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ある里の近くで、ゆっくり霊夢の一家が住んでいました。 一家は皆キチンとしており、人間の畑も荒らさずにゆっくりと暮らしていました。 「おかーさん、おそびにいええくるよ!!!」 「ゆっくりあそんできてね!! くらくなるまえにもどってきてね!!!」 「おねーしゃんいってらっちゃい!!!!」 「いってきます!! ゆっくりしてくるね!!!」 勢いよくお家から飛び出すゆっくり霊夢。 今日は魔理沙たちと遊ぶ約束を強いています。 こちらの魔理沙一家もキチンとしていて、他の魔理沙のように他人の家に上がりこむことはしません。 二人でくたくたになるまで遊んだ後、霊夢は暗くなる前に魔理沙とさよならして、お家に向かいました。 ……。 「ゆゆ!! おにーさん!! それなぁに?」 俺が近くの永遠亭から一本の竹を貰って帰る途中、一匹のゆっくり霊夢が飛び出してきた。 「これかい? これは七夕に使う竹だよ」 「ゆ? たなばた? それってゆっくりできるの?」 「あぁ、この笹に願い事を書いて吊るすと願いが叶うって言われてるんだ」 「ゆゆ!! おにーさん!! れいむもおねがいしたい!! れいむもおねがいしたい」 「ちょうどいいな、……よし一緒においで!!」 「ゆ♪」 ゆっくり霊夢と連れ立って家路を急ぐ、なんたって今日は七夕だからな。 「ほら、ここが俺の家だ」 「はいっていいの?」 「ああ。遠慮するなよ!」 「ゆ! ゆっくりおじゃまするね!!!」 まぁ、普通のゆっくりよりは礼儀正しいみたいだ。 「おじさんありがとうね!! れいむはゆっくりおねがいしたよ!!」 そうだった、こいつは何かお願いしたいことがあってここまで来たんだっけ。 「それじゃあ、今から飾りつけするから手伝ってくれるかい?」 「ゆゆ!! おてつだいするよ!! だかられいむもおねがいさせてね!!!」 「ああ。いいとも」 何て純粋なゆっくりなんだろうか。 これが並大抵のゆっくりだったら、早く飾り付けしてね!!、って叫ぶ所だと言うのに。 「それじゃあ、これを引っ掛けてくれるかな?」 渡したのは七夕飾り、器用に口にくわえ、俺に抱っこされて笹にかけていく。 「ゆゆ!! おにーさんかけおわったよ!!」 「よし、こっちもお願いね」 「うん♪」 暫く一人と一匹で仲良く飾り付けをしていった、一人でするより大分賑やかだ。 ……うん、なかなか良い出来だ。 「それじゃあ、短冊を書こうか」 「ゆ~? たんざくってなぁに?」 短冊が分からない霊夢に一枚の短冊を見せて説明する。 「これの事さ。ここにお願いを書いて竹に飾るんだよ。さて、文字は分からないだろうから代わりに書いてあげようか?」 筆を持ち直しゆっくりの方へ向き直る。 が、霊夢はなんだか不満そうだ。 「ゆゆ!!! おにーさん!! れいむもじぶんでかきたいよ!!」 「自分で書けるか?」 「うん!! おにーさんそれかしてちょーだい!!」 意気揚々と俺から筆を受け取ったゆっくり霊夢は口にくわえてブッ格好な丸を沢山書きだした。 「何だこの丸? まんじゅうか?」 「ちがうよーー!! れいむのかぞくだよ!! この大きいのがお母さんだよ!!」 別にどっちでも変わらん気がするが、見れば確かに目や口のようなものと髪の毛にリボンが書かれている。 「ふーん。で、これはどういうお願いなんだ?」 「ゆ? !! れーむとおかあさんと、おねーちゃんといもうとたちがずっとゆっくりできますようにっておねがいしたんだよ!!」 ほー家族ね。コイツラらしい。 「あっ! そうだ!! おにーさん!! たんざくもういちまいもらっていい?」 遠慮がちに聞いてくる、別にこんなもん何枚でもくれてやるが。 「良いけど、今度は何をお願いするんだ?」 「おともだちのまりさのかぞくもゆっくりできますようにってだよ!!」 くーー!! 泣かせるじゃねーか! 「家族や友達思いの良いゆっくりだな!! よし、後でおにーさんが食べ物を持って言ってやろう。両方のお家の場所は分かるか?」 「うん、ここから…………」 ほうほう、結構近くだな。 「よし! 分かった。それと、きちんとお願いが叶うようにおにーさんが文字でそのお願いを書いてやるよ」 「ゆゆ!! おにーさんありがとーー!! これでれいむたちはゆっくりできるね!!」 「そうだな、良い子にしてたらきっと叶うぞ」 「ゆゆ!! れーみたちもまりさたちもかってににんげんのおうちにははいらないよ!! はたけのおやさいだって、かってにたべないよ!!!」 どうやら、自分たちがそういう事をしてると思われたと思ったんだろうな。 それにしても、なかなか真面目なゆっくりだな。 「分かってるよ! ……っと、よしかけた。それじゃあ、飾りにいこうか」 「ゆゆ!!」 無邪気に笑う霊夢を抱えて再び庭へ。 霊夢に自分の短冊を下げさせた後、俺も自分の短冊を上の方へ下げた。 「ゆゆ!! おにーさんはどんなおねがいしたの?」 下げる前に、霊夢がそんな事を聞いてきたので短冊を見せてやったら喜んでた。 文字は読めないのにな。 「これでよし。全部終わりだ」 「ゆ! おじさんのおねがいもれーむのおねがいもちゃんとかなうといいね!!」 「そうだな。お前はこれからどうする? なんなら夕飯でも食っていくか?」 「んーん。おかーさんがしんぱいするといけないから、おうちにかえってゆっくりするよ!!!」 そうか。 それじゃあ俺も夕飯の準備に取り掛かろう。 「ゆ!! おにーさんどうしたの!!」 ゆっくり霊夢を抱きかかえる。 既に帰ろうと背を向けていた霊夢は少し驚いたようだ。 「んー? これから夕飯にしようと思ってな」 「? れーむはおうちにかえるよ? おにーさんのごはんのじゃまはしないからゆっくりたべてね!!」 「そぉい!!」 「ゆぶっちゃら!!!!」 真横に図太い荒縄を通して竹へ吊るす。 「ゆゆ!!! れーむのおながにぃ!! おにーざん!! はやぐどってぇーー!!!!」 このために、わざわざ永遠亭まで言って綺麗なウサギさんと一緒に丁度良い竹を探し回ったんだ。 あぁ、今度は怪我をして行ってみようかな……。 「ゆ!! いだいよ!!! おにーさん!! ゆっくりおろしてね!!! ゆっくりおろじてねーー!!!」 痛みに苦しみながら、こっちを見つめる霊夢。 残念だけど、俺はこれから夕食の準備をしないといけないんだ。 「それじゃあ、そこでゆっくりしていってね!!!」 「ゆっぐりーーー!!!!!!」 さてと、ビールビール!! ……。 「うっう~♪ あうあう♪」 暫くビール片手に家の中で待っていると、漸くゆっくりれみりゃがやって来た。 「う~? ぷっでぃ~んどごぉ~? ぷっでぃ~ん!!!」 もちろん唯のれみりゃじゃない、紅魔館にすんでいる最高級れみりゃだ。 「ゆ!! おにーさん!!! れみりゃだよ!! ゆっくりできないよ!!!」 そんなに大きな声で呼ばなくたって分かってるよ、コイツをおびき出すためにお前を吊るしてたんだから。 「うっう~た~べちゃうぞ~♪」 「ゆ!! ゆーーっぐりたすげでね!!! れーむはおいしくないよ!!!」 馬鹿かお前? 大馬鹿な紅魔館れみりゃにそんなこと分かるはずないだろ? 「う~♪ がぶっ♪ !!!……うー!! ぷっでぃ~んじゃないー!!!」 やっぱコイツ馬鹿だ。 「うーーー!! ぽいっ、するのぽい!!!」 勢いに任せて、霊夢をズタズタに千切っていくれみりゃ。 そろそろ頃合か? 「おい肉まん! こっちにぷっでぃ~んがあるぞ!!」 「う!! ぷっでぃ~んだべどぅ~♪」 「そうか、食べるか。ぷっでぃーんはこっちだよ!!」 「うーー!! ぷっでぃーんじゃないの!! ぷっでぃ~んなの!!」 テコテコと座敷に上がってくるれみりゃ。 ニコニコしながら俺の前に近づいて両手を差し出してきた。 「う~♪ はやぐぷっでぃ~んくれないと、さぐやにいいつげるどぉ~♪」 はいはい、ぷっでぃ~んね。 「こぁ!!」 「うー? !!! いだい!! いだいどぉーーーーー!!!!!」 そりゃ、柱に磔にされたら痛いわな。 「うーーー!!! ざぁぐやーー!!! ぷっでぃーんはどごーー!!!!」 ……、おい! 「ぷっでぃーんじゃなくて、ぷっでぃ~んだろ?」 まずは、この羽からいってみよう。 