約 3,642,152 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2603.html
「ゆっくり破壊爆弾」(前編) 「おにーさん!!まりさにゆっくりあわせてね!!」 扉の向こう。いるであろう男に、一匹のゆっくりれいむは呼びかけた。 反応が返ってこないことが、れいむを少しずつ不安にさせる。 「どうしてむしするのおおおぉぉぉ!?まりさにあわせてよおおおおぉぉぉぉ!!!」 全方向をコンクリートで固められた、無機質な部屋。 外部に通じるのは鉄の扉と、上方の窓のみ。どちらもれいむの身体能力では突破不可能である。 いや、無理をすれば窓からなら脱出できたかもしれない。 ……れいむ一匹であれば、窓の高さまでジャンプして脱出することは、決して困難ではないのだ。 れいむが脱出できない理由、それは―――頭上に生えた3本の茎、実っている12匹の赤ん坊である。 「ゆぅ…せめてあかちゃんたちはゆっくりさせてあげたいよぉ!!」 れいむ種6匹、まりさ種6匹。 いずれもプチトマト大に成長しており、あと半日もすれば生まれるだろう。 だから、一刻も早くこんなゆっくり出来ない場所から脱出したい。赤ちゃんをゆっくりさせてあげたいのだ。 「まりさああぁぁぁぁぁ!!!ゆっくりでてきてよおおおおおぉぉぉぉ!!!」 男への呼びかけは、いつの間にかパートナーであるまりさへの呼びかけに変わっていた。 妊娠しているゆっくりは、日常生活の多くをパートナーに依存することになる。 パートナー不在という今の状況は、れいむにとってとてつもなく不安なものだった。 「ゆぐううぅぅぅぅ………まりさといっしょにゆっくりしたいよぉ……」 どうしてこんなことになったのか。どうしてこんな不安を味わわなければならないのか。 自分達はただ、仲良くゆっくりしていただけなのに…… れいむとまりさは、森に暮らす普通のゆっくり夫婦だった。 3日前に実った子供が誕生するのをゆっくりと待っている、普通のゆっくり夫婦だった。 「ゆ~♪とてもゆっくりしたあかちゃんだね!!」 「ゆっくりうまれてきてね!!ゆっくりでいいからね!!」 一緒に歌って赤ちゃんに聞かせてあげたり、天気のいい日に日向ぼっこをしたり。 とても平和で、とてもゆっくりした日々だった。 これからもずっとゆっくりできる。子供が生まれたら、皆で一緒にゆっくりできる。 れいむとまりさは、そう信じて疑わなかった。 その平和が終わったのは、6時間前のことだった。 外部からの侵入者―――人間である。 男は、巣のすぐ外にいたれいむとまりさを、品定めするような視線で見下ろしていた。 妊娠時期のゆっくりは、特に外敵に対して敏感になる。 恐怖心でぶるぶる震えているれいむに背を向けて、まりさは男に飛び掛った。 「ゆぅぅぅぅ……ゆっくりできないよおぉぉぉぉ……」 「ゆっ!!れいむはまりさがまもるよ!!おにーさんはゆっくりむこうにいってね!!」 だが、まりさの体当たりはあっさり避けられ、逆に強烈な蹴りを受けて飛ばされてしまった。 そして、その飛ばされた方向が……とても悪かった。 ボチャン!! 池に落下した音である。 「ゆっぷ!?うっぶ!?だずげでえええぇぇぇ!!!おみずはゆっぐりでぎないよお゛お゛お゛おおお゛お゛!!」 先ほどの勇敢な姿は見る影もなく、情けない声を上げて助けを求めるまりさ。 それに引き寄せられるように、男は池の畔へゆっくりと歩いていく。 れいむは頭上の赤ん坊を気遣いながら、すりすり這って男を追った。 「ゆっ!おにーさん!!まりさをたすけてあげてね!!」 男はれいむの要求を完璧に無視し、時間を気にしているような様子で懐中時計を見た。 じたばた暴れて水を撒き散らすまりさと懐中時計の間で、視線を往復させている。 まるで、まりさが死ぬのをゆっくりと待っているかのように。 「おにぃさぁあぁぁぁぁん!!!はやぐまりざをだづげでよおおおおお!!!まりさがゆっぐりでぎなぐなるうぅぅぅ!!!」 「れっ、れいむぅ……だず…げでぇ……」 表皮がどろどろになり、これ以上放っておけば崩壊してしまうというところまで水に侵されたまりさ。 男は、懐中時計をポケットに突っ込み、やっとまりさを池から引き上げた。 そして、透明な箱にまりさをそっと突っ込んだ。 「動くなよ。動いたら死ぬからな」 まりさは箱の中でおとなしくしていた。暴れることも喋ることもせず、じっと堪えている。 口は爛れた皮で塞がっているので、言葉を発することは出来ない。 全身がデコボコに歪み、ところどころ皮が薄くなって中身が透けて見えている。 ちょっとでも動こうものなら、水分を吸った皮は簡単に破れてしまうだろう。 全身どろどろのまりさは、悲しげな目でれいむを見つめている。 れいむにも理解できた。これは放っておいて治るものではないのだ、と。 「おにーさん!!まりさをゆっくりなおしてあげてね!!」 「そうだな……お前の態度次第では、治してやらんこともない」 男の言っている事が、れいむには分からなかった。 でも、拒絶はされていない。ということは治してくれるに違いない。れいむはそう考えた。 「ゆ!?ゆっくりせつめいしてね!!」 「僕の命令に従うと約束するのなら、まりさは治してやる、ってことだ」 れいむは、まりさを見つめ返した。 物言わぬ口、無言で何かを伝えてくる目。まりさが何を言いたいのか、れいむにはわからなかった。 けれど、ここで何をするべきかは頭の悪いれいむでもわかった。 「ゆっ!!ゆっくりやくそくするよ!!だからまりさをなおしてあげてね!!」 れいむは、自分達がゆっくりできない原因を作った張本人に、まりさの治療を任せることにした。 そして男の言葉に従って別の透明な箱に自ら入り、運ばれてきたのが……今いるコンクリートの部屋である。 ドアを開ける音で、れいむは我に返った。 入ってきたのは、まりさを痛めつけておきながらまりさを治療すると約束した、例の男だった。 「やぁ、ゆっくりしているかな?」 「ゆっ……こ、こんなところじゃゆっくりできないよ!!さっさとまりさにあわせてね!!」 恐る恐るではあるが、男に対して強気の要求をするれいむ。 男はクスクス笑いを堪えながら、れいむの頭を撫でてやった。 「まりさの手術は半分終わったよ。あとは体力が回復するのを待って、もう一回手術するだけだ」 「ゆゆっ!そうなの?だったらもうすぐまりさとゆっくりできるね!!おにーさんありがとう!!」 まりさが治りつつと知るや否や、れいむは頭上の赤ん坊の存在も忘れて跳びはねた。 茎を伝わってくる重みを感じて、すぐに跳びはねるのを止める。 「ゆっ!!まりさにあわせてね!!れいむはまりさとゆっくりするうぱぁっ!?」 調子に乗って、そんなことを口にした時。 男が腕を振ったかと思うと、れいむの頬が赤く染まった。 びりびり響くような痛みを感じて、じんわりと目が潤んでいく。 「ゆっぐ!?なにをするの!?れいむにはあかちゃんがいるんだよ!?」 「目を瞑っていろ。そこを動くな。何も喋るな」 れいむの抗議に、男は3つの命令で返す。 圧倒的な威圧感を受けて、れいむは思わずたじろいだ。 「ゆゆゆ!!ゆっくりやめてね!!いたいことしないでね!!」 「おいおい、忘れたのか。まりさを治してやる代わりに、お前は僕と約束したじゃないか」 つい数時間前のことを、れいむは何とか思い出そうと努めた。 そして、思い出した。自分が目の前の男を交わした約束を。 ―――僕の命令に従うと約束するのなら、まりさは治してやる 「約束したよなぁ。僕の命令に従うってさ。まりさを治してるんだから、今更約束は無効っていうのは……ナシだぞ?」 「ゆっ!?でもゆっくりできないのはいやだよ!!ゆっくりできないやくそくなんて――― 「約束を破るのか。それなら、僕も約束を破ることにするよ」 そういうと、男はれいむに背を向けて出て行こうとする。 「れいむが約束を守らないなら、まりさは治してあげられないな。手術前のドロドロの状態に戻して、ゆっくりと死んでもらおう」 「ゆゆううぅぅぅぅ!?ゆっくりやめてね!!まりさにひどいことしないでね!!」 地面を這いずって追いすがるれいむ。 男はしゃがみ込むと、れいむの頭上に実っている赤ん坊の一匹を、ぎゅうっと握った。 赤ちゃんの苦しそうな声を聞いて、れいむの顔がさぁっと青ざめる。 「ゆっっゆうううぅぅ……」 「や、やめてあげてね!!あかちゃんがいたがってるよ!!」 「だったら約束は守れよ。約束っていうのは、守るためにあるんだから」 冷たく微笑む男を、れいむは心底怖いと思った。 何を考えているのかが分からない。どうして笑いながら、こんな酷い事が出来るのか。 わからない。わからないけど……れいむはガクガク震えながら、ゆっくりと頷いた。 「ゆっぐ……ゆっくりりかいしたよ!やくそくはまもるから、まりさをなおしてあげてね!!」 「最初からそう言えばいいんだよ、クズ」 男はもう一度「目を瞑っていろ。動くな。喋るな」と指示を出した後、ハチマキのようなものでれいむに目隠しを施した。 そして、怯えるれいむの体を優しく撫でながら、念を入れて命令する。 「いいか。何があっても動くなよ。僕がいいと言うまで絶対に動くな。そして何も喋るな」 「……!!」 れいむは恐る恐る頷いた。もし動けば、まりさの命はないからだ。 必死に口を結び、叫ぶ代わりに涙を流す。れいむの目を覆う布がじんわりと濡れた。 「そうだ、それでいい。僕の言うことを聞いていれば、まりさに会わせてやる」 男はれいむの頬を優しく撫でると、道具を取りに一旦部屋を出て行く。 戻ってきた男の手が持ってきたのは、“ゆっくり治療セット”だ。 12匹の赤ちゃんゆっくりの中から一匹選び、茎から離れぬよう注意しつつぎゅぎゅっと強く握り締める。 握られた赤ん坊は、言葉にならない悲鳴を上げた。 「ゆがっ!ゆああぁぁぁぁぁあ……」 「ゆゆっ!?あかちゃんがくるしんでびゅあっ!?」 その瞬間、男はれいむの頬を思い切り抓った。じんわりと切れ目が入る、れいむの頬。 激痛によって約束を思い出したれいむは、再び口を強く噤む。 「っ………!!!」 「何度も言わせるなよ。動くな。喋るな」 それ以降、どんなに赤ちゃんが苦しむ声を上げても、れいむは辛抱し続けた。 というよりは、“動くな。喋るな”という言葉を頭の中で反復させるのに夢中で、赤ちゃんの声が聞こえていないのだ。 握り締められている赤ちゃんは、ゆぅゆぅと力のない呼吸をしながら、閉じられた目から涙を流している。 男はゆっくり治療セットから取り出した針で、赤ちゃんの頬にうまく切込みを入れた。 そして、全ての赤ちゃん達に“あるもの”を埋め込み、皮を元通りにする。 1時間後、男は12匹の赤ちゃんゆっくり全員に“手術”を施し終えた。 涙でずぶぬれになった目隠しを取り去ると、れいむは潤んだ目で男を見上げる。 「よし、もう動いても喋ってもいいぞ。赤ちゃんが生まれる頃にまた来るからな」 「ゆゆぅ……ゆっくりつかれたよ…ゆっくりさせてね……」 緊張を強いられていたれいむは身体を脱力させ、その場にへたり込んだ。 頭上の赤ちゃん達の変化には、どうやら気づいていないらしい。 数時間後。 茎を伝わる振動を感じ、れいむは身構えた。 「ゆっ!!あかちゃんがゆっくりうまれるよ!!」 その声に呼ばれるように、男は部屋に入ってきて床に座り込む。 赤ちゃんたちの誕生を待ち望んでいるかのように、嬉しそうな目でれいむの頭上を見ている。 れいむは、男が自分の赤ん坊に見惚れているのだと思った。 「ゆゆっ!!おにーさん!!れいむのあかちゃんにむちゅうだね!!」 そんなことを言っているうちに、一匹目の赤ちゃんが体を震わし始める。 待ち望んだ赤ちゃんともうすぐ会える。れいむの顔は希望に満ちていた。 ぷちっ! 1匹目。赤ちゃんれいむがコンクリートの上に生れ落ちる。 れいむは口を閉じて、赤ん坊の第一声を待った。 「ゆっ…ゆゆ…ゆっくちしちぇいってね!!!」 「ゆううううううぅぅぅ!!!ゆっくりしていってねぇ!!!」 ちゃんと挨拶ができた。それだけでれいむは嬉しくて、涙が止まらなくなった。 そこに理屈はない。心の底から子供の誕生を喜んでいるのだ。 「ゆゆっ!!れいむがおかーさんだよ!!いっしょにゆっくりしようね!!」 続々と生まれてくる12匹の赤ちゃんゆっくり。 そのいずれもが健康で、第一声もとても元気なものだった。 12匹が無事に生れ落ちると、赤ちゃん達は母れいむに向かって一斉に大声を上げた。 「「「「ゆっくちしちぇいってねぇ!!!」」」」 「ゆうううぅぅぅぅ!!!ゆっくりしていってね!!!」 これほど生きてて良かったと思ったことはない。それぐらい、母れいむは子供たちの誕生が嬉しかった。 そして、これから沢山の子供たちとゆっくりできる、そんな未来が楽しみだった。 子供たちは母れいむの周りに集まり、生まれて始めての“すりすり”をする。 ゆっくりにとっての親愛の証。子を愛し、母を愛する、家族の絆の証である。 「おかーしゃんのしゅりしゅり、とってもきもちいいよ!!」 「ゆぅ~しあわしぇだよぉ~!!」 「もっちょしゅりしゅりしてぇ~!!!」 「ゆっくちすりすりしてにぇ!!」 「ゆゆぅ~!!みんなとてもゆっくりしているね!!!」 その様子を都合5分程度、男は時計を眺めつつ観察していた。 時計の長針が文字盤の12を指したところで、男はゴミ袋を取り出してれいむ一家に近づく。 これが最初で最後の“すりすり”になってしまうとは、一家の誰も予想していなかった。 「さて、そろそろ始めるぞ」 すりすりの最中の一家に割って入り、赤ちゃんゆっくりたちを次々とゴミ袋の中に放り込んでいく。 「ゆっ?ゆっくちゆひゃああぁぁあぁ!!?」 「ゆっくりやめちぇね!ゆっくちしちぇよおおおおっぉぉお!!!」 甲高い叫び声と共に袋へ吸い込まれていく赤ちゃん達。 母れいむの笑顔が、一気に崩れた。 「ゆっ!おにーさんなにするの!?あかちゃんたちをだしてあげてね!!」 「黙れ。動くな」 「びゅっ!?」 圧倒的な低音の声で、2つの命令を母れいむに突きつける男。 それだけで母れいむは、びくっと震えて口を噤んでしまう。 男の命令は聞かなければならない。そうしないと、まりさを助けてもらえないからだ。 母れいむが怯えているうちに、男は12匹の赤ちゃんゆっくりを回収し終えてしまう。 「っ……!!!」 れいむは叫ばず、動かず、嗚咽を我慢しながら涙を流している。 それを確認した男は、れいむから離れて作業を開始した。 「全員出してやるからな。でもお兄さんがいいって言うまで、動くんじゃないぞ。 言いつけを破ったら、今度は二度と袋から出してやらないからな」 男は袋の中から、先ほど捕まえた赤ちゃんゆっくりを一匹ずつ取り出し、等間隔で床の上に置き始めた。 壁に沿って、一辺が4匹ずつになるように正方形の形に、赤ちゃんゆっくりを並べていく。 「ゆっ!!ゆっくちりかいしたよ!!」 「れいみゅはうごきゃないよ!!」「だからゆっくちしゃせてね!!」 生まれたてのわりには物分りのいい赤ちゃん達。男の言いつけを忠実に守って、ゆっくりできる時を待ち続ける。 一方母れいむは、男のとった行動の意味が理解できずにいた。 「さて、皆には一つだけ話しておかなきゃいけないことがある」 赤ちゃんゆっくりを並べ終えた男は、部屋の中央にいる母れいむの傍に立ち、説明を始めた。 それと同時にポケットに手を突っ込み、中のリモコンのボタンを手探りで押す。 「単純明快に説明しよう。12匹の赤ちゃん達には爆弾が埋め込まれている。そして母親に近づくと爆発するようになっている」 「「「………ゆっ?」」」 赤ちゃんゆっくりは、揃って首を傾げる。 発言を許されていない母れいむも、内心同じ気持ちでいるだろう。 「実際にやってみた方がわかりやすいよな。それじゃぁ……お前、お母さんに近づいてすりすりしろ」 「ゆっ?うごいていいの?」 指名されたのは、部屋の出口に一番近い場所にいた赤ちゃんまりさだった。 母親とすりすりできる期待感に笑顔を浮かべるまりさ。 男に背中を押され、それが自由に動いていい合図なのだと判断した赤ちゃんまりさは、一目散に母れいむへと跳ねていった。 「ゆ~っ!!おかーしゃんとしゅりしゅりするよ!!!」 「ゆっ!!おちびちゃん!!ゆっくりすりすりしようね!!」 母れいむも出迎える体勢を整える。 だが、赤ちゃんまりさが母れいむの頬に飛びかかろうとしたその瞬間――― パンッ!!! 赤ちゃんまりさの姿は消え、饅頭の皮と餡子が母れいむの顔面に降りかかる。 数秒後、爆風で飛び上がった帽子が床の上に舞い落ちた。 母れいむは……目の前で起こった事が、理解できていない。笑顔のまま硬直している。 その傍らで、男は説明を再開した。 「ゆっ?………おちびちゃん、どこにいったの?……かくれてないででてきてね!」 「見ての通りだ。赤ちゃんが母親に近づくと、爆発する。 爆発するっていうのは、身体がバラバラになってしまうということだ。こんな風にね」 母れいむの顔面に張り付いていた皮をつまみ上げ、母れいむを含む一家全員に見せてやる。 爆発の瞬間。一瞬の激痛に歪んだ、最期の顔。死を表現しているその顔を見て、赤ちゃんゆっくりは“爆発する”ことの意味を知った。 そして母れいむも、赤ちゃんまりさが“どこ”に行ったのか理解した。 「ゆっ!?ゆううううぅぅぅぅ!?れいむのあがぢゃんがああぁぁぁぁぁぁぁ!!??」 「いぎゃああぁあぁぁぁぁぁぁあ!!!ゆっぐぢでぎないいいいいぃぃぃぃ!!!」 「どぼぢでごんなごどじゅるのおおおおぉっぉぉ!?!?」 「れいみゅたちゆっぐじしだいよおおおおおおおぉぉぉぉお!!!」 赤ん坊にとって、“ゆっくりする”とは母親とのふれあいを示す。 しかし、ゆっくりしようとすれば爆発する。つまり、先の赤ちゃんまりさのようになるのだ。 「今ので理解できたよな。お前達は母親に近づかないでゆっくりすればいいんだ。……簡単なことだろう?」 「おにーざんのばがあああぁぁぁ!!ゆっぐじさせでよおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「おがーぢゃんどいっじょにゆっぐじぢだいいいぃぃ!!!」 「おう、自由にゆっくりしていいぞ。この狭い部屋の中で、思う存分ゆっくりしていってね!!!」 一家の叫びが止むのを待たず、男はコンクリートの壁に囲まれた部屋から出て行く。 12匹分の叫びが男に通じることはなく、母れいむたち一家は跳ね回る元気も失い、互いを見つめ合っていた。 数時間後。バケツ一杯分の餌を持って、男が部屋に戻ってきた。 それまで数センチも動くことなくゆっくりしていた一家は、男を見上げながら声を上げる。 「おにーさん!!おちびちゃんたちを“ばくはつ”しないようにしてね!!」 「しょうだよ!!まりぢゃはおかーしゃんとゆっくちしたいよ!!」 「れいみゅばくはちゅしたくないよ!!ゆっくりしゃせてね!!」 そんな懇願を華麗に受け流した男は、部屋の中心にいる母れいむの近くに餌をばら撒いた。 