約 2,263,500 件
https://w.atwiki.jp/moematome/pages/58.html
種類 ベースパッチ(FR用) 制作者 コイルの人 特徴 ・進化したor種族値の高い萌えもんが登場しない コイルの人によって作られたベースパッチ。 保護できるのは「未進化」もしくは「伝説を除く無進化」の萌えもん。(*1) Bボタン同盟の由来はアニメに存在した同盟組織で、本来の意味の「進化キャンセルボタン」ではなく「ビューティフルボタン」の略として紹介されている。 このverの特徴 仲間にできる萌えもんは種族値450以下の未進化or無進化。 当然、進化するレベルになっても進化は始まらない。 一方、ライバルやジムリーダーをはじめとする相手トレーナーは平然と進化済みを使ってくることもある。 作者の助手 ハルカさん。各地に出現し、アイテムやわざマシンを売ってくれる。 追加トレーナー 通常のトレーナーに加え、多数の一般トレーナーがさまざまな場所に配置されている。 追加されたトレーナーたちは倒した後に再度話しかけると、再び戦ってくれる。 また、ポケモンスペシャルのキャラクターや、各地のジムリーダー、四天王が観光に訪れていることも。 強敵を倒せば、何かいいことがある…? マップの改変・追加 イベントの強化
https://w.atwiki.jp/dorakura-baseball/pages/12.html
さんじはん 投手 右投げ右打ち 概要 ドラクラベイスターズのリリーフエース候補。平均球速140kmの直球とカットボール。しこたま遅いチェンジアップを武器に三振の山を築く。安定した投球が魅力でしこたま登板する予定。
https://w.atwiki.jp/litenovel/pages/29.html
僕の前には少女が立っている。身に纏うは萌える若草の色で少女と着物を分ける赤いラインが印象的だ。マンションのベランダに立つ姿はくすんだ空に良く映えていた。 彼女の前で伸ばした手は切られ、叩かれ(はたかれ)、曲げられて、結局のところ狭い空間で固定される。彼女の思惑通りに形作られ、きっと何年も何十年も掛けて育つのだろう。 「しかし、見た目十六の美少女が盆栽ってどうなんでしょう? 華道とか、茶道とか、和の趣味なら沢山あるんじゃないですか?」 右手に持った選定バサミで余分な枝を落とし、左手に持った針金で枝を形作っていく。手つきは慣れたもので、盆栽は野生的な装いを優美に変えていた。 「ほな、日本庭園のひとつやふたつ、買おておくれやすぅ」 僕のほうに向く時も厭くまで(あくまで)しなやかに、はんなりと。彼女の濡れ烏色の髪がさらりと舞った。 「無茶なこと言わないでください。歯牙ないプログラマの安月給じゃ、あなたを養うだけでも精一杯なんです」 僕は弱い抗議の声を上げる。彼女は手に持っていたハサミと針金を棚に置いた。コトリ。ベランダにも一匹いた。 そして、リビングに座っていた僕に向かって歩きながら言う。 「重々承知してはります。あんさんは駆け出しのペーペー。うちがここに居させてもろてるのはあんさんの善意に他なりまへん」 左手で右の袖を押さえると、右手を僕の顎に添える。 僕の前には彼女がいる。顎に手が添えられているだけだ。でも、僕はその先を期待して動けなくなる。 あぁ、抵抗しなくては。 そう思うものの僕は彼女から目を離すことができなかった。彼女流に言えば「赤こ赤こ」なった瞳が妖しく光る。 僕はこの瞳に逆らうことは許されない。望んだこととは言え、少し悔しい。 彼女はゆっくりと顔を寄せてくる。赤い唇に意識が集中する。ゆっくりと近づいてくる唇……僕は……。 「えぇーい。駄目です! 真昼間ですよ。夜にしてください、夜に」 目を瞑って身体の制御権を取り戻すと、彼女をトンと軽く突き飛ばした。 「まぁ、いけずなお人やわぁ。うちの心は知っとるくせに。ほんに関東の男は」 言っていることは恋人同士か、僕に好意を寄せる女の子の言葉だけど、実際にやろうとしていることは違う。真昼間からやられたら僕は疲れ果ててしまって今日一日無駄にする。やるときは寝る直前だ。そこなら時間を無駄にせず、体力を回復することができる。 彼女は身を起こすと、もう一度ベランダを見た。 「今日はおてんとさんもよろしいわぁ。天皇さんのお庭に行ってお散歩でもしまひょ」 踵を返すと音も無く足を運び玄関に向かう彼女。玄関の扉を開けると光が差し込んでくる。いつの間にか晴れたようだ。 彼女は「勝姫」という。 僕の十数倍は生きている日本の吸血鬼だ。 「天皇さんのお庭」と言うのは僕が住んでいるマンションの近くにある新宿御苑のことだ。明治時代に天皇家の御料地となったが、その後東京都に下賜されて今ではみんなの憩いの場になっている。 「厭きないですね、勝姫も」 「別に散歩はうち一人でいいんどすえ? そないなこと言わはるんでしたら、来なはんな」 プイ。そう言って足を速めて先に行ってしまった。 「あ、待って下さい」 僕は勝姫の後ろを歩きながら、梅雨の晴れ間を楽しんでいた。 新宿御苑の散歩道は舗装されていて、ゴミ一つ落ちていない。実に綺麗なものだ。いや、誰かがトマトを落としたのだろうか。つぶれたトマトが一つだけ落ちていた。あれも少ししたら片付けられるだろう。 後姿を見て勝姫のことを考える。 吸血鬼と言えば太陽や大蒜(にんにく)、信仰心のある十字架が弱点で有名だが、勝姫は全然平気だ。流石に胸を木の杭で打ちぬかれたら死ぬだろうし、銀の銃弾で撃たれたら怪我をするだろうけど、それは吸血鬼じゃない普通の人間と同じことだ。 勝姫の父親はキリスト教の敬虔な信者として有名な人だ。随分前に殺されてしまったけど。 そんなこともあってか、勝姫は西洋の吸血鬼とは異なる性質を持つ。太陽の下の散歩は大好きだし、大蒜たっぷりの餃子も食べるし、信仰心のある十字架に至っては勝姫が身に着けているほどだ。でも、血を吸う所は西洋の吸血鬼と一緒だし、肉を食らうから「鬼」であることに変わりは無い。 僕は眷属(けんぞく)になってから時々勝姫を自分のものにしたいと考えるようになった。眷属になる前は正直係わり合いになりたくなかった。確かに見た目は美しい少女だが、やはり人間とは違う。人間が狼に恋することがないように、吸血鬼にも恋することはなかったのだと思う。しかし、僕は勝姫と同じ世界に存在するようになり、恋をした。それも人間だったときとは異なる、いや、人間だったときよりも激しい感情。力を得たが故の劣情。勝姫を僕のものにするという征服欲。そう言ったものが新たに湧き出てきていたのだ。 とは言っても勝姫に逆らうことはできない。僕に出来ることと言えば、感情の狭間で揺れるだけ。 僕が考えにふける間にも勝姫はいつものお散歩コースを辿る。勝姫の後を僕はついていく。ゆったりとした仕草で歩く勝姫は非常に絵になる。濃い緑の中に着物の淡い緑が調和する。時折当たる木漏れ日が淡い緑を白く輝かせ木綿の柔らかな質感を伝えてきた。 そういえば勝姫は何も言わないけれど、僕との生活をどう思っているのだろうか。必要だから仕方なく一緒にいるのか、それとも僕に興味を持っているから、好意を寄せてくれるから一緒にいるのか。僕としては一緒に居てくれればどちらでもいいと思うけれど、本当のところはどちらなんだろうか。 そんなことを考えながら歩いていると、前を歩いていた勝姫が立ち止まった。 「どうかしましたか?」 見れば勝姫は森の奥に視線を向けていた。目を細め、見えない何かを見ようとしている。僕も視線をそちらに向けるが何も見えない。木々が生い茂るだけだ。 「おハナ、大丈夫どすえ?」 周りを見ても花なんか咲いていない。足元を確認するが踏み潰してもいないようだった。 「花なんて咲いてないみたいだけど」 「違うてはります。そのハナやありまへん」 勝姫は自分の鼻を指差した。あ、そういうことか。 僕は鼻をくんくんさせるが、何も臭わない。強いて言えば排気ガスが僅かに臭う程度だ。 「酷う酷う臭うてはります。うちの好かん臭いが」 言い終わらないうちに森の奥へ進んでいく。僕は勝姫の後を急いで追った。勝姫は着物だと言うのにまるで滑る様に移動する。見た目ではゆっくりと歩いているように見えるが、小走りでやっと同じスピードだ。 奥に進むと都会の森の中とは思えないぐらい当たりが鬱蒼(うっそう)としてきた。なぜか上からの光も地面に降り注いでいない。さっきまで雲ひとつ無い快晴だったというのに曇ってしまったのだろうか。 しばらく木を避けながら走ると勝姫が止まっていた。 僕は急いで近寄る。勝姫の前には赤い塊があった。赤くブヨブヨした塊。あれが臭いの原因なのか。 勝姫は袖で鼻と口を覆う。よっぽど臭いがきついらしい。 「唐柿(からがき)やありまへんか。なんでこないなところに……」 「唐柿?」 「今風ならトマトさんと言わはります。まっこと、けったいな食べ物どす」 なんだか分からなかった物体も勝姫の言葉を聴いて分かった。あれは「トマト」なのだと。しかもおびただしい数の。水分をなくして張りがなくなっていた。腐っているようにも見える。 しかし、それにしては腐ったような臭いはしない。どちらかと言えば鉄の臭いが辺りに立ち込めていた。親しみのある臭いのようにも思えるが、トマトからそんな臭いがするはずもない。 ビシュ。トマトの一つが破裂した音がした。それを皮切りに次々とトマトが何かを撒き散らす。 「確かになんでトマトがこんなところに」 本当に異様な光景だった。砂山のように盛り上がったトマトはあちらこちらで破裂しているため、蠢いて(うごめいて)いる様にも見える。トマトが動くはずは無いのにおかしな話だ。 「ほんに嫌やわぁ。天皇さんのお庭だというのにこないに汚しはって。あんさん、放下し(ほかし)といておくれやす」 うわ。山盛りの腐ったトマトを片付けるなんて僕の仕事じゃないだろうに。でも、妙な責任感のある僕は見てしまった以上、このトマトをどうにか片付けなければならない。 どうやってトマトを片付けようか考えようとしたが、僕にある疑問が沸く。そもそもどうしてこんなところに大量のトマトが持ち込まれているのだろうか。それに見た目はトマトかもしれないが、臭いは違う。この臭いは間違いなく血の臭いだ。 「これって、もしかして、もしかする?」 僕は恐る恐る聞いてみた。勝姫は眉を顰めた(しかめた)まま、目を伏せるように頷いた。 「人を食うてはります」 「でも、なんだってトマトが人を襲っているんだ?」 本当に謎だった。勝姫と会ってから毎日謎な事だらけだったが、なんとか納得できた。しかし、トマトが人を襲うなんて悪い冗談にしかならないようなことが現実に起きるとは思っても見なかった。 「こんトマトは『桃太郎』さん、言わはる種類。研究用に植物園で育てられていたもんやと思います。それがこん街の悪い気に当てられて血ぃを吸うようになりはったんかもしれへんなぁ」 暢気な口調で状況分析をして僕に伝えてくる。 「そういうのは早く言ってください。普通に片付けようとしてたら食われていたってことじゃないですか!」 勝姫はポンと手を叩くと僕のほうを見た。 「それもそうや。堪忍なぁ」 いや、絶対に許さない。わざとだ。僕が睨むと勝姫は案の定、目をそらした。 勝姫への追及は後にするとしても、目の前の仏様と悪い桃太郎をどうにかしなければならない。仏様をこのままにしておいたら罰が当たる。 ベトベトにつぶれていくトマトは最早一つも原型を留めていなかった。今は人間の形が見えてくるほどになっている。ほとんどのトマト果汁は地面に染み込んでしまったのだろう。 あ、そう言えばトマトはどうやって人間を食べていたんだろうか。トマト果汁で溶かしていたのか、それとも牙でも生えていて人間を食べていたのだろうか。今となってはトマトなのか血なのか判別すらできない状況だ。 僕がそんなことを考えながら躊躇していると、トマト果汁にまみれた死体が動いたような雰囲気があった。もうトマトが爆発しているわけではないし、あれだけの流血量から見たら生きている可能性なんて皆無だ。そのはずだ。……いや、そのはずだった。 たった今、僕の考えは否定された。赤い汁にまみれた死体が起き上がってきたのだ。 立ち上がるたびにポタリと落ちる汁。