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ネリアン 18KB 観察 理不尽 実験・改造 加工場 現代 独自設定 うんしー 人間がとても不幸になります ※独自設定垂れ流し 今回は特に注意 ※餡子んぺに触発されて書いたのですが 内容があまりにもアレなので出展はやめました ※人間がとても不幸になります せわあし やしーむ やしーむ それは、この世ではないどこからから響く声。 せわあし やしーむ やしーむ それは、満たせない空虚の消滅を願う声。 せわあし やしーむ やしーむ それは、世界を終わりへと導く、破滅の声。 ネリアン 「みんな! ゆっくりでてきてね! とってもだいじなおはなしがあるんだよ!」 群の中心で、ゆっくりまりさの声が響いた。 何事かと木の下の穴や地面に掘られた穴などのおうちから姿を現すゆっくりたち。 「ゆ? まりさ、どうしたの?」 「わかるよー、なにかそうだんしたいことがあるんだねー」 「むきゅ! それならけんじゃのぱちゅのでばんね!」 「とかいはなありすがそうだんにのってあげてもいいわよ!」 時間は夕方に近い。群れのゆっくり達はほとんどがおうちに帰ってきており、まりさの呼 びかけでその大半が集まってきた。 いくつもの疑問の声と問いかける視線を集め、当のまりさは落ち着きなくそわそわしてい る。 「あ、あのね! じつは……」 「みんな! おにいさんたちと加工場に来てね!」 言葉とともにまりさの後ろから二人の人間が現れた。 近くの木に隠れていただけだが、まりさの呼びかけに安心して集まったゆっくりたちは全 く気がついていなかった。 「ゆわあああ!? に、にんげんさんだあああああ!!」 「ままままりさあああ!? どういうことなのー!?」 「かこうじょ!? かこうじょはゆっくりできないいいいい!!」 蜂の巣でつつかれたように騒ぎだすゆっくりたち。混乱のあまり逃げ出すことすら忘れて 喚き散らすあたり、ゆっくりの愚かなところだった。 まりさはゆっくりと振り向くと、人間に問いかけた。 「ま、まりさやくそくまもったよ! だからまりさだけはにがしてくれるんだよね!?」 「すまない、あれは嘘だ」 まりさが驚く暇もなく、男が取り出したのはメガフォンのような機械。 かちり、とそのスイッチが押された。 「ゆ!?」 「ゆぴ!?」 「ゆ……!? ゆ……!?」 ぶん、という低いうなりとともに、あたりの木々がざわめいた。 ゆっくりたちは一声上げると動かなくなった。 目を見開き震え、「ゆ! ゆ!」と時折うめくだけだった。 「たいしもんですね、さすが加工場特製。ゆっくりども、きっちり麻痺してますよ」 二人の人間のうち、若い方の男がゆっくりを軽く蹴った。ゆっくりは蹴られた衝撃にころ ころ転がる。踏みとどまろうという気配すらない。目をキョロキョロと動かすばかりだ。 「おい、やめろ。ゆっくりを無傷で捕獲するためにわざわざこんなものを持ち出したんだ」 年輩の男が諫めると、若い男は肩をすくめた。 先ほど使われたメガフォンのような機械。これは「対ゆっくり音響兵器」という仰々しい 名前を持つ。 ゆっくりは耳がない。全身の皮膚で空気の振動を感じて音を聴く。そのため、実は大きな 音に弱い。 この「対ゆっくり音響兵器」はゆっくりがもっとも苦手とする周波数の音を大音量で放出 する。この音を浴びたゆっくりは皮が麻痺して動けなくなるのだ。ゆっくりにとって皮は 外骨格のようなもの。それが麻痺するのだから、まったく動けなくなり完全に無力化する。 「兵器」と呼ぶに相応しい恐るべき威力だが、ゆっくり以外にはほとんど害のない周波数 の音であり、実にクリーンな機械なのである。 「さあ、仕事を始めるぞ。ゆっくりを傷つけないよう細心の注意を払え」 「はいはい、わかってますよ先輩」 二人の男は加工場の職員だ。今日は野生のゆっくりを捕獲しに来たのだった。 ・ ・ ・ 「先輩。どうして俺たち、こんなに野生や野良なんか集めるんですかね?」 トラックを運転しながら、男は助手席に座る先輩へ問いかけた。 あのあと、ゆっくりたちの捕獲は滞りなく終わった。「対ゆっくり音響兵器」で動けなく なったゆっくりは容易につかまえることができたし、巣穴に残っていた子ゆっくりなども 問題なく捕らえられた。 まったくもって簡単な仕事だった。 捕まえたゆっくりたちは今はトラックの荷台の中だ。みっしりと詰め込まれているものの、 緩衝材を適度にはさんでいるためゆっくりが傷ついたり潰れたりすることはない。 通常の野生ゆっくりの捕獲ならここまではしない。袋に適当に放り込み、何匹かつぶれて もかまわない、という大ざっぱなやり方が一般的だ。 野生のゆっくりをなるべく傷つけず、大量に集める。それがここのところ続いている、男 たちの仕事だった。 やることも奇妙だが、理由も知らされていなかった。 男はこの奇妙な仕事に前々から疑問を持っていたのだ。 「俺は知らんな。与えられた仕事をただこなすだけだ」 堅物な先輩の、いつも通りのまじめな様子に、男はため息をつく。 「でも気になりませんか? たかがゆっくり、加工場なら高品質なものをいくらでも生産 できます。それなのに、わざわざ野生のゆっくりまで集めるなんて、変じゃないですか。 しかも連日連夜ですよ。理由もなしにこんな仕事ばっかりじゃ納得いきませんって」 「仕事に余計な疑問を持つな。俺たちはただ与えられた仕事を……」 「おもしろい噂を聞いたんです!」 言葉を遮られ、むっとした様子の先輩にかまうことなく、男は自分のペースで話を続ける。 「先輩は『ネリアン』って知ってますか?」 「ねりあん……練った餡のことか? 確か第三課で新製品が……」 「違います! 『ネリアン』ですよ『ネリアン』! 現代の魔法、錬餡術(れんあんじゅ つ)!」 「……おまえはなにを言っているんだ?」 怪訝そうな先輩に、男は再びため息を吐く。 「本当に何も知らないんですか?」 「わからん。お前が何を言おうとしているのかすら想像がつかん」 「先輩が知らないのなら、やっぱりあれは噂なのかな……」 「それなら、いいんだけど」と、こっそりつけ加え、男はその噂について語り始めた。 ・ ・ ・ ゆっくりは、食べたものを何でも餡子に変換する「餡子変換能力」を持つ。 これはゆっくりを知るものにとって常識であるが、同時にもっとも不思議な点でもある。 人間の消化の仕組みは各臓器の機能や酵素の化学反応などで説明が付く。だがこの不思議 饅頭のこの機能については誰もが論理的にな説明ができない。 「なぜかそうなる」 問いつめられれば、誰もが最後には匙を投げそう答えるしかなくなる。 だが、それでもなお研究しつづけるものたちはいた。 加工場のある研究員もその一人だった。 彼のアプローチは通常のそれとは少々違った。 誰もが「ゆっくりが食べたものをなんでも餡子に変換する」ことに注視する中、まったく 逆方向から考えたのだ。 ゆっくりは食べたものを餡子に変える。 そして、餡子を消費して活動し、成長する。活動するための運動エネルギー。体内の餡子 を包む皮。お飾り。なにもかも、餡子で賄っていると考えられる。 ゆっくりは食べたものをなんでも餡子に変える。 これは裏を返せば、「ゆっくりは餡子をなんにでも変えることができる」のではないだろ うか? もしこの力を自在に使いこなせれば、ゆっくりをいくらでも生産できる加工場は無限に近 い富を得られることになる。まさに現代の魔法、よみがえった錬金術。 その研究はいつしか錬金術にちなんで錬餡術(れんあんじゅつ)と呼ばれるようになった。 ・ ・ ・ 「錬餡術……読みをもじって『ネリアン』って言うんですよ」 「くだらないな。お前、そんなことを信じてるのか?」 男の熱の入った説明を、先輩は一笑に付した。しかし、男はまるでひるまずに話を続ける。 まるで、何かに追い立てられているかのように。 「確かにバカバカしい話ですけど……見てるんですよ、俺たち。その研究の一部」 「なんだと?」 「ほら、あの! うんうんがとまらなくなったれいむ!」 「……ああ、覚えている。あれが、か……?」 男の言葉に、先輩は思いだしていた。確か男とともに、研究フロアを通りかかったときだ った。 「おにいいいざああああああん! れいむのうんうん! うんうんどめでえええええ!!」 加工場でゆっくりの悲鳴はありふれている。うんうんが止まらなくなったゆっくりだって 珍しいものではない。 下品な音とともにもだえ苦しむクソ饅頭――醜悪だが、加工場ではありふれた光景だ。 異様だったのは、それを調べる研究員だった。 「いいよおお! れいむううう! さあ、もっと見せておくれえええええ!」 「みないでええええ! ゆああああ! とまらないいいい! うんうんさんとまってええ ええ! どぼじでとまらないのおおおお!?」 「もっと! もっと! もっとだ! れいむのうんうん、もっと見せるんだあああ!」 「いやああああああ!」 とびちらされる液状のうんうんが体にかかるのも気にせず、鬼気迫る表情でゆっくりのあ にゃるを見つめる研究員。 醜くおぞましい光景だった。 「あれがどうかしたか? 胸糞悪くなる研究だったが、ゆっくりの研究してるやつなんて どいつもどっかおかしいんだ。ごくありふれた、ただの変態だ。珍しくはあるまい」 「あれが『ネリアン』の研究だったんですよ」 「……どこが?」 「人間にはほとんど違いなんてわかりませんが、ゆっくりにとってうんうんとふつうの餡 子は全くの別物です。だからうんうんは、ゆっくりにとって『餡子を餡子じゃないものに 変える』、もっとも基本的な行動なんです。研究員が調べていたのはそれなんですよ!」 先輩は天井を仰いだ。完全にあきれた様子だ。 「暇つぶしのバカ話にしても限度ってものがある。お前はもう黙って運転に集中していろ」 「こんな一本道で事故ったりしませんって。それよりここからが重要なんですよ……」 男の話はまだまだこれからのようだ。 先輩はもう諦めたのか、大きくため息を吐いた。 ・ ・ ・ 「ネリアン」の研究は進められた。 その結果、ゆっくりが餡子を消費してあらゆる活動をしてることがわかった。 餡子を熱エネルギーに変換して体温を得る。 餡子を運動エネルギーに変換して動く。笑う。しゃべる。 餡子を皮に変換する。皮ばかりでなく、あの体の成長とともにお飾りが大きくなるのにも 餡子を消費している。 そしてどすまりさの「どすすぱーく」のエネルギーすら、餡子の消費によって産みだして いるのだ。 これらの成果は素晴らしい未来を予感させた。かねてからゆっくりの餡子をバイオ燃料と するなどの研究は進められていた。だが「ネリアン」はその先をいく。 どすすぱーくの高エネルギーが容易に得られたとしたらどうだ? なにしろ加工場だ、餡 子は低コストで大量に得られる。人類の抱えるエネルギー問題を解決できてしまうかもし れない。 研究成果はその先をも垣間見せた。エネルギーだけではない。ゆっくりは、餡子からなん でも生み出せる。研究員はそう確信した。 ゆっくりの秘密を解明できれば、人類史上に革命だ。 だが、その研究はやがて頓挫する。約束された袋小路と言えた。ゆっくりが食べたものを 餡子に変換する仕組みだって解明されていない。その逆からのアプローチもまた、壁にい き当たるのは必然だった。結局のところ、ゆっくりはわけのわからない不思議ナマモノな のだ。 多くの者が諦めを背を向ける大きな壁。それ前にして、研究員は進むことをやめはしなか った。研究を始めたときと同じように、常識とは異なるアプローチをとった。 ・ ・ ・ 「それで、研究員は禁断のゆっくりを生み出してしまったんです……って、先輩、聞いて ます?」 一人で一気にまくし立ててしまった。その間、先輩は押し黙ったままだった。信号にさし かかりトラックを止め、男は先輩の方をちらりと見た。 息をのんだ。 先輩は真剣に男の方を見つめていたのだ。どこか怒っているようにも思えた。 「せ、先輩……?」 「いい。続けろ。そしてとっととそのバカ話を終わらせろ」 「は、はい……」 男の声は震えていた。 顔が青ざめていた。手も震えていた。何かにおびえているようだった。 それは先輩を恐れて、ではない。まるで自分の中にある恐ろしい何かに耐えているかのよ うだった。 でも、話すことをやめようとはしなかった。 ・ ・ ・ 「ゆっくりしていって……ね……?」 胎生型にんっしんをしたれいむは、自らが生み出した赤ゆっくりに声をかけようとして固 まった。 そこには想像していた赤ゆの姿も、期待していた笑顔もなかった。 真っ黒な餡子の固まりだけだった。 それを眺め、成功だ、と研究員はほくそ笑んだ。 胎生型にんっしんをしたゆっくりへの薬剤の投与、超音波による干渉。それらで生み出さ れたのがこの餡子の固まりだった。 研究員はこれは「反転ゆっくり」と名付けていた。 その名前の通り、すべてが反転したゆっくりだった。 皮も髪も、目も歯もおかざりも。すべてを体の中心に置き、それを餡子で包み込んだ異形。 中身と外見、なにもかもが反転したゆっくり。 それが、反転ゆっくりだった。 研究員は独特な思考法を持っていた。 それは、「何かわからないことがあったら、逆に考える」だ。今までの人生、問題に当た ったときはまずこの思考で解決を図ってきた。 餡子の変換能力の研究も通常とは逆のアプローチを行った。その研究が息詰まったとき、 彼はやはり同じ考え方で当たった。 普通のゆっくりをいくら調べてもわからない。それならば、普通ではないゆっくりを調べ ればいい。すなわち、何もかもが反対のゆっくりを人工的に生みだし、調べれば活路が開 けるかも知れない――研究員はそう考えたのだ。 そこで反転ゆっくりを生み出した。 もっとも別にこれですべてが解き明かされると、そこまで安易に考えたわけではない。体 内を直に見ることができるゆっくりがいれば研究しやすいかもしれない、という考えの方 が大きかった。 いざ作ろうとしたが、当然、そのほとんどが失敗した。皮という守りなくして胎生型にん っしんの衝撃に耐えられるはずもない。大抵は出産時に破裂・飛散した。かと言って植物 型にんっしんはすぐに実ゆっくりができるので、にんっしん後に干渉して反転させること ができない。 失敗が続き、研究員がそろそろ別のアプローチで研究しようと考え始めた頃。こうしてた またまうまくいったのだ。 今までのゆっくりとどう違うのか。どうして生まれることができたのか。薬の影響で通常 の餡子より堅くなったのか。研究員は目の前の奇跡に知的好奇心をくすぐられた。 そして、反転ゆっくりに触れた。 ・ ・ ・ トラックは止まった。目的地に着いたのだ。 そこは、かつて加工場だった場所。今は高い塀で囲われ、そればかりかドーム状の巨大な 天井もつけられており、外から中は見ることはできない。 二人の加工場職員は、ここにゆっくりを運びに来た。 捕まえたゆっくりを所定の門で受け渡すと、塀の中へと運ばれる。 二人は、その中のことを知らない。中に何があり、何が行われているかを知らない。知ら されていない。聞いても誰も答えない。ただ、噂だけがあった。 「……それで、研究員はどうなった?」 先輩がゆっくりと問う。 男はトラックを止め、反転ゆっくりに触れる下りまで話してから、話を止めた。そしてこ こについた途端、ハンドルに突っ伏してしまったのだ。 重苦しい沈黙の中、男はようやく口を開いた。 「……先輩は、ゆっくりの定義を知っていますか……?」 「ああ、加工場の職員が知らないわけがない。人の生首を模した形をしていて、稚拙なが ら人語を操る不条理ナマモノ。そして……」 男がビクリ、と震えた。 まるでその先の言葉におびえるように。 「中身は餡子。饅頭だ」 男は突っ伏していたハンドルか身を起こした。目は血走って、体中恐怖に震えていた。 「そう! 饅頭! 中身は餡子! それがゆっくりだ! それが定義! どんなに不条理 でもそれが絶対! 食べたものが餡子になるのも、餡子が別のものに変わるのも、すべて その中で起きていた! 割って中を取り出すのはいい! つぶしたってかまわない! で も、でも……反転だけはさせてはいけなかった!」 「おい、落ち着け……!」 「反転ゆっくりは奇跡的に誕生した! 完全すぎた! ねえ先輩、本当は知ってるんでし ょう!? この中でなにが行われているか! 本当は知ってるんだ! 知っているからこ そ僕の言うことを否定できないんだ! バカ話と決めつけて、ごまかしてる!」 「っ……!」 「反転ゆっくりが生まれた……中が外に、外が中に! だからこの世界は、ゆっくりの中 身になろうとしている! この塀の向こうには今でも反転ゆっくりがいて!」 先輩は男を殴った。 それでも男は黙らなかった。 「世界のなにもかもを! 餡子に換えてしまおうとしている!」 先輩はもう一度、男を殴った。 男は気を失った。 ・ ・ ・ ゆっくりは不思議かつ不条理な存在である。 ゆっくりの定義。ゆっくりは不思議饅頭。中身は餡子でできている。食べたものを餡子に 換え、餡子を別なものに換えて活動する。 反転ゆっくりは、すべてが逆になって生まれた。 生まれた後に加工されたのなら、そうはならなかっただろう。ゆっくりの中から外へでた 餡子は、ただの餡子に過ぎない。なにかを餡子に変換したり、餡子をなにかに変換したり はしない。 しかし、生まれたときからそうだったら? 初めからそうだったら、どうなるのか? 反 転ゆっくりはこの世に存在していて時から中が外で、外が中だった。そしてその概念は完 結し、固定された。 外が中へ。中が外へ。 内側に閉じこめられていた不思議が、外側にあふれた。 反転ゆっくりに触れた瞬間、研究員はどうなったか? ゆっくりの定義。ゆっくりは不思議饅頭。中身は餡子でできている。 触れた瞬間、その定義に従った。必然的に研究員は餡子と化した。 触れるものの何もかもが餡子と化した。加工場は崩壊した。地面も壁も設備も職員さえも、 なにもかもが次々と反転ゆっくりに触れ、餡子へと換えられていった。ゆっくりの不思議 に世界が書き換えられていった。 ゆっくりは大きくなるためにはなにかを食べなければならない。逆説的に、大きくなった ゆっくりはそのぶん何かを食べ続けなければならない。 反転ゆっくりの中心には皮と歯と髪とおかざり。しかし本当の意味での真ん中には、何も ない。無だ。反転ゆっくりの食べるられものなんてなにもないはず。 だが、反転ゆっくりは食べ続ける。餡子が増えるのなら何かを食べなくてはない。矛盾し てしまう。 だからきっと反転ゆっくりは「無」を食べているのだ。「無」はもともと無いのだから、 尽きない。 普通のゆっくりなら、皮の大きさが成長の限界を決める。皮の成長には大量の餡子を消費 する必要がある。しかし、反転ゆっくりにはその制限がない。 大きくなるのに邪魔になる枷がなにひとつない。 したがって、反転ゆっくりは無限に大きくなる。 ありとあらゆるものを餡子に換え、時間をかけてゆっくりと、世界のなにもかもを飲み込 んでしまう。 なにしろ触れるものすべてが餡子になる。だから抵抗するすべはない。爆弾で吹き飛ばす こともできない。普通に燃やすには大きすぎる。核兵器すら通用するかわからない。 だが、その概念に飲み込まれないものたちがいた。 加工場で唯一死滅していない存在があったのだ。 ゆっくりたちだ。 身体の内側に同じ概念を有するゆっくりだけが、反転ゆっくりに取り込まれることはなか った。元々世界から浮いた存在だ。 そして、ゆっくりたちは、外からお飾りの見えない反転ゆっくりをゆっくりと思わない。 ただの餡子の固まりとしか認識しない。 ゆっくりは反転ゆっくりを食べ始めた。 だがそれでも地を喰らい増殖する反転ゆっくりの増殖する速度の方が速い。 だから他の加工場ではフル回転でゆっくりを生産し、生まれたそばから反転ゆっくりを喰 らわせるべく加工場跡へ送り込んだ。 それでも手が足りず、職員は野良や野生のゆっくりを狩り集めることになった。 それが男の知る、現在の仕事にまつわる噂だった。 ・ ・ ・ 「う……」 男は目を覚ました。トラックのシートに寝かされていた。 「起きたか?」 「あ、先輩……」 「ゆっくりの搬入は終わった。今は次の捕獲ポイントへ向かっているところだ。 トラックは先輩の運転によって走っていた。 「先輩、俺、俺……!」 「忘れてしまえ。あんなデタラメ、あるわけないだろう……」 「でも、先輩だっていつも聞いているでしょう、あの……!」 「お前の言ったことが嘘だろうとデタラメだろうとホラだろうと……仮に、万が一、本当 だと、しても。俺達のやることは変わらない。与えられた仕事をこなす。それだけだ……!」 「だって、先輩だってあの声を……!」 男はそこで言葉を止めた。 気づいたのだ。先輩が震えていることに。 誰だって恐いに決まっている。受け入れられるはずがない。 ゆっくりを狩り集める。そんなことが、自分たちの当たり前にしていることが、世界の存 亡に関わる重要なことだなんて。 荒唐無稽な話だ。馬鹿げている。普通なら語るにも値しない与太話だ。 だが、男は笑い飛ばすことができない。 連日の、理由の語られないゆっくり集めが噂に真実味を与える。あの塀で囲まれた、加工 所跡の実在が完全な否定を許さない。 なにより、耳に残るあの声が、目を背けることすら許してくれない。 加工場だったあの場所に、ゆっくりを届けるとき。門にさしかかったところで、いつも、 聞こえるのだ。 分厚いコンクリートの壁から地鳴りのように響く、無数のゆっくりの声。 それが「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」の連なりであることが、ゆっくり加工場の 職員なら聞き分けられてしまう。 そして、何より聞こえてしまうのだ。 その地鳴りのような叫びの中に潜む、異音。 地の底から聞こえるようなくぐもった、それなのにゆっくりの発しているものだとわかる、 不思議で不気味なあの声。 あの噂とぴたりと一致してしまう、異形の反転ゆっくりが無を喰らう、歓喜の声。 せわあし やしーむ やしーむ 反転した、その声が。 了 by触発あき ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐! ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口 ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ! ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 199 ゆっくりたねをまいてね! ふたば系ゆっくりいじめ 201 ゆっくりはじけてね! ふたば系ゆっくりいじめ 204 餡小話の感想れいむ・その後 ふたば系ゆっくりいじめ 211 むかしなつかしゆーどろ遊び ふたば系ゆっくりいじめ 213 制裁は誰がために ふたば系ゆっくりいじめ 233 どすらりー ふたば系ゆっくりいじめ 465 おぼうしをおいかけて ふたば系ゆっくりいじめ 469 おぼうしをぶん投げて ふたば系ゆっくりいじめ 478 おぼうしのなかにあったもの 上記以前の過去作品一覧は下記作品に収録 ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね! 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ゾクゾクする -- 2015-08-24 13 49 55 いいよおお!でHUNTER×HUNTERのヒソカを思い浮かべてしまった( ・ω・`) -- 2012-12-03 11 45 53 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!! おそろしーしー漏らしちゃうって! リアルで起きたら怖いよ!? せわあし ゃしーむ ゃしーむ -- 2012-10-31 22 57 30 すごい面白かったです 読んでて少し寒気がしましたw 触発さんの作品は文章力もあってけっこう好きです -- 2012-06-19 21 55 19 テメーらケンカしてるとハイパーミラクルタイナミックジャスティスアトミックメガビックパンチ(ジャブ)食らわすぞオラ! -- 2012-03-27 02 08 23 ああ!面白い! こういうラブクラフト的クトゥルフゆっくりホラーはとってもゆっくりできるよ! -- 2012-01-17 19 47 28 ↓3 みなさん こういった人をゆとりと言うんですよーw -- 2011-07-10 19 52 10 ↓2 どうみてもゲスの逆ギレです つーか草生やしすぎ 壺からのお客さん? -- 2011-07-07 03 33 17 この話面白かったですw -- 2011-06-04 08 29 09 ↓あらあらwそう興奮なさらずに知恵遅れさんw なるほどねw知恵遅れさん的には難しい言葉で話しているつもりだったんだww 知恵遅れさんに1つアドバイスをあげますよ 人に何かを言ったり書きこんだりする前に知恵遅れさんのお母さんに おきゃあしゃん!きょれかいちぇいーい?って聞いてごらんなさい そしたらきっと駄目ですよ知恵遅れ・・・って優しく諭してくれますからw これで安心ですね知恵遅れさん! -- 2011-03-09 12 22 49 ああ、馬鹿だとは思ってたけどベタに馬鹿なんだこの人。義務教育中退者とはいえ…驚いた。普通に日本語でのコミュニケーションが不自由なレベルだったんだ。 難しい言葉で話しちゃってごめんね。あと、自己紹介は普通一回でいいんだ。おぼえておくといいよ。 -- 2011-03-08 18 05 14 ↓比喩どころか類似も知らないんだw困った知恵遅れだぜww -- 2011-03-08 08 32 47 比喩?これのどこが?知らないのかな、ある程度類似した事柄でなきゃ比喩は成立しないんだよ?やっぱり中学出てないんだな。 知恵遅れ…ああなるほど、自己紹介ね。 -- 2011-03-07 22 32 21 ↓比喩って知ってるかい知恵遅れw -- 2011-03-07 09 13 47 ↓×4 ビッグバンってのは何も無かった無の状態からいきなり起こり、そこから宇宙が生まれて始まるきっかけになった爆発のことだぞ?餡子の無限変換と一体なんの関係があるんだ?中学でてる? どうしてそう、正しい知識も無いのに物事を無理矢理厨二な方向に関連付けようとするのかな? -- 2011-03-06 11 56 37 ↓ゆっくりが食べた物を餡子に変換する能力のことを言ってるのではないですか?一応変換できる量は無限と言えなくもないのが通説ですし。 なんでそれがビッグバンと関係あるのかは自分にはちょっとわからないですが…。 -- 2011-02-24 02 01 37 ↓どこにw -- 2011-02-23 19 24 22 ↓え?あるじゃん。何言ってんの? -- 2011-02-17 21 19 35 ↓無限に餡子に変換できるビッグバンパワーなんて設定はないね -- 2011-02-17 20 57 00 ↓↓↓ゆっくりの全てを餡子に消化変換する能力はすでに固まってる設定であって、今さらそれを俺設定とは言えない。だからあなたの言ってることは筋違いだと思う。 このSSはゆっくりの特性のアンコントローラブルな側面を上手に利用した出来のいいSFだと自分は思います。 -- 2011-02-11 18 14 57
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猫とゆっくり 6KB 虐待-普通 観察 人間なし 米印作 駄洒落はネタが尽きました ※ ※ ※ ※ ※ 猫とゆっくり ※ ※ ※ ※ ※ 動いて喋れるとはいっても、所詮はお饅頭のゆっくりは天敵に事欠かない。 生活圏の重なる人間を筆頭に、蟻や蜘蛛といった昆虫。雀やヒヨドリから鴉や鷹などの鳥たち。熊。猪。鹿。 猿。犬。蛇。亀……。 魚に食われる例も少なくないが、水中に入ること自体が致命的なのでこれは数えなくてもいいだろう。 そして、猫。 「くるにゃぁ! こっちにくるにゃぁああああっ!!」 にゃあにゃあ言っているが、これはもちろん猫の鳴き声ではない。 さらさらの金髪に赤いカチューシャを着けた、ゆっくりありすの悲痛な泣き声である。このありすは大きさ からして成体間近の子供のようだが、目前に迫る恐怖に幼児退行を起こしていた。 民家の間取りで生じた四角い空間。その一角に追いつめられたありすの目の前に、灰色の毛並みに片方の耳 だけが黒い猫が座っていた。 ありすのことを真っ正面からじーっと見つめる灰猫は、黒斑のある尻尾の先をピクピクッと小さく振りながら 目の前の獲物をどうしようか考えていた。 一息に仕留めて食べてしまうか? 「おきゃーしゃーんっ! ありしゅまだちにたくにゃいよぉっ!」 それとも狩りの練習台にするか? 「ねこしゃんにたべりゃれるにゃんていやじゃぁあああああっ!!」 耳障りな慟哭に灰猫の尻尾が大きく左右に揺れた。 ぶんぶん尻尾を振りながらスナップを利かせて右前足を一閃。 「ゆびょっ!?」 顔の中央に肉球を叩き込まれ、ありすは慟哭ごと民家の角へと押し込められた。 と、灰猫の尻尾がピンと立った。 やおらありすを押さえつける前足で、そのままありすをぐにぐにと何度も押す。 「ゆぶっ!? やめぇっ!? もっ!? ちょっ!? ゆっ!? くりぃっ!!」 ありすは押される度に悲鳴を上げるが、灰猫はその声も気にならない様子でもう一方の前足を伸ばした。 そして二本の前足でモミモミモミモミ……。 機嫌良さそうに目を細めた灰猫は、尻尾をゆらゆら揺らしながらありすを揉みしだく。 「ゆっ! ゆふっ! ゆんっ!? ゆあ…っ! ゆっ! ゆんっ! ゆっ! ゆぁあんっ!!」 一方、ありすは絶え間なく与えられる振動にすっかり陶酔していた。 振動を与えられることで容易に発情してしまう性質をゆっくりは持っている。発情したありすは灰猫への恐怖 を忘れて快楽に溺れた。もっとも、それはありすにできる精一杯の逃避だったのかも知れない。 暫くして、ありすの下腹に小さな突起がピンと突き出した。そして間を置かず、一心不乱にありすを揉む灰猫 の手によって、ありすは絶頂に上り詰めた。 「すっ! すっ! すっきりぃいいいいいっ!!」 一際大きな嬌声に驚いて灰猫の手が止まる。 そして目を瞬く灰猫の顔に、ありすの突起からピュッと飛び出た飛沫が掛かった。 それがゆっくりの生殖に用いられる濃縮された体液などと猫が知るわけもなく。灰猫は舌を伸ばして掛かった 飛沫を舐めとった。 「ゆはぁ……ゆふぅ……。ゆぅ、ねこさんにすっきりさせられちゃうなんて……」 顔以外にも掛かっていた飛沫を丁寧に舐めとっている灰猫を余所に、強制的に激情を迸らされたありすは がっくりと崩れ落ちる。 「ごめんなさい、まりさ……。ありすっ、よごされちゃった……っ!」 想うゆっくりの名を呟くありすの頬に涙が伝う。もっとも、高ぶりを放出した突起が未だに収まっていないので まったく締まらない姿ではあったけれど。 そんなありすの心情を灰猫には知る由はないし、興味もなかった。 舐めとった飛沫が美味しかった、ということ以外は灰猫の考えにない。 だから当然のように突起の先端から滴る飛沫の残滓を舐め上げた。 ザリッという不吉な音を聞いたありすが恐る恐る自らの下腹部を眺めると、そこにあったはずのものが周りの 肌ごと消え失せていた。 「………………ゆ?」 無い。 中身が零れ出すほどの傷を負ったにも関わらず、ありすの意識はそれだけを探した。 無い、無い、無い、無いッ!? 耐え難い痛みも止め処なく流出する命すらも脇に除け、ありすはただそれだけのために叫んだ。 「ありす、の……あ、ぁありすのとかいばぎゃぁあああああっ!!!」 今日一番の絶叫に、灰猫は尻尾を山なりに持ち上げた。 この時点まで、灰猫にとってありすは単なる遊び道具に過ぎなかった。だが火の付いたようなありすの大絶叫は、 間近で且つ真正面に居た灰猫の鼓膜を暴力的なまでに揺さぶった。人間であっても耳が痛くなりそうなくらいな のに、人よりも優れた聴覚を持つ猫であれば尚更である。 ただの猫であれば、すぐさま尻尾を巻いて逃げ出したに違いない。 ありすにとって不幸だったのは、灰猫が近隣一帯を縄張りに納めるボス猫だったということ。縄張り内の猫たちを 守るため、ボスの座を狙う猫どもに隙を見せないために、灰猫はどんな相手が『敵』となろうとも果敢に牙を剥いた。 再びありすを襲う、右前足の一閃。 「ゆびっ!?」 先程と違い、隠していた爪を晒した一閃はありすの頬を捕らえ、悲鳴を上げ続けていたありすの口を地面へと叩き 落とした。 そして新たな痛みを自覚したありすが身じろぎするよりも早く、灰猫の牙はありすの命を噛み砕いていた。 ※ 「……おちびちゃーん? そろそろおうちにかえるわよー?」 灰猫が今日の獲物を平らげた頃に、また一匹のありすが姿を現した。 まだ天敵の存在に気付いていないありすを横目に、灰猫は手などに着いたカスタードを舐め取っていた。そして 綺麗になった毛並みに満足すると、のっそり起き上がってありすの背後へと音もなく忍び寄った。 「おちびちゃんたらどこいったの? まったく、ママとのまちあわせにおくれるなんてとかいはじゃないわっ!」 プンプン、とまで口にしながらも、ありすは心配そうな眼差しで懸命に我が子を探していた。 そんなありすの背後に回ると、灰猫はおもむろにありすを押さえつけた。 「ゆぎゅ!? なにっ? なんなのっ!」 目を白黒させるありすの動揺など何処吹く風と、二本の前足に体重を預けた灰猫は再びモミモミとありすを揉み しだく。 何のことはない。灰猫はただ単に柔らかいゆっくりの感触が気に入っただけだった。 「ゆんっ!? だめよっ、ありすにはだーりんがいるのっ! いるの……に、ゆはぁあん! だめぇ……っ!!」 一方的に盛り上がるありすを余所に、灰猫は揉み心地だけを堪能した。 数分後。息せき切らせたありすは上気した顔に満足げな笑みを湛えて背後を振り返った。 「うしろから急におそいかかってきたわりにすごいテクニシャンねっ! いったいどんなゆっくりな……のか、 しら……ぁ?」 ありすの上気した顔が真っ青になっていく様を眺めながら、灰猫はのんびりと尻尾を縦に振っていた。 ※ ゆっくりは天敵に事欠かないなまものだ。 好奇心から玩び、狩りの練習相手として痛め付け、腹の足しにと平らげる。 そんな猫は、ゆっくりにとって恐るべき天敵の一つであった。 ※今回限りのあとがき これから米印(こめじるし)と名乗ることになりましたので、以後よろしくお願いします。 以下拙作。 ロスト 連鎖(HDDクラッシュに巻き込まれて消失) ふたば系ゆっくりいじめ 96 永遠にゆっくりするということ ふたば系ゆっくりいじめ 786 unchain ふたば系ゆっくりいじめ 839 ドン れいむ ふたば系ゆっくりいじめ 950 まりさ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 余談だが、猫はテオブロミン(チョコレートなどに含まれる)を代謝出来ないので、 見た目は猫のちぇん種は一緒に飼ってはダメ。 -- 2018-01-05 18 07 48 このありす親子は不法侵入した野良? その辺が書いてあるともっと楽しめる。 -- 2018-01-05 17 49 25 ぬこはケーキが好きなんだそうだ。脂肪分が多い食い物は効率がいいと 本能で知ってるらしい。だからケーキがあれば魚や肉より先に食べるという (そういう実証実験があった) -- 2012-09-13 13 48 27 ぬこは獲物で遊ぶからなw 脂肪分が多いカスタードとか好みそうだ。 一番標的になりそうなのは、生クリームのぱちぇだろうなーw -- 2010-12-01 21 37 32
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信じようと信じまいと―― 20XX年、Y月Z日、日本の月探査衛星「蓬莱」は予定通り月の周回軌道に乗った。 月表面のより詳細な情報取得と資源探査、及び後発の着陸船の目標地点の調整のためである。 一般企業参加の元で開発された高解析度カメラを搭載した蓬莱は、高度調整の後にその任務に付いた。 月の表面上の直径10㎝の物体まで捉えることの出来るカメラ。 国際月資源開発基地の建設場所の決定を控える最終的な上空からの月査であった。 蓬莱が撮影した映像は航空宇宙開発局により一般に公開されていた。 月面から青い地球が昇る地球の出を捕らえた映像は他国のニュース番組を飾るほどの好評を博した。 だが、ある一部の映像はカメラの不調からの映像の乱れにより公開できなかったという。 誰も特に気にも留めない程度の欠落ではあったが、実は航空宇宙開発局により故意に隠された物であったと言う。 その映像はわずか5分程度の物である。そのカメラに写されていた物は――― つきのいなば* 未だに有人飛行を実現できずにいた日本は焦っていた。 欧米や中国、ロシアがそれを成し遂げていながら技術大国を名乗る日本は大きく遅れをとっていた。 一応有人飛行船の開発目処は立ってはいる。 設計上は何も問題のないはずの有人宇宙船。 だが日本にはこれに関してのそれまでの経験や積み立てというものが全く無いのである。 実際に宇宙に人を飛ばしてみないと分からないことなど五万とあるに違いない。 仮にもし何かのミスがあった場合の対応、処置など課題も山と積んでいる。 何も分からぬ、他人から聞いたのみの情報で人を宇宙空間に送り込む事。 それは間違いなく人体実験となる。 成功すればいいが、失敗した場合、最悪宇宙開発の断念、少なくとも中断は避けられない。 動物実験をしようにも彼らには言葉が通じない。 実際に機材を使わせたり生活させたりすることは到底無理だ。 人以外で言葉を理解し、ある程度道具の使える生き物。 やがて彼らは気づいた。その願いをかなえる都合の良い生き物が身近に居ることに。 うどんげは狭い部屋に閉じ込められ、一人寂しそうにベッドの上で与えられた携帯ゲームをしていた。 もう一人きりにさせられて2週間は経っただろうか。 ここは航空宇宙開発局の実験棟。今狭い空間内における落ち着きをテストする実験が行われている。 通常人間で行われる実験だが、今回はその代わりにゆっくりが入れられていた。 息苦しい無機質空間。空調の音がその孤独を際立たせる。 電子音にはもう飽きてしまった。携帯ゲーム機の音量は0。 泣き出しそうになるのをうどんげは必死に我慢していた。 それをごまかすかのように無心に定期的にスピーカーから聞こえる指示に従うか、あるいはゲームをしていた。 不意に室内に警報音が鳴り響き、部屋の奥に設置された白いドアがいかにも重たそうな音を立てて開く。 うどんげはゲームを放り出すとその扉の向こう側からやってくる影を見つめた。 カツカツという音が次第に自分に近づいてくる。 そしてそれが誰かが分かるや否やうどんげはその人影に抱きついた。 「お疲れさま、よくがんばったわね。うどんげ」 抱きつかれた研究員はそういって彼女の頭をやさしく撫でた。 うどんげは嬉しそうににゲラゲラ笑うと研究員に抱かれてその部屋を出た。 しけんにごうかくすれば、おねえさんがほめてくれる。 がんばってなくのをがまんすれば、おねえさんがゆっくりさせてくれる。 うどんげはそのお姉さんの優しさだけを支えに、今までずっと厳しい実験に耐えてきたのだ。 うどんげは加工所で生まれた。 生まれてすぐに母親から引き離され、毎日寒くて汚いゲージの中で縮こまって泣いていた。 美味しくないご飯。憂さ晴らしに自分をいじめる年上のゆっくり達。 うどんげはゆっくりする事を知らなかった。 誰も助けてくれない、誰も守ってくれない加工所がうどんげは大嫌いだった。 だがそんな折、うどんげにある転機が訪れた。 宇宙船に乗せる実験体としてのゆっくりの選抜が行われたのである。 全てのテストに合格し、比較的おとなしかったうどんげは見事実験体に選ばれ、その住処を移した。 きれいな部屋に美味しいご飯。 うどんげは始めて自分のゆっくりプレイスを見つけた。 だがそれ1週間も続かず、すぐにうどんげは本格的な耐久実験に回されてしまう。 大きな機械に振り回され、ローラーの上を延々と走り続け、極度の温度差に身を晒された。 うどんげはさらに過酷になった自分の環境を、そして運命を呪った。 日に日に心身ともに文字通りぼろぼろになってゆくうどんげ。 願わくば、私を作った神に呪詛を、願わくば、私を虐げる人間に罰を。 だがある日、うどんげに手を差し伸べる人間が現れた。 いつも通り実験でぼろぼろになったうどんげは一人実験室に倒れていた。 近づいてくる足音。また同じようにストレッチャーに放り込まれ部屋に置き去りにされるのだろう。 うどんげは泣きもせずに不貞腐れたように体を丸めた。 背後で止まった足音。うどんげは痛みを覚悟して目を強く瞑った。 だが、彼女は不意に暖かく、心地の良い何かに包まれた。 「かわいそうに、こんなにボロボロになって……」 そういってギュッとうどんげを抱きしめたのは若い女性の研究員だった。 彼女はゆっくりと歩き出すと、うどんげの頭を優しく撫でた。 うどんげの飼育部屋に入ると彼女はうどんげに丁寧に治療を施す。 いつの間にかうどんげは泣いていた。どうして泣いているのか分からなかった。 別に悲しいわけではなかった。でも涙が止まらなかった。 「ぶえええぇぇぇぇ……」 うどんげの悲しげな泣き声を聞いて、彼女もまた目じりに涙を浮かべていた。 「ごめんね、辛いでしょう……」 うどんげはいつまでもな彼女の腕の中で泣いていた。 その後、彼女はうどんげの実験が終わると毎回やってきてはうどんげを介抱するようになった。 うどんげは日に日に元気になってゆき、実験結果もなかなかの物になっていた。 このじっけんがおわれば、おねえさんとゆっくりできる。 うどんげはお姉さんの介抱を糧に、日々の実験を乗り越えてゆく。 遂にうどんげはたのゆっくりを退け、宇宙船にのる実験体として選抜された。 うどんげを乗せる宇宙船の準備は着々と進み、とうとう打ち上げ予定1週間を切った。 いつもより物々しい雰囲気の実験棟。 うどんげは小さなブレザーにネクタイ、スカートという普段と変わらぬ格好でお姉さんと歩いていた。 「いい、うどんげ。あなたはこれから宇宙に行くのよ。それもゆっくり初なんだから!」 分かってか、ゲラゲラとさぞ楽しそうに笑ううどんげ。 大きな奇怪の前で歩みを止めると、お姉さんはうどんげに向き直り微笑んだ。 「うふふ、うどんげも嬉しい?私もとっても嬉しいわ」 そういうと、しゃがみこんでうどんげに首輪を取り付ける。 ゲラゲラとひときわ大きく笑ったうどんげの小脇を抱え、機械の中の小さな座席にうどんげを座らせた。 「さあうどんげ、頑張ってね。貴方は今歴史の1ページとなるのよ!」 そう言うと頭を撫で、機械から離れるお姉さん。 ゆっくりとシャッターがしまり、うどんげの視界から消えていくお姉さん。 最後に彼女の口元が何か言っている様に見えたが、うどんげがとうとうその言葉を知ることは無かった。 光が遮断されると同時に、うどんげは何か甘いにおいに包まれ、静かに眠りに落ちていった。 201X年X月X日、日本航空宇宙開発局は、新たな小型実験衛星の打ち上げを発表。 より高度な遠隔操作技術実験のため、月軌道上を2週間周回の後、事前に決められた落下地点に墜落する予定。 前回の月探査衛星でも動揺の実験を行ってはいるが、更なる精度での落下計測を行う為に再度行うとの事。 また、生命維持装置などの耐久実験も行うとされている。 201X年X月Y日、日本航空宇宙開発局は、衛星制御及び装置耐久実験が成功に終わったと発表した。 目標地点より誤差100m以内への落下が確認され、関係機関は大きな関心を寄せている。 ―――蓬莱が撮影した問題の映像には、月面を動き回る何者かの影が映ってた。 その姿はウサギの耳をつけた幼い女の子の容貌であったという。 生命が存在するはずのない月面上に、それも人型の生き物がいるなどあってはならない事。 世界の混乱を恐れ、彼らはすぐさまその映像を隠蔽した。 だが本当に彼らの目的は、常識を守るためだけだったのだろうか……? 貴方が信じようと信じまいと――― 今も静かな海の何処かで、一匹のうどんげが寂しさに泣いているのである。 =============================================== 書いた人:かりすま☆れみりゃ ゆっくりいじめ系1989 ゆっくりいじめ系2006 ぱちゅりーと鉄塔 ゆっくりいじめ系2011 満月の夜とひとりぼっち ゆっくりいじめ系2034 紙のさくやさくや ゆっくりいじめ系2092 はじめてのチュウ ゆっくりいじめ系2222 7本の稲荷寿司を捜し求める虐待お兄さんと愛と勇気のヌビビビンビドゥ ゆっくりいじめ系2432 SSがあっぷされるまで ゆっくりいじめ小ネタ366 爆裂資産
