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第二学年 主教科旧約聖書 預言書 新約聖書 共観福音書/使徒言行録 新約聖書 パウロ文書 教会論 マリア論 秘跡論Ⅱ 聖体 時課と典礼年 人間論道徳学 教父学Ⅰ 教会史Ⅱ 中世 教会法Ⅱ 教皇庁 副教科霊性神学 聖書ギリシャ語 ゼミ神学Ⅰ 三位一体論神学の語彙の形成 道徳学 金融倫理 主教科 旧約聖書 預言書 イタリア人の旧約学者N神父による。 詳細 新約聖書 共観福音書/使徒言行録 ブラジル人の黙示録学者M神父による。 テキスト目次 新約聖書 パウロ文書 イタリア人のパウロ学者B神父による。 テキスト目次 教会論 ポーランド人の教会論学者M神父による。 テキスト目次 マリア論 テキスト目次 秘跡論Ⅱ 聖体 詳細 時課と典礼年 イタリア人の典礼論学者B神父による。 【典礼年 テキスト目次】 【時課 テキスト目次】 人間論道徳学 内分泌系の医者でもある倫理学者、F神父による。 前半は「性道徳・結婚道徳」。後半は「生命倫理」。現場を知る医師だけあって考察は実証的。 【性道徳・結婚道徳 テキスト要約】 【生命倫理 テキスト要約】 教父学Ⅰ 詳細 教会史Ⅱ 中世 詳細 教会法Ⅱ 教皇庁 詳細 副教科 霊性神学 詳細 聖書ギリシャ語 詳細 ゼミ 神学Ⅰ 三位一体論神学の語彙の形成 指導はイタリア人の聖霊論学者M修道女。三位一体論神学の形成において重要な思想家の著作にあたり、その語彙を見ていく。扱った作品は、以下のもの。 アタナシウス『アリウス派駁論』 アウグスティヌス『ヨハネ書講解』 テルトゥリアヌス『プラクセアス駁論』 ポワティエのヒラリウス『教会会議、もしくは東方人の信仰』 オリゲネス『ヨハネ書講解』 ニュッサのグレゴリウス『三神にあらず』 ナジアンゾスのグレゴリウス『御生誕の説教』 アウグスティヌス『三位一体論』 サン・ヴィクトールのリカルドゥス『三位一体論』 トマス・アクィナス『神学大全』 道徳学 金融倫理 指導はイタリア人の経済史学者M神父。教会史として経済史を概観した後、金融関連の教皇庁文書を読んでいく。 高利と正当な利子を区別することなく経済・金融活動に難色を示してきたカトリック教会だが、第二ヴァティカン公会議後、無視できない人間現実としてやっとこれに正面から向かい合うようになった。その流れで、道徳神学の一環として「金融倫理」なるものが教えられるようになったらしい。
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No.001『Fで始まるやつ』 「野比ぃ! 廊下に立っとれ!!」 先生の罵声が学校中に鳴り響き、僕はバケツを持たされ、教室の外に叩き出される。 理由は簡単。テストで0点をとったからだ。 「またのび太が立たされた。 やーい、やーい立たされのび太~♪」 ジャイアンが僕を馬鹿にする。 続けてスネ夫が、僕に追い討ちをかける。 「いつもの事だよ。 いっそのこと、幼稚園からやり直せばいいのにね。」 教室から、ドッと皆の僕を嘲る様な笑い声がする。 確かに、廊下に立たされ屈辱を味わうのはいつもの事だ。 だが、いつもの事といって馴れるものでもない。 正直苦しい。 「あ~あ。この世にテストや学校が無ければなあ」 僕はそう呟き、いつもの様に六時間目の授業を廊下で過ごす。 そしていつもの様に六時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。 僕はこの毎日の繰り返しに嫌気がさしていた。 「ただいま。」 学校から帰った僕は、真っ直ぐ部屋に向かい横になった。 ドラえもんが居ない事は分かっている。 最近新しい猫との付き合いが出来たらしい。 「あ~あ。変わらない日々……。嫌いじゃないけどなんだか嫌だなぁ。」 きっと僕は明日も学校へ行き、怒られて笑われてというループを無限に繰り返すのだろう。 ゴールの見えないマラソン、15回規定の無い延長戦。 本当にうんざりだ。脱出したい。 しかし、そこまで考えて僕は気づいた。 考えるだけでは何も解決しない。僕は今まで何をしてきた?いや、何もしていない。 この毎日は日々の怠惰の結果。しょうがない事。 だがそこで諦めてはいけない。前に進めない。 よし。今日からやろう! この不毛な繰り返しをぶち壊そう! そのためにはまず宿題をして……。 「グー……。グー……。」 そこでいつもの如く僕の意識はブッ飛んだ。 「ムニャムニャ……ん? 今何時……?」 その数時間後、僕は目覚めた。 僕の完全な寝惚け眼は、手に取った時計が七時を告げているのを映し出した。 「七時!?いかん!ポケモンが始まる!!」 そこで僕の頭のスイッチは完全にオンに切り替わった。僕はやかましく階段をかけおりる。 さっきの決心などとうに忘れていた。 僕は驚異の速さで居間にたどり着き、襖を開いた。 先客のドラえもんがテレビの前で座っている。 ポケモンは既に始まっていた。 「やあ、のび太君。帰ってたの?」 僕は「うん」とだけ頷き、テレビの前に座る。 画面の前で生き生きと輝く登場人物やポケモン達……。それを見てるだけで心が癒される……。 マンネリ化した僕の生活とは違った物を与えてくれている……。 しかし、至福の時が終わるのは早い。 気づいたら、もう次回予告。お楽しみはまた来週へと去ってゆく。 「終わったね……。」 ドラえもんが感慨深げに呟く。 僕はまた「うん」とだけ言っておいた。 「のびちゃーん、ご飯よー。」ママの声が聞こえた。 「のび太君、ご飯らしいよ。行こう。」 「うん。」 夕御飯か。ピーマン出てきたら、やだな。 僕は夕御飯の餃子をたいらげ、自分の部屋に向かった。 風呂に入り歯を磨き床につく。いつもの事だ。 何ら変わりは無い。 「のび太君、おやすみ。」 そしてまたドラえもんがいつもの押し入れの二階で寝るのもいつもの事。 そして僕もいつもの様に布団に潜る。 しかし、今日は一つだけいつもと違っていた。 眠れない。 そこで僕としては珍しく、今日の事をおさらいしてみた。 「ええと……。 まず、家を出て宿題忘れて立たされて給食残して怒鳴られて……。」 