「これが今日のお前らの餌だ。好きなだけ食べていいぞ」 山盛りのクズ野菜。見た目は多いように見えるが、実際は母れいむ一匹が全部食べてやっと満腹になる程度。 合計12匹のれいむ一家を満足させられる量ではなかった。 それでも食べないよりはマシだと思ったのだろう、周囲の11匹の子供たちは餌に集まってくる。 「ゆ~!!ごはんごはん!!」「ゆっくちたべりゅよ!!」 「ゆ!そうだね!!おかーさんがやわらかくしてあげるから、それをたべてね!!」 母れいむは、自分が野菜を噛み砕いて軟らかくしてから、赤ちゃん達に食べさせるつもりらしい。 やっと母親らしい事ができる、と張り切って口の中に野菜を詰め込んでいく。 だが、目の前に美味しい食べ物が用意されたせいか、とても大事なことを一家は忘れていた。 それも、ついさっきまで覚えていたことである。 「むーしゃむーしゃ!おちびちゃん!ゆっくりたべさせてあげるね!!」 「ゆ~♪おかーしゃんだいちゅきー♪」 「れいみゅたちをたくさんゆっくちしゃせてね♪」 口の中で野菜を噛み砕き、赤ん坊でも食べられる軟らかさにしてやる母れいむ。 周りからは、11匹の赤ちゃんが我先にと母れいむの元へ集まってくる。 そして、最初の赤ちゃんが母れいむの正面に飛び込んでいった、その瞬間――― パンッ!!! 赤ちゃんれいむの姿が、母れいむの正面から消えた。 「ゆ?おねーちゃん?」「ゆっくち…?」 残ったのは、焦げた皮と餡子。ぱさっと赤いリボンが床に落ちる。 身動きを忘れた母れいむの口からは、どろりと唾液にまみれた野菜が漏れ出した。 我に返った母れいむは、硬直している残りの10匹の赤ちゃんに向かって叫んだ。 「にげてえええぇぇぇぇぇ!!!ゆっぐじしないでにげでえ゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ!!!」 「いやああぁぁぁぁぁぁ!!!ばくはちゅしたくないいいいぃぃぃ!!!」 「ゆっぐぢでぎるとおもっだの゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」」 それまで母れいむのもとに集まろうとしていた赤ん坊は、我先にと部屋の隅っこへ逃げていく。 同時に思い出した。自分達のおかれた状況を。自分の身体に埋め込まれた“爆弾”の存在を。 赤ちゃんゆっくりたちの笑顔は一転、死の恐怖に歪められた。 「おなかしゅいたよぉ…」「ゆっくちできないよぉ…」 遠く離れたところから、母れいむの傍らにあるクズ野菜の山を見つめる赤ちゃん達。 とても美味しそうなご飯。お母さんに食べさせてもらうのを、楽しみにしていたのに…… 「おにーさん!!あかちゃんたちがおなかをすかせてるよ!!ゆっくりごはんをたべさせてあげてね!!」 母れいむは、声を張り上げて男に懇願する。 お腹をすかせて泣いている子供たちが、かわいそうで仕方なかったのだ。 本当なら自分が口移しで食べさせてあげたい。けど、そんなことをしたらゆっくり出来なくなってしまう。 自分の気持ちが通じるよう、母れいむは祈りを込めるように男にお願いした。 「ダメだ。お前が方法を考えて、赤ちゃん達にご飯を食べさせろ。……これは“命令”だぞ」 「ゆ゛っ!そ、そんな……」 「お腹いっぱい食べてね」と赤ちゃん達に笑顔で言い残し、男はクククと笑いながら部屋を去っていった。 残されたのは、空腹の苦しみですすり泣いている赤ちゃん達と、山盛りのクズ野菜。 母れいむは、赤ちゃん達にご飯を食べさせる方法を、ない頭を使って必死に考える。 そして、1時間かけてやっと思いついた方法が、これだった。 「むーしゃむーしゃ!ぺぺっ!!」 噛み砕いた野菜を、母れいむは部屋中央の床の上に吐き出していく。 そして部屋の中央から離れると、10匹の赤ちゃんに呼びかけた。 「おちびちゃんたち!!そこにあるごはんをゆっくりたべてね!!」 こうすれば、赤ちゃん達が爆発してしまう心配はない。母れいむはホッとため息をついた。 しかし、赤ちゃん達の方は不満顔だ。 「むーしゃむーしゃ……それなりー」「ゆぅ…おかーしゃんにたべさせてもらいたいよ…」 通常、生後2週間までの赤ちゃんゆっくりは、母親から口移しによって食べ物を食べさせてもらう。 そういったスキンシップは、赤ちゃん達に大きな安心感を与えるのだが、今の赤ちゃん達にはそれがない。 本能的な不安を感じながらとる食事は、美味しくもなんともないだろう。 「ゆぅ~……ゆっくりがまんしてね!!」 母れいむの虚しい呼びかけが、部屋の中に響いた。 言われるまでもなく、赤ちゃん達は空腹を満たすために我慢して食べる。 そして母れいむが用意した食事の半分以上を残して、部屋の隅っこへ戻っていく。 「ゆぅっ……まりさぁ…いっしょにゆっくりしたいよぉ……」 姿を見せぬパートナーに思いを馳せながら、母れいむは赤ちゃん達と反対のほうへ這っていった。 「バカ野郎っ!!」 「ゆっぼがあっ!!??」 部屋に入るなり、男は母れいむを思い切り蹴飛ばした。 壁にぶつかり、跳ね返って男の足元に戻ってきた母れいむを、男は靴底で受け止める。 「僕の命令を忘れたか? 『赤ちゃん達にご飯を食べさせろ』と言ったのに……この野菜の山は何だ!?」 「ゆっ!?だ、だってあかちゃんたちが……!」 男が指差したのは、赤ちゃん達の食べ残し。 母れいむの唾液にまみれて異臭を放っている、ゴミクズの山だった。 「言い訳なんか聞いてない。このゴミクズを、今すぐ、子供たちに、食べさせろ……まりさを助けたかったらな」 「ゆひゅっ!!」 強く踏みつけられた母れいむは、忘れかけていたことを思い出した。 男の命令を聞かなければ、パートナーであるまりさに会えないどころか、その命すら助けてもらえないのだ。 「ゆっ!!おちびちゃんたち!!ごはんをのこさずたべてね!!」 母れいむはゴミクズの山を視線で示しながら精一杯呼びかけるが、子供たちはそれに応じようとしない。 口移しでない、愛情のないご飯など、唾液塗れの汚い野菜クズでしかないのだ。 「いやだよ!!おかーしゃんにむーちゃむーちゃしてほしいよ!!」 「そうだよ!!むーちゃむーちゃしてもらわないとおいちくないよ!!」 「わがままいわないでねええぇえぇぇえぇぇぇ!!!まりさのためなんだよおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」 理解を示さない子供たちに対し、母れいむは苛立ちを募らせていく。 口移しするために近づいたら、爆発してゆっくりできなくなるのに……そんなこともわからないのか! まりさのことで頭がいっぱいの母れいむは、子供たちに対して初めて憎しみを抱いた。 ……殺したいぐらいの、憎しみを。 「むーしゃむーしゃさせてね!!!」「むーしゃむーしゃしてくれないと、ゆっくちさせてあげないよ!!!」 「おなかしゅいたよおおおおおぉぉぉぉ!!!」「ゆっくちしたいよおおおおぉぉっぉ!!!」 「むーしゃむーしゃしてくれないおかーしゃんは、ゆっくちどっかいってね!!!」 その瞬間、母れいむはキレた。 (続く) 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1275.html
imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (画像ファイル名または画像URL) ある夕暮れの森の中を、鳥とも蝙蝠とも言いがたい生き物が、人の大人の目線程の高さを飛んでいた。 「うー!うー!」 その奇妙な生物は、ゆっくりの一種で、主に“ゆっくりれみりゃ”と呼ばれている。 まん丸の体の両端には、蝙蝠のような羽があり、ピンクの帽子を被った愛くるしい姿で、ゆっくり種の中では比較的 希少な部類に入る。 そんな可愛らしいゆっくりれみりゃだが、食事は同じゆっくり種の“ゆっくりれいむ”や“ゆっくりまりさ”を好ん で捕食する。 どうやら、そのゆっくりれみりゃが、今日の晩御飯を見つけたようだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 森の中の湖のほとりで、ぴょんぴょん跳びはねているのは、ゆっくりれいむだ。 どうやら、蝶々と戯れているらしい。 (蛇足だが、最近の研究によりゆっくりにも…例えばゆっくりれいむなら可愛らしい無垢な顔つきのタイプと、生意気 で憎たらしいタイプの二種類が存在することが分かってきている。このゆっくりれいむは無垢なタイプのようだ。) 「うー!うー!たべちゃうぞー!!」 早速、ゆっくりれいむに襲い掛かるゆっくりれみりゃ。 「ゆっくり!?」 ゆっくりれいむが気づいたが、もう遅い。ゆっくりれみりゃはゆっくりれいむに乗り掛かりその羽で押さえつけると。 噛み付いてムシャムシャと食べ始めた。 「ゆうううっ!!!」 悲鳴をあげ抵抗するゆっくりれいむ…だが、いかんせん羽の押さえ込みが強く、ゆっくりれいむではどうすることも できない。頭部に激痛が走り、涙を流して命乞いをするゆっくりれいむ。 「ゆっぐりだずげでえええっ!!!」 しかし、そんなことはお構い無しに食事を続けるゆっくりれみりゃ。そして、人間であれば、脳味噌があるだろう部 分を半分ほど食われた段階でゆっくりれいむは白目を向いてビクンビクンと痙攣を始めた。 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 こうなれば絶命するのはすぐそこだ。 そうして、ゆっくりれみりゃは、大人しくなったゆっくりれれいむをそのまま食べ尽くすと。 「うー!うー!」と満足げに鳴き、 また飛び立っていった。 それから二時間後、まだゆっくりれみりゃは空のお散歩を続けていた。あたりはすっかり夜だったが、満月の光が森 の中を照らしていた。 「うー!うー!」 先ほどの餌がよほど美味しかったのか、ゆっくりれみりゃは上機嫌に空を飛んでいた。 そう、“天敵”の気配に気付かないほどに…。 突如、ゆっくりれみりゃが空中でピタリと止まる。顔が、ニコニコしたものから、カッと目の見開いた表情に一変す る。 それは、“天敵”の接近を許してしまったからだ。 その天敵とは、ゆっくりの中でも一、二を争う希少性と凶暴性を持つ、ゆっくりフランだ。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは狂気を帯びた笑みを浮かべながら、ゆっくりらしからぬ攻撃的な鳴き声をあげてゆっくりれみりゃ に襲いかかる。 「うあー!うあー!」 Uターンし、泣きながら逃げるゆっくりれみりゃ。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 恐ろしい形相でゆっくりれみりゃを追いかけるゆっくりフラン。 スピードはほぼ互角か。しかし…。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりれみりゃの目の前に何ともう一匹のゆっくりフランが立ちはだかる。 絶句するゆっくりれみりゃ。 それにしても、超希少とされるゆっくりフランが何故二匹も…? 実は、原理は解明されていないが、ゆっくりフランは自身の体を複数に「分身」することができることが、八意永琳 の研究により分かっている。これは“フォーオブカインド現象”と呼ばれ、ゆっくり七不思議の一つとなっている。 「うあー!うあー!」 挟み撃ちにされ、逃げ場を無くして混乱するゆっくりれみりゃ。 そんなゆっくりれみりゃに、二匹のゆっくりフランは容赦なく飛び掛る。 「ゆっくりしね!」 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフラン達はゆっくりれみりゃの翼にかじりつくと、凄まじい力で思いっきり引っ張りあった。 まずは逃げ足を無くすためである。 「うあー!うあー!」 ブチブチと、ゆっくりれみりゃの体から翼が引き剥がされていく。 ゆっくりれみりゃは痛みで暴れ出すが、ゆっくりフランの力は凄まじく、打つ手が無い。そして、 ブチィっ!!! ほぼ同時に両の翼がモギ取られる。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 ボトッと地面に落下するゆっくりれみりゃ。翼を無くしたゆっくりれみりゃは他のゆっくりように跳び跳ねることも できず、這うのがやっとだ。その姿は滑稽きわまりない。捕獲に成功したゆっくりフランは、体を一つに戻すと、ゆっ くりれみりゃに張り付き、先ほどゆっくりれみりゃ自身がゆっくりれいむにしたように、上から押さえつけて、食事を 始めた。 グチョ 「うあ゛ー!!!」 グチョ 「うあ゛ー!!!」 ゆっくりれみりゃはゆっくりれいむやゆっくりまりさ等と違って中身は餡子ではなく赤い血肉そのものであるため、 正視にたえない。 しかし…二回程カジってゆっくりれみりゃの肉片を飲みこんだ後、ゆっくりフランは食べることを止めゆっくりれみ りゃを解放した。 「う゛ー!う゛ー!」 激痛でのたうちまわるゆっくりれみりゃ。 何故、ゆっくりフランはゆっくりれみりゃを食べるのを止めたのか…。 実は、ここからがゆっくりフランがゆっくり達に最も恐れられる理由なのだ。 ゆっくりレティやゆっくりゆゆこは、ただ食べるためだけに、他のゆっくりを襲う。 それは野生の動物の世界では極々当たり前のことだ。 しかし、ゆっくりフランは違う。食べるためだけではない。他のゆっくりを「玩具」にするためにも襲うのである。 狂気の時間の始まりだ。 ゆっくりフランは、翼をもがれ文字通り「肉団子」となったゆっくりれみりゃの髪の毛を噛んで掴むと、そのまま高 速で森の上空へと飛び立つ。 「う゛ー!う゛ー!」 今や翼を失ったゆっくりれみりゃにとって、高いところは恐怖そのものでしかない。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランはそう言うと、急降下して、ゆっくりれみりゃを、岩の角に叩きつけた。 「う゛う゛ー!!」 ゆっくりれみりゃの左目の部分が潰れ、血肉が飛び散る。 更に、その傷の部分を地面に押し当て、引きずりまわす。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛ー!!」 悲鳴をあげるゆっくりれみりゃ。 生かさず、殺さず。…二時間程ゆっくりフランはゆっくりれみりゃを弄んだだろうか。 ゆっくりフランは最後の仕上げとばかりに、虫の息のそのゆっくりれみりゃを“ある場所”へと運びだす。 …森の更に奥の奥に、その場所はあった。 その空間の地面には、先端の尖った鉄の槍のようなものが、いくつも突き刺さっていた。 おそらく、昔の戦争で使われたトラップだろう。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは、そのまま、ゆっくりれみりゃを、生きたまま槍の上に突き刺した。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 それはちょうど百舌の早贄のようだった。 自身の重みで、ズズズ…とより深くゆっくり貫かれていくゆっくりれみりゃ。 ジタバタするが、もはやこの状況から逃れることはできない。 「う゛ー!う゛ー!」 中途半端な生命力が仇となり、このゆっくりれみりゃは餓死するまで死ぬこともできず、もがき苦しむことになるだ ろう。 「ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは、新しい“コレクション”が手に入り上機嫌だ。 コレクション…?。 そう、そのゆっくりフランがプロデュースする“美術館”に、串刺しにされているのは、このゆっくりれみりゃだけでは ない。ゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 、ゆっくりぱちぇりー、ゆっくりちぇん、ゆっくりみょん、ゆっくりすわこ、 そして他のゆっくりれみりゃ…。 様々な種類のゆっくりが、あるものは体の底から、あるものは体の耳から、あるものは頭頂部から逆さまに、あるも のは顔面から、皆それぞれ串刺しにされていた。 もちろん生きたまま。 「ゆっぐりだずげでえええ」 「ゆっぐりでぎないい」 「いたいimageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (画像ファイル名または画像URL) 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 半角 で始めると引用文になります。 よおおお…」 「ゆっぐりじだいいいいい」 「むぎゅうううぅぅん」 「ちんぽでぎないいいい」 「だずげでケロ~」 「う゛…!う゛…!」 合計すると、30匹はいるだろうか。 体をジタバタさせているゆっくりもいれば、ピクリともできないゆっくりもいる。 傷口が腐り、虫にたかられているゆっくりもいる。 正に、地獄絵図…。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 ゆっくりフランは、その生きたコレクション一つ一つに声を掛け、苦しむ様を興奮した眼差しで確----
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4516.html
