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「ゆっくりしていってねーゆっくりしていってねー」 別にゆっくりが言っているわけではない、ここはゆっくり加工所 牛や馬の厩舎のようなつくりの中で、ここ幻想郷で現れた謎のイキモノ ゆっくり種を加工するところだ ゆっくりたちは驚くことに「生きている饅頭」とでもいうもので 食事や生殖を行い、しかしその体はあんまん肉まんクリームまんなどの饅頭である 「「ゆっくりしていってね!」」 多重音声で答えるゆっくりたちに野菜クズや草などを与える ここはゆっくり霊夢、魔理沙、アリスなどを混成で育てるという場である 広さは10畳程度、地面は土でところどころに鶏を育てるような小屋がある 屋根と網で囲いがしてあるのは内部の逃走を防ぐ役割の他空から迫る捕食種のゆっくりレミリアに対する処置である 数人の男たちがそういういかにも動物の餌を振り撒きつつ、口にする言葉は 「ゆっくりしていってねーーゆっくりしていってねー」 念仏を唱えるように続けるとゆっくりたちがそれに続いて 「ゆっくりしていってね!」とつづけながら撒かれる餌に飛びつく 「うわっ」 そのうちのある男が足元に当たったものを見つけて飛びのく 金色の髪のゆっくりが地面に突っ伏している 「これはゆっくりアリスか、死んでるぞ」 持ち上げると、その顔は強張っており口からぼろぼろと土がこぼれる 「おおこわいこわい」 側に居たゆっくり霊夢と魔理沙が目を細め、体を寄せ合うと なんともうさんくさい表情でそんな言葉を吐く 「こいつどうしたんだ?」 普通、動物を飼ってる厩舎などでは死んだ動物の死因を突き止めるのは人間の仕事だが ゆっくり種の場合は他のゆっくりに聞けば返ってくる、その点は楽だ 「とかいはだから、ほどこしはうけないんだってー」 「あんたたちよくそんなのたべれるわね、とかいってたぜ」 「都会派?なんだそりゃ」 くだんのゆっくりアリスを持ち上げ見てみれば随分とほおがくぼんで髪などの色艶も悪い するとふたたび「おおこわいこわい」をはじめた2匹をぽんぽーんと蹴り飛ばし 年かさの男が近づいてきた。 2匹は「ぷんぷん」と怒ったが少し遠くに餌を投げるとすぐ忘れたように追っていった。 「ゆっくりは死んだやつあざけるのが腹がたつがやー」 少し年かさの男は訛っている 「アリズは外で知恵をづけっど、それにとらわれるんだなや、餌のえりごのみしやる」 「そうなんですか」 「動物のながには鳥とかのう、野性のもんをかおーとすっと、出される餌くわんとしんでしまうやつもおるけどのお、なんかそゆのとはちがうみたいやの」 訛りは幻想入りした日本語のため、分かりにくい部分もあるが 彼は元猟師、要するに習性か、プライドとでも言おうか、ゆっくりアリスは他のゆっくりたちより自分が特別でないと気が済まないという種であるらしい それでも孤立して暮らしていくには種として脆弱過ぎるため群れなどを利用するわけだが ある程度バラバラの群れを渡るようにして暮らせる野生ならともかく、いや野性でもそうなのかもしれないが 自分を精神的上位に置くという、そんなことを気取ってみても少なくともこの場では餌も居場所も一律のものが与えられている、群れはこの厩舎内のすべてのゆっくりでひとつで野性でもゆっくり種にどれだけの格差をつくりだせるものか、その結果現状を否定しつづけるうちに衰弱して死んでしまうようだ 「こいつら全部ココ生まれだぞ?どこから都会派なんて概念を知ったんだ?」 「つっても親は野性のもんやろ?親が教えたんかもしれん、そうでなくてもカラスはカーとなくげんどもな、ハハハ」 他方に餌をやりに行っていた、比較的がっちりした体型の男がゆっくりアリスを抱えて脇に挟んでと合計3匹ほど抱えて来る 「ありすはとかいはだもの、とくべつあつかいはなれてるわ、えすこーとはまかせるわ」 ゆっくりアリスはなんだか口々に若干甲高い声で喋っているが 解せず男は言う、ゆっくりは言葉は通じるが考えが狭く自分勝手で会話は疲れる 「どうします?アリス種はまた数を減らしてるみたいですよ、餌を食わない以外にどうも喧嘩を売って殺されたり、発情時の危険を知ってるらしい成体にやられるようですが」 「うーん、ここは自然から獲ってくるのではなく、できるだけ自然に近い味のゆっくりを人の手で育てられないかということでやってる厩舎だからなあ、だから種別もばらばらでやってるわけだし」 いわゆる地鶏ならぬ地ゆっくり(じゆっくり?)だろうか ふとゆっくりアリスを踏んだ男が見やると 用意した障害物の切り株や小屋の影に数匹の金色の影が隠れたのが見える ああ、と何か理解してがっちりした体型の男に抱えたアリスらを離すように目線を送り 答えてその持って来られたゆっくりアリスが放たれる 他のゆっくりが「うめ!めっちゃうめ!」などと餌に夢中なのに対して 「まあ、わたしはべつにどうでもいいんだけど、わたしのどこにそんなみりょくがあったのかしら、まったくわからないわ、ふふふ」 と誰ともなく自慢?をしているようだ もちろん食べるのに夢中で相手にしているゆっくりは居ない その3匹以外のゆっくりアリス以外は・・・ 餌も食べずじっとりとその3匹を見てる。苦渋の表情を浮かべたのは人間である 「同士打ちもするようだな、こりゃ」 「すみません」 がっちりした体型の男はその身を縮めてしまう ゆっくりアリスを踏んだ男はいいよと返しながらそのがっちりした男に向かって述懐する 「野性でもあの旺盛な繁殖能力でゆっくりアリスの数が少ないはずだ、ゆっくりアリスの群れの外からの視点が、いわゆる群れの思考の凝固を防いでいるようなところもあるんだろうが 脆弱なゆっくりなのにこんなに群れに馴染まない性質をもつとは頭が痛いな ゆっくりパチュリーなんざこんな実験段階の厩舎にまわってこないし こりゃあ、発情で全部ゆっくりアリスになるとかの状況の前にゆっくりアリスが死滅してしまうぞ・・・ゆっくりアリスだけ餌を特別にやるとか何か考えないと」 「さすが元学者さんはゆっくりに詳しいですね」 がっちりした体型の男が賞賛の言葉をかける、元学者という男は頬を掻くが じっとゆっくりアリスを観察しながら年かさの猟師の男が言う 「いや、それはあかんやろ」 「そうですか?」 「いくらゆっくりでも特別扱いしたら不満に思う、フリだけで本当は皆と同じものしか食わさないとしてもなあ 牛や鶏でもそうなんだから、ゆっくりがそうでないという保障もねえや そういうことばっかりめざいといような生ぎもんだしな あとゆっぐりありすはどうもこうやって飼ってる以上は増えないようだど?」 元学者の男は目を見張ってゆっくりアリスを見やる ちょうどまださっきの特別扱いされたと思っている3匹のゆっくりアリスが 誰にも聞かれてない自慢を、ほぼ涙目になりながら続けているおかげでほかのゆっくり種はともかく、ゆっくりアリスは全部動かずにじっとり目線を送り続けている、すばやく数を数える 「本当だ、減ってるけど増えてない、ゆっくりアリスは繁殖すると子が全部ゆっくりアリスになるとか5分5分じゃなくて半分以上の子がゆっくりアリスになるというけど」 「普通は動物っていったら取れる餌が多くなって増えすぎるもんだが ゆっぐりありすはどうも取れる餌が少なくなると、群れを圧倒するために増えるよだな なんともはや」 どうもゆっくりアリスは、自分のためだか意図せずか、自分で自分で命綱のはずの群れの生態バランスを崩しにかかりすらするらしい 元学者という男があきれたようにゆっくりアリスを見やる そろそろ、三匹のゆっくりアリスたちは無視を続けるほかのゆっくり種に偶然をよそおって体当たりし注目を向けさせようとしているようだ、返り打ちにあって踏みつけられた。 「なんでこいつら野性で生きていけるんだ」 思わずこぼした言葉にがっちりした男が身を縮めながら答える またゆっくりアリスが減らないかと気が気でないようだ 「たぶん人間の顔と言葉を持つからだと思います。熊とかでも歌いながら歩くと襲われないといいますし、で妖精や妖怪が避けるのは・・・」 男は大柄な体をさらに縮めて言葉を続ける 「たぶんその人間のなかでも特別な顔に似てるからではないかと・・・」 学者の男は肩をすくめる たいてい妖怪同士が繰り広げる弾幕勝負は死と隣り合わせの幻想郷の神秘、娯楽だが それに参加できる数少ない人間、その人間の顔をぎゅっと潰して中途半端に膨らませるとゆっくりたちの顔になる、どうも本人たちは不本意のようで口にするのも失礼なようだが それでゆっくりたちが生き残ってるというなら、毒蛙のふりをする無害な蛙や毒蛇のふりをする無害な蛇のようなものだろうか 「わしも猟師の仕事があがったりじゃけん、でかせぎにきとるんよ たいていの動物は人間の声で逃げるでの」 思考の海に沈みかけた元学者の男に別方向から声がかかる 「おーいまたやってるぞー」 男が瞬間で思考から戻り、顔を上げ声の元にいく 「ここはれいむのおうちだよ、じゃましないでね!」 「またやったか」 厩舎の端に餌やりの全員、総員6名がそろっている それほどの事件とは 「おまえら言っただろ、それはダメだって」 「あそこはダメになったからここにしたんだよ?ゆっくりでていってね」 主張によると場所を変えたからいいだろうということらしい そこには通称十分育ったお母さんゆっくりこと、ゆうに1m以上の大きさのゆっくり霊夢が半分ほど土に埋まって鎮座していた。 絵面はどうもユーモラスだが、またやらかしたこととはその掘った穴のことだ 「ここでは穴を掘るのはやめてくれと言っただろう」 「しらないよ!ぷんぷん、あかちゃんたちがゆっくりするためにひつようなんだよ、れい むのうちだよ!ゆっくりさせてね!」 「お前が産んだ子は加工されて居ないよ、それは未熟だから代理母を頼んだだけなのに」 「ゆ?わかんない、ここはれいむとあかちゃんたちのいえだよ!」 「ていうか3日前に来たやつだろコイツ、まあ大した母性本能だな」 話は平行線である 元学者の男だけが無言でその様子をみていた。 なんとそのゆっくり霊夢は今も土を食べて穴を掘っているのだ 「はぐはぐはぐ、むーしゃむーしゃ」 「掘るんじゃねえ!」 職員の全力の蹴りが飛ぶ そういえば食事をえり好みするくせに排泄をしないゆっくり種は、代わりにありえないほどの回復能力を持ち、形態としては単細胞生物や植物に近いと永遠亭の研究結果があるが 「ていうか、こいつら餌って土でもいいんじゃねーの?」 「いや、まあ一応は食料となるもの以外を食わせると回復力も味も落ちる一方なんだがな、そもそも普通は口にしようとしない」 さっきまで餌やりをしていた立場からすれば土などを食われてもということだ 土を穴を作るほど食うなどミミズのようである 「どうも子供が居ると一定の場所、巣を求める性質のようです。」 「熊とかといっしょだなや、しっかしそんなしょっちゅう穴も掘っとれんだろに」 「大きい固体ですからね、ココ育ちで経験は無いはずですが・・・本能でしょうか」 一人の男がボロ布を手に巻いて無造作に穴掘りを続けるゆっくり霊夢の下に手を突っ込む 「ゆっくりさせてねッ!!がじ!」 「あーこれだけ大きいと流石に噛まれると痛いねー」 そんなことを言いつつ何事も無く、口を取っ手か何かのように基点にして担ぎ上げると穴から出す。皆心得たもので数人で踏みつけて穴に戻るのを阻止する 「れ゛い゛む゛のおうちーーー!あかちゃんたちがーー!」 「「ままー」」 「あーはいはい、とりあえずもう穴はやめろよ何度やっても無駄だ」 足蹴だ、蹴飛ばすように足で穴からちび霊夢たちを蹴り出す。 「ぷんぷん、おにいさんはゆっくりできないよ、ゆるさないよ」 「あーはいはい、その頭で明日まで覚えてられるなら憶えてろよ、俺は今日はこれで上が りだ、メンバーかわんねえのに誰の顔も覚えたことなんてねえだろ」 「ひどいごとされると顔憶えるが恩義はすぐに忘れるみてーだなや、犬猫と逆や」 「回復能力が高く雑食だから恩義で懐くより利用に頭が向いてるんだろ」 ボロ布を巻いた男に声がかかる 「噛まれて平気なんですか?」 「あーどこまで大きくなってもこいつら噛む力は人間並みだから、普通そんなに噛む力が 強い動物は口がアゴから出てて噛むのを得意とする形状してるだろ、犬とかな こいつらは人間の言葉を話せる代わりにそのへんが弱いのよ、だから餌も食い散らかす 本来は虫とかの一口大の大きさのものを丸ごと食べるか、柔らかい草木をむしりとるよ うに食うんだ、それしか出来ないというのだろうがな」 「だが餌をいちいち一口大に切り刻んでというのは手間がかかる」 「動物が硬い獲物をぐうときは首をこっ、こうやって捻ってちぎるんだども、こいつら首ねえしなあ、顔が地面にめりごんじまう、ハハハ」 「ゆっくりが信条だから食事も楽しむようだしな、むーしゃむーしゃしあわせーってか」 「鼻がないから噛んでも長時間保てないとかも聞きます」 「とりあえず食事のことはいい、この穴だ」 皆はしげしげと穴を眺めた。 太い穴には小さな横穴が掘ってあって、そこに小さなゆっくりがおさまっていた。 小さなゆっくり霊夢が食べて掘ったらしい、このおうちとやらは完成すれば、入り口から直径一メートルの穴が続き奥で小さな分岐がいくつかある、キツネなど巣のようになったはずだ、聞くところに寄ればそういう動物の巣などを怒鳴って追い出し占有するとも聞く 動物だけじゃなく人間の家すらそれをするらしい とりあえずゆっくりを全部巣穴から放り出し、目の前の問題としてはこのゆっくりの巣穴は埋め戻しが困難なことだ、掘った土が無い 「野性だと口に含んで吐き出して掘るそうですが、それをしないのは餌が十分あるからでしょうね、捕食種も居ないから体力が落ちても襲われる心配がないというのもあるでしょう、どうしますか」 「あーあのへんな道具屋の一輪車とやらを買えばよかったー」 「結構手間ですよ、もう何回目でしょう・・・」 「やれやれ・・・」 ほおっておけば厩舎が崩れかねない、穴に落ちてごく小さな種が潰れて死んでも困る そもそも一定のテリトリーなどを許せば、排除行動も行うだろう 前提とした厩舎のつくりになってないという人間側のミスの問題もあるだろうが・・・ ずーんと暗い空気のなる人間をよそ目に一匹のゆっくり魔理沙が巣穴に飛び込んだ 「ここはまりさのおうちだよ!でていってね!」 「ちがう!れいむの!」 相撲取りが太ってると強いという論理でゆっくりの大きな個体は強い 体全体の押しつぶしや体当たりは、その個体より小さな個体はほぼ圧倒する その分大きくなるほど動きは鈍くなる、高く跳ねることはできないし小回りも効かない 足が無いからふんばりが効かず動物や人間などを押し倒すことなど不可能だ、よほど地面に伏せている、寝てるなどと身を低くしているところに押しつぶしを食らえばそれなりにダメージはあるだろうが しかしどこまで行っても体は饅頭で攻撃法もそれ以外無い、飛び跳ねる足音?も相当響く野性では動物はそれで存在自体を避けるようだ つまり、どんなに大きくてもやっぱり人間に足蹴にされて簡単に排除されてしまうわけだ 「いたいよ!せっかくまりさのおうちになったのに」 「あーおら!貴様自分で掘るのはダメでも他人の掘ったのを奪えばいいって腹だな」 「おにいさんがんばってね!れいむのおうちをまもって!」 「あー!!守らねーよ!ここは埋める!誰の家にもしねえ!」 「小屋もあるけど体が入らないのか、もっと大きな小屋が要るのかなあ」 「これ以上おっぎな家となるとぉ、牛が飼えるようになるぞハハハ」 「この場所では無理ですね、この大きさのゆっくり霊夢はまだ3匹くらい居る、元は交配用の処分物を幼児種の育成にもってきたのにどんどん大きくなって」 「餌がいいのかねえ、それとも運動が足りないのか」 「こいつら成長はしても肥え太るというのは聞きませんけどね」 ふと会話は止まり、視線はずっと無言の元学者の男に集まった。 彼はここの責任者だった。 「・・・」 元学者の男は考え、そして端的に言った。 「ここの育成は問題があるから最初からやり直す」 他の五人からはため息とともに嘆息の声が漏れた。 「そして自然のままに育てるという目的は果たされていないため、全部商品にならない 品質のため全処理を行う、撤収」 巣穴はなんと手近な小屋をひっくりかえして突っ込むというぞんざいな方法で埋められ 「れいむのおうちがー!」「まりさたちのおうちがー」などという被害の声を無視し 人間は全員が厩舎から出て行く 「ゆっくりしていってね!」 ゆっくりはさようならもそんな言葉だ 人間皆が哀れみの表情を浮かべているのに気づかない 夜はほどなくして訪れた。 厩舎の明り取りに程度しか開かないはずの天窓部分が全開に開き 人間の声がさっきの地ゆっくりたちの厩舎の天井からする 「はい、う゛っう゛ーはい、う゛っう゛ー」 薄い天井を歩き回る人間の足音にいぶかしげに天井をみやるゆっくりも居るが 大抵は睡眠欲のほうが勝って眠りに入る、すっかり警戒心を失っているのだ それに人間でない子供のような舌足らずの声が返る 「う゛っう゛ー♪」 ここで俯瞰してゆっくり加工場全体を見てみよう 加工場は広く、その施設の中でも鉄の骨組みに編んだツタなどの網で数本の木を丸ごと包んだ、巨大な鳥かごのような施設がある その鳥かごは四方八方に腕のようにトンネルが厩舎の格施設の天井に繋がっているようだ。