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ゆっくりホームステイしていってね!! 2の続きです。 ドスまりさ、賢いゆっくりが出てきます。 ドスまりさは第二回ホームステイに参加するゆっくりを選出するのと並行し、人間から教わった農業を実践に移すために群れの成層圏内の一部を 「とくべつのうこうくかく」と、「がくしゅうのうこうくかく」に分け、許可なき群れのゆっくりの立ち入りを禁止した。 特別農耕区画は実際に人間から貰ったほうれんそうというお野菜を育て、群れみんながゆっくりできるように皆の食料に充てる。育てるのは第一回のホームステイに参加したゆっくりとその家族たちだ。 学習農耕区画は群れのゆっくり、特に子供を相手に農耕について学ばせる区画だ、主に野菜がどうやって生えてくるのか、人間はなぜ野菜を独り占めしている(ように見える)のか、 そのような子ゆっくり達の疑問に本物の野菜と触れ合いさせながらありすやぱちゅりーが子供たちを教育する。 今までドスは冬に食糧不足になったとしても人間の里に食糧をもらいに行ったことはなかった。確かに群れの仲間は大事だが、人間に食糧を面でもらいに行った結果、 怒りを買ってしまえば越冬どころの騒ぎではなくなる。こちらから対価として渡せるものがない以上、安易に人間に物をねだるのは避けたかった。 そのことでドスはずいぶん非難されたこともある、ドスは心の中で群れのゆっくり達に謝りながら、人里に行き畑を襲ったゆっくり達をリンチにする命令を自警団に下していた。 だが、今では群れのゆっくり達でお野菜を作ることができる。そうなれば冬の食料事情が十分とは言えなくてもいくらか好転するはずだ。 そしてそうなれば人間の畑を襲うゆっくりもいなくなるはずだ…そしてその時こそ、自分が真にゆっくりできる時なんだろうとドスは思っていた。 ついにドスが本性を現し始めたな… あの正義感が悪い方向に行ったまりさはドスのお話を聞いて真っ先に思った。 ドスはナントカのうこうくかくなどというよくわからないものを作り、そこで人間から貰ってきたという野菜を育て始めた。 野菜は人間が頑張って育てたもの、だからゆっくりが勝手に手を出してはいけないと、ドスや側近から何度も聞かされていたが、そんなことはなから信じていなかった。 他のゆっくりなら少しは疑問に思っただろう、だがこのまりさは自分の正義を貫くことしか頭にない、つまりは盲目的すぎた。 ドスはああやって他の群れの仲間たちに嘘を教えている、そしてドスは人間同様に野菜を独り占めする方法を学び、自分に従わないゆっくりを差別し、排除するつもりなのだ… そうなってしまえばこの群れはゆっくりできないことになる、その前に何とか行動を起こさなければ… 群れでは二回目のホームステイに参加するゆっくり達が出発した。彼らは第一回ホームステイに参加したゆっくりから話を聞き、強い関心を抱いた好奇心の強いゆっくり達だった。 そして群れでは第一回ホームステイに参加したぱちゅりーとありすが子供たちに農耕を教え、他のゆっくりがせっせと雑草を食べ、近くの川から水を持ってきている。 「まりさ、あなたもこっちにきなさい、むれのなかまであるいじょうあなたものうこうをしるひつようがあるわ!」 教育係のありすが逃げようとした正義感の強いまりさを呼びとめた。 「い、いやだよ!!そんなゆっくりしてないじゅぎょうなんてうけたくないよ!!」 「むきゅ、まちなさい、ゆっくりがゆっくりできるようにべんきょうをすることはいいことなのよ」 「そうよ!!ちゃんとじゅぎょうをうけないとゆっくりできないわ!!それこそいなかものよ!」 「いやだよ!!どすのせんのうじゅぎょうなんてゆっくりできな…」 「なにいなかてきなわけのわからないこといってるの?いいからきなさい!!」 いくらなんでも二匹の成体ゆっくりに敵うわけがなく、まりさは他の子ゆっくり達の列に座らされてしまう。 「むきゅ、じゃあじゅぎょうをはじめるわ、まずみんなこのたねをいっこづつとっていってね」 「ぱちゅりー、これたべもの?」 「こんなにちいさいとゆっちゅりできにゃいよ!?」 「これはたべたらだめよ?みんないっこずつとったわね?じゃあいまからありすのいうことをゆっくりきいてしっかりりかいしてね!!」 ありすのいうことなんか誰が聞くものか。そんなまりさの耳にちょっと離れた所から争う声が聞こえた。 「な…でまりさたちは………はいっ…らいけないん…ぜ?あい……はあそこでく……たべてゆ……りして…ん…ぜ!!……さも…おくま……はんをた……いくよりあそこ……さをた…てゆっくりしたい………!!」 遠くてよく聞こえなかった、だが今のまりさにとても大事なことを言っているような気がする、まりさはアリスとぱちゅリーを完全に無視して向こうの特別農業区画の方に耳を傾けた。 人間…いや、ゆっくりというのは不思議なものだ、遠くて聞こえないような声でも注意すればはっきりと聞こえる。これならあのありすとぱちゅりーに洗脳される心配もない。 「どすのめいれいだちーんぽ!!いまあのゆっくりたちはざっそうというゆっくりできないくさをたべてるんだちーんぽ!!」 「だったらまりさもてつだうんだぜ!!はやくなかにいれるんだぜ!!」 「それはできないちんぽ、ほーむすていにさんかしたゆっくりいがいにはまだおやさいとざっそうのくべつがつかないかのうせいがあるちんぽ、まちがっておやさいをたべたらあぶないちんぽ」 もうすでにドスの野望は始まっている、草があるところをわざと立ち入り禁止にして、ホームステイに参加したドスの側近をそこでゆっくりさせる。 それに異を唱えたゆっくり、ドスの命令より目の前のゆっくりを優先するようなゆっくりはゆっくりできないと言いがかりをつけ、迫害する気なんだ!! 「みんな、ぱちゅりーのいうことがゆっくりりかいできたかしら?」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 「むきゅ、みんなおりこうさんね、じゃあ、みんな自分のところにたねさんをいれてやさしくつちをかけてあげてね、それからあそこにあるおけからみずをもってきてゆっくりかけてね、むきゅ」 いけない、周りのみんなが動き出した、このままじゃ自分も迫害の対象になってしまう、なんとか周りに合わせないと…とりあえず、目の前にあった小さい粒は飲み込んだ。 あとは周りのゆっくりと同じことをすれば何とかやり過ごせるだろう。 数日たって、群れの子供たちは自分のホウレンソウも芽が出たとか、出ていないとかではしゃぎ、出ているゆっくりは他のゆっくりとどちらのホウレンソウが ゆっくりしているかを熱く語り合っていた。 やはり人間が野菜を育てたなんて嘘だったんだ。まりさはそう確信した…と言うより、根拠のない自信に無理やり根拠をつけた。 ドスは人間から得た知恵で事前に野菜が生えてくる場所を知り、そこを立ち入り禁止にしたんだ。自分も他のゆっくりもみんなおんなじことをしたのに、 生えてこなかったゆっくりが何匹もいるのがその証拠じゃないか、もしあんなことをやって野菜が生えてくるならゆっくり全員分の野菜が生えてこないといけないはずなのに!! 実際のところ、ほうれん草はいったん生えたら収穫までは短いが、種がちゃんと発芽する確率はあまり高くないという、それを考えればこの子ゆっくり農園は成功と言って もよかったし、 ドスやぱちゅりー、ありすもそのことは子ゆっくり達に伝えていたが、結局そんなこと聞いてなかったこのまりさを悪い意味で増長させることになった。 このままではいけない、悪いゆっくりがゆっくりすることだけは避けなければいけない、そう考えたまりさは先日、みょんに追い返されてたまりさを訪ねた。 そのころ人里ではホームステイ中のゆっくりにちょっとした問題が起きていた。 「おじさん!!そんなむずかしいはなしはいいからはやくごはんをちょうだいね!!」 「いや、それはうりものでおまえたちのごはんというわけじゃ…」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 ホームステイに参加しているゆっくり達のモラルの低下である。 一回目のホームステイはドスの側近、二回目は畑を作り、皆でゆっくりすることを夢見た勉強熱心なゆっくりだった。 しかし三回、四回と続き、参加するゆっくりの選定がドスの選択からゆっくり達の立候補になった頃、ホームステイに参加していなかったゆっくりは 群れに少数いたゲスか、ドスの話をまともに聞かない周りに流されるだけのゆっくり達だった。 彼らがホームステイに参加したゆっくりから聞いたことの中で記憶にとどめていたのは「にんげんのごちそうはおいしかった」だけだった、 その文の前後に「れいむががんばったごほうびにつくってくれた」とか「さいごのひにおいわいにたべさせてくれた」とかいう文はゆっくり特有の 「都合の悪いことは聞かなかったことにしてしまう癖」でしっかり頭に入っていなかった。 そんな連中が人間の家に招かれたらどうなるか、お家宣言と、ご飯を持ってきてねのダブルコンボである。 人間から苦情が増え、ドスや側近たちが頭を下げながらうるさいゆっくり達を群れに引きずって行った。彼らはホームステイの趣旨を全く理解してくれなかったのだ。 今までドスと自警団の抑止力による治安維持によって好き勝手ができなかったゲスにとって、ホームステイは彼らの目から逃れ、存分に暴れる格好の機会だった。 あまり周りの話を聞かないでとりあえず周りに流されているだけだった普通のゆっくりにとって、ホームステイはただのお引っ越しだった。彼らは自分の子供以上に畑について理解していなかった。 ゆっくりの体当たりでつぼが割られた家が現れ、7回目のホームステイが全員中止になったとき、里ではゆっくり達の立ち退きが決まった。 どうしてこんなことになったのだろう、と長は思った。 最初はドスの群れが来た時、厄介事が増えたとしか思わなかった、しかしドスと条約について話し合ってるうちにこのドスとはうまくやれそうな気がしていた。 ドスがホームステイをやりたいと言い出した時、最初は面食らったがゆっくりが自分でゆっくりできる努力をしようとしていることを知った時、少しだが、心を動かされた。 つい数週間前まで、このドスとは良き隣人であったと思っていた。努力はするけど努力の仕方がわからない、そんな隣人に努力の仕方を教える。 この長の心は先進国が隣国の発展途上国に支援してるような、そんな感じだったのかもしれない。 昨夜の里の会合では村人たちの殆どがゆっくりのモラル崩壊を嘆いていた。「最初のころはあんなにいい子たちだったのに」、と農家をやっていた老夫婦は嘆いていた。 「だから俺の言ったとうりだったじゃないか!!」と、青年はホームステイを実行した長を責めた。 「ドスが群れの中の問題児を見抜けなかったんだろうな」と分析していたゆっくり好きの青年もここまで被害が出ればやむを得ない、と書類にサインをした。 「すまないが、ゆっくりの群れまで行ってドスを呼んできてもらえないか?」 長は使用人に言った、おそらくこれがドスとの今生の別れになるだろう。 使用人がドスのところに来た時、ドスはこれで人里に行くのは最後になるなと直感した。 人間に物を教えてもらいに行ったのに、最近は人間に迷惑をかけてばかりだった、人間が起こらない理由はないだろう。 それでもドスは人間に感謝していた、普通の人間なら何の警告もなしに自分たちを皆殺しにするはずだ、それがこうやって使者を送ってきたということは最期まで約束を守ってくれるということだ。 「ゆっくりりかいしたよ…」 長から話を聞いたドスは何も反論せずに言った。 「でも、おささんにおねがいがあるよ、ひっこしはいっしゅうかんあればできるけど、むれのおやさいのしゅうかくがまだのこってるの、なんとかたべれるぐらいにそだつまで、じかんがほしいよ!!」 ドスが言うにはまだ群れには収穫前の野菜があり、それがちゃんと収穫できるようになるまで一週間かかるらしい、立ち退きの準備や収穫などで9日ぐらいかかるという。 