俺設定 いろいろな設定お借り どちらかというと外の世界 しーしー表現あり ******************************************************* ゆっくりの伝道師 ******************************************************* タッタッタッタッタッ 今自宅に向けて全力疾走している俺はいい年したお兄さん。 帰り道ふと時計を見たら毎週見ているアニメがもうすぐ始まっちゃうことに気付いてだいぶ焦ってるのさ! 一応予約録画は掛けてあるけれども、 やっぱりテレビで見つつスレに張り付いて実況するのが醍醐味だと思うんだよね。 今回は次回予告で「おりんりんランド崩壊か!?」とかあったから見逃す訳にはいかない。 あの角を曲がればカーナビが見捨てるほど近くに自宅が見える! はぁはぁ 「「ゆっくりしていってね!!」」 目の前に最近現れたと聞くしゃべる飾り饅頭通称「ゆっくり」発見! 下手に構うといろいろ面倒そうだしなにより一刻を争う事態。 二匹いて飾りの種類が違うとかそこはどうでもいい。 おりんりんランドがお兄さんを待ってるんだよ、わかってねー。 もうダッシュでゆっくりの横を駆け抜けようとしたその時。 「「ゆっくりしていってね!!」」 クラッ 「お…」 一瞬めまいがしたがそんなことはなかったぜ! そういえばこいつらのふてぶてしい顔や傲慢な言動を嫌い虐待している人もいるらしいが、 別にゆっくりに構わなくてもアニメは見れる。おりんりんランドには行ける。 無視だ!無視! 「「ゆっくりしていってね!!」」 クラクラッ 「おおおっと」 ドタン! 体から急に力が抜ける感覚がして、立つことができなくなり、 壁に寄りかかるようにして倒れた。 「「ゆっくりしていってね!!」」 「立てない!なぜだ!」 足に力が入らない。 チクショウッ!俺にはアニメがあるんだ! こんな所で、こんな所で倒れるわけには! 「「ゆっくりしていってね!!!」」 瞬間、俺の視界がモヤモヤと歪んできた。 ところどころ舗装が剥けている道がなぜか花畑に見える。 視界をちょろちょろ飛んでいるのは・・・ちょうちょか? ゆ っ く り し て い っ て ね ! ! ゆっくりの言葉が体にゆっくりと染み込んでくる。 俺はアニメを見なければ、おりんりんランドを拝まなければ…。 今日のおりんりん…今日のランド…今日のおりんりん…。 ゆ っ く り し て い っ て ね ! ! ………。 ああ、よく考えればアニメなんてそんなに見たくないかもしれない。 たぶん従業員ボイコットを気にゾンビ総動員なんだろうしな。 万が一に化けたと話題になったら後で録画したやつをゆっくり見ればいい。 いや、そんなすぐに見なくてもしばらく経ったあと高画質かつ特典いっぱいのディスクを買おう。 いっそのこと墓場まで記憶は持って行けないという理由で、そんなの見なくてもいいという発想。 それより…なんだ、こう、もっと、ゆっくり…したい。 まどろみにからだを任せて、ゆっくりとゆっくりと沈みたい。 そのままゆっくりできる世界へ旅立とう。 誰もがゆっくりできる世界へ! ―――――――――――――――――――――――――――――― ――――――――――――――――――――――――― ―――――――――――――――――――― ――――――――――――――― ―――――――――― ――――― 「どぼじでまたねぢゃうのお゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「まだまりざあまあまもらっでないのにい゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 お兄さんが眠っている横でゆっくりれいむとゆっくりまりさは叫んだ。 せっかく自分たちがゆっくりということを教えにわざわざ山から下りてきているというのに。 最初に会った白くてしわしわな人間は「ゆっくりしていってね」と挨拶しても、 「ん?なんか言ったか?」「ああ、ゆっくりしてるよ」とまるで話が通じない。 挨拶ができなくともあまあまを持ってくることくらいできるだろうと脅してやったら、 「海女…わたしも若い頃は張り切ったものですね」「あの頃は一目ぼれじゃった」 もう無駄と判断して深追いはしなかった。 しわしわじゃない人間にしようと思い次に出会ったのは、髪の毛がなく群れでいじめられてそうな人間。 いかにも生きる希望を見失ってるという表情をしているこいつに、 ゆっくりを教えたらきっと感動してお礼もうんとはずむだろうと思った。 案の定「ゆっくりしていってね」と挨拶したら、 初めてゆっくりを知れた喜びか涙と鼻水で顔をびしょびしょにしていた。 全く、群れのおちびちゃんでもしーしーは我慢できるのに… とにかくこれなら当初の予定通りお礼もたくさんもらえるだろう。 しかし思い通りにはいかなかった。 かわいそうな人間は「おまえたちだけなんだなあああ」とその汚い顔ですり寄ってきたのだ! 「ありがとう、本当にありがとうぅ」擦りつけられるたびにネトネトした気持ち悪いのがきれいな肌にこびりつく。 奔流は過ぎたが、ネトネトの感覚はまだ残っていて非常に不愉快だ。 とりあえず体をきれいにするため自分をぺーろぺーろした。 舌にネトネトがつくたびににがにががじわっと来てひどくゆっくりできない。 適当鬼きれいにしたところであまあまを要求しようとしたが、すでにその人間は目の前から消えていた。 結局その人間がゆっくりと引き換えにくれたのはあまあまではなくにがにがであった。 これら失敗を踏まえて今度は顔色がよく元気そうな人間を選んだのだが結果はご覧のざま。 今のところ恩を恩で返す人間は一人もいない。 ゆっくりは人間を見たらゆっくりということを教えなければならない。 そして人間はゆっくりを教えられたのだから、 その見返りに自分たちにあまあまをたくさん渡さなければならない。 これは群れのルールだ。バカな人間でもこれくらいは理解できると思っていた。 「まりさ…まただめだったね…」 「しょうがないよれいむ、にんげんさんはあんこのうなんだから!」 コツコツコツ 「ゆゆ?あしおとがきこえるよ!」 「こんどこそあまあまをもらおうね、れいむ!」 目を凝らして道の先を見ると金色の髪の毛をした人間が一人。 金色と言っても群れにいるありすとは比較のしようがないほどひどい色。 だがよぼよぼでも、髪なしでも、せかせかでもない。 「これならだいじょうぶそうだね!」 「じゃあいくよ、れいむ!」 「せーの!」「せーの!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 完璧な挨拶だ。 これで人間は心の底から存分にゆっくりしてこう言うだろう。 「ゆっくりが教えてくれた初めてのゆっくり。その感覚は心を穏やかにしてくれて、 こんな素晴らしいゆっくりを教えられた私は、きっと特別な人間なのだと感じました。 そんな私がゆっくりにあげるのはもちろん極上のあまあま。 なぜなら、彼もまた、特別なゆっくりだからです。」 あまあまは目前だった。 「ヤベーゆっくりじゃん!キモカワイイー!!」 「「へ?」」 視線が合うやいなやれいむに向けて突撃してくる人間。 「おねーさんのスーパーすりすりタイム開始じゃね?」 「なにいってんの?ゆっくりできたらはやくあまあまをゆぶげぇ!」 「れいむー!」 れいむの視界が人間の顔でいっぱいになった瞬間ザリザリと皮を抉るほどの強烈なすりすり。 ザーリとひとつ擦れば傷ができ。 ザーリとふたつ擦れば傷口開き。 ザーリとみっつ擦れば中身が漏れ出る。 「ゆだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 「これモチ肌ってヤツ?マジテンション上がるんですけど!」 「いたがってるよ!ゆっくりやめてね!!」 まりさの声はザリザリ魔に届かない。 ザーリザーリ 「ゆぎや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 「もうやめないとじつりょくこうしでいくよ!!」 「んあ?」 まりさに気付いたのかザリザリ魔が振り向いた。 「まりざあ゛あ゛あ゛あ゛いだいよお゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!」 「れいむ、だいじょうぶ?ゆっくりしてね!」 ザリザリから解放されたれいむの左頬は子ゆっくりくらいの穴が空き、 そこから餡子が絶え間無くこぼれ落ちている。 どうしてれいむがこんな目にあわなくちゃいけないのだ。 ゆっくりさせてやっているのに一向にあまあまをくれない人間。 もう我慢できない。 「にんげんさん!もうゆるさないよ!!まりさのたいあたりでゆっくりしんでね!!」 「ハァ?饅頭のくせにケンカ売るんですか?」 「まりさはほんきだよ!!」 「てかさ、たいあたりとか!マジウケルんですけど!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 バカにできるのも今のうちだ。 れみりゃを追い払うほどのまりさの体当りを食らったら、 人間なんてきっと空まで飛んで行ってしまう。 そして空の上でゆっくり後悔するがいい。 「ゆーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」 「ゆっくりしねぇ!!」 「コーナーキックから・・・そのままゴールにシュート!!」 「ゆげばぁっ!!」 真っ向から体当りを仕掛けたまりさは、 ザリ魔のシュートによって天高く飛ばされる。 何故だ。何故 何故こんな人間ごときに自分の体当りが効かないのだ。 嘘だ、嘘だ。これは夢だ。 これは・・・きっと夢だ。 そして目が覚めれば・・・ 「ゆべしぃ!!」 まりさの着弾点を中心に餡子の花が開いた。 「ちょ中身もれてるし!弱すぎじゃね?」 「ゆ゛・・・ゆ゛・・・ゆ゛・・・ゆ゛・・・」 「てかもう飽きたから帰るわ、あーすっきり!」 ―――――――――――――――――――――――――――――― ――――――――――――――――――――――――― ―――――――――――――――――――― ――――――――――――――― ―――――――――― ――――― 「まりざ・・・まりざ・・・おぎで・・・」 「れ・・・れいぶ」 れいむに起こされたまりさ。 ずいぶんと餡子が出てしまいもう長くない。 「まりざ・・・もう・・・だめ・・・ゆっくり・・・できない」 「どうじでぞんなごどいうの?まだまりざどゆっぐりじだりないよ゛!」 口を開くたびに餡子が漏れるまりさ。 「ぜんぶ・・・にんげんざんのぜいだ・・・じぶんだぢばっがりゆっぐりじじゃって・・・。 まりさだちはぜんぜんゆっぐりでぎなぐで・・・」 「まりざ・・・」 「ぼう・・・げんがいだよ・・・」 「まりざ・・・ゆっぐりじぢゃだめだよ゛!ゆっぐりじぢゃだめだよ゛!」 「もっど・・・ゆっぐり・・・じだがっ・・・」 そう言い残すと、まりさは永遠にゆっくりしてしまった。 「まりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 れいむは考えた。 なぜこんなことになってしまったのだろう。 自分たちはゆっくりさせる為に来たのに、 自分たちはとってもいいことをしに来ているのに、 自分たちは何も悪いことをしてないのに 何で自分たちがゆっくりできなくなってしまうのだろう。 まるで、人間にゆっくりが吸い取られているかの・・・ 「!」 そうだ。人間は元々ゆっくりを知らないかわいそうな人間なのだから、 自分たちにあげるゆっくりがなかったのだ! なんてことだ! 一度にたくさん人間にゆっくりをあげてしまったから、自分たちのゆっくりが尽きてしまった! それで自分たちはゆっくりできなくなってしまったのだ! 「どぼじで・・・」 ようやく問題の答えが出たれいむの左頬にアリがたかってきた。 ピリピリとした傷みがゆっくりれいむを蝕んでいく。 「まりざ・・・」 ああ・・・目が霞んできた。 もうはっきり見えるのはもうすぐ死ぬという未来だけだ。 「れいぶもぞっぢにいぐからね゛!」 ―――――――――――――――――――――――――――――― 人間が「ゆっくり」を忘れてしまったためにゆっくりが誕生した。 なのでもはや「ゆっくり」はゆっくりにしか作れない。 そしてその「ゆっくり」をゆっくりを知らない人間に与えるのがゆっくりの役目となった。 彼らはゆっくりするために生まれて来たのではない。 ゆっくりさせるために生まれて来たのだ。 終 ******************************************************* 反省 前半と後半の差 今まで書いた作品 初めての制裁 僕のうさばらし ゆっくりは死んだ 見せあいっこ このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1242.html
「ゆっくり想像妊娠」(前編) 人里から遠く離れた草原。 人の手が加わっていないありのままの自然に満ちた、野生生物の楽園。 ゆっくりれいむとゆっくりまりさの2匹は、そんな草原の大木の根元に住んでいた。 「ゆっくりかえったよ!!」 「ゆっ!まりさおかえり!!」 根元の穴へと、ずいずい潜り込んでいくゆっくりまりさ。 黒い帽子と金髪が目印の、人間の生首を幼児が粘土で作ったような、下膨れな形だ。 出迎えたゆっくりれいむは、赤いリボンと黒髪が特徴。やっぱり下膨れ。 「おいしいたべものだよ!!ゆっくりたべてね!!」 「ゆっ!!いっしょにゆっくりたべようね!!」 まりさが口の中から、取ってきた食べ物をその場にばら撒いた。 留守を守っていたれいむも加わって、2匹で食事を取る。 うねうね動く芋虫や、草原に生えていた花々。野生のゆっくりにとってはご馳走だ。 「とてもゆっくりできるね!!」 「そうだね!!でも……あかちゃんがいたらもっとゆっくりできるよね?」 れいむは、遠慮がちにまりさに問いかける。 むーしゃむーしゃと、幸せそうに芋虫を頬張っていたまりさの口が、一瞬だけ止まった。 考え事をしながら芋虫をゆっくりと咀嚼し、口の中が空っぽになってから口を開く。 「ゆっ……そ、そうだね!!でも、あかちゃんをつくるには、すっきりしなくちゃいけないんだよ!!」 「れいむはまりさとすっきりしたいよ!!まりさはすっきりしたくないの!?」 ぐいっと食べ物を一気に飲み込んで、れいむはまりさに詰め寄った。 まりさは困り果てた顔で、俯いている。そして、しばらく考え込んだ後…… 「まりさとれいむにはまだはやいよ!!いますっきりしたら、ゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「そんなことないよ!!れいむとまりさは、ゆっくりおとなになったよ!!」 「ゆっくりあせらないでね!!まりさのおかーさんもいってたんだよ!!」 両者は一歩も譲らない。 れいむは『一刻も早くすっきりし、赤ちゃんを作りたい』と考えている。 しかし、まりさは『まだすっきりするのには早い。もっと大人になってからじゃないとダメだ』と思っている。 「ゆぅ……しかたないね!!まりさがそういうならゆっくりするよ!!」 「ありがとう!!ゆっくりしていってね!!れいむ!!」 渋々、まりさの意見を受け入れるれいむ。心の中では納得していない様子だ。 一安心したまりさは、元通りの笑顔を浮かべて食事を再開した。 れいむは、妊娠したかった。 れいむは、赤ちゃんが欲しかった。 赤ちゃんがいれば、今よりもっとゆっくりできる。 たくさん赤ちゃんを作って、たくさんたくさんゆっくりしたい。 それは、全ゆっくり共通の願い。れいむも例外ではなく、出来る限り多くの赤ちゃんを欲していた。 そのためにはすっきりする事が必要……でも、パートナーであるまりさは、一緒にすっきりしようとはしなかった。 まりさは、赤ちゃんが欲しかった。 でも、すっきりはしたくなかった。 赤ちゃんがいれば、今よりもっとゆっくりできる。それは知っていた。 しかし、そのためにすっきりするのは嫌だった。 子供の頃に、目の前で妹がゆっくりありすにレイプされるのを見てから、すっきりするのが怖くなってしまったのだ。 そのときの妹の顔も、ありすの顔も、まりさは覚えていない。そういう事件があったことも忘れてしまった。 ただ、“すっきりすると死んでしまう”という情報だけが、まりさの餡子脳には焼き付いていた。 だから、まりさはすっきりしたくない。理由は分からないけど、とにかくすっきりしたくなかった。 「もうよるだよ!!ゆっくりねむろうね!!」 「いっしょにゆっくりねむろうね!!」 巣の隅っこの、藁を敷き詰めた寝床に2匹は飛び込む。 すりすりと寄り添いあって、互いの愛を確かめながら眠りにつくのだ。 「ゆっ!!すりすりしようね!!」 「ゆん!!いいよ!!ゆっくりすりすりしようね!!」 眠りの前のスキンシップ。すりすりは、ゆっくりにとって万能な意思疎通手段だ。 まりさも、すりすり程度であれば恐れない。すっきりの感覚を呼び覚まさない限りは、すりすりだって大好きだ。 「ゆーん!!すりすりー♪」 「すりすりきもちいーね!!ゆっくりすりすりするよ!!」 性的興奮に至らないレベルの、ゆっくりとしたすりすりを継続する2匹。 だが、一瞬だけ“そのレベル”に達してしまったれいむが、おかしな声を上げた。 「んほっん!!なんだかむずむずするよ!!」 「ゆっ?ゆゆゆゆゆ!?ゆっくりやめてね!!すっきりしないでね!!」 赤ちゃんを作りたいという思いが、れいむの触覚をほんの少しだけ敏感にしてしまった。 その結果、れいむだけがすりすりと交尾のボーダーラインを踏み越えてしまったのだ。 「んふぅ!?なんだかきもちいいよ!!んひゅぅ!!」 「い、いやだよ!!まりさはすっきりしないよ!!すっきりはやめてねえ゛え゛え゛ぇぇえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 どすんと、れいむを突き飛ばしてその場から逃げ出すまりさ。 壁に叩きつけられたれいむは、んびゅっと悲鳴を漏らして藁の寝床の上に転がり落ちた。 その衝撃で性的興奮はどこかへ飛んでしまったようだ。 「んひっ!?……ゆぅ、なんだかへんなかんじだったよ!!」 「こわいこわい!!すっきりこわいよ!!ゆっくりできないよおおおおお!!!」 「ゆ?どうしたの?まりさ?」 巣の反対側でぶるぶる震えているまりさを、れいむは心配そうに見つめる。 ぼろぼろと涙を流すまりさは、まるで生まれて間もない子ゆっくりのようだった。 「ゆっ!!すっきりしないでね!!すっきりしないでね!!」 「ゆ!すっきりしないよ!!れいむはまりさとゆっくりねむるよ!!ゆっくりねむろうね!!」 泣いている子供を宥めるように、まりさに言い聞かせるれいむ。 まりさは少しずつ、落ち着きを取り戻していった。 「ゆっ?ほんとうにすっきりしない?」 「しないよ!!まりさがいやがるなら、れいむはすっきりしないよ!!」 「……ゆん!!それならゆっくりねむれるよ!!」 「そうだよ!!いっしょにゆっくりねむろうね!!」 向かい合って笑う2匹。 それから、2匹はすりすりしないで眠りについた。 先ほどまで恐怖に震えていたまりさの目には、まだうっすらと涙が浮かんでいる。 まりさがすっきりを嫌がるのは、いつものことだった。 何があったか分からないが、すっきりするのが怖いらしいということは、れいむも知っていた。 でも、れいむはまりさを愛していた。たくさんご飯を取ってきて、自分をゆっくりさせてくれるから。 だから、なるべく受け入れようと努めた。すっきり恐怖症のまりさを、ありのまま受け入れてあげようと。 まりさが眠るその傍らで、れいむは嬉しいような悲しいような複雑な表情をしたまま……目を瞑った。 れいむは、まりさとすっきりして3匹の子供を生む夢を見た。 まりさとの激しいすっきりの結果、胎生型で孕んだ子供だ。 (ゆ~♪とってもゆっくりしたあかちゃんだね!!) (ゆっくちしちぇいってね!!) 夢の中で、存分に子供たちとすりすりするれいむ。 それをちょっと離れたところから、まりさが優しげな表情で眺めている。 れいむは、今までになかった最高の笑顔を浮かべて、子供たちとゆっくりし続けた。 