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脚本担当:鼻声 キャスト 純一(小) Mg ジェニファー にこ 恵子 麻痺 和江 montan 緑の髪の女(ポニー)鼻声 緑の髪の女(ロング)茎わかめの精 みさお 金魚 鈴木の彼女 らせん 黒井沢 サザー タケヨシキ モロ おじいさん モノマネ人間 ATA(複数) 警官 アメリカ人1 アメリカ人2 アメリカ人3 村人 白井沢 ナレーター ミリメイク 13ミリ・Bパート ナレーター 「ひぐらしのなく頃に」 (8 49~) ナレーター 「満月が照らす中、純一たちはうまく命を逃れ、そしてみんなで走って逃げていた」 (8 54~) 純一 「大丈夫だ。とにかく俺が、身体能力No,1の俺について来るんだ。 安心しろ! 来やがったな!この野球バット…」 (8;58~) 緑の髪の女(ロ) 「私たちの透視能力!透視能力を使って、あなたを倒す。そうだ、あの日…」 (9 05~) 緑の髪の女(ポ) 「アメリカに行って習ったボクシングを習うんだ。 ボクシングをり、り、利用するんだ! 安心したまえ、俺たちの力があれば、俺たちの力があれば…」 (9 09~) ジェニファー 「大丈夫、ワタシたちは生き延びマスーネ」 (9 17~) 和江 「私が…」 (9 20~) ジェニファー 「あー、ワタシも、元気が出マスーネ。安心してクダサーイ」 (9 22~) 純一 「そうだな、ジェニファー…」 (9 27~) 恵子 「行くわよっ!!」 (9 29~) ATA隊員J 「逃がしまし…逃がしましたか…」 (9 33~) 和江 「いやっ、逃(に)がしてーっ!!ふっ、助けてーっ!!」 (9 35~) ATA隊員K 「逃(の)がすものか!小娘めーっ!!」 (9 39~) 恵子 「ハァッ!!」 (9 41~) ナレーター 「身体能力!」 (9 42~) 恵子 「どう?これが私の鉈を使いこなす能力!ふふっ…」 (9 44~) 純一 「俺が逃がさないぜ!」 (噛み再現:「よ、俺が逃がさないぜ!」) (9 47~) 恵子 「純一! そう、私たちが組んだら敵じゃない!純一、あなたは私の捨て駒!くくっ… 捨て駒として、精一杯頑張ってね。ねっ。 頑張らないとこの鉈であなたを殺してあげちゃう」 (9 48~) 純一 「相変わらず恵子は口がきいてんなあ!ハハハッ」 (10 01~) ナレーター 「トラップを仕掛けた、トラップを仕掛けたジェニファー!」 (10 03~) ジェニファー 「アメリカンジョークデスーネ!ホッホッホッホッ」 (10 05~) 緑の髪の女(ロ) 「はっ…よかった、ジェニファー!安心してジェニファー、あなただけは殺させないわ」 (10 09~) ATA隊員L 「今行くぜ!」 (10 16~) 和江 「こんにちは」 (10 17~) 緑の髪の女(ポ) 「逃がさないぜーっ!ハァッ!」 (10 18~) ナレーター 「これが身体能力!緑の髪の女の身体能力! そう、緑の髪の女と純一は、アメリカに渡っていた! アメリカに渡って、技を習っていた!」 (10 21~) 緑の髪の女(ロ) 「俺たちの力があればこんな連中」 (10 29~) 恵子 「こんな連中簡単に殺してしまえるの!」 (10 32~) 緑の髪の女(ポ) 「だから安心した!安心しろ!」 (10 34~) 和江 「大丈夫私は安心よ。みんな本当にありがとう。 や、やっぱり言ったわよね。へへっ、1本1本の指でも、 5本集まればひとつの手になるんだって!」 (10 36~) 緑の髪の女(ポ) 「そうだよ、だから安心して!」 (10 45~) ATA隊員M 「あいつらしぶといな! 鈴木の彼女様が、鈴木の彼女様が直接出て行くしかないのか!俺らの…」 (10 48~) 緑の髪の女(ポ) 「大丈夫だ、鈴木の彼女が出てこようと私たちがコテンパンにする! それが私たちの、私たちの力!」 (10 55~) 和江 「ねえみさおいるんでしょ?みさお! いた!」 (11 01~) みさお 「みさおよ。あっ…大丈夫、私の守護霊としての力が最大限に発揮しても、 この程度しか守ってあげられないけれど…」 (11 06~) 純一 「逃(に)がさないぜーっ!!」 (11 15~) 和江 「ハァ、ハァ… 行くわよ、行くわよ、今行くわよこうして…」 (11 17~) 純一 「そうだ、それが、それが… ばああっ…」 (11 23~) 和江 「え… 何が、何があった… 純一…!」 (11 26~) ジェニファー 「純一ーーーーっ!!」 (11 31~) 和江 「これは…なっ…」 (11 35~) 鈴木の彼女 「げ、黒幕が出てくる時が来たようね」) (11 37~) ジェニファー 「純一!元気デスーカ!元気ないデスーネ!」 (11 41~) 純一 「お、俺は…お前を守って死ねたから… 本望だぜ…。 お前ら、かはっ、俺らの分まで…ち、生きるんだ…」 (11 44~) 緑の髪の女(ポ) 「純一…お前がこんなところで死んでしまうなら… 死ぬなよ!生きろよ! お前は、お前が死んだら俺はどうすればいいんだ! ジェニファーちゃんは誰が守るんだよっ!!」 (11 54~) 純一 「ジェニファーは…お前が守っていくんだ…」 (12 05~) 緑の髪の女(ポ) 「純一っ!」 (12 08~) 恵子 「純一君…うっ… 大丈夫、純一は捨て駒! 私たちが生き延びていくしかないのよ!」 (12 10~) ジェニファー 「純一…純一!」 (12 16~) 純一 「俺は…俺は、充分に生きたはずだ!」 (12 19~) 恵子 「純一ーっ!」 (12 24~) 緑の髪の女(ポ) 「ううっ! 大丈夫か純一!純一!」 (12 26~) ナレーター 「純一は…消えていった」 (12 32~) 恵子 「だけど逃げるしかない! 今、純一の、純一の命に報いるためには! 私たちが生きるしかないの! 私たちは5人で逃げるしかない! だからお願い… …どうしたの、どうしたの、緑の髪の…」 (12 35~) 緑の髪の女(ポ) 「私…私も…私も、こうやって… 俺が…」 (12 51~) 恵子 「この手は…。 撃たれてしまったの?」 (12 57~) 緑の髪の女(ポ) 「俺も…撃たれてしまったのか? だ、大丈夫だ。 大丈夫だ、撃たれただけじゃない!」 (12 59~) 恵子 「私は、私だけは逃げるわ!」 (13 06~) ジェニファー 「純一ーっ!! …緑の髪のオーンナ…」 (13 10~) 緑の髪の女(ポ) 「バイバイ…」 (13 14~) 恵子 「二手に分かれましょう!」 (13 15~) ナレーター 「とにかくジェニファーは無事でいてくれ! みんなはそう思っていた」 (13 17~) 恵子・緑の髪の女(ロ)・ジェニファー・和江 「ハァ…ハァ…ハァ…」 (13 20~) 恵子 「大丈夫なの?緑の髪の女…。な、手、手やられちゃったみたいね。 もう、許さない! あんたたち、許さないわ!」 (13 23~) ジェニファー 「こんなことがあってしかるべきデスーカ… うっ…緑の…」 (13 34~) 鈴木の彼女 「撃ち殺したわ…くくくくっ… 嬉しい!! あなたたちは友情で繋がれている!! あなたたちの友情が崩れていく様をこの目でみていく!!くくっ… 死になさい…」 (13 41~) 恵子 「あっ…殺させるもんですか! 殺させるもんですか! 私には、私には守るべき友達がいる!!だから!!」 (13 52~) 鈴木の彼女 「ふうん、おもしろいわね。 鉈なんかで拳銃に歯向かえると思っているの?ハハハハッ… 友情馬鹿は!友情馬鹿はこれだからおもしろいのね! ハサハラ様…ハサハラ様ぁ! 安心して、私が、私がゆっくり殺してあげる。 楽しませてあげる、楽しませてあげるわ」 (13 59~) 恵子 「…や、やっぱり私の命だけは助けて。 ねっ、ねっ、ねっ、友達が、友達がねっ。友達なんてどうでもいいの! とにかく!私だけは助けて!ねっねっねっ。 だから安心して」 (14 19~) 鈴木の彼女 「そうは言ってもねえ…。 この拳銃で、あなたの脳天をズドーンと撃ち抜けば…」 (14 28~) 恵子 「いやー、まさかね。そんなことあるわけないわよね。 ねっ、私の命だけは助けて!ねっ、他のみんな殺しちゃっていいから! ねっ、だから早く、早く! の・が・し・て・よ! ねっ…」 (14 32~) 緑の髪の女(ロ) 「えっ…」 (14 43~) 和江 「恵子、今なんと言っ…て…」 (14 45~) ジェニファー 「ワタシは…ワタシは何も聞こえナイ… ヒッ…」 (14 46~) ナレーター 「いや…、それはね、ないよな、ない…」 (14 52~) 緑の髪の女(ロ) 「馬鹿野郎! 恵子が死ぬわけねーだろ!恵子はみんなを錯乱するために言ってるんだ! あいつらを錯乱して、俺らの友情が崩れた演技をしているんだ! 恵子は毒舌のように見えるかもしれない!だけど恵子は…恵子は…! 全部演技なんだ!俺たちを守りぬくための演技だ! 安心しろ! おめえ…おまえは生き延びるはずだ! 俺たちだけは生き延びるんだ!純一の分まで! 安心しろ!」 (14 58~) ジェニファー 「じゅんい…純一…純一…」 (15 24~) 鈴木の彼女 「ちょっ…」 (15 28~) 緑の髪の女(ロ) 「つっ!頼む! ジェニファーだけは助けてやってくれ! ジェニファーだけは!それが、それが純一の願いだから! ジェニファーだけは…!」 (15 31~) 鈴木の彼女 「命乞いはそれだけ?本当の名前…」 (15 41~) 緑の髪の女(ロ) 「エエッ!?」 (15 43~) ジェニファー 「緑の髪の女…! Green Hair Girl…!」 (15 44~) 鈴木の彼女 「あなたの命もこれで最後なの。安心して? ジェニファーちゃん、あなたを殺してしまう。 私は、最後にあなたのこうやって可愛い顔を見れてうれしいわ。 ねえ、最後に聞きたいことがあったら教えてあげるわ」 (15 50~) ジェニファー 「…アナタの本当の名前はナンデスーカ?」 (16 05~) 鈴木の彼女 「私の本当の名前…? 私の本当の名前はジェニファーよ!ハハハハッ… 未来から来たジェニファー!!」 (16 08~) 和江 「ジェニファー…!! 引っかかったわね!今あなたが撃ち殺したのはジェニファーじゃない! ねえ知っている?未来はパラレルワールド!あなたが確かに未来から来た ジェニファーだってことは、みんな知っているの!これは全て…」 (16 18~) 鈴木の彼女 「未来から来たジェニファーだってことは知っている…?どういうこと?」 (16 29~) 和江 「つまり、あなたは未来のジェニファーのひとつの可能性に過ぎないということ! つまり…つまり!あなたが今撃ち殺したのは、そう、みさおが、みさおが今、 ジェニファーと、未来から来たジェニファー、あなたの魂を今入れ替えてくれた! つまり、あなたが撃ったのは、あなたが撃ったのはあなたの魂! ジェニファーは生きているの! ジェニファーだけはっ、生きているっ!」 (16 32~) 鈴木の彼女 「嘘をついてるんじゃないわ。ふふふっ、本当のことを…」 (16 52~) 和江 「くっ、ははっ… 本当に引っかかったわねこの女! 安心…?」 (16 55~) 鈴木の彼女 「な、何を、何を言っているの、私はジェニファーよ。 ジェニファーだけど、未来から来たジェニファー…。 ジェニファーなの…」 (17 00~) 和江 「ようく考えてもみなさい!過去のあなたを殺したらあなた自身が死んでしまうわ! あなた自分を殺したってわからないの? あなたは自分を殺したの!しかも、ひととおりのパターンである自分を! ジェニファーは救世主!」 (17 07~) 鈴木の彼女 「救世主?」 (17 19~) 和江 「未来はじゅ、救世主になる、ジェニファーを! 救世主である、ジェニファーを!」 (17 20~) ナレーター 「そう、あの時、みど、え、鈴木の彼女が殺したのは、め、ジェニファーだったが、 みさお、みさおは魂入れ替えの術をすることによって、ぐすっ、 魂入れ替えの術をすることによって、自らを殺させることをした。つまり! つまりだ! ジェニファーは生きている! ジェニファーの魂は生きている!」 (17 25~) みさお 「だけど確かにジェニファーちゃんの魂は生きているわ。 だけど、だけど…ジェニファーちゃんは、大人になって、一回大人になって、 鈴木の彼女として、鈴木の彼女として人生をやり直さなければならない! こんな辛いことある? 殺人鬼として、しかもホウム心理教の信者としての位置づけから、 ジェニファーちゃんは生きなければならないの! あと一日もすれば、魂の入れ替えは完了する。そして、 未来から来た、未来から来た、鈴木の彼女の意識はなくなる。 そしてジェニファーは生きていく。ジェニファーは、鈴木の彼女の魂として 生きていくわ。 だから安心して。だけど… それでも辛すぎる! 純一君も死んじゃったし、恵子ちゃんも死んじゃった。 私には、私は、みんなの友情が、みんなの友情が本当なら…」 (17 41~) 和江 「ねえ…みさお…」 (18 27~) みさお 「安心して」 (18 30~) 純一 「見えるか、俺たちの姿が」 (18 33~) ジェニファー 「見えマスーカ」 (18 35~) 純一 「これは俺たちの魂だ。俺たちは殺されてからなんとかみさおのおかげで、 魂だけは一命を取り留めた。 今、霊界において俺たちの魂はちゃんと浮遊している。 みさお…」 (18 37~) みさお 「私ができるのはこれだけ。霊能力を使ってこうするしかできない…」 (18 48~) 純一 「俺らは、俺らはなんとか生き延びることができたんだ。恵子の…」 (18 52~) ジェニファー 「恵子の鬼の手の力で、生き延びることができマシターネ。 世の中には…だから、今はしばらくは会えないけど、少しだけお別れデス カッズーエ…」 (18 57~) 和江 「お別れ…そんなのやだ…。 私、みんなと一緒に過ごしたい…。 和江…私が和江…!」 (19 07~) 鈴木の彼女 「さあ、何を見ているの?」 (19 17~) ナレーター 「鈴木の彼女の魂は、あと2時間で消え去っていく!」 (19 20~) 鈴木の彼女 「さあ、死んでしまうのよ!」 (19 23~) ナレーター 「そこにあったのは和江の魂…。 和江の魂だった」 (19 27~) 和江 「ここはどこ?ここは…。えっ?」 (19 33~) 恵子 「私たちはいっそここにいるわ。今あなたが見ているのは精神世界。 精神世界よ。私の鬼の手の中の世界を見ているの」 (19 37~) みさお 「そう、あと、みさお…。 私の、私がなんとか魂を保つことによって、鬼の手の力は制御されている。 だからこうやって今あなたたちが住んでいることができるのここに。 だから安心して 私た…」 (19 46~) 純一 「俺たちは殺されたのか?」 (19 57~) 緑の髪の女(ポ) 「銃殺…されたのか。 いいや違う!あなたは確かに殺された。だけど私たちの魂が生きてき、 生きている限り」 (19 59~) 恵子 「私たちが死んだと認識されているのはあと1日2日。 私たちは別の人間の、魂に乗り移って生き延びることができる」 (20 06~) 純一 「それは本当なのか?」 (20 12~) 恵子 「なら今ここで手を合わせましょう。みんなで手を合わせることによって、 ひとつの共同体として生きていくことができる」 (20 13~) みさお 「みんな…」 (20 20~) 恵子 「安心して」 (20 21~) みさお 「これが私の…力…?」 (20 23~) 和江 「みさおがいてよかった!今、世界に戻りましょう この光の中、光の中ひとつの世界に戻っていく…。」 (20 25~) ナレーター 「そう!ジェニファーは生きているんだ! そこで行われていたのはアメリカ大統領の会議」 (20 32~) アメリカ人1 「Ladies and Gentlemen Boys and Girls! Ladies and Gentlemen Boys and Girls! 今日本では大量の殺人、murderが行われているとのことだが、 俺たちもた、何か対策を立てなければならない。対策を立てる必要がある。そうだ!)(20 41~) アメリカ人2 「あれだろ、あの、ぞよぞよ言う爺さんまで死んでしまったとのことだろ?」 (20 52~) アメリカ人3 「未来でぞよぞよ言っている爺さんまで死んでしまられたら」 (20 57~) アメリカ人1 「あいつらはこれからの人生、俺らの政策で、充分な力を発揮していくはずだったんだけどな」 (21 00~) ナレーター 「そこで行われていたのは、なんか、アメリカ人たちの、なんか、話し合い」 (21 05~) ATA隊員N 「ここだけは見られるわけにはいかない」 (21 09~) 鈴木の彼女 「Caution,Caution,私は殺すことができた。全員殺すことが完了したわ」 (21 11~) ATA隊員O 「安心したまえ」 (21 19~) 村人(大勢) 「のわーーーーっ!!!」 (21 21~) 村人 「開けて、開けてくれーーーーっ!!!ぐわあああっ…」 (21 22~) ナレーター 「そこで行われていたのは大量の快楽殺人!」 (21 27~) 鈴木の彼女 「銃声よ…。 私、の魂があと1時間で消えてしまうなんて嘘よね。 くっ、気に食わないわ。あのみさおとか言う亡霊! 私の快楽殺人に手を出すどころか、適当な虚言を残していくなんて! …だけどそんなのは嘘に決まっている…。 私は、私は生きていくわ。そして快楽殺人を続けていく。 それが、それがハサハラ先生、ハサハラソウコウ様の、 ハサハラソウコウ様の願いだから…。 あっはははははははは、愉快ね!! みんな死んでしまえばいいんだわ!!」 (21 31~) ナレーター 「鈴木の彼女は知らなかった。あと1時間で鈴木の彼女の魂は死に絶え、 今すぐその肉体にはジェニファーの心が乗り移ることを! そして…ジェニファーの気持ちは…」 (22 01~) ED ナレーター 「この番組の提供は、G・E・N・E・O・N、ジェノン、 そして、Frontia Works Inc.、Frontia Works Inc. そして、Alchemist が、お送りいたしました。」 (23 40~) ナレーター 「この作品における人物、事件、その他の設定は、すべてフィクションです。 次回予告、番組詳細についてはオヤシロs… ええっ!? かざまの小次郎! 新番組!10月5日、26時、5分、放送開始だ!放送開始!放送開始だ!」 (23 52~) ナレーター 「次回予告!」 (24 09~) トゥートゥートゥルットゥルトゥットゥー♪(らっきー☆ちゃんねるのテーマ) 白井沢 「Ladies and Gentlemen Boys and Girls!日本列島津々浦々みなみなさん、 お元気してますか、おはらっきー☆してましたか? 今回、今回このラジオを聞かせていただくのは、このラジオのパーソナリティを つとめさせていただきます、パーソナリティをつとめさせていただきます、 白井沢です」 (24 14~) ジェニファー 「アシスタントのジェニファーデース」 (24 27~) 白井沢 「やージェニファーちゃん、今回このラジオも、この、今回ついにひぐらしもついに 折り返し地点だね!」 (24 29~) ジェニファー 「そうデスーネ」 (24 34~) 白井沢 「やージェニファーちゃんが一回死んでしまうと思ったけれど」 (24 35~) ジェニファー 「ワタシも一回死に掛けてしまってどうしようかと思いマシターネ。 一体どうすればいいもんだか、ワタシにはわかりませんデシターネ」 (24 38~) 黒井沢 「そうでヤンスよ!ジェニファーちゃんが、ジェニファーちゃんが死んでしまったら どうしようかと思って!」 (24 45~) ジェニファー 「し、白井沢先生が黒井沢にナッタ」 (24 49~) 黒井沢 「だから安心してくださいでヤンス。ジェニファーちゃんは、ジェニファーちゃんは どんなことがあっても私だけは守り抜いていくでヤンス。そしてジェニファーちゃんが おっきくなったら、あんなことやこんなk…」 (24 52~) 白井沢 「いっけない。もうこんな時間ですね。 ではみなさん、今回のお相手をさせていただいた白井沢と」 (25 01~) ジェニファー 「ジェニファーデースネ」 (25 07~) 白井沢 「それではまた皆さん、ばいにー☆」 (25 08~) トゥートゥートゥルットゥルトゥットゥー♪(らっきー☆ちゃんねるのテーマ)
