約 3,642,971 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/419.html
「「ここはれいむとまりさのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!」」 家に帰ってきてみるとこれはこれはテンプレ通りなゆっくりれいむとゆっくりまりさがいた。 ご丁寧に部屋の中は荒らされている。 とりあえずうるさいので口にガムテープをはっつけて、目隠しをした。 「む゛ー、む゛ー!」 なんて声を上げているが無視。 2匹のゆっくりを物置まで運んだところで、口のガムテープを力いっぱいとってやった。 皮もちょっと取れちゃったけど気にしてはいけない。 「ゆ゛ぐぅぅ゛ぅっっ、いだいよばやぐゆっくりたちを自由にしてね!」 「お゛に゛い゛ざんはざっざどででっでね!」 この場ですぐさま潰してやろうかとも思ったけが、それじゃあこの胸のもやもやは晴れそうに無い。 それにここまでつれてきた計画が台無しだ。 俺はギリギリサイズの透明なケースに1匹ずつ入れると、動かないように重石をのせそのまま帰ることにした。 もちろん目隠しはしたままだ。 「ゆっ、おにいさんどこいくの、はやくまりさをたすけてね!」 「はやくれいむをみえるようにしてね!!」 無視、どうせこいつらとは会話にならん。時間と口の運動エネルギーが無駄だ。 物置だけあって回りは静か、2匹の声が誰かに聞かれる事も無いだろう。 そして帰った俺は、腹立たしくも家の中の片づけをするのであった。 翌朝。 俺は物音を立てないように、静かに物置に入った。 「すーすー…」 「Zzz…」 こいつら暢気だなおい…。 まぁいい、こいつらもエサをやらないと餓死しちまうからな、それじゃあ面白くない。 俺はケースの上の方にある小さな穴から、オレンジジュースを垂らした。 「ゆっつめたいよー? …あまーい、もっとちょうだいね!」 「ゆっゆゅ、おいしいー、でもまっくらー」 そもそもジュース体にかけただけで飲めてないし、どんな構造してるんだ? そう思っていたらきた。黒い小さい点。 ケースの下のほうにも小さな穴を作っておいて正解だったな。 「ゆっ、なんかきてるよ、だれだかわからないけどやめてねっ!」 「ゆっくりれいむからはなれてね!!」 アリの行列、何も見えない状態でどこまで耐えられるかな? 「や゛め゛でぇぇ゛ぇぇぇぎもぎわる゛いぃぃぃ」 「ゆ゛っぐりざぜでえぇぇ゛ぇぇぇ」 必死で見えない存在に懇願してやがんの、ばっかでー。 お前らが人の話をろくに聞かないようにそいつらもお前の話なんて聞いてやんねーんだよ。 アリが引き上げる頃、2匹のゆっくりはボロボロだった。 全身を細かくかじられ、小さなデコボコがいくつも出来ている。 もっとも、あいつらには何も見えてないけどな。 「ゆぅー…れいむ、だいじょうぶ?」 「れいむはだいじょうぶだよ、まりさもだいじょうぶ?」 「ここをでたらいっぱいゆっくりしようね!!」 「それまでがんばろうね!」 涙ぐましい会話繰り広げてんなー。おお、すごいすごい。 そう思いながらひとまず家に戻ることにした。 あいつらの散らかし具合がひどすぎて、色々壊されちまったのを買出しに行かないとならないんだった。 夕方。 様子を見に行ってみると面白いことになっていた。 「ゆっ、れ゛い゛むー、どごー? がぐれでないでででぎでよぉぉぉ」 「まり゛ざ? まりざはどご? ごえ゛じがぎごえないよぉぉぉ」 「う゛わぁ゛ぁぁぁがいじわるじないでぇ゛ぇぇ」 「ゆ゛っぐりじよう゛よぉぉぉっ゛っっ」 こいつらお互いに自分を見失ってる。 まだ壊れてもらっちゃ困るので、朝と同じようにオレンジジュースをかけた。 「ゆっ…れいむ、だいじょうぶ? まりさはだいじょうぶ!」 「れいむもだいじょうぶだよ! ゆっくりがんばろうね!!」 「あまーい、もっともっとちょうだいね!」 「でもさっきみたいにはならないようにしてね!!」 さっきってのはアリのことをさしているのだろうか。 10時間以上も前なのに、どうやら時間の感覚は完全に狂っているようだ。 まぁそれでも、 「れいむ、だいじょうぶ?」 「だいじょうぶだよ、まりさもゆっくりしてる?」 お互いを認識できる程度には直ったから良しとしておこう。 俺はいつもどおり静かに物置を出た。 翌朝。 さて、今日も元気にしってるっかな? 俺は昨日と同じようにオレンジジュースをかけた。 「ゆっ…はっ、れいむ、だいじょうぶ? そこにいる?」 「んっ…れいむはここにいるよ! あんしんだよ!!」 目を覚ますとお互いを確認しあうかのようなやりとり。 なるほど、こうやってお互いの精神を支えあっていたわけだ。 俺はゆっくりたちをケースから出してやると― 「ゆっ? これでゆっくりできるよれいむー!」 「はやくふたりでゆっくりしようね!!」 今度は防音仕様のケースに2匹を入れた。 1枚ごしくらいならなんとか聞えるが、2枚ごしともなれば聞えない。 つまり俺はここでゆっくりの悲鳴を聞け、お互いの声は届かないという理想的なケースだった。 「ゆぎゅっ、れいむ、そこにいる?」 「ゆ゛っ、まりさ、ゆっくりできてる?」 「ゆっ、れいむ?」 「まりさ?」 「どぉ゛じでべんじじでぐれない゛の゛ぉお゛ぉぉ」 「ま゛り゛ざぁ゛ぁぁぁぁ゛まりざぁぁ゛ぁぁ」 「れ゛い゛むどごなのぉぉ゛ぉぉぉっ」 「がぐれ゛でな゛いでででぎでぇ゛ぇぇっお゛ねがいぃぃぃぃ」 叫びながらケースの中を駆けずり回る2匹。 さっきまでのケースと違って幸運な点があるとすれば、先ほどのケースよりは大きいことだろうか。 先ほどまでのケースがゆっくり1匹分だとすると、今回のケースは縦横高さともに3倍、つまり体積としては27ゆっくり倍である。 お互いを捜し求めての悲鳴を聞きながら、俺は森の方へと出ていった。 最後の仕上げた。 夕方。 2匹とも、もう動く気力もないようだった。それでも定期的に、 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「ここはれいむのおうちだよ! ゆっくりしていってね!!」 「いやあぁ゛ぁぁぁぁ゛ぁおうじがえ゛るるぉぉぉぉ」 「ごごはれいむのおうぢだよ! ゆっぐりじでいっでえね!!」 「ゆっぐりざぜでででぇ゛ぇごべんなさいごべんなざいぃぃぃぃっ!!」 「ごぉぅごぉぅはれ゛い゛む゛の゛お゛うぢだよ! ゆっぐりじでいっでえね゛ぇぇ!!」 と叫んでいた。 どうやら目隠しでの幻覚、幻聴に神経の殆どをやられてしまったらしい。 この分だとろくに休んでないのか。寝ようとしても寝れなかったんだろうな。あぁおもしろい。 さて、と…。 俺はそれぞれのケースを開けてやった。 「ゆぐりじね! ごべんなざいぃいぃっ! ゆっぐりざぜででえぇぇぇっ!!」 「ごぅごは゛れい゛むだぎのおうぎだよ! ゆっぎるじね」 最初はこんな風に狂いっぱなしだったが、お互いの声を認識すると徐々に正常に戻っていった。 「…れいむ! れいむなの!? れいむはそこにいるの!?!」 「…まりざ、まりざぁぁぁぁぁっ! ゆっぐりじたいよぉぉぉっ!」 お互い声を頼りに感動の対面! なーんてするわけながない。 俺は再び2匹を防音ケースに入れた。 中には森での成果が入っている。 ぜひともゆっくりしていってほしいものだ。 「ゆぎゅ、れいむー!」 まりさは、またケースにぶつかったことさえ分からずにれいむの名を呼んだ。 「はぁ、はぁ…」 「ゆっ、れいむー、ゆっくりしようね!」 まりさは荒い息のする方向へと何の疑いも無く声を上げた。 そこは今までれいむの声が聞えていた方向と逆だというのに。 もっとも、聴覚が大分おかしくなっているまりさからしてみれば、それほど大きな問題ではなかったのかもしれない。 「ま゛り゛ざぁぁぁぁっずぎぃぃぃぃ゛ぃっ」 「ゆぅぅぅぅぅっ、れ゛い゛むじゃないぃぃ゛ぃぃぃ゛あ゛りずはい゛やぁぁぁぁぁっ」 「ぞんなどころもずぎぃぃ゛ぃぃぃぃぃやっ゛ぱり゛まり゛ざがいぢばんずぎぃぃぃぃぃ」 「ゆぎゅううぅうぅうぉおぉぉおっゆっぐいりいぃぃぃおぉぉぉおおぉ」 必死に抵抗するものの、発情したありすにいままでズタボロだったまりさが勝てるはずもない。 交尾を終えたまりさは息絶え、茎が伸びていた。しかし、自分の命がすぐに尽きることを生まれてくる子まりさたちは知らなかった。 「あ゛ぁ゛ぁぁんじっじゃいま゛り゛ざもがわいぃぃぃの゛ぉぉぉぉぉ」 「ゆぶっ、まり゛ざー!!」 れいむもまた、ケースにさえぎられたことに気づいていなかった。 感覚だけを頼りに、出口を探すれいむ。そこへ声が聞えた。 その声がまりさでないことにすぐに気づいたれいむは、絶望した。 「うっうー、たーべちゃーうぞー」 「い゛や゛ぁぁぁぁぁぁぁゆっぐりざぜででぇぇ゛ぇぇえ゛ぇぇぇぇま゛りざぁぁぁぁ」 数分後、片方のケースには干からびたまりさと潰れた子まりさ数匹、 もう片方のケースにはれいむのリボンと満足げなれみりゃの姿があるだけだった。 さて、今度はこいつらを目隠しするか。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1642.html
「「ゆゆゆんゆんゆん♪ ゆゆゆんゆんゆん♪」」 木の中にある巣で楽しく歌っているのは、プチトマト程の大きさの赤ちゃんゆっくり。 まりさ種とれいむ種が一匹ずつだ。 それを幸せそうな表情で見つめる父まりさと母れいむ、一家は幸せなひと時を過ごしていた。 「ゆ~ん。ふたりともすごくゆっくりしているね、まりさ...」 「そうだね、れいむ...」 二匹ともごく普通の家庭に生まれ、ごく普通に育ちごく普通に結ばれた。 そしてごく普通の妊娠、出産...の筈だったのだが授かったのは普通よりちょっと少なめの二人だった。 本当はもう少し子供が欲しかったのだが、この子達の笑顔を見ているとそんな不満も吹っ飛んだ。 人数が少ない分沢山の愛情を注いでやろう、と二匹の親は誓うのであった。 「おちびちゃんたち、もうおそいからゆっくりねようね!」 と親れいむ 「ゆ~、もうちょっとあしょびたいよ...」 「まりしゃはまだねみゅくないよ!!」 駄々をこねる子ゆっくり達、まだまだ元気いっぱいだ。 「きちんとねないとおおきくなれないよ! めっ!!」 そんな子供達を嗜める親まりさ。 「「ゆ~~~」」 さすがに父親には逆らえないのか、二匹は渋々と寝床についた。 「ゆっ、さすがまりさ!! もうりっぱなおとうさんだね!!」 「ゆっへん!!」 立派な夫を褒め称えるれいむ、少し頬が染まっているようにも見えるが。 「れいむはあかちゃんたちにおやすみのちゅっちゅをしてくるね!!」 「ゆっ、いってらっしゃい!!」 れいむを見送るまりさ、子供達が寝た後は夫婦水入らずでゆっくりできる。 そんな事を考えていると 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「ゆっくりしていってね(しちぇいっちぇにぇ)!!!」」」」 思わず返事をしてしまう一家、玄関には一匹の赤ちゃんゆっくり。 緑色の髪、頭には触覚が生えていて背中にはマントのようなものをつけている。 うちのおちびちゃん達より一回り大きいくらい、はじめて見るゆっくりだ。 親まりさが近づき、尋ねる。 「おちびちゃん、なまえはなんていうの?」 「りぐる!!」 「りぐるっていうの?」 「りぐるー!!」 ぴょこぴょこ跳ねながら答えるゆっくりりぐる。 「まりさ、そのこはだぁれ?」 「ゆっくちできりゅの?」 「ゆっくち~!!」 安全だと判断したのか、皆が寄ってくる。 りぐるにじゃれ付く赤ゆっくり達。 ピカッ ピカッ ピカッ 「「「「ゆうぅっ?」」」」 突然りぐるのお尻が光りだす。 突然の出来事に驚く一家。 ゆっくりのお尻が光るなんて聞いたことが無い。 「にゃにこりぇ?」 「おちりがひかっちぇりゅよ!!」 「きゃっこいい~!!」 「りぐりぐ~!!」 はじめて見る光景にもかかわらず大喜びの赤ゆっくり達。 一方親ゆっくりはというと... 「おかあさんたちがいないけどどうしたんだろうね、まりさ...」 「ゆ~ん、よるそとにでるなんてあぶないのに...」 「「ゆ~ん...」」 二匹は考えた。 恐らく家族はふらんやれみりゃに襲われてしまったのだろう、それでたまたまうちに迷い込んできたのだ。 二匹は都合よく解釈した。 「まりさたちでこのこをそだてようよ!!」 「ゆっ!!いいかんがえだね、まりさ!!」 親まりさによる唐突なうちの子宣言、れいむも嬉々としてそれに乗っかる。 子供が増える、それは二匹にとって魅力的なことだった。 実際、孤児となった子ゆっくりを他の家族が引き取って育てるのは良くあることだ。 それにりぐるは珍しいゆっくり、この子を家族にしたら皆に自慢が出来る。 そんな事を話しながらまりさは、これから家族になる子供に目をやった。 あれ? さっきまで元気に跳ね回っていた赤ちゃん達がやけに大人しい。 「どうしたの? 赤ちゃん...」 まりさは子供達の異変に気づいた。 どちらの子供も全く動かず、だらしなく開いた口からは(元からだらしないが)よだれが垂れている。 「あがぢゃん!? どうじだのあがぢゃん!?」 「まりざだぢのあがぢゃんがぁぁぁぁぁぁ!!」 「だいじょうぶ? ゆっぐりじでね!?」 「ゆっぐりうごいでね!!」 必死になって語りかける。 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「れいむっ!?」 突然の悲鳴に振り向くまりさ。 目の前には真っ黒になった妻の姿。 虫!? いやこれは― 「りぐる...なの?」 沢山のりぐるがれいむに張り付き蠢いている。 どうしてこんなに沢山のりぐるがいるのか。 でも今はそんな事を言っている場合ではない。 「なにしてるの!!はやくはなれてね!!」 蜘蛛の子を散らすように離れるりぐる。 「れいむっ!!れい...」 れいむが、いない。 地面の上に、リボンがひとつ。 まりさは理解した。 れいむは、しんだ。 「どうじでなのぉぉぉぉぉぉぉ!!」 訳が分からない、さっきまで一緒にゆっくりしていたのに。 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン 突然りぐる達がマントのような物を振るわせ始めた。 れいむだったものを咥えて巣の外に飛び立つ、その中にはまりさ達の赤ちゃんもいた。 「あがぢゃんっっっ!?」 そうだ、赤ちゃんだけでも助けないと。 まだ生きてる、きっと生きてる。 まりさが助けないと。 「ま゛でぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」 りぐるの群れを必死になって追いかける。 何度も足がもつれ転びそうになった。 色んなところに体を引っ掛け傷だらけになった、どれだけ走っただろうか。 「ゆぅーはぁー、ゆぅーはぁー」 まりさの前方に直径一メートル程の洞窟、そこに入ってゆくりぐる。 まりさも飛び込む。 「あかちゃん!!」 必死に目を凝らし辺りを見回す、奥の方から何かの気配を感じる。 「あかちゃん!? あかちゃんなんだね!?」 赤ちゃんがいた たくさんいた どの子も生きている様だが話すことが出来ず、涙を流しながらまりさを見詰めてくる。 この子達も我が子の様に攫われてきたのだろう、まず此処から連れ出して― 「まっててね、みんなたすけてあげるからね!!」 不安を感じさせまいと赤ちゃん達に語りかける。 ふと、まりさは気づいた。 皆が自分の目と頭上を交互に見ているのだ。 上? 頭上に目をやる。 「!!??」 赤ちゃんを攫った犯人がいた お尻を点滅させながら ゆっくりりぐるが たくさん 天井に 壁に 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 気付いた時にはまりさは全力で走り出していた。 こんな所には居たくない、少しでも早く逃げ出したい。 もう赤ちゃんのことは頭の中から消え去っていた。 ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン まりさの視界が黒く染まる 「やめてね!!あっちいってね!!」 「くりぐるくりぐる!!」 「りぐる~!!」 振り解こうとするが、全くの無意味。 まりさの体に張り付くりぐる。 あちこちに鋭い痛みが走る。 「いたいよ!!かまないで!!」 少しでも逃れようと体を動かすが... 「なんでうごかないのぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 うごかない なんで? うごいて、うごいてよ いたい まりさをたべないて まりさはおいしくないよ いたいいたいいあいいあいあ も と ゆく した ゆっくりりぐる 多種と比べてとても小さい、成体でも赤ちゃんゆっくりと同じサイズである。 同種でコミュニティを作ることが多い 小さい分すばやく動き回ることが出来、背中の羽で飛行が可能。 さらにお尻を蛍のように光らせ、離れた仲間と意思の疎通をする。 基本的に雑食だが、他のゆっくり種を好んで食べるようだ。 狩がしやすく、栄養価も高いためと思われる。 唾液にはゆっくりの運動神経を麻痺させ、餡子の腐敗を防ぐ効果がある。 赤ちゃんゆっくりはそのまま持ち帰り、保存食にする。 大人のゆっくりの場合集団で襲い麻痺させた後、体を適当な大きさの団子にした後巣に持ち帰る。 後書き--- リグルは蛍なのに蜂みたいになってしまった... ゆっくりりぐるってもっとバリエーションが広がりそう 読んでくれた人、ありがとう ~書いたもの~ 『究極お兄さん』 『改造お兄さん』 『きめぇ丸といっしょ』 『きめぇ丸といっしょ2 ハロウィンゆっくり』 『ゆっくりりぐる』 by.きめぇ丸大好きっ子 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4826.html
幸せなゆっくりがひどい目にあいます 皆さんは知っているだろうか?ゆっくりにも魂があることを 皆さんは知っているだろうか?ゆっくりが不幸な事故や人間の手で最後を遂げるときがあるのを 皆さんは知っているだろうか?地縛霊を・・・・・・ ゆっくり地縛霊 愛を一身にうけたアリス アリスは幼いころ、ゆっくり専門のペットショップに住んでいた。 このペットショップはできるだけ野生に近く、なおかつ上質な品質を目的としたお店だった。 ここで売られているゆっくり達はみな実際の自然を模したケージに入れられ 健やかに、健康的に過ごしていく。 食事はすべてその場で生えている食事で店員からは特別おいしい食事は与えられない。 こうすることによってゆっくりの品質をできる限り天然に近づけているのだ。 店員はある程度汚れてきたらケージから取り出し、洗ってやれば良いだけだ。 このような変った飼育法を使用しているためか、ここのゆっくりの価格は非常にやすく 様々な用途に使うため購入していくお客が後を絶たない。 このアリスは、ペットを目的とする心優しいお姉さんに買われた。 ほとんどが虐待用として飼われていくこのペットショップにしては珍しいことだった。 「ときゃいはにゃおねぇしゃん!! ゆっくちちていってねぇ!!」 「はい、ゆっくりしていってね!!」 お姉さんは何も手を加えられていない状態のゆっくりを自分の手で育てたかったのだ。 愛着がわくからだった。 アリスが家に来てから数日は、お姉さんはアリスのやんちゃっぷりに手を焼きっぱなしだった。 「ゆ!! ありちゅのときゃいはなおうちぃができたわ!!」 ティッシュ箱の中身を全て取り出し、そこにティッシュを敷き詰めてお家宣言をしたり 「ゆ!! ときゃいはなおもちゃでゆっくちあそぶわ!!」 お姉さんの手鏡をおもちゃにして放り投げて壊したり 「ゆ!! ときゃいはなごひゃんね!! む~ちゃむ~ちゃ…ちあわちぇぇぇぇぇ!!」 お姉さんの庭にある花壇の花を無断で食べたりと完全に野生のゆっくり丸だしだった。 だが、お姉さんは怒るどころかニコニコしながら優しくなだめた。 「アリスちゃん?都会派な女の子は勝手にお家宣言をしたり、花壇のお花を勝手に 食べないのよ」 「ゆゆ!!おねえちゃんはいなきゃものねぇ!!ゆっくちちゅることがときゃいはのれでぃーなのよ!!」 「う~~ん、しょうがないね。じゃあお姉さんが優しく教えてあげるね!!」 そういうとお姉さんはゆっくりでもわかるように身近なれいむやまりさを例にして 即席のお話をした。 一人でゆっくりしたらこうなっちゃうのよとか 人の大切にしている物を壊したり食べちゃったらどうなっちゃうのかをゆっくりと 分かりやすく。 最初は理解できないような顔で聞いていたありすだったが同じ話を一か月もすると 「おねえざぁぁぁぁん!! ごめんなざいぃぃぃぃぃ!! ありすはいながものだっだわぁぁぁぁ!!」 と泣きながらお姉さんに謝りに来た。 お姉さんの愛がある教育が実を結んだのだ。 それからお姉さんとありすの幸せな一時が始まったのだ。 一緒に散歩したり、一緒にご飯を食べたり、一緒に映画を見たり、一緒にテレビを見たり お姉さんが困る様な事をほとんどせず、お姉さんの手伝いを積極的に行いお姉さんを喜ばせた。 特に物を大切にすることの大切さを教えてもらってからは家の物を大切に扱うようにした。 一人でゆっくりしても本当の意味でゆっくりできない!! みんなで楽しく助け合ったらもっとゆっくりできる!! ありすは幸せな日々を過ごした。 だが、そんな幸せな日々は招かるざる客によって打ち破られた。 その日、ありすはお姉さんのお家のリビングでお昼寝をしていた。 お姉さんは買い物に出かけており、ありすはお家でお留守番をしていたのだ。 「ゆふふ・・・おねえさんったら・・・」 ありすはおねえさんと一緒に遊ぶ夢を見ていた。 お姉さんと一緒にかくれんぼしたり、お姉さんと一緒においしいご飯を食べたり 一緒にかけっこしたり…とても幸せな夢だった。 ガシャーーーン!! 幸せな夢は突然の音によって打ち砕かれた。 「ゆ!! な…なに!?」 ありすは飛び起き、大急ぎで音の方向へと跳ねて行った。 そこには…… 「ゆっは~~~…ようやくいじわるなかべさんをたいじしたよ!! 」 「やったねまりさ!! これでみんなゆっくりできるよ!! 」 「「「「ゆわぁぁい!! あたらしいおうちだよ!! 」」」」 そこには野生の一家が窓ガラスを破って侵入していた。 親と思われるまりさとれいむ、それに子ゆっくりがそれぞれれいむ種まりさ種が二匹づつ。 ありすは怒った。家に侵入したことではない、窓ガラスを破ったことだ。 ありす自身も小さい頃窓ガラスを割ってしまった事があった。 昔は田舎者といって切り捨てることが出来たが、今となってはお姉さんが悲しくなる顔を見たくない。 ありすは怒りながらまりさ一家に近づいていった。 「ゆ?とてもきれいなありすだね!! まりさのおうちでゆっくりしていってね!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!! 」」」」」 まりさ一家は新しいお家にやってきたお客さんだと思い、ありすに挨拶をした。 一方のありすは、悲しむお姉さんの顔にばかり意識がいき、気づかなかった。 「そこのいなかものなまりさ!! おねえさんがかなしむことしちゃだめでしょ!! それにここはとかいはなありすのおねえさんのおうちよ!! ゆっくりしないででていって!!」 ありすはゆっくりしない速さで喋った。 だが、当のまりさ一家ははあ?という顔で 「なにいってるの? ここはまりさのあたらしいおうちだよ!! ありすのおねえさんのおうちなんてうそいわないでね!! とじまりもなにもしてなかったでしょ!!」 「とじまりならしていたわ!! それをまりさがこわしちゃったのよ!!」 「あのいじわるなかべさんのこと? おうちのなかがかくれていなかったらとじまりのいみないでしょ!! ゆっくりりかいしてね!!」 確かに、ゆっくりの戸じまりとは入口を木や葉などで中が完全に見えないようにするのが基本だ。 