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r 「ほらほらぁ、もっと泣いてくださいよ、圭ちゃん まだ終わりませんから。」 「んんんぅーー!! ああっ! はっ! はああうあ!!」 華奢な体つきの少年の腹の上にまたがって狂ったように手を動かし続ける。おとしやかな制服を着た少女は恍惚の笑みを浮かべ、その少年、前原圭一のペニスを上下に激しくしごき上げる。だらしなく全裸の身体を必死によじらせて園崎詩音の責めから逃れようとするが両腕を挟み込むように詩音は両足で圭一の腰を押さえているため何もならない。ただ短めのスカートが圭一が腰を動かすごとに宙に舞って、形のいい彼女の薄緑色の下着が見え隠れするだけだった。むしろ肉感のある詩の ヒップが圭一の射精欲を押してしまうだけだった。 「し、おん。詩音んん……頼むもう出させて……くれ……あっ!」 「黙って。反故にする気ですか、私との約束」 「ああ、ちょっ……っと……やめっ!!」 圭一の乳首が詩音の爪の先によって絞り上げられていた。詩音の右手の指先はぬめぬめとした粘液でまみれている。 「ぬるぬるしてて気持ちいいんですか? これ全部圭ちゃんのから出たやつですよ。 私の唾とか一切入ってない、全部圭ちゃんの汚い竿から出たやつ」 「放して……詩音うわあああっつう! はあ、はあういいっ!! 」 「痛い? 圭ちゃん。痛いですか? 止めて欲しいですか、続けて欲しい?」 頬を紅潮させた詩音は、体勢を変えて圭一の耳元に口を寄せる。 「私のこと知りたいんですよね……もっと。そう言いましたもんね? 圭ちゃん」 にっこりとした表情の詩音は、ペニスから出た分泌液をすくい取ると、そのまま圭一の口に突っ込んだ。 「ほら、美味しいですか? その口が私のこと知りたいって言ったんですよね?」 圭一の口内は詩音のほっそりとした指二本に蹂躙する。圭一自身のペニスから出た液を塗り込めながら、歯や舌、唇を犯しているのだ。瞳が涙に染まっていくのを圭一は自覚した。喉の奥に行くにつれて、口内の粘度が増してきていると彼女は思った。 「噛んじゃだめですよ、噛んじゃ」 詩音の指先がゆっくりと旋回しながら奥を目指した。 「ん? ここですか? 圭ちゃん。ここも良いんですか?」 詩音の指が圭一の喉頭に触れ、くりくりと撫で回す。ぬるりとした肉の一塊に触れたとき圭一はきく声をあげた。そのままそれを突き入れた二つの指で挟みこむ。 「ここから圭ちゃんの声出てるんですよね……もっと聞かせてください、圭ちゃんのえずき声…もっと鳴いてください」 「あぇぇええぅ、げっほ、ぐふっ! はあ、詩音……詩音はあ……」 「これが私ですよ圭ちゃん……もっと知ってくれます?」 圭一の分泌液で濡れた手を詩音は赤い舌で舐め取り、後ろ手でペニスの亀頭の頂点を擦り上げながら言った。まるでスクラッチを剥すように爪を少し立てながらだ。尿道口に爪が引っかかるにつれてぷつっぷつっと肉が弾けてる音が小さく聞こえる。 「い、もう……二時間もこのまま……だ……だから、一回……出させて……」 「ぞくぞくしちゃいます、その顔」 圭一が呼び付けたのは詩音。友人の妹だった。 「あ、あの……なあ詩音……話があるんだ」 圭一のことを怪訝な顔をした緑髪の少女が見つめる。詩音と呼ばれた少女にはきっちりとした薄い制服がその性徴著しい身体を包む。本来は制服というのはしゃんとしていて貞淑さ勤勉さを示す。しかしながらその機能に反するように大きく膨らんだ二つの胸と照り乗る蜂蜜色の太ももを目の前の少年の目にさらしていた。夏の暑さは人肌を露出させる。開放されたその詩音の身体は圭一の心を奪うのには十分過ぎた。私的な用事でわざわざこの暑さの中、圭一に呼び出されて帰宅しようとしていた詩音の心境は正直穏やかではなかった。暑いので早く帰ってくつろぎたいと思っていたが友人の圭一に呼ばれた。まだ圭一とは知り合って日は経っていないため本当の形での友人、親友とは程遠い。一体何の用なのか。詩音は少しじれったく感じていた。 雛見沢に移住する前に彼は孤独と勉学の点数に四面を囲まれていた。友人と呼べる存在は無く、抑圧された心理的重圧はその華奢な身体のなかに徐々に蓄積された。溜まったものを散らす術などは無くて、ただただ、憂鬱な毎日を垂れ流し続けていた。自分で動くようなことは無く受動的に周囲を受け入れるだけ。彼は受動的に言うことを聞いていれば周りの大人から賞賛を受けた。苦痛を受け入れればご褒美がもらえる。彼が移住する前に全身に刻まれた証だった。 「どうしたんですか圭ちゃん。なんかいきなりだし」 「あの……その」 そんな圭一がこの土地に越してきてから、何もかもが嘘のように好転した。彼はクラスメイト。いわゆる友達というものに恵まれた。同い年、年上の少女。年少の女子。幸運にも今まで接した事のあまり無かった女子に恵まれた。圭一君、圭ちゃん、圭一さん、圭一……本来の陰鬱な感情が嘘のように飛んで行った。毎日のように家まで迎えに来てくれる同い年。初めて自分に話してくれた年上の子。猫のようにじゃれ合ってくる二人の幼女。こんなににも自分を必要としてくれている人間が肉親以外にいるのだ。圭一はそれを知ったときうれしくて身が震えた。徐々に圭一の性格は明るくなり思春期真っ盛りの快活な少年に変わった。 「あのさ……実は……」 圭一が詩音と出会ってさほど日にちは経ってはいない。年上の友人に妹がいたということを知ったのは最近のことだった。詩音を妹として紹介されたとき圭一は彼女にある感情を抱き始めた。学校の友人らと比べると詩音は積極的な子だった。喫茶店での淫靡なコスチューム。体の線を前面に突き出した私服と制服。気の強く、姉とは違ったさばさばした性格。そして、分校にいる友人たちとは違う都会育ちの垢抜けた容姿。言いたいことはストレートに言う。手を上げるときは容赦はしない。 「はい、なんですか」 「俺実は……し、詩音のことを……詩音が」 「好きなんだ」 「圭ちゃん」 「…………あ、いや」 「本気で私を」 そこまでいうと詩音は手を口に当てた。詩音は少しだけ驚き、そして顔をほんの少し、誰も気が付かないぐらいに表情を憂いに染めた。圭一が詩音に惹かれたのは彼女の強さではなくこの時折見せる、憂いを帯びた表情だった。まるで何年もの孤独の中を生きてきたような憂慮の顔。詩音の過去はあまり知らない。悟史の事は聞いたことがある。その関係だろうか、普段の気の強さからは想像できない悲しげな表情に圭一は惹かれたのだ。 「知り合って間もないのにいきなり告白ですか。圭ちゃん。それっておかしくありませんか、まるで、体だけを目的にしてるみたいですよ。唐突過ぎて」 「……でも、詩音のこと知りたいんだ。詩音のことをもっと深く知りたい……」 「どうしようもないこと知ってどうするんですか。圭ちゃん、馬鹿馬鹿しい」 「…………」 「言っておきますけど、私は毛頭そんな気はないですよ。興味なしってことです、あんたには」 腕を組み冷酷に言い放った。圭一の胸に重くのしかかる。 「詩音……でも俺は!」 圭一は拳を握り締めて、俯きながらつぶやいた。 「そんなにも知りたいんですか、私のことを」 「……え……?」 詩音のほうに目をやる。笑っているのだ、詩音が。先ほど冷静に突き放した詩音が。詩音の薄ら笑いが圭一の全身を総毛立たせた。夏なのに全身が震えそうになるくらいだった。 「そんなに知りたいのならいいですよ、教えてあげます。私を、詩音を」 圭一の自室には当人以外あまり人は来ない。友人らと遊ぶときももっぱら学校や神社など外を使うことが多かったからだ。そんな暮らしの中で圭一が年端も変わらない少女を入れたのは久々のことだった。 「知りたいなら脱いでください」 招いたとたんに言われた言葉に圭一は絶句した。何かの冗談とも思ったが、目の前にいる詩音は 「聞こえなかったんですか、それとも耳が悪いんですか」 と言った。 「私のこと教えてあげますから、早くしてください。教えて欲しいんでしょう?」 「ちょっと……詩音。お、俺はべつにそんなやらしい意味で知りたいとか言ったんじゃ……」 戸惑う圭一を尻目に 「いらいらしますね、さっきは知りたいんだとか好きとかなんだかほざいてて。いいから脱げって言ってるんですよ」 圭一には視線を合わさずに詩音は髪を手で梳かしながら言った。 「教えてあげますから、あんたの身体に。ここまで招いておきながらやめるってのはなしですよね」 「し、しおんんん! それ、は、ちょ……爪が、あああう、とめ……!」 「へえ、これそんなに良いんですか」 詩音は白い爪先を立てて、尿道口の溝と垂直にあてがい擦っていた。 「でも、勝手にイっちゃったりしたら駄目ですよ」 圭一は両の手でシーツを掴み、詩音の責めに耐えていた。がくがくと震える足の指先がその苦痛を物語る。普通なら悶絶して目の前の詩音を跳ね飛ばしてしまうかもしれない。力だけで考えるならそれはするのは難しくはない。圭一とて男だから。しかしながらその行為はできないのだ。 「まず、約束してください」 圭一が倒される前に詩音はこう言い放った。私の身体には一切触れないこと。圭ちゃんは自分の下半身を決して触らないこと。勝手に射精しないこと。達しそうになったら必ず申告すること。 「それともう一つ、私の行為をすべて受け入れることです。できるでしょ圭ちゃん? 私が好きなら……否定じゃしませんよね?」 いきなり性行為を持ち上げられて心がふわふわと揺れ始めた。詩音はにこりと口角を上げてから圭一を押し倒した。華奢な体つきだからなのか、詩音の艶めく言葉に魅入られたのか。圭一はまるで人形のようにぱたりと倒れ込んだ。詩音の体重を腰に感じたのはその直後だった。 詩音と交わした約束によって圭一の身体は拘束された。約束を守ろうと必死で圭一は努めた。しかし詩音の責めが容赦なく襲った。視覚的にも好意を持った制服の少女が自分の腹の上にまたがり自分のペニスを弄んでいる。平素の圭一なら状況を把握する間もなく出してしまうところだろう。そして、目には見えない部分の刺激も加わっている。露出した自分の腹に直接詩音はまたがっている。今まで触れたことのない焦がれた異性のうごめく柔らかい二つの太ももの感触と、その間にある布地の生温かさがダイレクトに伝わってくるのだ。 「爪好きなんですね、圭ちゃんは。もっと伸ばしておけばよかった」 詩音の整った爪による責めは動きを変えていた。ただ一方向に動かすだけではなくて尿道口を中心に円を描くようにしていた。とめどなくあふれる分泌物が詩音の爪の間に入り込む。圭一にとってみれば粘りのある液体はわずかながらの緩衝剤にとなり、濃厚な刺激を抑え詩音の責めをやわらげてくれる唯一のものであった。しかし詩音にとってみれば 「どんだけ漏らしてんですか。噴水みたいにあふれて気持ち悪い」 と嫌悪を誘うものでしかないのだ。増殖した下等生物のようにとめどなく出てくる液体を眺めながら、詩音は表情なく擦り続けた。空気が混じった卑猥な水音が響くほどに詩音は容赦なく力を入れた。 「はああっ! あはああ!! しお……! だめ……だ」 「イきそうなんですか? こんなの痛いだけに決まってるのに。圭ちゃんイクんですか」 「ああっつ、とめ……! しおんんん!!っつくはあ! もうイ……!」 腰を大きく突き上げ絶頂に達しようとする圭一だが 「………………」 「……?! ああ! うぅ、またっ……なん……で……やめ……」 圭一の射精の申請を聞いた瞬間に詩音は手を止めた。先ほどまで、洗い物をするかのように動かしていた爪先をぱっと離して一切の刺激を停止させた。圭一の涙声が聞こえたとき詩音は首から上をぴくりと震わせた。 「しおんん……もう……どうして……っもう何回……やれば……気が」 「だって約束してくれたじゃないですか」 手を止めて、ふうっと隆起したペニスに息を吹き掛けた。ぴくんとペニスが縦に動き 「ううっ! もう……二時間以上……この……まま……おかしく……なって」 「だめです、許すまで出しちゃ」 完全に腹のところまでそり上がった圭一のペニスをぴんぴんと埃を払うように弾きながら詩音は続けた。 「だって、圭ちゃんの泣き声が……聞いてるこっちがおかしくなっちゃいそう」 荒くて深い呼吸する圭一の上の詩音は射精に達しない程度の力の弱さで、再びペニスに指を添わせた。また責めが始まる。込みあがった射精欲をぎりぎりのところまで貯めさせておいて、ゆっくりと少しずつ減少させる。寸止めで限界近くに留めさせる詩音の動き。初めは自然と圭一の方から笑みをこぼしていた。射精を導いてもらえる期待がまだそこにはあったからである。しかし何時間もたった今は、寸止めを数え切れないくらい繰り返えされ、引いては押す、押しては引くの連鎖で気狂いするような甘辛い苦痛でしかなかった。再び圭一は詩音の手の中で転がされようと 「少し休ませてあげます」 思いがけない言葉を圭一は聞いた。 「……やす……み?」 「ええ、聞こえなかったんですか? 本当に圭ちゃん耳が悪いんですね」 そう言って、ペニスから手を離すと膝立ちになり 「圭ちゃんのせいだから、圭ちゃん使わせてください」 ゆっくりと詩音はスカートの端をつまみ上げ、履いていた薄緑の下着を露出させた。圭一の目がはっと開いていくのを詩音は見た。 「そんな、血眼にならないでください。……舌を出しちゃだめですから」 「し、詩音……なに……を……?」 舌を出すなという宣告を理解できなかった。詩音の身体が自分の上半身のほうへ向かうのを見て、何かをされるということだけ考えることができた。 「んん…んん?! んむむうう?! 」 ゆっくりと詩音は圭一の顔面に腰を下ろしたのだ。一瞬、視界に詩音のスカートの中身が写り、暗転した。暗くなる前に見た詩音の下着の薄緑は局所の一部だけが濃くなっていたような気がした。好きな子が自分のせいで濡らしている。今までの責め苦が消えて圭一はあろうことか射精が管理されているのに心底うれしいと思った。興味なんてない、馬鹿馬鹿しいとはじめは言われた。しかし今の詩音は圭一のことを思っている。ただの遊び道具としか見てないかもしれない。それが圭一にはうれしい。詩音との距離が縮まったような気がした。 詩音は圭一の顔と正対するように腰を下ろした。圭一の鼻腔に蒸れた酸いにおいが広がっていく。詩音の股間のにおいと柔らかさを余すことなく食えて、圭一の勃起は今まで以上に体積を増しこのまま射精できたら死ぬと思えるぐらい朦朧とした。 「んん……圭ちゃん、いいですか? 舌を出してはだめ……息以外に口を開くのもだめ。動くのも、喋るのも。もちろん手で触るのなしですから」 圭一は詩音の下着に包まれた柔らかい局所を鼻を中心とした顔全体に感じている。体重を掛けられて、動かすことすらままならない。 「はあうう……ふうっ……! ふう!…………ふはう」 と圭一が声を上げた。詩音が動き始めた。 「ふ……んん! んくっ……」 詩音は声を押し忍んで圭一の顔に擦り付けていると圭一は思った。当の本人にしか分からないことだが圭一に自分が感じているのを悟られたくないから、ただの遊び相手の人形に知られたくないから。そう想像するとさらに圭一は高ぶった。自分にできる範囲で詩音にもっと感じてもらいたいと 「はあ……はあ……はあ……ハア……しお……ん」 できることは口から蒸れた熱い息で下着越しに撫でることしかできなかった。 「はぁう……んんんぅっ……」 詩音が少しだけ高い声を出した。動きは速まり、圭一の鼻のでっぱりを利用して快感を詩音は得ている。スカートの布地が覆い被さり、中の空気が薄くなる。息苦しさが圭一を取り巻いた。酸素を得ようと大きく息を吸おうとすると詩音の下着のにおいが一段と鼻に入ってくる。鼻を動かして空気の残っているところを探し吸う。 「圭ちゃん……鼻……動か……」 その言葉を聞いて圭一は思った。詩音は鼻に押し付けて感じてるから、こちらからもっと動いてやれば……そう圭一は酸欠の脳で考えて無意識に行動した。 「んうぁあ……」 小刻みに上下左右に鼻を突き動かした。詩音のあえぎを聞きたいから、そのために動かした。首を無理に持ち上げて詩音の局所に鼻を突き入れようとも試みた。 「くぅん……はぁ……はぁぅ」 何回も動かしているうちに詩音はさらに感じているように思った。鼻の表面にぬるっとした粘液か汗かが伝っているように感じる。 「圭ちゃん」 自分が呼ばれて圭一は髪の毛を鷲掴みにされた。息ができなくなるぐらいにねじ込まれ ている。 「ふうううううんん! うううんんんむううう!」 圭一は喉から地響きのような声を上げた。髪の毛が抜けてしまうぐらいに詩音は強い力で圭一の顔を使っているのだ。ここまでくると息ができない苦痛を全身に感じるはずだが、圭一は違った。自分の顔を使ってあこがれの詩音がオナニーをしてくれているのだ。なんて恵まれているんだろうとおかしな感覚が全身を巻いていく。 「はあ……っんむんんっ」 詩音の押し殺した声が上から聞こえてくる。圭一は詩音がもうすぐ達してしまうのではないかと思った。顔に掛かる圧力が徐々に強くなってきていると思ったからだ。そして 「圭ちゃん、なかなかいいですよ」 そう言ってくれたからだ。 ───詩音がもうすぐ 圭一はそう考えた。朦朧とした意識が圭一の行動を逆に助長させた。詩音の意に反して顔を動かしたり、言葉を発したのもそのせいだった。顔を動かしたときにまたとがめられると思ったが詩音は何もせず自らの股間を押し付けてくるだけ。だから圭一に思いが浮かんだ。 ───詩音だけ気持ちよくなって……もう俺も出してもいいんじゃ…… と。今、快感を味わっている詩音なら仮に射精をしても 『圭ちゃん……出しちゃったんですね……仕方ないです。圭ちゃんのおかげで私もよくなれたんだから許してあげます』そんな言葉を掛けてくれるはずと圭一は確信してしまった。 「うはううう……ひおん……おれも……おれももうふぐ……」 詩音にはばれないように圭一は右手を自分のペニスに持っていった。感覚がなくなってしまうぐらいにそそり立っていて、垂れ流した汁でぬらぬらとしていた。詩音のほうは変わらず圭一の鼻を使っていたから発覚はしていない。ゆっくり、ゆっくりとしごきあげると感覚が戻ってきてびくびくとペニスが震え始めた。 「ひおんん……ひおおんんんっ! ごめん、ごめん……うああ」 もう止められなかった。詩音にここでばれても強引に射精まで持っていける。 ───やっと……しかも詩音のにおいを嗅ぎながら……出せる……なんて 鼻で詩音の蒸れた空気を思いっきり吸い込んでフィニッシュに添えようとする。 「何をしてるんですか、圭ちゃん」 ぱん。 「あああ!? 痛うああうううああうっああああああ! ああああああ!!」 何かをされた後に圭一が必死にしごいていたほうの腕を押さえながらのた打ち回った。炸裂音が一瞬響いた。 「あうううう! ああ、ああ、ああ」 圭一は上腕の筋肉が切れてしまったと思った。がくがくとその部位が痙攣する。腕の中をバットで叩かれたような鈍痛が襲う。詩音は愛用のスタンガンを圭一に当てたのだ。一人で達しようとする圭一に体罰を与え、 「勝手に何してたんです?」 詩音の抑揚のない声が降ってきた。するすると顔から身体を離し、腹の上にまたがった。 「痛いでしょ? 食らうのは初めてですか?」 圭一はうめくだけで何も答えようとはしなかった。 「うあわああ……ああああ」 チッと詩音が舌打ちをし、残念そうに言った。 「また、答えてくれないんですか、本当に圭ちゃんは耳が悪いんですね」 制服の乱れを直しながら 「人が気持ちよくなってたら……勝手にイこうとして。使ってやってるから、少し調子に乗りました? 圭ちゃん」 と言った。 「あれだけ、約束したのに許しもせずに喋って、顔を動かして……汚い息吹き掛けてきやがって……興冷めですよ」 静かに詩音は言い放ったが、下にいる圭一はもぞもぞと身体を揺り動かしているだけだった。あうあう、痛い痛いと悶絶しながら痛みを抑えようとして詩音のことなど考えてはいないようだった。再びチッと鳴らすと 「聞こえてんのかって言ってんだろうが! この豚野郎が!」 「ああああつ!! 」 詩音はスタンガンの柄を先ほど電撃を当てた部位に押し込んだ。ぐりぐりと柄をそのまま赤くなった腕に食い込ませたのだ。スタンガン越しに骨の感触が届くぐらい詩音は本気で押し当てた。 「っはは……痛いですかぁ? 耳の悪い圭ちゃんは言っても聞いてくれないですもんね。だから、こうっやって! ほら! 体で覚えさせなきゃだめですよね~。圭ちゃんはグズだから、こう教え込まないと。ふふ、はははは!」 「……ごめん、ごめんなさいいい! ごめんなさいごめんなさいもうしません!」 「家畜と一緒ですよ圭ちゃん。お姉たちに見せてあげたいですよ、あんたのその姿。素っ裸でごめん連呼して、気持ちの悪いよだれ流しまくりで」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」 「ちなみに今の出力は最弱ですから、一応感謝してください」 「ごめんなさいごめんなさい……」 家畜と呼ばれた圭一は謝罪をまるでお経のように繰り返していた。 「ごめんごめんうっさいなあっ! 少し黙ってくれません、また当てられたいんですか?」 圭一ははっとすると 「……っご、ごめんなさ……」 「次はもっと出力上げましょうか? おんなじ所に寸分狂わず当てて。今度は腕の神経焼けちゃうかもしれませんね。腕上がらなくなるかも。いいじゃないですか圭ちゃん、あんたが片輪になっても誰も悲しまないですよ? 家畜なんだし」 もう一度当てると詩音が言うと圭一は必死にふるふると頭を振った。 「必死ですね……ほら腕どけてください。バチっともう一回しましょう。もう一回すれ ば、約束守らない圭ちゃんにはもうならないでしょう、ほら、だから腕どけて」 「い……嫌だぁ! 詩音、もうしませんからあ! もうしないからあ!」 「ちょっと、腕どけろって……はい、圭ちゃん見えます? 目盛り最強、右まで振れてるの見えます? 圭ちゃんから見たら左かな? じゃあ当てまーす。圭ちゃんの頭良くなりますように」 「嫌だああああああ!! やめてええええええええ!」 「ぱーん」 圭一は高い音を聞いた瞬間、全身をびくっと震わせた。