約 3,642,219 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1579.html
人間じゃない生き物が主人公です。 そいつの独白とかはありませんが、それでも難点があるでしょう。 「ハチにそんな知能あるのかよwwww」とか「成長はええwwwwww」とか「毒は?wwww」とかですね……。 気になる方は多いと思われます。若干胸を悪くするような描写もあります。 また昆虫嫌いの方にはお勧めいたしません。それでもよろしければ、 色々と見逃しつつお楽しみください。 そのハチは困惑していた。そろそろ産卵しようと決めていたが、 未来の子供達のための、あたたかな寝床を見つけあぐねていたのだ。 ようやくしつこい雨があがって、涼やかな秋の風が吹き始めたため、 『彼女』はようやく、ねぐらを抜け出したのだった。 幻想郷の森にも、多様なハチが生息している。 大きなクマンバチから、猛毒を持つスズメバチまで。 一般にハチの巣というと、見慣れたあの形を思い起こすだろう。 人家や、樹木にぶら下がるようにしてある、球形のアレである。 しかし、このハチの場合は少し違っていた。 壮大な巣を地道につくりあげていくのではなく、 自らより弱い生き物をとらえ、毒を注射し、そこに産卵するのだ。 犠牲者はすなわち、幼虫達の寝床であり、食料でもあるのだった。 神経毒によって麻痺した獲物は、ハチの住処に引き摺りこまれ、 じわじわと、生殺しにされるというわけである。 体長2cmほどの小さなハチではあったが、捕食者としての能力には、 並外れたものがあると言ってよいだろう。 そして、そのハチ――ジガバチは、どこからともなく漏れ聞こえてくる、 ハチにとっても「間抜け」に思われる、珍妙なリズムを感じ取った。 「ゆっゆっゆ~♪ゆっゆゆ ゆっゆ ゆっゆ~♪」 「「「わぁおかあさん、おうたがじょうず!!!」」」 それはどうやら、巷で噂の「ゆっくり」の家族であるらしい。 『彼女』はたぐるようにして、いびつな調べの発生源へと向ってゆく。 あくまで静かなその様子は、まるでステルス戦闘機のようである。 「ゆっ!そろそろおゆうはんのじかんだね! ゆっくりごはんにしようね!!」 「「「ゆっ! おゆうはん!おゆうはん!」」」 『彼女』がたどりついたのは、大樹の根元にかまえられた、ゆっくり一家のねぐらである。 遠巻きに、一家団欒の様子をながめ、家族構成を調べる。 親れいむとまりさが一匹ずつ、子れいむとまりさがそれぞれ三匹ずつ。 計八匹の、中規模のゆっくり家族であることがわかる。 「きょうのごはんは そとにころがってた むしさんだよ! まるまるふとっておいしそうだね! ゆっくりあじわってね!!」 「「「ゆ~っ!おいしそう!!!」」」 「うっめ!これメッチャうっめ!」 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~~~!!」 ゆっくりたちの晩餐がはじまる。あたりかまわず、食いかすをまき散らし、げっぷを連発。 小さな子供たちはまだしも、親である二匹まで、この有様である。しかし。 何より『彼女』の神経を逆撫でしたのは、昆虫にとってもクズに等しい「ゆっくり」どもに、 『彼女』の眷属たる、ハチや、たっぷりミツを湛えたミツアリたちが、既に絶命しているとは言え、 むさぼり食われ、はずかしめられているという事実であった。 にわかに『彼女』の心の中に、「こいつらに産み付ければ一石二鳥」という名案が浮かぶ。 普段狙いをつける動物よりも、その図体は何倍も大きいというリスクこそあったが、 連中は何より、理想的な栄養源たる、餡子のかたまりなのである。 動きは極めて鈍く、昆虫に対する警戒心も果てしなく薄い。思考力も乏しい。 むしろ、いつもより「ゆっくりとした」狩りになるのではないか。 『彼女』は、見苦しい食事を続ける一家の巣穴へ、ふわりと舞い込んでいった。 「ゆっ!? おかあさん、はちさんがはいってきたよ!!」 「ゆゆゆっ、ほんとう!こんなおそくに、まよっちゃったのかな?」 「はちさん、ゆっくりしていってね!!」 『彼女』の侵入に気付いた子まりさが、驚きの叫び声をあげる。 しかしながら、そこはゆっくりブレインである。まずはお決まりの文句をぶつけた。 「ゆぅ~っ、おうちをまちがえてるね!!」 暢気なゆっくりたちは、どうやら揃って満腹したようで、『彼女』を捕らえるつもりはないらしい。 むしろ、一人合点して、心配する素振りをさえ見せ始める。 「はちさん、こんやはまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいんだぜ!」 「ゆっ、そうだね!ここはれいむたちのじまんのおうちだからね!!」 「「ゆっ!おきゃくさん!まりさたちのおうちにゆっくりとまっていってね!!」」 一日精一杯ゆっくりして、あたたかい巣に帰り、腹もふくれ、すっかり安心しきっているのだろう。 連中の言葉でいえば、まさしく「ゆっくりしている」状態だった。この状況を『彼女』は冷静に分析する。 「油断しきっているな」と。 「ゆっ、そろそろねるじかんだね!こどもたちはゆっくりおへやにもどってね!」 「ゆ~~っ、もっとはちさんとあそびたいよ!!」 だだをこねる子ゆっくりたち。しかし、遊び疲れた様子で、渋々自室へかえってゆく。 部屋といっても、扉などない、わずかなくぼみに過ぎないものではあった。 「ゆぅぅ~っ、すりすり♪れいむのほっぺはあったかいね!!とてもゆっくりできるよ!!」 「まりさだってとってもゆっくりしてるよ!!いっしょにゆっくりできるね!!」 そんな、あたたかいお部屋のなかで、ほっぺたをすり合わせ、今日一日の楽しかったできごとを反芻する。 こうしたスキンシップや回想も、ゆっくりたちにとって重要な作業なのである。 次第に夜はふけてゆき、まどろみ始めるゆっくり一家。 空高くにきらめく星たちが、一層輝きを増す頃、一家は完全なるノンレム睡眠のさなかにあった。 そして、狩人の時間が代わりに訪れる。積まれた枯れ枝の陰に息を潜めていた『彼女』が、静かに舞い上がる。 翌朝。小鳥たちの騒ぐ声で、いつものように、一番最初に目覚めたのは、母れいむだった。 数日前の悪天候もどこへやら、外はすっかり、爽やかな秋のムードに包まれているようだ。 ――だが。同時に母れいむは、自らの後頭部(?)に、言いようのない異物感をも感じていた。 「ゆっ!みんな、ゆっくりおきてね!きょうもはれたから、ぴくにっくにいくよ!!」 「…ゆぅ~っ」 「…ゆっ!ぴくにっく!」 「ゆゆっ、まだゆっくりねてたいよ…」 奇妙な感覚を忘れ去ろうとするかのように、母れいむは夫と子供たちを起こしにかかる。 その反応は様々だったが、「ぴくにっく」という、とてもゆっくりした単語を耳にし、むくり、むくりと起きはじめる。 母れいむが、夢心地の子供たちを引率し、おうちの外に連れ出していく。 しかし、「おへや」の隅にむこうを向いて寝転がったまま、ぴくりとも動かない、末っ子れいむに気付く。 「ゆっ?れいむ、どうしたの?ゆっくりおきてね!おいていっちゃうよ!!」 親まりさの呼び掛けにも、微動だにせず、眠りこける子れいむ。その後も、親の呼び掛けは続いたが、 一向に目覚める気配がない。痺れを切らせた親まりさが、子れいむに近付き、リボンをぐいぐいとひっぱり始めた。 「ふぇいふ!ふゃっふゃひょほひはいほほいへふほ!(れいむ!さっさとおきないとおいてくよ!) 親まりさが子れいむのリボンを引っ張った為、自然、ぐるりと体の向きが入れ替わる。 しあわせな夢を見て、実にゆっくりとした表情で眠っているのであろう。 いくばくかの微笑みを湛えて、わが子の安らかな寝顔を想像していた親まりさ。――しかし。 「れいむ、はやくおきな―――ゆ゛っっ゛!?れいむ゛?れ゛いぶっっ!??」 ごろん、と、力なく転がり、こちらを向いた子れいむの表情は、「安らかさ」とはかけ離れたものだった。 白目をむき、その目を見開き、歯茎をむきだしにしつつ、歯を食いしばっている。 よく見れば、その歯と歯のすきまからは、餡子色をした泡をさえ吹き出し、にじませているではないか。 いくら知能が低く、状況を認識・把握する能力を欠いたゆっくりでさえ、この、常識外れの苦しみを味わい尽くし、 地獄の大鍋の鍋底をさえ舐め尽したとでもいうような、苦悶の表情をうかべるわが子の様子からは、 異変を感じ取らざるを得なかった。 「でい゛ぶ!!!でい゛ぶぅぅぅぅっ゛!!!どぼぢだの゛おぉぉぉおっっっ゛!!!べんじじでよ゛ぼぉぉぉ゛っっ゛!!」 巣穴の奥からの、けたたましい悲鳴に驚いたのは、ピクニックの準備をすませ、 おうちの前で、ゆっくりと母と姉妹を待っていた、残りのゆっくり家族たちだった。 「ゆっ!?おかあさんのこえだよ!!」 「ゆぅっ、ふつうのこえじゃないよ!!なにかあったの!?」 にわかに、騒ぎ始める子ゆっくりたち。それを制する母れいむ。 「ゆっ、みんな、おかあさんはなかのようすをみてくるよ!おうちのいりぐちで、ゆっくりじっとしててね!!」 「「「ゆっくりみてきてね!!!」」」 いったい、何があったというのだろう。まりさは普段、とても温厚で、声を荒げたことなど一度もなかった。 「これからもずっと、ゆっくりとして生きていきたい」という思いに、影を落とすような不安を振り払うかのように、 母れいむは懸命に跳ね飛び、大きな、立派なおうちの奥、こどもべやを目指して駆けた。 そこで繰り広げられていたのは、想像を絶する惨状だった。 大切な、大切な子供たちの、ちょっと手狭で、寄り集まってゆっくりするには最高のおへやのなかでは、 同じくらい大切な、配偶者のまりさが、見たこともない泣き顔で、喉も裂けよと言わんばかりの声を張り上げ、 わんわん泣いていた。そのかたわらに転がっていたのは、すっかり冷たくなった、わが子の亡き骸であった。 見れば、尋常ではない表情を浮かべているではないか。急速に、母れいむのゆっくりブレインに、 「泣きわめきたい」という衝動がわきあがってくるが、家族のためを思い、必死にそれを制する。 「ばり゛ざ!!どう゛じだの゛!どう゛じでれい゛むのこどもがじんじゃったの!!!ゆ゛っぐり゛せつめ゛いじでね!!!」 「ゆっ…ゆ゛っ…ば…ばがら゛な゛びよおお゛ぉほぉぉっ!!!!い゛づまでもねてるから゛、ゆっぐりおごじだだげなぼびぃぃいっ!!!」 駄目だ、とても会話ができる状況ではない。母れいむは、こみ上げる涙に潤んだ瞳で、わが子を見つめる。 つい昨日までは、みんなで仲良く飛び跳ねて、とてもゆっくりと暮らしていたはずだったのに。どうして。どうして。 母れいむの頭のなかにぎっしり詰まった餡子の分だけ、この末っ子との思い出も詰まっている。 ゆっくりという種族は、記憶力が乏しいとは言え、家族間の絆は、極めて強固なのである。 母れいむの餡子脳が、楽しかった思い出を求めて、ぐるぐると回り始める。どうして。どうして…! 「ゆ゛うぅ゛っ……!!…………ゆ゛っ??」 泣きわめいていた母まりさが、しゃくり上げると同時に、ぴたりと泣き止んだ。死んでしまったとばかり思っていた、 子れいむの体が、ぴくりぴくり、とうごめきだしたからである。母れいむのほうも、空想に耽るのをやめて、 わが子に駆け寄った。 「れいむ!れいむ!!まだいきてたのね゛!!!よがっだ!!!」 「よ゛がっだあああぁぁあぁ!!でい゛ぶううっっ゛っ!!!」 助かった。子れいむは助かったんだ。二匹の心やさしい親ゆっくりは、ない胸を撫で下ろしたい気持だった。ところが、である。 ぴくぴくと、子れいむは、確かに動いているようである。しかし、おかしいのは、浮かべた苦しみの表情にまるで変化がなく、 自発的に「動いている」というよりは、むしろ誰かに「動かされている」という感じなのだ。訝しげな両親。 「ゆぅぅっ…れいむ、どうしちゃったの……」 もっと近くで、と母まりさが子れいむに近づいた、その時。母まりさは、わが子の皮膚の下でうごめく「何か」を見て取った。 「ゆ゛っ゛っっ!!?」 「ど、どうしたの、まりさ!!!ゆっくりれいむにもみせてね!!」 母れいむが飛び跳ねて、近寄り、うごめく「何か」凝視する。それは―― まさしく、子れいむの中に詰まった、餡子をむさぼるっていた。しきりに、もぞもぞと動いていた。 「ゆっぎゃぎゃああああああ゛あ゛あ゛ああああああああああああ゛ああああ゛!!?」 奇声ともいえる、珍奇な悲鳴を、大音声をあげる両親の目の前で、子れいむは何かに「食われて」いた。 それがいる部分の皮膚が大きく盛り上がって、そこから、音がしそうなほどの勢いで、ベコン、ベコンと、 愛しい娘の餡子が吸い取られ、むさぼられていた。丸々と肥えて、元気なゆっくりに育ちつつあった愛娘は、 見る見るうちに、皮とリボンと、つやのない髪を残して、その存在を消し去られてしまった。 「でい゛ぶの゛ごどぼ!!!!だびじな゛ごども゛があ゛あ゛ああああ゛あ!!がら゛っぼに゛な゛っじゃっだあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「でい゛ぶ!でびぶぶぶっっぽおおおお゛おお゛がががあががががが!!!」 堰を切ったように、両親の目から涙があふれ出した。さながら滝のようである。こどもべやをマイナスイオンが満たしてゆく。 「ゆ゛っぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でびぶぼごどぼ!!!でびぶのあ゛がじゃ゛ん゛!!!」 「ばびざぼごどぼ!!!!ゆ゛がががああがががが!!!!どぼじでええええぇぇえ!!!」 泣き叫ぶゆっくりたちを尻目に、成果を見届けた『彼女』は子供部屋を後にする。 そう、『彼女』は、油断しきったゆっくりたちが爆睡していた真夜中に、一匹一匹、ゆっくりと、麻酔を注射し、産卵していったのだ。 そうした卵は、遅かれ早かれ、数日と経たぬうち、孵化して、中から獲物を食い破ってゆくのである。 今回は、一晩で、一匹だけが犠牲となった。若干のタイムラグは、致し方ない。――そうこうしているうちに。 「おかあさんたちおそいね!ゆっくりしすぎだよ!!」 「ほんとだね!!まりさたちまちくたびれちゃったよ!!」 「…ゆぅっ…ゆぅっ……」 「おうちのいりぐち」で、待ちぼうけを食らっていた子供たち。中には、退屈してしまい、先刻の夢の中へ舞い戻っているものもある。 そんな子ゆっくりたちにも、むろん、分け隔てなく、卵は産み付けられているわけである。現在進行形で、卵は孵化しつつあるのだ。 「おうたでもうたおうね!!!」 「ゆっくりうたおう!!」 「「「ゆ~ゆ~ゆ~♪ゆっゆ~ゆっゆゆっゆ♪」」」 「ゆ~ゆ~……ゆごぺっ!!?」 突如、一匹の子まりさが、ゆっくりの生命にも等しい餡子を、もりもりと吐き戻しはじめた。顔面蒼白、餡子色の涙を流して。 「ゆっ!?お゛ねえぢゃん、あ゛んごはいじぢゃだめ゛えええ゛ぇぇ゛っ゛!!!!」 「ゆぅぅっ!?どうぢだの゛!!!!!????」 「ゆ゛ぎっ!!ごわい゛よ゛おぉぉおおっ゛!!!!」 泣き叫ぶ姉妹をよそに、子まりさは痙攣しながら餡子を吐き出し続ける。僅かだった体内の異物感が、ある瞬間を境目に、 爆発的に膨れ上がる、おぞましい感覚。猛スピードで、体内の餡子を食い荒らされて、ものの数分で、子まりさは息絶えた。 「ゆ゛あ゛っ゛!!ぼね゛い゛ぢゃん゛がじんじゃっだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「ゆぐぐっ゛!!!ごわ゛いごわ゛いごわ゛いごわ゛いいいい゛いいい゛!!!」 当然のように姉妹たちは泣き叫ぶが、既に、それぞれの体にも、致命的な変化が起こり始めていた。 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!ぼね゛え゛ぢゃ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!…ゆ゛!!ぶっ゛!???」 「ゆぎゃぴゆぴぃ゛ぃゅ゛ぃぃ゛!!!!!ぎゃ゛い゛い゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!…ゆっく ぶびびるっ!!!!??」 「ゆ゛ぴっ!?ぶべるびばぼごぺっっっっっ!!!!!!ぶり゛ゅりゃ゛っ゛!!!!」 「おうちのいりぐち」は、もはや阿鼻地獄、叫喚地獄の様相を呈していた。子ゆっくりたちは皆、餡子を噴き出して、 滝のような涙を流し、思い思いに泣き叫び、両親の名前を呼び続けた。無慈悲に、ジガバチの幼虫たちが、 子ゆっくりたちを食べ尽くし、いりぐちは静まり返っていた。 「ゆ゛っ゛…ゆ゛っ゛…ゆ゛…お゛があ゛ざん、でい゛ぶを゛ゆ゛っぐり゛だずげで…!!!」 虫の息の子れいむが、両親のいるはずの、こどもべやへと這いずっていた。 どうやら、体内の幼虫の数が少なく、致命傷には至っていない様子である。その懸命さは、ゆっくりにあるまじきものだった。 こどもべやについたら、おかあさんたちに、きもちわるい虫を取って貰おう。 そして、おいしいごはんを沢山もらって、いっぱいほおずりをしてもらって、傷がなおるまで、 ずっとずっと、ずっとゆっくりしていよう。 子れいむの餡子脳の奥に、母と言う名の希望の光が燃えていた。 その輝きを原動力に、満身創痍で、ボロ雑巾のような体で這いずってゆく。 おへやの直前の角を曲がった、子れいむの目に飛び込んできた光景は―― 餡子脳が凍りつく、恐ろしいものを見たかのような、驚愕の表情を浮かべた、姉れいむの残骸と、 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!……」と、餡子のつまった頭部をむき出しにし、 うわごとのように、意味をなさない言葉を繰り返し続ける、母まりさの姿。 床には、餡子の海が広がっており、その中央には、既に絶命し、苦痛に歪んだ顔をした、母れいむの死骸が転がっていた。 あまりの惨状に、言葉を失った子れいむ。 小刻みに震え、白目を剥いてうわ言を繰り返す、母まりさの頭頂部から、すぽん、と音を立てて、丸々と肥えた、 『彼女』のいとし子が、勢いよく顔をだした。 ある意味滑稽なその音は、絶望の淵にいた子れいむを一押しして、地獄の底へと転げ落ちさせるのには、十分すぎるものだった。 母まりさのうわ言が断絶し、完全な沈黙が、幸福だったゆっくり一家の「おうち」の支配者になり代わる。 『彼女』は満足げな羽音を立てて、最良の繁殖法を見出したことを、喜ばしく思った。 若干、ゆっくりどものせりふが少なかったと後悔しています。 至らないことばかりで、申し訳ありません。 お読みいただいて、ありがとうございました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1905.html
