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投棄所かな、これ?判断しにくいんですがどうでしょうか? ゆっくりは大根一本で一家族が3日間楽に生活できるとしてください。 虐待成分薄いです。描写はあえて飛ばしました。 騎馬めーりんがチョイ役で使われています。 た、たまには虐待お兄さん方が怒られてもいいよね! 近年突如現れた謎生物(なまもの)ゆっくり。 山林で主に数を増やしたこやつ等は人里に降りては村の畑を荒らしたりした。 野菜が生活の糧である農家にとっては洒落にならない事態であったので、即座にあ奴らは駆除すべきだ!という意見があがった。 が、しかし長は言った。 「いや、待て。あ奴らをつぶすのは容易い。だが、ゆっくり達と共存できる方法もあるはずだ」 「きょ、共存!!あ、あの野菜泥棒とぉ!?」 唐突過ぎるその発言に皆は色めき立つ。 「待て待て、あ奴らを野菜泥棒と決め付けるのは早いぞ」 と、若い農夫が声を上げる。村の長の息子だ。 「早いってどういうことだ?」 「あいつらは野菜を勝手に生えている、と思っている。それで俺達はそれを独占している、と思っているみたいなんですよ」 「なお悪いわ!」 「つぅか、人の苦労も知らずにあんたもあいつらも……」 この青年、あまり畑仕事をせずに山を登ったり、文書を遠方から送ってもらったり、と日頃汗水たらして働いている村人から見れば遊んでいるようにしか見えなかった。 「いや、だからさ。独占している、と思っているんならさ。何かと交換で野菜をやれば文句は無い、と思うんですよ」 「何かと交換~?あいつらが持ってるのはどうせ草やら葉っぱだろ?」 「だから、その草ですよ」 青年がいうには村の西にある台地に珍しい薬草があった。これは竹林に最近やってきた医師からのお墨付きを得ている。 しかし、この台地に行く細道はかなりもろく人一人通ることもできなかった。 そう人間ならば。 青年はゆっくりに薬草を持ってきてもらい、その代償に野菜を渡す、という物々交換を行うという提案だった。 「あいつらに野菜を持っていかれるのは……」 と村人は当初は渋っていたが 「だけど、ゆっくりに少量の野菜を渡すことでより高価な品を手に入れることができるんですよ?」 という青年の一言に屈した。 「まぁ、急にこうしろなんて言っても無茶な話です。ここは試しにやってみましょうよ」 青年はニコニコしながら話を結んだ。 「と言うことですから明日ゆっくりの群れにこの話してきますんで」 『まだしてなかったんかい!』 さすがにそれには皆がツッコミを入れた。 翌日のこと。ゆっくりの群れに数人の村人がやってきていた。 青年は長であるぱちゅりぃに例の薬草を見せて語りかける。 「コレを見たことはあるかい?」 「むきゅ、あのゆっくりぷれいすにあるにがいくささんね!」 「コレは人間にとっては凄く大事な草でね。それを持ってきてくれれば私達のゆっくりプレイスに生えている野菜さんを少しだけど分けてあげるよ」 「むきゅ!そ、それはほんとなの!?」 それを聞いてぱちゅりぃは顔色を変える。今までは美味しい野菜を手に入れるには命がけで、しかも手に入れることができるのは少量だった。 しかし、苦い草をある程度持っていけば、野菜をほぼ安全に一定の量が手に入る。この違いは大きい。 「ああ、本当だよ。その代わり畑からは勝手に野菜を取らないでくれ。もし盗った場合は そのゆっくりが何をされても文句は言わないでほしい。 その代わり、コチラも君達を苛めたりはしない」 「むきゅぅ……」 少し、ぱちゅりぃは考えて 「わかったわ! そのじょうけんでいいわ!」 「納得してくれて何より。 じゃあ明日からお願いするよ? この草以外でも交換できるものがあるからそれは交換所においておくからね。それを持ってきてもいいよ」 「むきゅ! まかせてね!」 さっそくこの提案を群れに伝達させてもらう。反対するゆっくり達もいたが、少しずつ理解してもらうことにしよう。 「じゃ、村の外れに交換所を作るからね?そこに草を持ってきたら野菜をあげるよ」 「わかったわ!」 実をいうとこれは、かなり穴がある提案だった。 交換所の村人が強欲で目盛りに細工をすれば多めに薬草を奪うこともできるし、 ゆっくりの側でも草を自分から取りに行かずとも草を採取し、 こちらに持ってくる途中に奪って自分が採ってきたと報告すれば野菜がもらえるからだ。 村人の側は青年が細工をすることを止めさせた。 「それで大量に持ってこられても薬草の値崩れ起こしますし、第一肝心の薬草が生えてこなくなったら大変じゃないですか」 「野菜の数は数えてるんで纏まった量を持ってきたらちゃんと渡してあげてくださいね?」 断っておくが青年は別に愛護派ではない。しかし、一度決めた約束はどんな動物にでも履行すべきだ、と考えてるだけである。 ゆっくりがいなかったら別の何かを探して、別の方法で契約をしていただろう。 ゲスゆっくり対策はゆっくり達の泥棒をなんとかしてほしい、という訴えが来てから対策に着手した。 まず被害にあったゆっくりまりさを交換所にこっそり配置してそのゲスが来るのを待つ。 そして「あいつだよ!」とまりさが叫んだゆっくりを即座に確保・即刻加工所か不当に得た野菜×規程の日数分人里で働くか(生ゴミ程度だが食事は出す)を選んでもらう。 人里でゆっくりが働けるものなどあるまい、とお思いだがある程度の大きさのゆっくりならば案外いろいろ働ける。 (監視は付くが)畑の雑草取り、狭いところの掃除などで案外使えるものだ。また、こういった制裁を受けたゆっくりには飾りにそれを示すマークを付け、再犯を防止する。 一度目は人間の手で裁くが、二度目は群れで裁いてもらうことになるわけだ。 そんなこんなで体制が整ってきたら村とゆっくりは比較的他より友好になった。 畑泥棒の頻度は大きく減少し、逆に手伝うようにまでなったのだからまぁ普通そうなる。 しかし、それが面白くない者たちも当然いた。虐待お兄さんである。 「くっそぉ、長のとこの放蕩息子のせいで俺らの楽しみが無くなっちまった……」 今までは畑泥棒のゆっくりを仕置きする、という大義名分を振るってゆっくり達を思う存分虐めることができた。 しかし、今ではそんなことをしたら村八分、そんな風潮が出来上がっていた。 こちらからダメならゆっくり側から仕向けさせようと目盛りに細工をしたが青年に釘をさされてそれもオジャンだ。 「面白くねぇ……うん?」 たまたま、森ですぃーに乗った騎馬めーりんの群れを見つけた。 「そうだ……」 虐待お兄さんの唇の端がニィと吊りあがった。 数日後 「え?いつも来るはずのゆっくり達が来ない?」 「はい、この時期は冬篭りが近いですから食料は多いに越したことはないはずなのに……」 交換所のお姉さんはオロオロしている。 「う~ん、じゃ、ちょっと群れの方を見てくるよ、もしかしたら纏めて持ってくるのかもしれないし」 そうして青年は数人ほどの村人を連れて森に向かった。 「こ、これは一体……!」 群れのいた場所はコレでもかというぐらいに荒らされていた。 長のぱちゅりぃだろう遺体も殆ど原型が残っていない。 すぃーの後があった事から騎馬ゆっくりの犯行と見られる。だが、 「騎馬ゆっくりは逆方向に向かっていたはずだ……、急に方向を転換するなんておかしい」 「若ぁ、まだあいつ等この辺にいるみたいです!」 「そうか………探し出すぞ」 数十分後、すぃーを止めて、休憩をしている騎馬ゆっくりの群れを発見した。 「ジャ、ジャオ!?」「い、いきなり人間が何の用だ!?と申しています」 「君達は逆の方向に移動していたはずなのに、なぜこちらに向かってきた?」 「ジャオォン!ジャオジャオ!」「ここらで悪さをするゆっくりがいるから懲らしめて欲しい、と人間に頼まれた、といっています」 「馬鹿な!? あの群れのゆっくりと私達の村は友好関係があったんだぞ!!」 「ジャ、ジャオン!?」「そ、それはどういうことだ!と言っております」 「君達は騙されたんだよ……、その人間に」 「ジャオ……」「ゴメンなさい、と言っております」 「………子供達は残っているかい? 確か君達は奴隷制があるから子供と赤子は残しているはずだ」 「ジャオ……ジャオジャオ」「ちゃんと残っている、とのことだ」 「その子達を返してくれ、それで君達の件はチャラにする」 「若!? いいんですか?」 「いいんだ、彼等は良かれ、と思ってやっただけだ。それに子供達にも薬草採りの手伝いをしていたものがいたはずだ」 薬草と交換制度を教えれば来年もこの友好関係を続けることはできる。 「ジャォォン……」「誠申し訳ない、とのことです」 「悪いのは君達じゃない、騙した人間だ。それと悪いと思っているなら一つ頼みがある」 「ジャオ?」 翌日虐待お兄さんが捕まり村八分に処された。 後書き どんなにいい提案でも遅かれ早かれこのプランは破綻してたんだと思います。 今回はたまたま人間側が引き金をひいただけなんです..
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『それぞれの冬ごもり・後編』 28KB 愛で 自業自得 越冬 ゲス 捕食種 希少種 自然界 人間なし 22作品目、後編です。 ぺけぽん 注意書きです。 1 希少種が出ます。 2 酷い目にあうゆっくりと、そうでないゆっくりがいます。 3 このSSは『anko3983 それぞれの冬ごもり・前編』の後編となっているので、先に前編を見る事をお勧めします。 それでもOKという方のみ、どうぞ。 ……数日後。 この日は雪は降っておらず、ただ冷たい風だけが吹いていた。 「ゆっへっへ!む~しゃむしゃ、しあわせーなのぜぇ!」 「ゆ~ん!きょうもごはんさんがおいしいねぇ!」 「……」 ありすの巣穴……、いや、まりさとれいむの巣穴と呼ぶべきなのか。 二匹は今日も、ありすに見せびらかすように悠々自適に過ごしていた。 ありすはこの数日間で、二匹の奴隷的存在になっていた。 その心境は相当辛いものだろう。 「ゆへへのへっ!ことしはかいてきなふゆがこせそうなのぜ!」 「ほんとだよね!らくしてゆっくりするのって、さいこうだよね!」 ありすとは対照的に、まりさとれいむは幸せの絶頂にいた。 苦労せずに冬を越し、暖かい春を迎えられる事に幸せを感じていた。 手段の綺麗、汚いは二匹にとって些細な事で、一番大事なのは自分がいかにゆっくり出来るか。 二匹には道徳というものが完全に欠落していた。 ……もしこの世に神がいるのならば、二匹はその行いの報いを受けなければならないだろう。 ドスッ! ……どうやら、案外その報いを受ける時は早かったようだ。 「「?」」 突然入口の壁の方で、何やら音が聞こえた。 「……なんなのぜ?」 「ゆーん、なんなの?」 外からはヒュウヒュウと吹雪いている音は聞こえるが、今のは明らかに違う音だった。 例えるなら、何かがぶつかったような音だった。 ドスッ! 「「ゆっ!?」」 再度音が聞こえ、二匹がブルリと震えた。 ドスンッ!ドスッ!ドスンッ! 「な、なんなのぜぇっ!?」 「なに!?なんなのぉ!?」 その音は一層大きくなり、葉っぱや木の枝で出来た壁は、ミシミシと音を立て始めた。 ……そして。 バァンッ!! 「「ゆうぅぅぅぅっ!?」」」 ついに入口の壁が破られ、巣穴の中に葉っぱや木の枝が散乱した。 入口から見えるのは、何やら白いモチモチとした壁のようなものだった。 そのモチモチとした壁がゆっくりと動いたかと思うと……。 「くろまく~」 ……外からそんな鳴き声が聞こえてきた。 「「れ……、れてぃだあぁぁぁぁっ!?」」 まりさとれいむはその鳴き声を聞いて絶叫した。 ……巣穴の外には、全長二メートル程の、モチモチの白い肌のゆっくりがいた。 ゆっくりれてぃ。 一年の四季の中で冬以外は巣の中で眠り続け、冬にしか活動を行わない、珍しいゆっくりである。 他のゆっくり達からは、冬にしか現れない捕食種として恐れられていた。 「くろまく~」 れてぃは身を屈めて、巣穴の中を覗いた。 「ひっ……!に、にげるのぜっ!」 「ゆひいぃっ……!」 まりさとれいむは巣穴の奥へ逃げ出した。 「ひぃ、ふぅ、みぃ……。どれもおいしそうねぇ~」 れてぃはのんびりした口調でゆっくり達を品定めしていた。 ……そして、口を開くと、ニュ~っと長い舌を伸ばし始めた。 れてぃはゆっくりの巣穴に入れずとも、こうして長い舌を伸ばしてゆっくりを捕食する事が出来た。 そして、れてぃはゆっくりを噛んで食べるのではなく、丸飲みにして腹の中に蓄え、ゆっくりと消化して自分の栄養にするのだ。 「あらぁ~、いいものがあったわぁ~」 れてぃはそこである物に気付き、ゆっくり達の前にそれを舌で絡め取った。 「ゆわあぁぁぁぁっ!!まりさのごはんさあぁぁぁぁんっ!!」 ……それは、かつてありすが集めた食糧の山だった。 「やべでえぇぇぇぇっ!!もっていかないでえぇぇぇぇっ!!」 二匹はれてぃに止めるよう叫ぶも、れてぃはそんな事はお構いなしだった。 「む~しゃむ~しゃ……、とりあえずはらはちぶんめねぇ……」 このままでは当然満足出来ないだろう。 れてぃは再度舌を伸ばし始めた。 「ど、どれい!まりさのかわりにたべられるのぜ!」 「はやくしてね!こういうときくらい、やくにたたないんだから!」 二匹はこのままでは食べられてしまうと思い、巣穴の奥にいるありすを引っ張り出し、れてぃのいる方へ突き飛ばした。 「っ……!」 満身創痍のありすには、すぐに逃げ出せるだけの体力は残っていなかった。 「このありすもおいしそうねぇ~」 ありすにターゲットを絞ったれてぃは、舌をありすの方へ伸ばした。 「うっ……!」 れてぃの舌がありすの目の前まで伸びて来た。 ありすはもう駄目だと思い、ギュッと目を閉じた。 ……しかし。 「うーん……。