく、死虐に殉じる戦神(ディザスター・カーネイジ)」 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 分子間結合分解能力。 物体を跡形もなく消滅させる、漆黒の波動を生み出すアサシンの星辰光。 その正体は、物体の結合力そのものを崩壊させる物質分解能力である。 銃弾から戦車砲まで、無機有機関わらず接触した森羅万象を瞬く間に崩壊させるため、傍目から見ると突然消え失せたと感じるほどの分解速度を持つ。 付属性、維持性に優れた性質を有し、闇色の星辰を長時間体躯に纏わせながらの攻防一体の戦闘法を可能としている。 全身に展開するため、同ランク以上の宝具がなければ打ち破れない。 一方で気体や非物質による攻撃には効果が薄く、風や磁力、魔力などはこの影響から外れている。 【weapon】 【人物背景】 鬼面を纏った怪物。鬼を連想させる姿をしており、アドラー第三帝国に突如出現し大虐殺を行ったという。 その暴力性に反して基本的に冷静、かつ理知的であり、高い教養が伺えるが、一転して享楽的な振る舞いを演じるなど、真意を読み取るのが非常に困難。 その本性は生まれながらのシリアルキラー。思わせぶりな言動はすべて相手を惑わせる為のものである。 そんな事情ならば仕方ない、という物語の理屈を現実に持ち込むことで連続殺人犯でありながら多数のシンパを獲得し、長年の逃亡生活の末に逮捕され、処刑台に送られた。 死後、人造惑星として蘇り、再び殺戮の限りを尽くした。 戦闘狂ぶった言葉を重ねながらも、本質的には質より量。より多くを殺すことを目的とし、目の前の強敵を倒すより、数多くの容易く殺せる相手を優先する。 身体能力の高さに反して戦闘技術は低いものの、口舌により相手を惑わせる手管は極めて高い。 一方で、その虚飾による揺さぶりが通じない相手には非常に弱い。 迷いのない精神強度を持つ英雄こそが天敵であり、戦闘における技量の低さも相まって、対サーヴァント戦は不得手と言える。 その為、自身の嘘が通じない相手を密かに毛嫌いしている 【聖杯にかける願い】 なし。あえて言うなら受肉して再び殺人を繰り返すこと。 【マスター】 上条当麻@とある魔術の禁書目録 【マスターとしての願い】 インデックスの救済 【weapon】 なし 【能力・技能】 ・幻想殺し(イマジンブレイカー) あらゆる魔術・超能力を打ち消す異能の右手。 範囲は右手のみであり、一定時間あたりに処理できる異能の種類・個数・量には限界がある。 あまりにも強大なものは打ち消すのに時間がかかり、継続的に放たれるタイプのものは本体に触れなければ完全には消滅しない。 とてつもない効果範囲を持つ場合、自身への影響を打ち消すに留まる。 また、莫大な力を連続的に放つ異能の場合、打ち消し切れず押し負ける。 また異能の力そのもの、またそこから発生する超自然現象にしか作用せず、二次的な物理現状を打ち消す効果はない。 自身の全身を対象とする異能は右手に接触していなくても打ち消すが、右手を効果範囲に含めていない場合打ち消せない。 一方で、ものによれば影響の出ている部分に触れることで打ち消すことが可能となる。 霊装や魔道書などに触れた場合、そのものを消滅させたりはしないものの、発生させる魔術効果を解除し、物体の魔術的要素を消し去る。 神の加護、祝福の類も消し去る為、上条当麻本人の『幸運』も打ち消している。 その正体は「すべての魔術師の怯えと願いが結実したもの」 魔術によって世界を歪めることの弊害が発生し、元の世界を思い出せなくなってしまうかもしれない。 しかし魔術の影響を受けないものがあれば、それを基準に元の世界を思い出すことが可能となる。 その「世界を元に戻す為の基準点」が幻想殺しの正体である 【人物背景】 学園都市に住む高校1年生。ツンツン頭をした少年。右手に生まれつき幻想殺しを有している。 路地裏の喧嘩程度の経験はあるが、相手が複数いれば逃げるしかない。 比較的低レベルの高校に通っているが、その学校でも成績は悪い。 正義感が強いものの、過去の経験からひねくれたのか自虐的な言動が多い。 インデックスとは初対面でわずかに会話した程度だが、その時点で彼女とのつながりを失いたくないが為に彼女の修道服のフードを返さずにいた。 その後、彼女を追う魔術師達と戦うことになるが、その中で彼らの真実を教えられる。 曰く、インデックスは完全記憶能力を持ち、脳内に魔導書を記録している為に1年で記憶を消さなければ死ぬ、と。 彼女の記憶が失われることを嫌い、科学によって解決できないかと行動したが、期限が数日程度であったこともあり失敗。 魔術師たちの好意により、最後の別れを行うことになった。 が、そこで聖杯戦争に招かれた。 原作ではこの後にインデックスの救済に成功するが、タイミングの関係上失敗したと認識。 失敗していた場合、人の道を外れ、他者を巻き込んででもインデックスを救おうとするような人間になっていたと原作者に語られている。
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首藤涼&アサシン ◆BATn1hMhn2 どこにでもあるような極普通の教室は、どこにでもいるような極普通の生徒たちの声に満ちていた。 昨日見たテレビに出演していた男性アイドルが格好良かっただとか、今週末までに提出しなければならない課題が終わりそうにないだとか。 周りの人間にしてみれば他愛のない、しかし本人たちにとっては何よりも重要な悲喜こもごもが、教室のあちらこちらから聞こえてくる。 この瞬間、確かに彼らは共有していた。口にするのも小っ恥ずかしい――皆が言うところの、青春という時間を。 だが――その中に、周囲の姦しさから切り離され、一人異彩を放つ少女の姿があった。 色素の薄い髪色が見る者の目を引くその少女は、詰将棋の問題が載った雑誌をただ眺めているだけだというのに、他の生徒たちとは一線を画すほどの存在感を持っている。 白髪の間から覗かせる怜悧な瞳の中には知性の光が満ちており、佇まい一つ取っても高貴な出自を連想させる、その少女の名は、首藤涼という。 黙々と詰めまでの手順を模索する涼の耳朶を打ったのは、彼女から少しばかり離れたところで笑い合っていた少女たちの会話だった。 教室に溢れている無数の会話の中から、それが涼の耳に届いたのは何故だったのか―― ともすれば教室の喧騒に紛れて消えてしまいそうな、少しトーンを落とした声は、こう言った。 「……そういえば、『死神』の噂って知ってる?」 ――ん? と、涼は談笑を続けるクラスメイトたちへと顔を向けた。 しかし、涼の視線が自分たちに向けられていることに気づいた途端、級友の少女たちはバツが悪そうに更に声を小さくする。 (……そう怖がらずともよかろうにのう。いくらワシといえども、あからさまにそんな態度を取られると傷つくというに) ふぅ、と小さな息をついたが、涼の中には既に諦めに似た感情もあった。 その諦めは苦笑となって涼の表情に現れる。 クラスメイトといっても、彼女たちと涼の関係は、そう深いものではない。 涼はつい先日、このクラスに転入してきたばかりの身だからだ。 些かばかり浮世離れした涼の物腰が年頃の女子学生たちには奇異なものに見えたのか、未だに親しくなった人物もいない。 ……いや、一人だけ、友人とまではいかないが、友好的な関係を築けている人物がいたことを思い出す。 教室の異分子として周囲から完全に浮いてしまった涼に対して、今でも朝と夕の挨拶だけは欠かさない隣の席の少女がそれだ。 部活動もやっていないようなのに、小柄な身体に似つかわしくない大きなスポーツバッグをいつも肩にかけている姿が印象的だった。 といっても、たとえ友人の一人すら出来なかったとしても涼は大して気にはしなかっただろう。 なんせ、涼がこの学校に転入してきたのは、とある目的を果たすためなのだから。 その目的とは―――― ………………? 「う、ううう――?」 首藤涼は、背中に冷たいものが走るのを感じていた。 思い出せないのだ。自分がどうしてこの学校へとやってきたのか。 こんなところで学生の真似事をしているのは、いったい何のためだったのか。 重く冷たい扉が、その記憶に繋がるはずの道を塞いでしまっている。 直感した。この記憶の欠落を埋め直すためには、固く閉ざされた記憶の扉を開く鍵が必要なのだと。 (鍵は――どこにある――――?) 胸の内の不安が外に溢れ出ようとするのを感じながら、それでもそれをおくびにも出さず、涼は思案する。 そもそも、涼は今の今まで一度も自分の目的と行動について疑問を持つことがなかった。 それについて考えようとすることさえなく、流されるように学生の真似事をして、無為な時間を過ごしてきたわけだ。 今はそのことに気付いた分だけ、鍵に一歩近づいていると言えるだろう。 思い出さなければならない。その一歩のきっかけが、いったい何だったのかを。 必死に思考を巡らす涼の耳に、またも級友の声が聞こえてくる。 話を進めるうちに興が乗ってきたのか、先ほど落としたはずの声量が、再び上がってきていた。 会話の全容までは聞こえない。だが、言葉の端々に登場する不穏なその単語が、涼の中の何かに、触れた。 「それで、その『死神』がね――」 死神――その単語を聞いた瞬間、涼の心臓がどくんと大きく鼓動した。 逸る気持ちを抑えながら、涼は死神の噂をする少女たちのところへと歩を進める。 涼の接近に気付いた少女たちは、あからさまに身を固くした。 「な、何か用ですか……?」 「そう縮こまらずともよい。ワシはただ、今話していた噂とやらを聞きたいだけじゃ」 少女たちは顔を見合わせ、涼に秘密の噂話を聞かせてもいいものか、目配せだけで相談する。 誰それが誰のことを好きだとか、そういう身近な、身内以外には絶対に聞かせたくない話の類でもない。 死神だなんて非常識もいいところの与太話ならば、別に話してしまっても問題ないだろう――そう判断した少女たちは、涼が会話の一員となることを承諾した。 曰く――死神は、実在する。 おとぎ話にあるような、ドクロが大鎌を持ったようなテンプレートな存在ではないという。 だが、年齢も性別も不明なのだ。