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前へ 一行はアサギに着いた。 スネ夫「どうする? 今すぐ皆で灯台に行くかい?」とスネ夫は訊いた。 もちろん、他にすることは無かったし、のび太にとっても全くデメリットは無かったので、そのまますんなり行くことは決まった。 ジャイアン「なかなか長い灯台だな。」 スネ夫「ジャイアン、ここに寄らずにタンバに来たの?」 ジャイアン「ああ、町の端っこにあるし忘れてた。」 ドラえもん「僕も初めて来たよ。」 スネ夫「と、いうことは、ここを通ったのは、僕だけ、もしくは僕としずかちゃんだけか……。みんな!ちゃんと僕に着いて来てよ!!」 スネ夫は以前灯台を登ったことがあることを良いことに、勝手にリーダーシップを取っていた。 スネ夫「ところでのび太は?」 と、スネ夫が訊いた ドラえもん「あれ、のび太君がいない!」 ジャイアン「大方息が切れて休んでるんじゃないか?」 スネ夫「のび太らしいねwww」 二人の間でいつも通りのやりとりが行われる。 ドラえもん「いや、単独行動はやっぱり危険だ。時間犯罪者の攻撃があるからね。 戻ってのび太君を探そう。 」 ジャイアンとスネ夫は、ドラえもんの言葉で、今の危険な状況を思い出し、文句も言わず、もときた道を引き返した。 三階程下に降りたとき、一行はすぐにのび太を発見した。 のび太は船乗りに絡まれていた。 スネ夫「戦いそびれたトレーナーがいたのか」 ジャイアン「あのバカ!」 のび太『ちっ!奴ら来たのか。これじゃあノートで殺せないじゃねぇか。』 船乗り「俺は船乗りのヨシト! メガネのボウズ!勝負だ!」 と、言うとうむをいわさずニョロゾを出してきた。 のび太『面倒だな……。こっちの手持ちはポッポとケーシィ。 ここで俺が直々に戦うのも避けたいしな。 まあなんとかするか。』 のび太「行けっ!ケーシィ!」 のび太はケーシィを繰り出した。 ヨシト「ケーシィか……。 ニョロゾ!!みずでっぽう!」 ニョロゾはみずでっぽうを放った のび太「テレポート!!」 のび太が指示を出した瞬間、ケーシィは消えみずでっぽうをかわした。 ヨシト「ちくしょう……。またみずでっぽうだ!」 しかしまたも、ケーシィはテレポートでかわした。 ヨシト「ちょこまか、ちょこまかしやがって!」 気が短いようであるヨシトは、みずでっぽうを乱射させた。 しかしそれもテレポートにかわされる。 ジャイアン「イライラするなあ。俺が一発で終わらせてやろうか。」同様に気が短いジャイアンもイライラしてきた様である。 ドラえもん「まあまあ」 そんなジャイアンをドラえもんがたしなめた。 依然みずでっぽうをテレポートでかわし続けるケーシィ。 ケーシィのテレポートに翻弄され続けニョロゾにも明らかに疲労の色が見えていた。 16回目のみずでっぽうをかわされたとき、あることがヨシトの頭の中に浮かんだ。 ヨシト『こいつまさか、テレポートしか使えないんじゃ…… しかしテレポートしてるだけじゃ勝てない。何を考えてるんだ?』するとヨシトはあることを閃いた。 ヨシト『わるあがきだ……。 成程。奴がテレポートで技をかわし続けるのはニョロゾの疲労を誘うと同時に自らのPPを削り、奇襲するため。 疲労しているニョロゾならば傷薬の大量使用で頑張れば勝てるかもってとこか? それなら、こっちだって手はある。 奴は最期のテレポートからすぐにわるあがきに繋げるに違いないから、一発はわざと食らって、逃げれなくなったとこを捕まえて、おうふくびんたで連続攻撃。 傷薬など使う暇を与えない!』 ニョロゾは、20回目のみずでっぽうを放った。 当然のようにケーシィはそれをテレポートでかわした。 そして、ケーシィはニョロゾの背後に現れた。 ヨシト「計画通り!!! 一発はわざと食らって、おうふくびんた!!!」と、ヨシトが言った。しかし、のび太の一言は、ヨシトが全く予期せぬものだった のび太「ケーシィ!ずつき!」 ケーシィはそのまま頭突きをかました。ニョロゾは疲弊していたのでそれをまともに食らった。 ヨシト『なにっ!こいつテレポートしか使えないんじゃなかったのか!?』 ヨシト「くっ!いや、ニョロゾ!落ち着け!そのまま捕まえておうふくびんただ!」 と、ヨシトは言ったがニョロゾは、今の攻撃でひるんだ。 のび太「ケーシィ!そのままずつきだあ」 何発もの頭突きが命中し、ニョロゾは倒れ、戦闘不能に陥った。 その瞬間ケーシィは体を小刻に振るわせ、体が光り始めた。 突然の事に、今だ驚きを隠せないヨシトに向かってのび太は言った。 のび太「テレポートしか使えないと思って油断したんだね。 それは、ただ一つの攻撃技、「ずつき」を受けさせる為の罠だったのさ。」 その後の展開は、一方的だった。 ヨシトのメノクラゲとドククラゲは進化したユンゲラーのねんりき一発ずつで沈んだ。 ヨシト「完敗だ! まさかあれ程のレベル差を知恵で覆すなんてな! また戦おうぜ。」 のび太『キシシシシ。次なんてねぇけどなwww』のび太は既に、ヨシトの手持ちと名前を知っている。もうヨシトの命はのび太の手に握られていた。 ジャイアン「遅いぞ!のび太!!!」 のび太「ごっ、ごめ~ん。」 のび太『今、ここで殺る訳にもいかないか。』 一行は、また頂上に向かった。 途中、またのび太が何人かのトレーナーに絡まれたが、なんとか撃退し、頂上へ着いた。頂上には必死にデンリュウの看病をする一人の少女がいた。彼女が言わずも知れたアサギジムリーダー、ミカンだった。 ミカン「あっ、秘伝の薬を持ってきてくださったのですね。」 そう言われたスネ夫は薬をミカンに手渡した。薬を使われたデンリュウはみるみるうちに元気を取り戻した。 ミカン「みなさん。ありがとうございます。これで安心してジムに戻れます。」 彼女はそう言い、灯台から降りて行った。一行はそれを見届けた後、相談を始めた。 スネ夫「ミカンは鋼タイプの使い手だったよね。」 ジャイアン「ああ。」スネ夫「僕がいくよ。マグマラシがあるから、上手く行けば一匹で完封出来るだろう。」 ジャイアン「俺に戦わせろ!!」 ジャイアンがいきり立ったが、すぐにドラえもんに鎮められた。 ドラえもん「今はそんな状況じゃない。 とにかく、先にバッジを取ることを優先させるべきだ。 もたもたしてたらまた、ジムリーダーを殺されてしまう。」 ドラえもんの一言もあり、結局一行はセオリー通り、炎タイプのポケモンが主力であるスネ夫で挑戦する事にした。 一行はアサギジムにやってきた。 ジム内には、唯一人、少女が立っていた。 ミカン「さっきはありがとうございました。 でも勝負となると、話は別です。さあ、誰が私と戦うのですか?」 スネ夫「僕だ!!! 鋼ポケモンなんて炎で一撃さ。」 スネ夫は鋼ポケモン使いに対してかなり失礼な発言をしたがミカンは眉一つ動かさず言った。 ミカン「わかりました。 勝負は3対3でいきましょう。 いきなさい。レアコイル!」 ジャイアン「ゲームと違うじゃねぇか!」ジャイアンは予想外のポケモンに驚いた。 スネ夫「そんなこと何度もあったさ。 所詮鋼。炎で一発! 行けっ!マグマラシ!」 スネ夫は速攻で勝負を決めるため、マグマラシを繰り出した。 ミカン「マグマラシ……。 早速弱点ですね。レアコイル、でんきショック!」 レアコイルから大量の電撃が放たれ、それがマグマラシを襲う。 マグマラシはそれをまともに食らったがなんともないようだった。 ミカン「まもる……ですね?」 ミカンがそう呟いたとき、既にスネ夫はマグマラシにかえんぐるまの指示を出していた。 豪火がレアコイルを襲い、レアコイルは倒れた。 ミカン「戻って、レアコイル。」 ミカンはレアコイルを戻した。 スネ夫「どんなもんだい!!」 ジャイアン「弱点をせこく突いてるだけなのにな。」 スネ夫は喜んだが、戦えなかったジャイアンは冷たく言い放った。 ミカン「やはり弱点は辛いですね。」 スネ夫「どんな奴が来たって燃やしちゃうよ。」 スネ夫は勝ち誇ったかのように言った。 ミカン「そんなことないですよ。 今までアサギには山ほどの炎ポケモン使いが訪れてきました。 私だって、学習するし、成長します。 次のポケモンは、その炎ポケモンに対する回答です。 いきなさい、ハガネール。」 そうミカンが言うと、とても巨大な鋼鉄の蛇が現れた。しかしスネ夫はそれを見ても落ち着いていた。 スネ夫「なあんだ。ハガネールか。ゲームと一緒じゃないか。 それじゃあまり変わらないよ。 マグマラシ、かえんぐるま!!」マグマラシの豪火がハガネールを襲う。しかし、 ミカン「いわおとし!」 ハガネールが尾を振ると無数の岩がマグマラシの前に落ち、炎を遮った。 スネ夫「くっ!炎が届かない! それなら、でんこうせっかで肉弾戦だ!」 マグマラシは素早い動きで岩の回りを回りこみ、ハガネールに激突した。しかし、ハガネールには全くダメージがなく、長い体で捕まってしまった。 ミカン「愚かな……。 ハガネールの防御力は絶大。並の攻撃ではびくともしません。 ハガネール、いつものを。」 ミカンがそう言うと、ハガネールはその大きな体でマグマラシを包みこんだ。 一ミリの隙間もない程に。 スネ夫「マグマラシ!」 ミカン「こうなってしまってはどうしようもありません。 投了を勧めます。」 ミカンがそう言うと、スネ夫は不敵に笑った。 スネ夫「くくく…… 逆にさ、包まれたことで的に近くなったと思わない? マグマラシ! 奴の体の中でかえんぐるまだ!!」 ドラえもん「スネ夫君、なんて無茶するんだ! それじゃ、マグマラシも燃えちゃう!」 ドラえもんが叫んだ スネ夫「大丈夫。マグマラシは炎ポケモン。炎技は効果がいまひとつ。 先にハガネールがやられるさ。」 ミカン「投了しませんか……。残念ですね……」 スネ夫の指示通り、マグマラシはかえんぐるまを放った。 ハガネールの顔は苦痛で歪んでいる。 ジャイアン「効いてるみたいだぜ」 スネ夫「へへっ。どうだ!」 