約 3,642,685 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2902.html
かつてはたくさんのゆっくりが生息していたこの森も 急速に近代化が進んだ影響で木々が切り倒され巨大な重機により平坦なさら地へと変化していった。 しかし、森の奥のゆっくりプレイスに生息する、れいむとまりさの一家は そんな事を知る術もなく今日もゆっくりと平和に過ごしていた。 「ゆっくり〜していってね〜♪ゆっくり〜♪」 「「「ゆっくち〜していっちぇね〜♪ゆっくち〜♪」」」 お歌を唄う親れいむと赤ちゃんれいむ3匹 その傍には子まりさと赤ちゃんまりさ3匹。 岩肌の頑丈な窪みに雨水がたまり、2メートル四方程度の水溜りが出来ており それを囲むようにして赤ちゃんれいむと同じ大きさのピンポン玉くらいの赤まりさが 熱心に子まりさの話を聞いている。 「この水溜りなら落ちても大丈夫だから、ゆっくり練習していってね お帽子をこうやって逆さにして枝で押さえてから真ん中に跳び乗るんだよ!」 「ゆっ、むずかちいよ!」 「おぼうしさん、ゆっくりうごかないでね!」 「ゆゆゆっ!」バシャーン! 1匹の赤まりさがバランスを崩して水溜りに落ちる。 子まりさは慌てずに、かつて自分の親まりさがしてくれたように口にくわえた枝を伸ばし 水溜まりの赤まりさを突っつくようにして水溜りの浅い部分へ押し出してから岸へ上げる。 「ゆっくりでいいから慌てないでおぼえてね!」 そこへ遠くからぴょ〜ん、ぴょ〜んとゆっくり独特の跳ねる音がして 親れいむ赤れいむもお歌をやめ、子まりさも赤まりさもその音のほうへ集まってきた。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇね!」」」」」 子まりさよりも一回りもふたまわりも大きい親まりさだ。 森の奥はまだ人間の手が入っていないため自然の果実や木の実、餌となる虫達が豊富にあり 親まりさ1匹が午前中だけ狩に行くことで十分一家全員の食料と蓄える分を持って帰ることが出来た。 「今日は、苺とリンゴがとれたよ、虫さんは乾かして食べるものがないときに食べようね!」 親まりさの帽子は収納スペースが多分にあり、ひっくりかえすと 丸々と完熟した苺が20個と真っ赤なリンゴが4個、それにバッタ等の虫が半分は生きたまま ワサワサと蠢いていた。 「ゆ〜ん、ばったさんおいちちょうだよ、ゆっくりしてるよ!」 1匹の赤れいむがお尻をピコピコとしながらこびこびに前に進み出て、果物よりも 生きのいい虫の方に興味心身だった。 巣から近い蟻の巣は赤ちゃんたちが面白半分で狩りつくしてしまったため、生きている虫も珍しいのだ。 「だめだよ、虫さんは保存が利くから今食べたらもったいないよ!」 「そうだよ、お母さんれいむの言うとおりだよ」 親れいむと子まりさがそう赤れいむに注意した。 「ゆ〜、れいみゅはいきてるばったさんたべちゃいよ!」 巣穴の近くの蟻の巣が全滅したのは、この赤れいむともう2匹の赤れいむで巣穴を見つけては そこにおしっこをして蟻が溺れるのをみて楽しんだり 「これは、せいさいだょ!」・・・と 巣穴を掘って、そこにうんうんをして塞いだりしたせいである。 親まりさは時々は子まりさを連れて行っては狩を教えていたが、大きくなるまでは森も危険だから 赤れいむは過保護に育ててきた。 その結果、赤れいむ3匹はゆっくりの中でも少々わがままに育っていたのだ。 「いいよ、今日はばったさんを食べようね!まりさが明日また頑張ってもっと虫さんとってくるよ!」 「ゆっ・・・」 親れいむは親まりさに子供の教育によくないよと促そうと思ったが まりさの左ほほに小さな切り傷を見つけると、それ以上何も言えなかった。 きっと虫を追いかけて小枝で傷つけてしまったのだろう。 本当はゆっくりしたいだろうに、そんなまりさが自分のつがいである事がれいむには誇りに思えた。 「ぺーろ、ぺーろ」 「ゆっ、れいむくすぐったいよ!」 そのほほ傷をれいむは舐めてあげた。 ゆっくりの体は饅頭なので皮も小麦粉に良く似ている 故に、水分で湿らせて伸ばせばたちどころに小さな傷くらいなら塞がるのだ。 自分自身の舌では届かないため、こういったグルーミングはゆっくり間でよく見る光景である。 「それじゃあ皆、今日は苺さんと虫さんをいただきますしてりんごは明日のごはんにしようね!」 「ゆっくり、いただきます!」 「「「「「いちゃだきます!」」」」」 「むっちゃ、むっちゃ、しあわせー!」 「バッタさんゆっくりまっちぇね!にげないでにぇ!」 その夜 「おかーしゃん、すーりすーり」 「みゃみゃのほっぺはおもちみたいにやわらきゃいよ」 赤ちゃんれいむも赤ちゃんまりさも親れいむと親まりさにすりよって眠る。 子まりさも昼間は姉妹の手前、親に甘えないようにしていたが眠るときは姉妹と一緒に 親れいむと親まりさの間に挟まれるように寝息をたてる。 「みんな、明日もゆっくりしようね。」 こうして、ゆっくりプレイスの平和な一日が過ぎていった。 これがゆっくり出来る最後の一日だとは知らずに・・・。 朝、「ゆっくりしていってね!」の声で 一斉に目を覚ますのがゆっくり一家の通例である。 しかし、今朝はゆっくりの声ではなく不快な機械音によって覚醒させられた。 ガガガガ・・・ゴゴゴゴ ドドドドドド・・・ガガガガガー 「ゆっ?なんのおと・・・ゆっくりできないよ」 「ゆゆ〜ん、うるしゃくてゆっくちできにゃい」 巣穴の外には見たこともない巨大な鉄の塊が木を薙ぎ倒していたのだ。 ブルドーザーやパワーショベルといったいわゆる重機である。 とうとう、このゆっくりプレイスにも近代化の波が押し寄せてきたのだ。 「よーし、ここにプレハブおったてて開発工事の拠点にするべ」 重機が止まると、ヘルメットを被ったTシャツに作業ズボン首タオル姿の40歳前後の男が降りてきて あたりを見回し、そう呟いた。 ゆっくり一家の巣穴周辺は森の中にぽっかりと切開かれた平地になっていたため 重機や機材、工事関係者が住むための仮設住宅を建てる場所にうってつけだったのだ。 一家の眠りを妨げられ、自分たちの縄張りに侵入してきた生き物がいる 大黒柱である親まりさは先陣を切って抗議をするため巣穴の偽装を取り除き表にでた。 「ゆっくりしないで、その音を止めてね! それからまりさのおうちからでていってね!」 「「「ゆっくちでちぇいっちぇね!」」」 その後ろには、危ないから出てこないでねという注意を無視してついてきた 赤れいむが3匹 巣穴の中には親れいむと子まりさ、赤まりさが不安気に外を眺めている。 「あ〜ん?なんだゆっくりじゃねーか」 「おお、なんだよまだ森に残ってたなんて珍しいな」 「こりゃ、例のあれにつかうべか」 よくみると、重機にいた人間だけではなく、ぞろぞろと似たような風体の男たちが次々と増えて 親まりさに近づいてきた。 今この場に15人の男がいるのだが、ゆっくりからしてみれば3以上は数え切れないため およそ3人より多い そういった認識になる。 親まりさは自分の言葉が無視されたことで 話し合いの余地はなし、先手必勝にして倒すべし そう直感し勢いよくぴょーんっと跳びかかった。 実際、この森ではゆっくり以外には小動物も見当たらず せいぜい、ゆっくりの次に強いのはカマキリ、それから少し大型のかたつむり まりさは先手必勝の理論でほぼ無傷でそういった強敵を排除してきた実績があった。 時には多勢に無勢、20匹もの蟻に囲まれたこともあったが 勇敢なまりさは家族を守るために容赦なく飛び掛り押しつぶし、圧倒的な戦闘力の差をみせつけ 後悔させるまもなく命を奪ってきたのだ。 「ちょっ、やる気だぜこの饅頭」 一番まりさに近い位置にいた少し若い30半ばの男がヒョイとまりさと体当たりをかわす。 まりさにしてみれば自分の攻撃が回避されるのは始めての経験であった。 「ゆゆっ!」 たらり、とまりさの額に汗がにじむ。 ゆっくりとはいえ栄養状態が良い成体はバスケットボールよりも一回り大きく 重量はマッチョのダンベルに匹敵する。 柔らかいとはいえ修学旅行の枕投げよりは強い衝撃がある事うけあいだ。 かといって、人間からしてみれば子供でも成体ゆっくりに負けるわけがないのだが この三十路男は、勇猛果敢な親まりさと少し遊んでみたくなった。 さっきまでガニ股だった三十路男は、バイクのニーグリップをするようにやや内股に構えなおし 左半身を前に半身になって、右足かかとの重心を浮かせて爪先立ちのような格好をとる。 右こぶしは自身の顎の辺り、左こぶしは鼻先前から垂直に前に置いて肘をやや伸ばしている。 男の仲間たちはニヤニヤと笑いながら、男が一発でもまりさにからだを触れさせるかどうか タバコを賭けていた。 「おかーしゃんがんばっちぇ!」 「ゆっくちじじいをやっちゅけちぇね!」 「じじいはゆっくちちんでね!」 赤れいむ達の声援。 「ゆゆ!ゆっくり潰れてね!」 まりさは再度、男の顔面をめがけて飛び掛る。 その刹那、まりさの鼻のあたりにパッっと火花がとぶ錯覚を覚えた。 三十路男の左肘が鞭のようにしなり、手首のスナップを利かせてピシャッとまりさを叩き落したのだ。 ヒュー!っと男の仲間から口笛が鳴る。 まりさにも赤れいむにも何が起こったのかわからない。 一歩も動いていない男の前に見えない壁があるように弾かれたのだ。 「ゆゆぅ?」 体重が乗らないよう手加減があったため、まりさはさほどダメージを受けていない 再度、男に飛び掛る。 ピシャ!ヒュッ、ピシャ! 「ゆべぇ!」 グシャっとまりさが顔面から地面に崩れ落ちる。 今度は赤ゆっくりにも見えた。 一発目はやはりなんらかの見えない壁に阻まれた様でわからなかったがが、同時に男の足がススッと動くと まりさが落ちる前に、ペニペニのあたりに左手の手の甲で払うように叩いていた。 幸い、まりさのペニペニは発情しなければ内臓されているため 人間の様にタマタマを打ち付けることがないためダメージにはなってない。 しかし、まりさには何が起こったのかやはりわからず 「どぼぢであだらないのおぉぉぉお!」 と喚いていた。 今度はまりさは一旦後ろに退き、助走をつけて飛び掛った。 いまだかつて、どんな生物にも使ったことがないまりさが思いつく限り最大最強の必殺技である。 おそらく同サイズのゆっくり相手にならかなり効果的な攻撃方法であろう。 「ゆっぐりじねぇぇぇえ!」 ニヤリ、三十路男はスッと左こぶしをさげると キュキュッっと足先で体重移動を行い、垂直に跳んで来るまりさの産道の当たりめがけて いままで使っていなかった右こぶしを動かした。 半ひねり加えて肩まで前のめりに体重を乗せて放つ渾身の右 人間でもひとたまりのない高速のストレートがまりさの産道にめり込んだ。 「ぶぎゅがぎゃああぁ・・・」 わけのわからない奇声をあげて地面に突っ伏すまりさ。 ぴくぴくと痙攣しながら、水分が放出され失禁していることがわかった。 赤れいむ3匹は、親まりさのしーしーに濡れないように 「ゆっ、きたないよ!」と遠ざかった。 そして、しばらく間をおいて まりさは相変わらずピクピク痙攣しながら 「まりざのたまたまがぁぁぁああああ・・・」 などと泣きじゃくりはじめた。 それを聞いた男たちは大いに笑い 「まりさのたまたまがぁ♪」 「うははははは」と腹を抱えた。 その惨状を離れた巣穴から見ていた親れいむは涙を流しながら 巣穴の隠すために偽装の枝を口に加えて並べ始めていた。 子まりさは、赤ちゃんたちがまだだよ!と訴えたが 「ごめんね、ごめんね!」と呟きながら巣穴を塞ぐ作業に没頭していた。 「おう、おまえら遊びは終わりだ!仕事にかかれや!」 60代の男がドスの聞いたよく通る声で一括すると 男たちは 「よーし、仮設トイレから設置するぞ」と赤れいむ3匹を手に取る。 いまだ痙攣を続ける親まりさを足でつつき 「巣穴はどこだ?れいむ種がいるってことは、親のれいむがいるってことだろ?」 と巣穴の場所を聞いた。 まりさは 「ゆぐぐぐ・・・まりさに子供はいないよ その赤ちゃんもまりさと関係ない、人間に飼われてる赤ちゃんの子を預かってるものだから ゆっくり逃がしてあげてね・・・」 精一杯の嘘に男は「なに、飼いゆっくりの子だって!?」と一瞬動揺するが 赤ゆっくりの 「おかーしゃん、どうちてうちょつくのー!れいみゅはおかーしゃんのこどもだょ!」 という言葉ですぐに無駄になってしまった。 ペッっと唾を吐くと 足でドスンとまりさに重みをかけ 「もう一度聞くぞ巣穴はどこだ?」と問い直した。 「まりざはてんがいこどくだよ・・・だからその赤ちゃんは」 「れいむちゃんよ、巣穴はどこだ?」 赤れいむを握る手に力を少し込めると 「ゆゆ〜、くるちいよ!れいむのおうちはすぐそこだよ!」とあっさり場所を教えた。 男はまりさを踏みつけていた足に体重をかける。 「ゆっ・・・」 ブチッ 頭部を踏み抜く事が、これから起こる不幸に対するせめてもの情けであった。 「へーい、おこんにちわー」 ビクッっと口に加えていた小枝を落とす親れいむ ほとんど巣穴を塞ぐ作業は終了していたが、結局赤れいむにより場所が明らかになり 簡単に偽装は取り除かれ、たった一つの出口から容赦なく人間の手が入り込んできた。 子まりさは自分の後ろに赤まりさを隠しぶるぶると震えている。 ここに人間が来たということは、あの強いお母さんまりさはもう殺されてしまったのだろうと直感した。 親れいむも子まりさも声を立てないように震えていたが、そんな事はもはや意味をなさず ひょいひょいと人間の手につかまり捕らえられていった。 赤まりさは感極まって「ゆえ〜ん」っと大泣きを始め そのせいで暗がりの奥にいた赤まりさは見つからないはずだったのにあっさりと一緒に捕らえられ 先に死んだ親まりさを除いて一家全員が虜となった。 「よ〜し、今日からお前らにはこの簡易トイレの中で働いてもらうぞ」 「くちゃい〜」「ゆっくちできにゃい〜!」 「ゆゆゆ・・・赤ちゃんだけでも助けてあげて!」 と喚いたが、一匹残らずトイレのいわゆるボットン部分に落とされた。 工事現場の簡易トイレは水道のある場所であるなら水洗式にもなるが このような辺鄙な森では汲み取り式となる 人間の糞尿の始末をするために一家はボットンにおとされたのだ。 すぐにお昼休憩となり、次々と工事現場の男がトイレにかけこみ用をたす 主に小便が多い。 上からジョロローっと落ちてくる臭い汁に親れいむも赤れいむも自分の体にかからないように 壁いっぱいに逃げた。 子まりさと赤まりさはお帽子を傘のようにして耐えている。 「ゆっくちこないでね!しーしーきちゃないよ!」 やがて、小便は溜まってきて 壁に避けても足元が濡れるようになってきた。 一家全員泣きつかれたおめめに、再び涙がにじんでくる。 「すーぱー、うんうんたーいむ♪」 次にトイレに入ってきた男は親まりさを痛めつけたあの三十路男だ。 よっと和式の便座にうんうんスタイルで構えると ブババッっと汚い音とともに、リアルうんうんが降り注いだ。 これはしーしーの比ではない。 悪臭と不快な重量感にまりさ達も壁沿いに逃げた。 赤れいむと親れいむが壁を占拠していたため、おしあいへしあい結果 1匹の赤れいむが壁から押し出されて、リアルうんうんの直撃をうける。 「ゆぎゃあぁああ!ゆっくちできにゃいよぉぉおお!」 ピンポン玉くらいしかないその体はリアルうんうんに埋没し 脱出するためにはそれを食すしかなかった。 手足のないゆっくりは口でしか、物を動かすことが出来ないのだ。 壁際に逃げられたまりさ達は、それが自分達の明日の姿だとゆっくり理解し 親れいむと一緒にゆんゆん泣いた。 次の日にもなると、簡易トイレは便と小便でいっぱいになってきて やむなく親れいむが、餡子をはきながらぐびぐびと飲んだり、んぐんぐと塊を体内に押し込んだ。 「ゆっくり見てないで、みんなもやってね!」 と叱ったが、甘やかされた赤れいむはもちろん、赤まりさもそれを拒否して しかたなく子まりさが一緒に食べた。 「にがいよぉぉおお、くさいよぉぉおお・・・ゆっくりできない・・・」 やがて、初日にうんうんに埋没した赤れいむが半死半生で外に出ようとしたが 一心不乱に食べる、親れいむはついつい赤れいむをかじり飲み込んでいた。 「いちゃいっ!れいみゅだよ!かわいいかわいいれいみゅだよ!」 そんな声は届かず 懐かしい甘みに「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」と声を漏らした。 子まりさは、赤れいむが食べられたところを目撃してしまい 顔を真っ赤にして親れいむに体当たりをする。 「どぼじでまりさのいもうとをたべちゃうのぉぉおお!」 親れいむは正気に返り、また泣いた。 簡易トイレ生活から数日、便は食べることが出来ても リアルしーしーは床に溜まってきて、とうとう赤れいむ2匹がとけだしてしまった。 「もっとゆっくりしたかった・・・」「うへっへ♪ゆっくり〜♪していっちぇ・・・♪」 子まりさはお帽子を逆さにして水に浮き、赤まりさも右にならえで帽子に乗る しかし、赤まりさの1匹はどうしても帽子に乗ること出来なくて 親れいむの頭に乗せてもらった。 成長して大きくなればきっと水に浮くことが出来るからねと、その赤まりさをはげましたが その夜、寝てる間に赤まりさはおちてしまい、それに当たってしまったもう一匹の赤まりさも水没してしまった。 親れいむは2匹を助けたかったがすでに底面がふやけてしまい 2度と歩くことの出来ない体になっていた。 