朝、目が覚めてこれが夢だと知ったれいむは…… (ゆぅ……ゆっくりしたあかちゃんがほしいよ…) がっくりとうな垂れて、食料を取りにいくまりさを見送った。 数日が経った。 れいむとまりさは、何事もなくゆっくりし続けた。 日に何度か、れいむはまりさを交尾に誘ったが、その全てをまりさは断った。 無理やり交尾するわけにもいかず、れいむはそれを受け入れるしかなかった。 その度に、赤ちゃんを作りたいという思いだけが、肥大化していく。 溢れそうで、爆発しそうな、強烈な願い。 赤ちゃんが欲しい!!赤ちゃんが欲しい!! ゆっくりした赤ちゃんがたくさん欲しい!! ゆっくりすることを忘れてしまうぐらいの願いは……れいむの何かを変えてしまった。 それは、とてもゆっくりしていた日のことだった。 「ゆっくりごはんをとってきたよ!!」 巣の外からのまりさの声を聞いて、れいむは出迎えるべく巣の外へと出て行く。 「ゆっくりかえったよ!!」 「おかえりなさい!!ゆっくりしていってね!!」 大量の食料を取ってきたまりさは、頬を大きく膨らませている。 きっと、欲張ってたくさん詰め込みすぎたのだろう。 まりさは、バランスを崩してゴロンと前に倒れこんでしまった。 「ゆっ!!?」 「ふぎゅううぅ!?」 それを受け止めたのは、れいむだった。 大量に食料を詰め込んだまりさの身体を、真正面から受け止めた。 ぐぐぐと力がこもって、少しずつ潰れていくれいむの身体。 「うぐぐぐぐぐ!!ぐるじいよおおおお!!!」 「ゆっ!!ゆっくりしないではなれるよ!!」 まりさは何とか体勢を立て直し、れいむから離れた。 重圧から開放されたれいむは、ふしゅ~っと空気を吐き出してゆっくりとした表情に戻る。 「まりさ!!ゆっくりしすぎだよ!!ゆっくりあやまってね!!」 「ゆっくりごめんね!!ゆっくりしすぎちゃったよ!!」 れいむはぴょんぴょん跳ねながら、いきなり圧し掛かってきたまりさを叱る。 その時……れいむは、身体の中の違和感に気づいた。 「ゆゆゆ?なんだかへんなかんじがするよ?」 「ゆ?れいむ?どうしたの!?」 ぼよんぼよんと、試しに跳ねてみる。お腹のあたりに、ごろごろとした感触を感じる。 今度はそこらへんをごろごろと転がってみた。やっぱり、お腹の中がごろごろする。 そして、れいむはその違和感の正体を確信した。 「ゆゆ!!きっとあかちゃんができたんだよ!!にんっしんしたんだよ!!」 ぐいっと身体を反って、お腹を見せつけるような体勢をとるれいむ。 それを聞いて、まりさは不審そうな顔をした。 「おかしいよ!!すっきりしないとあかちゃんはできないんだよ!!」 「ゆ!!あかちゃんがうごいたきがするよ!!」 すっきりせずに赤ちゃんが出来るのは変だ。 だが、赤ちゃんが動いたと言われてしまえば、まりさは反論できない。 もともと、まりさだって赤ちゃんは欲しかったのだから、無理に否定する理由は無いのだ。 「ゆゆゆ!!こういうときはどうすればいいの!?」 「ま、まりさはぱちゅりーにきいてくるよ!!れいむはあかちゃんとゆっくりしててね!!」 物知りのぱちゅりーに聞いた結果はこうだった。 『母体はたくさん食べ物を食べて、ゆっくりしなければならない』 『母体は激しい運動をしてはいけないから、食べ物はパートナーが全部取ってくる』 まりさは早速、草原を駆け回っていつも以上に食べ物をとってきた。 巣の中でゆっくりしているれいむは、まりさの帰りを待っていつも以上に食べ物を貪る。 「ゆっ!!まりさのぶんはいいよ!!れいむがあかちゃんのぶんもたべてね!!」 「ありがとう!!あかちゃんのぶんもゆっくりたべるよ!!」 まりさは芋虫2匹で我慢し、残りは全て母体であるれいむに譲った。 食べかすを散らかしながら、れいむはまったく遠慮せず譲られた分もかき込んだ。 これから赤ちゃんが生まれるのだから、たくさん食べるのはあたりまえだ、と思っているのだろう。 3日も経つと、れいむのお腹が目に見えて大きくなってきた。 「ゆっ!!あかちゃんがおおきくなってきたよ!!」 「そうだね!!もっとゆっくりおおきくなってね!!」 「まりさはたくさんたべものをもってきてね!!あかちゃんをゆっくりさせてあげたいよ!!」 「ゆゆ!!ゆっくりりかいしたよ!!」 草原へと飛び出すまりさ。 赤ちゃんのためだと思えば、重労働も苦ではなかった。 まりさは、巣の中と外を10往復して大量の食べ物を巣に運び込んだ。 「さぁ!!ゆっくりおたべ!!」 「ゆゆ!!ゆっくりたべるよ!!あかちゃんはゆっくりおおきくなってね!!」 「ゆ~!これならとてもゆっくりしたこどもになるよ!」 重労働で疲れ果てているまりさだが、笑顔を絶やさない。 赤ちゃんのため。赤ちゃんを産むれいむのため。だから頑張れるのだ。 「ゆっ!!れいむとあかちゃんはゆっくりしていってね!!」 1週間が経った。 通常なら、そろそろ出産の時期である。 だが、れいむは赤ちゃんを産む気配はない。身体の大きさは、1週間前の2倍に達していた。 「ゆっくりうまれてきてね!!ゆっくりでいいからね!!」 お腹の中の赤ちゃんに呼びかけながら、尋常でない量の食べ物を食い散らかすれいむ。 まりさはその傍らで疲れを癒しながら、自分の食べ物を口に運ぼうとするが…… 「ぜんぜんたりないよ!!まりさのぶんもちょうだいね!!」 「ゆっ?!……ゆっくりりかいしたよ!まりさのぶんもたべてね!」 れいむの要求に、まりさはあっさり従った。 自分の分をれいむに差し出すと、れいむはそれを含めて全ての食べ物を平らげてしまう。 そんなれいむの口から飛び出したのは、お礼ではなく更なる食料の要求だった。 「もっとたべものをもってきてね!!あかちゃんのためだよ!!」 「ゆゆ!!ゆっくりまっててね!!」 疲れた身体に鞭打って、草原を駆け巡るまりさ。 へとへとになりながら、赤ちゃんのためだと自分に言い聞かせながら食べ物を集める。 もうすぐ会えるであろう可愛い赤ちゃんの、ゆっくりとした笑顔を想像しながら…… 2週間が経った。 いくらなんでも遅い。ゆっくりし過ぎだ。 赤ちゃんが生まれないことを不審に思ったまりさは、れいむに内緒で再び物知りぱちゅりーの巣を訪ねた。 「むきゅ!いくらなんでもゆっくりしすぎよ!!じつはにんっしんしてないのかも!!」 ぱちゅりーもまりさと同意見だった。 本当に妊娠しているのなら、1週間前に赤ちゃんが生まれているはずなのだ。 それなのに生まれないということは………妊娠していない。それ以外に考えられなかった。 巣に戻って、早速れいむを問い詰めるまりさ。 れいむを疑うのは心苦しいが、物知りぱちゅりーの言っている事が嘘だとは思えなかった。 「いくらなんでもあかちゃんがゆっくりしすぎたよ!!ほんとうにあかちゃんはいるの!?」 それに対して、れいむはでっぷり太った身体をぶるんと震わせながら、心外だと言わんばかりに反論する。 頬の余分な餡子をふるふるさせて、大きな口を開いた。 「どうしてそんなこというの!?あかちゃんはほんとうにいるよ!!ほら!いまだってうごいたよ!!」 「ゆっ!?ゆぐぐぐぐぐ……」 ぶるんぶるんと震える腹を、まりさに見せ付けるれいむ。 その場だけは引き下がったまりさだったが、疑念は晴れなかった。 最近れいむの身体はどんどん大きくなっている。でも、それは本当に赤ちゃんが成長しているからなのだろうか。 もしかしたら……お腹に赤ちゃんがいるのではなく、ただ栄養を取りすぎているだけなのではないだろうか。 「ゆっくりしんじてね!!はやくあかちゃんのためにたべものとってきてね!!」 「ゆぅ……ゆっくりわかったよ…」 ぐいぐいとれいむの巨体に押し出されるようにして、まりさは食料の確保を再開した。 具合の悪そうなまりさの顔とは対照的に、れいむはとても幸せそうな顔をしていた。 3週間が経った。 巣の中で鎮座して待っているれいむ。 毎日異常な量の食料を集めて回るまりさの疲れは、もう限界に達しつつあった。 「ゆぅ…ゆっくりやすませてね!」 食べ物をれいむに差し出した後、巣の中でぺちゃりと座り込んだまりさ。 少しでも体力を回復しようと、自分のために取っておいた芋虫を数匹、帽子の中から取り出した。 そんなまりさを、れいむはギロリと睨みつける。 「ゆっくりしすぎだよ!!ゆっくりしないでたべものをもってきてね!!」 「で、でも……まりさがゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 まりさは、やつれた顔に何とか力を込めて、れいむに抗議する。 このまま体力を失っていけば、ゆっくり出来なくなるのは誰が見ても明らかだった。 しかし、れいむはそんなことなどまったく関知せずに、まりさを罵倒する。 「なさけないね!!まりさがごはんをたくさんもってこないから、あかちゃんがでてこれないんだよ!!」 「ゆっ!!それなられいむがとりにいけばいいでしょおおおおお!!」 「どうしてそんなこというのおおおおおおお!!??おかあさんはゆっくりしてなきゃいけないんだよ!?」 悪いのはまりさだ、と言わんばかりに喚き散らすれいむ。 醜く太った身体を見せ付けるように、れいむは身体を反らせた。 「まりさはれいむとあかちゃんのためにたべものをもってきてね!!それがとうぜんのつとめだよ!! なにゆっくりしてるの?そんなひまないよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 れいむの一言一言が、まりさの怒りを増幅させていく。 さっきから、こいつは食べ物を要求するだけで、自分で取ってこようとしない。 母親だからなんなの?赤ちゃんが生まれるからなんなの?まりさはお前の何十倍も苦労してるんだよ!! 「ゆぎゅうううううう!!!もうおこったよ!!ゆっくりはんせいしてね!!」 堪忍袋の緒が切れたまりさは、渾身の力を込めてれいむの腹に体当たりする。 だが、既にまりさの4倍以上の大きさになっていたれいむに対して、そんな攻撃はまったく効果がなかった。 ぼよんぼよんとれいむの腹を震わせるだけで、れいむはまったく痛がる素振りを見せない。 「ゆっ!!れいむのおなかになにするの!?あかちゃんがゆっくりできないでしょ!?」 「ゆびゃあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁ゛あ゛!!??」 逆にれいむに弾き飛ばされてしまい、まりさは巣の出口まで押し出されてしまう。 びくびくと痛みに震えながら、悲しげな目でれいむを見上げるまりさ。 「どぼぢでぇぇぇ……ちょっとだけゆっぐりしたがっだ…のにぃ……」 「ゆっくりしないでごはんをとってきてね!!そうしないとあかちゃんがうまれてこないよ!!」 ぷんぷんと怒りながら、れいむは身を翻して巣の奥へと消えていった。 そして、まりさが食べようとしてそのまま放置されていた芋虫を、ぺろりと平らげる。 「うっめぇ!!これめっちゃうっめぇ!!まじぱねぇ!!」 もう体格ではれいむには勝てない。喧嘩になれば、100回やって100回れいむが勝つだろう。 まりさも、それを身にしみて感じていた。れいむの言うとおり食べ物を集めなければ、また痛い目に遭う。 「ゆっぐ……ゆっぐじじだい゛の゛に゛い゛い゛い゛ぃぃぃ……」 まりさは、啜り泣きながら再び草原へと向かった。 (続く)? 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3676.html
『真冬のゆっくり対策 3』 「へえ…そんなものがあるんですか」 「外の世界から流れてきたものです。透明なビニールの中で野菜を栽培するようです」 「でもビニールハウスだと風通しが悪くなるのでは?温度とか湿気とか」 「そこなんですよ。ですから我々は屋根を取っ払って実際に育ててみました。大丈夫なようです。外の世界ではどう使ってるのかは不明ですが」 「いくつかの畑に使ってみましょう。他に何かありませんか」 「そうですね、商品ではなくアイデアなのですが畑の周りに毒草を生やしておくというのはどうでしょうか?」 「春の毒草といえばトリカブトやスイセンとか有名ですね。ドクウツギなんて昔は農村でよく被害が出たものです。今から生えてきますかね?」 「そこなんですよねえ…あとは青唐辛子を用意して仕込んでおくとか」 「周りの村から苗木を調達するとか検討してみましょう」 「さて私も何か少し手伝わせてくれませんか?」 「ありがとうございます。今から壁を作るのですがお手伝いお願いできますか?」 「任せてください」 「「「「「「むーしゃむーしゃ…しあわせぇ♪」」」」」」 洞窟の中は宴会だった。冬篭りというゆっくりにとって厳しい時期にドスが来てくれたのだから。 数分前 「ドスとみんなの約束だよ。ゆっくり理解してね!」 ドスまりさの帽子を被った女性が言った。 「おきてなんだね。わかるよー!!」 「「「「「「ゆっくりりかいするよ!!!」」」」」」 「1つ、無闇にすっきりしないこと」 「ゆ!どす、まりさたちはすっきりしてもだいじょうぶなんだぜ!」 「まりさ!さっき食糧を見せてもらったけどこの数じゃもうギリギリよ。それともまりさが食糧になってくれるの?」 「ご…ごめんなさい!!!!まりさがわるかったですううう!!!!」 「はるになったらすっきりしほうだいよ!それまでがまんしようね」 「1つ、………」 「1つ、…」 「みんな分かった?」 「「「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」」」」」」 「約束を破ったら死刑かこの群から出て行ってもらうわ。わかったわね?」 「「「「「「「はーい!!!!」」」」」」」 「じゃあみんなご飯にしようね!」 「「「「「「「やったね!えんかいだね!!!!」」」」」」」 こうしてゆっくり達の宴会が始まったのだ。 「ご飯だよ」 れいむのリボンを付けた虐待お兄ちゃんは親ゆっくりに食事を与えた。 「おきゃあしゃん!いっちょにたべよ!」 「赤ちゃんはドスから貰ってね。これは赤ちゃんには美味しくないんだ」 「ゆっふっふ、これはおとなのあじなんだよ。あかちゃんにはまだはやいよ。ごめんね」 「ゆっくちりかいちたよ!あとでゆっくちちようね!」 「赤ちゃんはこれを食べようね」 彼女は赤ゆっくり達に親ゆっくりとは別の食事を出していた。 「「「「むーちゃむーちゃ…ちあわせぇ♪」」」」 「「「「ちちちちちあわせええええ♪」」」」 赤ゆっくり達が完食した直後異変が起こった。 「ゆ!にゃんだきゃむずむずしてきちゃよ!」 「ゆ?にゃんだかぽかぽかしてきちゃよ!!」 「ありちゅもー」 「りぇいみゅもー」 「ゆゆゆゆゆ?あちゅくなっちぇきちゃよ」 「にゃんだきゃへんだよ!」 赤ゆっくりは頬を赤らめ体からぬとぬととした粘液を出していた。発情したのだ。 「ま…ま…まりしゃああ~しゅ~りしゅ~りぃ」 「しゅ~りしゅ~り…な…なんだかへんだよ。しゅ~りしゅ~り」 「しゅりしゅりしてたらきもちよくなってきちゃよぉ」 「な…なにしてるの!あかちゃん!すりすりしたらしんじゃよおお!!!!」 親ゆっくり達が気付いた時は遅かった。 「ゆっぎりやめぢぇええ!!まりしゃじんじゃうよおおお!!!!」 「にゃんだぎゃへんだよおおおお!!!!」 「まりじゃああああ!!!!!ちょっちぇもきもちいいわああああ!!!!!!」 「ぎぼぢわるいよおおお!!!!やべじぇえええ!!!!」 「ありじゅうう!!!!やべでよおおお!!!!」 「わぎゃらないよおおお!!!!!!らんじゃまああああ!!!!!!」 「やべでええええええ!!!!あがじゃんじんじゃうよおおおお!!!!!!」 「どぼじでええええ!!!!!!!」 「貴方達!!!なにしてるの!!!!早くとめなさい!!!」 何とか半分ほどは親ゆっくりが赤ゆっくりを咥えて離すことができた。それでもかなりの赤ゆっくりはまだ交尾をしたままだ。 「「ゆぎゅっ!ゆぎぃ!やめちぇ!やべじぇええええ!!!ゆげぁぁぁ!!!!」」 「「「「「んほおおおおぉぉおおおおぉおおお!!!!!」」」」」 「「「「だ…だめだよおおお!!!!それいじょうはああああぁぁ!!!」」」」 「「「「「「しゅっきりぃー!!!!」」」」」」 「「「「「「じゅっぎりぃ……」」」」」」 発情した半分の赤ゆっくりは頭から茎を生やしみるみるうちに真っ黒な塊へと化していった。 「でいぶのあがじゃんがあああああ!!!!」 「ばりざああああ!!!!!どぼじでうぢのばりざがああああ!!!!!」 黒い塊と化した赤ん坊に必死に呼びかけるが何も答えてくれない。 「何てことをしてくれたのよ!!!!!」 彼女は未だに発情している赤ゆっくりを集めた。 「この子たちの親は誰?前に出てきなさい!!!」 「ゆうううう…」 「他のゆっくりはれいむに従ってね。今からこの子達の裁判をするわ」 「じゃあみんな、こっちにおいで。後はドスに任せよう」 彼は残りのゆっくりを連れその場から離れた。レイプをした赤ゆっくりとその親を一列に並ばせて彼女は言った。 「まったく、貴方達は子供にどういう教育をしているの?」 「ご…ごべんなざいい…」 「なんであがじゃんがすりすりなんてじってるのお…おじえでないよぉ…」 「おきゃあしゃん、しゅりしゅりぃ」 事態を分かっていない赤ゆっくりは側にいる親にすりすりしている。 「どす!おねがいじまず!!ゆるじでくだざい!!!ぢゃんどおじおきじますがらああ!!!」 「ごべんなざい!ごべんなざいい!!!」 「そこのれいむ!」 「ゆ!!」 「私との約束を忘れてはないよね?」 「ゆ!ゆ!ゆ!ゆ!」 「言って御覧なさい」 「むやみにすっきりー!したらだめ…だよ…」 「そうね。さっき言ったもんね」 「あかちゃんたちを…どうするんだぜぇ…」 「そこのぱちゅりぃ!!!!」 「むきゅ!!」 「掟を守れない場合はどうなるんだっけ?」 「しけいかこのむれから…でていく…」 「そうね。死刑か追放よ」 「「ぞ…ぞんなあああ!!!!!」」 「「おでがいじまずううう!!!!!ゆるじでぐだざいいい!!!!」」 「「おでがいじまずう!!!!ありずはいながものでいいでずがらごのごだけはゆるじでええ!!」」 「「まだごのごは……おでがいじまずうううう!!!ゆっぐりざぜであげでぐだざいいいい!!!!」」 「黙りなさい!!」 「「「「「ゆぴいいいい!!!!」」」」」 「ドスとの約束を初日から破っちゃうの?そんな悪いゆっくりは潰すよ!!!」 「ゆぅ…ぐずっ…」 「ぁかちゃ…ん…なんでぇ…」 「今すぐこの子達を殺すかもしくはこの子を連れてここから出て行くか決めなさい!!」 「ぞんなのえらべないよおお!!!」 「ゆええ"ぇえ"えん!!!!」 「仕方ないわね…」 「ゆ!どす…もしかして…」 「死刑だけは許してあげるわ」 「「あじがどうございまずうう!!!!!」」 「「よがっだねえ…あがじゃん!!!!!ごれでゆっぐりでぎるよお!!!!」」 「ハア?」 彼女は壁を強く蹴った。 