約 3,642,996 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5084.html
ゆっくりいじめ系3097 ゆっくりずvs1 から どすん 『彼』は様子を見ていた一番大きな屋根の上から降りて来た。 「ゆ?」 家の一番近くで燃え上がる木を見てくつろいでいたゆっくりれいむがそれに気づく。 「まりさ! にんげんがいるよ!」 「ゆ? ほんとかだぜ? れいむ!」 まりさも『彼』の方を見た。 確かにそこには『何か』がいた。 人間のような何かが。 だが、まりさは違和感を感じていた。 まりさは一度だけ人間に会ったことがあった。 それはこの村に攻め入ったときだが、そのとき見た人間は――― あんな石みたいな顔をしてなかった。 足や手がトカゲさんみたいなもので覆われてなっていなかった。 体中になにやらぶら下げていなかった。 指があんなにとがってなかった。 しかし、目の前の『それ』は二本足で歩いている。 「(やっぱりにんげんだ!)」 それだけでまりさの餡子脳は結論を出した。 他に二本足で歩く生物を見たことないのだから無理ないかもしれないが……。 「にんげんがなんでこんなところにいるんだぜ! ここはまりさたちのゆっくりぷれいすなんだぜ! ばかでよわいにんげんはとっととでていくんだぜ!」 彼の視界には最優先捕獲対象である『ドス』しか映っていなかった。 無論、化面の視覚タイプを「熱感知視覚」にしている以上、他のゆっくりも映し出してはいた。 だが、普通ゆっくりなど駆除するにも値しないと判断した『彼』には、ほかのゆっくりなぞ意に介するにも値しないものだったのだ。 どすんどすん 重量感を持った足音がする。 『彼』はドスに向かって歩いて行く。 「だがら“ごれ”は“れ”い”ぶだち”な”ん“だよ”ぉ“お”お“お”!?」 一方のドスは仲間たちに攻められて涙目になっていた。 「ゆ! まりさをむしするんじゃないぜ! よわいにんげんはゆっくりしね!!」 まりさはさらに声を上げるが『彼』は一向に反応しない。 やがて他のゆっくりも『彼』の存在に気づき、次第に声を上げ始めた。 「ゆ~!!にんげんがいるよー!」 「わかるよー。にんげんがいるんだねー」 「ゆゆ! よわいににんげんしゃんはゆっくりちんでね!」 「れいむたちのゆっくりぷれいすからゆっくりしないででていってね!」 「むきゅ~へんなにんげんだけどそんなにつよそうじゃないわね!」 「ほーけい!たーんしょ!ちっこう!!」 引き続き無視。 「なんでぶじずるのおおおおおおお!!!」 そして一番先に『彼』に気づいたれいむ一家に後一歩というところまで近づいた。 「べんじじろぉ“お”お“お”お“お”お“!! くそじじい”い“い”い“い”い“」 まりさが目を剥き唾を飛ばしながら絶叫する。 「おちょうちゃんをむちちゅるなー」 「ゆゆ~きこえないの? びゃかなの?ちぬの?」 赤まりさと赤れいむが『彼』の飛び出し声を上げた。 「おちょうちゃんがほんきだしゅたりゃじじ、びゅびゃ!」 「みみがきゅこえにゃいにゃんておおあわ、れみゃ!」 潰した。 『彼』には潰したという感覚すらないだろう。 蟻を潰しても人間には全くわからないのと同じくらいの価値しかない普通サイズのゆっくり。 赤ゆっくりなどはゴミ以下の価値もないものだったのだ。 「「「「……」」」」 『彼』をののしっていたゆっくり達は一瞬で静かになった。 全員目を限界まで見開き、潰れた赤ゆっくりを凝視している。 『彼』は相変わらずの様子でドスに向かって歩いて行く。 「ばりざのあがぢゃんがぁ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”!!」 「どぼじでごんな“ごどずるの”ぉ“お”お“お”お“お”お“!!」 「わがらないよお“お”お“お”お“ーー!!」 一斉にあがる悲鳴。 先ほどの罵声とは大きさが全然違う。 と、その悲鳴に巨大みょんが気がついた。 「みょん……? !! みょーーーーん!!」 巨大みょんも人間に気がついた。 ギャーギャーと喚く普通サイズのゆっくり達にも気がつく。 「し、し、しんせーーーーーーーーーーいほーーーーけーーーーー!!」 巨大みょんのあげた雄たけびに、村の中にいたゆっくり達が視線を向ける。 「ゆ“お”お“お”お“お”お“……ゆっ?」 「「「「「「ゆ?」」」」」」 泣いていたドスも、ドスをののしっていたゆっくり達も全員それを確認した。 にんげんだ! おいはらったはずのにんげんがなんでここに! あいつがまりさのあかちゃんをころした!? にんげんのくせに!にんげんのくせに! …… ……ゆっくりしね! ……ゆっくりしね! ……ころせ! ……ころせ! ころせころせころせころせころせころせ!! 『彼』は歩みを止めた。 ゆっくり達の様子が変わったのだ。 熱感知による視覚にその違いははっきりとでた。 ゆっくり達の体全体の温度が上がっている。 同時に中にある中枢餡子の温度がさらに上をいっている。 これは怒り。 ゆっくり達は怒っているのだ。 そして明確な殺気を放っていた。 「ゆ~っくり!!」 ドスまりさが声を上げる。 赤ゆっくりや子ゆっくりは数匹の普通ゆっくりと一匹の巨大れいむに連れられ広場から離れて行く。 他の普通ゆっくり達は縦横綺麗に整列しはじめ、巨大ゆっくりをリーダーとした『隊』を作っていく。 それぞれの隊は100匹ほどで構成されており、隊は扇形になるように散開し広場を包囲した。 そしてそのすべてを指揮するドスまりさと参謀巨大ぱちゅりー。 「ゆ!! 馬鹿な人間だね! たった一人でこの村にくるなんて! 大きなまりさやれいむを殺したのもおまえなんだね!!」 ドスまりさは怒気を込めていった 「もう許さないよ! ゆっくりできない人間はゆっくりと永遠にゆっくり出来なくしてあげるから覚悟してね!!」。 一方『彼』はその場で立ち止まり、周りのゆっくり達を眺めているようだった。 「ゆふん!! 今更後悔しても遅いよ! お兄さんはみんなでゆっくり踏み潰すからね!ゆっくりしないで死んでね!」 ドスは『彼』が自分達にビビッていると思っていた。 そして――― 「むきゅ!! ゆっくりーーにさんぶんたいとつげきー!!!」 「「「「「「「「「「「「「「「ゆーーーーー」」」」」」」」」」」」」」 真正面の隊が『彼』に突撃を開始した。 続けて左側、右側の隊も突撃を開始。 これでゆっくりが乱戦を行なうときに見られる『突撃中に仲間を踏み潰してしまう事故』は格段に減る。 大きくなって頭がさらに良くなった参謀巨大ぱちゅりーが編み出した会心の策だった。 かくしてゆっくり達の戦争が始まった。 仮面のモニターに字が表示される <対象身体状態> 興奮状態 ―――『戦闘意思あり』 <対象処理方法> 普通ゆっくり―――殲滅 巨大ゆっくり―――殲滅 ドスゆっくり―――殲滅 殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅 『狩リノ時間ダ』 最狂の狩人(ハンター)が目覚めた瞬間である。 突撃したゆっくり達が空中に舞い上がった。 いつもならここで「ゆ~♪ おそらをとんでるみたい~♪」という暢気な声がしただろう。 「ゆゆっ?」 「うわあ~れいむがおそらとんでる~」 「ゆっくりとんでる~」 それを見ていた他の隊のゆっくり達がうらやましそうに言った。 やがて宙から落ちてきたゆっくり達だが何の反応もない。 そのうちの一匹が隊のすぐ前に落ちてきた。 「ゆ~つぎはれいむ……? まり……ゆぎゃあああああ!!!」 「ゆ? ……ま、まりざあああああ!?」 今までお空を飛んでいたまりさの顔は前半分が綺麗にそぎ取られていた。 これではさすがに即死である。 いつもの『お空を~』発言も聞けないのも納得だ。 何故こんなことになっているかというと、彼の手にはいつの間にか槍が握れていた。 それは二メートル近くある彼の身長より長く、上下に刃が取り付けられていた。 いつのまにそんなものを? と疑問に思うが、この槍は伸縮自在で今までは背中に背負われていたのだ。 混乱する隊をよそに彼は開戦を報せる雄たけびを上げた。 「ぐおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 大気を震わすその雄たけびはゆっくり達のそれより遥かに大きく、そして凶暴なだった。 「「「「「「ひっ!」」」」」 それによってゆっくり達は立ちすくんでしまった。 跳躍。 ドスまりさの背丈以上の高さに彼は跳んだ。 そして群れ全体のちょうど真ん中にいる隊の、巨大ありすに槍を突き立てつつ着地した。 「ゆべっ!!」 それは中枢餡子を正確に貫いており、声を上げるまもなく巨大ありすは絶命した。 続いてありすを突き刺したまま槍を振り上げ振り下ろし、隊の普通ゆっくりをつぶした。 槍には返しが付いているため振り回しても外れないのだ。 ドスン!! 「ゆ~! ありすがおそらを……ぶべびゃ!!」 「ゆぎゃああああ」 ドスン!! 「どぼじであ”り“ずがびん”な“を”づぶずの”ぉ”お“お”お“……おびゅ!!」 「ゆっくりにげ……ゆべえっ!」 ドスン!! 「でがま”ら”っばっ!!!」 「だじげでぇ“え”え“え”え“っにぐまっ!!」 隊の半数が潰れたときだった。 「ありすをはなせぇえええええ!!」 他の隊の巨大まりさが彼に飛び掛った。 その跳躍は高さ三メートルを超えるもので、巨大になった体だからこそ出来るものだった。 「ありすをいじめるにんげんはゆっくりしないでしねえええええええ!!」 「(ありす! いまたすけるからね! それでこのわるいにんげんをたおしたらまりさとずっとゆっくり……)」 どうでもいいけど死亡フラグです。ほんとうに(ry 彼は槍を遠心力をつけるため一回転させ、まりさが頂点に来た瞬間に巨大ありすを投げつけた。 同時に槍を縮小させる。 これによって返しも内側に引っ込み、ありすはつっかえを失い空中に放り投げられた。 「ありすううううぅぅぅ―――ぶびっ!!!」 空中でありすと正面衝突するまりさ。 よほどの勢いだったのか。 アリスがぶつかった瞬間、お互いのぶつかった部分が心地よい『パーン』という音と共に爆ぜ、地面に餡子の雨を降らせる。 「ゆ“ぅぅぅぅ!! ゆ”っぐり“でぎな”ぃぃぃぃぃ!!!」 あまりの悲惨さに、餡子を浴びたゆっくり達は叫び声をあげた。 勢いを失った巨大ゆっくり二匹の胴体は地面に落ち、下にいたゆっくり達を潰した。 「ゆ“!! な”ん“でごっ”ち“に”ぐびょ!!」 逃げればいいものをのんきに叫んでいるからである。 一方の彼は槍を元の長さに戻し、槍に付着した餡子を空を切ることによって払った。 同時に飛び散った餡がついた仮面を拭った。 「むきゅ! にんげんはつかれているわ! よんこぶんたいとつげきー!」 「「「「ゆー!!!!」」」 攻撃の手がやんだのを見た参謀巨大ぱちゅりーの勘違いの元、さらにゆっくり隊が押し寄せてくる。 ちなみにここまでで全滅に近い被害を受けたのは二個分隊である。 「ゆっくりしてるにんげんはゆっくりじ、にゅべえぇぇぇぇ!!!」 「しょせんいなかものね! たたかいのとちゅうでやす、むぼほおおおおおお!!」 当然同じようになぎ払われ散っていくゆっくり達。 「ゆっくりしんでねぇぇぇ!!!」 隊長の巨大れいむが地面から低くはねて高速突進を繰り出してきた。 彼は鋭い左ストレートでそれを簡単に止める。 「ゆぎゅっ!!」 左手が深く顔面にめり込む。 ミチミチと音を立てて顔面の皮が破れ、体内の中に左手がもぐりこんでいく。 「ゆががががががが!!!!」 しかし未だ終わらない。 左手をすぐさま引き下からのアッパーカット。 巨大れいむの体が腕から抜け宙に浮いた状態にする。 そこに体のひねりを加えた渾身の右踵落とし!! 「ゆぶっ!!」 地面に叩き落された巨大れいむの体は接地面がはぜ散った。 続いてその隙を見てか背後から巨大みょんが鋭い枝を突き立てんともう突進してくる。 しかも二本咥えての二刀流である。 「みょおーーーん!」 いつもなら意味不明な淫語を連発するくせに、今回はまともなみょんだった。 しかし彼は背後を見ることもなく、巨大みょんの枝を左手で掴み止めた。 「ぺにすっ!?」 思わずいつもの淫語マスターに戻る。 そして止めた手をそのままに、振り向きざまの槍を持った右手よるジャブ。 先ほどの巨大れいむと同じく、巨大みょんの体に腕が思い切りめり込む。 「でがまっら!?!?」 そこに右手を引き抜く体の回転を利用した後ろ回し蹴りを放った。 おっとうまくきまった!(実況:ジョ○・カ○ラ) とめるのむずかしいですからねー(解説:き○ざわつ○し) 巨大みょんは高速で吹っ飛ばされ、控えていた他の隊の巨大ありすに衝突した。 しかも持っていた枝二本がありすの両目に突き刺さった。 はいった! きまった! これでどうだああああああ!(実況:ジ○ン・○ビラ) うおおおおおおおー!(解説:きた○わ○よし) 「ゆぎゃあ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ” ばでぃ“ずの”どがい”ばな“お”め“め”がぁ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”」 「ちぃぃぃぃん、ぽ……」 巨大みょんは受けた衝撃で気を失いかけている。 しかもジャブと蹴りを喰らった際に皮が破け餡子が飛び出している。 「ゆー!!! みょん! ゆっくりなおってねゆっくりなおってね!!」 「ぺーろ! ぺーろ!」 巨大ありす隊の普通ゆっくり達がみょんを気遣ってくれている。 このみょんは群れの中でもかなり人気があり、みんなから一目置かれている存在だった。 「ま……まーら」 みょんはお礼を言った。 そして立ち上がろうとした。 みんなのためにもあの人間を止めなければ。 でないとますます多くのゆっくりがやられてしまう。 自分ひとりではダメだったがみんなでやれ――― ブシャッ 「な”ん”に”も”び“え”な“い”ぃ“ぃ”ぃ“ぃ”ぃ“ぃ”ぃ“」 目を失い痛みに暴れる巨大ありすが、みょんの弱っていた体に止めを刺した。 見ると隊のゆっくりのほとんどは既にありすによって潰されていた。 それを止めようと寄ってきた他の隊のゆっくりもだ。 「な”に”や”っでる“の”お“お”お“お”お“ぉ“ぉ”ぉ“ぉ”ぉ“!?!?」 「“みょ”ん“をぶん”じゃだめ“でしょお”お“お”お“お”ぉ“ぉ”ぉ“!?!?」 みょんの手当てをしていたゆっくり達は叫んだ。 しかし巨大ありすはわめき散らすだけで一向に収まらない。 さらに暴れ散らし他のゆっくりを潰していく。 「む“じずる”な“あ”あ“あ”ぁ“ぁ”ぁ“ぁ”ぁ“ぁ”!!!」 「ゆっぐり“でぎな”い“あり”ずは“じね”っ!!!」 「ゆ“ぎゃあ”あ“あ”あ“あ”!?!?!?」 実に醜い仲間割れである。 一方、普通ゆっくりを近づかせることもせず槍で粉砕している彼の元へ、二つの影が接近していた。 「ちぇんたちのこんびねーしょんをみせるんだよー」 「わかるよー。ひっさつわざなんだねー」 巨大ちぇんである。 巨体に見合わぬ速さ(まあ……Gくらいですかね)で接近してくる。 実は今、突撃をしている普通ゆっくり達は、ちぇん達がそれぞれ指揮する隊のゆっくりで、二人の攻撃を成功させるための囮だった。 無論、普通ゆっくり達は囮にされていることも気づかずにやられているが。 二手に分かれたみょんは高く跳躍し、左右からのボディプレスを放った。 彼は前後左右から突撃してくるゆっくりに気をとられている――― 「ゆっくりしないでしぬんだよー!」 「わかるよーおわりなんだよー」 ガシシッ 「「ゆ?」」 ―――わけなかった。 左右からきた巨大ちぇんズを左右一本ずつの手でしっかりと受け止めた。 槍は足元にいる普通ゆっくりを地面に串刺しにしていた。 「お、おにいさん、ちぇんをゆっくりはなしてね!」 「わかるよーさくせんしっぱいなんだねー」 そしてそのままちぇんの体同士を空中で叩きつけた。 「「ゆみ”ゃ!!?」」 そのままどんどん力を入れていき…… 「や”ぁぁぁぁぁめ“ぇぇぇぇぇでぇぇぇぇぇ!!……ゆぎゅ!!」 「わ、か……るよぉ~て……お、くれ……なんだ……ねぇっ!!」 体を貫通した。 彼が両手を外側に払うと、巨大ちぇんは腕から抜け地面に転がっていった。 彼は再び槍を取って狩りの続きを再開した。 「むきゅ~……しんじられないわ……」 「ゆっ……」 ドスと参謀巨大ぱちゅりーは唖然としていた。 あの槍を持っているならば普通ゆっくりが敵わないのも頷ける。 だが槍を使わなくとも、あの人間は易々と巨大ゆっくりを葬る事ができる。 次々と物言わぬ饅頭となっていくゆっくり達。 普通ならばゆっくり達は、最初の隊が全滅した時点で逃げ出しただろう。 それでも逃げ出さないのはこの群れのルールがあるからだった。 『一番手柄をたてた隊に、一番ゆっくり出来る権利を授ける』 昨日までこの村に居座っていた巨大まりさとれいむは、先の戦いで一番人間に怪我を負わせた。 だから今日、山のみんなが来るまでゆっくりしていていい権利が与えられたのだ。 他の隊の連中がやられてくれれば自分の隊がゆっくりできる公算が高くなる。 そう思って大多数はいまだ留まっているが…… 「も“う”い“や”だあ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“」 「ゆ”……づぶざな“い”でッ……づぶざ……ゆびゃ!!」 「あんよがああああああぁぁぁ! れいむのきれいなあんよがああああ!!!」 「ゆっぐ……み“、み”ん“な”ど“ご~……な”に”も“びえ”なぃぃぃぃぃぃ……」 「い”だい“よ”お“お”お“お”お“お”ぉぉぉぉぉ!!!」 「だれがぁぁぁ!!! まりざをゆっぐりじないでだずげでよぉぉぉぉぉ!!」 「かわがむりぃぃぃぃぃ!?!?」 大多数が『願望に溺れて溺死しろ』状態である。 「ゆぐぐ……」 ドスは空を見上げる。 それは何かを待っているかのようであった。 その時であった。 「ゆう、ドス」 「ゆ?」 ドスが後ろを見ると、そこには子・赤ゆっくりを避難させた巨大れいむがいた。 「なに? れいむ?」 ドスはつまらなそうに答える。 「れいむおもうの……みんな……このままだところされちゃう……」 「むきゅ! ばかいわないで!」 それに対して声を荒げたのは参謀巨大ぱちゅりーだ。 「わたしのかんぺきなさくせんがあるかぎり、はいぼくはないわよ!」 「ゆ! でもぜんぜんにんげんさんはたおせてないよ! むれのみんながいたずらにしんでるだけだよ!」 実はこの巨大れいむは、巨大ぱちゅりーの前の村の参謀だった。 しかし前回の人間の村襲撃作戦に反対した為左遷され、今では群れの外れにすんでいるのだ。 「むきゅ! いまはよ! いずれにんげんもつかれるわ! そのときまでたえるのよ!」 「ゆ!! そのときになってみんながしんでしまってたらいみないよ!」 一歩も譲らない両者の意見に、ドスの言葉は――― 「れいむ! ゆっくりだまってね!」 「ゆ……!」 「これ以上群れの戦士を馬鹿にすることは許さないよ! みんな一生懸命戦ってるのにれいむはいつも反対してばかりだね! 少しは協力しようと思わないの!?」 ドスの横で、参謀巨大ぱちゅりーが勝ち誇ったかのように口元を歪めている。 「きょうりょくしてるよ! こどもたちのめんどうをみてるよ!」 「嘘つかないでね! 子供達に『人間と仲良くしよう』だなんて教えてる事、ドスは知ってるんだからね!」 「ゆう……。 でも……! いぜんはどすもそうやっていって……!」 「もう違うんだよ! 人間を倒してみんなをゆっくりさせるのが大切なんだよ! れいむはいい加減にゆっくり理解してね!!」 「そのにんげんをたおすためになんにんのこどものおやをころすの!! そんなのぜんぜんゆっくりできないよ!! どすの―――ゆっくりごろし!!」 「ゆ“!!!!」 その一言にキレたドスは巨大れいむに体当たりをした。 「ゆぎゃ!!」 いかに巨大種といえど、さらに大きいドスの体当たりを受けて無事なわけがない。 巨大れいむは地面に転がり倒れ、口から餡子を吐き出した。 その様子を参謀巨大ぱちゅりーは「おお、あわれあわれ」というような目で見ていた。 「それ以上言ったられいむを許さないよ! ゆっくりしないで子供達の場所に戻ってね!!」 その時、ドスは巨大れいむの後方を見て笑みを浮かべた。 「それにね……もうこの戦いは終わりだよ!」 「ゆ?」 巨大れいむは後方を振り返った。 そこには―――いや、後方の空には―――巨大うーぱっくとその一団が迫っていた。 「むきゅう! やっときたわね!」 参謀巨大ぱちゅりーが声を上げる。 巨大うーぱっくは縦二メートル、横一メートル以上の巨大な体をしており、その中に数匹の普通ゆっくりと大きな石を積んでいた。 他の普通サイズうーぱっくも、中に石と普通ゆっくりを乗せており、いわば爆撃隊のような存在であった。 ドスが待っていたのはまさしくこの空中戦隊だったのだ。 広場から少し離れた所に固まって避難している子供達は、いち早くそれを見つけ空に向かって歓声を送っていた。 「どうれいむ? あの人間も空からの攻撃は防げないよ。 どんな人間もそれは同じだよ。これでみんなゆっくりできるんだよ」 「ゆ……」 巨大れいむは思った。 確かにそうかもしれない……だけど……。 れいむには気になっていることがあった。 あの時……広場にあった木を燃やした『光る弾』の存在。 あれはあの人間が撃ったものではないか? だとしたらいかに巨大なうーぱっくも太刀打ちできないのではないか? とはいえ、あれを人間が撃った瞬間をみていないので、れいむはそれを強くいえなかった。 なにせ『何もない所』からいきなり光る弾が出てきたのだから。 「ゆーーー!! うーぱっく! ゆっくりこっちに来てね! 人間の上に石を落としてね!!」 「うーーーー!!」 巨大うーぱっくに大声で呼びかけるドスまりさ。 それに大声で答えるうーぱっく。 無論、それを彼が聞き逃すはずなかった。 巨大ありすを引き裂いた彼の耳に飛び込んできた声。 「ゆーーー!! うーぱっく! ゆっくりこっちに来てね! 人間の上に石を落としてね!!」 ドスまりさが視線を向けている方を見る。 空に複数の熱反応。 そのうち一つはかなり大きい。 彼は腕のモニターを開いた。 そしてボタンを入力する。 すると、背中の肩の部分についていた小さな筒が方の上へと競りあがった。 まるで小さな大砲のようだ。 銃身を前方に向ける。 そしてその横から赤い光がでる。 小さな点を三角形の形に配置したそれは、巨大うーぱっくの顔に照射されている。 そして、彼の被った仮面のモニターに三角形の照準が現われ、うーぱっくにそれを絞って行き――― ピーーー シュバッ 小さな機械音と共に、銃身から白い光弾が発射された。 残滓を残しつつそれは真っ直ぐにうーぱっくに飛んでいき―――着弾し、爆ぜた。 ドガーーーン 思いのほか音は小さかった。 だが、光弾の直撃を受けた巨大うーぱっくは一瞬で絶命した。 光弾は着弾と同時に爆ぜ、その中身を空と地上にぶちまけた。 それによって巨大うーぱっくの周りを飛んでいた、普通うーぱっくもそのほとんどが絶命。 その中身を地上に撒き散らす結果となったのだった。 「「「……」」」 それをしっかりと見ていたドスと参謀巨大ぱちゅりー、巨大れいむは声も上げられなかった。 だが、巨大れいむだけは他のものを見ていた。 撃墜されたうーぱっくの中身が落ちて行く先には――― 「みんな!! にげてえええええええええええええ」 子ぱちゅりーは大きいれいむが大好きだった。 大きくなった大人たちは『人間を倒す訓練をする』と言って、全然遊んでくれなかった。 だが大きいれいむはそれに参加せず、自分達と遊んでくれた。 大きいれいむは本当にいろんなことを教えてくれた。 狩の仕方や寝床の作り方。 捕食種からの逃げ方や友達との上手い付き合い方。 喧嘩したまりさとも仲良くなる方法を教えてくれた。 群れのゆっくりから教えられる、『特別なお勉強』よりずっとためになった。 『ゆっくりは人間より強い』 『人間はお野菜を独り占めする悪い存在』 『人間はゆっくりによって倒されねばらない』 『子供達は早く大人になって戦えるようにならなければならない』 大きい大人たちが増えて、人間の村に攻める事が決まった日から、そんなことが教えられている。 他の赤・子ゆっくり達は、特別なお勉強が気に入ったようで、 「にんげんはゆっきゅりちね!」 「にんげんはゆっくりぷれいすをひとりじめするわるいやつなんだね!」 「わきゃりゅよぉーわりゅみょにょにゃんだねー」 「にんげんなんていなかものよねー」 「みゅきゅ! おびゃきゃにゃにんげんはゆっきゅりできにゃいわ」 そんなことばかり言っている。 でも自分は、それがゆっくり出来ない事のような気がしていた。 