なぜならソイツは死神だから。見たものに死を運ぶ存在だから。 ここまでならば非常に陳腐な話だ。 古来よりその手の怪談は両の手足指を全て使っても数えきれないほど伝わってきている。 先ほど感じた予感めいたものは気のせいだったのかと涼が落胆しかけたとき――だけど、と、少女は言葉を継いだ。 「その死神は、誰でも殺すっていうわけじゃないの」 「ほう? ならば、その死神はいったいどんな人間を殺すというのかのう?」 「死神が殺すのはね――『人生で、一番美しい瞬間を生きている人』なの」 その言葉を聞いた瞬間。涼の心の奥底に気泡のような何かが生まれ、たちまちのうちにそれはぼこりと浮き上がった。 浮かび上がったそれは――涼の記憶を阻害していた扉を、一瞬の内に壊してしまう。 涼が扉の向こう側へ行くまでもなく、閉じ込められていた記憶は堰を切ったように溢れだしてくる。 「……すまんの、急用を思い出した」 「え、あ……! 首藤さん、もう次の授業始まっちゃうよ」 少女たちの呼びかけも虚しく、首藤涼は振り向くことさえせずに教室を出て行った。 残された少女たちは難しい顔をしながら、 「……私たち、もしかしてなんかマズいこと言っちゃった?」 「うーん、やっぱり首藤さん難しいわー」 「……あれれ、いなくなったの、首藤さんだけじゃないみたいよ」 少女が指差したのは、首藤涼の隣の席。 ロッカー棚を見てみれば、彼女の代名詞といっても過言ではない身の丈に合わない大きなスポーツバッグ――確かメーカーはスポルディングだったか――も、なくなっている。 「うん? もしかして……二人で秘密の逢引きってやつ?」 「確かに首藤さん、すっごい美形だからねぇ……そういうの似合うかも」 きゃー! と、嬌声を上げる少女たち。 当の本人たちがいないのをいいことに、あれやこれやと耽美な空想を口にしてはきゃっきゃとはしゃいでいる。 「そういえばさ、首藤さんに大事なところ言い忘れちゃったなぁ」 「なになに?」 「いったい誰が呼び始めたのか、どうしてそうなったのかは知らないんだけど――死神にはね、名前があるの」 その死神の名前はね―― そのとき、少女の声をかき消すように校舎中にチャイムの音が響いた。 殆ど同時に教室に入ってきた教師が、授業開始の号令を指示する。 教室からいなくなった二人の少女のことを気にする者は、誰もいなくなっていた。 ◇ びゅうびゅうと、心地の良い風が吹いていた。 校舎の屋上の柵にもたれかかった首藤涼は、現界した己のサーヴァント――アサシンへと言葉を放つ。 「どうやら、随分とギリギリだったようじゃのう」 もしもあと一日でも記憶を取り戻すのが遅れていれば、首藤涼の記憶は永遠に埋没したまま、NPCとして一生涯を過ごしていただろう。 ここまで遅れを見せてしまったのは、涼が聖杯に祈る願いが他のマスターのそれと比べて希薄だったことも一因であるのかもしれない。 元々、自発的に聖杯を望んだわけではなかった。たまたま手に入れた欠片が、涼のかねてからの願いに反応した、いわば巻き込まれた形での参加だからだ。 だが――その過程がどうであったとしても、マスターとして目覚めた以上は首藤涼と他のマスターの立場には何の違いもない。 「よろしくお願いするよ、マスター」 アサシンはぶかぶかの黒いマントをたなびかせ、筒のような奇妙な帽子をかぶっていた。 これから聖杯戦争という死地へ赴くというのに、男なのか女なのか分からない中性的な声音からは何の気負いも感じられない。 もっとも、気負いが感じられないのはマスターのほうも同じだった。 「随分とのんびりとしているようだけれど、マスターの願いはいったい何なのかな? やる気はあるのかい?」 アサシンは随分と奇妙な表情をしながら、涼へと質問を投げかける。 涼は、ふふと小さく笑って、 「――黒薔薇の花言葉を知っておるか?」 アサシンは沈黙をもって答えとした。 「黒薔薇の花言葉は――『彼に永遠の死を』」 「殺して欲しい人がいるのかい?」 「他力本願は極力しない主義での。殺したい相手がいるなら、誰かの手を借りずとも自分でやるとも。 こう見えて、本職は学生ではなく暗殺者じゃ」 「ひゅう、美少女暗殺者だったのか」 「うむ、美をつけてくれるあたり分かっとるのう」 アサシンの見え見えの世辞に気を良くしたのか、涼は破顔した。 だが、その表情はすぐに物憂げなものに変わる。 「ワシが求めているのはな――ワシ自身の死じゃ」 涼はそこで言葉を切ると、一拍置いてから改めてアサシンへ質問を投げかけた。 「ワシは、幾つに見える?」 アサシンは肩をすくめると、 「そうだね。十代後半……少なくとも、成人はしていない。そういう風に、君は見える。見える範囲ではね」 「その口振りでは凡その事は分かっておるようじゃの。主従の契りを結んだからか、それがおぬしの能力なのか…… 何はともあれ、そこまで分かってくれているなら話は早い」 首藤涼の身体は、ハイランダー症候群という病に侵されている。 その症状は、不老と長命。年端もいかぬ少女に見える涼は、その実のところ、外見の幾倍もの年月を生きている。 永い年月は、涼に多くの別れをもたらした。誰も彼もが涼を置いて、先にいってしまった。 「もう、十分に生きた。嬉しきことはそうも増えず、悲しきことを忘れるのは難しい。 そろそろワシも、人並みの死というやつが恋しくなってきての」 ふうん……と、アサシンは納得したように頷く。 「しかし――聖杯というのは、思っていたよりも融通の効かんやつのようじゃの。 一見都合の良い組み合わせのようじゃが、決定的なところでズレておる。 のう……『人生で一番美しい瞬間に殺してくれる』という『死神』よ」 死を望む主と、死をもたらす従者。 だが――二者が噛み合うことは、ないのだ。 主が望むのは、自然の摂理のままに老い、朽ちていく死。 従者がもたらすのは、美しい瞬間を、美しいまま切り取る死。 「とはいえこの歪さも趣きというものか。こちらこそ、よろしく頼むアサシンよ」 いや――確か、このサーヴァントの名は。首藤涼に与えられていた仮初めの記憶の中で、隣席に座っていた少女の名は。 「宮下藤花、でよかったか?」 「いいや、それはぼくを指す名前としては相応しくない。ぼくは自動的に浮かび上がってきた存在であって、宮下藤花ではないからね。 ぼくのことは――」 ◇ その死神の名前はね―― ◇ 「ブギーポップ(不気味な泡)と呼んでくれ」 ◇ ――宮下藤花が意識を取り戻したとき、彼女は自分がどうしてこんなシチュエーションに陥っているのか全く理解が及ばなかった。 ここはどうやら屋上らしい。愛用しているスポルディングのバッグを何故か持って、屋上に立っている。 ここまではまだ理解の範疇だ。だが、目の前には―― 「首藤さん?」 つい先日やってきたばかりの、転校生がいた。 藤花が目をぱちくりさせて驚いているのがそんなに面白いのか、腹を抱えて笑っている。 「も、もう! そんなに笑わなくたって――」 (……あ、あれ。そういえば……首藤さんがこんなに笑ってるの……初めて見る気がする) 首藤涼には、どこか近寄りがたい雰囲気を感じていた。 だけど、こうやって笑っている彼女は、とても親しみやすい存在のように感じられる。 「あの……首藤さん、どうして私たち、こんなところにいるんですか?」 まだ笑い続ける涼は、目尻に浮かんできた涙を拭いながら藤花の質問に答える。 「ああ、ワシが呼んだからじゃの。ちょいと、頼みがあってな」 「えっ、私にですか?」 自慢ではないが、宮下藤花には自分はあまり出来のいい人間ではないという自負があった。 勉強も運動も人並み程度で、取り立てて特筆すべき特技や技能があるわけでもない。 そんな自分が、見るからに完全無欠の美少女然としている首藤涼に何かを頼まれるだなんてことが、あるのだろうか。 「うむ。用件の半分はもう終わったようなものだがのう」 「え……すいません。なんだか私、ぼーっとしてたみたいで頼みごとっていうのが何だったのか……」 「もう伝わるべきところに伝わったようだから気にせぬともよい。 だが、そうじゃのう。せっかくだから宮下にも一つ、頼みをしておこうか」 いつの間にこんな時間になっていたのだろうか。 太陽は随分と低い位置に動いてしまっていて、その光は茜色に変わっていた。 夕日に照らされながら学校の屋上に佇む首藤涼という絵面は、まるで一枚の絵画のように美しくて―― 「――ワシと、友達になってほしい」 差し出された右手を握り返す以外の選択肢は、そのときの宮下藤花には浮かんでこなかった。 【クラス】 アサシン 【真名】 ブギーポップ(宮下藤花)@ブギーポップシリーズ 【パラメーター】 筋力C 耐久D 敏捷B 魔力B 幸運C 宝具B 【属性】 混沌・善 【保有スキル】 気配遮断:A アサシンではなく宮下藤花として行動することで、サーヴァントとしての気配を完全に隠蔽することが出来る。 しかし宮下藤花はNPCと同等の能力しか持たないため、戦闘に有用なスキルとはならない。 対魔力:C 精神汚染系の魔術に対する強い耐性を持つ。反面、物理的耐性はダメージを僅かに軽減するに留まる。 世界の敵の敵:B 世界の持つ可能性を閉ざす危険を持つ存在、世界の敵であるかどうかを判別する。 能力の強大さと意志の方向性の二つが世界の敵であるかどうかの判定基準であり、後述する宝具の使用条件に関わってくる。 【宝具】 『自動的に浮かび上がる不気味な泡(ニュルンベルクのマイスタージンガー)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:0 最大補足:1 世界の危機に関わる異変を察知したとき、ニュルンベルクのマイスタージンガーを口笛で吹きながら不気味な泡は浮かび上がる。 前述のスキル判定によって世界の敵と見做された存在を相手にするとき、アサシンの全パラメーターは一段階上昇する。 世界の敵を葬ってきた死神としての伝承が宝具となったものである。 【weapon】 『鋼線』 鋼鉄製のワイヤーである。特別な謂れはないが、死神の振るう鎌のごとく多くの世界の敵を屠ってきた。 『スポルディングのバッグ』 スポルディング社製のスポーツバッグ。黒いマントや筒状の帽子といったブギーポップの衣装は、普段この中に入っている。 