約 1,578,124 件
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/3394.html
Finale ゼロの使い魔コンプリートイラストコレクション 兎塚エイジ アートワークス 発売日:3月25日 全500点以上のイラストを収録した『ゼロの使い魔』画集が登場! 13年の時を経て、ついに完結を迎えた伝説のライトノベル『ゼロの使い魔』――。 そんな『ゼロの使い魔』の世界を彩ってきた、兎塚エイジ先生による全イラストを収録した、 『ゼロの使い魔』のもう一つの集大成となる画集が登場! ここを編集 2008年7月放送開始。ゼロの使い魔~双月の騎士~の続編。Amazonインスタントビデオが配信開始。 完結編にゼロの使い魔Fがある。 http //www.zero-tsukaima.com/ 監督 紅優 原作 ヤマグチノボル シリーズ構成 長谷川菜穂子 キャラクター原案 兎塚エイジ キャラクターデザイン・総作画監督 藤井昌宏 プロップデザイン 藤井昌宏 美術監督 廣瀬義憲 色彩設計 石川恭介 撮影監督 中西智一 特殊効果 向井吉秀 3D 塩田潤 編集 後藤正浩 音響監督 高橋剛 効果 今野康之 調整 小原吉男 録音 黒崎裕樹 音楽 光宗信吉 アニメーション制作 J.C.STAFF プロデュース ジェンコ 脚本 長谷川菜穂子 ヤスカワショウゴ 國澤真理子 中瀬理香 コンテ 紅優 鈴木洋平 上原秀明 タムラコータロー 橋本敏一 葛谷直行 演出 橋本敏一 青井小夜 岸川寛良 伊藤浩 鈴木吉男 上原秀明 岩田義彦 作画監督 藤井昌宏 大河原晴男 冷水由紀絵 青井小夜 梶浦紳一郎 岡野幸男 三木俊明 大木良一 長坂寛治 坂田理 宮下雄次 内原茂 許宰銑 佐藤清光 飯飼一幸 堀内博之 佐藤敏明 小野和寛 金紀杜 木野下澄江 松原一之 Amazonインスタントビデオ ゼロの使い魔 三美姫の輪舞 Ep. 1 "使い魔の刻印" 監督 紅優 再生時間 0時間23分 初公開日/初回放送日 2008年7月6日 提供 ゼロの使い魔製作委員会 ■関連タイトル ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~Blu-ray BOX スペシャルCD2枚付 Finale ゼロの使い魔コンプリートイラストコレクション 兎塚エイジ アートワークス ゼロの使い魔 ~Last Song from ZERO~ ゼロの使い魔 主題歌集 TVアニメ「ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~」サウンドトラック ゼロの使い魔 ルイズBEST 限定盤DVD付 「ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~」感じるCD ~ルイズ~ ゼロの使い魔 ~三美姫の輪舞~ コンプリート ゼロの使い魔ビジュアルコレクション 画集 兎塚エイジZeroゼロの使い魔イラストコレクション ねんどろいど ルイズ フィギュア・ホビー:ゼロの使い魔 原作小説 ヤマグチノボル/ゼロの使い魔 1巻 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1156.html
「・・・ギ・・・ギアッチョ・・・?」 何がなんだか分からなかった。どうして?どうしてギアッチョが?私を 笑いに来たんじゃないの?それなら何故?私との違いを見せ付けるため? それともただ暴れたいだけ・・・? ルイズの頭には疑問符が次から次へと浮かんでいた。ギアッチョの真意が 分からない。それを確かめようと、ルイズは恐る恐るギアッチョの顔を 見上げようと―― グイッ!! 「!?」 ルイズが顔を上げようとした瞬間、ギアッチョの手によってルイズの頭は 下に押し戻された。 「・・・出たんだろ?ルイズ このガキとぶつかった時に・・・『鼻血』がよォォ そんなみっともねーツラをこいつらに披露してやるこたぁねーぜ」 いつの間にか3人の周りには人だかりが出来ていた。そしてルイズは ハッと思い出した。自分の顔が、涙でぐしゃぐしゃだったことを。 本気だ。ギアッチョは、本気で私の為に行動してくれている。 ルイズはようやく気付いた。 ――ギアッチョは・・・私の味方なんだ・・・ こんなことになっても・・・ ギアッチョは味方でいてくれるんだ・・・! 我知らず起こる肩の震えを、ルイズは止めることが出来なかった。彼女の 宝石のような瞳から、今度こそ堰を切って溢れてきた涙と同様に。 「それで?そこのゼロのルイズの代わりに、平民の使い魔が僕の相手を 務めるっていうのかい?」 ギーシュはニヤニヤと笑ってギアッチョを見ている。 「さっきハッキリそう言ったはずだが・・・聞えなかったってワケか? え?マンモーニ ミミズを狩るのに獅子を使うのはちと贅沢だが・・・ 今回だけの特別サービスってことにしてやるぜ」 最初はヘラヘラ笑いながら聞いていたギーシュだが、次第に自分が 完全に下にみられていることに気付くと烈火の如く怒りだした。 「だッ・・・!誰がママっ子だって!?平民の分際でッ!よくも貴族に そんな口が利けたもんだね!!一つだけ言っておくが・・・決闘で 死んだとしてもそれは合法だ!!手加減してやるつもりだったが・・・ 無事にゼロの元へ戻れると思わないことだねッ!!」 ギーシュは忘れていた。昨日、自分達を縮み上がらせた彼の殺気を。 そしてルイズの爆発を恐れて遠巻きにサモン・サーヴァントを見ていた 彼には、ギアッチョがルイズを殺しかけたあの場面はせいぜい 「混乱した平民がゼロのルイズを押し倒した」程度にしか見えなかった のである。 ギアッチョが色をなくしたままの眼でギーシュを睨む。 「ならこっちも一つ聞くがよォォ~~ てめー『覚悟』はしてるん だろうなァ~~?オレを殺すつもりで来るってことはよォォ 逆に殺される『覚悟』は出来てるっつーワケだよなァァァ」 しかしギーシュは鼻で笑って答える。 「フン!覚悟だって?そんなものする必要はないね 何故なら 僕が負けるなんてことは万が一にも有り得ないからだ」 ギーシュの大見得にギャラリーがどっと笑う。 「そうだそうだ!」 「平民相手に遠慮するこたねーぞギーシュ!」 「身分の差ってものを教育してやれ!」 こいつらは――、とギアッチョは考えた。 ――こいつらの殆どは・・・昨日のことなんか見てもねぇし 覚えてもいねぇようだなァ~~・・・ 「ま、どっちだろーと関係ねーがな」 相手が化け物であろうと歩き始めたばかりの赤ん坊であろうと、 ギアッチョの「覚悟」に変わりはない。「覚悟」とは相手に合わせて コロコロ変えるものではない!ギアッチョはそう理解していた。 「今から5分後・・・ヴェストリの広場で待っている 言うまでもない 事だが――君が逃げれば君もゼロのルイズ同様直ちにこの 学院から退去してもらうよ せいぜい震えながらやってくるんだね」 ギーシュはそう言い放つと、ニヤニヤ笑いのまま去っていった。 ギーシュが去ると、3人を取り巻いていたギャラリーもギーシュと 一緒に広場へ向かっていった。 「ルイズ もういいぜ 頭を上げな」 ギアッチョが声をかけると、ルイズはごしごしと顔をこすって 立ち上がった。 「・・・ギアッチョ・・・」 ギアッチョは首をコキコキと鳴らしながら尋ねる。 「ルイズよォォ~ なんとかの広場ってのはどっちだ?」 「え・・・ あ、あっちよ ・・・あの、ギアッチョ・・・・・私」 ルイズが何か言おうとするが、 「話は後回しだ 5分後だからな・・・別にあいつをいくら待たせよーが 心は痛まねぇが 逃げたと思われるのも癪だからよォォ」 ギアッチョはそれを制して歩き出す。――逆の方向へと。 「・・・ギアッチョ?広場はあっち・・・」 「ルイズ おめーは先に行ってな オレはよォォ~ ちょっと 用事があるもんでな・・・ 待ってろ すぐにそっちに行く」 そうルイズに告げて、ギアッチョはどこかへ歩いていく。 「分かった ・・・待ってる」 もはやルイズは、万が一にもギアッチョの逃亡を疑わなかった。 私の為に戦ってくれるギアッチョの為に、自分に出来ることを しよう。ルイズはそう決意した。ギアッチョが戻ってくるまで、 逃げず、怯えず、うろたえず、ヴェストリの広場で待っていよう。 ルイズはスッと顔を上げると、広場に向かって駆け出した。 目的地に向かって歩くギアッチョの後ろから、「待ちなさい!」 という声がかかった。 「わりーが・・・後にしな 今は少々忙しいんでな」 しかし声の主はかまわず叫ぶ。 「あなたルイズをどうする気ッ!?」 その言葉を聞いて、ギアッチョはピタリと足を止めた。 「どうするつもりたぁ失礼なことを言うじゃあねーか ええ?おい」 肩越しに後ろを振り返ると、そこにいたのはあの赤髪の少女、 キュルケだった。 キュルケはさっきの騒ぎを最初から見ていた。二人の争いが いい加減ヤバくなってきたら仲裁に入るつもりだったのだが、 彼女の先を越して二人を仲裁したのは――更に酷いことになったが―― 意外にもギアッチョだったわけである。ルイズ共々殺されかけたキュルケが それを不審に思わぬはずはなかった。 「召喚されてそうそうあの子を殺しかけたと思ったら今度は 手のひら返したように責任を取るですって?」 キュルケは信じられないという風に首を振ると、キッとギアッチョを ねめつける。 「答えなさいッ!あなたは何者!?そしてルイズに何をする気!?」 ギアッチョはしばらくキュルケを見ていたが、やがて口を開いた。 「確か・・・てめーの家とルイズの家は・・・宿敵同士だと聞いたが」 「・・・あなた学校で習わなかったの?質問を質問で返すんじゃあ ないわッ!」 キュルケの眼は「マジ」だった。ギアッチョは小さく舌打ちをすると、 「オレが何者なのか・・・話してやってもいいが それには少々時間が 足りねーー 二つ目の質問にだけ答えてやる」 そう言うとギアッチョはキュルケに向き直る。 「答えは『別に何も』、だ ただし・・・これだけは言っておくぜ 命の恩人が侮辱されてるのを・・・黙って見ているバカはいねえ!」 「――!!」 昨日ルイズを殺そうとした男が、そして今日人目もはばからず 食堂で大暴れした男が、果たして本気で言っているのだろうか? キュルケには判断が出来なかった。ただ―― 「・・・今はその言葉で納得しておいてあげるわ」 もう少し様子を見てもいいか、とキュルケは思った。 「・・・あ、待って!」 再び背を向けて去ろうとするギアッチョに、キュルケは何かを 思い出したように声をかけた。ギアッチョは振り向かないが、 話を聞く意思だけはあるようだ。 「・・・用心なさい ギーシュはあんなのでもうちの学年じゃ かなりの上位に入る腕前よ」 ギアッチョがやられてしまえば、ルイズの人生はおしまいだ。 魔法が使えないまま使い魔を殺されて退学だなんて、ルイズで なくとも自殺を考えるほど最低最悪の事態である。しかし キュルケの忠告を、ギアッチョは鼻で笑って受け流す。 「フン・・・あのマンモーニが強かろーが弱かろーがよォォー オレには関係のないことだぜ」 「あなたフザけてるの!?