約 3,642,267 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3081.html
注意書き 虐待お兄さんが行方不明になります ゆっくりが普通のゆっくりとは違います 以上 日が沈みかけ、薄暗くなってきた山の中にゆっくり達の悲鳴が木霊していた。 「もうやだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!だずげでえええええええええええええええええええええ!!!!」 「おねがいだがらもうやべでくだざいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 叫び声をあげるゆっくり達の中には一人の男が居た。 麓の村に住んでいた男だが、男は己のことを『虐待お兄さん』と名乗っていた。 趣味はゆっくりを虐待し、殺すこと。 だから男は今この上ない幸福を感じていた。 何故なら、ゆっくりを己の手で痛めつけて殺しているからだ。 無様に喚き、悲鳴を上げ、何もできずに死んでいくゆっくりが男は好きだった。 正確には、ゆっくりを殺す事が男は好きだった。 右腕で殴り、左腕で投げ、右足で踏み、左足で蹴る。 己の四肢を振るうだけでゆっくりは死んでいく。そんなにもゆっくりは脆かった。 中にはもちろん抵抗するゆっくりも居たが、人間に敵うわけがなく男に殺されていった。 「おちびちゃんたちはいそいで逃げてね!! まりさが囮になるからね!!」 「まりさごめんね…… 急いで口の中に入ってね!! ゆっくりしないで逃げるよ!!」 「みゃみゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 家族を逃すため囮になろうとしたまりさは掴まれ、逃げようとしたれいむにぶつけられた。 口の中に居た子ゆっくりは潰れ、親のまりさとれいむももう動かなかった。 「人間なんかれいむ達の敵じゃないよ!!!! ゆっくり死んでね!!!!!」 「「「「「「「ゆっくりしんでね!!!!」」」」」」」 仲間と一緒に体当たりを仕掛けてきたゆっくりは、一匹残らず殺された。 ただ潰されたゆっくりは幸せだっただろう。数匹のゆっくりは底面の皮を破くだけで男は済ました。 動けば中身がこぼれて死ぬ。動かなくても徐々に中身がこぼれていって死んでしまう。 迫り来る死という恐怖に泣き叫ぶゆっくりの姿は相変わらず滑稽で、男の顔は笑っていた。 普通の人間であるならば、これだけの悲鳴を聞いていれば発狂するだろう。 しかし、男は『虐待お兄さん』である。今この場で感じているのは愉悦だけだ。 逃げるゆっくりも立ち向かうゆっくりも、どんどん男に殺されていく。 そして、最後に残った一匹のゆっくり。成体のゆっくりれいむが震えていた。 逃げようとしても、立ち向かっても男に殺されるのはもう分かりきっているのだろう。 どんな風に虐待しようか『虐待お兄さん』の男が考えていると、ある事を思いついた。 やわらかいゆっくりの体を持ち上げて、両手でゆっくりの頭頂部を男は掴む。 「な、なにするの!! ゆっくり離してね!!」 喚くゆっくりを無視して男は手に力を込め、真っ二つに引き千切ろうとした。 「おにいざんやべでね!! 痛いからはなじでね!!」 男がゆっくりの願いなど叶えてやるわけがなく、弾力のある皮はどんどん伸びていく。 「やだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! じにだぐないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 そんな風に叫びながら、れいむは千切られた。 男の手にはちょうど半分に分かれたれいむがあり、片方は投げ捨てもう一つは持ち帰る事にした。家へ帰ってから食べるつもりである。 周囲を見渡してもゆっくりはもういないようなので、男は山を降りる事にした。 ゆっくりを追いかけてどんどん奥まできてしまい、帰るのが面倒だと男は思った。 男が去ってから少し経つと、一匹のゆっくりの残骸が震え始めた。 いや、一匹だけではない。見ればどのゆっくりの残骸も震えていた。 やがて一匹のまりさの残骸から腕が生え出して、徐々に元の丸い形に戻り始めた。 何秒も待たずにまりさは元の姿に戻り、辺りを見回してから息を吐いた。 「さて、今日もお疲れ様なんだぜ」 「お疲れ〜」 「一人だけだったね」 「でもこんなことよくやるよ」 「他の人間さんは忙しそうなのにねぇ」 まりさの声に反応して元の姿に戻ったゆっくり達は好き勝手に話を始めたが、男に残骸を撒き散らされてしまったゆっくりはまだ戻れていなかった。 「じゃ、いつもみたく先に元の姿に戻れたやつはまだ戻れてない奴の手助けをしてほしいんだぜ。戻れてない奴はどんどん助けを近くの奴に求めるんだぜ」 手を叩きながらまりさは指示を飛ばす。どのゆっくりも文句の一つも言わず指示通り動き始めた。 「あと数合わせで分裂した奴もちゃんと元に戻すんだぜ」 「しょうだよ!! もどらなかったらみんなこんな風に自我をもっちゃうよ!!」 まりさの言葉に続くように一匹の小さなれいむがまりさの隣でふよふよ浮きながら言った。 「お前さんも手伝ってくるんだぜ」 「みゅ〜… 面倒だよぉ…」 「そんな事は通用しないんだぜ」 「わかってりゅよ!!」 小さなれいむはふよふよと飛んでいく。その姿を見送ってからまりさもふよふよ浮き始める。 元の姿に戻ろうとしている仲間の残骸を集める作業に入るのだ。 残骸を集めるのは実に大変である。 ある程度の距離ならば勝手に残骸と残骸が勝手にくっ付いて元の姿に戻ろうとするのだが、撒き散らされてしまってはくっ付くことはできない。 放っておいても一番多く集まった残骸が中途半端に復元され、時間を置けば徐々に修復される。 しかし、この群れはもうあの『虐待お兄さん』に潰されてしまった群れなのだ。 それなのにこの場に留まっていてしまっては、流石に人間にだって怪しまれてしまう。 ゆっくりはあくまで『愚鈍で馬鹿で意地汚い動く饅頭』でなければならない。この秘密を人間に知られない為にも、今は一刻も早くこの山から離れなければならないのだ。 「困りました……」 まりさが仲間の残骸を集めていると、半分だけのれいむが俯いて浮いていた。 『虐待お兄さん』に最後真っ二つにされ、片方を持っていかれてしまったれいむだ。 「まあ、お前さんは仕方ないんだぜ。どうせ少ししたら元に戻れんだから人間に見られないように移動するしかないんだぜ」 食べられたりすれば適当に復活できるゆっくりではあるが、流石に中途半端に食べられてはそれも無理である。 このれいむは自然に修復されるまで待つしかないのだろう。 だが、れいむの返事は違った。 「いえ、別に元の姿に戻れないの事で困ってるんじゃないんです」 「? どういうことなんだぜ?」 「実は……」 山を順調に下っていた男は一つの違和感に気づいた。 最初は気のせいだと思っていたのだが、どうやら気のせいではないらしい。 右手に持っていたゆっくりれいむの半身がもぞもぞ動き出していたのだ。 不思議に思いながらゆっくりを顔の前まで持ってくると、断面から餡子がこぼれなくなっていた。 断面の方を見てみると餡子がこぼれない理由が分かった。餡子が消えていたのだ。 ゆっくりの中身である筈の餡子は見事に無くなり、断面には何もない空間が広がっていた。。 最初は餡子がこぼれて皮だけになったと思ったのだが、どうやら違うようである。 男が手を突っ込んでみると、男の腕はそのまま入ってしまったからだ。 いくら成体のゆっくりとは半分に切り取ったゆっくりの体はそこまで大きくない。 恐る恐る男は己の顔をゆっくりの断面に入れてみる。すると、男はゆっくりの中に吸い込まれていくのが分かった。 慌てて顔を皮から出そうにも既に手遅れで、男は顔から下も全て吸いこまれてしまった。 後には何も残らず、残ったゆっくりの皮はふよふよ浮いて男が下っていた山道を再び登り始めた。 「つまり、引き千切られた半分の方も復活してしまいどうやらあの男を飲み込んでしまったみたいなんです……」 「はぁ……」 れいむの説明を聞いていたまりさは溜息を吐いた。 今の話はおそらく本当の事で、間違いなく先ほどの『虐待お兄さん』は吸い込まれてしまったのだろう。 「全く、運の悪い人間さんだぜ……」 そう言いながらまりさは頭の裏を掻く。 人がいなくなったと分かれば人間は間違いなく山狩りをするだろう、そう考えてまりさは再び指示を出す。。 「れいむの半身がこっちに来たら出発するんだぜ。その前に各自修復するんだぜ!!」 ゆっくり達は再び作業を再開する。 今優先することは急いでこの場を離れ移動することだ。下手したら人間に見つかってまた潰されるかもしれないからだ。 流石に二日連続で潰されるのは嫌だからか、修復速度もどんどん上がってきている。 まりさも仲間の残骸を集め始めてから、再び溜息を吐いた。 「人間さんがゆっくりって名付けた癖に、ゆっくりがゆっくりできる日は来るのかだぜ……」 ま、ここじゃ無理かとまりさは思った。 終 by大貫さん ↓は後書きと感想フォームへの返事です。読みたくない方はこのまま戻ってください こんな駄文を最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!! 本当は膿と膿以降人間を酷い目にあわす話は書くつもりはありませんでした。 ただ、あるれいむのAAを見て (これ、誰か吸い込まれたら面白そうだなぁ…)って思ったので書いてみました。 感想フォームに感想下さった方、本当にありがとうございます。 (名無しさん) 2008-11-10 15 16 03 後書きに対してのご忠告、本当にありがとうございます。 自分が作者様をおちょくるつもりはありませんでした。ただ、一言断っておいた方がいいかも…… と思っただけなのです。 本当にすいませんでした。 (名無しさん) 2008-11-19 13 43 03 読んで下さりありがとうございます。 タイトルを見れば分かるように、ゆっくりの中の膿と人間の中の膿を比較するために書いた作品です。 ですが、この作中に出てきた虐待お兄さんも他の人が書かれれば立派殺される事もなかったと思います。 (名無しさん) 2008-12-05 17 30 26 確かに原作の靈夢と魔理沙ならばふぅ〜んとかへぇ〜で済ましそうですね…… 反省です。 本当は最初は霖之助の視点で書くつもりだったんですが、霖之助というキャラは本当に扱い難いキャラだったので諦めさせてもらいました。申し訳ありません。 あと、最後に色々書いてくださいと言ってくださり本当にありがとうございます。 虐待スレという場で、ぬるいじめでも良いと言ってくださり本当に嬉しかったです。ありがとうございます。 最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。お目汚し失礼!! 書いた作品一覧 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 保護場 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2 ゆっくりいじめ系900 膿と膿 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス ゆっくりいじめ小ネタ146 生まれ変わり ゆっくりいじめ小ネタ251 飼われているゆっくり 野良のゆっくり
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/665.html
「ただいま」 私の名前はA。独身で一人暮らしである。 今までは「ただいま」なんて挨拶は6畳半の狭い部屋の暗闇に溶けるように消えていったが、最近は違った。 「おにいさん、おかえりなさい!!ゆっくりしていってね!!」 最近、ゆっくりれいむを拾ったのだ。 巷では「ウザイ」やら「害虫」やら「腐れ餡子」なんていう不名誉な称号を得ているが、 親元を離れ10年近く一人暮らしをしている私にとって話しかければ返事をしてくれるゆっくりは精神的な癒しになっていた。 しかし、最近ゆっくりの態度が多少変わってきた。 「おにいさん、おなかへったよ。ゆっくりしないでごはんもってきてね!!」 (おまえ、さっきゆっくりしていってね!!っていったばかりじゃん・・・。) 拾ったばっかりのゆっくりがお腹が減ったときはちこっちを見て餌をほしそうな目でちらちらこっちを見たり、 「ゆ、ゆ、おにいさん!!おなかへらない?ゆっくりごはんをたべようよ!!」やら要求の仕方にもまだまだ可愛げあったのだが・・・。 そんな事を考えながらに餌をもらえるのが当たり前という風に踏ん反り返っているゆっくりを見ていると、なんだか虐めたくなってきた。 まぁゆっくりの気持ちはわかる、朝に餌をやってから夜まで餌を与えていないわけだからお腹はかなり減っているだろう。 部屋を荒らして餌を探した後もないし、こいつは他のゆっくりに比べて頭がいいと思う。 しかしこういったゆっくりの生意気な姿を見ると虐めたくなるのは、人の性・・・いやゆっくりの運命に違いない。 それに、これ以上調子付かせると自分の家宣言やらで本格的に霊長類の偉大さをその餡子に刻み込みたくなるので早期にしつけておくべきだろう。 そう考えると私は早速夕食の準備に取りかかる為に台所に向かった。 そうすると早速ゆっくりが 「ゆっくりしないでごはんをつくってね!!」 と私をせかす。 普段ならどうということもないその台詞もいまは私の嗜虐心を増長することしかしない。 いつもならここで私は 「わかったわかった、ゆっくり待ってろよ。」とか返事をするのだが、今回私はその呼びかけを無視した。 そうするとゆっくりはどうも私に声が聞こえってないと判断したようで更に大きな声で 「ゆっくり!!!ごはんをつくってね!!!」 と胸(?)をそらしながら言った。ここでも私が無視するとゆっくりはさすがにおかしいと思ったらしく、 「ゆ、ゆっくりごはんをもってきてね。」と言い換え、媚を売るような目で私を見つめてきた。 当たり前のように私はそれを無視すると夕食を作り始めた。 ゆっくりは私に無視されていることに気づいたらしく 「な゛ん で む じ ず る゛の゛おぉぉぉ!!」 と泣き始め私に突進してきた。 ぼよんぼよん、と有効打には程遠い効果音を鳴らしながら、ゆっくりは私に体当たりを繰り返す。 「む゛し゛ち゛ない゛て゛え゛ぇぇぇぇ」 もうゆっくりの顔は涙やらの体液でぐしょぐしょになっていた。 私は背筋にゾクゾクとしたものが走るのを感じ、この後どうやってゆっくりを虐めるか思考を巡らせた。 ゆっくりのしつけという建前はこの時点で完璧に私の頭の中から消え去った事をここに宣言しておこう。 その後ゆっくりは泣き疲れたのかこれ以上泣いても無駄だと悟ったのか部屋の隅で寝てしまった。 私はその間にゆっくりを透明な箱の中に入れ、更に外に行って「小道具」を探しにいった。 最近「それ」は幻想卿でやたらむやみ増えているので簡単に捕まえることが出来た。 そして箱の前に餌を置いてゆっくりを起こした。 「ゆっくり、ご飯の時間だよ」 「ゆ・・・?ゆ!!」 今日のゆっくりの餌はそれなりに豪勢だ。腐りかけた肉を焼いたものとくず野菜だ。 特に肉が出る日は少なく、ゆっくりは先ほどのことなど忘れた様子で餌に飛びつこうとした。 「ゆ、ゆっくりたべよう・・ね゛!!」 ゆっくりは餌と自分を遮る板にぶつかり「ゆ゛っゆ゛っ!?」と情けない声を出して跳ね返った。 ゆっくりの弾性が高すぎたためかしばらく箱のなでバウンドして「ゆっ!!ゆっ!?」と情けない声を上げていた。 そこではじめてゆっくりは自分が箱の中に居るということに気づいたのである。 「おにいさん!!ここじゃゆっくりできないよ!ゆっくりだしていってね!」 その呼び声を無視して私は「小道具」を部屋ゆっくりれいむの前にだした。 「それ」はふてぶてしくも私の部屋を見渡して 「とかいはありすにはにあわないいなかくさいいえだけど、ゆっくりしていくわよ!!」 とほざきやがった。 そう私はゆっくりれいむが寝ている間に他のゆっくり種を捕まえにいったのだ。 「ゆっくりしていってね!!」とゆっくりれいむは条件反射のように答えた。 そんなゆっくりれいむを無視してゆっくりありすはゆっくりれいむの前にある餌に目をつけ、 「このとかいはなでぃなーはとかいはのありすのごはんよ!!」といって餌を食べ始めてしまった。 都会派どころかその餌腐ってんだけどなぁ・・・。 当然ゆっくりれいむはゆっくりありすに抗議。 「そのごはんはれいむのごはんだよ!ゆっくりたべるのやめてってね!!」 と抗議した。しかしありすはそんなこと無視して 「うっめ!!めっちゃうめ!!」とがつがつ食べてしまった 「や゛め゛て゛え゛ぇぇぇぇ、れ゛い゛む゛のごばん゛だべな゛い゛でぇぇぇ!!!」 そんなゆっくりれいむのなきごえを他所にゆっくりありすは餌を全て食べてしまった。 そしてゆっくりありすは 「とかいはのありすのくちにはあわなかったからつぎはもっととかいはなでぃなーをよういしてね!!」 と俺に向かってほざきやがりました。つか都会派なディナーってどんなやねん。 自分の餌を食べられたれいむは 「あ゛あ゛ぁぁぁぁて゛い゛ふ゛のこ゛は゛ん゛がぁぁぁ!!!」 と泣き叫んでいる。 (あーあやばいやばいよー俺の中で何かが目覚めるよー) おれは自分の中のSやらMやらの部分が激しく励起して今にも電子を放出しそうな、そんな未知の興奮を感じていた。 そして私はゆっくりれいむの泣き顔を見ながら飯でも食うかと思っていた時、ゆっくりありすから 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」という泣き声が聞こえた。 まさかと思ってそちらのほうを見ると 「て゛いむ!!わたしのごを゛う゛んて゛ぇぇぇ!!」 とありすの求愛のダンス(?)が展開されていた。 なんか視界の端で揺れてると思ったらこいつ発情してやがったのか。 つか腹が膨れたら即交尾かよ・・・。 そしてゆっくりありすはゆっくりれいむに飛び掛かりこすりながら絡んでいる。 正確には箱にだが。 「や゛ぁへ゛て゛ぇぇぇ!!ゆ゛っく゛り゛やへ゛て゛って゛ぇぇぇ!!!!」 「れいむぅ!て゛ぃふ゛ぅぅぅぅ!!!ぎもでぃい゛い゛よぉぉぉ!!」 透明の箱は丈夫で人の手でも壊すのが難しいくらいなのでゆっくりありすごときではびくともしないのだが、 中に入っているゆっくりれいむには当然そんなことはわからずいつこの箱が壊れるのかありすが襲ってくるのかと半狂乱になって叫んでいた。 「あ゛ぁぁぁぁ!!ゆ゛くし゛て゛き゛な゛い゛よ゛ぉぉぉぉ!!!」 「い゛く゛!!あ゛りずの゛か゛て゛るぅぅぅぅ!!!」 どうやらありすは箱相手にイクようだ。あほだなぁ 「ゆ゛ぅぅぅぅ!!!お゛に゛い゛さ゛んた゛す゛け゛て゛ぇぇぇぇ!!!!!」 パン 「ゆ・・・?ゆぅ?」 ゆっくりありすは壁に衝突してぐしゃぐしゃになって絶命していた。 おそらく私の拳を受けたんだろう。私の手の甲にカスタードがついている。 うわ、カスタードが飛び散ってる。 ゆっくりれいむは一瞬何が起きたか理解できなかったようだが、徐々に状況を理解したようで 「お、おにいさん。れいむをたすけてくれたの?」 と言った。 その問いに答える代わりに私はゆっくりれいむを箱から出して抱き上げた。 そしてわたしはゆっくりれいむにむかって 「ゆっくり飯でも食うか。」 と言った。 そうするとゆっくりれいむは満面の笑みで決まり文句を言った。 「うん!!いっしょにゆっくりしてこうね!!」 fin 歴史というのは己が切り開いてきた道のことを言う。 例えそれが漆黒の道を切り開いて作ったものであるとしても何を恥じる必要があろうか。 ※異訳・・・またひとつ黒歴史が誕生しましたとさ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/121.html