季節が冬から春に変わるころのこと 雪は溶け、地面からはちらほらと緑が芽生えはじめている 木々からは春のあたたかい日差しが木漏れ日となって地面に降り注ぐ そんな誰も近寄らない森の奥深く、ある閉ざされた大きな木のうろの中にゆっくりれいむの家族がいた 家族構成は、ゆっくりれいむの母親とゆっくりれいむの赤ちゃんが3匹、ゆっくりありすの赤ちゃんが2匹の6人家族である 赤ちゃん達はまだ産まれて間もないようで、一箇所に集まってすやすやと寝息をたてている その様子を見るかぎりどの子も健やかに産まれてきたようだ 子供達の天使の寝顔に笑顔をこぼす母れいむ その様子はとても幸せなゆっくりの一家そのものであった 「ゆっくりしていってね!」 早朝、巣の中に母れいむの大きい声が響く 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」 「ゆっきゅりしちぇいっちぇねー!」 母れいむの声に次々と目を覚ます子供達 今日も元気に挨拶を済ます 「ゆっ、みんなおきたね!それじゃぺろぺろするよ!」 そう言って赤ちゃんの身体を舐め始める母れいむ 「ぺーろ、ぺーろ」 「おきゃあしゃんくしゅぐったいよ!」 その行為にきゃっきゃと騒ぐ赤ちゃん達 その姿はどこか嬉しそうでもある 本来、ゆっくりは早朝水浴びする習性がある しかし赤ちゃん達がまだ生まれて間もない上に水場まで遠いため、こうやって母親が身体を舐めて綺麗にすることもあるという 「ゆ!ありちゅもぺろぺろするわ!」 母親の真似をしてお互いの身体をぺろぺろ舐めまわしはじめるゆっくりの赤ちゃん達 「すっきりしたね♪」 「ちゅっきりー♪」 身体の汚れをしっかり舐めとったゆっくり達は肌がぬらぬらとてかっている どのゆっくりも実に満足そうだ 身体の掃除が済んだ後は食事の時間になる 朝食は乾燥した雑草と干からびたバッタ これは越冬の時に溜め込んだ最後の食料だ 「むーしゃ、むーしゃ」 「ちあわしぇーっ」 目を輝かせて喜ぶゆっくりの赤ちゃん達 最後に越冬で余った食料を全部処分するべく、今日の朝ごはんはいつもより大目である 冬篭り中食料を尽きさせないように量をセーブしてた為、どの赤ちゃんもお腹を空かせている 必死にになって頬張るあまり、1匹のあかちゃんれいむが窒息しそうになってしまう 母親にぽんぽんと背中を叩かれてなんとか切り抜けたものの、皆がそれを見て大笑い 恥ずかしそうに照れながらあかちゃんれいむもつられて笑う そんなとりとめも無い愉快なひとときが過ぎて行いった 全て食料を平らげた後は母れいむとお歌の練習だ 「ゆ~ゆ~♪」 「ゆゆゆ~ゆ~♪」 好き勝手思う存分と歌を歌うゆっくり一家 身体を揺すりながら声を上げる 「ゆっ、おかあしゃんとってもおじょうず!」 「おかあしゃんのおうたはすごくゆっきゅりできるね!」 「あかちゃんたちもとってもじょうずだよ!」 そんなやりとりを繰り返して間も無く 母親の子守唄を聞いているうちに眠たくなったのか、はてまた満腹になって眠たくなったのか ゆっくりの赤ちゃんは次々にお昼寝をはじめる 「ゆ~♪ゆー……」 全員が寝たことを確認すると、ゆっくりれいむは巣から飛び出していった 保存していた古い食料も全て無くなったため、狩りに出かける必要があったのだ たとえ春になったとはいえ、まだ幼い赤ちゃん達である 外の世界は危険が多いため、勝手に外に出ないようにこうやって寝かしつけてから狩りを始めるのだ 「ゆっくりいってきます!」 寝静まった巣に挨拶をして、母れいむはその日の狩りに出発していった 「ゆっ」 「ゆっきゅりちちぇいっちぇね!」 母れいむが狩りに出発してからどれほど時間が経っただろうか 一匹のあかちゃんありすが目を覚ました 他の姉妹達はどれもすやすやと寝息をたてている 「ゆっきゅりしずかにするよ!」 「そろーり、そろーり」 あかちゃんありすは姉妹達を起こさないようにゆっくり奥の部屋に向かう 奥の部屋の一画は赤ちゃん達の遊び場となっている 綺麗な石や不思議な形をした小枝などが並んでおり、赤ちゃん達は普段それをおもちゃにして遊んでいる いつもなら他の姉妹とおもちゃの取り合いになるところだが、今日はありすが独り占めだ 「ゆ♪ ゆ♪」 それからしばらくの間、あかちゃんありすは小石を蹴ったり枝をくわえたりして遊んでいた それから5分ほど経過したろうか 「ゆぅー…」 あかちゃんありすは時間が経つにつれてひとりで遊ぶのが退屈になってきたのだろう つまらなそうに小石を蹴っている ひとりで遊ぶのは至極つまらない しかし寝ている姉妹を起こしてしまうのは忍びない 巣の外にはくれぐれも出ないようにと母親から厳しく教えられている どうしたものか、と思いをめぐらせていたところ… ブルッ 突然の尿意があかちゃんありすを襲った 「ゆゆっ、ちーちーのへやにいきゅよ!」 蹴っていた小石を片付け、足早にトイレのある部屋へと向かうあかちゃんありす 「ちーちーのへや」とは人間でいうところのトイレにあたる ゆっくりは排尿と排便を行うことが知られている 余分に摂取した水分や古くなって痛んだ餡子を尿や便というカタチで排泄するのだ この際身体の中の不純物や毒素も一緒に体外に出すという 「ゆゆっ、ちーちーちゅるよ!」 部屋にたどり着いたあかちゃんありすは手早く身体を後ろに傾ける 「ありちゅ、ひとりでできるもん」 普段は母親についてもらって済ましているちーちーだが今日は母親の手助けは無い しかしいつもやってもらっている手順にならって排尿行為を行いはじめる 底部にある肛門がヒクヒクと動いたと思うと、そこから尿が放物線を描き吹き出てくる 「ちーちー」 シュワワ… 部屋に小さな水溜りが広がっていく 水溜りは黄ばんでおり、湯気がたっている むわっ、とむせ返るような甘い臭いが部屋に立ち込める 目をきらきらさせながら排尿行為を終えるあかちゃんありす ひとりでできた達成感も相まってか、その顔はとても輝いて見える 「ついでにうんうんもするよ!」 身体をさらにのけぞらせて尿道の下にある菊紋をあらわにする 「うーっ!」 そしてあかちゃんありすは強くいきみはじめる 「うう~…!」 プルプルと震える全身 やがて菊紋はミチミチと音をたてて広がっていき、内部から黒くかたまった餡子の塊が出てくる ニュチニュチ… 「ゆ゙~っ!……ゆふぅ~…」 排便も難無く終えるあかちゃんありす 「ゆゆっ!ちゅっきりー!」 ちーちーだけでなくうんうんもひとりで出来た、おかあさんが帰ってきたら報告しよう、きっと喜んでくれるに違いない 他の姉妹たちにも自慢できる そんなことを考えながら老廃物の前でにこにこと微笑む しかしここで問題が発生した いつもはちーちーやうんうんを済ました後、肛門を母親れいむに舐めて綺麗にしてもらっているのだが 今日は母親同伴ではないため、肛門を綺麗に拭くことができないのだ 「ゆ…ばっちいよ…」 あかちゃんありすはぬとぬとする底部の違和感に眉をひそめる 「ゆっ!」 すると、ひらめいた、とばかりに部屋の壁に向かって飛び跳ねていく そしておもむろに身体を後ろに倒すと、肛門がある場所を壁にすりつけはじめた 「す~り、す~り」 便や尿が付着した部分を壁にこすり付けて汚れを落とすと考えたのだ 次第に汚れは落ちて綺麗になっていく底部 「す~り、す~り…」 もうそろそろいいだろうか そんな事を思いはじめたそのとき、あかちゃんありすは言い様の無い違和感を感じた 底部を壁に擦り付ける刺激が、どことなく気分を高揚させる 後頭部がじわりと熱くなるような感覚 呼吸も次第に強まっていき、顔の紅潮と共に全身が汗ばんでくる 「ゆ、ゆ…!」 その行為に没頭しているうちに背筋がぞわぞわとする感覚がこみ上げてきた 「ゆゆ!?」 驚いて壁から離れるあかちゃんありす 「ふっ…ふっ…」 とにかく自分を落ち着かせようと努力するも、高まった動悸はおさまらない 今の感覚はなんだったんだろう 未知の感覚の前にたじろぎ、快感の先に達することは出来なかった 気持ちは良かったが、それが恥ずかしい行為であるということがなんとなく察知できた きょろきょろとあたりを見回すあかちゃんありす、よかった誰にも見られていないようである ほっとしたら今度は別な違和感を感じた 底部から長く伸びた突起が天に向かってそそり立っていることに気がついたのである ギンギンに膨張したそれはぺにぺに、つまり人間でいう陰茎だ 包皮がずるりと剥かれており、表面は体液でぬらぬらと輝き湯気立っている 真っ赤に充血したそれは、ありす種の白い絹のような肌にはとても似つかわしくない なによりその臭いだ、今まで嗅いだことのない異臭はおもわず自分で顔をしかめてしまうほどだ 謎の快感、突然の突起の出現 あかちゃんありすはただただ自分の身体の変化に驚く他なかった ──翌日の朝 「ゆっくりいってきます!」 今日も母れいむの挨拶が巣に響く 赤ちゃん達は完全にお昼寝中だ しかし、あのあかちゃんありすだけは別だった 母れいむが狩りに出て行くのを寝た振りをして待つ そうして、こっそりと玩具が置いてあるあの部屋に向かった 「ゆ…」 昨日のアレはなんだったんだろう 謎の突起も落ち着いたと同時に身体の中に納まっていったし 何よりもあの快感である あかちゃんありすはいつも遊んでいる小石をもってくると、それにのしかかりながら底部を擦りつけ始めた 「ゆっ…ゆっ…」 リズミカルに腰を振るあかちゃんありす 「ゆっ…ゆっ…」 しばらくすると、再びあの不思議な感覚が戻ってくるのを感じた ぺにぺにも白い肌の間からチロチロと顔を見せ始めた 「ゆっゆっ」 じわじわとこみ上げる快感に夢中になって腰を振るあかちゃんありす もっと もっともっと もっともっともっと どれほどその行為を続けただろうか 突然背筋がぞくぞくとしはじめた 「ゆゆゆっ」 行為は止まらない ただひたすらに小石に身体を擦り付ける 小石はあかちゃんありすの体液でヌルヌルになっており、それが潤滑油となってさらに快感を高めていく すると、今までに無い快感の波があかちゃんありすを襲った 「ゆっ───!」 ビクビクッ 「いいいいぃっ゙!!」 頭を突き抜けるような快感、凄まじいほどの幸福感 おいしいご飯を食べても、どれだけゆっくりお昼寝しても これほどの幸せな快感は今まで体感したことが無かった 「…ッ!!…ッ!!」 体をビクビクと痙攣させながら快感を貪るあかちゃんありす だらしなく涎を垂らし、眼球が裏返るほど白目を剥いている 「ふっ…ふっ…」 ぐったりと倒れこみ次第に落ち着いていく これはすごい すごい遊びをみつけてしまった あかちゃんありすは自慰行為を覚えてしまったのだ それからというもの、あかちゃんありすの生活は今までとまったく変わったものになった 皆が寝静まった昼、夜ともに自慰行為にふけり 寝る間も惜しみ、皆の目を盗んでオナニーを続けたのだ また、自慰行為の内容もより過激なものになっていった 底部をこすりつけるだけでは飽き足らずに、勃起したぺにぺにを柔らかい葉っぱに押し付けて刺激したり 反り返ったぺにぺにを自分の舌で刺激したりするようになった まだ身体の成長が未発達なために精液が出ることは無いのだが 直接陰部に刺激を与えるのは目の前が真っ白になるほど気持ちの良いものであった 「ふっふっ」 そして今日も声を殺しながら 日々の行為の末にイカ臭く成り果てた小石を相手に自慰行為に倒錯していた 母親は狩り、姉妹は昼寝、絶好の自慰行為の時間 ……のはずだった 「ゆゆー?ありしゅ、なにちてるにょ?」 「ゆ!?」 激しくガタガタ音をたてるあまり、一匹のあかちゃんれいむが目を覚ましてしまったのだ 行為を見られた 恥ずかしいところを見られた 顔を真っ赤にして汗をたらすあかちゃんありす 「ゆ…、こ、これはにぇ…」 「これは……しゅっきゅりあしょびだよ!」 とりあえず適当な嘘でごまかそうと取り繕ってみる 「ゆっきゅりあしょび~?」 首をかしげるあかちゃんれいむ どうやら嘘は成功のようだ 「そーだよ、これはしゅっきりあそびだよ…」 「とってもしゅっきりできるのよ」 すっきりできるという言葉にあかちゃんれいむは思わず目を輝かせる 「しゅごい!れいみゅにもおちえて!」 「ゆ、わかったわ!」 姉妹にくっついて底部をすり合わせ始めるあかちゃんありすとれいむ 「ゆきゅ、くしゅぐったいよ!」 きゃっきゃとはしゃぐあかちゃんれいむであったが、次第に振動が増していくにつれおとなしくなる 「ゆっ…ゆっ…」 あかちゃんありすは、あかちゃんれいむの底部からぬらぬらとした液体が滴るのを見た れいむも気持ちよくなっているんだ… 少し嬉しい気になって行為を続行するあかちゃんありす 「なんだかきもちいよ…」 あかちゃんれいむもだらしなく涎を垂らして快感に身を任せ始める あかちゃんありすは、あかちゃんれいむの底部から勃起したぺにぺにに顔を近づけて臭いを嗅ぐ 自分と同じむわっとした臭いがする、でも嫌じゃない サイズはありすのよりも若干小さいそれを、ありすは口に含んで吸い始めた 「ゆああっゆうああ」 体をくねらせて快感を貪るあかちゃんれいむ すると、突然あかちゃんありすのなかの何かがうずきはじめた 自分の欲望を抑えきれず、あかちゃんれいむの後ろから思い切りのしかかる そして完全に勃起したぺにぺにをあかちゃんれいむの後ろからこすりつけはじめた 自分のぺにぺにから溢れる愛液とれいむのまむまむから溢れる愛液が潤滑油となって気持ち良い 「ゆふっゆふっ」 そうしてあかちゃんありすは 無意識のうちに あかちゃんれいむのまむまむに 自分のぺにぺにをすべりこませた 「ゆっ!」 突然の違和感に驚くあかちゃんれいむ それもそのはず、自分の体内に姉妹の勃起したぺにぺにが挿入されているのだ まむまむの中でビクビクと激しく動くありすのぺにぺに ありすは頭の中が真っ白になり、本能のままにヘコヘコと腰を振りまくった 「ゆぅ~っ!なんだかへんだよぉ~っ!」 あかちゃんれいむはこみ上げる快感に動揺を隠せない ただ、なんとなく自分がやってはいけないような遊びをしていることに感付きはじめた そのどれほどヘコヘコし続けただろうか 二匹の下には水溜りができており、にちゃにちゃと凄い音を立てている そんな中、ゆっくりれいむにも絶頂の時が訪れようとしていた こみ上げる快感に突然不安になってくる 自分が壊れてしまいそうな感覚 「ゆうっー!ゆぅっー!!こあいよ!や゙めでよう!」 必死に行為の中断を叫ぶあかちゃんれいむ あかちゃんありすにはこれが理解できなかった なんで気持ち良いのにやめろというのか、気持ちが良いくせに 知らないからそういう言葉がでてくるのだ、一度やったら病み付きになるに違いない そう思い至ったあかちゃんありすは、さらにヘコヘコの速度を上げていった 「ごあいよ!ごあいよ!おかあしゃーん!!」 「ぃぃ゙ぐゥぅうッ!!」 二人の絶頂は同時だった 「ィ゙イッ! ン゙イ゙イ゙ッ!!」 「んンんァあ゙あ゙っ」 目の前が真っ白になるほどの感覚につつまれたゆっくりれいむ 意識は完全にとんでいるのだろう 「イ゙ヒッ…イ゙ヒッ…」 と喉で呼吸をしながらその場で盛大に失禁している 対するありすはいつもより刺激は大きかったものの慣れっ子である 満足そうな顔でれいむの隣に崩れ落ちた 仰向けに横になりながら、その部屋の入り口にふと目をやる ──すると 「なに…してるの…?」 早く狩りから帰宅したのだろう 母れいむがくわえた餌を落としながら二匹を見ていたのだ 「なに…してるの…!!」 見られた… あかちゃんありすは自分の中の何かが崩れていくのを感じていた ~家族愛~END 俺は病気なんですね、わかるよー。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4249.html
近年ゆっくりを飼うのがブームになっている。だがゆっくりの生態は不確かであり、手に負えなくなって捨ててしまう無責任な 飼い主もまた星の数程存在するという。野良になったゆっくりは大抵都市部に住み込み、ゴミを食い散らかしたり 歌という名の雑音を響かせたりする。運が悪ければ腹の立ったおっさんに踏み潰され終わりである。 ゆっくりを飼う時は事前にゆっくりに関する知識を学んでおかねばならない。他のペットでも言えることだが・・・。 そこで、今回は種類別にゆっくりの特徴やペットで飼う際の注意を説明しよう。 れいむ種 最もポピュラーで数の多いゆっくりだ。母性が強くしっかり子供を育てるのが数の多さの理由である。 他の種類と比較しても能力は平均的であり、クセが無いので1番飼いやすいと言える。 ただし全てのゆっくりに言えることだがゲス化しているゆっくりは止めておこう。 飼ってもストレスが溜まるだけで、気付けば部屋が餡子だらけになってしまうからだ。 れいむ種の親は母性が強く、それの影響か赤れいむはかなり甘えん坊だ。 しっかりすりすりして、餌もなるべく手渡しで与えよう。 ただし、この時点でしっかり躾をしておかないと成長してから手に負えなくなるので注意。 だいたい捨てられるれいむは飼い主が甘やかしたせいで増長した個体である。 では赤れいむの躾の様子を少し見てみよう・・・。 「またうんうんする場所を間違えやがったな・・・。明らかに駄れいむだな・・・。」 「ゆ・・・!れいみゅはだれいみゅじゃにゃいよ!!ゆっくちあやまっちぇね!!」 飼い主に反抗した時はちゃんと罰を与えてその体に飼いゆっくりとしてのルールを刻み込んでやろう。 体罰に見えるかもしれないが、ゆっくりの躾はこれぐらいしないと効果が無い。 一流のブリーダーなら体罰無しでも良い子に育てられるらしいがここでは省いておく。 「謝るのはテメエだろぉ!!お仕置きだ・・・!!」 「ゆびゃっいぢゃいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!ゆびゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 お仕置きはゆっくりの弱点である底部に打撃を与えるのが最も効果的だ。れいむ種だけでなく全ての種類に言える。 他にも針で軽く刺してやったりデコピンでふっ飛ばしたりするのも効果的だが、あまりやりすぎると・・・。 「こにゃいでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!おがーじゃぁんだじゅげでえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」 ここまで怯えてしまったら矯正は極めて困難だ。記憶力が無いゆっくりでもトラウマはしっかり残る。 虐待用では無く普通に飼いたいなら必要以上の暴力は控えるべきである。 「お母さんなんてここにはいねえよ・・・。飼い主にむかって来ないでとは何だ!!?ああんっ!!?」 おやおや、飼い主さん怒ってデコピンを連発し始めたようだ。まあ確かに五月蝿くしたら躾も必要だな。 「ゆ゛っ゛!!ゆ゛っ゛!!!」 「あ~あ痙攣してやがる。こいつは失敗だったな~。やっぱ安もんじゃダメだな・・・。」 ショップで買う時はなるべく高い値段の個体を買おう。安いのは初心者には絶対無理である。 「ゆ゛っ゛!!ゆ゛っ゛ゆ゛べぎ・・・っ!!」 「うるっせーよ。この駄作が。さ~て、新しいゆっくりを買いにいくかな・・・。ん?まりさがいないな・・・。」 ちょっと躾しただけで痙攣するような弱い個体は控えよう。丈夫に越したことは無い。 まりさ種 れいむ種に次いで数の多い種類。運動神経が優れており、やんちゃな性格の個体が多い。 元気に跳ね回る姿を見たいのならまりさ種を飼うのも悪くないが、まりさ種は他の種類と比べ ゲスが多いのが問題である。またワガママに育ちやすいのでれいむ種よりは育てにくい。 中級者向けと言えるゆっくりである。やはり赤まりさから徹底した躾が必要である。 「おい・・・!よくも皿を割りやがったな・・・!!」 「ゆっ?ななな・・・なんのこちょ?まりしゃわかりゃないんだじぇ!!」 「バレバレなんだよ糞チビが・・・!お仕置きだ・・・!!!」 あらあら、飼い主さん激怒して赤まりさの帽子を取り上げちゃったよ。赤まりさは号泣して怒り出した。 「まりしゃのぼうち!!ゆっきゅちしにゃいでかえすんだじぇっ!!かえじぇぇぇぇぇぇっ!!!」 ゆっくりは帽子や髪飾りを取られると『ゆっくりできない』と騒ぎまくります。にしても口の悪い赤まりさだな。 「誰に向ってしゃべってんだ糞チビぃ!!恩知らずは・・・こうだ!!!ビ~リビ~リ、不幸せ~♪」 「ゆぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!ばりちゃのぼうちぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 ゆっくりにとって帽子や髪飾りは命と同じぐらい大切なものであり、目の前で破くとめちゃ絶叫する。 どうしても言うことを聞かないゲスにはやってもいいが、もう一生懐いてくれないので注意。 「ぼうちぃぃぃぃっ!!!よぎゅもぉぉぉぉぉぉ!!!!ゆっきゅちじねぇぇぇぇぇぇぇっゆぴ・・・っ!!」 「黙れザコの分際で・・・!やっぱ生まれついてのゲスは救いが無いな~・・・。」 飼う時は慎重に選ぼう・・・。 ありす種 『とかいは』という独特の信念を持っているゆっくりで、他のゆっくりとはやや性質が異なる。 まず下品で野蛮なことを嫌い、赤ありすの時点で『とかいは』なゆっくりになりたいと思っている。 またプライドが高く、自分の価値観を相手に押し付けてしまうのもありす種の特徴だ。 なので飼育は逆にその性質を利用すれば躾がしやすい。こういう行動が『とかいは』なんだと 教えればちゃんと覚えるし、逆にこういう行動は『いなかもの』だよと教えればそれをしなくなる。 こうして見ると中々育てやすそうだが、ありす種には致命的な欠点がある。それは・・・。 「んふをぉぉぉぉぉぉぉっ!!!ばでぃざぁぁぁぁぁっずっぎりじばじょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁっすっきりなんかしたくないんだぜぇぇぇぇぇっ!!!!」 そう、レイパー化するのである。つまり普段は『とかいは』などと上品ぶっているが、 その本性は欲望の塊なのである。個体差はあるが、振動を加えれば90%は5秒で発情すると言われている。 「いぐわよばでぃざぁぁぁぁぁぁぁんふぉぉぉぉぉぉぉぉっずっぎり・・・ぶげばぎゃっ!!!!」 「ったく・・・。昼間から盛り上がってんじゃねーよ。」 「ゆへぇ・・・。おにいさんありがとなんだぜ・・・びゅげへっ!!?」 「見せつけてんじゃねーよ、糞共が・・・!!気分悪くなってきた・・・。早く買って帰ろう・・・。」 野生で見つけたら速攻で叩き潰そう。また、容易に発情するありすは飼わない方がいい。 成体のありすの大半はこの様に救いが無いが、赤ありすの場合どうだろう? (ポトッ)「ゆっきゅちちていっちぇね!」 「ゆ~ん♪ちょかいはないもうちょだにぇ~!いっちょにゆっきゅちちようねぇ~♪」 「ありちゅたちみんにゃでちょかいはなこににゃろうね~♪」 「ゆゆ~?どうしちぇみゃみゃいにゃいの・・・?」 「ゆえ~ん!みゃみゃあいちゃいよ~!」 赤ありすは他の種類の赤ゆっくりと比べても輪をかけて甘えん坊であり、この時点ではレイパー化することも無い。 毎日真剣に向き合い、コミュニケーションを欠かさず行えば成体になってもレイパー化しない優秀なありすにすることも可能だ。 ただしありす種は少し育て方を間違えれば、本能に刻まれた様々な迷惑行為(発情・とかいはなコーディネイト)を行うので上級者向けと言える。 また、野生の赤ありすのほとんどは不幸な境遇で生まれてくる場合が多い。上のセリフもそんな赤ありすたちの呟きである。 「ん?ありすばっか・・・。ああ、レイパーの子か・・・クズだな・・・。」 先ほどの飼い主さんがたまたま見つけた様子。飼い主さんの言う通り、この赤ありすたちはレイパー化したありすの子である。 適当なゆっくりと無理やりすっきりしたレイパーありすは、赤ゆなど気にせず次の獲物を狙ってどこかへ行ってしまう。 そしてすっきりしてしまった相手は朽ち果てゆん生を終えてしまう。結果赤ゆだけ取り残されてしまうのだ。 今回はどうやらぱちゅりー種が相手だったらしく、大量の赤ありすの中に少しだけ赤ぱちゅりーが混ざっていた。 「ゆ?おにーしゃんだぁれ?ありちゅのみゃみゃしらにゃい?」 「ああ、知ってるとも。だから皆このケースの中に入りな。連れてってやるよ。」 「ゆ~♪おにーしゃんしんせちゅ~♪とってちょかいはだにぇ~!!」 「むきゅ~・・・。おにゃかしゅいたわ・・・。」 飼い主さんは買ったゆっくりを入れようと持ってきたケースに赤ありす20~30匹と赤ぱちゅりー数匹を放り込み足を進めたようだ。 飼い主さんの選択は正しい。こういう状況で生まれた赤ゆは種類問わずレイパーの資質が受け継がれてしまう。 ありす種でなくとも、世代を経てありす種と結ばれて赤ありすが生まれた時、片親が普通のありすであっても子供に レイパーとしての本能が先祖返りしてしまうのだ。見つけたら即刻駆除するか、加工場やペットショップへ持っていって引き取ってもらおう。 「ぐ・・・ぐりゅじぃ~・・・。」 「ちょかいはじゃにゃいよぉ~・・・!!」 「むぎゅぎゅぎゅ・・・!!」 「ありゃりゃ・・・。ぱちゅりー何匹か潰れてやんの。こいつらで遊ぶか・・・。」 ぱちゅりー種 ゆっくりの中でもトップクラスの知能を持つゆっくりで、記憶力も他のゆっくりを数段上回っている。 常に新しい知識を求め、本やチラシなど文字を読むことを至高の喜びと感じる変わった習性があり、 その賢さから群れのリーダーや指導役となっている個体も多い。唯一の弱点は体が恐ろしいまでに貧弱であることだ。 ちょっとしたショックで中身のクリームを吹き出し、非常に死にやすい。飼うなら細心の注意を払う必要がある。 また、ぱちゅりー種は知らないことも知ったかぶる習性があるので、気になる人は細かい知識も授けてあげよう。 おっ、そんなことを言ってる間にあの飼い主さん、人気の無い所まで行ってさっきのケースを開けたようだ。 まだ生きている赤ぱちゅりーを別の小さいケースに入れ、大きいケースから何匹か赤ありすを取り出し見せつけた。 「いいか~、ぱちゅりーたち。これから起こることを見ても絶対に吐くなよ。最後まで吐かなかったら親に会わせてやる。」 「むきゅ~ん・・・。わかっちゃわ・・・。」 手に持った赤ありすを赤ぱちゅりーに見せながら・・・潰した。グシャッと音が鳴り、手からクリームが垂れる。 思考停止状態で目を丸くする赤ぱちゅりー。そして自分たちの姉妹の無残な姿を見て固まる赤ありす・・・。 「ほ~ら。次いくぞ。ありす~、全員潰してあげるからね~♪」 「ゆ・・・ゆぴゃぁぁぁぁぁっ!!!どうちてこんにゃ・・・ゆぶげっ!!!」 「こんにゃのちょかいはじゃにゃっぴぎゃふっ!!!」 「みゃみゃだじゅげっぎゅべ・・・っ!!!」 「ほれほれ!ぐ~しゃぐ~しゃ、絶命~♪」 赤ありすが次々と潰される姿を見た赤ぱちゅりーはというと・・・。 「むぎゅっぶほっえれえれえれえれ・・・!!!」 「むぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅっ!!!!」 「ゆげぇぇぇぇぇぇっえれえれ・・・むぎゅっむぎゅっ!!!」 やはり耐えられず嘔吐していた。飼い主さんはすごくがっかりって感じで溜息をついてる。あっ赤ぱちゅりーを掴んだ。 「所詮レイパーの子だな・・・、約束も守れんとは。もしそうじゃなかったら飼ってやっても良かったんだけどな。そりゃっ!!」 「むぎゅ~!?おしょらをちょんでるわ・・・ぴぎっ!!!」 「ゆぶげっ!!!」 「むぎゅぎゅぎゅ・・・むぎゅぶっ!!!」 飼い主さん、赤ぱちゅりーをボールみたいに投げて木にぶつけたみたいだ。ペチャッと小粋な音が響いた・・・。 「ぱちゅりー飼おうと思ったけど飼育めんどそうだな・・・。別のにするかぁ~・・・。」 ぱちゅりー種は飼育にとても手間がかかるゆっくりである。色々教えたり健康管理を小まめに行うのが面倒な人は止めた方がいい。 ちぇん種 ゆっくりの中でも変った外見をしている個性溢れるゆっくり。猫に近い姿と習性が特徴で、猫耳と2本の尻尾がチャームポイント。 本能的に暖かい所を好み、『らんしゃま』、つまりゆっくりらんを溺愛する。それと『わかるよー』というのが口癖だ。 運動能力はまりさ種にやや劣るが、瞬発力はゆっくりの中でもトップクラスで、尻尾を使って高い木の上にも上ることができる。 また、基本的にゲスが少なく素直な個体が多いため、猫の代わりにペットとして飼う者も少なくない。 他のゆっくりと比べても比較的飼いやすいと言えるので、初心者はここから始めてみるのも悪くないかもしれない。 「いらっしゃいませ~!」 「さて、どいつを飼ってこうかな・・・。ちぇん種がいいか・・・。いや、みょん種も悪くないよな・・・。」 飼い主さん、どうやら赤ちぇんのケースを覗いたようだ。中では赤ちぇんたちが丸い餌入れを皆で囲んで仲良く食事していた・・・。 「わきゃりゅよー!む~ちゃむ~ちゃ・・・ちあわちぇだよー!!」 「むぐむぐっごほっ!?わ・・・わきゃりゃにゃいよ・・・!」 「わきゃりゅよー、にょどをつまりゃせたんだねー。しゅ~りしゅ~りしゅればにゃおりゅよー。」 「しゅ~りしゅ~り・・・。ほんちょだ!わきゃりゅよー!」 「う~ん・・・。全員尻尾千切ってカラスの巣にぶん投げてあげたい・・・!おっと、まだ買って無いんだ、我慢我慢・・・。」 ずいぶんとユニークな愛情表現だこと。まあ、愛し方は人それぞれだから突っ込んじゃいけないね。 すると飼い主さん、今度はみょん種のケースを覗いたぞ。やっぱり成体ではなく赤みょんを見ている・・・。 みょん種 希少種とまではいかないが、野生ではあまり目撃されないそこそこ珍しいゆっくりだ。1番の特徴はその独特な言語だろう。 『ちーんぽ』という代表的な鳴き声から分かるように、みょん種の言語は全て卑猥な単語で構成されている。 人の言葉は分かるが、話せないのだ。ただし訓練すればちゃんと人間の言葉をしゃべれるようになるし、 野生でもぱちゅりーから教えてもらって普通の言葉をしゃべる個体もいるので、知能は水準以上と言える。 ただし赤みょんの時点では中身が少ないため、卑猥な言語以外はしゃべれない。その点は非常に特異な特徴と言えるだろう。 懐きやすく恩をしっかり返すタイプなので飼いゆっくりに向いているが、卑猥な言葉を当たり前のように叫ぶので 女性は控えた方がいいかもしれない。また、言葉を覚えるのは個体差があり、子供の時点で人間語をしゃべるようになる個体もいれば、 成体になってもちんぽちんぽ連発する個体もいる。中には人間語とみょん語が混ざっている個体も存在するらしい。 「ちーんぴょ!ちーんぴょ!」 「まりゃまりゃ!ちんぴょっちんぴょー!!」 「相変わらず変態クラスのゆっくりだな・・・。飼うのは止めとこうか・・・。」 それともう1つみょん種には大きな特徴がある。それは器用なことだ。口に棒などを加えて捕食種を撃退したり、 木の構造を上手く利用して頑丈な巣をつくったりできる。そのためかよく大工さんがみょん種を飼ってたりする。 「やっぱ、ちぇん種かな・・・。ってあれ!!?あのすいません!さっき置いてあった赤ちぇんは!!?」 「すいませーん・・・。先ほど常連の方がまとめて購入してしまいました~・・・。」 「な・・・なんてこった・・・。」 その頃・・・ 「いや~まとめてちぇん種が手に入って良かった良かった。早速ちぇんマー投げ用に飼育しないとな!!」 購入した彼の名は人呼んで『運動鬼異惨』・・・。かつてちぇんマー投げというスポーツを始めてからゆっくりを使用した スポーツ(ゆポーツ)にハマり、今では様々なゆポーツの大会で素晴らしい成績を残している偉人である。 彼は今回マイボールを買いに来ていたのだ。何でも手塩にかけて育てたゆっくりの方が良い成績が出せるとか・・・。 「くそ・・・っ!さては運動鬼異惨だな・・・!そろそろ大会が近いって言ってたっけ・・・ちくしょう・・・っ!!!」 「あの~、如何なさいますか・・・?」 「すいません・・・!この大安売りの赤れいむ全部ください・・・!!」 「あ・・・はい・・・。ありがとうございます・・・。」 れみりゃ種 言わずと知れた捕食種である。胴付きと胴無しの2種類に大別されるが、ここでは飼うのに適した胴無しについて説明する。 胴付きは正直ペットには向かない。一流のブリーダーすらイライラする程愚鈍でワガママで好き嫌いが多いからだ。 胴付きを育てるのは極めて難しいのだ。胴付きれみりゃは人間を都合のよい召使い程度にしか思わないのだから・・・。 さて、それに引き換え胴無しれみりゃは中々飼いやすい。胴付きれみりゃはすぐに『さくや』などという名前を口にするが、 胴無しれみりゃはそもそも言葉をしゃべらず『うー!』としか鳴かないので五月蝿くない。 動きも速く餌も自分で取ってきてくれるので餌代もほとんどかからないのがミソだ。ハンターがよく猟犬の代わりに 連れて歩いていたりしている。ただしあくまで捕食種は捕食種、あまり放置すると逃げてしまったり飼い主に襲いかかったりするので しっかり世話をしてやること。 「ほ~ら!れみりゃただいま~!お土産だぞ~!!」 「うー!うー!!」 あの飼い主さんも別の小屋でれみりゃを飼ってたようだ・・・。胴無しれみりゃはゆっくりが嫌いな人でも飼っている場合が多い。 やはり無駄口を叩かず、可愛らしく鳴いているだけだからに違いない。人間語は教えれば一応覚えるらしいが、 本来しゃべらない種類なので簡単な言葉しか覚えられない。覚えさせたければトライしてみよう。 「ショップで買っためちゃ安い赤れいむだ!美味そうだろ~!?」 「うー!!う~♪」 「れれれ・・・れみりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!?」 「きょわいよぉぉぉぉぉ!!!!こにゃいでぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」 「ゆぴゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!やべでにぇ!!!!やべ・・・っ!!!!」 「う~♪あまあま~♪」 「もっちょゆっきゅち・・・。」 「れいみゅのいもうちょが・・・ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 まさに赤れいむにとって地獄絵図、だが胴無しれみりゃにとっては食事の時間であり、飼い主さんにとっては至福の時間だ。 飼い主さんはストレスが溜まったとき、このように赤ゆをれみりゃに食わせて楽しむのだ。いい趣味してるな全く・・・。 さて・・・。これで基本的なゆっくりの説明は終わりだ。まだまだ希少種などの説明はしていないが、 希少種は一般の人にはあまり多く渡らないだろうから説明は不要だろう。それでは良いゆっくりライフを・・・ゆぎゃっ!! 「・・・さっきから追跡していたのはお前か・・・!!いちいち五月蝿くてイライラしてたんだよ・・・!!」 おやぁ、どうやらバレてたらしいのでそろそろ帰ろうかね・・・。ん?私の正体?それは秘密だ。・・・さらばっ!!! 「あっ!待ちやがれ・・・行っちまった・・・。何なんだアイツは・・・。まぁいっか。続きを見ないとな・・・。」 どうやらこの飼い主は虐待派だったようである。それもそのはず、彼は人々から『赤虐鬼異惨』と恐れられる男だったのだ。 赤ゆを中心に虐待するからそう呼ばれるようになったとか・・・。 例が虐待鬼異惨だった時点でこの飼育の説明は破綻していたのだ・・・。ゆっくりを飼おうと思っている方は決して真似をしないように・・・。 過去作 2517 ちぇんマー投げ 2526 ゆンペルダウン 2550 痙攣鬼異惨の日曜日 2560 分からないだらけのゆん生 2570 馬鹿とゆっくりは使いよう このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2524.html
【すりすり】 「ぎゃお~たーべちゃうぞー!」 目の前で手を掲げながら喋っているのはれみりゃ。胴体付きである。 「うー! ゆっくりしね!」 その隣の口の悪いのはふらんである。 この2匹は里子に出された二匹だ。なんでも元の飼い主が流石に子供の面倒まで見れないとかで 道端のポスターで里親を募集していたのを見て引き取った。 断っておくが、俺は虐待趣味などという特殊な性癖は持ち合わせていない。 ついでにロリコンでもない。ロリコンでもない。 さて、夕飯の時間だ。とりあえず餌となるゆっくりから取った餡子を与えることにした。 「う~あまあま~♪」 「うー! おいしいー!」 喜んで貰えてなによりだ。捕食種を買う上で注意することが食事だ。 下手にゆっくりなぞ与えようものなら、野生だろうが飼いゆっくりだろうが無差別に食べてしまう。 そうならないように、生きたゆっくりは食べさせない。しかし遺伝子レベルでゆっくりを求めるためにしっかり躾をしなければならない。 深夜1時。堪った仕事を終わらせた俺は、シャワーを浴び終えた後、一日の疲れを癒すことにした。 れみりゃ達とスキンシップを取るのだ。 二匹は積み木で遊んでいた。 「う~♪ ごーまかんのかんせいだどぉ~♪ りっぱなおうちだどぉ~♪」 「ゆっくりしね!」 「うー! れみりゃのごーまかんをこわさないでふらんー!」 「うー! こわれろ! こわれろ!」 実に楽しそうに遊んでいる。さてスキンシップを取ろうか 「おにーさんとすりすりしようかれみりゃ~」 「ぶれいなにんげんだどぉ~♪ でもれみりゃはやさしいからとくべつにゆるすどぉ~♪」 ひょいっと掴んでもあまり怒らないれみりゃ。 れみりゃの顔に俺の顔を近づけて・・・ハイパーすりすりタイムはじまるよー なんのことはない。ただれみりゃのほっぺと俺のほっぺをすりすりするだけだ。 「すりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすり すりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりィイイイ!!!!!!!」 あくまで優しく、一回一回丹念にすりすりする俺。れみりゃのもちもちの肌の感触は凄まじく気持ちいい。 ただ気持ちいいからといって力任せではいけない。あくまで紳士的に優しくだ。 「すりすりすーーーーーーーりすーーーーーーりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすり」 ヤバイ。なんか火がついた。予想以上だ。 実は「いだいどぉ~~~~!!!! ざぐやーーーーー!!!! ほっぺがあづいんだどぉー!」だの 「ぼうやべでええええ!!!! ぎぼぢわるいんですううううう!!!!!」 だのれみりゃは叫んでいたのだが、男の耳には何一つ入っていなかった。 「きもちいいよおおおおおお!!!! れみりゃあああああああああ!!!! ベロベロベロベロベロベロ。」 勢いに身を任せて男はれみりゃの頬を舐めはじめた。れみりゃの方は更なる苦痛に顔を歪めた 「きぼぢわるいどぉおおおおお!!!!!! べろべろやだああああああ!!!! ざぐやああああ!!!!」 「うー! おねーさまをはなせ! ゆっくりしね!」 ベシベシと男に攻撃を加えるふらん。しかし効果はなかった。 一時間後、そこにはすっきりした顔の男とぐったりしたれみりゃが居た。 ほっぺが赤く湿っていた。 「ざぐや・・・れみりゃやじぎにがえるどぉ・・・・」 「ぐっすり寝ちゃってるなれみりゃ・・・よっと、ベットでちゃんと寝ないとだめだぞ。」 男はれみりゃを専用のベットに運んだ。そして自分もベットに入る。ふらんを横に抱えて。 「うー! はなせ! はなせ!」 バタバタと暴れるふらん。男はふらんをガッシリと掴んで放さない。 「もう夜遅いから寝よーな。おやすみふらん。」 そういって眠った男。しかも何故か体をふらんに擦りつけながら。 「う-! しね!」 寝ているくせに何故かふらんは離さない男。