約 3,643,366 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2184.html
「ゆっへっへっへ、これだけあれば冬もゆっくりできるんだぜ!」 朝からの初雪で白く染まった人里外れの森。 大木の根元を掘り下げた洞窟で少し大きめのゆっくりまりさは高く詰まれた食料を前に下卑た笑みを浮かべていた。 「ゆっ。 じゃあれいむたちもう人間から食べ物を取ってこなくていいんだね?!」 「ああ、いいぜ。 これだけあればこの冬も越せるんだぜ。」 この洞窟にはこの少し大きなゆっくりまりさとその家族と他にゆっくりれいむの家族が住んでいた。 ただ数も多く、身体も皆大きいまりさの家族が穴の中心で踏ん反り返っているのに大して、れいむの家族は部屋の隅でお互いを寄せ合うようにしている。 この住処の力関係は歴然だった。 「やったねおかあしゃんこれであんしんしてゆっくりできるよ!」 とはいえこれでこの冬は一安心だと思ったのか、れいむの家族も安堵していた。 「ああ、ゆっくりできるぜ! ただしお前らは外でだけどな!」 「ゆっ!?」 言うが早いかまりさの家族は総がかりでれいむ達を体当たりで外にはじき出してしまった。 このまりさ一家、秋の終わりにこのれいむ一家の住んでいた洞窟に入り込んできて我が物顔で居座ると、 その大きな身体でれいむ一家を脅しては自分たちの食料を集めさせていた、いわゆるゲスまりさと呼ばれる種類であり、さらに最近ではもっと美味しいものをと言い出しては危険な人里から人間の食料を調達させていた。 「お前らはもう用済みなんだぜ! そこでゆっくり凍え死ぬといいんだぜ!」 『ゲラゲラ!』 ゲスまりさ一家は洞窟の入り口でそんな勝ち誇り、下品な笑いを吐いている。 れいむ一家は仕方なく雪の中せめて、住処だけでも見つけられないかと洞窟を後にした。 一方人里。 「かさはいらんかね~ かさはいらんかね~ 丈夫なかさだよ~」 年の瀬で皆忙しく買い物をする中、傘を売る老人がいた。 もっとも忙しい年の瀬、雪が降り出しているとはいっても今傘を買おうなんて思う人間はいない。 それでも老人は自分の年の瀬の用意をしなければと懸命に声を出しながら商店街を歩いていた。 …と、突然肩を乱暴にどかされ足腰の弱い老人はそのまま転倒してしまった。 「おいジジイ、マジ邪魔なんだけど。」 雪に倒れた身体を持ち上げて声のする方を見ると食料を乗せた荷車を引く青年の姿がある。 「へえ、すみませんでさぁ。」 この青年は里の庄屋に奉公に来ていたが素行も悪く、問題ばかり起こす事で有名だった。 とは言え忙しい年の瀬。 そんな青年でも何とか使わなければ手が回らないと、庄屋の番頭は仕方なく青年を買い物に行かせていた。 「はあ? マジすみませんじゃねえよこのボケ!」 「ぐうっ!」 この寒い中使いに行かされ、重たい荷車を引かされていた青年は機嫌が悪く、その捌け口を蹴りという形で老人にぶつけた。 もっとも、奉公に来ているからには仕事をこなすのは当たり前。 機嫌を悪くする時点でどうかしているのだが…。 「たくっ、傘なんざマジ売れもしねえのに歩いてるんじゃねえよ、マジ邪魔だっつーの。」 トドメとばかりに痛みで動けない老人に唾を吐いて尚もブツブツ言いながら去っていった。 人間にもゲスはいる。マジで。 しかし、確かに傘が売れないという点は青年の言うとおりだ。 老人は起き上がるとトボトボと商店街を後した。 「おかーしゃんさむいよお…」 「ごめんね、ゆっくりがまんしてね。」 激しさを増す雪の中、れいむ一家は住処も見つけられず、しだいに降り積もる雪に体力を奪われ、力尽きようとしていた。 「おや、ゆっくりかい。 こんな雪の中に何でまた…。」 人間だ、相手は老人だが今の自分達は戦うことは愚か逃げる事も出来ない。 れいむ一家は死を覚悟した。 老人は百姓である。 ゆっくりと言えば百姓にとっては田畑を荒らされるので目の敵なのだが、 この老人の畑はゆっくりの生息地からは遠かったので特に荒らされたりすることも無く、老人はゆっくりにそれ程嫌悪を抱いていなかった。 だからこれが普通の青年や他の農家だったらトドメを刺している所だが、元々人が良く、心優しい老人はそうはしなかった。 「ゆっくりと言えどこんな雪の中じゃ寒いじゃろうて、こんな物でよければどうじゃろうか?」 それどころか彼はれいむ達に頭の雪を払いながら売れなかった傘を被せていく。 散々いたぶられて殺されるかと思っていたれいむ達は予想外の老人の行動に呆然とし、全員に傘を被せてくれるまでじっとしていた。 幸いある程度大きくなったれいむ一家は全員サイズも違わず、傘はいい具合に頭を覆ってくれる。 「おじいさんありがとう!」 「おじいさんはゆっくりできるひとだね!」 れいむ達のお礼を聞いて老人は満足そうに笑うと、雪の中姿を消した。 「あークソ、マジだりいよ。 あのジジイもうちょっとマジぶん殴っておくんだったなあ。 つーかあの庄屋のオヤジとかありえねえだろマジで。 マジこんな雪の中使いに行かせんなつーの。 マジさっさと死ねや。」 商店街から庄屋の家に向かうには人通りの少ない人里の端のを進まなければいけない。 青年は相変わらずやたら「マジ」の入った頭の悪そうな文句を一人垂れ流しながら荷車を引いていた。 ガコンッ 「ん?!」 唐突に荷車に違和感を感じ、青年が後ろを見ると荷車がかなり傾いている。 雪の中、積雪に隠された岩に乗り上げたのだろう。 普通ならこんな物に気づかないワケ無いのだが独り言に夢中だった青年は気づかず、荷車は今にも横転しそうな所だった。 「ちょっ、うわマジやべえって! うわ…!」 そんな倒れた荷車の角に頭をぶつけて青年は気絶してしまった。 傘を貰ったとは言えれいむ一家の事態はそれ程好転しない。 住処が見つからない以上ほんの少し死期が伸びたに過ぎなかった。 「ゆっ、おかーさんあれ何?!」 視界の悪い雪の中子供の一匹が青年の倒した荷車を見つける。 幸いにも青年はまだ気絶していた。 「おかーさんごはん一杯だよ!」 「ゆっくり運び出そうね!」 れいむ達は思わぬ幸運にはしゃぎながら、横転して荷車から落ちた大量の食べ物を寄り添って使える面積を大きくした頭の上に乗せた。 傘は一匹だと斜めになっているので物を乗せられないが、何匹も寄り添えば元々面積は広いので多くのものが運搬出来る。 長い間ゲスまりさにこき使われていたれいむ達は運搬に慣れていたのでそういった知恵も働いた。 「ってててて… マジ(い)ってえわ。 何なんだよマジで…ってうおい! マジどうなんってんだよ?!」 雪の中目を覚ました青年が荷車を見ると荷物がはほぼ全て無い。 急いで辺りを見ると雪の中帽子に荷物を載せて遠ざかるゆっくりの影があった。 「てめえらマジなにやってんだよ!? オイ、マジ待ちやがれ!」 急いで後を追おうとするが荷車に着物の一部が挟まって中々起き上がれない。 落ち着いてやれば簡単に外れるのだが半ばパニック状態の青年にそれはマジ無理な相談だった。 「くっそ、マジぶっ殺す! マジ一匹残らずぶっ殺してやっからマジ覚えていろよ!」 雪の中後ろからする青年の憎悪の声を振り切り、落ち着いたところでれいむ達は休む事にした。 大量の食べ物は手に入ったがこのままこれを持っていても住処がない以上どうしようもない。 「おかーさん、このままじゃれいむ達ゆっくり死んじゃうよ!」 「そーだよ、だから死ぬ前にせめてゆっくりおなか一杯になって死にたいよ!」 子供たちに言われ母れいむは考えた。 ここで食料を食べ続けても雪がしのげない以上はいずれは死ぬ。 それも食料がある分ゆっくりと凍え死ぬだろう。 ゆっくりするのはいい事だがなるべくなら自分達も子供達も苦しまないであの世に行きたかった。 物を食べれば半端に体力が続いて苦しむことは母れいむには分かる。 「ゆっくり待ってね! この食べ物はあのやさしいおじいさんにゆっくり届けてあげよう!」 「ゆっ! おかーさんどうして?!」 「そーだよれいむ達どうせ死ぬならゆっくりお腹一杯食べて死にたいよ!」 「ゆっくり考えてね! ゆっくりいい事をすればてんごくに行けるんだよ! そうすればあの世で一杯ゆっくり出来るんだよ!」 「ゆっ、そうなの?!」 「じゃあみんあでいいことしてゆっくり天国にいこうね!」 「お帰りアンタ。 どうだい傘は売れたかい?」 「いや、それがのう…。」 雪の中家に着いた老人は妻の老婆にゆっくりの一家に傘をあげてしまった事を話した。 「すまないねばあさん。」 「何言ってんだい。 どうせ売れなかったら邪魔になるだけなんだからあたしゃ何にも言わないよ。 それにアンタがそれでいいと思ったんだからあたしも悪いなんて思わないさ。 何、年の瀬は贅沢出来なくても冬の間の買い置きは十分。 二人でゆっくり年越ししようじゃないか。」 子にも恵まれず寂しく年を越すよりはせめて贅沢にと二人で作った傘を売りに行った老人は、 それをゆっくりにあげてしまった事を咎められると思っていたが、老婆はその選択をやさしく受け入れてくれた。 自分にはこの妻がいれば幸せなのだと涙する老人に 「いやだよアンタ年甲斐もなく泣いちゃって。」 と笑う老婆。 そんな暖かな老夫婦の家の戸を叩く音があった。 「おや、誰だろうね、こんな雪の中…。」 老婆がいそいそと戸を開けるとそこには 『ゆっくりしていってね!』 「殺す!マジ殺す! マジ一匹残らず殺してやるかんな、あのマジクソ饅頭が!」 庄屋の番頭にこっぴどく叱られ、腹いせにあのゆっくり達に復讐してやろうと雪の森を歩く。 青年には心当たりがあった。 最近人里で食料が盗まれる事が多い。 現場の様子からして犯人はゆっくりで、住処の検討も着いているからそれを掃討しようという話を青年は知っていた。 話の内容から巣の位置もそれなりに見当がつく。 マジで理不尽な怒りを燃え滾らせる青年はズカズカと雪の振る森を歩いていった。 「む~しゃむ~しゃしあわせ~♪」 れいむから奪った巣の中ゲスまりさ一家は早速食料を食い漁っていた。 「それぐらいにしておくんだぜ! 沢山あるけどせつやくしなきゃまた誰かに取りにいかせなきゃならないんだぜ!」 「ゲラゲラ、あんなの簡単なんだぜ!まりさ達は無敵なんだz…ゆべっ!」 「マジ見つけたぞオラア!」 突然洞窟に青年が入り入り口近くのまりさを蹴り飛ばして壁に餡子をぶちまけた。 「ゆっ、おにいさんここはまりさ達の…ゆぶえ!」 続けて抗議しようとした二匹目を踏み潰す。 「マジるっせえよこのクソ饅頭が! マジテメエらだろ俺の荷物や里で食いモン盗んでたのはよぉ!」 「ゆっ、それは違うんだぜ! 盗んだのは全部れいむ達なんだぜ! まりさは盗んでないんだぜ、分かったらゆっくりあやまっておかしを…ゆぎぎぎ…ゆぎあ!」 更に弁解と謝罪の要求を始めたまりさをマジ二つに引き裂いた。 「はあ?マジ何言ってんのオマエ。 俺マジお前らが逃げてく所見ているんだけど? 帽子被っているのなんてマジお前らしかいねえだろうがよ! しかもマジ何よその食い物、マジ全部里のモンじゃねえか! わかったらマジ死ねやゴルア!!!!」 「ゆげええええ!!! なんでなんだぜえええええ!!!!!!」 雪はすっかり溶け、レティも姿を消した頃、百姓夫婦と共に農作業をするゆっくりれいむ一家の姿があった。 「おじいさん、これ何処におけばいいの?!」 「ああ、それはこっちに。 ああ、そこはもうそれぐらいでいいじゃろう、あっちにお茶菓子用意しておいたからゆっくり休みなさい。」 『ゆっくり了解したよ!』 「おじいさん達も一緒にゆっくりしようね!」 元々寂しかった老夫婦は雪の中恩返しに重たい食べ物を運んできてくれたれいむ一家を受け入れ、正月をにぎやかに過ごした。 れいむ一家はその後老夫婦の農作業を手伝いながらゆっくりと充実した日々を過ごしている。 運搬が得意で虐げられて来た為か根性とモラルが備わったれいむ一家は老人達にとっても孫のような存在になった。 老夫婦にとっても身の回りがにぎやかになり、寂しくはない。 「はるですよ~♪」 幻想郷の春は妖精リリーの能天気な呼び声で始まった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2218.html
ここに文字を入力注意書き: 某4コママンガを参考にしています。詳細は文末に示します。 秋も深まり、山々はすっかり紅葉で覆われ、少し肌寒い風が吹き抜けていく。 そんな日々、市場で買い物を終え自宅へ向かう途中のこと、 獣道を歩く僕の前に一匹のゆっくりれいむが立ちはだかった。 高さ40cm余り、横幅は60cmにもなるかなり成長した個体のようだ。 この獣道、普段は殆ど人が通らない場所で、言ってみれば秘密の近道ってとこかな。 「ゆゆ!おにいさん?こっからさきはれいむのおうちだよ! とおるにはゆっくりつうこうりょうをはらっていってね!!!」 「通行料?具体的には何が欲しいのかな?」 「ゆ、ゆーん… れ、れいむにおいしいおはなさんをおいていってね!!!」 「なんだ…花か。ほれよ。」 「ゆゆゆ?むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 相手するのも面倒だったので、僕は買い物袋の中からハーブをれいむに差し出すと、 足早に先へ進もうとした。なぜか右足が重い。 「そ、そこからさきにはゆっくりすすまないでね!!! こ、これだけじゃつうこうりょうがたりないよ!ゆっくりはらっていってね!!!」 なんと右足にれいむがしがみついて来たのだ。 ゆっくりにしては珍しい行動だったので再び問いかける。 「今度は何が欲しいと言うのかね?」 「ゆ!? ゆーん… ゆっくりあまあまのおさとうをちょうだいね!!!」 「なんだ…砂糖か。ほれよ。」 「ゆぐっ…! むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 「じゃあ僕は先に進むからね。」 僕は買い物袋から角砂糖とカリン糖を十数個差し出し、この場を後にしようとした。 再び右足に荷重がかかる。 「そ、そこからさきにはゆっくりすすまないでね!!! ま、まだつうこうりょうがたりないよ!!!ゆっくりはらっていってね!!!」 いくらゆっくりとは言え欲張りな行動である。 「今度は一体何が欲しいと言うのかな?」 「ゆゆ!? ゆーんゆーん… れいむにゆっくりはちみつさんをちょうだいね!!! もしはちみつさんがないのならゆっくりひきかえしてね!!!」 「蜂蜜か…。ほれよ。」 「ゆゆゆ!?どおじておにいさんはちみつさんなんかもってるの!!!」 「れいむがくれっていったんだろ?」 「ゆぐっ…! むーじゃ、むーじゃ、じあわぜー!」 「今度こそ僕は先に進むからね。」 再び重くなる左足。何か他に理由があると言うのか…? 「ぞ、ぞごがらざぎにはゆっぐじずずまないでね!!! ま゙、まだまだづうごおりょおがたりないよ!!!ゆっぐじはらっでいっでね!!!」 「欲張りなれいむだね。今度は何が欲しいのかい?」 「ゆがっ・・!?ゆう・・・ゆーん・・・ れ、れいむにゆっくりあまあまなくりーむをちょうだいね!!! もしもっていないのならゆっくりひきかえしてね!!!」 「クリームか…。ほれよ。」 僕は買い物袋の中からコンデンスミルクを取り出すと、れいむの口に注ぎ込んでやった。 甘ければいい。細かいことはわからないだろう。 「ゆがっ!?どぼじでおに゙いざんぐぢーむなんがも゙っでるの!!!」 「れいむがちょうだいっていったんだろ?」 「ゆががっ…! むーじゃ、むーじゃ、じあ゙わ゙ぜーー!!!」 とは言いつつも両目からぼろぼろと大粒の涙をこぼしている。 気にせず先に進もうとすると 「だ、だべなんだがらね!!!ごのざぎにはゆっぐじずずまないでね!!! ゆっぐじひぎがえじでいっでね!!!」 またしても右足にしがみつくれいむ。食べ物が目的じゃないとすると、 この先には相当大事なものでもあるというのか? 「こっち行かないとお兄さんは帰れないんだけどなぁ?」 「ざ、ざぎにずずむならゆっぐじでいぶにづうごおりょおをはらっでいっでね!!!」 「でいぶのお遊びに付き合ってる暇なんか無いんだけどなぁ…。ゆっくりどいていってね!!!」 「ゆがっ!? でいぶにゆっぐじおでんじじゅーずをぢょおだいね!!! ないならゆっぐじひぎがえじでいっでね!!!」 「お兄さんのおうちにはオレンジジュースがたくさんあるよ? 通してくれたらでいぶに分けてあげてもいいけど?」 「や、やっぱりだべだよ!!!ゆっぐじひぎがえじでね!!!ゆっぐじひぎがえじでね!!! ごごがらはでいぶのおうぢだよ!!!ゆっぐじごっぢごな゙いでね!!!」 もう「でいぶ」に構うのも飽きたので、無視して歩みを進める。 すると前方の草むらの中、木の根元の穴から伸びるオレンジ色の塊が姿を現した。 ゆっくりの卵である。 握り拳よりやや小さいゼリー状の塊が蛇のように連なり、見えているだけでも数百は下らない。 恐らくは巣の中で卵を産みつけていたが収まりきらず、外まではみ出したってところだ。 一つ一つの形状は縦に長く昆虫の卵のようでもあり、長く長く連なる様子は蛙のそれを彷彿とさせる。 よく見ると内部に非常に小さいながらもゆっくりらしき姿が見て取れた。 「ははぁー…こういう訳だったのかぁ。」 「やべでね!ゆっぐじやべでね!!!でいぶのかわいいごどもにでをだざないでね!!!」 「ふーん…」 それだけ言うと僕は、卵の群れの一角に塩を振りかけ始めた。 浸透圧により見る見るうちに卵がしぼんでゆく。 「やべでえええええ!!!でいぶのおぢびぢゃんになにずるのおおおおおお!!! ゆっぐじやべでいっでね!!!ゆっぐじやべでえええええええ!!!」 れいむは卵の前に立ちはだかり、塩をこれ以上子供たちに浴びせまいと大きく口を広げた。 「ゆっぎゃあああ!!!でいぶのおめめがっ!いだいよ゙おおおおおおおおお!!! でいぶのおぐぢがぁああああああああ!!!ゆっぐじやべでえええええ!!!」 目や口などの粘膜に塩がかかるたび、れいむは悲痛な叫びを上げた。 体が大きめなだけあってその叫びも一段と大きい。余計に敵を呼び寄せてもおかしくはない。 「ほーら、今度はこっちだ。おいしいお塩をあげるからねー♪」 オレンジ色のゼリーは塩と触れると直ちに縮み始め、こげ茶色の塊へと変貌していく。 「やべで、やべでよおおおおおお!!! でいぶのおぢびちゃんはおじおなんでいだないぼおおおおおお!!!」 れいむは満身創痍ながら卵の前で塩を受けとめようと必死にかけずり回る。 「でいぶのおぐぢが、おぐぢがゆっぐじでぎないよ゙おおぉぉおおおおおお!!! おにいざんはゆっぐじやべでね、ゆっぐじやべでいっでね!!!」 両目から滝のように涙を流しているが、それでも諦めようとはしなかった。 ふと視界に蜂蜜色の物体が飛び込んだ。 近寄ってみると息を荒げるゆっくりありすであった。面白いことを思いついたぞ…! 「ゆふー、ゆふー、れいむのこえがきこえるわ!!!どこなのお? ありずがずっぎりざぜであげるよおおおおおおおお!!!」 「やぁやぁとかいはのありすちゃん。」 「ゆゆ?とかいはのありすはいまいそがしーのよぉ?おにいさんはてみじかによーをすませなさいよ?」 「そのれいむのとこにつれてってあげようとおもってさ。」 「ゆほっ!?べ、べつにありすはれいむのことなんてどおでもいいのよ? でもおにいさんがつれてってくれるっていうならのってあげてもいいわよ?」 ありすは顔を赤らめ涎を垂らしながら答える。その顔、本心がわかりやすく見て取れる。 僕ももちろんそのつもりだ。 ありすを抱きかかえ足早にれいむの元へと向かう。 「ゆっほおおおおおお!?れいむのかわいいたまごがたくさんあるわ!!! みてるだけですっきりしちゃうわあああああ!!!すっきりー♪」 ありすから放たれた乳白色の粘液に卵の一角が覆われていく。 