「「「ゆううう!!!!!」」」 「誰が許すなんて言ったのかしら?」 「じゃ…じゃあどうずるの…」 「これを口に咥えなさい」 彼女は木の枝を数本親ゆっくりの前に投げた。 「それで赤ちゃんの目をくり抜きなさい」 「ゆ!!!!」 「どす…いまなんていったの…」 「聞こえなかった?その枝で!!!赤ちゃんの目を潰しなさい!!!!」 一瞬場が静まった。 「そ…ぞんあああ!!!!!」 「いやだああああ!!!!!!あがじゃんがゆっぐりでぎないよおおお!!!!」 「ぞんなのどがいはじゃないわあああ!!!!!!」 「ゆえ"えぇえぇえん!!!!!!そんなのいやだよおおお!!!!」 「どっぢもいやだよおおお!!!!」 「この子達にレイプされて死んでいった赤ちゃんたちはどんな思いだったのかな?死んじゃった赤ちゃんのお母さんは今どんな気持ちなのかな?」 「ぞ…それは…」 「ゆぅ…ぐずん…だげどぉ…」 「早く決めなさい!早く決めないと貴方達全員潰すからね!!」 「ゆう"う"う"う…」 「あがじゃん…どうじよぅ…」 「時間よ。れいむから聞くわ。どうするの?」 「ゆううう…どぅじよぅ…」 「おきゃあしゃんとしゅりしゅりい~」 泣きながら悩むれいむと対照的に赤れいむは嬉しそうに頬擦りをする。 「殺すの?ここから出て行くの?それとも目を潰す?」 「ゆうううう…ぐ…ずっ…あがじゃあん…ごべんねえ…」 「ゆ?」 れいむは赤れいむに思いっきり圧し掛かった。 「ゆびぇえええ!!!!おがあじゃんにゃんでえええ!!!!」 「ごべんねえ!!!ごべんねええ!!!!おぞらでゆっぐりじでねええ!!!!!」 「ぎゅえええええ!!!!……もっちょ…ゆっきゅりちたきゃったよ……」 赤れいむは死んでしまった。 「ゆあ"あ"あ"あん!!!!ばがなおがあざんでごべんねええ!!!!ごべんねええ!!!」 「「ゆひいぃぃぃ…」」 「「どうじだらいいのぉ…」」 事態を飲み込めていなかった赤ゆっくり達もようやく自分達が置かれている状況を理解した。 「お…おきゃあしゃん…まりしゃ…いいこだ…よ…だきゃら…」 「うるさいよ!!」 「ゆぎゃあああ!!!!」 「れいぷするゆっくりはわるいゆっくりだよ!!!!ゆっくりしないでしね!!」 「ゆびぇええええ!!!!!!まりじゃじにだぐないよおおお!!!!」 吹っ切れて赤ん坊を潰す親ゆっくり。 「みゃみゃぁ…ありちゅ…ちにたくにゃいよお…」 「ごめんなしゃぃ…ごめんなしゃぃ…」 「ごべんねえええ!!!!!!ごべんねええ!!!!」 「あがじゃんのぶんまでゆっくりずるがらああ!!!!!ままをゆるじでええええ!!!!!」 「いじゃいよおおお!!!!!やびぇでえええ!!!!!!」 「ぢにだくにゃいよおおおお!!!!たじゅげでえええ!!!!!」 泣きながら我が子を潰す親ゆっくり。 「おぢびじゃああん…ごべんねえ…すぐずまずがらがばんじでねえ…」 「ゆぴゃああ!!!!」 「いじゃいよおおおお!!!!!」 「りぇいみゅのおべべが!!!!おべべぎゃあああ!!!!」 「ぐらいよおおお!!!!!!なにもみえないよおおおお!!!!」 「ごべんねええ!!!!!」 「おぎゃあじゃんが…ゆっぐりざぜてあげるがらあ…ごべんねええ!!!!」 泣きながら目を潰していく親ゆっくり。赤ゆっくりとともにここから出て行くゆっくりはいなかった。 「そう。それでいいのよ。辛いけど掟を守らないとみんなゆっくりできないのよ。貴方達は反省してゆっくりしなさい」 「わがっだよお…」 「なにもみえにゃいよお…おぎゃあじゃん…どごにいるのお…」 「ぐらいよお…まりしゃあ…ありちゅううう…ちぇえええん…どごにいるのお…」 「あがじゃあん…ゆっくりじでねえ…」 親ゆっくり達は潰れた赤ゆっくりを食べていた。これがゆっくりの中での供養だという。目を潰された赤ゆっくりは親ゆっくりとともに巣へ帰っていった。 一方彼女は先ほどの虐待お兄ちゃんとの会話を思い出していた。 『俺が持ってきているモノだとこれですかね』 『それは?』 『これは精子餡ですよ。通常の何百倍も濃縮してます。こっちは妊娠促進剤と媚薬です』 『ええ』 『精子餡をゆっくりに注入したり肌にすり込むと妊娠しますよね。この濃縮した精子餡と妊娠促進剤と媚薬を混ぜるととんでもない薬ができるんですよ』 『霧吹きを取り出してどうするんですか?』 『精子餡と促進剤と媚薬を混ぜたものをお湯で溶かして…よっと、よく振って……これで完成です』 『これをゆっくりに噴きかけるんですね』 『ええ。噴きかけるだけでゆっくりは妊娠するんですよ。大抵は植物型ですね』 『それは確かにとんでもない薬ですね。発想は私と同じですよ』 『貴方は?』 『私も媚薬を持ってきてます。かなりのやつを。あとは睡眠薬ですね。火攻めする気だったんで用意はこれくらいなんです』 『妊娠で体力を奪わせて黒い塊にするか食糧を一気に減らす作戦…ですね』 『媚薬の方は私がやるわ。そうね、赤ゆっくりを発情させましょう』 『じゃあ霧吹きは俺がやります。あ、睡眠薬くれませんかね』 (彼はうまくやってるかしら…) 「ゆふう…ゆふう…」 「ゆゆ~ん…ゆゆうう…」 「ゆぴーゆぴー」 ゆっくり達は眠っていた。満腹して眠くなったのではなく虐待お兄ちゃんが盛った睡眠薬で眠っているのだ。 「もう!たべたらすぐねるなんてとかいはじゃないわ!!」 「あかちゃんがたいへんなことになってるときにねないでよぉ」 「あがじゃんがあ…ゆええぇえん…」 全てのゆっくりに盛ったはずなのだが先ほどの騒ぎで眠気が吹っ飛んでしまったようだ。といっても半分は寝ている。 「いいよ。寝かせてあげな。さっきの事はドスに任せなさい。この子達もショックだったんだ。落ち着かせてあげよう。君達もゆっくりしなさい」 「うん…じゃあれいむにまかせるわね」 起きているゆっくりは巣の中に帰っていった。彼の周りは眠っているゆっくりだけになった。 「(じゃあ始めますか)」 彼は霧吹きを眠っているゆっくり達に噴きかけた。さらに辺り一面にも霧吹きを噴きかけた。 「(これくらいかな。あとは少し待てばいい)」 彼は一旦彼女がいる所へ向かった。この後戻ってきた時に偶然ゆっくりが妊娠しているのを見つけたふりをして皆を集めるつもりだ。 つづく by 虐待おにいちゃん
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2206.html
ゆっくり夢幻 第一夜 こんな夢を見た。 腕組をして枕もとに座っていると、あおむきに寝たゆっくりれいむが、静かな声でゆっくり死ぬよと言う。 れいむは赤いリボンを枕に敷いて、輪郭のやわらかな饅頭顔をその中に横たえている。 真っ白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、口の中は若干赤い。 とうてい死にそうには見えない。しかしれいむは静かな声で、もう死ぬよとはっきり言った。 自分もたしかにこれは死ぬなと思った。 そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗き込むようにして聞いてみた。 死んじゃうよ、と言いながら、れいむはぱっちりと眼を開けた。 勝気なうるおいのある眼で、長いまつげに包まれた中は、ただ一面に真黒であった。 その真黒なひとみの奥に、自分の姿が鮮やかに浮かんでいる。 自分は透きとおるほど深く見えるこの黒眼のつやを眺めて、これでも死ぬのかと思った。 それで、ねんごろに枕のそばへ口を付けて、死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、とまた聞き返した。 するとれいむは黒い眼を偉そうにみはったまま、やっぱり静かな声で、ゆっくりしたけっかがこれだよと云った。 じゃ、私の顔が見えるかいと一心に聞くと、ゆっくりみえているよと、反り返ってみせた。 自分は黙って、顔を枕から離した。腕組をしながら、どうしても死ぬのかなと思った。 しばらくして、れいむがまたこう云った。 「しんだられいむをうめてね! 大きなしんじゅ貝であなをほってね! そしておそらから落ちてくる星のかけらをおはかにおいてね! そしておはかのそばにゆっくりまっていてね! れいむはあいに来るよ!」 自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。 「お日さまがでて、お日さまがしずんで、それからお日さまが出て、またしずんで―― あかい日があっちからこっちへ、あっちからこっちへとおちていくうちに―― おにいさんはゆっくりまてる人?」 自分は黙ってうなずいた。れいむは静かな調子を一段張り上げて、 「ひゃくねん待っていてね!」と思い切った声で言った。 「ひゃくねんおはかでまっていてね! ゆっくりあいにくるよ!」 自分はただ待っていると答えた。 すると、黒いひとみのなかに鮮やかに見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た。 静かな水が動いて写る影を乱したように、流れ出したと思ったら、れいむの眼がぱちりと閉じた。 長いまつげの間から涙が頬へ垂れた。――もう死んでいた。 自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑かな縁の鋭どい貝であった。 土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂いもした。 穴はしばらくして掘れた。れいむをその中に入れた。 そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。 それから星の破片の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ乗せた。星の破片は丸かった。 長い間大空を落ちている間に、角が取れて滑らかになったんだろうと思った。 抱き上げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなった。 自分は苔の上に坐った。 これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。 そのうちに、れいむの言った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。 それがまたれいむの云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。 一つと自分は勘定した。 しばらくするとまた唐紅(からくれない)の天道がのそりと上って来た。 そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。 自分はこういう風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。 勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。 それでも百年がまだ来ない。 しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分はれいむにだまされたのではなかろうかと思い出した。 すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。 見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。 と思うと、すらりと揺らぐ茎のいただきに、心もち首をかたむけていた細長い一輪のつぼみが、ふっくらとはなびらを開いた。 真ん丸な赤ん坊れいむが鼻の先でゆらゆらと揺れた。 そこへはるかの上から、ぽたりと露が落ちたので、れいむは自分の重みでふらふらと動いた。 自分は首を前へ出して冷たい露のしたたる、丸いれいむを齧った。 自分がれいむから顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、あかつきの星がたった一つ瞬いていた。 「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。 第三夜 こんな夢を見た。 赤ん坊まりさをおぶってる。たしかにまりさの子である。 ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、盲饅頭になっている。 まりさが赤ちゃんの眼はいつ潰れたのと聞くと、ずっとむかしだよと答えた。 声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。 左右は青田である。道は細い。鷺の影が時々闇に差す。 「たんぼへかかったね!!!」と背中で云った。 「ゆっ、どうしてわかるの?」と顔をうしろへ振り向けるようにして聞いたら、 「だってさぎさんが鳴いたよ!!!」と答えた。 すると鷺がはたして二声ほど鳴いた。 まりさは我が子ながら少し怖くなった。こんなものを背負っていては、この先どうなるか分からない。 どこかにゆっくり捨てようと向うを見ると闇の中に大きな森が見えた。 あそこならばと考え出す途端に、背中で、 「ゆゆん」と云う声がした。 「わらわないでね!」 子供は返事をしなかった。ただ 「おとーしゃん、まりちゃはおもい?」と聞いた。 「おもくないよ!」と答えると 「ゆっくりおもくなるよ!!!」と云った。 まりさは黙って森を目じるしにはねて行った。田の中の道が不規則にうねってなかなか思うように出られない。 しばらくすると二またになった。まりさは股の根に立って、ちょっと休んだ。 「いちがゆっくちたっているはずだよ!」と子ゆっくりが云った。 なるほど八寸角の石が腰ほどの高さに立っている。 表には左り日ケ窪、右堀田原とある。 闇だのに赤い字が明らかに見えた。赤い字はいもりの腹のような色であった。 「ゆっくちひだりへいっちぇね!」と子ゆっくりが命令した。 左を見るとさっきの森が闇の影を、高い空からまりさらの頭の上へなげかけていた。 まりさはちょっと躊躇した。 「えんりょちないでね!!!」と子ゆっくりがまた云った。 まりさは仕方なしに森の方へはね出した。 腹の中では、よくめくらのくせに何でも知ってるなと考えながら一筋道を森へ近づいてくると、背中で、「めきゅらはゆっくりふじゆうだね!」と云った。 「だからおんぶしてあげてるでしょおおおお!」 「ゆっ、おんぶありがちょうね! でもばかにしてりゅね! おやにまでばかにされちゃったよ!!!」 何だかいやになった。ゆっくりしないで森へ捨ててしまおうと思って急いだ。 「もうちょっといくとわかりゅよ!――ちょうどこんなよるだったよ!!!」 と背中でひとりごとのように云っている。 「ゆゆっ? なんのこと?」ときわどい声を出して聞いた。 「なんのことって、しってるでちょ!」と子ゆっくりはあざけるように答えた。 すると何だか知ってるような気がし出した。けれどもはっきりとは分からない。 ただこんな晩であったように思える。そうしてもう少し行けば分かるように思える。 分かっては大変だから、分からないうちに早く捨ててしまって、安心しなくってはならないように思える。 まりさはますます足を早めた。 雨はさっきから降っている。路はだんだん暗くなる。ほとんど夢中である。 ただ背中に小さい子まりさがくっついていて、その子ゆっくりがまりさの過去、現在、未来をことごとく照らして、寸分の事実も洩らさない鏡のように光っている。 しかもそれが自分の子である。そうして盲目である。まりさはたまらなくなった。 「ここだよ、ここだよ! ちょうどその杉のねもとだよ!!!」 雨の中で子ゆっくりの声ははっきり聞こえた。まりさは覚えず留まった。 いつしか森の中へ入っていた。一間ばかり先にある黒いものはたしかに子ゆっくりの云う通り杉の木と見えた。 「おとーしゃん! そのすぎの根のところだったね!!!」 「ゆっ、そうだよ!」と思わず答えてしまった。 「ぶんか五年たつどしだったね!!!」 なるほど文化五年辰年らしく思われた。 「おとーしゃんがまりちゃをころちたのは、いまからちょうどひゃくねんまえだね」 まりさはこの言葉を聞くや否や、今から百年前文化五年の辰年のこんな闇の晩に、この杉の根で、一人の子まりさを殺したと云う自覚が、忽然として頭の中に起った。 まりさはひとごろしだったんだねと始めて気がついた途端に、背中の子まりさが急に石地蔵のように重くなった。 第九夜 魔法の森中が何となくざわつき始めた。 今にもスペカバトルが起こりそうに見える。 焼け出された魔理沙が、夜昼となく、屋敷の周りを暴れまわると、それを夜昼となくアリスがひしめきながら追っかけているような心持ちがする。 それでいて森のうちはしんとして静かである。 巣には若い母れいむと子れいむがいる。父まりさはどこかへ行った。 まりさがどこかへ行ったのは、月の出ていない夜中であった。 巣の中でわらじをはいて、黒い頭巾をかぶって、裏口から出て行った。 その時母れいむのくわえていた雪洞(ぼんぼり)の灯が暗い闇に細長く射して、古い檜を照らした。 父まりさはそれきり帰って来なかった。 母れいむは毎日子れいむに「おとーさんは?」と聞いている。子れいむは何とも云わなかった。 しばらくしてから「あっち」と答えるようになった。 母れいむが「いつかえってくるかな!!!」と聞いてもやはり「あっち」と答えて笑っていた。 その時は母れいむも笑った。そうして「ゆっくりかえってくるよ!!!」と云う言葉を何べんとなく繰り返して教えた。 けれども子供は「ゆっくり」だけを覚えたのみである。 時々は「おとーさんはどこ?」と聞かれて「ゆっくち!」と答える事もあった。 夜になって、あたりが静まると、母れいむはリボンを締め直して、小枝を髪の間へ差して、子れいむを背中へ背負って、そっと巣から出て行く。 母れいむはいつでも素足だった。子れいむはこの饅頭の音を聞きながら母の背中で寝てしまう事もあった。 土塀の続いている涸れ川を西へくだって、だらだら坂を降り尽くすと、大きなイチョウがある。 このイチョウを目じるしに右に切れると、一丁ばかり奥に朱塗りの鳥居がある。 片側は田んぼで、片側は熊笹ばかりの中を鳥居まで来て、石段をぴょんぴょん登ると、暗い神社になる。 鳥居まで来て、それを潜り抜けて二十間ばかり敷石伝いに突き当ると、古い拝殿の前に出る。 ねずみ色に洗い出された賽銭箱の上に、大きな鈴の紐がぶら下がって昼間見ると、その鈴のそばに博麗神社と云う額がかかっている。 博の字が、ゆっくりした書体にできているのが面白い。 そのほかにもいろいろの呪符がある。 たいていは巫女の手にした呪符を、倒した妖怪の名前に添えたのが多い。 たまには帽子を納めたのもある。 