悲惨と人は言うかも知れない。しかし、これが僕の日常だ。 僕は今日の反芻を続ける。 「スネ夫に馬鹿にされて……ジャイアンにジャンピングネックブリカーを食らわされて……。 家に帰って昼寝して……。 ポケモン観て餃子食って……」 いいことと言えばポケモンを観たことと晩御飯が餃子だった事だけだ。 つくづく僕には良いことが無い。 それ以上考えても、嫌なだけなので別の事を考える事にした。 「それにしても今日のポケモンは凄かったなァ。 はぁ、この世界にポケモンが居たらいいのに……。 ……………そうだ。」 僕はここであるアイデアを思いついた。 この方法を使えば、今日の現状も打破出来るかも知れない。 そうと考えてから僕の行動は早かった。 気配を絶ち、ドラえもんが寝ている押し入れの襖を開け、玩具箱をガチャガチャとあさり、目当ての物を取り出す。 「あった!スペアポケットだ!」 半月型の袋を取り出し、僕は言う。 更に僕はその中から目当ての道具を探す。 「あれはあるかな……?あ、あった!」 袋の中から明らかに開け口の面積を越えた箱を取り出す。 それはドラえもんが「もしもボックス」と呼んでいる物だった。 道具の説明はするまでも無いだろう。 僕はその中に入って高らかに言った。 「もしもこの世界にポケモンが居たら!」 するとボックスの外の景色が歪み出した。 「おおおっっッ!!」 僕は期待の声を上げたが、景色はすぐに元の状態に戻り始め、それは完全におさまった。 辺りはシーンとして一見、何も変わっていない。 とりあえず、僕はボックスの外に出ることにし、それをやった。 外に出ても、別に変わった気配は見られなかった。 「本当に変わったのかなあ……? 実感がないんだけど」 僕は一瞬もしもボックスの効果を疑い、外に出て本当に効果を発揮したのか確かめようとしたが、それはヤボなことと思い、止めた。 「とにかく、この世界はポケモンの世界に変わった! よし!明日を楽しみにして……」 僕は寝た。 希望に満ち溢れた明日を夢見て……。 No.002『DREAMS COME TRUE』 「ジィリリリリリリ!!!!」 僕の部屋に凄まじい音を立て、ベルが鳴り響く。 うるさい。僕はもう少し寝たいんだ。ほっといてくれ。 「……タクン……びた君………のび太君……!!」 誰かが僕の体を揺する。 きっとドラえもんだろう。 タイマーは余裕を持つため七時に設定してある。 登校時間まで、まだ一時間以上ある。 五分くらいいいじゃん。 「ん……。まだ七時だよ……あと五分……。」 僕は起きるのが嫌で布団に潜り込む。 すると、突然僕の体を覆っていた布団が取り上げられ、特徴のあるダミ声の叫びが聞こえた。 「ふざけるなぁッ!!! もう八時だぞ!遅刻だぞ!」 「えっ!」 僕は慌てて時計を掴む。 その短針は確かに八時を告げていた。 そこで僕の眠気は一気に覚め、それは先生への恐怖に次第に変わってゆく。 「ちッ、遅刻だあああああああ!!」 僕は跳ね起き、急いで服を着替える。 靴下が左右で違うやつだったけど、気にする暇は無い。 階段を転げる様に下り、台所のパンを一枚失敬してそれを食べながら学校へダッシュする。 僕は昨日の事など全て忘れてしまっていた。 キーンコーンカーンコーン。 一時間目の授業を告げるチャイムが鳴る。 僕がそれを耳にしたのは校庭を突っ切り、校舎に向かう途中だった。 「うおあああああああ!!!!」 最後の力を振り絞り僕は下駄箱へ向かう。 その時間、実に30秒。 ちなみにその距離100m。 僕は下駄箱を通過し、二階の教室へ向かう。 「やった、教室だ……。」 長かった……。疲れがどっと出る。これだけ頑張ったんだから、先生も許してくれるだろう。 教室の扉まであと2、3m。 「えーと……ここは……こうであって……。」 先生の声も、微かながら聞こえる距離だ。そいや、一時間目って何の授業だっけ。 まあ、思い出してもさほど意味はないと思い、僕は先生という名のモンスターがいる教室へ、一歩を踏み出した。 「ええと、次の問題は……誰に当てようかな……。」 「おはようございます」 僕は引き戸をガラリと開けた。皆の視線が僕に集中される。 先生は僕を見てニヤリと笑う。 あれ、おかしいな。いつもは鬼人の如く怒り始めるのに。 僕はとりあえず愛想笑いを返してみた。 歯を磨いていなかった事に気づいた。 先生は言った。 「野比君、いいタイミングに来たな。この問題は君に解いてもらおうか」 最悪のタイミングに来てしまったようだ。 先生は意地悪だ。いきなり来た僕がいきなり頭が良くなっていきなり問題を解けるハズないだろ。 「ええと……あの……そのですね……。」 僕は何か言いたそうにモジモジする。 何の解決にもならない事が分かっていながらもモジモジする。 しかし、それは先生の気に触ったようだ。先生の雷が落ちた。 「野比ィ!さっさと解かんか!」 「は、はいィィ!」 僕はイソイソとチョークを取り、先生へ聞こえないよう、愚痴を溢しながら黒板へ向かう。 「突然なのに僕に解ける訳が……」 ここで僕の言葉は中断した。 信じられない。何だ、これは。ここは学校だよね? 僕はそう思った。 黒板には、こう書いてあった。 『ライボルトが、ラグラージに「かみなり」で攻撃したとき、ダメージはどうなるでしょう。』 ライボルト?ラグラージ?ポケモン? 僕の頭が混乱しだす。 「何だ!?野比君解けないのか?」 先生が、また同じセリフを繰り返す。 書けるよ。書けるよ。書けますよ。 でもさ、学校でさ、なんかあれでしょ、あれ。 「野比ィ!」 「はい!!!!!」 先生の喝が飛ぶ。 もう、どうなっても知らないぞ! 僕は黒板に、『ダメージは無し』と書いた。 書いた後、僕は恐る恐る先生の顔色を伺おうとした。その時、 「ハッハー!のび太の奴馬鹿だぜぇ! こないだ習ったタイプの相性も分かってねぇ! ラグラージは水タイプだから『効果は抜群』だぜぇ!」 ジャイアンが言った。 しかし、先生の反応は違った。 先生は、「うん」と頷き言った。 「よし、野比君、正解だ。席につきたまえ。 後、剛田、いつも見掛けで判断するなと言ってるだろうが!」 「えっ?なんで?」 ラグラージは、水・地面タイプだよバーカ。 