これいじょう、したがとどかないわねぇ~」 僅かながらに舌が届かなかったらしく、間一髪でありすは食べられずに済んだ。 「うーん……。あのこのところにいくまえに、べつのばしょではらごしらえしようかしら~」 巣穴のゆっくり達を捕食する事が難しいと考えたれてぃは、ゆっくりのっそりと巣穴から離れ、どこかへと去って行った。 ……巣穴に残されたのはありすとまりさとれいむの三匹。 そしてバリケードの役目を果たしていた葉っぱと木の残骸、れてぃが取りこぼした食糧だけとなった。 「た……、たすかったのぜ……」 「ふぅ……。よかったね……」 二匹は目の前の危機が去って行った事に安堵していた。 ……だが、今度は別の危機が訪れていた。 ヒュオォォォォ……。 「「さ……、さぶいぃぃぃぃっ!!」」 れてぃが入口の壁を壊してしまった為、外から冷たい風が入り込んでいた。 このまま放置すれば、全員凍死してしまう。 「どれい!はやくいりぐちをふさぐのぜぇっ!」 「……」 まりさにそう命令されたありすは、無言で近くにあった木の枝を一本咥えた。 「う……、ぐっ……」 ……が、リンチによる傷が疼き、ありすは満足に動く事が出来なかった。 「ゆぐうぅぅぅぅっ!!とんでもないやくたたずなのぜっ!!」 任せられないとばかりにまりさがありすから木の枝を引ったくり、入口へと向かった。 ビュオォォォォッ!! 「さぶいぃぃぃぃっ!!」 ……最も、ただ向かっただけで寒さに負けて巣穴の奥へ戻る事になった。 「れ、れいむ……、とりあえず、すーりすーりするのぜ……」 「そ、そうだね……。いっしょにあったまろうね……」 二匹は寒さをしのごうと体を寄せ合い、擦り始めた。 「すーりすー……、さ、さぶいのぜぇ……!」 「すーり……、つ、つめたいぃぃぃぃっ……!」 巣穴の気温が徐々に下がり、すーりすーりも大した効果が無かった。 せめて天気が良くなれば寒さもある程度改善され、入口の補強でも出来るのだが、今度は別の問題があった。 「ま、まりさ……、どうしよう……。ご、ごはんさんがないよぉ……」 ……そう、れてぃが食糧のほとんどを食べてしまい、食糧不足に陥っていた。 寒さをしのぐ事が出来ても、いずれは春が来る前に餓死してしまう。 「……まだなのぜ。まだ……、たべれるものならあるのぜ……」 まりさは小声でそう言った。 ……まりさの視線の先には、痛みと寒さの苦しみに耐えているありすの姿があった。 「あ、ありすがいきているあいだに、すっきりーできるだけすっきりーして、あかゆどもをたくさんうませるのぜ……」 「そ、それならなんとかなりそうだね……。じゃあ、は、はやくやろうよ……」 「ゆへへ……。どれいはどれいらしく、やくにたってもらうのぜぇ……」 二匹はありすに気付かれないよう、じりじりと忍び寄っていた……。 ……同時刻。 「ふぅ……。ながかった……。ながかったわ……。なかなかにてこずったわね、ふゆもっこり……」 ちるのは積もりに積もった雪の山を見て呟いた。 ちるのはあの日からずっと自分の『冬ごもり』の為の作業を続けていた。 雪の鑑定をしたのも、その為である。 そしてとうとう、ちるのが求めていた『冬ごもり』を自分の手で完成させる事が出来た。 「ほんとうは、いますぐにでもふゆもっこりしたいけど……。れてぃといっしょにふゆもっこりがしたいわ!」 今すぐにでも『冬ごもり』をしたいが、友達と一緒に喜びを分かり合いたい。 ちるのはそう思っていた。 「……うん!そろそろれてぃもおきるころだし、さがしにいこうかしら!」 いつもはれてぃが来るのを待っていたが、今回は自分から探しに行こうと思った。 「まっててねれてぃ!すぐいくからね!」 そうと決まれば善は急げ。 ちるのはふわりと飛んで、れてぃを探しに出掛けた。 ……十分後。 「れてぃ~、れてぃ~、どこにいるの~?」 ちるのはれてぃがいそうな場所を一ヶ所ずつ回っていた。 れてぃはちるのの巣穴がどこなのかはきちんと把握しているが、逆にちるのはれてぃの巣穴がどこにあるのかは分からなかった。 以前、何回か教えてもらった事があるのだが、一年通してその場所を覚えている事は出来なかったのだ。 恐らく、すでに教えてもらった事すら忘れてしまっているだろう。 「いたらへんじして~、れてぃ~」 その点では、こちらかられてぃを探すのは困難だった。 ちるのは何度もれてぃの名を呼び掛けるが、それに答える者は誰もいなかった。 「れてぃ~……、どこなの~?」 それでもちるのはめげずにれてぃを探し続けた。 ……二十分後。 「れてぃ~……。れてぃ~……」 あれかられてぃの姿を探し続けるも、れてぃの姿はどこにもなかった。 辺りに広がるのは積もった雪や木のみ。 懐かしい友達の姿は、どこにも無い。 「……れてぃ~……」 れてぃが起きているという確証も無い中での捜索。 「れてぃはねぼすけだから、まだねてるのかなぁ……」 そんな考えが頭をよぎった、その時だった。 「……となしく……のぜ!」 「あばれ……でね!」 「あれ?」 どこからか、聞いた事があるような声が聞こえてきた。 「ふゆになると、みんないなくなるのに……?」 ちるのは辺りを見回すが、どこにも自分以外のゆっくりの姿は無い。 ……すると、少し離れた所にゆっくりの巣穴があった。 普通なら入口は閉じられている為見つけにくいが、その巣穴は入口が空いている状態だった。 「あそこかな?」 ちるのがその巣穴に近付き、中を覗いてみた。 「う……、や、やめ……」 「なにいってるのぜ!こうしないと、まりさがしんじゃうのぜ!」 「これしかほうほうがないんだから、おとなしくしてね!」 「!?」 巣穴の中で、まりさとれいむが、嫌がるありすを押さえつけようとしていた。 ……そのまりさとれいむは、ちるのにとって忘れられない二匹だった。 「なにをしているの!?」 思わずちるのはそう叫んでいた。 「「!?」」 二匹は声のした、入口の方を見た。 「なっ!?ち、ちるの!?」 「なんでちるのがここに……!?」 「……?」 二匹はちるのの姿を見て相当驚き、ありすは状況がよく分かっていないようだった。 「ふたりとも、ありすになにをしているの!?」 ちるのは二匹を問い詰めた。 「ゆ……」 「そ、それは……」 二匹は口ごもってしまった。 まさかこの時期に外に出ているような馬鹿などいないと思っていただけに、当然と言えば当然だった。 (ど、どうしよう、まりさ……!) れいむは小声でまりさに話しかけた。 ……もし、仮にありすに赤ゆを沢山産ませて、赤ゆだけを食べて春を迎える事が出来たとしても。 現にこうして、ありすを襲っている現場を見られている。 もし、春になってちるのが他のゆっくり達に自分達がやった事を喋られたら……? お家宣言、強奪、強姦、ゆっくり殺し、etx……、様々な罪でリンチを受け、殺されてしまう。 今すぐちるのを殺した方が良いのでは? れいむの目はそう語っていた。 (れ、れいむ!ここはいったんごまかすのぜ!) (ゆっ……!?) (いま、ちるのをころさないほうがつごうがいいのぜ!とにかく、ごまかすのぜ!) (そ、そうだね!ちるのはばかだから、ごまかすのもかんたんだよね!) 二匹は小声で、口裏を合わせるようにした。 (……へんなことをしゃべったら、そっこくころすのぜ!) 「……」 当然、ありすに釘を刺しておく事も忘れなかった。 「なにをはなしているの!?」 「ゆへっ……、ち、ちるの、まりさたちはべつに、やましいことはしていないのぜ?」 「そ、そうだよ!いりぐちのかべさんがこわれちゃって、さむくておしくらまんじゅうしようとしてただけだよ!」 「へ?そうなの?」 何とも苦しい言い訳だが、ちるのには通用しそうだった。 「そ、そうなのぜ!ただありすがはずかしがってただけだから、ついむきになっちゃっただけなのぜ……」 「そうなの?ありす?」 ちるのはありすにも尋ねてみた。 まりさとれいむは、ありすが余計な事を喋らないか気が気でなかった。 「……えぇ、そうよ。ごめんなさいね、ちるの。そういうわけなのよ」 「でも……、ありす、けがもしているよ?」 「ふゆごもりのまえにけがをしちゃって……。まりさとれいむにたすけてもらって、ふたりのおうちにすまわせてもらってるの」 「……そっか。そうだったんだね!うたがってごめんね!まりさ!れいむ!」 ちるのは三匹の言葉を完全に信じてしまった。 「ふたりとも、ほんとうはやさしいところがあったんだね!」 「い、いやぁ、べつにいいのぜ。……ところでちるのぉ、ちょっとききたいことがあるのぜぇ?」 「?」 「ちるののところでは、もう、ふゆごもりのじゅんびはすんでいるのぜぇ……?」 「うん!たったいま、ふゆもっこりのじゅんびがおわったところだよ!」 (ど、どんぴしゃなのぜっ!) まりさは心の中で叫んだ。 「ち、ちるの……。おねがいなのぜ!ま、まりさたちを、ちるののおうちにすまわせてほしいのぜ!」 まりさはちるのに土下座した。 「このとおり!このとおりなのぜぇっ!!」 (そ、そうか!そういうことだったんだね!さすがまりさだよ!) れいむもまりさが何をしたかったのか理解した。 このままでは冬を越すのも難しい、仮に越したとしても、ちるのが邪魔だ。 ……まりさは一つの可能性に賭けてみた。 それは、ちるのの情に訴え、ちるのの巣穴に自分達を住まわせてもらい、隙あらばちるのを殺してしまおうというものだった。 ここでちるのを殺せば、飢えの危険性がある状態で冬を越さなくてはいけない。 だったら、今度はちるのの全てを奪えば良い。 ……もし断られたら、殺すぞとでも脅して巣穴に案内させる事も出来るが、全く別の場所に案内されてしまう可能性もある。 脅す事は最後の手段としておきたかったのだ。 ……そして、『れてぃに襲われた』と言わなかったのにも理由があった。 (いま、ちるのににげられたらこまるのぜ……!!) もし、ちるのがまだ近くにれてぃがいるかもしれないと考え、この巣穴から逃げ出されでもしたら全てがおじゃんになってしまう。 ……まりさの心配とは裏腹に、ちるのはれてぃに会いたくてたまらないのだが。 「……うん!いいよ!いっしょにふゆもっこりしよう!」 ……そして、まりさはその賭けに勝った。 「あ、ありがとうなのぜ!!」 「ゆ~ん!たすかった!たすかったよぉ!!」 飢え死にの危険性が無くなったと、二匹は大喜びした。 「それじゃ、ついてきてね!」 「わ、わかったのぜ!」 「ゆ~ん!ゆっくりいそぐよ!」 ちるのに連れられ、二匹は巣穴の外に出た。 「あっ!そうだ!ありすはどうするの?」 「「!?」」 「……」 ちるのはありすにどうするか尋ねた。 「……きもちはうれしいけれど、ありすはいいわ。ここでゆっくりきずをいやすわ……」 「そっか。けが、はやくなおるといいね!」 「おねがいがあるんだけど……、いりぐちをゆきでふさいでくれないかしら?どうもさむくて……」 「うん!それくらいおやすいごようだよ!」 ちるのは雪を口に頬張り、入口の前に雪を積み始めた。 (まりさ、いいの……?ありすをあのままにして……) (いいのぜ。どうせ、もうたべるものなんか、なにもないのぜ。うえじにするだけなのぜ……) (そ、そうだよね……、うえじにするだけだもんね……) 食糧が無い状態の中、ありすを殺そうが生かそうが何ら変わらない。 二匹はそう思い、ありすをこのまま放置する事にした。 「そ、それにしでも、さぶいねぇ……、ばりざぁ……」 「が、がまんずるのぜ、でいぶぅ……」 ……その間、二匹は寒い外で待たされる事になるのだが。 ……数分後。 「それじゃあありす!ゆっくりきずをいやしてね!」 入口はほぼ雪で閉じられており、ちるのは雪の隙間から、中にいるありすに話しかけた。 「えぇ。……めいわくかけてごめんなさいね」 ちるのは雪を頬張り、その隙間を雪で埋めた。 入口は完全に雪で閉ざされた。 「ふたりとも、おまたせ!それじゃ、あたいについてきてね!」 「さ、さぶい……、のぜぇ……」 「は、はやぐ、いごうねぇ……」 こうして三匹は、巣穴から去って行ったのだった。 「……」 巣穴に残る事を選んだありすは、外から声が聞こえなくなった事を確認した。 「……」 ありすは無言で巣穴の奥まで這って行き、何故か壁に歯を立てた。 その壁はあっさりと崩れ、簡単に掘り進める事が出来た。 「……」 ありすがある程度壁を掘り進めると、穴のようなスペースが出てきた。 ……その穴の中には、先程れてぃに食べられた量と同じ位の食糧が積まれていた。 「……やっぱり、こういうじゅんびはしておくものね……」 ありすは食糧を見て、ボソリと呟いた。 ありすは以前からもしもの時の為に別に食糧を蓄え、柔らかい土で作ったダミーの壁で隠していた。 もし、この準備をしていなければ間違いなく、ありすは餓死する運命を辿っていただろう。 ……いや、事前の準備だけではこうはならなかった。 れてぃが巣穴を襲撃し、見ず知らずのちるのがこの巣穴を見つけなければ、あの二匹に殺されていただろう。 そう考えると、ありすは相当運が良かった。 「む~しゃ、む~しゃ……。……しあわせー……」 ありすは涙を流しながら食糧に口を付け、今こうして生きている喜びを味わっていた。 そして腹八分目になったありすは、草のベッドがある所まで這って行き、柔らかい草に身を委ねた。 「はぁ……」 冬ごもりが始まってからゆっくりと身を休めたのは、これが初めてだった。 溜まりに溜まった疲労から、徐々にありすを眠気が襲う。 (ほんとうは、こうするべきじゃなかったのよね……) ありすは安堵感と同時に、罪悪感も感じていた。 結果的に、見ず知らずのちるのに全てを押しつけてしまったのだから。 ありすはちるのの事を考えるよりも、自分の保身を選んだのだった。 「ありすも、あのまりさとれいむとおなじ、げすだったってことかしら……」 ありすの独白に答える者は誰もいない。 正しいとも、間違っているとも、誰も答えてくれない。 