約 3,642,641 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4902.html
※この作品独自の設定があります ※細かいことは気にしないでください ※うでまりささんとは一切関係ありません ある森の奥深くに、今まで人目に触れたことのないゆっくりの集落があった。 その群れはドスや希少種のような有力者こそいなかったが、他に類を見ない特長によって発展し続けてきた。 その群れの特徴。それはその群れの構成員の大半が「手」を使うことが出来るという点だ。 「みんな、ゆっくりよういした?」 「「「「「ゆっくりよういしたよ!」」」」」 「それじゃあ、ゆっくりかりにいくよ!」 「「「「「ゆーゆーおー!」」」」」 そんな掛け声とともに意気揚々と群れの巣の密集地から飛び出したのはまりさをリーダーにした6匹の成体ゆっくり。 彼女たちのうち5匹の手には尖った石やこれまた尖った刺突用の木の枝数本など、思い思いの武器が握られている。 もっとも、人間や胴付き、一部の特殊な種のように本当に手が生えているわけではない。 「おちびちゃんたち!みんなといっしょにおはなさんのかんむりをつくるよ!」 「「「ゆっくちがんばるよ!」」」 「ぱちぇとれいむがやりかたをおしえてあげるから、ゆっくりみてなさい!」 と、子ども達に指示を出しながらもぱちゅりーは揉み上げを巧みに操って花の冠を作り上げていった。 そう、この群れのゆっくり達は皆、自分の髪の毛の一部を手のように扱うことが出来るのだ。 おかげで植物でものを結えるという技術を習得しており、簡単な道具を作る技術を持ち合わせていた。 「まりさはかわさんをわたってくささんをさがしてくるよ!」 「むきゅ〜、ぱちぇたちはかわさんをわたれないからきをつけてね!」 「ゆっへん、えださんがあるからだいじょうぶだよ!」 元より揉み上げを操る個体のいたれいむ種はもちろん、ぱちゅりーやまりさも髪の毛を手として使うことが出来る。 まりさに限っては手が一本しかないことになるが、その分他の個体よりもずっと力強く発達したため、彼女らの劣等を示すものではない。 何より、たった一本の手でも水上に漕ぎ出すことのあるまりさ種にとっては水上移動の面で画期的な進歩をもたらした。 「ちぇんはきにのぼってくだものさんをおとすよー」 「ちーんっぽ!まらまらっ!」 「みょんははんれいでくだものさんをうけとめるんだねー、わかるよー」 もともと尾のあるちぇんもまた器用さでは敵わないながらも自分達の得意分野である身のこなしを武器に群れで十分な地位を確立している。 みょん種は手こそないものの、「はんれい」と呼ばれる浮遊する何かを自在に操ることで様々な作業をこなすため、群れには欠かせない存在だ。 手と、道具という新しい概念は巣穴の強度や巣のカモフラージュを大幅に向上させ、ゆっくり達の暮らしを、文化を大きく変えた。 「おちびちゃんたち、おともだちとす〜りす〜りしようね!」 「「ゆっくちりかいちたよ!す〜りす〜り・・・」」 「ゆーっ!とってもゆっくりしたす〜りす〜りだよ!」 親の指示に従って初めてあった仲間とす〜りす〜りをするのは子れいむと子まりさ。 しかし、彼女たちのすりすりはほかの群れのものとは大きく異なっていた。 本来なら頬同士をこすり付け合うのだが、彼女たちは自分の手で相手の頬を撫でている。 「ゆゆっ、ありすがおとりになるわ!」 「ゆっくりりかいしたよ!ありすはおててがないからゆっくりきをつけてね!」 「みんなもいつもどおりにやるよ!ゆっくりじゅんびしてね!」 「「「「ゆー、ゆー、おー!」」」」 先ほど狩りに出かけたあの集団は威勢良く叫んだ。 作戦は至ってシンプルで、ありすが囮になって動物をおびき寄せ、残りの5匹が相手に攻撃を仕掛ける。 今回のターゲットはネズミ、ゆっくりにとっては手がなければまず勝てない最大級のターゲットだ。 「ねずみさん、ゆっくりでてきなさい!」 「ちぅ・・・」 「いなかもののねずみさん!ありすをつかまえてごらんなさい!」 そう言って、口に含んだ石をネズミ目がけて飛ばす。 その一撃は見事に命中するが、ネズミにとって大したダメージではないようだ。 が、幸いにも挑発としては十分だったらしくぽよんぽよんと跳ねて逃げるありすを猛烈なスピードで追いかけ始めた。 「ゆゆっ、ねずみさんなんかに、つかまら・・・ゆひぃ!?」 「ちぅ・・・ちぅ・・・」 「ゆぐっ!や、やべでっ、やべなざいよぉ!?あでぃずのあ゛んよおおおお!?」 そして、あっという間にありすに追いついたネズミは彼女の下に潜り込むと力任せにひっくり返して底部を齧る。 幸いにもまだカスタードは漏れ出していないが、かなり広範囲にわたって底部に傷をつけられた。 もし生き延びることが出来ても、しばらくの間ありすは狩りに行くことが出来ないだろう。 「いまだよ!ゆっくりいくよ!」 「「「「ゆうううううう!!」」」」 「ちぅ!?」 ありすがいっそう大きな悲鳴を上げた直後、物陰に潜んでいた5匹が一斉にネズミ目がけて殺到。 手にした尖った枝を全力でネズミに突き立て、怯んだ所でリーダーまりさの石による殴打が頭部に直撃した。 それでもネズミはまだ意識を手放さないが、これだけの傷を追ってはたとえ相手がゆっくりでも逃げることは叶わない。 そうこうしている内に、力尽きたネズミはまりさ達に捕獲された。 「さあ、みんな!ゆっくりかえるよ!」 「れいむはねずみさんをはこぶよ!」 「まりさもねずみさんをはこぶよ!」 「じゃあ、のこったみんなはありすをはこんでね!」 リーダーの号令の下、4匹はネズミとありすを引きずって群れの巣穴の密集地へと戻った。 一応、3匹がかりで運ばれるありすだったが、ゆっくりの力で彼女を持ち上げての輸送など出来るはずもない。 したがって、彼女は仰向けになった格好でずるずると引きずられて巣への帰ることになった。 巣についた頃には髪が砂で汚れ、酷く痛んでしまっていたことは言うまでもないだろう。 同刻、群れのお医者さんのぱちゅりーのおうちにて・・・ 「ちーんっぽ!!」 「わがだだいよぉー!?」 「むきゅ、ふたりともおちつきなさい!」 先ほど果実を収穫していたみょんとちぇんが医療担当のぱちぇの治療を受けていた。 正確に言えば、みょんに連れられてぱちぇの下にやって来た底部に傷を追ったちぇんが治療を受けていた。 本来、落下したちぇんを受け止めるのもみょんの仕事なのだが、果物をキャッチした直後のことだったため、それが出来なかったらしい。 「このはっぱさんをすりつぶしてぬりぬりすればすぐによくな・・・」 「ぱちゅりーせんせー!あ、あ・・・ありしゅのいもーとがああああ!?」 「ゆひぃっ!?い、いぢゃいぃぃぃぃ!?ありぢゅのときゃいはにゃ、あ゛んよぉ・・・!?」 妹と思しき赤ゆっくりサイズのありすを引きずった子ありすがぱちゅりーのおうちに飛び込んで来た。 子ありすは顔面蒼白で、何とかこらえているのだろうが目にいっぱいの涙をためている。 妹ありすは底部からカスタードを漏らし、涙をこらえることもせずゆんゆんと泣き叫んでいる。 「むきゅ、ひきずってきちゃだめでしょ?」 「ご、ご・・・ごべんなざいいいい!?」 「おこってないからそんなにこわがらないでね!」 と、ぱちゅりーはありすに微笑みかけるとみょんにすり潰した葉をちぇんの傷口に塗るように指示した。 同時に、その薬はとても苦いから口内を切っていてもそこには塗らないように言い含めて。 みょんが元気良く返事したのを聞いたぱちゅりーは急いで妹ありすの治療のための薬の準備を始める。 「あ、ありしゅもてつだうわ!」 「だめよ、おくすりさんはみんなにがにがなのよ」 「ゆぐっ・・・!?」 子ありすの申し出を断ったぱちゅりーはさっきとは異なる葉をせっせとすり潰している。 その間、子ありすは妹ありすの底部を一生懸命舐めていた。 もっとも、カスタードが漏出するほどの怪我には効果のないのだが。 「ぱぱ、ぱちゅりー!れいむのおぢびぢゃんがああああああ!?」 「むきゅ、おちつきなさい!れいむはおとなでしょ?」 「ゆひぃ・・・ゆぐっ・・・おかーぢゃ、ゆぐぅ・・・」 焦るれいむを一喝すると同時に、ぱちゅりーは考えた。 困ったことに人手が足りない、と。 が、即座に策を見出した彼女はれいむに指示を出す。 「れいむ、ありすのあんよにくすりをぬりぬりしてあげてね!」 「ゆぅ、どうして?」 「てがたりないからよ!ぬりぬりなられいむもできるでしょ?」 「ゆっくりりかいしたよ!」 他のゆっくりでも出来ることは他のゆっくりに任せ、自分の出来ることに専念する。 ぱちゅりーの判断は非常に正しいと言えるだろう。 そして数分後、無事治療を終えたゆっくり達は安堵のため息を漏らした。 「むきゅぅ・・・れいむはたべれないくささんをたべちゃっただけよ。もうたべちゃだめよ?」 「ゆっくちりかいちたよ!」 「ところで、ありすはどうしてあんよをけがしたの?」 「おそとであそんでたら、いししゃんをふんだのよ!」 ぱちゅりーが職務の一環で姉の子ありすに妹ありすの怪我の原因を尋ねると、姉ありすは笑顔でそう答える。 瞬間、ぱちゅりーとれいむとみょんとちぇん、つまりその場にいた成体全員が口を開いて絶句した。 それから、静かに、だが有無を言わせぬ口調でぱちゅりーは姉ありすに説教を始める。 「どうしてそんなちいさなこをおそとにつれていったの?」 「そうだよ!ちいさなこはおそとにでたらあんよをけがするよ!」 「けがさんはゆっくりできないよー」「ちーんぽ!」 そう、赤ゆっくりはある程度大きくなるまで巣の中で過ごさねばなければならない。 また、彼女達が退屈して外に出て行かないようにするのは姉や近所のまだ狩りにいけない子ゆっくりの仕事だ。 それなのに赤ゆっくりを外に連れ出したというのは、ある意味で群れに対する背信である。 「ゆぐっ・・・だって、だってぇ」 「だってじゃないでしょ!おねーちゃんでしょ?」 「でも・・・いもーちょが、おう゛だとおぢゃべりだけぢゃ・・・ゆっぐぢでぎだいっで・・・!?」 彼女の涙ながらの言葉を聞いて、れいむとみょんとちぇんは首?を傾げた。 一方、ぱちゅりーは事情を把握できたらしく、ゆっくりにしては神妙な面持ちを浮かべている。 「もしかして、ありすのおかーさんはまりさかしら?」 「ゆっぐ・・・ぢょーだよ。どこが、いっぢゃだけど・・・」 「おかーさんのありすに“すりすりはとかいはじゃない”っていわれてるのね?」 今のやり取りを簡単にまとめると以下の通り。 ありすの両親はまりさ種とありす種で、まりさの方は子ども達を捨てて、あるいはありす種だけを捨てて出て行ってしまった。 おそらく、そのまりさはありすとつがいになることを望んでいなかったのだろう。 「しょーだよ・・・!おででぢゃないずりずりは・・・ずっぎりーとおんなぢだがら、はぢだないって・・・」 「かぞくとならほっぺですりすりしてもぜんぜんおかしくないよ!」 「でぼ、でぼぉ・・・ま゛ま゛がぁ・・・ゆえええええええええん!」 そして、まりさがありす達を捨てて出て行った理由。それは・・・ 彼女達には手が、あるいは手の代わりになるものがないから、ただそれだけだった。 今更ではあるが、この群れについていくつか話をさせてもらう。 この群れのゆっくりは冒頭で述べたように大半が手に相当する極めて器用な器官を有しており、それによって高い生活水準を獲得している。 道具を使うことで小型の哺乳類を狩ることが出来たり、葉っぱをすり潰して効果を大きくしたりというのが例だと言えよう。 とはいえ、その他の要素において手を持たないゆっくりと彼女達の差異はあまりない。 食料は大半の群れがそうであるようにおおむね自給自足で、他のゆっくりの所有物が欲しければ物々交換するしかない。 奪い取ることも可能ではあるが、そんなことをすれば当然群れから弾き出されてしまう。 そうなってしまうと、外敵の脅威が大幅に増す上に皆でゆっくりすることが出来なくなるので精神的にもダメージが大きい。 それに、単独では狩れない手ごわい獲物には当然手が出せなくなるし、かつての仲間に狩りの邪魔をされることだってあり得る。 何にせよ、一利のために百害を甘受するような馬鹿は滅多にいない。 他には手があるために赤ゆっくりの世話がしやすく、彼女達の世話を子ゆっくり達が行う点も特徴的だ。 ゆっくりの巣にある危険物などせいぜい狩りの道具くらいで、それも両親が巣を空けている時はたいてい持ち出されている。 また、手があるからといって特別行動範囲が広がるわけでも俊敏になる訳でもないので手のある赤ゆっくりの世話の手間は従来の世話と同じ。 よって両親が留守のときは姉や近所の子ゆっくりが巣に上がって、赤ゆっくり達の世話をする慣例が生まれたのだ。 赤ゆっくりの育児に関連することでもあるが、ゆっくり同士の遊びのレパートリーが増えた点も見逃せない。 仲間同士で手を叩き合ったり、高い高いをしたり、綱引きのような遊びをしたり、チャンバラごっこをしたり・・・ 口の代わりに手を使っているだけのものもあるにはあるが、間違いなく口や頬だけでは出来ない遊びがたくさん増えた。 その一方で失われた遊びもいくつか存在する。 例えば頬ずりをお互いを舐めあうといった類の遊びが手を用いた類似の遊戯に取って代わられた。 結果、スキンシップを図る機会が減り、それに伴ってそれらの行為は親密なもの同士での特別な愛情表現になった。 同時に、それらの行為を外で行うことは非常にはしたない行為になってしまった。 人間でいうならば、往来の真ん中で女性の胸を揉むようなものだろうか。 もっとも、これらの変化が認められるのは手やその代替を持つ種のみであり、それ以外の種は他の群れとまったく変わらないのだが。 変化してしまった者達の目には、変化する前の習慣は珍妙な、あるいは異常な、あるいは淫猥なものとしてしか映らない。 また、手がない種が群れのために出来る貢献は能力差によって、あるいは頬や口で手の代替とすることへの多種の持つ嫌悪感によって少なくなってゆく。 そして、比較的数の多い通常種の中で手の代わりになるものを持たないのはありす種だけだった。 とかいはを自称する彼女達が、皮肉にもただ一種、進化と発展に取り残されてしまった。 再びお医者さんぱちゅりーの巣にて・・・ 「ぱちゅりー!あ、ありすのあんよさんが!?」 「むきゅ、またなの!?」 「ゆぅ・・・ゆゆっ!ままーっ!?」 担ぎ込まれてきたのは先ほどネズミ狩りの際に囮になって負傷した成体ありす。 どうやら先ほど治療を受けたありす姉妹の母親だったらしい。 姉ありすは妹のそばを離れて、葉っぱの上に寝かされているありすの傍へ跳ねていった。 「ままー!ゆ、ゆっくりだいじょうぶ!?」 「ありすはだいじょうぶよ!ありすはとかいはなのよ!」 「むきゅ〜・・・でも、このけがじゃしばらくはかりにいけないわ」 人間ならば眉間にしわを寄せていそうな表情で呟くぱちゅりー。 その傍らではリーダーまりさのつがいだったらしいれいむが、彼女に「どこのありす?」と尋ねている。 まりさは小声で「むれのはずれのおうちのありすだよ」とだけ答えると再びアリスの様子を伺った。 「おちびぢゃん・・・まま、とってもとかいはなねずみさんをつかまえたわ」 「でぼ、でもぉ!?そんなげがぢだらゆっぐぢでぎないよぉ!?」 「そんなこどいっぢゃだめよ!とかいはにしでたら、だーりんがかえってきてくれるのよ!?」 彼女を気遣って泣きじゃくる姉ありすに向かって、母ありすはヒステリックに叫んだ。 だーりんのまりさに帰ってきてもらうためには、手がなくてもとかいはのゆっくりを得られることを証明しなければいけない。 いつかだーりんが帰ってくればきっとゆっくり出来る、と。 