約 194,391 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4461.html
『うんうんの汲み取り屋さん』 9KB 観察 小ネタ 追放 群れ 自然界 うんしー 作品には作品でレスしようと思いました 【うんうんれいむのはじめのしょうげん】 ゆっ、れいむはれいむだよ。れいむはまりさのように狩りもうまくないし、ありすのようにテーブルや おさらはつくれないし、鳥の巣ベッドやかごさんなんて器用にあみ上げられないよ。 ぱちゅりーのようにものしりでむれを治めるちえもないよ。 みょんのように剣のうでまえをつかってじけいだんをくんで外からのてきをおいはらったり、むれのなかの もめごとにわって入ったりできないよ。 ちぇんのようにあんよも早くないし、ひきゃくのおしごともできないよ。 れいむはおうたがじょうずだよ、ってみんな言ってくれるけどおうたなんてみんな歌えるものだって れいむは知ってるよ。ほかのれいむたちはれいむはみんなこそだてじょうずで母性にあふれたいいお母さんに なるよっていうけど、だれだってお母さんにはなれるし、みんな自分のおちびちゃんをじょうずに 育てているよ。 だから、れいむにはみんなよりとくいなことなんてなーんにもないんだよ。 けっかいっ!だって、みんなごきんじょのれいむたちのやるのをみようみまねでそれなりーのものを じぶんでつくってるしね。 お母さんれいむはいつもいってたよ「れいみゅ、他ゆんのいやがることをすすんでやるいい子に育ってね、 でないと、むれのみんなに会わすおかおがないよ、お母さんとのやくそくだよ、ぜったいだよ」 そんなお母さんは他ゆんのいやがることをすすんでやり続けて、いつのまにかむれのみんなからいやなやつ、 でいぶとよばれて石をぶつけられるようにいやがられる立派なでいぶにくらす・ちぇんじしたよ。 そしてあるあさ、むれのはずれでからだじゅうにえださんをぷーすぷーすされた死体ではっけんされたよ。 れいむはそれからひとりぼっちで くらしてきたんじゃよ。ゆえぇーん。 【ひきゃく屋のさがわちぇんのしょうげん】 ちぇんはちぇんだよー、わかってねー。ちぇんは群れと群れとのあいだでおとどけものがあると、バイトで ひとっぱしりしてどんぐりや木の実をお代にもらってこつこつためてるよ。いつからんしゃまにであった ときのためのけっこん資金なんだねー、わかるよー。ふだんはちぇんのぞくする群れで狩りにはげんでるよー。 ちぇんは山の向こうのありす村からこの群れにおとどけもののおしごとでこの群れにたちよったよ。 ちぇんは持ってきたおべんとうさんも食べちゃっておなかぺーこぺーこだったよ。よるもふけて、れみりゃの よるだったから、ひとばんのおやどを探したんだねー。みんなゆっくりしてなかったよー、わからないよー。 いっけんだけ戸をあけてくれたゆっくりがいたんだよー、それがあのれいむなんだねー。 やまごしにとびはねて疲れていたちぇんのために、とっておきのあまあまさんをごちそうしてくれたんだよー。 とってもゆっくりできたよー、ひとばんとめてもらったおれいをいってちぇんは群れをでたよ。 にゃ? れいむとすっきりーするのが目的でとまってなんかいないんだねー、わかれよー! ちぇんのおあいてはいつか出会うらんしゃまだけにゃんだねー、ゆっくりわかってねー。 かえり際、れいむがありすの村まであんないしてくれないか?っていったんだよー。わかるよー。 ながれもののちぇんをこんなに親切にもてなしてくれたれいむが悪いゆっくりだとはおもえないんだねー、 わからないよー。 【とかいはな ありす村の長ありすのしょうげん】 たった1ぴきのいなかもののために、そちらの都会派な群れの方たちまでいなかもの扱いされると考えたら ぞっとするっ! うんうんれいむには げんっしゅくなしょぶんをお願いするわ、それがそちらの群れのためでもあると思うの。 どこから話せばいいのかしら・・・。ひきゃくのちぇんのあんないを受けておたくの群れのれいむが最初に うちの村に来た、あのいまわしき日から話すのがすじね。 れいむはありすたちにしか作れないそりをひっぱりながら、ゆっちらゆっちらあまあまさんをたくっさん乗せて やってきたわ。それはとてもとかいてきな甘さに思えたわ。 村のみんなもしたつづみをうってれいむをかんげいしたの。そして残りのあまあまさんと村のしなものを こうかんっ!しましょうというふうに商談がまとまったの。 ありす村 とくさんの加工品を山ほどつんでれいむは帰っていったわ。番のまりさがていさつで ついていかなかったら今でもだまされっぱなしかと思うとさむけがするわねっ。 えぇ? れいむのひみつの狩場をみつけて、あまあまさんをよこどりしようなんてそんないなかものなことは 考えてもみなかったわよ、ばかにしないでね? ていさつのまりさがみたのは、れいむが群れの家々をまわって、うんうんをかいしゅうしている所だけで、 どこかからあまあまさんを摘み取っている場面はけっきょくみられなかったということよ。 その報告を聞いて、ありすにはいやーな予感がはしったわ。ひょっとして、ひょっとしてよ、 ありすたちがこのまえむーしゃむーしゃ、しあわせ~したあまあまさんって、・・・ うんうんだったんじゃないのかしら?ってね。 【うんうんれいむのつぎのしょうげん】 れいむにはちぇんへのおもてなしといっても、みんなのいやがるおしごとでえた うんうんさんくらいしか さしだすものがなかったんじゃよ・・・・。 なんにもできないれいむは うんうんさんをあつめるといった他ゆんのいやがるしごとをすることでみんなの 役にたつくらいしか生きているいみがないんじゃね。 でも、なにもしらないちぇんがむーしゃむーしゃしてくれて、し、しあわせ~っていってくれたとき、れいむは ないす・あいでぃあさんをおもいついたんじゃよ。よのなかには好んでうんうんさんを食べるちぇんたちのような HENTAIゆっくりがいるんだね、だったられいむのあつめたうんうんさんをうんうん大好きっ!のやつらに わけてあげれば、おたがいはっぴーさん☆だねって。 よくあさ、さっそくじゅんびをしてそりにうんうんをまんったんにつめこむと、れいむはちぇんにちぇんたちの すむ村へあんないしてくれるようにたのんだよ。 【とかいはな ありす村の長ありすのさいごつうこく】 がいっこうもんだいだわっ。ありす村の住ゆんはうんうん喰らわっしゃい!なんて、ばかにしてるわ。 あなたたちの群れがもしもこんなやばんなことを野放しにみとめるようないなかものの集まりなら、 ありす村にも考えがあるっ。 ぺにてんぐだけでれいぱー化したありすたちがいっせいに群れをほういするわ。そうなったら、もう 長にだってどうにも止められないわよ、んほおおおおぉお! べ、べつにこの群れにあるおやさいさんが勝手に生えてくるゆっくりぷれいすが目当てなんかじゃないわよ? 【うんうんれいむのさいごのしょうげん】 れいむのゆっくりぷれいすはこのむれの中では見つけられなかったよ。きっと べつのむれにうつっても、 れいむが役たたずなのはいっしょじゃよ・・・。 だかられいむは、ぱちぇのむれの中でもありす村の中でもなく、むれとむれとのはざまでしあわせ~を さがしたんじゃよ? そこでもそんざいがゆるされないって・・・・・、 じゃあれいむのゆっくりぷれいすは、いったいどこにあるっていうのぉぉ?! どこにいけばれいむはだれにもめいわくをかけずに生きていけるっていうのぉぉおおお!!! 【長ぱちゅりーのはんだんとしゃざい】 むきゅ、そこまでよ、れいむ。じぶんを悲劇のひろいんに仕立て上げるのは、れいむたちのいつもの手口ね。 このぱちゅりーの目はごまかされないわよ。 ありすにはこころからしゃざいっするわ。おわびに このれいむをうんうんトイレ兼・すっきり~どれいとして 差し出すわ。えさはありすたちのうんうんとしーしーだけで十分よ。 みなしごになってきのどくに思った群れのみんなは余裕があるときはこのれいむにごはんさんのおすそわけを していたのだわ。おかげで親なしとは思えないほどでっぷりと肥えてしまったの。でいぶの子はでいぶというか、 冬ごもりのしたくも始まって群れのみんなからのおすそわけがなくなったれいむは、群れ全体の共同ごはんさん ちょぞう場に忍び込んだわ。幸いみすいに終わったけど、その日かられいむは群れの汲み取り屋さんにさせられて、 うんうん以外のごはんさんが支給されなくなったということなのだわ、むっきゅん。 れいむ、ありす達にうんうんを食べさせた罪の報いであなたは これからありす達のうんうんをずっと食べさせられるという罰を受けるのだわ。 それが群れの掟であり、長の意思だわ。・・・こんなところでよくって? ありす。 なかよくいきましょうね? * ふーっ。俺はノートPCを閉じると煙草の煙を一つ吹いた。俺の仕事はあるゆっくりの群れの管理と人間との調停とを行う コーディネーターの職務である。最近、ゆっくり界での裁判の様子というものに世間でも興味と関心が集まりつつあり、 俺も柄にもなくテープ起こしまでして会話内容を書き出してしまったのだった。 それぞれのゆっくりたち(特にれいむ)のすぐに透けて見えるうすっぺらな嘘の供述が面白くて、つい書き起こして しまったという次第である。いや、嘘と決め付けるのもどうかな。 長ぱちゅりーの最後の言葉が必ずしも真実を射抜いているとも限らず、単に外交上の問題を避けるために純朴(?)な れいむを生贄に差し出したのかもしれない。 それはそれで、最大多数の最大幸福を図る賢明な長のシビアな判断として評価できる。 いずれにせよ真実は藪の中というやつだ。 それにしても、うんうんを媒介にして交易を興そうなどとは、糞饅頭にはいかにもお似合いで実現すればさぞかし 見ものだったと思うのだが・・・。ともあれ、こうしてまたゆっくりは自分から進んで文明の階段を一つ上る契機を みすみす逃した。ある集落と別の集落との間ではモノの価値に差があることを知り、上手く立ち回って二つの価値の差を 掠め取るという、交易とかw。大航海時代や産業革命、資本主義の発展とかの一歩手前だろうによ。 まったく、何度こういう失策を犯せば気が済むのだろう。 あぁ、そうそう、ゆっくりたちのうんうん臭についてコメントしておいたほうが良いな。書き忘れていた。 ゆっくりは目の前でされたうんうんについては臭いを感じるが、どこか目につかない遠くでされたうんうんについては 特に臭いを感じないということらしい。うんうんと認識できた物にたいしては、うんうんは臭いものという 思い込みが働いて勝手に臭さを感じているようだ。多くの文献で報告されている通りである。 またうんうんといっても中身の餡子が劣化しただけの廃棄餡で、食べるのには全く差支えがない。 いい商材を見つけたものだと俺はれいむを評価してやりたいね。 言葉こそ人間のように生意気にも用いるが、火の支配には失敗し、農耕技術の習得を拒んで未だに狩猟状態に 甘んじている。これではいつまでたってもゆん口上昇カーブを劇的な右肩上がりに持っていけないだろう。 そうならないように俺達がコントロールしてるわけなんだが。 今回の事案も文明レベルの上昇を示す危険シグナルという形で上に報告することになるだろう。 この群れを含むエリアの警戒レベルが一段上がるのは恐らく間違いないだろうな。 ゆっくりどもにはもうしばらく、お馬鹿のままでいてもらおうか。 了) 【これまでに書いたもの】 anko4404 タマ子の部屋 anko4395 DQ小ネタを詰め合わせ(べほまらー・他4編) anko4392 アメリカの友人 anko4391 ゆらぎそよ風 anko4388 生きがいをあげる anko4387 わたしの終わりは世界の終わり anko4384 ゆんゆんころり
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3480.html
『追放ゆっくり -野生ゆっくり- 前編』 13KB 観察 自業自得 追放 番い 群れ 自然界 人間なし 長編に挑戦 「むきゅ、ふたりともいるかしら?」 ある山では、小規模なゆっくりの群れがいくつも存在していた。 その中の山腹よりやや上に位置する一つの群れ。 さらにその群れの、やや急な傾斜の地面を掘って作られた巣の一つ。 そこに一匹の成体ぱちゅりーが入って来た。 先代の親ぱちゅりーから役目を引き継いだ、この群れの長だ。 「ゆっくりしていってね!いらっしゃいおさ!」 「ゆっくりしていってね!いらっしゃいだぜおさ!」 「「ゆっくりしていってね!」」 巣の中からゆっくり特有の挨拶で出迎えたのは、成体ゆっくりのまりさとれいむの番、 子ゆっくりの長女まりさと次女れいむという構成のゆっくり一家だった。 親れいむの方は、顔のパーツが上に寄り、下部が少々膨れている。 別にでいぶになりかけというわけでは無く、この親れいむは動物型妊娠の初期段階だった。 「ゆっくりしていってね……むきゅぅ」 元気一杯の一家の挨拶に対して、長ぱちゅりーは気怠げな挨拶を返し、 加えて挨拶の後、溜息まで付いた。そんなゆっくりしていないぱちゅりーの様子を見て 一家はゆ?と頭を傾げた。 「むきゅ、ふたりともどうしておちびちゃんをまたつくったのかしら?」 ぱちゅりーがそう聞いてきた。まるで子供を作る事がゆっくりできない事のような 言い方をするぱちゅりーに一家は困惑する。 「ゆ?おさはなにいってるんだぜ?おちびはゆっくりできるんだぜ?」 「そうだよ!たくさんおちびちゃんがいればもっとゆっくりできるよ!」 「おかあさん!かぞくがふえたらいっぱいゆっくりしようね!」 「まりさもおねえさんになるんだよ!いもうととゆっくりするよ!」 好き勝手に能天気な事をいう一家。それを聞き終えたぱちゅりーは再びため息をついた。 「むきゅぅ……おちびちゃんはふたりまでというおきてをわすれたの?」 それは事実だ。この群れには他の群れと同じようないくつかの掟があるが、その中の一つに 「ふうふがそだてられるおちびちゃんはふたりまで」という掟があった。 通常、ゆっくりの動物型妊娠で生まれる子供は大体一~三匹。 もしも一度の出産で三匹以上生まれてしまった場合は、 産まれた直後に間引きする事になる。直接殺すと死臭が付くので、 間引きする赤ゆっくりを、群れから離れた「永遠のゆっくりプレイス」に置き去りにするのだ。 厳しい掟に見えるが、これを守れないゆっくりは群れから問答無用で追放される。 この一家は、最初の出産で運良く二匹だけ産んでいた。 掟を破ったという自覚はあるのか、まりさとれいむの顔が少し曇る。 「ゆぅ、おきてはしってるよ。でもどうしてもあたらしいおちびちゃんがほしかったんだよ!」 「これはふたりできめたことなんだぜ!おちびがふえてもごはんは まりさががんばってあつめるからゆるしてほしいんだぜ!」 暗い気分を断ち切るようにまりさが勢い良く解決案を出すが、 なんの妥協にもなっていない案にぱちゅりーは呆れた。 掟を破ったゆっくりの取る餌の量が増える事を、他のゆっくりが納得するわけがない。 「むきゅ、そういうもんだいじゃないわ。とにかくおきてをやぶったゆっくりを むれにおいておくわけにはいかないのよ。このままだとあなたたちには むれからでていってもらうことになるわ」 「「「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ!?」」」」 一家の声が聞き苦しくハモった。 「ゆーっ!おかしいんだぜ!どうしてまりさたちがでていかなきゃならないんだぜ!」 「ゆっ!そうだよ!れいむはにんっしんっちゅうなんだよ!おうちからうごけないんだよ!」 「いやだよぉぉぉ!れいむおうちにいたいよぉぉぉ!」 「おうちにはまりさのたからものがいっぱいあるんだよぉぉぉ!はなれたくないよぉぉぉ!」 どうしても何も、掟を破ったからだと今言っただろうと、ぱちゅりーは言おうとしたが止めた。 ついにこの群れからもこのゆっくりが出てしまった。いくら言葉を重ねても無駄だと思ったが、 一応、唯一の解決策は出してやる。結果は見えていたが。 「むきゅ、そんなにむれにいたいなら、ひとつだけほうほうがあるわ」 ぱちゅりーがそう言った途端、それまで揉み上げをぴこぴこしたり おさげをブンブン振り回したり滝のような涙を流していた一家は、 一斉にパァァァァァと顔を輝かせた。 期待に満ちたキラキラした目でぱちゅりーを見つめている。 それを見てもぱちゅりーは特に何も思わず、解決案を口に出す。 「かんたんなことよ。おちびちゃんがおなかにいるうちにおろしてしまえばいいの」 「「「「…………ゆ?」」」」 キラキラした表情を保ったまま、一家は全員フリーズした。 「「「「どぼっじでっぞんなごどっいうのぉぉぉっ!?」」」」 フリーズが解けた一家は、再び一斉にハモると、さっきよりも聞き苦しく 泣き喚き始めた。ゆっくりごろしはゆっくりできないやら、 こんなむれゆっくりできないやら、おさはゲスだと言う声まで聞こえてくる。 「むきゅ、ふえすぎたおちびちゃんをえいえんにゆっくりさせても、 ゆっくりごろしにはならないわ。ほかのむれにもおなじおきてがあるのよ」 しかし、ぱちゅりーがそう言っても一家は泣き喚くのを一向に止めなかった。 やがて親まりさが一歩跳ね出し、涙ながらに訴えかけてくる。 「お、おがじいんだぜっ!いぐらおきでだがらっで、おぢびを ごろじでいいはずがないのぜっ!おざもよくがんがえるんだぜ! むれのおぎでよりもだいせづな、ゆっぐりできるごどがあるんじゃないのかぜっ!? まりざは、まりざはっ!かげがえのないおぢびをぜっだいまもるんだぜっ!」 最後の方にはキリッとした顔になり、親まりさが気高い決意をぱちゅりーに伝え終えた。 親れいむの方はゆわぁぁぁ、と揉み上げを震わせながら感激して夫を見つめている。 子供たちも堂々とした親まりさの姿を見て目を潤ませていた。 「むきゅ、わかったわ。おきてよりもおちびちゃんがだいじなら、あなたたちにはでていってもらうわ。 でも、いますぐでていけというつもりはないわ。きげんはれいむがしゅっさんっするまでよ。 にんっしんっちゅうにおろせば、むれにいていいことにかわりはないから、 はやいうちにけつっだんっすることね。むきゅ」 親まりさの気高い決意は、単なる拒否意見としてあっさりぱちゅりーに受け入れられた。 長としての最後通告を伝え終えたぱちゅりーは、くるりと振り返るとそのまま巣から出ていく。 後には、すでに餡子の中では、改心した長がおちびちゃんを産む事を認める流れになっていた キリッとした顔のままの親まりさと、同じく感動したままの家族が残された。 ゆっくりには植物型妊娠と動物型妊娠があるが、それぞれに合わせた堕胎がある。 植物型妊娠の場合は簡単だ。茎を折るか、産まれる前に摘み取ってしまえばいいだけである。 だが、ある理由で個体数の上限が決まっている群れでは、子供が産まれ過ぎる植物型妊娠は廃れて久しい。 そして動物型妊娠の場合は、大きく二つの方法がある。 一つはまむまむに枝を突っ込み、胎内の赤ゆっくりを攪拌する方法。 ただし、この方法は傷ついたまむまむが二度と使えなくなる上に、母体に凄まじい激痛が走る。 もう一つは成体ゆっくりが妊娠中のゆっくりの下部で飛び跳ねて、 中の赤ゆっくりを押し潰す方法。この方法はまむまむにはそれほど損傷はないが、 衝撃で口やあにゃるからあんこが噴き出す上に、やはり母体に凄まじい激痛が走る。 当然ゆっくりがやろうと思って簡単に出来る事でも無く、 動物型妊娠の堕胎は、掟を破った罰も兼ねていた。 親まりさはそんな恐ろしい事をれいむにするつもりは無かったし、 親れいむもそんな恐ろしい事をお腹の中の子供にさせるつもりは無かった。 もちろん痛いのはゆっくりできないから嫌だという理由もあったが。 そして、ただゆっくりし続けて二週間が経過した。 「うっ、うばれるっ!れいぶのあがぢゃんゆっぐりうまれるよっ!」 「がんばるんだぜれいむっ!