約 1,143,322 件
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/433.html
ねえ、あずにゃん 私は幸せものだよね いつもお菓子に囲まれて たくさんの音楽を弾けて みんなで一緒の夢を見ていた 笑い合って、ふざけあって、 楽しくて、夢中になって、 時間が経つのも忘れていた かけがえのない毎日は まるで宝石のような日々だね ねえ、あずにゃん 私は時間を進めたくないよ いつまでも、こうしていたい いつまでも、皆と一緒にいたい どこまでも、共に過ごしていこうよ! 私は、永遠を願った 叶わぬ願いと知りながら… だから、 ごめんねあずにゃん 私の知らないあずにゃんを知るのが恐かったの 私の知らないところで生きるあずにゃんが恐かったの ずっと一緒にいたかったのに… 唯「だからもう、離さないよ!」 唯「ずっとずっと、一緒にいるんだから!」 唯「あずにゃんが嫌って言っても、この手を離さないんだから!」 唯「卒業しても、大人になっても、私はずっとあずにゃんの傍にいるんだから!!」 梓「唯先輩、そんな事しなくても私は唯先輩とずっと一緒ですよ?」 唯「やだもん! もう離してあげないんだからっ!」ギュウゥッ!!… おしまいっ♪ もう離すなよ? -- (あずにゃんラブ) 2013-01-19 23 08 56 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/25438/pages/1260.html
2012 梓「色褪せた世界」 梓「With-you」 梓「誕生日になると思い出す」 梓「良い? これから話すことは冗談でもなんでもないよ」 梓「サプライズパーティーとか正直困る」 唯「あずにゃんは合法ロリ」 憂「私の力で梓ちゃんの誕生日をなかったことにした」 澪「記念すべき誕生日」 梓「一番祝ってほしい人」 梓「まったく、この姉妹は……」 紬「あずさおねえちゃん」 純「あーずさー、ポッキー食べる?」梓「・・・。」 2013 唯「明日はあずにゃんの誕生日だね!」 梓「どれがお好み?」 梓「ふりかえるといるよ」 梓「あったかあったか」 梓「全く律先輩は…」 澪「誕生日のお願い」 唯「あずにゃんあずにゃんあずにゃーん」梓「もう唯先輩ってば」 梓「誕生日の、あとの話」 梓「ダブリのムギちゃん」 2014 唯「忘れてた!!」 梓「Knock on my door!」 憂「それはひみつです」 純「サプライズは痺れるねぇ」 梓「極上のプレゼント」 唯「オズにゃん」 梓「ナチュラルに恋して」 律「フランス車でフランス料理店へ」 唯「同い年!」梓「いやまあそうですけど」 2015 唯「われなべ!」梓「とじぶた!」 梓「ちょっと大人の仲間入り?」 梓「透き間」 2016 梓「おとまり!」 純「元気付けに」 憂「今日は」純「ウチの部長の!」直「お誕生日」菫「です!」 2017 澪「みんな、飲み物は回った?」 梓「唯先輩、私の誕生日にポッキーゲームしていただけますか?」 2018 梓「澪先輩、誕生日に私の家に来てくれませんか?」 2019 梓「お誕生日会!」 【けいおん!】梓「千変晩夏」 戻る
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/2133.html
唯「あずにゃん」 梓「……」 唯「あずにゃーん」ジー 梓「……」 唯「あーずーにゃーんー」ツンツン 梓「もう、なんなんですか!」 唯「暇だよー」 梓「暇じゃないでしょう? 課題、まだ終わってないじゃないですか」 唯「えー……集中力の限界だよ」 梓「カップラーメンさえつくれない集中力ですね」 唯「あずにゃん分の補給がしたい!」 梓「聞いてないし。だめですよ、私も自分の課題が終わってないんですから」 唯「あずにゃぁん」 梓「甘えた声だしても、だめです」 唯「どーしても……?」 梓「……」 唯「……」ジー 梓「はぁ……おいで」 唯「あずにゃん大好きー」ギュー 梓「はいはい」 唯「えへへー」 梓「……私も甘いなぁ」 唯「ねぇ、あずにゃん」 梓「なんですか?」 唯「梓、君を愛してる。結婚してくれ」 梓「……ふふ」 唯「なんで笑うの?!」 梓「いや、唯先輩らしくないので、つい」 唯「むぅ~……」 唯「梓ちゃん、月が綺麗ですね。私の伴侶になってください」 梓「さっきから突然なんなんですか」 唯「え? 告白の練習」 梓「そうじゃなくて。何で告白の練習を私に?」 唯「いざホントに告白する時に失敗しないようにだよ!」フンス 梓「……そうですか」 唯「中野梓さん、人生そのものを愛する以上に君を愛すよ。毎日私にお味噌汁を作ってください」 梓「……」 唯「……だめ?」 梓「……そうですね」 梓「私は……私は、そんなふうにかっこつけなくたって、普段の唯先輩が一番好きですよ」 唯「……うん、ありがとう」 唯「あずにゃん、大大好き。だから私と家族になって」 おしまい 最後の台詞唯先輩っぽくていいね! -- (鯖猫) 2012-09-02 23 47 31 私だけの可愛い猫になってでもいいね。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-07 03 13 16 もちろん、返事はyesだろうな -- (名無しさん) 2014-04-25 22 04 59 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/1550.html
唯「あずにゃん君!あずにゃん君!!」 梓「どうしました、唯所長?」 唯「これを見てくれたまえ!」 梓「ま、まさか……例の新薬が完成したのですね?」 唯「その通り!」 梓「ついにやりましたね!唯所長!」 唯「うむ!苦節三年……我々の研究がついに実を結ぶときが……」ウウッ 梓「ここまで本当に長かったですね……」ウルッ 唯「というわけでだ、あずにゃん君」 梓「はい……何でしょう?」 唯「早速だが、この試作品を君に飲んでもらいたい」コトッ 梓「えええっ!何で私が飲まなきゃいけないんですか!」 唯「この新薬の効果を今すぐ確かめてみたいのだよ」 梓「何も今すぐやる必要はないでしょう!治験の希望者を募って複数の患者でテストすべきです」 唯「うーん、でもね、元々この薬はあずにゃん君に服用させたいと思って開発したものだし」 梓「へ?研究費オーバーで赤字続きの我が社を再建するための打開策だったんじゃ?」 唯「まあ、それは何というか……建前、みたいな?えへへ……」 梓「えへへじゃないですよ!また研究費の無駄使いをしただけじゃないですか!」 唯「まあまあ、落ち着きたまえ」 梓「これが落ち着いていられますかー!」ウガー 唯「ぎゅっ」 梓「!」 唯「ほれ、いい子いい子」ナデナデ 梓「ふにゃあ、ゆいしょちょぉ……」ホクホク 唯「落ち着いた?」 梓「……はいです」 唯「ふふっ、良かった良かった」 梓「それで……研究費はどう賄うんです?」 唯「おっほん。