約 3,643,309 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1436.html
流れを読まずゆっくり阿求。 途中まで見たら、大体オチがわかる仕様になっております。 ここは永遠亭。机をはさみ、向かい合う永琳と阿求。心なしか、永琳の目には疲れが見える。 「私は考えた。どうすればAQN症候群を治せるのか・・・・。 ゆっちゅりーを育てさせれば、AQN症候群ゆっちゅりーを生み出すし、 東風谷早苗に相談したら、トラウマを植えつけられて神様が怒鳴り込んで来るし、 上白沢慧音に至っては、廃人になりかけて入院中。 そこで永遠亭の総力を結集して作ったのがこれ!」 机の上におかれたのは、1匹のゆっくり。 「あきゅー!」 「これを育てることが、今の貴方にできる善行y」 フォン、グシャ。 皆まで聞かず、阿求はゆっくり阿求にげんのうを振り下ろしていた。 「別に、自分のゆっくりだからといって、いいえ、自分のゆっくりだからこそ、殺し甲斐があると思いませんか?」 断じる阿求。 対するは笑みを浮かべる永琳。 「ふふふ・・・かかったわね」 げんのうの下で、むくむくと蠢く、ゆっくり阿求だった餡子の塊。 それが見る見るうちに、形作り、元のゆっくり阿求となった。 「あやー!」 「これは・・・!」 フォン、ボヨン。 再度げんのうを振り下ろす阿求・・・しかし、げんのうに伝わるのは、先ほどとは全く違う感触だった。 「これぞ、ゆっくり阿求の特性・・『⑨の試練』 ゆっくり阿求は9回殺さなければならない上に、一度食らった攻撃は二度と通じないのよ! ふふ、確認されている限り、鈍器による撲殺、針による刺殺、素手による殴殺・・・それぐらいかしら? 特殊な戦闘能力を持たない貴方には、これ以上ゆっくり阿求を殺し切ることは出来ないわ!!」 勝ち誇る永琳。 それを聞き、阿求は一言だけ呟いた。 「稗田家なめんな」 打潰す饅頭『ナインライブズゲンノウワークス』 背中を見せる程引き絞った特異な構え・・・それより繰り出される一閃九打の絶技によって、ゆっくり阿求はあっさり9回殺された。オーバーキルである。 あまりのショックに永琳は9日間寝込んだ。 月廚?ふぁて?なんのことです? このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/183.html
「あ”ー、暑い」 買い物行くなら夕方に行けばよかった。 真夏の昼間は日差しが強く、しかもまとわりつくような暑さだ。 (家に帰ってアイスでも食べよう) そんなことを考えながら家路に就く。 我が家はアパートの二階の一室なのだが、アパートの階段を上ろうとしたときに ゆっくり霊夢が階段の脇、影になっている所にいるのを見つけた。 ゆっくりは俺と目が合うと 「ゆっくりしていってね!」と小さく叫んだ。 この暑さのせいだろう。あまり元気がない。 「やあ、そんなところで何をしてるの?」 声をかける。 ゆっくりは話しかけられたことが嬉しかったのか、目を輝かせて答える。 「お日さまがあつくてゆっくりできないからここにいるんだよ!!」 さらにゆっくりは言葉を続ける。 「ここはれいむひとりでいっぱいだよ!!」 や、別に取ろうとしてないし。 まぁそんなことはどうでもいい。このゆっくりは家に持ち帰ろう。 自分でも変な感性かも思うが、ゆっくりって可愛いよな。 ぜひともペットに欲しかった。そして・・・いや語るまい。 ともかくだ。 ゆっくりを持ち帰るのは簡単だ。甘い言葉で釣ればいい。 「そんなところより涼しくてゆっくり出来る場所があるよ。俺の家だ。来る?」 ゆっくりはその言葉にすぐ食いつく。 「ゆっくりしたいよ! おにいさんのおうちに連れて行って!!」 嬉しいこと言ってくれるじゃないの。 こうしてゆっくり霊夢は我が家へ来ることとなった。 「さぁ、ここがゆっくり霊夢の部屋だよ」 「わーい、おにいさんありがとう! ゆっくりするね!!」 俺は物置と化していた一室を掃除して、ゆっくり専用の部屋を作った。 余っていた段ボールを床に敷き詰め、壁も段ボールを張り付けた。 ゆっくりが壁を傷つけないためと、食事が汚いこと・・・早い話掃除がしやすいからな。 ゆっくりの部屋も出来たことだし一緒にアイスを食べることにした。 「ちべたい!! でもとってもおいしいよ!!」 「それはよかった」 しかし汚いな。口のまわりも床もアイスでべったべただ。ダンボールを敷いて正解だった。 アイスを食べた後はお風呂でゆっくりを洗ってあげた。 「すっきりー!」 見てるこっちもすっきりするいい笑顔だ。 夕飯も一緒に食べる。といっても段ボールの柵越しだけど。 「うっめ! これめっちゃうっめ!!」 はふはふと肉野菜炒めと食パンを食べるゆっくりの顔は完全に緩んでいる。 野生ではこんな料理は食べられなかったのだろう。 ずっとうっめうっめと言いながら食べていた。 食事が終ってしばらくゆっくりしてると、ゆっくり霊夢は眠そうにしていたので寝させてあげた。 「明日もゆっくりしようね・・zzZ」 「ああ、おやすみ」 ゆっくりが寝たことを確認すると、俺はゆっくりと準備を始めた。 ~翌朝~ 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりの声で目が覚める。 まだ6時だってのに早起きだなこいつは。 ゆっくりの部屋の襖を開けるとこっちをゆっくり霊夢が 「おにいさんゆっくりしていってね!! お腹がゆっくりすいたよ!!」 と、挨拶をくれる。 「おはようゆっくり。今朝食を用意するな」 「ゆっくりまってるね!!」 この完全にこっちを信頼している感じがたまらない。 本当はもっとゆっくり懐かせてからにしたかったが、ゆっくり出来ない俺はゆっくりを可愛がることにした。 可愛がるといっても抱っこしてなでなでしたり、高い高いする方じゃないぞ。 俺は昨日用意したたくさんの氷を風呂場の桶に移す。 そしてそれをゆっくりの元へと持っていく。 「おにいさん! そのとうめいなのはなに? ゆっくりできる??」 「ああ、ゆっくり出来るとも」 「ゆっ! ゆっくりしたい!! はやくゆっくりさせてね!!」 ぴょんぴょんと飛び跳ねるゆっくり。その顔は期待に満ちていた。 ああ・・・なんてかわいさだ。そんな顔されたらもう我慢で き な い。 「ゆ”っ!?」 俺はゆっくりを掴むと、用意しておいた空のバケツにゆっくりを突っ込む。 「こわかったよ!! ゆっくりしてね!!」 「ああ、ごめんごめん。これからたっぷりとゆっくりさせてやるよ」 「じゃあゆるしてあげるね!!」 俺はゆっくりの言葉を最後まで聞かずに桶の氷をゆっくりの入っているバケツへ流し込む。 「ゆっゆっゆっ」 コツコツと氷がぶつかるたびに小さく声を上げる。 そしてすぐにゆっくりは氷に埋もれた。 「つめたくて気持ちいいよ!!」 まあ最初はそうだろうな。 しかし一分もしないうちに 「つっつめたいよ!! さむいよおにいさん!! ゆっくりだしてね!!」 ゆっくりは氷の海から抜け出そうとぴょんぴょん跳ねようとするが、それはできなかった。 バケツの入口は透明なビニールシートで閉じていたのだから。 「そこならゆっくり涼めるだろ?」 「ゆ”っくりでぎないよ!! づめだいよ”!!」 知ってるとも。 しばらくは「早く出して」だとか「なんでこんなことするの」だとか訴えかけてきたが どんどんその声は小さくなっていく。 そろそろ限界かなと思いつつ、俺は何か物足りなかった。 正直氷にゆっくりを埋めていても楽しくはなかった。 やはり表情が見れないのは間違いだな。 なのでバケツを逆さにしてゆっくりを解放する。 顔は蒼白で、声も「ゆっ」とか「ぅ」とか言葉は出せないほど弱っていた。 俺は風呂場からお湯を持ってくる。しかしすぐにはかけてあげない。 ただただゆっくりをゆっくりと観察していた。 数分経つと徐々に元気を取り戻していくゆっくり。 動けるようになったゆっくりはおびえた表情で俺を見ながら俺とは逆方向の壁へと後ずさりした。 「どうした? ゆっくりできなかったか?」 「できるわけないよ!! おにいさんとはゆっくりできないよ!!」 おお、こわいこわい。 「そうか、ごめん俺が悪かったよ。ほら、暖めてあげるからこっちにゆっくりおいで」 手でおいでおいでする。 ゆっくりは最初はどうするか迷っていたが、俺のことをまだ信じているのかゆっくりと近づいてきた。 「ゆっ、ゆっくりしようね!」 控え目にお決まりの挨拶をするゆっくり。 「ああ、ゆっくり暖めてやるよ」 ゆっくりをお湯に浸からせてあげる。ゆっくりにはちょうどいいぬるま湯だ。 「ゆっくり気持ちいいよ!!」 「だろう? さっきのはこのための準備だったんだよ」 適当なことを言ったが、単純なゆっくりはそれで納得したらしい。 「うたがってごめんねおにいさん!! れいむはしんじてたよ!!」 嘘つけ。 まあ機嫌がすぐ戻ってよかった。 この先もゆっくりと色んな遊びをするつもりだからな。 嫌なことはすぐに忘れるゆっくりの特性はありがたかった。 さて、今回の氷で凍えさせるのはいまいちだったな。次はどうしようか。 次は生かさず殺さずの状態でのゆっくりを観察するためにご飯抜くかな。 しかしそれはやりすぎかな。 それとも釣り竿でゆっくりフィッシングでもやろうかな。 「おそらをとんでるみたい」って言葉を生で聞いてみたいし。 まあ、焦ることはない。 まだまだ俺とゆっくりのワンダフルライフは始まったばかりなのだ。 終
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/673.html
※注:ゆっくりについて俺設定が入ってます!注意してください。 「はーいみんなー自分の席についてねー」 男がパンパンと手を叩くと騒がしかった子供達は自分のの席に座っていく。 ここはとある小学校、男はそこで教師をやっている。 「今日の理科の授業は実験を行います。みんな予習はしてきたかな?それでは実験室に移動しましょう。」 白衣の服に着替えている男はそう言った。 「ゆっくりと理科実験」 そんなこんなで実験室に移動してきた先生と生徒。 実験室には人の骨の標本や化石、ゆっくりのホルマリン漬けなどが飾られている。 「みんな席に着いたかな?今回は【電流の実験】を行います。復習しますのでP78を開いて下さい。」 今回の実験の目的、どんな道具を用いるのか、その実験をするとどんな結果になるか、などの説明をする。 予習してくれば理解できるはずだが、まあそれを全員に期待するのは酷だろう。 そのため私は実験をする際にはこうして説明をする。 やはり実験内容をプロセスから結果を含めて理解して欲しいからね。 おっと、自己紹介するのを忘れていたね。私はこの小学校で教師をやっている男だ。 特に専門としている科目は無く、国語から社会など何でも教えている。 中でも私は理科が一番好きだ。子供の頃から昆虫の観察などが好きだったからね。 それに今はあのゆっくりという生物もあるし・・・ゲフンゲフン話が長くなってしまったね。 それでは授業の風景をゆっくり見ていってもらおうか。 「・・・ここまでが今回の実験の範囲になります、それでは道具を前に取りにきて実験を始めて下さい。 ちゃんとスケッチと測定した結果をメモしておいてねー」 その言葉と同時に子供達が「わー」と声をあげ、必要な道具を集めていく。 豆電球にワニバサミのクリップに電池・・・そしてゆっくりである。 ゆっくり達は透明な箱に入れられている。その中でゆぅゆぅと寝息を立てながら寝ている。 サイズは大きいものから小さいのまで色々、種類はゆっくりれいむとゆっくりまりさである。 「各班ゆっくりは二つずつ持っていってねー。あ、種類は気にしなくて良いから。」 そう言われて我先にと言わんばかりにゆっくりを持っていく。 こら、そこ箱を叩くんじゃない。ウザイのが起きてしまうぞ。 「・・・ゆ!、ゆっくりしていってね!!」 「ゆ!?ゆっくりしていってね!!!」 あ~あ起きてしまったようだ。 「ゆゆ!?ここはなんだかゆっくりできないよ!れいむをはやくだしてね! 「ゆ~!ここはぜんぜんゆっくりできないよ、まりさたちをおうちにちゃんとかえしてね!! 起きたと思えば早速これだ。全く饅頭の分際で何をいってるんだ。 しかも相手はある意味大人より残酷な子供にだ。 道端であったら即潰されるか、いじりたおして殺されるであろうに。 しかし今のこいつらは実験に使うただの道具である。そのため私も子供達も無視して準備を進めていく。 「おじさんきこえないの?ばかなの?わかったらさっさとあやまってここからだしてね!」 「おなかすいたよ。とっととごはんをもってきてね!もってこないばかはゆっくりしね!」 はっはっはこやつらめ。 危うく私のギャラクティカマグナムが炸裂してしまうところではないか。 だが私も教師の端くれ、生徒の前でそんな姿を見せるわけにはいかないので我慢我慢。 ちなみにこのゆっくり達は加工所から購入したものだ。 ゆれいむとゆまりさはその入手のしやすさから割と安価で購入できる。 他にも種類はあるがありすは直ぐに発情して使い物にならないし、ゆちゅりーに至っては病弱すぎる。 だがゆちゅりーはゆっくりの中では比較的頭も良いので、加工所特性の餡子が凝縮されたゆちゅりーは この実験のような時に助手として使う学校もあるそうだ。 ゆっくりも使いようによって便利なものにもなるみたいだな。 「ゆー!もうれいむおこったよ!!ゆっくりしんでいってね!!!!」 「そうだよ!ゆっくりさせてくれないじじいはゆっくりしんでいってね!!!」 まあ最もこいつらは特に使い物にならない種類だがな それと私をじじいと呼ぶな、まだおじさんの年齢だぞ。 「先生準備ができました。」 「お、そうか。どれどれ。」 そう言って一つの班の生徒のところに行く。 ふむ、最初は電池を並列に繋いだみたいだな。+-は間違ってなさそうだな。 豆電球も・・・大丈夫そうだな。 「うん、大丈夫だよ。それじゃあスイッチを入れてごらん。」 生徒が私の指示に従いスイッチを入れる。 すると電球がぴかっと光る。そこまで激しくはない光だが、電球は光りを放っている。 「ゆ!なんかひかったよ、まりさ。」 「ゆ~きれいだねれいむ~」 などどこの饅頭たちは暢気な事を言っている。 自分達もあとで繋がれるという事も知らずに。 私は生徒にノートに取るように言い、次の実験に移るように指示を出す。 「ゆゆ~♪こんどはもっときれいにひかってるよ~♪」 「ゆゆ!とかいはのありすにいわせるとこういうの’ろまんちっく’っていうらしいよ」 「ゆ!’ろまんちっく’っていいひびきだね。まりさ!おうたでもうたおうよ!!」 「いいねれいむ、うたおうか!!!」 「「ゆぅ~ゆぅ~ゆゆーゆ~ゆーゆぅゆぅゆゆ~♪」」 うざい 果てしなくうざい。これには生徒もイライラし始めてきているようだ。 ちなみに今やっているのは直列に電池を繋ぐという実験で、並列の時より電球は明るく光るようになる。 何故かはここでは割愛させてもらう。 この班のゆっくりに触発されてか、他の班のゆっくりまでゆーゆー歌い始めてきている。 ふむ、これはいけませんね。ここは私自ら実験の実演を行いましょうか。 「はい、みんなここの班に集まってきて~」 ゆっくりとは違って私のいう事を良く聞いてくれる可愛い生徒達が集まってくる。 うむ、私はこんな生徒たちに囲まれて幸せです! 「ゆ、ひとがたくさんあつまってきたよ?」 「きっとわたしたちがかわいいからだぜ」 無視することにする。 「じゃあ今度は銅線じゃなくても電流が流れるのを見てみたいと思います。 ニンゲンにも電気は流れるのは教わったよね?それをゆっくりを使って観察したいと思います。」 ひょいと箱の中かられいむ持ち上げる。 「ゆゆ!?れいむおそらをとんでるみたい!」 「ゆ!まりさもとびたいぜ、おじさんはやくはやく。」 あー床に叩き付けたい。呼び方がおじさんになってるのは媚びてるつもりなのだろうか? まあこれから床に叩きつけるよりおもしろいのが見れるのだが。 私はれいむを机に置く。もっとおそらとびたいという抗議も無視する。 そして私は バチンッ 「ゆぅ”!?」 ゆれいむの右頬にクリップを止める。ちなみにクリップはギザギザしているタイプだぞ♪ 「・・・い”だいい”いいぃ”ぃぃぃいい”い”いい!!!!!!」 「れいむー!?おじさんれいむになにするの!ゆっくりやめてね!」 バチンッ 今度は左頬にクリップを止める。 「ゆ”ううう”う”ぅぅはなじでえ”え”え”ぇぇぇぇ」 「おじさんばかなの?まりさのこえきこえないの?さっさとれいむをはなしてあげてね」 「ゆ”っぐりできないいいぃぃぃぃ」 さて準備は整ったかな。まずは並列繋ぎからやってみるか。 電池を繋ぎスイッチを入れる。 「ゆ?ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”」 「れ、れいむううううううううううううう?」 「はい、みんなーこれが並列繋ぎだよーゆっくりにも電流が流れてるのわかるよねー」 そう言って生徒達を見渡す。お、ちゃんとスケッチしてるな、感心感心。 