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「…っ」 頭がガンガンする。鈍い頭の痛みと直接的な手首の痛みで少しずつ意識が現実に引き戻される。 「やっと起きた?圭一君?圭一君がお寝坊さんだから 魅ぃちゃんはレナがお持ち帰りしちゃったよ」 「…レナ?」 ぼんやりしていた視界がクリアになってきた先には 「み…魅音!?」 「いやああああああああ!見ないで!圭ちゃん見ないでぇぇ!」 紅に染まる教室の一角。両腕を縛られて寝転ぶ俺の前には 同じように両腕を縛られ衣服はだけた魅音が レナに押し倒され無理やり足を開かされていた。 「レナ、お前…!何してんだよ!!!」 「ほら、魅ぃちゃん?だーいすきな圭一君が見てくれてるんだよ? もっと可愛い声で鳴いてあげなよ」 震える魅音の耳に唇を寄せそっと息を吹きかけるよう囁く。 疲労と快感と嫌悪感がぐちゃぐちゃになったような魅音の表情は 普段、俺達をリーダーとしてひっぱる勝気な「園崎魅音」とすぐに結びつかなかった。 「んあっ…アアぁっ、やだ!レナ!けいちゃっ、アァ!」 レナは魅音の豊満な胸に吸い付きながら白く細い指を魅音の中に入れこねくり回し続けた。 「く…」 俺は一瞬刺激の強い魅音の痴態に目を奪われたものの 泣き崩れる魅音の表情に耐え切れなくなりせめてもと頭を地面につけて目を逸らすしかない。 「圭一君、これは罰ゲームなんだよ?ちゃんと魅ぃちゃんを見てあげて。 じゃないともっと酷い事を魅ぃちゃんにしちゃうよ」 レナは左手に握り締めた鉈を魅音の左脚にゆっくり突き立てる。 白い肌にツゥ…と紅い線が伸びていく。 「痛っ、アアアっ、あぐっ…レ…ナ、ごめん、ごめんなさ、あぅ…」 魅音の悲痛な喘ぎ声が響く。思わず俺は顔を上げた。 「なっ…!レナ!!お前いい加減にしろよ!!…っ、俺はちゃんと見てるだろ」 「アハハハハハハハ!魅ぃちゃんは痛いのが気持ちいいのかな? それとも圭一君に見られて感じる?さっきから何回もイってるのに魅ぃちゃんは欲張りさんだね」 レナは暴言を吐きつつも俺が魅音を見ているのを確認すると鉈を捨て、 余った左手は魅音の乳首を弄る事に費やす。 「ああっ、んあっ、はぁっ…!駄目…もうだめぇっ」 くちゅくちゅと激しい水音と魅音の嬌声がほぼ同時に止んだ。 「はぁ…はぁ…は…」 魅音の首ががくっと力なく項垂れた。どうやら失神してしまったらしい。 「………っ」 いつも皆で楽しく過ごしているはずの教室なのに 違う空間に迷い込んでしまったような錯覚を覚える。 なんで?どうしてこんな事になってるんだ? 確か放課後、魅音に呼び出されて…―――――――― 「え…?これ俺に?」 渡されたのはピンクのハート型の箱に可愛らしい赤いリボンでラッピングされたチョコレート。 そう、今日はバレンタインデーだった。 「お、おおおじさんね…日頃圭ちゃんにはお世話になってるし、感謝の気持ちだよ!うん!」 「アハハ。有難うな、魅音。お前からもらう物だと タバスコでも入ってるんじゃないかって疑っちまうぜ」 「ひどーい!圭ちゃん!で、でも今回は絶対にそんな事…してないよ」 「…?なんでだ?」 頬を染めて下を俯く魅音。おいおい、なんだか可愛いぞ。ちょっぴり期待してしまう。 「だ、だっておじさんが圭ちゃんに作ったそのチョコは…」 ゴッと鈍い音がした。後頭部に焼ける熱さを感じる。 「圭ちゃん!」と焦ったような魅音の声が聞こえた気がした。 …――――――――――――――――――――― 「あははははははははははははは!!!」 レナの高笑いで回想からハっと我に返る。 俺は魅音からチョコをもらった時に誰かに殴られた? ぼやける頭で今の状況を必死に整理する。俺を殴ったのはレナ? 「魅ぃちゃん、イキ過ぎて気絶しちゃった。レナを裏切るからこうゆう目に合うんだよ? レナも圭一君が大好きだったのに。抜け駆けするなんて酷いよ、魅ぃちゃん!」 まるでレナは壊れた人形に興味がなくなった子供のように 魅音を地面に叩きつけると俺の方に歩みよってきた。 手には禍々しく光った鉈を手にしたまま。 俺はふと自分の横に魅音からもらったチョコレートが ズタズタに崩されて転がっているのに俺は気づいた。 「…っ!お、おい!レナ!お前どうしちまったんだよ!なんだよ、これ! お前はこんな心無い事をする奴じゃないだろ!?聞いてんのかよ!?」 悲しさと悔しさで涙が浮かぶ。おかしい。レナはこんな奴じゃない! 「圭一君は相変わらず鈍感だねぇ?でも身体は素直だよねぇ? 魅ぃちゃんのエッチな姿見て股間を膨らませてたんじゃないの?」 その言葉を頭が理解するよりも早く身体がビクっと素直な反応を返す。 すかさずレナが俺の股間を痛いぐらいに蹴飛ばしてきた。 「ウぁっ…!!!」 なんともいえない感覚に俺はのた打ち回る。 レナは鉈を俺の横に放り出すと 悶える俺を仰向けに押さえつけて圧し掛かってきた。 「んぐっ!んんんっ!」 俺の顔を白い手で拘束してきたと思ったら乱暴に唇を重ねられる。 「レナ…!ぅ…は…」 叫ぼうと開いた俺の口に今度は舌が入り込んできた。 女の子とキスなんてした事ない俺は、レナの甘い香りと柔らかい舌に酔いそうになる。 レナにされているのか、俺の方からレナを貪っているのか分からなくなってきた頃には お互いの唾液で口周りはべとべとになっていた。 「圭一君、女の子とこうゆう事するの初めて?」 「…」 「アハハ。相変わらず圭一君は分かりやすいなぁ」 気持ちの良いぐらいの笑顔でレナが笑い飛ばす。 でも目はちっとも笑っていなくて、どこか影があるように見えて仕方ない。 「で、もっとここは気持ちよくなっちゃったんでしょ?」 ズボンの上から膨らみを撫でられたかと思うと強く摘まれ上下される。 「ィ…」 魅音のあんな姿を見て、レナにねちっこいキスをされ 不謹慎ながらも下半身は収まりがつかなくなっていた。 「圭一君、ズボンに染みが出来てる。苦しいだろうからズボン脱がしてあげるね」 「…!や、やめ!」 「圭一君のオットセイかぁいい~!はぅっ」 パクっとまるでアイスでも食べるかのようにレナの口内に含まれる。 「ヒっ!あ、ああっ…ぐっ!」 生暖かいレナの口は信じられないぐらいに気持ちよかった。 こんなのレナじゃないと頭で分かっていても腰が揺れて止まらない。 「っ、んぅ…ふ…ぅ…」 「うぁ!レナ!レナ!も…」 俺は無様にもレナの口内に欲望を放ってしまった。 「あは☆圭一君の不味ーい。出したのにこんなにカチカチだね。こっちはどうかな?」 まだ余韻が冷めないというのに あろう事かぬるぬるした細い指でとんでもない所に指を突き入れられる。 そのまま余った手で玉を揉みしだかれ、 口で亀頭を吸われてしまえばひとたまりもなかった。 「い!っ…!あ、ひぃ、あああぁっ、あァ…!」 恥ずかしいとかコンナ事とか考える事すら出来ない。二度目の絶頂はすぐそこ。 「何?またイクの?でも駄目だよー。圭一君ばかりずるいんだから。はぅ☆」 もうイキそうというところで愛撫をピタっと止められる。 …苦しい。これではほとんど拷問だ。 「れ、な…っ」 「レナも気持ちよくなりたいな。見て圭一君、 レナのこここんなにぐちゃぐちゃなんだよ?レナのここに圭一君は入れたくない?」 レナはスカートをめくり上げ、下着を足首までずらすと、 人差し指と中指で中を拡げて見せた。 ぬらぬらと濡れたレナの中を見て 興奮が余計に高まってしまう。思わず喉が鳴る。 「ちゃんとお願いしてみなよ。家畜なら家畜らしくお願いしなきゃ」 レナは敏感になってる俺の息子を思いっきり握り締める。 「ヒっ…!!い、痛い!レナ!」 「”お願い”するんでしょ?ほら」 「い、れさせてくれ…」 「圭一君は言葉遣いが悪いね。もっと丁寧にお願いしないと虐めちゃうよ」 このままじゃ焦らされて気が狂う。 「…レナの中に俺のだらしないペニスを入れさせて下さい…!」 「うん、合格。見て、圭一君。レナの中に圭一君が入っちゃうよ」 ゆっくりとレナの体重が俺の身体にかかっていく。 ズルズルと俺の息子がレナの中に埋まっていく。 きゅうきゅう締めつけられて待ち焦がれていた快感に 俺は手が動かせないじれったさを感じながらも快感に従うように 腰を揺らし始めるしかなかった。 「あはっ…ん、ああ!圭一君、圭一君。イイ、いいよぉ」 レナも腰を激しく上下に動かす。止まらない。何もかも。 「はっ、はぁ…!れな…っ…んっ…!ア」 どちらともつかない嬌声が漏れる。すぐにイってしまいそうだ。 「んっ…ぃ!」 「ね…圭一…君、私、圭一君をね…どうしたら独り占めできるか考えたの」 レナは右手にそっと鉈を握り締める。 「はっ…っ…?」 警告を知らせる鐘が頭に響いてるのに身体は動かない。動かせない。 「圭一君が私と同じ快感の中で死ねたら幸せだと思わない?」 彼女の鞄の中にあったのは青い包みの可愛らしいチョコレート。 さっきまで汗を流し、快楽に頬を紅潮させていたはずの彼女は 残酷な笑顔でこの世の物とは思えない位に綺麗に笑った。 …――――――――終
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公式サイト→「うみねこのなく頃に」ホームページ 2009年7月 TVアニメーション 「うみねこのなく頃に」 コレクターズエディション 初回限定版 Note.01 [Blu-ray] posted with amazlet at 10.08.18 ジェネオン・ユニバーサル (2009-10-23) 売り上げランキング 42613 Amazon.co.jp で詳細を見る ブログ #blogsearch2
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j 「おはよう、悟史!」 学校に登校した私は机に着いていた悟史に声を掛けた。 「おはよう魅音、今日も元気だね……」 「ふっふっふ……おじさんは元気だけが取り柄だからね」 私に変わらないその優しい笑顔を携えて悟史は言った。柔らかい微笑を見ているとこっちのほうが元気を貰ってしまう。屈託の無い瞳に見つめられてしまうとなんだか胸がどきどきして仕方ない。 「あのさ、悟史。ちょっと宿題見せて……くんない?」 「えっ、またかい……魅音……」 私と悟史はこの雛見沢に生まれ育った、俗に言う幼馴染というやつだ。幼い頃からの友達であり、一緒に雛見沢を駆け回っていた日々を思い返す。分校にも同級生として通い共に学んでいる。 悟史はとても仲間思いの優しい男子でどちらかというとおっとりとした性格をしている。 むうっと言うのが口癖で、何か困った事が起きるといつも眉をひそめている。その表情を見ると、こっちから何か手助けしてあげないという気持ちを起こさせてしまう。悟史は私の親友の一人だ。いや、それ以上の感情がもう芽生え始めていたのかもしれない。心の中に悟史の居場所が、ぼんやりとした心地よさを含むその場所が私の中にあったのだから。 でもそんな優しい悟史の顔が曇り始めてきたのは、いつの頃からだっただろう。ただ蝉の鳴き声が険しく聞こえ始めていた事だけが私の頭の中で反芻されていった。 悟史の妹の沙都子の体調が優れない日々が続いた。同調するように悟史も徐々に不調が襲っていった。 「……ごめん魅音、ちょっと一人にさせてくれないか……」 そんな言葉が毎日のように繰り返された。優しい笑顔が段々と蝕まれていくような感覚が私を支配した。 北条の、悟史の叔母から虐待を受けている。そんな話を聞いたのはそれから少したった頃だ。妹の沙都子とのそりが合わないらしく、沙都子と悟史に強く当たっているらしい。 それを聞いたときには、居ても立ってもいられずに、悟史の叔母の行為を止めさせようと考えた。 しかし、頭に浮かぶだけでそれはできなかった。家柄の都合上、園崎と北条には確執があったから。 ダム戦争の澱だった。北条家の人間は裏切り者として村の除け者にされていた。私は園崎の頭首代行を務めている。だから無闇に動こうとすると園崎の信頼を失墜させてしまう。 裏切り者を村の総意の権化が救うことは村の誰も望んでいない。私が悟史の友人であった事に村の人はいい顔をしなかったほどだ。悟史への想いと家柄に挟まれ、私は無力な存在だった。 そんな悟史と沙都子の心痛を少しでも和らげようと私は部活を開いた。感じているストレスを少しでも発散できればいい。当時の私にできた未来の見えない二人への最低限の罪滅ぼしだった。 そんな二人への施しも実を結び、悟史と沙都子に笑顔を見ることができた。あの優しい顔をうかがい知ることができただけで私の心に光が燈った。 「ありがとう魅音。沙都子もとても楽しがっていたよ」 「あはは、いいんだって。このぐらい。喜んでもらえて部長名利に尽きるねぇ」 突然ふわりとした優しい感触が頭の上にあった。 「ふぁ……」 「本当にありがとう、魅音」 暖かった。心の底から包まれるような温もりを感じる。胸の高鳴りが止まらずに鼓動が直接聞こえてきた。悟史への想いが一層強くなった瞬間だった。 「ねぇ……お姉。お姉の同級生に男の子がいますよね。名前はなんて言うんですか?」 突然、詩音の口から悟史のことが出て来て、少し困惑した。 「そう……悟史、君って言うんですね……」 昭和57年、興宮に住んでいた私の妹の詩音はこれもまた園崎家の都合上、私と離れて暮らしていた。拘束される生活に嫌気が差したという妹のために私は双子の特性を活かして詩音と時々入れ替わりを行っていた。 私が詩音と入れ替わっている時に詩音は悟史と出会ったのだろう。それからというもの詩音は悟史の事を私に頻繁に尋ねてきた。詩音の様子から見て、悟史に恋を抱いたのだろうと私は感じ取ってしまった。双子の妹の事だったから薄々思ってはいたのだが。 詩音は頻繁に入れ替わりを求めるようになり、悟史と会う機会が増えていた。代わりに私が悟史に会う機会は少なくなっていた。悟史を焦がれる気持ちが溢れ出始めたのも、この頃からだった。 「魅音、この間は差し入れありがとう。とっても美味しかったよ。どうやって作ったんだい?」 私にはまったく記憶に無い事を悟史から聞くことが多くなった。魅音として過ごしている詩音との思い出を聞かされることが多くなったのだ。それを聞くたびに悟史を詩音に取られてるような感じがして悲しくなった。でも詩音に対して私が悟史に好意を持っているなんて口が裂けても言えない。妹を興宮に追いやってしまったのには私にも責任があったから。 悟史への想いと詩音への思いに挟まれた私は身動きが取れなかった。ただ二人の仲を見つめるだけの孤独な時間が増えていくだけだった。 「お姉、ごめんなさい。私ちょっと、悟史君にひどい事を……」 悟史が相当精神的にまいっていた頃だと思う。詩音の言葉に心が痛んだ。詩音は悟史を思うあまりに沙都子に手を出してしまったという。悟史にも相当咎めを食らったことを詩音は涙ながらに訴えてきた。 「……大丈夫、詩音。私が明日悟史に会って謝って来るから……ねっ、もう泣かないで……」 詩音のためなのか私の悟史への想いのためなのか、複雑に入り混じった気持ちを持ちつつ私は泣いていた詩音をなだめていた。迷惑なことをしてくれたという詩音への気持ちが無かったと言う訳ではない。その一方で悟史に嫌われてしまったのではないかという気持ちが私を取り巻いていた。 翌日私は悟史の家に向かった。息を大きく吸い、気持ちを落ち着かせた後に言葉を発した。 「……ごめんください」 「はい……。……魅音……」 私の顔を見て複雑そうな顔をした悟史が私を出迎えた。 「それで……何の用」 悟史の言葉に少し棘が含まれていた。心に刺さってくるそれを堪えながら私は言った。 「昨日の事なんだけど、その……謝りたくて……さ」 身に覚えの無い事を、しかも悟史に謝らなくてはならなかった。詩音のためだったのか、私のこれ以上嫌われたくないという気持ちがあったからなのだろうか。押し潰されそうな心を震わせて私は謝罪の言葉を述べた。 「ごめんなさい、悟史。私あの時、気が動転しちゃってて……悟史と沙都子に迷惑を……本当にごめんなさい」 しばしの逡巡の後に悟史が答えた。 「正直、魅音がどうしてあんなことをしたのか……理解ができない。もしかして僕らの事をもっと深くに陥れようとしてやったんじゃないのかと……思ったよ」 「そんな……事、微塵も思っていないよ、悟史。そう思ってしまったんなら、本当にごめん。謝って済む問題じゃないかもしれないけど……」 悟史の心痛がくっきりと私に刻み込まれた。私は謝罪を繰り返すしかなかった。 「ねぇ、魅音。もう沙都子も精神的にまずい所まで追い込まれてるんだ……誰も助けてはくれない、ただみんな見ているだけで……」 つらつらと悟史は凝り固まった心の内を吐露していった。こんなにも悟史は追い詰められていたなんて思いもしなかった。いたたまれなかった。 「悟史……あの、こんなこと言われるのは心外かもしれないけど……私は悟史の味方だから。もう悟史を追い詰めることなんて絶対しない。できることがあるなら私、何でも手伝う」 気が付いたら私の想いを悟史に吐いていた。悟史とこうやって向かい合う機会はもう無いだろうと感じていたからなのかもしれない。 「……」 悟史は押し黙ったままうつむいていた。 「私が言いたかったのは……それだけなの……ごめん、邪魔したね。私帰るね……」 席を立ち、悟史に背中を向けたときだった。 「待ってよ!」 私の体をぎゅっと悟史が後ろから抱きとめていた。初めて感じる悟史の体温とにおいが私の体を包んだ。すっと頬が熱くなっていくのが分かった。 「……助けてくれよ……魅音。僕を見捨てないでくれ……」 「悟史……」 悟史の手をやさしくとって私は悟史と向き合った。悟史の顔がこんなにも近くにあったのは初めての事だった。 「大丈夫、悟史……私は……」 高鳴る鼓動を必死に抑えつつ、私は想いを初めて打ち明けた。 「私は悟史の事が……好きだから」 涙に濡れていた悟史の瞳を見詰める。永遠に思える時間が過ぎた後にどちらからともなく唇を重ねた。その柔らかな感触は今でも憶えている。忘れることなんてできない。 「魅音……」 唇を離した後に私は言葉を紡いだ。 「来て……悟史……」 悟史の少し硬い指が私の乳房に触れた。アルバイトをしていると聞いたからその苦労をうかがい知る事ができた。心身ともに疲弊している悟史がたまらなくいとおしかった。 「すごく……柔らかいんだね……女の子の……」 「ん……」 悟史のその言葉を聞いたとき、私は悟史の初めてになるんだろうと思った。 ───詩音とはまだ関係を持っていないんだ…… そんな考えを持ったときに私の体に電気が走る。 悟史が私の乳房にむしゃぶりついていたからだった。悟史の舌から感じられる生ぬるい感触に私は包み込まれる。敏感になった突起からくすぐったさに似た心地よさが襲ってきた。 悟史の濡れた光沢のある舌の、その艶めかしい動きを見て思わず吐息が漏れる。 「んん! さ……とし、そんなに……強く……」 「あ、ああ……ごめんよ、魅音」 はっと悟史が顔を上げ私から口を離す。私の片側の乳房だけが悟史の唾で濡れて、その中心で突起が恥ずかしいぐらいに起立していた。 「……今度は悟史のを……」 体勢を変えて私は悟史のものに目をやった。初めて見る男性の、天を衝くかのごとく隆起しているそれを見て私は驚きを隠せなかった。 「これが……悟史の……」 「むうっ……あまり……見ないでくれよ……」 悟史の困惑を聞きながら私は恐る恐るそれに両手で触れた。触れる瞬間に悟史から小さな声が漏れる。 ───大きい……そしてかたい。これが私の中に…… そう思うと若干の恐さが湧き出てきたが悟史のものだと思うと、いとおしさが溢れてきた。 脈打つそれの熱さを感じながら、私は悟史に伝えた。 「悟史……来て……悟史のが欲しいの」 「……魅音」 悟史のものが私の入り口にあてがわれた。 「いくよ……魅音」 悟史が前屈みになってぐっと力を入れた。同時に裂かれるような痛みが込みあがってくる。 「……あっ……く……はぁ……いっ!」 「うう……く、大丈夫……かい……魅音?」 「はぁ……はぁ、だ、大丈夫……だよ、悟史」 痛みはあったのだが虚勢を張り悟史に伝えた。 「動くよ……魅音」 「う、うん……うぁ」 悟史がそのまま腰を突き動かしてきた。大きな痛みに体が支配されていくが、悟史の熱さが感じられて私の心が満ちていった。詩音には手に入れることの無い悟史の初めての熱さを感じた。 妹に対して最低の優越感を覚えてしまった私がいた。 ───ごめんね、詩音。