ありす自身もペットショップにいたとはいえ、野生のゆっくりとさほど変わらない生活をして いたため、そのルールも知っていた。だが、それは野生の話である。 ありすは飼いゆっくりとなるべくお姉さんから愛をもった教育を受けているので そんなことが人間には通じないことぐらい知っていた。 「にんげんさんのおうちとゆっくりのるーるはちがうのよ!! にんげんさんのるーるではこれがちゃんとしたとじまりなのよ!! そっちがゆっくりりかいしてね!!」 まりさはイライラしてきた。 なんだこのアリスは?まったくゆっくりしていないじゃないか!! なにが人間さんのルールなの?なにがちゃんとした戸じまりなの? 全部嘘っぱちじゃないか!! わかったよ!! このありすはゲスだ!! 美人だからって騙されちゃだめだよ!! そうやって嘘百百を並べてまりさの新しいお家を奪うつもりだよ!! そんなことはゆるさないよ!! まりさはそう認識し、アリスに襲いかかった 「げすはゆっくりしね!!」 まりさの攻撃は完全にアリスの虚を突いていた。 アリスはまりさの体当たりを喰らい、思いっきり跳ね飛ばされた 「ゆぶぅ!!」 ありすは壁にぶつかった。 それから一気に形勢を立て直し、反撃に移ろうとしたが 「なにずるのぉぉぉぉ!! このいなが「げすはしね!!」ゆびぃぃ!!」 今まで完全に空気になっていた親れいむがありすにのしかかってきた!! ありすはれいむののしかかりをもろにくらい、カスタードを吐きだした。 「ゆべぇぇぇぇ!!」 ありすはカスタードを吐くのを必死にとめ、まりさを睨めつけた。 そして、わずかにあいた口から言葉をぶつけた 「どぼじで…ごんなご…ど…ずるの」 「なんでかって? じぶんのむねにきいてね!! げすありす!! そうやってまりさたちをだましてまりさのあたらしいおうちをうばおうとしているのはまるわかりだよ!! そんなげすはゆっくりしんでね!!」 「そうだよ!! れいむたちをだまそうとするげすはれいむがつぶすよ!! 」 れいむはありすの上で飛び跳ね始めた。 ありすはただただ必死に耐えるしかなかった。 「ねえおかあさん!! まりさたちあのおもちゃであそんでていい?」 れいむがありすの上で飛び跳ねているその最中、長女のゆっくりまりさが母れいむに聞いてきた。 それを聞くとれいむは長女まりさの視線の先に目を向けた。 そこには小さなテーブルの上に乗っていた小皿4枚と大皿1枚があった。 ゆっくりたちには昼ごはんに使った食器がおもちゃ見えるようだ。 「もちろんいいわよ!!」 「「「「ゆわ~い!! おかあさんだいすき!!! 」」」」 そういうと子ゆっくり達はテーブルをよじ登って皿の上で飛び跳ねたり、小皿を投げ飛ばしたりして 遊びだした。 小皿は耐久力があまりなかったのか簡単に割れてしまい、大皿もゆっくり達のジャンプによって ヒビが入り、ついに割れてしまった。 「ゆふふ…れいむのおちびちゃんとてもゆっくりしているよ!! れいむもこのげすをはやくころしておとびちゃんとゆっくりあそぶよ!!」 そういうとれいむは踏みつけを再開した。親まりさもいつの間にか踏みつけに加わっていた。 ありすは踏みつけの痛み必死に耐えながら子ゆっくり達がおもちゃにしている皿をみた。 ああ、おねえさんがとてもたいせつにしていたお皿さん!! あのお皿はありすのお皿さん…ありすのお祝いにくれた大切なお皿さん… おねえさんのおかあさんが大切にしていたお皿さんまで… おねえさんがかなしむよ…いっぱいいっぱい泣いて、いっぱいいっぱい悲しんで ゆっくり出来なくなっちゃうよ… おねえさん…ありすの大事なお姉さん…そんなお姉さんを悲しませるゆっくり……… いっぱいいっぱいワンワンさせるノラゆっくり…憎い…… にぐいぃぃぃぃぃぃぃ!! ノラがにぐい!! ノラがにぐい!! ノラがにぐい!! ありずのおねえざんをがなじませるぐずがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ぞの身をもっで代償をざぜでやるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!! ぞの身をもっで代償をざぜでやるぅぅぅぅぅぅ…ぅ…ぅぅ… ありすの体はついに限界を迎えた。 全身の穴という穴から命の源であるカスタードが溢れ出る…… そしてカスタードの勢いが止まることなく、ありすはノラゆっくりに強い恨みを抱いて 永遠にゆっくりした。 「ゆふぅぅぅぅ!! すっきりぃぃぃぃぃ!!」 「ようやくげすがしんだよ!!れいむはおちびちゃんとあそんでるね!!」 親まりさと親れいむはしぶとい飼いありすがようやく死んだことを確認するとゆっくりし始めた。 親まりさは新しいお家も見て回り、親れいむは子ゆっくり達と遊び始めた。 遊び始めること1時間、皿の破片もこのころにはとても小さな破片になっており パズルにしたら1000ピースぐらいになった。 子ゆっくり達は遊び疲れたのか空腹を訴え出した 「おかあさん!! れいむおなかすいちゃたよ!! ゆっくりごはんにしてね!!」 「「「ごはんにしてね!!!」」」 この言葉に親達はうっかりしていたような顔になった。 二匹とも今日の分の食事を考えていなかったのだ。 どうしたものかと考えていたまりさの目の前に、ふとカスタードの山が入った 「ゆ!! みんな!! 今日のご飯さんはあれだよ!!」 そういうとまりさはカスタードの山の所まで皆を誘導した。 「ゆ? あまあまさんだぁぁぁ!! む~しゃむ~しゃ、しあわせぇぇぇぇぇぇ!!」 「「「「「しあわせぇぇぇぇぇ!!!!! 」」」」」 自然界では共食いでもしない限り入手できないあまあまにまりさ一家は夢中になった。 ありすであった名残のものはすべてまりさ一家に食べられ、欠片一つ残らなかった。 「ゆ~~ん、おなかさんがいっぱいだよ!!いっぱいになったからまりさはおひるねするよ!! ゆっくりおやすみ!!」 子まりさはそういうとすぐに眠ってしまった。 残りの家族も満腹から来る満足感から眠気にかられ、眠りの世界へといった。 寝る前に、親まりさは安堵した。 あったかいお家、おいしい食べ物、ここは間違いなく最高のゆっくりプレイスだよ これでみんな幸せに暮らせるよ まりさは眠りその瞬間まで幸せな心地であった。 それが、最後のゆっくりとも知らずに…… 親まりさは目を覚ました。どこからか聞こえてくる声に目を覚ましたのだ ゆ?なんなのあの声? まりさは耳を傾けた。 「ただいま~。ありす、お留守番寂しくなかった~~?」 ゆ?またゆっくりプレイス泥棒だね!!今度もゆっくりしないですぐに追い出すよ!! まりさは体を動かし、侵入者に体当たりを仕掛けようとした。 しかし、体がピクリとも動かない。 まりさはなんで動かないのと思い、辺りを見渡した。 自分の体は透けていた。自分の体はうすっぺらくなっていた。 そして、自分の体はなぜか宙を浮いていた。否、なにかの一部になっていた。 そして気づいたのだ。自分が割ったはずの窓ガラスの一部になっている事を どぼじでいじわるながべざんになっでるのぉぉぉぉぉぉ!!! まりさは叫んだ。いや、正確には叫べなかった。 口にあたる部分が開こうともしなかったのだ。 まりさは口がダメならと体を必死に動かそうとした。 だが、まりさの体は完全に窓ガラスになっており、身動き一つ取れない。 ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!!! ゆは!! れいむ!! おちびちゃん!! びんなどごぉぉぉぉぉぉぉ!! まりさは今になってようやく自分の家族がいないことに気がついた。 まりさはないはずである眼で必死に辺りを見回す。だが、いない。 いとしい妻であるれいむ、かわいい自分や妻そっくりの子供たち その姿がまったく見えない。 まりさの脳裏に最悪な想像が浮かんできた。 その時だった。 ゆぅぅぅぅぅぅ!! おとうさん!! おかあさん!! みうごきがとれないよぉぉぉぉ!!! だずげでぇぇぇぇ!! ばりざぁぁぁぁぁぁ!! だずげでぇぇぇぇぇ!! まりさのある筈がない耳が、家族の悲痛な叫びを耳にした。 あの声は間違いない!! まりさのれいむにかわいい子供たちの声だよ!! どこ!! どこなの!! まりさはここだよぉぉぉぉぉ!! ゆっくりおへんじしてねぇぇぇぇぇ!! まりさは大きな声で叫んだ。 その声にれいむ達が気づいた。 ゆ? ばりざぁぁぁぁぁ!! れいむはここよぉぉぉぉぉ!! おどうざん!! ばやぐだづげでぇぇぇぇぇ!! れいむ達がまりさの声にこたえたのを確認すると、まりさは必死に声のする方を探した。 だが、どれだけ探しても子供達のおもちゃしか見えなかった。 ゆ?ちょっとまってね… まりさは必死に考え始めた。 あのおもちゃは子供達がバラバラにしたはずだよ…でも、今この場にきれいに元通りになっている。 まりさは今いじわるな透明な壁さんになっている… いまれいむ達や子供たちの声はあのおもちゃから聞こえてきたよ? …ま、まさか!! れいむ!! おちびちゃん!!もういっかいおへんじしてね まりさはもう一度答えるように子供達に問いかけ、あのバラバラになったはずの おもちゃの方を凝視した。 すると ばりざぁぁぁぁぁ!!だずげでぇぇぇぇぇ!! おどうざぁぁぁぁぁん!! 声が聞こえてきた、バラバラになったはずのおもちゃから。 そう、れいむは大皿になり、子供達は小皿になっていたのだった。 うぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! まりさは大声をあげた。 そして当の本人達も何故自分の体が動かないのだろうかと思い、母親や姉妹達が 自分達がバラバラにしたはずのおもちゃになっている事に気がついた。 どぼじででいぶ(ばりざ)がおもじゃになってるのぉぉぉぉぉぉぉ!! 家族は大パニックに陥った。 なんでまりさたちが壊したものになってるのか理解ができなかった。 そんなこんなをしているとゆっくりプレイス泥棒が部屋に入ってきた。 「ありすちゃん?どこ?今帰ってきたわよ!!一緒にプリンをたべよ~~」 まりさはどうしてこんなことになったのか理解ができなかったがとりあえず 自分たちの新しいお家に入ってきた泥棒を追い出そうと声を出した。 ここはまりさたちのおうちだよ!!ゆっくりしないででていってね!! 皿になった子供たちも同長するかのように叫ぶ。 だが、泥棒はまるで何も聞こえないかのようにアッチコッチを動き回っていた。 何かを探しているかのようだった。 「どこいっちゃったのかなありす?鍵が開いてるみたいだから散歩にいっちゃったのかな? 一人で散歩にいっちゃいけないよといったのに…帰ってきたらお説教ね」 泥棒は一人でそんなことを呟いていた。 そしてまりさのかわいい子供たちとれいむに目をつけた 「あ、忘れてたわ。お昼に使った食器そのままだったわ。洗わないと」 泥棒はおもむろにれいむと子供たちを掴んだ。 つまむとそのままどこかへと子供達を連れて行ってしまった。 どろぼうぅぅぅぅぅ!!れいむだぢをがえぜぇぇぇぇぇぇ!! がえぜぇぇぇぇぇぇ!! まりさは必死に声をあげるも泥棒の耳にも入るわけがなく、子供達はそのまま連れていかれた。 まりさはただただ連れ去られていく家族の助けを求める声を聞くことしかできなかった。 「ふぅ、ありすったら何も言わずに散歩に行っちゃうんだから。帰ったらうんとお説教しなきゃ」 泥棒はれいむと子供たちを台所に持ってきた。 お姉さんにはれいむ親子のうるさい声や、子ゆっくりたちの訴えなど全く聞こえなかった。 どろぼうぅぅぅぅぅ!!でてげぇぇぇぇぇぇ!! ここはまりさたちのおうちなんだよ!!はやくでていってね!! 終始こんな感じで叫ぶものの全く反応がなかった。 そうこうしている内に、お姉さんは近くにおいた小皿を手に取った。 そして蛇口をひねり、水を出した。 そしてスポンジに水をつけ、洗剤をつけるとおもむろに洗い出した。 はなしてね!!まりさをはなしてねぇぇぇぇべべべべべべっべ!!! やべでぇぇぇぇぇぇ!!おみずざんがいだいぃぃぃぃぃぃ!! まりさは今まで受けたことのないような痛みを受けた。 どういうわけか、今のまりさ達は痛覚を感じる神経がむき出しになったような状態になっていた。 ただの流水ですら激痛になるのだ。 ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!! まりさが叫ぶ。 ある程度叫び終わると他の姉妹を手に取り、さっと水をかけていく ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! いだいぃぃぃぃぃぃぃ!! やめてね、れいむはいいこなんだよ!!いいこなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! おどうざんだずげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!! 水につけ終わると、お姉さんはスポンジを手に取り、皿の汚れを落とし始めた。 助かったの?もう終わったの?と考えていたゆっくり達に更なる追撃がかかる。 ゆぅ…ゆぅ…ゆ?なにするの?やめてね!!やめでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!! いだいぃぃぃぃぃぃ!!ぎぼぢばるいぃぃぃぃぃぃぃぃ!! ゆっゆげぇぇぇぇぇぇ…どぼじでばげないのぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 最初に水をかけられた子まりさをむき出しになった痛覚が襲う。 まりさは痛みのあまり吐いて痛みを和らげようとするも、口が完全になくなっており 吐きたくても吐けない…。 「あれ?こんな黒いよごれ今までついていたかしら?まあいいわ、念入りにやらないとね」 ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!ぼうやべでぇぇぇぇぇぇぇぇ!! まりさの悲鳴はお姉さんが汚れを落とすのをあきらめるまで続いた。 そして親れいむや他の姉妹達も黒い汚れがあるということで同じ苦しみを長時間味わうことになった。 ゆびぃぃぃぃぃぃぃぃ!! だぜげでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! おどうざぁぁぁぁぁぁん!! ばりざぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!だずげでぇぇぇぇぇぇ!! 洗われに洗われたれいむ親子はしばらくその場に放置され、空気が通らない戸棚に閉じ込められた。 空気の通り道が非常に狭く、そこは非常に息苦しかった。 れいむ親子は自分達が食器として使われるその時まで息がしづらい苦しみを味わった。 ゆぅ…ゆぅ… いきが…できない…よ… おと…さん…だずげで…… そして食器としての出番が来たときに開く扉でれいむ親子は息を吹き返す。 ようやく呼吸ができるようになったからだ。 そして食器として使われるべく、その体の上にゆっくりにとっては最高の御馳走が置かれていく。 ゆぅぅぅぅ!!そのくささんはれいむのだよ!! じゃあこのこうばしいのはまりさのだよ!! まりさ、ごめんね!!れいむはこのほそながいごはんさんをたべてるね!! 親子は自分たちの体に置かれた御馳走を食べようと口を開けた。だが、 ゆぅぅぅぅぅ!!どぼじでだべられないのぉぉぉぉぉぉ!! おぐちざん!!ゆっくりびらいでねぇぇぇぇぇぇ!! ばりざぁぁぁぁぁ!!だずげでぇぇぇぇぇぇ!! 口なくなっているのだから当然と言えば当然だった。 こうしてゆっくりたちは自分たちの体の上に置かれた御馳走がお姉さん一人に食べられていくのを ただみまもるしかなかった。 だべないでぇぇぇぇぇぇ!!そのくささんはれいむのなんだよぉぉぉぉぉぉ!! こうばしいの!!こうばしいのぉぉぉぉぉぉ!!がえぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!! あまあまさん…たべないで… そのしろいのはまりさのなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!! ああ…れいむとまりさのほそながいさんが…… 「ありす…どこまで散歩にいっているのよ…」 お姉さんは一人愚痴をこぼしながら悲しそうにご飯を食べていた。 一方、窓ガラスになってしまったまりさはというと バリーン!! 粉々になっていた。 隣の空き地で野球をやっていた子供達が打ったボールが窓ガラスを粉々にしたのだ。 ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ばりざのがらだがぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 普通のゆっくりであったら体がバラバラになった時点で死んでいるのだろうが まりさはなぜか死ななかった。 だが、体は今まさにバラバにされたような痛みが襲っていた。 だれがだずげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!! だがその声にこたえるものはだれもいなかった。 この家に住んでいるお姉さんは隣の野球少年を捕まえてお説教をしていた。 アリスがなかなか散歩から帰ってこないこともあってかかなり荒れていたため、子供達の大半は 涙目になっていた。 子供達をお説教してある程度すっきりしたお姉さんは家に帰り、窓ガラスの処分を始めた。 とりあえず割れた窓ガラスの破片をまとめて捨て、割れた窓ガラスは明日にでも業者に頼んで 変えてもらおう。ありすが帰ってきても大丈夫なようにしないとね。 お姉さんはそう考えながら掃除をしていた。 次の日、まりさは体の一部を失った状態で処分された。 割れた窓ガラスはさらにバラバラにされ、非常に細かくなったがそれでもまりさは死ななかった。 いや、死ねなかったのだ。 どれだけ中身を吐こうとも吐けず、どれだけ動こうとしても体は全く動こうとはしなかった。 まりさは、永遠に生という監獄の中で地獄の苦しみを味わうこととなった。 死んだありすの呪いによって。 残された家族もどれだけ落そうとしても落ちない黒い汚れで近いうちに捨てられるだろう。 ほら…その黒い汚れ…少しづつ大きくなっていってるよ…… エピローグ 俺はここ最近一日が楽しくてしょうがない、なぜなら 「げぇぇら♪げぇぇら♪」 家に恩返しにやってきたゆっくりうどんげと楽しい日々を過ごしているからだ。 今日もいつもの日課でうどんげと一緒に散歩に出かけていた。 うどんげの奴は本当にかわいい。俺の横に付き添うように歩き、時折立ち止まってだっこを 要求してくるのだ。 「げらぁ!!げらぁ!!」 俺の前に回り込むと両手をあげてジャンプする様は本当に愛らしい。 そんなうどんげだが、ひとりではなかなか散歩できない、なぜなら 「ゆ?ゆっくりできないゆっくりがいるよ!! ゆっくりせいさいするよ!!」 「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」 とまあこんな感じで少しでも距離が離れるとこうやって野生のゆっくりがうどんげを虐めに 近寄ってくるのだ。 泣きながら逃げるうどんげをふてぶてしい顔をした野生のゆっくりれいむが追いかける。 このままうどんげがけがをしたらいけないので適当にれいむを蹴っ飛ばす 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 れいむはきれいな弧を描いてマンホールの付近に転がる。 「なにずるのぉぉぉぉぉ!!れいむをいじめな…ゆ?あんよさん!!そっちにはくろいくろい ゆっくろできないものがあるよ!! そっちはゆっくりできないよ!! ゆっくりできなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! だずげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 れいむが蹴っ飛ばされたマンホール、そこはお兄さんとうどんげを助けた?所だった。 あそこは最近ゆっくり達がおそれるホラーポイントの一つであの付近に近づいたゆっくりは 何故かあのマンホールに引きつけられ、そのまま動けなくなるのであった。 そして一日もしないうちにそこを通る車によってペチャンコにされるのであった。 うどんげも一回ここに足を踏み入れて身動きが取れなくなったことがあった。 その時はお兄さんが異常に気づき、事なきをえた。 うどんげは終始泣いていた。 助けだすのが少し遅かったせいかうどんげは泣きながら俺をポカポカ殴り しばらくの間顔を合わせるとぷくーっをして俺を威嚇していた。 そんな顔を可愛いよ、うどんげ そんな危険な目にあってからか、うどんげは自前のソナー能力を使ってナニかゆっくりできない ものがあるところには気をつけながらすすむようにしていた。 だが、そんなうどんげが一つだけ半泣き状態で俺にひたすらしがみついてないと通れない道がある。 そこはなんてことは一軒家の前の道であった。 他の道は勇気を出して進むうどんげがこの道だけは涙目になりながら俺にしがみつかないと 通れないのだ。 そんなある日、その道を通っているとチラシをもった女性が暗い顔で家に戻ろうとしていたのを見かけた。 俺は何を思ったのか、つい声をかけてしまった。 「あの、すみません?顔色悪いですよ…どうしたんですか?」 「いえ…うちのありすが家に帰ってこないんです…散歩だと思って待っても…帰ってこないんです。 それが今日でもう1週間…ありすちゃん、どこいったの?」 俺はその女性が持っていたチラシを一枚もらった。 とても幸せそうな顔をしたゆっくりありすが映っていた。 うどんげはその顔を見るや否や顔を俺のズボンに押しやり、ガクガク震え出した。 「おいどうしたんだ、うどんげ!!だいじょうぶか?」 「げぇら…げぇら…」 うどんげが尋常でないおびえ方をしたためあの日以来、その道をうどんげと一緒に通った事はない。 俺にはあの道は大学への近道であるので使う事が多く、よくあの景色を覚えている。 そのはずなんだが…あの家に生えている大きな木の枝が一本多い気がする。 あの木の枝は道路側に出ている枝の本数は昨日まで2本のはずだったのに、今は3本になっている。 確かあの枝のうち一本は以前休憩にととまっていたゆっくりみすちーが うっかり折ったはずなんだが…どうしてその枝が元通りになっているんだ? 俺は何事も気にしないでそのまま大学に向かった。 深く考えたらなにか怖そうだったからだ。 「ぢぃぃぃぃぃんぢぃぃぃぃぃぃん(だれがだずげでぇぇぇぇぇぇぇ!!)!!」 完 あとがき ここ最近やたらと忙しくてなかなかSS書く暇が… 私の中では現在もかわいいうどんげがマイブームなんでしばらくは登場します。 チル裏で話題になっていたので一言 私のSS、設定等はご自由に使用してもかまいませんよ、ご自由にどうぞ~ 作者 アイアンゆっくり 過去作 まりさの馬鹿 ゆっくり地縛霊 れいむ親子の場合 ゆっくりおしえてね!! 1~2 世界で一番短い虐待 ゆっくり地縛霊 まりさ達の場合 鬼斬 1~ 怪奇現象 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2370.html