だから、勉強を抜け出しては巨大れいむの家に行って、色々な話を聞いているのだった。 そして今日、ついに人間の村に移動するという事で、群れは大移動をした。 子供たちのお守り役として、巨大れいむが付き添ってくれたときはすごく嬉しかった。 だが、他の子供たちはそれをよく思っていないようだった。 「おばさんはむれのはじさらしなんだね!」 「おとーちゃんたちがてゃてゃきゃうにょににゃんでにげりゅにょ?」 「おくびょーにゃんちゃね!」 「ありすはしってるわよ! こういうおとなをごみくずっているのよ!」 「ごみくずれいむはゆっくりしね!」 「わきゃりゅよぉーこんにゃおとにゃにはにゃらにゃいんだよー」 「みゅきゅ! ぱちゅりにちかよりゃねいでね!」 ぱちゅりーはやめるように言いたかったが、友達にいじめられるのもいやだった。 だから、何も言わないでみんなの中に立っているだけだった。 それでも巨大れいむは何も言わなかった。 ゆっくり出来ない人間が突然現われ、大きな大人たちが戦いを始めたときも、巨大れいむはみんなを守ってくれた。 大人たちがどんな戦いをしているかはここからでは見えない。 今、自分とみんなは安全なところにいて、巨大れいむはドスとなにやら話しに言っている。 その時、友達の一人が声を上げた。 「ゆ~! うーぱっくがくるよ!」 私はお空を見上げた。 そこにはおっきなうーぱっくがいた。 大きな大人たちと一緒で、ある日突然大きくなったうーぱっくが。 あのうーぱっくは確か、参謀ぱちゅりーの案で『投石部隊』になるうーぱっくだったはず。 何人かの大人を乗せて、悠然と空を飛んでいる。 わたしはその姿に感動を覚えた。 「ゆ~~!! まりちゃもにょしぇるんだじぇー!」 「ゆゆ! おそらをとんでるみたい!」 「とてもゆっくりしてるね!」 「ゆふん! にゃかにゃかときゃいはねぇ!」 友達達も興奮している。 そしてうーぱっくは私たちの真上まできた。 うーぱっくの中の大人たちも笑顔で私たちを見ている。 と――― ドーーーン 突然うーぱっくが光った。 赤い光と白い光が混ざってとても綺麗。 それがたくさん空で光っている。 うーぱっくが落ちてくる。 ぼろぼろの体。 大人たちが落ちてくる 中身がこぼれてとてもゆっくりできなさそう。 大きな石が落ちてくる。 まりさの上に。 れいむの上に。 ありすの上に。 ちぇんの上に。 みょんの上に。 わたしの上に。 ドドドドドドドドッ 沢山の石や岩が地面に落下した。 巨大れいむは急いでそこに駆け寄る。 「ゆ……ああああああああああああああああ!!!」 そこは子・赤ゆっくりたちが避難していた場所だった。 運悪くも、うーぱっく達はその真上を飛行中に撃墜されたのだった。 「みんな! おちびちゃんたち! いまたすけるからね! いまたすけるからね! まっててね!!」 巨大れいむは体当たりと舌を使い分け岩をどけていく。 潰れた餡子。 ぼろぼろになったリボンや帽子。 子供達に作ってあげた花飾りの花びら。 ばらばらになったカチューシャ。 飛び出た小さな目。 黒い餡子。 白い髪の毛。 千切れた尻尾。 潰れた胴体。 「ゅ……ゅ…………」 「!!」 小さな声。 急いで岩をどかす。 そこには一人の子ぱちゅりーが。 「ゆ、ゆ……ゆあああああああ!! おちびちゃん!! よかったぁぁぁぁぁあああ!!」 岩の下から引っ張り出そうと近寄ったとき。 ズシン 巨大れいむの目の前に岩が転がってきた。 「ゆ?」 いきなりの事に呆然とする巨大れいむ。 下を見る。 そこには破れた小さな月の髪飾りだけが残されていた。 「…………ゆ………… あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ” あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ” あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”」 「うそよ……うそ……ぱちゅりーのひみつへいきが……かんぺきなさくせんが……」 「ゆがああああああああぁぁぁぁぁ……」 ドスと参謀巨大ぱちゅりーは頭の中が真っ白になった。 巨大うーぱっくが墜落した場所を呆然と眺めていた。 同時にここへきてついに、あの人間に対する恐怖が芽生えた。 「ゆ、ゆっくりたいきゃ……」 チュドン 「!!」 しゃべろうとした参謀巨大ぱちゅりーの声が途切れた。 墜落現場の方に、失った半身から中身を飛び散らせながら吹っ飛ぶ巨大参謀ぱちゅりー。 ドスは振り返った。 彼は槍とショルダーキャノンを使いゆっくりと殺戮を行なっていた。 近距離のゆっくりは槍で払い、遠距離のゆっくりはショルダーキャノンで攻撃する。 ゆっくり達はそこにいてはやられると必死に動き回るが、ショルダーキャノンの正確無比な砲撃と チートな追尾性能によって確実に数を減らされていった。 「どぼじでごっち“ね”ら“う”の“お”お“お”お“!!!」 「まりさはゆっくりにげるんだぜ! れいむはしっかりおとりになるんだぜ!」 「あじゅい”い”い”い”い“い”!! あ“り”ずの“どがい”ばな“あ”じ“があ”あ“あ”あ“あ”あ“」 「たいちょうたすけ……ゆびゃあああああああ!!!」 すでに隊はばらばらになり、群れは壊滅状態であった。 「ゆぅぅぅぅぅ……!」 ドスは正真正銘最後の切り札を使う事にした。 隠し持っていたキノコをかじる。 そして、チャージを始める。 ドスパークである。 実はキノコが後一個しかなく、次のキノコがいつ手に入るかわからなかったため、 たった一人の人間に使うのはもったいないと思っていたのだ。 うーぱっくも駄目。 ぱちゅりーも死んだ。 群れも半数がやられた。 もうこれしかないと判断した。 ドスの口腔内にエネルギーが溜まっていく。 「(ゆっくり、もーちょっとだよ!)」 が、しかし。 ドスは自分の眉間に赤い斑点のようなものがあるのに気がついた。 「(ゆ!?)」 それはゆーぱっくを撃墜したショルダーキャノンだった。 彼はすでにドスまりさの行動に気づいており、こちらに照準を向けていたのだ。 「(ゆううううううう!? ゆっくり待ってね! ゆっくり待ってね!)」 その時だった。 彼に飛び掛る一つの影が! それはあの養育係の巨大れいむだった。 一瞬の隙を突き突撃したのだ。が、 ズン それは彼の槍によって阻まれた。 しかし――― ギン!! 「!?」 なんと槍が弾かれた! 見ると巨大れいむの口の中にはうーぱっくが運んでいた岩が入っていた。 それが槍の一撃を弾いたのだ。 「おちびちゃんだちのかたきぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 今までのどのゆっくりより、明確な殺意を持って飛び掛ってくる。 バシュッ バシャアアア だが届かない ショルダーキャノンからの一撃。 巨大れいむは岩と共にバラバラに砕け散った。 しかしその間に、ドスはドススパークのチャージを完了させた。 「ゆううううぅ……ごおおおおおおおお!!!」 「!!」 彼がドスの方へ向き直ると、ドスパークが発射されたのはほぼ同時だった。 ピカッ 「うおっまぶしっ」 まばゆいほどの閃光。 一瞬だけ、その場のすべてが白色に染まった。 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2309.html
お風呂。 それは私にとって最高の甘露の一つである。 週一回開店時間に銭湯に行き一番風呂に入るのが私のライフワークなのだ。 番台にお金を払いちゃっちゃと脱衣所にいく。 案の定誰かがいた形跡はない。 相変わらず人気の無い銭湯だ、よく営業できるものである。 さて今日も至福の一番風呂を浴びよう。 「ゆっくりしていってね!」 「「「「「「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!!」」」」」」 …先客がいたらしい。 どこから入ってきたのかゆっくりの家族が元気よく挨拶をしていた。 親はまりさ種だが子はまりさ種とありす種が混ざっている。 子供だけつれて片親は巣にいるって事も無いだろうし今流行のシングルマザーって奴だろうか。 「ここはまりさたちのゆっくりぷれいすだよ!でもとくべつにおにいさんもゆっくりしていいよ!まりさたちだけじゃひろすぎるからとくべつにいれてあげるんだよ!かんしゃしてね!」 ビキリ。 私の中の怒りゲージが一つ上昇したが我慢我慢。 さてどうするか、番台に報告するべきか。 しかしこの格好のままじゃあなあ…。 そんなことを考えていると子ありすの一匹が私に話しかけてきた。 「おにいしゃんはゆっきゅりできりゅひと?」 「あー、まあな。」 内心の怒りを抑えつつ適当に受け答えする。 しかし子ゆっくりって結構かわいいな。 大人になってあんなにかわいげの無い事にならなければ飼いたいかもしれない。 しかしまだ舌ったらずなあたりまだ相当小さいのだろうに、巣の外に出てもいいのだろうか。 まあ暴れたり襲い掛かってきたりする様子はないし帰りまでは放っておこう、見てると結構面白そうだし。 何かを壊し始めたらその時言いに行けばいい。 別に私に責任があるわけじゃない、店主の監督不行き届きなんだから。 てなわけでゆっくりのどうでもいい滞在許可も出ていたし私は無視して体を洗い始める。 「ゆ!かべしゃんとっちぇもしゅべしゅべだよ!しゅーりしゅーり!」 「ほんちょだにぇ!とっちぇもゆっきゅりできりゅよ!」 子ゆっくり達は壁のタイルにお熱なご様子。 私はそれを眺めつつボディソープを泡立てる。 そうしていると子ありすの一匹、さっき私に話しかけてきた奴がこっちに近寄ってきた。 「ゆ?おにいしゃん、そのあわあわにゃあに?とっちぇもときゃいはね!」 「…。」 無視して私は体を洗い始める。 先ずは足から洗い始め次に背中を、と思ったとき足にやわらかい感触を感じる。 「ゆ~、おにいしゃんのおあししゃんしゅべしゅべ~。あわあわさんもとっちぇもゆっきゅりしちぇるよ~。」 子ありすは私の足に頬ずりしていた。 くすぐったいなあまったく。 そう感じながらも踏みつけたりしないように気をつけながら自分の体を洗っていく。 「ぱしゃぱしゃ~♪」 「あっちゃかいおみじゅしゃんとっちぇもゆっきゅりしちぇるよ~♪」 向こうでは桶に入ったお湯に子ゆっくり達が浸かっていた。 どうやって入れたのかと思っていると親ゆっくりが器用に水栓を回してお湯を出していた。 たまたまお湯の温度もちょうど良かったようだ。 そんな光景を眺めつつ私が全身を洗い終えお湯で流そうとした時事件は起きた。 「ゆびいいいいいいいい!!!!いじゃあああいいいいいいいい!!!!ありしゅのおめめがああああああ!!!!!!」 足元の赤ありすが大声で泣き始めた。 どうやら泡が目に入ったらしい。 お湯で流してやろうと手を伸ばすと親まりさがこっちに跳ねてきた。 「ゆ!おちびちゃんにさわらないでね!やっぱりゆっくりできないおにいさんだったんだね!」 そういいながら暴れまわる子ありすと私の間に割り込む。 子ゆっくりならともかくこいつに言われるとむかつくなあ…。 「おちびちゃんしっかりしてね!ほらぺーろぺー…にがいいいいいいい!!!!」 泡のついた子ゆっくりの体を舐めた親ゆっくりが絶叫を上げる。 そりゃボディソープは苦かろう。 親ゆっくりがぺっぺと泡を吐き出しているうちに桶のお湯で子ありすを洗ってやる。 そしてタオルで水分をふき取ると子ありすは泣きやんだ。 「ゆ?いちゃくにゃくにゃってきちゃわ!」 そうしてまだ口からつばを吐き出し続ける親まりさのところに返してやった。 「ぺっぺ!ゆ!?おちびちゃん!おめめはだいじょうぶ!?」 「だいじょうぶよ!おにいしゃんにたしゅけちぇもらっちゃわ!」 そんな微笑ましい光景を無視してシャワーで自分の体の泡を落としつつ髪を濡らしていく。 次はシャンプーだ、今度は子ありすにつかないように注意しなければ。 私がシャンプーで頭を洗い始めると子ゆっくり達が遊んでいた方向からシャワーの音が聞こえ始めた 「ゆびょええええええええええ!!!!!!」 「おみじゅしゃん、ゆっくちちないでとまっちぇえええええ!!!!!」 見れば二匹の子ゆっくり達にシャワーの水が直撃していた。 親の真似をして操作したのだが蛇口ではなくシャワーの方を回してしまったらしい。 「まりさのおちびじゃんがああああああああああ!!!!!!」 「おねえじゃああああああああああん!!!!」 私の足元で乳繰り合っていた親子が向こうへ跳ねていく。 親まりさが自らの危険も省みずに降りしきるシャワーの雨の中から子ゆっくりたちを救い出した。 「おちびちゃん!しっかりしてね!」 「もっちょ…ゆっきゅり…しちゃ…。」 「ゆ…。」 しかし時すでに遅く、二匹の餡子はドロドロになり絶命した。 「おちびじゃああああああああん!!!!!」 「おねえじゃああああああああん!!!!」 あーあと思いつつシャンプーを流し、リンスをつけさらに流す。 私が髪を洗い終えてもまだ親まりさと子ありすは泣いていた。 他の子ゆっくり達も泣いているのだろう声が聞こえている。 近くを通る私にも親まりさと子ありすは気づいていない。 ありゃ?他の子ゆっくり達は? そう思っていると桶から声が聞こえる。 「ゆびょああああああああ!まりちゃのかりゃだがとけるううううう!!!!」 「ありしゅのあんこしゃん!ゆっきゅりしにゃいでとまっちぇええええええええ!!!!」 「おきゃああしゃああああああああああああん!!!!どぼじでたしゅけてきゅれにゃいのおおおおおおおお!!!!」 どうやら桶に入りっぱなしだったらしくお湯の中で騒いでいる。 出しっぱなしのシャワーと親まりさ達の声のせいで聞こえなかったが先ほどから叫び声を上げていたようだ。 すでに三匹の子ゆっくり達は全身の皮に穴が開き至る所から餡子が融け出していた。 私はあわててシャワーを止め子ゆっくり達を摘み出した。 体をタオルで拭いてやろうとして思いとどまる。 すでに致命傷だ、タオルが汚れるだけなので無駄なことは止めておく。 「ゆぐっゆっぐ…、ゆ?…おぢびじゃあああああああああん!!!!!」 「ゆべええええええええ!!!!ありずのいもうちょぎゃあああああああああ!!!!!」 泣いていた親まりさと子ありすもようやく気がついたらしく私が引き上げた子ゆっくり達に跳ね寄る。 「しっかりじでええええええええ!!!!!」 「…っ…。」 「も…ゆ…。」 「ぐび…。」 しかしすぐに断末魔すらろくに上げず三匹も絶命した。 「ゆぎゃあああああああああああ!!!!!」 「ゆああああああああ!!!!」 親まりさと子ありすは再び絶叫した。 そうしてしばらく泣いている二匹を眺めていると唐突に親まりさがこちらを向いた。 「おにいざんがだずげながっだがらだああああああああああ!!!!ゆっぐりでぎないおにいざんはじねええええええ!!!!」 「はあ!?」 突然親まりさは私を罵ってきた。 さらに続けて死ねだの何だの暴言を繰り返す。 僅かにあった同情の気持ちも一瞬で消し飛んだ。 まりさは自分の子供の大半を失った直後で八つ当たりの一つもしたい気分なのだろう。 しかしそれを汲み取ってやれるほど今の私の機嫌は良くなかったしこのまりさに良い印象も持っていなかった。 私の楽しいバスタイムが邪魔されてイライラしていたところにこれだ。 いい加減私の短い堪忍袋は限界だった。 先に言っておくが私は多少悪口を言われたくらいでゆっくりごときにイラついたりはしない。 しかし今の私は相当不機嫌だった。 なぜなら、 「私は、」 こいつらが私の言われたくない事を連呼していたからだ。 「おねえさんだああああああああああ!!!」 「ゆびぼっ!!!!!?」 そう言ってまりさを蹴り飛ばす。 私は男に間違われるのが大嫌いなのだ。 「確かにわたしゃ胸はないし運動系の部活に入っているから結構肩幅あるし髪も切ってるよ!兄貴の服着てたら逆ナンにあったりもしたよ!だけどな!裸の時くらいちゃんと女って認識しろよてめえらよ!おい!聞いてんのかこら!」 「ゆ…ゆべ…。」 少し罵倒して蹴られて苦しがってる親まりさを見たら気持ちも落ち着いた。 もう何もしてこないだろうし放っておこう。 そう思いゆっくりに背を向けて湯船に歩いていく。 すると足元に衝撃が走る。 「ゆっぐりじねえええええええええ!!!!」 「うおわ!?」 足に親まりさが体当たりを仕掛けてきたのだ。 濡れた床のせいで踏みとどまることが出来ずたまらずぶっ倒れる。 「ゆぎがばぁ!!!!!!」 尻で何か柔らかい物を踏み潰した感触。 そのせいでうまく受身を取れず背中を打った。 「いってえ!何しやが…あ?」 振り向くとそこには飛び散る餡子、そして甘い香り。 そして私の尻の下でつぶれた親まりさだったもの。 親まりさはシャワーに突撃した際多くの水をかぶり皮が柔らかくなっていた。 その上で私の全体重が乗ったヒッププレスを受けたため見事に潰れてしまった。 「あ…えっと…。」 「ゆびああああああ!!!!!おきゃあああああしゃあああああああああんん!!!!」 浴場には子ありすの悲鳴だけが轟いていた。 結局私は体についた餡子を落とした後番台を呼んだ。 責任の追及はしないが清掃もあるため今日は帰ってくれとのことだ。 結局一番風呂には入りそこなった、まあ最初に番台を呼ばなかった私の自業自得だが。 私は邪魔だから好きに処分してくれと渡された子ありすを持って家へ帰った。 この子ありすをどうするか考えていた時仕事の関係で別居している兄貴がペットであるぱちゅりーの遊び相手が欲しいと言っていたのを思い出した。 事の経緯を説明すると渋い顔をしていたが実物を見て考え直したらしい。 この子ありす、ショックのせいか記憶を失っていたのだ。 ゆっくりは都合の悪い記憶を失う事が多いのだがこの子ありすは特にそれが顕著だった。 結局子ありすは兄貴にもらわれていくことになった。 後日また新しいゆっくりを買ったらしい兄貴にありすはどうしているのか尋ねてみた。 「蛙の子は蛙。」 なんのこっちゃ。 ──────────────────────────────── たぃちょさんからのお題で「お風呂」から書かせていただきました。 何か間違った気がしないでもない。 by デストラクション小杉
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1119.html
注意書き 俺とゆっくりの話 と、ほんの少し関係がありますがたぶん知らなくても大丈夫だと思います。 バッジ設定があります、詳しい設定については「俺とゆっくりの話 1」を読んでください。 タイトルのとうり、人間はゆっくりを愛でてます、でも虐待成分もありますし、そっちがメインだと思っています。 そんなわけで飼われているゆっくりがいます。 また、多少人間虐めな部分もあります。 そして頻繁に視点が移り変わっています。たぶんかなり読みにくいとは思いますが許してください、ごめんなさい。 オリジナルキャラがいますが、名前はないので親子間でも「お母さん」「娘」などと呼び合っています。 「おかぁさん、れいむとちぇんはあした、ほかのひとにもらわれていくんだね?」 「そうだよ、きっとそのひともおにいさんみたいにやさしいひとだからゆっくりいうことをきいてね」 「わかるよー!ちゃんということきいてゆっくりするよー!!」 俺の飼っているゆっくり達が寝床として用意した小屋の中で会話しているのが聞こえた。 彼女(?)らの言う通り、明日子れいむと子ちぇんは近所に住む人の所にもらわれていく。 俺がゆっくり達と「れいむ一匹とちぇん一匹以外はみんなペットショップか他の人に引き取ってもらう」という約束をしたからだ。 今はれいむとちぇんを飼っている俺だが、その子供全員まで面倒を見る余裕がないことをれいむとちぇんは理解していたし、 生まれたばかりの赤ゆっくりも最初は泣き叫んだが、親の賢明な説得の結果、自分が貰われることを承諾し、それまでの間精一杯親とゆっくりしようとしている。 今までも何匹かの子ゆっくりが他の他人や友人に引き取られていった。前の飼い主や親ゆっくりに会うとホームシックみたいな症状が起きてしまうことがあるので、 様子を見に行くことはできなかったが飲み屋で会った友人宅のゆっくりはちゃんと彼のいうことを聞いているらしい。 当然だ、何のために自分が育てる予定のない赤ゆっくりにまでシルバーバッチを持たせたと思ってるんだ、飼い主がちゃんとしていれば悪いゆっくりに育つはずがない。 次の日、子れいむと子ちぇんは少し離れた所に住む女性とその娘に引き取られていった。 父親は仕事で帰りが遅く、女性もたまに夜遅くまで出かけて行くことがあるらしい。昼の間娘がさみしい思いをしないように…とゆっくりを飼おうとしたんだそうだ。 とりあえず娘が親ゆっくりや子ゆっくり達と遊んでる間に女性に簡単な買い方の説明をする。 飼い方といっても基本的な躾についてはたぶん問題ないだろうが、ゆっくりにあまり触れない人にとってゆっくりは未知の固まりだ、お勧めの飼育書の紹介して、 買って読んでくださいねと言った。女性も 「あら、そんな本があるのね…じゃあ帰りにでも買っていこうかしら?」 と言ってくれた。これで買ってくれないと困る、ゆっくりに限らずペットを飼うのは大変なのだから。 最期に二人は俺にお礼を言ってから家を出て行った。 夕日に照らされた少女の腕に抱かれて頭をなでられる子れいむの顔を見て、俺もこの人たちならきっとゆっくり育ててくれるだろうと思った。 あれ?あっちに本屋ってあったっけ? 妹のちぇんと一緒におねーさんに運ばれて15分ほど移動した。 お兄さんの家より大きい家に着くとおねーさんが「きょうからここがあなたたちの家よ、ゆっくりしていってね!」と言ってくれた。 「ありがとう!おねーさん!!おねーさん!!ゆっくりしていくね!!」 「きょうからここがおねーさんたちとちぇんたちのいえになるんだねー!!わかるよー!!」 「いやぁね、この子たちは、今日から私のことはお母さんって呼んでくれていいのよ?お姉さんなんて呼ばれたら逆にくすぐったいじゃない?」 おねーさんのおかーさんが笑いながら言った、自分たちのお母さんはれいむお母さんとちぇんお母さんだけど、この家でゆっくりする以上 お姉さんのお母さんはれいむたちにとってもお母さんなんだと思った。 「わかったよ!!きょうからよろしくね!!おかーさん!!」 「よろしくね、さて、今日はれいむちゃん達が来たお祝いをしなくちゃね、晩御飯の準備をするから娘と遊んで待っててね」 「ごはん!!わかるよ!!ゆっくりまってるよー!!」 「ゆっくりつくってね!!おねえさん、ゆっくりあそぼうね!!」 「うん!じゃあ付いて来て、私の部屋に案内してあげる!!」 お姉さんに連れられてお姉さんのお部屋にきた。 お姉さんはニッコリ笑いながられいむとちぇんの頭をなでてくれた。 「ゆ、ゆ、ゆ~っくり~」 「ゆっくりできるよ~わかるよ~」 「あはは、かわいい!!」 さいしょはお姉さんの話を聞いていたり、お歌を歌ってもらったりしていたのだが、お姉さんは途中からちぇんの尻尾を触り始めた。 「ゆゆっ!?」 「あはは、ふさふさして気持ちいい~!!」 「ゆゆゆゆ、や、やめてよ!ちょっといたいんだよ!わかってね!!」 「キャハハ、ほら、クリクリ~」 さらにそのままちぇんの尻尾と尻尾をこすり合わせて楽しんでいる 「い、いたいよー!!ゆっくりやめてね!!」 「おねえさん!!れいむのいもうとがいたがってるよ!!ゆっくりやめてね!!」 「えー?ふさふさして気持ちいいのに…じゃあれいむであそぶ!!」 「ゆっくりあそんでいってね!!」 あの後、ちぇんちゃんのしっぽに何度か触ろうとしたけど、れいむちゃんは怒って触らせてくれなかった、ふさふさしてて気持ちよかったのになぁ… 尻尾に触れなかったので、頬を突いたり、軽く転がしたりして遊んであげた、れいむちゃんも、ちぇんちゃんも笑ってくれたので、楽しかったみたい。 また尻尾に触りたいけど、ちぇんちゃんに嫌われるのは嫌だから触らないで上げよう。 「ちぇんの尻尾には触れないようにしましょう ちぇん種の尻尾は非常に敏感で、強く握ったりするとゆっくりに激痛が走ります、また若い個体れあれば少し触れただけでも強い刺激になるのでちぇん種を飼育する場合は注意してください」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 お姉さんといっぱい遊んでいるとお姉さんのお部屋の外からお母さんの「ごはんよ~、はやくおりてらっしゃ~い」という声が聞こえた。 お姉さんに抱っこされて、ちぇんと一緒にお台所に行く。テーブルの上にはたくさんのお料理が並べられていた、そのうちいくつかは 本当のお母さんやお兄さんと一緒に食べたことはあったけど、こんなにいっぱい並んだご飯は初めてだった。 「きょうはれいむちゃん達の来たお祝いにお母さん、たくさんご飯作っちゃったわ、いっぱい食べてね!!」 