でも…… 悟史と繋がって少しの間が経ち悟史から声が漏れた。 「はぁ…うくっ…魅音、もう僕は……!!」 感じていた悟史の熱さが離れる。同時に別の水気をはらんだ熱い塊を私のふとももに感じた。 「……はぁ……はぁ……悟史……」 悟史の出した汗と精液のにおいが私の鼻腔を突き抜けて行った。 昭和57年の綿流しの祭りの日が徐々に近づいていった。相変わらず詩音は悟史と会うために私と入れ替わりを求めてきた。詩音は悟史と過ごした事について引っ切り無しに私に報告してきた。 楽しそうな詩音の声を聞かされる度に私の心は複雑に揺らいだ。悟史との関係を深めていく詩音に対して私はあの日、悟史に抱かれた日以来、向かい合って話をする機会が無くなっていったのだ。 悟史から聞かされるのも私に化けた詩音との思い出だけだった。さらに綿流しの祭りの会合によって、私の時間も割かれてしまった事もそれに拍車を掛けていた。 悟史と詩音の関係の間に決して立ち入ることのできない、透明の壁を感じる日々を私は過ごしていた。 そんな憂いを感じていた私に悟史から電話が掛かってくる。久々に悟史と二人で話せる機会ができて、嬉々として受話器を握った。 「魅音、この間はありがとう。また魅音に色々と助けてもらったね」 また詩音との思い出だった。 「……ううん、いいの」 先ほどまで感じていた嬉々とした気持ちが冷めていくのを感じた。 「……最近さ魅音に助けてもらうばかりでとても感謝してるよ。色んな所に行って、二人で遊んだよね……近頃、なんか今までの事が全部思い返されてくるよ……」 「そうなんだ……」 悟史は私の記憶に無い思い出をたくさん伝えてきた。そこに私との思い出は一切無い。私はもう感じ取ってしまった。もう悟史の中に自分はいない。詩音しかいないのだと。それぐらいこの悟史との会話は決定的な物だった。 「……魅音? 聞いてる?」 「…………聞こえてるよ。悟史の話した私との思い出……全部……」 こみ上げる悲しみを忍び、声を震わせないように言った。 「それでさ、魅音。また一つだけお願いがあるんだ」 「……待って悟史」 私は悟史の言葉を止めた。 「……私の事……好き?」 「……うん、……好きだよ。どうしたんだい魅音? このまえ興宮で何度も聞いてきたのに……」 そんなことを聞いて私はどうするつもりだったのだろうか。悟史から聞くことのできた好きという言葉。好きという言葉を、悟史の声を私は聞きたかったのかもしれない。それが私ではなく詩音に向けられていた物だったとしても。 「あのさ……今ちょっと、急用あってさ、後で掛け直させてくんない? 5分後ぐらいには、またこっちから掛けるからさ」 「5分だね……できるだけ急いでくれないかな。物を頼みながらこんな事言って申し訳ないけど」 「もしもし、詩音?」 私は詩音に電話を掛けた。悟史のことを話すと声色を変えて飛び付いてきた。 「悟史君がどうかしたんですか? もしもし、お姉?」 「……うん。悟史から電話があって私に話したいことがあるって。多分詩音に向けての頼み事だと思ったから掛け直すって悟史に伝えた」 詩音に悟史の家の電話番号を言い掛け直すように伝える。 「わかりました、今から電話します」 「待って……あのさ……詩音……」 私の瞳に涙が溜まっていくのがわかる。唇をくっと噛み締め、震える声と体を必死に抑えながら私は言葉を紡いだ。 「もう、私の言葉は……もう」 ───嫌だ……言いたくない。これを伝えたらもう……悟史とは…… 悟史の笑顔が姿を結ぶ。幼い頃から過ごしてきた悟史の思い出が頭の中で浮かんでは消えていった。 「私の……言葉はもう悟史には……通じないから……さ……詩音の言葉ならきっと通じると思う……だから悟史の話を聞いてあげて……」 電話を終え受話器を置いた。同時に瞳からこらえていた涙が溢れるように流れてきた。そのまま地面に崩れ落ち嗚咽を漏らした。悟史への想いを自ら絶ってしまった私は、ただむせび泣く事しかできなかった。 突然だった。綿流しの祭りが終わって数日も経たずに悟史が消えた。 急な失踪に私はただ困惑するしかなかった。もちろん家族や組の者に行方を聞いたが誰も悟史の失踪について関わりを持つ者はいなかった。必死になって私も調べたのだが行方は今でも知れない。オヤシロ様の崇りに遭ったからと村の人間は言っていた。 そんな中で詩音の荒れ様は凄まじかった。自棄になって何度も私に当たってきた。 「あんたたち園崎家が悟史君を疎ましく思って消したんでしょう!! 何とか答えなさいよ、悟史君を返しなさいよ。ねえ、お姉!!」 私の気持ちなど微塵も考えない詩音に対して私は気付くと声を荒げていた。初めて妹に憎しみを抱いた瞬間だった。 「詩音のバカ!! 私だって悟史を……悟史のことを……」 涙を隠すためその場から逃げるように私は疾走した。 ───悟史……どうして……いなくなったの……? いなくなった悟史を追い求めるように涙を流しながら私は懸命に地面を駆けていた。私の心の中にあった悟史の居場所には、ただ空っぽの宙空が広がっているだけだった。 「よう! 魅音。今日も元気か?」 教室にいた私に向かって元気な声が響く。 「おはよう! 圭ちゃん。今日も朝から元気だねえ」 圭ちゃんの活発な姿を見るとこっちまで元気付けられてしまう。 前原圭一こと圭ちゃんは雛見沢に最近引っ越してきた男子で快活で明るい性格の持ち主で悟史とは違ったベクトルで場を和ませる面白いやつだ。 「ねえ圭ちゃん、今日の宿題ってこれであってるかな」 圭ちゃんに今日の宿題の答え合わせをしてもらう。 「おお、全部合ってるぜ、魅音。よくがんばったな」 圭ちゃんが私の頭を撫でた。悟史とは違って髪形が崩れてしまうぐらいに強く撫でてくれる。 荒々しさの中に長い間感じていなかった温もりがあった。 「……圭ちゃん……」 私は圭ちゃんに好意を抱いているのではないかと思う。 でも違う。それは違う。多分私は、悟史の代わりを圭ちゃんに見出しているのだ。 消えることの無い悟史の気持ちを圭ちゃんにダブらせて求めようとしていた。 悟史の代わりを求めるために好意を抱いたことを口に出せば、最悪の人間だと誰もが私を罵っていくだろう。そんなことは無いと、必死に自分に言い聞かせて圭ちゃんに振舞うことを何度も試みた。でも駄目だった。悟史の代わりとしか考えることができないのだ。 悟史から抱かれたときに感じた熱さと痛みを、圭ちゃんに追い求めようとしている自分がいる。 空っぽになった心の中の宙空。かつて悟史のいたその場所に圭ちゃんを重ね合わせようとしている。屈託のない圭ちゃんの笑顔を私は見つめた。 「圭ちゃん……ごめんね」 やっぱり悟史への思いが忘れられそうにないんだ fin -
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鬼隠シ れ~ぷ注意 鬼隠し編の圭一が詩音を知らないのは一体どうして? いつ彼女と出会ったのかは知らない。 友達がある日二人に分裂したなんてわけの分からない解釈が一番しっくりくる。 一人は学校に。一人は興宮に。 最初は偶に話が噛み合わないだけだった。 いつからかそれは些細な違和感を育んで分裂した。 もしかしたらただの二重人格なのかもしれない。見た目で見分ける方法はなかった。 口癖、話題、仕草。ほんの一瞬の違いで分裂して、僕の前に現れる。 「私、缶詰だけは苦手なんですよ。…何笑ってるんですか!?真剣なんですよ!?」 興宮に来ることが多くなったのに気づいたのはつい最近だった。 興宮に来れば家から逃げられる。沙都子から逃げられる。魅音に会える。 「ありがとう魅音。魅音がいると買い物が本当に楽で助かるよ」 「悟史くん。…もしかしておじさんが見つけるの狙って公園にいません?」 「…むぅ。そんなことないよ」でも半分ぐらい正解。 どう言えばいいかわからないから、頭を撫でて伝える。 僕が頭を撫でると魅音はとても嬉しそうな顔をする。 それが嬉しいから僕もよく魅音の頭を撫でる。 人の頭を撫でる癖は沙都子のせいですっかり身についた。 我侭を言ったり、駄々をこねたり、泣き止まなかったり、そんな時に便利だったから。 大人との付き合い方しかまともに分からない僕は、 いつの間にか自分より少しでも小さい相手にはそれでしかコミュニケーションを取れなくなっていた。 「さ~とっしくん♪」「…むぅ…」 でも、僕の頭を撫でるのはたった一人だけ。それは些細で、大きな違和感。 悟史くんの事を知れば知るほどに私の心臓は締め上げられる。 苦しむ彼の手助けなど私には出来ないことは明白だった。 園崎詩音。何も出来ない詩音。私なんて、寺の中で息を潜める事すら出来なかったのだ。 全身に湧き上がる憎悪感は時折不快なデジャブを伴う。 「ねぇ詩音どうしたの?何があったのさ?なんでそんなに悟史のこと聞きたがるの?」 「別に良いじゃないですか。単に娯楽がなくて退屈してるだけです」 これは俗に言う第六感的な覚醒だろうか? 悟史くんに更なる不幸が襲う予感。…私には…何も出来ないのか。 「…わかってるよね?婆っちゃが詩音のこと睨んでるって。私何回言った?」 「……上等じゃないですか。次の綿流しで消えるのは私かもしれませんね」 「なんで…そんなこと言うのさ…」 私に出来ることを教えて欲しい。そのヒントすら私の目の前には姿を見せない。 仮に私が園崎家に間引かれることがあっても、その先に悟史くんの笑顔があるなら構わない。 「………悟史…最近バイトばっかりしてるよ」 「バイト?…悟史くんが?」 悟史くんの家はあまり裕福な環境でもないことは既に聞いていた。 でも悟史くん本人から金に困ったような話は一度も聞いた例がない。 「沙都子のためだよ。綿流しの何日か後が誕生日でね。縫いぐるみを渡したいんだって」 悟史くん…。何考えてるの。そんな余裕なんてないぐらい追い詰められてるくせに…。 「興宮のおもちゃ屋でさ、でっかい熊の縫いぐるみ置いてある店見たことない?」 縫いぐるみって言うのは見た目の割りに結構値の張る物だ。 大きい物になればなるほど、子供の手に負えるような買い物ではなくなる。 今頃から綿流しまでの日数で考えれば…最悪…小遣い稼ぎのレベルじゃ間に合わないだろう。 「お姉ぇ。伝言頼まれてください。明日すぐに伝えて、返事も出来るだけ早く私に連絡してください」 案の定、悟史くんは予約することも思いつかずに、 いつ買われるかという不安でいっぱいだったらしい。 バイトの帰りにわざわざおもちゃ屋まで寄って見に行くというのだから可愛すぎる。 悟史くんの代わりに予約しとこうと試みたが、どうもあの店のじいさんはボケてて話にならない。 できれば避けたかったのだが、私は葛西に借金をすることにした。 私がぬいぐるみを購入しておいて、彼の給料日まで預かっておけば、 もしそれが些細なものであっても、彼の不安に貢献することができる。 「えっと、これで…足りるかな?」 「給料袋そのまま持ってきたんですか~!?本当、変な所は豪快なんだから」 中身を確認して電卓を取る。 日ごろ小銭を貰わない様にしてたのが仇に成るかと思ったが、ラッキーなことにお釣は丁度用意できた。 「こんな高い物預かってもらってごめんね。大変じゃなかった?」 「あはは、まぁ資金はちょっと借りちゃったんですけどね~」 悟史くんにお釣を渡すと彼は確認もせずにお財布に入れてしまった。 お人よしというか…無用心というか…相変わらず彼らしい。 ………綿流しの日の叔母殺しは…やはり彼ではないのだろうか。 魅音からは彼がずっと険悪な顔をしていると聞いていた。 今日の彼の軽やかな笑顔を見ていると、一件で落ち着いてるのは明らかに見える。 「あ、良かったら車でおうちまで送ります。それ自転車じゃ持って帰れませんよ」 「むぅ…そっか…うっかりしてたよ」 葛西の出で立ちを見て悟史くんは一瞬吃驚していたようだった。…無理もない。 「彼は葛西です。私のボディーガードみたいなもんで、縫いぐるみのお金も彼に借りたんですよ」 縫いぐるみの一件の協力者と聞いて安心はしたらしいが、 ボディーガードという部分がよくわからないようだ。 雛見沢に入る直前の山道で葛西は車を止める。 「悟史くん…あの…少し、お話したいことがあるんです」 葛西は大きく咳払いをして車のラジオをつけた。 ここから先、葛西は何も聞かない。何も見ない。 「ん?どうしたの魅音?」 「ちょっと、外でお話できますか?」 車から悟史くんを連れ出して葛西には何も知られないように林の奥へ進む。 私の今までの行動は、明らかに、園崎本家の逆燐に触れるものだ。 今年のオヤシロ様の祟りは既に下された。なのに鬼隠しはまだ、実行された様子がない。 私は本気で、鬼隠しを恐れ始めていた。 園崎の名を穢す者を、例のオヤシロ様が見過ごすものだろうか。 私がもし、鬼隠しにあったら。それは他の鬼隠しとは全く違う。 私の存在そのものが鬼隠しされるのだ。 だから、せめて、……。 「私、魅音じゃないんです」 「…え?」 「魅音の双子の妹の、詩音です。…ずっと魅音のフリしてました」 「………」 悟史くんは黙り込んでしまった。 まぁ普通の人間ならいきなり双子で~すとか言われても混乱する。 「うち、決まりがあるんです。双子が生まれるのは好ましくないことだって。 だから、私がいるのって不都合で…村の方では私のこと、お年寄りぐらいしか知りません」 「………」 「ただ…、悟史くんには私のこと…知ってもらいたくて…ひゃっ」 悟史くんの暖かい手が私の頭を撫でた。 「しおんって言うんだ…えっと、こんにちわ」 悟史くんの笑顔が眩しい。この笑顔のためだったんなら、もう鬼隠しだって怖くない。 「名前、どう書くの?」「詩を詠むの詩に、音です」「良い名前だね」 「会ったのは、いつ頃?」「あの、不良に絡まれてた時の…」「あぁ…、そっか」 「ずっと、興宮に居たの?」「えっと、会う数日程前から、さっきのマンションに…」 魅音じゃなく、詩音として悟史くんと会話できる。 私が夢にまで見たことが今、目の前で起こっている…。 「前からちょっと変だとは思ってたんだ。でも、まさか双子だなんて考えもしなかったな」 「怒ってますか?…ずっと…騙してたこと」「…そんなの、怒ってないよ」 …良かった。悟史くんに嫌われなくて。本当に良かった。 「よくわからないけど、…おうちの決まりじゃ仕方ないよ。…詩音も…大変だったんだね」 「…でっでも、悟史くんが、いたから全然…………悟史…くん?」 悟史くんの表情がおかしい。 何かに怯えながら無理に笑顔を保とうとしている様な…。 「どうしたんですか、悟史くん」 「…詩音。…詩音は…知ってる?オヤシロ様の祟りのこと」 「お、オヤシロ様…ですか…。オヤシロ様がどうしたんですか悟史くん」 「最近、学校に転入してきた子がいてね…。聞いたんだ…その子に…」 …お姉ぇが確か前にそんな話をしていた。 竜宮レナとかいうちょっと変な子が、つい最近転入してきたと。 「足音が、一つ余計に…聞こえたら…オヤシロ様の祟りに遭う、前兆なんだって…」 オヤシロ様…ちょっと待って。竜宮レナは確か県外から引っ越してきたって…。 こんなど田舎でだけ信仰されているような神様の祟りの話なんて何故できるんだ。 「あ、足音の話なんて始めて聞きました…。最近出来た噂か何かですか?」 「実際に、あるんだって、オヤシロ様に後ろをついてこられたことが」 ………これはきっと悟史くんが一生懸命捻り出した冗談か何かだ。 私は笑い飛ばせばいい。 こわ~いっとかきゃーっとか黄色い声でも上げて笑ってあげるべきなんだ。 「ずっとつけられてるんだ…。僕も。」 「………さ、悟史…くんが?」 「足音が、一つ余計に…聞こえて…。ぺたぺた、ひたひた、近づいて、来るんだ。…オヤシロ様が」 ………悟史くんがそんなに嘘が上手い人だとは思えない…。 「……僕も、消されるのかな…?」「なっ!?何いってるんですか!?そんな…わけ……」 確かに悟史くんの両親はオヤシロ様の祟りに遭っている。 ダム建設に賛成してたとかいう程度の理由で。 でも悟史くんは別に、オヤシロ様に祟られるようなことは何一つしてないはずじゃないか…? 彼は雛見沢にずっと住んでいる。 私なんかとは違って何かのルールとか決まりを自分で破ろうとする人でもないだろう。 …彼がダム賛成派の子供だから?…そんな、そんな程度の理由でなんて、……ありえない。 「詩音…。もし……もし僕が…消されたら……その時は、…さ…沙都子を………」 「なっ何してるんですか悟史くんッ!!?血が!!」 悟史くんの腕が真っ赤になっていることに気づく。一体いつの間に? 藪の中で何かが刺さったのか、と一瞬思った。……違う。 悟史くんが自分の手で、爪で、自分の腕を引っ掻いていた。一体、何だこれは…!? 「……沙都子……妹が…一人になっちゃうから……沙都子のこと………」 血が出てるのに、指先まで真っ赤になってるのに、悟史くんは止めてくれない。 「何してるんですか!?痒いんですか!?掻いちゃ駄目!血が!血がぁ…ッ!!」 思わず飛び出して静止させようとしがみ付く。 彼の手が腕から離れるのを見て、私は安堵の息をついたのに………。 その手は、悟史くんの首筋に…。そんなとこから出血したら、どうなる?どうなる!? 「駄目ええぇェッ!!!!!」 悟史くんの首を両手で守る。 彼の爪が手の甲に食い込んで激痛が走ったけれど、そんなことどうだって良い。 この手を離したら悟史くんが…! 「………信じてたのに」 え…?今の声、誰の…………。 「ぃぐああッ!!!……なっ…ぁ…」 信じられない、バットも満足に持ち運び出来ない彼の腕が私を投げ飛ばしたことが。 信じられない、彼の口から罵倒の言葉が飛び出してることが。 信じられない、………彼の暖かい手が…振り飛ばすために…私の頭に触れたことが…。 「みんな僕達を虐めて、沙都子まで…、魅音まで…、……お前までええぇッ!!!!!」 踏みつけられる。蹴り上げられる。殴り飛ばされる。 視界がぐるぐる回って余計に理解力が働かない。 「悟史くんどうしたの!?お願い止めて!止めて!!私が何かしたの!?何で!?何でッ!!」 叫んでも返ってくるのは意味のわからない言葉ばかりで、その全部が胸の奥まで傷つけようとする。 悟史くんの手が触れて、私の心が一瞬安らいだのに、その手は私の髪を引っ張り上げて、突き落とした。 今、こいつは何をしようとした……。 間違いなく僕は絞め殺されるところだった……。 こんなことが有り得るのだろうか?……何をまた甘いことを言ってるんだろう。 あの園崎家なら、高々子供一人二人が相手でも徹底的に苛め抜くことが出来るんだ。 ……双子っていうのは多分、本当だろう。そう考えれば色々な部分で辻褄が合う。 打ち明けたのは、僕が不審に思っていることにでも勘付いたからだろうか…。 騙してたことを怒ってないか、なんて…白々しい……ッ!! ………全部僕を、苦しめるための芝居だったのか。 どんな時も笑顔で笑いかけてくれたことも、毎週毎週応援しに来てくれていたことも、 楽しく買い物をしたことも、面白がって僕の頭を撫でてくれたことも、 全部、嘘だったのか。 気を失った詩音の顔を見入る。冷淡な友人と不思議なぐらい全く同じ顔。 まだ呼吸はしてる……目が覚めたら、また僕を殺そうとするのかな…。 …多分そうだ。こんな姿でもあの園崎魅音の妹なんだ。 僕一人殺すぐらい容易いような教育は受けてるんだろう。 「………詩音。もし、僕に北条の苗字がなかったら…もう一度買い物を手伝ってくれるかな?」 答えが返ってこない事を嘆くべきなのか喜ぶべきなのか、わからない。 「君がいないと、ブロッコリーとカリフラワーを間違えてまた怒られちゃうんだ」 どうすれば良いのか、わらない。 いつもみたいにそっと頭を撫でてみるけど、ちっとも彼女は喜んでくれなかった。 「缶詰コーナーには行かないって約束するよ。だから…」 僕の手には、彼女の真っ赤な血しか残らない。 ………。クールになれ…。 どうせもう僕は戻れない。人を一人殴り殺して。今度は少女を殴って蹴って気絶させた。 ……そうだ…、今僕は初めて優位な状況にいる。そして、どう足掻いたって、僕は消されるんだ。 傷だらけになった体を正面へ寝返らせて、少し血の滲んだ唇に口をつける。 彼女に拒否権なんてない。復讐だから。 穢れた北条の手で、汚してやる。一生拭い切れない傷を園崎へ植え付けてやる…。 「……さようなら、詩音」 血の染みたセーターを剥ぎ取る。痣と擦り傷だらけになった体に感じる罪悪感。 幸い彼女の立派な胸は大した傷を受けなかったようだ。 欲望のままに掴んで齧り付く。想像してた以上の感触で僕の体は興奮することが出来た。 邪魔な服を捨てながら傷から染み出る血を舐め取とる。 鉄の味が咥内を刺激する。柔らかくて少し苦い体。 