ギーシュはナメてかかって勝てる 相手じゃ・・・」 「『覚悟』はッ!!」 ギアッチョはいきなり声を張り上げる。その大声にキュルケは 思わず身構えた。 「・・・オレの『覚悟』は・・・相手を選んだりはしねえーーッ! 相手がドラゴンだろーがウジ虫だろーがよォォ~~ オレは同じ 『覚悟』を持って戦いに挑むッ!!」 それだけ言うと、ギアッチョは圧倒されているキュルケを置いて 歩いていった。 「なんなの・・・あいつ・・・ 『覚悟』・・・・・・?」 「大丈夫」 突然聞えた声にキュルケが隣を見ると、いつの間に来ていたのか そこには透き通るような青い髪をした少女、タバサがいた。 「大丈夫・・・って?」 「昨日の戦闘」 タバサは短く言葉を繋ぐ。 「まだまだ力を隠してた」 「嘘でしょ・・・」 タバサの言葉は信頼出来る。キュルケは今更ながらギアッチョに 立ち向かった昨日の自分を思い出し、ゾクリと身震いした。 当たりをつけて覗いてみた食堂で、ギアッチョは目当ての 人物――シエスタを発見した。 「・・・あ、ギアッチョさん!ミス・ヴァリエールはご無事でしたか?」 メイド服の少女は食器を片付けながらギアッチョに声をかける。 デザートの配膳中にギーシュと言い争うルイズを発見し、いち早く ギアッチョに知らせたのはこのシエスタだった。 「ああ なーんにも問題はねえぜ」 「そうでしたか」 よかった、と答えて食器の片付けを続けるシエスタに、 「それはともかくよォォ~~ 一つ報告することがあってな」 ギアッチョは本題を切り出した。 「報告・・・ですか?」 「ああ まぁ大した話じゃないんだがよォォ~~~ 決闘することになった」 「・・・決闘・・・?」 ギアッチョの言った決闘の意味を量り切れないらしく、シエスタは オウム返しに同じ言葉を口にする。 「ええと・・・決闘って 誰と・・・誰がですか?」 「ああ? 誰ってオレに決まってるじゃあねーか 相手はルイズに 絡んでた・・・あー・・・そうだ、ギーシュとかいうマンモーニだ」 ・・・・・・。 どこかで見たような一瞬の沈黙の後、 ガッシャアアアアアアン!! シエスタの手から滑り落ちた3枚の皿が音を立てて砕けた。 「な、ななな何をやってるんですかギアッチョさんッ!! き、貴族と決闘だなんて 殺されてしまいます!!」 状況を理解した途端パニックに陥るシエスタをギアッチョは 片手で制して、 「落ち着けよシエスタよォォォ~~~ 死ぬのはギーシュの野郎 だぜ・・・それは決定してる オレが言いてーのはその話じゃあ ねーんだ」 口では軽く言っているが・・・ギアッチョは決して決闘を甘く見て いるわけではない。経過がどうなろうと、必ず「ギーシュを殺す」 という結果を出す。ギアッチョはそう「覚悟」しているのだ。 「シエスタ 今からよォーー 厨房の奴らを全員連れて・・・なんだ、 ヴ・・・ヴェ・・・ヴェラ・・・違うな、ヴォ・・・ヴァ・・・ヴァンダム・・・」 「・・・ヴェストリの・・・広場ですか・・・?」 「多分そいつだ そこまで来ちゃあくれねーか?咎められるよーなら 責任は全部オレが持つ」 シエスタはこの人なりの冗談なのだろうかと思った。しかしギアッチョの 眼は、悲しいほどに本気であった。 「決闘にゃあオレが勝つ・・・そいつは間違いねーんだが 別の意味で お前らを失望させちまうかも知れねえ・・・ しかしオレとお前らが同じ『平民』だと言うのならよォ・・・ こいつを 見せねーわけにゃあいかねーんだ」 さっきと同様、シエスタはギアッチョの言葉の意味を量りかねて いるようだった。しかしギアッチョはそんなシエスタの心中を忖度せず、 「頼んだぜ」とだけ言って食堂を出て行く。シエスタは一瞬逡巡したが、 「ま、待ってください!!」 やはりここでギアッチョを見送るのは、自分が殺すも同然だと思った。 「今日はよく後ろから呼び止められる日だなァァ~~ え?おい 決闘するなってんなら聞かねぇぜ 何度も言うがよォォーー オレの勝利、それだけは決定してるんだ」 「ギアッチョ・・・さん・・・」 そう言い放つギアッチョに妙なスゴ味を感じたシエスタは、それ以上 何も言うことが出来なくなった。 「おっと・・・もう決闘が始まる オレは先に行くぜ」 言うがはやいか、今にも泣き出しそうな顔のシエスタに目もくれず、 ギアッチョは食堂を飛び出して行ってしまった。 ルイズはギーシュと対峙していた。 「フフフ・・・あと大体30秒だが・・・君の使い魔はどこにいるのかな? ゼロのルイズ君」 ギーシュが心底哀れそうな声で――勿論演技だが――ルイズに語りかける。 「君の使い魔・・・随分とキレるのが早いようだが 逃げ足も速いようだねぇ プッ・・・ハハハハハ」 ギーシュはニヤニヤと笑う。それを聞いたギャラリー達もドッと笑っている。 「ギアッチョは来るわ」 ルイズはギーシュの眼を睨んだまま、短くそれだけを返す。例えどれだけ 笑われようが、どれだけなじられようが――ギアッチョは自分に待っていろと 言ったのだ。ならば自分は彼を信じて待つだけだ。 ――そうよ・・・、これが今の私があいつに返せる唯一の敬意 ならばどんな 侮辱だろうと罵倒だろうと・・・全て受け切ってみせるわッ! ルイズは知らず知らずのうちに『覚悟』していた。ギアッチョが来るまで、何が あろうと崩れないという『覚悟』を! ギーシュはなおも続ける。 「1分経過だ!おいおいゼロのルイズ!!いつまで僕らを待たせるつもりだい? 僕らだって暇じゃあないんだ!ほらほら、怖がらないで杖を取ってかかってきなよ! あの平民はもう森の中まで逃げてるかもなあ!ひょっとしたらもう森をうろつく 魔物に食われてしまっているかも!」 ギーシュの発言にギャラリーはまた爆笑する。キュルケは歯噛みしながらそれを 見ていたが、ルイズの眼に何の迷いも浮かんでいないのを知って飛び出したい 気持ちを抑えた。 ――あれが、あの平民が言っていた『覚悟』というやつなの・・・? キュルケのそんな疑問に答えるかのように、 「ギアッチョは・・・来るわ・・・!」 ルイズはただそれだけを繰り返した。そして・・・、 「やれやれ・・・ちょっとしたロスがあってよォォ~~~ ちぃとばかし遅れちまった みてーだなァァァ」 ざわつくギャラリーを掻き分けて、ギアッチョが姿を現した。 一秒たりともギーシュから眼をそむけなかったルイズは、そこでようやく全身の 力を抜いた。 「どーやら・・・頑張ってたみてーじゃあねーか え?ルイズ 後はオレに任せて そこで見てな」 またも意外なギアッチョのねぎらいである。 「お、遅いわよバカッ!」 などと照れ隠しに文句を言いながら、ルイズは非常な達成感と安心感を感じていた。 するとそこへ、 「ミス・ヴァリエール!!」 シエスタを先頭にマルトー達厨房の料理人や給仕達が駆けつけてきた。 「えーと・・・あなたは確かシエスタ・・・ こんなに大勢引き連れてどうしてここに?」 「分かりません・・・さっきギアッチョさんが食堂にやってきて 決闘をするから 見に来て欲しいと・・・」 「そう・・・ ・・・まさかあいつ・・・」 ルイズは理解した。ギアッチョはシエスタやマルトー達と対等に向き合う為に、敢えて スタンドを見せることを決意したのだ。メイジだと――貴族だと思われる危険を冒して。 今、ギアッチョはそれほどまでに仲間というものに惹かれていた。 「ようやく来たようだねぇ面白頭君 てっきりもうアルビオンあたりまで逃げ出してる んじゃあないかと思っていたよ」 ギーシュは心底愉快そうに言った。アルビオンとやらがどこにあるかは勿論知らな かったが、その挑発のあまりの陳腐さにギアッチョはキレる気にもならなかった。 「逃げる?今逃げるっつったかァ~てめー?こいつは傑作だな!ええ?おい!」 わざわざギーシュがルイズに使った言葉でギアッチョは罵倒を返す。 「このギアッチョがてめー如きに逃げる必要なんざ全宇宙を探したって見つかり そうにねーもんだがよォォォーーー 見つかるのはせいぜいてめー相手の決闘を 『やめてやる』理由ぐれーだぜ ええ?オイッ!」 ギャラリーから失笑が漏れた。ギアッチョはそのまま続けてギーシュを挑発する。 「今ここでよォォ~~~ 土下座をしてルイズに謝ってから学院を出て行きな! そうすりゃあ『命までは』とらないでおいてやるぜマンモーニ!!ええ!? やってみろよおい!!ああ!?」 ギーシュがルイズに言ったことをちょっとグレードアップさせただけのその挑発に、 ギーシュの怒りはいともたやすく爆発してしまった。 「きき、貴様ぁああーーーーッ!!!もう命乞いをしたって許さないぞッ!! 今ッ!!決闘を開始するッ!!!泣いて詫びろ平民がァーーーーーッ!!!」 「ハッ!てめーが言ったことを言い返されただけで面白いよーにキレてくれる じゃあねーかマンモーニッ!!少なくともてめーの薄っぺらくて小汚ェ精神 よりゃあよォォーー このルイズのほうがよっぽど上等な魂を持ってるぜッ!!」 ギーシュが懐から乱暴に造花の薔薇を取り出すと同時に、ギアッチョの双眸が スッと色をなくし――2人の決闘が始まった。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/938.html
サブ・ゼロの使い魔 第二章 傅く者と裏切る者 ――また、あの夢だった。古びた部屋にいる、誰かになった自分の夢。 だが、今回はいつもと違った。ルイズがその夢を知覚したと同時に、全ての霧はざあっという音と共に消え去り――そしてその瞬間、ルイズは部屋にいる男達のことをまるで遥か昔から知っているように理解していた。 後ろのソファに座って仲良く話している二人・・・ソルベとジェラート。 椅子に座ってテーブルの上の変な物体を叩いている男・・・メローネ。 椅子の背に手を置いて彼の肩越しにそれを覗き込んでいるのは、イルーゾォ。 立ったまま壁に背を預けて本を読んでいるリゾットは、たまにこちらを見てはやれやれといった顔をしている。 そして先ほどから二人して自分に怒鳴り続けているのはホルマジオとプロシュート。 二人がかりの説教を喰らっている自分は・・・そう、ギアッチョだった。 「ギアッチョッ!何度言ったら分かるんだてめーッ!!」 プロシュートが上半身を乗り出して怒鳴っている。 「しょーがねーなぁぁぁ これで何冊目だっつーんだよギアッチョさんよォォ」 右手に持った本だったものの残骸をバンバンと叩きながらホルマジオもプロシュートに加勢するが、当のギアッチョはどこ吹く風で受け流す。 ・・・というか全く聞いていない。 「何で3ページで打ち切りになるんだよォォォ~~~ッ!! ナメてんのかオレをッ!!クソッ!クソッ!!まそっぷって何だ!バカにしやがって!!」 イルーゾォが呆れた顔でプロシュート達を見る。 「だから言ったじゃあないか・・・ギアッチョにだけは物を貸すなってよォー」 「そのくらい諦めるんだな オレなんてパソコンを破壊されてるんだぜ」 同じく顔を上げたメローネはそう言って首を振った。ソルベとジェラートはそんな彼らをニヤニヤ笑いながら眺めている。 「外野は黙ってろッ!今日という今日は許さねぇぜギアッチョ!」 「仲間に対する敬意ってもんが足りねーんじゃあねーか?オイ」 プロシュート達の怒りは全く収まらないようだった。 