「ねえ、まりさ・・・どうしてありすをかりにつれていったの?」 「ゆぅ・・・まりさはおててがないとあぶないよ、っていったよ。でも・・・」 「むきゅ、みんなゆっくりだまってなさい!ちりょうのじゃまよ!」 ぱちゅりーは不毛な都会派語りを繰り広げるありすと、不愉快な内緒話をするれいむ・まりさを一喝。 その一声で巣の中はしんと静まり返り、ぱちゅりーが葉っぱをすり潰す音だけが響き渡る。 やがてその音も消え、今度はありすの底部に薬を塗る、音とも呼べない静かな音だけが場を支配する。 「・・・まりさはもうおうちにかえるよ!ぱちゅりー、ありすをよろしくね」 「ゆゆっ、れいむもかえるよ!まりさー、ゆっくりまってね!」 「ちぇんたちもおうちにかえるよー」「ちーんっぽ」 そうこうしている内に、間が持たなくなった4匹はそそくさとぱちゅりーの巣を後にした。 巣の中にいるのは3匹のありすとぱちゅりーだけ。 「むきゅ〜、ちりょうはおわったわ。でも・・・これじゃごはんさんがあつめられないわ」 「ゆゆっ、だいじょうぶよ!ありすはとかいはなんだから!」 「ままーっ!もう、とかいははいいよ・・・さんにんでゆっくちしようよ!」 それでも母ありすは必死にすがりつく娘の言葉を突っぱね、あまつさえ「そんなこはありすのこどもじゃないよ」とまで口にする。 彼女にとって、まりさが居るということは、とかいはであるということはそれだけ大事なことなのだろう。 いたたまれなくなったぱちゅりーはゆっくりと外に出てると夕日に照らされて朱に染まる空を眺め、ため息をついた。 この群れでは他の種族がありすとつがう事は基本的にあり得ない。 というか、ありす種は群れの巣の密集地から離れた場所に住んでいるため出会う機会そのものが稀。 極端な場合には本来本能で知っているはずの種の名称からありす種だけ抜け落ちていることさえあった。 もし、つがうことがあるとすれば・・・群れを追放されたゆっくりが群れへの未練からありす種達の巣に厄介になった時くらいだろう。 ぱちゅりーにはそんなゆっくりに、一利のために百害のリスクを背負う馬鹿なゆっくりに心当たりがあった。 「まりさ・・・あなた、ぜんぜんはんせいしてないのね・・・」 つづく −−−あとがき。いや、なかがき?−−− 「はんれい」が無理やりすぎるとか、「シャンハイ・ホーライは?」なんて突っ込んではいけない 当初は手がないことを理由にありすがひたすら差別される話だったのに、 いつの間にかお医者のぱちぇが主役になってやがる・・・・・・だと? このSSにいったい何があったというのだ!? そして、続く予定がなかったのに続くってどういうことなの!? わからないよー byゆっくりボールマン このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/326.html
短いけど書いてみた。 「ゆっくり相撲」 最近里の子供達の間ではやっている遊びがある。 「ゆっくっゆぎゅれいむゆっくりおちていってね!」 「ゆぶっゅべっゆっぶっまりさこそゆっくりおちていってね!」 里の寺子屋、裏返したタライの上で二匹のゆっくりが互いを押し合っている。 といっても別に発情しているわけではない。 虫の代わりにゆっくりを使った「ゆっくり相撲」をしているのだ。 周りを里の子供達が取り囲み「つぶせっ」だの「おしだせ!」だのと囃し立てている。 ゆっくり相撲とは、種類の違うゆっくりを捕まえて来て取っ組み合いをさせる遊びだ。 「ゆっくりできる場所を教えてあげる」「美味しい食べ物をあげる」等といえば殆どのゆっくりは疑いもせずついて来る。 その後タライに乗せ「押し合いをして、勝った方には特別なご馳走をあげる」と言えば、割と簡単に押し合いを始める。 時々、言う事を聞かずご馳走だけを強請って五月蝿いゆっくり達もいるが、全員で蹴り飛ばしながら脅せば大概言う事を聞くのである。 今日捕まえてきた二匹はどうやら親友同士らしく 連れてくる途中「ゆっくりたのしみだねー」「どんなところでゆっくりできるんだろうねー」と声を掛け合っていた。 だが、子供達はゆっくりさせる気もなければご馳走をあげる気もない。 負けた方のゆっくりを勝ったゆっくりに特別なご馳走として無理やり食べさせるのである。 この間は姉妹同士のゆっくりを争わせた。 勝ってご馳走が食べれるとはしゃぐ姉、ずるいずるいと騒ぐ妹。 ご馳走をあげると言い、互いを向き合わせ、目の前で妹を踏み潰してやった。 目の前で潰され、息絶えた妹ゆっくりを見て半狂乱になる姉ゆっくりを見て大笑いをしながら、潰れた妹を無理やり食わせる。 「い”も”う”と”を”か”え”し”て”ぇ”ぇ”ぇ”」「ゆ”っ”く”り”で”き”な”い”ぃ”ぃ”」だのと喚き散していたくせに、口の中に捻じ込むととたんに「うっめ、メッチャうめ!」「しあわせー」と喜ぶゆっくりを指差して腹を抱えて笑った。 あの後、日が暮れるまで残った姉を皆で蹴り回して、適当な木の枝に刺して帰った。 次の日に鞠代わりに蹴り飛ばして遊ぼうと木を見たら木の根元に少量の餡子とリボンが落ちていた。ゆっくりれみりゃにでも食べられたのだろうと皆で残念がった。 「ゆゅっゆっおちちゃうよっゆっくりおちちゃうよっ」 「ゆっくりおちてね!ゆっくりおちてね!」 もうすぐ勝負がつく。ご馳走にありつくゆっくりも決まりそうだ。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/323.html
昼。 仕事を終えて家に帰る。 鍵を開けようとしたところ、もう開いていた。 泥棒かと思って中に入れば、ゆっくりがいた。 「ゆっ! おにーさん! ここはまりさたちがみつけたおうちだよ! ゆっくりでていってね!」 「「「でていってね!」」」 数えて四匹のゆっくりまりさがそこにいた。 何をしているかと思えば、食料庫に置いておいた食べ物を全部食われている。 ご丁寧に貴重な胡椒や塩もだ。 しかし、俺はこいつ等を無視して台所へ向かう。 台所も荒らされており、鍋やらヤカンやらが散乱していた。 俺はそれをかき分けて椅子に座る。 そこで近所の子から貰った昼飯の握り飯を頬張った。 「ゆ! なにしてるのおにーさん! はやくでていってね!」 台所にいる俺を見つけて親まりさがぷくっと膨れて怒る。 子供たちも真似するように小さく膨らんだ。 「別にお前達の邪魔をしてないからいいだろう、ここはお前達の家なんだから俺は家具だとでも思えばいいさ」 俺はそう言って飯を食らう。 まりさ達はそれが気に食わない様子だった。 「いいかげんにしてよ! ばかなの? おにーさん!?」 「ばかなの?」 「しぬの?」 非難を浴びるが、俺は冷静に返す。 「ああ、馬鹿だよ」 その言葉に、俺が自分達より格下だと判断したらしくまりさは調子に乗る。 「さすがばかだね! ここがだれのいえかわからないなんて! いきてるかちないんじゃないの!?」 普通、並みの精神の人間だったらここでどうしていただろうか。 間違いなく引きちぎって殺していたに違いない。 「そうかもな」 「ゆふん! ばかなおにーさんはここでのたれじんでね!」 俺をせせら笑ってまりさ達は自分達がいた部屋へ向かった。 飯を食い終えた俺は、取り合えず眠りにつく事にした。 夜。 目が覚めるとゆっくり達がぷるぷると震えていた。 饅頭らしくおしくら饅頭をして暖を取っているようだ。 春になったばかりの夜はとてつもなく寒い。 「ゆうぅ……ここでさむさをしのごうね!」 「あったかいよおかーさん!」 「だいじょうぶだよ!」 「ぬくぬくだよ!」 まりさ達はみんな親を心配させないように言う。 家族愛って奴だろうか。 俺は台所にしまってある毛布を使い、それを服の中に仕込んだ。 そのまま掛けて寝れば、ゆっくり達に奪われるかもしれない。 多少動きづらかったが、晩御飯の準備をした。 今日は鹿のスープだ。 言い忘れていたが俺の職業は狩人で、山の近くで暮らしている。 そんな事はともかく、作業に移る。 調味料は食われていたため、お湯の中に山菜と鹿の茹でた肉が入ったような質素なものとなった。 しかし、それでもうまそうな匂いがするらしく、まりさ達が俺の元へやってくる。 「ばかなおにーさん! それをまりさによこしてね!」 無視。 するともう一度まりさが叫ぶ。 「おにーさん! それをまりさによ・こ・し・て・ね!」 よこせを強調するが、無視。 俺は体当たりされてスープを零されてはたまらないので、一気に飲み干す。 「どうしてくれないの!? なんで? いいかげんしんでよ!」 「俺はお前の家の一部で家具だ、家具はお前のためにご飯を作らないしあげもしない。それにお前はゆっくりだろ、自分で狩りくらいできるだろ」 その言葉にぐっと歯を食いしばるまりさ。 確かにその通りである。 まりさはゆっくりの中では知能があるほうで、狩りは得意なはずだ。 「おかーさん、おなかすいたよ……」 さむそうにしていた子まりさの一匹が親に言う。 親は憎しみの表情を浮かべて俺を睨んだ。 だが、無視。 「まぬけなおにーさんがごはんをくれなくてごめんね! あしたたくさんごはんをとってきてあげるからね!」 子供達は不服そうだったが、やがて親に従った。 (あの様子だと食料庫の中身全部なくなってるわけか) 俺はそう考える。 まりさ達的にはもう春が来ているようで、ご飯を溜め込むなんて事はしなくなる。 食べられるだけ食べる、というのがゆっくりの習性だ。 俺は早めに家を出る事にした。 朝。 俺が目を覚まし居間へ行くと、寒さに震えながらもすやすやと眠っているまりさ達がいた。 起こさないように猟銃を持ってすべての部屋の鍵を閉める。 そして俺は狩りへ向かった。 お昼ほどになって、俺は狩りをやめる。 そして、食料を調達するために里へ向かった。 里は相変わらずにぎやかだった。 そこで俺はあるお店を見つける。 店の名前はゆっくり屋という名前だった。 中に入ってみると、ゆっくりれみりゃがお迎えをする。 「ごんでぢわ! おぎゃぐざまはなんべーざまでづが!?」 鼻にかかる声で人数を聞かれたので俺は一人だと答える。 すると、ゆっくりれみりゃが少しほっとしたような顔をした。 「あ、いらっしゃいませ! こちらへどうぞ!」 後から店員がやってきて、俺を席へ案内する。 メニューを渡されて、俺は目を通してみた。 ゆっくりれみりゃの腕のハンバーグ。 子れみりゃの肉まん。 奇形子れみりゃの踊り食い。 ゆっくりれみりゃの足の丸焼き。 等と書かれていた。 俺はとりあえずハンバーグと肉まんを頼んでみる事にした。 数分経ってから、店員とれみりゃが俺の前にやってくる。 しかし、料理はなかった。 「いまからお客様の前でれみりゃの調理をします、ごゆっくりとお楽しみください。ほら、やれ」 店員が言うと、泣きべそをかいているれみりゃが自分の腕を台の上に置いた。 そして、あろうことが自分の腕を引きちぎったではないか。 「う゛ぐぎぎぎぎぎぎぎ!! い゛だい゛ー! ざぐやー! ざぐぐぇっ!?」 泣き叫ぼうとしたところ、店員に殴られるれみりゃ。 さらに指示されると、自分のもう片方の腕で腕を叩き潰した。 いい感じに余計な肉汁がこぼれる。 店員は満足そうな顔をしてそれを焼いた。 「はい、お待ちどうさまです」 「どうも」 俺はそれをいただく。 餃子の中身を食っているような味がした。 たしかにハンバーグといえばハンバーグだが。 次に用意されたのは踊ってやってきたれみりゃだった。 その上にはぱたぱたと子れみりゃがいる。 「う~☆ れみりゃのこどぼがわいいでそ~?」 俺がああ、と答えると腰に手を当てて尻を振る。 ダンスのつもりなのだろうか。 はたから見れば挑発してるようにしか見えない。 「いまですお客様、尻をはがしてください」 店員が言うので、俺はとっさにれみりゃのスカートを引っ張り、尻を丸出しにする。 別に子供と変わりないような尻だった。 かといって欲情したりしないが。 「う゛~なにするどぉー! れみりゃのぷりでーなおしりっがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 行ってる途中で悲鳴を上げる。 なにせ店員がナイフで尻の皮を切っているからだ。 一定の大きさに切り終えると、今度は親の前で子を叩き潰す。 「う゛ぎゅ!?」 「ぶぎゃっ」 間抜けな悲鳴がしたあと、台の上に肉の塊があった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! れ゛み゛り゛ゃのあがぢゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」 それを無視して切り取った尻の皮に先程の子れみりゃの残骸をつめ、蒸篭に入れた。 しばらくたって、ほかほかと湯気が立ち上る蒸篭を開けるとなんと肉まんが完成しているではないか。 とても不思議だ。 そして何より吃驚したのがこれだ。 「ぅー ぅー」 小さな声だが、小刻みに震えながら声を出す肉まん。 かろうじて生きていた子れみりゃが再生し始めていたので、こんな風になるらしい。 よくかんで食べれば腹の中で再生することはないらしい。 俺はそれを美味しくいただき、勘定を払って店を出た。 また夜。 返ってくると瀕死のまりさがいた。 やせ細っていて、今にも死にそうである。 一日半食べなければ餓死するのか。 「おに、さん……ごは、ん、ちょうだ、いね……」 弱弱しい声を出すが、俺は無視する。 「このまま、じゃ、まりさたち……しんじゃう、よ……?」 「だから?」 俺は買ってきた物で料理を作る。 匂いに釣られて子供達もやってきた。 「それ、ちょ……だい」 「……」 俺は無視して飯を食う。 まりさたちは血眼になってそれを見ていた。 「お前達は自分で狩りができるんだろ? なら必要ないじゃないか、あと食料庫から食べればいいだろう」 鍵を閉めたのは俺だなんて眠っていたこいつらには分からない。 ただ、部屋から出られず、ただ衰弱していった。 「おかーさん……おなか、すいたよー……」 その言葉にまりさも限界が来たらしい。 歯を食いしばり、俺に飛び掛ってきた。 「えざよごぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 俺は銃を取り出し、飛び掛ってくるまりさの口に突っ込んだ。 「別にいいぞ、黒胡椒の飴を食わせてやってもいい」 黒胡椒の飴、つまり弾丸の事だ。 まぁ胡椒は発火に使うものだが。 「ゆぎぎぎ! よごぜ! よごぜぇ!」 喚くまりさを無視して、俺は飯を食い終える。 そして毛布を服に仕込んで寝た。 最初は、喚きたてるゆっくりがうるさかったが、段々と静かになる。 朝。 起きると、一家は死んでいた。 餓死と凍死だろう。 皆、死への恐怖に目を見開いている。 俺は、一匹を釘で指して壁に張り、ゆっくりが来ないようにする。 さすがに何度も来られては、こっちの身ももたない。 そして残った方は、今日の昼飯となった。 別に殺そうと思えば殺せる。 だが、こいつらのために体力を消耗したり、貴重な弾丸を無駄にしたくはなかった。 ゆっくりなど、所詮閉じ込めてしまえばいずれ死ぬ。 だから、余計な手は加えない。 俺はそう考えている。 居座ったゆっくりなど無視して生活すれば勝手に死ぬのだ。 俺は鹿を狙い打って、今日の晩御飯を手に入れた。 あとがき 皇国の守護者のパロディでもやろうかと思ったけど辞めた。 サーベルタイガーにでも食わせるかな? 新城ォォッ! このアフォが書いた作品 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング1~3 霊夢のバイト 慧音先生とゆっくり ゆっくりCUBE 書いた猟師:神社バイト このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4336.html