かわいいあかちゃんがゆっくりみえてきたんだぜっ!」 「ゆぅぅぅん!れいむのいもうとゆっくりしてるよぉぉぉ!」 「ゆっ!ゆっ!まりさのいもうとゆっくりうまれてね!」 早朝、巣の中では、でいぶと見紛う程、下部がでっぷりとした親れいむが出産中だった。 まむまむからは「ゆっきゅりうみゃりぇりゅよ!」とばかりにキリっとした顔の赤れいむが覗いでいる。 やがてスポーン!とまむまむから次々と赤ゆっくりが飛び出してきた。 親まりさは慌てる事無く、構えていた帽子でその全てを受け止める。 「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!!」」」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 帽子からよちよちと這い出て来て、キリッとしながら元気一杯の挨拶をする赤ゆっくりに、 一家も同じく満面の笑みを浮かべて元気一杯の挨拶を返す。 「ゆ、ゆわぁぁぁ~~~、れいむのおちびちゃんすごくゆっくりしてるよぉぉぉ!」 「すごくゆっくりしてるんだぜ!まりさもまりさもれいむも、まりさとれいむにそっくりなんだぜ!」 「ゆ、ゆっくり!ゆっくりー!ゆっくりできるよぉぉぉ!」 「まりさがおねえちゃんだよっ!これからいっぱいゆっくりしようねっ!」 「ゆ~ゆ~」 「ゆっ!ゆっ!」 「ゆー!」 家族が増えた喜びに、最高のゆっくりを感じる一家。長との約束など、すでに忘れている。 それぞれ赤ゆっくりとすりすりしたり、ぺろぺろしたりしてスキンシップを取っていると、 一家の巣の中に、ゆっくりが入って来た。こちらは一家との約束を忘れていなかった長ぱちゅりーである。 さらに巣の入り口では普通の成体ゆっくりよりも、一回り大きなまりさとみょんも待機している。 まりさは餌場を管理、ようむは群れの警備を管理する幹部ゆっくりだ。 どの顔も、皆貼り付けたような無表情だった。 「むきゅ、おさとしてのはんだんをつたえにきたわ。おきてをやぶって おちびちゃんを、おろさずにうんだ、あなたたちいっかをむれからついっほうっするわ。 おちびちゃんをおろすゆうよを、たくさんあたえたのにおちびちゃんをうんだことから、 すでにでていくじゅんびがととのっているとはんだんして、いますぐでていってもらうわ」 ぱちゅりーが一方的に伝え終えて巣の外に出ると、今度はまりさが入って来た。 「こんごまりさたちいっかをかりばでみつけたらせいっさいっのたいしょうになるからね。 おんじょうで、すのなかのごはんさんはもっていってもいいよ。ゆっくりりかいしてね」 同じようにまりさが巣の外に出ると、最後に入ってきたのはみょんだ。 「ついっほうっばしょまではみょんとまりさがあんないするみょん。 もしもそこからこのむれにちかいばしょでまりさたちをみたら、 おなじくせいっさいっのたいしょうになるみょん。さぁ、ついてくるみょん。」 入れ替わり立ち代わりで入って来たゆっくり達の、 あまりにも一方的な言葉に、一家の思考は全く付いて行かなかった。 かろうじて立ち直った親まりさが反論しようとしたが、まりさとみょんという 大柄な成体ゆっくりの、あまりにもゆっくりしていない雰囲気が恐ろしく、 口からは「ゆ……あ……」という掠れた声しか出てこない。 親まりさの餡子の中では、まとまりの無い考えが回り続けている。 どうしてこんなことに。群れから追い出される。家にはもう住めない。 産まれたばかりの子供をどうする。狩り場でご飯も取れない。そうだご飯! 親まりさはゆっくりせずに巣の奥の食料置き場に飛びつくように向かい、 残っている食料を帽子に詰め込んでいく。と言っても、妊娠中の親れいむが 胎内の赤ゆっくりの分まで栄養を必要としたため、それほど残ってはいない。 頻繁に食事を必要とする赤ゆっくりも含めた七匹の家族では一日と持たないだろう。 番の無様な様子を、親れいむは未だ現実が理解できずに虚脱した顔で眺めている。 子ゆっくり達は、幹部ゆっくりの恐ろしさに震えながらおそろしーしーを漏らしているし、 赤ゆっくりは今のゆっくり出来ない雰囲気は感じるのか、 やはり震えながら親れいむの肌や揉み上げに顔を埋めるようにすがりついていた。 子供が産まれた直後のゆっくりした光景など見る影も無い。 「……おわったかみょん?ならゆっくりしないでいくみょん」 親まりさが食料を詰め終わるのを待っていたみょんが一家を促す。 普通なら、子まりさ辺りが自分の宝物を持って行くとごねる所だが、 所詮子ゆっくりが強く出られるのは自分の家族だけである。 さらにこの一家は、今までただゆっくり過ごして来ただけの平和的な「ゆっくりらしいゆっくり」だ。 一家に冷たい視線を向けるみょんがいる今、誰も何も言えず、 親まりさは帽子の中に食料を、親れいむは頭に赤ゆっくりを、子ゆっくりは何も持ち出せないまま、 一家は悄然とした面持ちで、ずーりずーりとたくさんの思い出が詰まった家から出ていった。 外では、早朝という事もあり、群れのゆっくりの大半が巣から出て、追放される一家を見ていた。 当然見送りに出たのではない。どのゆっくりも、一家と仲が良かったゆっくりすらも、 暴力こそ振るわないが、掟を破った一家を見下した視線を送っている。 「このむれからもついっほうっゆっくりがでたよ……」 「おちびちゃんがふたりいるのにまたうんだんだって……」 「ふたりもいるならそれでまんぞくすればいいのにね……」 「おきてやぶりはついっほうっされるのはとうっぜんっだよ……」 そこかしこからゆっくり達の呟く声が聞こえてくる。 (みんなおかしいんだぜ……おちびちゃんはいっぱいいるほうがゆっくりできるんだぜ…… なんでそんなかんたんなことがわからないんだぜ……) 親まりさはそう反論したかった。しかし前をみょん、後ろにまりさと挟まれて、 一家は脅えながら罪人のように連行されてる今、ただ俯きがちにずーりずーりする事しかできない。 そして群れの外へと連れ出されようとする一家を尻目に、長ぱちゅりーが群れのゆっくりに声をかける。 「さあみんな、いつまでもみてないで、それぞれのやくめにもどりなさい。 にんげんさんにおさめるさんさいさんも、まだたりないのよ」 群れのゆっくり達は口々に「ゆっくりりかいしたよ!」と返し、 各々自分の巣に戻ったり、餌場へと狩りに向かい始めた。 みょんの先導で、一家は今まで来た事も無い、群れからも群れの餌場から離れた場所へと連れて来られた。 周囲の木々に付いた葉は、人間ですら届かない高さにあり、その根も完全に土中に埋まっている。 平坦な地面には、ゆっくりが苦くて固いと感じる草や落ち葉があるだけだ。 ゆっくりが巣を作って暮らしていくには圧倒的に不向きな場所だった。 「あんないはここまでだみょん。まりさたちがみえなくなるまでみょんたちがここでみているみょん。 くれぐれもせいっさいっのじょうけんをわすれないことだみょん。 ほら、ゆっくりしないでいくんだみょん」 先頭のみょんが立ち止まり振り返ると、一家に冷たく声をかけ頭を先方へと示す。 当然群れからさらに離れる方向である。後ろのまりさも何も言わずただ一家を見ているだけだ。 心のどこかで、ただ脅かされるだけで、本当は群れへと戻れるのではないかと思っていた親まりさは、 その望みが完全に絶たれた事を理解した。 同時にここはあまりゆっくり出来ない場所だという事も理解すると、 不安がる家族を宥めて、みょんが指し示す方向へとぽすぽすと頼りなく跳ね始めた。 徐々に小さくなっていく一家を見ていたまりさが独り言のように呟く。 「ざんねんだよ……あのまりさとはかりばでなんどかはなしたけど とてもゆっくりしたゆっくりだったのに、こんなことになるなんて……」 「まりさもわかっているはずだみょん。ゆっくりすることしかかんがえてないゆっくりなんて むれをきけんにさらすだけだみょん。とくにおちびちゃんをたくさんつくりたがるゆっくりなんて れみりあやふらんをむれにかかえるようなものだみょん」 「そうだね……ふえすぎたおちびちゃんが、にんげんさんにかくしきれるわけないからね……」 「そういうことだみょん。ほら、もうむれにもどるみょん」 みょんがそう話を打ち切ると、跳ねながら群れへと戻って行く。 まりさは溜息を一つ付くと、みょんの後に続いて跳ねる。 まりさは途中で一度だけ振り返った。一家の姿はもう見えなかった。 続く 挿絵:○○あき
https://w.atwiki.jp/zzzzzz1003/pages/13.html
「ゆっくりしていってね」とゆっくりれいむが言う。そこは、森の中誰もいないはずなのにれいむは 、「ゆっくりしていってね。ゆっくりしていってね。」と言いつずける。するとアリスが来て「ねェれいむ誰にゆっくりしていってねと言っているの?」するとれいむは「ここにねしょうらいれいむを飼ゆにしてくれるにんげんさんが見れるの!」 「ゆゆそれほんとなのれいむ」「ほんとだよ」「良かったね!れいむ、ほかのゆっくりに伝えなくちゃ」「みんな、アリスを見て実話れいむが飼ゆになりのよ」するとみんなは口々に「れいむが飼ゆになるのッはとてもゆっくりできるよ」「とかいだわ」「むきゅそれはいいことね」すると子ゆが来て「頑張ってねぇ」「ゆっくりちたいょ」そこに一人の人間がいる。するとこの村のゲスが「おいそこのクソジジイまりさを飼ゆにしてね。」 ・・・ こんにちは僕が書いたこのダクの作品は初めてです。後でこのゲスがどうなりかこの群れはどうなるかはご自由にお考え下さい。これで確かな事は、れいむが飼ゆになる事です。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4297.html
※こんな作品なんて投棄所送りだ ある日、群れの中のゆっくりぱちゅりーが言いました。 「ドスなんてバカだわ。バカでマヌケでやくびょうがみだわ!」 すると、すぐにドスの側近のゆっくりまりさ達に捕まりました。 何日も食事をさせてもらえなかったぱちゅりーはとうとう自分の考えを曲げ謝罪しました。 「ごめんなざい、ぱちゅりーがまぢがっでまじだぁ!!」 しかし、まりさ達はぱちゅりーを許さなかった しばらくして、ドスが悪い事をしたゆっくり達の檻を視察に訪れ、 ぱちゅりーを見つけると、どんな悪い事をしたのかとまりさ達に尋ねた。 「このぱちゅりーはドスのひみつをバラすゆっくりできないぱちゅりーなんだよ」 まりさ達の言葉にドスは感心し、秘密を漏らす奴はどんどん捕まえるように頼んだ。 しかし、ぱちゅりーはこう反論した。 「ぱちゅりーのいったことはみんながしってることだよ!!」 すると、まりさ達はこう答えた。 「ドスはしらないでしょ!!」 ゆっくりきもんげの一家が渡り切ると、ゆっくりうどんげに成れる丸太を見つけた。 丸太は川にかかっており、落ちたら一大事だったが、 お父さん、お母さん、お姉さんはどんどん丸太を渡り切り、可愛いうどんげになった。 ただ一匹、末の妹が丸太から落ちそうになった。妹は何度も助けを求めたが、 「キモいきもんげなんかたすけないよ。ゲラゲラゲラ」 と、うどんげ達は答えた。 ゆっくりとピザの違い。 ピザはオーブンで焼いても騒がない。 長としてのドスまりさのマニュアル (1)ドスまりさを信じよ (2)性能に疑問が生じた時は(1)を読め ドスまりさに管理された群れのゆっくりまりさが虐待お兄さんに捕まったれいむに会いに来て尋ねた。 「そっちはゆっくりできる?」 捕まったれいむは何を言っているのか、と少しムッとして答えた。 「あといっぽでじごくだよ!!」 群れから来たまりさは答えた。 「まりさたちのほうがいっぽすすんでるね!!」 罪を犯したゆっくり達が閻魔の裁きを待っていた。 ゆっくりれいむ、自分は働かずにいたが、子の面倒はよく見た。天国に行け。 ゆっくりまりさ、乱暴者であったが、家族の為によく働いた。天国に行け。 ゆっくりぱちゅりー、他のモノを見下していたが、知恵で皆を救った。天国に行け。 ゆっくりありす、周りの者と打ち解けずにいたが、伴侶への愛は強かった。天国に行け。 おい、ゆっくりらん、お前はちぇんを残しているだろ。現世に帰れ。 ゆっくりらんは泣いて、閻魔の元から去った。 別の日、罪を犯したゆっくり達が閻魔の裁きを待っていた。 ゆっくりれいむ、子の世話はしたようだが、働かずに迷惑をかけた。地獄に行け。 ゆっくりまりさ、狩りは上手いようだが、他のモノに乱暴をした。地獄に行け。 ゆっくりぱちゅりー、知恵は優れていたが、周りのモノをバカだと嘲笑った。地獄に行け。 ゆっくりありす、伴侶への愛は強かったが、レイプして無理やり伴侶にした。地獄に行け。 おい、ゆっくりらん、お前はゆかりを残しているだろ。現世に帰れ。 ゆっくりらんは泣いて、閻魔の元から去った。 ある日、ペットショップから貴重なゆっくりけーねが逃げ出した。 ペットショップはけーねに懸賞金をかけました。 愛でお兄さんが人を集め、あらゆる場所を捜索しましたが、見つかりませんでした。 それを見た虐待お兄さんは森に入り、30分ほどで森から出てきました。 手にはボロボロになったゆっくりまりさが一匹。すると、まりさがこう言いました。 「ゆっくりけーねだよ」 大きなスィーに乗ったゆっくり達は、素敵なゆっくりプレイスに向かって発進したが、 途中、不慮の事故にあい。スィーは谷底深くへと落ちていった。 それを見ていた虐待お兄さんが突然泣き出した。 友人は大嫌いなゆっくりが死んだのにどうして泣くんだいと質問すると、 「俺がいない場所があいつらにとって一番素敵なゆっくりプレイスなんだ」 まりさが三匹いた。 一匹目のまりさは言いました。 「まりさはおさなんだよ。むれをまもるためならいのちをおしまないよ!!」 二匹目のまりさは言いました。 「まりさはつよいんだよ。それをみせつけるのにいのちはおしまないよ!!」 三匹目のまりさが言いました。 「まりさはたいせつなんだよ。それをまもるためにほかのいのちはおしまないよ!!」 ゆっくりありすは死に瀕していた。 虐待お兄さんに追い詰められ、ナイフで頬を数か所刺され、どんどんとクリームが漏れ出す。 しかし、虐待お兄さんの視線は傷や恐怖するありすの顔でもなく、人間の腕ほどはあるぺにぺにだった。 「あ、ありすだってこわいときはちぢまるのよ、いなかものめ、わらうがいいわ!!」 男はまだ赤ちゃんのゆっくりれいむに様々な芸を教え込み、 これで見世物でも始めようと思った。 手始めに、街の喫茶店に行き、コーヒーとクッキーを注文すると、 主人にここで客を取っていいか尋ねる為、ゆっくりれいむを取り出した。 「ちょっといいかね、主人」 「あ、お客さん、すいませんね。よく入り込むんですよ」 主人はゆっくりれいむを叩き潰した。 赤ちゃんれいむは悲しみに暮れていた。それを見かけたゆっくりありすが声をかける。 「どうしたの?」 「おかーしゃんがしんじゃって」 「かわいそうに、ゆっくりできるの?」 「うん、おかーしゃんはたくさんのごはんをのこしてくれたの」 次の月、また赤ちゃんれいむが悲しみに暮れていた。またありすが声をかける。 「どうしたの?」 「おとーしゃんがしんじゃって」 「かわいそうに、ゆっくりできるの?」 「うん、おとーしゃんはキレーなおうちをのこしてくれたの」 また次の月、またまた赤ちゃんれいむは悲しみに暮れていた。またまたありすが声をかける。 「どうしたの?」 「おねーしゃんがしんじゃって」 「かわいそうに、ゆっくりできるの?」 「うん、おねーしゃんはゆっくりできるおかざりをのこしてくれたの」 ある日、ありすは赤ちゃんれいむの家を訪ねてみた。 群れのみんなに聞いたが、今月はれいむの家族に死んだゆっくりはいないらしい。 悲しみを和らげるためにも、散歩に誘おうとやってきたのだ。 しかし、赤ちゃんれいむは悲しみに暮れていた。 「どうしたの?」 「こんげつはまだだれもしなないの」 ある日、イタズラ好きのゆっくりまりさはとうとうお母さんれいむを怒らせた。 「ゆっくりできないわるいこだね!!」 大きな声で叱る母れいむはこう続けた。 「おとーさんだって、たいどがよかったからドスになんかいもゆるしてもらえたんだよ!!」 ドスまりさは食料の確保に躍起になっていた。 「みんな、もっとはたらいてね!!」 しかし、側近のぱちゅりーはドスにこう言った。 「そんなことしたら、みんなしんじゃうわ!!」 群れのみんなはドスを支持してこう言った。 「あまあまがふえるね!!」 よだれを垂らし、みすぼらしい格好をしたゆっくりまりさが1匹。 「ゆっ!あれはおさこうほのまりさだわ」 「むきゅー・・・あんなのぜんぜんおさのうつわじゃないわ」 ぱちゅりーの言葉にありすは反論した。 「こうほになら、あのれいむだってなれるのよ」 ある日、胴つきのゆっくりらん、いく、てんこが飛行機に乗っていたが、 飛行機のエンジンが不調になり、運転していたお兄さんは早々とパラシュートで脱出してしまった。 「ら、らんはちぇんのためにしねないよ。らんはぜったいたすからなきゃいけないんだよ!!」 そう言って、らんはパラシュートをつけて飛び出してしまった。 「うわぁあああ、総領娘さまぁ、いくのことはいいですから、総領娘さまがパラシュートをおつかいくださいぃいい!!」 てんこも悲しそうに先ほど降りて行ったらんを見送る。 「あのらんめぇ!!総領娘さまぁ、ゆっくりせずにおにげくださいぃいい!!!」 「・・・てんこのおかしがはいったリュックをらんはぬすんでいきました。はじしらずならんがいた!!」 二人はパラシュートで脱出した。 ドスまりさと人里の長が神様の所にやってきました。 「神様、あと何年すれば人間は幸福になれますか?」 長の質問に神様は答えた。 「あなたの任期中には無理でしょう」 「かみさま、あとどれぐらいゆっくりすれば、ゆっくりはしあわせになれますか?」 ドスまりさの質問に神様は答えた。 「わたしの任期中には無理でしょう」 すっきりの後、 ゆっくりまりさの5%はそっぽを向きそのまま眠てしまった。 25%はベッドから起きてご飯はむしゃむしゃし始めた。 残りの70%はれいむのもとに返っていった ありす、まりさ、れいむが集まり、それぞれ出ているSSについて文句を言っていた。 「いじめ系SSなんてちっともゆっくりできないわ」 ありすがプンプン怒ると、まりさは少しバカにしたようにこう言った。 「まりさがでてるジャンルものなんて人間さんよりずっと強いお姉さんが出るんだよ」 二匹をバカにするように、れいむはこう言った。 「ドロワ系なんて、ゆっくりが主役じゃないんだよ・・・」 偉大なる群れの長、ドスまりさは幼少の頃すでに今と同等の知能を身につけていた Qゆっくりまりさと神の違いは何か? A神は自分の事をゆっくりまりさだと思った事はない。 群れの長であるドスは群れの食料備蓄に関する仲間達の不安を知りたいと考えて、大掛かりな意識調査を命じた。 会議で、その結果がぱちゅりーから報告された。 「この調査によってわが群れは大きく二つのグループに分かれることが判明しましたわ。楽観派と悲観派、楽観派はいずれはうんうんを食べることになるだろうと予想しています」 大統領はびっくりして言葉を挟んだ。 「それが楽観派?すると悲観派は・・・」 「むきゅー・・・悲観派は群れ全体にはうんうんが行き渡らないだろうと心配してるわ」 ゆっくりまりさとゆっくりありすがある養鶏場を訪れた時 案内人「ここの雄鶏は日に50回もセックス、つまりすっきりをします」 ありす「まあ・・・それじゃそのことをまりさにいってあげてね」 案内人「・・・という事でしたが。」 まりさ「そのおすどりさんがすっきりをするときはいつもおなじあいてなの?」 案内人「いいえ、全部別々の雌鳥が相手ですよ。」 まりさ「じゃあ、そのことをありすにいってやってめ!!」 ゆっくりれいむの一家の巣が落石により入り口が塞がれてしまった。 何匹もの子ども達が死んだ凄惨な事故だったが、 群れの仲間の必死の救助活動で数匹の子れいむが助けられた。 2ヶ月も巣に閉じ込められていたというのに、子れいむ達はやつれた様子もなく、 元気に外を走り回った。 ゆっくりまりさ達の住む場所は何もない荒野だった。 ある日、神様が何か望みはないかとやってきてた。 まりさ達はいろんな恵みを挙げていった。 たくさんの食料や過ごしやすい気候、天敵のいない森に快適な巣。 最後に優秀な指導者という前に、神様は消えてしまった。 それ以来、まりさ達の恵みは全てドスまりさが独り占めしている。 by118