「いまれいむちゃん達の分もよそってあげるね!!」 テーブルの上に載せられ、前に置かれたお皿に盛られるたくさんのご飯、全部食べきれるかなと思ったけど、せっかくお母さんが作ってくれたんだから全部食べなきゃ。 「じゃあ、いただきます」 「いただきまーす!!」 「「ゆっくりいただきます!!!」」 いただきますの挨拶をして目の前のご飯を食べ始めた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~」 「おいしいんだね!わかるよー!!」 「あら、そう言ってくれるとお母さんも作ったかいがあったわ!!」 「とってもおいしいよ!!ゆっくりできるよ!!」 「おかあさん!おりがとうだよー!!!」 そんな話をしながられいむとちぇんはご飯を食べた、あまりの美味しさに気がついた時はまわりを汚しちゃってたけどお母さんは仕方ないと笑ってくれたし、 お姉さんはれいむとちぇんのお口を拭いてくれた。途中でおかあさんとお姉さんは難しいお話をしてた、何の話をしていたのかよくわからなかったけど、 お父さんという人は、今日帰ってくるのはとても遅くなるらしい、お姉さんのおとうさんなら、れいむたちのお父さん。今日のうちに挨拶したかったな… 「むーしゃ、むーしゃ、とってもしあわ…」 「もぐもぐたべるよー!!…」 ゆっくり、しかし激しく食事をするれいむとちぇん、しかしある料理を口にした瞬間、動きが止まり、白目をむいてガタガタと震え始めた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ゆっぐりできない゛よ゛お゛ぉぉぉぉ!!!」 「ど、どうしたの?れいむちゃん、ちぇんちゃん!!」 「おがあざん!!このごはん゛は゛きら゛い!!ゆっぐりで゛き゛な゛い!!」 「ごめ゛ん゛ね゛!!でも゛こ゛れ゛だけ゛は゛の゛こ゛さ゛せ゛て゛ね゛!!」 「…だめよ、好き嫌いはいけないの、わかるわよね?」 「でも、でもぉ!!」 「ゆっくりできないよ!!!」 「嫌いなものでも食べないといけないわよ、ほら、半分にしてあげるからちゃんと全部食べなさい!!」 「お母さん…でもこの子たちの嫌がり方、すごいよ?」 「でもお母さんは好き嫌いは許さないわよ、あなたもピーマン、残さずに食べなさい。」 「はぁーい」 いま、お母さんは何て言った?「全部食べないといけない?」 そんな、あの食べ物は口に入れた瞬間、れいむの中身が熱くなっちゃうのに!?ゆっくりできないのに!? でも、お兄さんや、本当のお母さんは「ちゃんと、新しい飼い主の言うことを聞くんだよ」といった、だかられいむも、ちぇんもちゃんと食べなくちゃ、 お母さんのいうことを聞かないと 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」 「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」 れいむちゃん達がいきなり叫び出した時、間違ってゆっくりにとって毒になるものでも入れたのかしらと不安になった。 でも確かにれいむちゃん達は「このごはんきらい」といった、そういえばゆっくりは雑食っていうし、人間が食べれるのにゆっくりが食べれないものなんてあるはずがないわよね? でも好き嫌いはいけないこと。私も母に嫌いな食べ物を残さず食べろと言われ、いくら泣いても食べ終わるまで許してくれなかったことが何度かある。 結局私はなんでも食べれるようになったから、母には感謝してる。れいむちゃん達も、きっといつか私に感謝してくれるはずだ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」 「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」 正直、ゆっくりが嫌いな食べ物というだけでここまで叫ぶとは思えなかった、きっとあの飼い主さんが甘やかしすぎたのね。 「ゆっくりに辛いものは厳禁!! 基本的に人間が食べるものはなんでも食べれるほど雑食性の強いゆっくりですが、唯一辛いものだけは食べさせてはいけません。 辛いものは餡子でできたゆっくりの体にとって猛毒であり、子供のゆっくりならほんの少しのハバネロで即死することすらあります。 また、香辛料なども種類によっては毒となることもあるので、ゆっくりにご飯を上げるときは注意してあげてください。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 なんとかご飯を食べ終えたれいむとちぇんは母親に言われ、娘と一緒にお風呂に入ることになった。 「おねぇさん!れいむをゆっくりお風呂に入れてね!!」 「おふろだねー!わかるよー!!」 この気楽な饅頭についさっきまで毒を食わされてたんだぞ、と突っ込んではいけない。彼ら自身も辛いものが毒だということが分かっていないため、好き嫌いを直そうと自ら積極的に毒を食ったのだ。 れいむとちぇんはおねえさんといっしょにお風呂に入った。 人間って不思議、れいむも、ちぇんも、ゆっくりはあまり変わらないのに、人間は結構違う。 前に一緒にお風呂に入ったお兄さんにあったぶらぶらしたものが、お姉さんには見当たらない。 お姉さんがちぇんの頭を洗ってあげるのを見ている、れいむはそんな事を考えていた。 「はい、これでおしまい!!」 「すっきりさっぱりしたよー!!わかるよー!!」 そんなどうでもいいことを考えているうちにお姉さんがちぇんの頭を洗い終わったようだった。 「じゃ、お風呂にはいろっか」 「ゆっくりぃ~」 「わがるよぉ~」 「あはは、なにそれ、おじさんみたい!!」 れいむとちぇんにはお風呂は大きかったけど、お姉さんが用意してくれた桶の中に入るからゆっくり沈んだりしないよ! 「「ゆ~ゆゆゆ~ゆ~♪」」 れいむちゃんとちぇんちゃんが気持ち良さそうに歌を歌っていた。どこか音程のずれた、おかしな歌だったけど、それが逆に聞いてて楽しくなる、そんな感じがした。 「ゆっ!そろそろれいむたちはおふろからあがりたいよ!!」 「おねえさん!ゆっくりだしてねー!!」 歌を一曲歌い終わったと思ったらすぐにお風呂から上がりたいと言ってきた、まだ3分ぐらいしか経っていない、私はもっと入りたいのに。 「え~?私ももっと入りたいよ?それにすぐに上がっちゃうと湯冷めしちゃうよ?」 「ゆざめ?なにそれ?」 「もしかしてゆっくりできないの?」 「うん、とてもゆっくりできないよ」 「じゃあ、ゆっくりがまんするよ…」 「でも…このままお風呂に入っていてもゆっくりできなくなっちゃうよ、わからないよー…」 ほんと、ゆっくりってわからない、お風呂が大好きですみたいな事をさっきも言っていたのに、本当はお風呂、嫌いなのかな? このままお風呂に入っているとゆっくりできない、それはたしか本当のお母さんに最初に教えてもらったこと。 でも、すぐにお風呂からでると「YUZAME」になってゆっくりできなくなるってお姉さんは言った。 じゃあれいむもちぇんも、どっちにしろゆっくりできないの?どうすればいいの? 「お、おかあさーん!!」 「どうしたの!?何があったの!?」 「れいむちゃんとちぇんちゃんが溶けちゃったぁ!!」 娘がタオルも巻かずに飛び出してきたときはどうしようかと思った。だが、娘の持ってきた洗面器の中には黒い水が入っていてぶよぶよとした気味の悪いものが浮いている。 「おかぁ…さん…たすけてねー…」 「ゆっくり…したけっかが…」 私は急いで洗面器から二匹を取り出した。 「ゆっくりと水について ゆっくりは基本的にきれい好きな動物のため、子育て期などの特別な場合を除き、頻繁に水浴びをします。 飼いゆっくりの場合も少なくても三日に一度はお風呂に入れてあげましょう。別に毎日でもかまいません。 ですが注意点がいくつかあります。ゆっくりの皮は比較的軟らかいため、少し力が入っただけでもすぐ破けてしまいます。体や頭を洗ってあげるときでもできるだけ力を込めず、 手で表面を軽くこするように洗ってあげましょう。 次は入浴時間です。一般にはあまり知られていないことですが、ゆっくりは長時間水につかっていると皮が溶け、餡子が漏れ出してしまいます。 水の場合で約五分、お湯の場合で三分以上は濡らさないで上げてください。 もし、餡子が溶け出てしまった場合、すぐ自ら上げて体をタオルなどで優しく拭いてあげましょう。しばらく待って餡子の流出が止まらないようであれば重症です、ゆっクリニックに行きましょう。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 れいむとちぇんが飼われてから、三か月ほどたった。 結局れいむもちぇんも、たまに尻尾をいじられ、頻繁に出される辛い物を「すききらいはいけない」と、泣きながら食べた。 お風呂でふやけた時は症状が軽くて助かったが、あれ以降お風呂は一分ぐらいしか入れてもらえなくなった。 毎日毒を食う生活だった、だけど、れいむもちぇんも自分は幸せなんだと信じていた。 昔、本当の母親に言われた一言「飼い主さんのいうことをちゃんと聞いたらきっとゆっくりできるよ!」その言葉をずっと信じて居たため、 二匹は他の飼いゆっくりには見られない位に飼い主に従順なゆっくりになっていた。 通常、野生のゆっくりは4か月ほどで亜成体となり独り立ちする、辛いもの以外は栄養豊富な食べ物をたらふく食べたこの二匹はもう、成体のゆっくりとほとんど変わらない大きさをしていた。 そして人間でいえば思春期のゆっくりが二匹、同じところで生活している。そうすればどうなるか、答えは明確だった。 もうすっかり夜になった。 おかあさんも、おねえさんも、おとうさんもたぶん寝ているぐらいの夜。 自分もちぇんも多分こんな遅くまで起きた事はないと思う。でもなぜか、今日はれいむもちぇんも寝るに寝られなかった。 「おねえちゃん…」 「なぁに、ちぇん、ゆっくりはなしてね」 「ちぇん、なんだかおねえちゃんといっしょにいるとなんだかうずうずむずむずするんだよ…」 「じつはれいむもなんだよ…」 「れいむおねえちゃん…」 「ちぇん…」 お互い見つめあう二人、少しずつ近づいて行き、触れ合う肌 「んほっ!?」 「に゛ゃっ!?」 その瞬間、二匹に電流が走った 「な、なに、いまのは!?」 「わ、わからないよー!!」 生物的に成熟し始め、早すぎるすっきりで朽ちてしまうゆっくりが現れ始めるこの時期、野生なら親に、飼いなら飼い主に性教育を受ける頃だ。 だが、親にも飼い主にも性教育を受けていない二匹には何が起こったのかわからない、ただ、未知の刺激を感じた二匹の心は新しいおもちゃを見つけたような興奮を感じていた。 「わ、わからないけど…もういちどやってみるよ…」 「わかったよー、ゆっくりやってね…」 二匹が本能的に交尾を開始するまでにそんな長い時間はかからなかった。 今日も私はいつものように6時に起きた。ちぇんちゃんとれいむちゃんを飼うようになってから、朝起きるのが少し早くなった。毎朝朝ごはんの前にれいむちゃん達と遊ぶのがとても楽しい。 居間に降りてみるとれいむちゃんの姿が見えなかった、ちぇんちゃんが古新聞を居間の隅に積み重ねているのを見つける。 「おはよう、ちぇんちゃん」 「ゆっ、おはようなんだね、わかるよー!!」 「それで…何してるの?」 「お、おねがいするよ!!それをどかさないでね!!」 「だめだよ、ゴミを散らかすとお母さんに怒られちゃうよ?」 「わからないよぉー!!」 遂に泣き叫んでしまうちぇんちゃん、でも散らかったのをこのままにしておけないし…私はちぇんちゃんにごめんね、と言ってから積み重なった新聞紙の上の方をどかした。 「ゆゆっ、おねえさん、おはよう!!でもゆっくりしんぶんさんをもどしてね!!!」 新聞紙の山の中にはれいむちゃんがいてこっちを向いて挨拶をしてきた、でも、その頭には植物の茎のようなものが生えていて、それには8個くらい、ちゃっちゃいゆっくりが付いていた。 「…」 「ゆっ」 「お…おかぁさーん!!大変!れいむちゃんが!!」 「ゆっくりの性欲について ゆっくりはそのほのぼのした外見、生活からは想像しにくいですが性欲の旺盛な生物です。 ですが、若いゆっくりは交尾をすると疲労や子供に栄養を取られ死んでいしまうことがあるので対策をしっかり行いましょう。 生まれてから五か月~半年ぐらいでゆっくりは性欲を感じ始めるのでその前からゆっくりに性教育をしてあげてください。 内容はお互いが激しく体をこすり合わせることがすっきりであること、すっきりすると子供ができることがあること、若い時にすっきりしてしまうと死んでしまうことがあること、 この三つで十分です。ゆっくりは性に関することは割合速く覚えるため教育にあまり苦労はしないでしょう、成体のゆっくりと一緒に飼育しているならその個体に教育してもらうのも一つの手です。 また、性欲が解消されないとゆっくりは自慰行為に依存したり自傷行動を行ってしまうこともあるので、繁殖させる予定がない時は何らかの対策を立てる必要があります。 プロのブリーダーは定期的にゆっくりをすっきりさせてあげることがありますが、とても難しい方法なので去勢手術、避妊手術を行うことをお勧めします。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 娘の悲鳴で起こされたその日以来、なぜかれいむちゃんは新聞紙の山の中に隠れるようになり、ちぇんちゃんはれいむちゃんに新聞紙をかぶせ、その前に立つようになった。 今までこんなことはしなかったのにどうしたのかしら? さすがにゴミを散らかされると困るし、たまには日光浴もしないとれいむちゃんにも、あかちゃんにも悪いわよね? 「ゆっくりやめてね!!おかあさん、はなして!!かたづけないでね!!」 「だめじゃない、れいむちゃん、古新聞を散らかしちゃ?」 「でもそれがないとゆっくりできないよぉ…」 でも、言った時は新聞紙から出てくるけどまたすぐに新聞紙を散らかして二匹は中にもぐりこんでしまう、何度言ってもその時はいうことを聞くのに、何時間かたったらまた何かをちらかしてその中にもぐりこんじゃう。 そして新聞紙かられいむちゃんを取り出すと大声で泣き始めちゃう。 ちぇんちゃんが泣きながらないてるれいむちゃんに紙くずをかぶせてたけど何を考えているのかしら? れいむがにんっしんしてから何日かがたった。 ここ何日かずっと怒られてばっかりだ、もちろん悪いのはれいむたち、それは分かっているのに…頭に赤ちゃんができてからなぜか広いお家が怖くなってきた。 れいむはとにかく狭い所に入りたくて新聞紙という紙を散らかしちゃう。 お母さんやお父さんに怒られたから悪いことだということは分かっているのに…わかっているのに新聞紙の中に入りたくて、ちぇんにれいむを隠すようにお願いしちゃう。 ちぇんも悪いことだとわかっているのにれいむを隠すのを止められない。れいむたちは悪いゆっくりなのかな? なんで悪いことを止められないんだろう?今も夜でれいむとちぇん以外が部屋に居ない事をいいことにちぇんに新聞紙をかぶせてもらっている。 悪いことなのに、怒られるのに、それがわかっていて泣いてるのに。気がついたら新聞紙に隠れようとしている。 新聞紙や、周りのいろんなものをちぇんが集めている時、隣の部屋からお父さんの声がした。 「まったく、だから躾けられないならゆっくりなんか飼うなと言っただろう!!」 隣の部屋からお父さんの声が聞こえた。 「そんなこと言ったって、最初に飼いたいって言ったのはあの娘なのよ!あなただって飼って良いって言ったじゃない!?」 「それはお前が自分も躾を手伝うからと言ったからじゃないか!!あいつら、昨日は俺の仕事の書類まで新聞紙に混ぜて潜ってたんだぞ!!」 ごめんなさい、お父さん。ごめんなさい、ちぇんもなんでそうしちゃうかわからないんだよ!!でも今口にくわえているのはお父さんのお仕事の紙? あああ、悪いことなのに、悪いことなのに…この紙はここに置こうね、お姉ちゃん…わからないよ… 「まったく、だから軽い気持ちで生き物を飼うなと言ったのに…あいつらの子供が全部埋まれたらどうする気なんだ!?全部面倒を見る余裕は家には無いのは分かっているだろう!!」 「なによ!!自分はまったく関わろうとしない癖に悪いことがあったら全部私のせいにするの!?」 「そうは言っていないだろう!!」 ああ、なんでちぇんもれいむおねえちゃんもこんな怒られるようなことをしているんだろう、ゆっくりできないよ… はじめてお父さんに挨拶したときは笑顔で「娘と遊んでやってくれ」って言ってくれたのに…いまのちぇんたちはおねえちゃんとまったく遊んでいないよ…。 いつからだろう、こんなにゆっくりできなくなったのは、れいむおねえちゃんを隠したくなったのは… そうだ、わかる、わかるよ。こいつだ、れいむおねえちゃんにはえてるこいつらがでてきてからちぇんも、れいむおねえちゃんも、おねえちゃんも、おかあさんも、おとうさんもゆっくりできなくなったんだね。 わかる、わかるよ~、こいつらがいたから、ゆっくりできないんだね!!いまわかったよ!! その時、れいむから生えてた茎、それについていた実の一つが震えて地面に落ちた。 「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」 とっても純粋な笑顔で、虐待お兄さんが思わずつぶしたくなるような、ゆっくりから見れば天使のようにゆっくりした笑顔で赤れいむがそう言った時、ちぇんの中で何かが弾けた。 「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」 ああ、今までゆっくりできなかったけど、ついにれいむとちぇんの赤ちゃんが生まれた、とってもゆっくりした赤ちゃん、天使のような笑顔で 「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」 とれいむにゆっくり言ってくれた。 「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」 何が起こったのかわからなかった、目の前にはちぇん、その足元には丸く広がる何か…もしかして、ちぇんが赤ちゃんを? 「どお゛じでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉぉぉぉ!!!!」 「こいつらがいるからちぇんも、おねえちゃんも、みんなみんなゆっくりできないんだよ!!おねえちゃんはわかるよねー!!」 そうだ、れいむのあかちゃんが、あたまからでてきたとき、それかられいむはゆっくりせまいところにいきたくなってとまらなくなって、それでみんなにおこられるおうになって、ゆっくりできなくなったんだ。 じゃあこいつらがいなくなればれいむたちはゆっくりできる、このおうちにはじめてきたときみたいに、みんなでゆっくりするんだ!! 「ゆっくりおちろおぉー!!」 あたまをおもいっきりゆらしてあたまにはえたごみどもをかべにたたきつける、なんひきかは「ぶびゅ」とかいってつぶれた、ゆらしたことでうまれはじめたやつもいたけど、 そいつらはちぇんがかたずけてくれる。 「どうした、何があったんだ!!」 物音に気づいた父親と母親が隣の部屋から入ってきた。 彼らが見たのはまさに地獄絵図だった、あたり一面餡子で覆われ、れいむとちぇんが自分の子供を手当たり次第に叩き潰している。 「な、何をやっているの!?」 「ごみどもをつぶしてるんだよ!おかあさん、わかるよねー!!」 「よごしてごめんねおかあさん!!おとおさん!!あとでゆっくりあやまるからいまはだまってゆっくりみててね!!こいつらがいなくなればみんなゆっくりできるからね!!」 「れいむ!ちぇん!おまえたちは自分が何をやっているのかわかっているのか!?じぶんの子供を殺しているんだぞ!!」 父親が悲痛な叫びをあげた。 「なぁに、おとうさん、なにかあったの…?」 そして、娘が眠そうに目をこすりながら部屋に入ってくる。 「まっててね、おねえちゃん、こいつがさいごだよ!!」 「こいつをやればゆっくりできる!!わかる、わかるよー!!」 れいむとちぇんは最後の一匹の両頬を加え、思いっきり引っ張った。 「お、おかあちぁん、ゆっちゅり、ゆっちゅ、ゆぶべべっぇっっ!!!」 「「ゆっくりしねぇ!!」」 「ゆびゅ!!」 鈍い音を立てて最後の赤ちゃんが真っ二つになった。 「やった、やったよ、おねえちゃん、これでいっしょにゆっくりできるね」 「おとうさん、おかあさん、もうちぇんたちはおこられることはしないよ、ずっといっしょできるよ、わかるよ…」 れいむとちぇんが帰り餡子まみれのまま、光のない眼で娘に近づいてきた。 「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」 深夜の人里に少女の甲高い悲鳴が木霊した。 「ゆっくりは本来、木の根元の空洞等に巣を作って生活する動物です、それは飼いゆっくりでも変わらず、ゆっくりだけの安全な空間を欲します。 巣への依存度はあまり高くはありませんが、それでも多少のストレスを感じることがあるので出来るだけ巣となる小屋などを用意してあげてください。 お金に余裕がなければ段ボールなどを使うのも一つの手です、とにかくゆっくり以外が入れない狭い空間を作ってください。 巣の掃除ですが、ゆっくりは基本的にはきれい好きなので特に必要ありません。ただ、異臭がするなどの異常がある場合は掃除をする必要があります。その時はゆっくりと一緒に掃除をしましょう。 成体のゆっくり、特ににんっしん中のゆっくりは非常に怖がりになるため巣に引きこもりがちになります。この時期のゆっくりは非常にストレスに敏感なので、 むやみに巣から出したりしないでたまに入口をのぞいてあげるぐらいにしてください。ご飯もこのときは入口の近くに置いてあげれば自分で食べてくれます。 ゆっくりが心の底から飼い主を信頼している場合はにんっしん中でも巣の中にいるより飼い主のそばにいることを望みますがそこまでなついてくれなかった時も無理やり可愛がろうとはせずに、 ゆっくりが自分から出てくるのを待ってください。この時期飼い主が巣を荒らしたり、子供が巣の外から丸見えなところに移動させたりすると強いストレスがかかり、最悪精神崩壊を起こして自分の子供を殺してしまうことすらあります」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 「こんな野蛮な生き物、今すぐ引き取ってください!!」 まったく、いきなりこれかよ?朝早くドアノックの音で起こされた俺は家の前にすごい剣幕のあの女性がいるのを見たとき、なにかあるなと思いゆっくり達に隣の部屋で静かにするように言った。 「こんな自分の子供を殺すような生き物…!!おかげで娘は部屋に引きこもっちゃったのよ!!」 女性は両手に虐待用透明な箱(防音)を俺に押し付けてきた。中のれいむもちぇんも何かを叫んでいるが声は聞こえない、ただ、涙をながしながら女性に何かを訴えていた。 「ゆっくりして、ゆっくりしようよ!!」 「なんでちぇんをすてちゃうの?わからない、わからないよ!!」 おれにゆっくりを押しつけてすぐ帰ろうとする女性を捕まえてなんとか何が起こったのか聞き出す。 ふざけるな、妊娠中の動物はストレスに敏感なんだ、それを何度も引っ張り出した…? 俺の腕を振り切ろうとする女性に俺はどうしても聞きたかった事を聞いた。 「なんで飼育書を飼わなかったんです!?そうすりゃこいつらだって自分の子供を殺すようなことは…」 「あなたが本をくれなかったのが悪いのよ!!こんなに手のかかる生き物だと知っていたらゆっくり何て飼おうとは思わなかったのに!!」 俺はそれを聞いて唖然とした、俺は確かゆっくりを上げるとき、飼育書を飼ってくださいと言った。なのに俺があげないから悪いとは? なんというか、俺より年上の人が、DQNというか、ゆとりというか、にんげんゆっくりというか…そしてそれを見抜けなかった自分が、何より情けなく思った。 俺は、こいつらをどうすればいいんだ?こいつらをここまで追い詰めてしまったのは、あんな飼い主に渡してしまった俺の責任だ。 こいつらはもうまともなゆっくりとしての生活は送れない、人間に媚びて諂い、そのためになら子供まで容赦なく殺してしまうようになってしまった。 でも、自分には何の罪もない、少なくとも、自分のせいで子供殺しという罪を犯してしまったこいつらを処分してしまうなんてできない。 家で飼うにも、今のこいつらは子ゆっくりをゆっくりできなくする存在として殺してしまう。最悪、兄弟や実の親であってもだ。 俺は、どうしたらいいんだ?? あとがき ちゃんとした知識もなく、動物を飼った結果起こった悲劇…みたいなものを書いてみました。 何度もあきらめようとして、そしたらアイデアが浮かんで、途中でアイデアが浮かばなくなって…そしたらアイデアが… というループを繰り返した結果、SSの視点が飼い主のお兄さん、れいむ、ちぇん、娘、母親、完全な第三者ところころ変わるという非常に読みにくいものになってしまいました。 なんとか文の書き方や中身で誰の視点か分かりやすくはしたつもりでしたが…ごめんなさい、わからないならそれは自分の力不足です。 この話、実話をモデルにしています。 四分の一は自分がハムスターを飼っていた時のこと。 四分の三は兄の持っていた動物関連の本に乗っていたある獣医の体験談です。 現実にも犬に葱食わせて殺しかけた、赤ちゃんを不用意に近づけてかみ殺された。 猫にマグロの刺身食わせて殺しかけた。 ハムスターを同じところに集めた結果共食いが起きたなどの「飼い主が少し知識を集める」ことで防げたはずの悲劇が起きてます。 皆さんも動物を飼うときは気を付けてくださいね 9月10日 2209 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1369.html