「ゆ”ゆ”ゆっ”ゆ”ゆ”ゆっ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”♪」 イカンイカン、発情して来てるな。 子供達にも悪影響を与えそうなのでここらへんでスイッチを切る。 「ゆゆ?どおしてやめちゃうのおおおおおおおおおお!!!すっきりじだいいいいいいい!」 「はいみんなーこの時ゆっくりの事は無視して次の実験に進んでくださいねー」 一応釘を刺しておく。セクハラで懲戒解雇なんてされたくないしな。 今の親御さんたちは厳しいし。 そう思いつつ私は配線を直列に変える。 「ずっぎりざぜでよお”お”お”お”お”お”お”お?ゆびゃああああああああああああああ!!!!??」 うむ、成功だ。といっても電池を繋ぎ直すなんて小学生でもできるわけだしな。 ここ小学校だし。 「ゆ~れいむきれいだよ~♪」 さすが餡子脳。さっき必死に訴えてた癖にもう忘れている。 というかあれって綺麗に見えるのか・・・? 青白く発光してるゆっくりが白目向きながらビクンビクン痙攣してるのって。 「ま、ま”りざあ”あ”あ”あ”だずげ、ゆぐ!?ゆぐぅぅぅぅぅううううう!!!」 「ゆっ?おじさんれいむがくるしんでるよ、はやくたすけてあげてね!」 自分で助けようとは考えないのか。 ゆまりさはゆっくりの中でも一番タチが悪いという風に聞くしな。 そんなゆまりさを箱から持ち上げ机に置いてあげる。 「そんなに助けてあげたいなら自分で助けに行けば良いじゃないですか?」 「ゆ!まりさはあんなのにさわりたくないぜ。だからおじさんがさっさとたすけるんだぜ。」 早速同属を見捨てやがったのかこのクソ饅頭。 しかも触りたくないのか、確かに妙に狡賢いのだなまりさという種類は。 ふ、そんな甘いこと言ってられるのも今のうちだけだがな。 「みんな直列と並列の繋ぎ方は分かったね?ではゆっくり二匹を別々に繋いでみて観察しましょう。」 「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」 「「「「「「「「「ゆっぐりいいいいいぃぃぃぃぃ!?!?!?!?」」」」」」」」」」 うむうむ、良い生徒達だ。 それと同時に今の惨状を見ていた他のゆっくり達までもが悲鳴が上がる。 授業妨害は先生許しませんぞ。 「おじさん!まりさたちはまだなんにもわるいことしてないよ?どうしてこんなひどいことするの?」 「んー?君達は前は加工所にいたんだよ?それを私達が買い取ったのさ。だから君達は私たちの物だ。」 「ゆ!そんなことしらないよ!!まりさはまりさのものだよ。おじさんはなんにもしらないんだね!!!」 うーん餡子脳じゃもう覚えてないのかあ、調教される前の健康なゆっくりを買い取ったせいかな? それとこいつ今「まだ」って言わなかったか? 「おじさんじゃはなしにならないよ!ここからはやくでてい【バチンッ】っゆ?い、いだだだあああああいいいい」 「先生?こんな感じで良いですか?」 「うんうんOKOK。それじゃあ反対側にも付けてあげようか」 反対のほうにもクリップを付ける様に指示を出す。 バチンッ 「ゆううううううぅぅぅぅ!!!どぼじでごんなひどいことするのおおおぉぉぉぉぉぉ!?」 「さっき言ったでしょう?先生は人の話を聞かないゆっくりは大嫌いです。」 「ゆ”っぐりしたい”い”い”よお”お”お”お”お”お”お”お”」 「他の班のみんなもちゃんと実験を進めて下さいねー」 「「「「「はーい」」」」」 うんうん、やはり少しの知能と人語を喋るゆっくりと人は全然違いますね。 昨今は色々な生徒がいて大変みたいですが。 ふむ、各々の班が着々と実験を進めていますね。 逃げようとしたゆっくりやれいむを差し出して助けを懇願するまりさもいたようですが、大丈夫そうですね。 今回の実験も問題なく「ゆゆゆゆううううびゃああああああがががっがががががあsdfghjkl」 前言撤回ですね。 ゆっくりでもあんな大声を出すのは珍しいですね。 少し見に行きましょうか。 「どうしました?」 「あ、先生ーたかしくんがー」 「へっへーん!先生見てよこれ!!」 「うわあ・・・」 そこには電池十本を直列繋ぎしている配線にれいむが繋がれていた。 当のれいむはところどころ黒ずみで絶叫したまんまの顔で目と口から煙を出している。 「先生すごいでしょ!特にこのゆっくりの顔が・・・あいた!」 私はたかし君の頭を軽く小突く。 いくら世間が過敏になっているとはこれくらいは大丈夫だろう。 「たかし君?いつ先生がこんな実験をしろと言いました?」 「いや、えっと・・・あはは。」 「ふう、今回は怪我が無かったものの君のやった事は危ないことです。それとゆっくりも学校では消耗品なので無駄遣いは止めて下さい。」 「ご、ごめんなさい先生。」 「わかれば、宜しい。」 ふふ、飴と鞭は使いようです。 とは言ってもゆっくりは飴と鞭があってもダメですが・・・ 「先生・・・電池が。」 「ん?ああ、これはダメですね。液漏れしていますね。」 何本か液漏れしてしまっている。 まああんな無茶な繋げ方をすれば・・・あ、そこのれいむはゴミ箱に入れといて下さい。 確か代わりの電池がまだ前の壇上の方にあったはず・・・あれおかしいな? 「先生ーひだりひだりー。」 「ん?ああ・・・」 生徒に言われて左を向いてみると そこにはやけに膨らんで口元をモガモガしているまりさがいた。 「ゆっふっふこへせぇがふぁいとおふぃはんふぁちこはるんだよね」 通訳すると「ゆっへっへこれがないとおじさんたちはこまるんだよねか」か うーむ電池を奪うとはゆまりさはやはり少し知能があるそうだな。 問題があるとすれば口の中に入れたことかな。 ゆっくりはなんでもかんでも口に入れる事しか思いつかないか。 まあ顔しか無いしな。 「こふぇをくぁえしておしくぁったら、ゆっふりまりふぁたちをふぁなしてごふぁんをもってきてぬぇ!」 「断る。」 「ゆふぅ!?」 電池を返して欲しかったらゆっくり達を解放してご飯を持ってこいか。 ふうー・・・やれやれだぜ。 こんな時のために秘密兵器があるのだ! 「どうして?これがないとこまるんでしょ?おじさんたちがこれがほしいならさっさとまりさのいうこときいてね!」 もう通訳するのも生温いわ! いでよ!我が校の秘密兵器・・・ 「ゆっくりしていってくださいね!」 「ゆゆ!?」 じゃじゃーんゆっくりいくさんだ! 希少種なだけに手に入れるのも苦労したんだよこれは・・・ 「ゆっ・・・ゆっ、ゆははははは!おじさんなにそれ?まりさたちとおなじゆっくりがひみつへいきなの? にんげんのくせにあたまわるいんだね!ゆははははははは!!」 貴様の様な駄ゆっくりといくさんを一緒にするでない! 説明しよう! ゆっくりいくさんとは最近発見されたゆっくりの新種である。 モデルとなった人物が礼儀正しいせいか、ゆっくりなのに最初から敬語だ! そして何といくさんはゆっくりの中でも珍しく、いや生物としても珍しく電撃を放出する事が可能なのである。 (※つまりブラ○カである) その特性のおかげで昆虫から蛇などを簡単に捕獲することができ、食料にも困らないのだ! そのため人里には滅多に下りて来ることもなく、命の危険にも晒されないので繁殖することも少なく 捕獲されることは滅多に無い。 では何故そのいくさんを私が所有しているのかというと・・・ゲフンゲフン また話が長くなってしまうところだった、私の悪い癖だな。 「ゆ!せんせいきょうはなんのようですか!?」 「ああ、ちょっとそこにいてくれるかな。」 「ゆっくりりかいしました!」 「ゆははは、りかいしましたって、ゆっくりなのににんげんのいうこときいてるよ!ばがだね!」 私はまりさの声を無視して配線を行う。 いだっ!と声を出し、ぷくーと膨れて涙目のいくさんに謝りつつ、まりさもクリップで挟む。 「ゆ!まりさにこんなのがきくとおもってるの?まりさはほかのゆっくりとはちがうんだよ!わかったらさっさとこうさんしてね!!」 えーとゴム手袋はどこだっけな・・・お、あったあった これを手にはめてと・・・ 「おじさんまりさのこえがきこえないの?だとしたらもうじじいだね!じじいはゆっくりしないでさっさとしんでね」 よしサイズは合ってるな。 そういえばゆっくりは何でじじいなんて言葉を知ってるんだ? じじいなんてほど年取らないだろうに。 など考えつつ私はいくさんの頬を強めに抓る。 「いだいっ!?」 「きこえないのじじい?さっさと・・・ゆっぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!?!?!?」 抓った瞬間いくさんから大きな電気が放出される。 そして放出された電気はまりさに向かうわけだ。 「いきなりなにするんですかせんせい!おこりますよ!!」 「はは、ごめんごめん。」 いきなり抓った事にどうやら本気で怒ってるみたいだ。 でもその抓った相手に電気が流れてないのに気付いてないのも ゆっくりであると言うべきか。 「ゆ”ゆ”な、なんで・・・」 まりさは今何が起こったのか理解できていないらしい そりゃあ電気を流すゆっくりなんて信じられないだろな。 私はいくさんに顔を向ける。 「ごめんよいくさん。あとで代わりに’ふぃーばー’させてあげるから」 「ふ、ふぃ、ふぃーばー!?!?!?」 「うん、思う存分’ふぃーばー’させてあげるよ。」 「ふぃーばー・・・」 うっとりした表情をするいくさん。 これが他のゆっくり種と違ったゆっくりいくさんの特性の一つ ゆっくりするのが目的ではなく、ふぃーばーするのを史上の幸福としているのだ! そのふぃーばーするというのどんな時なのかがまだまだ研究中なのだが・・・ 「せんせい、いくはふぃーばーするためならがんばるよ!」 「はは、そうかそうか。じゃあ私が抓ったらさっきのように電気を出してくれないかな?さっきみたいに強く抓らないから。」 「はやくりかいしたよ!」 本人の了承も得たことだし、早速抓らせてもらいますか。 「ゆ!?ゆびゃああああああああああ!!!!」 離す 「ゆ?ゆうううぅぅぅぅ・・・」 抓る 「ゆっぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!」 離す 「ゆぅぅぅ、おじさん・・・まりさが」 抓る 「ゆ!?ゆびやああああぁぁぁぁああああああああ!!!!!」 離す 「ゆぐぅ、あ、あやま」 抓る 「ぐぎゃあ”あ”あ”あ”お”お”お”お”お”!!!」 離す これを延々と繰り返す。 徐々にまりさが焦げてきて焼き饅頭の良いニオイが出てくる。 帽子も金色の髪の毛ももはや消し炭化している。 「お、おじさん・・・まりさがわるかったよ・・・あやまるよ、ちゃんとこれもかえすよ・・・だからゆっくりさせて・・・」 「いくさん次は最大出力でお願いね♪」 「ゆっくりりかいしたよ!!!」 「ゆ”っぐり”り”がい”しないでえ”え”え”え”え”え”え”え”ゆっぐり”ざぜでえ”え”え”え”え”え”!!!!」 抓る 「ゆぐごあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あああ%あ#ぎ$ゆ&」 ふっ、饅頭が完璧に炭になったな。 ん、生徒達がこちらを変な目で見ているな。 イカンイカン少し自分に酔ってしまっていたようだ。 教職者としての勤めを果たさなければ。 「みんなー、ゆっくりいくさんはこのように危険なゆっくりなので、道端であってもいじめないで上げてください 。見つけた場合は先生が保護しますので知らせて下さい。」 「「「「「「「「「「「はーい!」」」」」」」」」 うんうん、良い声だ。 ―――――――――――――― 授業の時間も終わりに近づいてきて、片付けに入っている。 勿論ゆっくりもだ。 どのゆっくりも意気消沈しており、目に光が無くぶつぶつ言ってるゆっくりから ヘラヘラ笑っているゆっくりもいる。 「先生このゆっくり達どうすれば良いですか?」 「ああ、そこに重ねて置いて下さい。」 「?わかりました。」 ゆっくりがドンドン重ねられて山になる。 これだけ重ねれば十分かな。 「先生これから何をするんですか?」 「まあ見ててごらんよ。」 「?」 ゆっくりの山に上からライトを点け照らしてみる。 「さあいくさん、存分にフィーバーして下さい。」 「ふぃぃぃぃばぁぁぁぁぁぁ♪」 いくさんがゆっくりの山の頂上を目指して上っていく。 「いたい!」 「ゆっくりさせてえええ」 「むぎゅ!」 「おうちかえるううううう」 「これはゆめなの、れいむはゆめをみてるの・・・」 いくさんが頂上に到達した。 さあいよいよ始まるぞ。 いくさんが力を溜めて、その溜めた勢いでジャンプして・・・ 「~~~~さたでーないとふぃーばーーーーーーー!!!!!」 「「「「「ゆぎょあ”あ”あ”あ”あ”あ””あ”あ”あ”あ”」」」」」 おおバチバチ光ってる。花火みたいだな た~まや~と頭の中で言ってみる。 「すっきりー!」 いくさんもすっきりできて良かった良かった。 あとはこの出来上がった焼き饅頭をと パクッ 上手い!味と香り共に申し分ない。これは加工所に一つ持って行ってみるべきだな。 しかしこの焼き饅頭の山全て持って帰るわけにも行かないしな。 「みんな~おいしい焼き饅頭ができたよ~持って行って良いよー。あ、お父さんお母さんには内緒にしてね。」 こうして私の授業は過ぎていく。 次の実験は何をしようかな? 確か電気を流すと銅が熱を持つのは教えたかな。 よし、次は熱を持った銅線でスライスしよう! そんな事を考えつつ私は帰路に付いたのだった。 あとがきなるもの お初です。SSを書くのはこれが初になります。 さてさて今回の理科実験ですが、作者の小学校時代にやった実験の記憶に 基づき書いてるので、世代によって色々違ってくると思います。 そして最後に銅線で熱もった物の実験について語っていますが これも実験で発泡スチロールをスライスしたりもやりました。 本当は電流もスライスするのも子ゆっくりも用いてやりたかったのですが・・・ 力尽きましたorz 遅筆もよいところです。職人さん達にはただ脱帽します。 あとゆっくりいくさんのネタは24スレの 614氏から拝借しました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/432.html
何処とも知れない場所にある、誰からの干渉も受ける事が無い建物。 その建物の中は時間の流れすら外とは違っており、いつから建っているのか、誰が建てたのか、 どのような目的で建てられたのかすら不明であった。ただ、建物の中には何百人もの人間が住んでいた形跡だけがある。 生きるのに必要な物は全て建物の中にあった。水も電気もガスも通っており、食料は新鮮な物がいくらでも貯蔵庫にあった。 服は利用者にぴったりの物がクローゼットに用意されており、ベッドメイキングもいつの間にか整っている。 街からそう離れていない場所に建っているにも関わらず誰も近寄らないこの怪しい建物を、 たまたま迷い込んだ男は大変気に入った。彼の欲望を満たすには、この建物はぴったりだった。 建物の近くには広場があり、いつでもあらゆる種類のゆっくりを見つける事が出来た。 その点こそが彼がそれなりに幸福だった生活を捨ててまでこの建物に移住した決定的な理由だった。 早速ナタは最初の『恋人』―――眠っているゆっくりれいむを捕まえてきて建物内に連れ込んだ。 「ゆ!!ここはどこ!!?みんなどこにいったの!!?」 れいむが目を覚ましたのは、建物の中の一室だった。 「やあ、おはようれいむ。ここは僕の家だよ。ゆっくりしていってくれ」 「わかったよ!!!ありがとうおにいさん!!!ゆっくりしていくからね!!!」 「どういたしまして。それじゃあ早速ゆっくりしようか」 「ゆっ?」 体を傾げるれいむにゆっくりと歩み寄り、その体を抱え上げて部屋にあるベッドまで連れて行く。 「ゆ!!ふかふかだよ!!!ゆっくりできるね!!!」 「ああ、そうだねれいむ。可愛いよ……」 そう言うと男は突然れいむにキスをした。 「んむっ!んむむむむむむ……!!」 れいむは突然の事に目を白黒させ、体全体を揺すって抵抗している。 だが、仔犬にも劣る運動能力のれいむがどんなに暴れても男の行為を止める事は到底適わない。 「んむーっ!!んむーっ!!っぷは!!いきなりなにするの!!ゆっくりやめてね!!!」 「ふふふ……そうやって抵抗して見せるのも可愛いよれいむ。もっと抵抗して鳴いて見せてくれ」 一分ほどで口を離し、れいむの耳元(?)でそう囁くと、今度はれいむの体全体をゆっくりを手で丹念に撫で回していく。 「ゆーっ!!きもちわるいよ!!ゆっくりはなしてね!!!」 「もう離さないよれいむ。ここは君と僕が愛を語らう部屋なんだからさぁ」 「やめてよおおおおお!!!もうやだおうちかえる!!!おにいさんとはゆっくりできないよ!!!」 「何て可愛く鳴くんだれいむ。ここを触るとどう鳴くのかな?」 恍惚とした表情でそう言うと、男はれいむの口よりやや下辺りを揉み始めた。 「ああ、柔らかい……れいむ、君のここは柔らかくて弾力があって最高の揉み心地だよ」 「そんなこといってもゆるしてあげないよ!!!