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1604.html
「ビッグゆっくり爆誕」 赤ゆっくりから子ゆっくりまでの成長速度は平均で二週間程だと言われている。 しかし越冬中にすっきりなどを経て、食料の余裕を持って越冬できなかったゆっくりの中には 越冬の3~4ヶ月間後でも子ゆっくりになったばかり程度の大きさしか成長しないと言った事も多々見受けられる。 そこで少し疑問に思ったが… 子ゆっくりまで餡子の中で育つ胎ゆに対して栄養を与え続けたらどれだけ成長するんだろうか? 早速疑問に思ったので試してみる。 ゆっくりなら近くの山で大量に生息している、だが秋も深まるこの時期に子育てするゆっくりは少ないかもしれない。 山を登ってすぐの木の洞に二匹のゆっくりが入っていた。大きな帽子がトレードマークのまりさと大きなリボンが印のれいむだ。 れいむ種が深くに入ったままでてこない、頭に蔓は生えていないのでもしかすればと思い声をかける 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「おにーさんはゆっくりできるひと?」 「ゆっくりできるひとならあまあまさんをちょーだいね!もってなかったらさっさとかえってね!」 二言目にはあまあまを持ってこいとは中々にゲス気質があるようだ、群れの中央部から外れてここにいるという事はきっとつまはじきにされてるんだろう。 何かを喋ろうとしても「あまあまをもってこい」だの「ないならかえれ」だので話にならない とりあえず板チョコをいくつかに割って木の洞に放り込む 地面に群がりながら押し合いをしてグチャグチャと咀嚼をして食べ始めた。 「む~しゃ!む~しゃ!しあわせええええ!」 「うめっ!これめっちゃうめっ!まじうめぇ!」 一瞬で食べ終わった後は互いに口についたチョコをぺーろぺーろしあったり、すーりすーりと体をぐねらせ上下に伸び縮みさせてほほをこすり合わせたりして まともに話が聞ける状態になるまで約30分、ようやく落ち着いた所で本題に入ることができた。 「れいむの方はあかちゃんがいるの?」 「ゆ!そうだよ!きのうまりさとすっきりーしてできたんだよ!」 「きっとゆっくりしたこがうまれるにちがいないよ!」 「れいむううううう!!すーりすーりいいいいい!」 「まりさあああああ!!すーりすーりいいいいい!」 「あのー…ちょっと…聞いてる?」 「ゆゆ?まだいたの?あまあまさんがもうないんだったらさっさとかえってね!まりさはこれかられいむとすーりすーりするんだよ!」 「いつまでここにいるの?ばかなの?しぬの?」 全く話にならないので、今度は蒸しパンを袋から取り出し二つに分けて木の洞に投げ入れる 「む~しゃむ~しゃ・・・しあわせえええ!!」 「あかちゃんもゆっくりよろこんでるよ!もっともってきてね!」 「じゃあ、ちょっと質問に答えてね」 「ゆゆ!そんなことはどうでもいいよ!さっさともってきてね!」 「じゃあ、いっこだけこたえるよ!こたえたらあまあまさんをもってきてね!」 しまった、ちょっとやりすぎた様だ 完全に足元を見られ始めた と、言っても質問はあと一つだけだしまあいっか… 「ここってドスまりさが率いてる群れがあるよね?なんでまりさたちは森の入り口の方にいるの?」 「ゆ!どすはゆっくりできないぐずなゆっくりなんだよ!まりさとれいむがすっきりしたってだけでどすのどうくつでえっとうさせてもらえなかったんだよ!」 「だかられいむたちはあかちゃんがうまれたらこんなゆっくりできないむれからでていくんだよ!」 大体はつかめてきた、この山は一匹のドスまりさとぱちゅりーが群れをまとめている、山自体はそんなに大きいものではなく冬も厳しいのでドスの住む洞窟に集まって一か所で越冬するというのがここの群れの変わったところだ 話を聞く限りこの山のドスとぱちゅりーがすっきり制限をしているのにそれを破ったから追放とまではいかなくても元いた巣で越冬しろとでも言われたんだろう。 木の洞の後ろには乾燥したキノコや非常食用と思われる草が植えられていたりしているので、食料は渡されている様だが入口も殆どカモフラージュなしで開けっ放しにしているので全くもって越冬の準備などしていないという事がうかがえる。 多分、子供が生まれたら持てる分の食料以外は食べて始末して街にでも下るつもりなんだろう。 渡されている食料も乾燥したシイタケ程の大きさのキノコが5本、草が数本とそのまま野垂れろと言わんばかりの無言のメッセージが込められていた。 そんな事を考えていてもはっきり言って関係ないのでさっさと当初の目標に移ろう バッグからゆっくり専用催眠スプレーを取りだして、ぷんぷんとドスへの不満をぶちまけるれいむに吹きかける。 「ゆゆ!なんだかねむくなってきたよ!」 15秒ほどですーやすーやと寝てしまった、そのまま袋の中にそっと詰めてバッグにしまいこむ キノコと草はそのまま持っていく事にする。 袋の中に入れている途中まりさが俺の足にボヨンボヨンと体当たりを繰り返しながら喚いていた 「くそじじいいいい!!ぎのござんとでいぶをがえぜええええええ!!」 「嫌だよ、どの道あんなちっぽけなキノコ五本で4か月も5か月もしのげると思ってるの?バカなの?死ぬの?」 「ゆぐぐ!なくなったらやまさんからおりてあたらしいゆっくりぷれいすをさがせばいいんだよ!」 「そんなのある訳ないでしょ?街にだってゆっくりはいっぱいいるのに」 「にんげんさんのおうちがあるよ!あいてるところがおおいってありすがいってたよ!」 まりさの本音が飛び出た 多分まりさの思い描いている越冬計画とはこうなのだろう まず、乾しキノコを食べつくした後に子ゆっくりが生まれてその後山を出て人里に入って「おうち宣言」を行う腹づもりなんだろう。自分は強いから人間を追い出してそこを自分の内に出来ると。 浅ましいにもほどがあるが群れから逸れたゆっくりにとっては街ゆになるかと並んで最後に残された手段だ。 無論、まりさを放っておくわけにはいかない、そんなに街に行きたければ街に連れて行ってやろうと思う。 体当たりを繰り返すまりさにスプレーを吹きかける。 「ゆゆ!ゆっくりねむくなってきたよ・・・」 そう言うと目を閉じて完全にすーやすーやしてしまった。別の袋にまりさを詰めて一旦山を降り近所の空地に向かった。 この空地にはれいぱーありすの群れが住み着いている。群れと言っても10匹ほどだが 着いた頃には3匹ほどのありすが大きめのダンボール箱の中でのーびのーびしていた 近づいて声をかける。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「街でたっぷりすっきりしたいって言ってたまりさがいてね!ありす達が詳しいと思って連れてきたんだ!あとキノコと草も持って来たよ!冬ごもりの足しにしてね!」 そう言うと一斉にありす三匹は寒天の目をギョロギョロと動かし血走らせ、舌を伸ばして荒い息使いになりだした。完全にすっきりモードに入ったようだ。 「どごにいるのおおおおおおお!!ありすのとかいはなあいをうけとりたいまりさはああああああああ!!??」 「はやぐだじでええええええええ!!ずっぎりじだいわああああああ!!」 「んほおおおおおおお!!すっきりすっきりーーーーー!!」 一匹のありすに至ってはダンボール箱の壁にヘコヘコと体を擦りつけている。ちょと早すぎだろう 俺は袋の中からまりさを取り出して軽く振る。完全にぱっちりと目覚めたようだ。 「ゆゆ!?くそじじい!ここはどこなの!?」 「街だよ!ゆっくりしていってね!」 状況を掴めないまりさをキノコと草ごとポヨンと放り投げる。目の前には凄まじい速度でありす三匹が飛び跳ねて向かってきた 「なんてたくましいまりさなのおおおおおおおお!!」 「すっきりしたいのねえええええええ!!いいわああああああ!!ありすのとかいはなあいをうげどっでえええええええ!!」 「すっきりすっきりすっきりすっきりいいいいいいいいいいいいいいい!!」 「ゆぎゃあああああ!?ゆっくりこないでね!くそじじいいいい!!までぃざをだずげろおおおおおお!!」 「街に行って好きなだけすっきりしたいって言ってたのはまりさでしょ?じゃあ、俺もう帰るね」 「ぞんなああああああああああ!!おでがいじまずううううううう!!までぃざをだずげでえええええ!!」 叫んだときは動きが止まっていたため、完全にありす三匹に挟まれる形でガッチリと捕まってしまった。 そのままヌラヌラとした粘液を噴出させて舌でまりさの小麦粉の皮をベロベロと舐めまわし体をビタ!ビタ!と打ち付けたり体を伸び縮みさせて速い速度ですーりすーりを繰り返す 「やべろおおおおおおお!!ばなぜえええええええ!!」 「までぃざっだらつんでれねえええええええ!!」 「つんでれなまでぃざもがわいいわあああああああああ!!」 「んほおおお!!んほおおおおおおお!!!すっきりすっきりいいいいいい!!」 傍から見れば丸い何かが凄まじい速度でグネグネと動いてるようにしか見えない。こんなの見たらトラウマ確定だろう。 どんどん速度が速まって三分ぐらい経った頃だろうか。一斉にゆっくり達が声をあげた 「「んほおおおおおおおおおお!!!すっきりすっきりすっきりすっきりいいいいいいいい!!」」 「いやあ”あ”あ”あ”!!すっきりいいいいいいいい!!」 三匹ものありすが4回づつ、合わせて十二回もすっきりを叫んだ あっという間にまりさの頭から十二本の茎が生えて30個近くに実がなる。 「あんござんがあああああ!!ゆ”!ゆ”!」 叫んだのも一瞬、すぐに餡子を吸い上げられ黒ずんだ何かとなり果てたまりさ。同時に実のすべても蔓ごとしおしおと枯れて行った。何種すらも判明しないままに 「まりさのおかげですっきりできたわああああ!!」 「またすっきりしましょーねええええええ!!」 「すっきりしたらおなかすいたわああああ!!きのこさんをたべましょーねええええええ!!」 口々に勝手な事を言いながらありすはキノコと草を舌で拾い上げるとダンボール箱の中にモゾモゾと入っていった。 さて、さっさと家に戻ろう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 家に戻ると、空いている部屋に持っていき、早速れいむを取り出す。まだすーやすーやと寝ている様だ。と言うかあのつんざく様なすっきりの声を聞いてるのに起きないって逆に凄いな。 起きるまで待っているとして、準備を整える事にする。 ガムシロップと蜂蜜をベースに砂糖をこれでもかと混ぜて止めとばかりに水飴を混ぜ合わせる ゆっくり専用の超栄養液の完成だ。匂いをかいだだけで歯の奥がずきずきと痛む、こんなのを飲んだ日には糖尿病と虫歯を併発してしまうだろう。 ポリタンクの中に液を入れ、チューブを取り付ける、これで完成だ。取った栄養は必要最低限を残して殆どを胎ゆに送るため、どれだけ食べてもれいむ自体が大きくなることはない。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆゆ・・・ゆっくりしていってね!」 俺の声にれいむが目を覚ました。 「ゆ!ここはどこなの!まりさはどこいったの!?」 「ここは俺の家だよ!人間の家に行くって言ってたから一足先に連れてきたんだよ!まりさは別の所でゆっくりしてるよ!」 「ゆゆ!ゆっくりわかったよ!ということは、ここはれいむのゆっくりぷれいすなんだね!だったらさっさとあまあまさんをもってきてね!はやくしてね!れいむはぐずがきらいだよ!」 「ゆっくりわかったよ!このチューブさんからあまあまさんを飲んでね!」 俺はチューブの先をれいむに向ける。れいむはガプっとかぶりつくとごーくごーくと飲みだした。 「ごーくごーく・・・しししししあわせええええええええええええ!!!」 凄い声をあげて喜ぶれいむ、あっという間にタンクの中の三分の一近くを飲み干す。1リットルも飲んだのか。 「ゆゆーん♪すごいゆっくりできるあまあまさんだね!でもこれはれいむのものだよ!ぐずなにんげんさんにはあげないからね!」 「好きなだけ飲んでいいよ!それはれいむのものだからね!」 食事が終われば暫く様子を見る事にすた。胎ゆが入ってる時って普段どうしてるんだろうか。 れいむはと言うと、体を上下左右に伸び縮みさせてはヘッタクソな歌らしき騒音をまき散らし始めた 「ゆ~ん♪ゆゆ~♪ゆっくり~ゆっくり~♪」 不意に体がとまったかと思うと 「ゆゆ!おちびちゃんがうごいたよ!れいむのおうたさんがそんなによかったんだね!はやくうまれてきてね!いっぱいむ~しゃむ~しゃしておうたをうたってすーりすーりしようね!」 と、言うと再び音をあげて歌い出す。 後はすーやすーやするかのーびのーびして歌を歌うかだった。結構ワンパターンだな。 「ゆゆ!うんうんさんがでるよ!ぐずなにんげんさんはれいむのうんうんさんをかたづけてね!」 いきなりあにゃるをこちらに向けてそんな事を言い出した。部屋にうんうんをまき散らされればたまったもんじゃない、大慌てで適当なチラシを敷く。 「ゆ!」と言うとヘブン状態な表情でプリプリとうんうんを出し始める。おまけにしーしーまで始めた、薄いチラシではすぐに濡れて、結局床にしーしーがぶちまけられる結果となった。 いちいちうんうんやしーしーの度に向かうのも嫌なのでれいむを持ち上げて舌にビニールシートを敷くことにした。 色々様子を見ていると大体一日の様子がつかめてきた、歌を歌うかのーびのーびするか何かを食べてはうんうんを出してすーやすーやするといった感じだ。 れいむがすーやすーやした後はその日の分の液をタンクに補充して一日の終わりだ。 最初はまぁこんなもんだろうと思って過ごした。二日目、三日目は特に変わった様子はなく少し心配になったが。しかし四日目から少し様子が訪れる 「ゆゆー!おちびちゃんゆっくりそだってるね!」 たった四日で生まれる直前にまで子ゆっくりが成長していたのだ。れいむの顔が不自然に下膨れになっている。 「はやくうまれてきてね!いっしょにあまあまさんをのもうね!」 その様子を眺めているとれいむは俺に気づいたのかいきなり怒鳴り散らし始めた。 「ここはれいむのおうちだよ!かってにはいってこないでね!ぐずなにんげんさんはあまあまさんをもってきてうんうんをかたづけるだけでいいんだよ!さっさとでていかないとれいむおこるよ!」 プクーッと膨れて左右のピコピコを揺らして威嚇する。とりあえずは退散してドアを閉めた。 「ゆぷぷ!れいむにおそれをなしてにげたんだね!おお、あわれあわれ!」 ドア越しからそんな声が聞こえてきたのに少しイラっとしてドアをドン!と叩く。驚いて黙るかと思っていたが結果は全くの逆で、さらに罵声が飛んできた 「うるさいよ!れいむにかなわないからってどあさんにあたらないでね!ぐずはさっさとどっかいってね!」 自分=世界と言わんばかりの傍若無人な態度を取っていたれいむだったがそうだったのもたったの三日、七日目にはれいむに余裕の色がなくなってきつつあった。 「ゆ、ゆゆー!おちびちゃんそだちすぎだよ!もっとゆっくりしてね!」 下あごのみが大きくなっていたそれまでと違い、明らかにれいむの顔全体が膨らんでいる。大きくなっているのだが引き伸ばされているだけの様で、その証拠にれいむの目や口等のパーツはそのままで周りだけ膨れているのが不気味に見える。 恐らく中の子ゆっくりはすでにハンドボールサイズにまで成長しているのだろう、中心の餡子の中から押し出されるように大きくなっているのだから、れいむの体が膨れるの納得がいく。 体の中の三分の二以上をしめる子ゆっくりが動くたびに苦しそうな声を上げる。引き伸ばされた皮が痛むようだ 「いたいよ!おちびちゃんゆっくりうごかないでね!じっとしててね!」 玉の様な砂糖水の汗を小麦粉の皮に滴らせているれいむを内心ざまあみろと思いつつ見ていた。 無意識のうちに顔がニヤけていたようでそれを見つけたれいむが叫ぶ 「なににやにやしてるの!ぐずはさっさとどっかいってね!」 「はいはいわかったわかった」 そうれいむに言うとドアを閉める、その日からずっとれいむの様子を見るのが楽しみになった。 12日目には、中の子ゆっくりは恐らくれいむと同じバスケットボールサイズにまで成長したのだろうか、中の餡子を押しのけ、れいむは小型のバランスボール近くまで大きくなっていた。 中の子ゆっくりはすくすくと成長しているようで、動くたびにれいむが声を上げる。この頃には常に痛みが続くようだ。 「いだいいいいいい!!おぢびぢゃんゆっぐりうごがないでえええええ!!」 目を見開いて叫ぶとピタっと動きが止まる。 「ゆ”!ゆ”!ばやぐうばれでね!ぞだじずぎだよおおおおおお!!」 その言葉に反応して体をもぞもぞと動かす子ゆっくり、皮が伸びたり縮んだり不規則にボコボコとどこかが膨らんでへこむ度にれいむが悲鳴を上げた 「ゆぎいいいいいい!!うごがないでえええええええ!!ゆっぐりじででええええええ!!」 「大丈夫?どこか痛いの?ゆっくりなおってね!」 俺はそう言うとれいむをベタベタと触った。皮はパンパンで今にも張り裂けそうなぐらい張り詰めている。 「ゆぎいいいい!!ざわるなぐずうううううう!!どっがいげええええええ!!」 今までの鬱憤を晴らすが如く触る強さを強くしていく、掌でポンポンと叩いたり両手で強めにすーりすーりしたりする。 とうとう限界が来たのかれいむの態度が一変していった。 「おでがいでずううううううううう!!ざわらないでええええええええええ!!」 「いやぁぁぁ~~~~だよぉぉ~~~~~ん!良くも今まで好き勝手ぐずだのあわれだのと言ってくれたね!」 「やべでええええええええ!!までぃざああああああ!!だずげでええええええ!!」 「まりさなられいぱーありすにすっきりされて今頃どっかのゆっくりの餡子になってるよ!ゆっくりあきらめてね!」 「ぞんなああああああああああ!!??ゆぎいいいいい!!いだいいいいいい!!もうやだああああ!!おうぢがえるうううううう!!」 「何言ってるの?ここがれいむのおうちなんでしょ?ゆっくりしていってね!」 「ごべんなざいいいいいい!!ごごはおにーざんのおうぢでずううううう!!だがらざわらないでえええええ!!」 「え?なに?なんだって?ここはおうちじゃなくてお部屋だよ!ゆっくり理解してね!」 いい加減うるさいので三分ぐらい触り続けてそのまま部屋を後にする。 その日からずっとれいむが叫び続けてうるさいことこの上なかった。 そして、14日目――― 「ゆぎいいいいいいいい!!ばやぐうばれろおおおおおおお!!ぐずなゆっぐりはでいぶのおぢびぢゃんじゃないよおおおおおお!!」 その日のれいむは凄まじかった。体は人がのれるバランスボール程にも膨れ上がっていた。なのに顔のパーツはそのままなのだから恐怖すら覚える。 動くたびにミチミチと音が立ち、砂糖細工の歯を剥き出しにして寒天の目を血走らせ砂糖水の涙と汗を大量に流したせいか軽く水たまりが出来ていた。 もう生まれそうなのかグネグネと体が動いてなんとかまんまんから外に出ようとしているが、そもそも大きさが違いすぎるので出られない。 結局動くたびにれいむの体がボコボコと膨たりするだけだ。 れいむはその小麦粉の皮の弾力を限界まで引き延ばして耐えているようだ。多分このままでは生まれないだろう、ギリギリ裂ける一歩手前で止まってしまっているのだから。 「れいむ!ゆっくりしてる?」 「みればわがるでじょおおおおおおおお!!