僕は怒られるジャイアンを見て、心の中で呟いた。 僕は鞄を置き、席に着く。 すると、気分も冴えてきて昨日の事を思い出してきた。 やっぱり、『もしもボックス』の効果は発動していたらしい。 あの問題はそのためだろう。 と、するともしかして……。 僕は席が隣であるスネ夫に一つの疑問をぶつけてみた。 「スネ夫、この世界にポケモンっているよね?」 僕がそう訊くと、スネ夫は何か異様な物を見る目付きでこっちを見、答えた。 「は?何言ってるの? たくさんいるじゃん。」 キター! 僕は嬉しくてたまらず、子踊りを始めた。 スネ夫は小さく、「ついに頭がおかしくなったか。」と呟いた。 「えへ、えへ、えへ、えへへへへへへ。」 僕はその日一日、気持ち悪い笑いが止まらなかった。 今日は全てが上手くいった。 僕のポケモンの知識はピカイチで、先生が出す問題も全て余裕。 マジで気持ちよかった。 しずかちゃんも僕を凄いと言ってくれた。 そして、時間は終礼の時間。そのチャイムが鳴り、僕は席につく。 すると、先生の話が始まる前に前列から何かの紙が配られてきた。 それには大きな太文字で、こう書いてあった。 『トレーナー試験ついに開催!!!』 「トレーナー試験?なんじゃそりゃ?」 僕は首を捻った。 考えても分からなかったので、とりあえずまたスネ夫に聞いてみることにした。 「スネ夫ー。トレーナー試験って何?」 スネ夫はまた、先程と同じ様な反応を見せ、ボソリと言った。 「トレーナーになるための試験だよ。 僕達は、今年から受験資格があるんだ。 だから参加用紙が配られてきたのさ。」 「えっ?トレーナーになるためには試験がいるの?」 「当たり前じゃないか。 そんなのも知らないのか?」 僕はスネ夫の言葉に耳を疑った。 ゲームではそんなイベントなかったぞ。 スネ夫は続ける。 「今年から僕も試験を受けるんだ。 受かったらアイドルトレーナー!かっこいいじゃないか。」 この身長でアイドル? 僕は吹き出してしまった。 しかし自分に酔いしれて、スネ夫は僕が吹き出した事に気づいていない。 僕は聞いた。 「僕でも受けられるの?」 すると、突如スネ夫は現実にカムバックしてきて、僕に冷たく言い放った。 「のび太が?プフフフフ……。 無理に決まってんじゃん。 受けたとしても、一次試験で足切りだよ。 まあ、多分僕も今年は無理だろうけどね。」 僕はスネ夫に腹が立ち、会話はそこで打ち切った。 しかし、僕は密かに決意していた。 トレーナー試験を受けてやろうと。 終礼直後、僕は脱兎の如く教室を飛び出した。 家までノンストップで走る。 右手には一枚の紙を握りしめながら。 「ただいまぁッ!!」 僕は勢いよく靴を脱ぎ散らかし家に入る。 ママは何処だろう。台所かな? 僕は台所に向かった。 案の定ママはそこにいた。 僕はママに一枚の紙をつきつけた。 「ママ!僕、トレーナー試験受ける! 僕、トレーナーになるんだ!」 No.003『PADDLE』 ママは面食らった表情で参加用紙と僕の顔を二、三回見比べる。 そしてママは僕に一言聞いてきた。 「本当にトレーナーになりたいの?」 「うん。」 ママの無粋な質問に、僕はとりあえず頷いておいた。 ママは携帯のバイブの様に、プルプルと震えだす。 「たっ、大変だわ………」 そう言うとママは台所を飛び出し、居間へ向かった。 何がなんだか分からないけど、僕もとりあえずその後を追った。 居間にはドラえもんが居た。どら焼きを食べながら、電波少年の再放送を見ている。 「ドラちゃぁーん!!!」 ママは突如、ブレイクタイム中のドラえもんに抱きついた。 何故だか知らないけど、目には涙を浮かべている。 僕、何か悪い事したっけ? ママはドラえもんに言う。 「のびちゃんが……のびちゃんが……トレーナーになるって言うのよ!」 「なんだってーー!!!ウッ、ゴホンゴホン!」 ドラえもんは驚きの余り、どら焼きを喉に詰まらせた。 何故そんなに皆驚くんだろう。とりあえず、僕はその訳を聞いてみた。 「ねえ、何でそんなに驚いてるの?」 僕の言葉がよっぽど奇妙だったらしい。 ママとドラえもんは僕の顔を見つめ、丸い目を更に丸くする。 この世界の常識ってイマイチ掴めないなあ……。 少しの間、水をうったような静寂が走る。 なんだよ、本当に。 そして三秒後、関を切った様に二人の言葉はマシンガンの様に返ってきた。 「のびちゃん、頑張ってね!ママ、応援するから!」 「のび太君!僕は嬉しいよ……。やっと僕の心が君に伝わったんだね……。ウッ、ウッ。」 「よし!今日はのびちゃんの好きなハンバーグを作るわ! 後、パパにもこのことを知らせなきゃね!」 え?えっ?えっ!? ドラえもんは泣き出しママは狂った様に喜びだした。 本当に何がなんだか分からない。 僕は、取り残されたような気分でちょっとなんかアレだ。 混乱している僕を尻目に、ドラえもんは言った。 手には何故か参加用紙が握られている。 どうやらいつのまにか僕のをひったくってたらしい。 「よし!僕は今から申し込みの電話をしてくるよ! ママさんは夕飯の準備、お願いね。」 ドラえもんは電波少年そっちのけで居間を飛び出す。 「なんなの?本当に。」 訳の分からぬまま、僕はまたもその後を追った。 「ガリガリガリガリ、ガリガリガリガリ」 僕がドラえもんに追いついた時、彼は既にダイヤルを回してしまっていた。 「ドラえも……」「シーッ!」 僕が話しかけようとすると、ドラえもんは「静かに!」のジェスチャーをしてきた。 目が完全に「黙れ」と言っている。 とりあえず僕は黙る。 「もしもし……、ええ、あ、はい……。二人です……」 電話が繋がり、ドラえもんは何者かに何かをしゃべっている。 ドラえもんの会話は続く。 「ああ、はい。10才です。 三日後ですね? ええ……分かりました。明日に書類を送りますね。それじゃあ。」 ガチャン! ドラえもんは電話を切った。 とりあえず僕は「トレーナー試験」が如何な物であるのか聞いてみようとする。 「あの……ドラえもん……?」 「あ、のび太君。申し込みはちゃんとしておいたから。 いやーのび太君がまさかトレーナーになりたいと言い出すとは思わなかったなぁ。 あ、ついでに僕も出るから一緒に頑張ろう!」 ……会話は成立しなかった。 ドラえもんはスキップしながら、ルンルンと二階に上っていった。 またもや取り残された僕はその場に立ち尽す。 受けようとは言ったものの、結局「トレーナー試験」について、色々な事が謎のままだ。 ただ、スネ夫やママやドラえもんの言動から、それがこの世界ではかなりメジャーなものということは読みとれる。 そして、それを受ける事によってママが喜んでくれる様な物であることもわかった。 「とにかく、この世界の常識みたいな物だから、他人にとやかく訊くのはマズイな……。」 そこで、僕は偉大なるネットの力を借りる事に決めた。 僕の部屋の向かいの部屋。 1980年代の原作では物置になってるらしいが、今は2007年代。 「置き場が無いから」という理由で我が家のパソコンはそこに据えられた。物置というのに変わりは無いが。 「うんしょっとぉ!」 僕は使われなくなった家具の山を越え、パソコンというゴールを目指す。 途中で何度も体を擦り剥き、頭を打ちながらもなんとかパソコンまで辿りつくことが出来た。 僕は家具の山から適当に椅子を一つ引っ張り出し、それに座ってパソコンの電源を入れた。 そしてYahooの検索画面に検索ワードを打ち込む。 ブラインドタッチが出来ない僕は人差し指一本でキーボードを叩く。 「ええと……。トレーナー試験っと。」 僕は検索ボタンをクリックした。 「うわあああああ…………。」 膨大な量の検索結果が出てくる。 思わず僕は呟いた。 「凄いや……」 圧倒的な知名度に僕は少し驚きを隠せない。 しかし、気圧されていても仕方ない。 とりあえず、検索結果の一番上にあるサイトを開き、僕はそこからトレーナー試験の情報を得る事にした。 そこを開くと、いくつかの項目が目に飛び込んできた。 とりあえず、「トレーナー試験の意義」の欄をクリックしてみた。 僕はそれを読む。 「ええと……。なになに……? 『以前、トレーナーの増加によるポケモンの虐待、及び絶滅寸前のポケモンの乱獲、ポケモンを使った犯罪は増加の傾向にあった。 これの原因はトレーナーの質の低下に因るものが大きかった。 昔は子どもから大人まで誰でもいつでも、職業としてのトレーナーの資格を簡単に手に入れる事が出来ていた。 自由に各地のジムを渡り歩く事が出来たが、同時に資格を持ったトレーナーによるポケモンを利用する犯罪が世の中を台頭してきた。 その為、我がポケモン協会はトレーナーの職業性を廃止するにあたった。 しかし、大多数の要望により数年後、廃止は取り止められた。 そしてその代わりにトレーナー試験というものが出来、それから今に至るまでそれは存続している。』 ふーん。トレーナー試験ってこんなルーツがあったんだ。」 僕は感心し、呟く。 僕は次の項をクリックした。 その欄には、「トレーナー資格による特権」と書いてあった。 「ええと……。 『1・現在、法律では「営利目的」でのポケモンバトル、複数のポケモンの育成を禁止しているが、トレーナーの資格を持った者はこの限りではない。 2・ポケモンセンター等の宿泊施設及び、リニア等の公共機関をいつでも無料で利用してよい。 3・ポケモンを自由に捕獲、交換してよい。 4・一般人の立ち入り禁止区域、危険区域に入る事が出来る(ジョウトのシロガネ山等) ………etc。』 トレーナーって凄いなあ。」 特権が多すぎて、全ては詳しく読めなかったが、とりあえずトレーナーという物が優遇されていることはわかった。 トレーナーの実体がわかったところで、最後の欄を開く。 「ええと………? 『トレーナー試験の実体』? 『毎年、全国の各会場でトレーナー試験が行われている。 試験は一次から四次試験まであり、その全ての課題をパスしたものだけがトレーナーの資格を手に入れる事が出来る。 ちなみに今年は記念すべき、第50回大会。』 五十回?凄いなあ!」 歴史の深さを感じ、僕は感嘆の声を漏らす。 続きがある様なので、とりあえず次のページも閲覧することにした。 「ええと………? 『トレーナー試験の「試験官」は毎年適任と思われるトレーナーが各地方の試験会場にランダムで送り込まれる(だいたいが、ジムリーダーやバトルフロンティアのトレーナーであるが)。 試験課題はその試験官に全て一任される。 ちなみにトレーナー試験は世界の資格の中でもトップクラスの難関。 ポケモンと触れ合う事が目的の子供や老人も参加している為もあって、その倍率は5000倍を越える。』 …………5000倍!?」 親戚の叔父さんから聞いたけど、司法試験の倍率は確か50倍。 単純計算で、司法試験の100倍も難しい事になるじゃないか! ママやドラえもんがあんなに狂喜した訳がやっと分かった。 自分の息子が、弁護士や医者になりたいといえば、両親は間違いなく喜んでくれるだろう。 余りの倍率に僕はガタガタと震えだす。 無理だ。なんなの5000倍って。 30人のクラスでも一番下の方なのに……。 僕は絶望の余りキーボードに突っ伏す。 諦めようかな? そんな考えが浮かんでくる。 5000倍という現実に、僕の心は完全に折られてしまった。 「ハァ……。」 僕は浮かない顔で部屋に戻る。 帰宅時のワクワクとした希望は今の僕には少しも無かった。 そして僕はいつもの様に現実逃避の為に枕を取り出す。 「おやすみ……。」 そして僕は夢の中に逃げ出した。 どれ程の時間が経ったのだろう。 ママの僕を呼ぶ声で目が覚めた。 「のびちゃーん!ご飯よぉー。」 呼ばれて、僕は寝惚け眼を擦り浮かない顔で階段を降り、台所へ向かう。 駄目なんだ。僕の心はもう……。 台所に入ると豪勢な料理が僕を待っていた。 ママが頑張ってくれたのだろう。 パパも既に帰ってきていた。 パパが言った。 「のび太、試験を受けるのか?」 僕は「うん」とだけ答えた。 パパはまた言う。 「パパもな、昔トレーナーになりたくて何度も何度も受験したんだ。 でもな、俺は無理だったんだ。 そこで俺の挑戦は途絶えてしまったんだ。」 「そうなんだ……。」 僕は目の前の不合格者を見て更に気落ちする。 しかし僕の言葉を聞いてか聞かずか、パパは続けた。 「でもな、のび太。 俺の夢はまだ途絶えた訳じゃない。 