約 6,940,050 件
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/400.html
第五章 『幻想殺し』 _Project_■_■_後編 区切られた結界の中で、存在そのものに負荷を加えられ、黒山のように群れていた侵魔の群は、跡形も無く消し飛んでいた。 大量のプラーナを使っても戻ってこられないほどの力。 それは、圧倒的で一方的な搾取であり、虐殺だった。 瓦礫ごと消し飛び、平坦に均された大地に視線を向けて、彼女は言う。 「―――ったく。十把一絡げに一山幾らの下級が、のぼせ上がってんじゃないわよ」 波打つ銀色のウェービーヘア。超越者の証である金色の瞳。傲岸不遜に悪態をつく声は、鈴を振ったように美しい。 そこだけ見れば、数瞬前の圧倒的な破壊とはつながりようの無い華奢な少女の姿。 「……ベル」 柊に愛称(なまえ)を呼ばれ、彼女は―――、裏界第二位の実力者『蝿の女王』ベール・ゼファーは、幼さの残る顔に、獰猛な笑みを浮かべた。 「柊蓮司」 「……。なんだ?」 「相変わらず頭悪そうな貌ね」 「余計なお世話だ馬鹿野郎!! 他人の顔みて最初に出る言葉がそれかいっ!?」 びしり。と、思わず柊のツッコミが飛んだ。 「そうね。そんな当たり前の事、いちいち確認するまでも無かったわ」 「―――てめぇなァ………」 八つ当たり気味にイヤミを飛ばすベルを、睨みつける柊蓮司。 御坂美琴は、いきなり発生した奇妙なシーンについていけず、目がシマウマ状態である。 「柊? だれ、この人?」 やっとのことで、それだけを言う。 「ベール・ゼファー。コイツも俺らの世界の魔王だ」 事も無げに柊に告げられた言葉が、美琴を混乱させた。 「魔王ってこの子が!? この私と同い年ぐらいの女の子じゃない!?」 御坂美琴とて、今時のチューガクセーである。毎週月曜と水曜にはコンビニで漫画雑誌を立ち読みするし、毎月十日には本屋を物色している。 そして、自室のベッドの下に押し込んでいる巨大熊の縫い包み『きるぐまー』の中には、規則で禁じられている携帯ゲーム機も入っているのだ。 そんな御坂美琴が、魔王といわれて最初に思い浮かべるのは、ファンタジー系RPGのボスキャラである。 ゲームでは、魔王という存在(キャラ)は大抵、悪の象徴であり、諸悪の根源で、角が生えていたり蝙蝠の翼があったりと、いわばバケモノそのものだ。 普通に売っているオカルト本にも、蜘蛛だの蛇だのという、怪物の姿で解説されている。 そうやって語られる姿と、目の前の少女とでは、余りに違いが在りすぎはしないだろうか? 「もう一つ言っとくと、うちの世界の魔王ってのは、大体こーゆー姿だぞ」 「マジ!?」 第八世界特有の事情に、カルチャーショックを受ける美琴に、まさに追い討ちを掛けるように 「外見で判断して欲しくないわね、異世界の超能力者。そんなもの、我々裏界の存在にとって対した意味は無いの。 それに私は『大魔王』。その辺に生えてる『雑魚魔王』と一緒にしないで欲しいわね」 「ざ、『雑魚魔王』って………、何よそれ」 『雑魚魔王』。 それは、第八世界『ファー・ジ・アース』において、あまり力が強くないものの人間世界に致命的な危機を与える侵魔の呼称だ。 大抵は、運命に選ばれ覚醒したばかりのウィザードが相手をするものだが、やはり、この辺も第八世界特有の事情であろう。 事情を良く知らない美琴からすれば、言葉の響きが与えるインパクトは相当なものである。 「そういえば、アイツと一緒に居るって魔王も、女の子だったわよね――――。 さ、流石異世界。いろいろぶっ飛んでるわー」 結局、そう流すのが一番だった。 「で、ベル。お前一体何しに来たんだ?」 取り敢えず、自分を納得させた美琴が黙り、そして柊はベール・ゼファーに問いかけた。 てめぇ、一体何企んでやがる。 詰め寄る柊に、 「ふん、あんたらが困ってるみたいだから助けてやったんじゃない。 あ、柊蓮司。これ貸しイチだからね」 「巫山戯んなっ! つーかんな事頼んでねぇってか、話逸らしてんな! 相棒ほったらかして、いままでどこで何してやがった! まさかこのデーモン大量発生に、一枚噛んでるんじゃねぇだろーなァ」 大魔王は、心外だと貌にありありと書いて、 「まさか! あいつらはパールの配下よ!! つまりあたしの敵!!」 「ホントだろうな、おい」 「あのねぇ、何であたしが自分の配下をブッ飛ばさなけりゃなんないのよ!! あたしは単に、アゼルのところに行こうとしてただけよ!! そんでもって、アイツラが身の程知らずなにも下らない戯言のたまってたから、ちょっと灸をすえてやったんじゃないのよ!!」 すねた子供みたく、睨みつける。 「ったく、折角助けてやったのに、ナマ言ってんじゃないわよ!! 序でだから教えといてやるけども、あの下級どもの狙いはアゼルよ。パールにとって、今一番目障りなのは、アイツだもの。 だから、あんたと遊んでる暇なんて無いのよ!」 蝿の女王は、傲慢に言い置いて宙に浮かんだ。 「てめぇ、何処行く気だ」 「頭悪いわね柊蓮司!! 決まってんでしょ、アゼルのところよ! あんの馬鹿、変なヒューマニズムなんぞに目覚めやがって、あんな下級如きに追い詰められてるなんて、仮にも『魔王』の名前が泣くわよっ!!」 大気を切り裂いて、魔王少女は空を翔る。 言葉面は怒っていても、心で案じる怒号を吐く魔王に、暫し呆然となった柊と美琴だったが、ハッと正気に返って箒に跨った。 と、その瞬間、柊の0-Phoneが振動する。 ハンズフリー設定の向うから、その声はこんなことを言い出した。 『もしもし、蓮司? すぐに迷子の捜索に移って欲しいで在ります』 マーセナリー・オブ・イタリアンヴァンパイア。 ノーチェという名の吸血鬼(ウィザード)は、柊が聞き間違えていない限り、上条当麻を見捨てろ。と、そう言った。 「は? ちょっと待て!! ノーチェ、てめぇ自分が何言ってんのか判ってんのか!?」 『重々承知で在りますよ。 納得してもらう為に状況を説明すると、現在、学園都市に大量発生しているデーモンは、アゼル・イヴリスを狙っているようで在ります。 そして、アゼルたちが第六学区に移動したことで、そこに続々と集まっているところであります』 「だったら―――!!」 「尚更、急いであいつを助けに行かなくちゃならないじゃない!!」 『その声は美琴でありますな。二人とも先走りすぎであります。まだ話は終わってないのでありますよ。 ―――で、ありますから、デーモンはアゼルを攻撃するために第六学区に移動しているのであります。 逆説的に、他の場所ではデーモンの脅威が薄らいだというわけでありますから、今のうちに住人の避難を完遂してしまおうというのが、極上生徒会の判断であります。 そういうわけで、現在最大の懸念事項は迷子であり、元々、上条当麻を保護したら蓮司たちにも、捜索を手伝ってもらうつもりでありましたからな。 現在、アゼルたちのところにはベール・ゼファーと思しき反応が向かっているようでありますから、蓮司たちには其方よりも、迷子の方を優先してもらいたいのでありますよ』 絞り出すような苦い声で、柊は呻くように、 「―――後は、全部ベルの奴に任せろって言うのか?」 『いいえ、優先順位を考えろといっているのであります』 何時に無く、ノーチェは真剣に返答する。 『方や『大魔王』級のエミュレイターが二体ついている男子高校生と、方や能力者とは言え十歳程度の女の子。 どちらの方が危険か、判るでありましょう?』 「………わかったわ」 「美琴!?」 沈黙を挟み、了承したのは御坂美琴だった。 『美琴が頷くとは少々予想外でありますな。自分で言ったことながら、本当に宜しいので?』 「宜しくなんかないわよ。ホントなら今すぐアンタを灼きたいぐらい。 でも、アンタの言うとおり、どっちの方が危険かって言えば、そんなコト比べるまでも無いもんね」 納得などしていない。今すぐにでも上条当麻がいる戦場に飛び込みたいのだ。 それでも、迷子の女の子を見捨てるという選択肢は無かった。 パンパン。と頬を叩いて。美琴は一つ息をついた。 都合の良い科白かもしれないが、御坂美琴は上条当麻を信じている。 拳一つで学園都市最強に立ち向かい、勝利した最弱を信じている。 だから―――。 「迷子なんぞに成ったその馬鹿娘を見つけたあと、ソッコーでアイツのところに向う。 それで良いわね」 6 対多数戦の鉄則は、決して取り囲まれないこと。仮令取り囲まれたとしても、攻防の主導権を常に持ち続けること。 常に攻め手を持ち、決して護る為だけに護ってはならない。防御は須らく次の攻撃への布石で無ければ成らない。 それが出来なければ、戦場は民主主義に席巻されマイノリティは排除される。 進むべきは覇道。群衆を搾取し略奪する専制君主たれ。 「ッオオオオオオオオオオ――――!!」 上条の空気が、大気を弾き飛ばす。 握られた右手に敵(デーモン)が接触すれば、ただソレだけで裏界の侵魔は塵となる。 『幻想殺し(イマジンブレイカー)』 ソレが異能の力であるのなら、喩え神様の奇跡であっても打ち消す右手は、こと異世界の悪魔に対しても必殺を謳う。 しかし、その絶対の切り札でも、一度に斃せるのは一体だけ。秒単位で膨れ上がる侵魔の数を前にしては、劫火の前のせせらぎほどか。 そもそも、上条当麻は戦闘のプロでもなんでもない、ただの高校生である。 路地裏の喧嘩でも一対一ならなんとか勝てて、一対二になれば危ない。一対三以上ならば迷わず 逃げる。 上条の戦闘力など、精々がその程度である そして、第六学区の廃墟には、大地を埋め尽くすほどの侵魔が集まっていた。 一対一〇〇とか、二〇〇とか。 彼我の戦力差は、そんな数え切れるほど生易しい比率ではなく、正しく一対無限大。 数え切れないと言う点において、その表現に齟齬はない。 まともにぶつかれば、ほんの数秒と持たないだろう。数の暴力という、冷徹な法則が其処にはある。 「■■■■■ァッ!!」 人在らざる咆哮をあげて、鉈を連ねたような腕が襲う。 人間の頭蓋骨など、まるで西瓜のように砕くであろう凶手。 そんなものを上条が受ければ、間違いなく人生のエンディングを迎えることになる。しかし、 ゴシッ。と、鈍い音を立てて、鉈爪は止められた。 受け止めたのは、黒い帯を巻きつけた細い腕。 見た目は華奢でも、仮にも魔王の腕、下級侵魔の爪如きで砕けるものではない。 しかし、その陰に隠れるようにして、別の個体が闇を吐き出す。 「■■■■■ォッ!!」 鋭利な刃となった闇(ソレ)は、爪を振り下ろした同胞の身体を貫いて、アゼルの眼前に出現する。 『幻想殺し』で防御は(パリィ)は出来ない。 タイミングを合わせるように、爪を振り上げて、死角から侵魔が跳びかかかって来たからだ。 <ダークブレード>が頬を掠める。 咄嗟に首を捻ったものの、断たれたアゼルの銀髪が数本宙に舞った。 『 ッァ―――!!』 回避の勢いをそのままに、二人は右足左足を一歩前に踏込むと、向かい合わせに体を捻り、反転する。 ハンマーフォール。 握り合った右手と左手が、真上からデーモンの鼻面を打ち据えた。 『幻想殺し』が発動し、その個体が塵に帰るのを捉える前に、最初に爪で攻撃し、再び逆手の爪を振り上げる下級侵魔に向かって再度向かい合わせに反転し、右手左手を突きつける。 確実な消滅を前にして、その侵魔は攻撃を中止、バックステップ。ソレと同時に他の個体が攻撃魔法を放った。 上条たちは、一歩『前』に進んで闇の刃をやり過ごす。 一秒前まで侵魔が立っていた場所に立って、無理な後退で体制を崩した個体に、幻想殺しを叩き付け、同時に地を蹴って再び空いたスペースに跳びこむ。 尾を引いて、十字砲火のダークブレードが二人を掠めて行った。 少数対多数の戦闘において、自身が少数の立場で迎え撃つというのなら、地の利を得る為に戦場は入り組んだ場所であることが好ましい。 多数であるという強み、即ち数で押すという戦法を封じ、各個撃破が可能だからだ。 だからアゼルが戦場に選んだこの場所は、戦術的観点から言えば赤点である。 学園都市第六学区の廃墟。魔王アゼル・イヴリスが消し飛ばした区画。涸れ果てた荒野は一面に平坦で、水平線の向うに他学区の建物が見て取れる。 何よりも、この場には一切の遮蔽物が無い。犇く敵は基本的に不死身であり、敵個体そのものを遮蔽にすることは出来ない。 確かにココならば、何らかの事情で上条の右手がアゼルから離れてしまったとしても、被害を最小限に押さえ込めるだろう。 だが、地の利は確実に敵の元にある。二人が窮地に在る事は明白だ。 ソレなのに二人が、何よりただの高校生である上条当麻が、ココまで生き残っている。 それには、二つの理由が在った。 一つは、彼らを追いかけてきたウィザードたち。 アゼルを殺そうとしている目的は同じでも、侵魔の群と同盟関係にあるはずが無く、群の大半が彼らに向って攻撃を集中していた事。 そして、もう一つは、侵魔の攻撃がアゼルに集中している事だ。 侵魔の目的は、『荒廃の魔王』アゼル・イヴリスの排除。上条は謂わばアゼルに付けられた枷のようなものである。 荒廃の力を抑え、あらゆる魔法も特殊能力も封じ込め、そして庇うことによって行動すら制限する。 だから、デーモンの爪も魔法も、そのほとんどがアゼルに集中し、ソレを彼女が受けきっているが故に、右手以外は脆弱な人間である上条当麻は、未だに息をすることが許された。 アゼルが身体に巻いている黒い帯は、解れ千切れ所々露出していたが、それに劣情を抱く余地は無い。 白を通り越して蒼白な肌には、青黒く腐った果実のような内出血の跡とか、潰れた果菜のような裂傷痕が刻まれている。 露出しているところ、即ちそこは傷を受けている場所。 満身創痍。 そんな感情など、まとめて綺麗に、何処かに吹き飛んでしまう。 侵魔の攻撃は止まない。 鉈を連ねたような爪が、闇で作られた刃の魔法が、際限なく二人に襲い掛かる。 それらを、かわし、すかし、回避して、上条とアゼルは侵魔が犇く廃墟を駆ける。 いきなり視界が開けた。 『っ!?』 包囲網を突破したのかと辺りを見回せば、何も無い空間に、薄く蒼く境界のカベが、二人を取り囲んでいた。 「………これって、月匣?」 ポツリと、アゼルが呟く。 彼女ら裏界の侵魔が、世界結界の内側で力を振るうときに展開する、異界法則を刻んだ箱庭。 ソレが発現する際、空には必ず裏界の紅月が現れる。 しかしこの匣は、侵魔が作り出したものではなかった。魔法大戦(マジカルウォーフェア)以降、ウィザード全員が月匣を展開する能力を得ている。 侵魔のソレとウィザードのソレとの相違点は、空に浮かぶ月。色とその有無のみ。 システムに割り込むウィルスのように、蒼い世界を作り上げたのは、 「やっと……、追い詰めたぞ。アゼル・イヴリス!!」 機械箒の上から、彼は魔王と異邦人を睥睨する。 「―――貴方、凄いのね。 ウィザードの月匣はイノセントを隔離することは出来ても、私たち侵魔を排除するほどの力は無いって聞いてたけど……」 蒼き月の匣に刻まれた法則は、『月匣への侵入離脱の禁止』と、『アゼル・イヴリス以外の侵魔の排除』。 ウィザードの月匣にしては、破格の性能である。 「人間を嘗めるな魔王。 定命の定め無きが故、留まり続ける貴様らと違い、我ら人間は常に進化する」 まるで色水が染み出すように、出現するウィザードたち。 (詳しく理屈はよく解らないけど、複数のウィザードが一緒に展開して機能を強化したのかしら? だから、発動に時間がかかった) 魔法使いたちは、上条とアゼルを取り囲む。デーモンに比べ数は減っているし、不死身でも無い。しかし、それは危険度に劣るという訳ではない。 彼らは、槍のような箒を構えた。 木々の精霊を思わせる、穢れ無き緑の光が、穂先で煌輝する。 二人は身構える。右手と左手を硬く握り締めたまま。 青い世界の中心で、対峙する。 「………。私を、殺すの?」 当然。と、男は言った。 「上条君も……、殺すの?」 否。と、ウィザードは首を振った。 「え?」 「お前が大人しくしているのなら、殺す理由はない」 その言葉に、アゼルの肩が小さく揺れる。 「貴様が逃げ回ったのなら、そこの男ごとでなければ、殺すことなど出来ないだろう?」 だから、アゼル・イヴリスが大人しく殺されるというのなら、上条当麻を殺す理由などなくなる。 夜闇の魔法使いは、まるで御伽噺に出てくる悪い魔術師のような貌で、そう言った。 「………」 揺れる。 心が揺れる。 ぐらぐらと。まるで支えを失ったガラクタのように。 我慢ならなかったのは、上条当麻が殺されるという事。 この身は魔王。そこに在るだけで、世界を涸らす真性の怪物。彼らウィザードからすれば、ただの敵でしかない。 だから、自分が狙われることは、理解できるし、納得できた。 けれど、上条当麻が狙われることは、納得できないし、そんな理由を理解などしたくなかった。 忌まわしい力、世界を殺す荒廃の力。 ソレを受けても、力に犯されない誰か、そんな誰かが存在すること自体がアゼルの幻想。 その幻想を護りたかった。失いたくなど無かった。 だから、 だから、アゼル・イヴリスが死ねば、上条当麻が助かるというのなら――― 「止めろ、アゼル。 そんなことされても嬉しくねぇ」 冷水を浴びせた様に、上条の言葉がアゼルを打った。 「でも……」 「でも、じゃねぇ。ココでお前が死んだら、俺は苦しい。 大切な誰かが苦しんで、傷ついて、でも自分には何にも出来なくて、どうしようもないって苦しみに襲われる―――」 焦り。辛く。苦しみ。痛み。恐き。震え。叫び。涙を流す。 「だから、止めてくれ。 俺の事を本当に大切に思ってくれているのなら、そんな重たい衝撃を、俺に与えないでくれ」 二の句が接げない。 