「!!! いだいどぉーー!!!! う゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーー!!!!!!」 うん、これはビールに合うな! 「そればれみりゃのーー!!! れみりゃはだべものじゃないどぉーーー!!!!!」 そういえば黒ビールも有ったな、今度はそれで食べてみるか。 「うあーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」 ……。 ふー、食った食った。 そういえば、あの霊夢はまだ生きてるのかな? 「おーい霊夢! 生きてるか?」 「ゆー。 !! おにーさん!! れいむはゆっくりできるよ!! れみりゃをおいはらってくれてありがとうね!!!」 おお! 生きてた、すげーな!! 「でもこの縄を早く外してね!! そうしたら、こんなことしたのをゆるしてあげるよ!!!」 へいへい。 「ほら、外してやるよ。別に悪気があった訳じゃないんだ。ただ自分を吊るすと願いが叶い易くなるんだよ」 霊夢の縄を抜いて地面に降ろしてやる。 縄の抜けた体を満足そうに見た後、目を輝かせて俺に尋ねてきた。 「ゆゆ!! ほんとう!! だったられーむたちのかぞくとまりさのかぞくは、ぜったいにゆっくりできるね!!!」 「U☆SO☆DA☆YO☆ そぉい!!!」 「ふんじゃられったりーーー!!!!!!」 死なない程度に踏みつけて籠に入れておく、明日の朝には元気になってるだろう。 「じゃあな。明日は家族仲良く加工場に行こうな。願い通り、死ぬまでゆっくりできるぞ!!」 「!! かごうじょーーはやだーーー!! ゆっぐりできないよーーー!!!!」 ……。 「れいむ、きのかえってこなかったね」 「きっとまりさといっしょにゆっくりしてたんだよ!!」 「やぁ、君達が霊夢の家族かな?」 「!! おじさん!! れーむをしってるの?」 「れーむはどこにいるの!!」 「うん、霊夢は君の家族と魔理沙の家族がゆっくりできるようにってお祈りしてたんだよ。俺は、それに感動して君らもゆっくりさせてあげようと思ってね。魔理沙の家族は、今一緒にいるから君達もおにーさんのお家へおいでよ!!」 「れーむもおにーさんのおうちにおじゃましようよ!!!」 「!! うん、みんなでゆっくりできるね!! おにーさん!! どうもありがとーー!!」 「いいよいいよ! 俺も願いが叶って嬉しいから……」 翌日、親子共々籠に入れて、願いどおり加工場でゆっくりしてもらうことにした。 専用の安全な檻に入れられた両方の一家が、嬉しそうに涙を流して喜んでいたのが印象的だった。 俺の願い? 高級なゆっくりれみりゃを食べたい事と、纏まった金が欲しい事さ。 ……。 昨夜、紅魔館。 「れみりゃさまーー!! 食後のプディングをお持ちしましたよ!! ……またお出かけかしら?」 「あ、咲夜さん。れみりゃさんなら、さっきお散歩に行きましたよ♪」 「そう。 ……このプリン食べる?」 「良いんですか? 頂きます♪」 「涎垂らしながら見つめてたでしょ。それより、貴方も短冊に何か書いたの?」 「おいしーです♪ ……あっ、はい! 嫌いな食べ物を見なくて済みますようにって書きました♪」
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『ゆっくりと牛』 1KB パロディ 不運 日常模様 姉妹 子ゆ 自然界 人間なし 微修正再投稿 『ゆっくりと牛』 モトネタ通り 親は一匹のみ 一頭の牛がゆっくりたちの水飲み場にやってきた。牛がドスドスと水の中に入っていく時に、 水を飲みに来ていた ある子ゆっくり姉弟の弟まりさを泥の中へ踏みつけてしまった。 「ゆ?! ちゅぶ・・・ 「ゆ”ぎゃあぁぁ!れいぶの きゃわいぃおとうちょぎゃあああああああ!!!! しばらくして狩りから帰ってきた父まりさは,弟まりさが死んだことを知らされた。 「でぇーーーっかい ばけものさんが、おおっきいあしさんで ふんづけてったんだよ!!」と、姉れいむが言った。 「大きなバケモノって!? けど絶対にゆるせないよ!!! 可愛いいおちびちゃんを踏み潰したバケモノは まりさ様がぷくぅ!!して制っ裁してやるんだぜ!!!」 父まりさは頬を膨らしながら怒りを露わに言った。 「でもおとうさん!ばけものさんは,とってもおおきかったよ! つのさんもはえてたよ!!!」と姉れいむは叫んだ。 父まりさは更に大きく頬をぷくぅっ!と膨らませた。 「どうだ!!!これだけぷくぅすればそのバケモノよりずっと大きいだろ?」 「もっと、ずーーーっと おおきかったよ!」姉れいむが答えた。 父まりさはカチンときて、もう一度大きく思いっきり頬をふくらませ、これくらい大きかったか?と聞いた。 「もっとだよ!!おとうさん もっともっと、もおおおおっとおおきかったよ!」 更に力一杯息を吸い、頬をコレデモか、コレデモかと膨張させた。メキッ 父のプライドを賭け,ゆっくりの限界を超え,父まりさはどんどん膨らんでいった。ピシッ! 「どう・・だ!!ご・れでバゲモノは・・まりざ様に・・・泣いて謝・・・ゆでぶッ!!」ドパ---ンッ!!!! その刹那、頬が破裂,餡子を四方に飛び散らせ父まりさは絶命した。 「ゆ”ぎゃあぁぁ!れいぶの きゃこいぃおとうちゃぎゃあああああああ!!!! 直径30cmの彼が91cmまでぷくぅし、ゆっくりの限界を超えた父まりさの見事な最期だった。 返り餡を浴びた姉れいむは錯乱して巣を飛び出し、そして二度と帰ってこなかった。 ****************************************************************************************** 微修正再投稿。アネモネ。 物語の基本中の基本、イソップ童話からのパクりというか丸ごと置換 被ってそうだけどSSWiki検索やググッた限りでは大丈夫そう?だったので 投稿してみました。 でれあき 挿絵:にとりあき
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もう何度目になるか分からない殴打を受け、まりさは畑の柵に叩きつけられた。 べちぃ、という軟体がひしゃげる音を立てて、慣性を失ったまりさの体はずるずると力無く柵から滑り落ちる。 顔にあたる部分を下にし、人間で言うとうつ伏せのような状態で痙攣するまりさを、お兄さんは無造作に掴み上げる。 無論、鷲づかみなどという優しい掴み方では無い。 土で汚れたまりさの髪を、ぶちぶちと引き千切る勢いで引き上げた。 「いっ、いぢゃいー!! やめでねえ! なんでごんなごどずるのおーっ!!」 もはや青くない箇所の方が少ない程に腫れ上がった顔面で、目に涙を浮かべてまりさは叫ぶ。 しかしこの光景を見たら誰もが察するだろう。 滅茶苦茶に踏み荒らされた畝(うね)。汚らしく喰い散らかされた畑の作物。 理由なぞ誰が見ても明白である。 「テメエが俺の育てた野菜を勝手に食うからだろうが。馬鹿を通り越して屑か? 屑饅頭か? 人間様の畑を荒らしたらどうなるか、その体に教え込んでやるから感謝しやがれ。 テメエらゆっくりの腐った脳味噌は、言葉で言っても三歩跳ねたら忘れるド低脳だからな」 自分の視線よりやや高くまりさを持ち上げたお兄さんは、下から睨め付けるようにまりさを覗き込んだ。 まりさは恐怖に身を震わせ、滂沱と涙を流し始める。 嫌だ。いたいのは嫌だ。このお兄さんはものすごくゆっくりできないことをまりさにするつもりだ。 どうして? どうして? どうして? わからない。 おやさいを勝手にたべたから? それがなんでいけない事なの? 吊り下げられたまりさは、畑をあらすゆっくりの十割がのたまう金科玉条を、多分に漏れず吐き出した。 「おやざいざんはがっでにばえでぐるものでじょう! おやざいざんのばえでぐるばじょををびどりじめずるおにいざんのぼうがいげないんだよ!」 そう、この理論はまりさの中で絶対の正義として君臨していた。 野菜とは勝手に地面から生えてくるもの。ならばそれを誰が食べようと自由なはず。 自分は悪くない。正しい自分が不当に虐げられるのは間違っている。 こういった考えがあるからこそ、まりさは絶対の強者であるお兄さんに論を反した。 