俺は嬉しかったよ。お前がトレーナーになるって言ってくれて。 俺の夢は次なる世代、つまりお前に受け継がれたんだ! まあ、確かに試験だ! 受かる人もいれば落ちる人もいる! しかし、それにドーンとぶつかってゆけ! 男の子だろ!」 僕は頭をガーンと殴られたような衝撃を受けた。 そうだ。倍率5000倍がなんだ。男なら立ち向かわねばならない。 僕は間違っていた! 自然と目から一筋の滴が流れる。 先ほどまでの自分の情けなさ、ふがいなさがそうさせる。 「どうした?」 パパが突然泣き出す僕を不思議に思い、聞いてきた。 僕は 「ううん。なんでもない」 そう言い、涙を拭くと夕飯を口の中にかき入れた。 「今年は無理でもいい! 絶対トレーナーになってやる!」 僕は一層強い決心を固めた。 茶碗を台所に出すと三日後に控えた試験の為に、部屋で僕は勉強を始めた。 いつもと違って、今日は眠くならなかった。 いつもと違って。 次へ
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パロ作品 ジャイアン「のび太!釣りしに行こうぜ?」 作者「99◆zF5sSu3Ubw」 この作品を読む 指定したページに飛ぶ 感想などコメントをお書き下さい 名前 コメント
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ドラえもん のび太のドラビアンナイト 【どらえもん のびたのどらびあんないと】 ジャンル アクション 対応機種 PCエンジン(Huカード/スーパーCD-ROM2) メディア 4MbitHuカード/CD-ROM1枚 発売元 ハドソン 開発元 ナウプロダクション 発売日 (Hu)1991年12月6日(SCD)1992年5月26日 定価 (Hu)5800円(SCD)4800円 判定 なし ポイント アクションゲームとしてはごく普通の出来ドラえもんのリアクションが楽しいHuカード版はドラえもん以外のキャラが空気 ドラえもんシリーズ 概要 主なルール 評価点 問題点 総評 概要 1991年に上映された同名アニメ映画のゲーム化にあたる。メインジャンルはスタンダードな横スクロールアクションである。 他のアクションゲームとしてのドラえもんゲー同様にプレイヤーキャラはドラえもんが担当する。のび太など他のキャラはイベントシーンで登場するのみに留まる。 Huカード版とスーパーCD-ROM2版のマルチリリースとなっている。当時のPCEは同じゲームをHuカード、CD-ROM2系の2メディアにて発売する事が時折あった。 SCD版はHu版の上位バージョンの位置付けにあたる。ゲーム内容自体は両者共に特に相違はない。なお、SCD版の方が販売価格が1000円程安い。 SCD版限定として「アニメシーン導入やアニメキャストによるイベントフルボイス化」「エンディングに映画版のテーマソングが流される」といった演出が追加されている。 本作の約2年前に同じPCEソフトとして『迷宮大作戦』がリリースされたが、それとはストーリーはおろか、ゲームシステムも完全に別物化している。 よって、本作は単にドラえもんを題材とした単独のゲームである。 なお、PCEのドラえもんゲーは本作が最後のリリースとなった。 主なルール 一人プレイ専用。全5ステージ(17エリア)構成。 操作系統。 方向キーにてドラえもんの移動操作。ボタンは各自、攻撃ボタンとジャンプボタンに使用する。 方向キー左右で前後移動。 方向キー下でうつぶせ動作。キー斜め下でうつぶせしながらの前後移動もできる。ただし、うつぶせ中は一切の攻撃ができない。 攻撃ボタンを押すと今装備している武器型道具(下記)の攻撃を行う。 ジャンプボタンでジャンプ動作。ボタンの押す長さによってジャンプ距離が変わり、ジャンプ中に方向キー左右である程度の移動調整が可能。ジャンプ中の攻撃も可能。 時折道端に根っこが植えられている。それに接近して方向キー下 + ジャンプボタンを4回押すと、根っこを抜き埋められた"ドラ焼き"が入手できる(*1)。 洞窟や部屋の入り口などがある場面で方向キー上を押すとその中に入れる。 エリアによっては水中での戦いとなる場面がある。ここでの操作は方向キーでドラえもんの移動、攻撃ボタンで攻撃となる。うつぶせなどの操作は水中では行えない。 SELECTボタンを押すとひみつ道具一覧リスト画面へ切り替わる。この画面では今所持しているひみつ道具の確認や装備・使用などが行える。RUNボタンを押すとポーズができるが、一覧リスト画面もポーズの機能も兼ねるので、RUNボタンの使用意義はあまりない。 その他、状況によっては「崖上の段差をよじ登る」「キノコに乗って大ジャンプ」などの特殊動作を要する場面がある。 ステージ構成について。 本作は最終を除く各ステージが4つのエリアに分かれており、該当エリアをすべてクリアしないと先のステージへ進めない。 各ステージの1~3エリアはゴールポイントであるどこでもドアをくぐればクリア。4つ目のエリアは奥に待ち構えるボスを倒せばそのステージがクリアとなる。 ステージ5(最終)はエリアが1つしかなく、エリアの奥まで進めばラスボス戦となる。 本作は一本道のステージセレクト制を採用しており、先のエリアに進むだけでなく前のエリアへの後戻りも行える。 一度クリアしたエリアはステージMAP画面にて再挑戦が可能。ただし、初回のステージ5だけは強制進行となり、ステージMAP画面に戻る事はできない。 エリアが始まるとドラえもん後方にどこでもドアが置かれている(初回のステージ5は例外)。これにくぐればステージMAP画面に戻れるがクリア扱いにはならない。 初回のステージ5をクリアし、エンディングを迎えた後にタイトル画面に戻ってコンティニューすると、ステージ5を含むすべてのエリアが再挑戦可能となる。 ひみつ道具、及びアイテムについて。 ドラえもんには多種多様な「ひみつ道具」を複数所持する事ができる。 ゲーム開始時ではショックガンのみの所持だが、エリア内の様々な場所に配置されているアイテムを取得する事により、所持できるひみつ道具の数が増えていく。 