これが現代ならそのようなものを空調の配管などと答えるところだが空調などではない、そのトンネルは直径一メートルを越えた太さで金属の網製だからだ 「「う゛っう゛ー♪う゛っう゛ー♪」」 処理が開始される 捕食種ゆっくりレミリアが食べるのは他のゆっくり種 加工場では加工に回されないゆっくりをトンネルをつたってその厩舎に行って食べる 要するによほど特別に育てられてる種でないかぎり他ゆっくりの処分に使われてた。 これは工場部の逃走したゆっくりの駆除などにも使われているシステムだ やっと地ゆっくりたちが天井からやってくる天敵に気づく 「まりさはみないこだね?ゆっくりしていってね」 「なあにーれいむねむいー」 「とかいはのありすはりゅうこうにびんかんよ、と・ともだちになってあげてもいいわ」 「「ぎゃお~たべちゃうぞ~♪」」「「う゛っう゛~♪」」 ゆっくりたちは夜目が利かないらしく気づかないようだ もう天井を埋め尽くすほどゆっくりレミリアの大群が存在するのに よたよたぽとんと、とても他の鳥と比較するには無様な様子でゆっくりレミリアが降りる そこにゆっくり魔理沙が近づいた。 「しんがおか?ここはうまくはないがたべものもあるし、ゆっくりしていってね!」 「がぁお~♪う゛っう゛~♪いただきまーす」 「えさはにんげんがもってくるんだぜ?」 会話は成立せず、ゆっくり魔理沙のもちもちのほっぺは半分欠けた。 「むーしゃむーしゃ、う゛ーでりしゃーす♪」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛な゛なんでこんなことするのお゛ーーーー!?」 「おいっしーよ、まりさおいしー♪」 ここに至っても双方にコミニケーションは無かった。 再び牙か八重歯だかの見える口でゆっくりレミリアがゆっくり魔理沙の頬にかぶりつく 「や゛め゛でぇぇぇぇたべないでーーー!ゆっくりできないよお゛ーーー!」 振りほどくようにゆっくり魔理沙がその場で身を翻すと、伸びたほっぺがぶちんと切れた。 「まりざのほっべち゛ぎれ"たあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 ぽろぽろとみずみずしく光る餡子が落ち、すかさずゆっくりレミリアが舌で舐め取る 「もーぐもーぐ、しあわせー!う゛っう゛ー♪」 「まりさしあわせじゃないー!ゆっくり゛できない゛ーーーーーー!」 目の幅涙を流しながら訴えるゆっくり魔理沙の声は無視されて今度は帽子が奪われる ゆっくりレミリアには、いわゆるゆっくり種の特徴、飾りを食べ残す種も居るが 「むーしゃむーしゃ、おつなあじーう゛っう゛~♪」 このゆっくりレミリアは好き嫌いが無いらしい 「やめ゛て、やめ゛て、やめ゛て、やめ゛て」 その後も会話は成立しなかった。 頭が欠け、目が片方欠け、口が半分になるころには声も出なくなり ゆっくり魔理沙はすべてゆっくりレミリアの食事となってゆっくりと腹?に収まった。 そんなことが厩舎の全域で起こっていた。 巨大なゆっくり霊夢は数匹のゆっくりレミリアにたかられ、バラバラ千切られ 逃げ回っていた小柄なゆっくり魔理沙はちょうどジャンプの頂点で噛みちぎられ落ち 口八丁でゆっくりレミリアに取り入ろうとしたゆっくりアリスは会話を解されず 「とかいはのありすにはあ゛りえないよー」などとのたうちまわりながら食われ 小屋に逃げ込んでも、小屋はこの処理を前提にして壁が丸ごとない構造 そもそもゆっくりが入れる小屋にゆっくりレミリアが入れない道理もなく 小屋に逃げたゆっくりは小屋で二人きりゆっくりと捕食されることになった。 厩舎の乱痴気騒ぎはそれだけでなく、必死で背中に子供を隠そうとするあまり押しつぶし殺してしまう母親や、危機に瀕して本能が目覚め、自滅必至の幼生種に交配を強要するゆっくりアリスや「うふうふふ」などと友か親かの死滅に現実逃避し笑い続けるゆっくり魔理沙など ゆっくり朝日が昇るころには全ての種が、文字通りゆっくり消えてなくなった。 「はい、う゛っう゛ーはい、う゛っう゛ー」 天井が叩かれるとゆっくりレミリアはよたよたと飛んで鳥かごの自身の厩舎に戻る 大抵のゆっくりレミリアは夜行性、太陽で消えてなくなるなどという種も居るが太陽は苦手で共通している、が苦手とするわりに遮光の程度は木陰に居る程度でかまわなかったり日傘があれば大丈夫だったりもするのでそのへんはゆっくりらしくぞんざいな作りである 「う゛っう゛~おなかいっぱーい♪」 「はいはい、おじょーさま巣に帰ってね、おねむの時間だよー」 ゆっくりレミリアの飼育員が処理に使った個体全ての帰還を数で確認し天井を閉じた 厩舎には大量の食べかけの饅頭のかけら、そして帽子やリボンなどの飾りが落ちている 朝出勤した別の職員が熊手などでそれもかき集め、他の捕食種ゆっくりゆゆこやゆっくりレティなどの食料とするのだ、そしてしばらくの時間が流れる 「ここがれいむのおうちなんだね」 「そうだよ、ここが新しいおうちだよ、ゆっくりしていってね」 「うんゆっくりしゅるよ、ゆっくりちていってね」 小さなゆっくり霊夢は手のひらからぴょんと飛び、その場所がひとめで気に入った。 母親が居ないという異常事態が依然存在するはずだがゆっくりブレインは忘却を選択 板張りの床に遊具、彼女にぴったりの大きさの小さなおうちに水のみ場 そこに同じくらいの大きさの黒い帽子のゆっくりが近づいてきた。 「ままーままーまりさのままはどこー」 「ゆゆ!あなたはゆっくりできるちと?」 どうも同じく幼いまま親から離されたゆっくり魔理沙のようだ 「ゆ?れいむいがいのゆっくり?ゆっくりちていってね!」 「ゆ?だれ?あ!ゆっくりちていってね!」 本能に刻み込まれたゆっくりしていってねは舌足らずでも通じあいきゃっきゃと騒ぐ 幼くストッパーの親も居ないゆっくりブレインには危機感の三文字は遠いことだ 「名づけるならば幼稚園方式、またの名を紅魔館方式」 腕組みしてつぶやく職員の横から次々に厩舎に放たれるゆっくり種は全部幼生体のみ 処分に対しては上の許可が下りたが厩舎は拡張が効かなかった。 そこで敵が居ない、餌が豊富という厩舎の状況を逆手に取って厩舎を広くできないならば小さなゆっくりたちを飼えばいいという考えである この第一陣以外に同じような幼生体ゆっくりを継ぎ足し継ぎ足し追加し成体になった個体からじゅんぐりに加工に回すという育成計画である 「ありしゅはありしゅだよ、ゆっくりしようね」 「いいよれいむとゆっくりしようね」 職員の一人がふとつぶやく 「これが牛とかならこんな簡単に処分というのは無いでしょうね」 「ゆっくりのサイクルの早さがあればこそだな、抱えるほどの大きさとなるとそれなりに 時間がかかるものだが茎式の出産では即座に喋れる個体が出来る」 「どうだか、外では狩りもせんと肉を食えるていうからのぉ・・・」 ふとある個体が彼女らにとってはとてもとても広い厩舎の端に、板の下に違和感を感じた。 「おにーしゃーんおにーしゃん、れいむのおうちのここへん」 「ここって?どう変なんだい?」 期せずしてその職員は数ヶ月前に同じ厩舎でゆっくりアリスを踏んだ元学者の男だった。 「おこえがしゅるのーへんだよーきょわくてゆっくりできないよー」 「はいはい、おい食事を与えて集めろ前に穴があった所だ、埋めたぞ?・・・それに声?」 さあ食事だよーと餌が撒かれる、餌やりの文句は 「ゆっくりしていってねーーゆっくりしていってねー」 「ここか」 数人の職員がその厩舎の端の板に集まり、がっちりした体型の一人が板に耳を当てる 「しますね、なんか声します。」 「あー?なんだなんだ一体、こりゃ恐怖物語の一説か?」 手早く板が外されると円形にそこだけ色の違う土が見える その色の違う土の一部がなんだかもこもこと動いてる 「ぷは!おそとだーすっきりー」 「すっきりー」 ゆっくりのあらゆる状態を見てきて慣れている職員でもぎょっとしたのはその土から出てきたゆっくり霊夢?が輪をかけて異常な姿をしていたかだ 「おじさんたちはごはんをもってきてくれるひとだね、れいむはおなかすいたよごはんもってきてね、れいむはゆっくりできないよ」 「れいむもこんなのばっかりたべてたからべつのものがたべたいよ、れいむのぶんもはやくもってきてね」 「泥団子だ」 職員のつぶやきが正解である、そこには赤いリボンを付けた黒髪の・・・ゆっくり霊夢型の泥団子が鎮座してゆっくり霊夢のように喋っていた。 「ぷんぷん、れいむはどろだんごじゃないよ、しつれいしちゃう」 「ゆ?」 片方の個体が片方の個体を太陽の下でしげしげと見やる、泥団子である 「よごれてるよ?れいむがきれいにしてあげるねぺーろぺーろ」 「あは、くすぐったいよ」 「あーなんだ汚れてる・・・だけだ・・・よな?」 舌まで砂色の片方のゆっくり霊夢が、もう片方のゆっくり霊夢を舐める さらさらと舐められたゆっくり霊夢からは砂が落ちて下からはもちもちの真っ白な饅頭皮ほっぺが・・・出てこなかった。舐めても舐めても泥の塊 「おおおおおかしいよ、れいむのかおおかしいよ?」 「ななななんんなのれいむのかおなんなの?」 「ちょ、ちょっと穴を見てください、あ?うあ!」 穴を覗き込むと相当深い、別の職員が底に手を突っ込むと肩まで入っている 最後のあ!はあちこちに支道があるようでそれを踏み抜いて職員がつまづいた声 そして掘った土は無い 「君たちいったいどうしたんだい?」 分からなければ本人?に聞いてみればいい、ゆっくり飼育の基本である そして聞いたところによると 夜に眠っているとう゛っう゛ーと唸るへんなのが来てお母さんがおうちで塞がっていたおうちに押し込んで土を食べて食べてといわれたので食べまくっているとそのうち静かになった。 どうやらあの処分の前の日に穴を掘った一メートル越えのゆっくり霊夢の子だったらしい ゆっくりレミリアから守って親が土の中に生かしたようだ 「余計なことを・・・」 「れいむたちどうなったの?」 「俺が聞きたいよ」 時間的にはその処分から1ヶ月が経っている 次の計画の実行のために厩舎には板が張られといろいろやってるうちにどうやら土の中という環境に馴染んだ固体になったようだ、話からすると土だけじゃなくミミズなども食べていたということらしいが子供の個体というのが環境の適応能力の柔軟性を持たせたのか これがホントの地(面の下で生きられる)ゆっくり 「まあ要らないな」 「れいむいらないこじゃないよ?!」 どっかの3姉妹の定型句か 「2匹居るのは好都合だ永遠亭行きだな」 「えいえんていってなあに?」 「ゆっくりできるところだよ、ああゆっくりできるだろうさ、死なない人間が相手だ」 「ここじゃないところでゆっくりできるんだね?ゆっくりしていってね」 無邪気に笑う、名づけるとすれば泥団子霊夢2匹は早々に退出される 「穴は板を張れば全然大丈夫です」 「なら予定通りに育成が始められるな」 加工場の本当の地ゆっくり育成はこれからである 泥団子霊夢が永遠亭でどうなるのかそれはまた別の話 byアンバランス このSSに感想を付ける
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“道”とはあらゆるが交わり分かれる場 道を進むということは交流、発見、別れと育成に大きく作用すると 多くの国の教育機関は登下校は“歩く”ことを推奨している ── 春 大延国、多種多様な獣人の子供が賑やかに家路につく町の道。 学舎への登校初日ということもあってその賑やかさもひと回り大きい。 そんな中でとぼとぼと小さな栗鼠人が道の端を歩いている。 山で営んでいた薬膳屋が大きくなったことで町にも店を出すのに合わせて引っ越してきた家族の子である。 そのため、それまでの友達と離れての入学となったのだ。 新しい日々を送る場所で一人ぼっちで周りは自分より大きな人ばかりで話す切っ掛けも出来ずじまい。 慣れない文房具と教書を持っていることも重なり、足取りは見て分かるように危うい。 「あっ」 鞄に提げた小袋から硝子玉が転がり落ちる。 それはお気に入りの遊び道具で、友達が出来たら一緒に遊ぼうと思って持っていたのだが… 転転転 行き交う人の足元を軽やかに転がる硝子玉。それを追う栗鼠人の小走り。 手に取る寸でのところを再び転がるそれはやがて薄暗い路地、建物の狭間の前で止まる。 もう少しと焦って駆け寄ったため足がもつれてこけてしまいそうになる。 「あぶないぞっ」 顔と地面の前に尻尾を差し出し衝突を防いだのは山猫人の子供。同じく入学式帰りの様子。 「にもつをもったまま走ったらダメって今日先生に言われたろっ」 同じ教室の一番前と一番後ろの席で一度も話したこともない同士だったのだが。 転… 転… 尻尾に起こされる先で、風もないのに再び硝子玉が転がりだした。 はっと栗鼠人は持った荷物をその場に放って駆け出す。 「おい!これどうするんだよっ」 山猫人はすぐさま荷物を拾い集めて路地に入った尻尾を追う。 引 引 引 路地裏の闇へと吸い込まれる様に転がり消えていく硝子玉。 気が付けば闇。 あったはずの壁も無く、入ってきたはずの通りの光も見えず。 「ぼくのたからもの…」 「ちょっとまてよ。なんかおかしくないか?」 腕 腕 腕 二人が気付くと同じくし、足元から黒い腕が伸び絡み付いてきた。 「「うわわっ!」」 光っ! 突如上から落ちてきた光躍字が眩く弾けると、絡み付いていた腕がもがき剥がれる。 集暗束闇 集集集 闇の中でもその動きが見て取れたさらに黒い塊が、どんどん膨れて大きくなる。 「なんだおまえっ!」 震える栗鼠人の前に震える足で立つ山猫人だが、次に黒い塊が奈落の底かと思う大きな穴、口を開くとすくんで動けなくなってしまった。 「待つのです! 跳!弾!」 二人の前に少女が降り立つと同時に塊の下で躍字が弾ける。 衝撃で跳ね上がった塊に、これでもかと大きく反り返った太い躍字が体当たり。 思わず塊がもんぞりうって間合いを空けた。 「逃げ出したはぐれ躍字ですね! 兄上達が探している!話しているのをこっそり聞いていたのです!」 「「だれ?!」」 「ここはおねえさんに任せるのです! 光明の剣が斬りさく…さく…あれ?おかしいのです」 特殊な墨を含ませた筆で空に文字を描くも、光は弱まりしなびた沢庵の様にへなへなと地に落ちる。 すかさず塊が獣の如くしなりをつけて勢い凄まじく遠間から三人に飛び掛かる。 「「「わーっ!」」」 「にゃー」 真白の雲の様な煙の様な…ふわふわした巨大な犬の様なもの闇を開いて現れると、ぱくり一口ぺろりと飲み込んだ。 「テンコウ! …どうです!思い知ったかです!」 「にゃー」 みるみる内に暗闇が解け、そこは何処にでもある路地裏へと戻っていく。 「子供が人気のない場所へほいほい入ってはいけないのですよ。気を付けるのです」 「なんだよっ、おなじこどもなのにえらそうにっ」 「た、たすけてくれてありがとう」 おずおずと白い塊を見上げながらお礼を言うと、それに反応したのかくるり宙を舞った後にぱっと消える雲。 「子供は素直が一番なのです。 そっちの素直じゃない方!」 「なっなんだよ!」 「友達を守ろうとしたのは立派なのです。これからも二人仲良くするのですよ」 そう狐人の少女が言うと、少し照れたように鼻頭をかく山猫人。 「あっ、ありがとうよっ!」 うんうんと腕を組んで頷くが、はっと何かに気づいて壁を蹴って屋根の上へと飛び上がった。 「寄り道せずに帰るのですよー」 すぐに見えなくなった尻尾だが、二人はしばらく手を振って送った。 「早く部屋に戻ってジジイが来るまで大延児遊々刊を楽しむのです」 胸に雑誌を抱えた狐人は、嬉しそうに屋根の上を飛んで行く。 「どうですかな?何とかなったでしょう」 見 散 ぱっと鏡が霧散する。 「気が気ではありませんでしたが…」 清閑な狐人の若者が、ほっと安堵の息の後、“無認躍書家暴躍破棄事”と書かれた竹書を閉じる。 「勉学も重要でしょうが、人としての成長も大切なのです。 妹だ妹だと思っていると、気が付かぬ内に並ばれてしまいますぞ?」 老獪な笑みに対し、複雑な微笑で返す。 「まぁしかし、部屋を勝手に抜け出したのには目を瞑りませんが」 「大師殿、お手柔らかにお願いします」 野良躍字とか好き勝手に暴れると確かにやばそう -- (名無しさん) 2014-04-06 20 57 13 子供らしくて和むー。セイランの器の大きさが垣間見えた気がする -- (名無しさん) 2014-04-08 01 13 11 色んなことができる便利な躍字もちゃんと扱わないと危険なんだな -- (とっしー) 2014-04-13 16 49 50 独りでに動く躍字って妖怪みたいだね -- (名無しさん) 2015-04-13 23 31 28 名前 コメント すべてのコメントを見る
