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コミックと小説のシーンリストです。出版社・五十音別に分けてあります。 数が多くなったら、別ページにすると思います。 秋田書店 えんむす シグルイ 天使的探偵団 ハンターキラー美奈 魔月館奇譚 ラヴラビィズ アスペクト 新ハイパーあんな プリンセスミネルバ 宙(おおぞら)出版 女王様と呼ばないで 角川書店 THE KING OF FIGHTERS 94 ステーシー SAW 講談社……現在14作品 実業之日本社 女豹 集英社 おしとね天膳 BOING ボクの婚約者 みんなあげちゃう 厄災仔寵 るろうに剣心 小学館 あずみ S.O.S Dr.コトー診療所 モザイク 闇のイージス 新潮社 サムライ刑事(バンチコミックス) SQUARE ENIX すもももももも スコラ クレオパトラD.C. こともなし凶一郎!! 蒼竜社 弾 AMMO ソニーマガジン BIRTH 日本文芸社 警視庁秘密捜査官 さくら マギー s犬Jr. ビブロス ゲノム 双葉社 おさなづま 東京家族 Mr.ボーイ(アクションコミックス) ルパン三世Y メディアファクトリー パラノイアストリート
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気分はパプワ晴れ/つのごうじ&ピタゴラス (TVA 南国少年パプワくん ED2) ヒマワリ/小坂りゆ (アーケード GUITARFREAKS 10thMIX/drummania 9thMIX 収録曲) SPLASH FREE/STYLE FIVE(七瀬遙(CV 島﨑信長),橘真琴(CV 鈴木達央),松岡凛(CV 宮野真守),葉月渚(CV 代永翼),竜ヶ崎怜(CV 平川大輔)) (TVA Free! ED) 君と太陽が死んだ日/黒崎真音 (TVA 学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 第1話ED) おやすみパラドックス/やくしまるえつこ (TVA 夏のあらし! ~春夏冬中~ OP) ひゃくごじゅういち/オーキド博士(CV 石塚運昇)とポケモンキッズ (TVA ポケットモンスター ED1) 君はともだち/ダイアモンド☆ユカイ (映画 トイ・ストーリー 主題歌) らしんばんからのお知らせ you/雪野五月 (ドラマCD ひぐらしのなく頃に解~目明し編~ ED) live/川村ゆみ (PC18 車輪の国、悠久の少年少女 ED) pink monsoon/シェリル・ノーム starring May n (劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~ 挿入歌) Romantic summer/SUN LUNAR(桃井はるこ 野川さくら) (TVA 瀬戸の花嫁 OP) アイスクリーム日和/桜井梨穂子(CV 新谷良子) (CD always vol.01 PCCG-1237 ) 夢旅人 ~ブルー・ドリーム~/影山ヒロノブ、BROADWAY (TVA 聖闘士星矢 ED2) となりのトトロ/井上あずみ (映画 となりのトトロ ED)
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――ハローウ……ナイスバディー沙都子。それと……泥棒猫。 つるぺたな床を腹這いで滑ってきたつるぺた梨花は立ち上がるなり、そのつるぺたっぷりに驚く沙都子と入江にそう挨拶をすると、まったく無い胸をぺしぺし叩きながら「『ぱちぱち〇んち』で巨乳化よ! ぼいんぼい~ん」などとどりーむをほざくわ、「えぶりばでぃ」を「ないすばでぃ」って(笑)。冗句のねたが、梨花は魅音並みにおじさn「…………羽入。アンタだけ、もういっぺん死に戻ってみる……? ジョーダンよ冗談。ジョークごっくん。……だっ、だからホラっ! 私が冗句を言ってあげたのに、そんな眼で怖がるんじゃないわよ……。……って言うかっ! 沙都子みたいな純真な村の子供が見たら真似しかねないから、今後は止めなさいよね。それとレナの前でも、ゼッタイに禁止! ったく! あんまり危なっかしいことをするんじゃないわよ!」 「あ゙ゔゔゔ。ごれ゙ば梨゙花゙のお゙や゙じぎゃぐが寒゙がっだの゙も゙原゙因゙な゙の゙でず。ぞれ゙ど冷゙蔵゙庫のことはごめんなさいなのです。反省。なのでお詫びに、鬼に見つかったときに言おうとしていた決め台詞を言うのです! 呼ばれて飛び出てはにゅにゅにゅ――ん!」 「……濁点雑じりで煩い。それと、人を指さして寒がるな。止めに、その決め台詞パクリだから」 「あうちっ!」 「外人か!」 「とんでもねぇ。僕ぁ~は神様なのです」 「だからパクるなっての!」 「それは梨花もなのです!」 「さて、と。これで掴みはおkよね」 「あう! ばっちりなのです」 「……でも、沙都子も入江も固まったままなんだけど……もしかして滑った?」 「それは梨花だけなのです」 「喧しい。いちいち話を胸に結び付けるんじゃないわよ。って言うか『地の文』を入れなさいよね、まったく。まだアンタの視点なんだから、せいぜい体裁を整えて、それっぽく騙りなさい」 「語るなら、毎月ちぇりおっている梨花の方が」 「先に、口の減らない牛女を黙らせようかしら……」 「あううーっ?!」 がちん! 「ん゙んっ!」 手に持った注射器の針から液を飛ばして迫る梨花に怯えた羽入が後ずさると、彼女の角と八重歯とがぶつかった。 「……っと。大丈夫ですか? 沙都子ちゃん」 そうなる前にと、彼が間に入ってきたものの、それはほんのタッチの差で叶わなくて。 「ほ、ほほっ! ちょちょ……っと、びっくりしただけですわ」 入江は羽入の角についたソレを拭き、沙都子の口元にも医者の眼を向け、気にかけてくる。 「なかなかいい音がしたけど、それより沙都子。あなた、さっき様子が変だったけど……」 そう問いかけてくる梨花の眼。それは羽入も入江も、その眼と言わず表情は憂いに満ちていて……。 「ぁ……ああぁ……。おほほほほほっ! 大丈夫で……ぐ…………え゙あ゙ッ?!」 「沙都子ちゃんっ!!」「沙都子……?」 「…………沙都子」 あんなにも……今回は特に、ジューズよりもおいしく感じていた、彼の精液。 その入江がさり気なく、梨花と羽入から隠すように沙都子の顔についていた精液を拭き取る際にソレが口……舌に触れるとだんだんと苦く。そして叔父の味を思い出した。 「だ、だっ…………だいじょう……ぶ。大丈夫で、すか、あ゙ッっ?! やあ゙、ぁ……げ、え゙はっ! ア゙が……うえぐっ!! げあ゙ア゙ア゙ーッ!!」 だんだんと欲深く……異常に彼が欲しくなった。あのひとの、例の……鬼を欺くほどの衝動。 「…………すみません。すみませんでした……沙都子ちゃん」「沙都子、貴女は強い。強くて優しいレディなんだから負けるんじゃないわよ! 貴女の隣には私が! 女王の私が居てあげるんだから!!」 「沙都子、ご……っ! がんばるのですっ!!」 流し台に覆い被さって吐き続ける沙都子の両隣には、謝罪の彼と哀願の親友。それと後ろからしがみついてくる温もりに、旨くコトが水に……事が運んでいることに、沙都子は笑った。 「監督はそんなに……謝らないでくださいまし。梨花も……ごめんなさいまし。私、またあなたを……」 「沙都子ちゃん」「沙都子ぉ……」 「ぁ、うぅ……」 「もう……みなさんして、まったく……。もう……えいっ!」 「あう?!」 ぐにゅん。 「……おほほ。スキ有り……でしてよ。羽入さん」 やんわりと入江と梨花を解きほぐしたり、羽入の双房を軽く寄せたりして気を逸らせ、汚れた流しを綺麗にする。 「をほほほ。梨花ったら、せっかくの美人さんが……あら。そうでもないですわねぇ……。 詩音さんが、巨乳と涙は女の最強の武器だと言っていましたし。でしたら、私の嘘泣きも胸も……恥ずかしいくらいにありますし。けど、梨花の涙はもう、反則すぎですわね……」 「ヱっ? なっ?! ナニ沙都子っ?! ほほっ、頬に手を当ててきて……ゆっ、ユリキスねっ?!」 涙を拭ってあげようとしただけなのに、梨花はなにを勘違いをしたのか。意味不明な単語を、そのタコみたいにすぼめた口で呟きながら、沙都子に抱きついてくる。 「は……はは……。はぁぁ……」「ちょっ?! かか? 監督っ?! いきなりへたり込んでどうしましたのーっ?!」「ンなの、今になって腰に来たに決まってんじゃない。それより、私にもこのけしからんミルクタンクにバチフェラバキュームをさせなさいって、ソレは今夜でいいのよ! クールになれ、私! 具合はっ?! 頭は大丈夫なのっ?! って言うか、あのぐげげ女房。私の沙都子に妙なことを吹き込んだりしていないでしょうねえッてソレは入江だ入江ええエエッ!! このヘタレ鬼畜眼鏡がああアアーッ!! よくも私の沙都子のでかぱいをろり☆ばくなんて、レアなシロモノに魔改造してくれたわねっ! 私にもしなさいよーッ!!」 「…………梨花……。あなた少し、頭の方を落ち着かれた方がよろしいですわよ……? 私は、だいじょうぶ。お見苦しいところを見せてしまいましたけど……もう大丈夫ですのよ」 「こんぐらっちゅれ~しょーん!!」 「きゃっ?」「……なに、羽入? 私たち、これからコングラッチュするところなんだけど……んー」 「や……ンっ! り、梨花あぁん、みゅっ……んぷぱっ! い、をぷン、ん……」 羽入のファンファーレに驚いた沙都子の口が、それまで胸の谷間に埋めていた梨花が顔を上げるなり、熱烈なキスによって塞がれた。 「あうあう、あうう あうう、あうあう♪ 沙都子の『鬼の衝動』は、入江と梨花の愛によって最小限に沈静化。これでもう今までどおりシテいれば、そんなに心配しなくてもいいのですよ」 「……鬼の…………衝動……」 いつもの、優しくもやや大人びた表情の羽入が『鬼』と。沙都子と同じく、あの性衝動をそう捉えた。 「本当……羽入さんって時折とっても鋭い、的を得たことをおっしゃいますのね……」 「アイタタタ。 爆乳同士で何が『鬼の……衝動……だと?』よw。やーい。この中二びょーウっ?!」 「沙都子、ぐっじょぶなのです」 「羽入さん。あなた、私の『アレ』が誰なのか」 沙都子は、すまきにした梨花の茶々を絞めて黙らせて、羽入を見つめて。 (梨花……もしくは、村の誰かから。まあ、知られたところで別に構いはしませんわ。それよりも……) 「沙都子、入江。しばらく僕と、大事なお話をしましょう」 それから入江の、渋くなった思案顔を見上げた。 派手に嘔吐をして見せて、先の淫行を同情でうやむやにできたと思ったのだけど、そうは問屋は卸してはくれなかった。 「道理で、山に籠って六月を越えても、この光景は拝めないわけよね」 「なのです」 「い、いや~……。あ、ははは……」 「山に……籠って…………? 梨花? それってなんのことですの?」 水を注す為にも、沙都子は話の合間に質問を挿み込んだ。 「って言うか、沙都子爆乳化って、どの世界でも起こっていたのかしら?」 「世界によって人の性質は微妙に違いがありますですから。沙都子の身体的、身持ち次第。それと入江の、沙都子への変質的な愛情がこの爆乳を生んだのですよ! あうあう♪」 しかし、見向きもされなかった。 「愛情と言うより、ペドフィリアってヤツよ、コレは。 沙都子はいつでも、どの世界でも所構わずぷるぷるしていたから、胸が欲しいだなんて思いもしなかったでしょうし? ……ねぇ、沙都子。試しに『あのー……にーにー? 男の人におっぱい揉んでもらうと大きくなるって聞きましたの……。その……こ、こんなこと頼めるのにーにーしかいなくて。あの……うう……』って言ってみて?」 「えっ?! いいっ、イヤですわよ恥ずかしい」 「だったら僕が。 『あのーぉ……にーにー? ぁ……。男の人におっぱい揉んでもらうと、大きくなるって聞きましたの……。その……。こ、こんなこと頼めるのにーにーしかいなくて、あの…………ううぅ……』 こんなんでどうですか?」 「誰がアンタが言えって言うか、細かいところまで雪〇声で演じられていて、べらぼうに上手いわねーっ! ご褒美に、後でお腹を壊すほどシュークリームを奢ってあげるから覚悟しなさい!」 「あう~ん! 梨花の太っ腹~」 「太っ腹じゃなくて、梨花様とお呼び!」 「い、いや~……。あ、ははは……」 「野郎がいつまでもデレてるんじゃないわよ!」 羽入の言った『大事なお話』は、まずは沙都子と入江の馴れ初めから話すことになった。 梨花と羽入のふたりは、ここではない別の雛見沢うんぬんの話を抜きにしても、こちらの話そうとする内容……沙都子と入江の関係をすでに知っている節があった。 入江がこのざまなので沙都子がそのことを、羞恥に耐えかねついでに訊くと「「前からずっと覗いていたのです♪」」などと異口同音でのたまってくれたので、もれなく新作トラップの実験台にしてあげた。 沙都子はともかく、猫を被る入江は、梨花と羽入の話術の前にたじたじにされ、そして止む無く沙都子と入江は今日までの自分たちを話した。 六月の二十四日。沙都子の誕生日に入江から告白をされ――それから週に一回、それもすぐに土日となり、夏休みに入ってからは毎日。時間と、ふたりの気力に体力の許す限り――胸を愛されて……その結果。 「ちなみにコレ……いくつあ」 「バスト89、アンダー60のHカップですが何か?」 「喧しいっ!!」 「きゃっ?!」「くっ……っ!」 「あう。胸では沙都子に負けたのです」 問い掛けを途中で邪魔されたからか。梨花が怒り、トラップに掛かったまま手に持っていた麦茶を投げつけてきた。そこへ入江が割って入り、今度はしっかりと沙都子を守った。 「監督! あっ……ありがとう、ございますわ」 「…………いえ……」 彼が繕ってくれた、卸し立ての制服が濡れることはなく。制服の件も含め、沙都子は麦茶に濡れた広い白衣の背中にハンカチを当てる。入江はでれでれと鼻の下は伸ばしてはいるものの、言葉数は硬いその一言だけ。振り向きかけた眼鏡越しのまなざしは、沙都子と交わることはなく。 「あうう……」 代わりに、羽入の悲しげな声が耳に届いた。 「ふん。すでに、歳の差夫婦が透けて見えるわね」 「そんな、夫婦だなんて」 梨花の物言いに、沙都子は頬が熱くなるのを感じた。 「あうう~! 胸が邪魔で僕には、このとらっぷは抜けられきゅー!!」 「……そんなに胸が邪魔なら、私が手伝ってあげるわね……」 「あうう~。これがほんとの、おっぱいがぽろり…………なの……ですっ!!」 『悪魔に挑む無謀な少年』と名づけた束縛系のトラップは、梨花のスリムボディを捕らえることは叶わなかったが、羽入はその大きな胸が災いして全身を縛られていた。それと梨花が下から足を引っ張ることで、特にその胸が食い込み、隙間からはみ出た巨房が今にも制服のボタンを弾き、はちきれそうな様相で。それも羽入がトラップに、その豊かな長髪を絡めてうにうにともがくと見事、てのひらに握られたねこじゃらしのように抜け出して見せる。 