「私が作ったルールを私が破るわけにはいかないから、一週間後に約束は効力を失わせるよ、でも、君たちが立ち退いてくれる姿勢を見せてくれている以上、 里の誰も君たちに危害を加えようとはしないはずだ。私からもむやみに群れに手は出さないように言っておくよ。」 「ありがとう、おささん、ありがとう…」 そういったドスまりさは里に向かって数歩はねた後、長の方を向いて言った 「いままでありがとう!!めいわくをかけてごめんなさい!!にんげんさんみんながずっとゆっくりできるといいね!!!」 最後にこういい残したドスはすぐに群れのある山に向かって駆け出して行った。 「君たちも、ゆっくりな…」 長はしばらくの間、ドスの背中を見送っていた。 「みんな、ひっこしのじゅんびだよ!!ゆっくりじゅんびしてね!!」 ドスは群れに帰ってすぐ仲間のゆっくり達に自分たちが立ち退かなければならないことを伝えた。群れのゆっくり達の反応は様々だった。 予想はしていたのか、残念そうな顔をしながら巣に向かう側近や勉強熱心なゆっくりたち、何が何だかわからないがとりあえず引っ越しだということで家族を集めるゆっくり達、 そして、にやりと笑いながら群れから消えた一部のゆっくり、こいつらにはだれも気づかなかった。 一週間たって、ドス達は引っ越しの準備を終えた。引っ越しの間の食料には少し不安があったが、ホームステイでお世話になった里の人間が何回かお菓子を差し入れてくれた。 野菜も収穫にはまだ早かったが、種は回収できたためすぐに引っこ抜いてドスやまりさ種の帽子に入れた。引っ越しに時間をかけすぎて長に迷惑はかけられない。 「それじゃあみんな、ゆっくりならんでね!!いまからどすがみんないるかどうかかくにんするよ!!」 ゆっくりを種類毎に並ばせて数を確認していくドス、あれ、おかしいな、何匹か足りない… 何匹かで探しに行かせようか?そう思った時、木の蔭からいなくなっていたゆっくり達が出てきた、あのまりさや、群れの問題児たちだった。よかった、すこしびっくりしちゃったよ… しかし、そのゆっくり達、その先頭にいたあのまりさが言った言葉にドスはもっとびっくりすることになった。 「みんな!!ゆっくりできないあくのどすをたおすよ!!いまこそせいぎをつらぬくときだよ!!」 反乱?こんな引っ越しで忙しくなるというのに!!よく見るとまりさの後ろにはかなりの数のゆっくりが居る、きっと群れとは関係ないゆっくりも仲間に引き込んだんだ。 「ゆゆ!?ちょっとまってね!!ゆっくりしてね!!どすがきらいだというならりゆうをきかせてね!!」 「りゆう!?そんなのどすがわるいゆっくりだからにきまっているよ!!みんな、いまからまりさのはなしをきいてね!!」 なにがおこってるの?なんかあそこでまりさがしゃべってるよ!! ドスや側近たちはあくまで冷静だった。今までゆっくりの反乱がなかったわけではない、それもほとんどはドスの筋の通った話を聞き、納得した上で反乱の鎮静化に成功している。 今回だって、きっと話せば分かってもらえる、そう思い、まずはまりさの話を聞くことにした。 「みんなよくきいてね!!どすはゆっくりをいじめるにんげんとなかよくしているわるいゆっくりなんだよ!!」 「ちがうよ!!どすはつよいにんげんさんとなかよくすることでゆっくりをゆっくりさせてくれようとしたんだよ!!」 一匹のれいむに論破された。 「どすはにんげんのようにおやさいのできるばしょをあらかじめたちいりきんしにしてゆっくりたちのちゅうせいしんをためそうとしたんだよ!!」 「ちがうんだぜ、それはどすがおやさいのたねをうえるばしょをじぜんにかくほしてただけなんだぜ」 一匹のまりさに論破された。 「にんげんがやさいをそだててるなんてうそだよ!!まりさはぱちゅりーやありすとおなじことをしたのにやさいなんてはえてこなかったよ!!」 「ちにゃうよ!!ほうれんそーさんはちゃんちょちゃねをうぇてもはえてこにゃいこともありゅってありしゅいってちゃもん!!」 子供にまで反論された。 「そうなんだね、みんな…」 まりさが俯いた。やっと理解してくれたんだと、群れのゆっくりは安堵 「みんなどすにせんのーされたんだね!!かんぜんにせんのーされたゆっくりはゆっくりしんでね!!」 しなかった。 このまりさにとってはドスが悪であること、お野菜は勝手に生えてくるということはすでに決定事項だった、悲しいまでに強い信念といってもいい。 そんな奴と話し合いで解決なんてできるわけがないのだ。 群れの問題児、ゲスにとってはドスの言うことは理解はできてもそんなのどうでもよかった、むしろ自分で野菜を育てるなんてゆっくりしてない、 人間が育ててるんならそっから奪えばいいと思って言えるような連中だ。 群の外や、隣の山から参加したゆっくり達にとってはドスの話は全然意味不明だった。ただ、あのまりさが悪いドスをやっつけるから協力してほしいと聞いて参加しただけだ。 そもそもいきなり野菜の種がどうこう言って理解しろという方が酷だというものっだろう。 もう駄目だ、 話し合いで解決はできない。 そう判断したドスの行動は早かった。 「みんな、いそいでにげるよ!!」 けがや病気、ぱちゅりーなど素早く動けないものは帽子に入れた。 周りのゆっくりもドスに合わせて子供を口の中に入れる。 そしてドスと群れのゆっくりは一目散にその場から逃げだしてしまった。 もともとこの土地は捨てる予定だったのだ、むやみに戦って無駄な餡子を流す必要はない、ずっとこの場所に執着していたドスだったが、一度見切りをつけると行動は早かった。 「ゆっ!!あくのどすがにげるよ!!みんなついげきだよ!!」 「まつのよまりさ、まずはてにいれたこのゆっくりぷれいすをちゃんとせいりして、ゆっくりできるようにするのよ!そのあととかいはらしくすっきりするのよ!!」 「せんりょうせいさくだねー、わかるよー!!」 遂にまりさは悪のドスからゆっくりプレイスを取り戻すことに成功した。 まりさは群れの仲間とともにこれからのことを話し合う。 人間との条約?ゆっくりを虐める悪の人間と約束することなんてない。 人間のものを奪ってはいけない?人間の畑にあるものは人間が独り占めしたものだ、それを奪うことは正義が悪にはむかうこと、むしろ推奨されるべきことだ。 すっきり制限?するわけがない、子供がいるとゆっくりできる、ゆっくりは正義だ、すっきりも大いに推奨されるべきことだ。 「ふう、この日をどんなに待ちわびたことか…長は条約が無効になっても群れのゆっくりには手を出すなとは言ってたが…条約が無効になった以上、俺がゆっくりを何匹虐めても おれが罪に問われることはないもんな。」 まりさはとてもゆっくりしていた、逃がしてしまったとはいえ、念願だった悪のドスを追い出すことができたのだ。 これからは自分がこの群れを、正義の群れとして、ゆっくりできる群れにしていこう。 「おぉ、長の言う通りだな、まだ引っ越していないゆっくりが居やがる…だがもう条約なんて関係ねぇ!饅頭を潰すことにもう誰にも文句は言わせねえ!!ひゃあ!!虐待、虐殺、虐待だぁ!!」 まりさの理想が崩壊するまで、もう数十秒もなかった。 完 10月26日 1910 セイン このSSに感想を付ける
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※ドスまりさ警報 責任のある者とない者 ドスまりさとその取り巻きのゆっくり達 力のある者とない者 水橋パルスィは楽しそうに暮らすこの連中が腹立たしくて仕方なかった。 ドスまりさが群の平和を守る事に努力を惜しまないように、パルスィもまた群の平和を壊す事に努力を惜しまなかった。 全員に何かする必要なんて無い。とある者の理性の箍を外してやれば良い。理性を失わせるには嫉妬がちょうどいい。 「なんで、ドスまりさのいうこときけないの!!」 珍しくドスまりさは怒っていた。 赤ちゃんゆっくりまりさがまた勝手にご飯を食べてしまったのだ。 「だって、おかなちゅいたんだもん。ゆっきゅりたべていいでしょ?」 「ダメだよ!これからふゆごもりなんだからえさはどれだけあってもたりないんだよ!!」 越冬、ドスまりさの管理する群では効率的に餌を集め、集団で冬眠する事から、その成功率は高い。 しかし、油断はできない。餌不足は争いを生む。それは群の存続を不可能にさせる。 ドスまりさは夏の終わりごろから口酸っぱく、皆に食糧の備蓄を呼びかけてきた。 それなのにこの赤ちゃんゆっくりまりさは無責任にも自分の事しか考えない行動に出たのだ。 ドスまりさにはそれが許せなかった。そんな行動をできる事が許せなかった。 自分がどれだけ苦労して食糧の備蓄をしているか、それなのにこの赤ちゃんまりさは。 自分はドスで群の長で責任があってちゃんとしなければいけなくて、 この無責任で自分勝手な赤ちゃんまりさが羨ましい。 その日を境に群はおかしくなっていった。 ドスまりさは次第にわがままになり、備蓄していた食糧もどんどんと食べてしまった。 心配したゆっくりたちが声をかけるが、それに怒鳴り散らす始末。 「ドスまりさのかってにさせてね!!」 取り巻きのゆっくりたちはかつての責任感があって、皆に優しいドスまりさを懐かしんでいた。 今はと言うとまるで何も知らない赤子のようだ。 このままでは越冬どころか、冬までに群が全滅してしまう。 まず群に起こった変化はまだドスまりさにリボンや帽子を預けていないゆっくり達の逃亡だった。 群の中では新参者でさっさと群を捨ててしまった。 ドスまりさにリボンなどを預けてしまっているものはこうはいかない。 普通なら理由を説明しリボンを返してもらうか、ドスまりさに改善してもらう場所を指摘し改善してもらうかの二択なのだが、 このドスまりさはそのどちらも拒否した。最初、その態度に怒り帽子の返却を強く申し出たゆっくりちぇんがいたが、 あっさりドスまりさに潰されてしまった。 冬を目の前にし、本来ならもう冬の準備をはじめていなければいけない。 それなのにこの群では明日の蓄えすらもう残っていなかった。 何匹かのゆっくりはリボンを預けていたとしても逃亡した。一生、後ろ指を差されることになるが死ぬよりはマシだ。 残ったゆっくり達は結託してドスまりさを排除しようとしたが、力の差は歴然。 クスクスと笑い転げるパルスィ。 ああ、あの責任感溢れた子がここまで堕ちるものなのかと自分の力を褒める。 ドスまりさは一人ぼっちになった。 惨めな一人ぼっち。周りには仲間だったゆっくりたちの死骸が転がっている。 苦楽を共にした仲間はもういない。 そこへゆっくりれいむの家族がやってくる。 みんな、仲が良さそうな家族だ。 パルスィはまた力を行使する。 この仲が良さそうななゆっくりれいむの一家が羨ましい。 こうして、ドスまりさは冬に飢えて死ぬまで何かに嫉妬し続けた。 by118 このSSに感想を付ける