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その4より 「さてと、今日は誰が虐待されるのかな?」 三匹の虐待から一匹のみの虐待に変わってから、すでに十日が経過した。 男が壁越しに恒例のセリフを吐いてくる。 それに対し、こちらのセリフも、この十日間変わることはなかった。 「ゆゆっ!! まりさをゆっくりつれていってね!!」 「……またお前か。いい加減、お前を痛めつけるのは飽きてきたんだがね」 「おにいさん、やくそくはやぶらないでね!! まいにちおなじでもいいって、まえにいったよ!!」 「わーってるよ、全くお前も強情だな」 そう言って、男の足跡は遠ざかって行った。 れいむは、黙ってまりさと男のやり取りを聞きながら、やり過ごした。 ありすも男が去るまで、無言を貫いている。 「ゆふぅ……」 足音が聞こえなくなって、れいむはホッと息をもらす。 男がいつ発言を翻して、再び全員を虐待するといってこないとも限らない。 足音が聞こえなくなるまで、一切の気は抜けない。 これもこの十日間変わらぬ光景だった。 この十日間、れいむとありすは、一度も男の虐待を受けていなかった。 それもそのはず、すべての虐待をまりさ一匹が被ってくれていたのである。 まりさは男が発言を撤回しても構わないといったにも関わらず、頑なにそれを拒み、自分を虐待しろと繰り返した。 結果、れいむは男にここに連れて来られて以来、久しく味わっていなかったゆっくりとした時間を満喫することが出来た……はずだった。 そう、出来たはずだったのだ。 部屋から出られないことを除けば、美味しいご飯に温かい毛布、そして隣には大好きなまりさと親友のありす。 好きな時に起きて、好きな時に好きなだけご飯を食べて、好きな時に眠るれる日々。 実にゆっくりした生活である。 しかし、れいむはこの十日間、本当の意味で“ゆっくり”した時間を過ごすことは、一度として出来なかった。 肉体的には、確かにゆっくり出来ただろう。 男から受け続けた虐待の傷も、すっかり癒えた。 寧ろ、森で暮らしていたころより丈夫になったくらいだ。ドッグフードとは言え、栄養バランスが良いおかげだろう。 しかし、精神面ではゆっくりとは到底いかなかった。 どんなにゆっくりしようとしても、圧し掛かってくるのは、まりさへの負い目と自己嫌悪。 更には、いつか男が元の虐待スタイルに戻すのではという恐怖心。 これらがれいむの心を乱してしまう。 ゆっくりは、心身ともにゆっくり出来ていて初めて“ゆっくり”した状態と言える。 如何に身体がゆっくり出来ていようと、心がゆっくり出来なければ、それはゆっくりしているとは言えないのである。 と言っても、贅沢をいう訳にはいかない。 れいむ以上に苦しいのはまりさなのだ。 まりさは、れいむとありすの苦痛を一身に背負っていてくれるのだ。 まりさは毎日れいむとありすに「ゆっくりしていってね!!」と声をかけてくれる。 心の底から、二匹にゆっくりして欲しいのだろう。 ゆっくり出来ていないなんて、死んでも口に出せるはずはなかった。 そんな時である。 壁越しにありすが声をかけてきた。 「ねえ、れいむ……いまいいかしら?」 「ゆっ? うん、いいよ!!」 そう言えば、ありすと二匹だけで話をすることも、最近はめっきりと減ってしまった。 まりさが男に連れていかれてから一時間の間は色々と考え込んでしまい、どうしても話をする気分じゃなくなってしまうのだ。 だからと言って、まりさが部屋に戻って来ても、あまり話はしない。 部屋に戻るや、まりさは疲れと痛みからすぐに寝てしまうので、れいむとありすの話し声で起こすわけにはいかないからだ。 結果、まりさが起きた後、ホンの少しの時間、三匹で話をするのがここ数日の日課となっており、それにしたって負い目を感じずにはいられないものであった。 二匹だけで話をするのは、本当に久しぶりである。 「ねえ、れいむ!! あなた、いまゆっくりできてる?」 「ゆゆっ!?」 ありすが何でそんな質問をしているのか、すぐには理解できなかった。 しかし、頭の中で言葉を反芻し、ゆっくりと考えてみると、ありすが何を言いたいのか、何となく理解できてきた。 「……ゆっくりできてるよ。まりさのおかげで……」 「そう……」 「ありすはゆっくりできていないの?」 「……もちろんゆっくりしているわ。まりさががんばってくれているんだもの!!」 ゆっくり出来ていると、ありすの弁。 しかし、言葉の中に隠れているありすの本音は、間違いなくれいむと同じものであった。 結局のところ、ありすもれいむ同様、まりさに負い目を感じ、ゆっくり出来ていないのだ。 「れいむ……ありすたち、このままでいいのかしら?」 「ゆっ? このままって?」 「いつまでもまりさにたよりきって、くらしつづけていることよ」 「ゆぅぅ……」 「まりさは、ありすやれいむのためにまいにちぼろぼろになっているのに、ありすたちはまりさになんにもしてあげられない」 「ゆぅ……」 「ねえ、れいむ!! ほんとうにこのままでいいのかしら?」 「……いいわけないよ。いいはずがないよ!! でも!! でもっ!!!」 れいむだってありすに言われるまでもなく分かっている。 このままでいい筈がないのだ。 まりさは、れいむとありすのために、毎日地獄のような虐待をされ続けている。 すべてはれいむとありすをゆっくりさせるために。 だというのに、肝心の二匹が、まりさを気にしてゆっくり出来ていないというのだから、本末転倒もいいところである。 でも…… 「でも……れいむ……いじめられたくないよ……」 「んん……」 そう、結局はここに行きついてしまうのだ。 しかも、れいむは男からの虐待を受けなくなって、もう十日もたっている。 これが以前の様に、毎日虐待されていた時なら、たまには自分がされるのも有かもしれなかった。 自分たちではなく男が虐待する者を選んでくれていたら、最初から諦めがついて、却ってよかったかもしれなかった。 しかし、平穏な日常に慣れたれいむは、以前にも増して、一層虐待への恐怖が強くなっている。 もう二度と虐待はされたくない。何に変えても!! 何をおいても!! 偽らざるれいむの本音であった。 こんなことなら最初からサイクル回しで虐待をされるんだった。 れいむは、最近ちょくちょくそう考えるようになっていた。 それなら全員が虐待を受け、誰一人負い目を持つこともなかった。 それ以前は毎日虐待されていたのだ。虐待が無くなる訳ではないが、三日に一回ならあの時のれいむなら十分満足できただろう。 考えてみたら、あの毎日虐待されていた時は、虐待自体は辛く苦しかったけど、三匹で過ごす一時はとてもゆっくり出来ていた。 実に充実していた。全員の心は一つだった。 しかし、どんなに過去を振り返ろうが、時間は戻らない。 結局、れいむはどんなにまりさを心配しても、何一つしてやることは出来ないのだ。 「……ねえ、れいむ……まりさって、すてきよね!!」 「ゆっ!?」 突然、何の話をしたいのか、ありすがそんなことを言ってきた。 「はじめてあったときから、すごくきれいゆっくりだっておもってたけど、そのうえあたまもよくて、やさしくて、ゆうきがあって、そして、すごくゆっくりしていて……とってもとかいはよね!!」 「ありす……いったいどうしたの?」 「れいむ!!」 「ゆっ!?」 「ありすは!! ありすは、まりさがすき!!!」 「!!!!」 「まりさがすきなの!!!」 ありすは、れいむに向かって、いきなり爆弾発言をしてきた。 れいむには、突然そんなことを言ってくるありすの意図が掴めなかった。 好きと言っても、いろいろある。 家族に対し、友人に対し、恋人に対し。 ありすがまりさの家族でない以上、友人か恋人かのどちらかであろう。 しかし、友人の場合、れいむに対しても好きと言っていい筈である。 親友という自負がある。れいむの独り善がりではない筈である。 しかし、それがなかったということは、つまるところ…… 「それって、『あいしてる』ってこと?」 「……ゆぅ!!」 ありすは少し躊躇いながらも、しっかりと返事を返してきた。 「……ありすはね、ずっとまりさのことがすきだったの!! でも、まりさってすてきなゆっくりでしょ!! ありすじゃまりさにはあわないとおもって、ずっといわなかったの……」 「……なんでれいむにそんなこというの?」 「もうこれいじょう、まりさにつらいおもいをしてほしくないから……とかいはのけついひょうめいよ!!」 「けつい……ひょうめい?」 ありすが何を言っているのか、さっぱりれいむには理解できなかった。 深く聞こうとしても、「つかれたから、ゆっくりねるわ」と会話を切り上げ、教えてくれなかった。 仕方なく、れいむも毛布に包まり、目を瞑り、ありすの言葉の意味を考え始めた。 “まりさがすきなの” 意味は分かる。 ありすはまりさを愛しているのだ。 つまるところ、れいむと同じということである。 しかし、なぜここにきてそんなことを言ってくるのだろう? なぜ自分にそんなことを言ってきたのだろう? 決意表明とは、いったい何を指して言っているのだろう? どれだけ考えようと、その意味がれいむには分からなかった。 ただ一つ言えることは、ありすはれいむのライバルということである。 れいむもずっとまりさが好きだった。愛していた。 ありすは親友だけど、まりさのことを譲りたくはない。 れいむはその日悶悶としながら、一日中、これまで以上にゆっくり出来ない時間を過ごした。 後日、れいむはありすの言葉の意味を知ることとなる。 「さ〜てと、今日も楽しい楽しい虐待の時間が始まるわけだが……また、今日もまりさか?」 男は気だるそうに、壁越しに言葉をかけてくる。 そんなに面倒くさそうにするなら、すぐさま虐待なんて止めて、れいむたちを森に帰せと言ってやりたい。 怖いので本当に言うつもりはないけど…… 対して、いつも通り、まりさが男に返事を返す。 「ゆっ!! そうだよ!! ゆっくりまりさをつれていってね!!」 全くもって代り映えのない会話である。 男は、これまた気だるそうに「わーったよ……」と返事をして、まりさを連れていこうとする……が、今日はいつもとは違う事態が起きた。 新たな声が乱入してきたのである。 「おにいさん!! ちょっとまってね!!」 ありすだ。 いつもはれいむ同様、男が去るまで口を開くことのない彼女が、行き成りまりさと男の間に割って入ってきたのである。 「おにいさん!! きょうはとかいはのありすが、ぎゃくたいされてあげるわ!! せいぜいかんしゃするのね!!」 「「ゆゆっ!!!」」 「ほう!!」 れいむとまりさの驚愕の声がハモる。 その後、男も久しぶりにおきた変化に、嬉しそうに声をもらす。 「あ、ありす!! いったいなにいってるの!! まりさがぎゃくたいされるんだよ!! ゆっくりじょうだんはやめてね!!」 「まりさ!! いつもまりさはがんばってくれているから、きょうはありすがかわりにぎゃくたいされてあげるわ!! きょうはおへやでゆっくりしていってね!!」 「ありす!! まりさなら、ぜんぜんへいきだよ!! ありすがいじめられることないよ!!」 「でも、もうきめたのよ!! とかいはににごんはないわ!!」 「ゆぅぅ……おにいさん!! おにいさんからもいってあげてよ!! まりさがぎゃくたいされるんだから、ゆっくりりかいしてねって!!」 自分の説得では、どうにも出来ないと悟ったのか、まりさは男に協力を呼びかける。 しかし、毎日まりさばかりで飽きていた男だ。 まりさの言い分を聞くはずもなく…… 「いいだろう、ありす。今日はお前を虐待してやるよ!!」 「なんでええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――!!!!」 まりさの悲鳴を無視し、男はありすに言葉をかける。 「お前にもまりさの酔狂が乗り移ったのか? せっかくまりさが犠牲になることで、ゆっくり出来る日々を送れているってのに。それを自分から壊すなんてな」 「なんとでもいいなさい!! こんなにせもののゆっくりなんて、まっぴらごめんよ!!」 「ふん、なかなか言うじゃないか。その根性が今後も続けばいいがな」 ありすと男の会話と共に、男の足音が次第に小さくなっていく。そして完全に聞こえなくなった。 「ゆうううううぅぅぅ……なんでありすをつれていっちゃうのおおおおおおおぉぉぉぉ――――――!!!!」 まりさは未だに未練たらしく、声を荒げている。 ありすが代わってくれたことで、虐待されずに過ごせるというのに、本当にすごい根性である。 事情を知らなければ、うっかりゆっくりてんこと勘違いしてしまうほどだ。 よほどれいむとありすに傷ついてほしくないのだろう。 或いは、自分が誰のために虐待されているのか分かっているのかという、怒りも含んでいるのかもしれない。 未だ叫んでいるまりさを余所に、れいむは昨日のことを考えていた。 ようやく昨日のありすの言葉の意味が理解できた。 これがありすの言っていた「決意表明」なのだろう。 ありすは、ずっと悩んでいた。 このままでいいのかと。まりさに頼り切ったままでいいのかと。 大好きなまりさの為に何かしてあげたい。まりさの力になりたい。 ここまでは、れいむも常々思っていたことである。ありすとなんら変わらない。 しかし、れいむと違い、ありすは止まっていた足を再び前に出した。 自分が虐待されることによって、まりさの苦労を取り払いたい。 まりさをゆっくりさせてあげたい。 まりさと対等でありたい。 その気持ちが、臆病だったありすを突き動かしたのであろう。 れいむはここに来て以来、心に二度目の衝撃を受けた。 一度目は言うまでもなく、十日前のまりさの言葉である。 れいむは、ありすの行動力に対して、驚嘆と感謝と……嫉妬を感じた。 ありすが虐待されることによって、まりさは今日一日ゆっくりすることが出来るだろう。 例えありすのことを気にして精神的にゆっくりできなくても、一日虐待を受けないだけで肉体疲労度は全然違う。 まりさがゆっくり出来る。その機会を作ってくれたありすに、れいむは大いに感謝した。 それと同時に、れいむは羨ましかった。ありすの行動力が。 れいむと同じく臆病だったあのありすが、こんな大胆な行動を起こしてくるとは思わなかった。 こんな勇気を持っているとは思わなかった。それが羨ましくて仕方がなかった。 れいむは悔しかった。まりさに対する想いで負けてしまったことが。 昨日のありすの発言を聞いても、自分の方がまりさを想っている、まりさについて考えているという自信があった。 しかし、それもありすの行動で打ち砕かれた。 結局、想いだけだったのだ。口だけだったのだ。 れいむには、ありすの勇気を見せつけられても、それじゃあ自分もという気には到底なれそうになかった。 どうしても恐怖で身が竦んでしまう。虐待を受けたくない。ありすに続くことなんて、到底出来ない。 れいむは焦った。まりさとありすが近付いてしまうことに。 これでありすは、まりさに遠慮する必要が無くなった。まりさに負い目を感じることが無くなるのだ。 スタートラインは同じだったのに、たった一つの行動で、ありすはれいむの遥か先へと行ってしまったのだ。 しかし、何より腹が立つのは、そんなことを考えてしまう自分自身であった。 まりさやありすのように行動もせず、ただその恩恵を甘受している身でありながら、頭に浮かぶことは常に自分のことばかり。 口だけの自分に……何も出来ない自分に……れいむは腹が立って仕方がなかった。 「なんでじぶんからいじめられにいくのおおおおおぉぉぉぉ―――――――――!!!!」 部屋に戻ってきたありすに真っ先にまりさが掛けた言葉であった。 「ゆぅ……まりさ…………あん……まりおおきな……こえを…あげないで……………あたまに……ひびく…わ……」 「ゆっ!! ご、ごめん!! ありす!!」 ありすは、いつものまりさ以上に荒い息を吐いている。 久しぶりにまりさ以外を虐待した男がつい加減を間違えてしまったのか、それとも久しぶりに虐待を受けたありすの体が付いてこなかったのか。 とにかく、ありすが相当苦しそうなことには違いなかった。 しかし、まりさはありすに文句を言うのを止めなかった。 虐待を代わりに受けてくれて文句というのも可笑しな話であるが、ありすの体に差し障りない程度の音量で、ありすを攻め立てる。 「でもね、ありす!! ありすがいじめられることはなかったんだよ!! まりさがいじめられれば、ありすたちはゆっくりできるんだよ!! なんでこんなことしたの!?」 「まりさ……まりさはまえに……いったわよね……だいすきなひとは……じぶんをぎせいにしても…まもらなければならな……いって……」 「そうだよ!! だから、まりさがぎゃくたいをうけるんだよ!! ありすとれいむのために!!」 「ありすも……そう………おもうの」 「ゆっ!?」 「ありすも……だいすきだから……まりさと………れいむが…………きずついてほしくないから……ゆっくりして………ほしいから」 「ゆうぅ……でも!! でもありすはとってもくるしそうだよ!!」 「それは……いつものまりさも………おんなじでしょ……」 「そうだけど、まりさはおねえさんだから……」 「ありす…だって……とかいはよ……しんのとかいはとは……こういうことが……できる…ゆっくりのことを……いうのよ」 「でも!! まりさは、やっぱりいやだよ、ありすがきずつくのは!! あしたはまりさがぎゃくたいされるからね!!」 「だめよ……あしたも………ありすがいくわ!!」 「なんでぞんなごどいうのおおぉぉぉぉぉ――――――!!!!」 「いったでしょ……それが………とかいはと……いうもの…だから……よ」 まりさは何とかありすを翻意させようとしたが、ありすは一向に考えを改めてくれなかった。 その後、ありすの「つかれたわ」という言葉で、二匹の会話は一時幕引きとなった。 さすがにまりさも、傷付いたありすを無理させてしまっては、本末転倒であることを悟ったのだろう。その場は引いてくれた。 しかし、ありすが翌日起き上がると、再びまりさはありすに対し止めろと説得を繰り返す。 それに対し、ある程度回復したありすも一歩も引かなかった。 