きもちわるいからはやくはなしてね!!!」 「まあそう言わずに」 「さっさとはなし……んむ!!んーっ!んーっ!!」 顎を揉みながら再びれいむに口付ける。今度は口内に舌を差し込み、舐め回している。 「んむむむむむー!!ん゛ー!ん゛ー!!」 れいむは男の舌を押し出そうと抵抗するが、男の舌はその動きに合わせて絡みつき、口内を蹂躙していく。 5分ほど口内の戦いが続いた頃、れいむの抵抗が弱くなり、目が空ろになって小さく痙攣し始めて漸く男は口を離す。 「もう体力が持たないか……仕方ない、本当はもっとゆっくりしたかったけど、今日はこの位でやめておくよ」 「ゆっ……ゆっ……」 「聞こえてないのかな?まあいいや。食事はそこに置いておくから。ゆっくりしていってね!」 それだけ言って男はさっさと部屋を後にする。残されたれいむは一時間ほどで調子を取り戻し、床に置かれた食事を食べた。 「やあれいむ。ゆっくりしてるかい?」 翌朝男がれいむの部屋に入ると、れいむは部屋の隅から男を睨んでいた。 「ゆっ……ゆっくりできないよ!!おにいさんとはゆっくりできないよ!!はやくここからだしてね!!!」 「そうかそうか。まあその内出してあげるよ。じゃあ朝食の前にゆっくりしようか」 「ゆっ!!やめてはなして!!ゆっくりさせてよ!!!」 「させてやるとも。そんなに急かすなんて可愛い奴め」 そう言って男はれいむの口を塞ぐ。今度は初っ端から舌を差し込み、撫で回している。 「んむむむー!!んー!んんー!!むー!!」 前日の事を覚えているのか、より激しく抵抗するれいむ。 男の舌を噛み切ろうとしているが、顎の力が弱く歯も無いれいむに噛まれた所で、男にとっては何とも無いようだ。 いや、むしろ気持ち良さそうに目を細めている。そうしたねっとりとしたキスの後で、男は言う。 「ふぅっ……二日目でもう積極的になるなんて、れいむは本当に可愛いなぁ」 「ちがうもん!!おにいさんなんてきらいだもん!!ゆっくりはなしてね!!!」 「またまたそんな事言って。そら、今度はここだ」 そう言ってれいむを仰向けにし、自分は寝そべってれいむの体の底を舐め始める。 「ゆふぅ!!?や、やめておにいさん!!ゆっくりやめてね!!!きもちわるいよ!!!」 「れいむの底とても美味しいなりぃ」 そう言いながらレロレロと夢中でれいむの底を舐めほぐす。唾液で底がふやけてきたのを確認すると、 「じゃあそろそろ指行ってみようか」 「ゆぐぐぐ!!?やめてえええ!!はなしてえええ!!!」」 唾液でほぐれた底を指が数往復して、ゆっくりと指を差し込んだ。 しっかりと濡れて弾力が増しているおかげで皮が破れる事も無く、体内に向かってズブズブと沈んでいく。 その感触を指で楽しみながら、少しずつ体内に指を埋め込んでいく。 「ほら、分かるかいれいむ?人差し指が根元まで埋まったよ」 「い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!ぬ゛い゛でぐだざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「ああ分かったよ。ゆっくりと抜くからね」 言葉通りにゆっくりと指を引き抜き始める。指が動く度に 「ゆ゛っ!!!い゛ぎっ!!!ぐっ!!!」 と激しく吼えるがお構い無しだ。そして中ほどまで指を抜いたかと思うと、穴周辺を舐めながらまた差し込む。 「ゆ゛ぎぎぎぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!ぬ゛い゛で!!ぬ゛い゛でえ゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 「そう焦るなよ。力抜かないと余計に痛い……ん、もう危ないか」 そう呟くと、男は一気に指を引き抜いた。それまでの丁寧な気遣いのようなものは微塵も見られない手つきだ。 「っっっっっ!!!!ゆ゛ぎぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」 白目を剥いて絶叫すると、そのままコロリと転がって動かなくなる。 完全に意識を失っており、時々ビクリと痙攣して声を漏らす。 「じゃあ、朝食は昨日と同じように置いておくからね。また明日。ゆっくり休んでね!」 失神したれいむをそのままにして部屋を出る男。その人差し指には赤みの強い餡子がべっとりと付着していた。 「おっはようさんれいむ!ゆっくりしてるか~い!?」 妙にテンション高めな男が部屋に入ると、れいむはぼんやりとした目でのろのろと男の方を向く。 前日の食事は半分以上残っていた。 「駄目じゃないかれいむ、ちゃんと食べないと。好き嫌いするとゆっくりできないぞ?」 「……れいむ、おうち、かえりたいよ……おうちにかえしてよ……」 「あはは、何言ってるんだいれいむ。ここが君のお家だろ?冗談が下手なんだなぁれいむは」 「ちがうよ……ここは、ゆっくりできないよ……おうちじゃないよ……」 「ああそうか。僕が来るのが遅かったからそんな意地悪を言うんだね?ごめんよれいむ。今日からは夜も来るよ」 「ちが……ちがうよ……」 呟くれいむの言葉を無視して、男はれいむを抱きかかえる。 「とりあえずご飯を食べないと。ほら、食べさせてあげるから」 「やめて!ちゅーはいやだ!ちゅーはいやだよお!!はなして!!」 「ああ何だ。思ったより元気じゃないか。これならちゃんと食べればまたゆっくりできるね」 安心した男は皿に盛られているエサを口に含み、よく咀嚼してれいむの口に流し込む。 「う゛ぶっ!!……ぶぶぶぶぶぶぶっ!!!」 「んっ……ふっふいはへへいっへへ」 嫌がるれいむの口に強引に食べ物を入れ、舌で押し込んで無理矢理飲み込ませる。 それを数回繰り返して皿を空にした。 「げほっ!!ごっほっ!!おええええええええっほ!!」 「はいれいむ、ご馳走様は?」 「ぉえっ!えっ!……はぁっはぁっ……」 「こらこら。ご馳走様を言わないと駄目じゃないかれいむ?」 男が射抜くような目でれいむを見つめると、怯えたように 「ご……ごちそう……さまで…した」 「はいよく言えました。ああ本当にれいむ可愛いよれいむ!今日もゆっくりしようね!!」 そう叫んでれいむを抱きしめ、ベッドにダイブする。 「い、いやだ……いやだよおおおおおおおお!!!もういたいのやだ!!気持ちわるいのやだああああああああ!!!」 「大丈夫大丈夫。気持ち悪くなんかないって」 「あああああああああ!!!やめてください!!!はなしてくださいいいいいいいいいいいいい!!!」 「そんなに怖がらなくても平気だよ。いつもみたいに優しくするからさ」 「やめてええええええええええええ!!ゆっくりさせてくださいいいいいいいいいいいい!!!」 「うーん、これはちょっとおしおきしないと駄目かもなぁ」 泣き叫んで抵抗するれいむを押さえ込み、口を口で塞ぎつつ体の底を指で擦る。その動きは前日よりも大分激しい。 「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」 充血した目を見開いて泣き叫ぶれいむ。その叫び声は男の口の中に消えていったが、涙はベッドを激しく濡らした。 暫くすると、体の底からじっとりとした体液が滲み出てきた。男はそれを確認すると、口を離して 「ほられいむ。気持ち悪くなんてなかっただろ?」 「ひっぐ……うっぐ……!ゆ゛っぐり゛……でぎな゛い゛よ゛お゛……!!」 「ああごめんごめん。待っててな今ゆっくりさせてあげるから」 そう言って、指を体の底に沈める。前日よりも幾分スムーズに沈み込んだ。 「ほら分かるかれいむ?中まで湿ってるよ。昨日よりもっとゆっくりできてるだろ?」 「やだやだやだああああああああ!!!い゛だい゛!!ぬ゛い゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「そんな事無いだろう。まあいいか。その内正直になるだろう」 一人で納得して指を抜き差しする。前日のような赤っぽい餡子の代わりに、粘性の高い液体が指に付着している。 「ほられいむれいむ。交尾してる訳でもないのにこんなになったぞ。やっぱりゆっくりできてるじゃないか」 「でぎでな゛い゛……じぇん゛じぇん゛ゆ゛っぐり゛でぎでな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 「そうかい?ああそうか。これじゃ物足りないのか。よし分かった。それじゃこいつを使えば……」 男は一旦れいむから離れ、下穿きを降ろした。 れいむは始めて見たそれに対して普通のゆっくりの様に好奇心を示さずに、ただ震え上がった。 「はいそれじゃいくよ。力抜いた方がゆっくりできるよ」 「やべでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!ゆるじでぐださい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「そーれっ」 「…………………………………………………………………………………………………………っっっっっっ!!!!」 掛け声と共に底に開いている穴に一気にそれを沈めた。 れいむは全身を仰け反らせて硬直させ、声も出せずに完全に白目を剥いて涎と涙を垂れ流している。 「っはあ……れいむって見た目通り小さくて柔らかで弾力があるんだな。それに温かい。最高だよれいむ」 「…………ぎゅっ…………がっ…………ごぉぉっ………………ぶっぐ………………!!」 男は声にならない呻き声を上げるれいむを見て満足そうな笑みを浮かべる。そして 「それじゃそろそろ動くよ。ゆっ、くりっ、してっ、いって、ねっ!」 「ぎゅっ!!がっ!!ゆ゛っ!!ばっ!!びょっ!!おごっ!!」 独特の掛け声を上げながらリズムよく腰を前後させる。れいむは半ば意識が失せた状態で声を上げ続けた。 「ゆっ、くり、くりくり、くりっくりっと。そろそろ出るよー。そーれケフィア」 そう言った直後、れいむの体が激しく痙攣し出す。声も出さずに凄まじい勢いで痙攣し続ける。 やがて目や口や底に開いた穴からどぷどぷと餡子が漏れ出る。 「おっほ!自分から動くなんてやっぱり積極的だなれいむ!ゆっくりしてくれて嬉しいよ!そらおかわり!」 振動に刺激され更にケフィアを放出する。痙攣はその激しさを増し、餡子が漏れ出る勢いも増大している。 一分ほど経過すると、びちゃびちゃと零れ落ちていた餡子は収まり、ぺらぺらの皮になったれいむと男だけが残った。 零れ落ちた餡子からは湯気が立ち上っている。 「あーあ。ゆっくりし過ぎて壊れちゃったか。後で補充しておこう。っとその前に飯にしよう」 シーツで適当に体を拭き、汚れもそのままに服を着てさっさと部屋を出る。 掃除などしなくとも、次にこの部屋に入る頃には綺麗に片付いているので何も問題は無い。 ふと耳を澄ますと、どこかの部屋でゆっくりが大声で泣き叫びドアを叩く音が聞こえる。 男はニヤリと笑い早く食って行ってあげないと、と呟いて早足に食堂へ向かった。 数十匹のゆっくり達以外に、この館の中に住む者は居ない。誰も彼らの邪魔をしない。 ここは彼とゆっくり達の閉ざされた楽園。理想の箱庭。至高のゆっくりハウスなのだ。 ENDING No.1 -NORMAL END- 作:ミコスリ=ハン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/484.html
今晩の夕食は魚にしよう。 男はそう思い、釣竿と魚を入れるたもと網を持って川に来ていた。 まだ夏になったばかりだが気温は高く、また魚は人を見つけると隠れてしまうので、木陰に隠れて糸を垂らす。 いっぱい釣れたら里で売ってもいいなと気楽に釣りを始めた。 釣りを始めてしばらくが経った。太陽もだいぶ移動している。 釣果は0。まったくと言って釣れていなかった。 餌が悪いんだろうか、と男はいろいろな餌を試してみたがどれにも魚は食いついてこなかった。 もはやあきらめたように木陰に横になる。川を見ながら時間を潰していると近くの草むらがガサゴソと音をたて、ゆっくりが現れた。 ゆっくりはゆっくりまりさと呼ばれる種類で、大きいのが1匹、中くらいのが2匹、小さいのが1匹。 おそらく家族だろう。男はそう思い暇つぶしもかねて様子を見ていた。 やがて川に到着したゆっくりたちは思い思いに水を飲みだした。 「ゆ~、つめたくておいしいー!」 「ゆっくりのむよ!ゆっくりまってね!」 「ゆっ!ゆっ!」 「みずにおちないようにね!あとあまりのみすぎないでね!」 勢いよく水を飲む子供達に親ゆっくりはやさしく注意をしていく。 親ゆっくりは真っ先に水を飲み、その後は子供達の後ろに回っていた。 子供を置いて先に飲むとは酷い親だと思ったが、どうやら水が安全か確かめたらしい。 今も、後ろに回っているのは子供達が水に落ちないように掴んでいるためだった。 やはりゆっくりと言えども子供は守るんだな。 男は知り合いに平気で見捨てる親ゆっくりの話を聞いていたので親まりさの行動に若干驚いたが、 子供を守る親が普通だと思い直し、ゆっくりの話に耳を傾けた。 「みんなそろそろあつまってね!」 「ゆっくりあつまるよ!みんなおねーちゃんについてきてね!」 「おねーちゃんまってー!」「ゆー!」 親の声に真っ先に反応した一番早く生まれたであろう姉ゆっくりがまだ水を飲んでいる妹ゆっくりと、赤ちゃんゆっくりを連れて親の前に集まる。 「ゆ!おねーちゃんはさすがだね!おかーさんうれしいよ!」 「まりさはおねーちゃんだからね!いもうとたちをたすけるよ!」 「おねーちゃんかっこいー!」「ゆゆー!」 「じゃあかわをわたるほうほうをおしえるからゆっくりきいてね!」 「「ゆっくりきくよ!」」「ゆっ!」 今なんと言った。川を渡るだと!? ゆっくりは泳げない。だから潰す以外にも池や用水路に落として殺す。 水の中に入ったゆっくりは必死に出ようとするが泳げないのでどんどん沈んでいく。 やがて体力のなくなったゆっくりは苦しみながら死に、死体は溶けて飾りだけが浮いてくる。 里で捕まえたゆっくりを一匹一匹潰すのは面倒なので最近はゆっくり用に作った池に放り込んで殺すのが里の人の常識となっていた。 男も今まで捕まえたゆっくりを池に捨てたことがあるのでゆっくりが水に浮かないことも知っていた。 そのゆっくりが川を渡ると言うではないか。 釣りに来ていた川は流れがほとんどないような場所で流れに流されるようなことはないだろう。 しかし深さは1mはあるので一度落ちるとゆっくりでは助からないだろう、池のように沈む前に魚の餌になって消える運命が待っている。 男は親ゆっくりの話を詳しく聞くため、ゆっくり親子に近づいた。まりさ種は警戒心が強いと聞いていたので慎重に物陰に隠れて聞き耳をたてる。 「まずはおかーさんがやってみるからね!しっかりみているんだよ!」 「ゆっくりみてるよ!おかーさんがんばってね!」 親ゆっくりがまず手本を見せるようだ。子供たちは飛び跳ねながら応援している。 すると親ゆっくりは自分の帽子を外した。すると帽子の中から木の棒が出てくる。 「みんなすでつくったきはわすれてないよね?!」 「うん!わすれてないよ!ちゃんともってきたよ!」 そういって子供達も親に習い帽子を外し、中から木の棒を取り出す。 木の棒は片端は細く、葉型が付いているので細い方を咥えて使うのだろう。もう片方は平たくなっておりまるでボートのオールのようであった。 ゆっくりが道具を使うことに驚いたが里で見つけたゆっくりたちは石を投げつけたり穴を畑に張り巡らしたロープを引っ張ったり外したりしていた。 ゆっくりの中で頭のよい方のまりさなら使ってもおかしくないだろう。 男はそう納得し、観察を続ける。 「まずはぼうしをみずにうかべるよ!なかにみずがはいらなようにきをつけてね!」 そう言って帽子の天井部分が底になるように水にいれた。帽子は防水加工しているらしく、水がしみこまずにぷかぷかと浮く。 親は帽子が流れないように木の棒で抑えながら、 「ぼうしがながれちゃうとたいへんだからね!きでしっかりおさえてね!」 「ゆ!わかったよ!ぜったいぼうしをながさないよ!」 「ならみんなもやってみてね!あかちゃんはこっちにきてやってね!」 親ゆっくりの注意を聞いて子供達も帽子を浮かべ始める。赤ちゃんゆっくりはまだ不安と判断したのか親ゆっくりがいっしょに抑えてあげていた。 「うかんだらぼうしにゆっくりのってね!ぴったりとはいるようにのるんだよ!」 「ゆっくりがんばるよー!」「「ゆー!」」 「すきまがあるとみずがはいってあぶないしにおうからね!」 慎重に帽子に乗る親ゆっくり、すっぽり入るとゆっくりの重みで帽子の鍔の部分が浮き上がり、水が入らないようになる。 器用に浮いた親ゆっくりは浮いた生首のようで気持ち悪かった。 「ゆ!ゆゆっ!」 「みずこわいよおおお!」 「おかーさんがささえてあげるからがんばってね!」 「ゆー!できたよ!ゆっくりできた!」 「まりさもできたー!」 水がやはり怖いのかなかなか乗れなかった子供達だが、親ゆっくりの手助けで無事乗れたようだ。 