でも、決して汁は途切れることが無い。汁の下から人間の姿らしいものは出てこない。 「桃太郎さん、一丁上がりどすな。ほな、五郎はん」 勝姫はにっこりと笑う。 「やっておしまいなさい!」 ビシっとトマト製桃太郎を指差すのはいいが、僕は突撃する気は起きなかった。 見た目は赤いペンキを大量に掛けられた人間だ。しかし、ペンキよりも色がくすんでいて、ところどころがボコボコ泡を吹いている。どう見ても腐ってるし、汚い。あれを引っかいたり、噛み付いたりするのはごめんだった。 僕が躊躇っていると桃太郎が動いた。僕は構えて勝姫の前に出る。これでも一応眷属ではあるから主人を守る義務感みたいなものがある。 僕の方に走ってくる桃太郎はいきなり跳躍した。上から攻撃するつもりなのか。 顔を上げ桃太郎を目で追うが、上から攻撃をしかけるにはちょっと行き過ぎている。後ろに回りこむつもりなのか。僕はそれに気がつくと勝姫と入れ替わるように身を返した。 しかし、僕の想像とは反対に着地した桃太郎はこちらには目もくれずまっすぐ遠ざかっていく。もしかしたら、勝姫のオーラみたいなものを感じて逃げたのかもしれない。 「あれは人に害を及ぼすもんどす。追っかけて逝わし(いまし)ましょ」 勝姫の声と同時に僕も動いていた。 森を抜けて芝生のあるエリアまで戻ると、そこはパニックになっていた。あのトマト製桃太郎が人々を襲っている。いつの間にか増えて三体はいるようだ。色々なところに散らばっているところを見ると、僕たちが追いかけていた桃太郎以外にも居たみたいだった。 桃太郎に襲われたと見られる人から赤いトマトが湧き出ていた。先ほど見た光景が思い出される。全身をトマトで覆いつくされた人間の姿。桃太郎に襲われると、襲われた人も感染して新しい桃太郎になるという仕組みなのだろうか。 「これはまずいですね。汚いとか言っている暇はないみたいです。勝姫、あの鬼の弱点って分かりますか?」 僕はいつものように勝姫に敵のデータを聞く。その間にカラーコンタクトを外し、隠していた赤い目を露出させた。服の下に隠しつけていた手甲から両刃の剣を引き出す。戦闘準備完了だ。 「まず、桃太郎はんだけあって、あのドロドロした奴は非常に強力な神さんの力に溢れとります。直接触れてはなりまへん。あと、中々しぶといお体のようどす。足を切って動きを封じなはれ。うちが最後にどんど焼きにしはります」 勝姫は赤い目で敵の本質を見抜く。自分で戦う能力を持っていないから、僕みたいな眷属が戦うのだ。そして、眷属にはそれだけの力がある。 「了解。行って来ます」 一番近い桃太郎に狙いをつける。その桃太郎は必死で逃げようとして転んでしまった女の子を襲おうとしていた。僕は足の筋力を一時的に増加させる。日頃の運動不足からいつも筋力を強化しておくと歩けないほどに破壊されることがあるからだ。 桃太郎が女の子に襲いかかろうと手を伸ばした。 僕は咄嗟にその手を掴んだ。 「ぐあぁあ!」 焼け付くような痛み。「何してはりますの!」後ろで勝姫の叱咤の声が聞こえる。咄嗟のこととは言え忘れていた。こんな身なりでもこいつは聖なる存在なのだ。僕ら鬼と相対するもの。信じられない話だが、こうやって身を焼かれるとよく分かる。 僕は焼け付く手を放さず、女の子のほうを見た。女の子は少し放心しているようで、桃太郎から目を離せずにいる。 「逃げて。はやく!」 僕が叫ぶと女の子は我に返り、立ち上がって逃げていく。 十分に離れたことを確認すると僕は手を離した。掌を確認すると痛み以上にすごいことになっていた。皮膚はもちろんのこと、肉まで溶けて骨が白く見えていた。これはひどい。 「やったな!」 逆恨みもいいところだが、僕は両手の手甲につけられた刀を確認する。手甲に仕込まれているものだから、あまり長くはない。相手の間合いに入り、掴まらないように足を切断しなければならない。 幸い桃太郎の動きは直線的なようだから、隙をつけば片足ぐらい切断できそうではあるが、油断は禁物だ。何せ相手は硫酸のお化けのようなものだから切断するときも慎重に慎重を重ねなければ色々なところが溶けかねない。 僕は痛みが続く溶けた手を確認する。ゆっくりと白い煙が上がって再生が始まっているようだが、流石に祝福された赤い液体の影響で再生速度が鈍い。 桃太郎は僕に向き直る。真っ赤な液体で覆われた顔の真ん中に黒い穴が開いた。あれが口なのだろうか、方向の定まらない牙が蠢いている。 『鬼め……邪魔立てするか』 頭に響くような声。これは音ではない。しゃべっているのも目の前の桃太郎ではないのだろう。 「これはこれは彦五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)。お久しゅう。あんじょう、お方さん(おかたさん)のお力やったんか。明け透けやなぁ。ほんに野暮なお人やわ」 勝姫がいつの間にか僕の後ろに立っていた。眉がよっているところを見ると、結構怒っているらしい。 『懐かしい臭いだ……。微かな吉備の臭い。まだ血が残っていたか』 なにやら因縁を感じさせる言葉。彦五十狭芹彦命と言う皇子は桃太郎のモデルになった人物と言われている人だ。桃太郎の物語が大和朝廷と吉備国の戦争を伝えたものだとも言われている。だとすると勝姫は吉備国の子孫なのかもしれない。 「そないなことは、どうでもよろしゅうおすえ。お方さん、狂われなはったか。天皇さんのお庭でこないなこと、許されることやおまへん」 ピシリと言い放つ言葉。トマトの桃太郎はそれだけで固まったかのように見えた。もっとも鬼に注意されるとはご先祖さんも思っていないだろうから、驚いただけかもしれないが。 『ほお……。飼われて主になついたか。良いことだ。……だが、その赤い目は節穴か。ここに住み着く鬼どもが見えぬとは』 皇子の言葉は新宿の空に染みる。皇子の言う鬼が何か僕も勝姫も分かっていた。この半年間、それと戦ってきたのだから。 この街は「気枯れ」している。いわゆる「穢れ」と同じ意味だ。 「気ぃ無うなっているだけどす。お方さんの様に気ぃ無うなったら(のうなったら)放下すことばかりやしたら、国の形になりまへん。わずかばかり、お知恵が足り取らんと違はりませんやろか」 相手を持ち上げている言葉遣いではあるが、言っていることは馬鹿にしているとしか思えないような言葉だ。相当頭に来ているらしい。こめかみが震える。ヒクリと。桃太郎もそんな感じに見える。 『鬼が言うてくれる。お前に神気が分かるとも思えぬがな。……まぁよい』 話をしている間に周囲には人がいなくなり、いつの間にか三十人ほどの桃太郎に囲まれていた。目の前の桃太郎も口を閉じてしまい、後ろに下がるとどれが皇子かわからなくなった。もっとも皇子は実体化しているわけではないのだろうけど。 とにかくピンチに陥ったことは確かだった。 突破しようにも相手は触れたら溶けてしまう聖なるトマト。僕と勝姫のどちらかが犠牲になったとしても突破出来そうになかった。 「もうおしゃべりタイムは終わりですね」 さて。 「僕が道を切り開きますから、後についてきてください!」 そういうと手を交差させてトマト人間に突っ込む。トマト人間はゆっくりと僕に掴みかかろうとするが、対峙した瞬間に両腕を斜めに振り払う。四つ切。続けて振り下ろした反動を利用し、前方宙返り。後ろから迫ってくるトマトに踵落しでぶっ潰す。トマトの腐汁が飛び散り、僕の肌を焼く。 伏せるように着地すると回し蹴りをして左右のトマト人間を転倒させ、倒れてくる頭を目掛けて手甲の刀を突き刺した。 すぐに引き抜くと両腕を伸ばし、回転しながら正面に現れたトマト人間に二連撃を食らわせる。これで五体。一瞬ではあるが脱出口が開ける。 「勝姫!」 僕が叫ぶと勝姫は僕の背中と肩を踏み台に空へ飛び上がる。華奢な身は脱出口を通り、軽やかに赤い輪の外へ着地した。僕はそれを見届けると再び閉じた輪に目を向ける。 五体を倒しただけではあるが、赤い輪は何やら怒りに満ちているように見える。先ほどのように簡単に倒すことができないかもしれない。 赤い頭の隙間からチラリと勝姫の姿が見えた。こちらを見ている勝姫の目は冷たい。僕が突破できなければ見捨てる気なのだろう。彼女にとって僕は換えのきく食べ物兼護衛に過ぎない。溶けても彼女を守りたいと思った僕の感情は彼女には伝わらない。伝えたところでどうにかなるとも思えないが。 赤泥に塗れた腕が僕に伸ばされる。まずは刀を封じるためか腕が押さえられた。強い力がいくつも加わる。服を通じて染み込んで来た腐汁が皮膚を溶かす。 もう駄目かもしれない。このまま僕も赤く溶けて混ざってしまうのか。暗い考えに囚われていく。 「悟郎はん!」 叱咤するような声。勝姫の叫びが僕を覚醒させた。目が覚める。 勝姫を守っただけでは満足できない。ドクンと。僕の心臓が鳴る。 何のために守るのか。何のために戦うのか。僕の奥底にある本能が叫ぶ。 「うおぉぉぉ!」 言葉にならない叫びを上げて、服が、肉が引き千切られるのを構わず腕を振り払う。音を立てて筋繊維が千切られるのが分かった。 ブラリと力の入らぬ両手を見る。幸いにも手甲から伸びた刀は外れていない。 僕は体を回転させると両腕を鞭のようにしてトマト人間に叩き付けた。重さで勢いを増した刀が頭を叩き割る。脳を潰されたトマト人間は芝生に転がった。 僕はこのやり方に手ごたえを感じると体を回転させながら、赤い輪に突っ込む。大きく伸びた刀は赤い腕を切り刻む。時々飛び散る赤い汁が僕の顔を溶かしていく。 さらに回転を加え、次の獲物に右腕の刀が当たる。首筋に刀が食い込むと肘からブチリと僕の腕が二つに分かれる。溶けた筋繊維が激しい動きについていけなくなったらしい。左腕も見ればユラユラと力なくゆれていた。 僕は足を確認する。両方の足はジーンズこそ赤く濡れてはいたが筋力は問題ないようだ。包囲網は一点を狙っていたお陰もあって大分崩れてきている。痛みで朦朧とするため、痛覚を感じないように体内麻薬も限界まで放出していた。あと数分で脳が使い物にならなくなるかもしれない。 顔を上げると若草色の着物が見える。こちらをまっすぐに見据えていた。僕は最後だと言わんばかりに足に力を入れると、赤い壁の中を突き抜けるように走った。 途中、髪の毛がひっぱられ、頬がひっかかれ、わき腹が抉られたが、勝姫の赤い目に引かれるように通り抜ける。 気がつけば赤い輪の包囲網を突破していた。 「よお、きばりやした。あとはうちに任せておくれやす」 勝姫は僕の前に一歩踏み出すと右手をトマトの泥山に向けた。 一言。 何かを呟いたかと思うと、勝姫の手から炎が飛びだす。龍を思わせるかのような炎は生き物のように赤い泥山を絞り上げた。炭化した臭いが辺りに広がる。 何分も炎は焼いていただろうか。 勝姫が炎をしまった時には赤い泥はどこにもなく、ただ黒い焦げ跡だけが残されていた。凄まじい怒りの痕跡が感じられた。 「ほな、帰りまひょか」 僕は勝姫の笑顔を見た瞬間、安堵感が広がった。 「えぇ、帰りま……」 役目を終えたことを知った僕は最後まで言えずに気を失ってしまった。 頭が撫でられる感触が僕に伝わる。やわらかで小さな手は心地よかった。 目を開けると勝姫の顔が近くにある。見えた視界から考えると僕はリビングのソファーに寝かされ、膝枕をしてもらっているらしい。ふと思い出したように右手を動かす。動いた感触があった。 ゆっくりと持ち上げて顔の前に右手を翳すと、溶けてなくなっていたはず右腕は元通りになっていた。どういうわけか服まで修復されている。 「どうかしなはったか?」 勝姫が不思議そうな顔で覗き込んだ。僕は右手を握ったり開いたりして問題ないことを確かめるとゆっくりと勝姫の膝枕から起き上がった。 そして勝姫の方へ体を向ける。 「桃太郎は?」 僕の記憶では桃太郎は勝姫が炭にしたはず。だが、僕の腕や服にはそもそも桃太郎と戦った形跡がない。一体あれからどうなったのだろうか。 「桃太郎? あぁ、桃太郎侍なら今からどすえ」 勝姫が指差すテレビを見ると確かに時代劇が放映されるところだった。いや、そうではなくて。 「テレビではなく、あの赤いドロドロに溶けたトマトの妖怪で、彦五十狭芹彦命が操っていた奴です」 綺麗な眉が山になる。本当に知らないと言った表情を返された。 「悪い夢でも見はったんやなぁ。ほんに硬い枕で堪忍や」 白を切っているかどうかわからない。勝姫の細められた目の奥は僕では読み取ることが出来なかった。ただ「赤い」ことしか分からない。 「ふわぁ」 勝姫が口元に手を当てて欠伸をした。 「……今度はあんさんが枕になっておくれやす」 そういうと僕の膝に頭をのせる。まだ承諾の意を表したわけではないが、拒否しようとも思っていないのだから、そのまま受け入れた。 すぐに眠りについた勝姫から視線を外し、窓の外を見ると赤い月が上っていた。すでに夜になっている。僕はどこから夢を見ていたんだろうか。勝姫の赤い目を見たときからか。それとも森の中に踏み込んだときか。 それにしても夢にしてはリアル過ぎた。今でも肉の千切れる嫌な感触が残っている。……ような気がする。 でも、肉体は再生しても服までは再生できないだろうから、やっぱり夢だったのかと思う。 夜空から勝姫に視線を戻すと、淡い緑色の着物に赤い飛沫みたいな模様が見える。 「あれ? この着物ってこんな模様だったかな」 疑問に思うも着物の模様なんて僕は詳しくないし、近くで見たわけじゃなかったから自分の記憶に自信が持てなかった。 まぁ、いいか。きっと夢だったに違いない。もう一度眠ればいい夢を見れるかもしれない。 あぁ、そう言えば勝姫に血をあげなきゃ。 でも、もう眠い。おやすみ。勝姫。 僕と勝姫は折り重なって眠った。