こんなに綺麗な肌をした女の子が、人を殺そうとするなんて今でも信じられない。 傷口に舌を這わせると体が一瞬震えたように見えたが目は覚まさないらしい。 弱い気持ちを捻じ伏せ、詩音の足を持ち上げてベルトに手を掛ける。 こんな場所に入るんだろうか。…凄く、痛いんじゃないだろうか。 出来れば今すぐ目を覚まして、僕を殺してくれないだろうか……。 濡れていないその場所は重ねるだけでも感覚を呼ぶ。 先端を銜え込ませるだけでも十分過ぎる程の刺激。彼女の体が無意識のまま強張った。 先走りを促してから、勢いをつけて捻り込む。 詩音の中はただ僕を拒絶しようと躍起になっている。 「う…ッ…くぁ…………ぃ…おん」 想像を絶する痛みと快楽に意識が溺れていく。 打ち所が悪かったのか、詩音は体中をびくつかせて痛みを訴えているのに目を覚ませない様だ。 幾つかの感情の対象を屈服させる震えが、胸の奥の野獣を呼び覚まさせた。 このまま僕を拒絶し続けていればいい。そうしていればすぐに終わらせてあげる。 もう、戻れない。僕の帰る場所はもう、何処にも残ってなんかいないんだ。 私、眠ってたのか。ここはどこだろ。意識が朦朧とする。 林の中…私…変なところで寝てるな……あははは……。 誰かの吐息ガ聞こえる。私はその主を目に入れて、愕然とするしかなかった。 後頭部と体中の激痛が戻ってくるのと同時に、全く別の、信じられない痛みが私の体に訪れる。 「……ぁ…ぅぁ…さ、さとしくん………んなっ……」 恐る恐る、その場所へ目線を動かすと、私の嫌な予感は……見事に、的中していた。 「…ぁああ!!いやあぁ!!!いやああアァアアッ!!」 見間違いなんかじゃなかった。幻でもなんでもない。間違いなく、彼のものが私の中に…。 「はなしてええぇ!!!痛いの!!いたいのさとしくんッ!!おねがっ…うぅう!!」 泣いても叫んでも喚いても、息を荒げて衝き上げられるだけ。 信じられない、こんなの悟史くんじゃない!!知らない人なんだ!! 「あぁっ…いやあああ…いやああ!!…ぃぁああッ…」 好きだから、それを望んでこなかったわけじゃない。 でも、こんなのは決して望んでなんていない。 もっと幸せで、甘くて、素敵なものが良かった。ずっと、忘れたくなくなるような…。 「ぇぐっ…いや…ぁ…いや…うぅううっ…くぅっ」 痛いって言葉が分からないのかな?嫌だって言葉がわからないのかな? …違う。その言葉は、悟史くんが今までずっと呟いてきた言葉なんだ。 妹の世話を押し付けられて、大人と子供の間に挟まれて、 なのに、誰もその言葉を聞いてあげなかった…!聞こえてたのに!! 「ぅぐぁあぁぅっ…うぅっ…くっ…ううぅっ…」 ごめんなさい。何も出来なくて。私は何もして上げられなかった。 私に悟史くんを責める権利なんてない。ごめんなさい。 今私が感じてる痛みなんて、今まで悟史くんが感じてきた痛みに比べればなんて軽いんだろう。 動きは激しくなって、衝撃はどんどん鋭さを増す。耐えるよ、悟史くん。だから、だから…。 「…っひぅぐぅう…!!!…ぅ…」 中で…ひくひくして…いっぱい……。 これは、涙だよね。悟史くん、ずっと我慢してたんだもんね。 うん、いいよ。いっぱいだして、いいよ。まだ足りないなら、何回でもいいから。 だから、いっぱい泣いたら、…全部終わったら…、また笑って撫でて欲しいな。 絶対に、絶対に最後まで忘れないから…。 「……さと…くん………だい………す……き………」 カレンダーを見つめる。今日が、沙都子の誕生日。 何度目になるかわからない今日を、ささやかにワインとショートケーキで祝う。 明日は一人きりになった沙都子を、いつものように迎えに行かなければ。 皮肉だ。沙都子が子供から成長する日が沙都子にとって絶望的な一日だなんて。 ずっと兄に甘えてきた彼女のツケを、彼女は最悪な形で払わなければいけない。 「…梨花……」「…何よ、もう終わった?」 人がお祝いをしてるというのに、この神様は本当に空気の読めない奴だ。 陰気臭い顔のせいで折角のワインも台無しじゃないか。 「この世界は…もう…いらないのです……」 「あら、今回はまた落ち込んでるわねぇ?どうしたのよ、まさか悟史が解剖でもされちゃった~?」 なんて笑えない冗談。こんな冗談言わせやがって。 ケーキはお預けにして、後でキムチでも食べるか。 「詩音が、死にました」 ………何を言ってるんだこいつは。意味のわからないことをぬかすんじゃない。 詩音が死んだって?…だって、今日は……まさかそんな…あの詩音が、今日、死んだだと…? 「悟史が、詩音を殺しました。…悟史は…その後山狗が見つけて捕まえて…、いつもと同じなのです…」 「何よそれ!!何なの!?どうして詩音が悟史に殺されなきゃいけないの!?どうして!?」 だって、そりゃ、詩音は嫌なやつだけど…よりにもよって悟史が……!? 羽入の顔はいつになく青い。きっとろくでもない殺し方をされたんだろう。聞きたくもない。 「……そうね、…もうこの世界に用なんてないわ」 万が一生き残れても、悟史が帰ってこなければ沙都子は永遠に苦しむことになる。 でも、もしこれで悟史が帰ってきたら、………悟史はまともでいられるのかしら? 見所と言ったら、詩音がいなくなったらとうとうあの魅音が発症するかしら、なんて所ぐらいね。 「詩音は、きっと最初からいなかったことになりますのです。…あうあうあう」 ……明日は沙都子を迎えに行こう。この雛見沢はもう、いらない。 fin -
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「はぁ…はぁ、はっ…、け、圭ちゃん…ごめんなさい…もう少しでいいですから…、はぁ…我慢して下さい…、お願い、お願いします」 身体が異常に火照っていた。 俺は、汗まみれの身体をやっぱり汗まみれの詩音の背中に擦り付けてしまいそうになりながら、必死で身体を支えた。 頭がクラクラする、それはきっと汗と詩音の身体から発せられている獣みたいな匂いのせいだと思った、いつもはとてもいい匂いがする詩音の身体が、今は動物みたいに野性的で官能的とも言える香りを発している。 背中がとても熱い、それはきっとこんなに可愛い女の子と、こんなにくっついてしまっているからで、それはきっと… ここが、こたつの、中、だからだ。 始まりは、冬の雛見沢だった。 雛見沢での初めての冬に、俺は悲しいまで惨敗を喫していた…。 身体が、まだまるで寒さに慣れなくて、家でも部活でも登下校中でも俺はただひたすらにがたがた震えているだけだった。 そんな俺を見かねた魅音は、俺にこういってくれたのだった。 うちにもう誰も使ってないこたつがあるから、よかったらもってく?、と。 俺は歓喜した、何故なら俺の部屋には暖房器具というものが無かったから。 しかし、折り悪くその日、魅音は用事が出来てしまって家を夜まで空けなくてはいけないらしい。 でも取りに来てくれるのは構わないよというので、雪がゴウゴウと降る中、俺は少し首をかしげながら魅音の家の物置に向かったら、そこにいたのは、こたつで蜜柑を食べながら、はろろーんと悪戯そうに頬笑む魅音の双子の妹だった。 そこからの事はあまりよくは憶えていない。 二人でいつも通りにじゃれあっていたと思っていたら、魅音の婆さんの声が聞こえてきて血相を変えた詩音に、こたつの中に引きずり込まれたのだった。 そして俺達は閉じ込められてしまったんだ、この、こたつに。 閉じ込められたというのは、どうも物置の中に置いてあった色んなものが、こたつの上や回りに雪崩の様に落ちてきたからの様だった。 というのは、俺達はこたつの中に埋もれきってしまってるから、外の様子がまるで分からないからで、俺は仰向けになった詩音の上に四つんばいを崩したような体勢で、もうずっと動けないでいる。 魅音の婆さんは、ひとしきり魅音を探すと諦めたのか、また何処かに行ってしまった。 それから二人で何とかここから抜け出そうとしてみたもののこたつは、まるでぴくりとも動きもせずに、布も何かに押さえつけられてるのか、全く動きそうも無かった。 問題はいくつもあった。 まずいくら冬とはいえ、こたつの中というのは、相当に熱くて俺達はお互い汗をだらだらだらだらとかきながら、半ば意識朦朧となりかけていた。 …そして、もう一つの問題は互い違いの体勢のせいで、俺は詩音の露になっている太腿と汗にまみれて透けそうになっている薄い緑色の下着を目の前にしている事だ。 それまで一度もそんな風にして見た事のないその場所は酷く肉感的だった。 俺が無理に四つんばいの体勢になっているのも、このせいだ、何もしないでいたら俺は詩音の大事な場所に顔を密着させてしまうのだから。 …俺だって年頃の男なんだから、本当はそうしてしまいたい、詩音の白い太腿に顔を埋めて、まるで変態みたいに大切な所に顔を近付けてみたい。 でも俺は男だから、そして詩音を何だかんだと言っても本当に大切な仲間だと思っていたから、逆にそんな事は絶対出来ないと思ったのだ。 詩音が言うには、魅音が帰ってくるのは夜の8時を回るらしい。 それまでまだまだ時間はあるのに、俺は無理な体勢がたたってフラフラとするぐらい、意識が朦朧とし始めていた。 幸い空気は、僅かな冷気と共に隙間から入ってきて、そのおかげで俺は、もうボロボロだけれど、何とか体勢を保てていた。 異変に気付いた、いや、気付かれてしまったのは詩音の方にだった。 「…圭ちゃん、もしかして……」 詩音の手の動きに気付けなかったのは、意識が朦朧としていたからとは言っても、やはり最悪のミスだった。 「圭ちゃん、あんた…いつからこんな…何でこんな無理してるんですかっ!」 詩音の手が俺の腰を触ると、俺は酷くヒリヒリした痛みと共に腰をびくんと震わせてしまった。 無理に四つんばいになっていたせいで、俺の腰と背中はこたつの発熱する部分にずっと当たってしまって、少しだけ火傷に近い状態になってしまっていたのだ。 詩音の指が、俺の腰をはい回る度に俺の身体はびくんびくんと震えてしまう。 「や、やめてくれ、詩音、大丈夫だから、本当に大丈夫だから、頼む、やめてくれよ…頼む」 …その時、俺は酷く哀れっぽい声を出していたと思う。 だってこのままでは気付かれてしまうと思ったから。 「…熱っ、ズボンの金具が…圭ちゃん、そんな事言ってる場合じゃないんです、自分で分かるでしょう…?」 そんなのは最初から分かってるんだよっ、と言いたくなるのを必死でこらえた。 でもそれよりも怖い事があるから…だからこうやって頼んでるんじゃねぇか…詩音…。 詩音が、俺のズボンに手をかけたのが分かった。 俺は必死に暴れた、今、そんな事されたら…俺はっ! 「やめろ、やめてくれっ、詩音っ、頼むから…」 「暴れないで下さいっ、暴れるなっ!前原圭一っ!…いいじゃないですか、どうせさっきから私のは見てるんですからお互い様です…、そういう事なんでしょう?」 そうだっ、そうなんだけど違う…、違うんだよ、詩音… 詩音は、中々外せない金具にイライラしている様だった。 ふいに詩音の手がズボンから離れた。 そして腰の後ろに回される。 ズボンに吐きかけられる詩音の吐息が少しだけ強まった気がした。 「やめろ…何して、詩音、何する、うっ…」 ジッパーが、少しだけ、開いた。 詩音の熱い息が、強くなった気がした。 く、口で、開けてる…? 俺は身をよじって、必死に拒絶しようとした。 なのに詩音は信じられないぐらい強い力で腰を抑えつけると、更にジッパーを開いていく。 「あ…あ…あ…あああ…」 もう間に合わない…。 身体から力が抜けていく。 気付かれてしまう、これだけは、隠しておきたかったのに…。 そして俺は、自分のこれ以上ないぐらい勃起してしまったものが、戒めを解かれて、柔らかい何かに触れたのを感じた、感じてしまった。 これ、詩音の…顔だ…。 それを考えてしまった瞬間、俺のソレはびくんと震えて、背中にぞくぞくするような快感が奔った。 俺はもう何も言えなかった。 自分を最低だと思った。 仲間だの何だの言いながら、下着を見ただけでこんなになってしまった、こんな状況で。 それだけならまだしも今、こうして詩音の顔に自分の汚いモノを擦り付けたと思っただけでこんなに気持ちいいと思ってしまっている。 …本当に、最低だ。 詩音が、何ていうのかが怖かった。 何となじられても仕方のない事をしているのに、やっぱりそれは怖かった。 怒られて、口を聞いてももらえなくなるんだろうか…、それとも気まずくなって段々と疎遠になってしまうんだろうか… とても、怖い。 ふいに背中に手を回されるのを感じた。 擦られるように優しく背中を撫でてくれている。 「…詩音?」 俺の声は少し震えていたと思う。 「…大丈夫ですよ、圭ちゃん、私は気にしません、だから圭ちゃんもそんなに気に咎めないで下さい」 その詩音の声は今まで聞いた事なかったぐらい、優しくてあたたかくて、俺は汗とも涙とも分からないものをぼろぼろと流した。 詩音に、そう言ってもらえてひとしきり泣いたけど、やっぱり結局事態は解決してなかった。 一向に治まりを見せない俺の一物は、詩音の頬と口にぺたーっとくっつけられたままだったし、腰を持たれてる事で俺の顔は更に詩音の下腹部に近づいて余計に興奮してしまうという事もあった。 「なあ、詩音…やっぱり少し離れるよ、マズイってこのままじゃ…」 相変わらず詩音の顔は見えない。 「…あのですね、圭ちゃん、本当にそれで私が嬉しいと思いますか、自分は何もないのに圭ちゃんにだけ火傷させて」 詩音の言葉は、本当にいつになく優しい。 「…いや、別にだからって男の子のこれ、押しつけられて嬉しいって訳じゃないんですけどね、アハ、ハハハ…」 そう言って詩音は、けだるげに笑った。 そう言えば、俺も何だか全身熱っぽくてやけにだるい気がする…。 何というか…身体に力が入らなくて何だか頭がぼんやりする。 …当たり前か、こたつの中にこんなに長い時間いる事なんて普通あり得ない。 呼吸が鈍くなっているのが分かる、俺も詩音も小さく息を吸って、また小さく吐く。 「…にしても、これ、痛くないんですか?、こんなんなっちゃってますけど…」 それは余りにも唐突だったから、俺は一瞬何の事を言ってるのか分からなかった。 「い、いきなり何言いだすんだよ!」 「…いや、だって全然小さくならないですし…、ぴちぴちで痛くならないんですかねー、って…」 …正直にいうと、今までにないぐらい、痛いぐらいに勃起していた。 全身がだるい中、その部分だけがまるで神経剥き出しになってるみたいに敏感になってる気がする。 理由は、詩音、だ。 正確には、詩音という女の子だと思う。 今までの人生でこんな風に長い時間、女の子と全身が密着するぐらいくっついていた事なんてなかった。 おまけに、それは控え目に見ても相当の美少女で、普段は絶対に見れないような部分まで目の前にあるのだ。 視覚が詩音の柔らかそうな太腿と隠されている下着の部分を捉えている。 触覚が詩音の身体の女の子らしい柔らかさと鼓動を感じている。 聴覚が詩音のけだるげな呼吸と僅かな衣擦れの音を聞き取っている。 嗅覚が俺と詩音のが交じりあった獣みたいな汗の匂いと僅かに残った爽やかな匂いの趾を感じている。 俺は、詩音を大事な仲間だと思っている。 だからこんなのを感じたい訳じゃない、大事な仲間をそんな目で見たいわけじゃない! なのに、身体は少しも言う事を聞いてくれなくて全身が詩音を女だと感じて。 理性だけがそれにあらがっているのに、ゆっくりまるで溶けていく様に何もかもが朧気になっていってしまっている。 …俺は、詩音を仲間だと思っているのに。 だから俺は、その質問にあえて答えないで黙っている事にした。 後になって考えたら、あの質問は俺が泣いてしまったせいで沈んだ空気を詩音なりに戻してくれようとしたんじゃないかな、と思った。 でもこの時はそんな事を考えもしなかった。 けだるい沈黙と空気が、しばらく漂った後、ふいに詩音が大きく溜め息をついた。 俺は緊張しきった自分のモノに、ふいに熱い吐息が吹き掛けられたのを感じて、思わずびくんとそれを震わせてしまった。 …詩音の吐息が、一瞬途絶えた気がした。 しばらくしてもう一度、同じ場所に息を吹き掛けられる、今度はもっと強く! 袋の部分が縮み上がって、竿がびくびくっと震えた。 背筋がぞくぞくして、腰の奥がきゅっと疼くような感覚。 「……そっかぁ、分かりました、圭ちゃん…痛いんじゃなくて…」 …敏感ニナッテルンデスネ? そう言って詩音が嗤った気がした。 俺のモノに更に息が吹き掛けられる。 激しく柔らかく色んな部分に、まるで試す様に。 俺はもう言葉も発する事が出来なくて、まるで呻き声みたいな喘ぎを繰り返すだけになっている。 熱さでぼんやりしてる頭に気持ち良さだけが伝わって、まるで自分が白痴になったみたいだった。 「…圭ぇちゃんのこれ…、面白いです…、男の子って皆、こうなんですか…?」 詩音の声が甘ったるく聞こえたその瞬間、モノを細くて柔らかい何かが大量に撫でていく。 下半身全体に蟻が這っているような痺れを感じて、腰が砕けそうになった。 「…やっぱり髪でも気持ちいいんですね、圭ちゃんのさっきからびくびく震えてます…」 詩音の声はまるで子供みたいに甘くてとろけそうにも聞こえた。 「…しおっ、詩音…やめ、やめてっ…」 何かが崩れていた。 それが怖くて、俺は懇願するように詩音に何回も呼び掛ける。 でも詩音は止めてはくれない。 髪で俺のアレの全てをくすぐる様に撫で回してくる…。 腰が無意識にかくかくと動いて、きっと詩音の肌なんだろう何か柔らかいものにぶつかっていた。 「…?圭ちゃんのから何か…出てきました、…これが…精子ってヤツ…ですか?」 先走りだ、と俺は頭の中でだけ思った、言葉にする余裕はとても無かった。 詩音の動きが止まる。 俺はそれを望んでいた筈なのに、その瞬間、憶えたのは気が狂いそうなぐらいの焦燥感だった。 次の瞬間、何かヌメヌメして温かいモノに俺のが触れているのを感じた。 さっきよりも強い刺激が俺の傘の部分全体を這い回っていた。 …これ…、舌…だ… 詩音が俺のを舐めている、そう、頭が理解した瞬間、腕が勝手に詩音の腰を抱き締め始めて、足が詩音の身体に巻き付き始める。 腰が不器用な前後を繰り返して、詩音の舌が色んな場所に当たるのを感じた。 身体が何かを吐き出したがっていた。 でもまるで何かに遮られるようなもどかしい感じがして、ぼんやりした頭の中がそれだけに埋められていた。 ふいに目の前にあるモノを理解した。 詩音の薄い緑色の下着の向こう側にあるモノの事を考えた。 …構わないよな? 頭の中で何かに問い掛けた。 …もう構わないよな? …もう我慢できなくても仕方がないよな? 頭が自然にその場所に近づいた。 そして詩音の下着の部分に大きな染みと、肌色の何かが透けてみえた瞬間、俺は理性を手放して思わずその場所に吸い付いてしまっていた。 口を付けた瞬間、感じたのは布を舐めた時のすべすべした感じと強い塩気だった。 詩音の身体が大きく痙攣するみたいに動いた。 「やっ、いやです、圭ぇちゃん、あっ、あっ、あっ、きたっ、汚いですっ、そんなとこっ!」 詩音が自分の事を棚に上げて何か言っていたけど、俺の頭にはよく分からなかった。 背中と腰が、まるでトイレを我慢している時みたいに何かに駆り立てられていて、俺はそれを堪える為に必死でただ目の前の部分を吸い続けていた。 詩音の足がぐにゃぐにゃとくすぐられてる時みたいに膝と膝を擦り合わせながら動いていて、口からは短い悲鳴みたいな声とだめといやという言葉がもどかしげに発せられていた。 息苦しくなってそこから口を離す。 ハアハアとまるで全力疾走した後みたいな息が出て、もう出尽くしたと思っていた汗がだらだら出てくる。 詩音の足が、力が抜けたみたいに床に落ちた。 気が付いたら、詩音の呼吸も俺みたいに荒くなってハアハアと声が重なる様に聞こえてきた。 目の前がテレビに砂嵐が走るみたいになって、身体がフラフラしていた。 それなのに、身体は、まるで火が付いたみたいに盛って、消えそうにも無かった。 力が抜け切っている身体をまたゆっくり起こして、詩音のその部分に近付ける。 「……け、圭ちゃん、…だめ…だめです…」 詩音が、とても弱々しい声でだめと繰り返す、その声が聞こえていたのに、俺は止まれなかった、止まりたく、なかった。 「だめ…だめっ!ふあっ、あああああっ…」 詩音のその部分に、舌を這わせる。 ぐっしょりと濡れたその場所をぴちゃぴちゃと犬みたいに舐めた。 詩音が、甘ったるい鳴いてるみたいな声を出した。 構わず舌で濡れてる場所を舐めとるみたいにして、舌を動かし続ける。 足がまた痙攣するみたいに跳ねた。 …何だか身体の中の火が少し消えた気がした。 そのまま、しばらくは何にも言わずにただ舐め続けた。 詩音は途中で声も出せなくなったみたいで、時折、身体を跳ね上げながら、短い喘ぎをあげるだけになっていた。 詩音の秘められた部分は、自身から溢れた液体と俺の舌でべちょべちょになって、薄い肌色が透けて見える程で酷くエッチに見えた。 思わず息を飲み込む、少し震えてしまった。 見ているだけなのに、肩口が震えるぐらい、身体に快感が走って、俺のソレがびくびくと動いた。 訳が分からないぐらい、気持ち良かった。 「……圭ぇ、ちゃんの、また、出てる…」 詩音がまた甘いか細い声で、それを指摘した。 俺はそれを見せてしまっている事にすら、倒錯的な快感を得ていたと思う。 ふいに、ちゅという僅かな音と共にくすぐったいような感触を傘の頭に感じた。 「う、あっ…」 自分でも女の子みたいだ、と思えるような声が出た。 身体が跳ね上がる。 まるで温かいゼリーに指を突っ込んだみたいな感触が、指より遥かに敏感な部分に感じられて、俺はその頃になってようやくそこが詩音の口の中だというのを理解した。 ゆっくりと飲み込まれていくのと同時に、舌が俺の先端をくすぐってくる。 俺のまだ少しだけ被ってる皮が気になるらしい。 舌でいじくられる度に、ピリッとした痛みが襲ってくるのと一緒に今までにない強い快感が襲ってくるのが分かった。 息が、上手く、出来ない。 だから代わりに思いっきり詩音のその部分に吸い付いた。 詩音がくぐもった声をあげた。 俺のその部分に更にキツい痛みと快楽が走ったかと思うと、くるんとした感触が走った。 皮が、剥けた…? それは、今までに味わった事のない感覚だった。 まるでかさぶたを剥いだ内側に舌をあてられたみたいにキツすぎる快楽と痛みが同時に襲ってくる。 ここに至って、ようやく射精の兆候があった。 頭が焼け付いた様に、身体の中の何かを吐き出す事だけを求め始めていた。 俺は自分のそれが詩音の口の中にあるのを、理解しながら思わず反射的に腰を振っていた。 ようやく楽になれる… それだけを考えて、心臓がばくんばくんと動き始める。 腕が自然と詩音のその部分に動いていた。 そして下着を横にずらして直接吸い付こうとした、その瞬間、詩音が俺のモノから口を離した。 「やめっ…、やめてください、圭ちゃん…、お願いっ、…お願いしますっ…」 最初は、今更何を言うんだよと思った。 初めにこんな事始めたのはそっちじゃねぇかよと。 俺がやめてって言った時にやめてくれなかったのに、何で今更…と。 だから構わず、下着を横にズラした。 詩音は、圭ちゃん、圭ちゃんと甘ったるく繰り返しながら、ただ、やめてと口にした。 下着の内側の初めて見るその場所は、肌色の慎ましやかな外側の中に少しだけ大きく口を開いたピンク色の何かが覗いていた。 俺は、誘われる様に、そこに口を伸ばして… 「…ご、ごめんなさい、圭ちゃん…、でも、でも許して下さい…、お願いします…」 動けなくなった。 頭が、今更みたいにゆっくりと思考を始める。 今にも詩音に向かって、襲い掛かりでもしそうな身体を必死で抑える。 そして頭が最初に俺が、考えていた事を思い出した時に俺はもう動く事が出来なくなっていた。 だって、その詩音の声がまるで泣いてるみたいに聞こえたから。 身体の奥の深い部分が、まるで熱を出した時みたいに熱くなっていた。 止まれたのは奇跡に近かった。 全身が神経剥き出しになってるみたいに敏感になっていて、特に快感に対してはそれが著しかった。 詩音の息、肌の感覚、熱…それだけですら俺の身体に快感を与えてくれていた。 だからかも知れない、止められた事にほんの僅かに抵抗を覚えたのは。 最初に始めた詩音に対して今更になってどうして!という反感と、仲間である詩音にここまでやってしまったという後悔と、女の子である詩音を泣かせてしまった後味の悪さと。 その全てがぼんやりとした頭の中でぐるぐると廻るみたいに落ち着きなく動き回ってちっとも考えがまとまらなかった。 その詩音は、先程から身動き一つせずに深めの呼吸を繰り返していた。 時折、息を吐く時に詩音の身体がびくっと震えて、目の前に曝け出された肢体が震える度に俺は気が狂いそうな程の焦燥感に襲われた。 詩音は何を考えているんだろう…。 俺にはそれがまるで分からなくて、正直不安だった。 詩音の顔が見たいと思った。 せめて顔さえ見られれば、少しは色々な事が変わってくるのにと思って、自分に詩音の顔を見る勇気があるのかという事に気が付いて少し落ち込んだ。 もしかしたら無いかも知れない。 ふと、自分達が滑稽に思えた。 こんなに長い間、くっついてるのに、それと同じだけの時間、俺は詩音の顔を見ていない。 ふいに、詩音の身体がモゾモゾっと動いた。 剥き出しのままの俺のモノがなぞられて身体がびくんとしてしまう。 …どうした?と尋ねようとして喉に何かが絡まって上手く声が出せなかった。 俺からは詩音側が見えない。 何かを動かすような音が聞こえてきて、急に冷たい空気が俺の足を撫でた。 不謹慎だとは思ったが、タマがきゅっとなった。 「…圭ちゃん…、もしかしたら…ここから出られるかも…」 擦れたような詩音の声が聞こえてきて、さっきからそんなに時間が経ってないのに、俺はそれを聞くのが随分久し振りのような気がした。 ……待て、外…? 頭が急に冷静になるのと、同時に詩音の身体がゆっくり抜けていくのが分かった。 ……本当に? 詩音が抜けた隙間で、俺も身体を詩音側に向けると、詩音は身体を床に腹這いになって上半身を既にこたつの外に出していた。 慌てて後を追う。 と、隙間から詩音の後頭部の向こうから木の板みたいなのが見えた。 「…何だ、それ?」 思わず口から言葉が漏れた。 「…多分、鬼婆の衣装棚です…、これが上に乗っかってたんですね…」 頭にこの部屋に入った時に見た馬鹿デカくて偉く立派なタンスが浮かんだ。 …なるほど、そりゃ動けない筈だ…。 詩音の目の前にあるのは、あのタンスの引き出しの裏側なのだろう。 持ち上げようとしているみたいだが、中々動かせられないみたいだった。 だから俺は、詩音の上から身体を外に出しながらこう言ったんだ。 「詩音、俺がやってみるよ」 正直に言う。 俺は、この時、やっぱり少しだけは外に出るのを残念に思う気持ちはあったと思う。 …それでも、言い訳をさせてもらえるなら、この時に起きた事だけは俺の本意ではなかった事だけは分かってほしい。 クチュリ、と何かが粘ついたような音が聞こえた。 今更の様に、詩音がえ…あっと戸惑ったような声を出した。 詩音の尻の割れ目に、俺のモノがぴったりハマりこんでいた。 …俺のモノの上側は、何かヌルっとした液体に、濡れてしまっていた。 頭が冷水をかけられた様に冷静になり始めていた。 え、何で…という思いが一瞬、よぎった後に、下着で隠されていた詩音の大事な場所が、それを打ち消す様に脳裏に映し出された。 俺は半ば反射的に腰を退こうとして…、そのまま動けなくなった。 それは抗い難い誘惑だった。 詩音のその場所が、蜜の様に粘り気のある液体を俺のモノに塗しながら、僅かに吸い付く様にパクパクと動いていた。 引こうとする俺の動きで、妙に官能的に聞こえるクチュリという音が再び聞こえてきて、俺の背筋をゾクゾクとさせた。 相変わらず詩音の息は荒いハァハァという音を響かせていて、俺の目の前にある首筋は汗に濡れて少しほつれた髪の毛の間からほんのり赤く染まった肌を覗かせていた。 詩音がほんの僅かだけ振り向く。 その目は、まるで俺に何かを哀願しているみたいで、それで俺はもう止まれなくなった。 詩音の入り口に擦り付ける様にしながら、下半身をゆっくり前後に動かすと、ニチャアと粘液がとろけたような音が聞こえて、俺のモノに自分で慰めている時とは比べられない程の快楽が走った。 「やっ…、圭ぇちゃ…、駄目っ、駄目です…」 詩音は首を振りながら、やけに擦れた色っぽい声をあげて、俺を止めようとしてきたけど……こんなの止まれる訳ないじゃねぇか! 普段仲良くしてる友達の見てはいけない表情を見て、しかもそんな顔をさせているのは、俺自身だった。 それに…それに! 詩音だって感じてるじゃねぇかッッッ!!! 俺は答えずに、詩音の身体をぎゅっと掴むと、詩音のその部分にもっと押し付ける様にして、さっきよりもっと深く突きこんでいく。 グチュウとイヤらしい音が響いて、詩音が身体をガクガクっと震わせ、声にならない悲鳴をあげた。 「……―――――…っふぁあぁ……んンンっ…」 その声が微かに甘いのを聞いて、俺は確信した。 詩音も、感じてる…ッ。 もう、止まれない。 腰が勝手に加速していく。 その度に粘ついた音は激しさを増して、詩音から溢れる液体もダラダラと量を増していく。 詩音は、耳まで真っ赤にして、頭を下げて必死で声を堪えている様だった。 それでも、時折、洩れる、その声が、俺の理性を、更に、甘く、溶かしていく…ッ! 気付けば、俺も詩音も折角炬燵から半身を出す事が出来たのに、中にいた時と同じぐらい汗をだらだらとかいていた。 気が狂ってしまいそうな程、詩音と敏感な部分を擦り合わせたけど…それでも、まだ、全然、足りない。 身体の中で欲望が燃えたぎっていて、それを詩音の中に吐き出したくて仕方なかった。 …けど、だけど、それだけは駄目だと、頭の中で何かが告げていた。 それだけはやってしまってはもう自分にも言い訳が出来ない。 …でも、もう身体に抑えが効かなかった。 無意識の内に身体が詩音のその部分に近づいていってしまう。 でも、詩音は、きっと今までの行為だって望んだ訳じゃなくて仕方なしにだったのだろうけど、それだけは許してくれなかった。 「はぁ…はぁ…だめ、圭ちゃ…、それだけは、だめ、です…」 そう言って身をよじって、僅かにでも俺から身体を離そうとする。 どうしてどうしてどうしてどうして…… ドウシテッ!? 俺をこんな風にしておいてどうして今更こんな… 俺のちんちんは、今までなった事もないぐらい緊張仕切って痛いぐらい張り詰めてた。 詩音のあそこから粘ついた液体が出てくるのと同じように先走りが止まらなくて、堪えきれなくて腰が自然とかくかくと動くけど、詩音がよけるから、どうしても膣内に入れなくて。 ただどうしようもないぐらいイヤらしく聞こえるニチャニチャという音が酷く大きく聞こえた。 「……詩音、頼む、お願いだ…お願いだから入れさせてくれよ…、頼む、頼むから…」 久し振りに出た自分の声は、酷く擦れて哀れっぽく聞こえた。 喉が粘つく。 詩音が、少しだけ、こちらを見た。 詩音も何かを必死で堪えているような顔をしている気がした。 「…だめです、だめなんです、圭ちゃん…、だって、これは事故、でしょう?」 だから、だめです、と詩音はやけに途切れ途切れに喋った。 何故だか胸がカッと熱くなって、俺は半ば腰を叩きつける様にして詩音の部分に擦り付けた。 詩音が一瞬、大きく仰け反って声になってない声を洩らし、次に何かから顔を隠す様に縮こまった。 その何かを守るような姿勢を見た途端、俺の胸が酷く切なくなって目から何か熱いものが零れた。 そして俺の口は、俺が意識しないままに、とんでもない言葉を発していた。 「でも、俺、詩音が好きなんだっ……」 何故か頭の片隅が今更の様に冷静になった。 <続く>
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コロコロコミックシリーズリンク 小学館のコロコロコミック系雑誌連載作品の単独ゲーム化作品群の一覧。 単独作品(50音順) 評価対象外 ホビータイアップ漫画 デュエル・マスターズシリーズ ビーダマンシリーズ ベイブレードシリーズ 関連作品 関連シリーズ 単独作品(50音順) ゲーム化が多数行われている漫画作品は個別のシリーズページへ独立しているため、ページ下部を参照 機種 タイトル 概要 判定 おぼっちゃまくん PCE おぼっちゃまくん 茶魔語満載のアクションゲーム。キャラゲーとしての出来は上々。 なし FC おぼっちゃまくん ボードゲームで世界を回り、御嬢沙麻代のキッスをモノにすることができるか。 良 学級王ヤマザキ GB/GBC 学級王ヤマザキ ゲームボーイ版 DC 学級王ヤマザキ ヤマザキ王国大フン争 機獣新世紀ZOIDS ゾイドシリーズ(『ゾイド 邪神復活! ~ジェノブレイカー編~』のみ『機獣新世紀ZOIDS』のキャラが主要人物として登場。) コロッケ! GBA コロッケ! 夢のバンカーサバイバル! PS コロッケ! 禁断の禁貨ボックス! GBA コロッケ!2 闇のバンクとバン 女王 (クイーン) コロッケ!3 グラニュー王国の謎 PS2/GC コロッケ! バン 王 (キング)の危機を救え GBA コロッケ!4 バンクの森の 守護神 (まもりがみ) コロッケ!Great 時空の冒険者 DS コロッケ!DS 天空の勇者たち 絶体絶命でんぢゃらすじーさんシリーズ 絶体絶命でんぢゃらすじーさんシリーズ ドラベース ドラえもん超野球外伝 DS ドラベース ドラマチック・スタジアム ドラえもん超野球外伝 ドラベースの雰囲気を楽しむ工夫こそ随所に見られるが、総合的な完成度は低め。 ク ドラベース2 熱闘ウルトラスタジアム 野球・演出ともに原作再現度が高い、汚名返上の続編。 良 爆走兄弟レッツ ゴー!!シリーズ ミニ四駆シリーズ ペンギンの問題 DS ペンギンの問題 最強ペンギン伝説! 開発がコナミである事からかシステム面では『悪魔城ドラキュラ』シリーズと類似する(*1)。 ペンギンの問題X 天空の7戦士 前作と同様『悪魔城ドラキュラ』シリーズと類似するシステムは健在。 ペン1グランプリ ペンギンの問題スペシャル ペンギンの問題 ザ・ワールド 3DS ペンギンの問題 ザ・ウォーズ ペンギンの問題+ 爆勝!ルーレットバトル!! 炎の闘球児 ドッジ弾平 FC 炎の闘球児 ドッジ弾平 アクションではなく『キャプテン翼』のようなスポーツシミュレーション。 GB 炎の闘球児 ドッジ弾平 スーパードッジがお手軽に。炎のシュートを習得せよ! なし MD 炎の闘球児 ドッジ弾平 SFC 炎の闘球児 ドッジ弾平 GG 炎の闘球児 ドッジ弾平 PCE 炎の闘球児 ドッジ弾平 FC 炎の闘球児 ドッジ弾平 2 「コロゲープロジェクト」関連作品 Switch カブトクワガタ DL専売。 『甲虫王者ムシキング』の開発者である植村比呂志による作品。 圧巻の甲虫グラフィックと合成音声フルボイス仕様が織りなす逸品。 バカゲー カブトクワガタ デラックス DLCとして配信されたムシ10体を収録したパッケージ版。 ぶっとバード DL専売。 2024年9月19日以降記事作成可能。 その他の作品 GBC うちゅう人田中太郎で RPGツクールGB2 『ツクール』シリーズと『うちゅう人 田中太郎』のタイアップ作品。 3DS 怪盗ジョーカー 時を超える怪盗と失われた宝石 FCD かっとび!童児 カード野球ゲーム。運要素が絡むが、全体としては可も不可もない出来。 なし GB グランダー武蔵 RV (レボリューション) 釣り漫画のゲーム化。GB本体に付属のリールを取り付けるという無茶な体感ゲーム。 DS ケシカスくん バトルカスティバル 吹き飛ばし ケシまくりなアクションゲーム。メインモードはボリューム不足だが、カスチュームはいっぱい用意されているぞ! なし GB 超速スピナー ヨーヨー漫画のゲーム化。時間内に正確にコマンドを入力して技を完成させる。 FC つるピカハゲ丸 めざせ!つるセコの証 各地で起こるやりとりはまさにバカゲーだが、アクションもパンチが効いた難易度。 不安定 DS ド根性小学生 ボン・ビー太 裸の頂上ケツ戦!! ビー太 vs ドクロでい! 「ここまでおバカな原作再現やっちゃっていいの!?」 by 委員長 バカゲー PS ノベルズ ゲームセンターあらしR 『ゲームセンターあらし』がメインと思いきやオムニバスサウンドノベル。しかも、肝心の『ゲームセンターあらし』シナリオは隠しシナリオ扱い。 なし 3DS 100%パスカル先生 完璧 (パーフェクト)ペイントボンバーズ 漫画では『スプラトゥーン』のパクリと自らネタにしていたが実際はかなり違うゲーム。 Switch みんなで空気読み。コロコロコミックVer. コロコロコミック読みますか?それとも空気読みますか? 『空気読み。』シリーズとコロコロコミックのコラボ作品。創刊46周年にして初のコロコロコミックオールスターゲームでもある。 なし GBA 友情のビクトリーゴール 4V4嵐 Switch ロジカル 真王 (シンキング) DL専売。 コロコロコミック発のボードゲームのコンシューマ版。 評価対象外 うごくマンガ デジコロシリーズ 3DSで配信された電子書籍ソフト。『でんじゃらすじーさん』『ケシカスくん』の2種類が配信され、アニメーションで動くマンガを楽しめる。 ホビータイアップ漫画 ホビータイアップ漫画が原作のゲーム作品シリーズ。 デュエル・マスターズシリーズ 機種 タイトル 概要 判定 デュエル・マスターズ GBA デュエル・マスターズ DM-01~DM-04の全カードを収録。 GC デュエル・マスターズ 熱闘!バトルアリーナ DM-01~DM-04の全カードを収録。 GBA デュエル・マスターズ2 インビンシブル・アドバンス DM-01~DM-06の全カードを収録。ゲームオリジナルカードも収録するようになり、GBA版プレイヤーには有名な《ガルベリアス・ドラゴン》も今作で初登場。システム周りは快適だが、ストーリーは致命的なまでに薄い。 デュエル・マスターズ2 切札勝舞Ver. 前作発売から僅か4ヵ月で世に出た、ほぼ主人公を変えただけのマイナーチェンジ版。 デュエル・マスターズ3 DM-06~DM-09の全カードと、それ以前の一部カードを収録。ゲームオリジナルカードに、きわめて強力なものが多い。 PS2 デュエル・マスターズ ~ 邪封超龍転生 (バース・オブ・スーパードラゴン)~ DM-06~DM-12の全カードと、それ以前の一部カードを収録。伝説となった禁止カード《無双竜機ボルバルザーク》を無規制で使えるゲームとしても有名。 Android/iOS エントリーゲート オブ ドラゴンサーガ 完全無料・DL専売。2014年のカードが収録された入門用ソフト。現在は配信終了。 Switch/Android/iOS デュエマであそぼう! 基本プレイ無料・DL専売。ルールを学べる販促ソフト。現在は配信終了。 デュエマであそぼう! 2022 基本プレイ無料・DL専売。前作の後継を担う販促ソフト。 デュエマであそぼう!!! 基本プレイ無料・DL専売。 ビーダマンシリーズ 機種 タイトル 概要 判定 爆球連発!!スーパービーダマン GB スーパービーダマン ファイティングフェニックス SFC 爆球連発!!スーパービーダマン ボンバーマン型のビーダマンも使用可能。 N64 スーパービーダマン バトルフェニックス64 GBC 爆球連発!!スーパービーダマン 激誕!ライジングヴァルキリー!! B- 伝説 (レジェンド)! バトルビーダマン GBA B-伝説! バトルビーダマン ~燃えろ!ビー魂!!~ B-伝説! バトルビーダマン ファイヤースピリッツ 炎魂 キャップ革命 ボトルマン Switch ボトルマン デジタル対戦セット DL専売。「BOT-04 ボトルマン デジタル対戦セット」に付属するソフト。 ボトルマン デジタルスキルチェッカー DL専売。「BOT-12 コーラマル GOLD」に付属するソフト。 ベイブレードシリーズ 機種 タイトル 概要 判定 爆転シュート ベイブレード GBC 次世代ベーゴマバトル ベイブレード ベイブレード FIGHTING TOURNAMENT 爆転シュート ベイブレード GBA 爆転シュート ベイブレード 激闘!最強ブレーダー PS 爆転シュート ベイブレード ベイバトルトーナメント クソゲーをファンの元へ…ゴー、シュート!! ク GBA 爆転シュートベイブレード2002 いくぜ!爆闘!超磁力バトル PS 爆転シュート ベイブレード2002 ベイバトルトーナメント2 GBA 爆転シュートベイブレード2002 激戦!チームバトル!!青龍の章-タカオ編- / 黄龍の章-ダイチ編- GC 爆転シュート ベイブレード2002 熱闘!マグネタッグバトル AC トップブレードV 韓国でのみ発売。 GBA Beyblade V-Force 日本未発売。 Beyblade G-Revolution メタルファイト ベイブレード DS メタルファイト ベイブレード Wii メタルファイト ベイブレード ガチンコスタジアム DS メタルファイト ベイブレード 爆誕!