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ゆっくりアストロン対策 ゆっくりたちがアストロンを使うようになったという。 それを聞いたとき、俺は信じられなかった。 ゆっくりがアストロンを使えるわけがない、という意味ではない。 ここは幻想郷だ。饅頭が魔法を使ったって、不思議じゃない。 だが、俺が信じられないのはそこじゃなかった。 試しに愛用の杖を持参して、森へ行ってみることにした。 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってねー!」 「ゆっ!」 五分もしないうちに現れた。れいむ一家だ。 「ゆっくりしていってね!」 挨拶するれいむたちの前にしゃがんで、俺は聞いてみた。 「なあ、おまえたち。そんなにあっさり出てきちゃっていいの? 人間にいじめられるとは思わないの?」 「ゆふっ! そんなしんぱいはゆっくりなくなったよ! れいむたちは むてきのまほうをつかえるようになったよ!」 「うっそだ、そんなわけないだろう」 「ゆゆ、おにーさんはしんじないの? じゃあゆっくりやってみせるからね!」 そう言うと母れいむは、得意満面で唱えようとした。 「アスト「マホトーン」 俺のひとことで、れいむは沈黙した。口をパクパクさせるが、呪文が出てこない。 驚愕するそいつをしばらく見つめてから、俺はおもむろに指を突きつけ、言った。 「メラ」 ボッ! 火の玉が飛び、れいむの顔面を直撃した。 「ゆぎゃああああああ!! あづいあづいあづい、あづうぅぅぅい!」 もだえ苦しんだ挙句にれいむは死んだ。 残った子ゆっくりたちがガクガクブルブルしている。俺はそいつらにも指を向けた。 すると、中に一匹勇敢で機転のきくな奴がいて、とっさに叫んだ。 「ま、まほとーん!」 ギュッ、と喉が締め付けられる感触がした。 なんと、本当に魔法をかけられてしまった。なかなかやる饅頭だ。 が、俺は落ち着き払って背中の杖を取り出し、子れいむの頭上にかざした。 ピカッ! と閃光がひらめき、ズバババッ、と稲妻が子れいむたちをなぎ払った。 「ゆぎゅん!」 「ぐべえ!」 「あごっ!」 ぼぼぼん、と立て続けに爆発して子れいむたちは死んだ。 術者が死んだのでマホトーンが解けた。俺はため息を付いた。 「ふう……っていうか、別にこんなことしなくても、鉄化したら土に埋めちまえば済むことだよなあ……」 俺が信じられなかったのは、アストロン程度で無敵になったと思い込むゆっくりのアホさ加減だった。 しかし、ゆっくりはほんとに信じていた。さすがはゆっくりだと思い知らされた。 俺はいかずちの杖を背中に戻し、出しゃばってしまったことを反省しながら、村へ帰った。 アイアンマン これまでに書いた話 ゆっくりいじめ系1084 ゆっくり実験01 (まりさ解体) ゆっくりいじめ系1093 ゆっくりエレエレしてね! このSSに感想を付ける
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・またHENTAIです。これと後一作でしばらくHENTAIはおいとこうか ・「ふたば系ゆっくりいじめ 1301 帰ってこないあの日々」の続きです。これでラストの予定 ・ギャグ有り ・虐待なし…次はちゃんと書くよ、虐待物。 ・相変わらず希少種愛でです やあみんな、最近現世と天国を行ったりきたりしているお兄さんです。 家のゆっくり達に追い回されたり、永遠にゆっくりしてしまったフラン達に引導を渡されかけたりで 俺はもう駄目っぽい。 それを察してかどうかは知らないが、最近家のゆっくり達の様子がおかしいんだ。 最近俺の顔を見る度にほうっとした顔になったり、必死に嫌がったら意外と素直に引きさがったりで いつもと様子がおかしいんだ。 一体何なんだろう? 別れ てんこは最近自分がおかしくなってきている事に気が付いていた。 「ハァ…」「げらげら…」 それはうどんげもだった。 てんこもうどんげもお兄さんが大好きだった。いっぱいちゅっちゅしたり、いっぱいだきだき したらとてもゆっくりした気分になる。 だが最近だ、ちゅっちゅやだきだきでは満たされなくなってきたのだ。 どれだけちゅっちゅしてもてんこに対するお兄さんの態度は小さな妹の面倒をみる 優しい兄の態度である事に気付いたのだ。 「うぅぅぅぅぅ…こんなに大好きなのになんでお兄さんはてんこを愛してくれないの?」 「げらげら!!(れいせんもたくさん愛してよ!!)」 二人はもう、妹のようにかわいがってもらうような扱いを受けるのが嫌になったのだ。 恋人として扱って欲しい!!二人はそう考えるようになってきていた。 「どんなにす~りす~りしても!!どんなにちゅっちゅしてもお兄さんは 『何時まで経ってもあかちゃんだなぁ』だよ!!このままじゃいつまで経っても振り向いてくれないよ!!」 「げらげら!!(れいせんたちに魅力がないからなの?)」 二人はどうすれば振り向いてくれるか必死に考えた。 そして、てんこが結論を導きだした。 「そうだ!!すっきりーしてもう子供じゃなくていっぱしのレディーだって見せつければいいんだよ!!」 「ゲラゲラ!!(でもお兄さんはすっきりさせてくれないよ!!絶対やらないって!!)」 「うぅぅぅぅ、こうなったら既成事実を作って…」 「げら!!(ちょっとまって!!)」 うどんげがてんこの意気込みを制止した 「ゆぅ?なにうどんげ?」 「ゲラゲラ!!ゲラゲラ!!(お隣のお兄さんから聞いたお兄さんの昔のお話を思い出したよ!!たしか…) うどんげがお兄さんの身に昔あったお話を語りだした。 以前飼っていたふらんとれみりゃがすっきりーして死んだこと お兄さんがそれでしばらく落ち込んでいた事など赤裸々に語った。 てんこはその話を真面目な顔で聞いていた 「ゲラゲラ!!(お話は以上だよ!!)」 うどんげのお話が終わった。 てんこの顔は今にも泣きそうな顔になっていた 「ゆぐぅ…ぐすんぐすん…おにいさんがかなしいめにあってたなんて…ぐすん…」 「げらげら…(れいせんもお隣のお兄さんから聞かされた時は泣いちゃったよ…)」 「でも!!」 「げら?」 「てんこは我慢できないよ!!お兄さんとすっきりーしたい!!したくてしたくてもう胸さんが 張り裂けそうだよ!!すっきりできたら死んでも良い!!」 「げら!!(れいせんもだよ!!)」 「…おにいさんに怒られちゃうね、俺を置いていくなって。」 「げら…(そうだよね、お兄さんが悲しむ所なんて見たくないよ…)」 「お兄さん、ごめんなさい。後でお尻ぺんぺんをたくさん受けます。 もうだきだきちゅっちゅ禁止で良いです。お兄さんの愛を下さい」 「げら…(下さい)」 二人は決意した。 「おにいさぁぁぁぁん!!」 「げらげら!!(おにいさぁぁぁぁん!!)」 俺が振り向くとてんことうどんげが珍しくゆっくりとした足取りでこっちに近づいてきた。 何時もならジャンプしながら飛びこんでくるのに…。 「お兄さん!!てんことうどんげが一緒になってゆっくりできるお薬さん作ったよ!!飲んでね!!飲んでね!!」 「げらげら!!(真心たっぷりだよ!!)」 あの二人が合作?初めての事だと思った。 何時もならてんこが外科的なアタック、うどんげが内科的なアタックをしてきた。 しかも今回は二人の合作と言い張るだけあってまともな色をしているし、怪しげな叫び声も 聞こえてこない。 今回はまともそうなんだが、今回に限っては本能が絶対飲むなと囁いてきた。 「いや…俺はなんか今日しんどいし、眠いから」 「だったらこのお薬でもっとす~やす~やできるよ!!さあ飲んでね!!」 「げらげら!!(早く飲んで飲んで!!)」 今回はなかなか引き下がらないなぁ… 「いや本当に…」 だき!!だき!! てんことウドンゲが俺の脚に抱きついてきた。二人の身長ではここまでが限界なのだ。 そして涙目で俺の顔を見て言った。 「お兄さん…ぐすん…てんこが…ぐすんぐすん…嫌いになっちゃったの…ぐすん… だからてんことうどんげの真心の…ぐすん…こもったお薬さんを…ぐすん…飲んでくれないの?」 「げら…ぐすん…げら…ぐすん(れいせんを捨てちゃうの?そんなの嫌だよ…)」 ここまで言われたら飲むしかない…おれはそう考えると覚悟を決めて飲んだ。 「んっぐんっぐ…あれ?今回はまともだ」 「でしょでしょ!!最高傑作なんだから!!」 「げらげら!!」 何時も変な薬を飲まされてあの世にいるフランに追い回されているパターンを繰り返す 俺にとってはなんとも微妙な所だ。 まあ辺に体を壊すよりはいいか… 「しかし今日は槍でも降ってくるんじゃな…い…」 あれ?なんかすごく眠い…体が鉛のようだ。 やっぱりさっきの薬かな?なんかすごく眠くなってきた… 「お兄さん!!このお薬はたっぷり眠れるようになるお薬だよ!!ベッドで横になるといいよ!!」 「げらげら!!(ベッド!!ベッド!!)」 「う…ん…そうか、じゃあ俺はベッド寝てるから」 「は~い、ゆっくりお休みなさい!!」 俺はてんこに寝ることを言うと、ベッドに横になりすぐに眠りの世界へと旅立った…。 「うどんげ、うまくいったね」 「げら」 「本当はてんこ達をいっぱいぎゅってして欲しかったけど…どうやっても無理だよね」 「げら…」 「でも、好きな人といっぱい、いぃぃっぱいすっきりできるならそれでもいいよね」 「げら」 「じゃあ、はじめよっか」「げら」 二人はお互いの顔を見合わせると、お兄さんの服を脱がし始めすっぽんぽんにした。 そして自分達も下着も含めて全部脱ぐと、お兄さんの上にまたがった。 「ごめんなさい、おにいさん…」「げら…」 二人はお兄さんの頬にキスをした。 「あれ…結局またきちゃったよ…」 おれは気が付くと最近良く来る羽目になったあの世にきていた。 相も変わらず花が咲き乱れ、その中央を横断するかの様に小川が流れていた。 「いつもならここであいつらがくるんだが…お、あそこにいた」 小川に足を付けるようにして故ゆっくりのふらんとれみりゃが腰かけていた。 いつもなら俺に引導を渡そうと俺を追いまわすのに、一体どうしたんだ? 「うー、おにいさん、ここにすわる」 ふらんが俺に横に座るように言ってきた。 いつもと様子がおかしいふらんの言葉におれは素直に従った。 「一体どうしたんだ?いつもなら…」 「おにいさん、ふらんとれみりゃがえいえんにゆっくりしちゃったとき、やっぱりかなしんだ?」 ふらんがいきなりそんな事を聞いてきた。れみりゃは顔をうつ向けたままだ。 俺はふらんの問いに真面目に答えた 「悲しかったよ、身が引き裂かれるような思いだったよ。俺が何も知らずにお前達を 殺したようなものだったから何度も墓前で謝った」 「ふらんたちもしらなかったからそれはおたがいだよ。でもね、ふらんもおねえさまも おにいさんといっぱいあいをしたかったの。それだけはわすれないで」 「れみりゃはおにいさんといっぱいあいしあえた…これだけでしあわせなんだど」 俺は何故急にそんな事を聞いてきたのか気になり、ふらん達に聞こうとした 「一体どうしたん…うお!!」 またいつもの光が俺の足元にやってきた 「おにいさん、おにいさんにとってはたいへんつらいことだけど…あのこたちをゆるしてあげて」 「一体なんの!!」 そこで俺の体は光の中に引きずりこまれた。 「…おねえちゃん…」 「なに、おねえさま」 「あのこたちをたすけてあげられないのかだどぉ…」 「なにいってるの?わたしたちはみることしかできないのよ、ここからおにいさんを」 「でぼぉ」 「でももなにもない。…ここからはあのこたちしだいだよ…」 ふらんとれみりゃは小川から覗ける下界の様子を見つめていた。 今ちょうどすっきりーが終わった所だった。 うう、視界が歪む… 俺は重く、そして眠い目を擦りながらじょじょにクリアになっていく視界で辺りを見回した。 鈍くなった俺の体の感覚がほんのわずかだが何かが乗っている重みと温かさを感じる。 少し遠くなっている俺の耳がなにかに喘ぐ女の声のような物を感じ取った。 「…………よぉ、……いよぉぉぉぉ!!」 そして感覚・聴覚・視覚が少しずつまともになっていくにつれ、俺はそれが何か理解し始めた。 それは…おれが二度と味わいたくないと決意したはずの…悪夢だった。 「すっきりぃぃぃぃぃぃぃ!!」 この言葉と同時に俺の感覚は完全に元に戻った。 視界には全裸で俺の胸の中で横になっているてんことうどんげの入ってきた。 その体全体には独特の臭いを放つ何かが全身にへばりついていた。おそらく一回やそこらではないだろう。 「てんこ…うどんげ…お前達何をしている?」 「おにい…さん?お目覚めがはやいよ…」 「げら…げら…」 呼吸を乱しながら二人は応えた。 俺の頭は、この二人が何をやったか二人の様子ですぐに分かった。 だが、俺は受け入れがたかった。認めたくなかったのだ。 「お前達…まさかすっきりしたのか?」 「…ごめんなさい」「げら…」 俺は怒るというより泣くような声を上げた 「お前達!!…お前達はゆっくりなんだぞ!!俺とすっきりしたら死ぬんだぞ!!なのになんでだ!!」 ふたりは顔をうつ向けながら答えた。 「…もう、我慢できなかったからだよ…お兄さんの愛が…とってもとっても欲しかったんだよ…」 「げら…」 「いつもお前達と一緒に遊んであげたろ?」 「でも、お兄さんはてんこ達を恋人のように扱ってくれなかったよ… そんなことを考えていたらね…てんこ達、愛してもらえないと思って…」 俺はてんこの言葉ではっとした。 結局…俺が原因だったのだ…。俺がてんこ達の思いにキチンと応えてればこんなことに ならなかったかもしれないのだ。 だが、俺は二人をまるで妹のように扱い、ぞんざいに扱っていたのかもしれない。 もしきちんと二人の思いに応えていたら、こんな事にはならなかったかも知れないのに… 気付いたら、俺は二人を抱きしめながら泣いていた。 「ごめんな…ごめんな…」 「お兄さんはなんにも悪くないよ…てんこ達が我儘だっただけだよ…」 「げらげら…(ごめんなさい、お兄さん…)」 俺は二人を抱きしめながら思い出話を始めていた。別れを惜しむように…。 初めて家にやってきたこと。 うどんげが近所に住み着いた野良にいじめられた事。 二人が心を開くきっかけになった『野良ゆっくりお家宣言事件』 二人がやたら張り合う事になった『お兄さん大好き事件』 今思えばこの時点で二人の思いに応えてやればよかったと思った。 「あの時は尻に餡子を入れられるとは思わなかったよ」 「ううぅぅぅ、あの時は…」 「げらげら(ヒーローアニメの情報を本当に参考にするなんてほんとてんこは駄目ゆっくりだね!) 「なにいってるのうどんげ!!うどんげだってテレビさんのいうことを真に受けてお薬さんを」 「げぇぇぇらぁぁぁぁ!!(それは言わない約束でしょぉぉぉぉぉ!!)」 「たははははは!!」 三人とも真っ裸で楽しく笑いあった。俺の胸にうずくまるように俺に抱きついてくる二人の体は 少々臭うがとても温かいものだった。 何時までもこの時が続けば良かったと思った…。 だが、時がそれを許さなかった 「…お兄さん…そろそろ…みたい…」 てんこが話の腰をおってそう言った。 「げら…げら…(体が…とってもだるいよ…)」 うどんげも体がしんどそうな顔で言った。 「そうか…」 俺はそう呟いた。思い出話で少しでもこの悲しみから逃れられた思いが現実に戻ってきた。 「おにい…さん…だいすき…だよ…」 「げら…げら…(れいせん…もだよ…)」 二人が眠りにつきそうか顔で俺の顔を向いてきた。 気が付いたら、俺は二人を思いっきり抱きしめていた。 「永遠にゆっくりするな!!てんこ!!うどんげ!!俺はお前達ともっとゆっくりしたい!! もっと一緒に遊んでやりたい!!もっと美味しいものを一緒に食べたい!!なぜなら俺は…」 俺の口は自分の本能に従うように続いた。 「…二人が…二人が大好きだからだ!!愛している!!だから逝くな!!」 一瞬、二人の目が大きく見開かれた。 だがまた眠たそうな顔に戻った。そしてとても小さな声で答えた。 「…てんこも…おにいさん…を…あいします…いっぱい…いっぱい…あいします」 「げら…(あいします…)」 「だろ!!だから逝かないでくれ!!てんこ!!うどんげ!!」 俺は二人を抱きしめながら必死に声をかける。 だが二人の瞼は更にどんどん重くなっていき… 「ごめん…ね…」 「げ…ら…」 二人は完全に目を閉じた…。 俺は必死に体をさすった。ゆらしもした。 だが、二人はまるで人形のように目を閉じたままだった。 必死に呼びかけもした。だが応えない。 体温はまだ温かかった。だが冷たくなるのも時間の問題かも知れない。 「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!すまん!!てんこぉぉぉぉぉぉ!!うどんげぇぇぇぇぇ!!」 俺は二人を顔に近づけ、号泣した。 もうあの二人と同じことを繰り返さない。そうきめていたのにこの結果を招いた。 もうこんなに号泣しない。そうきめていたのに号泣した。 俺はひとしきり泣きまくり、泣き疲れていたのか二人を抱きしめたまま眠ってしまった…。 夢の中… 「さよならお兄さん!!大好きだったよ!!」 「げらげら!!(さよぉぉならぁぁ!!)」 「待ってくれ!!いくな!!逝かないでくれ!!」 俺はどんどん遠ざかっていく二人を追いかけていた。だが二人は俺の足では間に合わない程 早く遠ざかっていった。 「待ってくれ!!てんこぉぉぉぉ!!うどんげぇぇぇ!!」 どんなに叫んでも二人はどんどん離れていき、ついに何も見えないぐらい遠くへ言ってしまった。 「てんこ…うどんげ…」 俺はその場で膝をつき、手をつき、俯きながら泣いた。ひたすら泣いた。 時間の感覚が分からなくなるほど泣いた。 どれだけ泣いたか分からなくなるほど泣いたその時である。 「お兄さん、泣いちゃだめ。ほら、てんこなら戻ってきたよ」 「げらげら(泣いちゃうなんて泣き虫さんだね!!)」 俺の横に二人が立っていた。 俺はゆっくりしてない速さで二人抱き上げた 「てんこぉぉ!!うどんげぇぇ!!もう離さないぞ!!もうどこにもいかさないぞぉぉぉ!!」 「うん!!てんこもずっとお兄さんといる!!」 「れいせんも一緒にいます!!大好きですお兄さん!!」 俺は今まで泣いていたのが嘘のように二人を精いっぱい抱きしめた。 ああてんこ、うどんげ、ごめんよ!!俺が悪かったよ!!これからは一緒にいような!! …あれ?二人ともこんなに重かったっけ?温かいのは温かいけどここまでくるとなんか暑い いや、錯覚とかそんなんじゃなくていま間違いなく暑いって くぅぅぅぅ!!もう限界だ!! 「暑いぃぃぃ!!」 「あ!…ん」 「う…ん」 ドタン!!ドタン!! 俺は俺の上にのっている何かをどかすようにして目を覚ました。 最初は今の光景が夢だったということを理解すると落ち込んだ。 次に二人の墓をつくらないといけないなと考えた俺は胸の中で逝った二人がいるはずの所をみた…が。 「…いない?」 俺は二人が俺の上にいない事に気付き辺りを見回始めた。 どこにも転がっていない!!死体が消える事なんて…ん? 俺はベッドの脇から伸びる腕を見つけた。 最初はてんこかうどんげのものでないかと考えたが、その考えはすぐに消えた てんこ達の腕にしては長くて細い、まるで人間の女性のような腕だったのだ。 「あいっ…つ…もうなによ…」 その言葉を引き金にベッド脇から女性が現れた。 すらりと伸びた手足、豊満な胸、そして青い髪に赤い瞳。 「えっと、どなた?」 俺の顔に女性の足が飛んできた 「ちょっとお兄さん!!てんこを忘れたの?あんなに昨日愛し合ったのに!? ひどいぃぃぃぃぃ!!あんまりだぁぁぁぁぁ!!」 「え?てんこ?」 俺には訳が分からなかった。 昨日死んだと思って号泣したてんこが人間の女性とあまり変わらない姿になって今俺を首根っこを 締めているのだ。 しかもなんか性格がちょっと変わってやいませんか? 「く…くるし…」 「ちょっとやめなさい!!お兄さんが死んじゃうでしょ!!」 後ろから別の声が聞こえてきた。 俺は後ろを振り返るとそこにはてんこと負けず劣らずの姿のうさみみの女性がいた。 …あれ?ウサ耳?…もしかしてうどんげ? あれ?うどんげって喋れたっけ? うどんげの姿を見たてんこは俺の首に回した手を緩めた。 「ちょっとだれよあなた!!てんことお兄さんの愛の育みの邪魔をしないでくれる?」 「そういうあなたこそだれよ!!れいせんとお兄さんの邪魔をしないでくれる?」 お互いが顔を睨みあったが、先の会話の内容をふと思い出したのか急に睨め会うのをやめ 互いに指を刺しあった 「え?うどんげ?」 「ん?てんこ?」 「ちょっとどうしたのうどんげ?普通に喋れるようになっているし、なんか大きくなっているわよ?」 「そういうてんここそ大きくなっているじゃない」 「「え?」」 二人はその格好のまま俺の部屋にある鏡の前まで行き、自分の姿を改めて確認した 「「なによこれぇぇぇぇぇぇ!!」」 それは俺が聞きたいって… そんな事を心の中で突っ込んでいると二人は何か話し合いを始めると、その場で俺の方を向き 正座をした。 「お兄さん、昨日はごめんなさい」「心配かけて本当にごめんなさい」 そう言って二人は頭を下げた。あれ?前より頭良くなってないか? …ん?あれ?謝っているのになんで何か企んでいるような顔をしているの? 「たっぷり反省しましたから、てんこと」「れいせんに」 「「たっぷりお仕置きしてねぇぇぇぇ!!」」 二人は俺の所に飛びこんできた。 何時もならその幼児体型が相まって欲情することなんかないのだが、今は豊満な女性の体。 俺の理性は一瞬にしてすっ飛んだ。 それから数日後… 「お兄さん、またいつものレポートがきているわよ!!」 てんこが俺にゆっくりレポートを手渡してきた。 あれから俺達三人は何事もなかったかの様に過ごしている。ただ変わったことがあるとすれば てんことれいせんが家事・掃除・洗濯のお手伝いをしてくれるようになったからだ。 人間の女性とあまり差がない体になってからやたらハイスペックになったのだ。 お向かいのお兄さんやお隣のお兄さんに家の子達を見せたらいつも「え?