あるところに一人暮らしの男がいました。 男がお兄さんと言われていた頃、お兄さんは毎日のようにゆっくりを捕まえに行き、虐待の限りを尽くしていました。 そんなお兄さんも今では就職し、朝早くに家を出、夜遅くに帰ってくると言った有様でした。 「・・・・・・」 朝、無言で男が起きます。 そして顔を洗い、無言で栄養たっぷりと書かれたスティックタイプの食品を齧り家を出ました。 車に乗る前、腰に手を当てて栄養ドリンクを飲むのはもはや日課になっていました。 男は車に乗って会社に出かけていきます。 男はこんな生活をずっと続けていました。 そんな男を茂みで見守っていた影が5つ。 「ゆうううううう!ゆっくりしてないだぜ!」 「ほんとうだね!もっとゆっくりすればいいのにね!」 「むきゅ。れいむ、そうするとあのひとはむしょくになっちゃうのよ!」 「わかるよー。しゃかいのはぐるまだよー!」 「ちーんぽ!」 それはゆっくりまりさ、れいむ、ぱちゅりー、ちぇん、みょんでした。 5匹は以前男が虐待していた群れのゆっくりでした。 男が来なくなり、森はゆっくりにとってとても住みよい場所になっていました。 森に入る人間はもういません。 人里に出れば変わらず殺されるのを理解したゆっくりは森から出てくることはありません。 ここまで人に近づいた5匹はとても珍しいゆっくりでした。 男が見えなくなると5匹は森の奥に戻り先ほどの話しの続きを始めます。 「あのひとはとってもゆっくりしてないんだぜ!」 「れいむたちをみならうべきだね!」 「むきゅー、あのひともほんとうはゆっくりしたいのよ。」 「わからないよー。ゆっくりすればいいのにねー!」 「だれかのしたにつくとあーなるちーんぽ!」 ゆっくりしてないと怒るまりさとその男を見下すれいむをたしなめるぱちゅりー。 男がゆっくりできてないのをふしぎがるちぇんをそれを教えるみょんといった感じで話が進みます。 森の中では食べ物がいっぱいあり、男も働かなくても十分生きていけるとまりさは考えていました。 わざわざゆっくりしないなんてばかだよとれいむは思っていました。 ちぇんは人間は不思議な生き物だと思っていました。 ぱちゅりーとみょんだけが人間の苦労を理解していました。 「あのひとはゆっくりするためにはたらいてるのよ。」 「うえにだれかがいるからいつもじかんにおわれてるちーんぽ!」 「でも、ずっとゆっくりしてないんだぜ!」 「むきゅきゅ……」 まりさの言うとおりです。5匹は男をずっと見ていました。 といっても仕事に出るときと帰ってくるときだけでしたが。 そんななかで男がゆっくりできていたと感じたのは一度もありません。 「あんなやつゆっくりできなくてとおぜんだよ!」 「わかるよー。れいむはあいつにひどいめにあったもんねー!」 「たすかってよかったちーんぽ!」 5匹はあの男が群れを襲っていた奴だと分かっていました。 元はといえば男がまた来ないかと見張っていたのが始まりなのです。 れいむは男を特に毛嫌いしていました。 それも無理はありません。5匹の中で虐待されたことがあるのはれいむだけでした。 今ではだいぶ元通りになりましたが、あの今日は消えるものではありません。 だんだんとヒートアップしてきたれいむをちぇんとみょんが必死になだめます。 これが5匹のいつもの光景でした。こんなやり取りを続けていきます。 ただ、今日は少しだけ違いました。 「ゆっ!まりさきめたよ!あのおにーさんをゆっくりさせるんだぜ!」 「ゆゆっ!まりさどおおおおしてええええええ!」 「むきゅ!まりさがぎせいになるひつようはないわ!」 いきなりの発言にまりさを除く4匹は驚きます。 まりさの発言を理解できないれいむは怒り、理解したぱちゅりーはまりさを必死に止めようとします。 しかし、ちぇんとみょんはまりさにかんどうしてました。 「わかるよー。ぎゃくさいかくごだねー!」 「これぞぶしどうだよちーんぽ!」 まりさの意思は固く、れいむとぱちゅりーではどうしようもありませんでした。 それでもれいむは最後まで食い下がります。 「まりさ、どおしてもいくの……」 「きめたことなんだぜ!とめないでくれなんだぜ!」 「ゆぐぐぐぐぐぐぐ……」 とうとうれいむも折れてしまいました。 時間はちょうど夕方、男の帰ってくる時間帯です。 「じゃあまりさはいくんだぜ!」 「まりさ…げんきでね!」 「むきゅ~!」 「わかるよー。さいごのおわかれだねー!」 「かいしゃくはまかせるちーんぽ!」 まりさは4匹に別れを告げ、ぴょんぴょんと男の家に向かいました。 もちろん後ろには4匹が続きます。 まりさは男の家に着くとまず、中に入ろうとしました。 しかし、男は戸締りをちゃんとしているので入れそうな場所はありません。 ガラスを割るにはガムテープがありませんでした。 「ゆううう……こまったんだぜ!」 ぐるぐる、ぐるぐると家の周りを回ります。 そして、一箇所だけゆっくりぐらいの穴が開いているのを見つけました。 「ここからはいれるよ!」 まりさは入れる場所を見つけることができたことを飛び跳ねて喜びます。 そして穴の前にやってきました。 穴はそのままでは入れず、飛び跳ねないと無理そうな位置です。 「ゆっくりとびはねるよ!……ゆっ!?」 まりさが飛び跳ねようとしたとき、穴とまりさの頭で何かが光りました。 まりさは飛ぶのを止め穴をゆっくりと観察します。 するとまりさの後ろからがさがさと音がしました。 「ま、まりさああああああああ!」 「あ、ありすだあああああああああああ!」 まりさの後ろから現れたのはお兄さんに飼われている番ゆっくりありすです。 といっても虐待によってありすを逃げないように庭につなぎとめているだけですが。 それでもお兄さんの家にやってくる何も知らないゆっくりをいろんな意味で食べて、ありすは元気でした。 まりさは転げまわるようにして逃げますが壁を背にして逃げ場を失ってしまいます。 「まりさあああああああああ!もうにげないわよおおおおおお!」 「ありす、あいしてるんだぜ!」 「ゆっ!?い、いきなりなにいいだすのよ……」 「ありすはとってもかわいいんだぜ!」 「あ、あたりまいじゃない!……まったく、いきなりなにいいだしたのかとおもえば……」 「ここじゃはずかしいんだぜ……あのあなのなかでいっしょにすっきりしようだぜ!」 「しょうがないわね……はやくきなさいよ!」 まりさから求められることに慣れてないありすは最初の勢いもどこへやら、ただおろおろとしています。 まりさはそんなありすに家の中でゆっくりしようと誘導しました。 ありすは素直にしたがって穴に向かってジャンプしました。 ……けいかくどおり! ありすの後ろでまりさは口を吊り上げます。 そして、 「はやくまりさとすっきりしたいわ!……ゆげぶっ!」 「こ、これはわいやー!!」 まりさの言うとおり、穴にはワイヤーが張り巡らされていました。 まりさはワイヤーの怖さを知っていました。 お兄さんが群れの食料庫の前に仕掛けたことがあったのです。 お兄さんの絶妙な位置取りによってジャンプしないと食料庫に入れなくなっていました。 食べ物を口に運んで移動するゆっくりには食べ物を口に入れたまま高く飛ぶのは難しく、食べ物を外に出してから自分が跳べばいいことに気づくまで何匹ものゆっくりが傷つきました。 今でもワイヤーは残っており、巣に入る外敵を防ぐ役に立っています。 「さすがおにいさんだったひとだよ……ありすがいなければしんでたんだぜ!」 まりさは何事もなかったかのように入れる場所を探します。 ありすが死んでからも必死に探しましたが入れる場所は見つかりませんでした。 まりさは玄関に戻って扉の前でゆっくり考えます。 「ゆうううう、どうしたもんだぜ……」 ゆっくり一匹の力ではこれが限界でした。 まりさは帽子が落ちそうなほど落ち込みます。 そのとき、先ほどと同じように後ろでがさごそと音がしました。 またありすかと思ったまりさは急いで振り向きます。 そこには、先ほど分かれた懐かしい顔がありました。 「およびとあらば!」 「そくさんじょう!むきゅ。」 「わかるよー。せいぎのみかただよー!」 「かいしゃくしにきたちーんぽ!」 「み、みんなああああああああ!」 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」 まりさはなきながら4匹に向かって飛び跳ねます。 5匹は頬を摺り寄せてスキンシップをしました。 「ど、どおしてきたんだぜ!ここはあぶないんだぜ!」 「まだ、かえってくるまでじかんがあるわ!」 「わかるよー。まりさのかくごをむだにしたくないんだよー!」 「しにばしょをえらぶけんりはあるかもちーんぽ!」 「はいれるばしょはもうみつけたよ!」 れいむは扉の横にある新聞受けをさしました。 そこには男が放置している新聞が雑に刺さっていました。 「あそこからはいれるよ!」 「でも、たかいよ!」 「みんなできょうりょくするよ!」 れいむの掛け声の下、新聞受けの下にゆっくりが集まります。 「むきゅ!ちがたぎるわ!」 「ちーんぽ!はさまれるのもきもちいいーんぽ!」 「わかるよー。おれをふみだいにしたなー!」 「まりさ、いくよ!」 「ほっぷ、すてっぷ、じゃーんぷなんだぜ!」 下に重なった3匹目掛けてまりさを乗せたれいむが跳ねていきます。 勢いをつけ、ちぇんを踏みつけたれいむは新聞受けの高さまで飛び上がります。 「はいぱーぼっ!」 「ゆげぇ!」 れいむによる叩きつけによってまりさは新聞と一緒に叩き込まれました。 叩き込まれたまりさは新聞が衝撃受けとなって軽傷で住みました。 「ゆぐぐぐぐ……さすがげーじわざだぜ!」 あたまをふらふらとゆらしてまりさが起き上がります。 中に入ればこっちの物です。 外からは届かない位置も、中からだと飛び乗れる高さのものがいっぱいありました。 まりさはドアノブを咥えます。 「ゆぐぐぐぐぐぐ……」 まりさは舌で器用に鍵を開け、体を揺らしてドアを開けます。 4匹はできた隙間からするりと入り、まりさが扉を閉めるのを手伝いました。 「ゆっくりしていってね!」 「むきゅ、ここはたにんのおうちよ!」 「わかるよー。ふほうしんにゅうだよー!」 「じゃあ、じゅんびするんだぜ!」 「ちーんぽ!」 まりさたちは家をまず汚すことにしました。 臨場感を出した方が男をすっきりさせれると感じたのです。 しかし、 「ゆゆっ、ここはすでにきたないんだぜ!」 「ほんとだね!どうしようか!」 「むきゅ~、こまったわね。」 「しょうがないんだぜ!」 「わからないよー。どうするのー?」 「このにおいくせになるちーんぽ!」 「そうじだぜ!」 5匹による掃除が始まりました。 と言っても散らかった服を一箇所にまとめ、空のカップ麺をゴミ箱に捨てるぐらいですが。 5匹は雑談をしながら入れる部屋を綺麗にしていきました。 「うわ、ありすだ!」 「ばらばらだわ!」 「わかるよー、じゃっくのせいだよー!」 「きれいなきれあじだちーんぽ!」 「やっとおわったんだぜ!」 5匹によって玄関近くの部屋は綺麗になったように見えました。 「じゃあよごしていこうね!」 「どうしようか?」 「むきゅ!いいかんがえがあるわ!あそこにあるかみをつかうのよ!」 「わからないよー?」 「こうやるのだわ!」 ぱちゅりーは玄関近くに落ちている新聞を口に咥え、一枚だけ抜き出します。 それをぐちゃぐちゃにして投げ捨てました。 「おもしろそうだちーんぽ!」 「まりさも!まりさも!」 4匹もぱちゅりーにならってくしゃくしゃと新聞を丸めていきました。 程なくして玄関前の廊下は丸まった新聞でいっぱいになりまりさ。 「これでだいじょうぶだね!」 「あとはまりさがやるんだぜ!みんなはにげるんだぜ!」 まりさは入ってきたときと同じように扉を開けます。 「まりさ、さいごまでゆっくりしていってね!」 「わすれないわ。まりさ……」 「わかるよー。きっとまたあえるよー!」 「なむあみだぶつ……ぎゃああああああ!」 4匹に押されて扉が押されます。 まりさは扉が閉まるのを確認して鍵を閉めました。 そして玄関の中央に陣取ります。 「あとはおにいさんがもどってくるだけだよ……」 まりさは静かに、頭の中でお兄さんが帰ってきたときのことを思い描いていました。 深夜、どこからか車の音が聞こえます。 それは男が帰ってくる音でした。 車を降りた男はぐったりとした足取りで家の玄関を開けます。 「・・・・・・」 男は玄関の惨状を見て、何も言うことができませんでした。 思わず扉を閉めるのも忘れてしまいます。 玄関にはくしゃくしゃに丸まった新聞が一面に広がっています。 その中に黒い帽子を被ったゆっくりが一匹。ゆっくりまりさです。 「ゆぅ~ん。ゆぅ~ん。」 寝てました。とても健やかな笑顔です。 男は無表情でまりさをつま先で突きました。 「ゆぐほっ!?ゆ、ゆっくりしていってね!」 「なにしてる……」 まりさは、きょろきょろと辺りを見回します。 そして男を見て何かを思い出したのか、男に向き直りました。 「こ、ここはまりささまのおうちだぜ!ゆっくりでていってね!」 「・・・・・・」 男はまたも無言になりました。 まりさはそんな男を見ておろおろします。 まりさはこういう口調が人をムカつかせることを理解していました。 そして、その後の虐待で男がすっきりできることもです。 なので、虐待しようとせずに立ったままの男は完全に想定外でした。 「ゆ、ここはまりさのおうちだぜ!ゆっくりできないおにいさんはでていくんだぜ!」 「……フハハハハハハハハッハハッハッハハ!」 「ゆゆっ!?」 聞こえなかったのかと思い、もう一度言ったまりさを見て、男は声を上げて笑い出しました。 こんどもまりさには想定外です。 どうしたものかとおろおろしていると、まりさは何かにつかまれる感触を感じました。 「ゆゅ?」 「ハーッハッハッハ!」 それは男の手でした。 男はまりさを持ち上げます。 「おい饅頭、最後に言い残すことはないか?」 「ゆっくりしていってね!」 「ならばしねぃ!」 男はまりさを投げ上げます。 「ゆっ?ゆゆゆ!?」 「うおおおおおおおおお!」 男は浮かび上がったまりさに向かって飛び蹴りを放ちます。 「ゆぐげゅ!?」 「まだまだあああああああ!」 落ちてきたまりさを男は壁に叩きつけました。 「何本目に死ぬかなぁあああああああ!」 「ゆぐ・・・ゆげ・・・」 男が指を突き刺す音と、まりさのうめき声が重なります。 数十本の指の突き刺しによってまりさは穴だらけになってしまいました。 「ひゃっはー!」 扉の前で男の高笑いが続きます。 まりさを屠った余韻に浸っている男は家の外にいた4匹が逃げていくのを逃してしまいました。 森の中にある崖に男の家から逃げ切った4匹が集まりました。 「ここまでくればだいじょうぶだね!」 「むきゅ、あとをつけられてないかしら。」 「わかるよー、おにいさんはうごいてなかったよー!」 「うしろはだいじょうぶかもちーんぽ!」 4匹は息を整えながら周囲を確認します。 頭上に影がかかった気もしましたが、それは空を飛んでいた鳥でした。 人間じゃなかったことに安堵した4匹は死んでしまったまりさのことを思い出します。 「まりさ……おにいさんはとってもゆっくりできそうだったよ……」 「むきゅきゅ、まりさのおかげね……」 「わかるよー、まりさはぎせいになったのだー!」 「かいしゃくわすれてたちーんぽ!」 空には大きな丸い月が出ていました。周りには星も出ています。 その光が4匹を照らします。 4匹が見上げると流れ星が一つ、流れて消えていきました。 「あれはきっとまりさだねー。」 「むきゅ……」 「わかるよー。」 「まりさ……」 「ちーんぽっぽ!」 4匹は亡きまりさを偲び、いつまでもいつまでも空を見上げていました。 犠牲になるゆっくりを書こうとしたが、書いててよくわからなくなった。 今まで書いた作品 ゆっくり水攻め ゆっくりの川流れ 天井のゆっくり ゆっくりまりさの水上生活 ゆっくり訓練 ぶるぶる とりもち 子ゆっくり きめぇまる ゆっくりがんばるよ さらちくび 冬のゆっくり 親れいむのがんばり 子れいむのがんばり しろくろ ちぇんいじめ ほんのちから 「話は聞かせてもらった。」 「「「「げぇ!おにーさん!」」」」 突如男の声が聞こえました。4匹は驚きます。 気づかなかったこともありますが、後ろを振り向いたら茂みから男の顔だけが出ていたのです。 驚かずに入られません。 「にぎゃああああああああああ!」 「ちぇえええええええええええんぽ!」 驚き後ろに飛びのいたちぇんが崖から足を踏み外し、落下しそうになりました。 それをみょんが尻尾を加えることで防ぎます。 ちぇんは助かりましたが、それは男から逃げれないことを指しました。 れいむとぱちゅりーが男からちぇんとみょんを守るように身を乗り出します。 「みょーん!はやくたすけてねえええええええええ!」 「もうすこしちーんぽ!」 「はやくしてね!はやくしてね!」 「もうおそいわああああああああああ!」 ぱちゅりーは今にも中身を吐きそうです。 男は茂みから出した顔を引っ込め立ち上がりました。 茂みから出た男を月の光が照らします。男は紛れもなくさきほどの男でした。 腋にはまりさを持っています。 「ま、まりさ!?」 「むー。むー。」 男はまりさを転がしました。 「「ゆゆっ!!」」 れいむとぱちゅりーは驚いてまりさを受け止めます。 まりさの口にはガムテープが張られていました。 「いたいけどがまんしてね!」 「そぉい!」 「ひぎぃ!」 そうこうしているうちにみょんもちぇんを引き上げることに成功しました。 もう会えないと思っていたまりさとの再開に5匹は喜び合います。 「まりさ、どおしていきてるの!?」 「おにーさんにいじめられてたのに!」 「ゆゆ!あれはまりさじゃなかったんだよ!」 「じゃああれは……」 「人形だ。」 「にんぎょう?} 「そうだ。虐待し続けた俺にはゆっくりそっくりな人形を作ることなど些細なこと。」 「ぐぬぬ、れいむたちをだましたな!」 「だます?だましたのはおまえたちだろうが。」 「ゆぐっ!」 男の怒気に5匹は竦み上がりました。 男は5匹にゆっくりと近づいていきます。 その歩みをまりさが防ごうとします。 「おにいさん、ごめんなざい!まりざがわるがっだでず!」 「どうしてこんなことをしたんだ!」 「おにいさんにゆっぐりじでぼじがっだんでずうううううううううう!」 まりさは最後の勇気を振り絞って男の前で頭を下げました。 顔は涙と涎でぐしょぐしょです。 そんなまりさを男はずっとにらんでいました。 4匹もそんなまりさの後ろから事の成り行きを見守っています。 そのまま、暫く時間が経ちました。 「……」 「ごめんなざいごめんなざいごめんなざいいいいいいいいいい!」 「れいむもわるがっだでずうううううううううううううう!」 「むぎゅううううううううううううううう!」 「わかるよー。ちぇんがわるいんでしょー!」 「ちんぽっぽおおおおおおおおおお!」 今では無言で立ち尽くす男を見てれいむやぱちゅりーたちも地面に顔をつけて謝っていました。 しかしそれでも男は動きません。 「ゆぅ……」 不思議に思ったまりさは男を覗き込みます。 その時です。男はいきなり膝を付きました。 「ゆゆっ、おにいさああああああん!」 「ぐふぅ、おれとしたことが、仕事の疲れで寝てしまっていたようだ……」 「おにいさんしっかりしてね!ゆっくりしていってね!」 「ええい、さわるなぁ!」 男は心配して近づいてきたゆっくりたちを払い飛ばします。 そして気丈にも立ち上がりゆっくりに向かってこう叫びました。 「俺はゆっくりに心配されるぐらいなら死をえらぶ!」 「お、おにいさあああああああああん!」 「むきゅう!と、とめるのよ!」 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 「わからないよおおおおおおおお!やめてねええええええええ!」 「すとっぷちーんぽ!」 男は崖に向かって進んでいきます。 5匹は慌てて男を止めようと足にしがみつきました。 それによって男の速度は遅くなりましたがそれでも男は止まりませんでした。 「「「「「ゆっぐりいいいいいいいいいいいいい!」」」」」 ゆっくり達の抵抗もむなしく、男は崖端まで到着しました。 「やめてね!やめてね!」 「ゆっぐりできなぐなるよ!」 「むきゅ、かんがえなおしたほうがいいわ!」 「わかるよー、はやまってるよー!」 「せっぷくがいいちーんぽ!」 男は足にしがみつくゆっくりを見回します。 そして崖と反対方向に投げていきました。 「ゆ゙っ!」 「ぐっ!」 「に゙ゃ!」 「むぎゅん!」 「ぢんぼ!」 5匹は地面に叩きつけられます。 痛みをこらえて立ち上がったゆっくりが見たのは、月の光によって照らされた男でした。 「さらばだああああああああ!」 「「「「「お゙に゙い゙ざあああああああああああん!」」」」」 5匹のゆっくりに見守られ、男は崖を落ちていきました…… それからの男の詳細は分かりません。 死体はゆっくり総出で捜されましたが、見つかることはありませんでした。 群れは今もあり、ゆっくりはそこでゆっくりと生きています。 しかし、群れの親達は恐れていました。 いつか虐待お兄さんが戻ってくるのかと。 この群れはこれからも虐待お兄さんを恐れながら生きていくことになるのでした。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1128.html