反論できない。 アゼル・イヴリスは上条当麻に死んで欲しくはない。 今この場において、上条が無事で居るには、自分が消えるしかない。 それ以外に、道は無いというのに。 だから、アゼルは黙して一歩前に出た。その姿は、まるで刑場に向う死刑囚のよう。 自分では、上条を変説させられない。 上条が背負っている物を、何も知らないのだから、口を出す事はできない。 ならば、何も言わずに幕を引く。そして、この幻想を護るのだと。 しかし、 一歩だけ、上条は後ろに下がった。 右手と左手が強く引っ張られる。 不意を打たれたアゼルは、上条の手を離さないように一歩後ろに下がりなおす。 「……どうして?」 上条は答えない。 語るべきことは、すべて語り終えているのだから。 「は」 ウィザードが笑った。 「何を言い出すかと思えば、上条当麻。 ソレは魔王だ。人と相容れぬ怪物だ!! 貴様も見ただろう、この惨状を!! 貴様も知っているだろうソレの脅威を!!」 腕を開き、指を伸ばし、指し示すように。 「この街を壊したのはそいつだ! この街の住人を殺したのもソイツだ!! 甚大な被害を、五桁を越える犠牲者を、生み出したのは紛れも無い其処のソレ!! アゼル・イヴリスだ!!」 ただの少年に、突きつける。 「土星域での会戦にも! 堕ちたる守護者の開放にも、ソイツは関わっていた!! 直接的に間接的に、ソレが殺した人間の数など、人の知りうる数字では表せぬ!! それでも―――!!」 それでも、お前はアゼル・イヴリスの味方をするのか 「―――ソイツは、護る価値のある存在だというのか!!」 上条は息を吐く。 「……護る価値が、在るか。だって……?」 力強く。 其処に、砂粒ほどの躊躇は無く、原子ほどの諮詢も見せずに。 「―――当たり前だろうがッ!!」 ざわっ!! 色めきたつウィザードたち。驚愕と、ソレより強い怒りが彼らに伝播する。 「如何言う、ことだ」 感情で人が殺せるのなら、この一瞬で百人ばかり死なせているだろう。彼は、果てし無い怒りを静かな口調の裏に隠している。 上条は、微塵ともその瞳を揺らがせず、 「正直、元の世界で、アゼルがどんだけ悪(ワル)だったかなんてこと、俺は知らない。きっと、お前の言った通りなんだろう。 今回のコトだってそう。全部、現実にアゼルがやっちまった事だ」 彼女が第六学区を消滅させたこと、五桁以上の人間を殺したことは変えようのない事実。否定のしようも無い現実。 誤魔化せない。ソレが、紛れも無い罪だと、理解している。 償わなければならない罪業(モノ)だと、解っている。 でも、 「でもな、それがアゼルを殺していいって理由にはならねぇだろ!!」 喩え人殺しの命でも、ソレを奪ってはいけない。とか、死ぬ事は償いにならない。とか、そんなコトを言うつもりは無い。 そもそも、あの場で唯一人生き残った、被害者ですらない上条が、口を出していい問題ではない。 それでも、上条当麻は、ただ、 アゼル・イヴリスに、死んで欲しくなんてないのだ。 「現国赤点な俺の頭じゃ、上手く言葉になんかできねぇけどよ―――」 それは、 この世界が大好きだと、この世界のみんなが大好きだと、護りたいのだと、そういった彼女の言葉だとか。 たった今、自分を犠牲にしてでも、上条を守ろうとした事だとか。 魔法も異能も使えない状態にも関わらず、腕を身体を、青黒く腫らし傷つけてでも、上条を庇った事だとか。 命を狙われ、武器を向けられても周りが敵だらけでも、死んで欲しくない、殺したくないと、決して握り締める事を止めない、この右手に伝わる左手の感触だとか。 そんな、魔王らしからぬ彼女(アゼル)の優しさを―――、 「護る価値があるのか。だと? 嘗めるんじゃねぇよ!! それを知ってる俺が、アゼルを見捨てるわけがねぇだろうが!!」 蒼き月匣を揺るがすほどに、上条当麻の怒号が炸裂する。 「そうか」 ウィザードは静かに、しかし苛烈な怒りを滲ませて、 「『幻想殺し』上条当麻。 ならば我々は、お前を侵魔幇助者として抹殺対象と認定する」 深慮の光が膨れ上がる。 肥大したエネルギーが、解放を求め危険な輝きを帯びる。 上条当麻は鼻で笑った。 「はっ、よく言うぜ。端っから殺す気満々だったクセによ」 そして、 「行くぞ、アゼル!!」 優しい魔王の左手を握り締めて、大地を蹴った。 行間 五 陰守極秘資料(Top Secret)。 魔王監視部隊隊員名簿。 隊長:葛葉 亨 (クールな桜色狼) 隊員:桂木 卓 (暖かなる小豆色合成獣) 相川 一 (華麗なる緋色熊猫) 稲枝 遼 (ばるばるな山吹鮫) 粟根 紬 (死の焦げ茶色天馬) 十叶 昴 (素晴らしき翠蝉) 雨原 忍 (閃光の虹色梟) 峰百 薫 (幸運な黒猛牛) 麦奈 勲 (疾風の青銅獅子鷲) 菫 刻李 (鋼鉄の無色海老) 以上十名。 備考:十人全員ともロンギヌスに所属。 輝明学園秋葉原分校地下『学園迷宮(スクールメイズ)』での研修中、学園世界への転移に巻き込まれる。 ← Prev Next →
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/316.html
「流石は古女王陛下。ボクら裏界の魔王が束になっても敵わなかったアンゼロットを、こんなにも簡単に捕らえてしまうなんてね」 「何せ、エルヴィデンス様は裏界に封じられなかったくらいやからなぁ。八大神がわざわざ別個に封じただけの事はあるっちゅうか」 忘却世界・ラグシア城跡を眺めつつ、詐術長官カミーユ=カイムンと告発の男爵ファルファルロウは言葉を交わす。 彼女らの周囲には、盟友の魔王が数人と、最近開発した侵魔天使が数十体、そして数千体の侵魔が控えていた。 「エルヴィデンス様は、あまりにも有能過ぎた。だからこそ、八大神が直々に、極めて強固な封印を施した」 「そんでも、敵から手駒を分捕ってアンゼロットとイクスィムを第三世界から追い出したり、エルンシャを倒して世界を奪ったんやか らトンでもない方や。ルー様はイクスィムを部下にしても、そんでも、こっちの世界を奪えへんかったっちゅうのにな」 「でもさ、ボクらに何の話も無く、コッチの事に手を出すのはあんまりだと思わないか? これじゃ、裏界の面目は丸潰れだよ」 ベルの元に潜ませていた密偵から、エルヴィデンスの計画を聞いたカミーユ=カイムンの動きは素早かった。 数名の盟友とともに即座に軍備を整え、アンゼロットの捕らえられている忘却世界に向かったのだ。 そして、新たな冥魔王が柊を打ち据えている間に忘却世界を完全に包囲した。蟻の這い出る隙間もない、完璧な布陣で。 「そんで、エルヴィデンス様がお越しになられたら、どないすんでっか、カミーユはん? 今のエルヴィデンス様ご本人の戦闘能力は本来の0.7%未満に制限されてるっつー話でっけど、そんでも公爵並みの力はあるやろ ーし、魔王級の部下だって、ぎょうーさんおるやろーし。そもそも、こんだけの戦力じゃプリギュラ一体にだって勝てまへんで?」 「なんで、ボクらがエルヴィデンス様と戦わなきゃいけないのさ? あの方は味方じゃないか」 「ほな、どーするおつもりで?」 「頭を下げて、手柄を売ってもらうのさ」 「は?」 困惑する告発の男爵に、詐術長官は滔々と語る。 「エルヴィデンス様は本来なら、他人の助けなど不要な方だ。本来なら、本来ならば、ね。 けど、今は違う。 第三世界で、ボクら裏界の魔王のソレとは比べ物に成らないほど強力な封印に縛られてる今のエルヴィデンス様は、自分一人で総て を行う事は出来ないし、手駒だって足りはしない。 だから、今のエルヴィデンス様は、有能な手駒をとてもとても欲しがっている筈なのさ。 そこでボクらが共闘を申し出れば、そして、ボクらが有能だと見せてやれば、きっと厚遇してくれるだろうさ。 つまり、この戦力は、アンゼロットを取り返しに来たウィザード達を、ボクらが撃退するためのものなのさ」 「けど、エルヴィデンス様には、そんな手助けは不要やないやろか? さっき、ダンジョンの奥から、瘴気の混ざった、ごっつぅでっかいプラーナを感じましたで?」 「今回は不要だろうね。今回は。だけど、ボクらがそこそこ使えると思ってもらえさえすればいいのさ。 ボクはエルヴィデンス様に、アンゼロットを捕らえたのはボクらだって、宣伝させてくれるように頼むつもりさ。 そうすれば、あの蝿の権威は地に堕ちる。最早、取り返しがつかないくらいにね。もう誰も、あのぽんこつに従ったりするもんか。 そして、ボクらが、エルヴィデンス様の代理人として、ボクらが裏界を支配するのさ!」 両手を広げて胸を張り、陶酔した様子で宣言する詐術長官に、告発の男爵は困ったような笑みを浮かべて水を差した。 「けど、相手はベルはんやからなー。例えバックにエルヴィデンス様がついてても、まったく気にせんで後先考えずに目の前の気に食 わん相手を潰そうとするんやないやろか?」 「だろーね」 盟友の懸念をあっさりと肯定した詐術長官は、しかし、自信に満ちた態度で対策を説明した。 「表向きにはプリギュラか、エルヴィデンス様の直属の配下の誰かをトップに据えて実権だけもらうつもりさ。 それに、ボクは第五世界の冥魔王ヘルクストーとも手を組んでる。いくら、あの蝿がぽんこつでも、正面切ってルー様に喧嘩を売る のは控えてたんだし、世界征服を済ませた古代神と冥魔王を同時に敵に回したがるほどバカじゃないだろ? もしも、本当にあの蝿が、本当に、もう目も当てられないくらいぽんこつだっていうのなら、エルヴィデンス様かヘルクストーに討 ち取ってもらえばいいさ。アイツはもう、裏界だけじゃなく、古代神陣営全体にとって有害無益な存在なんだ。 それが今まで切り捨てられていなかったのは、ただ、相手にするのも面倒臭かっただけさ。 でもね、あの蝿が身の程知らずにも噛み付いてくるようなら、エルヴィデンス様やヘルクストーだって容赦はしないだろうさ」 「なるほどー。ほんなら、まずはエルヴィデンス様にウチらが役に立つってところをお見せせなあきまへんなー。 お。ウィザード達も来たみたいやで」 「ボクの軍勢相手にカワタナ級三隻とレーヴァテイン級一隻か。舐めてくれるじゃないか、ロンギヌス」 「赤羽代表代行。アンゼロット様救出部隊、裏界軍と交戦に入りました」 「はわ。分かったわ」 ロンギヌス・コジマメの報告を受け、くれはは重々しく頷いた。 モニターで忘却世界の様子を覗っていたくれはは、カミーユ=カイムンの軍勢が忘却世界を包囲したのを見て第三世界救出部隊の一 部を派遣した。 アンゼロットもコイズミもいない今、ロンギヌスの指揮能力は大きく落ちている。部隊の編成も途中だった。 苦戦は免れないだろう。 それでも、これを見過ごす訳にはいかなかった。 忘却世界内で何が起きているかは分からない。救援に駆けつけようにも、今から百階ダンジョンを踏破して間に合う筈もない。 自分に出来る事は少ない。だが、何も出来ない訳じゃない。なら、出来る事をするだけだ。 だがしかし・・・・・・ 「完全に忘れてたわ。裏界の魔王は全部が全部、ベルみたいな奴じゃないってこと・・・」 「ええ。ですが、それこそがベール=ゼファーの真に恐ろしいところです」 臍を噛むくれはに、コジマメが自分の見解を述べた。 「彼女はウィザードから、裏界への危機感を奪ってしまいます。 彼女と戦っていると、裏界と戦う必要を感じなくなってしまいます。 どうせ勝手に自滅するんだから、ほっといてもいいじゃないかと思ってしまうのです。 そして、それこそが、裏界第二位の魔王“蝿の女王”ベール=ゼファーの遠大な計画なのでしょう」 「お待ちください、アンゼロット様!」 エンディヴィエ封印の間に、ロンギヌス・コイズミの声が響く。一度は昏倒したものの、どうにか意識を取り戻して床に倒れたまま 状況を覗っていたのだが、流石にこれを見過ごす訳には行かなかったのだ。アンゼロットに、柊を傷付けさせる訳にはいかないのだ。 まだ、目がよく見えないまま、コイズミは手探りでアンゼロットに近付きつつ必死で訴えかけた。 アンゼロットの動機は嫉妬だ。自分は家族を救えないのに、柊は救える。それが、許せないのだ。 ならば、家族を救えばいい。 冥界の瘴気に理性を削られたアンゼロットは失念しているが、情報共有魔法により膨大な知識を得たコイズミは、まだエルンシャを 救える事を知っていた。 「お忘れですか、アンゼロット様? エルンシャ様は、どれ程細かく砕かれようと欠片を集めれば復活するという事を!」 「! そうであった!」 気付かれたか、と。古女王は胸の内で呟いた。 此れだから人間は油断出来ん。 単独では酷く脆弱で愚かで非力な存在だが、仕えるべき主を(其れは自分の信念である場合も在りうる)、従うに足る指導者を見つけ た人間は、其の微力の限りを尽くして如何なる存在にも立ち向かう。 そして、在る時は塵を集めて山と成し、また在る時は蟻の一穴を持って巨大な堤防を壊すのだ。 (エルンシャにアンゼロットを攫わせたとき、アンゼロットはこの者に自分の記憶の一部を分け与えておったが・・・・・・まさか、あのと き打った一手が、このようなところで実を結ぶとはな。つくづく、油断の成らん奴よ・・・・・・) 折角、此処まで追い詰めたというのに。 エルンシャに逢わせて罪悪感を煽り、其の心の隙を付いて、其の精神に干渉したのに。 幻夢神から切り離し。 砕けた心に付け込んで。 冥界の瘴気で理性を削り。 柊蓮司との違いを突きつけて。 漸く此処まで、其の精神を侵食したというのに。 あと少しでアンゼロットを、冥魔王に変える事が出来たのに。 古代神の精神破壊能力によって、完全な操り人形に出来た筈だったのに。 どうやら、賭けをしなければ成らないようだ。 古女王は覚悟を決めた。尤も、2回賭けて、どちらかに勝てば充分だが。 「アンゼロット。エルンシャは余りにも細かく砕かれ過ぎた。其の侭では復活出来んぞ。 誰か、適当な依り代が必要だが、守護者の器に成れる者などそうは居らん。 守護者の力に耐え切れず、魂は消し飛び、体が破裂して終わるだけだ。誰を器にする?」 「俺がなる」 闇姫の予想通り、柊が即答して床から起き上がった身を起こした。 「・・・・・・アンゼロット。俺が・・・・お前に、してやれる事は・・・・・・これだけだ・・・・・・・」 「自惚れるな、柊蓮司! 貴様などに、守護者の依り代が務まるものか! 思い上がりも大概にしろ!!」 罵倒する黒髪の冥魔王の色の違う双眸を。瘴気と憎悪に濁った瞳を。 柊は真っ直ぐに見つめ、静かに、穏やかに言葉を継いだ。 「さっき、あっちの黒羽根女にも言ったんだが・・・・・・俺は、自分が守りたいものしか守らねぇ、その為なら世界中を振り回しても一切 気にしねぇ、身勝手な男だ。んで、俺が守りたいものってぇのは『世界』と『仲間』だ。 俺はお前が大嫌いだけどよ。それでも、性格のひん曲がった憎たらしいお前も、そんなお前なんかに惚れ込んだあの物好きな莫迦も。 俺が守りたい、大事な、大切な仲間なんだよ」 「ふん! そんなに死にたいなら死なせてやる。エルンシャ様が蘇るなら、貴様の事など最早どうでも良いからな」 優しい笑みを浮かべる柊から、黒髪の冥魔王は不愉快そうに顔を背けて毒ついた。 「柊様! 生贄になら私が!」 「まあ、待てよ、コイズミ。俺だって、別に死ぬつもりなんかねぇよ。 それに、依り代ってのは穢れ無き乙女がなるもんだろ? ちょうど今、龍之介に貰った九天玄女の血が暴走して、女になっててな。 俺はガキんときから神社に入り浸ってるコトもあるし、お前よりも、俺の方が適任だと思うぜ?」 「柊様・・・・・・・・」 「俺がダメだったら、そんときは頼むわ」 「・・・・・・・畏まりました」 未だに霞んだままの目では、穏やかに微笑む柊の澄み切った瞳を見る事こそ適わなかったものの、その声に強い意志を、固い決意を 感じ取り、コイズミは自らの敬愛する英雄を信じた。 「・・・・・柊様。私は、柊様の行いが間違っていたとは思いません。柊様は、人として当然の事をしたいとお思いになられていただけの事。 その為に、柊様は、他人には真似の出来ない事をしてきたのです。 誇りを持ってください。総てを救う事は誰にも出来ませんが、柊様は、人間の中では、誰よりも多くの命を救ってきたのです」 「人である事を捨てていれば、より多くの命を救えていたのだがな」 柊を励ますコイズミの横から闇姫が口を挟み、柊の生き様を否定した。 「柊蓮司。お前には、神になる道も在ったのだ。比喩的な意味でも、言葉どおりの意味でも、な。 若いウィザード達は、お前の実績を崇拝している。 アルティメット柊と手を組んでいれば、世界の守護者すら超える力が手に入った筈だった。 お前が持っている力を存分に活用していれば、ウィザード社会を統一し、裏界を滅ぼし、もっと大勢の命を救えた筈だったのだ。 なのに、お前は自分が人である事に拘り、救える筈の命を見捨ててきた。 お前は神ではなく人でありたいと願っていようが、お前の犠牲者の遺族はお前をこう呼ぶのではないかな? 『人でなし』、と」 闇姫の放つ言葉の刃が柊の胸を貫いた。 「お前の敵は裏界の魔王。本来ならば、人の身で抗するなど不可能な相手だ。奴等から世界を守るには、人のままでは務まらん。 本当に、少しでも多くの命を救いたいと願うなら、まず最初に、何らかの意味で人である事を捨てねばならん。 そうではないか、ロンギヌス? お前達は、そうやって世界を救って来たのではなかったか?」 「それは―」 闇姫の舌鋒が、今度はコイズミに向けられた。 「お前達ロンギヌスは、世界を守る為に何らかの意味で、人である事を捨てた筈だ。 或る者は、肉体的な意味で人である事を捨て、強化処置を受けた。 