ばやぐなんどがじでええええええええ!!」 「わかった!その前にちょっと体を触るね!でないとどうしていいか分からないよ!だって俺はグズだからね!」 「やべでええええええええ!!いだいいいいいい!!ざわらないでええええええええ!!ざげるうううううううう!!」 「う~ん、一つだけ何とかできる方法があるよ!」 れいむの顔に明るさがともった。早速聞き出そうとしている 「ばやぐじでええええええええ!!ばやぐううううううううう!!」 「本当にいいんだね?」 「いいがらばやぐじろおおおおおおおおお!!ぐずうううううう!!」 「あーやる気失せっちゃったなー」 「あ”あ”あ”あ”!!ごべんなざいいいいいい!!おでがいじまずうううううううう!!おにーざんなんどがじでぐだざいいいいいいいい!!」 「本当にいいんだね?」 「だがらいいっでいっでるでじょおおおおおお!!??」 「わかったよ!」 俺は顔をれいむの体に近づけると、できるだけ似せてある「ものまね」をする。 「う~☆おおきくておいしそうなゆっくりなんだど~☆きっとなかにもゆっくりがいるんだぞ~☆おぜうさまのでなーにするど~☆」 その瞬間中の子ゆっくりが速度を上げてグネグネと動きだす。身の危険を感じたからだ。 「やべでええええええ!!おぢびぢゃんをごわがらぜないでええええええ!ゆぎいいいい!!おぢびぢゃんごれはにぜものだよおおおお!?だがらうごがないでええええええええ!!」 「が~お~!た~べ~ちゃ~う~ぞ~☆」 「いだいいだいいだいいいいいいいいいいいいいいい!!やべでぐだざいいいいいいい!!れびりゃのばねをじないでえええええええ!!」 どこかに動くたびにミリミリと音を立てるれいむの体、さあいよいよフィニッシュだ。 「う~☆でもふくれられるとこまるんだど~☆おおきすぎてたべられなくなるんだど~☆だからはやくたべるんだど~☆」 それが決定的な要因となった。途端にれいむの体が一気に膨張を始める。中のゆっくりが膨れて威嚇を始めたのだ。どこから空気を吸い込んだのか謎だがどんどん膨らんでいっている。 「ゆぎいいいいいいいい!!ぶぐれないでええええええええ!!でいぶのおがおがああああああああああ!!ぼんぼんいだいいいいいい!!」 所々、パチンパチンと音がする。どこが少しづつ裂けている音だ。 どんどん膨らんで俺の胸元の高さまで膨らむとついに限界がやってきた。 「ゆぎいいいいいい!!ざげるうううう!!ゆびょっ!!」 爆発、比喩でもなんでもなくれいむの体が寿命を終えた惑星が爆発するかの勢いで爆発した。 辺りに餡子が飛び散り、その中央にはとても大きなゆっくりが鎮座していた。大きなリボンが目印のれいむ種だ。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」 もはや小型のドスの一種だろ。と言わんばかりの巨体を翻してれいむは声を上げた。 スケールが大きすぎて違和感を覚えたかもしれないが生まれて二週間である、体はビッグサイズでも心は子ゆっくりなのだ。 ビッグれいむはキョロキョロと辺りを見回すと俺に向かってこう尋ねる 「ゆゆ?れいみゅのおきゃあしゃんはどきょにいりゅの?」 「れいむなら一足先にここから西にある近くの山に帰って行ったよ!ドスまりさの群れがあるからね!」 「ゆ!れいみゅもそきょにきゃえりゅよ!おしえてくれちぇどうもありがとうにぇ!」 「いやいや、じゃあ外に出てね」 「ゆっきゅりわかっちゃよ! 部屋から飛び跳ねて外にでるヒビッグれいむ、おいおいデカすぎて家がミシミシいってるよ。 玄関からビッグれいむを引っ張り出した。礼を言うとビッグれいむはそのまま振り返りもせず東に向けてその巨体を進める。俺は全然人の話を聞いていないビッグれいむのその後姿を目に焼きつけていた。 きっと体に似合った器のゆっくりしたゆっくりに育ってくれるだろう。多分 あの部屋どうやって掃除しようかなと考えながら、俺は家の中に入っていった。 餡小話に載せた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 427 おうたをうたったけっかがこれだよ! 挿絵:あめあき
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1577.html
乞食れいむのおうた 作者:白兎 ※虐待成分少なめ。 ※独自設定。 夕焼けがとっても奇麗な、7月のとある日暮れ時。 学生もサラリーマンも、みんなおうちに帰って行きます。 そんな人々が行き交う道ばたで、おうたを歌う1匹のれいむがいました。 「ゆ~♪ゆゆ~♪ゆ~♪」 ゆっくり特有のリズムを奏でながら、新聞紙の上でおうたを歌うれいむ。 彼女は、この街に住む乞食ゆっくりでした。 乞食ゆっくり。 もしかすると、皆さんは初めてお聞きになったかもしれません。 だって、この街でしか使われていない言葉ですから。 「おにいさん、こじきってなんなのぜ?」 それは、とある銀バッヂまりさの質問から始まりました。 飼い主の横でテレビを見ていたまりさが、お兄さんに、いきなりそんな質問をしたのです。 「ん?どこでそんな言葉覚えたんだ?」 「きょう、おさんぽのとちゅうで、ちいさなにんげんさんたちがいってたのぜ。」 やれやれ、とお兄さんは思いました。 あまり良くない言葉を覚えて欲しくなかったのです。 けれども、これも社会勉強と、まりさにその言葉の意味を教えることにしました。 「んー、なんて言えばいいのかな……。」 お兄さんは、知識の少ないゆっくりに、何とか説明を試みます。 「乞食って言うのはね、街中で物乞いをする人のことだよ。」 「ものごいってなんなのぜ?」 「道ばたで、人にお金をもらったりすること。」 「なんでなのぜ?にんげんさんは、かいしゃからおきゅうりょうをもらうのぜ?」 「そういう人は、仕事が無かったり、自分の家が無かったりするからね。」 まりさは、お兄さんの説明にしばらく体を捻っていましたが、 ふと全ての謎が解けたかのように、ぴんと背筋を伸ばして言いました。 「ゆん!ゆっくりりかいしたのぜ!こじきはのらのにんげんさんなのぜ!」 このまりさ、お兄さんの説明を少し勘違いしてしまったようです。 けれども、お兄さんも面倒くさかったので、あえて訂正はしませんでした。 翌日、銀まりさは、お友達のゆっくりに、この話を伝えました。 みんな、近くの家で飼われている高級なゆっくりばかりです。 「むきゅ。ぱちゅも、えきまえでみたことあるのだわ。」 「のらのにんげんさんだねー。わかるよー。」 「それじゃあ、のらのゆっくりも、こじきなのかしら?」 「きっとそうだみょん!」 野良の人間が乞食なら、野良のゆっくりも乞食だろう。 彼らは、そう結論付けました。 そして、街中で野良を見かける度に、彼らを乞食と呼ぶようになったのです。 「あんなところにこじきがいるのぜ!きたないのぜ!」 「こじきはとかいはじゃないわ!ありすのそばにこないでね!」 この2匹、別にゲスではありません。 ペットショップで、店員さんから、野良は汚くてゆっくりできないと教えられ、 それを忠実に守っているだけなのです。 けれども、この呼び名を広めたのは、当の飼いゆっくりたちではありませんでした。 それを横で聞いていた、地元の小学生です。 小学生というものは、相手を馬鹿にする言葉が大好きなのです。 あっと言う間に、地元の小学校でこの呼び名が広まりました。 そして、今度は、小学生の言葉遣いが、他の飼いゆっくりに影響を与えます。 「おーい、こっちに乞食がいるぜ!」 「ゆゆ!こじきがいるよ!」 「おおこじきこじき。」 こうして、分別のある大人を除き、みんなが野良ゆっくりを乞食と呼ぶようになりました。 野良ゆっくりたちは、それが悪口だと分かると、とても怒りました。 「れいむはこじきじゃないよ!れいむはれいむだよ!」 「まりさはりっぱなのらゆっくりだよ!こじきじゃないよ!」 ですが、毎日のように乞食乞食と言われ続けると、 なんだか本当に乞食のような気がしてしまうものです。 1年も経った頃には、野良ゆっくりも、自分たちのことを乞食と呼ぶようになりました。 ですから、この街では、野良ゆっくりはみんな、乞食ゆっくりと呼ばれているのです。 ところで、名は体を表す、という諺があります。 乞食ゆっくりたちは、だんだん本物の乞食と一緒の生活をするようになりました。 街中で、物乞いをするようになったのです。 もちろん、ただ座っているだけでは、何も貰えません。 だから、乞食ゆっくりたちは、芸を披露することにしました。 あるものはダンスを踊り、あるものはおうたを歌います。 こうして、乞食ゆっくりたちは、街中の風景にすっかり溶け込んでしまいました。 「ゆゆ~♪ゆ~ゆ~♪ゆ~♪」 このれいむも、昔は街の近くにある小さな森で暮らしていましたが、 土地開発で巣を追われ、こうして乞食になったのです。 都会での生活に慣れていないれいむには、苦労苦労の連続でしたが、 仲間の手助けにより、ここまでやってこれました。 「ゆ~♪ゆ~♪ゆゆ~♪」 「こじきのれいみゅにおきゃねをめぐんでくだちゃい!」 おうたを歌うれいむの横で、通行人に笑顔を振りまいているのは、 森を追われるときに助けた妹れいむです。 両親と他の姉妹は、おうちを潰そうとする巨大なすぃーに立ち向かい、 そして、ぺっちゃんこにされてしまいました。 「ゆ~♪ゆゆ~♪ゆ~♪」 「おねがいしましゅ!こじきのれいみゅににゃにかめぐんでくだちゃい!」 森にいた頃は、うたひめと呼ばれ、みんながれいむのおうたを褒めてくれました。 でも、この街では、誰もれいむのおうたなど聴いてくれません。 みんな、顔色ひとつ変えずに、れいむたちの前を通り過ぎて行くだけです。 だけど、おうたを歌う以外に何もできないれいむは、おうたを歌い続けるしかありません。 「ゆゆ~ん♪ゆ~ゆゆ~♪」 おうたを歌っているとき、れいむはいつも、森での暮らしを思い浮かべます。 とっても優しいお父さんとお母さん、可愛らしい妹たち、 そして、みんなと遊んだゆっくりプレイス。 れいむは、ゆっくりとした記憶に浸りながら、今日もおうたを歌うのです。 ふと、道の向こうから、不機嫌そうなサラリーマンが歩いて来ます。 男は、今日、上司にこっぴどく怒られて、内心むしゃくしゃしていました。 「けっ、部長の指示が悪いんだろうが……。なんで俺のせいになるんだよ……。」 男が新聞紙の前を通りかかったところで、妹れいむが声を上げました。 「おじしゃん!こじきのれいみゅににゃにかめぐんでくだちゃい!おねがいしましゅ!」 男は、2匹にちらっと目をやると、あからさまに舌打ちをします。 「……なんだ、ゆっくりか。うっせーな。」 男は、ほんの一瞬、れいむの顔に目をやりました。 森の暮らしを思い出して歌うれいむの表情は、幸せそのものです。 男は、そのまま通り過ぎようとしましたが、何を思ったのか、 ポケットに手を入れると、きらきら光るものを、空き缶に投げ入れました。 チャリーン 金属のぶつかる音がします。 「ありがとうございます。」 れいむは、おうたを中断し、もみあげで三つ指をついて、頭を下げました。 「ありがちょうごじゃいましゅ!」 妹れいむは、ぴょんぴょん跳ねて、サラリーマンにお礼のダンスを披露します。 サラリーマンは、そんな2匹を無視すると、先を急ぎました。 れいむは、男が見えなくなったところで、ようやく顔を上げます。 「きょうはおかねもらえたね。くらいからもうおうちにかえろうね。」 「ゆっくち~♪」 れいむは、空き缶の中に入っている金属片を、もみあげでゆっくり取り出します。 いったいいくら入っているのでしょうか。 「……。」 夕暮れの太陽に赤く光る丸い円盤。 それは、お金ではありませんでした。 ただのビール瓶の蓋でした。 男は、嫌がらせをするために、わざとそれを入れたのです。 「ごめんね……。これおかねじゃないよ……。ごめんね……。」 「ゆぅ……。」 れいむは、白玉の目からすっと涙を流し、妹に何度も何度も謝ります。 やっと貰えたと思ったお金。 これなら、何も貰えない方が、どれほど良かったことでしょう。 「おにぇしゃんなかにゃいでにぇ。れいみゅゆっきゅりがまんしゅりゅよ。」 心配した妹が、れいむの頬にすーりすーりして来ます。 「おにぇしゃんしゅーりしゅーり。なきゃないでにぇ。」 そんな健気な妹を見ると、れいむも泣いてはいられません。 笑顔を取戻し、元気よく妹にすーりすーりし返してあげます。 「さあゆっくりおうちにかえろうね!」 「ゆっくち~♪」 れいむたちは、もみあげともみあげをしっかりと繋ぎ合わせ、 夕闇に包まれた始めた大通りを、ゆっくりと去って行きました。 「ゆゆん!このあんぱんさんはさんえんだよ!とってもやすいよ!」 「ちぇんかうよー!きょうはごえんだまもらったよー!」 「まりさもあまあまさんいっぱいあつめたよ!ゆっくりかいものしていってね!」 「ちーんぽ!」 ここは乞食谷。 乞食ゆっくりたちが集う、街の下宿所です。 もちろん、町中に谷などありません。 誰も住んでいないビルに囲まれた空き地が、谷底に似ているので、そう呼ばれているだけです。 乞食たちは、この谷の真ん中にあるドラム缶の前で、毎晩市場を開きます。 食べ物や段ボールなど、生活に必要なものを集めたゆっくりが、 人間からお金をもらったゆっくりに、それを売っているのです。 今日も市場は大盛況。 ゆっくりたちの賑やかな声が、あちこちから聞こえてきます。 「ゆぅ……。あんぱんしゃん……。」 そんな市場を遠くから眺めているのは、さきほどのれいむ姉妹です。 お金も物ももらえなかった2匹は、何にも交換するものがありません。 ただただ、他のゆっくりたちの買い物を見ている以外、することがないのです。 「れいみゅもあんぱんしゃんたべちゃいよ……。」 妹れいむが、物欲しそうに涎を垂らしながら、ちぇんの買った餡パンを見つめています。 「ごめんね。あしたはおかねをもらってあんぱんさんたべようね。」 「ゆぅ……。」 そんな会話をしていると、ふと市場の方から、1匹のゆっくりが跳ねて来ます。 それは、よく見知った帽子の子、ゆっくりまりさでした。 「ゆっくりしていってね!」 まりさは、笑顔でれいむに挨拶します。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇいっちぇね!」 れいむとその妹も、先程までの空腹を忘れて、元気よく挨拶を返します。 れいむは、このまりさと大の仲良しでした。 この乞食谷に案内してくれたのも、街中でたまたま出会ったこのまりさだったのです。 まりさは、人間にもそうと分かるくらいの美ゆっくりでしたが、野良は野良。 お帽子にはあちこちに穴が空き、お肌も都会の空気ですっかり汚れてしまっています。 そんなまりさは、とびっきりの笑顔で、れいむに話しかけます。 「きょうもいっぱいおかねもらえたよ!」 嘘ではありません。 このまりさは、1日になんと15円も稼ぐのです。 普通は5円も集まれば御の字なのですから、どれほど凄いかが分かります。 それもそのはず、このまりさは、芸の名人でした。 ぴょんと30センチも飛び跳ねてトンボ返りをしたり、 口に棒をくわえて、コーンの間に張った綱を渡ったりできるのです。 だから、人間さんたちの間でも、まりさはとっても有名でした。 「れいむはおかいものしないの?」 まりさは、れいむにそっと尋ねました。 れいむは何も答えませんでしたが、まりさには分かっています。 だって、れいむがお買い物をすることなど、滅多にないのですから。 れいむは、それくらい物乞いが下手なのです。 けれども、嫌みで尋ねたわけではありません。 まりさは、いつもこうやって、れいむにプレゼントする機会を作っているのです。 「れいむにこれあげるよ!」 まりさは、帽子の中から、野菜屑を取り出して、れいむに差し出します。 それは、八百屋さんの前で芸を披露したときに、店のおじさんから貰ったものでした。 このおじさん、普段はじゃがいもの皮しかくれないのですが、 その日はまりさの宙返りがあまりにも見事だったので、キャベツの葉っぱをくれました。 「ゆゆん!まりさありがとう!」 れいむは、うれし涙を流しながら、キャベツの葉っぱを受け取ります。 それを見た妹のれいむは、今にも端っこに噛み付いてしまいそうでしたが、 お姉さんのお腹がぐーぐー鳴っていることを、ちゃんと知っています。 だから、溢れそうになる唾を飲み込み、お行儀よく我慢することができました。 「こまったときはおたがいさまだよ!」 困ったときはお互い様。 まりさは、いつもそう言ってくれます。 だけど実際には、れいむが貰う一方で、お返ししたことなど一度もありません。 本当はお返ししたいと思っていても、あげるものが何もないのです。 れいむがまりさにしてあげられることは、ひとつだけ。 そして、まりさも、そのたったひとつのことを、いつもお願いして来ます。 「ねえ!まりさにおうたをきかせてよ!」 「いいよ!ゆっくりきいていってね!」 れいむは、まりさの前で、ゆっくりとおうたを歌い始めます。 「ゆ~♪ゆゆ~♪ゆゆ~♪」 まりさは、本当にゆっくりとした表情で、れいむのおうたを静かに聴きます。 「れいむのおうたはほんとにゆっくりしてるね!」 「ゆゆ!ありがとう!」 まりさは、お世辞を言ったのではありません。 れいむのおうたは、ゆっくりにとって、本当にゆっくりしたおうたなのです。 だけど、そのおうたを聴いてくれるのは、街中でも、このまりさしかいません。 その理由は簡単でした。 みんな生きることに必死で、おうたなど聴いている場合ではないのです。 だから、このまりさがおうたに耳を澄ますのは、彼女が恵まれていることの証なのです。 「おとうしゃんだけじゅるいよ!まりちゃもなきゃまにいれちぇにぇ!」 れいむとまりさの間に割って入ったのは、小さな体をのーびのーびさせた子まりさでした。 まりさをお父さんと呼んでいますが、2匹の間に餡子は繋がっていません。 子まりさの母親が車に轢かれ、側で泣いていたところを、まりさが拾ってあげたのです。 最初は母親が死んだショックで、まりさにはあまり懐いてくれませんでしたが、 いつからか、子まりさは、まりさをお父さんと呼ぶようになっていました。 「まりちゃだけにゃかまはじゅれにゃんてぴゅんぴゅんだよ!」 「ごめんね。でも、おちびちゃんがすーやすーやしてたから、おこさなかったんだよ。」 子まりさも、本気で怒っているわけではありません。 その証拠に、子まりさは、まりさの頬に擦り寄ると、すぐに笑顔に戻ります。 「れいみゅおねーしゃん。まりちゃにもおうちゃをきかちぇてにぇ。」 「ゆふふ。いいよ。もういっかいうたおうね。」 れいむは、そんなまりさたちのやりとりに、思わず顔が綻んでしまいます。 「れいみゅもおうちゃうちゃえるよ。」 子れいむが、もみあげさんをぴこぴこさせながら、可愛い声をあげました。 彼女も、お姉さんにおうたを教えてもらっているのです。 「それじゃあ、ふたりでうたおうね!」 「「ゆゆゆ~♪」」 その夜、乞食谷に、姉妹の楽しそうな歌声が、いつまでも響き渡りました。 次の日のこと。 物乞いから帰ったれいむのおうちへ、例のまりさが息を弾ませてやって来ます。 いったい何だろうと思っていると、まりさは次のように言いました。 「まりさ、てれびにでるよ!おかねもいっぱいもらえるよ!」 これでは、いったい何のことだか分かりません。 れいむはまりさを落ち着かせ、詳しく話してくれるように頼みました。 まりさの話はこうでした。 今日、いつもの繁華街で曲芸をしていると、いきなり男の人が話しかけてきたのです。 そして、男の人は、こう言いました。 テレビに出てみないかい、と。 彼は、某テレビ局のディレクターさんでした。 ディレクターさんの話によると、来月、街中の変わったゆっくりを紹介する番組があり、 ぜひまりさにも出演して欲しいと言うのでした。 「出演料として、500円出すよ。」 500円! まりさはびっくりしました。 