スネ夫が言った瞬間、ハガネールの様子がおかしくなった。苦痛で歪んでいた顔がまた平然となっている。 ミカン「……ハガネール。 もうそろそろ止めてください。」 そう言うと、ハガネールは、マグマラシを包んでいた体を元に戻した。 ハガネールの中からは、ぐったりしているマグマラシが出てきた。 スネ夫「マグマラシ! なんで………」 スネ夫はマグマラシに駆け寄った。 体には火傷はおろか、外傷の痕も全くない。 ミカン「確かにあなたのマグマラシは、自らの炎に耐えました。 しかしあのびっちりと密閉されているハガネールのしめつけるの中は、空気を通す隙間もありません。 あなたのマグマラシの炎は、その中の酸素を全て燃やし尽し、酸欠状態に陥ったのです。」 マグマラシは最早、戦闘が出来る状態ではなかった。 唯一の炎ポケモンであり、スネ夫の主力であるマグマラシを失った今、スネ夫はもうミカンのハガネールに、手も足も出なかった。 五分後、スネ夫はハガネールに完封されてしまい、一行はアサギジムを後にした。 スネ夫「あのハガネール、炎が効かないなんてずるいよ~」 ドラえもん「どうする、早く倒さないと、また時間犯罪者に先を越されてしまう……」 のび太『殺って奪おうにも、最後の一匹がわからない……。』 三人は頭を悩ませた。 そこで唯一人の悩まない男、我等がガキ大将が口を開いた。 ジャイアン「やっぱりここは俺にまかせろ!」 スネ夫「ジャイアン、勝算はあるの?」 スネ夫が訊いた。 ジャイアン「は?勝算? なんだ。それは?」 ジャイアンは答えた。 スネ夫『……………。』 スネ夫は昔の事を思い出していた。 ああ僕は今までこいつの無茶に何度苦しめられてきたことだろう。危ないといっているのにラジコンの無理な操縦でかみなりさんの家のガラス割ったり(僕が謝りにいった)、こないだもも、 スネ夫「見て、ジャイアン、ウソッキーの体力があと僅か。捕まえられるよ♪」 ジャイアン「どれどれ、ちょっと貸せよ。 あっ、もう少し弱らせられるな。えーと、はかいこうせんかな?」 スネ夫「あああああっっっっっっっ!!! ………ちくしょう」 余談だがスネ夫はウソッキーをじわじわ弱らせる行程に三時間程、時を費やしていた。 スネ夫『きっと、即負けて、時間犯罪者に先を越されて現実に帰れなくなるんだ……』 スネ夫が悲観に暮れているとき、突然、ドラえもんが閃いたように言った。 ドラえもん「あるっ! 炎以外でミカンの鋼ポケモンに対抗できる手が!」 ドラえもんが言った。 スネ夫「なにさ、それ。」 スネ夫は怪訝そうな顔で訊いた。 ドラえもん「それはね、ちょっとのび太くん…………」 ドラえもんの説明で時間が数分経った。 スネ夫「成程……」 のび太「僕にとってもいい話だね。」 ジャイアン「その通りにすればいいんだな。」とジャイアンは訊いた。 ドラえもん「うん、不確定要素はミカンの最後のポケモンだけど、ハガネール、レアコイルは確実に倒せる!」ドラえもんは言った。 ジャイアン「成程!腕が鳴るぜ!」 ドラえもん「とりあえず準備だね。 僕とスネ夫君は砂浜で、例のポケモン捕まえてきてジャイアンに貸すから。 のび太君とジャイアンは、例の事をしておいて。」 三人「わかった!!」 のび太『キシシシシ。 これでまた俺も戦力アップだ。』 さあジャイアンは、ミカンに勝つ事が出来るのか、そして、ドラえもんの作戦、のび太の企みとは!? 次の日、一行はまたアサギジムにやってきた。 ジャイアン「たのもー」大柄な少年は勢いよく扉を開けた。つい最近掃除したらしく昨日に比べてジム内は綺麗になっていた。 ミカン「またいらっしゃったんですか?今日はどなたが相手をして下さるのですか?」 ジャイアン「俺だ!!俺は昨日の奴が一万光年修行しても勝てないレベルだぜ!!」 ジャイアンはどこかで訊いたような言葉を吐いた。 ミカン「勝負の形式は昨日と同じでよろしいですか?」 ジャイアン「問題ねぇ!!!」ジャイアンは即答した。 ミカン「わかりました。いきなさい、レアコイル!!!」 ミカンはレアコイルを繰り出した。 それを見たジャイアンはお見通しだとばかりに、ニカーとしている。歯に海苔がついている。 ジャイアン「やっぱり、そいつで来たな! 行けっ!カイリキー!」 ジャイアンがそう叫ぶと四本腕の筋肉質のポケモンが出てきた。 昨日のうちに、のび太と通信進化をしておいたのだ。同様にのび太のユンゲラーはフーディンになっていた。 ミカン「カイリキーですか…… レアコイル、10まんボルト!!」 ジャイアン「カイリキー!!クロスチョップ!!」 レアコイルの電撃が、カイリキーに命中した後、カイリキーはレアコイルにきつい一撃をお見舞いした。レアコイルのボディにヒビが入り、レアコイルは倒れた。 ジャイアン「やったぜ! 見たか!鋼の弱点は炎だけとは限らない!」 ミカン『成程……カイリキーの攻撃力ならレアコイルを一撃で倒すことも不可能じゃない………』 ミカンはレアコイルをボールに収めた。 ミカン「多少対策はしてきたようですが、そんなに私が甘いものと思ってもらっては困ります。 いきなさい、ハガネール。」 昨日に続いてまた、巨大な鋼の蛇が現れた。しかしジャイアンは動じない。 ジャイアン「そいつの対策もバッチリさ。」と、ジャイアンは不敵に笑った。 ミカン「そうでしょうか?残念ながらハガネールは鉄壁の防御力を誇ります。 弱点であろうと、物理攻撃ではほとんど有効なダメージを与えられませんよ。」とミカンが言った。しかしジャイアンは、 ジャイアン「だから対策はバッチリだっていってるだろ。 戻れ!カイリキー。 そして、行けっ!ストライク!」 ミカン「ストライク………。 私の話を聞いていたのですか? 物理攻撃は効果が薄いと言ったでしょう。 これならまだ弱点をついている分、カイリキーの方がマシです。」 ジャイアン「何度もいわせんな!対策してきたと言ってるだろ! 俺はこいつでいい。 行けっ!でんこうせっかだ!」 そうジャイアンが指示をするとストライクは凄まじい早さで距離を詰め、ハガネールに斬りかかった。 しかし 「ガチッ!」 虚しいことに、ストライクの一撃は全くハガネールにダメージを与えることなく、逆に捕まってしまった。 ミカン「だから言ったでしょう。 ハガネール!またあの時のようにしめつけなさい。」 そうミカンが指示を出すと、ハガネールはストライクを包むようにして、また、あのしめつけるの状態に入った。 ミカン「どうしょうもないでしょう。 このまま、中の酸素を吸い付くし、酸欠になるまで待たせてもらいますよ。」 ハガネールの中では、ガチッ、ガチッとストライクが、斬りかかっている音がする。 ジャイアン「ところでさ。俺たちが助けた、デンリュウって今、元気か?」突然のジャイアンのバトルに関係のない質問に、ミカンは戸惑ったが、 ミカン「今はバトル中です。終わったら話しましょう。」 ジャイアン「いや、今知りたい。」 ミカン「後で、と言ってるでしょう!!」 ミカンが大声で返答したとき、ハガネールの様子が突如、おかしくなった。 体を振るわせ顔は苦痛で歪んでいる。 ミカン「なっ、なんで!」ミカンは珍しく取り乱した。 ジャイアン「ストライクに中で、れんぞくぎりをさせているのさ。」ジャイアンは言った。 ミカンは、はっ、とした ミカン『成程…… 当たる度に威力が二倍になるれんぞくぎり…… 高い防御力を誇るハガネールといえど、何度も何度も斬られたら、ダメージを受けることは、明白……。 恐らくさっきの会話も、時間を稼ぐと共に、れんぞくぎりを悟らせないためのもの。』ミカンは焦っていた。 ミカン「仕方ないです! ハガネール!もっと高圧でしめつけなさい!」 指示通り、まるでストライクを圧縮するかのようにしめつけた。 ミカン「本当はハガネールのボディにも負担をかけるためしたくなかったのですが…… しかし、れんぞくぎりは途絶えました。 これで終りです!」ミカンがそう言ったが、しかし、ジャイアン達の作戦はまた、その上をいっていた。 ジャイアン「そんなこともあろうかと、もう一つの作戦だ! ストライク! 手筈通りに……」 ミカン「? 何をする気?」 ジャイアンが何かを確認するとドラえもんが叫んだ! ドラえもん「ジャイアン、今だ!」 そしてミカンは、信じられない言葉をきくことになった。 ジャイアン「だいばくはつ……!」 ミカン「だっ、だいばくはつですって!!!!!」 ミカンが、そう言った瞬間、 「ドガーーーーン!!!」 と、いう音と共に、ハガネールの腹部から想像を絶する、爆発が起きた。 ミカン「な、何故……」 信じられないといった顔付きで、事態を目のあたりにしているミカンに、ドラえもんが言った。 ドラえもん「確かに、ただのだいばくはつでは、圧倒的高さを誇る、ハガネールの防御力を看破することなんて出来ない。 だからこちらも頭を使わせてもらった! 普通、物体が爆発するとき、爆発は四方に広がるが、物体を圧縮することによって、威力は収束し、爆発力を増す! ハガネールの高い圧縮力を逆に利用させてもらった!」そうドラえもんは言ったが、ミカンの疑問は全く晴れなかった。 ミカン「私が驚いているのはそんなことではありません! それくらい想定の範囲内ですし、相手が爆発系の技を使うときは、警戒して、しめつけるを使いません! 私が驚いているのは、何故ストライクがだいばくはつを使うことが出来るのかということです!」 と、ミカンはまくし上げたがその謎をすぐに明らかになった。 そのやりとりの内に、砂煙は消えていった。 そこには、ハガネールが倒れていた。腹部の損傷が激しく、戦闘はもう、出来そうになかった。 ミカン『やはりやられてましたか………』 しかし、よく目を凝らしてみると、ハガネールの横で何かが倒れている。 赤と白の丸いボディ。どこからどう見てもストライクには見えなかった。 ミカン「ビリリダマ!?」 ミカンは叫んだ。 スネ夫「種明かしをしようか?」 スネ夫が言った。 