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好きなSS投票 好きなSS投票できます。何を読めばいいのか分からない人はここを見てみると良いかもしれません。 シリーズものの場合、タイトルは一つに統一されています。 五十音順です。 下に検索フォームついてます。興味を持ったらタイトル入れて作品にGO! 選択肢 投票 『俺』×あやの (9) 『か』と『み』の間 (5) An affair ~何かが違う日~ (0) Babysit (2) CROSSING (1) Follow me Follow you (1) HOME (3) MEGANE (4) Industious Otaku (3) K・O・N・A・T・A (5) Princesses (4) RAvish Romance inみゆき視点 (4) Sweet Trap (2) MINORU HAZARD 4 (0) 1レスSS・こなた自慰 (6) あきら&白石 (13) あきら様絶不調 (0) あきらの虚勢、白石の心情 (4) あの日出逢った星空に (41) あふ☆いや ~らき☆すたAfter Years シリーズ (19) 雨が降っている (1) 歩み (2) アンジャベル (1) いっしょにあるこう (2) いのり&まつり (3) うさかが (2) えすこな (5) おーさまげぇむ (1) おかあさん (5) お泊りかがこな (5) おひさ! (2) お勉強 (1) かがこな (5) かがみ×こなた流~エロスのみ~ (5) かがみのクリスマス (6) 楽屋にて (0) 玩具 (0) 看病フラグ (0) キスまでの距離 (2) きみにとどけ (7) 逆転☆裁判 (16) きゃんでぃ・がーる (4) 究極の選択Ⅱ 哀・戦士編 (9) 崩れ落ちる日々 (5) 月下美人 (1) 牽引 (0) 喧嘩をやめて (5) 賢者の贈り物 (1) こなかが+つかゆきつか (10) こなた×つかさローターもの (4) こなたと不良 (1) こなたの手紙 (3) こなたのメール (2) こなたよりかなたまで (16) こなたルート シリーズ (37) 粉雪 (9) 視線の先にはみゆきさん (2) シスター・プリンス (1) シューティングスター (1) ショックのでかい話 (3) 白石のお見舞い (0) ズームイン!! (1) 全ては遠い理想 (0) スピード (3) すれ違う想い~繋がる想い (1) 聖夜の約束 (0) そしてふたりは、ここでであった。 (6) そばにいるよ (4) 太陽の下、星空の下 (14) 体温 (11) たまには日記じゃない形式で (1) 小さなてのひら (4) ツン切れあきら (0) てけてけかなたさん シリーズ (15) デリヘル「Lucky☆Star」 (1) 糖分100% (2) 年の差FRIEND (2) なかよしプリンセス (2) ねこなた (2) 猫耳こなた (4) 背徳のイマジネーション (2) 白銀の夢から覚める頃 (1) パラダイス・カフェ (6) 反逆のかがみ (16) ハンドメイド (1) ひなた×ひかげ (1) 微熱SOS (1) ファンからのプレゼント (0) 二人の一周年記念 (2) 二人のキオク (1) 二人の足跡-アキハバラ1988- (26) ふたりのレッスン、ひるとよる (5) プリンセス・ブレイブ! (10) 他のお客様のご迷惑と (2) ホットカルピス (0) ホントのお気に入り、ホントの気持ち (8) ほんとのきもち (8) ほんとのこころ (5) みゆき×こうルート (2) もう、そうくんってば! (0) らき☆すたクエスト (2) らき☆すたどうでしょう (1) ラジオ収録にて (3) ラフメイカー (0) 私だけの。 (1) 私だけの”せんせー” (5) わたしの幼馴染 (3) ■検索フォームについて 入力した単語を含むページの検索を行えます。 タイトルや文中の表現などを入力することにより、特定の作品を絞り出すことが可能です。 例 こなたにネコミミが生える話ってどれだっけ→検索「こなた ネコミミ」→ウマー 検索から表示したページだと指定単語がハイライトされた状態になっていますので、 最上段の文中リンクから正規のページに移るとハイライトが消え、読みやすくなります。 リンクが間違っていて繋がらず、読めない時も利用すると良いと思われます。 検索 検索
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戻る マジキチ きがくるっとる -- (名無しさん) 2011-01-17 21 34 19 なんで梓ばっかり変なのかが気になる -- (名無しさん) 2011-01-17 21 40 06 スレタイミスのせいでwww -- (名無しさん) 2011-01-17 21 41 04 これマジで実話なのかよ? 苦労するなあ・・・ -- (名無しさん) 2011-01-17 21 43 09 志村ー、スレタイスレタイ -- (名無しさん) 2011-01-17 21 45 55 なんだ唯梓かー -- (名無しさん) 2011-01-17 21 56 24 あずにゃんダンス見てえ…… -- (名無しさん) 2011-01-17 21 58 40 移動でよくね? -- (名無しさん) 2011-01-17 22 00 19 みんないつも通りだ・・・・・・・・・・・あはは。 -- (通りすがり) 2011-01-17 22 39 58 これ読めたもんじゃないわ…… 病気の説明がしたいならことあるごとにしっかり説明しろよ、状況が把握できんわ 台本形式じゃ無理があるんだよ。一度病気体験記関連の本をすすめる -- (名無しさん) 2011-01-17 22 47 17 やっぱりキツイですか? 移動の件は一日意見待ちで -- (管理人) 2011-01-17 22 54 38 ぜったいにおかしいだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ -- (名無しさん) 2011-01-17 23 02 58 SSに常識求めちゃ駄目だよ。 -- (名無しさん) 2011-01-17 23 04 13 ??? -- (名無しさん) 2011-01-17 23 36 49 場面転換が急過ぎて終盤の展開が解り難い まあ妄想と現実とを曖昧なものとする意図をもって場面の急激な転換を行っているのだろうが…… しかし、既に言われている通りこれは移動対象ではないでしょうか -- (名無しさん) 2011-01-17 23 40 43 何かなー……ちょっと見てて痛々しい。 要するに雛見沢症候群に唯と澪が掛かった、的な話だよな。 事実を元にした、とか言われても、何故それを、けいおん!で再現したのか……やたらと梓がオカシイ扱いで腹が立った。 文章力もちょっと……最後の方の場面転換が訳分からんかったよ。 -- (ごはんはおかず) 2011-01-17 23 53 26 お大事に……(´;ω;`)ブワッ -- (名無しさん) 2011-01-17 23 57 07 澪の口調が全体的に把握できてない「〜かよ」とか「くそ」とかもうね…にわか過ぎる -- (名無しさん) 2011-01-18 00 03 56 ひぐらし思い出した -- (名無しさん) 2011-01-18 01 55 58 作者さんお大事に…>< 統合失調症の話であることは途中でわかる。場面の切り替わりについての指摘は、作者の意図的なものだろう。統失とは現実の認識が極めて困難になるそういう病気であるからして。 終わりは清々しいものなのに、なんでこんなに叩かれて居るのやら。 -- (名無しさん) 2011-01-18 02 25 05 感情的なレスが多いな、話が話なだけに、どのキャラをどう扱おうが作者の裁量だろうと思うが。 あと統合失調症のことを雛見沢症候群ということばで説明するのは適当ではない。 -- (名無しさん) 2011-01-18 02 33 52 いがぐりをくらうですっ!の辺りはばかにゃん可愛いぐらいにしか思ってなかったけど後半は何だか怖かった 澪がどうなってるのか分からなかったし想像も出来なかったから自分も雛見沢症候群が頭に浮かんだよ 周りにこういった病気に悩まされてる人がいなかったから知らなかったんですけど大変な病気なんですね 作者さんはお大事にして下さい -- (名無しさん) 2011-01-18 06 04 51 な、なんだこれは……こんな結末なのも実体験設定なのも全て俺の妄想なのか…? -- (名無しさん) 2011-01-18 06 19 13 補足読まないと分からなかった。 が、一つだけ言いたい。 律の血管は大丈夫か? -- (名無しさん) 2011-01-18 08 36 54 面白かったよ~。 -- (名無しさん) 2011-01-18 12 19 40 大変だな… -- (名無しさん) 2011-01-18 12 53 23 律は切ないだろうな -- (名無しさん) 2011-01-18 18 53 45 コワイ・・・ -- (八百屋) 2011-01-18 19 23 14 まさか唯も澪も糖質とはな。 二人ともとは思わなかった。 -- (名無しさん) 2011-01-19 01 28 57 実体験を伝えたいんだろうけど、はっきり言って伝わってきません 台本でやることが失敗かと。病気の体験記読んで書き方を学んでから、地文で書き直せば受けるかと -- (名無しさん) 2011-01-20 00 39 55 妙に叩かれてるけど、病気の説明のためのSSじゃないんじゃないの? 何がおきてるか分からない感覚は共有できたし 最後のメッセージもいい 文章も構成もうまいと感じた ひぐらしは知ってても精神病を常識として知らない世代が多いからか? -- (名無しさん) 2011-01-21 14 35 58 全然意味わからないし、病気とかひぐらしのパクりだし ちゃんと本とか読んで書けよ!作者はグズ、 -- (名無しさん) 2011-01-21 15 07 41 今月のMVP -- (名無しさん) 2011-01-22 14 20 35 空想アニメと現実に起きた事を一緒にする時点で無理がある このSSも作者の妄想なんじゃない? -- (名無しさん) 2011-02-19 16 55 50 あずにゃんダンスの件とか、作り物っぽいかな。本物のアウトサイダーならもっと違和感あるだろうし。 ただ、スレタイはイッテる感あるな。意味不明の間違いしてるし、これを実際にあった事例と銘打つセンスが、訳わからん。 -- (名無しさん) 2011-02-23 02 28 03 唯の「絶対に証明できない本当」って言葉がよかった…… -- (名無しさん) 2011-05-29 22 31 47 実に面白かった、「実」だけに -- (渾身のギャグ) 2011-05-30 13 15 54 フツーに狂気を感じられる作品。面白かった。 -- (名無しさん) 2011-06-18 22 08 37 ここのコメントをすべて見ればわかるけど、このSSには仲間を呼ぶ力があるようです。 閲覧注意。 -- (名無し) 2011-09-26 00 12 52 要するに、薬は決められた量を飲め、と言うことだな。 -- (名無しさん) 2011-09-27 07 33 35 なんでこんなたたかれてんの? それなりに面白かったし、ひぐらしのぱくりとか言ってる奴はちゃんと最後まで読めよks -- (名無しさん) 2011-09-29 07 13 00 統合失調症がひぐらしのパクりとか本気で言ってんのかな? 本気だとしたらかなり痛いな -- (名無しさん) 2011-10-22 13 47 00 スレタイで忌避していた作品だったが読んでみると中々どうして面白かった 目が回るような独特の感覚が味わえたな その上ラストシーンは結構さっぱりしていて不快感はあまり残らない -- (名無しさん) 2012-02-26 03 04 58 ふーっ………… わかんない! -- (名無しさん) 2012-03-20 02 26 43 まさかの展開でした。面白い。 -- (名無しさん) 2012-05-03 02 09 30 このSS、地の文で事細かに病気の説明なんかしてたら絶対白けるよな 不安を煽るつくりやだんだん全体像が見えて来る展開だから不思議な魅力があるんだろうに そこを叩いてるのは糖質というよりアスペか? -- ( ) 2012-10-09 01 52 40 いがぐりwwwあずにゃんダンスwww -- (名無しさん) 2012-11-10 21 19 42 マジキチ系と一言で言っても、残虐なだけのものもあれば奇怪すぎるものもあるが、こういうのは興味深い。 -- (名無しさん) 2013-01-24 01 08 12 ビューティフルマインドという映画が統失の病状に詳しい -- (名無しさん) 2013-01-26 05 11 28 初見で状況が分かりにくい等たたかれる要素もあるが、総じて新鮮。 作者氏の経験に基づいてるところが凄い。 -- (名無しさん) 2015-12-25 23 27 58