https://w.atwiki.jp/hengokurowa/pages/228.html
平安京の開けた通りにて相対する二人の女性。 一人は一言で例えるならば、彼女は『精悍』の言葉ががよく似合うだろう。 青みがかかった銀髪と、黒のジャケットと言った衣装は大人びた姿を引き立たせる。 「何故だ……」 だが、そんな彼女は今は狼狽しながら転がって襲い掛かる攻撃を回避する。 相手は宙を舞う鳥のように、血染めの月をバックにするかのように空高く逃げていく。 距離は五メートルかそこいら程度だが、空に逃げられては素手の現状では完全な間合いの外。 どうあっても素手だけで届く状況ではない。 月をバックに空を舞うのは黒を基調とした軽装に黄金のラインが施され、 白マントを羽織った緋色の髪の女性。 その手には短刀が握られており、それらすべてが彼女にとって見覚えのあるものだ。 忘れるはずがない。嘗ての禍根であり、今を共に生きる親友なのだから。 「何故君が刃を向けるんだ───ソーン!」 だからこそ彼女、シルヴァは理解できなかった。 空の世界を脅かす強大な力を排除する形で安寧を保つ、 全空最強の騎空団『十天衆』の彼女が何故狙ってくるのか。 少なくとも今のソーンは、そんなことはしないはずだと。 「……私は、十天衆の誰よりも強くなくちゃいけないの。」 「え?」 簡単な話だ。シルヴァが知る『今のソーン』ではないということ。 天星器に唆されたことで本物の化け物になろうとした魔眼の射手。 強くなり続けて、自分が踏み躙ってきた人の為にも化け物になろうとする。 十天衆も、身を寄せる騎空団の団長すらも倒して誰よりも頂を目指す。 シルヴァたちを裏切らないで済むと、悪魔の囁きを信じ続けたあの頃の彼女。 弓を持ってない都合射手からは離れてしまっているが、今の彼女には関係なかった。 化け物だと証明できれば、それでいいのだ。 「私は強い……誰の手の届かないぐらい、高みにいないといけないの!」 暴走と言えばそうだが殺し合いに乗るとは少々違う。 ただ強さを証明する、純粋にそれだけが今の目的になる。 でなければ、此処に来る以前の十天衆が生きてることへの説明がつかない。 あくまで最強を示すだけであり、最低限のブレーキは備わってる状態だ。 では、十天衆に匹敵してるわけではない相手と戦う理由はないのでは。 彼女を知ってる人物ならそう思うだろうし、実際のところその通りだ。 だが、此処で相対するシルヴァは彼女が知るシルヴァよりも未来の存在。 自分が知る彼女よりもずっと強くなっていることが、魔眼の視覚だけでも察せられる。 ほんの小さな確率でも戦うべき相手だと思えたのであれば、戦うつもりだ。 「君に何があったかは分からない……だがソーン、 もし其処へ行こうとするのなら、私がやることは一つだ。」 化け物になるというのなら撃ち落として絶対に止める。 あの時メフォラシュでソーンと戦ったときにそう告げた。 彼女がどんな理由でもう一度其処を目指すのかは理解できないが、 全身全霊を以って彼女を人の領域に引き戻す。そう決めたことだ。 一度だけ、しかも入念な準備をして一か八の賭けでもぎ取った一勝。 あれを勝ちと呼べるものではないのは自分でも分かっている。 今回も彼女の本来の武器である魔導弓ではないというのを鑑みても、 勝てるかどうかと言われると頷けるものではないだろう。 (だからと言って、諦めるつもりはない。) 憧れてるなら追い続けろ。 歩みを止めてしまえば追いつくことなんてありはしない。 一度しか勝てなかったなら、二度目を掴みとるだけ。 「ッ!」 思考を纏めているとソーンは襲い掛かる。 鳥のように急降下する相手に防具もないシルヴァは避けるしかない。 最強の弓使いと呼ばれた彼女とは言えども短刀の技術力は、 少なくとも同じ十天衆のカトルには遠く及ばないだろう。 しかし彼女は元々狩人としての技術が備わっている人物。 短刀を使うことになる機会は少なからず存在してることにくわえ、 飛翔術による飛行で自由な移動が可能だ。 「逃がさない!」 避けてもすぐに旋回しソーンは背後を狙う。 振り向きながら咄嗟に回し蹴りをするも、 宙を舞いながら今度は頭に踵落としを叩き込まれる。 「グッ!」 脳を揺さぶる威力だが、やはり格闘技は専門外。 意識が飛ぶような一撃には至らず怯むことはなかった。 頭上の足を掴もうとするも、蹴りの反動で一回転して回避しつつ再び空へを舞う。 こうなっては捕まえようがない。 (分かっている。弓だけが強くて彼女は十天衆ではない。) 空を自在に舞う飛翔術や魔眼と呼ばれるほど異常な視力、 多くの人が喉から手が出るほど欲したであろう技術や才能。 それらを併せ持った人物だからこそ、全空最強の騎空団が一人とも言える。 嘗て彼女に憧憬、ないし嫉妬してしまったのもそういうところだ。 (真っ向勝負で挑んで勝つのは極めて困難だ。なら───) シルヴァは彼女から逃げるように走りつつ、背負うデイバックの中へと手を突っ込む。 有事の際に何か取り出せるようにと、最初に開けっ放しにしていたのが功を奏した。 だから取り出す際に開けるという動作が必要なく、ソーンは僅かに動きに遅れる。 背負った状態では何が取り出されるかはシルヴァ自身にも分からない。 完全にギャンブルだ。彼女は基本支給品も殆ど把握できてない状況で、 武器となりうるものを引かなければならないということになる。 上空から迫る彼女に対して、手にしたそれを取り出す。 (これは───) 引いたのが武器だったので、接近するのをやめる。 ソーンにとってその武器は恐らく銃だとは察したのだが、 (あれは───銃……よね。) ただ素直に銃と受け止めていいのか悩む。 いや、確かに彼女は銃の知識は詳しくない。 拳銃ならエッセル、狙撃銃ならシルヴァの方が理解がある。 銃らしき引き金もあるし銃床もあり、スコープも備わってる。 あれが銃ではない、と言い切るのは流石に出来ないものだ。 一方で、銃でありながら弾丸を装填するべき部分が存在せず、 その代わりに緑色に輝く何かが入ってるのが外からでも伺える。 銃身も剣のように細く、そも円筒状ですらなく中が見えている状態。 剣や鈍器と言われると少し納得してしまう程に普段見ない形状の武器。 (でもあれは間違いなく銃。それもシルヴァの得意な狙撃に使うもの。) 形勢逆転とも言えるが、此処で逃げるわけにはいかない。 本当の化け物が、勝てる勝負だけするわけがないのだから。 (確か団長も、これと似たようなものを持っていた。もしそうなら……) シルヴァにとってこの武器を使うのは初めてだが、似たものを見たことがある。 団長が装備していた銃の武器と酷似した形状のそれは、紛れもなく銃だと。 すぐに構えながら、彼女のいる空へと銃口と思しき部分を向けて引き金を引く。 思ってる通りの武器であれば、ソーンなら当てずとも勝機のある武器だと。 引き金を引いた瞬間、その予想通りの答えが出る。 「ッ!?」 なぜならその銃が発射したのは確かに弾丸だが、 緑の光条を強く放つ、光の弾丸だったからだ。 名をアダマント・レイ。存在しない空島の記憶を宿した化身が握る、 超磁力で加速させた弾丸が光条となる銃───要するにレールガン。 勿論こんなのを当てれば普通に一撃で命を奪い取る代物。 しかしシルヴァに当てるつもりはないし、寧ろ当てずとも勝てる。 (しまった、眼が……!?) その理由がこれである。 視界が闇に覆われて、何も見えない。 ソーンにとって最も弱点となりうるのは───光。 魔眼は異常な視力を発揮するが、それが仇となる。 強い光に対して、彼女の魔眼は常人以上にダメージが大きい。 本来ならば閃光弾レベルの威力でもなければ、 彼女へこれだけの決定打を与えるのは厳しいだろう。 見知らぬ武器を前に注視しつづけた結果の産物である。 (やはり、分の悪い賭けばかりだ。) 綱渡りとも言える賭けをして、 ようやく勝てる見込みが出てくる。 あれから強くなったものの、やはりまだまだだ。 そう自嘲しながら銃を捨ててると同時に跳躍して近くの塀へ、 更に高い門へと次々に飛び移り、そこからもう一度跳躍。 空を舞うソーンの頭上へと到達し、その背に蹴りを叩き込む。 「ッ!」 視界が闇の中回避などできるわけがない。 自分よりも遥かに洗練されてる足技。 苦痛に顔を歪めながら地面に叩き落される。 視力が少し回復して立ち上がる頃には、シルヴァが目の前に立っている光景。 この間合いで下手な格闘技よりも優れた彼女の足技を相手に、 短刀も落とした現状相手できるかと言われると流石に不可能である。 「シルヴァ……」 「ソーン、私は言ったはずだ。 君が本物の化け物になろうとするなら、 私はどんな手を使ってでも君を撃ち落とす。 もう誰にも化け物とは呼ばせない。私にも、君自身にもだ。」 『我から見れば、うぬはこの上なく人らしいがな。』 十天衆を下す連戦の最中。オクトーに言われた言葉。 誰よりも強くあろうと、化け物でいようとしている姿は、 この上なく人間に見えていたのかもしれなかった。 「シルヴァ……」 起き上がった彼女へと手を差し伸べる。 誰の手にも届かないぐらい高みにいた自分へ、 差し伸べられるその手は、自分以上に高く存在する月か太陽かのように。 「君が全空最強の十天衆であろうとも関係ない。 どんなに高く舞おうとも、私が必ず君を皆の場所へと───」 「別に、それに問題があるとは到底思えないな。」 「ウグッ!?」 苦悶する声と共にシルヴァの表情が歪む。 彼女を背後から腹部を貫く、銀色のシミターに近しい剣。 噴き出した鮮血が、ソーンの顔に飛沫する。 「シルヴァ!?」 倒れる彼女を抱きとめ、視力を大分取り戻して漸く相手の姿がわかる。 刺したのは、和をイメージとした白と黒の色合いを基調とした服の人物。 二人にはジンやオクトーと言った『侍』のような姿をしている風貌とも言うべきだろう。 渋みのある顔は人に受けそうだが、今の声もあってすぐに彼を理解する。 今の凶行がなくとも、この男は間違いなく危険だと感じ取れるほどのものが。 「化け物を、頂を目指す。それの何がいけないのかね。 私にとって天下や頂とは興味はないが、乱世ではままあることだ。」 「誰、だ……!?」 脇腹を抑えながら訪ねる彼女の首を男は掴む。 女性とは言え大の大人を軽々と片手で持ちあげる。 「なに、通りすがりの収集家だよ。 君達が欲しい物を持っているのでね。」 「どういう、ことだ……!?」 モノが欲しいのであればそこの銃を拾うはず。 だがそちらではなく直接自分達を指しての言葉。 何が言いたいのか、二人には理解が追いつかない。 「離し───」 起き上がろうとするソーンを足で腹を踏みつけ抑える。 地面との板挟みで、起き上がることもままならない。 