結局は自分で答えを見出すしかなかった。 ……そして、今はただ、休みたかった。 この疲れた体を休ませたかった。 それから考えたかった。 「……すぅ……、すぅ……」 ……ありすはただ、そう思いながら眠りに落ちた。 「ついたよ!ここだよ!」 「こ、ここなのぜぇ……?」 「ど、どこ?どこにあるの……?」 あれからちるの達は、ちるのが『冬ごもり』の準備が整っている場所へと辿り着いた。 ……が、そこには何も無かった。 辺り一面白い雪が広がっているだけで、ちるのの巣穴らしきものはどこにも見当たらなかった。 「ち、ちるの!いったいどこに、ちるののおうちがあるのぜ!?」 「れいむをだましたの!?ばかなの!?しぬの!?」 もしや最初から騙されていたのではと思い始めた二匹はちるのに詰め寄った。 「へ?なにいってるの?ほら、あそこだよ、あそこ!」 「「ゆ……?」」 ちるのの視線の先には、ゆっくりが入れるような大きさの穴が開いていた。 「あのなかでふゆもっこりをするんだよ!」 ちるのは自信満々にそう言った。 (あ、あれがちるののおうちなのぜ……?もしそうなら、あのなかに、ごはんさんが……!) (ふゆごもりがおわったばかりだから、きっとごはんさんだって……!) 「どうぞ、さきにはいってね!」 「そ、それじゃあおことばにあまえるのぜ!」 「ゆゆ~ん!やっとこのさむさとおさらばだよぉっ!」 ちるのに促され、二匹はその穴に飛び込んだ。 「ゆべっ!?」 「ゆぐぅっ!?」 ……穴の深さは結構深く、二匹は顔面から落ちてしまった。 「い、いだいのぜぇ……!」 「ゆぎぃ……、でいぶのじろいおはだがぁ……!」 二匹は痛みで顔を歪めながらも、辺りを見回した。 二匹が今いる穴の中は、他にゆっくりが数匹は入れる位のスペースがあった。 「ご、ごはんさん!まりさのごはんさんは……!?」 「れいむ、おなかぺこぺこだよっ!」 二匹の頭の中ではすでにちるのの食べ物は自分の物になっていた。 ……が、どこにも食べ物らしい物は無かった。 ……と言うよりも、そこには何も無かった。 「は……、はあぁぁぁぁっ!?」 「どういうことなのおぉぉぉぉっ!?」 あるとばかり思っていた食糧はどこにも無く、二匹はただただ絶叫するしかなかった。 「どう?あたいのふゆもっこり!さけんじゃうくらいすごいでしょ!」 二匹が上を見上げると、穴の外からちるのが覗いていた。 「ここまでよういするの、すんごくたいへんだったんだよ!」 「な、なにをいってるのぜ!?」 「よういもなにも、なんにもないでしょ!?」 「なにいってるの?あたいはこのあなをつくったんだよ?」 「「……は?」」 「ほんとうにたいへんだったんだよ?ひとりでここまでほるの、じかんがかかったんだから!」 「「……はぁ?」」 「あたい、ふゆもっこりについてかんがえて、きづいたんだよ!」 止めろ、止めてくれ、嫌な予感しかしないから、言わないでくれ。 二匹はそう願った。 「ふゆもっこりって、ゆきのなかにこもるから、ふゆもっこりっていうんでしょ?」 ……ちるのは冬ごもりについて、本気で考えた。 そして一つの結論に辿り着いた。 冬には雪が降る。 だから、冬は雪の中にこもるから、冬ごもりと呼ぶのだ。 冬に他のゆっくりがいなかったのは、雪の中にこもっていたから見つけられなかったからだ。 ……ちるのはそう考え、この穴を掘ったのだ。 自分も皆と同じように、『冬ごもり』をする為に。 「「……」」 ちるのの説明を聞いた二匹は、ただ呆れていた。 「けど、あのありすはなんでゆきのなかにいなかったんだろう?ねぇ、なんでだとおもう?」 「「……」」 ちるのに尋ねられても、二匹は答えなかった。 と言うよりも、頭に入っていなかった。 「まぁ、いいや!それじゃふたりとも、あたい、ようじがあるからそこでゆっくりしていってね!」 「なっ……!」 「ま、まって……!」 「おなかがすいたら、ゆきをたべるといいよ!ここのゆきは、ぱーぺきなおいしさだからね!」 そう言ってちるのは穴から顔を引っ込め、れてぃを探しに出掛けた。 「ま、まつのぜっ!!よくもだましたのぜえぇぇぇぇっ!!」 「ふざけるなあぁぁぁぁっ!!もどってこいぃぃぃぃっ!!くそちるのがあぁぁぁぁっ!!」 二匹は口汚く叫ぶも、既にちるのは遠くへ行ってしまい、聞こえる事は無かった。 ヒュオォォォォ……。 「「さ、さぶいぃぃぃぃっ!!」」 頭上の穴からは冷たい風が入り込んでいた。 周りの壁も雪で出来ているだけに、寒さが一段と増していた。 「れ、れいむ!こんなところすぐにでるのぜ!」 「そ、そうだね!あのくそちるの!!せいっさいっしてやるよ!!」 二匹はすぐにこの穴から出ようと考えた。 ……しかし。 「「どぼぢでとどかないのおぉぉぉぉっ!?」」 唯一の出口は二匹の頭上にある穴だけで、穴は意外と深く、ただ跳ねただけでは届かなかったのだ。 ちるのは飛ぶ事が出来るので、穴の深さは関係無かったのだろう。 「こ、これじゃでれないのぜえぇぇぇぇっ!!」 「さぶいよおぉぉぉぉっ!!おながずいだよおぉぉぉぉっ!!」 二匹はただのゆっくりまりさとゆっくりれいむ。 当然空を飛ぶ事など出来ないので、脱出しようがなかった。 このままでは穴から入る風と、雪の壁の冷たさで氷饅頭になってしまう。 「れ、れいむ!かべをほっていくのぜ!」 まりさは雪の壁を斜め上へと掘り進み、外へ出ようと試みた。 「がっがっが……、れいむ!れいむもやるのぜっ!!」 「がつがつがつ……、つ、つべだいぃぃぃぃっ!!」 「そんなこといってるばあいじゃないのぜぇっ!!」 二匹は喧嘩しつつも、二匹並んで少しずつ、少しずつ上へと掘り進んだ。 幸い、雪が丁度良い柔らかさだったので案外簡単に掘る出来た。 「ゆへっ、こ、このちょうしなら……!」 ある程度掘り進み、まりさは内心余裕が出て来たようで、笑みも浮かべていた。 ……が、世の中そこまで甘くない。 ズズ……。 「な、なんなのぜ!?」 「ゆっ!?」 突然、二匹の上の雪が震え始めた。 ズブ……。 すると、二匹の頭上の雪が徐々に沈んでいった。 雪の上に、何か重い物がのしかかっているようだ。 「ま、まずいのぜ!このままじゃ、つぶされるのぜ!」 二匹は先程の穴へと戻ろうとした。 ……が。 「れ、れいむ!せまいのぜぇっ!!」 「ま、まりさこそよけてねっ!!」 二匹並んで掘り進めていた為に、つっかえてしまい、思うように動けなかった。 ズブブッ……。 二匹が掘り進めた事で雪が脆くなり、かえって頭上の雪が沈む速度が速くなった。 「ゆうぅぅぅぅっ!!なんでれいむがこんなめにあうのおぉぉぉぉっ!!」 「うるさいのぜれいむぅっ!!となりでおおごえをだすんじゃないのぜえぇぇぇぇっ!!」 「まりさはだまってねえぇぇぇぇっ!?あのれてぃとちるの……、あと、まりさのせいでしょおぉぉぉぉっ!?」 「なんでまりさのせいなのぜえぇぇぇぇっ!?」 「まりさがらくにふゆごもりができるからって、いいだしたのがはじまりでしょおぉぉぉぉっ!?」 「ふざけるんじゃないのぜえぇぇぇぇっ!!まりさのせいにするげすは、そっこくせいっさいっしてやるのぜえぇぇぇぇっ!!」 二匹はその場で不毛な喧嘩を始めてしまった。 ズシィッ……。 「「ゆぶぅっ!?」」 とうとう頭上の雪が、二匹を押しつぶし始めた。 「ぐ、ぐるじぃのぜぇ……!」 「ゆ、ゆぎさん、はやくどいでね……!ばがなの……!?じぬの……!?」 雪は徐々に、無情に二匹を押し潰していく。 「あ……、あが……!?」 「ひゅ、ぎぃ……!?」 それと同時に、二匹の意識が徐々に遠くなっていった。 このままでは潰れてしまう。 二匹はそう確信していた。 ……が。 「ゆ……?」 「ゆ、ゆきさんが、こないよ……?」 雪はそれ以上二匹を押し潰す事無く、途中で止まった。 ……どうやら、上に乗っていた何かが無くなり、それ以上雪が沈まなくなったようだ。 「や、やっだのぜぇ……!」 「で、でいぶ、だずがったねぇ……!」 二匹は圧迫死する恐怖から解放され、安堵した。 「で、でいぶ!はやく、ほりすすめ……、ゆ?」 「そ、そうだね!はやく……、ゆん?」 そこで二匹はある異変に気付いた。 何やら、体が少しずつ軽くなっていく。 ……いや、何かが失われていく。 二匹は恐る恐る、自分の体を見た。 「ゆ……、ゆわあぁぁぁぁっ!?ば、ばりざのあんごさんがあぁぁぁぁっ!?」 「でいぶのあんござあぁぁぁんっ!?でないでねえぇぇぇぇっ!?」 二匹の体には数か所の亀裂が入っており、そこから命の餡子が漏れ出ていた。 上から来る雪の重さに、饅頭の肌が耐えきれる訳がなかったのだ。 しかもそれだけではなかった。 「ゆ、ゆきさんがかたくなってるのぜえぇぇぇぇっ!?」 「なんでえぇぇぇぇっ!?」 雪が先程と比べかなり硬くなっていて、掘り進める事が出来なくなっていた。 上からの正体不明の何かの重量が、雪を圧迫し、固めてしまったのだろう。 しかも二匹の後ろの雪が崩れてしまっていた。 つまり、進む事も戻る事も出来ず、餡子の流出も止める事が出来ず、完全に閉じ込められてしまったのだ。 「いやなのぜえぇぇぇぇっ!!しにたくないのぜえぇぇぇぇっ!!」 「あんござあぁぁぁぁん!!もどってえぇぇぇぇっ!!」 二匹は叫ぶが、冷たい雪に囲まれている為、その声は外には聞こえない。 仮に聞こえたとしても、まさか雪の下にいるとは思わないだろう。 ……二匹の未来は凍死か失餡死かの二択に限られた。 それ以外の未来は、無くなってしまったのだ。 ……一体どこで歯車が狂ってしまったのか。 いや、真面目に冬ごもりの準備をせず、他のゆっくりから全てを奪おうとした最初の時点で、全て狂っていたのだろう。 「「ゆっくりしたけっかがこれだよおぉぉぉぉっ!!」」 ……最も、後悔した所で未来は何も、変わる事は無かった。 ……同時刻。 「れてぃ!れてぃ!こっちだよ!はやくはやく!」 「ふぅ……。ふぅ……。ちるの、ちょっとまって……」 ……あれからちるのは、離れた場所にある木の根元で休憩しているれてぃを見つける事が出来た。 二匹は久々の再会を喜び、ちるのは自分が掘った雪穴へと案内している最中だった。 「れてぃ!はやくはやく!」 ちるのは早く雪穴を見せたくて、れてぃを急かしていた。 「ふぅ……。ふぅ……。あ、あらっ?」 すると、れてぃは途中で歩みを止めてしまった。 「れてぃ、どうしたの?」 「ゆ、ゆきにはまっちゃったみたい……」 れてぃは恥ずかしそうにそう言った。 ……見ると、確かに一段と雪が沈んでいた。 「ちょ、ちょっとまっててね~、ゆんしょ、ゆんしょ……」 れてぃは何度も体を揺らした。 「ふぅ~、でられたわ……」 それにより、何とか抜け出す事が出来た。 「れてぃ、ふとっちゃったんじゃない?だからはまっちゃったんだよ!」 「そ、そうかしら~?でも、なんかやわらかかったような、もろいようなかんじがしたのよ~?」 「そうなの?」 「そうよ~、したのほうに、あながあいていたのかもしれないわ~」 「なんで?」 「……やっぱり、ふとったのかもしれないわね~」 れてぃは赤面しつつ、そう言った。 「あっ!ほら、あれあれ!あのね、あのなかにね、ほかのゆっくりもいるんだよ!」 少し離れた所には、ちるのが掘った穴があった。 「え?このきせつにわたしたちいがいのゆっくりが?」 「ほんとだよ!このなかにいるもん!」 ちるのはそう言って、穴の中に入った。 「まりさ~!れいむ~!……あれ?」 ……雪穴の中には、二匹の姿は無かった。 「あ、あれぇ?」 ちるのは辺りを見回すも、どこにも二匹が隠れるようなスペースは無い。 壁の一部が若干崩れている以外は、どこも変わり無かった。 「……?」 ちるのは訳が分からないまま、雪穴から飛んで出てきた。 「れてぃ……。あなのなかに、だれもいなかったよ……」 「ちるの、もしかしたら、あなたがいないあいだにでていっちゃったんじゃないかしら?」 「うーん……。そうなのかなぁ……。でも、あんなにはやくでていっちゃうなんて、ゆっくりしてないなぁ……」 「ところでちるの、なんでこんなあなをほったの?」 れてぃはとても自然な質問をした。 「あっ、そうそう!それなんだけどね!」 ちるの説明中……。 「なるほど~、そういうことだったのね~」 れてぃはちるのが穴を掘った理由を理解する事が出来た。 「そうなんだよ!だからいっしょに……、あっ!!」 ……ここにきてちるのは、重大な過ちに気付いた。 「れてぃ、なかにはいれないよ……」 ……そう、雪穴の大きさだった。 ちるのが掘った穴の大きさも、入口も、とてもれてぃが入れる位の大きさではなかった。 ちるのは初歩的な問題をすっかり忘れていたのだ。 「う……、うぇっく……、れてぃ、ごべんねぇ……」 ……それに気付いたちるのは、嗚咽を漏らし始めた。 「あらあら、なかないでちるの」 れてぃはちるのを慰めるも、ちるのは泣き止みそうに無い。 「あだい……、れてぃといっしょに、ふゆもっこりしたくて……。なのに、あだい、ちゃんとできなくて……。う、うえぇ……」 「ちるの、あなたはちゃんとできなかったかもしれないけど、がんばったんでしょう?」 「う、うん……」 「だったらいいじゃない。ちゃんとできなかったからぜんぶだめだなんて、らんぼうすぎるわ~。わたしは、そうはおもわないわ~」 「そ、そうなの?」 「えぇ、そうよ。だれかのがんばりをみとめないことは、とってもゆっくりできないことだわ~。それに……」 「それに?なんなの?」 ちるのはれてぃの言葉の続きを促した。 「わたしはちるのといっしょにいられることが、とってもゆっくりできることよ。だからいま、わたしはとってもゆっくりしているわ~」 れてぃは笑顔でそう答えた。 ……それは、いつまでも傍にいる事が出来ないからこそ出てきた言葉だった。 「……うん!あたいもれてぃといっしょが、いちばんゆっくりできるよ!」 