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「ゆっくりしていってね!!!」 目の前にゆっくりの一家がいた。 ゆっくり。 人語を解するが知能の低い、生きる饅頭。 その餡子は甘く、非常に美味であることから老若男女に人気のある食べ物だ。 しかし、畑を荒らすこともあり農業を営む者からは疎まれている存在である。 また、家に不法進入をしてきたり、その大きな声による騒音被害もあることから人間の里では害獣に指定されている。 「ゆ?ゆっくりしていってね!!!」 俺が何も返事をしないことを不思議がったのか、同じセリフを繰り返すゆっくり達。 大きいゆっくり霊夢が一匹と、小さなゆっくり霊夢が4匹。 大きいものはバスケットボールほど、小さいものはソフトボールくらいであった。 片親のようだ。 「君達は家族かい?お母さんは大きいれいむだけ?」 「ゆ!みんなれいむのあかちゃんだよ!!すごくゆっくりしたいい子達だよ!」 大きな霊夢、親れいむの話では、交尾した後すぐにもう1匹の親のゆっくり魔理沙は出ていったという。 自身と同じゆっくり魔理沙が生まれなかったためらしい。 なんというやり逃げ。 「れいむたちはゆっくりするよ!おにいさんもゆっくりしていってね!!」 俺が何も食べ物を恵んでやらなかったせいだろうか、興味を失った親れいむは野原でゆっくりし始めた。 俺もゆっくり霊夢なぞに興味はない。 ヘタに関わって付きまとわれたくないので家に帰ろう、と思った矢先、いいことを思いついた。 「なあお前ら、俺の家はここよりもっとゆっくりできるぞ。こないか?」 そして今、俺の家にはゆっくり一家がいる。 「ゆゆ!おにいさん早く食べ物を出してね!こどもたちがお腹すいてるよ!」 「ゆー!おにいさんはやくゆっくちさせてね!!」 「ゆっくち!ゆっくち!!」 当然、ゆっくりさせる気など毛頭ない。 俺は子れいむを2匹ずつペアにして、少し離したところに移動させた。 「ゆ?れいむの子供になにをするの?」 取り残された親れいむが不思議そうな顔をする。 もう用済みだから殺してもいいのだが、特に悪さもしていないゆっくりだったので生かしてあげよう。 それが生き地獄だとしても。 「お母さんれいむはどっちかの子供のほうに移動してね」 「どうしてなの?みんな一緒でゆっくりしたいよ!!」 「ご飯の前にはお風呂に入らないと。一度に5匹は大変だから2回に分けようと思ってね。先に入るほうと後に入るほうでわかれてね」 「ゆ!おふろ!れいむさきにはいりたい!!!」 「ずるい!れいむがさきだよ!!」 「おにいさんれいむたちをさきにして!!」 「そんなわけだから、お母さんれいむ、どっちかに移動してね」 そういうと、親れいむは特に不審に思うこともなく比較的近くだった子れいむの班へと移動した。 これが向こうの子れいむ達との今生のお別れだとも知らずに。 「よーし、じゃあお母さんがいなくても大丈夫なこっちのれいむたちからお風呂だよ!」 親れいむがいないことで少し不満がっていたので、おだててあげる。 単純な頭なのですぐにきゃっきゃと喜び始めた。 軽い体を持ち上げて、俺は奥へと歩きだす。 「わあ!おそらをとんでいるみたい!!!」 「すごくたかいよ!!」 もう生涯見ることのない外の世界を楽しんでいるようだった。 「じゃあここで永遠にゆっくりしていってね」 ここはお風呂場ではなく、台所。 そこに置いてあった鉄の箱に2匹の子れいむを投げ入れた。 「ゆ?おふろは?」 「ここはゆっくちできないよ!」 2匹の子れいむを入れてもあと5匹は入れるくらいスペースが余っていたので、あまり緊迫感がないようだ。 透明な箱ではないので、閉めると中の様子が見えないのだが、今回は好都合だ。 俺は子れいむ達の質問を無視して蓋を閉めた。 中から「ゆっくりあけて!」だの「暗くてゆっくりできない」といったことがかすかに聞こえるくらいだ。 鉄製だけあって、蓋を閉めるとあまり声は届かないみたいだ 俺は居間に戻り、残りの3匹達をさっきの2匹とは別のところに持っていく。 「ゆ?お兄さんここは何?」 「ここはお兄さんの家のお庭だよ」 つれてきたのは中庭。 塀で囲まれており、家の中からじゃないと入ることができない庭だ。 夏まっさかりの今日、中庭は背の高くなった雑草が生い茂りジャングルのようになっている。 「じゃあここで死ぬまでゆっくりしていってね」 ぽーん、と中庭に3匹のゆっくりを投げ込む。 「ゆ!?お兄さんお風呂はどうしたの!?こんなところじゃゆっくりできないよ!!」 「いちゃい!!ゆっくちさせて!!」 「ゆぅうう・・」 着地に失敗した子れいむ2匹が涙目になっていた。 「お風呂はないよ。君達はここで永遠にゆっくりするんだよ」 親れいむが俺に体当たりをしてきたので、全力で蹴り返す。 餡子を撒き散らしながら塀にたたきつけられ、そのまま動かなくなった。 「あら、死んじゃった?まあゆっくりしてけよ」 中庭唯一の入り口を閉じ、俺はその場を後にした。 夕方。 晩御飯の支度を終えた俺の足元には、先ほど子れいむ2匹をつめこんだ鉄の箱がある。 いよいよこれの出番がやってくる。 これは一言で言うなら、ゆっくりコンポストだ。 使用方法はとても簡単。 調理を終えた流し台の三角コーナーには、野菜のいらない部分や割れた卵などが入っている。 これを箱の中にいる子れいむ達に食べて処分してもらおうというものだ。 蓋を開けるとノンキに眠っている子れいむ達がいた。 「れいむ、ご飯を用意したよー!」 ご飯、その単語にピクリと反応し、すぐに目を覚ます子れいむ。 「ゆ!おにいさんはやくここからだしてね!ごはんもだしてね!!」 「おかあさんはどこなの!?はやくあわせてね!!」 お怒りのようだ。 しかし俺はこんなコンポスト達の相手をしているほどヒマではない。 子れいむに振り掛けるように生ゴミを入れた。 「それが君達のご飯だよ。これからずっとだよ。ちゃんと処分してね」 生ゴミにびっくりして何も喋らなかったのでそのまま蓋を閉めた。 ゆーとかやーとか騒いでいるが、さすが鉄製の箱だけあって3メートルも離れたら何も聞こえなくなった。 次の日、朝ごはんの用意で出た生ゴミを捨てようと蓋を開けると、昨日のままの生ゴミがそこにあった。 「ゆ!おにいさんれいむたちこんなのたべられないよ!!はやくだしt」 言い終わらないうちに生ゴミを捨て、蓋を閉める。 働かないコンポストの相手なんてしないものだ。 中庭に回ると、入り口の目の前で3匹が眠っていた。 親れいむは顔がぐちゃぐちゃに歪み、皮はずたぼろ、ところどころ餡子が飛び出しているが生きてはいるようだ。 こいつらは放っておけば勝手に働くだろうから、俺は放置して外に遊びに出かけた。 帰宅する頃にはもう夕方になっていた。 急いで夕飯の用意をし、生ゴミを捨てるためにコンポストの蓋を開ける。 すると、そこには子れいむ2匹の姿以外、特に何も無かった。 昨日と今朝の生ゴミは綺麗サッパリ消えていた。 さすがに育ち盛りの子れいむ達は、食欲に勝てなかったのだろう。 それに生ゴミと言っても、調理後すぐのものであったから腐ってはいなかったはずだ。 「よお、結局食べたんだな。おかわりを用意してやったぞ」 また振り返るように生ゴミをぶちまけ、四の五の言う前に蓋を閉めた。 ちらっと見た感じ、2匹はぼろぼろと泣いていた様子だった。 いきなり閉じ込められてゴミを食べさせられるのだから、その心境は分からないでもない。 どこからか、家に体当たりをするような音が一晩中聞こえていたが、俺はぐっすりと眠ることができた。 「おはよう。ゆっくりしているかい」 朝一番に中庭を訪れると、小さいながらもぷくっと膨れて威嚇する2匹の子れいむと、汚らしい皮の親れいむが待っていた。 「ゆ!おにいさんはやくここからだしてね!!れいむおなかすいたよ!!」 「おにいさんはゆっくりできないひとだよ!!ゆっくりしね!!」 「ぼべべびゅびゅっぼぼぼ!!!」 餡子を撒き散らしながら話す親れいむの言葉は理解できなかったが、とりあえず怒っているということだけは分かった。 子れいむを手にとると、若干痩せた感じがした。 「みんなはもう草刈りの道具だよ。早く草を食べてね!ご飯はそれだけだよ!」 こちらの班は、草刈りを目的としている。 草まみれの庭に放てば、食うものがなくなったゆっくり達は草を食べてくれるだろう。 育ち盛りの子れいむ2匹と、大きな親れいむがいれば、すぐに庭は綺麗になるはずだ。 「やだよ!!れいむ、にがいくさはきらいだよ!!」 「れいむもやだよ!はやくおいしいごはんをよういしてね!!!」 「ぶびっ!!!」 餡子が飛ぶ。汚いなあ。 「草を食べたくなかったら食べなくてもいいよ。お腹すいて死んじゃうだろうけどね」 その前に親れいむは出餡子多量で死にそうだが。 その後もゆーゆー文句を垂れる子れいむ達を置き去りにし、俺は扉を閉じた。 それから、3週間が経った。 ゆっくりコンポストはきちんと働いていた。 開始1週間ほどしたときに、子れいむ達がボイコットをしたこともあった。 生ゴミ以外の食べ物をくれ、くれるまで生ゴミの処理はしない、と。 俺は気にせず毎食ごとに生ゴミを投げ入れた。 2日もすると夏の暑さで溜まった生ゴミは腐臭を出し始め、どこに鼻があるのかもわからないのに子ゆっくりは悪臭に涙していた。 くさいくさいと涙ながらに許しを請う子れいむ達に、俺は一言、早く処分しろとだけ告げて蓋を閉じた。 次に蓋を開いたときには生ゴミは全て消えていた。 真っ青な顔をした子れいむ達を見れば、腐った生ゴミの処分がいかに大変かがよく分かった。 それ以来、腐らせることを極端に恐れ、生ゴミを入れるとすぐに食べるようになってくれた。 今、3週間前にうっかり捨てるのを忘れていたお弁当を、子れいむ達が必死で処分してくれている。 たまに嘔吐し、戻すこともある。 しかし、結局自分で処理しなければならないのだから一度で済ませばいいのに、と俺は思う。 これからも生ゴミの処理をよろしくね、そういい残し、俺は蓋を閉じた。 中から泣き声が聞こえたのは多分、気のせいだろう。 中庭も綺麗になった。 それこそ、最初の頃はニガイだの不味いだの文句たらたらだったが、いつしか諦めて黙々と食べるようになった。 そもそも野生のゆっくりは草や虫が主食なのだ。 何も問題はない。 それにコンポスト組に比べれば広い庭もあるし、子れいむにとっては親れいむもいるのだから幸せだろう。 それに家族だって増えている。 3匹では草が思うように減らないと感じ、おれはゆっくりアリスを加工所からレンタルし、強制的に交尾をさせ続けた。 そしてあっという間に3匹だった草刈り組は30匹へと増員された。 最近は近所で草刈りのアルバイトを始めた。 縄でつなぎ、リボンを人質にとって連日不味い草を食べさせている。 赤ちゃんゆっくりがわがままを言って草を食べない時は、見せしめに親や姉妹の前で皮を引き裂いた。 飛び散った餡子を食べさせると共食いを覚えてしまいそうだったので、一切食べさせることはしなかったが。 今日の出勤場所は、3丁目の田中さんの家だ。 リボンのない30匹のゆっくり霊夢を縄で繋ぐと、俺は家を後にした。 作:アルコールランプ このSSに感想を付ける