もはや出来ることといえば残された、子まりさと赤まりさのために少しでもリアルうんうんを食べてあげるくらいだ。 2週間が過ぎた。 親れいむのからだもずっと漬かっていたせいかダルマおとしのように足は完全になくなり スライム状になって、最後には目まで解けて無残な姿を晒していた。 子まりさにも赤まりさにも、もう親れいむが生きているのか判別することが出来なくて ただ、ただ一生懸命 リアルうんうんの始末に追われていた。 2匹には希望があった。 うんうんに潰されないようにしーしーだけでこの簡易トイレを満たすことが出来れば 水かさが増して最後には外にでることができると・・・。 「ゆっくりがんばってね!」 「いっちょにいきのこりょうね!」 簡易トイレが設置されてから一ヶ月が過ぎた。 あともう少し、しーしーをしてもらえれば自分たちは助かる。 そんな思いから人が入るたびに 「ゆっくり、しーしーしていってね!」 「しーしーしてくれてありがちょうね!」と言うようになっていた。 これは男達から見慣れた光景である。 親まりさがいると脱出できる水かさが早めに達してしまうため どのみち早めに処分をするが、最終的にまりさが生き残るのだ。 やがて工事の期日が近づいてきて、そろそろ簡易トイレを撤去しようということになった。 いまでは森は完全に消えていて、そこにはクライアントの館が建っており もし、まりさがその館の窓を割っておうち宣言をしたりしたら困りもものだ。 だからどうしても生かしておくわけにはいかない。 最終日 簡易トイレに、あの三十路男がやってきた。 子まりさも赤まりさも巣穴から親まりさを痛めつけるところを見ていたため どうしても、その男が来るとはらわた煮えくり返り 愛想よくする気にならなかった。 「お前ら、ご苦労さん これはお前らの巣穴にあったリンゴだ。」 「ゆ?」「ゆゆ?」 2匹はあの日のことを思い出した。 赤れいむが我侭を言って、苺と虫を食べることになり リンゴは次の日にとっておくことになったのだ。 もちろん、ずいぶん時間がたってそのリンゴは腐っている これは男が市場で買ってきたリンゴだ。 そんなことはゆっくりにはわからないし、三十路男は余計なことを言うつもりはない。 フンっ!と両手で力を込めるとリンゴは握力で砕け 食べやすいように、そしてお帽子が沈まないように小分けにされて2匹に渡された。 子まりさも、赤まりさもゆっくりプレイスにいた事を思い出しながら 泣きながらリンゴをむさぼった 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 そして、便座を木の板で塞ぎ その場を後にした。 過去の作品 ゆっくり繁殖させるよ! 赤ちゃんを育てさせる 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくり贅沢三昧・後編 まりさの皮を被ったアリス 肥料用まりさの一生 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりクアリウム 作者:まりさ大好きあき
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4584.html
シリーズの0話的な位置づけでお願いします あいも変わらず核弾頭です。多分過去最高レベルの 気分が悪くなったらユーターンを推奨します 独自設定あり 幻想郷の話です 「ゆ!!ドス!!どうしてゆっくりをみんなゆっくりさせる聖戦を思いついたの?」 幹部れいむはドスに質問をした。今まで気になっていたのだろう。 「ゆ?れいむ?どうしても聞きたいの?」 「どうしてもだよ!!聞いたらみんなをもっとゆっくりさせるインスプレーションが働くかも しれないよ!!」 「ゆ~~しょうがないね!!ゆっくり聞かせてあげるね!!」 ドスは自分の昔の話を語り始めた 昔のゆっくり これはドスがまだただのまりさで、子ゆっくりの時から始まる。 まりさのいた群れは森の山奥にあり、そこは天敵ともいえる動物が一切なく 個体数が増えすぎても雨などの事故等でうまく数が調整された土地であった。 みな特に食糧に特に困るという事が今までなく、みな思うがままにゆっくりしていた。 それもあってか不慮の事故という事故以外で死ぬゆっくりがいないため 何十、何百世代に渡って思う存分ゆっくりしたゆっくりしかいなくなり いつしかゆっくりこそが世界の頂点に位置する生き物だと考え始めていた。 ただ単に天敵という天敵がいないため思いあがったのだろう、餡子の記憶からも 天敵の存在は消え切っていた。 「ねえお母さん?なんでゆっくりは世界でもっとも素晴らしい存在なの?」 当時子ゆっくりだったまりさは母であるまりさに聞いたことがあった。 その返答に母まりさはにこやかに答えた 「あそこにいるれいむをゆっくり見てね!!」 まりさはゆっくりしているまりさをみた。 そのまりさは木の切り株の上に乗り、森の木々から漏れる日の光を浴びて気持ちよさそうに寝ていた 「まりさの姿をみてごらん!!なにかかんじるでしょ!!」 まりさはそのゆっくりをよく観察した。 日光を浴びてつやつや光る髪、光を浴びてその白い肌をさらに白く感じさせる肌、 そしてそのまりさの顔の素晴らしいゆっくり比。 まりさはこのまりさのゆっくりした姿をみて確信した。 どんな絵さんよりもとってもきれいで、神々しくて、なにより、なんて言えばいいんだろう。 「そう、それがゆっくりしているということなんだよ!!」 お母さんまりさは続けた 「とってもゆっくりしているでしょう!!あのまりさがとてもゆっくりするために あの木さんは切り株さんになったし、あのまりさがゆっくりお昼寝できるように 森の木さんがわざわざちょうどいいおひさまを用意してくれたんだよ!!」 まりさは母の言葉に感動していた 「ここにはどれだけ食べても草さんやキノコさんがゆっくりに食べられるために たくさん、勝手にはえてきてくれるのよ!!だからおちびちゃんも勝手にはえてくる ごはんさんをできる限りたくさんたべてあげて、ごはんさんの幸せ~にしてあげたり ゆっくりお昼寝してその場所を提供してくれた生き物が幸せ~になるようにしてあげてね!!」 まりさは母の話に元気よくうなづいた。 「ゆっくりわかったよお母さん!!ゆっくりはやっぱり世界で一番素晴らしい生き物なんだね!!」 母ゆっくりもそうよとうなずいた。 ある日 まりさと母ゆっくりがゆっくりお話しながら歩いていると、ボロボロになったれいむが倒れていた。 「ゆ!!お母さん!!」 「わっかているよ!!れいむ、大丈夫?」 まりさ親子はボロボロで倒れているれいむに駆け寄り、れいむを起こそうとする。 必死にやったのが幸いしたのか、れいむはかすかに反応し、意識を取り戻した。 「ゆ・・・・ゆっぐり・・・じでいっでね」 れいむはボロボロの体にも関わらず挨拶をした 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 親子はつい反応してしまった。 「れいむ?一体どうしたの!!いま治療するよ!!」 そういうとまりさは近くに生えていた薬草をかみ砕き、液状にした後れいむの体に擦り付けた 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 傷口に染みるのか、れいむは悲鳴を上げた。 れいむの傷は自然についたものとは思えないような傷だった。 あんよは真っ黒になっており、あの真っ赤なリボンは真白になっていた。 体はこれでもかという程傷口があり、中には何かで切られた跡があった。 薬草で応急処置を行った母まりさは大きな葉っぱを持ってきてその上にれいむを乗せて 群れの広場へ運び始めた。その間、まりさはれいむを励ましていた。 ―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「今考えてみれば、あれがすべてのはじまりだったよ」 ドスまりさは楽しかった日々を懐かしく思う様な眼で語った。 「ゆ?ということはそれから始まったんだね!!ゆっくりのためのジハードが!!」 「そうだね、すべてのきっかけはそれからだったよ!!それからね・・・・」 ―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 群れに着くと群れのみんなはあまりにもゆっくりできなくなってしまったれいむを 哀れんだ。 今村で唯一ある診療所で本格的な治療が行われていたが、あれだけの傷にあんよのあり様、 どうかんがえてもれいむが再びゆっくりできる日々はもうこないだろう。 診療所の入口でれいむを連れてきたまりさ親子は内心怒っていた。 一体だれがこんなひどいことするの!!ゆっくりをゆっくりできなくさせたら みんなゆっくりにも幸せにもなれないよ!!なんでそんなことするの!! これは群れのゆっくりみんながそう思った しばらくすると、診療所のパチュリーが入口から出てきた 「むきゅ!!れいむの治療がおわったわ!!傷は応急処置が良かったこともあってか餡子さんの 流失を止められたわ!!ただあんよの怪我はどうにもならなかったわ・・・。 あんなけが始めてよ!!たぶん自然につくものじゃないわ!!」 群れのゆっくりはやはりという顔だった。 「とりあえず、しばらくは絶対安静よ!! なんでこんな事が起こったかはぱちぇが聞いておくわ!!」 そういうとぱちゅりーは中へと戻って行った。 群れのみなはひと安心し、それぞれお家へ戻って行った まりさ一家もひと安心し、お家へともどっていき最後の平穏な一日を過ごした。 翌日、ボロボロになったれいむから話を聞いたパチュリーから語られた内容はゆっくり達には騒然たる ものだった。 そのれいむはとある広場を散歩している最中、みたこともないゆっくりプレイスをみつけ わざわざれいむのために開けられた入口からお家に入り、ゆっくりしていた所に 人間と呼ばれる生き物が侵入し、れいむのゆっくりプレイスに侵入し、ゆっくりプレイスを 奪うだけでなくれいむをここまでボロボロにしたのだ!! 群れのゆっくりは激怒した れいむをゆっくりさせるためにできたお家を横取りした生き物!! ゆっくりをゆっくりさせることをしない生き物、人間!! 群れのゆっくりは人間という生き物をゆっくりの力をもって駆除することを決定した。 ゆっくりの力・・それはゆっくりをゆっくりさせるために作用する力を人間に ぶつけるという力だった。 まあ早い話、ゆっくりをゆっくりさせてくれる風さんや日光さんがゆっくりをゆっくりさせる ために働いてくれるから、その力で人間が苦しんで反省するその様を見に行こうというものだ。 群れのゆっくりはその日の正午に群れを出発した。 その一群の中に、あのまりさ親子の姿もあった。 お母さんの教えてくれたことに深く感動し、それに反する生き物の存在を子まりさは その正義感から許せなかったのだ。 心配だからとついてきた母の他には、子まりさの妹にあたるまりさもついてきた。 妹まりさは尊敬する姉のまりさの雄姿がどうしてもみたいと駄々をこね、無理やりついてきたのだ。 参加したゆっくりのほとんどはゆっくりをゆっくりさせてくれるものが人間という生き物を 懲らしめてくれるからそれを遠目でみようというまるで遠足に行くような考えで いたため、参加したゆっくりの中には赤ゆっくりや子ゆっくりの姿もちらほら見えていた。 ゆっくり移動すること三日・・・・ 一群は人間の里に着いた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「今考えてみれば、世界はこのときからゆっくりに対して反乱をおこしていたんだよ・・」 ドスは懐かしくも、悔しいような顔でれいむに話していた。 「ゆ?ということはゆっくりできないことがおこったの?」 「そうだよ・・・・人間の里に着いたまりさ達は・・・・」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 人間の里についたまりさ達群ゆっくりは目の前の光景に驚いた。 風や太陽さんが人間をさんざん懲らしめているはずなのに、全く苦しんでいないのだ!! おかしい、そんなはずはない!!ゆっくりをゆっくりさせるために働く風さんや 太陽さんが全然人間さんを懲らしめていない!! なにやっているのぉぉぉぉ!!早くこらしめてよぉぉぉぉぉ!!! もういいよ!!働く気がない風さんや太陽さんのかわりにゆっくりが すこしだけゆっくりしないで働いてあげるよ!!終わったらゆっくりさせなかった分だけ 働いてね!! 長はそう考え、群れゆっくり達に指示をだした 「ゆぅぅぅ!!みんな!!風さんや太陽さんが全然ゆっくりをゆっくりさせるために働いていないよ!! 働かない怠け者の代わりにゆっくりが少しだけゆっくりしないで人間を懲らしめるよ!! ゆっくり準備をしてね!!」 群れゆっくりは一瞬怒った顔をしたが、すぐにいつもの顔に戻り、石を加えて近くにいた人間に 近づいて行った。 村の入口につくやいなや、長は近くにいた人間を呼びつけた。 その男は偶然なのか、れいむをボロボロにした張本人であった。 「そこの人間さん!!ゆっくりこっちを向いてね!!」 長の叫び声に男は気づいた 「ん?・・・・・ゆっくりの大群かよ・・・・。あのれいむ、仲間にこの場所を教えたな、ったく」 長は男の会話に気がつかなかったらしく、そのまま剣幕な顔で続けた。 「なんでれいむをゆっくりさせなかったのぉぉ!!ゆっくりをゆっくりさせるのが仕事でしょぉぉ!!」 「はあ?なんで俺がゆっくりをゆっくりさせなきゃいけないんだ?」 「ゆっくりをゆっくりさせるのはこの世界の仕事なんだよ!!まりさ達は寛大だから いま謝ってれいむやまりさ達をゆっくりさせたら水にながしてあげるよ!! そうだね、手始めにあの美味しそうなご飯をもってきてね!!人数分だよ!!」 そういって、男が育てていた野菜をよこせと要求してきた だが、男はわざわざゆっくりに合わせる必要などないため、答えはもちろん 「やるわけないだろうが!!」 「どぼじでぇぇぇぇ!!!」 「あれは俺が育てた野菜だ。それを自分のものだとぬかして食べようとするゆっくりを ボロボロにしたり、家を乗っ取ろうとするゆっくりをボロボロにして何が悪い。」 長は顔を真っ赤にした 「なにいっでるのぉぉ!!ゆっくりをゆっくりさせるのが義務でしょぉぉぉ!!! ゆっくりのために働くのがしごとでしょぉぉぉ!!風さんや太陽さんだってゆっくりのために 働いているんだよぉぉぉ!!それなのになんで人間だけさぼるのぉぉぉ!!」 「そんなもん聞いたことがない。思い上がりなら自分の群れの中だけでやってろ!!」 「ゆぎぃぃぃぃ!!ゆっくりせいさいずるよぉぉぉぉ!!みんな!!いくよ!!」 この言葉を合図に、ゆっくりの投石攻撃が始まった。 ゆっくりをゆっくりさせる仕事を放棄した虫さんに制裁するために日頃から練習していた投石攻撃 これで怠け者を制裁するよ!! ゆっくり達はそう考えていた。 だが、男は石をぶつけられ、切れた。 「ざけんじゃねえぞ饅頭どもがぁぁぁぁ!!!」 男は手にしていた鍬の刃を長まりさめがけて振りかぶった。 まりさは鍬の刃をもろにくらい、その場で死んだ 「人が優しくして付き合ってやったら石投げてきやがって!!もういい!!皆殺しにしたらぁ!!」 一方的な虐殺が始まった。 あるゆっくりはふざけるなと叫びながら体当たりをするも鍬に潰され、あるゆっくりは 子を守ろうとしてわが身を盾にし、鍬で親子もろとも死んだ。 あのまりさはなんでこんな事になったのか分からず、目の前の光景にただ呆然としていた。 なんでゆっくりを殺すの?やっちゃいけないことなんだよ?なんで?なんでぇぇぇ!! 「なんでごんなごどずるのぉぉぉぉぉぉ!!!!」 その刹那!!まりさめがけて鍬が襲う。だが、まりさは何かの体辺りを受けた。 母まりさが体当たりをしてまりさの身代りになったのだ。 母まりさは核を寸分違わずりょうだんされていたためか、何一言も残さず、その場で息絶えた。 「お、お、おおお、おおお、おおおがあざぁぁぁぁぁぁぁ!!」 まりさは叫んだ。怒りのあまりに体当たりをしようとしたが、誰かがまりさを掴んだ。 見知らぬ群れのゆっくりれいむだった 「おちびちゃん!!おかあさんはかわいそうだけどこんなところで死んじゃダメ!!」 そういうとまりさを咥えたまま森の方へ駆けて行った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「お母さん・・・かわいそうだね・・・」 幹部れいむはドスに同情した。 ドスは気にしないそぶりを見せ、話を続けた 「ある意味、本当に大変だったのはこの後だったよ・・・。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ゆがぁぁぁぁぁ、妹をばなぜぇぇぇぇぇ!!!」 「おねえぢゃぁぁぁぁん!!だずげでぇぇぇぇぇぇ!!!」 人間の追撃を命からがら逃れたものの、助かったゆっくり達は特に策もないため、お家に一旦引き返す 事にした。 だが、来る道中にはいなかった動物達が負傷したゆっくりから放たれる甘い匂いにひかれてきたのだ。 今まりさの目の前では、妹のまりさが犬に咬みつけれていた。 「おねえじゃぁぁぁぁぁん!!ばりざ、ばだじにだぐないぃぃぃぃぃ!!」 「大丈夫だよ!!おねえじゃんがだずげるよ!!」 まりさは必死に体当たりを仕掛けるも、犬には何のダメージがなく、ただ辺りにまりさの 悲鳴が響きわたるのみであった。 