反応してしまった男の自分が情けなくなって体を抱きながら声を殺してみじにに泣き始めた。 「冗談ですよ圭ちゃん」 「ううっく……ううあうっくぅ」 「……ふふっ、あっはははははは!! そんな泣かないでもいいのに」 自分に組み伏され、泣かした圭一を見て詩音はぞくりと体を震わせた。真っ赤に泣きはらした圭一の瞳と電撃で赤くした二の腕のその部分を見て 「本当にぞくぞくしちゃいます……その泣き顔……声」 そう言って圭一の瞳からこぼれた涙をぬぐった。 「少しは落ち着くと思ったのに……全然萎えてないです。っていうかさっきより大きく なってません? 圭ちゃんは生粋のMなんですね」 「うくぅっ……う……うう」 「そうだ圭ちゃん、いいこと思い付きました」 いまだに泣きはらしている圭一を尻目に無邪気そうに言った。 「さっきから見てると圭ちゃんは聞く耳持たないというか、生まれつき耳が悪いというか」 「……うう、あっ」 圭一の耳に手を添わせ、円を書くように指先で撫でたあとに詩音は言った。 「耳の通りを良くしてあげます」 「…………え」 詩音は圭一を横臥を命じると後頭部側に正座した。 「そうそう、ちゃんと言うこと聞けて偉いですよぉ、圭ちゃん」 圭一の目の届かないところに詩音は座したため、これから何をやってくるのか、見当が付かなかった。先ほどと比べたら柔らかい口調になったが、彼女のことだ。分からない。もしかしたら、笑顔でスタンガンを耳に当ててくるかもしれない。耳の通りを良くすると聞いたのでその可能性も否めなかった。 「し……しおん?……何を……」 詩音から耳について小言を何度も言われた。圭一は後悔した。決して聴力が低いわけではなかったが、詩音の責めにより強大な相手には黙り込んでしまう昔の暗い自分が去来し、返事をすることができなかったのだ。そして詩音の言葉は聞こえていたが責め苦によりせせず、結果的に詩音の苛立ちを招いてしまっているのだ。 「動かないでくださいね……絶対」 いじっていた指を止め詩音はわざと息が吹きかかるように調節してささやいた。 「う、ん…… えぁ……?! え?」 耳の入り口を撫でられたような感じがした。初めは舌を突き入れられているのだと思った。しかし耳のとても届かないような部分ま達している感触を覚え ───これは……本当に舌? なのか…… とにかく生温い何かを詩音は操作している。それだけが分かった。 「し……おん、何を……!」 耳の聞こえが悪くなって、詰まるような奇妙な、陸上では感じたことのない。しかしながら最近どこかで味わったことのあるような感触。どうして詩音はそんなことができるのか末恐ろしくなった圭一は恐る恐る聞いた。 「一体……一体、何をして」 「分かりません? …………圭ちゃんの耳の穴に唾流し込んでるんですよ」 聞こえが悪くなった耳でそれを聞くとぞわっと今までで一番鳥肌が立った。無意識にぶるりと首が震えた。ずちゅっと詩音が唾を溜める口音が片方の耳から聞こえてきた。唾液を分泌する詩音の口の音は普段の圭一が聞いたら、辛抱たまらない、おかずにさえできる音のはずだ。しかし今の圭一には恐ろしい怪物の咀嚼音に聞こえた。水泳の授業で耳に水が入ったときのもどかしい感触。最近味わっこことのある例の水詰まりとほぼ同じ状態になっていた。 「すごいですよ、いっぱい流してるのにすぐ空いちゃう」 「はああはあ……詩音……おかしい……よ……ああ!」 重力にしたがって耳の奥に進む詩音の唾液に悶絶しながら圭一はまたもや自分がいきり立っているのを見た。こんなことをされて勃起している自分は病気なんじゃないかと思う。 「……このくらいで……どうです? ちゃんと入ってます? きちんと耳の外側に落とさないように直接穴に垂らしましたから」 「あっあっあっあっ」 圭一が等間隔で声を上げ始めた。詩音の指が圭一の耳孔に突っ込まれている。ゆっくりと詩音はそれを上下させた。 「んん? 感じてるんですか? 圭ちゃん。こうやって指でじゅぼじゅぼされるの気持ちいいんですか? 」 未知の感触に冒されて圭一の目の前がくらくらと揺れ始めた。耳の中をかき回されて、規管がおかしくなったのかそれを考える余裕もなかった。気が付くと口をだらしなく開けて口の端からよだれを垂らし始めていた。 「あっういっひ……ひおんん……ひいひようう……」 「ふふ、そんなにも……じゃあ、圭ちゃんは太目の親指でされるのが好きですかぁ?それとも細い小指で突付かれるのがいいですかぁ?」 「お、おやゆびがひいひいいよおおうう! ひおん! ひおんんん!」 「あっはははは! 圭ちゃん本当に頭おかしくなっちゃったんじゃないですか? 耳に親指突っ込まれて、電気食らって、こんなにあえいで。こんなにおっ立ててさあ!」 詩音は笑い叫びながら、空いた手で圭一の気味の悪いぐらい勃起したペニスをぴんと指で弾いた。しずくが舞ってシーツを汚した。 「だ、だってええ! ひおんが……ふ、好きだからあああ! ひおんなら何されても!いいからあ! ひおんもっとおおお!!」 「うふ、あははははは! こんなによだれ垂らして体くねらしてる豚に、好きとか 言われても全然うれしくありませんよ圭ちゃん! 本当に気持ち悪い」 気違いじみた嘲笑を顔に貼り付けて詩音は片手を圭一にペニスに添わした。 「あっああああ! きもひいいよおおう! ひおん、ひごいて! ひぼいてえええ」 「いいですよ、圭ちゃんしごいてあげます。それに」 詩音は耳から指を引き抜くと次は自分の髪の毛を幾筋かを耳の穴に突っ込んだ。 「あああ! ぼそぼそしてる! 詩音の髪の毛があああ!」 「このまま髪の毛で鼓膜破っちゃいましょうかぁ? 耳もっと悪くなりますね! あは、あははははは!!」 「うん! 破っていいいからああ! もっとしごいて! 出させてええっつ!」 「ほらあ、ぼそぼそずるずるずる聞こえてるんでしょう? 鼓膜触られて気持ちいい?! っはははは!」 詩音のしごくてが段々と速さを増した。あきらかにそれは射精に向かわせている動きで圭一にようやく放出を許そうとする動きでもあった。 「あ、あああっ! も、もう少しでイきそう!」 執拗な責め苦はもう数時間も経ったのだ。詩音も手を緩めようとはしない。ようやく射精に持っていける。しかも詩音が導いてくれている。数秒後に訪れるはずの未知の快感に身を委ねようとする。対する詩音は唾液にあふれた圭一の耳の中にぐいぐいと長髪を流し込んでいる。片方の手は圭一の限界にまできているペニスを緩慢な動きなく上下させていた・ 「あうああうっつ! イ、イぐううう! 詩音んん!!」 圭一は腰を反らせて溜まり切った白濁液を外に吐こうとした。無意識の行動で抑圧された溜まりを身体が外に出そうとしていた。 「だめ」 「え!? あああ! なんで!? 詩音んんんん! 止めないでよおおおおおお!!」 ぱっと詩音の手が離れた。あと半往復してくれれば、というぎりぎりで詩音はまたもや止めてしまったのだ。同時に圭一の両手首をぎりぎりと絞り上げ、勝手に自慰をさせないようにした。 「しおんんんん! お、お願い!! もう少しだからああ!!」 「誰が出して良いって言いました? 耳の通りよくしたのになあ……やっぱり聞いてなかったんですね」 圭一はなんとか刺激を受けようと腰を突き上げて何かに擦りつけようとした。圭一のペニスはただ空気を切るだけであって。達するには不十分だった。 「動かないでください。またビリビリします?」 じたばたと赤子のようにわめいていた圭一はそのビリビリという言葉ですっと大人しくなる。圭一はううとか嫌だとかつぶやいて、懇願するように詩音を見つめていた。 「私のこと嫌いになりました? 圭ちゃんは今こう思っているんでしょう? 目の前の詩音に出してもらいたい。詩音の憎らしい口に突っ込んで喉の奥まで入れ込んで精液飲ませたい。詩音のおま○こぐちゃぐちゃにかき回して、中出ししたいとか」 「うう……うわぁあ」 「でもだめ、だって私は……」 圭一が静かになってこれ以上暴れないとみた詩音は手を自由にさせた。圭一の唾を入れたほうの耳をわざと選びこうつぶやいた。 「圭ちゃんのことなんて考えてないですから。圭ちゃんに今日付き合ったのなぜだか分かります? 遊びです。悟史君が帰ってくるまでの暇つぶし。いわば圭ちゃんは代わりです悟史君の。いいえ、代わりにもならないただの人形、私の人形。初めに言いますけどあんたなんかに私のおま○こみせたり、圭ちゃんのくわえたりそんな汚いこと絶対しませんからね」 強い言葉を吹きかけていると圭一はその度に震えたり、あうとか言って面白かった。 「私の体は悟史君のものですから、悟史君ならなんでもしちゃいます。精液飲めって言われたら四つん這いになってぺろぺろしますし、気の済むまで中出しされて赤ちゃんできても全部喜んで受け入れます。でも圭ちゃんは論外」 悟史のことを言われてしまった。圭一には入り込むことができない現実ををまざまざと突き付けられた。ひとりでに涙が溢れてくるのを感じた。射精をお預けにされた絶望と現実がぐちゃぐちゃに混ざって心を締め上げた。 「しおんん……待って……」 射精させてもらいたい、嫌いにならないでもらいたい、自分を見捨てて欲しくない。複雑に入り混じった心のうちが圭一に言葉を紡がせた。 「待って……捨てないで……悟史には適わないって……分かるから……これ以上……」 完全に突き放したはずなのに、妙にひたむきに向かってくる圭一を詩音は嘲笑った。 「こんなにまでされたのにまだ足りないんですか? しかも涙なんて流して……気味悪い」 すでに圭一から体を離して、帰宅の準備をしていた詩音はそう言い放った。 「捨てるつもりなんてないですよ圭ちゃん。悟史君が帰ってくるまであんたと遊んであげますよ。だってこんなに面白いお人形見つけたんですから」 「詩音……」 「一週間後、また遊んであげます。でも圭ちゃん」 満足げににこにこ笑いながら詩音は圭一に再び迫った。寝っ転がっている 圭一の顔に合わせるように姿勢をかがませた。圭一に自分の目を合わせて、瞳を見つめるように命令をすると 「でも圭ちゃん、この一週間絶対射精しないこと、この後ももちろんだめです。一つだけです。一つだけだからこれなら圭ちゃんも守れますよね」 一週間射精禁止を命じられたとき圭一はくっと目を開きくぐもった声を漏らした。 「ん? 何か問題でも?」 圭一は力なく首を横に振った。 「もし、射精したら、そのことがばれたら……電気だけじゃ済みませんから、両親や村の人たちにあんたの痴態言いふらします。住めなくなるかも? お姉にも学校にも言います。お姉泣いちゃうかもしれないですね」 射精を禁止されるという強大な釘をさされた。思春期の少年にはこれ以上のことはない恐ろしい宣言だったが頭のどこかで詩音に捨てられなくて良かったという感情が湧いていた。 「詩音……」 「なんです?」 「一週間経ったら……経ったら……出しても……?」 詩音は手にあごを乗せ考える素振りをした後に 「考えてあげます」 と言った。 「それじゃあ、さよなら圭ちゃん」 詩音は圭一の部屋を出て行った。 s 詩音と出会って1週間が経った 後(詩音×圭一) -
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前回 鬼畜悟史~ハジマリ~ さて……後は4人だが問題はここからだと思って良いだろう。 学校の授業中。やはり授業に集中できず、今後の作戦を考えることにした。 詩音はもともと僕に好意があったから楽に墜とせたが、次からはこうはいかないだろう。 今後は次に墜とす人物によって大きく方針が変わってくる。 レナは、おそらく圭一が好きなので簡単には攻略できないだろう。 魅音も圭一が好きらしい。ちらっと圭一を見て、ぼそっと言った。 (あんな変態男のどこがいいんだ?理解に苦しむ) するとどこからか「お前が言うな、なのです。あぅあぅ」とか聞こえた気がしたがきっと気のせいだろう。 梨花に関しては誰が好きかさえもわかったものじゃない。狸だ。 すると自然に次の人物が限られてくる。実の妹、沙都子。 しかし、沙都子を墜として何かメリットになるだろうか? 今の状態と変わらない気もするし(この前なんて『好き好き∞にーにー』歌ってたくらいだ) 実際一番仲間に入れて役に立つのは魅音だ。園崎家の権力を振りかざしたりできるし、地下の拷問部屋なんて 良いものが沢山ありそうなんだが。 墜とすと言っても、別にレイプではない。やはり一番良いのは、相手の承諾を得て最後に僕の虜にさせることだ。これなら、もし危うくなってもなんとか言い逃れができるだろう。 魅音をどうやったら墜とせるかだが……閃いた! そうさ、魅音の場合は圭一が好きなことが逆に弱点になる。それはレナにも言える事。 魅音とレナのどちらを取るかと言われれば、よっぽどのことが無い限り 圭一はレナを選ぶ。そして、そのあたりが鍵のような気がする。 ……そういえばこの前詩音が言ってたじゃないか。 最近、町で部活をしてきた魅音が泣きながら帰ってきたと。 確かその理由は圭一のデリカシーの無さが原因だったらしい。 しかもそれに圭一は気づいてないとか……。 これこそが天の導きか。 学校ももう終わるし、そうと決まれば早く用意しなければ! そして大急ぎで学校から帰ってきた僕は、あるものを手に入れるために興宮へ急ぐのだった。 ひ ぐ ら し のなく 頃 に ~ 鬼 畜悟史 ~ 第二話 ~オンナノコ~ ジリリリリリン!!ジリリリリリン!! 部活が終わって学校から帰ってくると、電話が鳴っていることに気づいた。 今日は婆っちゃもいないしお手伝いさんもいない。 仕方なく私は受話器をとる。 「……もしもし。園崎ですが」 「北条と申しますが、魅音さんはそちらにいらっしゃるでしょうか?」 「ん~?あ~、悟史か。私だよ私。魅音だけどどしたの?学校終わったらすぐに走ってどっか行っちゃって。 なんか用事があったんじゃないの?」 「もう用事は終わったから大丈夫だよ。それよりさ、今日僕の家に遊びに来ない?詩音が『復帰おめでとうパーティー』なんて開いてくれてるんだけど食べ物の量が多くて食べきれないんだよ」 「詩音のヤツ何やってんだか……。別にいいよ。どうせ暇だったし」 「ありがとう。じゃあすぐ来てね。またあとで!」 ガチャン! たった二人で復帰パーティー?お二人さんやるねぇ~! なんか邪魔しちゃ悪い気がするけど、呼ばれたんだから行かなくちゃいけないよね。 ……などと一人で考えながら着替えて、悟史の家に行く準備をする。 ふと時計を見ると、もう19時を過ぎたころだった。 服も着替え終わり、悟史の家に行くために外へ出る。 そろそろ20時なので明かりは全く無い。 その暗さはまるで私を混沌へと誘う悪魔の敷地のようにも感じられた。 (この年にもなって、私は何考えてるんだろうねぇ全く……) 私は心の中で何かに怯える自分を無視することにした。 こんな暗さぐらいもう慣れっこだ。 そうさ、たとえ圭ちゃんに女扱いされないことぐらいもう慣れっこだ。 そうして本当の自分に嘘をついて、男勝りだけど暗い殻を纏うのにも慣れっこだ。 その殻の中の暗さなどと比べればこんな暗闇などないにも等しい。 「ははっ…………」 いつの間にか自嘲気味になっていた自分に気づき苦笑いする。 私はこんなに卑屈なやつだっただろうか。 いけないいけない。今日は一応悟史の復帰祝いのパーティーじゃないか。 お祝いに来たほうが暗くてどうする。明るく、いつものノリで。 詩音だって来てるんだしね。 (いいなぁ……詩音は女の子らしくて……。だからきっと悟史とも仲がいいんだろうな……) ふと湧き上がる嫉妬にも似た感情。 わかってる。男勝りなのは自分がそういう性格を作ったせい。 わかってる。この性格を変えなければ圭ちゃんはこちらを振り向かないことも。 わからない。どうして私はもっと素直になれないのだろうか。 そこで気がつく。そろそろ悟史の家に着くじゃないか。 とりあえずこのことは忘れるんだ。 ほら、悟史の家の明かりが見える。 いつものテンションはどうした私!? 家の玄関の前でテンションを切り替える。 そして私は悟史の家の中に入っていくのだった。 パーティーだと聞いていたから、派手にクラッカーとか飛び散っていてケーキとかが残ってるのかと思っていたが 部屋の中は普通。普通と言うかいつもと変わらない雰囲気。 一瞬、家を間違ってしまったかと思ったぐらい拍子抜けだった。 詩音はなぜか壁に寄りかかって寝ている。なんだろうね、これは……。 部屋の奥から悟史が出てくる。 「やぁ、こんばんわ魅音。よく来てくれたね」 「やぁ、じゃないよ!こんな時間に来てくれっていうから来て見たら食べ物無いし、詩音は寝てるし!もしかしてあれか!?私に詩音を運んでもらいたいって魂胆か、この野郎め!あんたそれでも男かー!?」 「ごめんごめん。ちゃんとお詫びはするからさ。ほら」 悟史は手に持っていた紙袋から何かを取り出す。それは……え……? それはお人形さんだった。外見はとても綺麗で見惚れる位だった。きっと高いんだろうなって思った。 ……そうじゃない。もっと重要な部分がある。 その人形は『あの日』圭ちゃんに貰い損ねた人形だったのだ。 「え……?なんで……悟史がその人形を持ってるの?」 「僕が買ったからに決まってるじゃないか。魅音は何を言ってるんだい?」 そう言って悟史は私にその人形を手渡そうとする。 だけど私はその人形を受け取りたくなかった。受け取ったらもう圭ちゃんに振り向いてもらえない気がしたのだ。 「……悪いけど、私、その人形持ってるんだ…。だから、それいらない……」 気づいたら私は嘘を付いていた。私はその人形が好きだ。 でも好きだからこそ圭ちゃんに渡してもらいたい。そんな思いが私の中で沸き立っていた。 「嘘だよね?魅音はこんな人形を持ってないはずだよ」 だけどすぐに私の嘘を見破る。 「……どうして嘘だって言うの?」 私は何故こんなことを聞いているんだ。私が持っていない理由なんて一つしかないじゃないか……。 「だってさ、男勝りな魅音がこんなもの持ってるわけ無いじゃないか。それとも魅音はこんな乙女チックな物が欲しいの?」 聞きたくなかった。そうさ。こんな私がいくら着飾ったって『オンナノコ』になれるはずがなかった。 「大体僕はこの人形を魅音にあげるとは一言も言ってないよ。魅音はそれよりもこっちの方がいいもんね」 紙袋の中から今度はモデルガンを出して私の手の中に押し付ける。やめて……もうやめてよ……! 「この人形は詩音に渡すんだ。詩音はもっと女の子らしいし、まだ見せてないけどきっと喜ぶと思うな」 それが私に対するトドメだった。 「うああ……あ……あ……ああ……!」 涙が止まらない。私は両手で顔を覆いながら悟史の目の前で泣いた。 恐らく、これが男子が私に抱いている感情なんだ。 女物が似合わない、がさつで男勝りな私なんて誰も女として見てないんだ。 ならきっと圭ちゃんもこう思っているのだろう。 今からでも遅くは無いかな……?なんて、現実を見てないだけのただの戯言。 もう園崎魅音が女の子として見てもらえることなんて起こりえない。 今更どうやっても無駄なんだ……。 私が全てを諦めたその時、私の肩に悟史の手がかかる。でも、何故かその手はとても暖かく感じられた。 「でもね。男らしいって言うのも一つの魅力だって魅音は知ってるかい?」 突然なんてことを言い出すんだこいつは。今の今まで私を散々追い詰めた癖に。 「そんな言葉で私を慰めようとしても無駄だよ……。そんな魅力なんて無い」 「違うよ魅音。少なくとも魅力の無い女の子なんていない。それは魅音も同じ」 「女の子らしくない女の子に魅力を感じる男の子が居るって言うの?じゃあ、よっぽどその人は物好きなんだろうね」 投げやりに言葉を返す。そうさ、そんなの居るわけがな…… 「僕がそうなんだよ魅音。僕は、君の男の子らしい元気で溢れる君が大好きなんだ」 え……?悟史が……私のことを好き……? 「勿論、仲間としての好きじゃないよ。圭一はそうみたいだけど、僕は違う。異性として君の事が好きなんだ。 僕はそんなに運動が得意じゃないし、およそ男の子って感じじゃないと思う。 だから君が羨ましかった。活発に動きまわって皆に元気を与える君に憧れた。 そしてその憧れが恋愛感情だとやっと気づけたんだ」 そんなにストレートに言われるとは思わず、心が動揺する。私も過去に悟史が好きだったという記憶が蘇る。 私も悟史が嫌いではない。 「で……でも。私は圭ちゃんの事が……」 しかし、そんな圭ちゃんへの未練を悟史はあっさりと切り捨てる。 「魅音は本当に圭一の事が好きなのかい?もしかしたらそれは、レナへの嫉妬じゃないのかな?」 意味が分からない。私がレナに嫉妬していた……? 「レナは女の子の模範とも言えるほど女の子の魅力に溢れた子だ。勿論、クラスの中での評判も高いし下級生達の憧れの的だよ。でも、魅音はそんなレナを妬んだんじゃないのかな。そしてそのレナが好きだと言う圭一を振り向かせることで自分がレナよりも女の子だと証明したかった。だけど嘘は続けると真実になる。そう。魅音はいつの間にか圭一を好きだと勘違いしていたんだよ。それも自分で気づかぬ内に。違う……?魅音……?」 「私は……私は……」 私はそんな理由で圭ちゃんが好きになったのだろうか。 だとしたら、私のこの想いは所詮まがい物だったということなのだろうか。 私自身が分からなくなる。私と言う自己がふわふわと宙に浮いていて足が地に付かない感覚。 確かに一度くらいはレナを妬ましく思ったことがある。 でもだからって圭ちゃんをレナから引き剥がそうだなんて思ったことは……。 無いと断言できない。確証が得られない。もしかしたらそうなのかも知れないという思いを掻き消す事ができない。 好きだという想いすら確かめることができない。とても……苦しい。 そしてそんな私に悟史が囁く。 「僕だったらそんな君に愛を与えることができるんだ。君が僕を受け入れてくれるのなら君はレナを、そして自分自身を疑わずに済む。そんな不確かな恋心を持ち続けてどうするの?僕のところに来て楽になりなよ。もし僕と付き合ってくれるなら、僕は全霊を懸けて君を癒してあげられる」 頭が痛い。こんな苦しみは嫌だ。レナを、自分を疑うなんてもう嫌だ。 悟史はこんな私を好きだと言ってくれている。 圭ちゃんは私よりもレナが好きだと思う。 そして私は悟史が嫌いではない。付き合ってもいいと思う。 なら私に最初から選択肢など存在しなかったのかもしれない。 「魅音。君の返事を聞かせてくれないかな?」 「私は……園崎魅音は、北条悟史の想い……を受け入れるよ。こんな私だけど恋人としてよろしくね、悟史」 返事をしたことで心が緩くなったのか、涙が止まらない。 そんな私を悟史は黙って抱きしめる。それは言葉で慰めてもらうより、今の私には嬉しかった。 そしてその時悟史は思った。 計 画 通 り ……! <続く> 鬼畜悟史~ソノザキシマイ~