二匹は男の虐待が始まるまで、延々と話し合い続けた。 その日、れいむは一言も口を挟めなかった。 「それで、今日はまりさとありす、どちらが虐待されるんだ?」 定番の男の言葉である。 それに対し、ありすが口を開いた。 「ゆっ!! きょうは、とかいはのありすがぎゃくたいされるばんよ!! ゆっくりつれていってね!!」 「へいへい」 そう言って、ありすを連れていく男。 そんなありすに対し、まりさは壁越しにありすに言葉をかける。 「ありす!! ゆっくりがんばってね!!」 「だいじょうぶよ!! とかいはをあまくみるものじゃないわ!! まりさこそ、ゆっくりまっていてね!!」 「ゆっ!! ゆっくりまってるよ!!」 まるで仕事に赴く夫と、それを見送る嫁のような会話である。 最近、まりさとありすはいつもこんな感じであった。 ありすが初めて虐待されてから二週間が経過した。 あの日以来、ありすとまりさは交互に虐待される日々を送っている。 まりさは当初、なんとしてもありすの気持ちを変えさせようと躍起になっていた。 自分が虐待される。ありすは虐待されることはないのだ。すべて自分に任せればいい。 まりさはこれを繰り返した。 対してありすも、意地を通し続けた。 これからはありすが虐待される。まりさは休んでいなさい。これが都会派の役割よ。 二匹の意見は、なかなか折り合いがつかなかった。 数日後、先に降りたのはまりさだった。 どんなに説明してもありすは聞いてくれない。まりさはそういう考えに落ち着いたのだろう。 そこで普通のお馬鹿なゆっくりなら、あまりの強情さに敵対に発展することだろう。 自分の主張が通らないことは、ゆっくりにとって耐えられないことだからである。 「なんでまりさのいうことをきいてくれないの? ばかなの? しぬの? まりさのいうことをきかないありすはゆっくりしね!!」 こうなるのが目に浮かぶようだ。 しかし、このまりさは頭が良かった。 何でありすは自分の言うことを聞いてくれないのと憤るのではなく、ありすの心意気をしっかりと受け取ってくれたのだ。 理解したのだ。ありすが本当に自分のことを考えてくれているのだと。 自分に感謝してくれているからこそ、まりさの代わりを務めているのだと。 まりさはその心意気に報いることにしたのである。 その日から、まりさとありすは急激に接近していった。 毎日、変わりばんこで虐待を受けることを決め、互いで負担を減らすことにした。 虐待されていない方は、お互いのことは気にせず徹底的に体を休めることに努める。 受けた虐待を、次に持ち越さないためである。 以前は負い目があってゆっくり出来ていなかったありすも、今では負い目もなく、虐待のない日は心身ともにゆっくりと過ごしているようだ。 まりさも同様である。 また、少ない会話時間は、まりさとありすの二匹が中心となっていった。 会話の種は、主に男の虐待についてである。 二匹の話によると、最近男は昔三匹が受けた虐待を繰り返しているらしい。 虐待のバリエーションが尽きてきたのだろうか? しかし、そんなことはこちらには関係ない。というか、寧ろ好都合であった。 一度受けたということは、対策を立てられるということなのである。 そのため、まりさとありすは、毎日のように虐待対策を話し合った。 これこれこうすれば、あまり痛くないんじゃないかな? 明日はきっとこの虐待をしてくるわよ!! そろそろ“はこ”を使ってくると思うよ!! 今日この虐待をしてきたわ!! 読み間違えたわね!! ゆゆっ!! あの虐待は、こうするとあんまり痛くなかったよ!! そこにれいむの入る隙間はなかった。 二匹の中が急接近したこともあって、微妙に除け者にされていると感じ、なかなか入って行けなかったのだ。 それに話は虐待関係についての事ばかり。 虐待を受けていないれいむには、心情的に入り辛い話だ。 それでも寂しくてなんとか会話に参加したこともある。 まりさもありすも、れいむを決して仲間外れにしたりはしない。 しかし、いつの間にかれいむ一匹が、置いてけぼりにされてしまうのだ。 二匹も悪気があってしているわけではないのだろう。 実際、れいむにも話を振ってくれている。 しかし、虐待関係の話を振られても、れいむには応えられることは限られているし、れいむも熱心に話している二匹に、水を差すことは出来ない。 れいむと違い、二匹には命の危険性があるのだ。我儘で話を変えるなんてことが出来るはずがない。 結果、れいむがいつのまにか零れ落ちてしまうのである。 れいむは焦っていた。 最初はありすとまりさが急接近してしまうことにだけ目が向いていた。 しかし、今ではもっと重大な局面に差し掛かっている。 れいむの存在そのものが揺らいでいるのだ。存在が希薄になっているのだ。 まりさとありすが接近すれば接近するほど、れいむの居場所がなくなってくるのだ。 しかし、れいむには分かっていた。自分の居場所を取り戻す方法を。 簡単である。 れいむも虐待されればいいのだ。 虐待されれば、れいむも二匹に負い目を感じる必要はなくなるのだ。 二匹と共にゆっくり会話に興じれるのだ。 居場所を取り戻すことが出来るのだ。 しかし、どんなに頭では分かっていても、やはりれいむには言えなかった。 一言男の前で「きょうはれいむをぎゃくたいしてね!!」と叫べばいいだけである。 先日、男は「そろそろれいむを虐待したいなあ」なんて言葉を口にしていた。 れいむが言えば、どんなにまりさとありすが反対しようと、男はれいむを虐待してくれるだろう。 存分に可愛がってくれるだろう。 それでも……れいむには言えなかった。 虐待は怖い これがれいむの心を、体を縛っている。 今の状況はれいむにとって、辛く苦しかった。居場所のない自分が悲しかった。なんとしても変えたかった。 しかし、そのために虐待を受けるということが、どうしても出来ないのだ。 平穏に慣れすぎたれいむにとって、男の虐待はすでに死よりも恐ろしいものとなってしまっていたのである。 そんなれいむに転機が訪れたのは、その少し後であった。 れいむが虐待を受けなくなってちょうど一月が経過したころ、ありすがあることを口にした。 いや、ようやく口にしたと言うべきだろうか? その日はありすが虐待される日であった。 いつも通り連れて行かれ、一時間が過ぎると部屋に戻された。 まりさがそんなありすに声をかける。対してありすも大丈夫だと、まりさとれいむを安心させる。これもいつも通りの様子である。 しかし、本来ならこの後ありすは体を回復させるために休息に入るのだが、その日ありすは中々寝ようとしなかった。 まりさが言葉をかけても、壁越しにモジモジしているのが、何となく感じられた。 それはしばらくの間続いた。 そして、ありすはようやく意を決意したのか、ありすが「まりさ!!!」とひと際大きな声で呼びかけた。 「ゆっ!! どうしたの、ありす!!」 疲れているというのに突然大声を出してくるありすに、驚くまりさ。 「まりさ!! まりさにきいてほしいことがあるの!!」 「ゆっ? な〜に、きいてほしいことって?」 「あ、ありすと!! ありすといつまでもゆっくり…………」 そこでありすの言葉はピタリと止まってしまった。 まりさはしばらく待ち続けたが、いつまでもありすが続けてこないので、不審に思ったのか、聞き返してきた。 「ありす? どうしたの、きゅうに?」 「……」 「ありす?」 「……」 「ありすってば!!」 「……まりさ、ごめんね!! やっぱりいまのことばはゆっくりわすれてちょうだい!!」 「ゆゆっ!! どういうこと、ありす!! なにをいおうとしたの? ゆっくりおしえてよ、ありす!!」 「やっぱりいまはいうときじゃないから、ゆっくりやめておくわ!!」 「ゆぅぅ……そんなこといわないでゆっくりせつめいしてよ!!」 「もっとゆうきがでたら、そのときいまのことばのつづきをいうわ!!」 「ゆうき?」 「ごめんなさいね、まりさ!! ぜんぜんとかいはらしくなかったわ!! いつかぜったいいうから!! ぜったい!! ぜったいっ!!」 「ゆぅぅ……ぜったいだよ!! やくそくしたからね!! よくわからないけど、いつかゆっくりせつめいしてね!!」 「ええ、ぜったいにいうわ!! ゆっくりやくそくよ!!」 そう言って、ありすは寝てしまった。 ありすが言おうとした言葉。 まりさには最後まで分からなかったようだが、れいむにははっきり理解できた。 “ありすといつまでもゆっくりしていってね!!” これがありすが言おうとしていた言葉であろう。 ゆっくりしていってねと言っているが、言葉通りの意味ではない。 これはゆっくり社会で俗に言うプロポーズの言葉である。 ありすはまりさに告白をしようとして、結局途中で怖くなって言いそびれてしまったのだろう。 同じゆっくりを愛している者同士の勘だろうか? れいむには痛いほど気持ちが理解できた。 理解できた反面、れいむの焦りは頂点に達した。 まりさとありすが結婚する。 それは今以上にれいむの居場所を無くしてしまうことになってしまうからだ。 無論、ありすがしっかりプロポーズしたとしても、それをまりさが受けるとは限らない。 れいむの杞憂に終わるかもしれない。 しかし、追い詰められたれいむには、最早その可能性だけで充分であった。 なんとしてもまりさとありすの結婚を阻止しなければならなかった。自分の居場所を守るために。 そのためにはどうすればいいか? まず真っ先に思いつくのが、ありすにプロポーズの言葉を言わせないことである。 言わせなければまりさが受けることもあり得ない。 しかし、どうすればありすに言わせないようにすることが出来るのかが、れいむには思いつかなかった。 ありすに告白するなと言っても、聞きはしないだろう。 逆に、なぜそんなことを聞くのかを問い詰められ、れいむの思慕をありすに知られる恐れがある。 そうなれば、ありすはれいむに負けじと早々にプロポーズをしてしまうかも知れない。本末転倒である。 絶対ありすに、れいむの気持ちを知られることがあってはならない。 ならば、ありすの評判を下げるのはどうだろう? ありすが虐待されている間や、寝ている間を見計らって、まりさにありすのあることないことを焚きつけて、ありすの評価を下落させる。 ……却下。問題外である。 まりさは馬鹿ではない。そんなことをしても、決して信じることはないだろう。 逆にそんな嘘を付いてくるれいむの評価を落とすことになりかねない。 唯でさえ存在が薄くなっているのに、まりさに見捨てられてしまったら、れいむにはこの先生きている意味すら持てなくなってしまう。 それにこの案は、そもそもれいむ自身も気に入らない。 ハッキリ言って、れいむのやろうとしていることは、ありすに対する裏切りに近い行為である。 しかし、それでいてなお、れいむはありすとの友情を捨てきれていなかった。 調子のいいこととは理解しつつも、ありすと親友でいたかった。 ありすの悪口を陰口するなどしたくはなかったのだ。 ならば、最後はこれしか考えられない。 れいむは自分がまりさを好きなことを、ありすに教えていない。これはある意味アドバンテージだ。 更に言えば、ありすはれいむよりまりさに近い位置にいる。れいむに危機意識の欠片すら抱いていないだろう。 だから…… ありすがプロポーズする前に、れいむがまりさにプロポーズをする!!! ありすのあの調子からするに、明日明後日にでも、すぐにプロポーズしてくることはないだろう。 ならば、先にれいむがまりさに告白し、まりさが受けてくれれば安泰どころか、愛するまりさと一緒になれて、一石二鳥にも三鳥にもなりえるのだ。 無論、ありすより先に告白したとしても、まりさがれいむのプロポーズに答えてくれるとは限らない。 限らないが、ありすのプロポーズを阻止できない以上、この手しか残されていなかった。 始めて出会った時こそ、まりさとの結婚など1%の可能性もない妄想にすぎなかったが、2か月近くをいっしょに過ごしたれいむなら、まんざら可能性のない話ではないだろう。 どうせこのまま何もしないでいても、何も変わらないか、ありすに取られてしまうかのどちらかだ。 それにありすがいつプロポーズをするか分からない以上、考えている時間もあまりない。 れいむが、一生に一度の決意を固めた瞬間であった。 とは言え、今のれいむとまりさとでは、あまりにもつり合いが取れていなかった。 まりさは二日に一度虐待されているのに対し、れいむはその恩恵をただただ甘受しているニート生活。 れいむもまりさと同じ舞台に上がる必要があった。 怖かった。とてつもなく怖かった。 しかし、れいむに道は残されていない。 れいむは、ようやく虐待を受ける覚悟を決めた。 その6へ
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☆二人の今後 65 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/24(火) 20 55 52 ID lcSNYvEi (1-63氏のかが×こなを受けて) 63 乙 そうか、改訂してたのか 確かにどこかで見たことあると思った。 話は変わるが、こなたとみさおの嫁(かがみ)取り合戦がいつアニメで放送されるのか、待ちきれない俺がいるw 66 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 00 51 07 ID p0pYDC1o 65 最近のパロ分過多のアニメを見てて、果たして原作話どこまでやるか不安になってきたぜ 67 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 07 48 12 ID xMXSBLmb 半分半分でやってくれたらそれでいいな 70 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 16 48 06 ID ctAJnZuG それは今期で半分、二期で半分という意味か ? マジで二期が欲しいなあ… 71 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 17 31 24 ID aosgo0Aq 70 超絶同意だ。2期来ないかなぁ。 ここでふとした疑問を一つ。 かがみんがこなたに激ラブなのは言わずもがななんだが、 こなたはかがみんの事どう思ってるんだろう? 72 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 17 40 00 ID x0trIAwD フィルターかかってるのは自覚してるがこなたはかがみのことかなり好きだろ どれだけふざけてもかがみなら許してくれるっていう甘えを感じる 73 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 19 13 07 ID ctAJnZuG つか、こなたってかがみを露骨にいじって、反応見てゾクゾクしてるよなw かがみはかがみでこなたに対して構ってオーラ全開w 原作者がウサギに喩えるくらいだし、少なくともかがみはこの先こなた無しでは生きていけない予感がする もうね、あんた等結婚しろよw 74 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 20 20 05 ID 8HdL41lb もう2期はこなたとかがみのドイツでの結婚生活でいいよ 75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 20 27 41 ID 5huH+14h 74 何でドイツなんだよw 76 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 20 42 33 ID tqJgDU++ ヒント:同性婚 77 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 21 00 37 ID iiqs1Zq8 「…ねぇかがみん。ドイツ語喋れるの?」 「バ…」 「バ?」 「バームクーヘン…」 「必死に考えて某アニメと被っちゃうかがみん萌え~」 「う、うるさいわね」 こうですか? 78 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 22 22 37 ID ctAJnZuG 77 元ネタわからんw とりあえず、俺は卒業後に二人が同棲し始めるところから妄想することにしてる 79 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 22 42 28 ID BTfP80EM 同棲もいいけどさ 別々に暮らしてるんだけどつい通っちゃうてのもいいな 同じクラスにしてやりたかったー 81 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 23 09 42 ID ftElGFZb 78 お前は俺かwwwwww ソコにいたるストーリーなんかもかなりできてるのなww ―卒業1ヶ月前頃 …桜が舞うには少し早いが、寒さもだいぶ抜けて晴天が続いている。 …二人、帰り道を歩く。 「ねぇ…。」 「どったの?」 「あの…もし良かったらさ。ふたりで…暮らさない?」 「言うと思った。…いいよ。