「……では、お話も済んだ様なので、私はこれで……あ。そうです、沙都子ちゃん」 新作のトラップの出来栄えを視ていた沙都子に、入江が鞄を手にして話しかけてくる。 「明日から念の為、注射を一日三回にして……ああ。そうすると、今週の分が足りなくなりますか……」 「でしたら……これから私も、診療所に伺いますわ」 沙都子もランドセルを背負って、入江の隣に寄り添う。 「あううー! まだなのですー! 僕の話を聞くのですー!」 帰りかける自分たちを、羽入があわてて回り込んで、保健室の出入り口を塞いでくる。 「……そうね。沙都子も入江も、もう少し、羽入に付き合いなさい」 「……はぁ。梨花までですの? 監督も素直に聞いて……まったく」 いつもはなにかと沙都子の肩を持ってくれる梨花も、今は羽入と真剣な顔で目配せをして、入江も椅子に腰掛けた。 まさかここにきて、自分と入江との関係を解消するように、なんて言うつもりでは……。それに入江の態度もどこかよそよそしく。身を挺して沙都子を庇ってくれたその前……。思い返せばそのとき、彼の精液を吐いてしまったときから……沙都子の好きな、やさしい顔は悔恨のまま硬く。 「沙都子。入江。ふたりを不安にさせるお話ではないのです。沙都子も知っている『症候群』のことについてなのです」 自分たちの顔色から思っていることを察した羽入の言葉に、沙都子はとりあえず胸をなで下ろすも、入江の表情に変化は見られない。 「まず始めに。 僕も梨花も、ふたりの御付き合いを反対しているわけではないことを伝えておくのです」 「えっ?」「……っ?!」 次いで語った羽入の言葉に声をあげた沙都子の態度が、彼女にはいたく心外だったらしい。梨花は同じく驚いている入江も睨み、今やそれが地なのではというはすっぱな態度で毒づく。 「……ったく。んなこと、当ったり前でしょう? って言うか、私の沙都子を嬉し鳴き以外で泣かせたら極刑ものだから。OK? 入江」 入江の顔の前に白く細い人差し指をすくい上げるように指し出し、梨花は沙都子への愛情と剣呑を彼に突きつけた。 「お……っk、です。梨花さん」 彼女に気圧された入江は掠れた声で、思わず梨花をさん付けで呼んだ。 「よろしい。で、沙都子。 よりにも、私の一番の親友があんまりな態度を取ってくれちゃったから、あ゙~。一言余計な羽入にツッコミ入れる気が萎えた~……と思わせて、打つべし! 撃つべし!」 「なんの! 神・無限のおっぱい!!」 梨花は肩を竦めたかと思うと、右のジャブの連打を放つと羽入は胸を張ってガード。 そんな親友のじゃれあう姿に……正確には、梨花の拳を弾いて受け流すたびに上下左右にたわみ、変幻自在に形を変える羽入の胸に、入江の眼鏡越しの瞳もキラキラと揺れ、手は”わにわに”といやらしい手つきで。口と言わず顔はだらしのない、助平顔に変わり果てて。 「……88の59。羽入ちゃんも〇学生にあるまじき、実に素晴らしいおっpあいいっ?!」 「……そんな慌てなくても……ヤキモチなんて私、焼いたりしませんわよ?」 ようやく……。ようやくいつもの、締まりのない顔つきになったおっぱい馬鹿に強がりを言って。 「後は、雛見沢症候群のことですかしら? ほほ。それなら毎日、あのお注射を打っていますから大丈夫ではございません?」 この村特有の風土病のことなら以前に境内で、入江たち大人と梨花を交えて話しているのを聞き、魅音の家でも説明されたので知っている。だから自分の状態も、頭の中にいる『これ』の正体も沙都子なりに捉えてもいる。 「でも、あなたの場合はね、沙都子」 「家では梨花と僕とで。外では、さっきも言った様に入江としっぽりよろしくシテいれば大丈夫なのです。ですよね? 沙都子」 「え……ぇえと。あぅ……」 「シテいればってねぇ……。でもまあぶっちゃけ、セックスはストレス解消になるからって、私もいくつかの世界でソレを、入江と発症したあの子たちとで実証してみたりもしたけど……」 「とゆーわけで沙都子。この場で入江をめちゃくちゃにシテおしまい! なのです~」 「この淫獣。人の話をいちいち蔑ろにするんじゃないわよ」 「……監督をめちゃくちゃに…………」 「私は受け決定ですかって、沙都子ちゃん……?」 「沙都子。これが僕たちからの、最後の試練なのです。 ふたりのらゔいパイズリしーんを見せて欲しいのです。それも『もうひとりの沙都子』と仲良くできているところを、なのです」 「……? なに、その『もうひとりの沙都子』って? また中二設定?」 「そんなのじゃないのです~! 梨花なら、その……ぁ……あううぅ~……」 「ぁ、ああぁ……」 同居人が、かつてはとんだ不良娘、癇癪持ちだと。 雛見沢に来てからまだ二ヶ月ほどの羽入が、あの頃の沙都子を知るはずもなく。これも村人か、それとも梨花が話して聞かせたのだろう。 羽入の浮かべた哀れみの表情に梨花も合点がいったらしく、すぐにその白い顔に同じ感情を浮かべた。そしてオヤシロさまの生まれ変わりの少女は、ときどき自らを村の守り神だとふざける彼女の、やさしい泣き顔に慈愛の微笑みを贈る。だと言うのに彼女 沙都子 は、またふたりの巫女に――そして入江に対し、妖しく瞳を細めて見せ……。 (…………く。さっき、あれだけ愉しませてあげたのに……彼女 私 はまだ、満足しませんのっ?!) その胸の内で、沙都子は治まらぬ自分の劣情に恥じらう。 「でも、その前に。まずは私の用件を済まさせてもらうわ」 「……梨花ちゃん、も実は意外、と空気が……読め、ない人……なんですねー」 「――圭ちゃん。今、おじさんのこと呼んだ? ――はあ? 何でテスト中に、魅音に話し掛けなくちゃならねえんだよ?! ――園崎さん、前原くん。答えが埋まったら静かに見直しをしていてください。でないと、埋葬しちゃいますよ? ――魅ぃちゃんもやっと、オヤシロさまの声が聞こえたんだね。でも…………村を捨ててどこかへ行こうだなんて……そんなこと、魅ぃちゃんに限って、考えていないよね? あははははははははははははははははは!! ――レナのニーソバカ!! よりにも、何でテスト中にオヤシロモードになってんだよっ!! 先生に埋葬さr。 ――今日の放課後は三人共、カレー菜園の肥やしになってもらいます♪ ――アルェ~? ――理不尽だあああ――ッッ!! ――あははははははははははははははははははははは…………はあ。で、圭一くん。『レナのニーソバカ』…………かぁー。とっさの一言にしては不自然……だよね? 圭一くんってレナのこと、いつもそんな風に見ていたっていうことでいいのかな……かな…………?」 「あう? どうやら、今日の部活は無くなっちゃったみたいなのです」 「圭一の命も、亡くなり掛けているみたいだけどね……」 職員室の奥にあるこの保健室にまで聞こえてくるクラスメイトたちのやり取りに、放課後に穴が開いたことを知る。 「エアコンもないのにホント、元気よねぇ……って言うか。 向こうからの声は窓を全開にしているからとして、なんでこっちからの『空気を読め』が聞こえたのかしらねぇ……?」 梨花はベッド代わりの長椅子の上で脚を組み、優雅にじろり。麦茶を傾けながらこっちに来いと、入江に手招きをする。 「あう~。文明の利器の勝利なのです~。 それが『みおんくおりてぃ~』というものなのです~」 羽入は丸椅子に座って、クーラーの冷風を直に受けて和んでいた。 「ん~、そう……ですねぇ。少し、落ち着かせる為にも先、に梨花ちゃんの用件を聞きましょうか」 入江はさっきからずっと、羽入の突飛な申し出を聞いてからソレを取り出そうとしていた。彼には恥じらいというものがないのだろうか……? でも、そんなにも彼は……梨花と羽入の前だというのに。それに、自分もまだ……彼を欲しているから。 「あう~……。それで、空気嫁の梨花は入江に何の用があるのでででにゅにゅ――っ?!」 「だから、一言余計だっての。……ふん。用というのは他でもない。 入江。あなたのそのゴットハンドを、私の……私のこの胸にも、揮って欲しいの」 ――少しだけ、私たちに時間をください。 入江はそう断って、梨花と羽入と入れ替わりに、沙都子を連れてカーテンの向こうに。 「カーテンに仕切られた保健室のベッドでふたりっきり……。 これじゃあ、あなたの言う『最後の試練』とやらが拝めないわね」 梨花はガムの辛味で平伏させた羽入の上に腰を下ろし、味が薄くなってきたらまた一枚。 ガムの甘辛さが口に蘇る度に羽入が声をあげ、梨花の溜飲を下げた。 沙都子ばっかり胸を大きくさせて……。これ以上“差”を付けられるのは正直、面白くない。でも入江の、沙都子を想う気持ちは解らないわけはなく。故に、入江に時間を、断ってもいいという選択肢を与え。 (……て。このペラい小娘はナニを偉そうに、上から目線でほざいているんだか……) ガムの、鼻に抜ける辛さで頭もクールになったお陰で己の矮小さを。そして何より、沙都子と入江のしあわせを願う親友としての心を改めて自覚し……愛の囁くまま、いつもの様に。 「……あ、あうぅ……? り…………梨花……?」 「ん……」 羽入の声に梨花は曖昧に頷いて、指を……羽入のその硬く湾曲した角に添えた。羽入には苦痛……苦汁としか感じていないものを軽減させてあげようと……五指一対で双角を撫で擦る。 梨花と羽入は、仲睦まじい沙都子と入江の姿を見つめていく内に、身体を重ね愛う関係になった。 「はあ……っ! り、梨花あぁ……」 「……どう、羽入。まだ辛い? それとも気持ちいい?」 「ああん……イイのれ、すぅ……」 梨花の愛撫に羽入は、まるでペニスに手淫を受ける男性の、否――梨花に甘美極まる声で鳴いて魅せる。 「……羽入。もっと……鳴かせてあげる」 「ンあっ! あはああーっ!」 「んん……。くぁ……は……」 馬乗りになった羽入の背中からの微熱で「女」が疼き、股間でぐりぐりとウエスト越しにふたなりを刺激してあげる。 羽入のその硬さと声に。それと先程から聞こえ出した“ガヤ”と、カーテンの向こうからの声に嬲られ、梨花は急速に上り詰めていき……。 「はあっ、あアっ! くはっ! あ! く、あっ……くうっ!」 びびくうっ!! もどかしい弓なりの背中ではなく、胸と同様、こんもりとした尻に肉芽を押し付けて、梨花がまず達した。 「あああっ?! あうっ、うう――っ!!」 びゅびゅびゅるるっ!! びくっ、びゅくくっ!! びるる!! びぶしゃばるるるっ!! 「アひゃっ? うああっ!!」 股下からの不意を衝いた震えに、梨花は立て続けにトばされ……。 「えやっ? うっ、やあ……! でっ、でちゃううーっ!!」 ぷしゃ……しゃあああああー。 「あ、あうぅ……。梨花のおしっこが熱くて……気持ちイイのれすうぅ……」 「ば、ばかぁ……。そんなこといンっ! 言わ、ないで……」 羽入は脚で梨花の背中をぐいぐいと前へと押し、しかも“落ちてくる梨花の速度を緩めて受け止める”が如く尻を振って、しかも同時に再自家発電までこなしている様だった。 ※ 「……なあ、岡村」 「そろそろ、隠れないか?」 「中の古手たちに覗いているのがバレたらまずいし、鬼が来るから……」 「監督と北条も中で……やっぱり、また」 「あんなからい黒★黒をかむ梨花ちゃんの口がなにかを……たぶんお尻の下の羽入ちゃんに話しかけているみたいだね。そしてかわいいお尻をふりふりしていたらおしっこを漏らして……。おまるでおしっこする梨花ちゃん、絶・萌へーッ!! …………僕は岡村傑 すぐる 。キン〇マンじゃないよ」 「い、いや……そんな間違いは誰もしないし。それに、ガン見していたと思ったら、いきなり説明口調でなに言って」 「そして僕のとなりで保健室を覗いているのは、また沙っちゃんのおっぱい見たさに来たらまたまた監督に寝取られていたことにへこんでいる、このへたれめがね青びょうタンは富田大樹 だいき 。はっぱの絵描きさんと同じ『樹』だなんて……。豆腐屋だからってちょっとなまいきだよね? ゔぃんちょうタンみたく『タン』なんて、つけてやるんじゃなかったよね? 駄めがねだよね?」 「オイーっ!! ナニそのツッコミどころ満載な、あからさまなこけ下ろしっぷりは!!」 「あ。やっと元気になった。それで僕たちは今、かくれんぼのまっさい中なんだよ」 「人の話を聞けよー!」 「あ。富田のココも元気にはみちん」 「うそっ!! ちょ……うっ、うぁ……」 ※ 「それで他には……。私には、用事はござ」 「はい、お話は以上です。ではさっそくぅおぷっ?!」 大事なお話があると、入江にこの保健室の白いカーテンに囲われた空間に誘われて。 こういうときの男女はですねと、こんなときばかりリードの上手な入江を長椅子のベットで膝枕をしてあげて。 「…………用件だけすませて、後は梨花とお愉しみ……。私が許したとたんに、ずいぶんと乗り気ですわねぇ? ……まったく。いつもはがつがつと、私の胸の中でいつまでも暴れているくせに」 「おぱっ! こっ……れ、はっなんとい、うおっぱい天獄ッ!!」 「ふあっ! くっ……お、おほほっ! ですから、お……おっぱい空間に引きずり込めですわっ!」 「イーッ!」 「ほほっ!」 起き上がろうとした入江の頭を、つい膝を上げて、胸で挟み込んでいて……。 「あ……」「ぅっ!!」 両手をどうしようかと……。だったら膝裏に回して締め付けて、もっと悦ばせてあげようと思いつき、途中で偶然に手が、ソコに触れて。すると、自分が驚くよりも彼の方が強く反応して見せたので。 「……あは。監督ってば、梨花を相手にする前からこんなに腫らして…………ふふ……」 もしくは偶然などではなく、故意に……? 「……相変わらず、熱いですわよ……監督のおちんちん。ズボン越しでも分かるくらいに」 この胸の中の母が……それとも、自分の悪戯……? それを確かめる術も気も、すでに沙都子の胸中には無く、自分たち“三人”を悦ばせる想いしかなかった。 「こんな長いと、取り出すのも苦労しますわよねぇ……」 一手一殺とばかりに、体育座りの膝からはみ出した脇乳に入江の右手を喰い込ませて、左手はおしりの下敷きに。 「……すぐに、済ませて差し上げますわ。監督が窒息する前に」 入江を撫で擦っていた悪戯な左手。その人差し指をズボンのチャックに挿し込んで、じじじ……と拡げ、彼が苦労していたペニスを苦も無く、慣れた手つきで取り出して見せた。 沙都子っぱいに挿まれて 3TRAP?へ。