「やれやれ・・・ お前達・・・その辺にしておけ そんなことをいくら言おうがギアッチョには通じないことぐらい知っているだろう」 パタンと本を閉じて、リゾットがリーダーらしく彼らを制止する。 プロシュートとホルマジオは「甘いぜリゾット」という視線を彼に向けるが、リゾットが続けて「ギアッチョ、お前は弁償しておけ」と言ったのを聞いてとりあえずその場は収めることにした。ギアッチョはその言葉に不満げな表情で財布を出し―― ――場面が飛んだ。 ギアッチョの前には古びた扉がある。決まったリズムでそれを叩くと、少ししてから軋んだ音を立てて扉が開いた。 「仕事は終わったぜ、リゾット」 扉を開けたリゾットにそう報告して、ギアッチョは中に入る。 彼に続いてメローネが入ってきたのを確認して、リゾットは彼らにねぎらいの言葉をかけた。 「・・・ま、今回もくだらねー仕事だったがよォォ どうせやるならもう少し面白みのあるやつを回してもらいてぇもんだ」 とギアッチョが言えば、 「簡単なのに越したことはないさ・・・ こんなはした金で命を捨てたくはないからな」 タッグを組んでいたメローネがそう答える。ギアッチョはフンと鼻を鳴らすとどっかりと椅子に腰を落とした。 と、ウヒャヒャヒャヒャという聞き慣れた笑い声が場に響き、ギアッチョ達は声を発した男に目を向ける。 ホルマジオはイルーゾォと机を挟んで向かい合っていた。 二人の横にはプロシュートが陣取り、奥のソファには相変わらずソルベとジェラートが座っている。 そして彼ら全員の視線が集まっているのは、テーブルの上にあるチェス盤だった。 ホルマジオは盤からイルーゾォに視線を移して言い放つ。 「チェックメイトだ オレの勝ちだぜイルーゾォ!」 「バ・・・バカな・・・ただのポーンなんかにィィィ!」 イルーゾォが信じられないという顔で叫ぶ。 「クハハハハハハッ!分かってねェーなァァ チェスって奴をよォォー! 駒の強さなんてもんは所詮ここの使い方一つだぜェェ~」 ホルマジオは人差し指で自分の頭をトントンと叩きながら言った。 「クッ・・・クソッ!再戦だ!もう一度やらせろ!」 「ダメだね ほら!とっとと賭け金をよこしなよイルーゾォよォ~!」 イルーゾォの願いをホルマジオはあっさり跳ね除けた。イルーゾォはしばらくの間「再戦の拒否は許可しないィィィー!」等と叫んでいたが、結局彼のスタンド、リトル・フィートにガッシリ押さえ込まれて財布から二割増しで金を抜き取られていた。 「やれやれ どきなイルーゾォ オレが仇をとってやるよ・・・なぁに、ボードゲームは得意なんだぜ」 メローネが自信たっぷりに椅子に座り、 速攻で敗北した。 部屋の隅で頭を抱えているメローネを尻目にギアッチョが挑み、敗北。プロシュートが挑み、敗北。ソルベが挑みジェラートが挑み・・・ 敗北。敗北。敗北。 「てめーイカサマやってんじゃねーだろーなァァーー!!」 「何逆ギレしてんだオイ!しょぉぉがねーなァァアァ!」 度重なる敗北についにギアッチョがブチ切れた。 その瞬間、今がチャンスとばかりにプロシュートがホルマジオを蹴っ飛ばし、そのスキにソルベとジェラートが彼に飛び掛り、イルーゾォが一瞬でその財布を奪い取り、メローネが皆の取り分を計算して分配した。 「ちょっ・・・何やってんだてめーらァァァ!!」 「うるせェェェ!勝負になるかボケッ!!」 七人はギャーギャーと騒ぎ続け、リゾットはそれをいつものことだというような眼で見つめていた。 そしてもう一人、ギアッチョの眼を通してルイズもまた彼らを見つめている。 喧嘩ばかりしているが、ルイズの眼には彼らはとても楽しそうに見えた。 常に四面楚歌で命のやり取りをしているからこそ、きっと彼らは死よりも強い絆で結ばれているのだろう。 バカ騒ぎを続ける彼らを、ルイズの心は羨ましそうに見つめていた。 そうしてルイズの夢はいくつもの場面を映し出す。しかしその内容は、徐々に不穏の色を帯びて来た。 場面が過ぎる度に、自分達の理不尽な待遇に、彼らのボスに対する不満は高まって行くのだった。 そして幾度目かの場面転換の後――ついにそれは起こった。 ドンドンドンドンドンドンッ!!! アジトの扉が猛烈に叩かれる。中で待機をしていたギアッチョとメローネ、そしてリゾットとプロシュートは一斉にスタンドを発現させた。 「おいッ!!開けろ・・・!!大変なんだよ!!ジェラートが殺されたッ!!」 「リゾットッ!!オレだ、ホルマジオだッ!!早くここを開けろォォォ!!」 決められたノックをしないことにリゾット達は不審を抱いていたが、その声はどう聞いてもイルーゾォとホルマジオだ。そして彼らが口にした言葉は、彼らにとってこれ以上なく衝撃的なものだった。 プロシュートのザ・グレイトフル・デッドを使って扉を開ける。最初に転がり込んできたイルーゾォの襟首を、ギアッチョが強引に掴んで引き上げた。 「てめーイルーゾォ!!タチの悪い冗談はやめろッ!!」 ギアッチョが人を殺しかねない剣幕で怒鳴る。しかしイルーゾォは苦渋に満ちた顔で答えた。 「嘘じゃない・・・!!『罰』と書かれた紙を身体に貼り付けて・・・ッ!!」 サイレントの魔法がかかったかのように、その場は静まり返った。 ――・・・そんな・・・嘘・・・ ルイズは崩れ落ちそうになった。勿論、今はリプレイされるギアッチョの幻に宿るただの意識である彼女には不可能なことであったが。 ギアッチョの仲間は、リーダーを除き全てが死んだ・・・それは理解しているはずだった。 しかしギアッチョを通して幾つもの場面を共有した今、ルイズに彼らの死を無関心に眺めることなど出来るはずがない。 だがそんな彼女の気持ちなど一顧だにせず、場面は無情に進んで行く。 ジェラートは自宅のソファで、恐怖に顔を引き攣らせて絶命していた。 「ジェラート・・・おいジェラートッ!!」 プロシュートがジェラートを揺さぶる。リゾットは彼の肩を掴んでそれを止めた。 「やめろ・・・プロシュート ・・・ジェラートはもう死んでいる」 「クソッたれがッ!!」 プロシュートは怒りを吐き捨てて立ち上がった。逆にメローネは、その場にがっくりと膝を落とす。 「・・・ボスだ・・・ボスの正体を探ったことがバレて・・・・・・」 ギアッチョは唇を噛んで怒りを耐えていた。ギリギリと音がするほど噛まれた唇からは、彼らの心を代弁するかのように血が流れている。 「・・・ホルマジオ イルーゾォ ソルベはどこだ?」 リゾットが二人に向き直るが、彼らは俯いたまま黙って首を横に振った。 「クソッ・・・!お前達・・・ソルベを探せ!!」 リゾットは焦燥感も露に叫んだ。 そして場面はまた一つ飛ぶ。 ギアッチョ達はアジトに集合していた。彼らの足元の床には、七十サント四方程の箱が数えて三十六個転がっている。 その箱にはガラスのケースに額縁を嵌めたようなものが入っていて、その中に何か気持ちの悪いものが、 ――・・・そんな 彼らは最後の一つまで開封して、やっとそれが何かに気付いた。 ――やめて ・・・いや、解ってはいたが・・・気付かない振りをしていた。彼らが送られてきた順にそれらを並べてみると、 ――お願いだからもうやめて・・・! 三十六個に斬り分けられた、輪切りのソルベが、 ――あぁあぁああああああぁああああッ!!! ルイズはいっそ気絶してしまえたらどんなに楽だろうかと思った。 しかし今はただギアッチョを通して彼の過去を見ている「意識」だけの状態であるルイズには、気絶どころか顔を覆うことも背けることも出来ず・・・彼らの為にただ涙を流すことすら出来なかった。 しかし、眼前の場面は冷徹なまでに滞りなく流れ続ける。自分達を嘲笑うかのように警告の道具としてソルベを惨殺したボスに、誰もが怒りを必死に押し殺す中―― バギャアッ!!! ギアッチョの我慢は限界を超えた。 「あの野郎ォオオォオォォオオーーーーーーーーーーーッ!!!!」 テーブルを叩き割り、ギアッチョは天地が割れんばかりの声で叫んだ。 「殺すッ!!!オレが殺してやるッ!!!」 額縁を梱包していた箱を踏み破りながら、ギアッチョは悪鬼の如き凶相で扉へと向かう。 プロシュートが「早まるんじゃあねぇ!」と手を伸ばすが、ギアッチョは彼に眼も向けずにその手を払いのけた。 しかし、その先でギアッチョの足がピタリと止まる。扉の前に、リゾットが立ちふさがっていた。 「どけよ・・・リゾット!!」 怒りに沸き立つギアッチョの双眸がリゾットを射抜く。しかしリゾットは充血した両眼でギアッチョの視線を真っ向から受け止めた。 「リーダーとして・・・ギアッチョ、お前を行かせるわけにはいかない」 「何故だッ!!」 ギアッチョは激昂して叫ぶ。 「ええ!?オレ達は一体何年屈辱に耐えてきた!?命を賭けて組織の敵を排除し続けてよォォーー・・・オレ達は文字通りパッショーネに命を捧げてきたッ!!いつか忠誠が報われる日が来ると信じてなァァ!! それが何なんだこのザマはッ!!オレ達の誇りだけじゃあ飽き足らず、ボスの野郎はソルベとジェラートを無惨に殺し・・・そしてその死まで侮辱したッ!!ここまでされてよォォォー!!一体いつまで耐え続けろっつーんだッ!!」 ギアッチョは怒りに任せてまくし立てた。 「落ち着けギアッチョ・・・! オレは・・・いや、オレ達の誰一人としてこの状況を受け入れている者はいない・・・ だが耐えるんだ!」 リゾットはそう言うと、ギアッチョが何かを言う前に続ける。 「ボスの正体を探ろうとしたんだ・・・オレ達が関わっていようがいまいが、ボスは既に・・・間違いなくオレ達を監視下に置いているはずだ そんな状態で一体何が出来る・・・?刺し違えるどころか、ボスに辿り着くことすら出来ないだろう」 ギアッチョはぐっと言葉を詰まらせる。 「今は伏して耐えるんだ・・・ ボスを倒す『チャンス』が来るまで!」 リゾットの眼は『覚悟』している者の眼だった。ギアッチョは壁を一発猛烈な音を立てて殴りつけると、その拳を震わせながら収めた。 ルイズは今度こそギアッチョの気持ちを理解した。彼女の耳には、食堂でギアッチョが叫んだ言葉が木霊していた。 『オレ達の命は安かねェんだッ!!!』 これだけの言葉に、一体どれほどの無念が込められていたのだろう。 ルイズにはもう結末が分かっている。リゾットの部下は、全員が死亡する。 ならば例え彼がボスに打ち勝ったとしても、一体その勝利にはどれほどの意味があるのだろうか? 仲間を失くし、ボスを殺して生きる目的までも失ってしまったならば、リゾットはもはや一人で生きていけるのだろうか。 そして、殆ど全ての仲間を失って唯一人生きながらえてしまったギアッチョは? 己が立っていた足場を失い、拠り所にしていた支えも失い――彼は一体何を思って生きているのだろうか。彼は自分を命の恩人だと言う。だけどそれは本心からのものなのだろうか?自分はギアッチョに、ただ終わることすら許されない痛みを与え続けているだけなのではないか―― ルイズには何も解らない。ただひたすら辛く、そして悲しかった。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/6494.html