本当にあの子達?」 と聞かれるぐらいだ。俺も未だにあの変化には驚いているんだ、当然だ 「あ、お兄さん。すみませんが足を上げてもらえませんか?」 掃除中のれいせんだ。掃除機を使って綺麗に掃除してくれる。 また邪魔になるのはいけないと思い、俺は食卓の椅子に座り、今届いたレポートに目を向けた 今日の特集は「ついに解明!!後期型胴つきゆっくりの全貌だった」 ゆっくりの胴つきには初期型と後期型があるのは皆さん知っている事であろう。 今までは初期型のみ解明されてきたがついに!!ゆっくり研究所は後期型ゆっくりの謎を解き明かした。 ようやく発見した後期型ゆっくりをレントゲン、CTなどで解明した所、なんと!!人間の 臓器に当たる形に形勢された中身が見つかった。 餡子やカスタードで出来上がった心臓・腸、ここまでくると完全に未知の世界だ。 だが驚くのはここからだ。我々はまさかと思い、人間の精子を子宮に当たるであろう部分に注入した。 するとどうだ!!翌日、実験体のゆっくりは人間の女性とほぼ同じ大きさになっていたのだ。 我々は驚き、再び実験体をスキャンにかけた所、驚愕の事実を発見した!! そこに映っていたのはなんと!!甘菓子で出来た骨、厚いチューインガムでできた心臓 そしてキャンディーで出来た血管だった!! ゆっくりが自ら選んだ進化への道、それは人間に近づくことだったのだのかもしれない。 事実この実験体の身体能力、知能は人間には及ばないものの高水準のゆっくりの平均値を 二倍突き放すかのようなデータを残している。 ゆっくりは犬に変わる私達の新しいパートナーとなるのか? 果ては人間と敵対するためのものなのか? 現段階では仮説の域を超えないが私達は引き続き、ゆっくりの謎を解き明かしていきたい!! 編集者:ブレあき 「へぇー、なるほどなぁ。だからか…」 「これ面白い?お兄さん」 てんこが俺の後ろから聞いてきた 「うん?まあ眉唾ものだなぁ。だってこの編集者の趣味の所を見てみろよ『きめぇ丸と頭を振ること』 って書いているんだぜ。絶対まともじゃないぜ」 「あははは、なにそれ!!面白いわ!!」 まあこんな感じで俺達三人はゆっくりしている。とゆうか二人が怪しい薬を飲ませようとしなくなったのか あの世に飛ばされる事がなくなったんだけどな!! だがそうもいってられないんだなぁ、これが 「ところでお兄さん、今日は一緒にお風呂にはいってくれるわよね?」 てんこが俺の膝の上に座りながら誘ってきた。 「あぁぁぁ、何やっているんですかてんこ!!れいせんの方が今日は一杯お仕事やっているんですから お兄さんはれいせんと一緒に入るんです!!」 「え?なに?昨日もなんだかんだで一緒に入ったでしょ!!今日はてんこの番でしょ!!」 「違います!!一杯働いた方がお兄さんと一緒にお風呂に入れるんです!!」 ここ最近こんな感じで張り合っているのだ。何分我が家の風呂は狭く、二人でもかなり窮屈なのだ。 今までだったら二人で一人みたいな勘定が出来たのだが…ここまで育つと厳しいのだ 「こうなったらお兄さんに決めてもらおう!!」 「そうですね!!こっちの方が後腐れもありません!!」 「「さあお兄さん!!今日はどっちと入る(ますか)?」」 俺は少し頭を悩ませてこう答えた。 「じゃあ後腐れもなく誰ともはいら…」 「「ゆっくりしねぇぇぇぇぇ!!」」 俺は息のあった二人の蹴りに蹴っ飛ばされた…。 完 あとがき 個人的にケリをつけようかということで続きを書きました。 今回もさすがにどろわに上げるべきではと考えましたが、かなりエロい描写は入れていないと 考え、此方に上げました。さすがにこれは…という意見がありましたら今後HENTAI関係で上げる所を 考えます。 餡コンペ…はかどらないなぁ…。 とりあえずHENTAIはしばらく封印します。あと予定している一作は頃合いを見て上げます。 餡コンペの投稿期間が終わるまで必死に書くことになります。 ではまた五月にユグソウを完結させますんで、よろしくお願いします。 あと、コメントをたくさんお願いしますぅぅぅ。 何気に本編に出てきた作者:ブレあき 何気に本編にちゃっかりでてきたアホの過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 621 ゆっくりとの共存社会 ~ニュースキャスター編~ 序章 ふたば系ゆっくりいじめ 914 ゆっくりとの共存社会 ~ニュースキャスター編~ ふたば系ゆっくりいじめ 955 ゆっくりの進化 一 前半 ふたば系ゆっくりいじめ 1047 ゆっくりの進化 一 中編 ふたば系ゆっくりいじめ 1066 ゆっくりの進化 一 後半 ふたば系ゆっくりいじめ 1089 ユグソウ プレリュード ふたば系ゆっくりいじめ 1135 ユグソウ 前半 ふたば系ゆっくりいじめ 1230 喧嘩 ふたば系ゆっくりいじめ 1301 帰ってこないあの日々 このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! ◆SS感想掲示板 10作品未満作者用感想スレへ ※書き込む時はSSのタイトルを書いて下さい。 コレをコピーしてから飛びましょう→『ふたば系ゆっくりいじめ 1349 別れ』 トップページに戻る
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めーリンガル 9KB 虐待-普通 愛で ギャグ 小ネタ 飼いゆ ゲス ドスまりさ 希少種 ペットショップ 現代 初の純粋な(?)愛でに挑戦です。 めーリンガルという物が販売された。 これはめーりんの様に喋れないゆっくりが何を言っているのか解るという物だ。 喋れないから良いんだ、という意見もあるだろうが、 めーりんを飼っている俺としては、何を喋っているのか興味がある。 そこで早速これを購入、めーりんに使ってみることにした。 めーりんの場合 「じゃおん!」(おはよう!) 「じゃおじゃおぅ」(まだ少し眠いよ) 「じゃおぉぅ?」(ご飯を食べたら一緒にお昼ねしてくれる?) ………これは想像以上の破壊力だ。 めーりん好きの俺にとっては、今世紀最大の発明といっても良いだろう。 早速友人を巻き込んで「めーリンガル」で遊ぶ事にしよう。 みょんの場合 友人が遊びに来るまで暇なのでもう一匹の飼ゆ、みょんにも使ってみる事にする。 「めーリンガル」は様々な種類のゆっくりにも対応している。 普段、卑猥な言葉しか喋らないみょんだが、いったい何を言っているんだろう? 「ちーんぽ!」(お兄さんだ!) 「おまえちんこでかっ!」(今日はお休みなの?) 「えろほん、きんたま、しこるすきー!!」(ご飯食べたら、遊んでね!) 意外と普通のことを喋っているんだな……… 金バッチの場合 友人が金バッチれいむを連れてきた、通常のゆっくりはどういう反応になるのか興味があったからだ。 このれいむは流石金バッチといった感じの優良ゆっくりだ。友人にも俺にも懐いている。 さあ、喋れるゆっくりにはどういう反応があるのか…? 「ゆゆっ!おにいさんこんにちは!おひさしぶりだね!」(またこいつか、もう顔も見飽きた) 「めーりんもこんちにわ!ゆっくりしていってね!」(くずのめーりんだよ!ゆっくりできないよ!) 「じゃおおん!」(ゆっくりしていってね!) 「おにいさん、れいむにきをつかわなくていいよ!ゆっくりしていってね!」(何してる、さっさとあまあま持って来い!) 「ゆゆっ!どうしたのおにいさん?」(アホ面みせるな、さっさと動け) 「………」 「………」 「…お前のれいむって実はゲスか?金ゲスなのか?」 「…そんな…はずはない…と思うけど…」 「でかまらほうけい?」(どうしたの、お兄さん?) 「ゆっ!みょん、ゆっくりしていってね」(ちんぽしか喋れない、無能ゆっくりが来たよ!) 「ちーんぽ!」(ゆっくりしていってね!) 「………」 「………」 「……お前、加工所行き決定な!」 「どおしてそんなこというのぉぉぉぉぉぉぉ!!」(なんだと!くそじじい!) ゲスの場合 「…まあ、そう落ち込むなよ」 「………」 とりあえず、ゲス容疑が掛かけられたれいむはケースに閉じ込められている。 いろいろ騒いでいるが、まあ気にしないで置く。 「まあ、一応あれも用意してあるんだが…」 「……せっかくだから、俺のれいむと比較してみるか」 「はなすんだぜぇぇ!!このくそにんげん!」(放してね、人間さん!) 「どうしてれいむが、かこうじょいきなのぉぉぉ!」(くず人間、れいむを敬え!) 「………なんだこれ?」 一応野良ゲスも用意しておいたんだが…… この機械、壊れているのか? だが、めーりんやみょんの会話がちゃんと聞けたし… 翻訳機能がおかしいのか? 「ぶれいなくそにんげんだぜ!まりささまにきやすくさわるんじゃないんだぜ!」 (まりさは弱いからすぐ怪我をしちゃうんだよ、あんまり強く持たないでね) 「ゆ!このまりさはなに?のらなの?のらはゆっくりできないよ」(薄汚い野良だね、ゆっくり死ね!) 「………」 「……やっぱりお前、加工所行き決定な!」 「どぼじでぇぇ?!」(なぜだ!) 野生の場合 「めーリンガル」の更なる機能を確かめるため俺達は近くの山に向かった。 話ではこの辺りにドスの居る群れがあるらしい。 善良な群れのようで、人里には降りてこないこと、畑に侵入しないことなどを約束したそうだ。 ちなみに金れいむは少し痛い目にあわせたら、ゲスの本性を現した。 とりあえず、野良まりさと一緒に加工所に送っておいた。 「たしか、このあたりなんだが…」 「ゆゆっ!にんげんさんこんにちは!どうしたの?」 「この辺りにドスの群れがあるだろ?案内してくれ」 「ゆぅ…なんのごようなの?」 「大した事じゃないんだ、危害も加えるつもりもないし」 「ゆん!わかったよ、案内するよ」 「めーリンガル」を使っておけば良かったと思いつつ、群れに案内してもらう。 「ゆ!にんげんさんこんにちは!どすになにかごよう?」(こんにちは、にんげんさん!) 「こんにちは………ふーむ、普通の反応だな」 「やっぱりこの機械が正しいのか?」 「むきゅ!どす、にんげんさん、どうしたの?」(嫌な奴らが居るわ) 「………」 「…ドス、このぱちゅりーは?」 「このぱちゅりーはどすのほさだよ、おしごとをてつだってもらっているんだよ」 (このぱちゅりーは、ドスの為に働いてくれるんだよ優しいよ) 「むきゅ、てつだっているってほどでもないわ」(ちゃんと褒めてくれ) 「………ドス、ちょっとこっちに」 「ゆ?どうしたの?」(どき!何かな?) 「むきゅ?!」(胡散臭い人間さんね) 俺達とドスは「めーリンガル」を使って、群れのゲス因子を排除した。 ドスも初めは信用しなかったが、何回か使っていく内に思い当たる節があったのだろう。 機械の性能を理解し、協力してくれた。 なお、ゲス因子の見つかったゆっくりは俺達で引き取った。 知り合いの鬼威参にでも渡しておくつもりだ。 「ゆぐぅ!ここからだしてね」(ここから出せ!くそ人間!) 「とかいはじゃないわぁぁぁ!」(ドサクサにまぎれてすっきり出来るわぁぁぁ!) 「むきゅ!どす!これはどういうこと?」(群れをのっとる計画がばれたのかしら?) 「だせぇぇ!まりさはげすじゃないんだぜぇぇ!!」(なぜばれた?) ペットショップの場合 「めーリンガル」の効果に気を良くした俺達は、今度は町のペットショップに向かうことにした。 ゆっくり専門ではないが、多くのゆっくりを扱っている。 たまに胴付の入荷もあるようで、ゆっくり好きな人間も虐待好きな人間も愛用しているほどだ。 「いらしゃいま…何だお前らか」 「ちゃんと仕事しろよ」 「で、何の様だ?」 「実はな、この前買った……」 ここの店員は俺達の仲間でどちらかといえば、鬼威参と呼ばれてもおかしくない人間だ。 ただ、虐待対象はゲスだけのようなので、ペットショップでも働けている。 「そんなに高性能なのか?面白そうだから俺もついて回る」 「まったく、まじめに仕事しろよ」 「いいじゃないか、…店内をご案内します、お客様……これでいいだろ?」 「まあ、なんでもいいけどな」 「こちらがゆっくりコーナーで御座います。どうぞごゆっくり」 「つまらんギャクだな」 「うるせーな、年寄りにはうけるぞ」 そんなやり取りをしながら、「めーリンガル」を取り出し、売り物のゆっくりに使ってみる。 「ゆゆっ!にんげんさん、ゆっくりしていってね」(人間さんこんにちは!) 「にんげんさんはゆっくりできるね!」(お世辞でもいっておけばいいや) 「まりさはにんげんさんをゆっくりさせてあげられるよ」(はやくゆっくりさせろ) 「じゃおじゃーお」(お昼寝したいよ) 「にんげんさんはいいひとなんだね、わかるよー」(人間さん??) 「まりさはまりさだよ!よろしくね!」(にんげんさんとあそびたいよ) 「おにーしゃんゆっきゅりできりゅひちょ?」(ちょっとこわいよ) ペットショップだけあって優良な個体が多いが、反面上位バッチ付でもゲスっぽいものも居る。 まあ所詮ゆっくりといった処だろう。 「めーリンガル」の性能は想像以上だった。 これはあとで知った話だが、元は加工所がゆっくりの心理を知るために開発したらしい。 それが喋れないゆっくりに使ってみたところ効果があったようだ。 「まあ、ざっとこんな所だな」 「すごいもんだな、でもこれを持っていると迂闊にバッチ付を買えないな」 「まあ、元は喋れないゆっくり用だし、いいんじゃないのか?」 「実際喋れないゆっくりはその方がいいって事で買われていることが多いし、お前達のような使い方が特殊だろう。」 「あーそうだ、先週胴付が入荷したんだが……使ってみるか?」 胴付の場合 「先週入荷されたうどんげだ、喋らないから丁度良いかもね」 「ゼロがいっぱい………誰が買うんだよ…」 「さあ?だから売れ残ってるんだろ?」 「ではさっそく……」 『にこっ』(人間さんこんにちは!) 「「「おぉ!」」」 『きょろきょろ』(店員さんと……しらないおにいさんだね) 「かしこいな」 『じー』(ずっと一人だから、人間さんが来てくれて嬉しいよ) 「「「!?」」」 『じーーー』(遊んでくれたら嬉しいな…) 「「「な、なんだってぇぇぇ!」」」 『うるうる』(もう一人ぼっちは嫌だよ…) 「「「……………」」」 「すみません、これください!」 「ちょwてめ!うどんげはおれんのだ!!」 「お前にはめーりんがいるだろ?!うどんげは俺が買う!!!」 「店員はひっこんでろ!それにお前は鬼威参じゃないか!うどんげは俺が幸せにする!!」 「うっせー!うどんげは別だ!おれが責任もって面倒見る!!」 「貧乏人は引っ込んでろ!俺が買う!借金してでも買う!!!!」 「てめ…この…」 「おら…あきらめ…」 「く…おのれ…」 『おろおろ』(喧嘩はやめてー) 俺は醜い争いにやぶれ、家に帰ることになった。 結局うどんげは金ゲスれいむの元飼い主が「めーリンガル」とセットでお持ち帰った。 …まさか本当に借金してまで買うとは………まあ、俺も欲しかったんだか… 「じゃーおう?」(どうしたの?お兄さん?) 「じゃおじゃお?」(元気ないみたいだよ?) 「じゃおおん!」(めーりんがなぐさめてあげるね!) 「…………」 「めーりん!浮気しそうになってすまなかったぁぁぁぁぁ!!」 「じゃお?!」(?!どうしたのおにいさん?) 「どーていおとこ、びっくぺーす」(めでたし、めでたし?) どうしてもこれは単品にしておきたかったので短めですが投稿します 「めーリンガル」をほかの作品で使いたかったので 飽きられてなければ、ムシゴロウ王国の続編でも書いてみようと思います。 徒然あき 過去に書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 819 ムシゴロウ王国 ふたば系ゆっくりいじめ 826 ムシゴロウ王国2 ふたば系ゆっくりいじめ 828 ムシゴロウ王国3 ふたば系ゆっくりいじめ 831 ムシゴロウ王国~王国の仲間達~ ふたば系ゆっくりいじめ 835 罰ゲーム ふたば系ゆっくりいじめ 836 ショート ふたば系ゆっくりいじめ 841 ゆんセルク ふたば系ゆっくりいじめ 842 ハイテンション ふたば系ゆっくりいじめ 848 思いを伝えよう ふたば系ゆっくりいじめ 849 ゆんケストラ ふたば系ゆっくりいじめ 850 即興 ふたば系ゆっくりいじめ 856 ムシゴロウ王国5 ふたば系ゆっくりいじめ 861 ゆっくり草 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る まじかよ高性能 -- 2019-03-30 01 40 19 久しぶりに平和だった! -- 2017-05-25 22 04 23 胴つき うどんげかわいー♪ -- 2016-05-28 14 34 53 ドスがかわいい -- 2015-07-19 14 52 27 このうどんげ…可愛いから欲しいな -- 2013-08-06 10 28 29 すばらしい良作! -- 2013-07-02 15 09 44 ・・・このうどんげは「ゲラ」と言わないのか? -- 2013-03-09 19 31 00 うどんげを巡る三人のやりとりが面白かった -- 2012-12-04 20 59 43 ドスまりさは正直者だな。 -- 2012-09-11 21 56 49 胴付きうどんげっかわっ -- 2012-06-28 08 07 01 通常種にしかゲスが居ない不自然さと、ゆっくりにウソを吐くことすら許さない理不尽さを除けば、本当に面白かった。 -- 2012-04-15 10 20 36 よいぞっ! -- 2012-04-11 02 22 03 えーき様にぴったりだな -- 2011-12-01 05 52 16 やっぱり胴付きうどんげはゼロがいっぱいなのか・・・でもほしい! -- 2011-11-14 03 56 59 巻き添えくらったまりさはなんで加工所に? ともかく、いい話だった -- 2011-08-24 08 57 51 この話の続編を求む(´Д`) -- 2011-08-15 16 37 16 うん、まるで娼婦のように媚びまくってるな、うどんげ。 -- 2011-02-09 07 21 58 媚びっ媚びだな、うどんげ -- 2011-01-13 22 46 26 うどんげえええええええええええええええええええええ!! -- 2010-12-12 00 45 32 巻き添えくらって加工所送りになったまりさに合掌 -- 2010-12-11 16 40 12
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捨てゆっくりin 冬 14KB 虐待-いじめ 制裁 自業自得 追放 飼いゆ 現代 借ります ゆっくりを捨てるのは良くない 「れいむ、もうお前要らん。 何処へなりとも消えちまえ」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおぉぉぉ!!!?」 部屋の中に、れいむの悲痛な叫びが響き渡る。 俺の心は微塵も揺らがなかった。 捨てゆっくりin 冬 俺は一匹のゆっくりを飼っている。 いや、飼っていたというほうが正しいだろう。 何故ならつい先程、ゆっくりを捨てることを決めたのだから。 ゆっくりれいむ。 元・俺の飼いゆっくり。 それが今、俺の足元でなにやら喚き散らしながら、纏わりついてきている。 鬱陶しくてしょうがなかった。 「だからああぁぁぁ!!!れいむはおにいさんのかいゆっくりでしょおお!!!? ちゃんとめんどうみないとだめなんだよおおおぉぉぉ!!!?」 知ってる。 一応それなりに世話を焼いてきたつもりだ。 こんな事になりさえしなかったら、これからも世話を焼いてやっただろう。 「れいむなにかわるいことした!?だったらあやまるから、おにいさんもあやまってね!!! れいむのこといらないだなんて、いっていいこととわるいことがあるんだよぉ!?りかいしてね!!」 何故俺が説教めいた非難を受けているのだろう。 それにこいつはまだ自分が何をしたか分かっていないのか。 「だまってたらなにもわからないでしょおおおぉぉぉ!!!?さっさとごめんなさいしてね!!! そうしたられいむもゆるしてあげるよ!!ゆっくりしないであやまってね!!!」 元々、何でこいつを飼い始めたのかすら分からなくなっていた。 メタな話、そうしなければ話が始まらないからだが。 こんなバカじゃなくて、もっとましな種類を買ってくれば良かったと後悔している。 「いいかげんにしないとれいむおこるよ!?おんこうなれいむをおこらせるなんて、おにいさんはおばかさんなのぉ!!? それがいやだったらゆっくりしないでどげざしてね!!!あとおわびにたくさんのごはんとあまあm」 「喧しいわこのアホ饅頭」 喚き続けるバカに、とりあえず一言。 俺の言葉が気に触ったのか、「ぷくううう!!!」と膨れる足元のバカを見下す。 何がぷくーだ。こっちの方が頭に来てるっつーの。 「……いいか、れいむ。俺ぁ何べんも何べんも、口を酸っぱくして言ったよな」 怒りに震える指を、バカの頭上に突きつける。 「決まりだからって、絶対に、何があっても―――――」 「―――――野良ゆっくりとガキ作るんじゃねぇって言っただろうがこのアホ饅頭!!!」 れいむの額には、実ゆっくりを実らせた茎がまっすぐに伸びていた。 そういえば、事ここに至るまでの経緯を説明していなかった。 かいつまんで話そう。 1.れいむのお友達である、野良ゆっくりのまりさ。 2.俺の居ない間の家宅侵入(どうやられいむが手引きしたらしい)。 3.すっきりー。 後は察してくれ。 我ながら間抜け以外の何物でもないが、恐ろしいほどテンプレ通りの展開だった。 他人事ならば笑えるが、生憎今回は全く笑えない。 お約束ともいえる、荒れた部屋を片づけるのにも相当な心労を要してしまった。 ペットなのだからと多少の自由を許して、野良ゆっくりとつき合う事を許した結果がご覧の有様だよ、と言わんばかり。 本当に、親馬鹿ならぬ飼い主馬鹿は目を曇らせる。 言葉を理解するのだから大丈夫だろうと――言い含める程度でこのバカが理解するとでも思っていたのか、当時の俺よ。 もう落胆とか裏切られた気持ちとかのお陰で、れいむに対する愛着などは欠片も無い。 いっそ殺してやろうかとも思ったが、どうもそれでは呆気ない、生温い気がする。 