寝ているのに関わらず、一分起きぐらいにすりすりしてきた。 男の顔は幸せそうだが、ふらんは堪ったものではない。 「ぎもい! ぎもい! もういや! ゆっくりじね! ゆっぐりじね!」 何せ自分より遥かにでかい生き物が、すりすりしてくるのだ。しかも男だし。そりゃ気持ち悪い。 体全体でのスキンシップはふらんの精神にダイレクトアタックだった。 朝、男は久し振りに気持ちよく目覚めた。 そして横のふらんを見る。目の下にくまができていた。 「ん? 眠れなかったのかふらん? 急におうちが変わったからだしわからんでもないが、ちゃんと寝ないとな。 今から朝ごはんを作るよ。」 鼻歌まじりでキッチンへ向かう男。一ヶ月後、この家からストレスで剥げたゆっくりが2匹ほど現れる事になるの 【バスケットボール】 れいむが気がつくと、見たこともない部屋に居た。白い壁で囲まれた部屋だ。自分は確かありすの巣で寝ていたはずなのだがと考えていると 目の前に誰かいる事に気づいた。 「ゆっくりしていってね!!!おにーさんはゆっくりできるひと?」 顔を少し傾けならながら聞くれいむ。しかし相手はそれに反応することもなく、突如男はしゃがみながら蹴りをれいむにお見舞いしてきた。 「ゆがッ!!」 堪らず嗚咽を漏らすれいむ。逃げようとするが後ろの壁まで飛ばされて逃げられない。 尚も男は攻撃の手を緩めない。れいむは男の手で空中に上げられると、まるでお手玉のように何度も何度も殴られた。 「ゆべぇ!!!」 男の手が一瞬止まり、地面に叩きつけらたかのように落下するれいむ。しかし男の攻撃は止まらない。 そのっま男は何度も何度もしゃがみながら、れいむを蹴り続ける。蹴られるたびにれいむの体はゴムまりの様に跳ねる。 「いじゃい゛!!な゛に゛ずるどぶえ゛っ!!でいぶおごる゛よ゛!!ゆがぁっ!!」 れいむには何故こうなったのかまるで分らない。れいむはただ日々ゆっくりしていただけだ。 たくさんお野菜が生えてるとこで食事をしたり、目の前を通った可愛いちぇんと愛し合ったり、ありすの巣でご飯をいっぱい食べてあげて寝ていたり。 毎日ゆっくりした生活を過ごしていただけだ。なのになんでこんな事をされるのか。 れいむの底部に蹴りが入る。 「いぎゃい!!!」 また蹴りが入る 「ゆべが!!」 また蹴りが入る 「ゆぼぉ!」 また蹴りが入る 「ゆるじでべえ!!」 また蹴りが入る 「でいぶがわるが!!!」舌を噛んだようだ また蹴りが入る 「ゆっぐり゛でぎながぁ!!!」 急に空高く上げられる 「ゆ・・・おそらをてんでるびぎゃ!!!」 そしてまた蹴られる 「なんでぇぎゃ!!!!」 何回蹴られたかなどもう忘れた。途中からパンチに変ったような気がしたがもうわからない。 皮膚はもはやところどころ破れ、餡子が漏れ出していた。 痛みも最早感じない。感覚が麻痺してきた。自分はもう長くないだろう。 なんでこのおにーさんはこんな酷いことをするのか。 「ぼう゛ゆ゛る゛じで・・・ぐだざい゛・・・」 もうゆっくり死にたかった。最後ぐらいはゆっくりと その願いが叶ったのか、れいむの体は今までで一番高く跳ねあがった。 「ゆ・・・おそらをとんでるみたい・・・これならゆっくりとしねるね。」 このまま地面に激突すれば死ぬだろう。しかしそれはおそらく一瞬の出来事。 そう思って安堵の顔で地面に落ちようとして、れいむは男が何か言ってることに気づいた。 「切り裂け!」 男の手刀はあまりの速さに凄まじい衝撃波を起こした。 それはれいむの体を文字通り切り裂くのに十分な威力だった。 「ゆぎゃぁああああ!!!!」 皮と餡子がバラバラになっていく。切り裂かれた痛みで意識が飛びそうになる。いやいっそ飛べばよかった。 もはや口だけが辛うじて残ってる状態で地面に落ちたれいむ。 「いぎゃあ・・・がぁ・・・ぼっどゆ゛っぐり゛じだが・・・」 男はれいむを見ながら言った。 「てめえごとき、南斗聖拳の前にはゴミクズ同然だ!!」 【ゆっくりお葬式をしていってね!!!】 昔々、あるところにとてもゆっくりしたれいむとまりさの夫婦が居ました。 5匹の子供に恵まれた二匹はとても幸せでした。 しかしある時、めりさが運悪く落石により死んでしまいました。 れいむと子供たちはまりさの死を悲しみながらも、強く生きてこうと決意しました。 そしてまりさの代わりに群のリーダーを引き受けることにしました。リーダーとしての最初の仕事は 前リーダーのまりさの葬式でした。 「あのよでゆっくりしてるんだねー。わかるよー。」 「とかいはなおはなをあげるわリーダー・・・」 「やすらかにねむってね、リーダー。」 群れの属する数十匹のゆっくり達、更には隣の群れのゆっくり達も葬式に駆けつけました。 それほどまりさは人望が厚いゆっくりだったのです。まりさの帽子を土に埋め、花や木の実を捧げたゆっくり達は 生前のまりさとの思い出を語りながら帰っていきました。 れいむは子供たちを家で寝かせると、一人外で泣きはじめました。 「ゆぐっ! ゆぐ・・・・ばりざあああああ!!!!!」 れいむの顔は涙でクシャクシャになっていました。するとそこへ 「ないたらだめよれいむ! ゆっかりなきやんでね!」 後ろから少女のような声が聞こえてきました。振り向くとそこには見たことのないゆっくりがいました。 「ゆ? だれなの?」 「ゆかりんだよ! ゆっかりしていってね!!!」 そう言うと、どこからか持ってきたのかハンカチを口に加えて、れいむの涙を拭いてあげました。 それから二人は夜が更けるまで会話を楽しみました。最初は乗り気ではなかったれいむも ゆかりんのやさしさに次第に心を開きました。 「そろそろかえるわねれいむ! ゆかりんはもりのけんじゃだからいつでもあそびにきてね!」 「わかったよ! さようならだねゆかりん!」 ゆかりんと別れてから一瞬間が立ちました。れいむはリーダーとしての仕事に追われ、更に子育てにも追われていました。 しかし常にゆかりんの事が頭の中を駆け巡っていました。 (ゆゆ・・・あいたいよゆかりん・・・) しかし隣の群れには中々いけないのが現実であった。 まりさが生きていたころならまだしも、リーダーとなった今、ゆかりんへ会いに行くほどの余裕などれいむにはなかった。 それに子供を置いていくわけにもいかない。というかそもそも、ゆかりんのおうちすら知らなかった。 (ゆゆ・・・どうしよう・・・・) 「おきゃーしゃんだいじょーぶ? ゆっきゅちちないとだめだよ!」 考え事をしていたれいむはハッと気づいた。寝ていたはずの子れいむがが心配そうな目で自分を見ていることに。 「ゆ、だいじょうぶだよ! おちびちゃんこそゆっくりしてね!」 子供に心配かけまいと笑顔を見せたれいむ。その時、何かが閃いた。 (ゆ! そうだね! れいむがこれないならゆかりんがこっちにくるようにすればいいんだね!) 善は急げ。れいむは赤ちゃんにこう話しかけた。 「ままをしんぱいしてくれたおちびちゃんに、とくべつにあまいものをたべさせてあげるね!」 「ゆゆ~! あみゃいのたべちゃい!」 「ゆっくりおかーさんのくちのなかにはいってね!」 「ゆゆ!」 勢いよく口の中へ入っていく赤れいむ。れいむはそのまま「そろーり、そろーり」と言いながらどこかへ消えていった。 そして群れから離れた場所まで来た。 「おきゃーしゃんまだー?」 「もうついたよ。」 「ゆ! ならおそとにでるね! ゆっくちおくちをあけちゃね!」 「あけなくていいんだよ。」 「ゆゆ?」 親の発言が理解できずに聞き返した赤れいむ。するといきなり上から押しつぶされた。 「ゆぎぃ! いじゃいよ! おぎゃーじゃんやべでえええええ!!!!」 突然の行動にパニックになる赤れいむ。母親は気にせずに 「すーりすーりするよ! ゆっくりつぶれていってね!」 更に口に力を込める。そして 「いぎゃ!・・・・・」 ブチっと言う音が響き渡る。赤れいむはその言葉を最後に沈黙した。 れいむは口をモゾモゾと動かし、赤れいむを吐き出す。そしてそのまま帰っていってしまった。 次の日の夜。リーダーの子供である赤れいむの葬式が行われた。 誰の手で殺されたかはわからないが、おそらく夜に家を抜け出し、他の動物にやられたのだろうと群れの中で結論がでた。 れいむは泣いてる子供たちを参謀のぱちゅりーに任せ、参列していたゆかりんのところへ向かった。 「れいむ・・・ざんねんだったわね。あかちゃんまでも・・・」 「うん・・・でも、ゆかりんがきてくれてれいむうれしいよ! ゆかりんからげんきをもらえるからがんばれるよ!」 れいむは笑顔で言った。 れいむはその後も同じ様な事を繰り返した。 最初は自分たちの子供を。次に参謀や群れの幹部を。最後には群れのゆっくりのこどもたちを。 そうしてどんどん殺していった。そのたびにゆかりんとの会話を楽しんだ。 一度結婚を申し込んだこともあっただ、れいむが群れのリーダーという理由で断られた。その時ほどまりさを憎んだ時はなかった。 そうしてどんどん殺しはエスカレートしていった。群れのゆっくりは犯人がわからない殺ゆっくりに怯え群れを離れた。 そうして最後にはれいむ一人だけになってしまった。群れのあったところには誰もいなかった。 「ゆゆ・・・だれもいなくなったね・・・これじゃあゆかりんにあえないよ。」 しかしどうすることもできなかった。群れを離れたゆっくりが今更戻るとも思えない。かといってゆかりんのおうちは未だに知らなかった。 どんなに聞いても「スキマのなかよ!」ではぐらかされ、いくら探しても見つけることはできなかった。 しかしここを離れたらゆかりんとは会えないだろう。 れいむは死ぬまでここでゆかりんを待ち続けることになるのだ。たった一人で 「ゆゆ・・・ゆゆ・・・さびじい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!! だれ゛でもい゛い゛がら゛ でいぶどい゛っじょに゛い゛でえ゛え゛え゛え゛!!!!!!」 そんな声が森に響き渡った。 【あとがき】 思いつきをダラダラと テルヨフと添い寝したい。 byバスケの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2848.html
一昔前に”アントクアリウム”という蟻の飼育セットが流行ったことがあった。 透明なアクリル製のケースに糖質含んだジェル状の地面が餌と水分を兼ねて 巣作りや日常を観察することができるものだ。 そして研究、開発したのが この”ゆっくりクアリウム” 水族館の水槽並みに大きい4平方メートルの面積と大掛かりであるが やはり成体ゆっくりには狭い そこで、 ”ゆっくりの成長を制限する剤”が地面の役割をするジェルに含まれており 成体でソフトボールサイズ 子ゆっくりで野球ボールサイズ 赤ゆっくりはプチトマトのまま正常に生まれる また、ポリマー的な性質をもつこのジェルは 体積以上の栄養分を蓄積させているため ソフトボールサイズの成体なら10匹程度の赤ゆっくりを植物型妊娠しても絶命しない計算だ。 そして、ジェルはアントクアリウムと違い グミの様な弾力性があるため、透明なおうちを作る建材としても活用できる。 それでは、さっそく ゆっくりクアリウムのテストといこう。 成功すれば水族館や動物園、メルヘンちっくな遊園地に、このゆっくりクアリウムは実用される。 『赤れいむと赤まりさ』 「「ゆっくちちていっちぇね!」」 加工場産の未刷り込みの赤ゆっくり、れいむ種とまりさ種だ。 個体差の少ない養殖物はモルモットとしてテスト実験に適している。 例え今回の実験が失敗したとしても次回には改良を行い、同一種で検証する事ができるのだ。 最終的には野生種(野良)を飼育し生態を白日の下にする事を目指している。 「ゆっ、おかーしゃんはどこ?」 「ゆゆん」 ゆっくりしていってね!と返してくれる親がいないため 一抹の不安をおぼえる赤ゆっくり この反応は従来の箱庭飼育となんら変わりがない。 「ゆっくちさびちいよ・・・」 「みゃみゃはどこにいっちゃの・・・ゆゆーん」 2匹はすりすりと互いのほほを擦り付け合い始めた。 「ゆーん、すりすりきもちいいね」 「れいみゅのほっぺはあっちゃかくておかーしゃんみたい」 1匹では孤独から体調を崩し、実験経過を観察するために支障をきたす恐れがある やはり、2匹にしたのは正解のようだ。 「ゆっくちおにゃかちゅいたよ」 「まりちゃもだよ、ゆっ!じめんさんからあまいにおいがするよ」 クアリウムの地面は糖質を含んだジェルで出来ている。 アントクアリウム同様にこのジェルが餌と水分を兼ねる。 「むーちゃむーちゃ」 「ぺーろぺーろ」 地面を舐め始める2匹。 「ゆっ!とってもゆっちできりゅよ!」 「ぺーろぺーろ、ちあわちぇー!」 舌先でジェルを舐めては口に運び、だんだんと地面に口をつけて吸い付くように食べる。 2匹は小一時間ほど、食事を続け 赤ちゃんが食べる量にしては明らかに過食。 地面にはトマトが1個すっぽり入るくらいの小穴が出来た。 アントクアトリウムの真骨頂は、蟻がジェルを食べたり地面に穴を空けることで巣穴を作り 透明なジェルが巣穴での生態を白日の下に晒してくれるところにある。 この、ゆっくりクアトリウムもまったく同じ目的を狙ってのもであったが、ここで問題が起きた。 「いっぱいたべたら、うんうんしちゃくなっちゃよ!」 まりさが「ゆふー」と恍惚の表情を浮かべながら、ピコピコとお尻を振り その場で古い餡子を排出しようとしている。 「ゆっ、うんうんはきちゃないから、そのあなにしてね!」 そう言う、れいむも食べ過ぎたせいか便意を催し まりさの次に穴へうんうんをするつもりだ。 「うんうんでりゅよ、ちゅっきりー!」 「れいむもでりゅよ、ちゅっきりー!」 これはいけない、蟻ならば小穴を徐々に掘り進み巣穴を作るはずが 食べた分だけ穴に古い餡子を排出しては、その穴が元通りに塞がってしまう。 そして、その場所のジェルは嫌って食べなくなるだろうから別の場所を掘り、またそこに餡子を埋める これでは数日のうちに地表は餡子だらけになってしまうだろう。 「うんうんしちゃら、ねみゅきゅなってきたよ」 「おかーしゃんがかえってきゅるまでゆっくちねようね・・・ZZZ」 しめた、都合よくお昼寝をしてくれた2匹の赤ゆっくり。 その間にクアリウムの数箇所の地面にあらかじめ穴を作っておこう。 そうする事で自分たちでトイレ用の穴と巣穴用の穴に分類をしてくれるはずだ。 ちなみに、アントクアリウムでも蟻自身がなかなか地面を掘らないときは 人間が割り箸などで地面に穴を空ける。 完全に1から巣穴を作るというのは蟻にとってもまず経験にない事だし 野生のゆっくりでも木の根や洞窟、そういったあらかじめ窪みのある場所を選んで巣穴にするのだ。 ”ゆっくりが巣穴やトイレ場所を作らない場合は寝てる間に掘ってあげましょう” 商品化したらマニュアルにそう注意書きを加えておこう。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっ、おかーしゃん?ゆっくちちていっちぇね!」 「ゆゆ・・ゆっくちちていっちぇね!」 クアリウムに付属の親ゆっくりボイス機能はリモコン操作で幾つかのパターンの音声を出すことが出来る。 「おかーしゃん、どこにゃの!」 「おかーしゃんとゆっくちちたいよ!」 「「ゆべっ!」」 ぴょんぴょんと跳ねて、ケースの端っこにぶつかる2匹。 こちらからは2匹の姿は丸見えだが、向こう側からはただの壁にしか見えない。 一応ストレスがたまらないように森の風景の絵を描いてあるが、そのせいで壁だとは認識できずに ぶつかってしまったようだ。 親がいないという不安と、壁に顔をぶつけた痛みで2匹は「ゆあーん」と泣き出した。 「もう、おうちかえゆー!」 「おうちでおかーしゃんと、ゆっくちちゅるよ!」 2匹はクアリウムの壁沿いに、あっちへいったりこっちへいったりとうろちょろしている。 ここが実際に森の中なら、柔らかい皮を傷つけ蟻にたかられて、その日のうちにその生涯を閉じたことだろう。 不意に、まりさがフッと地面に沈む 「ゆっ!」 眠ってる間に掘っておいた竪穴だ。 自然界にそんなものがあれば、それは落とし穴だが柔らかいジェルはまりさの体を優しく受け止める。 「ゆゆ!ここはまりちゃのおうちだよ!」 すっぽりと身を隠せるその穴をまりさはゆっくり出来る場所と認識しおうち宣言をした。 「ゆっ、まりしゃだいじょうぶ?」 まりさが地面に沈むのを見たれいむは遅れて穴の中に飛び込んだ。 「むぎゅ」 上から潰されるまりさ。 竪穴は横幅も多少あり、2匹でもなんとかゆっくり出来そうなスペースがあった。しかし・・・。 「ゆっ!ここはゆっくりできそうだよ、れいみゅのおうちにするよ!」 この言葉にまりさは餡子の奥底からムズムズと不快感を感じ取り 跳び上がるとれいむに体当たりをしかけた。 「ここは、まりちゃのおうちなんだぜ!」 ぽよん!ぽよん! 「ゆぇえーん、いちゃいよぉぉぉお おかぁちゃぁあーん」 どちらもプチトマト程のサイズしかないため怪我をすることはないが れいむは、その穴を飛び出して地表に跳んで逃げた。 なるほど、赤ゆっくりといえどお家に対する執着心は強く お互いがお家宣言を行うと家族間であっても争うことになるのか その様子を映像に収め”穴の中で目覚めさせる事と”とマニュアルに追記するためのメモをとる。 結局、れいむはまりさの巣穴から離れた場所の穴に入り そこを自分のおうちとした。 餌は地面がすべてそうなので、これで争いが起きることはないだろう。 念のためオプション商品であるスライド板をクアリウムの中心部分に備え付ける つまり、赤れいむと赤まりさがお互い出会わないでいいように壁を取り付けたのだ。 ある程度期間を空けてから、出会わせれば都合の悪いことは忘れてしまうゆっくりは 喧嘩をしたことを忘れて再びゆっくりできる。そういったコンセプトによるものだ。 「ゆっゆっ!かべをむーしゃむーしゃすると おうちがおおきくなるんだぜ!」 まりさが巣穴作りを始めてくれた。 これがクアリウムの本来の目的であるためホッと胸をなでおろす。 巣穴のジェルを口に加えて外に吐き出す これを繰り返すことで立派な巣になると同時に、巣穴の外側にもそのジェルを使い たとえばゴミを埋める事等も出来るのだ。 しかし、ここで普通の生物ならありえないような行動をするのがゆっくり。 「うんうんでりゅよ!」 なんと、このまりさ 巣穴を拡張するために壁のジェルを外に運搬するのではなく 巣穴のジェルを食べて、巣の外へうんうんをしている。 すぐにやめさせたい所だが、今後改善をしていくために失敗点を明らかにするのは必要なことなので しばらくはそのまま観察することにした。 一方、れいむのほうはまりさ程、懸命に巣穴作りに励んではいないが 普通に巣穴の壁から削り取ったジェルを巣穴の外まで運んで捨てている。 「ゆっこらせ!ゆっこらせ!」 きっと2匹が同居していれば、まりさもわざわざ食べてからうんうんにして外に捨てなくても 良い事に気づいてくれただろう。 いっそ、赤ゆっくりの飼育には必ず親ゆっくりを付けてくださいと追記しようかと考えていたら 再び思いもよらないことが起きた。 「まりちゃのおうちおおきくするよ!とんねるほるよ! むーしゃむーしゃむしゃ!」 まりさの巣穴が、れいむの巣穴に開通したのだ。 スライド板は地表部分の移動を妨げるが、地中は自由に行き来できる。 「ゆっ、ここはれいむのおうちだよ! まりしゃはかってにはいってこないでね!」 「ゆゆっ!ここはまりちゃのおうちだよ!れいみゅこそかってにはいってこないでね!」 これはいけない、また喧嘩が始まってしまうぞ。 ひとまず親ゆっくりボイスで気を反らそうとリモコンのスイッチを押す。 すると、クアリウムに小刻みな振動が始まった。 