登録日: 2011/04/08(金) 22 43 23 更新日:2024/03/28 Thu 10 01 22 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 いのくちゆか クシャナと設定が丸カブリ クーデレ ジョブチェンジに定評のある人 スピンオフ主役 ゼロの使い魔 タバサ デレは11巻から ヒロイン昇格 メイジ 合法ロリ 大食い 無口 無表情 眼鏡 素直クール 肉布団 貧乳 遅れてきたヒロイン 長門 雪風 魔法使い 黒タバサ 『ゼロの使い魔』の登場人物。 CV いのくちゆか ルイズの同級生で、キュルケとは親友。 青い髪と瞳を持つ小柄な少女で、実年齢(16歳)よりもかなり幼く見える。 トリスティンの隣国である、ガリアからの留学生で、『雪風』の二つ名を持つトライアングル・メイジ。 その名の通り氷を使った魔法に精通しており、同じくトライアングル・メイジであるキュルケと共に学園トップクラスの実力を誇る。 使い魔は風竜のシルフィード。実は絶滅したと思われている韻竜という種族で、人語を介する上にヒトの姿を取ることができる。 基本的に無口で無表情のため、交遊関係は狭く、友人と呼べる人物もキュルケくらいしかいない。 しかし数々の事件を通してルイズたちと触れ合い、彼女らとも友情を築いていった。 この性格は後述の苛烈な経歴によるものであり、本来は明るく快活な性格であった。 また、幼い頃に読んだ本の影響で、囚われのお姫様願望があったり、 自分をそこから救ってくれる勇者に憧れたりと年相応のささやかな夢も持っている。 無類の本好きかつ大食いで、好物はハシバミ草のサラダ。どっかの誰かと似ている気もするが、気のせいだろう。多分。 意外にも特技はサイコロ博打。 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険では主人公であり、彼女の関わった任務や生い立ちなどが語られる。 以下、ネタバレ 本名はシャルロット・エレーヌ・オルレアン。 ガリアの直系王族であり、現王ジョゼフは叔父にあたる。 父シャルルはジョゼフとの跡目争いの陰謀の末に暗殺され、 母はエルフの毒で精神を狂わされ、自分が娘に与えた人形をシャルロットとして認識するようになった。 彼女が使う『タバサ』という偽名は、この人形の名前である。 その後タバサは厄介払い同然にトリスティンへと留学させられ、ジョゼフの娘イザベラが治める北花壇騎士団の配下となり、 ガリアで厄介事が起きると都合よく呼び戻されて任務と称された汚れ仕事に利用されていた。 このことでジョゼフに対して強い復讐心を持つが、母の身柄を押さえられているため、仕方なく従っていた。 スレィプニィルの舞踏会(9巻)の際に、 ジョゼフの命により母の治療を担保にシェフィールドと協力してルイズを誘拐するよう仕向けられ、 才人と対決するが、彼に命を救われる。 そのことに恩義を感じ、命令を無視して才人に協力。ついにジョゼフに反旗を翻す。 そのことでガリアにおける身分を剥奪される。 そして母を救うために単身ガリアへ乗り込むが、エルフのビダーシャルと対立。 怒りと決意によってスクウェア・メイジに成長するも、敗北し、捕らえられる。 その後は母と同じ薬で心を奪われそうになるが、才人たちによって救出された。 このことで才人を英雄視するようになり、彼を仕えるべき『騎士』として崇めるようになる。 その後は才人にハルケギニアの読み書きを教えたりルイズの虐待から庇ったりと才人との触れ合いが増えていく。 ガリアとの決戦が近づくなかで、そのうち才人を男性として意識していくが、既に彼にルイズという恋人がいることに悩む。 しかし想いを止めることは出来ず、その想いを利用され、才人に化けたスキルニル(魔法人形)に唆されるままにガリア女王を宣言。 ロマリアの望む『聖戦』の旗頭として利用される。 ロマリア教皇ヴィットーリオの『虚無』でジョゼフが戦意を喪失した後に彼と対峙。 彼を殺すことこそしなかったが、復讐心を完全に濯いだ。 しかしこのときの才人の言葉で自分がロマリアに利用されていたことを悟り、激しい怒りを抱くも、あえてロマリアの思惑に乗り、 ジョゼフ亡きあとのガリア王位を継承。新たな復讐の機会をうかがう。 逃亡していたイザベラとも和解。 彼女の力を借りてロマリアとの戦いに備えようとしたが、 ロマリアに先手を打たれ、隠し子であった双子の妹、ジョゼットと入れ替えられる。 (ガリアでは双子は災厄の象徴とされていたため、二人の母親はジョゼットを修道院に入れた) 再び囚われの身となったが、才人たちに再び救出される。 しかしそこでハルケギニアの真実を知り、ロマリアの真の目的がハルケギニアの救済であることを知る。 そのため、女王の座はジョゼットに一時譲り、自分は才人の屋敷にメイドとして居候することになった。 色々あって吹っ切れたせいか、才人への好意を素直に表すようになり、才人のベッドに潜り込むわ肉布団になるわとかなり大胆になった。 現在はルイズとシエスタと才人を巡る戦いの最前線に立ち、日夜鎬を削っている。 追記修正宜しくお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] アニメ版では最後報われただっけ? -- 名無しさん (2014-11-22 21 25 09) 肉布団でかなり評判落としたよな -- 名無しさん (2015-02-03 19 38 00) ぶっちゃけハーレム入りは完全に余計だった -- 名無しさん (2015-04-14 03 58 47) 今じゃかなわないけど、原作者はどんな結末を彼女に用意してたんだろうな。 -- 名無しさん (2015-04-14 05 35 32) 過去エピソードが完全にクシャナ殿下のパクリなのが…… -- 名無しさん (2015-04-14 11 54 31) ↑2それが明かされるみたいだから活目して待て -- 名無しさん (2015-11-09 06 55 34) ほんとよくまあデコ姫に恨み持たなかったもんだ -- 名無しさん (2016-07-24 13 34 50) 考えが浅い一面はあったし、肉布団はそこまで変には思わなかった。ゼロ魔のヒロインは無駄にリアルな女の子だし -- 名無しさん (2019-04-22 15 18 31) どちらかといえば、才人に惚れないで他の誰かというルートがあれば幸せになれたんじゃないだろうか -- 名無しさん (2021-03-11 14 34 51) アニメでは割と早々に身を引く決意をつけてる風なあたり原作よりも好感あった -- 名無しさん (2022-06-23 15 00 31) 父親のことは敬愛していたけど、残念ながら娘が思うような善人という訳ではなかった。ある意味では憎んでいたジョゼフよりも人間としては汚い人物。本性を知ってしまったらどうなってたことやら。 -- 名無しさん (2023-03-19 15 06 17) シャルル大公(タバサ父)は王の座には執着してたけど、別にそれ以外で悪事とかはやってないし。裏でやってたのは根回しとか買収くらいで、父親から王に選んでもらおうと熱心に魔法の勉強とかして努力もしてたし。王になれなかったからって、兄を殺そうとかもしてない(嫉妬に狂って弟殺したのはジョゼフの方)が。そんなに汚い人間だっけ? -- 名無しさん (2023-03-19 15 39 39) ジョゼフはたとえ自分が魔法の才能が無くて弟に嫉妬してても殺すまでは何もしなかった。シャルルは能力も人望もあったけど、それでも王位欲しさに裏であれこれと工作をしてた。これが決定的な違い。たぶん、シャルルが選ばれなかったのは小細工なんてしなくても王になれたのに、正々堂々としない卑しさを前王が見たからなんだろうな。メイジの能力自体は実際には政治そのものには大して役に立たないのは作中でも実証されている。 -- 名無しさん (2023-03-19 17 08 17) シャルルが聖人君子ってわけでもないのは確かだが、ジョゼフは嫉妬で何の落ち度もない(と思っていた)弟殺して、その後も「殺せば悲しめるかもしれないから」とかいう理由で愛人殺したり、自分のことだけで国民の幸せなんぞ何も考えてないし。それでどっちの方が悪人かって聞かれても、ぶっちぎりで兄の方だろとしか思えないけどなあ -- 名無しさん (2023-03-19 22 46 10) 結果的にジョゼフは悪人になって、同じくシャルルの方は悪人にはならなかったけど、もし生きていたままだったら、それまで根回しで味方につけた家臣たちの暴走とかで結果的に悪人にされてただろうな。家臣連中もジョゼフを簒奪者呼ばわりして事実をねじ曲げたりしてたから、シャルルに王位の簒奪を唆してた or 仕向けてたかもしれない。 -- 名無しさん (2023-03-24 13 32 41) 裏社会で生きてきたけど宮廷という世界の闇はもっと深かった -- 名無しさん (2024-03-28 10 01 22) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/animeoped/pages/51.html
ゼロの使い魔~双月の騎士~ ぜろのつかいま~ふたつきのきし~ 監督:紅優 シリーズ構成・脚本:河原ゆうじ キャラクター原案:兎塚エイジ キャラクターデザイン・総作画監督:藤井昌宏 音楽:光宗信吉 アニメーション制作:J.C.STAFF オープニング テーマ曲:「I SAY YES」作詞:森由里子 作曲:坂部剛 編曲:新井理生 歌:ICHIKO エンディング テーマ曲:「スキ? キライ!? スキ!!!」作詞:森由里子 作曲・編曲:新井理生 歌:ルイズ(声:釘宮理恵) TVアニメ「ゼロの使い魔~双月の騎士~」サウンドトラック I SAY YES [Maxi] スキ?キライ!?スキ!!! [Maxi] 2007年 作品名:せ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4462.html