スネ夫「最初から僕達はハガネール対策用だいばくはつ作戦のみを計画していた。 しかし僕達は考えた。もし、素でビリリダマを使った時、しめつけるを使わずに地面技で一撃でやられるおそれがある。 なら相手を警戒させず確実にしめつけるを使わせ成功率を上げるために、何かもうひと捻りする必要があった 。そしてある技を選らんだんだ。」 ミカン「まさか!」 スネ夫「そう。バトンタッチさ。」 ミカン『バトンタッチ…… バトンタッチは普通、補助効果の伝達の為に使われる。 しかし忘れがちなある利点は、ポケモンの変更が不可能な時も、ポケモンが自ら入れ替わってくれること。 まさかこんな使い方もあったとは…… すごい……』 確か、ストライクはバトンタッチを通常、覚えない筈だが、大方タマゴ遺伝等で覚えさせたのだろう。 ミカンはジャイアン達の戦術を称賛するとともに自らの戦術が完全に上をいかれていた事実に気付いた。 これはジムリーダーとして最も屈辱的なものだった。 ミカン「戻りなさい。ハガネール。」 ミカンはハガネールをボールに収めた。 ドラえもん「ジャイアン!! あと一匹だよ!」 ジャイアン「おう! さあ、最後のポケモンを出せよ!」 ジャイアンが急かせた。 ミカン「わかりました。 本当はこの子を出したくはなかったのですが仕方ありません。 いきなさい、アカリちゃん」 そう言うとミカンはデンリュウを繰り出した。 ジャイアン「そっ、そいつって……」 ジャイアンが驚いたがミカンは淡々と答えた。 ミカン「そうです。 この子はあなたがたに救って頂いたデンリュウです。その節はありがとうございました。しかし、勝負となると話は別です。さあ、あなたもポケモンを繰り出してください。」 デンリュウは灯台の時が嘘のようにハツラツとしている。 ジャイアン「いいのか? 怪我しても、薬はもう取りに行ってやらねぇぞ。怨むなよ。 行けっ!ストライク!」 ジャイアンは再びストライクを繰り出した。 スネ夫「ドラえもん…。どうしてジャイアンは先にストライクを出したの? 弱点なのに。」 と、スネ夫が訊いた。 ドラえもん「恐らく、かげぶんしん、こうそくいどう、つるぎのまいを、した後に、またバトンタッチを決める気だろう。 病みあがりで動きの鈍いデンリュウは、高速で移動しながら、かげぶんしんをする標的に攻撃を、当てるのはさぞ難しいだろうからね。」 そしてドラえもんの予想通り、ジャイアンはストライクにかげぶんしん、こうそくいどうを命じた。 たくさんのストライクが高速で移動している。 ミカン「厄介ですけど仕方ないですね…… アカリちゃん!眠りなさい!」 予想外のミカンの一言にジャイアンは驚くというより寧ろ憤慨した。 ジャイアン「やる気あんのかよ!! 起こして勝負しやがれ!!」 と、ジャイアンは言ったがミカンはひょうひょうとしている。 ミカン「実は、アカリちゃんは今、病み上がりでコンディションが優れないのです。体調回復も立派な戦い。それにあなたの戦術は読めてます。 今の内にいくらでも補助効果を積んでください。」 このミカンの挑発ともとれる一言にジャイアンの怒りが爆発した。 ジャイアン「ストライク! かげぶんしんとかこうそくいどうとか止めろ! つるぎのまいつるぎのまいつるぎのまいつるぎのまい………防御は性にあわねえ!」 ジャイアンは無茶苦茶にただつるぎのまいを繰り返させた。 ストライクの攻撃力が最大まで上がったとき、アカリちゃんは目を覚ました。 ミカン「補助効果は積み終わりましたか。 じゃあ始めましょうか。」 ジャイアン「終わったな。 一撃で倒してやる! ストライク!バトンタッチ!」 ストライクのバトンタッチが決まり、フィールドに、カイリキーが立った。もちろん、ストライクの補助効果を受け継いでいる。 スネ夫「すごい!ジャイアン! 当たれば一撃で倒せるね」 ジャイアンの作戦を賛美するスネ夫にミカンがクスリと笑いかけた。 ミカン「当たれば……ですけどね?」 ジャイアン「何いってんだ!? 目にもの言わせてやれ! カイリキー!からてチョップだ!」 カイリキーの凄まじい威力の手刀がデンリュウに襲いかかる。 しかしミカンは落ち着いて対応した。 ミカン「アカリちゃん……フラッシュ」 ミカンがそう指示を出した瞬間、デンリュウの体から目が潰れんばかりの光が放出された。 「バガーーン!」 音からしてカイリキーのからてチョップは地面に命中したらしい ジャイアン「くっ、何も見えねえ!」 ミカン「アカリちゃん。でんきショック。」 ビリリッという音と共に、カイリキーの鳴き声が聞こえた。 まともにヒットしたらしい。 ドラえもん「バカな!フラッシュをしながらでんきショックを放っただって!」 ドラえもんが驚いた。 デンリュウの体からは常に強い光が放出されていて目も開けられない。 ミカン「通常フラッシュは、一瞬だけ強い光をだし、目をくらます技です。 しかし、灯台の光として特殊に訓練された、アカリちゃんは、フラッシュの光をずっと出し続ける事が出来るのです。」 そう言って、ミカンはサングラスをかけた。 ミカン「アカリちゃん!またでんきショック!」 それはまた、カイリキーにヒットした。 ジャイアン「くそっ!全く見えねえ!」 デンリュウのフラッシュはカイリキーだけでなく、ジャイアンやドラえもん、スネ夫、のび太のミカン、デンリュウを除く全員の目をくらまさせていた。 ジャイアン「くそっ!目も全く開けられねぇ。 仕方ない!カイリキー!あたりに攻撃をしまくれ!」 カイリキーは身の周りのものを殴りまくった。 しかし、それは一発もデンリュウにヒットすることはなかった。 ただ砂埃がたち岩がパラパラと舞うだけ。 ミカン「どんなに高い攻撃力もあたらなければ意味がないです。 さあ、止めです。」 ジャイアン『ヤバい。やられる…… なんとか、奴の場所を探る方法は…… そうだ!カイリキーのパワーを利用して……』 デンリュウはカイリキーに止めを刺そうと、電気を溜め始めた。 ミカン「今です!でんきショック!」 デンリュウの電撃がカイリキーに飛んだ。 ジャイアン「今だ!いわくだき!」 通常、いわくだきはあまり威力の高い技ではなかったが、攻撃力補助を受けていてしかも元の攻撃力が高いカイリキーが放てば話は別。 空中に大量の石が舞い、カイリキーを電撃から救った。 電撃により砕けた石がパラパラと舞い、カイリキーに当たった。 ジャイアン「今だ! 石がぶつかった方へこわいかお! そして、クロスチョップだ!」 カイリキーのこわいかおに、デンリュウは一瞬体が固まった。 そして、カイリキーのクロスチョップをまともに食らってしまった。 ミカン「アカリちゃん!!!」 攻撃を受けたデンリュウは壁にたたき付けかれもう動けない状況に陥ってしまった。 ミカンは暫し、呆然としていたがやがて口を開いた。 ミカン「私の負けですね。 では約束通り………」 そう言うと、ワンピースのポケットの中からバッジを取り出した。 ミカン「スチールバッジを差し上げたいと思います。」 ジャイアン「うおっしゃあああー!!」 ドラえもん「凄いよ!ジャイアン!」 スネ夫「見直した。」 のび太「…………」 ジャイアン達は歓声を上げている。 そこにミカンがやってきて言った。 ミカン「お見事でした。 用意周到な作戦、機転のきいた戦い、近年で最高の戦いです。 旅の成功をお祈りします。」 とミカンが言った ジャイアン「ありがとな!!! 達者でよ。」 そう言い、ジャイアンはミカンと握手を交し、去ろうとした。 しかし去る直前で、ドラえもんが言った ドラえもん「ああ、言い忘れていたけど、実はタンバのシジマさんが死んだんだ。」 ミカン「知っていますが何か……?」 ドラえもん「実はシジマさんは事故で死んだんじゃない。 殺されたんだ!」 ドラえもんがそう言うと、ミカンは驚いた。 そして、ドラえもんは、シジマを殺した奴の目当てがジムバッジであること、不思議な力で、直接手を下さずとも命を奪うことが出来ることを話し、ジムを後にした。ミカンはドラえもんの話を信用してくれ、警戒し、ジムを一時閉めてくれることになった。 ジャイアン「ミカンちゃん大丈夫かな……?」 ジャイアンは心配そうに呟いた。 ドラえもん「大丈夫さ。少しジムを閉鎖するって言ったし。」 と、ドラえもんが言った。 のび太「あっ」 スネ夫「どうした?のび太?」 のび太「ジムに忘れ物してきちゃった。」 ミカン「ここで最後ですね。」 ミカンは、四人が去った後、ジムを閉鎖し、先程のバトルの跡の修復作業にあたっていた。 しかし今、考えると、素直にあの青狸ポケモンの言うことを聞いてジムを閉鎖してよかったのか心配になってくる。 確かに、自分もシジマの死に何か普通では無いものを感じていたが、それなら、何故わざわざ海の向こうのシジマさんを先に狙ったのだろう。 順序からいって先ず自分ではないか。 しかもシジマさんはいつも、平気で二十四時間特訓とかしている人だ。何かの弾みで心臓が止まったりしても仕方がない。 そもそも、直接手を下さずに人を殺せる能力なんてポケモンの世界でも聞いたことがないし、非科学的である。 ミカン『私、騙されたのかしら?』 と、思いながら最後の床の穴を塞いだ瞬間、ジムのドアを叩く音が聞こえた。 今、考えていた事が考えていた事だけに、ミカンの背筋に冷たい物が走った。 しかし、 「すみませ~ん。忘れ物をしましたぁ~。あけてくださ~い。」 と、冴えない声が聞こえてくる。 しかも、何処かで聞いたことのある声だったので、恐る恐るドアを開いてみると、さっき、ジム戦に来ていた(付き添いではあったが)眼鏡を掛けた冴えない少年だった。 のび太「すみませ~ん。忘れ物したんですけど入っていいですか?」 少年は言う。 この少年がシジマを殺した犯人な筈が無かろうし、立ち入りを拒否する理由も無かったので、 ミカン「そうですか…… ではどうぞ」 と、快く中に入れてあげた。 のび太「すみませんね、ホント、んじゃお邪魔しま~す」 ミカン「いえいえ。」 少年はバッグをあさりながら色々聞いてきた。 