ゆっくり脳内補完 秋も深まり様々な色に紅葉した葉がひらひらと舞っている。 山の生き物たちはもうすぐそこに迫った冬に備えて、残り少ない食料をかき集め冬篭りの準備に精を出していた。 木の皮を口にくわえて剥がし、溝に潜っている丸々太った芋虫をズルッ!と引きずり出して「ゆっくりぃ!」と叫ぶまりさ それを見てにっこりと微笑みながら「ゆっくり!ゆっくり!」と落ち葉の絨毯の上を跳ねるれいむ この二匹も他の生き物たちと同じく、来る冬に備えて最後の食料集めに勤しんでいた。 二匹とも頬をパンパンに膨らましている。別に怒っているわけでは無く、手足の無い顔面だけの生き物であるゆっくりは こうして口の中に食料を蓄え、巣に持ち帰るのである。 「ゆっ!虫さんもお花さんも草さんもいっぱい集まったね!これだけあれば冬を越せそうだよ!」 「ゆっくり!」 「ちょっとゆっくりしすぎちゃったね!おちびちゃん達がきっとおなかをすかせてるよ!」 「ゆゆっ!ゆっくりぃ!」 「あせりはきんもつだよ!他のゆっくりやどうぶつさんの邪魔にならないようにゆっくりかえろうね!」 「ゆっくり!ゆっくり!」 ぽいんぽいん!と落ち葉を踏みしめながら家路に着くまりさとれいむ 長い冬を過ごす事になる二人のゆっくりプレイスは群れの隅にある大木の根元に穴を掘ったものであった。 「ゆゆ~ん♪ただいま!おちびちゃんたち!ゆっくりごはんにしようね!」 「ここはお兄さんのゆっくりプレイスだよ!小汚いまりさ達はさっさと出て行ってね!」 「ゆっく・・・ゆゆっ!?」 木の根元に掘られた巣穴の前にはサガットステージの仏像のポーズでゆっくりしているお兄さんが居た。 クッチャクッチャと音を立てて食べ物を食い散らかしている。 「ゆっ!ゆゆっ!?」 まりさは口をポカーンと空け、溜め込んだ芋虫をポロポロとこぼした。れいむの口からはちょうちょさんが飛び立って行った。 「な、なにいってるの?ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!ばかなの?しぬの?ぷくぅ!」 とりあえず膨らんで自分の屈強さをアピールしつつ威嚇するまりさ 「ばかなにんげんさん、ゆっくりきいてね!!巣の中にはまりさたちが集めた虫さんやお花さんがあったでしょ? ここがまりさたちの巣といううごかない しょうこだよ! ゆっくり りかい したらとっとと出て行ってね!」 まりさは勝ち誇った顔をしながらニヤニヤと笑みを浮かべている。 お兄さんはそんなまりさの説明にも全く表情を変えずゆっくりと上体を起こした。 「なに言ってるの?虫や花は勝手に巣に生えてくるものでしょう?いい加減な嘘でおにいさんを騙さないでね!ペッ!」 そういうとお兄さんは口をモゴモゴさせて何か汚いものを吐き出した。べちゃり!と音を立て黒い塊が地面にこびりつく 「ゆ゛っ!?ゆゆゆゆゆゆ!?」 このお兄さんは何を言っているのだろう?虫さんや花さんが勝手に生えてくるわけが無いではないか まりさとれいむで毎日一生懸命に集めたから今ここに蓄えられているのであって 勝手に生えてくるというその理屈はおかしい。ばかなの?しぬの?もう冬なのに頭の中は春まっさかりなの? 「まりさは野菜は勝手に生えてくるって言ってたじゃない?なら虫や花も勝手に生えてくるに決まってるでしょ?ペッ!」 また黒い汚いものを吐き出すおにいさん、まりさはわけの分からない事ばかり言うお兄さんに苛立ちを覚え ぷるぷるとその身を揺らしながら青筋を立てている。 「おやさいさんは勝手に生えてくるけど虫さんや花さんは生えてこないんだよ! そんなことも知らないの?ゆゆゆっ!あとその「ペッ!」やめてね! これ以上ゆっくりプレイスを汚したらただじゃおかないよ!ゆっくりやすりすりをできなくするよ!ぷんぷん!」 怒りを露にするまりさをよそに、れいむはまりさとお兄さんを交互に見つめては 「ゆっくり!」「ゆっくりぃ!」とぽいんぽいんその場で跳ねながら 二人ともゆっくりしよう!ゆっくりしていってよ!と訴えかけているが、 はたから見れば、薄ら笑いを浮かべながらその場で跳躍を繰り返すド饅頭にしか見えない。 「ゆっ!そうだ!巣のなかにはまりさたちのかわいいおちびちゃんたちが居たでしょ? ここがまりさたちのゆっくりプレイスというゆるぎない しょうこ だよ!ゆふん!」 お兄さんは鼻をほじりながら 「きゃわいいおちびちゃん?・・・そんなのは居なかったよ?お兄さんのゆっくりプレイスに後から勝手に入ってきて 「きょきょは まりちゃたちのおうちだよ!じじぃは ちゃっちゃと でていってね!ぴゅんぴゅん!」とか ワケの分からない事を言ってかわいいお兄さんにつっかかってきた小汚いクソゆっくりなら居たけどね。」 「ゆがあああ!?くそゆっくりとかいわないでね!それがまりさ達のかわいいおちびちゃんだよおぉぉ!? なんで かってにはいってきた とかいうの!?あきらかにさきにいたでしょおおお!?・・・ゆっ?」 お兄さんが吐き出した黒くて汚い物体・・・よく見るとそれには見覚えがあった。 黒く歪んで汚れているが、この赤いリボンの様な形状、そしてこの三角帽子の一部のフリル・・・・これはまさしく、おちb・・! 「どうじでおちびちゃんの おかざり がおにいさんのお口からででくるのおおおお!?」 口から勢いよく唾液を飛ばしながら叫び取り乱すまりさ、その時である。 「ゅ・・・ぐ・・ぃ」 お兄さんの口から「ヌロォ」っと赤れいむが顔だけ除かせた。 歯と白目をむいて時々痙攣し、苦悶の表情を浮かべている。 「おちびちゃぁぁん!?どうしてそんなところにい゛る゛の゛おおおお!?」 「ゆくっ!?ゆくくり!ゆっくりぃぃぃぃ!」 鏡で映したような同じ表情で驚く親まりさと親れいむ 一方、ガクガクと震えていた赤れいむは親が目の前に居ることに気がつくと若干落ち着きを取り戻した。 「お゛っお゛があしゃぁぁん!はやくきゃわいいれいみゅをたしゅけてねっ!そしてきょのじじぃをきょろちちぇ・・・ゆぴっ!?」 再び苦悶の表情に戻る赤れいむ、お兄さんが赤れいむを前歯で固定しつつ舌で後頭部に穴を開け、それが皮の中の餡子に到達したのだ。 お兄さんはそのまま少しずつ赤れいむの体内に空気を注入していく、ぷくぅぅ!と膨れだす赤れいむ 「ゆ゛ぴ゛っ!?げぇっ!は、はやく・・・はやくたちゅけ・・・・ばや゛ぐじろおおおおお!!ばきゃぁぁぁあああ!!」 容量の少ない赤れいむの餡子脳にも一刻の猶予も無い状態という事が理解できたようで かわいさアピールもおろそかに親を急かす赤れいむ。実は口をずっと開いていれば空気は抜けていくのだが、それには気がついていない。 一方、親れいむは赤ゆっくりとは思えないほどの「ぷくぅ」を披露する赤れいむに 驚きと誇らしさ混ざったような、何とも言えない微笑みを浮かべ「ゆっくりぃ」と呟いた。 ダメだ、この親れいむ。 「おちびじゃあん!?ゆっくりしないで「ぷくぅ」をやべでね!ゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 微笑む親れいむをよそに、ぽすんぽすんと地団駄を踏み、オロオロしながら赤れいむに叫びかけるまりさ とうとう親ゆっくり位の大きさまで膨らんだ赤れいむ、もはや親に呼びかけることもでないほどにパンパンに膨れ上がっている。 「も゛っ!・・・も゛っ・・・!ゅ・・・く・・・ちゅちちゃ・・・・・・ぷひゅるるうるるるるるぅ!」 ゆっくりが死に直面した時、本能的に発する「もっとゆっくりしたかった」 それを言い終わる直前に空気を抜かれ急速に元の赤ゆっくりサイズに戻る。 すると先ほどの形相が嘘のようにゆっくりとした笑顔を浮かべ 「ゆぅゆぅ!なんだきゃ ちゅっきり ちたよ!ゆっきゅりー♪」 と、早くもゆっくりし始めた。よく分からないがゆっくりしている赤れいむを見て取り合えず安心する親ゆっくり 「ゆっ!ゆんゆん!おきゃあちゃんたちゅは ゆっきゅりちにゃいで ちょっちょちょ れいむをたちゅけてね!ぴゅんぴゅ・・・っゅぴぃ!?」 「ぷんぷん!」と言い放とうとして「ぴゅんぴゅ・・・っゅぴぃ!?」と叫んだ赤れいむ、様子がおかしい。 しぼみすぎである。そう、今度は急激にお兄さんによって中身を吸い出されているのだ。 やがて空気だけでなく餡子までも吸い出されはじめる。またしてもグルンと白目をむき舌をだらんと垂らし痙攣する赤れいむ。 「ゆっ・・・ゆぺっ!やべちぇにぇ!きゃわいい れいみゅの中身をすわにゃいでにぇ・・・もっちょ・・・ゆっ・・・」 餡子の残量が致死量に達し気が遠くなる赤れいむ、早々に「もっとゆっくりしたかった」を発言しだす諦めの良さだが 今回もまた言い終える前に餡子を体内に戻される。 「ぴゅっ!ぴゅみぃ!なんだからくになっちぇき・・・・ちゃば!?もっちょ・・・ゆ゛!!!・・・・ばべ!?・・・ゆ゛びひ!!」 餡子を戻されるや否やまた限界まで空気を送られ、破裂する寸前になると致死量に達する直前まで空気と餡子を抜かれた。 息を置かずに繰り返される強制「ぷくぅ!」と「ぷひゅるるる」の連続、やがて膨らもうが萎もうが赤れいむは反応しなくなり ゆ゛っ!ゆ゛っ!ゆ゛っ!と今日何度目であろうか、白目を剥いて痙攣するだけになった。 お兄さんは赤ゆっくりをふくらませた状態で口にガムテープを貼ると、 口の中でさくらんぼの枝を結べるその器用な舌で皮を結び、後頭部の穴を塞ぐと、 親ゆっくりの前に赤れいむを「グッパオン!」と吐き出した。 絶望的な状況のわりには「ぽいんぽいん」とシュールな擬音を発しながら赤れいむ風船は親ゆっくりの前に転がって行った 外に出ようとする空気のせいで赤れいむの眼球は飛び出す寸前まで押し出されている。 「おちびちゃあああああん!いますぐゆっくりさせてあげるがらね゛ええええ!」 「ゆっくり!ゆっくりぃ!!!」 涙と汗と涎と何なのか分からない液体を垂れ流しながら赤れいむに近づく親れいむ 「ゆっくりしていっ・・・ゆゆっ!?」 赤れいむの元へたどり着く直前、お兄さんにむんずと頭を掴まれ持ち上げられる親れいむ 「ふっふり!ふっふり!」 イヤイヤと首を振る親れいむ、体が縦に伸びきって上手に喋る事ができない。 お兄さんは伸びきった親れいむの口の中にポケットから取り出した飴玉を何粒か放り込み そのまま口をガムテープでふさいだ。 「ゆっくり転がっていってね」 そういうと親れいむを遠くへ投げ捨てた。ぷりんぷりんと体をくねらせながら地面に着地する親れいむ。 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 緩い傾斜になっている山道をぽいんぽいんと軽快に弾みながら強制的に下山していく親れいむ 転がりきった先で飴玉に気がつき、そこで存分にゆっくりしてくるだろう。さよなられいむ。 時間はたっぷりある。全てはここから 「ゆ゛ぁぁぁあ!?れ゛い゛むぅぅぅ!ゆっくりのぼってきてねぇぇぇぇぇ!」 徐々に遠ざかっていく親れいむとパンパンになっちまった風船赤れいむのどちらを先に助ければいいのかわからず 親れいむと赤れいむの居る方向を行ったり来たりしては時折「ゆっくり!」と叫ぶまりさ、 そうこうしているうちに親れいむの姿は見えなくなり、やっと踏ん切りがついたのか「ゆゆっ!」っと赤れいむの元に向かうまりさ、 しかし赤れいむの元にたどり着いた瞬間、お兄さんが足でそれを制する。 「落ち着け、不器用なお前が今赤ゆっくりに触ったら間違いなく赤れいむを破裂させるぞ」 この状況を作り出したお兄さんがそんなことを言う。 何だと言うのだ?この人間さんは?急に巣に転がり込んできてお家宣言をし、家族をひどい目にあわせる。 何処にいるかわからないが、他のおちびちゃん達もボロボロになった飾りを見れば無事ではないだろう。 まりさは沸々と怒りがこみ上げてくるのを感じていた。温厚なゆっくりでも時として獣のように荒ぶるよ! クワッ!と形相を浮かべお兄さんを睨み付ける。 「だれのぜいだど おも゛っでるのおおお!なんでごんなごどず「なんでこんな事になったかわかるか!まりさ!!」」 「ゆ゛ゆ゛っ!?」 被害者はまりさ達である。このお兄さんが何故こんなことをいうのか全く理解ができない。 ・・・・否、心当たりはあった。 ゆっくり特有のいい思い出はいつまでも覚え、悪い記憶は三歩歩いたら忘れる都合のいい餡子脳が 先程からのお兄さんの振る舞いによってムズムズと刺激されている。 ・・・・前にもこんな事があったような・・・・? いやいや、被害者はお兄さんに一方的にゆっくりプレイスを占拠されているまりさ達である。 「ばかなじじいはゆっくりしないできいてね!まりさとれいむはうまれてからずっと一緒にこのゆっくりプレイスでゆっくりしていたんだよ! こんなことをされる おぼえ はないよ!りかい したらゆっくりと しゃざい をして あまあま をおいて とおく でゆっくりしんでね!」 人間はまりさの言葉を聞くとスッと立ち上がった。 「なんで森の中でずっと過ごしていたまりさが野菜の事を知っているんだ?さっき野菜は勝手に生えてくるって言ってたよな?」 「ゆっ!ゆゆゆ!?」 「何がずっと「森でれいむとゆっくりしてた」だ。お前はつい一週間前までありすと一緒に居たじゃないか」 「ゆ゛っ!ゆゆゆゆゆゆゆゆ!?」 ありす!その単語にまりさの餡子脳が更に刺激される。 そうだった。まりさはれいむと産まれた時からの幼馴染では無かった。 つい一週間前に知り合ったばかりだった。しかし3以上は”いっぱい”とカウントされるゆっくりにとって 四日はむかーしむかしである。という事は一週間などという時間は産まれた頃からとカウントされてもおかしくない。 お兄さんの口から出た「ありす」と「おやさい」その言葉が遠い昔であるまりさの一週間前を思い出させた。 一週間前、森のゆっくりプレイス - まりさとありすは群れのゆっくりたちの歓声を浴びながら山を降りて人間の里へ向かった。 別に理由は無い、食べ物に困ったわけでも人間に力を借りなければ到底解決できる問題に直面したわけでもないが、 ここから見える人間の里は山と違い裕福で何やらとてもゆっくりできそうな気がした。 群れの中には「人間さんには手を出しちゃいけない」だの「人間さんとの約束を破るまりさはしね!」だの 意味のわからない事をいうゆっくりが極々少数居た。どいつもこいつもまりさとありすのゆロンティア精神に嫉妬した 心無い嫌われゆっくりの発言である。おぉ、ぶざまぶざま。 里に降りた二匹の目に映るものはどれもこれも珍しく興味を引いた。 中でも人間たちがお野菜と呼んでいる勝手に生えてくる草は山にはなくとてもゆっくりできそうだった。 しかし、お野菜が生えている場所は醜悪な人間たちに占拠されており、 二匹の為の余分なプレイスは一つも見当たらない。 まりさが鋭い眼光で人間を威嚇している為、襲い掛かってはこないが、付け入る隙を伺っているのか、 作業の手を止め、こちらをじっと見つめたり、ニヤニヤと薄汚い笑いを浮かべたりしている。 いざとなれば、狩りも巣作りも群れで一番上手な最強のまりさならば 人間の一人や二人はわけなく倒せるだろうが、こちらにはありすが居る。そうそう手を出すわけにはいかない。 しかしその時、ぽっかりと入り口の開いた人の気配の無いゆっくりプレイスが二人の目についた。 これは人間の番が死んだか、ゆっくり他のプレイスを求めたかで捨てられた巣であろう。 巣の周りには先ほども見たゆっくりできそうな野菜と呼ばれている草が沢山生えている。 「ゆゆっ!こんなゆっくりしたゆっくりプレイスをすてた にんげんさんはばかだね!」 