この戦いは、彼の望んだものではなかった。 『魔竜』シューティングスター。 火竜山と呼ばれる活火山地帯に生息。四枚の剛翼に金色の瞳。紅の竜鱗が、火山の一部と見紛う巨大な体躯を覆う、畏怖の象徴とされてきた『五色竜』の赤。 ロードス島にまだ魔法王国が栄えていた古い時代、時の太守によって、秘宝『支配の王錫』を守護するため火竜山に呪縛された、古竜(エンシェントドラゴン)。その古竜が、今まさに、死の淵に足をかけていた。 (くそっ、こんな棒切れ、俺にはどうでもいいのだ!) 黒衣の騎士の、黒く禍々しい大剣に斬りつけられるたび、思考が千々に乱れる。 『魂砕き(ソウルクラッシュ)』。名の通り、精神を削り取り魂を砕く漆黒の魔剣。 傭兵の男の剣は、鋼をも拒む竜の鱗を、易々と斬り裂いてくる。 『ソリッドスラッシュ』。どんな強固な鎧をも羊皮紙のように切り裂く、物理防御を無視する魔剣。 相手の恐怖を増幅させ、魂と精神を萎縮させる竜の咆哮は、戦神神官の謡う『戦の歌』が。 岩盤をも溶かす灼熱のブレスの奔流は、慈愛神官の神聖魔術『ファイア・プロテクション』によって、ことごとく防がれた。 ならば神官どもを先にと、巨大なかぎ爪を振るうも、プロテクションやシールドなどの支援魔術により強化された前衛が、死に物狂いで守護。その間にも、二本の魔剣によって無視できないダメージが蓄積されていった。 駒を使った盤上ゲームでいう「詰んでいる」状態。もはや魔竜の敗北は必至だった。だが、太古にかけられたギアス(制約)の呪縛により、支配の王錫の守護を放棄しての逃走は許されない。過去に一度、火竜山からの移動を試みるも、ある程度離れると耐え難い苦痛が魔竜を襲ったのだ。 (死ぬのか? このままあの棒切れの為に俺は死ぬのか!?) 人間どもを追い詰めるとロクな目に遭わないという事は、ギアスをかけられた古代魔法時代の経験から、魔竜は身をもって学習していた。なので、火竜山とその周辺の平原、火竜の狩猟場と呼ばれるテリトリーを侵した者以外は襲うことなく、長い時間をおとなしく過ごしていたのだ。 秘宝『支配の王錫』をめぐる、ロードスの英雄達による争奪戦。ギアスのおかげで、それに巻き込まれただけ。 (動け! 動いてくれ翼よおおおお!! このままでは……このままでは……!!) ギアス発動。全身の鱗の隙間に剣を突き立てられたが如く襲いくる鋭い痛みに、のたうち回る魔竜。 それを隙と見たハイエルフの娘は、大地の精霊王を召喚。ベヒモスの起こした地割れはシューティングスターを飲み込み、その動きを完全に封じた。 (下等生物がああああああああああああ!!) 怒りの咆哮が火竜山を揺らした。 トリステイン魔法学院屋外。進級試験の科目『召喚の儀式』。 周りを取り囲むギャラリーの中心に立ったルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、タクトを構えると小さく息を吐いた。 小柄で凹凸のない体躯。風に揺られる桃色の髪。度重なる魔術の失敗に、ついた二つ名は『ゼロのルイズ』。 面白半分どころではなく、面白3/4程度を含んだ期待の眼差しを360度から受け、その身を震わせた。 (緊張? ……違う。恐れ? ……違う) 今までバカにしてきた連中を見返してやる、チャンスの時が訪れたのだ。 今日この日までにたくさん勉強した。体調は良好。魔力も身体の全身に行き渡り、漲っている。 「召喚の儀式だけは自信がある!」 と見栄を張った以上、貴族の誇りにかけて成功させねばならない。 「さぁ、早く私のサラマンダーより凄い使い魔とやらを呼んで見せてよ?ルイズ」 ルイズとは対象的な、メリハリのあるボディをわざとらしくくねらせ、挑発をする長い赤髪の女。沸点が低く、からかいがいのあるルイズは、常日頃、彼女、キュルケの恰好の玩具と化していた。 「うるさいわね! 言われなくても呼んでやるわよ! そんなしょぼい火トカゲなんかメじゃない、すんごいのをね!」 「それはそれは楽しみだわ。うふふ♡」 (馬鹿にして! 馬鹿にしてぇ……!) 怒りをタクトに乗せ、詠唱を開始。 「宇宙の果てのどこかにいる私のシモベよ!」 ハァ? 聞いた事もない無茶苦茶な呪文の詠唱に、周りのギャラリーの顔が、一瞬ぽかーんとなる。そしてすぐに嘲笑へ。 「サラマンダーより早ーい! 強い! 大きく! 美しい! 強力な使い魔よ!」 周りを気にせず詠唱を続行。魔術にとって呪文など、自分を騙せて、魔術が扱いやすい身体に切り替えれればなんでもいい。無詠唱で魔術を行使できる者もいる事から、それは証明されている。要は気持ちなのだ。そしてルイズの込めた気持ちは、怒り。 「私が心より求め訴えるわ! 我が導きに答えなさい!」 静寂。 震える空気。 そして閃光。 大爆発。 会心の手応えをルイズは感じる。 (私は間違いなく、キュルケの使い魔を上回るモノを呼び寄せた!) 「な、な、な……なんなのこれ……た、タバサ!?」 片時も本を手放さない水色ショートヘアのメガネ少女に、キュルケは後ずさりながら意見を求める。教師であるコルベールですら、目の前に呼び出されたモノを理解する事ができずに硬直していた。 「……どう見ても火竜。大きさからしてかなり上位。……手負いみたい」 タバサと呼ばれた、ルイズと似たような体躯の文学少女は、キュルケを一瞥すると、自らの使い魔である風韻竜のシルフィードに飛び乗った。 「……いざとなったら全力で逃げて。幼竜のあなたじゃ何もできない」 いつでも魔術を行使できるよう、険しい顔つきでロッドを握り締める。他のルイズを囲んでいた生徒達は、動く事はおろか、声をあげる事すらできなかった。 ただ一人、ルイズだけが、歓喜に瞳を輝かせる。 学院の外壁を、完膚なきまでに押し潰して横たわる赤い山。その赤い山が、ゆっくり、ゆっくりと、隆起した。 シューティングスターは、起こった出来事を理解することができなかった。 意識を失う寸前に見た最後の光景は、心臓を目掛けて魔剣を突き出す男の姿。遠のく意識に死をも覚悟した。しかしどうだ。意識が戻ってみると、火竜山とは全く異なる場所。 (俺は……生きているのか? ここは何処だ? 空間移動の魔術かなにかをかけられた? ギアスは?) 人間どもに囲まれているという状況は変わらないが、魔剣の騎士や傭兵、ハイエルフの娘や神官どもなど、彼を死に追いやるほどのツワモノは消え失せていた。代わりに存在するは、怯えきった目で彼を見上げる小さな人の子ばかり。 (格好から見るに、この集団は魔術師か? 子供とはいえ警戒を解く理由にはならん) 過去に、人間を快楽のため虐殺し、追い詰め、魔術師にギアスという手痛い土産を貰ったことを思い出す。 (こやつ等の目的が何かは知らんが、身体は……動かんか。状況はまったく変わってないな……) 金色の瞳の片方は無残にも潰れ、四枚の大翼はズタズタに裂けていた。紅の竜鱗は傷ついていないものを捜す方が難しい状態。今は現状把握と回復に努める他はない。その現状把握に努めた結果、ある事に気付いた。 今まで忌々しく響き渡っていた、戦神神官の『戦の歌』が聞こえない。ということに。 戦の歌とは、戦神の加護により、闘う者達を恐れ知らずの兵へと変え、肉体の限界を引き出し、精神に対する状態異常を無効化する神官スキルだ。 せめてもの悪足掻きと、首をもたげた魔竜は迷わず肺胞に酸素をとりこんだ。 「……危ない!」 火竜の動作からファイアブレスを予測したタバサは、雪風の二つ名に恥じない吹雪を、生徒達と魔竜の間に発生させた。轟音と共に吹き荒れる凍気。 結果から言えば、タバサは判断を誤った。だが、咄嗟にとった行動は、僅かながらに成果を上げた。 火竜が放ったのは、ファイアブレスなどではなく咆哮。 緊急事態と判断した学院長が発動させた、秘宝『眠りの鐘』の音はかき消され、学院の窓ガラスという窓ガラスを全て砕き、衝撃で学び舎は大きく震える。 ドラゴンズ・フィアー。音の衝撃に加え、敵対者の精神を挫く竜の雄叫び。 巻き起こった吹雪のあげる轟音が、幾分かは軽減したが、間近にいた生徒は無事ではすまなかった。鼓膜の破裂。身体の麻痺、昏倒。恐怖で発狂した生徒もいれば、魂魄を砕かれ即死した生徒もいた。各々の精神力に応じて様々な状態異常に襲われた生徒達は、一瞬にして恐慌状態へと陥り、もはや魔竜をどうこうできるという状態ではなくなっていた。 (これでしばし時間稼ぎができるか) 再びうなだれうずくまる魔竜。 ドラゴンズ・フィアーにからめとられたシルフィードは落下し、中空へ放り出されたタバサは、なんとか受身を取るも、それ以上は身体が痺れて動けず、転がるに任せる。何かにぶつかって止まったので、なんとかギリギリと首を横にめぐらせると、それは意識を失いぐったりと横たわっていたキュルケだった。 「すごい……! すごいすごいすごい! あはははははははは!」 咆哮の直前に抱いていた歓喜の感情が、恐怖による精神攻撃を緩和したのか。笑いながら吹き飛ばされて転がったルイズは、すぐさま起き上がると、猛然と魔竜の足元まで走り抜けた。 思うはただ一つ。 「こんな大物を逃がしてなるものですか!」 前足にとりついたルイズは素早く爪先に口付けると、コントラクトサーヴァントの魔術を詠唱。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と成せ!」 口付けをした前足に、あっさりとルーンが刻まれ契約完了。 傷による苦痛で動くことかなわぬシューティングスターは、これ以上の抵抗をあきらめた。 「……わたしルイズ。ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。あなた、言葉はわかる?」 恐る恐る尋ねるルイズに、獣の唸り声のような低い音で、シューティングスターは答える。 (俺をここへ呼んだのは貴様か? 何が目的だ?) 「!? ……わかる! あなたの言葉がわかるわ! えぇ、えぇ、使い魔として確かにわたしが召喚したわ!」 竜言語(ドラゴンロアー)。相手の精神に直接意思を伝える高等言語。咆哮はこれを応用したものだ。 (使い魔? 貴様この俺を使役しようというのか?) 「とくに不自由させるつもりはないわ。あなたに炊事洗濯とかできるとは思ってないしね」 (ではどうするつもりだ?) 「それよりもあなた名前は? さっきのやつの他にどんなことができるのかしら!? サラマンダーより強い!?」 熱に浮かされたかの様に紅潮し、一気にまくしたてるルイズ。 あっけにとられたシューティングスターは、とにかく今は回復に努めたかったので、時間稼ぎを兼ねて質問に順番に答えてあしらうことにする。 (人間どもにはシューティングスターと呼ばれていた。俺にできることは、焼き尽くし破壊することだけだ。今は手負いだが、それでもサラマンダーごときに後れはとるまい) 「ホント!? ホントホント!?」 (あぁ) 再び輝くルイズの瞳。キョロキョロと凄惨な現場と化した学院の周囲を見渡し、気絶し倒れているキュルケを発見。 「あはははは! 聞いた? どうやらわたしの使い魔は、アンタのしょぼい火トカゲなんか問題にもならないそうよ? ちょっと聞いてるのキュルケ!」 横たわるキュルケの脇腹に、振りかぶった脚の爪先を食い込ませるルイズ。キュルケは抵抗することなく、身体がくの字に折れ曲がって転がった。 「ルイ……ズ?」 隣で麻痺から抜け出せずにいたタバサが、信じられないといった目でルイズを見上げる。 「よくも!」蹴る。「今まで!」蹴る。「散々!」蹴る。「馬鹿に!」蹴る。「してくれた!」蹴る。「わよねぇ!」蹴る。 「ゲホッ! ゲホッ!」 「あはははははははは!!」 気の済むまでキュルケを痛めつけたルイズは、血の混じった咳を吐くキュルケを一瞥すると、今度はタバサに向き直った。 「……うぅっ」 敵意を持つ者を前に、身構えたくても身構えることのできない恐怖。必死に身体を動かそうと努力をしたが、どうやら身じろぎ一つが限界。観念したタバサは、きつく目を閉じた。だが、いつまで経っても暴力という嵐はやってこない。 恐る恐る目を開けたタバサは、そこで軽い眩暈に襲われる。 「あなたはこの学園の生徒でただ一人、わたしを馬鹿にしなかったわ。だから許してあげる」 足元に立つルイズ。その混濁とした瞳を垣間見たタバサは、悟ってしまったのだった。 あぁ、ルイズはあの時の咆哮で、既に狂ってしまっていたのだと。 