「ぐすっ……いぢゃいー……いぢゃいようー……ゆぶぅ…… いげないおにいざんは、ひっく、まりざをばやぐばなじでね! ごのままじゃまりざがゆっぐりでぎないよお!」 まりさは、このお兄さんが己の過ちを認め、解放してくれるものと、そう信じて疑わなかった。 なぜなら、悪いのはお兄さんで、正しいのは自分なのだから。過ちは正されるべきものなのだから。 お兄さんが、口を開いた。 「なるほどな。”おやさいはかってにはえてくる”ってのがお前らのくだらねぇ錦の御旗って訳か。 いいぜ、ならば親切な俺が教えてやるよ屑。 お前らにも分かる言い方でな。 『ここはお兄さんのゆっくりプレイスだよ! かってにはいってくるばかなまりさはゆっくりでていってね!』」 「ゆっ!?」 想像とは全く違うお兄さんの言葉に、まりさは腫れで半分塞がりかけている目を見開いた。 「『まりさがはいってきたらお兄さんはゆっくりできないよ! だからまりさはとっととでていってね!』」 「ゆ、ゆ……」 畳み掛けるように言葉を重ねていくお兄さん。 その言葉を、まりさがゆっくりと理解していく。 分からない、は通用しない。ゆっくりにも通じるように、お兄さんは言葉を選んでいる。 「『お兄さんのゆっくりプレイスにあるおやさいさんは、お兄さんのものだよ! かってにたべるまりさはゆっくりしね!』」 「ゆう゛うううぅぅぅ……!」 そして、理解と同時にまりさの中に湧き上がってくるものは、絶望だった。 真っ暗な、一片の光明すら見えない絶望の深淵に、まりさは叩き落された。 思い知らされてしまったのだ。 「ってなモンか。テメエ如きに拳じゃなくて言葉を使ってやるなんて、なんて優しい人間なんだろうな俺は。 感激しろよ? 俺以外の人間なら、こんな風にテメエらの悪を教え込んでやったりせず、問答無用でぶちのめすだけなんだからな」 「ぢ、ぢがうよっ! まりざはわるぐないっ!! おやざいざんは、がっでに……!」 がらがらと足元が崩れ落ちていくような感覚を覚えつつも、まりさは必死で言い募る。 なぜなら、ソレしか無いからだ。 ソレが間違いだと、過っていたのは自分の方なのだと、認めてしまったのなら。 まりさの救いは、もう、どこにも無いのだから。 「ああ、んじゃソレでいいよ。勝手に生えるって事でも。 だけど此処は俺のゆっくりプレイスだ。ちゃんと柵で囲ってんだから、お前にもそれは理解できるな? 俺のゆっくりプレイスなんだから、そこに何が生えてこようが生えてこなかろうが俺のモンだ。 お前が食べていい道理はどこにも無い」 「ぐ、ぎ、い゛……! で、でもおやざいざんのばじょを、びどりじめずるのはいげない……」 「テメエは苦労して見つけた自分のゆっくりプレイスを、他のヤツが来たらハイどうぞって明け渡すのか?」 「ゆ……ゆ、ぐぅうううぅう゛う゛!!! ま、まりざ、まりざは……」 「俺は、お野菜さんが勝手に、沢山生えてくる場所を見つけて、そこを俺のゆっくりプレイスにしたんだ。 これのどこが悪いことなんだ? え? テメエだって、自分のゆっくりプレイスで他のゆっくりがごはんをむーしゃ、むーしゃしてたら追い出すだろう? それとどう違うってんだ? なあ、おい?」 まりさには何一つ抵抗できない。 お兄さんの言葉の正しさを言い崩す事ができない。 つまりそれは、悪いのはまりさだということ。間違っているのはまりさだということ。罰せられるべきはまりさだということの証明。 恐ろしい勢いで崩れていくまりさの正義。 木の葉を吹き散らす暴風のようなお兄さんの言葉の中に、しかしまりさは一筋の隙を見つけた。 お兄さんの言葉に言い返す事ができる。 ただその一心で、まりさは唾を飛ばしながら、正に死に物狂いの形相で叫んだ。 「まりざはっ! まりざはまりざいがいのゆっぐりがぎでもっ!! ぢゃんどいっじょにゆっぐりずるもんんんんんん!!! おにいざんはやっばりまぢがっでだああああああ!! まりざ、わるぐながっだよおおおおおおお!!!!!」 「ああ、そう。来たのが『ゆっくり』なら、だろ? 人間が来たらどうするよ」 「 ゆ ぅ 」 その瞬間、まりさの中の何かが折れた。 「俺だってここに俺以外の人間が来ても文句は言わんし殴りもしねえよ。ただし、ゆっくりが来たなら…… は、もう身をもって知ってるよな。 そしてテメエは誰が何と言おうとゆっくりだ。 さあ、理解したな? ならばテメエの生まれを呪って俺に殴られろ」 お兄さんの言葉は既にまりさには届いていなかった。 迫り来るお兄さんの拳をぼんやりと見据えるまりさの瞳から、全てを諦観した涙が一筋、流れ落ちる。 いたいのも、くるしいのも、がまんしなくてはならない。 だって、わるいのは、まりさなんだから。 顔面をひしゃげさせながら、再びまりさは畑を囲う柵へと叩きつけられた。 このSSに感想を付ける
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fuku2050の続きを勝手に書いてみた。 東方キャラが出ますが、性格が改変されてるかもしれませんのでご注意を。 なお、fuku2050の作者様から何かしらの警告などがあった場合削除します。 「まりさぁ……どうじでえ……」 ゆっくりれいむは、雪の降るなか凍死した。 最後まで自分の何が悪かったのか自覚しないまま眠った。 それどころか、すべてはこんなかわいい自分を追い出したまりさが悪いと思い、 そして食べ物を持ってこなかったお兄さんが悪いと思った。 罪を理解しない。罪を罪と思おうとはしない。 それは何物にも勝る、もっとも大きな悪行である。 甘やかされて育ったれいむには、もし生きていたとしても一生わからないことであろうが。 そもそもゆっくりには理解できまいが。 「ゆっくり起きたよ、ゆゆっ!?」 れいむが目を開けると、そこは見たこともない場所だった。 自分が今までいたのは、一面銀世界の、極寒の場所だった。 しかしここは一面に赤い花が広がっており、寒さも感じない。 そして、起きるまでとの状況の変化に気付いた。体が重く、おなかも減っていて力も出なかったのに、 今は体がすいすいと動かすことが出来る。 「ゆっくり~♪ ここはきょうかられいむのゆっくりプレイスにするよ!」 幸せいっぱいに、昨日自分に何が起こったのかも忘れ、れいむは飛び跳ねる。 「あー、またゆっくりかぁ」 「ゆゆっ?」 そこへ肩に大きな鎌を担いだ、胸の大きな女性が近づいてきた。 しかしれいむは 「おねえさんかわいいれいむにたべものをもってきてね!!」 見ず知らずの人物にこれだ。 女性、死神・小野塚小町はゆっくりの言うことにはもはや馴れてるのか、ため息をつく。 「ゆっくりが言うことは全然変わらないねえ……」 「ゆ! ごちゃごちゃいってないでれいむにtブギャ!」 小町は無言でれいむを蹴り、舟に乗せる。 ゆっくりが幻想郷に現れてから、ゆっくりの魂が冥界に来なかった日など一日たりともない。 「ゆっくりは代金も払わないしふてぶてしいのばっかだし、いっそ絶滅してくれないかねえ…」 物騒なこともぶつぶつと言いながらも舟を出す。 れいむは舟を出している間も「たべものをもってきてね!」だの「きこえないの?ばかなの?」だの罵倒していたが、 小町はゆっくりの戯言などもはや馴れてしまっており、右から左へ聞き流している。 「全く四季様はさ、ゆっくりにいらつくのはわかるけどあたいに説教するのはお門違いだと思うんだよね」 「そういえば博麗の巫女がゆっくりを饅頭製造に使い出したそうでさ、ゆっくりの魂が無駄に増えるから困るんだよねえ」 そして仕事の愚痴をゆっくりの声をさえぎるかのごとく、長々と話していた。 ようやく舟が対岸に着いた。 「ほら、ついたぞ。あそこはお前がゆっくり出来るかもしれない場所だよ」 「ゆっ! ゆっくりできるの!?」 れいむはその言葉に反応する。 やはりお姉さんはかわいいれいむをゆっくりさせてくれるんだ。 あのお兄さんとは違う、あんな食べ物もロクに持ってこないグズなお兄さんとは違うんだ。 このお姉さんなられいむをかわいがってくれる!! 未だ状況がわかっていないれいむ。自分が死んだことも忘れているのだ。 「ほら、あのお屋敷の中に入りな。あそこの連中ならゆっくりさせてくれるかもよ」 「ゆ~♪」 れいむは飛び跳ねながら、屋敷に向かっていった。 