ならばここは外に放り出して、せいぜい苦しんで貰うのが相応の末路だろう。 今は冬だ。甘やかされてきた飼いゆっくりでは一日と持つまい。 「だ、だってれいむのあかちゃんはかわいいんだよぉ!?おにいさんもあかちゃんをみれば、ゆっくりできるんだよ!! だかられいむはおにいさんのためにあかちゃんをつくってみせてあげようとs」 「嘘こけこのアホ!どう考えても手前が盛ってただけじゃねぇか! 言うに事欠いて俺のためとか、ふざけるのも大概にしろ!!」 最近、「おちびちゃんが欲しい」とか言ってたらこの様だ。 性欲の責任転換はやめて欲しい。 「それにかわいいれいむとつよいまりさのおちびちゃんなら、きっとおにいさんをゆっくりさせてあげられるはずだよ!! ほら、このおちびちゃんなんてまりさにそっくr」 「そのガキが親に似るんだったら、ますます潰す必要があるわ! 大体あのまりさゲスだったじゃねーか!!」 これもお決まりだが、野良まりさは「ゆっへっへ、じじい、どれいにしてやるのぜ」とか何とか言っていた。 今はゴミ箱の中で生ゴミと熱烈なベーゼを交わしてもらっている。 そんな奴の餡子を引き継ぐなど、ストレスの種以外の何ものにもなりそうに無い。 「……ゆぐぐ、うるさいよ!!じじいはれいむのいうことをきいてればいいんだよ!! かいぬしだからっていつまでもいばらないでね!!ぷんぷん!!」 「お前………」 それが本音か。 この野郎、人が優しくしていたら増長しきっていたようだ。 絶対捨てる。 「ゆぶっ!!?やべでね!!?」 れいむの顔面を掴み上げる。 ろくに発音が出来ないはずだが、それでも何かれいむが喋っている。 勿論無視。 「やべべね!!?やべべね!!?」 玄関へと向かう。 相変わらず手の中のバカが何か喚いているが気にしない。 ふと、実ゆっくりと茎が目に入る。ゆらゆらと揺れていた。 激しくウザい。 ドアを開ける。空は曇天、季節はまさに冬そのもの。 途端に流れ込んでくる寒気。 まるで身を刺すようだ。 「ゆぎゅぅ、ざぶぃぃっっ!!!」 当然、手の中のバカもその寒さに震える。 部屋飼いの長いれいむは、最近家の中に篭りっぱなしだった。 だがそれも今日まで。これからこの寒さと存分に付き合ってもらう。 「ほれ」 れいむを投げる。 放物線を描きながら、ゆっくりと短い距離を飛ぶバカ、と実と茎。 「ゆゆっ!!おそらをとんでるみちゃぶっ」 一瞬何かを言いかけたれいむだが、顔面から地面につっ込んだために最後まで言いきる事は無かった。 奇跡的にも、茎や実は全て無事だった。無駄に運が良い。 「じゃあなバカ。せいぜい苦しんで死ね」 「ゆ゛っ!!じじい、なにずるの!!れいむいたかったよ!!!ぷk」 れいむが起き上がって何かを言う前に、ドアを閉めた。 ドアの向こう側では、まだ何かギャーギャー言う声が聞こえてくるが気にしない。 部屋に戻り、暖かい物でも食べよう。 ――テレビを点けると、天気予報がやっていた。 どうやらこれから夜にかけて、雪が降るらしい。 一時間後。 再び玄関のドアを開ける。 心なしか、一時間前より寒い。 そして視線の先には、寒さに震えるれいむの姿があった。 「お、お゛、おぞ、おぞ、おぞい゛、よ゛、ごの、じじ、じじ、じじ、い。 れ、れれ゛、れいむ゛、ざむぐ、で、じ、じぬ、かと、おぼ、おぼ、た、よ」 ガチガチと歯を打ち鳴らし、その身体は線がぶれるほど震えている。 いつもより血の気(?)が引き、顔は真っ白だった。 何処からどう見ても「凍えています」といった風体。 哀れすぎる。少しばかり溜飲が下がった。 「れ、れ゛れいむ゛に゛は、あが、あがぢゃんがい、いる、ん、だ、だよ。しんぐる、ま、まざー、な゛んだよ。 こ、ごんなに、ざ、さむくちゃ、あが、ちゃんが、が、ゆっ、ぐり、でぎ、な、ない、よ゛」 未だにれいむの額には茎が付いている。 だが、実ゆっくり達は苦悶の表情を浮かべ、茎そのものも先程より色が悪く、細くなっている。 「だか、だがら、ざっざと、お゛う、おうちに゛、いれ、いれ、て、て、ね。 そ、そぞ、ぞうじだら、じじ、じじいの、ごど、ゆるじで、あげなぐも、ないy」 「ふざけんなバーカ」 惨めな饅頭を見下し、告げる。 この程度で許してやるならば、最初からこうする意味など無い。 「お前さっきから聞いてりゃ言いたい放題言いやがって。 早く入れろ?そうしたら許してやる?バカも休み休み言え」 「お前まだ分かってないのか?お前はな、捨てたの、要らない子なの」 「少なくともお前の額に付いてる汚いちっこいのは要らない。 何で俺がそんなもんを世話してやらにゃいかんのだ?」 「シングルマザーって言ったよな、お前。 じゃあ一人で育てろよ、頑張って。シングルマザーらしく」 「ああ、暖かい。こっちは暖かいなぁ。 でもお前は寒くて辛い。まぁ知ったこっちゃ無いけどね。子供がいる限りずっとそうだよ、お前」 「じゃあ俺は暖かい場所に戻るから。 シングルマザーさんはそこで、赤ちゃんと一緒に楽しくやってな」 ドアを閉める。 またもや何かギャーギャー言う声が聞こえてくるが、同じように無視。 部屋に戻ってテレビでも見ますかね。 ふと窓の外を見上げると、白い結晶が降ってきていた。 積もれば楽しいかもしれない。 さらに、一時間後。 みたび玄関のドアを開ける。 薄らと積もった雪、そしてそこで当然のように震えているアホ饅頭。 ただその額には、茎の影も形も見当たらなかった。 「………あれ?れいむ、お前赤ちゃん達はどうしたの?」 「ゆ゛?れ、れ゛いむ、には、あが、あかちゃん、なんて、いな、いない、よ゛?」 かわいらしく――本人はそのつもりだろう――首(つまり全身)を傾げるれいむ。 「は?いやお前、何言って、」 「れ、れいむ゛は、どく、どくっしんっ、だよ?お゛ちび、ちゃんも、だーり゛んもいな、いない゛よ? おにーさん、ゆ、ゆっぐり、ゆめでもみて、た、たんだね。れいむ、こま、こま゛っちゃうよ」 明らかにバレバレの嘘を吐くれいむ。 寒さで頭がおかしくなったか?一体何のために、 ………って、ああ、成る程。 「なぁ、れいむ」 ここは一つ、カマをかけてみよう。 「口の周りに、餡子付いてるぞ?」 「……ゆ゛ぅっ!!?」 凄まじい勢いで反応し、己の口元を見ようとするれいむ。 だが生憎、顔の構造上口は見えないだろうし、仮に見えたとしても後の祭りだ。 れいむ。 お前、 「………赤ちゃん食ったな?」 「ゆ゛ううううぅぅぅっっっ!!!?」 面白いくらい取り乱すれいむ。 どうやら予感は当たっていたようだ。 ―――子供がいると家の中に入れないからって、子供を食ってしまったのだ、こいつは! 「おいおいおいおい、お前さぁ、いくら赤ちゃんが邪魔だからって普通食わないだろ、なぁ」 「ゆ゛っ………!」 思わず笑いがこみ上げてくる。 この可能性は考慮していなかった。まさか、まさかこんな事をしてくるとは。 野良ゆっくりでさえ、こんな考えを持つ奴は早々居ないだろうに。 「シングルマザーじゃなかったのかよ、お前?赤ちゃんは大切なんじゃないのかよ? いやー驚いた驚いた。まさか飼ってたゆっくりが、こんなゲス野郎だったとはねぇ」 「ゆ゛ぅ゛ぅ゛………!!!」 まだしも普通に馬鹿だった野良まりさの方が良心的ではなかったのだろうか。 飼いゆっくり(だった)の身の上で、どうしたらこんな発想が出来る。 どんだけ生き汚いんだ。 「これが他のゆっくりに知られたら大変だろうなぁ。 『こどもをたべちゃうげすおやはゆっくりしね!!!』とか。袋叩きにされるぞ」 「ゆぎぎぎぎぎぎいいいぃぃぃぃぃ………!!!!」 ギリギリと、歯を噛み鳴らすれいむ。 何も言い返せないのは自分の立場を知ってるのと、俺が正論を吐いているせいだろう。 野生だろうと野良だろうと同属殺しはご法度。それがゆっくりの本能だ。 「ぞ、ぞんなごどどうでもいいでじょおおおおぉぉぉっっ!!!? れ゛いむ゛にはもうあがぢゃんいな゛いよっ!!!おうぢに゛いれざせでねっっ!!!」 耐えかねたれいむがとうとう激昂する。 自分の子供を「そんな事」か。 「うん、確かにもうガキは居ないな。 これならお前を家の中に入れてやっても良いかもしれない」 「……ゆ゛っ!!やっとれ゛いむをおうぢにいれでくれ゛る゛んだね!!! れ゛いむ゛はやざ、やざじいがらおにいざんのこど、ゆ、ゆるじであげるよ!!!ゆっぐりかんしゃしt」 「―――――でも反省の色が無いな。もうちょっとそこに居ろ」 ドアを閉めた。 向こう側から「ゆ゛あ゛あ゛あ゛!!!」と狂ったような絶叫と体当たりの音が聞こえてくるが、やはり無視。 引き続き、テレビでも見るとしよう。 雪は止む気配を見せない。 もう一時間後。 玄関のドアを開ける。 雪は一層積もり、徐々に景色を白く染め上げつつある。 その中に、れいむは居た。 「ゆびっ……ぃっ、お、おに゛、ざ、ん……」 下顎辺りまで雪の中に埋もれ、頭には雪をこんもりと載せている。 顔面は蒼白を通り越し、蝋人形か何かのようだ。 動き続けていればこんな風に埋もれる、と言うことにはならなかっただろう。 あるいはもう動く体力は残されていないのか。 どちらにしろ、今のれいむは哀れを通り越して滑稽ですらあった。 たまらなく痛快だ。 「ごべ……ごべんなざい……も゛う、おにいざんの、いうごどには、ざがらいまぜん」 ここにきて、ようやくれいむが謝った。 流石にこれ以上放置されるとどうなるか、餡子脳でも分かるらしい。 「れ゛い゛むが、わ゛る、わるがっだでず。お゛ぢびじゃんも゛、だーり゛んも、いり゛まぜん」 歯の根の合わない口を必死に動かして、口上を述べていくれいむ。 そこには3時間前の増長饅は塵すら残っていない。 卑屈に諂い、靴を舐めろと言われれば舐めるだろう。 「だがら、だがら、おうぢに、いれ゛で、くだ、ざ、ざい」 もうこれ位にしてやっても良いのではないか。 れいむも十分反省したと言っている。 もう二度とこんなことをするようには思えない。 「………れいむ」 だから、れいむを許して、家の中に入れてやっても良いのでは、 「お前さぁ」 でも。 そうは問屋が卸さないんだな。 「暗いよ、お前。もっとニッコリ笑え、ニッコリ」 「………ゆ゛?」 「笑顔だよ、笑顔。分からないか?」 だから、れいむを許してやるなんて事は、無い。 「さっきからベソベソぐちぐち、辛気臭い口上並べ立ててさぁ。 このままお前を家の中に入れたら、俺まで辛気臭くなっちまうよ」 「俺はさ、ペットに対して癒しを求めてるんだよ。 勝手に子供作って面倒をこしらえたり、俺に対してじじいなんて言う奴は論外なんだけどさ」 「でも、それだけじゃあ足りない。 やっぱり笑顔が無くちゃな。今のお前にはそれが決定的に、無い」 「俺の言うことには逆らわない、って言ったよな、れいむ? じゃあ笑えよ。笑顔でペットらしく振舞ってみろよ、なぁ」 「ほら。―――――こうやって、笑ってみろよ、れいむ」 口の端を吊り上げ、歯を剥き出しにして、笑う。 れいむに向けたそれは、紛れも無く「嘲笑」というやつだ。 「ゆ゛………ゆ゛ひ」 釣られてれいむも笑みを返す。 寒さによって硬直した顔面を無理やり動かす、引き攣った笑顔。 汚いなぁ。 「3点。駄目だな。 ちゃんとした顔になったら家の中に入れてやる。それまで練習してろ」 ドアを閉める。 もう向こうからは、何も聞こえてこなかった。 恐らくれいむは、俺の言いつけ通りに笑顔の練習でもしてるのかもしれない。 雪の勢いはどんどん強くなっている。 これからまだまだ寒くなるだろう。 今日はもうこのまま暖かくして飯食って風呂入って歯磨いて寝よう。 れいむの様子は、明日確認すれば良いや。 翌朝。 外は銀世界だった。 視界に入るのは雪、雪、雪。白一色。 ここまでの大雪はこの地域では珍しい。 年甲斐も無く少々心が弾む。 見れば、道路の片脇にはもう既に雪だるまの姿があった。 子供達が早起きでもして、作り上げたのだろうか。 そして、ここにもある意味「雪だるま」がひとつ。 「………まぁこうなるとは思ってたけど、本当に間抜けだな、こいつ」 明らかに何かが入っていると思われる、雪の膨らみが玄関のすぐ真ん前にあった。 蹴り崩してみると案の定、その中にはれいむだった凍死体の姿が。 まったく、怒りを通り越して呆れも通り越して感心すら通過して、今はただ無性に笑い飛ばしたかった。 そもそも最初に捨てられた時、こいつは何処なりと逃げ出せた筈なのだ。 それを馬鹿正直に玄関の前に居座って、勝手に凍えて、勝手にくたばった。 バカ以外の何者でもない。 ふと振り返ってみると、昨日まで存在していた苛つきも怒りも綺麗さっぱり消えていた。 気分爽快。 こいつは最後の最後に――その命を以って、ペットらしい振る舞いをしたと言うわけだ。 ならば最期くらいは、それらしく扱ってやろう。 「じゃあな、アホ饅頭」 ガチガチに凍ったれいむの顔。 所々罅割れ、あるいは黒ずんでいるその顔面。 それでもなんとか形作っていたれいむの笑顔を、俺は足で踏み抜いてやった。 おわり * * * * * 前作書いてから「あれ?凍死って意外と面白くね?」と思って書いた。 好評だったら多分また似たようなの書く。 あと「ゆっくりを捨てるなんて、とんでもない!(不法投棄的な意味で)」って思う人も居るでしょう。 俺もそう思ったけど話の都合上そうしなきゃ駄目だったんだ、ごめんね。 byテンタクルあき 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 2 散歩した春の日に ふたば系ゆっくりいじめ 3 ちょっと鴉が多い街のお話 ふたば系ゆっくりいじめ 22 伝説の超餡子戦士 ふたば系ゆっくりいじめ 38 とある野良ゆっくり達の話 ふたば系ゆっくりいじめ 46 散歩した5月の日に ふたば系ゆっくりいじめ 48 ゆうかにゃんと色々してみよう! ふたば系ゆっくりいじめ 128 れいむとまりさがだーい好き!! ふたば系ゆっくりいじめ 136 つむりはとってもゆっくりできるんだよ! ふたば系ゆっくりいじめ 324 散歩した秋の夜に ふたば系ゆっくりいじめ 372 新世代清掃工場 ふたば系ゆっくりいじめ 385 どうしてそう思ったの? ふたば系ゆっくりいじめ 386 最終地獄 ふたば系ゆっくりいじめ 635 散歩した冬の日に テンタクルあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る なかなかの良作でした。乙 -- 2016-01-31 10 41 33 すごく心にしみるお話でした -- 2014-03-09 21 01 39 途中で許してしまうのかとハラハラしたぜ -- 2013-11-26 12 07 20 新種の虐待お兄さん発見 -- 2012-07-24 17 06 56 無機物同士の熱いベーゼを交わしてたのは 動いてるの? -- 2011-10-10 02 48 30 流石にそろそろ助けるのかなと思ってたら 「暗いよ、お前。もっとニッコリ笑え、ニッコリ」でフイタw -- 2011-09-08 04 54 16 おもしろかった! 玄関で凍えて待つしかできないれいむの馬鹿さ加減がよかったですw -- 2011-05-26 07 32 49 れいむなんか飼うからだ -- 2010-12-18 20 29 22 でいぶざまぁww -- 2010-10-22 20 27 12 鬼意さんがクールな感じで好き -- 2010-09-15 04 03 28 良作!! -- 2010-07-29 10 10 42 言いつけを守れない、言葉使いも悪い、挙句反省しない、とんでもねぇ馬鹿だなこのでいぶ この鬼意惨素敵過ぎ! -- 2010-07-28 04 40 40 ペットショップ上がりの飼いゆの方が子供に対して愛情が薄くね? -- 2010-07-09 05 32 30 素晴らしきおにいさん -- 2010-06-26 01 01 33 おお、でいぶでいぶ -- 2010-06-15 21 26 50 いいねえ -- 2010-06-11 05 08 25 いい… -- 2010-05-09 22 44 42 すっきりー♪ -- 2010-04-14 20 28 48
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裁 13KB 死なない・優遇ゆっくりあり 描写薄め セルフパロディ ※『ふたば系ゆっくりいじめ 310 仏』のセルフパロディです ※というかむしろ使い回し? ※他作者様の作品を一部参考にさせて頂きました ※死なない、優遇されるゆっくりが存在します ※どうしてこうなった! 裁 ユギャァァァァァァァァーーー! 今日もどこかで悲鳴が聞こえる……。 「ゆぎゃあーーー!」 「なにしてるの!れいむおこったよ、ぷんぷん!!!」 ある森の奥でれいむとまりさのスタンダードな番が襲われている。 この夫婦は非常にゲスなでいぶとゲスまりさであった。 でいぶはお人よしを見分ける勘が鋭く、それによって他のゆっくりから食料を分けてもらい、少なければ逆切れしてそのゆっくりを殺して奪っていた。 そしてゲスまりさは独り身や群れから離れた場所に住むゆっくりを甘い誘惑で誘い出して殺し、その家ごとすべてを奪っていた。 この糞饅頭2個が番になることで、家と食糧に関しては申し分のない生活を送ることができていた。 「ついに見つけたぞ強盗ゲス夫婦め!今日でお前たちも年貢の納め時だ!」 当然善良なゆっくりにとって、その姿はゆっくりできないどころか脅威として認識された。 この番は先ほど愛でお兄さん率いるゆっくりの集団に襲われたのだった。その数は20匹。いくら栄養状態のいい糞饅頭でも勝ち目はない。 先程のゲスまりさの悲鳴は、逃げようとしたところを隠れていたゆっくりに噛みつかれたことによるものだった。 (ゆう、こまったよ…。このままじゃいっしょうゆっくりできなくされちゃうかもしれないよ。れいむをまもれないなんてまりさはおっとしっかくだよ!) 「ゆ゛っ!にげんさん、まりさはむじつだよ…。ひとものもなんてうまれていちどもとったことないよ?」 「嘘をつくな!お前達がこの家の主を殺したところを目撃した子がいるんだ!」 「ちがうよ!れいむたちにおうちをくれないげすをせーさいしただけだよ!そしたらおうちにだれもいなかったからここはもうれいむたちのおうちなんだよ!」 「ああ!?何言ってるんだ、それを強盗って言うんだ。しかも開き直っているなんているなんてとんでもないゲスだな!」 「れいむうううう!なにかってにしゃべってるんだぜええ!?」 この愛でお兄さんは最近ゆっくりんぴーすと分離した「ゆっくり愛護協会」に属していた。 この2つの組織が分離した理由は『ゆっくりにとって住みよい世界を!』という理念の解釈の違いだ。 ゆっくりんぴーすはこれを『ゆっくりにとって住みやすいように、環境や法を変える』という思想で行動している。 対してゆっくり愛護協会は『ゆっくりが世界で生きやすいように、教育やペット化、ゲス排除を図る』というものだ。 農家でのゆっくりによる食害を例にとってみよう。 ゆっくりんぴーすでは野生動物の被害として自治体による補償や自己負担を農家に求める。ゆっくりを殺そうものなら、『言葉で解決すべきだった』『野生の生き物なんだから仕方がないのに』と被害者を激しく非難する。 愛護協会では損害面では同じだが、毒餌や効果的な柵、罠などのゆっくり対策を無料セミナーで広める。 ゆっくりに対しても、野菜の味を占めて仲間を引き連れて再び現れかねない、人間の集落から帰ってきた武功により群れの重役になればさらに被害が広がりかねない、としてその場で殺すことを強く推奨している。 そのような馬鹿をできるだけ排除しておかなければ静かに暮らすゆっくりにも悪影響が及ぶからだ。 ゆっくりんぴーすはゆっくり愛護協会をペット事業や対策品販売が目的のえせ愛護者と批判し、 ゆっくり愛護協会はゆっくりんぴーすを現実離れの自己満足集団と蔑んでいた。 今回の糞饅頭討伐もゆっくり愛護協会の活動の一環なのだ。 このようなゆっくりを排除し、ゲス因子を少しでも減らすこと。人間の強さを理解させ、畑の襲撃やおうち宣言を未然に防いで人間との摩擦を減らす。 愛護協会の野生対策の一つである。 「ゆああああ!おねがいだよ!おうちとたべものはぜんぶあげるからみのがして!」 「だめだ!お前達はもう許されきれないほどの罪を重ねた。それにその家と食べ物はお前たちのものじゃない!」 「まりさ!にんげんなんかにあやまるひつようはないよ!れいむとまりさならにんげんなんてしゅんさつだよ!」 「どうやられいむの方は状況すら分かってないみたいだな。やはりお前らのようなやつらは生かしておけない」 「じゃあせめて…せめてまりさだけはみのがして!じつはまりさはれいむがこわくてしょうがなくやってただけなんだよ!」 「どぼじでぞんなごどい゛う゛の゛お!?」 そこからでいぶとゲスまりさの耳障りな口論が始まった。 そして愛でお兄さんはいいかげんにゲスとの会話にうんざりしてきた。 「いい加減にするんだ!この森の善良なゆっくり達のために、お前たちを永遠にゆっくりさせる!」 お兄さんが近づこうとした時、 「ゆっへっへ…それがこたえなんだな?くそにんげん」 ゆっ?と糞饅頭を囲っていたゆっくりすべてと愛でお兄さんが固まった。 「何…だと?」 「ゆっへっへ。まりささまがほんきでいのちごいしてるとおもったの?」 「何か…打開策があるとでも言うのか?」 お兄さんは警戒心を強めていた。明らかに先ほどと雰囲気が違う。まるでうふふと言っていた少女がだぜ口調になったかのようだ。 実はこの黒糞饅頭はドゲスの配下の一員であり、ドゲスに食べ物やキラキラしたものなどを上納していた。配下の中で一番上納品の質・量がよかったので、ドゲスからは幹部として扱われ今回のように復讐されても見捨てられずにドゲスが幾度も助けに来ていたのだ。 いつも通りなら、先程の悲鳴を聞いて出発しそろそろ到着するころである。今までのやり取りも、ドゲスが間に合うための時間稼ぎだったのである。 「まりささまはこんなところでしぬゆっくりじゃないんだぜ?」 ァァァァァァァァァァーーー! どこからか声が聞こえる……。 「まりささまがかなわなくても、こんなときのためのほけんがあるんだぜ」 ァァァァァァアアアアアアーーー! 声が聞こえる……。その声は、瞬く間にここに近付いてきた。 「くずどもはおとなしくしていればよかったのに、こんなことするのがわるいんだぜ」 アアアアアアアアアアアアーーーッッッ! 