【人物背景】 宮下藤花はごくごく一般的な女子高生である。素直で明るく、友達にも恵まれ、上級生の彼氏もいる。 だが、世界の危機に関わる異変が起きたとき、宮下藤花の中からブギーポップ――つまり彼女の別人格が浮かび上がる。 ブギーポップとしての彼女は強力な戦闘能力を有し、人間の限界を大きく超えた身体能力を有する存在や戦闘用に改造された合成人間だったとしても圧倒することが可能。 また、女子高生の間でだけ噂されている都市伝説『その人が一番美しいときに、それ以上醜くなる前に殺す死神』の正体でもある。 宮下藤花は自分がブギーポップになっている間の記憶を持っておらず、欠落した部分の記憶は藤花の中では整合性の取れた記憶として改変されている。 そのため、藤花自身は自分がブギーポップであるということを知らない。 【サーヴァントとしての願い】 自動的な存在であるため聖杯に対して能動的な望みを持たない。 強いていえば聖杯という強大な力を得ることによって世界の敵となる可能性を持つ存在を抹消することが願いといえるだろう。 【基本戦術、方針、運用法】 戦闘においては正面からの武力行使よりも相手の心理の弱点をつくことが多い。 世界の敵に対して容赦はしないが、能力、あるいは意志の変化によって世界の敵足り得なくなった場合、命までは取らないこともある。 【マスター】 首藤涼@悪魔のリドル(アニメ) 【参加方法】 詳細は不明。強く願ったわけではなく、半ば巻き込まれる形での参加。 【マスターとしての願い】 普通に年を取って死ぬこと。 【weapon】 特になし。原作において爆弾付き首輪を武器として使ったことがあったが、涼自身に製作技術があるかは不明。 【能力・技能】 不老・長命(ハイランダー症候群に起因するもの) 暗殺者であるが、詳しい手口や能力は(少なくともアニメ放送では)不明。 【人物背景】 白髪が特徴的な少女。達観した性格や特徴的な口調(一人称がワシ、語尾にじゃをつけるなど)が目立ち、精神年齢は相当高い様子。 彼女はハイランダー症候群という不老・長命の病にかかっており、実際はかなりの高齢(少なくとも100歳以上)。 原作では暗殺の報酬として「普通に年を取って死ぬこと」を希望しており、自らの不老・長命を好ましく思っていないようだ。 しかし確実に暗殺を成功させることが出来る場面で敢えてゲームを仕掛けたりと、自らの願いに強い執着はないようである。 (希望を叶える方法が「全世界の高名な医師に研究を進めてもらい治療法を見つける」という不確実な方法だったために本気にならなかったという説もあるが、あくまで考察の一つ。) 過去に一つ年下の大切な男性がいたが、いつまでも年を取らない涼と段々と老いていく男性は最終的に離れてしまうことになる。 別れから数十年経った今でもその男性の誕生日を重要なパスワードとして設定したり、未練は完全に断ち切れていないようだ。 【方針】 強い願いではないため、積極的に優勝を狙うかは不明。
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ファントムアサシンのデータ ファントムアサシンの基本情報 ティアー 1 アライアンス 暗殺者 剣士 ファントムアサシンのステータス レベル ★ ★★ ★★★ ヘルス 825 1,650 3,300 マナ 100 DPS 42 83 167 与ダメージ [40/60] [80/120] [160/240] 攻撃速度 0.83 移動速度 305 攻撃範囲 1 魔法耐性 0 防御力 5 自然回復 0 ファントムアサシンのアビリティ とどめの一撃 ★ パッシブ 物理 ファントムアサシンは敵ユニットに15%の確率で強烈な300%クリティカルストライクを加える。 ★★ パッシブ 物理 ファントムアサシンは敵ユニットに20%の確率で強烈な450%クリティカルストライクを加える。 ★★★ パッシブ 物理 ファントムアサシンは敵ユニットに25%の確率で強烈な600%クリティカルストライクを加える。 彼女はクワーティアスを暗殺した。私のことも狙ってると考えるべきじゃない?―オニア、被害妄想の商人 ★★★効果 ファントムアサシンは、アクティブであれば現在のローグアライアンスレベルのボーナスを得る。 補足 暗殺者アライアンスによる、クリティカルとは重複せず、効果の高い方が優先される。 変更履歴 復帰、神出鬼没から剣士になり、ティアーが3から1に(2020/08/27) ★★のヘルスが2200から1980に(2019/11/22) 名前
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アサシン(亜種聖杯) 【CLASS】アサシン 【真名】セミラミス 【マスター】 【性別】女性 【性格】アッシリア帝国に君臨したとされる、伝説の女王。 幼少の頃より化粧、結髪、装身から舞踏、音楽、天文まで幅広く教養を修め、男を惑わす美貌を持っていた。 一方で贅沢と退廃を好み、情熱的な性格をしている。 この情熱は恋においてひとりの男を手に入れるために戦争を起こし、政治において夫である王を毒殺する容赦のなさに現れる。 だが女王としての手腕は確かで、城壁やイシュタル門の建設、多くの遠征を指導した。 黒髪を地に着くほどに伸ばし、黒を基調としたドレスを身に纏う絶世の美女。 美貌だけでなく教養にも優れ、政治においても優れた手腕を見せる。 その一方で情熱的かつ容赦のない性格をしており、夫の毒殺を始めとして血に塗れた人生を歩んだ女性。 【出典】ブリタニア 【属性】秩序・悪 略歴 真名はアッシリアの女帝セミラミス。 世界最古の毒殺者であり、夫であったニノス王を毒殺し、男を物にするために戦争を起こすなど、数十年に渡って暴政を敷いた。 人物 美貌と英知を兼ね備えた、傲慢かつ好色で、派手好きな女性。 彼女にとって「男性」というものは「玩具」であり、企みに嵌った事で富も権力も何もかもを奪われた人間は数知れない。 また女として振る舞い男を自由にして良いのは自分だけの特権である、という認識であるため、彼女にとって「女性」というものは「自分一人」だけ。 母デルケットが男の誘惑に負けて姦通の末に自分を産み、その挙句に「お前は恥だ」と罵りながら水辺に捨てた事を根にもっており、男に弄ばれるような惰弱な女は神であろうと容赦しない。 能力 毒物と奸計の使い手であり、文字通りの「毒婦」。 極めて希少なスキル『二重召喚(ダブルサモン)』によって、「暗殺者」としての能力と「魔術師」としての能力を併せ持つ。 鳩を使い魔として使役している。 空中庭園からEXランクの魔力を引き出し、全方位に発生させた魔方陣からAランクの対魔力を無理矢理貫通するほどの砲撃を乱れ撃ちし、地上に爆撃を行う。 また空中庭園の強化によって数千体の竜牙兵を生み出すことが可能で、空中庭園の警護として竜牙兵と妖鳥を融合させた「竜翼兵」を大量に有する。 庭園内であれば、毒を帯びた無数の鎖の魔術、竜種と同格と言えるほどの階位にある巨大蛇バシュム等の幻想種の召喚、自由自在な空間転移、さらには相手の令呪の効果すら封じてみせるなど、サーヴァントとして規格外の能力を発揮できる。 基本的に近接戦闘は行わないが、シリアの魚神デルケットの血を引いており、黒い神魚の鱗を装甲として展開する事で防御を行う。 ステータス 筋力D 耐久A 敏捷A 魔力A 幸運A 宝具B クラス別スキル 気配遮断C+ サーヴァントとしての気配を断つ。 隠密行動に適している。 自らが攻撃行動に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 ただし、毒を忍ばせる場合はこの限りではない。 保有スキル 陣地作成EX 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 具体的な材料を集めることで、"神殿"を上回る"空中庭園"を形成することが可能。 道具作成C 魔力を帯びた器具を作成できる。 セミラミスは毒薬に特化しており、それ以外の道具を作成することはできない。 使い魔(鳩)D 鳩を使い魔として使役できる。 契約は必要なく、思念を送るだけで可能。 二重召喚B 二つのクラス別スキルを保有することができる。 極一部のサーヴァントのみが持つ希少特性。セミラミスの場合、アサシンとキャスター、両方のクラス別スキルを獲得して現界している。 神性C シリアの魚神であるデルケットと人間の間の娘。 宝具 虚栄の空中庭園(ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン) ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:10~100 最大捕捉:1000人 由来:セミラミスが生前に作り上げられたと伝えられている空中庭園。 想像を絶する巨大な浮遊要塞。 規則正しく並べられた緑豊かな浮島と、大理石で出来た床や柱で構成されている。 全体にあらゆる種の植物が絡んでおり、混沌の醜さと絢爛の美しさが同一化している。 魔力による顕現は不可能で、彼女が生きていた土地(イラクのバグダット周辺)の木材、石材、鉱物、植物、水といった材料を全て揃え、最低でも三日以上の長時間の儀式を行ってようやく完成する。 このような面倒なプロセスが必要なのは、彼女が実際は空中庭園など建設しておらず、後付けの神秘として自身に刻み付けられたためで、「虚栄」とは事実に反する紛い物である事を意味する。 だが、真実よりも遥かに巨大かつ出鱈目で、浮遊に使われている宝具でありながら持ち主の意思で作り変えることが出来る。 巨大な戦略拠点であるのはもちろんとして、キャスターのクラス別スキル『陣地作成』における『大神殿』に相当する効果があり、どこへ行っても内部は彼女の領域として扱われる。 ステータス全てが強化され、最高クラスの知名度補正を獲得、さらに魔法の領域に踏み込んだ魔術すら使用可能となる。 庭園周囲には十一基の迎撃術式『十と一の黒棺(ティアムトゥム・ウームー)』が設置されている。