召喚の儀式によって死者まで出してしまったこの事故は「魔物を呼び寄せる以上、このような事故は想定済み」という学院長の言により不問とされた。 キュルケも何本かの肋骨の骨折で済んだが「咆哮により吹き飛ばされた際に怪我を負った」と証言し、タバサとともに、それ以上は口を閉ざした。彼女なりに思うところがあったらしい。 ルイズの気持ちを考えない自分の軽薄な態度が、あそこまで彼女を追い詰めていたなんて思いも寄らなかったのだ。 当のシューティングスターは、古竜のもつ超再生能力により、一晩で翼膜が生成され、二晩で鱗が生え変わり、三日で潰れた片目が治癒。四日目で折れた角も治り、すっかり完治したが、この四日間で、以前の気性の荒さは失せ、おとなしくルイズに従っていた。 使い魔の儀式による、主人にある程度友好的となる効果もあるが、曰く、死にかけていたところを救ってくれた命の恩人であり、数百年にわたって身を苛ませていたギアスから解放してくれたことは、何事にも勝る喜びらしい。 それからさらに数日後。 学院に訪れたアンリエッタ王女に、古竜を従えた実力を買われて密命を下されたルイズだったが、平然とこう言い放った。 「大丈夫です姫さま。如何にトリステインが小国といえども、わたしとシューティングスターがいます」 「……え?」 「望まぬ政略結婚などせずとも、姫さまを悩ますアルビオンの反乱軍は、シューティングスターが皆殺しにしてみせます」 「え……? え? え……?」 「反乱軍を一晩で焼き払い、全滅させれば、他国とてトリステインを侮る事もなくなるでしょう。シューティングスターにはその力があります。そうすれば姫様も政略結婚などせずにすみますし、笑顔でいてくれますよね?」 「ルイ……ズ?」 王女に背を向け、部屋の扉を開け放つルイズ。 「お待ちなさいルイズ!」 振り返るルイズ。その混濁とした瞳を垣間見たアンリエッタは、かつてその瞳を覗いたタバサと同じく、言葉を失った。 「では行ってまいります!」 サイズが大きすぎる為、学院寮の外で待機を命じられ寝そべっていたシューティングスターは、しきりに話しかけてくるタバサの使い魔、幼竜のシルフィードの愚痴に相槌を打っていた。 「で、タバサお姉さまは人前で喋るなって言うのよ! シルフィ、もっといろんな人とお話したいのに!」 (いつだって竜は、人にとって畏怖の象徴なんだよ。お前の主人は、そんな目でお前が人間どもから見られ、迫害されることを恐れているのだろう) 「迫害……? そういえばここに来た時ボロボロだったけど、アレも人間がやったの?」 (あぁ。俺が嫌々守らされてた棒切れ欲しさに、集団で押しかけてきたのだ。……っと、御主人様のお出ましだ) ルイズの接近を感知したシューティングスターは、横たえていた身体を起こした。小山ほどの大きさの体躯が、起き上がることで山となる。 「お出かけよ、シューティングスター。翼はもう大丈夫?」 (問題ない。ということでお出かけだそうだ。またな嬢ちゃん) 「うん! またシルフィとお話してねー!」 ルイズのマントの端をひょいと咥えたシューティングスターは、首を持ち上げて上へ放り投げた。 器用に魔竜の頭の上へ着地したルイズは、角を掴んで伏せる。 「これからアルビオンというところへ行って貰うわ。方角は大体あちらの方よ」 (心得た) 巨大な四枚の翼を展開すると、辺り一面が日陰に覆われ、凄まじい風圧が発生する。軽く羽ばたき、翼に風をはらませた瞬間、一気に垂直に飛び上がった。 ある程度の高度に達したのを確認すると、ぎりぎりまで引き絞られた弓から放たれた矢の如く、ルイズの指し示した方向へ加速。 「あはははは! すごいすごい! 名の通り、まるで流星ね! あはははははははは!!」 王女がルイズに同行させようと連れてきた、グリフォンを使い魔とする騎士は、無視して置いてきた。 シューティングスターに脅えきったグリフォンが、使い物にならなかったのだ。 もとよりグリフォンとシューティングスターとでは、飛行速度が這い這いの赤ん坊と全力疾走の大人以上に開きがあるので、足手纏いにしかならない。 (黙ってろ。舌を噛むぞ) 「あはははははははははははははははは!!」 ギアスを気にせず大空を自由に舞えることが、シューティングスターの全身を喜びで満たす。主人の御機嫌も良好だ。最短距離を一気に飛翔し、一日とかからず浮遊大陸アルビオンに到着してしまった。 (何か出てきたが、あれはなんだ?) 「あれは敵よ! 思いっ切りやっちゃって!」 (耳をふさいでろ) 出迎えにきた飛空挺部隊を咆哮で一蹴。後から続々と出てきた小型艇は、シューティングスターの飛行により発生する竜風圧によって、乱気流に巻き込まれて叩き落とされた。続けて現れた迎撃艇には、灼熱のブレスを浴びせて沈黙させる。 ほんの僅か。お茶も飲めないほどの僅かな時間で、反乱軍は壊滅的な打撃を受けていた。 「脆い! 脆いわ! あはははは! 死ね死ねー! 姫さまの笑顔を曇らせる輩はみんな死んでしまえ! あはははははははは!!」 魔竜の勢いは止まらない。そしてルイズの中で加速する狂気も。 流星を従えし狂える王は、大きく手を振りかざし、眼下の豆粒に向かってその手を振り下ろしながら、臣下に似た咆哮をあげた。 「なぎはらえー!」 ○________ なぎはらえー | |\\ ||. .|| //| /イ | l\\\||. .|l///| ./// __ ィ ,. -――- 、 | | 二二二二二二二 !// / / ∟/ \. | l///||. .|l\\\|/ / / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./ / / l l l lハ | |// ||. .|| \\l / ト、 ,.  ̄ ̄Τ 弋tァ― `ー / l从 |メ|_l l_.l斗l |ヽ V | | ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄ | イ ヽ \__∠ -――く __ .Z¨¨\ N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\| / / | / ! ヽ ∠____vvV____ヽ < ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐ . \ / / \ / l. \\_____ivvvvvvvv| V. ( ( /Tえハフ{ V ‐一 '´ / __. -―=-` / / l l \! | / 入_.V/| >-ヘ \ ∨ ∧ ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ / / / l. l __ |\ l/V _{_____/x| (_| __ノ }ィ介ーヘ / ,.-‐ ' ´ / ____  ̄ ̄フ ∧ l )-ヘ j ̄} /| /___/xx| _Σ___/| | |V ノ/ ∠___ { / `< / \| { V /`7. /___./xXハ ( | ハ >' ____ 二二二二二二> / __ 〈. \_ |/ /___l XX∧ __≧__ / ∧/ `丶、 / { {____ハ } | ヽ /____|ⅩⅩ∧ __|__L.∠ ム' <`丶 、 `丶、 / \_____/ / | ', { |ⅩⅩⅩ ' __ ∧ l\ \ 丶、 ` 、 ∠ -――- ..____ノ / ノ } l ̄ ̄ ̄.|Ⅹ ' ,. '  ̄ / .// / V' \ ヽ `丶\/ / / ∧ { \ | .| ' / // / / ', l \ ヽ ,.-――┬ \ / 入ノ. ヽ く ヽ______7 ー―∠__ 〃 l / l l \V ヽ \ ,. '´`ー′ \ `< | { / | /〃 |/ __V/ ̄| ̄ ̄{_ \_ ` < \ `' ┴ヘ { .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' | / ノ`y‐一' >、_/ / ̄ 7丶、_ 丶 \ ヽ /`ー「と_し^´ | | } ム-‐' / / \_/ / / ヘ \ ヽ _>-ヶ--∧_} ノ j /` 7 ̄ ̄ ̄{ (  ̄ ̄`ー‐^ーく_〉 .ト、_ ', / 人__/ .ィ {__ノ`ー' ヽ 人 \__ { } | V 人__/ / | /  ̄{ ̄ >‐ ァ-、 \ 〉ー} j { / ./ ∨ __  ̄ ̄ -</ / ̄ ̄ 廴ノ ' <ヽ__ /し / < )__ \ _r‐く___/ / < ) \ {__ノ / Y__>一' / ___r―、_\ >' `ー' ,. ´ >.、 \__ノ { ∠二)―、 `ー‐┐ ∠ ∠_r‐--― <__ ∠ )__ \_ ∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|> ∠)__r―――-― ..__{> ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{> 終 戻る
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/406.html
―眼を開いた時、彼の眼に飛び込んできたものは満天の青空だった。 青空・・・? バカな・・・オレはさっき死んだハズだ 延髄を「ブッ刺されて」よォォ・・・! そうだ、覚えている・・・奴らの『覚悟』に負けたことを 「―何だァ~?・・・っつーことはよォォ・・・ ここは天国・・・いや 地獄ってわけかァ?」 爆風の中から現れた男はよく解らないことを呟いている。それを認識したルイズは、しかしその認識を疑わざるを得なかった。 爆風の、中から、現れた、男? 男・・・つまり人間。人間・・・つまり? 現れた男は・・・どうみても貴族には見えなかった。つまり。 平民。平民を召喚してしまった。 「冗談でしょ・・・?」愕然として呟くルイズに、周囲から更に追い討ちがかかる。 「あいつ、平民を召喚しやがった!」 「サモンサーヴァントで平民を召喚するなんて聞いたことないぜ!」 「流石はゼロのルイズ!俺たちに出来ないことを平気でやってのけるッ!」 「そこにシビレないし憧れもしない」 しかしルイズはそれに怒るどころではなかった。強くて美しい使い魔を召喚すれば、散々自分を バカにしてきた奴らを見返すことが出来る。家族に胸を張って会うことが出来る。 彼女はそれを期待していたし、自分ならきっと召喚出来るという根拠の無い 自信もあった。それが、こんなヘンな髪型の平民を召喚してしまうなんて! ―とりあえず、彼は状況を把握することにした。 「城・・・いや砦か?よくわからねーが・・・ここはその中庭って所か? いよいよ天国じみてるじゃあねーか!ええおい?」 そこまで考えて彼は前方を見る。ド派手な髪の少女がそこに立っていた。 「・・・天使にゃあ見えねーな」 そして彼はふと思いつく。もしかしてこれはスタンド攻撃ではないか?既に死に体だったはずの自分をわざわざ攻撃してくる理由など無いとは思ったが、警戒するに越したことはないと彼は判断した。 