のび太「もうジム戦はやらないんですか?」 ミカン「まあ、長くはないと思いますけど。」 のび太「ジムバッジ持ってませんか? ついでにジム戦もしたいんですけど。」 と少年は言ったが、今はそれどころではない。そもそも、忘れ物を取りに来たのではなかったのか。 ミカン「バッジは持ってますが、ジムは閉鎖するのでジム戦は出来ませんね。」 のび太「へぇー、そうですか。 ミカンさんの本名はミカンでいいんですか?」 ミカンは、何だか変なことを聞くなあ、と思ったが、別に答えてもどうってこと無かったので、素直に、はい、と答えた。 そこでミカンは少年の異変に気付いた。 何かを書いている。 その何かは何だか分からなかったが。 ミカンはこの少年にかつて無いほどの薄気味の悪さを感じた。 のび太「これで終わりましたよ。」 ミカン「忘れ物、みつかったんですか?」 のび太「いやいや、待ってくださいよ。あと10秒程です。」 10秒?この少年が何を言ってるのか分からない。しかし何だか……… 「ドクン」 ミカン「ツッ!?」 ミカンは胸の痛みを感じ、その場に倒れた。 ミカン「はあはあはあ………」 苦しい。体も麻痺している。 目の前の少年はこちらを見て笑っている。今までに見てきた人の顔の中で、最も禍々しい顔で。 ミカン「ま……さか、あなたが……ジジマさ……んを……した……人…」 ミカンは精一杯声を出したつもりだが、声が出ない。 少年は近付いてくる。 ミカン『いや……来ないで……』 ミカンは少年の接近を制しようと、力一杯声を出そうとしたが、やはり声は出なかった。 のび太「ああ、今から忘れ物を取らせて貰うぜ。先ずバッジと……」 と、少年は言いミカンのワンピースの中を探ってバッジを入手した。 その後、去り際に少年は、 「お前の命だよ。キシシシシ。」 と言い、ジムを出ていった。 最後の言葉はもはやミカンには聞こえてなかった。 ドラえもん「のび太君……まだかな?」 のび太「みんな~、ごめ~ん」 のび太はジムを後にしたのち、また一行と合流した。 スネ夫「遅いぞ!のび太! このノロマ!!」 いつもの如く、スネ夫が文句を言ってきた。 のび太「ごめん。」 『こいつウザい。絶対名前割り出して殺す。』 のび太は殺意を覚えたがとりあえず目的の為に抑制した。 今はそんな事より大切な事がある。 そう、最後のバッジについてだ。 最後のバッジを誰が取るかはこの世界の脱出にかなり重要な要素になってくる。 確か出木杉とかいう奴がフスベのバッジを入手するためには、あるイベントをこなす事が必要で、それに必要なアイテムはこの世界でひとつしかないと言っていた。故にバッジを手に入れた瞬間独占した状態になると。 もし、奴らが先にバッジを手に入れた場合、自分は最後のバッジを入手する手段がなくなるため、奴らを殺して奪うしか方法がなくなる。 しかしそれはかなりリスクが高い。 殺す条件を満たす為に、行動すれば足がつくかも知れないし、力づくで奪うにはやはり戦力が足りない。 それに出木杉達の手持ちも不明。 戦うのは得策じゃない。 だが逆に俺が最後のバッジを手に入れられたとしたらどうだろう。 ジムリーダー死亡のため、もう入手不可能になってしまったバッジは自分は両方所有している。裏を返せば、その他のバッジは、自分が所有していないその他のバッジは、これからいくらでも入手出来るということだ。 もし、そうなれば奴らと行動を共にする必要もなくなる。 折りをみて行方不明にでもなればいい。 その後は各地のジム破り、そして、脱出。 奴らは一生自分を探し続ける。 想像しただけでも笑えた。 とにかく、そのような状況を作るには少しでも最後のバッジの情報が欲しかった。 そこでのび太は切り出した。 のび太「ねぇ、出木杉達は今、何してるの?」 (月) 17 16 25 ID ??? のび太の一言に全員が顔を見合わせた。 ドラえもん「確かに、定期的に連絡をとると言った以上、そろそろ連絡しなきゃいけないかもね。 安否も気になるし。」 ドラえもんは頷き、四次元ポケットからポケギアを取り出そうとした。 その時、突然ドラえもんのポケギアが鳴りだした。 ジャイアン「誰からだ?」 ジャイアンが神妙な顔付きで訊いた。 ドラえもん「大丈夫、丁度よかった。出木杉君からだよ。 もしもし……」 ポケギアからはつい数日前に聞いた声が聞こえだした。 出木杉「あっ、ドラえもん君、無事かい?」 ドラえもん「ああ、無事だよ。」 ドラえもんは自分達と出木杉達の安否を確認すると、ポケギアの音量をめいいっぱい上げた。 ドラえもん達は、出木杉達の無事に安心を覚え、ホッとした。 しかし、その安心感は次の出木杉の一言に掻き消されることになる。 出木杉「あのね……。 ちょっと困ったことになったんだ………。 ジムが開いてない。」 「なんだって!?」 その場にいた全員が全く予想だにしなかったことに驚いた。 しかし、出木杉はそのまま話を続けた。 出木杉「いや、ジムが開いてないと言うより、入れないんだ。変な男がとうせんぼしてる。」 信じられない出木杉の言葉にスネ夫が言った。 スネ夫「何故……何故開いてないんだい?」 すると出木杉は落ち着いた様子で言った。 出木杉「僕らも始めは気になったけどね。 ラジオをつけてごらん。」 それを聞いたジャイアンは無言でラジオのスイッチをつけた。 すると、いつものクルミの声ではなく、変な男のダミ声が流れだした。 「あーー。われわれは――」 スネ夫「まさかこれは……」 出木杉「そう、ラジオ塔がロケット団にのっとられるイベント。 確かフスベのジムが開く条件は、そのイベントクリアだった気がする。」 全員はこのイベントのことを忘れていた。 時間犯罪者の事で手一杯になっていたからである。 全員に沈黙が走ったが、またそれを出木杉が破った。 出木杉「とにかく、僕らは、ジムに入れないことは事実。 だからこれからの事について話そうと思って、連絡した訳さ。」 ドラえもん「成程……。 君はどう思うんだい?」 ドラえもんが訊いた。 出木杉は少し、言うのをためらった。 五秒程経ち、また出木杉は口を開いた。 出木杉「……僕達は、フスベに残り、君達にイベントクリアを任せた方がいいと思う。」 ドラえもん「僕もそう思った。」 ドラえもんは同意した。しかし、スネ夫がそこで口をはさんだ。 スネ夫「えぇぇっっーー!! 時間犯罪者の攻撃もあるのに、危険すぎるじゃないか! ただでさえ、ルール無用のロケット団との戦闘は危険なのに…… ここは総力戦であたろうよ。」 と、スネ夫が反論した。 ドラえもん「いや、逆にひとまとまりになっていると、一気に皆殺しにされてしまう恐れがあるし、イベントクリア後、すぐにジムに挑戦するために、出木杉君達にフスベで待機してもらった方がいい。 それに、奴は現段階では、僕らを殺せないし、もし、殺せるとしても、イベントクリアまでほっておくだろう。 クリアしたら、出木杉君達がフスベにいる限り、先手を取ることが出来るからね。」 と、ドラえもんは言った。 ジャイアン「よくわからないけど、要するにロケット団をぶっ潰せばいいんだろ。 早くコガネに行こうぜ。」 ジャイアンが言った。彼はまた移動の支度をしている。 出木杉「そうは言ったものの本当にいいの? 僕らは、まだ時間犯罪者の攻撃を受けてないけど、君達は目の前でそれが起こったんでしょ。 それに、ヤドンの井戸の時の奴らを見ただろ。 ゲームとは違って、奴らの数は半端じゃない。 チョウジのアジトは楽だったけど、幹部がコガネの為の準備って言っていたから、かなり大規模になると思うよ。」 ジャイアン「大丈夫、大丈夫。まかせとけって!」 ジャイアンの頼もしい一言に安心したのか出木杉はクスリと笑った。 出木杉「わかった。 コガネは君達に任せるよ。 無事でいてね。」 ドラえもん「そっちもね。」 と、言い、ドラえもんはポケギアの電話を切った。 そして、一行はコガネに向かった。 次へ
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野比のび太(34) 技巧派投手 最大球速:151km/h 平均球速:147km/h コントロール:A83 スタミナ:A84 変化球:スライダー2 カーブ1 ツーシームジャイロ(カーブ系)4 シンカー1 シュート2 適性:先 【特殊能力】 対ピンチB ・対左打者E ・ノビB ジャイロボール ・リリース○ ・球持ち○ ・緩急○ ・奪三振 ・キレ○ ・根性○