サイバーペガシス メタルファイト ベイブレード 爆神スサノオ襲来! PSP メタルファイト ベイブレード ポータブル 超絶転生!バルカンホルセウス DS メタルファイト ベイブレード 頂上決戦!ビッグバン・ブレーダーズ 3DS メタルファイト ベイブレード 4D×ZEROG アルティメットトーナメント ベイブレードバースト 3DS ベイブレードバースト ベイブレードバースト ベイロガープラス パズル DL専売。基本プレイ無料。 ベイブレードバースト ゴッド Switch ベイブレードバースト バトルゼロ 関連作品 『じーさん』等個別ページがある作品とだけコラボしているものは、その個別ページにて記載。 機種 タイトル 概要 判定 AC イナズマイレブンAC ドリームバトル 『ケシカスくん』の主人公ケシカスくんがコラボ参戦。 Switch 御伽活劇 豆狸のバケル ~オラクル祭太郎の祭難!!~ コロコロコミックとのコラボステージ「コロコロ島」や連載作品に関連するアイテムが登場。 PS2 サルゲッチュ2 本誌連載のタイアップ漫画『サルゲッチュ ウキウキ大作戦!』をおまけ要素として作中に収録。 良 Switch スーパー野田ゲーWORLD コロコロコミック編集部がクラウドファンディングに出資している。コロコロコミックのマスコットキャラクター「コロドラゴン」が登場。 良* WiiU スーパーマリオメーカー 『スーパーマリオくん』のマリオがキャラマリオとして登場。 良 スプラトゥーン コロコロコミックとコラボしたブキ「スプラローラーコロコロ」が登場。 良 Switch スプラトゥーン2 コミカライズ版に登場したオリジナルギアが本誌付録としてゲーム本編で入手可能。 良 GBC ぞくぞくヒーローズ キャラデザ担当の樫本氏の縁もあり、紙面でも大きくタイアップされた。作中にはアイテムとして「コロコロコミック」が登場。 良 Switch 釣りスピリッツ 釣って遊べる水族館 コミカライズ版の主人公の衣装やコロコロコミックとタイアップしたアバターアイテムが登場。 PS2/GC ドリームミックスTV ワールドファイターズ 『爆転シュート ベイブレード』の主人公木ノ宮タカオが参戦。 なし SFC バーコードバトラー戦記 スーパー戦士出撃せよ! 『バーコードバトラー』連動ソフト。隠しアイテム『コロコロミサイル』が存在。 ク FC バーコードワールド 『バーコードバトラー』連動ソフト。コロコロ誌上でキャラ名の公募が行われた。 ク 3DS パズドラクロス 神の章/龍の章 『ウソツキ!ゴクオーくん』『ケシカスくん』『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』『100%パスカル先生』とのコラボダンジョンを配信。 良 ヒーローバンク コロコロコミックとコラボしたヒーロー着の「マンガーディアン」と『怪盗ジョーカー』の主人公が登場。 バカゲー ヒーローバンク2 企業コラボヒーロー着としてコロコロコミックとコラボした「ゲキガーディアン」が登場。 良 PS2/GC ボンバーマンランド2 ~ゲーム史上最大のテーマパーク~ コミカライズ版の作者をモチーフにした「むさボン」が登場。 良 AC モンスター烈伝 オレカバトル 『ウソツキ!ゴクオーくん』『ゾゾゾ ゾンビ~くん』『100%パスカル先生』の各作品主人公がコラボ参戦。 良 SFC ライブ・ア・ライブ スクウェアと小学館のタッグによるオムニバスRPG。キャラクターデザイナーの一人に『おぼっちゃまくん』の作者の小林よしのり氏がいる。発売前にコロコロコミック誌上でゲーム制作に至るまでの連載特集が組まれた。 良 チョコボシリーズ 主に『チョコボの不思議なダンジョン2』の世界観をベースとした『チョコボのふしぎものがたり』が連載された。また、漫画とは別に、『チョコボレーシング』では誌面上でタイムアタック企画も行われた。 ポケットモンスターシリーズ 『赤・緑』時代から特集記事が組まれ続け、コミカライズ作品が幾度も連載されるなども含めた手厚いタイアップが行われている。「『青』の応募者全員サービス」「『DP』『剣盾』の技名公募」「『ORAS』の体験版ダウンロードコードが付録」「『XY』以降は限定ポケモンのシリアルコードが付録」など本誌とゲームが密接に関わる企画も多数実施された。 モンスターハンターシリーズ 『MH3G』『MH4』『MH4G』『MHX』『MHXX』『アイルー村G』『アイルー村DX』で、複数回コラボを実施(*2)。 ロックマンエグゼシリーズ 『2』以降、本誌で公募されたネットナビがゲームに登場。また、『3BLACK』の応募者全員サービスも行われた。 関連シリーズ ドラえもんシリーズ 藤子不二雄シリーズ 少年サンデーシリーズ - 同じく小学館の漫画雑誌関連タイトル。
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ベルンカステルの背理 「また来年の綿流しの日に、ここへ来るよ」 赤坂は私の頭を撫でながらそう言った。 「……」 私は黙ったまま、そっぽを向く。 「どうしたの、梨花ちゃん?」 赤坂がいぶかる。 「私、もう来年には高校生よ」 「……何か気に障ったかな?」 私は赤坂の顔を見上げた。 「別に……赤坂のせいじゃないけど……」 そう。赤坂のせいではなく、私が勝手にむくれているだけだ。 頭に乗せられた赤坂の手。 彼に触れられるのは心地よいし、少しでも長く触れられていたいと思う。けれども、幼 子にするかのように頭を撫でられると、少し悲しくなってしまう。 何年たってもお子様扱い。もう「にぱー」だとか「みー」だとか、あえて稚気を装った 言葉を口にしなくてもいいくらいに背も伸びたし、沙都子には敵わないが胸だってそれな りに大きくなったのだから、一人の女性として見て欲しいと思う――そう思うのは、裏を 返せば、私が赤坂を一人の男性として意識しているからなのだが。 そんなことを考えていると、 「ああ、そうか。ごめんね。そうだよね、もう気安く触れるのは良くないね」 と、赤坂がまったく的外れなことを言い、私の頭から手をどけてしまう。触れるのが良 くないのではなく、触れ方が良くなくて私がむくれていることに、彼は気付いてくれない。 「あ……」 赤坂の手の感触が去ってゆくのに未練を感じながらも、私は何も言うことが出来ず、再 び視線をそらしてしまった。 「本当にすまない」 無駄なまでに誠実さを感じさせる口調で、彼は謝罪する。 「じゃあ、もう行くよ。またね」 そう言って赤坂は、背を向けて歩き始めてしまった。彼の背中を見た途端、激しい後悔 が私を苛む。何か大切なものにひびが入ってしまったような、そんな気がした。 違うのに……。そうじゃないのに……。 遠くなってゆく背中を見ながら、私は胸の中でそう言い続けた。 赤坂と気まずい別れ方をした綿流しの日から、一年が経った。 綿流し前日の深夜。 私は布団の中で、自分の身体を慰めていた。 シャツをたくし上げ、露になった胸の先端を左手で転がしたり軽く摘んだりする。下着ま で脱いで、遮る物が何一つなくなった陰部を右手が弄る。 全身は汗ばみ、息が荒くなっている。時折、足が生まれたての子鹿のようにガクガクと震 えてしまう。 「ああ…っ!」 不意に大きく喘いでしまう。右手の人差し指が、あずきのように膨らんだ突起へ触れたか らだ。すでに内股にまで愛液が滴っている。ひょっとしたら、シーツにも染みを作っている かも知れない。 「……っ」 私は、中指をおずおずと自身の中へと忍び込ませた。少し進入させた所で一旦指を止め、 指先をかすかに動かし、指の腹で軽く押すように天井を刺激する。 「あ……う……」 段々と中指の動きに遠慮がなくなってくる。さっきまで慎ましく、軽く押すような動きを していた指は、いつの間にか、くじるような恥知らずな動きをしている。すでに左手も乳首 を弄うのを止め、股間へと伸びて来て陰核を撫で回していた。 中指が動くたび、納豆をかき混ぜるような音がしてしまい、羞恥で頬や耳が熱くなってし まう。でも、指を止めることが出来ない。恥ずかしいと思うのと反比例するかのように、た だただ指はその動きを速め、荒げてゆく。 段々と身体の芯が痺れたような感覚に見舞われる。幼子がイヤイヤをするように頭を振って しまう。放っておくと叫びそうになってしまうので、シーツを噛んで声を抑えた。それでも唇 の端から、声が漏れ出てしまう。 「ぁ……か……さか」 あかさか――赤坂。 漏れ出る声は、その名を呼んでいる。ことの始めから、頭の中には赤坂がいた。 彼が、私の身体へ快感を与えてゆくというふしだらな光景。この身勝手な光景を、私は今ま でに何度もリピートした。そして、同じ数だけ自慰に耽ってしまっている。 「……っ!」 やがて、終わりが訪れる。身体の節々に力が入る。全身が小刻みに震える。赤坂のこと以外、 何も考えられなくなってしまう……。 月明かりの薄暗い部屋の中、しかも目を閉じているはずなのに、眩しいような不可思議な感 覚と、身体の中心から波紋のように広がってゆく甘くてむず痒いような刺激に、全身が翻弄さ れる。 ややあって、身体の力が抜けた。同時に、倦怠感と空虚感、そして罪悪感のようなものが全 身を覆い始めた。いつものことだと思いながらも、這い上がるようにやって来るやるせなさに、 心が慣れることはない。 身体を仰向けたまま、頭だけを窓へ向けた。 銀色に光る月が、暗い空に浮かんでいる。 その月を見ているうちに、何とも言えない淋しさが胸に満ちてくる。 赤坂を……想う。表情や仕草、優しげな眼差しや声は、造作もなく脳裏に思い浮かべること ができる。だが同時に、その仕草や声が、私一人のものには決してならないという現実が目の 前に立ちはだかる。 彼には、雪絵という愛する妻がいる。実際に会ったことはないが、一度だけ赤坂に写真を見 せてもらったことがある。美しくて優しそうで、なおかつ聡明そうな女性に見えた。彼の惚気っ ぷりからしても、二人の間には入り込む隙間などないように感じた。 考えてみれば皮肉なものだ。かつて私は、雪絵に迫る危険を赤坂に教え、それにより雪絵は 命を落とさずにすんだ。 もしも……もしも私が黙っていれば、雪絵はこの世におらず、赤坂は一人になっていたはず なのだ。そうなったら私が――思考が奇妙に捩れてゆく。 そこまで考えて、大きなため息をついた。 この「もしも」はそもそも成立しようがない。 なぜなら、雪絵が死んでしまっていたら、今日の私が存在しえないからだ。昭和58年6月 の迷宮を抜け出し、赤坂に想いを寄せる今の私が存在できるのは、雪絵が生きているからこそ である。 だが、その雪絵の存在が、今の私を苦しめる。 私が脳内で赤坂にされたことを、いやそれ以上のことを雪絵は現実の中でしてもらっている に決まっている。相思相愛の成熟した男女、ましてや夫婦なのだから、そんなことは自明の理 だと理解はしている。理解はしているが、胸が詰まるような感覚をなだめることが出来ない。 気が付けば、眦から熱い雫がこぼれ、頬を濡らしていた。 最近、こんなことばかり繰り返している。赤坂を想い、自慰に耽り、雪絵に対して不穏な気 持ちを抱き、最後に枕を涙で濡らす。まるで昭和58年の6月に捕らえられていた時のように、 何度も同じことを繰り返している。 どうしたらいいのか、私には分からない。分からないままに流されては、不埒な快感に溺れ、 淋しさを消そうとあがき、そして結局それは成功しなくて、最後は涙で締めくくる羽目になっ てしまう。 胸が締め付けられる。 また、涙がこぼれ出る。 赤坂……会いたい……。 声にならない声で私は言い、そっと涙を指で拭った。 綿流し当日。 昨夜の不埒な夜更かしのせいで、私は少し寝坊してしまった。のろのろと布団から出て顔を洗 うと鏡台の前に座り、化粧を始める。余り濃くならないように注意する。 最後に鏡台の引き出しの中から、紅皿を取り出した。蓋を開けて小指に紅をつけて唇へ塗る。別 にリップタイプの口紅でも構わないのだが、何となく演舞をする日だけはこの方法で口紅をつける ことにしている。 化粧を済ませると、巫女の装束に着替えた。そして髪を丁寧に梳かし、赤と白の組紐と紫色の金襴 で飾り付けられた絵元結(えもとゆい)という髪留めで髪を一つに結わく。 身支度を終えると、私は大きなため息をついた。 もうじき、赤坂がやってくる。 一年振りの再会――でも、どんな顔で会えばいいのか分からない。何を話せばいいのかもよく分か らない。そもそも、私は一体どうしたいのだろう――それが一番分からない。 もやもやとした気分のまま家を出て、古手神社の境内へ入った。すでに境内は多くの人で賑わって いたが、私は何となく祭りを楽しむ気になれなかったので、そのまま村を一望出来る高台まで抜ける ことにした。あの景色を見れば、このもやもやとした気分も少しは晴れるかも知れない。 だが、私のそんな期待はあえなく打ち砕かれることになった。 高台には、先客がいた。 一組の男女が、村を見下ろしていた。 女の方はアンバーのワンピースを着ている。髪は肩口の辺りまで伸ばされており、全体的にすらり とした身体つきで、後姿からでも美人であることが十分に伺える。 女は隣に立つ男の左腕に、自分の右腕を絡ませていた。 隣の男は、ベージュのカジュアルジャケットにカーキ色のパンツという格好だった。ふと男が、女 の方へ顔を向けたので、横顔が見えた。その男が誰であるかを判別するのには、横顔だけでも十分だった。 赤坂、だ。 私の鼓動が、不自然な程に速くなる。一年ぶりの再会。ずっと会いたかった人が、近くにいる。 けれども……私は心の水面に細波が立つのを覚える。 その腕にくっついている女は……? その疑問に答えるかのように、女が顔を赤坂の方へ向け、私に横顔を見せる。こちらも横顔だけで 分かった――赤坂の妻、雪絵だった。 考えれば、いや考えなくても分かることだったはずだったのに。赤坂に妻がいるという現実を受け入 れたくない私の頭の中は、その存在を認めたがらなかったのだ。 雪絵が軽く頤をあげ、目を閉じる――接吻を、ねだっている。 赤坂は少々戸惑っていたようだが、ややあってゆっくりと顔を近付けた。二人の唇が触れ合う。 私の見ている前で。 心の何処か深い所で、亀裂の入るような音を聞いた。 その時、私の足元で、ざっ、という音がした。無意識の内に私は、地面を蹴っていたらしい。その音に 赤坂が気付き、慌てて顔を離してこちらを向いた。 赤坂は私の顔を見て驚いたような顔をしていたが、雪絵の方は、私に見られたことなどまったく意に介 していないように泰然自若としており、あまつさえ笑みすら浮かべていた。見られているのを知っていた かも知れない、と感じるほど雪絵は堂々としていた。 私は軽く睨むように雪絵の顔を見た――正妻の余裕? それとも赤坂の心の手綱を、完全に握っている という自負心の表れ? でもね、貴女は知っているかしら。長年愛用しているワイングラスでも、割れる 危うさを常に秘めているものなのよ。 「やあ、久しぶりだね」 赤坂の声は何処かうわずっているように聞こえた。 「紹介するよ。妻の――」 「妻の雪絵です」 赤坂の言葉を遮るかのように雪絵が言った。妻、という部分に殊更に力を入れたように、私には感じら れた。 「あなたが、梨花ちゃん――古手梨花ちゃんね。とても綺麗だわ」 「いえ……雪絵さんの方こそ、とても綺麗です」 私は『奥さんの方こそ』とは言わず、あえて『雪絵さんの方こそ』で通した。私の口からは意地でも奥 さんなどとは言いたくなかった。 「あら、お上手」 雪絵がにっこりと笑う。そして、聞いてもいないのに、 「娘を私の両親に預けて来たんですよ。衛さんと二人きりで旅行なんて、新婚旅行以来かしら」 などと、私の神経を逆撫でするようなことをのたまう。 「一度、見てみたいと思ってたの」 「雛見沢を、ですか?」 「いえ。あなたのことを」 雪絵の目が、半ばまで閉じられたようになる。 瞬間、雪絵の周囲の温度が、氷点下まで下がったように感じた。 「衛さんってば、毎年毎年雛見沢に来ているでしょう? そして、帰ってくる度にあなたの話をするの」 「お、おい雪絵……」 それまで地蔵のように黙り込んでいた赤坂が、及び腰ながらようやく口を開いた。だが、雪絵が半分 閉じたような目で一瞥をくれると、再び地蔵になってしまった。 「やれ梨花ちゃんの演舞が素敵だの、やれ巫女の衣装が似合ってるだの……聞いてないのに、自分から 話すのよ」 「妬いているのかしら?」 私は鼻で笑うように言って見せた。しかし、そんなことで逆上するような雪絵ではなかった。逆に、 「まさか。自分で言うのもおこがましいけれど……私、寛容ですから」 と言って、にっこりと花のように微笑んで見せた。しかし、私はその笑みに、おぞましさと得体の知れ ない不気味さしか感じない。 「衛さん」 私の方を見据えたまま、雪絵が赤坂に声を掛ける。 「な、なんだい?」 いきなり名を呼ばれ、まるで富竹のように赤坂が狼狽する。 「二人とも久しぶりの再会だから、積もる話しもあるでしょう。私は先にお祭りへ行ってますから、 せいぜい旧交でも暖めて下さいな」 「え? あ、ああ……」 「……私と赤坂、二人きりにしていいの?」 私が問うと、雪絵は先刻と同様に微笑んだ。 「私、寛容ですから。でも20分後には、私の所へ来てくださいね」 と赤坂に向かって静かに言うと、雪絵は境内の方へと行ってしまった。来てくださいね、と表面上 こそ穏やかなお願いの言葉だが、これは明らかに命令だった。 ……寛容、ね。とてもそうは見えないけれど。 後には呆然とした様子の赤坂と、胸中穏やかならぬ私が残された。 「何で黙ってばかりなのよ。徹甲弾って仇名は、羽を生やして何処かへ逃げてしまった?」 雪絵の姿が見えなくなると、私は軽く赤坂を睨んでそう言った。 「まあ……勘弁してくれないかな」 赤坂が苦笑して、私を見る。 「雪絵さん、疑ってるわよ。赤坂のこと」 「……そうみたいだね。何処をどうしたら、そういう勘ぐりがでてくるんだろうか」 赤坂は首を捻り、私はため息をついた――まったく男という生き物は。鈍感でいることに美徳でも感じ ているのだろうか。呆れてしまうくらいに女心に疎い。昔の圭一の姿が浮かぶ。 「疑われるだけの条件は揃っているわ。足繁く雛見沢に通って、聞かれてもいないのに他の女の話しばかりする」 「あ……」 赤坂が虚をつかれたような顔になる。 「でもそれだけじゃないわね、多分。何かもう一押しあったはず。去年帰ってからも、雪絵さんに私の話をした?」 「した……ね。ああ、そうだ。梨花ちゃんは覚えているかい? 去年、私が帰る時のやり取りを」 「……ええ。覚えているわ」 忘れる訳がない。 「頭を撫でたら『もう来年には高校生だ』と言われて、梨花ちゃんがご機嫌斜めになった話をした」 「それから?」 「でも『赤坂のせいじゃない』とも言われた、ということも雪絵に話した」 「……それよ」 私はため息をついた――まったく女という生き物は。鈍感であることに嫌悪でも感じているかのように やたらと鋭い。昔のレナの姿が思い出される。 雪絵は、赤坂のほんの少しの言葉の中から、私が女として、赤坂を意識していることを見抜いたのだ。 いや、見抜いたというより、直感的に感じ取ったのだろう。更に私が高校生になったのを知って、危機感 を募らせた。高校生ともなれば、精神的にはさておき、肉体的には成人した女とさほど差はない――いや、 差がない所か、肉体的に若い女の方が有利とも言える。 男は若い女の方が好き――とういうのが世間一般の共通認識だからだ。 そういう訳で、今回初めて赤坂について来たのだろう。 「一体、どういうことなんだい?」 「雪絵さんに悟られたわ……私が赤坂を好きだってことを」 思わず自分の気持ちを打ち明けてしまう。 「私も梨花ちゃんのことが好きだよ」 そう言って爽やかに赤坂が微笑むが、明らかに彼は、私が言う『好き』の意味をずれた形で受け止めて いる。赤坂の鈍さに腹が立ってくる。 「赤坂は……分かってない」 「どういうことだい?」 赤坂が不思議そうな顔をする。私はイライラしてきた。鈍いにも程がある。何故、ここまできて分から ないのだろうか。私が女としての好意を赤坂に抱いている、というのは雪絵の言動や話しの流れからして 容易に推察できるだろうに。 赤坂はまだ合点がいかない、という顔をしている。 そんな赤坂の顔を見ている内に、私の中で様々な想いが交錯し、ぶつかり合って、とうとう大きく爆ぜた。 