一番手間取った赤ちゃんゆっくりは親が咥えて子供達が押さえる帽子に載せることで浮かぶことができた。 「すごいよ!みずのなかがみえるよ!」 「あ、おさかなさんだー!」 「ゆっゆっゆ~」 「きをつかえばゆっくりいどうできるからね!こうやるんだよ!」 「おかーさんすごーい!」 「まりさもやってみるよ!」 「ゆー!!」 親に教えてもらいながらやがて木のオールで起用に動くゆっくり達 水に浮かんだ状態はゆっくりにはゆっくりしやすい条件のようだった。 男ははしゃぎまわるゆっくりたちを見て、面白いおもちゃだと思った。これはしばらく退屈しないですむなぁと。 急いで寝ていた場所にもどり釣り糸と針を用意する。もどるとゆっくり家族は向こう岸に行っておいしいものを食べようということを話していた。 ゆっくり達が向こう岸に行こうと男に背中を向け漕ぎ出す。その速さは名に違わず非常にゆっくりで追いつくのは簡単だった。 男はゆっくりの後ろから帽子に針を引っ掛けていく。4匹すべてに引っ掛けるとまた岩陰に隠れた。 針には釣り糸が付いており、ゆっくりが向こう岸に進むごとに流れていく糸を男は注意深く持ってゆっくりと遊びだした。 「ゆっくりすすんでいこうね!」 「ゆっくりすすむよー!」「ゆー!」 「むこうにはなにがあるの?」 「おいしいものがいっぱいあるよ!れーむやぱちゅりーはわたれないからわたしたちのものだよ!」 「ありすは?ありすはいないの?」 「ありすもいないよ!だからこわがらなくてもだいじょうぶだよ!」 「ありすいないのならだいじょうぶだね!」「ゆっ!」 「もしありすにおそわれたらこうやってにげるといいよ!ありすはかわをわたれないからね!」 「きははだみはなさずもっていてね!なくしたらいってくれたらまたつくるよ!」 「おかーさんありがと!でもこんどはじぶんでつくりたいな!」 「まりさも、まりさもつくる!」「ゆゆゆ!」 「じゃあこんどはきのつくりかたおしえてあげるよ!」 「「おかーさんありがとー!」」「ゆぅ~!」 「おかーさんなにかへんだよ!むこうまでいけないよ!」 「もうちょっとだよ!がんばってね!」 「もうつかれたー!ゆっくりしたいよ!」「ゆぅぅぅぅ」 「がんばってこげばすぐにつくよ!がんばってね!」 「ぜんぜんすすまないよー!」 親まりさは子供達が口を使い上手く漕げているのでとてもうれしかった。赤ちゃんにはまだ早かったがおねーちゃんが助けてあげているので大丈夫だろう。 早く向こう岸についてみんなでおいしいものを食べよう。向こうにはありすもいないから子供達も元気に跳ね回ることが出来る。 木の棒の作り方も教えないといけない。向こう岸にはいい木がいっぱいあるからもって帰ろう。 親まりさの頭はもう向こう岸について楽しむことでいっぱいだった。しかし、漕げども漕げども向こう岸に着かない。 何回もわたったことがある親まりさはおかしいと思いながらも、子供達と一緒だからと思い、子供達を励ましながら懸命にこいだ。 ゆっくりは水に弱い。 帽子に乗っているうちは安全だけども、帽子から落ちたら助からない。もし波がきたら親も子供もまとめて沈んでしまうだろう。 早く向こう岸に渡りたいと思いながら懸命に漕ぐ。しかしがんばってもがんばっても向こうに着かない。 「どゔじでえ゙え゙え゙え゙え゙え゙!」 「お゙がーじゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ん゙!」 とうとう疲れたのか漕ぐのを止めて休憩をしだした。早く陸に上がりたいがもう体力がない。子供達も限界だ。 水の上は怖いが、今はありすもいないのでゆっくり出来るだろう。 ゆっくりたちは離れないように木の棒で支えあいながら眠った。 男はそんな様子を岩に座ってみていた。手には4匹につないだ糸がある。 ゆっくりたちがなかなか向こう岸に付けなかったのはこの男が糸を引っ張っていたせいだ。 男はゆっくりが進む力より少しだけ弱く糸を引いた。引きすぎては気づかれる可能性があるからだ。 男がゆっくりが進む力よりすこし弱い力で引くのでゆっくりは自分が上手く漕げてないから遅く見えるだろうという考えだった。 近すぎると戻られたり、気づかれるかもしれないと思ったので引き始めたのは川の真ん中。 男のおかげでゆっくりたちは川の真ん中の辺りで動きがゆっくりになった。 懸命に漕ぐゆっくりの姿や、なぜ向こう岸につかないのかと騒ぐ子供にそれをなだめる親、一つ一つの行動が面白く時間がたつのを忘れてしまった。 男はまだまだ物足りなく、動かなくなったゆっくりが動き出すのを待つ。 それからしばらく経ったがゆっくりが動き出す気配がない。 気になった男はゆっくりに近い岩に移動する。するとゆっくりたちは寝ているではないか。 これでは楽しめない。俺はまだまだ楽しみたいのに。 男は糸の一つを引き始めた。 「ゆっ?ゆゆゆっ!」 「うるさいよ、ゆっくりできないよ」 「ゆ゙ゔゔゔゔゔ!!」 疲れて寝ていると赤ちゃんゆっくりが騒ぎ出した。姉ゆっくりはまだ寝たりないのか赤ちゃんゆっくりに注意する。 親まりさはその悲鳴に何か危険なものを感じたのか目を覚まし、赤ちゃんを探す。そして、 「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!ま゙り゙ざのあ゙がぢゃん゙ん゙ん゙ん゙!!」 赤ちゃんゆっくりは先ほどまで一番近くにいたのに今はだいぶ離れてしまっていた。いまだ少しずつ離れていく。 親まりさはすぐに理解した。赤ちゃんが流されている。 「まっててね!すぐおいつくからね!」 「「ゆっくりまっててね!」」 先ほどの悲鳴に気づいたのか子供達も後ろから追いかけてきていた。 しかし、つい先ほど覚えたばかりの子供と熟練した親のオール捌きには明確な差があり、子供達はどんどん放されていく。 親ゆっくりは置いていかれる子供達のことも心配だったが、待っていると赤ちゃんが流されてしまう。 赤ちゃんを優先するべきと判断した親まりさは先ほどまでの疲れを見せないオール捌きで赤ちゃんに追いついていった。 親まりさは赤ちゃんゆっくりを追いかけ上流に上っていった。 男は上流に向かって歩いていく。手には糸。赤ちゃんゆっくりが上流に流れていくのはもちろんこの男の仕業である。 赤ちゃんゆっくりの糸と親と子供達の糸を操りながら男は上流に向かっていった。 赤ちゃんゆっくりに親ゆっくりが追いつこうとすると引く力を強める。離れると親ゆっくりは追いつこうとがんばる。 まだ気づかないのか。いい加減上流に行っていることか赤ちゃんが引っ張られていることに気づかないのかと、親ゆっくりを見るがどうやら気づいていない。 子供達などもう口では助けるよなどと話しているが引っ張っているのは男である。 親ゆっくりに声援を送っているが自分達はのんびりと休んでいるのを見て、置いていこうかとも思ったが後々取りに帰るのが面倒なのでしょうがなく引っ張っていた。 子供達の声援によって一時的に早くなる親ゆっくりのこっけいな姿を見ながら、岩に糸を引っ掛けないように注意して山を登っていった。 「「おかーさん!!」」 子ゆっくりの叫び声でところどころにある岩に注意がいっていた男が親ゆっくりをみる。 親ゆっくりは餡子をはきながら息も絶え絶えに「ゆ、ゆっぐりしでいって、ね・・・」といいながら赤ちゃんを追いかけていた。 そんな状態で赤ちゃんを追いかけ続けるのは母親の愛か。とにかくもう潮時だろう。 男はそう思い赤ちゃんゆっくりを引くのを止めた。赤ちゃんゆっくりの動きが止まる。 「あ゙い゙だがっだよ゙お゙お゙お゙お゙お゜お゜!!」 「おがーじゃああん!」 「ゆっ!しゃべれるようになったんだね!おかーさんうれしいよおおお!」 どうやら追いかける親を見て喋れるようになったらしい、よたよたと姉と親ゆっくりに近づく赤ちゃん。 それを子供達と親は幸せそうな顔で見ていた。赤ちゃんが親に擦り寄ろうと少し身を乗り出した。 「よっと」 「ゆっ?」 ぽちゃん。 男が糸を思い切り引っ張ると帽子が親ゆっくりから離れるように動いた。 乗り出していた子供はバランスを取れず川に投げ出される。 その場にいた者には赤ちゃんゆっくりが水に落ちるさまがスローで写った。 「い゙や゜あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」 がこぼこと水の中で暴れる赤ちゃんゆっくり。しかしゆっくりは水に浮かない。暴れても沈んでいくのは避けれなかった。 そこに近づく小さな影。どうやら魚達が水に落ちた餌を食べに行ったのだろう。ここからじゃ見えないが親ゆっくりのすごい顔でどうなっているかは想像できる。 子供達も赤ちゃんを見ようと親と同じように乗り出したところで残りの三本の糸を引いた。 ざっぱーん! 三匹が川に落ちたことを確認すると、男は川岸に歩いていった。 「おじさん、だずげでえ゙え゙え゙え゙え゙!!」 親ゆっくりが自分の帽子に捕まりながら叫んでいた、掴んでいる場所から水が入ってすぐに沈むだろう。 自分の未来を想像して絶望していた矢先に男が長い棒を持ってやってきたのだ。まさに天の助けと思ったのだろう。 せめて自分だけでも助かる気なのか、男はそう思いながら釣竿を川に向けた。 男は魚で満たされた籠を持って里に戻った。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2059.html
むかしむかしでもないごく最近。 あるところに、ゆっくりを虐めることを至上の喜びとしているお兄さんがいました。 ある時、お兄さんが、ゆっくりを捕まえるために罠を作っていました。 そんな所に、桃色の髪をしたゆっくりがじっとお兄さんを冷ややかに見つめていました。 視線に気付いたお兄さんは、(桃色の髪?ゆゆこか?)と考えていると、桃髪ゆっくりがしゃべりだしました。 「私はゆゆこではありません。私はゆっくりさとり。あなたは…ゆっくり虐待を生きがいとしているゲダモノですね」 お兄さんはカチンときました。いきなり見たことも無いゆっくりに『ケダモノ』扱いされたのですから。 捕獲道具をとり、ゆっくりさとりを捕まえようとしました。 「おや、私を捕まえて、虐待しようとしていますね。…ふむふむ、まずは足を焼いて、そのあと穴を開けて私の中身の味見ですか。…ほうほう、もし美味しければ発情ありすを捕まえて繁殖させようと言うのですか」 お兄さんは驚きました。まるで自分の考えをゆっくりさとりに朗読されているようです。 「驚きましたか?えぇ、私は心を読むことができます。あなたが私をどう捕まえようかともどう虐めてやろうかともみーんな読めますよ」と、不敵な笑みを浮かべるゆっくりさとり。 お兄さんは完全にキレてゆっくりさとりに襲い掛かりました。 ですが、どう襲い掛かっても、ゆっくりさとりを捕まえるどころか、逆に翻弄されてしまいます。 「まっすぐストレートにぶっ飛ばす」ひょいっ「今度は左から」ぴょん「上から来るぞと見せかけて左から」すかっ お兄さんに焦りが生じると、ますます攻撃があたりません。そして ガサッ! お兄さんは自分の仕掛けた罠に気づかず頭から網をかぶって身動きが取れなくなってしまいました。 「あらあら、自分の罠に自分がかかるなんて、わかりますよ、その悔しさ、私を一思いに潰してやろうと言う憎しみ。でも残念でしたね」と、揚々と奥へ行こうとした瞬間。 ズボッ 「え!?」 サクッ 「ギャッ」 突如、ゆっくりさとりは穴に落ち、短い断末魔の叫びを上げました。 網から脱出したお兄さんはその穴を覗き込みました。 穴のそこには、付近から生え出た木の根に刺さって絶命していたゆっくりさとりの残骸がありました。 お兄さんはその穴を知りませんでした。それ故、ゆっくりさとりもその穴に気づかなかったのでしょう。 味見しようにも、お兄さんにはその穴の幅は狭く残骸に届かなかったので、そのまま穴を埋めました。 お兄さんは、なんだか興が冷めてしまい、その日は帰ってすぐに寝てしまいましたとさ。 その後、各地で新たなゆっくりの存在が確認されることとなるのは別の話。 以下俺設定 ゆっくりさとり 心を読める希少種ゆっくり。 そのため、他者による襲撃からの生存率はきわめて高い。 反面、心の無い自然災害にはきわめて弱い。 悪いゆっくりさとりは、読んだ心をわざわざ朗読し、心を読まれたものの狼狽振りをニヨニヨしながらあざ笑う。 良いゆっくりさとりは、そもそも心を読むことを嫌悪しているため、めったに現れることは無い。 あとがき ぶっちゃけ、「サトリ」の物語をゆっくり風にしてみただけです。 そろそろ地霊のゆっくりも現れるかなと思い書いてみました。 駄文、失礼しました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5275.html
陽射しの支配する炎天下に、陽炎が泳ぐアスファルト。爛れるような夏の昼下がりを行く一匹のまりさはいま、リアルな死への恐怖を体感していた。 ここ最近、この界隈に現れるようになった大きな悪魔。「飼い」だか「野良」だか知らないが、片っ端からゆっくりを狙っては虐殺する巨人―― そう……まりさは、通り魔ふらんの姿を見てしまったのだ。 先刻は発見されそうになったが、何とか身を潜めることに成功した。とはいえ、家庭のあるまりさは我が家へ帰らなければならない。きっと心配してくれている子どもたちに、狩りで得た食糧を見せて安心させてやらねばならない。 上等でない頭をフル回転させながら、まりさは退路を思案する。脳みそという雑巾を絞れるまで絞ったところでふらんの巡回ルートを割り出すことなど不可能であるが、本能が生への道に縋りついて離さなかった。 「ゆっ……ゆっ……」ズルズル ずるずる、ずるずる、まさにゆっくりと進む。熱された道を力無く這うまりさの身体は枯渇寸前であったが、実は自宅までの距離はほんの僅かしかなかった。 「おうちはすぐそこなのぜ……ここをいけばかえれるのぜ……」ズルズル 暗雲を貫く一閃の光が、まりさの目に映った。 生きて帰れる――希望に満ち溢れた光であった。 「みんなっ……まりさはいきてかえったのぜ……!」ズルズル 「――そこにもいっぴき、いるみたいだな」 しかし、その光は一瞬にして魔人の手に遮断されてしまった。 「ゆっ――!?」 視界に広がる歪んだ口元。さらに上を見やると、紅蓮の双眼が爛々とまりさを見下ろしていた。 そして、その悪魔の両手には、無惨な姿に成り果てた二匹の赤れいむが握られていた。迷子になったのか、はたまた勝手に出歩いてしまったのか。捕まってなぶり殺しにされるぐらいなら、干からびて息絶えたほうがまだマシだったろうに。 まりさは蛇に睨まれた蛙と化していた。一歩も動けず、おそろしーしーを漏らし、涙が止まらない。急激に迫りくる死を受け入れられず、だが逃れられぬ事実は眼前にあり、混乱してしまっている。 「ころす」 悪魔――ふらんから発せられた、たった一言、だが絶望で塗り固められたあまりにも冷酷な審判。 「ころす。ころすころすころすころすころすころすころすころすころす――」 結果的に一言どころでは収まらなかったが、どちらにしろその言葉の意味するところは死一択である。 死への恐怖はより現実的なものへと変貌し、まりさは頭を地に擦りつけた。 「やめるのぜッ!!! いのぢだげはッッ!!!!」 涙に濡れた懇願は虚しく、あまりに鋭利すぎる指爪がまりさの小さな眼球に迫る。まず視力を奪い、暗い世界に陥れ恐怖を煽る段取りなのだろう。 悪魔が笑う。 「きっといたいよ、とってもいたいから、でも、いたくても、しぬまではしぬなよ」 「やめでぐだざいッ!!! がぞぐがいるんでずッ!!!! ごばんだべなぎゃゆっぐりでぎまぜんッ!!!!」 「だ、め♪ あははははははははは――」 「――こら、ふらん!」 瞬間、絶望と哄笑の中に第三者の、それも可愛らしい女の子の声が響いた。 見れば、二匹を仲裁するような位置に、両手を腰に当てたしかめっ面の少女が立っていた。無論まりさにはまったく見覚えがない人物である。そもそもひとの顔を何日も覚えていられるオツムはこのゆっくりには備わっていない。 「あ……I」 ふらんは決まり悪げにそう呟くと、渋々Iという少女の右手を掴み、まりさから離れた。 Iはふらんの手についていた赤ゆの死骸を気にも留めず、優しい微笑みを見せた。 「まりさ、大丈夫? ゴメンね、うちのふらんがまた勝手に弱い者いじめして」 「お……お……おねーさん……ありがとぉおお……」 安堵からか、まりさは自身のいろいろな体液でぐしゃぐしゃになりながらその場に倒れ込んだ。Iは「気をつけて帰ってね」と一言だけ言い残し、ふらんと手をつないで去っていった。 去り行くふらんが一度だけ振り返り、いまにも飛びかかりそうな勢いでまりさを睨んだ。 ★ 「おねーさんはすごくゆっくりしたひとなのぜ! ゆっくりしたひとなのぜええええッ!!」 無事帰宅したまりさは、赤まりさに赤れいむ、そしてれいむに先程の体験談をどや顔で披露していた。 彼らの巣は、いつから建っているかも分からない廃屋の庭の茂みにあった。引っ越し当時、その場に散乱していた巨大なダンボール箱やビニールシートを利用して、なかなか立派な自宅を設置したのだ。 