ここはゆっくり霊夢の家族が住んでいる巣 お母さん霊夢を中心に5匹ほどのゆっくり霊夢の子供達が中むつまじく生活している。 このお母さん霊夢は成体で、繁殖をしても黒ずんで朽ちることなく無く今も娘達を優しく守っている。 この平和なゆっくりの巣に発情させたゆっくりアリスを放り込んでみた。 だらしなくよだれを垂らしながら「ゆっゆっゆっくりしていってねええええええええ!!!」とわき目も振らずにお母さん霊夢に突進するゆっくりアリス。 がっちりとゆっくりアリスに押さえ込まれたお母さん霊夢、すぐさま交尾が始まった。 「ゆ゛っ……ゆ゛っゆゆっ!!!」苦しげなお母さん霊夢。 小刻みに震え、切なげな声を出すゆっくりアリス。 娘霊夢たちはわけもわからずガタガタ震えることしか出来ない。 そして「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」と一際大きなお母さん霊夢の声、交尾が終わったようだ。 頭から茎を伸ばしながらもこれでゆっくりできると一安心のお母さん霊夢、だがそこで終わりではなかった。 すぐさま連続して交尾に移ろうとするゆっくりアリス、さすがのお母さん霊夢も「ゆ、ゆっくりしようよ!!!」と危険を察したのか娘達をかばいながらあとずさる。 「れ、れいむううううううううううううう」飛びかかるゆっくりアリス、交尾を終えたばかりで体力を失っているお母さん霊夢が逃げられるわけも無く、再び行われる交尾。 2回目の交尾が終わり、茎ももう一本生え息も絶え絶えなお母さん霊夢、だが発情したゆっくりアリスはお母さん霊夢が朽ちないことが分かると更に交尾をするためにお母さん霊夢に飛びつく。 そうして繰り返される交尾。 発情期のゆっくりアリスの持久力は凄まじく、勢いは衰えることは無い。 お母さん霊夢は限界が近いのか「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」と朽ち果てる前に出すような異様な声を時折出すようになってきた。 ただならぬ気配を感じたのか「ゆ゛っぐり゛や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛」と娘霊夢達が泣きじゃくる。しかしゆっくりアリスは小刻みに身体を動かし交尾をやめる様子は全く無い。 何度交尾があったかわからなくなった頃、もう母体が限界に近いので、ゆっくりアリスを巣から引っ張り出す。 ようやく解放され、巣には平穏が戻った。 残されたのは「ゆ・・・ゆ・・・」とうつろな目で体中から大量の茎を伸ばすお母さん霊夢。 そして、ただただ泣く事しか出来ない娘達である。 やがて生まれてくる大量のゆっくり霊夢の赤ちゃん、その数は50匹を越えている。 ゆっくりアリスの襲来という酷いことがあったにせよ、家族がいっぱい増えて「みんなでゆっくりしようね!!!」「家族が増えてたのしいね!」と赤ちゃんや娘はおおはしゃぎしている。 お母さん霊夢も回復し「みんなゆっくりしていってね!!!」と満面の笑みである。 だが問題が発生する、巣が狭すぎるのだ。 生まれたばかりの赤ちゃん霊夢は小さいにせよ数が多い、元々は家族がゆっくりできたであろう広い巣も今では学校の教室くらいの人口密度になっている。 しかし巣の広さはまだ何とかなる方であった。 食糧の問題は更に深刻であった、赤ちゃん霊夢は食欲旺盛で「おなかすいたよ!」「ごはんがたべたいよ!」と大合唱。 お母さん霊夢とお姉さん霊夢が必死になって虫や木の実などを集めてきても「まだたりないよ!」「おなかすいたよ!」と焼け石に水状態である。 しかし、どんなにお母さん霊夢達が頑張っても集められる食料の量には限界があり、一部の赤ちゃんゆっくり達は食べ物が手に入らず「ゆ…ゆ…」とうめき声を上げることしかできずに衰弱していった。 更に赤ちゃんゆっくり達は成長スピードが早く、1週間も経つ頃には生まれたときの3倍以上の大きさになり、巣はラッシュ時の駅構内のような大混雑になっていた。 しかし、満足に餌が食べられなかった赤ちゃんゆっくりは身体も小さくもう巣の隅の方でぐったりしているだけになっていた。 そこで起こるのが体の大きな赤ちゃんゆっくりによる共食いである、生まれてからずっと空腹状態の赤ちゃんゆっくりにとって弱ったゆっくりは最早餌にしか見えていなかった。 お母さん霊夢達が巣の外へ餌を探しに出ているタイミングを見計らい、弱ったゆっくり達の元へ集まる赤ちゃんゆっくり達。 「ゆっくり食べられてね!」この言葉が引き金となり共食いが始まった。 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」必死に命乞いをするがそんなものが聞き入れられるはずも無く、捕食されていく弱ったゆっくり。 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」 「うっめ、メッチャうめ!」 「ゆ゛っ゛ぐ゛り゛じだがっ゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「うまうまー」 巣に帰ってきたお母さん霊夢が見たのは以前より少しだけ広くなった巣、床や壁に飛び散った大量の餡子、そして数が減った赤ちゃんゆっくり達であった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 お母さん霊夢の慟哭がこだまする。お姉さん霊夢達も何が起きたのかを理解したのか涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして震えている。 「どお゛じでぞん゛な゛ごどずる゛の゛?」 「み゛ん゛な゛でゆ゛っ゛ぐり゛じよ゛う゛っ゛でい゛っ゛だの゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛」 お母さん霊夢の叫びが赤ちゃん霊夢達に向けられる、そして赤ちゃん霊夢達は自分たちが取り返しがつかないことをしてしまったと気づいた。 「お゛があ゛ざん゛ごめ゛ん゛な゛ざい゛い゛い゛い゛い゛」 「み゛ん゛な゛ごめ゛ん゛な゛ざ゛い゛」 涙を流しながら謝罪の言葉を口にする赤ちゃん霊夢達、巣ではゆっくり霊夢達の鳴き声が一晩中続いた。 3日後 あの惨劇を乗り越え、ゆっくり霊夢の家族はより一層強い結びつきとなり、巣は家族がゆっくりできる環境になっていた。 赤ちゃんゆっくりの数が減り、残ったゆっくり達も満足な量ではないが皆で分け合い、生きていくのに必要な量の餌は確保できるようになっていた。 「今日もみんなゆっくりしようね!!!」 お母さん霊夢の声がゆっくりの巣に響く。 今回はお母さん霊夢のおかげで共食いがあったにせよ巣は平和になった。 第2段階として明日にでも再び発情したゆっくりアリスを巣に放り込み、限界ぎりぎりまで繁殖をさせる予定である。 更にゆっくりの数が増え、今回共食いをした赤ちゃんゆっくりはどういった行動を取るのか、ゆっくりの知能ではどうなるかは想像に難しくない。 しかしお母さん霊夢が居る限り巣の平穏は保たれるであろう。 最終的にはゆっくりアリスに最後まで繁殖をさせ、お母さん霊夢を朽ち果てさせる計画である。お母さん霊夢が居なくなった後、大量の赤ちゃんゆっくり達がどうなるか大変興味深い。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/851.html
畑がうるさいので見に行くと畑に来る小動物用に仕掛けていた罠に子ゆっくりが4匹捕まっていた。 れいむ種とまりさ種だ。この二種類は里に近いところに住んでいるのでよく見かける。 子ゆっくりはどうやら畑の作物を食べようとしていたらしい。 「ゆゆっ!でぐちがどこにもないよ!」 「さっきまではあったのに!」 「ここじゃそのうちゆっくりできなくなるよ!」 「だれかたちゅけちぇね!」 先ほどの騒ぎ声は罠に嵌り出れなくなった子ゆっくりのものだったようだ。 一匹は赤ちゃんか、赤ちゃんに良いとこ見せようとしたんだな。 罠をがたがたと揺らして逃げようとする姿をじっと見るのもいいがそうもいかない。 「ゆゆっ!だれかきちゃよ!」 「おじちゃんたすけてね!」 「れいむちがうよ!けがふさふさだからおにーさんだよ!」 「ゆっ!そうだね!おにーさんたすけてね!」 誰が仕掛けたと思ってるんだ。無視して罠を交換する。 出してもらえると思った子ゆっくりは早く出してねと俺を急かしている。 どうやら運が良かったようだ。 「ゆゆっ?おにーさんどうしたの?はやくしてね!」 「たかいところはこわいよ!はやくおろしてね!」 「入ってるのがゆっくりだけで良かったな。」 前に仕掛けていた罠はゆっくりといのししが一緒に入っていた。 そのため俺が気づいたときにはいのししが食い散らかしていた。 今回は掃除しなくてすみそうである。 「おにーさん早くだしt・・・ゆべべべべ!」 「ゆっぐぢでぎないいいいいいいいい!」 「おね゙ええええぢゃあああああああん!」 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙!」 うるさいので箱を揺する。箱の中で跳ね回る子ゆっくり達。 面白いので縁側まで揺すってしまった。 死んでは無いだろうが餡子を吐かれては困る。 家につく前に飛んでいたうーぱっくを呼び寄せ、この子達の親を呼んできてもらう。 その後、近くに置いていた新聞を手早く広げ、そこにゆっくりを慎重に出していく。 「ゆ~、みんなぐりゅぐりゅ~」 「れいむにげないでね!」 「まりさこそにげないでね!」 「きもちわりゅいいいいい!」 まだ、餡子を吐くほどではなかったか。 それでも目を回した状態のゆっくりは跳ねようとして転がったり見当違いの場所に進んだりしている。 一匹吐きそうだったので口を押さえて背中を撫でてやる。 「口から出さずに飲み込め。」 「ゆぐぐぐggggゴックン」 どうせ餡子を吐くんだから飲んでも問題ないだろうと思ったのだが、苦しいのは苦しいらしい。 飲み込んでる間に立ち直った他のゆっくりが苦しんでる子ゆっくりに近づいてくる。 それを待ってからゆっくりに話しかけた。 「何で捕まってたか分かるか?」 「わからないよ!ゆっくりおしえてね!」 「それは君達が取ろうとしてたのは俺が育ててた野菜だからだ。」 「ゆぅ・・・でもれいむたちおなかすいてたんだよ!」 「ちゃんと柵作ってたんだけど小さいからすり抜けれたんだな。」 「いもーとだっておなかすいてたんだよ!」 「ひとのものをとっちゃだめって言われなかったかい?」 思い当たる節があるのか口を噤むれいむ達。 それでも一匹のれいむは納得できないようで、 「ゆぅうう・・・まりさ!このおにーさんはゆっくりできないよ!」 「でもおかーさんはひとのものとっちゃだめっていってたよ!」 「そんなのわすれちゃったよ!まりさはゆっくりしたくないの!」 「ゆゆっ!ゆっくりしたいよ!」 「じゃあおにーさんをたおせばいいんだよ!」 「そうだね!みんなねきょうりょくすればかてるね!」 ある程度は予想していたがこうも簡単に説得されるとは。 子供だから自分達の力を過信してるんだろうね。 ここで説得できずに反省して変えられても困ったので素直に用意してた小石を手に掴む。 「ゆゆっ!おにーさんまりさたちとやるきだね!」 「けがしてもしらないよ!」 「おねーしゃんがんばっちぇね!」 臨戦態勢に入った子ゆっくりが膨らんで威嚇してくる。 そのまま体当たりをしてくるのを避けて赤ちゃんれいむの頭上に腕を動かす。 「ゆゆ!?あかちゃんはやめてね!」 「かわりにまりさたちとしょうぶしてね!」 「あかちゃんはやくこっちにきてね!」 だがもう遅い。俺は掴んでいた小石を赤ちゃんの上に落とす。 「ゆ゙べべべっ・・・」 悲鳴を言っていた赤ちゃんも小石に埋まって見えなくなってしまった。 「ぎゃあああれいむのいもうとがあああああ!」 「ゆ!まだたすかるよ!ゆっくりこいしをどけてね!」 赤ちゃんゆっくりに落とした小石は頭上すれすれからだったので餡子を出していない。 それに気づいたまりさはれいむ達に声をかけ小石を取り除き始める。 れいむたちも小石を取り除き始めたので静かになった。 俺はと言うと小石を回収している。まだ使うからな。 とうとう赤ちゃんゆっくりの顔が見えた。 光が来たときうれしそうだった顔はたちまち涙を溜め始める。 「ゆうううごわがっだよおおおおおお!」 「もうだいじょうぶだからね!」 「あかちゃんはそこでゆっくりしててね!」 そういって周りの石も取り除き始める子ゆっくり。 それからしばらくして全部の小石を取り去った。 「おにーさんあかちゃんにらんぼうしないでね!」 「そうだよ!あかちゃんがかわいそうだよ!」 「先に仕掛けたのはお前達じゃないか。」 「ゆぅぅぅぅ・・・やるならまりさたちでね!」 「そうだよ!あかちゃんをねらうなんてひきょうだよ!」 「じゃあまりさにやろう。」 「ゆっ?」 そう言って今度は小石をまりさに落とした。 量を増やしたので赤ちゃんのように全部埋まる。 今度はまりさを助ける版だ。文句もそこそこにまりさを掘り出していく。 「おー赤ちゃんもがんばってるね。」 「うるさいよ!おにーさんはやくまりさをたすけてね!」 「君達は俺より強いんだろ?それなのに俺に頼っちゃだめじゃないか。」 「ゆうううう!じゃあ静かにしててね!」 そんなやり取りを繰り返しながらまりさを掘り出す。 まりさを掘り出したら同じようにれいむも埋めてやった。 「ゆぅ・・・おもがっだあああああ!」 「おに゙いさんも゙うやめ゙でえええええ!」 これ以上やると餡子が漏れそうだから止めてやる。 動かない俺を見て、安心したのか赤ちゃんを護るように集まる子ゆっくり。 「おにーさんはそこでゆっくりしていってね!」 小石で汚れた体を新聞に体を擦り付けたり、舐めあったりして汚れを取る。 しかし、全員分やるのを待つと昼になってしまう。 「おい、これで体綺麗にしろよ。」 「ゆゆっ?」 子ゆっくりの前に置いてやったのはお湯の入った皿だ。 ゆっくりは体の性質上、水を嫌うように見えるが汚れを取るためむしろよく水に入る。 泳げないゆっくりは沈んで水を飲みすぎて溶けるが、外皮は水に濡れても大丈夫である。 もちろん子ゆっくりも水浴びは好きなので仲良く一緒に飛び込んだ。 「ゆっくりし・・・あづいいいいいいい!」 「ここじゃゆっくりでぎないいいいい!」 「ゆぅうういちゃいよおおおおお!」 「だいじょうぶだよ!しばらくしたらなおるからね!」 はいってゆっくりするつもりだった子ゆっくりは余りの熱さにゆっくり出来なかったようだ。 赤ちゃんゆっくりはそこが赤くはれて涙目だ。火傷ではないがしばらく痛いだろう。 子まりさがそこを舐めてあやしている。子れいむは痛がりながら皿の水を眺める。 「ゆゆ?どーしいてあついのおおおお!」 「まえはいったときにはつめたかったよ!」 「おしおき中にゆっくりできると思ってたのかい?」 「ゆぅぅ・・・おにーさんのせいだね!」 「その通り。どうだすごいだろう?」 「ゆゆゆゆ・・・」 自分達がよく入る水がゆっくり出来ないものに変えられたのを知った子ゆっくりは眉間を寄せながら俺を睨む。 しかし、どうやって水が熱くなったのか分からない子ゆっくりは俺の力だと思ってさっきまでの用に歯向かう気はないようだ。 なべに入れて火で熱しただけなんだけどね。 怯えを含みだした子ゆっくりにどうしてお仕置きされているのかをもう一度教える。 「どうだ?人のものをとっちゃダメって理解できたか?」 「わかったけどそれじゃゆっくりできないよ!」 「そーだよ!それにうめられてこわかったよ!」 「おみずもあつかったよ!あかちゃんがけがしちゃった!」 「ゆっくちしたいよ!」 どうやら理解はしたが納得できないようだ。 すこしやりすぎたか。まぁもう少しで親が来るだろう。 それまでもう少し遊んでやることにした。 「じゃじゃーん。」 「ゆ?」 取り出したのは孫の手。背中を掻くときに重宝する棒だ。 「へんなかたちー!」 「おにーさんのてみたいだね!」 「そんなのこわくないよ!」 「ゆっゆっ!」 見たこともない棒を持った俺の周りを跳ねて思ったことを口にする子ゆっくりたち。 赤ちゃんゆっくりはまだ底が痛いのかすこし這ったりしている。 まずは赤ちゃんゆっくりからだな。 俺は孫の手を赤ちゃんを潰さないように圧し付けた。 「ゆびゅ!」 「れいむのあかぢゃんがああああああ!」 赤ちゃんの叫び声に気づいたれいむが一番に赤ちゃんに近づく。遅れて他のれいむとまりさもれいむを追う。 「ゆぎゅぅ・・・」 「もうだいじょうぶだよ!すぐにとってあげるからね!」 「ゆぐぐぐ・・・おもいいいい!」 「あかちゃんのためにゆっくりがんばってね!」 赤ちゃんの上から孫の手をどけようと咥えたり押したりとがんばる子ゆっくり。 だが子ゆっくりぐらいの力ならなんとか耐えれる。 孫の手をすこし動かしてやると「ゆぎゅ!」とか「ゆびゅ!」とか音が出るので面白い。 「おにーさんもうやてね!このままじゃあかちゃんがしんじゃうよ!」 「いじわるしないでね!やめてあげてね!」 「じゃあ次はおまえな。」 「でじゃびゅ!」 小石のときのように別のゆっくりも押さえつけていく。 今度はこっちに向かって体当たりしてくるのでデコピンで打ち落とす。 そんなやりとりを繰り返してるとうーぱっくが帰ってきた。 「うー!うー!」 「ありがとう。これはお代だ。」 「うー☆」 連れてきてくれたお礼に野菜をいくつか入れてやる。 飛び立ったうーぱっくのあとに残ったのは親と思われるゆっくりまりさだ。 子ゆっくりに向かう親まりさ。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「おどおおおちゃあああん!」 「ゆっぐりでぎながっだよおおおお!」 「ゆぅううううううう!」 「ゆっくちちていっちぇね!」 いきなり現れた親ゆっくりに向かって跳ねていく子ゆっくり。 さんざん遊んであげたからみんな涙目で喜んでいる。 そして、感動の対面のように親ゆっくりに飛び込む子ゆっくりを親ゆっくりはよけた。 「ゆびゅ!」 親が受け止めてくれると信じてた子ゆっくりはそろって地面に顔を打ち付ける。 「どおしてにんげんのさとにいったの!」 「ゆゆゆ!だっておいしいものが・・・」 「ひとのものをとっちゃだめっていってるでしょ!おぼえてなかったの!」 「ゆゆっ!ちゃんとおぼえてたよ!」 「じゃあやっちゃだめでしょ!あかちゃんがまねしちゃったじゃない!」 「ゆぅ・・・」 おー、怒られてる怒られてる。 説教はしばらく続きそうだな。今のうちに昼ごはんを食べることにするか。 親ゆっくりの後ろで昼用に作ったおにぎりをほおばる。 子ゆっくりも気づいたのか、こちらを見て涎をだしてる。 親ゆっくりの説教もどこ吹く風だ。 「ゆっ!ちゃんときいてるの!」 