「やべでええええ!!!すきなひとじゃないとあかちゃんのもとかけちゃだべえええええ!!!」 「ありすのためにこんなにたくさんよういしてくれたのね!!! れいむってつんでれねえええええ!!!」 「だべえええええ!!!れいむのだいすきなまりさじゃないとだべええええ!!! ゆっぐじやべでいっでね!ゆっぐじやべでええええええ!!!」 「そのまりさってのは、こいつの事かな?」 「ゆがっ!?ま゙、ま゙、ま゙り゙ざぁあああああぁああああ!!!」 数十分前のことだ。市場を後にし藪森へ歩みを進めようとした頃―― 「こっからはまりさのてりとりーなんだぜ!!!おにいさんはゆっくりあっちへいけだぜ!!!」 「ここをとおらないとお兄さんおうちに帰れないんだけどなあ?」 目の前にこれまた60cmもあろうかという大きなゆっくりまりさが立ちはだかった。 無視して先へ進もうとすると… どかっ! 尻に鈍い痛みが走る。まりさの体当たりだ。 重さも相当なため思わずよろけてしまう。 「まりさのたいあたりなのぜ!これにこりたらゆっくりむこうへいけなのぜ!!!」 まりさは僕の前に回り込んで自慢げに語りだす。 「ほぉおお? 向こうへ行かなかったらどうするのかなぁ?」 「ゆがっ!?と、とにかくこっからはすすませないだぜええええええ!」 まりさが再び体当たりを仕掛けてくる。 一歩横によけてみる。ゆっくりにしては速いがかすりもしない。 案の定まりさの勢いは止まらず向こう側の木に突進し、盛大に全身を打ち付ける。 「ゆがっ…!ゆ・・・ゆぐぅ・・・」 「おーい?いきてるかー?」 まりさは白目を向き天を仰いでいる。もっとも枝葉に覆われ空を拝むことはできないのだが。 「あーあ、見事に伸びちまったなぁ。しゃーない、持って帰ってやるとするか。」 僕は背負っていた篭にまりさを放り込み、その場を後にした。 「ゆ…ゆーん・・・ ゆゆっ!?ここはどこなのぜ?」 「ま、まりさ!?きがついたのね!!! みてみて!!!れいむね、いっぱいおちびちゃんうんだんだよおおおお!!!」 「れ、れいむううううう!!!よくがんばっただぜえええ!!!」 「でもこのありすとそのおにいさんがゆっくりできないんだよ!!!」 「ゆゆゆ!?ゆっくりできないおにいさんとありすはゆるさないのぜええええ!!!」 まりさは近くにいたありすに体当たりを仕掛ける。 発情ありすとはいえ体格差は歴然であり、放物線を描き地面に叩きつけられる。 「ああああっ!? まりさってとんだえすえむぷれいなんだからぁああああ!?」 程なくして気を失った。 「さっきはよくも、よくもおおおおおお!!! でいぶまでいじべで、ま゙り゙ざぼおゆるざな゙いのぜええええ!ゆっぐじじねええええぇぇええええ!!!」 再びまりさが僕に突進を仕掛ける。僕は手近にあった太い枝を拾い上げると、 一歩左に下がり野球の打者の要領で勢いよく振りぬいた。 「ゆべっ!? ゆびぶべぼばびぶべぼゆびゃぁああぁああああああああああぁぁぁぁ!!?」 真っ二つに裂かれたまりさは壮大な断末魔を上げると、物言わぬ餡子の塊と化した。 「ど、ど…、どぼじでごんな゙ごどずる゙の゙おおぉぉおおおおお!!?」 「いや…、どぼじでって言われてもなぁ…。れいむ達から仕掛けてきたんだろ?僕はそれに応じただけさ。」 「でいぶのおぢびぢゃんがえじでええええええ!!!ばでぃざをがえじでよおおおおおおぉおおおお!!!」 「卵ならまだ全滅しちゃいないだろーよ。」 「すきなひどにあがぢゃんのもどかげでもらわないとうま゙でないよ゙おおおぉおおぉおお!!! ゆっぐじがえじで、ばでぃざをがえじで、でいぶのあがぢゃん、がえじでよぉおおおおぉおおおおお!!!」 「んなこと言われてもなぁ…。」 「ど、どぼじで…、どぼじでな゙の゙ぉぉおおおおぉおおお!!! ばでぃざ・・・、あがぢゃん・・・、がえじで、がえじで… がえじでぇぇええええぇぇ・・・」 その大きな饅頭は、大粒の涙をぼろぼろとこぼし、悲痛と怒りの余り泣き叫んでいた。 溢れる涙は「彼女」の足元に水溜りを作り始めていた。 僕はただ家に帰りたかったがためにやっただけ。 道を邪魔をした挙句そんな剣幕で問い詰められても困るのだ。 絶望に打ちひしがれる「でいぶ」を目の前にして、僕はどうしていいかわからなかった。 「んほっ!?なみだによだれにぐっちょぐちょのれいむもかあいいのよぉおおおおお!!!」 「ゆがっ!?ゆっぐじごっぢにこないでね!ゆっぐじやべでね!!!」 途方に暮れているうちにありすが気を取り戻した。すぐさまれいむに一直線。何という見上げた根性・・・。 塩攻めにされ、愛するまりさを失ったショックを受け、泣き疲れたれいむにもはや策は残されていなかった。 ありすの為すがままになるしかない。 「んっほおおぉおおおぉおおお!ぐっちょぐちょのれいむぎもぢいよおおおおおお!!! あらてのろおしょんなのねえええええええ!!!すっきりー♪」 「やべでぇええええぇええ!ずっぎじー!」 「めをそむけなくていいのよおおおおおおお!!!れいむったらつんでれね!!! すっきりー♪」 「ゆっぐじやべで、ゆっぐじやべでね!!!ずっぎじー!」 「れいむのろおしょん、れいむのろおしょんあまじょっぱくておいしいいいいいいいいいい!!! もっとちょおだい、もっとちょおだいねええええええええええ!!!」 「でいぶおいじぐないぼおおおおおお!!!」 「ひていしなくていいのよ?れいむったらつんでれなんだからああああ!!!すっきりー♪」 「やだぼおおお、やだぼおおおおおおおお!!!すっぎじー!」 「もっと、もっとありすにあいをちょおだいねええええええ!!!」 「ゆっぐじやべでね!ゆっぐじ・・・ゆ・・・ゆっぐ・・・」 この状況を打破してくれたありすには感謝しなければならないのかも知れない。 そんな僕の内を余所に、ありすの勢いは止まることを知らなかった。 「れいむ?ねちゃったのぉおお?とかいはのありすのてくがきもちよすぎたのねええええ! うぶなれいむもかぁいいよぉおおおおおおお!!!」 れいむは気絶か、腹上死でもしたのか、とにかく動かなくなった。 いずれにせよその額からは緑色の突起が数多く現れ始めており、運命は決まったも同然である。 「あら…?たまごがたくさんあるじゃなあああい! ありすのためによおいしておいてくれたのねええええ!!!すっきりー♪ みてるだけですっきりしちゃったわ!!!すっきりー♪ れいむっておませさんなんだからああああああああ!!!すっきりー♪ ゆっほおおおおぉおおおおおおおお……」 この後どうなるかは想像に容易い。 夥しい数の卵を貪るうちにありすは干からび、万が一孵化できたとしても誰が育てると言うのだろうか。 冬が近いこの季節、子供たちだけで生き抜くには絶望的である。 オレンジ色の卵達が徐々に乳白色に染まっていくのを見届けていた僕は、 追われる様にして我が家への道を急いだ---- 終われ その後...塩がかからずにありすの精子餡を受けたたまごたちは、「ゆっくりしていってね!」という声で生まれてきたが、そこには朽ち果てたありすとれいむがいたこの子達がこの後どうなるかは一目瞭然だろう。加工所にみつかり研究され尽くされるか、餓死するか、死ぬのも生ぬるい地獄を虐待鬼威山に見せられるかだろう愛でおにいさんに見つかろうとも、 親のいないゆん生を歩むには難しいだろう ほんとに終わり Ref. 1) 東方アクロバティカより ttp //flat-racing.sakura.ne.jp/oretoumi/hp/touhou44.jpg あとがき 昆虫型と名付けたのは、蛙のように外側が粘膜で覆われていないためです。 交尾してなくても卵生むの? 充分に成長し時期が来たら大量の卵を産みます。 それでいて本体は交尾するとにんっしんしてしまうという破天荒な設定です。 by まりさつむりの人 他に書いたもの ゆっくりいじめ系800-802 まりさつむりの記憶 ゆっくりいじめ系854 ゆっくりバイブレーション1 アリス×ゆっくり系16 アリスのゆっくり水爆弾 白玉楼×ゆっくり系5 みょんとの出会い ゆっくりいじめ系932 愛しのありす ゆっくりいじめ系1024 嘘つき少女の悲劇 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1785.html
■七月十日 晴れ 10匹の子ゆっくりを引き連れた大所帯の野良ゆっくり家族を発見。 親はれいむとまりさのよくある種だ。 「ゆっくりおさんぽするよ!」 「ゆっゆっゆっ♪ちあわちぇ~」 親子で散歩しているようだ。 ちあわちぇ~、か。 散歩一つでここまで満たされるものなのか。 仕方が無いのでその至福、壊すとしよう。 「ゆ゛ぐっ!な゛に゛ずるの゛ぉぉぉぉおぉぉ!ばなじでえ゛え゛ぇぇぇぇぇ!」 「おがぁぁじゃあ゛ぁぁぁん゛!がえじでぇぇえ゛ぇぇぇぇ」 「ごれじゃゆっぐりでぎないよぉぉぉ!」 「どうじでごんなごどずるの゛お゛お゛お゛お゛!」 親れいむのリボンを掴み上げ、そのまま家に持ち帰る事にした。 離せと泣き喚く親れいむと、同じく泣き喚きながら必死に 俺の後をついてくる親まりさと10匹の子ゆっくり達。 このまま家に連れ込んでしばらく飼ってみよう。 一度ゆっくりを飼ってみたかったんだ。 虐待するのはその後だ。 ■七月十一日 曇り 「おにいさんゆっくりここからだしてね!」 「ゆっくりマイプレイスにかえしてね!」 昨晩は大変だった。夜通し泣き叫び続け、出せ、出せと哀願してくるのだ。 大き目の籠の中に閉じ込めたが泣き声で俺も全然眠れなかった。 しかし一夜明かした今は大分落ち着きを取り戻した様子。 「プレイスも何も、今日からここが君たちのおうちだよ」 「ゆぅ!?なにいってるの?ばかなの?」 「おにいさんいみがわからないよ!ゆっくりせつめいしてね!」 いちいちイラつく饅頭共だ。 だか飼うと決めた以上、簡単にキレちゃいけない。 虐待はいつでもできるのだから。 「ここは冬は暖かいし夏は涼しい、広いし、ご飯もおやつもいっぱいある夢のようなおうちなんだよ」 「ゆ゛っ!!しゅごい!おにいさんはゆっくりできるおにいさんだったんだね!」 「そうさ、だから今日からここが皆のゆっくりプレイスさ」 拉致監禁されていたことも忘れてゆっくり達は狂喜乱舞で跳ね回る。ウゼェ。 今すぐ虐待したい衝動を抑え、精一杯作った笑顔でゆっくり達に笑いかける。 「ゆっくりあんしんしたらなんだかスッキリしたくなってきたよ!」 と親まりさ。 言うやいなやいきなり体をこすりあい息を荒げ出す親2匹。 「はぁっはぁっゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆ゛っ!」 「ゆっくりスッキリしてね!ゆっくりスッキリしてね!」 ちなみにここは俺のベットの上だ。 そんな所でいきなり交・・・餡子の交換を始めやがった。 「こんなにゆっくりできるひろいおうちならいっぱいこどもうめるね!」 「まりさとれいむのあいのけっしょういっぱいつくろうね!」 布団の上に餡子がこぼれている。ウゼェ。 ■七月十二日 雨 「ゆっくちあちゃごはんちゅくってね!」 「さっさとゆっくりつくってね!」 俺は今奴らの昼食を作っている。 今まで雑草や芋虫等しか食してこなかったらしく、人間の料理は今朝の朝食がはじめてだったようだ。 想像を絶する美味さに気絶しかけ、痙攣を起こす子ゆっくりもいたぐらいだ。 それにしても奴らの上から目線の態度。俺はもう今朝からイライラしっぱなしだ。 だが何故だろうな。このイライラが癖になりつつある。 奴らが俺に命令口調で何か言えば言う程、俺の中で何かが積み重なっていくのだ。 その頂にあるものは、おそらく、快感。 「はやくちゅくってねっていってるでちょ!おにいしゃんばかなの?のうなしなの?」 「はぁい♪い~まできたよぉ」 五目チャーハン。俺とゆっくり都合12匹分の大作である。 「むっしゃむっしゃ。うめぇっ。マジうめぇ!」 「パネェッ!クチャクチャ、むぐっ、マジパネェッ!」 瞬く間に床に広がるチャーハン。皿に盛った意味がない。 顔面からチャーハンめがけて文字通り飛びつくゆっくり達。 クチャクチャ耳障りな音を立てながらチャーハンを貪る。 「むっちゃむっちゃ、ちあわちぇ~♪」 「ゆっ!もうなくなっちゃったよ!おかわりほしいよ!」 「おにいさんおかわりないの?ゆっくりおかわりしていってね!」 食費だってタダじゃない。 一日三食こんないっぱい作ってたら食費だけで給料とんじまう。 我侭言わないでこれで我慢してね、と優しく丁寧に俺は説明した。 「どうじでぞんな゛ごどいう゛の゛お゛ぉぉぉ!」 「ゆ゛っぐりでぎないおにいざんはゆっぐりおかわりづぐるの゛ぉぉぉ」 「そうだよ!だからゆっくりおかわりつくってね!」 あはは、仕方ないなぁ君たち。作ってあげよーじゃないか。 「待っててね、今すぐ作るから」 「はじめからゆっくりつくってればいいんだよ!」 「むのうなおにいさんだけどこれでれいむたちゆっくりできるね!」 「おかあしゃんのしょうりだぁ~!ゆっくちちていってね!」 晩飯の時も似たような事の繰り返しだった。 ■七月十三日 雨 今日も雨か。 人間の家は巣としては広大だが、ゆっくり達は外の世界を知っている。 散歩もできないんじゃ奴らもストレスたまるだろうな。 「おかぁしゃぁぁん、おしゃんぽちたいぃー!」 「おしゃんぽおしゃんぽ!ゆっくちおしゃんぽー!」 案の定散歩をねだりはじめている。 しかし基本饅頭である奴らは濡れるわけにはいくまい。外は豪雨だ。 子ゆっくり達は一昨日の情事で5匹増え、今や17匹が家の中を所狭しと跳ねまくっている。 本は破れ、CDは割れ、鏡も割れ、洋服はずたずた。 俺はこいつらを飼って何がしたかったんだろう・・・後悔しはじめていた。 「おにいざんのおうぢじゃゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛ぃぃぃ!」 「おにいざんな゛んでれいむとまりさをどじごめ゛る゛の゛ぉぉぉ!」 お?気がつくと散歩できない鬱憤が俺に向けられていたらしい。 「この雨じゃね、皆濡れるの嫌だろう?うちで我慢してね」 「ばがぁぁぁぁ!ゆっぐり゛でぎない゛おに゛いざんはぢね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」 「ゆっくりちね!ゆっくりちね!」 にこにこ。俺は黙って笑顔でいつづけた。 今ここでムザムザ死なすわけにはいかない。 「我慢してね」 ■七月十四日 晴れ 「ゆっくちはれたよ!」 「おひしゃまぽかぽかだよ!これでゆっくちできるね!」 昨日は大変だった。 連れてきた初日の様に、一日中体力の続く限り泣き喚き、家のものに八つ当たりをし、 出した食事以外にも本や絨毯を無茶喰いし、体力が尽きると寝て、 起きては同じ事の繰り返しだった。 「おかぁしゃん、おしゃんぽちよ!」 「そのまえにゆっくりあさごはんをたべるよ!」 「あしゃごはん!おにいしゃんゆっくちあしゃごはんをつくってね!」 壁紙は剥がれ落ち、テレビも映らなくなり、カーテンも八つ裂きにされ、 机は折られ、ガラスも割れている。ていうか割れた窓から雨がふきさして冷たかった。 「おにいさんはとっととあさごはんを作ってね!これでゆっくりできるね!」 「おにいさんきいてるの?ゆっくりごはんつくってね!」 柱もかじられ所々削ぎ落とされている。 暑さをしのぐクーラーも壊れた。パソコンも壊れた。 「なんだかけさからあついよ!ゆっくりすずしくしてね!」 「あしゃごはんゆっくちつくってね!」 「きいてるの?ねぇ?おにいさんばかなの?」 俺の家は、もう、 「ねぇ?むのうなの?おにいさんあほなの?」 「おしゃんぽ~!あちゃごはーん!ゆっゆっ~♪」 「とっととつくるといいよ!ゆっくりしていってね!」 「ねぇばかなの?ていのうなの?おにいさんきいてるの?」 「キィヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア キエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」 「「「!!!???」」」 俺の奇声にゆっくり達は一様に口を縦に広げ、歯を剥き出し、目を丸くし、驚いている。 「「「・・・・・・」」」 俺の豹変に驚きのあまり思考が停止してしまったらしい。驚いたまま固まっている。 「ふぅははは、フリーズしちゃったかなぁ?君たちはメモリが足りないよねぇひひひ」 ぴくりとも動かない16匹のゆっくり達を逃げられないように籠へと移し、閉じ込める。 一匹の親れいむを残して。 3分くらいしてようやく1匹、2匹と我を取り戻していく。全員が気付くのに5分かかった。 「・・・!おかぁしゃん!おかぁしゃんをかえして!」 「れいむをはなしてぇぇぇぇ!」 「ゆ・・・ゆっくりはな、は、はなしてね!」 親れいむの髪を鷲掴みし、持ち上げ、渾身の右ストレートを顔面に放つ。 ぶぎっ 口からよだれを撒き散らしながら空中を舞う親れいむ。そのまま壁に叩きつけられた。 「い゛い゛い゛だぁい゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃぃ!」 「お゛があ゛じゃあ゛ぁぁぁぁん!!なにじゅるの゛ぉおおおお!!」 「ゆ゛っぐり゛やめであげでね゛ぇぇぇ!!」 ふは、ふははは。これだ。これだ、このために五日間我慢したんだ! 会心の快楽が胸に広がっていく!脳汁があふれ出てくるのが解る! 「おまえらゆっくりは~、帽子やリボンがないと同族に虐められるんだ・・・てぇっ!?」 言い終わると同時にぶちっと親れいむのリボンを剥ぎ取るとがえじで、がえじでと跳ね上がる。 痛みで動けない親れいむの目の前で、リボンをライターで燃やしきると 「ゆ゛っっっっ!!!???ごれじゃぁぁも゛う゛ゆっぐり゛でぎな゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 一直線に俺めがけて跳ねてくる親れいむ。ぼよん、ぼよんと足に当たってるが全く痛くない。 「ゆ゛っぐりぢんでね゛!ゆっぐりぢね゛ぇ!」 「さしゅがおかぁしゃんだね!これでおにいしゃんもゆっくりちぬね!」 「れいむのしょうりはもくぜんだね!ゆっくりしんでね!」 ガゴッ!!!! 跳ねてくる親れいむをおもっくそ蹴り上げると鈍い音がした。痛い。 歯が足に突き刺さったようだ。親れいむはというと、天井に激しく叩き付けられ、 床に落下してくるまでの間にボロボロと歯を空中に撒き散らしていった。 どうやら全部の歯が抜け落ちたようだ。ざまぁみろ。 「む゛む゛む゛!へいむはなひもわるひほとひてないのひー!!」 ほう、この親れいむは中々タフだな。これだけのダメージで餡子を撒き散らさないとは。 だが全部の歯が抜け落ちた親れいむ、ふがふが何言ってるかまるで解らない。 「人間語喋れやこの糞饅頭があああああああああああああ!!!」 ガッガッガッガッガッガッガッガッガツ!ベキャッゴッ! 何度も何度も力いっぱい踏みつけ、蹴り上げて空中に舞った所を右アッパーで天井に叩きつける。 ぼちゃっと落ちてきたそれはまるで餅のようにぼよんぼよんになって、顔面中青あざだらけになっていた。 「弾力性のあるゆっくりだな。だが・・・それでこそリンチのし甲斐があるってもんだぜえええ!!!!」 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も床に叩きつけては蹴り上げて、 泣き叫んでいた親れいむも徐々に口数が減り、最後の方は”ゆっくりしていってね”としか呟けなくなっていた。 (もっともその言葉も歯が抜け落ちて聞き取り困難であったが) 「ゆ゛っ・・・(ビクンッ)・・・ゆ゛っひひっ(ビクンッ)っひへひっへべ・・・(ビクンッ)」 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ふふ、もう意識が混濁してきたか、はぁ、はぁ、お楽しみは、はぁ、これからだぜ」 「ゆ゛っやっやめっや゛べであげでえ゛ぇぇ!」 「おがあ゛じゃんじんじゃう゛う゛う゛う゛う゛!」 「そうか、じゃあやめてあげよう、その代り・・・」 籠の中にぐちゃぐちゃになった原型を留めていない親れいむを放り投げると赤ちゃんゆっくりを1匹持ち上げる。 「代わりにこっちのゆっくりをいたぶろうかな~♪」 「ゆ゛っ!や゛べであ゛げでえ゛ぇ!」 「じゃおまえ」 「ゆ゛ぐっ!!??」 やめてと哀願した親まりさを指差し持ち上げる。 「ゆ゛っぐり゛ばなぢでね゛!?おに゛い゛ざんやめでね゛!」 「じゃあ自分の子の中から代わりを選べ。そしたら君には何もしないであげるよ」 「!・・・ゆぅぅ・・・じゃああのこをかわりにしてね!」 「ゆぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」 代わりに選ばれた子ゆっくりが絶叫する。 籠の中は涙と涎と尿と便でべちょべちょだ。そこから解放される子ゆっくり。 「これでまりさはゆっくりできるね!ゆっくりしていってね!」 安堵したのか、いつもの平穏な表情になる親まりさ。 状況は何も変わっていないのにもう危機から脱出できたと思っているのだ。 だが何も解ってない。俺はこの子ゆっくりをリンチした後、同じように代わりの誰かを選ばせ、 最後の一匹になるまで同じ事を繰り返す。親まりさもいずれは誰かに選ばれるのだ。 奴らはなまじ知性があるから、中途半端な知性を持つから、人間に感情移入されてしまう。 知性の低さゆえ短絡的かつ利己的で、無責任に自分の欲求だけ満たそうとする。 俺はそんなゆっくりが・・・大っ嫌いなのさ。 遥か頂まで登りつめた何かは、音を立てて崩れ去っていた。 ■十二月二十八日 雪 あれから毎日毎日、来る日も来る日も奴らをリンチした。 誰一匹も殺す事無く、全員に均等に生き地獄を味あわせ続けた。 トレードマークの帽子やリボンも全て剥ぎ取り、原型を留めていないそれは、 もはやゆっくりとは言えない別の何かであった。 「ほら、今日は皆を解放してあげるよ。野におかえり」 元いた森にゆっくり達を還す。数え切れない絶望を味わい続けてきたゆっくり達。 あれで奴らはなかなか頑丈で、最後まで1匹も気がふれたゆっくりはいなかった。 最後まで自我を保ったまま耐え続けた。故に想像を絶する拷問になりえたのだ。 「今は冬眠シーズンだね。ほら、いっぱい餌あげておくからね」 とぼとぼと野に還るゆっくり達。 しかしもはやゆっくりではないその”何か”はこれからどう野良の世界に対応していくのか。 否、対応できない。 同族からは同族としてすら認めてもらえずに虐待されるであろう。 餌をとっても歯が抜け落ちた口ではまともに食す事もできないであろう。 これから一体どんな野良人生が奴らを待ち受けているのだろう。 そう思うとわくわくが止まらない。 俺のゆっくり虐待観察日記は今、これからはじまるのだから! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/98.html
ゆっくりしっかく はしがき はじめに断っておかねばならない。 以下の文章は、私がまりさの話を聞いて、書いたものである。 私がまりさと出会ったのは、丁度今から一年位前のことで、 そのときまりさは、既にだいぶ老いたゆっくりだった。 体中に傷を負い、帽子は破れ、片目は潰れていた。 制裁か、事故か、虐待か、もっと他の理由か、それはわからない。 腹を空かしていたようなので、私は気まぐれの善意でまりさを自宅に連れ帰り、 いくらか餌をやったら、以下のようなことを私に語ったのである。 だから、文章の大筋はまりさの経験、ゆん生に即しているが、私の空想も多分に含まれている。 本文の中で“自分”としているのは、このまりさのことであるが、 その“自分”の言葉、行動、感想などは、一部を除いてほとんどが、私の想像である。 まりさとはすぐに別れたので、今この瞬間、まりさがどこで何をしているか、私は知らない。 おそらく死んだものと思われるが、断言は出来ない。 とにかく、私は私がまりさから聞いたことの一部始終を、誰かに聞いてほしかった。 だからこの文章を書いたのである。 まりさは賢いゆっくりで、沢山のことを記憶し、私に語ってくれた。 その体験はゆっくりとしては稀有なものと思われるので、 読者諸鬼意山の興味をそそるような事があれば、これ幸いである。 ゆっくりしっかく 恥の多いゆん涯を送ってきました。 自分はまだ子ゆっくりの頃に、いろんなことがあって故郷の森を飛び出しました。 そして、なんの当ても無く、ただただ歩きました。 歩いた先に、人間さんの住む街が見えましたが、自分はそこで疲れ果て、倒れました。 そんな自分を、助けてくれたのは、街に住む、ありすでした。野良のありすです。 自分にはありすの餡(正確には、餡ではないのですが)が流れています。 だから、ありすはそれを感じて、哀れに思ったのかもしれません。 ありすは自分を、分厚い、茶色い紙さんで出来た、ありすのおうちへと案内してくれました。 ありすは元々、人間さんに飼われていたらしいのですが、 その人間さんが他の土地へ移るのと同時に、捨てられて、それで野良になったのだそうです。 ありすは自分に、食べ物をくれました。お魚さんの頭と、お野菜さんのヘタでした。 少し酸っぱい臭いがしました。味は覚えていません。 ありすに「もうすこし、ここにいてもいい?」と聞くと、 「ええ、いいわ」とだけ、答えました。 それ以来、しばらく私はありすのおうちに居座ることになりました。 丁度、雪さんがちらつく季節で、私もありすも凍えるようでした。 ありすと私は頬を寄せ合い、寒さを凌ぎあいました。 ありすに、「かぞくは、いないの?」ときくと、「いないわ」と答えました。 「おちびちゃんが、ほしくないの?」ときくと、「ほしいわ」と答えました。 そして自分の方に、余計に擦り寄ってきました。 自分は森に、妻のれいむを遺してきていました。 れいむに嫌な所はありませんでしたが、その母親が、嫌でした。 れいむの母親は、長の従姉妹かはとこ(記憶が曖昧で、よく覚えていません)で、 常にそのことを鼻にかけているところがありました。 何かあれば、「れいむはおさのゆんせきなんだよ」と、自分を脅し、 自分の狩って来た獲物をゆすり取る始末でした。 さらにひどいのは、自分に対して、良からぬ事を求めてきたことでした。 自分は拒みました。拒めば相手も一旦は退きましたが、 すぐにまた、同じことを要求して来ました。 とうとう自分は、逃げました。なんの罪もない妻を置いて、群れを捨てました。 そしてただなんとなく、この街に来て、すぐに、あのありすに会ったのでした。 ありすとの間には、沢山のおちびちゃんが生まれました。 たしか、雪さんの溶けた頃でした。自分にそっくりなまりさが、一匹生まれました。 なぜか、自分はそのおちびちゃんを可愛いと思いませんでした。他のおちびちゃん達も、同じです。 ただの饅頭にしか、見えませんでした。 ありすが喜んでいたので、自分もそういう振りをしましたが、内心では全くの無感動でした。 おちびちゃん達が生まれても、自分はしばらく、ありすと一緒にいました。 しかし、食べ物は溢れていても、常に危険が付きまとうのが、この“街”というところでした。 ゆっくりは、人間さんたちから“いきもの”と認められていませんでした。 自分達は、“ナマモノ”と呼ばれていました。 ナマモノというのは、お魚さんや、牛さんや、豚さんの死んだものと同じ呼び方です。 つまりその程度の扱いしか受けませんでした。あるいは、それ以下の扱いでした。 何もしていないのに、すすんで自分達ゆっくりを殺そうという人間さんはあまりいませんでした。 でも、ゆっくりが人間さんの捨てたものを漁ったり、人間さんの物を盗ったりすると、 人間さん達は、全く容赦なく、ゆっくりを殺しました。 実際に何度か、ゆっくりの死体を見ました。 自分は生来臆病なので、そういった危険を冒す事はしませんでした。 “こーえん”と呼ばれる、小さな森のようなところで、 苦い苦い草さんや、小さな小さな虫さんを採っては、食べていました。 たまに木の実さんが取れると、それはごちそうでした。 しかし、寒い季節に採れる食べ物は微々たるもので、 自分とありすの二人きりのときはそれでもなんとかなりましたが、 おちびちゃん達が生まれると、とても足りなくなりました。 結局、ある日の朝早く、私はありすと、そのおちびちゃん達を置いて、そのおうちを出ました。 そして二度と戻りませんでした。また、逃げたのでした。 その日の夕方、自分は再び、街の中をぶらぶらと徘徊していました。 道端に、れいむの家族がいました。 れいむと、三匹のおちびちゃんたちでした。 れいむ達は、道端に紙さんを敷き、その上に座って、大きな声でお歌を歌っていました。 「ゆっくりのひ~♪すっきりのひ~♪まったりのひ~♪」 なんだか哀れでした。人間さん達はれいむ達に見向きもしません。 それでもれいむ達は歌うのをやめません。 「れーみゅたちのおうたでゆっくりちていっちぇにぇ!」 「おうちゃをきかしぇちぇあぎぇりゅかりゃ、あまあまをちょーらいにぇ!」 ちびれいむたちも、必死で懇願していました。 「ゆっくりしていってね」 「ゆゆ、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!」」」 自分は居ても立ってもいられなくなって、れいむ達に声をかけました。 「ゆゆ、みたことのないまりさだね!」 「おうたをうたっていて、ほんとうにあまあまがもらえるの?」 「ゆゆ、れいむはおうたがじょうずだからね!」 れいむの脇には、なにか硬いものでできた、細長い入れ物が置いてありました。 中を覗いてみると、飴さんが二つに、キャラメルさんが二つ、 それからグミさんとチョコレートさんのカケラが一つずつ入っていました。 なるほど、このれいむ達が、どうにか暮らしてゆけるくらいの食べ物は、手に入るようでした。 「まりさも、れいむのゆっくりしたおうたをきいてゆっくりできたから、これをあげるね」 自分はその硬い入れ物の中に、採って来た木の実さんを一つ、入れました。 「ゆゆ、ありがとう!まりさはやさしい“びゆっくり”だね!」 「「「ありがちょーにぇ!」」」 その木の実さんは、本当はありすにあげるはずのものでした。 でも、ありすの処へは戻れません。だから、れいむにあげたのでした。 このれいむも、番相手とはぐれたようだったので、せめてもの罪滅ぼしに、と思ったのです。 その日の夜は、一人で(以前見つけたのとは別の)こーえんで過ごしました。 一人で眠るのは久しぶりでした。いろいろなことを考えました。 風はまだ冷たくて、どうにかこうにか落ち葉さんを集めて、震えながら眠りました。 次の朝目が覚めて、いつものとおり食べ物を探していると、自分と同じゆっくりまりさに出会いました。 「ゆゆ、みたことのないまりさだぜ!」 まりさも、あのれいむと同じことを言いました。 どうやら野良のゆっくりというのは、飼いゆっくりは言うに及ばず、 野生のゆっくりよりも、見たことのないゆっくりへの警戒心が強いようでした。 きっと、ゆっくりにとってなんの掟も無い街の中で、 うっかりしていると食べ物やおうちを盗られてしまうからでしょう。 しかし自分にそんな考えが無いと知ると、 まりさは随分と打ち解けて、いろいろな事を話してくれました。 家族やおちびちゃんは居ないのかと聞くと、 「まりさはいっぴきおおかみなのぜ!そんなものはすててきたのぜ!」と答えました。 どうやらこのまりさも自分と同じく、番相手やおちびちゃん達を捨ててきたようでした。 まりさは変なしゃべり方をするゆっくりでした。 言葉のお尻に、「のぜ!」とか「だぜ!」とか、そんなものを付けてしゃべりました。 まりさは自分のことを「きっすいののらなのぜ!」とも言っていました。 つまり、まりさの両親も、野良ゆっくりだということなのでしょうが、 どうやらそれは、まりさにとって誇りのようでした。 なぜだかは、よくわかりませんでした。 わたしはこの変なまりさと、一緒に行動することにしました。 一緒に狩りをして、一緒にむしゃむしゃして、一緒に眠りました。 自分とまりさとは同じ種類のゆっくりなので、 お互いゆん愛感情を抱くことはありませんでした。 自分はなんとなく、このまりさと一緒に居るに過ぎないのでした。 それからしばらくしたある日、 まりさが自分に「いいところへつれてってやるんだぜ!」と言って来ました。 随分暖かくなってきた頃で、食べ物も充分に確保できていたので、 自分はまりさの言う「いいところ」へ付いて行くことにしました。 まりさに付いて行ったその先には、一軒の、例の分厚くて茶色い紙さんでできたおうちがありました。 中にはありすが居るのが、遠くからでもわかりました。 勿論、あの、自分が“ひどいこと”をした、あのありすではありませんでした。 「たまにはいきぬきもひつようなんだぜ!」 まりさはそう言いましたが、自分には何がなんだかわかりませんでした。 「あのありすは“ゆんばいふ”なのぜ!」 “ゆん売婦”―――はじめて聞く言葉でした。 まりさの言うゆん売婦とは、食べ物と引き換えに、 すっきりをさせるゆっくりのことでした。 自分はまりさに薦められるままに、そのありすのおうちへ入っていきました。 「いらっしゃい……あら、びゆっくりさんだわ。ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね」 近くで見るとそのありすは、思っていたよりも綺麗なゆっくりでした。 少し年をとっているように見えましたが、 自分なんかよりよっぽど、美ゆっくりといえました。 自分は随分緊張していましたが、ありすの艶々しさに欲求を抑えられなくなり、 結局、すっきりをしました。 「こんなことをして、おちびちゃんができたらどうするの?」 少し落ち着いた自分は、ありすに尋ねました。 「ありすはもともとにんげんさんのところにいたの。そのときに“きょせい”されたのよ」 「“きょせい”?」 「そう。ぺにぺにをきって、まむまむにあついぼうをいれて、おちびちゃんができないようにするのよ」 ありすは悲しい顔をしました。 「だからこうしてすてられても、おちびちゃんのできないありすと いっしょになってくれるゆっくりはいないのよ」 生きるために、と言ったらなんだか美化しすぎているようですが、 このありすがゆん売婦になったことは、 ある意味当然の流れだったのかもしれないと思いました。 きっとありすはこの先もずっと、 そのゆん生が終わるまで、たった独りで生きてゆくのだと、その時は思いました。 帰り際に、ありすは自分を呼び止めて、こう忠告しました。 「あのまりさは“げす”なんだから、あんまりなかよくしないほうがいいわ」 “ゲス”―――ゆっくりにとって最低の称号でした。 ゆっくりがナマモノなら、ゲスはそのナマモノですらない、本当のクズでした。 一緒に居るまりさのことを、こんな風に言われたのは少し心外でしたが、 どういうわけか、自分はそのゲスという言葉を忘れられませんでした。 その後しばらくして、まりさと自分は些細なことでケンカをして、別々に行動することになりました。 まりさと自分は、それまで溜め込んだ食べ物を半分ずつに分けることにしました。 そのとき、まりさの帽子が随分膨らんでいるのに気が付きました。 でも、自分は見て見ぬ振りをしました。 まりさがそんなことをしたので、自分の取り分は僅かになりました。 でも、自分はそれに文句を言いませんでした。 自分はその食べ物を、ゆん売婦のありすの処へ持っていって、あるだけ使ってしまうことにしました。 「こんなにつかってしまって、だいじょうぶなの?」 「しんぱいないんだぜ……ありすはえんりょなくうけとるといいんだぜ」 「でも……もうすぐあめさんのきせつになるわ。とっておかないとたいへんよ」 自分はあのまりさに影響されたのか、知らないうちに変なしゃべり方をするようになっていました。 ありすは自分に少し好意を持っているようで、自分のことをしきりに心配していました。 (自分は元々、ゆっくりありすに好意をもたれることの多いゆっくりでした) 自分はありすのその好意につけ込んで、あるお願いをしました。 「じゃあ、しばらくありすといっしょにいさせてほしいのぜ」 ありすは頬を赤らめました。 すっきりは沢山したのに、なんだか不思議なことにも思えました。 自分はありすが嫌いではありませんでした。嘘ではありません。 しかし、自分のこの求婚とも取れる発言は、 純粋な好意から来たものでなかったことも、否定できない事実でした。 ありすはゆん売婦をして稼いだ沢山の食べ物を、 他のゆっくりと交換して、保存のきく食べ物に代えていました。 自分はよく、ありすから“さーびす”として、“こと”が終わった後、その食べ物を一緒に食べていました。 ありすのおうちに蓄えてある、あの食べ物があれば、かなり長い間ゆっくりできる。 「そういうかんがえはなかった」と言うことは、自分には出来ませんでした。 自分は、ゆん売婦のありすと番になりました。 ありすはゆん売婦を辞め、二人でゆっくりとした毎日を送りました。 しばらくすると雨さんの季節になりましたが、 おうちの屋根には雨さんを弾く、青いものが被せてあったので、平気でした。 自分とありすはときどき、雨さんの音を聞きながら、ただ快楽のためだけに、すっきりをしました。 すっきりをするとのどが渇きます。自分が雨さんを汲んで飲もうとすると、ありすがそれを止めました。 「こっちにもっと、とかいはなおみずさんがあるわ」 ありすは床に開いた穴から、細長くて透明で、それでいて硬い入れ物を取り出しました。 その細長いものの中には、お水さんが入っていました。 「おみずさんなのぜ?」 「“おさけさん”よ」 “お酒さん”―――それが自分のゆん生を大きく変えました。 変なにおいのするそのお水さんは、口に含むとなんとも奇妙な味がしましたが、 ほのかに甘く、しかもだんだんと、ゆっくりとした気分になってくるのでした。 自分は次第に、そのお酒さんの虜になってゆきました。 雨さんの季節が終わる頃には、自分はもうお酒さん無しでは生きてゆけないようになっていました。 はじめのうちは、毎晩、そのうちに、昼夜問わず、来る日も来る日も、お酒さんをあおりました。 そしてだんだん寒さを感じるようになった頃に、沢山あったはずのお酒さんは、底を尽きました。 「ありす、おさけさんがほしいんだぜ……」 「きのうのんだぶんで、もうさいごよ」 絶望的な宣告でした。 「だったら、ここにあるあまあまさんと、こうかんしてこればいいんだぜ……」 「むりよ。おさけさんは“おかねさん”がないと、こうかんしてもらえないわ」 自分はお酒さんが貴重なものだと理解していませんでした。 野菜さんや、あまあまさんや、虫さんといったものは、他のゆっくり達と交換することで手に入りました。 しかし、お酒さんは、人間さんと交換しなければ手に入らないものだったのです。 人間さんは、自分達ゆっくりと、物々交換をしてくれません。 唯一、交換してくれる場合というのは、それはお金さんを持って行った場合だけでした。 「じゃあどうして、ありすはおさけさんをもっていたのぜ……?」 「むかし、かいゆっくりのおきゃくさんがいたのよ。そのおきゃくさんがくれたの」 自分はこの時、半ばやけになっていて、後先を考える余裕など無く、ただお酒さんを欲していました。 そして遂に、ありすに対して絶対に言ってはならないことを言ってしまいました。 「だったら、もういちど“ゆんばいふ”になればいいんだぜ……」 そこから先はハッキリとは覚えていません。 あまりに悲惨な光景だったので、思い出したくないのかもしれません。 ただ、ありすの凄まじい泣き声と、見たことも無い悲しい顔だけは、覚えています。 自分とありすは、別れることになりました。 出て行くのは、またしても自分でした。 ありすは自分(まりさ)のことを、ゆん生で唯一、 自分(ありす)を愛してくれるゆっくりだと、思い込んでいたようでした。 しかし、それはありすにとって勘違いというか、不運というか、気の毒なこととしか、言い様がありませんでした。 自分は、ゆっくりがゆっくりを好きになる―――そういう感情が一切、理解できないゆっくりなのでした。 自分のおちびちゃんすら、愛することのできないゆっくりなのでした。 もし、愛しているゆっくりが居るとすれば、それはたった一匹、他でもない、自分自身でした。 みんなは、そういうゆっくりを、“ゲス”と呼びます。 自分は気が付かないうちに、ゲスになっていました。 いえ、あのれいむを置いて森を出たときから、既にゲスだったのかもしれません。 口調も、行動も、そして長い野良生活でボロボロになった外見も、まさに醜いゲスそのものでした。 完璧な、ゲスでした。他のどのゆっくりよりも、ゲスでした。 ゆっくり、失格。 もはや、自分は、完全に、ゆっくりで無くなりました。 (おしまい) ☆☆☆☆☆ 七割方書いてから、別の作者さんが「ゆっくり失格」というSSを既に発表してらっしゃることに気づきました。 「ひらがなだからゆるしてね!ひどいことしないでね!」 (過去作) ゆっくりいじめ系2909 偏愛 ゆっくりいじめ系2999 おはなありす 選択肢 投票 しあわせー! (16) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1378.html