ある男の家に、一匹の赤ちゃんれいむがいた。 これは、ゆっくり愛好家である男の家に暮らしていたゆっくり一家の末子である。 一家が親子水入らずでハイキングに出かけたある夏の日、里一帯は午後から急な夕立に見舞われた。 それ以来、ゆっくり一家は帰って来なかった。 男は信じたくなかったが、おそらくは隠れる場所の無いところで雨に降られ、全滅したのだろう。 しかし生まれて間もないこの赤れいむだけは、部屋の物陰で寝過ごしており、 ハイキングに行きそびれて運良く生き残ったのであった。 家族がいつまでも帰って来ないことに、赤れいむは夜通し泣きじゃくり、男もつられて涙をこぼした。 男は、一家の忘れ形見であるこのれいむだけでも大切に育てようと思った。 さて、ある程度育ったゆっくりならいざ知らず、赤ゆっくりの育て方を男は良く知らなかった。 なので、母ゆっくり達がいた頃の飼育法を見よう見真似でやってみるしかなかった。 赤ゆっくりは食べ物をうまく消化出来ないことがある。 なので、食べ物は親ゆっくりが一旦咀嚼し、ある程度餡子に変えた状態で与えるのだ。 少なくとも、男が見ていたゆっくり親子はそのようにしていた。 男もそれに倣い、野菜など歯ごたえのあるものは、自分が咀嚼して吐き出したものを与えた。 本来ならすり鉢などですり潰せば良いだけだろうが、今は自分が親代わりなのだ。 ゆっくりなりの親子のコミュニケーションというのを体験させた方が生育上良いと思った。 赤れいむも、そうして与えられた物を喜んで食べた。 餡子には変わっていなかったが、噛み砕かれた食べ物は赤れいむでも消化出来たようだった。 そのように男は一つずつ、親ゆっくりから学び取った赤ゆっくりの育て方を実践していった。 半年が経ち、男の世話の甲斐あって、れいむも立派なゆっくりに成長した。 すでにバレーボールほどの大きさがある。親に似た、心豊かなゆっくりである。 度々外に遊びに行っていたので、運動能力も充分。虫を追いかけて捕まえることも出来た。 ある日れいむは、男に対してこのように言った。 「おにいさん、いままでれいむをゆっくりさせてくれてありがとう! れいむはもうひとりでもいきていけるよ!だからもりにいってみようとおもうよ! ばっぢがあるともりのゆっくりとゆっくりできないから、ばっぢをゆっくりとってね!」 突然の申し出に男は驚きつつも、言われた通りに飼いゆっくり証明バッヂを取ってやった。 「本当に行くのかい? ずっと家でゆっくりしていっても良いのに」 「ゆ!でもれいむは、おかあさんやおねえちゃんたちをさがしてみようとおもうよ! もうしんじゃったかもしれないけど、もしかしたらいきているかもしれないよ!!」 「そうか……一緒にいられないのは残念だが、そういうことなら仕方ない。 餞別にお菓子を持たせてあげよう。それと雨には気をつけるんだよ」 「ゆっ!おにいさんありがとう!れいむはいってくるよ!!」 またいつでも帰って来いよ、と言って男は旅立つれいむを見送った。 れいむがもらったお菓子は飴だった。れいむは飴を一粒舐めながら道を歩いていった。 しばらくして、近くに川の流れる林道に出た。この辺りはお母さんと一緒に一度来たことがある。 そう思って歩いていると、口から飴をこぼしてしまった。道を外れ、なだらかな坂を転がっていく飴玉。 れいむが目で追っていると、坂の下にいた二匹のまりさ達が飴を拾って舐めていた。 「しあわせー!」と言っては吐き出し、二匹で回し舐めしている。 そしてれいむと目が合った。せっかくなのでれいむも坂を下り、まりさに話を聞くことにした。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「このへんではみないれいむだね!」 「れいむはにんげんにかわれていたんだよ。でもさっきひとりだちしてきたんだよ。 そのあめもにんげんがくれたんだよ」 「ゆっ!もっともってたらまりさにちょうだいね!」 「いいよ!でもれいむのしつもんにこたえてね! はんとしぐらいまえ、このあたりでゆっくりのいっかをみなかった?ばっぢをつけてるいっかだよ!」 「ゆゆ?まりさはむかしのことなんておぼえてないよ!」 「そういうのはぱちゅりーにきいてね!」 ということで、れいむはまりさ達の群れに案内され、群れの長であるぱちゅりーの前に通された。 ぱちゅりーは他のゆっくりに比べて知能が高く、記憶力も良いらしかった。 れいむが事情を話すと、すぐに答えが返ってきた。 「むきゅ!たしかにみたわね!このもりをぬけたはらっぱでゆっくりあそんでたわ!」 「ゆゆゆっ!ほんとう!?」 「ゆん!でもおおあめにふられて、みんなとけちゃったみたい。これがそのときのこったばっぢよ! にんげんよけになるかとおもったけど、ゆっくりだけではつけられないからとっておいてるの」 そう言うとぱちゅりーは、巣の奥から沢山の飼いゆっくりバッヂを運んできた。 ちょうど家族の人数分あり、親姉妹達のもので間違いなさそうだった。 れいむは親たちが生きているというわずかな可能性を断ち切られ、意気消沈した。 「ゆ~・・・やっぱりれいむのおかあさんたちはもういないんだね」 「ゆっ、れいむ!げんきだしてね!」 「まりさたちがともだちになってあげてもいいよ!!」 「むきゅ、そうね!いくあてがないなら、わたしたちのむれでゆっくりしてもいいのよ!かんげいするわ!」 「ゆっ!そうさせてもらうね!これからよろしくね!」 しかし家族の死を確認出来たことは、前へ進むために過去を吹っ切ったという意味も持っていた。 れいむは森の群れの中で、野生ゆっくりとしての新しい生活を始めた。 他のまりさと仲良くなってつがいになり、ゆっくりしたかわいい赤ちゃんを沢山産んだ。 時には他所の一家の親が狩りに行っている時、その子供の面倒を見たりもした。 長ぱちゅりーが体調を悪くした時も、群れのみんなで交代して看病をした。 家族を失ったれいむにとって、群れというコミュニティでの生活は、心の充足をもたらした。 れいむはとてもゆっくりできていた。 れいむが群れに馴染んで来てしばらくした頃、群れの中である奇病が報告された。 突然口の中が痛いと言い出すゆっくりが現れたのだ。 しかし一見口の中に怪我などはなく、原因は不明とされていた。 一応、ぱちゅりーが薬草として知られている草をいくつか食べさせたが、効果は薄かった。 発症したゆっくりの痛みは日に日に増していくようだった。 「ゆぎい゛ぃぃぃぃぃぃ!!いだい!!いだいよぼおおおぉぉぉ!!」 「まりさ!おちついてね!ごはんをたべてゆっくりねたらきっとなおるからね!!」 「いや゛だびょぉぉ!!ごばんだべだぐないぃぃぃぃ!!だべるどいだいのぉぉぉ!!」 「ゆゆっ・・・どうずればいいのお゛ぉぉぉぉぉ!?」 あるまりさの一家などは大パニックであった。大黒柱である親まりさが奇病を発症し、 三日三晩のた打ち回った挙句、やがて餡子を吐き出して死んでしまった。 それはれいむが初めてこの群れに来た時、友達になってくれたあのまりさであった。 こうなると群れは恐慌状態である。やがてその家の子まりさまでもが痛みを訴え出した。 「ゆ゛~!ゆ゛~!いちゃいよおかあしゃん!」 「ゆっくりでぎないよぉぉぉぉ!!」 「ゆゆゆ!みんながまんしてね!ゆっくりなおってね!なおらないとまりさおかあさんみたいにしんじゃうよ!!」 「「ばりざじにだぐないよぉぉぉぉぉ!!」」 「むきゅ・・・もしこのびょうきがどんどんうつったら、むれのみんながゆっくりできなくなってしまうわ。 かなしいけど、なおすほうほうがみつかるまでどこかにでていっていてもらうしかないわね」 「どぼじでぇぇぇぇ!?まりざだちなんにもわるいごどしでないよぉぉぉぉ!!」 「うるさいよ!おまえたちはいるだけであぶないんだよ!」 「まりさたちといるとゆっくりできないよ!ゆっくりでてってね!!」 病気を恐れた群れのゆっくりたちは、一家を追い出して隔離してしまった。 れいむは心苦しかったが、群れを守るためだと自分に言い聞かせ、みんなと一緒に病気の家族を追い立てた。 さて、そうなると事態は深刻である。痛みを訴えれば、病気の感染者として群れから隔離されるのだ。 事実、その後も激しい痛みを訴えたゆっくり達が、家族ごと群れから追い出され、森の奥へと隔離されていった。 そんな雰囲気の中なので、口の中が痛み出したゆっくり達も、しばらくは痛みを我慢して黙っていた。 発症するのは子ゆっくりや赤ゆっくりが多かったため、両親は喚くわが子の口を封じるのに一苦労である。 中には自分達が追い出されない為に、痛みを訴える子供達を巣の奥に押し込めておく親ゆっくりもいた。 それだけならまだしも、痛みに暴れまわるわが子を思わず押し潰してしまう親までいたのだ。 また今は健康な他のゆっくりも、どこから感染し、いつ自分も発症するかわからない。 自然とゆっくり同士のコミュニケーションは減り、群れの縄張りは静かになっていった。 今や群れ全体がゆっくり出来なくなっていたのだ。 「ゆぅ・・・なんだかむれがばらばらになっていくよ。これじゃゆっくりできないよ」 「みんながもっとゆっくりできればいいのにね・・・」 れいむたち夫婦も、巣に篭もってごはんをもそもそと食べていた。 群れ全体を包む緊張感の中での食事は、ちっともしあわせではなかった。 もうすぐ冬がやってくる。越冬の為にみんなで協力し合わなければならない時に、こんな調子では…… その時、子れいむの一匹が木の実を食べて「ゆ゛っ」と呻いた。 「おかあさん・・・なんだかおくちのなかがいたいよ・・・」 「ゆっ!?」 「まりさも!まりさもいたいよ!!」 「なんだかゆっくりできないよ!」 「ゆ゛ゆ゛っ!!おちついてね!!きのせいかもしれないよ!」 「ぎのぜいじゃないよ!!いだいよ!!ごはんだべられないよ!!」 「な゛んでぇぇえ゛ぇぇ!?でいむおながへっでるのに゛ぃぃいいぃぃ!!」 「い゛ぎぎぎぎぎぎぎぎっ!!!」 次々に騒ぎ始める子ゆっくりたち。痛みを感じていない子ゆっくりも、病気のことは知っているのだろう、 痛みを訴える姉妹たちから離れ、親にすがりつくようにして震えている。 れいむはどこか他人事だと思っていた脅威が、とうとう自分達の家族を襲い始めたことに戦慄した。 そして何より、自分の口の中にも何か違和感があることに気付いてしまったのだ。 いや、以前から気付いていたはずだ。しかし無意識のうちに気付かないフリをしていたのだ。 いたいいたいと泣く子供達を見ているうちに、その違和感が痛みに変わっていくのを感じた。 「ゆゆゆゆ!れいむもなんだかいたくなってきたよ!!」 「ぞんなぁぁぁ!れいむまでびょうきになったら、まりざどうすればい゛いのぉぉぉぉ!!」 「おかあしゃん!いたいよ!こわいよ!!」 「ばりざじにだぐないよぉぉぉぉぉ!!」 「なにごれぇぇぇぇ!!れいむなんにもわるいごどじでないのにぃいぃぃぃぃ!!!」 「ゆ゛っぐりざぜでよぉぉぉおおぉぉ!!」 巣の中はパニック状態だ。痛み自体はまだそれほどでもないのだが、家族が群れから追い出され、 ゆっくり出来なくなるというビジョンの恐怖が、混乱に激しく拍車をかけていた。 そしてやがて待っているのは、苦しみのた打ち回った末、餡子を撒き散らして死ぬ運命である。 あまりの恐怖に錯乱した一匹の子まりさが、叫びながら巣から飛び出していってしまった。 「ゆゆっ!ゆっぐりまってね!!いまそとにでちゃだめだよ!!」 「ばりざぁぁぁぁあのあかちゃんをづがまえでえぇぇぇ!!でいぶだぢゆっぐりじだいよぉぉぉぉ!!」 「ゆっ・・・わかったよ!!みんなはここで静かにまっててね!!ゆっくりなおってね!!」 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 錯乱状態のれいむに頼まれ、親まりさが飛び出した子まりさを連れ出すことになった。 親まりさが巣穴の外に出てみると、辺りに他のゆっくりの姿は見当たらない。どこも同じような状況なのだろうか。 しかしそれなら好都合だ。他のゆっくりに見つかる前に連れ戻してしまえば、追放は免れるかもしれない。 足跡を辿って子まりさを追っていくと、林道に差し掛かった辺りで一人の若い男に捕まっていた。 (ゆゆっ!?あれはにんげんだよ!ゆっくりにげるよ!!) もう親まりさの頭の中は、子まりさを見捨てて恐ろしい人間から逃げることで一杯だった。 しかし腐っても我が子のことなので、もう少し遠巻きから様子を見てみる。 人間は、掴み上げた子まりさに何やら話しかけているようだ。 「おいおい、全然ゆっくり出来てねえゆっくりだな。血相変えてどうした」 「ゆががががが!!ゆっくりはなじでね!!ぐぢのなががいだくてゆっくりでぎないんだよ!!」 「口の中? 口内炎かなんか出来たのか? どれ、ちょっと見せてみろよ」 と言うや、男は子まりさの口を顎を外すような乱暴さで、上下にがばっと開いた。 子れいむは「ゆ゛ぎっ」とうめきを上げ、親まりさも一瞬恐怖した。 「あ~あ、こりゃひでえ。見事な虫歯だな」 「ふ、ふじば?ひゃにひょれ!?ぶっふりえぎる?」 「何言ってんのかわかんね。口の中っつーか歯が痛いんだろ? 虫歯は歯の病気だよ。 しかしゆっくりも虫歯になんてなるんだなあ。歯磨きどうしてるんだ? お母さんが磨いてくれなかったの?」 「ゆぶっ!だじがにはがいだいよ!!ふしばってなあに?はみあきなんてきいだごどあいよ!!」 「お母さんも歯磨きしてないのか? とするとゆっくりにはそもそも虫歯という概念がなかったのかな。 確かに俺も結構色んなゆっくりを見てきたけど、虫歯の心配してる奴なんかいなかったな。 ま、お前らのことだからどうせ人間の食べてる物でも横取りして食ったんだろ。 人間の口には虫歯のばい菌がいるからね。それで移ったんだ。自業自得だね!」 「ゆ゛ゆ゛!!ばりざにんえんのものなんへとっへないお!!もうゆっふりはなしへね!!」」 「まあまあ、せっかくだから俺が虫歯抜いといてやるよ。そらっ」 そういって男は、子まりさの口から歯を一本ブチッという音を立てて抜き去った。 それも一本だけではなく、太い歯を何本も何本も。 抜かれるたびに子まりさは「い゛があああああああああああ」と悲鳴を上げていたが、男はケタケタ笑うだけだ。 歯茎に空いた穴から餡子が噴き出し、男の手を汚す。 結局5、6本の歯を抜いてから、男は子まりさをべしゃっと投げ捨てた。 「い゛がい・・・・いだいよぉ・・・」 「は~あ、元から苦しんでるゆっくりを虐待しても面白くないね。 まあ良い悲鳴聞けたし、もう帰っていいよ」 「ゆぎぎぎいぃぃ!!しね!!ゆっくりできないにんげんはゆっくりじね!!」 「ゆっくりはてめえらだけでしてろ、カス」 悪態をつく子まりさを男は爪先で蹴飛ばし、道を去っていく。 吹っ飛んできた子まりさは親まりさに激突し、二匹は「ぶげっ」とうめいて餡子を吐いた。 「お、おがあざんんんんん!!どうじでだずげてぐれながっだのぉぉぉぉぉ!!」 「じがだないでじょおおおぉぉぉぉ!!にんげんにづがまっだらしんじゃうんだよおおぉぉぉぉ!!」 「がわいいごどもをだずげるのはとうぜんでじょぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!」 としばらく言い争ってから、親まりさは本来の目的を思い出し、 他のゆっくりが現れる前に、子まりさを巣へと連れ帰った。 巣ではれいむと子供達が痛みと恐怖に震え続けていた。帰って来た二匹を目に留めたれいむは慌てて駆け寄る。 「ゆゆっ!ほかのみんなにはみつからなかった!?」 「だいじょうぶだよ!でもまりさのこどもはにんげんにつかまっていじめられたよ。はをいっぱいぬかれたよ」 「にんげんに!?ころされなくてよかったね!!」 「ゆぐ・・・ゆ゛ぐぅ・・・」 れいむが帰って来た子まりさを見ると、口元を餡子まみれにして涙ぐんでいる。 しかし家を飛び出す前と違って落ち着いているようだ。痛みはどうしたのだろうか。 「ゆっ?まりさ、もうおくちはいたくないの?」 「いだいよ・・・でもにんげんにはをぬかれたらすこじおさまっだよ。 まりさはおくちじゃなくてはがいたかったんだよ」 「は?」 そう言われると、口の中でも特に歯が痛むような気がしてくる。 ゆっくり達が歯の痛みに気付けなかったのは、ゆっくり特有の鈍感さ、大雑把さに加え、 虫歯というものを知らなかったので、歯が痛むという感覚に馴染みが無かったからだ。 しかし言われてみれば段々そんな気がしてきたのだ。 「ゆゆっ!たしかにはがいたいきがしてきたよ!!」 「れいむ・・・れいむはにんげんにかわれてたっていってたよね?」 「ゆ?そうだけど、それがどうかしたの?」 親まりさのれいむを見つめる不穏な目つきに、れいむはたじろいだ。 「さっきのにんげんは、まりさのくちがいたいのは“むしば”だっていってたよ。 ゆっくりはむしばにならないのに、にんげんからうつったんだっていってたよ」 「ゆ・・・?なにいってるの?むしばってなあに?」 「とぼけないでね!!」 いきなり親まりさはれいむに体当たりした。 まさかそんなことをされるとは思っていなかったれいむは簡単に吹っ飛ばされ、 後ろにいた子ゆっくりもれいむにぶつかって転がっていった。 「きっとれいむがにんげんのくちについたものをたべたからいけないんだよ!! れいむがかみくだいたあんこをたべたあかちゃんたちにもむしばがうつっちゃったんだよ!! れいむがむしばをむれのみんなにうつしたんだよ!!」 「ゆゆ!?」 そういえば、お兄さんはゆっくりの親がするように、一度噛み砕いて柔らかくしたものをれいむに食べさせてくれた。 そして自分も同じように、自分の家族だけでなく群れの赤ちゃんたちに、噛み砕いた餡子を食べさせていた。 更にこれはれいむも覚えていないことだが、最初に痛みを訴え出したまりさはれいむの落とした飴玉を拾って舐めていた。 これにより、そのまりさの家族および仲が良い家族の赤ちゃんなどは細菌に感染していくことになる。 本来ゆっくりはミュータンス菌などの虫歯の原因になる細菌を保持していないので、 どのような生活を送っても虫歯に苦しむことはない。しかし、一度何かの原因で他の動物から細菌に感染してしまえば、 食べている側から食べ物を餡子に変換するゆっくりである、虫歯が進行していくのはあっという間なのであった。 「れいむのせいでむれのみんなはゆっくりできなくなっちゃったんだよ!! にんげんにかわれたきたないゆっくりはゆっくりしね!!」 「ゆゆっ!!?どうじでぞんなごどい゛うのぉぉおお゛ぉぉぉぉ!!」 「ゆ゛ぅぅぅ!!まりざだぢのはがいだいのもおがあざんのせいだよ!!」 「きちゃないおかあさんからうまれたかられいむたちもゆっくりできないんだよ!!」 「ゆっくりできないおがあざんはゆっぐりぢねぇぇ!!」 親まりさは親れいむに激しい体当たりを始め、子供達もそれに便乗した。 家族によって巣から追い立てられ、やがて森の広場まで追い込まれたれいむ。 いつの間にか一匹の子供がぱちゅりーを呼び出しにいっており、その報を聞いた他のゆっくりも集まっていた。 れいむはまりさや子供達に叩かれ続けながら、ぱちゅりーに涙目で訴えた。 「だずげてばぢゅりぃぃいいぃぃ!!でいむのかぞくがいじめるのぉぉぉ!!」 「むきゅ!れいむ、こんなことになってほんとうにざんねんだわ!」 「!?なにいってるのぱちゅりー!?はやくみんなをとめてね!!」 「うるさいよ!びょうきをもちこんだれいむはゆっくりしんでいってね!」 「おまえのせいでみんなゆっくりできなくなったよ!!」 「おお、きたないきたない」 「ゆっくいしんえね!」 大小さまざまなゆっくりがれいむを取り囲み、罵詈雑言を浴びせていた。 みんなの怒りの渦の中で、れいむの思考は真っ白になっていった。どうしてこんなことに? れいむは今まで群れの為によく働き、みんなとも仲良く出来ていたはずなのに…… 「れいむ!あなたのせいでむれはめちゃくちゃよ! にんげんのかいゆっくりなんてなかまにしたのがまちがいだったわ!!」 「なんでばぢゅりーまでぞんなごどい゛うのぉぉぉぉおおぉぉぉ!? でいぶなんにもわるいごどじでないよぉぉぉぉおお゛ぉぉぉぉ!!」」 「むぎゅうう!みぐるしいわ!!おまえをむれにおいていくわけにはいかないのよ!! ゆっくりしないででていきなさい!!ころされないだけありがたくおもってね!!」 「ぞんなああ゛ぁぁぁぁあ゛ぁぁぁぁぁ!?」 普段は温厚なぱちゅりーからは考えられないほどの暴言であった。 それもそのはず、実はぱちゅりーの歯も数日前から痛み出していたのだ。 虫歯の痛みとそこから来る怒りが、ぱちゅりーから冷静な思考力を奪っていた。 ぱちゅりーの合図で何匹ものゆっくりが飛び出し、れいむにボコボコと体当たりを仕掛けた。 れいむはそのまま巣の縄張りから押し出され、「にどとはいってこないでね!!」と唾を吐かれ、 ボロクズのように捨てていかれた。辺りには小雨が降り出していた。 「ゆぐうぅぅぅぅ・・・どぼじでごんなごどにぃぃぃぃ・・・」 れいむはまたしても家族を失ったのだ。それもみんなに憎まれるという最悪の形で。 残ったのは全身の傷と、口の奥底から無限に湧き上がってくる虫歯の痛みだけ。 とにかく、雨を凌ぐためにゆっくり出来る場所を探さなくてはならない。 れいむはべちょべちょになりながら、森の中を這うように跳ねて行った。 やがてれいむは、木の下に住居を構える一匹のまりさの姿を見つけた。 「ゆ!あめがやむまですこしやすませてね!」 「いいよ!ゆっくりしていってね!!」 まりさは快くれいむを受け入れてくれ、れいむにはそれが心に沁みて嬉しかった。 木の下の巣はとても暖かく、雨の冷たさに感覚を失ったれいむの肌をじわりと癒していった。 まりさはまだ少し小さいようだったが、他の家族の姿は見当たらなかった。 狩りにでも出ているのかと思ったが、この天気なら帰って来ても良さそうだし、巣の中も家族がいるにしては質素だった。 「いまからごはんにするところだよ!いっしょにたべようね!」 「ゆ~?まりさのかぞくはいないの?」 「ゆ・・・おかあさんもおねえちゃんもみんなおくちのびょうきでしんじゃったよ!」 「ゆ゛!?」 「まりさはげんきだけど、かぞくのびょうきのせいでむれからおいだされたんだよ。 だからほかのゆっくりとゆっくりするのはひさしぶりでうれしいよ!ゆっくりしていってね!」 一人で集めたであろう、とても多いとは思えない備蓄かられいむの分もご飯を並べ、 無垢な笑顔を向けてくる子まりさ。れいむは愕然としていた。このまりさは自分達が群れから追い出したまりさの子供であった。 そしてこんなに優しいまりさから家族を奪い、ゆっくり出来なくしたのは自分なのだ。 その自覚は、みんなにお前のせいだと喚き立てられるよりも、ゆっくり確実にれいむの心を苛んでいった。 「ゆっくりたべてね!」 「ゆっ・・・むーしゃ、むーじゃ、じあわぜぇぇ~~!!」 「ゆゆっ!そんなにおなかすいてたの?」 れいむの滂沱の涙に、驚きつつも楽しそうに笑う子まりさ。 れいむの歯は相変わらず痛んだが、そんなものは心の痛みに比べれば大した痛みではなかった。 食後も二匹は互いに頬ずりしたり、巣の中で飛び跳ねたり、お歌を唄ったりして過ごした。 子まりさとれいむにとって、久々に思う存分ゆっくりできる時間であった。 結局雨は夜まで降り続き、子まりさはれいむに泊まっていくよう促した。れいむもその言葉に甘えた。 二人は寄り添うようにして寝床に就いた。だが子まりさのゆぅゆぅという寝息が聞こえても、れいむは寝つけなかった。 「ゆ・・・なんでこんなことになったのかな・・・」 ゆっくりの口癖であるこれは、必ず物事の責任の所在をどこかに見つけ出すことで、 自分がゆっくりすることを正当化したがるという習性に由来するものである。 れいむはゆっくりの中では聡明な方であったが、所詮ゆっくり。餡子脳の限界には勝てなかった。 今までは自分が悪いのだという気がしていたが、断続的に自分を苛む虫歯の痛みが、 自らも理不尽な暴力の犠牲者であるというような被害意識を刺激し続けていた。 その感情はやがて、自分のかつての恩人であるお兄さんへの恨みへと転化していった。 そうだ。あのお兄さんが自分にばいきんを移したから、自分は今激痛に苦しまされている。 しかも仲が良かった群れをめちゃくちゃにし、この子まりさや自分から家族を奪い、不幸のどん底に追い込んだ。 全部あのお兄さん……いや、ばかなにんげんのせいではないか。 そのせいで自分は、多くのゆっくりの恨みを買い、要らぬ良心の呵責と歯の痛みに苦しまされているのだ。 自分には何の責任も無い。いやしくもゆっくりの親の真似などした、あの人間が全て悪いのだ。 朝になって目覚めた子まりさの隣に、れいむの姿は無かった。 小雨の夜のことである。 あるゆっくり愛好家の男の家の戸を、何者かが激しくどんどんと叩いた。 「誰だろう? こんな夜中に……」 夢の入り口から引き戻された男は、開ききらない眼を擦りながら玄関へと向かった。 新たに飼い出したゆっくりれいむも目が覚めてしまったらしく、不安そうに玄関を眺めている。 「ゆぅ・・・おにいさん、なんだろう?」 「ちょっと様子を見てくるから。れいむはそこでゆっくりしててね」 男の家は村の外れにある。通りがかりの旅人が訪ねて来たり、急病人に軒を貸すことも少なくない。 今回もその類だろうかと思いつつ、男は玄関の扉を開いた。 「ゆ゛がぁぁぁぁああ゛あ゛ぁぁぁぁぁ!!」 「うわっ!? ゆ、ゆっくり?」 飛び込んで来たのは、憤怒に顔を歪ませたれいむであった。 大きく剥かれた歯は虫歯によってガタガタに変形し、顔全体の禍々しさを一層増している。 そんなゆっくりの恐ろしい形相に男は気圧され、思わず腰を抜かしてしまう。 すかさず飛び掛り、激しく連続で踏みつける虫歯れいむ。 「おまえがっ!!おばえのぜいででいぶはぁぁぁぁっ!!」 「ちょ、ちょっと痛い痛い!」 「じね!じね!!ばがなにんげんはゆっぐりじないでじねぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!」 「ゆっ!おにいさんにらんぼうしないでね!!」 その様子を見ていた飼いれいむは、闖入者に体当たりをぶちかまし、家の外まで吹っ飛ばした。 水を吸ってぬかるんだ地面に叩きつけられた虫歯れいむは、泥まみれになりながらも起き上がり、男を睨み付けた。 その形相の異常さと、ゆっくりなんてどれも変わらんという理由から、男はそれがかつて飼っていたれいむだとは微塵も気付かなかった。 「ふぅ、びっくりしたなあ……有難う、れいむ」 「ゆっ!こんなにやさしいおにいさんをいじめるゆっくりなんてゆるせないよ!ぷんぷん!」 「ゆ゛ぎぃぃぃぃぃ・・・」 虫歯れいむは更に腹が立った。新しい飼いれいむは丸々と育っており、普段のゆっくりぶりが見て取れた。 自分が与えられていた幸せを取られたというような錯覚、何も知らずにゆっくりしている飼いれいむへの理不尽な恨み、 そして自分のことを完全に忘れ、新たな被害ゆっくりを生み出そうとしている男への怒り。 様々な感情が入り混じって、虫歯れいむの肉体は無意識のうちに全身全霊のタックルを繰り出していた。 これまで狩りでどんな大きな獲物を仕留めた時も、捕食種と戦いになった時も、このような攻撃は出来なかった。 そのような生涯最大の攻撃だった。これに当たって無事でいられる者はいない。そう確信できた。 男は玄関に立て掛けてあったつっかえ棒で、飛んでくる虫歯れいむを叩き落した。 「ゆ゛びぇっ!!」 「何があったのか知らないけど、人間に危害を加えるゆっくりを放っておくわけにはいかないな。 村の人達がゆっくりを危険視して、罪のないゆっくりまでも駆除されてしまう」 「ゆっ!ゆっくりのてきだね!ゆっくりしないでしね!」 軒先に飛び出し、虫歯れいむを容赦なく踏みつける飼いれいむ。 しばらく餡子を吐きながらうめき声を上げていた虫歯れいむだが、何度目かの踏み付けで、完全に潰れて絶命した。 「お疲れ様、れいむ。餡子の匂いがするとゆっくりが怖がるから、ちゃんと片付けておこうね。 もう遅いから、お前は先に寝床に戻って早く寝なさい」 「ゆぅ~~、おにいさん、れいむなんだかねむくなくなっちゃったよ。ねるまえにおはなしきかせてね!」 「ははは、しょうがないなあ。じゃあ今日はどんなお話をしようか」 飼いれいむと談笑しながら、死体を手際よく片付けていく男。 やがて玄関の戸が閉まると、後には何も残らなかった。 終わり このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2914.html