「ゆゆ!ちゃんときいてるよ!」 親ゆっくりにあわてて反応してるのが面白い。 傍目からも聞いていないのが分かるぐらいにおにぎりを見つめている子ゆっくり達。 遊びつかれてお腹が空いているのだろう。 そんなことは知らない親ゆっくりは怒りゲージが上がりまくりだ。 俺が最後のおにぎりを食べ終わる頃には、 「どお゙じでぎがな゙い゙の゜おおおおおおお!」 「おがあしゃんごめんなさいいいいいい!」 と、泣きながら子ゆっくりに体当たりしだした。 子供よりも大きい親ゆっくりの体当たりは強烈だ。 子供達は吹き飛ばされながら必死に許しを請う。 泣きながら説教を始めた親ゆっくりの話を今度はちゃんと聞いているのだろう。 子ゆっくりは涙を目に浮かべながら顔を俯けていた。 お茶を飲み一服していると説教が親ゆっくりがやってきた。 「おにーさんまりさのこどもがわるさをしました。ごめんなさい!」 「こっちはすっきりできたからもういいよ。」 「ううん。だめだよ!ちゃんととったぶんはたらくよ!」 「そうか、じゃあ一緒に畑仕事をしてもらおうか!」 「ゆっくりがんばるよ!」 昼からはゆっくり家族ともに畑仕事だ。 といってもゆっくりではやることが限られるので、とりあえず雑草を抜いてもらった。 俺の説明を聞いた親ゆっくりの指導のもの雑草を食べていく子ゆっくり達。 さっきまで何も食べていなかったのでむしゃむしゃと雑草を食べていく。 たまに野菜に手を出そうとする子ゆっくりもいたが、すぐに親ゆっくりの体当たりを受けて雑草に戻っていった。 雑草をあらかた取ると次は水遣りだ。 井戸水を俺がくみ上げてやりゆっくりが水を口に含みたぷんたぷんと野菜まで運ぶ。 野菜の根元に水をかけてまた戻ってくるの繰り返し。 途中で子れいむ同士がどれだけ水を含めるか競争しだして片方が崩れかけたので日にたっぷり照らされた石の上に置いて乾かしてやる。 じゅううううとおいしいそうな音を立てながら乾くゆっくりを放置して次の野菜の収穫に向かう。 一通り見回り取れそうな野菜を確認すると鋏を入れていく。 取れた野菜はゆっくりが乗せている箱の中に。 虫食いなどを確認しながら手際よく進める。 しばらくすると、 「おにいさんおも゙ぃ・・・」 「ゆぎゅうう・・・」 箱にいっぱいになる前にゆっくりがつぶれてしまいそうになっていた。 重くなると畑の外にある箱に移すようにと言って作業を続ける。 井戸近くで「あづいいいいいいい!」と言う叫び声が聞こえたが無視だ。 しばらくすると転げまわったのか泥だらけになった子れいむ戻ってきた。 もう動いても大丈夫なようだ。 そんなこんなで畑作業を夕暮れまで続けた。 途中で虫を追いかけた赤ちゃんゆっくりが穴にはまったり、用水路で帽子を洗っていたまりさが帽子を流されたりしたので途中から手伝いとはいえなくなっていたがそれでもいないよりははかどった。 井戸水で体を洗っているゆっくり家族のうち親ゆっくりだけを呼び出す。 「今日は良くがんばったな。」 「ゆっくりがんばったよ!これでまりさのこどもたちゆるしてくれるよね!」 「あぁ。ついでにこれもやろう。」 「ゆゆっ!おにーさんいいの!?」 「あぁお前は何もしてないからな。その分のお礼だ。これで今から餌取りに行かなくていいだろう。」 「おにーさんありがとう!」 俺が渡したのは収穫のときに虫食いがあったりで売れないものだ。 人は食べないだろうがゆっくりなら食べる。 巣にもどってから見せるようにと帽子の中に隠してやる。 洗い終わった子ゆっくりがやってきて、 「おにーさんやさいとってごめんなさい!」 「もうしません!」 「つぎからはきをつけるね!」 「ちがうところでゆっくちするよ!」 そうやって俺に謝って帰っていった。 これでもう野菜はとらないだろう。今回のことは十分記憶に残ったはずだ。 こうやって人里に入った子ゆっくりに人の強さを覚えこませてきた結果ゆっくりは人里で物を取ることはなくなった。 かといってゆっくりが人里に下りてこないわけではなく、先ほどのように人を手伝ったりして食べ物を貰ったりしている。 人とゆっくりは今ではそれなりにゆっくりと生活している。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3557.html
ゆっくりぴこぴこ 書いた人 超伝導ありす 初投稿。 某絵師さんの「ぴこぴこ」が余りにも可愛かったので。絵師さんには、最大限の感謝を。 このSSは以下の要素を含みます。苦手な方は読むのをお控えください。 ぴこぴこ 罪のないゆっくりがひどい目に遭います 「ゆっくりしていってね!」 ぴこぴこ。 一匹のゆっくりれいむが、草原で出会ったゆっくりまりさに挨拶した。 れいむの体のサイズは20cmほどで、成体になりつつある子ゆっくり。 まりさの方は、それよりも小さい、10cmほどの子ゆっくりだ。 この草原は、近くに住むゆっくりたちの遊び場になっている。 子まりさは群れのおともだちとゆっくり遊んだ後で、これから帰る所だった。 「ゆっくりしていってね!」 本能に従い、返事をする子まりさ。 相手は、初対面の子れいむだった。 しかも、自分の群れでは見かけたことのない子れいむである。 通常、ゆっくりたちは他の群れ同士で交流するのを好まない。 リーダーのやり方が違えば争いの種になってしまうからだ。 しかし、まりさはまだ子供。 大人たちの都合なんて知らないし、群れはおおむね安泰ですっかり平和ボケだった。 それに、おともだちが増えて困ることなんてない。 …はずだった。 「きょうはいいおてんきだね!ゆっくりできるね!」 ぴこぴこ。 その子れいむは、自分のもみあげを上下にぴこぴこ振っていたのだ。 根元を軸にして、上下だけでなく前後にも揺らしている。 この子れいむは以後、ぴこぴこれいむと呼称しよう。 他の普通の子れいむと並べてしまっては、あまりに失礼であるし。 「ゆ!?れいむ、ゆっくりしてね!?」 「ゆっくりしてるよ!まりさもゆっくりしてね!」 ぴこぴこ。 どうにも落ち着かない。 「れれれ、れいむ、そのぴこぴこはやめてね!ゆっくりできないよ!」 こんなにゆっくりできないものを見たのは、子まりさにとってはじめてのことだった。 子まりさは、その落ち着かない動きに、目を真ん丸くして拒否の意思を伝える。 顔はすっかり怯えていた。 「どうしてそんなこというの!?まりさはゆっくりしてないね!」 しかし、ぴこぴこれいむにとってぴこぴこは、親愛の印でもあった。 挨拶を交わし、全身で喜びを表現しているというのに、なんて失礼なゆっくりだろう。 頬を精一杯膨らませ、ばいん、ばいんと大きく跳ねて怒る。 その際、もみあげがさらに激しく上下すると、子まりさの餡子脳はとうとう処理落ちした。 「ゆっぐりでぎなあいいいい!!!」 子まりさは悲鳴を上げてその場から逃げ出した。 逃げた後には、だばだばと流した涙の跡がなめくじのように続いている。 「ゆゆっ!?れいむは怒ったよ!ゆっくりていせいさせるからね!」 ぴこぴこぴこ! どう見てもゆっくりしていないのはぴこぴこれいむだ。 だが、生まれた時からぴこぴこしていた当人にその自覚はない。 むしろ自分の尊厳を傷つけられて、ひどくご立腹だった。 「おかあさんもゆっくりできるってほめてくれるよ!うそをつくまりさはゆっくりしね!」 …訂正させたいのか粛正したいのか。 この「ぴこぴこ」、人間から見れば愛嬌ある動作に見えるだろう。 愛でお兄さんであればその姿に癒され、虐待お兄さんであれば虐待の新たな要素になるに違いない。 だが、一般的なゆっくりにとってその動きは早すぎる。 きめえ丸のすばやいうごき!と同様なのだ。 ぴこぴこれいむが子まりさに追いついたのは、すぐのことだった。 子まりさが逃げ込んだ群れの集会場は近くだったし、一度に跳ねられる距離も多いからだ。 「まりさは、ゆっくりぜんげんてっかいしてね!」 ぴこぴこ。 「ゆぐう!?」 おうちの近くにまでたどり着き、ほっと一息ついたのも束の間。 子まりさは飛び上がって再び逃げ出す。 ゆっくりした結果がこれだよ! 「ゆっくりできないれいむがいじめるよおおお!」 子まりさがそう叫ぶと、周囲にいた群れの仲間達が集まってきた。 「ゆっくりしていってね!」 子まりさの親であり群れの長でもあるリーダーまりさが、ぴこぴこれいむに声を掛ける。 よそ者とはいえ、同じゆっくり。 争いを回避できる可能性を模索するべく声を掛けたのだ。 「ゆゆ!ゆっくりしていってね!」 ぴこぴこれいむは声を掛けられたのが嬉しかったのか、さきほどまでの怒った表情はどこへやら。 満面の笑みでリーダーまりさと周囲のゆっくりたちに返事をした。 ぴこぴこぴこ! 群れのゆっくりたちにどよめきと、剣呑とした雰囲気が発せられる。 「みんなでなかよくしようね!ゆっくり~♪」 ぴこぴこぴこぴこ! 「このれいむとは、ゆっくりできないね!」 「とかいはじゃないわ!」 「むきゅう。みんな、あのれいむをみてはいけないわ!」 「わからないよ~!」 「しかたがないね。ゆっくりできないよそものはたいじするよ!」 皆の意見を元に、リーダーまりさが号令を掛けた。 「ゆっ?ゆっぐり?」 気が付くと、ぴこぴこれいむは他のゆっくりたちに取り囲まれていた。 「ゆっくりできないゆっくりはしね!」 「れいむ、ゆっくりしてるよおおお!?」 どすん! 先陣を切ったリーダーまりさが、ぴこぴこれいむを正面から吹き飛ばした。 リーダーまりさだけあって、相手が子供サイズであろうと容赦しない。 ゆっくりたちがぴこぴこれいむを押さえつける。 ほぼ同時にありすが右のもみあげに噛み付き、ひっぱり上げた。 「やべでえええ!でいぶのぼみあげがああああ!」 抵抗する暇もなく。 ぶちん! 「ゆぎゃああああああ!!」 子れいむの右のもみあげが根元から引っこ抜ける。 皮が破れ、汁っ気の多い餡子が飛び散った。 ゆっくりの体は非常に脆弱である。 とはいえ、まったくの治癒能力が無いわけではない。 通常、れいむ種の中身はしっとり餡子だが、怪我をすると傷を癒すために周囲の餡子が液状化し、新陳代謝を促すのだ。 もっとも、今の状況ではまったくの無意味ではあったが。 「びだりのばゆるじでえええ!!」 今度はちぇんが左のもみあげを引っ張った。 「びこびこなくなっぢゃったらゆっぎゅりでぎだいいよおおおお!?」 しかし、所詮は子ゆっくり。 ちぇんが本気を出すまでも無く、左のもみあげも引っこ抜かれてしまう。 「でいぶのおおおお!!いだいいいいいい!!おがーじゃあああん!?」 もみあげの根元に神経が集中していたのか、半端ない痛みに絶叫する、ぴこぴこれいむ。 いや、もはやぴこぴこれいむと呼べはしないが。 押さえつけられているので、悶絶して地面を転げまわることも、そして痛みを紛らわすこともできなかった。 「れいむ、ごかくご~!だみょん!」 木の枝を銜えたみょんが、ぴこぴこれいむの正面に立ち。 ずぶうう!! よだれを撒き散らし、だらしなく開いた口から脳天へと、木の枝が貫通した。 「えげあががががが!!?」 傷口から餡子がびちびちと吹き出す。 「も…えげっ…ゆ…」 餡子中枢を貫かれたぴこぴこれいむは、えずきながら白目をむいて絶命した。 もっとゆっくりしたかった。 お決まりの遺言も残せない無慈悲な死である。 二本のもみあげは、引き抜かれた後も力なく地面で踊っていたが、本体の死とともに動かなくなった。 「さあ、まりさ、ゆっくりできないれいむはやっつけたよ!あんしんしてゆっくりしてね」 「ゆっくり~♪」 リーダーまりさが優しく語り掛けると、震えていた子まりさは、ようやく安堵の声を漏らした。 その光景を、遠目で見ているれいむ親子がいた。 ぴこぴこれいむの母親と、妹の赤れいむである。 「これでじゃまなこはきえたね!」 「ぴこぴこする、あちゃまのおかしぃおねーしゃんはしんでよかったにぇ!」 あのぴこぴこれいむは、親れいむが初めて生んだ子供だった。 しかし、お腹を痛めて生まれてきたのは、もみあげをぴこぴこさせて喜ぶおかしな子。 それでも、ぴこぴこれいむは最初に産んだ、大切な我が子だ。 『れいむのぴこぴこはゆっくりできるね!』 どこかゆっくりできない事を我慢しながら、子れいむを褒める親れいむの生活。 たとえおかしな子でも責任を持って育てなければ。 しかし。 最愛の夫は愛想を尽かして出て行き、遅れて生まれた第二子が正常だと知った時。 親れいむの決意は脆くも崩れ去っていた。 「さあ、かえってすーりすりしましょうね、おちびちゃん」 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!」 感慨もなく振り返った、れいむ親子。 と。 「おお、おろかおろか」 「ゆっ!?」 突然、れいむ親子の目の前に降り立ったのはきめえ丸。 「まいどおなじみ、きめえ丸です」 「ゆゆゆ、ゆっくりしてね!?」 きめえ丸の姿を見て、動揺するれいむ親子。 相手はれみりゃのような捕食種ではないが、自分達をからかって楽しむ油断ならない相手である。 「ガバディガバディ!!」 掛け声とはまったく関係なく、きめえ丸はれいむ親子の周囲を回り始めた。 その速さたるや、秒間2回転。 「ゆっぎゅりでぎにゃいいいいいよおおおお!」 「おぢびじゃあああああああ!?」 姉との生活でゆっくり出来ないことに耐性があるかと思いきや、赤れいむはあっさりと致死量の餡子を吐き出してしまう。 「おお、もろいもろい」 きめえ丸はそれを見ると満足そうに空へと飛び立って行った。 「おちびじゃん!へんじじでね!?おちびじゃああああん!!」 親れいむは赤ゆっくりの亡骸を前に、いつまでも泣いていたとさ。 おお、おろかおろか。 「さあ、この死体はまりさが片付けるからね!」 群れの集会所では、リーダーまりさがぴこぴこれいむだった餡子の塊を処分しようとしていた。 この群れには、ゆっくりの死体はずっと遠くへ捨てなければならない、という風習があった。 リーダーまりさは自分たちゆっくりが、とても意志の弱い生き物であることを自覚している。 一度共食いを許してしまえば、傷を癒すための『ぺーろぺろ』すら引き金となって争いが起きるかもしれない。 この風習はまりさの前リーダーよりずっと続いていた。 現在も副官であるぱちゅりーの説得により、群れのすべての親にも徹底されてもいる。 だが。 「あまあまなにおいがするよ!おいしそうだよ!」 死体に駆け寄ったのは、今回、一番の被害者である子まりさ。 「だめだよ、まりさ!これはあまあまさんじゃないよ!」 しかし、子まりさは食べ盛り。 なおかつ遊び疲れてお腹の減った子まりさにとって、その匂いは魅力的すぎた。 「がーつ!がーつ!」 「だめだよおおおお!?なんでおとーさんのいうことがきけないのおおお!?」 餡子を頬張ったまりさは。 「しししし、しあわしぇええええええ!!」 あまりのおいしさに目を輝かせていた。 …そして。 ぴこぴこ。 子まりさは気がつかなかった。 不完全ではあるが、自分の三つ編みがゆれ始めていることに。 群れのゆっくりたちの視線が、自分に集中していることに。 「めっちゃうめえええ!!」 ぴこぴこぴこ! 「ゆっぎゅりできないいい!!」 再び、ゆっくりの群れに動揺と悲鳴が広がったのだった。 翌日。 群れの遠くの遠くの森の中。 そこには捨てられた餡子の塊があった。 餡子の塊の中には、赤いリボンや金色の三つ編みがまじっていたそうな。 めでたしめでたし。 あとがき ぴこぴこ萌え。 初投稿ということで、大人しめなお話にしてみました。 (まあ、ハード系は苦手ですけど) 超伝導ありすと申します。 是非、感想をお聞かせください。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2662.html
※台詞のみで構成されます ※虐待分は薄めです 「やあ、れいむにまりさにおちびちゃんたち。 ゆっくりしていってね・・・」 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「「ゆっきゅりちていってね!」」」」」 「ゆゆっ! おにいさんはゆっくりできるひと?」 「・・・分からない」 「ゆぅ? どうしてわからないんだぜ?」 「なら、君たちは今ゆっくりしているかい?」 「あたりまえだよ! れいむたちはすごくゆっくりしてるよ!」 「そうか。 でも、私には君達の言うゆっくりが何なのか分からないんだよ」 「ゆぅ? ゆっくりはゆっくりだよ! ゆっくりりかいしてね!」 「それじゃ答えになっていないよ・・・。 そうだ、君に質問してもいいかな?」 「ゆっくりこたえるよ!」 「ありがとう。 なら、ご飯がいっぱいあればゆっくりできるかい?」 「あたりまえだぜ! とってもゆっくりできるんだぜ!」 「そうか。 なら、君の子ども達を全員殺す代わりにたくさんの食べ物をあげると言ったらゆっくり出来るかい?」 「ゆゆっ!れいむのおちびちゃんたちにひどいことしないでね!?」 「そんなつもりじゃないんだ。 もし、そう言ったらどうするか、と聞きたいだけなんだよ」 「そんなのおことわりなんだぜ! みんなでいないとゆっくりできないんだぜ!」 「でも、君たちはさっき食べ物がたくさんあればゆっくり出来ると言っていたよね?」 「ゆっ!? でも、やっぱりおちびちゃんがいないとゆっくりできないよ!」 「じゃあ、おちびちゃん達がいれば食べ物がなくてもゆっくり出来るのかい?」 「そんなわけないんだぜ! ぽんぽんがぺこぺこだとゆっくりできないんだぜ!」 「おかしいな。 食べ物がいっぱいあればゆっくり出来る。 家族がいればゆっくり出来る」 「「「「「にゃにがおかちいの?」」」」」 「だって、家族が少なければ一人当たりの取り分が増えるだろう?」 「そうだね!・・・・・・ゆゆっ!?」 「じゃあ、なんで食べ物が少なくなる原因である家族が一緒にいないとゆっくり出来ないんだ?」 「でもまりさたちはゆっくりしてるんだぜ!?」 「ああ、それは知ってる。 じゃあ、なんでゆっくり出来るんだ?」 「それは・・・」 「だって、そうだろ? ご飯がいっぱいあればゆっくり出来るんなら子どもがいないほうがもっとゆっくり出来るはずじゃないか?」 「そんなことないよ!」 「でも、食べ物がいっぱいあればゆっくり出来るんだろ?」 「あたりまえなんだぜ!」 「でも、君たちは家族がいないとゆっくり出来ない」 「あたりまえだよ!」 「なら、冬になって食べ物が少なくなっても君たちはゆっくり出来るのかい?」 「「「「「ぽんぽんがぺきょぺきょだちょゆっくちできにゃいよ!」」」」」 「でも、家族がいればゆっくり出来るんだろ?」 「「「「「しょーだよ!」」」」」 「しかし、ご飯がないと家族が死んでしまうよ?」 「そうならないようにあきになったらいっぱいごはんをあつめるんだよ!」 「そうだね。でもその間他の動物も越冬の準備をしているよね?」 「ゆぅ?それがどうしたんだぜ?」 「ご飯を集めに行っている間に子ども達が食べられてしまうかもしれない」 「「「「「ゆえーん! どうちてしょんなこちょいうにょおおおおお!?」」」」」 「だったらまりさがおうちでおちびちゃんたちをまもるんだぜ!」 「ご飯集めはどうするんだい?」 「れいむががんばるよ!」 「それじゃあ、その間れいむは全然ゆっくり出来ないじゃないか?」 「そのぶんふゆにゆっくりすればいいんだよ!」 「頑張って集まるなら苦労しないだろ? ご飯が集まらなくて子ども達を死なせたらまりさがおうちに残った意味がないじゃないか」 「ゆゆっ! ちがうよ! まりさがまもってくれないとふゆのまえにしんじゃうんだよ!」 