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※使い古されたテンプレを用いています。 「ゆっくりしていってね!」 家に帰ると下膨れの生首がいた。黒い帽子をかぶり、金色の髪をした全長が三十センチほどのそれは跳ねながら私の方 へと寄ってきた。生首が跳ねながら寄ってくるのは出来の悪いホラー映画のようで、滑稽でもあり恐ろしくもあった。 「おにいさんはゆっくりできるひと?まりさはおなかがすいたよ。ゆっくりごはんをよういしてね!」 生首が何かを言っていたが、私はドアを閉めてその場を立ち去った。 「そりゃゆっくりだな。間違いない。」 友人は私が持参した安い酒を注ぎながら自信ありげに言った。あの後私は謎の生命体がいる部屋に入る気になれず に友人宅を訪れた。 「知っているのかい。」 「今の時代にまだ知らない奴がいる方が驚きだ。新聞でもゆっくりの被害について散々取り上げている。ほら。」 渡された新聞には確かに生首らしき生き物の写真が載っていた。悪夢は現実だということに戸惑う私をあざ笑うかのよう に彼は続けた。 「ゆっくりというのはなぜか生きている饅頭だ。見た目は人の生首だが中身は餡子が詰まっていて、 人間の言葉を話す。時々食料や住処を求めて人里に出没するそうだ。新聞も読んでいないようだし、 お前もゆっくり対策をしていないんだろう。」 「どうすればいいと思う。」 「普通の人なら踏み潰して黙らせてからゴミに出すな。」 あっけらかんと友人は言った。確かにセイブツではなくナマモノであるならばそれは正しい判断だろう。説明が本当である ならば外から入ってきたそれらは落ちた饅頭に等しい。食べようと思えば食べれるだろうが、無理して食べるほどのものでも ない。でもあれを踏み潰すとなると気が引ける。口をふさいでもゴミ捨て場で暴れられては困る。殺すのは別にかまわない が衛生的で安全なゴミへの出し方はないだろうか。 私の考えがゆっくりの殺害方法へシフトしていったとき、再び友人が喋り出した。 「そういえばゆっくり処理機でもう使わないのがあったな。お前にやるよ。」 友人は手にしたお猪口に酒を注いだ。口元が邪悪に歪んでいる。おそらく、笑っているのだろう。正直、彼の こんな表情を見たのは初めてだった。 「………サンキュ。持つべきものは友達だな。」 友人からゆっくり処理機を受け取った後、家路をたどりながら思った。あれはお猪口ではなく口を針金で固定された ゆっくりだったと。今頃あれはアルコールで混濁した意識の中彼に何をされているのだろうか。 家の戸を開ける。 「ここはまりさのおうちだよ!しらないおにいさんはゆっくりでていってね!」 やはり夢ではなかった。部屋の中には生首の饅頭がいた。最初は不気味に思えた生首も今となっては処分に手間の かかるゴミとしか思えない。 「ここでゆっくりするならたべるものをもってきてね!まりさはかんだいだけどゆっくりしてたらおこるよ!」 無視して部屋の中を調べる。本棚から本がこぼれていたりゴミ箱が倒されたりしていたので、片づけておく。 「おそうじしてくれているんだね。でもはやくたべるものをもってきてね!そうしたらまりさのめしつかいにしてあげるよ! こうえいにおもってね!」 元々物が少ないせいかゆっくりの被害はあまりなかった。ゆっくりの届くところには缶詰しかなかったため、食料も 無事だった。窓から逃がしてもよかったが、他の人に迷惑をかけたらいい気分はしないのでここで処分することにする。 友人からもらったゆっくり処理機は透明な箱だった。ただし、上の面だけは鉄でできており、ハンドルの付いたネジが 飛び出している。使い方は一目見て理解した。 ゆっくりを捕まえて箱の中に入れる。 「ゆ?せまいよ!ここじゃゆっくりできないよ!はやくだしてね!」 ゆっくりがわめく。五月蠅い。私はハンドルを回していく。天板がゆっくりと降りてくる。 「はやくだしてっていってるでしょ?わかんないの?ばかなの?」 まだ自分の立場が分かっていない。はやる気持ちを抑えながらゆっくりとハンドルを回す。 「ゆっ?おかしいよ?てんじょうがおちてくるよ!ゆっくりさせてね!ここからだしてね!」 やっと気づいたようだ。大丈夫、すぐに殺したりはしないよ。そこで好きなだけゆっくりさせてあげるよ。死ぬまで。 心臓の鼓動が高ぶり、熱い血が体中を巡っていることが分かる。 「ゆぐーっ!ゆぐーっ!」 体を膨らませて必死で抵抗している。どれだけ膨らんでも押し返せるわけないのに。ああ、なんて可愛いんだ。 「うううぅぅぐるじいいいいぃぃだずげでぇぇ」 だんだんとゆっくりの形が歪んでいく。箱を倒して表情を見る。ゆっくりは涙を流しながら助けを求めるような眼をしていた。 ところどころ皮が裂けて、中身の餡子が見えている。そんな眼で見るなよ。もっと苦しめたくなっちゃうだろ。 「いばならゆぐじであげるよ………ゆっぐじだずげでね………」 この状況で助かると思っているんだ。あっけなくちゃつまらないからね。ゆっくり、ゆっくりといじめてあげるよ。 私はゆっくりを放置して戸棚へ向かうと、マッチを手に戻ってきた。 「ぐひゅー………ぐひゅー………」 もはや息も絶え絶えといったところだ。私は火をつけたマッチをゆっくりを潰している鉄板の上に落した。 「ぐぎいいいぃぃぃぃぃぃ」 ゆっくりの絶叫が響く。まだまだ元気いっぱいだね。ゆっくりしていってね。 「ぐぐぐ………げぶっ………ごぼっ…どぼじで…ごんな………」 餡子を吐き尽してゆっくりは動かなくなった。そろそろ夜が明けようとしていた。当初の目的を忘れ一晩中ゆっくりの相手 をしていたようだ。 「どうしてこんなことするかって?」 私はゴミになったゆっくりに向かって言った。 「予想以上に君が可愛らしすぎたんだ。」 朝の陽射しの中、私は友人の笑みの意味が分かった気がした。 終 後書き 「万能お兄さん」の人に憧れて書いてみた。 SS書くのって難しいと痛感した。 お目汚し失礼いたしました。 このSSに感想を付ける
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注意! ※この作品にはゆっくりしか出てきません! ※作風柄、虐待描写はありません! ※賢いゆっくりが出ます! ある所に、広く資源に恵まれた島があった。そこは、周りが海に囲まれており、全くの無人。 そんな島にある日、数個の影が舞い降りた。 『『『『うー!うー!』』』』 うーぱっくである。運んでいたのはもちろん…… 『ありがとうね!うーぱっく!』 『おれいはそこにはえてるおやさいをもっていってね!!』 『ここはほんとうにとかいはなゆっくりぷれいすね!!』 内訳はゆっくりまりさ、れいむ、ありす、ぱちゅりー、みょん……ゆっくりである。 捕食種を除いたスタンダードな種がそれぞれ一匹ずつだ。 それぞれが、新天地を目の当たりにしてゆっくりしている。 彼女らは以前、他のゆっくり同様に山で暮らしていたが、人間による開発によって居場所を奪われてしまった。 そんな節に、先程のうーぱっく達に出会い、この島のことを聞き出したのだ。 『ゆゆ!まりさたちをそのしままでつれていってほしいんだぜ!!』 群れのリーダー格であるゆっくりまりさが頼むと、運ぶことが生きがいのうーぱっくである。 快く承ってくれた。そこは話に聞くよりも広く、食糧、寝床の洞窟、その他資源もろもろ……何一つ足りないものは無かった。 それに加え、何よりも魅力的なのが 『みてよまりさ!ここのしまはどすたちにまもられているよ!!』 『むきゅ!さいこうのゆっくりあいらんどね!!』 島は海岸、森、山から成っていた。今ゆっくり達がいるのは、山の頂上の開けた草原である。 そこの四方にそれぞれ祭壇の様なものがあり、そこにドスまりさを模した石造が建っていた。 こんな何から何までゆっくりのために設えた様な島だ。気に入らぬ者などいるはずもない。 『さっそくおうちをつくってゆっくりしようね!』 『きょうはいどうでつかれたから、あしたからたんけんするんだぜ!!』 リーダーまりさを筆頭に、補佐役のぱちゅりーなどが指示に当たった。すぐに巣の目処が立った。 この草原の四方、例のドス像のそばにそれぞれ一つずつ穴が開いていた。 入ってみれば、なんと穴は全て中で繋がっており、ちょうど草原の中央部に当たる場所まで開けている。 さらに驚くべきことは、地下であるにも関わらず外と変わらぬ草が同量生えている。 石造りの台座には、こんこんと清水を湛えている。 さらには燭台まであり、ヒカリゴケにより、優しい光に照らされている 雨水の侵入を防ぐ入口を塞ぐためのフタもある。 もうここだけで一生分ゆっくりできるんではないかという程の環境であった。 『ゆがーん!』 『ほっほんとうにすごいゆっくりぷれいすなんだぜ……』 『むっむきゅっきゅきゅきゅ』 反応の仕方はそれぞれ違えど、みんな初めて喜びの感動にショックを受けていた。 それからの生活はまさにゆっくり達の理想を絵にした様なものであった。 海のど真ん中にある島のため、天敵となる野生動物はいない。 食べ物である草や果物は無尽蔵に群生している。 何よりあの自然を破壊し、平穏を乱す人間がいないのだ。 唯一気掛かりがあるとすれば…… 『こんなにゆっくりしているのになんでどすはないているんだぜ?』 いつだったか、豪雨によって数日閉じ込められた時のことである。 もちろん、その間に不自由したことは無い。 元からある蓄えに加え、食糧をため込んでいたし、ゆとりを持っていた。 普段は震えて過ごすこの雨も、いまでは愉快で軽快な音楽に聞こえていた。 雨上がり、リーダーまりさが先立って外に出た。 その時に、ふとドス像を見るとなんと涙を流しているのだ。 当初は驚いたが、なんてことは無い。 像の帽子部に水が貯まるようになっており、鍔を伝って目から涙を流す様に見えているのだ。 見回ってみれば、四方の像の全てが泣いていた。 その涙は台座の隙間に吸収され、一種のダムとなっており地下の台座へと繋がっていることが後に分かった。 『このきをきってむすべばいかだになるんだぜ!』 『えだにはっぱさんをはればおーるになるわ!!』 ゆっくり達は生を謳歌し、すくすくと育ち、自然とのふれあいから知恵をつけた。 昨日は木と木を擦りつけて火を起こす道具を作った。その前は釣り竿。 そして今日はいかだを作った。少し島から離れた場所で釣りをし、収穫も上々だ。 明らかに、他の群れとは違う進歩の仕方をしている。 障害が極端に少ないため、全身全霊をかけてゆっくりすることが出来る。 もっとゆっくりしたい! こうすればゆっくりできるよ! むきゅ!このつたはべんりよ! どうぐをつくろうね! おりょうりをおぼえたわ! まらっ☆ちーんぽ!! それからもゆっくりし続け、だんだんと数を増やしていった。 比例するように文化が発達していき、今では生簀をつくり魚を保有するまで至った。 ゆっくりの寿命というのも、環境次第の様である。 第二世代、第三世代と続いても、最初の群れの誰一人欠ける事無く過ごしている。 ある日、リーダーまりさはドスまりさへと成長した。 『どすがいるかぎり、みんなをもっとゆっくりさせるよ!!』 まず手始めに、増えた仲間のために、森を切り開き、整地し、新たな巣を作った。 『ごはんももっとひつようになるね!』 うーぱっくに頼み、数個の羽化寸前の鶏卵を取り寄せ、家畜として飼い始めた。 『もっとべんりなどうぐをいっぱいつくろうね!』 獲物を確実に捕えるため、捕食種も撃退可能な武器を作った。 嵐が来ない限り、転覆しない遠泳漁の船を開発した。 もっともっと! まだまだ! さらにさらに! ………… ドスが思いつく限りのゆっくりを提供した。最早、自分が出来ることは見守るくらいだろう。 既に自分以外の第一世代ゆっくりは、みな天寿を全うした。あの若かりし頃が懐かしい。 そういえば、何で人間はあんなにゆっくりできない生き物なんだろう…… ドスまりさは海岸から夕陽を眺め、一方的な優越感に浸り、微笑みを湛えていた。 『どすももうつかれたよ』 ドスまりさはゆっくりとした生涯ここで終えた。 ゆゆ?どす~どこ~!? かいがんでねてたわよ? どすのぞうがあるんだぜ! うるさいな……どすをよぶのはだぁれ? あれ?うごけないよ? そうか、どすはしんじゃったんだね。 でもむれのみんながみえるよ。 こえもきこえる……みんな、もうすこしだけどすにみまもらせてね!! 第二世代のゆっくり達がドスの不在に気付いた。 それを受け、第三世代のゆっくり達が海岸で探していたところ、新たなドス像を見つけた。 みんなは直感的に、これが今まで自分達を導いてくれたドスであると分かった。 今までありがとうと礼を述べている。 『こんなところでのざらしにしていたら、どすがかわいそうだよ!』 『むきゅ!そうだわ!やまのうえのどすぞうにくわえてあげましょ!!』 『そうすればどすもゆっくりできるね!!』 そこで、ドス像をどう運ぶかが議論された。結果はすぐに出た。 まずは木を伐採し、ドス像が乗る程度の板を作り、それに乗せる。 それからまた木を伐り、“コロ”として板の下に入れては引っ張りを繰り返すという方法だ。 海岸から山頂の草原まではキッチリ整備されていたし、置く場所も四方のドス像の真ん中に決めた。 『『『ゆーしょ!ゆーしょ!』』』 『 おちびちゃん!はやくころをもってきてね!!』 『ゆっくちりかいちたよ!』 群れ総出で作業したおかげか、半日程で全ての工程を終えた。 結果は大成功! その後、みんなでこの日を何かの記念日にして、ドンチャン騒ぎした。 新たにリーダーとして任命されたのは、ぱちゅりー種である。 生前のドスから最も知識を受け継いだとされているからだ。 『むきゅ!どすのときとおなじようにすればしっぱいしないわ!!』 確かにやることは何から何まで真似ていた。 しかし、何か変じゃないか? どこかで間違えた!? いいやそんな訳が無い! ドスと同じことをしているんだ!! それからしばらくしてから、過ちに気付いた。 『どぼじできさんがぜんぜんないのぉぉぉおおお!?』 『くだものさんもみんななくなってるんだぜ!!』 『おながぢゅいだよぉぉぉおおお!!』 結果を言ってしまえば、島から植物という植物がごっそり無くなってしまった。 事の始まりは、ドス像を運ぶために大量の木を伐採したことから始まった。 以前までは、ドスが植物の再生するまでを計算したギリギリのラインで伐採していたのだ。 木材としての木が無くなれば、作物の木を代用し、食料の供給源を無くしていった。 漁に出よう! 船が故障してしまった。直すための材木はどこ? 狩りをしよう! 獲物となる動物はどこ? うーぱっくに頼んで運んでもらおう! 払う報酬は何? 八方塞がりとなって、ぱちゅりーは誤りに気付いた。 しかし、時すでに遅し。 『ごべんばざい゛い゛い゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛!!』 『ゆ゛る゛じでぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!』 『どぼじでぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?』 『どずどおなじごどじだだげだのに゛ぃ゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛!!』 『ゆ!うるさいよ!!むのうなりーだーはしね!!』 『まえまえからいばってるおまえがきにいらなかったんだぜ!!』 『りぇいむをゆっくちちゃちぇにゃいむにょうはちんでね!!』 リーダーぱちゅりーとその家族は公開処刑された。 群れのみんなから投石の雨を浴びて、物言わぬ死体となった。 これで、群れの一応の溜飲は下がった。 しかし、それからは、殺伐とした生活が始まった。 『やめてね!そのにわとりさんとひよこさんはれいむのぶべぇぇええ!!』 『うるさいんだぜ!まりささまにたべられたほうがこいつらもしあわせなんだぜ!!』 自分の家族以外はみんな敵、戸締りをしていないと家畜を奪われた。 『ちょうどいいんだぜ!おまえのかぞくをまびきしてやるんだぜ!!』 『わがらにゃぁじゃべちゅびゅうぶうううう!!』 『ぢっぢんぼっぢんぼぉおおおおおおおおおおおお!!』 『ぺ~ろ♪ぺ~ろ♪しあわせ~なんだぜ!!』 間引きと称し、子供を殺されて食べる者。 『んほぉぉぉぉおおおおおおお!すっきりー!!』 『びっびやだぁああああ!!ずっき゛り゛ぃ゛い゛い゛!!』』 混乱に乗じて、己が欲望のままに動く者が現れた。 ものの三日間この阿鼻叫喚は続いた。 そこに残ったのは、たくさんの死体と一匹のゆっくりだ。 『どずぅぅはやぐばりざざまをだずげろぉぉ!ごのやぐだだずぅぅうう!』 生き残りのまりさは既に満身創痍、死ぬのも時間の問題だろう。 恐らくは、最後の力を振り絞って中央のドス像へと呪詛を吐いている。 ドスは像となってから、今までを一部始終全て傍観していた。 こいつらはなんだ? こんなのゆっくりじゃない! じゃあなに? まてよ……どっかで見たことがあるぞ…… そして一つの答えに辿り着いた。 そうか…… どすはじぶんでゆっくりをゆっくりできなくしてしまったのか…… そう解釈すると、空から水滴が落ちてきた。 ポツリ……ポツリ…… 『あべざん!?ふらだいでね!ゆっぐりやんでね゛!!』 パタ、パタ、パタ 『ふるだっでいっでるでじょ!?ばりざざばのいうごどが』 ザ、ザーザー 『ぼがど…がら…りざだげ…………』 バシャバシャバシャバシャ!! 『――――――――』 最後の生き残りの声が聞こえなくなった頃、残されたドス達は涙を流していた。 後書き どうもお久しぶりケラ子です。 以前スレを覗いたとき、シリーズものの風潮がよくないよう見えました。 だからと言うわけではないのですが、リハビリがてら新たに書き下ろしてみました。 何か作風の幅がありませんかね? ちなみに、この作品は、実在する島の話をモチーフにしました。 分かる人はいるのかなぁ…… byケラ子 ケラ子の作品リスト ゆっくりいじめ系509 紅い弾丸 ゆっくりいじめ系601 ある新人ゆっくりーだーの話(前編) 制 無 ゆっくりいじめ系647 ある新人ゆっくりーだーの話(後篇) 制 共 無 ゆっくりいじめ系711 ある植物型奇形妊娠の話 ゆっくりいじめ系748 ある動物型奇形妊娠の話 ゆっくりいじめ系807 あるロボットゆっくりーだー達の話(前編) ゆっくりいじめ系844 あるロボットゆっくりーだーの話(後編) このSSに感想を付ける
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弱目のゆっくりゃ虐待SSです。ゆっくりゃ虐待が嫌いな人は見ないで下さい。 じぶん設定(笑)がいっぱい出てきます。 れみ☆りあ☆う~! 昼に公園を歩いてるとれみりゃがついてきた。 「うーうー☆おにいさんこっぢむいて~」 見ると所どころ汚い。どうやら公園の傍の砂場で遊んでいたようだ。 その顔は朗らかな笑顔で目は糸のようだ。 人の子供ほどの背なのに顔はやたら下膨れでほっぺたがやや赤い。3頭身くらいだろうか。 背中には羽と思しきものがついている。そのくせババクサイ服だ。 頭には大阪ドームみたいな帽子が付いている。髪は灰色のくすんでぼさぼさだ。 それはまぎれもないゆっくりれみりゃ(体付き)だった。 「お嬢ちゃん、お名前は?」 「うー!れみりゃだぞぉー!」 この町ではめったにゆっくりと出会わないから珍しく思ったので家に連れて行くことにした。 「そっか、れみりゃ。」「うー?」 ゆっくりゃは名前を呼ばれると頭を傾げてこっちに糸のようだった目を見開く。 まるでルビーのような瞳に、俺は胸を高鳴らせた。 「お兄さんと一緒にあそぼっか?」 「う?・・・うー☆あそぶぞー☆」 ゆっくりゃはいとも簡単に誘いに乗ってくれた。 それから俺とゆっくりゃは公園の遊具で遊んだ。ブランコで膝の上に乗せてこいでやると、始めは涙目で 怖がってしがみついた。 「うー!ごわいよぉ~さくやぁん!」「大丈夫だよ」 それから慣れると「うー!」と嬉しそうにした。 次に滑り台。俺は下でゆっくりゃを待ち構える。 目をつぶりながら震えているゆっくりゃは怯えながら滑り台の階段を上って 「う~こわいよざくや~」 とプルプルしている。 「大丈夫だよ!お兄さんを信じてね!」 と笑顔で言ってやると 「う~?・・・うぅ~ん!!」と否定だか肯定だか字面だけでは捉えにくい同意をしたゆっくりゃは 口をへの字に曲げて眉間に皺を寄せて意を決した顔で滑り台からすべり降りた。 ザシュッ! 俺は降りてきたゆっくりゃを優しく抱えてやる。 「・・・?うあうあ♪おにいさんありがとぉ~だぞぉ~☆」 と目をあけたゆっくりゃはすっかり俺を信じてくれたようだ。 「お腹減ったね、れみりあ?」 「うー!おなかすいちゃったぞー!ぐぎゅるるだぞー☆うあうあ♪」 とヒゲダンスをしながらゆっくりゃは俺を見つめてくる。 その表情はすっかり結婚生活のマンネリを旅行で打開した後の車内での妻の表情だ。 といってもわかりにくいか。とにかく一人前の女の表情をこの肉まん妖精ゆっくりゃはしていた。 その後うあうあ言いながらよちよち付いてくるゆっくりゃと共に家に帰った。 途中でコイツは蝶々を追っかけたり花を摘んだり大忙しだったが俺はゆっくり待ちながら手を引いて促した。 家に帰るとゆっくりゃは嬉しそうに踊りだす。 「うっうーうぁうぁ☆うれしいぞ☆たのしーぞ☆おにいぁんのおうぢにやってきたぞぉ~~~♪」 ぷりぷりとお尻をふって踊る。 立ち止まっては羽をピョコピョコ♪ と動かしてはこっちを チラッ と見て「うー♪」としなだれる。 これを基調にした踊りのようだ。 所々「うっううー♪」「ぎゃおー♪」「うぁうぁ♪」「シャクヤぁん♪」 と合いの手を入れてくるっと回って「だいしゅきー☆」と色目を使ってくる。 正直いってウザイ。今すぐ色目をレイプ目にしたい衝動を抑える。 どうやらこのゆっくりゃは数少ない繁殖期にあるらしい。俺を交尾相手と見なしたってことか。 とにかく今はこの面白い踊りを見ながらPC起動。 よし、ゆっくりゃをちょっと虐めてやろう。 「れみりあ!こっちちょっときてごらん。」 「う~?なぁに?おにぃ」いつの間にか「おにぃ」と馴れ馴れしくなっているゆっくりゃに不快感を感じたが我慢。 目が本当にルビーみたいな綺麗な真紅色をしているがこれは肉まんだ。ステーキのテカリと同じ類なのだ。 俺は動画サイトである動画を選んだ。これをゆっくりゃに見せよう。 「面白いよ。」「う~?おもいおいお?」どうやら俺の横顔に見とれてるらしい。イライラ。 「これ見てごらん」そこには綺麗な風景画が動画に映っていた。 「う~♪きれーだぞぉ~♪うー・・・」 ゆっくりゃは見とれているようだ。俺はニヤニヤしながらゆっくりゃを観察する。 そう、これはゆっくりゃを驚かせるためのびっくり動画、風景画が突然血まみれの女の絵と絶叫する声が流れるものなのだ。 「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」 「うあああああああああ”あ”あ”!!」 ゆっくりゃはびっくりして目を大きく見開き後ろに尻餅をついて倒れた。その際に後ろのタンスに頭をぶつけた。 「う”あ”!!いだいどおおおおおおお!!!びぇえええええええええええええええええん!!!びぇえええええええええええええええん!!!! いだーーーいいいいーーーーーーどおおおおおおおお!」 うるさい。ゆっくりゃは目から肉汁の涙を流しながら顔を真っ赤にしている。 目は><こんな感じで後ろの羽がパタパタしている。意味ないのにw 「おにーざん!どーじでデヴィをおどーがずぅんだどぉ~!!うあああああんざぐやー!ざぐやー!きーーーー!!!」 うるせえな。これで殴ったらますますうるさいだけだ。 俺はゆっくりゃにチュッパチャップスをやる。 「う・・・?・・・チュパチュパ。ううー!あまーいどー♪ぷっでぃ~んだど~♪」 プリン味じゃなくてサイダー味なんだけどな笑 ゆっくりゃが重ちー語になっているのは感情が高ぶっている時だ。こうやって甘いもので大人しくさせて元のうーうー語に治そう。 「うー・・・チュパチュパ・・・あまいぞー☆うっうー☆がおっ!」 とげっぷらしき動作をした。ゆっくりゃはげっぷすらがおーなのか。 「ごめんね、ゆっくりゃ」ナデナデ「うー♪いいど☆」 一思いに肉の塊にしてやりたい所だがゆっくりゃが希少な地域だけに資源の無駄遣いはできない。 ちびちび脅かしてストレス発散に使うか。明日は町でゆっくりゃ用のケージでも買って中に入れてやる。 当分はこのゆっくりゃに色々いたずらしてやろう。食費は俺持ちだけどね。