ゆっくりと勇気あるゆっくり 森の奥には、ゆっくりと言えど近づくことはない。 人間が入ってこれなくとも、更なる脅威が待ち受けていることを、ゆっくり達 は理解しているのだ――。 ・ ・ ・ 「みんな、ゆっくり理解したかな!」 「「「ゆー!」」」 ここは、森の中にあるゆっくり教室。 大人のゆっくりが、周辺の子ゆっくりを集めて、生きる術を教えるプレイスだ。 その間親ゆっくりは狩りにいそしむことが出来るため、この一帯に生きるゆっく り達は、他よりも比較的にゆっくり出来ていたのだ。ゆっくり教室を立ち上げた のは、一人のゆっくりれいむであった。回復の早いゆっくりであるに関わらず、 頬や頭に穿たれた古傷は癒えることはなく、子ゆっくり達に威圧感と、それに勝 る信頼感を与えていた。 数年前に行われた、ゆっくりプレイス調査。森の中で、さらにゆっくり出来る プレイスを探し出す、主に子ゆっくり達が大人に隠れて行った大探検だ。探索は 複数回に渡り行われ、その都度新しいゆっくりプレイスを見つけることが出来た。 その歩みを森の奥へと進めるまでは。 彼女はその「生き残り」であった。子供たちが尋ねても、森で何があったのか を詳しくは語らない。だが、森の奥にだけは行かないように、周りのゆっくり達 に話して聞かせるのであった。 「いいかい、草と草がこう絡まっていたら――」 「少し地面の色が違う場所、一部だけ草に覆われたがあったら――」 「敵を攻撃するには必ず集団で、連携をして攻撃――」 「複数の敵に襲われた時に姉妹が怪我をしたら、すぐ逃げるんだよ、それはおび き寄せるために殺していないのだから――」 などと、講義の内容は自然を生き抜くだけでなく、罠の見分け方、殺戮下にお ける生存方法などが主眼となされていた。そのため、大人達は彼女のことを、 「きっと狡賢い人間に酷い目に遭わされたのだろう」と考えていた。また、この 教育を受けた子供たちは、人間の罠に掛かることも、逃げ帰ることも多かったため、 教室が潰されることはなかった。 「あう゛っ! い、いだいよー!」 殺傷能力の少ない罠に掛かった子れいむが、涙ながらに彼女の元へ寄ってくる。 「どれどれ……ああ、これならすぐゆっくり治るよ」 「ほんとう?」 「ゆっくりしていなさいね」 子れいむの傷口に口をあて、モゴモゴと舐める仕草をする教師れいむ。彼女に は不思議な力があり、簡単な怪我であれば治すことが出来た。特殊能力と言うわ けではない。口内の傷口から餡子を出せるようになってしまっただけだ。重傷の ゆっくりを直すには自分の餡子に限りがあるが、軽傷であれば負担にもならない。 多少重い傷のゆっくりに、自分の頬を食べさせたこともあった。 「う゛ー、う゛ー、……う? 痛くない! ゆっくり治ったー!」 「「「せんせいすごおおおおおい!」」」 彼女は騒ぎ立てる子ゆっくり達をまとめながら、新たな罠について説明をする のであった。 「ゆっくり帰ってきたよ!」 一日も終わり、住処へと帰る教師れいむ。 「ゆっくりお疲れさま!」 「「ゆっくりしていってね!」」 つがいのゆっくりまりさが優しく出迎える。教師れいむはこのつがいのことを、 誰よりも深く愛していた。共に野原を駆け回った幼馴染。そして自分のせいで怖 い思いをさせた「生き残り」の一人。彼女はゆっくりまりさの愛らしい顔に刻ま れた、幾筋かの古傷を見るたびに、あの出来事を、考えの至らなかった自分の態 度を、深く憎むのであった。 「学校はゆっくり出来るの、れいむ?」 そんな自分の思いを見透かしたかのように、まっすぐ自分を見つめて話を振る つがいに、照れたように視線をそらすゆっくりれいむ。 「もうすぐみんな、卒業だね。これで皆ゆっくりできるよ!」 自分が教えることはもうあまり残っていない。後は自分達で考え、生き残る努 力をするだけだった。それに秋も深まっており、そろそろ餌集めの手伝いをしな ければいけない時期に差し掛かっていた。そこまで考えた彼女は、自分を見つめ る熱を帯びた視線に気が付いた。 「ま、まりさ……っ」 「れいむっ! わ、私の子をゆっくり生んでねっ! みんなを守れるくらい、勇 気に満ちた、可愛らしいまりさ達の赤ちゃん産んでねっ!!」 当たり前だよ、と、れいむは微笑んだ。だって、自分とまりさの子供なのだから。 優しく口付けをするつがいに、そう心で呟いた。 ・ ・ ・ 襲撃があった。 これから生まれる赤ゆっくりに思いを馳せて、次第に育つ枝ぶりを愛おしく眺 めていた、そんな時に限ってだ。 襲撃者は群れはぐれゆっくりだそうだ。飾りを失い、生き延びて、なお生き残る ために群れ、ゆっくりを襲うはぐれゆっくりだ。襲ったゆっくりから飾りを得る のではなく、命を奪い去るのであるから性質が悪い。飾りを奪い取ったとたん、 他のはぐれから裏切りの烙印を押されるのであるから、彼女らにすればそれは当 然なのだろうが。 きゅ、と唇をかみ締める。「生き残り」であるからには、例えゆっくりだとし ても忘れることの出来ない思い出があるのだ。教師れいむは、つがいのまりさと 共に住処を飛び出した。 ・ ・ ・ 「生き残り」の教育とその場の指示が的確であったためか、騒ぎは次第に沈静 化していった。死傷者は少なからずいたが、被害はそれほど多くは無かったのだ。 生存者を探し、残党を狩りつつ、ゆっくり教室を開いている広場にたどり着い た彼女達が見たものは、複数のはぐれゆっくりと、襲われ嬲られている教師れい むの教え子達であった。 「いっくぞー、ほーれ♪」 「ぎゃはははは! ゆっくりしね~♪」 「ゆ゛っぐぢいいいい」 「きゃっちぼーるはゆっくりできるなあ~♪」 ただ投げあうのではなく、皮を毟るように子ゆっくりをほおり投げるキャッチ ボールなど、存在していいはずがない。 「ほーら、まりさの体はゆっくりしてて美味しいだろ~?」 「あがががが! あがっががが!」 小さい口に無理やり大人の体をねじ込んで、顎を引き裂く真似など許せるはず がない! 「ほーれ、ぷっすぷっす♪」 「いだあああ! ゆっぐぢおうじがえどううううう!」 体を貫く細い枝は迫害された時に埋め込まれたのだろうか、悪意を憎悪として 他者に向けるなど、してはならないのだ!! 教師れいむはその鬼畜どもに体当たりを食らわせた。 「ゆっくりとしんでね!! ゆっくりとしんでいってね!!」 憎い憎い飾り付きをいたぶっていたお楽しみを邪魔されたはぐれゆっくり達は、 いきりたちその牙を彼女へと向けた。注意をこちらに引き付けたところで、死角 に回り込んだつがいまりさが攻撃を仕掛ける。一撃必殺とまでは行かないが、目 の部分に体当たりをすることで大幅に戦闘力を削ぐことは出来る。 一撃ごとに姿をくらまし、教師れいむが挑発し、また一撃を加えるという作戦 は、極めて効果的であった。問題は、駆逐に時間を要したことだ。 「ぜんでぇ……たずげ……」 「ひぃ……ゆっぐりじだ……」 「おがあじゃ……」 最後の一匹を屠るまで、生命力の乏しい子ゆっくりたちは着実に命を散らし始 めていたのだ。教師れいむが子ゆっくり達を助けるために番いの傍を離れた、そ の刹那。息を潜め、死んだふりをしていたはぐれゆっくりが、猛然とつがいまり さに襲い掛かった。 不意を付かれたつがいまりさに為す術はなく、教師れいむが助けに入るその数 瞬きの間に皮膚を割かれ、餡子をすすられてしまった。 ――致命傷。だが、自分の餡子を全て吹き込めば、つがいまりさは息を吹き返 すだろう。だがそれを押し止めたのは、他ならぬつがいまりさであった。 「どーじで! までぃさ死んじゃうよ!?」 「まりざより……あのご達を……お願いじばず」 「でも、でも……!」 「まりざをだすけだら、あのご達は……」 つがいのまりさは助けられるだろう。だが、つがいまりさを助けてしまったら、 今助けを求めている子ゆっくり達は、一体誰がその命を助けると言うのであろう か。教師れいむには、番いの言いたいことは痛いほどよくわかった。 「でもっ!」 「まりざばっ!!」 引きつったように笑みを浮かべて、送り出すように告げるつがいまりさ。 「か弱いゆっぐりを助ける、そんな優しいでいぶが、だいずきでず……っ!!」 「……!! ――ごめん! ごめんでばでぃざ! だずげらでなぐで、ごべんで えええ!」 一生をかけて愛した番いの最後に背を向けて、己の勤めを果たそうとする彼女 に向けられた一言は、彼女の勇気を奮い立たせるに足りるものであった。 ――ありがとう、ゆっくりと愛してくれて―― 「産むからで! でいぶだじのがばいいあがじゃんを、とてもいざまじいあがじ ゃんを! か弱いゆっぐでぃをだずげる、ゆっぐりなあがじゃんを産むがだで! だから、――ゆっぐりじでいっでで!!!!」 返事は聞こえなかったが、彼女の胸の中では、最愛のまりさがゆっくりと微笑み を浮かべていた。 ・ ・ ・ 生き残ったゆっくり達を迎えたのは、惨状であった。教室のあった場所に累々と 積もるはぐれゆっくり達の屍骸。痛ましく寄り添う教師れいむとその番いの屍骸。 そして教師れいむから猛々しく伸びる新たな命と、怪我も癒えた子ゆっくり達の姿 であった。 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 敵が居ないこと、自分達の子ゆっくりが無事なことを喜び、集落の勇者達が命を 落としたことに絶望し、その勇者達が新しい希望を紡いでいたことを、複雑な心境 ではあるが、喜んだ。 頬の傷を癒してもらおうと教師ゆっくりを探していたゆっくり達は、彼女がも う居ないことを嘆いた。 「先生の顔を食べると、傷が治って、とてもゆっくり出来たんだよ!」 「ゆっ、本当だよ! 他にも直してもらったれいむもたくさんいるよ! 昨日も!」 「先生は食べた時もぜんぜんゆっくりだったよ! だから直してもらいたかったの に……」 なるほどと大人のゆっくり達は思いを馳せる。確かに、幾度か怪我を直してもら った覚えもあった。ある者が呟く。 この赤ちゃん、先生の子供だよね! じゃあきっと、……。 ・ ・ ・ 煌き始める地平線に、輝く未来に向かって伸ばされた枝は、ゆっくりを守り抜き、 ゆっくりと生きるはずの、勇ましく生きるはずのその命は、ただの一度も朝日を拝 むことはなかった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2338.html
ゆっくりが幻想郷に出始めた頃のお話 幻想郷のとある森の中。その奥深くにはささやかな畑と一つの小屋が。 真昼だが辺りは鳥の鳴き声がするくらいで、人の気配はない。 だが、ちょうど収穫間近のキャベツの影にはなにやらうごめくものが。 「それ」はガサガサとキャベツを揺らし、バリバリと音を立てながら貪っているようだった。 時折、声のようなものも聞こえてくる。 と、そこにカゴを背負った畑の主と思われる青年が森から姿を現した。 人付き合いは皆無で、たまに収穫した作物を街の市場へ売りに行くといった生活を送るこの青年。 今日もはした金と酒や食料などを調達し、住処へと戻ったのだった。 また、畑は小屋の入り口の裏に位置していたため、帰宅した青年が異変に気づくことはなかった。 疲れを癒すように椅子に腰掛け、さっそく買った酒を注ぎチビチビと飲み始める。 至福の時、ふと暇つぶしにと、ついでにもらってきた瓦版を手に取る。 ちなみに今号の一面は「幻想郷で謎の妖怪?が繁殖??」というものだった。 「へえ・・」 読み進めると、その妖怪は大きさが大小様々な饅頭のような生物らしい。 また、ある程度の人語を解し、自らも簡単な受け答えや意思疎通が可能であるという。 記事中では絵も交えて2種類が紹介されていた。 黒髪と紅白の頭飾りが特徴の「ゆっくりれいむ」と 黒いとんがり帽子に金髪が特徴的な「ゆっくりまりさ」 どちらも可愛いような可愛くないようなつかみ所のない人間の生首のような妖怪だ。 実際に絵で見るとますますもって気味が悪い。 どちらも「ゆっくり」が口癖であること、幻想郷の有名人の顔が象られていることなどから 人々の間でその名が付いたという。 「それ」は普段山奥や森などの人里から離れた場所に住み、昨今急速にその数を増やしているらしい。 人間の田畑も食害にあっているという。となっては青年にとって他人事ではいられない。 「まさかな・・・」 ふと不安になった青年。酒を置き、畑の様子を見に小屋を出る。 畑に到着し辺りを見回ると、悪い予感は的中してしまっていた。 「あっ!」 青年は思わず声を上げる。 栽培されていた野菜の内、キャベツの一部は、無残にも食い荒らされていた。 その奥には音を立てながらキャベツに集っている、人間の頭より少し大きい2つの丸い物体。 「・・・ゆっ ゆっ♪」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 「・・・こいつらは・・・」 間違いない、記事で見たゆっくりとかいう妖怪だ。 そしてそれぞれ姿の違うその「ゆっくり」はまさに「ゆっくりれいむ」と「ゆっくりまりさ」に他ならない。 「おい!そこの!!」 大声で怒鳴ると、2匹のゆっくりはびくっと体を震わせる。 「ゆゆっ!?」 「ゆっ??」 同時に振り返るゆっくり。何が起こったかわからないといった顔でこちらをぽかーんと見つめる。 だがすぐ我に返ったようで、大きく口を開いた。 「ゆっくりしていってね!!!」 なるほど、だから「ゆっくり」なのか、と無理やり納得する。 記事の絵の通り、どこか人をバカにした間抜け面に力が抜ける。 「ゆっ おじさん、だーれ?」 「ゆっくりしてるの?」 畜生に人の事情はわかるまい。 青年が立ち尽くしていると、ゆっくり2匹が足下まで寄ってくる。 なんだこいつら警戒心もまるで無しか、とすっかり怒る気もなくした青年。 「ここはねー、おじさんの畑なんだよ。畑。」 力なくゆっくりに話しかける。 「はたけ?なにそれ?おいしいの?」 「ここゆっくりできるところだね!」 微妙に人の神経を逆撫でするゆっくり達。そして更に喋り続ける。 「おなかいっぱい!!」 「ゆっくりー!ゆっくりー!」 「あのねえ、おじさんはね、ここで野菜を作ってるんだよ。 勝手に人のものを食べちゃダメじゃないか」 怒りを抑え、人語を解すのだから説得もできるはずだ、とゆっくりを論す。 「ゆ~? だめ?」 「ゆっくりたべたい~」 だめだこりゃ、と青年はため息をつく。 と、その時脇の草むらからガサガサともう1匹のゆっくりらしきものが姿を現した。 「む、むきゅぅ~ ぜぇ~ぜぇ~」 かわいらしい?帽子をかぶったそのゆっくりらしきものはは、ズルズルと体を引きずりながら 息も絶え絶えで青白くなっていた。 「ぱちゅりー!!」 「ゆっくりおそいよ!」 「む、むきゅぅぅ・・・ むきゅっ??」 会話から察するに、これも2匹の仲間で、ゆっくりの一種らしかった。 ぱちゅりーと呼ばれたそのゆっくりは青年に気づいたのか、一瞬戸惑いを見せた。 「ぱちぇもおじさんといっしょにゆっくりしよう!」 こちらの気も知らずに、と青年は歯をかみしめた。 「ゆっくりー!」「ゆっくりー!!」「むきゅ~」 こうして目の前のゆっくりが3匹になってしまった。 力尽くで追い出そうとも考えたが、初めて目にする得体の知れない相手だけに うかつに手を出すのは得策ではないと青年は考えていた。 「ゆぅっ!おじさんはゆっくりでていってね!」 突然ゆっくりまりさが体当たりを仕掛けてきた。 思わず青年は驚きのけぞったが、と同時にこの饅頭の非力さにも驚いた。 妖怪と聞いて若干は警戒していたが、その必要もなさそうだ。 足下で必死にボテンボテンと体当たりをするゆっくりを見下ろし、安堵する。 「ゆっ?まりさのおぼーし!ゆっくりかえしてね!!」 しつこいのでまりさの帽子をむんずと掴み取る青年。 不測の事態に体当たりを止め、届かない帽子にジャンプを繰り返すまりさ。 「なあ、お前たち。ここは人間が野菜を育ててる場所なんだよ。 それを勝手に食べちゃダメだ。わかったら出て行ってくれないか? 出て行ったら帽子を返してあげるぞ」 これ以上相手にするとキリがないので、何とかゆっくりに譲歩してもらう他はない。 「ずるいよおじさん!はえてきたおやさいひとりじめして!!」 「ゆっくりはやくまりさにおぼうしかえしてね!!」 「むきゅ!そーよ!ごほっごほっ」 「駄目だこいつら・・・」 何度話しても時間の無駄だと実感した青年。 話して駄目なら実力行使しか手はない。 ふと近くにあった棒きれを振りかざし、地面に叩きつける。 「「「ゆっ!!?」」」 「ほらっ!!いい加減にしないと痛い目見るぞ!!」 同時に持っていたまりさの帽子を森の茂みに勢いよく投げ捨てた。 「ゆっ!まりさのおぼーし!!」 「ま、まりさ ゆっくり待ってね!!」 帽子を追いかけ茂みに消えるまりさ、後を追いれいむとぱちゅりーも奥へと消えていった。 「ふう・・・」 ゆっくりは追い払った、しかしまた来るかもしれないという懸念は青年の中に当然あったが とりあえず被害にあった野菜の世話に戻る。 食い散らかされたキャベツと、青年は知る由もないがゆっくりの残していった排泄物を片付け 青年は小屋へと戻った。椅子に腰掛け飲みかけの酒を口にし、一息つく。 「そろーり、そろーり」 ぴくりと聞こえたその声。動きを止め耳を傾けると、間違いなくさっきのゆっくりの声。 裏の窓からそっと様子を見ると、性懲りもなく再びあの三匹が畑へと侵入していたのだった。 「あいつら・・!ったく・・・」 やはりというか再び現れたゆっくりにウンザリしながら畑へ向かった青年。 「おい!お前ら!」 「ゆっ? またきたよまりさ!」 「おじさんしつこいよ!」 「むきゅっ!ここはわたしたちのゆっくりぷれいすよ!」 「はぁ・・・(何を訳のわからないことを・・・ それにしつこいのはお前たちだろうに)」 しつこさに業を煮やした青年ではあったが、相手が人語を喋る得体の知れない生物ということで 対処を決めかねていた。 さっきのゆっくりの攻撃は青年にとってまったく取るに足らないものだった。 よって、おそらくこちらが手傷を負うことはないだろう、という読みはある。 とはいえ人間の頭の形で、人間の言葉を喋る生物をどう駆除すればいいか。 青年の中には当然の迷いがあった。 「ゆっ!まりさ、ちゃんすだよ!」 「おじさん、あしもとがおるすだよ!」 隙を突いたつもりなのか、ボヨンボヨンとまた青年の脚に体当たりを繰り返すまりさ。 同じことを繰り返す学習しないこの生物に、青年の迷いも少し晴れた。 「(そういえばこいつら饅頭なんだよな、ならちょっとくらい痛い目見せてやっても・・・)」 「ゆぼっ!!?」 効かない体当たりを繰り返すまりさに正面から蹴りを食らわせた。 まりさは茂みの側まで吹っ飛び、青年の脚には何とも言い難い、柔らかくやや重い感触が残る。 「(あっ やりすぎたか?)」 吹っ飛ばされたまりさは動かない。他二匹もいきなりの反撃に驚いたのか、呆然としている。 「・・・ゆっ? ・・・まっまりざあああああ!!!」 「むぎゅううう!!」 慌ててまりさの元へ向かう他二匹。まりさはよろよろとこちらへ向き直る。 「ゆ゛っ・・? どぼじで・・・なにがおきたの・・?」 「まりざあああじっがりじでえええ!!」 「ゆ゛っ・・・これくらい・・だいじょうぶ・・だよ・・・」 力の差を見せつけたはずだが、まだわからないのだろうか。 そもそも何をされたかもわからない様子だった。 頬の辺りの皮が破け、黒いものが覗いている。 裂けた皮の辺りを舌で仕切りに舐めるれいむを静止し、再び青年へと向かうまりさ。 先ほどは跳ねていたが、ダメージが大きいのかズリズリと地面を這うように。 「(まだ懲りてないのか・・・ あのはみ出てるのは・・・饅頭だから餡子なのか?)」 「ごごはまりざだぢのゆっぐりぶれいずなんだよ・・・ じゃまじないでね・・・」 自分勝手なことを呟きながらこちらに這いずるまりさの姿に、 青年の中で言いしれぬ嫌悪感と怒りがこみ上げてきた。 相手は動物でも妖怪でもない。饅頭だ、食べ物だ。 そう言い聞かせ、さっきの棒きれを手に取り、思い切りまりさに振り下ろす。 「このっ!!このっ!!」 「ゆ゙っ!!ゆ゙っ!!ゆ゙ばっ!!ぶっ!!や゙っ!!べでっ!!ばっ!!」 「や゙っや゙べでえ゙え゙え゙え゙え゙!!!ばり゙ざがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」 「むぎゅうううううううううううううう!!!」 何度も何度も叩きつけられ、まりさはやがて声も発しなくなった。 帽子がひしゃげ、口や傷口から餡子を漏らしたズタボロの饅頭がそこにあった。 「ば・・・ば、りざ・・・あ゙あ゙あ゙・・・」 「・・・」 ぱちゅりーはすでに気を失っているようであった。 れいむも目から涙を流し、嗚咽を漏らしている。 「人の畑で好き勝手したからだ、悪く思うな」 青年は失神しているぱちゅりーを掴み、底部に両手の指を食い込ませ 思い切り両側へと引っ張った。 「む゙ぎっ!!!!」 短い叫びと共に、真っ二つに裂けた皮から中身がボタボタと流れ出る。 数秒で手には皮だけが残り、地面にはクリーム状の中身と目玉が残された。 一匹残ったれいむは全身から汗のようなものを流し、ただブルブルと震えている。 「ゆ゙・・ぁぁ・・・だ、だずげで・・・ おねがいじまずぅぅ・・・」 「・・・どうせまた来るんだろ?」 「ま、まっで・・・!!」 青年は情けを捨て、棒を思い切り頭に突き刺す。 「ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!」 目を見開き身体を震わせるその様に、不気味なものを感じた青年は れいむを突き刺したまま棒を思い切り振り、森へとぶん投げた。 「はー・・・何か胸糞悪いな・・・ また同じようなのが来なきゃいいが」 ゆっくり駆除の後片付けをしながら、青年は今後が心配でならなかった。 そして同じ頃、幻想郷の各所では増殖したゆっくりが様々な問題を引き起こすのであった。 おしまい 実は半年位前の書きかけです。今ごろ気付いて中途半端に完成させUPしました。 やっつけですいません。ネタも平凡ですいません。 書きかけのネタは他にもあるんですが、飽きっぽいので今後は未定です。。。 過去に書いたSS ゆっくりいじめ系28 ゆっくり加工所でのある実験 ゆっくりいじめ系724 ゆっくり整形 ゆっくり加工場系16 小規模加工所でのゆっくり処理 ゆっくり加工場系20 小規模加工所
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2666.html