「じゃあ、そのおまんじゅうは食べられるの?」 「ええ、結構美味しいんですよ」 闇の妖怪ルーミアと、パチュリーの従者である名も無き小悪魔。 あまり接点のなさそうな2人だが、仲は良いらしく、楽しげに話していた。 「ゆっくりかー……お腹空いたから、一匹食べてみたいな」 「どこにでもいるから探してみるといいですよ。見つけたら、軽く洗ってからいただくのがオススメです。焼いていただくと、とても良い香りがして素敵ですね」 「焼いたおまんじゅう……美味しそうだなー」 ルーミアがよだれを垂らしそうな声色で呟くと、タイミング良く腹がきゅるるるる、と鳴る。 「あ、あのさ小悪魔! それで、そのおまんじゅうが沢山いるところってどこなの?」 「どこにでもいますよ。ちょっと周りを見渡したら、10匹や20匹はすぐ見つかります」 明らかに話を切り替えようとしているルーミア。その顔は、微妙に赤く染まっている。 小悪魔は、内心妹の様に思っている可愛らしい友人に、ニコニコと笑いながら教えてやった。 「じゃ、じゃあ探してみるね! ありがとう小悪魔!」 ばいばーい、と手を振るが、すぐに周りを真っ暗にしてしまったので何をしているか分からない。 だが、そんな事はおかまいなしに小悪魔も笑顔で手を振り、図書館へと戻っていった。 『ルーミアとゆっくり』 「ゆっくり~♪ ゆっゆっゆっくり~♪」 「「「ゆっきゅり~♪ ゆゆゆゆゆっきゅり~♪」」」 ゆっくりれいむの親子が楽しそうに飛び跳ねている。 風がさらさらと草を揺らし、暑すぎない程度に太陽が輝いている、そんな最高のゆっくりデイ。 親子は、今この時がずっと続いて欲しいと思いながらゆっくりとすごしていた。 だが、幸せな時は永久に続くものではない。 「ゆゆ? おかーしゃん、ゆっきゅりへんなのがきゅるよー」 「おかーしゃん、あれなーに?」 一匹の子れいむが何かを見つけたらしく、怖そうに親れいむにくっつきつつ訴える。 親れいむが視線の先を見ると、何やら真っ黒くて丸い物体がふらふらしながら動いていた。 「ゆっ? おかーさんもわからないよ!」 「まっきゅろだね」 「きょれなんだろー?」 「ゆうー……みんなきをつけてね、ちかづいたらだめだよ」 きゃいきゃいと、オバケ屋敷の幽霊でも見ているかの様に怖がりつつも楽しそうに騒ぐ子れいむ達。 親れいむは、そんな子れいむ達をたしなめつつ、黒い物体が何なのか見極める様な厳しい顔で見つめている。 「ゆっ? ちかづいてきゅるよ!」 黒い物体が段々と自分達の所に近づいてきていると分かったゆっくり家族は、流石に緊張した。 「きょないでよ! ゆっきゅりあっちいってね!」 「ゆっ! ここはれいむたちのゆっくりプレイスだよ! ゆっくりどっかいってね!」 気味が悪そうに親の近くに集合する子供、体を大きく膨らませて子供を自分の後ろに隠す親。 ゆっくり親子は、奇妙な黒い物体の真正面に立ちはだかり「どっかいってね!」「こっちこないでね!」などと言いはじめた。 黒い物体は、そんな必死なゆっくり達をあざ笑う様にどんどん近づいてくる。 「ぎゅううううう! ぎょないでよおぉぉぉ!」 「ゆっぎゅりあっぢいぎぇえええぇぇぇぇぇ!」 「さっさとべつのところにいってね! ゆっくりしね!」 どんどん近づいてくる黒い物体。ゆっくり達は、もう声も出ないほど震え上がり、腰でも抜かしたのか一歩も動けないでいる。 ゆっくり親子が、黒い物体に立ちふさがった事自体が間違いであると気付いたのは、闇の中に閉じ込められてからだった。 「「「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁ!!! ぐらいよおおおぉぉぉ! ごわいよおおおぉぉぉ!」」」 暗闇の中にいる恐怖。いつどこから何が襲ってくるか分からない。 「ゆぎゅ!?」 ぶちゃっとアンコが飛び散る音と温かい何かが頬に張り付く感触。どのゆっくりかは分からないが、一匹殺されたらしい。 もしかしたら、この闇の中にゆっくりれみりゃやゆっくりフランなどの捕食種がいるのかもしれない……ゆっくり親子は、あまりの恐怖から意識を失った。 さらさらと草の揺れる音で、親ゆっくりは目を覚ました。 「ゆー、ゆー……ゆっくりしていってね!」 起き抜けで、即座にいつもの鳴き声をあげるのは、生物的な習性だろうか。 「みんな、ゆっくりおきたよ。きょうは、なにをしてあそぼうかなぁ、あかちゃんも……??」 なぜ眠っていたか忘れていたらしく、寝ぼけ眼で周囲に語りかけていた親ゆっくりだったが、思い出した途端、素早く辺りを見始めた。 すでに辺りは真っ暗になっており、いつ捕食種が現れてもおかしくない。 親ゆっくりは、せめて一人だけでもと祈る様な気持ちで声を張り上げた。 「どご!? どごにいるの!? れ”い”む”のあがぢゃあ”あ”あ”ぁぁぁぁぁんんん!!!」 「ゆぎゅ……おかーしゃん、いるよー」 ノドが張り裂けるかの様な悲痛な叫びに答えて、一匹の子ゆっくりがぴょんぴょん飛び上がった。 「みんな……みんな……ぶじだっだのぉ!?」 「「「ゆっきゅりげんきだよー!!!」」」 良く見ると、全員いるらしい。 先ほどやられた子も含めて何匹かいなくなっているのかもしれないが、それでも無事な子ゆっくりはまだまだいる。 更に、ぴょんぴょんと飛び跳ねる子ゆっくり達に外傷はほとんどない。 一匹若干元気がないが、そのゆっくりの傷すら、小石にぶつかった程度の軽い傷だ。 命に別状はないし、数時間ゆっくりしていたらすぐに治るだろう。 ――これで、またみんなでいっしょにゆっくりできるよ。 親ゆっくりは、心の底から安堵し、大きく息をついた。 「もうくらいから、ゆっくりおうちにかえろうね!」 「「「おうちでゆっきゅりしようね!」」」 笑顔でぴょんぴょんと飛び跳ねるゆっくり一家。 後ろから今の騒ぎを聞きつけたゆっくりフランが追いかけている事に気付いたのは、もう絶対に逃げられなくなった後の事だった。 「お腹すいたなー」 ルーミアは、いつもの様に自分の周りを闇で覆い、食べ物を探してふらふらと飛び回っていた。 しばらく何も食べていないらしく、お腹から可愛らしく「くきゅるるる」などと聞こえてくる。 その音をきっかけとして、少し休む事にしたらしい。 闇を出すのとは違い、飛ぶためには栄養が必要だ。 「休憩休憩。ふぅ」 のんびりと地面に降り立ち、原っぱに座った。 上品に座っているその姿は、良家のお嬢様に見える。……姿を見るためには、闇の中で目が見える必要があるが。 「そういえば、さっきのは何だったんだろう?」 可愛らしく小首をかしげて、妙な声の事を思い出す。 ふらふらと飛んでいたら「ゆぎゃあ」とか何とか聞こえてきた。 それほど時間を開けずに「ゆぎゅっ!?」という声と、甘いニオイが鼻を刺激したのだが、どこから聞こえたのか、甘いニオイはどこから漂っているのか分からず、結局そのまま通り過ぎた記憶。 「あれは食べられるものだったのかなー?」 そうだったら惜しい事をした。 ルーミアは、憮然とした表情でバタバタと足を動かして、先ほど見逃した食事の事を悔やんだ。 少しの間足をバタバタさせてから、ルーミアは気を取り直した。 ――ご飯は他にもあるし、もうすぐ暗くなるから、何か食べるものが見つかるかもしれないもんね。 周りの闇を解くと、既に日は落ち、暗くなっている。 「休憩おしまい。ご飯はどこかな~?」 のんびりと飛びながら食事を探すルーミアの目に、口元を黒く汚したゆっくりフランが見えた。 「こんばんは。あなたは食べてもいいおまんじゅう?」 感想で東方キャラを希望されて書いた。せっかくなので精神的いじめをやってみようと思ったらこうなった。今は次のSSを考えている。 なお、私は全ての東方シリーズはプレイしていないため、人称や設定など間違っている部分もあるかもしれません。 不快に感じた方は、ご容赦下さい。 by319 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2743.html
オリ設定有 虐待ほぼ無し ぶっちゃけただのネタ 「じじいさっさとはなしてね!!いまならゆるしてあげるよ!!」 「あとおかしももってきてね!!そしてすぐしんでね!!」 ぎゃあぎゃあ騒ぐゆっくり共が入っている袋を担いで歩く俺。ゆっくりは村に来て畑を荒らすゲスどもだ。 だいたい村に来るゆっくりはゲスかバカばっかりである。普通のゆっくりは来る必要ないし。 そして村から少し離れた小屋に着く。小屋にしては少し大きめではあるが、人間が住むには狭い程度の大きさだ。 そして扉は閉まっているがここからでも小屋の中の生物の声が聞こえてくる。 「ゆゆっ!?このこえは…」 がちゃ 『うー!』 「れみりゃだあああああ!!!!!!!」 げすゆっくり達が言うとおりここは村のゆっくりれみりゃの飼育小屋である。 その数は結構多く、五十を超えるほど。ただし三分の二くらいは子供だ。 俺は持っている袋の中身を餌箱の中に入れる。げす達はぼとぼとと落ちた、中にはつぶれたものもいたが気にしない この箱はゲスゆっくりが逃げないよう結構深い。 しかし空を飛ぶことができるれみりゃには簡単に入ることが出来る。 「ほーれ、あまあまだぞー。たっぷり食えよ」 「うー♪」 「やめてね!!れみりゃはゆっくりできな…ああああああ!!!」 「だずげでぇええええ!!!」 「いびゃああああああああああ!!!!!! あっという間に子れみりゃにたかられるゆっくり達。 狭い箱を必死に転がって抵抗しているものもいるが、そいつはすぐに親が押さえつけるので結局何もできず中身を吸われる。 餌箱の底にはさっきまで生意気言ってたゆっくり達のデスマスクだけが残った。これは後で畑の肥料にする。 『うー!うっうー!』 「うまかったか?そいつはよかった」 『うー!うー!』 「ああ、待ってろ今開けるからな」 子れみりゃに返事をしながら親れみりゃ用の入り口を開ける。ちょっと大きい木窓のような代物だ。 そしてあっという間にそこから飛び立っていく親れみりゃ達。小屋にはまだ狩りができない子れみりゃだけが残った。 それなりに昔、ゆっくりと呼ばれる饅頭生物が現れた。 そしてそいつらはだんだんと野生の生き物として知識をつけ、人間の畑を襲うようにもなった。 そこで農家は対策としてそいつらを捕食するゆっくりを飼うという流れが起きる。それがれみりゃというわけだ。 ゆっくりの捕食種であるれみりゃを飼うようになった村は次々と増えていった。 分かりやすくいうとねずみを取るために猫を飼うようなものだと思えばいい。 そしてそれを繁殖させ、別の村などに売り払うのがこの小屋である。 ちなみに全て胴体無し。ペットではなくあくまで狩りをやらせるためのゆっくりなのだ。胴体有など売れるはずも無い。 胴体有は動きは遅い、わがままは言う、野菜を引っこ抜くことから逆に害獣扱いされている。 『うー♪うー♪』 子れみりゃ達がいっせいに歌う。満足したのだろう。 一日一食で適当なゆっくりで済むのだから実にリーズナブルだ うちでは基本子供には餌をやるが親には自分でとりに行かせるようにしている。 なぜならゆっくりを取れないと飼う意味が無いからだ。 そのため餌は子供の分だけしか入れない。そして親れみりゃは子れみりゃに優先的に与えるので狙いどおりに食べてくれる。 後は親達を解放してきちんと狩りに行かせる。しばらくしたら戻ってくるのできちんと集まってるか確認したら閉める。 彼女達はここを家だと認識している上に、子供を残しているから何もしなくても戻ってくる。副業としてはかなり楽である。 俺は親が全員飛んでいったのを確認すると、小屋を出て家へと戻った。 次の日。朝日が顔を出す頃に小屋に来る。 親達が戻ってきており、うとうとと眠っていた。 こいつらは夜行性だからそろそろ眠る時間なのだろう 「ひぃ、ふぅ、…よし、足りてるな」 俺は数を数えて全員いる事を確認すると出入り口を閉め、畑仕事へと戻った。 ~~~~~~~ これだけ書くのにえらく時間かかってしまった。 現在のんびりゆっくり戦乱シミュを製作中…完成するかどうかも不明だが 過去作品 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 ゆっくり埋め どすまりさの失敗 原点 ゆっくり駆除ありす まきぞえ なぐる ゆっくりのある田舎 現実的なドスまりさ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4982.html
飛行機のスペックは技術的に正確ではありません、結構いい加減に設定しています 俺設定のゆっくりが出てきます 晴れた日の昼下がり、田畑が広がるのどかな町に空に羽根を付けた箱の様なものが飛んできた 数は4コほど、高さは約15m うーぱっくだ、上に数の分だけゆっくりを載せている ぱちゅりーが1匹、まりさが1匹、れいむ2匹と言った内訳だ 「ゆゆ!にんげんさんのはたけをみつけたよ!」 「いっぱいあるんだぜ!」 「うー♪うー♪」 口々にそう言いながら高度を下げていくゆっくりたち うーぱっくに乗って空から畑を争うという魂胆だろう 近頃はゆっくり用の罠が多くなっており、地上から畑に入ることはゆっくりにとっては困難になっている だからこそうーぱっくを使っての空からの侵入を試みたのだろう 「むきゅ!誰もいないわ!今のうちよ!」 先頭のぱちゅりーが大声で報じた それなりに隊列は整えてあるようでぱちゅりーを先頭にダイアモンドの形に編隊を組んで飛んでいる そのまま畑に着陸し、可能な限りの野菜を集めて帰る…そういう手筈のはずだった ゆっくりと高度を落としていくうーぱっく、地面までの距離は約10mになっていた 「そのまま降り・・・!」 その時ブーン…と言う音が近づいていて過ぎ去っていった 直後に大きな風とともに「バババッ」という音が吹きうーぱっくはバランスを崩しそうになる 無事を確かめようとお互いがお互いの姿を確認しあう、まりさ・・・れいむ・・・れいむ・・・どうやら三匹とも無事だ 後は…ぱちゅりーは?三匹は急いで目を動かしぱちゅりーの姿を探す、そして下の方に何かを見つけた うーぱっくに乗ったぱちゅりーは… 「「ばぢゅりぃぃぃいいいい!?」」 そう声を上げた物のすでにぱちゅりーを乗せたうーぱっくはあちこちから生クリームを飛び散らせながらきりもみ状に畑に落下していった 一斉に音が過ぎ去った方向に目をやる、何か「点」のような物が3つ見えただけだった いや、点が大きくなってきている?そう思っていると3つの「点」がオレンジ色に光った またかすかに「バババッ」という音がしたように聞こえた それが1匹のれいむが見た最後の光景になった 一匹のれいむを乗せたうーぱっくはれいむごと穴だらけになり放射状に地面に落ちて行った もう一匹のまりさをのせたうーぱっくは左側面がなくなりそのまま動きを止めた 「ゆぎゃああああ!?うごがないぃぃぃぃ!?どうなっでるんだぜぇぇぇぇ!?」 幸い、乗っていたまりさは奇跡的に無傷だったようだ、だが左側面が丸ごと無くなったうーぱっくは大きく左に傾きだした まりさはなんとか右に体重を寄せて姿勢を立て直そうとする しかしすでに物言わぬ箱になっているうーぱっくは飛ぶ力を失っていた 左に大きく傾きながら弧を描いてまりさをのせたうーぱっくは地面に落ちて行った 地面が速く大きく近づいていく、そして 「だずげでぇぇ…ゆびゃっ!」 最後まで必死の抵抗も空しく体の左側から地面に落下した、あんこが飛び散り四散する、その瞬間にまりさの意識は消えた しかし勢いづいて落ちたうーぱっくだった箱ととまりさだった饅頭は止まらず、そのまま2回転ほど転がりようやく動きを止めた オレンジ色の光の最後の獲物となったれいむを乗せたうーぱっく、痛みはない、しかし視界が大きく右に傾いた 「ゆゆ!?どうなってるの!?」 傾いた方向へ眼をやる―――うーぱっくの右の翼が無くなっていた 「う"う"う"う"う"う"う"う"う!!!!!!!」 「どぼじでうーばっぐのばねがなぐなっでるのぉぉぉおおおお!!!!」 痛みにたえながらうーぱっくは残った左の翼を必死に動かし姿勢を立て直そうとする 「ゆ、ゆっくりがんばってね!!もっとたかくとんでね!!」 冷静さをとりもどし、何をすべきかを瞬時に考えるれいむ そして必死にれいむもバランスをとるために左に体重を寄せる しかしそれが致命的なミスとなった、必要以上に寄せてしまいバランスを崩したうーぱっくは勢いよく逆さまになってしまう そのままうーぱっくから空中で放り出されてしまうれいむ、そのまま地面に頭から落ちて行った 「どぼじでぇぇぇえええええ!!??ゆぴゃっ!!」 高度を下げていた上に、木がクッションになって勢いを殺し地面に落ちたため、即死ではなかったが 木の枝で体中の皮が裂け、スキマからあんこがダラダラと染み出しており「ゆ”!ゆ”!」と声を漏らして痙攣していた、もう長くはないだろう なにも載せていないうーぱっくはと言うと、なんとか態勢を立て戻したものの今の高度を保つのが精一杯で上昇はできなくなっていた 地面との距離は約5m、ゆっくり程度の体ならそのまま潰れてしまう高さだ 「う"う"う"!!」 体から汗が吹き出しながら歯を食いしばり必死に残った翼を動かしている しかしまたあの音が聞こえてきた、上だ、音の方向を見てみる ―――そこにはうーぱっくを細長くした様な銀色の箱が飛んでいた、上の方についている丸いガラスの中には同じゆっくりが乗っている 中のゆっくりと目が合った、しかし黒いバイザーのような物をしていたため表情は見えなかった そしてオレンジ色の光が走る 「う"う"!?びゃ"ぁ"あ"!」 今度こそ真正面で「光」を見てしまったうーぱっく、その瞬間に意識は途切れ、そのまま空中でバラバラになり残骸が地面へと落ちて行った・・・ 加工所敷地内の端に位置する場所 200m程のアスファルトでまっすぐ舗装された道に銀色の細長い箱の様なものがタイヤを出して着陸しようとしていた、 キュっとタイヤとアスファルトが接触する音が聞こえ、最終着陸に入る 一気に速度が無くなっていき、一旦静止した後、透明のキャノピーが上に開くと中からバイザーが一体化したヘルメットをかぶった体つきのゆっくりまりさが下りてきた スィーに乗ってやってきたゆっくりぱちゅりーがワイヤーで「銀色の箱」を繋ぎとめ、近くの半円状のドームのような施設に引っ張って行く、このぱちゅりーも体が付いている このような手順を経て三つの「銀色の箱」は無事に着陸し、乗っていたゆっくりをおろして、建物の中へ引っ張られていった 加工所の職員一人と灰色のキャップ帽を被ったぱちゅりーが20匹ほどやってきてその箱が収納された「ハンガー」に入って機体を整備する P-⑨A シャープウーパック―――それがこのゆっくり専用レシプロ戦闘機の名前である 全長80cm、重量、10kg(搭乗員、装備除く)最大重量は25kg 最高時速150km、限界高度1000m ドススパークの素となるキノコで動く小型レシプロエンジンを搭載し、ドススパークの爆発を利用して弾丸を飛ばす専用機関砲を機首に2門搭載している また、いくつかのオプションパーツをつける事も可能だ 現在15機程製造されており、13、14、15番機が先ほど戦闘を行った なお、パイロットはれいむ種、まりさ種、みょん種、ちぇん種である、ありす種は機体をバンクさせる際に発情してしまうし、ぱちゅりー種は激しいマニューバに耐え切れない、れみりゃ等の捕食種は操縦技術を覚えづらい こう言った条件から加工所内で選りすぐりゆっくりを引き抜き、中枢餡を始めとする餡子増量処置を受け、体もつけて、体つきゆっくりになる 体力的にも頭脳的にも大幅に強化され、厳しい訓練を経た末にP-⑨Aのパイロットになるのである(整備、補給員には生クリームを増量した体つきぱちゅりー種が担当する) うーぱっくによる被害が増えてきた近年、空中から侵入して畑を荒らす手口が増加している また、うーぱっくによる機動力を得たゆっくりはその行動範囲を一気に広めてしまい、加工所の職員や虐待お兄さん等ではカバーしきれないほどになっている そこで優秀なゆっくりによるうーぱっくやゆっくりの対策部隊として試験的に設置されたのがこの「ゆっくり飛行隊」である 今日もゆっくりによる被害から人々を守るために空に上がり続けるゆっくり達 その目は一様にして悲しそうな目をしていた… アスファルトの地面にずっしりと両足をつけた体つきまりさが空を眺めていた それを不思議に思った加工所の職員が声をかける 「何か見えるのかい?」 その問いかけに寂しそうに笑うとまりさはこう言った 「青空だけさ」 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/474.html