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/217.html
突然だが俺は今レナの家に居る。正しくはレナの部屋の壁に寄りかかっている。 初めて入ったその部屋には塵山から拾って来たのであろうよく解らない小物がゴタゴタと散乱していた。 一通り見渡してみるが、本当にレナの萌所が解らない。 近くに在ったガラクタを拾いじっと見るが俺には一ミリも"かぁいい"とは思えなかった。 しかし今の俺には"かぁいい"だの"変"だのと言える筋は無い。 何というかその、……うん。俺自身もよく解らないモノと化しているからだ。 普段なら制服のズボンで隠しているであろう足には白いオーバーニー、 全体的に黒い半袖のワンピースに白いひらひらとしたエプロン、胸元には大きな紅色のリボン。 頭にはお約束のフリル付きのカチューシャ。 ……もう此処までくれば大体は想像付くだろう、今の俺はメイド姿なのだ。 如何してこんな格好をしているのか、皆さんはお解かりに成ると思いますので割愛させて戴きます。 そしてそんな姿で何故レナの家に居るのかも。 レナは"かぁいい"と判断した物をお持ち帰りするくせが有る。 ……つまりは俺はレナに"かぁいい"物としてお持ち帰りされた。 かぁいいモードに入ったレナには誰も敵わない。お持ち帰りを阻止しようとする者がもし居れば、そいつは命知らずだ。 部活メンバーの誰もレナを止めなかった。怖いからとかではなく面白がって、だ。ハンカチ振って見送りやがったしな…。 で、お持ち帰りした犯人はというと……ぎゅううっと抱きついてすりすり頬ずりしている。俺を。 「はぅ~圭一くんやっぱ、かぁいいよぅ~!」 レナの部屋に入ってからずっとベタベタされてる。よく飽きないな、と呆れる半分、少しヤバイなと思った。 俺も思春期でお年頃なんだ。同級生の異性にベタベタと身体と身体が密着する度に相手の体温を感じる。 何度となくされている頬ずりなんか顔が間近に在る上に頬の柔らかさが直に………是で反応しない奴なんか居ないと思う。 それと同時にこいつは俺を男として思ってないな、と虚しくなった。まぁ、こんな格好をしているから仕方が無いだろうが。 「だ~、もう、レナ離せって!」 我慢ならずに、ぐいっとレナの身体を引き離す。 レナは引き離された事に対して不満そうな顔しながら、 「はぅ、だってこんなにかぁいいんだよ、だよ?」 答えになってない台詞を吐きながら再度抱きつこうとする。 こうゆう時のレナは本当に人の言う事なんか聞かない。己の行きたい道を周りを気にしないで全速力で突っ走る。 何時もなら此処で諦めるだろう。でも今回は俺自身の問題なのでそうはいかない。 抱きつく為に近付こうとするレナの肩を痛くないように配慮しながら力を入れて抑える。 力と力のぶつけ合い。是は両者が同じ力を真っ直ぐ入れているからバランスが崩れないで保っていけるのだ。 勿論バランスが少しでも崩れれば俺たちの身体も同じ様に崩れる。 そろそろ限界だと主張するかのように抑えるその腕がぷるぷると震え始めた次の瞬間、ずるりと俺の左手がレナの肩からずれた。 支えるものが無くなったレナの身体も下に落ち、其処に倒れこむ場所は俺の腰。 レナはチャンスだと思ったのだろう。もう引き剥がさせまいと腰に勢いよく腕を回し抱き寄せる。 そうすると必然的にレナの顔の位置が決まる。 ちょっ、是は…まずい。本当にまずい。是で頬ずりなんかされたりしたら―――――…。 そんな俺の思考とは裏腹にレナはこの上ない笑顔に再び戻る。 嗚呼、止めて下さいレナさん。その位置から見上げて俺の顔見ないで…アングル的にヤバイですから。 「はぅ~下から見る圭一くんもかぁいいよぅ~~!!」 「ああああああ!!!」 ああもう、お約束万歳。 如何してこうゆう時は「一番されたら困る」事を相手はしてくれるんだろうか。 ぐりぐりとレナの頭が動くとその振動がスカートを通して伝わってくる。背中か胸だったらこんなに感じなかったろう。 今迄散々レナにされてきた事が積み重なり、余計に敏感になっているその部分。 「れ、レナ…そんなに頭動かぅ…すなっっ!!!」 必死で引き剥がそうとするがこの位置からじゃ中々引き剥がす事は難しい。 大体レナの方も必死で力強く抱き締めてくる。抱き締めれば抱き締めるほどに顔が其処に深く深くのめり込む。 敏感な部分に擦れる感覚と摩擦熱、そして抱き締める異性の柔らかい感触とこのアングル。 是で何も起きない奴が居たら見てみたい。 荒い息と下半身の充血を抑えながらその感覚に耐えていたが、やがてレナの動きが止まる。 ………終わったのか? 暫く動きを停止していたレナが不思議そうな顔を上げ、俺に問いかけてくる。 「………何か…此処急に固くなったかな、かな?」 ………終わってました。俺が。 抑えていたつもりなのに全然抑えきれていなかったということですね。 一気に顔が熱くなる。不思議そうにぺたぺた触られている下半身はもっと熱いけど、ね。 「ああ、あああああの、そそそそ、其れは、その」 「圭一くん、何か入れてるのかな?さっきまでなかった気がしたけど…」 さっきからっていうか生まれた時からありました。只主張してなかっただけで…って今はそんな事思っている場合じゃない!!! 「レナさん」 「はぅ?」 「人の身体の構造知ってますよね?特に女と男の違いを」 思わず敬語。そして自分の口から直接理由を言わずにレナの知識に頼ろうとしている俺が少し可愛い。 「………………っと……はぅぅ!?」 ぼん、と大きな音がした後に顔が赤く染まった。理解してくれたのだろう。 「えっと…是は、そのレナが?」 真っ赤に成りながらもまじまじと其れを見る。 確かにレナには珍しいもんなのだろうが、そんなに見られる側にも成ってほしい。 「ど、如何すれば治るのかな…かな?」 「とりあえずレナが退いてくれれば…」 そう、俺の言葉の通りにレナが退いてくれれば良いのだが、何故だかレナが退く気配が無い。 「レナ…?」 呼びかけにも反応しないで呆然と固まっている。まさか、かぁいいモードが是で発生したりなんかしてないよな……。 「…ど」 「ど?」 「…どどどどどど、如何しよう圭一くんのがっレ、レナの所為で……レナが圭一くんのをえっと…はぅ~!!」 固まっていたのは思考が混乱していたかららしい。当の俺以上に顔を真っ赤にしてわたわたと慌てている。 レナはあっち系の話題に弱い。しかし今目の前に在るあっち系の物体の存在が信じられないのだろう。 暫く動揺した後何かを決心したかようにばっと俺の方を向く。 「レ、レナの所為でこうなったんだよね……えっと、その…うん。」 もじもじと恥らいながら上目使いで話しかけてくる。その仕草が余計に心を擽るんですが……態とですか? 「―――…って、おい!?」 レナの行動に驚いた。メイド服のスカートを足の付け根部分まで引き上げ俺の脚と下着を露にしたのだ。 「……お詫びとして…ね、…良いかな、かな?」 「良いって、え、…ええええええええええ!!!?」 何言ってんのこの娘は!ちょっ…今度は俺の方が整理がつかない。 えっと、レナの過度なスキンシップに俺が反応しちまって…それがバレて…レナが私の所為だからお詫びにって……つまり…その? ……何度考えても行き着く場所は一つ。 「あ、えーっと…レナ」 「はぅ?」 「それって……その、アレ?」 世に言う"ご奉仕"みたいな。 "アレ"という言葉に反応して目を大きくするが、こくん、と小さく頷きながら下着に触れる。 良いかな?なんて訊いたくせに俺の方に拒否権は無しですかそうですか。否、拒否はしないけど……。 レナがもぞもぞと下着から其れを取り出し直接触ると、手の温かさと柔らかさがダイレクトに伝わり一瞬身体に電流が走る。 「あ、あはは、何か……柔らかいのに固いって…変な感じだね、だね…」 声は笑っているが眼が笑ってない。初めて見て初めて触れるその物体と行為に緊張しているのだろう。 まるで硝子細工を扱うように弱弱しく優しく揉むその慣れない手付きとおどおどした顔が反対に俺を興奮させた。 でも、全然足りない。強さとか触れる場所とかが微妙にずれているからだ。 こんなんじゃ反対に焦らされている様な気分。……もっと強く、もっと速く――――…。 「っは、レナ……もぅちょいっ………」 辛抱ならずに手を伸ばし、レナの手に重ねてその上から強く握る。 是では自慰行為と変わらない気がしたが、直に触れるのは俺の手じゃなくてレナの手だからか、快感の度合いが違った。 「け、圭一くん、こんなに強く握って平気なのかな、かな!?」 「お、俺がしてんだから平気に、決まってんだ、ろ…」 息が自然と荒くなる。言葉も切れ切れなのが少し恥ずかしいが今はそんな理性は放っておこう。 もう強さと速さは覚えただろうと手を離す。一寸強く掴みすぎたのだろうかレナの手の甲が赤くなっていた。 「ひゃっ、何か出てきたよっ!?」 先端部分から少しだけ液が出てきた。其れは上下する手の動きに合わせて垂れて行きやがてはレナの手に付いた。 其れが潤滑油の役割を持ち滑りを速くしていく。自分の手淫では感じた事の無い、今迄想像もつかなかった快感が襲う。 手の動きだけでも達してしまいそうに成っていたその時、"ちろっ"と生暖かい舌が先端に触れた。 「―――――――っ!!?」 ぞわわっと全身に鳥肌が立つ。 レナは快感を与える為にとかでやっているとかではなく、 溢れ出したものでベタベタに成ってしまった部分を綺麗にするかの様に舐める。 しかしその行為は反対に其の部分に血液を集め更に、余計に熱くする。 レナも只舐めるだけじゃ限が無いと思ったのだろう。口を大きく開けて口内に押し込んだ。 「ん、うぁ…む、はぁ……んっ」 レナが息継ぎする度に漏れる声とぴちゃぴちゃと水滴が跳ねる様な音が共に響く。 其の二つの音がいやらしくて思わず震えた。 やがて今迄以上の電流が連続的に体中を駆け巡る。 「レ、レナっ、ちょっ…もっ……」 此の侭ではレナの口内に放出してしまう。あんなものものが………、其れはヤバイ。 何よりレナは初めてだし、気分が良いものではない。絶対に。 一方のレナには当然と言うべきか、全然其れが伝わらずにお構いなしに動き続けられる。 取り合えず顔を引き離そうと頭に触るが、身体が上手く動かず手が滑り、反対により深く口内に進出させてしまった。 次の瞬間急に脳内が白くなる。 「ん、んむ…ん―――――――!!?」 レナの驚きの声が聞こえる。ああ、やっちまった…。 口内で暫く大きく暴れていたが段々と落ち着きを取り戻し、小さくぴくんぴくんと跳ねる。 それが完全に止まった頃にレナが口を離した。 「わ、わりぃっ、レナ!ほら、吐いて……」 我に返ってから慌てて謝罪をする。 何時もより早く達してしまった自分が男として恥ずかしいとか、そりゃ慣れていないからとか言い訳したい気分だったが、 此処はまず謝る事が一番重要で大切だと理性が判断した。まぁ、恥ずかしいものは恥ずかしいが。 でもそれに対する恥じらいはすぐ消えた。暫くしてレナがそろそろと動き俺の太ももに座る。顔と顔が向かい合うように。 此処まですれば大抵の人は後の展開が解るだろう。顔が近付いてきて口が塞がれる。 「ん、……く…っっ!!?」 …普通なら第一感想は柔らかいとか温かいとか甘いとかだろう。しかし俺の場合は違った。 塞がれたその瞬間に口内に激しい苦味が襲った。驚いたが冷静に考えればまぁ当然とも言えようか。 本当に今さっきまでレナは俺のを咥えていたわけだから、な。 早い話、己の出した精子を口に入れられたって事だ。 今迄味わったこの無い粘着力の高いドロっとした液体の舌触りと苦味に最初は戸惑ったが、 それは舌と舌を絡み合わせる内に段々と薄れ、やがて甘みを感じるようになった。 きっと是がレナの"味"なのだろう。 「ふ、むぅ…ん……はっ…ふぅ…っちゃ………ふ…ん、ぷはっあっ!」 俺としてはやっと感じることの出来た甘さをもっと味わってみたかったが、 レナの方に限界が来たのだろう、最後に唇を一舐めしてから顔を離し、息を整える。 俺はレナが離れた瞬間に再び襲い掛かってきた味に思わず咽る。経路は違えども二人とも息が荒いのは変わりは無かった。 色々落ち着いてから口を開く。 「レナ……最後のは違うから」 "最後"とは口移しに飲ますあの行為。しかし当の本人はきょとんとして一言。 「…ふぇ?だって……こうするんじゃないの?」 何じゃそりゃ。 「え、えええ、だって…前読んだのはこう、してたよ?……違うの?」 「違うって。どんなの読んでんだよ……っていうか、レナも読むんだな、そうゆうの」 「ふぇ!?違う、違う違う違うの、それは偶々で…!」 否定する姿を俺は滅茶苦茶不審そうな顔して見ていたのだろう。両手と首を左右に振り大慌てで弁解しようとする。 レナに言わせると毎度恒例の宝探しする為に不法投棄の山に行った時、新しい山の中に成人向け雑誌が捨てられていた。 何時もはそんなに気に成らないのだがその日は違った。珍しく魅音も塵山で一緒に遊んでいたからだそうだ。 魅音は発見するや否やビニール紐を外して他の所で宝探しをしていたレナを呼び戻し、 慌てる反応を楽しむ為だろう、何かと理由をこじつけ、よく解らない罰ゲームだと読ませたらしい。 その時運悪く偶々目に入ったシーンが今迄のだったそうで。 レナはこの手の知識に本当に疎いのか如何かは解らないが、 その時はそれが"普通"の愛撫の一環だと脳にインストールされてしまったという事だ。 ついでに蛇足。 「ちなみにその雑誌、今度圭ちゃんの机に入れて驚かせてやろう~って持って帰っちゃったよ」 ……覚えとけあの野郎。 それはそれで一先ずは置いておくが、女の子が成人向け雑誌を読むのって何だか反対にやらしい気がした。 だって俺たち男はその、まぁ成るわけで…身体の構造は違えども女の方も似たような事にはなる。 つまりはその、其の後の展開が気に成る訳でして…妄想が次から次へと襲ってくる。しかもかなり強烈なのが。 ……嗚呼、若いってこうゆう事なんだろうな。 むくり。持ち上がってくる。 其れに気付いたレナが驚きの表情を見せ動揺する。そりゃそうだ、レナはもう終わりだと思っていたに違いないからな。 「あー…すまん」 何となく謝る。 レナは俺の顔と其れを交互に見た後口に人差し指を当てて何か考えている。 多分、否、絶対例の本の内容を思い出そうと記憶を辿っているんだ。 「ええっと……確か………」 思い出したのか、腰を浮かせスカートを引き換え目にゆっくり持ち上げる。 捲った其処から見えるのは白い布――――――…ではなく、ブルマ。 そういえばレナは制服の下に体操着を着てるんだった。 少し残念に思ったが、それよりもレナが是から何を仕出すのかの方が気に成る。 レナは(多分)処女だし挿入という事は無いだろう。下着をずらしたりもしていない。 …と、成るとアレしかないな、片寄った俺の歪んだ知識に万歳。 予想通り、レナは其の侭ブルマと局部を擦り合わせる。 布二枚越しでも柔らかさと形を感じるそれは、先程以上の快感を齎した。 普通は急に布で擦られても、痛いだけだろう。 レナの唾液と、精子が付いていたお陰で滑りは良いのが救いだった。 そして擦られる度に、びくんびくんと反応をし召す。先端から漏れる液が更に滑りを良くする。 速くなっていく腰の動きに思わず声が上がる。抑えようったって、是は無理だ。 汗を掻きながら、呼吸が乱れているレナがそんな俺を見て笑う。 「あは、はっは。け、圭一くんの声、か…かぁいいなぁ…っ」 「ん、なこっとっ、云……うかっぅっ!!?」 かああ、顔が熱くなる。でもそれはレナも同じで、真っ赤に頬が染まってる。 きっと今の発言は照れ隠しで、見たことも無い俺の姿に動揺した結果、思わず出たのだろう。 ……なんか、結構似てないか?俺とレナ。 思考は割かし冷静だが、その他はもう理性を失っていた。 声を抑えようという気は、もう既に無くなっている。口端から零れる唾液も拭わない。というか、拭えない。 拭うために必要な手は、レナの腰を掴んでいるからだ。 それで力任せに、自分好みに擦り合わせる。レナもそれに答える。 一生懸命に腰を振って、俺に快感を与えようとするレナの姿が非常にそそるな。 それと同時に申し訳ない気持ちも出てきた。快感を得るのは一方的に俺の方でレナの方は一切感じない。 ブルマって結構厚いもんな、僅かに擦れる感覚はするだろうけど其れは本当に僅かで、是で達する事なんか不可能だ。 それでも一心に相手に尽くそうと身体を動かし、汗を掻いている姿が愛しく思えた。 腰から手を離し、頭に手を掛け強引に顔を引き寄せ、 「ふぇ?…ぅ――――――――っ!!」 口を合わせる。 急で驚いたのだろう。固まったレナは呆然と口を開けていて、俺はその隙に舌を挿れる。 「ふみゅ、っっゅ…っちゃ…!」 口内で舌を暴れさせる度に、ぴちゃ、と水が跳ねる。 その音を鳴らすのが、何となく楽しくなって、つい激しく舌を動かす。 不安定な姿勢の所為でレナは抵抗できないが、苦しくなってきたのだろう。肩を掴む手の力が強まった。 でも無視する。 さっきの口移しの仕返しも含んでいる事だし。 一応初めてだったんだぞ。初めてであんな、苦い思いしなくちゃいけなかったのが悔しかったから。 それに全然足りなかったしな。もっとレナの甘みを感じて居たかったのに。 「ふ、ふぅっ…はぅっ……ん、んんぅ~!!」 息が限界だとバシバシ肩を叩く。 少し顎を後ろに引くと、レナは急いで、早く酸素を肺に入れる為に顔をバッと動かす。 と、酸素不足なのに急に動かしたのがいけなかったのか、レナの身体はふらついた。 倒れまいと手を伸ばすが、何せ掴むものが無い。虚空を舞った人差し指がつぅ、と首に這う。 ぞわわっと身体の中に電流が流れ、鳥肌が立つ。 「ひゃっ?!」 「つっ…ぅうあ、うぁああっぅあぁあ!!!!」 倒れかけたレナを抱き寄せた瞬間に達した。 余韻やら何やらで身体に力が入らないので壁に寄りかかると、レナも疲れたのか同じ様にぽすんと胸に凭れ掛かる。 メイド服の一部と、レナのブルマとスカートの内側は吐き出したものでベタベタとし、薄っすらと染みも出来ている。 メイド服に至っては部活の借り物なのにな。洗濯等したら変に思われるだろうか…。 意味は無いが、何時もする様にレナの頭を撫でながら髪を掻き揚げると、 「ひゃうっ」 声が上がる……是は…………。 確かめるように何となく目に付いた首筋に流れる汗を掌で拭ってみると、今度はぴくりと身体が微かに跳ねる。 レナをよく見ると顔を真っ赤にしながら身体をもじもじさせている。心なしか瞳が潤んでいるような…。 あー、確定ですか。 「ひゃあっ!?」 小さな悲鳴とモノが倒れる音が部屋に響く。 今この状況を傍から見ればもの凄い光景だろう。 メイド服の男がセーラー服の少女を押し倒しているなんてな。 「け、けけけ圭一くん…?」 「あー、そのな、うん。俺だけがして貰うのも悪いかなーなんて」 頭のカチューシャが邪魔だ。下を向いていると落ちてくるし、場所が悪ければ目が塞がるからな。 片手でカチューシャを取るとレナの頭につけた。 セーラー服とメイドカチューシャ…凄い組み合わせだ。 まぁ、脱がせてしまえば同じ事だけど。