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コミックマーケット74 2008年8月15日~17日 東京ビックサイトにて開催 スペースNO サークル名 頒布物 あ-24a セブンスヘブンMAXION コミックマーケット74おまけ(セブンスヘブンMAXION) あ-32a KFC コミックマーケット74おまけ(KFC) あ-32a KFC(黒髪☆金髪委託) コミックマーケット74(黒髪☆金髪) あ-45a ダイオキシン コミックマーケット74販売(ダイオキシン) あ-49a Golden Pe Done 博麗神社例大祭5おまけ(Golden Pe Done) あ-50a TEDDY-PLAZA コミックマーケット74おまけ(TEDDY-PLAZA) あ-58a りべるて 東方彩玉3 あ-58b ERA FEEL コミックマーケット74おまけ(ERAFEEL) あ-67a,b ANGEL TYPE コミックマーケット74販売(ANGEL TYPE) あ-68a 河村屋 東方彩缶5.5 ver.緋想天 あ-68a 河村屋(合同缶委託) 東方合同缶 第二幕 -Expansive Infection- あ-69a 茜屋ぐーたら店 東方缶々4 あ-69b うみねこ亭 うみねこ亭缶バッチ第二弾 緋想天 あ-71a D.D.D 東方缶バッジCollection vol.2 冥界組合同缶バッジ き-38b Blue Mica コミックマーケット74おまけ(Blue Mica) こ-04b ねりもの工房 (楓の葉委託) 東方双葉葵 -番外編2- こ-14b すばちきゅ! (楓の葉委託) 東方双葉葵 -番外編2- こ-16b 雑紙 コミックマーケット74販売(雑紙) け-14b Art Book Chipika コミックマーケット74販売(Art Book Chipika) け-28b QLOCKS コミックマーケット74おまけ(QLOCKS) こ-26b honey blue コミックマーケット74おまけ(honey blue) こ-26b honey blue コミックマーケット74販売(honey blue) さ-13a Eternal Phantasia 東方絢櫻祭3販売(Eternal Phantasia) さ-17b コロコロうどん 緋想天缶バッジ さ-17b コロコロうどん 永遠亭缶バッジ さ-29b 猫優先主義(幻竜一夜委託) 東方もふ缶 さ-29b 猫優先主義(幻竜一夜委託) コミックマーケット74販売(幻竜一夜) さ-41b ぐるぐるどろっぷ コミックマーケット74販売(ぐるぐるどろっぷ) し-36a CAGE13 コミックマーケット74販売(CAGE13) す-09b くろくま本舗 コミックマーケット74おまけ(くろくま本舗) す-16b ぬっくぬく・はうす コミックマーケット74販売(ぬっくぬく・はうす) す-16b 竜溶解 コミックマーケット74販売(竜溶解) す-16b 竜溶解 東方カンバッチ妖々夢編 す-38b もんぷち。 コミックマーケット74販売(もんぷち) す-38b もんぷち。 (ビキビキ天使の他力本願)委託 コミックマーケット74販売(ビキビキ天使の他力本願) す-38b もんぷち。(傾斜2°)委託 コミックマーケット74販売(傾斜2°) せ-10b オッポレ☆コッポレ コミックマーケット74販売(オッポレ☆コッポレ) せ-15a StrangeChameleon コミックマーケット74販売(StrangeChameleon) せ-15a StrangeChameleon コミックマーケット74おまけ(StrangeChameleon) そ-03a Megacycle13 博麗神社例大祭5販売(Megacycle13) そ-03a Megacycle13 コミックマーケット74販売(Megacycle13) そ-08a そらいろプログラム コミックマーケット74販売(そらいろプログラム) そ-18a 交缶祭実行委員会 東方交缶祭第二弾 た-17b Foolish Dreamer 東方缶遊録第三弾 羽のある人たち ち-04b 蒼空の丘 コミックマーケット74販売(蒼空の丘) ち-04b 蒼空の丘(カラノツキ委託) コミックマーケット74販売(カラノツキ) ち-04b 甘味人形 ComicCommunication12販売(甘味人形) つ-17a 腋があったら挟まりたい。 コミックマーケット74販売(腋があったら挟まりたい。) つ-20a 異文家 コミックマーケット74販売(異文家) て-05b にゃおんまーく コミックマーケット74販売(にゃおんまーく) て-19b 皇国水軍隆山鎮守府 東方飛行隊缶バッジ第六梯団 な-13a オムチキン コミックマーケット74おまけ(オムチキン) P-30b おいる屋 コミックマーケット74販売(おいる屋)
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[2010/05/01 19 06] うみねこのなく頃に 第01話 「EpisodeⅠ-Ⅰ opening」 第02話 「EpisodeⅠ-Ⅱ first move」 第03話 「EpisodeⅠ-Ⅲ dubious move」 第04話 「EpisodeⅠ-Ⅳ blunder」 第05話 「EpisodeⅠ-Ⅴ fool's mate」 第06話 「EpisodeⅡ-Ⅰ middle game」 第07話 「EpisodeⅡ-Ⅱ early queen move」 第08話 「EpisodeⅡ-Ⅲ week square」 第09話 「EpisodeⅡ-Ⅳ skewer」 第10話 「EpisodeⅡ-Ⅴ accept」 第11話 「EpisodeⅡ-Ⅵ back rank mate」 第12話 「EpisodeⅢ-Ⅰ castling」 第13話 「EpisodeⅢ-Ⅱ gambit」 第14話 「EpisodeⅢ-Ⅲ positional play」 第15話 「EpisodeⅢ-Ⅳ isolated pawn」 第16話 「EpisodeⅢ-Ⅴ queening square」 第17話 「EpisodeⅢ-Ⅵ promotion」 第18話 「EpisodeⅢ-Ⅶ swindles」 第19話 「EpisodeⅣ-Ⅰ end game」 第20話 「EpisodeⅣ-Ⅱ zugzwang」 第21話 「EpisodeⅣ-Ⅲ prophylaxis」 第22話 「EpisodeⅣ-Ⅳ problem child」 第23話 「EpisodeⅣ-Ⅴ breakthrough」 第24話 「EpisodeⅣ-Ⅵ adjourn」 第25話 「EpisodeⅣ-Ⅶ forced move」 第26話 「EpisodeⅣ-Ⅷ sacrifaice」 第01話 「EpisodeⅠ-Ⅰ opening」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7509417 23 45 1662 1171 sm7509791 23 44 445 46 第02話 「EpisodeⅠ-Ⅱ first move」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7579322 23 45 1672 1258 第03話 「EpisodeⅠ-Ⅲ dubious move」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7646501 23 45 1541 847 第04話 「EpisodeⅠ-Ⅳ blunder」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7715487 23 45 1748 1323 第05話 「EpisodeⅠ-Ⅴ fool s mate」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7784302 23 45 1384 1399 第06話 「EpisodeⅡ-Ⅰ middle game」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7852592 23 45 705 807 第07話 「EpisodeⅡ-Ⅱ early queen move」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7920674 23 45 1511 989 第08話 「EpisodeⅡ-Ⅲ week square」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7985250 23 45 1332 1068 第09話 「EpisodeⅡ-Ⅳ skewer」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8053465 23 45 758 567 第10話 「EpisodeⅡ-Ⅴ accept」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8119499 23 45 1172 822 第11話 「EpisodeⅡ-Ⅵ back rank mate」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8185068 23 45 1033 1155 第12話 「EpisodeⅢ-Ⅰ castling」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8250899 23 45 1291 771 第13話 「EpisodeⅢ-Ⅱ gambit」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8321118 23 45 1136 583 第14話 「EpisodeⅢ-Ⅲ positional play」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8387348 23 45 773 598 第15話 「EpisodeⅢ-Ⅳ isolated pawn」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8450404 23 45 932 748 第16話 「EpisodeⅢ-Ⅴ queening square」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8516874 23 45 1783 863 第17話 「EpisodeⅢ-Ⅵ promotion」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8581047 23 45 1106 642 第18話 「EpisodeⅢ-Ⅶ swindles」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8645004 23 45 1111 723 第19話 「EpisodeⅣ-Ⅰ end game」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8715327 23 45 685 640 第20話 「EpisodeⅣ-Ⅱ zugzwang」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8782286 23 45 994 592 第21話 「EpisodeⅣ-Ⅲ prophylaxis」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8848425 23 45 702 588 第22話 「EpisodeⅣ-Ⅳ problem child」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8918582 23 45 1117 585 第23話 「EpisodeⅣ-Ⅴ breakthrough」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm8984952 23 45 991 525 第24話 「EpisodeⅣ-Ⅵ adjourn」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm9049654 23 45 842 424 第25話 「EpisodeⅣ-Ⅶ forced move」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm9114161 23 45 856 390 第26話 「EpisodeⅣ-Ⅷ sacrifaice」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm9177839 23 45 1071 649