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前へ 所変わってラジオ塔最上階。 長身の銀髪が初老の男性にひざまづいている。 コウ「…………という訳で、私共は奴らを撃退しました。」 参謀のコウは、今回の出来事について話していた。 トシミツ「それで、撃退した子供はどうした?」 コウ「それが……。 なみのりで流れていってしまって行方不明でして……。 捜索は続けているのですが、全く見つかりません。」 トシミツ「そうか、そうか……。」 トシミツはコウの報告に一考する。 理想はその子供を見つけ、それを人質にドーブル本体の要求という流れだった。 しかし、見つからないのでは仕方ない。 それはあきらめよう。 トシミツ「やはり、籠城だな……。」 トシミツは誰ともなしに呟く。 雨の中、やってくるドーブルの対策が出来た今、無理をすることもあるまい。 カホウには負担だが、後二週間、雨を降らし続けてもらおう。 心の中でトシミツはコクリと頷く。 トシミツ「よし、コウよ。 下がってもよいぞ。」 その時、 「バン!」と扉が開いた。 見ると、団員が息を切らせている。 コウ「どうしました?」 コウが訊くと、団員は息も絶えだえに言った。 団員「ポケモンセンターが……、何者かにポケモンセンターが爆破されました!!!」 トシミツ「なにっ?」 団員の言葉に流石のトシミツも驚きを隠せなかった。 団員「それと、デパート内からPP回復の道具が奪われました! デパート、センター内を見張っていた者は全て消されています!」 団員の声には最早ヒステリックな物が混じっている。 続けて、コウも自分の考えを言う。 コウ「やられましたね……。 恐らく侵入者は複数。一人が囮になり、本隊がデパート、センターを叩く。 多分、先程のセンター爆破は時限装置でも使ったのでしょう。 あんな派手な音を出せば、自分らの存在が気づかれる事は必死。 奴らはそんな馬鹿ではない。 故に倒そうにも奴らはもうここにはいない。」 トシミツ「うーむ。」 トシミツが唸る。 ポケモンセンター、及びPP回復アイテムを盗んだのは恐らく、 あまごい封じと、籠城戦をさせない為。 持久戦に持ち込めば、回復が出来ない分、こちらが不利になることは明白。 あまごいも切れ、灼熱の太陽に焼かれながら無惨な敗けを噛み締めるだろう。 持久戦は出来ない。 ならば……。 トシミツは目を閉じ、こう告げた。 トシミツ「コウ、これから全隊、出撃準備。 奴らの陣に攻め込む。 今すぐにだ!」 コウ「なんですって!?」 コウが驚く。 コウも、次の手は突撃しかないとは思っていた。 コウ「お気は確かですか? 今からなんて……。」 コウが言う。 コウも次の手が突撃しかないとは思っていた。 しかし、今からとは予想もつかなかった。 余りにも無茶過ぎる。 コウの驚きをよそに、トシミツは指示を続ける。 トシミツ「攻撃目標は35番道路からエンジュシティのポケモンセンター。 奴らの意表をつく為に今からいく! さあ、コウ、全隊に指令だ!」 コウ「しかし……。」 コウがためらっていると、後ろの団員が言った。 団員「自分は、トシミツ様に賛成です。 トシミツ様のおしっしゃる事なら間違いはありません!」 団員は息を切らせ、一息でそれを喋りきった。 ギロリと団員を一睨みしてからコウが言う。 コウ「わかりました……。」 コウは渋々了承する。 トシミツ「それでは言った通りに……。」 コウ「はっ。」 コウはそう言うと部屋から出ていった。 それを物陰から聞いている人が一人。 キキョウ「突撃……。 この策は私達にかかってるわ……。 でも、注意するのは敵だけじゃなさそうね」 キキョウは誰ともなしに呟いた。 アンノーン「………というわけだ。」 スネ夫「そうか……。 一応作戦は成功したようだね。」 アンノーン達がスネ夫に報告する。 そこへ、ドラえもんがやってきた。 スネ夫「ドラえもん……。」 スネ夫はそれに気づき、声をかける。 ドラえもんのその表情から察するに、既にあのことを知ってるに違いない。 沈黙が暫し流れたが、スネ夫がまた口を開く。 スネ夫「のび太は、のび太は無事かい?」 ドラえもん「うん。 疲れて、向こうのテントで寝てる。」 スネ夫「そう……。」 スネ夫は肩をすくめた。 のび太もちゃんと仕事をした。 自分も頑張らねばならない。 スネ夫「のび太はジャイアンのことは知ってるのかい?」 スネ夫の問いにドラえもんは首を横に振る。 スネ夫「そうか。 ならのび太には知らせない方がいいな。 無駄に精神的プレッシャーを与えることになる……。」 スネ夫の言葉にドラえもんも同意する。 その後、ドラえもんに皆を呼んでくるよう頼み、ドラえもんを部屋から追い出した。 一人になった部屋で一人呟くスネ夫。 スネ夫「僕の作戦もいよいよフィナーレ。 後は乗るか反るか……。」 スネ夫は何ともいえない感じに体を震わせた。 それが、恐怖であったかどうかは分からない。 トシミツが全軍出撃の指令を出してから数分後、 コウは放送で今後の事を述べると、休憩室に腰を下ろした。 周りでは突撃前に、暇をもて余した団員達が雑談をしている。 トシミツを誉めたたえる話が大半だ。 コウ『てめえら、あの糞ジジイのどこが好きなんだよ。 カス共が。』 コウは不快感を感じ、休憩室から出ていく。 しかし、出ていってもあのイライラする会話が何処かで聞こえる。 今の団員達は皆、トシミツに保護されたり、恩を売られたりして忠誠を誓っている。 しかし、コウは違う。何者にも属さない。 コウの目的。それはロケット団を乗っとり、自分の物にすること。 コウ「突撃まで、後一時間……。 今回の事で思い知らせてやりますよ。 誰が頂点に立つものとしてふさわしいかを、ね。」 コウはそう呟いた。 コウの目には最早、自らの野望しか映っていない。 所変わって、また35番道路。 のび太、スネ夫、アカネ、ドラえもん、その他のトレーナー達が作戦の打ち合わせをしている。 スネ夫「……と、いうわけで、奴らはこれからエンジュを目指して攻撃してくる。」 スネ夫は机の上のコガネの見取り図を指さして言う。 スネ夫「連中はこれから、全戦力と全戦力との総力戦になると思っている。それの……」 ドラえもん「裏をかく!」 ドラえもんが合わせるように言い、一同は首を縦に振る。 スネ夫「連中はエンジュまで陣を拡げる為に、外に総力を向ける。 逆をつかれないように、南の方の守りも厳重になる。 すると、どうだろう。 中の戦力が手薄になる。 そこから、手薄な内部へ……。」 スネ夫が見取り図の中央を指差す。 スネ夫「のび太のテレポートで侵入!」 話を聞いていた周りも、スネ夫の作戦に感嘆の声を漏らす。 のび太をコガネに潜入させた真の狙いはこれ。 のび太に死なれて困るのもこの理由だ。 スネ夫「コガネ内部に侵入するのは、僕、のび太、ドラえもんの三人。 中途半端な戦力は相手に逆手に取られるからね」 のび太とドラえもんは緊張の面持ちで頷く。 スネ夫「アカネさんや、他のトレーナーさん達は突撃してくる奴らを食い止めてくれ。 あと、ドラえもん。」 スネ夫はドラえもんの方を向く。 スネ夫「あの人の協力は得られるのかい?」 ドラえもん「うん。 快くOKしてくれたよ。」 スネ夫の問いにドラえもんが答える。 これで、スネ夫の作戦にもう、問題はない。 スネ夫「何か質問がある人はいる?」 スネ夫が訊くと、のび太が恐る恐る手を上げた。 のび太「ジャイアンは? ジャイアンはどうしたの?」 のび太の禁断の質問にスネ夫はドキッとしたが、スネ夫が答える前にドラえもんが言った。 ドラえもん「じゃっ、ジャイアンは町に潜伏してるよ! 今はちょっと動けないだけ。 作戦は伝えてるから大丈夫さ!」 ドラえもんは無理に明るく振るまい、言う。 のび太「よかった……。 帰ってきてないから、何かあったんだと思ったぁ……。」 のび太『あの反応……。 予定通り奴は死んだようだな。 キシシシシ。』 スネ夫はゴホンと咳払いをし、もう一度言った。 スネ夫「他に何か質問はあるかい?」 その場にいた全員は、首を横に振る。 スネ夫「よし!じゃあ、皆それぞれの持ち場へ! 作戦開始!!!」 一同「オオーー!!!」 全員が、テントの外へ散っていく。 それぞれの思いが交錯するなか、確実に決戦の時は近づいていった。 「ん……?」 ある広い空間の中、ジャイアンは目を覚ました。 目がボヤけ、頭がガンガンする。 ジャイアンは一人呟く。 ジャイアン「ここは……。 頭が痛え……。なにも覚えてねえや……。」 するとそれに応える者がいた。 ボヤけていて、よく見えないが、何だか徳のありそうな人物だ。 周りには、数人のひ弱そうなメガネがいる。 ?「目が覚めたようだな。 ここはコガネ百貨店の地下だよ。」 ジャイアン「コガネ百貨店の地下……? 俺は奴のなみのりに流された筈じゃ…… っていうかあんたは誰だ?」 ジャイアンはいまだ本調子ではないのか、たどたどしい口調で言った。 ?「私かい?私ははずかしながら、ラジオ塔の局長をさせてもらっていた男だよ。 この通り、ラジオ塔はのっとられてしまったがね。」 ジャイアンは意外な人物に驚く。 コガネ住民は皆避難した筈だ。 ジャイアン「何故地下倉庫いるんだ? 避難したんじゃねえのか?」 ジャイアンの問いに局長はため息をつき、答える。 局長「奴らがコガネのラジオ塔をのっとった時、私達は町中に必死でこのことを伝え、避難させた。 そうしたら私達は町の外に逃げ遅れて、ここに逃げ込んだんだ。 奴らに見つからないように生活するのは苦しかったよ。」 成程。 全員のやつれた頬を見ると、どれ程の苦労かが分かった。 局長はまた話を続ける。 局長「ここ数日この空間の中は酷かった。 炎天下、酷い雨の中、デパートから、コソコソここまで物資の詰め込み作業をしなきゃならかったからな。」 その原因が自分達にあるとは口が割けても言えない。 局長「そして、私達は地下を脱出することにした! しかし、その方法が無い。 するとある日、仲間の内の一人が、外を巡回中に波間に浮かぶ君を見つけた。 全く動いてなかったから死んでいると思ったら生きているではないか! しかも天の恵みだろうか、君はトレーナーらしい。 これで奴らに対抗できる。そう私達は思った。 そして私達は君をロケット団に見つからないように地下倉庫に連れ帰った訳だよ。」 局長は声を荒げた。 ジャイアン「成程。 俺を奴らとの対抗戦力として使う気だな。」 局長は首を縦に振る。 ジャイアンは頭がようやくはっきりしてきた。 多分自分が生きているのは、突入前にドラえもんの目を盗んで勝手に使った「てきおうとう」のお陰だろう。 ちなみにスネ夫達にはこのことを知らせていない。 理由はジャイアンが使った瞬間、てきおうとうの電池が切れ、 「これはヤバイ」と思ったジャイアンはそのことを隠していたのだ。 まあ、今となってはそれが幸運となったが。 ジャイアン『俺の好奇心も捨てたもんじゃねえぜw』 ジャイアンは心の中で笑う。 一呼吸おいて、局長はまた話を始めた。 局長「そこでだ。君に頼みがある。 私達をこの街から出してくれないか? 君が気絶してる間に君のポケモンは見せてもらった。 オーダイルにカイリキー……、皆高レベルなヤツばっかりだった。 君ならここを突破出来るだけの力はある!!」 褒められて悪い気はしないジャイアン。 思わず口元が弛む。 そんなジャイアンを知ってか知らぬか、局長は殺し文句を吐いた。 