「大体、まりさがいたところで熊や人間に襲われたらひとたまりもないじゃないだろう。 勝てると思うか?」 「それでもまりさはおちびちゃんをまもりたいんだぜ!」 「で、れいむ一人を残して死ぬのかい? それじゃれいむがゆっくり出来ないだろう?」 「ゆぐっ・・・・・・じゃあ、どうすればいいんだぜ?」 「君がおうちに残れば虫からは子どもを守れる。 でも、強い生き物と出会ったられいむを一人にさせてしまうし、ご飯も集まらない」 「ゆぅ・・・」 「君がれいむと一緒にご飯を集めに行けばご飯がたくさん集まるけど、子ども達は小さな虫に殺されるかも知れない」 「「「「「みょーわからにゃいよー!」」」」」 「それだけじゃないぞ」 「ゆゆっ! まだなにかあるの!?」 「一緒に外に行くとれみりゃに襲われたりした時に子ども達を育てるものがいなくなってしまう」 「ゆぅ・・・みつからなければいいんだぜ!」 「そうだな。 でも、れみりゃ達だって冬を越えるために必死なんだ。 そう簡単にいくと思うかい?」 「ゆ・・・それは・・・」 「だったられみりゃがはいってこれないおうちにすればいいんだぜ!」 「「「「「ゆゆっ!しゃしゅがおかーしゃん!」」」」」 「答えになっていないし、それじゃあ狭いぞ?」 「でも、あんぜんだよ!」 「だったら、どうして今お前達は広いおうちに住んでいるんだ?」 「ゆっくりできるからだぜ!」 「じゃあ、狭いおうちでゆっくり出来るのかい?」 「おちびちゃんたちがあんぜんならゆっくりできるよ!」 「だが、さっき広いおうちはゆっくり出来るといっていたじゃないか?」 「おちびちゃんたちのあんぜんがいちばんだよ!」 「それに・・・狭いおうちはそんなにも安全なのか?」 「「「「「ゆぅ?」」」」」 「もし、蛇や大ムカデが来たらどうするんだ?」 「れいむたちがやっつけるよ!」 「しかし、狭いとお前達は這いずることしかできないだろう? そもそも勝てるかも怪しいな」 「じゃあ、ひろいおうちのほうが・・・」 「広いおうちに住むとその分大きくて強い敵に襲われるぞ」 「「ゆゆっ!?」」 「じゃあ、ちょっとだけせまいおうちにするよ!」 「中途半端が一番危ない。 人間が腕を突っ込めればそれでおしまいだよ」 「「ゆーーーーーっ!?」」 「そもそも、人間が腕を突っ込めない大きさの巣じゃ親の君たちが中に入れない」 「「だっだらどほずればいいの!?」」 「分からないな。 それに、まだ問題がある」 「まだあるの!?」 「ああ。 狭いおうちだと殆ど身動きが取れないかもしれないだろう?」 「「「れーみゅたちはおきゃーしゃんがいれぇばゆっくちできりゅよ!」」」 「「まりしゃもだよ!」」 「お前達は大丈夫だろう。でも親の君たちはどうなんだい?」 「まりさたちはおちびちゃんがいればゆっくりできるんだぜ!」 「れいむもだよ!」 「そうか。でも、ずっと動かないでいると春になったときに殆ど動けないぞ?」 「「「「しょんにゃのかんけーにゃいよ!」」」」」 「いや、関係あるんだ。 春になったときにどうやって餌を集める?どうやってれみりゃから逃げる?」 「ゆ、ゆっくりがんばるよ!」 「頑張ってどうにかなるなら苦労しない」 「ゆゆっ!でも、おちびちゃんがぶじならそれでじゅうぶんだぜ!」 「お前はそうかもしれないが、子ども達は悲しい思いをするぞ? 餌集めだって自分でしなきゃならなくなる」 「「「「「おきゃーしゃんがいにゃいとゆっくちできにゃいよ!」」」」」 「分かるだろう?こいつらはお前達がいないとゆっくり出来ないんだ」 「ゆぅ・・・なられいむたちがんばってゆっくりするよ!」 「どうやればゆっくり出来るんだ?」 「がんばっておちびちゃんたちをゆっくりさせてあげるんだよ!」 「頑張る、じゃあどうにもならないって言ってるだろう?」 「じゃあ、ひろいおうちでふゆのあいだゆっくりするよ!」 「広いおうちだと人間に襲われるぞ?」 「じゃ、じゃあせまいおうちでゆっくりするんだぜ!」 「運動能力が低下して春先にゆっくり出来なくなるぞ?」 「「ゆううううううううううううう!?」」 「それに・・・・・」 「「まだあるのおおおおおおおおお!?」」 「どんなに頑張っても子ども達を守れなかったらどうするんだ?」 「ゆゆっ!? がんばってまもるよ!」 「頑張って守ろうとしたせいで全員が死ぬことになるかもしれないんだぞ?」 「「「「「ゆゆっ!?」」」」」 「それなら1匹2匹は諦めて逃げたほうがゆっくり出来るんじゃないか?」 「ゆぅ・・・でもぉ・・・」 「それだって問題がある。 君たちは家族全員一緒じゃないとゆっくり出来ないんだよな?」 「そうだよ! みんななかよしさんなんだよ!」 「じゃあ、1匹でも死んだらゆっくり出来なくなるんじゃないか?」 「ゆ゛ぐっ!?」 「でも、下手に守れば全員が死んでしまう。 君たちは子ども達が死んでも平気かい?」 「ぞんなわげないでぢょおおおおおおお!?」 「じゃあ、守れない子は見捨てて逃げるのかい? 大事な家族なのに」 「ゆぎぃ・・・!?」 「子ども達だっていつかあっさり捨てられるかもしれないのにゆっくり出来るのかい?」 「「「「「ゆゆっ!?」」」」」 「お、おかしいんだぜ・・・なにをしてもゆっくりできないんだぜ!?」 「そうだろう。 だから私は分からないと言っているんだ・・・」 「ゆ、ゆっくりって・・・なんなんだぜ?」 「それも分からない。子どもを守る苦しみを味わうくらいなら子どもなんて居ない方が良いのかもしれない」 「そ、そんなわげない・・・よっ!?」 「「「「「しょーだよ!へんにゃこちょいわにゃいでね!?」」」」」 「しかし、子どもが居なければ子どもに関係するゆっくり出来ないことが解消するぞ?」 「で、でも・・・おちびちゃんたちといるとゆっくりできるんだぜ?」 「そうか。 でも、ゆっくりできるもののためにゆっくり出来ないなんておかしいと思わないか?」 「ゆ・・・ゆゆ・・・ゆっくりってなんなんだぜ!?」 「分からない。 分からない・・・。 家族といるとゆっくり出来るが、家族のためにゆっくり出来ない。 広いおうちは危なくて、狭いおうちは動けない」 「やべでよ! もうぎぎだぐないよ! ゆっぐぢでぎないよ!?」 「子どもを見捨てるとゆっくり出来ないけど、助けようとするとゆっくりさせてあげられない。子どもがいるからゆっくり出来る。 でもいるからこその悩みでゆっくり出来ない」 「「「「「やめちぇえええええええええええええ!」」」」」 「分からない・・・私には君達にとってのゆっくりが何なのか全く分からないんだ・・・」 「まりさも・・・わからないんだぜ・・・。 ゆっくりって・・・いったいなんなんだぜーーーーっ!!?」 ‐‐‐あとがき‐‐‐ 俺は寧ろこのお兄さんに何があったのかを知りたいよ byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3743.html
あんまり虐待しません。 罪のないゆっくりが死にます。 ちょっとれいぱーが出ます。 ゆっくりを使った新製品を思い付いた。 使用するのはありす種がいいだろう。 早速ありすを調達し、とかいは(笑)なおねーさんを演じる。 この実験ではゆっくりの『思い込み』を利用する。 食事は砂糖と葛粉を水で溶いて火にかけて練ったもの。 これは毎食ありすの目の前で作る。 火が入って段々と透明になる様を見せて 「これを食べれば透明感溢れるとかいは(笑)なお肌になる」 と信じさせる。 で、毎日葛粉と砂糖水を『お化粧』と称してまぶす。 ありすは「とってもとかいはだわ!」と喜んでいた。 そうして一ヶ月後。 目の前にはカスタード餡のくずまんじゅうがあった。 ほんのり肌色にみえる葛と透けてみえる中のカスタードが綺麗で、一見高級な和菓子にみえる。 ありす自身は自らの変化を「とってもとかいはだわ!」と信じて疑わない。 と言うか元の姿を覚えていないんだろうな。 とことん幸せなナマモノだ。 そんなありすにはまだ重要な仕事がある。 繁殖(量産)できるかのテストだ。 媚薬を溶かした砂糖水を霧吹きで吹き付け暗い箱に閉じ込めた。 翌日ありすは自分と同じ半透明な身体を持つ子供を実らせていた。 量産もできる事を確認し、レポートにまとめた。 更に数日後。 「ゆぎい!あんこのみえてるぎぼぢわるいあでぃずはじんでね!」 「んほぉぉ!いやがるまりざもがわいいよぉぉぉ!」 「いやあぁぁ!!べたべだずるぅ!にげられないぃぃ!」 「ぞんなにからんできで積極的ねぇ!」 あのありすを野に放ってみた。 会社にはありすの子供と孫を提出した。 続けて安定した『くずまんじゅう』として繁殖させられたのでオリジナルは不要と言われたのだ。 持て余したありすを野に放してみたらこの有様だ。 子供を宿す側だったからすっかり溜まっていたんだろうな。 「んほぉぉぉ!すっきりー!!」 「いやあぁぁぁ!!ずっぎりー…うぅ…」 間もなくまりさからはえてくる茎。 観察のためにありすを透明な箱に隔離しようと持ち上げる。 ねとねとする感触に顔をしかめる。 砂糖水と葛が溶け合って何とも言えない感触だった。 こどもの頃遊んだスライムのような。 「何するの!ありすはまだとかいはなあいを---ゆぎゃあぁぁ!!あでぃずのがらだが!!あでぃずのがらだがぁ!」 ありすの体がどろりと崩れ、指のあいだからすり抜けていった。 べちゃ、と嫌な音を立ててありすは地面と一体化した。 柔らかくなりすぎた体とカスタードの生んだ悲劇か。 地面にはカチューシャと金髪くらいしかありす痕跡は残っていない。 あとは透明と黄色のよくわからないべたついた塊がうごめいていた。 動いてるってことはまだ生きてるのか… 全くもってでたらめな生命力だ。 「…量産は無理なのかしらねぇ」 ぼやきながら襲われた野良まりさに目をやると、生やされた茎には6つの赤ゆが実っていた。 そのうちの4つは透明で、2つづつ中身の色が違っていた。 「ねえまりさ。この赤ちゃんはどうするの?」 「ゆぅ…れいぱーの子なんてまりさほしくないよ…」 「私が引き取ってもいいわよ」 「ゆ…おねがいできる?」 「えぇ。じゃ、ちょっと我慢してね」 素早くまりさから茎を引き抜き、ありすだった物に挿す。 まりさには常に持ち歩いている紙パックのオレンジジュースを与えた。 それと迷惑料として安物のゆっくりフードを。 これは野良がおいしく感じる程度の物だ。 これ以上の品質だと後々問題が生まれるためだ。 「ゆっ!ありがとうねおねえさん!まりさゆっくりおうちにかえるよ!」 「気をつけてね。基本人間さんはゆっくりできないからね!」 「けどおねえさんは優しかったよ!」 「それは私が特殊なの。いい?人間さんには近づいちゃダメだからね」 「ゆっくりりかいしたよ!じゃあね!おねえさん!」 「はいはい。じゃあね」 ゆっくりまりさを見送って、足元の実ゆっくりに目をやった。 それぞれが飾りを成形しそろそろ生まれ落ちそうだった。 ありすだった塊はすっかり吸い尽くされたのか、地面にはカチューシャ以外なくなっていた。 「「「ゆっくちうまれりゅよ!!」」」 ぷるぷると震え、赤ゆっくり達が生まれ落ちた。 通常のゆっくりありす、まりさが一匹づつ。 葛ゆっくりがそれぞれ二匹づつの計6匹。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆゆ?ゆっくちちていっちぇね!」」」 「おねーさんがみんなのおかーさんの代わりだよ!早速だけど、この中に入ってね!」 「ゆゆ!ゆっくちりきゃいちたよ!」 赤ゆっくり達は素直についさっきまで親ありすの入っていた透明な箱に移動した。 親まりさはふつうのゆっくりだった為か、葛ゆっくりも普通に跳ねていた。 「お腹減ったよね、ごめんね。お家に帰ったら美味しいご飯をあげるからね! いい子ならゆっくり我慢できるよね?」 「ゆゆ!がみゃんしゅりゅよ!」 いい子、美味しいご飯、その二つのワードで赤ゆっくり達は素直に言うことを聞いた。 あの野良のまりさも素直な個体だった為なかなか優秀な赤ゆっくりなのだろう。 「お家に着くまではみんな寝てていいからねー。沢山寝たらご飯が美味しいよ!」 「ゆゆーおやちゅみなちゃい!みんにゃゆっくちにぇようにぇ!」 透明な箱に布をかぶせると箱からの物音がすっかり消えた。 早くも赤ゆっくり達は眠りについたらしい。 素直なゆっくりは可愛いなぁ。 研究対象が増えたことと優秀な赤ゆっくりが手に入ったことを喜びつつ、私は家路に急ぐのだった。 つづくかもしれません 葛まんじゅうが食べたくなって思い付いた。 ゆっくりに葛をコーティングしたネタはあったけど それじゃ表皮ごと葛にしたらどうだろう、と。 最初は葛ゆっくりを野性に帰して群れを大混乱させる つもりでした。 ありすを選んだのは化粧とかに対して憧れを持っていそうだから。 主人公 ゆっくり加工所に勤める女性。 ゆっくりのことは好き。食事的な意味で。 研究の為にえげつないことを平気でするが本人に悪意はない。 基本ゆっくりは食品扱い。 ペットゆっくりは普通に可愛がる。 その二面性から変人扱いされるが本人は気にしていない。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4548.html
※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』18 荒涼たる岩場とゆっくりプレイスを隔てるマジックミラーは、 一日のうち一度、三十分程度のわずかな時間だけ透明なガラスになった。 ゆっくりプレイスの中では、Y飾りのゆっくり達が、 山ほどのあまあまと遊具で、存分にゆっくりを堪能していた。 楽しげな話し声や室内の音楽も聞こえてくる。 「れいむもいれてねええ!!ゆっくりしたああいい!!」 「おなかすいたあああぁぁ!!あまあま!!あまあまわけてぇぇ!!」 「おでがいじばず!!おでがいじばずうう!!めぐんでぐだざいいいぃ!!」 ガラス越しに群れのゆっくり達は懇願したが、 聞き入れられないどころか、嘲笑と罵倒をもって応えられた。 懇願のうちに三十分は過ぎ去り、壁は再び鏡に戻る。 例え侮蔑と悪意を向けられていてさえ、 極上の美ゆっくりであるY飾りのゆっくり達の姿そのものが、 群れのゆっくり達にとってはゆっくりできるものだった。 壁が鏡に戻る瞬間、 ゆっくりプレイスは内部の音も含めてすべてこちら側と遮断される。 群れのゆっくり達はその時、眼前の鏡に移る自分たちの、 痩せて汚れた、涙に濡れるみすぼらしい姿を見せつけられた。 ゆっくり達はそんな自分を嫌悪し、みじめな気分になり、 なるべく鏡と離れ、岩場の真ん中で日がな一日泣きじゃくった。 どこを向いても、目に映るのはぶざまで醜い自分たちだった。 互いの姿が醜く思え、口を開けば愚痴や喧嘩ばかりだった。 家族と一緒にいても、何をしても、 脳裏にあのゆっくりプレイスが常にちらつく状態では全くゆっくりできなかった。 今となっては、あの三十分だけが唯一の楽しみだった。 あの美しいY飾りのゆっくり達を見てゆっくりしたい。 ゆっくり達は毎日それだけを楽しみに待っていた。 一週間近く何も口にせず、ゆっくり達はほぼ餓死寸前だったが、 食欲よりもむしろ、その渇望のほうが強かった。 一週間が過ぎたその日に、変化が起こった。 群れのゆっくり達が透明なガラスに張り付いてゆっくりプレイスを眺めているとき、 突然Y飾りのゆっくり達が騒ぎはじめた。 「ゆっ!!にんげんさんがきてくれたよ!!」 「ゆゆゆっ!!いそいでおむかえするよ!!」 ゆっくりプレイスの中に人間が入ってきていた。 大人のメスだ。 たちまちのうちにゆっくり達がプレイスの床で整列し、 人間を前にしてはきはきと挨拶をした。 「にんげんさん!きょうもきてくれてありがとうございます!!」 「「「「ありがとうございます!!」」」 「にんげんさんのおかげでゆっくりできます!!」 「「「「ゆっくりできます!!」」」」 お姉さんがそれに答えた。 「はいはい、ゆっくりしていってね」 「ゆっくりおめぐみありがとうございます!! ゆっくりさせていただきます!!」 異常な光景だった。 あんなにゆっくりできるY飾り達が、ゴミクズの人間に挨拶をしている。 群れは戸惑う。特に親れいむ達には理解不能だった。 とはいえ、群れのゆっくり達はそれを千載一遇のチャンスと捉えた。 人間に命令すれば、中に入れてもらえるのではないか。 なにしろ、可愛いゆっくりをゆっくりさせることは他種の幸せなのだ。 断られることは考えられない。 「ゆっくりしていってね!!」 親れいむは大サービスで挨拶をしてやった。 まずは可愛い姿を見せてやり、メロメロにしておくのだ。 人間とY飾り達の視線が一斉にこちらに集まった。 そして、Y飾り達が叫び始めた。 「ゆっくりできるわけないでしょおおお!?」 「なにがゆっくりしていってなのおおお!? おまえらがいるとゆっくりできないんだよ!!」 「おまえらににんげんさんをゆっくりさせられるとおもってるのおおお!? うすぎたないごみくずがおもいあがらないでねえええ!!!」 「ゆゆゆゆ………!?」 れいむ達は狼狽した。 たとえY飾りに比べれば醜かろうと、まがりなりにもゆっくり。 人間が自分たちを見てゆっくりするのは確実だろうと思っていた。 当のお姉さんも、苦笑まじりにこちらを見ているだけで挨拶には答えない。 しかし、ゆっくり達はこのチャンスにしがみつき、 お姉さんに向かって食事を要求し始めた。 「おねえさん!!かわいいれいむのためにあまあまをもってきてね!!」 「まりささまはおなかがぺこぺこなんだぜ!!はやくするんだぜええ!!」 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!かわいそうだとおもわないの!?」 「ゆがあああああああああぁぁぁ!!!」 吼えたのはY飾り達だった。 ぎょっとして硬直しているうちに、Y飾り達は猛烈な勢いで扉に殺到し、 扉を開いてこちらになだれ込んできた。 「いいかげんにしろごみくずどもおおおぉぉぉ!!!」 Y飾りのまりさが、群れのゆっくりに体当たりを見舞った。 通常のゆっくりよりもはるかに強烈な衝撃に、 喰らったまりさが歯をまき散らしながら大きく吹き飛ぶ。 「にんげんさんにそんなくちをきいていいとおもってるのかああぁぁ!!」 「このごみくずどもが!!にんげんさんにっ!!あんなことを!!あんなことを!!」 「なにがしんぐるまざーなの!?ごみくず!!もういちどいってみろおぉぉ!!」 「ゆびぇええええええええーーーーーーっ!!?」 Y飾り達のリンチが群れのゆっくり達を蹂躙した。 吹き飛ばされ、踏みしだかれ、噛みつかれる。 巧みに致命傷を与えることだけは回避しているようだが、群れのゆっくり達はも激痛に泣き喚いた。 「やべで!!やべで!!ぼうやべでぐだざいいいいい!!!」 「ゆっぐりでぎないいいいい!!ゆっぐりざぜでええええ!!!」 「ごべんなざい!!ごべんなざい!!あやばりばずがらゆるじでぐだざいいい!!!」 親まりさが叫ぶと、Y飾り達は暴力の手を止めて問い詰めた。 「なにがごめんなさいなの!?はっきりいってね!!」 「ゆっぐ、ゆっぐ………うずぎだないごみぐずでごべんなざい………」 「ちがうでしょおおおぉぉぉ!!!」 「ゆびぇえええぇぇぇ!!」 再び体当たりを受け、親まりさが転がされる。 「おまえらごみくずなんかが!!にんげんさんにためぐちをきいたからだよ!!」 