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それはまさに地獄と呼ぶのにふさわしい光景だった。 「やめろ、やめてくれ…お願いだ…!」 目の前の惨たらしい光景に圭一は懇願した。 レナが、魅音が、詩音が…まだ幼い沙都子までもが、山狗たちの欲望の餌食にされている。 それを嘲笑いながら見つめる鷹野。…何も出来ない自分。 悔しくて悔しくて、涙がポロポロと溢れた。 「…やだ、男の子でしょう?泣いちゃダメじゃない…」 「………よくもぬけぬけと…、この野郎、この…ッ!!」 だんだんと地面を蹴りつける。その振動に撃たれた肩が悲鳴をあげるが、それでもかまわずに怒りをぶつけた。 ああ、魅音が俺の名前を叫んでる。詩音はぐったりとしながらも激しく突かれて、レナは小さな身体をガクガクとゆさぶられて。沙都子もどろりと濁ったな瞳で、まだあんなにも幼いのに… 張り裂けそうなほど胸が痛んでたまらない。 「ね、前原君、苦しい…?」 「ああ苦しいさ…!これで満足か?!いっそ殺してくれよ!!畜生、畜生、畜生…ッ!!」 ―――――もはやこれは拷問だった。こんな思いをするぐらいならば、間違いなく本物の拷問を選ぶだろう。 たとえ指に釘を打ち付けられても、爪を剥がされても。遥かにそちらの方がマシだ。……それぐらい悔しくて苦しくて、辛い。 「…そういう意味じゃないわ。苦しいって聞いたのは、………“コッチ”」 「………な…ッ!?」 鷹野が圭一のソコにそっと触れる。いきなりの行為に圭一はびくりと震え、身強ばらせた。 白くて細長い鷹野の指が、つつ、と円を描くように自身の形をなぞる。…そして、ゆっくりとチャックを下ろした。 「……ぅ、……!」 「…どれだけ罵倒したってココは正直ね。ちゃんと勃ってるじゃない、くすくす…!」 その一言に圭一は顔を真っ赤にさせる。くすくすと鷹野が嘲笑とも取れる笑いを浮かべると、悔しそうに顔を歪めた。 …確かに圭一のソコは意思に反し、勃起していた。だけどそれは男として生まれた以上仕方のない事。自然現象だ。 と言えども、状況が状況ゆえに圭一はとてつもない情けなさと罪悪感に苛まれていた。さらに鷹野が追い討ちをかける。 「あなたたち、最高の仲間なんじゃなかった…?知らなかったわ、前原君はそんな大切な仲間たちが陵辱されて勃起するような男の子だったのねぇ…!」 「…ちが……、あ…ぅ…」 「何を言い訳するの?正直に言ってごらんなさい、レナちゃんや魅音ちゃん達のいやらしい姿を見て興奮したんでしょう? こんなにおちんちん硬くさせて、まさか違う……なんて、言わないわよねぇ…?」 「うぐっ、…く……!」 鷹野の容赦ない言葉に圭一はさらに涙を零す。…そうだ、鷹野さんの言うとおりだ。 仲間が辱められているというのに、その傍らで勃起しているなんて―――――最低としか言いようが無かった。 「ふふ、泣かないで…。私で良ければ慰めてあげるわよ…?」 鷹野さんはそう言うと、取り出された俺の先端を軽く擦った。突然の快感に、女の子のような情けない声をあげて小さくはねる。 「な、何を……やめ……」 何を、だと?何をカマトトぶってるんだ前原圭一。分かってるじゃないか、これから何をされるかなんて決まってるだろう? 「知ってるくせに。上辺だけ抵抗してるふりをして、ずるい人ね…」 「ち、違…」 ―――その通りだった。いくら縛られてると言えども鷹野さんは女性だ。レナ達のように複数の男たちに押さえつけられているわけでもなし―――抵抗しようと思えばいくらでも出来た。 だが、俺はそれをしなかった。…なぜかって?理由は分からない、分かりたくない。でも、この目を背けたくなるような現実から逃げだしたかったのかもしれない。…なんて卑怯なんだろうな。 「く…ッ!」 鷹野さんが俺のモノを完全に露出させ、ぱくりと銜えた。 暖かく湿った感触。初めて味わう感覚に、俺は目を見開く。 鷹野さんは裏筋に舌を這わせ、ゆっくりとねぶるように俺のソレを弄った。むくむくと欲望が大きくなっていく。 色っぽい唇の端から唾液が滴り落ちるのを見て、ごくりと息を呑んだ。 「ん、む、ちゅ……ぷは、……………さんにも……、よく……………たの。 彼ったら…………て、『………よ』―――――って。…ふふ、可愛かったなあ… ………ん、はむ……」 「……っう、……?」 鷹野さんが遠い目をして何かを呟いた。尚も手は休めず俺のモノを弄くっている。 本当に小さく呟かれた声だったから、何を言ったのかはよく分からなかったけれど――――なんだか寂し気に見えた。 「ん、く……ふ、ぅ…」 「うっ、…っあ…!」 口をすぼめて、軽く吸われる。長い髪をかきあげて俺のモノをしゃぶるその姿は、たまらなく妖艶で、扇情的で。鷹野さんの巧みな舌技に、俺はもう我慢の限界だった。 「…っ、はあっ、…で、出る……出っ…!!」 「いいわよ、濃くて臭くて苦ぁい精子………いっぱい出しなさい…?うふふふふ!」 「う、くっ……っああ!!」 とぴゅっ――――――― 白い液体が元気よく弾ける。 俺は泣き叫ぶ魅音たちの声を後ろにして…………果てた。 「…うふふ、たくさん出たわねぇ…。よっぽど溜まってたのかしら?くすくすくす!」 鷹野さんは満足気に微笑み、顔や髪についた白い液体を指ですくって舐める。ねっとりと舐め回すその姿がまた色っぽくて、俺の欲望が再び熱を帯びていくのを感じた。 「……………」 しばらくしてから、イったあとの脱力感や虚無感が一気に俺を襲う。股間はまだじんじんと余韻が残ったまま熱い。俺はしばらくの間、悲鳴と嬌声と嘲笑がざわめくこの空間でぼんやりと放心していた。 そんな中、鷹野さんが呟く。 「………あら恥ずかしい、見られてたみたい」 ………見られてた? ――――――――誰に? そう思い俺はゆっくりと鷹野さんから視線を反らす。その視線の先にいた人物は、最初こそよく見えなかったものの……、…徐々に輪郭を帯び、鷹野さんがその名を呼ぶ頃には… その人物が誰なのか………完全に気付いていた…。 「梨、花…ちゃ………」 「……………」 …梨花ちゃんは、ひどく失望したような眼で、………俺を責めるような、…でも …どこか寂しげな瞳で………俺を、見つめていた…。
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夏休みも終盤のある日の事。 その日は、梨花の様子がどこかおかしかった。 圭一の家を訪れた時は至って上機嫌だったのだが、彼がお茶とお菓子を用意しようと階下に行って戻ってきてからというもの、そのご機嫌はどこへやら。 頭を撫でられても頬をぷくっと膨らませて、終始ムスッとしたままだったのだ。 折角親が留守なのにかこつけて彼女を家に招き、二人っきりの時間を満喫しようと目論んでいた圭一は困惑しきりであった。 膝の上に座らせれば、梨花はほぼ例外なく上機嫌になる筈なのに。 「…今日はどうかしたのか?」 圭一は恐る恐る尋ねる。 「……」 しかし梨花は不貞腐れたようにそっぽを向いてしまうばかりだった。 「あ、あの…梨花ちゃん?」 「………圭一。訊きたいことがあるのです」 顔を逸らしたまま、梨花はぼそりと呟く。それは、心底震え上がるような冷たい、ドスのきいた声音だった。 「圭一も、本当はボインボインな女の人が良いのですか?」 「へっ…はぁああ?」 思わず圭一は素っ頓狂な声を上げた。梨花の言葉があまりに唐突過ぎて早くも思考が混乱し始める。 「聞いているのですよ。お胸の大きい女の人は好きなのですか?」 すっかり混乱したのか、しどろもどろになってしまった彼はつい、こう口を滑らせてしまう。 「ま、まぁ別に有るに越した事はないって言うか、むしろ望むところと言うか…」 「み~、やっぱりなのです!!」 突然顔を見上げて、上目遣いで圭一の目を睨み付けた梨花は、猛然たる勢いで彼の胸元を掴んだ。 「えっ、ええっ、なんだぁ、なんなんだよぉ~?」 頬を真っ赤に染めた梨花は、瞳に涙を一杯に浮かべてまくし立てる。 「ボクは見たのですよ。圭一秘蔵のネコさんにゃーにゃーなご本の数々を」 「ちょ、ま、マジッすかぁああ!!?」 即座にこれはヤバイと狼狽する圭一。仮にも付き合っている彼女がいる身でコレが発覚するのはあまりにも気まずい。 しかし、続く梨花の言葉は彼の考えのやや斜め上をいっていた。 「圭一はまだ若くてイロイロ持て余しているから――それをボクはまだ受け止めきれない身体だから、今の圭一がそういうご本を読むのは構わないのです!でも、でも…ボクはっ!!」 TIPSを入手しました。 「どうしてっ、どうして圭一の読むご本のネコさんはみんなふっかふかのボインボインなのですか!?お胸がぺったんこなボクへのあてつけなのですか?ボクの貧相な身体が不満ならはっきりそう言って欲しいのですよ!」 自らが言うように、起伏に乏しい身体に掌を当てながら、梨花は叫んだ。 圭一が入手した数々の本…偶然か、いやはたまた必然か? そこに描かれていた女性達は、皆揃って平均以上の巨乳の持ち主ばかりだったのだ。 見つけた当初は、所持を黙認するつもりだった梨花であったが、その共通点に気付いてしまい疑心暗鬼を抱いてしまったのだ。 元々自分の身体の発育の悪さと、親しい部活メンバーは同年代の沙都子も含め、皆平均かそれ以上のボディラインの持ち主であるという現実。 それに、不安と劣等感を日々強めていた梨花は、圭一は自分に不満を抱いているのではないかとまで思い込んでしまったのだ。 「どうなのですか、圭一っ!?」 「そ、それは…」 梨花は物凄い形相で迫ってくる。 正直言って男の俺には、梨花がここまで拘る理由と心情はその半分も理解できてないと思う。 でも、ここまで怒りと不安を露わにするのだから、それはよっぽどの事なんだろう。 「やっぱりボクはダメなのです。…スタイルのいい女の人に負けるという運命には抗えないのですよ。」 ――マズイ。梨花がこんな言動をするのは非常に良くない兆候だ。 折角最近の彼女は前向きになってきてるというのに。 こんな悲しい顔をしてる。誰のせいだ?そんなの決まってる!俺だ。俺の迂闊さがまた彼女を傷つけたんだ! ならどうすれば良い?! クールになれ、前原圭一!! 「…それは違うぞ!!梨花ちゃんっ!俺は巨乳にはまっっったく興味ない。俺は若気の至りでちょっとナースやバニーさんとかの衣装にくらっ☆とキタだけだ!女性の美しさは胸だけじゃ測れないぞ!!それに梨花ちゃんはまだ成長期なんだ、これから先成長の余地は十二分に有る!今は体形なんて気にせず、しっかり食べて、バッチリ遊んで運動してればいいんだ!そうしていれば身体は自ずと成長するもんだぜ!案ずるな!!」 「みぃ、本当なのですか?どうせ身体は大きくなってもボクのお胸は断崖絶壁、ツルツルのぺたぺたのままかもしれないのですよ?それが避けられない運命だとしても?」 どことなく投げやりな口調だった。それは常々圭一が梨花から排除したいと思い続けている、彼の最も嫌う部分に他ならない。 だからこそ、こういう時に彼がかけるべき言葉もまた、決まっていた。 「梨花ちゃん、いつも言ってるだろ。後ろ向きになっちゃいけない!校長先生が言ってるじゃないか、『どうせ』と言ったらその時点で負けなんだとな!つるぺたの袋小路がなんだ!そんなの金魚すくいの網よりも簡単に打ち破れるさ。それにこの俺が、たかが胸のことぐらいで嫌いになるとでも思うのか?俺はそんなに信用無いか?そいつぁあんまりだぜ!!そして俺達は運命が決まってるなんて信じないって決めたじゃないか?あの日の俺の気持ちを信じろ、梨花ちゃん!――それに」 そこで圭一は言葉を区切って、少し気恥ずかしそうに頭をぽりぽりと掻きながら、こう言い放った。 「もしも、だ。仮に梨花ちゃんの胸が貧弱なままでも案ずる事ぁないぜ。梨花ちゃんは…俺が嫁に貰ってやる。売れ残る心配はない!これでもまだ不満か?不安か!?」 先程とは違う意味合いで頬を真っ赤に染めた梨花は、ぶんぶんと首を横に振り、圭一の胸の中に顔を埋める。 そして、彼を抱きしめる腕にぎゅっと力を込めて言った。 「…もう、そんなこと言われたら、気にしてた私がバカみたいじゃない。恥ずかしくなるくらいに熱い言葉をいつもかけてくれる、そんな圭一が好き。その熱さが私には心地いいの。胸が熱くなって、些細な事で悩んでた自分が下らなく思える。ありがとう……そして、ごめんなさい。気の迷いとはいえ、圭一の気持ちを疑ってしまったわ」 「謝る必要はないぜ。いや、むしろこっちが詫びないとな。また俺の無神経さが、梨花を惑わせちまった。―――あぁそうだ」 そこで圭一は、そっと梨花を自分の胸から引き離し、きりりと真剣な表情に改めて言った。 「さっきの言葉さ、あれ嘘だろ?」 「えっ?」 一瞬何の事か解らず、梨花はきょとんとした顔になる。 「『自分はまだ満足させてあげられない身体だから、今は俺がそういう本を読むのは構わない』ってとこさ。そんな筈はないだろ。例え写真や絵でも、俺が他の女の人のやらしい姿を見てハァハァしているのを許せるか?平気でいられるか?」 赤坂が来訪したお祭の晩、心ならずも自身が一度ヤキモチを焼いてしまって以来、圭一は梨花への愛情を自覚して日々深めつつあった。 だからこそ、彼女が独占欲を露にするのも今では至極当然だと受け止めていた。 「…嫌、嫌よ。圭一が傍で一緒にいるようになって以来、もう自分の気持ちに嘘をついたり誤魔化したりするのが嫌になってしまった。やっぱり、私だけを見て欲しい。写真や絵であっても、圭一が他の女の人に鼻の下を伸ばしているのを想像すると…すごくムカムカするもの」 唇を尖らせ、梨花は圭一の服を掴む両手に力を込めて拗ねたような顔を見せる。 彼女自身も自覚していたが、梨花は圭一と一緒に居るようになってから、特に彼に対しては本音を隠したり自分の欲求を押し殺したりしなくなっていた。 本音を素直にぶつけるべきだと思うようになっていたのだ。それが仮に、我が儘な事柄だとしても。 或いは梨花が本音を遠慮なくぶつける、もしくは梨花の本音を引き出してしまうという役割は、かつては羽入が請け負っていたそれだったのかもしれない。 羽入が百年以上もパートナーとして過ごすことで築いた信頼関係を、「この世界」の圭一はそれに比べれば瞬きのような時間で築き上げてしまったのだ。 別の幾つかの世界の記憶という、「助走」と「奇跡」があったからだとしても、大したものだった。 「よし、わかった!」 突然圭一は、両目をぐわっと開くと、梨花の両肩に手を置いて宣言するように叫んだ。 「俺、前原圭一は、ソウルブラザー漆黒の魔王Kの座を返上、引退する!!」 突拍子も無く意味不明なことを口走った圭一を、梨花はぽか~んと見上げた。 圭一はそれには構わず、いかにも断腸の思いで…という風な芝居がかった口調で続ける。 「魂の兄弟の誓いを反故にして、背を向けるは慙愧に耐えん、がしかし!今の俺には一緒に支えあうべき大切なパートナーがいるっ!ワインで将来を誓い合った梨花の信頼を守る事は、何物にも勝る最優先事項だっ!…少なくともトミーは理解してくれるだろう、たぶん。俺はもう兄弟たちと夢も喜びも悲しみも痛みも共有することはできない!何故なら!今の俺がそれを共有する相手はただ一人、梨花ちゃんだけと決めたからなぁっ!!」 プチ固有結界を発動させ吼える圭一に、梨花は理由がよくわからないまま何故かこみ上げてくる歓喜に震えていた。 「け、圭一!?」 「……というわけで、俺はもう梨花ちゃんに隠れてコソコソとエッチな雑誌は今後一切買わないし読まないぞ。今手元にあるものは残らず処分する。いや、捨てるのはソウルブラザーに失礼だから、亀田くんあたりにでも譲渡することにしよう。おおそうだ、何気に彼の苗字は『Kameda』でイニシャルKじゃないか!ならこの際二代目として『萌えの伝道師K』の名もついでに襲名させてしまおう、そうだそれがいい!これで俺は梨花ちゃんだけのもの、どうだ異存はないだろ!」 随分前に、部活メンバーの間で「遊び人」と揶揄されたのがよほど屈辱というかショックだったのか、ここ最近の圭一は自らの貞節を些か神経質なまでに気にするようになっていた。 これもまた信頼すること、されることこそ第一と重んじる、雛見沢転校後の圭一だからこそかもしれなかった。 彼が誠意をここまで示していければ、梨花が仮にも異性である彼に対してここまで開けっぴろげに振舞ったり、無防備に身を委ねたりはしないだろう。 「有るわけないのです。…でも、本当にいいのですか?さっきも言ったように、ボクはまだ圭一の欲求を受け止め切れない身体なのです。」 照れくさいのか、恥ずかしいのか、口調が「ボク」に変化して躊躇いがちに言う梨花の頭を、圭一はそっと撫でる。 「まぁ、これも試練というか鍛錬の内だろ。梨花ちゃんのことを思い浮かべたら、どの道エロ本なんて後ろめたくて読みづらくなるしなぁ。それがスリリングで堪らないのかも…おっといけねぇ、それに抗うのが精進だな。厳しいが耐えて見せるさ」 「それでは未来の妻として申し訳ないのです。未来の旦那さまに窮屈な思いはさせたくないのです。 せめて…………こ、こ、これくらいは、今のボクにも出来るのですよっ!」 先程圭一に突きつけた本を再び手に取った梨花は、そのとある一ページの見開きを広げてみせる。 