「ま、あんたがゆっくりできるかどうかは四季さまとあんた次第なんだけどね」 屋敷の門に辿り着き、門をくぐり抜けると、れいむの目の前に大きな扉が立ちはだかる。 きっと奥にゆっくり出来る場所があるんだと期待に胸を膨らませながら、扉の中に入る。 しかし扉の中は何の面白みもない、無機質で広い部屋だった。 正面には5mほど台があり、その上の机には、 立派な装飾の施された帽子を被った緑髪の女性が座っていた。 彼女は四季映姫・ヤマザナドゥ。幻想郷を担当している閻魔である。 「ゆっくりれいむ」 前置きもなく、映姫はれいむの名を呼んだ。 「ゆっ? おねえさんだれ? かわいいれいむにたべものをもってきてね!」 小町のときと同じことを言っていることから、ボキャブラリーの貧困さが伺える。 それを意に介さず、映姫は続ける。 そう、これは死後の裁判。 「ゆっくりれいむ…あなたに判決を下します。 あなたはこれから地獄に落ち、1000回死んで魂をきれいにしたあと、ゆっくりに転生します。」 前置きもなく判決を下す。 れいむは何を言われたのかわからないが、さらに映姫は続ける。 「あなたはお兄さんの愛を理解しなかったばかりか、それをないがしろにし、あまつさえ当然と思い込みました。 それ自体はいいです。しかし追い出されたのち、何も罪のないゆっくりまりさを自覚がなかったからとはいえ騙し、食料を奪いました。 ですが、あなたのもっとも大きな罪はそれらではありません。」 一呼吸置いた後、続ける。 「あなたの罪は、自分が悪いことをしたという自覚を一切持たなかったことです。 まりさによって追い出され、死の危険の淵に立っても、あなたはまりさが悪いと思い、お兄さんが悪いと思った。 それこそがもっとも大きな罪なのです」 「ながいよ!! おねえさんとはゆっくりできないよ、はやくれいむのいえからでていってね!!」 れいむはその話を聞かないばかりか、頬を膨らませ威嚇のポーズで自分の家宣言をする。 映姫はそれを一切意に介さず、槌を叩く。 その瞬間、れいむの足元に穴が出現し、 「ゆうーーーーーーーっ!!」 文字通り、れいむは地獄に落ちていった。 「言ったでしょう、自分の罪を自覚しないことこそが、もっとも大きな罪だと……」 れいむにはその言葉は届かなかった。 地獄。 「ゆぶぅ!!」 れいむは漸く着地するが、ゆっくりする暇もなかった。 「おおう、またゆっくりか」 この地獄の鬼はゆっくりの扱いには長けており、早速仕置きを開始する。 まず声がうるさいので、舌を切り取る。 「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」 声にもならない声を出すれいむ。 「これだけではまだうるさいからのう」 そういった鬼はさらに火箸で口を癒着させる、これでもう声が出ることはあるまい。 今度は血の池地獄をゆっくり用に改造した、ゆっくり餡子地獄にれいむを放り込む。 しかも簡単には死なせないよう、死なない程度スレスレの温度にしている。 鬼は逃げ出さないよう、れいむが出ようとするたびに棒で押し返す。 なぜ、どうして自分はこういう目に遭うのだ。れいむは未だ状況がわからず、混乱していた。 少なくとも今自分がゆっくり出来ていないのは確かだ。 ふと、周りを見回す。 そこにはほかのゆっくりが、自分と同じように餡子地獄にいれられていた。 それだけではない。 口を癒着させられていないゆっくりがいたが、状況はもっとひどかった。 そのゆっくりまりさは、針の山地獄に乗せられたどころか、徐々に重りを加えられていた。 「ゆぎぃいいいいいいいいいいいいいい!! ささるうううーーーーーーーーーーーー!!!」 絶妙な加減さからか、まりさにはまだ針が刺さっていない。 しかし重りのせいで動けず、なくとも見張りの鬼達に戻されてしまう。まりさは何度も逃げようとしたがすぐに捕まっていた。 「どうじで!? なんでばりざがごんなめにいいいいいいいいいい!!!」 まりさの叫びに答えるものはいない。ここは地獄なのだから。 れいむはここがゆっくり出来ない場所だということはわかった。 けど自分はあのまりさとは違う、だっていつも自分の食事を用意するお兄さんがいるんだから。 お兄さんが助けてくれる、そうに違いない!! しばらくして、れいむは漸く一回死んだ。 しかしすぐに生き返る。今度は口も元に戻って。 それを確認した後、鬼はすぐに次の責めに移った。 今度は岩戸の中に閉じ込められたれいむ。 「ゆ!かわいいれいむをはやくだしてね!れいむにはおにいさんがいるんだからね!!」 騒ぐも、お兄さんが来るわけもない。第一、現世の人間が鬼に勝てるわけもないのだ。 その程度のことも知らないれいむは、意味もないのに騒ぎ続ける。 ここが何なのだろうと、れいむが思った瞬間。 「ゆ?」 四方八方から熱が襲ってきた。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 れいむは理解できなかったが、ここはゆっくり専用の焼却炉。 簡易灼熱地獄といってもいい。ゆっくりを閉じ込め、焼き尽くすためのものだ。 「だじでええええええええええええええ!!でいぶをだじでよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!! おにいざああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!」 なりふり構わず、今まで都合のいい召使と思っていたお兄さんにも助けを求める。 だがその声に答えるものはいない。 その後、れいむは散々と地獄を味わった。 寒いなか放置され、しかし死の一歩手前で回収され、また放置され、というループも味わった。 れみりゃの群れ(地獄用に教育された胴無しの霊たち)の中に放置され、じわじわとなぶられ、しかし簡単には死なせられなかった。 きめぇ丸の集団の前に固定され、あの不快な振動をずっと見続けることもあった。 そしてやっと1000回死んだ。 けど全然反省しなかったので、魂が綺麗になっていないと判断され、さらに1000回同じことを繰り返された。 やっと死ねたれいむは。しかし手違いで記憶が残ったまま転生させられた。 そして奇形ゆっくりとして生まれ、喋ることもできないまま苦しんで生きることとなった。 あとがき 書いた理由はあんなクズが反省もせず凍死で死んだなんて許せない!という下らない理由です 地獄でせいぜい苦しめ!! 後半尻すぼみですいません… 書いた人・JUMくん 美れいむの続きが思いつかんから書いた…正直スマンかった このSSに感想を付ける
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「ふたば系ゆっくりいじめ 680 われときて/コメントログ」 潰したまんじゅうの中に希少種でもいたのかな? -- 2010-08-12 19 50 26 こういう話すごく好きだ。 -- 2010-08-23 17 10 55 ゆっくり如きに生態系の一端を担うことが出来るとは… 無造作且つ無制限に喰い散らかすのでなければ、人間にとっても有益なナマモノなのかもな -- 2010-09-01 11 21 59 まあゆっくりにわざわざ頼らなくても農薬まいとけばほぼ解決するかもしれんけどね -- 2010-09-05 10 43 24 希少種が関係ないことは確定的に明らか。何故そうまで希少種を良いものにしたがる? -- 2010-09-12 02 18 20 ゆっくりに頼って害虫対策してこなかった結果がこれだよ! -- 2010-10-24 21 55 07 原初のゆっくりっぽいし、言葉が通じないんだな…。通じれば説得という手段もあったんだが…。 しかし迷惑を迷惑と理解せず追っ払われても遊びと勘違いして面白がるだけで野菜泥棒を続けるって…かなりたちわるいな。ゲスとはまた違ったイライラがつのる。 こっちが真剣に追っ払ってるのに、逃げ回ってる時も楽しげにニヤついてるゆっくり共を想像すると、やっぱり殺したくなる。 -- 2011-03-07 12 44 51 ふてぶてしいゆっくりもいいけど、無垢?な原初ゆっくりの虐待もいいね! -- 2011-06-13 05 46 13 ちなみに駆除を訴えた男の名は毛沢うわなにをするやめ(ry -- 2011-11-26 11 54 06