たとえあずにゃん君向けに開発したとはいえ、この新薬が承認されて市場に出れば大ヒットはまず間違いなし」 唯「そのうち海外でも新薬が認可されるようになって、世界中で爆発的に売れるようになり、我々は億万長者に……ということだよ」キリッ 梓「そんな都合良く行くわけないじゃないですか。まず、新薬が承認されるまでに何年もかかりますよ」 唯「だからこそ、できるだけ早く市場に流通させるためにも、最も重要なサンプルであずにゃん君の協力が今すぐ必要なのだよ」 梓「私一人分のデータでは無意味に等しいと思いますけど」 唯「この薬はあずにゃん君のために開発したものなんだよ」 唯「あずにゃん君に対する効果を基準に、治験での服用量やテスト項目が決まるといっても過言ではないわけです!」フンスッ 梓「……はぁ。そこまで言うならしょうがないですね」 唯「飲んでくれるの?」 梓「我がゆいあず製薬の未来のためにも、拒否するわけにはいかないじゃないですか」 唯「やったー!ありがとう、あずにゃん君!」ダキッ 梓「わわっ、急に抱きつかないで下さい!薬品類に当たったら危険です!」 唯「えへへ、ごめんごめん。ささっ、早速この試作品を」 梓「これ、安全性の評価は十分なんでしょうね?」 唯「もちろん!あずにゃん君のDNA情報をベースに作ってあるから、免疫系統の拒否反応はまず起きないはずだよ」 梓「今さらですけど、一体どんな効果があるんですか?」 唯「それは服用してからのお・た・の・し・み。実際の治験でも効果は患者に知らせない場合が多いからね」 梓「それもそうですね……じゃあ、飲みます」ゴクッ 唯「うふふ……楽しみだなぁ」 梓「ふぅ……」 唯「さて、どうかなあずにゃん君?」 梓「な、なんか体が変な感じに……にゃ、にゃあ」 唯「お?」 梓「ゆ、ゆいしょちょぉ……頭ナデナデしてくださいよぉ……」スリスリ 唯「おおっ……!これは期待以上の効果の表れの早さ……!」 唯「ふっふっふ、どうやらあずにゃん専用の媚薬開発プロジェクトは成功のようだね」 梓「ゆいしょちょぉ……早くぅ……」 唯「よしよし、これからたっぷりとベッドで可愛がってあげるよあずにゃん」 梓「にゃあん……ゆいしょちょぉ、大好きぃ」ゴロゴロ ゆいあず製薬www あずにゃんのためにしか開発してねぇwww -- (名無し) 2012-09-11 20 41 40 あずにゃん専用の薬品 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-08 22 14 15 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/985.html
梓「はぁ…唯先輩、今日も良い匂いがした」 梓「はぁ…」 梓「唯先輩、あたたかかったなぁ……」 梓「………」 梓「唯先輩にもっとぎゅってしてほしいな……」 梓「はぁ………」 梓「唯先輩と……キスしたいな」 梓「キス出来たら……どれだけ幸せなんだろう」 梓「唯先輩のぬくもり、もっとほしいな……」 梓「はぁ………」 ― 学校 ― 唯「あずにゃん!あずにゃん♪」 梓「唯先輩っ…!(きたーっ)」 唯「あずにゃああん♪」ぎゅうぅ 梓「先輩っ…(あぁ…唯先輩あったかい‥///)」 唯「じゃ、また部室でね!」 梓「あっ……!(もっと‥)」 梓「(もっとぎゅってしていてほしかったのに………)」 … 梓「はぁ……唯先輩……」 梓「唯先輩……唯先輩……!」 梓「はぁ………」 梓「どうすれば、、」 梓「もっと、ぎゅっとしてもらえるだろう……?」 梓「はぁ~………」 梓「落ち込んだふりとか……」 梓「先輩、優しいから…」 梓「いや駄目だ…そんなの先輩を騙してるみたいで‥」 梓「………」 梓「私の方から、ぎゅっとしてみるとか……」 梓「いやだって、いつもぎゅって抱きしめられてるんだから」 梓「私の方からぎゅっとしても問題ない……よね?」 梓「むしろ当然の反攻……だよね??」 梓「はぁ~………」 梓「唯先輩………」 梓「私、もう……我慢できませんよ~……」 …… 唯「ねえ、ムギちゃん」 紬「なあに?唯ちゃん」 唯「女の子同士でぎゅってするの、変かな…?」 紬「ふふふ、そんな事ないわ。むしろ素敵よぅ?」 唯「うん、そうだよね……」 紬「どうかしたの…?唯ちゃん」 唯「いやただちょっと…」 唯「いつも一方的だなぁと思って…」 紬「……。そうね……」 唯「…………」 唯(もし………) 唯(あずにゃんの方から、私の事をぎゅってしてくれたら、、) 唯(どれだけ幸せな事か……) 唯「はぁ~………」 …… 律「よ~し、今日も練習再開するぞー」 唯「おおっー!!」 うんたん♪うんたん♪♪ 紬「梓ちゃん、そこはもう少し早くっ」 梓「澪先輩、若干ズレてます!」 律「おぅ、唯は最近上手くなったな~」 唯「ほえほえ~♪」 うんたん♪うんたん♪♪ 澪「いいかんじだな…」 律「澪っ!コード踏んでるぞっ?」 澪「え?うわっ…!!」 梓「きゃあっ!!」 紬「梓ちゃん、危ない!」 唯「あずにゃんッ!!!!」がばっ どってーん… ― 保健室 ― 唯「………」 梓「……意識が無い」 梓「……先輩、私を庇って……」 梓「………先輩」 梓「もう…どうしてそんな事するんですか…っ」ぽろぽろ 梓「私の…先輩への気持ちが、抑えられなくなるじゃないですか…っ!」 ぎゅううぅ… 梓「先輩……っ先輩……っ」 梓「唯先輩……っ」 ぎゅううぅ… 梓「先輩……」 梓「唯先輩……っ」 ぎゅううぅ… 梓「先輩………ゴメンね?」ちゅっ ちゅ~っ 梓(先輩のくちびる…ふわふわっ) 梓(舌も…入れちゃえっ!!) ちゅ~っ… 梓(ああ…先輩の舌…) 梓(先輩の舌だ………)レロレロ 梓(はぁ……たまらない)ゾクゾクッ 梓(先輩……大好きです……) 梓(先輩……先輩……っ!)ギュウ 梓(頭が……痺れてきた) … 唯「………」 梓(先輩……先輩……っ) 唯「……(え…?何これ…??)」 唯(あずにゃん…何やってるの??) 唯「………あずにゃん?」 梓(………ッ!!) 梓「せ、先輩……?」 梓「あ……あ………っ」 梓「ご、ごめんなさいっ!!」 梓「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……っ!」 梓「ごめんなさい……っ!」 ガラッ、ピシャッ! タッタッタッ……… 唯「………」 唯「あずにゃん……」 唯「私にキスしてたんだ……」 唯「頭がボーッとする…」 唯「確かあずにゃんを庇って……」 唯「………。そっか、保健室か……」 唯「………」 唯(あずにゃんの唾液が、口の中に残ってる……) 唯(………ゴクリ) 唯(あずにゃんの唾液が、私の中に入っていく……) 唯「……ッ、体がっ……熱い…っ!」 唯「あずにゃん…っ!!」 唯「私…、どうして意識無くしてたんだろう…」 唯「あずにゃんと…キス出来ていたのにっ……!」 唯「あずにゃん……どこ~?……」 …… 梓「はぁ、はぁ…はぁ。