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』17 「さていよいよ、本格的に苦しめる下準備に入りましょっか。 春奈流のゆっくり虐待は手間かかってるよ~。 すごく時間かかるけど、協力お願いね」 「例の「処置」を施した時点で、俺の目的はほとんど達せられたようなものだ。 あとは君に任せるよ」 「はいはい。じゃ、ゆっくり虐待のレクチャーを始めましょ。 圭一さんが前にやっていた方法はね、 スタンダードなんだけど、虐め方としては中の下ってところ」 「そうか」 「ゆっくりを苦しめる方法はいろいろあるけど、 一番効果的なのはやっぱり次の二つ。 「後悔」と「絶望」。 絶望を与える下準備はもうできてるから、後悔のさせかたをお見せします」 「後悔させることが重要なのか」 「それがあるとないとじゃ雲泥の差だねー。 圭一さんのやり方だと、ゆっくりはね、相手を憎むの。 苦しめられるほどにその相手を憎み、 そして、被害者としての自分を憐れむ。 憎悪と自己憐憫、この二つがね、ストレスを発散させちゃうんだな。 プライドの高い生き物だからね、この発散がバカにならないのよ」 「一切発散させずにやるっていうのか」 「そう。そのために必要なのが、後悔。 というわけで、ひとつあたしの手並みを見てってちょーだい」 「ゆっくりしていってね!!」 目覚めた直後、親れいむはすぐに挨拶をした。 「ゆっくりしていってね!!」「ゆっくりしていってね!!」 周囲のゆっくり達から、反応はすぐに帰ってくる。 傍にいるのは、自分を入れて総勢十三匹の家族。 まりさ種もありす種も揃っており、プラチナバッジを見るまでもなく頭の飾りですぐに判別できる。 今後、長浜圭一に飼われていた十三匹のゆっくりについては、 親れいむ、子れいむというように、「親」と「子」をつけて特に表記する。 そのほかにも、大勢のゆっくり達がいた。 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、どの個体も見知った顔だ。 人間ををペットにしたあの森で知り合った群れだ。 ドスまりさは見当たらなかった。 「ゆっくりしていってね!!」 そう言ってぽんぽん跳ねてきたのは、ゴールドバッジをつけたあのれいむだった。 「ゆゆっ、れいむのおはなし、とってもゆっくりしてたよ!! れいむのおねえさんははんせいしてないてたよ!!」 「ゆゆゆ!あたりまえのことをいっただけだよ!!ゆふぅ~♪」 つい顎を反らしていい気分になる。 すでに話は広まっているらしく、群れのゆっくり達もれいむに駆け寄って賞賛しはじめた。 「れいむったらとってもとかいはなのね!!ほ、ほめてあげてもいいのよ!?」 「わかるよー、ゆっくりはせかいいちゆっくりできるんだねー」 「もうをひらかれたわ!ゆっくりのかくめいよ、むきゅ!」 家族たちや金バッジが、自分が人間に向かってしてあげた説教の内容を群れに伝えたらしい。 「とってもゆっくりできるおはなし」として、群れの皆が感動していた。 親れいむはいまや革命家、ヒーローとなり、一目置かれ尊敬されている。 周囲で飛び跳ね、自分を称賛するゆっくりに囲まれ、 親れいむはいよいよ顎を反らし、ブリッジせんばかりにひん曲った。 「ゆっふぅぅぅ~~~~~ん♪ にんげんさんはばかだから、 あんなかんたんなこともおしえてあげなきゃいけなくてゆっくりできないよ! ゆふんっ♪ゆふんっ♪」 仲間同士でひとしきり盛り上がったあと、親れいむはふと我に返って聞いた。 「ゆっ、ここはどこ?」 そこは見渡す限りの荒野だった。 荒野というよりも岩場。地平線まで無限に続くその荒れた地面には、 ぺんぺん草一本生えておらず、水の気配もない。 しかし、ゆっくりは大勢いた。 自分たちの群れと離れたところに、 ちょうど自分たちと同じ規模の群れが固まっているのが見えた。 他のあらゆる方向にも、ほぼ同じぐらいの間隔を開けて、同規模の群れがいる。 なかば群れのリーダー的な気分になっていた親れいむは、 声をはりあげて、前方にいる群れに向かって挨拶をした。 「ゆっくりしていってね!!」 同時に、向こう側の群れも挨拶をしてきた。 挨拶に挨拶を返すのではなく、まったく同じタイミングで挨拶をしたのだ。 「ゆゆっ!!ゆっくりできるね!!ゆっくりしていってね!!」 そう言い、ゆっくり達が互いに近づいていく。 しばらくの間群れは跳ねながら相手の側に近付いていった。 見ると、自分たちの左右方向にいる群れも、 自分たちと同じように、前方に向かって進んでいるようだった。 突然、先頭のゆっくりが向こう側の先頭のゆっくりに激突した。 「ゆびゃっ!!なんでよけないのおぉぉ!?」 あちこちで激突が繰り返され、互いに罵り合うゆっくり達。 「ゆゆっ!!これはかがみさんだよ!!ゆっくりやめてね!!」 金バッジのれいむが叫んだ。 「ゆっ?なにそれ?ゆっくりおしえてね!」 「かがみさんはきれいなかべさんなんだよ! それで、れいむたちのすがたがみられるんだよ!! ここにうつっているのはれいむたちなんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 そんな事が、と疑いながらも、 鏡の前で動いているうちに、目の前にいるのが自分の鏡像だということを理解するゆっくり達。 「ゆゆっ!かがみさんはおもしろいよ!!」 「ゆっくりできるね!!」 始めて見る鏡にはしゃぎ、跳ねまわってゆっくり達。 たっぷり一時間は騒いでいたが、 そのうちに、一同は空腹を感じ始めた。 「ゆっくりごはんさんをさがすよ!!」 群れは再び鏡にそって移動しはじめた。 しかし、どこまで行っても岩場と硬い土だらけで、雑草さえも見当たらない。 長い探索を経て、 一見どこまでも広がる荒野に見えたこの土地は、 四方が鏡張りの壁に囲まれた、密閉された空間であることがわかった。 初めは沢山いると見えた群れもどうやらすべては鏡像で、 実際には群れひとつ、自分たちしかここにいないようだった。 当然、どちらを向いても餌になるようなものは一切見受けられない。 「ゆぅ~……ゆっくりできないよ……」 「おなかすいたよ!!かわいいれいむをゆっくりさせてね!!」 「まりさはかりがとくいなんでしょおぉぉ!?はやくごはんさんをあつめてねぇぇ!!」 口々に不平をこぼしはじめるゆっくり達。 空腹はつのるばかりだった。 何時間かが過ぎ、ゆっくり達の不平が頂点に達したころ、状況に変化が現れた。 鏡張りの壁のある一面が、突然ぱっと向こう側の風景を映し出した。 それまでこちらの姿を映しているだけだった壁が、いきなり隣の空間を映し出し、 ゆっくり達の視線は自然とそちらに集まった。 そこは天国だった。 こちら側よりもずっと広く、天井が高い。 そこは階段やしきりがあちこちに配備された多層的な空間になっており、 数多くのゆっくり達がそこかしこにひしめいている。 ふかふかしたクッションの載ったソファや天蓋つきのベッドの上でゆっくり達が心地よさげに眠っている。 ブランコや簡易メリーゴーラウンドやトランポリン、 マットの上で飛び跳ねることでゆっくりでも操作可能な単純なビデオゲームなど、 飼いゆっくりでさえ想像したこともないほど豪華で楽しそうな遊具で、ゆっくり達が遊びに興じている。 床にはとても食べ切れないほどの果物やお菓子が盛られた大皿があり、 小腹がすいたゆっくりが、気の向くままに近づいてはかじりついていった。 ソフトクリームやオレンジジュースのサーバーがあり、 使い慣れたゆっくりは器用にハンドルを操作してコップに注いでいる。 壁の透過に伴い、向こう側の音も伝わってきていた。 家族ですーりすーりしてリラックスしているゆっくり達。 遊具で飛び跳ね、歓声をあげる子ゆっくり達。 室内には、なんだか複雑でよくわからないが、非常にゆっくりできる音楽が流されていた。 そして、そこにいるゆっくり達は、どれもが極上の美ゆっくりだった。 手入れの行き届いたさらさらの髪ともっちりした肌、きらきらした瞳に色鮮やかな髪飾り。 かつて群れの中ではあこがれの的だったゴールドバッジのれいむでさえ、 このゆっくり達を前にすると、急にみすぼらしく思えてきた。 「ゆゆゆうううぅぅ~~~~~………!!!」 群れの全員が、きらきらと目を輝かせて涎をたらす。 これ以上ないゆっくりプレイスの現出。 自分たちもその恩恵に浴することができると全員が確信している。 「ゆっくりしていってね!!!」 群れの全員がガラス壁に駆け寄り、飛び跳ねて挨拶をした。 それは向こう側に伝わったらしく、向こう側のゆっくり達がこちらに視線を向けてくる。 群れのゆっくりはますます声を張り上げて要求した。 「れいむたちもいれてね!!れいむたちはそこでゆっくりするよ!!」 しかし、答えは返ってこなかった。 返答するどころか、不快そうに眉をひそめるもの、 せせら笑うもの、こちらを無視して何事かひそひそ話しているもの、 どれもこれもとても友好的とは言えない反応だった。 苛立ちながら親れいむ達は要求を重ねる。 「ゆゆっ!!きいてるの!?かわいいれいむたちがおなかをすかせてるんだよ!! きこえないの!?ばかなの!?しぬの!?ゆっくりいれてね!!」 叫びながらガラスに体当たりをしはじめたゆっくり達を見ながら、 向こう側のゆっくり達はひとしきり相談したあと、こちらに向かってきた。 「ゆゆゆっ!!れいむたちをいれるきになったんだね!! そこはれいむのゆっくりぷれいすにしてあげるからね!!ゆっくりしていってね!!」 向こう側のゆっくりは、荒野とゆっくりプレイスを隔てるガラス壁の隅まで行き、 そこの扉を開いた。 隅のそこだけは扉になっており、開くようになっていた。 「ゆゆうぅぅ!!」 矢も盾もたまらず、扉に殺到してゆく群れ。 しかし、小さな扉の前に立ちはだかり、そのゆっくり達は言い放った。 「ゆっくりできるね!!」 「ゆゆっ!?」 珍妙な声を受け、群れは戸惑った。 今のは何だろうか。 ひとまず、普段どおりに反応してみる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりできるね!!」 向こう側のゆっくりは、先ほどと同じ挨拶を繰り返した。 「ゆゆっ!?そのあいさつはへんだよ!!ゆっくりできないよ!!」 「そっちのほうがゆっくりできないよ!ゆっくりりかいしてね!!」 理解し難いことを言ってきた。 なんだこいつらは? 扉から出てきた向こう側のゆっくり達は、 おおよそ総勢十匹程度だった。 種族は、れいむ、まりさ、ありす種の基本三種に加え、希少種もちらほら見受けられる。 図抜けて美しいということを除けば、一見ごく普通の外見だったが、 よく見ると、全員がリボンに特殊な飾りをつけていた。 白く光る銀製のその飾りは、アルファベットのYの形をしている。 「よくわからないけど、さっさとれいむたちをいれてね!!」 「だめだよ!! ここにはいっていいのはにんげんさんと、ゆっくりできるゆっくりだけなんだよ!!」 Yの飾りのまりさがはっきり言い放った。 「ゆゆっ!?うそはゆっくりできないよ!! にんげんさんなんかいないよ!!」 「いまはいないけど、ときどききてくれてゆっくりさせてくれるんだよ!!」 「ゆっ!!どれいにしてるんだね!!」 そう言った瞬間、Y飾りのゆっくり達が大声で怒鳴った。 「どれいじゃないでしょおおおおおお!!!くちをつつしんでねえええぇぇ!!!」 「ごみくずがにんげんさんにそんなくちをきいていいとおもってるのおおおおぉぉ!!?」 「ごめんなさい!!ごめんなさい!!にんげんさんごめんなさいいい!!」 異常なほどの怒りをあらわにして食ってかかってくる。 この場にいもしない人間に向かって詫びはじめるやつまでいた。 「ゆゆゆっ!?にんげんさんなんかにあやま」 「ゆっくりだまってね!!!」 Y飾りのれいむが叫ぶ。 群れのゆっくり達は、その迫力に思わず身をすくませてしまった。 「れいむたちはゆっくりできないね!!ここにはむかえいれられないよ!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおぉぉぉ!!? れいむたちはとってもとってもゆっくりできるんだよおおぉぉぉ!!!」 「どこがゆっくりできるの?」 「みてわからないのおおぉぉぉ!?ばかなのおおぉぉ!?」 「それじゃあ、これからてすとをするよ!!」 Y飾りのまりさが鋭く叫んだ。 同時に、固まっていた十数匹のY飾りのゆっくり達が散らばって移動し、 品定めするように群れの先頭にいた親れいむを取り囲んだ。 「ゆゆっ?てすと?」 「れいむたちがほんとうにゆっくりできるゆっくりかどうかてすとをするよ。 れいむたちがみんなをゆっくりさせられたら、ゆっくりぷれいすにいれてあげるよ!」 「ゆゆっ!!かんたんだよぉ!!」 「それじゃあ、みんなをゆっくりさせてね!! ゆっくりはじめてね!!」 「ゆゆゆっ!!」 テストが始まり、親れいむは気合いを入れた。 「がんばってね!!がんばってね!!」 「ゆっくりぷれいす!!ゆっくりぷれいす!!」 群れの仲間たちが応援している。 全力でこいつらをゆっくりさせてやる。れいむは意思を固め、行動に移った。 「ゆっくりしていってね!!!」 全身にゆっくりパワーを漲らせた、渾身の挨拶だった。 顔に浮かべた笑みも、飛び跳ねる高さも、これまででの自己ベストを叩きだしたという自信があった。 親れいむは勝利を確信した。 しかし、帰ってきたのは冷たい沈黙だった。 Y飾りのゆっくり達は、誰もが冷やかな無表情で親れいむを眺めている。 「ゆゆゆっ!?」 取り囲むY飾り達を前にきょろきょろして狼狽する親れいむ。 どうしたのだ。 もしかしてよく見ていなかったのだろうか。そうだ、そうに違いない。せっかくの渾身の挨拶を。 腹が立ったが、それより空腹のほうがせっぱつまっていたので、 さっさと終わらせるべく親れいむは再度挑戦した。 「ゆっくりしていってね!!!」 それでも、帰ってきたのは失笑だけだった。 そればかりか、Y飾りのまりさが言い放ってきた。 「はやくゆっくりさせてね!てすとはもうはじまってるよ!!」 「ゆゆゆっ!?なんでゆっくりしないのおぉぉ!!?」 「ゆっ?もしかして、いまのがゆっくりさせてたの?!」 不思議そうに聞き返され、親れいむは屈辱に赤面した。 今まで、あの挨拶をされたゆっくりは皆が笑顔で挨拶を返してくれた。 れいむの可愛い挨拶を見れば、誰もがゆっくりするはずなのだ。 その確信が、今揺らぎはじめていた。 「れいむはゆっくりできないね!しっかくだよ!!」 「ゆゆゆぅぅぅ!!?まってね!!まってね!! かわいいれいむのゆっくりしたあいさつだよ!!こんどはほんきだよ!!」 三度目の、渾身の「ゆっくりしていってね!!!!」。 こんなにゆっくりできる挨拶は、本来、心を許した親友や家族にしか見せない。 しかし、返ってきたのは侮蔑と嘲笑だった。 「れいむ。ぜんっぜんかわいくないよ」 「じぶんのことをかわいいとおもってるんだねー、わかるよー」 「いたいたしいね……」 「みてるほうがつらいから、もうやらないでね。ごめんね」 親れいむは顔中を真赤にして涙を浮かべていた。 「ゆ………ゆ………」 恥辱と悔しさに歯軋りし、とめどなく涙があふれ出す。 生涯最高の屈辱だった。 「泣いてる、泣いてる。効くねえ」 「こんな顔は初めて見るな。子供を殺してみせた時でさえ、こんな表情は見られなかった」 「この前確認したとおり、ゆっくりにとっては可愛さが最高の価値観であり存在意義なの。 ゆっくりが可愛いからこそ他の生き物はゆっくりしている、だからゆっくりが一番偉いと信じてるぐらいだから、 可愛くない、ゆっくりできない、と言われるのがゆっくりには何よりの苦痛なんだね」 「同じゆっくりに言わせる、というのがやっぱり重要なんだな。 人間が言ってやったところで一蹴されるだろうし」 「しかも、言ってるのは極上の美ゆっくり達だもんね。 そんな相手に言われちゃ反論もできない。 自分の存在価値を全否定されるというのは、人間だったら自我が崩壊するくらいの苦しみだろうねー」 その他にも、自信家のゆっくり達が何匹か挑戦したが、 どのゆっくりの挨拶も侮蔑と冷笑で応えられ、屈辱に歯噛みすることになった。 ついにはY飾りのまりさが宣告した。 「あいさつはもういいよ!! それしかできないならゆっくりできないね!ゆっくりぷれいすにはいれられないよ!!」 「ゆゆううううぅぅぅぅ!!?」 群れに背を向け、ゆっくりプレイスに戻っていこうとするY飾り達。 親れいむが必死になって呼び止めた。 「ゆ、ゆっくりまってねぇ!! まだあるよ!!れいむはとってもゆっくりできるんだよ!!」 「あいさつならもういいよ!」 大義そうに振り返るY飾り達に、親れいむは跳び上がって言い放った。 「れいむはゆっくりできるおうたがうたえるよ!!」 「ゆゆっ!?」 Y飾りの目の色が変わる。 「おうたがうたえるゆっくりはとかいはよ!!むしできないわね!!」 「それをはやくいってね!!まりさたちもおうたがだいすきなんだよ!!」 「ゆゆっ、どんなおうたかたのしみね!!」 「おうたはゆっくりできるよ!!てすとをさいかいするよ!!」 いそいそと親れいむを取り囲み直すY飾り達。 余程歌が好きらしく、期待に目を輝かせている。 その反応を見て、得たりとばかりに親れいむは顎を反らした。 「ゆっふっふ!!れいむのびせいによいしれていってね!!」 早くも勝ち誇り、親れいむは歌いはじめた。 「ゆっゆっゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪ゆ~ゆ~ゆゆゆ~♪ゆゆゆ~ゆっくり~♪」 群れのゆっくり達が、親れいむの歌に合わせて体を揺らしてリズムをとっている。 いつもながらの自らの美声に陶然となり、親れいむはますます声をはりあげた。 「ゆっくり~のひ~♪すっきり~のひ~♪まったり~のひ~♪」 目を閉じながら自らの音韻に心身をゆだねて歌い続ける。 「ゆっゆゆ~ゆゆ♪ゆっゆっゆ~♪ゆっくり~ゆっくり~♪」 喉の調子は最高だ。 これならこのY飾り達もゆっくりせざるをえまい。 山場にさしかかり、親れいむは片目を薄く開けて観客の反応を確かめた。 これ以上ないほどローテンションの無表情がれいむを取り囲んでいた。 「ゆ、ゆゆゆっ?」 思わず歌を中断してしまった。 うっとり聞き惚れているはずのゆっくり達が、全くゆっくりしていない。 親れいむの心に、再び不安の影が差し始める。 親れいむが歌いやめたのを見て、先頭のY飾りまりさが面倒臭そうに言った。 「れいむ。それはなに?」 「ゆゆっ!?おうたでしょおぉ!?」 「…………ゆっくりわかったよ……」 Y飾りまりさは深いため息をひとつつくと、仲間たちとひそひそ話し始めた。 