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前回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ肆〜<怪異> 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ伍〜<家畜> その21からその26まで収録 恋するとき人間の心は不思議に純になるのだ。 人生のかなしみがわかるのだ。 地上の運命に触れるのだ。 倉田百三『出家とその弟子』第二幕より 心の中の自我を抑えることのできぬ者ほど、自身の驕慢な心のままに、 隣人の意志を支配したがるのです。 ゲーテ『ファウスト』第二部第二幕より ——そして、時は今に至るわけだ。 なおもレナは、俺のオットセイ☆を夢中でしゃぶり続けている。 最初はゆっくりと前後に頭を振るのが精一杯だったが、一度喉の奥までオットセイ☆を飲み込んだ後は、感覚を掴んでストロークを開始した。 途中、顎が疲れたのかオットセイ☆から口を離すが、それもしょうがない。 日本人の平均値を大きく上回る俺のオットセイ☆だ。かつて白人とのハーフの女に「俺のは本場モンと比べてどうだ?」と聞いたことがあったが、 「こんなに大きなディックはカリフォルニアでも見たことがないヨ!!『大は小を兼ねる』って諺を思い出すネ、マサシ!!」と言っていた。 どうでもいいが、あの女——八重歯が特徴的で可愛い女だったが——俺のことをずっとマサシって呼んでやがった…謎だったな。 昔のことはともかく。 俺のオットセイ☆を愛おしげに頬張るレナ…これほど従順で、尽くしてくれた女は過去にいなかった。 時折、裏筋を下から上へ舐め上げ、俺を上目遣いで見てくる。目が合うと、クスリと笑みをこぼして更に奉仕を開始する。 まったく…こいつは、かぁいい奴だ。俺の本当の思惑など微塵も疑わず、ただ在るのは『圭一くんへの想い』…。 同時にそれは、『オヤシロさまの祟り』への恐怖心の裏返しでもある。 …俺はレナに、『祟りからお前を守る』と言った。それは昨晩においては方便だったが… 富竹が死に、鷹野が消えた現在、その言葉はどうしても守らねばならないだろう。 …五年目もオヤシロさまの祟りが起きたと知れば、レナはどんな反応を示すか? 恐怖に怯え、『次の犠牲者は自分だ』と思い込むか…もしくは、オヤシロさまの祟りに遭う前に、自分から身を捨てるか。 だが、大石の忠告によれば…オヤシロさまの祟りをあなどった俺を責めるかもしれない。 『圭一くんがオヤシロさまを信じないから、祟りがまた起きたんだよ』 こんなことを言い出して、俺に危害を加えるかもしれない…そう大石は忠告したのだ。まさか、な…。 …こんな時に何を怯えているんだ、前原圭一。竜宮レナはもはや、お前の忠実な僕だ。 主人に逆らう下僕なんかいない…同時にレナは、これからも俺の野望をサポートする重要な女だ。園崎魅音を下僕とするための…。 せいぜいレナを守ってやればいいのさ…それはつまり、俺の野望を前進させるために必要なんだ。 こいつを愛おしく思うのは、本心からじゃない…『神』はただ一人の女を愛することはない。そうだろ、前原圭一? …耳の奥で、もう一人の俺がそう囁く。レナを思うと、なぜだか調子が狂う俺だが…らしくないな。 クールになれ、前原圭一…! そう念じるうちに、レナの奉仕は更に激しさを増し、いよいよ俺の下半身が限界に近付きつつあった。 「あむぅ…じゅぼっ…ぶちゅる…ふむぅ…」 「く…ふ、ふ。レナ…いいぞ…そろそろ、俺もヤバイ…!」 「ぐぷっ…ちゅぶ…ぷはぁっ…け、圭一くん、そろそろ出ちゃうの?…キンタマから、オチンポ汁が上がってきちゃうの?」 レナはシュリシュリとオットセイ☆を擦りつつ、舌で玉袋をレロレロと舐めている。 「ああ、もう少しだ…レナ。もっとオットセイ☆をぺろぺろしてくれ」 「はうぅ…んん…レナ、圭一くんのオットセイ☆、もっともっとかぁいくしてあげるからね…はぁむ」 レナは亀頭をパクリと銜え、舌と唇でディープスロートをする。 唾液を絡めた容赦ない攻撃に、さすがの俺も腰を震わせる。 「ぐぅ…レナ!やるな…このまま、口の中で…出すぞッ!!」 「ふぐっ!?…むぐぅ、じゅるっ、ちゅぼっ…んん…」 レナは一瞬ドキっとするが、コクリとうなずくとラストスパートのように前後に頭を振る。 レナの手と口によって、いよいよ俺の精が爆発する。 「く…ぅ、出るッ」 「んんん…んぶぅッ!!」 ドクン、と尿道を駆け抜ける精液の奔流。レナは口内でそれを受け止め、ゴクゴクと喉を鳴らす。 「んんんんッ!!…んぐ、んぐ、んん、ぶはぁッ」 だが、さすがに全ては受け止めきれなかったか、呼吸を整えるために口を離してしまった。 それでもなお奔流は止まらず、レナの顔に白い粘液がかかる。 「ぷぁっ…は、ぁ…け、圭一、くんの…いっぱい、出たね…」 ようやく精液の勢いは収まった。レナはオットセイ☆から手を離し、顔についた白濁液を掬い取る。 レナはそれをうっとりと眺めていたが、口の所に持っていき、ペロリと舐める。 「ん…これが、圭一くんのオチンポ汁の味なんだね…。 なんていうか…ネバネバしてて、むわっとする味だね…。でも、嫌いじゃない、かな…かな。 …まださっき飲みきれなかったのが、喉の奥に絡み付いてる…ごめんね、全部飲みきれなかった…つ、次はちゃんと全部飲むからね…?」 そう言って微笑むレナ。口端からは、飲みきれなかった精液がつうっと流れ落ちている。 普段のレナが見せる清純さとはかけ離れた淫媚な光景に、俺は更に欲情する。 レナ…本当にかぁいいなぁ、お前は…。 「く…くく、あはははははは!!! いいよレナ…お前は最高だ、最高にかぁいいよ…!! さて…今度は、俺がレナを気持ち良くさせてやるよ…後ろを向いてくれ…クックックック」 「…う、うん…」 レナが俺に命ぜられるままに後ろを向く。 セーラー服のスカートに手を潜り込ませ、純白のパンツをずり下げてレナの足下にストンと落とす。 そのパンツを見た時、俺は気付いた。…中心にある、小さな染み。なんでこんなものが出来てるのかな…かな?あははは!! 「くくく…レナ。俺のオットセイ☆をしゃぶりながら、何を考えていたんだ?」 「え…?…ひゃあうッ」 レナは突然の問いに戸惑ったが、俺の指が秘部に侵入した途端に甲高い声を上げた。 グチョグチョに濡れているレナのマンコをいじりながら、俺は厭らしく耳元に囁く。 「レナのここ…俺が濡らすまでもなく、既にグチョグチョだな…。これはどういうことかな、かな?…くくく!」 「あ、あん…んぅ…そ、それはぁ…」 「『それは』なんだ?…俺がその先を当ててやろうか。 …『なぜかと言うと、淫乱でドスケベな牝狗のレナは、圭一くんのオットセイ☆をはしたなくおしゃぶりしながら欲情してたからです。 早くレナのオマンコにオットセイ☆をぶち込んで下さい圭一くん、レナをバックから好きなだけ突いて下さい』…って言いたいんだろ?あっはっはっは!!!」 「はぁ…ん、んあぅ! …そ、そうだよぉ…。レナ、圭一くんのオットセイ☆をおしゃぶりしながら…早く挿入(いれ)て欲しかったの…」 レナは俺の指テクに喘ぎながら、流し目で本音を吐露する。 …もはやそこには、清純で一途な思いを抱く『少女』の面影は無い。…ただ欲望のままに男を欲する、淫蕩に飢えた『女』と化したレナがいた。 「…ねぇ、早く挿入てよぉ…レナのオマンコ、圭一くんの指だけじゃダメなのぉ…」 レナはそっと俺のオットセイ☆に指を這わせ、上下にしごき上げる。 「圭一くんのオットセイ☆で…レナを後ろから突いてほしいの…」 そう言うとレナは自らスカートをたくし上げ、俺が指を離したオマンコの入り口にオットセイ☆の先端をあてがう。 濡れそぼったレナのオマンコにオットセイ☆の先端が触れ、ヒクヒクとオマンコの入り口が疼いているのが分かる。 …ふははははは!レナ…そこまでして、俺のオットセイ☆で気持ち良くなりたいのか…。 まったく、お前は俺の期待以上にかぁいい女だぜ…本当に、お前と出会えたことが嬉しくてたまらないよ…くっくっくっくっくっく! 「…そうかそうか、レナ…そんなに俺のオットセイ☆が気に入ったのか…なら、今すぐコイツで気持ち良くしてやるよ」 俺はレナの腰を両手で掴み、オットセイ☆をレナの中へゆっくりと押し込む。 「んんああああぁぁぁッ!!!」 レナは挿入の瞬間、一際大きな嬌声を上げた。 そのままズブリと奥まで侵入させ、レナの膣内(なか)の一番奥まで到達した。 「ん…はぁん…あ…。け、圭一くんのオットセイ☆が…レナの膣内の奥まで来てるのが…分かるよ…」 「ふ…はは、レナのオマンコ、…俺のオットセイ☆、まるごと飲み込んじまったな…。さすがだな、レナは」 「あは、は…レ、レナ、かぁいいものはみーんなお持ち帰りぃ~だもん…圭一くんのオットセイ☆だって、レナのオマンコでお持ち帰りしちゃったよ…」 「はははは、お持ち帰りぃ~か…だがな、ただお持ち帰りするだけじゃダメだぜ? 持ち帰ったものはたっぷり堪能しないとなぁッ!!」 俺はオットセイ☆を一気に下げ、入り口付近から再び上へと押し込む。 「あんッ!!」 レナが甲高い声で鳴く。 さらに俺は上下のストロークを繰り返し、その度にレナは歓喜の声で応える。 「んう、あん、んぁぅ、ああん、んはぅ!!」 立ちバックで竜宮レナを貪る前原圭一。前原圭一に後ろから突かれる度に悦ぶ竜宮レナ。 お互いの身体を密着させ、決して離れまいと、レナは俺のオットセイ☆を締め付け、俺はレナの膣内へオットセイ☆を送り込む。 「んん、あん、あん、あんッ!!…け、圭一くんッ!!…レナ、とっても気持ちいいよぅ!!…圭一、くんも、あん…ッ!!…気持ち、いい?」 「…あぁッ!!…レナのオマンコ、すっごく気持ち良くてかぁいいぜッ!!…レナの膣内に、いつまでもオットセイ☆を挿入ておきたいぐらいになッ!!」 「はぅっ、んふぁ、あん、んんんッ!!…う、嬉しいよ、圭一くん…ッ!!…レナのこと、そんなに…想っていてくれたなんて…ッ!!」 レナは俺に突かれながら、涙を一筋流した。 …昨日流した涙とは違う。昨日、レナが流した涙は、オヤシロさまの祟りという不安を忘れることが出来ないせいだった。 だが、今流れている涙は…レナが、俺に抱かれていることを、本心から喜んでいるからだ。 …やはりこいつは、レナは、俺の本性に気付いてもいない。あるいは…気付いていても、それを承知で抱かれているのだろうか…? ふと、そんなことを思っていると、レナが首をこちらに向けて、いきなり唇を塞いできた。 突然のキスに戸惑いながら、舌を絡めるレナに応える。 キスの最中でも腰を振る。その度に、レナは喘ぐ。 お互いの口内を貪り合い、唾液の糸を引かせながらレナが見つめる。 『圭一くん、今はただ、レナと繋がっていて?…レナと気持ち良くなろ?…いろんなことを忘れて…それが、二人の幸せのためだから』 レナのトロンとした淫媚な瞳が、そう言っているような気がした。 …その瞳は、俺の中の『鬼』を目覚めさせるには、十分な威力を持っていた。 「く…く、く、あーはははははははッ!!!…いいぞレナ、もっともっと気持ち良くなりたいんだなッ!!?」 俺はレナの胸を両手で鷲掴みにし、グニグニと動かしつつ問う。 「ひあぁっ!!…う、うんッ!!…レナ、圭一くんにもっと気持ち良くして欲しいのッ」 「だろうなッ!!じゃあ、レナの期待に応えてやるぜッ!!俺のオットセイ☆で、レナをいっぱいいっぱい幸せにしてやるぜ!!」 レナの胸を乱暴にいじりつつ、今までより激しく腰を打ち付ける。 レナは更なる快楽で腰砕けになり、立つこともままならず膝から崩れ落ちそうになる。 目の前にあった冷蔵庫に手をつけ、身体を支えながら俺に後ろを突かれる姿は、ケダモノの交尾を連想させた。 「あんッ、うぁんッ、ひゃあう、あんんんッ!!…圭一、くんッ!!…は、激しいよぅッ!!」 「激しく突かれるのもいいだろ、レナッ!!?…淫乱な牝狗だったら、もっともっとよがり狂ってしまえッ!!」 「んんッ、はぁんッ、ああうッ!!…そ、そうなのッ!!レ、レナはオチンポ大好きな牝狗だか、ら…んぁうッ」 「そらそらそら、もう少しでラストスパートだぜ!?さっさとその先を言え、レナッ!!」 「はぅッ、んんあッ、ひぅッ!!…だから、圭一くんのオチンポに激しく突かれて、嬉しいですッ!! …あ、だ、駄目ぇ…!! …レナ、レナね…圭一くんのオチンポが気持ち良くて、もうイキそうなの…!」 「ふ、あ、は、はは、あははは!!!俺もだ、レナッ!!そろそろイクぞッ!!レナのオマンコ、俺のオチンポ汁でいっぱいにしてやるッ!!」 もはや、俺もレナも、ケダモノだった。歓喜に酔い、狂い、更に激しく求め合い…限界はすぐそこだった。 「あん、あん、あんッ!!…け、圭一くんのオチンポ汁、レナのオマンコで飲ませてぇッ!!…今度は、ちゃんと全部飲むからッ!! …あ、あ、あん、イ、イク、イッちゃうッ!!!」 「…レナ!!…俺も、イクぞッ!!」 「んんあああああああーーーーッ!!」 俺たちは同時に果てた。レナの膣内に、俺の出した精液がドクドクと注ぎ込まれる。 そのままビクビクと身体を震わせ、お互いに抱き合う。 レナの膣内に全てを放ち、俺のオットセイ☆を引き抜いた。 …レナはその場に崩れ落ち、肩で息をしている。膣内からこぼれた白く濁った液が、地面に溜まりを作っていた。 さすがの俺も、これほど熱く女を抱いたのは久しぶりだったせいか、しばらくはオットセイ☆をだらりと下げたまま息を整えていた。 …これはあの女以来だな…ぼうとする頭で、俺はまたしても、あの白人のハーフ女との熱すぎるセックスを思い出した。 「Oh...マサシの暴れん棒ショーグン、レミィの膣内(プッシー)で大立ち回りしちゃってマース!! …Ah,マサシのラブジュース、ハラワタにブチ撒けてヨ!!『虎穴に入らずんば虎児を得ず』デース!!!」 …だから俺は圭一だっつーに。誰だよマサシって…。 アホな外人女のことはさておき、俺はレナを抱き起こす。 「…大丈夫か、レナ」 「…はぁ、はぁ…圭一、くん…」 レナはまだ息が洗いが、俺の顔をうっとりとしながら見つめている。 「…あ、あは、は…ごめんね、圭一くん」 「…?…何が『ごめんね』だって?」 突然のレナの謝罪に、俺は戸惑った。 「…レナ、圭一くんのオチンポ汁、全部飲むって言ったのに…二回目も、駄目だったよ」 「…な、なんだ。そんなことか…。気にするなよ、レナ…俺は、レナといっぱい気持ちよくなれたんだから、それでいいんだよ」 「…やっぱり優しいね、圭一くんは…。本当に…」 レナは穏やかな笑みを浮かべた後、俺の胸に顔を埋めた。 そのまま眠ってしまうのかと思ったが、そうではなかった。ただ俺と抱き合い、その身体を寄せ合う…それだけで、良かったのだ。 それは、ほんのささやかな行為。激しく身体を貪り合った後の、気怠くも温かい時間。 …それは俺にとって、今まで何度も演じてきた、情事の後の女へのフォローというやつだった。 紳士的に振舞うことで、女を更に虜にする…それは、何度もやってきたことだったし、 それがレナにも通用する手段だろうから、やっているんだ…そう思っていた。 だが、何故か一瞬。…心のどこかで、ズキリと『痛み』を覚えてしまった。 それは小さな、しかし確実な『痛み』。そんな『痛み』を感じたこと、今まで無かったのに。 間違いない。…レナとこうして、抱き合う時間を…俺は、愛おしく感じ始めている。 激しく抱き合うのと同じくらい、レナとこうして穏やかに過ごす時を、大事にし始めている…。 今までの前原圭一なら、それはあり得なかったが…雛見沢でレナと出会い、俺は…変わってしまったのか? 俺は、レナを…。 だが、この時の俺は、それ以上に傲慢な自信に満ちていた。 レナを俺の思いのままに動かせるという——確信に満ちていた。 だから、その先の言葉が——どんな結末をもたらすのかなんて、考えもしなかった。 「なあ、レナ。…俺とヤって、気持ち良かっただろ…?」 …声のトーンが変わったのが、自分でも分かった。 声の主は、確かに前原圭一だが…言葉を真に発しているのは、前原圭一の中にある『鬼』なのだ。 レナは一瞬ビクリと身体を震わせ、ゆっくりと顔を上げる。 「け、圭一、くん…?」 そこでレナが見たのは、優しい笑みを浮かべる圭一ではない。 …一人の女を屈服させながらも飽き足りず、更なる獲物を求める『鬼』が、口元を歪めてレナを見据えていたのだ。 「…レナが味わった幸せ…『仲間』にも分けてやりたくないか…?」 「…え?」 「くっくっく…つまりな…みんなで『部活』をしようってことだよ…みんなで気持ち良くなる『部活』をな…くっくっく!」 レナは驚愕の表情で、俺の提案を聞いている。 俺はレナに顔を近付けつつ、更に誘惑の言葉を重ねる。 「なぁに、そんなに思い悩むことでもないさ…俺とレナの仲は、誰にも邪魔はさせない。 だが…信頼出来る仲間だったら、俺たちと共に楽しむ権利はあるはずだ…」 「…仲間って…まさか、圭一くん…」 「そうだな…まずは、魅音からいこうか…!」 「…ッ!み、魅ぃちゃんを…?」 「くっくっく…魅音のやつ、楽しいことには目が無いからな…安心しろ、レナが魅音にこう持ちかければいい…」 俺はレナに、自ら練った作戦を伝える。 辺りに人影は無く、誰にも気付かれることはない。 俺たち以外が知るとすれば…鳴き続ける、ひぐらし達だけだろう。 次回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ陸〜<聖職者>
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バスを降りるとぶわっとした熱気が、その次に心地の良い風が爽やかに吹いた。バスは排気をあげて走り抜け、自分だけがその場に取り残される。 ・・・大昔の話じゃあるまいし、緊張なんてないさ。 むしろ清々しい気分である。 「雛見沢・・・5年ぶりだな・・・」 後ろで手を組み、伸ばして体をほぐす。 さて、此処には計画性ゼロでやって来た。無鉄砲に歩いても仕方がないと思い、宇喜田水道前停留所のベンチにでも腰掛けてルートを練ろうかと足を一歩踏み入れた。 ・・・出逢いがあった。それはまるで神様が悪戯でもしたのではないかというほどに。 ボロボロの小屋の中、涼やかな風に身を委ねて、・・・・・・少女は眠っていた。 勿論その全身がベンチに乗るわけでもなく、座った姿勢から崩したように横になっていた。すうすうと天使のような寝息を立てて、閉じられた瞼の輪郭といい、睫毛の流れといい、その透き通るように白い肌といい、・・・幻想的な雰囲気を醸し出していた。 ・・・起こしてはならないと判っていながらも、私はその場にしゃがみ込んで、彼女の寝顔を覗きこんだ。 一気に釘付けになる。長く美しい髪が、寂れた板から彼女の顔を包み守り、微風にさらさらと揺れている。 「・・・・・・ん・・・」 軽く唸って、ピクリと瞼が動く。私は慌てて立ち上がり、一歩下がった場所から様子を窺った。 「ふ、ふぁぁぁ・・・ん~・・・」 目覚めた天使は大あくびをして目をごしごしと擦る。半身を起こし、虚ろな視線でやっと私の事を認識したようだ。 「あ、・・・あかさか?」 「覚えていてくれたみたいだね。久しぶり、梨花ちゃん。・・・5年ぶりかな?」 声を掛けると、少女はハッと我に返り、頬を染めてわたわたと乱れた髪を整える。 ・・・少々以外だった。自分の中では、また「み~」と言ってからかわれるものだとばかり思っていたからだ。 そしてポツリと、 「赤坂・・・ボクの寝顔、勝手に見ましたね?」 「あ、べ、別にそんなつもりじゃ・・・、ただ、昔を思い出して・・・ついね。」 「・・・・・・みー」 頬を膨らませて、不満げに私を見上げた。本人は睨んだつもりなのだろうが、その無垢な瞳では怒気が宿らず、逆にコッチから見れば上目づかいをしているようだった。 ・・・か、可愛い・・・。・・・・・・って、落ち着け自分。 なんだか本当に、10年前の繰り返しのような気がした。もしかすると自分は若造で、目の前の麗しい少女も愛くるしい幼女であるように思えてくる。 ・・・でも違う。自分はと言えば三十代も終盤を迎える男であり、目の前の少女はしなやかな手足が水色のワンピースからすらりと伸びる、立派なレディ。背もすっかり伸びて、凛と透き通った声が耳に響いた。 それが良いのか悪いのか。薄着の彼女の、あらぬ所に目が行ってしまいそうになる。 「くすくす・・・赤坂はいつまでも赤坂ね。私が怖い?」 「あはは・・・ちょっと見ない間に、見違えるようだから。奇麗になったよ、梨花ちゃん」 「・・・!!」 ん? ここで私の知っている彼女なら、「にぱ~☆」と大満足に頬笑む筈だが・・・。 「・・・・・・あぅ・・・。」 目を逸らされてしまった。・・・はて、自分は何かおかしな事を言ったのだろうか。 「どうかしたのかい?」 「・・・・・・な、何でもないの。ちょっと、五月蠅い虫がいただけ。」 ──(あうあう☆) 大人びた口調は、愛らしい彼女が本来秘めていた女性の姿を引き出しているように思えた。もう年相応なのだ。 かつて、私はそんな彼女に怯えていた。突然「帰れ」と言い出したり、「怖がり」と罵られたときのものと良く似ていたが・・・ 「赤坂を迎えに来たの。ちょっと待っている間にうたた寝して、・・・遅い。」 そっか。・・・女の子は常に階段を上るんだ。 今はまだ上の階を目指して足を踏み込んでいる段階。今まで隠していた魅力がそれと共に引き出されていて、少女と大人の女性の境界線を踏んでいるような危うい感がある。・・・・・・懐かしいような、新鮮なような印象を受けた。 ・・・梨花という少女は、永遠の純粋無垢。恐いなんて感情はとうの昔に吹っ飛んでいるのだった。 「夜のお祭りまで、まだまだ時間があるわ。雛見沢のお散歩に行きましょう、赤坂。」 「あぁ、うん! よろしくね、梨花ちゃん」 彼女は私の袖引っ張って先導し、軽やかに足を運ぶ。 やって来た・・・というより、どうやら還ってきたという表現の方が正しいらしい。 梨花ちゃんのはじける笑顔で、胸が躍るような・・・不思議な感覚がした。 雄大な自然の中をフラフラし、やがて古手神社へと足を運ぶことになった。 境内では綿流しの祭の準備がほぼ最終段階にまで出来上がっていた。材料さえ運べば屋台もフル稼働するだろう。こうして呑気に散歩をしている自分が邪魔にならないかと心配になるが、住民達は明るく歓迎してくれる。みんないい人達なんだなぁと心に染みいった。 梨花ちゃんがまた景色のよい場所に案内してくれると言い、テントの脇を通って歩くと、彼女の友達らしき女の子が威勢良く声を掛けてきた。 「梨花ちゃ~ん!! ・・・あるぇ~? 何だか見たことある男の人を連れていると思ったら、くっくっく・・・」 え~と、確か梨花ちゃんと同じ学校だった子だ。次期頭首の貫禄充分で、堂々と缶ビール片手にパイプ椅子に座っている。 「魅ぃ。未成年が昼間からお酒はだめですよ。ここに警察の人がいるのに。」 「わわっ、参ったなぁ・・・。でも今はオフですよね、赤坂さん?」 「・・・はは、見なかったことにしてあげるよ。えーと、魅音ちゃんだっけ?」 「おっ!覚えててくれたんですかぁ~。おじさん嬉しいねぇ。 で? お二人は逢い引きってわけですか。村一番のアイドルを独り占めとは、憎いね~コノコノぉ。色男!」 「いや、彼女には、村を案内して貰ってるだけで、別にそういうわけじゃ・・・」 「・・・・・・み~。赤坂は私とのデートが嫌なのね。」 「そんなことはないさ。すごく楽しいよ!」 「にぱ~☆」 「あーハイハイ。何だか熱いねぇ~、とくにここら辺が。うっひっひ」 女の子二人にしばらくからかわれた後、魅音ちゃんは打ち合わせに呼ばれて席を立った。そしてまた二人で歩き出す。 「赤坂、どうかしたの?」 「梨花ちゃんの話し方が大人びているの、てっきり私の前だけかと思っていたから。でも、まだ可愛い方、抜けきってはいないみたいだね」 「もう話べき人が話してるから、私は引退。・・・でも、『みー』と『にぱ~☆』は私のオリジナルなの。止めるつもりは無いわよ。」 「・・・ん、よく分からないけど、『みー』は初めて話した言葉だから・・・止めないでくれるのは嬉しいな。」 素直な言葉の後、ふと彼女に顔を向けると、もじもじと何かを恥じらっているようだった。勿論要因は知る由もない。 「・・・赤坂は、やっぱり赤坂ね。」 「・・・?」 「特別ってことよ。」 その台詞の真意を尋ねる前に、彼女は巫女衣装の着替えに呼ばれ、疑問が残ったまま一旦お別れになった。 