※これはfuku2324.txt「ゆっくり奇々怪々(上)」の続きです。 独自解釈・設定ありです。 長いので注意。 翌日、鶏小屋には人だかりが出来ていた。 10匹からなる鶏達が、血と羽を残してこつ然と消えていたのである。 何かに喰い散らかされたのは明白だ。 「け、慧音様、これは・・・。」 男の顔は蒼白だ。後ろに控える妻、村長も険しい表情。 慧音は鶏小屋の中に入り、一通り惨状を見渡すと、言った。 「・・これがもし、妖怪や熊の仕業だというのなら、網や戸が破られているのが 普通だ。しかし、見たところこの小屋には目立った損傷は無い。あるとすれば」 と、鶏小屋の仕切りの接地部分を指差す。 そこはわずかに土が掘られており、隙間が空いていた。 「犯人が狐ならばこの穴があれば納得できる。だが、 狐と言えど一晩で鶏を10匹も腹に入れることは出来ん。」 「つ、つまり・・・。」 男の顔色は蒼白を通り越して土気色だ。 「うむ、君の言ったことは間違いでもなさそうだ。」 その後、慧音は村長に村人を広場に集めるよう頼んだ。 そこで自身の口から、村長の息子を襲い、鶏を食い荒らしたものが 同じモノによる仕業で、それはゆっくりである可能性が高いことを説明した。 当然、村人達は戸惑った。 この村は慧音が驚いたように、ブリーダーを筆頭としてゆっくりとの共存関係が うまく成り立っていることもあり、ゆっくりへ好意的な見方をする者が多い。 毎日熱心に働くれいむやのうかりん達の姿を見ていればなおさらだ。 「・・・・ゆぅ、残念だけど、お兄さんみたいな人達に色々教えてもらってない ゆっくりたちの中には、人のものを盗ったりする悪いゆっくりはいるよ。」 ざわつく村人たちの中で、ブリーダーに抱えられたれいむが発言する。 「・・・私も、畑を荒らされた。」 続いてブリーダーの足下にいるのうかりん。 「でも、鶏さんを食べちゃったり、人間に噛み付くゆっくりにはまりさ達会ったことないよ。」 最後にまりさが発言する。三匹の発言は村人達の気持ちを代弁していた。 「・・私としても、ゆっくりがこのような事を起こしたとは 考えたくない。お前達のようなゆっくりを見ていれば、なおさらだ。」 そう言って、ゆっくり達を勇気づけるように笑いかける。 「だが、この状況を放っておく訳にもいかん。よって、本日からこの 村を中心とした一帯を調査したい。村の若衆、協力してくれるか?」 そういうことならばと、続々と手が挙がっていく。 「慧音様、僕も一緒に行きます。」 ブリーダーの青年も手を挙げる。 「いいのか?」 ゆっくりを殺すことになるかもしれないんだぞ、と言いかけて、やめた。 ブリーダーという仕事はゆっくりをただ愛でて育てるだけの職業ではない。 時には悪いゆっくりを懲らしめ、場合によっては駆除するという役割も持っている。 青年の目は真剣だ。のうかりん達の姿を常に見ているからこそ、 この件に対する気負いも人一倍強いのだろう。 そこまで思い至った慧音は言葉を引っ込めた。 「考えれば、村でお前ほどゆっくりに詳しい者はいない。頼りにさせてもらうぞ。」 「ええ・・・れいむ達、行ってくるよ。」 「ゆっ!ゆっくり気をつけてね!!」 こうして、慧音、ブリーダーの青年を先頭に、調査隊は出発した。 「・・・・見て下さい慧音様!!ここにも。」 調査隊は男が襲われた場所よりも森側に来ていた。 叫んだ若衆の一人が指差すのは、一本の木の根元だ。 そこには、何かに齧られたような傷跡がついている。 「ここにもか。」 出発し、襲われた現場に着いたあたりから、木にこのような傷跡がつき始めた。 「熊などは自分の縄張りの印として爪痕を残すらしいが、 これは明らかに爪痕ではない、強いて言うならば歯形だ。」 爪が使える動物ならば、わざわざまずい木に噛み付く事は無い。 だが爪が使えないモノだとしたら? そう、例えば、ゆっくりのような。 ここにきて、犯人はゆっくりであるという確信めいたものが慧音、若衆達にはあった。 青年も、険しい顔で現状を分析している。 「・・・可能性は高いでしょうね。」 「だろうな。では、もっと奥に行こうか。」 進んで行く慧音の前に、茅葺きの屋根が見える。 「あそこにはどなたか住んでおられるのか?」 青年に問う慧音。 「ああ、あの家にはおじいさんが一人で住んでいますよ。 ブリーダーとしての先輩にも当たる方で、仕事を始めた 頃はとてもお世話になりました。 ・・・あまり人付き合いが得意な方ではないですから、この 場所に一人で住んでいるんですよ。あの方に聞けば、 今回の事に関して何かわかると思いま」 「待て!!」 「え?」 「気づかないか?・・・このにおいに。」 「・・・・・これって・・・!」 家から漂ってくるにおい。 それは何かが腐ったようなにおい。 「急げ!!」 慧音は家に向かって走り出す。 続いて走り出す青年達。 家が近づいてくる。畑を突っ切る。 雑草が伸びている。おかしい、畑の世話を怠るような人じゃなかった!! 青年の鼓動は早鐘のようだ。走っているからではない。 慧音は戸まで辿り着き、施錠されていない戸を思い切り開いた。 青年は中に入ろうとして、慧音の背中に阻まれる。慧音が入り口で立ち尽くしていたからだ。 「先せ・・・・い・・・・?」 見てしまった。 荒らされた家具。 腐りかけた食糧の残骸。 その真ん中には。 「・・・・う、うげええっ!!」 先頭二人の間から中を見た若衆が、口を押さえてよろめく。 「何という事だ・・・。」 部屋の真ん中には、腐敗し、所々が欠損した死体が転がっていた。 「あ・・・・そんな・・・・。」 青年は思わず床に膝をつく。 慧音はかがみ込み、青年の方を軽く抱く。 「・・・すまん、だがこの状況だ。このご遺体は、この家の方か?」 「・・・・・はい、服装から見て間違いありません。」 「わかった・・。」 慧音は遺体に近づくと、手を合わせた。 と、どたどたと誰かが走る音が家に近づいてくる。 駆け込んできたのは、万が一の時に備え村に残った若衆の一人だった。 息を切らし必死な様子の彼に、慧音が振り返って尋ねる。 「どうした?」 若衆は絞り出すように言う。 「大変です・・・・村に・・・・化け物が・・・!」 村は、若衆の呻き声で満たされていた。 ある者は木に叩き付けられ。 ある者は腕や足を齧られ。 皆が身動きが取れないほど痛めつけられていた。 その中心には。 「ゆっへっへ・・・・ありす、やっぱりにんげんなんてたいしたことないんだぜ」 「そうね、とかいはのしたでれいぞくするべきいなかものたちなんてしょせんこんなていどよ」 人間の腰までの大きさのゆっくりまりさとありすが、倒れ伏した若衆の一人の背中にのしかかっていた。 「う・・・う・・・。」 「ゆ!!みてありす、このにんげんうーうーうなってるぜ!!」 「まるであのはねつきぶたまんみたい。おお、ぶざまぶざま!!」 そう言って飛び跳ねながら、大口を開けて笑う二匹。 大きく開いた口からは、血で薄汚れた牙が。 よく見れば、その体は筋肉組織のようなものが表皮の下にあることを 伺わせる隆起があり、更にその瞳は爬虫類のように縦長だ。 ただのゆっくりではない。 いや、もはやゆっくりと呼んでいいのか。 ここにいるのは、人を喰らう妖怪と何ら変わりのない存在であった。 「・・・・最悪だ、こんな時間に村まで来てしまうなんて・・・。」 齧られた肩を押さえながら、村長の息子は二匹の前にいた。 調査隊が行ってしまってる時間である事が災いした。村に残っている男でかろうじて 動けるのはもはや彼一人。女子供、老人は絶対に家から出ないように言ってある。 「まりさ!!あいつこのあいだまりさがかみついたにんげんだよ!!」 「おじさん、せっかくにがしてやったのに、またたべられにきたの? ばかなの?しぬの?しなすよ?ユッヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘッ!!」 「で、出て行け!!化け物ども!!!」 「これだからいなかものは!!わきまえなさいよ」 「おじさん、いますぐにくをもってくるんだぜ。おんなやこどものにくがいいんだぜ!! さもないと、おじさんのあたまからばりばりかじってやるんだぜ!!」 「とかいはにふさわしいきのきいたむすめをつれてきなさい!!それで、すっきりー!!! させてあげる。ありすのぺにぺにでよがりくるわせてアゲルゥゥッ!!」 ゆっくりがただ食糧を要求するのでなく、女子供を喰い、犯そうとしている。 その事実に、男の背筋にぞわっとした感覚が走る。 「そ、そんな要求は、飲めない!」 男は今にも逃げ出したい気持ちを抑え、手にしたゆっくり撃退用の棍棒を握り直す。 「じゃあしかたないぜ、おじさんからむしゃむしゃしちゃうんダゼェェェ!!」 飛びかからんとするまりさ。 「ゆ、まってまりさ!!」 「ゆぅ・・・?」 と、二匹の動きが止まる。 「お前・・・。」 男と二匹との間に、のうかりんが現れた。 男を二匹から守るように手を広げ、二匹を視線で射殺さんと睨みつけている。 「まりさ!!こののうかりんは!!」 「おもいだしたんだぜ、あのくそじじいのところのなんだぜ!!」 「・・・おじいさんにいっぱい懲らしめられたのに、まだわからないの?」 「わかるわけがないんだぜ!!くそじじいはみのほどしらずだったんだぜ!!」 「そうよ!!だからわたしたちあいつを」 「おじいさんに何をしたの!!!!」 普段寡黙なのうかりんの大声に、男は驚いた。それは二匹も例外ではないようだ。 「・・・ゆ、うるさいんだぜ」 「・・な、なにをしたかって・・・ねぇ?ゆっふふふ♪」 のうかりんの剣幕に多少気圧されながらも、二匹は不敵な表情を崩さない。 「でも、ひとつだけおしえてやるんだぜ♪」 「・・・・・・!!」 「あなたのだーいすきなくそじじいは、もうしんだのよ♪」 「「ゆっははははははははハハハハハハハハハッ!!」」 のうかりんは二匹に向かって突進していた。 「ブザマァ!!!!!」 笑っていたまりさはのうかりんの突進を真正面から受け止め、逆にはじき飛ばした。 男の遥か後方、家の壁に激突し、崩れ落ちるのうかりん。 「のうかりん!!くそ!!」 「ゆぅ、まりさ、あののうかりんにはきょういくてきしどうがひつようだわ」 「あいつにはさんざんいたいめにあわされたんだぜ。ゆっくりすっきりさせてからころしてヤルンダゼエェ!!」 二匹は牙を剥き出しにし、のうかりんへ突進しようとした。 しかし。 「ゆぅ・・・ありす・・・?」 「ええ・・・まりさ・・・しおどきのようね」 と、二匹は用心深く辺りを見回すと、のうかりんや男がいる場所から反対方向の家の屋根へと一瞬で跳躍した。 「きょうのところはこのくらいでかんべんしてやるんだぜ!!!」 「こんどもりへくるときはみつぎものをもってきなさい!!かんげいしてあげるわ!!!!」 ゆっくりらしからぬ洪笑をまき散らしながら、二匹は去っていった。 そこへ。 「大丈夫か!!!?」 調査隊が、慧音を先頭に村へ帰ってきたのだ。 村は、負傷者の手当に追われていた。当初は逃げた二匹を追うべきという 意見も出たが、慧音が深追いを制し、体制を立て直すことを優先したのである。 手当の傍ら対策本部としておかれた村長の家には、男、青年、慧音の三人が集っていた。村長は手当の指揮をしている。 「そうですか、森の方ではそんなことが・・・・。」 「あの化け物ども、おじいさんだけじゃなく、村のみんなまで・・・!!」 青年は激昂し、畳に拳を叩き付けた。 「・・・・・。」 慧音は考えていた。 目の前で被害が出てしまった以上、犯人がゆっくりであることは確定した。 しかし。 普通では考えられない身体能力をもったゆっくり。しかも、あろうことか人の肉を要求したという。 何故、そのようなモノが現れたのか? ふと、開かれた縁側の方へ目を向けると、庭でのうかりんが月夜の下、手にしたじょうろに目を落とし、立ちすくんでいた。 それを遠巻きに心配そうな目線をおくるれいむ、まりさ、ちぇん。 「・・・・彼女は、あのご老人のところで育てられたそうだな。」 「はい。」 のうかりんがまだ幼いゆうかりんだったころ、あるゆっくりの群れによって家族を殺された。 いくら他のゆっくりより優れた能力を持つゆうか種でも、圧倒的な数の優位は覆せない。 森の片隅で花を育てていた一家に襲いかかった賊は、ゆうかりんの父親を圧殺し、母親を犯し尽くして殺した。 二匹に素早く木立の中に隠されたゆうかりんは、全身を貫かれるような思いでそれを見ていた。 何度飛び出してやつらと刺し違えようと思ったか。 しかし、両親の願いは、彼女に生きてもらうこと。ここでやつらに踏みつぶされることではない。 そう悟るほどに聡明だったゆうかりんは、涙を振り払いながらその場から逃げようとした。 しかし、運悪く見張りをしていた一匹に見つかり、捕らえられてしまう。 大れいむにふみ殺されようというその時、群れは周辺から悲鳴に包まれていった。 ブリーダーが組織した討伐隊だった。 助けられたのうかりんは、そこでおじいさんに会った。 怖いと聞かされてきた人間。 初めての人間は、勇気づけるような笑顔だった。 おじいさんに引き取られ、育てられたゆうかりんはすくすくと成長し、畑の作り方も覚えた。 彼女は二度と畑荒らしの駄ゆっくりどもに負けないよう、鍛錬を欠かさなかった。 ゆうかりんはおじいさんがいなくとも多くのゆっくりを蹴散らせる程に強くなった。 おじいさんに育てた花や野菜を褒められ、自分が強くなっていくと感じる日々。 ゆうかりんは幸せだった。 やがて体ができ、のうかりんになると、おじいさんは村の新米ブリーダーのところで暮らすよう言われた。 おじいさんは言った。お前はもう一人前だと、お前の育てる花で今度は大勢を笑顔にするんだよと。 のうかりんは寂しさを覚えたが、いつでもおじいさんには会えるのだし、多くの人に自分の花を見てもらいたくもあった。 こうして、のうかりんは村で暮らすようになり、今に至る。 「そうか・・・・辛いだろうな。」 「・・・ええ、彼女のもう一人の父親とも呼べる人でしたから。」 「君も大丈夫か?」 男が青年に尋ねる。 「・・・泣くのはこの件が片付いてからにします。それで、慧音様。」 「うむ、のうかりんから情報があったそうだな。」 「はい、まず、あの二匹のゆっくりに関して、やつらにはのうかりんが以前会ったことがあるそうです。」 のうかりんがまだおじいさんの畑を守っているころ、家族らしきゆっくりの一団が畑を襲撃した。 情けはかけなかった。 親らしき二匹以外は全て踏みつぶし、残った二匹ーまりさとありすも散々痛めつけて動けなくした。 ぼこぼこになった体をよじりながら悪態をつくさまを見て、のうかりんははっとした。 こいつらは、のうかりんの親を殺した群れの一員だったと。 無論、当時見かけた姿より大きくなっていたが、顔に張り付いた下衆の表情は忘れようが無かった。 討伐隊に狩られた時はまだ小さかったこともあり、混乱に乗じて逃げ延びたのだろう。 憎い仇の一員。しかし、わめき散らす二匹を見て、のうかりんは最早哀れみしか感じていなかった。 自分はあれからいろんなことを学んだ。だが、こいつらは違う。学べなかったのだと。 このことをおじいさんに報告すると、温厚な顔を憤怒の形相に変えて、更に二匹を痛めつけた。 泣き叫び、しかしなお悪態をつくまりさ達に、おじいさんは彼らを監督下におき、性根を叩き直すと宣言した。 それが、のうかりんが村に来る直前の出来事である。 「では、あいつらは最近までおじいさんの家で監督されていたということか。」 「そのようです。」 「・・・・・。」 二人の会話を聞きながら、いまだ慧音は考えていた。 あの二匹の出自はわかった。 しかし、やはりわからない。 何故、おじいさんを、人一人殺せるようなゆっくりが生まれたのか。 「原因はわからないが、あいつらがあんな化け物になって、おじいさんが最初の犠牲になった・・・。」 「・・・・さっきご遺体をあらためましたが・・・やはり欠けていた部分はやつらに齧られていたようです。」 そう言うと、青年は顔を伏せ、歯を食いしばるような表情をした。 慧音は思った。耐え難いだろうと。恩師が亡くなり、それもゆっくりに喰われたのが原因で。 ゆっくりに喰われた。 ゆっくりが、人の肉を、喰った。 「ん、慧音先生、どうしたんですか。」 はっと顔をあげた慧音に、男が尋ねる。 「・・・少し、長話をしていいか?」 「君たちは、妖怪が仙人の肉を喰らったらどうなると思う?」 「・・・・?」 「え?」 姿勢を正した慧音の第一声がそれだ。 「・・お前には寺子屋で教えた筈だがな。」 「へ?あ、ええと。」 青年は記憶を辿る。 「確か、妖怪としての格が上がって、強くなるんじゃありませんでした?」 「その通り。では、獣が仙人の肉を喰らった場合はどうなる?」 「妖獣になることがある、でしたよね?」 「そうだ。」 「あの、慧音様?それと今回の件は」 「気づかないか?」 「?」 怪訝な顔をしている男の横で、青年は言う。 「今回ゆっくりは、人間の肉を喰った・・・?」 「そうだ。」 「・・・・!!まさか。」 獣+仙人の肉=妖獣 ゆっくり+人間の肉= 「ゆっくりが、人間の肉を喰らって、妖怪になった・・・?」 青年が、自分の言ってることが信じられないといった調子で、呟く。 「・・・私も完全には信じられないがな。傲慢な言い方になるかもしれんが、客観的に見て ゆっくりにとっては人間とは我々にとっての仙人のような存在だ。その体を取り込む ことで生物としての格が上がるのは、むしろ自然なのかもしれん。」 「し、しかし、それではどの時点でやつらが化け物になったのかわかりませんよ。 おじいさんの家に閉じ込められていたわけですし、人間の肉を喰う機会なんて。」 男が戸惑ったように意見する。 「やつらはおじいさんのご遺体を齧るまでは、ただのゆっくりだったのだろう。」 「そ、それでは、それ以前におじいさんは亡くなっていたと・・・・?」 「・・・・おじいさん、胸が悪かったんだよ。」 「のうかりん・・・。」 いつのまにか縁側にはのうかりんがいた。 三人に向かって更に口を開く。 「心配かけたくないからって、村の人には誰にも言ってなかったんだけど、おじいさん 怒ったり重いもの運んだりした後はたまに胸を押さえて苦しそうだった。だから、多分 あいつらを懲らしめてる最中にすごく怒ってしまって、それで苦しく・・・・・っ。」 のうかりんは耐えられなくなったというように両手で顔を覆う。 青年のうかりんに近寄り、軽く抱き寄せる。 「恐らくは、このようなことだったのではないか。」 慧音が口を開く。 その日、おじいさんは監視下においていたまりさ、ありすと対峙していた。 散々罰を与えても直らない二匹の性根。二匹はその日も傲慢な態度を取り続けた。 おじいさんは、いつものように罰を与えた。 いつもなら泣いて謝るところまで来て、その日二匹はいまだ罵詈雑言をやめなかった。 愛娘と言っていいのうかりんの仇ということもあり、おじいさんは激昂してしまい、更なる罰を与えようと 立ち上がった。 そこで、限界が来た。 おじいさんは胸をおさえて苦しみだし、床に倒れ伏す。 驚く二匹。もしくは自分達の力だと勘違いしたかもしれない。 周りに人もいなく、助けを求めることも出来ず、やがておじいさんは息を引き取った。 残された二匹は狂喜したに違いない。憎い相手が動かなくなってくれたのだから。 二匹は好き放題部屋を荒し、食糧を喰い荒らした。 しかし、食糧はすぐに尽きてしまった。 更に、元々二匹を逃がすまいと厳重だった戸締まりは、二匹が外へ逃げることを許さない。 次第に衰弱していく二匹。 このまま朽ちるのか。 いや・・・・朽ちるのは、おじいさんの体の方が先だった。 腐敗し、形が崩れた遺体へと目を向ける二匹。 贅沢は言っていられない。 彼らにとって、目の前にあるのは人間の体ではなく、腐りかけの肉だった。 二匹は遺体へのそのそと近づき。 口を開け。 齧り、ついた。 やがて、戸は破られ、二匹の化け物・・・・妖ゆっくりは、野に放たれた。 続き 無理矢理な解釈で混乱させてしまったかもしれません。やっぱもの書くのって難しい・・・・。 予想以上に長くなってしまい、上下のつもりが上中下構成になってしまいました。 続きは3、4日中にはあげたいと思います。 ゆっくりゃバーガーの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1297.html