どのY飾りもゆっくりしていない、不快そうな顔で喋っている。 親れいむは、冷や汗が自らの全身をつたうのを感じた。 やがてYまりさが向きなおって言った。 「れいむ。れいむはおうたをしらないんだね?」 「ゆゆゆっ!?なにいってるのおぉ!?れいむはおうたがとくいなんだよおぉ!?」 「まりさ。もういいわ、ほっときましょう」 「いなかものにきたいしたありすがばかだったわ」 Y飾り達の会話に、れいむは再び赤面する。 Yまりさが言い渡した。 「おうたはこうやるんだよ。みんな、じゅんびしてね!」 たちまち、Y飾りのゆっくり達が散開して扇型に並び直した。 居並ぶY飾り達の前方にYまりさが向かい合って立つ。 おさげには妙な棒を握っていた。 Yまりさが棒をひと振りすると、Y飾り達がいっせいに歌い始めた。 群れのゆっくり達を衝撃が襲う。 それは音の乱舞だった。 Y飾り達が声をあげ、転がし、跳ね、躍らせる。 まりさの振るタクトに合わせ、あちらのゆっくりが歌えばこちらのゆっくりが休む。 何重にも重なる音階とリズムが繰り広げるメロディーの洪水。 それらの音韻はゆっくり達をおののかせた。 歌い終え、Yまりさが振り返って言った。 「これがおうただよ。「じーせんじょうのありあ」っていうんだよ」 よくわからない。 ゆっくりできた、というわけでもないが、 その歌を前にした親れいむは、 自分のがなり立てていた雑音がたまらなく恥ずかしくなっていた。 自分が歌だと思っていたのは何だったのだろう。 「もういちどきくよ。れいむはなにがうたえるの?」 「ゆ……ゆ……れいむ…れいむは………」 親れいむはまた涙目で赤面し、へどもどと口を濁すしかなかった。 見切りをつけ、Y飾り達が再び戻ろうとする。 しかしまた、それを呼び止める者がいた。 親まりさだった。 「ゆっへっへ!まりささまがほんきをだすときがきたようなんだぜぇ!!」 「……まりさはゆっくりできるの?」 「ぐもんなんだぜ!!まりさいじょうにゆっくりできるゆっくりはいないんだぜ!!」 「どうゆっくりできるのかいってね!」 「まりささまはとってもつよいんだぜ!!つよいまりささまがおまえたちをまもってやるのぜ!! まりささまがまもってやってるからこのむれはゆっくりできるんだぜえ!!」 群れのほうから不平の声がいくつかあがったが、親まりさはまるで聞いていない。 Y飾りのまりさが答えた。 「ゆっ、じゃあまりさのつよさをてすとするよ! まりさたちのだれかとたたかってかったら、ゆっくりできるとみとめてあげるよ!!」 「ゆっへっへっへ!!さっさとするんだぜええ!!」 Y飾り達が顔を突き合わせて相談していると、一際高い声が上がった。 「むきゅ!!ぱちゅりーがいきゅわ!!」 「はああぁぁぁ~~?」 親まりさが唇をゆがめていると、そのぱちゅりーが前に進み出てきた。 Y飾りをつけたそのぱちゅりーは、年端もいかない子ゆっくりだった。 ゆっくりの中でも特別脆弱なぱちゅりー種の、それも子供。 意外な挑戦者の登場に、群れが騒ぎ出す。 「ゆゆっ!!あぶないよ!!やめてね!!」 「ゆっくりごろしはみたくないよー、わかってねー」 Y飾りの側も騒いでいた。 「ぱちゅりー!ゆっくりかんがえなおしてね!!あぶないよ!!」 「ぱちゅりーはまだこどもでしょおぉ!?おかあさんにまかせておきなさい、むきゅ!!」 「しんぴゃいいらにゃいわよ!!ぱちゅりーはもうおとにゃなのよ!!」 「ゆっへっへっへっへ!!とりけしはきかないんだぜええ!! いちどやるといったからにはさいごまでやるのがゆっくりできるのぜええ!!」 親まりさは得たりとばかりにY子ぱちゅりーににじり寄った。 なんだか知らないが、勝てばテストに合格できるのだ。 「ちゃんすをみのがすほどまりさはばかじゃないんだぜえ!!ゆっへっへっへえ!!」 「ゆ、しかたないよ………」 Yまりさがあきらめたようにうなだれた。 「それじゃあ、ゆっくりはじめ………」 「ゆっくりしね!!!」 開始が宣せられる前に、親まりさはつっかけていた。 大きく跳び、Yまりさのほうを向いていたY子ぱちゅりーにのしかかる。 Y子ぱちゅりーは親まりさの下敷きになって見えなくなってしまった。 「やったのぜ!!かったのぜ!!しとめたのぜぇ!! げらげらげらげら!!やるっていったのはそっちなんだぜぇぇ!!!」 「………ゆっくりはじめてね」 Yまりさが、改めてテストの開始を宣告した。 「ゆっ?もうおわっt」 「むっきゅ!!」 親まりさは、ひねりを加えて高々と投げ飛ばされた。 きりもみながら頭から地面に激突し、 状況が理解できないまま激痛に身もだえる。 「ゆがあああぁぁ!!いたいのぜえええぇぇ!!」 「むっきゅうぅん!!」 横っ面に体当たりを受け、親まりさは再び大きくバウンドして転がった。 欠けた歯を吐き出し、泣き叫ぶ一方で、親まりさの視界は向かってくる相手を捉えていた。 まごうかたなき、それはY子ぱちゅりー。 「なんなのぜええええぇぇ!!?」 「むっきゅりしにぇ!!」 猛烈な頭突きを顔面の中心に受け、親まりさはさらに吹っ飛んだ。 Y子ぱちゅりーは縦横無尽に飛び回り、その後も親まりさを蹂躙しつづけた。 親まりさはほぼ無抵抗で、泣き叫びながら逃げ惑うばかりだった。 群れは呆然とそれを眺め、Y飾りのほうは焦って騒いでいる。 「やっぱりぃ!!こどもだからてかげんができてないよ!!」 「むきゅ!!ぱちゅりー、もうやめなさい!!しんじゃうでしょおぉ!?」 「こにょまりちゃはひきょうなてをつかっちゃわ!! にゃにをされちぇももんきゅはいえにゃいわよ!!むきゅ!!」 「いいかげんにしてね!!にんげんさんにおこられるよ!!」 「むきゅっ!!」 Yまりさに叱りつけられ、Y子ぱちゅりーはしおらしくなって仲間の元に帰った。 「むきゅう、ごめんなしゃい……」 「わかればいいんだよ!よくやったね!!」 群れは言葉もなく立ち尽くしているばかりだった。 親まりさのほうは、また何本も歯を折られ、傷だらけでゆっゆっ呻いていた。 「とかいはなありすがゆっくりさせてあげるわ!!」 次に進み出たのは親ありすだった。 「……ありすはどうやってゆっくりさせるつもり?」 「ゆふんっ!!」 親ありすは顎を反らした。 その顎の中心ではぺにぺにが屹立している。 「ありすのとかいはなてくにっくですっきりさせてあげるわ!! ありすのあいをうけたゆっくりはとってもゆっくりできるのよ!!」 「…………」 Y飾り達が軽蔑の視線で親ありすを眺めているが、親ありすは頓着する様子はない。 「ゆふふ、みんなつんでれさんねええ!! はずかしがらなくていいのよ?!えんりょなくとびこんでいらっしゃああい!!」 「……ちょっとだまっててね」 Y飾り達が再び相談し、結果、また一匹が選び出されて進み出た。 「まりしゃをしゅっきりさせちぇね!!」 進み出てきたY飾りのまりさは、またも子ゆっくりだった。 早くもぺにぺにから先走り汁を垂らし、親ありすは猛り狂った。 「ゆっほほほほおおおおおおお!!」 「それじゃあてすとをはじ」 「こどもまむまむこどもまむまむこどもまむまむうううううぅぅぅぅ!!!!」 はやくも理性を飛ばし、先ほどの親まりさと同じく開始宣告前につっかける親ありす。 激突するようにY子まりさに密着し、素早くへこへこと顎を振り始める。 Y飾り達はこれ以上ないほどの蔑みの視線で眺めていた。 群れの仲間たちの中にも目をそらす者は多かった。 「んほっほっほっほほほほおおおおお!!! まりさかわいいよまりさああああああ!!! まりさのおはだすべすべでとってもとかいはよおぉぉぉ!!!」 涎と体液をまき散らしながらピストン運動を速める。 手入れの行き届いたY子まりさの肌は親ありすの快感を著しく高め、 早くも絶頂が訪れようとしていた。 「いぐ!いぐいぐいぐいぐいぐぅぅぅ!! あでぃずのどがいばなあいをうげどっでねえええぇぇぇ!!! す!!すすすすすすっきりいいいぃぃーーーーーーーーーーー!!!」 絶叫しながらびくんびくんと痙攣する親ありす。 絶頂を迎えてようやく余裕ができた親ありすは、Y子まりさを見下ろしながら声をかけた。 「ゆふう、ゆふう……まだまだあいしあいましょうねえ……?」 「………………」 親ありすはぎょっとした。 Y子まりさは妊娠もせず、冷めた目でありすを見上げているだけだった。 「ゆゆゆっ!?まりさったらつんでれさんねえええ!! すなおにかんじてもいいのよおおおおぉ!!」 「……にゃにしてるにょ?」 「ゆっ!?」 親ありすの目元に狼狽が浮かぶ。 「と、とかいはなあいにきまってるじゃない!!いわせるなんてやぼないなかものね!!」 「まりしゃ、しゅっきりちてにゃいよ。 しゅっきりならはやきゅちてにぇ」 「も、も、も、もちろんよおおぉぉぉ!! こんどはほんきであいしてあげるわあああぁ!!!」 言うが早いか、屹立したぺにぺにをY子まりさのまむまむにつき立てて顎をふり始める。 再び涎をまき散らし、親ありすは極楽浄土の快楽に身をゆだねた。 Y子まりさの胎内に精子カスタードを放出し、親ありすは愛の成就を確信した。 「ゆふう………ありすのあかちゃん、だいじにそだててね!!」 「あかちゃんってにゃに?」 Y子まりさはやはり冷めた目で眺めていた。 「ゆゆゆっ!?」 ゆっくりの交尾は、互いがすっきりすることでにんっしんっする。 仮に意にそまない強姦であっても、性欲が高く感じやすいゆっくり種はたやすくオーガズムに達し、 ほぼ100%の確率でにんっしんっに至る。 しかし、Y子まりさはにんっしんっしていなかった。 すっきりしていないのだ。 それどころか、親ありすの粘液にまみれながら、自身は粘液の一滴もしたたらせていない。 「よだれをまきちらしてるよ。みっともないね……」 「あんなけだものがとかいはをなのってるの?いなかはそうぞうをぜっするわね」 「ひとりよがりなおなにーなんだねー、わかるよー」 「せんずりー!!」 Y飾り達が蔑んでいる。 親ありすはうろたえたが、すぐに気を取り直した。 「ゆふふ!!まりさはちょっとつんぞくせいがつよすぎるわね!! ありすのてくにっくではやくでれなさああああい!!」 まむまむに舌を這わせ、体をからみつかせ、 かつて人間に教わったあらゆるテクニックを駆使して親ありすはY子まりさを責める。 しかし、どれだけやってもY子まりさには快感のきざしさえ見受けられなかった。 親ありすばかりがすっきりし、無為に精子カスタードを吐き散らすばかりだった。 「ゆふう……ゆふう……なんでえええ……… ぜつりんすぎるわああああ………」 「もういいよ!!きもちわりゅいだけだっちゃよ!!」 Y子まりさは苛立って叫んだ。 「ありしゅはじぇんじぇんへたくちょだにぇ!! しゅっきりはこうやりゅんだよ!!」 Y子まりさは舌を伸ばし、親ありすの体に這わせた。 「ゆふんっ」とよがり出す親ありすの体を慎重に丹念に調べていき、 親ありすの反応が強くなる部分を確かめると、 その性感帯を、バイブレーターのように舌を動かして攻めはじめた。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆほほほほほほほほほおおおおおお!!!」 たちどころに親ありすはすっきりさせられた。 それでも休むことなく、Y子まりさの舌は別の性感帯を探り当て、再び振動を始める。 「ゆっほほほほほおおおお!!!ずっぎりいいいいいぼうやめでええええええ!!!」 子ゆっくりに、しかも舌だけですっきりさせられるという屈辱に顔を歪めながら、 衆目の注視のもと、親ありすはのたうちまわりながら何十回もすっきりさせられた。 自らの精子カスタードの海の中でぐったりしている親ありすに向かって、 Y子まりさは言い放った。 「こりぇはいちびゃんきほんてきにゃてくにっきゅだよ! こんにゃのでこんにゃにしゅっきりしゅるゆっきゅりははぢめちぇだよ!!」 Y飾り達がせせら笑った。 恥辱に歯噛みする親ありす。 「ありしゅのきゃお、しゅっごくばきゃみたいだっちゃよ。 ちょきゃいはにゃあいをうけちょっちぇにぇええええ~~!!」 親ありすの顔真似をして、 子まりさは歯をむき出し舌をへろへろさせてみせる。 Y飾り達ばかりか、群れのゆっくりまでが笑いだした。 「ありしゅはちょっちぇもちょかいはだにぇ!! こんにゃにわらわしぇちぇくれちゃもんにぇ!! でみょ、でおちだきゃらもうにどとやらにゃくちぇいいきゃらにぇ!!」 笑いながら、子まりさは群れの元に帰っていった。 親ありすは地面に突っ伏して泣きじゃくっていた。 「ぱちゅりーはもりのけんじゃなのよ!」 最後に叫んだのは、群れの参謀役を務めていたぱちゅりーだった。 「……ぱちゅりーはなにができるの?」 「ぱちゅりーのちしきはぼうだいなのよ。 このほうふなちしきで、ぱちゅりーはむれをゆっくりさせてきたわ。 あなたたちもゆっくりさせてあげられるわよ!」 「はいはいゆっくりゆっくり……」 いい加減うんざりしているらしいY飾り達だったが、 それでもまた相談を始めた。 群れの中から選ばれて進み出たのは、またも子ゆっくり。 「じゃおおおおおん!!」 めーりん種だった。 「むきゅぅぅ!?」 「このこよりちしきがあったら、ゆっくりできるとみとめてあげるよ!!」 「むきゅう!ばかにしないでよ!」 ぱちゅりーは怒った。 子ゆっくりの、それもめーりん。 めーりん種は希少種の一角だが、 「じゃおーん」という鳴き声しか発せられないために、 ゆっくりの中では蔑まれ、苛められている。 そんなめーりんと知恵比べをさせられるという状況が、 ぱちゅりーのプライドを傷つけていた。 「こんなばかがぱちゅりーのあいてになるわけないでしょ!? しょうぶするならほかのにしなさいよ!」 「はいはい、はじめるよ。 まりさがしつもんをするからゆっくりこたえてね!!」 そう言い、Yまりさが二匹の前に立った。 「それじゃだいいちもんだよ!! 「みろのびーなす」のみろは、なにからつけられたなまえ?」 「むきゅ?」 ぱちゅりーは首をかしげた。みろのびー、何? 何を言ってるのかよくわからない。 隣では、Y子めーりんが鉛筆を咥えてスケッチブックに何か書きつけていた。 書きつけたスケッチブックを差し上げ、Y子めーりんが高らかに叫ぶ。 「じゃおおおん!!」 スケッチブックには、「発見された島の名前」と書いてあった。 「ゆっ!めーりん、せいかいだよ!!」 「じゃおおおぉん!!」 「ま、ま、まちなさいよ!」 ぱちゅりーは叫んだ。 「も、もんだいのいみがわからないわ!ひきょうよ!」 「なにがひきょうなの?」 「いみがわからないって……まさか、みろのびーなすをしらないの?!」 心底驚いたという風で聞き返してくるY飾り達。 ぱちゅりーは言葉につまり、必死に取り繕った。 「ちょ、ちょっとめんくらっただけよ! こどもあいてだからようすをみたのよ!」 「そうだよね!!つぎはほんきをみせてね!! だいにもんだよ!! せかいいちめんせきのひろいさばくは?」 さばく? その意味をなんとか推測しようとしているうちに、 Y子めーりんがまたもスケッチブックを差し上げて叫んだ。 「じゃおおおん!!」 「さはらさばく!めーりん、せいかいだよ!!」 「むっきゅうううぅぅ!!?」 その後、何回にもわたってぱちゅりーの自信は粉々にされていった。 「せかいしぜんいさんにはじめてにんていされたのはどこ?」 「がらぱごすしょとう!めーりん、せいかいだよ!!」 「えんしゅうりつの、しょうすうてんだいじゅういのすうじは?」 「ご!めーりん、せいかいだよ!!」 「せかいでいいちばんながいきょくはなに?そのえんそうじかんは?」 「えりっく・さてぃの「う゛ぇくさしおん」、じゅうはちじかん!めーりん、せいかいだよ!!」 「ぱちゅりー、さっきからぜんぜんこたえてないよ!!どうしたの!?」 「む、む、むきゅうぅ……!」 「もしかしてひとつもわからないの!?」 ぱちゅりーは涙目になり、ぎりぎりと歯を食いしばるしかなかった。 「………ゆっくりわかったよ。もういいよ。 めーりん、もどってきてね。よくやったね!」 「じゃおーん」 テンションの低い鳴き声を上げ、 いかにも無駄な時間を過ごしたというようにY子めーりんは仲間の元に跳ねていった。 「ほかにゆっくりできることはないの?」 Yまりさが群れを見渡したが、もはや答えるものはいなかった。 何をしようとせせら笑われるだけだとわかった今、 挑戦しようという気概はすでに消え去っていた。 「ゆ、ぜんぜんだめだったね。 かわいくないし、おうたもしらないし、よわいし、すっきりもへただし、あたまもわるいよ。 そんなんでだれをゆっくりさせるつもりなの? そんなゆっくりできないいきものはなかにいれられないよ!!」 群れのいずれもが、プライドを完全に破壊されて泣きじゃくっていた。 その後、群れは泣き喚いて懇願したが、 Y飾り達に体当たりを受けて転がされ、拒絶された。 扉は閉まり、ほどなくしてガラスの壁は元の鏡に戻ってしまった その晩、群れは岩場の真ん中ですすり泣きながら眠った。 「よしよし、うまくいってるね」 「おいおい、なんなんだ、このゆっくり共は……」 「ハーバード大学のほうで実験してたゆっくりでね、 ま、ちょろちょろっと改造してみただけ。 ゆっくりの潜在能力っていうのはすごくてね、 ちょっとリミットをいじってやるだけでいくらでもすごい事ができるようになるよ」 「言葉もないな」 「このゆっくり達を使って、自尊心と価値観を徹底的に壊し、洗浄する。 まずこれをやっておかないと、何を教えようとしても無駄だからね。 第一段階は順調ってとこかな」 続く
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※肉体イージー虐待、精神ハード虐待 ※虐待される一方で虐待されず幸せになるゆっくりがいます。 ※前半持ち上げ、後半叩き落します 【マタニティゆっくり】 「む~しゃむしゃ、しあわせ~♪」 一匹のゆっくりまりさが与えられた食べ物を食べてる最中にそう言った。 「こらっ、ものをおくちにいれながら喋っちゃ駄目でしょ。」 「ゆ~、ごめんなさい・・・」 傍にいる女性に行為を咎められ、まりさはそう謝った。 「しあわせ~、は ごはんがすんでからよ。わかった?」 「ゆっ!ゆっくりりかいしたよ~。」 しばらくして食事が終了した。 「む~しゃむしゃ、ごくん。しあわせ~。」 「ごちそうさま。」 女性はそういうと、床のゆっくりの食器と机の自分の食器を持って台所へと行く。 そして台所で食器を洗い片付ける。 一方、まりさはと言うと食後の余韻に浸ってだらしなく、ぐて~っその場に身を沈める。 ・・・ではなかった。 「おねえさん、まりさもてつだうよ。なんでもいって。」 ゆっくりらしからなぬ殊勝な申し出をする。 「ありがと、まりさ。でも大丈夫よ。今はまりさにしてもらうことないから 奥でゆっくりしてなさい。」 「でも・・・・・・・・・おねえさんはいま・・・・・・。わかったよ、おねえさんがそういうならゆっくりさせてもらうね。」 「ごゆっくり♪」 せっかくの申し出を断られ、なおも何か言いたそうだったまりさは 女性の厚意に甘え、それこそ本当にゆっくりらしくその場にぐて~っと身を沈めくつろぎはじめた。 食器を洗う水の音。窓から入ってくる木漏れ日と優しい風。 全身に広がる満腹感。まりさはゆっくりと幸せをかみ締めていた。 この女性と暮らすようになってからもう何ヶ月過ぎただろうか。 まりさは彼女が大好きだった。 食べ物をくれて甘えさせてくれるからじゃない。 この女性から与えられたことはたくさんあった。それこそ言葉では言い尽くせないほどに。 ─数ヶ月前─ 「この腐れ饅頭め、今日という今日は勘弁ならねぇぞ。」 「ゆううううう、はなしてね。ゆっくりしないではなしてねええええええええ。」 「いやあああああ、おねがいゆるしてえええええ。やあああああああああああああああああ」 「わからないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 「むきゅうううううう、だからはだげおぞうのなんでやめようっでいっだのにいいいいい。」 「ごべんなざいいいい、なんでもじまずからごろざないでえええええええええ」 数人の男達に抱えられ、畑荒らしの現行犯で捕まった十数匹のゆっくりたちは様々な悲鳴を上げていた。 そのなかには、今では女性と幸せに暮らしている、このゆっくりまりさもいた。 次々と透明な箱に入れられ、運ばれて着いた先は加工所だった。 「がごうじょいやあああああああああ、ゆっぐりでぎないいいいいいいいいいいいいいいい。」 畑荒らし仲間の内の一匹であるゆっくりありすが加工所を見るなりそう言って餡子を少し吐き出した。 かこうじょ。 その言葉を聞いてまりさは恐怖に怯えた。 今まで加工所に言ったゆっくりの話は仲間内から聞いてたがどれもゆっくりできる内容のものではなかった。 やれ拷問されて殺される、やれ発情ありすと無理やりすっきりされて殺される、髪飾りや帽子を取られ一生奴隷としてこき使われる。 虚言、憶測を含め“かこうじょ”はゆっくりの恐怖の代名詞となっていた。 そして今それを目の前にし、現実味を帯びてまりさの精神を蝕む死の恐怖に心の底から震え上がった。 いやだ。しにたくない。たすけて。だれかまりさをたすけて。まりさをたすけてゆっくりさせて。 だが、願えば願うほどに、今まで加工所から返ってきたゆっくりなどいないという現実が こんなときに限って回転の速い餡子脳の自分の頭の中に何度も突きつけられ、その奇跡の起こる可能性を消していった。 もう駄目だ。 恐怖の海でまりさは諦め、これから確実に訪れるあろう死に怯えた。 だが、死はやってこなかった。 一人の女性が自分を引き取ってくれたのだった。 