……」 梓「逃げて来ちゃった……」 梓「先輩、いきなり目を覚ましてるんだもん……」 梓「先輩………」 梓「ごめんなさい……」 梓「私の事、庇ってくれたのに……」 梓「その報いが……これだもん」 梓「裏切っちゃったなぁ……」 梓「初めてだっただろうなぁ……」 梓「勝手に奪っちゃったなぁ……」 梓「先輩………」 梓「ごめんなさい………」ぽろぽろ トボトボ… 梓「夕暮れは綺麗だなぁ…」 梓「遠くで電車の走っていく音が聞こえる……」 梓「カラスが赤い夕焼けの中を飛んでいるなぁ……」 梓「お日様はなんで地平線で紅くなるんだろう…?」 梓「空に青みが掛かってきたなぁ…」 梓「あの青が黒く、空を包み込んだら…夜になるんだな……」 梓「寒くなってきたなぁ…」 梓「冬が近くなってきたんだなぁ…」 梓「唯先輩にぎゅってしてほしいなぁ……」 梓「唯先輩…………」 梓「はぁ~………」 梓「明日からどうしようかな……」 梓「唯先輩に……顔合わせ辛いなぁ……」 梓「はぁ~………」 トボトボ… 梓「もう夜だなぁ……」 梓「すっかり冷え込んできたなぁ……」 梓「月が光ってるなぁ……」 梓「星が綺麗だなぁ……」 梓「家に帰りたくないなぁ……」 梓「はぁ~………」 梓「あれがカシオペア…」 梓「カペラ……フォーマルハウトに…」 梓「デネブカイトス……」 梓「………」 梓「星空が綺麗だなぁ……」 梓「夜空が澄んでるなぁ……」 梓「何もかもが凍り付いたみたいだ……」 梓「はぁ~………」 梓「吐く息も白いや……」 梓「寒いなぁ………」 梓「このまま此処で、私も凍り付いてしまいそうだ……」 梓「唯先輩………」 梓「はぁ~………」 …… 唯「あずにゃん、どこ~?……」 唯「お家に帰ったのかな~……?」 唯「すいません、あずにゃん帰って来てませんかー?」 唯「……。そうですか……」 唯「………どこ行ったんだろう」 トボトボ… 唯「あずにゃん……」 唯「あずにゃんっ……あずにゃん………」ぽろぽろ 唯「………」 唯「街のネオンが綺麗だな……」 唯「飲食店が賑わい、人々の騒ぎが聞こえてきて……」 唯「交差点を渡ると、昼間とは違った人々が行き来する……」 唯「眩しい蛍光を照らし、派手な看板がピカピカ点灯して…」 唯「街行く人々は皆笑ってて、楽しそうにしていて……」 唯「でも私は一人ぼっち、………」 唯「あずにゃんが隣にいない……」 唯「あずにゃんが隣で笑っていていてくれない……」 唯「あずにゃん………」ぽろぽろ 唯「あずにゃん、どこ~?……」 唯「どこにもいない…」 唯「あずにゃんがいない…」 唯「あずにゃん……あずにゃん……」ぽろぽろ ブロロオォ……キキキーッ!!! 唯「きゃあ!!」 唯「す、すいません……」 唯「………」 唯「うぅ………」 唯「あずにゃん………」ぽろぽろ ― 公園 ― 唯「うぅ………」 唯「もう……疲れちゃったよぅ………」 唯「あずにゃん………」 唯「うぅ………」ぽろぽろ ガサゴソ… 梓「…唯……先輩………?」 唯「…あずにゃん………?」 梓「どうして……ここに………」 唯「あずにゃん……あずにゃん……っ!!」 ぎゅうぅ~… 唯「あずにゃん……」 梓「……。唯先輩…………」 唯「捜したんだからねっ!!」 梓「………うぅ…」 唯「どうして私が意識無い時にキスしたのっ…!」 梓「……そ、それは……」 唯「なんで寝ている時なんかにキスするのっ…!」 梓「……ご、ごめんなさい……」 唯「ちゃんと…私が起きてる時にキスしてよっ…!!」 梓「……………え?」 唯「ちゃんと私が起きてる時にぎゅってしてよっ…!!」 梓「………先輩っ!」 唯「あずにゃん……っ!!」 ぎゅうぅ~… 唯「ね……お願い……っ」 梓「……ッ、先輩……っ!」 ……………‥ 唯「静かだね……」 梓「はい……」 唯「何も聞こえない……」 梓「そうですね………」 唯「街の灯りがあんなに遠い……」 梓「………えぇ」 唯「まるで此処に私達二人しかいないみたい……」 梓「先輩……恥ずかしいですよ…///」 唯「………あずにゃん…」 唯「…………」 唯「こんなに、手を冷たくして……」 唯「はぁーっ…はぁーっ…」 梓「先輩………っ」 唯「これで少しは…温かくなったかな…?」 梓「先輩……唯先輩……っ!」 ぎゅうぅ… 梓「こうすれば…もっとあったかいです……」 唯「………うん」 梓「唯先輩………」 唯「あずにゃん……」 唯「もう、どこにも行かないでね……?」 梓「………はい」 おしまい! 戻る
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/49.html
「あ~ずにゃん」 音楽室へと向かう私の後ろから耳に届くその人専用の私のあだ名。直後、周りの目を気にすることなく私を優しく抱きしめる。 それはいつもと変わらない唯先輩のスキンシップ、……と思ったらいつもと違うところがひとつだけ。 「何ですか、その紙?」 唯先輩の手には一枚の紙が握られていた。 「あ、これ?まあ読んでみて」 私は促されるままに唯先輩から渡された紙に目を通す。 「えーと……、 『小さいからって見くびるな!なめてかかるとケガするぜ!ツインテールをなびかせながら、じゃじゃ馬だって乗りこなす。 ネコミミつけたらたちまちみんながメロメロに!軽音部の小さなアイドル!ギター、あずにゃん!』 ……何ですかこれ?」 「ライブのときのメンバー紹介に使えないかな、と思って考えたんだけど」 唯先輩は、どうだと言わんばかりの表情で私を見ている。 「あの……、保留でお願いします」 「えー、ダメだったー?」 ついさっきまでの自信満々の表情とはうってかわって、唯先輩は不満そうな顔を私に向ける。 「いや、ダメっていうわけじゃないんですけど……。こればっかりはライブでやることなので他の先輩の意見も聞いてみないといけませんし」 「そっか、そうだよね。じゃあみんなにも提案してみるよ」 たぶん律先輩が一蹴しちゃうんだろうなあ、そう思ったけど言わぬが仏、私はダンマリを決め込んだ。 「そうだあずにゃん。私のも考えてみてよ。あずにゃんならどんなふうに私を紹介してくれるのかな?」 唯先輩の突然の注文に、私は普段の、そしてライブのときの唯先輩を思い浮かべながら考える。 「うーん、そうですね…… 『いつもはふわふわ癒し系。でもやるときはやるんです。愛しのギー太を抱えれば、ミュージシャンへと大変身。 音楽の楽しさを知った私を止めることは誰にもできない!それじゃあ今日もいっちゃうよー! ボーカル&ギター、平沢唯!』 こんな感じでどうでしょうか?」 「おおっ、あずにゃん凄い!すぐに思いつくなんて。私なんか、さっきのつくるのに二時間近くかかったのに」 ――私のことを考えてくれてたのはうれしいですけど、せっかくだからその時間、ギター練習にあてましょうよ…… もちろんそんなこと言えるはずもなく、ありがとうございますとだけ答えて私はその場をやり過ごす。 そんなやり取りを交わしながら音楽室に到着すると、すでに他のみなさんはティータイムを楽しんでいた。 「よっ!悪いけど先にお茶してたぞ」 「りっちゃん、これ見て。今度のライブのメンバー紹介のときに使えないかなと思って考えてきたんだけど」 律先輩の形だけの謝罪の言葉を無視して唯先輩はついさっき私に見せた紙を律先輩に渡す。 早く自作のメンバー紹介文、というより私の紹介文を見てほしくて仕方ないようだった。 私は心配しながらその様子を眺める。 ――律先輩、あまり強く否定してあげないでくださいよ。唯先輩の悲しむ顔は見たくありませんから。 「ん?なになに……、おお、結構面白いじゃないか!」 「ええっ!?」 その日、音楽室に最初に響いたのは律先輩のドラムでも唯先輩のギターでもなく、私の驚きの声だった。 私も良いと思う! -- (あずにゃんラブ) 2013-12-31 02 31 39 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/25438/pages/2218.html