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※読後感の良さはあまり無いと思われます。ご注意下さい とある人里に、年若い夫婦がいた。 夫は優しくて力持ちを体現したかのような働き者で、妻もそんな夫を支える理想的な伴侶だった。 そんな二人の間に子供ができた。それはそれは元気な女の子だった。 ある日の事。 夫は村の男衆と共に、最近現れたと噂される巨大ゆっくり対策のための会合に 妻は近所のお婆さんの家に自家製のお漬物をお裾分けしに行っていた。 赤ん坊はすやすやと昼寝をしていたので、少しの間だしお婆さんの家はすぐ近所だからと妻は赤ん坊を家で寝かせておくことにた。 お裾分けをし、少し話し込んでしまったと妻が早足に家に戻った時だった。 家の中から子供の泣き声が聞こえたので、妻は急いで家にあがっていった。 留守にしている間に起きていて、近くに母親が居ないので泣いていたのか、と。ごめんね、すぐ戻るつもりだったんだよ、今すぐお母さんが行きますからね、と。 妻はそこで信じられないものを見た。 それは妻と同じぐらいの背丈を持つ、巨大なゆっくりれいむ。膨れた下顎が嫌悪感をもたらす薄汚れた饅頭だった。 そして、妻の子供の泣き声が、巨大れいむの口の中から聞こえてくる様だった。 「ゆゆっ? おねぇさん、かってにれいむのゆっくりぷれいすにはいってこないでね!」 妻に気付いた巨大れいむが頬を膨らませて威嚇しながら抗議の声をあげた。 そしてその声に重なって聞こえるは赤ん坊の泣き声。少しくぐもってはいるが、それは間違いなく巨大れいむの口の中から響いていた。 「……返して」 「ゆっ?」 「返して!! 私のっ、私とあの人の赤ちゃん! 返して!! その子を返せっ、化け物!!!」 妻は我を忘れて巨大れいむに飛び掛った。 妻の中にあるのは愛しの我が子を化け物から取り返すということだけ。一刻も早く救い出さなければという思い。 しかし、飛び掛る妻に巨大れいむは体当たりを返した。 双方が正面からぶつかりあった時、重い方が勝つのが道理。背丈は同じでも、横幅が人間よりも太く、中に餡子の詰まった巨大れいむの方が当然強い。 妻は巨大れいむの体当たりを真正面から受けて畳の上にひっくり返った。 「ゆっ! なにいってるのおばさん! このこはれいむがたすけてあげたんだよ! とつぜんあらわれてなんなの? かってにれいむのおうちにはいってきてわけわかんないこといわないでね!」 巨大れいむは倒れた妻にそう吐き捨てると、ドシンと妻の上にのしかかった。 妻はあまりの重さに呻き苦しんだ。骨まで響くかのような落下の衝撃に、呼吸もままならなかった。 「すてられたかわいそうなこのこはれいむがそだててあげるんだよ! れいむならこのこをとってもゆっくりさせてあげられるよ! れいむはこそだてのたつじんなんだよ! らんぼうなおばさんはそこでゆっくりしていってね!」 巨大れいむは妻の上で再び跳ねた。その巨体が再び妻の体を押しつぶす。ミシミシと骨が軋む音がした。 巨大れいむはそれで満足したのか、ボスボスと跳ねながらその場を去っていった。 入ってきた時に壊したのか、無惨な状態になっている障子を更に壊し、縁側から外へ出て行った。 妻はそれを追うことが出来なかった。巨大れいむののしかかりにより、意識を保つこともやっとだったのだ。 立ち上がることもできず、意識を失っていく妻の耳には、我が子の泣き声だけがこびりついていた。 「かえ……して……」 涙を流し呟く妻は、そのまま気を失った。 夫が全てを知ったのは、日が暮れてからだった。 家に帰った夫が見たのは、荒らされた室内と倒れた妻だった。赤ん坊はいなかった。 夫は慌てて妻を抱き起こし、医者へと連れて行った。ケガとしては肋骨が折れていたそうだ。 妻を医者の家で寝かせてもらい、夫はすぐさま我が家へと戻った。赤ん坊を探しに行ったのだ。 しかし、家の中のどこを探しても我が子は見つからなかった。 たまに子供を預かってもらっていた近所のお婆さんの家や親友の家にも行ってみたが、子供の行方は知らないという。 やがて夜が更けた頃、一人の男が夫に妻が目を覚ましたことを告げに来た。 急いで夫は妻のもとへ向かった。 妻は泣いていた。ただ涙を流していた。 夫はどうしたことかと、なにがあったのかと問うた。妻は嗚咽をこらえながら、途切れ途切れに語った。 長い時間をかけて夫は全てを聞いた。 巨大れいむの事。連れ去られた我が子の事。妻が襲われた事。 全てを聞いた男は、すぐさま医者の家を飛び出した。 「おい、お前どこへ行く気だ!」 「決まっている! 巨大ゆっくりを殺して子供を取り返しに行くんだ!」 親友の制止の声も振り払い、夫は鍬と棍棒を持ってゆっくりが多く生息するという森へと向かおうとした。 「待て待て! 相手は人間ほどの大きさもある巨大ゆっくりだぞ! 夜も更けているし、一人じゃ危ない!」 「じゃぁどうしろって言うんだ! 子供は諦めろと言うのかっ!!」 「そうは言っていない! …………待ってろ、今皆に呼びかけてくる」 夫の親友はそう言い残すと里の中心へと走って行った。恐らく里中に今回のことを知らせに、そして巨大ゆっくりの駆除と赤ん坊の奪還を呼びかけに行ったのだろう。 妻の話では巨大れいむは赤ん坊を育てると行っていた。ならばすぐには死んでいないだろう。 だが野生のゆっくりが生息する劣悪な環境に小さな赤ん坊が長く耐えられるとは思えない。 夫は待ってろという親友の言葉を無視して、一人森の中へと駆けていった。 「やべでぇぇぇ!! でいぶのあがじゃんをつぶざないでぇぇぇぇ!!!」 「まりざのあがじゃんがぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 夫の目の前には子供を潰されて泣き喚いているゆっくりれいむとまりさの番がいる。 そして夫の足元には潰れた子ゆっくりの跡と思われる潰れた餡子があった。 そして夫の手には一匹の子れいむがいた。 「やめちぇぇぇぇ!! はなちちぇぇぇぇぇぇ!!」 じたじたと夫の手の中で身を捩るが、当然逃れられない。夫は子れいむを持つ手をわずかに強くした。 「さぁ、これが最後の子供だ。もう一度聞くぞ。巨大れいむはどこにいる?」 「ぢらないよ゛ぉぉぉ!!! ぞんなゆっぐりでいぶぢらないよ゛ぉぉぉぉ!!」 「ぞんなごどいいがらばりざのあがぢゃんがえぢでねぇぇぇぇ!!!」 「本当に、知らないのか?」 「ぢらないっでばぁぁぁぁぁ!!!」 「やべでっでいっでるでじょぉぉぉぉぉ!!!!」 ブチュリ 子れいむは夫の手の中で潰れ、餡子が飛び散った。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「まりざのっ、ばりざのあがぢゃんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 これ以上有益な情報は得られないと判断し、夫は持っていた棍棒で親れいむと親まりさを叩き潰した。 子ゆっくりを一匹ずつ潰す尋問にも関わらず、一切巨大れいむのことについて言わなかったことから、本当に知らないのだろう。 だが、だからと言って生かす理由は無い。もうこの夫の中ではゆっくりはすべからく駆除すべき対象として映っている。 ここでこのゆっくりを逃し、後々巨大ゆっくりにまで成長したら、また同じ悲劇が起こるかもしれないとそう思ったのだ。 自分の子がさらわれたのに他人の子を殺すのはいいのか、と思うかもしれない。 しかし今夫にはまともな思考は残っていない。頭の中にあるのはただ我が子の事だけだ。 いや、たとえ冷静になって思考を取り戻したとしても、変わらないだろう。 相手は人間ではない饅頭だ。それに、もう夫は自分の子供を救うためならば犠牲は厭わないつもりだった。 自分勝手だと、自己中心的だと言いたければ言えばいい。そんなことは百も承知。 夫はもう、ただ、愛すべき我が子を救うためならば、それが障害となるならば人間だって殺しかねない。 「ちくしょう、あの馬鹿! 待ってろって言ったのに!」 夫の親友は松明を持って森の中を駆けていた。その後を同じように数人の青年が続いていく。 親友の呼びかけに、殆どの里の男衆は集まってくれた。人間の子供を攫った害悪な饅頭を駆除し、赤子を救うために集ったのだ。 夜の森は危険だ。里の者達は数人ごとに班を組み各々分かれて巨大れいむと、それに夫を探していた。 一人では夜の森は危険だし、もし巨大れいむに会ったとしても怪我をし、最悪死ぬ恐れもあるのだ。 「お、おい、これって……」 「あぁ、あいつがやってるんだろう」 親友の後に続いていた男が言った言葉に親友は断じる。 男が言及したのは、森の至るところで見られるゆっくりの死骸だった。 木にこびりついた潰れた饅頭。体の半分以上を失い瀕死で呻いている饅頭。 巣だったろう木の洞の中で潰されていた饅頭の一家。地面に散乱している饅頭の死体。 恐らくここだけではないだろう。 その饅頭の死体を辿ってかけていると、前方からうめき声が聞こえた。 「う~」と聞こえたその声に親友は聞き覚えがあった。それは捕食種であるゆっくりれみりゃのものだった。 「おい、今の!」 「あぁ、あっちだ!」 一向は声のする方角へ向けて駆けて行った。 そしてその先で、れみりゃの首を掴んで木におしつけ、片手の棍棒を上に振りかぶっている夫の姿を見つけた。 れみりゃの四肢は潰れ、原型を留めておらず、顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃ。対する夫の顔はまさしく修羅の如し。 「最後にもう一度だけ聞く。巨大れいむは何処だ?」 「うわ゛ぁぁぁ!! じらないんだどぅ~!! れみりゃじらないんだ────」 言葉は途中で潰された。夫が持っていた棍棒でれみりゃの頭を潰したのだ。 ボタボタと返り肉が夫の顔にへばりつく。よく見れば夫は全身に餡子を浴びていた。 夫は持っていた手を離した。両手足頭を潰されたれみりゃの死体は、ボトリと地面に落ちた。夫も持っていた棍棒を取り落とした。 一向はその光景にしばらく言葉を失っていたが、親友がいち早く正気に戻ると夫に詰め寄った。 「おい、お前! 一人で行くなって──」 「───だよ」 「え?」 「いないんだよ……、見つからないだよ……、あいつが……」 「…………」 「あいつが通った跡も見つからない! 森のゆっくりは何も知らない! あの子の助けの声も聞こえない! あの子はきっと泣いている! 助けを呼んでいる! 助けてって、お父さん助けてって! なのに、なのに俺は!!」 「落ち着け、落ち着けって!!」 静かにつぶやいてから唐突に暴れだした夫をなんとか親友は押さえつけて押し留めようとした。 しかしあまりにも強い夫の力に振り払われ、がむしゃらに振るっていた拳に顔を殴られた。構わず再び押さえつけようとする。 他の男達もそれでようやく我に帰ったのか夫を押さえつけようとする。 「くそ! ド饅頭め!! 薄汚れたクズ饅頭め!! 返せ!! あの子を返せ!! 殺してやる!! 貴様だけはっ、いや、貴様らだけはっ!!!!」 「だから落ち着け!! 頭を冷やせ! 見つかるものも見つからない! これだけ暗いと探せない! 明日、明日陽が昇ったら里の皆で探すから! まずは落ち着け!!」 「これが落ち着いていられるか!!!」 夫は押さえつける男たちを力任せに振り払い、落ちていた落ちていた棍棒を持って夜の森へ駆けていった。 その後も親友達は男を捜したが、見つからず、あまりにも夜が更けていたので仕方なく一度里に戻った。 そして翌朝。里の男衆が捜索隊を結成し、いざ探しに行かんとしたその時だった。 森の中から、全身餡子まみれで、餡子にまみれた棍棒をひきずりながら夫が帰ってきた。 「いない、いない……」と呟きながら、目は前を見ていなかった。 親友は慌てて夫に駆け寄ったが、夫はその場で倒れた。極度の疲労で体力の限界だったのだ。 その後夫は医者のもとに預け、一向は森へ巨大れいむと赤ん坊を探しに行った。 夫の側には妻がついていた。 しかし、その後一日中探し回ったが、巨大れいむは見つからなかった。 それから一ヶ月、ほぼ毎日捜索隊が結成され、捜索範囲を広げながらも捜索は続いた。 さすがに里の男衆全員とまではいかず、日替わり交代での捜索隊だったが。 そしてその間夫は、一日も休むことなく森や山に入り巨大れいむを探し、毎日餡子まみれになって帰ってきた。 だんだんとその頬はこけていき、体も心も病んでいるように親友には見えた。 「おい、お前大丈夫か?」 「あぁ、大丈夫だ。今にも苦しんでるあの子のことを思えば、これぐらい……」 そう応える夫の目は焦点があっておらず、虚ろだった。 「殺してやるさ。全部。そうさ、全部のゆっくりを根絶やしにしていけば、いずれ会える。 いつか、絶対に見つけ出して殺してやるさ。あぁ、そうさ、全部だ」 そう言う夫の視線は、完全に親友には向いてなかった。誰に言ったのか、己に言ったのか、ゆっくりに向けて言ったのか。 夫は、完全にゆっくりに心囚われていた。 二人揃って里への帰り道を歩いていると、目前にゆっくりまりさが現れた。 それは夫の腰のあたりまでの大きさを誇るやや巨大なゆっくりだった。 「ゆゆっ!? 人間っ!?」 こちらに気付いたゆっくりまりさは逃げようとした。