「それ」を目の当たりにした圭一は、思わず仰け反った。 「ま、待て梨花ちゃんっ!早まらんでいいっ!そ、それはマズイって!」 そこには、ナース姿の女性がベッドの上で横たわった患者と思しき男性のアレを口で…といった風なものが描かれていた。 「ひとつに結ばれるのはもうしばらくだけ待って欲しいのですが、せ、せめて、圭一の欲求不満が溜まり過ぎないように、その…口で、してあげるくらいなら…」 思い詰めたような口調で迫る梨花に、圭一はすっかり嬉しさと葛藤と困惑と動揺と焦りがカオスにない交ぜとなった風体であった。 つまりは両手で頭を抱えて、悶えまくっていたのだ。 「本番」ではなく、今回は「前座」だけでもという段階でこれでは、二人が結ばれる日はまだずっと先のようであった。 別にただ早ければイイというものでもないのだが。 「気持ちは嬉しいが…いや、待て待て。今はまだそこまでしてくれなくてもいい。梨花ちゃんにそんなことはさせられないぞ。 ここは気持ちだけ有難く受け取っておくから、な、な?」 「ボクは…いえ“私”は圭一の恋人なのです。ラブラブな相思相愛なのですよ。 その私が構わないと言っているのですから、圭一さえよければこれくらい問題はないのです」 意を決した梨花は、自らの服をその場で乱暴に脱ぎ捨てる。 まだブラはしていないので、その結果パンツと靴下以外は何もまとわないという、ほぼ全裸に近い姿を露にする。 「こうすれば、えっちな本を見るくらいには興奮できるでしょ?」 「り、梨花ちゃんっ、待て落ち着けっ、幾らなんでも俺達にそれはまだ早すぎるって!」 「私の身体じゃ…ハァハァすることも出来ない?」 「ち、違うって。…あぁダメだ!これ以上抗えねぇ!男として運命には抗えても、梨花ちゃんの誘惑には抗えねぇぞ!!本当に良いんだなっ!?」 ヤケクソになった圭一はズボンを勢いよく下ろした。その下半身にはトランクスを突き破らんばかりに力強く隆起したテントがあった。 「け、圭一?そんなに大きく…」 「当たり前だっ!好きな女の子のそんなあられもない姿を見せつけられて、興奮しない男がどこにいるっ!?」 「私のこんな貧相な体形の身体で、そこまで興奮してくれるの?」 「まだそんな野暮なことを言うのか!?俺のオットセイさんは実に正直だぞ~。口よりも雄弁に語ってくれるさ」 完全に吹っ切れた圭一は、続いてトランクスも一瞬で脱ぎ捨てる。待ってましたとばかりに、彼の分身がそそり立つ。 圭一の分身たる通称オットセイさんを生まれて初めて目の当たりにして、梨花は流石に顔を真っ赤に染める。 だが、目を覆ったり逸らしたりはしなかった。 「これも私だけのものね」 まるで愛でるかのように、梨花は圭一のオットセイさんを手で抱えてそっと撫でる。 「ほ、本当に口で…してくれるのか?」 「今の私は最高に機嫌がいいの。どうしてかは言わなくてもわかるわよね。それくらい、お安い御用だわ」 まるでアイスキャンディーを舐めるかのように、梨花はぺロぺロとオットセイさんの先端を嘗め回す。 「ちゅぱっ、れろ、んっ、ん~ん、れろ、ちゅるっ」 そこで何を思ったか、彼女は先端に舌をつつきながら、片手でオットセイさんの根元を軽くしごいて分身の皮を引ん剥いてしまった。 その刺激に対して、悲しいかな、まだ童貞である彼のリミッター数値はあまりにも低く、脆弱であった。 「やばっ、も、もうっ!…っく、うっ!!」 言葉にならない呻き声と共に、圭一の分身の先端から勢い良く盛大に白濁の液体が迸り、正面から梨花の顔に降りかかってべとりと張り付いた。 目は反射的に閉じたものの、放出が収まるまで梨花は顔を逸らさなかった。 「ふぁっ、んん、んん、あはっ、みぃ~」 「はぁ、はぁ、はぁ」 顔に張り付いた生暖かい粘着質の液体を、梨花は指先で軽く拭った。そして恐る恐る口へと指を運ぶ。 「っ!…ちょっと苦いわ…でもこれが、圭一の…味」 「ご、ごめん、つい思いっきり顔に…」 「それは構わないけど…圭一、ちょっと堪え性がないわね。 …3分も持たなかったじゃない。これじゃカップラーメンもできないわよ」 苦笑する梨花に対して、未だに快楽感に痙攣して虚ろな目をしていた圭一は、一転して敗北感に襲われる。 「すまねぇ、お恥ずかしいぜ。でもしかたないだろ、こんなことされるの初めてなんだし、滅茶苦茶気持ちよかったからな」 漸く身動きが取れるようになった圭一は、ティッシュを取り出すと、梨花の顔に付いた白濁をふき取る。 「でも、圭一のオットセイさんはまだこんなに元気ね。もう一回、して欲しい?」 顔を拭いてもらいながら、彼女は一回暴発したあともまだ意気盛んなオットセイさんをナデナデと擦る。 「それは願ってもないことだ。…出来ればさ、こ、今度は口で咥えてくれないか。無理にとは言わないが」 それに対して梨花は無言のまま、口をあ~んと最大限に開き、圭一のオットセイさんをぱくりと咥えて見せることで応える。 「うわっ、何だこれ!?あっ、あ…頭が真っ白に…!」 先ほどの舌先で舐められる感触に、梨花の決して大きいとは言えない口に包まれる感触と温もり時折接触する歯の硬さ、擦れあうことで上下から分身を愛撫する唇、口内の唾液が絡みついたことによる滑らかさ…、などが新たに加わって、圭一は再び悦楽の淵へと溺れていく。 それでも一回目に不甲斐なく過早暴発してしまった直後だけに、男としての意地なのか、少しでも長く引き伸ばそうと、消し飛びそうになる意識をどうにか繋ぎとめていた。 「はむ、ん、ん…んんっ、ちゅぱ、ん、はぁ、ん…ちゅぱ…ぢゅる…んくっ…」 だが、そんな圭一の意思もふと視線を下に降ろした途端、砂上の楼閣のごとく崩れ去る寸前にまで追い込まれる。 視線の先には梨花が瞳をとろんと潤ませて、実に妖艶な顔を股間から覗かせていたのだ。 「あぁ、綺麗だぜ…梨花ちゃん、た、堪らねぇよ、その顔が。はぁ…はぁ、可愛すぎる」 ぞくぞくとこみ上げてくる愛しさに突き動かされて、圭一は梨花の頭に両手を添えて優しく撫で始める。 彼にとって梨花の頭を撫でるのは最早珍しくもなんともない行動であったが、普段とは姿勢と位置関係が全く異なり、とても新鮮な感覚であった。 「んくっ、はむ、ふぉれはぁ、ふぉてもぉふぃもちふぃふぃのふえす…」 無性に愛おしくなって、彼女の名を何度も叫んだ。頭を撫でる仕草も心持ち荒くなる。 「あぁ、梨花ちゃんっ、梨花ぁ、梨花っ!ま、また出ちまうぞ。このままじゃ…口の中に」 「ふぃふぃのふぇすよ。ふぉのままふぁしてふぃふぃのふえす」 「うっ、んっ!!くふっ!!」 ついに、二度目の絶頂を迎えた圭一は梨花の口内に精液を解き放った。 「っ!!んっ、もごっ、んぐっ、ごぼっごぼっ、げほっ…げほ、はっ、…はぁ」 少し顔を歪めながら、梨花は必死に彼の出したモノを飲み干そうとするも、流石に果たせず吐き出してしまった。 本には「最後の一滴まで飲み干す」みたいなことを書かれていて、それを実践しようとしたらしい。 「…あ、そんなことしなくていいって、不味いだろ、無理すんな」 咳き込んだ梨花の呻きで虚脱感から我に返った圭一は、慌ててティッシュで梨花の口元を拭う。 「…圭一、満足してくれた?」 口周りを拭かれながら、やや未練ありげな顔でおずおずと問いかける。 「満足もなにも、最高だったぜ。こいつはお礼だ」 「ふぁっ、ちょっ、けーいちっ!!」 興奮した面持ちの圭一は、いきなり梨花に覆いかぶさり、曝け出されたままの胸に噛り付く。 本当に微かな膨らみを手で揉みしだきながら、もう一方の乳頭を口に含んで吸い始める。 「ひゃっ、んあっ、そんなぁ、つよく…すわないでぇ…でも、…きもち…いい」 「はぁはぁ、胸が無いなんて気にすんな。気にしなくていいからな!」 ぴょこっと隆起したさくらんぼを、圭一は左右交互に夢中でしゃぶりつくす。 「んっ、いいっ、あはん、けーいちのてがきもちいいのぉ、んんっ」 よくわからないけど病み付きになりそう、と胸を揉まれる快感でとろけそうになりながら思う梨花だった。 しばし堪能した後、梨花の胸から顔を上げた圭一は、彼女の後頭部と背中にそれぞれ掌を回して引き寄せるや、今度は唇を重ねる。 そのままいつものように、舌を濃密に絡ませ、互いの熱い吐息と唾液を交換し合うのだった。 キスを終えた圭一は、しかし抱擁は止めようとせずに梨花の耳元でそっと囁いた。 「改めて誓うぜ、俺はもう梨花ちゃん一筋だ。よそ見もつまみ食いもしねぇよ。その必要もない」 「本当にいいのね?そこまで言ってくれるのなら本当にえっちな本も許さなくなっちゃうわよ」 「いつも言ってるだろ、男に二言はない」 「にぱ~☆じゃあこれからオットセイさんをパクッとする時は、ネコ耳、しっぽ、首輪に鈴、スク水、ナースにメイド服と、圭一が望むがままにオプションを付けてあげますですよ」 にっこりと微笑む梨花に、圭一は完全にKOされ、鼻から盛大に血を流してしまうのだった。 「はぅ、やべえよ梨花ちゃん、それは刺激が強すぎるっ」 「…だから約束よ。たとえ本の絵や写真でも、私以外の女の人を見て……しないで。私だけを見て。我慢できなくなったら、何時でも私に言って。圭一が…私以外を見てハァハァするのは耐えられない」 「あぁ、梨花ちゃんがここまでしてくれるってのに、裏切るようなマネをしたら…それこそバチが下るっつうか、祟られてしまいそうだしな。ハハハハ―――俺は裏切らないぜ、信じろ」 まぁ、この先一度や二度、魔が差したくらいは不問にしてあげても良いけど、と梨花は内心で呟く。 若い男子故に、些細な綻びくらいはあるだろうと彼女は頭では割り切っていたのだが、しかしそれは裏切られることになる。 想い人に選んだ彼の意志の固さと愛情が半端ではなかったことを、この後の梨花は改めて深く実感することになるのだった。 予行演習に続く
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<1> 暁ちゃん!ちょうど良かった!今から暁ちゃんの家に行こうと思ってたの」 行きつけの画材屋から自宅に帰る途中、暁は聞き覚えのある声に呼び止められた。 振り返ると幼馴染の珠子がこちらへ走ってくる。 「いま千紗登の家にいるの。久しぶりに暁ちゃんも来ない?」 「…いや、俺は…」 彼は右手に持つ紙包みに視線を落とす。それは先ほど買ったばかりの新しい画材だった。 コンクール課題の期限が一週間後に迫っている。 一刻も早く自室にこもって絵の製作に取り掛かりたい。 今の彼には幼馴染の少女たちと遊んでいる暇などなかった。 暁はその旨を伝えようと口を開く―――が。 珠子の一言で、言葉をのんだ。 「夏美も来てるんだけど」 「……………」 無口で無愛想―――彼を知るほとんどの人間は暁のことをそう評する。 だが数少ない、本当に近しい人間だけは知っているのだ。 彼が、その佇まいからは想像も出来ないほどに激情家…もとい、分かりやすい人間だということを。 「最近夏美と会ってないんだってねぇ?」 無言で自分の後を付いてくる暁を見ながら、珠子はクスクスと笑った。 父親が大病院の経営者。その肩書にふさわしい千紗登の家は、もはや邸宅と言っていい。 幼馴染の部屋へと続く長い廊下を珠子と二人で歩く。 「だめじゃない。ちゃんと『カレシ』らしいことしないと。高2の夏はすぐに終わっちゃうのよ?」 暁は答えない。代わりに頭の中で呟いた。それができれば苦労しない、と。 告白し、互いに一年も前から気持が通じ合っていたことが分かり、正式に付き合い始めて約一ヵ月。 何度か二人だけで会ったりもした。が。 暁には常に一つだけ疑問があった。 自分といて、果たして夏美は楽しいのだろうか…と。 人一倍口下手だという自覚はある。騒がしい事は好きではないし、 そもそも女の子が喜ぶような話が、無骨な彼にできるはずもない。 夏美が話し、暁が相槌を打つ。そういう関係になるのもごく自然な流れだった。 まだ付き合いだして日も浅い。お互いこういったことに不慣れなせいもあるだろう。 二人の会話は途切れがちになることもある。 実のところ暁自身は、その沈黙さえ心地良いものと感じているのだが…。 だが、夏美もそうだとは限らない。 「実はね、夏美、泣きそうな顔で千紗登に相談してたのよ」 「夏美が?…なにを」 「私といても暁くんは、楽しくないんじゃないかって」 「……」 「千紗登はね、もっとお互いのことを知ることが大事だって言ってたの。 暁ちゃんを連れてくるように言ったのも、千紗登のアイデア。暁ちゃんの協力も必要なのよ」 「………そう…か」 正直有難い。夏美の悩みを解消できるのならば何であろうと容易いことだ。 「だから、いい?この部屋に入るためにひとつ条件があるの」 ようやく到着した千紗登の部屋の前で立ち止まり、珠子が言った。 「絶対中では喋っちゃダメよ。分かった?」 意味が分からなかったが、とりあえず暁は頷く。 ノックを3回。珠子が扉を開いた。 「千紗登?お菓子買ってきたよー」 <2> 「おっかえりーぃ」 部屋の主が景気よく返事をする。 久しぶりに入った千紗登の部屋。10代の少女の部屋とは思えぬ広さ。 その一角に陣取ったベッドの上。そこに、二人の少女が座っていた。 部屋着でくつろいだ千紗登と、そして―――夏美。こちらはなぜか目隠しをしている。 「どう?イメージトレーニングは進んでる?」 「ぜーんぜん。夏美が照れちゃってさあ」 「だ、だって、千紗登ちゃん、変なことばっかり言うんだもん!」 「変なこと言われても対応できるように練習してるんでしょうが! 大体ねえ、暁はおかしなことばっか言う奴なんだから、こういうことにも慣れとかないと、 夏美、あんたあの朴念仁とまともに付き合えないよ?」 「…………う」 畳みかけるように言われ、夏美は観念したようにうつむいた。 目隠しはつけたままで。 千紗登が暁の顔を見て笑う。 一方の暁は困惑したまま。…イメージトレーニング…?一体何の話だ? 「本当、いじらしいわよね夏美は。暁ちゃんと付き合うための練習なんて。 千紗登みたいなのを暁ちゃんって思うのも大変だろうし」 「そのための眼隠しだ。決してあたしの趣味ってわけじゃない」 「…あんたの趣味なわけね」 幼馴染二人の会話を聞いて、暁もようやく理解する。 千紗登が暁の役をし、夏美はそれを相手に『練習』をしているのだ。 暁と話すための、『練習』を。 自分が口下手であることがここまで夏美を悩ませていたとは。その時彼ははじめて痛感した。 情けない。そこまで夏美に気を使わせていたのか。 そんな暁をよそに、千紗登がパンパンと両手をたたいた。 「はい、じゃあさっきのシーンをもう一回ね。いい?夏美。あたしを暁だと思って話すのよ? 目隠しもとっちゃダメ。あいつがどういう顔して言うか想像すること」 「う…うん」 夏美がおどおどと頷く。 当の本人である暁が目の前にいることにも、まるで気が付いていない。 「よ、よろしくお願いします…」 「よし。んじゃいくよ。……夏美、昨日の夜は何してた?」 千紗登は低めの声色を使い、夏美の横に座りなおす。暁の役を始めたのだ。 「う、えとね。昨日の夜は、おかーさんにパッチワーク教わってたの……あ、暁、くん。 