…かがみんなら。」 「エヘっ…ありがと。」 とりあえず、かがみんが大学受かって通学するにしても実家からじゃ遠いから この際家を出ることにするが、家事とかできないんでカレシ(カノジョ)も一緒に…という裏設定。 って何書いてんだ俺wwwwwwwwwwwww ☆誰が一字違いで上手いことを略 97 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/26(木) 23 12 11 ID TDnjzjHH ネタがないみたいなので投下 かがみの身長が159cmだと判明したけど、142cmのこなたとえらく差があるw そこでこのスレの住人的には、二人はどうやってキスをするのか考えてみたくないか? 俺は、つま先立ちになりながら、かがみの首周りに抱きつく感じでキスしてもらいたい ! 98 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/26(木) 23 17 39 ID SCl29AQ2 97 ちょ、おま! 同じ事をここに書こうとしたら…なんというシンクロww 個人的にはこなたは立って、かがみんはイスに座って… っていう状況で向き合ってキスをしてほsあqsうぇdrftgyふじこlp@ 99 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/26(木) 23 20 43 ID c7R7BGsf 身長差あるなー つま先立ちでも結構難しいかも というわけでお互い協力的に。 100 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/27(金) 00 40 35 ID RFCykBqJ かがみんが空気読んでちょっとだけかがむよ 101 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/27(金) 08 11 20 ID tOEriYQS 100 何オマエ俺のデスクトップ覗いてんだよwwww 102 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/27(金) 08 23 08 ID 56L4vJzs 100 かがみだけに こなたはかがみんを見上げて待ちだな かがみんは照れながらかがんで軽いのをしてくれるはず でもそれじゃもの足りなくてつま先立ちで体重預けて・・・ 103 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/07/27(金) 21 26 21 ID YkCxRh+H ttp //pict.or.tp/img/12984.jpg 俺的に裏でこっそりこういう関係だったら萌えるんだが ☆Minus legacy 104 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/28(土) 01 06 16 ID LW4kD4a3 ○月×日 こなたのほっぺたを触りたい ○月×日 こなたかわいいなぁ ○月×日 こなたと同じクラスになりたかった。。。 ○月×日 こなたに誘われて放課後本屋に行った 嬉しかった 内心デレデレ そんなかがみの黒歴史ノートが見たい 105 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/28(土) 05 34 29 ID c0cfk97X ■月▲日 こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなた こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなた こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなた こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなた こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなた こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなた こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなた こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなた こなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこなたこ―― 106 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/28(土) 08 08 34 ID +PM67T8W 105 かがみんはもうこなたのことしか 考えてないってことですねw 俺を萌え殺す気かwwwwww ☆ギャルゲー 113 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/29(日) 23 44 25 ID GY+gTMDhO かがみはギャルゲーのことについてはどう思っているのかね 115 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/30(月) 11 16 37 ID xeSKG4ad 113 原作見る限りは、ギャルゲーやるこなたよりも ギャルゲーの登場人物に興味(疑問?)がわくみたいだし まあ特に何もないのかもしれない てか、17話見たが前半はこなかがのターンが多かったな 特にかがみがこなたの頭を押さえ続けるとこに萌えたw 116 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/30(月) 18 43 22 ID EPztitt0 かがみに嫌われたと思い込みひきこもりになるこなた萌え あんだけいじってたらいつかかがみんマジキレしそうな気がするんだよね\(≡ω≡;)/ ☆誕生日プレゼント 127 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/31(火) 16 49 06 ID JMy5oQrx 誕生日、かがみんが何をあげたのか気になる プレゼントが手紙付きなら萌え度さらにup 128 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/31(火) 19 38 49 ID zXfsW0ma 他の二人は何となく予想付くんだけどなぁ つかさ→クッキーなどの菓子 みゆき→高級な文房具 かがみ→香水 と妄想。 ☆覚醒 136 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 13 44 51 ID KdGhgs/0 ツンデレ素直なかがみもいいけど、初めはこなたに対する恋心を否定しつつも徐々に百合に目覚めていくかがみも捨てがたいと思わないかい? 137 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 20 02 59 ID Qj8ZCgCI 136 ちゅーか、アニメ本編のかがみがまさにそのパターンだと思うのは俺だけかい? 始まって間もない頃は、普通に親友にしか見えなかったのに、最近のかがみときたら 照れる、拗ねる、こなたに接触したがる、やたら一緒にいたがる もうね、かがみ自身に自覚ないかもしれないけど、あれはもう 目 覚 め つ つ あ る と勝手に俺は思ってるw ☆天然甘味料 138 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 21 59 10 ID IFR74psO つかさスレから転載 ttp //imepita.jp/20070802/746220 139 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[age] 投稿日:2007/08/02(木) 22 47 54 ID QeKQi+e0 17話のあのシーンは普通にバカップルっぽいと思います。 {{140 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 22 53 09 ID RIbHoMF5 138 これはどういう状況なんだ?公園デートなのか?そうなのか!?ハァハァ 141 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 22 57 10 ID C+jELhaV ひよりとオタ話で楽しそうに盛り上がりまくるこなたを見て、 いつも通りツッコミ役を演じるも悲しくなってきて、 一人枕を涙でぬらすかがみん的展開 142 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/08/02(木) 23 24 03 ID x+VntMzZ ttp //vipup.org/data/20070802232342.jpg 143 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 23 34 03 ID QeKQi+e0 「もーしょーがないわねー」 こなたに対してこの台詞を使う時、己の脳内に麻薬が分泌されている事実をかがみはまだ知らない。 145 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/02(木) 23 56 29 ID IFR74psO 140 全体ではもう一個ベンチがあって、そっちにつかさとみゆき 原作ではつかさ・かがみ、こなた・みゆきの組み合わせが多かったけど アニメではこなた・かがみの組み合わせが増えたね、アニメスタッフわかってるとしか言いようがない 因みに俺はこの後のこなたの汚れた手をかがみがどうするのかが気になるw 148 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/03(金) 17 16 21 ID iSUHgFyR 145 かがみ「ちょっとこなた! アイス垂れちゃってるじゃない!」 こなた「ん…? あ、ホントだ。 でもこの位何でもないよ。すぐ舐めとっちゃえば…」 かがみ「ダメよ! そんな事したら本にかかっちゃうでしょ。 ほら、私が拭いてあげるから…。」 こなた「………(ニヤニヤ)」 かがみ「ど、どうしたのよ? そんな顔して…」 こなた「いや~。 かがみって、いいお嫁さんになるなぁ~。 ってね。」 かがみ「な…、なに言ってるのよ、アンタは…(///)」 こんな会話が浮かんできたしまった俺は末期かもしれん…。 149 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/03(金) 17 35 02 ID EfikxX2K いつもの調子でこなたにちょっかいかけるかがみんがこなたに急にハルヒ口調で「あたしの事好きなのか好きじゃないのかハッキリしなさいよ!」って言われて戸惑いながらも「…………好き」とか言っちゃうかがみんの夢を見た かなり末期かも…首引っ掻いてくるわ 150 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/03(金) 17 44 02 ID wP08lAPn 148 甘いな こなた「ねえ、かがみのアイスおいしそうだね。ちょっと舐めさせてよ♪」 かがみ「はあ? なに言ってんのよ。あんた自分のがあるじゃ・・・って、ああっ !?」 こなた(はむっ♪←かじった) かがみ(た、食べかけのアイス・・・こなたに食べられちゃった・・・こ、これって間接キ・・・) かがみ「んっ !!」 こなた「おや? どしたのかがみ? 真っ赤になって、私にアイス突き出しちゃってさ」 かがみ「あ、あげるわよっ ! 食べかけのなんて食べれるわけないじゃない !」 こなた「・・・はは~ん♪ かがみんや、さては間接キスを意識したね? (ニヤニヤ)」 かがみ「う、うぐっ !!」 こなた「私のことは気にせずに、ぱくっといっちゃって良いんだよ~? (ニヤニヤ)」 かがみ「バ、バカァッ !! (超赤面)」 ごめん・・・俺も末期だ orz 161 名前:148[sage] 投稿日:2007/08/04(土) 14 13 50 ID Uuerv/9e こなた「ただのツンデレには興味ありません。 この中に巫女、双子、お菓子好き、ツインテール装備のツンデレがいたら、 あたしのところに来なさい。以上!」 かがみ「なんか、ものすご~く身に覚えがあるんだけど? っていうか私はツンデレなんかじゃないって何回言えば…(くどくど)」 こなた「だ・か・ら、これが仕様なんだってば。でも、きっちりと真に受けてくれるかがみ萌え。」 かがみ「な、なに言ってんのよ、バッ、バカ…」 149 さんの見た夢の話を読んでたらこんな会話が浮かんできますた。 てか、夜勤明けになにやってるんだろう俺は…。 やっぱり末期ry
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「大丈夫…?」 「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」 「そう…」 体育の時間でマラソン途中に倒れたゆたかをおぶって、私は保健室へと連れてきていた。 今日は炎天下…この時期の長距離ランニングは体の弱い彼女には、きつかったかもしれない… 「少し休めば…ね」 私を心配させない為にか、心優しい彼女は微笑んでそう言ってくれた。 …可愛い 不謹慎ながら、ふと私はそんな彼女の姿を見てそう思ってしまう、元々に彼女…ゆたかは、 私のような長身で無表情…そして寡黙と違って、小柄の体格で童顔…そして表情が豊かだから 普通に可愛いのだが、こうして顔を赤らめてベッドにうずくまる姿はもっと…可愛い。 「どうしたの、岩崎さん?」 「!?…なんでも無い」 「でも、顔…赤いけど?」 そう指摘されて、その自分の顔が火照っているのを自覚する、 これは別に炎天下にあてられたわけではなさそうだ… 私は今…目の前のゆたかに欲情してる… 「岩崎さん?」 「…ゆたか、キスしていい?」 「えっ!?」 その唐突の私の言葉に、一気に顔を真っ赤に紅葉させていく、 まるで火がつきそうな程に… 「岩崎さん…本気?」 「本気…駄目?」 少し間があいて辺りが静寂する…外からの体育授業してる生徒らの掛け声だけが聞こえてくる… 「いいよ…」 そしてその中で、小さく女の子が囁いた… ベッドに横たわる少女の小さな唇に、私は自分の唇を近づけていく…そして触れた。 「んっ…」 柔らかい…そして暖かな感触が伝わってくる、それはとても心地良い感触だった… 「んっ…ゆたか…」 「んっ…岩崎…みなみちゃん…んっ…」 何度もまた触れ合っていく…やがて触れ合うだけでは物足りなくなり、その口の中へと 私は自分の舌を入れていく…その彼女ともっと繋がる為に。 「んっ…んんっ…」 それを拒む事無く、彼女は受け止めてくれた…中で互いの舌が絡み合い、 くちゃ…くちゅぅ…っと唾液も混ざり卑猥な音をたてていく、それを聞くとますます興奮してくる… 同時にもっと彼女と…ゆたかと一つになりたいと思ってしまうのだった。 「んっ…あぁ…みなみちゃん…」 「嫌だったら…拒んでいいよ…」 「…嫌じゃないよ」 恥じらいながらもじもじと小さく囁くように、彼女は応えてくれる…私の思いに。 だから私はその自分の沸き上がる欲情のままに、横たわる彼女の上に…その身を被せていくの。 「んっ…ゆたか好き…」 そして全身で触れ合う…授業に用いた体操服を互いに脱がせていき、直接に肌を触れ合わせていく… 互いの膨らみの無い胸や、そして…もうぐっしょりと濡らしてる股間の恥部を… 「私も…みなみちゃん大好きだよ…あんっ…」 「んっ…あぁ…ゆたか…」 そして授業の終わりを告げるチャイムが鳴るまで、 そのまま保健室のベッド上で私達は禁断の関係を続けていくのでした。 「あれ、気分悪いから保健室に薬もらいに行ったんじゃないの、かがみ?」 「こなか!?…私は見てない!何も見なかったわよ!!」 「ん~~~…?何をそんなに顔を真っ赤にして慌ててるのやら」 【おわり】 コメントフォーム 名前 コメント かがみはこなたの名前を噛んでしまうほど焦ったんですね分かります。 -- no name no life (2009-08-24 21 08 27) ひより「ネタいただき~☆」 -- 名無しさん (2009-08-23 01 40 22) ひよりんじゃなくて覗いていたのはかがみですか -- 名無しさん (2009-02-11 16 03 42)