手に入れたひみつ道具の多くは一覧リスト画面に追加表示され、その中の武器型・消費型道具に関してはその中から選択(装備・使用)する事が可能。 入手できる道具は主に「武器型」「消費型」「自動型」「即効型」「ネタ型」の5つの分類に分けられる。 「武器型道具」は装備する事でドラえもんの攻撃として使用できる。使用回数はすべて無制限で好きな時に武器型の切り替えが可能。 「消費型道具」は使用するとその道具が消費されてしまう。所持中の道具と同じ効果のアイテムを取った場合、強制的に効果が発揮されるが所持分はそのまま残る。 「自動型道具」はエリア内の特定場所に近づくと自動的に効果が発揮される。使用回数は無制限。 「即効型道具」は取得した時点で効果が発揮される。他のアクションゲームでいうところのアイテム効果とほぼ同じ感覚といえる。 「ネタ型道具」は何かしらのお遊び演出が拝めるだけで、特にゲーム的な意味での効力はない。 登場する主なひみつ道具(アイテム)の種類は以下の通り。 + ひみつ道具一覧 攻撃型道具 ショックガン 初期装備。前方1方向に連射可能で一部の敵の動きを止める弾を発射する。攻撃力は低く、敵によってはダメージすらも与えられない場合がある。 くうきほう ステージ1内にて入手可能。前方1方向に強力な弾を発射する。連射は効きにくいが、攻撃力が高く敵によっては前方に吹き飛ばせる(一撃で倒せる)性能も持つ。 アタールガン ステージ1ボスを倒すと入手可能。ドラえもんの近くにいる敵にサイトが表示され、攻撃するだけで誘導弾がサイトを追尾してくれる。しかし、連射が非常に効きにくい上に、弾の動きが鈍いという欠点も持つ。 ヒラリマント ステージ2ボスを倒すと入手可能。敵や敵弾を画面外へと吹き飛ばす近距離専用のマント攻撃。他の武器型道具に比べリーチが著しく短いものの、吹き飛ばした敵を他の敵に当てて倒す事ができる。 ? ラスボス戦途中で入手可能。ラスボス戦でしか使用できない特殊な武器型道具。ネタバレの可能性があるので名称と性能の説明は割愛。その性質上非常に強力な攻撃だが、ラスボス戦を抜けると一覧リスト画面から消えてしまう。 消費型道具 タンマウォッチ 使用すると一定時間敵の動きが止まる。 バリヤーポイント 使用すると一定時間ドラえもん周りにバリアが張られ、触れた敵を吹き飛ばせる。ただし、完全無敵ではないので状況によってはダメージをうける可能性あり。 バリヤーオマモリ 使用すると一定時間完全無敵になる。しかしその反面、バリアーポイントとは違って敵を吹き飛ばす効果はない。 ぎゃくどけい ライフがなくなった時、1度だけライフが全回復する。ただし、持っているだけでは効果が無く、あらかじめ使っておかなければならない。 プカリクリーム 使用すると水面のある地形に溺れずに浮かぶ事ができる。使用したエリアを抜けるまで効果は続く。 いなずまソックス 使用すると一定時間移動速度が速くなる。また滝の急流を登れる効果もある。 自動型道具 しんかいクリーム 水中エリアにて効力が発揮される。通常は移動にクセが発生してしまうが、これを持っていると水圧の抵抗を受けにくくなる。 オールマイティパスAオールマイティパスB AとBの2種類が存在し、通常ではお目にかかれない特定のひみつの扉が開かれる。AとBによって開かれる扉に相違があり、両方持っているとすべての扉が開く。 かいそくシューズ 砂漠エリアにて効力が発揮される。通常は移動にクセが発生してしまうが、これを持っていると移動がしやすくなる。 スーパーてぶくろ ステージ3ボスを倒すと入手可能。壷や壁などに近づくと自動的にそれを破壊する効果がある。 カラオケマイクチアガールてぶくろガードセット 説明書にてその効力が書かれていない自動型道具。諸事情により効力の詳細は割愛。 即効型道具 タケコプター 一定時間空中への高速飛行ができ、完全無敵ではないものの敵を体当たりで倒せる効果も付く。時間を越えると強制的に地面へ落下する。 クイック 一定時間移動速度が速くなり、タケコプター同様の敵体当たり効果も付く。 ドラ焼きフルパワー 前者はライフが1回復、後者はライフが全快する効果。 1UP2UP 前者は1UP、後者は3UP(*2)する効果。 ランダム 何かの消費型道具がランダムで入手できる。 ミニゲーム 「あみだくじ」「たからさがし」「シャッフル」のミニゲームのいずれかが発生し、その結果によって何かの即効型道具が入手できる。 ネタ型道具 道具の一例としては「水中はなび」「オトコンナ」などがある。ゲーム的な意味での効力はないのは前に述べた通り。 ミス条件について。 ライフ制と残機制を兼ねており、ライフが0になると残機を消費してステージMAP画面に戻されてしまう。 ドラえもんの最大ライフ値は常時4、消費ダメージは如何なる敵ダメージでも1で固定となる。 エリア(ステージ)をクリアしても、消費したライフは一切回復しないままでステージMAP画面に戻される。 本作には原則として即ミスする様な落とし穴は存在しない。水辺に落ちて溺れてもミスではなくダメージすら受けないため、近くの足場に移動すれば復帰できる。しかし例外として、一部のエリアに設置されている流砂(何も操作しないと下に沈んでしまう)にはまると即ミスしてしまう。また、あるステージに存在する、降りてくる壁に潰された場合も、即ミスになる。 エリア(ステージ)クリア、もしくはミス後の復活時でも、一部例外を除けば所持している一覧リスト画面のひみつ道具はそのまま引き継がれた状態で再開できる。 評価点 アクションゲームとしての土台はしっかりと作られている。 際だって完成度の高い内容ではないものの、プレイヤーを問わず手堅く遊べるアクションゲームといった印象。 様々なひみつ道具を駆使して、バリエーションに富んだエリア(ステージ)を攻略するのが楽しい。キャラゲーだからといって作りの手は抜いていない。 比較的低めの難易度ではあるが、ゲームバランスの調整はなかなかのもの。 極端な難易度の偏りは皆無で、先に進むにつれ正当に難しくなっていくという流れ。確実にプレイヤーの腕前がオールクリアへと近づく模範的アクションゲーム。 