ブィィィーン 「ゆっ?ゆっ?」 「ゆゆゆ?」 ブィィィーン しまった、ボイス機能のとなりにある振動ボタンを押してしまった。 ゆっくりの発情を促して繁殖させるための機能だ。 これだけ大きな機材となると、わざわざ網で1匹づつすくって交尾させるより効率が良いというアイデアで 設置した機能だ。 ともかく、このまま発情してしまうと赤ゆっくりは妊娠に必要な餡子が足りず黒ずんで死亡してしまう。 すぐに止めなければ。 ポチっとな。 ブィィィブブブブブゥイィィィーン 「「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”」」 なお、振動は強力になり2匹を刺激する。 あれ?もう一回押せば止まるわけじゃないのか。 そして、とうとう発情した赤れいむが赤まりさにのしかかった。 「ゆ”ゆ”ゆ”れいみゅなんだかきもちよくなってきちゃっちゃよ!」 「ゆ”ゆ”やめちぇね!はなちてね!」 2匹は体中からネバネバとた粘液を放出しており、その顔は紅潮している。 ようやくリモコンで停止ボタンを押したものの、若い二匹はもうどうにも止まらなかった。 「「ずっぎりぃぃぃぃい!」」 まりさの帽子の隙間から細い茎が伸びて赤ゆっくと同じ大きさの実を2つ程つける。 この場合はまりさが黒ずんで枯れるんだろうなと諦めていたら、そうはならなかった。 「ゆゆゆ・・・あたまがむずむずしゅりゅよ」 「ゆっ!まりしゃのあたまにれいみゅのあかちゃんがついてるよ!」 ジェルを大量に食べてうんうんを外で放出する前にれいむの巣穴に開通したため うんうん分の餡子が妊娠の方にまわったのだ。 このジェルにはゆっくりを成長させない成分が含まれているが、最小サイズの赤ゆっくりには変化がない。 だから、赤まりさは自分と同サイズの実を2つもつけて重みで動きづらそうだ。 「まりちゃのあちゃまがおもいよ!ゆっくりとっちぇねー!」 「ゆっ!だめだよ、れいみゅのあかちゃんがうまれりゅまでゆっくりしててね! たべものはれいみゅがとってくるよ!」 赤ゆっくりから、ゆっくり一家の繁殖が出来ればそれはそれでこの商品の利点となる このまま繁殖をさせてみよう。 野良をクアリウムに投下したり アリス種をいれて、どこまで繁殖に耐えられるかとか ゆっくり一家をまるごとスライドでさえぎってお隣にこさせて そのうち「こんにちわ」と出会わせる ゆっくり料理専門店にイケスの様にクアリウムを設置して 透明ジェルで巣穴でのゆっくりした一家の生活をお客さんにご存分に堪能してもらってから 「へい、赤れいむのからあげ一丁!」 なんて具合にヒョイと取り出したり 「ゆっくり一家のおうち蒸しはいりましたー!」 なんて、親ゆっくりの口に赤ゆっくりを詰め込んでそのまま蒸すなんてのも良いかもしれない。 金魚鉢サイズのミニクアリウムに赤ゆっくりを入れて販売すれば 虐待お兄さんにも愛でお兄さんにも売れそうだ。 なにしろ、餌も水もすべて地面部分のジェルで事足りる。 そうなれば水族館や遊園地に並べるよりもよっぽど研究資金がもらえそうだ。 つづく。 過去の作品 ゆっくり繁殖させるよ! 赤ちゃんを育てさせる 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくり贅沢三昧・後編 まりさの皮を被ったアリス 肥料用まりさの一生 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス 作者:まりさ大好きあき
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1016.html
『ゆゆ~♪おとーさんとおかーさんのほっぺたあったかいよ~♪』 「みんなでくっついてればさむくないね!!!」 「ゆっくりはるをまとうね!!!」 冬、十分な備蓄と準備の下ゆっくり達の冬越えが始まる 家族みんなで身を寄せ合い、溜め込んだ餌を食べ、春に思いを馳せながらゆっくりすごす 冬越え、といっても冬眠ではなく単に巣の中でゆっくり春を待つ 『みんなでゆっくりするのもひさしぶりだね!!!れーむ、しあわせ~♪』 「はるがきてもげんきにがんばろうね!!!」 「れーむははるがきたらどうするの?じぶんのゆっくりぷれいすさがしにいく?」 『ゆゆっ!?じぶんだけのゆっくりぷれいす?』 「おとーさんとおかーさんはここがゆっくりぷれいすだけど、れーむにもじぶんだけのゆっくりぷれいすがあるはずだよ!!!」 『ゆ~、みんなとゆっくりしたいけど・・・じぶんだけのゆっくりぷれいすがほしいよ!!』 「じゃあきまりだね!!ゆっくりぷれいすをみつける”コツ”をおしえるよ!!」 『ゆっくりおぼえるよ!!!』 「ゆっくりれみりゃはだっこしてあそんでくれるけど、ちからがつよいからきをつけてね!!!」 「うーぱっくはいろんなところにつれていってくれるから、すごくゆっくりできるよ!!!」 「ありすははずかしがりやさんですぐほっぺをすりすりしてくるけど、いやがらないであげてね!!!」 そのほかにも、餌場の事、巣を構える場所の条件など親ゆっくりはゆっくり丁寧に教えていった 『ゆ~・・・ゆっくりぷれいすをみつけるのはたいへんそうだね・・・』 「「ゆっくりがんばってね!!!」」 「まりさ!!まどのそとをみてね!!ゆきがやんでるみたいだよ!!!」 「ほんと!?そろそろはるもちかいね!!!ゆきがとけたらいりぐちをあけようね!!!」 『ゆきさん!!はやくとけてね!!!』 春、この家族から一匹のゆっくりが旅立った、自分だけのゆっくりぷれいすを求めて きっとこのゆっくりも家族を作り、子を育て、冬を超え、自分の子を送り出していくのだろう 『おかーさん!!!おとーさん!!!いままでありがとう!!!』 「「ゆっくりがんばってね!!!おとーさんとおかーさんとのやくそくだよ!!!」」 『ゆっくりいってきます!!!』 ~おわり~ 餌ってアンタ・・・・ -- 名無しさん (2012-05-11 00 26 38) ↑な、何かの間違いだよきっと、じ、自分たちの食料を餌だなんて・・・ -- 名無しさん (2012-12-24 17 47 00) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5102.html
いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 れいぱー 公然猥褻れみりゃ 決死の虐待 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編 ゆっくりさん 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編 じゃんけん13奥義 ゆっくりの背筋も凍る怪談 一生一人でゆっくりしてろ! 「まりさ! どうしてアンタはそうなの!」 頭上から降り注ぐ怒声。余りにも理不尽なそれを、まりさは黙って縮 こまりながら受け止める。 叫んでいるのはまりさの飼い主だ。顔を怒りで真っ赤にそめ、失望に 染まりきり、憎悪すら滲んだ顔でまりさを見下している。 「ゆっくりごめんなさい、ゆっくりごめんなさい……」 まりさは顔を伏せたまま、喉を震わせ掠れた声を漏らす。しかし、飼 い主の表情は変わらない。 飼い主はまりさを掴みあげ、鬼の形相で怯えるまりさを睨みつける。 「ホントアンタはダメなゆっくりなんだから! どうして――」 そして、それを指差しなが言った。 「――あのれいむみたいにできないの?!」 指差された先。そこには、もみあげを使い器用にナイフとフォークを 操り、お行儀よくフレンチを食べるお隣のれいむの姿があった。 まりさは叫んだ。 「でぎるわげないでじょーーーーーーー?!」 事の発端は1ヶ月前であった。 「今日のご飯はまりさの大好物の犬のエサよ!」 「ゆわーい!」 その日もまりさとその飼い主である女性はいつもどおり仲良く散歩に 出かけ、丁度家へ帰ってきた所だった。マンションの二階、その廊下 に出ると、自分の部屋の隣にダンボールが山積みにされているのに気 がついた。 「おねーさん、これなーに?」 「お隣に誰か引っ越してきたのね」 と、丁度その時隣の扉が開き、頭に饅頭を載せた20歳くらいの青年が 現れた。ルックスもイケメンだ。 そして、こちらの存在に気付いた青年と饅頭が、口を開いた。 「やぁ! 僕は虐待お兄さん!」 「れいむはれいむだよ! ゆっくりしていってね!」 そしてこの爽やかな笑顔。 飼い主とまりさは、青年の言葉を聴かなかった事にして挨拶した。 それから数日たち、青年が基本変質者だが悪い人間ではないと思い込 んだ飼い主とまりさは、日頃やたらと働く青年のまりさをたまに預か るような仲になった。 ……そう、まりさの地獄はこの時から始まっていたのだ。 「今日のおやつは特売の100円ケーキよー。特売よ特売」 「「ゆわーい。けーきー」」 やたらと特売を強調する飼い主に与えられたケーキを、まりさはいつ も通りむーしゃむーしゃと齧る。よく噛み、飲み込んで 「しあわせー!」 と叫び、口の周りについた生クリームを舌で綺麗に舐め取った。 そして、ふと隣にいるれいむを見て、驚愕した。 れいむは、そのもみ上げで掴んだマイフォークで、ケーキを一口大に 切り分けてお上品に食べていたのだ。 唖然と口を開いてその様を眺めるまりさと飼い主。当然だ。ゆっくり がフォークを使って物を食べるなど、常識的に考えてありえない。 「……れいむは行儀がいいわねぇ。まりさもれいむを見習いなさい」 半ば引き攣った笑みを浮かべて、気のない声を上げる飼い主。まりさ はその飼い主の声に答える事はできなかった。れいむの使うフォーク がかちゃかちゃと皿と触れ合う音だけが響いていた。 それからも、れいむは、ゆっくりらしからぬ凄まじさを事あるごとに 披露した。 5桁×5桁の暗算、トランプを使った透視、鬼隠し編プレイ時点での ひぐらしの謎の解明、レベル1でドラクエクリア、東方ルナティック 初見ノースコクリア等である。 それを見るたびに飼い主はまりさに言った。 『まりさもれいむを見習いなさい』 『まりさもれいむみたいになりなさい』 『まりさと違ってれいむは凄いわね』 『まりさはどうしてれいむと違ってダメなのかしら』 『まりさはどうしようもないわね』 飼い主は結構見栄っ張りなところがあり、基本キチガイだった。他人 のゆっくりより劣るまりさを責めるようになったのだ。日に日に厳し く、執拗になっていく飼い主の叱責に、まりさの心は磨り減って行っ た。 まりさの名誉のために言うと、まりさは決してダメではない。むしろ 飼いゆっくりとしては非常に優秀といえる部類に入る。 まりさは不出来ではない。ただ、比較される対象が悪かったのだ。 飼い主はヒステリックに泣き叫びながらまりさに告げた。 「どうしでできないのよぉぉぉぉぉぉ?! れいむを見習いなさい! れいむは3階から投げ捨てられてもへっちゃらでしょぉぉぉぉぉ?! あんたも2階から投げ捨てられるくらい我慢しなさいよぉぉぉぉ!!」 「でぎるわげないでじょぉーーーーーーーーー?! おねがいだがら おぢづいでねぇーーーーーーーーーー?!」 まりさは長い鍛錬の末にようやく動かせるようになったお下げで必死 に窓枠にしがみ付く。己の命が掛かっているので正に命がけだ。 そんな中、地面でゆっくりしていたれいむが上空のまりさに向かって 声をかけた。 「おそらをとんでるみたいでゆっくりできたよ! まりさもゆっくり していってね!」 そのズレた声に、思わずお下げの力が緩み、 「ゆっぐりでぎないぃーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 まりさは、空を舞いながらそう叫んだ。 おわり 作者:○ーメンぶっかけ祭の人 あとがき SSの展開に悩んでいる間に何がなにやらわからない事になっている ので騒動が治まるまでふたばにいくことにします。 戻ってくる事があったらその時はまたよろしくお願いします。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/381.html
あんまり熱いので川辺で涼しんでいたら、やたら甲高いカエルの声が聞こえてきた。 「ケローっ! ケローっ!」 なんだか泣いているらしい、生えた草を踏みつぶしながらこっちに向かっていく。 よく見ると、その後ろから水色のゆっくりが追いかけていた。 「アタイったらゆっくりね!」 どう見てもゆっくりだね。 どうやらゆっくりカエルはあのゆっくりに追いかけられているらしい。 ゆっくりカエルはぴょんぴょん跳ねて逃げ回るが、水色のゆっくりは上下に動かず、そのまま平行に動いて追いかけてる。どうやって移動してるんだ、こいつ? 「アタイったらゆっくりね!」 「ケローっ!」 突然、水色のゆっくりが一回り大きく膨らむと。 口から冷気を吐いて逃げてたカエルを凍らせてしまった。 ……おぉっ、そんなこと出来るのか。 「やっぱりアタイったらゆっくりね!」 「……あ、あ~う~……」 体が冷凍されてカエルの動きが止まっている。水色のゆっくりはそのままカエルに近づいていって……。 あ、食べた。 「あぁあああぁぁあぁあぁあっ!」 「ガジガジ」 「やめっ……たずっ……」 カエルシャーベットはあっという間に水色のお腹に収まっていった。水色の大きさは大体30センチぐらい、カエルも同じぐらいだったんだが……スゲェ喰うな。 「アタイゆっくりだよっ! ゆっくりしてるよ!」 食べ終わると高らかに周りに宣言し始める水色ゆっくり。周りには誰もいないのに誰に言ってるんだ。 水色の体は宙に浮き、その辺を行ったり来たりしている。 こいつ、飛べるのか。 飛べるゆっくりなんて肉まんかあんまんぐらいかと思ったが、他にもいるんだな。 ……。 暴れ回っている水色を見て思う。 こいつがいたら、部屋も涼しくなるんじゃね? ……。 取りあえず話しかけてみた。 「ゆっくりしていってねっ!」 「ゆっ? アタイゆっくりだよっ!」 ……それが挨拶なのか? 「ああ、見てたよ。見事にゆっくりしていたな」 「そうだよ! アタイったらゆっくりだからねっ!」 おまえの言ってることはよくわからん。 「なるほど。でもやっぱりゆっくりなら、よりゆっくり出来る場所に行きたいものじゃないか?」 「ゆっ? アタイゆっくりしてるよ?」 「ここもゆっくり出来るけど、俺はもっとゆっくり出来る所を知っているんだ。興味ないか?」 俺の言葉に、水色は眉間に皺を寄せて考えている。よくわかってないらしい。 ……ゆっくりは馬鹿だ馬鹿だと思っていたが。 こいつは、輪をかけて馬鹿だな。 あまりに話が通じないので、掴んで持っていくことにした。 「ゆっ! アタイに何するのっ!」 「冷てっ!」 水色に触った瞬間、手に走る冷たさ。手がくっつくかと思った。こいつ氷で出来ているのか? 急に触れて機嫌を損ねたらしい。冷気を出した時のように顔が膨らんでいた。 「おじさんはゆっくりじゃないね! どっか行ってね!」 いつ俺がゆっくりだって言ったんだよっ! ……ちょっと腹立ってきたぞ。 「お前だって、ゆっくりじゃねぇよ」 その言葉は心外だったらしい。凄い形相でこちらを睨みつけてきた。 「アタイはゆっくりだよっ! ゆっくりしているよ!」 「どこがだよ! 全身氷のゆっくりなんて聞いたことねぇよ! あんこ吐けあんこっ!」 「ムッキーっ! ゆっくりったらゆっくりだよ!」 「だったら付いてきて証明してくれよ。お前がゆっくりだって」 「いいよ! ゆっくりしにいくよ!」 売り言葉に買い言葉。 気づいたら、水色が家へ来る流れになっていた。 俺にとっては願ったり叶ったり……なのか? なんだか間違えた気が……。 家に連れてきて3時間もすれば、自分がどれだけ間違えていたかがよくわかった。 畳の上を歩いたら畳が凍りつく、冷気を吐かせて涼しくしようと思ったら「アタイやすうりはしないよっ!」と言われる始末。それじゃ西瓜でも冷やすかと水色の上に置いたら凍りつき、後々「なにするのさっ!」と怒られる始末。 そして何よりも。 「アタイったらゆっくりねっ! アタイったらゆっくりねっ!」 意味もなく騒いでいるのが最高に鬱陶しかった。 こんなに使えないなんて……。 俺は頭を抱える。正直とっとと放り出したいところだが、体が冷たすぎて触れない。それじゃ勝手に帰るのを待とうと思ったら、どうも家が気に入ったらしく、まるで帰る気配がない。 他のゆっくりなら食べれば済む話だが、正直、30センチの氷を食べるなんて考えたくもなかった。 まさか力ずくで相手に出来ないゆっくりがこんなに扱いづらいなんて……どうしたものか。 ……ん? 「アタイったらゆっくりねっ!」 相変わらず叫ぶゆっくりは放っておいて、俺は思考を走らせ始めた。 そういえば……。 立ち上がり、押し入れを漁り始める。ここに確か……お、あった。 俺は鉄のかたまりを持ち上げると、水色の目の前に置いた。 「ゆっ?」 鉄のかたまりを指さして、水色に言う。 「ここに平べったくて乗れそうな所があるだろう」 「アタイゆっくりだよっ!」 ……まぁ理解したってことだろう。 「お前ここに乗れるか? 無理かなぁ、狭いかなぁ?」 「ゆっ! アタイゆっくりだもん! のれるよっ!」 案の定、挑発に乗って移動する水色。普通のゆっくりなら苦戦しそうだが、空を飛べる水色はあっさりと上に乗ってみせた。 「ほらねっ! アタイったらゆっくりでしょっ!」 「はいはい、そうだね」 乗るのはすげぇ速かったけどな。 俺は鉄のかたまりの頭についているレバーを回していく。 ほどなくして、水色が上から押さえつけられた。 「ゆっ!」 さてと。 用意しておいた器を下に置く。 「何するのおじさん、アタイゆっくりだよっ!」 はいはい。 横のレバーを回し、かき氷を作り始めた。 「あ、ああ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁっ!」 水色が回転し、器に削られた氷が乗せられていく。 「あ゛がががががっ!」 シャリシャリと音が鳴りながら、あっという間にかき氷が出来上がった。 「あっ……あっ……」 おおっ、普通に食えそうだな。えーと……。 出来上がったかき氷を手に俺はふと気づく。 そういえばシロップがなかった……。 俺はかき氷を一端置くと、そのまま外へと出る。 どうせその辺に……お、いたっ! 「みんなゆっくりしてねっ!」 「ゆっ!」 「うん、ゆっくりするよっ!」 そこにいたのは、ちょうど手のひらサイズの子供達3匹を遊ばせようとしていたゆっくりれいむの家族だった。 取り合えず親れいむを蹴り飛ばす。 「ゆ゛ぐっ!?」 変な叫び声を上げて飛んでいく親れいむ。こいつらってよく歪むから、あまり遠くまで飛ばないんだよなぁ。 「お、おかあさんっ!?」 「なにするのおじ──」 有無を言わせず、その場にいた子供れいむをかっさらっていく。 「うわあ゛あ゛ぁあ゛ぁぁっ!」 「なにずるのっ! ゆっぐりざぜでっ!」 「おがあざーんっ!」 子供の声に活性化されたのか、いきなり親れいむが起き上がってくた。元気だなこいつ。 「れいむのあがじゃんがえじでぇえぇぇぇっ!」 シュートッ! 「めぎゃっ!?」 ゴーーーールッ! 綺麗な放物線を描いて、親れいむが飛んでいく。……我ながら綺麗に飛んだな、体歪んでるのにぜんぜん減速してねぇや。 あ、誰かの家に飛び込んだ。 「いやぁあ゛ぁぁあ゛ぁあ゛ぁぁぁあ゛あ゛っ!」 「おがあ゛ざあぁぁあぁあぁぁんっ!」 邪魔者を排除して、俺は家へと戻ってきた。 「あっ! どこ行ってたの! アタイをむしするなんておじさんゆっくり──」 煩いのでレバーを回す。 「あぎゃぎゃぎゃぎゃっ!!」 水色を黙らせて、俺はかき氷を確認する。