庭園を囲むように配置された全長20mを超える巨大な漆黒のプレートで、対軍級の光弾による魔術攻撃を行う。その威力は十一基全て合わせればバルムンクと拮抗すると推測されるほど。 移動可能宝具としては速度が遅く(ルーマニアを出国するのに数日かかっている)、隠密性にもやや欠けるが、一般人対策の認識阻害の効果や、最低限の魔力感知妨害は持っているようで、魔術協会の捜索の目を逃れている。 何より、その防衛機構に加え、7500メートルと言うその高度自体が鉄壁の防御機構として働くため、攻略は非常に困難である。 強力な宝具ではあるが、発動するためには小国が買える金額の材料費と七十二時間の詠唱、庭園を隠すための潜伏場所が必要となるため通常の聖杯戦争で使用できることはまずない。 驕慢王の美酒(シクラ・ウシュム) ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:10人 王の間にいる限り、あらゆる毒への耐性を持ち、あらゆる毒を大気中に作り出すことができる。 その毒は極めて侵食率が高く、魔術師であれば使い魔を通して中の様子を覗き見ただけで目が溶けてしまうほど。 徐々に神経が麻痺し、視界を喪失し、最終的には激痛に苛まれて行動不能に陥る。 キャスターとの二重召喚ではなく単なるアサシンとして召喚された場合はこちらの宝具を主軸として聖杯戦争を戦うことになる。 詳細 アッシリア帝国に君臨したとされる伝説の女帝「セミラミス」。 人類最古の毒殺事件の犯人であり、自由の女神のモデル。 幼少の頃より化粧、結髪、装身から舞踏、音楽、天文まで幅広く教養を修め、男を惑わす美貌を持っていた。 一方で贅沢と退廃を好む情熱的な女性。 この情熱は恋においてひとりの男を手に入れるために戦争を起こし、政治において夫である王を毒殺する容赦のなさに現れる。 数十年に渡って暴政を敷いたが女王としての手腕は確かで、城壁やイシュタル門の建設、多くの遠征を指導した。
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血を吐く。 息が止まる。 心臓が止まる。 血流も止まる。 脳に酸素が与えられず、思考が消える。消えてしまう。 (なぜ……どうして……) 死のカウントダウンが既に1秒を切っているが、それでも頭の中を占めるのはその疑問だった。 一体どうしてこうなったのか。 一体どこで間違えてしまったのか。 いいや、間違いなどなかった。自分は完璧だったはずだ。 となると原因は部下の裏切り────双子の天使の口元に浮かぶいやらしい笑みがその証左。 ならば何故、どんな裏切られをされたのか。 分からないまま、死の闇黒へと落ちていく。 その刹那。 魔法の端末を手放した手が何かを触れた。 しかし何に触れたかも分からず、意識は廃寺の闇と同化して消えていった。 ◆ 目が覚めたら木王早苗は魔法少女『ルーラ』の姿のまま、ビルの屋上に立っていた。 何が起きたのか分からない。 ここが天国……なんてくだらない幻想に浸るルーラではない。しかし、自分は確実に脱落したはずだ。 一体何が起きているのか。 もしや敗者復活戦か。 いいや、土地の魔力が足りないから魔法少女を減らすという前提のデスゲームで敗者復活はあり得ない。 そもそも見えている光景はN市とは異なるもの。N市の全容を知っているわけではないが、海や山の光景がまるで違う。 その時、膨大な知識が流れ込んできた。 英霊、聖杯戦争、カード、令呪、脱落、デスゲームなどなど。 普通であれば荒唐無稽でありくだらないと一蹴するだろうが、魔法少女であるルーラにとって荒唐無稽な出来事は日常茶飯事と化していたし、そうでなければ脱落……死んだはずの自分がここにいる理由がつかない。 となれば後すべきことは一つ。英霊の召喚だ。 (これは確か……『おとめ座』だったかしら?) ルーラに応えるようにカードが輝き始め、膨大な魔力が吹き荒れる。 英霊が召喚されるのだ。 魔法少女の変身とは違う。 小型の台風が突如発生したかのような暴風。 肌で感じる高魔力の奔流。 増していく存在の圧力。 間違いなく何かが現れた。はずなのだが。 「何もいないじゃない」 そこに姿はなかった。 誰だこんなシステム作った馬鹿はと悪態をついたその時。 「すまない……実はいるんだ」 声がした。 誰もいないはずの虚空から、申し訳なさそうにひっそりと。 声だけの存在……ではないのだろう。先ほど自分が感じた圧力は間違いなく英霊のもの。 「問おう。君が俺のマスターか?」 サーヴァントの問いかけにルーラは激怒した。 姿を見せないまま主従関係を問う無礼を許すルーラではない。 「初対面の相手に姿を隠して挨拶をするのか」 「それもすまない。この卑しい姿を見せるのは気が引けるのだが見せていいだろうか」 「構わないわ。王の前に跪き、命を賜る。それが臣下と王の礼儀というものでしょう」 「そうか。了解した」 光景が一瞬歪み、そこから指が、籠手が、鎧が現れ、サーヴァントの全容が明らかになった。 凛々しい顔だった。 逞しい体つきだった。 魔法少女のルーラから見ても美丈夫と言っていいだろう。 この男が卑しいというのならば世の男性の9割以上が虫けら以下になるに違いない。 男はその巨体で少女の前に跪き、そして先ほどの問いを再び投げかけた。 「アサシンのサーヴァント『ジークフリート』。あなたが私のマスターか?」 「そうだ、私がお前の主よ」 ジークフリート。ニーベルンゲンの歌に登場するネーデルラントの王子であり竜殺しの英雄だ。 その凛とした覇気は見る者を圧倒する。 しかし、ルーラは物怖じしない。なぜなら自分こそが王であるからだ。臣下に怯える王者など存在しない。 「アサシン。まずお前に一つ命ずるわ」 「何だ」 「自分を貶める表現はやめなさい。お前は私の部下なのよ。部下がみっともなくて上司の面目をどう立てるつもりなの?」 ジークフリートは口元に手をやり、一瞬だけ考えた素振りをすると再びルーラに問いかけた。 「それは『命令』か?」 「『命令』よ」 「了解した」 瞬間、令呪が一画消失する。 無論、令呪を使っての命令をしたつもりはない。 なのに令呪が消費されてしまった。 は? なんで? どうして? ルーラが困惑するとアサシンは言った。 「すまない。実は俺の宝具の関係で『命令(オーダー)一つにつき、令呪一画か相当数の財産を報酬としてもらい受ける』ようになっているんだ」 「なっ────」 絶句。 絶句。 絶句。 そして湧き上がる怒り。 「報連相くらいちゃんとしなさいこの馬鹿ーーーーーー!!」 ルーラの怒号が空に響いた。 ◆ ジークフリートを働かせるには金が要る。 令呪を使用するのは論外だ。聖杯を掴むには令呪の温存が必須条件である。 だがルーラは無職だ。 それどころか棲むべき家すらなく明日の食い扶持すらままならない。 よって取るべきことはただ一つ。 「いらっしゃいませー」 コンビニで日給の夜勤バイトを始めていた。 魔法少女の容姿にルーラの知能であれば履歴書を適当にでっち上げても即採用だった。 さらに昼間は同じく日給の工事整備員のアルバイト。 夕方には新聞配達と即金になる仕事をしつつ聖杯戦争の情報を探る。 幸い、魔法少女にスタミナと寝不足の心配はない。 ルーラは勝つ。絶対に勝つ。 そして証明するのだ。自分は何も間違えてなどいないことを。 【サーヴァント】 【クラス】 アサシン 【真名】 ジークフリート@ニーベルンゲンの歌 【属性】 混沌・善 【パラメーター】 筋力:B+ 耐久:A 敏捷:B 魔力:C 幸運:E 宝具:B 【クラススキル】 気配遮断:C サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 アサシンのクラスにあるまじき低さだが生粋の暗殺者でないため致し方なし。 攻撃時にはランクが大幅に下がり、たちどころに気配を察知されてしまうが、宝具の『侏儒王の外套』を使用中かつマスターの至近距離にいる場合はその限りではない。 単独行動:EX すまない……悪い意味でのEXですまない……。 魔力供給に加えてマスターの傍から離れることができない。 【保有スキル】 黄金律:C- 人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。 ニーベルンゲンの財宝によって金銭面で困ることはないが、宝具の呪いにより金品を巻き上げる傾向がある。 仕切り直し:A 戦線離脱、もしくは状況をリセットする。 バッドステータスが付いていればいくつかを強制的に解除する。 竜殺し:A 竜種を仕留めた者に備わる特殊スキルの一つ。 竜種に対して攻撃力と防御力が大幅に向上する。 【宝具】 『侏儒王の外套』(タルンカッペ) ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 侏儒(小人・ドワーフ)の王アルプリヒから簒奪した魔法の隠れ蓑。所有者に応じてすっぽりと覆うように大きくなる。 これを纏えば透明になれる他、筋力・耐久・敏捷などの身体ステータスが12倍になる。 ガウェインも苦笑するほどの強化っぷりである。 ただし、使うたびに報酬を要求した逸話からマスターの命令のたびに報酬を要求し、令呪一画もしくは相当の財産を消費する。 この制限のせいで金持ちが引けば最強のサーヴァントであるが貧乏人が引けば三流サーヴァントと化すのだ。 『悪竜の血鎧』(アーマー・オブ・ファヴニール) ランク:B+ ⇒ D 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 悪竜の血を浴びて不死身の肉体となった逸話を具現化した宝具。 Dランク相当の物理攻撃及び魔術を無効化する。 Cランク以上の攻撃も、Dランク分の防御数値を差し引いたダメージとして計上される。 本来ならばBランク相当であり、正当な英雄からの攻撃に対してB+相当の防御数値となるはずが、背中の弱点を防護できない呪いを『侏儒王の外套』で打ち消すためランクが大幅に下がっている。 まあ、それでも『侏儒王の外套』を着ていれば無傷なのだが…… 【weapon】 素手(アサシンのクラスであるため幻想大剣は持っていない) 【人物背景】 ニーベルンゲンの歌に登場する英雄ジークフリートのアサシンとしての姿。 