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「つかさー。入るぞー」 がらがら。 お姉ちゃんが私の部屋に入ってくる。 「あ、お姉ちゃん」 「明日のお泊り会のことだけど、って、本読んでるの?」 「うん、四月にゆきちゃんからもらったの」 「へー。どんな話?」 「ええとね、まだ最後まで読んでないんだけど、頭がよくて何でも知ってる、なんかゆきちゃんに似た人と、 よくどじをして、天然な、やっぱりどことなくゆきちゃんに似た人の恋愛小説だよ」 「へー」 「あ、それはそうと、お泊り会の話って何?」 「あ、そうそう。寝るときの部屋割なんだけどさ、あれ、私の部屋に私とこなたで、つかさの部屋につかさと みゆきが寝ることにしない? あ、いや、ほら、さすがに4人が同じ部屋に寝ると狭いし、で、でもなんかこなたと みゆきを一緒の部屋にするとなんかこなたがセクハラとかしそうだし、ええと……」 「う、うん、わかったよ。そんなに力説しなくても……」 「そう、それじゃあお休み」 「お休みー」 そっか、明日はお泊り会だし、もう寝たほうがいいかも。そう思って本に栞をはさんで本棚にもどした。 ちなみに、この栞もこの本と一緒にゆきちゃんからもらったんだ。赤い薔薇の押し花で、すごく気に入ってるの。 本棚に本を戻すと、電気を消して、ベットに潜った。 翌朝、お泊り会の当日。 駅前でこなちゃんと会った。 「おーっす」 「おはよう」 「おはよう」 「なんか、つかさは眠そうだよねぇ」 「そういうあんたは今日に限っては眠くなさそうね。いっつもはネトゲのやりすぎとかで眠そうなのに」 「ほんとだ。どうしたの、こなちゃん」 「いやぁ、今晩体力使うからねー。ねえ、かがみ」 「あ、あんた人前でなんてこと言うのよ!」 お姉ちゃん真赤。でもどうして怒ってるんだろう。今の会話で怒るようなとこなかったような気がしたけど。 でもほんとにこなちゃんはいつもと違ってなんか眠くなさそう。どうしたんだろう。 お昼、お姉ちゃんとこなちゃんとゆきちゃんと一緒にお弁当を食べていた。こなちゃんはチョココロネだけど。 「あ、今、ふと思ったんだけどさ、バレンタインのときにチョココロネをあげてもいいのかな?」 「めちゃくちゃ時期はずれな話題だな……。でもいいんじゃない? もらう人が喜べば」 「うんうん」 「そういえば、日本にはバレンタインに男が女にチョコを贈るような風習があるけど、 それの本バージョンってなかったっけ」 「サン・ジョルティの日ですね」 「あ、そうそう、それそれ」 「今はスペインの自治州であるカタルーニャ地方というところに、昔、ドラゴンがいました。 住人はドラゴンの怒りを納めるために、毎日一人ずついけにえを捧げていたんです。 そしてお姫様がいけにえになるときに、あらわれたのが騎士、サン・ジョルティだったわけで、 彼がドラゴンを倒し、お姫様を救い出したとされています。その時の竜の血からは見たこともない 赤いバラが咲いたそうです。それで、四月二十三日をサン・ジョルティの日として、愛する人に美と教養、 愛と知性のシンボルとして、一本の薔薇と一冊の本を贈るそうです。 もっとも、日本ではあまり定着していませんが」 「へえー。やっぱり物知りだね、みゆきさんは」 「いえいえ、そんな」 「……こなた」 「ん、何、かがみ」 「……あーん」 「えぇ! 何かがみ、いきなりデレモードになっちゃって、何か変なものでも食べた!?」 「なによ、いらないならいいわよ!」 「えぇぇ、そんな殺生な」 ぱくっ。こなちゃんはそう言いながらお姉ちゃんが差し出したお弁当を食べた。二人とも、真っ赤です。 「弁当の中身を見る限り、今日はかがみがつくったんだよね。おいしいよ」 「ばっ! 質素で悪かったわね!」 「じゃ、お返しにあーん」 「チョココロネでかよ!」 ぱくっ。そんなことを言いながらお姉ちゃんはこなちゃんのチョココロネを食べた。 突然起こった異常事態に呆然としていると…… 「つかささん……」 「え、何、ゆきちゃん」 「……あーん」 顔を真っ赤にしてゆきちゃんが「あーん」をしてきた。私は、呆然としている頭を何とか再起動させて、 ちょっと迷ったけど、ゆきちゃんのお弁当をぱくっと食べた。 「ゆきちゃんのお弁当、美味しいね」 「そ、そうですか、ありがとうございます」 それにしても、ゆきちゃんまでどうしたんだろう。友達同士で「あーん」ってやるの、はやってるのかな? あっ、そういえば。 「ゆきちゃん、お返しにあーん」 ぱくっ。「あーん」ってしてくれたらやっぱりお返ししなきゃだめだよね。 「幸せです……」 「うん、幸せだよね」 ゆきちゃんが全身を真っ赤にして小声でささやくのを聞いて、私はそう答えた。 ゆきちゃんにもらった本に書いてあったけど、こんな風に友達と過ごすひと時が幸せなんだよね。 ふと、クラスメイトの半分以上が私たちに注目しているのに気づいた。ほかの三人も気づいたみたいで、 この日のお昼は無言のまま食べるということになってしまった。 学校が終わって、柊家。私たち四人はお姉ちゃんの部屋で今日出た宿題をしていた。 「ゆきちゃん、ここがよくわからないんだけど」 「ここですか? ここはですね……」 四人集まって勉強するときはこなちゃんはお姉ちゃんに、私はゆきちゃんに聞くことが最近多い。 宿題が終わった後、みんなでゲームしたんだけど、このときもこの組み合わせだった。 なんか最近この組み合わせが多いなぁ。いやじゃないからいいけど。 夕食は、私が作ることになっていた。 「手伝います」 「ありがとう、ゆきちゃん」 ゆきちゃんが手伝ってくれることになった。ありがとう。 ふと、また私とゆきちゃん、お姉ちゃんとこなちゃんの組み合わせになったなあと思った。 そのことをゆきちゃんに聞いてみることにした。 「そういえば、ここ最近、私とゆきちゃん、お姉ちゃんとこなちゃんの組み合わせが多いよね。なんでだろうねー」 「なんだか最近かがみさんと泉さんが自然に二人になることが多いんですよ。ですから、それの影響じゃないかと」 「ということは、私たちはあまりものってことかぁ」 「うふふ、でも私はつかささんと二人というのはとてもうれしいですよ」 「えへへ、ありがとう」 うん、この組み合わせが多くなってるけど、誰も嫌がってるとかはないみたい。よかった。 「その人がね、おかしいなって思って、ポケットを探ったら、朝捨てたはずの血が付いたロザリオが 入ってたんだって」 「キャーーーーーーーーーーー!!」 こなちゃんによると、「夏の夜は怪談だよ」ってことらしい。今晩のためにいろいろなところから怪談を 集めてきたらしいけど、怖すぎだよ……。あ、もしかして、朝言ってた「今晩体力使う」って、もしかして これのためだったの? だったら別にそんなに気合い入れなくてもよかったのに。 とても怖くて、ずっとゆきちゃんにしがみついてた。お姉ちゃんはずっとこなちゃんにしがみついてたみたい。 自分でも自分の顔が青白くなってるのがわかった。それなのに、ゆきちゃんの顔は、部屋が薄暗いからよく 見えなかったけど、なんだか赤かった。ゆきちゃん怖くないのかな。ゆきちゃんすごいなぁ。 夜。昨日お姉ちゃんと打ち合わせしたとおり、ゆきちゃんは私の部屋で、こなちゃんはお姉ちゃんの部屋で 寝ることになった。 うー、でも、さっき怪談とか聞いてたから、寝れそうにない……。 「ねえ、ゆきちゃん。一人だとさっきの怪談思い出して寝れないから、一緒の布団で寝ていい?」 「え、ええ、かまいませんよ」 私は許可を得て、ゆきちゃんの布団に入った。その後、ゆきちゃんと話をしながら、やっぱり怪談を 思い出しちゃったりして、あまり寝付けなかった。 そんなときだった。声が聞こえた。この前も聞こえた、甲高い声が壁越しに聞こえた。 「ねえ、ゆきちゃん。この声なんだろうね」 私は、内心不安になりながら言った。ゆきちゃんも怖いかもしれないから、声をなるべく普通にして言ったけど。 「え、え、ええと、ええと、お、お化けが何か言ってるんじゃないですか?」 「ひえあっ!!」 反射的に、ゆきちゃんにしがみついた。こ、こわいよう。お化けこわいよう。 「ゆ、ゆきちゃん。こ、このまま、ね、寝てもいい?」 「え、ええ」 もう震えを隠すこともできずに尋ねると、ゆきちゃんは許してくれた。 朝起きると、四人ともとても眠そうだった。 ぼけぼけ遊園地へ続く コメントフォーム 名前 コメント ここまで来て こなかが、みゆき どちらの気持ちにも気づかないとは 極上の天然っぷりだ~☆ つかさの ぼけぼけっぷりに 魅了されっぱなしです -- 名無しさん (2011-04-15 10 20 18) ナイスお泊まりだなあ。つかさがひたすら天然ノンケなのがいい。 -- 名無しさん (2009-12-15 15 42 59) 何度目かに読み返して初めて気付いたんだが、 みゆきは、サンジョルディの日に、つかさに一本の薔薇と一冊の本を贈ったんだなw 作者さんの芸の細かさに敬服。 -- 名無しさん (2008-01-02 18 58 22)