ちるのも泣くのを止め、笑顔で答えた。 「あら……?」 「どうしたの?」 「かぜがやんでいる……」 れてぃはそう呟いた。 先程まで吹いていた冷たい風が、止んでいた。 「あっ!みてみて!れてぃ!ゆきだよ!」 ちるのが言った通り、ちらほらと粉雪が降り始めていた。 その粉雪は、二匹にも優しく降り注いでいた。 「きれいだね、れてぃ!」 「えぇ、そうねぇ~」 二匹は粉雪を眺めていた。 「ねぇ、れてぃ」 「なぁに、ちるの?」 辺り一面に粉雪が降り注ぐ中、ちるのは満面の笑みを浮かべた。 「ことしもいっしょに、ゆっくりしようね!」 ……ちるのにとっての本当の冬が、今、始まった瞬間であった。 冬……、それは、ゆっくり達にとって、冬ごもりの季節。 冬は山に棲む全てのゆっくりに訪れる。 どんなゆっくりにも等しく、訪れる。 そして、山には雪が降る。 静かに、ただ静かに、さんさんと……。 END あとがき 知らない方は初めまして。 知っている方はこんにちは。 ぺけぽんで御座います。 今年中にこのSSを投稿出来るか不安でしたが、何とか投稿する事が出来て安心しています。 最近制裁オンリーを書いてばかりだったので、今回は私の原点っぽく書いてみる事にしました。 ちなみに私は冬はどうも苦手です。 自室の暖房手段が布団の電気毛布しかないので、朝は布団から出たくありません。 ちるのみたいに寒さを感じなければ良いのにと思う今日この頃です。 これからも、よろしくお願いします。 ご意見、ご感想、お待ちしています。 作者:ぺけぽん 感想用掲示板はこちら http //jbbs.livedoor.jp/otaku/13854/ ミラーはこちら http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/1.html 今までに書いたSS anko1656 クズとゲス anko1671 うにゅほのカリスマ求道記 anko1767 あなたは、食べてもいい○○○○? anko1788 そんなの常識ですよ? anko1926~1928 二人はW ~Yは二度と帰らない~ anko2079 しんぐるまざー anko2750 無意識だから anko2786 ともだち anko3189 おちびちゃんは大切だよ! anko3210 バクユギャ anko3221 根本的な間違い anko3249 お兄さんは興味が無い anko3261 それぞれの願い anko3319 好みは人それぞれ anko3330~3331 HENNTAI達の日常~メスブタの家出~ anko3343 HENNTAI達の日常~駄メイドの休日~ anko3360 可哀想なゆっくり anko3419 優秀or無能 anko3469 たまたま anko3528 悪いのは誰? anko3885 可愛いは正義 挿絵:
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「ふたば系ゆっくりいじめ 613 激辛れいむと珈琲ありす 前編/コメントログ」 デイブ一家ざまぁwwww -- 2010-08-21 19 10 08 常識を持ってるお兄さん格好良いわぁ… -- 2010-09-27 14 46 52 イラストがやけにかわいいなw -- 2010-12-06 22 58 57 これは名作 -- 2010-12-07 11 31 21 イラストがやけにカワイイなwwwなんで?赤髪れいむってかわいかったのか。 -- 2011-02-23 12 48 03 ナレーションと思われる部分について客観的情報ではなくて、主観的情報を入れ過ぎです また「スキンシップには体を触れさせるものが多い」など、身体的接触の事をスキンシップと呼ぶのに これはあまりにお粗末です。 まだまだありますがやめます。 義務があるわけではないので、もう少し勉強なさってから投稿なさっては? -- 2011-07-21 11 53 00 ↓まとめに入れられたモンに今更講釈垂れてどうすんだ? そういうのは投稿された時に本スレで言えよ -- 2011-07-21 23 41 13 ↓黙れハゲ どうするも何もコメントしてるだけだろボケ ちなみに俺は↓↓さんじゃないから返答は無用だぞ知恵遅れ -- 2011-07-22 09 52 18 ↓いや……コメント自体は別にいいんだ ただ、まとめに入れられてるモンに対して「もう少し勉強してから投稿しろ」なんぞと言っても意味ないだろ? この作者一年近く音沙汰無いし、ここで文句垂れても作者に届かないんじゃないのか?って言いたかったんだが…… まあ、これ以上は荒れる原因だし控えるけど、最後の一行は余計だと思うぞ? -- 2011-07-24 19 11 12 ↓↓ おまえが知恵遅れ -- 2011-08-13 10 00 49 キリライターあきsの絵はいいなぁww 苦痛にもがき苦しむでいぶ一家の絵イイ! -- 2011-10-22 10 01 26 激辛れいむ飼ってみたいww -- 2011-10-22 20 44 20 キリライター絵上手すぎだろ…w しかしss長すぎ -- 2011-11-02 05 38 34 野生のれいむ種殺意持ったの始めて。死んでざまあww -- 2012-01-08 11 27 40 れいむ種がかわいい・・・だと・・・(赤髪限定) -- 2012-01-10 22 07 55 赤髪ゆっくり霊夢が可愛い件について -- 2012-05-28 19 45 34 うまそう -- 2012-07-28 17 22 16 赤髪れいむゆっくりにとっての兵器持ちすぎだろww -- 2012-08-09 14 47 43 赤髪れいむ以外はクズ過ぎwww -- 2012-09-15 21 55 47 息をするように死んでくな、こいつら・・・ -- 2012-10-03 21 47 02 親れいむアホウじゃんww -- 2013-02-18 17 49 47 赤髪霊夢大好き人間です⭐ -- 2013-07-12 17 43 30 親れいむやっぱジコチューだなー。 -- 2013-07-26 14 49 36 赤れいむいいわぁ… -- 2013-08-05 00 29 08 んほぉおおおお!!!茶髪のありすも赤いれいむも素敵よぉおおおお!!!!! -- 2014-01-19 18 34 29 危険が迫ると毒や血を噴出して威嚇するトカゲを思い出した -- 2014-03-08 10 29 59 ある種の実験で誕生した希少ならぬ奇形種ネタって好きw このアイディアで他の人も、体質変化型のゆっくりを描いて欲しい 今度はかれ~いむ(カレーれいむ)や、ゴマりさ(胡麻まりさ)とか・・・w -- 2014-05-10 18 40 37 もう赤髪れいむ胴付きになっていいんじゃないか「正論」 -- 2016-11-13 23 52 47 キリライターさんやっぱ画力すげぇわ… -- 2021-02-18 10 54 02 じゃおーんじゃおじゃお (訳 めーりんはからからさんだいっじょうぶだかられいむのおちびちゃんつくれるよ! -- 2023-02-20 17 31 57 あかられいむすごいかわいいねぇ ちゃにがありす、日本人を思い出す⭐︎ -- 2024-02-20 19 44 59
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1294 行列の出来るえーりん診療所/コメントログ」 胴付きは愛でるもの 希少種は愛でるもの 善ゆは愛でるもの -- 2010-09-29 19 13 05 えーりん!!えーりん!!えーりん!!えーりん!! -- 2010-12-06 01 11 58 まりさを殺さないクズえーりんもクズってことか -- 2010-12-08 15 51 56 おっぱいえーりん -- 2010-12-10 22 50 49 えーりん!えーりん! -- 2011-01-16 12 39 57 ↓×5 全てのゆっくりは虐待するもの -- 2011-01-17 02 23 11 ↓真理 -- 2011-01-22 15 51 42 ↓、↓↓虐待する設定のゆっくりは虐待 愛でる設定のゆっくりは愛でる これが真理だと思う -- 2011-04-23 14 41 47 らりるれろ…メタギアネタか -- 2011-07-08 22 40 15 ゆっくりであれば何でも虐待すればいいってのは、 口に入ればなんでもいいっていうゲテモノ食いとたいして変わらない それぞれの味を楽しめばいいと思うよ -- 2011-07-18 09 48 00 ゲスの飼い主はキャンベル大佐か -- 2017-01-11 19 29 18 ( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん! ( ゚∀゚)o彡゜えーりん!!えーりん! ! ( ゚∀゚)o彡゜りんえー!!!りんえー! !! ( ゚∀゚)o彡゜えーりんりん!!!!えーりんりん! !!! ( ゚∀゚)o彡゜りんえー!!!りんえー! !! ( ゚∀゚)o彡゜いなば!いなba・・・ 流石にしつこいか。 -- 2018-04-01 14 30 02 ↓しかも歌詞間違えたwwwすまんwww -- 2018-04-01 14 32 02 後遺症まりさ治ったのかな? -- 2022-09-03 00 09 16
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いおりん:S藤 いろいろと思考回路が残念な子 現在精神不安定・・・?別名マリ トウヤ:K太郎 なにかと軽いやつ でもモテる どうでもいいけど、こいつって何かと問題引き起こすよね 結構気に病んでるみたいだぜ 奏:N元 巻き込まれたっぽい 料理上手(でも今回の件では意味なし トウヤに半分わけてあげてほしいくらい超一途 小野栗:小野口 今回は被害者? 奏の元カレ 竹下:トウヤの元カノ 奏に狙いを定めたとたん、振られた可哀相な娘 現在、新たな恋に向けてまい進中・・・? ラヴ:T田 いおりんのお世話役的位置 今回の件ではいおりんを見放し、放置すると宣言 ひーと:S井 このwiki作った人 奏、いおりん、トウヤ、ラヴ共有の友人、嫁はめーりん。
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てすてす -- (yos) 2010-09-20 15 44 55 ブリブリ -- (れてぃ) 2010-09-20 19 02 47 エアコンの水漏れに続き、鼻から水漏れですか?!お大事に;3; -- (れてぃ) 2010-10-06 14 05 58 だれうまw 鼻水は出てないけど喉がくそ痛い -- (yos) 2010-10-06 14 34 22 あーあーあー -- (れてぃ) 2010-11-18 23 12 02 装備をいろいろと紹介してみた。ちょー疲れた。 -- (yos) 2010-11-25 15 56 42 センショク草・青 16個 -- (yos) 2011-02-08 00 22 47 ハーヴェストメモ作ったよ!みんなも使ってね(。ゝω<)キャピッ -- (yos) 2011-02-11 00 51 44
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※『森のお医者様』 ]]『村のお医者様』の続きですので、そちらのほうを読んでから このSSを読んでいただかないと話の流れが分からないと思うので、上記2作を読んでいない方は、お手数ですが 上記2作を読んでからこのSSを読んでください・・・ 勝手ですが、作者からのお願いです。 (ちなみに、 青年=えーりんを飼っている男、幼馴染=青年の幼馴染である虐待お兄さん、男=めーりんを飼っている男、と分けていますです。 えーりんは、幼馴染の言葉にしばし呆然となった。 えーりんは呟いた。 「・・・どうして?」 どうしてなのだ。自分がぷれいすを離れたのはあいつらに言われたことが原因だというのに。あんまりにも身勝手すぎる。 「おい」 えーりんの飼い主の青年は呼びかける。幼馴染は顔を向ける。 「マジで?」 「こんな微妙な嘘つくわけねえだろアホか」 「・・・めんどくせえなぁ・・・えーりん、どうするんだ?」 ガリガリと頭を掻きながら青年はえーりんに問いかける。 「いかないというわけにもいかないでしょう」 「そうか・・・」 その会話に、怪我をして先程治療を受けに来ためーりんを飼っている男が口を挟んだ。 「あー、その・・・行く必要は無くなったみたいだぞ」 「え?」 二人と一匹は男に顔を向ける。 男は、青年の家の窓から少し離れた位置から、地面を見下ろしている。 その方向には・・・ 「「「「「えーりんをかえしてね!!ぷんぷん!!!」」」」」 「「「「「ぷきゅーっ!!」」」」」 地面には5匹の成体ゆっくりと、同じく地面に5匹の赤ゆっくり達が固まっていた。 成体ゆっくりのうち2匹(れいむとちぇん)は、腹が膨らんでいる。にんっしんっしているのだろうか。 赤ゆっくりは、まりさが2匹ありすが2匹、みょんが1匹。 その全てが、頬を膨らませて威嚇している。 「そういやあこの家って森に一番近いんだったっけな・・・」 幼馴染は呟く。 えーりんは黙って家の窓のふちまで跳ねていき、そこからそのゆっくり達を見下ろした。青年達はそんなえーりんの後姿を見守っていた。 「ゆ!えーりんだぜ!!」 まりさの一言に弾かれたように、ゆっくり達は威嚇を止めて、 「えーりん!れいむたちのゆっくりぷれいすにもどってきてね!!」 「おねがいするわ!あなたがいないとふあんでゆっくりできないのよ!」 「ちーんぽ!」 