鳥居をくぐるとたまに巫女が掃き掃除をしている。 石畳に饅頭肌の音がぴちゃぴちゃする。 それが拝殿の前でやむと、母れいむはまず鈴を鳴らしておいて、すぐにしゃがんでジャンプをする。 たいていはこの時フクロウが急に鳴かなくなる。 それから母れいむは一心不乱にまりさの無事を祈る。 母れいむの考えでは、まりさがゆっくりしたまりさであるから、ゆっくりの神の博麗へ、こうやって是非ない願をかけたら、ゆっくりかなうはずだと一途に思いつめている。 子れいむはよくこの鈴の音で眼をさまして、あたりを見ると真暗だものだから、急に背中で泣き出す事がある。 その時母れいむは、ゆっくりしていってねと叫びながら、背を振ってあやそうとする。 するとうまく泣きやむ事もある。 またますますはげしく泣き立てる事もある。 いずれにしても母れいむは容易に立たない。 一通りまりさの身の上を祈ってしまうと、今度はリボンを解いて、背中の子を前へ廻して、口にくわえて拝殿へのぼって行って、 「あかちゃん、ゆっくりまっていてね!!!」と自分の頬を子供の頬へすりつける。 そうしてリボンを長くして、子れいむを縛っておいて、その片端を拝殿の欄干にくくりつける。 それから二十間の敷石を往ったり来たりぴょんぴょんお百度を踏む。 拝殿にくくりつけられた子れいむは、暗闇の中で、リボンのゆるす限り、広縁の上を這)い廻っている。 そういう時は母れいむにとって、はなはだ楽な夜である。 けれども縛った子れいむにゆんゆん泣かれると、母れいむは気が気でない。 お百度の足が非常に早くなる。大変息が切れる。 仕方のない時は、中途で拝殿へ上がって来て、いろいろすりすりしておいて、またお百度を踏み直す事もある。 こういう風に、幾晩となく母れいむが気を揉んで、夜の目も寝ずに心配していた父まりさは、とくの昔にお兄さんのために虐殺されていたのである。 こんな悲しい話を、夢の中で母から聞いた。 (原案、漱石:夢十夜) ===================================================================== YT 過去作品 その他 エレベーターガール そ その他 変身 そ ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐 機 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐 料 その他 諸君私はゆっくりが好きだ そ 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐 そ その他 FireYukkuri そ ゆっくりいじめ系187 終端速度 虐 家 無 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス 虐 そ ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄 そ 環 性 家 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い 虐 性 無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂 虐 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2383.html
このSSはいわゆるキャラいじめとしての要素が含まれています。 むしろそっちがメインになっています。 さらにキャラ崩壊有 ゆっくり同士のすっきり有 「ゆゆ!!ついたよ!!ここがあのでんせつのゆっくりぷれいすだよ!!」 「すごーいね、おかーしゃん!!」 「あのたびれいむからきいたとうりだったね!!」 「さっそくまりさたちもゆっくりしようね!!」 このれいむとまりさの家族は一週間の旅の末に旅ゆっくりから噂で聞いた伝説の、最高のゆっくりプレイスに辿り着いた。 そのゆっくりプレイスはれみりゃや野犬の侵入を拒む大きなお城で、中のゆっくり達はみな仲良く、中に勝手に生えてくるお野菜を食べてとてもゆっくり過ごしているという。 そのゆっくりプレイスに住むゆっくり達は皆頭が良く、とても美ゆっくりで、人間も頭が上がらず周囲の人間を支配し、毎日人間の貢物をもらってゆっくりしているという。 あるれいむは言った 「そんなゆっくりぷれいすがあるとはおもえないよ!!いつもおやさいさんをひとりじめしているにんげんがそのゆっくりぷれいすのおやさいも独り占めしようとしないなんておかしいよ!!」 あるぱちゅりーは言った 「むきゅ~…たびゆっくりたちのあいだでもとおい、とおいむかしのおとぎばなしになっているのよ?かりにむかしじつざいしていたとしてもいまあるというしょうこはどこにもないわ」 あるみょんは言った 「ちーんぽ!!」 あるドスは言った 「それがほんとうならいますずそこにむかうよ!!でも、どこにあるのか、ほんとうにあるのかはっきりしないいじょうじゅうぶんゆっくりできてるこのゆっくりぷれいすから いどうするりゆうはないよ!!」 皆、「そんなものはあり得ない」「遠い昔のおとぎ話だ」と決め付け、探そうとする者はいなかった。 しかし少数ではあるが、「火のない所に煙は立たぬ」とか言って、この伝説のゆっくりプレイスを探しに行くゆっくりも居た。この家族はその中の一つだった。 そのゆっくりプレイスはまず、中に入ること自体が苦労した。 どこもかしこもでこぼこした岩の壁が立ちふさがり、でっぱた部分を伝って登ろうとしてもうまくいかなかった。 結局なだらかな坂を見つけて中に入るのに3時間もかかってしまった。 中に入ってからも苦労した。 ところどころに大きな岩が転がっているが旅ゆっくりから聞いた「おしろのなかのおしろ」は全く見えなかった、そして中には雑草しかなく、お野菜はどこにも見当たらない。 何より、自分たち以外のゆっくりすらいなかった。 「きっとおやさいはあとからはえてくるよ!!」 「ゆっくりぷれいすのみんなはきっとみんなおでかけちゅうなんだよ!!」 よくいえばポジティブ、悪く言えば悪い予感を感じれない餡子脳のこの家族はそう決断付けた。 「じゃあおちびちゃんたちはここでるすばんしててね!!おかーさんとまりさおかーさんはゆっくりぷれいすをたんけんしてくるね!」 「いやだ!まりしゃもたんけんしちゃい!!」 「だめだよ!!もしかしたらきけんなどーぶつさんがいるかもしれないよ!!だからおちびちゃんたちはそこのいしのすきまでゆっくりまっててね!!」 「ゆっくちりかいしちゃよ…」 この親が安全なはずのゆっくりプレイスで子供たちに危険だから待っていろと言ったのには理由がある。 この家族は一週間、ずっと旅をしていた。その間、親は子供たちがはぐれたりしないように気を使い、夜は巣になる穴がなく、また掘るわけにもいかなかったので木の根元や 茂みの中で眠る際に交代で見張りをしていた。 ぶっちゃけた話、この二匹はたまってたのである。 いつもならゆっくりしていればそれほど性欲はたまらない。経験のあるゆっくりなら繁殖すべきタイミング以外なら自慰行為で発散することもできる。 でもここはお野菜豊富なゆっくりプレイス、天敵の入ってこれないゆっくりプレイスで、季節は夏、繁殖しても問題ないだろうと考え、久しぶりのすっきりを行おうとしていた。 「ねえまりさ、れいむもぅ…がまんできないよ…」 「おちついてねれいむ!!ゆっくりできるゆっくりたるもの、ちゃんとしたすっきりすぽっとですっきりしないとだめなんだよ!!」 「ゆゆっ!!まりさ!あそこがいいと思うよ!あそこですっきりしようよ!!」 れいむがいうあそことは、まりさも初めて見るものだった。 きれいな色の柔らかい苔で覆われた四角い台座、なんか細いものが突き出ているけど気にしたら負けだ。 「ゆゆっ!!さすがれいむだね!!あそこはきっとさいこうのすっきりすぽっとだよ!!さっそくあそこですっきりしようね!!」 「すーりすーり…」 「ゆゆっ!!れ、れいむ、ちょっとはげしいんだぜ…」 「だってずっとすっきりしていなかったんだよ、まりさ…」 すーりすーり、すりすりすりすり…ぴちゃぴちゃねちょねちょ… 上白沢慧音には、ここ数十年間ずっと続いている習慣がある。 それは毎月、一度はこの森に立ち入ることだ。 昔からこの森では森の資源を取ることは禁じられている。いつか来るであろう「友人」のために残しているのだ。 慧音はその「友人」の到着を確かめるために毎月ここを訪れ、その「友人」たちの到着を確認したら彼らを正しい方向に、もうあんな悲劇が起こらないように導くのだ。 それが「友人」に「女神」とまで称えられた自分が、「友人」達が自分たちと共存することを夢見た「彼女」のためにすべきことだと思っていた。 その慧音がそこに来た時、慧音や里の人間が目印にしている者の上にいた二匹のゆっくりと目があった。 「ゆっくりしていってね!!」 れいむとまりさだった、れいむの方は頭から茎が生えている、にんっしんっしている。 「ゆ、ゆっくりしていって…ね」 慧音の胸の中に期待と不安が入り混じった、彼女らは「友人」なのだろうか?「彼女」の遺志を継いだゆっくりなのだろうか? 「ゆっ!!おねーさんはにんげんさんだね!!」 「にんげんさんはれいむとまりさにごはんをわたしてね!!」 「なんだって…?」 まさか、こいつらもなのだろうか? 「彼女」の「友人」の居たこの遺跡を汚す連中なのだろうか? 「にんげんはここのゆっくりにしはいされているんだよ!!わかったらはやくごはんもってきてね!!」 「ゆゆ?どうしてだまってるの?ばかなの?」 「きっとばかなんだよ!!ねぇねぇれいむ、さっそくだいにらうんどをしようね!!」 「そうだね!!ばかなにんげんさんはれいむとまりさのあついすっきりをみせてあげるからごはんをもってきてね!!」 やはり、こいつらもか。 「お前たち、ひとつ聞いてもいいか?」 「なぁに!!これからすっきりするんだからしつもんはてみじかにね!!」 「ここを作った、伝説のドスまりさの話は聞いたことないか?」 「ど、どす!?れいむっ!!まりさたちのこども、どすになるといいねぇえぇぇー!!」 「そうだねー!!いっしょにおちびちゃんにゆっくりさせてもらおうねすっきりー!!」 「すっきりぃー!!!」 ここは「友人」がいたところ、「友人」達の墓標ともいえる場所だ。 そしてこいつらが破廉恥にも交尾に励んでいるこの場所は「友人」達が残した、彼女らが居たあかしでもあり墓標でもある。 その上で交尾し、あまつさえ 「れいむの顔にかけてあげるよぉおおおおんほぉぉぉおおお!!!」 とか言いながら精子餡子をそれに大量にぶっかけたとき、慧音の中で何かが切れた。 「それは…ここはお前たちのようなゲスが汚していい場所じゃないっ!!」 一瞬だった、慧音の放った二発の弾幕は二匹のゆっくりを一瞬でなきものにした。 「いつになったら、おまえの主人は帰ってくるんだろうな…いつになったら、お前はまたここを守るために走れるようになるんだろうな…」 慧音は苔の塊を撫でながら、その上に掛けられた精子餡子をぞうきんでふきとりながら呟いていた。 慧音は知らない、もう、あの「彼女」の遺志を継いでいるゆっくりが存在しないことを。 慧音にはできない、人間の歴史は操れてもゆっくりの歴史、ゆっくり史は作ることも食べることもできない。 だから慧音はこの先何度も、希望と絶望を味わうことになる。 あとがき なんかいいネタが浮かばなかったから適当にでっち上げました。 なんか最近ネタが浮かばないな… 11月4日 0551 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2978.html
2008年、夏、東京。 俺はカメラ片手に繁華街をうろついていた。 幼女を盗撮しようとかそういうワケではない。 ターゲットはゆっくりだ。 最近発見された、生きる饅頭。 日本では大量に見つけることができるが、海外にはほとんどいない。 台湾やアメリカの一部の州ではゆっくりの生息が確認されたそうだが、ほぼゼロだ。 そのふてぶてしい顔、そしてその不思議な生態は日本だけでなく世界の注目を浴びている。 なんでも去年、日本に訪れた観光客が例年の3倍近く増えたという。 ゆっくりバブルと、世間は騒ぎたてていた。 俺はそこに目をつけた。 海外で放送されているゆっくりのドキュメンタリーは、ほとんどが田舎が舞台になっている。 元気いっぱいに跳ね回り、力いっぱい「ゆっくりしていってね」と発声する。 そんなハツラツとしたゆっくり達ばかりが主役だ。 だから俺はあえて、都会に住む、みすぼらしいゴミクズのようなゆっくり達にスポットライトを当てようと思った。 時代はインターネット。 世界はつながっているのだ。 既にブログは開設済み。 英語の読み書きだけは得意だったので、日本語ページと英語ページが用意されている。 あとはyoutubeにメインとなるゆっくりの動画をアップするだけ。 ブログは主に、動画の制作に関する話題や、日本にゆっくりを見に観光する際のお勧め情報を載せるつもりだ。 アフィうめぇと言える日を夢見て、俺は早朝の繁華街を歩いていた。 「おっ、第一ゆっくり発見」 建物と建物の間に、1匹のゆっくりがいた。 飲食店が多い繁華街なのですぐに見つかるとは思っていたが、こんなにすぐ見つかるとは。 こんなウジムシのごとくブリブリ湧いてるモノを見に、わざわざ日本にやってくる外人がいるとは驚きである。 「ゆっ・・・!」 さっそく、カメラを録画モードにする。 ドキュメンタリーのつもりなので、あとで編集はする。 流れとしては、日本語で喋る俺の声はそのままに、画面下のほうに英語の字幕をつけるつもりだ。 「まりさ種発見です」 まりさは膨れて威嚇はしないものの、、ぶつぶつと喋る俺に警戒をしているようだ。 「 ゆゆ・・・ゆっくり・・・」 田舎に住むゆっくりのように、嬉しそうに挨拶はしてこない。 それが都会に住むゆっくりの特徴だ。 「それでは挨拶をしてみましょう。ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっ、ゆっくり・・・ゆっくりしていってね・・・・」 ゆっくりとは思えない挨拶と媚びるような笑顔。 恐怖に脅える顔が透けて見える。 本心から発した言葉ではないのだろう。 だが、俺にはそんなことどうでもいい。 都会に住むゆっくりの典型的な例なので、撮影に協力してもらおう。 俺はズカズカと、まりさの方へ歩いて行く。 「ゆっ!ゆっくりこないでね!」 そう言いつつ、逃げようとはしない。 何かあるのだ。 ゆっくりが身を挺して守るものなど、赤子くらいなもの。 まりさの頭上から奥を除くと、ダンボールの中にソフトボールほどの子ゆっくりが4匹ほど眠っていた。 アタリを引いたようだ。 「やあ、まりさ。ちょっとお話があるんだ」 俺はまりさに撮影の話をした。 都会のカラスと同じで、都会のゆっくりは田舎のゆっくりに比べて知能が高いことが多い。 このまりさも普通のゆっくりよりも若干賢かった。 説明はすぐに終わり、撮影の許可をいただくことができた。 「じゃあ、これからまりさの生活を見せてもらうよ。よろしくね」 「ゆっくりりかいしたよ!」 許可してもらったのは、まりさの行動をすぐ後ろで撮影させてもらうこと。 そして、まりさはカメラを意識しないで普段通りに生活してもらうこと。 報酬としてエサをやるといったら、すぐに了解してくれた。 ただ、野良ゆっくりにエサをやるのはマナー違反である。 なので撮影が終了したら黙って帰ろうと思う。 「そうだな、それじゃちょっとまりさの体を見せてくれるかな」 「ゆっ。ゆっくりながめてね」 狭い場所なので、くるくる回って撮影ができなかった。 しょうがないので、まりさを近くにあった板に乗せて回転させる。 本当に、汚いまりさだった。 最初に感じたのは、顔の皮の色だ。 全体的に茶色に染まり、擦り傷がアチコチに見られる。 試しに触ってみると、油汚れのようなネットリとした不気味な粘着を感じた。 底部は硬かった。 連日、コンクリートを這っているため、タコのようになっているのだろうか。 髪の毛はボサボサで、ところどころにゴミや木の枝などが巻き込まれていた。 後頭部の髪には、噛んだガムがねっちょりとこびり付いていた。 しかもひとつだけでなく、いくつもついていたため、後頭部はガムまみれ。 「にんげんさんがむりやりつけたんだよぉ・・・!ま、まりざはっ!まりざはやべでっでいっだのにぃいぃぃ」 と、泣きだす場面もあった。 帽子も変な形をしていた。 トンガリ帽子のはずなのに、べっこりと潰れてプリンのような形をしていた。 また、帽子に巻かれているはずの白いリボンはなかった。 まりさ曰く、ガムをつけてくれたお兄さんに目の前で焼かれたらしい。 あらかた撮影したので、まりさを板からおろした。 「じゃあ俺は撮影してるから、まりさは普段通りに過ごしてくれよ」 「ゆっくりするよ」 まりさは子供達の眠るダンボールに向かっていった。 俺もすぐに後を追う。 「おちびちゃんたち・・・きょうもゆっくりできるといいね」 子ゆっくりは笑顔で眠っていた。 体は親同様、汚く着色されているのでお世辞にも可愛いとは言えないが。 まりさ種が3匹と、れいむ種が1匹。 よくある組み合わせだ。 「もう1匹、親のゆっくり霊夢はどこにいるんだ?」 「ゆぐっ・・・!」 今にも泣きだしそうな顔。 それをグッとこらえる仕草をしながらまりさは言った。 「れ、れいむはっ!まりざのぜいでじんじゃっだんだよ・・・・」 「ほー。それはなぜ?」 「へんなおにいざんが・・・!まりざのれいむをぉお!!!ゆぅうぅぅぅぅうっ!!!」 そのまま、まりさは泣き崩れてしまった。 勝手な推測だが、きっと悪い人間にれいむは殺されたのだろう。 まりさを逃がすために囮になったのか、それとも単にグズだったのかは分からないが。 「ゆっくり虐待かー・・・」 以前、youtubeにゆっくりアリスの虐待画像をアップした人間がいた。 グチャボロになりながらも、必死で生きようとするありすの姿が記憶に新しい。 アップロード者は、そのまま動物愛護法でしょっぴかれてしまったのだが。 「ま、ドキュメンタリーなら大丈夫だろ」 俺はカメラを子ゆっくりに向け、その薄汚い笑顔をアップで撮った。 日が高く上った頃、ようやく子ゆっくりが目を覚ました。 「ゆっくりさせてね!」 「れいむはおにいさんとゆっくりしたいな」 「まりさ、すごくゆっくりしてるよ」 「すりすりしてあげるね!」 と、俺の存在に気がつくとすぐに話しかけてきた。 意外と人懐っこい・・・というよりは媚びるのが得意のようだ。 1匹の子まりさがすりすりをして媚を売ろうとしてきたが、汚い皮ですりすりされても嬉しくない。 ウニクロで買った俺の服が汚れてしまう。 早々に親まりさに説明をさせた。 