侏儒王アルプリヒからタルンカッペを得、ファヴニールを討ち取った後にクリームヒルトに婚約を迫るべくその兄であるブルグント王グンターを手伝ったことに由来する。 グンターがイースラントの処女王ブリュンヒルデと結婚するためには彼女より武芸に優れてはならないため、ジークフリートはタルンカッペを被りグンターがしたように見せてブリュンヒルデよりも優れた武芸を見せた。 名目上、グンターに負けたブリュンヒルデはグンターと結婚する。 しかし、その後もグンターから「ブリュンヒルデを組み敷けないから助けてほしい」という依頼を聞き届けて再びタルンカッペを被り、彼のふりをしてブリュンヒルデを組み敷いた(この時グンターに抱かれたことでブリュンヒルデは力を失ったとされる) ジークフリートはこの時、去り際にブリュンヒルデの腰帯と金の指輪を奪い、クリームヒルトに与えてしまった。 ところが後日、クリームヒルトを通じてブリュンヒルデが秘密を知ってしまい、ジークフリートが言いふらしていると恨んだ彼女は夫グンターとその配下ハーゲンに嘆願してジークフリートを暗殺させた。 タルンカッペもなく、バルムンクも持っていなかったジークフリートは裏切りに為すすべもなく死んでしまったという。 【サーヴァントとしての願い】 無いが芽生えるかもしれない 【マスター】 ルーラ@魔法少女育成計画 【マスターとしての願い】 『あの試験』のやり直し 【weapon】 王笏: 魔法の発動条件の一つ。正確には武器ではない。 【能力・技能】 魔法少女: 人間である『木王早苗』から魔法少女『ルーラ』に変身できる。 身体能力は最低ランクに位置するが、それでも岩石を破壊し、垂直な壁を走って上ることが可能な超人である。 また疲労がなく何日も徹夜が可能。治癒力も優れているため、ルーラの身体能力ならば重傷でないかぎり1日程度で治る。 目の前の相手になんでも命令できるよ: 魔法少女としての能力。目の前の相手に命令を従わせることが可能。 ただし発動には以下の条件すべてを満たしていなければならない。 ・「王笏」を持ったまま命令対象に向けてポーズを取る。 ・命令が実行されている間はポーズを取り続ける。 ・命令文の最初に「ルーラの名の下に命ずる」の句をつけなければならない ・命令対象とは距離五メートル以内を維持し続ける。 【人物背景】 魔法少女育成計画に登場する魔法少女。 N市(名深市)という街の魔法少女であり、完璧主義、効率主義、絶対の自信という支配者気質の持ち主。 暴力でとある魔法少女に敗北してからは次々と新人魔法少女達を捕まえては自分の部下とし、魔法少女達4人を引き連れて一勢力として君臨した。 しかし1週間に1人、マジカルキャンディー(票のようなもの)が少ないものから脱落=死ぬデスゲームが勃発。 部下と自分を守るべく魔法少女を襲いマジカルキャンディーを奪取する。 しかし、部下の裏切りにあってしまい第二の脱落者となった。 【方針】 金を稼ぎつつ聖杯戦争の動向を伺う。
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両手短剣を使用し、 素早い身のこなしで瞬時に敵を倒す。 敵の目を欺いたり毒を持つ攻撃で 慎重で確実な戦闘を得意とする。 (公式サイトより) 多分火力の伸びはデイド中1位な職 だけど、伸びが良いだけで他の職には劣ったり・・・ ダークアサシンの目玉はなんと言ってもポイズンダガーで、 普通にMAXにする価値はある。 あとは、並程度なスキル。 マスタリー系とポイズンダガーを優先がオススメ
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「全然釣れないわね……」 「そのうち釣れるよ! それに誰かと一緒にいられるだけで私は楽しいよ!」 二人の少女が一緒に釣りをしていた。 ひとりは黄色みがかった白髪の少女。 彼女の名前は錦木千束。この聖杯戦争の参加者である。元の世界では『DA』と呼ばれる国を守る組織に所属している。 もうひとりは黒髪の少女。彼女の名前は夏木花。千束が召喚したアサシンのサーヴァントである。 「それで千束は本当に聖杯は求めなくていいの? 聖杯があればあなた心臓も治せるのよ」 「それでも私には聖杯は必要ないかな。それに私は……自分が幸せだと思えるから! 聖杯は必要ない!」 千束が笑顔で聖杯は必要ないと花に伝える。 「千束がそれでいいなら私はもう何も言わない!」 花も笑顔で千束にそう伝える。 「花にこそなにか願いはないの?」 今度は千束が花に願いを聞く。 「私も特にないかな。聖杯にも興味ない」 「そっか……。花! 魚が釣れそうだよ!」 「本当だ! 絶対に釣る!」 釣りを楽しむ二人であった。 【サーヴァント】 【クラス】 アサシン 【真名】 夏木花 【出典】 仮面ライダーリバイス 【性別】 女性 【ステータス】 筋力C 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具B 【属性】 中立・善 【クラス別能力】 気配遮断:B サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に優れてる。 【保有スキル】 カリスマ:B 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において自軍の能力を向上させる。 【宝具】 『アギレラ』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大補足:100人 自分の過去と向き合い、前に進み出した、彼女の想いが宝具になったもの。自らの能力を上げ、敵を倒す。 【人物背景】 『仮面ライダーリバイス』の登場人物。 『仮面ライダーアギレラ』の変身者。 『デッドマンズ』と呼ばれる敵組織に所属していた少女。『デッドマンズ』に所属していた頃は『アギレラ』の名前は名乗っていた。 『五十嵐さくら(仮面ライダージャンヌ)』に救ってもらってからは『アギレラ』の名前を捨て、『夏木花』と名乗っている。 『アギレラ』の時のようなぶりっ子は鳴りを潜め、言いたいことをはっきりというようになった。 それから『仮面ライダーアギレラ』の変身者になり、最後まで戦い抜いた。 戦い終結後は新たな組織『ブルーバード』に所属している。 【サーヴァントとしての願い】 特になし。マスターを最後まで守る。 【方針】 マスターに任せる。 【把握素体】 テレビドラマ『仮面ライダーリバイス&劇場版』 【マスター】 錦木千束 【出典】 リコリス・リコイル 【性別】 女性 【能力・技能】 『銃弾避け』 卓越した洞察力と常人離れした視覚によって 相手の射線と射撃のタイミングを見抜き、放たれた銃弾を回避する。 『デドニクス・コンバットマスター』 彼女が使用する銃。カバンに装備している。 『拘束用銃』 ワイヤーを発射して相手を拘束する。 『非殺傷弾』 彼女が使用するゴム弾。かなりの威力があるが、相手を殺さない銃弾。 【人物背景】 【リコリス・リコイル】の主人公。 『DA』と呼ばれる組織に所属している。 いつも笑顔で、明日より今日を全力で楽しむ少女。『喫茶リコリコ』で看板娘として親しまれており、人助けもたくさんしている。 実は『DA』に所属するリコリスでは歴代最強と呼ばれている。 だが心臓に問題があり、命の危険があったが、『殺しの天才』と見出され、『アラン機関』と呼ばれる組織から人口心臓を移植されている(それでも成人までしか生きられないとされている。) 絶対に人は殺さず、敵でも絶対に殺すことはない。 参戦時期はアニメ第9話で『井ノ上たきな』にデートに誘われる少し前。 【マスターとしての願い】 特になし。聖杯戦争を止める。 【方針】 協力してくれるマスターを探す。 絶対に誰も殺さない。犠牲も絶対に出さない。 【ロール】 とある学園の学生。 【把握素体】 アニメ
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「2022年水着イベント」で実装された配布☆4アサシン。 ワルキューレ〔ランサー〕の水着霊基。 イベント1回あたり入手可能なのは3騎中1騎のみ(+対応する霊衣)となっている。ボイスや絆礼装等に差がある。 メカエリチャン系列と異なり、性能面ではアペンドスキル含めて差がつけられていないので、どれを選んでも使い勝手自体は同じ。 ステータスはATK偏重型。星4殺では牛若丸/アサシン・グレイを抜いてトップのATKを持つ。 カード構成はB1A2Q2+宝具。Hit数はB3/A4/Q3/EX5/宝具10hit。宝具が多段HitするためN/Aは0.41→0.23とかなり下げられており通常攻撃のNP回収はかなり悪い。 属性は秩序・夏・天。特性は既存のものに〔霊衣を持つ者〕〔夏モード〕が追加されている。 スキル 【スキル1】SMG/SAM66 B CT 7-5 自身のQuick&Artsカード性能アップ(3T)&クリティカル威力アップ(3回・3T)。 主力カードを強化しつつ、回数制限はあるが最大100%のクリティカルダメージを叩き込める。 【スキル2】ワルキューレ式集団戦闘 B+ CT 8-6 味方全体の攻撃力アップ(3T)&回避状態を付与(1回・3T) + 味方全体の〔ワルキューレ〕のNP獲得量アップ(3T)。 「カリスマ」系に「治癒の竪琴」のような1回の回避が追加されて使い勝手が良い。 自身を含むワルキューレ・ブリュンヒルデ系にはNP獲得量アップが追加される。 + 〔ワルキューレ〕特性持ち一覧 Class Rare Name 槍 5 ブリュンヒルデ 4 ワルキューレ 殺 4 スルーズ ヒルド オルトリンデ 狂 5 ブリュンヒルデ エネミー ワルキューレ 【スキル3】戦乙女たちの語らい EX CT 8-6 味方単体のNP20%増加&HP回復 + スターを獲得。 NP増加自体は育成で変動しないので、NP目当てであれば育成の必要がない。 使い勝手が良い回復やスター獲得も複合しているので役立つ機会は多い。 