崖っぷちのぎりぎりのところでまりさは拾われたのであった。 それが今まりさと一緒に住んでいる女性である。 それからは色々とあった。だがその内容を思い出せば思い出すほど、まりさは当時の自分を恥じ、そして怒りさえ覚えた。 命が助かったとわかった途端に開き直り、以前のような横暴な言動を繰り返した。 女性の叱責をうるさいとしか思えず、助けてくれたはずの女性に自分の要求のみを追及した。 今、自分がその時の女性の立場だったらそんなまりさを確実にボコボコしてただろう。 それくらい当時自分は最悪だったと思っていた。 だが、女性はそんな自分に決して諦めることも、見捨てることもなく 社会のルール、人間の世界での立ち振る舞いかたというものを教えてくれた。 時には厳しさもあった。体罰を受けることもあった。 でもその中には自分への優しさが必ず含まれていたのは今の自分はしみじみと思い出す。 そんな女性の献身のかいあってか、畑荒らしして加工所送りにされかけたことすらある、 このまりさは、今では飼いゆっくり並にゆっくり出来てる立派なゆっくりだ。 畑荒らしをしてたころの自分が恥ずかしく思い、そしてそんな教養を育んでくれた女性にまりさは感謝していた。 「まりさ~、やっぱりてつだってほしんだけど~、フィッツジェラルドとマイケルにごはんやってきてくれる~?」 「ゆっ!ゆっくりわかったよ。ゆっくりやるね。」 そう言ってまりさは即座に行動を開始する。 「いぬさん、ねこさん、ごはんだよ。ゆっくりたべてね。」 まりさが餌をやっているのは女性の家で飼われてて一緒に住んでいる犬と猫である。 「わんっ!」 「みゃ~!」 まりさは口の中で器用に開けた缶詰から取り出された中身を、餌別にフィッツジェラルドとマイケルの皿に出してやる。 二匹は出された餌に即座にかぶりつく。 「ゆっ、ぎょうぎわるいよ~。」 まりさがそう言っても聞く耳もたない。 人間と違い、言葉が通じないことを少しもどかしくなった。 はじめは「ゆっくりしていってね!」と言っても 「わん!」としか返されなかったことに発狂しかけたり(しないけど)、爪とぎ代わりにされたりもした。 しかし、今では言葉は通じなくとも同じ家で暮らす大切な家族。まりさはそう思っていた。 そしてもう一人増えるであろう家族の誕生を心待ちにしていた。 それは赤ちゃんである。 まりさの赤ちゃんではない。 それはまりさと一緒に暮らしてる女性の赤ちゃんである。彼女は今、妊娠中である。 まりさが最初にそのことに気づいたのは女性と一緒に暮らすようになって、4ヶ月してからのことだった。 横暴で傲慢だった性格も段々と矯正され、周りを見る余裕の出来た頃、女性のお腹が膨れていることに気づき、 そのことを聞いてみたところ、女性は自分が妊娠していることを教えてくれた。 自分のことにように嬉しかった。 自分を救い、色々と教えてくれた、一番大切な人に赤ちゃんが出来たこと。 まりさも赤ちゃんは大好きだ。なぜなら赤ちゃんはとてもゆっくり出来るから。 まりさもいつか赤ちゃんを作ってゆっくりしたい。そんな赤ちゃんが自分の大好きなお姉さんに出来た。 その日は一日中「ゆっゆ~♪あかちゃん~あかちゃん~、おねえさんのあかちゃん~、ゆっゆ~♪」と喜んで踊ってた。 ある日、まりさは女性と外出した。 しばらくすると、目の前からゆっくりが二匹現れた。どれもまりさが見覚えのあるゆっくりであった。 そして二匹ともまりさと同じように女性と、誰からも妊娠中とわかる女性と一緒にいた。 「ゆっ!ゆっくりしていってね。」 まりさの挨拶に 「「ゆっくりしていってね!」」 二匹のゆっくりが同時に挨拶を返す。 挨拶を返したゆっくりはそれぞれゆっくりありすとゆっくりぱちゅりー。 三匹は顔見知りだった。 なぜならその二匹のゆっくりは、まりさの野良時代からの親友であり かつてまりさと一緒に人間の畑を襲い、捕まり、加工場に送られたゆっくりだったのだから。 そしてまりさと同じように、人間に拾われ命を救われたゆっくりでもあった。 「ゆっ!ありす、ぱちゅりー、ひさしぶりだね~。ゆっくりしてた?」 「もちろんよ、まりさ。とかいはなありすはつねにゆっくりしてるものよ。」 「むきゅ~。ぱちゅりーもゆっくりしてたよ~。」 久しぶりの旧友との再会に話を弾ませる。 それは人間の方も同じで、偶然出合った女性三人も友人同士の話に夢中になっていた。 「むきゅ~、ところでまりさとありすのところのあかちゃんはまだうまれないの~?」 話の途中ぱちゅりーはそんなことを聞いてきた。 「ゆっ!ありす、にんっしんしたの?」 突然の問いかけにびっくりしたまりさは、ありすにそう問いただした。 「むきゅっ、ちがうわ、おねえさんのことよっ。」 「ゆ~、そっちのあかちゃんのことなのね。うん、まだうまれないよ。でもはやくうまれるといいね。ありすもそうおもうでしょ。」 「とうぜんね。おねえさんにあかちゃんうまれたら、ありすがとかいはのたしなみをおしえてあげるわ。」 「むきゅ~、たのしみね~」 三匹は再び他愛の無い会話をゆっくり楽しんだ後、女性達に促されてその場を後にした。 その夜、まりさはお姉さんと一緒にお風呂に入って髪を洗ってもらった。 「ゆっ、ゆ~♪ おねえさん、まりさのかみゆっくりきれいきれいにしてね。」 「はいはい。」 お湯ではすぐにふやけてしまうために、水でのシャンプーだったがまりさはさっぱりして満足だった。 やがてお風呂から上がると女性は言った。 「今日も帰り遅いみたいだから先に寝よっか。」 「そうだね。ゆっくりねむるね。」 遅い、というのは女性の妊娠の相手の男性のことである。 いつも夜遅く帰って昼ごろには出かけるために、まりさとは休日と朝以外に接する機会が無かったが その男性も女性同様優しかったために、まりさは彼のことが女性ほどではないにしろ好きだった。 やがて夜も更け、寝息と虫の声しか聞こえなくなったとき、まりさは妙なうめき声で目が覚めた。 何かと思い、声のする方を見て、まりさは声を失った。 隣で寝ていた筈の女性が額からは脂汗を流し、顔を普段の優しい面影など微塵も感じないほどに苦痛で歪ませていた。 まりさは何が起こったのか理解出来なかったが、直感で大好きな女性が危険な状態にあるのだと気づき、 全力で意識を冷静さを取り戻すことに集中させ、20秒ほどして自分を取り戻した。 まりさは女性に必死に何度も呼びかけたが、まともな返事は返ってこない。 女性の口からぼそぼそと何かが聞こえるだけである。 彼女が何を言おうとしてるのか、まりさは呼びかけをやめて、聴覚に意識を傾けた。 「・・・か・・・ちゃん・・・・・・う・・・ま・・・れ・・・る・・・あ・・・か・・・ちゃ・・・ん・・・・・・」 わずかに、かすかに聞こえるだけの女性の声。 一体何を言おうとしてるのか。考えた。一生懸命考えた。 持てる知識と知能を全動員してまりさは一つの結論に達した。 赤ちゃんが生まれる まりさは動転した。女性が赤ちゃんが生まれると知ったところでどうすればいいのかわからない。 だけど女性は今でも苦しんでいる。このままでは赤ちゃんを生む前に死んでしまうのではないだろうか。 いやだ。大好きなお姉さんが死んじゃうなんて耐えられない。助けたい。何としてでも。何かしなければ。 そうだ、自分の力で助けられないのなら誰かに助けてもらえばいいんだ。 女性を救いたいまりさは部屋を飛び出し、助けを求めた。目の前にいたのは廊下で寝ていた猫のマイケルである。まりさは必死で呼びかけた。 「ねこさん、たいへんだよ、おねえさんにあかちゃんがうまれるよ。ゆっくりしてないではやくたすけてね。」 「みゃ~。」 だがマイケルはまりさの必死の呼びかけにも普段どおりだった。それどころか寝ていたところを起こされ不機嫌そうでもあった。 「どうじでなにもじないのおおおおお、おねえざんがだいへんなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 叫んだ後で、まりさは猫には言葉が通じないことを思い出した。 「ねこさんじゃ、だめだね。おねえさんはたすけられないよ。ねこさんはなにもしなくていいよ。 おねえさんはほかのひとにたすけてもらうから。」 そう言って再び駆け出して、玄関の隅にある猫用のドアから外へ出た。そこで見つけたのは犬小屋にいる犬のフィッツジェラルドだった。 マイケルの時と同じように必死で呼びかけ、マイケルの時と同じように失敗に気付いた。 まりさはどうしようもなかった。自分には元からどうしようも出来ない。 自分以外の家族の猫や犬は言葉さえ通じず、お姉さんの危機を理解することすら出来ない。 このままではお姉さんが死んでしまうかもしれない。絶望に心が沈む。 でも、諦めるわけにはいかなった。猫にも犬にも言葉が通じない以上、今お姉さんの危機を知ってるのも、 誰かに助けを呼ぶことが出来るのは自分だけである。 まりさは門から飛び出し誰か助けてくれる人を必死で探し、必死で考えてた。 そして隣の家の玄関まで来て、大声で叫んだ。 「おねがいじまずうううう、おねえざんをだずげでぐだざいいいいいいいいいいい。」 弧を描がいた三日月が照らす真夜中に、何度も叫んだ。 留守かと思い、去ろうと思ったときに扉がガチャッと開いた。 「うるせぇぞ。今何時だと思ってるんだ!踏み潰されたいのか糞饅頭。」 扉から現れた人間の声と顔は怒りで満ちていた。 怒っている人間など、ここ最近見てなかったまりさは、恐怖に竦み、 野良時代に畑を襲ったときに、逃げ遅れた仲間が人間に踏み潰されていったのを思い出した。 自分の脳裏に仲間達と同じように潰されて死ぬ自分を思い浮かべる。 だが引くわけにはいかなかった。ここで引いたら何しにきたのかわからない。 大切な人を見殺しにしてしまったら、自分が何のために存在しているのかわからなくなってしまう。 まりさは身を潰すような恐怖の中、精一杯の限り叫んだ。 「づぶじでもいいでづううう、だがらおでえざんをだずげでぐだざいいいいいいいいいい。 あがぢゃんがうばれづんでずううううううううううううううう!!!!!」 「・・・・・・・・だったら望みどおり潰し───」 まりさは死を覚悟した。 「・・・・・・・・・なんて言った?」 「ゆ?」 「お前なんて言ったんだ?お姉さん・・・?赤ちゃん・・・?そう言ったか?」 「ゆううう!いいばじだぁ、あがじゃんうばれるんでずううう、おねえざんあがじゃん、うばれ、ぐるじぞう。」 「どこだ。あんないしろ。」 それからの展開は早かった。 助けを求めた隣の家の男性は、倒れてる女性を発見するなり即座に病院へと連絡をし、 しばらくすると駆けつけた医者とその見習い達によって病院へと運ばれていった。まりさも付き添っていった。 「か・・・家内はどうなったんだですか!?赤ん坊は・・・!!」 女性の治療の行われてる部屋の前で椅子に座ってるまりさの前に息を切らして男性がやってきた。 まりさと一緒に住んでいる女性と一緒に住んでいる人、要するに女性の夫である。 彼はまりさの前まで来て、あたり構わず周りの人に向かっては自分の疑問を叫び続けた。 「ゆっ!おいしゃさんがいまこのへやでおねえさんなおしてるよ。」 その疑問に答えたのはまりさだった。 男性はまりさの返答に答えず、黙って椅子に腰を下ろした。 どれくらい時間がたっただろうか。 扉が開き、中から医者が出てきた。 「先生!家内は・・・赤ん坊は・・・・・・」 医者は暗い顔で言った。 「母子ともに・・・大変危険な状態です。現在、最善をつくしておりますが・・・楽観は出来ません。 最悪どちらか、いえ赤ん坊を諦めざるえないことになる可能性もあります。」 「そんな・・・・・・結婚して8年・・・やっと子供が出来たのに諦めるなんて・・・・・・・・・・・・そんなこと出来るわけないだろ!」 「心中お察しします。我々も全力を尽くしますが・・・もしもの時の決断は覚悟しておいてください。」 医者はそういうと再び治療室の中へ戻っていった。 男性は頭を抱えてその場にしゃがみこんだ。 難しい言い回しはわからないまりさだったが、今の医者と男性の反応を見て主な内容はだいたいわかった。 それはまりさにとっても残酷な通知だった。 あかちゃんがうまれない。それどころかおねえさんもあぶない。もしかしたらおねえさんがしんでしまうかもしれない。 まりさの頭の中で自分にいつも優しく笑ってくれた女性の笑顔が崩れていった。 まりさは願った。女性が助かることを。赤ちゃんが無事産まれることを。 それは今まで生きてきた中で一番強い願い、加工場に捕まった時の自分の救命よりも強い願いだった。 おねがいします、おねえさんをたすけてください、 まりさのいのちをたすけてくれたおねえさんを、まりさにいろいろたいせつなことをおしえてくれたおねえさんを、 じぶんにたくさんのゆっくりをあたえてくれたおねえさんをたすけてください。 おねがいします、あかちゃんをたすけてください、 おねえさんがうまれるのをとてもとてもたのしみしてたあかちゃんをどうかどうかたすけてください。 たとえ・・・・・・ まりさがかわりにしんでもいいから・・・ おねえさんと あかちゃんを たすけてください・・・・・・・・・ どれくらい時間が過ぎただろうか。医者が治療室から出てきた。 男性はゆっくりとその顔を上げた。だが言葉が出なかった。 言葉が出せない。もし聞いて自分に残酷な現実を叩きつけられたら・・・。聞けない。何も。聞かなければいけないのに。 恐怖が男性を支配した。誰も何も言わない静寂の中、一秒が永遠とも言えるように感じた。 その静寂を破ったのは医者だった。 「・・・おめでとうございます。」 「・・・・・・・・・・・・え?」 「健康な男の子です。母子ともに異常ありません!」 しばらくの間の後、男性は大きくガッツポーズを取り、涙を流しながら叫んだ。 「危険な状態でした。私の長い医師生活の中でも上位に来るほどの。でももう心配いりませんよ。」 「ありがとうございます。ありがとうございます。先生。」 男性は泣きじゃくりながら何度も医者にお礼を言った。 その光景を見ながら、まりさも女性と赤ん坊が助かったことを知り、涙を流していた。 「それでは赤ちゃんのお顔を拝見したら、最後に奥さんにねぎらいの言葉でもかけてやってください。 申し訳ないですが夜遅いですし大変消耗してますので、今日のところは短めに済ませてくださいね。」 「はい、わかってます。・・・く~、やっとやっとうまれたんだな。俺もこれで父親かぁ~。」 男性はそう言って赤ん坊の顔をひとしきり眺めたあと、治療室から入院部屋へと移された女性に会いに言った。 赤ん坊の顔はまりさも男性に頼んで抱え上げてもらい見せてもらった。 産まれたばかりの赤ちゃんの顔はしわくちゃだが、そんなものでは覆せないほどの愛しさがまりさにもこみあげてきた。 「・・・あ・・・そういえば・・・・・・・・・」 男性と一緒に病院の廊下を歩いてると男性が突然足を止めつぶやいた。 そして視線をまりさに移しながら、こういった。 「・・・・・・そういや・・・もう生まれたんだしなぁ・・・・・・でも一応あいつの意見聞かないと・・・・・・ これでも結構長い時間過ごしただろうし・・・・・・ま、あいつに限ってないと思うが・・・・・・ っていうかどっちにしろ、規約で産まれたら一旦返却しなきゃいけないんだから同じことか。」 「?」 まりさは男性の独り言の意味がわからなかった。 女性の入院している部屋で男性は女性をねぎらった。 女性はベッドから起き上がることなく疲れきった顔で男性の言葉を聞いてた。 まりさも女性に出産の祝辞を送った。 「おねえさん、あかちゃんうまれてよかったね。とってもゆっくりできるあかちゃんだよ。」 まりさはこの次、女性が笑いながら「ありがと、まりさ」と言うと思ってた。 だが女性からの言葉はなかった。一瞥しただけで再び男性の方に向き直った。 まりさは女性が返事をしてくれなかったことに少し不満だったが 女性が酷く疲れているのが見てとれたし、そのためだと思い深く考えなった。 「こりゃ・・・聞くまでもねぇかな。」 男性がボソリとそう呟いたが、まりさには聞こえなかった。 「じゃ・・・疲れてるところわりぃし・・・先生にも言われてるんで今日は帰るな。明日は仕事を休ませてもらってくるわ」 男性が席を立った。まりさも帰るために椅子から飛び降りる。 「あっと・・・そうだ・・・・・・ま、一応念のために・・・・・・」 男性はまりさに顎で合図をし、言った。 「おい、まりさ。先に病院の玄関で待ってろ。俺もすぐ行くから。」 「ゆっくりわかったよ。へやのそとでゆっくりまってるから、ゆっくりしないではやくきてね。」 まりさはそういって部屋から出て行った。 まりさが病院の玄関で待ってるとしばらくして男性がやってきた。 「ま、わかってたことだけどね。」 そういうと男性はまりさを連れて家に帰った。 翌日、まりさと男性は家を出た。 まりさはお姉さんと赤ちゃんに会うためだと思ってが 男性に連れられて来たのは別の場所だった。 「ゆ?おにいさん、ここはびょういんじゃないよ。ここじゃおねえさんとあかちゃんにあえないよ。」 疑問を口にするまりさを無視し、男性は入り口で受付を済ませ、建物の中に入っていった。 病院じゃないと気付いたまりさであったが、数ヶ月前に来て以来一度も来たことなかったので ここが初めて女性と会った場所だとは気付かなかった。 加工場とは。 「それでは。確かに返却受け付けました。」 「お願いします。」 「もし今後この子を正式に飼いゆっくりにしたい場合は、一週間以内に引き取りに来てくださいね。 一週間以内なら優先的に、かつ割引料金で引き取れますんで。」 「どうも。でもそれはないと思いますよ。これからは育児で忙しくなると思いますからそんな余裕ないですし、 家内もあまり未練はないらしくて、昨日の夜あっさりと了承してくれましたからね。」 「ははは、そういう人に限って後から寂しくなったと言ってくるケース多いんですよ~。 それで他の人と競っちゃうことになって高くついちゃったとか。」 「ははははははは。うちのに限ってそれはないですよ。もう既に手のかかるかわいいのが二匹もいますし。」 そのようなやりとりの後、まりさは加工場の職員に引き渡された。 「ゆ?おにいさん。これからおねえさんとあかちゃん、あいにいくんでしょ。まりさゆっくりつれてってね。」 「いままでありがとな。お前さんとの経験を生かして立派な子供に育てるよ。お前も頑張れよ。」 職員の腕に抱えられたまりさのそのような呼び掛けに対し、男性は前後の繋がらない返事をし、帰ってしまった。 「おにいさん、まってよ。まりさもつれってね。おねえさんとあかちゃんのところつれてってね。 おじさん、まりさをはなしてね。まりさはおにいさんといっしょにおねえさんとあかちゃんのところにいくんだから。」 まりさは姿の見えなくなった男性を呼び続け、次に自分を抱えて離さない中年の男性にもそう言う。 だが既にこの場にいない男性はもちろんまりさの呼びかけに答えることなど出来ないし、 まりさを抱えてる中年男性もまりさの言葉を無視し、まりさを抱えたまま、歩き始めた。 「どうじではなじでぐれないのおおおおおおお。ばりざもおねえざんとあがぢゃんのどころにいぐのにいいいい。」 しばらくしてまりさは中年男性の手の中でとうとう泣き出してしまった。 自分は一刻も早くお姉さんのところに行って、お姉さんと赤ちゃんに会いたいのになんで邪魔されなければいけないんだろうか。 答えの出ないまま、まりさは泣き続けた。 まりさを抱えた中年男性はある扉の前で立ち止まり、その扉をノックした。中から扉が開けられ、まりさは中にいた別の青年職員に手渡される。 まりさを受け取った青年はまりさを運んできた中年男性がドアを締めたのを確認した後、 扉から1メートルほどのところにある、人の腰ほどの高さの柵の向こう側にまりさを軽く放り投げた。 そして扉の傍にあった椅子に座り、読みかけていた本に手を伸ばし読み始めた。 「ゆっ!おにいさん。まりさはおねえさんとあかちゃんにあいにいくんだからはやくここからだしてね。」 体の自由を取り戻したことで幾分落ち着きを取り戻したまりさは青年にそう言った。 だが青年は答えず黙々と本を読み続ける。次第にまりさは言っても無駄だと悟り、黙った。 何もすることもなくなったまりさは、周囲を見回し始めた。 それなりに広い四角い部屋で扉はまりさが入って来たところ一つだけ。 壁は一箇所だけ長方形の枠にガラスらしきものがはめ込んであるが外は見えず、その壁以外何も無かった。 扉から1メートルほどのところにある柵で部屋は分断されてて、自分がいるところと青年が座って本を読んでる部分の面積比はだいたい4:1。 そして部屋の中には自分以外のゆっくりの姿が見えた。数にしてだいたい3匹ほど。みんな一様に沈んだ顔で泣いている。 おそらく自分と同じように飼い主から引き離されたゆっくりだとまりさは判断した。 その中で一匹だけまりさは見知ったゆっくりを発見した。親友のゆっくりぱちゅりーである。 「ぱちゅりー!?」 「・・・・・・まりざああ?・・・むきゅううううううん、どごなのごごはあああ、おねえざんはあああ、あがぢゃんはどごおおお?」 いきなり連れてこられた殺風景な部屋の中、親友の顔を発見したぱちゅりーはまりさに泣きついてきた。 ぱちゅりーの疑問に答えられずはずもないまりさは自分もつられて泣きたいのを堪えながら、泣き続ける親友の頭を抱き続けた。 それから一週間の間に連れてこられるゆっくりは増え、まりさとぱちゅりーの親友のゆっくりありすも連れてこられた。 まりさとぱちゅりーを前に気丈に振舞ってたありすだが、その目には涙が浮かび、絶えず一緒に暮らしてた女性とその赤ん坊のことを気にかけていた。 それから何日たっただろうか。