「きっとこのお野菜がとってもゆっくりできることをしらなかったんだね!おぉ、あわれあわれ」 無人のゆっくりプレイスに入り込むとおもむろに野菜に噛り付くまりさとありす。 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわっ!なにこれッ!うめぇッ!めっちゃうめぇッ!?」 「はむッ!はふはふッ!はふッ!!ちょ!なんぞこれッ!へぶんじょうたいッ!」 今まで味わった事無い野菜の美味に酔いしれる二匹、しかもとても一回で食べつくせる量ではない。 残りは新たな巣の中に持ち帰って、ゆっくり食べることにした。二匹は何個か野菜をくわえ巣に入る。 巣の中には二匹が今までに見たことが無い、清潔で高級感に満ちたゆっくりできそうな品々が並んでいる。 木でできた地面、少々高いところにあるがゆっくりできそうなテーブル 葉っぱよりフワフワした寝床、小さい池まである。これなら外敵に注意しながら山の池まで行かなくていいだろう。 「ここならゆっくりしたおちびちゃんが産めそうね」 「丈夫でゆっくりしたおちびちゃんを産んでね!ありす!」 思わず顔が綻ぶ二匹。これからはじまる希望に満ちた新生活を語り合い、 二人でゆっくりしていると、突然ぽいんぽいんと跳ねながられいむがあらわれた。 「ゆっ!ここはゆっくりできそうだね!まりさとありすはゆっくりしないででていってね!」 突然まりさ達のゆっくりプレイスにずかずかと入ってきたれいむが勝手なことを言い始めた。 「なにいってるの?ここはまりさのゆっくりプレイスだよ!れいむこそいたいめにあいたくなかったらさっさとでていってね!」 「ゆゆっ!!イヤだよ!ゆっくりしたいよ!・・・こ、ここはれいむの・・・ゆっくりプレイスにするよ!」 ぷくぅ!と膨らみ無謀にもまりさのゆっくりプレイスでお家宣言をするれいむ。 その表情からは「勢いとは言えとんでもない事を言ってしまった」と後悔の色を隠せないようだった。 そんな明らかに不利な状況を打開しようと、チラチラとまりさに色目を使ってきている。よく見れば中々の美れいむである。 しもぶくれした にくかんてきな ゆっくりボディに思わず目を奪われてしまう。 すると次の瞬間れいむがもう我慢できないと言った表情で 「れいむとすりすりすっきりしていってね!」 と、あにゃるを突き出して何を思ったのか自らおねだりしてきたのだ。 あまり感心できない淫らなれいむであったが、戒めの為にまりさは5回程嫌々すっきりをした。 心の優しいありすなど、そんな気を使う必要も無いのに12ラウンドまで相手をしてやっている。 その時である。 「んほぉぉぉぉぉ!れいむぅぅぅぅ!まだまだおばっだらっ!?」 ありすの今までに聞いたことの無い奇妙な「おばっだらッ!?」が聞こえたと思った直後、ありすが姿を消した。 「ゆゆゆゆっ!?ありす?ありすはどこへいったの?」 「バカめ!まんまと罠にひっかかったな!さしもの強そうなまりさも不意打ちには遅れを取らざるを得まい!」 その声の主は人間であった。目をギラつかせ辺りを物色している。 まさかまりさ達のゆっくりプレイスに攻め込んできたれいむの仲間に人間が居るとは思わなかった。 ありすは人間の放った蹴りによって一瞬にして顔の左部分が弾け飛び、残りの右半分が壁にへばり付いていた。 淫乱れいむを囮にした人間の奇襲・・・これは罠だったのだ。 「ばっ!ばりざぁぁぁ!わ゛だじどうなっだの゛ぉぉぉおおおお・・・・」 愛するありすがべっとりと壁に張り付きぽたぽたと中身を垂れ流しながら力なくまりさを呼んでいる。 歴然とした戦力の差、まりさは人間がこれほどまでに強いとは思っておらず、驚きを隠せなかった。 「まりさ、ありすはもうだめだからまりさだけでもゆっくりしないでにげてね!」 「まりさはありすをたすけたいよ!でもそこまでいうならまりさはゆっくりにげるね!」 そう叫ぶとまりさはぽいんぽいんと凄まじい速度でゆっくりプレイスを後にした。 「おいまて!・・・くそぉ!そのゆっくりした「ぺにぺに」でれいむを虜にしやがてぇぇぇ許さないぞぉぉうわーん!」 なにやら人間の叫び声が聞こえる。追いついてこない所を見るとどうやら素早さではこっちの方が上のようだ。 腕力では若干人間に劣ったもののやはり群れで一番のまりさの自慢の脚力には人間もお手上げらしい。 れみりゃに見つからないように「そろーりそろーり!」と叫びながら注意深く進んで最短ルートを通ったものの、 自分の群れに戻ったころにはすでに真夜中になっていた。 群れを出るときに自分のゆっくりプレイスは快く他のゆっくりにあげてしまった為に、 今日は野宿するしかないと、一夜を過ごす仮ゆっくりプレイスを探していると 木の根元から体がはみ出して全く体を隠せていない群のれいむが「ゆぅゆぅゆぴぴ」と寝息を立てていた。 まりさがれいむの傍に行くと起こすまでも無く勝手に目覚め 「すてきなまりさはれいむのゆっくりプレイスでやすんでいってね!」 と、強引にゆっくりされられてしまった。そして何だかんだとまりさを引止め、気がつくと、赤ゆっくりを授かってしまい現在に至る。 (後編へ)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2162.html
~あらすじ~ 人里で親をなくした子ゆっくり。 運良く人間に飼ってもらえることになったが そこは獰猛極まりない白き獣の巣だった! 果たしてれいむとまりさはゆっくりできるのか!? ゆっくりと小学校(後) 「ゆー・・・」 「おなかすいたね・・・」 とある小学校のウサギ小屋。 ソフトボール大のれいむとまりさが2匹、寄り添っていた。 「ゆ! うさぎさんがいけないんだよ!!」 「そうだよ! ゆっくりあやまってごはんもってきてね!!」 先程まで泣き叫んでいたことも忘れ立ち上がる(?)れいむとまりさ。 「Σ(・x・)」 「ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆっくりちんでね!!」 ぽすぽすと、ウサギに体当たりを仕掛けるが全く効いていない。 これが親ゆっくりだったら分からないが、子ゆっくりの体重ではダメージにならない。 ウサギは「(・x・)うわこいつらうぜえ」と思っているに違いない。 「ゆ! きいてるんだぜ!!」 ところで、ウサギは耳を触られるのを嫌がる。 「れいむたちのじゃまをしたばつだよ!!」 -がぶっ 自分の方が強いと勘違いし始めたれいむが、その耳に噛み付いた。 「!!(゜x゜メ)」 一瞬ロシアの死刑囚の顔面アップを幻視したが、気のせいだろう。 「はんせいしたらゆっくりごはんを(ガブ)ゆ゛・・・?」 「で、でいぶう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅぅぅぅ!!!」 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛!! でいぶのびはだがあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 木の柱ですら噛み砕くその前歯は、れいむの薄い皮をあっさり貫通した。 れいむとまりさはショックと恐怖から白目を剥きガクガク震えている。 幸いなことにれいむの傷は浅く、ウサギもそれ以上の攻撃をしなかった。 2匹の子ゆっくりは、ウサギから出来るだけ離れるように小屋の角で寄り添う。 「ぺーろ、ぺーろ。いちゃいのいちゃいのとんでけー♪」 「ゆぅぅ・・・」 ウサギさんはゆっくりできない。 お姉さんに言って山に帰してもらうことも考えたが、 両親や姉妹が死んだときの経験から、外はもっとゆっくり出来ないと分かっていた。 れみりゃやふらんのような捕食種、 理性的な仮面を被ったレイパーありす、 何もしていないのに潰そうと追いかけてくる人間。 それに比べたらウサギさんは積極的に襲ってくる様子はないし、 お昼は食べられなかったけど、ここでは毎日おやさいさんを食べることができる。 2匹は話し合った結果、ウサギさんを刺激しないように もうしばらくこのおうちで暮らすことにしたのだった。 放課後。 「「むーしゃむーしゃ♪ しあわせぇぇぇぇ!!」」 飼育係がくれた野菜の他に、愛で派の生徒が持ってきた給食の残りなど 今まで殆ど食べる機会のなかった人間のご飯の味に、2匹はヘブン状態だった。 「おねえさん! とくべつにれいむとすりすりしてもいいよ!」 「よしよし♪」(なでなで) 「ゆゆーん♪」 頬の傷はすっかり治っていた。 「ここはゆっくりできるところだね!!」 「ゆっくりしようね!!」 「「すーりすーり♪」」 夜。生徒達が帰った後、子ゆっくりはこの上なくゆっくりしていた。 虐待派の人間が見たら小屋を蹴り飛ばしたくなる光景である。 「にんげんさんのごはんおいしかったね!!」 「おねーさんについてきたけっかがこれだよ!!」 「「ゆゆーん♪」」 ゆっくりたちの夜は、穏やかに更けて行く。 「しゃんはい、ビールもってきてー」 「しゃんはーい」 お風呂上りの愛子先生がテレビの電源を入れる。 ちょうどニュースをやっているようだ。 教師に情報収集は欠かせない。 体罰に対する世論、いじめや自殺にモンスターペアレント。 ゆっくりの餡子脳に耐えられずブリーターの道を挫折したが、教師も楽じゃない。 「しゃんはい!」 「ありがと、しゃんはい」 「しゃんはーい♪」 そういってしゃんはいから缶ビールを受け取る愛子。 この金髪に赤いリボンを結った胴付きゆっくりは、ゆっくりしゃんはいと呼ばれている。 言葉を操ること苦手だが、賢こさと器用さを持ち合わせ、主人と認めた者に従順。 その為、愛好家からの人気は非常に高く、現在では希少種中の希少種とされている。 愛子はブリーダー時代に所属していたある団体のコネで ゆっくりしゃんはいを入手し、以来ずっと一緒に暮らしている。 『ゆっくりんピースがゆっくり餡横領疑惑の証拠品として、 運送会社倉庫から荷物を無断で持ち出した事件について・・・』 「ブッ!?」 「しゃ、しゃんはい!?」 かつて愛子が所属していたゆっくり保護団体が、 運送会社からゆっくりの餡らしき荷を盗み食べたらしい。 「頭がおかしいとしか思えないわね・・・。抜けて良かった」 「しゃんはーい・・・」 『今回の調査の中で私達も食べる行為をしないといけなかったので、食べました。』 「マジキチ」 「バカジャネーノ」 その後も証拠品としての餡子やゆっくりのデスマスク等の映像が流れていた。 その頃、ウサギ小屋。 「ゆー。おなかすいたね」 夕方思う存分食べたが、食欲旺盛なゆっくりの中でも成長期の子ゆっくりの食欲は強い。 「おやつがたべたいね!」 放課後は大勢の生徒構ってもらえたが、夜の学校に生徒はいない。 さっさと寝てしまえば良さそうなものであるが、環境が変わった為か寝付けないでいた。 -モグモグモグ 「ゆ・・・?」 何やら音のする方を見ると、ウサギさんが何かを食べていた。 「ゆゆ! うさぎさんなにたべてるの!?」 「まりさたちにもわけでほしいんだぜ!!」 昼間の一件を覚えているようで、(これでも)控えめに分け前を要求する。 「(・x・)」もぐもぐもぐもぐ 無視。 「「ゆうぅぅ・・・」」 暴力に訴えればどうなるかは経験済みの為、それはしなかった。 「ゆ! よくみるんだぜれいむ!」 「ゆゆ?」 今ウサギが口に入れたものと同様のものが、いくつも転がっていた。 「ゆ! いっぱいあるよ!!」 「ひとりじめはよくないんだぜ!!」 そういって子ゆっくりは、その黒くて丸みをおびた塊を舌で掬い、口に運んだ。 それがどんな食べ物なのか知らなかったが、 ゆっくりは雑食性だし、何よりうさぎさんも食べているので深く考えなかった。 「「むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ♪」」 「「むーしゃ、むーしゃ、うーん、それなりー♪」」 おさやいより歯ごたえのあるそれをいくつか食べ、とりあえず満たされたようだ。 しかしゆっくりは見てしまう。 「ゆゆ、うさぎさん、うんうんならかくれてやってね!!」 「しゅうしちんがないの!? ばかなの!?」 ウサギの排泄シーンを。 それを見て何かに気づいたのか、れいむとまりさの顔が、徐々に青ざめて行く。 「ね、ねえまりさあれって・・・」 「・・・」 まりさは歯をむき出してガタガタ震えている。 そして、 「「う゛ん゛う゛ん゛たべぢゃったの゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉ!!!!?」」 ゆっくり理解した。 ウサギは通常の食事では摂ることの出来ない養分を摂るため 盲腸フンと呼ばれる、特殊な糞を食べることが知られている。 もちろんゆっくりはそんなことは知らないし、 ウサギの糞が余り臭くないというのも判断を誤らせた原因である。 ちなみにゆっくりが食べたのはただの糞だった。 「おげえ゛え゛ぇえ゛ぇぇぇ!!」 「きちゃないよおおぉぉぉぉぉぉ!!!」 慌てて吐き出そうとするが、もう遅い。 ゆっくりはまともな消化器官を持たず、 食物を嚥下した時点で餡子に変換する性質を持っている。 いまさら何をした所で、出てくるのはせいぜい命の源の餡子だけである。 「「きぼちわる゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃ!!!」」 そして よ が あけた! 初日こそ様々なトラブルがあったが、 それからの生活は実にゆっくりとしたものだった。 外敵に襲われる心配がなく十分なエサがもらえるのは変わらない。 小屋でゆっくりするために必要なことを学び、 ウサギさんとの共同生活にも慣れて行った。 大家族の中で2匹だけ残った子ゆっくりは、元々優秀な個体だったのかもしれない。 「「ゆっくりしていってね!!」」 「ゆゆ、うさぎさん、きょうもゆっくりしてるね!」 「きょうのおやさいはなんだろうね!」 「(・x・)」 ウサギさんは相変わらず何も喋らないが、仲良くなれたと2匹は思っている。 2匹がウサギ小屋に来てから1ヶ月が経った。 れいむとまりさの体は、野生のゆっくりの数倍のスピードで大きくなった。 拾われた時にソフトボール大だった体は バスケットボール大にまでなり、子供がいてもおかしくない大きさだ。 大勢の生徒に甘やかされた結果がこれである。 「今日で飼育係も終わりか・・・」 「最初は嫌がってたのに、やっぱ寂しいんだ?」 「べ、別に寂しいわけじゃ・・・!」 「会いたくなったらいつでも行けばいいと思うよ~」 「う、うん・・・」 その夜。 「ねえ、まりさ」 「なあに? れいむ」 「れいむはまりさとゆっくりしたいよ。ずうっといっしょにゆっくりしたいよ」 「ゆゆ! まりさもおなじきもちだよ! れいむとゆっくりしたい!」 「「ゆっくりしようね!!」」 プロポーズが成功し、ここに一組のつがいが誕生した。 人間以外では、同じ親から生まれた子同士がつがいになることは珍しくない。 (ゆっくりにとっては)長い間他のゆっくりに会わない状況ではむしろ必然といえる。 「「すーりすーり♪」」 想いを確かめ合い、親愛の表現をするゆっくりとゆっくり。 そこに湿った音が混じり始めるのに、時間は掛からなかった。 ※都合により、番組を変更してお送りしています。 『凍らせたゆっくりゼリーを男児が喉に詰まらせた事故を受け、 製造元は同シリーズを製造中止にすることを明らかにしました』 「マジキチ」 「バカジャネーノ」 「「すっきりー!」」 「「すっきりー!!」」 「「すっきりー!!!」」」 「ゆっくりしていってね! ・・・ゆ?」 目がさめた時、まりさはまず体の不調を感じた。 