祭囃子が耳に届く。 境内の賑わいの中に入ると、早速知った顔を見つける。 「赤坂さあぁん! ご無沙汰してますよぉ!! なっはっは、5年ぶりですかねぇ!」 「大石さん、こちらこそ! まさか此処で会うとは思いもしませんでしたよ。」 「そりゃコッチのセリフですよ。んっふっふ・・・此処で会ったのも天の采配。今夜は興宮のお店でポンチーといきませんか?」 「ははは。残念ですが、疲れてそれどころじゃないでしょう。今日の所はお祭だけを楽しませて頂きますよ」 「まぁまぁ、ジョークですよ。赤坂さんと打ったら、そりゃあ年金が吹っ飛んじゃいますからねぇ。」 大石氏とは年賀状や暑中見舞い程度のやり取りをしている。現在は北海道で社交ダンスに興じていると聞いていた。この歳での元気な様子は羨ましい限りである。 「赤坂さん、こんな縁起の良いとき水を差すようですが・・・大変でしたね。5年前のこの日、奥さんと娘さんも笑顔でお祭りを楽しんでいたというのにねぇ・・・」 「・・・・・・ええ、まぁ、2年も経てば一応落ち着きはします。・・・日々の忙しさが忘れさせてくれるんで。」 2年前の冬。娘の高校合格祝いの旅行で・・・雪絵と娘、そして雪絵の両親は命を落とした。 前々から計画していたアメリカ旅行に、突如仕事が舞い込んだ私はやむなく欠席したのだった。 ・・・本当に事故だった。エンジンの故障で飛行機は墜落し、乗客乗員の殆どが死亡した。 そう。これは自分の失敗でも、誰かの差し金でもなく・・・本当に事故だったのだ。 私は夢を見たことがある。雪絵の死を知り得ていながらも、何も出来ずに後悔だけで生きている無様な自分を。 そして梨花ちゃんの助言とその夢を照らし合わせると・・・。本来、雪絵は死ぬ運命であり、たった一人の少女の言葉が死を回避してくれたのだと考えると・・・。 「・・・赤坂さん。古手梨花の言葉は、無駄になんてなっていません。確かに人の寿命に比べれば、8年という歳月はあっという間でしょう。ですがね、・・・その8年は、あなたにとって無かった方が良かったのですか?」 大石氏の、私の心中を見透かすような言葉に、気持ちが沈むようなことは無かった。 むしろ穏やかな笑みが顔に宿る。 「・・・・・・まさか。暖かい家族に恵まれ、あの頃の私は本当に果報者でしたよ。梨花ちゃんには・・・本当に感謝しています。」 大石氏はそれ以上何も言わなかった。下手な慰めをしなかったというよりも、もうその事故を過去のものに・・・そして幸せだった日々を想い出としていることに、安堵したのだろう。 けれど、家族の死をこれ程心穏やかに話せるのも・・・雛見沢のお陰だろう。 この町に踏み入れてからずっと感じていたもの。 それは母の愛に包まれるような悠揚。総てを許してくれるかの慈愛。・・・そして、長閑な空気が、私をいう人間を癒してくれたのだ。 今年の綿流しも大賑わいだった。 避暑地として段々と住人が増えていることと、忌まわしい祟りが無くなったことが影響しているのだろう。聞くところによると、祭は回を増す事に盛大になってきているという。 その後大石氏と雑談していると、威勢の良い若者集団が私達を取り囲んだ。・・・勿論、あの8人である。 「「「綿流祭八凶爆闘ぉぉぉぉぉ!!!」」」 「ダンディーな叔父様方。そんな所に立ってないで、お祭りを楽しんだらいかがです? ねぇ、悟史君?」 「そうですよ。折角来たんですから、楽しんでいって下さい。」 「大石さん!赤坂さん! 俺、遂にツバメ返しを体得しましたよ!!!」 「くっくっく・・・圭ちゃ~ん、今日こそ可愛いいオットセイを拝ませて貰うよ~ん。覚悟!」 「ほら梨花っ、何を隠れてるんでございますの。赤坂さんを待たせていたんでしょう?」 「そうだよ梨花ちゃん。早くしないと、レナ、お持ち帰りしちゃうよ~」 「あぅあぅ。平気ですよ梨花。似合ってますですから、今更恥ずかしがることないのです。」 「・・・羽入!! 明日から激辛料理の練習を始めるわよっ!」 「あうあうあう~~~、ボクが何をしたと言うのですかぁ~~~!!!!」 友人の後ろからおずおずと出てきた梨花ちゃんは巫女に変身を遂げていた。 「きゃー!! 今年はいつにも増してキマってるねぇー!! 梨花ちゃんがあんまりにも美少女に育つもんだから、婆っちゃも衣装作りに舌を巻いてるよ~ん。」 「かぁいい・・・かぁいいんだよ・・・!」 深い髪の色と、白と赤。その美しいなコントラストは、彼女の気品と清楚さを一層引き立てていた。身のこなしもスッキリしており、今時のバイト巫女と、格の違いを示している。 時代が時代なら卑弥呼様といったところか。姿だけではなく、漂う雰囲気も清閑としている。 いけない、・・・また目を奪われてしまった。 「・・・赤坂。私、何か変かしら。」 「い、いやっ! ・・・凄く、・・・よく、似合ってるよ。うん・・・」 「・・・あ、ありがとう。・・・な、なのです。」 二人の世界から抜け出した後には、野次馬の含み笑いが待っている。 「・・・わたしゃ知りませんよ? 赤坂さんの幼妻の現地妻が誰かなんて。えぇえぇ、知りませんよ~~!!」 「お、大石さん、だから・・・、そういうのじゃ・・・!」 「あは☆ 赤坂さん。現地妻さんのところは、5年に一度しか来てくれないのかな? かな?」 ──パシャリ! 突然のフラッシュの先に居るのは、勿論富竹氏だ。 「梨花ちゃんの素敵な彼氏、その名も赤坂衛! うん。いいツーショットだね!」 ・・・野次馬がまた増えた。 ──「赤坂、途中で何処かに行ってしまったら駄目よ。最後まで見守っていて。」 念を押されなくても、もともとそのつもりだ。一番の特等席は何故か自分が譲られ、梨花ちゃんの神事を見守る。 手を摺り合わる老人達が見上げる先には、厳かな空気の中で、残像が残る程に整った動きで鍬を操る巫女がいる。 誰一人として乱さないその静寂は、何百年も前から同じ姿で受け継がれてきたのだ。 儀式は進む。 ひぐらしの声に応援されながら、重い鍬は布団の綿を掻き出していった。 「赤坂さん、やり方は判りますか?」 「・・・多分、覚えています。間違っていたらご指摘お願いします。」 川を流れる白い綿。 ・・・私は、自らの底に沈んでいた悲しみと濁流をひとつかみの綿に込め、・・・・・・そっと手を離した。 「赤坂ー!」 綿流しを終えると、引き続き巫女姿の梨花ちゃんが私の方へ駈け寄って来る。 足袋でそんなに急いでは危ないんじゃないかと思ったその時・・・ 「・・・・・・っと。足場が悪いんだから、気を付けるんだよ。」 「・・・みぃ。」 「躓く巫女! 抱き留める男! 今、運命のフラグが立ち上がった!!! 指先だけを出して肩に置かれるその手は、不思議清楚系美少女イベントCGの最大の見せ場!! 鈴虫の声のBGMから、ちゃらら~んとしたオルゴール系のBGMに交代し、居るはずの人々はいつの間にか気を利かせている! 巫女!清楚!指!みぃ! この萌えの4テンポは、漢なら一度は夢見る絶頂のシュチュエーションだぁぁぁぁぁ!」 「うひ~。圭ちゃんの理論、赤坂さんみたいな真面目な人にまで伝道しちゃ駄目だからね・・・・・・!」 「あうあう☆ では圭一の理論通り、ボク達は気を利かせるのですよ。梨花、ボクは沙都子の家にお邪魔させてもらいますからね~~」 「・・・・・・」 彼らが凄まじかったからという訳ではないが、何となく正面から抱き留めた形のまま、お互い動けずにいた。 「赤坂、どうにかして。」 ふわふわとした彼女の髪が頬をくすぐり、胸に暖かい吐息を感じる。 ・・・そうか。不安定な状態だから、私の方から支えて起こしてあげないとならないんだ。 「ごめん、今離すよ。」 梨花ちゃんの軽い体を持ち上げ、ストンと地に足を付けさせる。けれど、上着の裾を彼女は掴んだままだ。 くいくいと引っ張って、何処かに連れて行くらしい。 「赤坂・・・こっち。」 裾び手は、いつの間にか私の手に移動している。その白魚の指でサイズ違いの男の手を握りしめ、境内の奥へと誘われた。 松の木の林を抜けると、ぶわっと涼しくも強い風に前髪が散らされる。 私達がやって来たのは、以前彼女が案内してくれた見晴らしの良い高台だった。 「・・・私の一番お気に入りの場所よ。」 梨花ちゃんはそう言いながらゆっくりと振り返る。 「お祭りの後はね、みんな家に帰って、それから直ぐに寝てしまうの。だからキラキラ輝いているように見えるのよ。」 言葉通り、村一番の絶景は消付する家々の明かりで雛見沢の夜景が彩られ、・・・その一時の美しさに儚いものを感じた。そしてその細かな明かりに照らされた少女も、同じく消えてしまいそうな位に儚く、尊い。・・・なんて、詩人的になる程なのだ。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 お互いしばらく顔を合わせず、消えゆく眺めを虚ろな目で見ていた。彼女の後ろ姿は風にそよぐ髪が一番に美しく、・・・華奢な肩が教えてくれる。 ──“ここで赤坂に言うことは、もう何もありません”と。 ここへ来るたび、様々謎めいたことを口走ったことは、既に過去。 その様子だけで、古手梨花という少女は力も持たない普通の女の子だと、・・・示しているのだろうか。 「・・・・・・私は、赤坂が悲しんで、苦しむ姿を見たくなかった。」 「・・・・・・」 「でも、もう私は赤坂に教えてあげる力を持っていないの。・・・ごめんなさい。」 暗くて判りにくいけれど、見逃さなかった。 ・・・彼女の肩が、微かに震えていた。 「・・・・・・だったら、今度は私の番だ。」 彼女を追い越して、今度は私が背中を向けた。そこに視線がしっかり刺さっていることを感じた後、振り返って、瞳を覗き込んだ。 「一緒に東京に来てくれ。」 私は目を丸くして、ただ赤坂を目で追うことしかしなかった。 吹いた風が、私の長い髪をふわりと舞い上げた。彼の短い髪もパラパラと散らされ、それが無ければ時が進まなかっただろう。 「・・・梨花ちゃん」 名を呼ばれて、やっと私の出方を待っていることに気付いた。 ・・・どうしよう。 私に、一緒に東京に来いですって? ・・・正直、赤坂の何を言っているのか、上手く認識が出来ていなかった。 私は逃げるように身を翻して、彼に背中を向ける。戸惑い隠しもいいとこだ。 ・・・そのまま落ち着かない様子で突っ立って、居ない誰かの助言を待っている。・・・そんな自分が酷く惨め。 「・・・・・・」 「ぁ・・・」 後ろから抱きすくめられる。 彼が触れた瞬間、無意識に身を竦めてしまったが、そっと腕に包み込まれて肩が安らいでいく。肩に置かれた手と、胸の下に回された手は漢らしく筋張っていて力強く、・・・なのに私を暖かく包んでくれる。 囲った腕に、除けるでもなく握るでもなく手を添えた。 「雪絵も娘もいなくなって、最初の1年は信じられなかった。 信じられなくて、もしかして雪絵が私をからかっている様な、いつか還ってくると思っていた。・・・現実から目を背けていた。」 「赤坂・・・」 彼の顔と私の後ろ頭が寄った。髪の匂いを嗅がれ、軽く口づけされる感触がした。 ・・・・・・嫌じゃない。 包まれて安心して、顔を寄せられて抵抗しない。このままじゃ変な誤解を与えてしまうと理解していながらも、何にも抵抗しない自分自身がもどかしい。 「次の2年は、精神がおかしくなった。いつまで経っても還ってこない家族に、ようやく死を感じ始めたんだ。 ・・・歩いていて、急に涙が込み上げて来たこともある。たった独りで家にいて、突然笑い出したこともある。そんな捻れていく感情を誤魔化してくれたのは、刑事という多忙な仕事だ。 皮肉だよ。応援してくれる人がいるから頑張って来られたのに、誰もいなくなったら逆に打ち込んでしまうんだ。」 どうして私に話すの? 私はもう、貴方の未来を何も知らないのに。・・・何を望んでいるのだろうか。 「そしたら急に・・・君に、会いたくなった。」 そもそも、何故縁もゆかりもない筈の彼と、夜の静寂に紛れて身を寄せ合っているのだろうか。 「自分でも吃驚だったよ。心の中で燻っていた感情が・・・・・・君といるだけでこんなにも癒されている。 どうしても、側に居て欲しいんだ。家族を失って、ぽっかり空いた隙間を埋めて欲しいんだ。」 「・・・・・・赤坂・・・でも、私には古手家が・・・雛見沢が・・・」 『・・・・・・梨花。』 羽入の訪れは突然だった。頭の中がゴチャゴチャなのに、更に羽入が何か揶揄するのではないかと焦った。 ・・・けど、違った。 羽入は、ただ真剣な瞳で私を覗き込み、・・・・・・頬笑んだ。諭してくれると期待をしたが、そうでもなかった。 『梨花の人生は、梨花が決める。』 「・・・・・・」 背中の赤坂の存在で、私は羽入に対して声を掛けられない。 『梨花の一生はこれだけなのです。もう次はありません。・・・古手家を、雛見沢を捨てたくないという気持ちは察します。 だけれど!いいんですか!?梨花の大好きな赤坂が・・・繰り返される運命の中で、藁を掴んで、やっと気持ちが届いた赤坂が、今度は梨花に助けを求めています。 ・・・ボクに、どっちを選べと言う資格は無いです。古手家のことを心配しているのなら、後のことはボクに任せて下さい。綿流しの巫女を放棄できないなら、1年に一度戻ってくればいいだけです。入江の努力で、雛見沢症候群もほぼ完治しています。 もう一度言います。・・・梨花、自分の人生は自分で決めなさい。絶対、後悔しないで下さい。』 「・・・・・・は、はにゅ・・・」 『どうか幸せになって下さい、梨花。・・・ボクは沙都子の家に戻りますですよ。』 そして、・・・彼女は消えた。 神様、あなたはなんて意地悪なの・・・! 百年以上を生きた。 普通の人間なら絶対有り得ないような長い時間を生きた。 それでも、運命の選択は・・・・・・・・・戸惑ってしまうのね。 けれど、普通の人間になったからこそ、私は悩んで・・・葛藤して・・・この道を選ぼう。 「・・・赤坂。」 彼女の肩に顔を埋めていると、か細く私を呼ぶ声が耳に届いた。 顔を上げると、様々な想いに心を揺らがせた表情で、こちらに首を向けている。 「赤坂は、私に貴方を支えて欲しいと願った。・・・ならその代償に、赤坂は何をしてくれるの?」 【雪絵の命 ⇔ 梨花を助ける】 「・・・私は、ただ幸せに行きたいと願った。でも、もう幸せの妥協をしないって誓ったわ。」 「梨花ちゃ・・・いや、梨花。」 彼女の瞳は、とても頑固な決意を持っているように見えた。 ・・・応えなければ。彼女は、再び私に期待をかけてくれている。 「君を、生涯懸けて守るという代償では、駄目かい?」 「・・・・・・・・・その言葉が、欲しかった。」 【生涯赤坂を支える ⇔ 生涯梨花を守る】 私は拘束していた腕を解き、背伸びをする彼女の体を支えた。梨花の踵がぐっと浮き、ヨタヨタと危なっかしい爪先立ち。 ・・・しかし頑張っても、その身長差は簡単に埋まらない。合わせて私は頭を落として、彼女に高さを合わせた。 逢わされた唇を、どちらも引こうとしない。舌も入れずに、その互いの柔らかさだけを感じ合う。 ・・・梨花の若くて弾むように艶やかな唇は、自分が独り占めしている。かかりあう吐息と、声にならない甘い囁き。肩に置かれる白い手はしなやかに。抱き上げる腕は力強く。 永遠にこのままでいてくれと祈った。 『・・・おめでとうなのです、梨花。』 嗚呼、この祝福の声は・・・きっと天からの、神様からのささやかな贈り物だ。 女の子独りで帰らせる訳もない。・・・その女の子が、最愛の女性なら尚更だ。 梨花は照れながらも、本当に直ぐそこにある住まいまで、手を繋いでくれた。 「「・・・・・・」」 キスから別れ際まで、私達は無言のまま過ごしてしまった。 何かを切り出したいのはお互い同じ思いだろうけれど、妙に恥ずかしくて相手任せになった結果だろう。素直さは大事だ。 建物の前で言葉を失い、立ちつくしている。 ──不意に、虫の声に紛れるくらい小さな声で、 「・・・・・・赤坂、」 ──目を伏せて、 「・・・折角だから、上がって、お茶でも飲んでいって。」 断る道理はない。 むしろ、その誘いの裏に秘められたものを見抜き、甘んじてお邪魔させて貰う。 「うん、判ったよ。」 彼女もまた返事の裏に秘められたものを察知したらしく、顔を伏せて顔の赤さを誤魔化していた。 「・・・・・・・・・みぃ。」 その姿は心臓に悪すぎる。 頭を撫でて、それから何をしてあげよう。 手を重ねて、そのまま何と囁いてあげよう。 ・・・なんて、また馬鹿が出そうだ。 胸に渦巻く感情を押しとどめ、狭い階段を上った。 「赤坂はそこに座って待ってて。今、お茶を煎れてくるわ。」 「ん・・・、あぁ。」 巫女服を着替えぬまま、梨花は台所に姿を消した。 畳の部屋にトンと置かれたテーブル。用意された座布団に尻をつき、さり気なく部屋の中を眺める。 可愛らしいレースのカーテンや、小さな動物の縫いぐるみ。コルクボードに貼られた写真。 高校の教科書や資料集が詰め込まれた本棚。その棚の上に置かれた卓上カレンダーには印が沢山付いている。 いつぞや、私が泊まっていた頃と比べると、格段に女の子らしい部屋になっていた。室内自体も小綺麗に片づけられて実にスッキリして、そこに添えられた愛らしい装飾品は多くもなく少なくもない。 ・・・けれど妙な違和感があった。 「お待たせ、赤坂。」 いつの間にかお茶と軽い茶菓子をお盆に乗せ、梨花がやって来た。 私が部屋の中を眺めていたことに気が付くと、何やら言いたげに「・・・みー」と鳴いて不満を知らせられる。 「ごめん。そんなにじっくり見てる訳じゃないからさ、怒らないでくれよ。」 「・・・羽入に言われて、一応お掃除しているけど・・・汚い、ですか?」 お茶と茶菓子をテーブルに置きつつ、彼女も座布団に腰掛ける。正面ではなく、右側。 「そんなことないよ。女の子らしい部屋に入る経験なんて、そうないからね。気分を害したなら謝るよ。」 折角だからと湯飲みを傾ける。 「・・・そ、そう? 赤坂から女の子らしいって聞けるなんて、思ってもみなかったわ。」 「はは。あ・・・でも、梨花ちゃんは・・・ここに独りで?」 暮らしているのか、と言うまでもなく、寂しげにコクンと肯いた。 やっぱり。家具が総て一人分だったから、想像がついてしまった。 「沙都子は、お兄さんが帰ってきて・・・元の家で暮らし始めました。羽入は一緒に済んでいるようなものだけれど・・・厳密には、違うから。」 無理に作った笑顔に、少しだけ痛みがあった。 雰囲気が暗くならないようにと一生懸命に一人暮らしを頑張っていることや、友達がしょっちゅう訪ねてくることを話してくれたが、・・・・・・私には無理をしているようにしか見えなかった。 「それに・・・・・・」 「?」 言いかけてごもごもと恥ずかしそうに口篭もる。私は焦らずに、彼女の言葉の末を聞き届ける。 「今・・・、こうして・・・、赤坂が側にいてくれるから。私の中に、寂しさなんて微塵も無いわ。」 ──嬉しい事を。 「梨花、ありがとう・・・!」 彼女の後ろに回り、再度その柔らかい身を抱きすくめた。 「きゃっ・・・赤坂っ!? あか・・・さっ・・・!」 襟首に手を差し込み、出来た隙間から唇を付けて行く。ビクンと初々しい反応をして、いやいやをしてみせていた。 本当に嫌なら、こんな動きはしないだろう。・・・むしろ、こういう事が初めてなら戸惑うのが一般的な反応だ。 耳に、軽く息を吹きかける。 「・・・・・・ぁ・・・は、あぁ・・・」 「・・・弱いな。」 彼女の匂いがする所と、次々と貪っていった。まだ屈さずに俯いて逃れようとするので、顎を持ち上げて鎖骨を露出させた。 ズルズルと上衣がずり下がって、白い肩も空気に触れる。・・・肩から落ちれば、背中は丸見えも同然だ。 目の前に広がる白い肌は、未踏の雪のと同じ美しさがある。なら、足跡も付けてみたい衝動に駆られるのは当然だ。俺は唇を強く吸い付け、激しいキスで次々と痕を残す。 流石に、此処まで来ると抵抗は無くなっていた。否、むしろ・・・、 「はぁ・・・・・・っ、ぁはあ・・・、・・・・・・ふぁ・・・。」 心地よさそうな溜め息が漏れているではないか。 息ひとつにも艶がかかり、肩から落ちた和服とストレート髪の散らばり加減が‘乱れた女性’をリアルに作り上げている。 「・・・ひゃ・・・ん、赤坂ぁ・・・」 触れば触る程。またさぐれば、探る程。色気を帯びてくる腕中の少女が、俺の性欲の中で満たされなかった部分をパズルのピースの如くどんどん埋めて行く。 様子が気になるのか、梨花が顔をちらちらと後ろに向けている。 何だって・・・彼女の良いようにしてあげよう。首に顔を埋めて触れ合う程度の頬擦りをしてやった。 「・・・ん。み~・・・」 お気に召して頂けたようだ。スリスリと猫のように、今度は彼女が積極的に俺の首元にすり寄って、満足げに体もくっつけて来る。 後ろ向きじゃ不服らしく、俺に向かい合って抱きついてきた。 愛おしさで、胸がいっぱいになる。 鎖骨の辺りに顔をくっつけてきて、崩れまくった上衣もお構いなしに俺の懐へ。甘い息が俺の素肌をくすぐる。 ちょっと下を向けば、谷間とも何とも言い難い胸の膨らみの狭間が覗けた。・・・警戒を解いたようだ。試しに片手で頭を撫でても、身を任せて髪の毛でするすると遊ぶ俺の指を拒まない。 「赤坂。私達、・・・まだ大切なことをしていない。」 「・・・ああ、そうだね。」 頭を後ろから支え、口を塞いだ。 さっきが唇なら今度は舌だ。僅かに割れていた彼女の唇を通って、口内に舌を侵入させる。 「・・・・・・はむっ・・・んん! ひゃぁ・・・ぁん・・・ちゅ、」 俺ははくねくねと梨花の口の中に舌をねじ込み、彼女の中をかき回した。 「あかさかぁ・・・、んん、ちゅぱっ・・・んちゅ・・・はぁっ・・・あむ・・・」 ファーストキス(仮)を終えたばかりだというのに、彼女は絡めていた舌に驚くことなく・・・たどたどしく俺の動きに合わせる。 舌や歯や肉壁を愛撫する。経験が全く備わってない梨花は、ただがむしゃらに俺を貪る。・・・それをお手伝いするように、暖かい舌で応えてやった。 「むぁ・・・ちゃ、ちゅ、・・・れはぁ・・・っ」 唾液が絡まって滑りが良くなる。舌先が丁度出会えば、痺れるような感覚が奔り、俺の腕を掴む細い指に力が入る。 