ゆっくりいじめ系113 ゆっくり飾りゴージャス or fuku0708.txt ゆっくり飾りゴージャスの続き。 このssは以下の設定と、それに便乗したオリジナル設定で構成されています。 1.飾りがないゆっくりは苛められる。 2.死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。 3.ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。 手元に、中サイズのゆっくりまりさの帽子が残っていた。 昨日の残りだ。 確か、これ食えるよな? 「おじさーん。まりさの帽子食う?」 「・・おまえ、それ、どうした?」 「パクった。いや、ちょっと違うか。トレードした」 「そうか、お前はそれに興味をもったか。皮の一種だから、問題なく食べられる。ゆっくりレミリアは残すけどな」 「若干硬いから?」 「たぶんそうだろう。みかんの白いやつと同じようなものだと思え」 そういうものなのか?まぁいいか・・食わずにおいておこう。 ・・ちょっと気になることが出来たので、帽子と油性ペン、あと加工場で余った餡子を袋に詰め、実験場に向かう。 実験場につき、お目当ての奴を探す。・・・いたいた。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 昨日の帽子トレード元、ゆっくりまりさシスターズ、総勢8匹だ。 トレードしたやつは他の個体と比べて、帽子がでかいため目深になっている。 パッと見ではわからないが、家族と一緒だと比較しやすいな。 「おじさん、おかあさんしらない?」 挨拶の直後、でかいのがそう聞いてきた。・・あれ?こいつ俺のこと覚えてる? 「しらない。どうしたの?」 「「「ぼうしおいて、いなくなっちゃった」」」 うお、全匹泣きそうだ。 「おかあさんは別の場所でゆっくりしているよ!」 「ほんとー?」「おじさんうそついてないー?」「うそつくひととはゆっくりできないよ!」「ゆっくりほんとのこといってね!」 「ほら、君たちのおかあさんに言われてご飯もってきたぞー」 とりあえず餡子を与える。 「むーしゃむーしゃ」「おいしー」「うまうま」「おかあさんだけずるーい!」「まりさもゆっくりしたいー」 よし、ごまかした。 さてと、 「君と、君と君、ちょっといいかな?」 帽子のでかいのと、大体同じ程度にでかいのを2匹チョイスする。 「まりさもいっしょにいくー!」「まりさもゆっくりしたーい!」「おねえちゃんだけずるーい!」 ・・・まったくこいつらは・・・別にこの場でやってもいいか。 「うーん、わかった。でも」 足で地面にラインを書く。 「この線からこっちにきちゃダメだよ?こっちきたら・・」 「うつとうごく!」 言ってる傍から超えやがった。 さっそく、そいつをこないだの袋に詰めて口をしめた。 「いやあああああああだしてー!」 前回のトラウマが残っているのか、叫び始めるゆっくりと 「やめて!」「そんなことするおにいさんとはゆっくりできないよ!」「ゆっくりかえって!」「ゆっくりしね!」 その他ゆっくりども。あー、つぶしてやりたいです。 「その線を越えたらこうなります。わかりましたか?」 「「「ゆっくりさせて!ゆっくりできないよ!」」」 結局、残り4匹も袋の中にぶち込んだ。 「「「ゆゆゆゆ!」」」 チョイスした3匹が泣いている。うおーうぜー!ゆっくりした結果がこれだよ!! 「わかったわかった・・・ほら」 袋の口を開けて、外が見えるようにしてやる。 「いいか・・・その袋から出るなよ」 「「「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゆ゛っぐり゛ざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」」」 「・・・・その袋の中ではゆっくりしていいから」 今、自分がどんな表情しているのか理解できない。眉間がひくひくしてるのはわかるんだが。 「「「ゆゆゆ?」」」 「その中では、ゆっくりしていいから、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」「Zzzz」 やっと落ち着いたらしい・・・・・・うお、1匹寝てる奴がいる。きっと最初の奴だ・・・・おのれ・・。 「あい、お待たせ」 やっとでかい3匹の方に取り掛かれる。 ・・・待ちくたびれたのか、一斉に叫ぶ。 「「「ゆっくりしたけっかがこれだよ!」」」 上を向いてため息ひとつ。 ・・・ガッ!とおもむろに1匹とっ捕まえる。 「ゆゆゆ!」「ひどいよおにいさん!」「ゆっくりはなしてね!」 「勘違いするな・・・ゆっくりさせりゃいいんだろ」 撫で撫で。 「ゆっ・・・ゆっくり~」「いいないいな!おにいさんまりさも!」「ゆっくりさせていってね!」「「「ゆっくりしていってね!」」」 もういちいち相手にしてられん。油性ペンでゆっくりまりさの帽子と、人間で言う下あご?に【1】と書く。 次のには【2】、でか帽子には【3】と書いた。 「「「ゆっくり~」」」 もうちょっと大きかったら発情するのだろうか・・?ゆっくり3匹にその兆候は無い。 「「「ゆっくりしたいーー!」」」 そして袋の中の5匹。 「いいか・・・袋からでるなよ?」 「わかったよ!」「ゆっくりさせてね!」「ゆっくりしていってね!」「Zzzz」「Zzz・もうたべられない」 昼飯は寝てる2匹にしよう。そうしよう。 さて・・・ 「ゆっ!」「ゆっ!」「ゆゆゆぅ!」「「ゆ゛っ!」」 ナンバリングした3匹の帽子を奪い取る。 「ひどいよ!どうしてこんなことするの!」「ゆっくりかえしてね!」「おにいさんじゃゆっくりできないよ!」 体当たりしてくる3匹と 「「「・・・??」」」「「・・・Zzzz」」 困惑顔の袋の3匹、寝てる2匹。 ここで帽子を3つをシャッフルし、ちょっと遠くに置く。 「ほれ、とってこい」 帽子無しどもをけしかける。 「まりさのー!」「これまりさのー!」「まりさあああああああ!」 必死だな。 帽子を取り返して再度かぶる。そうすると、袋の中の3匹の表情が戻る。 これを10回繰り返す。3匹の表情が、灯ったリ翳ったり。 素直なのはいいことだが・・・もうちょっと可愛らしい表情してください。 さて・・・10回やって、10回とも、ゆっくりの番号と帽子の番号が一致。 こいつら、自分の帽子がわかるようだ。 ナンバリングには気がついていないようだ。ゆっくりだしな。 特に、でか帽子のやつ。でかいからすぐにわかるらしい。・・・いやそりゃそうだろうけどさ。 ここで、帽子を奪った後、でかい帽子と、もってきていた帽子を取り替える。 これで、場にあるのは【1】と【2】と番号無しの帽子・・さっきと同じようにシャッフルしてけしかけてみる。 すると、叫び出したのは、【3】のまりさ・・無論、でか帽子のだ。 「なんでえええええええええええええええまりさのぼうしがないいいいいいいいいいい!!」 「ごめんごめん、この帽子だったね。間違えちゃった!」 「がえ゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 でかい帽子を返すと真っ赤になってぷりぷり怒っている。 「おにいさんはゆっくりできないよ!ゆっくりあっちいってしんでね!」 脳天にビキビキきながらも尋ねてみる。 「それ、お母さんの帽子じゃなかったっけ?」 「ゆっ?おかあさんのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!おにいさんへんなのー!」 何回か試してみたが・・・交換したらすぐにわかるらしい。 【3】のデカ帽子だけじゃなく、普通まりさの【1】【2】に試した回もあったが、結果は同じだった。 「まりざのぼうじどごおおおおおおおおおおおお!!」 「ぼうじがえじでえええええええええええええ!!」 毎回毎回こんな感じで泣き叫ぶ。 ・・・うるせえ。あと絶対嘘泣きだろこれ。 まぁ、死活問題だしな。袋の3匹の怪訝な表情を確認してしみじみ思う。 と、閃くものがあったので、【1】と【2】の帽子を交換した。 「ゆっ!」「ゆっ!」 ・・・・待つことしばし。 「ゆゅ?」「おじさんどうしたの?」「ゆっくりするの?」 ・・・・・あれ?交換したのに気がついてない? 「「「ゆっくりするの??」」」 ・・・試してみるか。 「ああ、ごめんごめん、ゆっくりしすぎちゃったよ」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 そして再度シャッフルしてみた。 その結果、【1】まりさは【2】の帽子に、【2】のまりさは【1】の帽子へと向かうようになった。 ・・これは、所有権がいれかわったのか? 【1】のまりさへ、【2】の帽子について聞いてみる。 「あの帽子、君のじゃないの?」 「ゆ?まりさのぼうしだけど、おねえちゃんのぼうしだよ!」 【2】が姉だったのか。いや、それはどうでもいい。 この反応を見るに、盗られても、自分が飾りをつけていれば満足なのか。 1つ、思いつくことがあった。 何度も何度も、【1】【2】【3】の帽子をシャッフルする。そう、大きい帽子も交えてだ。 数十回の試行が終った後、【3】に【3】の帽子を返して、こう尋ねた。 「ねぇ、その帽子、誰の帽子?」 「ゆっ?このぼうしは、まりさのいもうとのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!!」 思惑通りにいったことを知り、愉悦が止まらない。 ああ・・・こいつら・・・母親の帽子だということを、忘れやがった。 ものすごく哀れに思えてきたので、残りのゆっくりまりさにもナンバリングし、1番づつ帽子をずらしてやった。 今手元にあるのは、比較して一番小さかったゆっくりまりさの帽子だ。 もう満足し、哀れな姉妹たちに別れを告げた。 「ありがとう、ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりまた遊んでね!!」」」」 ・・・こいつら、いったいどこまでゆっくりしているんだろう。 満足したので、いったん加工場に戻って昼食にすることにする。 さて、午後の部である。 ゆっくりまりさばっかり構っているのに気が引けたので、もうひとつ気になる方を消化することにした。 ゆっくりれいむの髪飾りについてだ。 あれってさ、リボンだよね? ・・あれをさ、解いたらさ、どう考えても、自分じゃつけられないだろ常考。 「いやあああああああああああああああああれいむのりぼんがあああああああああああ」 思ったときには、すでに行動は完了していた。 「ごめんごめん、手がすべっちゃったぜ!」 「いやああああああああああれいむのりぼんんんんんんんむすんでええええええええ」 「わかったぜ!!」 「できたぜ!」 「もう!ゆっくりきをつけていってね!!」 「わかったぜ!」 プンプン!と去っていく霊夢。風にたなびくリボンが尻尾のようだ。 せっかくなので、「俺より強いやつに会いに行く」スタイルにしてやった。俗に言う鉢巻。 無論、固結びなので、外れることはないだろう。 弾幕出るようにならないかなぁ。回転しながら回し蹴りとか、炎をまとってアッパーもいいよなぁ。 ボインボイン弾んでいく鉢巻れいむを観察する限り、どうやら、何でもいいから飾りをつけていれば苛められないらしい。 調子にのって、ポニテれいむ、たくましいなれいむ、おさげれいむ、鼻鉢巻れいむを作った辺りで飽きた。 個性豊かになって何よりだ・・・って、問題がずれた。 気になるのは、やつらが結べるかどうかだ。 さっそく、ゆっくりれいむを発見。しかも2匹。 姉妹かな?いつぞやのゴれいむサイズだ。大体10cmぐらい・・・よしよし。 まずは声をかける。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっ!ゆっくりしていってね!!」」 スッ、っと1匹持ち上げる。笑顔を絶やさないように。【1】っと・・。 「ゆっ!?おじさんゆっくりできるひと?」「ゆっ?れいむをどうするの?」 ささっと、ペンでナンバリング。【2】っと・・・。 「ゆっ?くすぐったいよ!!」「おじさんゆっくりやめてあげてね!」 もう片方も同様にする。 「ゆっ?なにするの!?」「おじさんわるいひと?ゆっくりできないならやめてよね!」 ・・・2匹共を地面に置く。 「はっはっはっ、ごめんごめん、きみたちがかわいいからついやっちゃったんだ!」 「ゆっ!」「それならゆるしてあげるね!」 「はっはっはっはっ」 2匹の頭を撫で撫でしつつ・・・リボンの片端を確認する。 「ゆっくりー」「ゆっくりー」「はっはっはっ・・・はぁっ!!!!!」 そしてすかさず、2匹のリボンを解き放ち、ダッシュで逃げる!!! 「あああああああああ」「りぼんがあああああああああああ」 全力で逃げて・・・茂みに隠れて観察開始。 どちらも追ってこない。地面に落ちたリボンを咥えて泣き喚く。 「ああああああありぼん!りぼん!!」「むずんで!!むずんで!!!」「」 やはりというかなんというか、結び方を知らないらしい。 「「このままじゃゆっくりできないよーーーーー!!!」」 どーするんだろ。しばらーく観察していたが特に動きがない。 ・・・もう、他の個体で試すか? そう思ったとき、 「ゅっ!」「ゆ?」 【2】が、りぼんを口に咥えてボインボイン跳ね始めた。どっかに移動するつもりらしい。 「ゆっぐりづいでぎでね!」 「ゆっぐりづいでいぐよ!」 そしてどこかに移動し始める。 親元にでも行くのだろうか・・・。 しばらくついていくと、実験上の奥深く、山のふもとエリアまで移動した。 必死なのかゆっくりだからなのか、多少雑な尾行でも気がつかない。 と、前方に1匹のゆっくりがいる。 ・・・って、ちょっと待て。 「ゆっぐり!」「むきゅん?」「ゆっ?」 そんな!?この実験場にゆっくりパチュリー、通称ゆっちゅりーはいないはずなのに!! 「ばぢゅりーー!!」「むきゅん!どうしたの?」「ゆっぐりー!」 えーと、あれは【2】の方か?どうやらとゆっちゅりーと知り合いのようだ。 ゆっちゅりーの方は怪訝な顔をしている。やっぱり識別できないのか。 「りぼんとれちゃったのーー!!」「むきゅん!むすべばいいのね!むきゅん!」「はやくつけてええええええええ!!!」 ゆっちゅりーは、すごい病弱だから、こういう野放しな実験場にはいないはずなんだがなぁ・・・? 「ありがとうぱちゅりー」「むきゅん!ええと、こうりつてきなりぼんのむすびかたは・・・」「ありがとう!ゆっくりむすんでいってね!」 なるほど、ゆっちゅりーが結んでいたのか・・・すげえなゆっちゅりー。メモメモ・・・。 でも、口だけでリボン結びか・・・どーやるんだろ? wktkしながら見守ることにする。 ・・・少し前は、wktkしていた。今ではirirしている。 かれこれ、半刻ほど待ってるが、ちっとも終らねー!! 「むきゅん!むきゅん!ぜー、ぜー・・・むっきゅん!」「ゆっくりがんばってね!」「ゆっくりはやくむすんでね!」 もちろんリボンは唾でベトベト、心なしか、ゆっくりれいむの後ろ頭がふやけてきた気がする。 ああ・・・自分の考え違いを悟った。 ゆっちゅりーはりぼんを結べない。そりゃそうだよな・・・だって自身の飾りがリボンじゃないものな。 自分の目が死んでいるのがわかる。ゆっくりした結果がこれだよ! 帰ろうかな・・・・?と思い始めたとき、待っていたゆっくりれいむ・・・【1】の方がりぼんを地面に置いた。 まさか・・・おまえまさか!!? 「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!」「むきゅん!!!」「ゆっ!!」 や、やりやがった!! 【1】がゆっちゅりーの帽子を、咥えて逃げた!! 「むきゅん!むきゅん!!」「そ、それはぱちゅりーのぼうしだよ!!かえして!!」 【2】とゆっちゅりーが【1】を追いかけ始めた!! ・・・・・・・・・が、ゆっちゅりーあっさり力尽きる。まさにゆっちゅりー。 「ゆっ!ゆっくりまっててね!」「おねがいいいいいいいいい!ぱちゅりーのぼうしがああああああああああ!!」 ボインボインと向こうに去って行く【2】をただただ見つめるゆっちゅりーと俺。 ただただ、しょぼーんとしているゆっちゅりーを見守る。 とばっちりだなぁ・・。かわいそうに。とニヤニヤしながら見守っていると、ゆっくりれいむが帰ってきた。 「ごめんぱちゅりー。ぼうしとられた」「ゆっ!ゆっ!ゆぐうううううううううううううう!!」 崩れ落ちるゆっちゅりー、慰めるれいむ・・・・。 でも、俺は見てしまった。 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ! 