「(ゆうべは・・・ゆゆ! れいむにプロポーズされて、それから・・・?)」 隣にいるれいむに目を向ける。 「ゆゆっ!?」 れいむの頭には5本の細長い蔓が生えていた。 それを見た途端、まりさの体を覆っていただるさは吹き飛んだ。 「れいむ! れいむ!」 「んゆ? ・・・ゆっくりしていっていってね!」 「ゆっくりしていってね! れいむ! あかちゃんができたよ!!」 「ゆ! まりさにもいっぱいはえてるよ!!」 「ゆゆ! そういえばなんだかあたまがおもいよ!」 違和感の正体に気づくまりさ。まりさにも5本の蔓が生えていた。 「れいむたちのあいのけっしょうだね!」 「ゆゆ! はずかしいよれいむぅ」 まだゆっくりの形にはなっていないが、それは紛れもなく妊娠の証だった。 れいむとまりさは"今が"まさに幸せの絶頂だった。 ゆっくりの餡子脳には言葉の使い方や赤ちゃんの作り方など、 子孫を残す上で重要な情報が生まれつき記録されている。 が、正しい性教育を受けていないこれが異常だということに気が付いていなかった。 数分後。 れいむとまりさはぐったりしていた。 「ゆぅ・・・」 「なんだかゆっくりできないよ・・・」 それきり2匹は黙り込んでしまった。 まりさは忘れていただるさが重みを増しながら圧し掛かかってくるのを感じていた。 先に原因に気づいたのはまりさだった。 まりさとれいむは、十分妊娠に耐えられる体を持っていた。 だからこそつがいになったし、すっきりもした。 問題はその数だ。 通常ゆっくりはつがいのうち1匹が1本だけ蔓を生やす。 そうしないと母体や赤ゆっくりのエサが確保できなくなる為だ。 しかし子ゆっくりの時から十分過ぎるエサをもらっていた2匹は 先のことを心配する必要がなく、思う存分すっきりした。 その結果がそれぞれ5本ずつ生やした蔓である。 このままでは蔓に命を吸われてゆっくりできなくなる。 すぐにれいむに蔓を噛み切ってもらえば助かるだろう。 しかしまりさの中には子供を犠牲にして自分だけ助かるという選択肢はなかった。 ではれいむはどうする? れいむだけでも助けるべきか? 子供を犠牲にして? まりさは葛藤していた。 長い沈黙を破ったのはれいむだった。 「まりさ・・・。れいむはうむよ。れいむがゆっくりできなくたって、うみたいよ」 「れいむ、そんなの・・・! でも、まりさもおんなじきもちだよ!」 ゆーん、ゆーんという泣き声が、朝のウサギ小屋に響く。 生徒達が登校するまでにはまだ時間がある。 ゆっくりたちの皮は徐々に黒ずみ、 それぞれの蔓にはゆっくりになるつぼみが付き始めていた。 「きっとすごくゆっくりしたあかちゃんだよ・・・」 「あかちゃんはおねえさんたちがそだててくれるよね・・・」 「てんごくでもゆっくりしようね・・・」 「(・x・)」 「ゆ、うさぎさん。ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね」 何かを察知したウサギが、鼻をひくつかせながら2匹に近づいてきた。 ここに来た頃はあの鼻を見るだけでも目を回してたな、などとまりさは思い出に浸る。 「うさぎさん。れいむたちはもうすぐずっとゆっくりするよ・・・」 「まりさたちのあかちゃんとなかよくしいってね・・・」 2匹は確実に死に近づいて行った。 恐怖や苦痛がないと言えば嘘になる。 しかしたくさんのあかちゃんのため、ゆっくり死を受け入れていた。 -ガブ 「ゆ・・・?」 れいむの あたまの つるが うさぎに かまれた。 普段以上に思考の鈍っていたゆっくりは、目の前の事態に中々追いつけない。 「(・x・)」もむもむもむもむ... 「「ゆ゛!?」」 「うさぎさんなにするのぉ!?」 「やめて、やめてね! ゆっくりやめていってね!」 正気に返ったゆっくりが、必死に懇願する。 健康であれば力づくで勝てたかもしれないが 今は全身が黒く染まり、ひび割れ、はいずることもままならない。 「(・x・)」しゃくしゃくしゃくしゃく... 「やめてね! れいぶたちのあかちゃんたべないでね!? やめてええぇぇぇ!」 「それはおやさいさんじゃないよおぉぉぉ!? だいじなあかちゃんなのぉぉぉ!」 ウサギの勢いは止まらない。次々と蔓をかじられて行く。 ゆっくりの命の結晶ともいえる蔓は、とても栄養価の高い"食べ物"だった。 「(・x・)(はむっ! うっめ! これめっちゃうっめ!)」むしゃむしゃむしゃ... 「どぼじでごんな゛ごとするの゛お゛ぉぉぉぉ・・・・・・」 「ゆぎぃぃ! おともだちだとおもってだのにいぃぃぃぃ・・・・・・」 ウサギからしてみれば迷惑な同居人でしかなく、そもそも対等に見たことすらない。 「(・x・)」もきゅもきゅもきゅもきゅ... 「じにだぐな゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛・・・・・・・・・」 「もっど・・・ゆっぐ・・・し・・・・・・・・・が・・・ま・・・」 静かになった小屋の中にはウサギが1匹と 水の入ったトレーに藁、 それと黒くてまるみをおびたかたまりだけが残っていた。 おしまい このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2464.html
※CAUTION!! 個人的なゆっくり解釈が含まれております 分かりづらい言い回しとかあります 文才無いです ゆっくりは無垢で純粋な生物で決して悪意という類は存在しない。 だがそれが代えって問題なのだ。 悪意が無い故に罪の意識がなく、自らが正しいと考え、過ちを正そうとしない。 ゆっくりはただ純粋に傲慢で、 純粋に怠惰を貪り、 純粋に後先考えず暴食を繰り返し、 純粋に思い通りに行かない事に憤怒し 純粋に色欲に囚われ、 純粋に自分より優れている相手に嫉妬し、 純粋に強欲となり身分不相応の物を得ようとする。 ~悪意のないゆっくり~ 「ずるいんだぜ・・・くずのくせにはまりさよりずっとゆっくりしてるんだぜ」 とある人里の近くにある原っぱ。 その近くの雑木林の陰からゆっくりまりさが一匹、ある場所を睨み付けていた。 其処にいたのは一匹のめーりん、と彼女と戯れている人間。 めーりんの帽子には飼いゆっくりの証であるバッジが付けられており、 隣の人間はめーりんの飼い主なのだろう。 めーりん種は人語を話せないが高い知能を持ち、本能的に何かを守る習性がある。 しかし、ゆっくりは人間以上に異端を受け入れない。 飾りを失った同胞,奇形、それが自分の子であったとしてもだ。 故に喋ることの出来ないめーりんもそれに該当し、ほかのゆっくりからくず呼ばわりされている。 だが高い知能を持った数少ない良識を持つゆっくりは決してそのような差別もしないしする来もない。 それはゆっくりの無根拠な優劣感を持ち合わせていないのと同時に、 めーりんを虐げたゆっくりは大抵めーりん種とは仲の良いふらんの死に近い制裁を受けてしまう事を知っているからだ。 だが学習能力の低い彼らは決して一歩も進歩することなく異端を爪弾きし続けている。 だからまりさは許せなかった。 自分より劣っていると思っているめーりんが人間と仲が良く、 自分より劣っているのに自分よりもずっとゆっくりしている事に。 このまりさは子持ちの家族であり、それと同時にゲスだった。 まりさは性欲を持て余していた所に一匹のれいむに一目惚れし、 そのまま番(つがい)となりすぐに性行為へと走った。 そして大家族となり一時は幸せだった。 だがこのまりさはゲスだった。 大家族となると大量の餌が必要だったが生まれた子は皆植物型。 まりさはそれを利用し自分が赤ん坊の世話をしれいむに餌集めを強要させた。 れいむによって集められた餌は節約すれば3日は持つ量だった。 しかし、赤ん坊の世話で疲れたと無茶苦茶な理由と付け、大食のまりさは殆ど貪りれいむと子には殆ど行き渡らず、 子供達は足りないとれいむに罵声を浴びせる。 れいむが寝る間も惜しんで集められた餌の大半はまたまりさに食い尽くされ、 遂にれいむは空腹と疲労で過労死してしまった。 だがまりさはれいむの死の原因を分かろうとしないどころかれいむを役立たずと罵倒し、 れいむを死を悼むことなくれいむを食べた。 その時だった。過労の苦痛によりれいむの餡子は非常に甘く、まりさは初めて同族の味を覚えてしまった。 それから、舌の肥えてしまったまりさは草や虫では満足出来ず、対には自分の子を食べ始めた。 だが最後の子は食べる前に巣の外に逃げ出してしまい、まりさがその子を食べた時は巣の外、 近くに巣を持っていたゆっくりに見つかってしまった。 同族殺しは捕食種を除いたゆっくりの中では絶対禁忌、これを破った場合殺されるのが関の山だ。 だがまりさは饅頭を食べただけで同族を殺したことを全然自覚していなかった。 それにずっと巣の中に籠もりっきりの上に大量の餌を食べていたまりさはでっぷりと太っており、 運動神経も鈍くあっさりと捕まってしまい、他のゆっくり達から体当たりをくらい、石を投げつけられ、 日が暮れた頃には痙攣した饅頭となり、ゆっくり達はまりさをそのまま放置した。 後は捕食者の餌となるだろうと考えたのだろう。 まりさにとって此処が年貢の納め時だったのかも知れない。 だがまりさはしぶとかった。自分が命を奪った者でありながら生への渇望が尋常ではなかった。 まりさは自力で起きあがると近くの巣を襲い、巣の中のゆっくりと餌を貪り食い生きながらえた。 その後、隙を見計らい、此処のゆっくり達に復讐する為力を付けようと思い巣を出て行った。 そして今に至る。 「ごゔぉじでぎや゙ず・・・ぐずゔぉに゙んべんゔぉぐいごゔぉじでや゙る゙・・・」 今のまりさには逆恨みと言う名の憎悪しかなかった。 自分の過ちを理解していなかったまりさにとって、 自分が一番ゆっくりするべき存在だったのに、前にいた頃のゆっくり達にそれを妬みにされ理不尽な暴行を受け死にかけ、 今目の前には自分より劣っているくずめーりんが今の自分よりもとてもゆっくりしている事に非常に妬ましく腹立たしかった。 もはや今のまりさには理不尽な腹いせしか残っていない。 まりさはすぐさま人間とめーりんの後を付いていった。 そして、人間とめーりんは自分の家である民家へと入っていった。 まりさはそれを見逃さず、すぐにその家に入ろうとした。 今まりさの中ではくずと人間を殺した後この家を乗っ取り、自分が大いにゆっくりしようと考えていた。 だがそんな皮算用も無い無謀な計画もすぐ後に砕け散った。 「どういうことなんだぜ!はいれないんだぜ!」 今の今まで森の中で生活してきた上に最近まで引きこもっていたのだ。 留守を狙ったり窓ガラスを割って侵入するなんて知恵は持ち合わせて無かったのだ。 「い゙れ゙ぇゔぉぉぉぉぉぉ!!ばじざをゆ゙っぐじざぜぇろ゙ぉぉぉぉぉぉゃ!!」 自ら生み出した恨み辛みが募っていたまりさは、ただでさえ小さい堪忍袋の緒が切れ。 目をギョロリと見開き玄関の前で金切り声を上げた。 「誰だよるせーな・・・なんだゆっくりか」 その騒音に中の男が玄関の戸を開け、その声の正体がゆっくりだと分かると男は潰すために片足を上げた。 だがまりさはそれを見計らい、男の下をすり抜け民家へと侵入した。 まずまりさのやることはくずなめーりんを喰い殺しその後人間を殺す算段だった。 「おっと捕まえた!まったく隙がないたらありゃしない」 だが、ゆっくり自体移動のスピードはかなりおそい。 まりさはすぐに男に後ろから掴まれ捕まってしまった。 「ばなざぇぇぇぇぇ!!ばじざゔぁずぐに゙ぐずゔぇーり゙ん゙ゔぉごぞずん゙だゔぇぇぇぇぇぇ!!!」 ただでさえ大した思考が無い上に怒りで完全に餡子脳が回らず、 相手がめーりんの飼い主である事を忘れてしまっていた。 男は溜息を吐くと無言でまりさを持ったまま居間の方へと歩いていった。 必死でもがくまりさの目に飛び込んだのは、自分が殺すべき存在であるめーりんがいた。 「ぐずゔぇぇぇぇぇぇじん゙!!!びゔぁずぐごろじで・・・・・・・・」 一方的な仇敵の前に殺意を剥き出しにするまりさだが、その思考はすぐ真っ白へと変わった。 「ゔぁぶでゔぁんがい゙り゙ゅゔぉぉぉぉぉぉぉ!!?」 何故なら、めーりんの隣にはゆっくり総じて驚異でもある捕食種、ふらんがいたのだ。 それも体付き、その戦闘力はゆっくり基準では計り知れない。 「ほらよふらん、汚れないように外で遊んできなさい」 男はふらんにまりさを見せると無言で頷き、男がソレを投げつけるとキャッチし、庭の方へと駆けていった。 実は、このふらんも男の飼いゆっくりで、ゆっくりに虐められたかなんかして傷付いて倒れていためーりんを拾うとセットで付いてきたのだ。 それからと言うモノ、飼われてゆっくりしているめーりんに嫉妬したゆっくり達がめーりんに変わってこの家に住もうとほぼ毎日やって来て、 その度に男は4~5分しか保たないふらんの遊び道具になってもらっている。 だがこう何度も家にやって来てはおちおち出かけることも出来ない。 そこで、近くのゆっくりブリーダーの助言で、ふらんの玩具としての役割を終えたゆっくりの飾りを家に吊し、 飾りに付いたゆっくりにしか判断できない死臭でゆっくりは寄ってこなくなった。 しかし、このまりさは同胞の味を覚えてしまっている。 その為、ゆっくりの死臭は全くもって気にならなかったのだ。 それが災いだったのかもしれない。 「ゆっくりしねぇ!!」 「ぎゃぶぅ!!」 庭に出たフランはまず顔ど真ん中を殴った。 更に何度も殴りつけ、地面に投げつけると何度も踏みつけた。 その後まりさを拾い上げ、まりさはこれで終わったと思いきやそのまま地面にビタンビタンと打ち付ける。 そこでふらんの手が滑り、まりさは放射線を描きながら少し離れた所に落ちる。 まりさの体は完全にボロ雑巾のようで、体中にお出来た傷から餡子が漏れていた。 だが致死量じゃない、それだけがまりさにとって救いだった。 もはやまりさの怒りはもはや完全に有頂天だ。 兎に角自分の気に入らない、自分のゆっくりを妨げるヤツは全て皆殺しにするつもりだ。 「じぃぃぃぃぃぃぃぃゔぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 まりさは生まれ持ったしぶとさで起きあがると、同族を喰らった歯でふらんを食いちぎろうと飛びかかった。 「れーう゛ぁていん!!!」 傲慢な性格と煮えたぎった怒りがまりさの思考は完全停止し攻撃へと促し、それが仇となった。 ふらんは近くにあった木の棒を拾うと飛びかかるまりさを思いっきり殴りつけ、 その拍子に砂糖菓子作りの歯が何本か砕けてしまった。 その後地面へと叩き付けられたまりさをふらんは見境無く殴り続ける。 そして、棒が折れ折れた部分をまりさの眼球に突き刺し、帽子を破り捨て、髪の毛を引きちぎり、歯を全部抜き取り、 2倍に腫れ上がった溺死の禿饅頭となった所でふらんの攻撃は止んだ。 こんな状態でもまりさは性懲りもなく復讐の怒りを燃やし、こなまま死んだフリをし、 隙を見てふらんを殺そうと考えていた。 だがふらんはまりさが死んだから遊ぶのをやめたわけではない。 沢山遊んだ事で小腹が空いてしまったのだ。 なのでふらんは座り込むとまりさを掴む。 そしてまりさの体に牙をたて、餡子を吸い上げた。 「あまあまー!!」 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙・・・・ゆ゙・・・ゆ゙・・・」 まりさは体の半分以上の餡子を吸い取られた為、思考には怒りや憎しみは消え失せ、 痙攣した奇声を発する饅頭と化し、最後は物言わぬ革袋となった。 その後、男に呼ばれたふらんは皮を投げ捨て家の中へと入っていき、 入れ替わるように夕立が降り注ぎまりさの皮を完全に溶かしていった。 こうして、悪の限りを尽くしたまりさは見事な天罰を受け死んでいった。 だが、このまりさには決して悪意は無かった。 番を死なせた事も、我が子を殺した事も、めーりんに逆恨みをした事も、まりさには悪気の一つもなかった。 もう一度言うが、 ゆっくりは無垢で純粋な生物で決して悪意という類は存在しない。 だがそれが代えって問題なのだ。 悪意が無い故に罪の意識がなく、自らが正しいと考え、過ちを正そうとしない。 ゆっくりはただ純粋に傲慢で、 純粋に怠惰を貪り、 純粋に後先考えず暴食を繰り返し、 純粋に思い通りに行かない事に憤怒し 純粋に色欲に囚われ、 純粋に自分より優れている相手に嫉妬し、 純粋に強欲となり身分不相応の物を得ようとする。 そして、決して悪に染まることなく、己の罪を自覚しないまま、その命を散らす。 来る日も来る日も、ずっとゆっくりするために、この地に生を受けそして瞬く間に消えてゆく。 今日もまた何処かで、"悪意のない"ゆっくりは死んでいく。 どうもsageの人です。 ゆっくりって悪いこと自覚してるのか?と考えついて書いてみました。 他の駄作共 猫と踏み切りとゆっくりと ゆっくり苺大福 真のドゲスまりさ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1435.html