なんだか苦しそうにキスするんだなぁ・・・と彼女の口内を執拗に責めていたら、本当に溺れるような声が漏れていた。恥や冗談とは違うと気付き、名残惜しくも唇を離した。 「────ぷはぁ! ・・・はっ・・・、ハアハア・・・っ」 「ん、大丈夫か?」 気を休めようと背中をさするが、梨花は頬を紅潮させながらも、恨めしそうに俺の方を見上げた。 「・・・・・・赤坂の馬鹿。いきなりキスして、息をする暇もなく・・・ぃれて来るんだもの。」 「あぁ、ゴメン。でも大切なことをして欲しいって言ったじゃないか。」 「・・・・・・ディープキスよりも、大切なことなのっ。耳、貸して。」 「??」 身を乗り出して、彼女の口が俺の耳元に近づく。・・・ちょっとドキドキだ。 「・・・・・・・・・・・・赤坂、・・・大好き。」 「わ・・・ッ!?」 あー駄目だ。俺ってばこういう類のものに弱いらしい。 理性という糸のうちの一つが切れ、ぐいぐいとその華奢な体を抱きしめた。梨花も首に腕を回してぎゅうっと抱きつき、離れたくないと力を加えている。 「・・・次は赤坂の番よ。」 蚊の鳴くような声で、初めてのおねだりらしいおねだり。 俺は耳にキスをするくらい口を寄せて、ボソリと愛を囁く。梨花はポンッと顔から湯気を出し、恥ずかしさのあまり首をそっぽへと向けた。 「梨花・・・ほら、俺の方を見て。」 「・・・・・・・・・」 髪の間からでもハッキリ判るくらい、梨花は真っ赤になっていた。うわごとのようにあぅあぅと呟いて、ゆっくりと顔を上げた。 瞳がトロンと潤んで、頬を染めて。何かをして欲しいようだ。 「赤坂、ちゅー・・・もう一回して。」 「一回でいいのかい?」 「・・・・・・いっぱい、いっぱいして。」 梨花の熱い舌が、俺が口を開くように唇をペロペロと舐めて待つ。 合わせて、俺もその上に舌を乗せる。宙でざらざらと、舌だけを触れ合わせて相手を貪った。次に唇も触れ合わせ、互いに自分の唾液をったぷりと滑らせた。 「・・・んぐ・・・こくん。」 高さの関係で、梨花の方に液が流れ込んでいるらしい。じゅるりと吸いばんでは、喉が動いていた。俺も負けじと梨花を啜って、喉に下して行く。 少女の方はキス夢中で頭がボーっとしているが、男の方は頃合いを見計らって崩れた上衣を引っ張り、更に脱がせる。 小ぶりの膨らみが・・・そしてその先端がむき出しに。それでも梨花は気付かず、必死なくらいキスを楽しんでいる。 ・・・そっと包むように胸に手を置いた。 「・・・みぃ、いつの間に・・・!」 急に口を離すと、細い糸が俺から彼女へと繋がった。 けれど、それどころじゃない。ふんわりと柔らかい少女の胸は、指を動かすたびにくすぐったそうに揺れた。 クニクニと指を動かし、手の平でゆっくりと上下させた。 「んふぁ・・・あぁ、ぁふ・・・ん・・・んん・・・」 熱い溜め息を吐く様子は、歳よりもより色っぽい印象を受けた。初めての割には頑なにならず、素直に愛撫を感じるているようだ。 「梨花・・・・・・」 このまま押し倒して、その小さな突起に口づけをしたい。 一度色欲に駆られてしまえば戻ることも出来ない。そっと横に寝かせようと背中に手を回してみるものの、畳の上では下にいる彼女に痕が残ってしまうだろう。 しばし考えた後、彼女の両腕を掴んで、自分から仰向けに倒れることにした。 「・・・・・・軽い、な。」 「わ、何っ?・・・赤坂ぁ!」 後ろに倒れて体を引き寄せ、梨花の胸と俺の顔が重なる。どういう風な体勢なのかは説明し辛いが、蛙のように手を突いて腹這いになっている彼女の下に、自分が潜り込んでいるという描写が正しいだろうか。 胸に口づけを始めると、今までになく激しい抵抗をされる。 「赤坂っ、だめっ! 汗臭いし、お風呂入ってないから汚いしみっともない。顔近づけないで赤坂ぁ・・・だめだめだめだめ!!! ・・・ああんっ!」 お構いなしに、可愛いピンクの乳輪を舐める。少しずつ硬くなっていたその乳首は、俺の息や愛撫をこれまた敏感に感じ取り、血を溜めてプツンと尖った。 摘んでみると先端までぷるんと弾力があり、より一層卑猥な気分にさせられた。 「いやぁ、ぁぁぁあん!! だめ・・・やだやだ、赤坂ぁ~~~!!!」 ・・・やたら恥じらうんだなぁ。 ずっと優しく余裕を見せてきたが、遊び心が沸いてくる。 「・・・・・・そんなに嫌がられると、本当に止めるよ?」 脇の下に手を入れ、ぐっと赤ん坊みたいに持ち上げた。梨花は切なそうに俺を見詰めて、うりゅ~と涙を溜めていた。 「・・・・・・・・・。いじわるしないで、赤坂・・・。」 変に取り乱たことを恥ずかしく思っているのか。 それとも、こんなちっちゃなからかいに本気で涙しているのか。 ・・・どちらにせよ、自分が悪いような気がしてくる。 「~~~~っわかったわかった。続きをしてあげるよ。・・・ほら。」 抱き上げたまま胸を突き出すように肩を反らせる。最初は無理矢理そんな体勢にさせていたが、手を突いて、協力的に体重を乗せてくれた。 先端を口に含んでコロコロと転がす。手は塞がっているので、舌と唇で何処まで出来るかが勝負所だ。 「やああ・・・ああっ、んやっ・・・赤坂・・・赤坂ぁ・・・」 「梨花の心臓が凄くドキドキいってる。・・・可愛いね。」 トクトクと早鐘を打つ心臓までは、緊張を隠しきれないようだ。 「赤坂は・・・ちっちゃい胸・・・好き?」 ・・・あぁ、やっぱり大きさ気にしてるんだな。 そんな聞かれ方をされたら、まるで微乳専門みたいじゃないかと心の中で照れる。 「でも・・・梨花、・・・昔よりはずっと大きくなっているよ。ちゃんと揺れてるしね。好きだよ。」 「みぃ。・・・どうせ私はぺったんこだったわよ。」
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前回 Miwotsukushi4 双子って言うのは同じでぃーえぬえーを持つらしい。 単に一つの受精卵が分裂してどちらも成長した結果なのだから、体そのものの構造は同じに決まっている、との寸法だ。 だから魅音と詩音は同じ土台を持っていると考えて良いんだと思う。 後は生まれてからの環境とかで成長の度合いが違うにしても、瓜二つなのには変わりがない。 俺は言わずもがな詩音とは一夜を過ごしているので、彼女の体をある程度体験している。 頬であったり、唇であったり、肩であったり、詩音を今は魅音をも堪能している。 魅音の滑らかな頬を撫でる。魅音の柔らかい唇をなぞる。魅音の微震する肩を抱く。 どれもが違う。妹のものとは全く違う躰。 同じ遺伝子を持とうが、彼女らには違いが生まれているのだ。 列挙できるわけではないが指から伝わる感触が確かに、俺の脳内で記憶との差異を教えている。 罪悪感を持っていないわけじゃない。犬になろう、と決意したとしても俺は今の行動に百の確信を込めていない。 ただ魅音への好意と己の欲情と勝手な信念で彼女を抱いているだけ。 彼女の名前を呟く。 文字通り目と鼻の先にある彼女の顔が、俺の視界いっぱいに映り今更ながらこっぱずかしい気分となった。 赤らむ彼女の顔を更に接近させ、唇を触れさせる。 びくん、と魅音の振動が伝わってきたが、彼女の手を握りキスを続けた。 被さるようにゆっくり魅音をベッドへと倒し、魅音の身体的自由を奪う。 俺の体重を一身に受け肺からの空気を吐き出した所で、俺は魅音の口腔へと舌を侵入させた。 あちらはそこまでを予想していなかったようで、身をよじらせて若干の抵抗をするが、俺は構わずディープキスを続けさせて貰う。 比較するものでもないが、詩音がある程度自らも舌を動かしこの行為を愉しんでいたのに対し、魅音は完全に俺のされるがままになっていた。 嗜虐心をそそられる彼女の態度に、自然俺の行為も繊細なモノではなくなっていく。 魅音の口を犯すように舌を暴れさせた俺は、性的に彼女を追い詰めたくなり一度唇を離した。 否、離すと言う距離とは到底言えない。発声して震える唇が彼女に触れたり触れなかったりするような零距離。 「マゾなのか? 魅音は」 彼女は荒ぶる息を整えさせようと呼吸を繰り返す。俺の質問に答える気はないらしい。 唇の端から端を俺の舌でなぞる。目をつぶって眼前の行為を背けようとする魅音。 ダメだ……、こいつの一挙一動は本当に加虐心を生む。 彼女を落ち着かせようと握っていた手が、彼女を高ぶらせようと胸へ走る。 詩音の時よりも大胆に、掴むように俺は胸を揉み始めた。 「あうぅ……」 恐らくは痛みと悦びが入り交じった感覚が彼女に流れているはずだ。 この歳として恐らくは行きすぎの成長をしている膨らみを、八割方自分の欲求を晴らすため堪能した。 その手のフェチズムを持っていると思われても致し方なかったが、この歳の男子はやはり下半身よりも上半身なのだ、と痛感する。 言い方を悪くすれば内臓である性器よりも、普段から意識しそれでありながら常にベールで包まれている胸の方が、露わになった時の感動が違う。 とは言ってもまだ露わとなってはいなかったので、そろそろ脱衣をお願いするとしよう。 「脱がすぞ、いいな?」 無言の首肯を視界の端に映し、黄色のシャツへと手を掛ける。 へそ、あばらと肌が現れ、薄い桃色のブラジャが乳房を隠し、最後に肩が見えた。 さすがに首から上は俺から脱がすのは困難だったので、魅音が自らシャツを脱いだ。 半裸となった魅音の唇に再び俺はキスする。 詩音とのセックスを思い出しながら、前戯の手順を探る。 温もりを帯びた肌を撫でながら、舌を唇から頬へと移動させた。 うなじの辺りを舐めてみるが大きな反応はない。 詩音はここが弱かったのだが……。やはりイメージ通りに行かないものだ。 頸動脈の所にキスしてみたり、胸を揉む強さを変えてみたりするのだが、なかなか俺が望む反応は得られない。 いらつきが募る俺は、誤魔化すように舌を絡め、紛らわすように愛撫する。 「ねぇ、圭ちゃん……」 だからだろう。この魅音の問いかけにも俺は聞こえていながら無視した。 その口から不満足の言葉を聞くのが嫌だったから。俺が魅音をリードしたかったから。 「圭ちゃん……、聞こえてるよね……?」 「……なんだよ」 ひどく不機嫌を装って俺は答える。言い終わってから、この言動はただ悪化させるだけだ、と言うことに気付いた。 「……あのね」 そう言って、下から魅音が接吻を求めてきた。 俺の首にぶら下がるように魅音は上半身を浮かし、俺の口に魅音の舌が入ってくる。 俺は両手をベッドと支えにして、魅音のキスを味わっている。 時々歯が俺の口先に当たって痛みが走るが、その懸命さがまた官能となる。 魅音が俺の首に回してた手を放す。ベッドに再び身を預けず、そのまま上体を起こしてお互い座りながら見つめる形になった。 「……ね、私だって頑張れるんだよ?」 だから無理しないで そんな言葉が続いて出てきそうだった。 あぁ、俺はなにを考えていたんだ。 狗だと? それこそ魅音を侮蔑している思惑じゃないか。 魅音は俺を愛している。認めるのは恥ずかしいが、それは事実だ。 色話に奥手な魅音が俺を求めてくれた。 ならば俺は『前原圭一』として彼女とセックスするのが、一番彼女に応えているに決まっている。 そんな簡単なことに、俺は勝手な正義感を振りかざして気付かなかったのか。 「圭ちゃん、好き」 ぎゅっと、そんな擬音が似合いそうな抱擁を受ける。 俺も腕を回し、晴れた気分と時計の音だけを心地よく味わった。 ベッドの下に捨てられた着衣は魅音のシャツだけでなく、スカート、圭一のシャツとズボンと増えていた。 魅音の提案で圭一は初めての刺激を味わっていた。 「んぐっ……んっ……んん」 圭一のペニスを、魅音が口をすぼめてフェラチオしている。 口いっぱいに頬張った魅音は、鼻から必死に呼吸しているがやはり酸素が足りないようで、時折フェラをやめて口から息を吸い込んだ。 故に圭一もなかなか絶頂へと向かわず、登っては降り登っては降りるもどかしい感覚を体験していた。 フェラを再開すると、圭一はシーツを握ってその快感に耐える。 フェラを中断すると、圭一はシーツを放して大きく呼吸する。 この繰り返し。慣れない大人びた『行為』は客観的に見れば、ただただもどかしいものでしかない。 しかし確かに二人は愉しんでいた。 圭一は眼下で行われる親しい友人の必死な姿に胸を打たれる。 魅音は好意を寄せるクラスメイトが恍惚としている表情に一層気持ちが高ぶる。 「うっ……」 初めてきた射精の予兆。 亀頭に唾液が絡みつき、舌が竿を舐め回し、全体をすぼめた口内が刺激を与える。 中学生が耐えるには大きすぎる快感。爆ぜようとする感情に、圭一は一度流され掛けたが何とか理性を再起動した。 圭一の浅はかな性の知識は裏ビデオに由来するのが多い。 そこでは確かに男優が女優の口内へと精液を放出するシーンを映し出していた。 その時圭一は当然欲情したが、同時にどこかで男優への嫌悪感を抱いた。 そもそも当時の圭一は、アダルトビデオを台本通りの企画モノであることを知らなかった。 情事を了承の元撮影していると認識しており、『アレ』が通常の大人のセックスだとしていたのだった。 だからフェラの後にそのまま口腔に射精する、または顔にかけるのは当たり前と思っていた。 いざ自らがそのシチュエーションにあると、確かに本音はそのまま果てたい、と告げている。 しかし臭いもきつく液体とは言えない状態のアレを、自分を好いてくれた女性に出すのは酷く下劣に思えた。 「魅音」 一言彼女の名前を告げて視線を合わせる。 魅音は未だ圭一の一物をしゃぶっており、上目遣いで目を合わせる姿は圭一の欲情を更に駆り立てた。 しかし、なんとか堪えて彼女の顔を自分のペニスから剥がす。 「今度は俺な……?」 魅音の体を脇の下から持ち上げ、ベットの端へと座らせる。 「きゃっ」 突然の行動に声を上げる魅音。 下着に指を入れて、ゆっくりと下に下ろす。 陰毛が見え、次第に桃色の彼女の性器が現れる。 片手でパンティを下ろしながら、圭一は人差し指を魅音のナカへと挿れた。 指にまとわりつく感触が心地よい。恐らくは魅音も微かな快感を覚えているはずだ。 しばらく指で弄るのも一計だったが、圭一は指を抜き小陰唇に沿ってなぞった所で手を離した。 魅音が不思議そうな表情で圭一を見つめる。まだ彼女は「今度は俺」の意味を理解していなかった。 両方の太股を圭一が押さえる。そして間も置かず魅音の陰部へと吸い付いた。 「っひゃああぁ?」 驚嘆の声を上げる魅音。圭一は顔も上げずただ舌で刺激を送り続ける。 「っちゃ……けぃちゃん……!」 ぐちゃ、ぴちゃ、ぐちゃ。 「ダメだよっ……きたなひっ……っ」 ぴちゃ、ぴちゃ、ぐちゅ。 「んんん……っ!」 ぐちゅぐちゅぐちゅ、ぴちゃ。 「……っ……はぁ、はぁ」 抵抗の声を上げるのを止めた魅音は、しばし圭一の舌使いに酔っていた。 魅音のフェラチオと同様に、到底褒められる技量ではない。 それでも味わえる快感。想い人だから許される世界。 「だめぇ……圭ちゃん、そこだめぇ」 時々クリトリスへの直接の刺激が起こり、その度に魅音は体を震わせる。 一人では決して味わえない快楽。圭一の舌によって、着実に魅音は絶頂へと近づいていく。 ブラの隙間から手を入れて、乳首を親指で転がす。 興奮は相当のようで、双丘は熱を帯びて屹立していた。 つまむように乳房の先を刺激する。魅音が一層大きい嬌声をあげた。 魅音の体を半回転させながらベッドへと倒す。 口は一瞬たりとも陰部からは離さない。 貪るように口づけを止めることはない。 圭一自身も再びベッドの上へと上がり、互い寝そべったまま行為を続けた。 粘液でいっぱいになった口内を飲み干す。 喉にまとわりつく感覚はとても気持ちの良いものではない。 無味でありながら、残り続ける感覚は今までにないものであった。 「やべぇ……、魅音。俺止まらねぇよ」 右手の指を魅音のヴァギナへと挿れる。 舌が届かない所を圭一は指先で優しく掻く。圭一の唾液ではない分泌液が、爪の周りに付着した。 誤った知識ではあるのだが、この感触で圭一は彼女が感じていると認識した。 指二本分を容易にくわえ込む魅音のナカは温かく、圭一自身に直接の快感はないものの、充分この行為は男を愉しませる魅力がある。 「っつ……あああぁぁ!」 この数十分で最も大きく高い声が響く。 圭一が指で刺激する部分を上部へと切り替えた時だ。 わずかに窪んでいる部分を圭一が中指で掻いた部分が、丁度Gスポットを刺激した形となった。 魅音が自慰をしている際、数度この場所を慰めた経験があったが、恐怖が好奇心に勝ってあまり強く触ったことはなかった。 それを突然予兆もなく、しかも自らの指よりも太いモノでなぞられ、魅音の躰に電気が走る。 波打った魅音の躰。圭一が既視感を覚える。 詩音も同じように、ある場所だけを敏感に反応していた。 感触自体に大きな違いはない。『場所』を特定するには魅音の反応を観察するしかない。 圭一が一度横の膣壁を二本の指で弄ぶ。魅音の息が少しだけ落ち着く。起こる快感を堪えている表情だ。 そして突然『場所』へと人差し指を擦りつけた。嬌声。堪えきれなくなった声が部屋中に響いた。 圭一は確信する。間違いない。ここは女性の弱い場所なのだと。 そろそろ剛直も我慢がし切れないのを圭一は自覚している。 己の理性も正直な所もう少しが限界であろう。 「イかせてやるからな」 荒ぶる息を整えながら圭一が呟いた。 絶頂へと必ず魅音を導く。 その決意を秘め、圭一は大きく息を吸い込んだ。 圭ちゃんが何かを呟いた。 私にはそれが聞こえない。 圭ちゃんの呼吸が激しいこともある。私の頭がぼーっとしていることもある。 私が聞き返そうとすると、圭ちゃんが口を大きく開けて息を吸い込んだ。 クリトリスを唇で挟まれる。指を膣へと挿れられる。乳首に圭ちゃんの指が当たる。 嫌な予感と悦な予感が起こる。私は滅茶苦茶にされてしまう予想が簡単に立った。 「んんっっ!」 三カ所同時に刺激が起こる。 あぁ、なんだこれは。電気が走る。電気電気電気。 膣の一番敏感な部分がかき回される。舌でクリトリスが遊ばれる。執拗に乳首を転がされる。 反則だ、こんなの。性感帯を三つも犯されているのだ。 圭ちゃんが大きく呼吸した意味も次第に分かる。 圭ちゃんはクリトリスへのキスを一度たりとも止めない。 私がいかに身をよじらせようとも、抵抗の声をあげても、圭ちゃんは私へのエッチをやめてくれない。 奥からわき上がる『イく』前兆を感じつつ、その感覚が恐怖を覚えずむしろ期待すらしている自分に気付く。 あぁ、圭ちゃん、ダメ。クリトリスをそんなに舐めないで。頭がどうにかしちゃう、どこかへ飛んでしまいそう。 囓ってもダメ。あぁ、痛い。痛いよ圭ちゃん。でも……全然嫌にならない。 凄い。これがセックスなのだと躰が覚える。 こればかりは居るか分からない神様に感謝しよう。人間にこれほどの悦楽を与えてくれたことを讃歌したい。 「あぁっ、凄い。凄いよ、圭ちゃんっ」 恥じらいが遠くへ飛ぶ。理性が音を立てて切れる。良心が闇に染まる。 もっとぐちゃぐちゃにして欲しい。肉欲を満たして欲しい。このままイかせて欲しい。 キた。わき上がる絶頂が腹の奥底から頭へと登っていく。 大きい。未体験のオーガズムが……飛び散った。 躰が意志に反して跳ね上がる。 弓なりに反った私は、想像に逆らって声も上げずに真っ白の世界へ包まれる。 数秒その世界での浮遊感を持った後、天井につるされた電光の周りから色を帯び始め、私の意識がこの躰へと戻った。 顎を引いて天井から正面へと視線を移すと、圭ちゃんが息を荒げながら私の顔を直視していた。 何か確認しようとしているのだろうか。視線は定まらずに、不安そうな目で私を観察している。 私は疲労感でいっぱいの体を鞭打ち、起こして圭ちゃんへとキスする。 なんだか舌を絡めるよりも恥ずかしかったが、圭ちゃんが背へと腕を回して抱きしめてくれて、そんな気分も晴れてしまった。 「圭ちゃん、来て?」 さぁ、今度は圭ちゃんが愉しむ番だ。 目一杯の笑顔を彼の前でして、私は体を倒した。 どうやら俺は魅音を満足させることができたらしい。 そう言えば英語でもイくことをcomeと俗に言うらしいから、あの感覚は世界一般のものなんだなぁ、と場違いな妄想にふけった。 我慢しきれなくなって溢れた汁で濡れる亀頭を、魅音のソレへとあてがう。 数度挿れるのに失敗して、一度目を閉じて深呼吸した。 そんな滑稽な俺を見てか、魅音の顔がまた笑みに変わる。 もう一度「行くぞ」と宣言して、魅音がうなずいた。 慎重に俺のモノを股の下あたりに当てて、ゆっくりと体重を掛ける。 「あっ……」 魅音が違う反応を見せる。体重を掛ければ掛けるほど、俺と魅音の距離が縮まっていく。 「つっ……」 痛みを堪える眉間に皺が寄った苦悶の表情。 俺の腕を握る魅音の爪が皮膚へと刺さる。 これで少しでも彼女の激痛が紛れるなら安いモノだ。 俺は更に体重を掛けて魅音のナカへと侵入していく。 シーツに滴る赤色の液体が、魅音の未体験の痛みを物語る。 結局俺は全てを挿れ終わるまで数分を要した。全てが埋没した今でも、魅音の表情は変わらず痛々しい。 「圭ちゃん、動いて良いよ」 馬鹿野郎、全然大丈夫そうな声じゃねえよ。 俺が上半身を動かす僅かなズレでさえ、魅音は歯を食いしばる。 何とか彼女の眼前へと俺は顔を持って行き、唇を触れさせる。 親指で乳首を弄り、他の指で乳房を包む。 これで幾らか紛れるだろうか。憶測の域を超えない俺の手助け。そうして俺はゆっくり腰を動かし出した。 ぐっと魅音が歯を更に食いしばったのを、唇からの振動で感じる。 短い距離をゆっくりと動かし、彼女がこの感覚に慣れるのを俺はしばし待った。 十数回ピストンした所で、次第と出し入れするのがスムーズになる。 膣自体が異物に適応したのだろう。きつすぎて愉しむ所じゃなかった魅音のナカが、快楽に耽るのに相応しい包容力となる。 もうそろそろ良いだろうか……。もはや魅音のことを考える余地のなくなった俺は、動きやすいように腰を浮かす。 ゆっくりとはもう形容できない運動。 ぐちゅっと小気味よい水音がはっきり聞こえるように、俺は快楽を貪る。 魅音の口は俺が未だ塞いだままだ。 吐いた息はそのまま俺の肺へと入っていき、密着も手伝ってお互いの体温はどんどん上昇しているだろう。 