「ゆ、ゆ……?」 「あまあまをもってきてねだって!? なんでおまえらなんかににんげんさんがあまあまをもってきてあげなきゃいけないの!?」 「ゆ、ゆ、ゆっくり……れいむはゆっくりできるから……にんげんさんが……」 「だまれええええぇぇぇ!!」 「ゆぎゅっ!!?」 今度は口を挟んだ親れいむが舞わされた。 「もういちどいってみろおおぉぉ!! にんげんさんが!!おまえみたいな!!うすぎたないごみくずをみて!! ゆっくりするわけないでしょおおおぉぉ!!? ぶじょくしたな!!にんげんさんをぶじょくしたな!!あやまれ!!あやまれえぇ!!」 ばしばしと踏みつけられ、親れいむが泣き叫ぶ。 「ごべんなざい!!ごべんなざい!!ぼういいばぜん!!ごべんなざいい!!」 「なにがごめんなさいなの!?」 「にんげんさんをぶじょくしましたああぁぁ!!」 「もういちどきくよ!! だれがおまえをみてゆっくりするの!?そんないきものがどこにいるの!!?」 「いばぜん!!いばぜえええん!! でいぶをみでゆっぐりずるいぎぼのはいばぜえええええぇん!!」 「やっとわかったね!!ごみくず!! ごみくずなりにゆっくりはんせいしてね!!」 ぺっ、と唾を吐きかけてYまりさはようやく身を引いた。 ぼろきれのように横たわり、親れいむは泣きじゃくる。 Yまりさは群れのゆっくり達に向きなおって叫んだ。 「おまえらもゆっくりりかいしてね!! おまえらはだれもゆっくりなんかさせられない、きたないやくたたずのごみくずなんだよ!! とくに、とくに、にんげんさんをゆっくりさせられるなんておもわないでねえぇぇ!!! ゆっくりわかったの!?へんじしろおおぉ!!!」 「ばいいいいいぃぃ!!わがりばじだあああああ!!!」 涙を流し震えおののきながら、ゆっくり達が答える。 「ごみくずはそこでのたれじんでいってね!!」 「まりさ、もういいわ」 「ゆっ!!ゆっくりわかりました!!」 Yまりさを制止したのはお姉さんだった。 ガラス壁の向こうからお姉さんは言った。 「その子たちにも食べ物をあげましょう」 「ゆゆっ!?でも、こんなごみくずたちにごはんさんはもったいないとおもいます!!」 「いいのよ」 「ゆっくりわかりました!!」 プレイス内の大皿から菓子を集め、大皿に盛っていくY飾りのゆっくり達。 充分な量の菓子が盛られたところで、お姉さんが皿を手に取った。 「ゆゆっ!?まりさたちがはこびます!!」 「ごみくずどもににんげんさんからあげるなんておそれおおいです!!」 「いいの。さ、どいて」 「ゆっくりごめんなさい!!」 そうして、皿を運んでくるお姉さん。 その様子を見て、群れのゆっくり達は飛び跳ねた。 「ゆっ!!ありがとうにんげんさん!! はやくあまあまおいていってね!!」 「おれいにおうたをうたってあげるよ!! あまあまちょうだい!!あまあま!!」 一刻も早く菓子を受け取ろうと、扉のほうに集まっていく。 親れいむも、痛む体と空腹を引きずりながらそちらへ向かっていった。 やがて、扉を開いてお姉さんが現れた。 「はいはい、がっつかないの」 その瞬間、親れいむの中枢餡を衝撃が貫いた。 恐ろしく空腹だったが、もはや菓子などは眼中になかった。 わけがわからない。 わからないが、とにかく、このお姉さんにすりすりしたくて仕方がなかった。 このおねえさんはゆっくりできる。 親れいむの本能が、それを告げていた。それもこれまでにないほど強烈に。 菓子皿が地面に置かれたが、 親れいむは脇目もふらずにお姉さんに向かっていった。 「お、おねえさん!!すーりすーり!!れいむとすーりすーりしてね!! ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 先ほどYまりさにされた制裁も忘れ、人間にすり寄っていく。 見ると、群れの他のゆっくり達も同じようにお姉さんの方に向かっていた。 遅れてはならじと、親れいむは必死に這いずっていく。 しかしお姉さんは首を振り、立ち上がった。 「だめだめ。ゆっくりできないわね」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉぉ!!?」 群れの中から絶叫が響く。 「だーめ。みんな汚いもの。じゃあねー」 「ま!まって!!おねえざん!!すーりすーりしでえぇ!!」 「ずーりずーりじだああいいいい!!おねえざん!!もどっでぎでええええ!!」 「おねえざああああん!!おねえざああああんん!!おでがいいいいいぃ!!!」 「ゆっぐじじで!!ゆっぐじじでよおおおおぉぉぉ!!!」 飛び跳ね、追いすがり、懇願する群れに背を向け、 お姉さんは足早に扉の内側に引っこんで扉を閉めてしまった。 ゆっくりプレイス内では、 Y飾りのゆっくり達が、存分にお姉さんの腕や足にすりすりをしている。 どれもが恍惚の表情を浮かべ、このうえなくゆっくりしていた。 これまでで一番強い、身を焦がす羨望に親れいむは身悶えする。 ゆっくりしたい。 食欲とも性欲とも違う、そのどれよりも遥かに強い衝動。 気も狂わんばかりのその衝動に突き動かされ、 置かれた菓子の皿には目もくれず、Y飾り達の怒鳴り声にもひるまず、 親れいむ達はガラス壁に体当たりし、壁の向こうのお姉さんに懇願し続けた。 壁が再び鏡に戻ってしまうまでそれは続いた。 「………なんだこれ」 「ね、すごいでしょ」 「信じられない。あれだけ腹をすかしたゆっくりが、食事も忘れて人間にすり寄るなんて。 食欲がほぼ最優先で、人間を見下している生き物が……どういうわけなんだ?」 「問題。ゆっくりが一番ゆっくりできる状態って、なんだと思う?」 「………俺に聞かれてもわからないが、甘いものを食べてるときか?」 「ブー。解答。お母さんの中にいるとき」 「口の中に入って……いや、母胎か!」 「そういうこと。生まれる前、母親の子宮の中にいるときが一番ゆっくりしてるの。 人間と同じで、生まれた後はほとんど忘れちゃうようだけど、 胎内にいる間のゆっくり波は、生まれた後にどんな事をしてもまず到達できない数値なんだな」 「ゆっくり波?」 「脳波のゆっくりバージョンで、ゆっくり具合を数値化してみたのね。 で、研究してみた結果、にんっしんっしているゆっくりの子宮内の液体が鍵だとわかったの。 胎ゆっくりが浮かぶ海、人間でいう羊水ね。便宜上、「ゆー水」と名付けました」 「ゆーすい……」 「そのゆー水を大量に摂取し凝縮して、香水にしてみたわけ。 それを肌にふりかければ、人間だろうとブタだろうとれみりゃだろうと、あらゆるゆっくりがすり寄るようになるよ」 「そりゃまた。つくづく単純な生き物だな」 「コレが開発できた時点で、 ゆっくりに関するほとんどの問題は解決できたようなもんね。 あとはじっくり手間をかけていくだけってわけ」 鏡を前にしてゆっくりプレイスと遮断された群れは、 意気消沈の体で、それでも菓子を盛った皿に這いずっていった。 「むーしゃむーしゃ……しあわせー……」 「うっめ……これめっちゃうっめ……」 一週間ぶりの、それも初めて食べるほどの美味だったが、 その量は群れに対してとても充分とはいえなかったし、 何より、先ほどの人間にすげなくあしらわれたのが、なぜか無性に辛かった。 あの人間に褒めてほしい。可愛がってほしい。 餡子の底から湧き起こる、説明しようのない本能が思考を苛む。 その日の夜、岩場に身を横たえて眠りながら、 親れいむは夢を見た。 遠い遠い記憶。 すでに忘れかけていた、魂のゆっくり。 自分たちゆっくりが毎日本能的に追い求めている、 すべてが全く満たされた夢のような時が、 かつてたしかにあったのだ。 夢の中で、親れいむは、 大きく温かく優しい母親の頬にすーりすーりをしていた。 起きると、親れいむは泣いていた。 周囲には、同じように泣いているゆっくり達が多くいた。 同じ夢を見たのだろう。 互いに言葉を交わすでもなく、再び一方の鏡を凝視する。 あの三十分がその日も訪れ、群れのゆっくり達はガラス壁にしがみついた。 一同はY飾り達の暴力を恐れ、声をあげずに張り付いているだけだったが、 やがて人間の姿が現れると、無意識に鳴き声を上げた。 「ゆうぅ~~……ゆぅぅう……」 「ゆっくり……ゆっくりしたいぃ……」 しかし、その日やってきた人間は別のお姉さんだった。 親れいむ達は落胆したが、 扉が開かれ、菓子皿を手にそのお姉さんが現れると、 再び電流のような渇望に打たれ、お姉さんにすり寄ろうとした。 そしてまた拒絶される。 「ゆっくり!!ゆっくりしたああいいいい!!!」 「おでがい!!おでがい!!でいぶをゆっぐりざぜで!!ずーりずーりじでぇぇ!!」 「なんでぼじばず!!ずごじだげでいいんでず!!なーでなーでじでぐだざいいいい!!」 「ああやだやだ、汚い汚い」 泣きながら這いずってにじり寄るゆっくり達を振り切って、 お姉さんはさっさとゆっくりプレイスに戻って扉を閉めてしまう。 「ゆっぐじざぜでえええええええぇぇぇ!!!」 再び一週間が過ぎた。 わずかなあまあまで日々を食いつなぎ、 今日こそは、今日こそはと、毎日違うお姉さんに懇願する。 ゆっくり達はやつれ果て、疲れきっていた。 毎日泣きはらし、目の下には深い隈ができている。 最初は群れで固まっていたが、今ではそれぞれが勝手に動き、 会話をしようともしない。 薄汚れた互いの姿を見てもみじめになるばかりだった。 「今、あのゆっくり達は、 ゆー水の効果で人間に母親を見てるわけ」 「まさかそんな事ができるとは思わなかったな」 「母親に捨てられた子供ほどみじめなものはないよ。 アメリカのほうじゃたまに見かけたけど、ひどいもん。 お母さんに拒絶されるというのは、トラウマになるぐらい辛いことみたいだね」 「君も、もう少しお母さんを大事にしてやればいいだろう」 「そうだねー。週末には帰ろうかな。 じゃ、そろそろ次いこっか。ここからが面白いよー♪」 「おねえさんとすーりすーりしたいの?」 その日、外に出てきたY飾りのまりさが聞いてきた。 ゆっくり達が沸き返り、絶叫する。 「ゆ!!したいい!!ずーりずーりじだいいいぃぃ!!!」 「ばりざをおでがいじばず!!ずーりずーりじだいいいいい」 「ゆっぐりいいいい!!ゆっぐりいいいいいいい!!!」 「いまはだめだよ!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおぉぉぉ!!?」 泣きわめくゆっくり達に、Yまりさが毅然として答えた。 「うすよごれたやくたたずのごみくずが、 にんげんさんにさわるなんておそれおおいんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「ううううう!!ゆううううううう!!!」 「でも、やくたたずだけど、がんばればあっちにいれてあげてもいいよ!! おねえさんともすーりすーりできるよ!!」 「ゆ!!がんばる!!がんばりばずうううううぅぅぅ!!!」 初めて目の前にぶら下がる希望に、ゆっくり達は眼を輝かせた。 「そのためには、「しんっこうっ」のみちにはいるんだよ!」 「ゆ?」 「しんっこうってなに?」 「「ゆっくりきょう」にはいって、 にんげんさんのやくにたつゆっくりになれるようにしゅぎょうすることだよ! そのためにはたくさんおぼえなきゃいけないよ!!しゅぎょうはつらいよ!! つらいけど、がんばればおねえさんとすーりすーりできるよ!!」 「ゆゆゆゆ!!よくわからないけど、ありすはしんっこうっするわ!!」 「まりさもしんっこうっするんだぜ!!すーりすーりするのぜ!!」 群れのゆっくり達から次々と声があがる。 「しんっこうっのみちにはいるには、きまりごとをいっぱいおぼえなきゃいけないよ!! それをおぼえたら、このばっじをあげるよ!!」 Yまりさが取り出したのは、 自分が頭につけているのと同じY字型の飾りだった。 「このばっじをつければ、ゆっくりきょうのいちいんだよ! ゆっくりぷれいすにいれてあげるからね!!」 歓声をあげる群れに、Yまりさは一冊の本を取り出して言った。 「それじゃ、これからゆっくりきょうのおきてをおしえるからゆっくりおぼえてね!!」 「ゆゆぅ!!ゆっくりおぼえるよぉ!!」 「すーりすーり♪すーりすーり♪」 「ゆっくりはゆっくりできません!!」 「ゆっ?」 不思議そうに小首をかしげるゆっくり達に、Yまりさは怒鳴った。 「ゆっくりふくしょうしてね!! ゆっくりはゆっくりできません!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおぉぉ!!?ゆっくりできるよぉ!?」 「ゆっくりだまってね!! さからうならゆっくりきょうにははいれないよ!! おねえさんにすーりすーりしてもらえないよ!!」 「ゆゆうぅぅ!?」 「ふくしょうしてね!! ゆっくりはゆっくりできません!!」 「「「ゆ……ゆっくりはゆっくりできません!!」」」 お姉さんに触りたい一心で群れは復唱する。 「このよのすべてのいきものは、 どんないきものでもゆっくりできます!!」 「「「ゆっくりできます!!」」」 「けれど、ゆっくりだけはゆっくりできません!!」 「ゆゆゆぅぅぅ!?」 「ふくしょうしてね!!」 「「「ゆっくりだけはゆっくりできませんん!!」」」 「ゆっくりは、なんのやくにもたたないごみくずです!!」 「「「……ごみくずですぅ!!」」」 「このよでいちばんゆっくりできるのはにんげんさんです!!」 「「「にんげんさんです!!」」」 ちがうでしょおおおおぉぉぉ!!? 親れいむはそう叫びたくて仕方がなかった。 しかし、以前にY飾り達にリンチを受けた体験を思い出し、 逆らうのは思いとどまった。 何より、あのお姉さんたちがゆっくりできるのは確かだった。 掟は続く。 「やさしいにんげんさんは、 ゆっくりがゆっくりできるいきものになれるようにみちびいてくれます!!」 「「「みちびいてくれます!!」」」 「ごみくずのゆっくりにてをさしのべてくれるにんげんさんにかんしゃして、 にんげんさんがゆっくりできるように、にんげんさんのいうことをきくこと!!」 「「「いうことをきくこと!!」」」 「そうすれば、にんげんさんがゆっくりをゆっくりさせてくれます!! それが、ゆっくりがゆっくりするゆいいつのほうほうです!!」 「「「ゆいいつのほうほうです!!」」」 最後に、Yまりさは一際声を張り上げて締めた。 「にんげんさんのどれいになることがゆっくりのゆっくりです!!!」 「「「ゆっくりのゆっくりです!!!」」」 「きょうおしえるのはこれだけだよ!!ゆっくりおぼえていってね!!」 「ゆ、ゆ、おかしいわ!」 不平を鳴らしたのは参謀役のぱちゅりーだった。 「なにがおかしいの?」 Yまりさがじりじりと詰め寄りながら聞き返す。 ぶるぶると震えながら、ぱちゅりーはそれでも答えた。 「ゆ、ゆ、でも、でも、にんげんさんはひどいことをするわ! おやさいさんをひとりじめしたり……」 「おやさいさんはにんげんさんがそだててるんだよぉ!!!」 凄い剣幕でYまりさが怒鳴った。 「にんげんさんのおやさいをたべたの!?」 「ぱ、ぱちゅりーはたべてないわ……」 「ほんとう!?たべてたらこのばでつぶしてるよ!!」 その剣幕におののき、 群れの中の、畑に侵入した前科のあるゆっくりも黙り込んでしまう。 「にんげんさんがそだてたおやさいをぬすむゆっくりはゆっくりできないよ!!」 「お、おやさいはかってにはえて……」 「ぱちゅりぃぃぃ!!そんなこともしらないでもりのけんじゃなのおおぉ!?」 涙を一筋こぼし、ぱちゅりーは口をつぐむ。 子めーりんに負けて以来、ぱちゅりーは自分の知識に全く自信が持てなくなっていた。 「ゆゆぅ……でも……」 群れの中から、れいむ種の反論がさらに出てくる。 これほど自信を失い、これほど強い相手を前にしても、 人間が一番ゆっくりでき、ゆっくりはその奴隷になるべきだという理屈は、 ゆっくり達にとって到底すんなり受け入れられるものではなかった。 「おうたをうたってあげても、 にんげんさんはおれいをしてくれなかったよ……」 「おうたぁ!?」 Yまりさが向きなおって怒鳴る。 「おうたって、まさかあれのこと!? ゆーゆーうめいてるだけの、あのひどいざつおんのこと!?」 「…………!!」 群れのれいむの脳裏に、テストの時の屈辱が甦る。 「そんなものをにんげんさんにきかせたのおおぉぉ!!? そのせいでにんげんさんはゆっくりできなかったんだよ!! おれいってなんなのおぉ!?ごみくず!!おまえがおわびするんだよ!!」 「……ゆ、ゆ………ごべんなざいぃ……」 反論したれいむは泣きながらうなだれた。 その後も弱々しい反論が群れから発せられたが、 そのどれもが、Yまりさの激しい叱責で切って捨てられた。 「にんげんさんがよこどりするうぅぅ!!? ぜんぶにんげんさんのものなんだよ!! このせかいのなかで、ごみくずのものなんかどこにもないんだよおぉ!! にんげんさんがおめぐみしてくれるものだけがゆっくりのものだよ!!」 「ゆぐぐぐぐぅぅ………」 「わかったらおきてをおぼえてね!! ゆっくりはゆっくりできません!!」 「「「ゆっくりはゆっくりできませええん!!」」」 その日は、その掟を何度も何度も復唱させられた。 それでも最後まで暗記できた者はいなかった。 暗記できるまで練習するよう命じると、 本を投げてよこし、Yまりさはゆっくりプレイスに帰っていった。 その大きくて薄い本には、先ほどの掟が簡単なひらがなで書いてあった。 字の読めるゆっくりがそれを手に取り、 群れといっしょに音読しはじめた。 ゆっくりの本能に抗うその掟は到底受け入れ難いものだったが、 お姉さんとすりすりしたい、ただその事のために、 他にやることもない無聊も手伝い、ゆっくり達は掟を繰り返し続けた。 無心でそれを繰り返していれば、少なくとも現状のみじめさを忘れることはできた。 ゆっくりはゆっくりできません このよのすべてのいきものは どんないきものでもゆっくりできます けれど、ゆっくりだけはゆっくりできません ゆっくりは、なんのやくにもたたないごみくずです このよでいちばんゆっくりできるのはにんげんさんです やさしいにんげんさんは ゆっくりがゆっくりできるいきものになれるようにみちびいてくれます ごみくずのゆっくりにてをさしのべてくれるにんげんさんにかんしゃして にんげんさんがゆっくりできるように、にんげんさんのいうことをきくこと そうすれば、にんげんさんがゆっくりをゆっくりさせてくれます それが、ゆっくりがゆっくりするゆいいつのほうほうです にんげんさんのどれいになることがゆっくりのゆっくりです 一番覚えのよかった一匹のまりさ種が、丸一日かかって暗記した。 翌日、Yまりさの前で、そのまりさは掟を暗唱した。 「ゆ!!ごみくずなりによくおぼえたね!!」 「まりさはがんばったんだぜ!!すーりすーりするんだぜ!!」 「このぐらいでみとめられるとおもわないでねえぇぇ!!」 怒鳴られ、委縮するまりさ。 しかしその時、人間の声がかかってきた。 扉を開けてやってきたのはお姉さんだった。 お姉さんはまりさを見下ろして笑った。 「よく覚えたわね。偉いわよ、まりさ」 「ゆゆゆゆううぅぅ!!!」 感極まってぶるぶると震え、目をきらきら輝かせるまりさ。 「ご褒美をあげるわ。ほら、撫でてあげる」 「ゆ!!おねえさん!!すーりすーり!!すーりすーりしてええぇぇ!!!」 まりさの薄汚れた頬にお姉さんの手が触れ、優しく撫ぜた。 