わたし不器用だけど、お裁縫はちょっと得意だから」 暁が知らなかった夏美の一面だった。不器用だけど裁縫は得意。 「へえ?女の子らしいな、夏美は。知らなかった―――よねえ?」 千紗登が暁を見て微笑む。 彼は今更ながら、この幼馴染に感謝した。 暁とうまく話せない夏美の相談に乗りながらと同時に、暁には夏美の知らなかった一面を見せてくれる。 自分がもっと知りたいと思っていた夏美のことを知ることができる。 自分はけしてああいう気取った話し方はしないと思うが―――そこは御愛嬌。 千紗登の話し方が面白かったのか、夏美は笑いながら暁を―――暁のふりをする千紗登を見た。 「ね、暁くんは?昨日の夜は何をしてた?やっぱり家に帰っても絵を描いてるの?」 「うん?ああ、俺か?」 一瞬の間。千紗登は暁の顔を見た。 ニヤリと、邪悪な笑み。 暁は不吉な予感に眉をひそめる。 こいつがこういう顔をするときは、ろくなことがない。 「俺は、昨日の夜は夏美のことを考えてたよ」 千紗登の答えに夏美が頬を赤く染める。 「わ、わたしのこと…考えてたの?」 「そう。俺は昨日の夜、夏美のことを考えて………オナニーしてたんだ」 ぶ。暁の横で珠子が麦茶を吹いた。 一方暁は、予想だにしない答えに、愕然。 「…ちっ……」 声を出しそうになり、あわてて口をふさぐ。大丈夫。間に合った。 「ちょ、ちさ…!あんた何言い出すのよ!」 「ちさぁ?俺は暁だよ、たま。ちさはこの部屋にはいないだろ? それに俺だって男だし。オナニーくらいするさぁー」 「あんた下品すぎ!いくらなんでもそれは引く!」 ぎゃんぎゃんと賑やかに叫びあう少女二人。 だが一人、まるで緊張感皆無の口調で、夏美が呟いた。 「おなにー……………?なに、それ」 暁は頭を抱える。 頼む夏美。そんな無邪気な声で言わんでくれ。 「わ、私っ、お茶のお代わりもらってくるからねっ!」 羞恥心か怒りか―――そういった感情が暁よりも早く沸点に達した珠子が 慌ただしく部屋を出ていく。 暁も一緒に帰ろうかとも考えたが、今この場を立ち去るのは危険ではないか。 夏美にとっても自分にとっても。 そんな予感が彼の足を止めた。 「……珠子ちゃん、どうしたの?」 「ああ、気にしない気にしない。ところでさ。夏美、本当に知らないの?オナニー」 「うん。ちさ…じゃないくて、暁くん。ね、暁くん、おなにーって、何?」 自分の名と、卑猥な単語。 夏美の舌足らずな口調だと、背徳的な淫猥さがある。 暁は息を吐く。音を出さないように。体の熱を逃がすように。 …興奮を、悟られないように。 そんな暁の反応を見て、千紗登は夏美ににじり寄った。 「知らないのか?夏美。オナニー…したことない? 他にも自慰とかセンズリ、マスターベーション…って、言われてるんだけどなぁ」 「………よく、分からないけど…あの、暁くんはよくするの?おなにー」 「もう毎日。夏美のことを考えながら」 いくらなんでも毎日なんかするものか。暁は脳内で反論する。 だが反論できたのは頻度だけ。 誰を考えてか―――こちらは図星だ。後ろめたさに襲われる。 「あ、暁くん、わたしのこと、考えながら…するの?おなにー…」 夏美の顔が赤くなる。 たちが悪いことに、彼女は言葉本来の意味が分かってないのだ。 ただ純粋に、『暁が夏美を思ってる』という、それだけの言葉が、嬉しい。 …自分が夜、彼女のことを考えて何をしているか。本当のことを知ったら夏美はどう思うだろう。 「そうだ夏美。知りたいだろ?どういうこと考えて、俺がオナニーしてるのか…」 「う、うんっ…」 千紗登は俺の考えが読めたりでもするのか。暁は舌打ちしたくなる衝動を抑える。 流石にもう我慢も限界だ。 これ以上妙なこと言いだしたら、問答無用で部屋を出て行ってやる。そう心に誓った瞬間。 千紗登が夏美の肩を抱く。そして―――胸元に、手を伸ばした。 「ひゃ、ち、千紗登ちゃっ…」 驚いて、夏美が悲鳴を上げる。 「な、なに?急にどうしたの?」 「…暁くん、でしょ、夏美?」 「あ、う、あ…暁く…ん…」 「…いいから、じっとしてて…」 暁の眼の前で、夏美の服のボタンが外されていく。一つ一つ。 夏美の小ぶりな乳房がちらりと見えた。 まだ幼いふくらみ……ブラは、していない。 夏の暑さのためかそれとも…。 以前、千紗登が「夏美は胸が小さいのを気にしている」と言っていたのをふと思い出した。 「…夏美ぃ、あんたあたしがこの間選んであげたブラ、着けてるの?小さいからって油断してると すぐ体の線はくずれるんだよ?」 「だって、背中がむずむずして落ち着かないんだもん…」 夏美がぼそぼそと呟く。 「暁が知ったらどう思うかなあ…夏美がノーブラであいつの前うろうろしてるなんて」 「べ、べつに暁くんは何とも思わないよ!」 「いやいや、絶対夏美の胸元に視線集中するだろうな。身長差を考えれば十分見えるだろうし…」 夏美の白い肌に、千紗登の指がそっと触れた。 「っあ…」 「でもあいつより、あたしの方が先だったね…夏美の胸見るのは」 「…っ…そ、そういう言い方…なんか…やだ…っ」 「だってかわいいよ、夏美の胸って。すごく繊細な感じがする。乳首もピンクだし…自分で触ったりしないの?」 千紗登が夏美の耳元でささやく。指が、輪を描くように、色素の薄い乳首の周りをじりじりといたぶる。 「え…や…や…あっ…あ」 たどたどしく唇から洩れる夏美の声。 それはくすぐったい為か、それとも。 ごくり―――はからずとも、暁の喉が鳴る。 千紗登の舌が少女の首筋をなぞる。ひっ、と夏美が小さく悲鳴を上げた。 困惑したように夏美は千紗登の腕にしがみつく。 「気持ちいい?夏美?」 「く、くすぐったいよ!もう、変なこと…しないでっ…っあ!」 「そう?でも嫌じゃないよね?ほら、かわいー乳首が立ってきた…」 「ち!千紗登ちゃん、やだ、もうストップ、ちょっと待って…」 「……千紗登じゃなくて、暁…でしょ?」 「っあ…………!」 びくんっ。 千紗登の口からその名をささやかれると、夏美の小さな身体が目に見えて大きく――― 「や、あ…あ…」 快感に、震えた。 <3> 「これは暁の手、暁の舌…いいね?夏美?」 「あ…は…い…暁……く…ん…」 息を吐きながら、喘ぐように暁の名を呼ぶ。 名を呼ばれ、少年の背中がぞくりと粟立つ。背筋を小指で撫でられたような感覚。 夏美が、愛しい少女が、快感に身を震わせながら、自分の名を呼んでいる。 腹の下がうずく。だが自分は何もできない。してはならない―――できるはずもない。 拷問だ。 噛みつくような眼で自分を睨みつける暁の視線を受け流し、千紗登がベットの上に夏美を押し倒す。 力が抜けきった少女の細い体は、抵抗らしい抵抗もなかった。 前開きのブラウスのボタンが全て外され、暁の眼の前に夏美の白い肌が露わになった。 冷房のモーター音だけが響く静かな室内。聞こえるのは、夏美の苦しげな息遣いだけ。 「夏美。乳首、舐めるよ…」 「あ、暁くん…」 「いいだろ?夏美…」 「……………っあ…あ…」 小ぶりな乳房が、壊れものでも扱うかのように優しく愛撫される。 触れるか触れないかの手つきなのに、夏美は過敏に反応した。 産毛を撫でるだけでびくりと身体が動く。いささか感度がよすぎるようだ。 千紗登はいたぶるような手つきをやめない。 焦らすように、決定的な快感を与えぬように、じわじわと夏美を責め続ける。 指の腹でヘソのくぼみから胸まで撫で上げる。 そして乳首に触れる直前で手を離す。 小さく自己主張を始める胸の突起をわざと無視して、夏美の切なさを限界まで高めていく。 「あ。暁くっ…や…あ…」 白い喉をひくひくと震わせ、千紗登にしがみつく。少女が更なる快楽を求めていることは明確だった。 「舐めるよ…夏美…いいだろ?」 「んっ…」 夏美が小さく頷く。 千紗登の唇がにっと笑い―――そして、幼い乳房の頂に唇を落とした。 「あ!やあ…は…あ!」 びくん!夏美の細い身体が大きく跳ね上がる。 視界を遮られている分敏感になっているのか、それとも本来の感度のよさか。 「夏美は感じやすいな。胸だけでこんなに反応するなんて。 誰かに胸舐められたの初めて―――…に決まってるか」 「や…やだ、…あっ!やあっ…。わたし、なんでこんな声、でるのっ…」 自分の身体がなぜこうも動き、反応するのか、夏美自身も混乱しているようだった。 「あ、あ、千紗登ちゃ、…もうだめっ。やめてっ…や!…あああっ」 千紗登が夏美の乳房に吸いつく。 「ひああっ」 唾をたっぷりとからめ、子供のような乳首を舌でなめまわす。 そうしながら千紗登の手は、夏美の太ももへと伸びた。 太ももから、付け根、そして両足の間にある秘められた場所へと。 「っ…あ!やっあ…ああっ!」 夏美の声が高くなる。 他人の指が、自分以外、誰にも触られたことのない場所を撫でている。 羞恥心が膨れ上がった。 「いやっ!やだっ!や!いやあっ…」 悲鳴をあげて暴れる。 だが彼女より一回り大きな千紗登の身体に抑えつけられているのだ。 小柄な少女が逃れるはずがない。 「ふふ―――夏美、下着濡れてるね。やっぱり夏美でも、えっちな気分になるんだ…」 千紗登が顔を上げて暁を見る。 今のは暁に向けられた言葉だ。 これみよがしに、夏美のスカートがまくりあげられる。 乳房と同じように、すんなり伸びた、白く柔らかそうな足。 暁は同じ年代の少年たちと比べ、女体には免疫があった。 もちろん性的な意味ではなく、絵のモチーフとして、全裸の女性たちを何度も間近で見てきたからだ。 彼にとって女性の体はセックスシンボルではなく、芸術として観察する対象。 今更女体を見ても、動揺することなどあるまい――そう、思っていた。 今までは。 なのに夏美の未発達な乳房や細い腰回り、白い足を見ただけで、 驚くほど自分の心臓の鼓動が早まるのが分かる。 千紗登の指が、そっと夏美のショーツに滑り込んでいくのが見えた。 その指が複雑に動くのが、布越しに分かる。 おおよそ男の暁には想像も出来ないようなその場所、その形を、的確にとらえているのだろう。 指がやわやわと動くごとに夏美は背筋を反らせ、濡れた悲鳴を上げる。 「千紗登ちゃ、もうやめて…こわい、怖いよ、千紗登ちゃ…あ…あ…」 「夏美、これは暁の手だって言ってるでしょ?暁の指、暁の舌…そう思えば怖くないって」 「あ…暁…く…ん…?」 「そう。暁にされてると思って…」 「暁く…あきらく…ん…。あ…あきら…くっ…」 暁の耳に、水の音が聞こえてきた。 …何の音かなど、考えるまでもない。 「暁くん、あきらくん…あきらくっ…」 千紗登に秘所をいたぶられながら、夏美は泣くように暁の名を呼ぶ。 眼の表情は隠れているが、恐怖や混乱ばかりを感じているだけではないことが分かる。 視界を奪われた真っ暗闇の世界。夏美はどういう想像をしているのだろう。 暁に抱かれてるいのを想像してるのか? 夏美の想像の中の自分は、彼女を犯してるのだろうか。 「あ!あ!や…あ!暁く…あ…ああっ…あ!」 夏美の悲鳴が高くなる。 「イキそう?夏美?イク?イクの?」 「い…いくって…?あ…あ…やぁんっ…あああっ」 「そう、イクんだね、夏美。いいよ、イッて。ほら、イッて。 見せて、暁に、夏美がイクところ…」 「あ…?や…あ…!暁くんっ…!あ…あ!あ、ああっ……あきらくん、あきらくっ…あああ……!」 きゅう、と、夏美の足のつま先が丸くなったのが見えた。 形の良い顎が反りあがり、魚の腹のように白い喉がひくひくと震える。 性体験のない暁でも、彼女に何が起きたかすぐにわかる。 夏美は今、イッたのだ。 暁の名を呼びながら。 <4> 全身が弛緩し、ぐったりとベッドに横たわる夏美。 浅い息を吐くたびに、小ぶりだが形の良い乳房が大きく上下する。 千紗登が暁の方を見た。彼女もわずかに上気した顔で。 暁に自分の右手を見せる。いや、見せつける。 その指にからみつく、透明の液体。 千紗登のこの誇らしげな表情は何だ? 自分でも理解できない憤りを感じながら、暁はその指を睨みつけた。 暁のことを考えて夏美がこうなったのだとでも言いたいのだろうか。 それとも、暁ではなく、自分こそが夏美をこうしたとでも? 「…気持ち良かった?夏美?」 「あ…はぁ…はぁ……は…ぃ…」 「じゃあ今度は、俺を気持ちよくさせてくれる?」 「う…ん…」 「よし、んじゃ珠子、こっち来て」 千紗登が暁を手招いた。 …今度は何をさせるつもりなんだ。 内心では反感を感じるが、足は自然と動いた。暁は静かにベッドのそばに歩み寄る。 ふわりと甘いにおいが少年の鼻腔をくすぐる。 「ねえ夏美、フェラチオって、知ってる?」 「…へ……へら…?」 「フェラチオ。男の人のアレをね、舐めたり吸ったりするの。そうしたら男は喜ぶんだよ」 「あれ…って?」 「ペニス」 「……………ええっ?!」 「まあ勿論あたしにはそんなのついてないから―――珠子の指で代役ね。 珠子、手ぇ貸して。ほら早く」 千紗登が暁の腕をぐいと掴む。そして、夏美の口元に指を突きつけた。 「………っ…」 少女の熱い吐息を指先に感じ、少年は漏れそうになった声をかみ殺す。 いつからか股間のものは固く張っている。ジーンズを押し上げるぎりぎりとした痛み。 いつまで続くんだ、『これ』は。 「夏美、ほら、舌だして…」 「ん…」 千紗登に言われ、少女の唇からサーモンピンクの舌が現われた。 舌がふるふると横に揺れる。挑発するように、いやらしく。 視界を奪われているので、どこに『珠子』の指があるのか分からず、探しているのだ。 暁は自ら、そっと手を伸ばした。夏美の舌先が指に触れる。温かく濡れた、やわらかな感触。 指先から背骨へ、首筋へ。ぞくぞくとした快感が暁の全身を走る。 それだけで達しそうになるのを必死に抑えた。 夏美は舌先に触れた感覚に驚いたようだったが、それが『珠子の指』だと気付いたのだろう。 こわごわと暁の指を舐めはじめる。 「…珠子ちゃんの指って、太いんだね。それに硬い…」 夏美の舌が指にからみつく。ねっとりとした粘膜の感触。 暁は理性を根こそぎ持っていかれそうになるが、歯をくいしばって耐える。 「夏美、それは珠子に失礼ってもんだ。唇は手より敏感だからね。そう感じるだけだよ」 くすくすと暁を見て千紗登が笑う。 夏美の言動一つ一つに息を荒くする暁の反応を楽しんでるかのようだった。 「…ね。夏美それ、そんなに太くて、硬いの…?」 「ん…ふ…ん…うん…」 「…暁のペニスだと思って舐めるんだよ…」 「…………っ」 夏美の耳が赤く染まる。 「…暁くんは、こんなこと、しないもん…」 「そう?でもさっきあんたの想像の中で、暁は何してた?」 「そ、それは千紗登ちゃんが…そう考えてって言ったから…」 「暁だって男なんだよ、夏美。映画に出てくるようなキレーなヒーローじゃない…」 そう言うと、夏美の足にそっと手を這わせた。 「夏美にこんなことしたいって、絶対思ってるよ…」 「んっ…」 かり、と夏美の歯が暁の指に食い込んだ。 その痛みすら背筋を震わせる快感。 「そのまま、ちゃあんと舐めてるんだよ…」 「んっ…んんっ!」 