だって、まりさの一ヶ月分の稼ぎが、1日で手に入るのですから。 まりさは、喜んでテレビ出演を快諾しました。 ディレクターさんは、日曜日にまた来ると言って、その場を去りました。 「もし500えんもらったら、れいむにすてきなぷれぜんとをするよ!」 500円もあれば、大きな板チョコが何枚も買えます。 まりさは口にしませんでしたが、その板チョコをれいむにプレゼントし、 そして愛の告白をするつもりだったのです。 「まりさすごいね!れいむゆっくりおうえんするよ!」 「うん!まりさもゆっくりがんばるよ!」 その日、まりさは、前祝いとして、とっておきの5円チョコを4匹で分け合いました。 上手く割れなかったので、れいむは子れいむに、まりさは子まりさに、 それぞれ大きな欠片を渡します。 「「「「む~しゃむ~しゃ♪しあわせ~♪」」」」 その夜、乞食谷に、4匹の幸せな声が、いつまでも響き渡りました。 日曜日、ついにまりさのテレビ出演の日がやって来ました。 もちろん、今日は単なる収録日で、放送は後日なのですが、 ゆっくりであるまりさたちには、そんなことは分かりません。 それに、どうせテレビを見ることなどできないのですから、 テレビに出られるかどうかなんて、本当はどうでもよかったのかもしれません。 「おにいさん!きょうはまりさのすごいわざいっぱいみせてあげるね!」 まりさが、少しばかり声を震わせて言いました。 さすがに緊張しているのでしょう。 早速、得意のバク転を決めようと身構えたところで、ディレクターさんが止めに入ります。 「あ、悪いけど、君がやることは、こっちで決めてあるんだ。」 ディレクターさんは、そう言うと、奇麗な青空を指差しました。 まりさもれいむも、そして同伴した子ゆっくりたちも、不思議そうに空を見上げます。 「あそこに綱が見えるだろう。あれを渡ってくれ。」 最初は気付きませんでしたが、ビルとビルの間に、一本の太いロープが張られていました。 それは、建物の5階から伸びていて、長さも10mはあるでしょうか。 まりさは、言葉が出せません。 だって、こんなことをやるとは、聞いていなかったのですから。 「ゆゆ。これはたかすぎるよ。それにひもさんもながすぎるよ。」 「なに、やらないの?やらないなら、他のゆっくりに頼むけど?」 ディレクターさんは、まりさを睨みつけました。 「でも……あぶないよ……。」 「危ないからこそ、視聴者も喜ぶんだろう。普通の芸で500円貰おうなんて甘いね。」 まりさは迷います。 いくらゆっくりでも、この高さから落ちれば死ぬことくらいは理解できました。 以前、お友達のまりさが、誤って歩道橋から落ちてしまい、 地面でぺちゃんこになったのを、まりさは見たことがあるからです。 まりさは、困ったように視線を落とした後、今度はれいむの方を見ました。 まりさの目には、不安と同時に、何かを諦めきれない気持ちが、入り交じっていました。 れいむは、何も言うことができません。 これは、まりさの舞台なのです。 決めるのは、まりさであって、れいむではないのです。 しばらく悩んだ末、意を決したように顔を上げると、まりさはこう言いました。 「ゆん!まりさやるよ!」 「だめだよまりさ!こんなのゆっくりできないよ!」 大声を上げたのは、れいむでした。 そんな危険なことをして欲しくない。 ただその一心から出た声でした。 「あーん?なんだこのれいむは?」 ディレクターさんが、れいむの方へ近付いてきます。 すると、まりさが、慌ててディレクターさんの前に立ちはだかりました。 「れいむはまりさのおともだちだよ!いじめないでね!いじめたらまりさやめるよ!」 ディレクターさんは、少し不機嫌そうでしたが、黙ってスタッフに合図を送ります。 カメラが用意され、撮影が始まりました。 まりさは、若い男のスタッフに持ち上げられ、ビルの中に消えて行きます。 「ゆ~ん♪おそらをとんでるみたい♪」 そんな暢気な声が、半開きの自働ドアから聞こえてきました。 まりさが棒をくわえ、ロープの前に立ったとき、彼女はびっくりしてしまいました。 下から見上げたときよりも、ずっとずっと高く感じられたからです。 さすがのまりさも、あんよが震えてしまいます。 「よーし!じゃあ始めてくれ!」 遠くから、ディレクターさんの掛け声が聞こえました。 「おとうしゃん!がんばっちぇにぇ!」 「まりしゃおじしゃんがんびゃりぇー!」 地上で無邪気にまりさを応援しているのは、子まりさと子れいむの2匹です。 彼らは体をのーびのーびさせながら、一生懸命に声を張り上げます。 その横にいるれいむは、もみあげを合わせ、不安そうにまりさを見つめているだけ。 まりさのことが心配で心配で、舌が動かないのです。 そんなれいむの顔を見ていると、何としてでも渡り切ってやろうという気持ちが、 まりさの餡子の中に、むらむらと湧いてきました。 「これがめいじんまりさのつなわたりだよ!みんなみててね!」 まりさは、棒を上下の歯でしっかりと挟み、ぐっと表情を引き締めると、 まるっこいあんよを、ロープの端に乗せました。 めまいがしそうな高さです。下を見てはいけません。 「……。」 ゆっくりと、本当にゆっくりと、まりさはロープを渡って行きます。 人間さんたちは、最初から応援も何もしていませんでしたが、 今や子ゆっくりたちも、黙ってまりさの勇姿を見守るしかありません。 芸の最中に声を上げると気が散ることは、彼らも知っていたからです。 どれほどの時間が過ぎたでしょうか。 1時間とも2時間とも感じられるような緊張の連続が過ぎ去り、 気付けば、まりさはロープの半分を渡り切っていました。 さすがの人間さんたちも、これには驚きを隠せません。 あと半分。 この調子であと半分を渡り切れば、500円玉が手に入る。 そして、れいむに愛の告白をすることができる。 まりさの餡子を支配していた恐怖が、だんだんと希望に取って代わられます。 と、そのときでした。 ビューーーッ 「!」 強烈なビル風が、道ばたにいる人々を襲います。 まりさは、歯を食いしばり、ロープの上でバランスを取ろうと必死に踏ん張りました。 普通のゆっくりならば、すぐに吹き飛ばしてしまったであろうこの強風も、 まりさの素晴らしいバランス感覚の前では、柳に風です。 そう、まりさの前では。 「おぼっ!?」 まりさは、全身を器用にくねらせ、ロープの上で絶妙なバランスを取っていました。 しかし、まりさが動かせるのは、まるっこい饅頭の体だけなのです。 だから、辛抱を切らした風は、まりさではなく、 まりさの大事なお帽子を攫って行くことに決めました。 まりさは、外れかけたお帽子を放すまいと身を捩りますが、全く意味がありません。 お帽子は飾りであり、体の一部ではないのです。 ついに、風が、お帽子のツバに、見えない指を掛けました。 「まりさ!だめだよ!」 れいむの声は、遅過ぎました。 まりさは、お帽子に対する愛着から、うっかり後を追おうとしてしまったのです。 当然、バランスを失い、そのまま地面へ真っ逆さま。 ぐちゃ、という音と一緒に、永遠にゆっくりしてしまいました。 一瞬の出来事だったので、れいむたちには、何が起きたのか分かりません。 「よーし、いい絵が取れたぞ。」 「ディレクター、テロップはどうしますか?」 「薬中まりさ、白昼の錯乱綱渡り。バカとゆっくりは高いところがお好き。」 「お、いいですねえ。高視聴率間違いなしですよ。」 ディレクターさんは、嘘を吐いたのではありません。 ゆっくりの番組が放送されるというのは、本当です。 成功すれば500円玉をあげるつもりだったのも、本当です。 ただ、ディレクターさんは、ひとつだけ言わなかったことがあるのです。 番組のタイトルが、『爆笑☆街中のおかしなゆっくりたち』だということを。 「じゃ、それっぽく見えるように、適当に編集しといてね。」 ディレクターさんがその場を去ると、他の人間さんたちも、道具の片付けを始めました。 がちゃがちゃという音に、れいむは、ようやく意識を取戻します。 そうだ、ここには人間さんたちがいる。 人間さんは、どんな病気でも治すことができる。 れいむは、昔、死んだ長のぱちゅりーに、そう教えられたのを思い出しました。 「にんげんさん!おねがいだよ!まりさをたすけてあげてね!おねがいだよ!」 しかし、人間さんたちは、誰も助けてはくれません。 れいむは、側にいた女の人のところへぴょんぴょん跳ねると、また大声で言いました。 「おねえさん!まりさはまだいきてるんだよ!だからゆっくりたすけてあげてね!」 女の人は、五月蝿そうにれいむを避けると、道具を持ってどこかへ行ってしまいました。 れいむは向きを変え、少し離れたところにいる男の人に、跳ねながら話しかけます。 「おにいさん!まりさをびょういんにつれていってあげてね!おねがいだよ!」 れいむがさらに近付こうとすると、男の人の踵が、れいむの顔に当たりました。 体の中からメキッという音が聞こえ、れいむは後ろに転がってしまいます。 起き上がってみると、口の中が何やら変な感じです。 そうです。前歯が折れてしまったのです。 男の人も、それに気付きました。 「あーあ、足下でうろちょろするから。どっか行けよ。」 「まりひゃをびょういんにひゅれてってあげてね!おねがいだよ!」 れいむは、歯の折れた痛みなど忘れて、もう一度男の人に頼みます。 「あのさ、生きてるわけないっしょ。少しは現実見ろよ。」 「まりひゃはいきてるよ!だからたひゅけてあげてね!おねがいだよ!」 男の人は、やれやれと首を横に振り、その場を離れて行きました。 誰も助けてくれないことが分かったので、れいむは涙を流しながら、 まりさのところへ駆け寄ります。 「おとうしゃん!おめめあけちぇえええ!」 「まりしゃおじしゃんげんきになっちぇね……。ぺーろぺーろ……。」 まりさの側で、子れいむと子まりさが、しくしくと泣いています。 「まりひゃ!れいむといっひょにおいひゃひゃんにいこうね!」 れいむはそのとき、初めてまりさの顔を見てしまいました。 白玉の目玉が飛び出し、そこから餡子がたくさん漏れています。 それに口の形もいびつで、だらしなく舌が垂れていました。 街中でも指折りの美ゆっくりだったまりさの面影は、もはやどこにもありません。 「まりひゃ!きっとよくなるよ!だからおいひゃひゃんへいこうね!」 まりさは、返事をしてくれません。 それから何度かまりさの名前を呼んだ後、れいむは、 ようやくまりさが死んだのだと分かりました。 「まりびゃあああ!!!まりびゃああああああ!!!」 れいむも、わんわんと泣きました。 こんなことなら、まりさを止めれば良かった。 そう思っても、全ては後の祭りです。 そして、れいむにはもうひとつ、とっても後悔したことがありました。 彼女は聞いてしまったのです。 まりさが最後に叫んだ言葉を。 れいむあいしてるよ、と。 「ゆ~♪ゆゆ~♪ゆひゅ~♪」 夕焼けがとっても奇麗な、7月のとある日暮れ時。 学生もサラリーマンも、みんなおうちに帰って行きます。 そんな人々が行き交う道ばたで、おうたを歌う1匹のれいむがいました。 そうです。あの乞食れいむです。 れいむはあれからも、同じ場所で、同じおうたを歌い続けています。 「こじきのまりしゃにおきゃねをめぐんでくだちゃい!おにぇがいしましゅ!」 「こじきのれいみゅはおうたがとってもじょうずなんでしゅ!きいてくだちゃい!」 だけど、歯が折れてしまったれいむは、もう今までのようにおうたが歌えません。 以前は顔色ひとつ変えずに避けていた人たちも、今や我慢ができないといった様子で、 れいむたちを睨みつけ、罵声を浴びせます。 「くっせぇ饅頭がこんなところで歌ってんじゃねーぞ!」 「きもー。あのれいむ歯がないじゃん。」 「ゆひゅ~♪ゆひひゅ~♪」 溢れそうになる涙を堪えながら、れいむはおうたを歌います。 もう、おうたを歌っても、昔の楽しかった思い出は、餡子の中に浮かんできません。 だかられいむは、何も考えず、生きるためにおうたを歌うのです。 ふと、道の向こうから、不機嫌そうなサラリーマンが歩いて来ます。 男は、今日、上司にこっぴどく怒られて、内心むしゃくしゃしていました。 「けっ、ありゃ新入りのヘマだろうが……。なんで俺のせいになるんだよ……。」 男が新聞紙の前を通りかかったところで、妹れいむが声を上げました。 「おじしゃん!こじきのれいみゅになにかめぐんでくだちゃい!おねがいしましゅ!」 男は、3匹にちらっと目をやると、あからさまに舌打ちをします。 「……なんだ、ゆっくりか。うっせーな。」 そのまま通り過ぎようとしたとき、男は、ふと足を止めました。 この光景、どこかで見たことがある。そうだ、あのれいむだ。 ずっと前に、ビール瓶の蓋で、このれいむをからかったことを、男は覚えていました。 男は、しばらくの間、じっとれいむの顔を見つめていました。 れいむの方は目を瞑り、真剣におうたを歌っています。 前歯の隙間から空気が漏れ、ひゅーひゅーと間の抜けた音が聞こえても、 れいむは真剣におうたを歌っているのです。 チャリーン 缶の底で、金属のぶつかる音がします。 「ありがとうごびゃいまひゅ。」 「「ありがとうございましゅ!」」 れいむと2匹の子ゆっくりは、もみあげとおさげで三つ指をつき、深々と頭を下げます。 サラリーマンは、お礼を言う3匹を無視して、先を急ぎました。 れいむは、男が見えなくなると、ようやく体を持ち上げます。 「ひょうはおかねもらえひゃね。くらいからもうおうひにひゃえろうね。」 「「ゆっくち~♪」」 れいむは、空き缶の中に入っている金属片を、もみあげでゆっくり取り出します。 いったいいくら入っているのでしょうか。 「……。」 夕暮れの太陽に赤く光る丸い円盤。 それは、1円玉でした。 「ゆわ~♪いひえんだまひゃんだよ♪」 れいむの顔がぱっと明るくなります。 「いちえんだましゃんゆっくりしていっちぇね!」 妹れいむも目を輝かせ、1円玉さんにすーりすーりしようと体を伸ばします。 「おじしゃんありがちょね!」 子まりさは、もう姿の見えない男の方角に向かい、何度も何度もお礼を言いました。 「ゆっくりおうひにかえってくひゃひゃんをむーひゃむーひゃひようね!」 「「ゆっくち~♪」」 れいむは、右のもみあげで子れいむを、左のもみあげで子まりさを抱き寄せると、 夕闇に包まれた始めた大通りを、ゆっくりと去って行きました。 そんなれいむの唇には、生まれて初めて恵んでもらった1円玉が、 何か大事なものと交換されたかのように、赤く赤く、輝いているのでした。 終わり これまでに書いた作品 ダスキユのある風景(前編) ダスキユのある風景(中編) ダスキユのある風景(後編) 英雄の条件 ふわふわと壊れゆく家族 ♂れいむを探して
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1115.html
注・ゆっくりらしからぬゆっくりが出ます。 幻想郷の人里から少し離れた場所に緑の森が有る。 その森に住んでいるゆっくり達はとても幸せだった。 何故ならここには外敵である筈のれみりゃなどもほとんどやって来る事も無く、人里の人間も好んで立ち入る事も無かった。 時折、無謀なゆっくりが人里に悪さをしに行く場合も有ったが、再犯でもしない限りは直ぐに殺される事も無い。 流石に2,3度となれば別だが、そこまでの再犯を重ねるゆっくりで有れば、逆に人間に裁いて貰った方が平和になる。 幻想郷の人間は融和的で、罪を犯したゆっくりとその他のゆっくりを混同するなどという、短絡的で愚かな考えはしなかった。 その為、狩りや木の実の採取に長けたゆっくりまりさと、ぱちゅりーにも負けない明晰な頭脳を持ったれいむが率いるその群れは、 仲間同士で争う事も無く、困った事が有れば群れの仲間同士で協力し日々を謳歌していた。 ある越冬の時では、食料が芳しくない家の者に群れのゆっくり達が少しづつ食料を提供し、その家族は無事一匹も欠ける事無く冬を越した。 ある梅雨の季節では、暴風で破壊されたゆっくりの家が有ったが、群れのリーダーであるまりさはその家が直るまで住人を快く自らの家へと招き入れた。 相互扶助。 その群れのゆっくり達は全て、その言葉は知らずとも、その行動を実行する事が出来た。 かつ、いつまでも他の者に頼るなどという甘い考えのゆっくりなどは存在せず、この群れはとても良好に機能していた。 やがてそのまりさとれいむは群れの皆から祝福され結婚して家族となり、より一層の繁栄を為し得るかに見えた。 そう、一週間程前までは。 「ゆぅぅ、なんでこんなことに・・・」 薄暗い洞窟の奥で、ボロボロの身なりのれいむが居た。 少し前まで群れの長であったれいむである。 黒々とした艶の有った髪も見る影も無く荒れ、頭のリボンもネズミにでも齧られたかのように所々千切れている。 それにも増して、かなりの暴行を受けたのだろうか、その身体にはそこかしこに真新しい傷が出来ていた。 その場所にしても、洞窟の中の狭い一室の入り口を柵で覆い、まるで牢屋のように作られている事から、その状況が尋常で無いのは一目瞭然であった。 「まりさたちはだいじょうぶかなぁ・・・」 いつまでも続くかに思えた幸せの時を思い出してしまい思わず嗚咽が漏れる。 最愛のゆっくりを思い浮かべると涙が零れる。 部屋の片隅で丸い身体を震わせ、えぐえぐとただ悲嘆に暮れなき続けるしか、今のれいむには出来る事は無かった。 一週間前、群れで大規模な反乱が起こった。 その反乱により、群れを率いていた群れの幹部達の多くは捕らえられてしまったのだ。 夫であるまりさと子供達は間一髪の所で逃げ出す事に成功したが、れいむはその時自ら犠牲となり囚われの身となってしまった。 「ゆふふ、惨めなものね」 そんなれいむを嘲笑うような声が聞こえたかと思うと、数匹のゆっくりがその部屋の中に入ってくる。 先頭のゆっくりは普通のゆっくりには扱えぬ筈の火の付いた松明を口に咥えている為、部屋の中が一気に明るくなった。 ほとんどは数週間前に群れにやってきた新参のゆっくり達だが、中には昔から群れに住んでいた見慣れた顔のゆっくりも居る。 そして遅れて入ってきたゆっくり。 煌びやかな髪が松明の炎に照らされて鮮やかな光を放ち、その優雅な佇まいにはゆっくりで有りながらも何処か厳かな雰囲気を漂わせる。 薄暗い洞窟の中でそのゆっくりの存在感は一層際立ち、周りの者の眼を引く。 「ゆっ!?おまえは……ゆっくりしねぇ!!」 涙を流していたれいむであったが、その姿を一目見た瞬間、まるで鬼にでも取り付かれたかのような形相に変わり目の前のゆっくりに飛び掛かろうとした。 だが、周りの者達がすぐさま盾となりそれを阻み、れいむを跳ね飛ばす。 そのまま壁に叩き付けられ「ゆぐぅ」と短い呻き声を上げたれいむに、追い討ちとばかりに数匹のゆっくりが圧し掛かる。 「いつもむだなことをしないでね!!ゆっくりりかいしてね!!」 「いたいよ、ゆっくりやめっ、てびゅっ!!やめて、に”ゅ!!」 「ちーんぽ!!ちーんぽ!!」 まりさ種やみょん種、中には同種のれいむ種まで居る。 それらは足元のれいむの声などに一切耳を貸さずにひたすら飛び跳ねれいむを苦しめる。 数は元よりろくに食事も食べていない弱ったれいむは成す術も無く、そこから逃げ出す体力も無い。 「ゆぐっ、やめ”、びょひゅ……いだい”よ、ゆっぐりぃ」 「おお、よわいよわい」 「な”んでごんな……ゆべっ!!ゆびぃ!!」 反論を挟む余地の無い暴力。 段々とれいむの眼から生気が失われていき、その叫び声も「ゆぐっ!!ゆげぇ!!」から「ゅみゅ…、ゅきゅ……」と弱々しくなっていく。 淡々と行われるその暴行を冷ややかな眼で見詰めていたあのゆっくりがズイッと前に出ると、周りの者はそれに反応してすぐさまその場から飛び退いた。 後に残されたのは、その口から餡子を垂れ流し、楕円形の形になってしまった瀕死のれいむである。 「ゅ……ゅ……」 「おやおや、わらわがわざわざ会いに来てさしあげたのに、あなたはもうゆっくり死んでしまいますの?」 