「帽子を盗んだゆっくりれいむを逃がしたのだと思っていたら、帰ってきてたのは帽子を盗んだ方だった」 な…何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何が起こったのかわからなかった… 奪い合いだとか、ミイラ取りがミイラにとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいゆっくりの片鱗を味わったぜ…。 パチュリーは気がついてない。 種族が違うからなのか、飾り無し状態で出合ったからなのか、区別がつかないようだ。 「むきゅん・・・むきゅん・・・」「ぱちゅりー、なかないでええええええ!」 場に残ったのは、2本のリボンとゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 どうするんだろうこいつら。 内心すげーモヤモヤしている。本音を言うと、ぶっ潰してあげたい。 心の中で評議会が開かれ、ぶっ潰そう派が大躍進しているのを感じつつ、ぼーっと微笑ましい様を眺めていた。 ようやく、泣き止んだゆっちゅりーが動く。 「むきゅんむきゅん。ついてきて」「ゆ?」 ゆっちゅりーがリボンを咥えて、ポインポインとどこかに行き始める。 ついていくゆっくりれいむ・・・とはいっても、ゆっちゅりーの移動速度の方が圧倒的に遅い。 どんどん奥の方に向かっていく。そろそろ結界際だろうか・・。 正直、さっきのポルポル現象以上に驚くことはないだろう。物凄い冷めた自分の心を感じながら、ゆっくりついていく。 どうやらさっきの評議会は時間切れになったらしい。 次の議題は「ゆっちゅりーこそ、ゆっくりオブゆっくりである」だった。 評議会が全会一致で可決され、万雷の拍手が脳内に鳴り響く頃、それは現れた。 「むきゅん!ゆっくりしていってね!」「ゆっ!!ゆゆゆっ!!ゆっくり!?」 挨拶するパチュリー。困惑するゆっくりれいむ【1】。そして、 『ゆっくりしていってね!!!』 とてもでかい、ゆっくりれいむが、そこにいた。 昔、1度だけ見たことがある、突然変異体。あれはゆっくりレティと同じサイズだった。おおよそ3m。 それほどではないにしろ、目の前のゆっくりれいむは大きかった。 ゆっくりれいむの成長限界は、世間一般によると「椅子に丁度いいサイズ」おおよそ50cmぐらいだろうか? しかし、目の前のは、俺の身長の半分・・・いやそれ以上、1mほどだろうか。通常の倍ぐらいはある。 こいつなら、赤ん坊を食える。間違いない。 『ゆっ!ぱちゅりーどうしたの!?ぼうしないよ!』 「むきゅん・・・とられたの」「ゆっ・・・ゆっ」 なんという威圧感・・・。 小れいむと俺は言葉も無い。 『ゆっ!ゆるせないよ!!ぱちゅりーのぼうしとったの・・・・れいむー?』 「ゆっ!ち、ちがうよ!!」「むきゅん!やめて、ちがうの!」 心の中で突っ込む俺。 そのとおりですがなにか? 「むきゅん!いいから、むすんでれいむ」 『ゆっ?』「・・ぱちゅりーには、りぼんしかないから」「ゆっ!?れいむもむすんでほしい!!」 『わかったよ!ゆっくりしていてね!!』 そこからの光景は、正直、目を疑わざるをえなかった。 どうして、その、ゆっくり丸呑みおいしいです。と、言えるほどのデカ口デカ舌で、リボンが結べるのですか???? 「むきゅん!ありがとうれいむ!」「ゆっ!ありがとうおおきいおねえさん!!」 『ゆっくりしていってね!』 ゆっくりれいむは、リボンが結べる。 その事実が確認できたものの、俺は衝撃のあまり身動きが出来なかった。 『ゆっ!よるになるよ。ゆっくりとまっていくといいよ!!』 「むきゅん。ありがとうれいむ!!」「ゆっ?ありがとう!!」 ふと気がつくと、夕焼けが目に眩しかった。 もうじき日が沈み、辺りに暗闇に覆われるだろう。 ・・・ゆっくり達が巣に向かうのを、俺はノロノロとついていった。 「「『ゆっくりしていってね!』」」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 巣の中に入る大きいゆっくりれいむ・・・・敬意を表して、マザーれいむと名づけることにした。 あとに続くのは、リボンゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 途端に中がにぎやかになる。何匹か子供たちがいるようだ。 ゆっくり達が夕食を迎えているころ、なんとなく、ただなんとなく、周辺を探ってみたところ・・・・見つけてしまった。 結界のほころび・・・木が倒れて結界にもつれ込み、その部分だけ、結界が避けていた。 結構範囲は広く、この分なら、マザーやゆっちゅりーが通り抜けるには十分だろう・・・。 余談であるが、加工場には1つの鉄則がある。 「ゆっくりを育てすぎない」 えさを与えれば与えるほど、ゆっくりはでかくなるが・・・でかいゆっくりは、餡子がパサパサしていて、はっきりいって不味い。 そのため、ある程度以上大きくなったものは、即座に収穫に回されるはずだ。それはこの加工場でも例外ではない。 せいぜいで20cm、初日の親れいむぐらいがせいぜいのはず。 ああ、間違いない。マザーとゆっちゅりーは、外から来た。 結界のほころびを、岩でふさいで、マザーの巣に戻ることにする。 ゆっくりアリスとか来てたら、もっととんでもないことになっていたから、まだよしとするべきだろうか・・。 巣に戻ってきたが、お客様が珍しいのだろうか、まだ騒ぎ声が聞こえた。寝静まるのを待つことにする。 結局、しばらく夜が更けてもまで騒いでいたが、マザーれいむの声が響く。 『ゆっくり眠ってね!』 「「「「ゆっくりおやすみなさい!!」」」」「むきゅん!ゆっくりおやすみなさい」「ゆっくりするよ!!」 ああ、なんという統率だろう。 加工場のゆっくりしか触ったことがなかったことを、悔やまざるを得なかった。 最後の号令から待つことしばし・・・・おもむろに巣を覗き込み、全てのゆっくりたちが眠っているのを確認する。 【1】とゆっちゅりー。マザーと他、【1】より若干大きいゆっくりたち6匹・・・合計9匹がそこにいた。 全匹にナンバリングする・・・マザーには【M】、ゆっちゅりーには【P】、残りは【2】~【7】の連番だ。 そして、ゆっちゅりーと、ゆっくりれいむ【1】~【7】からリボンを抜き取った。 あとは前回と同じ、ゴージャスゆっちゅりー、すなわちゴゆっちゅりーの出来上がりだ。 内心モヤモヤしたものを抱きつつ、寝ようとするが・・・きっと、前回のようにはうまくいかない。その確信で眠れなかった。 いったん、加工場の方に戻り、餡子と・・糸を、持って行く。色は赤。 使うようなことにならないといいけど・・・と、無駄なことを考えながら、巣の脇でゴゆっちゅりー入りの透明箱を抱いて眠る・・・。 加工場との往復で疲れたのか、どうにか眠ることが出来た。 そして、朝が来てしまった。 「「「ゆっくりしていってね!」」」の声で起こされる。 抱きかかえたゴゆっちゅりーも箱の中で目が覚めて、 「ゆっくりしていってね!」 そして連鎖して声が響く。 「ゆっくりしていってね」「ゆっくりしていってね」「ゆっ」「ゆゆゆっ!」 ざわざわと騒ぎになる。 「りぼんがないよっ!」「ゆっ!れいむのりぼんがない!」 「へんなのー!」「ゆ゛っ!!れいむもないよー!」「え゛ーっ!」 そう・・・ここまでは、前回と同じだった。 遅れて親れいむが反応する。 『ゆっくり落ち着いてね!』 「「「ゆっくりできないよーーーーーー!!」」」 『ゆっくり落ち着いてね!ゆっくり探してくるからね!ゆっくり待っててね!!』 ああ・・・くそ!!やはりマザーは餡子の容量が違うようだ。前回とは全く違うゆっくりっぷりに、歯を食いしばらざるを得なかった。 このままでは、マザーが表に出てしまう。遅ればせながら、ゴゆっちゅりーを巣の中に差し入れる。 「むきゅん!れいむーーー!」 『ゆっ!ぱちゅりー!』 それに気がつく親れいむと・・・ 「あ゛あ゛あ゛・・・ゆゆっ!!りぼん!!りぼんいっぱい!!りぼん!!りぼん!!!」 リボン無しの子れいむ達。 「むきゅん!!しらないひとがおそとにいるよ!ゆっくりほどいてね!!」 『ゆっ!わかったよ!!ゆっくりほどくよ!!』 「「「「ゆっくりはやくむすんでね!」」」」 ああああああああああああ、なぜゆっちゅりーをチョイスしてしまったのだろう。子れいむか、【1】にすればよかった!! 見ているうちに・・着実に、堅実に、結びなおされるリボン。 結んでいるマザーから聞こえる・・・鼻歌。 『ゆっゆっゆっゆっゆっ~♪ゆっゆっゆっゆっゆっ~ゆっゆっゆゆゆぅ~♪』 ああ・・・その歌を聴きながら、絶望と共に確信した。 ゴれいむは、ゆっくりなゆっくりにしか、加工場で育ったようなゆっくりにしか、通用しない。 俺の、初日の実験は、まったくもって、意味がなかった。 あ、あ、あ、・・・・ああああああああああああああああ!!!! 俺の何かが、音を立てて崩壊していく。 「ゆっくりしろモーニングああああああああああああああああ!!!」 「「「「『ゆっ!!』」」」」 マザーの巣はでかい。人間が入る分には十分だった。 「うおおおおおおおおおおおお!!!」 むすび直されたゆっちゅりーのリボンを真っ先に向かい、そのまま子ゆっくり達からリボンを抜き取る。 「うああああああああ!!」「おじさんゆっくりできないひとだね!!」「ゆっくりしね!!」『でていってね!』 ガフッ!!ぐぐっぐ・・・マザーの体当たりが顔面に直撃する。首がもげるかと思った。 「うおおおおおおおおおおお!!」 『ゆっ!!ゆっくりはなしてしね!!』「「「「ゆっくりしね!!」」」」 足を奥にいれこみ、マザーをがっちりホールドする。手は向かってくるゆっくりれいむ【1】~【7】から着実にりぼんを奪う!! 「「りぼんかえして!」」「ゆっくりできないひとはあっちいってしんでね!!」「ゆっくりしんでいってね!」 ボインボインボインボインと体当たりを食らいながら、奪ったリボンを持ってきた赤い糸で連結していく。分厚く重ねて解けないようにしつつ、雑に結んでいく・・・。 「おかおをねらうのよ!!」 ゆっちゅりーの指示が飛ぶ。 容赦なくアゴや顔を狙ってゆっくり達が飛び掛ってくる。ボイン!ボイン!!ボイン!!!ボイン!!!ゴッ! ・・・今のはいい一撃だった。二段ロケットのごとく、ゆっくりれいむのジャンプを利用し、鼻をめがけて飛んできたゆっちゅりーによって鼻血が吹き出た。 だがしかし、リボン改め、多数連結式鉢巻が完成した!!! すかさず親ゆっくりの頭に巻く!もちろん固結びでこれでもかというほどきつく結ぶ。 「ははははは・・これでも、お前に、りぼんが結べるのか?」 そう告げた。そこに油断はなかった。そのはずだった。 『ゆっくりーー!!!』 ドゴッ!! マザーの渾身の体当たりによって、巣から吹っ飛ばされる。 「うおおおおおおお??ガッ!!」 そのまま転がり、木にぶつかる。頭を打ったのか、一瞬意識が飛んだ。 そこに、 『ゆっくりして逝ってね!』 転がってくるマザー!! ゴシャァ!! いくらゆっくりが柔らかいとはいえ・・・木とサンドイッチされ、後頭部を強かに打ちつけた俺の意識は、あっさりと遠のいた。 「むきゅん!「「「「これじゃゆっくりできないよーーー!」」」」」 遠のく耳に届いたのは、マザー以外のゆっくりたちの声だった・・・。 意識が戻ったときには、すでに日が暮れていた。ものすごい吐き気と・・・自由にならない体。 そこらへんにあるようなツタで、木にがんじがらめに縛られている。きっとゆっちゅりーの差し金だろう。 「おれが遅い?おれがゆっくり??」 もっと準備を整えれば、もっとタイミングを見計らえば・・・。 脳内に、ジワジワとしみこむ、敗北の記録。 「・・・・・・俺は敗者だ!! 負け犬だああああああああああああああ!!!」 流れる涙を拭う事も出来ない。夜が更けるまでただただその場で泣き続けた。 その後だが・・・ 「ぐおおおおおおおおおお!!」 ツタは頑丈で、ほどけやしない。 「うおおおおおおおおおお!!」 無理やり、木と自分とのスキマをつくり、半転。 腕とかかっちり結ばれてたらどうなっていたことやら・・・。 次に、ツタを左右で引っ張って支えとしながら木を上る。 最後に、木からツタを抜き取って、どうにか開放できた。 夜間の作業で、かなり大変だった・・・。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」 この間、泣きっぱなし。 意外に血涙にはならないな・・・と、心のどっかが剥離したようにつぶやく。 「ゆるさんぞゆっくりどもめ!!ジワジワと嬲り殺しにしてくれるわ!!!」 涙を止めて、熱い決意と共に、目の前のマザーの巣に入った。 しかし、そこにいたのはマザー達ではなく、 「「「「ZZZZZZZ」」」」 よりにもよって、いつものゆっくり魔理沙シスターズだった。ナンバリングもそのままだった。 たぶん、空っぽの巣を見つけて、住み着いたに違いない。 ・・・ゆっくり理解する。逃げられた。ゆっくりした結果がこれだよ!!! 収まりつかなかったので、ゆっくり魔理沙シスターズの帽子を全部奪いとり、縦に重ね、赤い糸で結んでやる。 これぞ、多連装式ゆっくりまりさ帽子。せっかくなので、【3】のまりさにかぶせてやった。 朝にはまだ遠い・・・巣の脇で泣き寝入りすることにした。 「ぐぐぐぐっぐぐぐぐぐぐぐぐ!!」 この屈辱、忘れるものか。 つづく。 今回の実験結果のように見えなくもないオリジナル設定: 1.ゆっくりの飾りには所有権があり、前の持ち主はわかるが、前の前の持ち主はわからない。 このことから、飾りを奪われた場合に「どのゆっくりが奪ったのか」まではわかる。 ちなみに、ゆっちゅりーさんの帽子は、 「奪って」「奪い返された」ので、もうゆっちゅりーさんにはわからない。 2.ゆっくり子れいむはリボンを結べない。成長すると結べる個体がいる。 3.野生のゆっくりはつよい。 4.ぱっちゅんは郊外型実験場ではレア。(病弱すぎるので、主に室内での実験用素体となるため) 5.ゆっくりれいむは加工場では50cmぐらいにしかならない。 すごいゆっくりはその限りではない。 遅くなってしまい、 ゆっくりいじめ系110 髪飾り or fuku0692.txt & fuku0779.txtの兄貴や、 ゆっくりいじめ系104 ゆっくりみじめ or fuku0680.txt の兄貴には申し訳ない。 あと、fuku0845.txt と fuku0779.txt には愛を。 大戦争「異端ゆっくりvsゆっくり」はやろうかと思ったけど、 望んだ結末にもっていけないので悩んでいたんです。 他の誰かがやってくれる。こんなにうれしいことはない。 ちなみに、ゆっちゅりーさんを出す予定は全くなかった。 fuku0787.txt の影響だと思う。いいよね・・・知識あるのに空回りするゆっちゅりーさん。 ゆっくりした結果が(ry このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/960.html
やぁこんにちは、ゆっくりで遊ぶのが好きなおにーさんさ! そんな僕が今目指してるのは「かわいいゆっくり」を作る事さ! ゆっくりが可愛い?何馬鹿な事を言ってるんだ? そう思う人も多いのは確かさ! でもね考えてみて欲しい ゆっくり愛好家達が飼ってるゆっくりも野生に居るゆっくりも基本的に態度以外は同じゆっくりだと思うんだ! そこで僕は考えた、人間の手で品種改良をほどこしより可愛いゆっくりを作ろうってね! 僕が思うにゆっくりは饅頭で人語を喋る以外は基本的にネズミと一緒だと思うんだ。 そう、その辺に居る野生のネズミは人に嫌われるけどペットとして飼われるネズミ「ハムスター」は人に愛されている。 ハムスターは大人気でテレビやアニメ、グッツもたくさんああるんだしね! それで考えたのが可愛いペット用のゆっくりを作り上げる事さ! 赤ちゃんの頃のゆっくりはそれなりに可愛いがどんどん成長するにつれ憎たらしくなってくる。 言葉遣いもあるがやっぱり最大の原因はあの大きさだと思う。 あんなバスケットボールみたいなのが飛び跳ねてぎゃーぎゃー騒ぎ立てる姿がいけないんだと思うんだ。 これをネズミとハムスーターに置き換えてみるとこの二種の決定的な違いは色、すなわち見た目だと思うんだよね! そこでゆっくりを小型化させようと思ったんだ。 カラスだってスズメ位の大きさだったら皆に愛されてるハズさ! これは僕が小型ゆっくりを作り上げるまでの飼育日記だよ。 【捕獲】 思い立ったら即実行。 まずは小型化するべく実験に必要なゆっくりを捕獲をする。 僕は竹篭を背負いスコップと長い竹の筒、その他のいろいろな小道具を持って出かける。 基本的にゆっくりはどこにでも居るが外に出ているのはある程度大きく育った成体だ。 成体は家族の為にエサを取りに巣の外に出てくる。 その場で捕まえるより巣の場所を見つけて一網打尽にした方がお得だね! まず成体ゆっくりを見つける。「ゆっくりしていってね!」と叫びながら歩けばゆっくりが側にいれば反射的に答えが返ってくる。 何度か繰り返すと草むらの方で「ゆっくりしていってね!」と返ってきた。 次にする事は簡単、「ゆっくり出てきてね!おいしいお菓子があるよ!」と叫ぶ。 すると「ゆっくりでていくよ!だからおかしちょうだいね!」と帰ってくる。 そしてガサガサを草むらを揺らしながらこちらへ向かってくるゆっくり。 まぁ大体テンプレ通りだ。 わざわざ自分から草むらに入って行く必要もない。長年生きた成体ゆっくりは意外に警戒心が強い。 人里に近い所にすんでいるゆっくりはなお更だ。なので向こうから来てもらう。 このほうが楽だしね。 「ゆっくりでてきたよ!だからおかしをちょうだいね!」 出て来たのはまりさ種だった。大きさは直径で・・・50センチくらい。そこそこ大きいな・・・ 「おじさん!はやくおかしたべさせてね!!」 憎たらしくてしょうがない顔と言葉で僕を苛立たせるまりさ、ああ、引きちぎってつぶしてぇ! おっと、汚い言葉遣いになっちゃったね。気をつけないと子供が真似しちゃうよ! 「わかったわかった。これをお食べ」 そう言って僕はチョコレートを渡す。 人里に降りてくる事もありその辺の残飯などは美味しいと思わないだろうから普通にお菓子を渡す。 渡したチョコレートを一口で食べ 「もっとたべたいよ!ゆっくりたくさんたべさせてね!」 そこでもう一個のチョコレートを取り出しまりさに見せる。 「ところで君はすごく大きいけどお父さんなのかい?」 チョコレートを見せつけながらまりさに聞く 「そうだよ!これからこどもたちのためにたべものもってかえるんだ!だからたくさんちょうだいね!」 お、これは当りだ。 子供達ごと捕まえる為にはここに呼んできてもらった方が楽なのだが普通は警戒してすぐに子供達なんて連れて来ない。 そこまで警戒心を無くさせて信用させるのは面倒だ それにそれでは取り逃がすのも居るから直接巣に行った方が収穫があるんだよね。 せっかくその為に道具も持ってきたんだしね! 僕はまりさの足元にチョコを置く。 それに気を取られたまりさが下を向きチョコを食べようとした瞬間にまりさをつかみ上げる。 ああ、おもい・・・ 「ゆゆっ!?おじさんまりさををおろしてね!そしてゆっくりどっかいってね!」 ああ、うぜ・・・ 僕は持ってきた道具入れから細長い棒を取り出しそれをまりさの後頭部に刺す 「あ゛あ゛っっ!まりさ゛になにじでるのおおおぉぉ!!」 痛みか怒りかまりさは叫びながら暴れだす。 しかし僕はそんなのは気にも留めずまりさの片目をえぐり出した。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、いだいいだいよおおぉおおっ!!!!!ゆがぎゃぁぁぁぁあああっ!」 痛みに悶え叫ぶまりさ。 僕は転げ落ちた目玉をまりさのもう片方の目の前に掲げる 僕は優しいのでもう片方は残してやる これが紳士というものだ。 「まじざのめがえじでえええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」 そして目の前でその葛餅のような眼をブッチと潰す 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!どうじでぞんなごどずるのおおおぉぉぉっ!!!」 僕は無視しながら後頭部に刺さった棒を奥に差込む。 うん、これくらいだ。 そして僕は棒を頭から抜く。 正確には棒を覆っていた筒状の棒を抜いた。 これによりその中にあった棒からカエシ上の細い突起が起き上がり抜けなくする為のものだ。 まりさは一瞬大きく振るえ叫び続けるが無視を決め込んだ。 次はまりさの底辺部、ゆっくりでいう足をアルコールランプで炙っていく。 熱さに泣き叫び暴れるが両手で押さえているのでどんなに暴れようが逃げられるわけが無い。 「あづい!あ゛づいようう゛う゛う゛う゛っっ!!!!じね!じね!ゆっぐりじねぇぇぇぇ!」 軽く炙って火を止める。 歩けなくなったら意味が無いので歩く速度を落とす程度に焼く。 そして頭に刺さってる棒の先をいじる。 すると動くたびに餡子が少量ぴゅっぴゅっと出た。 実はこれも筒だった。 細長い筒の先に詰め物をして餡子が出ないようしていたのだ。 その詰め物を取る事でこのように中身を少しずつ出す事が出来る。 動いたり叫んだりする事で体内の餡に圧力がかかりこの細い筒から外に餡が飛び出すという仕掛けだ。 逆に筒からゆっくりの中に物を入れ詰め物で中身が出ない様にすれば強制的にゆっくりを生かす道具にもなる。 更にカエシがついてるのでどんなに動こうが抜けないし無理に抜いたら傷口が開いて致命的な傷を負う。 片目を失い足を焼かれたまりさはひとしきり暴れてぐったりしている。 僕は思いっきり息を吸い頭に刺さってる筒にその息を吹き込む。 ぐったりとしていたまりさが飛び起きまた暴れだすが今度は筒の先を指で抑えてるので餡子も、そして吹き込んだ空気も出てこない。 皮の一部が膨れ上がり内部の餡が圧迫された痛みで暴れ続ける。 が、僕はそんな事ははどうでもいい。 ゆっくりなんぞ虐め飽きてるからこんな普通に叫んでるゆっくりなんぞ興味も無い。 ここからが僕の本当の目的だ。 「君がゆっくりお菓子を食べてる間に家族達はどうなったんだろうね?」 家族と言う言葉を聴いた瞬間にびくっ!と反応するまりさ 「ゆ゛ゆ゛っ!?まりざのかぞぐはおうちでゆっくりしでるよ!だからまりさもかえじでね!おじさんはゆっくりじんでね!」 憎たらしい台詞をつけるのは忘れない。 流石ゆっくりだ・・・ 「早く帰らないとお兄さんが君のお家に行って子供達を君と同じ目にあわせちゃうよ?嫌でしょ?だったら早く帰らないとね?」 そう言って筒の頭から指を放し空気をぬく。 プシュ〜と抜けていく空気、それに比例して縮んでいく膨れ上がった頭皮。 空気が抜けきったらもう一度息を吹き込む。 びくんびくんと痙攣するまりさ。 そして僕はまりさを放り投げた。 まりさは地面にバウンドした衝撃で空気と餡がびゅーと管から飛び出る。 「僕も帰るからまりさもゆっくり帰ってね!」 そう叫ぶと 「まりさはかえるよ!!おじさんはついてこないでここでじね!!!!」 起き上がり憎たらしい言葉を吐きながら焼かれた足を引きずり僕の前から去って時々こちらを振り向きながら森の中へ入っていく。 僕はそれを見送った。 流石饅頭、自分で巣に案内しているのにそれにすら気づかないとは・・・ いくらゆっくりでも警戒しながら帰るであろう。 その時にうっかり追い越したりして姿を見られたら巣になど戻らないでそのまま逃げ出すであろう。 なのである程度時間を置いてから探しに行く。 その為に探しやすいように足を少し焼き歩く速度を遅くした。 そしてどこを歩いたか分かるように頭に筒をさし餡子を撒き散らすようにしているのだ。 僕はその餡子を目印に巣に向かえばいい。 ね?簡単でしょ? しばらく森の中を歩くと少し開けた場所に出た。 そして餡をたどって行くと木の根元に辿り着きいた。 木の根元は明らかに不自然に木の板や草が積まれていた。 おそらくあのまりさが僕の侵入を恐れて入り口を隠して見つからないようにしたのだろう。 入り口を隠しても自分が撒き散らした餡で場所がわかるというのに、馬鹿な奴らだ。 入り口の大きさから言って結構な数が住んでいると思われる。 僕は巣の中にいるゆっくり達を捕まえるために準備を始めた。 塞いである巣の入り口の一部を崩し持ってきた竹の長い筒を奥まで差し込む。 そして竹篭の口についている布を入り口の崩した部分に密着させる。 これで準備は整った。 そこに向かって唐辛子や胡椒、硫黄や塩、酢などの刺激物を混ぜた粉を竹筒から吹き込む。 しばらくして巣に吹き込まれた刺激物にたまらず巣穴から這い出てくるゆっくり達。 これはカブトムシなどを売っている業者が成体を捕まえる時に殺虫剤などで使う技だ。 竹篭の隙間から見ると涙を流しぴくぴくと悶えている。 お、こいつは大量大量 さっきの親まりさの他に親れいむと思われるもの、大小の子まりさ子れいむが計10匹ほど入った。 しかし巣の大きさの割りに数が少ない気がした。 僕は念の為にもう一度竹筒を使ってさっき投入したものと同じ刺激物を巣に送り込む。 まりさ達はそれを見て 「もうそごはだれもいないんだぜ!」だの 「れいむだぢしかいないよ!ゆっぐりはなれでね!」だの 刺激物の影響で涙を流しながら訴えかけてくる。 怪しさ大爆発だ。 何かを隠しているのだろう、僕はしばらく粉の吹きこまれた巣を見ている 「むきゅ〜」 そんな声を上げてぱちゅり種が巣穴から這って出てくる。 その頭には茎が伸びていた。どうやらにんっしんっ!しているようだ。 「どうじでででぎぢゃっだのお゛お゛お゛お゛お゛っっ!」 泣き叫ぶ大き目の子れいむ。 どうやらこの子れいむの相方なのだろうか一番大きな声で叫んでいる。 泣き叫ぶ子れいむの目の前でぱちゅりはただ「むきゅ〜」と潰れた様に伸びている。 このぱちゅりを隠すためにこいつらはあんな事を言っていたようだ。 身ごもっているぱちゅり種は珍しいので僕は竹篭からぱちゅりを取り出し他のゆっくり達の入った竹篭を起こし布口を紐で縛る。 これでどんなに跳ねても竹篭から出る事はできまい・・・ 竹篭から取り出した伸びているぱちゅりの体を優しく指で擦る。 巣に吹き込んだ刺激物の影響で死ぬ可能性もある。 ただでさえ体が弱い為に数が少ないんだ、希少種をここで無駄に殺す事もあるまい・・・ しばらくするとぱちゅりはびくっと震えて目を開いたのでもう大丈夫だろう。 僕はぱちゅりを木の板の上に置く。 その上から植木鉢を乗せて紐で鉢がずれないように縛る。 鉢の底には水捌け用の穴が付いている為にそれを逆さにかぶせる事で頭から伸びた茎が傷つかないようになっているのだ。 これを持ちやすいように紐で輪を作りこれを竹篭の背中に引っ掛け鉢の周りを更に紐で固定する。 これでぶらぶら揺れたりしないから安心だね! 植木鉢からは「むきゅ〜、くらいよ〜、ここどこ〜」などと聞こえてくる。 巣から飛び出して気を失った為に覚えていないのだろう。 そのあと少し待ったが何も出てこないので帰路につくことにした。 僕は巣穴の入り口を塞ぐ物をスコップでどかし巣に入りやすいようにする。 巣の中には今まで住んでいたこのゆっくり達が溜め込んであるであろう食べ物あるしなによりこの大きさの巣だ しばらくすれば別のゆっくり達が住み着くだろう その為に見つけやすいように入り口を塞ぐ物を退かした その時はまた取りにこなくっちゃね! 「おっと!忘れるところだった!君はこっちね!」 背負った竹篭を下ろし紐を緩め布口を開く。 そこから先ほどの筒が刺さったまりさを引っ張り出す。 「危ない危ない、これを一緒に入れてたら跳ね回って餡子が出てきて死んじゃうよ。他のゆっくりたちも汚れちゃうしね」 僕はまりさから伸びた細長い筒を持ちぶらぶらと揺らしながら歩く。 しかし体の中でカエシが引っ掛かり筒は抜けずまりさは皮が伸び宙吊り状態でただ泣き叫ぶだけだった。 布口を縛り竹篭を背負いなおした。 「じね!じね!じねぇぇぇ!」 「ゆ゛っぐりがえじでえええええええ!!!」 「おうじがえるうううううぅぅぅ!!!」 様々な声が森に響いた・・・ 僕は手に持ったまりさの筒から餡子をちゅーちゅー吸出し今日の疲れを癒しながら家へ向かう 餡子を吸われ徐々に垂れ下がってくるまりさは引越しできる喜びのあまりびくんびくんと震えてるのだろう・・・ 背中の竹篭からも歓喜の叫びが聞こえる どんどん餡子が美味しくなっていった・・・・ 【捕獲完了】 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3871.html
※今までに書いたもの 神をも恐れぬ 冬虫夏草 神徳はゆっくりのために 真社会性ゆっくり ありすを洗浄してみた。 ゆっくり石切 ありすとまりさの仲直り ※今現在進行中のもの ゆっくりをのぞむということ1~ ※注意事項 バスケの人さんからのお題@大富豪「ニュークレラップ」。あまり消化できてない予感。 まず、上掲の作成物リストを見てください。 見渡す限り地雷原ですね。 なので、必然的にこのSSも地雷です。 では、地雷原に踏み込んで謙虚ゲージを溜めたい人のみこの先へどうぞ。 _______________________________________________ 「ゆゅぅん♪ れいみゅ、おしょらをとんでりゅよ!」 のんきな声が響くのは、人間さんのおうちのキッチンだ。 ミニトマトサイズの赤ちゃんれいむがゆっくりした笑顔を振りまいているのは、大好きな人間さんの飼い主の手のひらの上。 数秒間の空中遊泳をゆっくり楽しんだ後、赤ちゃんれいむはやがて優しくテーブルに置かれたお皿の上に下ろされた。 「おにーさん、おちびちゃんをはこんでくれてありがとう!」 「ゆゆん。りぇいむ、たのちかった?」 「とーぉっても、おにーしゃんのおててのうえはたのしかっちゃよっ!」 天板の上に既に乗せられていた親まりさと親れいむ、それに姉妹のまりさ二匹が空中遊泳を楽しむ赤れいむの到着を出迎えた。 テーブルの皿の上に置かれたとは言っても、この赤ちゃんゆっくりたちは食用ではない。 赤れいむたち三姉妹は、両親ゆっくりともどもれっきとした男性のペットたちだ。 ではどうして彼女たちがこんな場所に置かれたか、それには一つの目的がある。 「じゃ、行ってくるからな」 飼い主がこう告げる時は、決まってまりさ一家はこのテーブルの上に乗せられる。 高さ80センチほどのテーブルは、ゆっくりというナマモノの行動を束縛するには十分だ。 成体は飛び降りることができてもその逆はできないし、赤ゆっくりはまず落ちてしまえば無事ではすまない。 悪戯や暴走を防ぐには、高いところで待たせておくのが一番手っ取り早い手段ということだ。 「大人しくしてるんだぞ。暴れたら、危ないからな」 「ゆんっ、くすぐっちゃいよー」 ともすれば下を眺めようと端っこによりたがる赤ゆっくりを、飼い主はちょんちょんと指で転がし親のそばまで追い立てる。 彼は赤ゆっくりの頃からきちんと躾けたれいむとまりさをペットとして信用はしているが、彼らの親としての能力までは あまり信頼していなかった。 何しろ、今まで何度も失敗を積み上げているのだ。 取り立てて物的な損害を伴うものでこそなかったが、多くの場合赤ゆっくりの全滅という形で結末を迎えていた。 階段や傘立て、掃除機に雑誌。 人間の家はゆっくりにとって楽園だけれど、そこに存在するあらゆるものは僅かの油断で凶器にも変わる。 そのくせ外敵がいないものだから、親から離れることが危険なことだということを、なかなか赤ちゃんたちは体験する機会がない――、 というより、危険を体験するときというのは即ち死を迎えるときに等しい。 そんなこんなが重なり合って、好奇心旺盛で活動的、少しでも目を離せばすかさず探検に出かけてしまう赤ちゃんゆっくりたちを、 親ゆっくりはなかなか御しきれないのだった。 『ゆっくりりかいしているよ! みんなゆっくりしてきてね!』 理解はしていても、実践できないから一家は今テーブルの上に閉じ込められてしまっているのだけど。 それをなんとなく理解している親ゆっくりたちは少し寂しげに、よくわかっていない赤ゆっくりたちは高所からの視界に純粋に感激して、 男性のいつもの念押しに親子そろって返事を返す。 男性の表情は心配そうに曇ったままだったが、とはいえ彼だって車に家族を待たせてある。もう時間はとっくに過ぎているのだ。 テーブルの上に置いてあるのは、台布巾とニュークレラップの箱ぐらいのものだ。 危ないものは何もない……高さが既に死亡フラグ、というのは一先ず措くとして。 それでもリスクはこれが一番少ないんだ。またひとつ、大き目のため息を吐くと男性は今度こそドアノブを回した。 「すぐに帰ってくるから。本当に、大人しくしてるんだぞ」 最後に駄目押しの一言を残して、彼の姿はドアの向こうへと消えてしまう。 おそとから聞こえてくるのはゆっくりたちへの重ねての注意ではなく、遠ざかっていく主人の足音だけ。 やがて外からガレージのシャッターが降りる音と、車の走り去る音が聞こえてきて。 かくして、この家、このキッチンには総勢五匹のゆっくり一家だけが残された。 * * * ゆっくり一家が残されたテーブルの上は、ゆっくりにとってもあまり広いとはいえないほどの面積だ。 その天板のど真ん中に、親の二匹はそれこそ本物の饅頭のようにじっと固まって動かずにいた。 何しろゆっくりはバスケットボール大の餡子の塊だ。親二匹が飛んだり跳ねたりしたら、テーブルが傾き倒れてしまいかねない。 それを知っていればこそ、親まりさと親れいむの二匹は釘を刺されるまでもなく一家身を寄せあってテーブルの中心に静かに蹲り、 飼い主の帰りを待つしかないときちんと理解しているのだ。 ……しかし、それは成体にとっての都合でしかない。 三匹の赤ちゃんが駆け回るには不足のない安定感と広さであることを、この時れいむとまりさはすっかり忘れ去っていた。 「おきゃあしゃん、いっしょにあしょぼ?」 飼い主の家族が出てから、十分ほどもたった頃。 れいむにぴったり身を寄り添わせていた赤まりさが、早くも待つだけの時間に飽いた様子でゆんゆんと頬を母の頬へと擦り付けて言った。 「ゆ……ぅぅ? すーや、すーや……」 「ゆぴー……ゆぴー……」 一方の両親にとっては、飼い主の帰りを忠実に待つというのはもう慣れ親しんだ時間だ。 わが子の願いも馬耳東風、疾うの昔に夢の世界に旅立った二匹はわずかな反応を示したばかりでこちら側には戻ってこない。 「ゆう、ゆうう。おきゃあしゃん。おきゃあしゃんってばぁ」 「まりしゃ。おきゃあしゃんはおねむしゃんだよ。じゃまするとゆっきゅりできないよ」 「ゆぅぅ……」 体当たりまでしてしつこく親れいむに迫ったところで、体格が違うれいむには普段のごとく擦り寄られている程度にしか感じまい。 眠りを覚ますには遠くいたらず、それどころか却って姉まりさからやや強い口調で窘められて、妹まりさは泣きそうな顔をして押し黙った。 「ゆゆ。じゃありぇいみゅたちだけであしょぼうね!」 そんな姉妹の様子を見かねた真ん中の赤れいむが、そんな提案を口にするにはそんなに時間は掛からなかった。 このテーブルの上でじっと過ごす時間が退屈なのは、この赤れいむだって姉まりさだっておんなじだ。 でも、すやすや眠ってるお母さんたちに迷惑なんて掛けたくなかったから大人しくしているだけだ。 「ゆゆっ、いまれいみゅがいいこといったよ! まりしゃたちだけであしょぼうね!」 「それじゃ、てーぶるしゃんをたんけんしようね!」 「ゆっくりれーみゅおねえしゃんについていきゅよ!」 お母さんはおねむさん。起こしてしまうのは、かわいそう。 だったらどうするか、おとなしくしてるなんて選択肢は、幼い餡子脳には最初っからあるはずがない。 お母さんが寝ているなら、自分たちだけで遊んでいたらいい。 そんな結論にたどり着いたら、赤ゆっくりたちは次の行動に移るまでは早かった。 「「「ゆんゆん♪ ゆっゆっゆっ♪」」」 1m×2.3m程のテーブルの四辺を、姉まりさを筆頭に赤ゆっくりの探検隊が進む。 段差もなく、障害物もほとんどないテーブルの上はまだまだ身体能力の低い赤ゆっくりにとっては格好の運動場だ。 端っこに三匹揃って身を寄せて滅多に見れない広い視界に興奮し、洗ったばかりの台ふきんを見つけたらその上に転がって遊び、 胡椒瓶をうっかり転がして僅かに飛び散った粉に大慌てで逃げ惑い……、 「ゆぅ……たかいたかいだけど、なんにもないね」 きゃいきゃいと遊び続けること四半刻。 二匹の姉を追いかけていた末の妹まりさが、はたと動きを止めて呟いた。 「ゆぅん。たきゃいたきゃいだけだね……」 「ゆゆーん、つみゃんなくなってきちゃよ……」 妹の様子に気づいて振り返った姉まりさとれいむもやっぱりどこか浮かぬ顔。 幾ら赤ゆっくりにとっては狭くはないテーブルの上といっても、飽きるのも早かった。 何しろ危険がないようにとほとんど全て片付けられてしまったテーブルの上だ、飽きが来ないほうがおかしいのだけれど。 「おねーしゃん。おにごっこしゃんは、もうやだよぉ」 「りぇいみゅも、べつのことしちゃいな……」 「ゆぅん。でも、みんなであそべしょうなのなんて……」 困り果てた姉まりさは、ぐりんぐりんと頭だけの身体を回転させて四方八方に目を配る。 このままでは、末まりさばかりかれいむまで加わってまたおかーさんたちをたたき起こしに行きかねない。 それだけは避けたいと、平べったい天板の上を目を皿のようにして見回して―― 「ゆゆっ!」 見つけた、なんとか遊べそうなもの! ずーり、ずーりと少しずつおかーさんたちに近づいていく妹二匹に背を向けて、長姉まりさは見つけたそいつの元に急いで跳ねる。 そしてそいつ――長細い、あまあまさんの絵が描いてある箱の元にたどり着くと二匹に大声で呼びかけた。 「ねえ、りぇいむ、まりしゃ。こりぇであしょぼう!!」 「「ゆぅ?」」 突然の大声に、くるりと振り向いた二匹はとても不思議そうな顔をする。 「それは、おにーしゃんたちがつかってるくるくるしゃんだよ」 「くるくるしゃんのつるつるしゃんだ」 二匹とも、姉まりさが見つけたそれが何かは知っていた。 飼い主のおにーさんが、食べ物をひえひえのれいぞうこさんに隠すときによく使っているつるつるさんだ。 「ゆーん。これ、あしょべるものなの?」 そのことを知っていたから、れいむは疑わしそうな顔を姉へと向けた。 ここにはしあわせ~なたべものはない。くるくるさんでどうやって遊ぼうというのだろう? 妹まりさもれいむに同感のようで、ゆんゆんと身体を前後交互に上げ下げして頷くような仕草をしている。 だがそんな二匹を前にして姉まりさは「ゆっへん」と得意げに体を反らすと、箱からわずかにはみ出した『つるつるしゃん』の 端っこを口に咥えた。 「ゆっひょ……ひょふやっへ」 咥えた端っこを放してしまわないようもごもごと呟きながら、姉まりさは箱から遠ざかる。 すると見守る二匹の口から「ゆーっ!」と感嘆の声が聞こえた。 「ゆゆっ。くるくるしゃんがくるくるしゅると、つるつるしゃんがどんどんのびりゅよ!」 「ゆっへん! つるつるしゃんをひっぱると、くるくるしゃんがくるくるってなりゅんだよ」 「ゆゆん。まりしゃにもいっしょにやらしぇてね!」 姉まりさが後ろに下がると『つるつるしゃん』も下がった分だけ一緒に伸びる。 それを見て興奮したれいむはその場で飛び跳ね、妹まりさは跳ねより自分もがぶりと『つるつるしゃん』に噛み付いた。 「ゆひゅん。ひんひゃでひっひょにあひょぼうひぇ!」 姉まりさはそんな妹たちの様子に心底嬉しそうな笑みを零す。 