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前編 終わりも始まりもない 目を覚まして立ち上がろうとして久しぶりにかがみと一緒に寝たなぁと思った。 一年やそこらぶりではなかった。就職する前、大学生といってもまだまだ高校の頃のように遊んでいた時以来。 かがみはクッションだったりぬいぐるみだったり抱きつき癖があった。 寂しんぼさんなんだからと言っていた。昔真っ赤になって否定していた彼女もほんの少し認めてる。 今もこうしてすっぽり抱えられて、あの頃から全く成長していないことに嘆くべきか。それともかがみにとって安心できる存在だと自惚れてみるか。 意外とぐっすり眠っている。小さな規則正しい寝息が髪にかかる。 起こそうかもう少し寝かせとこうか。迷った挙句いつの間にか再び夢の世界に落ちていた。 結局かがみが先に起きる形になってからかうことはできなかった。 寝ぼけ眼の無防備なかがみじゃなくて、普段のようにきちんとした状態で、なぜか私の隣で。 呆れているようでいて優しさを含んだ声。ちょっと起きるのが惜しかった。 まぁだけど、頬をつっついてきたり髪をいじられたりしたらくすぐったくて寝られない。 「おはようこなた。相変わらず可愛い寝顔してたわよ」 「……かがみのえっち」 肘をついてにやにや笑っているかがみが目の前にいる。あの頃と何ら変わってなかった。 「というか着替えまで済ませてるくせになんで隣で寝てるのさ」 「いいじゃない別に。こなたは年を取らなくて羨ましいなーって」 「正直に全然成長していないって言ってくれていいから」 どこに行くにも身分証明に免許を常に携帯していないと大変だし。 ようやくかがみが体を起こす。ツインテールをやめたサラサラの長い髪は大人の女性っぽさを感じた。 いつからだろうか、確か大学に入ってからはポニーテールが中心だった。そして結わってかわいらしさを意識するのは少なくなった。 相変わらずの長くて長い自分の髪に触れる。毎朝寝癖がひどくて。 鏡に映る自分の姿。私はお母さんに近づけているのかな。 「こなた、どうしたの」 「なんでもない。着替えるから向こう向いててよ」 「ん、わかった」 薄紫の髪。ちょっと大きくなって見える背中。 普段より少し着替えるのに手間取った。 「一応ちゃんと自炊しているみたいね」 私の作った朝食を前にしてかがみが言った。 「これでも家事全般は小さいころからやってきてるからね。別に面倒だとも思わないわけですよ」 「そっか。あんたが一人暮らししたらぐーたらな趣味三昧の毎日になると思ってたけど」 「失礼ですなー。そういうかがみは料理の腕、少しは上達したのかな?」 「うっ。なんとかカレーとか肉じゃがならできるように……」 なんという定番な。男が喜ぶ女の子の手料理ベストスリーに入ってるじゃん、それって。 食べてみたいな、なんて思ってしまって。「かがみは誰に作ってあげるのかな?」とかいうバカな質問をしそうになった。 「こなた、美味しいよ」 「ん、んぐっ。あ、ありがと」 そんでもってかがみが急に褒めてくれるもんだから、ちょっとむせてしまったじゃん。 素早い動作でお茶を差し出される。これでめちゃくちゃ熱かったらコントかって感じだよ。 何やってんのよもうって感じの表情のかがみ。高校時代はどれだけこんな顔をさせてしまっただろう。でも本当は誰よりも優しかった。 心の中の小さなそれは決してなくなりはしなくて。 「あのさ、かがみ」 「うん?」 「今日時間ある? 久しぶりだしさ、どこか出かけようよ」 「もちろんよ。せっかく会いに行く機会なんだからそれくらい予定に入れてたわ」 言って歯を見せて笑った。思わず目を細めてしまうほど眩しかった。 高校時代に何度も行ったアニメショップとかのある場所じゃなくてまともな中心街を歩いていた。 別名オシャレ通りなんて呼び名もあるそうな、きらびやかな街並み。 ただ滅多なことでは行かなそうなアクセサリーショップも、道行く若者のファッションを見てても、私は違う世界の住民なんだって思う。 私の隣を歩くかがみには何も違和感なんて感じなかった。むしろ他のどの女の人よりも綺麗なんじゃないかって。 こんな美人と友達で私はなんて幸せ者なんだろう。 ほんの数センチだけど高くなった横顔。頬から顎のライン。紅い唇。 「ん? どうかした、こなた」 「な、なんでもないっ」 簡単に目を奪われてしまう。どれだけ見ていたかなんて自覚できてない。 顔を見られたくなかった。赤くなってるはず。ちょっと早足になった。 カッカッ。ヒールの鳴らす音のリズムが若干速くなって追いかけて来てくれた。 別に目的とか買いたい物とかがあったわけじゃなかった。ひたすらに歩く。 半歩先を歩く背の低い男の子みたいな格好をした私。メイクしてちょっぴり香水のいい匂いを振りまくかがみ。 何やってるんだろうって思いながらでも立ち止まるわけにはいかないし。 「ちょ、ちょっとこなた」 何度目かわからない私の名前を呼ぶかがみ。それから柔らかな感触が左手に。 「もう待ちなさいよ。急ぐ理由なんてないでしょ」 「えっ、あ、うん。そうだね」 「なに。……ああ、こうしてたら迷子にならずに済むんじゃない」 繋いでいる手を掲げて見せてきた。顔がどうしようもないくらいに笑ってる。 恥ずかしかった。悔しかった。だけど嬉しいと思ってしまう自分がいた。 何も言わない私によしとしたのかかがみが歩き始める。 今朝もそうだったけどかがみの手ってあったかくて。人の体温だから大差ないとわかっているからなんかずるい。 ずっとこのままでって思いたくなるような安心感を与えてくるんだもん。 前を歩くかがみの背中を見つめながら歩いていた。 「ほらこなた、次はこれ着てみなさいよ」 かがみが満面の笑みで超の付くほどのミニスカート勧めてくる。 きわどいってレベルじゃないですよかがみさん。手に持ってるとただの布きれみたいだし。あと、顔が近いよ。 さすがに強く拒否を示したら諦めてくれて、でも次はフリフリの私には似合わないでしょってやつを持ってきて。 いったいこれで何着目なんだろう。なんていうか個人的なファッションショーになっちゃってるよね。 事の始まりはなんだったのだろう。私が引き起こしたのかもしれない。 何人もの人とすれ違ったけどかがみは全然見劣りしなくて。そんなかがみと私は手を繋いでて。 私たちはどんな風に見えるのだろう。絶対同級生に見えないよね、姉妹とか。もしかしたら母娘とか。 ふとかがみとは反対側に視線を移すと高そうな服が売っている店が並んでいる光景で。 そしてそこのショーウインドウに二人の姿が映り込んでいて。 「どこからどう見ても小学生にしか見えないよね」 「……どうしたの?」 呟いていた。足も止めてしまった。 「んー、こうして見ると私たち姉妹みたいじゃん、なんてね」 鏡みたいに綺麗に映るわけじゃないけど、並んでいる二人の女の子は身長だけじゃなく服装にも差があった。 あはは、と声にしてもそこにいる私は笑っていなかった。 「──たは──わよ」 「えっ?」 「こなたは絶対磨けば光る。いい? 今から私が証明してあげるから」 暴走機関車のごとくかがみはそのまま目の前の店に突撃していって。現在に至る。 「かがみ、私用のを選んでるんじゃなくて、着せ替え人形みたいに楽しんでるだけでしょ、絶対」 「そんなことないわよ。だいたい服を選ぶのって適当に着れればいいじゃだめなのよ。似合う服を着たらもっと自分が好きになるし、見える世界だって変えてくれるんだから」 「そ、そういうもんかな」 「そういうものなの!」 力説するかがみはかわいいなぁ。今さらだけど。 なんて思ってみてもどうやらこの着せ替えごっこはまだまだ続くらしくて。 そしてなんだかんだ言いつつもかがみに可愛いって言われると嬉しくなる自分がいるわけで。 お店に居座ること二時間近く。で、お会計がほんとうにたったの一着という結末に店員さんは呆れるしかなかったようだ。 まぁ、私も疲れたけれど、その服はかがみからのプレゼントです、となると自然と頬は緩む。 とりあえず絶対にタンスの肥やしにしないこと、と心の中で誓ったのだった。 かがみの言う可愛いと私のかがみに対するかわいいは違うんだってわかってはいる。 それにたぶん久しぶりに会ったことが気持ちを高揚させたりしているのかもしれない。呆れ顔、怒った顔ばかり昔はさせていた。 けれど今この時がすごく楽しいっていうのに嘘はつけない。どうしようもなく私はかがみが好きなんだと自覚する。 たまたま通りがかった公園。ぶらぶらしているだけだったし、多少疲れてもいたので寄ることにした。 かがみは飲み物を買いに行ってくれている。今日という一日の中で初めての一人の時間だ。 昨夜のことは覚えている。好きな人が他の誰かと結婚することになった。 心からの祝福はできなかった。でも認めないなんて言えない。その理由を言うことすら叶わない。 かがみの気遣いが嬉しかった。親友だって言ってくれて嬉しかった。今過ごしているひとときは幸せだった。 かがみが好き。伝えられない言葉。静かな公園で呟いた。どこにも響かずに消えていった。 「はい、スポーツドリンク。コーヒーとかのがよかった?」 「ううん、なんでもよかったよ。ありがと」 手渡されたペットボトル。ひんやりとした感触が気持ち良くて、頬にあてたりした。 かがみはよほど喉が渇いていたのかすぐに飲み始める。喉を鳴らしていた。 ぐっと上を向いて飲む姿が男勝りというか、少しおかしかった。左手で掴んだペットボトルの中身が一気に減っていく。 「あっ」 思わず声に出していた。左手の薬指。 「どうかした?」 「なんでもないよ、なんでも」 「そう? なんか今日のこなたは少し変ね」 誤魔化してドリンクをちびちびと飲むことにする。冷たく染み込んでくるけど冷静さを取り戻してはくれない。 もう一度盗み見た。やっぱりしていない。記憶を掘り返してみてもそれらしい何かを見せてもらってはいなかった。 だからといって、何かが変わるわけでもないじゃん。 でも、聞かずにはいられなかった。 「ね、ねぇ、かがみ」 「なに」 もう長いこと会っていなかった。メールのやり取りでも深く聞いたりしていなかった。 相手はどんな人なのか、いつから付き合っているのか。結婚式の日はいつなのかも、何も知らない。 「あのさ、こ、婚約指輪とかって、もらってないの……?」 かがみは確かに綺麗になった。優しくなった。その理由が恋人ができたからだと、信じたくなかった。 かがみの頬が赤く染まった。初めて会った時からそうだ。普段はどんなに厳しくても、ちょっとツリ目でも、感情がすぐ表に出る。そこがかがみのかわいいところ。 「え、えっとそれは、その……」 目が泳いでいる。追いかけた。目があった。 じっと見つめた。離さない。また少しかがみの顔が赤くなった気がした。 私たちの間を沈黙が支配する。ただ私は逃げるつもりはない。 「ご、ごめんなさいっ、こなた」 「えっ」 今朝のようにあたたかい何かが私を包んでくれている。 かがみが、私を抱きしめていた。 「な、なに、どうしたのかがみ」 「ごめん、本当にごめん。あれ、全部嘘だから」 状況の変化についていけない私は両手の行き場も思いつかずにいた。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「数日前から考えていたんだけど、長いこと会っていないんだからサプライズにしなくちゃって思ってさ」 「ええと、結婚の話の前にもう一つ。もし私がいなかったらどうしたの?」 「そりゃ帰ってくるまで待つに決まってるじゃない」 「その日帰ってこなかったとしても?」 「当然よ。だってこなたの──きなんだもん」 「? で、なんで結婚するだなんて嘘ついたの。もう驚くどころじゃないし」 「そ、それは、その……」 こなたがじっとかがみを見上げていた。数分にもおよんで。 「ああ、もうっ。それ反則よ、こなた。我慢できるわけないじゃない」 「ふぇ、かがみっ?」 かがみ、こなたを力一杯抱きしめる。もう抱え上げてしまうくらいに。 こなたはただただ困惑していた。 「こなたの泣き顔が見てみたかったのよ。結婚なんてしない、付き合っている男もいない。だって私はこなたが好きだから」 「ば、かっ。かがみの、ばか……っ!」 「こ、こなた……? な、泣いて……?」 「ばかばかばかっ。かがみなんて、かがみなんて、だいっきらいだ」 「ごめん、こなた。私素直じゃなさすぎたわ。もう一度言うから、聞いてくれないかしら」 「うん」 「こなた。私ね、こなたのことが好きよ」 「っ、かがみぃ……」 こなたの行き場を失っていた両手は自然とかがみの背中に回されて。 二人のなかに身長差などは関係なかったのだ。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b ったく、驚かせやがってw...うぅ、なんで涙止まんねぇんだよ... -- 名無しさん (2023-08-07 00 36 51) ご都合ではあるけど、やっぱこなたはかがみの嫁だよな 悲恋もいいけどハッピーエンドが一番! -- なこ太 (2010-10-03 15 38 00) ハッピーエンドでよかったぁ -- 名無しさん (2010-08-21 16 51 38) よかった…かがみに彼氏はいなんだ…。 前作だけでも存分に良い作品だけどね。 -- こなタックル (2010-06-30 09 28 54) かがみったらやってくれますねwww 何はともあれこなたが救われてホッとしてます。 前作からの作者様のコメント拝見しました。 多くの葛藤があったと思います、作品を読ませて頂いてる身で偉そうな事は言えませんが、 御自身が納得される作品をお書きになれば良いのではないでしょうか? 私個人的にはあなたの作品はどれも大好きです、いつも新作を心待ちにしてます。 これからも応援する気持ちと共に、GJ!!をおくらせてもらいます。 -- kk (2010-06-29 22 26 41) 前作にて、かがみの事がすごく好きなんだけどもうどうにも ならず、とてもつらいこなたの心情がすごく表されていた ので、今回救われる内容で正直ホッとしました。 GJです。 あと関係ないですが、私的にはタイトル名 『ごめん、なかったことにして』 でも良いような気がしました。 …はい、完全に蛇足ですね。失礼しました。 -- 名無しさん (2010-06-29 20 35 30) いつの間にか続編出ていたんですね ハッピーエンドで本当に良かったとしか言い様がありません…、素晴らしい!! -- 名無し (2010-06-29 20 26 25) happyendで良かったです… ほんとにかがみんてばツンデレなんだから… 下手なサプライズよりも大事なものを強引に奪い取る覚悟を決め立って下さい -- こなかがは正義ッ! (2010-06-29 12 31 37) よかった… ホントによかった!! -- 名無しさん (2010-06-29 08 00 09) 『終わりも〜』は過ぎる時間の無情さが好きでした。 ちょうどリアルで離婚した後に読んだので、かがみが結婚を告白するシーンには、強く心を掴まれました。 だから、余計こなたには好きな人が居なくなる辛さは味わって欲しくないな……なーんて考えてましたよw なので、『小さな〜』を読んで気持ちが楽になりました☆ こなたとかがみの時間が始まってくれて、ほんとに良かった。 もう後悔するような選択はするなよ!こなた☆ っと言ってやりたいw 作者様、GJでした! -- ♪ (2010-06-29 00 15 43) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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こなた「キョンキョン?どしたの?」 キョン「あ、あぁスマン」 こなた「あの時の事は、気にしないでよ・・・ あたしが傘を忘れたのがいけなかったんだよ・・・」 キョン「(まずい、言ったそばからこれか)・・・そろそろ行くか?」 こなた「うん!!ちょ、ちょっとまって!!ジュースまだ飲んでない!!ズズズー」 コラ!!女の子がそんな音立てるんじゃありません!! キョン「あわてなくて良いぞ、時間はたっぷりある」 こなた「ダメだよ、楽しい時間はあっというまだよ!!」 キョン「そうだな、それなら今日はそれこそ一瞬で終わるかもな」 こなた「でしょー」 やはり休日だけあって、こんなデパートにも 今日は人がたくさんいる まったく、みんな他に行くとこなかったのか? そういう俺達2人もそのみんなの中に入ってるんだろうが・・・ キョン「とりあえず、どうする?本屋行くか?」 こなた「そうだね、行こ行こ」 そうやってこなたは俺の手を取ってグイグイ引っ張っていく 傍から見ると、俺達はカップルに見えるのだろうか それともただの仲のよい兄と妹のように見えるのだろうか 普通の、本屋だな こなた「だって、ふつーのデパートにあるふつーの本屋だもん」 キョン「こなたの事だから、そっちの方の店かと思ったんだよ」 こなた「アニメイトみたいな感じ?そういえばさぁこのまえかがみん達と コミケに行ったときキョンキョンによく似た感じの人がいたんだよ 声も似てたし、今度あわせてやりたいよ」 多分それは不可能なんじゃないか? なんとなくだがそんな気がする、なんとなくだが こなたはあの時買った本と、さらにまた何か新しいものを見つけたようで 俺がそれを会計をしているあいだずっとホクホクした顔をしていた そんなこなたの顔を見ていると、こっちまで頬が緩んでしまう 本は買ったし、あとはブラブラとデパート中を見てまわるとするか こなた「えへへ~、キョンキョーン」 そう言ってこなたが俺に腕を絡めてくる ちょっと、いやかなり恥ずかしいぞ 今日のこなたの服装は腕が肩まで露出しており、 誰かさん(名前に「み」の付くお二人)のように 特盛ではなく、むしろその逆なんだが、 そっちのほうに目がいってしまうのは、もはや必然であろう こなたは俺より背が低いから、俺がこなたの方を見ると 自然とその未発達な胸元へと視線が行ってしまうのである