「難しいエリアでも消費型道具の多用で切り抜けられる」という、極端に難易度がぬるくなりすぎない程度の救済措置が与えられているのも嬉しい。 前作の『迷宮大作戦』では目立っていた、ゲームとしての深刻なマンネリが大幅に改善が成されたのも評価したい。 何気に操作性が良質な部類。 キーレスポンスはかなり軽快で、操作性の悪さによる無駄な苦戦を強いられずにドラえもんを動かせるのは美点である。 意外と思われるかもしれないが、当時のナウプロダクション開発のアクションゲームは操作性が良い作品が多い(*3)。 「ドラえもんらしさ」を表現したグラフィック・BGM周り。 当時のPCEの中でもグラフィックの書き込みは非常に優秀、かつ映画版の世界観を上手く表現できているのは純粋に素晴らしい。 SCD版では映画版を彷彿とさせるビジュアルシーンもあり、より映画版に近い雰囲気が堪能できる。 ゲーム中のドラえもんのリアクションがやけに豊富で動かしているだけも楽しい。 事ある度に変化のあるリアクションがあり、ドラえもんに愛着が沸いてくる。この辺は良い意味でキャラゲーライクといえる。 BGMのクオリティも非常に高く、ゲームを盛り上げてくれる。 なお、『迷宮大作戦』とは違って「ドラえもんのうた」を良アレンジしたメインステージBGMは存在せず(*4)、オリジナル楽曲がメインとなっている。 問題点 プレイが長期戦になりがち。 『迷宮大作戦』にあったセーブ・パスワード機能が本作には一切存在しない。 他のアクションゲームに比べ迷路的な道のりの場面が多く、1エリアあたりのクリアが長めになりやすい傾向にある。 そういった環境の全17エリアをぶっ通しでプレイしなければならないのが地味にきつい。なお、SCD版のみではあるが裏技でステージセレクトができる救済処置はある。 ミスしてしまうとステージMAP画面に戻されてしまうのも長期戦に拍車をかける。 特にボスのいる各ステージの4つ目のエリアは他エリアと比べさらに長い道のりになる事が多く、ボス戦前後でミスするとかなりだれてくる恐れがある。 幸いにも(?)ボス自体は全体的に弱いので、そこまで進むと何とかなる事は少なくない。あくまでもボスの行動パターンが理解できればの話だが…。 充実すらもしていないオプション。 オプションの類は全く用意されておらず、一度ゲームをクリアしてしまうとそれ以上のクリア目的が見当たらなくなってしまう。 『迷宮大作戦』では複数の難易度が用意されていただけに、この辺はボリュームダウンしてしまった感を覚えてしまう。 ゲームとしての不備。 ドラミちゃんのミニゲームの1つに、パネルをめくって出た矢印の向きに進んで、最終的に辿り着いたパネルの道具をもらえる、というものがあるのだが、実は 矢印の向きを無視してめくっても何のペナルティも発生しない ため、好き勝手にめくることができてしまい、せっかくの仕掛けが全く無意味になってしまっている。何も書かれていない白紙パネルの存在も意味不明。 2-1には3UPがあり、壁をどうにかできる道具を入手すれば取れるが、ステージを出入りすれば何度でも取れるため、いくらでも残機が稼げてしまい、ある意味ゲームバランスを崩しまくっている。 映画版のイベント演出が薄い(Hu版)。 Hu版のイベントにおいては、誰も会話をせずにキャラのジェスチャーのみの表現になっている。 このため、映画版を知らない人からしてみればどういうストーリーなのかが直感的に分かりにくくなっている。 また、Hu版はドラえもん以外のキャラの登場機会がかなり抑えられており、ドラえもん以外のキャラはほぼ空気といえる絵面となってしまった。 反面、SCD版はフルボイスによる会話とアニメ絵が挿入され、ちゃんとドラえもん以外のキャラもイベントで登場する機会が増えている。 ストーリーやキャラのやり取りを本格的に堪能したい場合はSCD版の方が向いているのは間違いないと思われる。 とはいえ、Hu版も表現としては頑張っているので、アニメ演出よりもゲーム的な表現で楽しみたいというならばHu版の味わい深さも捨てがたい。 アニメのゲーム化においてはあまり珍しい事でもないが、恐竜時代や弥生時代に行くなど、映画版と話の設定が全く違う。原作と同じアラビア世界はステージ4でようやく登場、ボス撃破後原作の王様やアブジル、カシムが唐突に現れるが、あまりにも無理矢理。 とはいえ、アクション重視のゲームなので、よほど映画版ストーリーにこだわらなければ大して気になる問題ではないだろう。 総評 アクションゲームとしての出来はごく普通としかいいようがないレベル。特別凄いというべきものも、クソゲーととれるような酷い部分も見当たらない。 ストーリーを楽しみたいならSCD版、余計な演出抜きで楽しみたいならHu版がおそらくは適任だと思われる。どの道、アクションゲームとしての出来は全く差はない。
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前へ 「よし、よくやったぞ!ナエトル」 バトルで勝てるのかな、と危惧していたのがウソのように辺りのトレーナーを倒していく僕。 性格が似ているせいか、僕とナエトルのコンビネーションは中々のものだった。 『ここを抜ければコトブキシティか』 タウンマップを見て調べる僕。 何せ、僕はダイヤモンド・パールをプレイした事が無いのだ。 『とりあえず進もう。皆に遅れを取りたくないし』 僕がそう考えていた矢先、建物がずらりと並んでいる町が見えてきた。 コトブキシティだ。 ようやく町に着いた僕は、ひとまずトレーナーズスクールに入ってみた。 『なんだ、こんな事ぐらい全部知ってるさ』 今更習う事じゃないな、と感じた僕は、トレーナーズスクールを後にした。 そして僕が町の中心に来た時だった。 「あれは……スネ夫!」 僕の目に映ったのはスネ夫だ。 「あ、のび太じゃん」 丁度いい所に居合わせてくれた。 コトブキシティからは道が三つに分かれていて、どこへ進めばいいかわからなかったのだ。 ゲームをプレイした経験のあるスネ夫ならきっと知っている……そう踏んでの事だった。 それから数分後、僕は東の道を進んでいた。 スネ夫曰く、「東の道に行けばクロガネシティに着く。