他の生き残ったゆっくり達は突然の襲撃者に驚き、まりさを置いてどこかへと逃げて行った。 そして時が流れ、犬は体当たりをしかけるまりさに飽きたのか、まりさを無視して妹まりさを 咥えたまま走り去っていった 「おねえじゃぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」 これが妹の最後の言葉となった。 取り残されたまりさは込み上げる感情を必死に抑えた。 まだ何かが襲ってくるかも知れなかったからだ。 だが、目から涙が止まることなく流れていった。 どうにか心を落ち着かせたまりさは4日かけてきた道をたどり、群れに戻ったが そこは地獄となっていた。 先に帰ってきたゆっくりの傷口から流れる餡子やクリームの匂いにひきつけられてやってきた 動物達が群をおそったのだ。 いままでこの群れに動物が襲ってこなかったのにはこの群れ自体が非常に幸運だったのもあるが、 なによりまともに餡子やクリームを流失するようなケガを負ったゆっくりが いままであまりいなかったからだ。 だが今回の場合、まりさを置いていったゆっくり達が先に帰り着いたはいいが、道中さまざまな 動物達がゆっくりを襲い、ほとんどのゆっくりが負傷したのだ。 その負傷したゆっくりから漂う大量の甘い匂いが今までよりつかなかった動物達を 招き入れる形になったのだ。 まりさは必死になって生きているゆっくりを探し始めた。 家に残ったお父さんれいむと妹達、長の奥さんのパチュリー、みょん、友達のちぇん みんな死んでいた。 一匹残らず、群れのゆっくりは死んでいた。 「ゆ・・・ゆ・・・ゆ・・・・・ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 まりさは叫んでいた。 ゆっくりをゆっくりするために肝心な所で怠けた風や太陽さん!! ゆっくりをゆっくりさせるどころかゆっくりを殺す人間!! 傷ついたゆっくりを襲う極悪非道な動物さん!! 復讐してやる、復讐してやる!! ゆっくりをゆっくりさせる仕事を放棄した怠け者を、ゆっくりをゆっくりさせない鬼畜どもを 地獄に叩き落としてやる!! こうして、一匹のAVENGER(復讐者)が誕生した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「それからが苦労の連続だったよ・・・・。何度も群れを作って、何度も捕まって、 何度も人間にゆっくりできない目にあったり・・・」 「ゆぅぅぅ、大変だったんだね・・・・・」 ドスは暗くなり気味な顔でれいむにうなづいた。 「でもね、そんなドスについに転機が来たんだよ!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー それは、まりさがドスになり、これで何度目なのかわからない敗北を迎え、 絶望し、うちひしがれていたときだった。 「なんで、なんでこんなに頑張っているのに人間さんを制裁できないのぉぉぉ」 「それは世界がおかしいからよ」 ドスは誰かの声に驚き、声の主の方を振り向いた。 そこにはいままでみたこともないゆっくりがいた。 とても小さく見えたが小さいわけではないようだ。捕食種の一種だとも思ったが見たこともない。 どのゆっくりにもあてはまらないゆっくり・・・それが今目の前にいた。 「世界がおかしい?・・・・どうゆうこと?ゆっくり説明してね!!」 「いいわよ」 ドスはこの異形のゆっくりの目を見た瞬間、恐怖を感じた。 このゆっくりから何か禍々しいものを感じるよ。恨み?悲しみ?それに近いものを感じるよ でもなにより、このゆっくりは・・・この世界すべてを憎んでいる!! 「世界は本来ゆっくりをゆっくりするために存在していた。そうでしょう?」 「そうだよ!!」 ドスはうなづいた 「その世界がゆっくりを虐めだしたのよ。ゆっくりがゆっくりを平気で殺せるようにしむけ 他の動物や現象がゆっくりを虐めるように仕向けたりして、世界がゆっくりに対して反乱を 起こし始めたのよ。」 「ゆぅぅぅぅ!!!そんなの嘘だよ!!お母さんは言ってたもん!!世界はゆっくりを ゆっくりさせるためにあるって!!そんなデタラメ・・」 「じゃあ私は何?」 異形のゆっくりはドスに割り込んだ 「私はこの姿で生まれてきた。お父さんはお母さんを捨てて、お母さんはそんな私を育てるために いっぱい無理して美味しいご飯を集めたのが禍いして死んだわ。 それから私は仲間のはずのゆっくりにゆっくりできないという理由で虐められてきたわ。 何も悪いこともしていないのによ。それから今に至るまで、私は通りすがりのゆっくりから ゆっくりできないという理由から虐められてきたわ。ゆっくりできないという理由でよ。 そのゆっくり達がなんでそんな事をするのか、それは簡単よ。世界がゆっくりさせてくれないからよ 世界がゆっくりをゆっくりさせて、満ち足りているはずなら私を受け入れてくれるはずよ。 なのに私を拒絶する。だから私は世界を憎む。ゆっくりをゆっくりさせない世界を私は憎む。 これでもデタラメなの?」 ドスはこのゆっくりの言い分が正しいように感じてきた。 確かにゆっくりを追い求めて自滅していくゆっくりが最近増えてきたよ。 それも全て世界のせい?ならやることはただ一つしかないよ 世界を・・・・制裁するよ!! 「そう、分かったのね。本当の敵が。」 「ゆ!!分かったよ!!本当の敵が!!」 ドスと異形のゆっくりは互いの顔を見た。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「これがこの「ビッツ」を作った経緯だよ」 「ゆ~~、すごいゆっくりなんだねそのゆっくり!!でもどのゆっくりか分からないの?」 「今考えてみてもわからないよ!!でもね、人間と少し似ていたような気がするんだけど・・ そんなわけないよね!!」 ドスはこの異形のゆっくりとの出会いからこの「ビッツ」を作りだした。 あの異形のゆっくりとはそれ以来一度も会ったことはなかったが、 ドスは今もどこかで世界を憎んでいるのではないかと考えていた 「ところでれいむ、インスピレーションは沸いた?」 「ゆ!!もちろんだよ!!インスピレーションもやる気も一杯だよ!! じゃあドス!!昔話ありがとうね!!」 あの異形ゆっくりとの出会いがなかったら 「じゃあがんばってね、れいむ!!」 あの晩に会わなかったら 「ゆし!!ドスもがんばるぞ!!」 ゆっくりの悲鳴がこんなにも聞こえることはなかっただろう・・・・・ あとがき う~~~~ん、正直どうしよ!!なんかフルボッコされそう・・・・・。 作品がクロスされたことに舞い上がって調子こいたら・・・こんなすさまじい出来に・・・。 まあいいか!! 作中にでた異形のゆっくりですが、チル裏でちらっとだけ出た内容を元に作りました。 次回から本編を進めていきます。 ゆっくりAVENGER このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/627.html
※現代社会に当然のようにゆっくりがいます。 ※オリ設定満載です。 ※ぬる虐めです。ボリュームも少なめです。 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気がする)ゆっくりと呼ばれる新たなる生命体。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎる。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そして、私はよくわからない成り行きでそのゆっくりを9匹も飼う羽目になってしまった普通の女子大生だ。 「あ~・・・お酒が飲みてぇ・・・」 私の家にゆっくりがやって来てはや2ヶ月。ここ最近全くお酒を飲んでいない。 それまでは毎日リットル単位で酒盛りしていたのだが、連中の食費を捻出するために真っ先に嗜好品のための出費を切ってしまった。 そんな訳で、齢20にしてアル中同然の私の我慢はもはや限界。 しかし、たとえゆっくりと言えど2ヶ月も付き合っていれば愛着は湧く。 今更捨てるわけにもいかず、かといって「1杯だけ」と言ってお酒に手を付ければ転がりやすい坂式にまた飲みたくなるのは目に見えていた。 「あ~・・・ゆっくり酒飲みてぇ・・・」 再び呟くが、流石にこればっかりはどうにかなるものでもない。 ため息をつきつつ、しばらくボーっと空を眺めていたが、10分ほどして飲みたい衝動が落ち着いてきたところでのっそりと立ち上がる。 そして、「さて、今日も頑張るか」と誰に言うでもなく口にしたそのとき・・・ 「ゆっくりしていってね!」 「んあ?」 これでもかというくらい聞きなれたその挨拶に反応した私はすぐさま視線を地面に落とし、きょろきょろと足元を見回した。 そこにいたのは見たこともない大きな2本の角の生えた下膨れのどこか既に出来上がった感のある顔饅頭。 見たことはないが聞いたことはある。確かこいつはゆっくりすいかだ。 「なんだ、ゆっくりか」 「おねーさん、ゆっくりしていってね!」 「はいはい、ゆっくりしていってね・・・ん?」 少しでも目の高さをあわせるためにしゃがみこんだ私に満面の笑みと二度目の挨拶を向ける。 すると、私を“ゆっくりできるもの”と認識したすいかはふらふらと酔っ払いの千鳥足を髣髴とさせる足取りで私の傍へ寄ってきた。 「・・・あんた、酒臭いね?」 「あたりまえだよ!すいかゆっくりできるおさけをもってるもん!」 「・・・・・・ほうほう」 そうかそうか、お酒を持っているのか。 しかし、相手はゆっくりだ。お酒を製造する技術があるとは思えず、また保管する技術もあるとは思えない。 となると、こいつの言う「持っている」の意味するところは一つしかない。 「・・・いただきます」 「ゆっ?!いだい、いだいよっ!ゆっぐぢやべでね!!」 「む~しゃ、む~しゃ・・・なるほど酒饅頭か」 すいかに向かって手を合わせてから、彼女の他のゆっくりより弾力のある頬を少しちぎって食べると口内にご無沙汰だったような気がしなくもない風味が広がってゆく。 「ん~・・・でも、これはお酒とは言いがたいなぁ・・・」 「おね゛ーざん、なにずるの!?すいがおごっだよ!!」 なまじ酒の味がするだけに酒を飲みたい衝動が緩和されるどころか一層フラストレーションが溜まる。 一方、すいかは私のそんな身勝手な不満に気づく様子も無く、“ぷっくううううぅぅっぅぅぅううぅぅぅぅ~”と頬を膨らませて膨張していた。 さっきまでは角を除けば普通のゆっくりよりやや小柄なくらいだったのに、今やすいかの頭頂部は私の腰の高さにまで達している。 「みっぢんぐばわーしたすいかはこわいんだよ!はやくあやまってね!」 「ん、ああ・・・ごめんごめん」 鬱陶しいのでさっさと謝るとすいかはいっぱい溜めた空気を吐き出し、すぐに元の大きさに戻った。 なるほど、すいか種は他のゆっくりの頬のような伸縮性が全身に備わっているらしい。 元の大きさに戻ったすいかはお約束のゆっくりを浮かべ、何故かプルプルと震え始める。 「ゆゆっ!おこったら、おさけがのみたくなってきたよ!」 「・・・そうかそうか」 その言葉を聞いた瞬簡にもし、万が一にも「酒よこせ」と抜かしたら踏み潰そうか・・・などと考える。 しかし、すいかが取った行動は私の想像とは異なるものだった。 「ゆっ・・・ゆっ・・・ゆ~っ!」 元気良く叫んだ瞬間、ポロッと右側の角が取れ、ころころと地面を転がる。 そして、すいかは取れた角を咥えると、細い先端部を噛み砕いた。 「ご~くご~く・・・うめぇ~♪」 よくも飲みながら喋れるものだ、などと思いつつもある確信を得た私はすいかの左側の角を引っこ抜く。 それから、実はかりんとうで出来ている角の先端部を噛んで潰し、その中の空洞を覗き込んでみた。 「ゆぎゅ!おねーさん、なにずるの!?」 「おおっ!お酒が入ってる・・・」 15cm以上はあろうかと言うすいかの角のなかをいっぱいに満たす液体。 しかも、なかなか美味しそうな匂いがする。 もはや飲め飲めモードに突入した私は、すいかの文句を聞き流しつつ、一気に酒を飲み干した。 「ご~くご~く・・・うめぇ~!」 「ゆううううううう!すいかのおさけだよ!かってにのまないでね!?」 傍らで空気を吸って膨張したすいかが何か言っているが、何かアレなスイッチの入ってしまった私の耳には届かない。 爛々と目を輝かせながらすいかの頭を見てみると、信じられない事に、なおかつありがたい事にもう右の角が再生していた。 というわけで、引っこ抜きそして飲む。 量はしっかり回復していたものの、さっきのより味は悪い。 なるほど、ある程度寝かせておかないと味が良くならないのか。 「やめでえええええええええええ!?」 しかし、それでも十分飲める程度の味だ。気にするほどのものでもない。 再びすいかの頭を見てみると今度は左の角がきっちり再生していた。 本当にありがたい。これで久しぶりに心行くまでゆっくりとお酒が楽しめる。 「ひゃあ、我慢できねぇ!酒盛りだぁ!!」 「これぢゃゆっぐぢできないよおおおおおおお!!」 人目もはばからずに叫んだ私は相変わらず膨らんで威嚇しつつも泣きじゃくるすいかの左の角を引っこ抜いた。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ この後、我に返ったお姉さんはお詫びも兼ねてすいかを家に招待することになる。 彼女の家を気に入ったすいかも住み着いて、家計が更に逼迫することに。 それでも、彼女にとって水さえあれば酒を作れるすいかは最高のゆっくりだったという。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2233.html
「う~、ぷっでぃ~んおいしいど~♪」 「むきゅ!このけんきゅうしりょうはきょうみぶかいわ!」 「むこうであそぶんだぜ!」 「ゆふ~」 好物に舌鼓を打つもの、ただの広告チラシを百科事典と勘違いするもの、家においてある遊具で遊ぶもの、何もせずただぼーっとしているだけのもの。 とある家の一室でみな思い思いの方法でゆっくりしている。 彼女達はこの家の主である青年の飼いゆっくりだ。 しかし普通のゆっくりとは違う部分がある。 それはこのゆっくり達がすべて体つきの固体だからだ この家の主である青年はゆっくりのコレクターだ。 ただのコレクターではなく、体つきのゆっくり専門とするコレクターである。 「ゆ!おにいさん!まりさもあまあまたべたいよ!もってきてね!」 「はいはい、わかったよ」 体つきまりさの尊大な口調にもニコニコ顔で請け負う青年。 彼はここのゆっくり達がゆっくりする事に関して手間を惜しまない。 それが自らのコレクションを最高品質に保つもっともよい手段だと分かっているからだ。 ましてそれが希少種を通り越して奇形種とまで言えるようなまりさの要求であればなおさらだ。 いそいそと台所に向かう青年。 自慢のコレクションのすばらしさをかみ締めながらプリンを用意した。 「ああそうそう」 「むきゅ?」 青年は読めもしないチラシを見ていたぱちゅりーを抱えると楽園とも呼べるその部屋を後にした。 所変わってここは家の地下室。 ここにも体つきのゆっくり達がいる。 しかしその様は先ほどと同じ家とはとても思えないものだ。 青年はとある特殊な用事のためにその部屋へ足を踏み入れた。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「ゆ!おじさん!れいむをはなしてね!」 青年が入るなり罵声が飛び交った。 数対の体つきゆっくり達が木でできた簡素なベッドに固定されオレンジジュースをチューブで与えられている。 ここはゆっくり達の養殖場だ。 体つきゆっくりの子は比較的体つきとなる可能性が高いため不要になった体つきゆっくりを養殖用の家畜としてここに置いている。 彼は最も質の高い個体が一種につき一体いればOKという主義だった。 「うああああ~!!!うばでるどおおおおお!!!!」 今まさに一匹のれみりゃが子を産もうとしている。 体つきは動物型にんっしんが多いため時間も手間もかかる。 しかし質のいい固体を生ませるには必要な手間だ。 犬や馬などと同じくゆっくりもやはり優秀な固体からは優秀な子が生まれやすいのだ。 すぽーんとれみりゃの下膨れから赤ゆっくり達が産み落とされる。 「う~…、れみりゃのあかちゃんだどぉ…、かわいいどぉ…」 「う~♪まんまぁ~♪」 「どれどれ。…はあ」 産み落とされた赤れみりゃは早速親に甘えようとしている。 親のれみりゃは出産の消耗で元気が無いものの素直に子供の誕生を喜んでいる。 しかし青年は産み落とされた子を見るなり落胆のため息を漏らした。 勢いよく出てきた時点で分かりきっていたことだがこの赤れみりゃは体無しだ。 「う?うべっ!!!」 それを確認すると青年はその赤れみりゃを勢いよく踏み潰した。 その光景に一瞬何が起きたか分からぬ表情をするれみりゃ。 しかしすぐにその光景の意味するところを悟り大声で騒ぎ出す。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!!でびりゃのあ゛がぢゃんがあ゛ああ゛う゛う゛っ!!!!!!」 しかしその声も途中で掻き消える、なにせ次の子が生まれようとしているのだ。 結局生まれてきた子はすべて体無しであった。 無論すべて青年によって踏み潰されている。 