幻想郷の空をリリーが舞い、桜が咲き乱れ、鳥達が絶え間なくさえずっている。 そんなうららかな春の昼下がり。 20人あまりの少年達がただ広いだけの野原にやってきた。真っ先に彼らの目に止まったのは一組のゆっくりのカップルだった。 ゆっくり魔理沙とゆっくりアリスというかなり珍しい組み合わせのカップル。まだ年若いのかどちらもやや小ぶりだ。 大抵の魔理沙はゆっくりアリスが発情期になると見境なく自分を陵辱することを本能で理解しているので、アリスを避けようとするのだが、 アリスの性欲が他のアリスより希薄なのか、あるいは魔理沙の危機意識が他の魔理沙より低いのか、このカップルは今のところ順風満帆といった感じである。 「「ゆっくりしていってね!」」 少年達の気配に気付いたカップルは声をそろえてお約束のせりふを口にする。 警戒する様子は一切ない。普段から少年達と野原で遊んでいる二人にとって彼らは友達、いや時に捕食者であるゆっくりゃを追い払ってくれる頼もしい恩人達なのだから当然だろう。 だからこそ、このカップルはこんな隠れる場所もない野原でゆっくりしていられる。それほど少年達のことを信頼しているのだ。 「みんな、きょうもゆっくりしていってね!」 そう言いながら満面の笑みを浮かべ、顔だけしかない自身の体全体と弾力性のある皮を巧みに弾ませて少年達の下へ駆け寄ってきたのはゆっくり魔理沙。 最初から「いっしょにゆっくり」などと口にするのは自己中心的で傲慢で、人間や他のゆっくりを自分の居場所から追い払おうとすることの多い魔理沙種にしては珍しい。 一方のアリスも魔理沙のように一目散に飛び跳ねてくることはないが、あまりにも無防備な満面の笑みを浮かべながらゆっくりの名に相応しいゆったりとした動作でやってきた。 「きょうもゆっくりさせてあげてもいいわよ!」 一見すると上から目線ではあるが、これは妙にプライドの高いアリス種の特徴であって、本当に子供達を自分より下に見ているわけではない。 なんにせよ、この2匹が少年達を信頼していることを疑う余地はなさそうだ。 勿論、その信頼は少年達にだって伝わっている。 ある農家の末っ子の少年はアリスの偉そうな物言いに 「うわっ、こいつやっぱり生意気~」 と毒づきながらも、その表情はゆっくりたちにも負けない満面の笑み。 またある八百屋の少年は 「お前らに言われなくてもゆっくりするよ」 と魔理沙の頭(いや胴体か?)をなで、 狩猟で生計を立てる一家の次男坊は 「って言うか、いい加減森に帰れよ。俺達のいないときに襲われたら危ないよ?」 と、邪険にしながらも実は心配しているというツンデレぶりを発揮していた。 とにかく、ゆっくりのカップルは少年達が大好きで、少年達はゆっくりが大好きだった。 「ゆ?おにいさん、それなぁに?」 しばらく少年達と戯れていた魔理沙が彼らの持ってきたプラスチック製のボールの存在に気付いた。 すると、リーダー格の少年がそのボールを手に取り、誇らしげに掲げる。 「これはね、阿求さんからもらったサッカーみたいなちょっと激しい遊びでも僕達とゆっくりが一緒に楽しめるようになる道具だよ」 阿求というのは人里の要人で、可愛らしい少女である。 このリーダー格の少年は密かに彼女に好意を持っていたりするが、そんなことはどうでもいい。 「ゆ!本当に?魔理沙たちもいっしょにサッカーできるの?!」 その言葉に魔理沙もアリスも瞳を輝かせる。 当然ながらが激しいぶつかり合いを繰り広げる人間同士のサッカーにゆっくりが参加することなど不可能。 今まで少年達がサッカーを始めると疎外感を感じていた魔理沙達にとってこの知らせは非常に喜ばしいものだったのだろう。 「「ゆっくりサッカーしようね!」」 ボールの前で瞳を輝かせながら必死にサッカーを催促する2匹。 その視線に苦笑しながらも、リーダー格の少年はボールをふたに割ると、2つの半球の上にアリスと魔理沙を乗せる。 「よっ、と!」 2匹が半球の上に乗ったのを確認すると素早く、半球を閉じて球体に戻す。 それから、近所のゆっくり愛好家からもらったボールを保護するための空気穴のあいたゴムを手際よく被せる。 ちなみにこのゴムは真っ黒で内部の様子が一切分からないようになっている。 したがって、少年達には殆ど身動きが取れない状況に陥っている2匹の状態をうかがい知ることは出来ない。 それにこのボールは防音を重視した設計になっているので、口を押さえつけられまともに喋れないゆっくりの声なんて殆ど聞こえない。 しかし、少年達は日ごろ優しい阿求やゆっくりについて語りだすと止まらなくなる変だけどゆっくりが大好きな親切なお兄さんの「ゆっくりは振動を与えると喜ぶからボールの中に入れて蹴ってあげると良い」という言葉を信じて試合を開始した。 少年達はゆっくりが大好きなのと同様に阿求やお兄さんも大好きだから、彼らの言葉を疑うことなど微塵もなかった。 ところ変わってここは稗田邸のある一室。 「阿求様。こちらが先日注文していただいた妊娠ゆっくり用のゆっくりボールの試作品です」 そう言って、少女に大人のゆっくりとほぼ同じサイズのプラスチックボールを差し出したこれといった特徴のない男は幻想郷で1,2を争うゆっくり好き自称する変わり者。 「いつもありがとうございます。こちらがお代金と・・・わずかばかりではありますが、今後のゆっくりグッズ開発のための資金です」 プラスチックボールと引き換えに包みに入ったお金を差し出した彼女こそ人里の名家の当主、稗田阿求である。 「いえ、こちらこそ。いつも阿求様には助けていただいてばかりで・・・」 恐縮しながらも、もらえるものは遠慮なく懐にしまった男は思い出したように「説明書」と書かれた紙切れをボールのそばに置き、そそくさと稗田邸を後にした。 一人部屋に残された阿求は説明書を手に取り、そこに書かれた短い文章に目を通した。 『このボールには妊娠初期のゆっくりを入れてください。妊娠期の動きの鈍い母親を保護するほか、圧力で赤ちゃんが成長しにくくなり小ぶりになるため、母親は無痛で出産できます。』 人並みに常識のある人ならばこの説明書がいかに異常かすぐに理解できるだろう。しかし、阿求にとってはそれが良いのだ。 明らかに常軌を逸した思考のものが作ったそのグッズは、予想の斜め上を行く拷問道具として機能する。 彼が最初に作ったゆっくりボールは透明な箱にも劣らぬ閉塞感でゆっくり霊夢の心を、長きに渡る拘束があらゆる身体の機能を破壊しつくし、ボールから解き放っても身動き一つ取れない正真正銘の顔饅頭へと仕立て上げてしまった。 その次のペア用のゆっくりボールにはゆっくり魔理沙とゆっくりアリスを放り込んだ。そして自室に置いて気が向いたときに蹴り飛ばし、回して暇を潰した。 ボールに守られたゆっくりが殆ど怪我をしないのは腹立たしかったが、阿求はそのボールが気に入った。 蹴るたびに、回すたびに与えられる振動がアリスを欲情させ、同じボールに閉じ込められている魔理沙は内と外、双方からの脅威によって恐怖のどん底に陥れるのが非常に面白かった。 もっともそのボールは魔理沙とアリスが死んでしまった後に村の少年にあげたので、今は手元にないのだけれど。 思い出すだけで、稲妻で貫かれるような快感が全身を駆け巡る。 それから、ボールをあげた少年が可愛がっている野原に生息するゆっくりのカップルも魔理沙とアリスだと聞いたことを思い出して、頬を緩める。 今頃、信頼していた少年達に絶望を刻み付けられたゆっくり魔理沙は、少年達にどんな言葉を投げかけるのだろうか? 気がついたらパートナーを苦しめてしまっていたゆっくりアリスは、少年達にどんな態度をとるのだろうか? きっと魔理沙とアリスのことだから少年達の事情や気持ちなんてお構いなしに彼らを罵るのだろう。 ああ、可哀そうな少年達。ゆっくりのためを思ってやったことなのに、ただ私にだまされただけなのに。 きっと泣いて帰ってくるであろう少年達に涙ながらに訴えよう。「私はそんなつもりじゃなかった」って。 そうすれば、酷い言葉を投げかけたゆっくりなんかより、私のことを信用してくれるはず。 そしたら彼らにゆっくりの邪悪さと醜悪さを教えてあげて、それから皆でそのカップルゆっくりを殺しに行こう。 痛めつけて、痛めつけて、痛めつけて・・・虫の息になったところでこう囁こう。 「何も知らないこの子達をだましてあのボールを使わせたのは私なのよ?」って。 馬鹿だから意味が理解できないだろうか?それとも妙に情緒面だけ発達しているから暴言を吐いてしまったことを後悔するだろうか? それから、「あなた達のせいで彼らはゆっくり嫌いになった。きっと彼らにたくさんのゆっくりが殺されるわ」って囁いて、それから止めを刺そう。 想像するだけで、濡れてくる。 -----あとがき----- ゆっくりを虐待するシーンそのものは殆どなし。 ホスト規制まじぱねぇよ。ケータイまで規制喰らってやがる。 ゆっくりゃの依存の対象になっている咲夜さんがうざいと抜かす不届きものに、 むしろ、その依存はいじめられている最中において絶望の中の微かな希望も同然であり、ゆっくりゃの虐め甲斐は何もせずとも勝手に「咲夜が助けてくれる」という幻想をひとりでに抱いていることにある。 すなわち、勝手に裏切られた絶望を味わうことにあるのだから、我々は西瓜の甘みを引き立てる塩のような存在として咲夜さんを崇めるべきだ、とか 揺さぶられて感じているゆっくりアリスでフルボッキしちゃう、とか 色々語りたいことがあるというのに・・・ふぁーっく。 ボールに需要があるかなんて全く気にせず、思いつきとノリと勢いだけで素人が書いたものなので非常に読みづらいでしょうが、目を通していただけると幸いです。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/463.html
ゆっくり魔理沙は危機的状況にあった。 「ふひゅおおおっ!!まっままままりざああ!!!」 まりさの目の前に発情したゆっくりアリスがいる。 大きさはバレーボールほどだ。 「やめてね!まりさはありすとすっきりしないよ!ゆっくり理解してね!!」 対するゆっくり魔理沙は、バスケットボールより少し大きい。 発情期のリミッター解除状態ゆっくりアリスとはいえ、余裕で蹴散らすことのできる体格差だ。 しかし、まりさは動かない。 ゆっくりアリスがゆっくり魔理沙の巣穴を襲撃してから、既に10分以上も睨み合いを続けている。 襲い掛かっても抵抗されればすぐに押しつぶされてしまう、アリスは興奮状態にありながらも客観的に判断した。 だが引き下がるアリスではない。 「いま出て行ったらゆっくり許してあげるよ!アリスは帰ってね!!まりさは一人でゆっくりするよ!!」 まりさはアリスの交尾を受けるわけにはいかなかった。 そして、アリスに攻撃を加えるわけにもいかない。 それは何もアリスを大事に思ってのことではない。 まりさの体の中には、赤ちゃんがいるのだ。 まりさは巣穴の隅に置かれた月のアクセサリーが付いた帽子に目を移す。 (パチュリー・・・、まりさはパチュリーの赤ちゃんを守るよ・・!) 極度の緊張感からか、まりさは走馬灯にも似た光景が頭に浮かぶ。 このゆっくり魔理沙は、かつて1匹のゆっくりパチュリーと暮らしていた。 2匹は子供の頃からの付き合いだった。 ペットとして飼われていたが、まりさは帽子の形が悪いから、パチュリーは体が弱いから、そんな理由で森に捨てられた。 自然の森で子ゆっくりが2匹だけで生きていくことなど、ほぼ不可能である。 しかし、運動神経がよかったまりさと、博識であったパチュリーの組み合わせはそれを可能にした。 協力し、時に対立し、苦しみながらもなんとか成体へと成長することができた。 そんな2匹が子作りを考えたのは最近のことであった。 『むきゅう・・・ぱちゅ、まりさと赤ちゃんを作りたいよ・・!』 まりさは反対した。 人間の元で生活していた時から、パチュリーは病でいつ死んでもおかしくなかったのだ。 森で生活を始めてから、症状は日に日に悪化し、いつ昏睡状態になってもおかしくないほど衰弱していた。 交尾は体力を消費する。とてもパチュリーに耐えられるものではない。 大好きなパチュリーとすっきりすることは、まりさにとってこの上ないゆっくりタイムを提供するが、代価が大きすぎた。 しかしパチュリーは諦めることなく、連日、交尾しよう交尾しようと発情期のゆっくりアリスのように懇願した。 なぜそんなにも赤ちゃんが欲しいのか。 まりさが聞くと、事もなげにパチュリーは答えた。 『ぱちゅはもうすぐ死んじゃうから、大好きなまりさとの赤ちゃんを遺したいの。そうすれば天国でゆっくりできるよ』 死を受け入れたパチュリーの覚悟はまりさに強く響いた。 ならば、自分もパチュリーの覚悟を受け入れなければ。 その日からまりさはいつにも増してエサを集め、パチュリーに体力をつけさせた。 そして、話し合いの結果、母体はまりさが務めることにした。 1週間のエサ収集を終え、万全の体制を整えた。 そして、まりさとパチュリーは初めての、そして最後の交尾をした。 擦り切れるほど頬を押し合わせ、溢れる粘液にワラを濡らした。 ワラに横たわったまりさは、永遠にゆっくりしてしまったパチュリーを見る。 母体を勤めなくても、交尾は相当な体力を必要とする。 この結果は当然であったが、まりさは溢れる涙を止めることができなかった。 子供の頃からの友達、家族、そして最愛の恋人。 笑ってパチュリーを見送ろうと決めたが、その約束は守れなかった。 ならば、赤ちゃんは絶対に守る、まりさは固く心に誓った。 出産は人間型だった。 一度に数多くの赤ちゃんが実る植物型では、パチュリーのような病弱種は生れ落ちた瞬間に絶命することがよくあるためだ。 人間型出産では時間がかかることと、動きずらくなる欠点があるが、生まれる赤ちゃんは植物型に比べて大きい。 パチュリー種を身ごもったとしても安全に出産することができる、まりさは迷うことはなかった。 体の中の赤ちゃんは順調に成長した。 バレーボールより大きい程度だったまりさも、赤ちゃんの成長に合わせてバスケットボール並に巨大化した。 ゆっくり成長して欲しい、そう願いつつ巣穴でゆっくり生活をしていた。 そして今。 それを壊したのが、目の前のゆっくりアリスであった。 