「さっさとこいつらをころすんだぜ、どすっ!!!」 声の主が姿を現す。そこには、ズタボロのドスまりさがいた。 「ゆぎゃああああああ!だれか助けてえええええええ」 群れではなく、分散した配下を従えるドゲスまりさがこの周辺にいる。この情報は糞饅頭夫婦の殺害が実行される直前に入ってきたのだ。 彼らも一応は愛で団体。糞饅頭を討伐するというゆっくり達との約束を反故にしたくないし、何より後回しにして被害を拡大させるわけにもいかない。 かといって任務中にドゲスに襲われる可能性も存在する以上放っておくわけにもいかない。 そこでゲス夫婦はこのお兄さんが、ドゲスは協会内の特殊部隊によって同時討伐することが決まった。 ゆっくり愛護協会がゆっくりんぴーすと異なる最大の部分。それがこの『ゲスゆっくり制裁特別部隊』。 なんとこの部隊は愛護団体の所属でありながら制裁鬼意山のみで組織されているのだ。 愛でお兄さんがゆっくりの案内のもとあのゲス夫婦へ向かっていた時、部隊はドゲスの巣へ赴き襲撃を開始していた。 「どすー。こんかいのじょうのうひんだよー。わかるねー?」 「むきゃきゃ。ぱちぇのずのうならこれぐらいのりょうをだましとるのなんてあさむーしゃまえだったわ」 「とくのうみるく!」 「ご苦労だったぜ。そこに置いておくんだぜ」 (チッ、これっぽちの上納なんてふざけているんだぜ!こいつらはもう何があっても助けないんだぜ) ぷすっ 「ゆ?何か今刺さって…ゆ゛ぶ」 「どす?どうかした……」 「ゆぎゃああああかゆいいいいいいいい」 先程違和感を感じた場所から突然強烈な頬のかゆみが襲ってきた。 そしてあまりのかゆみにドゲスはそばにいるゆっくりのことなど忘れて転げ回った。 「こっちこないd『グシャッ』 「むぎゅうううぱちぇだけでもいきのb『プチッ』 「ちんぽおお『ドピュッ』 「かゆかゆーーー!」 ドゲスの転がりに巻き込まれて3匹は仲良く死んでいった。 一方ドゲスはそれでも転がり続けた。 帽子はすでに脱げており何度もドゲスに轢かれ、ドゲス自身も何度も木にぶつかってからだのあちこちに傷を負っていた。 「唐辛子弾を撃ち込んだのにかゆいだけか…さすがドゲスだ」 「帽子の中にスパークキノコ確認!口内自生型でなく収穫帽子収納型!」 「よし、なら即行動開始!」 「「「「「ヒャア!我慢できねえ!ゲスは制裁だあ!」」」」」 「ぜえ…ぜえ…やっとかゆみが治まったんだぜ…」 「「「「ヒャアアアアア!!!」」」」 「ゆううう!?なんでいきなり虐待鬼意山が現れるのおお!?」 ドゲスは帽子からスパークキノコを取ろうとしたが、ここでようやく帽子が無いことに気付いた。 急いで辺りを見回すと、ちょうど1人の鬼意山が火炎放射機で帽子を燃やしているところだった。 「ヒャア!雑巾は焼却だあ!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ドスのお帽子さんに何やってるんだz「一番乗りいいい!」 鬼意山がドスの横顔から先程より強力な唐辛子弾を撃ち込んだ。唐辛子の変換・無力化は全身の餡子で行わなければ間に合わないほどの量なので、ドゲスは移動などの大掛かりな運動がしばらくできなくなった。 「ゆっぎゃあああああああああああああああああ」 「ならば俺はわさびを塗った剣で刺す!」 「ひぎゃああああああああああああああああああ」 「そして俺は必殺ゆ虐空手だ!」 「ごふぁああああああああああああああああああ」 「じゃあ俺はくんかくんかするぜ!」 「ゆふうううううううううん…ふぅ」 鬼意山本能に従ってドゲスを思い思いの方法で虐待していく面々。ハンマーで叩き、槍で刺し、死臭付きお飾りを結びつけたり。ドゲスを肉体的・精神的に削っていく。 しかし、鬼意山達はドゲスの前面では決して攻撃しなかった。ドススパークは無力化したとはいえ、あの巨大な口自体が十分脅威であるし、大きな石を隠し持っていたら危険だ。その判断がドゲスに突破口を与えてしまった。 「ゆああああああもうやだああああだれかたすけてえええええ」 突然ドゲスはまっすぐ走って逃げだしてしまった。 自分で動かず上納という独自のシステムでゆっくりできる食料を確保していたので、このドゲスは餡子が通常より多かった。そのため想定よりも早く唐辛子の毒素の餡子変換が終了してしまったのだ。 前でだれか作業していればひるんでその場で動けなかったかもしれない。そうすれば再び撃ち込んで動きを止められたのであろうが、後の祭りである。 「ちっ!まだあんな余力が!?」 「くそう!虐待なんかせずに始めから殺すべきだったか」 「追うぞおお!」 以上がドゲスがここまでくる経緯である。だが所詮は手負の身。ちょうどゲス夫婦の元にたどり着いたところで虐待鬼意山達も追いついてきた。 「「「「「ヒャアアア!追いついたぜえええ!ドゲスは制裁だあああ」」」」」 「も゛う゛来な゛い゛でええええええ」 「ヒャアアア!愛しのありすの仇ィィィィ」 一人の鬼意山が銃弾をドゲスに撃ち込んだ。今までのように変換・無効化できるような生ぬるいものではない。対ドス級駆除用に開発された本気のものだ。 その弾丸には『毒唐辛子』のという意味の現地名を持つビフ・ジョロキアの粉末を内蔵しており、ドス級ゆっくりへ撃ち込むことで体内で弾けて猛威を振るうのだ。 「ゆごあ゛だばヴェな゛がべぎょ!?!?」 ドゲスは体内で炸裂した猛毒で動きを封じられた。しかもそれは物理的に封じたのではなく、あまりの苦痛で動けないというだ。この苦痛から解放されるには大量の薬品を用いて体外へゆっくり排出するしかない。 この制裁鬼意山は飼いゆっくりをゲス野良に殺された元愛でお兄さんであった。 「ヒャッホーーーイ!天国のドス!見てるかあああ?」 一人の鬼意山がドゲスの髪の毛に炎を浴びせた。 (ゆああああああ!ドスのサラサラヘアーがあああああ) この制裁鬼意山は元無差別派であったが、山で遭難し餓死しかけたところをドスまりさに助けられ改心した。その後ドスを訪れたら流浪のドゲス一派に群れのゆっくりごと殺されており、以後そのドスを弔うためにゲスのみを狩り始めたのだった。 他の鬼意山やこの場にいない隊員も同様である。皆何らかの理由でゲスを憎んで制裁鬼意山になったのだった。だからこそ愛護協会に所属して、善良なゆっくりを守るためにゲスを殺すのだ。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 「「どすーーー!?」」 ドゲスはもう虫の息だ。 だが死にはしない。制裁鬼意山が意識が回復しない程度にギリギリの量のオレンジジュースを流し込んで生かしているのだ。 「まりささまはにげるんだぜ!そこでれいむをゆっくりころすんだぜ!」 「まりさこそゆっくりしんでね!」 「逃がすわけないだろうが!!!」 混乱に乗じて逃げ出そうとしていたゲス夫婦は愛でお兄さんに蹴られて善良なゆっくりの前に落ちた。 「ゆべし!」 「ごふっ!」 「みんな!なかまのかたきだぜ!」 「はにーのかたきいいい」 「れいむのぱしたさんかえせええ」 ゆっくり達が夫婦に群がりリンチを開始した。ある者はでいぶのもみあげをひきちぎり、またある者はゲスまりさの帽子を目の前で引き裂いた。 強烈な蹴りを喰らった直後な上に10倍の数のゆっくりに囲まれた糞饅頭は抵抗らしい抵抗などできずに袋叩きにされていった。 枝で目とまむまむを刺された。 髪を噛まれて振り回された。 体当たりを受けて続け歯がすべて折れた。 何十回も石をぶつけられ皮が破れた。 全身にうんうんとしーしーをかけられた。 リンチが終わった後には、比喩ではなく本当に糞饅頭が転がっていた。 「ほ…ほうやは…おうひかへふ…」 「おにいさん!ぱちぇたちはゆっくりごろしはできないからとどめを!」 「おう!」グシャ! 「ひいいいいい」 「でいぶは今潰した。ゲスまりさ、何か言い残すことは?」 「ほ…ほっほゆっふひひ『グシャッ』 「馬鹿が。ゲスにそんなこと言わせると思ったか?」 「ゆゆーん。じゃあこのドゲスは森の外まで運んでおくね!」 任務完了の連絡後、愛護協会に所属しているドスまりさがやってきて巨大スィーでドゲスまりさを運んで行った。 ドス級の検体は貴重なので、治療した後で生きたままバラバラに解体して調べるのだ。 ゆっくりの未来のため、ゲスを惜しみなく動物実験の犠牲にするのもゆっくりんぴーすと異なるところだ。 「おにいさんたち、ほんとうにありがとう。これであんしんしてくらせるよ」 「ああ、こちらこそ皆を守れて嬉しいよ」 「ゲスが現れたらすぐ俺たちのもとに来いよ。すぐそいつを制裁してやるからな」 「ゆー。おにいさんはちょっと……」 「「「「「「「「「「ははははははっ」」」」」」」」」」 「ちょっ。みんな笑うことないじゃないかあ」 楽しそうな笑い声があたりに響いた。彼らがいる限り、この森のゆっくり達は平和に暮らしていくだろう。 そして森の出口では、目を覚ましたドゲスが自分の未来をドスに聞かされ、大粒の涙を流しながらトラックに積まれていった。 ユギャァァァァァァァァァァーーー! そして明日もどこかで悲鳴が聞こえるであろう……。 【補足】 作中の愛でお兄さんは素直な可愛いゆっくりが好きであり、矯正不可なゲスなんて心底どうでもいいって人です。 愛でに紛れ込んだ虐待鬼意山じゃないよ。 【あとがき】 属性を入れ替えるだけであら不思議。もう一本駄作ができちゃいました。 最初は『仏2』って題名でしたが、「ハハッ、ほとけさまかんけいないじゃないか!バカかい?」って脳内でなずーりんが罵ってくるんで『裁』に変えました。 ちなみに本当は新作を先に出す予定だったんですが、あまりにも虐待描写に詰まっちゃったんで息抜きにこちらを先に完成させました。 第1作と比べて腕は上がってますか? 参考文献 ふたば系ゆっくりいじめ 444 ドスハンター 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 310 仏 ふたば系ゆっくりいじめ 393 体 ふたば系ゆっくりいじめ 401 体2 ふたば系ゆっくりいじめ 452 体3 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る (ノ゜Д゜)ノニガストオモッタカ?ヒャハァァァァァァァァァァァァ!!!!!!! -- 2016-08-28 22 11 28 ぱしただけは謎だ……。やっぱり、ゆっくりんぴーすって○ーシェパード並のアレな組織なんだな。ゲス放置なんて間接的に苦しめてるのに -- 2012-10-24 23 40 45 やっぱりゆっくりんピースはクズだね! -- 2012-09-15 20 41 37 じゃあ俺はくんかくんかするぜ!wwwwwwwwwww -- 2012-08-16 22 59 49 ↓↓↓それは愛でお兄さんが引き連れてた20匹の善良ゆっくりのうちの一匹のセリフだから野性ではないでしょ。 ぱした=パスタ -- 2012-03-17 23 07 02 ぱしたって何ぞ? -- 2012-03-17 17 29 37 馬鹿が。ゲスにそんなこと言わせると思ったか? シビれた… -- 2011-10-13 03 16 22 >「れいむのぱしたさんかえせぇぇ」 野生の分際でぱした…だと…? -- 2011-01-10 19 39 05 俺はゲス制裁と善良ゆっくり理不尽虐待のどちらも同じくらいゆっくりできる ただ制裁鬼威山はあまり鬼威山らしくないかな なんか精神的に弱い感じがする -- 2010-11-15 05 49 19 制裁鬼意山さん達がゆっくりできるのには同意。 大儀が無ければ民衆は動かんよ。 ゆっくりんピースなんてさっさと潰れれば良いのに -- 2010-10-12 22 43 17 制裁鬼意山はゆっくりできる。人間のやることには大義名分は必要だと思う。 -- 2010-06-24 11 21 08 いい作品だとおもう。 -- 2010-05-26 09 21 45 やっぱこういう話のほうが好きだなあ -- 2010-03-14 13 21 30 まさにすっきりできる話だ -- 2010-03-07 03 31 43
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とてもゆっくりしたおうち 21KB 悲劇 理不尽 少し昔の田舎が舞台 特にヒネリ無し ・作者リハビリ中 『とてもゆっくりしたおうち』 D.O ここは、とある山のふもとの農村地域。 森沿いに作られた舗装もされていない農道と、田んぼに水を供給している小川の他は、 木々の緑と田んぼの緑ばかりが延々と続く、のどかな光景が広がっている。 そんな、めったに人の通らない森沿いの、これまた舗装もされていない道路脇に、一軒の物置があった。 物置と言っても、中には床も張られず地面をならしただけ、 木板の壁とトタン屋根も古ぼけた、扉すら付いていない小さな農具入れだが。 物置の中を見てみても、壁に掛けられているカマやクワはすっかり錆つき、 中に置かれた木箱や土のう、コンクリートブロックなどにも土ぼこりが積もっている。 わずかに置かれたワラ束や、麻袋に入ったモミガラも、すっかり乾燥しきっていて、 何年前から置きっぱなしなのかわからないありさまだった。 「ゆ・・・てね」 「ぅ・・・くち・・・てね」 そこに、とあるゆっくりの一家が住みついたのは、いつの頃からだろうか・・・・・・ 「ゆ~ん。おちびちゃん、ゆっくりうまれてね!」 「れいむとまりさににて、とってもゆっくりしたおちびちゃんだよー。」 「まりしゃ、もうすぐおにぇーしゃんになるんだにぇ!」 「ゆゆぅーん。れいみゅたのちみー。」 物置の奥隅に、外からは自分達の暮らす様子が覗けないように、 入口の反対側の壁に向かって横倒しにされた木箱の中では、そのゆっくり一家が今日も仲好くゆっくりしていた。 家族構成は、バスケットボールサイズの大黒柱・父まりさと、現在にんっしん中の母れいむ。 母れいむの頭上にはツタにぶら下がった5匹のかわいい実ゆっくり。 そして、両親と一緒に期待いっぱいの視線で実ゆっくりを眺めているのは、ソフトボールサイズの子れいむと子まりさ。 皆肌ツヤもよく、清潔で、現在とても良い環境で暮らしていることがうかがえる。 それもそのはずである。 この物置のすぐ裏の森は、人間の住処に近いということもあり、 他の野生ゆっくりはめったなことでは近づかず、虫も花も木の実も、食料は全部独占状態。 また飲料用にも水浴び用にもなる豊富な水源として、道路沿いにわずか数メートル進んだところに小川がある。 そして何よりこの、風雨にも負けない、とてもゆっくりしたおうちを手に入れたことが大きかった。 「おちびちゃんたちも、こんなゆっくりしたおうちにうまれるんだから、とってもゆっくりできるね!」 「ゆっへん!まりさがみつけたおうちなんだから、あたりまえだよ!」 「「おとーしゃん、ゆっくちー!」」 一見増長しすぎにも見えるが、父まりさの眼にうっすらと光る涙は、 このおうちを手に入れるまでに積み重ねた苦労、別れの悲しみ、手にいれたときの喜びが凝縮されている。 そもそも、この子れいむと子まりさには同時に生まれた姉妹があと7匹もいたのだ。 しかし、以前所属していた群れのナワバリ内では十分な広さと強度を持ったおうちが無く、 木の洞に作ったおうちはいつも、強風や豪雨によって破損しては、雨漏りを起こしておちびちゃん達の命を奪っていった。 そしてたび重なる悲劇に耐えられず、一念発起した父まりさは、 群れのナワバリを離れてゆっくりしたおうちを手に入れるべく行動に出たのであった。 それから数日後。 初めてこの物置を発見した時、父まりさは身震いするような感動とともに、強い疑念も持った。 「こんなにゆっくりしたおうち・・・にんげんさんがつかってるかもだよ・・・」 ゆっくり駆除のための山狩りを経験したこともある父まりさは、人間の脅威を十分に理解していた。 この辺りは人間のナワバリ。ならば、このおうちも・・・。 とはいえ諦めきれなかった父まりさは、それから2週間以上もの間、狩りの途中に時間を見つけては、この物置を覗くことを続けた。 そして、この物置には人間の住む気配が全くないことに気づき、ついに一つの結論に達したのであった。 「ゆー!ここには、にんげんさんはすんでないよ!きっと、にんげんさんもみつけてない、『あなば』だったんだね!」 所詮は野生のゆっくりである。この物置自体が人間の手により作られた物ということには気づかなかった。 そして現在。 物置の中の、さらに奥に置かれた木箱の中には、ワラ束をほぐしたカーペットが敷かれている。 さらに中央にはワラとふわふわの枯れ草を使って編み上げた、鳥の巣のような物まで作られていた。 鳥の巣状のそれは、まもなく生まれおちてくる赤ゆっくり達を受け止めるためのクッションであり、 おうちの中を上手に跳ねまわることが出来るようになるまで、 赤ゆっくり達がゆっくりと寝て過ごすためのベッドにもなる。 「いもうとたち、ゆっくちできてりゅ?」 「ゆふふ、だいじょうぶだよ。おねーちゃんたちもゆっくりさせてあげてね。」 「ゆっ!れいみゅ、がんばりゅよ!」 ぶるっ!・・・ぶるるっ! そして、新たな命を受け入れるための、万全の環境が整えられたおうちの中で、 ついに待望の瞬間がやってきた。 「ゆっ!まりさ、おちびちゃんたち、うまれるよ!」 「ゆうぅ・・・ゆっくりうまれてね!ゆっくりね!」 ぶるっ・・・ぶちっ・・・・・・ぽとんっ! 「ゆぅ、ゆっく・・・ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!!」 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってねぇぇええ!」 「ゆっくち!ゆっくちちちぇっちぇにぇ!」 「ゆわーい!れいみゅ、おねーしゃんになっちゃよー!」 「ゆっくち!ゆっくち!」 「ゆ~ん、ゆっくりしたおちびちゃんだよぉ。」 「おにぇーしゃん、しゅーりしゅーり!ちあわちぇー!」 「ゆっくちしてね!ゆぅん、すーべすーべしててきゃわいいよ~。」 にわかに賑やかさを増すおうちの中、家族の愛情と、自分を取り巻く世界の優しさを信じて疑わない、 キラキラとした表情を浮かべたおちびちゃんたち。 その姿に、一家は自分達家族の未来が暗示されているかのような思いがするのか、 ますます明るい笑顔になる。 「おきゃーしゃん、おにゃかしゅいちゃー。」 「ゆ!ゆっくりまってね!」 ぷちん。と、父まりさが、先ほどまで赤ゆっくり達のぶら下がっていたツタを母れいむの頭から千切り取り、 ポリポリと噛み砕いてから5匹のおちびちゃんの中央にペッと吐き出す。 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」×5 「ゆわ~。いもうとたち、ゆっくちしてるにぇ~。」 「むーちゃ、むーちゃ。・・・ゆ~ん、まりしゃ、もっちょむーちゃむーちゃしちゃいよぉ。」 「ゆゆっ?ゆふーん!おちびちゃんたち、くいしんぼうさんだね!」 もうすでに体型がなすび型になるほど食べているのに、まだ満足できないらしいおちびちゃん達。 その姿は元気そのもので、なんとも微笑ましい。 「ゆっ!れいみゅおねーしゃんが、いもむしさんをあげるにぇ!」 「まりしゃはおはなさんをあげりゅよ!」 「ゆわーい。むーちゃ、むーちゃ!ち、ち、ちあわちぇー!」 「ゆわーん、れいみゅもたべさせちぇー。」 そんなくいしん坊たちに、自分達も大好物であるはずの、いもむしさんやお花さんを惜しげもなく持ってくる子ゆっくり達。 まだベッドから這い出すことも、上手に食べることもできない妹達に、一口サイズに千切って口移しで食べさせてあげている。 その光景は、両親の心を、餡子の底から暖めてくれた。 「おちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるね。」 「まりさは、こんなすてきなかぞくをもって、せかいいちしあわせなゆっくりだよぉ。」 「ゆふふ、なかないで。おちびちゃんたちがみてるよ。」 ・・・・・・こうして、生まれて間もなく存分に甘え、たっぷりと腹を満たした赤ゆっくり達は、 お口の周りをぺーろぺーろと綺麗にしてもらい、両親と姉の愛情たっぷりのすーりすーりを受けた後、 ベッドの中で、何の不安も恐れも存在しない、ゆっくりとした笑顔のまま初めての眠りについた。 子ゆっくり達もそれからまもなく、妹達のゆっくりと眠るベッドの周りにお布団(ワラ)を敷いて、 妹達の寝顔を見守るようにすーやすーやし始める。 安全なおうち、ゆっくりしたおふとん、奪い合う必要なんてない豊富な食糧。 ここには今、父まりさが追い求めた、本物のゆっくりプレイスの姿が存在していた。 そのゆっくりプレイスを温かく包みこむこの物置は、ゆっくり一家に約束された、明るい夢と未来の光にあふれていたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2匹の赤まりさと3匹の赤れいむが一家に新たに誕生した翌日。 父まりさは、今日も家族のために、朝から物置裏の森に入って狩りに励んでいる。 一方母れいむと子ゆっくり姉妹は、おちびちゃん達がベッドの中でお昼寝している間に、 物置から出てすぐの草地で日向ぼっこをしていた。 「おかーしゃん。いもうとたちもおそとでぽーかぽーかさせてあげちゃいね~。」 「ゆーん。そうだね。でも、まだおちびちゃんたちにはおそとはあぶないから、もうすこしまってね~。」 「ゆっくちりかいしたよ~。」 仰向けになって日にあたって、この上なくゆっくりしていた一家。 だが、その時突然、とてもゆっくり出来ない音があたりに響いた。 ガァーン!!!ガァーン!!!ガァーン!!!ガァーン!!! 「びっくりー!!!」 「ゆぁぁぁぁああああ!!!なんなのぉぉぉおお!」 まどろんでいた母れいむが音の先を振り向くと、その視線の先に驚くべき光景が映った・・・・・・ バリッ!バリッ! そこにいたのは、一人の人間さん。 人間さんは、母れいむ達の方など気にも留めず、作業を進めていた。 そう、れいむ達のゆっくりしたおうち、物置を解体する作業を。 「ゆふふ。きょうもたくさん、ごはんがとれたよ。おちびちゃんたち、よろこんでくれるね。」 