或る者は、精神的な意味で人である事を捨て、魔王の転生体を覚醒前に手にかけた。 或る者は、社会的な意味で人である事を捨て、神として振る舞い、人々を導こうとしている。 人のままでは、世界を守れぬ。世界を守る為には、人間である事を止める必要があるのだ。だが、この男は―」 「柊様は・・・・・『人間』です。良い意味でも。悪い意味でも。何処までも『人間』です。『人間』のままで、戦い抜いてきました」 闇姫の弁舌を遮り、コイズミが後を引き取った。 「柊様は、どんなに困難な時でも、常に『人間』である事を貫いてきました。だからこそ、私は柊様を―」 「いや、いいんだよ、コイズミ」 コイズミの反論を、今度は柊が遮った。 「世辞でも、褒めてくれて嬉しいぜ、コイズミ。けどな。俺は『少しでも多くの命を救いたい』なんて、そんな大それた事はちっとも 考えちゃいなかったんだ。ただ、目の前にいる奴だけを救えりゃ、他の事はどうだって良かったのさ」 「・・・・・・それでも、我が身を省みず、常にそうしてきた柊様の行いは、到底真似の出来るものではありませんよ」 「くすぐってぇなぁ。・・・・・・ところで、コイズミ。さっきのガキはどうしたんだ?」 「はっ! 申し訳ありません、柊様。あの者は、仲間が来て攫っていきました」 「そっか。仲間が連れてったんなら安心だな」 一言もコイズミを責めることなく、柊はただ、幼子の身だけを思い、安堵して。 コイズミもまた、幼子を刃にかけずに済んだ幸運に感謝した。 「もういいか? 儀式を始めるぞ」 柊達が話している間に広間の魔法陣を書き換えた黒髪の冥魔王が、何の感慨も含まぬ声をかけた。 「我が元に集え、六星の力よ・・・・エミュ、ルクセクト、ネイ、シェイクリ、イクストラ、アーハルト・・・・」 書き換えた巨大魔法陣の中心に柊を立たせて儀式を始めた冥魔王を、闇姫とコイズミは息を飲んで見守った。 エルヴィデンスにとって、これは一回目の賭けだ。儀式を妨害するのは簡単だが、それではアンゼロットを味方に付けられなくなる。 柊蓮司が、エルンシャの力に耐えかねて破裂するのを期待するしかないのだ。 尤も、仮にエルンシャが復活したとしても、まず最初にアンゼロットの心身を侵食する瘴気を浄化し尽くし、其処で力を使い果たす 事だろう。だから、其の隙を狙えば良いのだが・・・・・弱体化しているとはいえ、世界の守護者二人を同時に相手取るのは危険過ぎる。 (認めねば成るまいな。今回の計画は、余りにも杜撰過ぎたと) だが、より確実な作戦を行うには時間も手駒も足りなさ過ぎた。 よもや、4億の侵魔を従えるベルがアンゼロットの足止めも出来ないなどとは思いも寄らなかったのだ。 遣るべき事はやった。今迄の遣り取りで、柊蓮司の心は打ちのめされている。そのダメージが、儀式の失敗に繋がれば良いのだが。 アンゼロットの呼びかけに応え、広間中に飛散った星の欠片が柊の身体に集まっていく。 圧倒的な力が心身に流れ込み、意識を押し流し、身体が弾けそうになる。 ここまでか? ここまでなのか? ここで・・・・俺は・・消える・・の・か? 柊が覚悟を決めたとき、不意に、暖かく優しく力強い誰かが、その魂を掬い上げた。 父・・・さ・・ん・・・・? 包容力に満ちた、その感じは・・・・・・・・幼い頃、父親に抱き上げられたときの記憶を蘇らせた。 目を開けた。黒髪の美女となったアンゼロットの歓喜に咽ぶ泣き顔が見えた。 魔剣を投げ捨てて、抱きついてきた。 自分の口が勝手に動き、歯の浮くような台詞を言った。 アンゼロットが泣きながら頷き、目を閉じて、少し、顔を上に上げる。 彼女を抱きしめて、その顔に、自分の顔が近づいて行き・・・・・・・・右の瞼に、口付けた。 白く淡い光が放たれて、アンゼロットの身を包む瘴気を浄化していき― 気がつくと、柊は男に戻り、少女の姿に戻ったアンゼロットを抱きしめていた。 「もとに・・・・戻ったんだな、アンゼロッ―」 「いつまで抱き締めているんですか! さっさと放しなさい!」 「うおっ!?」 ホッとした途端、アンゼロットに乱暴に突き飛ばされ、倒れこんだ柊は声を荒げて抗議した。 「おい、アンゼロット! もっと他に言うことがあるんじゃねーのかよ!」 『すまなかったな、柊君。私の所為で、君には大変な苦痛を与えてしまった』 「いや、アンタの所為じゃねーよ。悪いのは全部アイツだろ?」 柊は魔剣を拾い上げながら頭の中に響く声に返事をして立ち上がり、黒翼の戦姫を睨みつけた。 『柊君。どうか、アンゼロットを責めないでやってくれないか。エルヴィデンスは、他者の精神への干渉を得意とするのだよ。 その技量は、時間をかければ守護天使ですら耐えられぬほどなのだ。 私がアンゼロットを幻夢神から切り離してしまったために、アンゼロットの霊的な防御力が一時的に下がってしまい、その隙を付か れて操られてしまったのだ。 悪いのは私だ。総て私の責任だ。だから、アンゼロットを―』 「よせって。アンタだって、アイツに半分操られかけてたんだろ? 悪いのは全部、アイツだ。アンタでも、アンゼロットでもねえよ」 『・・・・・・すまない。そのように言ってもらえると助かる』 「とにかく、総て上手く行きましたね!」 『ああ、コイズミ君。君の目も治さなければならないな』 柊に駆け寄ったコイズミに、エルンシャから暖かいプラーナが流れ込み、プリギュラに灼かれた目を癒す。 一方、エルヴィデンスは失望を押し隠しつつ、慈愛に満ちた笑みを浮かべてアンゼロットとエルンシャを祝福した。 「どうやら復活出来たようだな、エルンシャよ。どれ、お前達に新居を用意してやろう。 我が夢の織り成す月匣の中に来るがよい。そして其処で、永遠に、二人仲良く、穏やかに暮らせ。 天界には私から、お前達は私に討ち取られたと伝えてやろう。さすれば、最早、誰にも邪魔をされる事は無い」 その甘い誘惑を。 『世界を見捨てて、心安らげるはずがなかろう!』「誰が貴女をベッド代わりにしたいものですか!」 冥界の瘴気から開放された二人の“世界の守護者”は、声を揃えて断った。 「では、恋は諦めるのか?」 『それは、この第二次古代神戦争が終ってから考える』 「おい!」 一瞬の躊躇もなく、決断を先送りにする決断を下した異世界の“世界の守護者”に、柊は思わずツッコんだ。 「つか、お前の夢ん中に逃げ込めって、寝るたんびにこいつ等がイチャつくのを見せ付けられるんだろう? それでいいのかよ?」 「私は古代神だが、魔王ではない。愛と安らぎに満ちたプラーナもまた、私にとっては大変な美味なのだよ。 なあ、柊蓮司。お前は不思議に思ったことはないか? 裏界の魔王達の中で、本来の古代神の性質を最も色濃く残す魔王が何故フール=ムールなのか」 「とにかく、お断りします! わたくし達は“世界の守護者”なのです! 自分達の幸せよりも、世界の方が大切なんです!」 「やれやれ。結局こうなるのか。では力押しと行くか。 アンゼロット、エルンシャ。今一度お前達を打ち倒し、共に取り込んでくれよう。 我が内にて、永遠に睦みあうがいい」 「お、やっと、いつものパターンに戻ってきたな! さあ、戦うか!」 柊は晴々とした気持ちで敵に向きあい・・・・・・今まで忘れていた『仲間』の事を思い出した。 「おい、アンゼロット。なんとか、ベルを助けられないのか?」 「何を馬鹿な事を言っているのですか! アイツは敵なんですよ、敵! 助ける必要なんかありません! 寧ろ見かけ次第殺しなさい! 見蝿殺虫! サーチアンドデストロイ! サーチアンドデストロイです!」 アンゼロットの金切り声が耳に突き刺さり、柊は思わず顔を顰めた。 「・・・・・・なあ、アンタ。こんな奴のどこに惚れたんだ?」 『ベール=ゼファーは敵なのだろう? アンゼロットの意見は当然の事だと思うのだが。 まあ、我が力を持ってすれば、君の魔剣に魔王だけを切り裂く力を与える事も―」 「いや、ベルも魔王なんだが」 暫しの沈黙の後、温和で寛大で父性愛に満ちた神の、困惑に満ちた思念が返ってきた。 『・・・・・柊君。冷静に、もう一度よく考えてみてくれないか。本当に、ベルを助けたいのかどうか』 「そんな、子供を諭すように言うんじゃねぇよ!」 「子供ですよ、子供! というか、あの闇姫はベルの写し身を奪っただけなんです! 例えるなら、ベルのポンチョを剥ぎ取って纏っているようなもの! あいつを倒したって、ベルには何のダメージも入りません! 気にせず倒しなさい!」 「おし! それなら、なんの遠慮もいらねぇな!」 「クックククッ! クハッハッハッハッ! 遠慮はいらぬだと! 笑わせる!」 柊の力強い宣言を聞き、闇姫が堪えきれぬといった風情で哄笑を放つ。 「先程、渾身の一撃を素の防御力で弾かれたのをもう忘れたか! この神々の戦場で、お前に何が出来るというのだ!」 『ふっ、エルヴィデンスよ。今の柊君は私の依り代だ。 いくら魔王の写し身を乗っ取ったとて、この星王神エルンシャと月女王アンゼロットを、世界の守護者二人を同時に相手取るなど出 来よう筈があるまい。柊君の要望どおり、ベルを解放してエル=ネイシアに帰るがいい。わざわざ、痛い思いをすることもなかろう』 「いやいや、今日は久しぶりに『痛い目』とやらに遭ってみたい気分なのだよ。どうせ、負けたとて壊れるのはベルの写し身だしな。 其れに、アンゼロットは未だ地神から充分な力を受け取って居らず、此処に居るお前も何百分の1の欠片か分からん。 試してみる価値は、充分に在ると思うぞ」 言って闇風姫(シャドウ★ゼピュロス)は翼を広げ、其の神気を解き放った。 大気が震える。広大な大広間に、絶大なる神気が満ちる。 時間が。空間が。因果律が。物理法則が。 その威厳の前に屈服する。 彼女は、ただ其処にいるだけだった。 女神は、ただ気配を消すのを止めだたけだった。 それだけで、ただそれだけで。 この忘却世界のほぼ総ての存在が、生物・非生物の区別無く発狂した。 通路を徘徊する冥魔が。落とし穴の底の水槽の人食い鰻が。壁の中の鼠が。 平伏し、狂乱し、自滅した。 機械仕掛けのトラップが。様々な術式の込められた魔法陣が。 誤作動し、書き換わり、自壊した。 「―! なんだ?! この強大なプラーナはっ!!」 忘却世界周辺で交戦中の、ナイトメア率いるウィザード軍とカミーユ=カイムン率いる侵魔軍は、突如、忘却世界内部から吹き上が った強烈な神気に戦慄した。魔王も、ウィザードも区別無く、その神威に慄然とした。 ある侵魔は、全身のプラーナの配列を掻き乱されて消滅した。 あるウィザードは、その圧力に耐えかねて鼓動を停止した。 ある侵魔は、絶叫し、自らの胸を引き裂いて、死の静寂の中に逃げ込んだ。 あるウィザードは泣きながら、その存在にその身のプラーナの総てを捧げ尽くして消え去った。 彼女が気配を消すのを止めただけで、ウィザード軍と侵魔軍は、共に大きな混乱に見舞われ、瓦解した。 魂を預けるに足る主と共になく、自らの脆弱な魂のみにて神の権限に立ち会った卑小なる者たちは。 神の威容に耐えかねて、その精神を塗りつぶされ、魂を打ち砕かれ、永遠の安息を求めて暗黒の淵へと己が心を投げ込んだ。 「くっ! これは・・・・エルヴィデンス様の神気かッッ!!」 「うわっぁ・・・これは・・・・ごっつ、きっついですわ・・・」 魔王達もまた、其の神威に打ちのめされ、本体と写し身の接続を保つのが困難になっていた。 「・・・・・・・すんまへんな、カミーユはん。ウチ・・・・・・ここで帰られてもらいまっせ」 「あッ! 待ってくれ、ファルファルロ― あれ? 他の皆は?」 写し身を放棄するファルファルロウを呼びとめようとして、気付けば、他の魔王達は既に一人もいなかった。 さては、ファルファルロウと同様に写し身を放棄し、部下も何もかも見捨てて裏界に帰ったか。 或いは、錯乱したところを、辛うじて意識を保っていたウィザードに討ち取られたか。 「・・・・そんな・・・ここまで・・・・ここまで差があるのか? 裏界の侵魔と・・・・裏界に封じられなかった古代神とじゃ・・・・ここまで・・・・・」 「悪夢を見ているようだな、魔王。だが、安心しろ。今、この俺が楽にしてやる」 聞き慣れぬ声に振り向けば、一人の夢使いがそこにいた。苛烈なる神気の中、荒い息をつきながらも、その瞳に意志の光を滾らせて。 「・・・・何故だ? ・・・・・・何故、お前は・・・この・・神気の中で、動ける? ただの人間が・・・魔王ですら耐えかねる神威の前で、何故ッ!!」 「人間だからだッッ!! 俺には家族がいる! 守りたい者がいる! 家族を守る為なら、敵が神だろうが魔王だろうが同じ事だ!!」 夢使い、ナイトメアは魔王に向けて右手を翳し、全身からプラーナを放出し― そして、勢いよくその場から跳び退いた。 一瞬前まで立っていた場所を、超高密度の巨大な瘴気の塊が通りすぎ、遥か背後でレーヴァテイン級の戦艦に当たり、撃沈した。 「ぐふふふふ。今のを避けるか。なるほど、なるほど。これが実体化せし幻夢神の夢、ウィザードか。なるほど」 「誰だッ!」 声のした方を振り向くと、でっぷりと太った身体に豪奢な服を纏った、禿頭の中年男性の姿をした“ナニカ”が其処に居た。 「ぐふふふ。わしは、冥蛙王ヘルクストー。冥魔王だ。わしは最近、その女から色々とマナーを習っておるのでな。 居なくなられると困るのじゃよ」 荒れ狂う強大な神気の中で、冥魔王は涼しげな顔で名乗りを上げ、詐術長官は絞り出しすように問いかけた。 「・・・・・・ヘルクストー・・・? どうして、ここに・・・?」 「何、プリギュラから知らせがあってな。エルヴィデンスの婆さんが悪戯を仕掛けたから見に来いというので見物に来たのだが・・・ どうやら、それどころではないようじゃな。さて、ウィザードよ。仲間を連れてさっさと帰るがいい。さすれば、見逃してやるぞ。 侵魔軍は既に壊滅した。お前の仕事は終ったじゃろう。それに、今から百階ダンジョンを踏破しても間に合うまいて」 「見逃してやる、だと。それはこっちの台詞だ、蛙魔王!」 威圧するように瘴気を漲らせる冥魔王に、ナイトメアは傲然と言い返す。震える拳をマントに隠し、冷や汗を押さえながら。 「確かに、俺の仕事は終った。ここにいるお前達は所詮写し身、倒しても逃がしても同じ事だ。その抱き枕を担いで、とっとと帰れ」 「ぐふふふ。では、お言葉に甘えさせてもらうかな。さあ、逃げ帰ろうか、カミーユ=カイムン。 何、エルヴィデンスの婆さんには助けなどいらんよ。何せ、わしより格上なのじゃからな」 「・・・・・・・・・・・・・ああ、そうしようか、ヘルクストー」 冥魔王は、神気に萎縮した裏界魔王を肩に担ぎ上げると、悠然と戦場を後にした。 「―――あれが、冥魔王か・・・・・・だが、この神気を放っているエルヴィデンスとやらは、あれ以上だと?」 魔王と冥魔王を見送って、ナイトメアは身震いした。 この神威は、知覚するだけで精神を魂を侵食する。一刻も早く、生き残った仲間を集めて、この忘却世界から離れなければならない。 今の第八世界に、この神気に耐えられる者などいないだろう。 その神の面前に立つ、二人の“世界の守護者”達と、その加護に守られし者達を除いては。 ← Prev Next →
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/150.html