「ゆっ……………くりいいぃぃぃぃぃぃぃ~~~~~~~~~~~………!!!」 あひる口で涙と涎を垂らし、頬を紅潮させて震えながらうれちーちーを漏らすまりさ。 恐らくは生涯最高にゆっくりできているだろうその表情が、群れの羨望をかきたてる。 「はい、おしまい」 「ゆゆうううぅぅぅ!!?もっと!!もっとすーりすーりいぃぃ!!」 「だーめ。もっと頑張ったらまたやってあげるわね」 そのまま立ち上がり、お姉さんは扉の向こうへ消えていってしまった。 群れは泣きながら追いすがり、すーりすーりを懇願したが、 Yまりさの怒鳴り声に追い返された。 あのまりさだけが、いまだに余韻にひたってうれちーちーを漏らし続けていた。 何日もかかって群れのゆっくり達は最初の掟を覚え、 お姉さんからご褒美のすーりすーりを受けて、その快感に魅せられた。 掟はそれだけではなく、 それから数多くの掟を教えられた。 にんげんさんにさからってはいけません ゆっくりはみにくいいきものです てとあしがないのはみっともないことです ゆっくりはよわいいきものです にんげんさんがまもってくれるおかげでいきていけます ゆっくりはよくぶかい、あさましいいきものです にんげんさんにしどうしてもらいましょう 反発したいもの、意味がよく掴めないものが多かったが、 お姉さんのご褒美をもらいたいというそのためだけに、 群れのゆっくり達は必死に覚え続けた。 通常のゆっくりでは、それらのすべてを暗記することは不可能だったが、 それでも掟は少しずつゆっくり達の無意識に浸透していった。 たとえ心で反発していても、口に出して音読しているうちに抵抗が薄れていく。 なにより、あのすーりすーりへの燃えるような渇望が、 ゆっくり達から思考能力を奪っていた。 「このせかいは、かみさまがつくったんだよ。 いぬさんもおはなさんももりさんもうみさんも、ぜんぶかみさまがつくったんだよ。 かみさまはさいごに、じぶんににせたいきものをつくって、 このせかいをかんりするやくめをあたえたんだよ。 それがにんげんさんだよ」 Yまりさは群れに講義していた。 「かみさまはいろんないきものさんをつくったけど、 つくったものには、わるいところがすこしずつあったよ。 そのわるいところを、かみさまはていねいにとりのぞいたよ。 いろんないきものさんのわるいところを、ちぎってまとめてすてたんだけど、 そのわるいくずがあつまって、ひとつのいきものになっちゃったよ。 それがゆっくりだよ」 群れの中から、かすかに嗚咽が漏れてくる。 その頃になると、群れのゆっくり達は素直にYまりさの教えに耳を傾けていた。 「にんげんさんは、ぜんちぜんのうのそんざいなんだよ。 にんげんさんにはなにもかもわかってるし、 ゆっくりたちがなにをしてるか、ぜんぶおみとおしなんだよ」 ゆうぅぅ、という嘆息が群れから上がった。 「ゆっくりがゆっくりできているかどうかは、 にんげんさんがぜんぶおしえてくれるよ。 まよったときは、にんげんさんにおしえてもらってね。 ゆっくりできることをしていたら、にんげんさんはゆるしてくれるし、 ゆっくりできないことをしていたら、にんげんさんがばつをあたえてくれるよ」 Yまりさは一旦言葉を切り、群れを見回した。 そして頷きながら続ける。 「それはとてもありがたいことなんだよ。 ばつをあたえてもらえば、ゆっくりははんせいできるよ。 そうすればもっとゆっくりできるようになれるよ。 でも、にんげんさんのばつで、ゆっくりがころされることもあるよ」 再び言葉を切り、間を置いてからYまりさは強い口調で続けた。 「それも、すごくありがたいことだよ!! ゆっくりできないゆっくりは、 ころしてもらうことで、もうだれにもめいわくをかけずにすむよ。 そして、にんげんさんのばつをあたえてもらってしぬことで、 じごくへいかずにすむんだよ!」 「ゆゆっ?」 「じごくってなに?」 群れの中から質問が上がり、Yまりさはそれに答えた。 「じごくっていうのは、とってもとってもゆっくりできないところだよ。 にんげんさんのためにはたらいたゆっくりは、 えいえんにゆっくりしたあと、おそらへいくよ。 だけど、わるいことをしたゆっくりは、 おそらへいけないで、じごくへいくんだよ。 じごくでは、ずっとずっと、いたくてくるしくてゆっくりできないことをされるよ。 じごくにおちたゆっくりは、にどとしねないよ。 えいえんに、ずっと、ずっと、ずっとずっとくるしみつづけるんだよ。 えいえんにくるしくて、えいえんにゆっくりできないんだよ」 「ゆゆゆうううううぅぅぅぅ!!!」 群れのゆっくり達が恐怖の叫びを上げる。 Yまりさは満足げに見回して続けた。 「みんな、じごくへいきたい?」 「いぎだぐないでずううぅぅ!!」 「いやあぁぁ!!じごくいやああぁぁ!!」 「そうだよね。だから、ゆっくりできるゆっくりにならなきゃいけないよ。 にんげんさんのいうことをよくきいて、にんげんさんのためにはたらこうね。 そうすれば、おそらでゆっくりできるようになるよ。 それに、わるいことをしたとしても、 にんげんさんにばつをあたえてもらってしねば、 わるいことはゆるしてもらえて、やっぱりおそらでゆっくりできるよ。 みんな、よくおぼえてね!!にんげんさんにかんしゃしようね!!」 「はいいぃぃ!!」 「…………そんなに面白いか?自分でやっといて」 「あははははは、あははは、ははは、あっははははははは!」 「まさか宗教なんてものを持ち出すとはな」 「あははは、あのね、人間だってそうだけど、群れをまとめるには宗教が一番なの。 神様に天使、自分たちより上の存在が決めたルールならみんな素直に従うでしょ。 でも人間の場合、問題は、神様も天使もいないこと。 だから信仰心に頼るしかなくて、結局ルールとしては不安定になるよね。 でも、ゆっくりには、本物がいるんだからね。 人間がなってやればいいんだからさ、その、天使に、ぷはっ! あは、あはははは、天使だって、あっはははは、ひい」 「君が笑っているのはゆっくりか?」 「ははははははは、あは、あは、うひっひっひ、あはははは」 「それとも人間のほうか?」 毎日、群れのゆっくり達はY飾り達の講義を受けた。 他にやることもない状況下、 皆が「ゆっくり教」の教えを理解し、覚えることに全霊をかたむけた。 定期的に、お姉さんの立ち会いのもとにテストが行われた。 暗記を要求されたのは一番最初の掟だけで、 それだけは毎回テストの最初に暗唱させられたが、 それ以外の教えについては、一問一答の形で試された。 ゆっくりできないこと、人間に対してやってはいけないこと、 様々な設問を受け、群れのゆっくり達が答える。 素早く答えられたものには、お姉さんがすーりすーりをしてくれた。 ゆっくりプレイス内のガラス近くに、外側に向けて大画面のテレビジョンが設置され、 ガラス越しにビデオを見せられた。 そのビデオを通して、ゆっくり達は毎日ゆっくりの悪行を見せつけられた。 人家に侵入し、中のものをひっくり返して汚すゆっくり達。 街中で人々にあまあまを要求するゆっくり達。 歌を歌い、おひねりを要求するゆっくり達。 ゴミ箱をあさり、通路にゴミをまき散らすゆっくり達。 そうしたゆっくり達の騒音や通行妨害に迷惑をこうむる者たちの声が、 市民、公務員、飼いゆっくり、さまざまな立場から語られる。 農家で野菜の栽培を生業とする人々が映され、 農業にかかる膨大な手間が詳細にわたって解説される。 その営みの苦労、それを乗り越えてもたらされる収穫の喜びに、 群れのゆっくり達が感動を覚え始めた頃、 「おやさいはかってにはえてくるんだよ!」を合言葉に畑に侵入するゆっくりが映される。 ゆっくりによって荒らされる畑、その害に苦しむ農家の声がたっぷりと流れる。 「とかいはなあい」と称して、飼いれいむを強姦する野良ありす。 犯し殺されたれいむの家族、そして飼い主の悲しむ姿が延々と映される。 レイパーありすの強姦から、人間の手当によって運よく生き延びた大勢のゆっくりが、 レイパーに対する恨みつらみと憎悪を激しい口調で並べ立てる。 ドスまりさが人間の村を訪れ、「きょうてい」を要求する映像。 ドススパークを盾に一方的な不平等条約を結ばされ、 村の糧を奪われて汲々とする村人たちの苦しみが、 特別貧乏な一家の子供たちを中心に描かれる。 自分たちがそれまで思ってもみなかった視点から描かれるゆっくり像に、 多くのゆっくり達が悔悟に苦しみ、自省の涙にくれた。 自分たちのことを憎々しげに語る大勢の人々の声は、自尊心を錐のように貫いた。 特に、ありす種の打ちひしがれようは激しかった。 レイパー被害のビデオを見せられたありす達は、 静かな、しかし激しい涙にくれ、その日は一睡もしなかった。 それ以後どこか卑屈になり、こそこそと群れの後ろのほうに隠れるようになった。 「ずいぶんと素直なんだな。ゆっくりに罪悪感があったのか」 「ゆー水で人間に依存させてるのが大きいんだけどね。 あのね、はっきり言うけどさ、ゆっくりって平和主義なんだよ。 人間から見れば唯我独尊の極致に見えるけど、 自分たちの可愛さで他の生き物をゆっくりさせてあげてるって本気で思ってるの。 レイパーにしたって、「とかいはなあい」で相手が幸せになるって本気で信じてる。 つまり、無償の愛で周囲に奉仕しているつもりでいるんだよ、ゆっくり達は。 実情はどうあれ、平和を愛するという点では人間以上みたいだよ」 「俺の子供を殺したのも平和を愛するからだっていうのか?」 「それ飛躍。あの十三匹はゲス素材を限界までつけ上がらせた個体で、 例としては極端すぎるね、根っこは同じだけど。 でもまあ、ゆっくりが一番偉いっていう自尊心の強さ、ふてぶてしさは、 自分たちが世界に奉仕しているという誇りに支えられてるわけね。 多いよね、人間にも。そういう人」 「まあ……そうだな」 「というわけで、そこを崩してやる。 理屈で言い聞かせたって、普通ゆっくりの頭じゃすんなりとは理解できないから、 物量作戦で、とにかく大勢の声を浴びせてやります。 ゆっくりを嫌っている、迷惑を被っている人たちを、映像として突きつけてやる。 その事実を突きつけられれば、ゆっくりのアイデンティティはガタガタってわけね。 自尊心を壊されたゆっくりは悲惨だよ~」 群れのゆっくり達は、いよいよ口数が少なくなり、 ゆっくり教の教えを復習する以外は、 うなだれ、うつろな暗い目でただただ地面を見つめて暮らすようになった。 自分たちが他の生き物たちをゆっくりさせている。 そう思えばこそ、ゆっくり達は堂々と生き、ゆっくりしてこれていた。 しかし、害獣として疎まれ憎まれている現状を知らされた今、 世界のどこに行っても憎まれ追い返され、迫害されるという不安感に苛まれた。 これまで、愛されているという確信のもとにゆっくりしてきたゆっくり達にとって、 世界中に憎悪されるというストレスはきりきりと精神を苛んだ。 そんなゆっくり達がしがみついたのは、ゆっくり教の教義だった。 最初の頃は、暴力を振るわれるのが怖さに、 そしてお姉さんにすーりすーりしてもらうために機械的に従っていたが、 いまでは心底からゆっくり教の教えを求め、理解しようとしていた。 打ち崩されたゆっくりの誇りと存在意義を、教義は新たに与えてくれた。 このよでいちばんゆっくりできるのはにんげんさんです やさしいにんげんさんは ゆっくりがゆっくりできるいきものになれるようにみちびいてくれます ごみくずのゆっくりにてをさしのべてくれるにんげんさんにかんしゃして にんげんさんがゆっくりできるように、にんげんさんのいうことをきくこと そうすれば、にんげんさんがゆっくりをゆっくりさせてくれます それが、ゆっくりがゆっくりするゆいいつのほうほうです にんげんさんのどれいになることがゆっくりのゆっくりです 「しかし、ずいぶんと手間をかけるんだな」 「ん。た~っぷりとね。最低一年はかけたいね」 「俺が当初予定した計画より、だいぶ回りくどくなったようだ」 「これはね、圭一さん。もう圭一さん個人の復讐じゃないよ。 このゆっくり達への制裁でもない。 あたしたちが今やってるのは、 現在から未来にいたるまでの、全てのゆっくりの洗脳なんだからね。 じっくり丁寧にやらなくっちゃなのよ」 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/66.html
贔屓されるゆっくり&超設定が登場します!!見たくない方はそのまま戻るを押してください!! 読まれる方はそのまま下にスクロールをどうぞ 「ぎゅぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 「やべでええええええええええええええええええええ!!!!!! はなじでえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」 「なんでぞんなひどいごとずるのおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 家の外から聞こえてくる騒がしい声で俺は目を覚ました… 暑苦しい熱帯夜、そんな中でやっと寝れたのに起こされた俺は正直気分が悪い。 窓の外はまだ薄暗く、時計を見るとまだ三時を過ぎたばかりだ。普通なら寝ている時間である。 もう一度寝ようとしたものの、いまだに外から「おねがいだがらはなじでよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」とうるさい声が聞えてくる… 溜息を吐きながら観念した俺は、部屋を出て玄関から外へ出る。 途中廊下でダンボールに入り涎を垂らしながらぐっすり寝ているめーりんを見つけて叩き起こそうと思ったものの、八つ当たりは可哀想なので止めておいた。 今は騒音の元凶を何とかしなくてはいけない。 庭にはゆっくりれいむとまりさ、そいつらのそこそこ大きい子供がいた。 子供はまだ生きてるのが5匹程、残骸であるリボンと帽子は合わせて三つ落ちている。全部で十匹家族だったのだろう。 騒音の元凶は今にも握り潰されそうとしている子れいむと、足元で必死に体当たりをしている親れいむとまりさだ。捕まっていない子供達は庭の隅で震えている。 俺は騒ぎを作り出しているそいつを後ろから軽く叩いた。飼い主として躾はちゃんとせねばいけない。 「お、おにいさん…」 叩かれたゆっくり… 俺の飼ってるゆふらんである。軽く叩いたつもりだったのだが、そこそこ痛いのか少し涙目だ。 「駄目だろ? 別に狩りをするのは良いけど、家の周りを騒がしくしちゃいけないって」 「で、でも…」 「でもじゃない。お母さんから駄目だって色々教わったろ?」 「そうだけど…」 ちなみにお母さんとは先程幸せそうに眠っていためーりんだ。畜生め… 加工所の職員から貰ったゆふらんの子供は、今では立派に体つきにまで成長した。 野生のゆふらんは「ゆっくりしね!!」としか言わないのだが、何故かこいつは不思議なことに普通のゆっくりみたく人間の言葉を喋れるようになった。 それが人間の俺と暮らしているからなのか、めーりんの教育の賜物なのかはよく分からない。 最近ではどっかの研究所に研究させてほしいと頼まれたが、正直興味ないので断った。 こいつらは自分の家の住人だ。いなくても別に構わないが、いなくなったらやはり寂しく思う。 そんな事より今は説教をせねば。 「だいたいゆっくりなんて森にたくさんいるじゃないか。なんでわざわざ連れてきたんだ?」 「つ、つれてきたんじゃないよ!! ほんとうだよ!!」 「じゃあ何か? こいつらが勝手に家に入ってきたっていうのか? そんなバレバレの嘘を… いや、十分ありえるか…」 てっきりゆふらんが連れてきたと思ったものの、こいつらはゆっくりだ。 勝手に入ってきてこの家を自分の住処にしようとする事は十二分に有り得る。 ていうか最近全くゆっくりが来なかったからすっかり忘れていた。 そして俺が言葉に詰まったからか、ゆふらんが責める様にこちらを睨む。ゴメンナサイ… 「…おかあさんのとこにいくね」 「そ、そうか… いや、ごめんな…」 「きにしなくていいよ… おにいさんがしんじてくれなかっただけだから… ぜんぜんショックじゃないよ…」 「……」 そんな涙目で言われても説得力ないよ… そして罪悪感で胃が… 「おにいさん、おやすみね」 「あぁ、おやすみ…」 そのままゆふらんは家の中へ入っていった。あぁ、俺はなんてことを… 「おかあさん!! あいつどっかにいったよ!!」 「ゆゆ!? さてはれいむたちをおそれてにげたんだね!!」 「あんなやつらまりさたちのてきじゃないよ!!」 「「「「「おかあさんすご~い!!」」」」」 …お前達、まだいたんだ。 先程までゆふらんに怯えていたゆっくり達が暢気に騒いでいる。人間の俺がいるのにな… 元はといえばこいつらが家に侵入してきたせいで俺はこんな夜中に起こされたんじゃないか。 責任、とってもらうしかないね… 「おい、そこのゆっくり」 「ぶぎゅ!!」 とりあえず一番近かった親まりさを踏みつける。少しくらい餡子が出ようが関係ない。 「おじさんなにするの!?」 「はやくまりさをふんでるあしをどけてね!!」 「そうだそうだ!!」 「はやくおかあさんをはなしてしんでね!!」 「そんな風に言っていいのかな? お母さんが潰れるよ?」 「ゆぎゅうううううううううううううううううううううううううう!!!!」 潰れるかどうかギリギリの力で親まりさを踏みつける。餡子がどんどん出ようが気にしない。潰れたら別の奴を踏めばいいし。 「やべでえええええええええええええええええええええええええ!!!!」 「おかあさんがつぶれぢゃうよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「おねがいだがらあじをどげでえええええええええええええええ!!!!」 「じゃあ、どんな風に口を聞けばいいのかわかるよな?」 「わがりまずううううううううううううううううううううううう!!!!」 「だがらあじをどげでえええええええええええええええええええ!!!!」 泣き叫びながら懇願するゆっくり達。とりあえず踏む力を少し緩めると餡子の流出は止まった。 「じゃ、今から幾つか君達に質問するから。ちゃんと答えなきゃ…」 足に力を入れて踏んでいるまりさから餡子を噴出させる。 「わかるよね?」 「わがりまず!! わがりまずがら!!」 「おねがいだがらあじをどげでくだざい!!」 「ちゃんと答えてくれたら足はどけるよ。じゃ、質問するからな」 「「「「「「ゆっくり質問してください!!」」」」」」 親れいむと子ゆっくり達の大合唱だ。親まりさは餡子を吐き過ぎたせいで気絶しているが、まぁ大丈夫だろう。 「じゃあ質問です。なんでれいむ達はここにきたのかな?」 「ゆ?」 「そんなかんたんなしつもんなの?」 「あぁ、そうだよ」 別にこんな事聞かなくてもゆっくりが来る理由はなんとなく分かっているが、一応俺は聞くことにしている。 「ここにね、クズめーりんがいるからだよ!!」 「クズめーりんがここですごいゆっくりしててずるいんだよ!!」 「それにクズめーりんよりれいむたちのほうがいいゆっくりだからね!!」 「クズはしゃべれないけどまりさたちはしゃべれるもん!!」 「だからここはクズには不釣合いだよね!!」 「だからクズめーりんにかわってもらおうとおもってきたんだよ!!」 …やっぱり予想通りの答えだった。 俺がめーりんを飼い始めてからきたゆっくりは、どいつも『めーりんがゆっくりしててズルイからかわってもらいにきた』という理由だった。 