その頃父まりさは、午前中の間に森の中を駆け回って、 お花や木の実、やわらかいイモムシなどを帽子いっぱいに集め、おうちへと戻ってきていた。 当然一日の収穫量としては十分な量ではあるが、午前中の間にこの量をかき集めるのは、 いかに手つかずの森であっても楽ではない。 これも父まりさが、少しでも早くおうちに帰って、おちびちゃん達とゆっくり過ごしたい、 その一心で一生懸命狩りに励んだ結果であった。 そうして父まりさが森から飛び出した時、その眼前では恐るべき光景が広がっていた。 「な・・・・な、な、なにやってるのぉ!れいむぅぅぅうううう!!!」 「れいむたちのおうちをこわさないでぇぇぇええ!」 ぽよんっ、ぽよんっ、と人間さんのあんよに体当たりをする母れいむ。 「おうちにひどいことしにゃいでね!ぷっきゅー!」 本気のぷくー!を人間さんに向けて行っている子れいむと子まりさ。 ・・・それは、父まりさの愛する家族が、人間さんに対して挑みかかるという、戦慄の光景であった。 「みんなやべでぇぇぇえええ!!」 父まりさは、お帽子の中の食べ物をバラバラとこぼしながら、全速力で人間さんと家族の間に割って入る。 その間も、釘抜きを片手に物置のトタン屋根をはがし続ける人間さんの手は、一切休まることが無い。 その人間さんの行動、母れいむ達の発言から、父まりさにもおおよその事情は掴むことができた。 「まりさぁぁぁああ!にんげんさんが、おうぢ・・・!おうぢぃぃいいい!!」 「おとーしゃんもゆっくりとめてね!ぷきゅー!」 だが、父まりさは家族の声には耳を貸すことなく、まずは人間さんに対して最善と思われる行動をとった。 「にんげんさん!ごべんなさいぃぃぃいいい!!」 「ゆゆっ!・・・おとーしゃん?」 人間で言えば、土下座。 額を地面にこすりつけ、ひたすら人間さんに許しを請う姿は、家族にどう映っているだろう。 しかし、父まりさには、自分のプライドなどとは天秤にかけられない、守るべき存在があった。 「にんげんさん!れいむたちがゆっくりできないことしたならあやまります! まりさのかぞくと、おうちだけはゆっくりさせてくださいぃぃぃいいいい!!!」 「まりさ・・・」 「「おとーしゃん・・・」」 父まりさは、母れいむ達が人間さんに何をやったのか、どうして人間さんがおうちを壊そうとするのか、 そのような事を確認するのは後回しでいいと考えた。 人間さんは強い。敵わない。 だから、もしも厳しい要求をされたとしても、全て譲ろう。 もしも、なにか気に障るようなことをしたのならば、必死で謝ろう。 ・・・ゆっくりした家族と、ようやく手に入れたおうち、それだけを守ることができるならば、他に何も・・・ やがてそれは、家族達にも伝わったのか、母れいむ、そして子ゆっくり達も、 父まりさと同様に、顔面を地面につけて土下座を始めた。 おうちを突然壊された怒りに我を忘れていたが、頭を冷やしてみれば、自分達の愚かな行為に後悔せずにはいられなかったのである。 しばらくの間、一家が地面に顔面をこすりつけ続けていたところ、 人間さんの近づいてくる音が聞こえてきた。 もしかしたら許してもらえず、ゆっくり出来ない目にあわされるのでは、 そう思うと父まりさは震えが止まらなかったが、人間さんの足音は父まりさの目前で止まり、そこで屈みこむ音が聞こえた。 もしかしたら噂に聞いたことのある、ゆっくりに優しい人間さんなのかもしれない、父まりさはわずかな希望を抱いた。 ・・・・・・。 だが、それから、人間さんは別に話しかけるわけでもなく、 相変わらず土下座を続ける父まりさの前に屈んだまま動く様子を見せなかった。 「?」 段々と、不安が再び大きくなってくる。 高まっていく緊張に耐えられなくなり、父まりさはそっと顔をあげ、 「ゆぅ?」 そして、目の前でコンクリートブロックを振りかぶっている人間さんの姿を見た。 ひゅっ・・・どむっ。 「ゆぷっ・・・!?」 ・・・・・・? 「ま、ま、ま・・・、まりさぁぁぁああああ!!!」 「おどーじゃん、ゆっぐぢぢでぇぇぇえええ!!!」 「・・・・・・ゆ゛!?・・・ぼ・・?」 異音に反応した母れいむと子ゆっくり達が目にしたのは、 父まりさが、コンクリートブロックを縦に脳天に投げおとされ、 Uの字に押しつぶされ変形している姿だった。 「おどーじゃん、ぺーろ、ぺーろ!」 「ゆっぐぢぢじぇぇぇええ!しゅーりしゅーりするからぁぁぁ!」 父まりさは栄養状態が良かったおかげで、皮膚が破れて餡子が漏れることはなかったが、 眼球は半ば飛び出し、ブロックにちょうど押しつぶされた形になる中枢餡は、 体内で真っ二つに引き裂かれていた。 生きてはいた。だが、残念ながら致命傷であり、意識こそまだあるものの、 もう二度としゃべったり、動くことが出来ない体になり果てていた。 「けがはないよ!おとーさんはつよいゆっくりだから、すぐによくなるからね!」 母れいむは、自分もそう信じていたので、子ゆっくり達にもそう言って安心させる。 一方、父まりさに非情の一撃を食らわした人間さんは、 子ゆっくり達が必死に父まりさを介抱している間に、 何事もなかったかのようにおうちの解体の続きを始めていた。 バリバリバリバリッ!! 「ゆぴぃぃぃいいいい!!!ゆっくちしちぇぇぇぇええ!!」 「おちょーしゃん、おきゃーしゃぁん!きょわいぃぃぃいいい!!」 「おにぇーちゃぁぁん!たちゅけちぇぇぇぇええ!」 そして、物置の壁が全てはがされ終えた頃、ついにそれまで壁に隠れていた木箱の中、 赤ゆっくり達のいる寝室が、太陽の光の下へとさらされた。 「おちびちゃんたち!にげてぇぇぇえええ!!!」 「いもうとたちにひどいことしないでにぇ!ぷっきゅー!!!」 だが、赤ゆっくり達は逃げられない。 「ゆぁーん、ゆっくちさせちぇー!」 「ゆっくちぃぃ!ゆっくちぃぃ!」 逃げ出せるはずがなかった。 そもそも生まれてまだ丸一日も経っていない赤ゆっくり達である。 満足に跳ねることもできず、その弱いあんよでは、這い進むのがやっと。 ベッドから出ることすら困難なほどなのだ。 しかも、先ほどからおうちを破壊する轟音にさらされていた赤ゆっくり達は、 恐怖が限界に達しており、5匹ともベッドの中央で身を寄せ合って震えることしか出来ない有様であった。 すっ・・・・・・。 「ゆぅぅぅぅぅ・・・。ゆぅ?」 「?・・・しゅーり、しゅーり。・・・ちあわちぇー。」 だが、母れいむ達の予想に反して、人間さんは赤ゆっくり達をベッドごと優しく持ち上げると、 人差し指でそっと赤ゆっくり達の頬をなで始めた。 「?・・・そ、そうだよ!おちびちゃんたちはとってもゆっくりできるんだよぉぉぉ!」 「しょーだにぇ!まりしゃのいもうとたちはとってもゆっくちできりゅんだよ!」 そうなのだ。 家族みんなでゆっくりしていた所に来て、酷いことをする人間さんだって、 なんの理由もなく酷いことをしている訳ではないはずなのだ。 穢れも知らない、誰にも迷惑をかけたわけではない、あんなにゆっくりしたおちびちゃんたちを、 いきなり酷い目に合わせるはずがない。 「ゆっ!ゆっくち!」 「ゆぁーん、れいみゅもしゅーりしゅーりしちぇー。」 人間さんもゆっくりしている。 きっと、可愛い可愛いおちびちゃん達の魅力が、あのゆっくり出来ていなかった人間さんをゆっくりさせてくれたのだ。 「おちびちゃんたち、・・・とってもゆっくりしてるよぉ。」 そして、人間さんは赤ゆっくり達を持ったまま物置を出ると、 そこから数歩離れた所にあった、深さ数cmほどの地面のくぼみに、ベッドをそっと下ろした。 そして、その上に、やわらかく土をかけた。 ばさっ。 「ゆぴっ!?やめち『ばさっ』・・・・!!」 ばさっ。ばさっ。 「・・・・ぴぅ・・!!・・・っ!!」 「・・・・・・お、おちびちゃんたちに、なにじでるのぉぉぉおおおおお!!!」 「ゆぁーん!いもうとたちがちんじゃうぅぅぅううう!」 止めさせようと叫び、駆け寄る母れいむ達。 だが、そんな言葉など聞こえていないかのように、人間さんは赤ゆっくり達の埋められた土山をポンポンッと軽く固めると、 その上にコンクリートブロックを3つ、蓋をするように積み上げた。 「ゆっくちいもうとをたすけりゅよ!ゆーしょ!ゆーしょ!」 「まりしゃもがんばりゅよ!ゆんせ!ゆんせ!」 ブロックは別にそれほど重いものでもないが、それでも3つ積み重なると、 ソフトボール程度のサイズしかない子ゆっくり2匹の手にはあまる。 だが、母れいむの体格ならば、それこそ怪我する覚悟があれば、体当たり一撃でどかすことができるはずだった。 その母れいむが、人間さんに頭を掴まれていなければ。 「やめてね!はなしてね!れいむはおちびちゃんをたすけるんだよ!」 だが、母れいむの懇願は無視され、頭を鷲掴みにされた母れいむは、先ほど重傷を負わされた父まりさの横へと置かれた。 そして、 「おちびちゃんが、おちびちゃんがぁぁああ!!」 人間さんは釘抜きを持った右手を軽く振りかぶると、 「はなしてぇ!れいむのおちび『ざしゅっ』ゆ゛・・・・・びぇ・・」 その右手を母れいむの顔面にめがけて、横一文字に振りぬいた。 母れいむの顔面はちょうど左目のまぶたから右目の脇まで引き裂かれた。 右目周辺の皮と餡子は荒っぽく引きちぎられて、周囲に飛び散った。 釘抜きの先には、母れいむの右目が突き刺さったまま残っていたが、 人間さんがびゅんと軽く釘抜きを振ると、地面にぺしょりと叩きつけられ、原型は残らなかった。 「・・ぼ・・・ぎゅ・・。」 この傷は深く、母れいむもまた父まりさ同様に中枢餡を傷つけられ、 意識はあっても、もはや話すことも、身動きを取ることも出来ない体になり果てたのであった。 一方、人間さんが母れいむを処理している間に、 そんなことなど全く気付いていない子ゆっくり達は必死にブロックをどかし続けている。 人間さんが戻ってきたころには、ブロックを3つともどかすことに成功していた。 「ゆぅ、ゆぅ、おもいいししゃんは、ぜんぶどかしちゃよ。」 「れいみゅ!まりしゃ!おへんじしちぇにぇ!」 すると、ブロックという重しから解放された地面が、もぞもぞと波打ち始める。 次の瞬間、ぴょろりと赤ゆっくり達の舌が地面から突き出し始め、声こそ苦しそうだが、 可愛くか細い呼吸音が5つ、無事に地面から響き始めたのだった。 「・・・っくち・・・。」 「ぁしゅけちぇ・・・ぁーしゃん・・・。」 「ゆー!まだみんなぶじだにぇ!・・・ゆーん、おそらとんでるみちゃーい!」 「ゆっくちたすけりゅよ!・・・ゆーん、おそらとんでるみちゃーい。」 そこに、人間さんが戻ってきた。 子れいむは右手に、子まりさは左手に、それぞれ掴まれ持ち上げられてしまう。 「ゆーん・・・ゆ!こんなことしてるばあいじゃにゃいよ!」 「にんげんしゃん、ゆっくちはなしちぇにぇ!」 だが、人間さんは子ゆっくり達を持ったまま、その場を離れてしまった。 「はなしちぇにぇ!ぷきゅーしゅるよ!ぷっきゅー!!」 「いうこときいてくれにゃいと、おとーしゃんとおきゃーしゃんにいいつけりゅよ!おこるととっちぇもこわいんだよ!」 その両親は、激痛と致命傷によって身動きが取れない中、必死で子ゆっくり達の方に視線を向けて、 絶望の中でほんの僅かに残された期待を、人間さんの背中に向けて、その流れる涙で訴えかけていた。 優しいが芯の強い長女れいむと、活発で思いやりあふれる6女まりさ。 9匹いた姉妹の中で2匹だけ残された、初めて授かった子供達。 とってもゆっくりした子供達、あのきれいな瞳を見れば、きっと人間さんも酷いことなんてできないはず。 子ゆっくり達のお願いが聞き届けられたのか、両親達の祈りが通じたのか、 人間さんはしばらく歩くと、腰をおろして子ゆっくりを持った両手を下ろした。 「ゆっくちりかいしたんだにぇ!」 「おねがいきいてくれちぇ、ありがちょー。」 だが、その両手の行き先は地面などではなく、 ・・・・・・ちゃぷん。 いつも一家が水浴びをする、小川の中であった。 じゃぶっ・・・ごぼぉごぼっ・・じゃぶじゃぶ・・ごぽっ・・・・じゃぶじゃぶじゃぶ。 しばらくして、顔と手を小川で洗った人間さんが戻ってきたとき、 その両手に子ゆっくりはおらず、また、あの朗らかな声はどこからも聞こえてくることはなかった。 父まりさも、母れいむも、意識が混濁していく中でなお、おそらくあの可愛い子れいむと子まりさとは、 2度と会うことが出来ないのであろうことを悟り、 「ぎゅ・・・・び・・・ぎゅぅ・・・・・」 「じゅ・・・ぎ・・・・・ごびゅ・・・・」 声にならない叫びをあげながら、もはや焦点の合わなくなった瞳から、涙を流し続けた。 「ぉにぇしゃ『どさっ』・・・」「・・・たしゅけ『のしっ』・・・」 「・・・・・・!!・・・!!」 そして人間さんは、地面から舌をピロピロ出していた赤ゆっくり達の上にブロックを優しく積みなおした後、 バリッ!バリッ!・・・・・・ガンッ!ガンッ!ガンッ! 両親の静かな叫びをかき消すように、 一家のゆっくりとしたおうちだった物置を、乱暴な音を鳴らしながらバラバラに解体していったのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− かつて、めったに人の通らない森沿いの、これまた舗装もされていない道路脇に、一軒の物置があった。 そこは、あるゆっくり一家の明るい夢と未来の光にあふれていた、とてもゆっくりしたおうちがあった場所。 しかし現在その場所には、草一本生えていない四角い地面と、なぜか無造作に積まれたコンクリートブロック以外、何も残っていない・・・ 挿絵 byキリライターあき 挿絵 byじゃりあき 挿絵 byキモあき 挿絵 byバケツあき 挿絵 by儚いあき 挿絵 by車田あき 挿絵 by余白あき 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情 ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生 本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん 翌年 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 父まりさが狩最中にゆっくり一家が皆殺しになっていたら、ベリーグッドだったのに残念だぜ。でも、素晴らしい作品だっだぜ!ちゃお!!byゆっくり虐殺至上主義者より -- 2016-11-09 22 27 02 素晴らしかった!。欲を言えば、父まりさだけ狩りの最中で生き延びてたら更にゆっくり出来た。 -- 2013-07-03 23 41 11 すっきりぃぃぃぃぃぃ! -- 2013-03-26 16 32 02 すすすすスカッとするぜぃえええええええ -- 2013-01-28 05 42 44 まあゆっくりだしこれが普通 -- 2012-07-14 16 17 05 コンクリ動かすとか子ゆ凄いな 普通に驚いてしまった -- 2012-03-15 00 34 51 4枚めの絵のれいむの顔が必死で、 吹いた -- 2012-03-09 19 46 19 ↓あなたは蚊の話を聞いてから蚊取り線香をたくの? 農家の方にとってゆっくりの話す言葉なんか鳴き声以下の雑音でしかない -- 2011-10-27 21 57 16 ↓の↓ 害獣だからって少しくらい話し聞いてやれよ! -- 2011-10-27 21 00 53 皆さんの絵がとってもゆっくりできたよー、わかるよー -- 2011-10-17 01 27 16 作業と関係ない赤や土下座まりさまでやけに淡々と殺すとおもったら、そうか、害獣だったね。 駆除はしとかなきゃならないのか。 -- 2011-07-12 22 47 58 うおあああああああ!キリライターあきさんの絵の様な赤ゆっくり、握りつぶしてええええええ!! -- 2011-05-01 01 05 17 考え無しに森の資源を食い荒らすだけでなく無尽蔵に繁殖するようなゲスには相応しい末路 -- 2011-04-21 02 24 28 下等生物が!! -- 2011-03-13 13 50 22 父まりさは人間の恐ろしさを知っていただけにかわいそうだなw運がなかったなぁ。 -- 2011-01-24 11 06 59 虐待してやる価値も無いってカンジが素敵です。 -- 2010-11-21 10 28 32 必要以上に虐待するわけでなく ただただ解体に邪魔な「物」を除けて行く感じが良かった -- 2010-11-07 17 21 25 うーん、日常的な風景がなんともいえない雰囲気を味あわせてくれます。良かった。 農家の人にとっては、害頭は生かしておく理由がないからなー -- 2010-10-13 20 34 24 こういうシンプルなのもいいよね。 -- 2010-08-22 10 59 31 ほんの少しでも赤ゆと子ゆを苦しめてくれたらよかったのに・・・ -- 2010-08-22 04 54 59
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※れみりゃはれみりゃでも体無しのれみりゃです。 『野生のれみりゃ家族』 とうに日も暮れて真っ暗な森の中、子れいむと子まりさが身を寄せ合いながら進んでいた。 夜目が利かない二匹には何も見えていない。 勘を頼りに家族のおうちへと向かおうとしていた。 しかしそんな二匹を見つめる影が一つ。 「うー!」 れみりゃである。 れみりゃと言ってもで体の無いれみりゃで、人間で言う耳の辺りから生えている羽で空を飛んでいる。 夜行性で夕方に目を覚まし、日が昇る前に眠りにつく。 主食はれいむ種とまりさ種、まさにれみりゃの目の前をウロウロしているアレだ。 「うー、たーべちゃうぞー!」 「ゅっ!? れ、れみりゃ!?」 「こ、こないでね! こっちにはいないからこないでね!! れみりゃの声に自分が狙われていることに気づいた二匹は逃げも隠れもせず、立ち止まってキョロキョロと辺りを見回す。 だが何も見えない。見えると言ったらすぐ隣にいる親友ぐらいのものだ。 だから気が付かなかった。 れみりゃはもうすぐそばまで飛んできていたことに。 「ゆ"ぅぅぅぅ!! ずわないでぇぇぇ!!」 「ま、まりさ!?」 れみりゃが狙ったのはまず子まりさだった。 頬に噛みついてそこから餡子を吸い上げていく。 「あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"……」 れみりゃは成体、まりさは子供。 食欲旺盛なれみりゃはあっという間に子まりさの中身を吸い尽くしてしまった。 子まりさの体は中身を吸われてペラペラの皮。形を遺しているといるとすれば目玉と髪、あとは帽子ぐらいか。 「まりさっ! まりざあぁぁぁぁ!!!」 もう喋らないまりさの帽子にれいむは縋りついて泣きわめく。 しかし亡き親友を想って泣くような時間などれいむには元々なかった。 「うー!」 「ゅ"ぁ"っ!?」 次の瞬間れいむは宙に浮いた。 れみりゃがれいむの体に噛みついて飛び立ったのだ。 通常ならおそらをとんでるみたいなどと呑気なことを言っていたかも知れないが、今はそんな余裕など無かった。 それよりもずっと強い刺激が与えられたから。 「ずわないでぇぇぇぇぇ!! れいむばおいじぐないよぉぉぉ!!!」 れみりゃはれいむの中身を吸いながら飛んでいた。 普通に考えてわざわざ飛びながら食事する必要は無いのだが、このれみりゃにはそれなりの理由があった。 れみりゃの飛んでいく先にその理由がいる。 元はゆっくりの家族が住んでいた洞穴がれみりゃの巣だ。 「ゆ"っ、ゆ"っ…」 中身の餡子を半分近く吸われて痙攣しているがれいむは生きていた。 れみりゃはそれ以上餡子を吸わずに巣へと持ち帰る。 「ぅー! ままおかえりー!」 「うーうー!」 「まーま! まんま! ぅー!」 巣の中には小さなれみりゃが数匹いて、れみりゃを笑顔で出迎えた。 れみりゃの赤ちゃんだ。 小さな羽をパタパタと忙しく動かして母れみりゃの周りを飛び回る。 「うー! ごはんだよ!」 母れみりゃはれいむを床に落とす。 れいむは「ゅ"」とだけくぐもった声を出して床にへたり込んだ。 赤ちゃんれみりゃは一斉に衰弱しきったれいむへと飛び付き噛みついた。 そしてちぅちぅと中身を吸っていく。 母れみりゃがわざわざれいむを殺さずに持ち帰ったのは赤ちゃんのため。 餡子を半分だけ吸っておいたのも食べ物であるれいむが暴れて赤ちゃんに危害を与えないようにするためだった。 「ぅぁぅぁ、ちあわしぇー!」 「ぅー、ぅー、あまあま!」 「あまくておいちい! ぅぅぁー♪」 美味しそうに食事する赤ちゃんを見て、母れみりゃは満面の笑みを浮かべた。 この赤ちゃん達を産んだ時に最愛のパートナーは死んでしまったので苦労も多い。 だが赤ちゃん達が幸せそうにしているのを見れればどんな苦労も報われ、疲れなんて吹き飛ぶというものだ。 食事が終わると赤ちゃんれみりゃの口の周りに付いた餡子を舐めとってあげる。 その後はおうちの中でパタパタと家族全員で飛び回るのだ。 このれみりゃ家族の巣は元々ゆっくりの大家族が住んでいただけあってとても広い。 なので小さな赤ちゃんれみりゃにとっては外に出なくとも十分運動でき、 母れみりゃが狩りに行ってる間も巣の外へ行こうとする子はいなかった。 それ故に母れみりゃは気兼ねなく狩りに行くことができ、すべての子をゆっくりと育てることが出来たのだ。 母れみりゃが狩ってくるれいむやまりさを食べてゆっくりと赤ちゃんれみりゃは子れみりゃと呼ばれるまでに成長した。 子れみりゃも食欲がますます旺盛になり、母れみりゃが持ち帰る獲物では満足いかなくなってきた。 そろそろ狩りに連れて行ってもいいだろうと母れみりゃは思っていた。 日が暮れて、いつも狩りに出かける頃に母れみりゃは子れみりゃに呼びかけた。 「うー! きいてー!」 「ぅー?」 「なーに、ままぁ?」 「きょうからはみんなでかりいくー!」 突然の提案に子れみりゃ達はお互いに顔を見合わせ、一瞬の沈黙の後決断した。 「ぅー、かりいくー!」 「うー! いっぱいたーべちゃうぞー!!」 「ままとかりいくのー! ぅぁー♪」 満場一致だ。 生まれつきの捕食種であるれみりゃだ。 狩りとは憧れであったし、本能的にも狩りという行為を求めていたのだ。 母れみりゃが出かけている間に、 「いつかままとかりにいくー」 「れみりゃはいっぱいかるのー! うー!」 