局長「作戦は後で話すがやってくれるかね? 君だけが頼りなんだ! 男ならやってくれるだろう?」 ジャイアン「まかされよ!!」 ジャイアンは二つ返事で答えた。 局長「ありがとう! 作戦はまた後で話すよ。 とりあえず、今は体を休めてくれ。 30分後から作戦を話す。 そして一時間後に決行だ! それと、これは使っておいてくれ。」 局長は倉庫のダンボールから、回復アイテムやら、 技マシンやらドーピングアイテムを取り出した。 これで大きな戦力アップが望める。 ジャイアン「これだけ期待されて断ったら男がすたるぜ! よし!俄然やる気出てきた!! ついでにあの水ヤローもとっちめてやるぜ!!」 鼻息を吹き出し、戦闘意欲見せたジャイアン。 しかし、その作戦がまたまた地味なものと知ると ジャイアンのテンションは急降下してしまった。 一方、自然公園には決戦の時を待っているドラえもん達の姿があった。 ドラえもん「静かだね……。」 嵐の前の静けさにドラえもんが呟く。 すると、コガネの方から例によってアンノーン達がやってきた。 後少しで隊列をなした連中がゲートを越えてくるらしい。 スネ夫「アカネさん達は手筈通りにやってるかい?」 アンノーン達はイエスという文字を作る。 スネ夫「分かった。 後は突入合図を頼むよ。 奴らがゲートを越えきったら作戦開始だ。」 アンノーン「了解。」 アンノーンは了承すると、またコガネの方へ飛び去ってしまった。スネ夫「本当はてきおうとうを使うのがベストだったんだけどな……」 スネ夫が呟く。てきおうとうの電池は切れてしまっていた。 ドラえもん「緊張するね…。」 ドラえもんが呟く。 のび太「大丈夫だよ! 準備はしたんだし。」 のび太は突入用のフーディンを繰り出し、元気よく答える。 のび太にとっても、ここは上手くいかせなくてはならない。 のび太の策を成立させる為にも。 しかし、緊張のためか、やはり場を沈黙が支配する。 すると、別のグループのアンノーンがやってきた。 アンノーン「奴らがゲート越え始めた!」 次へ
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▽タグ一覧 「ドラえも~ん!!」 『僕はドラえもんを伐つ』 野比のび太とは【ドラえもん】の登場人物である この項目ではアナザールートからやってきた【もう1人の、のび太】も解説する 『原作の野比のび太』 運動も出来ず勉強も出来ないダメダメ小学生。 ある日突然やってきた子孫セワシによって将来借金まみれとなり、ボランティアでガキ大将の妹と結婚させられる最悪の未来を知った彼は二十二世紀の子守り用ロボットドラえもんと共に未来を変える事を決心した。 誰かに叱られてはドラえもんのひみつ道具をねだり、調子に乗って大騒動を起こしてしっぺ返しを食らうのがこの作品王道の流れである また、彼にも特技がない訳ではなく、射撃、あやとり、昼寝に関しては天才的な才能を持つ 特に射撃は劇場版などで活躍しており、宇宙の殺し屋との一騎打ちに勝利したことも。 また、ひみつ道具の使い方に関しては所有者のドラえもんより頭が回り、ゴミのような道具でも機転で上手く使いこなすことが多い のび太の望む未来では源しずかと結婚、後に息子ノビスケを授かる。 『もう1人の、野比のび太』 フリーゲーム【のび太戦記ACE】におけるのび太。 原作のび太の面影は一切なく、特技であった射撃を捨てて剣を装備し、復讐心に駆られ悪意に心を奪われ暴走したことも……… というか、一応タイトルに載っている主人公のはずだがこのゲームの出番は非常に少ない ドラえもんとは喧嘩別れどころか、復讐対象にまでなっている 声優はキラ・ヤマト等でおなじみ保志 総一朗氏。 必殺技は【マキシマムブレード】【ガンブレイク】【ダミーソード】 メイドウィン小説におけるのび太 本来ののび太とアナザーのび太が同時に登場、当然ながらのび太はアナザーの自身を信じられないような目で見ていたが、アナザーは今でも親友な彼らを羨ましく思っていた のび太戦記ACEの最後まで遊べる所までの時系列。 最終的にアナザードラえもん率いるヘリオスと冬夜の世界を破壊して歴史を変えた後はのび太達はあるべき歴史に帰ったが、アナザーのび太だけはドラえもんと決着をつけるべく、1人で時空の渦へと入っていった…… このような結末になったのはのび太戦記ACEが未完の作=終わりの見えない作品だからという暗示である 名前 コメント
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野比のび太 説明不要であろう、国民的アニメ・マンガ『ドラえもん』のドラえもんと並ぶ主役。 東京都在住の小学5年生(マンガでは4年生のときもあり)の男子。 特技はあやとり・昼寝・射撃。 勉強も運動も苦手だが、温厚で優しい、他人を深く思いやる心をもっている。 だが。 皆さんはてんとう虫コミックス14巻収録の「無人島へ家出」という話をご存知だろうか。 物語をおおまかに説明すると、ドラえもんのひみつ道具をいくつかかっぱらって家出を決行したのび太は、 タケコプターの暴走により絶海の無人島へ飛ばされてしまう。 更にタケコプターを失い、持ってきた道具も脱出の助けにはならなかった。 「いつかはドラえもんが助けに来てくれる」と信じ、1日1日を生きるのび太に対し、 ついに10年が経過する。(この間3コマ) 結局はもってきた道具の力でドラえもんに救出され、 タイムふろしきの力で姿も小学生の姿に戻るのだが、ギャグマンガとは言え 「10年間のび太の家族やドラえもんは何をしていたのか?」 「その話以降ののび太は10年間の記憶を持っているのか?」 「こうして生活する間もどこかの孤島ではもう一人ののび太が生活しているのか?」 などの疑問が残る謎・恐怖を残す話となった。 今回参戦したのび太は、この屈指のトラウマ回での「10年後ののび太」の姿で参戦。 1人で過ごした10年間はどのようなものだったのか、その答えの一端がこのロワで明らかになるかも知れない。 参考blog http //livedoor.blogimg.jp/nwknews/imgs/f/c/fc1344b7.jpg
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のび太 NEW SONGS 類別 曲名 作曲/演唱 EXP MAS Re MAS 宴 Google Drive YouTube POPS アニメ 不專心 黃氏兄弟 - 12+ - - 下載 影片 (2020/05/13 發佈) ALL SONGS 類別 曲名 作曲/演唱 EXP MAS Re MAS 宴 Google Drive YouTube POPS アニメ 不專心 黃氏兄弟 - 12+ - - 下載 影片 ※Youtube頻道
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ご存知、漫画「ドラえもん」の主人公である。 フルネームは野比のび太。 原作では東京都在住の小学4年生。 勉強も運動も出来ないが、あやとりと射撃はプロ級。 ゲーム内では第四幕 すすきが原で登場。 ドラえもんから借りた自動ぶんなぐりガスを使ったおかげで、にこたろうたちが大変な目に。
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次へ のび太「お、お、おォォォォ!!!! すっ、スゲエ!!!! 力が、力が湧いてくるゥゥ!!!!!」 ドス黒く光ったゲンガーの横で、のび太は言いようのない快感に声を上げる。 脳内麻薬が分泌され、わなわなと力がみなぎる。 コウ「な……なんだこれは……?」 どう見ても異常としか言いようのない光景にコウはすくみ上がる。 この場所から逃げ出したい。 しかし、足が言うことをきかない。 「うああああああああああああ!!!」 部下の一人が叫びをあげた。 声を上げただけ、それだけならまだ良かった。 そいつはそこから逃げ出した。 そして、その逃走は成功しなかった。 逃げる団員の耳をゲンガーが放った漆黒の弾が削りとっていってしまったからだ。 「ウギャアアアアアア!!!!」 血が噴き出す耳を押さえ団員はその場に伏す。 のび太「キシシシシシ……。 ツレねえな………。待てよ」 コウでさえ目を背ける光景を前に真ん丸メガネの少年は残酷そうに笑っていた。 死ぬ。殺される。 その場にいた全員がそう思った。 コウも含めて。 全員が死の絶望で静まりかえる中、ゆっくりとのび太は言った。 のび太「まあまあ、逃げるなとは言ったけど問答無用に殺すとは言ってないよ。 うん。俺だって情けはあるしな。 ちょっとした条件を飲んで貰えばいいんだ。 簡単に言えば取引だ。」 のび太がニヤリと笑う。 コウ「取引…………だと?」 コウは首を傾げる。 しかし疑念と共に条件次第で生命が助かる可能性のある事に、彼は密かな安堵感を感じていた。 いざとなれば部下の命を差し出す。彼はそう思っていた。 コウ「ハハッ。取引? い、いいだろ。言ってみなよ。 金かい?ロケット団撃退の手伝いかい?」 コウは答える。 微笑みながらもその顔はひきつっていた。 のび太「いやいや、そんな大層なことしなくて良いぜ。 一つ目の条件はおとなしく投降すること。 二つ目はここで起こった事は一切他言しないこと。 それと……」 のび太がしゃべっている途中でコウが口を挟む。 コウ「分かった!分かった!従うよ! おい!部下達!これからコガネ外部に……」 のび太「は?何ふざけてんの? お前は残るんだよ、ここにな。」 のび太「逃げたいか? 何故自分が選ばれてるか解んねえのか?」 コウはコクリと頷く。 その顔は雨か他の液体かでグシャグシャだ。 のび太はその顔を地面に擦り付けて言う。 のび太「いや、別に誰でもいいんだ。耳が無くなったアイツでも計画は成り立つんだ。 