「あ…ああ…れみりゃのあかちゃん…」 もはや悲しみを叫ぶ気力も無いれみりゃを無視し先ほどから呆然とその光景を見ていたぱちゅりーに振り返る。 ぱちゅりーには分からない。 なぜあの優しい青年がこんな残酷なことをするのか分からない。 なぜ自分がここに連れてこられたのか分からない。 なぜ自分を抱いている青年が他のゆっくり達と同じようなベッドに自分を固定しているのか分からない。 なぜ青年が自分にチューブを突き刺さすのか分からない。 さっきまで天国のような場所にいたのに。 さっきまでごほんを読んでとてもゆっくりしていたのに。 ぱちゅりーが考えているうちに作業は終わった。 もはや他の母体と変わらぬ有様に自分がどういう事態になったのかようやく理解する。 「むぎゅぅ!!!!はなしてぇ!!!!」 大声で懇願するが青年は耳一つ貸さない。 今まで何か言えば必ず聞いてくれた青年が一切話を聞かない。 その事実はぱちゅりーを大きく打ちのめした。 青年はというと先ほどとは別のぱちゅりーの前にいた。 「まったく何度も死産しやがって、もう代わりがいるからお前はいらないよ、この不良品」 「む、むぎゅううううぶべら!!」 青年は騒ぐぱちゅりーを踏み潰す。 加工所に持っていけばそれなりに高く売れるのだが独占してこそのコレクション。 彼は売ってしまうくらいなら自分の手で殺すことこそ愛情であるという考えなのだった。 死体は繁殖用のありすが食べてしまうだろう。 用もなくなったため青年は部屋から出ていく。 「むぎゅうううううううううううううう!!!!!!」 一体のぱちゅりーの悲痛な叫び声を残して。 さて先ほどの青年はまた別の場所を訪れていた。 「むきゅ!おにいさんこんにちは!」 「ぷっでぃ~んをよこすんだどぉ~♪」 「れいみゅはあまあまたべちゃいよ!もっちぇきちぇね!」 ここは子ゆっくりを育てる場だ。 無論すべて体つきである。 この中から青年のお眼鏡にかなったものは晴れてコレクション入り、この家で最高の扱いを受けることとなる。 逆にお眼鏡にかなわなかったものは先ほどの養殖場行きか捕食種達の餌となる。 青年は子ゆっくり達に餌を与えるとコレクション入りを果たしたぱちゅりーを連れて行く。 「むきゅ?みんなごはんたべてるのにどおしてぱちゅりーだけつれていくの?ぱちゅりーもごはんたべたいよ」 「ああすまない、別の場所で食べさせてあげるからご飯は少しまってね」 そう言いながら出口へと向かう。 他の子ゆっくり達は出された餌に群がっている。 最近生まれた連中は質もよくないし落第が多そうだ。 「おにいさんもういっちゃうの?ゆっくりしていってね!」 不意にそんな声がかけられる。 子まりさだ。 この子まりさは性格も温和で髪質も良好、肌も質がよくで順調に育てばすぐにでもコレクション入りを果たすだろう。 「お兄さんはまだやることがあるからね、後また来るよ」 「ゆっくりりかいしたよ!まりさはゆっくりまってるね!」 そんな言葉をかけながら自分も餌の元へ向かう。 数日後この子まりさの代わりに生意気な体つきまりさが天国から地獄へ落とされたのは言うまでもない。 この青年は後に新種のゆっくりの発見で世間をにぎわせることとなる。 それでも変わらず彼は自慢のコレクション達とゆっくりし続けた。 彼は本当にゆっくり達を愛していた。 ──────────────────────────────── 過去書いたもの 奇跡のゆっくりプレイス 醜い男 生きるための選択 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2213.html
※ぺにまむ 「ぱちゅりー、きょうもかりにいってくるわ!」 おうちの入り口に立ったありすは、一旦巣の中に振り返る。 そして、中にいる可愛いパートナーに微笑みかけた。 「むきゅ~・・・ありす、さいきんがんばりすぎだわ・・・」 そう呟いたのはありすにとって何よりも大事な可愛いハニー。 紫の髪とナイトキャップのような帽子が目立つゆっくりぱちゅりーだった。 「ぱちゅりーはからだがよわいからいっしょにかりできないけど・・・むりしないでね」 「ゆふふっ、ぱちゅりーはいんぱいしょうね!ありすはちゃんとかえってくるわ!」 「む、むきゅ~・・・そうじゃないのぉ・・・」 ありすは心配性なぱちゅりーにちゅっちゅをして、外に出かけていった。 が、ありすの本当の目的は食料集めではなかった。 彼女はつがいのぱちゅりーが病弱なのをいいことに外で他のゆっくりとすっきりしているのだ。 それも、すっきりしたら死ぬサイズの相手でもお構い無しに。 そんなことをするのはぱちゅりーとすっきりすると彼女の命に関わるからと言うのもあるのだが、不誠実な行いであることに違いはない。 しかし、ありすは悪びれる様子もなく、今日も意気揚々と目を付けていた相手をすっきりさせに出かけていった。 今日、ありすのすっきり相手に選ばれた不運なゆっくりは人里のれいむ。 その家はれいむと仲の良い野良まりさがいつでも上がれるようになっていた。 つまり、ありすだって入ろうと思えばいつでも入れる。 「ゆゆっ!まりさ、おそい、よ・・・?!」 「ゆふふっ、なまえをまちがえるなんていなかものね!」 「あ、ありす・・・どうしでここにいるの!?」 「きまってるでしょ!いなかものをすっきりさせてあげにきたのよ!」 自分より一回り大きい、ぺにぺにを怒張させたありすを見つめたままれいむは少しずつ後退する。 けれど、ありすには逃がすつもりなんて毛頭なく、ゆっくりと距離を詰めてゆく。 逃げようにもれいむの後ろは壁、部屋の出入り口はありすの後ろ。 「ゆふふっ、あきらめてありすとすっきりするのよ!」 「い、いやだよッ!れいむのばーじんはまりさのものなんだよ!」 「ゆふふふっ、れいむははじめてなのね・・・もうがばんでぎないいいいい!!」 瞬間、目は血走り、口から涎を垂れ流した醜い表情を浮かべたありすは鋭く跳躍してれいむを壁に押さえつける。 そして、涙を流しながら抵抗するれいむに圧し掛かるの、彼女の柔肌に密着して思いっきり体を揺すり始めた。 「ずごいわあああああ!もぢもぢよおおおおおお!」 「やべでええええええ!でいぶずっぎりぢだぐないいいいいい!」 「ぎもぢいいぐぜにいいいいい!でいぶっだらづんでれねえええええ!!」 ありすはれいむの言葉を自分の都合のいいように解釈し、何度懇願しても犯すのをやめない。 ひたすら体をこすりつけ、れいむの純潔をありすの体から分泌される穢れた粘液で汚してゆく。 さらには舌を伸ばしてれいむの口を強引にこじ開けて口内までも容赦なく陵辱し尽くした。 それが、いまだ愛するまりさに捧げていない唇の純潔だったことをありすは知る由もない・・・いや、知ったら余計興奮するだけだろう。 「ゆぶん!ゆばぁ・・・ゆぐふぅ・・・!でいぶぅぅぅぅううう、ぎぼぢいいいよおおおおお!!」 「やべでええ!いわないでええええええ!まりざあああああ、だしゅげでえええええええ!?」 発情したありすの力は尋常ではなく、一旦押さえつけられると並みのゆっくりなら身動き一つ取れなくなってしまう。 が、れいむは愛するまりさの名を叫びながら、彼女にささげることを誓った純潔を守るために必死に体をよじる。 もっとも、その抵抗がありすにとっては性交の醍醐味であり、彼女の欲望を加速させるに過ぎない。 必死の抵抗もむなしく、与えられた刺激によって開き始めたまむまむにありすのモノをねじ込まれてしまった。 「んほぉ!んふぅ!でいぶ、いぐよ!いっぢゃうよおおおお!」 「ゆぎぃ!?やべでっ!やべでぇ!?でいぶいぎだぐないいいいい!!」 「もうでおぐれよおおおおお!んほおおおおおお!すっきりー!」 「まりざああああ、ごべんねええええええ!ずっぎりー!」 ありすのぺにぺにから放出された彼女の中身のカスタードがれいむの餡子内へと染み込んでゆく感覚を味わいながられいむはありすと共に絶頂に達する。 こうして涙とありすの粘液と強姦によって分泌させられた自身の体液にまみれた痛くて苦しい初体験が終わった。 れいむはまりさに捧げるはずだったふぁーすとちゅっちゅもばーじんも失い、代わりに深い悲しみと頭の上に生えつつある蔦が残された。 「ゆっぐ・・・まりざぁ・・・ごべんねぇ・・・!」 無理やり犯されたれいむは泣き崩れているが、ありすは彼女の容姿などまったく省みていない。 今、ありすの中にあるのは「もっとすっきりしたい」という自分本位で邪な欲望だけ。 ありすはその欲望に従って、再びれいむに圧し掛かると先ほどと同じように体を揺すり始めた。 結局、れいむは飼い主が帰宅するまでありすのすっきりによる責め苦を味わい続けた。 「何してやがるんだ、この野郎!!?」 「ゆぎゃん!?」 そう言って、飼い主の男性がありすを蹴り飛ばしてくれるまでに7回カスタードを注がれたれいむにはもう声を出す気力も残っていなかった。 カスタードまみれの体をねじって、仰向けの格好のまま何とか上を向くとうつろな目で男性を見つめ、力なく微笑む。 が、それもつかの間。安心したれいむはそのまま意識を手放してしまった。 「待ってろれいむ!すぐにジュース持ってくるからな!?」 男性は「とかいはのありすになにするの!」と喚き散らすありすを透明な箱の押し込むと、すぐに台所へと急いだ。 そして、彼と入れ替わるように本来開けっ放しにされていた玄関から入ってくるはずだったゆっくりが部屋に入ってくる。 ゆっくりまりさ・・・れいむと将来を誓った、いつもやってくる時間に少し遅れてしまった彼女の口には一輪の花が咥えられていた。 「・・・む・・・じょうぶ?れい・・・ゆっ・・・して・・・ね!?」 「・・・ゅぅ?」 数十分後、れいむが目を覚ますと彼女の大好きな飼い主とまりさの姿が視界に飛び込んできた。 一人と一匹は心配そうにれいむの顔を覗き込んでいる。 そんなふたりを悲しませないためにもれいむは出来る限り明るく微笑み、「ゆっくりしていってね!」と挨拶をした。 「ゆっ・・・ゆっくりしていってね!」 「ゆぅ・・・ねえ、おにいさん・・・れいむのあかちゃんは?」 「・・・大丈夫だ。たとえ無理やり作らされた子でも勝手に捨てたりはしないさ」 「おにい、さん・・・ありがとう・・・」 「れいむ!ゆっくりしてね!いっしょにゆっくりしようね!」 れいむが男性と話している傍らで、まりさは涙を零しながら跳ね回っている。 彼女もまた男性と同様にオレンジジュースを飲ませても回復しなかったれいむがもう長くないことを理解していた。 ただ、認めたくないだけだ。 自分の大好きなれいむが透明な箱の中でへらへらと下卑た笑みを浮かべるありすに殺されたことを。 「おにいさん、まりさ・・・れいむは、もうだめだよ・・・さきに、ゆっくりするね・・・」 「だめだよ、れいむ!いっぢょにゆっくりしようね!ゆっくりじでね!」 「赤ちゃんはどうしたらいい?」 「まりさのこじゃないけど・・・れいむの、あかちゃんだよ・・・」 「・・・わかった。お前の分までゆっくりさせてあげるさ」 「おにいさん、ありがとう・・・」 男性は既にれいむの死を受け入れていた。もっとも、大抵の場合ゆっくりは人間より先に死ぬ。 それだけに飼い始める時点でいつか別れが来ることを理解していたおかげもあるのだろう。 しかし、精神的にも未熟で、れいむより大きい程度のまりさはその事実を受け入れることができない。 泣き笑いの表情でれいむの周りをぴょんぴょんと飛び跳ねながら、ずっと「ゆっくり!ゆっくり!」と叫び続けていた。 「でいぶ!どぼぢでぞんなごどいうのおおおお!!」 「まりさ、れいむはもういっしょにゆっくりできないんだよ・・・ゆっくりりかいして、ね・・・」 「ゆっぐ・・・ゆぅ・・・」 「まりさ・・・だぁいすきだよ・・・」 それがれいむの最期の言葉になった。 それからまるで彼女が生まれ変わったかのようなタイミングで彼女の頭上の赤ちゃん達が産声を上げる。 「「「「「「「「「「ゆっきゅちちちぇっちぇね!」」」」」」」」」」 れいむの面影を残す可愛らしい子が5匹と、れいむを殺したありすに良く似た子が5匹、れいむの亡骸の上に生まれ落ちた。 「・・・ねえ、おにいさん?」 「何だい、まりさ?」 「このありす・・・どうするの?」 まりさの言う“このありす”の意味するところは2つ。 一つはれいむを犯したレイパーのことで、もう一つはれいむから生まれた赤ありすのこと。 まりさの言葉に促されるように男性は赤ありすを見た。 「ゆゆっ!おきゃーしゃんちょしゅりしゅりできにゃいよ」 「おきゃーしゃん、いっちょにゆっきゅりちようにぇ」 「「「ゆっきゅちー」」」 生まれた直後に一緒におちてきた蔦を食べてお腹の膨れた10匹の赤ちゃんは親ありすに甘えようとして、透明な壁にぶつかっていた。 確かにあれは大事なれいむを殺したありすに似ている。しかし、紛れもなくれいむの子だ。 ただ「ありすだから」という理由で殺してしまうのは流石に忍びない。 問題は彼女らの親であるレイパーありす。 「そこのいなかもの!とかいはのありすをここからだしなさいよ!」 「ありすをかわいいあかちゃんとすりすりさせなさいよ!」 「ありすのかわいいあかちゃんをみせてあげたんだからいうことをききなさい!」 などなど、自分が何故箱に入れられているかなど微塵も理解していない様子である。 しかし、こんな輩でも彼女らの親。安易に殺すわけにも行かない。 とはいえ、レイプ癖のあるゆっくりを他の飼いゆっくりもいる人里に放置しておくわけには行かなかった。 「よし、足を焼こう」 「・・・・・・そうだね、ゆっくりりかいしたよ!」 ゆっくり相手に人間がこれだけの恩情をかけるのも珍しいことである。 が、そんなこと理解出来るはずもないありすは箱の中で「あしをやくだなんていなかものね!」と喚き散らしている。 「でも、あのありすにこそだてさせたらこどもが・・・」 「・・・それもそうだな。じゃあ、他にもっとちゃんとしたゆっくりを教育係に付けないとダメか・・・」 「ゆゆっ!だったらありすのかわいいぱちゅりーをつれてきなさいよ!」 男性とまりさは思った。 まさかここまで状況を認識できていないとは、と。 この状況でパートナーを連れて来いなどと言える馬鹿がいるなんて、と。 3時間後、男性がぱちゅりーを連れてきた。 彼がぱちゅりーを床に置くと、彼女はありすの無事を確認するよりも先にまりさに頭を下げた。 「むきゅ~・・・わたしのだーりんがめいわくかけてごめんね」 「・・・ぱちゅりーがあやまらなくていいよ!」 「そうよ!ありすはとかいはなこどもをうませてあげただけなんだから!」 ぱちゅりーは少し悲しげな視線を、男性とまりさは凍てつくような視線を送っているのだがやはり気づかない。 が、男性とまりさはこいつは無視しようと決めたらしく、彼女から視線を外すと話を続ける。 「あんなのが相手でもれいむの子供だ。一応育てようと思うんだが、あいつに子育てを一任するわけにも行かん」 「だから、ぱちゅりーにはあかちゃんのおかーさんになってほしいんだよ!」 「むきゅ・・・ゆっくりりかいしたわ。ねえ、ありすはどうなるの?」 「殺しはしないさ。ただし、里のゆっくりに迷惑をかけないように足を焼いて動けなくさせてもらう」 「むきゅう・・・しかたないわね・・・」 少し俯いて涙を零すが、ありすの蛮行を、そして自分への背信行為を思えば仕方がないと顔を上げる。 それから、彼女が落ち着いたところで男性とまりさは本題に入った。外野で喚いているありすは半ばいないものと認識している。 「他のゆっくりに迷惑をかけられない・・・これは子ども達にも言えることなんだよ」 「むきゅ!?でも・・・あかちゃんたちはまだなにもしてないわ」 「ああ、その通りだ。だから、何かしたらその度にお仕置きをしようと思っている」 「・・・おしおき?」 その言葉を聞いて神妙な面持ちになったぱちゅりーの鸚鵡返しに頷くと男性は話を続ける。 「もちろん、普通の子供同士の喧嘩なら止めてあげれば良いだけだし、それが自然なことだからお仕置きはしないよ」 「むきゅう・・・わかったわ。すっきりー、しそうになったらお仕置きをするのね?」 「話が早くて助かるよ。1回目はぺにぺにを切り落とす。2回目は隔離する。3回目は足を焼く。4回目は頬を焼く。5回目には死んでもらう」 「ゆゆっ!おにーさん、まむまむは?」 「あれは他のゆっくりを危険に晒すことがないから放っておく。生殖機能を完全に奪うのも可哀想だしな」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「ゆっくりりかいしたわ」 パートナーの犯した罪に対する責任感もあって、ぱちゅりーはそれらの要求を呑み、子育てを快諾した。 そして、まりさも大好きなれいむの子供だから見守りたいと子育てに参加することを厳選した。 ありすは仮にも唯一の実母なので仕方なく子育てに参加させることになった。 こうしてまりさと、ぱちゅりーと、ありすによる子育てが始まった。 その後、子ども達をまりさとぱちゅりーに任せると、男性はありすを連れて台所に向かった。 もちろん、下手に動き回って他人の迷惑にならないよう足を焼くためだ。 「ゆゆっ!ようやくありすのいうことをきくきになったのね!」 しかし、目の前で繰り広げられていたやり取りすらもまともに聞いていなかったありすは台所に置かれた野菜を見て目を輝かせる。 男性の腕から飛び降りようともぞもぞ動くが、当然人間の力に抗えるはずもなく、身動き一つ取れない。 何度か「はなしなさいよ、いなかもの!」と喚き散らすも、男性に締め付けられて声一つ上げることも叶わなくなった。 