無論俺は今いるめーりんとゆふらん以外飼うつもりはない。 なので今まで一度も他のゆっくりを入れたことはないのだが、何故かゆっくり達は我が家の『めーりんポジション』に就こうとする。 真に謎である。 「そっか、君達もか…」 「しつもんにこたえたんだからまりさをふむのをやめてね!!」 「おかあさんをはなしてあげてね!!」 「はいはい、今どけるよ…」 まりさを踏んでた足を上げると、ピョンピョン跳ねて家族の所へ行くまりさ。 「よかったね~」や、「おかあさんだいじょうぶ?」と家族は親まりさに声をかける。 ここで、時間を置くと俺はゆっくり達から非難の嵐を浴びる為、さっさといつもと同じ事をいう。 「君達がゆっくりしたくてここにきたのは分かったよ。でもね、君達は家族だから正直全員を死ぬまでゆっくりさせることはできないよ」 「ゆゅ?」 「そうなの?」 「だからね、『親だけでゆっくりする』か、『子供だけでゆっくりする』かを選んでね!!」 「「「「「「「? ? ?」」」」」」」 ゆっくり達は何を言われたのか理解できないのか、全員顔に疑問符を浮かべている。 「わかりやすくいうとね、数を減らしてほしいんだ」 「へら、す?」 「そう。親の君達がここからがいなくなって子供だけになるか、子供を全員殺して親だけになるのかをね」 この言葉を聴くと、大抵子供達は泣いて「でぎないよおおおおおおおおおお!!!!」と、言い出す。 しかし、親は違う。 「「ゆっくりつぶれてね!!」」 そのまま高く飛び、子供を殺すために踏み潰そうとする親ゆっくり。 「おがあしゃんどうじでええええええええええええええええ!!!!」 「かぞぐなのにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 「かんけいないよ!! れいむたちがゆっくりするためにさっさとしんでね!!」 「こどもはいなくてもべつにいいよ!! おまえたちはきえてね!!」 「いやだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「だずげでええええええええええええええええええええええええ!!!!」 自分がゆっくりする為なら、親ゆっくりは子なんぞ躊躇わずに殺そうとする。 まあ、元々いるめーりんの居場所を奪おうとするんだから、ゆっくりする為ならなんでもするんだろうな。 ただ、このままではつまらないので… 「ぶぎゅ!!」 「おにいざんじゃまじないでね!!」 子供を殺そうとする親ゆっくり二匹を先程やったように足で踏みつけ、子ゆっくり達に声をかける。。 「さて、今君達を殺そうとしていた親は俺が押さえつけているけどどうする?」 「ゆ!?」 「おにいさんなにをいうの!?」 足の下にいる親ゆっくりが騒ぐが気にしない。 「今なら俺がこいつらを動かないよう踏んでるから君達でも十分に倒せるよ」 「で、でも…」 「おかあさんをころすなんて…」 「そうだよ!! みんないいこだかられいむたちをころすわけないよ!!」 「まりさとれいむのじまんのこどもだもんね!!」 「でも、お前らはその自慢の子供を踏み潰そうとしたんじゃないか?」 「「「「「ゆ!?」」」」」 「しかたないよ!! こどもはおやのぎせいになるべきだもん!!」 「おかあさんのためにしねるならこどもたちもしあわせだよね!!」 「「「「「……」」」」」 相変わらず本当に親なのか疑問に思う発言だが、俺は自分でこいつらを潰すようなことはしない。 「さっさとあしをどけてね!!」 「こどもたちをころしてまりさたちはゆっくりするんだからね!!」 足の下でもがく親ゆっくり。そんな親に近づく五匹の子ゆっくり。 「みんなあつまってくれたんだね!!」 「だいじょうぶだよ!! いっしゅんでつぶしてあげるからね!!」 「「「「「うるさい!! ゆっくりしね!!」」」」」 親ゆっくりが口を開いた後、子ゆっくり達は噛み付いた。相手は親ゆっくりだ。 「どぼじでええええええええええええええええええええええええ!!!!」 「がまないでえええええええええええええええええええええええ!!!!」 まさか自分の子供達に噛まれるとは餡子頭では考えなかったのか、親ゆっくりは本気で驚いているようだ。 最初に殺そうとしたのに、何故まだ言うことをきくと思っていたのだろうか? 毎度の事ながら謎である。 「おにいざんあじどげでええええええええええええええええええ!!!!」 「ごのままじゃだべられぢゃうよおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 見れば子供達は親ゆっくりの皮を食い破って体内に侵入し、中の餡子を食べて殺そうとしている。 ゆっくりは体内の餡子がなくなれば死ぬのだから体の小さい子供達にはそれしか親を殺す方法はないと思ったのだろう。 野生のゆっくりながら中々賢い奴らだ。いや、本能だろうか? 五匹の子供達はとうとう親の体内に入り込んだ。 それに伴い親ゆっくりは「ぎゅぴいいいいいいいいいい!!!!」だの「うぎゃあああああああああ!!!!」だの叫んでいるが、子供達は止める事をしない。 どんどん親の餡子を食べ続ける子ゆっくり。やがて、親まりさの方は叫び声をあげなくなり、ピクピク痙攣し始めた。 どうやら最初の俺の踏み付けで餡子の量が減っていたらしい。まあ、少し死ぬ時間が早くなっただけだ。 「まりざあああああああああああああああああああああああああ!!!!」と叫ぶ親れいむ、こっちはまだまだ元気そうだ。 「やべろおおお!!!!」だの、「おまえらなんかしね!!!!」だの元気よく叫んでいたが、やがてこちらもどんどん静かになり、やがて死んだ。 子ゆっくり達は入った所とは別の場所の皮を食い破ってぞろぞろ出てくる。その顔は何かをやり遂げすっきりした顔だった。 「これでまりさたちだけになったね!!」 「こどもをぎせいにするばかなおやはしんでとうぜんだよ!!」 「おにいさんがばかおやをおさえててくれたからころせたんだよ!!」 「じゃあおにいさんにおれいをいおうね!!」 「もちろんだよ!!」 「「「「「おにいさんありがとうございます!!」」」」」 実の親を殺す手伝いをした人間にありがとうか… 殺さなきゃ殺されるんだから仕方ないのか? 「じゃ、おにいさん!!」 「れいむたちをゆっくりさせてね!!」 「ばかおやがいなくなったんだからこれでしぬまでゆっくりさせてくれるんだよね!!」 「まりさたちのほうがクズめーりんよりかわいいからね!!」 「クズなんかすててそのぶんかわいがってね!!」 口々に叫ぶ饅頭五匹。考えてみればそういう約束で殺し合わせたんだっけ? 「はいはい、わかったよ。ちゃんとお前らが死ぬまでゆっくりさせればいいんだろ?」 「「「「「そうだよ!!!!」」」」」 「じゃ、こっちについてきてくれ」 「「「「「ゆっくりわかったよ」」」」」 立ち上がって俺は庭にある箱の前まで歩き出す。踏んづけていた親ゆっくりの皮はいずれ虫がなんとかするだろ。 「じゃ、一匹ずつ入れていくからな~」 「そこがゆっくりできるばしょなんだね!!」 「はやくまりさからいれてね!!」 「ゆゅ!? だめだよいちばんさいしょはれいむがはいるんだよ!!」 「じゅんばんなんかどうでもいいからさっさといれてね!!」 「はやくはやく!!」 騒ぐ子ゆっくり達だが、無視して箱の中に入れていく。 箱の中はそれなりに大きいが、子ゆっくりもそこそこ大きいので流石に五匹もいたら狭そうだ。 「おにいさんここせまいよ!!」 「ほんとうにここゆっくりできるところなの!?」 「ごはんもないよ!!」 「もっと広いところにうつしてよ!!」 「ゆっくりしないでひろいところにつれていってね!!」 馬鹿だな、こいつら… いまだに俺がこいつら飼うと思ってんのかな? 「大丈夫だよ。ちょうど明日になったらお前達を加工所の職員さんが連れて行ってくれるからな」 「「「「「か、かこうじょ!?」」」」」 「ああ、そうだよ。良かったな~ そんな狭い所に何日もいなくて」 「お、おにいさんだましたの!?」 「しぬまでゆっくりさせてくれるんじゃなかったの!?」 「大丈夫だって、加工所の人達ならお前ら死ぬまでゆっくりさせてくれるんだからな」 「かこうじょはいやだよおおおおおおおおお!!!!」 「だましたおじさんはさっさとしね!!」 「騙したって… そもそもお前らが勘違いしたんだろう? 俺は今いるめーりんとゆふらんしか飼うつもりはないぜ。他のゆっくりなんて真っ平だ」 「どぼじでよおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「れいむだぢのほうががわいいよおおおおおお!!!!」 「そういう風に平気で自分の方が可愛いとかって言う所が俺は嫌いなの。じゃあな」 「「「「「ゆっくりざぜでぐれなぐでいいがらだじでよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」 最後に何か言っていたが、無視して俺は蓋を閉じる。 この箱は完全防音なので蓋を閉めれば外に音が漏れることはない。加工所も良い物を用意してくれる。 家に入ってドアに鍵を掛ける。もう少し時間があるから一眠りするつもりだ。 途中廊下で寝ているゆふらんと、泣いているめーりんがいた。 どうやら先程のゆっくりがクズクズ言ったのが聴こえてしまったらしい。 めーりんは他のゆっくりがクズと言うと必ず反応する。 それはコンプレックスみたいなもので、めーりんには「自分のようなクズが飼われていいのだろうか…」という意識があるらしい。 でも、俺は昼寝ばかりしているこいつを気に入ってる。 畑をやっている友人(俺が仕事に行ってる間めーりんを預かってもらっている)も、飼いたいから譲れと俺に言うほどだ。 もっと自信を持てと思いながら頭を撫でて励ましてやる。伝わったのかはわからないがめーりんは擽ったそうにしている。 一発デコピンをかまして俺は部屋に戻る。少し涙目だったが気にしない。 明日もまた仕事である。夜中に起こしやがったゆっくりを憎く思いながら、俺は眠った。 またまたこんな駄文を読んでくださりありがとうございます!!!! 感想フォームに書かれていた「ゆっくりめーりん+きめぇ丸の日常をもっと知りたい」とのことなので、とりあえずゆめーりんのその後です。 めーりん殆ど出てきませんが… 飼われて幸せにしているゆっくりがいたら、他人の家を奪おうとするゆっくりならその立場を奪いに来るのではないかなと思ったので書いてみました。 それがゆっくりの間でクズで有名なめーりんが幸せにゆっくりしてると知ったら尚更奪いに来ると思うのです。 今回本気でやりすぎたと思ったのは… ゆふらんですね。 普通に喋れるとかどんだけ超設定だよ!! と自分で思ったものの、この一家?のゆふらんならこれくらいした方がいいのではと思って気づいたらこんなゆふらんを書き上げました。 気分悪くされた方、本当にすいません。 では、御目汚し失礼!! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2053.html
ここはとあるゆっくりプレイス。辺りは草原に囲まれ、近くを川が流れています。 ここに数日前、ゆっくりれいむとゆっくりまりさのつがいが辿り着きました。 彼女達は朽ちかけた木の根の作った穴に暮らしていましたが、その木は腐っていて今にも崩れてしまいそうです。 また、穴自体とても小さく、れいむとまりさ二匹でぎゅうぎゅうでした。 最初はそれでも良かったのですが、今はそうは行きません。れいむの頭には、小さな芽が出ているのです。 そう、家族が増えるのです。 「ゆゆ~、このおうちも、もうながくすめないよ…」 「うん、そうだね…」 「まりさ、あしたからはがんばってね!」 「おっけー、まりさにまかせて!」 巣の中にはたくさんの食料が集めてあります。この数日、二人で頑張って集めたのです。 これで数日は、餌を集めなくても、あることに集中できるでしょう。 「まりさがおうちのつくりかたをしってるなんて、れいむすごいうれしいよ!」 「れいむとあかちゃんのために、せかいいちゆっくりできるおうちをつくるよ!!」 翌朝。まりさは河原から石を運んでいます。植物の蔓を石に巻きつけ、端をしっかり噛んで引きずっているのです。 「ゆーっくり!ゆーーっくり!!」 今運んでいるのはゆっくりの半分もありそうな大きな石。皆さんも、自分のお腹の大きさまである石を運ぶのは大変でしょう。 それを、まりさは新しいお家のためを思い、一生懸命運んでいるのです。 「ゆゆっ!?まりさ、がんばりすぎだよ!れいむもてつだうからね!!」 それを見たれいむはまりさをたすけようと、石の後ろに回りこみます。後ろから押してあげれば、まりさが楽になると思ったのです。 「だめだよっ!!!」 「ゆっ!?どぼじでぞんなごどい゛う゛の゛お゛お゛お゛!?」 しかし、まりさは喜ぶどころかれいむに怒り出します。れいむはまりさを助けたいだけだったのに、怒られてしまって涙を流しています。 「ゆっ、れいむ、よくかんがえてね!れいむはおかあさんなんだよ!!れいむだけのからだじゃないんだよ!!」 「ゆっ、ゆぅ…」 「もしれいむがけがをして、あかちゃんがしんじゃったらどうするの!あかちゃんがかなしむよ!まりさだってかなしいよ!」 「まりさ…ごめん…」 「それに、まりさはこんなのぜんぜんたいへんじゃないよ!れいむががんばれー!っていってくれたら、まりさはひゃくにんりきだよ! だかられいむはゆっくりまりさをおうえんしててね!」 「ゆっ…わかったよ!れいむ、ゆっくりおうえんするよ!!」 それから、まりさは頑張って石を運びました。れいむはまりさを応援し、まりさの為に美味しい草や蟲を持っていってあげました。 「ゆふーーーっ!!んひーーーっ!!んふーーーっ!!」 夕方。まりさは頑張って石を運んだので、とっても疲れてしまいました。 汗まみれの身体で、白目を剥いて、舌を突き出し、激しく空気を吸い込んでいます。 それを見たれいむが慌てて近寄ります。 「ゆゆっ!!まりさ、ゆっくりしなさすぎだよ!!」 「ゆー、れいむの、ためなら、これくらい、あっと、いうまだよ!!」 「ちゃんとやすまないとだめだよっ!!まりさがたおれちゃったらどうするの!?あかちゃんたちがかわいそうだよ! それに、れいむだってとってもかなしいよ!!」 「ゆ…!ご、ごめんね、れいむ!」 「ゆっ、はんせいしてるならいいよ!それにれいむもおひるにおこられたし、おあいこだよ!」 「ゆ…れいむぅ~!」 二匹は赤ちゃんのため、れいむのために、静かに、身体を大きく動かさないように頬ずりをしました。 れいむの頭の芽が少し大きくなっています。 その夜、二匹は狭い木のお家の中で、寄り添って眠りました。 「ゆーっくり!ゆーっくり!」 翌朝、朝ごはんを食べてすぐに、まりさは新しいお家を作りにきました。河原から拾ってきた大きな石を、円形に並べているのです。 大きな石は十分に集めたので、もうまりさが河原まで大きな石を探しに行くことはありません。 まりさはれいむのために、一生懸命働きました。 お昼になると、まりさが頑張っているおかげで、円の3/4ほどがすでに出来上がっています。高さは一メートルほどでしょうか。 一方、れいむはその様子を見守りながら、日向ぼっこをしています。頭の芽はまた少し伸び、蔓と呼んでも良いくらいです。 「ゆ、まりさ!もうおひるだよ!すこしきゅうけいしようね!」 「わかったよ、ゆっくりやすむよ!!」 まりさはれいむの傍に寄り添いました。ずっとお日様に当たっていたれいむはポカポカ暖かく、まるでお日様のような匂いがします。 「ゆゆっ!?れいむ、あたまのつるがすこしふとくなってるよ!」 「ほっ、ほんとう!?」 「ほんとうだよ!こぶみたいになってるよ!」 まりさの言うとおり、れいむの頭の蔓には数箇所のふくらみが出来ています。ここのふくらみが大きくなり、やがて赤ちゃんになることを二匹は知っていました。 嬉しそうなれいむを見て、まりさもやる気が沸いてきました。 「れいむとあかちゃんのために、りっぱなおうちをつくるよ!!」 その日の夕方、石垣で作られた円はほぼ完成。大人ゆっくり一匹が通れるくらいの隙間を残していました。 ここは、れいむやまりさの玄関となるのです。 まりさは石の上によじ登り、慎重に石の隙間に木の枝や木の葉を渡していきます。そして、両端の上から石を置いて固定しました。 その上にいくつか石を置いてみましたが、崩れることはありません。これで玄関の完成です。 「ゆゆーーー!!すごいよまりさ!ひとりでここまでつくっちゃうなんて!!」 家の中ではれいむが大喜びしています。まだ屋根もなく、石は隙間だらけですが、それはこれから埋めるだけ。 家の広さはれいむとまりさ、たくさんの赤ちゃんが入ってもさらに余裕がありそうです。 「まっててね、れいむ!あとはかべとやねをつくるだけだよ!!」 「ゆゆ~!まりさといっしょになって、ほんとうによかったよ!!」 今日の作業はここまでにして、二匹は木の根元の家に戻ります。しかし、頭の中は新しいお家のことで一杯でした。 れいむの頭の蔓には、小さな実がプツプツと出来始めていました。 次の日も、朝からまりさはお家作りに励みます。昨日作った石の壁の隙間に、小石や砂、枯れ草を詰めていきます。 今日はれいむもお手伝い。お家の外で泥と藁を噛み砕き、唾液を混ぜて吐き出しています。 ゆっくりの中身は甘い餡子。その唾液は水あめのような成分が含まれています。 この成分と泥を混ぜ合わせ、藁をつなぎに使うことで、泥は乾くと強固な壁となるのです。 「くっちゃくっちゃ…ゆぺっ!」 「れいむもおてつだいできるよ!くっちゃくっちゃ…」 「ゆぺっ!!」 その頃、まりさは石で出来たの隙間に藁や草を詰めていました。口を使って器用に石の隙間に押し込んでいきます。 「ゆっ!ゆっ!ここまできたらあとすこしだよ!ゆっくりがんばるよ!」 しばらくして、石の隙間は全て埋まりました。後は泥で固めていくだけです。ここでれいむの声が聞こえました。 「まりさ!いわれたとおりにまぜおわったよ!」 「ゆっ!もうできたんだね!あとはそれをかべにぬりぬりすればおわりだよ!」 「ほんとう!?じゃあはやくおわらせておうちにはいろうね!あかちゃんももうすぐうまれそうだし、はじめてのゆっくりはおうちのなかでさせてあげたいよ!」 「ゆ、ゆゆっ?」 ふと、まりさの餡子の中を子供の頃の記憶がよぎります。 物知りなお母さんぱちゅりー、働き者のお父さんまりさがお家を作っていたときは、くっちゃくっちゃした泥を、藁や草で隙間を完全に塞いだ壁に塗っていました。それも一日ではなく、数日に分けてちょっとずつです。 確かお母さんぱちゅりーは、泥を少し塗って、乾いたらまた少し塗って、と言っていたような… 「ゆー、でもまりさはいそぐんだよ!あかちゃんがうまれるまえにおうちをつくりたいんだよ…」 まりさは誰とも無しに呟きます。そこに、れいむが入り口から顔を覗かせました。 「まりさ、ゆっくりしすぎだよ!あかちゃんもはやくおうちをみたがってるよ!」 みると、れいむの頭の蔓には目や口、リボンや帽子もしっかり出来た赤ちゃんゆっくりが実っています。 先端の一匹などは自分の力で動いていて、今にも蔓から離れることが出来そうです。地面に落ちて元気な産声を上げるときも近いでしょう。 そんな赤ちゃんを見て、まりさの懸念は吹き飛びました。 「ゆっくりりかいしたよ!まっててね、もうすぐできるからね!」 