律「なあ梓。唯のおっぱいってどれくらいでかくなってんの?」 いつもの放課後。 唯先輩は進路の話でさわ子先生に呼び出されているとかで部室にいるのは四人。 唯先輩の到着を待ちつつお茶をしていると不意に律先輩がそんなことを言い出した。 梓「……はい?」 律「こないだ喫茶店でバイトした時、唯の奴胸がきつくなったって言ってただろ? 実際どれくらいでかくなってんのかなーって思ってさー」 梓「な、なんでそれを私に聞くんですか!///」 律「だって毎日のように唯に抱きつかれてるんだからわかるだろ?」 紬「毎日抱きつかれていたら逆に変化に気づきにくいんじゃないかしら?」 澪「ああ、それはあるかもな。一日で急に大きくなるわけじゃないし……」 律「それもそうか……ちくしょー…どんくらいでかくなってんだろう…」 梓「なんで唯先輩のおっぱいがそんなに気になるんですか?」 律「だってあいつ昔は私とほとんど変わらなかったんだぞ? なんだったらDVDで修正される前は私のほうが大きかったくらいで……」 よくわからない事を口走りだした律先輩。 なんですかDVDとか修正とか。 律「部室に来てお菓子食べて……やってることは私と変わらないのになんで唯だけ…… あいつおっぱいをおっきくする為になんか特別な事してんのかなー?」 遺伝的なものなんじゃないですか。 憂も大きいですし、平沢家は元々大きくなる血筋だったんですよ。 中野家や田井中家と違って…… 律「まてよ……?あぁっ!!!私……すごい事に気づいちゃったかも……!」 澪「どうせくだらない事だろうけど……なんだ?」 律「唯がよくやってるあずにゃん分補給ってやつだよ!『あずにゃん分』がおっぱいが大きくなる成分だとしたら…… 全ての辻褄が合う!!」 紬「なるほど……唯ちゃんのおっぱいが急激に大きくなったのは二年生になってから……つまり、梓ちゃんが 入部してからよね?」 律「ああ、そして入部以降まったくおっぱいが成長してない梓……唯の奴は梓に抱きつく事によって 『あずにゃん分』という名のおっぱいを大きくする成分を吸い取っていたんだ!!」 梓「まったく成長してないとはなんですか!私だって少しは……」 律「そういえば澪とムギは元々大きいけど、高校入学後はそんなに変わってないよな?」 ……スルーされた。くそう。 紬「そうね。ブラのサイズは変わってないわ」 澪「私も……まあこれ以上大きくならなくてもいいけど……///」 律梓「」イラッ 律「コホン……私も一年の頃からほとんど成長してない……私達も少なからず 唯に『あずにゃん分』を吸い取られてたんだ!」 澪「そういえば梓ほどじゃないけど私達も何度か唯には抱きつかれたことがある…!」 ……澪先輩まで話に乗り始めました。 紬「つまり一年生の時は私達三人から『あずにゃん分』を少しずつ吸い取っていたけど 梓ちゃんが入部したことによって標的を変えたってことね」 律「ああ……理由はわからんが梓から吸収するのが一番効率がいいんだろうな…… 唯のヤロウ……自分のおっぱいを大きくする為に梓を犠牲に……!」 紬「そんな……唯ちゃん……」 澪「……唯……信じてたのに……」 梓「あ、あのー……」 なんだかみなさん盛り上がってしまっている。 ガチャッ 唯「やっほ~♪遅れてゴメンねー。おまたせーあっずにゃ~~ん♪」 律澪紬「「「!!!」」」ガタン! 三人の先輩方は席を立ち、私を守るように唯先輩と私の間に立つ。 唯「ど、どうしたの?みんな……」 律「唯……お前いま、梓に抱きつくつもりだったろ?」 唯「え?もちろんだよーあずにゃん分補給は私の日課だからね!」フンス! 紬「!!……させないっ……!」 澪「ああ、梓のおっぱいは私達が守ってみせる!」 唯「ほぇ?」キョトン わけがわからないという様子の唯先輩。そりゃあそうでしょうね。 しかし澪先輩まで……今日はテンションが高いのでしょうか。 梓「えーっと。唯先輩、これはですね……」ガタン 律「バカッ!梓!下がれッ!!」 紬「そうよ!ここは私達に任せて!澪ちゃん!唯ちゃんを止めてっ!!」 みなさんノリノリですね…… 澪「……へ?わ、私!?」 律「お前さっき『これ以上大きくならなくてもいい』って言ってたよな?ならお前が 梓の変わりに吸い取られろ!!」 そうだそうだ!と、心の中で律先輩に同意しておく。 唯「す、吸い取る……?」 澪「で、でも……私……」オロオロ 律「くそっ!ビビリやがって!もういい!私が唯を止めるッ!!!」 紬「そんな!?駄目よりっちゃん!」 梓「そ、そうですよ!律先輩!それ以上ちっちゃくなっちゃったら……!」 律「へっ!可愛い後輩の為なら私のおっぱいぐらい……うぉおおおおおおお!!」ダッ 唯先輩に向かって駆け出す律先輩。 澪「律!」 紬「りっちゃん!」 梓「律せんぱぁぁぁぁぁぁい!!」 律先輩が唯先輩に跳びつきそのまま抱きついた。 唯先輩は『ほぇ?り、りっちゃん?///』なんて言いながらオドオドした様子だ。 ここまで来てまだとぼけるつもりですか唯先輩……! ああしている今も律先輩から『あずにゃん分』を吸い取っているに違いない。 私から吸い取るより効率は悪いのかもしれませんが、相手の方から抱きついてくるなんて 唯先輩にとってはまたとないチャンスなのですから……! 律「ぐっ!ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!!」 律先輩の口から断末魔の雄叫びが。 ドサッ… そしてゆっくりと床に倒れ付した。 ま、まさか全身の『あずにゃん分』を全て吸収されたんじゃ……! 澪「律!」 澪先輩が駆け寄り律先輩を抱き起こす。 律「う…うぅ……」 澪「お、おい!しっかりしろ!律!」 紬「りっちゃん!目を開けてぇぇぇぇ!」ポロポロ 梓「り、律先輩……私を守る為に……こんなにぺったんこになって……」グスッ・・・ キッ! 私は唯先輩を睨みつけた。 この期に及んで唯先輩はまだ事態を飲み込めていないようなとぼけた顔をしている。 許せない。 自分のおっぱいを大きくする為だけに私達から『あずにゃん分』を吸い取り続けた唯先輩を。 私をかばった律先輩のおっぱいをこんなにぺったんこにした唯先輩を。 私は―――許せない――― ――――――――― 唯「もう!なんなのさ!人を化け物みたいにー!」プンプン! 律「いやーわるいわるい。なんか話が盛り上がっちゃってさー♪」 紬「うふふ♪ごめんね、唯ちゃん。