「・・・・・・」 男性はありすを抱えたまま器用にマッチに火をつけると、蝋燭立ての蝋燭に火をつけた。 それから、何かの拍子に倒れないように蝋燭立てそのものも固定するとありすを両手で掴み、彼女の足に当たる部分を火であぶる。 瞬間、ありすはクワッっと目を見開き、手も足もない体を懸命にばたつかせて手から逃れようと暴れる。 「ゆぎょお!?ゆびぅえあ!?ぎゅばああああああ!?やべでえええええええええ!!?」 悲鳴と言うよりも奇声に近い音を発しながらうねうねと蠢くありす。 双眸からは涙が溢れ出し、全身から人間で言うところの脂汗のような粘着質な液体を垂れ流した。 その粘液のせいでありすを掴みにくくなった男性は一層手に力をこめ、彼女の頬に指を食い込ませる。 「やべでっ!?いぢゃいいいいい!?びゅりゅぇえええええええええええあああああああ!!?」 悲鳴は奇声から生物の発するにふさわしい音の外側へ達し、もはや騒音以外の何者でもなくなった。 悲鳴と同様にありすはゆっくりの種の限界を超えた力で抵抗するが、もはや手遅れ。 彼女の足は二度と跳ねる事の出来ないほどに焼かれ、食い込んだ指の先端部が皮を裂き、そこからぶりゅぶりゅとカスタードが漏れ出していた。 「ふぅ・・・あとは子ども達を怯えさせないように傷口を塞ぐだけだな・・・」 「ゆぎぃ・・・ゆがぁ・・・ゆごぅ・・・・・・・」 痛みから解放されたありすは泡を吹き白目を剥いており、見るからに虫の息と言った様子だった。 彼女をひっくり返して頭をテーブルに置くと、水で溶かした小麦粉をぬって火傷跡を隠し、頬の傷も塞いだ。 本当なら去勢もしたいところだが、ぱちゅりーの止めて欲しいとの懇願を「ありすとすっきり禁止」を条件に受け入れたので、今はこれ以上は何もしない。 「どうしてありすのとかいはなあしをやいたの!?やめてっていったのに!?」 傷を塞ぎ終える頃に目を覚ましたありすは力の差も弁えずに頬を膨らまして文句を言ってきた。 しかし男性が「べらべら喋ると舌も焼くぞ?」と耳元で囁くとすぐに黙ったので、彼はありすを乱暴に掴んでまりさ達の元へ戻っていった。 頭を鷲掴みにされたありすは小声で「ありすなにもわるいことしてないのに・・・」と呟きながらがたがたと震えていた。 それからの日々は誰にとっても非常に穏やかなものだった。 赤れいむは言うまでもなく、まだ発情とは縁のない赤ありすも非常に可愛らしくみんなゆっくりとしている。 ぱちゅりーはとても聞きわけが良く、頭も良いので体の弱さを補って余りある優秀な教育係だった。 それに、体の弱い彼女に出来ないことはまりさが代わりに何とかすることで十分以上にフォローすることが出来た。 唯一つ、ゆっくりしていないものがあるとするならば・・・ 「ゆゆっ!おなかがすいたわ!はやくありすにごはんをもってきなさいよ!」 頭がよろしくない上に、ゲス気質を持つ、足を焼かれてしまったために“実母である”という事実以外に何の役にも立っていないありすくらいだろう。 先日、男性に酷い目に合わされたにも拘らず、まるで何もかも忘れたかのようにこの家の主を気取っている。 きっと彼女の中ではぱちゅりーは面倒見の良いパートナーで、まりさと男性は召使か何かなのだろう。 「おきゃーしゃん、れーみゅたちとあしょぼうよ」 「ありしゅもおきゃーしゃんとあしょびちゃいよ」 「ゆゆっ!おかーさんはそんないなかものなことはしないわ!ゆっくりりかいしてね!」 「「ゆえーん、おきゃーぢゃんのいぢわるー!」」 本当は足が動かないから遊びようがないだけだが、子ども達に悟られるのが嫌らしくかたくなに意地を張っている。 実際、このやり取りもこれで通算7回目で、そのたびに赤ちゃん達を泣かせてしまっていた。 その度にまりさが泣きじゃくる赤ちゃんに優しく頬ずりをして慰めてあげていた。 「みんな、おかーさんはほっておいてまりさとゆっくりあそぼうね!」 「「う、うん・・・まりしゃとゆっきぃちあしょぶよ!」」 「「「「「「まりしゃおねーしゃんとゆっきゅちあしょぶよ!」」」」」」 「まりしゃおねーしゃんはやしゃちいね!」 まりさの言葉を聞いた赤ちゃん達はすぐに泣き止むとまりさのそばへ駆け寄って彼女にしがみついた。 しばらく遊んでいると、赤ありすの1匹が部屋の隅でゆっくりとまりさ達の様子を見守っていたぱちゅりーの前へと飛び跳ねてくる。 そして、彼女はニコニコと微笑み、飛び跳ねながら・・・ 「ぱちゅりーおにぇーしゃんもいっちょにあちょぼ?」 と、元気良くぱちゅりーを誘った。 野生で暮らしていた頃ながら体力がないことを理由にその誘いを断っていただろう。 「むきゅ~、わかったわ!ぱちゅりーもいっしょにゆっくりあそぶよ!」 しかし、男性の家で暮らすようになって、食糧事情が一変し多少体力のついたぱちゅりーは快く彼女の誘いに応じた。 以前の、すっきりした後に食料を集めてくるありすに依存していたときとは比較にならないほど元気良くまりさの傍へと跳ねて行く。 彼女が輪の中に加わることの出来ないありすが、今にも泣き出しそうな表情で目を逸らしたことに気づくことはなかった。 それどころか、ここ数日彼女とまともに会話をしていないことすらぱちゅりーは気づいていなかった。 つづく ‐‐‐あとがき‐‐‐ そういやゆっくり出来た日々の続きもあるのぉ・・・。 キノコ馬さん、かむばあああああああああああああああっく!! byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/482.html
「奇形ゆっくり2」 ※奇形はあまりメインじゃないです。 ここのところ晴れの日が続き、草原の雪は完全に融けきっていた。 本格的な春の訪れに心を躍らすのは、何も人間だけではない。 今までまばらだったゆっくりの数も、最近になって増え始めた。 待ち望んでいた春を味わおうと、巣から一斉に出てきたのだろう。 「ゆっくりしていってね!!」 僕の耳に入るのは、“ゆっくり”と呼ばれる饅頭生物の本能に刻まれた、定番の台詞である。 「あたたかいね!!みんなでゆっくりしようね!!」 「わかるよー!!ゆっくりするよー!!」 「せっかくだから、とくべつにゆっくりしてあげてもいいよ!!」 「私は別に強さをアッピルなどしてはいない私を強いと感じてしまっているやつは以下略」 「ダリナンダ!オデノジャバヲズルノバ!」 たまにゆっくりっぽくない声も聞こえるが、この草原には僕を除けばゆっくりしかいない。 それにしても、ゆっくりって…こんなにたくさんの種類があるんだな。 ポ○ケモン図鑑みたいに、ゆっくり図鑑とか作ってみたら面白いかもしれない。 「おにーさんもゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり(笑)」 と、出会うゆっくりはみな僕に話しかけてくるので、適当に返しておく。 そんなことをしばらく続けながら草原を歩き回り、10分ぐらい経っただろうか… 突然、周りのゆっくりがざわめき始めた。 「ゆ!!あのことはゆっくりできないよ!!ゆっくりどっかいってね!!」 「こっちにこないでね!!きたないのがうつるからこないでね!!」 「そんなきもちわるいれいむとはゆっくりできないよ!!」 よく聞いていると、どうやらゆっくりたちにとって“ゆっくりできない”ゆっくりがいるらしい。 それはれいむ種で、『きたない』とか『きもちわるい』とか、そういう言葉で罵倒されていた。 僕はそいつがどこにいるのか探してみたのだが… 「…ゆぅ!……ゆぅ!!」 こちらに向かって弾んでくる、一匹のゆっくり。おそらくこいつだ。 周りのゆっくりが離れていくので、必然的にそいつが一匹ぽつんと取り残されることになるから見つけやす かった。 …見たところ、そいつは普通のゆっくりれいむである。 大きさからすると成体でリボンもちゃんとついているから、そういった点では至って普通だった。 ただ、他のゆっくりから攻撃を受けたのか、破れた皮が塞がった後が多数残っている。 しかし、普通ではない点は…他にあったのである。 「ゆ!いまだしてあげるからまっててね!」 ぺっ、とれいむが吐き出したのは、2匹の子ゆっくり。子れいむと子まりさだった。 子ゆっくりと言えば、『ゆっくりちていってね!』などと声を上げながら跳ね回るのが普通なのだが、この 二匹の子ゆっくりは…口から吐き出された衝撃でぼよんぼよん震えたと思ったら、それ以上何の動きも示さ なかった。 「ゆ!ゆ!ゆっくりうごいてね!!ゆっくりはねてね!!」 母れいむが心配そうな顔をして、後ろからぐいぐいと子ゆっくりを押している。 それでも、子ゆっくりたちはコロコロ転がるだけで…自力で跳ねようとはしなかった。 「ゆぎゅ!!やっぱりだめだよ!うごけないよ!」 「うううぅぅぅぅ…!どうして!?どうしてまりさはうごけないの!? みんなといっしょにゆっくりしたいよ!!!」 そう、こいつらは自力ではまったく動くことができないのだ。 どうやら…この2匹の子ゆっくりは、“奇形ゆっくり”らしい。 人間でも同じことが起こる様に、ゆっくりの場合も妊娠中に有害な物質を多量に摂取することで、奇形児が 生まれる確率が上がるらしい。 そんな話を、加工所の図書室で読んだことがある。 「ゆゆゆ…!!どうして!!どうしてうごかないのおおおおお!?」 母れいむもどうしていいのか分からず、喚き散らすだけだ。 この後何が起こるのか気になって、木の陰に隠れて様子を見ることにする。 「ゆゅゅ……………!!」 母れいむは、視線を下に向けて何か考えているらしい。 餡子脳で何を考えられるというのだろうか? そして、パッとひらめいた様な顔をすると… 「ゆぎゅう!!!こんなのれいむのこどもじゃないよ!!ゆっくりしね!!」 不安は消し飛び、いつものゆっくりらしい笑顔で2匹の子供を押しつぶし始めた。 「ゆぎゃあああああああああ!!おがーぢゃんやめでよおおおおおおおお!!!」 「まりざをごろざないでえええええええ!!ゆっぐりざぜでええええええ!!!」 なんて酷い親だ。こいつ…自分の子供を殺そうとしてるぞ…! 「こんなぶきみなこどもとはゆっくりできないよ!!ゆっくりあのよにいってね!!」 「れいむもゆっぐりずるがらああああああ!!おがーじゃんといっじょにゆっぐりいいいいぃぃぃ!!!」 「いっじょにゆっぐりじようよおおおおおおおおお!!??」 母れいむは自分の子供を下敷きにしたまま、何度も何度も跳ね続けた。 落下してくる母れいむに踏み潰され、何度も何度も口から餡子を吐き出す子ゆっくりたち。 逃げたくても、生まれつき動けないためどんなに頑張っても逃げることは出来ない。 自力で出来ることなど何一つない子ゆっくり達にとって、母がすべてなのだというのに… 生れ落ちたとき、動けずに泣き喚いている自分を励ましてくれた母ゆっくり。 自分では何も出来ないから、取ってきた餌を口移しで食べさせてくれる母ゆっくり。 そんな。そんな母ゆっくりによって。殺されようとしている。 今、唯一のよりどころであった母親によって、殺されようとしているのだ。 「いだいよおおおおおお!!ゆっぐりじだいよおおおおおおおおー!!!」 「もうやめでえええええ!!じにだぐないよおおおおおおおお!!!?ぶぎゅえ!!??」 皮の裂け目からも、餡子が漏れ出した。 どすんどすん、テンポよく餡子を吹き出す子ゆっくり2匹。 そして…2匹の悲鳴が聞こえなくなると、母れいむは跳びはねるのを止めた。 「これでやっとみんなとゆっくりできるよ!!」 迫害の原因となっていた子供を殺すことによって、自分だけでもゆっくりしようってか。 ゆっくりのこととはいえ、なんだか腹が立ってきたぞ。 「みんなー!!いっしょにゆっくりしようね!!」 「ちょっと待った!」 去っていった他のゆっくりのところへ行こうとする“元”母れいむ。 僕が目の前に立ちはだかると、先ほどの陰気くさい顔はどこへやら。 満面の笑みで、例の台詞。 「おにーさんも、ゆっくりしていってね!!」 「はいはいっと。それよりもれいむ、あれはなんだい?」 そう言って、僕は子ゆっくりだったモノを指差す。 途端、不機嫌そうな顔に早変わり。不満を口にし始めた。 「しらないよ!!あんなかわいくないばっちぃのしらないよ!!」 「でも見てたんだよね、お兄さん。君が自分の子供を潰してたの」 「ゆ!?だってばっちぃあかちゃんがいるとゆっくりできないんだもん!! でも、あかちゃんがしねばれいむはゆっくりできるよ!!おにーさんもゆっくりしていってね!!」 などとへらへら笑いながら言うものだから、僕の怒りが有頂天になった。 「へぇ~そうかそうか。自分がゆっくりするために、赤ちゃんを殺しちゃうんだぁ」 「そうだよ!!あのこたちのせいで、いままでぜんぜんゆっくりできなかったよ!!」 ぷんぷん、と怒ってみせるれいむ。 僕はハンドボール大のそいつを掴みあげると、皮が破れない程度に強く締め付け始めた。 「ゆぎゃあああああああああああああ!!!はなぢでええええええええええええええ!!」 顔がひょうたんみたいに歪んでいる。 ちょっと和んだが、まだまだ僕の怒りはおさまることを知らない。 少しばかり締め付けを緩めてやると… 「ゆ゛っ!おにーさんとはゆっくりできないよ!!れいむをゆっくりはなしてね゛っぎゅあああああ!?」 「え?なんか言った?」 聞こえないフリをして、再び締め上げる。 「や゛っめ゛っ…!!…ゆっぐりでぎなび…ゆッぐりざぜでよおおおおおおおおお!!!!」 「そういった赤ちゃんに、お前はなんて答えたの?」 「ゆ゛っ!!??」 信じられないほど小さい記憶容量を誇る餡子脳。 それでも、数分前の出来事…数分前の自分の発言ぐらいは、覚えているはずである。 「ねぇ?なんて答えたの?『ゆっくりさせて!』って叫ぶ赤ちゃんに、お前はなんて言ったの?」 「ゆぐっ!!!」 一瞬強く締め付けると、れいむは痛みに声を漏らした。 瀕死の赤ちゃんに、嬉々としてぶつけた言葉。忘れるわけがないよな? 嬉しかったんだよなぁ?忌々しい奇形ゆっくりとさよならできたことが。 だったら忘れるわけないよな。ゆっくりの餡子脳は、楽しいことはしっかり覚えてるんだから。 「ねぇ?『しにたくない!』って叫んでた赤ちゃんに、お前はなんて言ったっけ?」 「ゆ…“ゆっくりしね”…?」 「うんうん!!他には!?」 と言いながら、締め上げる力を強くしていく。 “言わなければ死ぬ”という脅迫めいたものを感じたれいむは、素直に記憶をたどる。 「早く教えてよー!『いっしょにゆっくりしよう!』って言った赤ちゃんに、お前さまは何とおっしゃった のですか?」 「ゆ…“ゆっくりあのよにいってね”…うわあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「そうでーす!正解でーす!だからそっくりそのままお返ししまーす!!」 徐々に締め上げる力を加えていく。 まだ、皮が破れて餡子が漏れるには至らない。 「やめでえええええ゛え゛え゛え゛!!じにだくないよおおおお゛お゛お゛お゛!!!」 「えー!?こんな不気味なゆっくりとはゆっくり出来ないよ!!ゆっくりしね!!」 「ぶぎみじゃないいいいいいい!!!れいむはがわいいのおおおおおおおおおおおお゛お゛お゛!!!」 命の危険が迫ってるのに、まずそこを否定するのか。餡子脳の神秘を垣間見たよ。 「こんなの可愛いゆっくりじゃないよ!!ゆっくりあの世に逝ってね!!」 「いやだああああああ゛あ゛あ゛!!!だじげでえええええ゛え゛え゛え゛!!!」 「え?死にたくないの?しょうがないなあ。じゃあ、何でも言うこと聞くなら助けてあげる」 「ぎぐ!!ぎぎまず!!だがらだずげで!!ごろざないでえええ゛え゛え゛え゛!!」 「ほいっと!!」 締め付ける力を一気に緩めると、れいむはぶるんと震えてそのまま地面に落ちた。 涙を流しながら僕のほうを見て頭(体)を下げて謝っている。 「ごめ゛んなざい!!もういいま゛ぜんがらゆずじでぐだじゃい゛!!」 「はいはい、許す許す(笑)…ただしさっきも言ったとおり、言うことを聞いたら、だけど」 恐る恐る、僕の表情を窺うれいむ。 僕がれいむに要求したのは… 「そのリボンかわいいね。僕がそれを貰うよ」 その瞬間、れいむは最高に笑える表情をしてくれた。 (終) ゆっくりいじめ系206 奇形ゆっくり3~ゆっくりバッジ~? あとがき 『奇形ゆっくり』の続きってことにしてくれてもいいし、別物ってことでもいいです。 最初奇形ゆっくりに対する迫害を書こうとしてたら、いつの間にかIKEMENのお兄さんが言葉攻めしてた!! 不思議だね!! 前作より短くまとまったね!!よかったね!! 最後に、いつの日か聞かれそうな質問に前もって答えておきます。 Q.どうしてゆっくりっぽい変な口調で言葉攻めをするのですか? A.趣味。 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2168.html