「うん、まりさがんばってね!」 そうと決まれば作業再開です。まりさは泥を口に含み、壁に吹き付けた後ほっぺですりすりしていきます。れいむは塗り込む泥が乾かないよう、口内で充分くっちゃくっちゃしたあとまりさに渡します。 内壁が終わったら今度は外壁です。 「おうちのかべには『れいむとまりさのおうち』ってかこうね!」 「きれいないしもかざりたいよ!きっとすごくゆっくりできるよ!」 「れいむのおかあさんといもうとたちをしょうたいしてあげたいよ!」 れいむはすっかりご機嫌です。そのせいか、赤ちゃんの小さな顔もとても嬉しそうです。それを見るだけでまりさの疲れは吹き飛ぶのでした。 ようやく、外壁が泥で埋め尽くされます。さあ、ここからが仕上げ。お家に屋根を取り付けるのです。 「ゆっしょ、ゆっしょ…」 まりさは持てるだけの枝や葉、藁を持って外壁を登ります。 「ゆっ!ゆっ!」 そして口を器用に使い、穴に木の枝を渡していきます。木の枝の両端は泥で外壁に埋め込みます。縦横十本も渡すと、しっかりと格子が出来ました。そこに葉っぱ、藁を被せたあと、ゆっくり泥を乗せていきます。一カ所に重みが集中しないよう、薄く、満遍なく。 その上にもう一度木の枝で格子を作り、さらに泥を被せ、葉っぱ、藁を乗せます。この葉っぱと藁はよく水を弾くので、屋根に最適なのです。 あたらしいお家も完成まで後一歩。大きな円柱型をした、泥の塊が出来上がりました。 まりさが屋根から下を見ると、れいむがどきどきしながら見守っています。それを見ながらまりさはゆっくりと屋根の上に乗っかりました。屋根が崩れてこないかのテストです。ゆっくりが乗った程度で崩れる屋根では、いずれ屋根が壊れて潰れてしまうでしょう。 「そろーり、そろーり…」 まりさはゆっくりと屋根の上を這います。れいむの見守る中、半分…残り少し…と距離を伸ばし…やがて、反対側の壁に足が着きました。 「ゆっ……ゆーーー!!!できたよ、れいむ!まりさたちのおうちだよ!!」 大喜びで壁を駆け下り、れいむの元に跳ね寄るまりさ。れいむは頭に赤ちゃんが居るので飛び跳ねたりして体で喜びを表現する事は出来ません。でも、その頬は感動の涙で光っています。 「ゆうぅ…ん!こんなすてきなおうちにすめるのはまりさのおかげだよ…!」 「なにいってるの!れいむのためだからがんばれたんだよ!」 「ま、まりさ…!ずうっとれいむとゆっくりしてねぇ…!」 れいむは頭の蔓をぶつけないよう、細心の注意を払ってお家に入りました。 一方まりさは古いお家に残った食べ物を全て新しいお家に運び込みます。れいむの作った苔のベッド、木の枝で作った椅子もです。 二匹の宝物、まりさがれいむにプレゼントした押し花や、二匹で見つけた綺麗に光る小石、赤ちゃんの為に作った綿の布団も持ち込みました。 全てを運び終えたときには、辺りは真っ暗になっていました。 「ゆゆ、まりさはばんごはんはすこしでいいよ。のこりはれいむがたべてね!」 「ゆっ!?だめだよ、ゆっくりするならまりさもいっしょだよ!?」 「そうじゃないよ、れいむがごはんをたべると、くきにえいようがいくんだよ!それはあかちゃんのさいしょのごはんになるんだよ!あかちゃんのためにたくさんごはんをたべてね!」 「ゆゆ!まりさすごい!ぱちゅりーみたいだよ!」 「ゆっへん!まりさのおかあさんぱちゅりーがおしえてくれたんだよ!」 こんな会話のあと、れいむは運んだ食料を食べ尽くしました。もちろん、赤ちゃんの為を思ってです。 「む~しゃむ~しゃ、しあわせ~♪れいむのあかちゃんもよろこんでるよ!」 そんなれいむを見つめる内に、今日の疲れが出たのかまりさは眠ってしまいました。 「ゆゆゆ!まりさ!まりさおきて!」 「ゆ…ゆゆっ?」 悲鳴のような声でまりさは目を覚ましました。れいむの身に何かあったのでしょうか?いえ、この状況でれいむが大声を出すとしたら理由は一つしかありません。 「れいむ!うまれそうなの!?」 「そうだよ!ふたりのあかちゃんだよ!!」 見ると、子供達は全員体を振り子のように揺らし、蔓から離れようとしています。 「ゆっ!あかちゃんがんばってね!いっしょにゆっくりしようね!」 れいむが声をかけると、赤ちゃんのうち一匹が一際大きく体を揺らしました。その反動で体が蔓から離れ、地面に落ちます。 両親の見守る中、しばらくもがいたあと、赤ちゃんは自分の足で立ち上がり… 「ゆっくいしていってね!!」 舌足らずな産声を上げました。とても元気なれいむです。 「ゆうーっ!すごくゆっくりしたあかちゃんだよ…!」 「すごいよ!れいむそっくりのびじんになるよ!!」 感動の涙を流す二匹。それに連動するように、次々赤ちゃん達が蔓から離れ、 「ゆっくいしちぇいっちぇね!」 「ゆっきゅりー!」 「ゆゆーん!」 思い思いの産声を上げます。れいむが四匹、まりさが三匹のかわいい赤ちゃん達です。 「あかちゃんたち!れいむがおかあさんだよ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ、おかあしゃんだ!」 「おかあしゃん、うんでくれてありがとうね!」 お母さんになったれいむとお父さんになったまりさは、赤ちゃん達と頬をすりすりします。頬擦りはゆっくり達の愛情表現。それを繰り返すことで、家族の絆を深めるのです。 「おかあしゃん、れーみゅおにゃかがすいたよ!」 「ゆみゅっ!まりしゃもおなかしゅいてきちゃよ!」 「「「ゆっくいごはんちょーだい!!」」」 ひとしきりの頬擦りが終わると、赤ちゃん達は空腹を訴えます。すると、丁度良くお母さんれいむの頭から蔓が抜け落ちました。 「それがあかちゃんたちのごはんだよ!ゆっくりたべてね!」 お父さんまりさが言うと、赤ちゃん達は蔓に群がり小さな口でかじりつきます。 「ゅー!とてもゆっくいしたごはんだにぇ!」 「うっみぇ、めっちゃうみぇ!」 「「「「「むーちゃむーちゃ、しあわしぇ~♪」」」」」 瞬く間に蔓は食べ尽くされました。みんなお腹一杯そうにしています…が、おや?赤ちゃんまりさ三匹は物足りないような顔でお父さんまりさに跳ね寄ります。 「おとうしゃん!まりしゃ、まだおなかいっぱいにならないよ…」 「もっとごはんたべさせてね!」 「おとうしゃん、おねがい!」 どうやら赤ちゃんまりさ達はお腹一杯にならなかったようです。お家の中の食べ物は昨日、お母さんれいむが全て食べてしまいました。 「ゆっ、わかったよ!おそとにくささんをとりにいくから、ゆっくりまっててね!れいむ、あかちゃんをちゃんとみててね!」 「わかったよ、まりさ!はやくかえってきてね!あかちゃんたちとたくさんおはなししようね!」 お父さんまりさはお家の入り口から飛び出しました。 赤ちゃん達にはなにを食べさせてあげよう?野いちごは赤ちゃんにはまだ酸っぱいかもしれません。でも、ただの草ではおいしさに欠けるというものです。 「そうだ!おはなをあつめるよ!あかちゃんはまだちいさいから、おはなのみつでもあまあま~♪だよ!こんないいことおもいつくなんて、やっぱりまりさはかしこいよ!だって、ぱちゅりーからうまれたんだもん!」 自分の思いつきに顔を緩めながら、お父さんまりさはお家の近くのお花を片っ端から摘み始めました。 一方、お家の中ではお母さんれいむが赤ちゃんたちにお歌を歌っています。入り口からお父さんまりさの姿が見えるたび、お母さんれいむと赤ちゃん達はお父さんまりさに声援を送ります。 しかし、お歌が好きな赤ちゃんれいむに比べて元気一杯な赤ちゃんまりさ達はお歌ではもの足りず、お父さんまりさの持ち込んだ綺麗な石や、お母さんれいむの作った椅子に興味津々。早くもお母さんれいむの側を離れ、お家の中を跳ね回っています。 「ゆゆっ?かべからくさしゃんがはえてりゅよ?」 一匹の赤ちゃんまりさが、泥の壁から一本、ぴょこんと出ている藁に気付きました。 この藁、お父さんまりさが石の隙間を埋めるために使ったものです。完全に泥に塗りこめていなかったのでしょう。 「しゅごい!おうちのなかに、くさしゃんがはえてりゅよ!」 「これならおしょとにいかにゃくても、ごはんがたべられりゅね!」 赤ちゃんまりさ達は大はしゃぎ。さっそく一匹が飛びつきます。しかしその草は壁から抜けず、噛みついた赤ちゃんまりさは壁から宙ぶらりん状態になりました。口だけで体重を支えている状態です。 「おねえちゃんしゅごい!おしょらをとんでりゅみたい!」 「はやくくさしゃんをとってね!まりしゃたちでたべようね!」 お姉さんの赤ちゃんまりさも一生懸命体を振って、なんとか壁から草を引き抜こうとします。少しずつ動いてはいますが、なかなか引っこ抜けません。 「まりしゃたちもてちゅだうよ!」 「ゆゆー!」 見かねた妹まりさたちも抜けかけの藁に飛びつきます。一匹より三匹で引っ張れば抜けると思ったのです。 二匹分の重量が加わった瞬間、赤ちゃんまりさ達の体が大きく動きました。確かに藁は抜けました。しかし、一緒に泥の壁まで剥がれ落ちてきたのです。 お父さんまりさは自分のお母さんのやり方と違い、一度に沢山の泥を塗りつけました。その結果、壁の表面は乾いても内側はゆっくりの唾液や泥をこねるのに使った川の水でじっとり湿っていたのです。 もしもお父さんまりさがぱちゅりーと同じように泥を乾かしながら作業をしていれば、ここまで壁が大破することは無かったかもしれません。 湿った泥は互いにくっつきあい、壁から剥がれ落ちる面積を広げてしまいました。 「ゆみ゛ゅ゛っ゛!」 「びゅげぇ゛っ!」 「ぎゅ゛びっ!」 背中から床に倒れ込んだ赤ちゃんまりさ三姉妹。その上からは剥がれ落ちた壁が落下してきます。まだ体の柔らかい赤ちゃんがその衝撃に耐えられるはずもなく、小さなまりさ達は生まれてわずか十数分で潰れて死んでしまいました。 さらにその衝撃で、剥き出しになった石が崩れ落ちます。一カ所が崩れた途端、付近の支えを失った石の重量は脆い壁にかかります。その衝撃で再び内壁が剥げ落ち、さらに壁の石が崩れ、崩壊を広げます。 天井の縁を固定していた部分が壊れた途端、泥でできた重さたっぷりの天井が抜け、れいむ達の頭上に降りかかりました。赤ちゃんまりさが壁を壊してしまってから、おそらく三秒もかからなかったでしょう。 「これだけあつめればあかちゃんもよろこぶよ!」 一方こちらはお父さんまりさ。お口の中にはお花が一杯です。このお花はそのまま食べることもできますが、茎を千切ると甘い蜜が溢れてくるのです。お父さんまりさの頭の中は、愛しい伴侶とかわいい赤ちゃんに囲まれてゆっくりすることで一杯でした。 お家の方を向くと、入り口から赤ちゃんまりさ達が壁にぶら下がって遊んでいるのが見えます。 が、次の瞬間。 「ゆ?…ゆ゛あああああぁあ!!!?」 お父さんまりさは絶叫しました。せっかく作った自慢のお家が瓦礫の山に変わってしまいました。しかもその中には大切な奥さんと赤ちゃん達がいるのです。 お父さんまりさはお花を放り出し、急いでお家だったものに駆け寄りました。 「いやああああああ!!まりさのおうちがあああああ!!!れいむがああああ!!!」 お父さんまりさ、本日二度目の絶叫です。それもそのはず、大切な奥さんは瓦礫に埋もれて今にも潰れてしまいそうなのですから。お父さんまりさは必死にお母さんれいむに話しかけます。 「だいじょうぶれいむ!?いまたすけてあげるからね!」 「ゆ゛っ…まってまりさ…さきにあかちゃんをたすけてあげてね…!」 言われてまりさは赤ちゃんのことを思いだし、急いで瓦礫の中をのぞき込みます。 瓦礫の奥底で三つ並んだ黒帽子、それにこびりついた餡子と皮…赤ちゃんまりさは全滅でしょう。 瓦礫の隙間には二匹の赤ちゃんれいむが挟まれています。その隙間も一センチ程しかなく、赤ちゃんたちはピクリともしません。 もう一匹の赤ちゃんれいむは後頭部から顔面にかけて、木の枝が貫通していました。どう見ても手遅れです。 お父さんまりさが三度目の悲鳴を上げかけたそのとき、微かなうめき声が聞こえました。見ると、まだ小さな赤ちゃんれいむが瓦礫の隙間でがたがた震えています。 奇跡的に瓦礫に押しつぶされずにすんだのでしょうか、けれど頭上の壁の残骸は今にも崩れそうです。 「ゆゆっ!!あかちゃん、そこはあぶないからはやくおとうさんのところにきてね!」 急いで呼びかけるお父さんまりさ。しかし、赤ちゃんは白目を剥いたままガクガクと震えるばかり。それは恐怖から来る震えではなく、瀕死の痙攣でした。 「もっちょ…ゆっくい…ちたかっ…」 赤ちゃんれいむは断末魔を残し、うつ伏せに倒れ込みます。石にぶつかったのでしょうか、その後頭部は半分近くが失われていました。今度こそお父さんまりさの三度目の絶叫が響きました。 「まりさ、どうしたの!?はやくあかちゃんをたすけてね!」 瓦礫の下から声を上げるお母さんれいむ。彼女は瓦礫に押さえつけられ、周りを見ることができません。赤ちゃん達の惨状が目に入らないのです。 しかし、隠すわけにもいきません。お父さんまりさは苦い顔をしながら告げました。 「れいむ、あかちゃんはたすからなかったよ」 「ゆ゛っ!?まりさ、わらえないじょうだんはやめてね!ゆっくりできないよ!」 「ほんとうだよ!ぜんぶしんじゃったよ、ゆっくりりかいしてね!」 「どぼじでぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛お゛ぉ゛お゛!!!?」 お母さんれいむにとってはお腹を(頭を?)痛めて産んだ赤ちゃんです。お父さんまりさと違って死んだものは死んだと割り切ることなどできません。 逆にお父さんまりさは死んだ赤ちゃん達にあっさりと見切りをつけていました。ゆっくりは死に易い生き物。事故で命を落とすことは日常茶飯事です。 ならばこそ、死んだ赤ちゃん達の分までゆっくりしなくてはと考えました。 「しんだものはしかたないよ…とにかくれいむのことをたすけるから、ゆっくりまっててね!」 「どに゛がぐじゃ゛な゛いでしょお゛お゛ぉ゛お!!?」 どうやらお母さんれいむはお父さんまりさの言い方が気に障ったようです。 お父さんまりさもお父さんまりさで、死んでしまった赤ちゃんにこだわり続けるお母さんれいむに少しむっとしました。 「このままだとれいむまでしんじゃうよ!いまはれいむをたすけるのがせんけつだよ!」 「だがら゛さぎに゛あ゛がぢゃん゛をだずげでっでい゛っでる゛でしょ!!?ばかな゛の゛!?じぬ゛の!!?」 「だから!あかちゃんはみんなしんじゃったよ!ゆっくりりかいしてね!」 「うぞだあ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛!!」 何を言ってもヒステリックに叫び続けるお母さんれいむ。次第にお父さんまりさのイライラも募ります。 「だいたい、れいむがちゃんとあかちゃんをみてなかったからだよ!まりさはれいむに、あかちゃんをみててね!っていったのに!」 「なにいってるの!?そもそも、まりさがこんなぼろいおうちをつくったせいだよ!!あかちゃんがひっぱっただけでこわれるおうちなんてきいたことないよ!!」 「ゆっ!!?ちがうよ、れいむがまりさをいそがせたからだよ!!もっとじかんをかければがんじょうないえになったんだよ!!」 「れいむのせいにしないでね、このくず!!!こんなごみみたいなおうちならつくらないほうがましだよ!!」 「ゆゆっ!!?」 だんだんお母さんれいむの口調がヒートアップしてきました。どうやらお母さんれいむ、ゲスの素質があったようです。 「まりさのおかあさんのほうほうなんてためさなければよかったよ!ふつうにつちをほればよかったよ!!どうせまりさのおやも、ごみみたいなおうちをつくってごみみたいにつぶれたんでしょ!!」 「ゆ゛っ!!?ちがうよ、まりさのおとうさんとおかあさんは、ふらんにたちむかっていったんだよ!」 「うそだよ!まりさはおやがごみみたいにつぶれたのがはずかしいからうそをついてるんだよ!どうせくずみたいなおやなんでしょ、まりさをみてればわかるよ!!」 「ばかなこといわないでね!さすがのまりさもおこるよ!!」 「ごみみたいなおやからうまれたくずまりさがなにえらそうにしてるの!?くずはさっさとれいむをたすけたらじさつして、くずしかうめないごみおやにあいにいけばいいんだよ!!」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!だま゛れ゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」 お父さんまりさの両親がふらんに殺されたというのは本当のことでした。まりさが子供の頃、体付きのふらん三匹が一家を襲ったのです。 まりさのお父さんのまりさは怖じ気付くことなく、勇敢にふらんに立ち向かいました。 お母さんのぱちゅりーは知略を駆使してまりさを逃がし、自らは囮となりました。 まりさは両親のお陰で体付きのふらん、しかも三匹から逃げおおせたのです。お父さんとお母さん、姉妹達は死んでしまいましたが、まりさはそんな両親を尊敬していました。その両親が目の前のゲスれいむに貶められている…お父さんまりさの視界が真っ赤に染まりました。 「ゆっくりしないでしねええええええ!!!!!!」 手近にあった、屋根の柱に使った枝。お父さんまりさはそれをくわえ、瓦礫の隙間からお母さんれいむの体に突き刺します。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ま゛り゛ざの゛ゆ゛っぐり゛ごろ゛しい゛い゛い゛!!!」 「しね!!しね!!まりさのおとうさんとおかあさんをばかにするれいむはいますぐしねぇぇえ!!!」 「だれ゛があ゛あ゛あ゛あ゛!!たずげでえ゛え゛え゛!!くずま゛り゛ざに゛ごろ゛ざれ゛る゛う゛う゛う゛!!!」 お父さんまりさの枝が、お母さんれいむの体を何回も突き刺していきます。その度にお母さんれいむの悲鳴があがりますが、それもだんだん小さくなり、やがてピクリとも動かなくなりました。 「きゃははははははははは!」 平原に高笑いが響きました。声を上げたのはお父さんまりさ。以前のお家が壊れた近くで新しく石を積み直しているようです。 「れーむもあかちゃんも、みーんながゆっくりできるおうちをつくるよ!きゃははははははハははハハ!!」 とても楽しそうに笑いながら、石を積み上げていくお父さんまりさ。その傍らには大事な家族が勢ぞろいしています。 なくなった両目の代わりに綺麗な石をはめ込んでいるお母さんれいむ。 後頭部をごっそり失った赤ちゃんれいむ。 前から後ろに木の枝が貫通している赤ちゃんれいむ。 ぺたんこになっている二匹の赤ちゃんれいむ。 皮の切れ端だけの赤ちゃんまりさ達。 風が吹くたびにゆらゆらと揺れ、みんながお家の完成を心待ちにしています。 「おっけー、まりサにまカせて!!きャはははははハハははは!!!」 尖った石で体が傷つこうとも、そのせいで致死量に近い餡子が流れ出そうとも、お父さんまりさは勢いを緩めません。 ひょっとしたら、そのことにも気づいていないのかもしれません。 お父さんまりさは餡子を失い過ぎて命を落とすまで、石を積み上げ続けました。 /**** 子供の頃は、蟻の巣を水攻めとか爆竹で爆破とか殺虫剤攻めとかしたもんです。 ゆっくりの巣でやったらどうなるんだろう… by 町長 /****今までに書いたもの fuku2120 電車.txt fuku2152 大岡裁き.txt fuku2447 ゆっくりセラピー.txt fuku2539 頭.txt このSSに感想を付ける