「あんなにやさしいにんげんさんがいるなんてしらなかったのぜ! みんなにもみせたかったのぜ! それにまりさもふらんとたたかったのぜ! ごかくいじょうのたたかいだったのぜ!」 テーブルの上に立って豪語するまりさを、家族が笑顔で褒め称える。 「しゅごーい!」「てんしゃーい!」「さすがはれいむのまりさだね!」 喝采に赤面しつつ、まりさはIの偉大さと優しさを三時間以上も語り続けた。 ふらんを飼う、黒髪ロングヘアの可愛らしい少女。彼女はいったい何者だったのか。まりさたちからしてみれば、優しい優しい命の恩人でしかないのだが……。 ★ 翌日、まりさは狩りに出ていた。 ふらんの姿を思い出すと背筋(?)も凍るが、そんなことを言っている余裕はない。食糧の蓄えが少ないため、調達しなければふらんに殺されずとも飢え死にしてしまうからだ。 昨日の件もあるし、ふらんだって簡単に外出はできないだろう。そう思えば狩りが億劫になるということはない。 「たっぷりとってかえるのぜ。ふらんがでないいまがちゃんすだぜ」 ふらんの気配はないし、いつも道路を焼いている夏の太陽も、今日はなぜだか元気がない。涼風も吹いて過ごしやすい気候である。 「あ、もしかして昨日のまりさ?」 微笑みかけるような少女の声が聞こえたのは、巣の近くにある公園の入口を過ぎようとしたところだった。 見上げた先には、餡子脳でも一晩語れば刻み込まれた女神の顔貌。救いの天使Iであった。 「お、おねーさん! ゆっくりしていってね!」パァァ 「ゆっくりしていってね♪」 ああ、ここでまた出会えたのは運命だろうか。まりさは伸びたり縮んだり、とにかく嬉しさを身体で表現した。 「今日も狩り?」 「そうなのぜ。なつはあつくてたいへんだけど、しかたないのぜ」 「大変だね。子どもがいるの?」 「かわいいかわいいおちびちゃんだぜ」 「へえ、じゃあ狩る量も増えちゃうんだ。この時期は天敵よりも天候が怖いから、狩りも一筋縄じゃいかないよね。……それじゃ、これあげる」 「ゆ?」 Iは片手に提げていたビニール袋の中から、紙袋を取り出した。その中にさらに手を入れ、引っ張り出したのは…… 「あ、あまあまさんっ!?」 「メロンパンだけど。いる?」 「おねーさんありがどぉおおおッッ!!!」 Iはわざわざ屈んで、まりさにメロンパンを手渡してくれた。 それは、家族で食べても二日は食に困らない、しかも人間の作り出したあまあまさんである。 「こんなものしかあげられなくて、ごめんね」テヘペロ 「ぜんっぜん!! いいのぜっ!! ゆるすのぜっ!!」 「えへ……気に入ってもらえたなら、わたしも嬉しいよ」 Iは悠然と去り、まりさの狩りも終わった。 三つ編みおさげを揺らすそよ風が心地良い。街には音ひとつなく、ここはまるでまりさだけの世界のようだ。 そうだ、この蓄えがあるなら、明日は狩りに出なくてもいい。明日は久しぶりに、子どもたちとずっと遊んでいよう――親心と童心を胸に、まりさは巣へと戻っていった。 ★ 「さあ、さっさとでていくのぜっ!」 メロンパンというご馳走――豪華な晩餐が始まる直前、そのまりさは現れた。 薄汚れた帽子にギラギラした両眼は、一目見てゆっくりできない輩だと判断できた。こいつは、ここにいてはいけない。四匹の家族は、本能でそれを悟ったことだろう。 「ここはまりさたちのゆっくりぷれいすだぜ! でていくのはそっちなのぜ!」 一家の大黒柱のまりさは、強気の命令にももちろん引き下がらない。 しかしそれは、侵入者まりさも同様だった。 「でていかないのなら、そのあまあまさんをこっちによこすのぜっ! はやくするのぜっ!」 あまりに無茶すぎる交渉に、大黒柱まりさは力を溜めて、そして、全力で地を蹴った。 「ゆっくりできないゲスは――ゆっくりしねッ!!」シュタッ 「はんッ! そんなこうげきがこのまりささまにつうようするとでも――」シュタッ どちらもまりささまなのだが、侵入者まりさも同じように地を蹴り――空中で交戦した二匹のうち、大黒柱は、打ち負けた。 「ゆげぇえっ!!」 三つ編みアッパーを受け、壁にぶつかり餡子を吐き出す大黒柱まりさ。侵入者まりさがジャンプと同時に身をくねらせたことにより、攻撃が読めなくなってしまったのだ。 「お、おとーしゃん……!」ガァァァ 「まりさ……!」ガァァァ 「きちゃだめだよ! れいむとおちびちゃんはまりさがまもるからねっ!」キリッ 「――その辺にしときなよ」 良く通る声が巣に反響する。ゆっくりたちの視点よりも、ずっと高いところから浴びせられた声だった。 大黒柱まりさは、ハッとした。まさか、もしかして―― 敵の横を抜けて、巣から飛び出す。そこには、やはり、いた。 「お、おねえざぁああんっ!!」 「やっほ♪」 Iだ。そして彼女の背後には、何とふらんも立っている。一瞬びくりとしたが、飼い主がいるのであれば恐れる必要はない。 「ふらん、そこのまりさなら殺していいよ」 「わかった」 主に言われるがまま、ふらんがニヤニヤと侵入者まりさに近寄る。 「ど、どぼじで……」 狩られる獣は、妙な表情で一人と一匹を見ていた。なぜここで殺されるのかが分からない。弱肉強食を嘆くのではなく、この展開に納得がいかない、という具合に。 「どぼじで……ごんなごどずるのぉおおおおッ!!!?」 「ほら、キミたちで言う――せいっさい、ってやつだよ」 Iの言葉が終わるとともに、ふらんの二指が侵入者まりさの目を貫いた。 断末魔。れいむが子どもたちの目を遮り、壮絶な光景を視界からシャットアウトした。しかしその悲痛な叫びだけは防ぐことができず、子どもたちは俯き、震えていた。 のたうち回る侵入者まりさを、ふらんは一部分だけ引きちぎり、肉塊を外に放り投げると、また一部分を引きちぎった。手が肌に触れるたび、侵入者まりさは「ひぎぃ」と声を荒げるが、ふらんはそれが愉しいらしく、指を五本突っ込んだり抜いたり、残虐を繰り返している。 「おねーさん、どうして……」 「ん? だから、せいっさい、だよ。キミたちのように幸せな家族が、こんな不幸な運命に振り回されるなんて、理不尽すぎるから」 いよいよまりさは、このIという少女を心から信頼した。 彼女は人間なのに、優しい言葉をかけてくれるだけでなく、こうして巣まで駆けつけて危機を救ってくれた。しかも強い強いふらんを従えて、家族に傷ひとつつけることはせず。 「ありがとう……なのぜ……」 もじもじしながら礼を告げると、Iは大きく頷いて、「さ、帰るよ」とふらんの手を引き、踵を返して去っていった。 「あれが、まりさのいってたおねーさん?」 れいむが息を漏らしながら尋ね、まりさは無言で頷いた。 「まりさのいったとおり、ゆっくりしたにんげんさんだったね」 「……そ、そうなのぜ。おねーさんはとてもとてもゆっくりしたにんげんさんなのぜ!」 「ふらんからたすけてくれて、おおきなあまあまさんもくれて、ゲスからもまもってくれて」 「ちょっぴり、にんげんさんのことみなおしたのぜ!」 「ゆふふ」 泣き止まぬ子どもたちをあやしながら、れいむは微笑する。 まりさはIの笑顔を、声を、ゆっくりゆっくり思い出していた。いつかまた、危険が迫ったときには助けてくれるだろうか。あまあまさんをくれるだろうか。淡い期待が、明日からの生活の糧になる気がした。 ★ とある無線会話。 「ふらん、そっち。公園のほう行った」 『うん、みつけたよ。――おい、そこのおまえ。そのてにもってるにもつをおいて、きえろ』 『なにいってるのぉおおおお!!? これはれいむがみつけたあまあまさんだよぉおおおお!!!?』プンスカ 「はあ。殺していいよ」 『なら、しね』グチュッ 『ハぶッ』 『――ころしたよ』 「……まったく、これだから野良は嫌い。ふらん相手に口答えするなんて、脳みそ焼き切れてんじゃないの?」 『どうする。きょうもイイモノがみつからないみたい』 「そうだね。おやつ用意するから、早めに帰ってきてね。――そろそろアレが美酒に化ける時期かなぁ」 後編まで、ゆっくりしていってね!!! 選択肢 投票 しあわせー! (8) それなりー (6) つぎにきたいするよ! (34)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1398.html
冬眠ゆっくりの子守唄 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 そのゆっくりれいむが通ると、誰もがあたたかな声をかける。 「ゆっくり、していってね」 答えるれいむは上品だった。物腰たおやかで、そして美しかった。 魔法の森の誰もがうらやむ、最上のゆっくり、それが彼女だった。 「ゆっくりー……」 柔らかな草の上に座り、ただゆっくりと日を浴びる、それだけでも花のように絵にな るゆっくりだった。 「ゆっくりちちぇっちぇね!」 「ゆっくりちちぇっちぇね!」 小石ほどのちっちゃな赤ちゃんまりさや赤ちゃんれいむたちが、蝶を追ってぴょんぴょ んと飛んでいく。それを見ると、ぴょんと横から蝶を捕まえ、赤ちゃんたちにやった。 「はい、ちょうちょさんよ」 「ありがちょ、おねーたん!」 「やさしいね、おねーたん!」 感謝するちびたちに、無言でにっこりと笑いかける。 ゆっくり特有の騒々しさもなく、控えめで、優しい。本当によく出来たゆっくりだっ た。 そのれいむは、一年を母親の下で過ごし、そろそろ一人立ちを迎えようとするころだっ た。こんなにも器量よしで気立てのよいゆっくりなので、もちろん大勢のゆっくりたち が彼女を慕っていた。 「れいむとゆっくりつきあってね!」 「まりさとゆっくりつきあってほしいんだぜ!」 「あっあっあアリスと赤ちゃんをつくりましょぉ~~~~~!」 そんな誘いにも、れいむは頬を赤らめて、つつましく辞退していた。 「もうちょっと、ゆっくりかんがえさせてね」 彼女が一体誰と付き合うのか、森のゆっくりたちはやきもきしていた。 れいむの母親は、保守的な考えの持ち主だった。 「れいむはまだまだこどもだよ! 次の春までゆっくりと成長して、それからすてきな 人を見つけるといいよ!」 れいむ本人も、漠然とそんなふうに考えていた。 まだまだ、恋というものを遠くの虹のように考えていたのだ。 だが、恋のほうではれいむを待ってくれなかった。 ある日のこと、草むらをゆくゆくとしとやかに歩いていたれいむは、隠れていた蛇に 襲われた。悲鳴を上げて逃げようとした時、石をくわえて蛇を叩きのめしてくれたゆっ くりがいた。 「このあたりは危ないんだぜ。ゆっくりしないで通り抜けてね!」 そのまりさは、れいむにしばらく目を留めていたが、他のゆっくりのようにれいむの 美貌に惑わされて口説き始めたりはせず、黒い帽子を翻してそっけなく去っていった。 「すてきなひと……!」 ゆっくりれいむの餡子ハートが、きゅんきゅん鳴り始めた瞬間だった。 ほどなくそのまりさの素性がわかった。魔法の森のはずれの石地に暮らす、一人身の ゆっくりだった。 数日後、れいむはとびきり色艶のいいアマガエルをくわえて彼女に近づき、震えるハ ートに勇気を奮い起こして話しかけた。 「あの、せんじつはありがとう……いっしょにゆっくりしてね?」 「ゆっ?」 振り向いたまりさは、しばらくれいむを見つめてから、やがてにっこりとほほえんで くれた。 「ああ、あのときの……」 覚えていてくれた。それだけのことで、れいむは天にも昇る心地になった。 「これ、おれいなの。ゆっくりたべてね……?」 まりさはカエルを見て、べろんと舌を伸ばして食べてくれたが、ふいと向こうをむい てしまった。 「ありがとう。でも、ゆっくり帰ってね」 「どうして? れいむ、もっと……まりさといたいよ」 「ゆぅぅ、それはだめだよ」 「どうして?」 「だってまりさは……ばつをうけている身だからね」 まりさの告白は、衝撃的なものだった。 彼女はむかし、母親や姉妹たちと大きな家族で暮らしていた。ある日のこと、その家 族がゆっくりれみりゃに襲われた。母まりさが立ち向かい、子供たちも必死に手助けし たが、空を飛ぶゆっくりには勝てなかった。母も姉妹も体のあちこちをつまみぐいされ、 身動き取れなくなった。 そのとき、一人だけ無傷だったこのまりさは、家族を捨てて逃げたのだった。 「おかあさんがさけんでいたよ。『まりさだけでも、逃げてゆっくりしてね……!』っ て」 だが森のゆっくりたちは、このまりさに冷たい目を注いだ。家族を見捨てたゆっくり としてつまはじきにし、森のはずれのこんな寒々しい土地に追い出したのだ。 そこまで聞いた時、やさしいゆっくりれいむの目から、熱いものがあふれ出した。 「どお゛じでぞんな゛目゛にあっでるのぉぉ……!」 同情が胸を締め付ける。その痛みはすぐに、甘い共感に変わった。 我知らずれいむは、まりさに頬をすりつけていた。 強く強く、いっぱいの気持ちを込めて、すりすりと……。 「れ、れいむ……」 「つらかったよね、さびしかったよね……!」 すり寄るれいむに対して、まりさはとうとう何も言わなかった。 だが、別れ際に一度だけ、自分からそっと頬を当ててくれた。 れいむには、それだけで十分だった。 その日から、二人のひそかな逢瀬が始まった。 森のゆっくりたちの目をかすめて、石の荒地で、木陰のうろで、滝つぼの陰で、ふた りは密会を重ねるようになった。 密会といっても、二人とも前の冬に生まれたばかりで、まだ若い。子作りを求める、 燃え立つような情欲とは縁遠い。れいむが浮き立った調子で日常のことをしゃべり、そ れにまりさが時折あいづちを打つというような、他愛のない時を過ごしただけだった。 孤独なまりさはれいむの話を聞くと、ほかのゆっくりが気づかなかったようなれいむ の苦労を汲んで、ぽつりと同情してくれた。 「ゆっくりは、顔じゃないんだぜ」 「れいむは顔よりも、心がすてきだと思うんだぜ」 またそんなまりさも、おのれの美貌におごらない、謙虚で正直なれいむに惹かれていっ た。 「おかあさんや妹たちに、いつまでもゆっくりしてほしいよ」 「まりさのことも、きっとみんなはわかってくれるよ!」 夏の間、ふたりはそうやって、穏やかに愛をはぐくんでいった。 秋に入ると、ゆっくりれいむは冬支度を始めた。 優しいながら芯のしっかりしたこのれいむは、生まれて一年もたたないうちから、一 人で越冬をすると決めていたのだ。 外敵の近づきにくいイバラのしげみの奥に穴を掘り、着々と食料を貯めて行くゆっく りれいむの姿に、最初は心配していた母れいむも、許可を出してくれた。 「しんぱいだけど、だいじょうぶそうだね! がんばってゆっくりしてね!」 「うん、れいむがんばるね!」 幼女期を過ぎて少女期に入ったばかりのれいむではあったが、必要な餌の量や穴の広 さを本能が教えてくれた。れいむは着々と準備を進めていった。 ひとつ、気がかりなのは、あの仲良くなったゆっくりまりさのことだった。れいむは まりさと一緒にいたかった。 だが、結婚の誘いを口にするには、れいむはまだまだ幼かった。 もしそんな誘いをしたならば、一冬をずっと同じ穴の中で過ごすことになる。まりさ と夜を過ごしたことは、いまだに一度もなかった。そこで何が起こるのか、少女の活発 な妄想力をもってしてもさすがに考えが及ばず、れいむは一人、顔を赤くして首を振る のだった。 ――まだはやい、まだはやいよ! もっとゆっくりなかよくなってから……! 冬ごもりの食料は莫大だから、簡単には移せない。つまり、思いつきで移住すること は出来ない。どちらにしろ、今年は一人で過ごすことが決定していた。 森の木が色づきだしてからというもの、まりさのほうも冬支度を始めているようだっ た。ときおり遊びにいったれいむは、石穴での彼女の冬支度が、それなりに順調に進ん でいるようだったので、ほっとした。 そのころのれいむは、まりさの視線を感じて小麦粉の頬を熱くすることが増えていた。 まりさも同じように考えてくれている――そんな確信があった。 季節が移りゆき、とうとう幻想郷に初雪が降ったある日。 いよいよ冬篭りの支度をすっかり整えたれいむは、銀世界に顔跡をつけていっさんに 走っていた。 「ゆっ、ゆゆっ、ゆっ、ゆゆっ!」 今日は三ヵ月を越える冬ごもりを始める日。巣穴の入り口を閉じる前の、最後の逢瀬 だ。 石地の巣穴にたどり着くと、期待したとおり、その入り口はまだ開いていた。 「まりさ、いる?」 「れいむ? ゆっくりしていってね!」 聞き慣れた誘いの声。れいむはこの上ない喜びを覚えて、巣穴に入っていった。 「いよいよだね……!」 「ゆっくりと生き延びようね……!」 感無量で見つめあう顔と顔。自然の厳しさはお互いに知っている。うまくゆっくりで きなければ、再び会うことは出来ないかもしれない。 そんな切羽詰まった思いが、若いれいむに思い切ったことを口走らせた。 「あの……あのね、まりさ!」 「ゆっ?」 「もしこの冬篭りに成功したら……わたしとけっこんしてね!!」 白玉楼から飛び降りる思いでの大胆な告白。もちもちした頬を真っ赤に染めて、れい むはぎゅっとうつむく。 期待と不安に餡子が高鳴る。まりさはなんて答えるだろう。孤独なひとだから、断ら れるかもしれない。実は他に好きな人がいるかもしれない。