ルイズは覚悟を決めて―というよりは全てを諦めて―男に話しかけた。 「・・・あんた、誰?」 ドグシャアア!! 言い終わる間もなくルイズは首根っこをつかまれ、そのまま地面に叩きつけられた。 「いっ・・・!!な・・・何をするのよ!貴族にこんなことをしてただで済むと・・・ 痛ッ!?」 叩きつけられたものではない―焼け付くような擦り切れるような名状しがたい痛みを感じて、ルイズは首をつかんでいる手を見る。 「何よこれ・・・ まさか・・・魔法・・・!?」 男の手を中心に、ルイズの体は首から胸にかけて完全に凍っていた。 「ここはどこだ?てめーはオレに何をした?3秒で答えな・・・首をブチ割られたくないならよォォ」 ルイズは一瞬で理解した。冗談で言っているんじゃあない、こいつの眼にはやると言ったらやるスゴ味がある! 「こっ、ここはトリステイン魔法学院で!あんたは私が召喚したのよ!!」 ・・・ 数瞬の沈黙が流れ。 「魔法だと?てめー・・・イカレてるのか?それともバカにしてんのかァァ~?」 「う、嘘じゃないわ!ここはトリステイン王国のトリステイン魔法学院であなたは私が サモンサーヴァントで召喚した使い魔なの!!」 「・・・つまり ここは魔法の学校で てめーはオレを魔法で呼び出したってワケか?ガキ」 「そっ、そうよ!解ったのなら早く手を―」 「・・・ブチ・・・割れな・・・」 「なッ!?」 尋問は失敗、このガキは死んでもオレに何かを喋る気はねーらしい。男はそう判断したようだった。しかし首に力を入れようとしたその時、男の鼻先をかすめてサッカーボール大の火球が地面に激突した! 「何だァァ~?スタンド攻撃かッ」 男が火球の射出地点とおぼしき場所に眼を向けると・・・そこには燃えるような長髪の少女がいた。 「何だかよく分からないけど・・・あなた、その子から手を放しなさい!さもないと容赦しないわよ!」 「キュ・・・キュルケ・・・」 バッ! 「容赦しねェだとォォ~~?なめてんのかァーーッこのオレをッ!!」 男がルイズを投げ捨てて立ち上がると、その体からは壮絶な冷気が噴き出しはじめた。 「いいだろう てめーら全員氷づけにしてからゆっくり尋問するのも悪かねーッ」 そして男は自らの力を―スタンドを、発現させる。 「ホワイト・アルバムッ!!!」 戻る 次へ
https://w.atwiki.jp/steve600/pages/351.html
釘宮理恵の主人公ボイスが話題を呼んだ「ツンデレアニメ」(笑)。基本的に世界観が中世ヨーロッパに近いが、設定上貴族のため一部名前が長いキャラは端折っている。第三期まで含む。 アニエス・ミラン(アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン) アンリエッタ・トリステイン(アンリエッタ・ド・トリステイン) イザベラ・エレーヌ エレオノール・ラヴァリエール(エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール) カトレア・ラヴァリエール(カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ) キュルケ・ツェルプストー(キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー) クリスティナ・オクセンシェルナ(クリスティナ・ヴァーサ・リクセル・オクセンシェルナ) ケティ・ラ・ロッタ(ケティ・ド・ラ・ロッタ) シェフィールド・ミョズニトニルン(ミョズニトニルンは「虚無の使い魔」としての名) シャルロット・エレーヌ(タバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン) ) シルフィード・イルク(シルフィードは使い魔としての名、イルクは同族間での呼び名「イルククゥ」から) ティファニア・ウエストウッド ベアトリス・クルデンホルフ(ベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クルデンホルフ) マチルダ・サウスゴータ(マチルダ・オブ・サウスゴータ) ミシェル・ガナーズ(アニメ版オリジナルキャラクターでミシェルという名前のみしか設定がなかったが、銃士隊副官ということでガンナーズ=ガナーズに) モンモランシー・ド・モンモランシ(モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ) ルイズ・ラヴァリエール(ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール)
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/626.html
翌日。いつものようにフレイムをギアッチョの監視に行かせたキュルケは、彼らが馬に乗ってどこかへ出掛けた事を知った。ここ数日でギアッチョを危険だと感じた事はなかったし、もうぶっちゃけ監視とかしなくてよくね?時間の無駄じゃね?と思いつつあったキュルケだが、学院外に出るという今までに無いパターンだったので念の為もう一日だけ監視を続行することにする。 キュルケが急いで支度を済ませて廊下に出ると、ルイズの部屋の前で棒立ちしていた男と眼が合った。松葉杖をつき、服の下からは包帯が見えている。ギーシュ・ド・グラモンその人であった。 「・・・あなた何してるの?」 キュルケはいぶかしげに尋ねる。 「・・・や、やあキュルケ ちょっとルイズに用があるんだが・・・まだ寝てるのかここを開けてくれなくてね・・・」 ギーシュはばつの悪そうな顔をしながら答えた。 「用?あなたがルイズに?またあの子に何かしようとしてるんじゃないでしょうねぇ」 「そ、それは違う!僕はただルイズに謝ろうと・・・」 聞けばギーシュは二股をかけており、そいつがバレた上にビンタでフられてムカムカしていたところにルイズとぶつかってモンモランシーの為の香水がブチ割れて、彼は怒りで周りが見えなくなってしまったのだという。 「・・・呆れた 完全に逆恨みじゃない あなた貴族としてのプライドってものがないの?」 二股のくだりだけはキュルケに文句を言われる筋合いはないはずだが、概ね正論だったのでギーシュは黙って耐えた。 「それで、謝りたくてやって来たんだが・・・」 「ルイズならもういないわよ」 「な、なんだってーーー!?」 物凄い顔で驚くギーシュにキュルケは溜息を一つついてから、 「ルイズと一緒にギアッチョもいるんだからどっちか一人は気付くでしょ 常識的に考えて・・・」 とのたまった。その「ギアッチョ」という言葉に、ギーシュの体がビクリと反応する。 「・・・そ、そそそういや彼もいるんだったねぇ・・・ハハハ・・・ハ・・・」 ギーシュにとってギアッチョは相当トラウマになっているようだった。ヒザが滑稽なぐらいガクガク笑っている。 あんな目に遭っておいてトラウマになるなというほうが無理な話ではあるが。 「私はこれからタバサに頼んでシルフィードでルイズ達を追いかけるつもりだけど・・・あなたはどうする?」 キュルケの助け舟に、「是非とも一緒に・・・」と叫びかけたギーシュだったが、 「・・・ちょ、ちょっと待ってくれたまえ ルイズ『達』ということは・・・」 「勿論ギアッチョもいるわよ」 ビシッ!と心臓が凍った音が聞えた。ギーシュは「・・・あ・・・あう・・・」とまるで懲罰用キムチでも食らったかのように呻いている。 そんなギーシュを見てキュルケは更に溜息を重ねると、 「どの道ギアッチョはルイズの使い魔なんだから、いつでもあの子と一緒にいるでしょうよ ルイズが一人になる隙をうかがうよりは今特攻したほうがスッキリすると思うけど?」 生きていればね、と小さな声で付け加えてギーシュを見る。 「き、聞えてるぞキュルケ!やっぱりダメだ・・・ここ、こっそりルイズに手紙を渡して人気の無いところへ呼び出して・・・」 常軌を逸した怯え方である。殺されかけたという事に加えて、自分の魔法をことごとく破られ跳ね返されたという事実が彼の恐怖を加速させていた。 キュルケは呆れを通り越して哀れになってきたが、いい加減出発しないとシルフィードでもルイズ達を見失うかもしれない。 これを最後にするつもりでキュルケはギーシュに発破をかけた。 「あなた少しは男らしいところ見せなさいよ こんなところをあの使い魔が見たらまた『覚悟』が無いとか言われるんじゃあないの?」 「――!」 その言葉に、ギーシュは動きを止めた。彼は何かを考え込むようにわずか沈黙し、真剣な眼でキュルケを見る。 「・・・ねぇ君 『覚悟』って一体何なんだろう」 先ほどまでのヘタレ具合とは一転、彼の眼には苦悩の色が浮かんでいた。 「あの男――ギアッチョに言われたことがずっと耳から離れないんだ 『覚悟』って何なんだ?彼と僕と、一体何が違うんだ? ギアッチョと僕を隔てる、絶対的な何かがあるのは解る だけど一体それが何なのか、いくら考えても答えが出ない」 ギーシュの懊悩は、キュルケには解らない。あの男の真の凄み、そして恐ろしさは、対峙してみなければ理解は出来ない。ギーシュはそう知りつつも、誰かに疑問をぶつけずにはいられなかった。例えギアッチョと同等の能力を持っていたとしても、 自分は永遠に彼に勝つことは出来ない。そうさせる何かが、あの使い魔にはある。 自分にはそれがない。その事実がただ悔しかった。 「あの決闘で――自分がどれほど自惚れていたのかを思い知らされたよ」 ギーシュはうつむいて言葉を吐き出す。 「・・・そして どれほど愚かだったのかも」 なまじっか顔と成績がいいばっかりに、高く伸びていたギーシュの鼻をヘシ折れる生徒は存在しなかった。そのギーシュを完膚なきまでに叩きのめしたのは、タバサでもキュルケでも、マリコルヌでもモンモランシーでもなかった。 ゼロと蔑まれていた少女、その人間の、しかも平民の――加えて言うならば顔もよくはない――使い魔だったのである。 ギーシュのプライドは粉々にブチ割れた。そして同時に、自分がどれほど他人を見下していたかを理解した。 「こんな屈辱に――ルイズはずっと耐えてきたんだ ・・・僕は 僕はどうしようもなく馬鹿だった」 彼女に謝罪しなければならないと言うギーシュの眼は、紛れもなく本気だった。 タバサはキュルケ達の頼みを快諾した。他でもない唯一の親友キュルケの頼みだという事もあるが、あのギーシュがそりゃもうジャンピング土下座でもしそうな勢いで頼み込んで来たのである。 それも己の利益の為ではなく、純粋に少女への謝罪の為とくれば、いくら虚無の曜日とはいえタバサも力を貸すにやぶさかではなかった。 そういうわけで彼女達は今タバサの使い魔である風竜、シルフィードに乗ってルイズ達を追っている。竜の背中でタバサは中断していた読書を再開し、キュルケはしきりとシルフィードを褒め称え、ギーシュは勢いで飛び出してきたもののやっぱりギアッチョが怖いらしく、時折キュルケの口からギアッチョの名が出る度にビクビクと震えていた。 「ギーシュ あなたいい加減腹をくくったら?」 ちょっと男らしい事を言ったかと思えばこれである。キュルケはまたも呆れていた。 「そ、そんなこと言ったって怖いものはしょうがないじゃないか!自分の魔法で全身蜂の巣にされる恐怖が君に分かるかい!?」 ギーシュがまくし立てると、 「自業自得」 タバサが活字に眼を落としながら呟く。それを聞いたキュルケが思わず噴き出し、ギーシュはもういいよとばかりにがっくりと肩を落とした。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/32464.html