恐らく、近隣のゆっくり達が殺されまわっていることを知っているのだろう。 住処を移動させる途中だったのかもしれない。 親友は巨大れいむのことについて訊こうとした。だが、親友が反応するより早く夫が先に動いていた。 一瞬で逃げるまりさに追いついた夫は、棍棒を振るい、まりさを横合いから殴りつけた。 「ゆぎゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」 痛みに転げまわるまりさ。夫はそのまりさの動きを、棍棒で底部を貫くことで止めた。 「巨大れいむは何処だ? 言え」 「ゆ゛っ゛!? なんの゛ごどぉぉぉぉ!?」 「とぼけるな。人間程の大きさの巨大なゆっくりれいむだ」 「まりざ、じらないよ!! ぞんなれいむ゛みだごどもぎいだごどもない゛よぉぉぉ!?」 「本当か? 言わないとお前のためにならないぞ」 「だがらじらないっで────」 潰された。夫は棍棒を引き抜くと無慈悲にまりさの頭を叩き潰した。一撃でまりさは絶命した。 「…………お、おい」 「畜生……」 「…………」 「なんでだよ……。なんで、見つからないんだよ、畜生……」 立ち尽くしたままボロボロと涙を流す夫に、親友はかける言葉が見つからなかった。 その次の日、夫は姿を消した。二度と戻ってこなかった。 きっと、巨大れいむと、我が子を探しに行ったのだろう。 そして六年後、その子供は帰ってきた。親友はまるで奇跡だと思った。 遠い里で一人の青年が見つけたというその子供は、全ての行動においてゆっくりを真似た、まさしくゆっくりに育てられた状態だった。 それでも、生きて戻って来たことに里の者達は皆喜んだ。ただ、その中にその子の父親の姿はなかった。 親友はきっと、夫の執念が奇跡を起こしたのだと、そう思った。 ───────── あとがきのようなもの 思考停止。餡子脳と言われるかと思いますが、私は今回キングれいむをこのようなゆっくりとして書きました。 そしてこの物語はフィクションです これまでに書いたもの ゆっくり合戦 ゆッカー ゆっくり求聞史紀 ゆっくり腹話術(前) ゆっくり腹話術(後) ゆっくりの飼い方 私の場合 虐待お兄さんVSゆっくりんピース 普通に虐待 普通に虐待2~以下無限ループ~ 二つの計画 ある復讐の結末(前) ある復讐の結末(中) ある復讐の結末(後-1) ある復讐の結末(後-2) ある復讐の結末(後-3) ゆっくりに育てられた子 byキノコ馬 このSSに感想を付ける
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―翌日。 給食と雑談も終わり、午後一発目の授業は体育だ。 腹ごなしにはちょうど良いかもしれないが、 なんせ7月だ。容赦ない日差しが私を照りつける。 「あぢぃ゙~~。」 いや、暑いだけなら良い。今日に限って近所を周回するマラソンだという。 …何の罰ゲームだ、これは? こんなものは早く終わらせるに限る。 脳内で”気合い”という名のニトロ(ナイトラス・オキサイド(N2O))を 一気に注入する。素敵なスイッチひとつで50~100psアップだ。 …脳内でのみ。 「とりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 風鳴りが増す。 ―瞬間。 いきなり地面がグラついた。 …地震か!?と思ったら違った。 全身すべての力が抜けて行くのが分かる。 魂か何かが引き抜かれるように、私の意識もそこで途切れた。 ・・・・・。 ・・。 ・・。 ・・・・。 ―ゆっくりと、意識が戻ってくるのを感じる。 …言わんこっちゃない。多分熱中症あたりで私は倒れたのだろう。 状況から判断して、たぶん現在位置は保健室のベッドの上とかだろうか。 そよそよと吹く風が私の頬をなでている。 …まだ目を開ける気にはならない。 …口唇を何かで塞がれている様な、感覚。 …続けて、何かやわらかい物が侵入してくる。 …「それ」が私の舌を発見したようで、優しく絡んでくる。 ―心地良い。 …そろそろ起きていいだろうか? ―うっすらと目を開ける。 「……!!!!?」 …目の前にかがみの顔。切なそうな表情をして、 閉じられた目には少し涙も溜めている。 曖昧3cm♪ …どころではない。マイナスがつくよっ!!! 「ん゙~~~゙!!!!」 ―ジタバタと暴れてみようと思っても、できなかった。 …手首ごと、がっちりホールドされている。 ありていに言えば、マウントポジション。 ―この状況下でも、足を使って撃退は可能だが、 さすがの私でも、かがみに使う気にはなれない。 「んぅ…ぷはっ。」 ―と、かがみの方から唇だけ離してくれた。 …どちらの物かも分からない唾液が、ツー、と垂れて、 開け放しの窓から照らす夕日に反射してキラキラ光っている。 「かっ、かが…!」 「ゴメン!!!……なさい。」 ―先に叱っておこうかと思ったが、先を越された。 …だが、謝ってもらっても、許せなかった。 「かがみっ!!!」 …寝てるのを良いことに、私の気持ちなんか完全に無視して、 それで、自分の気持ちだけ良いように押し付けるなんて…。 ―そんなの卑怯だよ!!!! …上記の7文字に、自分の思いをすべて叩き込む。 「…だって。…だって、仕方がないじゃない。」 「…?」 ―何がどう「仕方ない」のだ? 「アンタに…キョヒられたって、"はいそうですか…。"って 簡単に、自分の気持ち、…変えられないんだよ?」 「……。」 「…だから、…だから。…苦しかった。……切なかった。……悲しかった。」 「…気づいたら、…アンタを、…奪ってた。……ゴメン。」 ―かがみの顔は、怒られているときの子供の顔みたいに、 目が泳いで、寂しそうに下を向いている。 …「本当に」悪いことをした。とは思っているらしい。 ―かがみの気持ちが全く分からない訳ではない。 ―恋した分だけ、拒まれたときに発生するであろう、鬱屈な気持ち。 後から膨れ上がるその気持ちを抱えきれずに、晴らす場所を探していた。 ―その場所が、私の口唇だった。という訳だろうか? 「でも、シちゃった時は、すごく…気持ちよかった。」 「なっ…!?」 「どうしようもなく…、心地よかった…。 このまま時が止まったらって、思った。」 ―かがみの顔が、また近づいてくる。 またやるつもりだろうか? ―と、思ったら、首の左側で静止した。 …舌で…触れられる。 「うひゃぁ!?」 ―声に出てしまう。 …構わず、かがみの舌が、耳の辺りまでゆっくりと這い上がってくる。 私の頭のヒューズが何個かトンだ気がする。 ―もう訳が分からない。…さまざまな思考が、 頭の中をぐ~るぐ~るとゆっくり、回転し始める。 …一番の常識人だと思っていたんだけどこんなの絶対違う! あぁぁぁ…かがみが変だ…かがみが変だ…かがみが…… ―耳元でかがみが、ささやくように言う。 「こなたのこと…大好き。」 「こなたと…ずっと…ずっと…一緒にいたい。」 「もう絶対…放してあげない。」 「こなた…。大好きだよぉ…。こなたぁ…。」 ―かがみの放つ一言一言にアタマがクラクラしてるのが分かる。 …あぁ…もう、…どうにでもしてくれていいよぉ…。 …考えるのもメンドクサイよぉ・・・。 ―耳たぶを甘くかまれた後に、強く吸われる。 「ひゃっ!!?」 ―体中に電気が走ったような感覚。 …直後、全身を覆いつくす、脱力感。 …また、かがみの顔が正面に来る。 すでにかがみの目は、とろ~んとしていて、ほっぺたは紅潮している。 ―私も同じ状態なのは百も承知だ。 「キスして、い~い?」 …返事のかわりにコク…とうなずくと、嬉しそうにかがみが唇を塞ぐ。 …もう…抵抗はしない。 …それよりも、この、変なかがみの強烈な”デレモード”って奴を 楽しみたくなってきた。 …これだけひどい事をされてるのに、かがみのことが許せてきた。 …何より、かがみがすごく…かわいく見えてきた。 …とある感情に…気づく。唐突なものではない。 元からソコにあって、いま…ゆっくり…ゆっくり広がっていく感覚。 ―そっか、私もかがみの事が、”好き”だったんだね…。 「ちゅぅぅ…んくぅ…うぁん…んんぅ…。」 「んぅ…ふぁふぁいん。(かがみ。)」 「ん~?」 「ぷはっ…私も…大好きだよ?」 「うんっ!」 「ん~!!!!!??」 ―キスはまだ続く。 fin コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-14 04 34 21) はっ、はなぢが・・・・・・(つ ̄T ̄)ツー -- ぷにゃねこ (2013-01-26 17 39 25) たまらんぐふ -- かがみんラブ (2012-09-24 06 06 16) GJと言わざるを得ない -- 名無しさん (2010-03-31 00 09 19) その辺の18禁同人よりエロくて切ない… -- 七市 (2010-03-30 00 14 18) エロパロスレの作品より官能的だと思った。gj -- 名無しさん (2009-12-05 22 03 35)
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今日はこなたと自室デート。 たまたま家族も居なくて、久しぶりに二人っきりになれた。 しかも他愛も無い話を続けている内に、なんだか段々いいムードに。 こなたも機嫌良さそうだし…この前も我慢したんだから、いいよね。 「…ねぇ、こなた」 言いつつこなたに近づいていく。 こなたも察したらしく、恥ずかしそうにしながら動きを止める。 背中に手を回し、長い髪ごとこなたを抱きしめる。 あったかい。 こなたは何も言わず、目を閉じている。 こうして触れ合っているだけでもう心臓が破裂しそうなほどドキドキしているというのに、私は更に顔を近づけていく。 ぎゅっ、と回した腕に力を込めつつ、軽く唇を重ねた。 …やわらかい。 いつまでもくっつけているわけにもいかず、一旦顔を離す。 頭がくらくらする。もう体中がフルスロットルでこなたを求めているのがわかって、私は続きをしようとしたが、こなたの空気を読まない発言によって遮られた。 おやつとして出してあった皿の中のさくらんぼを指差しつつ言うこなた。 「さくらんぼのへたを舌で結べる人はキスが上手いって言うよね」 「…言う、確かに言う。だけど何故今…」 これは焦らされているんだろうか? さっきの赤面は演技とは思えなかったけど。 「いやね、ちょっとこれを見てくれたまへ、かがみん」 そう言うや否やさくらんぼを幾つか掴んで口に放り込む。 「ん…むぐっ、んむぅ…」 可愛らしく目を瞑りながら口の辺りをむぐむぐと動かしている。 恐らくは口内でへたを結んでいるんだろう。 でも、はっきり言ってその扇情的な効果音に私はそれどころじゃない。 「んぐっ…できた」 こなたが口から結ばれたへたを吐き出し、ずい、と見せてくる。 にぱー、と自慢げに笑みを浮かべ、やり遂げた顔をしている。 「凄いけど…実戦で通用するの?」 前触れも無く口づけを再開する。 今度は舌を入れる。待たされた分こなたの口の中を思う存分味わわせてもらうことにする。 「んっ…んうっ、んー」 ちゅく、といういやらしい水音が響く。 そのまま舌で歯茎をなぞり、突然のキスで混乱したのか全く動いていないこなたの舌を絡めあう。 「んーっ、んぅっ、んぁ…」 体を密着させたまま、更に激しくこなたの口内を掻き回す。口の隙間から溢れた唾液が零れ、スカートに染みを作った。 最後にこなたの唾液を嚥下し、ゆっくりと唇を離す。それに合わせてつー、と銀色の糸が出来た。 顔を上気させ、焦点の合わない目でこちらを見ているこなた。 「…折角の技術も意味がなかったわね」 息を荒くしながらあぅー、とうなだれる。 「これじゃ、私、マグロじゃんかー。ちぇ、いけると、思ったんだけどなー」 言葉の節々に息継ぎを混ぜながら言い終えると、そのまま倒れ掛かってきた。体重をこっちに預けたあとなんかぶつぶつ言ってる。 「だいたい、かがみんはツンデレの筈なのに、なんでこういうときだけ、そんなに強気?」 「そんなの知らないわよ。愛ゆえじゃない?」 「疑問文を疑問文で…まぁいいや。ちっ、こいつも精神が肉体を凌駕してるクチか」 「…素直に嬉しいっていいなさいよ」 私の胸に頬を摺り寄せているこなたの頭を撫でる。さらさらの髪の毛が指に心地良い。 少しすると息が整ったらしく、会話を再開する。 「じゃ、かがみん。続きを…と言いたい所なんだけど」 「何?なんかあるわけ?言っとくけどあんたが思ってるほど私の限界は遠くないわよ」 「そんなストレートに…ほんとに強気だ」 また顔を赤く染め、言いにくそうに視線を外す。 「いいから。なんなのよ」 意を決したらしく女の子座りのまま言うこなた。 「えーっと…腰が抜けちゃって立てない、から…ベッドまで運んで?」 …え? くそぅ、駄目だ。可愛すぎる、こいつ。 「? どしたの?かがみ?わたし軽いから、かがみでも大丈夫だと思うよ。あ、なんならお姫様だっこでも」 腰が抜けたままウィンクする。 あえてもう一度言おう。駄目だ。可愛すぎる、こいつ。 お姫様抱っこも捨てがたいけど、もう我慢できない! 「ここでいいよね?もうちょっと無理」 「へ?あ、ちょ、かがみ、んっ」 「いただきます」 かがこな(2)へ コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-09-22 20 50 20) この2人かわいいな、ちくしょー -- 名無しさん (2011-04-11 22 23 28)