乙女ゆっくりの想像力が暴 走しかけていく。 「ゆ……ゆぐ……」 のどに詰まったような不思議な声。おそるおそる声を上げると、まりさは顔を背けて むこうを向いている。 まりさを困らせてしまった――その思いに、れいむは足場が消えてなくなったような 絶望を覚える。やっぱり、自分の思い込みだったんだ。まりさは、ただの友達としか思っ てくれていなかったんだ……! 「ご、ごめんね、まりさ! 変なこと言っちゃった。……ゆっくりしていってね!」 最後の挨拶を残し、出て行こうとするれいむ。 涙を見られる前に。 ところがその後ろ髪が引っ張られる。ころんと転がって振り向いたれいむが見たのは、 真っ赤に染まって、怒っているようなまりさの顔。 「わ……わるかったよ、れいむ!」 「ゆっ?」 「な、なんて言っていいか、わからなかったんだぜ! うれしすぎて!」 言うが早いか、まりさは寄ってきた。柔らかな肌とふさふさの金髪がれいむの頬に押 し付けられる。 「まりさもだいすきだぜ! きっと、きっとけっこんしようね!」 「ゆ……ゆぅぅぅぅ!!」 歓喜の声がのどから漏れる。餡子脳をまたたく間に餡内麻薬が満たしていく。押し寄 せる幸福感、高まるヘヴン状態。 「ま、まりさ、うれしいよ……!」 「れいむ、ほんとにだいすきだぜ……!」 むにむにと頬をこすりつけ、何度も言葉を掛け合う。 こんなに幸せな思い出があれば、長い冬ごもりもぜんぜん苦しくない。少しの後悔も なくここを離れて、巣穴に戻ることが出来る。れいむはそう思った。 が――。 「ゆ、ゆく……ゆふ……」 「ゆぅ……ゆむぅ……」 押し付けた肌のぬくもりが、あまりに心地よすぎた。 愛しい人との距離が、あまりに近すぎた。 いつの間にか二人は言葉を忘れ、短い声だけを漏らして、体をゆすりあっていた。 そう、それは……二人がまだまだ早いと考えていた、愛の営みのきざし。 実際、二人はそんなことをするつもりは毛頭なかった。 ただただ、その心地よく温かい行為を止めたくなくて、じわじわと続けていただけな のだ。 しかし、いくら自覚がなくても、幼い餡子体に目覚めつつある官能は、そのまま消え てくれはしなかった。むしろ二人が押し合うのに合わせて、急速に高まりつつあった。 「ゆっゆっ……ゆっゆっゆぐっゆぐっ」 「ゆは、ゆは、ゆふ、ゆふ、ゆふぅぅ……ま、まりさぁ……へんだよぉ……」 頬を染め、とろんと溶けた目でつぶやくれいむ。 ふと相手を見れば、同じように快感に目を細め、唇をゆがめている。 そのまりさが、はっとれいむの視線に気づき、何か言おうとした。 「れ、れいむ……ゆっくりとやめようね……?」 彼女はまだ理性を残していた。今このタイミングで営みを始めたら、どんな悲劇的な 結末が待っているか、きちんと想像が出来た。 結末――それは恐ろしい光景だ。一人で巣穴に帰ったれいむが、腹の痛みを感じる。 そして何日かのあとに子供を産み落としてしまう。 一人用として準備された、巣穴の中で。 見詰め合ったまま、二人はわずかに逡巡した。 だがれいむは、しとやかで相手の望みを慮る性格のために、感じてしまった。 まりさがこらえている飢えを。芽吹きはじめた欲情を。 ――まりさがれいむをほしがってる……すっきりしたがってる……! それゆえに、れいむは揺すり続けた。 美しい頬をすりよせ、唇の端をまりさの唇に沿わせ……。 「まりさ、いいよ、まりさ……」 「ゆっ、れいむ、れいむ?」 「れいむはいいの。してほしいの。ねえ、すっきりしていってね……?」 魔法の森で一番とたたえられた、青いほど若く美しいゆくっりれいむの、健気な誘惑 ……。 それに、長い間孤独にさいなまれ、れいむを慕い続けていたまりさが、抗えるわけが なかった。 「れっ、れいむ、いいの、ほんとにいいの?」 「いいの、いいのぉ、まりさなら、ゆぅん、いいのぉっ……!」 まだ幼い、餡子皮もろくに厚くなっていない、青い果実のようなれいむがあえぐ。 「れいむっ、すきだよっ、れいむ、ほんとぉぉぉ!」 人の情けを知らずにたった一人で生き抜いてきた、飢えたまりさがむさぼる。 舌を伸ばしてべろべろと舐めあい、湿った頬をぐにぐにとすりつけ、野獣のように汁 まみれで愛し合う。若く未熟だといっても、いや、若く未熟だからこそ、二人の愛はと どまるところを知らなかった。 「ゆっ、ゆおっ、ゆふっ、ゆむぅっ♪ まりさっ、きもぢいい、ぎもぢいいよぉぉ!」 「れ゛いむ゛ッ、れい゛む゛っ、れ゛いむ゛ぅぅ、だいすきだよぉぉぉほぉぉ!」 「もっどっ、もっどじでっ、ぐるっ、ぐるっ、なにがぎぢゃぅぅぅぅ!!」 「まりざも、まりざもっ、れるっ、れるっ、なにかがれる゛ぅぅぅ!!」 ずくんずくんと押しつけるまりさの動きが最高に高まった瞬間、れいむは感じた。 じわじわぁぁっ……! と自分の中に染みとおってくる、まりさの愛のこもった熱い 波を……。 その途端、真っ白な閃光が丸い餡子体のすみずみまでも走りぬけ、れいむは我知らず に絶叫していた。 「すっきりーーー!」 「すっきりーーー!」 同時にまりさも叫び、柔らかい体をべったりとれいむに密着させたまま、ふるふると 硬直した。 白一色の野原の中、小さな穴倉で人知れず重なり合った二人の上に、新たな冬の使者 が音もなくはらはらと降り積もり始めた……。 ゆっくりれいむは枯れ草を敷き詰めた穴倉に、じっと座り込んでいた。 冬篭りを始めて一週間。――食料の消費は予想通りで、念入りにふさいだ入り口から は雪の一片も漏れてこず、冬篭りはすべて問題なく進んでいるようだった。 しかしれいむの顔は、心なしか青かった。 ――だいじょうぶ、だいじょうぶ! ゆっくりしてればいいの! 自分に言い聞かせつつも、思い返してしまうのは、あの日のことだ。 生まれて初めての衝動に押し流されるまま、自分の体のすべてを与え、恥ずかしい痴 態をさらしてまりさとひとつに溶け合った。それ自体は例えようもなくすばらしい愛の 出来事だった。 だが、終わったあとに残ったのは、取り返しのつかない愚行をしてしまったのではな いかという、巨大な不安――。 「れ、れいむ……」 おろおろとうろたえながら、まりさが何かを言おうとした。 「……こっちでゆっくりしていく? まりさはかまわないよ」 だが、出てきたのはこんな益体もない台詞だけ。もとよりまりさの巣穴にはまりさの 分の食料しかない。たとえまりさが身を投げ打ってくれたところで、来るべき事態の解 決にはならない。 れいむにまりさを責める気はなかった。あの流れの中で、自分は確かに、人生の分岐 点をこちらへと渡ったのだ。 一時の快楽に押し流されて……。 「ありがとう、まりさ。れいむはおうちにかえるね」 にっこりと笑って、れいむはそう言った。 まりさが好きだった。だから心配をかけたくなかった。 ただ、どうしたわけか、涙だけは目じりからぽろぽろとこぼれた。 「ゆっくりしていってね、まりさ。れいむはだいすきだったよ!」 「れ、れいむぅぅぅ……」 同じように涙を流し、何度も抱擁して、まりさは送り出してくれたのだった。 「春になったらむかえにいくからね! ぜったいいくからね!」 ……そんな声を背に、れいむは巣穴に帰ってきたのだ。 「ゆっ、ゆゆっ、ゆんっ!」 ふるふると頭を振って、自分に活を入れる。 「ゆっくりできるよ、ゆっくりしてるよ!」 すべては杞憂なのだ。こうして座って、辛抱強く食料を食いつないでいけば、やがて は春が来るのだ。 そうして、ある暖かな一日に薄暗い穴の中で目を覚ますと、入り口を掘りあけてまり さが来てくれるはずなのだ。 「ゆっくりしすぎたぜ、れいむ!」 そうやって、微笑んで……。 ぐりゅ、と頭皮の上で何かが動いた。 「……!」 れいむは頭をふる。何度も何度も振る。 「ゆっくり、ゆっくりしていくよ……!」 聞くものとてない冬山のイバラの茂みの奥に、そんな小さな叫びが響く。 だが――。 運命の神は――。 二人の愛の結晶を、無慈悲にも――。 「ゆぐっ、ゆぐっ、ゆゆぎぃぃぃ……!」 吹雪の吹きすさぶ厳冬の一月。 分厚い雪に振り込められた巣穴の奥に、異様な光景があった。 それは膨れ上がったゆっくりれいむ。――ただ縦方向に伸びているだけでないのは、 その口の下にみちみちと開きつつある穴から、明白だ。 産道が穿たれつつある。 一歳に達しないゆっくりれいむが、枝をつけずに胎児を孕むのは、きわめて異例なこ とだ。だがこれは、彼女自身が引き起こしたことだった。 その原因は、れいむが己の妊娠を徹底的に否定し続けてきたことにあった。 まりさとのあの日から一週間を過ぎたあたりから、れいむの体調は確実に変化してい た。食欲が異様に増え、食べても食べても物足りない。頭がうずき、何かが生えつつあ るような感覚が湧いた。 頭から枝が生えたら、子供が実る。――その程度のことは、うぶなれいむでも知って いた。 「は、はえないでね! ゆっくりはえないでね!」 頭の上に少しでも何かが突き出そうになると、壁にこすり付けて削り落とした。 だがゆっくりの体の作りは、ゆっくりであるれいむ本人にも想像もつかない神秘を秘 めていた。 枝が生えなくなってほっとしていると、今度は十日過ぎから、腹の中に違和感を感じ るようになった。 みちみちみち……。 みちみちみち……。 腹が圧迫されていく。 内側から。 まるで新しい何かが形成されているかのように。 「ゆ、冬太りになってきちゃったよ!」 「ゆっくりしてるの、ゆっくり一人ですごすのぉぉ!!」 食料の食べすぎだ、運動不足だと自らをあざむいても、詮無いことだった。 茎を作って生まれ出ることのできなかった生命が、行き場をなくして腹の中に宿って しまったのだ。 以来、それは育ちに育ち、一ヵ月半が過ぎた今では、かつてのれいむ自身に匹敵する ような何者かが腹の中にいることは、明白になってしまった。 それが今――。 いよいよ胎児としての成熟を迎え、外の世界に生れ落ちようとしている。 ふくれあがり、中からミチミチと押し開かれる産道に、れいむは懸命に力を込める。 「だめっ、だめぇぇぇ……生まれちゃ、生ま゛れ゛ぢゃだめぇぇぇ……! 出だら゛死ん゛じゃう゛の゛お゛ぉぉぉぉ!!!」 かつて誰よりも美しかったまぁるいあごの線は、無様にふくれ、見る者見る者に舐め てみたいと思わせた滑らかな餅肌には、脂汗が玉のようにびっしり浮いている。 若く美しいゆっくりだったれいむが、今は腹の膨れた妊婦となって、おのれの恥ずか しい穴を必死に引き締めているのだから、グロテスクを通り越して滑稽ですらあった。 「ゆぎい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!」 顔の下部に熱した金属棒を突っ込まれ、グリグリとこじ開けられるような壮絶な痛み が、れいむを苛む。れいむは歯を食いしばってそれに耐える。 最初のうちは外に出すまい、奥に戻してやろうという力みだったが、自然の巨大な力 の前に、そんな愚かな努力はたやすく圧潰した。今ではもう、腹の出口に宿る凶悪な痛 みの塊を、ただなんとか処理したいということしか、考えられない。 「ぎぎぎっぎゅぃいいぃいい! いだっいだっだっ、いだいよぉぉぉぉ!」 体内の餡子という餡子がマントルのように煮え返り、循環するような猛烈な苦痛が襲っ ている。その最悪の瞬間、れいむは痛みから逃れることしか考えていなかった。この痛 みをもたらしたすべての者を憎悪した。生まれつつある胎児自身、それを種つけたゆっ くりまりさ、種を受け入れた昔の自分、そしてそんな自分を世に送り出した母親までも を憎みぬいた。 「ゆっぐりじだいぃぃぃ! みんなみんなゆっくりじねぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!」 誰一人助けてくれるものもない、孤独な苦痛が最高に高まった瞬間―― きゅぅぅぅ……ぽんっ! 軽快な音とともに、一瞬で腹が軽くなった。たちまち、どっと音を立てそうな勢いで 安堵があふれ出し、れいむは至高の快楽に浸る。 「ゆっくりー!」 「ゅっ」 だが、彼女の安堵は、小さな小さなうめきを聞いた瞬間、絶望に転じた。 目を開ければ、薄暗い巣穴の床に、小さな丸いものが落ちている。 黒い帽子、濡れて波打つ金髪、ちょっぴり世をすねたような唇、まだ開いていないま ぶた……。 それは、愛したゆっくりまりさに生き写しの、自分の子供だった。 ――生まれてしまった……! ひたひたと押し寄せるその事実に、れいむは押しつぶされる。聡明な彼女には、この ことの帰結がはっきりと理解できた。 巣穴には一人分の食料しかない。 子供と二人では、間違いなく足りなくなる。 だから当然、今しなければいけないのは――間引き。 「……ゆ、ぐ、ぅ……」 それは子供を自らの手で殺すこと。大丈夫、生まれて間もない赤子はまだ世界のもの ではない。あちら側、死者の側の住人なのだ。殺すといっても、そちらへ送り返すだけ。 そう、これは「お帰し」なのだ――。 ゆっちゅりーだったか、あるいは他の誰かだったか。昔聞いたそんな理屈が、頭の中 でぐるぐると回った。 れいむはぶるぶるとおこりにかかったように震えながら、前へ進む。あれほどわが身 を痛めつけてくれたのに、子供の大きさは桃の実ほどもない。スイカ並みの大きさがあ る今の自分なら、のしかかるだけで片をつけることが出来る。 やるのだ。 やらねば。 やらなければ! ――と、そのとき目を開いた小さな子供が、きょろきょろと辺りを見回したかと思う と、輝く瞳にいっぱいの希望を浮かべて言った。 「ゆっくちちぇっちぇね!!!」 一撃だった。 それはれいむの脆い殺意を突き崩し、深い深い愛を呼び覚ますに十分な一撃だった。 幼い母親であるれいむの心に――幼いからこそ、純粋な愛がこんこんと湧き出した。 愛したまりさとの子供、自分の腹を痛めた子供だという思いが、あっという間に心を満 たした。 「ゆ゛っ……」 れいむは、その言葉を口にした。 「ゆっぐり、ぢでいっで、ねぇ……!!!」 そして滝のように涙を流し、わんわんと声を上げながら、赤ちゃんまりさに頬ずりし た。 「ゆっ? おかあたん、どうちたの? まりさがちゅいてるよ! 何もわからない幼いまりさが、早くもそんなことを言って、母に頬を擦り付けた。 母子はずっと一緒にゆっくり暮らした。 狭く暗い穴倉の中で、せいいっぱいゆっくりと……。 出産が済んだれいむは、いくらもたたないうちに、元のように丸く美しい体形を取り 戻した。子供と二人、彼女は毎日を楽しく暮らした。 子まりさも、満足しきっているようだった。 「おかーたん、ゆっくちおととにでたいよ!」 「おそとは寒いのよ。暖かくなったらね」 「おととにはどんなものがあるの?」 「きれいなお花や、可愛いちょうちょや、すてきなまりさかあさんがいるのよ」 「ゆっ、おかーたんがもうひとりいるの? まりさ、たのしみだよ!」 子まりさの幼すぎる餡子脳は、結末をまったく想像できなかった。 彼女はただ、外敵のいない快適な穴倉で、寝てもさめてもそばにいてくれる、若く美 しい母親と、壁一杯に積まれたたっぷりのごちそうに囲まれ、明るく広い未来を想像し て、至福のときを過ごしていた。 「ゆぅ・ゆ・ゆー ゆぅ・ゆ・ゆー ゆーゆゆぅゆ ゆーゆぅ……」 柔らかなアルトの子守唄を聴きながら寝かしつけられると、子まりさはついついこん なことを言ってしまうのだった。 「おかーたん」 「なぁに? まりさ」 「まりさ、とってもちあわちぇ!」 ちゅっ、と頬にキスして目を閉じる娘を、れいむはこの上なく幸せな顔で、だが滂沱 の涙を流しつつ、見守るのだった。 時が流れ、日々が過ぎていった。吹雪の音は収まることがなかったが、壁に積まれた 食料は少しずつ減っていった。 れいむにはひとつだけ迷いがあった。それは自分を犠牲にしてこの子を助けようかど うかということ。自ら招いた過ちである以上、そうすることもれいむは真剣に考えた。 だが、出た結論は、そうしたくないし、そうするべきではないと言うものだった。 母の肉体を食い荒らして育った娘が、幸せになれるだろうか……。 恋人の肉体を食い荒らして巣穴から出てきた娘を、母まりさが許してくれるだろうか ……。 そう考えれば、答えはとても簡単であるような気がした。 三月、冬の終わりを告げる最後の地吹雪が巣穴をとどろかしているころ。 食べるものが何一つなくなった、空虚な巣穴の中で、頬がこけ、げっそりと衰弱した れいむ親子が、夢うつつの境をさまよっていた。 「ゆぅ……ゆぅ……」 「ゅぅ……ゅぅ……」 寄り添った二人は、もはや苦鳴すら漏らしていなかった。おなかがちゅいた、と子ま りさが文句を言っていたのも、すでに一週間も前のことだった。 今では細い息を漏らしながら、迫り来る死を待っているだけだった。 「ゆぅ……ゆぅ……ゆっ・ぐ」 薄れる意識を漠然とたもっていたれいむは、ある一瞬、確かに自分の生が途切れたの を感じた。人間にたとえれば、弱りきった心臓が短い間、停止したというところだろう か。ともかく、死はすぐそこまで迫っているとわかった。 ――れいむ、しぬんだ……。 ――がんばったけど、ここで死んじゃうんだ……。 ――おかあさん、ごめん。まりさ、ごめん。子まりさ、ほんとにごめん……。 