「いい加減、気がついてよ!」 私は大きく叫び、赤坂の胸にすがりついていた。 もう、止まらなかった。堰を切ったように言葉が溢れ出してしまう。 「私は、貴方のことが好きなの! 一人の女として、貴方のことが好きなの! ずっと貴方を想ってた! 会えなくて淋しかった! 会いたかった! もう子供じゃない! 貴方を想って自分の身体を慰めもした!」 かなり恥ずかしいことまでぶちまけて、赤坂の顔を見上げる。涙で彼の顔の輪郭が滲む。 「梨花ちゃん……何を馬鹿な……」 赤坂が呆然としている。 「馬鹿だって知ってる、分かってる! 赤坂には雪絵さんがいるもの。でも、でも……それでも私は……!」 赤坂の両手が、私の両肩に静かに置かれた。触れられた部分から、全身に暖かいものが広がってゆく。膝が がくがくと震える。 「……! あ、あぅ。う、うそ……」 私は立っていられなくなって、赤坂に身を預けた。頬が熱くなり、呼吸と胸の鼓動が速くなってしまう。 「そ、そんな……」 今、自分の身に起こっていることが、信じられなかった。 軽くではあるが、オーガズムを迎えていた。肩に手を置かれているだけなのに……。 「あ、ああ……」 「ど、どうしたんだ! 梨花ちゃん!」 赤坂の慌てた声が、ぼんやりと聞こえる。 「大丈夫か!? しっかりして」 「……平気よ。ちょっと、イっちゃっただけ」 私は苦笑しながら、小声でそう言った。こんな時に、私ときたら――それだけ赤坂を求めていたということな のか。肩に、しかも布越しに触れられているだけでこんなになってしまうのなら、直接触れられたら、一体どう なってしまうのだろう。想像しただけで頭の芯が痺れてくる……。 「いやらしい雌猫」 突然、氷刃を思わせる声が聞こえ、私の不埒な想像を断ち切る。まったく気がつかなかったが、いつの間にか 雪絵がすぐ傍らに来ていたのだ。寛容だとか何とか言いながら、実は隠れて見ていたに違いない。 怒りを湛えた雪絵の顔は、般若の面を思わせた。そして、その般若が両手を伸ばし、私の首に手を掛け、華奢 な腕からは想像も出来ないような力で締め上げる。 「イったですって!? 人の夫を自慰の道具に使うなぁぁぁぁぁぁ!」 造作の整った顔を嫉妬で歪め、敵意剥き出しの声で雪絵が叫ぶ。 「ぐ……」 意識が遠くなる。雪絵やめるんだ、と言う赤坂の声が遠くに聞こえ、身体が左右に振られる。必死に雪絵の手 を解こうとするが、万力のように私の首を締める手はびくともしない。 ややあって私は、意識を失った――意識が飛ぶ寸前、雪絵の死んだような目と、何故か雪絵の背後で何かを言っ ている羽入の姿が見えた。 目が覚めると、ベッドの上だった。身を起こして辺りを見回すと、見覚えのある風景だった。どうやらここは入江診療所らしい。 首がひりひりとする。きっと雪絵に締め上げられたせいだろう。手を当てると包帯の感触がした。どうやら首に包帯が巻かれ ているらしい。私は首を軽く擦りながら、ベッドの端に腰を掛けた。 ドアの開く音がした。視線を巡らせると、入江と赤坂が部屋に入ってくるところだった。赤坂は私を見ると、足早に近づいてきた。 「梨花ちゃん、大丈夫かい?」 心配そうな顔で赤坂が聞いてくる。 「何とか、ね……。ところで雪絵さんは?」 私のその言葉に、赤坂が顔を曇らせる。 「今は別の部屋で眠っていますよ」 答え難そうな様子の赤坂の代わりに、入江が答えた。 「そう……。あの後一体どうなったの?」 「……どうやっても雪絵は手を離さなかった。仕方なく、首に当身を入れて失神させた」 赤坂の顔に苦悩と後悔が滲む。いかに私を助けるためとは言え、雪絵に手を上げたことを心底悔やんでいるのだろう。 「すごい力だったわ。それにあの表情……」 意識を失う直前に目にした光景が、頭の中に浮かぶ。雪絵の恐ろしく歪んだ顔に、死んだような目。そして何故か羽入の姿。 ここのところ、滅多に私の前に現れなくなった羽入が、何故いきなり出てくる? 「あれ……?」 何かが引っ掛かる。私は慌てて記憶を巻き戻す。羽入のところ、だ。 私が気を失う寸前、羽入は何か言葉を発していたが、 私には聞こえなかった。ただ、唇の動きは覚えている。私はそれを自分の唇で再現してみた。 ご…めん……な……さい。ごめ……なさ……い。ごめんなさい。 口に出して、私はぞっとした。まさか……! 「入江……まさか雪絵さん……雛見沢症候群が発症……したの?」 入江がなぜ分かったのか、という顔をして私を見た。 「赤坂さんから、雪絵さんの様子を聞きまして、念のためと思い検査をしてみました。ただL3とL4の中間くらい です。ワクチンの投与を続ければ、何とかなります」 何とかなる、と入江は言うが、雪絵がその身に爆弾を抱えてしまったことには変わりはない。 「そんな……どうして? 雪絵さんは今日初めて雛見沢に来たのでしょう?」 「私のせいだ……」 赤坂が苦しそうに言った。 「迂闊だった。私は頻繁に雛見沢に来ていたから……。私から雪絵に感染したんだ」 「ですが、感染しただけですぐに発症する訳ではありませんよ」 入江が合点がいかないという顔をする。 「精神的に不安定な状態、まあ一番良くないのは疑心暗鬼に陥ることなのですが……そういった状態にならないと おいそれと発症するものではありません」 「それも、私のせいだ」 赤坂のその言葉に、私は、はっとした。 「私は毎年、この時期になると雪絵が疑心暗鬼になってしまうようなストレスを与えていた」 「え? それはどういう――」 「入江。お願いだから、それは聞かないで」 思わず私の声が尖ってしまう。 「は、はあ……」 入江が口をつぐむ。 私はベッドから降りた。壁にかけてある時計に目をやる。もうじき演舞が始まる時間だ。 ――私が赤坂に近づこうとすればするほど、彼は遠ざかってゆく。赤坂を強く想えば想うほど、傍にいられなく なる。この背理に、私はなす術を持たない。無理に近寄れば、雪絵が壊れてしまう。そうなれば、赤坂も……。 赤坂が大事だというのなら、彼を悲しみの底へ沈めるようなことだけは、絶対にしてはならない。 「赤坂……」 「何だい、梨花ちゃん?」 「演舞を見て欲しい」 「……」 赤坂が困った顔をしている。雪絵を一人にしたくないのだろう。当然のことだ――でも、それでも私はあえて言う。 「最後の……お願い」 声が震えるのが分かる。 「……分かった」 ややあって、そう短く赤坂が答えた。 私はこの年の演舞を、きっと死ぬまで忘れることはないだろう。何年もこの演舞を行ってきたが、こんなにも 心の中が澄み切り、集中していたことは過去にない。 赤坂の記憶に焼き付けるためだけに、舞う。 きっと、もう会えないから。 せめて、記憶の片隅にだけでも、私を置いて欲しいから。 雪絵の症状をこれ以上酷くさせないためには――。 赤坂は二度と雛見沢に来てはならない。 古手梨花のことを口にしてもいけない。 古手梨花の影を感じさせてはならない。 雪絵にとって、雛見沢という土地と、私の存在は災厄でしかない。 今日を境に、私と雛見沢は生まれ変わらなければならない。 赤坂にとって、私と雛見沢は、触れてはならない禁忌へと生まれ変わらなければならない……。 演舞が、静かに終わった。 演舞が終わり、綿流しが始まる。 自分の罪を綿にのせ、川に流して許しを請う儀式。 私と赤坂は河原に立ち、村の人々が綿を次々に流してゆくのを眺めていた。 私と赤坂は、綿を手に持つことはしなかった。許しは得られても、罪がなくなる訳ではない。 「ここで、さよなら……しましょう」 川面を流れてゆく綿の群れを見ながら、私は告げた。 「私が言えたことではないけれど……奥さんを、どうかお大事に……」 「……うん」 どんな表情で赤坂が返事をしたか、私はあえて見なかった。今、顔を見たら、決意が挫けてしまうに違い なかった。 赤坂が背を向け、歩き出す。私は振り向いて、赤坂の背中を見つめた。 ゆっくりと、赤坂の背中が遠くなってゆく。 追いかけて、すがり付いて、その歩みを止めてしまいたい。 でも、それは許されないこと。 それは、私にだけ許されないこと……。 やがて、赤坂の背中が暗闇の中へ消えてゆく。 頬を、熱を帯びた雫が滑り降りた。 さようなら。 声にならない声で、私は呟いた。 -了ー
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詩音の顔が真っ青だ。ほんの数分前はいつもみたいにじゃれあって笑いあってたのに。 詩音に何があったのか、私には分からない。分かるわけない。 でも一つだけ私に分かるのは詩音が何かに怯えてるっていうことだけだった。 いつものように部屋で漫画を読んでいたらピンポーンと呼び鈴の鳴る音がした。葛西が何かの用件で訪ねて来たのかと思ってドアを開けてみたら、そこにいたのは私と瓜二つの容姿をもつ姉の魅音だった。 「ごめんね~詩音。いきなり来ちゃって。でもさ駅前の詩音が食べたがってたケーキ屋のケーキ買って来たんだよ。一緒に食べよ!」 「お姉単体ならお断りですが、ケーキも一緒なら話は別です。さ、上がって下さい。紅茶いれますよ。」 そうしてケーキを一緒に食べながら雑談に華を咲かせていたときだった。 「詩音。聞いて聞いて。私ねまた新しいスキル身につけたんだ!何だと思う?」 予想もつかない。 だって園崎家次期頭主としての修行で身につけたスキルはともかくお姉自身が趣味で身につけたスキルなんて今までろくなものがなかった。 「なんとなんと!マッサージのスキルなんだよ~。おじさんねー無駄に頑張ったんだからさー。ほらっ詩音そこに寝て!今からやってあげるからさ!」 そうして私はお姉の強引さになすすべなく、練習台とされたのだった。 最初は侮っていたお姉のマッサージの技術だけど、これはなかなか… 「さすが次期頭主ですねぇ。なんでも器用にこなしますね。感心します。」 「べっ別に。次期頭主だからとか関係ないじゃん!たださ、最近詩音バイト夜ばっかだし、沙都子の面倒みたりで疲れてるな~って思ったから体の疲れくらい和らげてあげたいなって思って」 お姉のこういう所が私は大好きだ。なんだか急にまだ私たち二人が幼かった頃に戻ったような気がした。回想に浸りすぎていたのだろうか、どうやらボーッとしすぎていたようだ。お姉の私を呼ぶ声で現実に引き戻される。 「詩音?どう?気持ちいい?」 「ん~?もうちょいそこのあたり強くです。」 「え?ここらへん?」 マッサージをしているうちにだいぶ体勢がかわっていたらしい。完全にお姉が上、私が下になってしまった。 …不思議な既視感。なんだろう。この感じ。ふいに脳裏にあの出来事がフラッシュバックする。思い出したくない封印したはずの記憶が蘇ってくる。 あれは、あの最悪の出来事は、私がルチーアに幽閉されてから三ヶ月後のことだった…。 幼少期の不運な事故。それと相まって生じた『詩音』としての冷遇。今まで『魅音』としての寵愛を受けていた私には辛いものだった。そして鬼婆が下したルチーア学園への入学。 私の精神面は最悪だった。 ルチーアに入学してからも毎日が無気力で生きた心地がしなかった。毎日が地獄だった。 いっそ生まれた時に殺してくれていたら…と考えたことも一度や二度じゃない。 もともと朝が弱かったのもあって遅刻を繰り返していたうちに私は入学早々問題児のレッテルをはられてしまった。規律に厳しいルチーアのことだ。私の存在が気にくわなかったのだろう。私は上級生にも睨まれてしまっていた。 入浴が終わり自室でベッドに突っ伏していた時の事だった。ノックの音がする。 私の部屋に訪ねてくる人なんか今まで一人もいなかったから誰かなんて見当もつかない。 ドアを開けるとそこには全然面識のない上級生三人。 「今日はシスター不在のため、私たち三人がこのフロアの部屋の巡回を務めさせていただいています。」 なるほど、腕に着けた腕章。風紀委員だ。シスター不在の時は風紀委員が見回りだっけ。 この学校では勉学に関係ない所有物はいかなる理由があろうと没収される。まぁ私は雑誌だのなんだの上手く持ち込んでいたけれど。 適当に社交辞令でも述べてからさっさと帰してしまおう。 そう思っていた矢先の事。いきなり後ろから羽交い締めにされた。身動きがとれない。そのまま抵抗することも出来ずに私は押し倒された。 視界が真っ暗になる。どうやら目隠しをされたらしい。相手の表情が分からない。突然の出来事で全く頭が働いてくれない。怖い。 ひやっと身体に感じる冷気。それだけでも視界を失って敏感になった私の身体には刺激となったようで、ビクッと反応してしまう。 二人がかりに両手両足を押さえられて、ただ私は抵抗することも出来ず裸にされるだけだった。 胸に不快感。卑猥な水音がするたびに顔をしかめたが、舐められてるうちに不快感は快感へと推移していく。 相手は何も喋らない。部屋にはただ私の喘ぐ声と水音が響くだけ。それが一層女に犯されて感じてる自分への嫌悪感に繋がる。 私が気にくわなかったのなら顔でもぶん殴ればいい、いくらでも蹴ればいい、それでもこんな事をされるよりは、はるかにマシだ。 性的な手段で私の抵抗力を削いでから鬱憤を晴らすなんてやり方が下劣だ。 しかし頭とは違い身体は相当に敏感になってしまっているので下を弄られる時にはそんな考えは吹き飛んでしまっていた。 一人が私の秘所を舐める。充分濡れたのを確かめると指を私の中にいれてくる。グチャという卑猥な音。そして中を掻き回すために生じる音と喘ぎ声。 自分の声とは思えない程の甲高い声が響く。秘所から与えられる快感はもはや私の羞恥心を凌駕してしまっていた。だんだん絶頂が近づき私はそのまま意識を手放した。 翌朝目を覚ますと私はベッドの中にいた。身体に付着したであろう自身の体液は綺麗に拭き取られていた。しかし腰に残る鈍痛が昨日の出来事を思い出させる。 そっか。私、女にヤられちゃったんだ… 自分で再認識すると急に悲しくなっていつの間にか両頬には涙が伝っていた。 私が鬼婆の決めた命令をやぶってルチーアを脱走したのも、あの出来事があったことは大きい。 あれ以上ルチーアで生きていける自信がなかった。 勿論この事は誰にも言ってない。私にとって思い出したくもない悪夢だったから 魅音の声で意識が戻った。どうやら私はルチーアでの記憶がフラッシュバックしてきたときに顔面蒼白になったあと気を失ってしまっていたらしい。 魅音の心配そうな顔が目に入る。 私は魅音に抱きつくと、この嫌な思い出を消し去るために私の片割れからするこの世で一番安心できる甘い香りに身を任せるのだった。
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「お~いお前ら、そろそろ出てきていいぜ~?」 圭一が倉庫の物陰に声をかけると、そこからヒョッコリと二人の少年が現れた。 てっきりこの場には圭一と沙都子と梨花の三人しかいないだろうと思われていたのに、どうやら彼ら二人はずっとその物陰で息を潜めていたらしい。 圭一のあたりまえのような声かけを見る限り、どうやら少年たちは彼の指示でそこに待機していたようだ。 「悪ぃな、ずっと待たせちまって。 ほら、遠慮せずにもっとこっち来いよ?」 「は、はい……」 圭一に声をかけられると、二人の少年はオズオズとした感じで三人の元に歩み寄ってきた。 沙都子と梨花は一瞬、圭一は一体どこの誰を呼びつけたのかと不安になったが……その二人の見たことのある服を見て少しだけ安心した。 一人はメガネをかけ、いかにも真面目な優等生ですといった感じの少年。 そしてもう一人は野球帽をかぶり、活発なスポーツ少年といった風貌の少年だった。 それは沙都子と梨花もよく知っている人物。 自分たちのクラスメイトでもある、あの富田と岡村であったのだ。 「あ、あのぉ前原さん……」 「言われたとおり来ましたけど……」 「ははは、まあそんなに硬くなるなって? 別にこんな校舎裏に呼び出してシメるとかそんなんじゃねえからさぁ、ははははは♪」 「は、はぁ……」 バンバンと自分達の背中を叩きながらそう言う圭一に、富田と岡村は曖昧な返事しか出来なかった。 別にシメられるなどとは思ってはいないが、自分たちがこんな校舎裏に連れて来られた理由が到底思いつかなかったからだ。 一方、沙都子と梨花の方も二人と同じようにこの状況がいまいち飲み込めずにいた。 てっきり圭一にイタズラでもされるだろうと思っていたところに、この富田と岡村の登場……。 最悪の状況にはなっていないものの、二人は一抹の不安を感じずにはいられなかった。 「な、なんなんですの? どうしてここで富田と岡村が出てくるんですの……」 「みぃ……ボクにもわからないのです。 圭一の考えていることは……」 得体の知れない不安感から、沙都子と梨花はいつのまにかギュっとお互いの手を握りあっていた。 さっきまではお互いを庇おうという想いから圭一を誘惑するようなことまでしたのに、それらは全て肩透かしだった。 このスケベ男は自分たちの想像を超える、もっとすごいことをしようとしている……。 それがまったく予想できない(少なくとも沙都子と梨花には)のがまた恐ろしく、今すぐにでもこの場から逃げ出したい衝動に駆られていった……。 「ちょっとこっちに来い、富田くん岡村くん。 じつはだなぁ……ごにょごにょごにょ……」 そんな怯える沙都子と梨花を尻目に、当の圭一は二人からは少し離れると富田と岡村に何やら耳打ちをしていった。 その無邪気な表情はまるで大傑作なイタズラを思いついた子供のように輝いていて、それが一層沙都子と梨花の不安感を煽り立てていく……。 「そしてだな……………と、いうわけだ。 どうだ、できるだろう?」 「え、えええっ!? ダ、ダダダダメですよそんなのぉ!」 「そ、そうです。 いくら前原さんの言うことでもそれは……」 圭一が耳打ちを終えると、富田と岡村は揃ってビックリしたような声をあげる。 圭一が何を言ったのかは知らないが、それはよほど彼らにとって予想外のことだったらしい。 おまけにその内容は何か恥ずかしいものだったらしく、ウブな二人はモジモジと身体を揺らし顔を真っ赤に染めていった。 「北条と古手に、そ、そんなことするなんて……な、なあ?」 「う、うん、絶対怒られるよぉ。 ただでさえあの二人にはいつも痛い目に合わされてるのに……」 少し遠くに立っている沙都子と梨花の様子を見ながら、二人はそんなことはできないと弱気な発言をしていく……。 男のくせに情けないといったところだろうが、二人が沙都子と梨花にあまり大きく出られないのには複雑な事情があった。 富田にしろ岡村にしろ、この二人は普段から沙都子にトラップの練習台として様々な罠を仕掛けられている。 ケガを負わされているというわけではないが、それこそ彼らの心の中には沙都子のトラップに対する一種の恐怖症のようなものが植えつけられているのだ。 ましてや富田の方はこれに加え、沙都子に少年特有の淡い恋心まで抱いてしまっている。 梨花の方は梨花の方でまたクセがあった。 彼女は特に沙都子のようにトラップや直接的な危害は加えてこないのだが、その特別な環境ゆえの性格……というかそのタヌキっぷりに二人はいつも振り回されていた。 そして今度は岡村の方が、この一癖も二癖もある梨花に惚れてしまっているという事実があるのだ……。 簡単に言うと、二人は大好きな沙都子と梨花に頭が上がらないのだ。 最近ではまともに顔すら見ることが出来ないし、休み時間に何かのきっかけで話をするだけで顔が真っ赤になってしまうほどだ。 もっともそれはこの年齢のウブな少年にはしょうがないことではあるのだが、圭一はむしろその二人の純情さをこの罰ゲームに利用できると考えたのだ……。 「なぁに言ってんだ、富田くん、岡村くん! お前らはあの二人が好きなんだろう!」 「!? ま、前原さん、そんな大声で言わないで下さい!」 「そ、そうです。 二人に聞こえちゃいますよ……」 「隠すな! そしてテレるな! 男はすべからく変態だ! それを自分で認められるかどうかで男の器が決まる……と、前にも教えただろう!」 「それはたしかに聞きましたけど……へ、変態とかは関係ないです! 僕はあくまで、じゅ、純粋に北条をですね!」 「そ、そうです! ぼくはあの古手のにぱ~な可愛い笑顔が見られれば満足なんです! へ、変態のあなたと一緒にしないでください!」 「ほっほ~、そこまで言うか二人とも……。 まったく素直じゃねえなぁ?」 年上の先輩に対して何気に失礼なことを言う二人だが、圭一は特に怒るわけでもなく、ただにんまりと妖しげな笑みを浮かべていくだけだった。 圭一にはある確信があったのだ。 純粋だ満足だなどと言ってはいるが、この二人の幼い少年達がしっかりとオスとしての性欲を備えていることに……気づいていた。 