まりさは体の中の赤ちゃんにはゆっくりしていてもらいたかった。 ヘタに刺激し、ゆっくりさせずに産み落とすことはパチュリーに対する冒涜に思えてならない。 だからこそ、膨れて威嚇もしなかったし、体当たりもしなかった。 しかし、それがアリスを調子付けることになってしまう。 「まりさ!そんなこどいっで、がらだは正直ねえええ!!!すっぎりじようえねええ!!!!」 我慢の限界が来たのか、それとも攻撃をしてこないまりさを軽く見たのか、アリスが飛び掛ってくる。 「ゆ!アリスやめてね!!すっきりしないよ!!!」 まりさの言う事などアリスの耳には届かない。 飛び掛ってくるアリスに、まりさは思わず体当たりをした。 勢いよく飛ばされたアリスは巣穴の壁に叩きつけられる。 「ゆべっ!!ひどぅおおいわああ!!!」 衝撃で涙を流すアリスだが、まりさは自分自身に声を掛けていて目も向けない。 「ごめんね!!まりさの赤ちゃん、もっとゆっくりしてていいんだからね!!いたかった!?ゆっくりごめんね!!」 アリスは瞬時に理解した。 なぜこの大きなまりさが反撃はおろか、威嚇すらしなかったのか。 そして、すっきりする方法まで。 アリスの体から痛みが消え、再び性欲の熱を帯び始める。 「まりざああ!!!ぼてばらのまりざもズデギよおおおっ!!!!!」 「ゆ!やめてね!!アリスなんか嫌いだよ!!」 再び体当たりの姿勢を見せるまりさ。 「まりざあ!!ぞんな゙ごとしたら゙赤ちゃん゙が死んじゃうわ゙よおお!!!ゆっぐり゙すっきり゙しよ゙うねえ゙え゙!!!」 「・・・ッ!」 アリスの言うことはもっともだった。 相手が子ゆっくりならば踏み潰すだけだが、相手は自分より小さいとはいえ成体のゆっくりアリスだ。 本気で体当たりをしなければ殺すことはできない。 しかし本気で体当たりをすれば、体の中の赤ちゃんは潰れてしまうだろう。 逃げようとしても、赤ちゃんの重さもあることに加え、力強く跳ねれば赤ちゃんは潰れてしまう。 戦えない、逃げられない、性欲に染まったアリスには言葉も通じない。 自分にいま、できることはなんだろう。 赤ちゃんを守るためにはどうすればいいのだろう。 餡子脳で必死にまりさは考えを巡らせた。 30分後。 巣穴には粘液とヨダレ、涙に溢れたゆっくり魔理沙がいた。 まりさの出した答えは、無抵抗で交尾を受け入れることだった。 赤ちゃんに振動ができる限り伝わらないよう、後頭部側を曝け出して、アリスに犯された。 愛の無いすっきりに、まりさは体は無事だったものの、心はズタボロにされてしまった。 最愛のパチュリーの帽子が見える位置で、おぞましい振動を受け入れたのだ。 全てはパチュリーが遺してくれた赤ちゃんのため。 人間型の出産では強い母性が目覚める傾向があり、このまりさも例外ではなかった。 行為が済むとそそくさとアリスは去っていった。 計3回もすっきりさせられ、皮は傷だらけになっている。 どん底とも言うべき状況であるが、赤ちゃんだけは守ることができた。 それだけが、まりさの唯一の救いであった。 それに、食料は隠してあったのでアリスに奪われることもなかった。 赤ちゃんはちゃんと産める。 「ゆっ・・・うぅうう・・・パチュリー・・・まりさ、赤ちゃんをまもっだよぉおおお・・・・」 暗い巣穴でつぶやくまりさに答える声はなかった。 翌日、まりさは再び頭を抱えていた。 頭から茎が生えてきてしまったのだ。 昨日のアリスとの交尾が成功してしまったのである。 高く伸びた茎には、7つの赤ちゃんが実っており、どれもぷっくりと丸々している。 「ゆっ・・!どうじよう・・!どうじよう・・・!?」 赤ちゃんとはいえ、あの悪魔のような強姦魔との間に生まれたものだ。 まりさは母としての本能と、理性との間で葛藤をしていた。 植物型出産は、期間が短い。 ヘタをすれば明日にでも誕生してしまうだろう。 手を打つなら早いほうがいい。 しかし、体に赤ちゃんがいる身としては、いくら憎い子でも殺すことは躊躇ってしまう。 それに、体の中の赤ちゃんも、今日か明日には誕生するはずなのだ。 エサは十分にあるが、7匹も余計に増えればあっという間にエサはなくなる。 最愛の我が子にひもじい思いはさせたくない。 答えを出せないまま、まりさはその日を終えた。 眠ったような、眠ってないような、そんな中途半端な状態からまりさは目覚めた。 外にはもう日が昇っている。 「ゆっ・・・どうしよう・・・、パチュリー、どうしよう・・・・」 帽子に話しかけるが答えは返ってこない。 茎の上を見上げると、生れ落ちるのを待ちわびているかのように、ニコニコと微笑む赤ちゃんがいた。 もう体もプチトマトほど。いつ生れ落ちてもおかしくない大きさだ。 まりさ種が2匹、アリス種が5匹。 ふと、まりさは疑問に思った。 「ゆ・・・なんだかすごくゆっくりしてる・・・」 実った赤ちゃん7匹は、どれも皮がはち切れんばかりにぷっくりしている。 ぷりぷりした赤ちゃんは栄養状態が良い証拠だ。 しかし昨晩、まりさは焦りから、うっかりいつもどおりの食事しかとらなかった。 7匹分の栄養は取っていないはずなのに、いったいどうしてここまでゆっくりしているのだろう。 まりさは頭をひねったが、その答えは分からなかった。 そしてその日の夜、ついに出産の時が来てしまった。 頭の茎に違和感を覚えたまりさは、心がどん底に沈んだ。 殺そうと何度も思ったが、結局殺せずに終わった。 ゆらゆらと赤ちゃんが揺れ、ぽとりと床に落ちた。 「ゆっくちちていっちぇね!!!」 最初に生れ落ちたのは、アリス種であった。 ゆーゆーと微笑みながら、この世の誰よりもゆっくりさせてくれるであろう母に擦り寄ろうと跳ね寄ってくる。 親まりさはその姿に背筋が凍りついた。 あの強姦魔アリスとそっくりではないか。 恐ろしい。 自分はこんな薄汚い子をなぜ産んでしまったのだろう。 絶望の底に後悔の沼が広がる。 「ゆ!おかあしゃん!ゆっくちー!!」 思わず、親まりさは真後ろに跳ねた。 その衝撃で今度は2匹の赤ちゃんが落ちる。 2匹ともまりさ種だ。 「ゆっくちぃ!ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!!」 「ゆっくちちていってね!!」 悪魔の産声。 跳ね寄る3匹を親まりさは睨み付けた。 その後も次々と赤ちゃんゆっくりは生れ落ちたが、親まりさは一度も声をかけたり、頬をすり合わせることをしなかった。 親まりさの頭にあるのは、なぜ早く殺さなかったのかという後悔ばかり。 生れ落ちてしまっては、殺すことは難しい。 生を受けた子供を殺しては、今いる群れから追い出されかねない。 7匹を一度に殺す術はない。1匹でも巣穴から出たらおしまいだ。 「ゆぐっ!!?!」 突然、激痛が親まりさを襲った。 痛みの元は口の下、顎の辺り。 7匹の出産でスイッチが入ったのか、胎内の赤ちゃんも生まれようとしていた。 「ゆっぐぉぉおおおおっおおおっ!!!」 身を裂くような痛み。 顎のあたりには小さな穴が開き、それはどんどん大きくなる。 「ゆ?」 「ゆ!いもーとがうまれるよ!」 「ゆっくちでてくるね!!」 お前らの妹なんかじゃない、親まりさは怒鳴りつけたい気持ちでいっぱいだったが穴が大きくなって声も出せない。 「ぐぉおおおおおっおおお!!!ゆぐぐうああああああああっふうううおおお!!」 「おかあさん!ゆっくちがんばって!!」 「ゆっくちだよ!!」 「いもーとがゆっくちでてきてるよ!!!」 もう赤ちゃんは出口付近まで出てきている。親まりさは感覚で理解した。 最後に一度、大きく力を入れる。 「ゆごおおおっ!!!!」 ポン、という乾いた音と共に激痛が親まりさの体から消え、幸福感に包まれる。 「ゆふぅ~」 「ゆ!うまれたよ!!」 「ゆっくちしてるね!!」 「ゆゆー!ゆっくちしたおねーさんだよー!」 親まりさはすぐにパチュリーとの愛の結晶に目を落とす。 紫色の髪が綺麗なゆっくりパチュリーがそこにいた。 「ゆゆ!!!パチュリー!!おかあさんだよ!!ゆっくりしようね!!!」 7匹の赤ゆっくりには向けることのない笑顔で近寄る親まりさ。 しかしすぐに、赤パチュリーの異変に気が付く。 体が異様に小さかった。 生れ落ちた7匹はどれもプチトマトサイズだ。 それは標準的なサイズなのでなんの問題もない。 しかし、この赤パチュリーは普通のトマトくらいの大きさしかなかった。 一般に、人間型の出産をすると1匹がソフトボールくらいの大きさで生まれてくる。 それも2匹か3匹が同時に生まれるものだ。 パチュリーは交尾の最中に力尽きてしまったため、1匹しか妊娠しなかった。 2匹3匹分の栄養を独占するのだから、2倍3倍大きい赤ちゃんが生まれることはあっても、標準より小さい赤ちゃんが生まれるのはおかしい。 「ゆっ・・・!?どうして・・・!?」 答えはすぐに分かった。 不自然に健康的だった7匹の赤ゆっくり。 こいつらが赤パチュリーから栄養を抜き取ったのだ。 茎になっている間は母体と繋がっている。7匹の栄養を吸う力が、パチュリーよりも強かったのだろう。 親まりさは改めて、この7匹の赤ゆっくりが憎たらしくなってきた。 生れ落ちただけでも迷惑なのに、大事な大事な赤パチュリーを未熟児にしてしまった。 もはやこの7匹から、わずかに残っていた母親の愛情は完全に消えてしまった。 「パチュリー!ゆっくりしていってね!!!!ゆっくりしていってね!!!」 第一声を言わない赤パチュリーに親まりさは懸命に声を掛ける。 「ゆっくちちていってね!!」 「ゆっくちちえいってね!!」 釣られていらない子達まで声を掛け始める。 一瞬、親まりさの脳裏に潰し殺す選択肢が浮かんだが、こんなのに構うよりも赤パチュリーを優先した。 「むっきゅ・・・」 「ゆ!!パチュリー頑張って!!ゆっくりしてね!!」 小さな体を懸命に起こし、赤パチュリーは親まりさの方を向く。 「むっきゅ・・・!ゆ・・・ゆっ・・・ゆっくちちていってね!!!」 親まりさは、涙をこらえ切れなかった。 最愛のパチュリーとの間に生まれた子。 この世の全てを敵に回しても、絶対にこの子をゆっくりさせてあげたいと思った。 涙に染まった頬を赤パチュリーに優しくあてる。 赤ちゃんゆっくり特有の弾力性に、心が癒された。 赤パチュリーの笑顔はパチュリーの死も、強姦も、その全てを忘れさせてくれた。 「ゆっくりしようね!ずっと、ずっとお母さんとゆっくりしようねっ!!!」 出産を終え、親まりさはご飯の用意に取り掛かった。 ワラの中では赤パチュリーがお腹を空かせている。 急いで溜めておいた食料を取り出し、親まりさは赤パチュリーの元へと戻る。 「むっきゅうん!おいちい!ゆっくちできるよ!」 親まりさは続けて、ムカデを咀嚼し、赤パチュリーに口移しをする。 「むっきゅ!すごくおいちいよ!」 「おかあしゃん!ぱちゅりーばっかちずるいよ!まりさもゆっくちしたい!」 「ありすもゆっくちしたいよー」 「ありすはおかあさんと すりすりしたいよ!」 一回り小さないらない子達がやってきた。 そういえばまだいたんだね、親まりさはゴミでも見るような目で7匹を見た。 「うるさいよ!!まりさはパチュリーにご飯を上げてるんだよ!!」 びくっと震える7匹。 頬をすり合わせようと近寄っていた赤アリスは体当たりをされてはじき飛ばされた。 「いちゃい!!」 「ゆ!ずるい!」 「アリスもゆっくちちたいのに!!」 「おなかすいたよ!!ゆっくちできない!!」 涙を流して大声で泣く7匹を無視して、親まりさは赤パチュリーにダンゴムシを咀嚼して食べさせた。 「お腹がすいたなら勝手に食べてね!!まりさは忙しいんだよ!!」 未成熟で生まれた赤パチュリーは、ヘタをするとすぐに死んでしまうかもしれない。 親まりさはガラス細工を扱うように丁寧に、ゆっくりと赤パチュリーにご飯を食べさせる。 「むきゅううん!おかあさんだいすき!!」 2匹の笑い声がいつまでも巣に響いた。 続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1971.html
前 静けさを取り戻した広場で、一つの陰が動き出す。 動き出した影は別の影へと歩みだす。 そして影は互いに寄り添うように、一つになる。 そのまましばらく時が経過し── 一つの影は再び分かれ、歩みだした影は広場から消え去っていく。 影が歩みだした時、既に雨は止んでいた。 後編 あの日の出来事から数日が経過した。 森はいつもと変わらぬ朝を迎える。 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」 れいむ親子も例外ではなく、朝から元気よくいつもの挨拶をしていた。 「おかーさん、おなかすいたー」 「「「「おなかすいたー!!」」」」 「ゆっ、まっててね。すぐにあさごはんにするよ!!」 ゆっくりは起きてすぐ朝ごはんを食べる。いつもと変わらない習慣だ。 親れいむがご飯を子供達に与えようと食べ物の保管庫へと足を運ぶ。 そして子供達の前に食べ物を置いていった。 「さあみんな、ごはんをたべるよ!!」 「「「「「ゆゆーっ!!」」」」」 れいむ一家団欒の食事が始まる。 ゆっくりという名に相応しくなく、その食事はものの数十秒で終わってしまった。 「ゆっ、みんなゆっくりできた?」 食べ終えた子供達にゆっくり出来たかどうか確認する親れいむ。 しかし── 「おかーさん、ぜんぜんたりないよ!!」 「れいむたちをがしさせるき!?」 「もっとれいむたちにごはんをもってきてね!!」 「ゆゆっ!?」 子供達からの講義に、親れいむは慌てふためいた。 今まで食事の量は親ぱちゅりーが管理していたために、食事の量は適切に保たれていた。 、しかし親ぱちゅりーが居なくなってからは親れいむが管理することなったが、ちゃんと管理せず無計画に食べたいだけ食べる生活が続いた。 子供たちはそれを普段の量と勘違いしてしまったようだ。 本来ならばここで親ぱちゅりーが子供達を止めるのだが、その親ぱちゅりーも今はいない。 親れいむはそんな子供達の抗議を聞き、保管庫へと足を向ける。だがそこには少ししか食べ物が残ってなかった。 (ゆぅ……あとでいっぱいあつめればだいじょうぶだよね!!) 楽観的思考で残りの食べ物を持ってきた。 「ゆっ、しょうがないね。みんなでわけてたべてね!!」 「おかーさんありがとう!」「おかーさんやさしーね」「ぱちゅりーおかーさんとちがってゆっくりできるね」 「あんなのれいむたちをゆっくりさせなくておやじゃなかったよね」「ゆっくりー!!」 子供達の喜ぶ声に、親れいむは満足そうだった。 食事も終わって、親れいむは狩りに出かけた。 子供達も狩りにいくように誘ったが、 「もっとゆっくりしたいよ!!」「おかーさんがたくさんとってくればいいよ!!」 等と言い出したため、結局子供たちはお留守番となった。 お昼過ぎになって、親れいむは帰ってきた。 さっそく取ってきた食べ物を分け与えるが、子供たちはまたもや不平不満を言い始めた。 「こんなにすくないと、ゆっくりできないよ!!」 「おかーさんもっとれいむたちにごはんをちょうだいね!!」 親れいむは困り果てた。もう保管庫に食べ物はまったく無いのだ。 申し訳なさそうに子供達にこれ以上食べ物は無いと言うことを伝えた。 だが子供たちは納得しなかった。 「なんでだべものがないのおぉぉぉぉ!!」「おがーざんがだぐざんどっでごないがらだあぁぁぁぁ!!」 「ゆっ!! はやくたべものをたくさんとってきてね!!」「れいむたちはここでまってるよ!!」「ゆっくりー!!」 「ゆゆっ!?」 結局親れいむはまた狩りに出かける事になった。 付いていく子供は当然おらず、再び全員がお留守番という名目で遊んでいた。 