でもな、お前はコイツらのリーダーだから落とし前はテメエにつけて貰おうと思ってな。 別に代わりがいればそいつでいいんだ。 あ、そうだ。テメエは「人望」のあるお方だったよな。 その「人望」で代わりもゲットすりゃあいいじゃねえか。」 のび太は周りの団員を見る。皆は目をそらす。 のび太「おーい。部下共。 コイツの代わりになる奴はいるかー? 代わりになる奴は残ってそうでない奴は逃げてくれ。 大事な上司が困ってるぜー。」 団員「ヒィ!」 それを聞いた団員達は巻き添えは嫌だとばかりに一目散に逃げ出した。 雨の中残ったのはただ二人。 逃げ出してゆく団員を見ながら鼻で笑うのび太。 のび太「ふん。 カスの「人望」なんて所詮こんなモンか。 笑わせてくれんなあ。 ……さて。お前の「命」を貰おうか………。」 のび太の手がコウの頭を持ち上げる。 コウ「ヒイィィャァァ!!!」 コウは金切り声を上げる。 しかし腐ってもコウもロケット団幹部の一人。 意味もなく恐怖におののき悲鳴を上げた訳ではない。 コウ『奴の後ろにクロバットとエアームドが………』 のび太は自分の頭を掴み顔を歪ませて笑っている。どうやら後ろの危機には気づいていない様だ。 コウ『どんなにポケモンが強くてもね……、トレーナー自身を殺せばいいんだよ。 このまま演技で油断させてエアームドの翼で首の動脈かっ切ってやる……』 のび太の背後にエアームドが迫る。 コウは音を消すため声を上げる。雨も、それを助長する。 本来ならカチッ、カチッという音を立てるハズだが、それらのおかけで気づかれない。 更にエアームドは接近し、射程距離内に入った。 コウ『ヘヘッ。後数mだ……。 僕の勝ちだ……』 血まみれのコウの口は微笑みで少しつりあがった。 一方、ドラえもんはのび太との合流を諦め、単身ラジオ塔内部へと侵入を開始していた。 無人の一階フロアを通過し、二階への階段を登りながらドラえもんは考える。 ドラえもん『のび太君………。 何故来なかったんだろう? やっぱり奴に捕まったのかな? だとしたらこっちも急がないといけない。 のび太君が幹部に見つかったということは逆に言えば、幹部はそのせいで足止めされているといること……。 しかし……。』 現在、このイベントは確実に終盤に差し掛かっているといえよう。 と、いうことはあることについて懸念する必要性が生まれる。 そう、それは時間犯罪者の件である。 ドラえもん『奴の目的はあくまでもこのイベントの達成……。 達成間近な今、奴が僕らを攻撃して来ないとは限らない……。 最深の注意を払わないと………』 彼の神経回路が緊張によりバチバチと小さな火花を上げる。 ドラえもんは二階を通過し三階へ向かった。 三階もやはり蛻の殻だった。 ドラえもん『引き離し作戦がここまで上手くいくものなのか?』 微かな疑問を感じつつも足は確実に最上階を目指してゆく。 しかし、五階への階段を登る途中でドラえもんの足は止まった。 局長室が見えたのである。 ドラえもん『ここにボスが……。』 ドラえもんは大きく息を吸い込む。 ここにボスがいるかどうかはドラえもんは知らない。 しかし、何か「凄いもの」がいるという威圧感のようなものは感じる。 このごに及んでしたっぱが出てくるハズがない。 故にこの威圧感の正体はロケット団の首領と考えて間違いないだろう。 恐らくこのイベントはロケット団の首領を倒し、怪電波発生装置を止める事により終わる。 長かった戦いもここで一区切りがつくのだ。 物事を成し得るにはそれ相応の覚悟がいる。 ドラえもんはそれをしようとしていた。 ドラえもんは止まった足を再び動かす。 一歩、一歩確実にドアへ向かってゆく。 そしてドアノブに手をかけた。 ドラえもん『開けるぞ!開けるんだ!』 大きく息を吸い、ドラえもんはそれをした。 ドアを開いたその先の視界には、ヘッドフォンをつけコーヒーをすする一人の老人が映っていた。 ドラえもんは呆気に取られている。 今、ここでのんびりブレイクタイムを取ってるのが本当にロケット団首領のトシミツなのであろうか? 老人であることは、手のシワからある程度は分かる。 顔は見えない。奴は窓の方を向いてるからだ。 ドラえもんは思った。 ドラえもん『これはチャンスではないか? 奴はヘッドフォンで音楽を聞いているし、こっちを全く振り向かない。 気づいてないのでは?』 ドラえもんはそろりと老人の方に近づく。 しかし、物事はうまくは進まないようだ。 ここで老人は初めて口を開いた。 「部屋に入る時はノックをするもんじゃないかな? え?青狸君。」 「僕は狸じゃない!」と言うのも忘れ、ドラえもんは足を止めた。 一瞬硬直するドラえもんに老人は言う。 老人「まあ、落ち着きたまえ。 先ずはお茶でもしないか?ここにハーブティがある。 結構高級品だから心して飲むようにな。 おっと、椅子も必要だね。」 老人はドラえもんの方を向き、ティーカップにお茶を入れる。 その顔は間違い無い。 あの時演説していたトシミツという奴だ。 お茶を差し出されるも、ドラえもんは疑り深い視線で老人を見つめ出された椅子にも座ろうとしない。 体は勝手に警戒体制をとっている。 トシミツ「緊張しているのか? まあ無理も無いことだ。初対面の者は必ずそうするものだ。 ま、掛けろといっても無理にとは言わないがね。」 トシミツはヘッドフォンを外し、テーブルの上に置いた。 電源は切られてないのか、まだシャカシャか音がする。 トシミツ「君は「GREEN DAY」の「Minority」という曲を知ってるかね?」 トシミツはその電源をパチリと消し、訊いてきた。 ドラえもんは首を横に振る。 トシミツ「政府という多数に流れてゆく人々や世間を皮肉った曲なんだ。 イントロの部分がグッと来る。 全米でスーパーヒットを記録した程の曲なんだがね、何かおかしくないか? 「少数派」のための曲なのに、何故か「大多数」のから賛辞を受けている。 何処か矛盾してないか? 「少数派」のための曲ならヒットするのはおかしい、そう思わないか?」 トシミツは訊いてくる。 ドラえもんはよく意味が分からず黙っている。 トシミツは続ける。 トシミツ「私も昔は音楽の道を志していてね、現在の世の中を批判する曲を書きまくっていたよ。 しかし、それには限界が有ることに気づいた。 音楽で心を訴えても、世間は全く動いてくれやしない。凶悪犯罪、孤児差別、戦争!全く無くなりやしない! そして私は幾等言っても無駄だと思い、音楽を辞め、ロケット団に入った。 しかし、挫折して音楽を辞めたがどうすればいい!? 私の心をどのように伝えればいい!?」 トシミツは言う。 口調は穏やかだが、だんだん熱が入ってきている。 トシミツ「そこで私はラジオ塔をのっとった。 怪電波装置はただの建前。 本当の目的はこのラジオ塔を通して私達の心を全国に伝える事。 言っても無駄な奴らには行動で分からせてやる。 君は私の言ってる事が間違ってると思うかね?」 ドラえもん「間違ってる!!」 ドラえもんは息を絞りだし、叫んだ。 ドラえもん「あなたは……あなたはそんなくだらない事で、こんなに沢山の人々を傷つけ、苦しめたんですか? 自分の欲求を晴らす為? ゲームのキャラにこんなこと言うのもなんだけど………あなたは自己中だ!」 ドラえもんは叫んだ。 それを聞いたトシミツは少し悲しそうな顔をして言った。 トシミツ「やはり君には伝わらなかったか……。 やはり争わねばならないようだね。 残念だよ。 行け、ニョロボン。」 トシミツはボールを投げ、ニョロボンを繰り出した。 トシミツは言う。 トシミツ「本当なら戦いは嫌いなんだ。 力ずくで相手を従わせても相手の「心」は従っていないんだ。 「心」を手に入れなければ本当の服従関係は生まれない。 しかし、君は私の計画をどうしても邪魔しようとする「言っても無駄な敵」だ。 言って駄目なら行動で分からせる……。いくぞ! ニョロボン、ハイドロポンプ!」 ニョロボンの腹部から激流が飛び出し、ドラえもんを襲う。 ドラえもん「そんなの効かない! 行けッ!キマワリ!受け止めろ!」 ドラえもんはそれに対応してキマワリを繰り出す。 ハイドロポンプがキマワリに命中するが、タイプのせいか思った様なダメージは与えられない。 ハイドロポンプを堪えたキマワリは攻撃に転ずる。 ドラえもん「はっぱカッターだ!」 トシミツ「遅い!ニョロボン、さいみんじゅつ!」 キマワリの行動の前にニョロボンの「さいみんじゅつ」がヒットし、キマワリは眠ってしまった。 しかし、ドラえもんは動じない。 ドラえもん「眠りか……。本来なら厄介だけど、これはなんでも有りの実戦。 眠気覚ましで簡単に対処出きる!」 ドラえもんはキマワリの眠り状態を解除する。 ドラえもん「眠りは無駄だよ!!!」 得意気に笑うドラえもん。 しかし、トシミツはそれを見ても今だ余裕の表情を浮かべている。 それに少しドラえもんは不気味さを感じた。 トシミツが言う。 トシミツ「眠らせた事が無駄だって?果たしてそうかな? ニョロボン、キマワリに「じわれ」だ」 ニョロボンが飛び上がり、床に衝撃を放つ。 その衝撃で床に破れ目が生じる。 そして、その裂目は一直線にキマワリの方へと向かっていき、キマワリに直撃した。 ドラえもん「キマワリ!!」 ドラえもんはキマワリに駆け寄る。 ドラえもん「一撃技にも関わらずこの正確さ………さては「こころのめ」か!!!」ドラえもんが叫ぶ。 やられた原因はすぐに分かった。 恐らく「さいみんじゅつ」を使ったのはこちらに「こころのめ」を決める為の隙を作るためだろう。 (敵)さいみんじゅつ→(ドラ)眠り→(ドラ)眠気覚まし といった流れでこちらが一動作分無駄な動きを取らざるを得なくなる。 多分その間に「こころのめ」を決められたに違いない。 キマワリに駆け寄ったドラえもんは、キマワリの容態を確認し苦い表情を浮かべる。 ドラえもん「くっ!元気の欠片を使わないと……」 ドラえもんはその場でキマワリの回復をしようとした。 しかし、それがいけなかった。 