「それならなぁ富田くん、岡村くん。 なんで君達のソコは……そんなになってるんだ?」 ふっふっふといやらしく口元を歪ませながら、圭一はピっとその二人の身体のある一点を指差していった。 そこは男にとってなによりも正直な部分。 うっすらと半ズボンを押し上げている二人の股間だった。 「!?……こ、これは……えっと、ち、ちが」 「隠すなと言っただろう! そして照れるな! それは何も恥ずかしいことじゃあない! 好きな女の子のことを考えて『 反 応 』してしまう! 男としては至極まともなことだ! ましてやあんなエッチな仕草を見たらそれはなおさら! 見ていたんだろう覗いていたんだろう、さっきの沙都子と梨花のいやらしい姿を!」 「!? あ……うぅ……そ、それは……」 自らのオスとしての本能を知られ、富田と岡村は更に顔を紅潮させていった。 二人の股間が膨らんでいる理由……。 それは何も大好きな沙都子と梨花がすぐそこにいるからというわけではない。 スケベ大王の圭一ならともかく、ウブな二人はまだそこまで変態上級者ではないのだ。 その理由は少し時間を遡ればすぐに行き着く答えだった……。 富田と岡村の二人は、あらかじめ圭一の言いつけで倉庫の物陰に隠れていた。 ということはつまり、さきほどの沙都子と梨花の圭一への誘惑行為(もっとも演技だが)もしっかり覗き見ていたということなのである。 男の身体に悩ましく腕を絡ませ、その小さな胸をグイグイと押し付けていく沙都子と梨花……。 普段の生活ではけっして見られない、好きな女子の痴態をほんの少しだけ垣間見ることが出来たのだ。 まだ自慰行為すら知らないであろう少年達にはそれだけでもとても甘美な光景で、まだ男として大成しきっていないペニスをヒクつかせるのも致し方ないことであったかもしれない。 「くっくっく、なんだかんだしっかり勃起しちまってんじゃねえか……。 なあ、沙都子萌えの富田くん! そして梨花大好きっ子の岡村くん!」 「あ、あう……」 「萌えたんだろう! 興奮したんだろう、沙都子と梨花に! 好きな女の子のあんな姿を見たんだ、それも無理はない! 男としてビンビンになっちまってもしょうがねえよなぁ~!」 「…………………」 「さあ、もういいだろう二人とも? 自分に素直になれ! こんなチャンスは二度とないぞ! 責任は全て俺が取ってやる! するのが恥ずかしいのなら、俺にむりやり命令されたとでも言えばいいんだ! だから……男として本能のまま生きるんだあぁぁぁぁ!!!」 「ほ、本能のまま……」 「生きる……」 やけに気合の入った圭一にやや戸惑いは覚えたが、富田と岡村はまるで催眠術にかけられていくようにその言葉に心酔していった。 何よりもすぐそこにいる沙都子と梨花……。 あの二人のほんのり膨らんだ胸元やフリフリと風に揺れるスカートを見ていると、身体の底から何ともいえないモヤモヤとした劣情がわきあがってくるのを感じた。 そしてついに二人は圭一の悪魔のようなその申し出に……コクンと頷いてしまうのだった。 「な、なにやら話し合いが終わったみたいですわよ、あの三人……」 「……怖いのです。 悪いネコさんが一匹から三匹になったのですよ……」 ニヘラニヘラと笑いながらの圭一と、それに付き従ってくるように近づいてくる富田と岡村……。 沙都子と梨花の二人が不安がるのも無理は無かった。 冗談抜きに逃げた方がいいんじゃないかとも思った二人だが、一歩でも駆け出したらすぐさまあの三匹の獣が襲い掛かってくる。 そんな嫌な光景が頭の中に浮かんでしまい、結局沙都子と梨花は彼らが戻ってくるのをただ身を寄せ合って待つことしかできなかった……。 「おうおう、待たせたなー二人とも。 それじゃあこれからお待ちかねの罰ゲームを始めるぜー? ひっひっひ♪」 「みぃ……待ってなんかいないのです。 今すぐおうちに帰りたいのですよ……」 「まぁまぁ、そう言うなって梨花ちゃん。 さっき約束したとおり、俺はなぁ~んにもしねぇかやよぉ? 君のこのかぁいい身体には指一本触れないぜぇ? へっへっへ……」 「く……り、梨花をそんないやらしい目で見ないで下さいまし! 圭一さんがしないなら誰が……わ、わたくし達に何をするつもりなんですの!」 「くくく……沙都子ぉ、強がって見せても身体が震えてるぜぇ? それに誰がするかはうっすら気づいてるんじゃないのか……?」 富田と岡村を説得していたたっぷりの時間が、二人の心を余計に追い詰めていたらしい。 沙都子と梨花が今にも襲いたくなるほど怯えきっているのを確認すると、圭一はそばにいた二人の下僕たちに合図をしていく。 「おし、じゃあ始めるか富田くん、岡村くん! どうするかはわかってるよなぁ、二人とも?」 「「は、はい……」」 圭一に肩をつかまれビクっと体を震わすと、富田と岡村は決心したかのように目の前の沙都子と梨花の身体に近づいていった。 どうやらあらかじめ圭一に何をするかきっちり説明されているらしい。 二人は一つの決意のようなものを秘めて、大好きな女子の身体へと歩み寄っていく……。 「な、なんですの……。 と、富田、それ以上わたくしに近寄らないで下さいまし……」 「お、岡村が怖いのです。 いつもと様子がちがうのですよ……」 普段のあのバカで無邪気な男子とはちがう雰囲気に、沙都子と梨花はおもわずそんなことを口走っていた。 まるでレイプされそうな女が言うようなセリフである。 幼い彼女たちでもしっかり本能で感じ取っていたのだ。 この男は自分の身体に何か危害を加えようとしていると……。 「はぁ、はぁ……北条……ぼ、僕……」 「ふ、古手……目の前に古手がいる……はぁはぁ」 ついに二人の目の前にまで近づくと富田は沙都子に、そして岡村は梨花の身体をまじかに見ながらゴクリと生つばを飲み込んだ。 大好きな女子が目の前に立っている……。 手を伸ばせば触れられるほどすぐそこに。 ほんのりと漂ってくる女の子の匂い……。 沙都子と梨花の身体の匂いが少年達の鼻をくすぐり、どうしてもその息づかいがはぁはぁと荒くなってしまうのだ。 ましてや今は性的に興奮しているのだから、彼らに息を乱すなというのが無理というものであった。 「はぁはぁ……ほ、北条……」 「な、なんですの富田。 圭一さんに何を吹き込まれたのか知りませんけど、ヘタなことはおやめなさ……」 「あああ、ほ、北条! 好きだぁ北条ぉぉぉぉぉ!!!」 「!?……きゃ、きゃあぁぁぁ!!!」 突然の富田の行動に沙都子が悲鳴をあげる。 なんと岡村はガバっと大きく両手を広げると、目の前の沙都子の身体に抱きついたのである。 「な、ななな、なにをするんですの富田! は、離しなさい……は、離して!」 「あああ、ほ、北条! 北条の身体すごく柔らかい……そ、それにすごくいい匂いで……」 「な、何を言っているんですの! は、離して! こ、こんないやらしいこと……」 富田に両腕ごとしっかりと抱きしめられ、沙都子は身動きが出来ずにただもがくことしかできなかった。 もっとも腕が自由だったとしても力の差で振りほどけたかどうかわからないが……。 それをいいことに富田は更にギュウギュウと沙都子の華奢な身体を抱きしめ、おまけにその金色の柔らかそうな髪に自分の顔を押し当てていった。 かけているメガネがずり落ちそうになるのもおかまいなしに、がむしゃらに沙都子のサラサラとした髪を味わっていく。 さきほどかすかに感じられたシャンプーの良い匂いが、今度はその鼻先に存分に感じられていった……。 「ああ、す、すごくいい匂い。 北条の髪、すっごく甘くていい香りがするよぉ……」 「や、やめて。 レディーの髪に、そ、そんな鼻を押し付けるなんていけないんですのよ…ん……んん……♪」 くすぐったいような何ともいえない感触に、沙都子はおもわずくぐもった声をあげてしまう。 彼女がいくら止めろといっても、今の富田は大好きな沙都子の髪の匂いを嗅ぐことに夢中だった。 それどころか沙都子の腰に回した手をサワサワと動かし始め、徐々にその小さなお尻にまで降ろしている始末……。 圭一が自分の身体を好きにしていいと言ったのだろう。 沙都子は今さらながら、自分の感じていた不安が的中していたことを再確認したのだった。 「ああ……ど、どこ触ってますの! そこはお尻……んん! こ、こんないやらしいこと、いくら圭一さんに言われたからといって許しませんわ……よぉ……あ、あん……」 「ああ、す、すごく柔らかい! 女の子の身体ってこんなにきもちいいんだ……。 お尻もちっちゃくて柔らかくて、あああ、すっごく可愛いよぉ北条! ああ可愛い可愛い僕の北条ぉ……」 「……っ!? そ、そんな何度も可愛いだなんて……言わないで下さいまし……」 しきりに『可愛い』を連呼してくる富田に、沙都子はほんのりと頬を染めている自分を感じていた。 同い年の男子に言われるそれは、ある意味レナの『かぁいい』よりも破壊力があった。 こんないきなり抱きしめられ、お尻までかすかにまさぐられているというのに……少し喜んでしまっているような自分もいる。 自分を大好きだと言う富田に抱きしめられることに動揺を感じつつも、その男らしさに驚いていた。 普段あんなにトラップの実験台にしてイジメていた男子が、実際はこんなにも自分を身動きが取れなくなるほどに抱きしめる力があることに戸惑いを感じていたのだ……。 「おやめなさい富田……も、もういいかげん止めないと後でひどいですわよ。 わたくしとっておきのトラップで、い、痛めつけられたいんですの……?」 「ん……い、いい。 いいよそれでも! 大好きな北条とこんなことできるなら、僕どんな目にあってもいい……。 だって北条の身体、プニプニしててとっても抱き心地いいんだもん……」 「!? な、何を言ってるんですの。 そんなこと言っても、な、何も出ませんわ……よ……はぁ、ん……」 富田のおもいのほか甘いセリフに、沙都子の胸がキュンっと高鳴った このセリフも圭一に言えと言われたのだろうか……。 もし自分で考えたのなら大したものだ。 もっともウブな富田のこと、ただ沙都子を初めて抱いた感想をそのまま言葉にしただけかもしれないが……。 とにもかくにも富田のその囁きをすぐ耳元で聞くと、沙都子はだんだんと身体の抵抗を弱めていくのだった。 元々村八分にされていた彼女は、こんなふうに人に求められることは慣れてなかったのかもしれない。 それに何よりもこれは罰ゲームだったということを、沙都子はこの光景をさぞ楽しそうに眺めているあの男によって気づかされていくのだった……。 「んぅ……♪ あぁ、と、富田、そんなに強くしないでくださいまし……ん、んん……!」 「くっくっく……。 どうだぁ沙都子、富田くんに『抱かれた』感想はぁ? 意外と力強い抱擁にちょっとクラっときちまっただろ~?」 「!? な、何言ってますの圭一さん。 わたくしは、ば、罰ゲームだからしかたなく……」 「へへへ、それは嘘だなぁ! 最初は本気で嫌がってたくせに、今はちょっとまんざらでもないです~って顔だぜぇ? ちょっときもちいいんだろう……?」 「ち、ちがいます! ちがいますわ……う、嬉しくなんて……」 「素直になれよ、沙都子……。 生まれて初めて男に抱かれて、たまらなくなっちまったんだろ? 自分がこんなに求めてもらえるなんて……って、ちょっと嬉しかったんだろう? なぁなぁ沙都子~、にーにーにだけこっそり教えてくれよ~? うひひひひ♪」 「ちがう……う、嬉しくなんて、嬉しくなんて……うぅ……」 いまだ富田に熱い抱擁を受けながら、沙都子は自分を執拗に辱めてくる圭一をうらめしく感じた。 普段は超が付くほどの鈍感なくせに、こういうことにだけなぜそんなに敏感なのか……。 おまけにその相手の心を弄んでくるようなネチっこい言い方が、彼のドSの本性を垣間見せているようだった。 沙都子はけっしてMではない……。 少なくとも本人はそうだと自負しているのだが、この男の口先に踊らされているとまるで自分が生粋のドMのような気がしてきてしまうのだ。 それを知ってか知らずか、圭一は更に目の前で羞恥の表情を浮かべていく妹(と呼べる関係の少女)にいやらしい罵声を浴びせていく……。 「まったくいやらしい妹だぜ。 その年でもう男に抱かれる喜びを感じちまってるなんてなぁ? 愛しのにーにーとしては、我が妹がそこまでスケベだと嬉しいやら悲しいやらちょっと複雑だぜー、なあ沙都子ー?」 「や、やめてくださいまし……わたくしそんな女の子ではありませんわ。 ス、スケベだなんて、圭一さんじゃありませんのよ……」 「へっ、じゃあなんでそんな顔真っ赤にしてんだよ? それはおまえが喜んでる時にする顔だって、圭一にーにーはよぉく知ってるぜぇ? ああ、きっと悟史でも同じことを言うだろうなぁ……。 沙都子が同い年の男子に『 抱 か れ て 』ヒィヒィ喜んでるなんざ、あの純情な悟史にーにーが知ったらどう思うんだろうなー。 なぁ沙都くぉー? くっくっく♪」 「!? や、やめて……。 にーにー、も、もういじめないでくださいまし……んん……」 ドS圭一の獲物を追い詰めていくような口先が、幼い沙都子の身体にビシビシと浴びせかけられていく。 圭一にーにーに見られているという比喩だけでなく、しまいには実の兄のことまで引き合いに出されて罵倒されてしまう始末……。 いまだ富田に髪の匂いをクンクン嗅がれ、タイツに包まれたお尻をサワサワと撫で回されながら……。 沙都子は自らの身体が今まで感じたことのない火照りを抱いていくのを感じていた。 幼い彼女自身まだ気づくはずも無いのだが、その火照りはそれこそ圭一の言う女の喜びのようなものであることはほとんど明白だったのだ……。 (な、なんなんですの、これは……? いやらしい言葉を浴びせられるたび、わたくしの身体がどんどん熱くなって……。 こ、これじゃあまるで、圭一さんの言うように喜んでいるような……あ、ああ……) 生まれて初めて覚える熱い感覚に、沙都子は身体を小さくよじることしか受け止める術を知らなかった。 富田にしっかりと抱かれながら腰をモジモジとよじり、その可愛いお尻を犬のようにフリフリする仕草がなんともいやらしい……。 沙都子の快感をガマンするような悩ましい仕草に、それを見ていた圭一はおもわず舌なめずりをした。 「へ、やっぱり感じてやがるのかこのメスが。 普段あんな上品な言葉を使って隠してたって、やっぱりお前はいやらしいメス犬なんだよ沙都子ぉ……レディーが聞いて呆れるぜ」 「ち、ちがう。 わたくしそんな……メ、メス犬なんかじゃありませんわ……」 「いいやメス犬だ! おまけにこりゃあ生まれつきのドMだなぁ……? 富田くんにむりやりいやらしいことされてるってのに、もうすっかりされるがままじゃねえか。 おまえ、もう罰ゲームなんてどうでもいいんだろう? にーにーに口汚らしく罵られながら、クラスメイトにめちゃくちゃにされたいだけなんだろ? なぁどうなんだよメス犬沙都子ぉ……♪」 「う……ち、ちがう。 あぁ……ダ、ダメ……こんなのダメですわ……んん……」 トドメと言わんばかりの『メス犬』という言葉に、沙都子はイヤイヤと首を振りながらかぶりを振る。 ダメダメというその言葉の意味は純粋な拒否反応か。 それとも圭一の言うことが正しいと認めたゆえでの自分への嫌悪感なのか……。 沙都子は徐々に圭一によってマゾメスとしての資質を目覚めさせられていた。 そしてそれに更に追い討ちをかけるように、圭一は更により直接的な行為を彼を使って沙都子へと仕掛けていく。 「おい、富田くん。 さっきから沙都子の髪の匂いを嗅いだり、スカートの上から尻を撫でているだけだが……君はそれで満足なのか?」 「…………え?」 すっかり沙都子の身体の感触の虜になっていた富田が、圭一の言葉にピクリと反応する。 圭一に沙都子のことを好きにしていいと言われたのだが、まだそういった知識の乏しい富田にはせいぜいそれぐらいのことしかできなかった。 これ以上の卑猥なことは想像できなかったし、何よりも好きな女の子だからということが彼の行為に知らず知らずのうちにブレーキをかけていたのかもしれない。 だが圭一は更に沙都子を恥辱に見舞わせるために、そのままアクセルを踏めと命令していったのである。 「スカートの上からなんて生ぬるい……そのままパンツも降ろしちまえよ。 好きにしていいって言っただろう?」 「!? ま、前原さん、それは……」 「やれよ……なぁに平気さ。 もう沙都子はすっかり抵抗してないだろう? 富田くんにもうすっかり惚れちまってるのさ、そのメス犬はよぉ。 くっくっく……♪」 「え……ほ、惚れてるって……」 圭一のその言葉に富田はドキリとする。 今日は色々刺激的な経験をさせられているが、その言葉が彼にとって一番心を揺らしたかもしれない。 その言葉を確認するべく沙都子のことを見てみると、たしかにその表情は自分と同い年とは思えないほど色っぽいものに変わっていた。 ハァハァと熱い息を吐きながら、まるで発情しているかのようにその頬も赤く染まっている……。 もっともこれは圭一のさきほどの罵倒術によるものが強いのだが、今の富田にとってはそんなことはどうでもよかった。 ただもっともっと沙都子にいやらしいことをしたい。 好きな女子の身体を思う存分めちゃくちゃにしたいと、彼は圭一の言葉に従っていく。 沙都子の身体は抱きしめたままそのスカートの中に手を差し込み、言われたとおり下着を脱がそうとする……だが。 「ん……ま、前原さん、ダメです。 北条のこれ……タ、タイツが邪魔で脱がせられないです……」 下着を脱がそうとした矢先、沙都子愛用のあの黒タイツがそれを邪魔した。 もっともそのお尻を包んだスベスベとしたタイツの感触だけでも富田にとってはとても心地よいもので、何度も何度もまさぐりそのツルツルとした感触を味わう。 圭一はそんな貧欲な彼の欲望に敬意を称し、その解決策を伝授していく。 「…………破れ」 「……え? あ、あの……」 「聞こえなかったか? そのままビリビリに破いちまえって言ったんだよ……タイツは脱がさずに破くのが基本だぜぇ? そしてそのメス沙都子をもっともっといやらしい格好にしちまえ! ほらほら富田くん、やるんだ! ここが君の男としての正念場だぞ!!!」 「は、はい……や、やります!」 圭一の気迫に押されてかそれとももうガマンできなかったのか、富田は沙都子のそのお尻を包んでいるタイツを掴むとそのまま乱暴に引き絞った。 左右におもいきり引っ張られると、その黒い布がビリビリとした音を立てて引き裂かれていく。 その音にハっとしたのか、今までされるがままだった沙都子が悲鳴のような声をあげる。 「あ、ああっ! な、何してますの富田……そんな、や、破かないで……」 「ご、ごめん。 前原さんの命令だから……ご、ごめんね! はぁ、はぁ!」 「ああ、う、嘘ですわそんなの……ああ、や、やめてぇぇぇ……」 沙都子の悲痛な叫びを興奮のスパイスにしていき、富田は更にビリビリビリと彼女お気に入りの黒タイツを引き裂いていく。 その悲痛な音が沙都子にはまるで服を破かれているようなものに聞こえ、まるでレイプされているような被虐にまたも身体が熱くさせられていくのだ……。 やがてすっかりパンツを降ろせるところまでそれが破かれると、ふとももからお尻にかけて……沙都子の下半身に黒いタイツと肌の色による楕円形の穴がいくつも彩られていった。 それはタイツフェチならばたまらないであろう、なんともいやらしいコントラストだった……。 「ああ……い、いやですわこんなの……パンツも丸見えで、は、恥ずかしい……」 「す、すごくやらしいよ北条……。 タイツがビリビリになって、可愛いパンティが見えてる……」 「う……と、冨田まで、そ、そんなふうに言わないで下さいまし……ん、んんん……」 ある意味脱がされるようも恥ずかしい格好に、沙都子は羞恥の声をあげる。 そのなんともいえないイジメたくなる表情に、圭一はまたもやとめどない加虐心をゾクゾクと感じた。 (ほんと……スケベな顔するようになったぜ沙都子の奴……。 おっと……まずいまずい、このままじゃまた罵りたくなっちまう。 もっとゆっくり楽しまねぇとなぁ、くくくくく……♪) このまままた沙都子をドMの世界に突き落としてしまいたい衝動に駆られながら、圭一はなんとかその黒い欲望をグっとガマンした。 今回の罰ゲームはあくまで自分は脇役……。 そのためにこの少年達を使っているというのに、これでは元の木阿弥だ。 それにもう一匹のメスもちゃんと可愛がってやらなければならない……。 そう自分に言い聞かせていくと圭一は、身悶える沙都子の横でまた別の恥辱を味合わされている女の子。 もう一匹のメス猫の方へとその矛先を向けていくのだった……。 -