でも楽しかったわー」 澪「うぅ……なにやってたんだ私は……///」カァァァ 梓「すいません、唯先輩……」 なんだかんだで最後の方は私も乗ってしまっていた。 『律せんぱぁぁぁぁぁぁい!!』とか叫んでたし。 律「つーか梓。最後の方どさくさにまぎれて私に失礼なこと言ってなかったか…?」 梓「な、なんの事でしょう?」 紬「『それ以上ちっちゃくなっちゃったら……!』って言ってたわ~♪」 澪「あと、『こんなにぺったんこになって……』とか言ってたな」 律「中野~?」グリグリ 梓「痛っ!痛いです律先輩!あ、あれは芝居を盛り上げる為にですね……」 紬「ところで唯ちゃん。おっぱいが大きくなったホントの理由はなんなのかしら?」 唯「えっ!?///そ、そんな事言われてもわかんないよ~……///」 律「まあ梓に抱きついただけで大きくなったら苦労しないよなー」 唯「あ、そう言えばまだあずにゃんに抱きついてなかった! と、いうわけであずにゃん!改めてあずにゃん分補給だよ~♪」ムギュウ 梓「はぁ……結局抱きつかれるんですね……」 まあ別に悪い気はしないし、いいんですけどね。 こんな話の後だからか私に押し当てられる唯先輩のおっぱいを妙に意識してしまう。 言われれば確かに昔よりかなり大きくなってる気がするなぁ……/// 柔らかい……///羨ましい…… 唯「えへへー、あずにゃ~ん♪………」ニヤリ ギュウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……… おわり 戻る
https://w.atwiki.jp/83452/pages/10873.html
梓「これ……何ですか?」 紬「日本人形よ」 律「にしても大きいな、梓と同じぐらいあるんじゃないかー?」ニヤリ 梓「な、私はちっちゃくないです!律先輩だって人のこと言えるほどじゃないですよ!」 律「う……まぁ、そうだけどさ」 唯「可愛いね、このお人形さん!」 澪「私は日本人形ってだけでイワクがありそうでなんか怖いな……」 律「澪は怖がりだなー、ほれ、何もないって!」ポン 人形「コンニチハ」 律「ぎゃあああああああああ!」 紬「これはただの日本人形じゃなくて、中にロボットが入っててご挨拶とかできるのよ♪」 律「お、驚かせやがって……」 梓「……ぷっ」 律「な、中野ぉおおおおお!」 唯「こんにちはー」 人形「コンニチハ」 梓「なんか……不気味ですね」 澪「な、なんでこんな悪趣味なものが軽音部に……?」 紬「たまたま家に置いてたのを見かけて、面白そうだから持ってきちゃった♪」 澪「いいのか?仕事の関係の物じゃないのか?」 紬「お人形屋さんの取引先からのお土産だそうよ、お父様も別に興味ないみたいだし」 唯「こんなに可愛いのにもったいない!この子は今日からウチの部員にしてあげよう!」 梓「ただでさえスッポンモドキが部員なのに……また変な部員が増えちゃうんですか?」ハァ 律「じゃあ入部記念にとりあえず……ネコミミとメイド服と……」ガサゴソ 梓「日本人形なのにメイド服ですか!?」 律「お!梓の服サイズほぼぴったり!」 梓「……腑に落ちない」 律「髪を結んで……はい、梓完成!」 梓「な!私日本人形じゃないです!」 唯「でも本当にあずにゃんみたーい、じゃあキミは今日からあずにゃん2号だね!」 梓「……あずにゃん2号は既にいるんですけど」ボソッ 唯「?」 梓「な、なんでもないです!」 紬「でも良かったわ、気に入ってもらえて♪」 澪「メイド服着てると不思議と怖くないな」 律「じゃあ早速演奏を聞かせてやろう!」 梓「珍しく乗り気ですね、今度から毎日部員を増やしましょうか」 律「やめてー!」 唯「じゃあこれから演奏するから聞いていってね、あずにゃん2号!」 人形「……」 ジャンジャカジャーン♪ 唯「ふう、今日は演奏がはかどるぜ」 律「なんじゃそら」 梓「でも確かに今日は唯先輩調子良かったですね」 唯「でしょでしょー」 澪「これがみんなのいい刺激になればいいんだけどな」 紬「多分みんな明日にはお人形で遊んでるわね♪」 澪「だろうな」 紬「じゃあお人形さんは部室に置いておきましょうか」 唯「私持って帰りたーい!」 律「流石に大きすぎるだろ……」 唯「ムギちゃーん」 紬「そうね……じゃあ明日唯ちゃんの家に連れて行きましょう♪」 唯「やったー!」 律「良かったなー、唯」 唯「うん!」 梓「……そんなに嬉しいものかなぁ」 唯「じゃあね、あずにゃん2号!寂しくなったらトンちゃんに言ってね!」 人形「サヨウナラ」 律「亀と人形が話してる図とかシュールだな……」 澪「独りでに話す日本人形……」ガクガク 梓「何勝手に想像して怯えてるんですか……」 紬「じゃあ電源をオフにして……と」ポチッ 律「電源なんてあるんだなー」 紬「ちなみにソーラー電池だそうよ」 梓「へー」 人形「……」 その日、天気予報は大きく外れ、晩から大雨が降り始めた 酷い雷に怯える者、無駄にテンションが上がってしまった者、普段と変わらぬ者…… それぞれが平凡な夜を過ごしていた そのころ軽音部の部室では…… ぴしゃーんごろごろ! 人形「……」 ぴしゃーん!ばちばち! 人形「……」ピクッ トンちゃん「……!」ササッ 「私は……」 …… 唯「昨日は酷い雨だったねー」 律「雷ってなんかテンション上がるよなー」 澪「男の子か!」 律「そういう澪しゃんはビクビク震えてたんでしょう?」ニヤニヤ 澪「そ、それは……」 唯「どうなのー?」ニヤニヤ 紬「どうだったの?」ニヤニヤ 澪「あぅ……」 律「しっかし今日はよく晴れたもんだ」 唯「雨降って地固まる、って言うしね」 澪「関係ないだろ」 澪「でも雨が降った日の後は空気中の埃が無くなって空気が澄んでるから私は好きだな」 紬「虹とかもできるし、雨は上がった後が素敵よね」 律「地面ぐしゃぐしゃだけどな」 唯「あれ?今あずにゃんが走ってなかった?」 律「ん、見てなかった、ちょっと追っかけてみるか!」 澪「おいやめろよ、梓だって忙しいんだろ」 紬「そうよ、後で理由でも聞きましょう」 唯「うん、そうだね」 律「ありゃー、唯の同意得られなかったか―」 …… 梓「でね、その人形が……」 純「あはは、憂のお姉さんらしいね!」 憂「……?」 梓「憂、どうしたの?」 憂「……なんか今、梓ちゃんみたいな人がいた様な気がして」 純「憂ー、怖いこと言わない!」 梓「もしかして……ドッペルゲンガー?」 純「……見たら死ぬ奴?」 憂「大変!どうにかしないと!」 梓「どうにかって……きっと見間違いだよ」 憂「だといいんだけど……」 … きーんこーんかーんこーん 唯「ふあー、やっとお昼だぁ」グー 律「お前はお菓子食ってただろ」 唯「でも減るものは減るんだよぅ」 紬「……そうだ!今日はあずにゃん2号ちゃんと一緒に食べましょう♪」 唯「うん、さんせー!」 律「部室行くのめんどくさくないか?」 澪「私も行こうかな」 律「えー……まぁいっか」 唯「あ、あずにゃん!」ダキッ 梓「……!」ビクッ 唯「あずにゃん、どうかしたの?」 梓「こ、こんにちは……」 律「?」 