暁は息をのみ、目の前の光景を見た。 千紗登が夏美の下着を脱がしたかと思うと、そこに顔をうずめたのだ。 「んんっ!んっ!んっ!あふっ…あああっ!ああんっ」 ちゃぷちゃぷと糸を引いた音が暁の耳に響く。 信じられなかった。 これは…なんだ? 幼馴染が目の前で、彼の恋人の性器を―――暁が想像すらできないその場所を、舐めている。 執拗に、念入りに、音をたてて。 最初はただの悪ふざけだと思った。 女同士の親密すぎるスキンシップ。いつもの千紗登の悪ふざけ。 だがこれはいくらなんでも行きすぎだ。悪ふざけどころではない。これはもう。 ただのセックス、だ。 <5> 「あっ、や!千紗登ちゃ…いや!やめて!いやあ!ああっ」 「夏美はもちろん、こういうことされたの初めてだよねぇ? 誰かに胸触られたのも、ここを舐められたのも―――イッたのも? ふふ、いいのかなあ。このままだと夏美の初めて、全部あたしのものになっちゃうね?」 「あっ、あっ、ああっ…は…ああんっ」 夏美が酸素を求めて喘ぐ。 「あーあ、暁もかわいそうに。 まさか夏美が自分の幼馴染にめちゃくちゃにされてるなんて、夢にも思ってないだろうな」 「はっ…あ…いやっ!あきらくっ…あっ…や…あきらくんっ…ああっ…あああ!」 夏美が暁に助けを求めるように、嬌声を上げる。 「…っ……」 暁は浅い息を吐き続ける。するはずもない音がする。理性がじりじりと焼けつく音。 彼女に自分の姿は見えてない。自分の存在は気付かれていない。 なのになぜそうも自分の名を呼ぶのだ。 あまりにもか弱く、頼りなく―――それでいて艶を含んだ声で。 「あきらくんっ…や…あきらくんっ…」 夏美が暁を求めるように何度も叫ぶ。 力づくの快楽に引きずり込まれながら、必死で抵抗しているのだろう。 自分の中のよりどころである暁の名を呼び、求めて。 それとも先程のように、暁に嬲られていることを想像しているのか…。 どちらにせよ、夏美は今、暁を求めている。 そして暁は今、彼女のそばにいるのだ。 ―――夏美は、俺を欲しがってる。 そう思った瞬間、少年の理性のたがが外れた。 突然、暁は自分の指を少女の唇にねじ込む。 舌をつまみ、指でいたぶる。 少女の舌はやわらかく熱く、さらりと濡れて気持ちいい。 「んんっ!んうっ!ふうっ…っあ…あ!んふぁ…!」 口中を蹂躙する異物に戸惑い、夏美は苦しげにあえいだ。 濡れた唇から銀の糸がこぼれおちる。 暁の指を吐きだそうと舌を使って抵抗するが、その動きは暁の快感を高めるだけだった。 いつも鈴を転がすような声で自分の名を呼ぶ唇。 彼女の唇が自分の名を象るのが、嬉しかった。 なのに自分は今、その可憐な唇を蹂躙している。 まる指で犯すように。 「ふあっ…んうっ!は…あきらく…んんんっ!んうっ」 自分自身どうにもならぬ体の反応に、夏美は悲鳴を上げ、暁の名を呼び続ける。 下半身を這うねっとした熱い感触と、舌にからみつく太い指。 視界はふさがれているはずなのに、目の前は真赤だ。 太い指が乳房に触れた。熱くて、硬くて、大きな手。 乳房を乱暴につかまれ、痛みと同時に快感が走る。指先が乳首をいたぶる。ちぎれてしまいそう。 でも、どうしようもなく気持ちがいい。肌に伝わる体温が心地良い。 「あきらくっ…は!あ!あ!あきらくんっ…ああっ」 なぜ自分がこうも暁の名を呼ぶのか、分からなかった。 千紗登に言われ、最初は戸惑いながらその名を口にした。 だが今は、自然と口がその名を呼ぶ。彼の名を呼び、顔と声を想像すると、快感が高まっていく。 彼が近くにいるのだと思うだけで、彼に触れられていると思うだけで―――気持ちいい。 「やんっ…あ…あ!あきらくん…あ…!あきら…く…」 そのとき、夏美ははっと息をのんだ。 この手。自分のからだに触れるこの手。 …この手、知ってる…… 珠子ちゃんじゃ、ない。 大きくて硬くて熱い手の感触は、同性のものではない。 だが大好きな手だ。触れると安心すると同時に、どうしようもない高揚感を感じる手。 そう、これは、この手は―――この手の持ち主は。 「…………あきら…くん…?」 名を呼ばれ、暁は心臓が止まるかと思った。 少女のつぶやきは、想像の中にいる恋人を呼ぶ悲鳴ではない。 目の前の少年に呼びかける、確信をもった声。 「あきらくん、…いるの?」 決定打。 夏美は暁の存在をはっきりと認識している。 気がつくと暁は、夏美の唇に自分のそれを押し付けた。 「っ…んっ…んんっ!」 夏美の濡れた唇を押し開き、舌をねじ込む。小さな舌をからめとり、唾液をすする。 「んうっ!んっ…は…んああっ!ああっ!」 混乱と恐怖から逃れようとする夏美の肩を押さえつける。 掌に収まる小ぶりな乳房を、形が変わるほど強く鷲掴んだ。 予想に反し、少女の悲鳴は快感を訴えるもの。 「ひあっ…暁くんっ…あっ!あああっ…!」 「夏美っ…夏美ぃッ…!」 夏美は感じている。 そう思った瞬間、暁はもう自分を止めることができなかった。 少女の細い体を掻き抱く。 乳房に吸い付き、硬くなった乳首に音をたててむしゃぶりつく。 「あんっ!あ…は!ああっ」 何度も想像し、夢にまで見た愛おしい夏美の肌。 自分が思っていたよりずっと白く、甘いにおい。 そして彼女は今、あまりにも無防備な姿で自分に組み敷かれているのだ。 理性など、役に立とうはずがない。 「夏美…」 夏美の目隠しを外し、顔を覗き込む。 涙でぐしょぐしょになった顔が現われた。 その表情は快楽にのまれ、どこか朦朧としている。 「は…あ…やあ…見ないで…ぇ」 暁は夏美の両頬を持ち、ゆるりと深く口づけた。舌を差しこみ、逃げる彼女の舌をからめ取る。 互いの舌先から感じる、しびれるような感覚。 舌先が触れるたびにぞわりと背筋が粟立つ。 暁は夢中で夏美の唇を貪った。自分の唾液を彼女に飲ませ、自分もまた同じことをする。 「は…あ…暁く…ん……」 夏美の抵抗が収まった。 細い手がそっと、汗ばんだ暁の背中にまわされた。 ただそれだけのことなのに、少年の胸中に広がる、どうしようもない幸福感。 夏美と口づけをかわしながら、暁は窮屈極まりないジーンズのチャックを下ろした。 一方。 「…ちょ…っと…」 自分の場所を追い立てられた千紗登は、夏美の身体にのしかかる少年の背中を呆然と眺める。 「…やばいな。やりすぎた」 呟いて、空を睨む。 自分の悪い癖だ。ただ暁をからかうだけのつもりだったのに――― 興奮に耐える暁の顔が、あまりにも「そそる」ので、つい、エスカレートしてしまったのだ。 (あんないい顔するとは思わなかったからなあ…) 自身の欲望を必死に抑えつけようとする少年の姿。 眉間にしわをよせ、奥歯を噛みしめたあの表情―――。 自分の中の「女」が反応し、どうしようもなかった。 まともな女の子なら、あれを見て平気でいられるはずがない。 更に付け加えると、同性である夏美にも正直、興奮したのだ。 戸惑いながらも快楽に震える夏美の姿。 素直で純粋で、恥ずかしがり屋で…生々しい男女の行為に、浅はかなおとぎ話のような幻想を持っていて…。 その無垢な少女を汚し、汚い現実を突きつけてやろうという、サディスティックな喜び。 それこそ夏美は「ファーストキスはレモンの味」とか、本気で思ってるに―――いや、 思ってた、に違いない。さっきまで。 彼女のファーストキスは今、暁によって奪われてしまったのだから。 少女マンガのように優しくもロマンティックでもない。 乱暴でいやらしく、生々しい、粘膜同士の絡み合い。 それが夏美のファーストキス。 でもあの子は喜んでる。幻滅するどころか、暁にそれ以上のことを求めている。 そしてそれは暁も同じ…あれで終わらせるつもりがあるわけない。 「…完全に火ぃついたな、あいつ…」 夏美の身体を貪るように愛撫する暁。 千紗登が部屋を出る直前に見たのは、ひそかに思いを寄せる幼馴染のそんな姿だった。 後ろ手に扉をしめ、溜息をひとつ。 「…あの子らの初体験があたしの部屋なんて、笑えないっての…」 <6> 暁は今だかつてないほどに勃起した自分の性器をトランクスから引っ張り出した。 カウパーがあふれ、下着はじっとりと濡れている。 ―――無理もない―――妙に冷静に、自嘲する。 夏美の、愛してやまぬ少女のあんな姿を見せつけられたのだ。 自分ではなく、他人の手で感じ、乱れる少女の姿。 今の今まで耐えきれたことが不思議だった。 彼女を組み敷き、自分が与えるすべてに反応する夏美を目にした今、 独占欲と支配欲が鎌首を上げてくる。 夏美は俺のものだ。誰にも触らせるものか、と。 千紗登の唾で濡れた場所、すべてに舌を這わせる。 自分以外の人間が残した後を、全部拭い去るように。 暁は夏美のやわらかな太ももの肉に手を添えると、思い切り足を開かせた。 「あっ、や、あ、あ、っあ!あ!あきらくんっ…んんっ!」 暁の執拗な愛撫は、千紗登によって高められた夏美の身体をさらに刺激した。 誰にも見せたことのない、お風呂で洗うときやトイレのあとでしか触れない場所。 敏感で、自分で触れるのもこわごわとしていたその場所を。 暁が、舐めている。 ぴちゃぴちゃと水を飲む犬のように、音をたてて。 「や、いや、いやあっ!ああっ、だめ、だめっ…あ!あああっ!」 恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。 暁の顔が脳裏をよぎる。 いつも物静かで、同年代の少年たちよりも大人びた雰囲気。 笑う時も唇を軽くあげるくらい。 彼に「夏美」と名を呼ばれるのが、嬉しかった。 自分の名を呼ぶとき、彼がとても優しい声をしていると気がついたのは…いつだっただろうか。 その暁の唇が。舌が。 舐めている。 自分の―――を。 「ああっ!ああんっ、あっあ…ひ…あ!かはっ…!」 呼吸が続かず、夏美は息苦しさにあえいだ。 何度も何度も、先ほどのような絶頂感が襲ってくる。 暁の荒い息使いや、自分が動かぬよう力強く抑えつけた手、千紗登よりも大きな手と指と唇と舌、 そして哀切に「夏美」と繰り返すかすれた声…。 すべてが小さな少女の体では受け止められぬほど快感だった。 身体が重く、力が入らない。それでいてふわふわと浮いているような、不思議な感覚。 「あきらくっ…やっ!やぁんっ!あっ…あああっ!」 何度目かの大きな絶頂。夏美の身体が反り返る。 夏美のそこは、かわいそうなくらいに真っ赤に充血していた。 薄い恥毛はしっとりと水を含んでいる。千紗登と、暁のつば。…もちろんそれだけじゃない。 ひくひくと小さく震えるそこは、少年には自分を誘っているように見えた。 「はっ………」 口のまわりをぬぐいながら、Tシャツを脱ぐ。 絵ばかり描いて部屋にこもりがちのはずなのに、筋肉質で引き締まった少年の体。 その胸からこぼれた汗のしずくが、夏美の乳房にぽたぽたと落ちる。 クーラー、きいてるのに。 それを見て、少女はぼんやりと考える。 でも自分も暁と同じなのだろう。体中が濡れて、熱い。 「夏美」 暁の顔が近づき、夏美の眼を覗き込む。 意志の強い眉と、鋭い視線。 怒っているようにも見える、暁の目。 今までは、目があっただけで顔が熱くなった。 どうしようもなく照れて恥ずかしくて、彼の眼が見れなかった。 でも今は違う。これまでとは違った親密さと、愛おしさ、そして切なさをこめて、見つめ返すことができる。 濡れた、欲望に取りつかれた獣の眼があった。熱病に浮かされたような眼。 夏美の中の「女」の本能が、興奮と同時に恐怖を感じとる。 これ以上先に進むとどうなるかは、漠然とではあるが知っている。 女の子である自分が伴う痛みや苦しみも、知っている。 暁くん、男の子なんだなあ…。 今更ながら、そう思えた。 千紗登ちゃんが言っていたことは、本当だったんだ。 でも暁は、先ほどからじっと何かに堪えている。 優しく気遣ってくれている。 自分が乱暴なことをして夏美を傷つけてしまわぬように、必死に自分を抑えているのだ。 暁くんも苦しいはずなのに。 切なくて、泣きたくなる。 少年が、かすれた声で呟いた。 「……いい…のか…?」 聞く必要なんて、ない。 そんな思いをこめて、夏美は自分から暁に口づける。 暁はすぐに応えてくれた。 愛おしげに夏美に口づけを返す。やさしく、何かを詫びるように。 そして名残惜しそうに唇が離れ、少年は夏美の耳元で低く囁いた。 「好きだ」 「…っ……」 涙が溢れそうになる喜びと、快感。胸が詰まる。 夏美は暁を抱きしめた。裸になった互いの胸が重なる。 男の子の肌がこんなに心地良いものだったとは、知らなかった。 <7> 始めて見たとき、小柄な少女だと思った。 並んで歩くようになると改めてその小ささに驚き、 抱きしめたときは華奢なつくりの肩に恐怖すら覚えた。 壊してしまわないだろうか、と。 陳腐な表現だ。人の体はそう簡単に壊れたりしない。 だが実際自分の手で触ってみると、考えるよりもそう感じてた。 本当に、自分が力を入れてつかんだら、ひしゃげるんゃないかと思うような華奢な体。 彼女と自分との性別の違いを実感したのも、その時が初めてだった。 そしてその気持ちは、今も変わっていない。 夏美の秘部に指を這わせた時、少女がふるえると同時に自分の体も大きく震えたのがわかった。 「っ…ん…!」 夏美が声をかみ殺す。快感と、緊張。そして恐怖。彼女の身体からそれが伝わってくる。 指先をそっと動かし、小さな突起に触れた。再び小さな身体が弓なりに反る。 いくら暁でも、知識としては知っている。その行為の意味や流れを。 女性は初めてこういった行為を行うとき、とても痛いのだ―――そうだ。 その痛みを少しでも和らげるためにも、男がしなくてはいけないこと。 女性の緊張を和らげる。 下世話な言い方をすると、触ったり舐めたりして濡らせとか、指を入れてほぐすとか。 最初のはわかる。だがあとの、「ほぐす」とは? やわらかなふちを手でなぞり、その内へ指を動かす。 力を入れると、ぬるりした感触に助けられ、指が奥に滑り込む。 「っひ…あ!」 夏美が悲鳴を上げた。暁には指先に伝わる心地良い感触だったが…彼女はそうではないらしい。 痛いのだろう。おそらくそうだ。 …指が一本、入っただけで? 怖くなる。では自分の―――この、限界まで張りつめた性器を挿入しようとしたら、 彼女はどれほどの苦痛を味わうことになるのだろう。 いや、そもそも入るのか?指先すら拒む彼女の体内に。 女性の体は、それができるように作られている。子供を作るために。 だから―――自分のそれも、彼女の中に入れるはずなのだ。 だが今の夏美の反応を見ると、怖かった。 自分は夏美を傷付けてしまうかもしれない。精神的にも物理的にも。 そう思いながらも、暁は自分の中に湧き上がるどろりとした感情にも気が付いていた。 無垢な少女を好きにできるという、嗜虐心。 頼りなげに自分を抱きしめるこの少女を、自分だけが独占し、蹂躙できるのだという誘惑。 ごくり、と唾をのむ。 優しくしたい、怖がらせたくない―――だが、その気持ちを保っていられるか、自信がない。 「…暁、くん」 「………ん?」 自分の汚れた欲望を悟られたかと思った。