「わかってねー」 成体5匹は口々にこう言う。赤ゆっくり達は目を輝かせて「ゆぅ~」と言いながらえーりんを見つめている。 それを見たえーりんは、目を細め、不機嫌そうな表情で、突き放すように言った。 「・・・いやよ」 それを聞いたゆっくり達は、 「「「「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉ!!!???」」」」」 と、涙を撒き散らしながら声をそろえて嘆く。 「いまさらぷれいすにかえるきになんてならないもの」 「なにいっでるのぉぉぉ!!!えーりんはありずだぢのゆっくりぷれいすのおいしゃさまでしょぉぉぉ!!」 そう言うありすに向けて、えーりんは答える。 「それはちがうわ。 わたしはゆっくりのおいしゃさま。あなたたちだけのものになることはできない」 「ぞんなごどいわないでねぇぇぇ!!!」 「えーりん!おねがいなのぜ!かえってきてほしいのぜ!」 そう言うまりさに、えーりんは顔を向け、 「あなたがそれをいうの?どのくちでいってるのよ?」 そこまで言ってから一呼吸置き、さらに咎めるような口調で言った。 「ねえまりさ。あなた、どうしてわたしがぷれいすをはなれたのかわかってるの?」 「・・・ゆ?・・・ぷれいすがゆっくりできなくなったから?」 「うん。じゃあゆっくりできなくなったげんいんは?わかる?」 えーりんは静かに、しかし強い口調で、まりさに言葉をぶつけていく。 このまりさは、ぷれいすが捕食種達に襲われた次の日に、治療をするえーりんを罵倒したゆっくりの一匹である。 頬につけられた、治りかけている大きな傷が目印だ。 そのときに言い放たれた言葉を、えーりんは未だにはっきりと覚えている。 「えーりんなんてえいえんにゆっくりできなくなっちまえなのぜ!!!」 そうまで言ってのけたまりさが、今こうしてえーりんを連れ戻そうと説得しているのは、ひどく滑稽に思える。 「・・・わからないのぜ」 まりさは数十秒間悩んだが、答えを導き出すことができなかった。 自分に都合の悪いことは忘れてしまうという通常ゆっくりの性質を、えーりんは改めて確認した。 「そう。まあ、あなたがおぼえていたとしてもわたしはぷれいすにもどったりすることはないけどね」 「どういうことなのぜ?」 「ねえまりさ。わたしがぷれいすをでていったのは、あなたにもげんいんがあるのよ」 「ゆ!?・・・なにいってるのかわからないのぜ」 「はぁ・・・」 えーりんは溜め息をついた。 えーりんを見上げていたゆっくり達も、折れないえーりんを見て、すっかり元気を無くしてしまっている。 数秒の沈黙の後、えーりんは振り向いて、青年達に向かって、 「こいつら、どうおもいます?」 と問いかけた。 「勝手だな」 「しつこい」 「いじめまくりたい」 と、青年、男、幼馴染の順に言った。 「・・・さいごいがい、わたしもどうかんです」 えーりんは言う。 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉ!!??」 幼馴染は叫ぶ。 「・・・おにいさんのおともだちさん、ゆっくりがそのごしゅみをりかいするわけにはいかないのです」 「・・・そうか・・・」 「そのごしゅみは、ぐたいてきにどういうことをするのかは、どすゆかりんからきいています」 「なんでそんなこと知ってるの君のところのドスは・・・」 「しょうじき、そのごしゅみのたいしょうがわたしにむけられたら・・・とおもうと、すごくこわいです。 まあ、でも、そのごしゅみのたいしょうをわたしにむけられることがなければ」 「なんだそうか。安心しろ、君を虐めたいなんて思わないから」 幼馴染は満足げに頷きながら言う。 「というか、そのごしゅみじたいなくしていただけると、ほんとうにあんしんできるのですが」 「すまぬ、それは無理だ」 「・・・まあ、それはともかく、こいつら、なんとかしていただけませんか?」 「え?マジ!?」 「あ・・・その・・・わたしがおねがいしたいのは、こいつらを、 おにいさんたちのほうからもとのぷれいすにもどるようなんとかしていただきたいというだけです。 いじめたり、えいえんにゆっくりできなくなるようなことはしないでいただけますね?」 「ゆ・・・?」「え、えーりん、なにいってるの?」 ゆっくり達と同様に、青年達も困惑した。 「・・・いいのか?その、言うこと聞いてやらなくて」 幼馴染は確認する。それに、えーりんは頷く。 「いいんです」 「そうか。あ・・・その、さ、君のとこのドスからなんか報復されたりする可能性があるのかもしれないのが心配」 「だいじょうぶだとおもいます。どすはわたしがぷれいすからはなれることにはんたいはしませんでしたし、 こいつらは、どうせどすからのきょかもとっていないでしょう。どすがこんなおおぜいをよこしてくるとはおもえませんから」 ちなみに、許可を出された?のはまりさ一匹だけである。 「ドスねえ・・・君のとこのドスって、そんな優秀なのか?」 再び聞いてきた幼馴染に、またえーりんは頷く。 「どすは・・・きびしくもありますが、どすのいうとおりにすれば、どんなこともうまくいくんです。」 「・・・そうか。ドスには怒られ、さらに時間を割いて村まで来たのにえーりんを連れ戻せなかった、じゃあ 得することがなんも無くなっちまうから、絶対にえーりんを連れ戻さなくちゃいけないわけだ」 「・・・わたしにはなんともいえませんが・・・そうなのかもしれませんね。こんなにしつこいのは」 「ハハッ、こいつらも馬鹿だな。苦しんで殺される位なら怒られるほうがマシなのに」 「え?」 「いやなんでもない」 彼は、少々心が痛むが、えーりんに言われたことを守るつもりは無い。 幼馴染は、猛スピードで玄関へ向かい、青年の家から飛び出して、頬を膨らませるゆっくり達を捕まえようとした、その時・・・ 「ま、まって、ください!にんげんさん!!」 という声が聞こえた。 えーりんとゆっくり達と幼馴染は、声のした方向に顔を向けた。こちらに向かってきたのは・・・ 「「「「「「「らん!」」」」」」」「らんとは。珍しい」 群れの幹部の、あのらんであった。 「はぁ、・・・はぁ・・・」 「らん、どうしたのよ?!」 えーりんはぽいんと窓から降りて、らんに尋ねる。青年はそれを追うように窓に歩み寄って、窓から地面を見下ろす。 らんは、息を切らしながら告げた。 「・・・っ、そいつらを、つれもどしに、きた」 「?」 「ら、ら、らんだぁぁぁぁぁぁ!!」 「ゆっくりできないわぁぁぁぁぁ!!!!」 「ゆっくりごろしがれいむにぢがづがないでねぇぇぇ!!」 「ちっ、ちんぽ!!」 「・・・」ガタガタ 叫ぶ4匹、みょんの背後に隠れて震えるちぇん。五匹の普通ではない反応と、そしてれいむがらんに向けて言った言葉が、えーりんは気にかかった。 「らん、あなた、なにをしたの?」 「・・・」 らんは俯きながら黙っている。 「らんは・・・らんは、れいむをえいえんにゆっくりできなくさせちゃったんだぜ!!!」 まりさが叫ぶ。その言葉に、えーりんはにんっしんっれいむを見ながら首を傾げる。 「れいむならそこにいるじゃない。なにいってるの?」 「そうじゃないぃいいい!!!もうひとりれいむがきてたのぉぉぉお!!!」 「ああ、そういうことね・・・でも、」 えーりんの知っているらんは・・・というか捕食種でないゆっくりなら当然のことだが、 無闇に他のゆっくりを殺したりはしない。らんは群れの幹部をやっていけるくらいなのだからなおさらのことだ。 らんが我を忘れてそんなことをするとは、ただ事ではない。恐らく・・・ 「そのれいむが、らんをおこらせるようなことをしちゃったんでしょ?」 「ゆ・・・まあ、それは・・・」 「やっぱり」 「それよりらん、れいむのあかちゃんはどうしたのよ!?まさかおきざりに・・・」 らんは黙ったまま尻尾で帽子を上げて頭頂部を見せる。そこに、 「ゆぅ~・・・」「ゆぴー」 あの3匹の赤れいむ達がいた。グッスリと眠っている。目に隈が出来ている。泣き疲れてしまったのだろうか。 「あぁ・・・」 五匹は安堵の溜め息をつく。 それを見てから、らんは口を開く。 「れいむのことは、ほんとうにすまなかった。ばつはかならずうける。 おまえたちといっしょにぷれいすにもどってからな」 「・・・」 「だからたのむ、ぷれいすにもどってくれ、みんな」 「えーりんは・・・どうするの?」 ちぇんはえーりんのほうを向いて尋ねる。 「なんどいえばわかるの?」 「わっ・・・わかるよ~・・・ごめんなんだよ~」 「っていうかあなたたちなんでわざわざおちびちゃんたちまでつれてきたのよ?あしでまといじゃない?」 「ゆ・・・それはね・・・」 れいむはまりさのほうをちらりと横目で見る。 まりさは口を開いた。 「おちびちゃんはゆっくりできるものだぜ!かわいいぜ! だからおちびちゃんたちをみせればにんげんもめろめろになって、えーりんをつれてかえってもひきとめられないだろうとおもったのぜ!」 それを聞いた青年は呟く。 「ゆっくり理論は理解出来ん・・・」 それを聞いたえーりんが振り向き、青年を見上げて、そして苦々しげに笑いかけ、言った。 「しょうがないです。にんげんさんとわたしたちはちがいますから」 「そうだな」 青年とえーりんは笑いあった。 「えーりん、なにしてるのぜ?」 まりさの呼ぶような声が背後から聞こえたので、えーりんはまた振り向いた。 「なんでもないわ。それより、いつまでここにいるつもりよ?」 「えーりんがまりさたちといっしょにぷれいすまでかえるけっしんをつけるまでだぜ」 それを聞いたらんは、イライラしたような声でまりさに言い放つ。 「・・・まりさ」 「ゆ?」 「いいかげんにしろ。もうすぐひがくれる、れみりゃやふらんがあらわれるじかんだ。はやくもどらないといけないぞ」 「そうなったら、にんげんのおうちをうばえばいいのぜ。そんなこともわからないのぜ?」 「えっ」 「何それ怖い」 まりさの言った言葉に、青年と幼馴染は反射的に呟いた。 それに対し、まりさはこう言った。 「ゆ?なにまぬけなかおしてるの?まりさたちにできないわけないでしょ?」 「「「「・・・」」」」 青年と男とえーりんとらんは、心底呆れたような顔でまりさを見つめている。 「な、なんなのぜ?できないとでもおもってるのぜ?」 それに対して、幼馴染が答える。 「何なの?出来るとでも思ってんの?」 「あたりまえだぜ。にんげんがたばになってかかってきてもまりさにかなうわけないでしょ」 「いつも思う。その自信の根拠はどこから来るのかと。お前今まで人間に会った事あるか?」 「これがはじめてだぜ」 「えっ・・・おかしいって思ったことは無いか?」 「ないぜ。でも、まりさはもりのなかならつよいほうにはいるとはおもってるぜ!」 「えっ・・・その、もう一回聞くが、ゆっくりが人間に勝てると思ってるのか?」 「そうだぜ!ひとめみてわかったぜ!にんげんにまりさがまけるわけないぜ! おおきさなら、にんげんとまりさはおなじくらいなのぜ!!」 どうやらこいつは頭の大きさで敵の強弱を見極めるタイプのゆっくりのようだ。 「ああ・・・なるほどね。でもさ・・・本気で思ってる?」 「あたりまえだよ!!!なんかいいわせるの!?」 「えぇ~何コイツ思考回路おかしいよ絶対・・・えーりんに診てもらうべきだろ・・・」 と嘆く青年に、幼馴染は諭すように言い始めた。 「まあそう嘆くな我が友よ・・・ ゆっくりにも個性ってものは当然ある。その個性が形成されていく過程で、ゆっくりは色んなことを吸収していくわけだ。 親のからの知識だったり、自分の体験からだったりな。 そんで、このまりさはたまたま、自分と同じくらいの大きさの敵に勝ち続けてきちまったんだ」 「れみりゃにぼろぼろにされちゃったことはわすれたみたいですけどね」 「・・・だから、ゆっくりの基準なら、特別頭がおかしいってわけじゃないのさ。こんなこと言うゆっくりはたくさんいるぜ。 それに、さっきえーりんが言ってただろ。人間とゆっくりは違うって」 「・・・ふーん。ためになるお話をありがとう」 青年は、別になんとも思っていないような表情で幼馴染に礼を言った。 「・・・で、らん、どうするのよ?」 えーりんは、無表情のままらんに問う。 それに対し、らんは、呆れ顔で言った。 「・・・さっき、もりのなかでわたしのいったことをおぼえてないようなら、わたしと、れいむのあかちゃんだけでぷれいすにもどる」 「「「「ゆ!?」」」」「ら、らんしゃま?」 「・・・らん、ぷれいすにかえるの?」 えーりんは確認する。 「そうだな。もうかえる。・・・ゆかりんさまから、つれもどしてこいとしれいをうけていたのだがな。 そのけっかがあかれいむさんにんだけとは、もうしわけないきもするが」 「どすになんていうつもり?」 「ありのままをはなすしかないだろう」 「そう。・・・らん、たっしゃでね」 「ああ」 「・・・あ、らん。いつもの、わすれてたわね」 「え?」 「ゆっくりしていってね」 「・・・ああ。ゆっくりしていってね!」 えーりんと別れの挨拶を交わしたらんが後姿を見せた瞬間、ちぇんはその後を追おうとした。 「ちょ、ちょっとまってらんしゃま!まって、おいてかないで!!」 「・・・どうしたのちぇん?にんげんさんはこわくないんじゃなくて?」 えーりんの問いに立ち止まって、振り向いて、ちぇんは答えた。 「・・・らんしゃまは、どすがあいてをしてもにんげんさんにはかなわないっていってたよ~・・・はじめはしんじられなかったけど、 らんしゃまのいうことはいつもただしいんだよ・・・だから、いまさらだけどこわくなってきたよ・・・それに、」 「ん?」 「らんしゃまにみすてられるのも、おなじくらいこわいよ~・・・ゆっくりできないんだy・・・ゆ?」 「・・・」 そこまでえーりんに向けて言ったとき、ふと、ちぇんは、まりさの様子がおかしいことに気付いた。 