登録日: 2015/07/01 Wed 23 58 36 更新日:2021/04/22 Thu 19 06 22 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 MF文庫 スピンオフ ゼロの使い魔 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 タバサ ヤマグチノボル ライトノベル 外伝 わたしは人間なの。だから人間の敵は倒す……それだけ。 ゼロの使い魔外伝・タバサの冒険とは、 ヤマグチノボル原作のライトノベル『ゼロの使い魔』の登場人物・タバサを主人公にしたスピンオフ作品である。 既巻は3巻。 今拓人によるコミカライズもされている。ただし途中から原作9巻から10巻のアーハンブラ編へとシフトする。 【あらすじ】 本編の舞台となるトリステイン魔法学院に通う少女タバサは、 実はガリア王国の暗部の汚れ仕事を請け負う秘密組織『北花壇騎士団』の一員であり、本名をシャルロット・エレーヌ・オルレアンと言った。 タバサはガリア王国の傲慢な王女イザベラの命を受けて、様々な困難な任務に狩りだされる。 しかし、タバサは文句ひとつ言うこともなく、無理難題の任務の数々をこなしていく。 そこにはタバサの生家と王家の血塗られた因縁が隠されていた―― 【概要】 基本的に、任務を与えられたタバサが現地へ赴いて現地の人たちと交流しながら任務を果たしていくという一話完結方式をとっている。 だが中にはシルフィードを主人公にしたものや、タバサの過去編も存在しており、タバサという人物をいろいろな方向から掘り下げていっている。 本編とはリンクしており、それぞれの話が本編のどのあたりの出来事なのかをわかるようになっている。 イザベラは後に本編にも登場。本作のエピソードや登場人物はいずれも人気の高いものが多い。 【主な登場人物】 タバサ トリステイン魔法学院に通う2年生。ガリアからの留学生であり、小柄な体と青い髪と目を持ち、二つ名は『雪風』 本来はガリアの王家の一門であるオルレアン家の娘であるが、現在その地位は剥奪されていてタバサは偽名である。 母の心を魔法の毒物で狂わされており、その解毒剤を手に入れるためと復讐のために、いかなる危険な任務をも受けている。 性格は無口で人付き合いを自分からはしないタイプ。 しかし情には厚く、任務の達成には遠回りになるとわかっていても人命や心を優先した作戦をとることもある。 反面、隠れドSなところもあり、普段はおとなしく見えてもちゃっかりえげつない手段で意趣返しをすることもある。 シルフィード タバサの使い魔で、2年生昇級の『使い間召喚の儀』で呼び出された。 周りにはウィンドドラゴンに見せているが、実は人語を解する絶滅種『風韻竜』の生き残りで、本名はイルククゥ。 年齢は200歳を超えているが、精神年齢の発達は遅く、おつむは幼児並み。 明るく優しく奔放な性格で、危険な任務ばかりさせられるタバサのことを常に心配している。 なお、主人といい勝負の食いしん坊である。 イザベラ ガリア王国の第一王女で、国王ジョゼフの一人娘。 王家の人間であるためタバサと同様の青い髪と瞳を持っているが、印象は凶暴。ファンからの愛称はデコ姫。 気まぐれで冷酷かつ嗜虐的な性格をしており、タバサとは正反対。 タバサの属する北花壇騎士団の団長を兼任しており、彼女がタバサに命令を出すところから物語は始まる。 魔法の才能に乏しく、強いコンプレックスを抱いており、天才的なメイジであるタバサに強く嫉妬していることから、 あてつけにタバサにわざと危険で困難な任務ばかり当てている。 【これまでのお話】 第一話、タバサと翼竜人 北花壇騎士団員タバサに任務が下った。指令は、エギンハイム村で村人と対立している翼人を討伐せよ。 しかし、現地に赴いたタバサの前に、人間と翼人の共存を願う恋人たちがやってきて、なんとか討伐を中止してくれと頼んでくるのだった。 第二話、タバサと吸血鬼 サビエラ村で、一晩のうちに若い娘が体中の血を吸い尽くされて殺害される事件が続発した。ハルケギニア最悪の妖魔、吸血鬼の出現である。 吸血鬼討伐に出発したタバサだったが、吸血鬼は普通の人間と見分けがつかない。 姿なき殺人鬼に対して、タバサがとる作戦とは。 第三話、タバサと暗殺者 王女イザベラに暗殺を狙っている者がいるとの疑惑があがった。タバサは魔法でイザベラと入れ替わって捜査をはじめる。 だが、暗殺者の正体と黒幕は意外な人物であった。 第四話、タバサと魔法人形 珍しい任務が下った。ガリアの名門の引きこもりの少年を学校に通わせろというのだ。 危険のない任務に退屈げなイザベラから、たわむれに魔法人形スキルニルを譲られたタバサはいつもどおりに任務に向かう。 しかし少年の冷え切った家族関係と、彼を一身に思うメイドのアネットの訴えに、タバサはある考えをめぐらせるのであった。 第五話、タバサとギャンブラー 違法賭博場撲滅の命を受けたタバサ。偽名を使って潜入するが、カジノのディーラーはなんとタバサの家で昔に仲のよかった使用人だった。 しかも、イカサマ賭博の証拠を掴まなくてはカジノをつぶすことはできない。 情と使命、さらにタバサの目をもあざむくカラクリの正体とは? 第六話、タバサとミノタウロス 任務を終えて、とある村で休息をとっていたタバサは、平民の老婆から助けを求められる。 エズレ村に人食いのミノタウロスが現れ、生贄を求めているというのだ。 助っ人を引き受けたタバサだったが、ミノタウロスの正体は人攫いの野盗がミノタウロスを騙ったものだった。 追い詰められるタバサだったが、なんとそこに本物のミノタウロスが現れる。しかも、そのミノタウロスは人語をしゃべり、自らを貴族と名乗った。 番外編、シルフィードの一日 とある平和な日、のんびりとしていたシルフィードはニナという少女と仲良くなる。 けれども、近隣の村の住人にはドラゴンであるという理由だけで嫌われてしまった。 使い間仲間に慰められても傷心のシルフィード。だが、そんなシルフィードを救ったのは少女の純粋な心であった。 第七話、タバサと極楽鳥 イザベラの気まぐれと嫌がらせで、火龍山脈に住む極楽鳥の卵を採りに行かされることになったタバサ。 そこでタバサは、料理人を目指して修行中というリュリュという少女に出会う。 だが極楽鳥は強力な火竜に守られていて手出しができない。そこでタバサは、錬金を使っての料理という新境地を目指している リュリュの魔法を使おうと考えるが、リュリュは大きな壁にぶち当たっていた。 第八話、タバサと軍港 ガリア王国軍両用艦隊の軍艦が次々と爆破されるという事件が起き、タバサが調査に派遣される。 幹部士官らに邪険にされながらも、協力者を得て調査を進めるタバサだったが、次第に事件の背後に潜むどす黒い影に気づいていく。 それはタバサ自身の生い立ちにも関わる。人の心を弄ぶ禁呪を用い、無関係な人間を大勢巻き込むことをも辞さない狂気だった。 第九話、タバサとシルフィード シルフィードがタバサに召喚された直後のお話。 見るからにちんちくりんなのに偉そうなタバサに不満タラタラのシルフィードだったが、ある日ひとりでお使いに出かけることになった。 ところが世間に疎いシルフィードは悪い人にだまされて…… 第十話、タバサと老戦士 コボルドに襲われているというアンブラン村に赴いたタバサ。彼女はそこで、村人から慕われているユルバンという老戦士に出会う。 タバサの実力を持ってすればコボルドは敵ではなく、任務達成は容易なものと思われた。 だが、タバサたちは村で過ごすうちに奇妙な違和感を感じ出す。さらに血気にはやったユルバンがコボルドに囚われてしまい…… 第十一話、タバサと初恋 最近タバサの様子がどうにも変だ。妙にそわそわして落ち着かない様子だったりしている。 それが恋だと思ったシルフィードは一念発起、なんとかタバサの初恋を成就させようとあの手この手を試みるけれど空回りばかり。 一方で、タバサも自分の中に芽生えた不思議な気持ちがわからずに自問自答を続けていたが…… 第十二話、タバサの誕生 タバサがまだシャルロットと名乗っていた時期の話。 ガリアの先王が亡くなり、時期後継者候補のひとりであったシャルロットの父オルレアン公が暗殺された。 ジョゼフが王となり、オルレアン派最後のひとりであるシャルロットは母の身柄と引き換えに怪物の跋扈するファンガスの森に送られる。 そこは凶暴な合成生物キメラたちの魔境であり、ボス格である『キメラドラゴン』を倒さなければならない。 戦闘経験などないシャルロットはキメラに襲われて絶望するが、そこを森の猟師であるジルという女性に救われる。 ジルから戦い方を学び、シャルロットは戦士として成長を始める。だがそれは、長くつらい戦いの始まりでしかなかった…… 追記・修正はムラサキヨモギを噛み締めながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] これらの中では極楽鳥の話が一番好きかな。リュリュがすごくいい子ってのもあるけど、彼女の魔法が完成したらハルケギニアから飢餓がなくなりそう -- 名無しさん (2015-07-20 01 11 09) アニメの最大の罪はデコ姫を出さなかったことである -- 名無しさん (2015-08-06 00 39 39) なんやかんやでかなり続いたんだな -- 名無しさん (2015-09-15 16 55 09) OVAでシリーズ化希望 -- 名無しさん (2016-05-16 13 15 48) ふと思ったけど、錬金で食料作れたら人口爆発につながるんじゃなかろうか -- 名無しさん (2017-02-05 21 45 18) 読み返すと、ハッピーエンドで終わらない話もあるし、本編に比べて大人向けファンタジーって感じがしたな -- 名無しさん (2018-07-04 00 01 47) 作れたらというより、錬金による食料生成はあまりうまいものが作れないだけで昔から可能だったっぽい。普段からは食べてないだけで深刻な食糧不足ならそれで食べ物を作るだろうからハルケギニアでは餓死なんて基本ないんじゃないか。魔法のサービスは思いのほか安いようで、大豆に錬金をかけてつくる代用肉のほうが本物の肉よりずっと安いみたいだし。 -- 名無しさん (2018-07-04 07 50 54) 時系列的にはちょっとおかしな話もある。「タバサとシルフィード」では彼女はサイトと同じ日に召喚されていてまだいくらも時間が経ってないはずなのに、タバサの任務や境遇について妙に詳しかったりとか。 -- 名無しさん (2018-07-04 07 54 31) 名前 コメント