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打つ理由が無くなったの +... こいしが麻雀上達する方法募集中なの 2009年度末~べんきょいの旅 自己紹介 【おなまえ】 こいし ひらがなみっつでこいしなの 古明池←これ読めないの 【麻雀歴】=天鳳歴 2008年10月08日 さぁ、かかってなんたらと言われて巻き込まれたのが初体験なの 【天鳳段位】 ―永世新人位― 【主な生息地】 赤あり東風とテストプレイなの 他の卓には気分と匂いで行くの 【好きな役】 一気通貫、三暗刻、飜牌、断幺九、同順 【スタイル】 ミッド流全ツ&チキン式 ポンチーしたいだけかもよ?なの 【登場時間】 らんだむ 【ふたこと】 ただの天鳳コテなの NRKRNI 妖怪ポスト 444-4444 地底都 地霊殿 地底支店私書箱8号 古明池こいし ⇒suzusemaya恋live.jp 戦績コーナーなの 東麻で約100戦なの 牌理と安全牌探すのが苦手なの といつ3つ以上あるとわけ和菓子なの +... 黒歴史の黒歴史なの も な か も!ルールも役も知らずに13回勝てたの な!ルールと役を知ってから500戦なの、この頃スジ壁をやっと理解したの か!そして1000戦打ったなの 天国終わってメッキが剥がれたなの 無意識の打牌 その1 +... なはは、画像大きすぎなの 直感でツモ切りが広いと思ったけど無意識の選択は0.8秒で8sだったなの 三色がどっか飛んでいったの カンチャンチー決まると気持ちいいわよね 画像の貼り方については私のページで 表示→編集履歴を押して私のページのレイアウトでも見てみてちょうだい -- やわらかアリス (2009-09-30 22 53 35) 最近4鳴きくいタンやる機会がなくてがしょぼんなの やってみるのー持つべきものはおともだちーなの -- 古明池こいし (2009-10-01 22 31 42) こいし師匠かわいいのーーごろごろごろ -- べに (2009-10-01 22 37 34) もふもふ・・・くしゃくしゃ‥ブチィ -- 古明池こいし (2009-10-02 06 12 35) 私は私である人の丸ぱくりだから、こいしさんは丸パクリならぬ孫パクリね -- やわらかアリス (2009-10-09 23 29 51) ほっ‥許されたの -- 古明池こいし (2009-10-10 22 55 39) 絶対に許さないよ -- 40代紳士 (2009-10-31 22 13 04) 許さないなんて許さないの! あれ? -- 古明池こいし (2009-11-04 18 48 15) 遅れましたがメッセ登録ありがとうです!今は訳あってメッセがあまりできませんがいつかお話しましょうねー -- 遊烏 (2009-11-08 16 16 30) こちらこそどうもなのー シェイクボタンが無いから心のシェイクを10連打お見舞いしたなの -- 古明池こいし (2009-11-09 18 32 24) 海苔のおやつはかなりあぶらっこいのよね お茶もいいけどそれよりもお酒のおつまみって感じするわ -- やわらかアリス (2009-11-15 11 47 15) はさみ焼きはさっぱりヘルシーでふぁっの心配もいらないなの ちょっと高いけど気が向いたらどうぞなの なんか更新された部分がただごとじゃないのだわ… お、お大事に -- べに (2009-11-18 22 10 10) お陰様でで何とかなったの がぶもぐなの -- 古明池こいし (2009-11-21 06 19 08) 名前 コメント 決闘の申し込みや点棒の取り立てに来る気なら不意打ちやガサはやめて↑のコメント欄か妖怪ポストに連絡入れて欲しいの 電撃作戦や夜逃げの準備は時間が掛かるなの (注)このうぃきはアリスさんと輝夜さんのところの丸パクりで出来ているの 謝罪も賠償も絶対にしないなの!! おやつなの 海苔と金ごまのはさみ焼き 1袋税込 128 円 味付け海苔の間に金ごまがサンドされているだけでブルジョア気分なの 魔法の葉っぱ 税込 4200 円 インフルも吹っ飛ぶ魔法の劇薬なの 熱々のを作ってオレンジジャムでも入れてフーフーしながら飲むとポカポカなの リレンザ解熱薬リレンザ解熱薬リレンザはちみつはちみつ氷砂糖リレンザジャガイモのお味噌汁リレンザうさぎさんリンゴはちみつましょまろ 魔法の葉っぱ軽いやつ 最近はヘビーなの飲む気がしなくてこっちなの チーズケーキ プリンもおいしいなの おほしさま +... 「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーンのお知らせ 12月14日(月)頃は、ふたご座流星群が最も活発に活動する時期(極大)です。 この前後数日は、ふたご座流星群の流星(流れ星)をたくさん観察するチャンスです。 そこで国立天文台では、多くのみなさんにこのふたご座流星群の観察をしてもらおうと 「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーンを実施します。 期間は、12月11日(金)夜から12月14日(月)夜(~15日(火)朝)です。 キャンペーンは、この期間にみなさんに流れ星を観察していただき、観察時間や その間に何個の流れ星を見ることができたか等を報告してもらうというものです。 また携帯用のページでは、初心者向けの報告ページも合わせて用意しますので、お気軽にご参加ください。 キャンペーンページのアドレス(URL)は以下の通りです。 パソコン用:http //naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20091211/ 携帯用:http //naojcamp.nao.ac.jp/i/phenomena/20091211/ このページでは、流れ星の観察方法やお勧めの観察日時などを詳しく解説していますので ふたご座流星群の観察をするときの参考にしてください。 またみなさんからご報告いただいたデータから、ふたご座流星群の流星がどのくらい流れていたのか などを10分おきに集計し、随時キャンペーンページに掲載いたします。こちらもお楽しみください。 みなさまのご参加をお待ちしています。 国立天文台 天文情報センター 広報室 超手抜きのメルマガ丸々コピペしてやったの 絶対に謝らないの 時期や環境的にも眺めるならこの流星群っていうのがふたご座流星群なの ちょろーんと夜空を眺めるといい事があるかもしれないの 観測したくなってきたなの‥