宝具「 最終攻撃・天槍光輪 (フュルギア・ワルキューレ)」 敵全体に強力な〔地の力を持つ敵〕特攻攻撃&〔魔性〕特性の相手に対して低確率で即死を行うArts全体宝具。 〔地〕特攻はエネミーに多く存在するので刺さる機会は多い。 Artsで10hitするので、スキル込みで騎3体に32~49%、Wアルトリア・キャスターで90~135%回収可能。 即死はダメージ後なので即死が入ったとしても回収量は変わることはない。 特筆すべき点としてA宝具かつスター発生率バフを持たないながら宝具によってある程度スター獲得を見込める点。 アサシンクラスによるスター発生率補正の高さ、気配遮断、騎の被スター発生率補正、そして宝具の高いヒット数、 ここにオーバーキルによる補正が加われば敵3体の場合、星を平均10~15個、最大で20個ほど獲得出来ることもある。 + 〔地の力を持つ敵〕特性持ち一覧 Class Rare Name 剣 5 アルトリア・ペンドラゴン モードレッド アーサー・ペンドラゴン〔プロトタイプ〕 シグルド 紅閻魔 アストルフォ メドゥーサ 4 アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕 ジークフリート ランスロット ガウェイン エリザベート・バートリー〔ブレイブ〕 フランケンシュタイン 女王メイヴ ディルムッド・オディナ 巴御前 妖精騎士ガウェイン ローラン ガレス セタンタ 3 フェルグス・マック・ロイ 1 イアソン 弓 5 アルトリア・ペンドラゴン 超人オリオン 4 アタランテ トリスタン アーチャー・インフェルノ 刑部姫 妖精騎士トリスタン 2 パリス 1 アーラシュ 槍 5 エレシュキガル ブラダマンテ 妖精騎士ランスロット ブリトマート 4 清姫 メドゥーサ 茨木童子 謎のアルターエゴ・Λ カイニス 虞美人 パーシヴァル ドン・キホーテ 3 ディルムッド・オディナ ジャガーマン 2 ガレス 騎 5 女王メイヴ アキレウス オデュッセウス 太公望 4 アストルフォ 坂田金時 モードレッド カーミラ ハベトロット カイニス ドブルイニャ・ニキチッチ 黄飛虎 3 メドゥーサ 赤兎馬 術 5 マーリン ミス・クレーン 4 メディア〔リリィ〕 ニトクリス 酒呑童子 3 メディア メフィストフェレス アスクレピオス 殺 5 ジャック・ザ・リッパー 酒呑童子 刑部姫 セミラミス 果心居士 4 カーミラ アサシン・パライソ 加藤段蔵 虞美人 鬼一法眼 3 ヘンリー・ジキル&ハイド 2 ファントム・オブ・ジ・オペラ 狂 5 ヴラド三世 クー・フーリン〔オルタ〕 ガラテア モルガン 4 ランスロット タマモキャット フランケンシュタイン ベオウルフ 茨木童子 エルドラドのバーサーカー アタランテ〔オルタ〕 鬼女紅葉 クリームヒルト ドゥリーヨダナ 3 清姫 2 サロメ 1 アステリオス ポール・バニヤン 盾 3 マシュ・キリエライト 裁 5 卑弥呼 女教皇ヨハンナ 4 壱与 讐 5 魔王信長(織田信長) 平景清 4 ゴルゴーン 新宿のアヴェンジャー 3 アントニオ・サリエリ 分 5 メルトリリス キングプロテア 蘆屋道満 スーパーバニヤン グレゴリー・ラスプーチン 4 パッションリップ 太歳星君 月 5 BB(水着) 殺生院キアラ 降 5 アビゲイル・ウィリアムズ アビゲイル・ウィリアムズ〔夏〕 ヴァン・ゴッホ ジャック・ド・モレー 詐 5 オベロン レディ・アヴァロン 4 トラロック エネミー 竜牙兵、ワイバーン、ドラゴン、ラミア、獣人系、ゴブリン、ケンタウロス、キメラ、スプリガン、ゲイザー、バイコーン、ソウルイーター、スフィンクス、イフリータ、海魔、翅刃虫、鬼、ヤドカリ、魔猪、ウリディンム、ウシュムガル、ウガル、ムシュフシュ、シェイプシフター、イーター、グール、エルダーグール、シャンタク、オオカミ、ヤガ、英霊兵、スルト、巨人系、ボーバルチキン、BBホテップ、BBB、鬼王朱裸、魔猿、ぬえ、ケガレガミ、魔導僧兵、マックスウェルの悪魔、カリ、ケルベロス、花の邪神/アルラウネ、土蜘蛛、大土蜘蛛、大翁鬼、虎熊童子、ブジャンガ、鴉天狗、女王兵、モース、モース人間、牙の氏族、亜鈴百種・排熱大公、ブラックウルフ、アルビオンの竜骸、魔犬バーゲスト、シャークパイレーツ、グリーンマン、奇兵隊、LWB-M8、HWB-M8、半魚人、ケルピー、屈強な半魚人、プレシオサウルスくん、大百足、化け猫、四奸六賊、ディノス系、キングプロテア・ソチナトル、朱瑞鳥・紅閻魔、ウィツィロポチトリ + 〔魔性〕特性持ち一覧 Class Rare Name 剣 5 伊吹童子 4 巴御前 弓 4 アーチャー・インフェルノ 妖精騎士トリスタン 槍 5 ヴリトラ 4 茨木童子 謎のアルターエゴ・Λ 虞美人 術 4 酒呑童子 殺 5 酒呑童子 光のコヤンスカヤ 呼延灼 果心居士 4 虞美人 鬼一法眼 狂 5 伊吹童子 4 茨木童子 鬼女紅葉 ドゥリーヨダナ 分 5 蘆屋道満 4 太歳星君 讐 5 カーマ 降 5 闇のコヤンスカヤ エネミー(主なクラス) ゾンビ(剣槍弓狂)、スケルトン(剣槍弓)ゴースト(殺)、デーモン(術)ラミア(術)、獣人系(剣槍殺)、ゴブリン(剣槍殺)ゲイザー(弓)、バイコーン(槍)、ソウルイーター(殺)イフリータ(術)、海魔(弓)、ヤドカリ(剣)鬼系(小鬼、鬼の右腕・左腕、風越丸、技喰丸、轟力丸、パンプキンオーガ、かぼMARU)、丑御前(狂)魔猪(狂)、ウシュムガル(殺)、魔性菩薩(獣)、ヒュドラ(弓)、おろち(槍)、黒武者(剣)、グール(狂)、エルダーグール(殺)、シャンタク(術)、メイオール(殺)、魔猿(弓槍術狂)、ぬえ(槍)、ケガレガミ(殺)、女中(殺)、カリ(狂)、マハーナーガ(槍)、ウッチャイヒシュラヴァス(槍)、ドゥン(騎)、ガルダ(術)、サラマー(殺)、亡者(狂)、ケルベロス(騎)、『愛玩の獣』(獣)殺人鬼(狂)、徐福(弓)、クコチヒコ(剣)、花の邪神/アルラウネ(降/騎)、土蜘蛛(槍)、大土蜘蛛(槍)、大翁鬼(狂)、ブジャンガ、鴉天狗(殺)、モース(狂)、モース人間(狂)、亜鈴百種・排熱大公(術)、祭神ケルヌンノス(狂)、ノリッジの厄災(狂)、ブラックウルフ(術)、魔犬バーゲスト(剣)、LWB-M8(殺)、HWB-M8(裁)、半魚人(殺)、屈強な半魚人(槍)、ケルピー(騎)、ダゴン(狂)、ギガプレシオサウルスくんΩ(槍)、大百足(狂)、化け猫(術)、アイスフィッシュ(騎)、モータルフィッシュ(騎)、酷吏殭屍(剣)、祖獣(狂)、四奸六賊(狂)、髑髏の仮面(分)、カマソッソ(獣) 総評 A全体宝具による高いNP回収によるシステム適正の高さ、スキルと宝具による星獲得と高倍率クリティカルバフによるクリティカルアタッカーの側面を持ち、 さらには全体回避付与によるPTの生存性のサポートも可能な器用なサーヴァント。 難点はスキルによるAQ強化、NP獲得量強化を使ってもなお低い通常攻撃時のNP効率。クリティカルバフ以外の数値が控え目なことにより配布の星4殺では宝具火力がやや低めなこと。 クリティカルアタッカーとしてはスター集中を持っていない等地味に問題点も多い。 A宝具システムをするだけなら気になることはないが、それ以外の運用をするなら上手く補助する手立てを考えたほうが良い。 相性の良いサーヴァント Aサポーターなら宝具連射でも攻略でもアルトリア・キャスターは鉄板の組み合わせ。水着ワルキューレが持たない宝具威力UPを持ち回復とCT短縮も可能な玉藻の前も良い。 対騎想定として術と組ませることを嫌うなら、OCアップで特攻威力を上げられるレディ・アヴァロン、スター発生率とクリティカル威力を強化出来る蘭陵王も優秀。 低レアならヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、メアリー・アニング、徐福ともシナジーが高い。 アタッカーならAとNP獲得量を強化して貰え、毎ターンスター獲得もある太歳星君、スター集中,クリティカル強化の付与と星の即時獲得のある謎の蘭丸X、 伊吹童子/バーサーカーは星の奪い合いに気をつければ攻撃力,クリティカル威力,NP獲得量を強化して貰え、 こちらからは回避を渡すことが出来る他、同じ地特攻宝具を持つため対地特性には組み合わせが良いと言える。 殺で組むならAの枚数が多くAチェインの狙いやすい、李書文/アサシン、エミヤ〔アサシン〕、岡田以蔵等が無難か。 セミラミスはS3使用に必要な星を水着ワルキューレの即時星獲得によるサポートできる。 相性の良い概念礼装 宝具即撃ちをするならカレイドスコープなら無凸でもS3との組み合わせで可能。 AS2をlv10まで上げているならカルデア・アニバーサリー、A’、魔性菩薩等の初期NP60礼装からも狙える。 センセイとボク、愛と希望の物語、ウォーク・イン・ザ・パーク等は初期NP60とスター集中効果により宝具即撃ち+クリティカルの補強の両立が可能。 スルーズ・ヒルド・オルトリンデ共通の性能欄です。 編集する際はご注意ください。