ドラえもんの足元からピシピシと破滅の音が聞えだした。 「じわれ」の影響で床が崩れかけているのである。 ドラえもん『ヤバイ……。このままじゃ……床が抜けて………。』 トシミツはニヤリと笑い、指示を出す。 トシミツ「いい案配じゃあないか。 まあ、ここから床に落ちても死にはしないよ。 ニョロボン、もう一度じわれだ。 このフロアの床を崩せ。」 ドラえもん「うわあああああ!!!」 無情にもドラえもんの足場は崩れ去り、その体は瓦礫と共に四階フロアに叩きつけられた。 ガラッ。 四階フロアの瓦礫を払い除け、ドラえもんが姿を現す。 右腕が少しショートしていたが、気にしてはいられない。 すぐに追撃が襲ってくることは目に見えているからだ。 ドラえもんは辺りを警戒する。 ドラえもん『この階に奴がいる気配は無い……。 と、いうことはまだ上に居る。』 ドラえもんは思考を巡らせる。 さっきのでポケモン自体の実力の差は余り無い事が分かったが、戦いの経験からくる戦術レベルの差が違い過ぎる事も明白になった。 少々卑怯だが、もう秘密道具に頼るしかない。 恐らく次の手は階下へのハイドロポンプである可能性が高いだろう。 すると少々マズイ事になる……。 ドラえもんはショートを起こしている右腕をチラリと見やる。 そこを水に浸けたらどうなるかは言うまでも無いだろう。 ドラえもんはポケットからひらりマントを取り出すと、上を向いて身構えた。 ドラえもん『さあ、来い。はね返してやる!』 ドラえもんが上を睨みつけたその瞬間だった。 階段の方からガラリという音が聞こえた。 誰かがこの階に侵入したらしい。 だが、それは100%トシミツではない。 音が聞こえたのは上からではなく、下からの階段だからだ。 ドラえもん『まさか……のび太君?助けに来てくれたのか……?』 ドラえもんは一瞬、援軍を期待した。 しかし、ドラえもんの期待は無惨に打ち砕かれる事になる。 現れたのはメガネの冴えない少年ではなく、長身の銀髪男だったのである。 ドラえもんはそいつの名を叫んだ。 ドラえもん「お前は………コウ……!!!」 まさかの敵の出現に、嘆きに近いドラえもんの声が漏れる。 服装がさっきと違っていたのですぐには分からなかった。 何故服装を変えたのかも気になるが、ドラえもんは今最も安否が気になる人間の事を聞いた。 ドラえもん「のび太君はどうした……?」 コウ「………………。」 返事はない。 コウは何も言わず瓦礫の山を超え、五階へ向かう。 上のトシミツも階下から訪問者がやってきたのに気づいたらしい。 トシミツ「コウ君、丁度いい時に来たね。 今戦闘中なんだ。 しかし加勢はしなくていい。 二対一は卑怯だ……。 卑怯な手では相手の「心」を屈服させられない……。 すまないが見ていてくれないか?」 トシミツは言う。 そして、その時初めてコウは口を開いた。 コウ「………ていけない……」 トシミツ「なに?」 コウの声は小さく、聞き取り辛かった。 聞き返されたコウは面倒臭そうに、もう一度言った。 コウ「ついていけないんですよ……。あなたには。」 トシミツ「何だと………!?」 予想もしていなかった言葉にトシミツは驚く。 彼をよそに、コウは話を続ける。 コウ「貴方ね……。無能なんですよ……。 貴方の甘い作戦のお陰でセンターは爆破され、コイツらにも侵入を許してしまったんですよ……?」 コウは吐き出すように言う。 トシミツは黙っている。 コウ「私は本気で勝つべきなら籠城と言いましたよね……。 なのにアンタは部下の為だかなんだか知らないが、「あまごい」を続けさせる為にエンジュに出撃した……。 部下の命とか言う馬鹿馬鹿しい物の為に……全てを無茶苦茶にした……。」 30年来部下を第一に考えるトシミツにとって、コウの言葉は余りにもショックだった。 無理もない。自分の生き方の半分を否定されたようなものだからである。 そしてコウは言った。 コウ「貴方にはもうついていけません。 ならば僕はこれから好きにする!!!」 トシミツ「で…………。 君は何が言いたいんだね?」 トシミツは訊く。 そしてコウから発された言葉は部下への愛情を注いで止まないトシミツにとっては信じられないものであった。 コウ「僕は無能な貴方を殺してロケット団の首領になる……。そういうことです。」 コウはそう言い、ポケットからモンスターボールを取り出した。 中からはゴローニャが飛び出す。 コウ「あなたの死体は一切残しません。 コイツの「だいばくはつ」で死んでください。 団なら心配要りません。 部下達や、他の幹部には戦死したと言いますよ。 安心してください。」 ゴローニャにプラスパワーを使いつつ、コウは言う。 一方、下から話を聞いていたドラえもんは軽いデジャヴに襲われた。 ドラえもん『ん? この展開何処かで見たことあるぞ。なんだっけ……? いや、それより今はヤツを止めなきゃ!』 ドラえもんはコウの暴走を止めるべく、階段を登った。 コウ「逃げないでくださいよ。 少しでも逃げる素振りを見せたらその瞬間爆破します。」 コウはトシミツに釘を刺す。 そう言われては動く事も出来ない。 トシミツ「何故……? 何故このような事をする……?」 トシミツが訊く。 コウ「うるさいなあ。喋らないでくださいよ。 今立場は逆なんですよ。 僕の許可無しに喋らないでください。」 コウはうすら笑いを浮かべて返した。 その瞬間、 ドラえもん「ヌオー!!!みずでっぽう!!!」 階段を登ってきたドラえもんがコウに攻撃を仕掛けた。 不意を突かれたコウのゴローニャはまともにみずでっぽうを喰らう。 ドラえもん『倒してしまえば「だいばくはつ」を阻止出来るぞ!』 しかし、悲しいかな。その攻撃は効果が抜群にも関わらず、ゴローニャに対して余り効果を挙げる事は出来なかった。 コウはギロリとドラえもんを睨む。 コウ「ウザイですね………。 コイツを先に殺してからにしましょうか……。」 コウは呟く。 それを慌ててトシミツが止めた。 トシミツ「待ってくれ! その青狸君は全く関係無い!! 青狸君分かったろ。死にたくなければ早く帰りたまえ。」 トシミツが言ったがコウは聞く耳を持たない。 コウは静かにゴローニャに命令を下した。 コウ「ゴローニャ、あの青狸に向かって「いわおとし」だ。」 ドラえもん「くっ!」 ドラえもんはこれから来る攻撃を撃退しようと身構えた。 プラスパワー四個分の攻撃だ。 並のの威力ではないだろう。 ドラえもん「来るぞッ!!」 コウ「さあ、行けッ!!!ゴローニャ!! ………………ゴローニャ?」 ゴローニャはコウの命令に反応せず、動こうとしない。 コウ『何故言うことを聞かないんだ……?』 コウが首を傾げた瞬間だった。 「キュイイイイイ・・・・・」 冷たいゴローニャの岩の体が、ほのかに光を帯び始めた。 トシミツ「こッ、これは……だいばくはつの前兆じゃないか!」 一早く異変に気づいたトシミツが声を上げる。 コウ「ばかな………、僕は一言もだいばくはつの指示を出してなかったぞ!」 コウは悲痛な声を上げる。 ゴローニャは以前として光を発し、だいばくはつの前兆を止めようとしない。 コウ「いかん!このままじゃ爆発する。 死んでしまうッ!!」 コウは黄色い悲鳴を上げる。 コウ「だっ、脱出せねばッ!!!」 そして、コウは下の階段に向かい走り出した。 コウ「どけえぇぇぇッッ!!!」 コウは階段の前にいたドラえもんを弾き飛ばし下へ向かう。 ゴローニャは強い光を発し、爆発寸前だった。 トシミツ「くっ………。もう逃げても間に合わない……。 青狸君……済まない……。 私の部下への教育が悪かったせいで……君は死ななくて良かったのにな……。」 トシミツは言う。 その言葉は苦しそうではあったが、死期を完全に悟った穏やかな口調だった。 しかし、その青狸の目はまだ死んではいなかった。 ドラえもん「諦めないで!! 通り抜けフープで脱出する! それと僕は狸じゃない!!!!」 ドラえもんはそう叫び、トシミツの方へ走る。 そして、ゴローニャの体は強い光に包まれ、激しい爆発を起こした。 次へ
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野比のび太のDead Space 制作者:nobina氏 翻訳者:62氏 制作ツール:RPGツクール2003 概要 2003での改造版。BIO HAZARDシリーズではなく、DEAD SPACEというゲームをモチーフとしている。しかしDEAD SPACEはバイオハザード4を強く意識して製作された作品であり、この作品もまたバイオハザードの流れを汲む作品である。 無理のないバイオ?(Ⅰ)を改造ベースにしている。 本wiki初の、海外製作品である。原版は中国の作者が製作したものであるため、選択肢が「是・否」となっているなど随所にその名残がある。 シナリオは本家DEAD SPACE2をよく再現しており、再現度は高い。しかし、シナリオ後半にはSILENT HILLのオマージュ等もあるなど、オリジナルの展開もある。 本家からの変更点 シナリオ・マップ・敵・システム全て。 本家DEAD SPACE通り、特技のステイシスを用いることで敵の動きを止めることができる。 特技の使用や回復アイテムの使用などを、メニューを開かずに行うことができる。 バイオハザード4の様なボタンアクションがある。 無理のないバイオをベースにしているだけあり、即死トラップや体力が強制で1になるイベントがあるなど初見殺しの要素が多い。 その他 2003のランタイムパッケージをダウンロードしていないとプレイ不可、ダウンロードの必要がある。 日本語でプレイするためには、日本語化パッチを適応させる必要がある。日本語化パッチだけではゲームをプレイすることはできない。必ず原版をダウンロードした後、原版本体に日本語化パッチを 上書き して適応させること。 「日本語化パッチ」及び「日本語版」には攻略テキスト同梱。攻略に詰まったら同梱のテキストを読もう。