注意俺設定 って書いてあるssが多いけど俺設定じゃない虐ssってあるんだろうか? 文章下手だよー、見にくいよ、誤字脱字は許してねー。 主観がころころ変わります。 ネタかぶり乙・・・すいません。 長編です。5,6分割してゆっくり仕上げたいと思っています。 それではどうぞ。 その群れは全滅の危機に瀕していた。 すでに木枯らしが吹き始め、木々の色は赤色から茶色へまるで老けるかのように変わっていった。 普段ならそろそろ越冬の準備を終え、巣を塞ぐ作業に取り掛からなくてはならない時期だ。 しかし、この群れでは未だに越冬できるまでの餌すら集まっていない状況である。 「ゆ、このままじゃ冬を越せないよ。」 そういうのはこの群れのリーダーを務めているまりさである。 この群れは現在100匹程度のゆっくりがいる。 ドスはいないが今までは近くに外敵が存在しなかったのでそれなりに長い期間ここに巣を構えていた。 しかし最近では幾分か状況が違ってきた。 まず、今まで群れの中心の役割を果たしていたゆっくり達が突然いなくなってしまったこと。 二つ目に急に人間がゆっくりを狩り始めたこと。 三つ目にすっきりが重なって人手(ゆっくり手?)がいる時機に動けるゆっくりが非常に少なくなったこと。 四つ目に急激に群れの人口が増えたことによる周辺の餌の乱獲である。 様々な状況が重なり今の状況になっていた。 このリーダーのまりさは前リーダーが失踪してこの群れの崩壊を感じ取っていた。 そして、この群れをまとめる為にリーダーを買って出た リーダーを急に失くした群れはすぐに好き勝手に自分の欲望を果たそうとし、 その結果蓄えを全て使い果たし、群れの数もすぐに倍までに膨れ上がった。 このまりさがリーダーを名乗り出なければ、この群れはすでに崩壊していただろう。 しかし、このまりさはリーダーになったはいいもののなぜ群れが越冬出来なくなるほどに追い詰められているかが理解できなかった。 今まで道理に餌を集めてなぜ餌が集まらないのだろう? 「なんでえさがあつまらないんだろ?」 と親友のぱちゅりーに疑問を投げかける。 このぱちゅりーは子供からの幼馴染的な存在であり、その博識さにまりさは一目置いており参謀役を頼んでいる。 「むきゅぅ、なぜかしら・・・まえよりみんなたくさんえさをとっているはずなのに・・・。」 「このげんいんはまえのおさのせいなんだぜ!まりさたちをこんなにくるしめるなんてさいていのりーだーだぜ!」 「そうだねー。ゆっくりできないおさだったね。わかるよー。」 今この場には群れの中心のゆっくりが5匹程集まり、今後の行動方針を話し合っていた。 といっても解決方法どころか問題点すら分からないようで、いつものことのように前のリーダーの 性で餌があつまらないという責任の押し付けに話題は変わっていた。 ちなみに前長を含む幹部達は非常に優秀なゆっくりであった。・・・あくまでゆっくりにしてはだが。 越冬も幾度か経験し、貯蓄の概念も持ち始め、冬場は人手が必要なので普段は狩に出ない母ゆっくり にも狩にでるように促したりもしていた。(この指示が結果として冬場の人口爆発を防いでいたのだが。) その貯蓄を全て無為に消費し、越冬のために餌を貯蓄しないでいるのは間違いなくこの若い幹部の責任である。 とはいえ、前長の失踪は唐突であり通常行われるはずの知恵の継承がされていなかった。 若い将来の長の候補ゆっくりは現職の長の元で雑用などをこなし、その業務について学んでいく。 それらなしにいきなり若い幹部候補は幹部になってしまったので、今まで長年培ってきた 知識が全て失われてしまった。 しかし、原因は分からぬがこのままでは冬を越せないことは現在の貯蓄量から確かであった。 「ゆっへっへっへ、おこまりのようだぜ。」 暗くなった場に場違いな、野蛮さをにじませた声が響く。 幹部達が声のする方向へ目をやると、そこに一人のまりさがいた。 「ゆゆ、まりさがなんのようなの?」 長のまりさ怪訝な表情をそのまりさに向けた。 このまりさは群れの中には必ず出てくる外れ者 所謂アウトローを気取って働きもしない怠け者(と幹部達は思っていている)である。 普段はこんなまじめな場どころか群れ全体の集会(幹部の決定などを発表する)にもでてこない。 しかし、群れの若いゆっくりには非常に人気が有り幹部達はこのまりさに良い感情を持っていなかった。 「えさがふゆをこせるほどあつまってないんだぜ。このままじゃまずいんだぜ。」 「ゆゆ!!・・・なんでそのことを。」 「そんなのすぐわかるんだぜ。そこでていあんがあるんだぜ。」 「ゆゆ・・・ていあんってなに?」 「ちょっとまえにまりさがたびにいったときのことをおぼえてるか?だぜ」 「ゆ、おぼえてるよ。あのときはもうぜんいんゆっくりできなくなってるかとおもったよ」 このまりさは東の方角に仲間(ここで言う仲間とはまりさの悪い友達に当たるのだが) と一緒に2週間ほどの旅に出かけていた。 2週間はゆっくりたちにとっては非常に長く、群れの皆はもうまりさは死んだと思っていた。 しかしまりさは昨日生きて帰ってきた。ただし一緒に出発した仲間は一緒ではなかった。 「そのたびでまりさはすごいゆっくりぷれいすをみつけたぜ!」 このまりさが言うにはこの群れから7日ほど歩いたところににおいしいやさいが たくさん生えている、恐らくこの群れ程度ならかなりの長い期間養える 最高のゆっくりプレイスがあるということだ。 「おやさいが・・・たくさん・・・。」 以前この長のまりさはおやさいを一口だけ食べたことがあった。 それはいつも食べている草などよりも甘くとてもおいしかったことを覚えている。 思わずそこにいる幹部達は全員そのときの味を思い出してよだれをたらしてしまった。 しかし、後にも先にも野菜を食べたのはそれきりであり、それがたくさんあるとはにわかには信じがたかった。 「わからないよーそれはほんとかなーわからないよー。」 「そうだね、しんじられないよ。それにそこまでいったならなんでおやさいをもってこなかったの?」 長のまりさの言うことは最もで、 その発言は言うならば海賊が一面の金銀財宝をこの目で見たと一般人に吹聴するようなものであった。 「ゆ、やまほどあったからなかまたちにおやさいをはこばせてまりさだけさきにかえってきたんだぜ。 たくさんのおやさいをはこんでるからまりさよりずっとゆっくりこっちにむかってきてるんだぜ。」 「ゆ!?ほんとに?」 それがほんとうならば食糧問題は一気に解決する。幹部達はまりさに詰め寄る。 「むきゅ??なんでひとりだけでもどってきたの?おやさいがたくさんあるばしょがわかったのなら ゆっくりもどってくればよかったじゃない?」 ぱちゅりーの疑問はもっともである。たしかに群れとしては食料事情はひっ迫しているが、 まりさ個人(?)に関して言えば目の前にわざわざお宝の山があるのにひとりだけお野菜も食べずに 戻ってくるのは普段の素行からして考えられないと幹部の皆は思っていた。 「ゆったぜ?このままじゃまずいってだぜ。」 「ゆん!?」 長まりさは気づいた、このまりさは群れのためにおいしいおやさいを食べずに群れまで急いで このことを伝えに来てくれたのだ。 ぱちゅりーや他の幹部達もこのことに気づいて尊敬の眼差しでまりさをみつめた。 「ゆぅ・・・まりさ。」 「だぜ。まぁこんなさびれたむれでもうまれこきょうなんだぜ。」 とまりさは照れたようにそっぽを向きながらつぶやいた。 「ゆぅ・・・。」 長まりさは胸に暖かいものが宿るのを感じた。 そして、そのまりさの献身を無駄にしないためにも早く行動しなくてはならない。 「ゆん!それじゃおやさいがたくさんあるゆっくりぷれいすまでえんせいをするよ!!」 そう、猛々しく長まりさは宣言した。 続く いやね、わざわざ遠征するのにゲスまりさが仲間に野菜を持ち運びさせたのは 野菜がたくさんあるという証拠を見せたかった。 しかし長はゲスまりさのいうことを信じたってことにしておいていただけますか。 後この群れは人間という存在は知っているけど会ったこと無いということでお願いします。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5084.html
ゆっくりいじめ系3097 ゆっくりずvs1 から どすん 『彼』は様子を見ていた一番大きな屋根の上から降りて来た。 「ゆ?」 家の一番近くで燃え上がる木を見てくつろいでいたゆっくりれいむがそれに気づく。 「まりさ! にんげんがいるよ!」 「ゆ? ほんとかだぜ? れいむ!」 まりさも『彼』の方を見た。 確かにそこには『何か』がいた。 人間のような何かが。 だが、まりさは違和感を感じていた。 まりさは一度だけ人間に会ったことがあった。 それはこの村に攻め入ったときだが、そのとき見た人間は――― あんな石みたいな顔をしてなかった。 足や手がトカゲさんみたいなもので覆われてなっていなかった。 体中になにやらぶら下げていなかった。 指があんなにとがってなかった。 しかし、目の前の『それ』は二本足で歩いている。 「(やっぱりにんげんだ!)」 それだけでまりさの餡子脳は結論を出した。 他に二本足で歩く生物を見たことないのだから無理ないかもしれないが……。 「にんげんがなんでこんなところにいるんだぜ! ここはまりさたちのゆっくりぷれいすなんだぜ! ばかでよわいにんげんはとっととでていくんだぜ!」 彼の視界には最優先捕獲対象である『ドス』しか映っていなかった。 無論、化面の視覚タイプを「熱感知視覚」にしている以上、他のゆっくりも映し出してはいた。 だが、普通ゆっくりなど駆除するにも値しないと判断した『彼』には、ほかのゆっくりなぞ意に介するにも値しないものだったのだ。 どすんどすん 重量感を持った足音がする。 『彼』はドスに向かって歩いて行く。 「だがら“ごれ”は“れ”い”ぶだち”な”ん“だよ”ぉ“お”お“お”!?」 一方のドスは仲間たちに攻められて涙目になっていた。 「ゆ! まりさをむしするんじゃないぜ! よわいにんげんはゆっくりしね!!」 まりさはさらに声を上げるが『彼』は一向に反応しない。 やがて他のゆっくりも『彼』の存在に気づき、次第に声を上げ始めた。 「ゆ~!!にんげんがいるよー!」 「わかるよー。にんげんがいるんだねー」 「ゆゆ! よわいににんげんしゃんはゆっくりちんでね!」 「れいむたちのゆっくりぷれいすからゆっくりしないででていってね!」 「むきゅ~へんなにんげんだけどそんなにつよそうじゃないわね!」 「ほーけい!たーんしょ!ちっこう!!」 引き続き無視。 「なんでぶじずるのおおおおおおお!!!」 そして一番先に『彼』に気づいたれいむ一家に後一歩というところまで近づいた。 「べんじじろぉ“お”お“お”お“お”お“!! くそじじい”い“い”い“い”い“」 まりさが目を剥き唾を飛ばしながら絶叫する。 「おちょうちゃんをむちちゅるなー」 「ゆゆ~きこえないの? びゃかなの?ちぬの?」 赤まりさと赤れいむが『彼』の飛び出し声を上げた。 「おちょうちゃんがほんきだしゅたりゃじじ、びゅびゃ!」 「みみがきゅこえにゃいにゃんておおあわ、れみゃ!」 潰した。 『彼』には潰したという感覚すらないだろう。 蟻を潰しても人間には全くわからないのと同じくらいの価値しかない普通サイズのゆっくり。 赤ゆっくりなどはゴミ以下の価値もないものだったのだ。 「「「「……」」」」 『彼』をののしっていたゆっくり達は一瞬で静かになった。 全員目を限界まで見開き、潰れた赤ゆっくりを凝視している。 『彼』は相変わらずの様子でドスに向かって歩いて行く。 「ばりざのあがぢゃんがぁ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”!!」 「どぼじでごんな“ごどずるの”ぉ“お”お“お”お“お”お“!!」 「わがらないよお“お”お“お”お“ーー!!」 一斉にあがる悲鳴。 先ほどの罵声とは大きさが全然違う。 と、その悲鳴に巨大みょんが気がついた。 「みょん……? !! みょーーーーん!!」 巨大みょんも人間に気がついた。 ギャーギャーと喚く普通サイズのゆっくり達にも気がつく。 「し、し、しんせーーーーーーーーーーいほーーーーけーーーーー!!」 巨大みょんのあげた雄たけびに、村の中にいたゆっくり達が視線を向ける。 「ゆ“お”お“お”お“お”お“……ゆっ?」 「「「「「「ゆ?」」」」」」 泣いていたドスも、ドスをののしっていたゆっくり達も全員それを確認した。 にんげんだ! おいはらったはずのにんげんがなんでここに! あいつがまりさのあかちゃんをころした!? にんげんのくせに!にんげんのくせに! …… ……ゆっくりしね! ……ゆっくりしね! ……ころせ! ……ころせ! ころせころせころせころせころせころせ!! 『彼』は歩みを止めた。 ゆっくり達の様子が変わったのだ。 熱感知による視覚にその違いははっきりとでた。 ゆっくり達の体全体の温度が上がっている。 同時に中にある中枢餡子の温度がさらに上をいっている。 これは怒り。 ゆっくり達は怒っているのだ。 そして明確な殺気を放っていた。 「ゆ~っくり!!」 ドスまりさが声を上げる。 赤ゆっくりや子ゆっくりは数匹の普通ゆっくりと一匹の巨大れいむに連れられ広場から離れて行く。 他の普通ゆっくり達は縦横綺麗に整列しはじめ、巨大ゆっくりをリーダーとした『隊』を作っていく。 それぞれの隊は100匹ほどで構成されており、隊は扇形になるように散開し広場を包囲した。 そしてそのすべてを指揮するドスまりさと参謀巨大ぱちゅりー。 「ゆ!! 馬鹿な人間だね! たった一人でこの村にくるなんて! 大きなまりさやれいむを殺したのもおまえなんだね!!」 ドスまりさは怒気を込めていった 「もう許さないよ! ゆっくりできない人間はゆっくりと永遠にゆっくり出来なくしてあげるから覚悟してね!!」。 一方『彼』はその場で立ち止まり、周りのゆっくり達を眺めているようだった。 「ゆふん!! 今更後悔しても遅いよ! お兄さんはみんなでゆっくり踏み潰すからね!ゆっくりしないで死んでね!」 ドスは『彼』が自分達にビビッていると思っていた。 そして――― 「むきゅ!! ゆっくりーーにさんぶんたいとつげきー!!!」 「「「「「「「「「「「「「「「ゆーーーーー」」」」」」」」」」」」」」 真正面の隊が『彼』に突撃を開始した。 続けて左側、右側の隊も突撃を開始。 これでゆっくりが乱戦を行なうときに見られる『突撃中に仲間を踏み潰してしまう事故』は格段に減る。 大きくなって頭がさらに良くなった参謀巨大ぱちゅりーが編み出した会心の策だった。 かくしてゆっくり達の戦争が始まった。 仮面のモニターに字が表示される <対象身体状態> 興奮状態 ―――『戦闘意思あり』 <対象処理方法> 普通ゆっくり―――殲滅 巨大ゆっくり―――殲滅 ドスゆっくり―――殲滅 殲滅殲滅殲滅殲滅殲滅 『狩リノ時間ダ』 最狂の狩人(ハンター)が目覚めた瞬間である。 突撃したゆっくり達が空中に舞い上がった。 いつもならここで「ゆ~♪ おそらをとんでるみたい~♪」という暢気な声がしただろう。 「ゆゆっ?」 「うわあ~れいむがおそらとんでる~」 「ゆっくりとんでる~」 それを見ていた他の隊のゆっくり達がうらやましそうに言った。 やがて宙から落ちてきたゆっくり達だが何の反応もない。 そのうちの一匹が隊のすぐ前に落ちてきた。 「ゆ~つぎはれいむ……? まり……ゆぎゃあああああ!!!」 「ゆ? ……ま、まりざあああああ!?」 今までお空を飛んでいたまりさの顔は前半分が綺麗にそぎ取られていた。 これではさすがに即死である。 いつもの『お空を~』発言も聞けないのも納得だ。 何故こんなことになっているかというと、彼の手にはいつの間にか槍が握れていた。 それは二メートル近くある彼の身長より長く、上下に刃が取り付けられていた。 いつのまにそんなものを? と疑問に思うが、この槍は伸縮自在で今までは背中に背負われていたのだ。 混乱する隊をよそに彼は開戦を報せる雄たけびを上げた。 「ぐおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 大気を震わすその雄たけびはゆっくり達のそれより遥かに大きく、そして凶暴なだった。 「「「「「「ひっ!」」」」」 それによってゆっくり達は立ちすくんでしまった。 跳躍。 ドスまりさの背丈以上の高さに彼は跳んだ。 そして群れ全体のちょうど真ん中にいる隊の、巨大ありすに槍を突き立てつつ着地した。 「ゆべっ!!」 それは中枢餡子を正確に貫いており、声を上げるまもなく巨大ありすは絶命した。 続いてありすを突き刺したまま槍を振り上げ振り下ろし、隊の普通ゆっくりをつぶした。 槍には返しが付いているため振り回しても外れないのだ。 ドスン!! 「ゆ~! ありすがおそらを……ぶべびゃ!!」 「ゆぎゃああああ」 ドスン!! 「どぼじであ”り“ずがびん”な“を”づぶずの”ぉ”お“お”お“……おびゅ!!」 「ゆっくりにげ……ゆべえっ!」 ドスン!! 「でがま”ら”っばっ!!!」 「だじげでぇ“え”え“え”え“っにぐまっ!!」 隊の半数が潰れたときだった。 「ありすをはなせぇえええええ!!」 他の隊の巨大まりさが彼に飛び掛った。 その跳躍は高さ三メートルを超えるもので、巨大になった体だからこそ出来るものだった。 「ありすをいじめるにんげんはゆっくりしないでしねえええええええ!!」 「(ありす! いまたすけるからね! それでこのわるいにんげんをたおしたらまりさとずっとゆっくり……)」 どうでもいいけど死亡フラグです。ほんとうに(ry 彼は槍を遠心力をつけるため一回転させ、まりさが頂点に来た瞬間に巨大ありすを投げつけた。 同時に槍を縮小させる。 これによって返しも内側に引っ込み、ありすはつっかえを失い空中に放り投げられた。 「ありすううううぅぅぅ―――ぶびっ!!!」 空中でありすと正面衝突するまりさ。 よほどの勢いだったのか。 アリスがぶつかった瞬間、お互いのぶつかった部分が心地よい『パーン』という音と共に爆ぜ、地面に餡子の雨を降らせる。 「ゆ“ぅぅぅぅ!! ゆ”っぐり“でぎな”ぃぃぃぃぃ!!!」 あまりの悲惨さに、餡子を浴びたゆっくり達は叫び声をあげた。 勢いを失った巨大ゆっくり二匹の胴体は地面に落ち、下にいたゆっくり達を潰した。 「ゆ“!! な”ん“でごっ”ち“に”ぐびょ!!」 逃げればいいものをのんきに叫んでいるからである。 一方の彼は槍を元の長さに戻し、槍に付着した餡子を空を切ることによって払った。 同時に飛び散った餡がついた仮面を拭った。 「むきゅ! にんげんはつかれているわ! よんこぶんたいとつげきー!」 「「「「ゆー!!!!」」」 攻撃の手がやんだのを見た参謀巨大ぱちゅりーの勘違いの元、さらにゆっくり隊が押し寄せてくる。 ちなみにここまでで全滅に近い被害を受けたのは二個分隊である。 「ゆっくりしてるにんげんはゆっくりじ、にゅべえぇぇぇぇ!!!」 「しょせんいなかものね! たたかいのとちゅうでやす、むぼほおおおおおお!!」 当然同じようになぎ払われ散っていくゆっくり達。 「ゆっくりしんでねぇぇぇ!!!」 隊長の巨大れいむが地面から低くはねて高速突進を繰り出してきた。 彼は鋭い左ストレートでそれを簡単に止める。 「ゆぎゅっ!!」 左手が深く顔面にめり込む。 ミチミチと音を立てて顔面の皮が破れ、体内の中に左手がもぐりこんでいく。 「ゆががががががが!!!!」 しかし未だ終わらない。 左手をすぐさま引き下からのアッパーカット。 巨大れいむの体が腕から抜け宙に浮いた状態にする。 そこに体のひねりを加えた渾身の右踵落とし!! 「ゆぶっ!!」 地面に叩き落された巨大れいむの体は接地面がはぜ散った。 続いてその隙を見てか背後から巨大みょんが鋭い枝を突き立てんともう突進してくる。 しかも二本咥えての二刀流である。 「みょおーーーん!」 いつもなら意味不明な淫語を連発するくせに、今回はまともなみょんだった。 しかし彼は背後を見ることもなく、巨大みょんの枝を左手で掴み止めた。 「ぺにすっ!?」 思わずいつもの淫語マスターに戻る。 そして止めた手をそのままに、振り向きざまの槍を持った右手よるジャブ。 先ほどの巨大れいむと同じく、巨大みょんの体に腕が思い切りめり込む。 「でがまっら!?!?」 そこに右手を引き抜く体の回転を利用した後ろ回し蹴りを放った。 おっとうまくきまった!(実況:ジョ○・カ○ラ) とめるのむずかしいですからねー(解説:き○ざわつ○し) 巨大みょんは高速で吹っ飛ばされ、控えていた他の隊の巨大ありすに衝突した。 しかも持っていた枝二本がありすの両目に突き刺さった。 はいった! きまった! これでどうだああああああ!(実況:ジ○ン・○ビラ) うおおおおおおおー!(解説:きた○わ○よし) 「ゆぎゃあ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ” ばでぃ“ずの”どがい”ばな“お”め“め”がぁ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”」 「ちぃぃぃぃん、ぽ……」 巨大みょんは受けた衝撃で気を失いかけている。 しかもジャブと蹴りを喰らった際に皮が破け餡子が飛び出している。 「ゆー!!! みょん! ゆっくりなおってねゆっくりなおってね!!」 「ぺーろ! ぺーろ!」 巨大ありす隊の普通ゆっくり達がみょんを気遣ってくれている。 このみょんは群れの中でもかなり人気があり、みんなから一目置かれている存在だった。 「ま……まーら」 みょんはお礼を言った。 そして立ち上がろうとした。 みんなのためにもあの人間を止めなければ。 でないとますます多くのゆっくりがやられてしまう。 自分ひとりではダメだったがみんなでやれ――― ブシャッ 「な”ん”に”も”び“え”な“い”ぃ“ぃ”ぃ“ぃ”ぃ“ぃ”ぃ“」 目を失い痛みに暴れる巨大ありすが、みょんの弱っていた体に止めを刺した。 見ると隊のゆっくりのほとんどは既にありすによって潰されていた。 それを止めようと寄ってきた他の隊のゆっくりもだ。 「な”に”や”っでる“の”お“お”お“お”お“ぉ“ぉ”ぉ“ぉ”ぉ“!?!?」 「“みょ”ん“をぶん”じゃだめ“でしょお”お“お”お“お”ぉ“ぉ”ぉ“!?!?」 みょんの手当てをしていたゆっくり達は叫んだ。 しかし巨大ありすはわめき散らすだけで一向に収まらない。 さらに暴れ散らし他のゆっくりを潰していく。 「む“じずる”な“あ”あ“あ”ぁ“ぁ”ぁ“ぁ”ぁ“ぁ”!!!」 「ゆっぐり“でぎな”い“あり”ずは“じね”っ!!!」 「ゆ“ぎゃあ”あ“あ”あ“あ”!?!?!?」 実に醜い仲間割れである。 一方、普通ゆっくりを近づかせることもせず槍で粉砕している彼の元へ、二つの影が接近していた。 「ちぇんたちのこんびねーしょんをみせるんだよー」 「わかるよー。ひっさつわざなんだねー」 巨大ちぇんである。 巨体に見合わぬ速さ(まあ……Gくらいですかね)で接近してくる。 実は今、突撃をしている普通ゆっくり達は、ちぇん達がそれぞれ指揮する隊のゆっくりで、二人の攻撃を成功させるための囮だった。 無論、普通ゆっくり達は囮にされていることも気づかずにやられているが。 二手に分かれたみょんは高く跳躍し、左右からのボディプレスを放った。 彼は前後左右から突撃してくるゆっくりに気をとられている――― 「ゆっくりしないでしぬんだよー!」 「わかるよーおわりなんだよー」 ガシシッ 「「ゆ?」」 ―――わけなかった。 左右からきた巨大ちぇんズを左右一本ずつの手でしっかりと受け止めた。 槍は足元にいる普通ゆっくりを地面に串刺しにしていた。 「お、おにいさん、ちぇんをゆっくりはなしてね!」 「わかるよーさくせんしっぱいなんだねー」 そしてそのままちぇんの体同士を空中で叩きつけた。 「「ゆみ”ゃ!!?」」 そのままどんどん力を入れていき…… 「や”ぁぁぁぁぁめ“ぇぇぇぇぇでぇぇぇぇぇ!!……ゆぎゅ!!」 「わ、か……るよぉ~て……お、くれ……なんだ……ねぇっ!!」 体を貫通した。 彼が両手を外側に払うと、巨大ちぇんは腕から抜け地面に転がっていった。 彼は再び槍を取って狩りの続きを再開した。 「むきゅ~……しんじられないわ……」 「ゆっ……」 ドスと参謀巨大ぱちゅりーは唖然としていた。 あの槍を持っているならば普通ゆっくりが敵わないのも頷ける。 