「ッ……!」 「君個人では、有り触れた凡百の音色しかない。 だが、十天衆の君がいれば話は変わるというものだ。 十天衆の君に一つ宝を預けよう。それを育てて、いずれ私が受け取りに行こう。」 「何を言って……」 先程から何が言いたいのかさっぱり分からない。 理解してはいけないと脳が拒絶してるような気もするが、 それを抜きにしても、彼の言葉は難解さを極めている。 「君には『過去』を贈ろう。怪物には仲間も、朋も必要ないのだから。」 嘗てオクトーと戦う以前に、 サラーサに向けて言った言葉。 誰とも知らない男に言われると同時。 「そして───『絆』を貰おう。」 次の言葉を紡ぐと同時に、彼女の全身に炎が奔った。 【シ■ヴァ@グラン■■■ファ■■ジー ■亡】 「■■■■───ッ!!」 言葉にならないような悲鳴を上げる。 燃え盛る彼女に手を伸ばそうとしてもそれは届かない。 届いたとしても、とても触れられるものではないのだが。 「君には贈った『過去』がある。大切に育んでくれたまえ。」 燃え盛るシルヴァを適当に放り投げて、門の方へと向かう。 するべきことを済ませた彼に、この場に留まる理由などない。 「アアアアアッ!!」 普段なら絶対に聞くことのない、 叫び声と共にソーンは短刀を拾い上げてを振るう。 最早戦術も何も考えてない、ただの単調な一撃。 取るに足らない攻撃を静かに避けて、首に手刀を放つ。 「君が怪物になった時、改めて会おうではないか。 何、巡り合うとも。君が怪物になれば直々に貰いに行くのだから。」 昏倒する彼女を置いて、今度こそ去る。 ついでとばかりに、珍しい銃を回収しながら。 (『過去』を育て、やがて怪物へと至る。 その時に得る『十天衆』の称号はきっと格別なのだろう。) 欲するものを探して、奪う。 身も蓋もない言い方をすれば駄々をこねる子供と同じ。 だがそのままの状態で戦国乱世を生き抜いてしまった梟は、 此処でも不変の、永遠に満たされない欲求を満たし続ける。 (だが、何を壊し、何を得ようとも、私が満たされることはない……) 最初はこの男は殺しあいに興味なかった。 いや、現在も殺し合いに於いては一切の興味はない。 この男の欲に底はなく、一つの成就では決して満たされることもない。 生も死も恐れるものでもない。死に時であれば躊躇なく自決を選ぶ狂人。 だが意味はあった。興味深い『十天衆』と言うその肩書きを。 そして、自分がまだ知らぬ宝誰かが持つ可能性を彼は知った。 故に探す。自分のあくなき欲を満たせる宝を持った存在を。 松永久秀……かの戦国乱世から招かれた、天下独尊の男。 現世であろうと辺獄であろうと、その欲望は不変である。 【松永久秀@戦国BASARA】 [状態]:健康 [装備]:火薬@戦国BASARA、シャルティエミラージュ@テイルズオブデスティニー2、アダマント・レイ(残量19/20)@御城project:Re [道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~1 [思考・状況] 基本方針:欲するものを手に入れる。何処であろうと私は不変だとも。 1:珍しいものを探し、手に入れる。それだけだ。 2:殺し合い? 興味などないので勝手にやりたまえ。 3:怪物となった彼女から貰う『十天衆』の肩書こそ欲しいものだ。 [備考] ※参戦媒体はアニメ版です(参戦時期は現時点では未定)。 「ソ-、ン……」 掠れた声で誰かが彼女を呼ぶ。 誰かは分かる。未だ燃える親友の声だ。 「シルヴァ!?」 彼女の声に、松永を追わずに其方へ駆け寄る。 分かっている。この状態では既に手遅れなことぐらい。 支給品にもこの状態をなんとかできるものはなければ、 今から水をかけたところで、遠からずその命は尽きる。 だからと言って、聞かずに放置するわけにはいかない。 「君は、化け物じゃ、ない……人で、あってくれ。」 全身を焼かれながらも、それでも振り絞った最期の言葉。 それは義妹のことでも、団長のことでもなく、ただ親友を想う言葉一つ。 松永とは真逆の、人であることを願いながら今度こそ命が燃え尽きる。 嘗ての絆を取り戻すことができた瞬間に、その絆をあの男に奪われた。 「シルヴァ……シルヴァ───ッ!!」 魔眼の射手には二つの分岐点があった。 一つ目は頂に至ろうと暴走した彼女を止める物語。 二つ目は悔恨を終わらせようと故郷で決着をつけた物語。 だが何方も灰となって消え、第三の道を歩むことになる。 彼女の心は人か化け物か。親友か仇敵の言葉のどちらの通りに至るのか。 どちらへ転ぶか分からない、辺獄の道を。 【シルヴァ@グランブルーファンタジー 死亡】 【ソーン@グランブルーファンタジー】 [状態]:殺意(絶大)、精神疲労(絶大)、ダメージ(中) [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2 [思考・状況] 基本方針:人であるようにしたい。でも…… 1:あの人(松永)だけは許せない。 2:弓が欲しい。 [備考] ※参戦時期はソーン最終後~4アビ習得フェイトまでの間です。 ※魔眼は大きくて一エリアのみです。 ※飛翔術は高くて五メートルが上限です。 ※周囲にシルヴァの短刀@グランブルーファンタジーがあります。 シルヴァのデイバックは焼失しました 【シルヴァの短刀@グランブルーファンタジー】 ソーンの支給品。狙撃手としての立場の都合と近接は徒手空拳の都合、 全くと言っていい程使われることがないシルヴァが腰に携える短刀。 特別優れた能力や逸話が残されてると言ったものは特になく、 ソーンに光の反射で合図を送るためのものとしての運用をされてる。 【アダマント・レイ@御城project:Re】 シルヴァの支給品。ゲーム上ではラ・ピュータの初期装備。 バルニバービ国の技術を結集して造られた鉄砲。 超磁力で加速させた弾丸が光条となり敵を貫くので、 鉄砲とは言うが形状も性能も最早レールガンの類になる。 【火薬@戦国BASARA】 松永が相手を燃やす、爆破する際に用いる黒色火薬。 没収されなかった代わりに支給品の数を減らされている。 【シャルティエミラージュ@テイルズオブデスティニー2】 松永久秀の支給品。ゲーム上ではアクアラビリンスに潜んでいる、 リオン・マグナスの幻影から勝利することで手に入れる武器。 ソーディアン・シャルティエに酷似した幻体の剣で、地属性の力がある。 その力は本物にも劣らないようだが、元のシャルティエの人格はない。
https://w.atwiki.jp/matigattanipongo/pages/34.html
えんじぇる亭みるくの好きなおつまみ(?)師匠は飲み会の時などには大抵これを頼んでいましたが、これを出してくれてたお店が2004年の秋に閉まってしまったので、いまとなっては、ふたたびまみえられない昔日の食品。こういう名前をしてるので、良く間違えられてましたが、別に魚のアジのそぼろとかが入ってるわけではなく、単にしょうゆとかだしとかで味をつけたごはんです。 もどる
https://w.atwiki.jp/gundan/pages/558.html
2ちゃんねる ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50 レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。 丸美屋のふりかけ【ごはん★3】 1 :ごはん:2011/12/09(金) 19 04 45.56 0 (=^・~・^)↓前スレhttp //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/yume/1312953766/ 401 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 10 16 38.77 0 ぬん=くろねこ 402 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 10 32 57.21 0 軍団=宅麻伸 403 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 12 57 28.38 0 399 ごはんの若いチンポを閉経した激臭マンコにぶち込んで貰いな?ヌーんオバサンwwww 404 :ごはん:2012/01/05(木) 13 00 57.66 0 拷問じゃないですか?!勘弁してくださいよぉ(ToT)wwwwwwwww 405 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 13 02 43.25 0 藁ww 406 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 14 44 50.28 O 402ワロタ 407 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/05(木) 15 54 06.79 0 ごめんなさぃ.. も-がまん 出来なぃょ ごはんを 叩いてる奴ってさ 女ぢゃね?? うちの リア友と ネットの子に ここ見てもらってんだ み-んな ごはんが正しい事ゎ 知ってるし- ごはんゎ すっごく 責任感が 強い子なんだ 男らしくて メチャ頼れるし-/* まぢかっこぃ-もん//// ウジウジ影で 叩いてるきもい奴さ- うちにゎ やめたのかょ?? うちのスレで ヤキモチだろ?? 妬いてんぢゃね-ょ笑ww 408 :遠山 ◆4BqK8TRm4I :2012/01/05(木) 16 25 36.66 O  ̄ー ̄)y━・~、 409 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 16 28 41.41 O ゆあ 遠山いたんか 410 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 16 38 25.11 O 407鋭いな 小百合かもな 411 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 16 38 49.73 O 186 小百合 2012/01/05(木) 00 15 28.05 O あんたは集団で同じ意見しか言えない糞ビッチなんでしょ たまには個人の意見を言って見れば? 糞ビッチキモオタ童貞ホウケイ野郎 412 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 16 39 40.45 O 185 小百合 2012/01/05(木) 00 09 38.20 O 軍団こそきなくさいものはない。 413 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 16 40 33.30 0 チズハム買ったけどまだ開けてない 414 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 16 42 35.47 O 明るいニュースhttp //kohada.2ch.net/test/read.cgi/yume/1320512314/ 415 :海 ◆it40SxRkNk :2012/01/05(木) 17 25 35.34 O 中々荒らしがいなくならないね~ まあネットだから仕方ないケド 一人を皆で叩くってはっきり言っていじめと変わらないやん カッコ悪いよ 416 :海 ◆it40SxRkNk :2012/01/05(木) 17 27 05.15 O ゆあ 遅くなって悪い オイラは彼女はいないよん 今飼ってる生き物が俺の恋人さ~(笑) 色々疲れるんだよね? 