動揺を隠して答える。 「あの、わたしね、実はこういうこと初めてで…」 それはわかる。俺も同じだ。 「わたしね、それでね、痛がり…なの。人より。たぶん」 「……………」 「だから、あの、暁くん、お願いが…あるの…」 「……何…?」 何を言われるのだろうか。暁は緊張に身を固くする。 自分とてこういうことは初めてだ。うまくできるかどうかも分からない。 痛くしないで―――などと言われてしまったら、何と答えればいい? 彼女を傷つけずにいられる余裕など、今の自分にはないのだ。 不安げに見つめる暁に、夏美は誓いを立てるように、言った。 「わたしがどんなに痛がっても、やめないでね」 「………え」 「抑えても、乱暴でもいいから―――途中でやめないで。…最後まで、ちゃんとして」 「…夏美………」 夏美の顔がかっと赤く染まる。 自分が言った事が恥ずかしかったのか、下を向いてしどろもどろと続けた。 「だ、だってあの、ほら、こういうのって勢いが大事だと思うの。 絆創膏はがすみたいな感じで。じりじりするより、えいって一気にはがした方が、痛くないっていう、 あんな感じなのかなって。それに、い、一度、しちゃえば、い、痛くない、っていうか、 あの、痛いのは最初だけっていうし、だから、ええと…えと…えっとね…………」 たまらず暁は夏美を抱きしめた。固く、力強く。壊れるほど。 「っ…あきらくん……」 「やめない。絶対だ」 暁は低く―――だが、力強く答える。 「やめるもんか」 暁に抱きしめられる痛みと、彼の低い囁き声。呪いのようだと夏美はぼんやり考える。 でも、嫌じゃない。こういう呪いなら、きっといくら受けても構わない。 「…いいな…?」 少年の言葉に、小さな頷きが返ってくる。 暁は自分の性器を夏美の秘部にあてがった。 しっとりと濡れた熱い粘膜。それを分け入ったところにある熱。 入るべき場所を探すために先端を動かすと、ぬるりと蜜がからみつく。 これだけで腰が抜けるほど気持ちいい。 だがその奥には、これ以上の快感がある。 そう考えると眩暈がする。もっと欲しい。もっと。 …自分がその快楽を得る代償に、夏美がひどく辛い思いをしなくてはならないのに―――。 「…………畜生…」 「…あ、暁くん?」 「あ、いや、…ごめん、ちがう…」 自己嫌悪に襲われそうになり、頭をひと振り。今は夏美の言葉だけを考えよう。 どんなに痛がっても、最後まで―――。 「んっ!」 夏美がくぐもった声を出す。 ちゅく、と暁の性器の先端がそこに吸いついた。 …どうやら、ここのようだ。 少女を見下ろすと、不安げにまつ毛を震わせている。次に起こる何かを予感しているように。 「…夏美…。こっち、見て…」 「……う…」 眼を開き、顔を上げさせる。 涙ぐんだ目。痛がりなだけじゃなく、怖がりでもあるようだ。 「……あきら…く…ん…」 「…夏美っ……」 彼女の目を見ながら、腰を落としていく。強い抵抗と―――ぬらりと性器を包むこむ、熱い感触。 「っ…あ!」 暁にしがみつく夏美の腕に力が入る。 体中がふるえていた。 そしてその震えは暁に―――夏美の中に入ろうとしている暁の性器の快感を高めるもの。 「あ…あ…いう…んんっ…!!い、っい、っ…あ…あ」 夏美が悲鳴を上げる。暁の胸に広がる痛みと、恐怖、罪悪感。 とっさに身体を放したくなる。 だが誓った。途中でやめない。絶対に。…彼女がどんなに嫌がっても。 体重をかけ、一気に性器を夏美のそこにねじ込む。 「んうぁ!」 一瞬の、痛いほどの圧迫感。続いて下半身に広がる熱さと心地良さ。 ぬかるみが張りつめた暁の性器にぎゅっとからみつく。 「…っく…」 苦労して声を押し殺し、押し寄せる射精感に耐える。 まだ、果てるわけにはいかない。 だが、彼女の中はあまりにも熱くて……気持ちがいい。 身体の小ささと、そのなかの小ささというのは、比例するものなのだろうか。 夏美のそこはひどくきつい。それでいてしっとりと蜜で満ちている。 暁は腕に力をこめて、ゆっくりと腰を引いた。 「んんっ…っ…」 少し動いただけで、夏美が悲鳴をあげる。 暁の首にまわした腕が、髪の毛を掻き抱くように動く。 髪を引っ張られて痛みを感じたが好きにさせた。 彼女の方が自分の何倍もの激痛に耐えているのが、分かっているからだ。 夏美が顎を反らす。その顔は痛みからか紙のように白い。 「あ……うあ、あ、あ…あ」 入口まで引っ張り出し、抜けない程度に腰を引き、ゆっくりと時間をかけて再び挿入する。 その行為を繰り返す。辛抱強く、じっくりと。 何も考えず、ただひたすらに腰を打ちつけ、夏美の中におもいきり射精したい。 …そんな男の欲求を必死に抑えつける。 俺は、夏美が好きなんだ。…絶対に、傷つけたりするものか…。 自分に何度も言い聞かせ、じりじりと夏美の中を慣らしていく。 「あきらくん…あきらくん…あきら…くっ……っ…」 夏美がうわ言のように少年の名を呼ぶ。 そうすることで、痛みを耐えられると信じているかのように。 汗びっしょりになった暁の首にしがみつき、ひたすら時間が過ぎるのを待つこと。 今の夏美には、それしかできなかった。 <8> そしてそうしているうちに、いつしか互いの体の緊張が解けていることに気がついた。 夏美を押さえつける暁の腕も、暁にしがみつく夏美の手も、 互いの体にやさしく添えられたものになっている。 「っ…はっ…あ…あ…あ…」 暁の動きに合わせ、夏美が浅い息を吐く。先ほどとは違う、どこか甘い吐息。 「夏美…平気か?」 腰の動きを止め、少女を見下ろした。涙でぬれた瞳がぼんやりと自分を見上げる。 ゆるく開いた唇、そこから覗く真珠のような歯。 痛みに噛みしめたりはしていない。 その表情はもう、強張ってはいなかった。 「あきら…くん…」 「……まだ…痛い?」 「………」 少し迷って、夏美は小さくうなづいた。 軽い失望感が暁の胸中に沸く。 当然といえば当然だ。初めて性に触れた少女が、いきなり快感を感じるわけがない。 「…ごめん。すぐ、すむから…」 「あ、ちがうの…っ!あきらくん、あの、…ちがうのっ…あ!」 再び自分の体内を蹂躙する暁の動きに、夏美の言葉が途切れた。 「あっ、んあ!ああっ、あっ、あああっ!」 暁の腕の筋肉が張り、動きがさらに早まっていく。 互いの性器から聞こえるちゅぷちゅぷと粘膜のはじける音。 暁の腹まで濡らすその雫は、ただ「摩擦から守るため」に少女の身体が反応しただけではない。 だが彼には、それが分からなかった。 少年のそれが夏美の膣の内側をこする。なんども、何度も。 ―――乱暴なほど。 もっと、奥に入れと。 「あっ、あきらくっ、あ、ああっ、んあ!あ!」 暁が強く突き上げるたび、夏美は艶を含んだ悲鳴を上げた。 少年の耳元に甘い息がかかる。危険な声だ。それだけでイキそうになる。 暁は夏美の唇にむしゃぶりついた。これ以上声を出させないように。 「んんっ!んっ!んうっ…ふっ…」 苦しげにくぐもった声を漏らすが、夏美は暁にしがみついてきた。 長い髪がほつれ、汗に濡れた体にからみつく。 根元まで入っていることを伝える、互いの体温。 重なり合った裸の胸が、心臓の鼓動を伝え合う。 「夏美っ…くっ…なつ…みっ…」 切羽詰まった少年の声に、夏美はたまらない切なさを感じた。 腰の動きと、自分の身体を乱暴に揺さぶる力は増すばかりだ。 でも腹は立たない。嫌じゃない。…痛くもない。 気持ちいい。 気持ち、いい。 「あっ、あきらくんっ、あ、あ、ふあ、あっ、あ、あああーっ!」 「夏美、夏美!なつみっ…」 夏美の中を暁が侵食していく。唇と、体と、性器と。 全身が互いの体液と粘膜のぬかるみで濡れていた。 吐く息すら、どちらのものなのか分からない。 「あきらくんっ、好きっ、すきっ…あきらくっ、あっ、あ、あ…あ!」 「っ…夏美っ…、好きだ…くっ…あ…」 ぎゅっと、夏美の膣がひと際きつくなる。 もう限界だった。耐えるのはやめだ。自分の感情を抑えるのも。 「っ!あ!あ!」 暁が夏美を抱え込むように抱きしめたかと思うと、さらに腰の動きを速めて打ちつける。 「いっ、あ、あ、ひあ、あっ、ああっ!」 逃げたくとも逃げられない。暁のされるがままだ。 暁を受け入れるためだけの存在であるかのように、いまや夏美の女の穴は従順だった。 濡れて、しめつけて、暁をひたすら高みへと導いていく。 「夏美、…夏美っ…夏美…っ」 「あああっ!あっ、あっ、は…あああっ、あっ、あっ、あっ!あきらくっ…好き、好きぃ…!」 「俺も、夏美っ…。くあ、あ、っあ…」 「あ――っ、あ、ふあ、あ…あ、あ、あああっ…!」 暁の動きに蹂躙され、夏美が力なく喘ぐ。 脳が焼き切れてしまうような絶頂が続く。もう何も考えられなかった。 「あきらくっ…気持ちいい…っ、気持ちいいのっ…あ、あ、あ、やぁんっ…!」 さらに強く。強く。つよく―――。 暁がぐっと、夏美の中に入った。その瞬間。 「っあっ………!!!」 夏美の中に、熱い何かが広がった。 火傷しそうになるほど熱いかたまり。暁の精液。 それが腹の内側に―――子宮に、たたきつけられる。 「あ、ああっ…あ…」 体内からにじむ熱に少女はあえぐ。自分とは違う熱。暁が自分の中で脈打っている。 痛いほど強い力で、少年が夏美を抱きしめてた。 固く盛り上がった肩が、こわばった身体がびくびくと震えている。 「はっ…は…はあっ」 暁が夏美にしがみつく。痛みが走る。だが、心地良い。 彼から与えられる痛みはすべて、気持ちいい。 「………あきら…くん…」 愛しい少年の体温を感じながら、夏美は自分の意識が遠のくのを感じていた。 <9> …ひぐらしがないてる……。 夏美はぼんやりと目を覚ました。 けだるさが全身に重くのしかかる。 夕暮れに赤く染まった見慣れぬ天井が見えた。 窓の外でひぐらしが切なげにないている。どれくらい眠っていたんだろうか…。 寝返りをうとうとすると、下腹部に痛みが走った。 「動かないで」 頭の上から、どこか上の空の声が聞こる。…暁の声だ。 その声で夏美の意識は完全に覚醒した。 「あ、暁くんっ…!」 「もう少しだから……動かないで」 夏美の横に座り、上半身だけ裸のままの少年が、一心にスケッチブックに向かっていた。 その手元には数本の鉛筆と、ねり消しゴム。 夏美は暁に言われるまま、おとなしく横たわる。 見られたくないあれやこれやを、暁の視線から隠したいという要求に駆られる。 すでに十分すぎるほど暁に何もかもを見られてしまったあとではあるが―――。 「………」 思い出し、改めてすごいことをしてしまったのだと痛感した。 その相手をちらりと見る。 手元と、夏美とを行き来する暁の視線。絵描きの表情だ。 先程までの、余裕のない獣の顔ではない。 いつもの暁の顔。 そして一つの作品作りに集中した彼はいつも以上に言葉少なになる。 「あの、暁くん…?」 「ん?」 「わ、わたし、描いてるの…?」 「きれいだから」 「!………」 それでいていつもよりも簡潔で、直球な物言い。 「…………ど、どうも…ありがとう」 「ん」 初めて暁に美しいと褒められた。彼は無意識のまま口にしたのだろうが。 しばらくペンを走らせる音だけが部屋に響く。 そしてようやく暁は顔を上げ、ふうっと息を吐いた。 「…………出来た」 夏美を見て、口の端だけあげて笑う。―――目があった。 「…………っ」 「…………あ」 少女が見ている前で、暁の顔がみるみる赤面していく。 …それはみごとに。 暁は足もとに渦巻いていたシーツをたくし上げると、ぐいと夏美に突きつけた。 顔ごと視線をそむけて。 夏美はありがたくシーツ受け取り、胸元まで隠す。 「…これ、持って帰って洗濯しなくちゃ…」 「え?」 「だって、千紗登ちゃんのシーツなのに、汚しちゃったし…」 はあっとため息をつく。 「ど、どんな顔して合えばいいのかな、千紗登ちゃんたちに…」 そこまで聞いて、ようやく暁は彼女が何を心配しているのか気がついた。 そうだ、ここは―――この部屋の主は、千紗登だ。 自分たちは他人の部屋で、ことをいたしてしまったのだ。 「…っ…た、焚きつけてきたのは、あいつだ」 「…ごめんなさい…」 「夏美があやまることじゃない」 「…そうかなぁ……」 「そうだ」 夏美にはそう答えながら、暁はぐるぐると頭をフル回転させていた。 そうだ。見られてしまったのだ。千紗登に―――一番弱みを見せてはいけない相手に。 途中で彼女は退室したようだが、その後の流れは大方予想されているに違いない。 今後、どういう風にからかわれることか…。 「…暁くん、動揺してる…」 「そんなことはない!」 …そんなことは、大いにあるのだろう。声がうわずっている。 暁が幼馴染である千紗登を苦手としているのは、夏美もよく知っている。 だから夏美は、精一杯暁を励まそうとした。 「だ、大丈夫だよ。千紗登ちゃん、やさしいもん。シーツを洗濯して、部屋も掃除して… あ、わたしクッキー焼いてくるね!千紗登ちゃんにお詫びのしるしに」 「……………」 そういうことではないのだが、暁は黙っておくことにした。 夏美の中の千紗登像を修正するのは、まだしばらく先でもいい。 とりあえず、今は――― 暁は夏美のほどけた髪を撫でた。ひんやりとした感触が心地よい。 「…時間、まだ平気か?」 「え?うん。今日は千紗登ちゃんの家に泊まることになって……て………」 答える夏美の語尾が小さくなっていく。 暁と自分の言葉が意味することを、察したのだ。 「あ。あの、暁くん」 「……いや?」 少年の言葉に、ぶるぶると首を横に振る。 暁は口の端を上げて笑った。スケッチブックを閉じて、夏美の上に覆いかぶさる。 「…今度は最初から、全部俺がやる」 「………………あ、暁く…ん…」 言質をとった少年に躊躇はなかった。 先程よりは幾分か余裕のあるゆったりとしたしぐさで、夏美を抱きしめる。 暁と何度目かの口づけを交わしながら、少女はふと気がついた。 暁との会話が途切れても、息苦しくないことに。 後日―――。 再び千紗登の家に呼ばれた暁と夏美。 部屋に入るなり、暁は思い切り横っ面を張り飛ばされた。 張り倒したのは千紗登その人。 曰く、処女に何度も中出ししたから、とのこと。 「夏美の生理が近かったからよかったものを!このたわけ!!」 「……あ、ああ……」 「千紗登ちゃん、もういいから!お願いだからそんな大きな声出さないで!」 「とにかくあんたたちはもっとお互いのこと話し合うべきだ!夏美っ、基礎体温測ってる?安全日知ってる?」 「え?…え?ええっ?」 「性感帯はっ?下着はどんなのが好き?オナニーはひと月にどれくらいしてっ……」 珠子の拳が千紗登の脳天を直撃し、彼女は豪快に机に突っ伏す。 「千紗登の言うことはアレだけど、まあ、間違ってはないわよね」 そういうと、暁と夏美の前に一冊の本を広げた。 署名は―――『女体の神秘と性の不思議』 「ちょっとお勉強しましょうね、ふたりとも」 優しいお姉さんの笑顔が、恐怖にすくむ二人に向けられた。 一番の常識人である一方、怒らせたらめっぽう怖い、珠子姉さん。 それから数時間、暁と夏美は珠子先生から性教育をみっちり仕込まれたのだった。