なかなかこれは体力を消耗する運動で、俺自身も鼻からしか呼吸できない為、胸の奥が酸素を欲して苦しくなってきた。 酸素を欲すれば欲するほど、俺は早く射精を迎えようとピストンの速度を速める。 鳴る音のペースが速まり、俺が左手で固定し切れなくなった魅音の腰ががくがくと震え始めた。 もっと奥へ。もっともっと。 ペニスよりも下腹を突き入れるイメージで、俺は何度も膣の限界へノックする。 俺の我慢汁と魅音の愛液どちらだか分からないモノで、ピストンはスムーズになっていた。 握るように締め付ける膣を俺の剛直が押し広げる。 俺は魅音を犯している。彼女をこの手で犯しているのだ。 そう悟った瞬間、俺自身もう絶頂が近いことが分かった。 唇を離し、上体を勢いよく起こして俺はピストンに没頭する。 何度も何度も突き上げて、既に準備万端の精液を放出させようと最後のスパートを掛けた。 魅音が喘ぐ。体をよじらせて、逃げられない感覚に遊ばれているようだった。 膨らみ始めた俺のモノで、最後の、最後の挿入を……。 どくんっ、どくん。 繋がった状態で俺は魅音へと射精した。ナカで出してしまうのが、危険なことであるのは事前に確認していたはずだった。 いざ始まってしまえば、そんなもの快楽を邪魔するウィルスのようなもので、躊躇いもせず俺は中出ししてしまったのだ。 七度脈打った所で俺のモノは放出を終了した。 引き抜くと亀頭の先から糸状に精液が繋がり、それ以外にもあふれ出した液体が陰部の形にそって流出する。 こうやって汗ばんだ胸と逆流した精液を見るのは罪悪感と同時に征服感に駆られる。 半透明の液体と真っ赤な血がシーツを汚して、改めて俺は魅音とセックスを済ませたのだ、と思った。 魅音の顔をのぞき込む。 薄ら笑いを浮かべながら生暖かい息を吐く姿は、やはりエロチックだった。 「キスして」 彼女の要求に俺はお望みのもので応える。 心臓が十回ぐらい鳴った辺りで唇を離し、俺は乱れた緑色の髪を軽く直してやった。 「すっげぇ、良かったよ。魅音」 「……私も」 もう何度目か分からないキス。 でも恥ずかしくない。こいつはもう友達なんかじゃないから。 俺の好きな……想い人。 竜宮レナにとってこの日の学校は、到底望んだ登校と言えなかった。 魅音に辛く当たってしまったこともある。 当然間違ったことは言っていないつもりだ。しかし私情が挟んでいなかったと言えば嘘になる。 魅音のあの馬鹿正直さに、己にはないあの強さに嫉妬したのだ。 人の前で涙を流したのと、孤独に涙を流すのとでは一体どちらが弱いのだろう。 幾度考えても答は見つからず、気付けば圭一のシルエットが遠目に見える。 いけない、こんな表情(カオ)をしていては駄目だ。 一日休んでいたんだから、もしかしたら圭一くんは体調を崩していたのかも知れない。 オブラートに包みながら聞き出して、良好的な関係を続けなきゃ。 目印としている木を圭一が通過した所でレナは大きく手を振る。 満面の笑み。「けーいちくーん」とあたかも可憐な少女のような声で、圭一へと呼びかける。 「圭一くん、昨日休んだよね? レナ達心配したんだよ、だよ?」 言って虫酸が走るような馬鹿らしい口調。 だけど今は竜宮礼奈ではなく竜宮レナなのだ。イやなことは何もない。そう、何もない。 「あー、ちょっとな」 自覚なしに分かりやすく圭一はレナの言葉を流す。 当然正直に包み隠さず話せる力量はなかった。 園崎姉妹どっちも俺のモノになったぜっっ! レナの鞄から鉈が出てきても何らおかしくない未来が浮かぶ。 だからと言っていつまでも隠せるわけないことを、圭一は分かっている。 いつどのタイミングがベストなのだろうか、と思考しつつ圭一は歩を進める。 レナは質問を止めない。腕にしがみついてねだるように、圭一へと欠席の理由を聞き出していた。 そこを圭一は得意の話術と社会人顔負けの営業スマイルで場を保つ。 しばらく傍目から見れば仲良く見える登校風景を演じた彼らは、水車小屋へと近づいて来た。 クラス委員長のポジションに立つ魅音が、鞄を持つ手を掲げてこちらへ手を振る。 レナは敏感に感づいた。妙に視線がレナへと向かっていること。 いつもなら圭一くんへと真っ先にがっつくはずなのだが、急ぐように私と会話を始めた。 圭一くんも魅いちゃんと目を合わせようとしないのを見ると……。 はじき出された答は決して喜べるものではない。恐らくぎくしゃくした関係が修復された以上の進展があったのだろう。 これが諦めた者とそうでない者の差か。とレナは痛感した。 間に挟まれている自分が惨めだ。私が居なければこの二人はまるで違う空気を纏うだろう。 私が居なければ……。 レナにとって憂鬱な授業が始まる。 元々好きではない勉学に加え、甘酸っぱい二人の関係を知ってしまったことも大きい。 三時限目の終業のベルが鳴り、知恵が教室を出て行く。 いつもなら沙都子と圭一の暴走劇を魅音たちと楽しむのだが、到底そんな気分ではなかった。 窓際から見える殺風景なグラウンドを眺める。 いつものように沙都子へと圭一が怒りをあらわにしているらしい。 教室を所狭しと駆け回る音がレナの耳から伝わる。 「レナ、どうしたのですか?」 レナが顔を向けると梨花がちょこんと立っている。 不安そうな表情を浮かべて顔を少し傾けて。いつもなら「お持ち帰りぃ」と喝采するところだが、今のレナにできるはずもない。 「んー? どうもしないよっ。レナは今日も元気元気っ」 ファイティングポーズをとってレナは元気であることをジェスチャする。 梨花はそのレナを少し眺めていたかと思えば、にやりと顔を歪めた。 そう、レナにとって梨花の表情の変化は歪みであった。 笑顔であることに変わりない。しかしその奥に潜んだモノが違いすぎる。 なんて人を小馬鹿にした笑み。まだ因数も知らない子の作る顔ではなかった。 「圭一と魅音が憎い?」 魅いちゃんではなく魅音。ワントーン低くなった声が、レナを凍り付かせる。 「ふふ、図星ではなくとも遠からず、かしら」 梨花の視線がレナから、沙都子を追い回す圭一へと動く。 達観したような表情は、ある意味古手の巫女には相応しいのかもしれない。 「『諦める』なんてね、あなたにはまだ百年早いわ」 くるり、と踵を返して梨花が自分の席へと戻りだした。 三歩歩いた所で顔だけレナの方を向き、いつもの調子で「みぃ」と笑った。 この一分間がまるでレナの夢だったかのように、梨花は変わらない姿で富田や岡村の輪に加わる。 今のは何だったのか、と様々な思考がレナの頭をよぎる。 やはり古手の教育と言うのは余程濃密なものなのかもしれない。 あの歳で早くも二面性を作れるほど、巫女と言う役割は辛いものなのだ、とレナは胸が痛くなった。 「『諦める』には早い……か」 始業のベルが鳴ったのにまだ沙都子を許さない圭一を見つめる。 そろそろ知恵先生が扉を開けると言うのに、まったく成長しない男だ。 なぜ私はあんな男の為にこんな一喜一憂しなきゃいけないのか。 そう考えるとレナは無性に腹が立ってくる。 宝探しの誘いを断る権利を剥奪するぐらいの見返りが、恐らく自分にはあるはずだ、とレナは笑った。 そうだ。昨日の涙の分を返して貰うまでは、彼を許すつもりはない。 今日にでも誰より早く圭一を捕まえて、あの秘密の場所へと連行しなければ。 考えると自然に自分が笑っていることにレナは気付いた。 なんだ、まだまだこんなに学校は楽しいじゃないか。そしてまだまだ私は楽しむことができるのだ。 知恵が教室の扉を開ける。がらり、と軋む音と擦る音が混じった雑音。 その雑音にかき消され「世話が焼けるわね」と言う声は誰の耳にも届かなかった。 分校の昼休みまであと五分ほど。 私は葛西の車に送られて雛見沢へと沙都子への弁当を持ってきている。 今日はカボチャの煮付けにカボチャのコロッケにカボチャのケーキと、毎度の如くカボチャ尽くしだ。 それを山吹色のナプキンで包み、私の手提げ袋の中に入っている。 その上には水色のナプキンで包まれたもう一つの弁当箱。 言わずもがな圭ちゃんへの差し入れである。予告していなかったから、恐らく圭ちゃんのお母さんのと被っているだろうが、無理矢理にでも胃袋に収めて貰おう。 何せお姉まで圭ちゃんと事を済ませているはずだ。 昨日幾ら電話を掛けても誰も出ないのを考えると、十中八九間違いない。 私はとにかく大胆に彼へと迫るしか、お姉に勝つ見込みはない。 それで、この弁当である。 定番中の定番。さすがにご飯の所にloveと入れるのは止めておいたが、可愛らしさ抜群のメニュで揃えてきた。 こう言うのは最初にやったもん勝ちだから、お昼の時間だけはお姉よりも優位に立てる。 終業のベルは鳴っていなかったが、知恵先生が教室から出てくる。 私を発見すると、大人っぽい仕草で一礼した。 私の方も既に慣れた挨拶で先生へ頭を下げ、職員室へと戻るまで彼女を見送る。 そして閉めてあった扉を勢いよく開け、仁王立ちにも近い形で教室へと君臨する。 丁度圭ちゃんが私の分の机を用意していてくれた所だ。 あぁ、なんて素敵な笑顔。 綺麗な肌。 輝く瞳。 細い眉。 シニカルな笑みが似合う口。 強く芯の通った声。 すべてが好き。すべてが愛おしい。 彼のためになら私はこの身を容易く捨てるだろう 彼のためになら私はこの心を躊躇なく捧げるだろう。 彼のためになら私はこの過去を捨てるだろう。 もう右の爪は痛まない。疼かずに静かに再生を待つだけの状態になっている。 私の全てが彼を認めた証拠。この爪が私と過去を決別した証。 きっとまだまだ大変な障壁はあるだろうけど、圭ちゃんのためにならそんな努力は惜しまない。 『今』、『私』は『前原圭一』が『好き』なのだから。 「沙都子っ、今日も作ってきましたよっ」 身を尽くし、アナタをアイします。 ――――――――――了
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コミックマーケット73 2007年12月29日~31日 東京ビッグサイトにて開催 サークル名 CD名 上海アリス幻樂団 幺樂団の歴史4 ~ Akyu s Untouched Score vol.4 幺樂団の歴史5 ~ Akyu s Untouched Score vol.5 2SP+C K Fall into Heaven 3S Cubic 東方霊譚曲 Alstroemeria Records Harmony DANCEFLOOR COMBAT AncientChronicle 空に輝く淡い光 - Moonlight Shrine. As/Hi 禊 vocal version BITPLANE 竹取物語 C.S.C→luv 東方 NEW WAVE C-CLAYS 東方幻奏祀典 風華~KAZABANA Cherry Lunaburst innerCast COOL&CREATE スーパーあまねりお Coolier 戦国幻想曲 Contrast 東方特攻隊 CROW SCLAW Frozen Frog CYTOKINE hatch the new Flow CTBR 僕は東方を「いい、見てる。」 danmaq danmaq soundtrack dBu music 風弾奏結界 神交風雅曲 Oratario del Vento Demetori Il Mondo dove e finito il Tempo DoKuRo-Bose 東方ぼうず Elemental note 東方幻夢音 Floresta Prateada Refondi da Babela turo Garage Lover! RW Ⅳ-Ⅵ Golden City Factory 東方ミッドナイト MAXIMUMTUNE 4th STAGE GP1 空也色vol.7 gravity Crimson Devil IRON ATTACK! EVIL MOUNTAIN JUDSTYLE? FM紅魔郷? KARMART World s Embryo Key Music 東方見聞録 六ノ巻 Knights of Round Knights of Round Kota-rocK 真遠の夜 -しんえんのよる- Key Music 東方見聞録 六ノ巻 L.I.C. Coure Lunatic Gate VIVID M2ind Manufactory vernacular M.I.W Sound Vision ~幻視調律~ MINAMOTRANCE 東方弾舞踏 Monochrome? Hanamietto? MyonMyon Mountain of Faith ~神々への信仰~ PASTEL JAM Atelier oguu ゆゅ缶 Presence∝fTVA Presence∝fTVA 2007 winter Punk Dirty Channel F³ miidn rmx+ed\ PXP ALICE GATE QLOCKS 凛音天聖 Ruchi 風神録六録 試聴盤? SEA SPARROWS 東方紅葉卸 Silly Walker ウサ耳アワー ミュージックスてゐション Silver Forest 東方蒼天歌 Sound CYCLONE Silhouette Sound./Ecriture Rhapsody~幻想郷狂詩曲 SOUND HOLIC 風-KAZE- Sound Online Starry Sequence Sounds of Liberation 百万鬼騒宴 Studio H.E.X. 秋分紀行 Stygian Riverside TRIBUTE TO THE EAST VOL.1 STYGIAN RIVERSIDE SYNC.ART S CHAOS TAMUSIC 東方バイオリン7 TAMの福袋 08? UI-70 SpreadingFullColors UFO County WIND type -峰- WAVEDRIVE 琵音 Arpeggio XL Project Faith of Shrinemaiden XOTIC Untitled Sounds Zephill ∠15° 荒御霊 SpellCore 一霊四魂 いえろ~ぜぶら 東方讃月歌~Smell of Flap~ 第2回東方M‐1ぐらんぷり Comicmarket73 OmakeCD オーライフジャパン 東方奔放戯(仮)試聴版 堕武者グラインド 東方砕臓腑~Tale in the gore. 狐の工作室 東方定期幻想界 紅魔郷の音(仮)? 戯音楽団 東方鋼魔録? 餃子屋本舗 東方二胡小曲集 月譜「ここにはペンペン草も生えないから」 黒夜葬 ∵Ga[Я]deN∵ 絃奏水琴樂章 邂逅の映像? Eastern Serenade 小悪魔合同CD企画? Little Devil Compilation CD? こなぐすり 東方漢方薬 さかばと 幻想の視る夢 斬 胸が絶望的に足りないな ししまいブラザーズ 東方秋風虫奏 セブンスヘブンMAXION Devote Strikers!! 石鹸屋 石鹸屋のお歳暮3 ゼッケン屋 Dry Eye Party 絶対4℃? Attack the Music? 仙台戦隊みくれんじゃー 東方巫女未来 早大虹幻会 東方は儚きアレンジの為に? 凋叶棕×Timescope? 祭 電開製作所 東方難波街道 とろろ.net 東方ねば~ランド 東部開拓地 ヒマワリブレイカー はちみつくまさん 東方ボスアレンジアルバムⅡ ばんだいく Re×CREATE future retro Vol.1? ひえろぐらふ 行列が出来る東方相談所 ぴずやの独房 Eternal Circle Nine 文鳥Online。 東方文鳥録 ~Return Reanimateness~ ポチとてぬぐひ ポチ喰ひ Petit Winter モヒカンサンドバッグ フルマテお年玉ぱっく? 来夢緑 Ring-a-ring o roses 年越の祓 そらの少女? 紅い宝石箱? 肉まんの季節 白玉楼の一日? ロリコンの地位向上 Land of the phantasm
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「け、圭ちゃんっ! おおおおじさんとその、きょ、…今日一緒に帰らない!?」 「…ん。どうした魅音、変に慌てふためいて。我等が部長らしくないぜ! 一緒に下校なんていつもの事だろ、俺も一人で寂しかったんだ。行こうぜ!」 「そうじゃないよっ! …その、二人きりで帰るって意味、だよ…」 「…。…魅音」 教室の窓越しからは朱色に染まった夕焼けの日が差し込んで、ひっそりとたたずむ室内中の備品を照らしている。 水平線に沈みゆく太陽は今にも無くなってしまいそうで、…茜色の海と交っていた夕日がジュッと音を立てて消えた時、机上を照らしていた日差しもまた、遮られた。 魅音が立ち尽くす圭一を教室の後列にあるロッカーまで押し込み、焦り戸惑う圭一の手に、そっと自らの掌を乗せる。 のけぞった体勢で魅音と体の接触を回避していた圭一だが、やがて受け入れ始め、…互いの胸が重なり合う。 教室内の明かりを保つ蛍光灯からチリチリとした微弱な震動を受ける。 こわばった容態ながら、握られていた二人の指先が惜しむように離れてゆき、それぞれの腰のくびれへ腕を伸ばして行く。 …魅音は、震えていた。 圭一の顔に視野を向けず、ただ彼の右肩に顔を埋める。 少し衝撃を与えた位で崩れてしまいそうな印象を受ける、ほっそりとした華奢な腕で圭一を強く抱き締めるだけだった。 …今日の部活の敗者は圭一。与えられた罰ゲームは、教室で一定の時刻まで待機する事。 圭一自身、仲間とはいえ突拍子も無しに異性から詰め寄られ、服越しの体温を感じた挙げ句泣かれてしまうだなんて、思いもよらなかったことだろう。 されども満更では無さそうだ。瞳の奥から、ある種の覚悟が見て取れる。 日頃の気丈な振る舞いからは想像つかない様態の魅音に、圭一は何も言わず、ただ受け入れた。 …私が二人のすぐ付近、入り口に居る所で堂々と見せ付けてくれるなんて、宣戦布告かしら。 「…ふう。今日は暑いぜ。一体なんだって、秋も訪れたというのに、真夏を彷彿する日照りが降り注ぐんだぜ…」 「はうう」 「お疲れレナ。いくら当番だからといって、花壇の雑草抜きまで熱心にやらなくてもいいのに…。制服に泥がついてるぜ」 「いいの。レナがやりたかっただけだしね。…」 天気は至って快晴そのもので、真上を見上げると、とめどなく広がる青空が私達の視界を包んでいる。 裏庭は強い陽射しに照らされていた。 ジリジリと詰め寄る熱気が嫌に体へまとわりつく、炎天下だった。 花壇にかがみながらスコップを片手に持ち、困り顔ではにかむレナとジョウロで水撒きを行っている圭一。 二人の額に沢山の玉の汗が浮かんでいる事から、さぞ熱心にガーデニングに忙しんでいるかが窺えた。 「それに」 会話がとまり、間が生じたその時に不意、先ほどの言葉に付け足すニュアンスを伴ってレナが呟いた。 「…ん、それに?」 レナが次の言葉を続けやすい、発言を汲み取った相槌を圭一が打つ。 圭一にとって今の返事はなんとなしに返してあげた、取り上げるのないただのやりとりであるのだろうが、…対象のレナのあんばいは勇気を振り絞っているもののソレに窺えた。 程なく圭一はレナの異変に気がついた様で、面構えがはっと意識が覚醒したものへ変貌し、全身をピクリと跳ねさせる。 戸惑いや不安を隠し切れないでいるレナだったが、ほどなく決心を固められたか腰を据えたまなじりで圭一をじっと見つめ、まもなくガーデニング場にか細いささやきが響き渡った。 「圭一くんと、長く居たいから」 「…へ?」 レナの声は、震えていた。 とぼけた感嘆を漏らして取り合わない圭一に、レナはじっとその場に据わえ、圭一の眼を凝視するのみだった。 その態度は誤魔化さないで欲しいと懇願している風にも受け捉えられ、…息が止まりそうになる時間の隔たりが流れ、痺れを切らした圭一が再度レナに尋ねようと口を開く。 「レナ」 「好きだよ」 されども、圭一がレナを呼びかけ、発言を遮られつつ即座に返された答弁は圭一が避けたかったであろう心の内側の本音だった。 圭一はまるで道端の蛙から話し掛けられたかの様に、驚いてはまごつく。 正面に向いている瞳孔をレナのいない右端のそっぽに動かしては右手の人差し指で頬を撫でまわし、やおら、言いかけだったレナへの言葉を詰まらせてしまった。 「…ガーデニングが、か?」 「違う」 「…レナ、具合が悪くなったのか」 「とぼけないでよ」 いくらでもはぐらかし、すり抜けようとする圭一に、レナはやるせなさそうに溜め息を漏らす。 好きになった男の子の、いざとなったら逃げ道を確保しようと思案する情けない様態に、幻滅してしまったのだろうか。 しかしながらその後すぐ、眩しく日照った足元より延びる、二つの陰が踏みよってゆく。 一つは戸惑いと躊躇が顕著に現れたもの、…もう一つは真っ直ぐと進んだ、迷いのないもの。 やがて重なり、陰の面と面が、色濃くなった。 「…こういう、ことだよ」 「…」 吐息は荒く、視線の焦点も、まともに定まっていない具合だった。 身体の火照りを感じたか、ぶるる、と背中一面を震わせて感触から逃げようとするも、今日の太陽の陽射しの様に悪質なソレは二人に纏わり付いて離れない。 熱したフライパンの上に乗せたバターはとろとろと形を無くして平べったくなり、縁に寄り添い、主役の固形物を待ちわびて絡みつくのだ。 今では卑猥な湿り気の音だけが、学校のガーデニング場だけに、残された。 ジョウロとスコップ、園芸セットを片手に持って立ち尽くす私の姿はさぞ滑稽な事でしょう、…嫉妬しちゃうわ! 「おーっほっほっほっほ! 圭一さん、ちょっと予測すれば楽によけられる簡単なトラップに引っ掛かるだなんて、やっぱり圭一さんはどんくさくて惨めな人ですわねー!」 圭一の後頭部、襟足の所にはしっかりとチョークの跡が付けられていた。 周りには粉末も飛び散っている。 様々な色合いが混ざり、一日分の苦労を溜め込んだ黒板消しの腹部からはねぎらって欲しいと言わんばかりに、一部分を除いて微粒子の凝縮した層を地面からとくと見せ付けていた。 圭一の着用しているブレザーはおろかなんとズボンの臀部にまで粉黛が飛び火されていて、酷い有様だった …しかしながら肝心の圭一が、幾ら沙都子に呼びかけられても、反応を起こさない。 