澪「そういえば今日の朝、梓が走ってたって唯が言ってたけど……」 梓「……」ブンブン 紬「何か急いでるの?」 梓「!」コクコク 唯「そっか、じゃあまたねー」 梓「さようなら……」ダダダッ 澪「……さようなら?」 … 唯「あずにゃん2ごー!ご飯食べに来たよー!」ガチャ 唯「……あれ?いない」 紬「盗まれた!?」 澪「律、鍵ちゃんと掛けたか!?」 律「わ、私!?ちゃんと掛けたよ!」 唯「となるとあとはさわちゃんか……」 律「……梓じゃないか?」 唯「なんで!?りっちゃんは部長なのに部員を疑うの!?」 澪「唯も顧問疑っただろ」 律「だって梓今日変だっただろ」 紬「確かに」 律「きっと朝に壊したかなんかで埋めてきたんだよ!」 律「それで今日挙動不審だったのも、走ってたのも説明つくだろ?」 澪「信じたくないけど……辻褄は合うな」 唯「私は信じないよ!あずにゃんに電話して直接聞くもん!」 律「あいつが口を割るかどうか……」 … 憂「でね、お姉ちゃんが牛乳溢しちゃって……」 純「あー、それでモップね」 ぶぃーん、ぶぃーん 梓「あ、唯先輩から電話!ちょっと待っててね」 唯『あずにゃん!あずにゃんは犯人じゃないよね!?』 梓「はぁ?」 澪『おい、いきなりじゃ分からないだろ!』 唯『あ、そっか』 梓「どうしたんですか?」 唯『あずにゃん2号がどっか行っちゃったの!あずにゃん知らない?』 梓「私は知りませんけど……」 唯『そっか、良かった―!』 梓「待ってください!犯人って……その犯人のことですか?」 唯『うん』 梓「なんで私が?」 唯『りっちゃんたちがさっき廊下で会ったあずにゃんがキョドーフシンだからうんぬんって聞かなくて……』 梓「?」 梓「会いましたっけ?」 唯『え!?』 梓「私は別にみなさんに会ってないし、挙動不審に思われるようなこともしてませんよ?」 唯『嘘……でも確かに……』 梓「……ドッペル……ゲンガー」 唯『と、とにかく一度切るね!』プツン 梓「……」 純「どったん?」 梓「ドッペルゲンガー……やっぱりいるかもしれない……」 憂「!?」 …… 唯「というわけで、あずにゃんは犯人じゃないみたいです!」フンス 律「いやいや、明らかに梓しらを切ってるだろ!」 唯「きっとあずにゃんのニセモノがあずにゃんのフリをして評判を落とそうとしてるんだよ!」 律「偽ライダーじゃあるまいし……」 紬「さっきよく見てなかったけど、目がつり上がってたり靴が尖ってたりしたのかしら♪」キラキラ 澪「ムギ……それも違うと思うぞ」 律「まぁいいや、犯人と人形探しは後にしてご飯食べるぞ」 唯「あ、そういえばお腹ぺこぺこ……」グーギュルルル 放課後 唯「あずにゃんまだ来てないね」 律「やっぱりあいつが……」 澪「こら、もういいだろ」 紬「りっちゃんは自分が疑われて怒ってるだけ、よね?」 律「……」ブー がちゃ 梓「……!」 唯「あ、あずにゃん!」 梓「!」バタン 澪「逃げた……?」 律「やーっぱ怪しい!どう見てもあいつだろ!」 紬「待って!お昼の話で怒られるんじゃないかと思ってるだけかもしれない!」 唯「私追いかける!」 澪「あ、唯!」 紬「行っちゃった……」 梓「こんにちはー」ガチャ 律「おい梓!さっきのはどういう……」 梓「!?」 澪「待て律……梓、なんでさっき出ていったんだ?」 梓「え?何のことですか?」 律「またそれで逃げようと……」 紬「まぁまぁ……」 唯「あずにゃん捕まえてきたよー!」ガチャ 梓?「……!」アセアセ 梓「な……っ!?」 梓?「……」 唯「……あれ?」 律澪紬「……」 梓?「!」ダダダッ 唯「あ、待って……」 律「追え―!あいつがルパンだー!」 唯「あ、あいあいさー!」 梓「……」 純『……見たら死ぬ奴?』 梓「私……死ぬの?」 澪「あ、梓が二人……」 紬「だ、大丈夫よ梓ちゃん、澪ちゃん!きっと唯ちゃんが間違えて連れてきちゃったのよ!」 澪「世界には同じ顔の人間が3人はいるって言うし……そうとしか説明が……」 梓「今までそんな子見たことも聞いたこともありませんよ!」 紬「……」 …… 憂「あれ?梓ちゃん、部活は?」 梓?「きょ、今日は唯先輩調子良かったですね……」 憂「?」 梓?「……」ダダダッ 憂「あ、梓ちゃん?」 唯「はぁ……はぁ……」 憂「お姉ちゃん!どうしたの!?」 唯「あ、あずにゃんのニセモノが……」ゼェゼェ 憂「も、もしかしてさっきのって……」 憂「私が探すからお姉ちゃんは休んでて!」 唯「す、すまんねぇ憂……捕まえたら部室に連れてきてね……」 憂(探さなきゃ!絶対に梓ちゃんを殺させはしない!) 唯「気を付けてねー……」 憂「任せて!」 2
https://w.atwiki.jp/mioazu/pages/128.html
純「じゃ、明日までこの子のことお願いね」 梓「もーう‥ちゃんとこの埋め合わせはしてよね」 純「分かってるって ほんじゃ!」 バタン 梓(‥‥‥‥もう純行ったよね‥?) 梓「‥‥‥ 久しぶり~あずにゃん2号~♪」スリスリ 2号「ニャー」 今日は久しぶりに純の家の飼い猫あずにゃん2号(命名:私)を預かる事になりました 梓「純の家で何度か会ってたけどこうやって2人きりになるのはあの時以来だね~」ナデナデ 2号「ミャーオ」 梓「さて‥‥ 今から何して遊ぶっ? 猫じゃらし? それともボール?」ワクワク ピンポーン 梓「あれっ、誰だろ? もしかして純が戻ってきたのかな? もうまったく‥」 ガチャッ 梓「なーにぃ純? 何か忘れm‥‥ ?「えっ? じゅ‥純‥ちゃん‥?」 梓「みっ‥みみみ澪先輩!?//」 澪「あれ、えと‥約束の時間通りに来たんだけど 純ちゃんがどうかしたの 梓「いいいえっ! 何でもありません! どうぞあがって下さい!!//」 梓(そうだったーっ! 今日は澪先輩に勉強教えてもらうため(という理由を付けて) 家に招待してたんだったー!) 澪「そ、そうか‥? じゃあお邪魔します」 2号「ニャー」 澪「ん? あ、梓 その猫は一体?」 梓「へ? あ、この子ですか? 実は先ほど純が‥」 澪「か‥‥」 梓「か?」 澪「かわいいいいいいいいいいいいいいい!!」ギューッ 2号「ニャー!?」ジタバタ 梓「澪先輩!?」 澪「うわ~ちっちゃくてふわふわだ~// 梓の家って猫飼ってたのか!」キラキラ 梓「あっ、いえ 純の家の飼い猫で、今日一日だけ私が預かる事になってるんです」 澪「へぇ~ あっもしかして前に梓が純ちゃんから預かったって話してた猫ってこの子か?」 梓「は、はいっそうですそうです」 澪「えーと確か名前は‥‥‥ ! そうそう『あずにゃん2号』!」 梓「はうっ!?」ドキッ 澪「でも純ちゃんの家の猫なのに梓、自分で勝手に名前付けちゃうんだもんなーふふっ」クスクス 梓「も、もう! そんなに笑うことないじゃないですかっ!//」 澪「ゴメンゴメン でもなんだかんだ言って梓、唯の付けた『あずにゃん』って あだ名気に入ってたんだな」 梓「べっ別にそういうわけじゃありませんっ!//」ドキドキ 梓(あっあれ‥? 私さっきから変にドキドキしてる‥ 澪先輩の前だからってのもあるけど‥いつも以上に‥) 澪「はははっ おっと、そろそろ勉強する部屋に案内してくれる?」 