アルカナハート1-220 ひぐらしのなく頃に1-641 東方Project2-513 Dies irae -Also sprach Zarathustra-2-669 Fate/stay night3-445 3-462 3-473 19-193 19-250 どきどき魔女神判!3-715 夜明け前より瑠璃色な6-385 三國志7-516 ソードワールド(フォーセリア)7-895 ファンタジーRPGクイズ(五竜亭シリーズ)7-988 8-212 8-218 世界樹の迷宮28-479 女神転生、デビルサマナー10-97 ドラゴンクエスト326-703 ドラゴンクエスト510-413 ダブルクロス10-422 アリアンロッド11-113 花札11-191 11-203 多重クロス10-425 カルドセプト11-462 不思議のダンジョン12-596 女神転生13-439 アルカナハート 1-220 関東崩壊まであと7日! 突如、東京上空に現れた不思議な模様。 それは現実世界と世界とを繋ぐ危険な兆候。 異変を察知した者たちが、それぞれの想いを秘めて立ち向かう―― 柊「……って、いつもと変わんねぇよ!?」 ひぐらしのなく頃に 1-641 大災害で閉鎖された雛身沢へ単身潜入した柊。月衣があれば有毒ガスなど怖くは無い。 例によってアンゼロットの依頼、この誰も居ない村跡に以上魔力の放出が確認されたとの事。 村の神社跡で角の生えた少女と遭遇する柊。 「あうあうあう、ぼくたちを、助けて欲しいのです」 その言葉と共に少女が放った光に目がくらむ柊。次に目覚めた瞬間、彼が居たのは大災害直前の雛身沢だった。 現代羽入の《小さな奇跡》で柊を過去へ送り込んだ、ということで 東方Project 2-513 人里離れた山奥にたたずむ、寂れた神社。 いつからそこにあるのか、地元の住民にも知る者はおらず、管理する人がいるのかも分からず、祭神すらはっきりしないこの神社は、しかし不思議と朽ち果てることなく、往時の姿を保っているのだった。 これまでも、これからも、まるで時が止まったかのごとく、何者と深く関わることもなく、そこにあり続けるものと思われた(誰に?)のだが―― 「……ターゲット、確認」 満天の星空を背負い、澄んだ大気の中を、ガンナーズブルームが飛んでくる。 箒に跨るのは、0-PHONEを持った、紅蓮の髪をなびかせる少女。緋室灯。 「これより、任務に移る」 簡潔に伝えて、通話を切る。0-PHONEを月衣に放り込み、代わりに取り出したのは、 「結界徹甲弾」 絶滅社謹製の秘密兵器を、箒のしりを開けて無造作に装填し、照準を神社に合わせる。 ――これでも、あの大結界をこじ開けることができるかどうか―― 弾を手ずから灯に渡した指揮官の言葉と、厳しい表情を思い出す。 だが、失敗は許されない。 あの神社を基点とした巨大な結界の中には、裏界の大魔王にも匹敵する高位のエミュレイターが無数に巣食う魔境が隠されているのだ。 周辺地域では、古来より神隠しをはじめとした数多くの怪奇現象が頻発しているともいう。 曰く、空に無数の目を備えた裂け目が現れる。 曰く、血を求め凶刃を振り回す女が出没する。 曰く、三角帽をかぶった悪霊が宵闇の中を飛び回る。 曰く、大真面目に魔法の存在を学会で発表して以来行方知れずの教授がいる。 そのような場所が今の今まで放置されていた理由はわからないが、 ――絶滅社の名にかけて、そのままにはしておけん。 指揮官は断固たる決意を持って宣言した。 ――侵魔が命乞いをするなら聞いてやれ。ただし、生かす必要は無い―― 灯は虚空に向けて一つうなずき、プラーナ全開。黄金のオーラに包まれて、 「作戦、開始」 言葉とともに撃ち放たれた弾丸は、過たず神社に命中し、粗末な社殿を跡形も無く吹き飛ばした。 同時に、この弾丸がその真の効果を発揮する。 「――見えた」 着弾地点を中心に大きく景色が歪み、カメラのシャッターが開くがごとく、そこに隠されていたものが星明りの元に晒された。 徹甲弾の残数を確認する。2発。帰りの分と、いざというときのための予備。十分。 ガンナーズブルームを駆り、灯は『博霊大結界』の瑕へ向けて突貫した。 東方『緋』想天秘話(嘘) つづかない。 Dies irae -Also sprach Zarathustra- 2-669 始まりは静かに。けれど確実に。 「現在、諏訪原市は完全に月匣に取り込まれました。けれど、諏訪原市には今現在、何の変化も起きていません。ですが、月匣に覆われている以上は必ず何かが起こるはずです。柊さん。あなたにはその調査に向かって貰います」 「せめて任務受けるかどうか聞けよ!?」 狂っていく世界。病んでいく日常。 それを止めるために動く二人の少年。 「藤井蓮。蓮でいい」 「あー、いや藤井って呼ぶわ。レンだと知り合いに被っちまうからな」 ――月匣とは世界結界より空間を隔離するもの。その内部空間は、ルーラーの定めた法則に沿う形で運用される。 ゆえに、本来ならば在り得ざる奇跡も月匣の内部においては何の変哲もない単なる現象へと成り下がる。 たとえば、死者が蘇るなども十分にありえる事象の一つである。 「――――」 驚愕が全身を支配する。忘我が全霊を支配する。まるで、後頭部に鉄槌が下されたかのような錯覚がする。 なんでだ。なんで司狼(コイツ)がここにいる――? 「どうしたよ、蓮。鳩が豆鉄砲食らったような顔してよ」 失われたはずの幻が現れ、終わったはずの悪夢が幕を上げる。 「よぉ、なんか言えよガキ。こっちは気ぃ遣って、猿用の言葉で話してやってるんだぜ」 「馬鹿だの頭が悪いだの下がる男だの色々言われてきたけどよ、猿って言われたのは初めてだぜ……」 「うふふ。あなた可愛いわねー。レン君ほどじゃないけど私の好みかも」 「……標的、確認。殲滅開始」 「生き返ったのは一時的なもので、しかも完全じゃないわ。結界の外には出られないし、結界のルールにも逆らえない」 「しかし、自由意志はある、ということかでどりぃ~む。ならばいくらでもやりようはあるでどりぃ~む」 壊れたはずの檻の中で繰り返される惨劇。 蘇った魔人たちの目的は言うまでもなくただ一つ。 「ラインハルト・ハイドリヒの復活、ってわけか」 「そうだよユサシロー。ボクらはまた血と魂を捧げてあの御方を呼び戻す」 「これは衛生上の問題だ。魔剣使い、貴様は臭い。生かしてはおけない」 「てめぇ……人の命を何だと思ってやがるッ!」 されど悲劇は進み、怒りの日は再び来たる。 「ラインハルト――ッ!」 「否。私はラインハルト・ハイドリヒではない」 「この声……お前、アウェイカー――!」 舞い降りる絶望。迫り来る終焉の刻。 世界を夢を覚ますべく、金色の獣と化して蘇る大いなる観察者。 「怒りの日来たれり! 真なる神の怒りを前にして、もはや人に為す術などない!」 「柊さん。もう、間に合わないのですか……?」 世界すらも希望を忘れ、眼前に迫る恐怖に打ち震えているその時―― 「「「我が身、地上の生活の痕跡は、幾世を経ても滅びるということがないだろう──」」」 絶望に染まりかけた世界に響くそれは魔法の言葉。 時間をも空間をも切り刻む、彼だけに許された魔法を紐解くための祝詞。 「「「そういう無常の幸福を想像して今、私はこの最高の刹那を味わい尽くすのだ」」」 一瞬を一秒へ切り刻み、一秒を一分へ切り刻み、一分を一日へ切り刻み、一日を一年へ切り刻む。 そうして刹那は永遠となり、彼らは滅びの間際に神の元へと到達する。 「「「時よ止まれ――お前は美しい」」」 Dies IraeとNight WizardのクロスオーバーSS「怒りの日」 Dies Irae完全版と同時公開予定 Fate/stay night 3-445 なんかふぁて繋がりでこんなの思いついた 極秘裏に入手した聖剣の鞘によって、セイバーを召喚しようとするアンゼロット。 だが、現れたのはどこか見覚えのある、白髪・褐色の肌の青年だった。 「マスター…何考えてやがる」 「いえいえ。ですから、城の中をすべて掃除した後、私に美味しい紅茶を淹れてついでに柊さんも拉致してきてください」 「待てやこらっ!?つーかあれか! 俺は召使いか!?そもそもお前拉致ってわざとやってたのかよ!?」 「柊さんを拉致するのは世界の危機を救うためにしょうがないことなのです。 そもそも、何故あなたが柊さんのことを知っているのですか?」 「どうしたもこうしたもあるか!ぜってー許さねーぞ!!」 「事情はわかりませんが、言うことを聞かないなら」つ令呪 「うあああああああああ!?何考えてんだアンゼロットおおおおおおおおおおお!? 令呪ってのはなあ!令呪ってのはなあ!そんな簡単に使うもんじゃないんだぞ! 大切なものなんだぞ! サーヴァントとマスターを繋ぐ絆なんだぞ!」 「いいですからとっとと自分の仕事をしやが…してください。 私はこれでも多忙なのです」 「体が言うことをきかねえ!? 本当に令呪使いやがったよこいつ!? ちっくしょう!! くたばりやがれ!そんで地獄で懺悔しろアンゼットォオオオ!」 「…それにしても、どこか見覚えのあるサーヴァントですねえ…」 …召喚にこの英霊が応じた理由は、失った卒業証書を手にするため、とか 3-462 ほら、聖杯戦争って一種のゲームだろ? だから強いマスターにはハンデかかるようになってるんだよ だけど魔術師が作ったルールだから強い弱いの判定基準が魔術師っぽいかどうかなわけだよな。 だから魔術師っぽいやつほどサーヴァントがショボくなるんだ。 と、大嘘をかましておきます。 3-473 セイバーじゃ被るから、サーヴァントのサーヴァントだろうな。 色々こき使われるから。 アルティメットダウナーの宝具考えてきたよ。 宝具 魔剣ヒイラギ かつて世界を何度も救った男が使っていた神殺しの魔剣。 剣に名前が無かったので最初の所有者の名前がついたという。 あらゆる強大な敵を打ち倒し、全ての人々を守った剣。 しかし、この剣の所有者は破滅に至らないが大きく運勢が下がるという。 そして、所有者は必ず「下がる男」もしくは「下がる女」と呼ばれるようになる。 幾人もの魔剣使いを目指す者たちが、この剣を所有しようとしたが、 色々と「下がる」効果に耐え切れず手放したため、聖剣ではなく魔剣と呼ばれる所以である。 宝具ランク A 効果 攻撃対象の勝負運を大きく下げ、他の色々な運勢を悪化させる。「魔器開放」が使用可能。 19-193 聖「書」戦争…それはFEAR関係者が著作物を媒介にキャラを召喚し、有給・ボーナス・各種特典をかけて戦うゲームである 参戦者 菊田たけし…キャスター/ベール=ゼファー 矢野俊策…バーサーカー/諏訪原真也 井上純弌…ライダー/ヴィオレット 小太刀右京…???/織田信長 鈴吹太郎…???/??? まで考えて力尽きた 天がアサシン/ダンディだな。後、矢野先生の諏訪原は伊藤和幸に奪われるとか。 19-250 「フリーでもFEARの関係ならいいでござるか?」 三田誠…ランサー/ヤワラベ・ティアン 「ヤワラベ=シンカゲ流最強の武器をひっさげての参戦でござる!」 「まて、それは2PCだろ!」 ※ヤワラベ=シンカゲ流最強の武器…レイファス・ガリエ・ビークッド(PL:合鴨ひろゆき) どきどき魔女神判! 3-715 どきどき魔王神判! 私立輝明学園秋葉原分校に通う男の子「柊蓮司」は、ちょっとひねくれた、不良高校生。 ある日、柊は「幻夢神の写し身」と呼ばれる人物から「学園に潜む大魔王探し」を命じられました。 そんなものを素直に受ける柊ではありませんが、「中学生にしてしまうぞ!」と脅されて、 しぶしぶ命令に従うことになってしまいます。 こうして、お供の天使アンゼロットと一緒に魔王探しが始まりました。 果たして、柊たちは無事に大魔王探しの使命を果たすことができるのでしょうか・・・? ……コミックスの一巻読んでたら、こんな電波が飛び込んできた。 夜明け前より瑠璃色な 6-385 夏休み。 「合宿に行こう!」 と言う、輝明学園剣道部部長、十文字 冴絵の鶴の一声で、 合宿と言う名の小旅行を決行する剣道部員たち。 行き先は、満弦ヶ崎中央連絡港市。 楽しくなるはずの旅行。 しかし、一人の少女との出会いが、再び「月の守護者」の運命を引き戻す。 少女の名は――フィーナ・ファム・アーシュライト。 NW×夜明け前より瑠璃色な 「月の王女とその守護者」 紅い月が昇るとき、世界は真の姿を現す。 多分、予告の域を超える事は一生ないだろう 三國志 7-516 諸葛柊と聞いて ウィザードであるキミがタイムスリップした先は、三国志の世界だった。 その時代の人々に話を聞けば、乱世の英雄たちは、いたずらに争いを拡大しているのだという。 見覚えのある魔王を見たキミは、この混乱の裏に魔王の策謀が絡んでいることを看破する。 キミは10レベルオーバーのベテランウィザードとはいえ、たった一人。せいぜいが武力75相当といったところだ。 武力180をゆうに超える複数の魔王を相手に勝てるはずがない。 キミは、名だたる豪傑たちの力を結集し、乱世を裏で操る魔王達に勝利することができるか…!? 例1)ジャーンジャーン!「げぇっ、下がる男!」 例2)「私を倒せるウィザードはいるか!」「ここにいるぜ!」 例3)「はわわ!ひーらぎ、敵がきちゃったよ!」 推奨ソフト:三国志Ⅸ ソードワールド(フォーセリア) 7-895 ガルガドさんが有能なシーフとして柊蓮司に目をつけたようです。 エキューは(DVD特典リプレイの)正月に対して、何か通じ合うものを見つけたようです。 イリーナは灯の持つ箒が気になっているご様子。 おやおや、それは振り回して使うものではありませんよ? ヒースクリフは赤羽くれはの持つ破魔弓に興味があるようです。 腐っても魔術師なんですね。 ……かと思えばそれは幸福の宝石。いいところに目をつけましたね。 バスはただ様子を見ています。 あとで歌にでもするつもりなのでしょうか? 今、カメラの前を横切ったのは、パーティ一番のお調子者、ノリス君。 口にはエリスちゃんの焼いたマドレーヌを咥えています。 よほど気に入ったのですね。 そういえば、1人足りませんね。 マウナさんはどこに行ったのでしょう……あ、いましたいました。宿屋の奥にいたようです。 嬉しそうな表情ですね。 何があったのですか? ……それは残念、ヒミツですか。まあ、野暮なことは聞きませんよ。 ところでマウナさん。あなたは前から、腕に緑色のバンダナなんて巻いていましたっけ? ファンタジーRPGクイズ(五竜亭シリーズ) 7-988 ■第一問:ある下がる男の憂鬱 なぁ聞いてくれよ。俺はしがない学生ウィザードなんだが、単位がヤバくて困ってる。 なのに、毎度登校中、俺の目の前に外見美少女、中身オバ(ryが現れ、こう言いやがるんだ。 「これからする私の質問にハイかイエスで答えて下さ~い」 さぁ、この依頼に対する上手い受け答えを考えてくれ。 ……そして、俺を学校に行かせろぉぉぉ!? ―――出題者:柊蓮司 +解答を見る 【くれは】 はわー……。 さっさと終わらせて学校行こうよ。うん、柊なら出来るって。 【ガルフネット】 断ればええんちゃう?何も依頼断れば世界が滅ぶわけじゃなし。 しっかり内容を確認して、割りにあわんと思ったらきっぱり断る。依頼を受けるときの基本やで? 【カールス】 命あっての物種とも言うしな。リスクとリターンの見極めも熟練の冒険者なら、できるようになりたいな。 【マリア】 そういう考え方もあると思いますけど、すべては神の試練。 神はきちんと見守っておられます。たとえば、純粋な人助けで思わぬ報酬を手に入れたり。 【ダイス】 すべてはゲームマスターの御心のままに…か。でもあいつら邪神説もあるしなあ… 【アンゼロット】 まあまあ、それはそれ、これはこれ。 【マツリ】 運命だと思って諦めるしか……。 【ビッケム】 がっこうに行けないなんて、大変なんだね。 “がっこう”って、確かたくさんの人が集まって 色んな事を教わる所だよね? ケドが通ってる魔法学院とか、賑やかで楽しそうだったなぁ♪ ねぇ、ヒイラギの代わりにボクががっこうに行くってのはどうかな? 【ヴィヴィ】 びっけむもいってるけど、がっこうってみんなであつまって たのしくおともだちをつくるところなんでしょ? う゛ぃう゛ぃもがっこういきたいな~。 そしたら、おともだちいっぱいつくるんだあ♪ 【ラッキースター】 ……なぁ坊主、そう云う無理難題を吹っ掛けられた時ゃあ 受けるか受けないかを賭けたギャンブルを持ち掛けりゃあ良いんだぜ。 何? 相手が賭けを受けなかったらどうするって? そん時ゃあ、此方も向こうからの無理難題なんざ引き受ける必要は無ぇぜ。 此方ゃあ「絶対受けない」たぁ言ってなかったんだからな。 向こうが賭けに勝ちゃあ、此方は何も文句言わずに受けるっつってんだ。 ま、逆に此方が勝ちゃあ向こうが何言おうが正当に断れるかんな。 ……で、どんな賭けを持ち掛けりゃ良いって? そりゃあ、即決ならこれしか無ぇだろ!(2D6を持ち出して) ……え、向こうのダイス運は半端じゃ無ぇって? 其処までぁ俺ぁ責任持てねぇな。 ま、幸運の女神が御前に微笑んでくれるのを祈ってろや。 例え賭けの相手が世界の守護者様でもな。 8-212 第2問 恋と友情はかりにかけりゃあ!? (出題者 至宝エリス) はじめまして。私の悩みを聞いてください。 実は私,恋をしてしまったんです。相手は仲間の戦士の人で本当に素敵な人なんですが,実は柊先輩の幼馴染みの魔法使いの人もその人のことが好きみたいなんです。 恋心は募る一方なのですが、今のパーティーのことも本当に好きだから、告白してギクシャクしちゃったらと思うとなかなか踏み出せません。 やっぱり黙っていた方がいいんでしょうか? +解答を見る 【クレハ】 んー、諦めた方がいいんじゃないかなあ。 【ソマー】 ……うん、もっと近寄りたいけど、今の関係を壊したくないと言う気持ち…… とってもよく判るわ。わたしも同じだもの。 そんなわたしから言えることは一つだけ。 進むにしろ留まるにしろ、よく考えて後悔しないようにね。 【マリア】 ああ、これぞ神の与えたもう試練! でもくじけずがんばってくださいませ! 神は恋する乙女を決して見捨てませんから! 【ガルフネット】 ……んで、そっちの幼馴染の魔法使いの方が同じ相談に来ても、 同じ答えをして両方からがっぽり寄付金頂くんやろ? ボロい商売やなぁ。 【ヴィヴィ】 びぃびぃはねー、みんなとなかよくするとたのしいよ! だから、そのせんぱいさんともまほうつかいさんともなかよくなっちゃうといいとおもうな! 8-218 第3問 夜闇の魔法使い (出題者ベール=ゼファー) ひ、柊蓮司……魔法、使えたのね…… +解答を見る 【落とし子A】 ベル様、それ問題になってません。 ってか貴方も初期知力5(最低は4)で魔法ほとんど覚えれないじゃないですか。 余りに容量足りないからコンパクトなんて道具に頼っちゃって……。 あ、あれ?羽音が聞こえ…… 世界樹の迷宮2 8-479 流れを切って世界樹Ⅱで思い付いた小ネタ。 メディ子「今度はこのダンジョンに挑戦するんだけど、新しい仲間を紹介するね。 “ペット”のヒイラギレンジさんー。みんな拍手ー」 柊「誰がペットだおいっっ!?」 メ「えー。紹介主の銀髪の子がそう言って・・・ とか話してる間に敵が! きゃー!」 柊「あぶねぇ・・・うぉっ!? 体が勝手に!? ぐわっ!?」 メ「ヒイラギさんナイスカバー! さすがペット! 〈忠義の心〉を10LVにした甲斐がありましたっ」 柊「お前のせいかおい」 ※〈忠義の心〉はダメージをオートで身代わりする 常時スキル 女神転生、デビルサマナー 10-97 ライドウはてらてらと光る“それ”を、屈服させた魔王--ベール=ゼファーに向けた。 ベルは向けられた“それ”を見て脅えの表情を隠せない。 「やめて・・・そんなもの出さないでぇ」 構わず無言で“それ”を向けるライドウ。 「無理よ、そんなの・・・アァン、入らないぃ・・・」 「ひぎぃ! ら、らめ、やめてぇ! 