417 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 17 42 59.20 O 海 いたんか 418 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 17 48 13.44 0 いじめイクナイ(°∩°) 419 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 21 29 36.33 0 ごはん!オナヌーしてるバヤイじゃない!ww自冶から熱いラブコールきてるわよん♪♪♪♪ 420 :遠山 ◆4BqK8TRm4I :2012/01/05(木) 21 54 10.67 O またお前か、、涅槃は諦めろ 421 :夢見る名無しさん:2012/01/05(木) 22 13 10.15 0 420お前もなーwwwwwwwww 422 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/06(金) 00 14 25.97 O こんばんは~☆ なかなかレスが返せてなくて すいません 宿題が終わりそうにないッス凹; 年末から遊び過ぎてw; ちょっとヤバいんで 気合い入れて頑張りたいと思います 何かあれば またメ~ルのほうで 良かったら…(=^ー’)b 眠いし しんどいッス;;; 423 :夢見る名無しさん:2012/01/06(金) 00 16 18.26 0 422 おばちゃん、花音だろ? バレてるよ(笑) バカなの?(笑) 424 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/06(金) 00 31 31.77 O 423 自治のほうを見ました 悪いですけど 昨夜のレスを最後に 自治へは行ってないし 自演なんてする意味が解らないッス 花音さんて… 誰か知らない固定さんやけど 俺みたいなガキ固定と一緒にされて 迷惑されると思うんで 叩くんやったら 俺ひとりにしてもらえますか?(^ー^) はぁ~…; 425 :海 ◆it40SxRkNk :2012/01/06(金) 00 34 59.65 O 好きな歌を貼りにきたぜ~http //m.youtube.com/watch?gl=JP hl=ja client=mv-google v=qEAGS3HSQtQ 見れるか解らんが 426 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/06(金) 00 45 36.11 O 海…(T~T);;;; 宿題に呪われとん凹凹;;; もう嫌や~;;; 曲サンクス~☆ 息抜きに聴いてみるわ! 頭痛い凹; 427 :海 ◆it40SxRkNk :2012/01/06(金) 00 48 43.23 O 宿題頑張っ この歌もちょー好きだ 昔が懐かしくなるhttp //m.youtube.com/watch?gl=JP hl=ja client=mv-google v=FK9NSQpsp7Q 428 :夢見る名無しさん:2012/01/06(金) 01 00 09.49 0 花音が宿題やる歳かよ(笑) 自演すんなよ(笑) 429 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/06(金) 01 11 17.38 O 海 最初のやつ聴いたでbb この女の人 めっちゃ綺麗な…w 癒された(笑))← 次のも聴いてみるわな! てか この曲知ってる?http //www.youtube.com/watch?v=VeEAP44ToAA sns=em この曲歌ってる人も好きやし 声がめっちゃ好きや~ 堕ちるわな(;^~^A てか 名無しさんも聴いてみてや~☆ ほんで名無しさんが好きな曲あったら 貼ってくれたら嬉しいbb オヤスミ~Zzz w; はぁ~…凹;;; 430 :夢見る名無しさん:2012/01/06(金) 09 39 45.60 O いたんか 431 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/06(金) 10 54 45.49 0 昨日ゎ ごめんなさぃ.. お薬もらってきたょ 気管が楽になった-(´д⊂) ずぅぅっと 聴いてる歌♪* 大好きなんだ..http //www.youtube.com/watch?v=PzP_L737LKM feature=related 432 :夢見る名無しさん:2012/01/06(金) 12 47 47.86 0 ゆあちゃん、風邪かな?心配だお(´ω`) しかし黒髪が艶やかで綺麗だお…お耳がなんともセクシーでかわええお 433 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/06(金) 14 12 00.46 O ゆあ ゆっくり休んでな おだいじに… 434 :夢見る名無しさん:2012/01/06(金) 14 16 59.00 0 433 花音自治スレ荒らすなよ バカなの? 435 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/06(金) 14 22 17.08 O 名無しさん 好きな曲はある? 音楽ってええよね 436 :夢見る名無しさん:2012/01/06(金) 14 29 00.91 0 435 花音自治スレ荒らすなボケ! ここでやれ!ドアホ! 437 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/06(金) 14 31 34.84 O 名無しさん 俺のこと嫌いなんは解ってるから 他の人の名前出すんやめて 埋めたかったら このスレ埋めてくれたらええよ 438 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/06(金) 14 33 39.11 O ここで 名無しさんと話そう 439 :Kon ◆taiko/vVTE :2012/01/06(金) 14 37 35.26 0 俺はロックで癒されるかなhttp //www.youtube.com/watch?v=wfQx8uOhRUo feature=youtube_gdata_player 440 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/06(金) 14 42 29.63 O 439 名無しさん? …聴いてみる(^▽^)b 441 :Kon ◆taiko/vVTE :2012/01/06(金) 15 28 19.78 0 440 エロい女やな 濡れとんか? 442 :夢見る名無しさん:2012/01/06(金) 16 30 50.67 O なんやて 443 :遠山 ◆4BqK8TRm4I :2012/01/06(金) 16 57 08.57 O 438 話さんで良い、、クソにもならん時間の無駄 444 :夢見る名無しさん:2012/01/06(金) 17 15 01.70 O 444 445 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/06(金) 18 58 22.14 0 416 海s★ 好きな彼女でも?? 疲れるのゎ なんで-?? じゃぁさ- 好きじゃない子ゎ もっと 疲れるょね..* お世辞とか 言わなきゃだし.. 433 ごはん-v(o^_^o)v うん.. ガンバるょ!! 446 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/06(金) 19 07 21.89 0 432 (◎゚Д゚◎)ノ■□ТНДЙК уОЦ□■ 風邪ぢゃないんだ 喘息なんだ- 耳ゎ 褒められたの 初めてだ-/* 447 :海 ◆it40SxRkNk :2012/01/06(金) 19 51 29.19 O ゆあ それはきっと俺がめちゃくちゃ性格悪いから…(笑) それと心のどっかで完全に人を信用してないからだとおもいまつ もう長い間一人だったから今更どうなろうとも…ね 448 :海 ◆it40SxRkNk :2012/01/06(金) 19 52 48.61 O つーかそろそろこの海っていうコテハン飽きてきたなぁ 元の優に戻そうか考え中ナリヨ 449 :夢見る名無しさん:2012/01/06(金) 22 06 43.38 0 のりたまにしちゃえ 450 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/07(土) 17 38 17.76 0 ( ̄┏∞┓ ̄)/ ニイハオ- 447 嘘だ-ww ごはんから 聴いてるし-/* レアな生き物?? もらうとかさ すっごく いい人だって..b★ お兄ちゃんだって 聴いてるょ いいな- うちもさ 大阪に 行きたいんだ. 451 :夢見る名無しさん:2012/01/07(土) 19 21 25.80 O おつ 452 :優 ◆kb5oQ1qwKI :2012/01/07(土) 22 11 40.30 O 海→優に変更しやした ヨロチクビ~ ゆあ 多分こばんは俺の事過大評価しすぎなんやと思うよ 多分リアルの俺はめちゃくちゃイヤな奴だし 顔も不細工やしな~ 生き物が好きだという共通点だけで俺の身勝手で写メを送りつけてるだけにしか過ぎないヨ 大阪 あんまりええとこちゃうでゴミゴミしてるしな~ ゆあは何処に住んでるん? 453 :優 ◆kb5oQ1qwKI :2012/01/07(土) 22 15 30.85 O ごはん 昨日はせっかくオイラのスレに来てくれたのに留守してしまって申し訳ない 理科の宿題は終わったかな? ちなみに俺は科学が一番嫌いだった クラスの担任が科学の指導員だったっていうのもあったしな~ その担任俺のことが嫌いやったんかめちゃくちゃ陰湿なイジメされたわ 454 :優 ◆kb5oQ1qwKI :2012/01/07(土) 22 30 41.14 O 明日は愛犬の命日だ… りーが好きだった 砂ズリを明日買ってこようとおもいまつ 喜んでくれるかな? 455 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/08(日) 18 56 55.70 0 452 ごはんの 名前..の?? (( ̄_ ̄ )(  ̄_ ̄))いいえ!! 過大評価ゎ ないと思うょ/* ごはんゎ お世辞とか 言う子ぢゃないし 信頼できる- うちゎ 関東だょ b 大阪弁が メチャ好き-//笑 愛犬の ご冥福を お祈りするね * .。. (・ω・`人).☆ 456 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/08(日) 19 04 56.37 0 ぅちら(●´ω`人´д`●)ともだちやぁぁぁん これさ-? メチャ かわいぃww 457 :夢見る名無しさん:2012/01/08(日) 20 52 58.80 O おつ 458 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/08(日) 22 25 06.42 O 毎度~ こんばーす! 452 よ~ゆ~わw モテモテやん(笑)) 先生~←(^ー+^) 嘘はあかんで~ニヤリ 459 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/08(日) 22 30 46.40 O 453 kデラックス←がおったな(笑)) 危ない会話やった( ̄▽ ̄;) 宿題は終わったでbb 他の試験勉強が大変やねん…; 科学の指導員? 理科の先生やなくて? 