慧音先生とゆっくり。 上白沢慧音は里で寺子屋の教師をしている。 まだ、幼い子供達に文字を教えたり、計算を教えたりしていた。 そんな彼女のもとに、ある子供がゆっくりを連れてきた。 ゆっくりとは生首のような生物で、ぴょんぴょん跳ねたりして移動する。 足という部分もあるらしいが、詳しい事はよく分かっていない。 中身が餡子なだけに、美食家達からも重宝されている。 しかし、ゆっくり達にはある欠点がある。 それは恐ろしいまでの知能の低さだ。 なぜか頭に付いている帽子を外すと、仲間と認識できなくなり攻撃する。 さらに、自分の妻が産んだ子供を自分が生き残るために殺したりする。 これは動物界では珍しい事ではないと言われるかもしれないが、なにせこいつら、言葉を話すのだ。 簡単な言葉ばかりで、難しい話をすると頭を傾げるが、大抵の事は理解する。 このゆっくりの中の種類にゆっくりまりさというものがいるが、そいつが典型的な裏切り者だった。 逆にいえば悪知恵が働くと言うが、時々人間らしさを見せるゆっくりが子供を見捨てたり、理不尽な事を言って仲間のゆっくりを攻撃しているのを見れば、並大抵の人間は怒りを覚えるだろう。 しかしこの慧音、ゆっくりと言う生物をあまり知らない。 大抵里に行くときは授業のためだし、家に帰れば残った仕事をするので、あまり接する機会が無かった。 「これが、ゆっくりって奴か」 慧音は興味深そうにそれを見つめる。 子供が持っていたのはゆっくりれいむで、うまく育てれば普通の家庭でも育てられる。 他にいる、まりさ、ありすも育てようと思えば育てられるが、まりさは何をしでかすかわからないし、ありすは異常性欲と言う特性をもっているので、あまり飼おうとは思わない。 ゆっくりれみりあなど例外だ。 この他にもゆっくりはいるのだが、それは省略する。 「おねーさんこんにちわ! ゆっくりしていってね!」 れいむは慧音に向かって挨拶をする。 「ああ、こんにちわ」 慧音は優しく挨拶をする。 彼女は、最初ゆっくりは害獣だと聞かされていた。 畑をあらし、民家に侵入しては食い物を荒らす。 そしてあたかも自分の家としてふるまう。 やることだけなら山賊に近い生物だ。 (なんだ、ゆっくりって結構礼儀のある奴もいるんだな) 「慧音先生、ゆっくりっておもしろいんだよ!」 そう、生徒の一人が言う。 「ほう、何か芸でも覚えているのか?」 慧音が尋ねると、生徒の一人がれいむを机の上に置いた。 そして、いきなり指を目の上に突っ込むと、そのまま目玉をくりぬいた。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「お、おい! 何してるんだ!」 突然起きた生徒の行動に、慧音は叫ぶ。 だが、生徒は手馴れたようにもう一個の目玉をくりぬいた。 「ゆ゛っぐえ゛!」 目玉を両方失ったれいむの目が合った場所から、涙のように餡子が流れ出ている。 「はい慧音先生、目玉の部分はぷるぷるしてて中に餡子が詰まってて美味しいんだよ」 そう言って、生徒は固めを慧音に差し出した。 しかし、彼女は受け取らず生徒をしかりつけた。 「何してるんだ! 仮にも生き物だぞ!」 生徒は怒られた事にびっくりしていた。 まるで、なぜ怒られたんだと言うような目だ。 「で、でも……」 「でもじゃない! 生き物を大切にしない奴は私は大嫌いだ! 出て行け!」 慧音は怒鳴りつける。 生徒は、裏切られた気持ちで半べそを書きながら、目玉の無いれいむを連れて出て行った。 しかし、他の生徒から非難を浴びる。 「先生ひどいよ! あの子は先生においしいお菓子を食べさせようとしたんだよ!」 「そうだよ! 先生はゆっくりの事なにも知らないの?」 「うるさい、ゆっくりがどんな生き物だろうと私はああやって悪戯に命を奪う奴が大嫌いなんだ」 結局、慧音は怒ってその秘の授業を全部自習にした。 竹林を抜けて、慧音は家へ向かう。 「まったく……近頃の子供は命の尊さというものを知らないのか」 怒りながら進んでいくと、人並みくらいにでかい物体が竹林を抜けていた。 ゆっくりと進むそれは、巨大なゆっくりまりさだった。 「ゆ? おねーさんはゆっくりできるひと?」 その質問に、慧音は笑顔で返す。 「ああ、できるぞ」 「ゆゆ! じゃあおねーさんたべものちょうだいね!」 通常、妖怪おにいさんだったら攻撃するか策略を練っていたぶるだろう。 だが、相手はゆっくりを知らぬ慧音だ。 「ああ、腹が減ってたのか。 昼の残りならあるぞ」 そう言って食べ切れなかった握り飯を巨大まりさに与える。 すると、どこに隠れていたのか寺子屋で見たときと同じくらいの成体ゆっくりがわらわらと現れた。 「おかーさん! それちょうだいね!」 「まりさにはこどもがいるからさきにちょうだいね!」 握り飯を分けても足りないくらいに成体がいる。 そこで、慧音はある提案を出した。 「そうだ、私の家にくれば少しだけだがあげられるぞ」 「ゆっ!?」 その言葉にまりさは警戒心を強める。 まるでまたかとでも言うような感じだ。 「おねーさんはうそつきだね! そうやってまりさたちをいじめようとしてるんだね!」 「ち、違うっ。私はそんな事思ってない!」 慌てて慧音は言う。 そして思った。 (こいつらは人間達にいじめられてきたのか……かわいそうに) 「わかった、ここでその親と待っててくれ。私が持ってくれば文句無いだろう?」 「ゆっ……わかったよ、でもうそだったらおねーさんつぶすからね!」 巨大ゆっくりは警戒心剥き出しでそういった。 確かに、この質量のゆっくりにつぶされれば人間ならひとたまりも無いだろう。 「安心しろ、約束は守る」 そう言って、慧音は家に戻り自分の分を残したあまり物の野菜などをまりさ達に持っていった。 「ゆっゆっ! このおねーさんうそつきじゃなかったよ!」 「まって! やさいにどくがはいってるかもしれないからまりさがさきにたべるよ!」 巨大まりさは慎重に言う。 確かに、おにいさん達なら睡眠薬やら入ってただろう。 「だからそんなもの入ってないぞ」 困った風に慧音が笑う。 そして巨大まりさが食べ終えた。 「だいじょうぶだったよ! このおねーさんはいいひとだからみんなでごはんたべようね!」 その言葉を合図にまりさたちは一斉に野菜を取り囲んだ。 成体ゆっくりが野菜をくわえ、その後ろにいる子供にも分け与える。 そして他人の子にも分けていた。 どうやら群れで行動しているゆっくり達は団結力が強く、みな家族だと思っているようだ。 そういう触れ合いを見ていると、慧音も嬉しくなる。 どこまでも甘い人だ。 そこがいい所でもあるのだが。 「おねーさんありがとう!」 「「「「ありがとう!」」」」 「ああ、どういたしまして」 慧音は笑顔で去っていくまりさたちに手を振った。 ちなみに、この時彼女は里の襲撃を防いだということは後に分かる事である。 ■■■ しばらくして、慧音の家に一匹のまりさが来た。 なんでも、パーティをやるからおねーさんも食べ物を持ってきて一緒に来いとの事だった。 慧音は自分の分の食料しかなかったが、それを半分にして持っていくことにした。 ぴょんぴょん跳ねるゆっくりまりさ、慧音はその後をついていく。 しかし、山の近くである事件が起きた。 「う゛~♪ だ~べちゃ~うぞ~♪」 ゆっくりれみりあが襲い掛かってきたのだ。 れみりあ種はゆっくり達を食べる種類なのでまりさ達は恐れていた。 「おねーさんたすけてね!」 「あ、ああ……」 見た目は頭が以上にでかい子供なので、いささか抵抗があった。 しかし。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ま゛り゛ざのぼうじがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 丁度、ゆっくりれみりあがこけてまりさの後ろに倒れたときだった。 闇雲に振り回した腕が、ちょうどまりさの帽子を引き裂いたのだ。 「くそっ! この!」 軽く蹴飛ばして、ゆっくりれみりあを追い払う。 半べそをかいてざぐやざぐやと叫んでいた。 「大丈夫か?」 「ゆぅ……大丈夫だよ」 傷ついたまりさを抱えて慧音は山を登った。 巣に着いたらうんと楽しませてやろう。 この傷が少しでもいえるように。 そう慧音は思っていた。 「ここだよ! ここにまりさのおうちがあるんだよ!」 「そうか」 慧音は山の中にできた洞窟に入る。 元々ここら辺には山賊がいて最近妖怪に食われたと言う話を以前聞いたのでたぶんここがその砦だったのだろう。 ついた頃にはもう日が暮れていた。 「おかーさん! おねーさんを連れてきたよ!」 すると、中にいた成体ゆっくり達が一斉に帽子のないまりさを見る。 そして案の定非難の声を浴びせた。 「ゆ! ぼうしのないやつはまりさじゃないよ!」 「しらないゆっくりはゆっくりしんでね!」 その光景に慧音は困惑する。 「お、おい……これはお前達の仲間だぞ?」 「そんなぼうしのないまぬけなまりさはしらないよ!」 そういわれてぼうしのないまりさは泣き出す寸前だった。 その時。 「みんなばかだね! あれはまりさたちのまりさだよ! おかーさんにはわかるよ!」 洞窟の奥から巨大ゆっくりまりさが現れた。 そして帽子なしまりさは希望に満ちた顔をする。 「ありがとうおかーさん! きづいてくれたんだね!」 「みんながばかでごめんね! あとでぼうしつくってあげるからね!」 多少の違和感があるが誤解は解けたようなので慧音はほっとする。 しかし、その瞬間慧音の袋に入れた野菜がかすめとられた。 「!?」 「そしておねーさんもばかだね! みんな! あとでおねーさんのおうちにあんないするよ! ここよりとってもゆっくりできるよ!」 いきなり手のひらを返したように罵倒してきた帽子なしまりさに慧音は唖然とする。 「は?」 そうしている間に、慧音に数匹のゆっくりがタックルしてきた。 もう帽子なしまりさを仲間と認識したようで、いつもの団結力だった。 一匹だけならマッサージ程度にはなっていたが、数匹になると子供に突き飛ばされたくらいの痛みがあった。 「きゃっ」 慧音は地面にしりもちをつく。 そして馬鹿にしたように巨大まりさが舌を出した。 「おねーさんはほんとばかだね! あたらしいおうちをおしえてくれてありがとう! ゆっくりしね!」 巨大ゆっくりは転がって慧音の足をつぶす。 折れはしないものの、とても痛い。 「ぐっ!?」 さらに膝。 太もも、胴。 巨大まりさに体をつぶされていく。 (なんで……どうして、パーティをするんじゃなかったのか) 慧音は裏切られた気持ちになる。 そして、何とか動こうと頭を動かしたとき、月が目に入った。 「!!」 慧音の体から動物本能が目覚める。 上白沢慧音はハクタクと呼ばれる妖怪のハーフで、満月になると本来のハクタクの姿となるのだ。 「ぐが、おおおおおおおおおっ!!」 裏切られた怒りと悲しみとで、力任せに巨大まりさの体に腕をねじ込む。 「ゆぐっ!?」 通常のゆっくりより耐久力のある巨大まりさだが、妖怪の本気に勝てるわけが無い。 そのまま足を引き裂かれ、体の中に腕が侵入する。 「あ゛がががががががががが!!!! ゆ゛っぐり゛でぎだい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」 そして侵入させた腕に力を込め、弾幕を発射した。 弾はまりさの餡子脳を突き破り、天井を削る。 しばらく弾を浴びせた跡、まりさは破裂して弾けとんだ。 「お゛がああざあああああああああああああん!!!」 「ゆ゛ううううううううううううう!!!」 成体ゆっくりが叫び声をあげる。 びちゃびちゃと雨のように降る餡子の中、慧音は月夜に照らされて手についた餡子を舐める。 その姿には、普段の生真面目さがない獣のような獰猛な姿であり、妖しく美しくもあった。 「ひぃいいいいいいっ!!」 一匹のまりさが恐怖にかられて洞窟から出ようとする。 だが、慧音に捕まり握りつぶされた。 「ゆびげぇ!」 目玉を飛び出し、歯を食いしばりながら死んでいくまりさを見て、慧音は楽しいと思った。 なぜ、こんな下衆のような奴等に餌を与えてしまったんだろう。 それだけが悔しかった。 「まりさはおいしくないよ! ほかのまりさをたべてね!」 そう言って子供のまりさを差し出す。 「ゅー! ゅー!」 小さなまりさは怯えている。 慧音は再び殺意を覚えた。 「子供を差し出してまで自分が助かりたいかぁっ!!」 拳を唸らせ、差し出したほうの成体まりさを潰す。 さらに、集団でタックルし、逃げる機会を作ろうとまりさが飛び掛る。 だが、慧音の手刀で横に薙ぐ。 すると、食らったまりさの横顔が歪み、皮が破れて餡子が飛び散る。 あとは怯えているまりさたちだけだった。 「……おまえら、もうだれも騙さないと誓えるか?」 「ぢがいまずううううううう!! おでがいでずううううううう!!!」 慧音はもう殺す気など起きなかった。 こんな下衆野郎は殺すに値しない。 だが。 「せいぜい暗闇の中、その私から盗んだ野菜で生き延びるがいい」 そう言って洞窟を出て指をパチンと鳴らす。 背後で爆発音がしたかと思うと、土砂がくずれて洞窟を塞いでしまった。 「はぁ……今日は妹紅の家に泊めて貰おう」 妙にむしゃくしゃした気分が晴れないまま、慧音は山を降りていった。 ■■■ それから。 「なぁ、君」 「は、はい……」 教室の中で先日叱った子供を呼んだ。 「その……すまない。酷い事言って……私が間違っていた」 両手を合わせて頭を下げる。 すると生徒は笑って許してくれた。 嬉しくなって慧音は生徒を抱きしめる。 なんとうらやまし、もとい感動的な光景だろうか。 しかし、代わりにゆっくりの目玉が食べたいと言った。 「よしまかせろ、先生の習性については最近よく知ったからな」 こうして、しばらくは課外授業として生徒達と慧音のゆっくり狩りは続いた。 そしてその中で、慧音は一生ゆっくりまりさの事を嫌いになったそうな。 あとがき 即興で書いたからって言い訳にしませんよ。 生徒、俺と代われ、その乳は私のものだ! このアホが作った作品。 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング1~3? 霊夢のバイト 作:神社バイト このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/498.html
「ゆっくり記憶していってね!」 「んんにゅふううううううううぅぅぅぅ!!!」 「んほおおおおおおおおおすっきりしちゃうよおおおおお゛お゛お゛お゛!!!」 この日、二匹のゆっくりは同時に達した。 口からは涎、目からは涙、全身からなんとも形容しがたい体液を漏らしながら、びくびくと痙攣している。 「ゆふぅん……ゆふぅ…」 「す、すっきりしたよぉ…まりさぁ…」 余韻に浸る二匹。 思い出すのは、自分達が今までゆっくりしてきた記憶だ。 ゆっくりまりさとゆっくりれいむは、生まれたときから仲良しだった。 自分のお母さんであるまりさとれいむの仲がよかったために、この二匹も幼い頃から共に遊んでいたのだ。 片方が池に落ちると、もう片方が助ける。 片方が蜂に追われると、もう片方が隠れる場所を教えてあげる。 片方が人間の畑でゆっくりしてると、もう片方がその危険性を教えてあげる。 そんな風に互いが互いを支えあい、今までゆっくりしてきた。 この二匹が俗に言う『夫婦』の関係になったのは、今から二ヶ月前である。 昔から仲がよかったので、夫婦になってからも二匹は仲良くゆっくりしてきた。 一ヶ月前に見つけた今のおうちも、二匹にとってはぴったりだが… 今から生まれるであろう赤ちゃんも含めると、もしかしたら狭くてゆっくりできないかもしれない。 そしたら新しいおうちを探さなきゃね、と微笑む二匹。 そうこうしているうちに、れいむの頭から蔓が生えてきた。 そして数時間後。 「ゆ!!ゆっくりそだってね!!」 「ゆっくりいいこになってね!!」 赤ちゃん達が生まれるのを、今か今かと待ち望んでいるゆっくり夫婦。 何かが起こると感じ取ったれいむが、ぶるぶると震え始めた。 「ゆ!?…ゆゆゆゆゆゆゅゅゅ…」 ぷちっ! ぽとん!! 「ゆ!ゆっきゅりちていってね!!」 「う、うまれたよ!!まりさたちのあかちゃんがうまれたよ!!」 喜びを隠せないまりさ。 一匹目の誕生に続いて、次々と赤ちゃんが蔓から落ちていく。 「ゆぷ!ゆっきゅいちていってね!!」「ゆっくりちていってえ!!」 生れ落ちたのは、合計5匹のゆっくりれいむだった。 自分と同じ種がいないことにまりさは少し寂しく感じたが、自分の子供が無事生まれたことを思えば些細な ことだった。 「みんな!!いっしょにゆっくりしようね!!」 涙を流しながら呼びかける母れいむ。 それに答えるようにして、子れいむたちは一斉に声を上げた。 「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」 その姿こそ、親ゆっくりにとって最高の幸せ。 二匹のゆっくりは涙を流しながら、頬をすり合わせていた… 数ヵ月後。 すくすくと成長した子れいむたちは、母れいむの半分ぐらいの大きさになった。 もう親に頼らず、自分で餌を取るようになる時期である。 「ゆっくりいってくるね!!」「ごはんたくさんたべるよ!!」 「みんな!!ゆっくりきをつけてね!!」 5匹の子供たちを見送る、母れいむとまりさ。 野性の世界で、親が二匹とも無事でいられるのは珍しいことだ。 大抵は交尾の段階で片方が朽ちるか、子供の成長を待たずして捕食種や他の野生生物の犠牲となってしまう。 そういった意味で、この一家は他のゆっくりに比べれば格段に幸せだった。 「ゆゆゆぅ…れいむぅ…いっしょにすっきりしようねぇ!」 「ゆふん、いいよぉ…でももっとおくにはいろうね!」 子供たちが視界から居なくなったのを確認して、互いに誘い合って巣の中へと入っていく二匹。 今いる子供たちももうじき独立するだろう。ならば、親のするべきことは新たな子供を作ることだ。 二匹は完全にその気だったのだが…第三の声が、二匹を邪魔した。 「やあ!!ゆっくりしてるかい?」 「ゆゆ!?」 巣の外からの突然の声に、二匹は驚いた。 これからすっきりしようというのに、どうして邪魔をするのか。 知らない人が居たら、気になってすっきりできないではないか! すっきりモードに入っていた二匹は、来客に対して大いに不満を漏らした。 「ゆ!!おにーさん!!じゃましないでね!!」 「これからまりさとれいむはすっきりするんだよ!!ゆっくりどっかいってね!!」 「あぁ、ごめんごめん…そうか、君達には子供がいるんだね。じゃあ子供が戻ってくる頃にまた来るよ!」 そう言って立ち去ろうとする、見知らぬお兄さん。 「もうにどとこないでね!!」「すっきりをじゃましたおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 巣の出口までやってきて、お兄さんを罵倒する二匹。 お兄さんはそんなの気にせずに去っていき…二匹の視界から完全に消えた。 「ゆふん…これでやっとすっきりできるよぉ…♪」 「まりさぁ、ゆっくりおくにいってすっきりしようねぇ…♪」 夜。ご飯を食べ終えて、一家で眠ろうという時間帯だ。 昼間の交尾では赤ちゃんは出来なかったが、チャンスはいくらでもある。 二匹は何とかして、新たな赤ちゃんを授かろうと考えていた。 「ゆ!!れいむいもうとがほしいよ!!」 「おかーさん!!ゆっくりいもうとをうんでね!!」 「ゆゆ…おかーさんたちがんばるからね!!ゆっくりまっててね!!」 と、家族計画を話題に談笑する一家。そこへやってきたのは… 「お!今度は子供たちも揃ってるね。ゆっくりしていってね!!」 昼間すっきりを邪魔したお兄さんだった。 「ゆゆ!?ゆっくりしていってね!!」 とりあえず本能に従って挨拶を返す子れいむたち。 それに対して、親二匹はお兄さんに対して明らかに警戒心を示していた。 「ゆ!?おにいさんはだれ!?ゆっくりできるひと!?」 「ゆっくりできないならでていってね!!ここはまりさたちのおうちだよ!!」 ゆっくりたちにとっては、ゆっくりすることが全てである。 ならば、ゆっくり出来ない者は人間であろうと何であろうと、自分の家に入れるわけにはいかない。 親二匹は、ゆっくりの本能に従って…そして、親としての責任をもって、外敵を排除しようとしていた。 「いや、お兄さんはゆっくりできるよ。皆をもっとゆっくり出来る場所に案内しようと思ってね」 「ゆゆ!?ほんとう?おにーさん、はやくれいむたちをゆっくりできるばしょにつれてってね!!」 あっさりとお兄さんに懐柔されてしまう子れいむたち。 『ゆっくり出来る』という言葉を聞いて、親二匹も興味を持ち始めた。 「れいむもいくよ!!はやくゆっくりしたいよ!!」 「よしよしわかった。今から案内するからついて来てね」 一家は笑顔でお兄さんのあとについていく。 だが、この行動が一家の命取りになることを…一家はまったく予想できなかった。 お兄さんに招かれて、お兄さんのおうちに入っていく一家。 案内された部屋は冷房が効いていて、しかもとても広かった。 「ゆゆ!!すずしいね!!」「ここならゆっくりできるよ!!」 「おかーさん!!おうたうたって!!」 「ゆっゆっゆ~♪ゆゆゆっゆ~♪ゆーゆゆーっ♪」 母れいむの歌を聞いて、楽しそうに踊る子供たち。 遠くから眺めているまりさも嬉しそうだ。 「ここをれいむたちのおうちにするね!!」 「きょうからここがまりさたちのおうちだよ!!」 「「みんなでゆっくりしようね!!」」 あまりにも快適なので、すぐにここを自分達の家にすることに決めた。 お兄さんも笑って賛成してくれたから、れいむたちはとても安心していた。 それから一週間。 気がつくと、母れいむが居なくなっていた。 「おにーさん!!おかーさんがいなくなっちゃった!!」 「れいむがいないよ!!どこにいったの!!」 優しいお兄さんは、優しく説明してくれた。 「皆のお母さんは病気を治すために、僕が狭い箱に入れてあげたんだ。今は別の部屋でゆっくりしてるよ」 「ゆ!!おにーさんがびょうきをなおしてくれるの!?」 「おにーさんやさしいね!!」 感謝の声を上げる一家に対し、お兄さんは説明を続ける。 「病気が治ったらすぐに箱から出してあげなきゃいけない。 みんなだって、狭い箱に閉じ込められたままなんて、いやだよね!」 「ゆゆ!!いやだよ!!」「せまいところじゃゆっくりできないよ!!」 「でもね、箱の中から出るには鍵を開けなきゃいけない。皆にはその番号を覚えて欲しいんだ!」 お兄さんはニヤッと笑う。 一家は最初困惑して、お互いの顔を見合わせたが… 「れいむおぼえるよ!!ゆっくりおしえてね!!」「ゆっくりおしえてね!!」 お母さんのためなら、多少の困難は乗り越えられる。 根拠の無い自信を持っている子れいむたちとまりさは、お兄さんの願いを受け入れることにした。 「よし、今から言うからゆっくり覚えてね」 「ゆっくりおぼえるよ!!」「れいむもおぼえるよ!!」 「その番号は…115だよ!」 『いち・いち・ご』 その番号が、一家のゆっくりメモリーに刻まれる。 「いちいちご、だね!!」「いちいちご!!ゆっくりおぼえたよ!!」 「みんな覚えたかな?それじゃあお兄さんはもう番号を忘れちゃうからね。 みんなが番号を忘れちゃったら、お母さんは箱から出られなくなっちゃうよ!!」 「だいじょうぶだよ!!れいむぜったいわすれないよ!!」 「れいむもわすれないよ!!こんなかんたんなばんごう、わすれるわけないよね!!」 えへんと胸を張って、子れいむは自信を見せた。 「そうだよね!!お母さんを助けるための、たった3桁の番号を忘れるわけが無いよね!!」 お兄さんはケラケラと笑っていた。 さらに一週間。 母れいむはまだ戻ってこないが、残された子供たちとまりさは仲良くゆっくりしていた。 今までは自力で食料を調達する必要があったが、今となってはそれは不要な努力だ。 なぜなら、好き勝手にゆっくりしていればお兄さんが食べ物を持ってきてくれるからだ。 以前は母れいむが歌を歌っていたが、今は代わりにまりさが歌を歌ってあげる。 「ゆゆ~ん♪ゆっゆっゆ~ん♪」 「おうたじょうずだね!!」「もっとうたってー!!」 母れいむほど上手ではないが、まりさの歌も子れいむたちにとってはお気に入りだった。 お兄さんは、部屋の中で退屈している子れいむたちの遊び相手にもなってくれた。 特に子れいむたちが気に入っているのは、一匹ずつ手のひらに乗ってお兄さんと部屋中をお散歩することだ。 「わぁい!!おそらをとんでるみたい!!」 この時だけは、普段なら経験できないほど高い場所から周りを見渡すことが出来る。 子れいむたちは、まるで自分が鳥になったような気分だった。 「はやくおりてきてね!!つぎはれいむのばんだよ!!」 「ちがうよ!!こんどはれいむがのるんだよ!!」 順番をめぐって言い争う子れいむたち。 そんな子供たちを、お兄さんは優しくなだめる。 「喧嘩はしないでね。ちゃんと全員乗せてあげるからさ」 「わーい!!おにーさんはやさしいね!!」「おにーさんだいすきー!!」 そういうと、お兄さんは恥ずかしそうに顔を赤らめた。 そしてある日、お兄さんが透明な箱を一家の目の前に置いた。 その中には… 「みんな!!ゆっくりあいたかったよ!!」 一週間前から別の部屋でゆっくりしていた、母れいむの姿があった。 「ゆゆ!おかーさんだ!!」「おかーさん!!さみしかったよぉ!!」 あっという間に箱のまわりに群がる子れいむたち。 後からやってくるまりさも、嬉しさが顔全体に染み渡っている。 「まりさ…」「れいむ、ゆっくりまってたよ!!」 そして全員でお兄さんを見上げる。 「おにーさん!!おかーさんをここからだしてあげて!!」 「れいむをだしてあげてね!!これからぜんいんでゆっくりするよ!!」 すると、お兄さんは満面の笑みでこう言った。 「そうだね。それじゃ皆でお母さんを出してあげてね!」 「ゆ…?」 最初、皆はどういう意味か分からなかった。 お兄さんは、分かるようにゆっくり説明してくれる。 「この前教えてあげた番号、覚えてるよね。その番号をお兄さんに教えてくれれば、開けてあげられるよ」 「……………ゆ?」 不思議そうな顔をする一家。 …しばらく考え込んで、ある子れいむが飛び上がった。 「ゆゆ!!ずっとまえにおにーさんにばんごうをおしえてもらったよ!! そのばんごうがわかれば、おかーさんはそとにでられるんだね!!」 「そうだよ、よく分かったね」 褒めるお兄さん。しかし、問題はその後だった。 「みんなゆっくりばんごうをいってね!!おにーさんにばんごうをおしえてあげてね!!」 箱の中の母れいむは早く出たいのだろう、まわりのゆっくりたちを急かす。 しかし、母れいむを除く一家は考え込んだまま何も言おうとしない。 「ゆゆ!!ばんごうおぼえてるでしょ!?ゆっくりおしえてね!!」 「ゆぅん…ゆっくりわすれちゃったよ!!まりさおかーさんは!?」 「ゆゆゆゆゆ………あ、おもいだしたよ!!いちごだよ!!」 「は?イチゴ?」 まりさの答えを聞いて、お兄さんは困惑顔だ。 「番号は3桁なんだよ。まりさは『15』の2桁しか思い出せなかった。 きっと十五とイチゴの語呂合わせで覚えたんだね。でも、あと1桁分からないと開けられないよ!」 「ゆぎゅうううううう!!!どおしてわすれちゃったのおおおおおおお!!??」 母まりさが、悲痛な叫びを上げる。 番号がわからない状態で一番困るのは自分だから、当然といえば当然だ。 「ゆゆ!ごめんね!!でもおもいだせないよ!!わすれちゃったよぉ!!」 「ばかばか!!みんなのばか!!そんなばかなこたちとはゆっくりできないよ!!」 顔を真っ赤にして激怒する母れいむ。 でも、箱から出てこられないのでまったく怖がらない子れいむとまりさ。 「でもおかーさんがはこのなかにいても、れいむたちはゆっくりできるよ!!」 「そうだね!!そばにいるならだいじょうぶだよね!!」 「おかーさんはずっとそのなかにいてね!!れいむたちはそのまわりでゆっくりしてあげるよ!!」 必死な母れいむとは正反対に、あっさりと諦める子れいむとまりさ。 