ビクビクと痙攣を始めたれいむの前で、明らかに他のゆっくりとは違う流暢な話し言葉で呼び掛けた。 すると、このまま死んでしまうかに見えたれいむの眼に少しだけ光が戻る。 そして動かぬ身体で眼だけを動かし、眼の前のそのゆっくりを憤怒の炎が宿った眼で睨み付けたのだ。 「ゆぐぐ…このぉ、おんしらずのゆっぐりめぇ……」 「ゆふふ、わらわはそなたの様なゆっくりに受けた恩など覚えがありませぬ」 「ゆぎぃぃ!!きさまなんか、れいむとおなじれいむなんておもえないよ!!」 憎しみを込めて力一杯に叫ぶと同時に、横から別のゆっくりが体当たりをし、れいむは又もや吹き飛ばされ壁に打ち付けられる。 「おまえのようなゆっくりとおなじにするなだぜ!!はくれいむさまとおよびするんだぜ!!」 取り巻きの一匹であるまりさが体当たりをし、そうれいむに対して叫ぶ。 その後ちらりと、はくれいむと呼ばれたゆっくりれいむに眼を向け、ニヤリと口元を歪ませる。 はくれいむに惚れているのだろうか。 まりさなりのアピールを欠かさない。 はくれいむと呼ばれたそのゆっくりはれいむ種でありながられいむ種ではなかった。 髪は透き通るように白く普通のれいむ種の黒とは対極にあり、暗闇の中でもその存在感は際立っていた。 更には頭に付けられているれいむ種のトレードマークであるリボンも、赤い部分は真っ白に染め上げられ、その姿は正に「はくれいむ」と呼ぶに相応しかった。 姿だけでは無い。 その雰囲気もれいむ種どころか、他のゆっくりと一戦を隔す程に厳かで幽玄。 ゆっくりでありながらも、カリスマと言うべきだろうか、他ゆっくりを引き付ける何か持っている。 だがその本質は残酷で冷徹。 一ヶ月程前に数匹の取り巻きと群れに加わり、独自のやり方で群れの指導者に気付かれずに多くの仲間を作っていき、 瞬く間に反乱を起こして群れを乗っ取った。 そう、彼女こそが例の反乱の主導者であり、眼の前のれいむの幸せを打ち砕いたゆっくりなのだ。 そして一方のれいむは打ち付けられた衝撃と積み重なった暴行のダメージで「ゆべぇぇぇ!!」と汚らしく餡子を吐き出し続けるばかりである。 「おお、ぶざまぶざま。わらわがこのようなゆっくりと同じなど、考えただけでおぞましい」 そんなれいむの様子を中傷した笑みで見ながらそう呟くと、周りの者も全くだとばかりに笑いの声をあげる。 れいむは言い返す気力も無く、ただただ餡子と涙を吐き出し続けるだけであった。 クスクスと笑いながらその様子を暫く眺めていたはくれいむであったが、ふと思い出したようにれいむに問い掛ける。 「……ところで、あなたの夫であるまりさは何処にいるのかしら?」 かなりの量の餡子を吐き出し若干落ち着いたれいむは、その言葉にピクリと反応する。 だが、返答する気配は見せず貝のように押し黙ったままだ。 「はくれいむさまがしつもんしているんだぜ、ゆっくりこたえるんだぜ!!」 「……ゅ、なんどきてもれいむはこたえないよ」 一瞬言葉に詰まった。 ここに来てから何度も尋問され、その度に拒否をして暴行が行われる。 餡子脳であるがその恐怖はこの一週間でしっかりと刻まれ、その痛みと恐怖を思い出して少し言葉に詰まった。 だが、れいむは愛するまりさを裏切る気など毛頭無い。 例えこのまま殺されても絶対に喋らないと、そう心に誓っていたのだ。 「ゆゆっ!?うそをつくんじゃないぜ、おまえがにがしたんだからどこにいったかしっているはずなんだぜ!!」 「れいむはしらないっていってるよ……ゆっくりりかいしてね」 「ゆぎぃ!!おまえそんなことをいってどうなるかわかっているんだぜ!?」 れいむの馬鹿にしたような受け応えに、頭に青筋を浮かべそうな程に真っ赤になりながらまりさは凄む。 だが、周りは敵だらけというそんな状況でもれいむは怯えた表情も出さず、その口元に笑みを浮かべ。 「でも……まりさならめのまえにいるよ?」 「ゆっ?どこなんだぜ!?」 そうれいむが呟くとまりさはキョロキョロと見渡すが、何故か周りのゆっくりは一斉にそのまりさの方を見る。 「ゆぅぅ、でもわたしのしっているまりさとはちがうみたいだね」 「ゆ?どういうことなんだぜ?」 「わたしのしっているまりさとちがって、ばかでゴミくずでまったくゆっくりできてないね」 「ゆゆっ!??」 れいむのその言葉に唖然となり、その餡子脳に考えを巡らす。 このれいむはなにをいっているんだぜ? まりさがきいているのはむれをひきいていただめまりさで、ここにいるのはこのさいきょうまりささまだけなんだぜ。 そのうえ、ばかでゴミくずでゆっくりできない? だれのことをいってるんだぜ? 暫くグルグルと考えを巡らすと、流石のまりさにもどういう事か理解出来てきた。 れいむはしてやったりという風にその口元に中傷の笑みを浮かべる。 「ゆぅ!!こ、こいつ、このまりささまをばかにしてるんだぜ!?」 「ゆゆっ、ゆっくりりかいできたんだね。ゴミくずからオガクズにいいかえてあげるね」 湯気が出そうな程に全身を真っ赤にして、瀕死のれいむ今にも飛び掛らんとするまりさ。 その様子に怯む事無くれいむは更に罵倒を続ける。 「あかくなったらつよくなるとでもおもってるの?さんばいなの?しぬの?」 「ゆぎぃぃぃ、まりさはおこったんだぜぇぇ!!ゆっくりしねぇ!!」 このまま嬲り者にされたまま生き長らえるくらいなら、このまま死んだ方が良いとれいむは思っていた。 そうすれば、れいむを助けに来ようとするまりさを危険な目にあわせる事も無い。 ただ一つ心残りが有るとすれば、最後に一度で良いから愛する家族に会いたかった。 それを思うとやはり涙が零れる。 そして死が怖くなり、段々と震えが起きそうになる。 れいむはそんな湧き上がるものを、歯が欠けそうなほどに奥歯を噛み締めてぐっと堪えた。 こんな非常なゆっくり達にこれ以上惨めな姿を晒さないためである。 まりさが地を蹴る瞬間、れいむはそっと眼を瞑る。 すると死ぬ事への恐怖も不思議と消えていった。 はくれいむに一矢報いたかったが、この馬鹿なまりさに屈辱を味あわせてやっただけで満足しよう。 れいむはそう思った。 「ゆっくりお止めなさい!!」 突然、その部屋に怒声が響く。 その声にれいむを殺そうとすべく飛び上がる瞬間のまりさは身を竦めて動きを止める。 周りの者も眼を丸くして、はくれいむの方を見遣る。 「おお、愚か愚か。そのようなゆっくりの罵詈雑言に耳を傾けるとは」 「ゆぅ……でもはくれいむさま、こいつはまりさのことをばかにして……」 「お黙りなさいな。このゆっくりは死ぬ気力も無いから口先であなたを煽動し自らを殺そうとしているだけなのですよ」 「ゅぅ……」 「それにこれ以上やっては死んでしまいます。このゆっくりにはまだまだ役に立って貰わないと」 まりさは、はくれいむにそう諭され眼を地面に落とす。 格好良い所を見せようと張り切ったつもりがこんな事になるとは思っていなかった。 「ゆふぅ……あなたはまだまだ激流にゆっくりと身を任せる事が出来てないようですわね」 そんな様子のまりさにはくれいむはそう呟き、一瞥する。 その顔はこの世の終わりとでも言おうか、先ほどから一転、真っ青に血の気が引いている。 「ですが、あなたの忠義心は十分に評価していますわ。今後もわらわの部下として精進なさい」 思いも寄らぬ言葉。 それを聞いてまりさの表情はぱっと華やいだ。 二転三転、器用なものである。 しかし、はくれいむのその飴と鞭の使い分け様はやはり他のゆっくりには真似が出来るものではなかった。 周りで見ている者達も、仲間といえどまりさの馬鹿さ加減に呆れる一方で有ったが、逆にそれを許すはくれいむの懐の深さを際立たせる所となった。 そしてはくれいむにとってこの一連の流れは十分に計算通りのものであり、愚かなまりさを傍に置いている理由の一つでもある。 正に悪のカリスマというべきであろうか。 「ゆゆっ、そんなことをいいながられいむをころすどきょうがないだけなんだよね!!」 その一連のやり取りの中、れいむが声を上げる。 はくれいむを挑発しているのだ。 「ゆふふ、愚か者は声だけは立派に張り上げますのね」 「そうやってゆっくりしてられるのもいまのうちだけだよ、はやくれいむをころさないと、ゆぐっ!!?」 そんなれいむの言葉を遮る様に周りのゆっくり達が二匹回り込み、その口に縄を噛ませる。 れいむはモガモガと口を動かすが一向に外れようとしない。 後ろでちぇんが器用にその縄を結び、猿轡が完成した。 れいむの唯一の抵抗を不可能にし、これ以上餡子を吐かれたりするのを防ぐためである。 「ふぁにするの!?ふっぐぃ、ふぁずしてね!!(なにするの!?ゆっくりはずしてね!!)」 「なにいってるかわからないよー♪」 ちぇんのその言葉に周りのゆっくりは苦笑し、バタバタと暴れるれいむに冷ややかな視線を浴びせる。 そして、はくれいむは周りの一匹に目配せした。 松明を咥えたゆっくりみょんである。 そのままみょんはじりじりとその松明をれいむへと近付けて行く。 「ふぐっ!!ふぁぐいよ、ふっぐりふぁがれてね!!(ゆぐっ!!あついよ、ゆっくりはなれてね!!)」 「ふぁめてね!!ふぁ……あ”ぐぅぅぅい”ぃぃぃぃ!!(やめてね!!やめ……あづぅぅぅい”ぃぃぃぃ!!)」 壁に追い込まれたれいむの身体にその松明の先端が押し付けられる。 逃げる事も適わずにその肌は焼け焦げていき、チリチリと髪が焼け千切れていく。 左右に避けようとしても、周りのゆっくりに押し戻される。 「ふ”ぇい”ぶが、ふぉべち”ゃう!!ふぉべちぁうっべばぁぁぁぁ!!(れいむが、こげちゃう!!こげちゃうってばぁぁぁぁ!!)」 「ゆへへ、さっきまでのいせいはどこいったんだぜ?」 まともな言葉も出せずに涙を流して壁へと張り付くれいむの無様な姿を見て、先ほどのまりさも溜飲が下がったようだ。 必死の形相のれいむに構わず、みょんはグイグイとその火をれいむに押し付ける。 辺りには焼き饅頭の香ばしい匂いが立ち込め、それが段々と焦げた匂いへと変わっていく。 すると急に、ぼわっとれいむの頭に火の手が上がる。 本格的に髪に引火してしまったのだろう。 「ふぎゅあ”ぁぁぁぁぁあ”あ”あ”あ”あ”ぁあぁ!!」 頭に火を付けて眼を見開き、言葉に成らぬ叫び声をあげたれいむに松明を持っていたみょんも思わず後ろに下がる。 引火した火を消そうとれいむがゴロゴロと地面に転がり、その様子に周りで見ていたゆっくり達も後ろへと退いた。 「びゅぅべいぶのびゃびばぁぁ!!おびぼんぎゃあぁぁあぁぁ!!(でいぶのがみ”がぁぁぁ!!おりぼんがぁぁぁぁぁ!!)」 「ぶぁふへへ、ふぁりしゃあぁぁあ!!ぶあぁぁぁりじゃあ”ぁぁぁ!!(だすけてぇ、まりじゃあぁぁあ!!ま”あぁぁぁりざあ”ぁぁぁ!!)」 一度は死を覚悟しながらも、じわりじわりと蝕む苦しみに思わずれいむはまりさに助けを求める。 だが当然まりさは来ない。 身体の全水分を眼から垂れ流しながら、必死に愛するゆっくりの名前を叫びながられいむは転げ回るだけだ。 やがてそのまま全身に火が廻り焼け焦げてしまうかに思えたその様子を、たじろぐ事も無く見ていたはくれいむは後ろに控えていためいりんに合図を出す。 すると、めいりんが咥えた水の入った容器をれいむに投げつける様にぶつけ、辺りに水が飛び散ると共に見事に炎は鎮火された。 「まりさもひをけすのにきょうりょくしてやるんだぜ!!ぺっ!!」 「わかるよー、ちぇんもしーしーしてあげるねー♪」 そのまま痙攣を繰り返すだけの動かないれいむに対して、無情にもまりさは唾を吐き掛け、ちぇんもチロチロと尿を浴びせ掛ける。 その後に、ちぇんはれいむが死んでいるのか不思議そうに眺めていたが、 未だにプスプスと煙をあげてはいるものの、何とかれいむは生きているようだ。 「めいりん、そのゆっくりの縄を外して差し上げなさい」 「じゃお!?じゃおおおおおお!!」 戸惑いはしたものの、めいりんはれいむに結び付けられていた猿轡を外しに掛かった。 縄は半分焦げ付いていたので、結び目を解く必要も無く簡単に外れる。 そのままめいりんは、半分焦げ饅頭になったれいむの顔を覗き込んだ。 髪は以前の半分の所まで焼けて巻き上がり、アフロとまではいかなくても奇抜なものとなっていた。 その上リボンも所々焼け、穴がそこかしこに覗き、以前のれいむからは見る影も無い。 「……ゅひゅぅ……ゅひゅ……」 顔を近付けてみるとどうやら息をしている。 めいりんはホッと、ゆっくりには存在しない筈の胸を撫で下ろした。 今はこのようにはくれいむの部下となってはいるものの、めいりんは自身を群れに加え、 野生では虐められるのが当たり前の自分を一ゆっくりとして扱ってくれたれいむが好きであった。 ただ、反乱の時は突然の事でどちらに味方すれば判らず、オロオロしている内に群れははくれいむの手中に収まり、めいりんも言われるがままに部下となってしまった。 しかしそうは言ってもそう簡単に割り切れるものでは無く、このようにはくれいむの部下でありながらも気付かれずにれいむの身を案じる事もあった。 「めいりん、よく出来ました。ゆっくりお下がりなさい」 「じゃおぉぉぉ……」 「ゆ!?このばかめいりん。ゆっくりさがれとおっしゃってるんだぜ!!」 「じゃお!?」 はくれいむの呼び掛けにすぐに応えなかっためいりんに、まりさが身体をぶつける。 大した痛みは無いものの、目の前のれいむに何もして上げられない事を悔しく思い、めいりんは悲しい顔をしたまま後ろへと下がる。 残されたれいむは火傷の痛みだろうか、白目を向いたまま時折ビクリビクリとのた打ち回る。 「ゆふふ、今日はこのくらいかしらね」 れいむのその様子を満足そうに眺めながら、はくれいむは口元に笑みを浮かべる。 そのまま近くのゆっくりに何事かを囁くと、くるりと踵を返してその場を後にしようとした。 後ろには側近の者達が続き、後には命令を受けたゆっくりとその他に数匹のゆっくりが残る。 監視役とれいむの世話をする群れに長く居たゆっくりである。 はくれいむはこの様にして群れに長く留まっていたゆっくりの自分に対する忠義心を試し、旧体制の反乱の芽を潰すよう心掛けていた。 れいむの世話をしているゆっくりが何かしら不穏な動きをすれば監視役がそれを報告し、即座に対処する。 新たなる群れを作るのに不穏分子は早く潰すに越した事は無い。 敢えてれいむに近付け、その選別を行うのだ。 「あ、そうそう……」 突然ピタリと、はくれいむはその歩みを止め「今日はそなたの親友を招いていたのであった」と振り返らずに話し出す。 「先日であろうか、そなたを助けようとわらわ達に歯向かった愚か者達がおってな」 「確か主犯格はぱちゅりーと名乗る者だったらしいが……」 その言葉に、混濁していたれいむの意識が揺り動かされる。 れいむの最も信頼のおけるゆっくりの内の一匹。 子供の内から一緒に群れで暮らしてきたゆっくりに違いない。 「ちぇんよ、あれを持って来させよ」 「わかるよー♪」 はくれいむにそう言われたちぇんはピョンピョンと何処かに跳ねて行き、暫くすると何匹かのゆっくりが風呂敷に包まれた何かを引き摺るようにやってきた。 ゆっくりと、れいむの捕らえられた部屋へと風呂敷が運び込まれる。 「ぱ……ちゅ、りぃ……?」 グルリとれいむの眼が白目から黒目へと切り替わり、弱々しく声をあげる。 眼の前の風呂敷の中にぱちゅりーが居るのだろうか? 自分の為に捕らえられてしまったというのか? そんな疑問が浮かび、哀しみが込み上げて来る。 その一方で不謹慎ではあるが、今まで会う事が出来なかった仲間に会う事が出来る事への喜びが湧き上がったのは確かであった。 れいむのその眼に微かに光が戻ったのを確認すると、はくれいむが合図を出す。 するとばさりとその風呂敷が広げられ、そこには丸い物体が置かれていた。 紫色の帽子に月の飾りを付け、その更に紫色の美しい髪は昔のまま色褪せてはいない。 間違い無い、れいむの親友のぱちゅりーだ。 「ぱちゅ、ぱぢゅりー、よがっだ、いぎでだんだね」 もう、ろくに動かない身体をズリズリと動かして、そのぱちゅりーへと近付く。 半分焦げた身体に痛みがまだ有ろうが、眼の前に親友がやってきてくれた事でそんな事など気にもならなかった。 ジッとれいむの方を見詰めるぱちゅりーに少しづつ近付いて行く。 「ぱちゅりー……ぱちゅり……ぃ?」 やっと肌を接する程に近付いて、ある異変に気付く。 このぱちゅりー、先ほどから身動ぎ一つしないどころか、眼を開けたまま瞬き一つしないではないか。 それに近くで見ると判る。 肌が何処か変な、何と言うか乾いているというべきであろうか、あの瑞々しさが無い。 更に近付いて、肌を接してみるとあの柔らかいぱちゅりーの身体とは思えない、岩肌にも似た感触を覚える。 そのままぱちゅりーに呼び掛けながら、顔を覗き込む。 返事も無く、そしてその瞳は眼の前にいる筈のれいむを捕らえることも無く、何処かずっと遠くを見ているようだ。 光が無いその眼もやはり乾いていた。 周りのゆっくり達もその異常さに気付く。 「こ、これ……」 「それを作り出すのには苦労した」 異変に気付いたれいむの様子に、満足そうにしながらはくれいむは説明を始める。 「わらわの美意識からしても、反逆者とはいえそのぱちゅりーは中々に美ゆっくりであってな」 「どうにかして、その姿を永遠にゆっくりと留められないだろうかと思案したのじゃが……」 凍り付いた表情でれいむは、はくれいむへと視線を泳がす。 「他の反逆者に協力してもらって、どうにか作り上げる事に成功したわ」 「樹に吊るして下から炎で燻しあげる……そなたのような愚か者には理解出来ぬだろうが、燻製焼きというものであってな」 「ただ普通にやっては、他の反逆者のように最後は見るに耐えない悲惨な表情で死に絶えるものだから」 「そのぱちゅりーは飾りを取った後、全身にきつく布を巻きつけて表情が崩れぬよう工夫したのじゃ」 この眼の前のゆっくりは何を言っているのだろう? れいむはそんな表情で何も言えずにその言葉を聴き続けた。 「一番難しかったのは、閉じたままはつまらぬ故に事前に眼の周りを動かぬよう焼き固めておく事だったわ」 「その時には酷く抵抗しておった……むきゅむきゅと泣き叫びながら、そなたの名前も大声で叫んでおった」 「後は両目だけを覗かせ、先ほど説明したように蓑虫の様に布を巻きつけ吊り上げ、一晩中下から煙で燻し上げたのじゃが……」 「そこから覗く瞳はひたすらに涙だけを流し、赤ん坊のように潤んだそれは何処か愛おしさすら覚えたのぅ」 「絶命する随分前には、もはや瞳の水分は完全に失われて何も見えてはおらなかった様子だが」 途中から、れいむの頭の中を鐘がガンガンと打ち鳴らすように感覚を覚えた。 普通のゆっくりであればはくれいむの喋る事を半分も理解できなかったであろうが、半ば賢いだけにれいむはその残酷な情景を頭に浮かべてしまった。 先ほど自分が味わったあの苦しみと息苦しさを、ぱちゅりーは一晩中も味わわされたのだ。 そうでなくてもぱちゅりー種は元来ぜんそく持ちである。 少しのホコリや砂を呼吸が出来なくなる程、それを煙で燻し上げるなどどれほどの苦しみであろうか。 想像を絶する。 「ゆ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁ、ばぢゅりぃぃぃぃ!!くるしかったよね?ゆっくりできなかったよね?」 眼の前の最早形だけで命の無いぱちゅりーに、それでも頬をすり合わせて涙を流す。 れいむの頭にぱちゅりーと過ごした、数々の想い出が去来する。 まだ賢く無かった子供の頃に様々な事をぱちゅりーから学んだ。 群れの皆で協力して、れみりあを撃退した時に一緒に群れを指揮した事。 親友でありながらも師でもあったぱちゅりー。 まりさとの結婚で一番喜んでくれたのもぱちゅりーだった。 それらを思い起こすと、身体中の水分が涙となって流れ出していく。 それが段々と黒々しくなり、完全に餡子が流れ出しても止まる事は無かった。 そして少し前に、ぱちゅりーに会えると喜んだ自分を呪った。 そんな馬鹿な自分のせいでぱちゅりーが死んでしまった。 そう思えて仕方なかった――そして。 