担任がそれやったら 逃げ場ないな 俺は小さい時から科学がめっちゃ好きや~ 地学分野になるけど 天体や天文現象に興味がある~☆ 宇宙科学には5つも分野があるから 勉強すんのは大変やけど 460 :夢見る名無しさん:2012/01/08(日) 22 30 48.83 O 461 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/08(日) 22 39 46.13 O 454 りーちゃんのご冥福をお祈りします… りーちゃんの写メを見とったbb 大好物をお供えしてもうて 思い出してもらえることが 一番嬉しいことやって聞いたから 俺も亀のこと忘れてへん まだ水槽ほかされへんし たまに夢に出て来るhttp //imepic.jp/20120108/795140 可愛い奴やった(^ー^) 462 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/08(日) 22 48 40.08 O 455-456 お世辞て…w お世辞は言うで? そんな簡単に 俺を信用したらあかんやん(笑)) 関西弁の講座でも開く?w 俺は神戸弁のが濃いけどなbb それもええけど (^0_0^)人(^0_0^)←これもええでwww 463 :夢見る名無しさん:2012/01/08(日) 23 23 12.39 0 462 花音キャラ設定大変やな おっさんええ歳してんのバレとんで(笑) 464 :優 ◆kb5oQ1qwKI :2012/01/08(日) 23 47 54.02 O ごはん 色々サンクス どこがモテモテやねん つーか俺は人を好きになるっていう感情が分からない冷たい奴やで そんな俺なんか誰が好きになるちゅうねん 理科…俺んとこは中学になったら科学になったけど…最近は違うのかね? そやでめちゃくちゃ嫌な担任やった ちょっとしたことですぐに生徒指導室に呼びつけられたりクラスの皆に誹謗中傷するようなプリント配ったり まあ俺も大嫌いやったからかまわへんけどな~ 科学は生物が一番すきや 465 :優 ◆kb5oQ1qwKI :2012/01/08(日) 23 49 46.38 O ゆあ ごはんは気を付けなあかんで~ エロイからなぁー(笑) つーかりーの冥福祈ってくれてありがとー ごはんもまだりーの写メ残してくれてるん? りー喜んでくれてるよ ありがとーな 466 :優 ◆kb5oQ1qwKI :2012/01/08(日) 23 58 04.83 O もし来世があるならりーには幸せな人生を送って欲しいとおもいまつ りーは俺が一番辛い時にずっとそばにいてくれた優しい子だから… また何時か巡り会えると信じて 後りーにはもうりーがいなくても大丈夫だから安心して眠ってねってお祈りしました りーは俺んとこに来て幸せな人生だったのかな? 最近ふとそんなことを考えてしまいまつ 467 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/09(月) 10 39 00.52 0 オハ(*´Д`)ノヨ━━━━━━━━ゥ)´Д`) ∴ 462 ごはんめ-!! いじわる-//笑 も-ww ごはん講師ww 開いて-(∀) (^0_0^)かわいぃ★ wwwww 468 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/09(月) 10 46 07.07 0 465 優s 知ってるょ-ww ごはんゎ えろぃ-//笑* 彼女ゎ たいへんだ-// つ-か なんで- えろぃの?? うん* .。. (・ω・`人).☆ミ ワンちゃん 幸せだょ/* 469 :遠山 ◆4BqK8TRm4I :2012/01/09(月) 15 07 14.37 O  ̄へ ̄)y━・~、、 470 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/09(月) 18 09 30.76 0 ( ´・ω・)y─┛~~~oΟ◯ たばこゎ 体に良くなぃぉ?? 471 :ゆあ ◆2NaTe4jg/rVg :2012/01/09(月) 18 14 36.00 0 http //www.uta-net.com/user/phplib/Link.php?ID=120572 この歌も メチャ好きなんだ♪* Youtubeで 聴いてね.. 472 :夢見る名無しさん:2012/01/09(月) 19 47 53.13 0 461 亀頭・・・(´Д`*) 473 :夢見る名無しさん:2012/01/09(月) 22 43 25.31 O 遠山 いたんか 474 :キャベシ:2012/01/09(月) 22 54 17.75 O ごはんは白髪生える? 475 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/09(月) 22 59 52.83 O ちょ~w; ∑何この流れ(笑)) 何で俺がエロいね~んッ( ̄▽ ̄;) はぁ~…; まだ外やから また返事します ファンモンのこの曲を カラオケで歌う為に 練習中ッスbbhttp //www.youtube.com/watch?v=tlyIsZBcgYc sns=em LOVE SONG~☆ 476 :夢見る名無しさん:2012/01/09(月) 23 40 15.89 0 475 おばちゃんど演歌歌ってるくせに無理すんな(笑) そんなもんで誤魔化す事は無理だって(笑) 477 :夢見る名無しさん:2012/01/09(月) 23 44 30.37 0 あ 478 :夢見る名無しさん:2012/01/09(月) 23 45 18.37 O 仲良く 479 :夢見る名無しさん:2012/01/09(月) 23 49 54.84 0 463 480 :遠山 ◆4BqK8TRm4I :2012/01/10(火) 00 00 19.09 O 阿呆じゃね?、 481 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 00 02 22.77 O 遠山いたんか 482 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 00 42 18.51 0 212~ 483 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 00 56 33.35 0 ↑から始まりね 484 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 01 00 57.70 O (^0_0^) 485 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 01 01 39.87 0 ごはんスレは(´∀`∩)↑age↑て行きましょうよ 486 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 01 01 53.00 0 またハエがしゃべった!? 487 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 01 03 10.01 0 485 488 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 01 03 41.07 0 486激しくワロタ 489 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 02 30 52.75 O シャルル復帰 490 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 02 31 38.40 0 667 名前 夢見る名無しさん 2012/01/10(火) 02 25 53.32 O 666 491 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 02 34 23.48 0 296 名前 夢見る名無しさん 2012/01/10(火) 02 27 23.45 O ぬんか?フェラか? 492 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 02 45 29.41 O 848 夢見る名無しさん 2011/12/31(土) 07 51 40.45 0 夢板に粘着して荒らしてる名無しの正体に関してヌーん説を挙げると荒らしが止み突然ヌーんが数ヶ月ぶりにイキナリ現れ必死の言い訳をぬーんスレで始めた。 荒らしてたのはぬーんに間違いない。 493 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 02 47 44.59 0 286 名前 夢見る名無しさん 2012/01/10(火) 02 12 01.00 O キャプテンからきた 嫌がらせしてるのは軍団らしい 精神科帰り 494 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 02 59 54.79 O 870 ◆SooLy53KLVK8 2012/01/05(木) 07 11 51.96 0 お前が消えようが居まいがべつに俺にはもう関係ないんでわざわざあんなレスしませんよ^^ あ~怖い怖い^^ 495 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 03 07 03.10 O 874 夢見る名無しさん 2012/01/05(木) 09 47 34.46 0 870 テメェは引っ込んでろよ!キチガイww 496 :遠山 ◆4BqK8TRm4I :2012/01/10(火) 04 23 02.15 O ご苦労なこった、、 497 :夢見る名無しさん:2012/01/10(火) 06 58 29.78 0 229 名前 夢見る名無しさん 2012/01/10(火) 01 39 22.40 O よしはあほなんか? 498 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/10(火) 16 09 29.84 O 476 名無しさんいてる? 話したいことがあるんやけど 他の人は レスせんとって下さいね お願いします 499 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/10(火) 16 19 00.16 O (-.-)y-~ 500 :ごはん ◆U2/TgYGkC. :2012/01/10(火) 16 44 47.22 O 一緒に埋めてくれへんかな このスレ埋めてから 2ちゃん辞めたいねん 156 KB [ 2ちゃんねる 3億PV/日をささえる レンタルサーバー \877/2TB/100Mbps] 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50 read.cgi ver 05.0.7.9 2010/05/24 アクチョン仮面 ★FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)
https://w.atwiki.jp/hebinotomo/pages/7.html
かきこんでね!
https://w.atwiki.jp/newdivide/pages/14.html
[名前] はんくん☆ [K/D] 46% [階級] 中尉3 [メイン武器] SIG [性別] 男 [生年月日] 7月16日 [星座] かに座 [血液型] B型 [出身地] 愛知県 [職業] 高2 [部活] 帰宅部 [身長] 170cm [体重] 秘密 [性格] おもしろい人 [趣味] 映画鑑賞 音楽鑑賞 [好きな言葉] 99%の努力と1%の実力!! [好きな有名人] RED SPIDER / BURN DOWN / TERRY THE AKI 06 [好きな食べ物] Girl!! [嫌いな食べ物] [好きなスポーツ] サッカー [将来の夢] [生まれ変わったら] [愛用の香水] KENZO [好きなブランド] ねすた~~~ [今一番ほしいもの] 女>服 [一言] 下品ですがなにか?