母れいむの呼びかけもむなしく、まわりのゆっくりたちは勝手にゆっくりし始めた。 「どおじでええええええええ!!!がんばっでおぼいだじでよおおおおおお!!!」 「おかーさんはそこでがまんしてね!!れいむたちがおうたうたってあげるからね!!!」 「うたはいらないのおお!!こんなせまいところでゆっぐりでぎないいいいいいい!!!」 「ゆ~ゆゆ~ん♪ゆゆ~yぶぎゃあ!!??」 歌が途中で途切れた。 歌っていた子れいむのほうを見ると、お兄さんの拳が子れいむだったものを押しつぶしている。 ニコッと微笑むお兄さんがその拳を上げると、その手から餡子がボトリと落ちた。 「ゆぎゃあああああああああ!!!まりざのごどもがああああああああああ!!!」 「おにーさんひどいいいいいいいいい!!!どおじでぞんなごどずるのおおおおおお!!??」 「まったく…大切なお母さんを見捨ててゆっくりするなんて、酷いなぁ!」 怒っているようだが、顔は相変わらず笑っている。 お兄さんは立ち上がると、逃げ惑う子れいむたちを片っ端から潰し始めた。 「ゆぎゃッばびぃいいいいいいいいい!?」 「まったく!!」 「ぐべえああああおあおあおあおあおあ!!!」 「お母さんを何だと思ってるんだ!」 「ふぎゅおうおおあおあおあおあおおお!!??」 「しかも番号を忘れちゃうなんて…!」 「るばっやああああああああああああ!!??」 「どうして!!たった3桁の番号を…君達は忘れちゃうんだ!?」 子供を全て潰し終えると、お兄さんは立ち上がる。 お兄さんは、泣いていた。顔は笑っているが、泣いていた。 箱の中の母れいむの横で、まりさはお兄さんの顔を見上げる。 「ゆ?おにーさん……ないてるの?」 子供を潰された怒りよりも、目の前のお兄さんが泣いていることに対する興味が勝った。 今まで自分をずっとゆっくりさせてくれたお兄さん。 子供を全員殺されたが、お兄さんが泣いている原因を解決すれば、またゆっくりさせてくれるかもしれない。 そんな期待がまりさにはあったのだ。 「ゆっくりなかないでね!!まりさがなぐさめてあげるよ!!」 「……」 お兄さんは無言でまりさのほうへと歩み寄る… が、まりさの横を素通りして、箱に収まったれいむの目の前に座り込んだ。 「ゆ!?おにーさん!!ばかなこどもをころしてくれてありがとう!! こんどはゆっくりここからだしてね!!」 もはや母れいむの関心は、ここからどうやって脱出するか…そのひとつしかない。 自分を見捨てた子供も…かつて愛を誓い合ったまりさも、もうどうでもよかった。 「ふふふ…あっはははははははははははは!!!」 お兄さんは優しい笑顔のまま、狂ったような笑い声を上げる。 母れいむとまりさは、完全に怯えきってしまった。 まりさに至っては、恐怖のあまり硬直してしまってその場から逃げることも出来ない。 「どうして!!どうして君達はそんなに馬鹿なんだ!! 3桁の!!たった3桁の!!簡単な番号を!!どうして忘れるんだアアアアアァァァァァァ!!!!!」 バァンッ!!! 箱を思い切り叩くお兄さん。母れいむがびくっと震える。 お兄さんは何かを発散しようとしているようだった。 内に秘めた黒い感情を、すべて消化しきってしまおうとしているようにも見える。 「あぁゾクゾクするよ!!君達の馬鹿っぷりにゾクゾクするよ!! どうして君達は到底敵わない人間に喧嘩を売るんだ!!どうして人間の作物を荒らすんだ!? もうどうしようもない馬鹿だ!!可哀相で可哀相で、笑いが止まらないよおお!!! 君達はどうして!!どうして!!どうしてどうしてどうしてどうして!!! どうしてそんなに!!!馬鹿なんだアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!???」 大声とともに腕を振り下ろすお兄さん。 居場所が悪かったためか、その腕がまりさに直撃し… 「ゆぶぎゃあああああ!!??」 まりさは破裂した。あっけない最期だった。 「ゆゆ!!ゆっくりやめてね!!ゆっくりここからだしてね!!」 「ふふふ…出せるわけないだろう。あの子達が、番号を覚えてなかったんだから…」 くくくと笑うお兄さん。顔は優しい笑みだが…その笑い声に、唯一生き残った母れいむは恐怖する。 「でも安心してね。れいむはこの中にいればずっと安全だよ。お兄さんも守ってあげるからね」 「ゆゆ!!やめて…ここじゃゆっくりできない……ゆっくりだしてよ!」 お兄さんは笑みを崩さず、首を横に振る。 そしてれいむが収まっている箱を抱きしめて、その場に寝転がった。 「馬鹿な子供たちは殺してあげたよ。馬鹿な恋人も殺してあげたよ。だかられいむ…お兄さんとずっとゆっくりしようね」 一体何をどこで間違えたのか。 母れいむは必死に記憶をさかのぼるが、どうしてもわからない。 どこをどうすれば、こんな目にあわずに済んだのか… 餡子脳の記憶容量では、さかのぼれるのはせいぜい数週間前まで。 唯一わかるのは、いまさら考えても遅いということだけだ。 れいむの入った箱を優しくなでる優しいお兄さん。 その笑みは、狂気に蝕まれてる。 「ふふふ…れいむ…君は一生その中でゆっくりしていってね!」 「イやだよおおおおおおオオオオオおおおおおおお゛お゛お゛お゛!!!!」 その日から。 れいむはずーっと、お兄さんとゆっくりし続けた。 晴れの日も、雨の日も、風の日も、雪の日も。 れいむは箱の中で、狭い箱の中でゆっくりし続けた。 出して、と言ってもお兄さんは出してくれない。 定期的に食べ物を与えられて、ゆっくりし続けるだけ。 お兄さんが、おじさんになって。 おじさんが、おじいさんになって。 その間も、れいむは窮屈な箱の中でゆっくりし続けた。 ある日、おじいさんが二度と目覚めなくなった。 おじいさんが布団の中からいなくなって…れいむだけが取り残された。 れいむはとてもお腹がすいてきた。そのうち意識も朦朧としてきた。 迫りくる死の影を目の前にして…れいむはやっと安堵の表情を浮かべて、こうつぶやいた。 「ゆっくりしていってね…!」 あとがき 優しいお兄さんを書いてたら、いつの間にか変なお兄さんになってたよ!! ゆっくりしていってね!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/893.html
※虐待というよりギャグ……? ※オリ設定多し。 『ゆっくり大学虐待学部』 教室の扉が開くと、ゆったりとした歩調で老教授とその助手が入室した。 老教授の姿を見るや、室内の学生は途端におしゃべりをやめて、教室前方へと視線を集める。 老教授が教壇に立つのと、講義開始のチャイムが鳴るのはほぼ同時であった。 ここはゆっくり大学。 ゆっくりを愛でる者、ゆっくりを研究対象と見る者、そしてゆっくりを虐待したい者。 志の違いはあれど、ゆっくりに対する並々ならぬ感情を抱く者達が、知識と技術を身につけるべく、日々研鑽する学び舎である。 老教授が本日のレジュメを配布する。そのプリントには、「ゆっくり虐待概論Ⅰ ②四種類の虐待」と題名が書かれていた。 「えー、本日は主だった虐待の説明を行ないます。虐待は、おおまかに四種類に類型化され……」 しわがれた声で説明しながら、黒板に板書していく老教授。 筆圧が弱いのか、書かれる文字は薄く不鮮明で、どこか頼りない。 「虐待の類型としては、身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト、そして性的虐待があります。ではまず身体的虐待から……」 傍らに控えていた助手がさっと動いた。台車に乗せられた1m四方の透明な箱に手を入れる。 中には十数匹のゆっくりが入れられており、助手が掴み出したのは、バレーボールサイズのゆっくりれいむであった。 助手がれいむと鉈を教授に手渡す。 「身体的虐待とは、文字通り身体的に虐待を行うことです。シンプルである分、そのバリエーションは豊富です」 なにやら騒ぐれいむを教卓に押し付け、無理矢理黙らせながら、教授は説明を続けた。 「身体的虐待を行なう上で、最も注意しなければならないのが、殺してはならないということです。 みなさんが行うべきは虐待であり、虐殺ではありません。 もちろん、虐待の果てに殺すことは一向に構いませんが、即死……即座に死なせるようなことがあってはいけません。 日本には古来より寸止めの美学というものがあります。 全裸より半裸、ポロリよりもチラリ。無論、私も着衣エロの信奉者であり、特に裸Yシャツにニーソックスの組み合わせが……と、失礼。話が脱線しました。 ともあれ、ミニスカートとニーソックスの間の絶対領域に萌えを見出すもののあはれの心は、虐待魂にも脈々と受け継がれております」 老教授の説明を説明に耳を傾けながら学生達は真剣にノートやレジュメにメモを取っていく。 「身体的虐待の詳しい説明は、レジュメに書いておいた参考文献を元に各自学習しておいて下さい」 レジュメ末部の参考文献一覧には、「八意永琳、『絶対やりたい、ゆっくり虐待』、幻想書房、2008」と書かれている。 「虐待の過程では、そう簡単に殺してはいけません。生かさず殺さず、じっくりと徹底的に嬲り尽くし、体の芯まで虐待できるような方法を選びましょう。例えば……」 鉈を持つ老教授の手が一瞬、かき消えると共に、「トン」という小さな音が教室内に響いた。 教室内の全ての学生は、一体何が起きたのか分からなかっただろう。 ただ一人、一部始終を目に焼きつくさんと目をこらしていた助手だけが、戦慄と共に理解していた。 老教授は、何事もなかったように、教卓上の霊夢を左右に開いて見せた。 教室にどよめきが広がる。ここでようやく学生は理解した。 老教授が、鉈を使い、恐るべき速さで一刀両断したのだ。あの小さな音は、鉈が教卓に接触した時の音だったのだろう。 「ゆっくりは、このように切断してしまいますと、即死してしまいます。切る時は場所を考えて切りましょう」 助手が、二匹目のゆっくりれいむを取り出して、教授に手渡した。 「頬や頭の一部を狙うのがセオリーです。基本は、餡子が一度に大量に失われないようにすることです」 学生に向かって説明しながら、手元のれいむを全く見ずに、次々と鉈で頬や頭を切断していく。 薄皮とわずかな餡子のみをかすりとっていくその洗練された鉈使いに、教室中の学生が息を飲んだ。 室内の誰もが、「ゆ、ゆ、ゆっ!」と叫ぶれいむのことは気にもとめていなかった。 「しかし、こうしたところでゆっくりにはさほど苦痛を味わせることはできません。真の虐待はこの後です」 ここでようやく教授はれいむに目を向けた。 手元のれいむは苦痛に顔を歪め、涙ながらに抗議をしている。 「い゛だい゛よお゛っっっっ!!! れ゛い゛む゛になんてこ゛と゛ずるのお゛お゛っっ!?」 教授の口元が釣り上がった。 「うっせぇ! 腐れ饅頭がっ!!!」 咆哮と共に、教授の五指が露になったれいむの餡子に深く突き刺さる。 「い゛ぎい゛いいっっっっっ!!??」 激痛に目は血走り、全身が小刻みに痙攣を繰り返す。 れいむのその様子に教授の心が昂ぶる。 「ここか~~? ここがいいのか~? んんっっ!?」 「ひぐっ、あぎゃ、げっ、ごっ……!」 突き刺した指で、れいむの餡子を内部からぐちゃぐちゃにかき回す。 まるで指揮者のタクトに従う楽団のように、教授の指の動きに合わせてれいむが絶叫を上げ続けた。 そして一際大きくぶるっと体を震わせると、苦悶の表情を顔にはりつけたまま、れいむは絶命した。 「……と、このように、餡子に直接刺激を与えることが、ゆっくりに苦痛を与える最も効果的な方法であります。 今回は時間もないのであっさり殺しましたが、その気になれば何時間でもいたぶることが可能です」 助手から渡された手ぬぐいで手を拭きながら、落ち着いた様子で教授が説明を行なう。 「続いて針や釘などを用いた虐待の例を紹介しましょう」 助手が、三匹目のれいむ、束になった針、はさみを手渡した。 「ゆっくりは、内部の餡子を大量に失うことで死に至りますが、度を過ぎる激痛によるショック死も可能です。さきほどのように」 ここで一人の学生が手を挙げた。 「質問です」 「どうぞ」 「度を過ぎる激痛とおっしゃいましたが、具体的にはどの程度の苦痛を与えれば死ぬのですか?」 「痛みを数値化して定量的に比較することは不可能ですが、大まかな目安として、内部中枢の餡子を傷つけなければ、 まずショック死はしないと考えてよいでしょう」 「中枢の餡子なんてものがあるのですか?」 「そうです。それが、他の動物における脳の機能を担っているのかはまだ分かっておりません。 しかし、苦痛に対するある種の急所となっており、その部位に対する刺激には非常に弱いことは明らかになっています」 「……なるほど。ありがとうございました」 「ちなみに、餡子を大量に失う、中枢の餡子が傷つく以外に、温度上昇による死もあります。 恐らく、餡子の組成が変化することが死につながるのでしょう」 教授は他に質問がないか確認すると、講義の続きに入った。 「針や釘を刺すことで苦痛を与えるのも、身体的虐待の中では比較的ポピュラーな部類に入るでしょう。 餡子を外に漏らさず、中枢の餡子を傷つけなければ、手軽に半永久的な苦痛をゆっくりに与えることができますから」 と言って、れいむの頭に針を刺した。 「いたいっ! なにするのおじさん! これじゃゆっくりできないよ!」 れいむの文句を無視してさらに説明を続ける。 「実は、ただ針一本を刺すだけでは、それほど苦痛を与えることはできません。そこで一工夫」 教授の目配せに従い、助手がれいむの頬を両手で圧迫し、固定した。 れいむが動けなくなったことを確認すると、教授はれいむの右のまぶたをつかむと、はさみで切り取っていった。 本来ならばここでれいむの絶叫が聞こえるのだが、助手のせいで口は動かせない。 しかし、教授の目に映るれいむの瞳は、確かに激痛と、教授に対する怒りと憎しみを訴えていた。 もちろん、そんなそよ風のような悪意では、百戦錬磨の教授を動じさせることなどできない。 れいむの訴えなどには意も介さず、左のまぶたも切り取った。 「ゆっくりにとっても目は急所です。そこで、刺すなら目を刺しましょう。 もちろん、刺しやすくするために、事前にまぶたを切るのは忘れずに。では早速……」 助手が、れいむへの圧迫を加減した。もちろん、れいむの叫び声を聞こえるようにするためである。 「おじ……「バルス」いぎゃあああっっ!! め゛がっ、れいむ゛のめ゛がぁぁぁっっ!!」 教授がれいむの右目にぷすりと針を刺した。 「目を攻撃するときは、『バルス』の掛け声は必須です」 そう言うと、教授は次々とれいむの眼球に針を突き刺していった。 「バルス」 「ひぎゃっ……!!」 「バルス」 「い゛っっ!!」 「バルス」 「み゛ゃっぁ……!」 「バルス、バルス、バルス、バルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスゥゥゥ!!」 興が乗ってきた教授の両手が、常人では不可視の速度で動き続ける。 途切れることなく次々と針が突き刺される激痛に、れいむが心からの絶叫を上げた。 「いじゃい、いじゃい、いじゃぁぁーいっ!! れいむ゛のめ゛、れいむ゛のめ゛ぇぇっっ!!! ……ふぐっ」 頃合を見て、助手がれいむの口に詰め物を入れて黙らせた。 そして、学生達によく見えるよう、れいむを頭上に掲げる。 すでにれいむの両目には、おびただしいほど無数の針がびっしりと突き刺さっており、まるで眼球からビームが発射されているようであった。 その状態でぷるぷると体を震わせるれいむに、思わず何人かの学生が失笑の声を漏らした。 「当然この程度ではゆっくりは死にません。この状態で放置しておけば、永続的な苦痛を味わせることができるでしょう。 が、いつかはこの痛みにも慣れてしまうかもしれません。その時は……」 教授の手が、れいむの眼球に突き刺さっている針の束へと伸びる。 針の束を掴むと、眼球ごとそれをぐっと内部に押し込んだ。さらにぐりぐりと回し、内部の餡子をかき混ぜる。 「……………………っっっっ!!!!!」 悲鳴を上げられないれいむは、全身を震わせる不恰好なダンスで、苦痛を表現する。 「こうした一連の方法は、八意名誉教授の著作に書かれております。各自参考にしつつ、独創的な虐待方法を考案・実践していって下さい。 では続いて、心理的虐待について」 瀕死のれいむを助手へと手渡し、次の講義内容へと入った。 「みなさんもご存知のように、ゆっくりは基本的に⑨です。 ですが、生意気にも身分不相応なプライドや大切なものを持っており、そうしたウィークポイントを木っ端微塵に打ち砕いてやることが、心理的虐待の醍醐味です。 心理的虐待を行なう上でのポイントは、ゆっくりが、どのようなウィークポイントを持っているのかを見極めることです。例えば……」 助手が、透明な箱から一匹のゆっくりを取り出した。今度はれいむ種ではなくまりさ種である。 透明な箱から取り出されたゆっくりまりさは、すぐさま教授に怒りの声をぶちまけた。 「どうしてまりさたちにこんなひどいことするの?! ゆっくりあやまって、まりさたちをおそとにだしてよね!」 即座に助手がまりさの口を塞ぐと、教授が説明を始めた。 「透明な箱に入っているゆっくり達は、全て同じ群れにいたゆっくりです。そしてこのまりさは、その群れのリーダーです。 ゆっくりまりさといえば、ずる賢く傲慢な上、平気で仲間を見捨てるという邪悪極まりないゆっくりですが、 稀に、このまりさのように、正義感溢れる個体も存在します。 仲間を助けるためには自分の命も危険にさらす、強く勇敢なゆっくり。だからこそ……」 教授の瞳に、まるで肉食獣のように剣呑で獰猛な光が薄っすらと灯る。 「いたぶりがいがある、というものです」 ここで助手がまりさの口から手を離すと、再びまりさが猛抗議する。 「おじさん! なにいってるかわからないけど、まりさはこのむれのりーだーなんだからね! まりさたちをおそとにださないと、まりさがおじさんをひどいめにあわせるよ!」 「みんなを外に出してほしいのかい?」 「あたりまえだよ!」 「じゃあ、おじさんと一つ賭けをしないかい? その賭けに勝ったら、みんな外に出してあげよう」 「ふふん! まりさはつよいんだからね! どんなかけでもぜったいかつよ!」 教室中の学生は全員思った。こいつ⑨だ、と。賭けの内容を知らずに承諾するなど、普通はありえない。 しかし、学生達は、皆同じ結論に達して納得する。 (まぁ、ゆっくりだし) 学生達がそんなことを考えている傍ら、助手が賭けに使うであろう、道具を取り出した。 透明な箱と同じ材質でできていると思われる、といのような物体。長さは約1mほどであり、成体のゆっくりが通れる程度の広さがある。 特徴的なのは、その床面であった。 両端の床面は平らになっているのに対し、その途中、平らな面と平らな面の間は、びっしりと棘で覆われているのだ。 その奇怪な道具を怪訝な目で見るまりさに対し、教授が賭けの説明をする。 「君には、この床の端から端まで歩いて、自分の帽子を取り返してもらおう。端から端まで歩いて、だ」 そう言うと、まりさの帽子――ゆっくりが自分の命よりも大切にしているという帽子――を奪った。 「あ゛あ゛あ゛ーーーー?! まりさのおぼうしーーーーー!! かえじでーーー!」 怒りと悲しみに満ちた声を出すまりさ。 ゆっくりからしてみれば、これだけでも十分心理的虐待になるのだが、当然、それだけで虐待が終わるはずもない。 まりさの悲痛な声をBGMに、教授はまりさから奪った帽子をといの一端においた。 そして、帽子の頭に火をつける。 「じゃあ、まりさ。この床を歩いて帽子を取り返すんだ。制限時間は……帽子が焼けるまでだ」 「あ゛ーーーー! ぼうじ、ぼうじがぁーーーー!」 わめき散らすまりさを掴み上げると、といの端に置いた。 まりさは、メラメラと燃えながら煙を上げる帽子に向かって一直線に向かっていった。 今から渡ろうとする床が、どのような構造をしているのかも忘れて。 「い゛だっっ!!」 体の下部から伝わる痛みに驚き、慌ててといの壁面を飛び越えるまりさ。 その様子に穏やかな笑みを浮かべた教授が、まりさの耳元でささやく。 「駄目じゃないか。ちゃんと向こうまで渡らないと。ああ、それと、もし帽子を取り返せなかったら罰として……」 透明な箱の中から、一番体の小さな赤ちゃんまりさを取り出す。 そして、まりさの目の前であっけなく握りつぶした。 「あ゛ーーーー! ま゛り゛ざのあか゛じゃんーーーーー!!!」 「こうして、群れの全員を殺してしまうからね」 「あ゛あ゛あ゛っっ!?」 透明な箱に入っている全てのゆっくりが声を上げた。 「ひどいよっ!」 「なんでぇっ!?」 もちろんまりさも黙ってはいない。 自分の帽子と、群れの仲間。 2つの大切なものを人質に取られ、まりさが涙を流しながら叫んだ。 「どうじでごんなごとするのぉぉっっ!? ひどいおじざんはいますぐじねぇっ! ゆっぐりじねぇぇっっ!!」 「そんなこと言ってる間に、ほら、帽子が焼けてしまうよ?」 「あ゛あ゛あ゛ーーーー!!」 急いでまりさは、といを渡ろうとした。が、何度挑戦しても、棘の痛みに耐え切れずにといから逃げ出してしまう。 透明の箱からまりさを心配そうに見ながら応援していたゆっくり達だが、しだいに、その声はまりさを罵倒するものへと代わって言った。 「どうしてそんなところもわたれないの!?」 「わたれなかったられいむたちはゆっくりできなくなるんだよ!?」 「なさけないまりさはゆっくりしねっ!!」 懸命に頑張る自分に対し、なぜこんな言葉が投げかけられのか。 理不尽極まりない仕打ちに涙しながら、それでも帽子と仲間を守るために、何度も棘の床にまりさは挑み続けた。 すでにまりさの体はズタズタに引き裂かれており、餡子が徐々に漏れ出している。 だが、それが幸いとなった。餡子が棘にまとわりついているため、しだいに棘の痛みがやわらいできたのだ。 そして、何度目かの挑戦の果てに、ついにまりさは帽子にまでたどり着いた。 「ゆ゛ぅぅぅ……」 しかし、ここでまた難問が待ち構えていた。燃え盛る帽子の火をどうすれば消せるのか。 必死に餡子脳を働かせても、名案が浮かばない。 口で咥えて何度も床に叩きつければ消せるかもしれないが、燃える帽子を咥えることなどできはしない。 ゆっくりお得意のボディプレスも、体が傷ついたこの状態でやれば自分の命が危うい。 「ほら、どうするんだい? もうほとんど燃え尽きているよ?」 「ゆ゛ぐぅぅぅ…………」 苦悩するまりさ。しかし悩む時間はもうない。 「はやくぼうしをとりかえしてね!」 「はやくはやくぅ!!」 「まりさのばかぁ! ゆっくりしてたられいむたちはゆっくりできなくなるんだよ!?」 透明な箱から聞こえてくるのは、まりさの苦悩など構いもしない言葉ばかり。 身勝手な言葉に急かされ、ついにまりさは乾坤一擲の賭けに出た。飛び上がって、帽子の上にのしかかる。 だが、 「あ゛あ゛づいぃぃぃっっっ!!」 まりさの予想以上に火は熱かった。それになにより、餡子が直接火で炙られるのである。 ゆっくりにとってそれは一瞬でも我慢できるものではなかった。 あまりの熱さと痛みに、まりさはゴロゴロと床を転がる。棘のついた床の上を。 「いぎゃあああっっっ!!」 痛みから逃れるために転がったのに、そこで待ち受けていたのはさらなる苦痛であった。 もはやまりさに許されるのは、全身を棘によって傷つけられながら、わけもわからず転がるばかり。 苦笑を浮かべた教授が、まりさをといの外へと出してやる。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ……」 もうまりさは限界であった。全身は切り傷だらけ。一部は火傷も負っている。 だが、それでも立ち上がらなければならない。 帽子のため。 仲間のため。 それはつまりは自身の誇りのためであった。 傷ついた体を無理矢理起こす。 そして見た。 「……ゆっ……?」 あるべきはずの物がない。 自分が必死に守ろうとした、命よりも大切な物が。 それが何を意味しているのか。まりさの餡子脳が理解する前に、教授がささやく。 「残念。帽子、燃えちゃったね」 「――――ゆ゛ぅぅぅぅぅっっっっっーーーーーーーー!!!!」 まりさの絶叫がこだました。 響く絶望の慟哭は、もちろんこの場の人間にとっては心地よい調べでしかない。 絶望のどん底に落ちたまりさを、さらなる絶望へと誘うべく、教授が小さな声でつぶやいた。 「それじゃ、約束通り、群れのみんなには死んでもらおうか」 「……っ!」 その言葉にまりさの体が反応した。 そうだ、まだ自分には仲間がいる。例え帽子は守れなくても、仲間だけは守り通さなければならない。 まりさは恥も外聞もなく、教授に懇願した。 「……お、おねがいです……。まりさはどうなってもいいから、みんなはたすけてあげて……」 ここで自分は殺される。