「ゆっぐじぃぃぃ……ごろじでやるぅぅぅぅ!!」 餡子の涙を流したその顔で、はくれいむの方へと向き直る。 その余りの迫力に、周りの取り巻きは怯えた表情を浮かべ、後ろへと思わず遠退く。 だが、肝心のはくれいむはというと、涼しげな表情でその様子を嬉しそうに眺めるばかりであった。 「ゆっぐじぃぃぃ、ゆっぐじぃぃぃぃ!!」 ずりずりと火傷で動かない身体を引き摺ってはくれいむの方へと向かう。 ゆっくりとは思えないどの行動の原動力は、凄まじい怒りに寄るものだろう。 それにハッとしたかのように、取り巻きのゆっくり達が間に割って入るがはくれいむは「ゆふふ、よいよい」とすぐさま退けさせた。 そのまま後少しで、はくれいむに喰いつける距離まで辿り着こうかという地点で、バタリとれいむは突っ伏すように顔を地面に向けて動かなくなってしまった。 「じゃ……じゃおおぉぉぉ!!」 近くで怯えながら見ていためいりんがすぐさま駆け付け状態を確かめる。 気絶しているだけで、どうやら死んではいないようだ。 だが、その顔は憤怒の表情で固まったまま動かない。 「じゃおおぉぉぉ!!じゃおぉぉぉ!!」 「なにやってるんだぜ、ゆっくりそいつにとどめをさすんだぜ!!」 取り巻きのまりさが声を張り上げる。 愛しのはくれいむを殺そうとしたそのれいむをそのままにしておくべきではないと思ったが、自分が近付いて殺す事は怖くて出来なかった。 めいりんは涙を流しながら顔を左右に振りそれを拒否する。 再びまりさが声を張り上げるがそれも拒否する。 「まりさのいうことがきけないばかめいりんなんて、ゆっくりできなくしてやるんだぜ!!」 「じゃ、じゃおおおぉぉぉん!!」 怒りのその言葉とゆっくり出来なくされると言われ、困惑するめいりん。 そんなやり取りと眺めていたはくれいむが、ゆっくりと指示を出す。 「ゆふふ、まだまだその愚か者にはゆっくりと楽しませて貰わなければならぬ」 そう言うと、周りで様子を見ていただけのゆっくり達にすぐさま治療に当たらせた。 どういう事かよく判らないといった表情のまりさも、ハッと我に返ると先ほどとは正反対に 「そのれいむをころすな」や「もしできなかったら、そいつらもゆっくりできなくするんだぜ」などと喚いている。 はくれいむはそれを暫く眺めていたが、ゆふふと笑い声をあげると踵を返して、今度こそは本当にその場を後にした。 そして更に一週間後、その洞窟の誰も知らない空洞の中を這いずるように一匹のゆっくりが進んでいた。 ゆっくりまりさである。 そのまりさはブツブツと何事か呟きながら、大人のゆっくりでは狭いその空洞の間を縫うように進み続ける。 その眼には何かしらの決意が見て取れた。 随分と進んだ後、開けた場所に出ると同時に一匹のゆっくりが目に付く。 反乱の一端を担っていてゆっくりみょんである。 見張りであろうか。 深夜のためうつらうつらと身を揺らせるそのみょんに気付かれぬよう、まりさは帽子から鋭く尖った木の枝を取り出す。 それを口に咥えると、ゆっくりとその背後へと近寄る。 すると突然、まりさの気配に気付いたのだろう。 みょんが振り向きそのまりさを確認すると、仲間を呼ぶために声を張り上げようと身体を膨らます。 その一瞬の間に、まりさはゆっくりしないで口に咥えた凶器をみょんへと突き刺す。 何が起こったのかイマイチ理解出来てないみょんの身体の中心を抉るようにそれを掻き回し素早く抜き取る。 するとそこから大量の餡子が噴出しだす。 みょんの眼は次第に生気を失い白目を剥き最後には、 「ぱ、ぱいぷ…かっとぉ……」 と呟き、その場に力無く倒れた。 まりさはそのみょんの最後を悲しそうな眼で見遣った後、帽子を被り直して先へと進み始めた。 この程度の事で感傷に浸っている場合じゃない。 そうまりさは自身に言い聞かせているようあった。 「れいむ、ゆっくりまっててね……まりさがぜったいにたすけだしてやるからね」 続く 後書き・はくれいむの喋り方はハクレイ4000年の歴史のせいでしょう。 by推進委員会の人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/mhbirdy/pages/45.html
ランポスの群れを討伐せよ! 報酬金 400z 制限時間 20分 成功条件 ランポス15頭の討伐 飛竜 リオレウス 報酬素材 ランポスの皮(2) ×1 25% 竜骨【小】 ×1 25% ランポスの牙(6) ×1 25% ランポスの鱗(2) ×1 20% ランポスの牙(12) ×1 4% ランポスの牙(24) ×1 1% リオレウス頭破壊報酬 火竜の鱗 ×1 50% 火竜の甲殻 ×1 50% リオレウス翼破壊報酬 竜の爪(3) ×1 50% 火竜の翼爪 ×1 50%
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2013.html
昔なつかしゆっくりれいむ 02 作:YT 月曜日。ゆっくりがもそもそと起きて来て、朝日に向かって元気に叫んだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 それを見ていると何かむらむらしてきて、洗濯物を入れるバケツを持って来てゆっくりを放り込んだ。 ぼすっ。 「ゆゆっ? 出られないよ? ここはどこ?」 丸い体がすっぽりはまって、動くに動けないゆっくり。 真上から見ると、赤い髪飾りが左右に回転して面白い。 ぐるぐるぐる。ぐるぐるぐる。 けれどもぐらぐらやっているうちにバケツごとごろんと転がって、今度は頭にかぶっちゃった。 「なにするの! れいむおこるよ! やっつけるからね?」 叫んで激しくぴょんぴょんと跳ねる。けれどもそれぐらいじゃバケツは外れない。 そのうちれいむは動き出したけど、のそのそ走っては壁にぶつかり、跳ね返ってはクッションに埋まっちゃった。 のそのそのそ……ゴンッ! ふらふらふら……ドサッ! よろよろよろ……バサバサッ! 最後のは本棚にぶつかって振ってきた本に埋まった音だ。 にっちもさっちも行かなくなったれいむは、とうとう泣き出した。 「ゆああああ、ぜんぜんうごけないよ! れいむもうおこったよ! ほんとうにゆるさないからね! やっつけてやるよ!」 ドサドサ、バサッ、ばたんばたん! 暴れまくったけれど、本をどけることは出来なかった。 そのうちに動きが止まって、変な声が漏れてきた。 「ゆううぅぅぅ……ゆううぇぇぇぇぇぇん……」 泣いちゃった。その後もれいむはずーっとめそめそ泣いていた。 三時間ぐらいしてから掘り出してみると、涙の後をつけたまんま眠り込んでいた。 火曜日。エサ皿を前にしたゆっくりが、ぱああと顔を輝かせて言う。 「ゆっくりいただきます! むーしゃ、むーしゃ……しあわせー!」 それを見てるとまたむらむらしてきて、私はエサ皿を持ち上げた。 へにょ、とゆっくりは困った顔になる。 「ゆっ? ごはんが消えたよ? どこー! れいむのごはんどこー!」 あっちへうろうろ、こっちへうろうろ。 頼りない泣きそうな顔で、ごはんを探し回る。 少したってから床に下ろしてやると、遠くからそれを見つけた。 「ゆっ! れいむのごはん! もうにがさないよ!」 ぴょん、ぴょん、ぴょんっ! 元気に勢いよく飛んできたので、目の前で持ち上げた。 スーッ。 「ゆあああ! ごはん! れいむのごーはーんー!」 あっという間に泣き顔になって、必死に飛びつこうとする。 ぴょーん、ぴょーん、ぴょーん! ぼてっ。 高さが全然届かずに、ひっくり返るだけなんだけど。 「ゆううう、ゆあああ」 また泣き顔になって口を曲げたれいむは、だだをこねだした。 「れいむのごはんー! とどかないよー! ゆっくりたべたいよー!」 泣きわめきながら仰向けになって左右に転がる。 ごろんごろん、ごろんごろん。 私はそれをたっぷり見つめて、にやにやしちゃった。 それからまた、エサ皿をいったん下ろした。喜んでれいむがやってくる。 そこで電気を消して真っ暗にして、その間に取り上げた。 また電気をつけると、れいむがすごく驚いた顔になって叫んでいた。 「ゆっくり!? れいむのごはんがきえたよ! はやくでてきてね!」 出さずに焦らしていると、またまたれいむは泣いちゃった。 さんざんれいむを泣かせた後で、やっとエサを下ろしてやった。 「ひっくひっく……むーしゃむーしゃ……むーしゃ、むーしゃ!」 食べているうちに元気が出たのか、すぐにゆっくりは元の勝気な顔に戻ってた。 水曜日。妹から電動のわんこのぬいぐるみを借りて、部屋に入れた。 わんこは四本の脚を動かしてすすんでいく。 ジーコ・ジーコ・ジーコ・ジーコ……。 「ゆゆっ? ゆっくりにげるよ!」 ぴょーんぴょーん、と逃げ出すれいむ。 ジーコ・ジーコと追っかけるわんこ。 「ゆっゆっ! ゆっくり逃げるよ!」 得意になって逃げてたれいむも、十分もするともう息が切れた。 無表情のまま涙を流してへたりこんじゃう。 「ゆはっ! ゆはっ! ゆはっ! ……」 そこへじっくり近づくわんこ。 ジーコ・ジーコ・ジーコ。 「ゆゆっ? ゆっくりしていってね!!! ゆっくりこないでね!」 ゆっくりが叫んだけど、わんこが聞くわきゃない。 どんどん進んで、転がってるゆくっりのほっぺたにぶつかった。 ジーコ・ジーコ・ジーコ……ぽむっ、ジーゴ・ジーゴ・ジーゴ。 「ゆああああ! やめてね! けらないでね! けらないでね!」 ほっぺたをわんこの脚でけりけりされて、形を変えながら左右に首を振った。 ぶにぶにぶに。ぶんぶんぶん。 とっとと逃げればいいのに、わんこを避けるのに必死で逃げ出せないらしい。 それを見た私はけらけら笑っちゃった。 木曜日。 「れいむ、おいで。ブラッシングしてあげるよ」 「ゆっゆっ♪ ゆゆっ? なんだか高いよ! むこうがよくみえる!」 椅子に座って抱き上げると、見晴らしがよくなってれいむは喜んだ。 ブラッシングを始めると、気持ちいいのか、そのまますやすやと寝ちゃった。 「ゆぅ……ゆぅ……ゆぅ……」 私はれいむの髪の毛をひと房ずつ梳いてあげた。 きれいな黒髪だけど、先っちょのほうにはほこりが絡まってる。 むりもない。ずっと床の上を這い回ってるからね。モップみたいなもんだ。 取りながらほっぺをつまむ。むにむに、むにむに、とおもちの感触がする。 おもちなのに生きてるなんて……不思議だなー。 私はれいむのほっぺを両手で挟んで、正面からよーく見たみた。 眉は、ある。ピンと左右に跳ねた細いのが。 でも……なんか、人間みたいな眉毛が生えてないよ? 筆で書いてある感じだ。 「れいむ、れいむ」 「ゆっ? ゆっくりしていってね!!!」 目の醒めたれいむが、ぱちぱちと瞬きした。けど……。 目、丸くない。 黒目と白目があるけど、虹彩がない。 ベターッとした、ようかんみたいな茶色い部分になってる。 どこを見てるかわかんない……(汗 「ゆっゆっ♪ ゆっゆっゆっ♪」 楽しそうに声を漏らす口にも、唇がない。なんか白い切れ込みで、中が赤くなってるだけ。 手を入れて、開けてみた。 くわっ。 「ゆあ? やめふぇね! はなひへね!」 舌がヒラヒラ動いているけれど……のどの奥は行き止まりだ。 あれ? あれぇー……? ゆっくりって、目も眉も口も、実は目でもなければ眉でもなくて、口でもないの? 頭みたいに見えるけど、それは人間の勝手な思い込みで、実は顔でもなんでもないとか? 何それ。 ……なんか、急に気味が悪くなってきた。 「えい」 「ゆっ!?」 私はれいむを投げ出した。れいむは床におっこちる。 ぼふん。 「ゆゆっ! ゆっくりしていってね!」 声を上げたれいむは、ぴょんぴょんと窓際に行って座っていた。 金曜日。 れいむの正体がどうしても気になって、確かめることにした。 私はれいむにお酒をたくさん飲ませた。れいむは喜んで飲んだ。 「ぺーろ、ぺーろ、ごきげんー!!!」 何度もぺろぺろしては喜びの声を上げて、しまいには真っ赤になった。 そしてころんと転がって眠り込んじゃった。 「ゆぅゆぅ……ゆぅゆぅ……」 私はそんなれいむを持ち上げて、机に載せた。 まずは試しにほっぺを針で突いてみる。 ツンツンッ。 「ゆぅ……ゆぅ……」 反応なし。よし。 少しあお向け具合にして、鼻のところにマジックでバツ印を引いた。 キュッ。 鼻がないから書きやすい。 そして、それにそってカッターで十字に切った。 スッ、スッ。 「ゆぅ……ゆぅ……ゆゆ……」 ちょっと動いたけど、まだ目覚めない。お酒がよく効いてるみたい。 それからガラスの試験管を取り出して、バツ印の真ん中に押し付けた。 めりめりめりめりぃ……。 試験管は中に入っていく。とてもスムーズだ。やっぱり骨はないみたい。 最初の三センチを越えると、あとは一気だった。長さ30センチのちょっと長めの試験管が、どんどん入っていった。 めりめり、めりめり、めりめり、むにゅっ……ずぽんっ! 「あ」 貫通した。 れいむの後ろ頭を見ると、髪の中からあんこまみれの試験管が突き出していた。 「ゆぃぃ……ゆぃぃ……ゆぃぃぇ……」 あれ? ちょっと鳴き声が変。 もう一度顔を見ると、薄目の白目っぽい感じになっていた。 これ、やばいのかな。 でもまあ、生きてるからいいのかな……。 考えながら、丸い鏡に柄の付いたデンタルミラーを出す。 試験管にゆっくり入れる。 ペンライトで照らすと、れいむの断面が見えた。 最初の三センチは分厚い白い皮。 よーくみると、なんか小さな粒粒がうにうにむにむに動いてるみたい。 それをすぎると、茶紫色のあんこ。 注意してみたけど、普通のあんこにしか見えない。 8センチぐらいそれが続いた後で、ちょっとだけ色が変わった。 なんか、灰褐色っぽい感じ……? そのとき、ミラーがコツンと試験管の内側に触れた。 「ヲ゛ッ」 ……なんだかれいむがおかしな声を出した(汗 コツン、コツン。 「ヲ゛ッ、ヲェ゛ッ」 声を出しながら痙攣する。口の端からよだれを漏らす。 ビクッ、ビクッ。とろとろー。 「うぇ……」 や、やばい。ここは何か、れいむのとっても大事なところみたい。 下手にいじると死んじゃうかもしれない。 ……まあ、普通の生き物ならとっくに死んでるところだけどさ。 真ん中の餡を過ぎて、奥のほうへ行くと、また元の茶紫色に戻った。 裏側から、後ろ頭の皮をよく見ると、リンスのCMに出てくるような、生きてる毛根の断面が見えた。 だいたい納得できたんで、試験管を引き抜いて前後の穴を塞いであげた。 ずるずるずる……ずぽんっ! ぺたぺたぺた。 それから一時間ぐらいほっといたら、赤くなって転がっていたれいむも目を覚ました。 ぶるぶるぶるっ! ぽぺん。 勢いよく身を震わせて、ぽんと元の姿勢に戻る。そして例のお約束の―― 「ゆっヲ゛りしていってね!!!」 「は?」 「ゆゆっ!?」 驚いて、戸惑った感じできょろきょろするれいむ。 「れいむへんなこえがでたよ! ゆっヲ゛り! ゆっヲ゛りっ!?」 きょろきょろ戸惑ってから、れいむはぴょんぴょん跳ねた。 「やめてね! やめてね! れいむゆっヲ゛りできないよ! ゆううう!?」 「あははははは」 うろたえるれいむがとても面白くて、私はおなかを抱えて笑った。 れいむは夕方までには治った。 中に何か入れといてやればよかったと思った。 土曜日。めっちゃんが来た。私はれいむを抱っこして前の道路に出た。 10メートルぐらい離れて、キャッチボール。ゆっくりを交互に投げる。 ぽーん、ぽーん。ぽーん、ぽーん。 「ゆゆっ! やめて! ゆっく! ゆっぶ!」 ばむっ。 くるくる回って、強くキャッチされるもんだから、れいむは半泣きで悲鳴を上げている。 それをバックにして、私はめっちゃんとおしゃべり。 「それはさー」 「うんー」 「中枢餡だよ」 「ちゅうすうあんー?」 「ゆっくりの脳みそってことー」 「そうなんだー。やっぱり大事なとこ?」 「大事大事。そこ壊すと死んじゃうからねー」 「やっぱりかー」 「わりとポピュラーだよ、そこいじるのはー」 「ふーん」 「あっ、でもえっちゃんは飼ってるんだから、壊さないようにしなくちゃね」 「そだねー。あっ」 ぶぎゅる。 私の手をすっぽ抜けて、れいむがおっこちた。顔面から着地して変な音を立てる。 と思ったら、ぽんっと起き上がって走り出した。 てーんてーん、ぴょんぴょんっ! 「れいむ、もうおうちにかえる! もっとゆっくりしたい!」 「あ、やば」 あわてて追いかけようとするめっちゃんを、私は止めた。 「待って」 「えー、なんで? 逃がしてやるの? もったいないって!」 「そうじゃなくて」 私はめっちゃんと並んで、あぜ道を跳ねていく黒髪頭をしばらく見つめていた。 そして、れいむが森の手前で点のように小さくなったところで、つぶやいた。 「それっ」 一気にダッシュして追いすがる。れいむはもうのろのろになっていて、余裕で追いつけた。 すぐ後ろに立つと、一休みしたれいむがつぶやいていた。 「ゆっくりにげたよ! れいむはやい! とってもはやい!」 「残念でしたー」 油断してきっていたから、簡単に捕まえられた。抱き上げるとれいむはものすごくビタビタ暴れた。 「ゆゆっ、すすめないよ? れいむはすすむよ! ゆっくり、ゆっくりー!」 「でもダメです」 戻ろうとした時。 森の茂みをがさがさと揺らして、もう一頭のゆっくりが出てきた。 私のれいむに向かって、どことなく嫌みったらしい目で得意げに叫ぶ。 「れいむ! ゆっくりしていってね!!!」 私は振り返って叫んだ。 「めっちゃーん! まりさ出た、まりさ!!」 まりさは、捕まったれいむを笑いに来たのかもしれない。 でも速攻で自分も捕まった。 日曜日。 私はこの一週間で、たっぷりゆっくりをいじめてしまった。 だから、日曜日ぐらいはお休みにしてあげるつもりだった。 けれど。 ガシャーン、カラカラン、びしゃー。 部屋で自分の食事の準備をしてちょっと目を離した隙に、まりさとれいむにテーブルをやられた。 戻った私が見たのは、床に落っこちた料理と、ぽんぽん逃げていく二頭。 「ゆっゆっ、ゆっくり逃げるよ!」 「たいりょうだよ! かくれてたべようね!」 そんな声を残して、安全なゆっくりプレイスに逃げ込んだ。 もちろん、安全だと思っているのはれいむたちだけで、その屋根はただのクッションだ。 私は洞穴の前にいって覗き込んだ。二頭が幸せそうに食事をしていた。 「むーしゃ、むーしゃ」「しあわせー!」 「れいむ!」 「まりさ!」 「すーりすーりすーりすーり!!!」 「やわらかいね!」 「あったかいね!」 「ゆっくりしていってね!!!」 むらむらむらっ。 ……あー。 これか。 めっちゃんが言ってたのは、この境地なんだなー。 「れいむ、まりさ」 私はニッコリ笑うと、洞穴に手を突っ込んで、嫌がる二匹を無理やり引きずり出した。 「ゆっゆっやめてね! いたいよ! れいむ出たくないよ!」 「はなしてね! おぼうし脱げちゃうよ! れいむとすりすりしたいよ!」 いろいろ言ってるのを全部無視して、こぼれたご飯のところに連れて行って、一頭ずつお仕置きしてあげた。 ずぴしずぴしずぴしずぴし! ぎゅいーぎゅいーぎゅいー ぱーんぱーんぱーんぱーん! でこピンと、ほっぺつねりと、おビンタをたっぷり。 それから、床の上の料理に顔をしっかり押し付け。 ぐりぐりぐりぐりぐり。 「テーブルのごはんはいけません」 「ゆあーんゆあーん! ゆあーんゆあーんゆあーん!」 「ゆあーんゆあーん! ゆあーんゆあーんゆあーん!」 れいむとまりさは真っ赤な泣き顔になって、プレイスへ逃げていった。 楽しい……♪ ================================================================ 結局いじめちゃった。 YT
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4176.html