連れてこられるゆっくりはいなくなり、次第にそれとは逆に部屋から運び出されるゆっくりが現れた。 「まりさああああああ、ぱちゅりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」 「まりざああああああああああああ、だずげでええええええええええええええええええええええええええええ」 まりさの親友のありすとぱちゅりーもある日部屋から運び出された。 何もわからない状況のまま、互いの支えであった親友の連れて行かれるのを、まりさは何も出来ず只泣いて見ていることしか出来なかった。 それがまりさが親友二匹の姿をその目で見た最後の日となった。 そしてついにまりさも部屋から運び出される日が来た。 まりさは自分を運び出しに来た青年職員を睨み付けた。 いつも泣いてた他のゆっくり達を、泣いてたまりさの親友二匹を、 へらへらと笑いながら部屋から運び出して言った青年をまりさは嫌っていた。 自分もへらへら笑いながら連れ出されるんだろうか。そんな思いを抱きながらまりさは青年を睨み付けた。 だがその日の青年の様子はいつもと違っていた。いつものへらへらとした笑いではなくとても沈んだ悲しそうな表情だった。 その表情に気圧され、まりさは睨みつけるのをやめた。 「・・・・・・一ヶ月もあったのに・・・なんでお前だけ・・・・・・・・・・・・」 青年はそう呟きながらまりさを運び出して言った。 重い足取りの青年に抱えられ、部屋を出されたまりさは透明な箱に入れられ、別の部屋も連れてこられた。 部屋の前方には机が一つ置かれ、脇に少数の職員がいた。 机から部屋の後ろまでは処狭しとたくさんの人が椅子を敷き詰め座っていた。 まりさは机の上に置かれた。部屋に集まった人の期待に満ちた視線がまりさに一斉に集まった。 「それでは・・・発表します。・・・・・・今回の当選者番号は・・・42番!42番!!! 42番の方、おめでとうございます!!!!!!」 その瞬間一人の歓声と大勢の落胆の声が漏れた。 まりさは透明な箱に入れられたまま、歓声を上げた男に引き取られた。 そして彼に抱えられ、加工場の外に出ることになった。 久しぶりに見る外の世界、太陽の日差しが眩しかったが、久しぶりの外に出られたことに感動して悪い気はしなかった。 これでおねえさんとあかちゃんのところにいける。 このおにいさんにかいほうしてもらったら、ゆっくりせずにあいにいこう。 まりさの頭は外に出れた希望で満ち溢れていた。 まりさが加工場から男性に連れられて一時間ほどして人里の中にある一軒屋にたどり着いた。 男の家らしく、懐から鍵を取り出して扉を開錠して開けると中に入り、再び鍵を閉めた。 そのまま廊下を渡ってある部屋のドアを開けて中に入ると、窓にも鍵がかかってることを確かめた後、まりさは箱から出された。 「ゆっ!おにいさん、あそこからだしてくれてありがとね。じゃ、まりさはおねえさんとあかちゃんにあいにいくから、ゆっくりとそとにだしてね。」 まりさは外に出すように催促したが男は答えなかった。 「ゆゆ~?おにいさん?」 返事を返さない男の顔をまりさは訝しげに覗き込む。 男は床の上にいるまりさを見つめながら、笑いをかみ殺したような顔をしている。 「おにいさん!きこえてるの?まりさをはやくここからだしておねえさんと───」 「無理。残念。キミは今から虐待。いっぱい苦しめてあげるね♪」 男はそう言ってまりさとのコミュニケーションを放棄すると、部屋の中にある机の引き出しから糸刺し(裁縫針を刺して保管する小さなクッション状のもの)を取り出すとそこから裁縫針を一本抜き出し、まりさを押さえつけて側面部をザクザクと針を刺し始めた。 「・・・・・・ぐびっ!?・・・ぎゅっ!・・・ゆぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!」 突然の出来事に思考が追いつかなかったまりさは遅れて絶叫をあげる。 「おひょおおおおおおおおお~~~~~、一気にいくよおおおおおおお!ザクザクザクザクザクザクザク~~~~~~!」 まりさの絶叫を聞いてエキサイトした男はヒートアップして更に勢いを増しながらまりさの体に針を刺し続けた。 裁縫針程度の穴では餡子も中々漏れず、例え赤ゆっくりであろうと中枢部を激しく傷つけない限りは死に至ることはない。 だが鋭利な針に刺されることはそのような生命活動への影響の少なさとは裏腹に、まりさに耐え難い激痛をもたらしていた。 「ぐぎいいっ・・・!やべっっ・・・!!!!いだっ・・・!あっ・・・!!!ゆぐぅっ・・・!!!!!えぐっ!・・・あぎっ!!!」 次第にまりさは絶え間ない激痛のために呂律も回らなくなっていってしまった。 「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・最初はこんなもんか・・・。挨拶代わりとしてはこれくらいでいいか・・・・・・。」 一分ほど針を刺され続けたころ、男性は息を切らしながら、そういってまりさを刺すのをやめた。 まりさの体は300を超える針穴でいっぱいになっていた。 「はぁ・・・・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・おーい、聞こえてるか~・・・まりさちゃ~ん・・・おーい。はぁ・・・はぁ・・・・・・」 床でピクピク震えてるまりさに対し、男は尋ねた。だが返事が中々来ないので男は少し待った。 やがて男の問いにしばらくしてまりさがわずかに反応した。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じで・・・」 「ん・・・?」 「・・・・・・・・・どうじで・・・ごんなご・・・・・・ず・・・の・・・・・?まりざ・・・なに・・・ぼ・・・わづいごど・・・じでな・・・のに・・・・・・・・・。」 精神力の限りを振り絞り、まりさはか細い声で今一番知りたい疑問を男に問いかけた。 自分は何も悪いことはしていないはず。だがもし自分が何か罰を受けるべき悪いことを知らないうちにしたのなら謝り矯正しよう。 人間と暮らしてきたゆっくりにとっては当然の保身の術であった。 その問いかけ対して男が答えた。 「ああ、まりさは何もしてないさ。何も悪くない。こんなことされる理由なんて何一つ無いよ。 でもこれからも同じことするからね。いっぱいいっぱい針でザクザク刺して上げるからね。 針で刺すだけじゃなくもっともっと痛くて痛くてたまらないことしてあげるからね。 まりさは何も悪くないけど、いっぱいいっぱい苦しめてゆっくり出来なくしてあげるよ。」 「ゆ・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆっ!?ゆううううううううううう!?どぼじでえええええええええええええええ!!!!!!」 男の言葉の理不尽さにまりさは泣き叫んだ。 「さ~て、それじゃ第2ラウンドと行こうか、まりさちゃ~ん。今度はどんな痛い思いしたいかな~?」 「ゆぐう・・・・・・いたいのやだぁ・・・・・・・・・おうちかえるぅぅぅ・・・・・・おねえさんのいえにがえるぅぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・」 男の問いに先ほどの激痛を思い出したまりさは震えながら男に哀願する。 「だ~めだってば。まりさはこれからもっともっと痛くて苦しい思いしなくちゃならないんだから、 “おねえさん”のお家に帰ることも出来ないよ。」 「どおじでえええええええええええええええええ!!まりざわるぐないのにいいいいいいい。」 「悪かろうと悪くなかろうと痛い思いする。それがまりさちゃんの運命なんだよ。わかった~?」 男はそういって再びまりさを押さえつけた後、裁縫針をまりさに見えるように構えた。 先端の鋭利さがまりさに先ほどの激痛を思い出させた。 「だでがだずげでええええええええええええええええ!!!!!」 「それじゃこんどは顔面グッサグッサいこうか。痛いよ~。とっても痛いよ~。さっきよりもっと痛いからね~。」 「やべでえええええええええええええええええええ!!!!!」 まりさの脳裏に先ほどの耐え難い激痛が甦る。 そして男はまりさの顔面を再びザクザクと針で刺し始めた。 「ゆびぎゃああああああああああああああああ!!!!!!!!! まりさの絶叫が再び響きわたる。 針で刺される激痛でまとまらない思考の中で、まりさは必死に考えていた。 なんで自分がこんな目にあわなければならないのか。なんでお姉さんはこんな目にあってる自分をほったらかしにしてるか。 そして答えのでないまま、耐え難い激痛にまりさの思考は埋め尽くされていった。 数分して、男は手を止めた。 今度はしっかりとペース配分に気をつけたので、先ほどのようにすぐに息が上がることなく、数分間まりさの顔面に針を刺し続けることが出来た。 穴だらけの顔面でまりさは両目から絶え間なく涙を流し、「ゆびっ!・・・ゆぼっ!・・・ゆべべっ!!」と妙な声を発しながら痙攣していた。 痛みの許容量が限界を遥かに超えてしまっために、処理に脳が追いついていないのだ。 人間であるならとっくに気絶してもおかしくない激痛でも、ゆっくりの体と精神はそのような機能など持ち合わせていない。 いや、その言い方は正しくない。正確にはそれは既にまりさにとっては失われた機能だということだ。 以前のゆっくりは過度の苦痛に対しては気絶したり、場合によっては精神崩壊、発狂したりしていた。 愛する子供達を全て殺された親ゆっくりの精神崩壊や、姉妹が惨たらしく殺されてその恐怖で気絶する赤ゆっくりがその顕著な例である。 しかし近年のゆっくりの中にどのような苦痛に対しても、気絶や精神崩壊を起こさない個体があらわれたのである。 ゆっくりの研究者は、危険な外敵の前で気絶や精神崩壊を起こすことは生存の可能性を完全に潰してしまう命取りであるために 手足も鋭い牙ももたないゆっくりが自然で生き残るためのささやかな進化ではないかと唱えた。 痙攣して震えてる時点で生存確率にどの程度の差が出るのか聞きたいものだが。 当のまりさもそのようなタイプのゆっくりであり、苦痛に大して気絶も精神崩壊も発狂もしない。 この場合、「出来ない」と言った方がいいのかもしれないが。 故に痛みに対して精神と肉体を切り離すことが出来ず、無尽蔵に際限なく苦痛を溜め込んでしまう。 どんな苦痛だろうと気絶することが出来ないまりさは許容量を遥かに超えてしまった痛みに対して、 餡子で出来た脳が許容量を超えた分の痛みをゆっくりと処理していくのを、意識を保ったまま待ち続けることしか出来なかった。 絶え間なく耐え難い激痛がまりさの精神を蝕ばむ。まりさは一刻も早く苦痛から逃れられるよう願い続けた。 その苦痛は数時間続き、まりさは奇妙な声をあげながら痙攣して体を動かすことが出来なかった。 男はまりさを箱の中に入れ部屋を出て行った。こうして初日の虐待が終わった。 【前編】 終わり 【中編へ続きます】 中編予告 すっきり×赤ちゃん×同族殺し ゆっくりいじめ系1879 マタニティゆっくり 中編 1につづく このSSに感想を付ける
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※前に書いた『衣玖さんとゆっくり』の続き。と言っても前作を見るほどのものでもないです。 ※東方キャラがゆっくりを虐めてます。例えば衣玖さんとか天子とか。 ※虐殺メイン…かな。 永江衣玖は急いでいた。 数刻前、龍の言葉から衣玖は天界、いや幻想郷全体に危機が迫っていることを知った。 これはゆっくりてんこを虐めて楽しんでる場合ではない。 「総領娘様は無事でしょうか」 口には出したけど大丈夫だろう。 自分勝手で世間知らずでもその強さは本物だ。大抵の危機は自力で解決もできる。 しかし龍が伝えるほどの危機が迫っているのは確かだった。 「危機とはいったいどんな物なのでしょうか」 とにかく天界に行ってみないことには判断がつかない。 そんな訳で衣玖は急いでいた。 天界に着くとそこにはゆっくりがいた。 右を向いても左を向いてもゆっくりの群れ。 しかもそのゆっくりは全て希少種であるはずのゆっくりてんこだった。 つい癖で虐めたくなる衣玖だったが、今は別の使命がある。 てんこが大量発生した原因を探らねば。 自由に跳ねまわるてんこを空中から眺めながら飛んでいると 呆然と宙に浮いている比那名居一族のお嬢様である比那名居 天子を発見した。 「総領娘様! 一体何が起きているのです?」 衣玖が話しかけると天子はあからさまに不機嫌そうな顔をしながら答える。 「私も知りたいぐらいだわ。 何なのこいつら」 「ゆっくりですね。それも総領娘様タイプの」 「それは分かる。でもなんで増えるのか分からないのよ」 「増える…? 増える瞬間を見たのですか?」 てんこの生殖方法というか子てんこを産み出す方法は衣玖も知っていた。 てんこは虐められるのが好きなゆっくりで傷めつけられると快感を覚える性質を持っている。 虐めてくれそうな相手を見つけると「ゆっくりいじめてね!」と迫り、無視すれば相手がいらつく行為をして気を引こうとする。 そして虐め抜かれて命を失ったてんこは茎を生やし、赤ちゃんてんこを実らすのだ。 「ちなみにどんな時に増えましたか?」 衣玖は原因が身近に居そうな空気を感じながらも天子に訪ねた。 「信じられないかもしれないけど…」 天子の話をまとめるとこういうことだ。 数十匹のてんこが天界の花畑を食い荒かしていたのを見た天子が得意の地震攻撃で追い払おうとしたところ、 地震の揺れで発情したてんこが子作りを始めたとのこと。 天子は突然の性行為にあっけにとられ、その間にてんこは増えてしまったという訳だ。 「それにしては多すぎません?」 天界の花畑には至る所にてんこがいる。見える範囲だけで数えても千は下るまい。 数十匹のてんこが繁殖したにしても多すぎる。 「まだ話は終わりじゃないの」 天子はその増えたてんこ達を地符「不譲土壌の剣」により潰そうとしたらしい。 地形を隆起させて周囲を攻撃するスペルカードでれいむ種やまりさ種などの通常のゆっくりが受ければ皮がちぎれて死ぬだろう。 だがてんこは打撃に強かったらしく数匹が隆起した岩に体を貫かれて死んだぐらいで他多数はほぼノーダメージだったらしい。 そして痛がりも苦しみもせず、 「きもぢぃぃぃぃ!!もっどいじめでぇぇぇ」 と叫んでさらなる攻めをおねだりしてくる。 イラついた天子は何度かスペルを発動しててんこを殺したのだが、その頭には大量の茎と赤ちゃんてんこが実っていた。 「それでこの惨状ですか」 「それだけじゃないのよ。どこから現れたのか「ゆっくりいじめてね!」なんて言いながらこいつらが集まってきたの」 「はぁ…結局この異変の原因は総領娘様でしたか」 「む…何よ結局って! ただの龍宮の使いのくせに生意気ね」 「とにかくここで見ていても仕方ありませんね。一気に殲滅しましょう」 「そうね。あんな変な生き物にこれ以上天界の土は踏ませるわけにはいかないね」 天子と衣玖はその体に霊力を漲らせる。 「さぁ、行くわよ衣玖。あんな下等生物など根絶やしにするわよ!」 一方その頃―― 大量発生し、天界から溢れたてんこは各地で暴れていた。 ある森の中では、ゆっくり魔理沙の家にてんこが侵入していた。 まりさの家には体の大きい母まりさと子まりさ数匹が住んでいて、 ちょうど食事を終えてゆっくりしていたところだった。 「ここはまりさの家だよ! ゆっくりでていってね!!」 「これからゆっくりおひるねたいむなんだよ! くうきよんでね!!」 「しょうだよ! ゆっくちできにゃいならでていっちぇね!!」 しかしてんこは追い出そうとするまりさの敵意を別のものとして受け取っていた。 「いじめてくれるの!? ゆっくりいじめてね!!」 「ゆ"っ!? な、なんなのぜ!?」 戸惑う母まりさにてんこは擦り寄っていく。 「ゆっくりいじめてね!!」 「ならゆっくりいじめるよ!!」 相手が虐めてと言うなら虐めてやろう。 何せ自分たちのおうちに侵入してきた敵なのだから躊躇する理由もない。 母まりさはその大きな体をてんこにぶちかます。 母体のゆっくりの体当たりとなると子ゆっくり程度なら一撃で潰れて死ぬ。 成体ゆっくりでも数回受ければ餡子を吐き出し息絶えるだろう。 しかしてんこは異様に打たれ強いことを母まりさは知らなかった。 「いだいぃぃぃぃ!! もっどじでぇぇー!!」 「ゆゆっ!?」 「おかーしゃんのたいあたりがきかないよ!?」 「きっとうんがよかっただけだよ!」 「おかーさんやっちゃえ!!」 「そうだよね! こんどこそゆっくりしね!!」 再び母まりさは体当たりで攻撃を仕掛ける。今度は吹き飛んだてんこを壁に押し付けてプレスする。 「ゅ"…ゅ"ぅぅ…」 母まりさの巨体と木の壁に挟まれて圧迫されて苦しそうな声をあげるてんこ。 (勝った…!) だが次の瞬間、母まりさはてんこのタフさを知る。 「ゅ"…ゅ"…ぎもぢ…い"ぃ"ぃ"! もっど…じでぇ…!」 「ゆ"っ!?」 母まりさの押し潰しは効いてないどころか先ほどよりもずっと気持ちよさそうにしていたのである。 バッとてんこから離れて思わぬ強敵に警戒する母まりさ。 その様子を見たてんこはどうしたのだろうと不思議に思う。 「どうしたの? もっといじめてぇ!!」 「ゅぐっ! おかーしゃんこわいよ!!」 「なんなのこいつ! ゆっくりできないよ!!」 子ゆっくり達はお母さんの体当たりで死なないゆっくりに恐れを抱き始めた。 母まりさもまた、最大の必殺技である押し潰しの効かない相手に手を出せずにいた。 「ゆっくりいじめてね! いじめてね!!」 期待に満ちた目で母まりさを見つめながらぴょんぴょん跳ねる。 しかし虐めてくれないことが分かるとてんこは次の行動に移った。 「ゆ! それはまりさたちのしょくりょうだよ!! かってにたべないでね!!」 「むーしゃ、むーしゃ、ひそうてん~♪」 次々とまりさ家族の集めた食糧を食べていくてんこだが、これはお腹が減ったからではない。 まりさを怒らせて虐めてもらうために食べていた。 「もうゆるさないよ!! ゆっくりしないですぐしね!!!」 自分が頑張って集めた食糧を目の前で奪われるのをこれ以上許せるわけがない。 母まりさはてんこへの攻撃を再開する。 「しね! しね! しねしねしねぇぇ!!!」 てんこを吹き飛ばした母まりさはてんこに圧し掛かると、ズンズンと跳ねててんこを潰そうとする。 しかしてんこは潰される痛み、苦しみに身悶えしていた。もちろん快感で。 「ああああああっ! もっといじめてぇぇぇぇ!!!」 「ゆゆゆゆゆ!! なんで!? なんでしなないのぉぉぉぉ!!!」 気味が悪くなって母まりさは再び離れた。 「どうしたの? もっといじめてくれないの??」 「ゆ! こっちにこないでね!!」 ジリジリとにじり寄るてんこに後ずさりして離れる母まりさ。 母まりさの背中には子まりさ達が隠れていた。 「なんでにげるの? もっといじめてね!!」 「こないでぇ!! しょくりょうはぜんぶあげるからぁぁ!!」 「ゆぶぇぇぇ!!」 「おかーしゃんぐるじぃぃぃ!!!」 母まりさは近寄るてんこから離れようとさらに下がる。 しかし背中に隠れていた子供たちは母まりさによって潰されようとしていた。 「ハァハァ、ゆっくりいじめてぇぇぇ…!!」 「いやぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!! ゆっぐりざぜでぇぇぇぇ!!!」 森に母まりさの悲鳴と子まりさの潰れた音が響いた。 そしてまた一方ではれみりゃがてんこを食していた。 鋭い牙はてんこの弾力溢れる肌を突き破り、れみりゃはそこから桃風味の餡子を吸いだしていく。 「うー、うー、うまうま♪」 「あああああっ!! すわれるぅぅぅ♪」 てんこはれみりゃに中身を吸われてるというのにヘブン状態だった。 れみりゃもまた、初めて食べる桃の香りのする餡子の味を楽しんでいた。 しばらくするとてんこは皮だけの存在となってしまった。 さすがに中身が無いので子供は実らないようだ。 「うー、もっとほしいどぉ~。しゃくや~もってきでぇ~♪」 れみりゃは奇妙なダンスでおかわりを希望する。 「ゆっくりいじめてね!」 「うー♪」 れみりゃの願いが通じたのか、てんこが姿を現した。 「がおー、たべちゃうぞ~♪」 よちよち歩きでてんこに近づいていく。 その時他のてんこが姿を現した。今度は1匹ではなく10匹ほどいる。 「「「「いじめてくれるよかんがするよ!! ゆっくりいじめてね!!」」」」 「うー♪ いっぱいいるどぉ~♪ ぜんぶれみりゃのものだどぉ~♪」 てんこの言ってることは理解していない。れみりゃにとっては美味しい獲物が増えただけ。そう思っていた。 「いじめてね!」 「だめだよ! わたしをいじめてね!!」 「ちがうわ! わたしこそいじめられるのにふさわしいわ!!」 れみりゃに10匹のてんこが殺到した。 「う、うー? うあ"ー!!?」 瞬く間に押し倒されるれみりゃ。 「はなぜーうぶっ!!」 大口を開けて叫ぼうとしたれみりゃの口に1匹のてんこが体を突っ込んだ。 「わたしにかみついてね!!」 「ずるい! つぎはわたしがかみつかれるからね!!」 「だめよ! つぎはわたしがいじめられるの!!」 「んがー、んがー!!」 獲物のまさかの反撃に涙を流して恐怖するれみりゃ。 てんこに押し倒されるれみりゃの周りにはさらに複数のてんこが順番待ちしていた。 話は戻って天界。 「さぁ、行くわよ衣玖。あんな下等生物など根絶やしにするわよ!」 「はい総領娘様」 天子と衣玖は天界の花畑の中心へ降り立つと、 その二人の姿に気づいたてんこ集団は一斉に叫ぶ。 「「「「「「「「おねえさんいじめてくれるひと? ゆっくりいじめてね!!!」」」」」」」」 