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ナルガのぱくりーーーーーー!!! -- 2012-12-02 20 08 51 ナルガというか俺はミラボレに見える -- 2012-12-09 11 52 15 ↑それだって元ネタっていうか原画案のネタは現実にあるから; -- 2012-12-15 21 53 14 なんでもいいけど鼻のツノがダサい -- 2012-12-18 00 45 19 こいつの使い道って何かありますか? -- 2012-12-19 12 38 12 ドラゴン6.25倍パーティーで使えるんでない? -- 2012-12-26 00 02 53 エリュ持ってるけど強さ半端ね~! -- 2012-12-31 11 30 47 エリュシオンはギリシア神話に登場する死後の楽園で、神々に愛された英雄達の魂が暮らす世界。聖闘士星矢で出てきたネ -- 2013-01-06 18 36 52 かっこいい -- 2013-01-28 23 49 49 モンハンカスはどこにいっても害悪でしかないな -- 2013-02-01 14 01 28 個人的にはイケメン揃いの天空竜の中では1番かっこいいと思う -- 2013-02-07 19 32 25 機械龍手に入れたらこいつの価値なくなった -- 2013-02-11 23 43 53 それは間違いなんだよなーw -- 2013-02-17 18 36 15 ナルガってwwwwwww全然似てねぇwwwww -- 2013-03-03 18 14 18 ちなみにエリュシオンのフランス語読みはシャンゼリゼ(エリゼの園って意味) -- 2013-03-13 22 21 55 詳しいねぇ -- 2013-03-28 18 23 20 モンハンのナルガ!? -- 2013-03-29 22 19 48 インターネット様様だな -- 2013-04-04 15 15 50 なんでウナギっていわれてんの? -- 2013-04-04 18 52 26 ↑3 クシャルダオラとルコを足したように見える -- 2013-04-06 11 14 51 ↑2サムネじゃね? -- 2013-04-20 17 39 45 ナルガに似てるとか言ってるやつ眼科へGO -- 2013-05-05 21 47 20 (ルコディオラ+ナルガ)÷2じゃね? -- 2013-05-06 19 45 11 mhfのエスピナスを黒くしたヤツ -- 2013-05-23 08 26 37 ↑に見える。 -- 2013-05-23 08 28 31 こいつパズドラのキャラで1番かっこいい -- 2013-06-15 05 47 21 ↑同意 -- 2013-06-25 00 09 38 mh似てる言ってるやつ目腐ってんの? -- 2013-07-04 00 27 25 ゲットしたのでそういえば天空龍のスキルやLSってどんなだっけかと見て、絶句した -- 2013-07-04 21 29 11 ヘライース超地獄30周しても落ちなかった マジで糞だなこの鰻 -- 2013-07-05 00 19 08 初クリアで落ちたけど・・・こいつ何に使えんの?ステもスキルも糞以下じゃねーか -- 2013-07-05 00 32 37 ↑400万突っ込んでゼローグパに組め -- 2013-07-05 01 18 34 これ、ドラゴンと言うよりワイバーン(飛竜)っぽいね。でも凄くカッコいいと思う -- 2013-07-07 02 34 38 ↑3 頑張って育てれば間違いなく幸せになれる -- 2013-07-08 21 18 20 現状ではどうしてもバハムートにその場を譲りがち、ただ、今度の究極で攻撃タイプが付くか否か……。 -- 2013-07-30 14 17 05 攻撃タイプついたら闇メタパの候補にはなるかな。そうするより闇メタもう一匹突っ込んだ方がいいかもしれんが..... -- 2013-08-01 16 56 57 攻撃付いたらHPに問題ない限りノブナガはリストラだな -- 2013-08-05 20 29 17 とりあえず目を疑うような倍率のブレスをどうにかしてほしいもんだな…。今のご時世、最短5ターンだっつっても5倍は使いものにならん。 -- 2013-08-06 04 00 50 攻撃パでHPに問題ないなんてことなさそうだがなHPに+卵MAX入れればどうだかしらんけど -- 2013-08-08 00 25 52 先制にさえ耐えられればいい。ボスはどうせやられる前にやれだし -- 2013-08-08 01 28 08 ランキング順位書くのはいいけど、日付も入れずに誰が管理すんの? -- 2013-08-09 01 06 00 ↑気付いた人が修正すればいいでしょ。wikiなんだから。 -- 2013-08-09 16 27 50 というか超晩成って何よ 初期値低い晩成をそう呼ぶの? -- 2013-08-10 16 57 05 初期値じゃなくてステータスの成長が平均的じゃなく序盤は上がりにくくてレベルが高くなるほど上がるパターン。そのため成長途中では同Lvカラドラのほうが攻撃力が高い -- 2013-08-11 17 46 13 ↑それだと晩成型の説明にしかなってないよ。↑↑は超って付ける意味って何よ?好き勝手に言葉作るなよ。ってとこじゃないか? -- 2013-08-11 19 28 22 ↑*3 晩成型って言われてるモンスターよりもさらに序盤成長しにくくて後半での成長幅が大きいんじゃない? -- 2013-08-12 00 30 45 この間の天空龍ラッシュでこいつだけ泥しなかった。あとの4体は泥したのに。今度のラッシュに期待! -- 2013-08-13 19 31 35 ↑俺もそうだったけど、今日のヘライースで落ちた~ -- 2013-08-15 23 37 31 ↑7その意見からすると、これで気づいたはずのお前がやってないのはなぜ? -- 2013-08-20 23 34 54 ↑結構その人みたいな発言見るけど、wikiの特徴を履き違えてるんだよな。特定の管理者がいるページと違って、気づいた人が直したりしなくて情報が陳腐化するのがwiki。とりあえず揉めそうな所は直した。個人的にランキングとかは載せないで欲しい。やるなら専用ページ作ってもらえばいい。 -- 2013-09-08 01 16 27 客観的に誰でも検証できるものなら載せてても問題ないかと。俺はこう思う!ってのがwikiでは一番イカン。 -- 2013-11-26 23 50 00 天空龍の2倍泥期間なのに誰も書き込みしていない・・。さみしいもんだなあ・・ということで書き込み。一応ゾンビパで私はこの龍が大活躍しています。無駄に多くないHPと必要最低限の回復力。ガチャ間でもっといいPT編成組めるけど、こういう癖の強い日陰のキャラの性能をうまく引き出せたときパズドラの面白さを満喫できる気がするから。 -- 2014-04-29 00 20 56 13体でスキルマww5→5→3で合成して、3→3→1アップ。リリス・魔剣士集めもしたかったけど、それは他でやるか -- 2014-09-21 17 46 10 天空龍の究極は来ないのかな? -- 2014-09-22 01 05 36 ↑5体全部いるじゃん -- 2014-09-23 17 10 21 ドロップしたけど何で使えばいいんですか? -- 2015-10-30 17 28 52 もうそろそろエニグマ降臨あって材料になってもいいだろ!みんな忘れてるだろうけどさ -- 2018-01-11 15 51 05
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世界には、白と青しかなかったのだという。 世界には、白と青しかなかったのだという。 白い雲に砂浜、青い海に青い空だけが存在していた。そこには何も無くて、そこには何でもあった。 次第に世界は白と青以外の色で染まっていった。 世界と人の心は少し似ていると思う。人の数だけ色があって、人の数だけ交じり合っていく。 そして、人の数だけ守るべき暗黙のルールが生まれたという。 ルールを破った人は人の数だけ世界から外された。 この外された世界には、たった二つの影しか無かった。 その世界を外した世界には、沢山の影があった。 そして、二つしか影の無い世界で、二つの影は互いに背を向けなければならなかった。向かい合えば、外されてなお干渉してくる世界の沢山の影達に後ろ指を、罵倒を、軽蔑を無理矢理に与えられなければならなかったからだ。 二つの影は、お互い気づいてはいなかったけれど、本当は、世界から切り離される前からずっと向き合いたくて堪らなかった。 しかし、向かい合いたいと気がついた後ですら、元の世界から切り離された狭い世界の中で、向き合うことを許されなかった。 全ては、世界が認めなかったから……たったその一言で終わってしまうんだ ―ただ、それだけの事なんだよね 何だか、わけのわからない夢を見た。きっと、昨日わけのわからない頭の壊れた人が書いたとしか思えない本を読んだからだと思うんだけど、変な夢の所為で目覚めがすこぶる悪い。 寝返りを打ち、もう一度まどろみに身を任せようと思ったら何かやわらかくていいにおいがする。安心するいい匂い、大好きな匂いだ。 「……なんで、私の部屋にかがみがいるんだっけ?」 眠気が飛んで意識がはっきりしてくると、ここが私の部屋ではない事、どうしてかがみがいるのかとか色々な考えが頭の中を駆け巡った。 あぁ、そういえば、二人で旅行に来たんだっけ。支払いはほとんど私持ち、場所は私が決めた。つかさやみゆきさんも誘ったんだけど、二人には遠慮されてしまった。最も、かがみと私が“恋人”なんてある種、世間のルールから外れた関係だから遠慮されてしまったのかもしれない……なーんて事を考えるのは二人に失礼だよね。 二人にはちゃんと相談したからね。最初、みゆきさんは反対だったけどさ、それでも、私やかがみにつかさの三人で目一杯説得して、最終的に折れたのはみゆきさんの方。本当なら説得なんか聞かないで避ければいいのに、ちゃんと考えてくれた優しい親友だよ。反対したのだって、私やかがみの事を思えばこそだって、今ならわかる気がするしネ。 つかさは、多分まだ良くわかっていないのか、どこか達観してるのか良くわかんないけどあっさりと受け入れてくれたんだ。 “二人がお互いに好きで、それなら変には思わないって” あのほやほやとした笑顔が悩みで軋んだ私達の心を優しく包み込んで癒してくれるように。その一言にどれだけ私達が救われたのかなんて、言葉ではとても言い尽くせないヨ。 