だが槍を使わなくとも、あの人間は易々と巨大ゆっくりを葬る事ができる。 次々と物言わぬ饅頭となっていくゆっくり達。 普通ならばゆっくり達は、最初の隊が全滅した時点で逃げ出しただろう。 それでも逃げ出さないのはこの群れのルールがあるからだった。 『一番手柄をたてた隊に、一番ゆっくり出来る権利を授ける』 昨日までこの村に居座っていた巨大まりさとれいむは、先の戦いで一番人間に怪我を負わせた。 だから今日、山のみんなが来るまでゆっくりしていていい権利が与えられたのだ。 他の隊の連中がやられてくれれば自分の隊がゆっくりできる公算が高くなる。 そう思って大多数はいまだ留まっているが…… 「も“う”い“や”だあ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“」 「ゆ”……づぶざな“い”でッ……づぶざ……ゆびゃ!!」 「あんよがああああああぁぁぁ! れいむのきれいなあんよがああああ!!!」 「ゆっぐ……み“、み”ん“な”ど“ご~……な”に”も“びえ”なぃぃぃぃぃぃ……」 「い”だい“よ”お“お”お“お”お“お”ぉぉぉぉぉ!!!」 「だれがぁぁぁ!!! まりざをゆっぐりじないでだずげでよぉぉぉぉぉ!!」 「かわがむりぃぃぃぃぃ!?!?」 大多数が『願望に溺れて溺死しろ』状態である。 「ゆぐぐ……」 ドスは空を見上げる。 それは何かを待っているかのようであった。 その時であった。 「ゆう、ドス」 「ゆ?」 ドスが後ろを見ると、そこには子・赤ゆっくりを避難させた巨大れいむがいた。 「なに? れいむ?」 ドスはつまらなそうに答える。 「れいむおもうの……みんな……このままだところされちゃう……」 「むきゅ! ばかいわないで!」 それに対して声を荒げたのは参謀巨大ぱちゅりーだ。 「わたしのかんぺきなさくせんがあるかぎり、はいぼくはないわよ!」 「ゆ! でもぜんぜんにんげんさんはたおせてないよ! むれのみんながいたずらにしんでるだけだよ!」 実はこの巨大れいむは、巨大ぱちゅりーの前の村の参謀だった。 しかし前回の人間の村襲撃作戦に反対した為左遷され、今では群れの外れにすんでいるのだ。 「むきゅ! いまはよ! いずれにんげんもつかれるわ! そのときまでたえるのよ!」 「ゆ!! そのときになってみんながしんでしまってたらいみないよ!」 一歩も譲らない両者の意見に、ドスの言葉は――― 「れいむ! ゆっくりだまってね!」 「ゆ……!」 「これ以上群れの戦士を馬鹿にすることは許さないよ! みんな一生懸命戦ってるのにれいむはいつも反対してばかりだね! 少しは協力しようと思わないの!?」 ドスの横で、参謀巨大ぱちゅりーが勝ち誇ったかのように口元を歪めている。 「きょうりょくしてるよ! こどもたちのめんどうをみてるよ!」 「嘘つかないでね! 子供達に『人間と仲良くしよう』だなんて教えてる事、ドスは知ってるんだからね!」 「ゆう……。 でも……! いぜんはどすもそうやっていって……!」 「もう違うんだよ! 人間を倒してみんなをゆっくりさせるのが大切なんだよ! れいむはいい加減にゆっくり理解してね!!」 「そのにんげんをたおすためになんにんのこどものおやをころすの!! そんなのぜんぜんゆっくりできないよ!! どすの―――ゆっくりごろし!!」 「ゆ“!!!!」 その一言にキレたドスは巨大れいむに体当たりをした。 「ゆぎゃ!!」 いかに巨大種といえど、さらに大きいドスの体当たりを受けて無事なわけがない。 巨大れいむは地面に転がり倒れ、口から餡子を吐き出した。 その様子を参謀巨大ぱちゅりーは「おお、あわれあわれ」というような目で見ていた。 「それ以上言ったられいむを許さないよ! ゆっくりしないで子供達の場所に戻ってね!!」 その時、ドスは巨大れいむの後方を見て笑みを浮かべた。 「それにね……もうこの戦いは終わりだよ!」 「ゆ?」 巨大れいむは後方を振り返った。 そこには―――いや、後方の空には―――巨大うーぱっくとその一団が迫っていた。 「むきゅう! やっときたわね!」 参謀巨大ぱちゅりーが声を上げる。 巨大うーぱっくは縦二メートル、横一メートル以上の巨大な体をしており、その中に数匹の普通ゆっくりと大きな石を積んでいた。 他の普通サイズうーぱっくも、中に石と普通ゆっくりを乗せており、いわば爆撃隊のような存在であった。 ドスが待っていたのはまさしくこの空中戦隊だったのだ。 広場から少し離れた所に固まって避難している子供達は、いち早くそれを見つけ空に向かって歓声を送っていた。 「どうれいむ? あの人間も空からの攻撃は防げないよ。 どんな人間もそれは同じだよ。これでみんなゆっくりできるんだよ」 「ゆ……」 巨大れいむは思った。 確かにそうかもしれない……だけど……。 れいむには気になっていることがあった。 あの時……広場にあった木を燃やした『光る弾』の存在。 あれはあの人間が撃ったものではないか? だとしたらいかに巨大なうーぱっくも太刀打ちできないのではないか? とはいえ、あれを人間が撃った瞬間をみていないので、れいむはそれを強くいえなかった。 なにせ『何もない所』からいきなり光る弾が出てきたのだから。 「ゆーーー!! うーぱっく! ゆっくりこっちに来てね! 人間の上に石を落としてね!!」 「うーーーー!!」 巨大うーぱっくに大声で呼びかけるドスまりさ。 それに大声で答えるうーぱっく。 無論、それを彼が聞き逃すはずなかった。 巨大ありすを引き裂いた彼の耳に飛び込んできた声。 「ゆーーー!! うーぱっく! ゆっくりこっちに来てね! 人間の上に石を落としてね!!」 ドスまりさが視線を向けている方を見る。 空に複数の熱反応。 そのうち一つはかなり大きい。 彼は腕のモニターを開いた。 そしてボタンを入力する。 すると、背中の肩の部分についていた小さな筒が方の上へと競りあがった。 まるで小さな大砲のようだ。 銃身を前方に向ける。 そしてその横から赤い光がでる。 小さな点を三角形の形に配置したそれは、巨大うーぱっくの顔に照射されている。 そして、彼の被った仮面のモニターに三角形の照準が現われ、うーぱっくにそれを絞って行き――― ピーーー シュバッ 小さな機械音と共に、銃身から白い光弾が発射された。 残滓を残しつつそれは真っ直ぐにうーぱっくに飛んでいき―――着弾し、爆ぜた。 ドガーーーン 思いのほか音は小さかった。 だが、光弾の直撃を受けた巨大うーぱっくは一瞬で絶命した。 光弾は着弾と同時に爆ぜ、その中身を空と地上にぶちまけた。 それによって巨大うーぱっくの周りを飛んでいた、普通うーぱっくもそのほとんどが絶命。 その中身を地上に撒き散らす結果となったのだった。 「「「……」」」 それをしっかりと見ていたドスと参謀巨大ぱちゅりー、巨大れいむは声も上げられなかった。 だが、巨大れいむだけは他のものを見ていた。 撃墜されたうーぱっくの中身が落ちて行く先には――― 「みんな!! にげてえええええええええええええ」 子ぱちゅりーは大きいれいむが大好きだった。 大きくなった大人たちは『人間を倒す訓練をする』と言って、全然遊んでくれなかった。 だが大きいれいむはそれに参加せず、自分達と遊んでくれた。 大きいれいむは本当にいろんなことを教えてくれた。 狩の仕方や寝床の作り方。 捕食種からの逃げ方や友達との上手い付き合い方。 喧嘩したまりさとも仲良くなる方法を教えてくれた。 群れのゆっくりから教えられる、『特別なお勉強』よりずっとためになった。 『ゆっくりは人間より強い』 『人間はお野菜を独り占めする悪い存在』 『人間はゆっくりによって倒されねばらない』 『子供達は早く大人になって戦えるようにならなければならない』 大きい大人たちが増えて、人間の村に攻める事が決まった日から、そんなことが教えられている。 他の赤・子ゆっくり達は、特別なお勉強が気に入ったようで、 「にんげんはゆっきゅりちね!」 「にんげんはゆっくりぷれいすをひとりじめするわるいやつなんだね!」 「わきゃりゅよぉーわりゅみょにょにゃんだねー」 「にんげんなんていなかものよねー」 「みゅきゅ! おびゃきゃにゃにんげんはゆっきゅりできにゃいわ」 そんなことばかり言っている。 でも自分は、それがゆっくり出来ない事のような気がしていた。 だから、勉強を抜け出しては巨大れいむの家に行って、色々な話を聞いているのだった。 そして今日、ついに人間の村に移動するという事で、群れは大移動をした。 子供たちのお守り役として、巨大れいむが付き添ってくれたときはすごく嬉しかった。 だが、他の子供たちはそれをよく思っていないようだった。 「おばさんはむれのはじさらしなんだね!」 「おとーちゃんたちがてゃてゃきゃうにょににゃんでにげりゅにょ?」 「おくびょーにゃんちゃね!」 「ありすはしってるわよ! こういうおとなをごみくずっているのよ!」 「ごみくずれいむはゆっくりしね!」 「わきゃりゅよぉーこんにゃおとにゃにはにゃらにゃいんだよー」 「みゅきゅ! ぱちゅりにちかよりゃねいでね!」 ぱちゅりーはやめるように言いたかったが、友達にいじめられるのもいやだった。 だから、何も言わないでみんなの中に立っているだけだった。 それでも巨大れいむは何も言わなかった。 ゆっくり出来ない人間が突然現われ、大きな大人たちが戦いを始めたときも、巨大れいむはみんなを守ってくれた。 大人たちがどんな戦いをしているかはここからでは見えない。 今、自分とみんなは安全なところにいて、巨大れいむはドスとなにやら話しに言っている。 その時、友達の一人が声を上げた。 「ゆ~! うーぱっくがくるよ!」 私はお空を見上げた。 そこにはおっきなうーぱっくがいた。 大きな大人たちと一緒で、ある日突然大きくなったうーぱっくが。 あのうーぱっくは確か、参謀ぱちゅりーの案で『投石部隊』になるうーぱっくだったはず。 何人かの大人を乗せて、悠然と空を飛んでいる。 わたしはその姿に感動を覚えた。 「ゆ~~!! まりちゃもにょしぇるんだじぇー!」 「ゆゆ! おそらをとんでるみたい!」 「とてもゆっくりしてるね!」 「ゆふん! にゃかにゃかときゃいはねぇ!」 友達達も興奮している。 そしてうーぱっくは私たちの真上まできた。 うーぱっくの中の大人たちも笑顔で私たちを見ている。 と――― ドーーーン 突然うーぱっくが光った。 赤い光と白い光が混ざってとても綺麗。 それがたくさん空で光っている。 うーぱっくが落ちてくる。 ぼろぼろの体。 大人たちが落ちてくる 中身がこぼれてとてもゆっくりできなさそう。 大きな石が落ちてくる。 まりさの上に。 れいむの上に。 ありすの上に。 ちぇんの上に。 みょんの上に。 わたしの上に。 ドドドドドドドドッ 沢山の石や岩が地面に落下した。 巨大れいむは急いでそこに駆け寄る。 「ゆ……ああああああああああああああああ!!!」 そこは子・赤ゆっくりたちが避難していた場所だった。 運悪くも、うーぱっく達はその真上を飛行中に撃墜されたのだった。 「みんな! おちびちゃんたち! いまたすけるからね! いまたすけるからね! まっててね!!」 巨大れいむは体当たりと舌を使い分け岩をどけていく。 潰れた餡子。 ぼろぼろになったリボンや帽子。 子供達に作ってあげた花飾りの花びら。 ばらばらになったカチューシャ。 飛び出た小さな目。 黒い餡子。 白い髪の毛。 千切れた尻尾。 潰れた胴体。 「ゅ……ゅ…………」 「!!」 小さな声。 急いで岩をどかす。 そこには一人の子ぱちゅりーが。 「ゆ、ゆ……ゆあああああああ!! おちびちゃん!! よかったぁぁぁぁぁあああ!!」 岩の下から引っ張り出そうと近寄ったとき。 ズシン 巨大れいむの目の前に岩が転がってきた。 「ゆ?」 いきなりの事に呆然とする巨大れいむ。 下を見る。 そこには破れた小さな月の髪飾りだけが残されていた。 「…………ゆ………… あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ” あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ” あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”」 「うそよ……うそ……ぱちゅりーのひみつへいきが……かんぺきなさくせんが……」 「ゆがああああああああぁぁぁぁぁ……」 ドスと参謀巨大ぱちゅりーは頭の中が真っ白になった。 巨大うーぱっくが墜落した場所を呆然と眺めていた。 同時にここへきてついに、あの人間に対する恐怖が芽生えた。 「ゆ、ゆっくりたいきゃ……」 チュドン 「!!」 しゃべろうとした参謀巨大ぱちゅりーの声が途切れた。 墜落現場の方に、失った半身から中身を飛び散らせながら吹っ飛ぶ巨大参謀ぱちゅりー。 ドスは振り返った。 彼は槍とショルダーキャノンを使いゆっくりと殺戮を行なっていた。 近距離のゆっくりは槍で払い、遠距離のゆっくりはショルダーキャノンで攻撃する。 ゆっくり達はそこにいてはやられると必死に動き回るが、ショルダーキャノンの正確無比な砲撃と チートな追尾性能によって確実に数を減らされていった。 「どぼじでごっち“ね”ら“う”の“お”お“お”お“!!!」 「まりさはゆっくりにげるんだぜ! れいむはしっかりおとりになるんだぜ!」 「あじゅい”い”い”い”い“い”!! あ“り”ずの“どがい”ばな“あ”じ“があ”あ“あ”あ“あ”あ“」 「たいちょうたすけ……ゆびゃあああああああ!!!」 すでに隊はばらばらになり、群れは壊滅状態であった。 「ゆぅぅぅぅぅ……!」 ドスは正真正銘最後の切り札を使う事にした。 隠し持っていたキノコをかじる。 そして、チャージを始める。 ドスパークである。 実はキノコが後一個しかなく、次のキノコがいつ手に入るかわからなかったため、 たった一人の人間に使うのはもったいないと思っていたのだ。 うーぱっくも駄目。 ぱちゅりーも死んだ。 群れも半数がやられた。 もうこれしかないと判断した。 ドスの口腔内にエネルギーが溜まっていく。 「(ゆっくり、もーちょっとだよ!)」 が、しかし。 ドスは自分の眉間に赤い斑点のようなものがあるのに気がついた。 「(ゆ!?)」 それはゆーぱっくを撃墜したショルダーキャノンだった。 彼はすでにドスまりさの行動に気づいており、こちらに照準を向けていたのだ。 「(ゆううううううう!? ゆっくり待ってね! ゆっくり待ってね!)」 その時だった。 彼に飛び掛る一つの影が! それはあの養育係の巨大れいむだった。 一瞬の隙を突き突撃したのだ。が、 ズン それは彼の槍によって阻まれた。 しかし――― ギン!! 「!?」 なんと槍が弾かれた! 見ると巨大れいむの口の中にはうーぱっくが運んでいた岩が入っていた。 それが槍の一撃を弾いたのだ。 「おちびちゃんだちのかたきぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 今までのどのゆっくりより、明確な殺意を持って飛び掛ってくる。 バシュッ バシャアアア だが届かない ショルダーキャノンからの一撃。 巨大れいむは岩と共にバラバラに砕け散った。 しかしその間に、ドスはドススパークのチャージを完了させた。 「ゆううううぅ……ごおおおおおおおお!!!」 「!!」 彼がドスの方へ向き直ると、ドスパークが発射されたのはほぼ同時だった。 ピカッ 「うおっまぶしっ」 まばゆいほどの閃光。 一瞬だけ、その場のすべてが白色に染まった。 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1119.html
注意書き 俺とゆっくりの話 と、ほんの少し関係がありますがたぶん知らなくても大丈夫だと思います。 バッジ設定があります、詳しい設定については「俺とゆっくりの話 1」を読んでください。 タイトルのとうり、人間はゆっくりを愛でてます、でも虐待成分もありますし、そっちがメインだと思っています。 そんなわけで飼われているゆっくりがいます。 また、多少人間虐めな部分もあります。 そして頻繁に視点が移り変わっています。たぶんかなり読みにくいとは思いますが許してください、ごめんなさい。 オリジナルキャラがいますが、名前はないので親子間でも「お母さん」「娘」などと呼び合っています。 「おかぁさん、れいむとちぇんはあした、ほかのひとにもらわれていくんだね?」 「そうだよ、きっとそのひともおにいさんみたいにやさしいひとだからゆっくりいうことをきいてね」 「わかるよー!ちゃんということきいてゆっくりするよー!!」 俺の飼っているゆっくり達が寝床として用意した小屋の中で会話しているのが聞こえた。 彼女(?)らの言う通り、明日子れいむと子ちぇんは近所に住む人の所にもらわれていく。 俺がゆっくり達と「れいむ一匹とちぇん一匹以外はみんなペットショップか他の人に引き取ってもらう」という約束をしたからだ。 今はれいむとちぇんを飼っている俺だが、その子供全員まで面倒を見る余裕がないことをれいむとちぇんは理解していたし、 生まれたばかりの赤ゆっくりも最初は泣き叫んだが、親の賢明な説得の結果、自分が貰われることを承諾し、それまでの間精一杯親とゆっくりしようとしている。 今までも何匹かの子ゆっくりが他の他人や友人に引き取られていった。前の飼い主や親ゆっくりに会うとホームシックみたいな症状が起きてしまうことがあるので、 様子を見に行くことはできなかったが飲み屋で会った友人宅のゆっくりはちゃんと彼のいうことを聞いているらしい。 当然だ、何のために自分が育てる予定のない赤ゆっくりにまでシルバーバッチを持たせたと思ってるんだ、飼い主がちゃんとしていれば悪いゆっくりに育つはずがない。 次の日、子れいむと子ちぇんは少し離れた所に住む女性とその娘に引き取られていった。 父親は仕事で帰りが遅く、女性もたまに夜遅くまで出かけて行くことがあるらしい。昼の間娘がさみしい思いをしないように…とゆっくりを飼おうとしたんだそうだ。 とりあえず娘が親ゆっくりや子ゆっくり達と遊んでる間に女性に簡単な買い方の説明をする。 飼い方といっても基本的な躾についてはたぶん問題ないだろうが、ゆっくりにあまり触れない人にとってゆっくりは未知の固まりだ、お勧めの飼育書の紹介して、 買って読んでくださいねと言った。女性も 「あら、そんな本があるのね…じゃあ帰りにでも買っていこうかしら?」 と言ってくれた。これで買ってくれないと困る、ゆっくりに限らずペットを飼うのは大変なのだから。 最期に二人は俺にお礼を言ってから家を出て行った。 夕日に照らされた少女の腕に抱かれて頭をなでられる子れいむの顔を見て、俺もこの人たちならきっとゆっくり育ててくれるだろうと思った。 あれ?あっちに本屋ってあったっけ? 妹のちぇんと一緒におねーさんに運ばれて15分ほど移動した。 お兄さんの家より大きい家に着くとおねーさんが「きょうからここがあなたたちの家よ、ゆっくりしていってね!」と言ってくれた。 「ありがとう!おねーさん!!おねーさん!!ゆっくりしていくね!!」 「きょうからここがおねーさんたちとちぇんたちのいえになるんだねー!!わかるよー!!」 「いやぁね、この子たちは、今日から私のことはお母さんって呼んでくれていいのよ?お姉さんなんて呼ばれたら逆にくすぐったいじゃない?」 おねーさんのおかーさんが笑いながら言った、自分たちのお母さんはれいむお母さんとちぇんお母さんだけど、この家でゆっくりする以上 お姉さんのお母さんはれいむたちにとってもお母さんなんだと思った。 「わかったよ!!きょうからよろしくね!!おかーさん!!」 「よろしくね、さて、今日はれいむちゃん達が来たお祝いをしなくちゃね、晩御飯の準備をするから娘と遊んで待っててね」 「ごはん!!わかるよ!!ゆっくりまってるよー!!」 「ゆっくりつくってね!!おねえさん、ゆっくりあそぼうね!!」 「うん!じゃあ付いて来て、私の部屋に案内してあげる!!」 お姉さんに連れられてお姉さんのお部屋にきた。 お姉さんはニッコリ笑いながられいむとちぇんの頭をなでてくれた。 「ゆ、ゆ、ゆ~っくり~」 「ゆっくりできるよ~わかるよ~」 「あはは、かわいい!!」 さいしょはお姉さんの話を聞いていたり、お歌を歌ってもらったりしていたのだが、お姉さんは途中からちぇんの尻尾を触り始めた。 「ゆゆっ!?」 「あはは、ふさふさして気持ちいい~!!」 「ゆゆゆゆ、や、やめてよ!ちょっといたいんだよ!わかってね!!」 「キャハハ、ほら、クリクリ~」 さらにそのままちぇんの尻尾と尻尾をこすり合わせて楽しんでいる 「い、いたいよー!!ゆっくりやめてね!!」 「おねえさん!!れいむのいもうとがいたがってるよ!!ゆっくりやめてね!!」 「えー?ふさふさして気持ちいいのに…じゃあれいむであそぶ!!」 「ゆっくりあそんでいってね!!」 あの後、ちぇんちゃんのしっぽに何度か触ろうとしたけど、れいむちゃんは怒って触らせてくれなかった、ふさふさしてて気持ちよかったのになぁ… 尻尾に触れなかったので、頬を突いたり、軽く転がしたりして遊んであげた、れいむちゃんも、ちぇんちゃんも笑ってくれたので、楽しかったみたい。 また尻尾に触りたいけど、ちぇんちゃんに嫌われるのは嫌だから触らないで上げよう。 「ちぇんの尻尾には触れないようにしましょう ちぇん種の尻尾は非常に敏感で、強く握ったりするとゆっくりに激痛が走ります、また若い個体れあれば少し触れただけでも強い刺激になるのでちぇん種を飼育する場合は注意してください」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 お姉さんといっぱい遊んでいるとお姉さんのお部屋の外からお母さんの「ごはんよ~、はやくおりてらっしゃ~い」という声が聞こえた。 お姉さんに抱っこされて、ちぇんと一緒にお台所に行く。テーブルの上にはたくさんのお料理が並べられていた、そのうちいくつかは 本当のお母さんやお兄さんと一緒に食べたことはあったけど、こんなにいっぱい並んだご飯は初めてだった。 「きょうはれいむちゃん達の来たお祝いにお母さん、たくさんご飯作っちゃったわ、いっぱい食べてね!!」 「いまれいむちゃん達の分もよそってあげるね!!」 テーブルの上に載せられ、前に置かれたお皿に盛られるたくさんのご飯、全部食べきれるかなと思ったけど、せっかくお母さんが作ってくれたんだから全部食べなきゃ。 「じゃあ、いただきます」 「いただきまーす!!」 「「ゆっくりいただきます!!!」」 いただきますの挨拶をして目の前のご飯を食べ始めた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~」 「おいしいんだね!わかるよー!!」 「あら、そう言ってくれるとお母さんも作ったかいがあったわ!!」 「とってもおいしいよ!!ゆっくりできるよ!!」 「おかあさん!おりがとうだよー!!!」 そんな話をしながられいむとちぇんはご飯を食べた、あまりの美味しさに気がついた時はまわりを汚しちゃってたけどお母さんは仕方ないと笑ってくれたし、 お姉さんはれいむとちぇんのお口を拭いてくれた。途中でおかあさんとお姉さんは難しいお話をしてた、何の話をしていたのかよくわからなかったけど、 お父さんという人は、今日帰ってくるのはとても遅くなるらしい、お姉さんのおとうさんなら、れいむたちのお父さん。今日のうちに挨拶したかったな… 「むーしゃ、むーしゃ、とってもしあわ…」 「もぐもぐたべるよー!!…」 ゆっくり、しかし激しく食事をするれいむとちぇん、しかしある料理を口にした瞬間、動きが止まり、白目をむいてガタガタと震え始めた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ゆっぐりできない゛よ゛お゛ぉぉぉぉ!!!」 「ど、どうしたの?れいむちゃん、ちぇんちゃん!!」 「おがあざん!!このごはん゛は゛きら゛い!!ゆっぐりで゛き゛な゛い!!」 