よかった、まだ溶けてないな。 「おじさん! 早くれいむたちをかえしてね!」 「おじさんとはゆっくりできないよっ!」 「ゆっくりしねっ!」 手に抱えていた子供れいむたちを、そのまま手のひらで丸めていく。 「うぎゃぁあ゛ぁぁあ゛っ!」 「うぷぷぷぴゅっぷぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅっ!」 「やめでうぶあおじあぶげまぜうぎゃっ!!」 しっかり混ざったあんこを、そのままかき氷の上に乗せた。 氷宇治あずきの出来上がりと……。 一口食べてみる。 ……うーん。 普通の氷宇治あずきより喰いづらいが、そのまま氷を食べるよりマシか……なにより甘いしなっ! 「ここか」 「ここだよ! ここに入っていったよ!」 「これで嘘やったらタダじゃすまさへんど」 あん? 玄関の方で声がした瞬間、大きな音を立てて扉が開かれた。 「ゆっくりっ!」 なんだ、さっきの親れいむじゃないか。……あれ? 「ちょっと失礼しますよ」 親れいむの後ろには男が付いてきていた。何だ? 「なんか用ですか?」 「いや、さっきこのゆっくりが窓から飛び込んで来てな。ふざけるなと怒鳴ったら、吹き飛ばしたのは兄ちゃんやって言うんで話聞きにきたんや」 ガラ悪っ! つーかこのゆっくり、あれだけけっ飛ばしたのになんで生きてるんだよ……。 「そう言われても、俺今日ここから出てないですし……」 「なにいってるのさ、さっき──」 レバーを回す。 「あぎゃがぎゃがっ! も、もうやめでよ゛っ!」 余計なことを言うからだ。 「それにゆっくりをけっ飛ばすなんて誰だってやるでしょ、俺だっていう証拠がないじゃないですか」 「まぁそうなんやけどな……」 俺の言葉に面倒くさそうに頭を掻く男。どうも泣きつかせて儲けようという考えだったらしいが、引く様子がないので迷っている。 そもそもガラス代も、この親れいむを加工所に連れていけばちょっとは金になるし、大きな騒ぎにしたくないのが本音だろう。 「ゆっ! そんなことないよっ! れいむを蹴ったのはおじさんだよっ!」 ……煩いのがまだいたか。 「だから証拠がないだろう。何かあるのかよ」 「れいむの子供どこにやったのっ! あの子たちがいる筈だよ!」 「この部屋のどこに子ゆっくりがいるんだ?」 周りを見渡す男と親れいむ。もちろん子ゆっくりなんて影も形も見あたらない。あるのはかき氷に乗ったあんこだけだ。 「ゆっ! そ、そんなはずないよ! どこにいるのぉっ!」 呼び掛ければ返事をしてくれると、親れいむが叫び始める。 その間に、男と目があった。 「……」 手に持っていたかき氷を見せる。 「……」 男は頷くと、そのまま親れいむを片手で鷲づかみにした。どうやら伝わったらしい。 「ゆっ!? な、なにするのお兄さん!!」 「どうやら嘘だったみたいだな……」 その言葉に、親れいむは饅頭肌を青くして震えた。 ……どうやって色変えてるんだ、この不思議生物。 「ち、ちがうよ、れいむうそなんて」 「それじゃ約束通り、加工所いこか」 「いや゛ぁぁぁあ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁっ! かごうじょばい゛や゛だぁぁぁあ゛あ゛ぁっ!!」 暴れ回るが、ゆっくりが人の力に逆らえるわけがない。 食い込む親指の感覚に震えながら親れいむは連れて行かれる。 ……。 出て行く瞬間、俺は親れいむが見えるようにかき氷を食べ始めた。 「あ゛あ゛っ!!」 扉が閉められる。 親れいむの暴れている声が聞こえていくが、もう俺には関係ない。 ……やれやれ。 ため息をついてその場に座る。予想してなかった騒ぎに疲れがたまった。 ……。 俺は最後の光景を思い出し、思わず顔がにやけてしまう。 あの絶望で満ちた顔に、俺は溜飲が下がる思いだった。 さて。 業務用かき氷機の方を見る。 「おじさんゆっくりじゃないねっ! 早く外してねっ!」 さっきは喋らなかったので、ちょっとは学習したかと思いきや、時間が経つとまた水色は喚き始めた。 ……やっぱり、馬鹿だから数分で忘れたんだな。 それだけ忘れられたら、人だと幸せに生きられるんだろうが、水色が忘れても鬱陶しいだけだ。 しかし、どうするか。 全部削って食べるのは流石に辛い。 いっそ、削ってそのまま流しに捨てるか。 水色を処分する方法を考えながら、取りあえず腹が減ったので俺は洗い場の方へ向かう。 「ちょっとむししないでよっ! アタイはむしたべるんだからねっ!」 ……。 一瞬、無視なんて知っていたのかと思ったが、やっぱり馬鹿は馬鹿だった。 何かないかと食材を探し始める。 えーと、何か食えるものが……。 ……あ。 「だからむししないでっ! アタイたべちゃうよっ!」 ……うん、面白そうだな。 俺はその場から離れると、今度はかき氷機に近づいていった。 「ゆっ?」 「わかったわかった助けてやるよ」 頭についたレバーをゆるめ、水色を動けるようにする。 途端、水色は俊敏な動きで逃げ出していた。 「ゆっ! ようやくアタイがゆっくりだってわかったみたいね!」 だから、その速さのどこがゆっくりなのかと。 「でもおじさんはゆっくりじゃないねっ! アタイそろそろかえるよっ!」 「ああ、帰るのか?」 「ええ! ゆっくりじゃないおじさんはとっととれいとうはそんされてね!」 破損してどうする。 「残念だな。せっかくエサを用意してたんだが……」 言った瞬間、水色がこっちを見ていた。凄い食いつきだな……。 「エサっ? アタイしたにはうるさいよっ!」 「ああ、ゆっくりには美味しいって絶賛されているものがあってね。それなら満足できると思ったんだ」 ゆっくりに絶賛と聞いて興味が惹かれたらしい、さっきまでとは打って変わって瞳が輝いている。 「いいよっ! ゆっくりたべてあげるねっ!」 「そうかい、それじゃちょっと待ってな」 俺はまた洗い場へ引き返す。 水色に与える食材を手に取り、そのまま引き返してきた。 「それじゃ今から目の前に置くから、ちゃんと凍らせろよ」 「もちろんだよ! アタイに任せておいて!」 顔を張って自信満々に言う。 俺は手を開き、素早く食材を置いた。 水色の顔が膨らみ、瞬間冷凍しようと冷気を吐く。 しかし、食材が凍ることはなかった。 「ゆっ?」 「なんだ、凍らないみたいだな」 食材は水色よりも小さいながら同じゆっくりだ。しかしゆっくりカエルを食べていた水色には特に疑問はないらしい。特に気にせず、どうして凍らなかったのかを考えている。ああ、馬鹿でよかった。 「まぁいいじゃないか。そのまま食べてみたらどうだ?」 「もちろんアタイそのつもりだよっ! おじさんはだまってて!」 はいはい。 言われた通り黙っておくと、水色は躊躇せず大きく口を開けて、そのゆっくりを飲み込んだ。 「もぐもぐ」 「……」 「もぐもぐ……っ!?」 突然、口を開いたまま水色が痙攣し始めた。 「どうした? 美味しくないかっ?」 「ちがうよっ! アタイゆっくりだよっ!」 なんか慣れたな。 「お、おじさんっ!」 「なんだ?」 「あ、熱いよっ! すっごくあつじっ!?」 水色が最後までいい終わらないうちに、食べたゆっくりは水色の頭を通って中からはい出てきた。 「もこーっ!」 それは、ゆっくりもこうだった。 やっぱり、中で燃えると溶けるもんなんだな。 「あ、あああああああああっ!」 水色の痙攣は止まらない。もこうはそのまま水色の頭に乗って燃え続けている。 「もっこもこにしてやるよっ!」 「とける、アタイとけちゃうっ!」 もう頭の上部分は完全に溶けて、俺の家の床を水浸しにしていた。あとで掃除しないとな……。 「おじさんっ! 水っ! 水ちょうだいっ!」 「水ならそこの壺に入ってるぞ」 言い終わった途端、壺に向かって飛んでいく。 しばらくして、水色の大きな声が聞こえてきた。 「なかからっぽだよぉおおぉおおおぉおおぉっ!」 そりゃな。もったいないじゃないか、水が。 俺は両手でしっかり抱え、そのまま壺に向かっていく。 中を覗き込むと、もう半分近く溶けきった水色がそこにいた。 「お……おじさ……アタイ……」 「何だかさっきよりゆっくりしてるなっ!」 「……ち、ちが……」 「そんなお前にプレゼントだ。受け取ってくれっ!」 水色の上へ抱えていたものを落としていく。 抱えていたのは大量のゆっくりもこうだった。 「あ……」 「もこたんいんしたおっ!」 全員が一斉に炎を纏う。 「……あた……」 あっという間に、水色は溶けきって水に変わっていた。放っておけば蒸発し、跡形もなくなくなるだろう。 俺は安心と落胆でため息をついた。 やれやれ、もうちょっと使えると思ったんだがなぁ……。 もこうは一定時間炎を纏う。出せる時間に制限があるものの、物を燃やす時はかなり便利だ。 俺は使えるゆっくりはちゃんと使っていくが、使えないゆっくりほど邪魔なものはない。 いいゆっくりは、使えるゆっくりだけだ。 さて……。 改めて飯を食おうと、洗い場へ近づいていく。 「もこーっ」 そこに残っていたゆっくりもこうが、元気な声を上げていた。 End ゆっくりちるのをゆっくりもこたんで溶かしたかった。 すっきりー。 by 762 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3536.html
※厨なオリキャラ注意 ※もはやゆっくりじゃネエヨ的なゆっくり注意 ※ドス注意どころの騒ぎではない ※舞台が現代なのに蓮子・メリー以外の原作キャラ注意 ※れいぱー注意 ※何かもうやりたい放題注意 「しゃちょ~・・・なんで、私が貴女と一緒に山登りをせにゃならんのですか?」 「ん~、そうねぇ・・・そこに山があるからかしら?」 「意味が分からん!」 私はゆっくりカンパニーの系列店『ゆっくりショップ』でアルバイトをしている程度の普通の女子大生だ。 現在、何故かゆっくりカンパニーの(見た目は)若き(年齢不詳の)女社長と一緒に山を征服中。 一体何故、と訊かれても社長が何も語らない以上、私にも分からない。そもそも、社長と私には殆ど接点がない。 服装こそいかにもこれから登山!と言った感じのものになっているが、寝ている間に社長に着せられたものだったりする。 ついでに言うと、寝ている間の連れてこられたので、ここが何県にある何という山なのかも全く分からなかった。 それ故に釈然としない気持ちを彼女から渡された登山用のリュックと一緒に抱えながら、えっちらおっちら歩を進めていた。 「ふふ・・・素直で宜しい」 文句を言いながらもついてくる私を見て、社長は微笑む。 当の彼女の服装は八卦の描かれたどこかチャイナテイスト・・・のような気のする紫色のドレスで、とても登山向きではなかった。 なのだが・・・社長は年齢(不詳だけど)を感じさせない軽やかな足取りで、うふうふ笑いながら事も無げに先へ先へと進んでいる。 そんな彼女のウェーブのかかった艶っぽい金髪の揺れる背中を見つめながら、私は完璧超人っているものなんだなぁととしみじみ思った。 美人で、若くしてひとやま当て、あの体力で、きっと頭も良いのだろう。もっとも、真性の変人ぶりが全てを台無しにしているが。 「さあ、目的地まであと1200mよ、もちろん高さで。三次元を感じましょ」 「『しょ』じゃない。寝起き早々それは拷問・・・そもそも、ここ何処?」 「ひ・み・つ♪」 社長の口から飛び出したかなりあんまりな数字にため息を吐きつつ突っ込みを入れるが、当然全く相手にしてもらえない。 目元に胡散臭い笑顔を浮かべ、いつの間にやら取り出した扇子で口元を隠した、全く思考の読めない表情で私の様子を伺っている。 ここは何処なのか、何故登山をさせられているのか・・・などなど、私の問いはことごとくはぐらかされていた。 この質問をすること自体、もう何度目になるかも分からないような有様で、既に諦めてはいるけれど。 まともに回答を得られた質問と言えば「うちのゆっくりどもは?」というものくらいだが、今の私の置かれている立場を把握する上では何の意味もない。 「はぁ、酒でも飲みながらゆっくりするつもりだったのに・・・」 「肉体労働の後の一杯は最高よ?」 「理由の分からない強制労働でなければ、ね・・・はぁ」 暖簾に腕押し、柳に風、ぬかに釘・・・こういう諺は枚挙に暇がない理由が何となく理解できた。 きっと、昔の人もこういう偉い人の酔狂に振り回され、会話のドッヂボールに惨敗し、頭を抱えまくったんだろうな・・・。 相手がゆっくりというわけでもないのに会話が成立しないというのはなかなか煩わしく、私は心の中で毒づいた。 このゆっくり人間がッ!・・・と。いや、ゆっくり人間にどうこう言うつもりはないが。 「と、まあ、出発と終着の境界を飛び越えて、目的地に到着」 「何が飛び越えて、だか・・・あ゛ー疲れた~・・・」 4時間後。私と社長は苦労の甲斐あって無事目的の場所とやらに到着した・・・らしい。 何故「らしい」と付くのか?答えはいたって簡単で、ここが山頂ではなく、そこを目的として登山する理由が見出せないから。 山頂はまだ大分先で、右を見ても左を見ても木々が鬱蒼と生い茂るばかり。どう見ても道に迷ったとしか思えない。 道中を省略されてしまったので分からないかもしれないが、何度か質問はした。そして案の定、はぐらかされた。 「ふむ・・・なるほど・・・あらあら・・・」 で、今に至っては一人で辺りを見渡しながら、うんうんと頷きつつ、何か訳の分からないことを呟いている。 万が一にも実は「ふむ・・・なるほど、道に迷ったのね?あらあら、大変」なんて言っていたら、たとえ社長でも張り倒してやる。 そんな事を決心しながら、限界に近い足をゆっくりさせてやる為に近くにいたゆっくりに腰かけ、悠長な様子の彼女を睨め付けていた。 「ゆぐっ・・・」 ようやく一息つけたということもあって思わずため息が漏れる。さっきから漏れっぱなしのような気もするがこの際、気にしない。 「ゆっくりぃー・・・」 散々山道を歩き続けた私の足はもはや抱腹絶倒の大爆笑で、喉は乾季の砂漠の如くカラカラだった。 「ゆっくりしてよー!」 それに、無理矢理連れてこられたものだから朝ごはんも食べておらず、その事を思い出した途端にお腹の虫が鳴きだした。 「ゆっくりできないよぉー・・・」 腹の虫がまるで我が家で飼っているゆっくりどものようにゆーゆーと喚いてうるさいったらありゃしない。 「・・・・・・んあ?」 「ゆえーん!ゆっくりできないよおおおおおお!?」 「あら?」 私のお尻の下で泣いているのは一匹のゆっくりれいむ・・・・・・どうやら私は本当に疲れていたようだ。 そこにゆっくりがいると理解した上でゆっくりに腰掛けたのに、ゆっくりがいることを完全に失念していた。 かなり大きな個体で体高は70cmくらいはあるが、中身が餡子のクセに異様に軽いゆっくりの場合、体重は20kgあるかどうか。 なおかつ彼女達は非力だ。その上に2倍以上の体重があるであろう私が乗るとなると相当な苦しみを伴う。 「ゆえーん!ゆえーん!いだいよおおおおおお!?」 「・・・はぁ、参ったなぁ」 「あらあら、大変」 いや、大変というよりも面倒臭いんだよ・・・そう突っ込んでやろうと社長のほうを振り向くが、彼女は私に背中を向けて、あらぬ方向を見ていた。 そして、その視線の先には・・・何故か、社長を下膨れ饅頭風に、つまりゆっくり風にデフォルメした巨大ゆっくりがいた。 あれは確か『ゆっくりゆかり』、またの名を『ゆっかりん』と呼ばれるゆっくりだ。それにしても本当に馬鹿でかい。 念のために言っておくけど、1mやそこらの大きさじゃない。目測だが、5mを優に超える規格外の巨体である。 『ゆっかりんたちのゆっくりしたおうちからゆっくりいね!』 力強い怒声と共に社長をデフォルメしたような風貌の饅頭巨体が社長本人めがけて思いっきり突進してきた。 いくらゆっくりと言えどこのサイズになれば重さも相当なもの、1tを超える可能性だって否定できない。 流石にこれは不味いんじゃなかろうか?しかし、私が助けに入ってどうにかなるような状況でもないし、第一間に合わない。 しかし、多分原因が私にある以上、放っておくわけにも行かず、やれやれとまたため息をつきながら立ち上がったとき、社長は左手の掌を突き出して私を制止した。 そして右手の扇子を閉じると、巨大ゆっかりんに向かって掲げ・・・巨体の持つすべてのエネルギーを容易く受け止めてしまった。 厳密に言えば、扇子の先から発せられているくるくると回る不思議な光の壁によって膨大なエネルギーが無力化された。 『ゆっ・・・ゆゆっ!?』 「んなっ・・・?!」 「・・・貴女は囮。本命はあっちの子ね」 その美貌に相応しい、思わず聞き惚れてしまいそうな妖艶な声で囁く彼女の左手にはいつの間にかクナイが握られている。 そして私の、いや正確には私の後ろにいる何かを一瞥すると巨大ゆっかりんを制したその姿勢のまま、腕力だけでクナイを投擲した。 本来は工具だったと言われているそれが時速100km近い信じがたい速度で私の横をすり抜けて行く。 ありえない速さではないが、壁を這うゴキブリを赤ゆっくりで潰せる程度には野球やソフトボールの経験のある私の目にはそれはありえないものだった。 常識的に考えて、腕力任せの下手くそな投擲で、あんな速度を出せるはずがない。 『ゆぎゃ!?』 クナイが通り過ぎた直後、背後から短い、しかしはっきりと聞き取れる大きな悲鳴が聞こえた。 とっさに振り返った私の視線の先にいたものはもう一匹の巨大ゆっくり。こちらはまりさ種で、恐らくドスまりさと呼ばれるゆっくりだろう。 見るのは初めてだが、有名な巨大種だから、間違いない。最強のゆっくりと名高いそれが、たった一本のクナイで無力化されている。 舌を突き出して、ごろんごろんとのたうち回っては周囲の木々をなぎ倒し、自分の皮を傷つけていた。 『ゆゆっ!どうしたのまりさ!?』 『ゆぎぃぃぃいい!したがっ!したがああああ!?』 「ドスパークのエネルギーを充填しきる前に暴発させてもらっただけよ、死にはしないわ」 飄々と、今の社長にはそんな言葉が良く似合う。2匹の巨大ゆっくりを前にして、彼女の余裕に満ちた心も、衣服も全くと言っていいほど乱れていない。 ドスまりさは口内の火傷のせいで戦闘を続行できるような状態ではないし、巨大ゆっかりんも既に戦意を喪失していた。 全く状況を飲み込むことが出来ないが、一つだけ確かなことは私は今まで人外の何かから給料を貰っていたということだろう。 さて、どうしたものか・・・と頭をかいていると、今度は木々の陰から無数の通常サイズのゆっくりが躍り出てきて、社長めがけて石をぶつけ始めた。 「「「ゆっくりーー!!」」」 「どすをいじめないでね!」 「「ゆっくりできないよ!」」 「「「「「ゆっくりできないおねーさんはゆっくりどこかにいってね!」」」」」 小さな体をめいっぱい使って、あらん限りの力を振り絞って、口にくわえた石を投げつける通常サイズのゆっくり達。 相手は巨大種が2匹同時に挑んでも敵わない、まさに次元の違う強大な存在、ソレと対峙することが怖くないはずがない。 しかし、ゆっくり達は社長に睨まれ、怯みながらも逃げ出さずに果敢に投石を繰り返す。 もっとも、腰が引けているせいで殆ど届きさえしないし、届いたところであっさりと叩き落されているのだが。 「へぇ・・・こっちでよくもまぁ、これだけのゆっくりを集められたものね」 飛んでくる石の中から、当たるであろう石を瞬時に、かつ正確に見極めて、空いている左手でそれらを叩き落とす社長。 彼女の目は一見微笑んでいるように見えるが、「痛くも痒くもないけど向かってくるのなら仕方ない」という消極的な殺意が宿っている。 その殺意の外にいる私でも背筋が凍りついて、蛇に睨まれた蛙のように身動き一つ取れない。おお、怖い怖い。 