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母ゆっくりと子ゆっくりの集団を見つけたので面白いことを考えた。 まず母ゆっくりだけを子ゆっくりにばれないよう捕まえ、ちょっとした加工をする。 なあに、ちょっと黙ってもらって、口にドアをつけてやるだけだ。 ついでに「ゆっくりハウス」とでも書いておいてやろう。 頃合を見て迷子になった子ゆっくりに声をかけてやる。 「どうしたんだいお前たち」 「ゆ?おじさんはゆっくりできる人?」 話によるとどうも母親と逸れてしまい、家に帰れなくなったんだそうな。 おおかわいそうだこと。それではおうちをあげようじゃないか。 そんなわけで子ゆっくりをゆっくりハウスへご招待。 「ゆ!ゆっくりなおうちだよ!」 「ゆっくりれいむにそっくりだよ!」 「ここならゆっくりできそうだね!」 「「「「ゆっくりしようね!!」」」」 大好評なようで満足だ。ゆっくりハウスが心なしか震えてるようにみえるが、気のせいだろう。 なかにはいると、甘いにおいがただよう。それもそのはず、一面あんこだらけだからだ。 甘ーいお菓子が大好きなゆっくりたちは当然大喜び。はしゃぎながら次々とあんこを食べ始める。 「あまーい!しあわせー♪」 「むーしゃ♪むーしゃ♪」 「おいしい!ゆっくりー!」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 どうやら大満足のようす。こちらとしても用意しただけの甲斐があったというものだ。 少々呻いたり揺れを感じたりもしたが、子ゆっくりどものはしゃぎようでそれもかき消された。 実にゆっくりした空間である。 「お前らみたいな短寿命生物ならこの量のあんこで十分だろうが、でも限りはあるから自分たちでもちゃんと餌をとることだな」 「たんじゅみょう・・・?よくわからないけど、わかったよ!」 「「「「おじさんありがとう!」」」」 おめでたくて結構なことだ。子ゆっくりたちに感謝されながらその場を後にした。 ゆっくりハウスの外観が少々デスマスクじみているように思えたが、まぁ気のせいだろう。
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『こなさん』 10KB 虐待 実験 現代 ゆっくりの利用方法? かすがあきと勝手に名乗っているものです。 もしお時間があれば、読んでください。 こなさん 部屋の中に、1匹のまりさがいる。 バレーボールサイズのまだ若いまりさだ。 帽子にはバッチがなく、また、小奇麗なところから、野生種だとわかる。 「ここをまりさのゆっくりぷれいすにするよ!」 元気に叫ぶまりさの目は光り輝いている。自分が最強であると信じて疑わない目だ。 部屋の中に、1人の人間がはいる。 「にんげんさん。ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ。さっさとでていってね。」 人間は何も言わずに、床に、ゆっくりフードそれなり味と、水のはいった皿を置き、でていく。 「ゆ?にんげんさんが ごはんさんと おみずさんを おいて いったのぜ! さいっきょうの まりささまに おそれをなして、いのちごい として けんじょうしたに ちがいないのぜ!」 ゆっくりの本能に従い、都合の良いように物事を解釈するまりさである。 「ゆん!しょうしゃは ゆっくり しょくじを するのぜ! むーしゃむーしゃ……しあわせーー!! うっめ!これめっちゃうっめ!!ぱねぇぇえぇえ!まじぱねぇえぇええ!」 今まで食べたことのない美味に酔いしれるまりさはフードを凄い勢いで食べる。 「ごーくごーく……っぷはぁああ!げぇぇえっぷ!うまかったのぜ! しこうていなど あしもとに およばないぐらい えらい まりささまに ふさわしい ごはんさん だったのぜ!」 自分が偉いと信じきっている、まりさらしい感想だ。その姿は実に堂々としている。 そんな食事にも、暫くすればあきがくる。 「おいどれい!たまには もっと うまいものを もってくるのぜ! さからうと、せいっさいするのぜ!おい!きいている のか!」 まりさの言葉に呼応するかのように、人間はいつもよりも1品多くもってきた。 「なんなんだぜ?これは?こんな こなさんで ろさんじんよりも ぐるめさんの まりさの したさんが なっとくすると おもっているのかぜ?」 人間はやはり何も言わずに部屋からでていく。 「ふん!まったく つかえない どれい なのだぜ!こんど せいっさい してやるのぜ! でも、どれいが せっかく けんじょうした こなさん だぜ。せっかく だから たべてやるのぜ!」 まりさは不機嫌そうな顔で、白い粉に舌を伸ばす。 長い舌が白い粉にふれた瞬間、まりさの動きが一瞬とまる。 つぎの瞬間、通常よりもはやい速度で、粉を舐め取る。 「ぺーろぺーろぺーろぺーろ、っしっしっししし!!っし、しあわせええええ! す、すごいのぜ!!すごくゆっくりできるのぜぇぇぇぇえええええ!!!」 フードと水の存在は忘れたかのように、粉を一心不乱に舐め続けるまりさ。 「しあわせええええええええええ!!!!!」 粉を全て舐めきったまりさは、フードを食べる。 「むーしゃむーしゃ……げろまずー。まずいのぜ。 でも おなかが ぺーこぺーこ だから たべるのぜ。」 まりさはフードを全部食べた。 翌日、まりさは粉を真っ先に舐める。 「ぺーろぺーろ…っしっしあわっせぇぇぇぇぇええええええ!」 まりさはフードを少し残した。 翌日、まりさは粉を真っ先に舐める。 「ぺーろぺーろ…っしっしあわっせぇぇぇぇぇええええええ!」 まりさはフードを半分ほど残した。 翌日、まりさは粉を真っ先に舐める。 「ぺーろぺーろ…っしっしあわっせぇぇぇぇぇええええええ!」 まりさはフードを3/4ほど残した。 翌日、まりさは粉を真っ先に舐める。 「ぺーろぺーろ…っしっしあわっせぇぇぇぇぇええええええ!」 まりさはフードを全部残した。 翌日、まりさは朝から叫んでいた。 「こなさんをもっでごいぃっぃぃぃいいい! くそどれいがぁぁぁぁあぁああああ!!!」 人間が部屋にはいる。 「おっそいのぜ!さっさとこなさんをだすんだぜぇぇええええ!」 人間は何も言わず、粉の入った皿を床に置く。 「ぺーろぺーろ…っしっしあわっせぇぇぇぇぇええええええ!」 全ての粉を舐め終えたまりさが怒鳴る 「お゛い゛!!ごのぐぞどれい!!こなさんがだり゛ないのぜ! ざっざどもっでごいいいぃぃぃいいい!!!!!!!!!!」 人間は何も言わず、新しいく粉の入った皿を用意し、床に置く。 「ぺーろぺーろ…っしっしあわっせぇぇぇぇぇええええええ! よくやったのぜ、どれい!ほめてやるのぜ!」 そう言ってまりさは粉を舐める。 全てを舐め取ったまりさは眠りについた。 数時間後 「お゛い゛!!ごのぐぞどれい!!ぞのこなさんをよこすのぜ!!! ざっざどよごぜえぇぇええええええええ!!!!!!!!!!」 まりさは、何もない空間に向かって叫ぶ。 その顔は酷く不満そうだ。 人間が何も言わずに部屋にはいってきた。 そして、粉の入った皿を床に置く。 「ごな゛ざんだぁぁぁぁあぁあああああ!!」 まりさは一心不乱に粉を舐める。 「じあわぜじあわぜじあわぜえええええええええええええええ!!!! 」 そう言ってまりさは粉を舐める。全てを舐め取ったまりさは眠りについた。 数時間後 「ゆ!お゛い゛!そこのれいむ!なにを わらっている!」 ありす!おまえもだぁぁああ!! ぜんうちゅうで いっちばん えらい ばりさざまを わらうなぁぁぁぁあああ!」 何もない空間にむかって叫ぶまりさ。 その顔は酷く不機嫌そうだ。 人間が何も言わずに部屋にはいってきた。 そして、粉の入った皿を床に置く。 「ごなざんだぁぁぁぁあぁあああああ!!」 まりさは一心不乱に粉を舐める。 「じあわぜじあわぜじあわぜえええええええええええええええ!!!! 」 そう言ってまりさは粉を舐める。全てを舐め取ったまりさは眠りについた。 数時間後 「ゆっばぎゃぁぁぁぁあ!?れみりゃだぁぁぁああ!? で、でぼ、ば!ばじざはさいっきょうなんだぜぇえぇええ!れみりゃは じねぇえええ!!」 何もない空間にそう叫び、何度も跳ぶまりさ。 その顔は恐怖にひきつっている。 人間が何も言わずに部屋にはいってきた。 そして、粉の入った皿を床に置く。 「ごなざんだぁぁぁぁあぁあああああ!!」 まりさは一心不乱に粉を舐める。 「じあわぜじあわぜじあわぜえええええええええええええええ!!!! 」 そう言ってまりさは粉を舐める。全てを舐め取ったまりさは眠りについた。 数時間後 「ゆっばぎゃぁぁぁぁあ!!!む゛!むじざんがぁぁああ!ああ! あ!あんござん、たべないでぇぇぇええええ!!やべてぇぇぇえええええ! じねぇぇえええ!ばりざの ながにいる むじざんは、ぜんぶ じねぇええええええ!!」 まりさは床や壁に自分の身体をこすりつける。所々、皮がやぶけ、餡子が出てきている。 その顔は酷くやつれている。 人間が何も言わずに部屋にはいってきた。 そして、粉の入った皿を床に置く。 「ごなざんだぁぁぁぁあぁあああああ!!」 まりさは一心不乱に粉を舐める。 「じあわぜじあわぜじあわぜえええええええええええええええ!!!! 」 そう言ってまりさは粉を舐める。全てを舐め取ったまりさは眠りについた。 数時間後 再びまりさは絶叫をあげる。 暴れ、自分の身体に傷をつける。 それは、人間が粉を渡すまで続く。 粉を舐め、満足したまりさは眠る。 睡眠の時間は、だんだんと短くなっていった。 「ぺーろぺーろ…じあわぜじあわぜじあわぜええええええええええええ! しあわぜえええええええゆぷぺけへばえけびぱああぺぺ!!!」 ゆげぴぎゃおうぅゆふげぎゃ!!!ゆひひ・・・ゆげづふぇえええええ!!!!」 もはや言葉にならない奇声をあげ、粉を舐めるまりさがいた。 幸せだというが、その姿はとても幸せには見えない。 柔らかだったその皮は硬く、また傷だらけだ。 自信に満ち溢れていたその目はひび割れ、何もない空間をただうつしている。 粉がなくなると、 「どぼじで!どぼじでごなざんががぁぁぁぁああああ!! ぼっでごい!ごなざんんんん!!!!くだざいぃぃぃいいい!! ごなざんををををおおおおうおうおおおおおぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」 !?ぎゅっぎゃあかかああああ!!ふふゃふりゃん!!!!いじゃいいい!! ばりざをたべるなぁあああぁぁぁl!!!!!!じぬじぬじぬぅぅぅぅ!!!ごべんなざぁぁあああいい!! じねぇぇぇえええ!!!じねじねじねじねじねじね!じねぇぇぇええええ!わらうなぁあぁあああああ!!!!!」 粉を求めて叫び、 幻覚、幻聴をに怯え、 幻影痛に苦しみ、 そこから逃れようと、何もない壁や床に身体をこすりつけ、 無数の傷を作る。 「ごなざんだぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああ!」 この症状は粉を舐めるまで続く。 「ぺーろぺーろ…じ!じじじっじじあっっっわっぜぜぜえええええぇぇぇぇぇぇえええええええええええ!!!!! んが!??!?!?!?!…………………???? がばっぐっびゃぁぁぁあああああああああああ!!!!!???? ごっびゃぁぁぁぁあぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!っっごっびゃがぁぁぁぁぁああ!!!??」 粉を舐め、幸せに浸っていた、まりさが、突然、餡子を吐き出した。 嘔吐物の勢いにまけ、全ての歯が抜ける。 混濁した焦点のあわない目から涙があふれでる。 大小の便もまりさから留まることなく噴出している。 「ぎゃばばぁぁぁあああああ!あんござぁあんがぁぁぁぁあああああああ! ああああああんござんががぁぁぁああ!!! あああんごあんごあんごなざっんんん! ごごなざぁぁぁぁあああああんん!ごなざっぁああああああああぁぁぁぁあああああああああ!!」 そして、口から、乾燥した中枢餡が吐き出され、まりさは絶命した。最後まで粉を求めて。 部屋の中は汚い餡子と、罅割れた饅頭の皮だけが残った………… まりさの様子を、沢山の目が見ていた。 その目の持ち主は、みな真新しい詰襟の学生服または、セーラー服を着ていた。 まりさを映し出していたスクリーンの隣にいる教師がマイクをもって話し出す。 「はい。みなさん、薬物を取りつづけると、どうなるかわかりましたか?」 「「「「………」」」」 返事はない。1ヶ月前に中学にあがったばかりの少年少女には刺激が強かったようだ。 「このビデオでは、ゆっくりまりさでしたけど、 人間でも薬物をとり続けると、同じようような症状がでます。 最初は気持ちいいんですよ、とってもね。 でもだんだん、食欲がなくなって、いつもイライラしだして、幻覚や幻聴、 それに、なにもないのに体中が痛み出して、もう薬のこと以外考えられなくなります……」 教師の説明は続く。 今日は中学校での、薬物乱用防止の特別授業である。 対象者は1年生全員。 思春期になり、反抗心から悪いことへの憧れがでてくる世代だ。 これまでも薬物の恐ろしさを訴えるビデオはあったが、 制作費と、倫理的問題でどうしてもリアルなビデオはつくれなかった。 しかし、害獣(害饅頭?)であるゆっくりならば、それら問題は解決できる。 中毒者であるゆっくりは無料で手に入る。 メイクではない、本当のやつれた顔も簡単にできるし、 実際に薬物で苦しむ様子も撮影ができる。 薬物もハッピーパウダーという、人間には無害で安価なものを使用できる。 (亀○製菓も、薬物の中身を秘密にすることと、自社名をふせることを条件に、協力している。) そして、ゆっくりが死んでいく様子は街のいたるところで見られるのだから、 倫理的にもさほど問題にはならないと関係省庁は判断した。 こうして作られたビデオは各教育機関へと配られ、特別授業で使われている。 「………みなさん、わかりましたか、絶対に薬物、ドラッグはダメ!ゼッタイ!ですよ。」 教師に言われるまでもない。こんなビデオを見せられた少年少女は薬物など絶対にしないのだ。 余談だが、 このビデオがあまりに恐ろしすぎた為、 保護者から苦情が多数はいり、 翌年からの使用はどうするかをめぐり、各地で論争がおこった。 (苦情と同時に、感謝の意見と、売ってほしいという意見も寄せられた。) あとがき 薬物の乱用は絶対にダメです。 本編には、関係がないので書いてありませんが、 きっと薬物の種類や、誘われたときどうするのか?といったことも講習していると思います。 感想をくださる方、ありがとうございます。 誤字脱字が多いこと、本当に申し訳ありません。 過去作品 anko3893 穏やかな日常、或いは嵐の前の静けさ anko3901 穏やかな日常、少し増えた賑やかさ 前編 anko3902 穏やかな日常、少し増えた賑やかさ 後編 anko3903 孤独なぱちゅーが共に過ごすもの anko3904 名物