https://w.atwiki.jp/dora-jojo/pages/6.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2459.html
653 名前: ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 55 17 ID OxvbpP8c [3/7] どうするか。 やっぱり警察に相談したほうがいいんじゃないか? まっさきにそんな思考が浮かぶ。 如何に警察内部に内通者がいようとも、たまたま僕の話を聞いてくれる警察官がそうとは限らない。 しかしすぐにそれを否定する思考が頭を巡った。 これだけの大計画だ、かなり偉い立場の人間にロケット団の協力者がいないわけが無い。いくら下の方に僕の話を聞いてくれる警官がいても、上に行くところで揉み消されたら終わりだ。 それに、そんなことになったら、報告だけじゃなく、僕達も消そうとしてくるだろう。つまり警察に相談するのは悪戯に僕達を危険にさらすだけだ。 でも、こんな大事を僕達だけで解決することなんて出来るのか? 僕は事態の大きさに相当怖気づいていた。 少なくとも、普段の僕なら、こういう事態で、警察の力を借りようだなんて思わない。 まして、警察内部に内通者がいると分かってるっていうのに。 「ゴールド、どうしたの、難しい顔して」 気づかなかったけど、香草さんは涼しげな顔をしている。 「どうしたのって、どうして君はそんなに平気そうでいられるんだ」 654 名前: ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 58 08 ID OxvbpP8c [4/7] 「だって、ことに及ぶ前に全部倒せばいいだけでしょ。簡単じゃない」 簡単じゃないって……それはそうだけど、言ってくれる。 「見てよここ」 僕はそう言って送られてきた内部資料の一文を指差す。 「ロケット団はこの作戦に実働部隊だけでも八百以上の人員を投入するつもりだって。八百人だよ!?」 対するこちらの実働部隊は資料によれば十五人にも満たない。戦力差五十倍以上の相手。絶望的な数字だ。はじめから勝負にならない。 唯一の救いは、ロケット団員は基本的に練度が低く、個々人の戦力はたいしたこと無いということだ。 それにしたって、戦力差は絶大に思える。 「大丈夫よ。ゴールドがいれば……私は無敵だから」 そういって彼女は穏やかに微笑む。僕にはどうにもその顔が本物の殺し合いを間近に控えた者の笑みには思えなかった。 僕には何がどう大丈夫なのかさっぱり分からない。 しかし彼女の言うことにだって理はある。 どの道やるしかないんだ。絶望なんてするだけ無駄だったんだ。 「そうだね、なんとかするしかない」 僕は自分に言い聞かせるようにそう呟くと、再び計画書に目を落とす。 計画書によると、やはり目立つのは避けたいらしく、建物の内部から制圧していく作戦らしい。 これは僕らにとっては好都合だ。 八百人の人間が陸から空から一斉にラジオ塔を攻め落とそうとすれば、僕達にそれを防ぐ術はないけど、内部から制圧していくだけなら、建物の構造上一度に動ける人数も行動の内容も大きな制限を受ける。 香草さんもやどりさんも仲間の傷つける心配なく全体攻撃を行えるからこの場合こちらに利がある。 地の利を生かせば勝機は十分にあるかもしれない。 いや、まて、戦わなくても目立てばそれで十分騒ぎになるんじゃないか? そうすればすぐに多くの人が集まってきて敵の作戦は崩壊す……いや、駄目だ。 もしその間に電波を発信する設備を抑えられ、あの電波を流されたら、打つ手は無くなる。 やっぱり直接戦って止めるしかないのか。 いや、それでも正面から戦うことは避けられるはずだ。 もし彼らが密集しているのなら、そこに怪しい光曳光弾を一発打ち込めばそれだけで彼らを撹乱できる。 そういう風に、数が多いのならば、それと正面から向き合うのではなく、数が状況を不利にするような作戦で挑むべきだ。 僕の隣にいる子はどうもそういうことを理解していないみたいだけど。 見取り図と味方の戦力、ロケット団の侵入経路から、相手を迎え撃つのに効率的と思われる箇所を模索する。 基本、上下階を繋いでいるのは階段とエレベーター。 ロケット団は主力部隊を階段で送り込み、エレベーターを挟撃のために使用するみたいだから、適当なところでエレベーターは落としてしまおう。 空洞と化したその跡を上ってこようとするならば、放水なり何なりで全部叩き落してしまえばいい。 攻撃の性質上、階段も上を押さえてしまえば同じ要領で一方的に攻撃し続けるだけで勝てる気がする。 発信施設を押さえる意味でも、如何にロケット団に先んじて上の階を占拠するかの勝負になりそうだ。 ダクトの類はどうも人が移動できるようなものじゃなさそうだし、となるとラジオ塔の中を移動するには階段かエレベーターを使うしかない。 しかし階段には警備員がいるし、エレベーターは一般解放エリアと一般立ち入り禁止エリアで別々に分離している。 そして立ち入り禁止エリアに入るためには警備員に通してもらう必要がある。 つまりどの道警備員を何とかしなくてはならない。 どうしようか。ここは一つ、眠り粉か何かで眠っていてもらおうかな。 ロケット団の手先ならこれくらいは自業自得だと思って諦めてもらうし、仮にそうじゃないとしても、ただ眠らされるだけで済むんだからロケット団にやられるのに比べればはるかにマシだろう。 仮に眠り対策があるなら、やどりさんに気絶させてもらおう。 彼女にかかれば瞼一つ動かせず、声すら出せなくすることなど簡単だということを、僕は身をもって知っている。 とりあえずここを抜けたら、人が騒ぐようであればやどりさんと香草さんに昏倒させてもらい、特に何の反応もないようだったらそのまま社長室あたりを目指させてもらおう。 社長がロケット団とグルでないことは確実だ。 なぜなら、社長がグルならば最初からラジオ塔を乗っ取る意味がない。 同様の理由で電波の送信を行っている立場の人間も白だろう。 しかしここの人間すら抱き込まれていないとなると、ラジオ塔側にはほとんど内通者はいないのかもしれない。 と、ここまで考えたところで、香草さんが僕の首筋にぬるりと手を這わせた。 突然のことに、僕は思わず跳ね上がる。 655 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 58 34 ID OxvbpP8c [5/7] 「ご、ごめん、驚かせちゃった?」 「う、うん、びっくりした。どうしたの?」 「どうもしないけど……ゴールド、全然私を見てくれないから……」 なるほど、僕がずっと思案顔で資料とにらめっこだったのが気に食わなかったらしい。 「ごめんねチコさん。でも、これはさすがにちゃんと考えないといけないからさ」 「もう、何も考える必要なんか無いのに」 そう言って彼女はすねた顔をする。 「万が一に備えるのも、作戦って奴だよ。もしすべて上手くいっても、チコさんが大怪我なんかしたら何の意味もないからね」 「わ、私は別に……」 彼女は顔を赤くしてなにやらブツブツ呟いている。 情けない話だけど、香草さんに何かあったとき、僕は守る自信がない。 香草さんクラスの人相手じゃ僕は避けることすらままならない。 だから、そんな事態にならないように、逃走も含めて、事前にしっかり策をめぐらせておかねば。 最悪、電波の発振装置かアンテナを壊すことも視野に入れなければならない。 不謹慎な話だけど、作戦計画を考えていると、少し楽しかった。 まるで昔の、他愛の無い子供の探検ごっこを思い出すのだ。 この日と翌日をかけて計画をまとめ終え、シルバーに送信した直後、示し合わせたようにポケギアが震えた。 発信者は不明。しかし相手は言うまでもない。 「俺だ」 電話口の向こうから、そんなぶっきらぼうな声が聞こえてくる。 「で?」 「作戦決行日前に集会があることは知っているな?」 送られてきた資料の中にそんなものもあったな。 「うん」 「もし来るなら変装して来い。こっちに裏切り者がいるという可能性もあるが、それ以上にランに見つかるとまずい」 「ランはてっきりこういうのには興味が無いかと思ったけど」 「ああ、無い。ただ、突然俺についてくるとか言いかねんからな。念には念を、だ」 「分かった。……その割には、来るなとは言わないんだな」 「実際に参加する人間の能力を見たほうが、お前も作戦を立てやすいだろう」 「作戦って、僕の考えたのでいいの? ただの一意見のつもりだったんだけど」 送信した直後に着信があったから、僕の作戦にまともに目を通す時間も無かったはずだ。 そこそこの人数が関わっているこの作戦。いくらシルバーがリーダー格だとはいえ、僕のような一介の子供の意見が通るとは本気で思ってはいなかったんだけれど。 尤も、子供と言う意味ではリーダーであるシルバーも変わらないか。 それにしても、組織にこういう作戦立案を行うような役とかいないのかな。 「ああ。お前はスパイである可能性がゼロだからな。それだけである種十分ともいえる。そもそも、俺が人を指揮する立場に向かないというのは、お前もよく知っているだろ」 「よく言うよ。リーダーなんかやってるくせに」 「ただの成り行きだ」 シルバーは苦々しげにそう吐き捨てる。 「用件はそれだけだ。では、予定の時間に、予定の場所で会おう」 彼はそう言うと、僕の返事も聞かずに電話を切った。 656 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 59 17 ID OxvbpP8c [6/7] 変装って言われてもなあ…… 帽子にサングラス、マスクとロングコートとかか? これはこれで目立つ気がする。 「変装かあ……どうしたらいいかなあ」 呟きを漏らすと、電話を聞いていた香草さんが、いかにも名案を思いついたといった様子で言う。 「そうよ! 二人羽織をすればいいんじゃないかしら!」 ……アホの子がいる。 「ホラ、そうすれば体格とか全然分からないし、完璧だわ!」 うん、完璧だ。 その後僕は香草さんをこんこんと説得して二人羽織を諦めさせ、変装に必要な道具を買いに行った。 帰ってくると、部屋にやどりさんがいた。 「おかえり……どこに、行っていたの?」 「あ、うん、例の作戦の前にこちら側の人間が集まる集会があるんだけど、それに参加するための変装道具を買いに」 僕はそういって袋から鬘を取り出して見せる。 「そういえば、やどりさんの変装道具もいるよね。一緒に買いに行くべきだったかな」 「必要……ない」 彼女はそう言ってきぐるみの背中に手を這わす。きぐるみをおろすと、中から白い肌が垣間見える。 「な、ゴールドは見ちゃダメー!」 香草さんの蔦が飛んでくるより前に、僕は慌てて後ろを向いた。 「き、着替えるなら部屋出るから、終わったら呼んで」 僕はそういって急いで部屋を出る。 ふう。やどりさんはこういうのに無頓着だから、時々びっくりさせられるよ。 「……見た?」 いつの間にか隣にいた香草さんが険しい目つきで僕を見る。 何をどこまで、と聞きたかったけど、とりあえず反射的に口からでるのはこの言葉。 「み、見てないよ!」 「……本当に?」 香草さんは明らかに疑っているようだ。 いったいどこからアウトなのか分からない以上、余計なことはいえない。 「本当だよ!」 「ならいいけど……ゴールドは私の彼氏なんだから、私以外の女の裸は見ちゃだめなんだからね」 「私以外のってことは、チコさんの裸は見ていいってこと?」 何気なく口にしたのがまずかった。何余計なことを言ってるんだ僕は。 彼女の顔がみるみる真っ赤になったかと思うと、すぐに蔦が飛んできた。 「な、ゴールドのバカエッチスケベへんたーい!!」 どれか一つに絞ってほしいなんてこの状況で言えるわけもなく。 僕は数十の蔦に打たれて地面に伏すことになってしまった。 「あ、ご、ごめんなさい! でも今のはゴールドがいけないんだからね!」 確かに僕は悪かったと思うけど、それでも反射的に蔦が伸びるのはどうかと思うな。 そんな言葉が首まででかかったところで。 がらりと部屋のドアが滑った。 「終わった……着替え」 僕はそういって部屋から出てきたやどりさんを見て、わが目を疑った。 やどりさんはいつものもこもこしたきぐるみではなく、扇情的な赤く、薄く、そして露出部の多いドレスを身にまとっていて、しかもそれを着た彼女はびっくりするくらい魅力的だった。 彼女の恵まれたバストと引き締まったウエスト、そしてまたふくらみを持つヒップ。 かつてやどりさんが「自分は脱いだらすごい」と言っていたことがありありと思い出される。 この派手さから言って、このドレスは誰でも着れるような代物ではない。