「ん、こなた……」 かがみの声に、体を起こして天井を見上げていた私は彼女の方を向いた。起きたわけではないらしい、いわゆるタダの寝言。 目覚めはあまり良くないけど……でも、かがみの寝言というか、寝顔を見れただけでもわけのわからない夢を見て早起きする損はチャラになったと考えても間違いは無いね。 朝食までは、まだ時間がある。何をして時間を潰そうカナ? そんな事を考えていると不意に背中から抱きしめられた。甘くて大好きな匂いが漂ってきて、背中に心地の良い温もりが伝わってくる。 「こなた……すぅ」 どうやら、かがみが寝ぼけて抱きついてきただけのようだった。 ここに来てふと思う事がある。私達は今、束の間の幸せの中にいるのではないだろうかって。理由は、私とかがみが同性なのに、互いに想いあい、そして恋というぬるま湯に浸かってしまった事。 ―最も、ぬるま湯なんて表現が正しいとは限らない、実は気持ちのいいぬるま湯に浸かっているつもりで泥沼に嵌っている事に気がついていないだけなのかもしれないのだから。 ううん、いずれは世間という茨の道を歩き、時には泥をすするような惨めな目にあうかもしれない。 実際、この旅行だって……本当はただ、逃げ出してきただけに過ぎないのだしネ。 私とかがみの事を打ち明けた時、お父さんは反対しなかった。ゆーちゃんは、どう反応していいのかわからないみたいだった。お父さんは、確かに反対しなかったけど、認めてもくれなかった。 それで居場所がなくなってしまったのだ。かがみの家も認めてくれたのはつかさだけだったしネ。恐らくは何となく感覚で気づいていたであろう、みゆきさんに認めてもらうのだって随分と時間がかかったんだ。 元より親友だったみゆきさんならまだしも、自らの娘がそういう想いを持ってしまうなんて思っても見なかった親からすれば受け入れるのは当然難しいはずだろう。 こうして、かがみと幸せな時間を過ごしているのに……胸がチクリと痛むのはどうしてだろうネ? 「ん、うわ!私は何をしてるんだ……」 背中から寝ぼけて私を優しく抱きしめてくれていた恋人が目を覚まして、自分の無意識の行動に驚いてる、思わず声を出して笑うと、 「な、わ、笑うこと無いじゃない」 そうやって慌ててる時は顔が真っ赤で可愛いんだよね、かがみってさ。その表情が見えないのが少し残念だネ。 「ごめんごめん、かがみ?」 「ん?なに、こなた」 “おはよう”と告げて、振り向きざまにキスをする。こうして、二人ぼっちの現実逃避な一日が、再び幕を開けた。 ◆ 空は青一色で、浜辺は人気も無く白と青でのグラデーションが広がっていた。 朝食をとった後は、特にすることも無く人気の無い海岸をこなたと二人で歩くのがここへ来てからの日課になりつつある。 「去年は、黒井先生やゆいさんも巻き込んでここに来たんだったわね~」 そんな事を呟くと、前を歩くこなたがこちらを向いて、いつものニマニマとした表情とは違って、遠い思い出を懐かしむような笑顔を浮かべていた。 「そうだねー。着くのに時間がかかっちゃって初日は、今泊まってる旅館に一泊したんだよね。いやー後ろから見てても、やっぱりゆい姉さんの運転は凄いものがあったねぇ。かがみとつかさには人柱になってもらうつもりが、黒井先生も地図見るの苦手だから迷っちゃってどっちもハズレだったよねぇ、懐かしい思い出だヨ」 感慨深げに呟くこなたに私は曖昧な笑顔で頷いた。人柱って何だよ!って突っ込みたくもあったけど、どこか遠くを見ている貴女にそういう言葉は無粋な気がしたから、やめた。 「あれ?“人柱って何だよ!”とか、突っ込んでくれないの~?かがみ」 突っ込まなかったのが不満なのか、茶化して無理にニマニマとした表情を浮かべなおしてる。その言葉にも、曖昧な微笑を返すことしかできなかった。 私達は現実から少し逃げている。それは、こなたにもわかっている……だからこそ茶化してしまうしかないんだろう。 こうやって人気の無い浜辺を二人で散歩しているのは、とても幸せな気持ちに慣れるはずなのに、どこか空虚で寂しかった。 つかさがいれば、みゆきがいれば……そんな事を思ったりもするけれど、でも、それだけじゃないんだ。 こなたのおじさんも私達の事についてはイエスと言えなかった。たった一人娘が未来へ紡げない恋をしてしまったと知ったとき、どんな気持ちだったんだろう。 私の家は、つかさだけが認めてくれて、後は全員が反対だった。それでも、世間体という言葉を両親は使わなかった。それは、まつり姉さんやいのり姉さんも同じだった。 皆、私の先の事を心配してくれていた。同性愛者という烙印を押されて、ただ二人で生きていくのは難しいと言われた。茨の道を歩く事も、泥をすすってる事もそんな事は、私とこなたが付き合う前につかさも交えて散々話し合ったことだし、反対されるのは、はじめからわかっていた。 人は、ううん……世界は、異端する者を認めてはくれない。昔ほどではないにしろ、今だってそれは変わらない。 こうして、離れた場所で早四日。私の貯金とこなたのグッズを買うためのお金もつきかけているし、そろそろ連休にズル休みを加えても……現実を考えれば帰らなければ行けないんだ。 空をあげて歩いていると不意に手を引かれて、砂浜に転がった。運よく仰向けだったから良かったけど、うつ伏せに転がっていたらさぞかし口の中がジャリジャリになったに違いない。 「いきなり何するのよ、全く」 「だって、かがみが陰鬱な表情してるからさ、空でも眺めて、波の音でも聞けば、少しは穏やかな気持ちに慣れるんじゃないかって思ってさ~」 「そんなに暗い表情してた、私?」 「いや、ほら、何ていうか私と同じで心がさ」 「そうかもしれないわね……でも、私は、こなたの事―好きになったのは後悔してないわよ?」 こなたの方を向いて、微笑みながら言うと、彼女の顔は真っ赤になって、目があえばすぐに逸らした。それがとても可笑しくて、吹き出してしまった私を見てふくれっ面をしていたけれど、いつの間にか二人で笑いあっていた。 そして笑い飽きると、何時も通りに私はこなたにからかわれる。それは決して不快ではなかった 「もう、いきなりデレ期に突入されちゃたまんないよ、防御不可だよ……私もかがみの事を好きになったのは後悔してないケドさ」 “思っていたより、受け入れられないものだね。そこだけ、少し残念だヨ” こなたらしくない弱気な発言だと思った。だけど、私も同じ気持ちだった、こんなにも受け入れられない想いだとは……考えの甘さを痛感する。 頭を真っ白にして、引っ張られた後、絡めた指をしっかりと繋ぎ直して目を閉じる。波の音が心地よかった。波の音に飽きたら空を見上げて、空を眺めるのに飽きたら、また波の音を聞く。 私達はどうして、逃げているのだろう。ふと、そんな考えが頭に浮かんだ。少なくともみゆきに反対された時、私達は逃げずに彼女を説き伏せた。 それなら、私達の親も同じように説き伏せる事ができるのかもしれない。先に繋がらない恋をしたのがそんなに行けないことなのだろうか。 「ねぇ、こなた」 「なに?かがみ」 「そろそろ、旅館にもどろっか。少し冷えてきたし、何だか飴も振りそうだから」 「そだね。戻ったら、色々話をしようか、お互い目を逸らして逃げてきちゃったことからさ」 「そうね。そろそろ、目を逸らして逃げるのをやめないといけないわよね」 ギュッとこなたの手を握ると、こなたもギュッと握り返してくれた。ただ、それだけの事がとても幸せだった。 ◆ 昼食をとってから、私とかがみは背中合わせにお互いがお互いにもたれかかる様にして座っていた。体躯の差があるけど、かがみがその辺りを調節してくれているようで、上手くバランスがとれてる。 「こうしてると、かがみが傍にいるんだなって思えて、なんだか気持ちがいいね」 「私も同じ事を思ったわ。こなたがすぐ傍にいるんだって感じられて気持ちがいいわね」 何だか、話をする気分に慣れなかったから、あえて私からは口を開かなかった。しばらくはかがみもそんな私の心情を察してかな?話しかけてはこなかったけど、ずっとこのままじゃいけないんだって、かがみはわかってるから、沈黙を破ったのは彼女だった。 「後ここに滞在できて三日くらいかしら。それ以上は、金銭的にも学校の出席日数にも差し支えてくるわよ?それに、逃げてるだけじゃ何も変わらない。こうやって二人ぼっちでぬるま湯に浸かっているだけじゃ、きっとだめなのよ」 かがみの声はとても優しかった。“逃げてるだけじゃ何も変わらない”か。 「でも、帰っても居場所は無いヨ?お父さんもかがみの家族だって、反対なんだし」 「そうね……でも、私達にはつかさやみゆきがいるわ。力強い親友が、二人もいる。ここでこうやって二人ぼっちで燻っているより、時間はかかってもみゆきを説き伏せて認めてもらったように切り開いていかないといけないと思うのよ。確かに、こうして、あんたと一緒に過ごしてる時間は凄く幸せだわ。でも、このままずっと現実から逃げても仕方が無いと思うし……それに」 かがみが、何を言いたいのかわかってる。ここに来て、二人きりになって初めて見えた事。ううん、思い出した事があるんだヨ、だから、もうこうやって現実から目を背けちゃ行けないんだってのはわかってるんだ。 「うん、わかってるヨ。お互い好きで恋人になったんだもんね。約束は忘れたわけじゃないんだ……茨の道を歩くことになっても、泥をすする事になってもいいんだって、そう決めたんだよネ」 「そうよ、私達はそれを忘れてた。だから、そろそろここにいるのも終わりにしなくちゃいけないのよ」 かがみの言葉に返事を返そうと思ったとき、不意に個室の扉が開いて、 「そうだよ!お姉ちゃん、こなちゃん」 聞きなれた声だった。顔を向けるとつかさが立っていた、どうして?なんて事を思う。 「そうですよ、泉さん、かがみさん。私が反対した時はあんなに一生懸命、どれだけ自分達の気持ちが本気なのか、教えてくださったじゃありませんか」 みゆきさんまで、どうして? 「私が、昨日呼んだのよ。二人が来てくれたら……もっと前に進める気がして、ね」 かがみが体の向きを変えて、私のことを抱きしめてくれた。 誰かが認めてくれなければ、いけないわけじゃない。変な夢を何度も見たからそんな風に思ってしまっただけかもしれない。 誰かに認めてもらうことで、二人ぼっちの世界が広がっていくなら、認めてもらえるように努力していけばいいだけだった。 私には、かがみがいる。そして、つかさやみゆきさんもいる。 二人ぼっちでは何もできないと思ってた。 でも、最初からそれは違ったんだ。初めからつかさがいた、そして今はみゆきさんもいる。 現実から逃げる必要なんて無かったんだ。 「かがみは、初めから現実から逃げる必要が無いってわかってたの?」 「ううん、考える時間があってこそよ。さぁ、帰るわよ?」 「そうだね、私達にはつかさもみゆきさんもいる。二人ぼっちではどうにもならなくなって、四人ならなんとかなるかもしれないよネ?」 私の言葉に、つかさとみゆきさんが私達を抱きしめてくれた。 影は二つじゃなかったし、世界から外れたわけじゃなかった。 私もかがみも気がついてなかっただけ、こんなにも心強い味方がいる事に。 確かに二人ぼっちじゃなにもできないかもしれない。 それに、未来へと紡いでいけない恋かもしれない。 でも、四人なら、世界から烙印者とされても何とかなるかもしれない。 それが、未来へと紡いでいけない事だとしても、私達の想いが本気ならいつかきっと、お父さんやかがみの家族だって認めてくれる。 だから、帰ろう。 辛くても、苦しくても、前に進むために 道を切り開くために、私達の想いは本物なのだから。 「きっと大丈夫だよ、お姉ちゃん、こなちゃん」 「私も微力ならがんばります」 “ありがとう” 今は、ただその一言しか言えないけれど、いつかきっと、私達は本当の幸せを得られる。そんな気がした。 コメントフォーム 名前 コメント 世間の風なんかに負けないで愛を貫き通してほしいものですね -- こなかがは正義ッ! (2009-05-27 14 14 42) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)