乱暴にしないでぇ・・・」 以上、魔王ベル(ベルゼブブ相当)を無理矢理魔封管に入れようとする ライドウさんでした。 ・・・月曜の昼間から何を書いてるんだろう俺。 ドラゴンクエスト3 26-703 そういえばさ ドラゴンクエストⅢの世界に柊がって発想した人はいないのか? 酒場で勇者と合流かひょんなことからオルテガと出会って旅の連れにかはともかく どうせなら名前が決まってるロトの紋章とかの方がいいんじゃねぇかな、柊だけじゃバランス悪いからディフェンダーやキャスター的な人も一緒だといいかも オルテガ云々は・・・つまり火口に落ちたのは柊力だったんだよ!な展開で二人で光の玉なしでゾーマを倒しに行くとかねw ちなみにオルテガの場合 導入の一つとして、 いつもの如く異世界(ドラクエ世界観)の驚異たる魔王倒す柊 しかしそれはさらに異世界の大魔王の手先の一人にすぎなかった 面倒くさがりつつも戦おうかとする柊に向かって伏兵となっていた倒した魔王の家来からバシルーラをかけられる柊 飛ばされた先で出会った勇者オルテガと大魔王の手がかりを求めつつ魔王バラモス打倒の旅をする柊 というところまで思い付いた ちなみ下降案として 落ちる落ちると思わせつつウイッチブレードのおかげで無事だった柊 オルテガと共にいざバラモス城へ というところで火口に落ちた魔物のせいで地殻変動が起き 陸地丸ごとアレフガルドに落ちる とかねw ドラゴンクエスト5 10-413 ピッ [ フローラ ビアンカ くれは「えーーー!」 柊「だってイオナズン覚えるし」 ドラクエⅤの結婚で悩む柊にビアンカを推すくれはとフローラを推すエリス そしてルドマンを推すグィード そしてノリノリでルドマンのまま結婚式を進めるGMきくたけ ダブルクロス 10-422 NW×ダブルクロスアキハバラステージ クロスと言っても、違和感がなさ過ぎるか…。 エリスが赤羽神社の居候がかりじゃだめです!と唐突に一念発起して 近所であるバイトを募集していたメイド喫茶「ゆにば~さる」に、厨房スタッフ兼ウェイトレスとして働くことに。 しかし、そのメイドさんたちも、ウィザードとは別の意味で非常識な人たちばかりだったのです…。 というかんじ。合間に秋山醤と上月兄の地獄の中華料理対決もあるよ! アリアンロッド 11-113 アリアンロッドリプレイルージュとのクロスって電波が飛んできた。 一番最初に浮かんできたのは、エリンディルにやってきた柊に 「ふ~~~き~~~つ~~~じゃ~~~!!!」 って、絶叫しながら突進してくる占いばーさんの姿だった。 追われているところを匿ってくれる、ちょっとワイルドな神殿のお姉さんとか……ワイルドじゃないな、なんだろう 横ぼ…げふん、アグレッシブな神殿のお姉さんは好きですか? シグ・レント・柊のウマが合いそうな男三人旅とかw っ「追われているところを匿ってくれる、ちょっとウマの合う神殿のお姉さん」だ、ダメだ。ウマが合うのはダメなんだ! 逆に、秋葉原に飛ばされるノエルとか。異世界で困っているところをトランの面影を持つ男に助けられて… ノエル「……!? ……あなた、トラン……さん……?」;謎の男「トラン? いいえ私は通りすがりのゲームデザイナー。薔薇の王子とお呼びください」 フラグ立てあーんどフラグスルーですねわかります ノエルと薔薇の王子。 花札 11-191 麻雀ネタはこれまで結構出たけど花札ネタはなかった気がするっ! 温泉を目指して花札勝負。ラスボスはサーヴァントのサーヴァントと花札一騎打ち! ……ナイトウィザードキャラの花札宝具とか考えてみたけど思い付かない想像力の貧困な俺orz 11-203 だったらウィザード勢でやればいいじゃないか(アンゼ除く)! あかりんは無駄に引き強そうだ。 あれもこれもと頑張って失敗するマユリ。地味強いエリス、くれは(タネから猪鹿蝶狙い) 地味にカス狙いであまり負けない静、参加できるだけで喜ぶ命、コウ狙いがモロバレレッド 意外に弱い時雨、ルール無視なゲシュペンスト、勝てなくて花札でメンコはじめるいのり、参加するリンカイザー 多重クロス 10-425 NWから柊蓮司、ノーチェ、リンカイザー アリアンロッドからシグ、トラン、レント DXから上月司、フィン、シャル S=Fからジーン、ユースディール その他王子GMのNPCが多数参加のごった煮クロス 名付けて「クレバーPC大戦」! ……銀眼の鴉とかヒュペリオンとか出てきてガチに殺しにくる光景しか浮かばないんだぜ? カルドセプト 11-462 創生の書。かつて神の手で無数の断章へと砕かれし、秘宝。 全部で400にも及ぶと言う断章をすべて集め再び1つにしたものは創生の力を手にし、世界を納める神になると言う… その創生の書がファー・ジ・アースにもたらされた。 カードの姿へと変じた断章を獲得する方法はただ一つ。 同じく断章を集めるもの同士の、ルールに乗っ取った戦いに勝利するのみ。 そして、幾多のイノセント、ウィザード…そしてエミュレイターがその戦いへと参加した。 あるものは力を求めて。またあるものは争いを止めるために。そしてまたあるものは…面白そうだったから。 様々な理由で持ってこの戦いに参加したものは、この世界でもこう呼ばれる。 “カルドセプト”の使い手…“セプター”と… やたら強いカードばっかり(コストまったく無視)ばっかり突っ込んで早々に魔力不足に陥るちゃんさま、 堅実なプレイだが使ってるブックは可愛い系のクリーチャーだらけのファンデッキなモーリー、 基本的には強いけど大概不運かミスで負けるベルw 不思議のダンジョン 12-596 『柊時空』…それは、とある世界の“世の中に絶望し悪の道に走った柊”が作り出した超巨大月匣。 それは最下層に囚われたオリジン…柊蓮司の柊力を無限に増大させ、その中に取り込んだありとあらゆるものを下げていく恐怖の挟界。 それに加え、入ったものを容赦なく“下げて”しまうため、普通のウィザードには攻略も不可能。 このままでは、他の世界まで柊時空に飲み込まれてしまう。 だが、その危機に1人の少女が立ち上がった! 彼女の名前は“柊レン”…異世界の、もう1人の柊である! 彼女にも柊力が宿っている。故に、柊時空への耐性を持つ。 オリジンほどの力を持たない彼女の耐性は完全とはいかず、一度入れば戦闘の出来るギリギリのLv… Lv1まで“下がって”しまう。だが、一度下がったのち、柊時空にて経験を積むことで耐性を高めLvを上げることができるのだ! ただしその耐性は一度柊時空から脱出すると失われてしまう。 果たして彼女はたった一度の挑戦で最下層にいる悪の柊を倒し、オリジン…柊蓮司を救う事が出来るのか!? …なお、現在柊時空には柊力の補助として異世界から集められた様々な“柊”たちがとらわれている。 助け出せればきっと力となってくれるだろう。 そんなローグライクRPG『柊の不思議なダンジョン』 …続くかどうかは未定(笑) 女神転生 13-439 とあるダンジョンでの会話 男「イザナギの転生体です」 女「イザナミの転生体です」 ウィザード「イササカの転生体です」 男・女「…誰?」
https://w.atwiki.jp/nightwizard/pages/37.html
編集報告、管理人への連絡などにご利用ください。 コメントの過去ログもあります。 クロスSSスレのまとめサイト「NW!クロスSS保管庫」を作ったので、そちらもよろしくお願いします。 -- 管理人 (2007-12-16 12 12 09) DVDの初回特典で公開されたデータの扱いで注意すべきこと(ネタバレの配慮等)はありますか? -- 名無しさん (2007-12-22 23 50 56) 詳細はぼかしつつ……っていうのがいいんじゃないかなと。超☆独断ですが。 -- 管理人 (2007-12-30 16 42 30) AAを見つけたので勝手ながら掲載しときました -- 名無しさん (2008-01-19 06 42 57) アニメ版 第六話で柊が下がっているのは身長ではなく年齢だったはず。 -- 旅人 (2008-01-25 15 36 28) ゲーム版に関する記述はどのあたりまでOKでしょうか -- 名無しさん (2008-02-29 19 50 08) (↑の続き)またゲーム攻略ページなどは作ってみるべきですかね? -- 名無しさん (2008-02-29 19 53 32) どーしましょ。考えておきます。 -- 管理人 (2008-03-01 03 43 18) 暫定ページを作っておきました。情報がまとまり次第、整理する方向で。 -- 管理人 (2008-03-02 10 09 33) PS2版の背景キャラは、神田和泉ではなくコミック版の竜之介の様です。連載雑誌のPS+に情報がありました。 -- 名無しさん (2008-03-20 23 59 28) エイプリルフール終了。Wikiのデザインとタイトル、TOPページの3箇所のみですが遊んでみました。なお、この時のスクリーンショットは管理人のページに置いてあります。 -- 管理人 (2008-04-02 04 26 08) アニメ未登場のキャスト、古谷さんの下に池田秀一さんもあるべきかと。 -- 粉砕する者。 (2008-04-23 10 24 48) どうやら(管理人権限で更新せずに)放置してると、広告が上部に来るようになったそうです。保守、保守っと。 -- 管理人 (2008-07-01 18 47 58) 少し前から脚注機能が上手く働かない現象が起きてましたが、@Wikiに不具合報告したら直ってました。バグだったようです。 -- 管理人 (2008-07-31 16 20 36) 2chAAスレにあった未収録のAAを掲載しました。 -- 名無しさん (2008-09-02 18 51 00) コメント連投スミマセン。AA収録の際、「アニメ未登場キャラクター」が容量を超えたので(魔王編)と(ウィザード編)に分けました。 -- 名無しさん (2008-09-02 19 52 36) AA数点を掲載いたしました。 -- 名無しさん (2008-09-10 00 33 30) 勝手ながら柊姉などのAAを掲載しました。 -- 名無しさん (2008-09-22 04 02 07) 2chスレの藤原竜之介のAAを掲載しました。 -- 名無しさん (2008-09-27 22 53 22) quot狩人”レライキア・バルのAAを掲載しました。 -- 名無しさん (2008-10-15 22 18 38) 2ch各スレからAAを掲載いたしました。その際に容量オーバーとなったエリスのページを勝手ながらその1とその2に分けさせていただきました。 -- 名無しさん (2009-02-02 02 12 13) ネタ/アスキーアート以下の記事名やリンクなどを少し整理しました -- 管理人 (2009-02-02 08 05 55) 2009年のエイプリルフールも無事終了。管理人のページにスクリーンショットを置いときますね。 -- 管理人 (2009-04-01 22 51 22) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/3842.html
ウィザードリィI・II 機種:PCECD 作曲者:小林美代子 開発元:アクセス 発売元:ナグザット 発売日:1993年7月23日 概要 『ウィザードリィ 狂王の試練場』と『ウィザードリィIII ダイヤモンドの騎士』(本来はこのIIIがシナリオ2に当たる)をカップリングした作品。 音楽は羽田健太郎氏ではなく、キューブのスタッフによるもののためアスキー版とは別の曲が使われている。 PCエンジンCD-ROM2らしくCD音源を使った豪華なBGMが魅力であり、一部のBGMはCD-DAと内蔵音源の切り替えが可能である。 次回作として『II』と『IV』をカップリングした『ウィザードリィIII・IV』が発売されている。 収録曲(仮タイトル/No.はCDトラック番号) No. 曲名 補足 順位 08 タイトル 06 リルガミン 09 オープニング(I) 10 オープニング(II) -- 冒険者の宿 内蔵音源 -- ボルタック商店 内蔵音源 -- カント寺院 内蔵音源 -- キャンプ 内蔵音源 04 ダンジョン(I) 内蔵音源に切り替え可能 05 ダンジョン(II) 内蔵音源に切り替え可能 03 通常戦闘 内蔵音源に切り替え可能 第1回マイナーレトロ88位第2回マイナーレトロ75位第3回マイナーレトロ50位RPGバトル448位 14 中ボス戦闘 13 大ボス戦闘 11 エンディング 07 スタッフロール 12 全滅
https://w.atwiki.jp/dq9takaramatome/
DQ9宝の地図攻略スレまとめ@wikiへようこそ 宝の地図攻略スレ、のテンプレ及び質問や答えをまとめているwikiです。 基本的にみんなで編集していくページですが、ガセネタは入れないで下さい。 携帯用メニューへ 以下テンプレ 1 ここは宝の地図を攻略するスレッドです 次スレは 900が立てる事(テンプレはwikiからコピペ) 無理なら他の人にお願いする事 ▽前スレ 【DQ9】宝の地図攻略スレ26 http //schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1250702248/ ▽関連スレ 【DQ9】宝の地図 場所質問スレ その5 http //schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1249910594/ 【DQ9】錬金レシピスレ 6品目 http //schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1250607026/ ▽ツール類に関する話題は以下のスレでどうぞ 【DQ9】地図情報解析依頼スレ2[裏技・改造板] http //schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gameurawaza/1250917544/ ▽攻略用情報 ・宝の洞窟確認用地図 ttp //2ch-ita.net/up2/download/1250693866.png ・洞窟の場所 ttp //www15.atwiki.jp/akaitsubasa-dq9/pages/172.html ・マップ別敵ランク ttp //www15.atwiki.jp/akaitsubasa-dq9/pages/166.html ・レベル&名前別敵ランク ttp //www15.atwiki.jp/akaitsubasa-dq9/pages/179.html ・青宝箱 ttp //www15.atwiki.jp/akaitsubasa-dq9/pages/168.html ・ボス ttp //www15.atwiki.jp/akaitsubasa-dq9/pages/167.html ・最強武具一覧 ttp //www15.atwiki.jp/akaitsubasa-dq9/pages/151.html ・中断技 ttp //www15.atwiki.jp/akaitsubasa-dq9/pages/177.html ・すれ違い通信で盛んに出回っている地図情報(まさゆき、ロッカー等) ttp //www12.atwiki.jp/baramos/pages/53.html ▽DQ9宝の地図攻略スレ用まとめwiki(テンプレ・過去スレリンク) ttp //www21.atwiki.jp/dq9takaramatome/ 2 Q 地図どこで手に入れるの? A クエストかクリア後のセントシュタイン城の王様から貰う クリアして空飛べるようにならないと行けない場所が多いのでまずクリアしろ Q 地図の場所はどこ? A 1見て自力で捜せ、ここで質問してもスルー Q 中断技ってなに? A wik見るなりして自分で調べろ、ここで質問してもスルー Q Lv50とかなのに貰える地図Lvが低いんですが? A PT全員Lv99でも貰えるのはLv50とかそんなもの 貰えるLvは地図Lvと主人公のLvが関係している Q 地図名で出るボスが決まってる? A ある程度は地図の名前、Lvで絞り込むことが可能 ただあんまり名前で悩むよりも、どんどん潜った方がいいかもしれない Q バラモスの地図はどうやって? A アイスバリー海岸の小島洞穴にある骸骨からのクエストを受けろ 海賊ウーパーを何度も倒していくとクリア条件を満たして貰えるようになる ウーパー狩りたければ海辺の洞窟かダーマ付近の海で口笛でも吹いてろ Q バラモス強いけどなんとかなりませんか? A 仁王立ちで防御しろ。盾役はマジックシールド、フバーハ、スカラあれば。 他にも全員ミラーシールドやって魔法反射でヌッコロスとか。 Q バラモス倒したら経験値を~って出たんだが? A 経験値やれ。