選ばれし者のみが着こなせるドレスと言っていいだろう。 香草さんではこうはいかないはずだ。 香草さんも、部屋から出てきたやどりさんを見て、あんぐりと口を開け、やどりさんの胸部と自分の胸部で視線を往復させている。 何とか事実をゆがめようと彼女の頭は必死に働くが、それでもなお認めざるを得ない現実。 そこまでの圧倒的なリアル(胸)がそこにはあった。 やどりさんは香草さんに向きなおり、彼女の頭の天辺からつま先まで眺め、そして、 「ふっ」 と冷笑した。やどりさんのこんなにも勝ち誇った笑みははじめてみる。 いくら傲慢な香草さんでも認めざるを得ない、歴然たる敗北がここにはある。 さあ香草さんはどうでる。 「ふ、ふふふ、ふ」 彼女は不敵な笑みをどこか飛んだ表情で浮かべながら、ゆらりと蔦を伸ばした。 657 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/10(土) 23 59 53 ID OxvbpP8c [7/7] 「そうよ、そんなもの、削ぎ落とせばいいんだわ。そ、そうよ、平らに、平らにしなくちゃ。私よりももっと平らにしてあげなくちゃ」 まさかこうでるとは。 思った以上の過剰反応だ。予想以上に恐ろしいことを言いだした。 対するやどりさんは余裕の笑みを浮かべながら――今僕には彼女のドレスのぱっくりと開いた白磁のような背中しか見えないから本当のところ表情は分からないのだけれど、これには確信があった――、ゆっくりと戦闘態勢に入る。 なんてこった。まさかスタイル――いや、おっぱいが戦いの引き金となるとは。 そうだ、これをおっぱい大戦――そう、第一次おっぱい大戦と名づけよう! そこまで思考がずれたところでハッと正気に返った。 どうして僕はこんなおかしなことを考えていたのだろうか。 これもすべてやどりさんのおっぱいの魔力が生み出した幻惑作用によるものだというのだろうか。 それの真偽のほどはおっぱいのみぞ知るとして、ともかく、今はこの戦いが起こるのをとめなくてはならない。 どうする。 生半可な言葉で今の香草さんは止まるだろうか。 否。今の彼女を止めること、それはすなわち両者のおっぱいの差を埋めることと同義である。 おっぱいの差を埋める。 果たしてそんなことは可能なのであろうか。 おっぱいの差を埋めるなんて、それこそおっぱいをそぎ落とすか、豊胸でもしない限り不可能。 豊胸。 そのとき、僕の脳裏に閃光が閃く。 そうだ! あるじゃないか! やどりさんのおっぱいをそぎ落とさずとも、香草さんのおっぱいにシリコンを挿入しなくても、おっぱいの差をなくすことができる、簡単で、すばらしい方法が! そうだ! おっぱいを差を埋めるもの、つまりおっぱいはすでに僕の手の中にあったんだ! 「香草さん! これを!」 僕は袋を漁ると、手につかんだものを香草さんに投げつけた。 香草さんは見事にそれをうけとり、彼女はそっと手を開く。 彼女の手の中に納まったもの――それは…… 「……それは」 「胸……パッド?」 張り詰めていた空気が、ふっと緩んだ。 そう、これこそが、両者の埋まるはずのない差を埋める奇跡のアイテム、胸パッドである。 そう、これさえあれば小さなおっぱいでも大きなおっぱいのように振舞える。 おっぱいの格差がなくなる。 つまりそれは世界からありとあらゆる争いが消えうせ、世界に平和が訪れると言うこと。 そう、胸パッドとは平等と博愛を象徴していたのだ! こうして、世界に平和が訪れた。 ……わけもなく。 ああ、これから僕は香草さんの手によりハンバーグの材料にされる運命なのね、とおずおずと彼女の攻撃を待っていたが。 顔を覆うようにした左右の腕を上下にずらし、香草さんを見ると、彼女は確かに顔を真っ赤にしていたが、それは怒りによるものというより…… 「ゴールドの……ゴールドのばかぁぁぁぁぁぁぁ!」 香草さんはそう絶叫し、胸パッドをリニアモーターカーに匹敵するんじゃないかという速度で僕めがけて投げつけると、そのまま走り去った。 パッドは見事に壁にぶつかると、壁ごと爆散し、それが起こした兆弾が僕に降り注いで僕を悶絶させる。 さすがに息もできず、僕にできることと言えばうずくまって口をパクパクさせながら走り去る彼女に向かって手を伸ばすことだけだった。 「……だいじょうぶ?」 そう言って屈みこんで僕を伺うやどりさんのドレスの中が見える。 ああドレスに負けず劣らず、何と過激で扇情的な下着なんだろう。 数分後、ようやくまともに呼吸できるようになったので、香草さんを追う。 やどりさんはとりあえずその格好だと目立つから、と部屋に返した。 闇雲に走っても見つかるわけない、と思うかもしれないが、この間の行方不明事件以来、僕は彼女に発信機を持たせている。 だからそれを確認すれば彼女の位置は一目瞭然なのだ。 ……どこか犯罪の臭いがするような気がしなくもないけど、本人同意の下なんだから問題ないはずだ。 とにかく、それで香草さんの位置を確認すると、香草さんは案外近くにいた。 人気のない路地裏。彼女はそこにうずくまって泣いていた。 「香草さん!」 僕は泣きじゃくる香草さんに呼びかける。 彼女は涙とその他でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、僕を見る。 「ごめんね、そうだよね。ゴールドも私みたいみたいなのよりおっぱい大きい子のほうが好きだよね」 彼女は涙ながらにそう語る。 658 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/11(日) 00 00 27 ID 7f.9q1S6 [1/3] いやおっぱいとかそういうレベルではなく、やどりさんとの差はもっと総合的な話なんだけど、もちろんそれは口にしない。 ごめんねごめんねと謝る香草さんを抱き寄せると、僕は彼女の手にそっと神器という名の胸パッドを握らせる。 「ゴールド……」 「大丈夫だよチコさん。胸パッドはすべてを許してくれるよ」 そう、胸パッドは世界平和の象徴なのだから。 再び香草さんのばかぁぁぁぁぁぁ! という叫び声と、バシーンという盛大な僕の頬が張られる音が辺りに響いたのは言うまでもない。 「おかえり」 帰ってくるとやどりさんはいつものきぐるみに戻っていた。よかった。 「ただいま。変装の話の続きだけどさ、確かに服装変えただけでもかなり変わるけど、やっぱり何か顔を隠すものがあったほうがいいと思うんだ」 「大丈夫。それも用意してある」 彼女はそういって、スッと何か取り出し、目の部分に当てた。 「……蝶?」 「そう、蝶をモチーフにしている」 彼女が取り出したそれは、蝶を象った、顔の半分が隠れるような大きく派手なアイマスクだった。 先ほどのドレスとこれをあわせると、どこの仮面舞踏会だと思わなくもない。 変装としては由緒正しいんだろうけど、正直、場所にあっていないような。 どう考えても、あからさまに怪しい。 いや、これくらいインパクトがあったほうが、普段とのギャップがあってちょうどいいのか? それに、これだけ目立ってくれればやどりさんが印象的過ぎて一緒にいる僕たちの印層も都合よく薄れそうだ。 というわけで黙認する。 二人の現在の能力の確認と作戦の考案で数日を過ごし、いざ集会。 場所はビルの地下倉庫だった。 事前に送られてきたサインを入り口の警備員に提示すると、簡単に入ることができた。 少し危機管理が甘い気もする。 特に今のやどりさんはどう見ても不審者だ。 やどりさんは例のアイマスクと赤いドレス。 僕は金髪のカツラをつけ、髪で顔を隠し気味にし、頬にはそばかすが書かれていて、さらにシークレットブーツで身長までごまかしてある。 香草さんは長い赤の鬘に派手な化粧、胸は無数のパッドの力によりやどりさん以上に膨らんでいる。 どう考えても一緒にいるのがおかしい取り合わせだ。 その辺のバランスも考えるべきだったかもしれない。もちろん、二人羽織は却下だけどさ。 しかし変装だというのに、やどりさんはむしろ普段より衆目を惹いていたような気がする。いや、多分気のせいじゃないけど気のせいだと思いたい。 都会だからきっとみんな気にしないはずさ。 シークレットブーツの歩きにくさに苦戦しつつ、積まれた荷物の間を抜けて進むと、少し開けたスペースにでた。 三十人くらいだろうか、怪しげな人たちがそこに集まっていた。 きっとみんな大なり小なり変装しているんだろうけど、この怪しさはそういうところから出るものではない気がする。 それと、蝶マスクが男女合わせて十人近くいた。 多すぎだろ! 流行ってるのか? それともこれが正装なのか? そんなわけがないと頭を振っていると、香草さんが不安げに耳打ちしてくる。 「ねえゴールド、本当にここって安全なのかしら。なんだか怪しげな人ばかりじゃない」 隣にも一人いるんだけどな、怪しい人。 それに、もしかしたら怪しいのは僕たちのほうかもしれない。 こんな普通にそこらにいそうな人間ではなく、もっとぶっ飛んだ方向に変装すべきだったのかもしれない。 不安を覚えながら待っていると、予定の時間を十分ほど回ったところでシルバーは表れた。 傍らにランの姿はなく、変わりに五十代くらいの黒髪で浅黒い細身の男がいた。 見た目は一見普通だけど、なんとなく、物々しい雰囲気がある。 会場の人間はあれからそこそこ増えて五十人を超すほどになっている。 実働部隊は十五人程度という話だったから、彼らがにわかに集まった増援でないのなら、ここにいる多くは諜報系やバックアップの人間ということになる。 ロケット団に私怨があるけど戦力にならないのか、それとも、単に危険に自らをおきたくないのか。 シルバーは大勢の人間を前にあわてる様子もなくゆっくりと歩を進め、皆の前に立つ。 悠然と全体を眺めると、彼は落ち着いた調子で話し始める。 「諸君。今までの協力、感謝する。私が、反ロケット団のリーダーであり、今作戦の隊長を勤めさせていた頂く、シルバーだ」 659 名前:ぽけもん 黒 26話 ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2011/12/11(日) 00 00 54 ID 7f.9q1S6 [2/3] 数人の間に、どよめきが広がる。 こんな子供が? という声がちらほらと聞こえてくる。 あまり多くはないけど、シルバーがリーダーだってことを知らない人間もいたらしい。 シルバーは決して幼い印象はないけど、それでもせいぜい二十代前半くらいにしかみえない。 そんな若い人間が自分達の命運を握ることになるんだ、不安を覚えるのも当然だろう。 そんな不安を切り裂くように、彼は言葉を発する。 「見てのとおり、私の若さに不安を覚える者もいると思う」 場内が軽くざわつく。ばつが悪そうに視線を反らす者もいる。 彼は少し間を開け、淡々と話し出す。 「私は昔、ロケット団のせいで人生を台無しにされた。私はそれから、ずっとロケット団を憎んで生きてきた。ロケット団を潰すことために尽力してきた。私の功績は、ここにいる諸君ならばよく分かっていることと思う。ロケット団に大きな怨みを持つ諸君よ。私は、十年前からずっとロケット団を憎み続けてきた私は、果たして諸君らにとって信じるに足らない存在か?」 場内がシンと静まり返った。 ロケット団を潰そうと、怨みを晴らそうと集まったここの人間の中でも、十年以上、ずっと憎しみの中ですごしてきた人間というのはそう多くはないだろう。 ロケット団から大切な何かを奪われたであろう人たちであるだけに、この話は彼らにとって見過ごすことのできない力を持っているだろう。 ただ、僕としては少し腑に落ちない点もある。十年前といえば、僕ら三人がまだ普通に生活していたころだ。 シルバーが家を失うことになった遠因はロケット団であることは確かだけど、それならまず警察を憎むほうが筋が通っている。 あの後、シルバーが逃亡生活を始めてから何かあったのか、それとも…… シルバーは静まり返った会場を見て、一転、今度は強い、人々を鼓舞するような口調で話す。 「年齢、種族、性別……多くを異にする我々がこの一所に集まっているその理由、ロケット団を潰すというその志こそが、我らの共通点であり、絶対の正義であるはずだ。一時、壊滅状態に陥ったロケット団はその実、財界各所にその根を蔓延らせ、雌伏して時を窺っていたに過ぎなかった。ロケット団は復活し、その悪意の結晶として、まもなく、ロケット団復活後最大規模である作戦が決行される。多くの人員が投入され、幹部も動かざるを得ない。これは我々、ロケット団に怨みを持つものにとって唯一無二の好機である! 今度こそ、この手でロケット団を徹底的に叩き潰し、この世からロケット団という組織を根絶するのだ!」 シルバーがそう言い放つと、場内は熱気と歓声に包まれた。