「っ…! うるさいわね」 イラついた天子は緋想の剣を地面に突き刺して地殻変動を起こそうとする。 「総領娘様お待ちを。まずは私が辺りを一掃します」 「…そうね。まずはまかせるわ」 衣玖雷で焼き尽くせば子を実らせずに死ぬだろうし効率も良さそうだ。 天子はそう考えて緋想の剣を収めた。 衣玖は宙に浮かんで辺りを見渡すとお気に入りのポーズで構える。 通称サタデーナイトフィーバーだ。 天を指した指の先に大きな雷球が生成されていく。 (なるべく花畑には被害がないようにしないと。標的はゆっくりてんこ) 衣玖は目に見えるてんこ全てをターゲットに定める。 「さぁ、いきますよ!」 衣玖がそう宣言した次の瞬間、指の先に出来た半径10mはあるだろう大きな雷球から無数の線が地表へと走っていく。 「ゆ"ぐっ!」「ぶへっ」「げぇっ!」「ゆっ!?」「ぉひっ」「ぶばっ」 「ゅふぇ!」「げしょっ!」「ゅ"っ」「ひぎぃ」「あぁん!」「ぎゃぶ!」 「ちょっと衣玖!? きゃっ!」 「ぎゃぼっ!」「よぎゅっ!」「ぶげっ!」「ゅぐぉっ!!」「ひでぶっ!!」 妖気のこもった高圧電流が周囲のてんこ達に到達すると、 様々な断末魔と共にてんこ達が黒焦げになって朽ち果てた。 「総領娘様。まだ生き残ってるゆっくりがいるはずです。止めを刺しに行きましょう…って何で焼けてるんです?」 「あんたのせいでしょ! 私も狙うなんていい度胸ね」 「あぁ~、すみません。似てるのでつい…」 「まったく。後でお仕置きだから覚えておきなさいよ!」 天子はそれだけ言い残すと生き残ってるてんこを排除するために飛んでいく。 「お仕置きですか。それは楽しみですね、ふふ」 衣玖は小さく呟き軽く微笑むと天子とは逆方向へ飛んでいき、残るてんこを潰しに行く。 「要石ドリル! 天地開闢プレス!!!」 様々な技で天子はてんこを潰していく。 瞬殺すれば子は実らない。地震や半端な攻撃はしないようにだけ気をつける。 仲間を瞬殺されるとてんこ達は不満をあらわにした。 「なんでゆっくりいじめてくれないの!」 「そうよ! ゆっくりいじめてね!!」 「はやくちゃんといじめてね!!」 「おばさんゆっくりできないのね!!」 「わたしたちのまねしたぼうししてるくせにね!!」 「真似はお前たちだ! もう怒った。本気で行くわ!」 「全人類の緋想天」(Lunatic) 周囲の気質を緋想の剣に凝縮して一気に解き放つ超大技。 知らない人はかめはめ波を思い浮かべればいいだろう。 天界の地形が変わることも厭わず全人類の緋想天で周囲を吹き飛ばしていく。 てんこは緋想の剣から解き放たれる波動に飲み込まれると次の瞬間には灰と化した。 それを見た仲間のてんこは死なない程度に味わってみたいと全人類の緋想天に自ら飛び込んでくるので天子としては楽だった。 だがてんこがタフとは言っても所詮はゆっくり。天子最強のスペルに瞬間でも耐えきれる訳がなく瞬殺されていく。 一分後には辺りは焼け野原と化していた。 動くものなど何一つない。 「ふっふっふ、饅頭ごときが調子に乗るからこうなるのよ」 勝ち誇った天子には輝く笑顔が浮かんでいたが、すぐに笑えなくなった。 「「「「「「「いじめられるときいてやってきたよ!!!」」」」」」」 虐めてくれる人がいると聞いてきたのか、はたまた感じ取ったのか大量のてんこが天子の周りに集まってきていた。 「あーもう! なんなのよ! こうなったらとことん殺してやるわ!!!」 ある森の中、まりさに「いじめてぇぇぇ」と迫っていたてんこは近くの山の上から何かを感じ取っていた。 「いじめてくれるにおいがするよ! ごめんねまりさ! こんどまたいじめてね!!」 「ゅ…ゆ…」 母まりさは精神的に消耗していたが自分が助かったことに安堵した。 でも何か背中がヌルヌルする。そういえば自分の子供はどこいったのだろう…? また、れみりゃに圧し掛かっていたてんこ達も虐めてくれる気配を山の上に感じ取っていた。 「またこんどいじめてねれみりゃ! てんこ達はやまのうえにいくよ!」 「ぅ、うー?」 てんこ達が突如立ち去っていったことを不思議に思ったけどようやく助かった。 早く屋敷に戻ってぷっでぃんを貰おう。 そう思って動こうとしたれみりゃだったが、手足は潰れてしばらく動けそうになかった。 「うあ"ー! いだいいだいぃぃ!!! しゃくやだっすげでぇぇ!!!」 手足が潰れていることに気づいたれみりゃは痛みに泣き叫び、助けを求めた。 しかしその場に現れたのはしゃくやではなく、甘い匂いに誘われてきた野犬だった。 さて、天界でてんこ殲滅を図る衣玖はというと… 「いきますよ。天突「ギガドリルブレイク」!!」 衣玖の纏う緋色の羽衣を螺旋状に腕に巻きつけ、さらに放電させつつ相手を貫く龍魚ドリルのでっかいバージョンだ。 巨大ドリルを右手に装備し、てんこの群れに突撃していく。 「ゆぅぉぉぉぉ!! いじめられるよかん!!!」 「きてえぇぇぇぇ!! ゆっくりいじめてねぇぇぇ!!!」 しかし衣玖が通り過ぎた跡に残るのは炭と化したてんこ。 最後にドリルに貫かれたてんこはドーナツのように顔の中心に巨大な穴を開けて生涯を終えた。 「ああああ! なんでゆっくりいじめないのぉぉぉぉぉ!!」 「ゆっくりいじめてよぉぉ!!!」 やはり瞬殺されるのは嫌らしい。じわじわと痛めつけられるのは好きだというのに。 「ふふ、最後に残った一匹はゆっくりと苛めてあげますよ」 「ゆ! わたしをさいごにのこしてね!!」 「わたしだよ! ゆっくりいじめられるのはわたしをおいてほかにはないわ!!」 「いじめられるのはわたし! ほかのてんこはしゅんさつされてね!!」 自分が最後に生き残ろうと他の仲間を盾にしようとするてんこ。 その構図はまりさ種に多くみられるものだが、てんこの場合はその理由が虐められるためなのだから不思議だ。 「最後に残りたいなら必死に逃げることですね。次は鬼ごっこで遊びましょう」 そう言うと衣玖はいつものポーズでスペルカードを発動する。 棘符「雷雲棘魚」 大電流を自分の体に纏う攻防一体の必殺スペルだ。 触れれば間違いなく黒焦げになって死ぬ。 「さぁ必死に逃げ回ってくださいね」 どこまでも穏やかで黒い笑みを浮かべながら衣玖はてんこの群れへと寄っていく。 「こ、こっちにこないでね!!」 「あっちのてんこをしゅんさつしてね!!!」 必死で逃げるてんこだったがその動きは遅く、衣玖にすぐ追いつかれてしまう。 「こ、こないで! こな…ああああああああっ♪」 追いつかれたてんこは恐怖と歓喜の混じった悲鳴をあげて炭になった。 その悲鳴を聞いたてんこは逃げる足をピタリと止めた。 なんて気持ちよさそうな声だろう。 あのおねーさんに触れたら死ぬけど気持ちよさそうだ。 ゆっくり虐められるためには最後まで生き延びなきゃ、でも味わってみたい。 てんこ達に何とも不思議な葛藤が生まれ、一匹…そしてまた一匹と雷雲棘魚を発動中の衣玖へ飛び込んでいく。 「あああああっ♪」 「し、しあわせえぇぇぇぇぇ!!」 「すっきりぃぃぃぃぃ」 「さいこぉ~♪」 その断末魔はどれも甘美なもので、それが呼び水となって周りにいたてんこが次々と衣玖へ飛びついて行く。 「ふふふっ、なんてバカなんでしょう。一瞬の快楽のために死を選ぶなんて…!」 「あぁぁぁぁっ! もっとバカっていってぇぇ!!」 「いっぱいいじめてえぇぇぇぇ!!!」 こうなると確変フィーバー入れ食い状態だ。 数百のてんこが衣玖の周りで二通りの昇天を味わっていく。 「いいんですか? 今死んでしまうとゆっくり虐めてあげませんよ?」 「!! で、でもぉぉぉ!」 「おねえさんにいまの責めもあじわいたいよぉぉぉぉお!!!」 涙を流して目の前の快感と未来の快楽に揺れ動くてんこの心だが、てんこはゆっくり種。目の前の誘惑には勝てなかった。 「でもやっぱりいまいじめてほしいぃぃぃぃ!!!」 「くろこげにさせてえぇぇぇぇ!!!」 それから何分経っただろうか。 すでに衣玖の周りにはてんこが数えるほどしかいなくなっていた。 衣玖は雷雲棘魚を解除すると衣のドリルで残ったてんこを次々と貫いていく。 「つ、つぎはわたしをつらぬいてぇぇぇ!!」 「わたしもつきさしてぇぇぇ!!!」 残ったてんこは衣玖の持ち出した約束、残った一匹をゆっくり虐めるということを知らない。 約束を聞いたてんこはすでに炭になっている。 「貴方で最後ですね」 「ゆっくりいじめてね!!」 「はい♪」 グシャ 最後のてんこは脳天から衣玖の衣で貫かれ、悦の表情で絶命した。 「あら、あんたも終わったみたいね」 「総領娘様。確かに全滅させましたよ」 そしてこれで天界の危機は去っただろう。あとは龍に報告だけすれば終わりだ。 「では、私はこれで」 「ええ、今日は助かったわ。またね衣玖」 「はい。また来ます総領娘様。…掃除の終わるころに」 「…え"?」 「それではっ」 衣玖は空気を読んで足早に龍の世界に帰って行った。 残されたのは天子と大量のてんこの死骸。 天界の美しかった花畑はてんこ集団に荒らされたこと、天子と衣玖が暴れたことでひどい有様になっていた。 桃の香りもてんこの死体から発せられるムワッとした不快な匂いが漂っている。 てんこの数が多かっただけに掃除は大変だろう。 「あーもう! 衣玖のばかー!!」 数日後 衣玖が天子に会いに行った時に問答無用で勝負を挑まれたのは言うまでもない。 終 by ゆっくりしたい人 なんだかカオス。酒飲んだノリで書いた結果がこれだよ! このSSに感想を付ける
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GSPOー幻想郷総合警邏機関。 それは博霊の巫女の鶴の一声によって作られた 幻想郷の小さな事件や異変を解決する警察みたいな組織である! 【登場人物】 ジャック GSPOゆっくり課の隊員。人間、男性、20代。 性格の悪いゆっくりは嫌いだが素直なゆっくりは好き。 標準装備はGSPO隊員に支給される拳銃。早撃ちが得意。 会う度に嫌みを言うレフィが嫌い。 レフィ GSPOゆっくり課の隊員。妖怪、女性、年齢不明。 何かにつけてジャックに絡んでくる。 ゆっくりは愛でる派だがすっきりするゆっくりは嫌い。 ドスまりさ ジャックによってゆっくりから解放されGSPOに入ったが、 上層部に気に入られGSPOのマスコットになってしまった。(第一話参照) __________________________ 「はじめまして。私の名前はYdmtⅩです。コンゴトモヨロシク。」 目の前で合体した悪魔のような自己紹介をしたこいつは 本日よりGSPOゆっくり課隊員となる新人だ。 正確には新“人”ではないが。 下膨れた顔のようなボディ。シャキンと伸びた黒い三角帽子。 一見するとゆっくりまりさに分類される姿だがその体は鋼鉄製。 一般にロボットとかメカとか言われるものである。 なんでも河童の技術を享受し続ける流れに反対したとある田舎の人間が作り出したとかで、 性能テストも兼ねてGSPOに所属することになったのだという。 「かわいー!よろしくね。ワイディー…えーっと。」 「YdmtⅩです。」 「そうね、ワイディーエムワイテン!」 「YdmtⅩです。」 早速ウマがあったのかYdmtⅩと漫才を始めるレフィ。 俺的にはこんな無骨なメカよりも先輩先輩と駆け寄ってくれる 人間の女の子の方がよかったんだがなぁ。 まあゆっくりの形というのはゆっくり課の仕事の役に立つだろうから良しとする。 そう思いながら銃の手入れをしていると電話が鳴り響いた。 通報のようだ。 「はい、こちらGSPOゆっくり課。はい、はい。 わかりました。すぐに伺います。おい、出動だ。 ある村と共存関係にある群のゆっくりの様子がおかしいらしい。」 「私パス。YdmtⅩ行ってきてよ。」 「わかりました。」 レフィはゆっくりを退治する系の仕事以外にはあまり積極的に参加しない。 悪いゆっくりが酷い目に遭うのはいいらしいが 良いゆっくりのそんな姿は見たくないらしい。 昔は善悪問わずゆっくりは殺すなと言っていたが、 ゆっくり課に入っていくつか事件を経験して成長したらしい。 選り好みするほど余裕がないのだがあんまり言うとまた嫌みをネチネチと言われそうなので黙ってる。 まあ、長年一人でやってきた俺としては別にいいんだけどな。 「よく来てくれました。さあ、立ち話もなんですしあがってください。」 丁寧に俺達2人(?)を出迎えてくれた村長が詳しい事柄を説明する。 「私たちの村は昔から付近の森に住むゆっくりの群と共生してきました。 ゆっくりが人を手伝い、人がゆっくりと助ける。 そんな関係でしたが、一週間くらい前からその群のゆっくりが昏睡状態になるということが起こりましてですな。 一匹二匹ならいいんですが、群の半分以上のゆっくりが、リーダーのドスを含めて そのような症状に見舞われているのです。」 「おねがい!れいむのぱちゅりーをたすけて!」 村長の陰に隠れていたれいむが悲しそうな顔で俺達に訴える。 「このゆっくりは?」 「ああ、このれいむはその群のゆっくりです。 彼女が私たちに群の異常を伝えに来てくれたおかげで 現状を知ることができたのです。」 なるほどね。 「感染症の疑いがあります。村の人には群に近づかないように伝えてください。」 あ、YdmtⅩの野郎。それは俺の台詞だっつーに。 畜生横取りしやがって。ああ言うことを言うときが一番GSPOやってるって気分になるってのに。 仕置きのつもりで軽く小突いたら手が痛い。 そういやこいつ鉄の塊だったな。 れいむに連れられ群にたどり着いた俺達。 俺は感染症予防のためマスクをしている。 早速その昏睡状態のゆっくりってのを見せてもらったが酷いものだった。 まるで悪夢でも見続けているかのような苦しい顔つきで 常に冷や汗を垂れ流しにしている。 その上白目むき出しで時折ビクンと震える姿は痛ましかった。 レフィが来なくてよかったぜ。こんな光景見たら気絶してしまうだろう。 とりあえずゆっくり用の薬を昏睡ゆっくりに注射する。 効果があるなら数日したら効き目が現れるだろう。 日が暮れそうになったので今日はここまでにして一端村へ戻ることに。 もう群の位置はわかったので予防のためこのれいむにも 群へ行かないように言っておく。 翌日、再び群を訪れる。 群の中央に位置する大木の根本に掘られた大きな穴。 群の長のドスの元へと行ってみた。 ドスも昏睡状態だということで、ちょっと引っかかったのだ。 普通のゆっくりが感染するようなゆっくり風邪やユンフルなどは 普通ドスなど巨大なゆっくりには感染しないからだ。 ドスの周りにはドスの子供だろうか。小さなゆっくりが苦しい顔で眠り続けているドスにくっついてゆっくりしていた。 「君たち、ここは離れた方がいい。ここにいたら君たちもゆっくりできなくなってしまうよ。」 「いやだあ!まりさはおとーさんといっしょにいるんだ!」 「ここからぜったいはなれにゃいよ!」 「ゆーゆー!」 だめだ。全然話を聞いてくれない。 しょうがないので昨日注射したゆっくりたちの様子を見る。 まだ効き目が現れないのか相変わらず苦しそうな顔で眠り続けている。 進展がないので今日はここまで。 この事件、思ったより長くかかりそうだ。 夜になり、事件の解決に長くかかることをレフィに伝える。 「そう…。あまり無理しないでね。 少し前にゆっくりに感染したウィルスからゆっくりインフルエンザっていうのが出来て、 ゆっくりだけじゃなく人間に何人も死人がでたって話よ。」 「そうなのか。気をつけとく。」 ついでに、一つ気になったことを聞いておこう。 「なあ、ゆっくりが病気にかかったとして死に至るまでどれくらいかかるんだ?」 「えーっと…。ちょっと待ってね。確かここら変に資料が…あった! えーっと最も軽い症状のゆっくり風邪で三日持てばいい方だって。」 「何だって!?」 確か俺達が訪れたときは村長が…。 「わかった、ありがとう。じゃ、またな!」 「え?ちょっと待ってy…。」 「おいYdmtⅩ!俺達が訪れたときに村長はどれくらい前から症状が出てたって言った!?」 「確か一週間前と言っていましたね。…まさか。」 どうして気づかなかったんだ。 あんなに重い症状なら普通は死人もとい死ゆが出ていてもおかしくはない。 だが俺達が行ったときに死ゆはいなかったし村長も犠牲ゆが出たとは言っていなかった! それじゃなくても只のゆっくりが飲まず食わずで一週間以上も生きていられるはずがない! 「YdmtⅩ!群へ急ぐぞ!」 「了解しました。」 俺達は泊めてもらっている村の宿を飛び出した。 「ゆぎゃああああああああ!!!」 群につくとドスにくっついていたゆっくりたちが叫びながら俺に向かってきた。 「どうした、何があったんだ!?」 「ねてたらね、こえがきこえたからだれかおきたのかとおもってすにはいったら…ゆゆゆゆゆゆ!!!」 一番年長らしいまりさはそう言って泣き崩れてしまった。 俺はYdmtⅩにゆっくりたちを任せ、まりさが出てきた巣の中へ入った。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎががががががが。」 眠っていたはずのぱちゅりーから悲鳴とも何かの裂けるような音ともとれる声がする。 「おい、大丈夫か…!!!!!!」 「ゆびょべば!!!」 そう叫びながらぱちゅりーの体を破って何か出てきた。 それはギチギチ音をあげながら俺に向かってくる。 体長五十センチほどの…シロアリだー! アリは俺に向かって液体を飛ばしてくる。 とっさにかわすと液体のかかった石が水飴みたいにデロデロになりやがった。 こいつはまずい。素早くホルスターから銃を抜き、アリに連射する。 ビギィという音をあげアリはバラバラになった。 いやな予感がした俺は外へ飛び出す。 昏睡していたゆっくりがいた巣穴からわき出てくるアリ、アリ、アリ。 しかもご丁寧に宿主のゆっくりの皮をぶら下げてやがる。 YdmtⅩは耳の部分からバルカン砲を出し、 ゆっくりたちを庇いながらアリを撃退している。 「大丈夫か!?」 「私は大丈夫です!それよりもこのアリ、迂闊に近づかないでください。 このアリは『バンノウキセイアリ』と呼ばれる種で 動物ゆっくり関係なく寄生して増える妖怪昆虫です。 絶滅したと思われていたのですが、 たとえ幼生でも迂闊に噛まれれば卵の因子をつけられて終わりですよ!」 おいおい、こんな化け物アリが相手だとわかってたら妖怪課の連中に仕事をパスしておくべきだったぜ。 今となっちゃあそんな余裕も時間もない。 こいつらを一匹でも逃がせば下手すれば幻想郷が滅んじまう。 幸い奴らは全員まっすぐに俺達へ向かってくるため逃げられる心配はなさそうだが。 「どこかにマザーとなる存在がいるはずです。 マザーと子は一心同体、マザーを倒せば何とかなるかもしれません。」 なるほど、元を叩けばいいのか。 子でこの大きさだ。それのマザーってことはかなりの大きさがあるだろう。 そして、そんな大きさのものがある場所はここら変にただ一つ。 俺は収納スペースにゆっくりたちを避難させたYdmtⅩを抱えて走り出した。 無数のアリが襲いかかるがYdmtⅩのバルカン砲がそれをはね飛ばす。 アリにくっついてるゆっくりの皮が凄く痛々しい表情をしている。 そしてアリがダメージを受ける度に 「ゆぎゃあああああ!!」 「いだいよおおおおおおおお!!」 「ぴぎぃいいいいいいい!!!」 と悲痛な叫びを響かせる。 まさかまだこれらの寄生されたゆっくりたちは生きているのかよ。 どこまで残酷なアリなんだ。 やっとのことでドスのいる穴に潜り込む。アリに邪魔されないように穴に蓋をする。 マザーに寄生されたドスはもはやドスではなかった。 まるでヤドカリの貝のように口から巨大なアリの頭部をのぞかせている。 目やら何や等の穴からは無数の触手。 普段からグロデスクなものに慣れていないと吐いてしまいそうだ。 「やべでええええ!いだいよおおおお! うぎゃああああああ!!!!ごろじでえええええ!!」 ドスが叫ぶ。 やはりまだ生きている、いや、生かされているのだろう。 グオオオオォォォ、とまるで獣のような雄叫びをあげるマザー。 マザーが触手の先から妖怪液をばらまいてくる。 それらをかわしながら俺は銃撃を浴びせるが、頑丈な甲殻のためかまるで応えていないようだ。 触手が動く度に痛むのか、ドスは 「うぎゃああああああ!!!」と叫んでいる。 その悲痛さはたとえ虐待愛好家でも裸足で逃げ出してしまうほどだ。 「伏せて下さい!」 YdmtⅩが叫んだ。 俺がとっさに伏せるとYdmtⅩの背中からミサイル砲がジャキンと飛び出し、 マザーに向けてミサイルを発射した。 マザーの頭部に着弾したミサイルは致命傷を与えるには至らなかったものの頑丈な甲殻に深い傷を与えたようだ。 すかさず傷めがけ弾丸をありったけ連射する。 傷から体液っぽいのが漏れ出す。よし、効いてるぞ! 「ひぎいいいいいふぐううううううううううう!!!!」 ドスが吠える。待ってろ、もうすぐ楽にしてやるからな。 俺はコストがかかるため普段は使わない火薬入りの弾丸をマガジンにセットする。 万が一妖怪に襲われた時のためのとっておきだ。 素早くマガジンを交換し、マザーに向けて全弾放つ。 一瞬の静寂、そして爆発。 さすがのマザーも体内での爆発には耐えきれなかったらしく、砕けた甲殻をぶちまけながら死んでいった。 「これで…ゆっくり…でき…る…よ…。」 ようやくマザーから解放されたドスは普通とは全く逆の辞世の句を述べ果てていった。 同時に騒がしかった外が静かになる。 どうやらマザーを倒したことで子であるアリたちが全滅したようだ。 巣穴から外に出ると、ちょうど太陽が昇るところだった。 