梓「あっ、そうでしたね ずっと玄関にいるのもあれですし‥」 澪「なっ なぁ梓?」 梓「は、はい?」 澪「あずにゃん2号、部屋まで抱いて行っていい?」キラキラ 梓「ど、どうぞ~//」 ~中野家居間~ 澪「あずにゃん2号~ネコじゃらしだぞ~?」フリフリ 2号「ニャーゥ ニャッ!」ヒュンヒュン 梓(あの澪先輩が‥この部屋にあるレコードには目もくれずずっとあずにゃん2号と遊んでる‥) 梓「あのぉ‥ 澪先輩? そろそろ勉強の方を~‥」 澪「あっ そうだった‥! じゃあさっそく始めようか 今日は梓がわかるまでみっちりやるからなっ!」 梓「はっ‥はいっ!」ウキウキ 梓(よかった~やっと私の方を見てくれた‥) 2号「ニャー‥」ゴロゴロ 澪「ん? どうしたーあずにゃん2号?」 2号「ニャッ!」ピョコン 澪「うおっと!?」 梓「!?!?!?!?!?!?!?!?」 梓(あ‥あああ‥あずにゃん2号が‥澪先輩のぉ‥膝の上にぃいい!?) 2号「ニャー♪」スリスリ 梓(ちょっ、あずにゃん2号!! 澪先輩の膝の上なんて恐れ多いですっ!! 私の‥私の憧れの場所なのにいいいいいいい!!)ゴゴゴゴ 澪「‥‥‥‥あずにゃん2号~」ムスッ 梓(おっ! 澪先輩が怒ってるっぽい そうですちゃんと注意してあげてください!) 澪「‥‥‥も~ そんなに私の膝の上がいいのか~?」ナデナデ 2号「ニャーニャー」ゴロゴロ 梓「」 澪「でも少し大人しくしておいてくれよ~ 今から梓に勉強を 梓「もういいです‥‥」 澪「えっ?」 梓「もう勉強とか‥いいです‥ 澪先輩はどうぞあずにゃん2号と遊んでいてください‥」ガタッ 澪「おっおい梓‥? どうしたんだよ急に!? どこに行くんだ?」アタフタ 梓「別に澪先輩には関係ないところです」 澪「‥‥‥おい、待てっ! あずにゃん!!」 梓「‥‥‥‥‥えっ? い、今澪先輩なんて‥?」 澪「あっしまった‥ついついあずにゃん2号の呼び方に釣られて‥」 梓(い、今澪先輩が‥私のこと‥あっ‥あ、あずにゃんって‥//)フラフラ ズルッ 梓「えっ!?」 澪「あっ、梓っ!! 危な ―――――――――――――――――――――― 梓(‥‥んっ ここは‥どこ‥ まぁ、どうでもいいや‥) 梓(なんか‥さっきまで可愛いと思ってたあずにゃん2号が急に憎らしくなってきちゃった‥) 梓(ううん‥あずにゃん2号が悪いんじゃない‥勝手にヤキモチ妬いて‥澪先輩にあんな態度とって‥) 梓(はぁ~‥ネコに嫉妬とか私って恥ずかしいな~‥ ははっ‥) 梓(でもっ‥私だって澪先輩に可愛がって欲しい‥! 澪先輩に甘えたいよう‥) ?「」ナデナデ 梓(そう‥ こうやって優しく私の頭を撫でて欲しい‥ ‥ん?) 梓「ふえっ!?」パチッ 澪「あっ梓! よかったーっ やっと気が付いた‥」 梓「澪‥先輩‥ 私一体‥?」 澪「さっき足を滑らせて頭打ちつけたんだよ もうホント心配させて‥」 梓「ごっごめんなさい‥澪先輩‥ ‥あれ? そういえばさっきから私の後頭部に当たる この柔らかい感触は‥ !?! み、澪先輩のお膝ー!?//」バッ 澪「こーらっ まだ少し安静にしとけ」グイッ 梓「にゃうっ!?」ポムッ 梓「で、でも澪先輩 ずっと膝枕の状態じゃキツいのでは‥?」 澪「私は大丈夫っ それより梓、どこか痛むとこは無いのか?」ナデナデ 梓「ふゃ‥ひゃい! らいひょうぶです‥//」 梓(しいて言うならドキドキしすぎて胸が痛いです‥//) 澪「‥‥梓、ゴメンな‥」 梓「えっ? な、何で澪先輩が謝るんですか!?」 澪「今日は梓の勉強見てやるために来たのに、私といえばずっとあずにゃん2号のことばかり‥」 梓「そ、そんなことっ! それより私こそ‥さっきは澪先輩にあんな態度とって‥ごめんなさい‥」 澪「梓‥ ううん、やっぱり私が悪い! そうだ、梓 何かして欲しいこととか無いか?」 梓「へっ?」 澪「一つだけ梓のお願い聞いてあげるってことで今回は許してくれないか‥ あ、出来れば叶えられる範囲のお願いで頼む」 梓「だから澪先輩は悪くな‥ でも、ホントにいいんですか‥?//」キラッ 澪「う、うん 先輩に二言は無いぞー」 澪(急に目の色が変わった‥!) 梓「え、えーとですねぇ‥ うーん‥‥ あっ!」 澪「な、何だ!?」 梓「そういえば‥あずにゃん2号は?」 澪「あぁ、あずにゃん2号ならずっとそこにいるぞ」 梓「あっ、あずにゃん2号‥ あれ、どうしてあんなにうな垂れてるんですか?」 2号「」ションボーリ 澪「たぶん‥ 梓が倒れたことに何らかの責任感じちゃってるんじゃないかなぁ‥」 梓「あずにゃん2号‥」 澪「ほらっ、梓!」ポン 梓「は、はいっ! あずにゃん2号! おいで!!」 2号「ニャー‥」トコトコ 梓「うぅ‥ ゴメン‥ ゴメンねっ あずにゃん2号~!!」ギューッ 2号「ニャー」ペロペロ 澪「ふふっ‥ あずにゃんにあずにゃん2号 同じ名前同士ちゃんと仲良くしないとなっ」クスッ 梓「あっ 澪先輩またあずにゃんって‥//」 澪「おっとゴメン なんかついついクセになってるみたいで‥」 梓「‥‥‥よしっ! 決めました、澪先輩への願い事!」 澪「へ?」 梓「ふわーっ! 終わったー!」ノビーッ! 澪「お疲れ様、勉強よく頑張ったな!」 梓「はいっ 今までわからなかったところも理解できたし 澪先輩のおかげです! ありがとうございますっ!」 澪「ふふっ でもすっかりグッタリモードだな~」クスッ 梓「ふぇ!? いえ、そんなこと‥ いえ、実は疲れちゃいました‥//」 澪「『ここ』でよければ休む?」パンパン 梓「!? はっ‥はいっ!//」 梓「ふゅ~ 澪先輩の膝枕‥とっても気持ちいいです‥//」 澪「あんまそういうこと言うな‥照れる‥//」 2号「ニャー」ピョコン 澪「うおっ! おいおい‥あずにゃん2号も膝の上がいいのか?」 梓「あずにゃん2号も澪先輩の膝枕の気持ちよさがわかるんですよー ね~?」 2号「ニャッ!」 澪「やれやれ‥」 澪(まったく‥どっちも甘えん坊さんだな でも、 ふふっ‥ 可愛いな♪)スリスリ 梓「ひゃうっ! み、澪せんぱーい!// アゴの下スリスリするの止めてください!// そ、そんな猫じゃないんですからっ‥! くすぐったいです‥//」 澪「おっとゴメンゴメン‥」 澪(私から見れば可愛い猫みたいなものなんだけどなー まぁ本人には黙っとこう」 梓「そっ‥それよりも‥」 澪「んー?」 梓「私は‥ 頭ナデナデしてくれる方が嬉しいです‥//」ポッ 澪「ふふっ りょーかい」ナデナデ 梓「えへへっ♪ みーお先輩!//」 澪「もう、なんだー『梓』? 梓「んーもう、澪先輩! ね・が・い・ご・とっ!」 澪「そ、そうだったな‥!」 澪「あっ‥‥あず‥にゃん?//」 梓「はいっ♪」 おしまい ~おまけ~ 梓「そういえば澪先輩って何で私のこと「あずにゃん」って呼ぶ度に何か申し訳無さそうだったんですか?」 澪「えっ!? そ、それは、えーと‥ なんていうか あ‥あずにゃん‥とか がっ‥柄じゃないだろ?// 私の//」カーッ 梓「‥‥‥‥‥‥‥プッ」 澪「あっ梓! 今笑っただろう!!//」 梓「そ、そんなことないですよ~ ただ澪先輩可愛いなって‥‥‥‥プッ」 澪「あ~~~ず~~さ~~~!!」コチョコチョ 梓「キャ~!」ウキウキ 本当におしまい