だが、それで仲間を守れる。そして自身の誇りを守れる。 まりさは、ゆっくりにしては非常にめずらしい、誇り高きゆっくりであった。 「そうか。そんなに群れのみんなが大切かい?」 だから、 「……たいせつです……」 そんなまりさだからこそ、 「でも、群れのみんなはまりさのことをどう思っているかな?」 虐待のしがいがあるのだ。 「…………ゆ?…………」 教授の言葉に、ゆっくりと仲間が待つ透明な箱へと視線を向けた。 まりさの目が大きく見開かれた。 そしてこぼれる大粒の涙。 まりさの目に映ったのは、慰めるでもなく、同情するでもなく、奮闘に敬意をはらうでもなく、憤怒と憎悪に満ちた目で自分を睨み付ける仲間の姿であった。 「まりさのばかぁっ!」 「もうまりさとはゆっくりできないよ!」 「じねぇっ! じねぇぇっっ!!」 「なさけないまりさなんていらないよ!」 「れいむのかわりにまりさがしねぇっ!!」 罵詈雑言の嵐がまりさの耳に届いた。 だが、もうまりさはその言葉の意味を理解することはできないだろう。 まりさは仲間を失った。それも最悪の形で。 帽子と仲間。その二つを同時に失ったまりさの瞳には、すでに光は灯っていない。 絶望のさらなる底の絶望に心を蝕まれ、まりさは生きながらに死を迎えた。 教授はその様子に満足げな笑みを浮かべると、学生へと体を向けた。 「このように、心理的虐待を行うときは、まず相手の心理的な弱点を探し、そこを徹底的にえぐるのです。 そのためには、事前の入念な調査が必要になるでしょう。 なお、大雑把に言えば、ゆっくりが持ちやすいプライドといえば、今回のような仲間意識の他に、自分自身の強さや容姿などの自惚れなどがあります。 もちろん、ゆっくり全般の弱点である飾りを攻めるのはセオリー中のセオリーです」 そう説明する間に、助手が生ける屍と化したまりさを片付けていく。 もちろん、殺したりなどはしない。後できちんと元の巣へと返すのだ。 「さて、続いてはネグレクトです。 ネグレクトとは、育児放棄のことであり、人間に対しては、食事を与えない、風呂に入れない、などが挙げられます。 ゆっくりに対しては……、みなさん、お分かりですね?」 そこで助手が用意するのは、おなじみ、透明な箱である。サイズは、ちょうど成体ゆっくり一匹が入るほど。 「ゆっくりを箱の中に入れ、放置する。これが基本でしょう」 そう言って教授は、さきほどまりさを罵倒していたゆっくりの一匹を箱の中に入れた。 「……ゆゆっ!? なにするのおじさん! おじさんとはゆっくりできないよ! はやくここからだしてぶぎゅっ!?」 騒ぐゆっくりれいむの頭上に、無言で拳を落として黙らせる教授。 「ただし、ただ箱の中に入れているだけでは、あまり面白みがありません。 様々な工夫を施し、よりゆっくりがゆっくりできない環境にして苦しめてあげましょう。 なお、ゆっくりできない透明な箱の例を、各自考えてきて下さい。次週までの課題とします」 「えー?」と学生達から声が漏れるのは、いつもの光景だ。 「参考までに、私の最近のお気に入りの方法を教えましょう。夏の暑い時期にぴったりの方法です」 助手が、教授にスプレー缶を手渡した。 箱の中のゆっくりを見つめる教授の瞳がギラリと光る。 「暖符「温暖化フェノメノン―Lunatic―」!!」 教授はそう叫びながら、箱の中にスプレーの中身を放出した。 「ゆゆゆっっっ!?」 突如として箱の中に得体の知れない気体を注入され、れいむが驚きの声を上げた。 だが、差し当たっては害がないことが分かると、すぐさま教授への罵倒を続けた。 もちろん教授はそんな罵倒には耳を貸さない。わめくれいむを無視して説明をする。 「さて、今注入した気体は水蒸気、温室効果が最も高いといわれる気体です。 この暑い夏、水蒸気がたっぷりと入ったこの箱の中は、相当な暑さになるでしょう。 今日から明日まで、この箱は放置します。明日、中のゆっくりがどうなっているか観察して下さい。 なお、Hardでは一酸化二窒素、Normalではメタン、Easyでは二酸化炭素を使います。 ま、ゆっくり相手にLunatic以外を使うことはないのですが」 「実験中 手を触れないで下さい」と書いた紙を貼って、助手が箱を窓際へと移した。 「最後に、性的虐待です。発情したゆっくりありすをけしかける方法が一般的ですが、すっきり寸前に行為を中断させるという方法もあります。 さらには、ゆっくりに対し自ら直接HENTAI行為に及ぶ剛の者も存在します。 みなさんが目指すのは虐待であり、決してHENTAIではありません……が、昔から虐待とHENTAIは紙一重と言われます。 虐待の一環としてHENTAI行為に及ぶのも悪くはないでしょう」 そう言うと、教授はおもむろにズボンのチャックを開けると、その隙間から、いきり立った剛直を取り出した。 老体には似つかわしくない精気漲る逸物に、教室中が息を飲む中、 「やりませんか?」 教授のその問いに、全学生が一斉に首を横に振った。 「そうですか。では、ゆっくりに相手してもらいましょう。私はゆっくりでも構わず食ってしまう男なので。もちろん、性的な意味でです」 助手が、一匹のゆっくりありすを箱から取り出すと、激しい振動を加え始めた。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ……!」 たちまち情欲に溺れ、だらしなく表情を緩めるありす。 その様子を確認した助手が、箱の中から一匹のまりさを取り出した。 「ま゛ぁり゛ざぁーーー!!」 まりさの姿を見るや否や、ありすはよだれをたらしながら襲い掛かった。 「やあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!! やめて、やめてねっ!」 「んほほほぉぉぉぉっっっっっ!!!! いやがるま゛り゛ざもがばい゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 ありすはまりさにのしかかり、激しく体をこすりつけると、絶頂への階段を駆け足で昇り始めた。 まりさの都合などは一切構わない。 ただ、己の欲望を満たすために、まりさを仮借なく攻め上げる。 そして一分と経たずにすっきりする、その寸前に、 「……すっぎりぃぃ!???」 助手の手によってありすの体は持ち上げられた。 「なにずるのぉぉ!? ありずのすっきりのじゃまをしないでねぇぇぇ!!」 興奮状態で怒鳴り散らすありすに、教授が近づいた。 「すっきりしたいですか?」 「あ゛だりまえ゛でしょぉぉぉ!! い゛い゛がらはやくまりさとすっぎりさせでぇぇぇぇぇ!!!!」 「いいでしょう。すっきりさせてあげましょう。ただし……、相手はまりさではなく私ですがねっ!!!!!」 「……ふぐっっ!?」 ありすの口を教授の怒張が貫くと同時に、殺人的なピストン運動が始まった。 「ふんっ、ふんっ、ふんっ、ふふふんっ、ふふふんっ、ふふふんっ!!!!」 「びゅ゛゛゛ーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっ!!!???」 上げるべきは悲鳴か抗議の声か。 しかし、許容量以上のものをねじこまれたありすは、まともに声を発することもできない。 無論、がっしりと教授に掴まれている以上、逃げ出すのは絶望的である。 「ふふふふふふふふふふふふふふふんんんんんんっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!! ……うっ!!」 暴虐の限りをつくしていた教授の先端が、ついにありすの口内にカスタードとは似て非なるものをぶちまけた。 口内に収まりきれないほどの大量の粘液。口の端から少量こぼれた他は、ありすの体内へと侵入する。 津波のように押し寄せる白濁液に、ありす体内のカスタードは奥へ奥へと押しやられ、そしてついに行き場を失ったカスタードが、 「ゆ゛ぶっっっっっっっっっっっっっっ!!!」 ありすの眼球を吹き飛ばし、眼孔から勢いよく噴出した。 目から涙のようにカスタードをボトボトとこぼしながら、ありすは小刻みに痙攣を繰り返す。 口から教授の分身が引き抜かれると、妙に流動性の高いカスタードをこぼした。 「……と、これが性的虐待の一例です。ここで一つ注意を。HENTAIに没頭するあまり、虐待を疎かにしてはいけません。 単に陵辱するのではなく、心身ともに傷つけることを忘れないように。射精するにしても、後頭部を打ち抜くくらいの気概で望みましょう」 その言葉を待っていたかのように、教室内に、チャイムが鳴り響いた。 「では、これで今日の講義を終わりにします。各自、課題を忘れないようにして下さい。それではまた次週に」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4903.html
※俺設定注意 「ゆぐぐっ・・・うばれるぅ・・・!」 「ゆっ!がんばってね、れいむぅ!」 ミチミチ。ミチミチ。 どこにでもある光景。狭い穴ぐらの中、一匹のゆっくりれいむが赤ん坊を産もうとしていた。 ちなみに胎生出産である。 れいむの顔、その下膨れを押し開き赤ちゃんが顔を覗かせている。 表情はまさにゆっくり。これから自分のゆん生には希望しかないと言わんばかりの満面の笑顔だ。 もうこの時点で鬼意山ならば爪先を百ぺんほどぶち込んでいるだろう。 まぁしかしここには鬼意山どころか妖怪、人間の姿さえ無いのでそういう愉快な事にはならない。本当に残念である。 とか何とか言ってる内に、そろそろ赤ちゃんが出てきそうだ。 どうでも良い事だが出産の痛みによってれいむの顔面は相当面白い事になっている。 「ゆぁっ・・・うばれぁっ!!」 「ゆゆ〜〜〜ん!!!まりさのあかちゃんがうまれるよぉっ!!」 スッポーーン。 コルク瓶の栓を抜いた時に似た軽快な音と共に母より撃ち出される赤ゆっくり。 「『出産』っつーより『射出』じゃねぇのコレ?」と疑問がよぎりそうなほど綺麗な放物線を描いて飛んでいく。 「あがちゃんっ・・・!ゆっぐり、ゆっぐりじでいっでねぇっ!!!」 「まりさのあかちゃん!ゆっくりしていってね!!!」 息も絶え絶えだが、それでも尚赤ちゃんのために挨拶を送るれいむ。 生まれ落ちてきた我が子の為に、生涯最高の笑顔を浮かべるまりさ。 両親の祝福を受けながら、未だ飛行中の赤ゆっくりもそれに応えようとする。 「ゅっ・・・ゆっくちちちぇいっちぇ『パン!』ゆびゅぇっ!!!」 爆裂。 四散。 炎上。 赤ゆっくりは地面に到達する事無く、その生涯を終えた。 享年2秒であった。 「ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?あがぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!?」 「どぼじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇぇぇ!!!?」 何が起こったのか分からぬ親ゆっくり達。 そりゃそうだろう。何も無い所でいきなり赤ちゃんが爆裂四散したのだから。 「・・・・・・ゆぐっ!!?う、うばれる!!まだうばれるよおおぉぉぉっ!!!」 「ゆうっ!!?がんばっでね゛ぇ、れいぶぅ!!」 が。 その後生まれた子供達も全て、空中で炸裂、または産道から顔を覗かせた時点で四散してしまった。 「どぼじででいぶのおちびぢゃんがあああぁぁぁ!!!?」 「なんでゆっぐりじでぐれないのおおおぉぉぉっ!!?」 もはや燃えカスとなった我が子たちを見ながら親ゆっくり達は絶望した。 親ゆっくり達には赤ゆっくり達が突然死んだように見えたが、実はちゃんと理由があるのだ。 赤ゆっくり達は殺された。ある存在に打ち負かされ、否定され、そして燃やし尽くされた。 ではその存在とは・・・・・・それは、大気を漂う『水の分子』である。 もう人間がどうだとか、捕食種がこうだとか言うレベルではない。 ゆっくりはその脆弱さを極め、とうとう分子にすら敗北したのだ。 この調子でいけば原子一個に負けるのも時間の問題であろう。 悲劇――喜劇?――はこれだけで終わらなかった。 この日を境に、世界中のゆっくりが窮極の進化を遂げたのだ。 弱者たるゆっくりの最終進化。 この世の構造そのものに耐え切れない泡沫の存在。 それから間もなくゆっくりは絶滅した。 ――――― 書き溜めです。パクっちゃったZE☆ 『本当に弱い』ってのはなァ!!こういうレベルの事を指すんだよォッ!! このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/78.html
ゆっくり害獣駆除 11KB ※スレ内で「街中のゆっくりはねずみを狩れないだろうか」という話題があったので、そ れに触発されて書いてみました ※独自設定垂れ流し 「おぢびぢゃぁぁぁぁぁん!!」 ゆっくりれいむの悲痛な声が路地裏に響き渡る。 れいむの最愛の子れいむは、今や無数のネズミにたかられ喰い殺されようとしていた。 最近、この街ではネズミが大量発生していた。野良ゆっくりの親子が襲われる――この 無惨な光景もまた既にありふれた日常の一部である。 「ゆあぁぁぁぁ! だれかだずけでぇぇぇ!」 れいむは助けに行けない。ネズミには敵わないことをよく知っているから。 れいむは逃げない。子れいむを見捨てられないから。 愚かだった。だが、子を想う母の愛、誰が笑えるだろう。 その愛に応えるかのように、救いがやってきた。 「チュウゥ!?」 何かに脅え、ネズミが一斉に逃げ出したのだ。 れいむはその原因には頓着せず、愛する子れいむへと向かった。 だが、遅かった。子れいむがそこにいたことを示すのは、コンクリートに飛び散った餡子 とおりぼん、ただそれだけだった。 れいむは泣いた。悲しみにくれた。 「おい、ゆっくり。ネズミ共に復讐しないか?」 「ゆ?」 声に振り向けば、そこにはネズミが逃げ出した原因――人間が、いた。 人間の思いがけない提案に、れいむは目を白黒させた。 ゆっくり害獣駆除 「ゆっほ、ゆっほ!」 れいむは街中を跳ね、駆ける。 その頬袋の中にはいくつものダンゴが詰め込まれている。 「ゆ! このへんでねずみさんにあったことがあるよ!」 れいむは路地の一角に、ぷっとダンゴを一つ置いた。 そして再び駆け出す。 あの日。子れいむを失ったとき、人間に教えてもらったネズミへの復讐法。それは殺鼠剤 入りのダンゴを街にばらまくことだった。 れいむはあの日から、人間に教わった場所で殺鼠剤入りダンゴを補給してはこうしてネズ ミの通り道に置いて回っているのだった。 お腹が減ってもダンゴを食べようとはしなかった。人間から口に含むぐらいならともかく 食べたら危険だと聞いていた。もちろん、それでゆっくりの餡子脳が食欲を押さえられる わけがない。ダンゴからする匂いが、ゆっくりの食欲を大きく削ぐのが主な原因だ。 れいむは毎日休むことなく、ネズミに復讐する日を夢みてかけ続けた。 そんなゆっくりできない生活が一週間ほど続いた頃だった。 「ゆ! ね、ねずみさん……!」 れいむの前にネズミが現れた。だが、様子がおかしい。いつもは全然ゆっくりできない素 早さで走るネズミが、まるで酔っぱらったようにフラフラとしているのだ。 れいむは悟った。今が復讐の時だ。 「ゆっくりできないねずみさんは、ゆっくりしないでさっさとしんでね!」 そして、ゆっくり得意の体当たりをかました。 普通ならネズミがゆっくりに負けることなどあり得ない。その敏捷性と牙はゆっくりのよ うな鈍重な饅頭を容易く屠る。 だが、今はその敏捷性が失われている。おそらく殺鼠剤を口にしたのだろう。 れいむの体当たりはクリーンヒットした。ネズミはその素早さと引き換えに、身体は華奢 で脆い。成体サイズのゆっくりの体当たりはネズミにとって致命傷になった。 勝負は決まった。だが、れいむは止まらない。 「しね! しね! ゆっくりしないでさっさとしね!」 何度も何度も、ネズミがぺちゃんこになっても踏みつぶした。 「おちびちゃん、やったよ……!」 こうしてれいむは見事復讐を遂げたのだった。 ゆっくりがネズミを倒す。常識的に考えて、極めて珍しいことだ。 だがこの街においては、それは次第に珍しいことでは無くなっていた。 「ゆ、ゆ、ゆ~♪」 街中の薄暗い細道を、一匹のゆっくりまりさが上機嫌に跳ねている。そのおぼうしの中に は今日の収穫物――ネズミの死体が入っている。殺鼠剤で死んだものを、まりさは運良く 見つけることが出来たのだ。 収穫物とは言っても、ゆっくりにネズミを食べる習慣はない。基本的にゆっくりはネズミ に食べられる方だし、稀にネズミの死体を見つけることはあっても腐ってる場合が大半だ からだ。 だが、まりさは上機嫌だった。その理由はこれから向かう先にあった。 人通りの少ない道にその機械はあった。 大きさと形は清涼飲料水の自動販売機に似ている。だが、ジュースのサンプルなどは展示 されておらず、代わりにゆっくりにも読める看板がついていた。 「あまあまあげるから、ねずみさんをちょうだいね!」 看板にはそう書かれている。 まりさは機械の前に来ると、ネズミをおぼうしから取り出した。機械には、ちょうどジュ ースの取り出し口の位置にぽっかりと四角い口が開いている。まりさはそこにネズミを入 れると、機械に呼びかけた。 「ゆっくりしていってね!」 『ユックリシテイッテネ!』 機械もまた、機械音声で答えた。 そして四角い入り口が閉じ、中でガチャガチャと機械的な駆動音が響く。 待つこと数秒。 『ネズミサンヲクレテアリガトウネ! オレイニアマアマヲアゲルヨ!』 機械の声と共に、再び四角い入り口が開く。 そこにはアンパンがあった。 「ゆ! きかいさん、ありがとう! これでおちびちゃんたちがゆっくりできるよ!」 まりさはおぼうしにアンパンを詰め込むと、おうちに帰ろうとする。 「ゆゆ、わすれるところだったよ!」 立ち止まり、まりさは機械の横にまわる。 そこには底の浅い大きなカゴの上に山積みされた、殺鼠剤入りのダンゴがある。 まりさはダンゴをいくつかをとり、これもまたおぼうしの中に入れた。 ダンゴは巣に帰る途中で街にばらまくつもりだった。そうすればまたネズミの死体が手に 入る。ネズミの死体が手に入ればアンパンが手に入り、もっとゆっくりできるのだ。 まりさは上機嫌で、愛しい家族が待つおうちへの道を急ぐのだった。 ゆっくりにネズミと引き換えにアンパンを渡す機械。これは、人間が用意したものだ。 この街では最近になってネズミの大量発生が問題になっていた。それも広範囲に渡って繁 殖していたので、対応に苦慮していた。 そこで考え出されたのゆっくりを利用する方法だ。 ゆっくりとネズミの生活圏は重なる。ゆえに、ゆっくりは人間より詳しく、言うなれば肌 でネズミの暮らしている場所を知っている。だから効果的に殺鼠剤入りダンゴを配置する ことが出来た。 人間がこうしたダンゴをばらまく場合、人間の匂いがつかないよう注意しなくてはならな い。だがゆっくりならその心配も無用だ。むしろネズミはゆっくりの匂いに惹かれるため、 ダンゴへの食いつきも良かった。 ゆっくりがダンゴを食べてしまうこともなかった。ゆっくりが嫌いネズミが好む香料は開 発済みだっだったのだ。 さらに、殺鼠剤には幻覚作用のあるものを利用した。一般に殺鼠剤を食べたネズミは巣に 帰ってから、あるいは人間の手の届かない狭い通路で死んでしまう。下手にネズミを大量 死させると、雑菌や害虫の温床となってしまうことがある。幻覚作用によりネズミの多く は路上で死に、そしてその死体はアンパン目当てにゆっくりが回収する。 このように計画は考え抜かれ、実行に移された。 最初は人間が少数の野良ゆっくりに方法を教えて回った。ネズミと引き換えにアンパンと いうあまあまが手に入る――この噂は街中の野良ゆっくりの間で瞬く間に広まった。 計画は見事軌道に乗り、ネズミは見る見る減っていった。 人間とゆっくりの理想的な協力関係。そんな奇跡がこの街では実現したのだ。 「おちびちゃん、ゆっくりしてぇぇぇ!」 ある、朝のこと。 職場へ急ぐ男は、ゆっくりありすの親子を見かけた。 親ありすが動かなくなった子ありすに必死に呼びかけているようだ。男はその様子が気に なった。 「やあ、どうしたんだい」 「ゆゆ、にんげんさんっ!?」 「ああ、大丈夫。私はゆっくりできる人間だ。それよりどうしたんだい? 君の子供、な んだか元気がないみたいじゃないか」 「ゆゆぅ……おちびちゃん、うごかなくなっちゃったのよ……」 「どれ、見せてごらん」 親ゆっくりは警戒していたが、最終的には男を信頼したようだ。男は自称したとおりゆっ くりできそうな雰囲気だったし、ゆっくりはネズミを捕るから危害を加える人間も減りつ つあったからだ。 男が手に取ると、子ゆっくりはわずかに目を開いた。相当弱っているようだ。やせこけた 頬、くすんだ髪。症状は明らかだった。 「栄養不足なようだね。ごはんがないのかい?」 「ゆゆぅ……ありすはとかいはよ、ちゃんとごはんのじゅんびはできるわ……でもおちび ちゃん、さいきんごはんをはきだしちゃうの……」 「……それは大変だね」 言いながら、男はカバンからデジカメを取り出すと子ありすを数回撮影した。ありすは男 の行動が理解できず、不審そうに男を見る。 「ああ、すまなかったね。ゆっくりの写真を撮るのが趣味でね」 「ゆ、ゆゆ! しかたないわね! ありすのおちびちゃんはとかいはだから、しゃしんを とりたいのもむりはないわ! でも、ことわりもしないでとるなんて、とかいはじゃない わよ!」 「ああ、確かに不作法だったね。お詫びをしよう」 男は子ありすを親に返すと、カバンから今度はアンパンを取り出した。ネズミの報酬とし て得られるあのアンパンだ。 「ゆ! ありすはねずみさんもってないわよ!」 「いいんだ。言っただろう、これはお詫びだ。かわいい子ありすも見せてもらったことだ し、お礼と思ってくれてもいい。ああ、でも、他のゆっくりには内緒だよ? 君にだけ特 別だから」 「しょ、しょうがないわね! そこまでいうならもらってあげるわ!」 ありすは子ありすを口の中へ収め、アンパンを頭に乗せると器用に跳ねていった。 ふと、途中で振り返り、 「な、なかなかとかいはなおにいさんね!」 頬を紅くして言うと、路地裏へと消えていった。 男は苦笑してしまう。 「別に無理して礼なんて言うことないのに……」 男は心底礼などいらないと思っている。 なにしろ、あのアンパンにはゆっくりを殺す薬――殺ゆ剤が入っているのだから。 いま渡したアンパンばかりではない。ネズミと引き換えにゆっくりに渡されるアンパン全 てに殺ゆ剤が入っているのだ。 今回使われたのは、特殊な殺ゆ剤だった。 まず、投与した時点では毒性が極めて低い。 極端な話、あのアンパンを百個食べてもゆっくりが死ぬことはないだろう。 代わりに、ひとたびゆっくりの体内に入った殺ゆ剤はうんうんやしーしーで排泄されるこ となく残留する。 そして、ゆっくり最大の不思議能力のひとつ、「餡子の変換」に影響を与える。 ゆっくりは食べたものは何でも餡子に変換する。そして餡子を行動のためのエネルギーや、 餡子を包む皮に変換する。殺ゆ剤はこの特殊能力を利用するのだ。 殺ゆ剤が最初に効果を発揮するのはゆっくりが生殖行為をするときである。 すりすり、ぺにまむ、いずれの方法の生殖でもゆっくりは体液を生成、分泌する。殺ゆ剤 はこのとき、毒性をわずかに強めた上で体液に紛れ込む。殺ゆ剤に侵されたゆっくりとす っきりーすると、そのゆっくりはより強い殺ゆ剤に侵されることになるのだ。 次に効果を発揮するのは、にんっしんしたときである。 赤ゆっくりを宿したゆっくりは、体内の餡子をエネルギーに変換して赤ゆっくりに供給す る。このとき、送られるエネルギーに毒性をわずかに強めた殺ゆ剤が紛れ込む。 結果、赤ゆっくりは母胎よりわずかに強い毒性を持った状態で産まれることになる。 つまり、ゆっくりが世代を重ねるごとに毒性が高まっていくのである。だが、毒性がある 一定以上高まるまでゆっくりには殆ど害はない。 毒性が一定以上に高まったとき――初めて、殺ゆ剤は最後の効果を発揮する。 それは「餡子の変換能力の破壊」である。 前述したように、ゆっくりは食べたものを餡子に変換し、その餡子を変換して行動のため のエネルギーを得る。これが一切不可能になるのだ。つまり、ゆっくりは食べることも動 くことも出来ず死ぬことになる。 さきほどの子ありすはこの初期症状が出始めたものだ。もうろくに食べることも出来ず、 動くのも辛くなってきているようだった。 もしかしたら持ち直し、成体ゆっくりにまで成長できるかも知れない。だが、次の世代は 生き残れないだろう。 ゆっくりは脆い。簡単に殺せる。 だが、ゆっくりという「種」は強靱だ。どんなに殺そうと、しばらくすればその圧倒的な 繁殖力で数を戻してしまう。 この殺ゆ剤はそのゆっくりの繁殖力を殺す薬なのだ。 なぜ、人間は害獣のネズミを殺してくれるゆっくりにこんなことをするのか? その答は簡単だ。 ゆっくりこそがネズミの大量発生の原因だからだ。 高い栄養価。簡単に狩ることの出来る鈍重さ。それでいて幾ら食べようと数を減らさない ゆっくりは、ネズミにとってこの上ないごちそうだったのだ。 そしてゴミ捨て場を荒らし人家に不法侵入するゆっくり自体、害獣に他ならない。 「お前らが滅ぼされるのは自業自得だ。街の生態系をすっかり壊しちまいやがって……」 呟き、男は空を見上げる。 電線の上には無数のカラスがいる。ゆっくりのせいで増えたのはネズミばかりではなかっ た。ネズミが増えたことによりそれを狩るカラスやネコも増えた。ネズミとゆっくりにつ いてはどうにかなりそうだが、他にも解決しなくてはならない問題は山積みだ。 「まあ、でも、俺達が頑張るしかないか」 まずは、先ほど撮った子ありすの写真を報告しようと心に決める。 そして再び男は職場へ――害獣駆除の研究所への道を急ぐのだった。 了 by触発あき 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る かシコい -- 2021-02-23 00 35 05 ゆっくり死すべし -- 2015-10-10 23 16 57 ベトナム戦争で、米軍がベトコンに対して行った戦法ですか -- 2013-07-28 22 37 19 貝毒みたいな蓄積型の毒物か。食物連鎖ではなく生殖で累積されていくというのは中々に悪辣ですな。閾値を越えた途端に、ドカンってか。 -- 2011-09-10 03 34 08 ↓キモオタカーニバルでググれ -- 2010-09-30 21 08 39 ↓落ち着いて変換するんだw あとその話、できたらkwsk -- 2010-09-25 06 56 38 無い線地帯のゲリ羅をつぶす方法じゃないかwww -- 2010-09-10 01 08 32 毒を持って毒を制す良い例え話 -- 2010-07-02 21 59 54 ええ話や -- 2010-06-17 12 25 56 なるほど -- 2010-04-10 18 15 42 死ねクズ野郎 -- 2010-03-02 01 44 36