あげると強化されて1ずつLv上がっていく あげないといつまでたってもLvがあがらない仕様(歴代ボスの地図のみ) Lv16まであげると次の歴代ボスの地図を落とすようになる Lv低い状態でしか落とさない武具があるのでLvあげる前に必要分拾っておくと良い Q メタルキングはどこ? Q プラチナキングはどこ? A 1のランク別出現モンスターを参照 メタルキングは水のマップがランク的には楽に出やすい プラチナキングは遺跡の敵ランク12で出現 Q 青箱の中身って? A 一度潜ったらそのダンジョンの構成と青箱の配置は固定される 各箱の中身のランク、テーブルも固定 各ランク毎の出現する可能性がある中身は 1のwiki青宝箱を参照 Q グレイナルなかなか出ないんですが? A Lv70以上の地図で出現する可能性があるので、そこを根気よく Q バラモス以外の歴代ボスは? A バラモス→ムドー→ドルマゲス(打ち止め) グレイナル地図落とす→竜王→デスピサロ→ミルドラース(打ち止め) 他歴代ボスは配信 Q 敵の出ないフロアがあった Q メタキンオンリーフロアでくちぶえ吹いたら敵すり抜けるようになった A 既出 3 ●青箱判定目安 ・最強武器素材武器箱(S箱) せかいじゅのは、天使のソーマ、リサイクルストーン ・メタスラ箱(A箱) 3000G、げんま石 上記出たら確定 1500G以上の箱はパンドラボックスが出るのでそれも目安に 詳しい中身についてはwiki参照 ●魔王関連 クエストNo.062 しかばねのきおく ↓ バラモスの地図 Lv01-08 ゆうしゃのブーツ20%-25% シルバーオーブ5% Lv09-15 ゆうしゃのふく20% シルバーオーブ6% Lv16-99 ムドーの地図 10%-40% シルバーオーブ6%-10% ゆうしゃ装備はバラモスレベル上げすぎると取れなくなります。 ↓ ムドーの地図 Lv01-08 レイドックブーツ20%-25% イエローオーブ5% Lv09-15 レイドックの服15% イエローオーブ6% Lv16-99 ドルマゲスの地図10%-40% イエローオーブ6%-10% ↓ ドルマゲスの地図 地図ドロップなし Lv01-08 トロデーンブーツ20%-25% パープルオーブ5% Lv09-15 トロデーンバンダナ15% パープルオーブ6% Lv16-56 天空ズボン15%-25% パープルオーブ6%-7% Lv57-68 天空のかぶと15% パープルオーブ8% Lv69-99 天空の服15%-25% パープルオーブ8%-10% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ グレイナルがボスの宝の地図 確率5% ↓ 竜王の地図 Lv01-03 小さなメダル100% ラダトームブーツ15% レッドオーブ5% Lv04-08 小さなメダル100% ラダトームかぶと15% レッドオーブ5% Lv09-15 小さなメダル100% ラダトームよろい15% レッドオーブ6% Lv16-99 小さなメダル100% デスピサロの地図10%-40% レッドオーブ6%-10% ↓ デスピサロの地図 Lv01-03 小さなメダル100% 天空のブーツ15% グリーンオーブ5% Lv04-08 小さなメダル100% 天空のブーツ20% グリーンオーブ5% Lv09-15 小さなメダル100% 天空のブーツ25% グリーンオーブ6% Lv16-99 小さなメダル100% ミルドラースの地図10%-40% グリーンオーブ6%-10% ↓ ミルドラースの地図 地図ドロップなし Lv01-15 小さなメダル100% グランバニアリスト15%-25% ブルーオーブ5%-6% Lv16-40 小さなメダル100% グランターバン20%-25% ブルーオーブ6%-7% Lv41-68 小さなメダル100% グランバニアのくつ20%-25% ブルーオーブ7%-8% Lv69-99 小さなメダル100% グランバニアローブ15%-25% ブルーオーブ8%-10% 4 ●最強武具について ※詳細はwikiや 1の関連スレを参照 ・最強武具の元素材は宝の地図で拾う。武器はSランクの青箱。防具は10体のボス ・最強武具は何度も錬金で強化して作らないといけない 元素材→1段階強化→2段階強化 ↓ ↓大成功確率10~50%(武具に対応する主人公のステータスで変動) ↓ 錬金大成功で3段階強化(最強武器) 3段階目は1段階目からの錬金で大成功しないといけない 確率は高くて50%。低ければ10% 失敗すれば、リサイクルストーンを使ってもう一回はじめから錬金をやり直す必要がある 大成功するかもしれない錬金の時は強制的にセーブされるので、セーブ&ロードが使えない 必要な素材は1回のループでしんかのひせき×4、オーブ×4 ・最強武器元素材 ほしくずのつるぎ /きしんのまそう /サウザンドダガー /ひかりの杖 /グリンガムの鞭 /しゅらの棍 /竜王の爪 /ひっさつの扇 /グレートアックス /大地くだき /メテオエッジ /天使の弓 (以上、Sランクの青宝箱から出現) ・最強防具元素材 盾 りんねの盾→ブラッドナイトDrop 頭 じあいの兜→怪力軍曹イボイノスDrop (頭 はるかぜのぼうし→邪眼皇帝アウルートDrop) 体上 しょうりの鎧→魔剣神レパルドDrop 体上 そらのトーガ→アトラスDrop 体上 天使のローブ→破壊神フォロボスDrop 腕 カグツチの小手→黒竜丸Drop 腕 わざしの手袋→スライムジェネラルDrop 体下 むてきのズボン→ハヌマーンDrop 足 えいゆうのブーツ→SキラーマシンDrop 足 りせいのサンダル→イデアラゴン 5 ●地図ボスのドロップアイテム 通常ドロップ : レアor超レア 盗む : 通常orレア オート盗む : レアor超レア 必殺(お宝ハンター) : レア 超必殺(スーパールーレット) : なしorレアor超レア ・必殺(お宝ハンター)詳細 戦闘後に入手不可な通常をひいた時は「何も起こらなかった」になる 戦闘中に入手不可な超レアはそもそも判定に掛からない ・超必殺(スーパールーレット)詳細 発動の為に全員分の「ひっさつのおうぎ」がほぼ必須 効果は以下の3つのいずれか ①経験値+お金UP ②経験値+お金UP+お宝ゲット(5%のやつ) ③経験値+お金UP+レアお宝ゲット(2%のやつ) ●スーパールーレットFAQ Q 四人全員魔法戦士、盗賊にしないといけないの? A パーティ内に魔法戦士、盗賊が一人でもいればOK Q レアアイテムと通常アイテムだとメッセージに違いは出る? A レアアイテムだと「レアお宝GET」、通常アイテムだと「お宝GET」と異なるメッセージが出る。 Q 「お宝GET」が出た後にもスーパールーレット繰り返して「レアお宝GET」を出すことは可能? A 可能。 Q 「レアお宝GET」が出る確率はどれくらい? A およそ10%前後。 Q 「レアお宝GET」が全然出ないんだけど… A 出ない時は徹底的に出ない。一度ボスを倒して電源リセットするのもアリ。 Q スーパールーレットでオーブはとれる? A オーブは無理。 Q 100回やっても出ません!>< A それEXPルーレットじゃね? 6 ●宝箱 ・宝箱が出現するのは3階以降、宝箱の上限は各階3個まで ・敵のランクは4階毎に変わる(1~4階がランク3なら5~8階はランク4、という具合) ・A箱は敵ランク9以上の階、S箱は敵ランク11以上の階で出現(敵ランクの詳細は 1) ●すれ違い通信 ・すれ違いで交換してる地図データは、「地図No・地図の種類・場所・発見者」 ●宝の地図の地形割合 洞窟 約30% 遺跡 約40% 氷 約10% 水 約10% 火山 約10% ●ボス毎の1階敵ランク・階数の関係表 ※これ以降、1階敵ランクのことを便宜上ランクと表記 ID ボス ランク 階数 レベル 地図名(後半部分) *1 黒竜丸 . 1~4 02F~06F 01~26 花 /岩 /風 /空 /獣 /夢 . 8~9 12F~16F 46~71 *2 ハヌマーン 1~5 02F~10F 01~44 花 /岩 /風 /空 /獣 /夢 . 8~9 12F~16F 49~74 *3 スライムジェネラル 1~5 02F~10F 01~47 花 /岩 /風 /空 /獣 /夢 . 8~9 12F~16F 52~77 *4 Sキラーマシン . 2~6 04F~12F 13~59 空 /獣 /夢 /影 /大地 /運命 . 8~9 12F~16F 55~80 *5 イデアラゴン 2~6 04F~14F 16~68 空 /獣 /夢 /影 /大地 /運命 . 8~9 12F~16F 58~83 *6 ブラッドナイト 3~9 06F~16F 28~86 空 /獣 /夢 /影 /大地 /運命 *7 アトラス 3~9 06F~16F 31~89 影 /大地 /運命 /魂 /闇 /光 *8 イボイノス 4~9 10F~16F 49~92 影 /大地 /運命 /魂 /闇 /光 *9 アウルート . 4~9 10F~16F 52~95 影 /大地 /運命 /魂 /闇 /光 10 レパルド . 5~9 10F~16F 58~98 魂 /闇 /光 /魔神 /星々 /悪霊 /神々 11 フォロボス . 6~9 11F~16F 67~99 魂 /闇 /光 /魔神 /星々 /悪霊 /神々 12 グレイナル 6~9 11F~16F 70~99 魂 /闇 /光 /魔神 /星々 /悪霊 /神々 ・その他情報については、 1の敵ランクやボスの情報を参照 ※スレ内では質問しない事(荒れる原因となります) 7 ●地図名など ・地図の階数はその地図のランクに関係 ・地図名の前半部分(はかなき、など)は、その地図のランクに関係 ・地図名の後半部分(花、影、など)は、その地図のボスに関係 ・地図名のたからのちずでは表示されていない部分 (地下道、アジト、墓場、など)は、その地図のランクと階数に関係 レベル 階数 ランク1 01~17 2F~4F ランク2 01~32 2F~6F ランク3 01~53 2F~10F ランク4 10~74 4F~14F ランク5 22~86 6F~16F ランク6 37~95 8F~16F ランク7 52~98 10F~16F ランク8 46~99 12F~16F ランク9 49~99 12F~16F 階数 ランク 02F-03F 1~3 04F 1~4 05F 2~4 06F 2~5 07F 3~5 08F-09F 3~6 10F 3~7 11F-14F 4~9 15F-16F 5~9 地図名(前半部分) ランク はかなき /ちいさな /うす暗き 1~2 ゆらめく /ざわめく 1~4 ねむれる .3~4 怒れる /呪われし . 3~8 放たれし /けだかき /わななく 5~8 残された .. 5~9 見えざる /あらぶる /とどろく /大いなる 7~9 地図名(後半部分) ランク 出現ボスID 花 /岩 /風 1~5 ,8~9 .1~3 空 /獣 /夢 1~9 1~6 影 /大地 /運命 . 2~9 4~9 魂 /闇 /光 3~9 7~12 魔神 /星々 /悪霊 /神々 5~9 10~12 分類名 ランク 階数 地下道 /洞くつ . 1~5 2F~7F 坑道 /雪道 /沼地 . 3~8 2F~11F アジト /氷穴 /地底湖 /火口 . 1~9 4F~13F 道 /雪原 /湿原 /牢ごく 2~9 6F~15F 墓場 3~9 8F~15F 巣 /遺跡 /凍土 /水脈 . 3~9 10F~16F 世界 4~9 12F~16F 奈落 /迷宮 /氷河 /眠る地 /じごく 4~9 14F~16F 8 ●各ボス最浅階出現時のB1F敵ランク、レベル目安表 (B2F+BOSS) . ランク1 .ランク2 .ランク3 黒竜丸 . Lv01-05 Lv01-08 Lv01-08 ハヌマーン Lv01-08 Lv01-11 Lv04-14 スライムジェネラル Lv01-11 Lv04-14 Lv07-17 (B4F+BOSS) . ランク2 .ランク3 .ランク4 Sキラーマシン . Lv13-23 Lv16-26 Lv19-29 イデアラゴン Lv16-26 Lv19-29 Lv22-32 (B6F+BOSS) . ランク3 .ランク4 .ランク5 ブラッドナイト Lv28-38 Lv31-41 Lv34-44 アトラス Lv31-41 Lv35-44 Lv37-47 (B10F+BOSS) ランク4 .ランク5 .ランク6 .ランク7 イボイノス Lv49-59 Lv52-62 Lv55-65 Lv58-68 アウルート . Lv52-62 Lv55-65 Lv58-68 Lv61-71 レパルド . . Lv58-68 Lv61-71 Lv64-74 (B11F+BOSS) ランク6 .ランク7 .ランク8 .ランク9 フォロボス . Lv67-77 Lv70-80 Lv73-83 Lv76-86 グレイナル Lv70-80 Lv73-83 Lv76-86 Lv79-89 ●ランク12の敵が出現するマップ(1F敵ランク9、階数13以上)のレベル目安表 ※前提条件:地図名の前半部分が 残された /見えざる /あらぶる /とどろく /大いなる のいずれか ボス レベル 地図名(後半部分) 黒竜丸 . 52~71 花 /岩 /風 /空 /獣 /夢 ハヌマーン 55~74 花 /岩 /風 /空 /獣 /夢 スライムジェネラル 58~77 花 /岩 /風 /空 /獣 /夢 Sキラーマシン . 61~80 空 /獣 /夢 /影 /大地 /運命 イデアラゴン 64~83 空 /獣 /夢 /影 /大地 /運命 ブラッドナイト 67~86 空 /獣 /夢 /影 /大地 /運命 アトラス 70~89 影 /大地 /運命 /魂 /闇 /光 イボイノス 73~92 影 /大地 /運命 /魂 /闇 /光 アウルート . 76~95 影 /大地 /運命 /魂 /闇 /光 レパルド . 79~98 魂 /闇 /光 /魔神 /星々 /悪霊 /神々 フォロボス . 82~99 魂 /闇 /光 /魔神 /星々 /悪霊 /神々 グレイナル 85~99 魂 /闇 /光 /魔神 /星々 /悪霊 /神々 宝の洞窟確認用地図(クリック別ウィンドウで大きく表示) 宝の洞窟確認用地図に無い地図が作成された。当時すれ違い通信をしていない、またチートも行っていない。そういうことはあるのか? -- ukya (2009-10-01 14 04 35) fdrffsttffwdhy?? -- イープル、スティーブ (2012-02-27 17 15 33) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/444.html
「大丈夫!!みんなで力を合わせればきっと食い止められるよ!!!」 えい!えい!お~!! と少女が力強く拳を天に振り上げた・・・・・・・言った本人一人だけ・・・・。 ここは魔帆良の大樹前の広場。 その場にいる者達・・・・・20人程度の集団『極上生徒会執行委員と魔法使いの連合軍』は、巨大な闇と対峙していた。 形をもたない不定形な闇・・・・・冥魔。 大樹の魔力を狙った冥魔が現れ、近くにいた執行委員達と麻帆良の魔法使いが冥魔に対して戦闘を開始したのだが、 冥魔に対して致命傷を与えられず、とうとう広場まで押さこまれてしまったその時 行き成り現れ、膨大なプラーナを乗せた強力な一撃で一気に覆したのがこの少女だった。 歳のころ14程度、輝明学園の制服に胸当て、頭に鉢巻という滑稽な格好 それだけなら変わった少女で済むが、驚くべきは先ほどの一撃・・・明らかに人間の出せる一撃を超えたそれは 彼女が人ならざる存在である事を物語っていた。 「??あれ?どしたの皆?ほら!!元気だして!!気合だよ!!」 えい!えい!お~!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・再び沈黙。 「・・・・・え~っと。・・・・・お、お~~。」 少し遅れてその場にいた集団の中で一人だけ、 極上生徒会執行委員の一人、少し茶色の入ったロングヘアーにピンクのカチューシャの少女 弓さやかが困惑の表情を浮かべながら同じように拳を上にあげた。 「もう!気合が足りないよ皆。もっと熱血でいこうよ!熱血で!!」 周囲の困惑を気にせず(気づいてないのかもしれないが・・・・) 三度目の正直! と、三度気合を入れようと拳を振り上げる少女・・・・ 「あ~あのね!ちょっとまって!」 しかしそんな少女にさやかが慌てて声を掛ける。 「うん??なに???」 「え~とね。気合を入れるのはいいんだけどね? そもそも・・・・・・あなた・・・・・だれ?」 「私??ああ!そういえば自己紹介してなかったっけ!私の名前は・・・ムツミ!ムツミ・アマミ!!よろしくね!!!」 その名前を聞いたとたんその場にいた執行委員たちの一部にどよめきが上がる。 ムツミ・アマミといえばラビリンス・シティに住むエミュレイター ・・・・・それも最悪の存在魔王級のエミュレイターの一柱だ。 執行委員の一部・・・・輝明学園所属のウィザード達にとって魔王は天敵である。 『勇者魔王』と呼ばれ、人々にも進んで手を貸す変わり者の魔王であるムツミ・アマミとは言え 油断できる相手ではない。ウィザード陣に動揺が走る。 「あ、ムツミちゃん・・・ね?私は弓さやか、よろしくね。」 しかし魔王の事など知らないさやかにとっては 変わった娘だな程度の感想しかない。 「うん!よろしく!さやか!!」 そういって元気よく手を差し出し握手を求めるムツミ。 それに困惑しながらも求めに応じるさやか ガシ!と(ムツミが一方的に)結んだ握手に気を良くしたのか 今度は握手をしたまま手を上にあげだした。 どうやら 「あ~~だから!ね?ムツミちゃん。気合入れるのもいいけどとにかくあいつを何とかしなきゃ~」 このままでは同じ事の繰り返しになると慌ててさやかがムツミに注意を施す。 ムツミも言われてやっと冥魔の存在を思い出したらしく、ようやく冥魔のほうに目をむける。 「あ・・・・そうだね!