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/1147.html
まただ。 廊下の先に唯先輩が見える。 いつものように笑顔で。 いつものように誰かに抱きついて。 今日は真鍋先輩だ。 ここからだと声は聞こえないけれど何て言ってるのかは想像がつく。 「和ちゃん大好き」だ。間違いない。 毎日、いや一日に何度こういう光景を見るだろう。 相手はいつも違っている。 憂、軽音部の先輩、真鍋先輩、それに私の知らない唯先輩の同級生 この所やけに頻繁に見るようになった気がするのは たぶん私が過剰に唯先輩の声や姿に反応しているからだ。 見たくないけど目をそらせない。 唯先輩ならあのままキスでもしかねない。 もちろんキスしてる所を見たいんじゃなくて、 キスしなかった事を確認するために見つめ続ける。 でも真鍋先輩にはした事があるのかもしれない。 幼馴染で、あんなに仲が良い。 子供のころにはあってもおかしくない。 いつまでそうしていたんだろう。 今は、今もそうしてるんだろうか。 どんどん苦しい方へはまりこんでいく。 でもそれは 何の意味もない抱擁。 何の意味もない大好き。 何の意味もないキス。 自分に言い聞かせても胸の痛みは消えない。 キスはともかく、意味のない抱擁、意味のない大好きは 毎日私が与えられ続けてる物だから。 一番初めに見たのは新入生歓迎会。 今考えると詐欺みたいにかっこよかった。 次に会ったのは部室。 ステージ上との落差に幻滅させられた。 それからどのくらい経ってからだろう。 変なあだ名で呼ばれるのに慣れて、 抱きつかれるのに慣れて、 だんだん抱きつかれない日は寂しくなって、 あげくの果てには他の人に抱きついてるのを見るとこんな気持ちになる。 全部唯先輩のせいだ。 毎日毎日無邪気に人に抱きついて好きだなんて言うから悪い。 私の気持ちがどんどん唯先輩の方に向かっていくのに気づかないのが悪い。 八つ当たりなのはわかってるけど限りなく怒りに近い気持ちが私の心を埋める。 「唯先輩!」 気がついたら廊下を走って唯先輩を呼んでいた。 「あずにゃーん」 嬉しそうな顔で私の方を向く唯先輩。 真鍋先輩は大声を上げた私を少し驚いた顔で見ている。 特に話すことなんてない。 ただ真鍋先輩から離れて欲しかっただけだ。 それだけのために廊下を走って、声を上げて、先輩の名前を呼んだ。 そこから先の事なんて考えてなかった。 「梓ちゃん、こんにちは」 「こんにちは」 私と真鍋先輩が挨拶をかわしている間に唯先輩は私に抱きつく。 「じゃあね、唯」 「うん。ばいばい和ちゃん!」 真鍋先輩は行ってしまった。 さあどうしよう。 「あずにゃーん、何か急ぎの用?」 唯先輩は不思議そうな顔をして聞く。 あんなに大声で名前を呼ばれれば誰だってそう思う。 真鍋先輩もそう思ったから気を利かせてこの場を立ち去ったんだろう。 しかしもちろん用事はない。 それにしても真鍋先輩から離れた途端、当たり前のように私に抱きつく。 誰かに抱きつかないではいられないのか。 次から次へと宿主を渡り歩く生き物みたいだ。 「唯先輩」 「うん?」 「すみません。特に用事はありません」 「へ?」 「では、離れてください」 何をしてるんだ、私は。 私から離れたらまた別の誰かに抱きつく。 その度にこうやって邪魔して私に抱きつかせて、それを繰り返す。 それで良いのか。 いっそのことストレートに聞いてしまいたい。 唯先輩の中に、大好きな人ランキングみたいな物があったら 私は何番目に位置しているんですか、と。 ちなみに私の中のランキングでは唯先輩はランキング外だ。 他の誰とも並べられない。比べられない。 平沢唯、とだけ書かれたページが一枚別にある。 「うーん?」 しぶしぶと言った感じで私から離れる唯先輩。 いつもの私ならこれでおしまいだ。 でも、もう耐えられない。もう見たくない。 他の誰かに抱きつく唯先輩を見るのは。 「うお! あずにゃん!」 私から抱きついてみた。 これは思いのほか恥ずかしい。 唯先輩、毎日良くこんな事できますね。 「えー、たまには」 「あずにゃん!嬉しいよ!」 「そうですか。嬉しいですか?」 「うん! すごい嬉しい!」 「では、交換条件です」 「ほえ?」 さあ乗ってくるか。 これは賭けだ。 「これから私が抱きつきます。ですから他の……」 「ん?」 肝心な所で言葉が出てこない。 頑張れ、私。 ……いや、やっぱりダメだ。 皆さんすみません。 中野梓はそういうキャラではありませんでした。 「すみません。何でもありません。忘れてください」 「んん?」 そう言って私は抱きつくのをやめた。 唯先輩は眉根にしわを寄せて考え込んでる。 まあそうだ。明らかに私の挙動はおかしい。 「訳のわからない事をしてすみませんでした。では」 「……はっ! わかったよ!」 「何がですか」 「これからはあずにゃんが抱きついてくれるんだよね!」 「すみませんでした。一時的な気の迷いです。忘れてください」 「私が他の人に抱きつかなければ!」 「え」 「わーい!」 言ってない。 私はその言葉を言ってない。 それなのに、何で、どうして。 それに、それで良いんですか。 他の人に抱きつくことより、私に抱きつかれる方が良いんですか。 頭の中が疑問でいっぱいになる 驚いてる私に向かって唯先輩は嬉しそうに言う。 「あずにゃんも他の人に抱きついたり抱きつかれたりしたらダメだよ」 「え」 これはどういう事なんだろう。 けど、でも、もう唯先輩が他の誰かに抱きつくところを見なくていい。 そして、私の事をどう思ってるか、知ることができる。 「ゆ、唯先輩も、私が誰かに抱きつかれていたらイヤですか?」 も、にイントネーションをおいてみた。 頑張った、私。 「私もイヤだよ。あずにゃん、今までイヤな思いさせてごめんね」 「いえ、それは私が勝手に……」 「あずにゃんもそう思ってくれてるのなら私はもう他の誰にも抱きつかないよ」 真剣な顔でそう言ってくれる。 唯先輩もですか。 唯先輩も私の事を思っていてくれてるんですか。 そう言いかけた時、予鈴が鳴った。 「じゃあ、あずにゃん。約束だよ!」 嬉しそうに手を振って唯先輩は行ってしまった。 最後までは確認する事ができなかったし、 伝えることもできなかったけど私の気持ちは明るい。 次に会った時は頑張って自分の気持ちを伝えよう。 ……そして私から抱きつくのは免除してもらえないか交渉しよう。 そう心に決めて私は教室に向かった。 <おしまい!> これは… かなりイイです!! グッと来ましたww -- (名無しさん) 2011-03-02 10 11 57 唯はこう言う所でかなり敏感 -- (あずにゃんラブ) 2014-01-01 20 52 10 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る