このあと、異常を知らせたれいむやドスの子供たち生き残ったゆっくりたちは 群と多くの仲間を失ったことを悲しんだが、 村の人たちが彼女らをしばらく保護するということになって気を取り戻した。 成体に育ったら、また群を作らせ、前と同じ関係を続けていくそうだ。 後日届いた手紙によると、ドスの子供のまりさがドス化し始めたらしい。 あのゆっくりたちは安泰だな。 そして俺達は帰るなり、上層部にアリのことは騒ぎになるのを防ぐため口外しないようにと言われた。 後に、妖怪課の連中が今回の事件を受けてアリの巣を捜索し、 発見することになるのだがそれはまた別のお話。 その後俺たちの活躍が認められ、俺は昇格&賞与として多額のお金をもらった。 まあお金の方は火薬弾を買い戻すのでほとんどなくなってしまったが。 YdmtⅩは初日での大活躍により幻想郷の名誉住民として賞状と住民票が送られた。 さぞかし製作者の人間も大喜びだろうな。 「アリ事件、大変だったわね。」 「普段からドスなんかを相手にしていてよかったぜ。 じゃなきゃ今頃俺は透けてたかもしれない。」 オフィスでレフィと会話をする。 昇格したことでレフィと同じ階級になったためか若干話しやすい気がする。 気のせいだろうけど。 「ねえ、今夜暇?」 「ん?ああ、今日は事件もないし別に何もないが。」 「じゃあ、よかったら一緒に食j」 「ジャックさん、事件ですよ!ゲスまりさの群が村を占領したらしいです!」 「レフィ、悪いな話は今度にしてくれ。」 「もうっ!YdmtⅩ、空気くらい読みなさいよ!!」 「え?私はただ忠実に職務を全うしているだけですが。」 「これだから基本的な選択肢でしか行動を判断できないプログラム野郎は嫌いなのよ!」 「プログラム野郎ですって!?今のはさすがの私でも傷つきましたよ!」 「あら、メカのくせに傷つくんだ! じゃあこっちの心の傷も察しなさいよ!」 レフィはどうやら嫌みを言う相手を俺からYdmtⅩに切り替えたようだ。 どうりで話しやすくなったわけだ。納得。 俺は現場に向かうため未だレフィとYdmtⅩの怒号の響くオフィスを逃げるように後にした。 ロビーでマスコットのドスまりさが話しかけてくる。 「おにいさん、さいきんすごくげんきそうだね!」 「え?俺は昔から元気ハツラツだったが。」 「そうじゃないの。なにか、いきいきしてる!」 「多分レフィが俺に嫌みを言わなくなったからだな。」 「ちがうとおもうけど…。」 「違わない!俺は忙しいんだ。もう行くからな!」 「ゆっくりいってらっしゃい!」 外に出ると、ゆっくりの親子が歌を歌いながら散歩をしていた。 たまにはこういうのどかなのも良いものだと思ったら 「うっうーあまあまがあるどびびゃ!!」 邪魔すんな肉まんめ。興が削がれたじゃないか、まったく。 「でびりゃのからだがー…。」 崩れ落ちるれみりゃ。カッとなって撃った。反省はしない。 俺は煙を噴く銃をホルスターへ戻し、現場の村へ歩き始めた。 ~後書き~ 毎度アサシンの人です。 思ったより長くなってしまった。 ゆっくり虐待って感じじゃないけどいいよね? 初期に比べると文章がうまくなったと思う。 虐待描写はまだまだだが。 ちなみにユンフル≠ゆっくりインフルエンザ ユンフルはゆっくりがかかるインフルエンザで ゆっくりインフルエンザは豚インフルエンザのゆっくり版 過去作品 「ゆっくり兵」 「ゆっくり焼き串」 「アサシンゆっくり2 お兄さん虐め編」 「ゆっくり護身術」 「ゆっくりになった男1」 「ゆっくりになった男2」 「ドスのいる村」 「食ゆ植物」 「ゆっくりミキサー車」 「GSPOゆっくり課」 「GSPOゆっくり課2」 このSSに感想を付ける
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※俺設定注意 この世に飼いゆっくりという概念が誕生して暫くになる。 嘗てはただのお饅頭の代用品、くらいの扱いだったゆっくりは今や一ペットとしてある程度の需要を満たす存在となっている。 もちろん、それ以上にウザイ害獣、ムカつく街を歩く生ゴミといった捉え方をされているのも事実だが。 皆さんはペットショップに並ぶゆっくり達がどういう経緯を辿ってそこに居るのか不思議に思った事は無いだろうか? ああ、ちなみにここで例にするのは十個500円とかで投売りされている粗悪品ではなく、きちんとした飼いゆっくりの事だ。 彼女たちは生まれてから今まで、どのような教育を施されたのか気になる人もいるはずだ。 今回紹介するのは、そんな飼いゆっくりの教育法だ。とはいってもあくまで自己流。あんまり人にお勧めは出来ない。 とにかく普段俺がやっているような、飼いゆっくりを輩出できる方法を教えよう。 既にゆっくりを飼っていて、躾が難しいと感じている人にも良いかもしれない。 そうそう、言い忘れていたが『良い飼いゆっくり』を作り出すのにはそれなりの努力と犠牲が必要だ。 つまりペットショップに並ぶゆっくりの影ではそれになれなかったゆっくりが山ほど居るというのをお忘れ無きようお願いしたい。 ぶっちゃけた話、躾けの過程で死ぬゆっくりが大量に出るって言うことだ。 ゆっくりブリーディング さて、まずは躾を施す赤ゆっくりの、その仕入先を明かさねばなるまい。 巷で一般に言われているが、ゆっくりは親の餡子を元に子ゆっくりを成す。 つまり親の餡子=性質、性格、その他諸々を引き継ぐのだ。これをゆっくりの血統、即ち餡統と呼ぶ。 良い子の親からは良い子の赤ゆっくりが生まれ、ゲスからはゲスしか生まれない―――というのが、一般の通説である、らしい。 ブリーダーはそうやってより優良なゆっくりのみを引き継がせていく。 だが、これはあくまでゆっくりの質をより高めようとする場合に限る。 いくら多産なゆっくりとは言え、あまりにもポコスカ産ませると母体の影響もあるし、何より子供も粗雑なものしか生まれない。 優良餡統を引き継がせるゆっくりは、それこそコンクールにでも出すつもりでなければ滅多に作られないのだ。 早い話が、飼いゆっくりはそこら辺の野良の子供でも十分になりえる。 というわけで、俺はもっぱら赤ゆっくりの『仕入先』は近くの山や森を回るようにしている。 原価は0円なので非常に楽である。別に街の野良ゆを捕まえても良いのだが、少々性格が擦れすぎていて子供にも影響が出るのだ。 出来るならば人間の事を良く知らない山や森の奥深くに居るゆっくりがモアベターだ。 彼女たちは野良ゆに比べて、とにかく純真で無垢である。余計な混じりっ気がないぶん、子供も躾けやすい個体が多い。 「ゆゆゆ~♪ゆゆっゆゆ~♪」 基本的にゆっくりは日向ぼっこを好む。特に植物性にんっしんっをしている親ゆは、子供のためにも外に出たがる。 植物に似ている形態故なのだろうか、一部のゆっくりのように光合成をしているのではないかという一説もある。 まぁそんな事はさておき、往々にして森の中を探索するとこうやって外をうろついてるにんっしんっしたゆっくりに出合えるのだ。 「ゆっくりしていってね」 「ゆゆ!!ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!おにーさん、まりさたちになんのごよう?」 額に茎をぶら下げたれいむの隣には、その番であろうまりさが暢気に用事を聞いてくる。 この緊張感とか、警戒心の無さが野良ゆとは違う、野生のゆっくりの性質である。 思わず爪先を顔面にぶち込みたくなるが、そこは我慢。これから似たような番たちをまだまだ探し回らなくてはならないのだ。 体力は温存しておくに限る。 「ほい」 ブチッ 「ゆ?」 「ゆゆ?」 無造作に歩み寄り、れいむの茎を掴んで、引き千切る。この間実に2秒の出来事である。 この二匹はもう用済みだ。ぶち殺したい衝動に駆られるが、今日はそんな用事で森まで来たのではない。自重する。 くるっと振り返り、さっさと二匹から離れる。手に持った茎は、背中に背負った籠の中に放り込んでおいた。 「・・・・・・ゆっ、ゆゆ~~~~~~!!?」 「ま、まりざとれいぶのあがぢゃんどこ~~~~!!?」 後ろではようやく気付いたのか、間抜けな絶叫を上げる二匹の声が聞こえてきた。 いちいち子ゆっくりを失った程度で喧しいことだ。ちょっとすりすりすれば生まれるだろこんなもん。 まぁ明日くらいになればケロッと忘れてまた番二匹で盛っているのだ。何も問題は無い。 このような調子で、とにかくゆっくりの番を探し回っていく。 茎が生えていればそれをもぎり、生えていなければすりすりさせた後生えさせてもぎる。 単独で行動するゆっくりは珍しいので無駄足を踏むということ自体が少ない。あっという間に茎が集まっていく。 一組の番から何度も茎を採取しようとすると品質の劣化が起こるので、このような面倒な事をしているのだ。 「ゆああああぁぁ!!?れいむだぢのあがぢゃんがあああぁぁ!!!?」 「まっでね゛ー!?あがぢゃんだぢをもっでがないでねー!?わがらないよぉー!!?」 「やべでえええぇぇぇ!!!ありずだちのかわいいあがぢゃんがあああぁぁぁー!!!」 ・・・・・・・・・。 一つの茎からは少なくとも実ゆっくりが5つ、多ければ20以上も期待できる。今回は豊作だ。 一時間で採取した茎の数は20本、実ゆっくりの数は役300程度といった所か。 この程度の数を揃えなければ飼いゆっくりを出荷するなど土台無理な話だ。体力的にはこれが一番疲れる作業である。 さて、採取してきた茎及びそれに付いた実ゆっくりだが、これを育成しなければならない。 具体的に言えば砂糖水を入れた花瓶に茎を差し、栄養(?)を補給させるのだ。 ・・・・・・しかし、その前にやることが一つある。 実ゆっくりの時点で残留している、親ゆっくりの記憶除去である。 ゆっくりは親の餡子=記憶で作られているために、ある程度の記憶を引き継ぐことがある。 これが先述の餡統なのだが、それは良い意味で使われるとは限らない。 野生のゆっくりから生まれた子はある程度野生の常識を持ったまま生まれてしまうのである。 矯正は簡単だが、それよりかは記憶そのものが無い方が良い。 記憶除去に使う道具はただ一つ、塩水である。 濃度は低く抑え、0,5%から1%の塩水を使う。これ以上濃度が高いとただの虐殺になってしまうからだ。 方法は簡単なもので、砂糖水の変わりに塩水を吸わせる。これだけ。 例えばこの茎の一本は、ほんの少し前から塩水に差している。実ゆっくりはれいむ5、まりさ5だ。 茎の吸引力はそれなりのもので、2~3分もすればすぐに効果が現れてくる。 この茎ももうすぐ2分が経過しようとしている・・・・・・と思った矢先に、根元の子れいむが反応を始めた。 「ゆっきぃ!」 びくんと身体を震わせ、目から口から涎や涙を垂れ流している。 実はこの涙、塩水だ。実ゆっくりと言えどある程度の防御策は身につけているらしい。 そうこうしている内に、徐々に根元から先端まで塩水が行き渡っていく。 「ゆぴぃ!」 「ゆ゛ゆ゛っ」 「ゆっくぢ」 「ぐげぇ」 10匹が10匹、苦悶の表情を浮かべながら必死に身を捩っている。 そんなことをしても体の中を流れる塩水は止まらないけどね。 ゆっくりには刺激物は毒物として反応される。代表的なものは辛味である。 飼い始めたばかりの赤ゆっくりが間違えて唐辛子等を食べた結果、そのまま中身を吐きつくして死ぬというケースが毎年何百件か報告されている。 塩=塩辛いという刺激も、辛味ほどではないが立派に効果を発揮するのだ。 先ず実ゆっくりの体内に入った塩水は、循環し、隅々まで行き渡る。 この時点で先のように実ゆっくり達は泣くなどの防御行為で塩水を排出するが、それだけでは十分な量を排出する事は出来ない。 結果としてこのように、実ゆっくり達は謎の毒物=塩分に苦しめられることになるのだ。 塩分は餡子を蹂躙、その体構造を破壊する役割を持つ。 ここで一番の被害を受けるのが中枢餡――即ち、記憶を司る部位である。 実ゆっくりにしては過剰と言わざるを得ない塩分は、実ゆっくり達の少ない情報を破壊し尽くしていく。 つまり、親から受け継いだ大切な記憶の事だ。 「~~を~~せねばならない」と言った常識は勿論、もっと根幹の記憶等も破壊される。 例えば、当然の如く知っている筈の親の事が分からなくなる。 咀嚼中の「むしゃむしゃしあわせ」等の習性も無くなる(ただし、「ゆっくりしていってね」という挨拶だけは流石に抜けないが)。 それどころか同じ茎に実った他のゆっくり達を姉妹とすら認識できなるなるのだ。 これで何故か運動野とかはまるで無事なものなのだから不思議なものである。 まぁ便利だから活用させてもらっているが。 言ってみれば、ゆっくりの記憶のクリーニング作業だ。受け継がれてきた記憶を完全にリセットし、真っ白な状態にする。 こうなれば親が良餡統だろうと悪餡統だろうと関係ない。彼女たちは俺の命令以外の判断基準を持たなくなるのだ。 余談ではあるが、加工所で販売されている「未刷り込みゆっくり」も、これとほぼ同じ工程で製造されている。 と、根元から4番目に実った実れいむが急に黒ずみ出した。 これは単純に塩水に耐え切れなかった脆弱な個体なだけだ。50匹に一匹程度の確立で、偶にそういうものがいる。 良くある事だ、助けようとは考えない。 それに助けても、そういう個体は往々にして頭が悪く育てる価値が無いような悪辣な個体になる傾向にある。 ある意味これも選定作業なのだ。 他の茎も同じように塩水に差していく。 記憶の除去は大体10分もすれば完全に終わるので・・・・・・ここは念入りに一時間ほど苦しめよう。どうせ死にゃしないしね。 やがて塩水を吸ってビクビクと痙攣し始める実ゆっくり達。 時折発する悲鳴がいい感じにコーラスしている。癒されるなぁ。 たっぷり一時間経った後は、普通の砂糖水に移し変えてやる。 苦悶の表情から一転、すやすやと安らかに眠り始める実ゆっくり達。 虐待の時に見せる表情もいいけど、こういうのも悪くない、と思う。 今回塩水につけた段階で死んだのは、7匹。 先ほどの実れいむに、別の茎の実まりさ3、実れいむ3である。 今育成中の実ゆっくり達は他の種類も結構居るのだが、なぜかこの2種だけしか死ななかった。なぜだろう。 やっぱり生まれる数が多いと割合として良く死ぬのだろうか。 まぁこれから躾の過程にもこの二種には最も多く死んでもらうことになりそうだが。 さて、内約。 7匹数は減ったが、やはりまだ300程度。最終的には50ほどに絞ろうかと考えている。 最も多い種から、れいむ3割、まりさ3割、ありす2割、ぱちゅりー1割、その他(ちぇん、みょん等)が残りの一割か。 一般に希少種と言われているゆっくりは・・・・・・無し。 もし居たら躾にも気合が入っていたのだけどなぁ。残念。 それから三日後。 砂糖水の中に混ぜておいた成長促進及び抑制剤の効果によって実ゆっくり達はすくすくと成長を続けていた。ただし生まれ落ちない。 成長はするけど生まれ落ちる期間を指定出来ると言うのがこの薬品の強みである。 お陰で付きっ切りで見ゆっくりの世話を焼かなくても良いようになった。実にありがたい。 これを開発してくれた加工所研究部勤務の友人に感謝である。 今の内に茎を全て地下の育成部屋へと運び込む。部屋と言っても無茶苦茶広いが。 これから少なくとも亜成体となるまでの期間、実ゆっくり達には基本的にここで生活してもらう事となる。 一応床は芝生を植えつけ、溜め池、植木も完備、空調も自然のものを模しているのでそれほど窮屈には感じないはずだ。 普通のブリーダーはこんな部屋は使わずに独房みたいな部屋に監禁まがいの事をするのだが、そこは俺の趣味だ。 芝生の上に置かれた花瓶、そこに連なる300ものピンポン玉大の赤ゆっくり達。 なかなか壮観と言える。 薬の効果は今日中に切れるように調整しておいた。 つまり今日中に300匹の赤ゆが誕生することになるはずなのだが・・・・・・っと。 言い切らぬうちに、一匹の実ゆがプルプルと震え出した。 誕生の瞬間である。 プチッと微かな音を立てて、地面へと落下していく実まりさ、いや、赤まりさ。 着地の瞬間、ぷにゅりと身体を大きく変形させて衝撃を和らげる。 閉じていた目をゆっくりと開いて、生まれてはじめての産声を響かせるために大きく息を吸う。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!!」 はい、誕生おめでとう。300匹最初の赤ゆっくりは健康な赤まりさだ。 赤まりさの声が発破となったかのごとく、どんどん震え始める実ゆっくり。 一斉にゆっくりが落ちていく様は、早送りで木の実が落ちる風にどことなく似ている。 「ゆっくち!」 「ゆっくりしちぇいってね!!!」 「ゆぅ~!」 「ゆっきゅぃ、ゆっきゅぃ!」 「ゆっくちちていってね!!!」 「ゆっくりしていっちぇね!!!」 「ゆっくぃ!!ゆっくぃぃ!!!」 「ゆゆぅ~!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇにぇ!!!」 「ごゆるりと・・・・・・」 生まれた拍子に最初の挨拶をし、それを聞いた別固体が反応して挨拶をし返す。 そのような事がどんどん起こり、あっという間に部屋の中は騒がしくなった。 赤ゆっくりが2~3匹程度でゆんゆん言っているのは許容出来るが、流石にこれ程だと少々イラッとくる。 赤ゆっくりを踏み潰さないように、足で赤ゆを優しく退かしながら部屋の中を歩き回る。 そうして一匹一匹赤ゆの状態をチェックするのだ。 健康状態はどうか、欠損している部分は無いか、どのような性格をしているか・・・・・・ あまり厳しくチェックする必要はない。上から見下ろせば、問題があるような奴はむしろ目立つからだ。 そう、例えば今俺の目の前、二メートル前方の床にいる赤ゆっくりの一群。 その中の3匹の赤まりさが、1匹の赤れいむを囲んで突っ突き回している。 他の赤ゆっくりは気付かないのか怖いのか、その三匹を止める事は無いようだ。 突付き回されている赤れいむは涙を零して逃げ回っている。 「ゆっくち!ゆっくち!」 「ゆっゆゆぅ~♪」 「ゆっ!まりちゃはちゅよいんだよ!」 「ゆぴいいいいぃぃぃ!!!ゆうううぅぅぅぅ!!!」 いくら記憶をクリーニングしたところで、そのゆっくりが生来持っている気質は変えようが無い。 他者をゆっくりさせようと言う穏やかな気性を持ったゆっくりも居れば、どこまでも貪欲に己のゆっくりのみを追い求める者も居る。 これは良餡統・悪餡統に関わり無く、完全に不確定な要素でもって生まれてくるのだ。 エリートの子がどうしようもないボンクラだったり、野良の子が意外に良い性格だったりするのもこれが原因である。 「ゆっ?」 「ゆゆっ?」 「ゆっ!おちょらをとんでるみちゃい!」 「ゆぴいぃ!!ゆぴいいいいぃぃぃ・・・・・・・ゆぅ?」 赤まりさ三匹を摘み上げる。悪いがここで赤まりさ達のゆん生は終了だ。 生まれて早々いじめ紛いの事をするゆっくりはこれからどう育っても良い子にはならない。 そのまま赤まりさ達をポケットに入れる。少々騒いでいるが気にしない。こいつらにはまだ役に立ってもらう事がある。 追いかけられていた赤れいむは、不思議そうに周囲をキョロキョロと振り返っていた。 赤まりさ達以外にも、不自然な勢いですりすりを繰り返している赤ありす、他のゆっくりの飾りを奪い取ろうとしていた赤れいむ、 圧し掛かって相手をボロボロにしていた赤みょんなどを拾い上げる。 大体ここでは10匹程度がポケットに入ることになる。残りは290匹だ。 ・・・・・・と、ここで何か不自然な音を耳にした。 パン、パン、と、なにやらかんしゃく玉のような音が聞こえてくるのだ。 音のする方向へ振り向く。 「・・・・・・あれ?」 よくよく目を凝らしてみると、部屋の隅っこになにやら爆発している小さい玉っころが見えた。 それは黒い長髪を元気に揺らし、未成熟な羽を必死にパタつかせ・・・・・・って羽? もしや。俺の見間違いでなければ、このゆっくりは。 「うにゅ!うにゅ!」 うっくりうつほだった。通称ゆくう。 中身がイエローケーキだとか、ヌカ○ーラ・クアンタムとかで構成されていると専らの評判のゆっくり。 内容に相応しくその行動・性質も過激で、個体によっては巨大なキノコ雲を作り出すことも可能とか言われている厨ゆっくりだ。 何でそんな危なっかしいゆっくりがこんな所に・・・? もしかして、実ゆっくりのチェックをするときに見過ごしたのだろうか。 確かにれいむ種と似た黒い髪だし、リボンの色とか殆ど見ていなかったような気がする。 羽も丁度隠れるような角度で見ていたのかもしれない。 しまった。うっかりしていた。 茎を集めていた時はそれほど珍しいゆっくりには出会わなかった筈。 おそらくはチェンジリングの類だろう。 数万分の一以下の確立で、親のゆっくりとは異なった種のゆっくりが生まれることがある。 ゆっくりに存在するのかは分からないが、遺伝子の影響やらが関係しているらしい。隔世遺伝というやつか。 それにしても珍しい。ただのチェンジリングでさえ相当希少なのに、それもゆくうのチェンジリングだ。 俺自身はあまり信じていないが、チェンジリングの子は幸運を齎してくれるとか――こいつを育てる価値は、十分にある。 「おい」 「うにゅ?」 呼びかける。振り向くゆくう。 まだ充分に羽を使って飛べないらしく、ぴょーんぴょーんと緩慢かつふわふわした跳ね方でこちらにやってくる。 生まれたばかりだと言うのにやたらめったら元気な奴だ。ゆくうと視線を合わせるためにしゃがみ込む。 手を差し伸べて、ゆくうが手の平に乗っかれるようにしてやる。 普通の赤ゆっくりなら、こういう動作をされれば一も二も無く喜んで飛び乗ってくる筈――― 「うにゅーーーーっ!!!」 ぽこん。 ―――ゆくうは俺の手の平に体当たりを仕掛けてきた。 全く以って痛くないが、その感触がある事を思い出させてくれた。 