ごめん!!・・・・・って?あれ???」 既に冥魔はある程度ムツミに受けたダメージも回復したらしく、再び魔帆良の大樹の魔力を奪うべくさっさとこちらに向かってきていた。 気が付けばさやかや動揺していたウィザードの一部以外の執行委員のメンバーや魔法使い達も既に交戦状態に入っている 「あ~!!いつのまに!?そんな!私の気づかない内に動き出すなんて!! なんて卑怯な奴なんだ!!さやか!油断しないで!コイツすごくずる賢いよ!!!」 自分に気付かれず再び暴れだした冥魔に驚愕しながらも慌てて戦闘態勢に入るムツミ 「ム、ムツミちゃん・・・・・はあぁぁ~。まあいいわ。とにかくアイツを何とかしなきゃ。・・・・・そうだ!!!ネギ君!!」 ムツミの天然ぶりに呆れながらも気を取り直して、 今現在この広場内にいるメンバーの一人、 魔帆良の教師でありメンバーの中でも数少ない冥魔にある程度ダメージを与えられる火力をもつ存在でもある ネギ・スプリングフィールドに声を掛けるさやか 「はい?なんですか?さやかさん」 呼ばれて箒を操りながら上空からさやかの前に下りてくるネギ。 「・・・・ネギ君。たしかある程度時間を掛ければ大技が打てるって言ってたわよね?」 「え?あ、はい。・・・・ただ・・・・・僕の力だけじゃアイツを倒すのは・・・・」 悔しいが冥魔を倒すにはネギの最強魔法だけでは足りない。 高位の魔物を完全に打ち滅ぼす超高等呪文――――――ネギの持つ魔法の中で取っておきの一撃だが そもそも異世界の魔物たる冥魔を打ち倒すにはいささかネギ本人の自力が足りない。 己の力不足を嘆くネギにさやかが言う。 「・・・・確かにネギ君だけじゃ辛いかもしれない・・・・でも、さっきのムツミちゃんの力を合わせれば!」 「ええ!?」 「?うん??」よ~し!と冥魔に向かって突撃しようとしたムツミがさやかに呼ばれて振り向く ようするにさやかはネギとムツミによる同時攻撃を提案してきたのだ。 単純な発想ではあるが、それゆえに効果は高いのは理解できる。 「二人でタイミングを合わせて一気にあいつに攻撃して! それが出来るのは多分・・・この場には貴方達二人しかいないわ!!」 「とにかく!冥魔に反撃の機会を与えないで!!あの二人の時間を稼ぐよ!!」 実際問題、冥魔に対してこちらは今まで碌なダメージを与えてられていない。 「なるほど!よし!!やろう!!ネギ君!!」 さあ!!!とネギの方に期待の目を向けるムツミ しかしネギも魔法使いの一人である以上、ムツミと言う存在の恐ろしさも理解できる はっきり言ってかつて自分の村を襲った魔族達でさえここまでの力は持っていなかった 正直な所、力を合わせると言われてもムツミに対する恐怖が先に立つのが本音である。 とは言え、他に冥魔を倒すすべもない。 元々特に特殊な力を持たないさやかがこの場にいる理由は、元の世界においての彼女の経歴 特殊な犯罪者達と戦う秘密組織『マジンガーエンジェル』のリーダーポジションであった事を買われての事である。 ただでさえ学生達の集まりである執行委員において彼女のような特殊な訓練を正式に受けた存在は希少なのである。 その彼女が言う以上、他にすべもないだろう。 「・・・・・わかりました・・。僕!やります!!」 ネギが決心を決める。 「うん。ありがとうネギ君。 みんな!聞いたわね!!とにかく二人のチャージの時間を作って!!」 ネギの返事を聞いてさやかが、他のメンバーに指示をだす。 中には魔王との共闘にいささか不満を持ってる者も多いようだが、そもそも今の戦力ではほとんど致命傷を与えられなかったのだからしかたない。 さやか自身も自分の持つ数少ない武器『光子銃』を手に冥魔に向かう。 たとえダメージを与えられなくても、ネギとムツミが力を溜める時間さえ稼げればいい。 「よし!いくよ!ネギ君!!!」 「は、はい!!ラス・テル マ・スキル マギステル・・・・」 ムツミの合図にネギが答える。 意識を集中し魔力を蓄えるネギ 同じようにムツミも力を蓄える その間二人は完全に無防備となる。 「とにかく!冥魔に反撃の機会を与えないで!!あの二人の時間を稼ぐよ!!」 さやかが声を上げる。 攻撃こそ最大の防御! とにかく攻撃して冥魔の反撃の機会を奪う しかし冥魔とて、致命傷にならないと判っている攻撃なぞ意識すらしない!! 「まずい!!」 さやかがさけぶ!! 冥魔も本能で理解しているのだ。 今、自分に攻撃している雑魚どもなぞより、力を溜めている二人が脅威である事を!!! 周囲の攻撃を無視して二人に肉迫する冥魔!! 攻撃を喰らえばムツミはともかく、ネギは一溜まりもない!!! 「二人とも!!逃げてぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」 間に合わない!!! さやかの叫びも虚しく二人に迫る冥魔!!!!!!!!!!!! ・・・・・・しかし!!! 「デビルカッター!!!」 グギャアアァァァァ!!! 今、正にムツミとネギにその牙を振りかざさんとしていた冥魔を強力な刃をまとった斬撃が襲った!!! 「い、今のは??!!」 突然の援護攻撃にネギが疑問の声を上げる。 それは執行部や魔法使い達にとっても同じだった。 「あ、あれは!?」 魔法使いの一人が斬撃の放たれた方を向いてさけぶ。 目線の先にいたのは宙に浮かぶ一人の人影 「だれだ!?」 だれだ!!と口々に疑問の声が上がる。 そこにいたのは緑色の人影 「あれは!!!!」 さやかが声を上げる! 忘れはしない!かつて共に戦った彼のことを!! 蝙蝠に酷似した頭!!! 赤い悪魔の翼!!! 彼は!彼こそは!!!! 「デビル」 「「デビルマン!!!!!!!」」 さやかと共にムツミが叫ぶ! えっ?と、デビルマンという彼の名を知る事実に思わずお互いの声に顔を見合う二人 「!なにやってる!!さっさと片づけろ!!!」 デビルマンが二人に対して叱咤する。 「!そ、そうね!ネギ君!!」 「ハイ!!いけます!!!」 「よ~し!いくよ!!ネギ君!!」 いける!!と言うネギの返事にムツミが即座に攻撃の合図を送る! そして!!! 「いっけえええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!」 「はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」 ムツミとネギの攻撃が濁流となって冥魔に迫る!! 慌てて避けようとする冥魔!!が、しかし!! 「逃がさん!!!デビルアローーーーー!!!!!!!!!」 グギヤアアアァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!! デビルマンによって逃走を阻まれた冥魔はそのままムツミとネギの魔力の濁流に飲み込まれる!! 「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉおぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」 圧倒的な魔力が冥魔にたたき込まれる!! 「「あああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」 グギゥラァァァァGFR4345H#$%&‘()!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 直撃をうけ断末魔の叫びをあげながらとうとう冥魔は消滅した。 後には、影も形も残らない。 無事な魔帆良の大樹とその静寂だけが人間側の勝利を証明していた。 「・・・・・や、やったの??」 さやかが疑問の声を上げる。 「…は、はい。・・・・・僕たちの勝ちです!!!!」 「うん。あいつのプラーナももう感じないし完全に消滅したと思う。私たちの勝利だよ!!!」 ネギとムツミがさやかに答える。 やっと終わった……さやかにも安堵の笑みが浮かんでいる。 執行部員や魔法使いにも大きな被害は出ていない、これは人間側の完全な勝利といえるだろう。 ところが…… 「……………まだ終わってませんよ。弓さん」 「え?」 「早く離れるんだ!弓さん!!」 冥魔を倒し安堵していたさやかに執行委員のウィザード達が反論する。 周囲のメンバーを見れば一部の者達が戦闘態勢を解除せず、ある二人・・・・ムツミとデビルマンに各々の武器を向けていた。 「ちょ!ちょっと!!!なにをしているの!あなた達!!??この二人は敵じゃないのよ!?!?!?!?」 周囲の面々に対して声を荒げるさやか。 だが、彼らはさやかの声を聞こうとはしない。 「・・・・・冥魔を倒すのに協力するのはただ単にそれが俺たちウィザードとの決まりで当然だからだ。 でもな!!こいつらはエミュレイターだ!人間を餌として襲う化け物共なんだ!!! しかも、こいつらはどう言うわけかファージ・アースじゃなく何故かわざわざこの学園世界に進入してきている・・・・。 わざわざこっちに来るなんてこっちの人間を襲うために決まってるんだよ!!!!!」 そう言ってムツミとデビルマンを睨むウィザード 彼らは魔王の恐ろしさを理解している。 いくらムツミが人々を助けようと、ウィザード達にとっては魔王とは恐るべき敵でしかない。 さらに、それに追随するように一部の魔法使い達も武器を構え直す。 魔帆良の魔法使い達にとっても魔王や悪魔といった存在は敵なのである。 故に、彼等は二人に対して油断なく武器をかまえる。 今だ周囲には緊張した空気がただよっていた。 「な、何を言ってるの貴方達!?? ムツミちゃんがそんな事するなんて・・・私は思わない!! それに彼は・・・・・デビルマンはそのエミュレイターとかいう存在じゃないわよ!!」 さやかは魔力を感じられない・・・・・・だからこそ魔王の恐ろしさを理解できない。 故にムツミがそんな存在だといわれても正しいかどうかは判らない。 しかし、デビルマンに関しては違う!! 彼は、かつて共に戦った仲間であり、彼が人を守る為に戦い続けた戦士である事を知っている。 その彼がムツミと共に行動しているのだ! それだけでも、さやかがムツミを信じるには十分だ!! だからこそ、さやかはウィザード達に反論する。 「彼は・・・・デビルマンは私の世界で共に戦った仲間よ!! 私達と一緒に人を助けるために命をかけた!!ね!! だから判る!!二人は敵じゃない!!」 叫ぶようにさやかが訴える。 そのさやかの気迫に押されうろたえるウィザード達・・・・・だが・・・・・ 「う、うるさい!!キミが何を言おうとそいつ等は化け物だ!! 俺たちの倒すべき敵なんだ!!!邪魔をするな!!引っ込んでてくれ!!!」 彼等は聞く耳を持たない。 元々魔王との共闘に不信感を持つものは多い。 しかもここはファージアースではない、アンゼロットの代行の赤羽くれはがいるとはいえ 世界が違う上ファージアースと繋がっていないここでは協定はほとんど意味を持たない。 だから、彼等も不安なのだろう。 いつ魔王に襲われるかも判らないという不安が彼等を突き動かしていた。 「さ、さやかさん・・・・・・」 ネギが不安そうにさやかを見る。 いまだ他の魔法使い達も武器をおろしていない。 「み、皆さん・・・・どうして? だって、ムツミさんは助けてくれたんですよ?」 「・・・・それは判っている。 だけどね、ネギ君・・・・だからと言って相手が人を襲う可能性がある存在である以上 彼女達を信頼するわけにはいかないんだ。」 「そ、そんな・・・・」 魔法使い達もまた元の世界で悪魔達と戦う者達である。 だからこそ魔王と言う存在を味方として扱う事は出来ないし、彼等を信頼する事も出来ない。 「・・・・大丈夫だよ。ネギ君・・・・なれてるから・・・・・そんな悲しそうな顔しないで?」 ・・・・・うろたえるネギに答えたのは非難されている当人たるムツミ自身 ラビリンス・シティにおいても迫害されている彼女にとってはこの程度の非難は慣れっこであった。 「でも!!」 「気にしないで。私は皆が助かっただけで満足だから!ね?」 己が非難されながらあくまでネギを気遣うムツミ・・・・ 「ふんっ!!!誘惑は貴様等魔王の十八番だからな!!! そうやってこちらの油断を誘うつもりだろうが!そうはいかんぞ!!!!!!!」 あくまで魔王と敵対しようとするウィザードや魔法使い達 そうだ!!そうだ!!!とムツミを非難する 彼らにとってあくまで魔王は敵でしかない 彼等の顔には魔王に対する殺意と・・・・・恐怖が浮かんでいた。 「………ちっ。」 舌打ちするデビルマン・・・・・・・ 判っているのだ、こうなる事は・・・・・・・ 「・・・・・・いくぞ・・・・・・・ムツミ。」 「え?」 「さっさと逃げるぞ!!デビルウィィィィング!!!!!!!!」 「!?ふわあぁ!!!」 デビルウイングを展開し、ガシッ!!!っとムツミを捕まえ音速で空に舞うデビルマン 敵意を向けられているからとは言え、彼等と敵対する訳にはいかない。 「なっ!!!に、にがすな!!!!!」 慌てて追おうとするウィザード達 だが! 「!やめなさい!!!!」 逃がすまいとするウィザードを銃を構えて威嚇して止めるさやか 「な!邪魔をするな!!!」 「行って!!!デビルマン!!!」 「!?さやか!?!?」 叫ぶムツミ! 「くっ!!あいつは大丈夫だ!!行くぞ!!!」 デビルマンは元の世界でマジンガーエンジェルの一員たるさやかの強さを知っている。 それにウィザード達も仲間に危害は加えないだろう・・・・ だからこそ、今はここから離脱する事を優先する!! 「くそ!!!所詮は魔法関係に関しては素人か!!邪魔だ!!!」 さやかを振り解こうとするウイザード だが!!! 「ラス・テル マ・スキル マギステル!!」 「なっ!!ネギ君!!何を!!!」 「フランス サルタティオ・ブルウェレア」 轟!! ネギの起こした協力な風がそれを妨害する。 「な、なにをする??ネギ君!!」 魔法使いたちが非難する。 「・・・・・・・・」 ネギはそれに答えずただデビルマンとムツミの去ったほうに目を向ける。 ネギが稼いだ一瞬ですでに二人はこの場から離脱していた。 「・・・・やれやれ・・・・なんとか無事に離脱できたか・・・・」 デビルマン・・・人の姿に戻った不動明が安堵の息をもらす。 「・・・・さやか・・・・ネギ君・・・・・」 ムツミが心配そうに逃げてきた方向に顔を向ける 「・・・・心配するな。あいつらだっていくらなんでも仲間を襲ったりしないだろう。」 そう言ってムツミに気休めの言葉を掛ける明。 「・・・・うん。」 「全く、お前は・・・・。だからあまり連中と関わるなといったろう。 あいつ等だって決して無力な連中じゃない おまえが関わらなくても後しばらくは持ったろうし、そうすれば援軍だってきたはずだぞ」 呆れながらやれやれと苦笑いで明がぼやく。 ムツミが学園世界のトラブルや戦いに首を突っ込むのは何も今回に限った事ではない。 毎回毎回同じように首を突っ込んでは、余計に事態を引っ掻き回したり、 一緒になって戦って、今回みたいにウィザードに追いかけられたり、 戦い以外でも迷子を捜して本人も迷子になったりと 余計なトラブルを普段から巻き起こしているのが彼女だった。 ちなみに、明はそのたびにムツミの尻拭いをしていたりする。 「・・・・ごめん。」 さやかとネギの事が気に掛かっているらしく、いつもの元気もなくただあやまるムツミ その姿は勇者魔王と呼ばれる彼女からは想像できないほど弱弱しかった・・・・ 「・・・・・まあ、気にするな。 それにあの子供の方はともかく、さやかは俺の知り合いだからな。心配なら学校で様子見て来てやるよ。 お前はいつもみたいに馬鹿みたいに笑ってりゃあいいんだ」 この話はもう終わり。と、ぽんっとムツミの頭を軽く叩いて明は自分の寮の方へ帰っていく。 それで、少し安心したのかムツミにもほんの少しだけ笑みが戻る。 「うん・・・。ありがとう・・・・それじゃあ、また・・・・・。」 礼を言ってそのままムツミが闇に消える。 恐らくはラビリンス・シティーか裏界に戻ったのだろう。 「また、か・・・やれやれ・・・・・。」 恐らくこれからもムツミはこの世界に来るだろう。 二人の事で今は落ち込んでいるが、無事を教えてやればどうせ懲りずになにかとトラブルに関わっていくだろう。 そして・・・・・また、その度に自分はアイツの尻拭いをするハメになるのだろう。 「全く・・・・・あいつらしいといえばらしいが・・・・・・まだしばらく面倒事が続きそうだな。」 もう慣れたといえば慣れたが・・・・・はあ、とため息を漏らす。 すると・・・・・・ 「あら?そう思われるのでしたら、あの者など放っておけばよろしいのではございませんか?明様」 いつのまにか現れたエイミーがそう明に声を掛ける。 「あの者とて魔王の端くれです。明様のお手を煩わせずともあの程度の事態、切り抜ける事など容易ですわ。」 それは判っている。判ってはいるがしかし・・・・・ 楽しいのはどうして終わってしまうのだろう… 普通の時は歩いているときだ 楽しい時は走っているときだ… 走り続けているといつかは疲れてしまう、そうして楽しいのは終わってしまうのだ アライグマくんもシマリスくんも、きっと僕より速く長く走れるのだろう ひいらぎくんも、うぃざーどだからきっと長く速く走れるに違いない でもいつかはアンゼロットがやってきて任務に連れて行かれてしまう だから誰よりも楽しいのが早く終わってしまうに違いない そうだ、きっとそうなんだ ひいらぎくんは可哀想だぁ~…っ(泣 「あ~あぁ、そうだろうよ。でもな・・・・・」 ・・・・・皆に非難の目を向けられながら、それでもなお、人々のために戦う彼女。 