「ゆぅー・・・」 「れいむはひとりでゆっくりするよ」 「ゆっくり・・・」 「すりすりしてあげないよ」 すぐにエサをくれない人間だと理解したようで、俺への関心を失ったらしい。 単純で良い。 「ゆっ!それじゃあみんな。かりにいくよ」 「ゆー!」 「ゆっくりするよ!」 「ゆっくりしたい!」 「がんばってゆっくりしようね!」 親まりさの掛け声に、4匹の子ゆっくりが嬉しそうに応える。 狩り。 いったい、都会のど真ん中でどのようなことをするのだろうか。 ピョンピョコと跳ねる5匹の後を、カメラ片手に俺は足を進めた。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 やってきたのは、すぐ手前にあったコンビニ。 狩りではなく乞食であった。 コンビニの外に置いてあるゴミ箱に隠れて、店に入る客に声かけをするだけだ。 みじめである。 乞食慣れしているのか、声も大きい。 「おじさん!まりさとかわいいおちびちゃんたちに、ゆっくりできるものをちょうだいね!」 コンビニから出てきた腰を曲げた老人に、親まりさは声をかけた。 「おじいさん!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしたいよ!おいしいごはんをちょうだいね!」 「ごはんたべたいよ!おねがいだよ!」 「れいむ、おじさんとごはんたべたいよ!」 「まりさにはいらないから、こどもたちだけでもゆっくりさせてね!」 親まりさが最後にそう言うと、子ゆっくり達は親まりさにすり寄り、「おかあさんもいっしょにゆっくりしたいよぉー」などと言うのであった。 演技派のようだ。 その老人は5匹に近寄り、とても外見からは想像もできないような回し蹴りを親まりさに放った。 「ゆぼげっへぇっ!!」 駐車場を転がっていく親まりさ。 老人は、それを呆然と見ている子ゆっくりにツバを吐きつけると、そのまま帰って行った。 「なんというモラルの低下。高齢化した結果がこれだよ!」 少し遠くから、俺はその様子を撮影していた。 まりさの帽子にはマイクが仕込んであるので音声もバッチリだ。 親まりさは派手な転がり方のワリに、意外とすんなり立ち上がった。 それどころか、レンズ越しに映る親まりさの体に特にキズは見当たらなかった。 その後も親まりさと子ゆっくりは、コンビニ前で乞食を続けていた。 お昼頃になると、その存在に気がついた店員に箒で追い出されてしまったが。 「ゆぅ・・・このままじゃゆっくりできないよぉ・・・」 「おなかずいだよぉぉお!!!ゆっぐりじだいのぉおお!!!」 「れいむはやくゆっくりしたい・・」 「もううごけないよおおお!!!」 「まりざおながずいだのにぃぃい!!!」 繁華街の中心を、貧相な一家が彷徨っている。 道行く人々は、視界に入らないよう歩いているようだ。 ずりずりと這う親ゆっくりが、あるものに気がついた。 「ゆ!これはゆっくりできるものだよ!!」 なんだろうと思っていると、親まりさは地面に顔を近づけた。 「これはあまあまだよ!ゆっくりできるんだよ!」 その笑顔といったら。 あれほど明るい笑顔を、あんなもので・・・。 「うわぁ・・・」 思わず声がこぼれた。 「ゆゅー?それなあに?」 「ゆっくりできる?」 「はやくたべたいよ!」 「ゆっくりちょうだいね!」 それは、道にこびりついていたガム。 誰かが吐き捨てたであろうガム。 多少硬くなっているようだが、親まりさの髪についているものほど硬化してはいないようだ。 親まりさはそれをくわえ、必死でひっぱっている。 哀れすぎて何も言えない。 「ゆゆっ!!とれたよ!!」 勢いあまって後ろに倒れこんだ親まりさ。 その口には、不衛生極まりないガムが。 「それじゃあおちびちゃんたち、ゆっくりたべてね!」 周囲の冷たい視線など、まるで無いかのように微笑む。 ただ、人の目があるのでおいそれとゆっくりを殺すワケにもいかない。 もしや、それを理解しているのだろうか。 「ゆー!あまあましあわせー!」 最初に食べさせてもらったのは、子れいむだった。 正直、見てて凄く気分が悪い。 誰が噛んだかも分らんガムを、よくもまああんなに嬉しそうに食べられるものだ。 「ゆ!まりさもたべたい!」 「れいむばっかりずるいよ!」 「まりさも!まりさも!」 「れいむ、そろそろこっちのおちびちゃんにもあげてね」 子れいむは聞き分けの良い子供だったらしく、ペッとガムを吐き出した。 すぐに別の子まりさがガムを口に含む。 「ゆー!まりさもあまあまー・・・・・・?」 顔にハテナマークをつける子まりさ。 「ぜんぜんあまぐないよぉおおおっ!!どぼじでなのぉおお!!?」 そりゃそうだ。 ただでさえ誰かが噛んで甘さが無くなっているのだ。 子れいむが噛んだことで、もはやただのグニュグニュしたものになってしまっているだろう。 「れいむがまりざのあまあまをどっだんだぁあああっ!!」 怒りの矛先は子れいむへ向いた。 猛烈な勢いで、子れいむに跳ね寄る子まりさ。 しかし、それは親まりさによって防がれてしまう。 「れいむになにをずるのぉおお!?だいぜづなしまいでじょおぉお!!?」 ボインっと膨れ、子まりさはそのまま吹き飛ばされてしまった。 ケガはしていないようだが、親まりさに弾かれたことが悔しいのか悲しいのか、起きあがろうとはしなかった。 「まりざもおぉお!!まいじゃもあまあまたべぢゃいのにぃいいっ!!!おぎゃーざんのばかぁああっ!!!」 子まりさの醜い声が繁華街に響き渡る。 「うるせーぞ糞饅頭が!」 すると、目の前の店から一人の男が現れた。 どうやら店員らしい。 「ゆゆ!みんなにげるよ!!おちびちゃんもゆっくりにげてね!」 おちびちゃん、泣き叫んでいた子まりさを呼ぶ親まりさ。 だが親の心なんとやら、子まりさはそれを拒む。 「や゙ぢゃよぉお゙ぉ゙お!!まりざのあ゙まあま゙っ!!ばりじゃのあ゙ま゙あま゙がえじでよぉぉぉおっ!!!」 「ゆぅうううっ!!!みんな、あのこはゆっくりできないこだよ!!いそいでにげるよ!!」 子まりさがあまあまを諦めるよりも、親まりさの見捨てる決断のほうが早かった。 親まりさと子ゆっくり3匹は、瞬く間に逃げて行った。 「ゆっ・・・!?おかあしゃ・・・!?ど、どぼじで・・・!」 茫然自失。 涙も止まり、声も止む。 それに満足したのか、店の男は戻って行った。 残されたのは、親に見捨てられた子まりさ1匹。 もう死ぬしかないだろう。 俺もそれに見切りをつけ、逃げた4匹を追った。 「あ゙ぁぁあ゙ああぁ゙ぁああぁ゙ああぁ゙ああぁぁぁ!!!ばりざのごどぼがあぁああっ!!!」 小さな公園で、親まりさがボロボロと泣き崩れていた。 「おかあさん、ゆっくりしてね・・・?」 「そうだよ、まりさたちがいるよ!いっしょにゆっくりしようね」 「あのこのぶんもゆっくりしようね」 それを3匹の子ゆっくりが慰めていた。 「おかあさんにすりすりするよ!」 「すりすりでゆっくりしてね!」 「すーりすーり♪」 そして始まるすりすり。 目糞に鼻糞を擦り付けているようなおぞましい光景だ。 「ゆっ・・・!みんな、いっしょにゆっくりしようね!あのこのぶんもゆっくりしようね!」 時計の針が午後3時も回った頃、ようやく親まりさは立ち直った。 「きょうはおうちにあるごはんでがまんしようね!かりはあしたやろうね!」 今日の狩りは終了したらしい。 何も得るものがない狩り。 逆に子まりさがいなくなって、何が狩りなのか。 「狩られ」だと思う。 そんなことを考えているうちに、4匹は帰路についていた。 「どぼじでごはんがないのぉぉぉおおっ!!!?」 帰って来た4匹を待っていたのは、残酷な現実だった。 「ごごにごはんがあっだのにぃいいい!!」 ここ、といって覗いているのは空のビール瓶のケース。 もともと黄色い色のケースだったようだが、色褪せてクリーム色になっていた。 キリンのビールケースだ。 子ゆっくり達は、すでに腹が減って喋る気力もないらしい。 マイクは親まりさの嘆きだけを記録していた。 「ゆっ・・・!でもおにいさんがごはんをくれるよ!きょうはゆっくりできるはずだね!」 それに気がつき、声が喜色に染まった。 体をふりふりさせながら、俺がエサを持って帰ってくるのを待っている。 「よし、今日の取材はここまでにするか」 youtubeにアップロードするのが目的なので、あまり長々としたものにするつもりはない。 せいぜい10分、長くても15分に収めるつもりだ。 なので、これ以上この一家の相手をするつもりはなかった。 「あとは編集して・・・、あれして・・・これして・・・・」 ぶつぶつと呟きながら、俺は親まりさに近づいた。 「よ、まりさ」 「おにいさん!やくそくのごはんをちょうだいね!」 「ごはんちょうだいね!」 「れいむにごはんちょうだい!」 「まりさにおいしいごはんをちょうだいね!!」 俺の姿を見ると、子ゆっくり達も気力を振り絞って声をかけてきた。 だが、相手をするつもりはない。 「マイク返してね」 帽子に仕込んだマイクを取り返す。 そして、そのまま背を向ける。 「ごっ・・・!?ごはんはっ!?まりさたちにごはん!」 なんだか生ゴミが騒いでいるが、気にしない。 蹴飛ばすのも嫌だったので、俺は全力疾走で駅まで駆け抜けた。 数日後。 俺はまた繁華街にやってきた。 アップロードした動画は、大好評だった。 アメリカをメインターゲットにしたつもりだが、世界中でウケたらしい。 英語、フランス語、スペイン語、中国語、ハングル、ロシア語で書かれたメールが山のように届いた。 英語しか読めなかったが。 そんな感想で目立ったのが、あの家族はあの後どうなったのか、という質問だ。 そんなワケで俺は再度、繁華街、あの建物と建物の間を見にやってきた。 「いるかな・・・?」 そこには、3匹のゆっくりの変わり果てた姿があった。 親まりさが1匹、子まりさが2匹。 子れいむはいなかった。 この数日の間に死んだか、逃げたか、食べられたかしたのだろう。どうでもいいことだ。 これは番外編としてブログに載せるつもりなので、今日はデジカメで写真撮影をする。 親まりさはゲッソリと痩せ細り、アンコが透けて見えそうだ。 表情は暗く、全てに絶望しながら死んだかのよう。 対して、子まりさ2匹は比較的まともな顔だった。 一体、この家族がどうやって死んだのか。 それは誰にも分らないだろう。 東京では、今日も数えきれないほどのゆっくりがゆっくりを求めて死んでいく。 誰にも存在を気づかれることなく消えていくモノもあるだろう。 この家族は少しはマシだ。 俺のアフィ収入になるのだから。 俺は次の企画を考えていた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1585.html
ミカン 「あー・・・冬はやっぱこれだな・・・」 炬燵の上には熱いお茶に煎餅、そしてミカン。冬の定番スタイルである。 半纏を羽織った男は一人茶を啜る、こんな寒い日は家でのんびり過ごすのに限る。 ドムドム・・・ 不意に戸に何か当たるような音が響く、はて?と男が戸口に向かうと 「ゆ!あいたよ!」 「ここはゆっくりできそうだね!」 「ゆっきゅり~」 「ぬくぬく~」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 そこにいたのはゆっくりだった。 大きいまりさとれいむが1匹ずつ、そしてそれらの赤ちゃんと思わしき小さなゆっくりが各種3匹ずつ。 どうやらこの饅頭一行は家族らしい、何のようかと男が考えていると 「ゆゆ!?なんでれいむたちのおうちににんげんがいるの!?」 「にんげんはさっさとまりさたちのおうちからでていってね!ここでゆっくりしたいならごはんをよういしてね!」 「ちょーだちょーだー!」 「まりちゃたちのためにごはんよういちてね!」 開口早々のおうち宣言、あまつさえ食べ物を要求してくるとは流石饅頭、そこにムカツク腹が立つぅ!! ここで潰してもよかったが、男もちょうど暇をしていたところなのでゆっくりたちを部屋へと上げることにした。 「ふむ、なら食べ物を用意してあげるからこっちにきなさい。ここよりも暖かいしね。」 「わかったよ!ゆっくりついていくよ!」 「おいしいごはんたくさんよういしてね!」 「れいみゅいっぱいたべりゅよ!」 「おねぇちゃんじゅりゅい!まりちゃだっていっぱいたべりゅよ!」 ワイワイガヤガヤやかましく男についていく饅頭一家。 途中、この一家に冬篭りをしないのかと尋ねたところ 「もりはたべものもないし、さむくてゆっくりできないよ!」 「これからはここでゆっくりするんだぜ!おじさんもまりさたちのけらいにしてとくべつにゆっくりさせてやってもいいんだぜ!」 俺まだ20なんだけどなぁ、男はぼんやりとそんなことを思う。 どうやらこの一家は越冬の準備をせず遊び呆けていたようだ。 そしていざ冬になり、にっちもさっちもいかず人里へと出てきたらしい、だらしねぇな。 「さて、それじゃミカンを食べさせてあげるから皆口をあけてね。」 「ゆっくりわかったよ!ゆっくりはやくおくちにいれてね!」 久々の食事にありつける、その思いにゆっくり達の目はキラキラと輝く。 そしてミカンを持った男の手が一家へと伸びた次の瞬間 「ばるす」 「「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!?」」 「「ゆゆゆゆゆ!?おとーしゃんおかーしゃんどーじだのぉぉ!?」」 男は手に持っていたミカンの皮を勢いよく絞り汁を飛ばしたのだ。 「ゆごおぉぉぉぉ!! い”だい”い”ぃ”ぃ”ぃ”ぃぃぃ!!!」 「まりさのおめめがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 まりさは激しく首?を振るように転げまわっている。 れいむに至っては顔面を畳に激しくこすり付けている、おぉ激しぃ。 そんな両親の奇行に恐怖したのか、あるいは潰されてはたまらないと思ったのか赤ちゃん達は部屋の隅で小さく固まっている。 「おとーしゃんたちはゆっくりこっちにこないでにぇぇぇ!!」 「そっちでゆっくりしててにぇぇぇ!!」 「「どおじでぞんなごというのおぉぉ!! ゆっくりしないでだずげてよおぉぉぉぉぉ!!!」」 うわぁ、赤ちゃんドン引きしてるよ、てか泣きはいってるし・・・ そうして暫らくこの苦しみは続いた。 「ゆはぁ・・・ゆはぁ・・・」 「くぉはぁ・・・くぉはぁ・・・」 数分後、ようやく痛みも和らいだようで2匹は落ち着きを取り戻した。 「いきなりなにするのぉ!!」 「ひどいことするじじいはさっさとしねぇ!!」 「ちょーだちょーだ! ゆっくちできにゃいじじぃはまりちゃちゃちにょおうちかりゃでてっちぇにぇ!」 「ゆっくちちないでちゃっちゃっとちんでね!」 ここで先程まで両親を見捨てていたちび達も手を返したように攻勢に出始める、現金なものである。 饅頭一家がぷくっと膨らんでプンプンと言いながらぼむぼむと跳ねている様は、中々に滑稽である。 しかし、この光景に水を差すように両親達が奇妙な声を上げた。 「・・・ゆ? なんで・・・?」 「ゆ? どうちたのおかーしゃん?」 「・・・うそなんだぜ?・・・どうして?」 「ゆうぅ? おとーしゃんもどーちたの? しゃっしゃとじじぃをやっつけようよ!」 「「どうじで れいむ(まりさ)のおめめが みえないのおおおおおおおお!!!???」」 「「ゆゆゆゆゆゆゆゆううううううぅぅぅぅ!!???」」 なんとこのゆっくり達、ミカンの汁で失明してしまったらしい。 んな馬鹿な、男がれいむを手に取り強引に目蓋を持ち上げる。 「ゆぎぃ!?」 どうやら目玉の表面が溶けてしまったらしい。人間でも確かに痛い、しかしまさかこれで失明するとは・・・。 そういえばゆっくりの眼球は寒天らしい、寒天の強度ではミカンの酸に耐えられなかったのだろうか? 「ゆべぇ!?」 「れいむぅー!?」 「「おかーしゃーん!!」」 うーんと唸りながら男はれいむを床に放り投げた。 れいむは見えないこともあり上手く着地できず、二転三転してようやく止まった。 「ゆっぐぢやべでぐだざいいぃぃぃ!!」 「もうまりざだぢにひどいこどじないでぐだざいぃぃぃ!!」 とうとう両親は泣き出してしまった、さっきまであんなに強気だったのに折れるのが何とも早い。 だが、これ以上こいつらを痛ぶって餡子が飛び散って汚れるのも面倒だ。 何より目が見えないなら、しばらく放って置いた逃げられはしないだろう。 男はそう判断し、次の獲物へと向かっていった。 「ゆゆゆ!? こっちにこにゃいでえぇぇぇ!?」 「ゆっくちちゃちぇてよおぉぉぉぉ!?」 「ゆー!?あかちゃんたちにひどいことしないでね!?」 「みんなゆっくりしないではやくにげてねえぇぇぇぇぇ!!!」 赤ゆっくり達は慌てて逃げ始める。しかし部屋の中ではそれも限界があり、あっというまに追い詰められてしまった。 「おねがいじまずうぅぅぅぅぅ、れいぶはどうなっでもいいでずがらあかちゃんたちにひどいことしないでぐだざいいいいい!!」 「まりざも!まりざもどおなってもいいでずがら! おねがいじまず、おにいざんんんんん!!」 「・・・ふむ、君達のお母さん達はああ言ってるぞ。いい親を持ったね。」 「ゆぅぅぅ、おがーじゃんありがおおぉぉぉぉぉ!!」 「まりじゃだちだずがっだよぉぉぉぉぉ!!」 ゆーんゆーん 途端始まる大号泣、なんとも感動的ではないか。 「「おに”い”ざんあり”がどう”ございまずうぅぅぅぅぅ!!」」 「「あ”り”がどお”ぉぉぉぉごじゃい”まずうぅぅ!!」」 男は一息つき赤ゆっくり達へと近ずく、ちび達は助かったものだとニコニコして男を見上げている。 そして手の届くほど近づいて、男はにこりと優しく微笑みを浮かべた。 「だが断る」 ピュピュッ 「「!!??? ゆぎゃあああああああああ!!!!!」」 「いぢゃいぃぃぃぃ!!」 「あぢゅいぃぃ!? あぢゅいよおぉぉぉ!!」 「ど、どうじだのおぉぉぉぉ!?」 「おにいさん!! ゆるしてくれたんじゃなかったのおぉぉぉぉ!?」 「ん?何が?」 「なにがじゃないよ”おぉぉぉぉぉ!!」 「あかちゃんだぢはゆるじでぐれるっていっだのに”いぃぃぃぃ!!」 「いやいや、俺一言もそんなん言ってないよ?」 「ゆゆ”ぅ!?」 「俺はいい親持ったねって言っただけだし。」 「ゆ”ぎいぃぃぃ!? だまじだねぇぇぇ!!?」 「うぞづぎのじじいはいまずぐじねえぇぇぇぇぇ!!!」 両親は体をぐにゃりと潰し力を蓄えた。 そして、次の瞬間ゆっくりらしからぬすごい勢いで鬼の形相の2匹は激しく飛びついた! 炬燵に。 「「ゆべぇ!?!」」 あーあー、目が見えないそんな激しく動くから・・・うっわぁ顔へこんでるよ。あ、餡子吐いた。 「「ゆ”っぐぐぐぐ・・・よけるなひきょうものぉ!!」」 「いや、俺動いてないし。」 「「う”があ”あぁぁぁぁぁぁぁ!!」」 余程気にさわったのか顔を真っ赤にし暴れだし、ついには狂ったように炬燵の足に体当たりをしはじめた。 