『ゆゆっ!み、みんな止めるのよ!お姉さん、この子たちはゆっかりんを守ろうとしているだけよ!』 「言われなくても分かるわ、それくらい」 『だから見逃してあげてね!ゆっくり出来ないのはゆっかりんだけでいいのよ!』 「あら、何かしようってつもりはなかったのに、貴女から進んで研究対象になってくれるなんて、嬉しいわ」 「「「「「「ゆっかりんをゆっくりさせないおねーさんをゆっくりやっつけるよ!」」」」」」 最後の社長の言葉を聞いたゆっくり達は、投石による攻撃を諦めて体当たりを仕掛けようと接近する。 どう考えても投石のほうが効果的な気もするが、これだけの数がいるのなら案外押しつぶすことも出来るかもしれない。 もっとも、相手が巨大種の突進を容易く受け止めるような化け物でなければの話だが。 「・・・ゆっくりにしては勇敢ね」 リーダー思いのゆっくりを見つめる今の彼女からはいつの間にか殺気が消え、どこか慈悲深い笑みをたたえている。 先ほどの殺意など微塵も感じさせない、太母という言葉が似つかわしい、そんな柔和な表情。 貴女達の勇気に免じて・・・社長はそう呟きながら、ゆるやかな、そしてしなやかな動作で左手を右から左へ振った。 「「「「「「ゆゆゆっ!?」」」」」」 すると、一瞬にしてその場にいた全てのゆっくり達が足元に出現した不気味な穴へと吸い込まれていった。 突然の巨大饅獣VS超人の対決からおよそ3時間後。 現在、私と社長は巨大種2匹を含むゆっくり達から手厚い歓迎を受けていた。 『おねーさんもおねーさんも、ゆっかりんのおうちでゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね!』 「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」 「「はいはい、ゆっくりゆっくり」」 私たちの周りをにこにこ笑顔を浮かべながら跳ね回り、喧しく騒ぐゆっくりども。 先ほど、スキマ(と言うらしい)に落とされたゆっくり達は全員傷一つない状態で、ゆっかりんの傍に落とされたので一匹たりとも欠けていない。 ソレによって、察しの良いゆっかりんが私たちに害意がないことに気付き、お詫びの意味も兼ねて歓迎したいと言い出し、あれよこれよという間に今に至る。 「ところで社長・・・」 「何かしら?」 「結局、何で私が同行させられたんで?」 「それはね・・・貴女がゆっくり人間だって聞いたからよ。私だけじゃリーダーがみょん種だったら会話が成立しないもの」 いや、私は生物学的見地から至極平凡な人間である事が証明されているんだが。鏡見ても普通に人間にしか見えないし・・・と言ってたところで話を聞きそうにないか。 やれやれ、と心の中で呟きながら、目の前にうず高く詰まれた宴会用の食料の山に目をやる。 雑草や虫など人間があまり食べないものがメインだが、中には私でも食べられそうな果実やキノコなんかも積まれていた。 それらを川で洗い、時には近くにあった木の枝を洗ってから、ソレに突き刺して、社長の熾した火で炙って食べる。 「むしゃむしゃ・・・んまい♪」 「そうねぇ、たまにはこういうのも悪くないわねぇ」 「これでお酒があったら言うことないんだけど・・・」 「・・・飲む?」 なんだかよく分からないがとりあえず食べられるキノコを咥えたまま、中空にスキマを作り出した社長は、そこから大きな瓢箪を取り出した。 スキマの中から「こらー!私の瓢箪返せー!」という声が聞こえたような気がしたが、スキマが閉じられ、確認する術がないので気にしないでおこう。 そして、いつの間にやら用意していた2人分のコップにお酒を注ぎ、そのうちの一つを私に手渡した。 「ありがたくいただきます、社長!」 「ふふ、現金ね」 コップを受け取り、乾杯を済ませた私たちは最初の一杯目を一気に飲み干す。 それからは、各々勝手に瓢箪のお酒を注いでゆく。私も社長もかなりのハイペースなのに瓢箪のお酒は一向になくなる様子を見せない。 どうなっているんだろうと思ったものの、昼間に彼女が人ならざるものであることを散々見せ付けられていることもあってか、追求する気にはならなかった。 美味しいお酒が沢山飲めるのならそれでいいじゃないか。 『ねえ、お姉さん達!』 「ふぅ・・・なにかしら?」 これで7杯目になるお酒を飲み干した社長は、ドスまりさの呼びかけに応じて彼女の方を向いた。 一方、私は「達!」と言われた所で巻き添えを食っただけの身の上なので、全てを社長に任せて、適当に群れのゆっくりと戯れる。 先ほど下敷きにしてしまったれいむが、お酒に興味を示していたので少しだけ飲ませてやると、不味いと叫びながら泣き出してしまった。 社長はそんな私を横目で一瞥して「早くあやしなさい」と無言の圧力をかけて来る。 『お姉さん達はここに何しに来たの?』 「私たちはここのゆっくりの調査に来たのよ」 『ゆっかりんたちの調査?』 「ええ、最近この山でおかしな事が起きていると聞いたものだから」 私に抱え上げられてあっという間に機嫌を直し、「おそらをとんでるみた~い」と大喜びするれいむの目を見ながら、2匹と1人の話を聞いていた私はようやく合点が行った。 確か、ゆっくりカンパニーの環境方針には野生のゆっくりや野良ゆっくりによる生活環境や自然環境への影響の調査や予防が含まれている。 今までの調査でこの山にゆっくりが生息していることを把握していた彼女は、この山の異変がゆっくりによるものではないかと調査に乗り出したんだろう。 ・・・理由が分かったといっても、何の意味もなく巻き込まれたことはやっぱり腹が立つが。 『おかしな事ってどんな事?』 「一晩で木々が30本ほどなぎ倒されていたり、大木に絞め殺しイチジクにでもやられたみたいな跡があったり・・・」 『ゆゆっ!まりさ達そんな事しないよ!』 社長の言葉に反応して、自分たちの無実を訴えるゆっかりんとドスまりさ。 もっとも、社長も彼女達がそんなことをするとは思っていないようで、分かってるわとだけ言って頷く。 私もその意見に全面的に同意で、とてもじゃないかこいつらが無差別破壊をやらかすとは思えない。不可抗力で・・・という可能性はあるが。 そもそも、そんな目立つ行動を取ってしまってはドスまりさ達の存在が公のものになってしまうのではないだろうか? そして、そんなデカブツを素直に放置してくれるほど世間様は甘くないだろう。 「そう・・・仕方ないわね、続きは明日にして、今日はここで寝ましょう」 『お姉さん達はゆっくり出来るからまりさ達と一緒にゆっくり寝てもいいよ!』 ちょっと待って欲しい、平凡な人間である私はあんな巨大饅頭に寝返りを打たれたら死ぬ。 しかし、既に寝る気満々の社長にそんな私の命に関わる重要なツッコミ入れる隙は一瞬たりとも存在しなかった。 ゆっくり風に言うならば、ごわぐでぜんぜんゆっぐりでぎないよおお!と言ったところだろうか。 いつ寝返りを打つか分からない巨大種2匹に戦々恐々で、全く眠りにつくことのできなかった私は、集落から200mほど離れた小川で夜風に当たっていた。 適当な岩に腰掛け、夜空に瞬く無数の星を眺めながら、川のせせらぎと風に揺れる木々のざわめきに耳を傾ける。 「・・・・・・・・・静かだなぁ」 自宅にいる時はこの時間ならまだれいむ辺りを抱きかかえたまま、テレビを見ながらすいかの角の酒を飲んでいる頃だろうか。 何にせよ、パジャマに着替えたは良いがまだまだ宵の口といった程度で、バカ騒ぎの真っ最中だろう。 あいつら、今頃どうしてるかな?・・・案外平然としてたら癪だな。 社長が面倒は部下に見せていると言っていたけど、迷惑をかけていないだろうか? などなど、気がつけば鬱陶しい金食い虫の居候のことを考えている自分に気付き、思わず苦笑が漏れる。 『ゆゆっ!どうしたの、お姉さん?』 とまあ、一人最近のラノベにありがちな語り部も兼ねる無気力系主人公の成長フラグみたいなことを考えていると、巨大ゆっかりんが小川にやって来た。 ぽよんぽよんと体高だけでも私の3倍を超えようかという巨体を揺らしながら私の隣に跳ねてくる。 うっかり踏まれたりぶつかられたりすると即命に関わるのかと思うと少々笑えないが、流石にそんな失敗はしないだろう。 予想通り、私の傍まで来たところで跳ねるのを止め、底部を細かく動かして私の隣に腰を下ろすゆっかりん。 立っているのか座っているのかの区別のつかない連中ではあるが、多分座っているつもりなのだろう。 「んあ・・・ゆっくりしてただけだよ」 『ゆゆっ!じゃあ、ゆっかりんも一緒にゆっくりするわ!』 ちょっと予想外の展開。ゆっかりんは力を抜いてゆっくりとした表情を浮かべ、ゆっくりした雰囲気を放ち始めた。 まさにこれこそゆっくりといった感じだ。ゆっくりのゆっくりたるゆえんをゆっくりとゆっくりしてゆっくり体現している。 でかくてもやっぱりゆっくりはゆっくりなんだな、と妙に感心してしまった。 『お姉さん』 「んあ?」 『お姉さんはとってもゆっくり出来る人だわ!だから・・・す~りす~りしてもいいかしら?』 「止めて、プレッシャーだけで死ねる」 『ゆぅぅぅ・・・・・・』 涙目になるな鬱陶しい、とは巨大饅獣相手には流石に怖くて言えなかった。 何を饅頭ごときにと思うかもしれないが、そういうことは袈裟懸け(ヒグマ)の2倍に達する巨体を目の当たりにしてから言って欲しい。 でかいというのはとにかく理不尽かつでたらめなものなのである。おお、饅頭怖い饅頭怖い。 『そうだわ!だったらお姉さんがゆっかりんにすりすりしてね!』 「・・・何その斬新な発想?」 『ゆっかりん暖かいわよ?ゆっかりんの綺麗な髪に包まってもいいのよ!』 なまじ(何故か)社長をデフォルメしたようなデザインも手伝ってか、なんか殴りたくなってくる。 ・・・のだが、物凄く期待に満ちた眼差しでこっちを見ていることに気付いてしまい、なんだか断れなくなってしまった。 チクショウ、こいつ綺麗な目ぇしてやがるじゃないか・・・。 「・・・わかったよ、すりすりすりゃいいんだな?」 『ゆっかりすりすりしてね!』 「はいはい・・・」 しぶしぶゆっかりんの髪を引っ掴んで包まり、ゆっかりんの頬にぴたっとへばりつき、頬擦りをする。 ゆっくりゆかり特有の(と思われる)物凄い弾力と、意外にも綺麗で張りがあって艶やかな頬は想像を絶する触り心地の良さだった。 それに・・・ゆっかりんの頬、暖かいナリ。悔しい、悔しいが認める。こいつ気持ち良い。 すりすり・・・すりすり・・・ ぷにぷに・・・ぷにぷに・・・ 『ゆゆ~ん、やっぱりお姉さんはゆっくりしてるわ!ゆっかりんのお母さんみたい!』 「いろんな意味でお前みたいな子どもはいらない」 『でもね・・・ゆっかりんのお母さん、ずっと昔に死んじゃったんだよ・・・凄く強くて大きなドスまりさだったけど・・・』 「・・・・・・」 ああ、もうチクショウ、潤んだ目でこっちを見るな。分かったから、気が済むまですりすりしてやるから! 観念した私はがしっとゆっかりんの頬を掴んで頬擦りをしてやると、ゆっかりんはだらしない笑みを浮かべて一層ゆっくりし始める。 すりすり・・・すりすり・・・ ぷにぷに・・・ぷにぷに・・・ 昔、友人に性格と口は悪いけど面倒見が良いからなんて理由で部活の副部長に推薦されたのを思い出した。 彼女達がそんな具合に仲良くゆっくりしていた頃、山では異変が起きていた。 「ゆぐっ!?やべでね!でいぶのおぢびぢゃんゆっぐぢさせであげでね!?」 「「「「おきゃあああぢゃああああああん!!」」」」 群れには属さないゆっくり一家の巣のすぐ外で、惨劇が繰り広げられていた。 そのゆっくりれいむのつがいはゆっくりまりさで、彼女達の間には7匹の子どもがいた。 4匹がゆっくりれいむで、3匹がゆっくりまりさ。皆とってもゆっくりした可愛い子ども達だった。 しかし、いまやつがいのまりさも3匹の子まりさも黒ずんで朽ち果てていた。 彼女達の亡骸の頭には無数の蔦が生えている。が、あまりに量が多く、実を結ぶことはない。 『んっほっほ・・・おちびちゃんたち!ありすのとかいはなあいをそそいであげるわ!』 「やめぢぇえええええええええええええ!?」 「うにぇうにぇしゃんきょあいいいいいいい?!」 「おきゃああああああしゃあああん!」 彼女達に絡みついて身動きを封じるのは太くて長い触手。そして、それらの持ち主はゆっくりありすの変異種だった。 しかも、馬鹿でかい。体高は2mを上回り、触手も太い部分は成人男性の腕くらいの太さでなおかつ4mほどの長さ。 そんなものが10本ほど、巨大なゆっくりありすに備わっていた。 大方、性欲によって定向進化でもしたのだろうが、これはもはやゆっくりではないと言わざるを得ない。 「やべでね!でいぶのおぢびぢゃんにひどいごどぢないでね!?」 『ひどいことなんてしてないわ!とかいはなあいをあげているのよ!』 「ゆびぇ!・・・ぢゅ、ぢゅっぎぢー・・・・・・」 本来ならばすっきりの恐ろしさなど子ゆっくりには漠然としか分からない。 しかし、まりさ達が犯し殺されるのを目の当たりにしている子ゆっくり達はそれがゆっくり出来ないことであると理解している。 だからこそ、必死になって巨大ありすの触手から抜け出そうと抵抗するが、あまりにも力が違い過ぎる。 何度目になるかも分からないすっきりさせられて黒ずんだ子れいむが投げ捨てられ、さっきまで彼女の上を這いずっていた7本の触手が別の子れいむへと大挙する。 『ゆふふふふふふっ・・・つぎはあなたをとかいはにこーでねーとしてあげるわ!』 「やめちぇええええええええええええ!」 『そんなこといって・・・れいむちゃんってばツンデレさんね!』 そして再び繰り広げられる凄惨な陵辱。 子れいむはあまりにも大きすぎる触手を口内に乱暴にねじ込まれ、今にも窒息しそう。 しかし、実は呼吸をしなくても生きてい行けるともっぱらの噂の彼女達は窒息によって楽になることはありえない。 口内を乱暴にかき回され、思わず餡子を吐き出しそうになるが、汚らわしい触手がそれを許さず、吐き気がずっと留まっている。 「うびぃ・・・うっ・・・」 『さあ、たのしくすっきりするのよ!』 そればかりか、子ゆっくり1匹相手には過剰とも思えるような数の触手が子れいむの頬をさすり、全身に振動を与えてゆく。 うねうねと蠢く触手に弄ばれる子れいむはやがてありすと同時に最初のすっきりを迎え、幼くしてば~じんを失った。 その後も終わることなく嬲られ続け、ものの数分で百回近くすっきりさせられ、アレコレ注がれた子れいむは蔦を生やしたまま黒ずみ、朽ち果てた。 「やべでね!でいぶのおぢびぢゃんごれいじょういぢめないでね!」 『ゆふふ・・・じぶんからすすんでまっさーじだなんてとかいてきなれいむね!』 「おきゃあしゃん・・・がんばっちぇね!」 「おきゃーしゃんがおみゃえをやちゅけてくれりゅよ!」 もはや母にすがるしかない子れいむ2匹は、現実から目を背けて必死に母を応援する。が、当然全く歯が立たない。 れいむが何度体当たりしてもありすは揺るぎもせずに次の子ゆっくりを犯しに取り掛かっている。 が、しかし、犯すばかりの単調作業に飽きたのか、何の前触れもなく、子ゆっくりを握りつぶしてしまった。 「おぢぶぢゃあああああああああああああん!?」 『ゆふふふふ・・・これであなたのいなかもののおちびちゃんはあとひとりよ!』 「ゆぐっ・・・ぐすっ・・・お、おかーしゃぁん・・・」 「おでがいぢまずうう゛う゛ううう゛!なんでぼぢまずがらぼうでいぶのあがぢゃんにひどいごどぢないでええええええ!?」 最後の1匹になってしまった我が子を前に、必死になって許しを請う母れいむ。 それを見た触手ありすは、しばし何かを考え・・・ 『だったらあなたがありすをすっきりさせてね!』 そんなことを口にしながら、母れいむの口内に触手を1本ねじ込む。 妙に臭い触手を咥え、必死に舐めるれいむ。しかし、触手ありすはそれを冷めた目で見つめていた。 なんだ、期待はずれか。 心の中でそう毒づいて、最後の一匹を握りつぶした。 「ゆぐっ!で、でいぶのおぢび、ぢゃん・・・」 『かわいそうね!あなたのてくがいなかものだからしんじゃったわ!』 「ゆっ・・・ご、ごべんね・・・だづげで、あげ・・・ゆっぐ・・・」 物言わぬ饅頭と化した最後の子れいむを前に泣きじゃくる母れいむ。 その悲劇と絶望を田舎モノの三文芝居とせせら笑い、触手ありすは母れいむを叩き潰した。 『あれだけやっておいて最後はアレですか。おお、怖い怖い』 直後、またしてもゆっくりならざるゆっくりが何処からともなく姿を現した。 トナカイのような大きな角に、獅子を髣髴とさせる逞しい肉体、大蛇を髣髴とさせる大蛇に巨大な漆黒の翼、そして紛れもなくゆっくりの下膨れ顔。 目の前に広がる惨状にも眉一つ動かさず、きめぇ丸譲りのニヒルな笑みの張り付いた顔をブンブンとシェイクしている。 『あら、きめら丸じゃない!どうしたのかしら?すっきりしたいの?』 『どうしたのかしら、じゃないでしょう。貴女のお遊びにこれ以上付き合っている暇はありませんよ?』 『ゆゆっ!ゆっくりおもいだしたわ!とかいはなどすとすっきりしにいくのよね!』 『口を開けばすっきりですか。おお、卑猥卑猥・・・などとやっている場合ではありませんね。ティガを待たせていますから急ぎましょう』 2匹は住人のいなくなった巣を後にし、もう1匹の仲間ティガれみりゃと合流し、巨大ゆっかりん達のゆっくり集落へと向かっていった。 『ゆゆっ!何か来るわ!』 『どうも、清く正しくきめら丸です』 『お姉さんはまりさとあのお姉さんを呼んで来てね!』 「・・・んあ?」 突如姿を現したきめら丸と名乗るゆっくりを前に臨戦態勢に入るゆっかりん。 1匹だけこの場に放っておくのも心配ではあったが、目の前にいるきめら丸も人間をはるかに凌ぐ巨饅獣。 地面から頭までの高さだけでも2m近く、体長に至ってはゆっかりんを上回るほど。 こんな奴相手に私が出来ることなんて、饅頭相手にこういうのも癪ではあるが、やはり何一つないだろう。 「・・・わかった」 私は言われるがままにきびすを返し、ゆっくりの集落へと急ぐ。 後ろから、とてもゆっくり同士の喧嘩で出すような音ではない轟音が響いてくるが、振り返ってもしかない。 私はただひたすらゆっくりの集落を目指して疾走した。 異常事態にもつれる足を奮い立たせて何とか集落に到着した。が・・・・・・ 『んほっ!いっぱいいるわ!』 「「「「ごわいよおおおおおお!」」」」 「「「ごっぢごないでね!ぷくううううう!」」」 集落も何処かのおとぎ話から飛び出してきたような化け物に襲撃されていた。 1匹はレイパーありすの変異種だろうか、気色の悪い、おそらくぺにぺにが進化したであろう触手を巣の中へと伸ばしてゆく。 しかも、とにかく馬鹿でかい。他の巨大種よりははるかに小柄だが、それでも2mを超え、触手を含めると5mを軽く超えるだろう。 「やめちぇええええええ!?」 「やめてあげてね!いたがってるよ!」 『とかいはのあ~いをあげましょ~♪』 「わがらないよー!?」 「ちーんっぽ!?」 歌いながら10本の触手を自在に操ってれいむを、まりさを、ありすを、ぱちゅりーを、ちぇんを、みょんを片っ端から絡めとってゆく。 そして、口の中に触手をねじ込み、抜き差しを繰り返しながら快感を貪っている。 助けてやれるものなら助けてやりたい所だが、私が跳び出していってどうにかなるような相手とは思えない。 いかにもなレイパー面をしたそいつに見つからないように急いで木々の間を駆け抜け、ドスまりさの巣に急ぐ。 が、しかし・・・・・・ 『ぎゃお~!たべちゃうぞ~!』 「「でびりゃだああああああああ!」」 『みんな!まりさのうしろにかくれてね!』 ドスの巣の前にもこれまたおかしなゆっくりの姿があった。 