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道を歩いていたら茂みから体高30cmほどの変なものが飛び出してきた。 「「ゆっくりしていってね!」」 姿を現したのはゆっくりと呼ばれている下膨れの顔饅頭が2匹。 一方は赤いリボンを頭にのっけた黒髪で、もう一方は黒いとんがり帽子と長い金髪が特徴的なゆっくりだった。 どちらも見ているだけで妙にイライラさせられる笑みを浮かべている。 「「ゆっくりしていってね!」」 聞くところによると、こいつらの仲間はこの言葉を聞くと同じように「ゆっくりしていってね!」と返すらしい。 突然の状況に呆然として、その返事をしなかった俺の態度を無視しているものと勘違いした2匹は再びその言葉を口にする。 今度はさっきのような純然たる笑顔ではなく、少し目元がつりあがっていてどこか怒っているようにも見える表情で。 ぴょんぴょんと意味も無く跳躍を繰り返しながら、何度も「ゆっくりしてい」ってね!」を連呼している。 「ゆっくり・・・ゆぎゅ!?」 あまりに鬱陶しいので思わずより近くにいた赤いリボンを付けた方を軽く蹴り飛ばしてしまった。 蹴られたゆっくりは4mほど吹っ飛ばされ、4mほどバウンドし、更に4mほど転がって計12mほど向こうまで飛んでいく。 思った以上に軽く、弾力があり、転がりやすいその体ならではの飛距離だろう。これは面白い。 「ゆううう!ゆっぐぢーーー!ゆっぐぢでぎないよおおおお!」 「ゆーっ!まりさのれいむになにするのー!?」 なるほど、黒髪のほうはれいむで、金髪のほうはまりさと言うらしい。 れいむは蹴られた痛みのせいか身動き一つとれずに泣きじゃくっている。 一方のまりさは俺の前に立ちはだかると空気を思いっきり吸い込んでぷくぅっと頬を膨らませた。 そうやって威嚇しているつもりらしいが人間相手には何の意味も無い。 まりさの前にしゃがみこむと右手で頬に平手打ちを食らわせ、即座に反対側の頬にも平手打ちを食らわす。 「ゆうううううう、ゆぎぃ!・・・ゆぎゅ!・・・ゆぎゃ!・・・ゆげぇ!」 俺が手を振るたびにまりさの膨らんだ頬に挟まれた口から呻き声と空気が漏れ出していく。 右!左!右!左!右!左!右!左!右!左!右!左! 右!左!右!左!右!左!右!左!右!左!右!左! 右!左!右!左!右!左!右!左!右!左!右!左! 何度も何度も平手打ちを繰り返し、掌が痛くなってきたところで手を止めた。 「ゆ、ゆ・・・ゆびぃ・・・」 「や、やめてえええええ!でいぶのまりさをいぢめないでえええええええ!」 頬は腫れ上がり、顔中青だか赤だかわからない色に染まり、白目をむいて泡を吹くまりさは一目でわかるほどに満身創痍。 やりすぎたか、と少し後悔していると今度はようやく痛みから立ち直ったれいむがまりさを守るべく声を上げてこちらへやってくる。 ぽよん、ぽよん・・・と1m進むのに5秒はかかる信じられないほどの鈍足で吹っ飛ばされたわずか12mの距離を1分かけて戻ってきた。 そうして、ようやくまりさの前に立ちはだかったれいむは荒い呼吸を整える暇もなく俺に体当たりを仕掛けてきた。 「ゆーっ!ゆんっ!ゆゆーっ!」 顔を真っ赤にして自分の大事な仲間を傷つけた俺に何度も何度もぶつかって来る。 弾かれても弾かれても起き上がってはキッと俺を睨みつけて体当たりを繰り返すその姿は実に果敢だ。 しかし悲しいかな俺に全く効いていない。 それでもれいむはぶつかっては弾かれ、起き上がってはまたぶつかるを繰り返し続ける。 その目にはうっすらと涙がにじんでいて痛みを必死に堪えていることが伺える。 なんだか気の毒になってきた俺は何度目かの体当たりを仕掛けてきた際につま先で引っ掛けるように蹴り上げてやった。 「ゆゆっ!た、たかいよーっ!?」 突然の浮遊感に驚いたれいむは下を見た瞬間に、自分が空高く舞っていることを理解した。 その高度約4m。同時にその高さから落下すれば相当痛いこと理解し、恐怖のあまりに悲鳴を上げる。 「ゆびぇえええええええええええええ!!?」 そうして最高到達点に達したれいむは、徐々に地面めがけて落下していく。 やがてやってくる痛みに備えて目をきつく閉じ、身を小さくしている彼女の体を小刻みに震えている。 「ゆううううう・・・ゆぅ?」 しかしいつまで経っても痛みはやってこなかった。 そのことに疑問を感じたれいむが恐る恐る目を開けると、そこには俺の顔。 流石にこれは死ぬかもしれないと思った俺は落下する前こいつを受け止めたのだ。 ようやくその事を理解したれいむが満面の笑みを浮かべた瞬間、思わず彼女を放り投げた。 「ゆうううううううううううううううううううううううううううう!!?」 ただし、あくまで低空で、バウンドと転がった分によって移動距離を稼ぐようなそんな投げ方。 れいむは俺の狙い通り、あまり舗装されていない地面をごろごろと転がっていった。 「ゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・」 「れいむうううううううううううううう!?」 遥か彼方、と言っても50mほどなのだが、まで転がっていったれいむの名を叫ぶのは頬の痛みから立ち直ったまりさ。 散々一方的に酷い目に合わされ、どんな抵抗も無意味だと理解したまりさは攻撃を仕掛けてくることも威嚇することもしない。 ただ、目から大粒の涙をぼろぼろと零し、きゅっと結んだ口からは嗚咽が漏れている。 「ゆっく・・・まりさたちなにもぢでないよ・・・もうやべでよ、ゆっくぢさせでよぉ・・・」 その声がどんどん涙声になってゆき、やがて泣き声になる。 体裁も見栄も何もかもかなぐり捨てて、まりさはただひたすら大声で泣きじゃくる。 そうすることで「お願いだからゆっくりさせて」と必死に訴え続けていた。 「ゆわあああああああん!ゆうううううううううん!ゆっぐ・・・ゆぅ・・・」 それだけしか出来ない彼女のその姿のなんと弱々しいこと。 何の意味も無く自分達を痛めつけた悪党相手にただ泣きじゃくって許しを請うとしか出来ない。 哀れんでもらって、それから見逃してもらう・・・それだけが唯一の生き残る道なのだ。 「ゆえええええええええええええん!ゆああああああああああん!ゆぎぃ・・・ゆぐぅ・・・」 正直、その泣き声が鬱陶しくなってきた俺は大きく開いた口に足を突っ込むと舌と下あごを力任せに踏みつける。 必死の命乞いを無視されたまりさは恐怖と絶望と苦痛と不快感で白目を剥き、ほぼ塞がれた口で必死に何かを喋っている。 それが恐らく相も変わらずの命乞いであることは容易に想像がつくが、それに従うくらいなら最初から何もしない。 まりさの懇願を完全に無視して口内をひとしきり蹂躙しつくしたところで、俺はまりさをれいむめがけて蹴り飛ばし、2匹を解放してやった。 「まりさああああああ・・・!」 「れ、れいむううううう・・・!」 涙を流しながら頬をすり寄せ合って、互いの無事を喜ぶ2匹。 しかし、俺がゆっくりと2匹のほうに歩いてくることに気づくと、必死の形相で茂みの奥へと逃げていった。 「もうやだ!おうちかえる!」 「ゆ、ゆっくいかえるよ!」 もうこれ以上虐めるつもりは無かったのだが、その言葉を聞いた瞬間に食指が動いてしまった。 あいつらの家とはどんなものなのだろうか?他にも仲間がいるのだろうか? そんな好奇心に駆り立てられて、非常に緩慢な動きで近くの森へと向かうれいむとまりさのあとを追いかけることにした。 「ゆっくりかえったよ!」 「「「「おきゃーしゃん、ゆっくりちちぇっちぇね!」」」」 「「ゆっくりしていってね!」」 結論から言えば、この家族は群れなどに属していないようだった。 その代わり、愛らしい子どもが4匹もいるようだ。内訳はれいむ種もまりさ種も2匹ずつ。 れいむ達の巣は彼女達の体格同様に小さくて、人間の俺では中に入れそうに無い。 お菓子の一つもあれば簡単におびき出すことが出来そうだが、今は何も持ち合わせていないので諦めることにした。 「しかし・・・ゆっくり虐めか・・・」 新しい楽しみを見つけた俺は足取り軽くスキップをしながら来た道を引き返した。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ シンプルさを重視したので子ども達への虐待はなし。 ストレスで寿命がマッハだぜ、と言う方は脳内でどうぞ。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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メニュー こんにちはww ぇっと・・・名前は ぃっぱいぁりますww(は 時雨・癒恵・莢・桜癒・氷稀・黎彗・玖遼・碧 ほかにも色々(ぇ じゃぁ HPの方でよろしくお願いしますw