「うぅー! れみりゃのほうがいっぱいかるもん!」 などと語り合い、いつか来る狩りを夢見ていたぐらいだ。 子供達の熱意と期待に満ちた目を見て母れみりゃのやる気も漲ってきた。 今ならば、ドスすら狩れる気さえした。もちろん現実的に無理だが。 「うー! かりにいくー!」 「「「ぅー!!!」」」 れみりゃ家族は元気よく巣を飛び立っていった。 母れみりゃを先頭とし、子れみりゃ達が後を追う形だ。 「ゆ"うぅぅぅぅぅ!!? なんではいっでごれだのぉぉぉぉ!!?」 「ごわいよ、おがーじゃーん!!!」 まず最初の獲物は以前から目を付けていたれいむ親子だった。 このれいむ親子はおうちの入口の隠し方が下手で、暗い森の中とはいえ夜目の利くれみりゃからすれば一目瞭然だ。 そして入口の前の枝をどかして中に侵入したわけである。 母れみりゃは母れいむを最初に狙う。 子れいむを最初に狙うと母れいむが激昂して暴れだす危険があるからだ。 逆に母れいむさえ押さえれば後は子れいむや赤ちゃんれいむの群れ。 健康な子れみりゃ数匹で十分狩り尽くせる。 「ゅ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!! ずわ、な、いで…ぇっ!!」 「ながみが、なぐな、でぐぅぅ!!」 「おが、ぁ…じゃん……」 「ぅーぅー、うまうま♪」 「うあうあ♪」 「おいちー!」 「うー! うー!」 母れいむにとってそれは地獄絵図だろう。 目の前で自らの餡子を分けた子供たちが為すすべもなく捕食されていくのだ。 子れみりゃに噛みつかれた子れいむ達は皆一様に中身を吸われて皮だけになって死んでいく。 なまじ姿を遺している分だけ悲しみや絶望も多い。 中身だけ吸われたので子供達の死体は残る。 母れいむは目の前の死体を見て、愛する子供たちが死んだ事を認めざるを得ない。 中身を戻せば生き返りそうですらある綺麗な死体を、生き返らないと理解しながらも見続けさせられるのだ。 まさに悪夢。 だが頭に食い込む母れみりゃの牙による痛みが、これが夢なんかではないことを認識させ、さらに母れいむを絶望させる。 そして恐怖や絶望で染まった母れいむの餡子を一気に吸い上げるのだ。美味い。 恐怖こそが獲物の味を格段に上げる調味料であることを母れみりゃは知っているのだ。 だからこそ子れいむ達が全滅するのを見せつけた。 「ぁ"ぁ"…ゆっぐり、じだがっだ……」 「う"ー♪」 母れいむは絶望の中死んでいった。 少しずつ中身を吸い取っていったため、実にゆっくりと死んでいった。 初めての狩りは大成功に終わった。 子れみりゃ達はたくさん食べてもう満腹だ。 これなら今日はもう他のゆっくりを狩らなくても問題ないだろう。 特に子れみりゃ達にとって一番の成果は初めての狩りを成功させたという経験だ。 「うー! うー!!」 母れみりゃは上機嫌に月に向かって高らかに鳴いた。 子れみりゃ達も母に続いて威勢よく鳴き声をあげた。 迫力も何もないか細い鳴き声であったが、そこには確かな自信がこもっていた。 それかられみりゃ家族は毎晩ゆっくりを狩った。 夜が更けて森のゆっくり達が眠りについた頃にれみりゃ家族は狩りに出かける。 そして母れみりゃは今日の獲物を見つけた。 茂みの中にまりさの親子がいる。 草木に覆われていて、空中から眺めている分にはその姿を見ることは出来ない。 だが子まりさが寝てる間に転がったのか、茂みからはみ出ていたおかげで見つけることが出来た。 こんな所に潜んで寝ているところを見ると、きっとおうちを持ってない親子なのだろう。 「うー! たーべちゃうぞー!!」 「うー!!」 れみりゃ達は滑空してまりさ達の隠れている茂みへと滑空した。 ガサガサと茂みに体を突っ込んでまりさの姿を見つける。 まりさ達は目の前に危機が迫っていることに気付かずスヤスヤと眠っている。 しかしれみりゃ達が草木をかき分ける音に母まりさが目を覚ました。 目の前には笑顔で口を開ける母れみりゃの姿が。 母まりさの顔が寝ぼけ顔から不思議そうな顔、そして驚きの顔に変わり、最後は顔を一気に青ざめていく。 「れ、れみ…っ」「うー!!」「あ"あ"がががが!!?」 状況を把握して悲鳴を上げようとしたときに噛みつかれた。 他の子まりさは眠ったまま噛みつかれて中身を吸われている。 恐怖を知らずに死んでいくのはこの状況ではむしろ幸せなことだろう。 「ゅ"う"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!! はなじでぇぇぇ!! こどもはだべでいいがらまりざだけはだすげでぇぇぇぇ!!!」 「うー! だめ!」 「い"や"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!」 こうして狩りはあっけなく終わった。 体無しれみりゃが夜行性なのは寝込みを襲うことで狩りの成功率を上げるためなのかもしれない。 また次の狩りでは巨石の割れ目に住むゆっくりを見つけた。 そのゆっくり達はもうとっくに日が暮れたというのに珍しく起きていた。 「まりさぁぁぁ! すっきりじようねぇぇぇ!!」 「いいよありすぅ! いっぱいこどもつくろうねぇぇ!!」 ありすとまりさのカップルだ。 どうやらすっきり中らしいがれみりゃにはそんなこと関係ない。 獲物が何していようとも獲物であることに変わりはない。 「うー! たーべちゃうぞー!」 「たべちゃうー!」 「うあうあー!」 黙って襲えばいいのにわざわざ宣言してから襲う辺りはゆっくりらしい。 といってもお互いに頬を擦り合わせて快楽をむさぼり合っているありすとまりさはれみりゃの接近に気付かない。 母れみりゃは発情して危険なありすを先に押さえつけた。 「なっ、なにするのよ!! ってれみりゃもがわい"い"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"い"だい"ぃ"ぃ"ぃ"!!!?」 発情ありすを押さえつけるだけではまだ危険だ。れみりゃと言えども発情ありすは脅威になる。 なので間髪入れずに中身のカスタードを吸い上げた。 「ゆ"、ぐ…なにず、るのよ"ぅ"…」 1/3ぐらい中身を吸えば元気に動くことは不可能になる。 これで後はゆっくりと食べることができる。 残るまりさも子れみりゃより二倍近く大きく、普段なら危険な相手だ。 しかし今のまりさは快感で脱力してしまっていた。 さらに子れみりゃ達が一斉に吸いつき、残る体力も奪う。 そしてありすもまりさも動けなくなった所で母れみりゃは子れみりゃに提案する。 「うー! すこしずつたべたらうまうまー!」 「ぅー、やってみるー!!」 「ちょっとずつすうー!」 「や"め"でぇぇ! はな、じでぇぇ!!」 まりさは必死でもがいて逃げようとするが、全然動けておらず、少しずつ吸われていく。 子れみりゃは一気に中身を吸い上げたいのを我慢して、人間が熱い飲み物を飲むときのようにゆっくりと吸っていく。 体の中が吸われていくまりさはとてつもない恐怖を味わうことになる。 少しずつ感覚が狂っていき、記憶が欠けていく。 産まれて初めてお母さんに挨拶したこと。 初めて友達が出来て一緒に遊んだこと。 野菜がいっぱい生えてる場所でお腹いっぱい食べたこと。 妻であるありすが何故か大怪我していた自分を介抱してくれたこと。 ありすと結婚して初めて結ばれた日のこと。 今までの幸せな記憶が一瞬浮かんで、そして消えていった。 代わりに残ったのは恐怖という感情とどこまでも深い闇だった。 「まりざっ! まりざぁぁぁぁ!!」 「うふふふふ…ふふ…ふ……」 ありすの必死な呼びかけも全てを失っていき壊れていくまりさにはもう届かない。 そして生命の維持に必要な分の餡子を失ったまりさは奇妙な笑い声すら出さなくなり、ただの饅頭と化した。 「まりざぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「ぅー! おいちかったー!」 「うまうま♪」 ありすの悲痛な叫びなど聞こえていないのか、子れみりゃ達は吸うごとに美味しくなっていったまりさの味に満足の様子だ。 これは恐怖を与えれば美味しくなるということを教えるための教育でもあった。 子れみりゃ達はまだ獲物は何か分からないけど美味しくなるという程度の認識しか持っていないが。 「よぐも、よぐもまりざをぉぉぉ!!!」 「うー! たーべちゃうー!!」 後は母れみりゃが存分に恐怖を味わったであろうありすを一気に吸い上げた。 ただひとつ、母れみりゃの誤算としてはありすが感じていたのは恐怖よりも怒りの感情が強かったことか。 おかげで粘度の高くて若干苦いカスタードを食べる羽目になってしまった。 それさえ除けばこの狩りも成功だった。 しかし子れみりゃは一匹のまりさを分け合って食べたため満腹ではなく、 その日のうちに他のゆっくりを狩ることになったが。 そのまた次の狩りで見つけた獲物は大物だった。 れみりゃ家族の巣よりも広いおうちの中に巨大なれいむがいた。 母れみりゃよりもずっと大きく、1mほどもあった。 頭には複数本の太い茎と、その先からはまだ目覚めていない赤ちゃんが実っている。 もう片方の親のまりさはおうちの入口にいたので早速食べさせてもらった。 何かを守ってるような感じであったが、まさかこれほど大きな獲物を隠していたとは。 「うー! たーべちゃうぞー!」 「ぅぅー! いっぱいはえててどれからたべるかこまるー!」 「やめてね! ゆっくりできないれみりゃはさっさとでてってね!!」 「うー? やだ。たべるー!!」 「ぅー、ぅー、ぅあぅあ!!」 「こ、こないでね! れいむたちはまずいれいむだよ! あかちゃんもおいしくないよ!! だからやめてね!!」 しかしそんな事を言われて帰る捕食者などいない。 何せこれほど大きく、さらにたくさんの小さい獲物を生やしている個体は初めて狩る。 捕食者としてこれほど心昂る獲物はなかなか見つけられるものではない。 「や、やめてね!! あかちゃんだけはやめてぇぇぇぇぇ!!!」 しかしこのれいむ、まったく動こうとしない。 これは動くつもりがないのではなく動けないのだ。頭に生えた太い茎が重過ぎて最初から動こうにも動けないのだ。 だからこそまりさに食事や門番などの雑用をすべてまかせていた。 だが自分を守ってくれるはずのまりさはもういない。 「うー! ちっちゃいのからたべるー!」 「ぅー! おいしそー!」 「やめてっ! れいむはどうなってもいいからあかちゃんだけはぁああ"あ"あ"あ"あ"あ"!!! 「ちぅちぅ、しあわせ、うー!!」 「なかみすくないけどおいちー!!」 「うまうま、うー♪」 母れみりゃも子れみりゃも巨大れいむが実らせた多数の赤ちゃん達を手当たり次第に吸っていく。 次々と赤ちゃんれいむと赤ちゃんまりさが産声を上げる前に皮だけの死体に化していった。 「やめでぇぇぇぇ!! もうあがじゃんをごろざないでぇぇぇぇ!!!」 母れいむは頭上で起きている惨劇に泣いてやめてくれと懇願することしかできなかった。 だがそれに対するれみりゃ家族の返答は赤ちゃんの味に対する感想だった。 「うー! おいしー!」 「あかちゃんうまうま♪」 「まだまだいっぱいあるー!!」 「いっぱいたべるよ、うー!!」 「ゆ"ぅ"ぁ"あ"あ"!! なんでごんなごどずるのぉぉ!!」 「だってれいむはれみりゃのごはんー♪」 「だからたべられるのはあたりまえー、うー♪」 「ぞんなのっでないよ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"!!!」 そうして、れみりゃは泣き叫ぶれいむとの会話を楽しみながらほぼ半数の赤ちゃんゆっくりを吸い尽くした。 さすがにもう満腹で食べれなかった。 「うー、またあしたもくるー!」 「またあしたもよろしくだよー!」 「あしたもたーべちゃうぞー!!」 「ゅ"あ"あ"…」 そんな事を言いながら去っていくれみりゃ家族を力ない瞳で見送るれいむはもう生きた心地がしなかった。 自分は直接傷つけられていないが、死んだまりさと死んだ赤ちゃん達の数だけ心を切り裂かれたような気分だった。 「はやく、うまれてねあかちゃん…」 巨大れいむはまだ目覚めない赤ちゃん達にそう話しかけた。 次の夜までに赤ちゃんが産まれれば逃がすことも可能なのだ。そうなれば軽くなる自分も逃げられるかも知れない。 だが赤ちゃんゆっくりが茎から離れるのは最悪のタイミングとなった。 そして次の夜。 「うー、うー、いっぱいうまうまー♪」 「やめでぇぇぇぇぇ!! せめでこれいじょうはごろざないでぇぇぇぇ!!!」 結局ほとんどの赤ちゃんはお母さんを見ることも、地に触れることもないまま物言わぬ皮と化してしまった。 残る赤ちゃんは数匹。 その赤ちゃん達にも子れみりゃの牙が突き刺さろうとしたところで赤ちゃんは茎から離れた。 「ゆっ!?」 巨大れいむは赤ちゃんゆっくりが目の前に落ちたことで泣きやんで心は期待に満ちた。 目の前の赤ちゃん達はゆっくりと目を開いていく。 そして目が合うと、 「ゆっくりちていっちぇね!!」 「ゆっきゅりしていっちぇね!!」 「おかーしゃん、ゆっくりしていっってね!!」 産まれて初めて母である巨大れいむに向けて挨拶した。 「ゆっくり、していってねぇぇ…」 辛いことはいっぱいあったけど可愛い赤ちゃんが産まれた。 巨大れいむは感動して涙した。 今がどんな状況であるかを忘れて。 「うー!」 「ゅ? おねーちゃんもゆっぎゅべぇっ!?」 地面に落ちた赤ちゃんをれみりゃが捕らえたのである。 他の赤ちゃん達も何が何だか分からないまま捕まって中身を奪われてしまう。 この世に生を受けて数秒。 それがこの赤ちゃんゆっくりの生涯だった。 「…??」 巨大れいむは目の前で何が起きたのか分かりたくなかった。 だがここまで巨大に育つほどのゆっくりの知能では現実逃避したくでも出来なかった。 分からない振りをしても分かってしまう。 可愛くてゆっくりしている赤ちゃんは目の前で食べられたのだ。 「ゆぅぅぅぅぅぅぁぁあああぐぐぅぅうぁぁあああ!!!!!」 「う、うー?」 「うぅぅ!?」 「ぅあー、ごわいのがいるー!!」 れみりゃすら怯えさせるほどの咆哮。 悲しみと怒りの篭った空気を震わせる叫びだ。 つぶしてやる。 あかちゃんたちのふくしゅうをしてやる。 巨大れいむは手始めに目の前の子れみりゃ達を潰す。 そして母れみりゃに見せつけてやるのだ。 そして、そして… だがしかし、実行には移せなかった。 いくら気持ちが昂ろうとも重い自分の体を動かすほどの力を出せなかった。 地を這うばかりで跳ねることも出来ず、目の前の子れみりゃを潰すなんて夢のまた夢。 一瞬怯えたれみりゃ達も巨大れいむがやっぱり動けないことに気づくと巨大れいむへと襲いかかった。 「うー! たーべちゃうぞー!!!」 「こわがらせたばつー!!」 「ぁ、ぁぁ……」 憎しみの炎も一瞬で鎮火し、巨大れいむの心は恐怖に塗り替えられていった。 それに伴って餡子の味がれみりゃの大好きな恐怖に染まった味になっていく。 それこそがれみりゃの求めていたものだ。 れみりゃ達は巨大れいむに群がって思い思いの場所から餡子を吸い上げていった。 「ゆぐうっぃぃおああぁぁっぁええええ!!!!」 体の至る所から体の中身を吸い上げられる痛みに、巨大れいむは白眼を向いて体を痙攣させる。 痛みに対する叫びももはや言葉になっておらず、声帯を滅茶苦茶に動かした結果の音となっていた。 れみりゃ達の食欲は凄まじく、ものの10分ほどで巨大れいむは死に瀕していた。 「ごめん、ね。あがじゃん…てんごくで、ゆっぐり……じよ……ぅ」 巨大れいむはその言葉を最後に生涯の幕を閉じさせられた。 それかられみりゃ家族は複数回の狩りを成功させた。 子れみりゃ達は数々の経験の中で成長し、一人前の捕食者と言えよう。 独り立ちの日も近いのかもしれない。 今日の狩りを終えたら子供達に独り立ちさせよう。 母れみりゃはそう決意して子供たちとの最後の狩りに向かうことにした。 だが、巣を出ようとしたときに思わぬ来客がれみりゃ家族を襲うことになる。 「ゆっくりしね!!」 「ゆっくりちね!」 それはゆっくりふらんの家族だった。それも体無しの。 その天敵の姿を見てれみりゃ達は震えあがった。 「うー! みんなにげてー!」 「にげるー!」 「うー!!」 「にがさいないよ! ゆっくりしね!!」 「ゆっくりちね!」「ゆっくりちねぇ!!」 ふらんは大口を開け、そこから人間のような腕を突きだしてれみりゃを殴りつけた。 どういう体内構造をしているのか。 とにかくこの喉から出る手がふらんの武器だった。 「う"あ"ー! う"あ"ー!」 「ぅ"ー! い"だ"い"ー」 ふらんの口から飛び出た握りこぶしがれみりゃの顔にめり込み、 れみりゃは今まで感じることのない痛みに泣き叫びながら地面を転がった。 そんなれみりゃにふらんは追撃をかける。 「しね! ゆっくりしね!!」 「ちねちね!」 「しねしねしんじゃえ!!」 「う"あ"ー! もうやめでー!!」 「ま"ま"ー!! だずげでー!!」 子れみりゃは子ふらんに幾度も殴られながら母に助けを求めるが、 母れみりゃも同じように動く間も与えられずに殴られて動けない。 ふらんの狩りはれみりゃとは違い、食事がメインではない。 「ゆっくりしね」と言っているもののふらんの求めるものは獲物が苦しむ姿だった。 だからふらんはれみりゃを殺さずに殴る。さらに殴る。もっと殴る。まだ殴る。 「う"ぅ"っ! う"ぁ"! やべっ、でぇ!!」 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!!」 「ぅ"あ"ーーー!!」 何度も殴られた皮は伸びて中身の色が薄らと見えている。 羽も破けてもう飛ぶことは出来ないだろう。 母れみりゃがそれなら子れみりゃはもっと悲惨だった。 相手が加減を知らない子ふらんだったのもあるが、すでに皮は破れて中身が辺りに飛び散っていた。 大きく見開いた瞳は涙を流しながら空を見ていた。 あの様子ではもう長くは持たないだろう。 なんでこんなことになったのだろう。 子育ては間違いなく成功していたし、独り立ちした後も立派な捕食者として夜空を駆けたはずなのに。 なのになんでこんなに無残な姿になって地面に転がっているのか。 「う"ぅ"ー!!」 がんばって育てた子を目の前で崩されていく。 母れみりゃにとってこれほど悔しいことなかった。 理不尽だと母れみりゃは怒りも感じていた。 しかしこれはれみりゃ家族が他のゆっくりに対する狩りと同じなのだ。 弱い者は強い者の糧となり、強い者はさらに強い者の糧になる。 単純により強い者に狩られただけなのだ。 ゆっくりの場合は食べるだけではなく苦しませるという行為が増えるだけのこと。 子れみりゃの苦しみは死という形で終わったが、母れみりゃはまだまだ苦しみの未来が待っている。 ふらんは自分の巣に獲物を枝など棒状の物で突き刺して保管する性質がある。 母れみりゃがふらん達に連れていかれた先はまさに地獄だった。 絶対者であるふらん家族からはれみりゃもれいむもまりさも全て同列として扱われ、同じようにいたぶられた。 たまに子ふらんが加減を間違えて"運良く"死ぬことが出来たゆっくりもいた。 だが再生力の高いれみりゃはいつまでも運良く殺されることはなかった。 「う"ー…たべ、てー……」 「ゆっくりしね!!」 「うぎゃっ」 殺してほしいと願い出ても答えは拳で返ってくるだけだった。 子を失った母れみりゃはすでに生きる気力は無かったが生かされ続けた。 ああせめて後一日。もう一日早く子を独り立ちさせていれば少なくとも子供達は無事だったのに。 我が子恋しさで独り立ちを遅らせてきたことを後悔した。 もし独り立ちさせていれば、子供達の雄姿を想像することでこの苦しみも少しは緩和しただろう。 しかし現実に子れみりゃは目の前で死んだ。 いくら子の雄姿を想像しようにも「もし〜ならば」とifの空しい妄想でしかなく、 悔やまれて強い苦しみとなって母れみりゃの心を締め上げた。 考えれば考えるほど苦しい。 だからこそ痛みで他の辛い事を忘れられるふらんの暴力の時間が、 母れみりゃの心の安らぎとなるのにそう時間はかからなかった。 終 by ゆっくりしたい人 そして母れみりゃが転生したのがドMてんこ。 [今までに書いたの] ゆっくりいじめ系43 ゆっくり家族の引っ越し 虐 制 家 共 ゆっくりいじめ系49 ゆっくりとのワンダフルライフ 虐 無 外 ゆっくりいじめ系105 加工所職員のストレス解消法 虐 無 ゆっくりいじめ系116 懐かし玩具とゆっくり 制 無 ゆっくりいじめ系119 ギロチンとゆっくり 虐 家 ゆっくりいじめ系120 マッサージチェアとゆっくり 虐 性 道 無 ゆっくりいじめ系169 Ten little Yukkuri 虐 家 ゆっくりいじめ系173 Ten little Yukkuri後日談 虐 家 性 道 ゆっくりいじめ系186 犯人は子れいむ 制 家 無 萃香×ゆっくり系1 子鬼とゆっくり 制 衣玖×ゆっくり系1 衣玖さんとゆっくり 虐 そ その他 ゆっくり草原観察 そ 性 その他 ごみ箱ゆっくり そ 道 ゆっくりいじめ系217 整地ゆっくり 虐 家 無 ゆっくりれみりゃ系いじめ19 れみりゃと亀さん 虐 性 無 ゆっくりいじめ系267 愛の劇場 -背徳の饅頭- そ 性 無 ゆっくりいじめ系275 妖怪とゆっくり 虐 そ 家 ゆっくりいじめ系313 ゆっくり家族とエターナルフォースブリザード 制 家 無 ゆっくりいじめ系329 都会派と甘い罠 虐 性 無 衣玖×ゆっくり系2 ゆっくりてんこ大虐殺 虐 家 捕 ゆっくりいじめ系374 親の心子知らず、子の心親知らず そ 性 家 無 ゆっくりいじめ系380 公衆便所ゆっくり ゆっくりいじめ系418 大乱交!ゆっくりファミリー 虐 性 無 ゆっくりいじめ系424 ゆっくりの歌 虐 家 無 ゆっくりいじめ系459 色つきゆっくりの結末 虐 無 ゆっくりいじめ系493 ゆっくりペットショップ 制 無 ゆっくりいじめ系515 強姦まりさの敗北 ゆっくりいじめ系542 赤ちゃんゆっくりの冒険-前- そ 環 家 性 捕 ゆっくりいじめ系543 赤ちゃんゆっくりの冒険-後- そ 環 家 性 捕 ゆっくりいじめ系618 ゆっくり家族のある夏の日 虐 環 家 ゆっくりいじめ系729 灰色の檻の中で 虐 環 家 このSSに感想を付ける