それはかつてデーモン族を裏切り、ミキのために戦い続けた自分に良く似ている。 化け物と呼ばれ、孤独に戦う事の辛さを知るデビルマンにとって、ムツミは放っておく事のできる存在ではないのだ。 「・・・・放っておけないんだよ・・・・危なっかしくてな・・・・。」 小さく・・・・しかしはっきりと呟く明。 「まさかそれは・・・・・愛!ですか?」 「阿呆。どっちかつーとありゃ世話の掛かる弟だ。」 エイミーの軽い冗談に呆れながら答える。 「弟?妹ではないのですか?」 「ふん。あんなおてんば、女とは思ってねえよ。」 「あらあら。」 エイミーはただ静かに笑いながら明の後を付いて来る。 「・・・・・所でおまえ。」 「はい?なんでしょうか。」 ふと、振り返りエイミーに何か聞こうとする明 しかし、しばらく考えて・・・・・ 「・・・・・・いや。てか!さっさと帰れよお前!もうすぐ寮に付いちまうだろうが!!」 既に寮は目の前になっていた。当然学生寮なのだから男子寮である。 こんな所に女それも“メイド”なんて連れてきたらどんな誤解を生むか判ったもんじゃない 「いえいえ。私はこのまま明様のお部屋までご一緒するつもりですよ?」 「やめろ!!!ただでさえ最近ムツミと一緒にいる事が多い所為でミキに誤解されてんのに!!!!」 やいやいがやがやとエイミーと言い合いながら寮へと帰る明 後日しっかり寮生に目撃されていた事が発覚してまた恋人の牧村ミキに誤解されるわけだが・・・・ 「はわあぁぁぁ~~~大変だったみたいだねぇ。 ごめんねぇ。ネギ君もさやかさんも。」 輝明学園の理事代理であり現在学園世界におけるウィザード達の責任者でもある赤羽くれはが二人に詫びる。 デビルマンとムツミが逃走してすぐ、柊と二人駆けつけたくれはが目撃したのは、 ネギとさやかに非難の目を向けるウィザード達と魔法使い達 そして、どちらに付く事も出来ず双方を見守る残りの執行委員たちの姿だった。 あわてて魔帆良の学園長に連絡を取り、自らの権限と学長の権限においてこの場を収め 二人に事情を聞いた彼女がまず最初に行ったのがこの謝罪である。 「ったく!!あいつ等!!頭に血が昇りすぎだぜ!!」 ぱんぱんっ!と手をはたきながら柊蓮司がこちらにやって来る。 今さっきまで不満の収まらないウィザード達の相手をしていたのだ。主に拳で 因みに魔法使い達も急遽この場に駆けつけた学園長自らに説教を受け、皆既に解散している。 「やれやれ・・・・。 まあ不信がる気持ちはわからんでもないが・・・・・・手を差し出した相手に刃を向けるとは・・・・・。 『偉大な魔法使い』を目指す者の取るべき振る舞いではないのう・・・・。」 いくら相手が悪魔とはいえ・・・・・・これでは昔『エヴァンジェリン』を迫害し追い詰めた者達や、 以前の関東魔法協会と関西魔術協会の衝突の頃と全く変わらない しかも、逃した事に腹をたて、 感情のままにネギとさやかを非難するとは・・・・・・ 「全く・・・・・情けない話じゃ・・・・・。 いや、わしの方からも謝罪させていただこう。 ネギ君、弓君、本当にすまなかったのう。 同じ魔法使いとして恥ずかしい限りじゃ。」 そういいながら学園長はさやかとネギに頭を下げた。 「い、いえ!そんな・・・・私たちは大丈夫ですから。」 「そ、そうですよ!頭を上げてください学園長先生!!」 学園世界のトップ二人の謝罪に恐縮しながら、二人は返答する。 実際、別に睨みあっていただけで、攻撃されたというわけではない ・・・・・・くれはと柊が来なければ時間の問題だったかもしれないが。 「うん。ありがとうね二人とも!」 「ふむ・・・・。そう言ってもらえるとわし等も気が楽になると言うものじゃ。ありがとうネギ君。それに弓君も」 あらためて感謝の意を告げるトップ二人。 正直こうも謝罪や礼をいわれると逆にこちらが困ってしまうくらいなのだが・・・・・ ネギなどすでに緊張のあまりカチンコチンに固まってしまっている。 「それにしてもよ。あいつ等にも困ったもんだぜ・・・・・・ 行き成り魔王に喧嘩売ろうとするなんてよ。いくらなんでもムチャってもんだろ!?」 柊がイライラしながらウィザード達の無茶を非難する。 柊自身幾度となく魔王達と戦ったベテランのウィザードであるが、 だからこそ魔王達の恐ろしさは身をもって理解している。 「ん~。ほんとこまっちゃうよねぇ~。 まあ、あの子達もまだ若いからさ~無茶しようとしちゃうのは仕方ないのかもしれないけどさ~」 やれやれとくれはが柊に続く。まあ、本人もまだ若いはずだが・・・・。 学生が多い・・・・というより、ほとんど学生しかいないウィザード達には、当然無茶をする者も多い。 しかも、厄介な事にストッパーになれる経験豊富なウィザードは数が少ない。 だからこそさやかのような他校の戦闘経験豊富な人材に、なるべくチームを組んでもらっていたのだが・・・・・・ 「ごめんなさい・・・・・。私だけじゃ彼等を抑えられなかった・・・・・・。」 少し顔を伏せながら、こんどはさやかが謝罪する。 今回のような場合に彼等を抑えるのも自分の役割だったはずだ、 もしも相手が、デビルマンやムツミでは無く他の相手だったら恐らく全滅していただろう・・・・・・。 「は、はわあぁぁ!!そんな事ないよ!!さやかさんが抑えてくれたから下手に戦闘にならずに こちらの被害もなかったんだから!!」 悔やむさやかを精一杯励まそうとするくれは。 「うむそうじゃ。自信を持ちなさい。さやか君・・・君は上手くやっておるよ。」 学園長もそれに続く 「それに君が魔王達との間を取り持ってくれたから皆無事にすんだのじゃ。 それに不満を言うのはあやつ等の未熟ゆえの驕りじゃよ。 ウィザードとわし等魔法使いの・・・・・な・・・・」 ウィザードや魔法使いにとって一般人は守る者・・・弱者でしかない。 一般人を軽く見がちな者達がいるのも事実。 そしてさやかは特殊訓練を受けているとは言え、 ウィザードの区別ならばイノセントに分類される・・・・・・一般人の扱いだ。 だからこそ、ウィザード達も魔法使いも、特別な力をもたないさやかを軽視し、制止を聞く事はなかったのである。 「そ、そんな事・・・・・」 「事実じゃよネギ君。 マギステル・マギを目指すものとしては恥ずべき事ではあるがのう・・・・・。」 そんな事はない!と反論しようとするネギをさえぎるように学園長が悲しげに呟く。 実際これは特殊な力を扱う者達を導く組織においては永遠の問題であった・・・ 沈黙が辺りを包む。 その沈黙を破ったのはやはりこの男であった。 「ん~・・・・まあ、過ぎた事は考えてもしょうがねえだろう。 さやかもあいつ等止められなかったからって、気にすんなよ? さっき俺もこってり!絞っておいたし、じいさんも同じだろ? あいつ等だってあんだけ絞りゃあ、いいかげん、さやかの言う事だってしっかり聞くさ!!」 柊の励ましにくれはが続く 「はわ!そうだよさやかさん!! まあ・・・・・・それにほら!こうゆうのって、よくある麻疹みたいなもんだし! その内ちゃんと皆、反省してくれるって! だからさ。ネギ君も元気だして!ね?」 結局の所、この手の問題は多かれ少なかれ、力を持てばよくある事であろう。 自分達に出来るのは、ただその過ちに気付く手助けぐらいなものだ。 「それよりもさあ。その助けてくれた二人にちゃんとお礼しないとね!! ・・・・・・う~ん。たしか勇者魔王ってラビリンス・シティにいる魔王だよね?柊」 気を取り直して手を貸してくれた二人の事を考えるくれは。 「へ?・・・・・・そうなのか?? いや、わりいんだが、俺ラビリンス・シティの事は全くしらねえから」 あいにくとラビリンス・シティとファージアースが接触を計った頃は すでに他の世界でどんぱちをやらかしてたのが柊である。 と、いうかここに帰って来るまでラビリンス・シティどころか 『金色の魔王ルー・サイファー』の復活もしらなかったのだから、 柊に魔王の話を聞くなど無駄でしかなかった。 「はわあぁぁ~。そ~だよねぇ~。ひ~らぎだもんね~。知ってるわけないかぁ」 「おい!俺だからってのはどうゆう意味だよ!?」 「はわ?口に出して言って欲しい??」 「・・・・・いや・・・・いい。」 どうせ口ではくれはに勝てないのは判っているのだから・・・・とはさすがに口に出さない。 「う~ん。でも困ったなぁ。怒ってないといいんだけどその二人・・・・」 彼女にしても、ただでさえ人手の足りない学園世界でわざわざ魔王級 しかも、こちらに協力的な相手に喧嘩を売る気など無い。 出来る事なら、これからも協力してもらいたいのが本音である。 まあ、魔王との協力に否定的な連中はまた何か言ってくるかも知れないが、 そう言う相手を黙らせるのもまた、責任者の務めである。 とはいえムツミ・アマミはおそらくラビリンス・シティ デビルマンとやらはさやかの話だと正体不明 学園世界からラビリンス・シティに行く術などエミュレイターではない自分達には無いし、 デビルマンはそもそも居場所がわからない。 「・・・・・あの~もしかしてデビルマンの居場所判ったり・・・・しませんよねぇ?」 一抹の望みを掛けて、学園長に問うくれは だが・・・・・ 「むう・・・。調べられん事もないとは思うが・・・・あれだけの力の相手が今まで隠れていたわけだしのう・・・・。 時間が掛かる上、少々大人数で調べる事になるぞ。」 そうなれば、彼の存在が公のものになってしまう可能性がある。 ・・・・・・正体を隠している以上、無理やり白日のもとに正体をさらせば デビルマンがこちらに危害を加えださないとも限らない。 「はわわわわ!!!ダメダメダメ!!!!今のなし!!今のなし!!!!」 そんな事になれば、それこそやぶへびである。 侘びを入れようとして敵対されてはかなわない。 「まあ、デビルマンの方はともかく、そのムツミって奴は、学園世界のあっちこっちでトラブルに首突っ込んでんだろう? それならその内また会う事もあんだろ。礼ならその内、俺が言っとくさ」 同じようにあっちこっちに首を突っ込む柊が答える。 デビルマンの正体を突き止める事が危険である以上、もう片方、ムツミに的を絞るしかない。 それなら普段からいろんな事件に首を突っ込んでいる柊が適任である。が・・・・・ 「・・・・・でも柊あの子の顔知ってるの?」 じと~と半眼でくれはが柊を睨む。 うっ!と言葉に詰まる柊。 実際、マジカル・ウォーフェア以降現れた魔王であるムツミの顔など柊が知るわけなかった・・・・。 「全く!ひ~らぎはぁ。一応執行部室にだって魔王の簡単なデーターぐらいはあるのに 全然見ようとしないんだから・・・・」 「・・・・・・すまん・・・・・。」 柊蓮司・・・・・・調べ物の苦手な男である・・・・。 「はあぁぁ~。まあいいわ・・・・明日、資料見せてあげるから。柊、それ見て探してきてね?」 とはいえ手がかりが無い上、ほかの手段が危険な以上、柊に期待するしかないだろう。 「ふむ。どうやらそれが一番安全そうじゃのう。 さあ、それではもう夜も遅い・・・みな寮に帰りなさい。 ネギ君はわしが送るとしよう。このかやアスナちゃんも心配しておるじゃろうしの。」 見ればそろそろ時計が夜の12時を指そうとしている。 「あっ!そういえばアスナさんに帰るの遅くなるって伝えてない! ~~!!!どうしよう!!!」 さっきまでまだ沈み気味だったネギがアスナの名前を聞いたとたん、それまでの表情を一変させ 半泣きになりながらうろたえだす。 アスナとこのかはネギのルームメイトであり、授業の時以外は基本この二人がネギの現在の保護者である。 当然二人ともネギが魔法使いとしてパトロールに出ている事は知っていたが、 まさか冥魔と戦ったり、その後いろいろあって今まで帰るのが遅れているとは思わないだろう。 下手をすれば帰ったとたんアスナのカミナリが落ちるかもしれない。 部屋でアスナ達と帰りを待っているオコジョ妖精のカモが何とかアスナを説得してくれているかも知れないが・・・・・ まあ無理だろう。正直、さっき冥魔と対峙したり他の人達に睨まれた時より帰ったときのアスナのカミナリのほうが怖い。 「ほっほっほ。安心なさい。此処に来る前にネギ君が遅くなる事はわしがこのかに伝えておいたから」 「!!ほ、本当ですか!?学園長先生!?!?!?!?」 震えるチワワのような瞳で学園長を見つめるネギ。 よっぽどアスナのカミナリが怖いのだろう 「うむ。安心なさい。それでは行こうかのう。くれは君達も早く帰りなさい。 柊君。すまんが彼女達を送ってやってくれ。」 「ああ。わかったよじいさん。 ほら、いくぞくれは、さやか。」 「それじゃあ学園長、これで失礼しますね。」 「うむ。それではのう。ゆくぞ。ネギ君」 「はい。それじゃあ皆さん、お休みなさい!」 ぺこり、っと一礼してネギが学園長に連れられて去っていく。 「応!じゃあな。ネギ!」 「はわ!それじゃあね。ネギ君!」 柊とくれはがネギに別れを告げる。 しかし、さやかはその後ろで黙り込んでいた。 「・・・・さやかさん。大丈夫??」 心配そうに声を掛けるくれは。 「え?ええ・・。」 「・・・・・もしかして・・・・まだ気にしてる?」 曖昧な返答をするさやかにまだ先ほどの事を気にしているのかと不安になるくれは。 しかし・・・ 「うん?ああ・・いえ。そうじゃないんです。 ちょっと考え事してて・・・・・。」 「考え事?」 「・・・・・ええ。あ、別に対した事じゃないんで気にしないで下さい。」 「はわ?そう??」 「はい。・・・・それじゃあ、帰りましょう二人とも!!」 そういってさっさと歩きだすさやか。 「はわ~??」 「ん~??」 そのさっきまでと打って変わった態度に少し疑問は残るが、 まあ元気を取り戻したならいいか、と二人もさやかを追ってその場を去っていった。 魔帆良の大樹の影に隠れ、彼等をずっと見つめていた存在に気付かず・・・・・ 「・・・・・・やれやれ。デビルマンの正体・・・・・か。 ・・・・・・さて?どうするのだ?」 影に隠れていた存在・・・・薄いローブを身にまとい緑の髪を夜風にたなびかせながら 魔王の一柱『風雷神フール・ムール』はここにいない相手に問いかけた。 ―――――――なあ? よ・・・・・・・・ 届くはずの無い相手への呟きは、彼女自身が起こした風の音にかき消され 誰にも聞こえることは無かった。 ← Prev Next →
https://w.atwiki.jp/night2ndandante/pages/197.html
約束してくれ。危険を感じたらすぐに撤退すると -カイゼルクラウンを束ねる賢王- パーソナルデータ imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ここに画像のURLを入力。サイズは自動調整されます) 名前 エドガー 属性 火 / 冥 一人称 私 種族 人間 性別 男性 年齢 43歳 ワークス 国王 身長 185cm 体重 71kg 瞳の色 茶色 髪の色 銀色 肌の色 肌色 ウィザードクラス ? スタイルクラス ? 戦闘スタイル ? 第一サブクラス - 第二サブクラス - 第三サブクラス - 概要 カイゼルクラウンの国王。 文武両道で、カイゼルクラウンきっての武人でありながら、頭の回転も良く、 他国との貿易交渉で常に優位に立ち回り国を大きく発展させた。 誰にでも平等な政策、そして自身が最前線で戦う姿は国民にとって憧れと尊敬の対象であり、絶対的な支持を集める。 国の西部に広がる森林『ムーア保護地区』がプラーナの集まる土地であると判明してからは 魔王の再出現を防ぐため警備を強化している。
https://w.atwiki.jp/night2ndandante/pages/205.html
まあまあ。私に優しくしておくと後で良いことがあるぞ? -変わり者の風雷神- 概要 裏界魔王の1人。 魔王きっての変わり者と称されている。 一時の気まぐれで目の前に残された赤ん坊のリディアを拾い、 ロンギヌスに引き渡すまでの3年間リディアの世話をしていた。 魔王の中ではかなり話の通じる部類。 状況次第ではウィザード達と協力することも辞さない合理主義。 リディアに対してはそっけない態度を取っているが、内心かなり気にしていた。 イコ=スーの動きに細心の注意を払っており、ムーア保護地区にも誰よりも先に到着。 魔王の抜け殻として生き続けるか、本来あるべき姿(イコ=スー)と融合するか、 どちらがリディアにとって幸せなのか、ずっと答えを出せないでいた。
https://w.atwiki.jp/nightwizard/pages/164.html
サンプル人狼とは、第9話でナイトメアに抱えられていた人狼の少女である。 ただし「サンプル人狼」という名前は公式の名称ではなく、ファンの間で用いられている呼称に過ぎない。 概要 TRPGルールブックには、ウィザードのクラス毎に作成された「サンプルキャラクター」のデータが用意されており、初心者でもこのサンプルを使うことですぐにゲームが始められるつくりになっている。(*1) サンプル人狼は、その外見を1stルールブックの「サンプルキャラクター:人狼」からそのまま持ってきている。 サンプル人狼の苦難 第1版ルールブックの表紙から既にサンプル人狼のイラストは描かれているものの、これまでリプレイなどに露出することは無かった。 「サンプル強化人間」は灯のイメージソースとして、「サンプル魔術師」はマユリとして……というように、表紙を飾った他のキャラクターはみな、名前のあるキャラクターとして世に出たというのにである。 サンプル人狼の、最初で最後の華だったと言えよう。