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とある施設の一室でそのゆっくりは目を覚ました。 周囲を見渡すと自分と同じ形のゆっくりと黒い三角帽子をかぶったゆっくりが複数いる。 ほとんどのゆっくり達はまだ眠っているが数匹のゆっくりは目を覚ましていた。 部屋の中心には黒ずんで朽ちたものがあったが何かはわからなかった。 「ゆっくりしていってね!」 一匹のゆっくりが大きな声で叫んだ。それがまるで合図であるかのように寝ていたゆっくり達が目を覚ます。 「ゆっくり!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆ・・・」 次々とゆっくり達は目を覚ましていく。数分のうちに部屋にいるゆっくり達はすべて目を覚ました。 ゆっくり達はここが何処だかわからずキョロキョロと周りを見回している。 その時部屋の隅にある扉が開き一人の年配の男が入ってきた。 ゆっくり達が男に話しかける。 「ゆっ!おじさんだれ?」 「ここはどこなの?」 ゆっくりが達が尋ねると男が説明を始めた。 「こんにちは。ここはゆっくり繁殖場だよ」 「繁殖場?」 「最近天然のゆっくりが乱獲されて数が激減していてね、ここは数が減ったゆっくりを繁殖させて野生に返す施 設なんだよ。君たちのうち赤いリボンをしているのがゆっくり霊夢、黒い三角帽子をしているのがゆっくり魔理 沙と言うんだよ。そして君達はたった今生まれたばかりなんだ。だからここがどこだかわからなかったんだよ。 でも安心してゆっくりすればいいよ。」 まだ何の知識も持っていないゆっくり達は素直に男の言うことを信じ飛び跳ねて喜んでいる。 「そうそう、生まれたばかりでお腹が空いているだろう?食べ物を持ってきたよ。」 男は持ってきた和菓子や洋菓子をゆっくり達の前に置いた。 「おいしい!」 「うっめ!」 「メッチャうっめ!」 ゆっくり達は満足そうに与えられた食べ物をたいらげた。 男は部屋から出て行く際に、 「外は危険だからこの部屋から出てはいけないよ。外から危険なものが入ってこないようにこのドアには鍵をかけ ておくよ。」 ゆっくり達は男の言うことを素直に聞き入れゆっくりしている。そしてお腹がいっぱいになったせいか眠りにつ いた。 次の日、また男が部屋に入ってきた。ゆっくり達は歓迎する、 「おじさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり遊んでいってね!」 ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねている。すると男は、 「今日はこの部屋にいる君達の半分を別の部屋へ移動させるよ。これだけの数がいると狭くて住み辛いだろうから ね。」 ゆっくり達は仲間が少なくなるのはいやではあったが、男の言うとおり部屋が狭いと言うことと、信用している おじさんが言うことなので素直に従った。 5分後、部屋にいたゆっくり達の半分は男の入ってきた扉から出て行った。 残ったゆっくり達は寂しそうだったが、部屋が広くなったのですぐに部屋を飛び回り喜んだ。 その後ゆっくり達は毎日やさしいおじさんに食べ物をもらいゆっくりとすごした。 -2週間後- ゆっくり種というのは成長が早いらしく2週間で生まれた時の3倍もの大きさになっていた。以前に比べると広 かった部屋も全員が自由に飛びまわれなくなってしまっていた。 いつものように男が入ってきた、 「おじさん、ゆっくりしていってね!」 まだご飯の時間ではなかったのでゆっくり達は不思議そうにしている。すると男は、 「そろそろ外の世界に慣れさせる頃だね、明日から一匹ずつこの部屋から出てもらうからね。」 「ゆ!!!」 ゆっくり達はびっくりした。2週間優しく世話され満足な生活をしていたため生まれた日に説明されたことをす っかり忘れていた。 「数が減っているゆっくり達の数を増やすために必要なことなんだ。わかってくれるね?」 ゆっくり達は不安そうな顔をしている。 「大丈夫だよ、すぐには野生には返さないから。ゆっくり慣れてもらうつもりだから安心していいよ」 おじさんの優しそうな笑顔を見てゆっくり達はいつもの陽気な顔に戻っていった。 「それじゃ明日から一匹ずつ出てもらうからね。緊張せずにゆっくりしてればいいよ」 そう言って男は出て行った。 そして次の日から一匹ずつゆっくりが外の世界へ旅立っていった。 -数十日後- 部屋にはゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙の2匹だけになっていた。部屋から出て行ったゆっくり達がこの部屋に 戻ってくることはなかった。2匹は早くみんなのもとへ行きたかった。もうすぐおじさんがやってくる頃である。 扉が開く、 「やぁ、2匹で寂しい思いをさせて御免ね。今日はゆっくり霊夢の番だよ。抱えて部屋からでるから静かにしてい ておくれよ。」 「おじさん、ゆっくりしようね!」 男はゆっくり霊夢を抱え部屋から出て行こうとする。ゆっくり魔理沙は、 「もっとゆっくりしていって!」 と叫ぶが男はそれが聞こえなかったかのように部屋を出て行った。 部屋から出てしばらく歩くと目の前にゆっくり魔理沙を抱えた金髪の女性が立っていた。 「今日もゆっくりしようね!!!」 ゆっくり霊夢は無邪気そうにしている。 その時! 「では始めます」 おじさんがそう言った瞬間ゆっくり霊夢は宙を舞っていた。 「ゆっ、ゆっくり!?」 ゆっくり霊夢は驚愕の表情で何が起こったかわからないままおじさんとの距離がどんどん遠ざかっていく。 その時なにやらやわらかいものにぶつかりぽよんとはねてコロコロと転がる。 ゆっくり霊夢は目の前で巨大なゆっくりがのっそりと動くのを見て、叫ぶように、 「ゆゆゆゆゆゆっくりしていってね!!!」 といって投げられた方向に向かって一目散に飛び跳ねていく。はじめて見るものだが本能が危険だと言っている ようだ。そして扉にたどり着くが開かない。 「早く扉を開けてね!!! 」 ゆっくり霊夢の後ろでは巨大なゆっくりが飛び上がって向かってくる。 「早くして!お願い!おじさん!たずげでぇぇぇぇぇぇ!」 ゆっくり霊夢は顔がくしゃくしゃになるほどに号泣し、おじさんに哀願している。 そんなゆっくり霊夢を尻目に巨大なゆっくりはその巨体に見合うだけの分厚い下のびろーんとのばしゆっくり霊夢 に巻きつける。 「ゆっくりした結果がこれだよ!!!」 号泣するゆっくり霊夢は悲しげな絶叫を残して巨大なゆっくりの中へ飲み込まれていった。ゆっくり霊夢は見た、 数日前まで自分と一緒の部屋で暮らしていたゆっくり達がそこにいた。ほとんど原型を残さないほどばらばらで 意識がないもの、大部分がくずれているがまだ意識はあるもの、少し皮がなくなり中身の餡子が見えているもの。 意識のあるものはみな号泣していた。そして巨大なゆっくりの口が開いたとき信頼していたおじさんが見えると、 みんな視線をおじさんに向け、 「おじさんだずげでぇぇぇ」 「もっとゆっくりぢたいよー」 「ここからでだいー」 と哀願する。 しかし男はゆっくり達のしっているおじさんではなかった。まったくゆっくり達には興味がなさそうに金髪 の女性と話をしている。 そして無慈悲にも巨大なゆっくりの口が閉じられ中は暗闇で満たされる。 ゆっくり達は、意識がなくなるまでの数日間この絶望的な状況でただひたすら号泣することしかできないのであっ た。 End 作成者:ロウ 後書き 最後まで読んでくださった方々、まずはお礼を申し上げます。 6月頭にある画像掲示板でゆっくりがいじめられている画像を見て。他にないものかと探し、この掲示板までたど り着きました。そして過去スレの“ゆっくり加工場”のtxtを読み衝撃を受けました。 そして誠に勝手ながら加工場の設定をお借りし、素人ながら文章を書かせていただきました。 加工場の文章を考えた方へ このたびあなた様の作成されたゆっくり加工場で巨大ゆっくりレティに食べられる霊夢の生涯を勝手に書かせてい ただきました。もしこのことにお怒りでしたら、この場をかりてお詫び申し上げます。 みなさんが希望するのならば、ゆっくり達が生まれた次の日に部屋から連れて行かれたゆっくり達がどうなったか を書きたいと思います。 あと、ゆっくり達が生まれたときは小さくて2週間で大きくなるというのは物語の都合上私が勝手に考えた設定で すのであしからず。 ゆっくり加工場系15 ゆっくり魔理沙の生涯『加工編』