そうして親れいむの帰りを待っていたその時、一匹のゆっくりが巣に近づいてくるのに、子れいむの一匹は気づいた。 「ゆっ、ぱちゅりーがきたよ!!」 「「「「ゆゆっ!?」」」」 自分達の妹であるぱちゅりーだ。れいむ達はそう確信する。死んだと思っていたぱちゅりーがまさか生きていたなんて── れいむたちは身構えた。 「ゆっ、ゆっくりできないぱちゅりーはゆっくりでていってね!!」 「「「「でていってね!!」」」」 「まって、ぱちゅりーはれいむたちのためにたべものをもってきたんだよ」 「「「「「ゆゆっ!?」」」」」 たべものという言葉にれいむ達は反応した。 どうやら間違いに気づいてお詫びの品として食べ物を持ってきたらしい。れいむ達はそう判断した。 「いいこころがけだね!! とくべつにゆるしてあげるからさっさとたべものをちょうだいね!!」 「「「「ちょうだいね!!」」」」 「こっちだよ、みんないちれつにならんでついてきてね!!」 ぱちゅりーと呼ばれたゆっくりの言いつけに従い、子れいむたちはぞろぞろと列を作って移動する。 誘導した先には食べ物が積み重ねられていた。 「はやいものがちだよ、ゆっくりたべていってね!!」 「「「「「ゆゆーーーーーっ!!!!!」」」」」 その言葉が引き金となり、子れいむたちは我先にと山に群がっていく。 当然一列に並んでいたため、先頭と最後尾では距離が違う。 必然的に最後尾のゆっくりは遅れてしまうが、そのゆっくりに声をかける。 「れいむ、れいむ」 「ゆっ!! じゃまをしないでね!! さっさとどいてね!!」 「れいむはとくべつだから、むこうにかくしてあるたべものをみんなあげるよ」 「ゆゆっ!?」 「こっちだよ、ついてきてね」 そう言って一匹のれいむを別の場所へと案内した。 先に食べ物に突撃したれいむ達は、この出来事にまったく気づかなかった。 「ほら、あそこだよ」 「ゆー!!」 れいむは歓喜した。先程と同じくらいの量の食べ物がそこには積まれていた。 もう我慢できないとばかりに食べ物へと突っ込んだ。 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~」 お決まりのセリフを言い、心底ゆっくりするれいむ。 夢中になって食べ物を食べ続ける。そんな様子を見てぱちゅりーと呼ばれたゆっくりはれいむの後ろに近づき── 枝を思いっきり突き刺した。 「ゆぶえぇぇぇえぇぇぇぇぇ!!!」 「……」 「いだいぃぃいだいよおおおおおおお!!」 「……うるさい」 「ゆ゛ぎゃぁぁあああぁぁぁぁ!!!!!」 目の前のクズが悲鳴を上げる。実に不愉快だ。 黙らせるために枝を左右に動かす。さらに声が大きくなった。 こんな行為の何処が楽しいのだ? 何処が面白いのだ? どうして笑うことが出来るんだ? 理解できない。したくもない。 「どぼじでごんなごどずるのぉぉぉ!!!」 「……うるさい」 「やべっ、やべでえぇぇぇぇ!!!」 「……うるさいよ」 「おがっ、おねがいじまずぅぅぅぅぅ!!!」 「……」 「だずげでぐだざいぃぃぃぃぃ!!!」 「だまれえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 「ゆ゛へ゛は゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!」 怒りに耐え切れず、枝を力任せに薙ぎ払う。 ああもう耳障りだ、鬱陶しい。憎たらしい。 何故謝る? 何故許しを乞う? 何故助かろうとする? そうした者達を嘲笑いながら止めをさす奴らにどうしてそんな資格があるというのだ!! 「ゆ゛っ……もっど……ゆっ……」 「……」 初めて同じゆっくり、しかも元家族に近かった者を殺しても、特に何も感じなかった。 目の前に横たわるのは、りぼんの付いた餡子の塊としか思えなかった。 無造作にりぼんを餡子から離すと、残りの四匹のれいむのいる場所へと向かった。 戻ってくると、そこには四匹のれいむが奇妙な行動を起こしていた。 「げらげらげらげら」 一匹のれいむは笑いながらあちこちを飛び跳ねている。 「……」 一匹のれいむは泡を吹いて仰向けに倒れている。 「すーやすーや」 一匹のれいむは笑い声が五月蝿いにも関わらずぐっすりと眠っている。 「ゆ゛っ………………ゆ゛っ………………」 一匹のれいむはじっとしているが時折痙攣するような動きを見せる。 その光景をみて、思わず呆れてしまう。 (ぱちゅりーおかあさんがくちをすっぱくしておしえてくれたのに……) れいむ達の奇妙な行動の原因は、毒キノコだった。 一応親ぱちゅりーから教えてもらったはずであるが、見事に忘れていたらしい。 (むくわれないね) そう思うと、持っている枝でれいむ達を淡々と殺し始めた。 「ゆっくりかえったよ!!」 二度目の狩りを終えて親れいむは帰宅した。 しかし親れいむは様子がおかしいことに気づく。愛しいわが子からの返事がまったく聞こえないのだ。 「ゆゆ? かくれてないででてきてね!!」 懸命に住処を捜索するが、誰も見つからない。 気のせいだと自分に言い聞かせ、同じ場所を隅々まで探し回っていたが、ついには感情を爆発させてしまった。、 「どうじでごどもだぢがいないのぉぉぉぉ!!」 しばらく泣き叫び続けていた親れいむであったが、泣き止むと空腹感に襲われた。 昼からずっと跳ね回り泣き続けていればお腹が空くのも無理は無いだろう。 むーしゃむーしゃと自分で取ってきた餌を食べてゆっくりし始めた。 「ゆっ、そうだ!! こどもたちをさがすよ!!」 自分の欲望が解消されて、親れいむは今一番しなければいけない事を思い出す。 思い立ったら即行動だと言わんばかりに飛び跳ねる。 そして自分の家の入り口から出た時、見慣れた帽子が目に飛び込んできた。 「れいむおかあさん、ただいま」 「ゆっ!? ぱちゅりー!?」 間違いない、あの帽子は自分の生んだ子ぱちゅりーだ。 でもぱちゅりーはゆっくりできなかったからお仕置きして外に追い出したはずだ。 どうしてもどってくるの? れいむには理解できなかった。 「あのね、ぱちゅりーがわるかったんだよ、はんせいしたんだよ。だかられいむおかあさんにあやまりにきたの」 「ゆゆっ!?」 どうやらぱちゅりーは謝りに来たらしい。伴侶であったあのゆっくりできないぱちゅりーと違ってとてもゆっくりした子ではないか。 きっと無理矢理あのゆっくりできないぱちゅりーが嘘を言って連れてったのだろう。れいむはそう解釈した。 「わかればいいんだよ!! ぱちゅりーはいいこだね!!」 「ありがとうおかあさん! それでね、ぱちゅりーからなかなおりのぷれぜんとがあるんだよ」 「ゆっ!?」 「でも……おかあさんをびっくりさせたいから、ちょっとうしろをむいててね」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 親れいむは後ろを振り向いた。そして感動していた。 れいむによく似ていて、なんていい子なんだろう。外見がぱちゅりーに似てなければもっと良かったのに。 それにしてもプレゼントとは一体なんだろう。お花かな?キノコかな?珍しい果物かな? 今か今かと親れいむがワクワクしながら待っていると── 背中から鋭い痛みが走った。 「ゆぎゃあああああああああああ!!!!」 親れいむは痛みに驚いて跳ね回り、後ろを振り返った。 そこには我が子と思っていたゆっくりが、枝を咥えていた。 親れいむはすぐに自分の背中を刺したのが、我が子であることに気づいた。 「どうじでごんなごどずるのおぉぉぉ!!!」 「──どうして? どうしてわからないの? ばかなの?」 「ゆぎいぃぃぃぃぃ!! ゆっくりできないぱちゅりーはゆっくりしね!!」 親れいむは怒りで頭に血が上っており、全力で目の前の敵に飛び掛る。 成体の体当たりだけあってスピードもそれなりに早く危険な一撃だ。 だがぱちゅりーの帽子を被ったゆっくりは、ぱちゅりー種らしからぬ運動神経でこれを横に避ける。、 「ゆっぎいぃぃぃ!!! よげるなぁぁぁああああ!!!」 親れいむは次こそは当てると意気込んで、体当たり攻撃を仕掛ける。 しかし再び避けられて当たらない。また同じことの繰り返しであった。。 一方的な攻防がただ続くだけだが、このままいけば体格差や種族差からして、親れいむよりも先に子ぱちゅりーの方が体力が尽きることは間違いなかった。 「ゆっ……ゆっ……」 しかし徐々に親れいむに疲労の色が見える。 目に見えて体当たりするスピードや跳ねる高さが落ちていくのが判る。 疲れてしまい、目線を敵から地面に向けたところで親れいむは気づいた。 「ゆ゛っ!! なにごれぇ!!」 地面には点々と、黒い物が散らばっていた。 恐怖で思わず体を後ろに引こうとしたとき、背中に激痛が走る。 親れいむは思い出した。自分は背中に傷がある。その状態で激しく動き回ったらどうなるか── 「いまごろきづいたの?」 「ゆぎゃあぁあぁぁぁあ!!!」 親れいむが全てを悟ったときにはもう遅かった。 枝を突き出して突進してくるゆっくりを避ける体力は残っておらず、そのまま攻撃を受けて悲鳴を上げる。 その一撃で遂にれいむは動く体力は全て奪われてしまった。 「ゆびーっ、ゆびーっ」 「れいむおかあさん、ぷれぜんとはまだあるんだよ、ここでゆっくりしていってね」 これ以上何をされるのだろうか、親れいむは恐怖を感じていた。 ゆっくりできない奴は何処かに消えたらしく、今が逃げるチャンスだった。 だが、もう這いずる気力も湧き上がらず、結局ぷれぜんとを待ち続ける事になった。 そして、恐怖のゆっくりが帰ってきた。 「ぱちゅりーかられいむおかあさんにぷれぜんとだよ!!」 そう言って差し出されたそれは、親れいむを絶望へと突き落とす。 「い゛や゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! ! !」 それは五つの餡子のついたリボンだった。差し出されたどのリボンにもれいむには見覚えがある。 いなくなったと思っていた愛する子供達のリボンだ。そしてリボンから出る匂いが意味することは一つ。 全てを理解した瞬間、親れいむは泣きながら叫んでいた。 それを見てリボンを持ってきた者は不快そうに呟く。 「そんなになけるんだね……かぞくなんてごみだとかんがえているくずだとばかりおもってたよ」 「でも……だったら……」 「どうじでばぢゅりぃだぢをごろぜるんだあぁぁあぁああぁああああ!!!!!!!!!」 後に残るは六つのリボンと一つの黒い物体だけだった。 次 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/827.html
※スレの絵とコメントを見て書いてみた 『新ゆっくり製品販売!あらゆる家具がゆっくりに!?』 そんな広告を見た俺は、どんなものか気になったので見に行くことにした。 加工場が経営している販売所へ向かう。あまりに早く着いたおかげで、まだ開店準備の真っ最中だ。 たまたま店の準備をしていた店員に出会うと、少し早めに見物させてもらえると言う。 そんなわけで中に入ってみた。 が、中にあったのは箪笥やちゃぶ台、本棚といった家具。 ……さて、これのどこがゆっくり製品なんだろう? とか思っていた時だった。 「ゆっくりしていってね!」 突然、俺の近くからゆっくりの声がした。 が、声をしたほうを向いてみると、『木れいむサンプル』とかかれた札。 そして、そこらへんに立っているような木にゆっくりの顔を貼り付けた変なもの。 サンプルの立て札に、ちょっとした紹介と特徴も書いてあった。 要約すると、ゆっくりが出産の際蔓を生やすなら、ゆっくりが花を咲かせられるのではないか? と考えた研究者が実験の末に生み出した新種らしい。 結果としては花が咲くことはなかったが、その代わりがこの木れいむだそうな。 たまたまれいむ種で研究していたそうだが、他の種で可能なのかは現在研究中だとか。 いくつか貼ってある写真には、他のゆっくり研究者達。協賛には永遠亭の名前もあった。 特徴として分かっているのは僅かで 一見普通のゆっくりだが、妊娠して蔓を伸ばしだすと母体のゆっくりも木に変異する。 ある程度木として成長すると、普通のゆっくり同様蔓出産をする。 生まれた子ゆっくりは、一定の成長をしないで潰されると親同様の木として成長する。 くらいらしい。 説明をしばらく読んでいると 「でいぶのからだがあ゛あ゛あ゛!?」 なにやら騒がしい。後ろを振り返ってみた。 「もとにもどじでえ゛え゛え゛!!」 「なんでごんな゛ごどにい゛い゛い゛い゛い!!」 ここでやっと俺は理解した。 つまりこいつらは、この木れいむでできた家具というわけか。 今まで静かだったのは、ただ眠っていただけのようだ。 せっかくなので、製品も観察してみる。 最初に目についた箪笥を見てみた。 五段の引き出しがあり、真ん中の三段目にゆっくりの顔がついている。 展示品は汚さなければ少々いじってもいい、とのことだったので、遠慮なくいじってみた。 「おにいさん……れいむをもどして…………」 そんな懇願を気にせず、一発殴ってみる。 「ゆ゛うっ!!いたいよおにいさん、なにするの!!」 変形しても痛覚は残るらしい。なら引き出しを引っ張ったときはどうなるのだろう。 顔の部分の引き出しを引っ張ってみた。 「ゆ!!おそらをとんでるみたい!!」 ……あれ?てっきり痛がると思ったんだが。 そう思いながら木れいむの顔を観察してみた。 顔は飾りではなく、感覚器官として動いていた。触った感じもこのあたりだけ少し柔らかい。 動けるころの名残かゆっくりが食べられるものも一応食べるらしい。 ふと、ある考えが頭をよぎった。 さっそく実験をしながら、しばらくれいむをなでたりして遊ぶ。 しばらくは俺に気を取られていたれいむだったが、少し落ち着かない様子で 「おにいさん!れいむをもとにもどしてね!!こんなかたちはゆっくりできないよ!!」と言ってきた。 さすがに木れいむの状態に戻すことは俺でもできないため、引き出しを押し込めた。 ……さっきからずっと蹴りをいれた箪笥に。 「ゆぐううううううう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!?!?」 やっぱりだ。こいつは顔のある部分だけ感覚がある。 つまり、顔と他の木の部分を切り離すと、顔は木に受けたダメージを感じない。 だが顔を木に戻すと感覚が繋がってダメージが顔にも伝わるという訳だ。 「いだいよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 痛いのはこっちだ。感触がまんま木なので蹴ったりすれば俺も痛い。 虐待お兄さんなら話は別かもしれないが。 その日、俺は木れいむ製の小さなテーブルを買うことにした。 ここまでさせておいてもらって何も買わないってのは、ちょっと気が引けたからな。 「むーしゃ、むーしゃ……」 使ってみるとこれがなかなか便利だ。 基本的に放置していても平気だそうだが、テーブルにこぼした水や食べカスなんかは口に持っていけば処分してくれる。 虐待したい時には適当に物をぶつけたりすればいつでもゆっくりの悲鳴が聞ける。餡子の始末が面倒という人には、気軽に虐待ができると評判だ。 廃棄するときには、砕いて薪にでもすればいい。 『ゆっくり家具第二弾!!ご要望の多かった小さな家具も実現!!』 そんなチラシをテーブルに伏せると、俺は出かける準備を始める。 その中身を理解したテーブルれいむは、使われだしてから久しく涙を流した。 終 レスを見てすぐに書き出したのにすでに先を越されてた……ゆっくりしないで書いた結果でもこれかよ! このSSに感想を付ける