「ごめ゛ん゛ね゛!!でも゛こ゛れ゛だけ゛は゛の゛こ゛さ゛せ゛て゛ね゛!!」 「…だめよ、好き嫌いはいけないの、わかるわよね?」 「でも、でもぉ!!」 「ゆっくりできないよ!!!」 「嫌いなものでも食べないといけないわよ、ほら、半分にしてあげるからちゃんと全部食べなさい!!」 「お母さん…でもこの子たちの嫌がり方、すごいよ?」 「でもお母さんは好き嫌いは許さないわよ、あなたもピーマン、残さずに食べなさい。」 「はぁーい」 いま、お母さんは何て言った?「全部食べないといけない?」 そんな、あの食べ物は口に入れた瞬間、れいむの中身が熱くなっちゃうのに!?ゆっくりできないのに!? でも、お兄さんや、本当のお母さんは「ちゃんと、新しい飼い主の言うことを聞くんだよ」といった、だかられいむも、ちぇんもちゃんと食べなくちゃ、 お母さんのいうことを聞かないと 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」 「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」 れいむちゃん達がいきなり叫び出した時、間違ってゆっくりにとって毒になるものでも入れたのかしらと不安になった。 でも確かにれいむちゃん達は「このごはんきらい」といった、そういえばゆっくりは雑食っていうし、人間が食べれるのにゆっくりが食べれないものなんてあるはずがないわよね? でも好き嫌いはいけないこと。私も母に嫌いな食べ物を残さず食べろと言われ、いくら泣いても食べ終わるまで許してくれなかったことが何度かある。 結局私はなんでも食べれるようになったから、母には感謝してる。れいむちゃん達も、きっといつか私に感謝してくれるはずだ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」 「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」 正直、ゆっくりが嫌いな食べ物というだけでここまで叫ぶとは思えなかった、きっとあの飼い主さんが甘やかしすぎたのね。 「ゆっくりに辛いものは厳禁!! 基本的に人間が食べるものはなんでも食べれるほど雑食性の強いゆっくりですが、唯一辛いものだけは食べさせてはいけません。 辛いものは餡子でできたゆっくりの体にとって猛毒であり、子供のゆっくりならほんの少しのハバネロで即死することすらあります。 また、香辛料なども種類によっては毒となることもあるので、ゆっくりにご飯を上げるときは注意してあげてください。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 なんとかご飯を食べ終えたれいむとちぇんは母親に言われ、娘と一緒にお風呂に入ることになった。 「おねぇさん!れいむをゆっくりお風呂に入れてね!!」 「おふろだねー!わかるよー!!」 この気楽な饅頭についさっきまで毒を食わされてたんだぞ、と突っ込んではいけない。彼ら自身も辛いものが毒だということが分かっていないため、好き嫌いを直そうと自ら積極的に毒を食ったのだ。 れいむとちぇんはおねえさんといっしょにお風呂に入った。 人間って不思議、れいむも、ちぇんも、ゆっくりはあまり変わらないのに、人間は結構違う。 前に一緒にお風呂に入ったお兄さんにあったぶらぶらしたものが、お姉さんには見当たらない。 お姉さんがちぇんの頭を洗ってあげるのを見ている、れいむはそんな事を考えていた。 「はい、これでおしまい!!」 「すっきりさっぱりしたよー!!わかるよー!!」 そんなどうでもいいことを考えているうちにお姉さんがちぇんの頭を洗い終わったようだった。 「じゃ、お風呂にはいろっか」 「ゆっくりぃ~」 「わがるよぉ~」 「あはは、なにそれ、おじさんみたい!!」 れいむとちぇんにはお風呂は大きかったけど、お姉さんが用意してくれた桶の中に入るからゆっくり沈んだりしないよ! 「「ゆ~ゆゆゆ~ゆ~♪」」 れいむちゃんとちぇんちゃんが気持ち良さそうに歌を歌っていた。どこか音程のずれた、おかしな歌だったけど、それが逆に聞いてて楽しくなる、そんな感じがした。 「ゆっ!そろそろれいむたちはおふろからあがりたいよ!!」 「おねえさん!ゆっくりだしてねー!!」 歌を一曲歌い終わったと思ったらすぐにお風呂から上がりたいと言ってきた、まだ3分ぐらいしか経っていない、私はもっと入りたいのに。 「え~?私ももっと入りたいよ?それにすぐに上がっちゃうと湯冷めしちゃうよ?」 「ゆざめ?なにそれ?」 「もしかしてゆっくりできないの?」 「うん、とてもゆっくりできないよ」 「じゃあ、ゆっくりがまんするよ…」 「でも…このままお風呂に入っていてもゆっくりできなくなっちゃうよ、わからないよー…」 ほんと、ゆっくりってわからない、お風呂が大好きですみたいな事をさっきも言っていたのに、本当はお風呂、嫌いなのかな? このままお風呂に入っているとゆっくりできない、それはたしか本当のお母さんに最初に教えてもらったこと。 でも、すぐにお風呂からでると「YUZAME」になってゆっくりできなくなるってお姉さんは言った。 じゃあれいむもちぇんも、どっちにしろゆっくりできないの?どうすればいいの? 「お、おかあさーん!!」 「どうしたの!?何があったの!?」 「れいむちゃんとちぇんちゃんが溶けちゃったぁ!!」 娘がタオルも巻かずに飛び出してきたときはどうしようかと思った。だが、娘の持ってきた洗面器の中には黒い水が入っていてぶよぶよとした気味の悪いものが浮いている。 「おかぁ…さん…たすけてねー…」 「ゆっくり…したけっかが…」 私は急いで洗面器から二匹を取り出した。 「ゆっくりと水について ゆっくりは基本的にきれい好きな動物のため、子育て期などの特別な場合を除き、頻繁に水浴びをします。 飼いゆっくりの場合も少なくても三日に一度はお風呂に入れてあげましょう。別に毎日でもかまいません。 ですが注意点がいくつかあります。ゆっくりの皮は比較的軟らかいため、少し力が入っただけでもすぐ破けてしまいます。体や頭を洗ってあげるときでもできるだけ力を込めず、 手で表面を軽くこするように洗ってあげましょう。 次は入浴時間です。一般にはあまり知られていないことですが、ゆっくりは長時間水につかっていると皮が溶け、餡子が漏れ出してしまいます。 水の場合で約五分、お湯の場合で三分以上は濡らさないで上げてください。 もし、餡子が溶け出てしまった場合、すぐ自ら上げて体をタオルなどで優しく拭いてあげましょう。しばらく待って餡子の流出が止まらないようであれば重症です、ゆっクリニックに行きましょう。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 れいむとちぇんが飼われてから、三か月ほどたった。 結局れいむもちぇんも、たまに尻尾をいじられ、頻繁に出される辛い物を「すききらいはいけない」と、泣きながら食べた。 お風呂でふやけた時は症状が軽くて助かったが、あれ以降お風呂は一分ぐらいしか入れてもらえなくなった。 毎日毒を食う生活だった、だけど、れいむもちぇんも自分は幸せなんだと信じていた。 昔、本当の母親に言われた一言「飼い主さんのいうことをちゃんと聞いたらきっとゆっくりできるよ!」その言葉をずっと信じて居たため、 二匹は他の飼いゆっくりには見られない位に飼い主に従順なゆっくりになっていた。 通常、野生のゆっくりは4か月ほどで亜成体となり独り立ちする、辛いもの以外は栄養豊富な食べ物をたらふく食べたこの二匹はもう、成体のゆっくりとほとんど変わらない大きさをしていた。 そして人間でいえば思春期のゆっくりが二匹、同じところで生活している。そうすればどうなるか、答えは明確だった。 もうすっかり夜になった。 おかあさんも、おねえさんも、おとうさんもたぶん寝ているぐらいの夜。 自分もちぇんも多分こんな遅くまで起きた事はないと思う。でもなぜか、今日はれいむもちぇんも寝るに寝られなかった。 「おねえちゃん…」 「なぁに、ちぇん、ゆっくりはなしてね」 「ちぇん、なんだかおねえちゃんといっしょにいるとなんだかうずうずむずむずするんだよ…」 「じつはれいむもなんだよ…」 「れいむおねえちゃん…」 「ちぇん…」 お互い見つめあう二人、少しずつ近づいて行き、触れ合う肌 「んほっ!?」 「に゛ゃっ!?」 その瞬間、二匹に電流が走った 「な、なに、いまのは!?」 「わ、わからないよー!!」 生物的に成熟し始め、早すぎるすっきりで朽ちてしまうゆっくりが現れ始めるこの時期、野生なら親に、飼いなら飼い主に性教育を受ける頃だ。 だが、親にも飼い主にも性教育を受けていない二匹には何が起こったのかわからない、ただ、未知の刺激を感じた二匹の心は新しいおもちゃを見つけたような興奮を感じていた。 「わ、わからないけど…もういちどやってみるよ…」 「わかったよー、ゆっくりやってね…」 二匹が本能的に交尾を開始するまでにそんな長い時間はかからなかった。 今日も私はいつものように6時に起きた。ちぇんちゃんとれいむちゃんを飼うようになってから、朝起きるのが少し早くなった。毎朝朝ごはんの前にれいむちゃん達と遊ぶのがとても楽しい。 居間に降りてみるとれいむちゃんの姿が見えなかった、ちぇんちゃんが古新聞を居間の隅に積み重ねているのを見つける。 「おはよう、ちぇんちゃん」 「ゆっ、おはようなんだね、わかるよー!!」 「それで…何してるの?」 「お、おねがいするよ!!それをどかさないでね!!」 「だめだよ、ゴミを散らかすとお母さんに怒られちゃうよ?」 「わからないよぉー!!」 遂に泣き叫んでしまうちぇんちゃん、でも散らかったのをこのままにしておけないし…私はちぇんちゃんにごめんね、と言ってから積み重なった新聞紙の上の方をどかした。 「ゆゆっ、おねえさん、おはよう!!でもゆっくりしんぶんさんをもどしてね!!!」 新聞紙の山の中にはれいむちゃんがいてこっちを向いて挨拶をしてきた、でも、その頭には植物の茎のようなものが生えていて、それには8個くらい、ちゃっちゃいゆっくりが付いていた。 「…」 「ゆっ」 「お…おかぁさーん!!大変!れいむちゃんが!!」 「ゆっくりの性欲について ゆっくりはそのほのぼのした外見、生活からは想像しにくいですが性欲の旺盛な生物です。 ですが、若いゆっくりは交尾をすると疲労や子供に栄養を取られ死んでいしまうことがあるので対策をしっかり行いましょう。 生まれてから五か月~半年ぐらいでゆっくりは性欲を感じ始めるのでその前からゆっくりに性教育をしてあげてください。 内容はお互いが激しく体をこすり合わせることがすっきりであること、すっきりすると子供ができることがあること、若い時にすっきりしてしまうと死んでしまうことがあること、 この三つで十分です。ゆっくりは性に関することは割合速く覚えるため教育にあまり苦労はしないでしょう、成体のゆっくりと一緒に飼育しているならその個体に教育してもらうのも一つの手です。 また、性欲が解消されないとゆっくりは自慰行為に依存したり自傷行動を行ってしまうこともあるので、繁殖させる予定がない時は何らかの対策を立てる必要があります。 プロのブリーダーは定期的にゆっくりをすっきりさせてあげることがありますが、とても難しい方法なので去勢手術、避妊手術を行うことをお勧めします。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 娘の悲鳴で起こされたその日以来、なぜかれいむちゃんは新聞紙の山の中に隠れるようになり、ちぇんちゃんはれいむちゃんに新聞紙をかぶせ、その前に立つようになった。 今までこんなことはしなかったのにどうしたのかしら? さすがにゴミを散らかされると困るし、たまには日光浴もしないとれいむちゃんにも、あかちゃんにも悪いわよね? 「ゆっくりやめてね!!おかあさん、はなして!!かたづけないでね!!」 「だめじゃない、れいむちゃん、古新聞を散らかしちゃ?」 「でもそれがないとゆっくりできないよぉ…」 でも、言った時は新聞紙から出てくるけどまたすぐに新聞紙を散らかして二匹は中にもぐりこんでしまう、何度言ってもその時はいうことを聞くのに、何時間かたったらまた何かをちらかしてその中にもぐりこんじゃう。 そして新聞紙かられいむちゃんを取り出すと大声で泣き始めちゃう。 ちぇんちゃんが泣きながらないてるれいむちゃんに紙くずをかぶせてたけど何を考えているのかしら? れいむがにんっしんしてから何日かがたった。 ここ何日かずっと怒られてばっかりだ、もちろん悪いのはれいむたち、それは分かっているのに…頭に赤ちゃんができてからなぜか広いお家が怖くなってきた。 れいむはとにかく狭い所に入りたくて新聞紙という紙を散らかしちゃう。 お母さんやお父さんに怒られたから悪いことだということは分かっているのに…わかっているのに新聞紙の中に入りたくて、ちぇんにれいむを隠すようにお願いしちゃう。 ちぇんも悪いことだとわかっているのにれいむを隠すのを止められない。れいむたちは悪いゆっくりなのかな? なんで悪いことを止められないんだろう?今も夜でれいむとちぇん以外が部屋に居ない事をいいことにちぇんに新聞紙をかぶせてもらっている。 悪いことなのに、怒られるのに、それがわかっていて泣いてるのに。気がついたら新聞紙に隠れようとしている。 新聞紙や、周りのいろんなものをちぇんが集めている時、隣の部屋からお父さんの声がした。 「まったく、だから躾けられないならゆっくりなんか飼うなと言っただろう!!」 隣の部屋からお父さんの声が聞こえた。 「そんなこと言ったって、最初に飼いたいって言ったのはあの娘なのよ!あなただって飼って良いって言ったじゃない!?」 「それはお前が自分も躾を手伝うからと言ったからじゃないか!!あいつら、昨日は俺の仕事の書類まで新聞紙に混ぜて潜ってたんだぞ!!」 ごめんなさい、お父さん。ごめんなさい、ちぇんもなんでそうしちゃうかわからないんだよ!!でも今口にくわえているのはお父さんのお仕事の紙? あああ、悪いことなのに、悪いことなのに…この紙はここに置こうね、お姉ちゃん…わからないよ… 「まったく、だから軽い気持ちで生き物を飼うなと言ったのに…あいつらの子供が全部埋まれたらどうする気なんだ!?全部面倒を見る余裕は家には無いのは分かっているだろう!!」 「なによ!!自分はまったく関わろうとしない癖に悪いことがあったら全部私のせいにするの!?」 「そうは言っていないだろう!!」 ああ、なんでちぇんもれいむおねえちゃんもこんな怒られるようなことをしているんだろう、ゆっくりできないよ… はじめてお父さんに挨拶したときは笑顔で「娘と遊んでやってくれ」って言ってくれたのに…いまのちぇんたちはおねえちゃんとまったく遊んでいないよ…。 いつからだろう、こんなにゆっくりできなくなったのは、れいむおねえちゃんを隠したくなったのは… そうだ、わかる、わかるよ。こいつだ、れいむおねえちゃんにはえてるこいつらがでてきてからちぇんも、れいむおねえちゃんも、おねえちゃんも、おかあさんも、おとうさんもゆっくりできなくなったんだね。 わかる、わかるよ~、こいつらがいたから、ゆっくりできないんだね!!いまわかったよ!! その時、れいむから生えてた茎、それについていた実の一つが震えて地面に落ちた。 「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」 とっても純粋な笑顔で、虐待お兄さんが思わずつぶしたくなるような、ゆっくりから見れば天使のようにゆっくりした笑顔で赤れいむがそう言った時、ちぇんの中で何かが弾けた。 「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」 ああ、今までゆっくりできなかったけど、ついにれいむとちぇんの赤ちゃんが生まれた、とってもゆっくりした赤ちゃん、天使のような笑顔で 「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」 とれいむにゆっくり言ってくれた。 「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」 何が起こったのかわからなかった、目の前にはちぇん、その足元には丸く広がる何か…もしかして、ちぇんが赤ちゃんを? 「どお゛じでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉぉぉぉ!!!!」 「こいつらがいるからちぇんも、おねえちゃんも、みんなみんなゆっくりできないんだよ!!おねえちゃんはわかるよねー!!」 そうだ、れいむのあかちゃんが、あたまからでてきたとき、それかられいむはゆっくりせまいところにいきたくなってとまらなくなって、それでみんなにおこられるおうになって、ゆっくりできなくなったんだ。 じゃあこいつらがいなくなればれいむたちはゆっくりできる、このおうちにはじめてきたときみたいに、みんなでゆっくりするんだ!! 「ゆっくりおちろおぉー!!」 あたまをおもいっきりゆらしてあたまにはえたごみどもをかべにたたきつける、なんひきかは「ぶびゅ」とかいってつぶれた、ゆらしたことでうまれはじめたやつもいたけど、 そいつらはちぇんがかたずけてくれる。 「どうした、何があったんだ!!」 物音に気づいた父親と母親が隣の部屋から入ってきた。 彼らが見たのはまさに地獄絵図だった、あたり一面餡子で覆われ、れいむとちぇんが自分の子供を手当たり次第に叩き潰している。 「な、何をやっているの!?」 「ごみどもをつぶしてるんだよ!おかあさん、わかるよねー!!」 「よごしてごめんねおかあさん!!おとおさん!!あとでゆっくりあやまるからいまはだまってゆっくりみててね!!こいつらがいなくなればみんなゆっくりできるからね!!」 「れいむ!ちぇん!おまえたちは自分が何をやっているのかわかっているのか!?じぶんの子供を殺しているんだぞ!!」 父親が悲痛な叫びをあげた。 「なぁに、おとうさん、なにかあったの…?」 そして、娘が眠そうに目をこすりながら部屋に入ってくる。 「まっててね、おねえちゃん、こいつがさいごだよ!!」 「こいつをやればゆっくりできる!!わかる、わかるよー!!」 れいむとちぇんは最後の一匹の両頬を加え、思いっきり引っ張った。 「お、おかあちぁん、ゆっちゅり、ゆっちゅ、ゆぶべべっぇっっ!!!」 「「ゆっくりしねぇ!!」」 「ゆびゅ!!」 鈍い音を立てて最後の赤ちゃんが真っ二つになった。 「やった、やったよ、おねえちゃん、これでいっしょにゆっくりできるね」 「おとうさん、おかあさん、もうちぇんたちはおこられることはしないよ、ずっといっしょできるよ、わかるよ…」 れいむとちぇんが帰り餡子まみれのまま、光のない眼で娘に近づいてきた。 「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」 深夜の人里に少女の甲高い悲鳴が木霊した。 「ゆっくりは本来、木の根元の空洞等に巣を作って生活する動物です、それは飼いゆっくりでも変わらず、ゆっくりだけの安全な空間を欲します。 巣への依存度はあまり高くはありませんが、それでも多少のストレスを感じることがあるので出来るだけ巣となる小屋などを用意してあげてください。 お金に余裕がなければ段ボールなどを使うのも一つの手です、とにかくゆっくり以外が入れない狭い空間を作ってください。 巣の掃除ですが、ゆっくりは基本的にはきれい好きなので特に必要ありません。ただ、異臭がするなどの異常がある場合は掃除をする必要があります。その時はゆっくりと一緒に掃除をしましょう。 成体のゆっくり、特ににんっしん中のゆっくりは非常に怖がりになるため巣に引きこもりがちになります。この時期のゆっくりは非常にストレスに敏感なので、 むやみに巣から出したりしないでたまに入口をのぞいてあげるぐらいにしてください。ご飯もこのときは入口の近くに置いてあげれば自分で食べてくれます。 ゆっくりが心の底から飼い主を信頼している場合はにんっしん中でも巣の中にいるより飼い主のそばにいることを望みますがそこまでなついてくれなかった時も無理やり可愛がろうとはせずに、 ゆっくりが自分から出てくるのを待ってください。この時期飼い主が巣を荒らしたり、子供が巣の外から丸見えなところに移動させたりすると強いストレスがかかり、最悪精神崩壊を起こして自分の子供を殺してしまうことすらあります」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 「こんな野蛮な生き物、今すぐ引き取ってください!!」 まったく、いきなりこれかよ?朝早くドアノックの音で起こされた俺は家の前にすごい剣幕のあの女性がいるのを見たとき、なにかあるなと思いゆっくり達に隣の部屋で静かにするように言った。 「こんな自分の子供を殺すような生き物…!!おかげで娘は部屋に引きこもっちゃったのよ!!」 女性は両手に虐待用透明な箱(防音)を俺に押し付けてきた。中のれいむもちぇんも何かを叫んでいるが声は聞こえない、ただ、涙をながしながら女性に何かを訴えていた。 「ゆっくりして、ゆっくりしようよ!!」 「なんでちぇんをすてちゃうの?わからない、わからないよ!!」 おれにゆっくりを押しつけてすぐ帰ろうとする女性を捕まえてなんとか何が起こったのか聞き出す。 ふざけるな、妊娠中の動物はストレスに敏感なんだ、それを何度も引っ張り出した…? 俺の腕を振り切ろうとする女性に俺はどうしても聞きたかった事を聞いた。 「なんで飼育書を飼わなかったんです!?そうすりゃこいつらだって自分の子供を殺すようなことは…」 「あなたが本をくれなかったのが悪いのよ!!こんなに手のかかる生き物だと知っていたらゆっくり何て飼おうとは思わなかったのに!!」 俺はそれを聞いて唖然とした、俺は確かゆっくりを上げるとき、飼育書を飼ってくださいと言った。なのに俺があげないから悪いとは? なんというか、俺より年上の人が、DQNというか、ゆとりというか、にんげんゆっくりというか…そしてそれを見抜けなかった自分が、何より情けなく思った。 俺は、こいつらをどうすればいいんだ?こいつらをここまで追い詰めてしまったのは、あんな飼い主に渡してしまった俺の責任だ。 こいつらはもうまともなゆっくりとしての生活は送れない、人間に媚びて諂い、そのためになら子供まで容赦なく殺してしまうようになってしまった。 でも、自分には何の罪もない、少なくとも、自分のせいで子供殺しという罪を犯してしまったこいつらを処分してしまうなんてできない。 家で飼うにも、今のこいつらは子ゆっくりをゆっくりできなくする存在として殺してしまう。最悪、兄弟や実の親であってもだ。 俺は、どうしたらいいんだ?? あとがき ちゃんとした知識もなく、動物を飼った結果起こった悲劇…みたいなものを書いてみました。 何度もあきらめようとして、そしたらアイデアが浮かんで、途中でアイデアが浮かばなくなって…そしたらアイデアが… というループを繰り返した結果、SSの視点が飼い主のお兄さん、れいむ、ちぇん、娘、母親、完全な第三者ところころ変わるという非常に読みにくいものになってしまいました。 なんとか文の書き方や中身で誰の視点か分かりやすくはしたつもりでしたが…ごめんなさい、わからないならそれは自分の力不足です。 この話、実話をモデルにしています。 四分の一は自分がハムスターを飼っていた時のこと。 四分の三は兄の持っていた動物関連の本に乗っていたある獣医の体験談です。 現実にも犬に葱食わせて殺しかけた、赤ちゃんを不用意に近づけてかみ殺された。 猫にマグロの刺身食わせて殺しかけた。 ハムスターを同じところに集めた結果共食いが起きたなどの「飼い主が少し知識を集める」ことで防げたはずの悲劇が起きてます。 皆さんも動物を飼うときは気を付けてくださいね 9月10日 2209 セイン このSSに感想を付ける