注:容姿描写等は、あくまでもこの作品内のみのものです。 朝、村の男が畑へ出てみると、こそこそと作物を齧っている影を発見した。 ゆっくりめ、と思い後ろから近づき、その物体を掴む。 「おらあっ!クソ饅頭め、ぶち殺してやる!」 「に゛ゃあ゛!」 掴まれたゆっくりは涙を浮かべ、カタカタと震えている。 そのゆっくりを見て、男はおやっと思った。 男もそんなに見かけたことのない希少種、ちぇん種であった。 「わ、わるかったよー、ごはんがたりないんだよー」 「……………………」 その姿を見て、男の怒りが急速に薄れていった。 「……分かったよ、少しでいいなら持ってっていいぜ」 「あ、ありがとう!おじさんいいひとだね、わかるよー!」 ちぇんは作物を少し貰い、お礼を言って帰っていった。 ちぇん種は基本的に素直で可愛らしいので、人間達の間では非常に人気が高い。 もちろん程度にもよるが、このように畑を荒らしても許されることは多かった。 そして、その光景を一匹のゆっくりが遠くから見ていた。 十分ほど後、男が畑仕事を始めると、再びゆっくりが作物を齧っているのが見えた。 またかよ、と思い近づき、先ほどと同様に後ろから掴む。 「ごめんだぜ!おなかがへっていたんだぜ!」 それはまりさ種であった。 このまりさは人間に捕まっても少しも慌てていない。 さっきのちぇんと同じように、作物を分けて帰してくれると信じ切っていたのだ。 「てめえ、俺の畑になにしやがるうううう!!!!」 「ゆびゃ!」 男はまりさを地面に叩きつけると、力一杯、何度も踏みつける。 「死ね、この饅頭が!身の程をわきまえやがれ!」 「な…………なんでなんだぜ…………」 まりさ種はちぇん種と違い、自分勝手で図々しい。 畑を荒らしたり、家に上がりこんで自分の家宣言をすることなど日常茶飯事である。 そのため人間達の間では、ゆっくり随一の嫌われ者であった。 当然ちぇん種との扱いの差は天地の開きがあるのだが、そんなことまりさは知る由も無かった。 またある所に、一匹の瀕死のぱちゅりーが道で倒れていた。 石か何かでケガをしたようで、皮の一部を失って餡子が流出している。 そこに一人の女性が通りかかり、ぱちゅりーに気付く。 「た、大変!大丈夫!?」 「むきゅ……いたい……」 「待ってて、すぐ助けてあげるからね!」 急いで女性はぱちゅりーを、治療のために連れて帰る。 ぱちゅりー種は物分かりがよい分、人間の恐ろしさも熟知している。 そのため人間に危害を加えようとしない傾向が他のゆっくりよりも強い。 よって人間からは頭のいい、迷惑をかけない良いゆっくりだという認識を受けていた。 女性は再び家を出ると、近くをひたすら走り回った。 すぐに目的のゆっくりが見つかった。家族連れのれいむ種で、赤れいむも何匹かいる。 「いいゆっくりね、少し借りるわ」 「なにするの!れいむをはなしてね!」 「おねーしゃん、やめちぇね!」 「おかーしゃんをはなちぇー!」 赤れいむ達の声など聞く耳持たず、母れいむを家へ連れて帰る。 そしてすぐにぱちゅりーのいる部屋ではなく、台所へ向かった。 「はやくおうちにかえして…………ゆぎゃああああ!!!!!」 女性はれいむの皮を剥ぎ、中の餡子も少し貰い、ぱちゅりーの元へ急ぐ。 幸いぱちゅりーは、まだ死んではいなかった。餡子を入れ、れいむの皮を使い縫合する。 餡子があれば、ゆっくりはなかなか死なない。小一時間すると、餡子を得たぱちゅりーは完全に回復した。 「むきゅ、ありがとう、おねえさん!」 「いやいや、助かってよかったわ」 すっかり元気になったぱちゅりーは、森へと戻っていった。 ぱちゅりーが帰ったのを見届けてから、女性は台所へ戻る。 大きく皮を剥がれたれいむは、餡子を流出しきって死んでいた。 ほぼ皮だけとなったれいむを持って、赤れいむ達の元へ戻る。 「あ、さっきのおねーしゃん!」 「おかーしゃんをかえちてね!」 「ええ、分かってるわよ。ほら」 女性は母れいむだったものを、赤れいむ達に投げつける。 「お、おかーしゃんがああああ!!!!!」 「どぼちてえええええ!!!!!」 「ゆっくちできにゃいよおおおお!!!!!」 「あなた達のお母さんのおかげで、一匹のゆっくりの命が救われたわ!ありがとう!」 れいむ種はぱちゅりー種と違い頭が悪く、まりさ種同様平気で人間の食べ物を食べたり、人家に侵入したりする。 数が多いこともあり、人間達の間ではやはり嫌われ者であった。 またある夜、青年が森を歩いていると、ゆっくりみょんが体付きれみりゃに襲われていた。 「まつんだどぉ~☆」 「ちんぽおおおお!ちんぽおおおおおおお!」 ゆっくりみょんは卑猥な言葉を発するとはいえ、その性格に関しては意外と礼儀正しい。 そのため女性からはともかく、男性には好かれることが多かった。 「この肉まんが!喰らえ!」 「だどおおおおおお!!!!!!」 青年のパンチを喰らって、れみりゃは吹っ飛び、ピクピクと痙攣している。 体付きれみりゃは可愛さも頭脳も、数あるゆっくり種の中で最低レベルに位置する。 しかもれいむ種やまりさ種にはまともな者もいるが、体付きれみりゃにはほぼ皆無。当然嫌われ者である。 「さあ、今のうちに逃げるんだ」 「ありがとうだちーんぽ!」 青年に礼を言うと、ゆっくりみょんは森の中へ姿を消していった。 しばらく歩くと、似たような光景を再び目にした。 「うー!うー!」 「たすけてえええええ!!!!!」 今度は襲っているのは体無しれみりゃ、襲われているのはゆっくりアリスである。 ゆっくりアリスは青年を見るやいなや、青年に助けを求めた。 「お、おにいさん、たすけてくれてもいいわよ!」 「……………………」 「な、なんならおにいさんのいえを、ありすのいえにしてあげてもいいわ!」 「そうか、じゃあやめとくわ」 青年はそう言うと、ゆっくりアリスを掴み上げた。 「ほれ、こいつやるよ」 「んほおおおおお!!!なんでええええ!!!」 「うー!うー!」 ゆっくりアリスは人間へは物的被害はもちろん、精神的にも害を及ぼす。 それは手当たり次第に他のゆっくりをレイプし、またその時の顔が非常に醜いということだ。 小さな子供を持つ主婦からは、子供の教育に悪いと特に評判がよろしくない。 ゆっくりれみりゃは、青年に掴まれたありすをガツガツと貪る。 「ゆぎゃあああああ!!!!!」 「うー!うー!」 「うーむ、さすがに可愛いなぁ」 体無しれみりゃは捕食種ながら、その外見はゆっくりの中でも屈指の可愛さを持つ。 しかも体付きと違ってうーうー呻るだけでウザくないので、かなり人気が高い。 もちろん、れいむ種やまりさ種をよく食べるというのも人気の理由の一つである。 青年はれみりゃの食事が終わるまで、ゆっくりしてその光景を眺めていた。 さて、それらの噂を耳にしたゆっくり達で、悪巧みを企む者達がいた。 ゆっくりちぇん、ゆっくりぱちゅりー、ゆっくりみょんの3匹である。 彼らは先の話のちぇん達のような者達と違い、彼らの種にしては珍しい、ゲス気味のゆっくりであった。 「むきゅ、わたしたちには、にんげんはやさしいわ」 「ごはんもらいほうだいだね、わかるよー」 「にんげんをりようするんだちーんぽ!」 早速3匹で人里へ赴く。 人気者の3匹が勢ぞろいしている光景には、多くの人間が目を細めた。 「あらあら、可愛らしいゆっくり達ですね」 一人の少女が3匹に声をかける。 すると3匹は待ってましたとばかりに、少女に要求を始めた。 「むきゅ、わたしたちがかわいいのは、とうぜんよ!」 「だからごはんをよこすんだちーんぽ!」 「ひろいいえもねー、わかってるよねー」 「あらあら……分かりました。ではどうぞ、私の家へ」 少女はにっこり微笑むと、自分の屋敷に3匹を招いた。 その門には「稗田」と標識があったが、ゆっくりにとってこれが何を意味するかは無論知らなかった。 そしてその家で、3匹は知ることになる。 ゆっくりの種になど関係なく、どんなゆっくりも虐待する人間がいることに。 彼らが屋敷を出てくることは、二度となかった。 終 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2470.html
~注意書き~ このゆっくりは俺設定満載です。 前にあった消しゴムゆっくりを独自解釈してみました。 何か問題あったら消します。 「やべっ、遅刻遅刻。」 初めての大学の授業。それなのに遅刻しそうになるとは。 俺は今年から通うことになった大学の中をひたすら走っていた。 高校と違ってさまざまな場所に教室がある大学は場所を間違うと大変だ。 オリエンテーションでもらった地図を頼りに教室に向かう。 ドアを開けるとまだ、知らない顔ばかりの教室はどこか緊張していた。 真ん中ぐらいの横長で3人が座れる席の片側が空いていたのでそこに座る。 まだ先生は着てないようだった。 「セーフセーフ。……っと。」 いきなり独り言を言ってしまった。 変な奴だと思われなかっただろうか。 内心びくびくしながら教科書とノートを取り出す。 そして、最後に筆箱を取り出した。 箱を開けると、高校から使っているシャープペンと鉛筆、定規、そしてまだ新品の箱があった。 箱を開ける。 「ゆっくりしていってね!」 これが消しゴムだった。 ゆっくり消しゴム。 それはゆっくりの形をした生きた消しゴムである。 動く消しゴムとして世に出たゆっくり消しゴムは瞬く間に広まった。 ゆっくりれいむとゆっくりまりさは饅頭型で中身は黒鉛と粘土、飛び跳ねて移動する。 ゆっくりありすとゆっくりぱちゅりーはボールペン用。中身は修正液である。 そのほかにも砂消しゴムのみょん。練り消しのちぇんなどさまざまな種類が出ている。 その種類によってさまざまな特徴があり、消しゴムとして使わず可愛がるものも出るぐらいであった。 俺の持っているゆっくり消しゴムはゆっくりれいむだ。 「ゆっくりいのるよ!ゆっくりいのるよ!」 れいむはお祈りをすることが特徴で、受験生には人気がある消しゴムであった。 と言っても試験では使えないので、お守り代わりに持つ人がほとんどだ。 俺も、正月にいった神社で売られていたのを買って持っていただけでまだ使ったことはない。 前に使っていた消しゴムはもう使い古していたのでれいむにかえたのだった。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 れいむはぴょんぴょんと机の周りを跳ねている。 巣と見なした箱からは離れようとしないので授業中にいなくなることもない。 俺はノートと教科書を開いて先生が来るのを待つ。 れいむは見たこともない世界に目をきらきら輝かせていた。 「すっごいよ!とってもひろいよ!」 れいむは大声で叫んでるようだが、聞こえているのは俺だけだ。 そうなるように調整されているらしい、商品説明に書いてあった。 周りを見れば似たようにゆっくりと戯れている人がちらほら見えた。 どれも新品のようなゆっくりだった。 この教室ではゆっくりれいむとまりさが一番多いようだった。 鉛筆用消しゴムとして当たり前か。微妙にまりさが多そうだ。 「れいむは人気がないみたいだな。」 「ゆゆっ!そんなことないよ!」 俺の独り言を聞いたれいむはぷんぷんと怒るように頬を膨らませる。 そんなれいむの姿はかわいらしく、俺は指で頭を擦ってやった。 「ゆゆっ~、くしゅぐったいよ~。」 どうやら気持ちいいようだ。 しかし、れいむが少ないのはどうしてなのだろう。 お守りと見なしてる人が多いのだろうか。 俺がこんなことを考えていると前のドアが開き先生が入ってきた。 「遅れてすまん。さぁ授業を始めようか。」 こうして先生は授業の計画を黒板に書き始めた。 みんながその説明を真剣に聞いている。最初はみんなこんなものなのだろう。 先生によってはパワポを使って授業をするそうだ。 俺はコンピュータは良く分からないので楽しみだ。 っともう始まっていた。 先生が黒板に教科書の内容や例題を書いていく。 「……字が汚いな。」 「おにーさんのじもきたないよ!」 生意気な口をきく。指でコロンと転がしてやった 「やべちぇええええええええ!」 れいむがぐるぐると転がって筆箱にぶつかって目を回していた。 そんなれいむに気を取られていると先生はすごい勢いで黒板を埋めていく。 早くしないと消されそうだ。急いでノートにとっていく。 独特な字を使う先生で間違えないようにするのが大変だ。 「あ、しまった。」 漢字を間違えてしまった。 早く消して続きを書かなくては。 俺はれいむを手にとって底部を消したい字に当て擦る。 「ゆぐぐぐぐぐぐぐぐ!」 れいむは何かを言いたそうだが消えるまでとめれない。 数回擦ると字は綺麗に消えた。ノートも汚れていない。後に残るはれいむの皮と黒鉛の混ざった消しカスとぐったりしているれいむだけだ。 「ゆぐぅ…ゆっくりしていってよー!ゆっくりしていってよー!」 「はいはい……っと早く書かないと。」 皮を削られたれいむはぷんすかと怒っている。しかし、それを気にしていてはノートに書き取れない。 俺が無視しているのに気づくと、れいむは涙目になった。 「ゆっくりたべるよ…」 れいむは消しカスとなった皮の元へと飛び跳ねて行く。そして自分の皮を食べ始めた。 これもゆっくり消しゴムの特徴で、ゴミが出ないということで支持されている理由の一つだ。 ノート上でゆっくり自分の皮を舐め取るれいむを尻目に黙々とノートを取っていく。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわちぇ~!」 「また間違えた。」 「ゆぐ!?」 またれいむをつかんでこすり付ける。 「もうやめぢぇえええええええ!」 「おっと、次のページがいるな。」 俺は泣き喚くれいむを無視してページをめくる為に消しカスとれいむを脇へどける。 ころころと転がって筆箱にぶつかったれいむはまだ泣いていた。 俺にしか聞こえてないので周りの目を気にする必要もない。 よく見れば隣の人もまりさで同じようなことをしていた。 一つの机で二匹のゆっくりが泣いている。こんな光景が教室のさまざまな机で起こっていた。 先生もまったく気にしていないところを見ると良く見る光景なのだろう。 授業は問題なく続いていった。 初めての授業は何も起きる事がなく終わった。 やはり大学の授業は難しい。これからやっていけるのか不安になる。 次の授業は昼からだ。その間何するかもこれから考えていかないといけないな。 「さて、あいた時間どうするかなぁ。」 「ゆ゙、ゆっぐりじでいっでね……」 おっと、忘れていた。俺はれいむに目をやる。 初日と言うことと字が特徴的だったことでゆっくりれいむには大活躍してもらった。 れいむの底はぼろぼろに擦り切れ、今は跳ねれないようだ。 それでも何とか自分の皮を食べようとずりずりと移動しているさまはナメクジみたいだ。 このまま眺めていたかったのだが、次の授業に出る人が入ってきている。 「ゆ゙!!」 俺は、机のれいむの皮だったものをかき集め、れいむの口に詰め込んだ後箱に入れて筆箱を閉めた。 と、そこでゆっくりの餌を忘れたのに気づいた。再度筆箱を開き、れいむの口に丸いボール上のものを入れて今度こそ教室を後にした。 ゆっくりの餌とは、れいむ達が直る為に必要なものらしい。 これをやらずに箱から長時間出していると傷つき、やがてただの消しゴムとなるらしい。 昔は、なくてもよかったらしいがその時にゆっくりがそとで食べ物の中に入ったり機械を止めたりした為にこうなったらしい。 箱も同じような理由でゆっくりは箱の周りから離れないようになってるとか。 俺は説明書に書いてあった説明を思い出しながら、とりあえず食堂に足を向けた。 昼からの授業は資料を配られ、それについて先生が説明していくことメモるような授業だった。 しかもほとんど書いていることを読んでいるだけでメモを取るようなところが少ない。 こんな授業がずっと続くのだろうか。これからのことを考えるといやになってくる。 「ゆゆゆ~、ゆゆゆ~ゆ!ゆゆゆ!ゆ~ゆ~ゆ~ゆ~ゆ~!」 「(うるせ~)」 「ゆぎゃ!」 もう一つ俺をいやにさせているのはれいむによる歌だ。 外に出したままゆっくりさせていると、思い思いの方法でゆっくりしようとするのがゆっくり消しゴムである。 このれいむは跳ね回ることやめて俺に聞かせるように歌いだした。 朝の授業は知らない場所だったので歌うこともせず回りを観察していたようだったがもう飽きたらしい。 聞いたこともないような歌を得意げに歌っている。 授業中でなければ放っておいてもよかったのだが、今は授業を妨げる騒音だ。 俺はこの授業で何度目になるか分からない方法でれいむを黙らせる。 「ゆ~♪…ゆゆっ、もうやめてね!いたいのはいやだよ!ゆっくりさせてね!」 「こっちこないでね!もうおうちかえる!」 さすがに覚えたのか、れいむは手に持ったシャープペンから必死に逃げようと飛び跳ねる。 しかし、ゆっくりした動きは捉えるのは簡単だ。 先ほどからやっているように俺はシャープペンをれいむに突き刺した。 「ゆぎゅ!?」 カチカチ。 「ゆぎゅぎゃぎょっごごごご!」 シャープペン芯を出そうとすると奇妙な声を上げる。 そうやって押しおきした後、シャープペンを引き抜くと授業に戻った。 先ほどから数回繰り返していると言うことはれいむは復活していると言うことだ。 今はぐったりとしているが、しばらくするとまたゆっくりしだすだろう。 けしごむなのだから当然である。 隣の席では、自分と同じくれいむを使ってる男がシャープ芯でれいむを串刺しにして授業を聞いていた。 「も゙、も゙っどゆ゙っぐり゙じだい゙よ゙……」 口の中も芯で貫かれて苦しそうだ。 さすがにそこまでやるのは…と隣の人に言いたかったが怖くていえなかった。 あれじゃ使えないんじゃないか?と思えるのだが。 「であるから……」 おっと、ここは資料にないな。メモメモ。 俺が動かすシャープペンの横ではれいむが復活しようとしていた。 「ゆ~、しゅっきり~!ゆげひゅ!」 また歌いだす前に叩いて黙らす。 はぁ、何で使おうと思ってしまったんだろう…… 昼の授業も何とか終わった。 初日から疲れがピークだ。