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2613.html
多数の設定お借りさせていただいています セリフすっきり 出産要素 家族 ・赤ちゃん ***************************************************************** 赤ちゃんのゆっくり返し ***************************************************************** れいむは今までのゆん生を振りかえっていた。 やさしいおかあさんとたくましいおとうさん、 たくさんのおねえちゃんたくさんのいもうとに囲まれてゆっくりした日々。 おさんぽ途中に出会いひとめぼれしたまりさ。 思い切って告白したらまりさも好きと言ってくれた感動。 大好きなまりさと一緒にいれる毎日。 なら次にすることは…。 「ねぇ、まりさ」 「なに?れいむ」 「れいむたちゆっくりしてるけどさ」 「うん」 「あかちゃんがいればもっとゆっくりできない?」 「そうだね!あかちゃんがいればとってもゆっくりできるね!」 「じゃあ…しよ?きて…まりさ…」 「うんいまいくよ…」 「「んほおおおおぉぉぉぉぉ!!すっきりいいいぃぃぃぃぃ!!!」」 真夜中の山に響くゆっくりのクライマックスな叫び声。 行為が終わった後自分のお腹がふっくらと膨らんでいくのが目に見えた。 「ゆゆ?れいむにんっしんっしたよ!」 「やったねれいむ!かぞくがふえるよ!」 赤ちゃんが生まれたらどんなことをしようか。 一緒にいっぱいゆっくりできるご飯をむしゃむしゃしよう、 一緒にいっぱいおひさまに当たってぽかぽかしよう、 一緒にいっぱいおうたをうたおう、 一緒にいっぱいすりすりしよう、 一緒に…。 れいむが未来に見えるすばらしいゆっくりエブリディを想像している横で、 まりさはすっきり疲れか早々に寝込んでいた。 にんしんっしたその日かられいむは無性にお腹が減るのを感じた。 きっと赤ちゃんに栄養を欲しがっているんだ。 まりさにゆっくりできるご飯をたくさん取ってきてもらおう。 「あかちゃんのためにおいしいごはんをたくさんとってきてね!!」 「まりさがんばるね!」 まりさが外で頑張っている間は何をしようか。 そうだ、赤ちゃんがゆっくりできるようにおうたを歌ってあげよう。 「ゆっくりそだってね!あかちゃん!」 「ゆ~♪ゆゆゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪」 おうたを歌い疲れて眠ってしまっていたところにまりさが帰ってきた。 帽子にたくさんのご飯が詰まっている。むしゃむしゃして赤ちゃんをゆっくり育てよう。 「ただいまれいむ!あかちゃんのためにたくさんむしゃむしゃしてね!」 「これであかちゃんがゆっくりできるよ!」 「じゃあいただきますを「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」 「もうぽんぽんいっぱいだよ!あかちゃんゆっくりそだってね!」 たくさんご飯を食べたらもうお空が真っ暗。 早く寝ないと赤ちゃんゆっくりできないよね。 「おやすみ!まりさ!あしたもゆっくりしていってね!」 赤ちゃんのため食っては歌い食っては眠りの生活が始まってからしばらくしたら、 お腹がにんっしんっする前の自分が入ってしまいそうなくらい膨らんだ。 たまに自分の意思に反してお腹がピクピクと動くことも増えてきた。 もうすぐ赤ちゃんに会える、とってもゆっくりした赤ちゃんに…。 そのためにはたくさんゆっくりしてあげないと! 「まりさ!きょうもよろしくね!」 「…うん!まりさがんばるよ!!」 ***** ところ変わってれいむのお腹の中。 すでに形の整った5匹の赤ちゃんが相談していた。 「おきゃーしゃんとっちぇもゆっくちしてるね!」 「ゆっくり♪ゆっくり♪」 「そのゆっくちにまりしゃはどうやっておかえちしようか」 「ゆゆーん♪そんにゃのかわいいれいみゅをみればいちころだよ!」 「まりしゃそれだけじゃたりないようなきがするよ!」 「「「「ゆゆ??」」」」 一番の親孝行はゆっくりしている自分を見せることだ。 それだけではいけないのか?他の赤ちゃんが驚いた。 「きょれだけおきゃーしゃんがゆっくちちてくれてるんだもん! まりしゃたちをみるだけじゃおかえちにならにゃいかも」 「「「「ゆー……」」」」 とってもゆっくりしているお母さん。 そんなお母さんをゆっくりさせるには自分を見せる以外のワンポイントゆっくりが必要。 そう感じて赤ゆっくりたちは考え込んだ。 「れいみゅゆっくちおもいついちゃよ!」 「どんにゃことしゅるの?」 「れいみゅきゃわいいことびゃをつかっちぇゆっくちしゃせてあげりゅよ!」 「どんにゃの?ゆっくちおしえちぇね!」 「こうやりゅんだりょ!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 「ゆゆーん♪しゅっごくゆっくちちてるね!」 赤れいむは舌っ足らずなしゃべりを磨きにかけることで、 母性本能ならぬゆっくり本能を刺激しようと考えた。 「まりしゃはわいるどにいくよ!」 「ゆっくちきににゃる!」 「『ゆっくちちていってね!』いがいのあいさつをしゅるよ!」 「かっきょいいね!」 赤まりさは『ゆっくちちていってね!』と言わずに、 自分オリジナルの挨拶を実行することで、 今までの赤ちゃんとは何かが違う感を出すことにした。 「れいみゅはへんかきゅうだよ!」 「へんきゃきゅう?」 「うちろからうまれりゅよ!」 「おきゃーしゃんもびっくちだね!」 普通ゆっくりの胎生型出産の場合、赤ちゃんは顔から出てくる。 赤れいむはその法則を覆すことによって、 お母さんに新鮮な驚きを与えようと考えた。 「まりしゃはかきぇにでるよ!」 「どんなかきぇかおちえてね!」 「おきゃざりをもっちぇいかないよ!!」 「ゆゆ!それはゆっくちできないよ!」 「ふっふっふ…まりしゃはちゃんとかんがえちぇるよ!」 飾りのないゆっくりは他のゆっくりにゆっくりできないゆっくりと言われる。 赤まりさはあえて飾りを捨てることにより、 この子はお母さんがゆっくりさせてあげなきゃだめだ、 と使命感を煽るように演出しようとした。 「れいみゅはなにかおもいついた?」 「れいみゅは…ひみちゅだよ!」 「もったいぶりゃないでゆっくちおちえてね!!」 「あとのおたのちみだよ!」 ***** 「むーしゃ!むーしゃ!しあわうっ!!」 まりさの持ってきたご飯を食べた直後、 お腹に今までに感じたことのない強い痛みが走った。 「いだ゛い゛い゛い゛!!れいむのぼんぼんさけちゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 「れいむ!あかちゃんがうまれるよ!がんばって!!」 れいむの顎のあたりにぽっかり穴が空き、そこから赤ちゃんが見える。 しかしその穴は狭い、そこへその穴の2倍以上の大きさの赤ちゃんが通ろうとしている。 皮が引っ張られ今にもちぎれそう、痛みがゆっくりとゆっくりとれいむを蝕んでいく。 「うぐぐぐぐぐぐ!!」 「れいむ!あかちゃんだよ!あかちゃんのかおがみえたよ!!」 痛みで意識を失いそうな中、赤ちゃんという単語だけがれいむの精神をつないでいた。 早く赤ちゃんに会いたい!この思いがれいむの体を無意識に動かしていた。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!」 「れいむ!もうすぐだよ!あかちゃんでてくるよ!」 ポンッ! その音と共にれいむを蝕んでいた痛みが急速に引いていった。 ようやく辺りを見回す余裕を得られたれいむが見たものは…。 つぶらなおめめ、かわいいお口、しっとりと黒い髪に、 蝶のような大きなリボンを結んでいる。 まるで自分を見ているように思えるほどれいむに似た赤ちゃんだ。 赤ちゃんを産んだらまず何をするか、挨拶だ。 「ゆっくりしていってね!」とお互いに言いあうことではじめて、 お互いにゆっくりできる存在と認識することができる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 どうもおかしい。 うまくしゃべれない赤ちゃんでも「ゆっくちちていってね」くらいは言えるはずだ。 なのにこの赤ちゃんはそれすら言えてない。 これは聞き違いなんだ、もう一度やり直して…。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!! ゆゆ?おきゃあしゃんっはちょおうっちぇもぅゆっきゅちちちぇりゅにぇえ!! きゃひゃいひれいみゅをみちぇみょうぅちょゆっきゅちちちぇいっっち」 「うまくしゃべれないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「ゆべっ!」 なかなな挨拶ができない赤れいむにしびれを切らしたまりさは、 赤ゆっくりにあんよの一撃をくらわせる。 「みゃぢゃ…ゆっきゅち…ちちぇにゃいにょに…」 「ゆっくりしね!」 ギリギリ息があった赤れいむにとどめの一撃が炸裂。 あまりにも展開が早すぎてれいむの餡子は付いていけない。 そして、まりさの下につぶれている赤れいむを見つけた。 なんで?なんで?なんで?なんで? (「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」) 「ど…」 (「すーりすーり!おかあさんのほっぺとってもぽかぽかさんだよ!」) 「どぼじで…」 (「おかーさんのことだーいすきだよ!」) 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「ちゃんとしゃべれないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 ちゃんとしゃべれなくってこれから練習していけばいいじゃない。 ゆっくり見守っていけばいいじゃない。 それなのに…それなのに…それなのに…。 「れいむ!またあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ!?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!」 初回に穴がある程度広がったおかげか、 二回目の出産はそれほど痛みを感じなかったが、やはり慣れるものではない。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!」 ポンッ! 次に産まれてきたのは、 りりしい瞳、輝く金髪の上に形の良い山高帽をちょこんと乗っけた、 愛するまりさそっくりの赤ちゃん。 まりさに似てるんだ、だから挨拶もきちんとできるはず。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅ!」 え…? なんで挨拶出来ないのだろう。 もしかしてれいむのことを弄んでいるのだろうか。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅっちゅ!!」 「あいさつをきちんとできないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「おーっちぶじ!」 キチンと挨拶が出来ないとまりさに判断された赤まりさは早々に潰されてしまった。 愛するまりさに似た赤ちゃんがあっという間に餡子の塊へと姿を変える。 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「あいさつできないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 挨拶なんて所詮形式的な儀式のようなもの。 それができないがためにいきなり殺されるなんてあまりにも不条理だ。 ゆっくり挨拶を教えることもできたのに…できたのに…できたのに…。 「れいむ!またまたあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ??」ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!! 二回目の出産があれほど楽だったのだから、三回目はもっと楽だろう。 そうたかをくくっていたのだが。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!ゆーゆっゆー!!!」 「どぼじでうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 いくら力んでも赤ちゃんが出てくる気配がない。 まるで赤ちゃんが自発的に出る気がないように。 「れいむ!このあかちゃんおかおがないよ!」 「ぞんなわげないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛?! いだい゛い゛い゛ぼんぼんいだい゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛」 「ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!!」 実に最初の出産の数倍の時間をかけてようやくポンッ!と赤ちゃんが産まれてきた。 その時出産の衝撃で一時的に空を飛ぶ赤ちゃんと一瞬目があったような気が…気のせいだ。。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 ちゃんと挨拶をしてくれた! 今まで挨拶が出来ないからってまりさが赤ちゃんをゆっくりさせちゃったけど、 ちゃんと挨拶できたからもうまりさは怒らないはず。 赤ちゃん、これからもずーっとゆっくりしていってね。 「ところであかちゃん」 「あかちゃんじゃないよ!れいみゅはれいみゅだよ!」 「どうしてうしろからうまれたの?れいむすごくくるしそうだったよ」 「あれはれいみゅがきゃわいくうまれてくるためにしちゃんだよ! とっちぇもゆっくちできちゃでしょ!」 「れいむをくるしめるあかちゃんはゆっくりしね!」 「きゃわいくってごべっ!」 まりさのあんよに潰されて物言わぬ饅頭となる赤れいむ。 何で?今度はちゃんと挨拶してくれたのに何が気に入らなかった? 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「おやをくるしめてはんせいしないあかちゃんはしょうらいゲスかくていだからだよ!」 ゲスになるかなんてこれからの教育次第でゆっくり決まるものじゃないか。 それなのに一回間違ったことをしただけでゲス確定なんて。 その理論ならなら自分はとんでもなくゲスな奴だ。 きっとまりさは焦っているんだ。なだめなきゃ、なだめなきゃ。 「まりざあ゛あ゛あ゛もっどゆっぐりじでよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 「そんなことよりまたまたまたあかちゃんがうまれてくるよ!」 「ゆゆ?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 四回目の出産で、さらに先ほど無駄に力んだためか穴はもうガバガバ。 すんなりと産まれてきてくれた。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 良かった。この子もきちんと挨拶できる。 ちゃんと苦しめずに産まれてくれたから、 きっとまりさも赤ちゃんのことを褒めてくれるはず。 このまりさに似たりりしい瞳に輝く金髪にその上にちょこんと乗った山高帽が………ない!? 「かざりがないあかちゃんはゆっくりしね!!」 「ゆべっ!」 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「かざりがないゆっくりはゆっくりできないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! ゆっくりかいのじょうしきでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!?」 確かに飾りのないゆっくりはゆっくりできない。誰が誰かわからないからだ。 でもこの赤ちゃんは飾りがなくても確かに自分たちの赤ちゃんということがわかる。 それならば飾りなんて本来の意味での飾りだ。 「さっきからゆっくりできないあかちゃんばかりうんでるね!ばかなの?しぬの?」 「でもまだあとひとりあかちゃんがのこってるよ!」 「ほんとう?だったらゆっくりみせてね!!」 お腹の中にはあと赤ちゃんが一人残っている感覚がある。 最後までゆっくりした赤ちゃんだもの、見ればきっとまりさもゆっくりしてくれる。 そしたら三人で末永くゆっくりしよう。 「あかちゃん!ゆっくりうまれてきてね!!」 ***** 一方れいむのお腹の中では赤れいむがゆっくりしていた。 「あなさんがひらいちゃけどれいみゅはうまれにゃいよ!」 「みんにゃはうまれちゃったけれでも、れいみゅもうまれちゃったら おきゃーしゃんのぽんぽんがさみちくなるからうまれないよ!」 「おきゃーしゃんのなかにずっといる。れいみゅのことがみりぇなくても、 れいみゅがぽんぽんにいるだきぇでおかーしゃんはゆっくちできるんだよ!」 「れいみゅおきゃーしゃんにあえないからさみちいけれども、 おきゃーしゃんをゆっくちできるならがまんしゅるよ!」 「おきゃーしゃんゆっくちしていってね!」 ***** 「あかちゃんはまだ?ゆっくりしすぎだよ?」 「どぼじであがぢゃんうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??」 なぜこんな時に赤ちゃんが産まれてくれないのか、れいむは考えた。 もう赤ちゃんはすでに死んでいる。これはない、確かに赤ちゃんの感覚があった。 赤ちゃんは弱すぎて出ることができない。これもない。手助けすれば絶対出れる。 こうなれば自発的に産まれるのを拒否しているようにしか思えない。 つまり、 「まりさ!あかちゃんはれいむのなかでゆっくりしたりないんだよ! だからあかちゃんのためにたくさんごはんをとってきてね!! 「だまれ…」 「あかちゃんはえいようがたりないとしんじゃうだよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! そんなこともわからないなんてばかなの?しぬの?」 「だまれえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」 まりさは何てわがままを言っているんだ。 赤ちゃんはれいむたちをもっとゆっくりさせてくれる存在で、 そのゆっくりのために働くのは至極当然のことであって… 「おばえは!あかちゃんがでぎでがら!ずーっとばりざをえざをどってぐるどうぐみたいにじで! だまにのぞいだらおうだをうだっだりひるねじだりとおばえばっかりゆっぐりじでるじゃないか!!」 「でもれいむがゆっくりしないとあかちゃんは」 「ぞれはおおめにみるどじで!づがれでがえっでぎだばりざに! おばえはいだわりのごどばをがげだごどがあるか?!」 「あがぢゃんがでぎでがらおばえはいづもいづも「これであかちゃんがゆっくりできるよ」 とあがぢゃんのごどばがり!ばりざのごどなんでなーんもみでぐれない!」 「でもあかちゃんはだいじだよ?」 「ほらまだあがぢゃんのごど!!ばりざはおばえのどれいじゃない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛!! じがもぜっがくのあがぢゃんはびんなゆっぐりできないやづら!! ごんなごどになるんだっだらおばえなんがどずっぎりじなげればよがっだ!!!」 「ど、どぼじでぞんなごどいう゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「どうもごうもあるが!!おばえのがおなんでにどどびだぐない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 そう言うとまりさは外に出て行ってしまった。 赤ちゃんのことを大切に思えないなんて恐ろしいほどのゲスだ。 でも今はそんなことより今は赤ちゃんの方が大事だ、早く赤ちゃんのためにむしゃむしゃしないと。 確か貯蔵庫に…。 「どぼじでごはんざんがないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!??」 きっとまりさがこっそり全部食べてしまったんだ。なんてゲス。 仕方ない、ならば自分で動いてご飯を取りに行くしか…。 ん?体が重くて動かない…。 「どぼじでれいぶあるげないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?? これじゃあごはんとりにいげない゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 ご飯をどうしようと考えていたら急に力が抜けてきた。 大きくなった赤ちゃんが今まで以上にれいむの栄養を吸収し始めたのだ。 「あがぢゃんんんんん!ずわないでえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!! おかあざんじんじゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」 あ…目がかすんできた…。 れいむはもうだめなんだ。 赤ちゃん、一緒にすりすりしたかったなー。 「もっどゆっぐりじだがっだ…」 こうしてれいむは赤ちゃんの望み通り、 とーーーーーってもゆっくりすることができたとさ。 終 ***************************************************************** 自分のゆっくりできることを他人にしなさい。 聖ゆっくりの教えを産まれる前から実践できるってすごい。 今まで書いた作品 初めての制裁 僕のうさばらし ゆっくりは死んだ 見せあいっこ ゆっくりの伝道師 妄想お兄さん このSSに感想をつける