「まりs」 どうしたの?と続くはずだったのだが・・・ 「ゆっくりでぎないえーりんはゆっぐりじねぇぇぇぇぇぇ!!!」 まりさはそう叫び、えーりんに体当たりをした。 「ゆ゛っ!?」 えーりんはそのまま幼馴染の足元まで転がる。 それを見たちぇんは・・・いや、まりさ以外の、そこに居合わせた全ての生き物が驚愕した。 叫び声を聞きつけたらんがこちらまで戻ってくるのが見えた。 「ちょ、ちょっとまってねまりさ!えーりんをゆっくりできなくさせちゃだめだよ!!」 れいむはそう言うが、まりさは怒りの形相のまま再び叫ぶ。 「なんでえーりんはまりさたちのいうことをきいてくれないのぜ!?いうこときいてくれないと、まりさおこるのぜ!! まりさをおこらせるといたいめにあうんだよ!!またいたいめにあいたくないなら、いまのうちにぷれいすにもどるけっしんをしてね! でないと、まりさがえーりんをえいえんにゆっくりできなくさせるよ!!!」 その言葉を聞いた他の4匹はうろたえた。 「・・・ふふっ」 えーりんは、横になったまま砂だらけの顔に笑みを浮かべるだけだ。 「えーりん!さっさt」 「このばかまりさがぁぁぁぁ!!!」 「ゆべっ」 その時、らんがまりさに体当たりをして突き飛ばした。まりさの帽子が舞い上がる。 突き飛ばされたまりさのほうに、成体4匹は跳ねていく。 落ちてきた帽子を咥えて横に置くと、らんはまりさに向かって言い放つ。 「じぶんのいうとおりにならなければゆっくりできなくなれだと?・・・きさまがそんなわがままだとはおもいもしなかったぞ」 「ら、らん・・・」 「それにまりさ・・・いつもいつも、もじどおり『みをけずって』けがをなおすえーりんがいたみになれていないわけがないだろう。 こうげきでえーりんをおることはできん。 そんなちょうしだからえーりんにあいそをつかされるのだ」 「ゆ・・・」 「まりさ、こんごいっさいぷれいすにはもどってくるな。このぼうしはつかえなくしておく」 「ゆぅ!?」 言い終えたらんは、まりさの帽子を尻尾に引っ掛けたまま、今度こそ森の方向へ去っていった。 「ち、ぢょっどまっでぇぇぇぇ!!!ばりざのおぼうじぃぃぃぃ!!ゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!がえじでぇぇぇぇ!!!」 まりさは横になったまま顔を歪めて号泣するが、らんが振り向くことはなかった。 そんなまりさを、周りの成体4匹は冷ややかな目で見つめていた。 えーりんは、玄関から外に出てきた青年に抱きかかえられたまま、5匹を見下ろしていた。 いたたまれなくなったちぇんはらんの向かっていった方向に顔を向ける。既にらんの姿は見えなくなっていた。 ちぇんは口を開いた。 「みんな・・・かえろうよ・・・」 まりさ以外の3匹は、その言葉に無言で頷いた。 4匹は、抱きかかえられているえーりんを見上げ、一斉に言った。 「「「えーりん、にんげんのむらでゆっくりしていってね!!!」」」「ちーんぽ!!!」 その言葉に、えーりんは答えた。 「ゆっくりしていってね!!!」 と。 「なんか日本語として成立してない気がするんだが」 「だから人間とゆっくりは違うんだってば」 「いや、きっと今のえーりんの『ゆっくりしていってね』は『ゆっくりしていくね』って意味なんだろ」 「なら『ゆっくりしていくね』って返せばいいじゃん」 「それは『ゆっくりしていってね』って言われたから仕方ないことさ。これが定番だし」 「えっ・・・俺初対面のとき『ゆっくりしていくよ』って返しちまったんだが」 「まあそれは、お前は人間だから気にしなくていいんだよ。俺なんて『うるせえ死ね』って返すし」 「「それは無いわ」」 頭上で繰り広げられる『ゆっくりしていってね』についての議論に耳を傾けながら、 らんと同じ方向へ去っていった4匹をえーりんは見送った。 「・・・そう。分かったわ。残念だけれど」 「もうしわけありません」 運よく、捕食種に出会うことなくぷれいすに帰ったらんは、元の親れいむの家の中に、食料を添えて赤れいむ3匹をそっと置いた後、 ドスゆかりんの巣穴に戻り、今回のことのありのままを報告した。 「らん、あなたもゆっくりだから、もちろん失敗することもあるのはわかるわ。とは言えど、今回が初めてよね。失敗したのは」 「はい」 「正直、意外だったわ」 ゆかりんは笑いながららんに言う。 「私は『なんとしてでも連れ戻して来い』って言ったのにね。あなたが私の指令を破るなんて思ってもみなかったわ」 「ほんとうに、もうしわけありませんでした」 「良いのよ、気にしなくて。ま、ゆっくり殺しの件の罰は考えておくけれど」 「はい」 「今日は、あとはゆっくりおやすみなさい」 なんとも妙なことだ。数時間前と言っていることが違っている。 「はい。おやすみなさいませ」 「ええ」 自室に戻るらんの後姿を見送り、ゆかりんは考える。 (人間さんと交流をなくしてしばらくすれば、こういうことは必ず起きるっていうことを覚えとかなくちゃね) 思えば、森の奥にぷれいすを移してから2年が経っている。 ちなみに、群れの創立は6年前、らんが幹部になったのは3年前である。 (群れのゆっくりがまた減ったのは大変だけど、よく考えたら結構簡単に私たちは数を増やすことができるし、 このぷれいすに住んでるわけじゃない他のゆっくりがここに住み始めることはちょくちょくあるのよね) 事実、らんが人間の村に行っている間にも、一匹のまりさが、このぷれいすでおうち宣言をさせてもらったりしている。 (大丈夫だと思っておこうかしら。きっとあのまりさ達はもう帰って来ないだろうから、もう人間さんに関わろうなんて誰も思わないだろうし。 あのまりさ達には申し訳ないけど、誰かがこういう目に会わないといけなかったのよね。 ・・・でも、食料調達のとき以外は、しばらくは群れの外出を制限しようかしらねぇ・・・) そこまで考えたとき、外から、数匹のゆっくりの声が聞こえてきた。 声の雰囲気からすると、なぜだか知らないが、安堵したような様子である。 なにやら良い予感がしたゆかりんは、隙間をつなげて、上空からぷれいすを見下ろした。 ゆかりんの視線の先には、成体ゆっくり4匹と、その子供達が映っていた。 (・・・らん。これだけ帰らせてきたなら、十分に仕事はしてきてくれたみたいね。 外出制限じゃなくて、代わりに人間さんについての勉強が必要になっちゃうでしょうけど) ゆかりんとらんが居る限り、このぷれいすは安泰だろう。 いつものとおり、村のゆっくりの診察をし、夕食を食べ、そしてまた診察をし、 と言った調子で過ごしたこの日の夜。 「えーりん、本当に良かったのか?」 青年は布団にえーりんを入れながら尋ねる。 「はい?」 えーりんは首をかしげる。 「ぷれいすに戻らなくてさ・・・必要とされてるんだぞ?」 「いいんです。・・・ここにもひつようとしてくれるゆっくりがいます。それにわたしは、ここのほうがゆっくりできるんです」 「・・・そうか」 「はい。とっても」 「・・・」 「それに、このむらにすんでるひとたちもやさしいですしね」 「・・・そうか」 「はい!」 えーりんは笑顔で言う。 そんなえーりんを見て、青年は思った。 (なら、絶対にあいつに手は出させないようにしないとな。飼いゆっくりに手を出したことは無いって言ってたけど、それでも心配だ) 「それと、えーりん」 「はい?」 「君でも怒ることがあるんだな」 「・・・うふふっ、あたりまえですよ」 「そうか」 「ええ」 「おやすみ、えーりん」 「はい、おやすみなさい。おにいさん」 一人と一匹は夢の世界へ入っていった。 「ひゃ、ひゃめるのふぇ!まりふぁにほんなことひないでほひいのへ!!」 部屋の中には、頬を膨らませた帽子の無い成体まりさと、一人の男がいる。 「やめるわけねーだろカス。とっととその口ん中のお前の子供吐き出せよ。それともその口、二度と開けないようにするか?」 「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」 口を閉じて涙を撒き散らしながら首・・・?身体を振るまりさに平手打ちをしているこの男は、 先程のえーりんの飼い主の幼馴染だ。彼は筋金入りの虐待家なのだ。 「喋れ。どうして欲しいのか言ってみろ。子供を吐き出して自分だけは助かりたいのか。 それとも子供を飲み込まざるを得ないような口にさせられて、子供だけは俺の手に触れさせないようにして、あと自分は餓死したいのか」 「ん゛ん゛っ」 どちらに対しても首を振るまりさを見て、にやりと笑った彼は、今度は拳を握り締めて、まりさの顔面を殴りつけた。 「ゆ゛っ!!」 嫌な音と共に、まりさは壁に激突した。その拍子にまりさは横になり、あんよを晒した。 真っ黒に変色している。つまり、このまりさはもう動くことはできない。 つまり・・・まりさのゆん生は、いわゆる『詰み』に嵌ってしまっているのだ。 近づいてくる彼を見るまりさの心に、絶望が広がっていった。 次の日、大きな餡子の塊が入ったゴミ袋が、ゴミに出されていた。 あとがき 結局、全体的にあっさり気味になってしまった。 あと、本当はあの5匹とその子供達も虐めたかったんだけれど途中で飽きたのでこんなんになっちゃいました。 まあ、そんなことより、 何回も地の文とか台詞を書き直してるせいか、書いてる最中「えーりん」の文字がゲシュタルト崩壊した。 byめーりん萌え このSSに感想をつける
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概要 彼がコメントを始めたのはシーズンXの終わりごろだが、見る専の時期があるらしく、シーズン7からの地味な古参だそうだ。 ネクロノミコン(リスカ)とデュオをしたら全く勝てなく、1884年生まれのえーりんがやめた後、ネクロはソロで優勝したため1884年生まれのえーりんはおにもつだと判明。 しかし、直球すぎるため、おにもtとなった。それを聞いた兄貴姉貴が おにもt→いちもt となった。(本人はいちもtは嫌な模様) サエナイさんがチャット板に来れなくなった原因かもしれない。 東方、進撃の巨人、ワールドトリガー、カイジがすきで、鬼滅キッズが嫌いのようだ。 その後、PCのフォートナイトに移行した。 ちなみにチャット板の最古参は管理人を除いて彼が一番長くいる。しかし、副管理人の座は兄貴姉貴に取られた。つまりはそういうことである。 チャット板ハッキング事件とチャット板と荒らし連合軍の戦いでは情報収集、報告をしたためFKNのような仕事をしたが入社するつもりは無い模様(つまりニート) スペシャルフォースなりすまし事件では、スペシャルフォース(FC GARNET)の私は勝ち組、あなたたちは負け組という発言に、じゃあ俺は勝ち組だなと言っている。 関連記事 ネクロノミコン(クーリア) サエナイさん おにもt 兄貴姉貴(オキラク) いちもt
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ゆっくりブリーダー ・久しぶりに会った仕事の元後輩の酒の席での愚痴をゆっくり風にアレンジしてみた・・・許せ後輩 ・回想ばかりで悲鳴とか皆無です、嫌or苦手な方はcloses推奨 ・酔っ払いつつ書いてます、誤字脱字話の矛盾は大目に見てね(ぁ ○月○日、ある有名なゆっくりブリーダーの葬式が行われた・・・ 参列者の中には保護団体のお偉いさんからペットショップの関係者 虐待鬼意惨達までやって来た。 皆親父の育てたゆっくりに世話になったり世話をしたりしている連中だ・・・ そう・・・その死んだブリーダーは俺の親父であった。 虐待鬼意惨達は焼香が終わり、俺の前に来たら「今まで潰し甲斐のある悲鳴のゆっくりをありがとう」 と言って帰っていった・・・。 それはまだいい・・・俺もどちらかと言えば虐待派だし。 ペットショップ関係者もまだいい・・・ 向こうも仕事が忙しい中来てくれて、「今までありがとうございました」 と・・・ 親父もさぞかし喜んでる事だろう・・・。 一番ムカつくのは保護団体の奴等だ 「親父が名ブリーダーだったんだから当然跡を継ぐんだよね」 とか言い切りやがって・・・ こっちの事を何も知らない癖に偉そうに命令すんなよ! 葬式が終わり、ようやく一息付いた所でふと親父の事を思い出した・・・ あまり言いたくはないがお世辞にも良い親父とは言えない、ってかお世辞でも言いたくはない! ―――過去・5年前 あれは俺が高校を卒業したあたりの頃だっただろうか・・・ 会社勤めをしていた親父はリストラを喰らい、何を血迷ったのかゆっくりブリーダーなんかになりやがった。 因みに、お袋は小麦粉アレルギーも手伝ってその時点で離婚して現在はどこで何をしているのかも分からない。 当然、最初の頃は収入なんぞある訳がなし・・・ 俺は大学を諦めて清掃会社で働く事にした。 変化が訪れたのは俺が働き始めて2年が経った時・・・ 親父はほぼ毎日仕事中の俺に小言を言いに現れた。 「ゆっくり達の餌が~」だの、「何でゆっくりの世話をしないんだ!」だのと・・・ 当然「それ全部親父の仕事だろうが!」と言い返し、その場を追い返しはする物の・・・ そんな事が半年も続いた時、真っ先にリストラの対象になったのは言うまでもない。 それからも新しい仕事に付いて半年もすれば妨害まがいの行動をする様になり・・・ 結局親父の道楽の手伝いをせざるを得なくなった・・・。 そしてゆっくりの世話を始めて驚いた事が・・・ 「はやくあまあまもってこいじじい!」 「おみずがなくなってるでしょぉおおおおおおおおおおおおおおおおおはやくおみずをいれろぉおおおおおおお!」 「おい!でいぶのおちびちゃんがうんうんでよごれちゃったでしょ!はやくきれいにしろぉ!」 