一見するとただのれみりゃ変異種のれみりゃザウルスに過ぎないのだが、こいつもやっぱり馬鹿でかい。 ペタン、と座り込んでいるにもかかわらずドスまりさの帽子と同じ高さに顔がある。 立ち上がったらきっと8m以上になるだろう。 「・・・もうやだ、訳がわかんない」 何か頭の悪い夢でも見ているような気分になってきた私は頭を抱えながらドスの後ろに回り込み、彼女の巣の中へ入る。 もちろん、目的は社長。昼間にゆっかりんとドスまりさを容易く一蹴した彼女ならこの事態を確実に打開してくれるだろう。 しかし、私のそんな期待はいとも容易く打ち砕かれることになった。 「・・・こんな状況で平然と寝てるよ」 「zzz・・・zzz・・・」 この社長、何をやっても一向に起きる気配を見せない。 揺すっても、くすぐっても、叩いても・・・は後が怖いので出来なかったが、うんともすんとも言わない。 いくらなんでも寝すぎだろ。そう思いつつ万が一の奇跡にかけてキスもしたがやっぱり無駄だった。 サヨナラ、私のファーストキス・・・いや、いくらなんでもテンパり過ぎだ。 『うるさいんだどぉ~!』 「ゆぎゅ!」「れいぶのおぢびぢゃあああああああん!?」 「もっぢょ・・・ゆっくりいたかった、よ・・・」 『どすぱあああああああああああく!!』 『うぎゃあああああ!いだいんだどぉ~!』 外ではドスまりさとでかいれみりゃザウルスがゆっくりらしからぬ轟音をとどろかせながら大暴れしている。 その轟音が巣の中にまで侵入し、反響して耳を劈く大爆音になる、が・・・やっぱり社長は目を覚まさない。 王子様でも探してこなきゃならんのじゃなかろうか、真剣にそう思い始めたとき・・・ 「おね゛ーざぁん!どずが、ゆっぐぢぢないでにげでねっでい゛っでたよ!」 「・・・ん、ああ」 そう泣き叫びながら私たちの元にやってきたのは昼間私の尻に敷かれたれいむ。 と言われても、このゆっくりを差し置いてこの騒乱の中で惰眠を貪っている馬鹿社長をどうしたものか・・・。 何となく踏み潰されても大丈夫そうな気がしなくもないが、ゆっかりんの攻撃を妙な術を使って受け止めていた以上、多少の怪我はするかもしれない。 それに、あの気色悪いありすにまあなんだ、性的なニュアンスを伴うアレをナニされたりしたら流石に可哀相だ。 などと考えてしまうと放っておく訳にも行かないのだが・・・ 「らん~・・・ごふぁん、まだぁ~・・・・・・?」 その寝言を聞いた瞬間、れいむを抱きかかえ、巣の出入り口に向かって全力で駆け出した。 もう知らん。寝ている間にeraい目にあっても私にゃ関係ない! 一瞬でもあんな変人の心配をしたことを少し後悔しながら、巣から飛び出して森の中へと突っ込んでいった。 『うっう~、もうあきらめるんだど~♪』 『ゆぐぅ・・・ま、まだだよ!まだ、まりさは戦えるよ!』 私はれいむの目と口を塞いだまま、木々の陰に隠れて彼女達の様子を伺う。 巣の入り口付近では2匹の戦闘に巻き込まれた大量のゆっくりが餡子を撒き散らして平らになっていた。 僅かに息があるものも、呻き声を上げるのが精一杯で、どう見てももう助かりそうなものは皆無。 唯一その場でまともに動けるドスまりさも傷だらけでところどころ餡子が露出している。 「う~・・・めんどくさいやつなんだど~!」 『ゆっ!どうしてまりさをやっつけないの?強くてエレガントなれみりゃなら簡単でしょ?』 「そんなのきまってるんだど~!いきてつれてこいっていわれてるからだどぉ~!」 『ゆぅ・・・誰かがまりさを狙っているんだね?』 ただの無駄話・・・というわけでもないようだ。 よく見てみればドスまりさは自分の足元に微弱なゆっくりオーラを展開して体力の回復を図っている。 どうやら、れみりゃの単純な頭を利用して褒めることでおだてつつ、話に乗せているらしい。 しかし、対するれみりゃは四肢一本の欠損すら見られず、多少の擦り傷や火傷以外の外傷が全くなかった。 多少傷が癒えたくらいでどうにかなる相手でないことは、目に見えていた。 『そう・・・まりさがいたせいでこんな風になったんだね・・・』 そう呟き、俯くドスまりさ。 それは違う。その誰かは・・・恐らく人間だ。まりさが居たせいじゃない、これはただの人間のエゴだ。 出来ることなら駆け寄ってそう言ってやりたい。が、飛び出していってもどうにもなるまい。 れいむを抱きかかえたまま、ドスまりさに背を向けて山林の中を駆けていった。 『ゆふんっ!まだいっぴきのこってたのね!』 「うげ、見つかった・・・」 「ゆえええええええん!こわいよおおおおお!?」 私だって怖いっつーの!ついでにレイプ中のこいつらの顔は生理的に受け付けないよ! しかし、怯えるれいむの前でそれを口にするわけにもいかず、決死の逃走を繰り広げる私達の前に立ちはだかる触手ありすを睨む。 見ているだけで不愉快な化け物とは言え所詮は饅頭だ。斧の一つでもあれば何とか対抗できるかも知れないが・・・ 「・・・うへぇ」 彼我の戦力差は圧倒的。そう判断した私は恐らくゆっくり達が舗装した道から、巨体には不利な木々の密集地へと駆け出す。 うねうねと蠢きながら襲い来る触手を必死にかわし、木々を避けながら触手ありすを誘導する。 幸い巨大化していてもゆっくり特有の鈍足は健在、私が全力で走ればある程度距離を稼げる程度の移動速度でしかない。 もっとも、結構な大型のれいむを担いで全力疾走できる距離など知れており、結局追いつかれる羽目になるのだが。 「よしっ!」 『れいむううううううう!ありすがとかいはのあいをあげるわああああああ!!』 とはいえ、そんなことはいくら私でも最初から想定している。 何とか狭い道を選んで木々をバリケード代わりにしながら触手ありすとの距離を保ち、逃げ続ける。 何処へ向かっているかを考える余裕なんてなかったし、そもそも自分が今何処にいるのかも分からない。 ただ、あんなのに捕まりたくない、それにれいむを放っておくわけにもいかない。 その一心だけで木々の隙間を駆け抜けた。 「おねえええざぁん!」 「あーっ、もうっ!五月蝿い!?」 抱きかかえられているれいむは大粒の涙をぼろぼろ零しながらも私の衣服に必死に噛み付いている。 多分人間でいうところのしがみ付くに相当する行動なんだろうが、動きにくくなるので正直鬱陶しい。 それにいい加減腕が疲れてきた。しかし、触手ありすの不快な咆哮がまだ聞こえてくる以上、ここで休むわけにもいかない。 『まぢなざああああい!れいむううううううううう!』 「ごわいよおおおおおおおおお!?」 怖っ!本当に何処の神話の世界から飛び出してきたんだか、あのミュータントは・・・。 とはいえ、上手く通行を阻むことが出来たのか、その声は徐々に小さくなっている。 このままなら何とか逃げ切れるはず。 そう思って安堵した瞬間・・・ 『ゆ゛っ・・・お、おね゛ーさ、ん?!』 『おや、ご自分から戻ってくるとは・・・おお、愚か愚か』 一体、どうすればこんなデカブツを見落とすのかと思うような巨体が2つ。 不運にも瀕死のゆっかりんと、きめら丸に鉢合わせてしまったらしい。 ぼろぼろの体で懸命に這いずってきめら丸と私たちの間に立ちふさがるゆっかりん。 『だべよ・・・おねぁざんはゆっがりんが守る、よ・・・』 彼女がきめら丸に蹂躙される光景を目にした瞬間、頭の中が真っ白になる。 更に絶望的なことに、薄れゆく意識の中で撒いたはずの触手ありすを視界の隅に捉えてしまった。 ゆっくりいじめ系2165 巨大ゆっくりの饗宴(後編)」に続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3308.html
年がら年中ゆっくりを虐待している俺だが、たまには生産的なこともする。 「ゆっくりしていってね!」 目の前には、5匹の赤れいむ。 1週間前に、近所の森にいた茎を生やしたゆっくりから毟り取ってきたものだ。 親ゆっくりは引っこ抜くついでに生ゴミにしておいた。 「おう、お前ら行くぞ」 バスケットに5匹の赤れいむを入れて、俺は家を出た。 向かう先は近所の森。 そこにターゲットのゆっくりがいるのだ。 そのターゲットのためだけに、俺はこの赤れいむ5匹を育てた。 「ゆっくりー!」 見よ。このゆっくりした赤れいむを。 俺が必死こいて育て上げた、もとい調教した結果を。 ゆっくちなどと糞ガキ丸出しのセリフなど言わない。 ぷりぷりした体はやわらかく、弾力に富み、なめらかだ。 指で触れると、まるでパウダーでもまぶしているかのようにススーっと滑る。 瞳はキランキランに輝き、髪の毛は美しいキューティクルを・・・ と、まあ要するに超ゆっくりしてる。 近所のゆっくりパチュリーに見せたら、あまりのゆっくりっぷりに興奮したのか、クリームを吐き散らして死んだ。 エサは虫やら草なのだが、そこに各種サプリメントを振りかけまくったので舌が肥えることなくムッチリしたのだ。 「今日は、近所のおねーさんに会わせてやろう。社会見学ってヤツだな。いい子にするんだぞ?」 近所のおねーさんというのは、ターゲットであるゆっくり霊夢のこと。 成体で、6匹家族だ。 れいむと5匹の生後1週間の赤ゆっくり。 赤ゆっくりは全部まりさ種だ。 なぜなら今回のネタのために、俺が隙を見てれいむ種だけ皆殺しにした。 伴侶のまりさも邪魔だったので、狩りに出ていた時に生ゴミに出した。 そうこうしている間に、ターゲットの住む洞窟についた。 とりあえず定番のセリフでいこう。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 「ゆっきゅり!」 「ゆっくち!」 「ゆっくい!」 「ゆっくてぃ!」 「ゆっくぴ!」 1匹の親れいむと、5匹の糞カスみたいな赤まりさが返事に応えてくれた。 さっそく本題に入る。 「れいむよ、かくかくしかじかだ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 1行で理解してくれて助かる。 3日ほど俺の赤れいむを預かってほしいという話である。 話の途中で嫌な顔をしたが、赤れいむを見せたらすぐに笑顔になった。 野生の親れいむにとって、俺の赤れいむは最高にゆっくりしている存在だ。 つい一緒にゆっくりしたくなったのだろう。 夏なので腐るほど虫がいるので食糧にも困るまい。 「そんじゃ、3日後に引き取りにくるから」 「ゆっくりさよならだよ」 俺は赤れいむ5匹を巣に入れてから、家に帰った。 「おにいさんのおチビちゃんたち、れいむのおうちでゆっくりしていってね」 「ゆっくちちていっちぇね!」 「まりしゃとあしょびたかったらクッキーちょうだいにぇ!」!」 「まりしゃたちとゆっくちちたかったらごはんちょーらいね!」 「まりしゃのほうがゆっくちちてるね!」 「にんげんしゃんのごはんをちょーらいね!」 小汚い洞窟に残された赤れいむに、家族が歓迎を示す。 洞窟同様、薄汚い家族に赤れいむは気分が悪くなったが、男の躾がよかったのでそれには触れなかった。 「ゆっくりするね!」 「れいむおねーさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりおせわになるよ!」 「いっしょにゆっくりしようね!」 「ゆっくりしていってね!」 その言葉に、親れいむは「ゆっ」と声を上げた。 「ゆゆ。おチビちゃんたちは、もうおとなのことばがしゃべれるんだね!すごくゆっくりしてるよ!」 自分の子供、赤まりさはお子様な言葉遣いだというのに。 なんてゆっくりした赤ちゃんなのだろう。 親れいむは感動した。 そして、3日の社会見学が始まった。 それは親れいむにとっては感動の連続であった。 朝。 いつもは赤まりさを無理やり起こしていた。 きっと赤れいむもそうなるのだろう。 そう思っていたが、なんと赤れいむは親れいむよりも早く起床していた。 「ゆっくりおきたよ!」 なんとハツラツな笑顔だろう。 親れいむが大切にしている朝一番のすりすりは、赤れいむと行った。 「れいむもかりにいくよ!」 「おねーさんといっしょにいくよ!」 朝食後、そんなことを赤れいむは言った。 赤ゆっくりが狩りをするなど聞いた事もなかった親れいむは驚く。 「ゆ・・・!?おチビちゃんたちは、もうかりができるの?」 赤れいむは、生まれたときから狩りをさせられていた。 男の躾は凄まじく、狩りに出ると親れいむよりも多くの食糧を集めた。 あまりの素晴らしさに、親れいむは赤れいむにたっぷりぺーろぺろをしてあげた。 ちなみに5匹の赤まりさは巣穴で呑気に寝ていた。 帰り道、川に差し掛かると赤れいむはそこで立ち止まった。 「ゆ?どうしたの、おチビちゃん?」 「れいむ、すっきりするよ」 「れいむも!」 「すっきりはゆっくりできるよ」 「まいにちすっきりするんだよ!」 「すっきりしたいよ!」 言うが早いか、川の水で体を洗い始める赤れいむ5匹。 互いに髪をなめ合ったり、すりすりをして皮の汚れを落としている。 「す、すごいよ!!おチビちゃんはすごくゆっくりしてるよ!!」 ゆっくりにとって水浴びは大切なのだ。 耐性があるとはいえ、あまりにも汚いとカビだらけになるから。 だが、水に弱いゆっくりにとって水浴びはあまり好きになれないもの。 赤まりさは水浴びが大嫌いだった。 それなのに赤れいむは、こんなにも身ぎれいにすることを喜んでいる。 親れいむは赤まりさの気分の悪くなるような体臭を思い出していた。 「むーちゃむちゃ!ちゃーわせー!」 「うっめ!むっちゃうみぇ!!」 「むちゃべっ!むぢゃっ!ゆひっ!!」 「むっちゃむちゃ!!」 「うみぇっ!!むっちゃうみゅえ!!!」 「しあわせー」 「とってもゆっくりできるごはんだね」 「ゆっくりしておいしいね」 「れいむもしあわせー」 「みんなでごはんをたべるとゆっくりできるね」 「・・・ゆぅ」 3日目の夜。 晩飯をたべながら、親れいむは深く息を吐いた。 赤まりさの食べ方の汚いこと汚いこと。 元飼いゆっくりの親れいむには見苦しいことこの上ない。 ついつい甘やかして育ててしまったので、自己責任といえばそれで終わりなのだが。 それに比べてどうだ。 赤れいむの実にゆっくりとしたご飯の食べ方は。 親れいむは頭を抱えた。全身が頭なのは気にしてはいけない。 「ゆ、おチビちゃん。おくちにあんよがついてるよ。ぺーろぺろ」 親れいむは赤れいむの口についた、コガネムシの足の切れはしを舐めとった。 それを見た赤まりさが、悔しそうな顔をして親れいむに顔を向ける。 「おかーしゃん!!まりしゃもいっぱいついちぇるよ!!ぺーろぺろちてね!!」 「ゆっ!まりしゃもだよ!!」 「まりしゃにもぺーりょぺりょちてね!!」 「れーみゅにだけぺーろぺろはじゅるいよ!」 「はやくぺーろぺろちてよ!」 中には、エサの中にわざと顔を突っ込むボケもいた。 「ゆぅ・・・」 明日、お兄さんに赤れいむを引き渡したらこのゴミクズと暮らすのか。 そう思うだけで親れいむは空しくなった。 数日前まで、あんなに可愛いと思っていた赤まりさが今ではただの不良債権に感じる。 それを赤まりさもなんとなく感じているようで、最近では親れいむに甘えることが多い。 もっとも、それがウザさを強調して親れいむは更に赤まりさが嫌いになっていたのだ。 「ゆぅ・・・れいむは、おチビちゃんたちとはなれたくないよ・・・」 こんなにゆっくりした赤ちゃんと離れたくない。 自分と同じ種の、こんなにゆっくりした赤ちゃんと離れたくない。 親れいむは切実にそう思っていた。 赤まりさとだけの生活に戻りたくなかった。 伴侶が死んで、だいぶ経つ。 もう赤まりさへの最後の未練、死んだ伴侶の思い出もほとんど消えていた。 哀れ餡子脳。 翌日。 赤れいむの引き渡しは滞りなく行われた。 早朝に現れた男は、親れいむの話を聞きもせず、さっさか赤れいむを回収していった。 この赤れいむ達は、これからも似たような系統のネタの仕込みに利用されることになる。 「ゆぅ・・・・」 巣に残った親れいむはため息をついていた。 「ゆっ♪」 「ゆゆー!こりぇでおかーしゃんはまりしゃたちだけのものだよ!」 「これでゆっくちできりゅね!」 「ちゃーわせー!」 「ゆ♪」 逆に、親を赤れいむから奪い返した気分の赤まりさはニコニコだ。 すぐにこの笑顔が曇ることになるのだが。 さらに翌日。 赤まりさは枝でぶっ叩かれて起こされた。 「ゆっくりおきてね!!もうあさなんだよ!!」 「ゆげっ!!」 「ゆぐっ!?」 「ゆぎゅっ!?」 「ゆぎゅぅ・・・」 「ゆぎゃっ!!」 赤まりさが起きると、そこにはプリプリと怒った親れいむが。 びくびくしながら、赤まりさは親れいむの次のセリフを待った。 「あのおチビちゃんたちはちゃんとおきてたよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 テキトーに返事をする赤まりさ達。 あんないなくなった奴なんかどうでもいい。 赤まりさはそう思っていた。 それよりも重要なものがある。 朝一番のすりすりだ。 これはとてもゆっくりできる。 一日を生きる活力となるすりすりなのだ。 「おかーしゃん、まりしゃはんしぇいしたから、すーりすりをしてね!」 「まりしゃにもおねが 「うるさいよっ!おねぼうをするゆっくりできないこにはすーりすりはなしだよっ!!」 そして体当たりをされた。 ある意味、頬のふれあいである。 さらに数時間後。 親れいむは狩りの準備を始めた。 あれから何かと赤れいむと比較されっぱだった赤まりさは、ようやくゆっくりできそうだと喜んでいた。 が。 「れいむのおチビちゃん。きょうからはいっしょにかりにいくよ!」 赤まりさは一瞬、真白になった。 何を言っているんだコイツは、的な感じで。 「どぼじでしょんにゃこちょいうのおぉお!?」 「まりしゃはゆっぐちぢだいよぉお!!」 「あかぢゃんはゆっぐりずるのがじごどでじょおおぉお!?」 「ゆっぐりざぜでよぉお!!」 「ごんなんじゃゆっぐぢできにゃいよぉおお!!」 「だまってね!あのゆっくりしたほうのおチビちゃんたちは、ちゃーんとかりができたよ!」 ゆっくりしてない方のおチビちゃん5匹は泣きながら抗議をした。 自分達はまだゆっくりしなくちゃいけないのだと。 だがそれに返ってきたのは言葉ではなく、体当たりと枝だった。 「ゆべ・・・」 「ゆぼ・・・わがだよ・・・」 「がりに・・・いぎまぢゅ・・・・」 「・・・」 「・・・」 「まったく、ぜんぜんごはんがとれなかったね。ほんとうにゆっくりしてないおチビちゃんだよ!」 初狩りで、しかも赤ゆっくりが取れる食糧などたかがしれている。 5匹で集めた食糧は、小指の先ほどの量だった。 「それがおまえたちのごはんだよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「どぼじじぇ・・・」 「おがーじゃ・・・」 「もっど・・・ゆっぐぢ・・・」 「おにゃか・・・しゅいた・・・・」 「ごんなんじゃ・・・ゆっぐぢ・・・」 「ごはんのたべかたもきたないし、ちょうどよかったね!これでれいむはゆっくりできるよ!」 その後、赤まりさは無理やり水浴びをさせられた。 体力のなくなっていた3匹がそのまま川に流れていき、残り2匹はその後の体罰で死んだ。 「ゆゅー・・・」 親れいむは悩んでいた。 それは群れの赤ゆっくりが、全然ゆっくりしていないことだ。 バカ丸出しの言葉遣い、臭い体、狩りもできないタダメシ食らいのごく潰し、そんなダメなものばかり。 「こうなったら、みんなでしつけしようね!」 この前、赤れいむ5匹を群れのみんなに紹介したら、1匹残らず感動していた。 ならば、群れの子供達がゆっくりしていないことは簡単に理解できるだろう。 この群れをよりゆっくりした群れにするため・・・ れいむは固い意思と共に、リーダーの下へと跳ねて行った。 おわり。