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キリト&アサシン組 ◆nig7QPL25k 夢を見た。 俺ではない誰かの夢を。 俺と違う時間を生きた、違う場所での誰かの夢を。 「たとえ俺が死んでも、お前が必ず俺の戦いを引き継いでくれる……そうだろ、レオン?」 その男は父親だった。 同時に人々を守るため戦う、魔物狩りの騎士でもあった。 妻が命と引き換えに産み落とした息子を、男は騎士として育てた。 最も偉大な騎士の系譜を、受け継ぐに値する男になることを願って。 守りし者としての志を、立派に引き継いでくれると信じて。 「俺らのことなんか誰も知らない。死んだところで墓もない。それでいいんだ」 しかし、息子が募らせたものは、使命感ではなく憎しみだった。 母を殺した者を憎み、敵に従う魔物を恨む、怒りの戦騎へと育ってしまった。 伝えるべきことを伝えた以上、その間違いは自分で正さなければ意味がない――男は敢えて息子を突き放し、使命を悟ることを願った。 それでも彼の願いは届かず、息子は憎しみの炎に焼かれ、全てを失ってしまった。 それは打つべき手を誤り、道を示してやれなかった、父の過ちだったのかもしれない。 「気をつけな。上には俺の息子がいる……レオン・ルイスがよ」 その息子が再び立ち上がり、真に騎士として覚醒した時、父はどれほど救われたことか。 己が誓った使命のために、息子と同じ道を歩まず、道を違えなければならなかった時、父の心はいかばかりであったか。 俺は父親というものを知らない。だから、男がその時何を想ったのかは、想像することすらできない。 あるいは俺が、本当の意味で、父親になったその時には、彼の気持ちを理解できるのだろうか。 「ホラーを封印せし、血を受け継ぐ者……黄金騎士・ガロがな……!」 それでも、最期の戦いのその時、男は笑みを浮かべていた。 ズタボロに傷つけられながらも、すぐ傍に息子がいる事実を、頼もしく受け止め笑っていた。 きっと男の人生は、その時ようやく報われたのだ。 回り道を繰り返し、後悔と苦悩に苛まれた生涯が、ようやく幸福で満たされたのだ。 道に迷い続けた息子が、自分の全てを託せるほどに、強く正しく成長を遂げた。 そのことが父である男にとっては、何よりも嬉しかったのだろう。 自分自身のその命が、今にも消えそうになっていることなど、どうでもいいことだと思えるほどに。 「そして俺は……貴様らホラーを封印する者、ヘルマン・ルイス……またの名を――」 無数の異形の群れの中、男は一人剣を取る。 自分の戦いを引き継ぐ者が、必ず駆けつけると信じて。 不敵に笑う父親の、その生涯の結末は―― ◆ 別に、こういう体験は初めてではない。 前に閉じ込められた時には、丸2年外に出られなかった。 だから突然拉致されて、電脳空間に囚われたこと自体は、桐ヶ谷和人――キリトにとって、それほど大きな問題ではなかった。 「くそっ!」 問題はむしろ、囚われたこの環境にある、理不尽なルールの方だった。 吐き捨てながら飛び退り、輝く光剣を構える。 睨み据えた先にいるのは、斧を携えた大男だ。 血走ったその両目には、理性がまるで感じられない。 バーサーカーというクラスを割り当てられた、魔術師の駒・サーヴァント。 行動が単調であるなら、相手のステータスがどれほど高かろうと、キリトにも勝機があるはずだった。 「物持ちが悪かったなぁ? 威勢がいいのは結構なことだが、生憎とその武器じゃバーサーカーには、傷ひとつつけることすら不可能だ」 しかし、一つだけ問題があった。 にたにたと笑う敵マスターが言うとおり、キリトの持つ攻撃手段では、サーヴァントにダメージを与えられないのだ。 英霊――すなわち霊体であるサーヴァントには、魔法属性を持った攻撃でなければ、ダメージを通すことができない。 そして最悪なことに、今キリトの魂が宿っているのは、スチームパンク銃撃アクション「ガンゲイル・オンライン」のPCボディだ。 ファンタジー色を排したこのゲームの武器には、霊を祓う神秘性など、当然宿っているはずもない。 これが「アルヴヘイム・オンライン」の体なら、ソードスキルで切り抜けられたのだが。 あまりにも間の悪い事態に、キリトは眉間に皺を寄せ歯噛みした。 「さて、そろそろ遊びにも飽きたな。やってしまえ、バーサーカー」 敵マスターの唸りと共に、バーサーカーが唸りを上げる。 鈍色に光る斧を振りかざし、キリトの命を奪わんと殺到する。 もはや打つ手なしか。逃げるしかないか。 否、果たしてこの死線から、逃げ延びることなどできるのか。 リアルでは一般人に過ぎない己は、パラメーター一つ変わっただけで、こんなにも無力になってしまう。 改めて突きつけられた絶望的な事実に、諦めが脳裏をよぎったその瞬間。 「――レディの口説き方ってのがなっちゃいないな」 不意に、聞き慣れない声が響いた。 バーサーカーの向こうにいる、敵マスターの目が見開かれた瞬間、その脇を素早くすり抜けるものがあった。 ぐさり、と嫌な音を立てながら、狂戦士の肉体に突き刺さったのは、やや短めの刀だろうか。 「なっ!?」 ぞっとした、という言葉がよく似合う。 そんな顔をしたマスターが、慌ててそちらを振り向くと、そこには新たな人影があった。 不敵な笑みを浮かべるのは、口ひげがワイルドな印象を与える壮年の男だ。 長く伸びた金髪は、癖っ毛なのかところどころ跳ねているが、不思議とだらしなくは見えない。 むしろ鋭い双眸に宿る、剣呑な気配と相まって、獣のたてがみのような印象すら受ける。 静かながらも、闘志を隠そうともしない。その堂々とした佇まいは、まさしく自然界の王者そのものだった。 「しょうがねえ。俺が手本を見せてやるからよ。少しばっか付き合えや」 かつり、かつりと音が鳴る。 悠然と歩くたてがみの男が、ブーツで石畳を鳴らす。 ゆっくりとしたその動作で、男はバーサーカーに歩み寄ると、そのまま短剣を抜き放った。 もう一振りの刀を取り出し、同時に構える様は、二刀――かつてキリトも取っていたスタイルだ。 「あんたは……」 「貴様、そいつのサーヴァントか! やれ、バーサーカー!」 キリトの声を遮るように、敵マスターが指示を出す。 振り返った狂戦士が、乱入者に対して唸りを上げる。 「ま、そういうわけだから、ちょっと辛抱しててくれよな。お嬢さん」 ぱちん、とキリトに向かってウインク。 片目をつぶったそのままで、両手の刃を高く掲げる。 男の剣がぐるりと回り、天に白い軌跡を描いた。 瞬間、円のラインは閃光と化す。まばゆい光が放たれて、周囲を白一色に染める。 白い闇が晴れたその時、現れたのは人狼だった。 狼男の姿を模した、銀色の甲冑姿があった。 深緑のマントをはためかせ、双剣を輝かすその姿は、さながら中世の聖騎士だ。 唯一、獰猛な狼の頭部だけが、その白銀の中心にあって、異様な存在感を放っていた。 「絶影騎士、ゾロ――行くぜ!」 金の瞳は獣の瞳だ。 鋭く煌めく眼光が、狂える戦士を睨みつける。 バーサーカーが怒号を上げると同時に、銀色の狼騎士もまた、大地を蹴って斬りかかった。 ◆ 「はぁ~……」 キリトのサーヴァント、ヘルマン・ルイス。 与えられたクラスは暗殺者(アサシン)。 激戦を終え、戦場を離れたその男は、最初の鋭さとはうってかわって、何とも情けないため息をついていた。 「いや、悪かったよ。否定するのが遅くって」 「いやさ、別にいいんだよそれは。見抜けなかった俺の方が、まだまだ修行不足だってことだからよ。 でもだからってお前、そのナリで、実は男でしたってのはよぉ……」 そう言ってヘルマンは、顔を押さえてため息をつくと、がっくりと両肩を下ろす。 ガンゲイル・オンラインにおいて、キリトに与えられたPCは、少女と見まごう美貌を持ったレアボディだ。 線の細い体に長髪、その上可愛らしい顔立ちとあれば、性別を間違ったとしてもやむを得ない。 しかしながら、ヘルマン・ルイスは、無類の女好きだった。 それが相手の性別を見抜けず、あまつさえ口説いてしまったとあれば、ショックもひとしおというものだろう。 「でぇ? ひとまず野郎を撃退したのはいいが、これからどうすんだよ?」 だがそれにしたって、いくら何でも、やる気のなさすぎる声だ。 強そうなのは間違いないが、この性格で本当に大丈夫なのだろうか。 若干目眩がしそうになるのを堪えながら、キリトはヘルマンの問いかけを聞く。 「どうするって言っても、ここに長居するつもりもないからな……どうにかして、脱出する方法を見つけようと思う」 「何だ? 聖杯戦争には乗らねぇのか? 優勝すりゃ、どんな願いだって叶えられるんだぞ」 ここに来てようやくヘルマンは、キリトの言葉に興味を持ったらしい。 彼の応答に対して、目を丸くして聞き返した。 「俺にもやるべきことはあるし……それに、こういう殺し合いをするのは、もう御免だからな」 「初めてじゃないような言い草だな」 「初めてじゃないんだよ、実際。あんた、ネットゲームは知ってるか?」 そう言ってキリトが語りだしたのは、1年前までの惨劇の記憶だ。 天才ゲームデザイナー・茅場晶彦が引き起こした、前代未聞のサイバークライム――SAO事件。 数多のVR(バーチャルリアリティ)MMOの雛形となった、「ソードアート・オンライン」の世界に、ユーザーが閉じ込められた事件だ。 ログアウト不可能になった電子の牢獄で、キリトは2年もの間戦い続けた。 時には他のプレイヤーと戦い、やむなく命を奪ったこともあった。 もうあんな思いはしたくはない。だからこそ、この聖杯戦争という戦いにも、乗りたくないとキリトは言ったのだ。 「……で、俺はどうすりゃいい。戦うつもりがないっていうなら、戦うために呼ばれた俺は、黙って見てればいいってことか?」 「もちろん、そういうわけじゃない。 どうしても今回みたいに、他のマスターに見つかって、襲われるようなことにはなっちゃうだろうからな…… そういう時には、アサシンに、俺を守ってもらいたいんだ。わがままかもしれないけど」 殺し合いに乗るのは反対だ。 されどキリトには、ここで死ねない理由もある。 「ガンゲイル・オンライン」に乗り込んだのは、VRMMOの根底を揺るがしかねない、重要な事件を解決するためだ。 SAO事件は痛ましい記憶だが、そこで得られた絆も、確かにある。 だからネットゲームそのものを、一緒に嫌うことはできない。 自分達が楽しんでいる世界を、一人の犯罪者のために、壊されてしまうわけにはいかない。 だからこそ、生き延びることには迷いはなかった。 そのために戦うことが必要なら、敢えて罪の意識を堪えて、剣を取る覚悟もできていた。 それがこのユグドラシルと戦う、桐ヶ谷和人の心構えだ。 「分かったよ。そういうことなら、異論はない。短い付き合いかもしれないが、手伝ってやろうじゃねえか」 それでようやく納得したのか、ヘルマンは真顔で了承し、キリトに向かって右手を出す。 「ありがとう」 差し出した手のひらは友好の証だ。 キリトもまたそれに応じ、ヘルマンの手を握り返した。 ◆ (なんともヤな時代だな、どうにも) ひと通りの情報交換や意思確認を行い、一度一人になった後。 ぽりぽりと頭を掻きながら、ヘルマン・ルイスは思考する。 