「ぼさっとしてないではやくうんうんをかたずけろぉおおおおおおおおおおおおおおおお!」 親父が育てていたゆっくりは通常種、希少種問わずに全てがゲスとなっていた。 れいむは全てでいぶとなり、ありすは全てれいぱー、まりさやぱちゅりー、ちぇんにみょんも全てゲスとなり さなえ、ゆうか、てんこ、らん、めーりんにうどんげすらもゲスな言葉を言い放つ・・・。 もっとも、めーりんとうどんげは何言ってんのか分からないんだけど。 こんなんでよくブリーダーになるとか言えた物だよな、本当に・・・ まるで「ちゃんと育てるからぁー!」って犬や猫を拾ってくる小学生だ・・・ で、例外なく拾ってきた本人以外が世話をする事になる・・・っと。 そこで俺はある事を思いつき、それを実行に移す事にした。 1週間後 安定しているとは言えない物の、そこそこの収入を得る事に成功した。 その方法はネットの広告やアフィリエイトやらで出したこれ 〔虐待専用子れいむ:1匹5円、5匹20円(送料別)〕 この広告を出すにあたり、老後の為にと溜めておいた俺の貯金をはたいたがこの際仕方がない。 子れいむは親父が育てたでいぶの中でも特に肥えた奴同士をすっきりーさせて れいぱーや他のゲスゆの餡を喰わせる事で無理矢理大きくさせた。 この方法を使えば家のゲスを減らしつつ3日と経たずに出荷出来て合理的。 しかもゲスの餡しか喰わせないから餌代もかからないし子れいむも例外なくゲスになって虐待しがいがある。 2ヶ月も経った頃には家のゲスは母体にしたでいぶと希少種のみとなり、以降の餌はそこら辺の野良を捕まえて補った。 そうして余裕が出来たのを見計らい、改めてペットショップから善良そうな安いゆっくりを集め育てた。 因みに希少種のゆっくりは後日HENTAIや虐待鬼意惨が集まるオークションに出品した所そこそこの値で売れた。 それから更に3ヶ月も経った頃には軌道に乗ったのか、金・銀バッヂのゆっくりを出せる様になり 定期的にペットショップに持って行き安定した収入を得られる様になった。 他にも加工所をリストラされた元職員をコンサルタルトとして雇い入れた所 個人営業のせいもあり少数だが胴付ゆっくりを生産する事に成功した。 そうやって生み出した胴付はHENTAI用と銘を打ち、より高い値を付けた者にのみ売っている。 だが、実際に育てているのは俺にも関わらず名ブリーダーとして注目されるのは何もしていない親父だけ・・・ 親父がある愛で派の為の雑誌のインタビューで言った事は今でも忘れない・・・ 「どんな生き物にも生まれつき悪い奴なんていないんです だからゲスと呼ばれるゆっくりだって、愛情を持って接すればこの様に改心し、心を開いてくれます」 それを聞いた俺は当然、怒りを抑える事なんて出来なかった・・・ だってそうだろう? インタビューで親父が抱いているそいつは俺が新しく集めなおしたゆっくりであって、親父が育てた奴じゃない。 しかも親父の言う愛情とやらはゆっくりが望む通りにしてやる、ただそれだけだ 当然そんな事をしていればどんなゆっくりもゲスになる。 そんなゲスだらけの状況からここまで持ってきた俺の苦労はどうなるんだよ・・・。 それから3年も経ったある日・・・ 親父は心筋梗塞で入院した。 原因は極度の運動不足、他に肥満と糖尿病も発覚した。 当然だ、ゆっくりの世話は全て俺任せで自分は食っちゃ寝て酒飲んでるだけだったんだから。 だが表向きは親父が育てている事になっているゆっくりをそのまま継続して出して事実を伝えるのは容易いが そうすると今ギリギリで食い繋いでいる収入が減るかもしれないと思い・・・ 継続して出荷するのはHENTAI用の希少種と虐待用のゆっくりだけにした。 それ以外の愛で用は全てペットショップに引き取って貰った。 少なくとも俺がこのまま育て続けてもいずれ潰してしまうだろうと思ったし。 入院して以来一度も見舞いに行かなかったが3日前、親父が亡くなったと病院から連絡があった時には もう家にゆっくりは少数の胴付と今にも死にそうな母体、多数の虐待用のゆっくりしかいなかった。 ―――現在:葬式の1週間後 あれから俺は虐待用、HENTAI用のゆっくりをひっそりと売りつつ別の清掃会社に勤め始めた。 今度は妨害してくる親父もいないし、これでようやく定職と定収入にありつけた。 コンサルタルトとして雇った元加工所職員は継続して雇っている。 親父にやられて分かったけど一人でやるには限度があるし、メインの収入源である胴付は彼なくては作れない。 因みにそうやって生み出した胴付ゆっくりでやたら賢いさくやが生まれて、戯れにバッヂ試験を受けさせた所 何の教育もしてないのに見事金バッヂを会得してしまった。 現在そのさくやは家の掃除をしてくれている・・・ 何度か売ってくれと言ってくる奴がいたがそうすると家が散らかり放題になってしまうので却下している。 ・・・最も、他にも理由があるけどね。 「ご主人様、お掃除終わりました」 「どうも、今日の分の生産と世話と発注配送終わりました」 「ん、ああ・・・ご苦労さん じゃあ飯食いに行こうか」 机から立とうとする俺をさくやは押さえて・・・ 「ん?」 服を脱ぎつつ顔を赤くしつつこう言う・・・。 「あの、ご主人様・・・先に今日の分のご褒美下さい、できれば二人掛かりで」 俺は元加工所職員の方を向き・・・ 「いいのか?」と目で訴える。 それに対する答えは・・・ 「据え膳喰わねば~って奴です」 と、目と親指で答えながら既に服を脱いでいた・・・ってかコイツHENTAIだったのかよ。 まあ・・・童貞のままってのもアレだしな・・・ ここは一度経験しても・・・ 「あの・・・ご主人様?」 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ その日は結局晩飯食うのも忘れて3人で朝までキャッキャウフフした。 朝日はとても黄色かった・・・。 ~~Fin~~ あとがき ・この話は元後輩と呑んでそのまま帰宅後40分ぐらいで書きました ・呑みすぎ注意・・・ってか吐きそう_| ̄|○i||||||i ・なら呑むなって?ごもっとも・・・orz 〔でも呑まずにいれなかったのよ・・・〕 マーラーあきでしたm(;_ _)m
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『ゆっくらいだーディケイネ外伝』 EPISODE 0 /\ /\ /\ /\ /\ /\ /\ /\| 戦 || 士 | | が | | 生 | | ま || れ | | た | | 日 |\/ \/ \/ \/ \/ \/ \/ \/ どこかの世界にある館、紅饅館。そこは今まさに、何者かによる襲撃を受けていた。 「第3客室、敵の侵入を確認!」 「第6遊撃班、迎撃!」 「厨房にて火災発生!」 「隔壁!消化剤防除!」 「隔壁ってなんだよ!そんなもん無いよ!」 押し寄せる敵の大群を迎え撃つは、紅饅館のメイドゆっくり部隊。善戦してはいるものの、状況は劣勢にあるようだ。 「…」 「…」 「…」 館に侵攻している『敵』。その姿はあの『ゆっくりできない世界』の兵士、ユックレスと酷似していた。 だがその輪郭はぼやけ、向こう側が透けている。まるで亡霊のようだ。 「駄目です!エントランス突破されます!」 「1階部分は放棄する!2階へ上げるな!」 「左舷!弾幕薄いぞ何やってんの!」 「モノマネして遊んでんじゃねーよ!」 必死に防戦するメイドゆっくり部隊だが、次第に押され、防衛ラインが下がっていく。 「…」 「…」 「…」 2階の守りを固めるメイドゆっくり部隊だが、それでも敵の侵攻は止まらない。やや速度は落ちたものの、 押し切られるのは時間の問題だろう。 だが…どこの誰とも知らぬ連中のこの暴挙を許すほど、紅饅館は寛大ではなかった。 『 そ こ ま で よ ! 』 『 う ー ! 』 館中にれみりゃとぱちゅりー、二人の声が響く。同時に館全体が紅く輝きだした。 「!」 「!?」 「!!!」 その光はゆっくりと、敵の身体を包み込みその動きを束縛する。そして包んだ敵の身体ごと縮んでいき…やがて完全に消滅する。 館全体に魔法陣を描き、れみりゃとぱちゅりー二人分の魔力で発動させた大規模魔術。それにより雌雄は決した。 紅饅館の勝利だ。 「終わったわね…」 「うー…」(そうだね…) 敵が消え、メイドゆっくり達も治療や休息のため部屋へ戻っていき、掃除もされず放置されたままの誰もいなくなったエントランスを れみりゃとぱちゅりーは見下ろしていた。 「今回は退ける事が出来たけど、次また現れたときはどうなるかわからない…」 「うー、うーうー。うー」(そうだね。だから、今回得られた情報を分析して原因を調べて、対抗策を… むしろこっちから打って出られるくらいの用意をしなくちゃね) 「だから、今回得られたデータをもとに調査・分析して対抗策を…こちらから打って出るくらいの用意をしなきゃあね」 「うーうー。うー?」(いやそれさっき私が言ったじゃん。人の話聞いてた?) ぱちゅりーはじっと、帽子から取り出したものを見つめる。 それは今回得られたデータの中でもおそらく最大の収穫…一枚のメダルだった。 ―――数日後。 「むきゅー…みんな、集まったわね」 図書館にぱちゅりー、れみりゃ、さくや、そしてめーりんが集い、テーブルを囲んでいる。 例のメダルについての調査結果が出たため、その説明をするべくぱちゅりーが全員を招集したのだ。 (ちなみにふらんは呼んだら話がややこしくなりそうなので、別のテーブルで漫画を読ませてある) 「Zzzz…」 「めーりん寝るな」(ザクッ) 「はうっ!」 「じゃあ早速始めるわね」 額にナイフの刺さっためーりんを「まぁ、いつもの事だし」で済ませ、ぱちゅりーは調査結果の説明を始めた。 あのメダル、そして残留魔力のデータからわかったのは。 一つ、ここではないどこかの世界が『ゆっくりできない世界』へと変貌した事。 一つ、それを放置するとやがて別の世界までも『ゆっくりできない世界』へ変わってしまう可能性がある事。 一つ、この前現れた連中はその影響の一つ、この世界をゆっくりできなくするために現れた尖兵である事。 「つまり…ゆっくりは絶滅する!」 「「な、なんだってー!」」 「う、うー!」(な、なんだってー!) 「寝るなめーりん」(ドスッ) 「いや起きてましたよ!?一緒にMMRやりましたよね!?」 「ついてはこの事態に対抗するため、しばらく研究をやろうと思うの」 2本目のナイフが刺さっためーりんをやはり流し、ぱちゅりーは話を進める。 「だから人員と資金をまわしてほしいんだけど…れみぃ、いいかしら?」 「う?うー…」(うーん、確かにそれも大事なんだけど、PGダブルオーライザーほしいし…) 「ありがとう!そんなにあっさり快諾してくれるなんてさすが親友ね!」 「うー!」(してないよ!) 「世界のためゆっくりのため私財を投じるそのお姿…さすがお嬢様です」 「うー!」(違うって!) 「お…」 「死ねめーりん」(デュブチュッ) 「人の台詞邪魔しないでくださいよ!っていうか今死ねって言いましたね!?」 「なんかものすごい音がしたけど大丈夫?」 3本目は流石にスルーしきれなかった。なんかこう、なんか…アレなことになってるし。 ともあれ、こうして世界がゆっくりできなくなる危機…ゆっくらいしすに対抗するための切り札、ゆっくらいだーシステムの開発が開始された。 異世界の物であるメダルを元に行われたその研究は困難を極め、日夜不眠不休の作業が続いた… 「どうやら私達ゆっくりからは、個体ごとに異なる粒子が発せられているようね…これをゆっく粒子と名づけましょう」 「ダサッ」 「ねーよw」 「むきゅー!ゆっく粒子ったらゆっく粒子なの!」 「成長性を重視して初期性能を低めのプランでいくか、それとも成長性を犠牲にしても初期性能が高いプランでいくか…」 「敵の力は未知数なんだから、成長性があったほうがいいよ!」 「その前にやらちゃったら元も子もないよ!最初から強い方がいいよ!」 「じゃあいっそ両方作っちゃいましょうか」 ((…言わなきゃ良かった)) 「ぱちゅりー様、ゆっくらいざーが完成しました!これでゆっく粒子を効率よく制御できるようになります!」 「…あ、そう…」(ゆっく粒子って何だったかしら…) 「紅魔郷クリアしたー?」 「ううん。6面で力尽きちゃうんだよねー。ぱちゅりー様は…あれ、どうしたんですかぱちゅりー様」 (…紅魔郷って5面までじゃないの!?) 「そこちょっと、8・2・0~(ぱ・てゅ・りぃ~)」 「…」 「…」 (…見られた!) 「カバディ!」 「カバディ!」 「カバディ!」 「カバディ!」 嘘です。実際は一日2時間くらいのペースでゆっくりやってました。 まあ、そんなこんなもありまして。 「つい」 「遂に完成しましたね…2つのゆっくらいだーシステム」 「ええ、でもこ」 「でもこれで終わりじゃありませんよね。むしろこれが始まり、ようやく戦いが始まるんです」 「そのために、い」 「そのために一刻も早く装着者の選出をしなければ…」 「むきゅー!最後まで言わせなさいよ!」 堪忍袋の 緒が切れた! 「どうも最近、あなた達に下に見られてる気がするわ…」 「そんな事ありますん」 「そんけにしてます。あ、そねけいして…尊敬してます」 「…2回も噛むほど言いたくないの?」 「ぱちゅりー様。そんな事より…」 「ええ、そうね」 開発室にいるゆっくり達の全ての視線が一箇所に注がれる。全ての瞳がそれを見る。壁に掛けられた時計を。 3時だった。 「おやつにしましょう」 「「「「はーい」」」」」 どんな時でもおやつは大事。そうネ、そうだよネ。ぱちゅりー含む全員は、開発室をぞろぞろと出て行った。 キチンと箱にしまわれた2つのゆっくらいだーシステムを置きっぱなしにして。 「あら?」 そして翌日。 「むっきゅぁぁぁぁぁぁぁ!」 