これからやっていけるのだろうか。 特にれいむの歌が辛かった。本来の使用目的として使ってないのに維持費がかかる。 昼の授業で隣にいた人が、 「そのうち楽しくなりますよ。」 と、笑顔でれいむにでこピンを入れていた。 うーん、ああなるのはなぁ…… はぁ。 何度目になるか分からないため息をつく。 足は知らぬ間に生協に向かっていた。 新しい消しゴムを買うわけではない。維持費ようの餌はまだ残ってるのだ。 今は何か飲み物と食べ物がほしかった。 かばんの中では筆箱がガチャガチャいっている。 そんな中でれいむはゆっくりと寝てるのだろう。 はぁ。 っとまたため息が出てしまった。 何か暖かいものでも食べよう。 生協の入り口では部活、サークルの勧誘が盛んに行われていた。 俺はまだどこにも入るつもりはないのでそそくさと脇を抜けていく。 それでも動きから一年と分かるようで俺にチラシを渡してきた。 目の前に置かれると取らないわけには行かず、結果中に入った時には手に数枚のチラシを持っていた。 これをもったまま買い物はやりにくいな。 俺はそう思い、かばんの中にチラシを入れようとした。 チラシには気を引こうとしてかいくつか小物が付いているものもあった。 人数の多いところはこういう小物をつけて人数を稼いでるのだろうか。 同じスポーツのサークルが複数あったり、部とサークルで対立してたり面白い。 と、一つのチラシに見たことのある箱を見つけた。 「おおっ。」 思わず小さい声が出てしまった。 チラシの内容も読まずにその箱を取った俺は、先ほどのため息を忘れてにこやかな顔で買い物に向かった。 家に帰ると筆箱を取り出してれいむを出した。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしてるよ!」 「もっとゆっくりしていってね!」 たわいないやり取りを繰り返す。 れいむは時間割を考えている俺の周りでぴょんぴょんと跳ねて遊んでいる。 「ゆっくり~!」 「そこじゃま。」 「ゆぎゅほっ!」 時間割の書かれた紙に乗ってきたれいむを手のひらではじく。 れいむは放射線を描いて熱いお茶を入れた湯のみに入った。 「あ゙じゅい゙いいいいいいいい!」 「しまった、まだ飲んでなかったのに。」 「お゙に゙い゙ざんだずげでええええええええええええええ!」 「解けないからしばらくそうしてろ。」 「ゆぎゃあっぶ!おぼれりゅ!たじゅげぇで!」 「フルコマは辛いかなぁ。」 しばらくがんばっていたれいむも力尽きたのかお茶の中に沈んでいった。 ある程度時間割を決めた俺は、お茶を入れなおそうと台所に向かった。 れいむを箸で取ってお茶を流し、新しいお茶を入れる。 「ゆげええええええ!」 「あ~、びちょびちょじゃないか。」 「おにいさんのせいだよ!きれいにしてね!」 「ティッシュ使って自分でやれ。」 「ごろごろ~、しゅっきりー!」 ティッシュの上でごろごろと転がって水分を吸わせたれいむはすぐに元気になったようだ。 俺の肩に乗ったれいむは一緒に元の場所に戻る。気のせいかれいむは湯飲みから離れて余り跳ねなくなった。 じりじりと匍匐前進のように動くれいむは可愛い、もう少し早く気づいてればよかった。 「ゆゆっ!れいむのはこがふたつになったよ!」 「これは違うゆっくりのだよ。」 「ゆっ!れいむのおともだちだね!はやくあいたいよ!」 「きょうはまだあけないよ。今日はれいむだけ遊んであげるよ。」 「ほんちょ!たのしみー!」 それかられいむと最後の夜を存分に遊んであげた。 今なら、昼に言われたことが理解できる気がした。 次の日の朝。 授業が始まる前の教室。その前にあるゴミ箱のまで小さな箱を持った俺がいた。 箱をあける。 「ゆっくりしていってね!」 れいむが朝っぱらだと言うのに元気よく挨拶してくる。 箱をひっくり返してれいむを出して手に乗せてやる。 「ゆゆっ?きょーはきょうしつじゃないの?」 「もうれいむは痛い目にあわなくていいよ。」 「ほんと!ずっとゆっくりできるね!」 「あぁ、ずっとそこでゆっくりしていってね!」 「ゆぅ?」 疑問符を浮かべたれいむをゆっくりと書かれたゴミ箱に放り込んだ。 箱は横の箱用に入れる。 「さて、授業授業。」 俺は教室に戻った。 「ゆぶべ!」 ゆっくり専用に落ちたれいむは底に引かれた新聞紙に顔から落ちた。 しばらく痛みで動けなかったれいむだが、やがて顔を上げて周りを見回す。 「ゆゆゆ、い゙ぢゃい゙よ゙……」 「ゆゆっ、おにーさんどこ!?」 ゴミ箱の中は暗くよく見えない。 しかし、目を凝らすと壁になにかざわざわと動いている塊が見えた。 「ゆゆっ、なにかいるよ…なんだかこわいよ……」 「……」 その塊たちは何か言っているようだ。しかし、離れていて聞こえない。 やがて目が慣れてきたれいむはその蠢いている塊の正体を知ることになった。 「ゆっくりしたいよー!」 「ゆっくりさせてね!」 「おねーさんたすけてね!」 「もうわるさしないからゆるしてね!」 「ゆううう、このかべかちゃいいいい!」 それはゆっくりが壁に向かってがりがりと噛み付きや体当たりをしたり叫んでいる光景だった。 ゆっくり達が向かっている方向には巣用のゴミ箱がある。巣に戻る習性でそちらに向かって集まっていたのだ。 ゆっくりは全部れいむ達だった。どれもまだ新品に近いゆっくりである。 れいむはそんなゆっくりしていないれいむ達に理由を聞こうとずりずりと近づいていった。 「ゆっくりしていってね!」 「たすけちぇ…ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「みんななにしてるの!」 「すがこっちにあるんだよ!」 「このかべかちゃいよ!」 「はやくゆっくりしたいよ…」 れいむたちは口々にゆっくりしたいゆっくりしたいとこぼしていた。 れいむはそんな仲間達を励まそうとこえを荒げた。 「ゆっ!だいじょうぶだよ!おにーさんがたすけてくれるよ!」 れいむはお兄さんが助けてくれると信じていた。 すぐに助けてくれるに違いないと。 しかし、先にいたれいむ達の顔は何も知らないれいむを哀れむよう。 なぜそんな顔をするんだとれいむは言葉を続けていた。 「どおしたの?げんきだそうよ!」 「れいむのおにーさんもたすけてくれないよ…」 「な゙ん゙でぞん゙な゙ごどい゙ゔの゙おおおおおおおお!」 れいむは頬を膨らませて怒りだした。 しかし、次の言葉でれいむは頭が真っ白になることになった。 「れいむもおにーさんまってるけどぜんぜんたすけてくれないよ!」 「れいむはおねーさんまってるよ!」 「おなかすいたよ…はやくおにーさんにごはんたべさせてもらいたいよ…」 れいむはやっと気づいた。 れいむはこの壁に向かっているれいむ達と同じなのだと。 そう思った時には目に涙が浮かんでとまらなかった。 「う、うしょだ、うしょだああああああああ!」 壁に向かってれいむは体当たりを繰り出す。 おにいさんとあって話がしたい。その思いからの体当たりだった。 しかし、小さなれいむの体ではびくともしないゴミ箱。 れいむはぶつかった勢いそのままで地面に落ちた。 「ゆぐううううう!」 れいむは泣いた。 しかし、それを助ける人も、ゆっくりもこの場にはいない。 ひとしきり泣いた後れいむも壁に向かって這いよっていった。 ゴミ箱はまだまだ入る。中は尖ったものもなく、傷も付きにくい。 いっぱいになるまでれいむ達は捨てられることなくずっとゴミ箱の中だった。 「ここは、重要だからちゃんと聞くように。」 今日の授業はなかなか楽しい。 自分がやりたいことと関連している授業だからだろうか。 必死にノートを取っている。 「ゆっくりしていってね!」 れいむを捨てて手に入れたのはゆっくりまりさだ。 こいつは歌を歌わない。 何もないときはコーヒー?が入ったカップをどこからか取り出してゆっくりしている。 いつかカップを取り出すところを見たいが、作業中の隙に出されるのでおそらく見ることは無理だろう。 とても気になる。 とはいえ、耳障りな歌もないので授業の邪魔にはならない。 ほんのり香るコーヒーの香りを嗅ぎながら授業に集中しだした。 これから男はまりさを使い続けるだろう。 しかし、餌がなくなったときどうなるかは男にしか分からない。 今まで書いた作品 ゆっくり水攻め ゆっくりの川流れ 天井のゆっくり ゆっくりまりさの水上生活 ゆっくり訓練 ぶるぶる とりもち 子ゆっくり きめぇまる ゆっくりがんばるよ さらちくび 冬のゆっくり 親れいむのがんばり 子れいむのがんばり しろくろ ちぇんいじめ ほんのちから ゆっくりさせる ゆっくり消しゴムとかあったらダースで買い込むのに このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2295.html
(嫉妬) 穏やかな日差しの降り注ぐ草原。真っ直ぐに続く道。仲良く並んで歩く二匹のゆっくり。 優しく髪を撫でる風が心地よい。れいむとまりさは「ゆっゆっゆ~♪」と上機嫌で歩いていた。 今日は朝早くから森を出て、人間の里まで「おはなみ」をしに出かけた。今はその帰り道。 良く手入れの行き届いた美しい庭園。家の主の趣味の良さが伺える。 庭に花が咲き誇る季節になると、主は庭を解放し里の皆にも楽しんでもらう事にしていた。 その際、来客には主が自ら作ったお菓子と紅茶が振舞われる。 れいむとまりさもその噂を聞きつけ、お相伴に与ろうと出かけたのだ。 「花より団子」の質であるゆっくりだが、この庭の花々には心を奪われた。 貰ったお菓子を食べる事も忘れ、うっとりとした表情で花を眺める。 「ゆ~。きれいだね、まりさ。」 「うん!とってもゆっくりしているよ!」 「またあしたもこようね!」 「うん!このおにわを、ふたりのでーとこーすにしようね!」 「あら、この庭を気に入ってくれたの?嬉しいわ。ゆっくりしていってね。」 この家の主人である女性がゆっくりに話しかける。黒い長髪の綺麗な女性。里一番の美人と評判の人だ。 人の容姿とはその人の内面を写す鏡なのだろうか。その美しい笑顔もさる事ながら、 誰でもわけ隔てなく接するその人柄、優しさで、彼女は里中の人間に愛されていた。 彼女を目当てにこの庭にやって来る男も多い。この庭の手入れを手伝っている庭師の男もその一人。 庭師の男は彼女の膝に乗せられて楽しそうに笑っているゆっくりを、木の蔭から憎々しげに眺めていた。 なんだあいつら。なんなんだ、あの饅頭共は。饅頭が俺と彼女の庭に入って来るだけでも忌々しいのに。 彼女と楽しそうに話し笑ってやがる。あの笑顔は俺のものなのに。俺の・・・俺の・・・俺の・・・ 庭師の男は彼女がこの庭を造り始めた頃からそれを手伝っていた。 二人で庭の図面を引いた。二人で地面をならした。二人で花を植えた。二人で庭の手入れをした。 二人で造った。二人の庭。二人の、二人だけの庭。 その庭を皆に解放し、里の人たちにも楽しんで貰いたい。彼女からその話を聞いた時、男は正直戸惑った。 だが彼女の嬉しそうに話す笑顔を見た男は、それに反対できなかった。 二人の庭に赤の他人が入って来る。彼女目当ての男達もやって来る。彼女の笑顔は彼らにも向けられる。 彼女の気持ちが自分だけに向かっていない事にも、認めたくはないが薄々気付いていた。 男は我慢した。自分以外の男達が彼女と話すのも我慢した。だが饅頭、お前らだけは駄目だ。 庭石に腰掛けた彼女の膝で昼寝をするれいむ。彼女の長く美しい髪にすりすりするまりさ。 許せない。許せない。許せない。許せない。許せない。 彼女がゆっくりの髪を梳かしている。気持ち良さそうに鼻歌を歌う二匹のゆっくり。 そのお礼なのか、今度は自分達が髪を梳かしてあげると言って彼女の髪を舐めるゆっくり。 触るな!彼女の美しい髪に、その汚い舌で触れるな! もう我慢の限界。今すぐにあのゆっくりを踏みつぶしたい。 しかし、彼女の目の前でそれをやる訳にはいかない。それにゆっくりにはもっと苦痛を味わって貰いたい。 そこで男は一計を案じた。 (ゆっくり理髪店) 「おはなみ」の帰り道。二匹は道の途中に立てられた看板に気づいた。 『ゆっくりりはつてん』 「ゆっくりりはつてん?」 「なんだろうね。」 二匹は首を傾げる。看板をよく見てみると、そこにはゆっくりの絵が描かれていた。 最初の絵。ボサボサ髪のゆっくり。目には生気が無く、とてもゆっくりしている様には見えない。 次の絵。優しそうな笑顔の人間がゆっくりの髪を整えている。 三枚目。綺麗な髪になったゆっくり。「さっぱりー」と叫ぶその姿はとてもゆっくりしている様に見える。 「ゆゆ!ゆっくりりはつてんっていうのは、れいむたちを『さっぱりー』させてくれるところなんだよ!」 「ゆー!まりさも『さっぱりー』したいよ!どこにいったら『さっぱりー』できるの?」 看板には『このさき ゆっくりりはつてん →』と書かれている。 「このやじるしのとおりにいけばいいんだね!」 「ゆ!いこうれいむ!まりさたちもおねえさんみたいなきれいなかみにしてもらおう!」 「うん!」 矢印の通りに進む二匹。しばらく歩くと前方に椅子に座って鋏の手入れをしている男を見つけた。 「ゆ。おじさん、こんにちわ。」 「ゆっくりしていってね!」 「ああ、こんにちは。ゆっくりしていってね。」 「れいむたちは『ゆっくりりはつてん』をさがしてるの。」 「おじさん、どこにあるかしらない?」 「ああ、『ゆっくり理髪店』ならここだよ。君達はお客さんかい?」 「うん!」 「おじさんがまりさたちをきれいにしてくれるの?」 「ああ、そうだよ。」 「ゆゆっ!じゃあさっそくれいむをきれいにしてね!」 「ずるいよ!まりさもきれいになりたいよ!」 「じゃあじゃんけんでじゅんばんをきめるよ!」 「ゆ!まけないからね!」 二匹のゆっくりは「じゃーん けーん ぽん!」と叫びながらぴょんぴょん飛び跳ねる。 人間の目から見たらどうやって勝敗をつけるのか解らないが、庭師はとりあえず黙って見ている事にした。 やがて勝敗が決まりれいむが先に散髪する事になった。 「じゃあ、れいむはこの椅子に座ってくれるかな?」 「うん!」 「動くと危ないから、動けない様にベルトを締めるよ。苦しいけど、ちょっとの間の辛抱だからね。」 「おじさん!れいむがおわったらつぎはまりさのばんだよ!はやくおわらせてね!」 「はいはい。じゃあ、始めるよ。」 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「ゆゆっ!どう、まりさ?れいむはきれいになった?」 「ゆー!きれいになってるよ!はやくまりさも『さっぱりー』したいよ!」 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「ゆー。おじさん、まだおわらないの?」 「はやくしてね!はやくしてね!」 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!!!」 「どうしたのまりさ?」 「おじさんが!おじさんがれいむのりぼんをきってるよおおおお!!!」 「ゆ゛ーーーーーーーーーーー!!!!」 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「やめてね!おじさんやめてね!」 「やめてあげて!りぼんがなくなったらゆっくりできないよ!」 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「れ゛い゛む゛の゛り゛ほ゛ん゛か゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!れいむのきれいなかみがああああああ!!!」 「やめろおおおおお!!!!れいむをゆっくりできなくするおじさんはゆっくりしねーーーー!!!」 まりさの体当たりをものともせずに髪を切り続ける男。仕上げに剃刀を取り出すと 鋏では切れない短い髪を残らず綺麗に剃り上げる。 「ゆぎいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」 「あああああ!!!れいむぅれいむううううううううう!!!!!」 「はい。完成。これで綺麗な饅頭になったね。」 男は鏡をれいむの前に持って来て、れいむに自分の姿を見せる。 「あああ・・・れいむの・・・れいむのかみがぁぁぁ・・・」 「ゆっくりしねええええええええ!!!!」 「待たせたね。次はまりさの番だよ。」 「ゆゆっ!はなせっ!はなせえええええええええ!!!!!!!」 ハゲ饅頭になった自分を見て放心状態のれいむを投げ捨て、今度はまりさを椅子に固定する。 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「ゆああああああああ!!!やめてええええええ!!!おねがい!!!まりさのかみをきらないでえええ!!!」 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「まりさの、まりさのきれいなかみがああああああ!!!!!」 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「いやああああああああああああああ!!!!!」 ちょきちょきちょきちょき・・・じょき 「ゆ・・・まさか・・・」 じょきじょきじょきじょき・・・ 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!ほ゛う゛し゛き゛ら゛な゛い゛て゛え゛え゛え゛!!!!!」 