いつ死んでもおかしくない、と思った瞬間、れいむは細い決意を抱いた。あれほど考 え抜いて決めたことなのに、土壇場で再び母性本能がうずきだしていた。 「まりさ……まりさ」 「ゅぅ……ゅ?」 「今から、ごはんをあげるからね……いっぱいたべて、ゆっくりしてね……」 そう言って、子まりさから離れ、壁際の石へよろよろと這いずっていった。石の角で 自らを切り裂き、餡子を与えるつもりだった。 だが、その作業を始めて痛みに顔をしかめていると、ちっちゃな子まりさがゆむゆむ と必死にはいずってきて、細い声で取りすがった。 「おかーた、おかーたん、いたいいたいしちゃ、だめ!」 「いいのよ、まりさ……」 「だめなの、まりさはおかーたんがちゅきなの! おかーたんいっしょにいて!」 餡子の味を知らないから、そんなことを言うのだろう。いったん餡子を食わせてやれ ば、我を忘れてむさぼるだろう。 そうとわかってはいても、れいむは愛しいわが子を、泣かせたくなかった。 れいむは石から離れた。そしてまりさにゆっくりと寄り添って、歌い始めた。 「ゆぅ・ゆ・ゆー ゆぅ・ゆ・ゆー ゆーゆゆぅゆ ゆーゆぅ……」 眠れ眠れ母の胸に。 歌の歌詞そのまま、眠るように子まりさは静かになった。 ほどなくその静かな歌も途切れ、あとには吹雪のとどろきが残った。 汗ばむほどの陽気に包まれ、根雪が盛大に溶け流れている。 四月。魔法の森には急激な春が訪れ、すべての生き物たちがいっせいに目覚めていた。 「ゆっ、ゆゆっ、ゆっくゆっく!」 雪解けの地面を、全身泥まみれになりながら駆けていくゆっくりがいる。 黒い帽子のゆっくりまりさだ。もう五日も前から巣穴を防ぐ石版をぐいぐいと押し続 け、今日やっと、上に乗っている雪が溶けたために出てこられたのだった。 「ゆっくり、ゆっくりーっ!」 それは訪れた春を歌い上げる歓喜の声であるとともに、愛する人に聞かせる呼びかけ の声だ。皮よ破れよ帽子よ落ちよとばかりに、出せる限りの速度でまりさは跳ね飛んで いく。 イバラの茂みは、秋に記憶したとおりの場所にあった。そこは雪がまだ溶けていなかっ たが、そんなことは問題ではなかった。まりさの頭の中は、四ヶ月前に激しく愛し合っ た、美しく愛らしいゆっくりれいむのことだけが占めていた。 ――れいむ、れいむ! いま掘り出してあげるぜ! 冷たい雪を口にくわえて横手へ吐き出しながら、まりさは冬ごもりの間に数え切れな いほど繰り返した至福の想像を、再び頭の中で組み立てる。 雪をどけて扉を崩せば、待っていたれいむが涙ながらに飛び出してくるはずだ。 いや、慎み深いれいむのことだから、久しぶりの出会いにためらって、もじもじして いるかもしれない。 まさか眠っているってことはないはずだ! どれにしろ、まりさの言うべきことはひとつだけのはずだった。 ゆっくりしていってね! これからずぅっとずうっと、死ぬまで一緒にゆっくりしようね……! ゴソッ、と雪が抜けた。巣穴を閉ざす石と枝が現れた。 「れいむ! まりさだよ、ゆっくりしないで来てあげたよ!」 石と枝をくわえることすらもどかしく、もぞもぞと顔を突っ込んでまりさは入り口を 掘り抜いた。ずぼっと穴が貫通し、湿った巣穴の匂い、懐かしいれいむの甘い香りが、 ふわりと漂いだしてきた。 「れいむ!」 まりさは三日、遅かった。 ========================================================================= YT このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3021.html
ゆっくりを提供するもの PMUS描写無し ドスまりさが出てきます いじめ描写ほぼなし 「ドスの事はどう思っているんだい?」 男はゆっくりに尋ねた。 「どすはゆっくりできないどすだね!!」 「かってにすっきりー!!してあかちゃんうんじゃいけないっていうんだよ!!」 「ごはんもたべすぎちゃだめだっていうんだよ!!」 「ほかにも・・・(ry」 ゆっくりはドスに対する不満を男にぶちまけた。男はそれを熱心にメモしていた。 「・・・というわけなんだよ!!」 「そ〜かそ〜か」 ひとしきり愚痴を言い切ったのかゆっくりは満足したようだ。 「ぐちをきいてくれてありがとうおにいさん!!おかげでゆっくりできたよ!!」 「そうか。それは良かった」 この男は山にいるゆっくり達にアンケートを取っていた。内容は 『ドスについてどう思っているか?』 という事である。 大半がドスに対する不満ばかりであるが、中には 「すっきりがじゆうにできないのはすこしつらいけど、 すきかってにすっきりしまくるのはいなかもののすることよ!! とかいははあかちゃんのことまできちんとかんがえなくちゃいけないのよ!!」 「むきゅ!!みんないまはごはんがあるからってかんがえずにたべすぎなのよ!! もしあめがつづいたりしたらどうするつもりなのかしら? そういうことをかんがえられないゆっくりがどすをこまらせているのよ!!」 「みんなどすにもんくをいうくせにこまったときだけどすをたよりにしてるね!! おなじゆっくりとしてなさけないよ!!まったく、さいきんのわかいゆっくりは(ブツブツ」 一部の賢いゆっくりには好評な様である。 結果、ゆっくりの95%がドスに対して不満を持っている事が分かった。 すっきり制限や食事量制限などが主な要因である。 また、不満をもっているゆっくりにもう1つ質問をした。その内容は 『ドスの元から出ていかないのか?』 というものである。 すると実に9割のゆっくりが「出て行かない」と答えたのだ。 理由は簡単。安全だからである。 通常のゆっくりは非常に弱く常に食われる側であるが、ドスはそうではない。 体も大きく力も強く、そして何よりドススパークやゆっくりオーラなどの強力な技を持っている。 そのドスの元にいれば捕食者から狙われる事もなく、安全に過ごせるからである。 ドスの元で安全に過ごすゆっくり達は、最初の内はドスの加護に感謝していたが それが日常となり、平和に「慣れて」しまったせいで増長するゆっくりも少なくなかった。 その増長したゆっくり達が人間の生活圏に入り悪さをする事も増えた。 ドスは気が気ではなかった。このままゆっくり達が悪さを繰り返せば、人間達は必ずゆっくりを討伐しにくる。 単純な力ならば並の人間よりドスのほうが遥かに強い。その為、素手の人間ならばさほど問題にならない。 しかしドスを相手に素手で挑む人間はいない。それなりの装備をしてくるものだ。 仮にそれなりの装備でなくとも、人間はそれこそ適当な木の棒や石で武装するだけでもドスにとって脅威である。 討伐ともなればそれなりの装備をした人間が大量に押し寄せてくる。 そうなってはドスも並のゆっくりと変わらず、あっさりと群れごと滅ぼされるだけである。 そうならない為にゆっくり達に口煩く人間の里に行くなとは言ってはいるが、 人間の作った野菜や菓子などの食糧は、ゆっくりにとっては極上の美味であり、 その味を覚えたゆっくり達がドスの言う事など聞く耳を持たなかった。 その結果として生活圏を荒らされた人間は、ゆっくりを見つけたら即殺すという行動を取るまでに至った。 人間にとっては善良であろうと悪質であろうと、ゆっくりであれば関係無いのである。 このままではいずれ必ず人間が討伐に来る。どうすれば討伐されずに済むかドスは悩んでいた。 協定を結ぶ事も考えたが、ゆっくり達が協定を守れるかも怪しく尚且つ協定を結んでも人間にあまりメリットが無い。 それならばドスと側近のゆっくりだけで群れを出るのはどうかとも考えた。 そうすればドス達だけは一応無事に過せるかもしれない。しかし、他のゆっくり達はどうなるだろうか? ドスが居なくなった事で、今まで我慢していたゆっくり達が一気に人間の生活圏に侵入するだろう。 そうして人間の怒りを買い、ゆっくり達は1匹残らず皆殺しにされるであろう。 愚かなゆっくりが皆殺しにされるのは構わなかったが、人間に迷惑が掛かるというのは避けたかった。 どうすれば良いのかと悩んでいたドスの元に 「ゆゆぅぅ〜〜〜〜!!どすぅぅ〜〜〜!!どすぅぅぅ〜〜〜!!!!」 「ゆっ!?どうしたの?れいむ!!」 「ゆっくりぷれいすににんげんさんがきたよぉぉぉお!!!」 「えっ!?!人間が来たの!?」 ドスは焦った。遂に人間が討伐に来たのかと思った。しかし 「にんげんさんはどすにあいたいっていってたよ!!」 「えっ!?」 ドスは取り合えず安心した。どうやら討伐に来たのではないらしい。 では何の為に?とも思ったが考えてもしょうがないので人間に会って見る事にした。 人間は小さな岩に腰掛けてドスを待っていた。ゆっくり達はその人間の様子を不安げに見つめていた。 と、そこへドスが現れた。 「人間さん。まりさのゆっくりプレイスにようこそ!!ゆっくりしていってね!!」 「あぁこちらこそ。ゆっくりしていくよ!」 ドスの挨拶に対して人間は悪くない反応を示した。どうやら争う気は無いらしい。 「人間さん。今日はまりさに何の用なの?」 ドスは尋ねた。 「まりさと今後の事について2人きりで話がしたい。いかがかな?」 ドスは何となく理解した。ここで人間の要求を蹴ったり問題を起こしたりすればロクな結果にならない。 そこでドスは要求通り人間と2人きりの話に応じる事にした。 ドスはゆっくり達に近づかない様念を押した。多分ゆっくりの今後に関わる話なのだろうとドスは考えた。 ドスと人間は回りに何もない草原に出た。ここならば誰にも邪魔をされる事はない。 「それで人間さん。まりさに何の用なの?」 ドスは尋ねた。 「ドスをやっているまりさに聞きたい事があってね。それで来たんだよ」 「ゆ?聞きたいこと・・・?」 「何、簡単な事さ。まりさ!!君はゆっくりできているかい?」 人間はドスに質問を投げかけた。大した質問ではなかった。が 「まりさは・・・まりさは・・・・・・・・」 ドスは言葉に詰まってしまった。「ゆっくりしているよ!!」と返すつもりだったのだが、言葉が出なかった。 ドスは自分がゆっくりしているとは正直思っていなかったからである。 「周りには誰もいないんだ。正直に言ってくれて構わない。」 「まりさは・・・ゆっくりできてないよ・・・」 ドスは俯きながら答えた。 「本当はまりさだってゆっくりしたいよ。まりさはみんなとゆっくりできるだけでいいんだよ・・・ でもみんながゆっくりするとまりさがゆっくり出来ないんだよ・・・ まりさだけなら我慢するけど、なんでみんなは自分だけゆっくりしようとするのかな・・・? そのせいでみんなゆっくりできなくなるのにね。何でみんな分かってくれないんだろう・・・ まりさも、みんなも、人間さんも、みんなでゆっくりしようと考えてくれればね・・・」 ドスは少し悲しそうな表情で男を見つめた。 「それが聞きたかった・・・ありがとう。」 「ゆっ?」 ドスは人間の意図が分からなかった。 「最近山のゆっくり達にまりさの事を聞いて回ったんだが、まりさの言ってる事が分かるよ。 君が苦労して群れの事を考えていても、あいつらはそれを当然と考えているからな。 むしろ自分達が問題を起こしても、まりさに押し付ければそれでいいって感覚だからなぁ・・・」 「ゆぅ・・・」 まさに人間の言った通りだった。ゆっくり達はドスに厄介ごとを持ってきては、自分達だけゆっくりしていたのだ。 「ただ、私達人間ならまりさをゆっくりさせてやる事はできるぞ。」 「ゆゆっ?!?!」 ドスは驚きの表情を浮かべた。 「人間さん!!何を言ってるの!?」 「言葉の通りだよ。それともまりさはゆっくりしたくないのか?」 「まりさは・・・まりさは・・・ゆっくりしたいよ!!もういい加減疲れたよ!!」 「そうなのか。」 「それで人間さん、どうすればまりさはゆっくり出来る様になるの? まりさは何をすればいいの?」 「あぁ、それはだな・・・・」 30分程して人間とドスが戻ってきた。 「ゆっ!!どすとにんげんさんがもどってきたよ!!」 「どす!!おかえりなさい!!」 「ただいま、みんな!!」 ゆっくり達は戻ってきたドスに声を掛ける。 暢気なゆっくり達といえど、ドスが人間と2人きりになるのは少々不安だったらしい。 「やぁみんな!!悪かったね!!もうまりさとの大事なお話は終わったから帰るよ。 じゃあまりさ、明日のこの時間にまた来るからその時に返事を聞くよ。 それじゃあ、良い返事を期待しているよ!!」 人間はそう言ってゆっくりプレイスから去っていった。 一方ドスも、ゆっくり達を適当にあしらって巣に戻っていった。 ドスは巣の奥に篭り、ゆっくりと考えた・・・。 次の日、ドスはゆっくりプレイスの入り口で人間を待った。 前日とほぼ同じ時間に人間が現れた。 ドスは手短に伝えた。 「人間さん、まりさは乗る事にしたよ。」 「そうか!!良い返事をありがとう!!それじゃいつ頃にするつもりだい?」 「一週間後位はどう?都合は人間さんに合わせるよ。」 「OKそれでいこう。んじゃ、また一週間後に!!」 「またね!!人間さん!!」 前回とは打って変わってあっさりとした内容で、すぐに話も終わった為他のゆっくり達は大して気にもしなかった。 一週間後、ドスはゆっくり達を集めてこう言った。 「これから人間の里をまりさ達のゆっくりプレイスにしに行くよ!!」 ゆっくり達は驚いた。今まではドスが人間と関わるなと五月蝿く言っていたからである。 ドスがやっと重い腰を上げたと、ゆっくり達は喜んだ。 「どすがいればにんげんのさとものっとれるね!!」 「にんげんなんてどすにかかればいちころなんだぜ!!」 「さすがどす!!たよりになるよ!!」 「それじゃあみんなで行くよ!!」 「「「「「えいえいゆー!!!」」」」」 ドスとゆっくり達は人間の里を目指して山を下った。 人間の里はゆっくりの足で30分程掛かるが、人間の里が手に入ると思っているので全く問題ではなかった。 暫くすると白く大きな建物が見えてきた。間違いなく人間の建てたものであった。 ドスとゆっくり達はその建物へと向かった。 程なくその建物に到着したゆっくり達は、その建物の大きさや頑丈そうな見た目からすぐにその建物を気に入った。 その為手始めにその建物をゆっくりプレイスにすることにした。 幸い扉等は見当たらず、すんなり入る事ができるので、ゆっくり達は次々とその建物に入っていった。 「ここはすごくゆっくりできるおうちだね!!にんげんにはもったいないね!!」 こんな事をゆっくり達は言っていた。 一方ドスは、いつまで経ってもその建物に入ろうとはしなかった。 「ゆゆっ!?どす!!どうしたの?ここはとてもゆっくりできるよ!!」 「まりさはみんなが入るまで入り口を見張ってるよ!!まりさが見張ってれば人間が来ても大丈夫だよ!!」 「ゆっ!!それもそうだね!!」 ドスは入り口を見張る事にした。それに安心したゆっくり達は尚も建物に入っていく。 暫くすると全てのゆっくりが建物に入った。 それを見計らってドスは叫んだ。 「人間さん!!もういいよーーー!!!」 ドスが大声を上げた瞬間、建物の天井から金網タイプのシャッターが下りた。 「ゆゆゆっ!?!?」 ガシャン!!という音にゆっくり達が驚いた。 ゆっくり達は金網のシャッターで閉じ込められてしまったのだ。 思わずドスに助けを求めたゆっくり達だったが、ドスは笑みを浮かべていた。 「ゆゆっ!?どすどうしたの!?はやくたすけてよ!!」 ドスは助けを求めるゆっくり達の声を聞いている内に、俯いて震えだした。 「・・・・・・・・・・・・・・」 「どすなにしてるの!?ゆっくりできないがしゃーんをはやくこわしてね!!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「どすどうしたの!?ねちゃったの!?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぷっ!!」 「あははははははははははは!!!!はーーーーーーはっはっはっはっは!!!!」 ドスは突然大声で笑い出した。 その声に反応したかの様に、何処からともなく人間が集まってきた。 「ゆっ!!どす!!にんげんがきたんだぜ!!」 「はやくやっつけてよ!!」 一方ドスは 「ははははははは!!・・・・はひぃ・・・はひぃ・・・ぜぇー・・・ぜぇー・・・」 漸く笑いが止まった様だ。 笑いすぎて半泣きになりながらドスは言った。 「まだ分からないの?お前達はまりさに騙されたんだよ!!」 「ゆっ!?なにをいってるの!?!?」 ゆっくり達は混乱した。あまりの展開に頭が付いていけなかった。 「お前達をゆっくりさせるのがもう嫌になったんだよ!!もうお前達のお守りなんてたくさんだよ!! だからお前達は加工所でゆっくりしていってね!!」 「むきゅっ!!どす!!あなたはにんげんにだまされているのよ!!」 「おねがいだからかんがえなおしてね!!」 「かこうじょじゃゆっくりできなぃぃぃぃい!!!!」 ゆっくり達はドスが人間に騙されてこんな事をしたのだと思った。 ゆっくりの中には説得を試みたものも居たが無駄であった。 「人間さんに協力すればまりさをゆっくりさせてくれるって約束してくれたよ。 