開発室にぱちゅりーの絶叫がこだました。その顔は真っ青になっている。ぱちゅりーなだけに。 「ない!ない!どこにも無い!」 机の上に置きっぱなしにしておいた2つのゆっくらいだーシステムが忽然とその姿を消していたのだ。 ちゃんとしまって帰れよ。 (一体どこに…まさか、あのゆっくりできない世界の連中がもぐりこんで持ち出したんじゃ…!) ゆっくらいだーシステムはゆっくらいしすへのカウンター。『ゆっくり』を取り戻し、守るためのもの。 ゆっくりできない世界、そしてそれを創り出そうとしている連中にとってはとても迷惑な存在と言える。考えられない話ではない。 (なんてこと!ここまで来て…!) ぱちゅりーは俯き、その身体を震えさせる。自らの無念と、後悔と、ふがいなさに。まぁ、完全に不注意だしね。 「ぱちゅりー様、おはようございます」 「さくや…早いのね。まだ11時よ?」 昼前じゃないっすか。普段どんだけ遅いんですか。 「ああそうだ、プレゼントなら昨夜私が発送しておきましたので。さくやなだけに。ふふっ」 「…は?」 「昨日机の上に置いてあった箱。あれプレゼントですよね」 「え!?ちょ、ちょっと待って!?」 「勝負はこれからさはったはった、ですか?」 「そうじゃないわよ!諦めた時点でゲームオーバーだけど、なんか現状をこの手で切り開けそうな気がするから幾つか質問させて!」 出典:「少年ハート」(HOME MADE 家族) 流行ってるんです今。紅饅館で。 「まず…さくやあなた、ここにあった箱がどこに行ったか知ってるの?」 「知ってるも何も、送ったと申し上げたではありませんか。プレゼントですよね?あれ」 「そのへんから話が見えないわ。プレゼントってどういうことよ?」 「これの事ですが」 さくやはどこからともなくラジカセを取り出してテープを再生した。ちなみにラジカセっていうのはラジオとカセットテープレコーダーが 一緒になった機械の事で、カセットテープっていうのはカセットテープの事なんですよ。 『ゆっくりぱちゅりーの、むっきゅん☆だぁいほうそう~』 「むっきゅぁぁぁぁぁぁぁ!」 再びぱちゅりーの絶叫がこだました。今度は顔を真っ赤に染めて。 (これは私が毎週密かに録音してるひとりラジオ…!なんで、なんでさくやが…) 平たく言うと、現在進行形の黒歴史。みんなにも過去に一つくらいあるだろう。あるよね。あるって言って。 『今夜もみんなで、むっきゅむきゅになろうね~♪さぁ~て、まず最初のおたよりは~』 「私これ毎週楽しみにしてるんですよ。まさかリスナープレゼントまで用意してたとは思いませんでした」 にこやかに笑いながらテープを再生し続けるさくや。ぱちゅりーは羞恥に身体を震わせている。 『鳥島県(架空の地名)にお住まいの、ラジオネーム眠れぬ森の魔女(架空のリスナー)さんから…』 「…ド…アル……ド………スク………ロス………ルク……… 灰燼と化せ冥界の賢者!七つの鍵をもて開け地獄の門!」 耐え切れなくなったぱちゅりーはヤケクソ気味に呪文を詠唱し、ありったけの魔力を集める。 ふしぎなちからが くわわる!くわわる! 「七鍵守護神(ハーロ・イーン)!」 集束された魔力が一条の光線と化し、ラジカセを飲み込み蒸発させる。これで平和は保たれた。 「ちなみにあのテープですがダビングして館内の全員に配布してますので」 「ぐっはぁ!」 ここ最近の部下達の態度の謎が解けた気がした。早急に手を打たねばなるまい。 というかぱっちぇさん、なんか忘れてませんか? 「そ、そうよ!ゆっくらいだーシステム!どこに送ったの!?」 「?もちろんリスナーに送りましたが…」 そう言ってさくやは2枚のハガキを差し出した。 『アンケートの回答:2,2,5,1,3 たたみいわし 希望するプレゼント:ふるさと小包がいいです。 住所:(個人情報保護バリアー) 氏名:床次紅里』 『ぱちゅりー!ぱちゅりー!ぱちゅりー!ぱちゅりーちゅぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ぱっちぇぱっちぇぱっちぇぇええぅわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー (※一部というか大分不適切な表現があるため省略させていただきます。ごめりんこ) 森定伝子』 「…何これ?」 「先日の襲撃の後片付けをしていたら出てきました。ラジオ宛てのお便りだと思ってここに置いておいたのですが…」 襲撃の後に出てきた、ということはおそらくあの時に生じた時空の歪みに巻き込まれて異世界から届いたハガキだろう。 少なくとも最初からこのラジオ宛てに届けられたハガキではない。だって放送してないもん。勝手に配布した奴は目の前にいるけど。 (2通目は妙な電波を受信というか発信している感じがするが気味が悪いので無視する) 「とにかく、送っちまったもんはしょうがないわ…どうにかしてこの二人にゆっくらいだーとして戦ってもらわないと…!」 そんな事言って、実は選別面倒になっただけでしょう。 「さくや!そーゆーワケだからかくかくしかじか説明してらっしゃい!なんだったらモノで釣ってもいいわ!5000円までなら許す!」 「かしこまりました。ついでに『うー!うーうーうー!ううー!』と謎の置手紙を残していなくなったお嬢様も探してきますね」 こうしてこの日、別々の世界で… 「ふるさと小包プレゼント!」 「乗った」 ゆっくらいだーディケイネと… 「さくやちゃん!?本物!?あぁぁぁりがとう神様ぁぁぁぁぁぁぁぁ…(ドスッ)…あぁぁ…愛が鼻と額から噴き出してるわ…」 「それは 血です」 ゆっくらいだーディエイキの、ゆっくりを守る戦いが始まったのだった。 ○ゆっくらいだーシステムに関する報告書 <概要> 様々な世界がゆっくりできなくなる危機・ゆっくらいしす。その尖兵として紅餡館を襲撃した謎のゆっくり達(=ユックレス・シャドウ)を 分析し、ゆっくらいしすに立ち向かうために開発された、全てのゆっくりする者達の最後の希望。それがゆっくらいだーシステムである。 ゆっくらいだーシステムは人間をゆっくりへと変身させ、それにより様々なゆっくりの力を使うことが出来るようになる。 <構造> 全てのゆっくり(他の世界のゆっくらいだー含む)はそれぞれ各個体独自の「ゆっく粒子」と呼ばれるものを放出している。そのゆっく粒子が 放出される波長(以後粒子パターンと呼ぶ)をメダルに記録・圧縮させ、専用のツールで解放する事で装着者をゆっくりへと変身させる。 開発されたゆっくらいだーシステムは2種類(永型・ディケイネ、映型・ディエイキ)あるが、この点は両者共通の基本特性となっている。 ゆっくらいだーシステムはアクセサリ型粒子解放ツール(永型はディケイネックレス、映型はディエイキーホルダーと呼ばれる)と 専用のメダルポシェットのセットで構成される。ポシェットの中には数枚のメダルが収納されており、装着者が取り出す際に ポシェット内部に構成されている粒子変調システムによってメダルに圧縮されている粒子を装着者の望むものへと書き換える。 装着者はメダルをポシェットから取り出し、粒子解放ツールに挿し込み、カバーを閉じる。この動作を行うことによりメダルに封じ込められた ゆっく粒子が解放、装着者の周囲に展開されゆっくりへの変身、あるいはゆっくりのスキル・スペルを発動させる事が出来る。 (その際、使用したメダルは自動的にリセットされポシェット内部へと戻る。ただしディエイキが他のゆっくりを生成する際に使用したメダルは 例外で、生成したゆっくりが消えるまでポシェットに戻らない。出た分だけポシェット内部で新たにメダルが生成されるので、 メダルがなくなる事は無い。) ただしゆっく粒子はあくまでゆっくりが放つものであるため、人間の姿のままではシステムを動作させることが出来ない。そのため、 永型・映型ともに第一段階として人工ゆっく粒子による基本形態「ディケイネ」「ディエイキ」に変身(ユックライド)する必要がある。 <永型・ディケイネについて> 永型は、2種のゆっくらいだーシステムのうち先に完成されたシステムである。基本形態ディケイネに変身するほか、その機能を応用し 他のメダルを使う事でディケイネ以外のゆっくりにも変身する事が出来る。永型の由来は粒子パターンを記録すれば理論上あらゆる ゆっくりに変身でき、『永遠に成長し続ける』事から。 <制約> 先述の通り理論上あらゆるゆっくりに変身することが出来る永型だが、最初からあらゆるゆっくりへと変身できるわけではない。 人工ゆっく粒子で変身する基本形態ディケイネ、テスト用の粒子パターンを記録した何体かのゆっくり(これについてはあくまで テスト用であったため、ラストスペルライドが使用不可などの制限がある)を除いたゆっくりに変身するためにはそのゆっくりの 粒子パターンをポシェットに記録させる必要がある。粒子パターンの記録に必要なのはゆっく粒子の蓄積量ではなく、 瞬間的な放出量である。ゆっく粒子の放出は常に行われているが、ゆっくりの感情によりその量は左右される。微弱な粒子を いくら浴びたところで粒子パターンは記録できない。ゆっくりが、ゆっくりさせたいと強く願った瞬間…つまり心の底から無意識のうちに 「ゆっくりしていってね!!!」と叫んだとき、最も大量のゆっく粒子が放出される。それを浴びたとき、ディケイネのポシェットは 粒子パターンの記録に成功する。 <追加装備-ヒストリボン> 早期に基本システムが完成した永型については追加装備が開発される事となった。それがヒストリボンである。 記録した全てのゆっく粒子のパターンを刻んだこのリボンを使う事でディケイネはハクタクフォームへと変身し、 性能の飛躍的な向上に加え「歴史を創る」程度の能力を得る事が出来る。 ただしこのハクタクフォームはあまりに強力すぎる性能のためリミッターが存在する。 9体以上のゆっくりの粒子パターンを記録している事。 そして、装着者である人間が、ゆっくりがゆっく粒子を最大放出する時と同じ感情…つまり、誰かをゆっくりさせたいと強く願う事。 以上の条件を同時に満たした時、リミッターは解除され装着者のもとにヒストリボンは現れる。だが装着者があくまで人間である以上、 2つ目の条件を満たす事はおそらく無いと思われる。 <映型・ディエイキ> 永型の完成から大幅に遅れて完成したのがこの映型である。他のゆっくりに変身する永型と違い、映型は記録された粒子パターンを 再現する事により他のゆっくりのレプリカを作り出すことが出来る。映型の由来はこの『他のゆっくりのヴィジョンを映し出す』機能から。 基本形態への変身システムを応用できた永型と異なり、この機能は完全新規のものであるため開発期間が大きく延びる事となった。 しかし永型と違い、本体であるディエイキはそのままに他のゆっくりを作り出す事でディエイキの力は単体による戦闘力から集団による 戦力へと変質し、より高度・強力な戦いを行うことが可能となる。システムを有効に活用するため、永型と違い映型のポシェットには 予め多数の粒子パターンが記録されている。粒子パターンの解析・記録も開発期間が延びた原因の一端である事は否めない。 なお、ある程度限られた装着者しか変身できない永型と異なり、汎用性を高めたこの映型は大抵の人間が変身する事が出来る。ただし 粒子適合率の低い者が変身した場合、エラー発生(異なる種類のファイナルフォームライドが適用されてしまう、ディエイキではない別の 何かになってしまう、などが想定される)の危険性があるため選出された装着者以外は使用しない方が賢明だろう。 以上がゆっくらいしすに対抗する『ゆっくらいだーシステム』に関するレポートである。 だが、紅餡館を襲撃した謎のゆっくり達の出現をはじめ既に色々な世界でゆっくらいしすの前兆…ゆっくりできなくなる異変が起き始めている。 それらの異変を乗り越え、ゆっくらいだーはゆっくらいしすを食い止める事が出来るのか…今の私にはまだ、それを知る術は無い。 しかし私は信じている。そして私は願っている。 ゆっくらいだーの勝利を。 ゆっくりできる未来を。 このレポートを読む者たちの前に、そんな世界がある事を…。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V[ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ,. -‐-、 ,.- 、 / i /, ヽ. / ハ├──-//i i ,' / ソ ヽ、! | i / ; ; ゝ、____ノ 〉--' / /、__; ィ ハ 、_; ! i ハ 〈 i / ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ | Y ハ レヘ i' (ヒ_] ヒ_ンハソ ハ | ノ l |" ,___, l | ノ ノ ハヽ、 ヽ _ン ノ i ( イ / / イヽ>, -r=i' ´イ ハノ 〈rヘ ! レ´ `y二」ヽレ' 〈 <おしまい> ※念のため ゆっくらいしす=ユックリバースの出現およびゆっくりできない世界の『病気』の蔓延による世界がゆっくりできなくなる危機のこと です。 でんこに追い掛け回される事ではありません。 書いた人:えーきさまはヤマカワイイ この作品はフィクションです。ゆえに実在する人物だのなんだのとは一切関係ないんじゃないかと思います。 ついでに言うと、報告者が報告者なので設定の信憑性は疑わしいところです。 紅饅館って美味しそうないい名前してる ディケィネ、ディエィキのコンセプトが明確になって読んでてわくわくした 両方とも「えい」型なのはやっぱり名前を掛けているのかな? -- 名無しさん (2009-12-19 13 49 48) 名前 コメント