机に突っ伏したまま微動だにしない状況なのだ。 本当に深い眠りについているのか、はたまた無視を決め込み空寝を装っているのか。 私たち側からでは判別できないが、隣に居る甘えん坊さんがつまらなそうに唇先を尖らせていることだけは事実だった。 「…ちょっと」 のこのこと、さながら小動物を彷彿する挙動の歩きで沙都子が圭一に近付き、沙都子の体一面よりも広い圭一の背中をせっせと揺らす。 予想は出来ていたが…、威圧するかの様に鎮座する大きな背部に対する沙都子の華奢な腕つきの力などたかが知れていて、圭一を無理やり起き上がらせるほどの決定打は起こらなかった 。 それどころか、ピクリともすら、動かすことができなかった。 「ちょっと、圭一さん!? 可憐なレディーを前にして狸寝入りを決め込むだなんて、失礼極まりないと思いませんこと!?」 沙都子がキンキンとした甲高い声を圭一の耳元に浴びせ、結果圭一の眠りをほんの少し、浅いところに引き上げることには成功した。 圭一はというと両腕に額を当てて枕代わりにしている格好から頭を浮かせる程度に眠りから覚醒し、かったるそうに薄目を開け、状況を把握しているあんばいだ。 されども圭一の表情からはうざったい心境であることが用意に見て取れて、またすぐ自身の腕枕に額をつけて沙都子と対面する方向の逆へ寝返りを打ち、そっけなく顔を背けたのだった。 「…うう」 沙都子には、圭一の行動がやおら拒絶のように思えたのだろう。 心地よい睡眠を妨害された時、どんなに相手が親しい人柄であろうと、本能的につれない態度をとってしまうのはわかるが、…あいにく相手は幼いのだ。 過ちを過ちと認識できないまま自失呆然としている沙都子。 まさか普段から大の仲良しである圭一にことさら相手にされないだなんて、ほとほと思いもよらなかったことなのだろう。 …沙都子は、痛みに敏感だからこそ、構って欲しかったのだろう。 やがて悲しみに耐えられなくなった沙都子が、自分がいくらアプローチをしても手ごたえが無いどころか突っ返される態度に愛嬌のある顔をしわくちゃにしてゆき、とうとう泣き出してしまった。 「ああああああん、ああん、ああ。…ふえ、ああ」 教室中を揺るがす叫び声に敵わないと判断したのか、圭一は寝ている格好のまま圭一のすぐ傍で蹲っている沙都子の頭部へと腕を伸ばし、その頭を撫で始める。 圭一のソレはがさつで、なおかつ優しい手つきである。 沙都子が一通り落ち着いた所で圭一が自分の脇近くまで沙都子を誘導し、沙都子を抱える様態で、また眠りについたのだった。 脇で固められた沙都子は苦しそうにもがき、圭一を叩いたりするものの、満更ではなさそうで口端からは笑みが綻んでいた。 圭一の素振りを察しても、とても沙都子を突き放すといった非道なたたずまいだなんて、微塵にも感じられなかった。 「…圭一さん、なんだか汗臭いし、居心地が悪いですわ。離してくれませんこと」 息を吹きかけたら消え入ってしまいそうな位のほのかな声音で、沙都子が圭一に呼びかける。 圭一は沙都子の頼みを承諾してか、脇の力を緩めて沙都子を解放してやろうとするも、沙都子はその場から離れようとしなかった。 むしろ渋い面持ちを浮かべているくらいだった。 しばらく沙都子が離れない事を確認してか、再度圭一は、沙都子を包み込むように腕を回して抱え込む。 すると沙都子はまたまたイヤイヤの態度を示すのだが、さみしんぼうな沙都子は、いつまでも圭一に身体を預けるのだった。 …よりによって、私が、彼らと一緒の空間に居て、同じ時間を過ごしているというのにね。 羞恥心というものが、欠如してない? …何よ、何よ何よ! 『魅音、その、えっと…』 『何、圭ちゃん。いきなり押し掛けちゃって、迷惑だったかな』 『…柔らかくて、暖かいよ』 魅音も! 『…はあっ、はあ』 『圭一くん。レナはもう、圭一くんを、皆の圭一くんとは、見れないよ…』 レナも! 『…圭一さん。願うなら、今日はずっと、このままで…』 挙げ句の果てには、沙都子まで! 後日談? 愛は一なる元素? そんなもの糞くらえ! 私は圭一が好き、部活メンバーの中でも一番好き、私が絶対一番好き! 百年ずっと想いを焦がしていたけれど、その炎の威力が少したりでも弱まったことなんて旅の最中一度もない! 愛は尊いものではない! 醜く、薄汚れた、お互いを貪りあう軽蔑すべきものであって、それを乗り越えて行く過程こそが美しい! 人々は愛を勘違いしているだけ、恋に恋をしている、私は圭一を愛しているのっ! 誰よりも何よりも、ずっと、ずっとおっ! 「好き、私も好きっ! 圭一の事が大好きいっ!」 「詩ぃ、お願いです! 僕に恋愛の秘訣を、伝授して下さいなのですっ!」 「…、…。…梨花ちゃま? とりわけ連絡も無く、私のマンションに何故か入り込んでいる事は、まあ、ともかく。そんなの、知った所でどうするのですか?」 フルデ梨花の大嫉妬!? 「ライバルを出し抜くためですっ!」 …両手を脇につけて自信満々に玄関前で立ち尽くす梨花ちゃまの表情は、なんというかまあ、青春って感じです。 平たくいえばアホなことやってるなって所ですかね。 さながら敵無しと鼻息荒く私を見つめる梨花ちゃまを、さすがにそのまま胸を反らせた状態で玄関のインテリアにするわけにもいかないので、気力に満ち溢れた格好を解除してもらいダイニングルームにまでお邪魔させることにしました。 「それにしても、最近は空気が乾燥してきて、めっきり寒くなりましたよね。秋も終わりに差し掛かって、変わり目である冬の訪れを肌でひしひしと感じます。…どうやって、ここまで侵入したのですか」 「気合です」 「私のプライベートにかかわるから、できれば事前に私に話を入れておくか扉前で待っていて欲しかったのですが」 「知ったこっちゃないのです。『女』無法梨花、無理を通してみせるのですっ」 「物理的に通っちゃったしねえ…。まあ、どうでもいいです。話とは?」 始めは当り障りのない世間話でお茶を濁し、いざ私がとても気にかけている本題へ突入したのですが、手ごたえはまるでのれんに腕押しです。 壁に大声で愚痴を叫び、返事を求めるような錯覚を抱きました。 「詩ぃ、僕と圭一は最早結ばれたも当然なのです」 日常通りぶっとんだことをさらりと吐き出す梨花ちゃまですが、これしきの事で一々たまげていたらとても雛見沢で生活なんてできません。 6月を超えたあたり、正式には特殊部隊との闘いを終えたあたりから梨花ちゃまに劇的な変化がもたらされてご覧の有様になったわけですが、なんでですかね。 私には梨花ちゃまの様子が散々長いこと我慢していた物事による鬱憤晴らしの様に窺えるのですが、梨花ちゃまはまだまだ幼いですし、そんな耐える事なんてあるんですかねえ。 「なるほど。梨花ちゃまの仰られていることの9割を理解できませんでしたが、圭ちゃんとの恋を成就させるために一肌脱げってことですね」 「分かりが早くて助かるのです」 圭ちゃん自身はさっぱり気が付いていない具合ですが、梨花ちゃまが圭ちゃんに恋心を燃やしている様子 は、同性の女の子として見るにくっきりと浮かぶ位にわかりやすかったですからね。 いずれ相談は受けるかもと頭の片隅で抱いたりしていたのですが、いざ妄想が実現するとなると、どうにも緊張するものですね。 何せ相手は玉の輿の前原圭ちゃん。私たち部活メンバーにとっても唯一身近で年齢も高い男子だけに、皆圭ちゃんにメロメロの虜にされていますからねえ…。 競争率はかなり高いですよ、梨花ちゃま。 他のメンバーが圭ちゃんにアプローチをかけている姿ならよく見かけるものの、梨花ちゃまに限っては目立ったアプローチをしている姿を見たことがありませんし、歳の差のハンディもある。 こりゃ、厳しい闘いですね…。 「そういえば梨花ちゃま、時々圭ちゃんの後をつけまわっているけど、それをやった後はいつも落ち込んでいましたねえ」 「う、どこでそれ、あっ、…うぐ」 私が口を開いた途端に動揺し、汗を浮かべる梨花ちゃまの様子は可愛らしいことこの上ありません。 「ジョウロとスコップを片手に持っていたり、ノート持ってたり、黒板消し持ってたり様々ですけど。まあ、共通していることといえば薄志弱行と共にある状態になるってところですね」 「や、もう言わないで、わかったから、自分のウィークポイント把握できたから」 「さらに言えば梨花ちゃまの奇行が終わった後、必ず部活メンバーの誰かが上機嫌ですよね。お姉の時はなんだか頬を染めて、レナはいつも以上に天真爛漫で、沙都子は圭ちゃんにべったりで…」 「やめて、もうやめて、私の傷口を広げないで」 数ある奇行でも梨花ちゃん尾行癖は有名なもので、他の人物からも度々目撃されているそうですよ。 遠目で観察しているとやがて独りでに悶えだすのが特徴です。 …この物事を突き止めたとしても何も起こらない、すこぶるくだらない事ではありますが、何で梨花ちゃまは自分の立場が不利になったりと切迫される立場になるといつもの敬語を外し、乱暴な口ぶりになってしまうのでしょうかね。 今なんてまさにそう、私の傷口を広げないでだなんて、常々の梨花ちゃまだったら聞いてるこちらが悲しくなる腹黒い言葉なぞ頑なとして使いません。 部活メンバーやクラスメイトの皆だって梨花ちゃまに汚らしい言葉を覚えさせるはずはありませんし、地域のじいさまばあさまなんてもってのほか。 しかしながら、誰かが教えていなければ梨花ちゃまがまだまだいたいけな歳に分相応の言葉遣いをするはずなどないのです。 ミステリー、謎が謎を呼ぶ、けだく永遠の課題ですよ! 村から遠出すらしたことのない梨花ちゃまがいかにして身丈にふさわしくない話し言葉を学んできたのか、研究が必要ですよ…! …閑話休題です。 梨花ちゃまの抱えている悩みの解決方は至ってシンプル、梨花ちゃまが自身のチキンハートのしがらみから脱出して圭ちゃんにアタックを仕掛ければいい話なのです。 されども今の梨花ちゃまにとってのこの正論は大地を這う蛇に大空を飛べと無茶を言うようなもので、このまま梨花ちゃまを放っておくというのはあまりにも可哀想ですし、慈悲深い私はお情けで案を提供してあげる事にしたのです。 「そもそもとして、梨花ちゃまはいつも圭ちゃんをコソコソと尾行するばかりでまともな働きかけをしていないでは無いですか。それでは梨花ちゃまが幾ら胸内で情熱をたぎらせていようと、圭ちゃんに想いが伝わる事なんて一生涯ありませんよ」 「だから、だからというか、どこで私が圭一をつけてるだなんて知ったのですか…?」 「知ってましたとも、梨花ちゃまが圭ちゃんの私生活に、熱心に探りを入れていることだって。動きが、あまりに明瞭なものですからね」 「他の事実まで…」 先ほどからちょっぴり隅に落としていた影を、私の吐露を耳に挟んだ始末露骨に背中全体から惜しみなく放出し出し始めた梨花ちゃまの様は、さながら小喜劇を鑑賞しているようで滑稽です。 どんより・ガックリだとか、もうだめだとか、明日から頑張ろうといった負の語彙がバッチリ似合います。アイアンディティが生まれて、良かったですね、梨花ちゃま。 「ストーカーまがいの偵察は可愛げのある幼少期にてスッパリやめたほうがいいですよ」 「うううう…」 今の梨花ちゃまの気持ちを察するならば『視界がぼやけて唇に液体が触れてきて、その液体の味がしょっぱく感じるのは、どういうことなのかしら』ってところでしょうかね。 私と目線を合わせることを拒否し、人差し指でフローリング張りの床にのの字を書き始めた梨花ちゃまの態度が見るにかねなかったので、意地悪な応答はこの位の加減にして本題を切り出し始めることにしました。 梨花ちゃまの周辺は心なしかジメジメしていて、放置しておくとカビが生えてくるだとかナメクジが生息してきそうに思えて、不気味でしたしね。 「まあ、過ぎてしまった事は仕方ありません。圭一に梨花ちゃまの気持ちを気が付かせたいというなら、今からでも行動する事ですね。しかしながら、恋愛については極度に人見知りになってしまう梨花ちゃまに、この忠言はあまりに厳しいです。その節について、私より提案が…」 「提案? …何なのですか」 「まあまあ。…ゴニョゴニョゴニョ。ゴニョ」 おやおや。私の弁に耳を傾けた梨花ちゃまの顔色が、瞬く間に茹で上がってしまいました。 先ほどまでの陰湿な雰囲気なぞどこにも見当たりません。代わりに、額から湯気があがっています。 特に私が最後に付け足した言葉の後に際立って変化が見て取れて、しまいには硬直したままの置物になりさがってしまいました。 困ったなあ、下手にコレを置こうにも、部屋に溶け込めないタイプの家具なんて要りません。 内装のイメージを変えたくありませんし、物置にしまいこむには大きすぎですし。 うーん、粗大ごみの日に、そっとごみ捨て場に置いてくるしか無いのかな…。…こんなことはまずありえませんね。 このままでは埒があかないので、私は凍りついた梨花ちゃまの耳元にて魔法の言葉を囁きます。 数秒の間を置いた後、なんということでしょう。 最早私たちの過ごしている時と別の時間軸へ飛び立ってしまった梨花ちゃまが少しづつ、注意深く梨花ちゃまを凝視していないと認識できないほど微弱に、動き出してゆくではありませんか! 後に梨花ちゃまは完全に息を吹き返し、見事解凍させることに成功しました。 「…え、ええ!? そんな、圭一と私が、せっ、セッ、セッ…!?」 自我を取り戻した後の第一声がひわいな発言だなんて、悲しくならないのでしょうか。 「上手く事が運んだらですよ、肝心の内容を口走らないでどうするのですか…。まあ、時折片鱗を見せる梨花ちゃまのずば抜けた知性と演技力なら、こんなけったいな作戦なぞお茶の子さいさいですよ。早速明日のためのミーティング、ゲネプロに入りますよ」 「ええ、明日やるの…? あまりにも急じゃあ…」 「圭ちゃんをモノにするための企み事なのに、じっくり計画を練ってどうするんですか! 臆病者の言い分なんて知りません、さあ、××××と×××の××××××、×××××××××を用意しに行ってください」 「あ、れ、私、が?」 「当然でしょう。得をするのも、決行するのも梨花ちゃまです」 「そんなあ。それに、私は圭一とつ、付き合う、付き合うとしても、お互いにお互いを尊重しあえる関係がいいなあって…」 両手をぶんぶんと振り回し、1000度の高温で燃えたぎる焼却炉の炎ほどに真っ赤な血色で反論を捲し立てる梨花ちゃまはまさしく恋する乙女といったあんばいで、見ていて気分がほっこりします。 口元が自然に吊り上ってゆく感触を、自分でも認識します。梨花ちゃまが愛らしい反応を見せるから、私もイジワルをしたくなってしまうというものです。 つまるところ、梨花ちゃまが私にいびられて苦しいと感じるのは、自分のせいであるのですよ…? 「女の子たるもの男を全てを独占したいと思うものですよ、そうでしょう? 安らぎの時間も、性欲の解消役も、まるごとです!」 「せ、せ、せい、…~!!? …きゅう」 「…ああ。梨花ちゃまの思考回路が、熱にて完全にやられたみたいです。先ほどからオーバークロック気味ではありましたが、幼い子供相手に、ちょっと責めすぎましたかね…。はあ、ぞうきんとフリルのカチューシャ、紺色の小間使いの服は私が用意することにしましょう…」 「け、けい、圭一…」 「ん? どうしたんだ梨花ちゃん、…うわっ!」 (梨花ちゃんがこんな、ツボを抑えた衣装を着用するなんて…。本当、俺好みで心が躍ってくるぜ) 「圭一。別に、この格好は衣装という訳ではないのです」 「…へ? 俺に、見せびらかすわけではないのか?」 「もちろんです。僕は、圭一の小間使い。圭一だけの、使用人なのです。なんなりとご命令を申し付けくださいなのです…」 「え、そ、そんなの出来ないよ梨花ちゃん!」 「ご主人さまは僕のような小間使いにも気をかけてくださる、とても心の清らかな人なのです…。では、圭一に永遠の服従の契りを交わす見返りとして、どうか一つだけお願いをお聞きくださいなのです。圭一、僕を、ずっと圭一の傍に置いて…」 「梨花ちゃん…」 「違うのです、梨花、です…」 「梨花…。俺、…もうっ!」 「きゃっ! あーん、そこは駄目なのです、あ、やめちゃ駄目です、もっとやって~!」 ※続きはこの計画が達成、成就されたら行われます 「…くふ。ふふふ、ふふ…」 「もう、梨花ったら。昨晩からうっすらとした笑いばっかりこぼして、気味が悪いと言ったらありはしませんこと。私たちが布団を敷いて床についた後も、ずっとですのよ…」 「ハッ!ドリーム!? …圭一、カムバックミー!」 「ひとまずの間を開けてこの発言の有様ということは、寝不足なんでしょう。かかわらないであげましょう」 「…ね、ねーねー…」 ミッション1 小間使いに変貌し、圭一を虜にせよ! 作戦内容:放課後圭一宅に侵入し、小間使いの作業服を着用。その後、圭一に接近し、接触する! ポイント:愛嬌と知理を兼ね揃えた幼女が縁の下で支えるだなんてシチュエーション、男ならメロメロです! 来たわ、来た、来たの、楽しみでとても眠れなかったわ! とうとう私と圭一が繋がる瞬間が訪れるの! それは誰に邪魔されることのない、至福の時間…! ああ! 神よ、私一人だけ100年越しのメシアに真実へと導かれることを、お許しください…! もう待ちわびしいわ、待てないわ、ちょっとくらいフライングしても問題ないわ…! 「…梨花ちゃん、どうしたんだよ、さっきから。教室の机に着席してから小刻みに動いては笑いを起こして、突っ伏しては起き上がって…」 来た! 圭一が自ずから私に話し掛けてきてくれたは、圭一と私が共に歩む未来は運命と共にあるのよ! 小指に結ばれた赤い糸、切っても絶ち切れない絆、熱々の白ご飯には鯖の味噌煮! 女神とかそこらへんのお偉いさん全てが私に味方してチャンスを与えてくれたのよ、これを逃すわけにはいかないわ! 「あっ、圭一! 僕と一緒にイチゴとアワビのあわせ合いっこをしましょうなのです!」 「へっ?」 「今日もいい天気ですね、にぱー。圭一は、その、小間使いさんとかが身近にいたらいいなって思いますか?」 自分の手にあまって追加に在庫ができちゃうほどの初心者っぷりは、きちんと把握しているつもり。 ここは無理に圭一を引き込もうとせず、円滑な会話を広げて好感を持たせる事が大切よね。何事も、焦らずに。 事前に調査をしとくのも重要なことだし、なかなかどうして、私の行動は頭がキレているわ…。 私の視野の片隅に入るところで詩音が親指を上に立ててくれているし、これはもう結婚目前とも言い切れるわね。 ハネムーンはハワイに行きたいわ。 「…いや、うーん。意気揚々と話してくれてる梨花ちゃんには悪いけど、興味持てないかな。」 「そうですよね! 僕も小間使いさんが居てくれたら洗濯とかしてくれて楽だなあって思うのですよ、え、ちょっと、Why、…ええっ!?」 圭一があまりにすっとんきょうなもの言いをするものだから、思わず外来語を喋っちゃったじゃない。 「ん、どうしたんだ梨花ちゃん?」 「メ、いわばメイドですよ?」 メイド、それは男の野望、雄として生まれてきたからには追い求めしサダメ、朽ちることのない究極の理想…! その野心と欲望を何故いともたやすく切り離せるというのか、どういうことだ、雛見沢に何が起こってというのか…!? 詩音も心なしか焦ってる。どうしてくれるのよ、全て圭一のせいよ、責任取って私の婿になるか私をお嫁にするか熱い一夜を過ごすかを前者2つの選択肢から1つ・後者1つを必ず選抜して私の所までに意見書を提出しなさい。 エンゲージリングと婚姻届2つセットにして圭一に返すわ。 「…うん、要らない。小間使いだといっても気を使うだろうし、自分でやるよ、人にやらせるのだったら」 「え、な、なんで!? メイド服なのよ、服従の体制なのよ!? 要望があれば猫耳だって張り切って装着するわ!」 「部活の罰ゲームで、いつも、見てるしなあ…」 利き腕の人差し指にて右頬をポリポリとかき、流れた沈黙を破った圭一の言葉は、寝ることすら放棄してひたすらもんもんと妄想を繰り広げていた私にとってそれはそれは無慈悲なものだった。 「…あ。あ、ああ…」 「…梨花ちゃん。どうした、あからさまに血色を蒼白にして机につんのめるだなんて。崩れ落ちるって表現がお似合いだな、あっはっは! …息をしていない? まずい、誰か救急車をー!」 ミッション1 失敗 原因:ターゲットの情報収集不足(慣れは一番恐ろしい) フルデ梨花の大嫉妬!? 2 -
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アンパンマンのマーチ/ドリーミング (TVA それいけ!アンパンマン OP) 夢をかなえてドラえもん/mao (TVA ドラえもん(第2作2期) OP3) STRIKE WITCHES~わたしにできること~/石田燿子 (TVA ストライクウィッチーズ OP) 太陽は昇る/近藤嶺 (PS2 大神 BGM) 明日への鼓動/小寺可南子 (PS3/PSV 英雄伝説 閃の軌跡 OP) Fight!/高橋由美子 (TVA 魔神英雄伝ワタル2 OP2) 勇気100%/光GENJI (TVA 忍たま乱太郎 第1期OP) Hands/オーイシマサヨシ (特撮 ウルトラマンR/B OP) 進化理論/BOYS AND MEN (TVA 新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION OP) CheerS/ClariS (TVA はたらく細胞 ED) We can!! HUGっと! プリキュア [ロング・イントロ・バージョン]/宮本佳那子 (CD HUGっと!プリキュア ボーカルアルバム パワフル♥エール MJSA-01247 ) こころむすび/こころむすびオールスターズ(片霧烈火,TERRA,癒月,Annabel,霜月はるか,結月そら,綾菓,茶太) (CD ひぐらしのなく頃に解 イメージアルバム こころむすび FCCM-020901/0209 ) 花は咲く ~アニメスター・バージョン~/山寺宏一 水樹奈々 (CD 花は咲く~アニメスター・バージョン~ KICM-1717 )