うん、妹たちは喜んでくれた。しばらくは『つるつるしゃん』で楽しく時間を過ごせるだろう。 姉ゆっくりの面目躍如、赤ちゃんまりさは「ゆっへん」と得意げに胸を反らせた。 きっと、のちほどおかーさんにことのあらましを報告すれば、「おねーちゃんはえらいね」って褒めてもらえるに違いがないのだ。 * * * 飼い主の一家が家にいない時間というものは、長い短かいの差はあるにせよほとんど毎日のように訪れる。 おにーさんはおしごとだし、おねーさんだって買い物にでる。おにーさんのおちびちゃんたちは、ゆっくりの日以外は学校だ。 おうちの中に人間さんが誰もいないそんな時、親まりさと親れいむは大人しく寝て過ごすのが赤ちゃんが生まれるまでの習慣だった。 ちょろちょろ動き回っては、ともすれば遠くへ探検に出かけようとする赤ちゃんたちは、とにかく片時たりとも目が離せない。 目を離せばいつの間にか親の手が届かない場所で死んでいる、というのではとてもじゃないがゆっくりする暇なんてどこにもない。 だから両親二匹は今度の赤ちゃんが生まれてから後、おにーさんたちの外出時にはテーブルの上に置き去りにするようにしたことに とてもゆっくりとした感謝の念を抱いていた。 どれくらいゆっくりとした感謝かといえば、心配そうなおにーさんの顔を思い浮かべながらゆっくりぐっすり寝こけてしまうほどだ。 「……ーん……」 二匹仲むつまじく寄り添って、どれくらいの間寝ていたのだろう。 むずむずと体を身悶えさせて、先に目覚めようとしていたのは親れいむのほうだった。 「ゆ……ゆぅ。れいむの……ゆふぁああぁぁ」 今は夢の中だろうか。それとも、現実? まだ朦朧とした意識の中、近いような、遠いような不思議な距離感でいとし子の泣く声が聞こえたような気がした。 「れいむの、あかちゃん……?」 大あくびをして、目をしばたかせてもまだ泣き声は続いている。見える光景は眠る前と同じ、となればどうやらこれは現実らしい。 そこまでゆっくりと意識を覚醒させて、身を寄り添わせていたはずの赤ちゃんたちの感触がないことにようやくのこと気がついた。 どこか、その辺りに散歩に出かけたのだろうか。寝ぼけまなこを左右に向けて、泣き声の元をゆっくりと探す。 「どこなの? どうしたの? どうしてないてる……の!?」 ゆっくりと、まなこに続いて体全体も左右に振ってわが子を探す、そして見つけた。 見つけた瞬間、口を大きくあんぐりと開けて凍りついた。ピシィッ、とそんな音が聞こえるぐらい。 「ゆっ、ゆゆゆゆゆゆっ!!?」 「……ゆ?」 舌の根から喉まで凍りつかせたれいむは驚きをまともな言葉にすることもできていない。ただ意味を成さない叫び声をあげるだけ。 間近で放たれた奇妙な大声に、まだすやすやと寝息を立てていた親まりさも流石に眠りを妨げられた。 「どうしたのれい……むうううぅぅ!?」 眠たそうに聞いて、不思議そうにつがいが視線を向ける方向を追いかける――と、親まりさの言葉も中途で絶叫に代わる。 「「うわあああぁぁぁぁ!!!」」 夫妻揃って目をまん丸にして見つめるその先では、 「ゆぁぁぁん、おきゃーしゃーん!!」 「たしゅけて、たしゅけちぇえええぇっ!!」 「ゆーん、ゆーん!!」 『つるつるしゃん』に包まって身動き取れなくなっている可愛い赤ちゃん三匹の姿があったのだ。 「ど、どどどどおじでれいむのあかちゃんがぐるぐるまきになってるのおおぉぉぉ!?」 「とっとととととりあえずっ、はやくたすけなくちゃ!」 親れいむと親まりさには、何がどうなってこんなことになっているのかとっさには分からない。理由はさっぱりわからないが、 これがとてもゆっくりできない状況だということだけははっきりしている。 だから二匹は何を措いてもまず我が子の元へと急いだ。 「「「ゆうううぅぅっ、ゆうううぅぅっ!!」」」 「ゆあああぁぁっ!? これどうしたらはずせるのおおぉぉぉ!?」 「ゆっくりしてね、れいむ! つるつるさんをかみやぶったらいいよ!」 だくだくと砂糖水の涙を流して悶える赤ちゃんたちを前に、パニック状態の親れいむを親まりさが叱咤する。 いつもおにーさんたちはこのつるつるさんを簡単に千切っていた。眠る前にはつるつるさんはきちんと箱に収まっていたのだから、 赤ちゃんたちも自分で千切ってお互い包まりあったに違いない。 なら、大人のゆっくりである自分たちに同じことができないわけがない、そう考えた親まりさの態度は自信たっぷり余裕たっぷりだ。 「ゆっ! まりさはやっぱりあたまがいいね! あかちゃんうごかないでね!」 そんなつがいの態度に感化されて、親れいむもすっかり落ち着きを取り戻した。 まずは一番近くに転がっていた、末の妹まりさを包むラップのだぶついた部分にかぶりつく。 「おきゃーしゃん、がんばっちぇね! はやくたしゅけちぇね!!」 「ゆっくりかみちぎるよ! ……かーみ、かーみ! はーむ、はーむ!」 わが子の声援を受け、ひと噛み、ふた噛み、み噛み……と一所懸命に噛み続ける。 が、もちろん単純になことで千切れるはずなんてない。赤ちゃん姉妹がつるつるさんを千切れたのは、箱の縁に付いている刃に巧く 引っかかったからなわけで…… 「どうしたの、れいむ?」 「おきゃーしゃん、はやくしちぇね!」 「ゆう……? もっとがんばるよ!」 はて。さっき、まりさが自信たっぷりに言っていたことと様子が違うような? そんな疑問がふつふつと親れいむの心に浮かんできたが、それも妹まりさが急かす声を聞けばあっさりすっぱり吹き飛んだ。 「かーみ、かーみ! はーむ、はーむ!!」 優しくゆっくり噛んでも駄目なら、強く激しく噛んだらどうだ。 そう思い立った親れいむの勢いときたら、がちんがちん、と歯をかみ合わせる音が聞こえるほど。 その効果の程はといえば、 「ゆっ、ゆゆっ!? おきゃ、ゃだ、やめ、やめやみぇ……」 せいぜい目の前に迫るおかーさんの大きなおくちに、赤まりさが怯えはじめる程度のものだったり。 ぜんぜん千切れる様子のない『つるつるさん』に、親れいむは焦る、苛立つ、加速する。 「ゆうううっ! かーみ、かーみ! はーむ、はーむ!! かーみ、かーみ!!!」 「こわぃっ! おきゃーしゃんこあい、こやいっ!! やめちぇ、まりしゃをたべにゃいでにぇっ!!」 赤ちゃんが何か叫んでいる、早く助けてあげないと。 頭に餡子の上った親れいむはさっぱり叫びの内容が聞こえていない。ますます噛み締める力と速さを増して、 「むーしゃ、むーしゃ!!! むーしゃ、むーしゃ!!!!」 「やめやめちゃめらちぇ……ゆぎゃああぁぁぁ!?」 ……なんか、赤ちゃんがすごい悲鳴を上げたような。 同時に柔らかいものを噛み潰すような感触が伝わったような気もする。 親れいむは「ゆゆっ?」と噛み進めるのを中断して、何故か突然分厚く、柔らかくなった『つるつるさん』から口を離して まじまじと目の前の妹まりさの様子を見直した。 「ゆ゛っ」 「ゆ゛っ、ゆ゛っ」 親れいむと赤まりさ、揃って口から漏れ出したのは濁った呻き声。 「どうしたのれいむ! あかちゃ……あがぢゃあああぁぁぁぁんっ!?」 硬直した親れいむの横で、それまで背後にいたはずの親まりさが耳をつんざくような絶叫を上げた――ゆっくりに耳なんてないけれど。 まあ、それも無理のない話だろう。なにせ、親れいむが見事助けるはずだった赤ちゃんまりさが、少しも自由になっていない、 どころかほとんど真っ二つになりそうな勢いでべこんと歯形を付けられていたんだから。 「でぇぇぇいぶぅぅぅぅぅ!? なんであがぢゃんをかみがみじでるのおおぉぉぉ!!!」 「「おきゃーしゃん、まりしゃをたべにゃいであげてええぇぇぇ!?」」 「こ、これはじこだよ! れいむはさついをひにんするよ!!?」 「じこってレベルじゃないでしょおおぉぉぉ!?」 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ……」 まあ、要するに。必死になって噛み千切ろうとして、親れいむはうっかり赤ちゃんの後頭部に力いっぱい噛み付いてしまいましたと。 ほぼ真っ二つになった赤ちゃんまりさはぎょろりと白目を剥きだしにして、濁った呻き声と共に痙攣を繰り返している。 「ゆうぅ。あっ、あんこさんもれてないからだいじょうぶだよ!」 なんて親れいむは弁解するものの、どう見たって大丈夫じゃない。 まあ確かに、巻かれたラップのおかげで餡子だけは漏れ出していないけど。 「あんまりだいじょうぶじゃなさそうだよ……と、とにかくこのこはおにいさんがかえってくるまでぜったいあんせいだよ!」 親れいむの言葉を真に受けた訳ではないけれど、もう親まりさにだって手の施しようなんてない話だ。 おにいさんが早く帰ってきて妹まりさを手当てしてくれることを願いつつ、大丈夫と言い切ったものの未だおろおろしている 親れいむにくるりと背を向けた。 「れいむはそのこをみててね! それいじょうかみかみしたらおこるよ! まりさはこっちのあかちゃんをたすけるよ!」 「ゆぅっ!?」 一部始終を見ていたからだろう、親まりさの正面に回った赤ちゃんれいむがぎょっとして体を震わせた。 「い、いりゃないよ! りぇいむはだいじょうぶだよっ! おにーしゃんがかえってくるまでまちぇるよ! だかりゃっ」 「そんなかっこうじゃゆっくりできないよ! ゆっくりたすけるから、おとなしくしていてね!」 今は大丈夫なようだけど、このままぐるぐる巻きになっていて無事に済むとは限らない。 それに親まりさにだって意地と、飼い主への忠義がある。飼い主のおにいさんの手を、これ以上煩わせるのは嫌なのだ。 妹の命運を見て必死に放置を訴えかける赤ちゃんれいむの言葉なんて、今の親まりさには届かない。 ゆんゆん泣き喚く赤ちゃんれいむをぴしゃりと厳しく一喝して黙らせると、親まりさはじろりとその子の格好を眺め渡す。 「おにーさんは、いっつもつるつるさんのきれはしをぴぴっとつまんではがしていたよ。だから……」 同じようにクレラップの切れ端を咥えて引っぺがせば、問題なく救出できるはずなのだ。 さっきはれいむのやり方に任せていたからとんでもないことになったが、自分ならきっと巧くやれるはず。 「ゆっ、きれはしさんだよ!」 ほどなく端っこを上手く見つけ出したまりさは、ためらうことなくそれを前歯で咥えた。 このまま一気にぐりんと引っ張れば、ころころと赤ちゃんが転がり出るはずだ。 「ゆうぅ……おきゃしゃん、だいじょうぶ……だよね」 「それじゃ……ゆっせーの、せーっ!」 心配そうな赤ちゃんを他所に、当の親まりさは真剣そのもの。 だいじょうぶ、と請合う余裕もないらしい。ただ掛け声だけをわが子の不安への答えにして、ぐいっと身を捩ってラップを引っ張った。 「ゆゆんっ♪ ころころしゅるよっ!」 ぴっ、というラップ特有の音と共に、赤ちゃんれいむの楽しそうな声がする。 何層にも巻かれたラップが引っ張られ、剥がれて行くのに遭わせてくるくる、くるんと中の赤ちゃんれいむが回転した。 くるくる、くるくる。 ころころ、ころころ。 くるくる、くるくる。 ころころ、ころころ。 まりさがラップを噛み直し、勢いよく引っ張るたびに、赤ちゃんれいむを包む厚みが薄くなっていく。 もうすぐ、後三回、二回、一回で。全部、つるつるさんは剥ぎ取れるはず。 最後は大体一回転半分ぐらいだろう、そう見て取ったまりさは一度に剥ぎ取ってしまおうとことさら勢いをつけてラップを引っ張った。 「ゆっ、あかちゃんよくがんばった……ねっ!!」 「ゆゆーっ!」 はたして、残りのラップの長さは親まりさの想像通りおおむね一回転と少し分。 赤ちゃんれいむはころりころりと転がりながら、無事な解放の予感にきゃっきゃと喜びの声を上げ、 「ゆっゆー♪ ころころ~……とみゃらないぃぃぃっ!!」 ……どうやら髪飾りに絡まっていたらしく、ぶうんとラップに引っ張られる形で宙をすっ飛んでいった。 テーブルの上から、その下までへ。とどまることなく一直線。 「「あがぢゃああああああぁぁぁぁぁぁんっ!!!」」 「りぇいみゅううううううぅぅぅぅぅぅっ!!?」 「ゆ゛っ、ゆ゛っ」 天板の上の家族が叫んでみても、赤ちゃんれいむはもちろん一家の元まで戻ってくることなんてできっこない。 定番の「おしょらをとんじぇるみちゃいー♪」なんて言葉が聞こえる間もなく、赤ちゃんの姿はテーブルの端の向こうに消えて、 「ゆびぇっ」 ……しばらくしてから潰れた悲鳴が下のほうから聞こえてきた。 ぐちゃっ、って潰れたような音もしたような、しなかったような。 「ゆびゃあああぁぁぁっ、まりしゃのいもうちょがあああああぁぁぁぁぁっ!!?」 気が付けば、ついぞ先刻まで楽しく遊んでいた姉妹がすでに自分ひとりを残すのみ――いやまだ死亡確定してはないけれど。 ラップにくるくる巻かれた身体では、妹の安否を知るために移動することも、ショックでえれえれと餡子をはくこともできない。 だからせめて、こんなとんでもないことをしでかす親を詰ろうと自由になる両眼だけをじろりと両親の方へと向ける。 「おきゃーしゃん! どおじでこんなごどずるのっ!! まりしゃのいみょうと、いにゃくなっちゃ……ゆ?」 そうして怒りに身を打ち振るわせて、悲壮かつ高らかにあげた抗議の声はなにやら不安げな色に塗れて尻すぼみに消えた。 なぜってそれは、驚き慌て悲しみに暮れていて然るべき両親が、妙に落ち着き払った様子で静かにまりさを見つめていたから。 「ゆ、ゆゆっ? お、おきゃーしゃん……?」 なんだかゆっくりできない空気を感じ取って、姉まりさは妹の心配も忘れておずおずと親ゆっくりに話しかける。 でも両親二匹は答えてくれない。ただ、落ち着いた……というより表情の抜け落ちた顔をお互い見合わせ、一つ大きく頷いただけ。 それから再び姉まりさの方へと向き直ると、能面みたいな無表情を崩さずずーり、ずーりとゆっくりこちらに近づいてくる……! 「や、やめちぇね。こっちにこにゃいでね……!」 ゆっくり、ゆっくり近づいてくる二匹のおかーさん。死んだような眼差しがとてつもなく恐い。 姉まりさは近づいてくる両親との距離を開こうともぞもぞ身体を動かすけれど、十重二十重に自ら包まったラップが邪魔して動けない。 「……まりさ。いまたすけてあげるからね」 「だからゆっくり、おとなしく、しててね……」 親ゆっくり二匹は表情ばかりか、呼びかける声まで地獄の底から響くよう。 ぶるぶる震えていた姉まりさの身体は、今や違う理由でがくがくがたがたと震えてる。 そんなわが子の様子などお構いなしに、ゆっくりゆっくり、まったく同じお顔、同じ速さで近づいてくるお母さん。 その目はまっすぐ姉まりさの方を見ていて、でも姉まりさのことなんて見ていないようで。 「ゆっくりしてね、だいじょうぶだよ」 「こんどはおかーさんたちにひきで、いっしょにがんばるからね」 ゆっくり、にっこり、二匹して揃って笑う。 「まりさとれいむのだいじなおちびちゃん」 「いっぴきだけになっちゃっただいじなおちびちゃん」 笑ってじりじり、にじり寄る。 「ゆ、ゆあっ、ゆああ、ゆあああああっ!!!!」 じりじりと、ゆっくりと。二匹の身体が窓から差し込む外の日差しを遮って、赤ちゃんを影に包みこむまであとほんの少し。 目の前に迫ったおかーさんの笑顔に姉まりさは怯え、逃げることも出来ずにただ意味のない叫びを放つだけ。 やがて閉ざされたラップの中で、砂糖水の涙を滝のように流す姉まりさの間近に二匹の口が迫り――、 「「ゆっくり、していって、ね……!!」」 「ゆぎゃぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」 * * * ――いろいろごたごた起きてから、おおよそ一時間ほどの後のこと。 「……ゆううぅぅぅ」 「まりさとれいむのおちびちゃんたち……」 飼い主一家の帰宅の後、今の片隅に二匹寄り添ってさめざめと泣く親れいむと親まりさが見上げるこたつの先で、 「ぴゅんぴゅん!」 「ゆっくちできにゃいおかーしゃんたちは、りぇいみゅたちにちかづかにゃいでね!!」 「ちかづいたりゃおこりゅよ! じぇったいゆるしゃないからね! ぷくーっ!!」 ……元気に両親を威嚇する赤ちゃん三匹の姿があった。 広げられた新聞紙の上に、がっぷりと噛み跡の着いた赤まりさに、高いところから落ちた饅頭のように厚みを失い広がった赤れいむ。 そして、何やらラッピングを無理やり引っぺがしたみたいに薄皮がところどころ剥げた後のある赤まりさ。 そんな三匹が居座るコタツの上に並ぶのは、小麦粉の袋と天然水のボトル、水に溶かした小麦がまだ残る調理用のボウルに、 ゆっくり治療の伝家の宝刀、愛媛県産オレンジジュース。 あれから程なく飼い主一家が戻ってきたとき、最初に耳に飛び込んできたのは近所迷惑確定の両親ゆっくりの泣き声だった。 それでまた全滅かと家族揃ってため息こぼしたところで弱弱しい赤ゆっくりの泣き声が混じっていることにようやく気が付き、 慌てて戸棚からゆっくり治療セットを取り出し親子協力しての治療作業となったのだ。 幸いにして一匹目は餡子の漏れようもないラッピング具合だったがために、見た目相当な深手にも係わらず生命に別状なく、 二匹目はいったん椅子の分厚い座布団に落ち、さらにこの事あるを予期して床に敷かれた毛布の上に落ちたために一命を取り留め、 三匹目は見た目こそ派手な傷だけど、逆に餡子には一切触れない怪我だったが為に気の狂いそうな痛み以外に問題はなく。 「……生命には問題なく、ってワケだけど。見た目悪くなっちゃったなぁ」 治したものの奇形もどきの姿になってしまった赤ちゃんたちに、飼い主の男性は今更ながら渋い顔をした。 そりゃそうだ、飼うならやっぱり愛らしい姿形のほうがいいじゃないか。 しばらく三匹を眺めていた男性は、やがて名案を思いつく。いっそ命は助からなかったことにして、一度リセットしてみてはどうか。 「なあ、全部なかったことにして、また三匹までなら産んでも……」 しかし、親れいむと親まりさにとってはそうじゃない。反抗的でも見目が悪くても、あの三匹は紛れもないわが子だから。 男性の提案を皆まで聞かず、とんでもないと驚愕の様子をにじませてすりすり二匹が男性の足に擦り寄った。 「ゆっ!? だ、だめだよおにーさん。おねがいだから、あのこたちはれいむとまりさにそだてさせてね!」 「おねがいね! おにーさん、あのこたちをまりさとれいむにそだてさせてね!!」 かてて加えてあの子たちの怪我の原因を質せば、自分たちの責任だって負い目もある。 足元に縋り付く両親ゆっくりの必死の願いは部屋の外から様子を窺う男性の子供たちの湿度の高い視線に力強く後押しされて、 男性はため息を吐いて提案を大人しく引っ込めざるを得ない――まあ、元から本気ってワケではなかったのだけど。 「わかったわかった。好きなようにしろ……さてとりあえず、こたつの上を片付けるか」 両親にゲス的な酷薄さがないのは、飼いゆっくりとしては良い傾向だ。 歪にゆがんだ形だって、治そうと思えばどうにでもなる。ゆー物病院なんてものだって、この世界にはあるものだし。 だから男性はまたため息を一つ残して、まとわりつく両親ゆっくりを払いのけてこたつの方へと向かった。 「「「ゆゆん、おにーしゃん。ゆっくちしていってにぇ!」」」 「はいはいゆっくりゆっくり」 出迎える赤ちゃん姉妹の呼びかけは適当にいなし、さて何からどう片付けたものか。 まず、ボウルに入った練り小麦はまだ治療の補足に使うかもしれない。ラップを巻いて冷蔵庫に入れておこう。 男性はキッチンのテーブルからニュークレラップと書かれた箱を持ち寄ると、何やら赤ちゃん姉妹がこちらを凝然と見つめているのを 不審に思いながらもびーっとラップを引き出――、 「「「「「ゆぎゃぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」」」」」 ……あ。親まで一緒に昏倒した。