じょきじょきじょきじょき・・・ 「ゆっぐりでぎなぐなっぢゃうよおおおおおおおおお!!!!!!!」 じょきん、ちょきちょきちょきちょき・・・ 「あああ・・・まりさのぼうし・・・どうしてこんなことするのぉ・・・」 ちょきちょきちょきちょき・・・ 「あぁ・・・」 「はい。終わったよ。良かったね綺麗な饅頭になったよ。鏡を見てごらん。」 「・・・・・・」 「なんだ、失神してしまったのか?ん、れいむもか。しょうがねえ饅頭共だ。」 男は髪が無くなった不気味な人面饅頭を抱え、ゆっくり達が住む森までやって来た。 「おい、起きろ。何時まで寝てんだ。」 「ゆ?」 「ゆゆ!いたいよ!なにするの!」 「そのまま放っておいても良かったんだがな。森まで連れて来てやったぞ。ありがたく思え。」 「ゆー。ねてるあいだにもりまでつれてきてくれたの?なんだかしらないけどありがとう。」 「ゆ。そういえばとてもこわいゆめをみたよ。こわいおじさんにまりさのかみがきられて・・・」 「は?何言ってんだ?夢じゃねーよ。お前らの髪は俺が全部切っちまったよ。 今じゃ立派なハゲ饅頭だ。ほら、お互いの顔を見てみろよ」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!!!」 「ゆめじゃながっだのおおおおお!!!!!!!!」 「いいか、お前等二度とあの庭に近づくんじゃねえぞ。次はこんなもんじゃ済まさねえからな。 解ったら仲間の所へ行ってあいつ等にもそう伝えろ。」 そう言うと男はれいむとまりさをゆっくり達の方へ投げる。 「ゆぴっ!」 「ゆげっ!」 「みんなああああ!あのおじさんがれいむをこんなめにあわせたんだよ!かたきをうってよおおお!!!」 「ゆっぐ・・・ゆっぐ・・・ゆえええええええん!!!」 「どうしたの!どうしてだまってるの!れいむがいじめられたんだよ!なんとかいってよ!」 「ゆえええええええん!ゆえええええええん!」 「ゆっくりしね・・・」 「ゆ?」 「ゆっくりできないゆっくりはゆっくりしねえええええええええ!!!!!」 「どうじでえええええええ!!!!!」 end 作者名 ツェ 今まで書いたもの 「ゆっくりTVショッピング」 「消えたゆっくり」 「飛蝗」 「街」 「童謡」 「ある研究者の日記」 「短編集」 「嘘」 「こんな台詞を聞くと・・・」 「七匹のゆっくり」 「はじめてのひとりぐらし」 「狂気」 「ヤブ」 「ゆ狩りー1」 「ゆ狩りー2」 「母をたずねて三里」 「水夫と学者とゆっくりと」 「泣きゆっくり」 「ふゅーじょんしましょっ♪」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1412.html
ここは、広大なゆっくり平原。 ゆっくり名所である川に沿って上流へ向かうと、おなじく名所である林に入る。 さらに上流へと足を進めると、そこはもう山だ。 天を突くほどに伸びた木々は、その身に枝葉を思う存分茂らせ、さまざまな木の実をつけている。 数多の木々が作り出す静寂とした空気。 山にある森は知るゆっくりぞ知る、ゆっくり名所であった。 だが、山はゆっくり名所でありつつもゆっくり難所でもある。 なぜか? それは動物の数が下流の平原よりもはるかに多いからだ。 よほどの経験を積んだゆっくりでもなければ、山の森で暮らそうなどという者はいない。 そんな森の中に、 「ゆっくりしていってね!」 という声が漂ってきた。 2匹のゆっくり魔理沙だ。この山の中を飛び跳ね、餌を探している。 この2匹はつがいで、2回目の出産を経て、ようやく産後の肥立ちから回復したのだ。 交尾してから久しぶりの夫婦水入らずの狩りだった。 2匹がやってきたのは、川原だ。 水源にはまだ遠いが、この上流の水はとても綺麗で、きらきらと輝いて見える。 この水を毎日飲んでいれば、それはすくすくと育つだろうと思わせるほどだ。 この川には、ゆっくりを捕食する生き物も集まるが、餌も豊富というリスクに見合うリターンが確実にある場所だった。 しかも、今2匹の目の前には、魚がぴちぴちと跳ねていた。 川の中ではない。地べたで、だ。 2匹のゆっくり魔理沙は天の恵みとばかりにそれに近づいていった。 「おさかなさん!ゆっくりしていってね!」 「ごちそうだね!」 そう言って、わずかに体の大きいほう、年長のゆっくり魔理沙がその魚を口に含んで飲み込んでしまった。 無論、食べようとしているわけではない。巣への運搬のために一端体内に保存しているのだ。 鵜飼いとは違うが、あれを想像してもらえるとわかりやすいだろう。 2匹でびちびちと活きの良い魚を一尾ずつ飲み込んで、 「ゆ!まりさたちのえーよーになってね!」 「あわてないで、ゆっくりしていってね!」 などとご満悦の表情だ。 「あとは、きのみとかとっていこう!」 「そうだね、おさかなさんがいるから、それでじゅうぶんだね!」 来たときよりも重めの体を全力で飛び跳ねさせる2匹。 2回の子作りで、群れも10匹と大きなものになった。 上の四匹の子供達はそろそろ本格的に狩りに連れて行っても良い頃合だろう。 家族で狩りという、夢膨らむ素敵な想像に、2匹は浮かれつつも巣への帰路へとついた。 日が傾き、空が橙色に染まりつつあるころ、森もその様相を刻一刻と変化させていった。 木々の陰はゆっくりと伸びていき、まるで生き物のように森を昏い色で飲み込んでいく。 夕闇が迫りつつあった。 10匹のゆっくり魔理沙たちは、狩りの成果を思う様堪能していた。 年老いた大木の洞のなかをねぐらにしているので、広さは十分にある。 地面に並べられたご馳走は、無数の木の実に、色鮮やかなツツジの花。 そしてメインはなんといってもお魚さんだ。 もう1尾は明日の食料として、奥のほうで笹の葉に包まれている。 「はふはふ、うめぇ!めっちゃうめぇ!おさかなさんおいちい!」 「ゆっくりあじわってね!」 「おちついてゆっくりしてね!」 子供達の旺盛な食欲を温かく見守るのは、2匹の親ゆっくり魔理沙だ。 その表情は母といって差し支えないものだ。 子供達もそんな母たちの見ている中、喧嘩ともいえないようなじゃれ合いをしながら、ご馳走を食べている。 赤らんだ顔に溌剌とした眼差し、張りのよい高い声、あふれる覇気を支える柔軟性に富んだ動き。 その全てが健康状態が良好であることを示している。 さらに、はちきれんばかりに発揮されている元気から、この子らがのびのびと成長していることも存分にうかがえる。 ゆっくりにとって理想の家族像がこれだと言われたら、信じてしまいそうな情景だった。 この家族であれば、どんな苦難が降りかかろうとも、身を挺して子供達を守るに違いない。 そう、親が子を、姉が妹を、何を措いても守るのだろう。 年少のゆっくりは、そんな年長のゆっくりの行動を指標とし、さらに年少のゆっくりに対して同じように接するだろう。 ゆっくりたちにも受け継がれる意志があるのだ。 これは秋に起こったこと。 日々を満腔の幸福で彩っていたゆっくり親子を襲った黒い絶望のお話。 橙色の空が、恐怖に蒼褪めたように暗くなり、とうとう墨を流し込んだようになったころ、ゆっくり親子は巣でゆっくりしていた。 最年少の子供たちはすでに夢の中へと潜りこみ、安らかな寝息を立てている。 4匹がそれぞれお互いの顔を見合わせるような、円陣を組んだような体勢。寝付くまで年少組だけでおしゃべりに興じていたのだ。 そのすぐ隣には、年少組より二回りほど大きな4匹が、これまた円陣を組んでおしゃべりをしている。 年長組だ。 2匹の親ゆっくり魔理沙が狩りに出かけている間、年少組の世話をするのが日々の仕事だった。 むろん、簡単な狩りの真似事ならお手の物で、妹たちが蝶々や飛蝗をねだると、それらを取ってやっていた。 そんな年長組だから、妹たちが寝付いたときから、ぽそぽそと声を潜めてお話をしていた。 けれど、迫る睡魔に抗する術も持たないのか、すでに目がとろんとしていてまぶたも落ちかかっている。 「あしたもゆっくりしようね」 「みんなでゆっくりするよ」 と今日へのお別れを口にしていた。 親ゆっくり魔理沙たちは、8匹の子供たちが、全て寝静まるのを確認してから眠りにつくことにしている。 だから、真夜中の来訪者に気づいたのも、当然のことながら2匹の親ゆっくり魔理沙だった。 巣が揺れる。 地震だろうか?いや、違う。 何かがぶつかっているような音がしている。 それだけではない、みしみしと巨木が軋む音がかすかに聞こえてきている。 「ゆっ?なに?」 「ゆっくりかんがえてもわからないよ!みてくるね!」 「ゆっくりきをつけて!」 勇敢にも大きいほうのゆっくり魔理沙は、入り口から外を確認にしにいった。 片親は8匹のそばに跳ねていく。 まだ眠りの門は破られていないのか、安らかな寝息は乱れていない。 ほっと安堵の表情を浮かべる親ゆっくり魔理沙。 子供らを背に、入り口へと向き直ると、愛するつがいの怒声が聞こえてきた。 「うるさいよ!こどもたちがおきちゃうでしょ!ゆっくりいなくなってね!!」 続く静寂。 迷惑な来訪者は去ったのだろうか? いや、揺れはおさまってはいない。それどころか大きくなっている気配すらある。 何かがあったに違いあるまい。 即座に子供達を起こし始めるゆっくり魔理沙。 寝ぼけ眼をしぱしぱさせて、 「ゆっくりねむたいよ」 と口々に言う子供達。 「ゆっくりできないよ!おきてね!」 「ゆっ!?」 「ゆ゛っ!」 親ゆっくり魔理沙の声色にただならぬものが含まれているのに気づいたのか、姉ゆっくり魔理沙たちはしゃきりと身を持ち直す。 「ゆっくりおきてね!えらいことになるよ!」 「ほらほら、ゆっくりして!」 1匹1匹がそれぞれ年少組をきちんと起こし始める。 ゆっくりとは思えないほどのしっかりとした行動。 親ゆっくりへと連綿と受け継がれた教育がしっかりと根付いていることがうかがえる。 それからいくらもしないうちに、年少組を含めた8匹の子ゆっくり魔理沙たちは完全に覚醒していた。 9匹でそろりそろりと入り口の穴へと向かう。 当然先頭は親ゆっくり魔理沙だ。 その後ろに姉と妹でペアになった、4組の姉妹ゆっくり魔理沙。 親ゆっくり魔理沙は、入り口の穴から体を出しているつがいの後ろ姿を見つけた。 「まりさ!どうしたの?」 問いかけるも返答がない。 訝しんだゆっくり魔理沙が、それに触れるとぐらりと倒れた。 生きた匂いを感じさせないその動きは、9匹に冷たいものを与えた。 倒れたゆっくり魔理沙の体表面からは暗い色の塊が見える。餡子だ。それには顔がなかった。 「ゆ゛っ!?なかみがみえでるよ゛っ!!おがおがないぃいいぃいっ!!ぶりゅっ!!!」 つがいのゆっくり魔理沙が、その体の前半分を削り取られたことを理解すると、絶叫する親ゆっくり魔理沙。 声を上げた瞬間、その体躯に太いものが突き刺さった。 毛むくじゃらのそれは、たやすく親ゆっくり魔理沙を絶命せしめ、そのまま壁に叩きつけた。 「あ゛、あ゛~~~っ!」 「おが~~~ざ~~んっ!!」 それは、甘い匂いのするほう、姉妹ゆっくり魔理沙たちの方へと動き出した。 がりがりという音。荒い息遣い。 これはきっとバケモノだ。がたがたと震え始める遺された8匹。 恐怖にまみれているが、入り口から入って来れないのが救いと思っているのか、逃げようとしていない。 いや、そもそも裏口などと言うものがないのだ。 この巣は天然自然の作り出した洞穴。 ゆっくり魔理沙たちに、地面を掘り進むほどの膂力はない。 そもそもなだらかな地面には噛み付けるような場所も見当たらない。 「ゆっくりでていってね!」 「ゆっくりできないよっ!!」 「どこかへいってね!」 口々に叫ぶ姉妹。それが功を奏したのか、もぞもぞと探るように動いていた毛むくじゃらのバケモノはゆっくりと外へ戻っていった。 そのままじっとしていると、そのバケモノは本当にどこかへ去っていったのか、巣の揺れも鎮まっていた。 自分達の、8つの荒い呼吸音が重く響く。 どれほど経ったのだろう?じっと動かずに入り口を凝視していた8匹がやっと動き出した。 ふたつの遺骸を巣の奥へと運ぶ。 生前、2匹は自分達が何かで死んだら、その体を食べて栄養にしてね!と子供達に言い聞かせていた。 子供達は嫌がりながらもそれを受け入れた。それが埋葬という概念のないゆっくりたちの鎮魂なのだった。 しかし、そんなことはずっと遠い、想像することも出来ないくらいゆっくりと訪れる遠い日のことだと思っていたのだ。 姉ゆっくり魔理沙たちは、涙をかたく堪えながら、ただの大福と化した物言わぬ塊を運ぶ。 それに対して妹ゆっくり魔理沙たちは誰憚ることなく泣いていた。泣けるうちに泣いておいたほうがいい。涙は悲しみを流してくれる。 姉たちは妹たちに、自分達の分まで泣いておくれと、願っていた。 次の日、恐怖の晩が去り、辛い現実を受け入れたのか、静まりかえった巣の中では8匹のゆっくり魔理沙たちが、親の亡骸をむさぼっていた。 味に対する言葉を何も吐かず、食べられる幸福を見知らぬ誰かたちに伝えようともしていない。 ただ、親の死肉を口にしている。 その食事は、おそらく彼らにとって荼毘に付すのと同じ意味を持つ行為なのだろう。 粛々と進む、ゆっくりにあるまじき食事行為。 8匹の姉妹に去来しているのは昨日までの両親の笑顔か。 やがて、亡骸を全て8匹が身に納めると、とたんに騒がしくなる。野生生物は悲しんでばかりいられない。これからを両親の分まで生き延びなければならないのだ。 幸い、親の遺産とも言うべきお魚さんが巣の奥にある。数日はそれだけで乗り切れるだろうが、程なく飢えることは想像に難くない。 早急に狩りを習得しなければいけなかった。 姉妹は皆で協力して狩りをすることに決めた。2匹の姉ゆっくり魔理沙と2匹の妹ゆっくり魔理沙を一組として、二手に分かれていった。 数時間後、巣に集合した8匹の収穫は、木の実が多かったがまずまずというところで、彼らに自信を与えた。 「ゆ!これならまりさたちだけでもくらしていけるね!」 「ゆっゆっ!よかったね!おかーさんたちのきょういくのたまものだね!」 一斉に喜んでいる8匹を襲う揺れ。 「ゆ……っ!!!」 とたんに顔を蒼白に染める。また来たのか?あれが!? みんなで入り口に向かうと、案の定毛むくじゃらのバケモノが暴れていた。 がりがりと地面を掻き毟っていて、それはまるで穴を掘っているようだ。いや、ようだ、ではない、それはまさに穴を掘っているのだ。 それに思い至ったのか身をすくめて震える姉妹たち。両親を昨晩に亡くしたばかりで、もう彼らの命は風前の灯。 勇敢にも震えを抑えてそれに飛び掛る1匹の妹ゆっくり魔理沙。 「もうやめてね!ゆっくりでてってね!ゆっくりできないの!ゆっくりさせてね!」 飛び跳ねて、涙ながらに訴え、それに体当たりをしている。小さいながらも家族を守ろうと必死なその様子は、他の家族たちに勇気を与えた。 一斉に飛び掛る姉妹ゆっくり魔理沙。だが悲しいかな、最初の犠牲者はその勇気を与えた妹ゆっくり魔理沙だった。 「ゆぅ~~、はなしてね!ゆっくりさせてねっ!」 それに捕えられ、引きずり出される。そして外に連れて行かれた。 「まって!いまたすけるよ!!」 「いもーとをはなせっ!」 追いかける姉妹。 「ゆ゛ぅう゛ぅう゛う゛ぅう゛ぅう゛ぅぅっ!!!」 断末魔とそれに続く咀嚼する音。 「う゛わ゛ぁあ゛ぁぁぁっ!!」 妹の仇!とばかりに外に飛び出す姉妹。この毛むくじゃらのバケモノをどうにかしないと、これからもゆっくりできなくなる!そんなのは嫌だ!! 体の奥にある勇気を奮い立たせて次々と外に向かっていく。 「ゆ゛っ!?」 まごうことなき家族の仇を前にしたゆっくり魔理沙たちは、そんな声をあげて硬直していた。 その毛むくじゃらのバケモノは、それの一部に過ぎなかったのだ。 その巨大な獣は現れた甘い匂いのするものをじっくりと見下ろしていた。その口元には餡子とわずかの皮が付着している。 妹が食べられたことを悟っても、ほかのゆっくり魔理沙たちは身動き一つ出来ない。 絶対者の視線に射抜かれて、竦んでいるのだ。 それは熊だった。それも「山の神」と謳われるほどの羆だった。 おおきい。おそらくは400㎏は下らないその巨躯は、ゆっくり魔理沙たちに死を悟らせるのに十分だった。 右腕を振り上げ、振り下ろす。 たったそれだけの行動で、7匹のゆっくり魔理沙たちは次々と吹っ飛び、屠られていった。 何故羆がゆっくりたちを?その理由は川で親ゆっくり魔理沙たちが見つけた魚が、この羆が獲った餌だったからだ。 熊は総じて執着心が強い。 一度自分の物だと定めたものを奪われたら、それを奪い返すために執拗に追いかけてくるのだ。 この家族の運命は、両親が魚を見つけたときに決まっていたのだった。 ここは広大なゆっくり平原。 ありとあらゆるゆっくりが、思う存分ゆっくりできる場所。 しかし山に暮らすゆっくりたちは、1年ともたない。 秋になると、冬眠を控えた熊の餌になるからだ。 万が一、運良く逃れたとしても、冬眠に失敗した「穴持たず」に、冬篭り真っ最中の巣を襲われ、根こそぎ食い尽くされてしまう。 山に入って、春を迎えられるゆっくりは存在しない。また、山から帰ってきたゆっくりもいない。 だから、平原にいるゆっくりたちの何割かは、毎年まだ見ぬ新天地を求めて山へ向かうのだ。 自分達の体から漂う甘く、美味しそうな匂いが、もっとも危険な獣を引き寄せることも知らずに。 終わり。 陸上最強生物の羆さんにお出まし願いました。 参考文献:三毛別羆事件の記事 熊こえ~ 著:Hey!胡乱 このSSに感想を付ける