もしかしたらゆっくりできないかもしれない・・・でも・・・」 まりさは一呼吸置き、そして 「お前達クズと一緒に居ると、まりさは絶対にゆっくりできないんだよ!!」 「「「「ゆがーん!!!」」」」 「どすがゆっくりをゆっくりさせるのはあたりまえでしょお!!」 「うらぎりもののどすはしねぇええええ!!!」 「れいむのかわいいあかちゃんみせてあげたでしょぉぉお!!」 「じょうずなおうたきかせてあげたでしょおおおお!!」 「ゆっくりしないばかなどすはしねえええ!!」 ゆっくり達は騒ぎ出した。 ゆっくり達の騒ぐ声にドスは段々とイラついてきたらしい。 側に居る人間に一言二言話しかけ、その人間の方に口から何かを吐き出した。 「人間さん、まりさのスパークキノコ預かっていてね。このままだと我慢できないから・・・。」 「あ、あぁ・・・分かった。」 ドスはゆっくり達の方に向き直り、怒鳴り散らした。 「ドスがゆっくりさせるのはあたりまえって、それはそうかもしれない・・・。 まりさはお前達をゆっくりさせる為に頑張ってきた。でもお前達は何をしてくれた!? お前達は好き勝手にゆっくりするせいで、まりさは凄く迷惑だったんだよ!! まりさだけならまだいいけど、里の人間さんにまで迷惑を掛けるって何のつもり!? お野菜は勝手に生えないって何度も言ったでしょ!?それを理解できないから人間さんに殺されるんだよ!! お前達が迷惑を掛けすぎたせいで、山のゆっくりみんなが殺されるかもしれなくなってたんだよ!! 人間さんはまりさよりずっと強くて賢いんだよ!!それなのに何で勝てるって思っちゃうの!? そんな事だからまりさにも見放されてこうなるんだよ!!」 ドスはゆっくりとは思えない口調でまくし立てた。 「あかちゃん見たらゆっくりできるでしょって、ただお前達が勝手にすっきりしただけでしょ!? それで勝手にできた子供なんて可愛くも何ともないよ!!お前達クソ饅頭のクソガキなんてムカツクだけなんだよ!! じょうずな歌を聞かせたって、ただゆ〜ゆ〜騒いでるだけでしょ!!あんなのただの雑音だよ!! 人が眠い時までさわきがやって!!おかげでこっちはゆっくり寝ることもできなかったよ!! 黙らせたら黙らせたで泣き叫んで五月蝿くなるしほんとにお前達はうざいよ!!! お前達は人間さんにさっさと殺されてね!!お前達みたいなゴミクズでも人間さんの役に立てるんだから 光栄に思ってね!!」 ゆっくり達はショックで固まっていた。自分達にとってのゆっくりを、よりによってドスに全否定された為である。 「それじゃあ最後にみんなに言いたい事があるよ!!」 ドスは先ほどと打って変わって落ち着いた口調で話した。 「それじゃあみんな!!ゆっくり・・・・・しね!!」 満面の笑みを浮かべたドスによる死刑宣告である。 「ゆぎゃぁあああああ!!!ぢにだぐないぃぃぃぃぃいい!!!」 「ぶざげるな゙どずぅぅぅうぅぅぅぅううう!!」 「ごのうらぎりものぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」 「どずぅぅぅうう!!ゆっぐりじないでだずげでーーー!!!」 ゆっくり達は大騒ぎしているがドスは何処吹く風といったところである。 そうしている内に加工所入り口のゲートが閉まり、ゆっくり達も見えなくなった。 「今更聞くまでもないが、良かったのか?」 「これでやっとゆっくりできるよ。何だか今はすごくすっきりー!!な気分だね。」 長い間のストレスから開放されたドスは、非常にゆっくりとしていた。 「まりさ、これから先もゆっくり達が集まってくるだろうがそれがクズ共だったら遠慮せず連れて来てくれ!! それなりのお礼はするぞ!!」 「うん分かったよ!!まぁクズだったらだけどね。」 ゆっくり達はドスに守ってもらおうとする習性がある。クズゆっくりであればなお更で、ドスの名の下に悪さを働く。 そこで人間はクズゆっくりを駆除するのではなく、ドスを懐柔してしまえば良いのでは?と考えた。 懐柔できるようなドスを調べるのはさほど難しいものではなかった。 ゆっくりの事はゆっくりに聞けば良いのだ。 ゆっくりしていないドスならば更に詳しく調べたうえで、懐柔できそうなドスは直接人間が説得に行く。 説得できてしまえばこっちのものである。 最小限の人数でクズゆっくりを駆除できる。その上危険なドスも敵になる事はない。 ドスは邪魔なクズゆっくりを処分でき、人間は殆ど手間なく大量のゆっくりを確保できる。 人間にとってもドスにとってもお互いが「ゆっくり」の提供者となるのだ。 「どす!!どすのむれにいれてほしいんだぜ!!」 暫くするとまたゆっくり達が集まってきた。またクズかと思いつつも、ドスはゆっくり達を歓迎した。 「まりさのゆっくりプレイスにようこそ!!歓迎するよ!!」 「(もうそろそろ良い頃だね・・・)」 「これから人間の里をゆっくりプレイスにするよ!!!!!・・・・・ 終 悩むドスの絵を見て考えてみました。 ゆっくりを売り渡す様ドスを説得するのはどうなんだろうと思い書いてみました。 内容はほぼ丸パクリっぽいなぁこれ・・・ 精進します(;´Д`)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/210.html
雑草だらけの部屋で眠る七匹の小さな紅白饅頭。 気持ちよく寝ているところに一人の男が声をかけた。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ?」「ゆ!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 聞きなれない声に少し驚いたもののすぐに挨拶する赤ちゃんゆっくりたち。 その半分はまだ寝ているが。 しかしすぐにいくつかの疑問が生じる。 「おかあさんはどこ?」「ここどこ?」「おじさんだれ?」 このゆっくり達はここで生まれたゆっくりではない。 大木の洞に棲み、近くの虫や草花を食べて生活していたのだ。 まだ小さく、巣から一度も外に出たことない自分達が外に出られるわけもなく、母親が見捨てるわけもない。 「ここは育児場だよ。」 「いくじじょう?」「いいからおかさんはどこ?」 すると男はとても残念といった顔でうつむいてしまう。 それをゆっくりは不審に思い聞いてみる。 「おじさん、おかあさん…どこなの…?」 少しだけ声が震えてるのは気のせいではないだろう。 男ゆっくり、はっきりと答えた。 「お母さんはね、悪いれみりゃに食べられちゃったんだよ…。」 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!」 「どお゛じでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 「おじざんのばがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ででい゛っでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 まだ寝ていた赤ちゃんたちもその声に気づき叫ぶ。 「ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛びどぎら゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「ゆ゛っぐり゛じん゛じゃえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 やれやれといった表情で男はその場を後にした。 泣き声はしばらく止まらなかった。 数十分後、男は大きなを持って部屋に入る。すると泣き疲れたのかほとんどのゆっくりは眠っていた。 起きていた内の一匹が顔をぐちゃぐちゃにしながら言う。 「ゆ゛っぐり゛…ででげぇ…」 どうやら説明したにもかかわらず男が食べたと思っているらしい。 またかと思いつつ男は言った。 「僕はね、君達のお母さんに頼まれたんだよ。『赤ちゃんを助けてて』って。 さあおなかがすいただろう?食べ物をあげるよ。」 「ゆ!たべもの!」「みんなたべものだよ!」 甘い匂いに気づいたものが寝ているものを起こし、全てのゆっくりが目を覚ました。 「おじさんそれなに?」「いいにおいだよ!あまいにおいだよ!」 「これは饅頭って言うんだよ。」 「まんじゅー?ゆっくりできる?」 「ああ、ゆっくりできるとも。」 そういって男は包み紙を外し、赤ちゃんゆっくりたちに与えた。 「うっめ!これめっちゃうっめ!」「むーしゃ♪むーしゃ♪」 「あー!それれいむの!れいむのなのー!!」「あまあまー♪」 「めー!とったらめー!めなんだからー!」 「そんなに取り合わなくてもいっぱいあるよ。ほおら。」 「おじさんありがとう!れいむたちのいえでゆっくりしていってね!!!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 どうやら自分を信用してるようだ。そう思いつつ男はゆっくりを見ていた。 数ヶ月後。 「「「おじさん!おそとにでたいよお!」」」 立派なゆっくりになったゆっくりたちは口々に叫ぶ。 この部屋には滑り台や砂場、水場、ジャングルジムにトランポリンもあったが次第に飽きてきたのだ。 「もっといろんなところにいきたいよ!」 「あたらしいおうちがほしいよ!」 「あたらしいおもちゃがほしいよ!」 「あたらしいおともだちとあそびたいいよ!」 「でも外は危ないぞ?何があるかわからないからな」 「だいじょうぶだよ!れいむたちはつよいんだから!!」 「「「つよいんだから!!!」」」 そうだなあ。もう充分かなあ。 「よし。おじさんに任せてくれ。おじさんがゆっくりさせてやるからな!」 「「「ゆっくり待ってるね!!!」」」 親切で優しくていい笑顔のおじさん、ゆっくりたちはそう思っているのだろう。 だがゆっくりたちはその裏を見抜くことができなかった。 「まずは君と君、それに君もだ。」 外に出る許可を貰ったゆっくりはきゃっきゃと楽しそうにはしゃいでいた。 「おそとでゆっくりあそぼうね!」 「れいむがおうちさがすね!」 「れいむもさがす!れいむもさがすのー!」 残されたゆっくりたちも不満を言わずにわくわくしていた。 「れいむたちをゆっくりまっててね!」 「あたらしいおうちでゆっくりさせてね!」 「みんなでいっしょにくらそうね!」 「またゆっくりあそぼうね!」 どのゆっくりも知らなかった。これからもう会えなくなるとは… 最初の三匹は給水用のストローがついた、ゆっくりサイズの回し車の中に一匹づつ入れられていた。 「おじさんせまいよ!でられないよ!」 「おそとにいかせてよ!」 「それはね車っていうんだよ。その中を走ると車も前に進むよ。 外にいる普通のゆっくりはそれを動かせて当たり前なんだよ」 「なあんだ!おしえくれてありがとう!ゆっくりまわしてすすむね!」 そう言って勢いよく回し始めるゆっくりたち。 「まわった!まわったよ!おそとにいけるよ!」 「でもぜんぜんすすまないよ!ぜんぜんうごかないよ!」 「がんばってもっとはやくまわそうね!」 だがゆっくりたちはその回し車の横が固定され、進むことができないことに気がつかなっかた。 …… あれから数時間、ゆっくりたちは疲れながらも時折ストローから砂糖水を吸っては回し続けていた。 「おじさん…これすすまないよ…」 「おかしいよ…こわれてるよお…」 「ふつうにはねておそとにでたいよ…」 「そんなことはないよ。だってちゃんとエネルギーは溜まってるからね。」 意味不明の答えに不満が爆発する。 「なにそれ!きいてないよ!どういうことなの!」 「おじさんきらいになっちゃうからね!」 「あやまってね!はやくあやまってね!」 にやにや笑う男に問うゆっくりたち。すると男は答えた。 「その車を回すとエネルギーができるんだよ。君達は死ぬまでそれを回して働くんだよ。」 エネルギーが何かはわからなかったがゆっくりたちには死ぬという言葉だけで充分だった。 「い゛や゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!も゛う゛い゛や゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「れ゛い゛む゛がえ゛る゛!!!お゛う゛ぢがえ゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「ゆ゛っぐり゛じだい゛の゛!!!ゆ゛っぐり゛じだい゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 涙と鼻水でぐちゃぐちゃになる三匹。だが男はまたもにやにやして言う。 「そんなのんびりしてると…ほら、後ろ後ろ。」 振り返る三匹、壁が少しづつ上がりそこには… 「「「「う゛ー!う゛ー!う゛う゛う゛う゛う゛ーーーーー!!!!」」」 「「「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」」」 そこにいたのはこちらに近づこうとする大量のれみりゃ。 その恐ろしさを赤ちゃんのころから教えられていたためにゆっくりたちは急いで逃げようと車を回す。 「ゆ゛っぐり゛じだい゛!!ゆ゛っぐり゛ざぜでよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 恐怖のせいかゆっくりたちはれみりゃが透明な車を回していることが、こちらに来ることができないとはわからなかった…。 そのころ… 「「「ゆっくりしてくるね!!!」」」 「ゆっくりいってらっしゃい!!!」 別の男に運ばれていく三匹のゆっくりたち。これらは先ほどと違う方向に向かっていった。 「ゆゆ?おじさんそっちじゃないよ!」 「みんながいったのははんたいだよ!」 「はやくもどってね!はやくもどってね!」 「大丈夫だよ。君達は特別だからこっちに行くんだよ。」 笑顔で答えるおじさんの答えにゆっくりは嬉しかった。 「とくべつ!れいむとくべつ!」 「わくわく♪わくわく♪」 「はやくいこうね!どんどんいこうね!」 大きな扉を開けた先には甘い香りが広がっていた。 「おまんじゅー!おまんじゅーだあ!」 「そうだよ。さあ!いっておいで!お饅頭がたくさんあるからね!」 そういってゆっくりをベルトコンベアの上に置く。 「「「おじさんありがとう!ゆっくりしてくるね!!!」」」 ゆっくりを見送る男の笑顔はゆっくりたちの見せた無垢なそれとは違っていた。 道の途中でシャワーを浴びる三匹。 しゃあああああ! 「「「ひんやりー!!!」」」」 自分の体が消毒されたのにも、そして横の壁が高くなるのにも気づかない。 そして巨大な穴へ迫っていった。 「ね!なにかきこえるよ!」 「ゆ!きこえるね!『ゆ!ゆ!』っていってるね!」 「おまんじゅーのにおいもするね!みんなでたべてるんだね!」 「「「いっせーの!それ!」」」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 わくわくした三匹は一緒に飛び込んでご挨拶、だが… 「ゆひゅ…ゆひゅ…」 「う゛ー?あ゛ー?」」 「ゆぐり…じでい゛っで…」 異常な温度の中で、ゆっくりたちの海で所々見えるそれを見て三匹は理解した。 「おま゛ん゛じゅ!!お゛ま゛ん゛じゅう゛がれ゛い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う!!!」 「どお゛じでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「お゛う゛ぢがえ゛る゛!!お゛う゛ぢがえ゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 やがて悲痛な叫びは聞こえなくなった。 そして最後の一匹は… 「ゆゆう…さびしいよお…」 たった一匹では何もすることはない。ぽつんと扉の前で待っていた。 ガチャリ! 「ゆゆ!」 ついに自分の番、そう思ったれいむは目を輝かせた。 ぼすん!ガチャリ! 何かを投げ込み、無情にも扉は閉まる。 「ゆゆ!あけて!あけて!おそといきたいの!」 叫んでも扉は開かず自分の声しか聞こえない。 そういえばさっき何か投げ込まれた。そう思ったれいむはそれに近づいていった。 「ゆっくりしていってね!!!」 投げ込まれたものがゆっくりだとわかり、ありったけの声で叫ぶれいむ。 「ゆう…ゆうう…」 「ゆゆ?どしたの?ゆっくりしないの?」 帽子を被り、目をとろんとさせたそれはれいむを確認すると襲い掛かった。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 しばらくして数匹の子供が生まれることになる。 地球温暖化や食糧不足、エネルギー不足の中に突如発生の謎の生命体、ゆっくり。 初めはその異常な数と雑食性により人々は大いに苦しめられた。 しかし、現在はこのような有効利用法が見つかっているのだ。