『メーデーお兄さん』 16KB 自業自得 家族崩壊 同族殺し 群れ ゲス 現代 愛護人間 独自設定 愛で…?メーデーメーデーメーデー 気ままあき 「……ゆっ……ゆぅぅぅぅ………」 とある汚い路地裏でそのれいむは死にかけていた。 全体的にこれ以上ないほど汚れていて……かつ致命傷を受けていた。 肌はカサカサ、お飾りの紅白リボンはなく、髪もボサボサ、もみ上げは両方とも引き抜かれていて、 目も片方潰れている。肌の一部が破けて餡子を垂れ流し、まむまむはガバガバで小石が詰められている。 「どぼじて……?どぼじでごんな……ごとにぃぃ………れいむは……れいむはただゆっくりしたいだけなのにぃぃぃ……!」 れいむはわけがわからない。 優しい両親から命を授かって母親な胎内から飛びだしてこの世界に降臨したとき…… れいむは自分のゆん生がゆっくりに満ち溢れたものになると信じて疑わなかった。 全世界がれいむの誕生を祝福してくれて、かわいいれいむをゆっくりさせてくれるものだと確信していた。 「きゃわいいれいみゅがゆっくちうまれりゅよ!ぜんせかいのみんなでしゅくふくっちてゆっくちしゃせちぇにぇぇぇぇっ!」 そう言って地上に舞い降りた天使、それがれいむだったはずだ。 だが現実はそうではなかった……当たり前のことではあるが。 それでも幼い頃はまだ幸せだったのだ。れいむは子供の頃を思い出す……己が今まで辿ってきたゆん生を。 一番ゆっくりできてたあの時代を…… れいむには家族がいた。逞しく狩りが上手な父まりさ、優しくて歌が上手な母れいむ、面倒見のいい姉れいむ。 他にまりさ種の姉妹もいたらしいが、れいむが生まれる前に不運な事故で永遠にゆっくりしてしまったらしい。 まあどうでもいいことだ。 父まりさは毎日毎日に馬車馬のようにれいむ達にこき使われた……いや働いた。 雨の日も風の日も父まりさは母れいむ達に怒鳴られ罵倒されて泣く泣く……いや家族の為に狩りへと赴いた。 自分はおうちで思う存分、好きなお歌をうたい昼寝をしてゆっくりできた。 図体だけは大きいくせにてんで意気地がなく薄汚れてゆっくりできない父まりさを母や姉とともに罵倒し嘲笑し、 時には制裁という名の暴力をふるって言う事をきかせるのは非常にゆっくりできた。 「はああああああっ!?これっぽっちのごはんさんでれいむとおちびちゃんがまんぞくっできるわけないでしょぉぉぉぉっ!?」 「しゃっしゃとあみゃあみゃもっちぇきょい!このぐじゅ!くしょどれいっ!」 「ゆっくちできにゃいうんうんおとうしゃんは、れいみゅのうんうんをはやくかたづけてにぇえ!しゅぐやれぇぇぇぇっ!」 一度はれいむも仮にも自分の父親を奴隷呼ばわりして本当にいいのか?と思ったことがあった。 しかしその疑問は母でいぶの完璧な答えを聞かされると完全に納得してしまい以後当然と思うようになった。 その答えとはなにか?母でいぶ曰く…… 「このよのすべてのゆっくりいがいのいきものは、ゆっくりのどれいっとしてほうしするぎむっがあるんだよ! くそばりさをどれいっとしてあつかわせているのは、しょうらいおちびちゃんたちがきちんとどれいっを かんりできるようになるためのえいさいきょういくっなんだよ! くそばり……おとうさんも、おちびちゃんにどれいっのあつかいかたをおぼえてもらいたいから こうしてどれいっのやくをしているだけなんだよ!だからどれいはいかさずころさずゆっくりこきつかってあげてね!」 「「ゆっくちりきゃいちたよ!おいくそどりぇい!あみゃあみゃもっちぇきょいっ!」」 思えば幼少時代のこの時がれいむのゆん生の絶頂期であった。 だが生後わずか4日後にその絶頂からいともあっさりと転げ落ちることになる。 父まりさが永遠にゆっくりしたのだ。 原因は過労死……最後の最後まで家族にその身をしゃぶり尽くされたあわれな一生であった。 「まったく、くそまりさがこんなにやわだったとはさすがのれいむもけいさんがいっだったよ! さあどれいっのさいごのごほうこうっだよ!みんなでくそどれいをゆっくりむーしゃむーしゃしようね!」 「うっめ!くそどれいまじうっめ!あみゃあみゃ!あみゃあみゃっ!」 「げぷ~~♪まあそれにゃりー!なあじだったよおとうしゃん!」 父まりさの身はとても甘かった。れいむはそのゆん生で甘い物を食べたのはこれが最初で最後であったが。 だが腹いっぱい平らげて今はとりあえずゆっくりした。そして次の日から貧窮の時代がはじまった。 「おきゃあしゃぁぁぁぁぁんっ!れいみゅおにゃかしゅいちゃぁぁぁぁっ! きゃわいいれいみゅのためにあみゃあみゃもっちぇきちぇにぇぇぇぇっ!しゅぐでいいよぉぉぉぉぉっ!?」 「ゆっ!きょんなまずいくさしゃんにゃんかたべられにゃいよ!れいみゅはぐるめにゃんだよ!あみゃあみゃもっちぇきょい!」 「どぼじでぞんなごというのぉぉぉぉぉぉっ!?」 しばらくは母でいぶが渋々なれない狩りへと赴いた。 だが狩りが下手でおうちでゴロゴロしてるばかりだった肥満体のれいむにあまあまなんか狩れるわけがない。 一家の食糧事情は急速に悪化した。 窮した母でいぶはやがて「おちびちゃんをくそにんげんにみせて飼いゆっくりになろう!」作戦を立案し即日決行。 無謀にも大通りへと家族揃ってでかけていき、そこで騒音被害を出すことになる。 だがその時れいむが…… 「ゆゆっ……!?にぇえにぇえおきゃあしゃん!」 「がわいいおちびじゃんをみでゆっぐじでぎたでしょぉぉぉぉっ!?はやぐでいぶをがいゆっぐりにじでねぇぇぇぇっ!」 「おきゃあしゃんっ!」 「ゆっ!なんなの!おかあさんはとってもいそがしいんだよ!」 「れいみゅ、うんうんちたくなっちゃよ!」 「うんうんしたいならそこのものかげですればいいでしょぉぉぉぉっ!?ばかなの!じぬのぉぉぉぉぉっ!?」 「ゆ、ゆう……!?ゆ、ゆっくち…りきゃいちたよ……」 れいむは本当は母ゆっくりに付き添ってもらいたかった。 なにせまだ赤ちゃんなのだからトイレを手伝うのも親の役目のはず。 だが人間に命令する事に夢中な母でいぶは子供の排泄なんかにかまってられないらしい。 れいむはのそのそと家族から離れて路地裏の陰で用を足した。そして戻ってみると…… 「……ゆゆっ?おきゃあしゃん……?おねえしゃん……?どきょいっちゃったにょ……?」 母と姉がさっきまでいた地点には大きな染みしかなかった。 れいむがいなくなった5分のあいだに母と姉は騒音にイラついた通行人によって潰されていたのだ。 こうしてれいむは天涯孤独の野良ゆっくりになった。 「ゆひぃ……ゆひぃ……どぼじてかわいいれいむがごんな…… ごんなゆっぐりでぎないごとをしなくちゃいげないのぉぉぉ……?」 家族をすべて失って二ヶ月。れいむは健気に逞しくしぶとくゴキブリのようにまだ生き残っていた。 誰も教えてくれなかった狩りを生きるために独学で学んだ。 毎日傷だらけになって辛い目や痛い目にあって空腹に耐えた。苦い生ゴミや草を食べて餡子を吐き出した回数は数知れない。 母れいむから教えてもらったお歌や奴隷の扱い方なんて野良じゃなんの役にも立たなかった。 だがそれでもれいむは幸運だと言わざるをえない。 母と姉を失って途方に暮れていたとき運良く野良の群れのゆっくりと出会って群れに入れてもらうことができたからだ。 最低限の庇護は手に入れたが、それでも生きていく為には自力で狩りをしなければならない。 誰も狩りを手伝ってはくれなかった。それこそ泣いても叫んでも駄々こねてもである。 れいむにとって子ゆっくり時代はまさに暗黒時代、その日々はゆっくりできない事ばかりであった。 しかし希望はあった……その希望とはれいむと仲がいい群れの若いまりさの存在である。 れいむはこのどん底生活で少しでもゆっくりしたかった。ゆっくりするには奴隷とおちびちゃんが必要だ。 若まりさをたぶらかせば2つとも手に入る……そう考えた。 調子にのりやすく、すぐに舞い上がる性格の若まりさを篭絡するのはたやすい。 いよいよ成体ゆっくりに成長し周囲から大人扱いされてきた今こそチャンス。 やっとすっきりー!が許される年頃になったからだ。 ここぞとばかりにれいむは押して押して押しまくった。 「まりさ!れいむはひとめまりさをみたとき、かみなりさんにうたれたようなうんめいっをかんじたよ!」 「ゆゆっ!うんめいっ!?」 「れいむとまりさのであいはまさにうんめいのであいっだったんだよ!ぜんせからむすばれるしゅくめいっだったんだよ!」 「しゅくめいっ……!」 「まりさ!かわいいれいむといっしょにいつまでもゆっくりしようね!」 「ゆ、ゆっくりするのぜ!まりさとれいむはうんめいっのかっぷるさんなのぜ!」 「じゃあさっそくおうちにかえってすっきりー!しようね!おちびちゃんをたくさんつくろうね!」 「むほぉぉぉぉっ!れいぶぅぅぅぅっ!こんやはねかさないのぜぇぇぇぇぇっ!」 「おちびちゃんができたられいむはおうちでゆっくりするからね!かりはまりさがぜんぶやってね!」 「むほお!むほおおおおおっ!」 もはやすっきりー!のことしか頭になく、小さなぺにぺにをおったててアへ顔でよだれを垂らしまくっているまりさと ドサクサにまぎれて仕事を全部まりさに押し付けて上機嫌なれいむは仲睦まじくおうちへと跳ねていった。 きっとこれから醜悪な子作りが行われるのであろう・…… 「はああああああっ!?これっぽっちのごはんさんでれいむとおちびちゃんがまんぞくっできるわけないでしょぉぉぉぉっ!?」 「しゃっしゃとあみゃあみゃもっちぇきょい!このぐじゅ!くしょどれいっ!」 「ゆっくちできにゃいうんうんおとうしゃんは、れいみゅのうんうんをはやくかたづけてにぇえ!しゅぐやれぇぇぇぇっ!」 「み、みんなにゃ……おとうしゃんのわるくちをいうのはゆっくちできにゃいよ……」 「うるさいよこのくずっ!ゆっくりできないまりさにのおちびちゃんは、おとうさんといっしょにかりにいってね!」 「いましゅぐでいいよっ!」 「どぼじてしょんなきょというのじぇぇぇぇぇっ!もうおそとはまっくらでしょぉぉぉぉぉぉっ!? きゃわいいまりしゃがれみりゃにたべられちゃうでしょぉぉぉぉぉぉっ!?」 「ゆううううう………どぼじて……?どぼじてごんなごとにぃぃぃぃ…………!」 すべてはれいむの計画通りとなった。 若まりさとのすっきりー!で、れいみゅ3まりしゃ1のおちびちゃんを授かり全ゆん無事に出産。 その後はかつての母でいぶの教えをいかんなく発輝した。 つまりは愚かにもれいむを番に選んでしまった若まりさの完全なる奴隷化である。 ゆっくりできない狩りはすべてまりさに押し付け、おうちという宮殿でれいむは女帝のごとく君臨した。 こうしてれいむは再びゆっくりした。これこそが忘れかけていた本当のゆっくりだと思った。 だがそのゆっくりは長く続かない。おちびちゃんを出産してからわずか3日後…… 「ゆがああああっ!でいぶのいうごとをぎがないくそちびはじねぇぇぇぇっ!」 「ゆびぃっ!」 まりちゃがれいむによって殺された。 番のまりさとともに奴隷であるはずのまりしゃが 「もうがまんのげんかいっりゃよ!おとうしゃんとまりしゃをゆっくちしゃせないくそばばあはゆっくちちね!」 という暴言をはいたのだ。この言葉に絶対君主であるはずのれいむは思わずカッとなった。 次の瞬間まりしゃに全体重をかけてのしかかり……そして実にあっさりとまりしゃを潰して殺したのであった。 「ゆふー!ゆふー!まったくどれいのくせにゆっくりしていないくそちびだったよ! こんなみのほどをわきまえないやつは、きよくただしいれいむにせいさいっされるべきなんだよ!」 「……れいむ?なにを……しているの…………?」 「ゆっ……?」 おうちの入り口から聞こえた声にふとれいむが振り向くと……そこには唖然とした表情のまりさがつっ立っていた。 こいつ狩りをサボってのこのこうちに帰ってきたのか!?どいつもこいつもふざけやがって!こいつも制裁してやるっ! ……とれいむが再び激高するよりも先に。 「あ……ゆあああああああああっ!ま……まりざにのおちびじゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」 「う、うるざいよ!おおごえださないでねっ!ばかなの!じ……」 「みんなぎでぇぇぇぇっ!まりざのおうちにゆっぐじごろじがいるぅぅぅぅぅぅぅっ!」 「ゆううううううっ!?」 いくらなんでもれいむは軽率すぎた。 群れのおうちが立ち並んでいる群れのド真ん中で我が子を殺すのはいくらなんでも自殺行為だった。 瞬く間に群れのゆっくり達が集まり、れいむはおうちから引きずり出された。 その後群れの裁判が行なわれ、まりさの証言によりれいむの悪行がすべて明るみに出る。 長ありすの判断で下された判決はまりさと強制離婚。そして親子ともども奴隷階層への転落であった。 れいむはその後、群れの奴隷としてさんざんにこき使われ虐められた。 食事は群れのゆっくり達のうんうんのみ。それも目の前で出来たてのホカホカをひり出されてそれを食えと強要された。 嫌だと言っても無理矢理食わせられた。食べなければ容赦なく体当たりを食らわされた。 食事が済めば夜は性欲処理もさせられた。何匹も入れ替わり立ち代りれいむを犯した。 おかげでれいむのまむまむはすっかりガバガバだ。 しまいには全然すっきりー!できない役立たずなクズまむまむだと小石を詰められて笑われた。 ちなみに小石を詰めてバカ笑いしていたのは、れいむの元番であり奴隷であったあのまりさだ。 れいむ似のおちびちゃん達はあまりのゆっくりできなさに耐えかねて、たちまち非ゆっくり症になった。 焦点の合わない目で狂ったように「ゆっくち!ゆっくち!」とうんうんを貪り食うだけの存在となり……やがて死んだ。 おちびちゃんを失った後も容赦なく狩りに、ストレス発散用に、れいむは群れの奴隷としてこき使われていった…… たっぷり一年間……れいむは地獄のような日々を満喫した。もう身も心もボロボロで生きているのが不思議なくらいである。 そして冒頭のシーンへと至る。 「ゆっくり……じたいよぉぉぉ……れいぶはただゆっくじじだがっだだけなのにぃぃ……」 もはやれいむの命のともし火は尽きようとしていた…… だが天はまだれいむを見捨てていなかった。 こんなゲスれいむに思わぬ救いの手が差し伸べられることになる。 「ややっこんな所は不幸そうなれいむがいるじゃないか!」 「ゆひぃ……!に、にんげん……っ!?」 「やあ!僕はメーデーお兄さんっ!れいむの心の救難信号に導かれてゆっくりれいむを助けにきたよ! ちなみに労働者の祭典とはなんの関係もないよ!」 「ゆっ……?め、めで……おにいさん……?」 そういえば幼い頃聞いたことがある。知っているのか雷電! 世の中には虐待お兄さんというのがいてこっちはゆっくりできないにんげんだが、 愛でおにいさんというのもいてこっちはゆっくりできる人間であると。 ならばこの人間はかわいそうなれいむをゆっくりさせてくれる人間、新たな奴隷ということか!? 「な、なら……れいむをゆっくりさせてね……いますぐでいいよ……っ!」 「うーん、ゆっくりさせるって具体的にどうすればいいのかな?できればれいむの希望を聞いておきたいんだけど」 「れ、れいむを……かいゆっくりにしてほしいよっ!」 「うん?それはやめた方がいいね」 やっぱりね……れいむはそう思って落胆した。 人間はなんてケチなんだろう?たかが飼いゆっくりにすらしてくれないとは。 「ああ違うんだ。仮に僕がれいむを飼いゆっくりにしたってれいむは多分ゆっくりできないと思うんだよ。 だからやめた方がいいって言ってるのさ」 「ど、どぼいうごと……?」 「飼いゆっくりってどういう存在か知ってる?衣食住を世話してもらう代わりに 人間が決めた様々な決まりを守らなきゃいけないんだよ?トイレは決められた場所でしろ、野良と関わるな、 おちびちゃんを作るな、おうちから出るな……それで果たしてれいむはゆっくりできるかな?」 「そ、そんなの……むりだよ!ゆっくりなんてできるわけないよ……!」 「ですよねー♪だから僕が魔法でれいむに究極のゆっくりをさせてあげるよ!」 「ま、まほう!?きゅ、きゅうきょくのゆっくりっ!?」 「僕は三十歳までゆ虐をひたすら我慢した事で……ああこれ鬼意惨用語で童貞って言うんだけどね、 その童貞を守り通したことで30歳の誕生日に僕は晴れて魔法使いになれたんだ!」 「ま、まほうつかいさん……?ほ、ほんとうなの……?」 「まあ任せたまえ。じゃあいくよ……マハリクマハリタ、テクマクマヤコンでピリカピリララ、ドーマ・キサラ・ムーン、 ピピルマピピルマプリリンパ、黄昏よりも暗きもの血の流れよりも……」 「だい、だいじょうぶなの!?だいじょうぶなのそれぇぇぇぇっ!」 「大丈夫!大丈夫!呪文は適当でも魔法は本物さ!とにかくれいむよゆっくりしろー!」 「ゆうううううううううううっっっ………!?」 その瞬間、れいむは光に包まれた……! (ゆう……?) 気が付くとれいむは……ゆっくりしていた。 そうとしか言いようがない不思議な感覚である。 少し動かすだけでもあれだけ辛かった身体中の痛み苦しみは一切なくなっていた。 むーしゃむーしゃ、すーりすーり、ぺーろぺーろ、すっきりー……ゆっくりとしての生理的欲求であるはずの それらの行為をしたいとさえ思わなかった。それほどに精神も身体もゆっくりできていた。 お腹がすかない、排泄もしたいと思わない、それでいてゆっくりできている。まさに魔法としか言いようがない。 れいむは目を瞑ってただじっとしてるだけ。身動きひとつしてないのにすべてが完璧に満たされている。 これこそがまさに究極のゆっくり。 れいむが……いやすべてのゆっくりが夢見求める究極のゆっくりプレイス。 まさにそこにれいむはいた。 (ゆううううう……!す、すごいよ……!れいむ、いまものすごくゆっくりできてるよ! やっぱりれいむはえらばれたとくべつなゆっくりだったんだね……!れいむとくべつでごめんね!) れいむは今までのゆん生を取り戻すかのようにひたすらゆっくりした。ゆっくりしまくった。 ゆっくりし始めてどれだけの時間がすぎただろうか……たった一分かもしれない。だが数億年かもしれない。 時間という感覚がここにはまったくないからすぐにも永遠にも感じられる。 そんな永遠をゆっくえりするれいむの頭の中に何者かが直接話しかけてきた。 (やあれいむ!ゆっくりしているようだね!) (ゆゆっ……?まほうつかいのめでおにいさんだね!れいむはいますごくゆっくりしてるんだよ! れいむのゆっくりのじゃまをしないでね!ぷんぷん!) (ああごめんごめん。でもゆっくりしている所悪いんだけどそろそろ時間切れなんでさ……一応言っておかないと) (ゆっ?じかんぎれ……?) (僕の魔法は永遠には効かないんだ。もうすぐれいむにかけた究極のゆっくりの魔法は解けちゃうんだな) (ゆゆゆっ!?そ、そんなのやだよ!れいむはずーっとこうしてゆっくりしてたいんだよ!めでおにいさんなんとかしてね!) (そう言われても無理なものは無理なんだよ!れいむこそゆっくり理解してね!) (ぞ、ぞんなああああああああああっ!?ゆんやああああああ!ゆっぐじでぎないぃぃぃぃぃぃっ!) (まあまあそう言わずに……れいむはもうすぐ魔法が切れて今のゆっくりとすべての記憶を失うよ。 でも僕は約束しよう。また再びれいむがゆっくりできなくなった時……れいむが心の救難信号を発した時。 僕はまたれいむに魔法をかけてあげるってね) (ゆっ……れいむ、またゆっくりできるの?) (ああ何回でも何万回でも、それこそれいむが望むだけ魔法をかけてあげるよ) (ゆん!それならあんしんっだね!) (もうそろそろ魔法が解けるよ。心を楽にしてすべてを受け入れるんだ。そうそう……じゃあまたいつか必ず会おうね! ゆっくりしていってねれいむ!) (まほうつかいのめでおにいさんもゆっくりしていってねっ!) その会話を最後にれいむの意識は暗黒に包まれた…… ……光が見える。 あの光に向かって進むんだ。 あの光の先でれいむはきっとゆっくりできる。必ずできる。 れいむはそう確信するとゆん生最初の言葉を発した。 「きゃわいいれいみゅがゆっくちうまれりゅよ!ぜんせかいのみんなでしゅくふくっちてゆっくちしゃせちぇにぇぇぇぇっ!」