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ゆっくりホームステイしていってね!! 2の続きです。 ドスまりさ、賢いゆっくりが出てきます。 ドスまりさは第二回ホームステイに参加するゆっくりを選出するのと並行し、人間から教わった農業を実践に移すために群れの成層圏内の一部を 「とくべつのうこうくかく」と、「がくしゅうのうこうくかく」に分け、許可なき群れのゆっくりの立ち入りを禁止した。 特別農耕区画は実際に人間から貰ったほうれんそうというお野菜を育て、群れみんながゆっくりできるように皆の食料に充てる。育てるのは第一回のホームステイに参加したゆっくりとその家族たちだ。 学習農耕区画は群れのゆっくり、特に子供を相手に農耕について学ばせる区画だ、主に野菜がどうやって生えてくるのか、人間はなぜ野菜を独り占めしている(ように見える)のか、 そのような子ゆっくり達の疑問に本物の野菜と触れ合いさせながらありすやぱちゅりーが子供たちを教育する。 今までドスは冬に食糧不足になったとしても人間の里に食糧をもらいに行ったことはなかった。確かに群れの仲間は大事だが、人間に食糧を面でもらいに行った結果、 怒りを買ってしまえば越冬どころの騒ぎではなくなる。こちらから対価として渡せるものがない以上、安易に人間に物をねだるのは避けたかった。 そのことでドスはずいぶん非難されたこともある、ドスは心の中で群れのゆっくり達に謝りながら、人里に行き畑を襲ったゆっくり達をリンチにする命令を自警団に下していた。 だが、今では群れのゆっくり達でお野菜を作ることができる。そうなれば冬の食料事情が十分とは言えなくてもいくらか好転するはずだ。 そしてそうなれば人間の畑を襲うゆっくりもいなくなるはずだ…そしてその時こそ、自分が真にゆっくりできる時なんだろうとドスは思っていた。 ついにドスが本性を現し始めたな… あの正義感が悪い方向に行ったまりさはドスのお話を聞いて真っ先に思った。 ドスはナントカのうこうくかくなどというよくわからないものを作り、そこで人間から貰ってきたという野菜を育て始めた。 野菜は人間が頑張って育てたもの、だからゆっくりが勝手に手を出してはいけないと、ドスや側近から何度も聞かされていたが、そんなことはなから信じていなかった。 他のゆっくりなら少しは疑問に思っただろう、だがこのまりさは自分の正義を貫くことしか頭にない、つまりは盲目的すぎた。 ドスはああやって他の群れの仲間たちに嘘を教えている、そしてドスは人間同様に野菜を独り占めする方法を学び、自分に従わないゆっくりを差別し、排除するつもりなのだ… そうなってしまえばこの群れはゆっくりできないことになる、その前に何とか行動を起こさなければ… 群れでは二回目のホームステイに参加するゆっくり達が出発した。彼らは第一回ホームステイに参加したゆっくりから話を聞き、強い関心を抱いた好奇心の強いゆっくり達だった。 そして群れでは第一回ホームステイに参加したぱちゅりーとありすが子供たちに農耕を教え、他のゆっくりがせっせと雑草を食べ、近くの川から水を持ってきている。 「まりさ、あなたもこっちにきなさい、むれのなかまであるいじょうあなたものうこうをしるひつようがあるわ!」 教育係のありすが逃げようとした正義感の強いまりさを呼びとめた。 「い、いやだよ!!そんなゆっくりしてないじゅぎょうなんてうけたくないよ!!」 「むきゅ、まちなさい、ゆっくりがゆっくりできるようにべんきょうをすることはいいことなのよ」 「そうよ!!ちゃんとじゅぎょうをうけないとゆっくりできないわ!!それこそいなかものよ!」 「いやだよ!!どすのせんのうじゅぎょうなんてゆっくりできな…」 「なにいなかてきなわけのわからないこといってるの?いいからきなさい!!」 いくらなんでも二匹の成体ゆっくりに敵うわけがなく、まりさは他の子ゆっくり達の列に座らされてしまう。 「むきゅ、じゃあじゅぎょうをはじめるわ、まずみんなこのたねをいっこづつとっていってね」 「ぱちゅりー、これたべもの?」 「こんなにちいさいとゆっちゅりできにゃいよ!?」 「これはたべたらだめよ?みんないっこずつとったわね?じゃあいまからありすのいうことをゆっくりきいてしっかりりかいしてね!!」 ありすのいうことなんか誰が聞くものか。そんなまりさの耳にちょっと離れた所から争う声が聞こえた。 「な…でまりさたちは………はいっ…らいけないん…ぜ?あい……はあそこでく……たべてゆ……りして…ん…ぜ!!……さも…おくま……はんをた……いくよりあそこ……さをた…てゆっくりしたい………!!」 遠くてよく聞こえなかった、だが今のまりさにとても大事なことを言っているような気がする、まりさはアリスとぱちゅリーを完全に無視して向こうの特別農業区画の方に耳を傾けた。 人間…いや、ゆっくりというのは不思議なものだ、遠くて聞こえないような声でも注意すればはっきりと聞こえる。これならあのありすとぱちゅりーに洗脳される心配もない。 「どすのめいれいだちーんぽ!!いまあのゆっくりたちはざっそうというゆっくりできないくさをたべてるんだちーんぽ!!」 「だったらまりさもてつだうんだぜ!!はやくなかにいれるんだぜ!!」 「それはできないちんぽ、ほーむすていにさんかしたゆっくりいがいにはまだおやさいとざっそうのくべつがつかないかのうせいがあるちんぽ、まちがっておやさいをたべたらあぶないちんぽ」 もうすでにドスの野望は始まっている、草があるところをわざと立ち入り禁止にして、ホームステイに参加したドスの側近をそこでゆっくりさせる。 それに異を唱えたゆっくり、ドスの命令より目の前のゆっくりを優先するようなゆっくりはゆっくりできないと言いがかりをつけ、迫害する気なんだ!! 「みんな、ぱちゅりーのいうことがゆっくりりかいできたかしら?」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 「むきゅ、みんなおりこうさんね、じゃあ、みんな自分のところにたねさんをいれてやさしくつちをかけてあげてね、それからあそこにあるおけからみずをもってきてゆっくりかけてね、むきゅ」 いけない、周りのみんなが動き出した、このままじゃ自分も迫害の対象になってしまう、なんとか周りに合わせないと…とりあえず、目の前にあった小さい粒は飲み込んだ。 あとは周りのゆっくりと同じことをすれば何とかやり過ごせるだろう。 数日たって、群れの子供たちは自分のホウレンソウも芽が出たとか、出ていないとかではしゃぎ、出ているゆっくりは他のゆっくりとどちらのホウレンソウが ゆっくりしているかを熱く語り合っていた。 やはり人間が野菜を育てたなんて嘘だったんだ。まりさはそう確信した…と言うより、根拠のない自信に無理やり根拠をつけた。 ドスは人間から得た知恵で事前に野菜が生えてくる場所を知り、そこを立ち入り禁止にしたんだ。自分も他のゆっくりもみんなおんなじことをしたのに、 生えてこなかったゆっくりが何匹もいるのがその証拠じゃないか、もしあんなことをやって野菜が生えてくるならゆっくり全員分の野菜が生えてこないといけないはずなのに!! 実際のところ、ほうれん草はいったん生えたら収穫までは短いが、種がちゃんと発芽する確率はあまり高くないという、それを考えればこの子ゆっくり農園は成功と言って もよかったし、 ドスやぱちゅりー、ありすもそのことは子ゆっくり達に伝えていたが、結局そんなこと聞いてなかったこのまりさを悪い意味で増長させることになった。 このままではいけない、悪いゆっくりがゆっくりすることだけは避けなければいけない、そう考えたまりさは先日、みょんに追い返されてたまりさを訪ねた。 そのころ人里ではホームステイ中のゆっくりにちょっとした問題が起きていた。 「おじさん!!そんなむずかしいはなしはいいからはやくごはんをちょうだいね!!」 「いや、それはうりものでおまえたちのごはんというわけじゃ…」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 ホームステイに参加しているゆっくり達のモラルの低下である。 一回目のホームステイはドスの側近、二回目は畑を作り、皆でゆっくりすることを夢見た勉強熱心なゆっくりだった。 しかし三回、四回と続き、参加するゆっくりの選定がドスの選択からゆっくり達の立候補になった頃、ホームステイに参加していなかったゆっくりは 群れに少数いたゲスか、ドスの話をまともに聞かない周りに流されるだけのゆっくり達だった。 彼らがホームステイに参加したゆっくりから聞いたことの中で記憶にとどめていたのは「にんげんのごちそうはおいしかった」だけだった、 その文の前後に「れいむががんばったごほうびにつくってくれた」とか「さいごのひにおいわいにたべさせてくれた」とかいう文はゆっくり特有の 「都合の悪いことは聞かなかったことにしてしまう癖」でしっかり頭に入っていなかった。 そんな連中が人間の家に招かれたらどうなるか、お家宣言と、ご飯を持ってきてねのダブルコンボである。 人間から苦情が増え、ドスや側近たちが頭を下げながらうるさいゆっくり達を群れに引きずって行った。彼らはホームステイの趣旨を全く理解してくれなかったのだ。 今までドスと自警団の抑止力による治安維持によって好き勝手ができなかったゲスにとって、ホームステイは彼らの目から逃れ、存分に暴れる格好の機会だった。 あまり周りの話を聞かないでとりあえず周りに流されているだけだった普通のゆっくりにとって、ホームステイはただのお引っ越しだった。彼らは自分の子供以上に畑について理解していなかった。 ゆっくりの体当たりでつぼが割られた家が現れ、7回目のホームステイが全員中止になったとき、里ではゆっくり達の立ち退きが決まった。 どうしてこんなことになったのだろう、と長は思った。 最初はドスの群れが来た時、厄介事が増えたとしか思わなかった、しかしドスと条約について話し合ってるうちにこのドスとはうまくやれそうな気がしていた。 ドスがホームステイをやりたいと言い出した時、最初は面食らったがゆっくりが自分でゆっくりできる努力をしようとしていることを知った時、少しだが、心を動かされた。 つい数週間前まで、このドスとは良き隣人であったと思っていた。努力はするけど努力の仕方がわからない、そんな隣人に努力の仕方を教える。 この長の心は先進国が隣国の発展途上国に支援してるような、そんな感じだったのかもしれない。 昨夜の里の会合では村人たちの殆どがゆっくりのモラル崩壊を嘆いていた。「最初のころはあんなにいい子たちだったのに」、と農家をやっていた老夫婦は嘆いていた。 「だから俺の言ったとうりだったじゃないか!!」と、青年はホームステイを実行した長を責めた。 「ドスが群れの中の問題児を見抜けなかったんだろうな」と分析していたゆっくり好きの青年もここまで被害が出ればやむを得ない、と書類にサインをした。 「すまないが、ゆっくりの群れまで行ってドスを呼んできてもらえないか?」 長は使用人に言った、おそらくこれがドスとの今生の別れになるだろう。 使用人がドスのところに来た時、ドスはこれで人里に行くのは最後になるなと直感した。 人間に物を教えてもらいに行ったのに、最近は人間に迷惑をかけてばかりだった、人間が起こらない理由はないだろう。 それでもドスは人間に感謝していた、普通の人間なら何の警告もなしに自分たちを皆殺しにするはずだ、それがこうやって使者を送ってきたということは最期まで約束を守ってくれるということだ。 「ゆっくりりかいしたよ…」 長から話を聞いたドスは何も反論せずに言った。 「でも、おささんにおねがいがあるよ、ひっこしはいっしゅうかんあればできるけど、むれのおやさいのしゅうかくがまだのこってるの、なんとかたべれるぐらいにそだつまで、じかんがほしいよ!!」 ドスが言うにはまだ群れには収穫前の野菜があり、それがちゃんと収穫できるようになるまで一週間かかるらしい、立ち退きの準備や収穫などで9日ぐらいかかるという。 「私が作ったルールを私が破るわけにはいかないから、一週間後に約束は効力を失わせるよ、でも、君たちが立ち退いてくれる姿勢を見せてくれている以上、 里の誰も君たちに危害を加えようとはしないはずだ。私からもむやみに群れに手は出さないように言っておくよ。」 「ありがとう、おささん、ありがとう…」 そういったドスまりさは里に向かって数歩はねた後、長の方を向いて言った 「いままでありがとう!!めいわくをかけてごめんなさい!!にんげんさんみんながずっとゆっくりできるといいね!!!」 最後にこういい残したドスはすぐに群れのある山に向かって駆け出して行った。 「君たちも、ゆっくりな…」 長はしばらくの間、ドスの背中を見送っていた。 「みんな、ひっこしのじゅんびだよ!!ゆっくりじゅんびしてね!!」 ドスは群れに帰ってすぐ仲間のゆっくり達に自分たちが立ち退かなければならないことを伝えた。群れのゆっくり達の反応は様々だった。 予想はしていたのか、残念そうな顔をしながら巣に向かう側近や勉強熱心なゆっくりたち、何が何だかわからないがとりあえず引っ越しだということで家族を集めるゆっくり達、 そして、にやりと笑いながら群れから消えた一部のゆっくり、こいつらにはだれも気づかなかった。 一週間たって、ドス達は引っ越しの準備を終えた。引っ越しの間の食料には少し不安があったが、ホームステイでお世話になった里の人間が何回かお菓子を差し入れてくれた。 野菜も収穫にはまだ早かったが、種は回収できたためすぐに引っこ抜いてドスやまりさ種の帽子に入れた。引っ越しに時間をかけすぎて長に迷惑はかけられない。 「それじゃあみんな、ゆっくりならんでね!!いまからどすがみんないるかどうかかくにんするよ!!」 ゆっくりを種類毎に並ばせて数を確認していくドス、あれ、おかしいな、何匹か足りない… 何匹かで探しに行かせようか?そう思った時、木の蔭からいなくなっていたゆっくり達が出てきた、あのまりさや、群れの問題児たちだった。よかった、すこしびっくりしちゃったよ… しかし、そのゆっくり達、その先頭にいたあのまりさが言った言葉にドスはもっとびっくりすることになった。 「みんな!!ゆっくりできないあくのどすをたおすよ!!いまこそせいぎをつらぬくときだよ!!」 反乱?こんな引っ越しで忙しくなるというのに!!よく見るとまりさの後ろにはかなりの数のゆっくりが居る、きっと群れとは関係ないゆっくりも仲間に引き込んだんだ。 「ゆゆ!?ちょっとまってね!!ゆっくりしてね!!どすがきらいだというならりゆうをきかせてね!!」 「りゆう!?そんなのどすがわるいゆっくりだからにきまっているよ!!みんな、いまからまりさのはなしをきいてね!!」 なにがおこってるの?なんかあそこでまりさがしゃべってるよ!! ドスや側近たちはあくまで冷静だった。今までゆっくりの反乱がなかったわけではない、それもほとんどはドスの筋の通った話を聞き、納得した上で反乱の鎮静化に成功している。 今回だって、きっと話せば分かってもらえる、そう思い、まずはまりさの話を聞くことにした。 「みんなよくきいてね!!どすはゆっくりをいじめるにんげんとなかよくしているわるいゆっくりなんだよ!!」 「ちがうよ!!どすはつよいにんげんさんとなかよくすることでゆっくりをゆっくりさせてくれようとしたんだよ!!」 一匹のれいむに論破された。 「どすはにんげんのようにおやさいのできるばしょをあらかじめたちいりきんしにしてゆっくりたちのちゅうせいしんをためそうとしたんだよ!!」 「ちがうんだぜ、それはどすがおやさいのたねをうえるばしょをじぜんにかくほしてただけなんだぜ」 一匹のまりさに論破された。 「にんげんがやさいをそだててるなんてうそだよ!!まりさはぱちゅりーやありすとおなじことをしたのにやさいなんてはえてこなかったよ!!」 「ちにゃうよ!!ほうれんそーさんはちゃんちょちゃねをうぇてもはえてこにゃいこともありゅってありしゅいってちゃもん!!」 子供にまで反論された。 「そうなんだね、みんな…」 まりさが俯いた。やっと理解してくれたんだと、群れのゆっくりは安堵 「みんなどすにせんのーされたんだね!!かんぜんにせんのーされたゆっくりはゆっくりしんでね!!」 しなかった。 このまりさにとってはドスが悪であること、お野菜は勝手に生えてくるということはすでに決定事項だった、悲しいまでに強い信念といってもいい。 そんな奴と話し合いで解決なんてできるわけがないのだ。 群れの問題児、ゲスにとってはドスの言うことは理解はできてもそんなのどうでもよかった、むしろ自分で野菜を育てるなんてゆっくりしてない、 人間が育ててるんならそっから奪えばいいと思って言えるような連中だ。 群の外や、隣の山から参加したゆっくり達にとってはドスの話は全然意味不明だった。ただ、あのまりさが悪いドスをやっつけるから協力してほしいと聞いて参加しただけだ。 そもそもいきなり野菜の種がどうこう言って理解しろという方が酷だというものっだろう。 もう駄目だ、 話し合いで解決はできない。 そう判断したドスの行動は早かった。 「みんな、いそいでにげるよ!!」 けがや病気、ぱちゅりーなど素早く動けないものは帽子に入れた。 周りのゆっくりもドスに合わせて子供を口の中に入れる。 そしてドスと群れのゆっくりは一目散にその場から逃げだしてしまった。 もともとこの土地は捨てる予定だったのだ、むやみに戦って無駄な餡子を流す必要はない、ずっとこの場所に執着していたドスだったが、一度見切りをつけると行動は早かった。 「ゆっ!!あくのどすがにげるよ!!みんなついげきだよ!!」 「まつのよまりさ、まずはてにいれたこのゆっくりぷれいすをちゃんとせいりして、ゆっくりできるようにするのよ!そのあととかいはらしくすっきりするのよ!!」 「せんりょうせいさくだねー、わかるよー!!」 遂にまりさは悪のドスからゆっくりプレイスを取り戻すことに成功した。 まりさは群れの仲間とともにこれからのことを話し合う。 人間との条約?ゆっくりを虐める悪の人間と約束することなんてない。 人間のものを奪ってはいけない?人間の畑にあるものは人間が独り占めしたものだ、それを奪うことは正義が悪にはむかうこと、むしろ推奨されるべきことだ。 すっきり制限?するわけがない、子供がいるとゆっくりできる、ゆっくりは正義だ、すっきりも大いに推奨されるべきことだ。 「ふう、この日をどんなに待ちわびたことか…長は条約が無効になっても群れのゆっくりには手を出すなとは言ってたが…条約が無効になった以上、俺がゆっくりを何匹虐めても おれが罪に問われることはないもんな。」 まりさはとてもゆっくりしていた、逃がしてしまったとはいえ、念願だった悪のドスを追い出すことができたのだ。 これからは自分がこの群れを、正義の群れとして、ゆっくりできる群れにしていこう。 「おぉ、長の言う通りだな、まだ引っ越していないゆっくりが居やがる…だがもう条約なんて関係ねぇ!饅頭を潰すことにもう誰にも文句は言わせねえ!!ひゃあ!!虐待、虐殺、虐待だぁ!!」 まりさの理想が崩壊するまで、もう数十秒もなかった。 完 10月26日 1910 セイン このSSに感想を付ける