「おいおい、ものに八つ当たりするとか、お前ら子供かよ。」 「「うる”ざいぃぃぃ!! おま”え”はざっざどじね”え”えぇぇぇぇぇぇぇ!!」」 「ププッ 俺に当てられないからって物壊して満足ですか。 おお、無様無様(笑」 「「ぶぎい”いぃぃぃぃぃ!!!!」」 「ブギーって豚かよ(笑 いや、こんなこと言ったら豚に失礼だな、ごめんねぶ・た・さ・ん☆キラッ」 「「・・・・・!!!!!!!」」 目が見えなく耳に頼っている分、なまじ言葉に対して敏感になっているのだろう。 返す言葉もなくなったか、ついには只黙々と炬燵を攻撃するのみになってしまった。 しかしそれすら饅頭には叶わぬらしい。 ダバダバッシャァ!! 「「あ”ああああぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅうぅぅ!!?」」 「ぶふぅっははははははははは!! おま、おまえらねーって!! 」 卓上に置いてあった急須と茶碗が見事に直撃したのだ! なんという奇跡!! 「ちょっ!ちょっとまじで勘弁してくれ!! 腹筋がつる!!」 「「わ”ら”うな”あぁぁぁぁぁぁ!!」」 ゼーハーゼーハー あーびっくりした・・・まさか饅頭ごときに殺されかけるとは・・・腹筋鍛えて置いてよかったわ・・・。 男が落ち着きを取り戻し改めて暴れ饅頭に目をやる頃には、2匹はゅーゅーと力なく呻くだけになっていた。 「よし!」 男は二度三度深呼吸をし、放置していた赤ゆっくりの元へと向かった。 「ゆげ・・・あぢゅいよおぉ・・・」 「まりじゃの・・・まりじゃのほっぺがあぁ・・・」 長いこと放って置いた為かかなりぐったりしている。 いかん、あちらに気を取られ過ぎたかと男が反省していると 「・・・ゆぎゅ!? あ”あ”あ”ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」 ブピュー! 「まりじゃあああぁぁぁぁぁ!?」 「いぎなり”どおじだのおぉぉぉぉ!??」 突如一番小さな赤まりさが餡子を噴出しはじめ、ざわめき立つ赤ゆっくり。 どういうことなの・・・? 男にはわけがわからなかった。 先程男がミカン汁を赤ゆっくり達にお見舞いする際、親の時のように目だけをピンポイントで攻撃できなかった。 これは、目前で親に起こった惨劇を見た赤ゆっくり達がいくら馬鹿でも男に対し警戒をしていたからだ。 一度助かったと安堵しきったちび達を、一気に絶望に叩き落すという「持ち上げて落とす」心理効果のためには気取られてはいけない。 そこですばやく全てのゆっくりに苦しみを与えるため、狙う余裕がなかったのだ。 結果、ちび達は目はもとより体中にコレを浴びることとなった。 では何故破裂をおこしたのか? 風船にミカン汁をかけると破裂するという理科の実験をお知りだろうか、アレと同じ原理である。 特に小さいゆっくりは皮が薄くちょっとしたことで破れてしまう。 成長したゆっくりならともかく小さな個体には少量のミカン汁でも充分な脅威となるのだ。 また小さなゆっくりは中の餡子も水分が多く、ちょっとした傷でも餡子が激しく流出してしまう。 結果・・・ 「ゆゆ! れいみゅがらみょあんこでてるうぅぅ!?」 「だめえぇ!! ゆっきゅりできにゃぐにゃ”っぢゃう”ぅ!! 」 「あんこさんゆっっぎゅりどまっでぇぇぇ!! ゆっぎゅりじでっでよおおおお!!?」 次々と餡子の噴水をあげる赤ゆっくり達、まさに阿鼻叫喚である。 「おに”いじゃんみでないでだじゅげでよおぉぉぉ!!」 「おにぇがい”じまじゅうぅぅぅ!!」 「おいおい、君達ゆっくりしてないなぁ。 ゆっくりしていってね!」 「「ゆ”っぐぢできにゃ”い”いぃぃぃぃ!!」」 この時、男の言うようにゆっくりじっとしていれば餡子の流出もゆるやかになり、少しは生き長らえただろう。 だが餡子の流れ出る恐怖と焦り、そして酸が体を溶かす痛みに耐えかね赤ゆっくり達は騒ぎ続けた。 暴れて餡子が飛び出し、これにより体が心が傷ついてゆく。これに耐えかねさらに暴れて・・・。 数分後、ちび達は満足に動けなくなってしまった。 そして 「「・・・もっどゆっぎゅりじだがったぁぁぁ!!」」 最後にこう言い残し、終には二度と動くことはなくなってしまった。 「さて・・・と。」 男は赤ちゃん達だったものに一瞥くれると、親の元へと向かった。 「ごろず・・・ごろず・・・」 「じね・・・じね・・・」 「あらら、こりゃもうだめだな。」 2匹の親ゆっくりは壊れたレコーダーのように恨み言を繰り返すだけになってしまっていた。 これ以上いじっても大した反応は望めないと思った男は、叩き潰そうかと考えたが 「・・・ふむ。 あんなに笑わせてもらったし、せっかくだからもっとゆっくりさせてあげよう。」 と2匹を掴み上げ玄関へと向かっていった。 もはや2匹に抵抗する力は無く、されるがままであった。 そして外に出た男は2匹を雪の上へ、まるで割れ物でも扱うよう丁寧に置いた。 もっともこの行為は優しさからでなく、さっさと死なれても詰らないと考えたからだった。 「ここなら死ぬまでゆっくり出来るよ。 それじゃゆっくりしんでいってね!」 男はそう言い残し家へと入っていった。 後はゆっくり朽ちるのみ・・・ 男の虐待はこれで終わったかに思われた。 しかし2匹にとっての本当の虐待はここからであった。 シンシンと降り積もる粉雪、その冷たさはゆっくり達の体から容赦なく熱を奪っていく。 煮えたぎっていた餡子が冷やされていった結果、2匹はここで不幸にも正気に戻ってしまった。 その結果、この饅頭達は死ぬまでの時間を長く長く苦しんだ。 全身を襲う激痛 死にたくないという恐怖 家族を失ったことへの悲しみ 人間の家に近づいた後悔 もっとゆっくりしたかったという願望 そして冷えた餡子にも関らず、未だ心の奥底で渦巻く憤怒 これらの感情が激しく2匹の中を暴れ狂う。 もしも怒りの中で狂気に包まれ逝けたなら、こんなにも苦しまなかっただろう。 もし満足に動けたなら、暴れて気を紛らわせられただろう。 口が動けば叫び、この気持ちを訴えることが出来ただろう。 目が使えれば、思いを涙にこめて流すことが出来ただろう。 だがそれは叶わない ここには 誰もいない 何もない 音すらも ただあるのは雪 熱を奪い 全てを白へと還し 平等に死を与える ただそれだけ 静寂に包まれた死の世界で、2匹は永遠とも思える苦しみを味わった。 春 雪が溶ける頃、男が玄関先で様々な負の感情を練り固め凝縮したような何とも言えない饅頭を見つけるのはもう少し先の話である。 ちなみに 「・・・・・なに、これ?」 冷静になった男に待っていたのは、飛び散った餡子にぶちまけられたお茶。 壁や畳に留まらず、炬燵布団にまでぐっちょりと大きな染みを描きあげている。 「ゆっくりいじった結果がこれだよ!!」 終われ 他に書いたの ゆっくりディグダグ ゆっくりディグダグⅡ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3628.html
『真冬のゆっくり対策』 「この時期に色々と対策を取ったほうがいいですよ」 ある村で会議が開かれていた。この村はゆっくりによる農作物の被害が多かった。 「確かに今が一番いいわね。今ならみんな冬篭り中だし手こずる事も無いでしょう」 ちなみに今は真冬。ゆっくりは冬篭り中で村には出没していない。そのうちにゆっくりの数を減らしてしまおうというのだ。 「春になったらまた子作りしますよ。そうしたら被害が増えるだけだ」 「ドスまりさも冬は動けませんよ。やるなら今です」 「しかしこの村の人数ではな…」 「でしたら周りの村や町にも応援を頼みましょう。虐待好きな方も動員しましょう」 「わざわざ来てくれるかね」 「どこも真冬はゆっくりが少なくて虐待が中々できないそうですよ。この辺りはゆっくりが多いようですから見つけやすいんじゃないですか? 喜んできてくれますよ。」 「いや…そっちの人のことを言ったんじゃないんだが…」 何はともあれゆっくり駆除の募集が行われた。 「ふ~ん…ゆっくり駆除ね」 新聞を読みつつ虐待お兄ちゃんは呟いた。 "ゆっくりを虐めたくてうずうずしてませんか?" 「してる。この時期は粋の良いゆっくりがいないんだよなあ」 彼の住んでいる村のそばだけでなく大抵の場合冬になるとゆっくりを見つけるのに少々手間取ってしまう。手間をかけてまでゆっくりを捕獲し 虐める人はそんなにいない。たまに自宅に忍び込もうとするゆっくりを捕まえて虐待するくらいだ。 「そういえばこの村は結構ゆっくり被害が多かったな」 "報酬はあまり出せませんが特産品をご馳走します" 「あ、この村確か良い酒があったんだ。結構高いやつ」 村の経済状況ではそれが精一杯だった。 "いつでもお越しください。ご協力お願いします" 「人助け&酒&虐待。良いこと尽くめじゃないか。早速出かけよう」 「うう…寒いわ」 虐待お兄ちゃんは村に着いた。彼が住んでいる村とは違い雪が積もっていた。 「そうか…雪がよく降るところだから米が良くて酒が美味いんだな」 彼の他にも多くの人達が着ていた。 「皆様、遠いところから良くおいで下さいました」 「この村はゆっくりによる被害が多くて困ってます。力を貸してください」 「無理はなさらないでください。夕方には戻ってきてください。夕食を用意いたします」 「ドスはここからかなり遠いところにいるので遭遇する心配はありません。ご安心ください」 「皆様お願いします」 彼らは準備を整え山へ向かった。 虐待お兄ちゃんは木の根っこの辺りを探していた。まずゆっくりが巣にしているのは木の根っこの下である。 「うーん…あ、ここ怪しい」 ゆっくりは冬篭りをする時入り口に草や石などを詰め寒さを防ぐという。不自然に石が固まって置いてある場所は巣の可能性がある。 「手ごろな大きさの石はないかな…」 彼はブロック程の大きさの石を見つけた後シャベルで木の根っこの辺りを掘り出した。 巣の中- 「ゆぅ…きょうはさむいね」 「おきゃあしゃん!しゅりしゅりすりゅちょ、ちょっちぇもあっちゃかいよ!」 「まりさともすりすりしてね」 「れいむも、れいむもすりすり~」 巣の中は典型的な幸せ家族であった。まりさとれいむに子れいむ、赤まりさ、赤れいむの5匹だ。巣の中は5匹と貯蔵している食糧でギリギリ といったところであった。 「せまくてごめんね、らいねんはもっとひろいおうちにすもうね」 「そんなことないよ。まりさががんばってつくったおうちだもん。とってもゆっくりできるよ」 「しょうだよ!まりしゃちょっちぇもゆっきゅりしちぇるよ!!」 そんな幸せムードもここまでだった。 「……で……~。は……す…よ…」 「ゆ!なにかきこえるよ」 「ゆ!なんだかさむくなってきたよ!!」 「しゃみゅいよお」 「はるですよ~!!!!!」 「「「「「ゆゆゆ!!!!」」」」」 入り口が壊され虐待お兄ちゃんが巣の中をのぞいていた。 「はるですよ~。なんちゃって」 「きょきょはまりしゃたちのゆkk…ゆぴいいいいい!!!しゃみゅいいいい!!!!」 「おちびちゃんたちはおかあさんのおくちのなかにはいってね!!」 「おじさん!!ゆうう!!!ここはまりさたちのおうちだよ!!さっさとでていってね!!!さむうううう!!!!!」 「あれ、まさか冬篭り中だったかい?」 「そうだよ!!!!だからゆっくりしないででていってね!!!!ゆううう!!」 「すまないねえ。なあ、ゆっくりと遊びたいんだけどこの辺りにゆっくりはいないかい?」 「ゆっくりしないででていってね!!!いりぐちなおs…ゆぴいいいい!!!!」 「早く教えてよ。いないんだったら君達と遊ぼうか」 「となりのきにありすがいるよ!!!まりさもいるよ!だからはやくでていってね!!」 「そうか、それはどうも。お礼に入り口埋めてあげるよ」 「ゆっくりしないでね!」 「じゃあ奥に入ってくれ」 「わかったよ!れいむ、おちびちゃんおくにいってね」 ゆっくり達が奥に入ったのを確認すると彼は石を巣の中にぶち込んでいった。 「丁度すっぽり挟まったね。これなら大丈夫だね」 彼は隣の木に向かった。 「ゆううう!!!!おじさん!!!ふさがってないよ!!!」 「もう…まりさがふさぐ…ゆゆゆ!!いしさんがじゃまでまえにすすめないんだぜ!!!」 「さむいよおおおおお!!!」 「ゆっきゅりできなああいいい!!!!」 「ゆんしょ…ゆんしょ…ゆうううう!!!!!」 「さて、多分ここだな。ここがありすのおうちか。今度はベーシックにいこう」 彼はシャベルで掘り始めた。 「はるですよ~。はるですよ~。でてきてね~」 巣の中- 「むきゅ…きょうはひえるわね」 「ぱちぇ、まりさとくっつくんだぜ!まりさがあっためてあげるんだぜ!」 「むきゅ~ん…ほかほかするわ」 「ぱ…ぱちぇ…まりさは…まりさはぱちぇとすっきりしたいんだぜ!!!」 「だめよまりさ。ごはんがすくないわ。あかちゃんなんてうめないわ」 「はるまでまてないんだぜ!!」 「まりさ……むきゅ!いりぐちがこわれてるわ!!」 「ゆ!」 「おうおう、おアツイねえ。あれ、ありすじゃねえ」 彼は巣を覗きニヤニヤしていた。 「おじさん!まりさのあいのすになんのようだぜ!!!」 「さむいわ!!ゆっくりできないわ!!」 「いやはや、おアツイところを失礼したよ。でもアツすぎると赤ちゃん産んじゃって冬越せなくなっちゃうよ。頭冷やそうね」 彼は巣の入り口を滅茶苦茶に壊していった。 「やべでえええ!!!!!あいのずがごわれぢゃううううう!!!」 「ゆぴいいいいい!!!!さむくてゆっぐりできなあいいい!!!!」 入り口どころか巣は修復不可能なほどに壊されてしまった。 「これなら少しは冷静になるね。じゃあね」 「むきゅううううう!!!!!!!」 「おじざん!!!!!!ゆうううう!!!!!おうぢなおじでええええ!!!!さむくでゆっくりできないよおおお!!!!」 「どうじだらいいのおおおお!!!!!」 「おうぢなおずんだ…ゆぴいいいいい!!!…ゆうう!!!ごはんがかぜでとばされでるんだぜええ!!!」 「今度こそありすのおうちはここだな」 巣の中- 「みんなごはんにするよ!」 「ゆっくりできるよ」 「きょうはむししゃんがたべちゃいよ」 「きょうはとくにひえるからとかいはならんちにしましょう」 「やったね!ごちそうだね!」 「「「「「むーしゃむーしゃ…しあわせぇ♪」」」」」 こちらも幸せな家族団欒であった。ありすとれいむの若干珍しい組み合わせ。子ゆっくり2匹と赤ゆっくり1匹だ。 「こんやはもっとひえるからよくたべてねましょうね」 「さむいよおお」 「だいじょうぶだよおちびちゃん。れいむおかあさんとす~りす~りしましょうね~」 「「す~りす~り」」 「ありちゅもしゅ~りしゅ~りしちゃ~い」 「ありすもす~りす~り」 突然だった。 「ゆ!なんだかすうすうするよ!!」 「おきゃあしゃん!おしょちょがみえちぇりゅよ!」 「とかいはなおうちをこわすいなかものはだれ!!!!さむいっ!!!!」 「ビンゴ。ありすだ」 「ここはありすたちのとかいはなおうちよ!!!いなかものはでていってね!!」 「しょーだしょーだ!」 「おかあさん!!さむいいいい!!!!」 「ハハハ。悪い悪い。プレゼント持ってきたんだけど余計だったかな」 「ぷれぜんと!」 「あまあまさん?おにいさん!あまあまさんくれるの?」 「べ…べつにぷれぜんとなんかでつられないわよ!だけど…あげたいならもらってあげてもいいわよ!」 「じゃあみんな、巣の奥に入って目を瞑っててね」 「ゆっくりおめめつむるよ」 「さみゅいきゃらゆっきゅりしにゃいでね」 「あまあまさん…あまあまさん…」 ドサアア!!!! 「ちべだあああいいいいい!!!」 彼が巣の中に入れたのは雪だった。 「遠慮するな。どんどん入れてあげるから」 「ちゅめちゃいよ!!!」 「やべでええ!!!ありすのとがいはなおうちがああ!!!!」 「それそれ!それそれ!」 「やめ…むぐうううう!!!…っぺっぺ…やべでええええ!!!!!むぐううううう…」 「いやあああああ!!!!ゆきさんこっちごないでええ!!!!」 「ほれ。トントンっと」 巣の中が雪でいっぱいになるとパンパンっと雪を固めて入り口を塞いだ。 「一面銀世界だなんてなんて都会派なんだろうね!!」 彼は次のターゲットを探したが中々見つからなかった。実は木の根っこを冬篭り用の巣にするゆっくりは少数らしい。 というのも巣が広げにくく食糧が貯めにくい事と雪の重みで入り口が壊れてしまうケースがあるからだ。 「あ、ここも空っぽだ。仕方ない根っこは諦めるか」 春になったら戻ってくるゆっくりもいるらしい。彼は山の奥の方へ向かった。 虐待お兄ちゃんがいなくなってから数分後- 「「ゆんしょ…ゆんしょ…」」 「おきゃあしゃんがんばっちぇね!」 「あかちゃんさむくない?す~りす~り…」 「しゅ~りしゅ~り…ゆうううう…しゃみゅいよおお」 石で入り口を中途半端に塞がれた家族である。 「ゆうううう!!!いしさん!!おうちからでていってね!」 「これじゃだめだよ…みんな!てつだってね。みんなでがんばればいしさんをどかせるよ!」 「まりしゃもぎゃんばりゅよ!」 「あかちゃん、がんばろうね」 「「「「「えいえいゆー!!」」」」」 「「「「「ゆんしょ!ゆんしょ!…」」」」」 微かに石が動いた。 「ゆ!うごいたよ!」 「みんながんばってね!」 「「ゆうう…みょうちゅかれちゃよ…」」 「れいむももうだめええ」 3匹が力尽きた時だった。 「「ゆべっ!!!!」」 「おかあさん!!」 「「ぎゃああ!!!!」」 親ゆっくり2匹が石に潰されてしまった。 「ばりざのあんよがああああ!!!!」 「でいぶのおがおがあああ!!!」 もうこの家族は冬を越せないだろう 「ゆびゅううううう…どうじよう…」 巣を壊されたまりぱちゅ。なんとか巣をそれらしい形にまでは戻したが寒気は容赦なく巣の中に入ってくる。食糧も大半が風で飛ばされてしまった。 「む…き…ゅ…」 「ぱちぇえええ!!!しっがりじでええ!!!!」 「もうだめだわ…ぱちぇは…もう…」 「ゆっくりしようよ!!!!!まりさといっしょにゆっくりいいいい!!!!」 ビュウッ!!!!! 強めの風が吹いた。 「ゆがああああ!!!!おうぢがあああ!!!!」 巣が壊れてしまった。さらに 「ゆああああ!!!!!まりさのぼうじがああ!!!!!ぼうじざんまっでえええ!!!!」 まりさの帽子が飛ばされてしまった。まりさは帽子を追って巣から出て行ってしまった。 「…ま…りさ…ぐ…ずっ…ひどいわ…」 まりさが帽子を取り戻し巣に戻ってきた頃にはぱちゅりーは死んでいた。まりさも直にぱちゅりーのもとへ逝くだろう。 「「「「「………………」」」」」 巣の中に雪を詰められた家族はみな固まってしまい動いていない。 「「「「「………………」」」」」 凍死ではなく仮死状態のようだ。解けた雪が体を溶かすより早く意識を戻すことができるのだろうか。 つづく by 虐待おにいちゃん