ああ。コイツ、普通の赤ゆっくりじゃないんだっけ。 ゆくう種は体力面では通常のゆっくりを大きく上回るが、おつむの方はそれほどよろしくない。 それどころか、かなりの⑨なのだ。それこそちるの種級である。 コイツはきっちり躾をしなくてはならないな。少なくとも物忘れが激しい分、じっくりと教え込んでいかねばなるまい。 そう決意して、ゆくうの前で人差し指と親指を使って円を作る。 「うにゅ?・・・・・・ふーj」 べちんっ 「う゛に゛ゅっ!!?」 何やら言いかけたゆくうの顔面に、デコピンがヒットする。 顔面を陥没させて転げまわるゆくう。ふむ、結構丈夫だな。赤ゆの割には強めに打ったんだが。 今の状態のゆくうは三歩歩けば何もかもを忘れそうなので問題ない。痛みに転げまわっている間に離れるとしよう。 一通り部屋の中を歩き回ったが、それほど問題のある奴は見つけられなかった。 問題のある10匹の赤ゆっくりは俺のポケットの中でいつの間にか眠っている。 よし、準備完了。そろそろ始めるか。 部屋の中央に移動し、赤ゆっくり達の注目を集められるようにしてから、少し息を吸って・・・・・・。 「ゆっくりしていってね!!!」 特大の音量で挨拶する。 赤ゆっくりの声量など目じゃない大音声は、この部屋の中に居る全ての赤ゆっくりに聞こえたはずだ。 すると即座に俺の方に向き直る赤ゆっくり達。 先程まで好き好きに行動していたのに、一斉にピタリと動きを止めてこちらに挨拶を返そうとしているのだ。 常々思うが、「ゆっくりしていってね」の効力は凄まじい。 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」」」 赤ゆっくり達の大斉唱が響き渡る。 元気があって大変よろしい。 赤ゆっくり達は何やら期待の眼差しでこちらを見つめてきている。 これから何かが始まると予感しているのだろうか。 「よし、お前ら。俺の言葉が分かるか?分かる奴はその場で跳ねろ」 「「「「「「「「「「ゆーっ!!」」」」」」」」」」 言う通りにピョンピョン跳ね始める赤ゆっくり達。 大体全ての個体が俺の言葉を理解できているようだ。 偶にではあるが、塩水の影響で言語機能に異常を持つものも居る。 そういう個体もまた不適格として処分する。 ゆっくりの特長はヒトの会話を理解できる所にあるのだから、それが出来ない不良品は要らない。 「全員理解してるな。俺の事は『先生』と呼べ。これからお前達を育て、教育する者だ」 お父さんや、お母さんではなく、先生。 両親の記憶が無い赤ゆっくり達に迂闊に親を連想させるような言葉は使わない。 親だと思い込まれると、甘ったれる者が出てくるためだ。 「ゆっ・・・しぇんしぇい?」 「ちぇんちぇい!ちぇんちぇい!」 「しぇんしぇい!ゆっくりしちぇいっちぇね!!!」 「ゆぅ~っ!ちぇんちぇい!!!」 「そうだ、先生だ。『しゃんしぇい』では無く『ちぇんちぇい』でも無いがそれはゆっくり直していけば良い」 本来なら親に向けるであろう全幅の信頼を置いた目で俺を見てくる赤ゆっくり達。 普通の赤ゆっくりではこうはいかない。例え一度も見たことが無くとも赤ゆっくりは親ゆっくりを知っていて、求めてくるのだ。 だがこの赤ゆっくり達はその記憶が無い。よってこのような刷り込みめいた事ができる。 これも塩水による記憶クリーニングの効果の一つだ。 とりあえず赤ゆっくりに懐かれる事には成功した。 だがそれだけではゆっくりの躾けに何の意味も無い。 ゆっくりを手懐けるコツは愛情だけではなく、恐怖で縛り上げることも必要なのだ。 所謂、飴と鞭。今は飴を与えた。 次は鞭の番だ。 「ゆぴぃ~~~・・・・・・」 「ゆぅ~ん・・・・・・」 「ゆぅ・・・・・・ゆぅ・・・・・・」 ポケットの中で暢気に寝ていた問題児達を取り出す。 足元の赤ゆっくり達は「ゆぅー!!」とか「れいみゅもたきゃいたきゃいしちゃいー!」とか羨ましがっている。 今までこいつらを生かしておいたのはこの時のためだ。 「よし、聞け。お前たちはこれから俺の言う事を良く聞いて、良い子になる勉強をするんだ」 空いた片方の手で問題児の中の一匹・・・・・・赤まりさの頬を摘みあげる。 少々痛かったのか、赤まりさは「ゆっ!?」と声を上げて目を覚ました。 足元の赤ゆっくり達は素直に「ゆっきゅりりかいしちゃよ!!」等と言っている。 「良い子になれば、自分も他の人もゆっくり出来る。俺の言う事を良く聞けば、必ず良い子になれる」 己の体重を頬だけで吊り支えると言うのは相当辛いのだろう。 赤まりさは「いぢゃいいいいいぃぃ!!!」と涙を流しながら暴れている。 暴れたりなんかしたらもっと痛くなるぞ、と思うが特に口には出さない。 この赤まりさがどれほど痛みに咽び泣こうとも、どうでも良いからだ 赤ゆっくり達は赤まりさには気付かずに俺の言葉を聞いている。 「逆を言えば、俺の言う事を聞けないゆっくりと言うのは悪い子だ。悪い子は誰もがゆっくり出来なくなる」 プラプラと赤まりさを振り回しながら赤ゆっくりに言い含めていく。 遠心力によって更に皮が引き伸ばされ、「ぎょえ゛え゛ぇ゛ぇ゛!!」と赤まりさは凄まじい形相を浮かべながら絶叫している。 ここでようやく赤ゆっくり達は赤まりさの声を聞き取った。 赤まりさの声を聞いた赤ゆっくり達の表情は疑念・不安といった所だ。 何故赤まりさがゆっくり出来なくなっているのかが分からないのだろう。 「悪い子は要らない。こいつは弱いもの苛めをした悪い子だ」 赤ゆっくり達に赤まりさを見せ付ける。 そのゆっくり出来ない苦悶の表情に赤ゆっくり達は揃ってショックを受けたようだった。 「ゆゆ・・・」だの「ゆっくちぃ・・・」だのプルプル震えて涙を堪えている。 「良く見ておけ。ゆっくり出来ない悪い子は・・・・・・こうなる」 人差し指と親指を離す。 それだけで赤まりさは俺の拘束から逃れ、重力に身を任せて落下していった。 赤ゆっくり達が息を呑む。 少なくとも一メートル以上の高みから落とされる衝撃は、赤ゆっくりにとって一体どんなものなのだろうか。 「ぎゅえ゛っ!!!」 顔面から激突した。起き上がる気配が無い。 地面には芝生が植えられているのである程度の衝撃は緩和されたが、それでも相当の痛みの筈だ。 良く見れば後頭部がピクピクと痙攣している。 赤ゆっくり達は不安そうに赤まりさを眺めている。 そうして赤まりさを助け起こそうと数匹の赤ゆっくりが動き出したところで・・・俺も赤まりさを踏み潰した。 「ぢゅぶっ」 ぶちゅり。足裏に泥を踏んだ時のような形容しがたい感覚が広がる。 それを赤ゆっくり達は、一瞬も漏らさず全て見届けてしまった。 赤ゆっくり達の視点からだと赤まりさが潰れる姿も見てしまったのではないだろうか。 部屋がシンと静まり返る。赤ゆっくり達は硬直したように動かない。 そんな赤ゆっくり達に向けて、残りの問題児達を持っている手を差し出した。 「お前達、よく餡子に刻み付けとけ。言う事を聞かない悪い子は、死ぬ」 「ぎゅ゛っ゛」 「ぐげっ」 ぶちゅり。そのまま手を握って一気に潰し殺した。 指の間から黒かったり白かったりする中身が漏れ出てくる。 そしてその音と俺の手に付いた餡子を見た赤ゆっくり達は、揃って悲鳴を上げた。 「「「「「「「「「「ゆぎゃあああああああああああああああああああ!!!!」」」」」」」」」」 続く
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またまた解説回です。なんだよまりさ、カンペなんて出して、なになに、 『おにいさんがかいせつかいすきなりゆうはらくだからでしよ』はあ!?『だってそうで(うるさい黙れ!「…」 まりさが黙ったところで本編へどうぞ! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 捨てられたペットは何処へゆくのだろう、野生化?野良? 拾われる?いや、ほとんどは保健所だ そんな保健所はゆっくりも保護、管理している。 その環境は犬猫、その他とはちがい引き取り事例も 胴付きや希少種(あまりいないが)はまだしも胴無しで通常種はほぼ必ず殺処分となる。 その保健所の非捕食種部屋を見学しに行ってみよう。 保健所は種類や性格で部屋が分けられており、ゲスはゲスでまとめられている ゲス部屋 ここは種類に関わらずどうしようもないゲスが入れられる部屋である。ゲスなのでとてもうるさい。 壁がマジックミラーなのが救いだ 「そこのどれいれいむ!いやどれいむ!はやくまりささまにあまあまをけんじっょうするのぜ!これはめいれいなんだぜ!」「うるさいよまりさ!あまあまをもってくるのはかわいいれいむじゃなくてまりさだよ!」 ギャーギャーガヤガヤ ケンカダケンカダ オオコワイコワイ レイムヤメナヨ マリサー レイパーは他の部屋にいる次はその部屋に行こう レイパー部屋 ここはレイパーの集まる部屋だ もちろんレイプ用ゆっくりは支給されない。性欲処理の方法は自慰だけだ 去勢していないのですっきりだのまりさーだのうるさい 「まりさ〜いとしいまりさ〜どこにいるの〜♡」 「すっきりしましょぉ〜♡」 頭が痛い…やっと通常ゆっくり部屋だ… れいむ部屋 子供大人関係なく詰め込まれている。ここからは壁が普通のガラスだ 「おねがいしますおにいさん!おちびちゃんだけでもひきとってあげてください!おねがいします!」無視しよう 「おねがいします!おねがいします!」 目の前で仲間を処分されているのは分かるがすごくうるさい。そりゃ引き取られないな まりさ部屋 「ゆっ!にんげんさんがいるよ!ほらおちびちゃん!おねがいをしてね!」「ゆっくりりかいしたよ!」「まりさはみんなよりげんきだよ!ほら!こんなにたかくとべるんだよ!」「まりさは少しだけかん字がつかえるんだよ!」 「まりさは…えーとえーとおとくだよ!」「まりさは(きりがない。次に行こう ありす部屋 「ゆっくりしていってね!ありすはとかいはよ!とってもとってもとかいはよ!」うん。だからなに? 「ゆえ!?おかしいな…だ、だからひきとってね!」無理 「おにいさん、ここからだすだけでいいの。かわなくていいからたすけてね。」無理。じゃあな。「まってお(ガチャ ちぇん部屋 「ちぇんはちぇんだよゆっくりしていってね」 珍しく普通の挨拶だな。少し話していくか。 「ちぇんにはおねえさんがいたのに、おとこのひとがきたつぎのひにつれてこられたんだよ」なるほど。その人の彼氏?がゆっくり嫌いだったのかな? 「かわいそうなちぇんをひきとってね!」時間の無駄だった。じゃあな。 みょん部屋 聞く時間の無駄。 希少種部屋 今はあまり保護されていないな。きめぇ丸だけか… 「人間さんですか。おお珍し珍し」 他のゆっくりは? 「みんな引き取られて行きました。おお羨まし羨まし」 「まあ、私も引き取る人が決まったのですが。 おお嬉し嬉し」良かったな。きめぇ丸。 殺処分部屋 ここが最後のゆっくりを殺処分する部屋か。正直ここの部屋が一番楽しみだったな。殺処分の方法は、元飼い主に頼まれない限り大部屋神経ガスだ。もちろんとても苦しむ まあそれが楽しみなのだが シュー 「ゆ?」「へんなおとがきこえるよ?」「なんかくるしいよ!ゆごごごぉwせdrftgyふじこlp」「にんげんさんはばかだね!いきをしなければいいんだよ!ぷくー」 『ぷくー』をされると時間がかかり効率も悪いので、 時々音声を流す。「ゆっくりしていってね」と 「ゆっくりしていってね」「ゆっ!ゆっくりしていってね!ゆごっゆごごご」 ゆぎゃあああああああああ ゆごごごごごごごごごごごご これでゆっくり保健所見学は終わりだ。最後を殺処分にして良かったな。すっきりした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー どうだ?この番組は楽しかったかまりさ? 「ゆっくりできないよ!」「とくにさいごのへやはね!」 まあまあ、そのお詫びに殺処分用の神経ガスを持ってきたんだ。薄くしたからゆっくり苦しんでいってね! シュー「ゆっくりできなぁwせdrftgyふじこlp」 ここまで見てくれてありがとうございました。
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注意書き 人間に飼われるゆっくりがいます うーぱっくが登場します さらにうーぱっくは自分の脳内設定全開です あとすこし人間、飼い主虐めな部分もあるかもしれません では、本編行きます 「おにいさん!まりさはゆっくりいってくるよ!!おひさまがしずんだころにはかえるからね!!」 「ああ、ゆっくり気をつけてな」 畑で農業をやっているお兄さんに大切に飼われているこのまりさは毎日朝ごはんを食べた後は夕方、日没まで外で遊ぶのが日課になっていた。 「ゆゆ!きょうもゆっくりたんけんするよ!!」 このまりさは人間に家から出してもらえない飼いゆっくりのために家の外の楽しいもの、面白いもの、怖いものを見聞し、ゆっくり集会で発表するのが楽しみだった。 今日もその集会のネタ探しのために里のはずれの野原まで跳ねていった。 「ゆ~、おひさまがちもちいいね!!」 目的地の原っぱについたまりさは原っぱのど真ん中で日向ぼっこをしていた。 ここは飼いゆっくりや野生のゆっくりがたまに訪れるゆっくりプレイスであり、ここに来る野生のゆっくりは温厚なものが多いため野性と飼いゆっくりの衝突もほとんど起きていなかった。 今日は自分以外のゆっくりがいないな?そうまりさが思ったとき、自分の後ろから声が聞こえた。 「う~、たべちゃうぞ~」 「れ、れみりゃだぁー!!」 なぜ昼間にれみりゃが居るんだ? まりさにはその理由は分からなかったがそこにれみりゃがいることは確か、まりさは全力で森の中へ逃げ出した。 このれみりゃは昨日の夜から餌を探していたが餌が見つからなかった、一日ぐらいなら我慢できたが二日も餌が見つからないと空腹で辛くなる、 そのためれみりゃは本来活動時間ではない昼間も起きて餌を探していたのだ。 ちなみにれみりゃが白昼堂々飛んでいるのを見た周囲一帯のゆっくりみんなが巣にこもってしまい逆に餌が取りにくくなったことは言うまでもない。 まりさは何とかれみりゃの攻撃をかわしていた。 もともとれみりゃは旋回性能が低い、全速力で飛んでるときは致命的なまでに。 河に流されていたれいむを救ったれみりゃが目の前の電柱をかわしきれない…そんな絵はかなり有名なので見たことがある人も多いと思う。 そのためれみりゃは「たべちゃうぞ~」とゆっくり達の恐怖心を刺激し、恐怖したゆっくりは直線コースでしか逃げようとしないためれみりゃにつかまってしまう。 だがある程度成長したゆっくりや、飼いゆっくりはれみりゃの欠点を知っているためれみりゃの進行方向に対し垂直に動くことでれみりゃの攻撃をかわすことができるのだ。 「う~逃げると食べちゃうぞー!!」 何度も自分の突撃をかわすまりさにしびれを切らしたれみりゃは全速力で突っ込んできた。 「まりさはれみりゃになんかたべられないよ!!ゆっくりしね!!」 れみりゃの牙がまりさに刺さる直前、まりさは横にはねた。 「う~?うああぁぁぁぁ!!!」 目の前にいたまりさがいなくなったと思ったら目の前には切り株、れみりゃはよけることも止まることもできずに正面から激突してしまった。 「う~…」 そのまま白目をむいて気絶するれみりゃ、これで一安心だ、しばらくは目を覚まさないだろう。 「ふぅ、これでやっとゆっくりできるよ…ゆ?」 そのとき、まりさはある事に気づいた。 「ここ゛どこ゛お゛ぉぉぉぉ!?!?」 そう、まりさはれみりゃから逃げるのに夢中になり、森の奥深くに入った結果、道がわからなくなってしまったのだ。 さらにもう夕方じゃないか、このまま日がくれればれみりゃの時間になる、もし複数のれみりゃに襲われれば自分は簡単に食われてしまうだろう。 お兄さんとの約束を破って怒られるのは怖くなかった、悪いのは自分だからだ。 でもお兄さんにもう二度と会えないと思うと震えが止まらなかった、れみりゃに食われることよりもお兄さんの方が大事だったのだ。 その時、饅頭に神がいたかどうかは知らないがまりさのすぐ近くを通りがかったうーぱっくがいた、あれに乗ればゆっくりできる!そう思ったまりさはうーぱっくを呼びとめた。 「ゆゆ!そこのうーぱっく、ゆっくりとまってね!!」 「う~?」 「まりさはみちにまよっちゃったの!かえりたいからゆっくりのせてね!!」 「うー!うー!」 うーぱっくから了承を得たまりさはうーぱっくの上に飛び乗った。 うーぱっくが上昇してくれたおかげでまりさはなんとか里の方向を特定した、まりさはうーぱっくに目的地と方角を告げるとうーぱっくの中へ入って行った。 「ゆぅ…これでゆっくりできるよ…」 これで家に帰れる、つく頃には真っ暗になっているかもしれないがそれで怒られるのなら仕方がない。そうまりさは思った。 そういえばうーぱっくにあげるお礼、持っていないな…お兄さんにお願いしなきゃ… そのまままりさはうーぱっくのなかで眠ってしまった、きっと精神的な疲れと肉体的な疲れがどっと溢れたのだろう。 「まったく、まりさのやつ遅いな…いったい何をやっているんだろう?」 お兄さんはそう呟きながら家の前を左右に何往復もしていた。 いままでまりさがこんな遅くまで帰ってこないことはなかった、もしかして怒られると思ってすぐ近くで様子をうかがってるのかもしれない、まったく自分には起こる気なんてないのに… 「おい、まりさー!!出て来いよー!!俺は怒ったりはしないぞー!!」 うん、出てこない。 もしかしたら本当になにかあったのかな?お兄さんは胸騒ぎのようなものを感じた。 その時、満月をバックにこっちに飛んでくる物体が目に入った。あれはうーぱっくだ、あの特徴的なシルエットは鳥とか蝙蝠ではないだろう。 「あの糞段ボール…ついに来たか!!」 男は急いで家の中に「ある物」を取りに行った。 うーぱっくは目的地の人間の家を視界に収めた、載せているまりさのいった特徴そっくりだからあそこで間違いないだろう。 「うー、うー!」 うーぱっくが中で寝ているまりさを起こそうとしたとき、自分のすぐそばを何かが通過した。 「う?」 気がつくとうーぱっくの角が削れていた。 「う、うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁ!!」 その悲鳴でまりさも飛び起きた。 「ゆゆっ!?どうしたのうーぱっく、ゆっくり!!ゆっくりしてね!!」 「糞段ボールがぁ!!こっちに来るんじゃねぇよ!!」 パチンコを連射していたお兄さんが叫んだ。 彼は飼っているゆっくりを愛してはいるがゆっくり愛護派というわけでもない、畑を荒らすゆっくりは今まで撃退しているし、罠にかかった野生のゆっくりは加工所に売り飛ばしている。 しかしうーぱっくはゆっくりを載せ、畑のど真ん中に着地、そのまま畑を荒らし、飛んで去っていく。今までの対ゆっくり用の罠の殆どがうーぱっくのせいで無効化されるのだ。 彼はまだこのうーぱっくを使った畑荒らしの被害は受けたことはなかったが、知り合いから話を聞いて何時自分のところにも来るかと警戒していたのだ、 そして対策用ネットの準備が整うまでの間パチンコで迎撃することにしていたのだ。 当然あのうーぱっくの中には畑を荒らそうとする糞饅頭が入っている、お兄さんはそう信じて疑わなかった。 ふつう畑荒らしの際、うーぱっくは野菜を持って帰る個体が随伴する、つまり最低でもうーぱっくは二匹いるのだが…知り合いから話を聞いただけのお兄さんは知らなかったのだ。 「うー!うー!」 「ゆっくり!!ゆっくりしてねー!!」 うーぱっくは何とか体を左右にずらし回避行動をとろうとするが飛んでくるパチンコ玉はどんどん近くを通るようになってくる。 「う、うー!!」 うーぱっくは引き返そうと思った、指定の位置に積み荷を降ろせないことはうーぱっくの沽券にかかわることだがこのままあの家の前に着陸しようものならあの人間に殺されかねない。 中のまりさには悪いが少し離れた所から歩いてもらおう、そう思い、高度を上げて離脱しようとした。 「逃げる気か糞段ボールが!!」 しかし、人間は許してくれなかった。 「直撃させる!!」 なんか額から火花のようなものを出しながら放ったパチンコ玉。 お兄さんの全力全開のパワーを一身に受けたそのパチンコ玉はうーぱっくの後頭部を突き破り、中のまりさの後頭部を突き破り、眉間から飛び出て、うーぱっくの目と目の間から飛び出した。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…」 「まり゛さの゛な゛か゛み゛があ゛あ゛ああ゛あ゛ぁぁぁぁ…」 うーぱっくは飛行能力を失い近くの小川へ墜落していった。うーぱっくのほかにゆっくりまりさの悲鳴も混ざっていたがお兄さんには聞こえなかった。 「ふぅー、すっきりしたぜ!!」 うーぱっくが逃げようとしたときはどうしようかと思ったが撃墜できてよかった、あの高度から落ちたんだ、中のゆっくりも死ぬだろう… 「しかし…まりさは遅いな…」 明日になって帰ってこなかったら、近所の飼いゆっくり達にまりさを見なかったか聞いてみよう、そう思いお兄さんは家の中に入っていった。 結局、飼いゆっくり達の捜索作業にもかかわらずまりさは発見できなかった。 最愛のゆっくりを失ったお兄さんはこの後、堕落していくことになるがそれはまた別のお話 あとがき 自分の脳内設定うーパックについて少し… 内部は空洞、飛行中も中に乗ったゆっくりはうーぱっくの頭の上に乗って周りの風景を見ることができます。 このSS内では説明不足の部分もあるかと思うのでその時は質問してくだされば大抵のことにはこたえようと思います。 8月31日 0111 セイン このSSに感想を付ける