時の流れた現代は、随分と因果な時代になってしまったものだと。 ネットゲームを始めとしたテクノロジーは、知識としてなら知っている。そうした現代の情報は、聖杯から事前に与えられているのだ。 されどそうした現代の技術が、大規模な犯罪に使われているというのは、当事者と言葉をかわさなければ、実感の得られないものだった。 (高度に発展した科学は、魔法と区別がつかない……か) キリトの言っていた言葉だ。 昔の学者だか作家だかの、有名な言葉だというが、魔法を知っているヘルマンからすれば、実に的を射た言葉だと思えた。 魔法のような科学技術が、誰にでも扱えるような形で、世に氾濫しているのが現代だ。 それは元魔戒法師メンドーサでなくとも、誰もがそれと同等の大事件を、容易に起こせてしまうことを意味する。 茅場晶彦のSAO事件は、まさにそういう事件だった。 本来剣を取る必要のなかったキリトが、そのために剣を握らされ、達人的な技術を身につけさせられてしまった。 たとえゲームの世界の中だけであっても、人を殺して回れる力を、身につけるような事態に追い込まれてしまったのだ。 (なぁ聖杯サマよ、あんた俺に何をしてほしい? ここで過去の精算を果たせってのか?) 眉をひそめながら、内心で呟く。 こういう複雑な事情を抱えた、ナイーブな少年を相手にするのは、彼にも今回が初めてではない。 そういう迷える少年に対して、道を示してやることができず、随分と苦しめてしまったことがあった。 本来負うべき責任を、果たしてやれなかった相手こそ、彼の実子であるレオン・ルイスだ。 そんなヘルマンがここに呼ばれ、レオンを思わせる少年剣士と、こうしてタッグを組まされている。 何の因果かと言うべきか。あるいは作為を感じるべきか。 (ま、どうにかするさ) とはいえ、悩んでいたところで仕方がない。 キリトに対してどう接するかは、まだ結論は出ていないが、そのまま立ち止まっているわけにもいかないのだ。 軽く考えるべき問題ではなくても、深く考えすぎはしないようにしよう。 あれこれ悩んでいるうちに、キリトが死んでしまっては元も子もないのだ。 なればこそ、まずは行動することこそが、先決であると考えた。 (……しっかし、俺がアサシン、ねぇ) と、方針を固めたところで、一つ気になることがある。 それは自分自身に割り当てられた、暗殺者(アサシン)というクラスのことだ。 (もちっと何とかならなかったのかよ……) そりゃまあ確かに、魔戒騎士は、人知れず魔物を狩る狩人だ。 闇に紛れて闇を忍び、闇を切り裂くその姿は、ぎりぎりアサシンと形容できるものではあるだろう。 でもだからって、それでいいのか。本物の暗殺者でもない人間を、無理やりアサシンに当てはめるのはどうなんだ。 よく見ろ、気配遮断のスキルも低い。案の定微妙な数値じゃないか。 この中途半端な能力で、果たしてどう立ち回るべきか。 ヘルマン・ルイスの頭痛の種が、もう一つ増えた瞬間だった。 【クラス】アサシン 【真名】ヘルマン・ルイス 【出典】牙狼-GARO- 炎の刻印 【性別】男性 【属性】中立・善 【パラメーター】 筋力:D+ 耐久:E 敏捷:D 魔力:D 幸運:C 宝具:B 【クラススキル】 気配遮断:D サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。 【保有スキル】 虫の知らせ:B ただならぬ気配に対する、天性の探知能力。 生前は魔物の気配を匂いで嗅ぎ取る、陰我のオブジェに触れただけでその存在を察知するなど、魔戒騎士として優れた感覚を見せつけていた。 心眼(真):C 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 騎乗:C 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせる。 プレイボーイ:E 夜の蝶を追い続ける狩人。女遊びを好む英霊である。 才能による魅了スキルではなく、当人の努力によって培った技術。 しかしその性質が災いし、女性の敵と対峙した際には、初撃の攻撃力がダウンしてしまう。 【宝具】 『絶影騎士・ZORO(ゾロのよろい)』 ランク:B 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:- 筋力:C+ 耐久:C 敏捷:A 魔力:B 幸運:B 陰我あるところホラー現れ、人を喰らう。だが、古よりホラーを狩る者達がいた。 鎧を纏うその男達を、魔戒騎士という。 ――古より人を襲ってきた、魔界の怪物・ホラー。それと戦う力を身につけた、魔戒騎士の鎧である。 ヘルマンの纏う「ゾロの鎧」は、白銀の光を放つ鎧であり、俊敏な身のこなしを得意とする。 更に青色の魔導火を纏うことにより、攻撃力を底上げする「烈火炎装」を発動することが可能。 魔戒剣には鎖が括りつけられており、これを利用したトリッキーな戦法を取ることもできる。 なお、ヘルマンのこの宝具を利用しなければ、自身の宝具を発動することができない英霊も存在する。 その場合、ヘルマンが自らの意志で宝具を貸し与えるか、あるいはヘルマンが死亡するかした場合、 その英霊の宝具発動がようやく可能となる。 【weapon】 魔戒剣 ソウルメタルによって鍛え上げられた、魔戒騎士のための剣。ヘルマンのものは二振りの短刀である。 修行を経た者はこれを自在に操ることができるが、そうでない者には持ち上げることすらできない。 『絶影騎士・ZORO(ゾロのよろい)』を纏った際には、白銀の双剣へと変化する。 魔導馬 優れた騎士が保有する、銀色の馬の姿をした魔戒獣。 鎧を装着しているか否かにかかわらず、ヘルマンの一声で駆けつけ、その足として活躍する。 【人物背景】 古より最強の騎士として語り継がれてきた、黄金騎士・ガロの鎧を受け継ぐ、レオン・ルイスの父親。 自身も絶影騎士・ゾロの称号を得ている、百戦錬磨の騎士である。 飄々としており、非常に気前がいい。 普段の態度はおちゃらけているが、守りし者としての自覚は強く、いざという時には男を見せる。 意外と洞察力や推理力も高く、「食えない狸」と評されたことも。 人間的には強い人物だが、父親としては微妙に頼りなく、放任主義がレオンの暴走を招いたこともあった。 騎士としては一級品であるものの、無類の女好きでもあり、女癖の悪さが最大の欠点となっている。 本人はレオンにかわる、「ゾロの鎧」の継承者を産んでもらうためと弁明しているが、どこまで本気なのかは定かではない。 余談だが、ゾロの継承者は、ヘルマン本人の死後に無事生を受けている。 【サーヴァントとしての願い】 特にはないが、キリトを放ってはおけないため、彼を守るために戦う。 【基本戦術、方針、運用法】 はっきり言ってアサシンとしては、非常に中途半端な性能である。 敏捷や戦闘技術を活かして、ランサーのように正面きって戦わせるのがベターだが、やや決定力に欠ける部分も。 相手のペースに付き合わず、攪乱戦法によって優位に立つべし。 【マスター】キリト (桐ヶ谷和人) 【出典】ソードアート・オンライン 【性別】男性 【令呪の位置】右手の甲 【マスターとしての願い】 特にない。あまり願いたくない。 【weapon】 光剣(フォトンソード)カゲミツG4 エネルギーを光の刃とする、いわゆるビームサーベル。 銃撃戦に特化し、刀剣スキルもほぼ存在しない「ガンゲイル・オンライン」においては死に武器となっている。 しかし剣戟戦に慣れたキリトは、これをメイン武器として使用し、ファンタジー流の戦い方を世界に見せつけた。 Five-seveN 牽制用のサブウェポンとして用いている拳銃。貫通力に優れている。 【能力・技能】 ゲーマー VRMMOのプレイングスキル。ゲームの世界でなら、本物の剣士と同様のポテンシャルを発揮できる。 ただし「ガンゲイル・オンライン」には、自身の慣れ親しんだソードスキルが導入されていないため、やや決定力に欠ける。 コンピューター知識 コンピューターに関する天性の才能。ハッキングやプログラミングに明るい。 反射神経 SAO事件に巻き込まれたプレイヤーの中でも、最高クラスの反応速度。 突き詰めればいちゲーマーでしかないキリトだが、これだけは本物の戦士にも遅れを取らない。 【人物背景】 かつてVRMMO「ソードアート・オンライン」にて発生した、SAO事件を生き延びたSAOサバイバー。 最前線で過酷なソロプレイに身を投じた結果、 1万人のプレイヤーの中でも最高クラスのステータスを獲得しており、「黒の剣士」という通り名で呼ばれていた。 現在は「アルヴヘイム・オンライン」をプレイしているが、死銃(デス・ガン)を名乗る人物が起こした昏睡事件を解決するため、 そのデータをコンバートし「ガンゲイル・オンライン」の世界に飛び込むことになる。 言動は飄々としているが、元来人との距離を測るのが苦手。 それでも根の部分では優しく、何だかんだ他人の世話を焼くことも多い。そのため女子プレイヤーにモテる。 「アルヴヘイム・オンライン」はレベル制のゲームではないため、SAO事件当時のような、並外れたステータスは有していない。 しかし、当時の濃密な戦闘経験によって培われたプレイングスキルは、既に達人の域に到達しており、 一般プレイヤーを寄せ付けないほどの実力を有している。 ……とはいえ、今回はファンタジー要素が一切絡まない、「ガンゲイル・オンライン」のPCの姿で参戦しているため、 残念ながら、サーヴァントにダメージを与えることはできなくなっている。 パラメーターは「アルヴヘイム・オンライン」のものを引き継いでいるため、サーヴァントを維持するための魔力は、なくはないといったところ。 本名は桐ヶ谷和人。高校生。 幼い頃に両親と死別しているが、現在の家族からはそのことを隠されて育ってきた。 しかしある時、それを知ってしまったため、上記のように上手く人付き合いができなくなってしまった。 家庭環境の諸問題が解決した現在においては、徐々に人との距離を縮められるようになっていっている。 【方針】 向かってくる敵とは戦うが、自分からはあまり戦いを仕掛けたくない。この世界樹からの脱出の方法を探る。