そこが一番目のジムだ」との事だ。 スネ夫にしては珍しく親切だと思ったけど……。 『今の僕とナエトルなら、ジムリーダーにだって勝てるかも』 僕は急ぎ足でクロガネゲートを抜けていった。 町に着くと、真っ先に耳に入ったのが威勢の良い人の声だった。 炭坑採掘で有名な町と聞く辺り、おそらくその手の仕事の人達の声だろう……。 『なんか、独特な匂いだよな』 僕は心の中でそう呟くと、目的地であるジムへと入っていった。 「ジム戦、お願いします」 僕の目に映ったのは、ジムリーダーのヒョウタ。 「また挑戦者か……いいだろう、受けて立つ」 ジムリーダー認定トレーナーの所を見ると、僕以外の全員の名前があった。 『皆進むの早すぎだろ……常識的に考えて』 僕が心の中で愚痴を吐くと、ヒョウタが1匹目のポケモンを出した。 「いけ、イシツブテ!」 それに合わせて僕もポケモンを繰り出す。 「頼んだぞ、ナエトル!」 初めてのジム戦とあって、僕の胸は今までに無い程高鳴っていた。 「ナエトル、はっぱカッター!」 僕の緊張とは裏腹に、ジム戦は終始僕の優勢で進んだ。 岩タイプのポケモンが草タイプのナエトルに勝てるハズも無い。 「負けてしまったか……ほら、これがバッジだ」 ヒョウタはそう言うと、僕にコールバッジを手渡した。 見事に勝利した僕は、ナエトルを回復させるべくポケモンセンターへと歩き出す。 足取りはもちろん、軽やかにだ。 その後ナエトルの回復を済ませた僕は、ふと窓越しに空を見上げた。 空は夕焼けによって赤みがかかっている。 「あれから大分時間が経ったんだな……」 そう考えると、体中に疲れがどっと押し寄せてきた。 「今日はもう寝ようか……」 ひとまず僕はポケモンセンターに泊まる事にした。 ポケモンセンターはトレーナー達の憩いの場でもあり、宿泊する事も可能なのだ。 ベッドの上で「あぁ、疲れた……」と呟くと、僕は深い眠りへ落ちていった。 皆の手持ち のび太(ナエトルLv15) 「ふわぁーあ……」 朝の日差しを直に受け、不本意に目を覚ます僕。 決して清々しい朝ではなかった。 『まだ眠いよ……』 そう思って僕が二度寝しようと思った時、不意にドラえもんの言葉を思い出した。 『確か最初にチャンピオンになった人が勝ち、だったっけ』 確かマサゴタウンへの道中にそんな話をしていた。 「よし、行こう」 僕は自分に言い聞かせるように呟くと、ポケモンセンターを出た。 町の人曰く、「北の道は自転車が無いと行けない」との事なので、僕は元来た道を戻ることにした。 おそらく、コトブキシティから抜ける違う道を行く事になるハズだ。 「あれは……?」 コトブキシティに戻った僕は、町の北側にナナカマド博士の姿を見た。 その隣には助手と思われる女の子、そしてその二人の前には変な格好をしている奴が居る。 『行かなきゃ!』 僕はボールを握り締め、走っていった。 「さっさと研究レポートをよこして下さい。そうしないとその助手を痛い目に合わせますよ」 変な格好をしている奴の一人が言った。 この状況を危険だと察知した僕は、博士の元へと駆け寄った。 「どうしたんですか?博士」 博士は僕を見ると安心したようで、落ち着きを取り戻して言った。 「君は以前の……。コイツ等はギンガ団、ポケモンを使って悪事を働く連中だ」 博士の言葉にハッとする僕。 『確かこの前、スネ夫がゲームで「鬱陶しいな、このギンガ団」なんて言ってたような……』 僕が考えていると助手と思われる女の子が言った。 「あなた、トレーナーよね?ダブルバトルでコイツ等をやっつけましょ!」 成る程、ポケモンバトルでやっつけるというワケか。 「わかった!いけ、ナエトル」 女の子の方はピッピを繰り出す。 対して、ギンガ団はケムッソとズバットを繰り出した。 それから程なくして。 「くそ!お前達……覚えてろ!」 「我々の邪魔をすると、痛い目見るぜ!」 ギンガ団の二人は小悪党らしい捨て台詞を吐いて去っていった。 話を聞くと、この女の子の名前はヒカリ。 僕の踏んだ通り、ナナカマド博士の助手を勤めているらしい。 「それじゃあ、僕は行きます」 二人に別れを告げると、僕は北の道を行った所にある洞窟へと走っていった。 『ギンガ団……そんなに気にする事じゃないよな』 そう考えた時、僕は既に洞窟を抜けていた。 そして、心地良い風が僕を包む――だが、それも一瞬だけだ。 直後に、ポツリポツリと雨が降ってきたのである。 「ああ、濡れちゃう……」 僕は降り注ぐ雨から逃げるように走っていった。 僕が数分走って着いたのは、至る所に草花が咲いている町――ソノオタウン。 その頃には雨も止み、名残の水滴が花びらから滴り落ちるだけだ。 『どうやら、この町にジムは無いみたいだな』 なら、いつまでもグズグズこの町に留まっている必要も無い。 僕は早くも町を出ることにした。 そして、それは僕が町を出てすぐの事。 「ねーねー、お兄ちゃん」 見ると、小さな女の子が僕の服を掴んでいた。 その子の用件はこうだ。 「私のパパが変な人達に連れ去られて、発電所に閉じ込められてるの。だから……」 つまりは、発電所にいるパパを助け出してくれ、というもの。 『助けたいけど、こんな所で遅れを取ってちゃなぁ……』 僕がそう考えた矢先、女の子は目に涙を溜めていた。 これで僕の選択肢はただ一つ……その子のお父さんを助けることだ。 「よし!お兄ちゃんに任せて!」 僕はそう言うと、勇んで発電所へ向かった。 「あ……!」 発電所の扉の前には、見覚えのある人物が居た。 先程戦ったギンガ団の一味の内の一人だ。 『コイツを倒して中に入るか』 僕は右手でモンスターボールを握り締めた。 それから僕はその下っ端を倒し、発電所の中に足を踏み入れた。 見ると、数人の下っ端が僕の周囲を取り囲んでいる。 『や、やばいかも……』 実際、その通りだった。 数人いる下っ端の半分を倒す頃には、ナエトルの体力は限界に達していた。 「トドメだズバット!噛み付く!」 そして、下っ端のズバットがナエトルにトドメを指そうとした時―― 「こ、これは!」 目を丸くして驚く僕。 突如ナエトルの体が光り始めたのだ。 「進化……したんだね」 そう、ナエトルはハヤシガメへと進化していた。 体が一回りも二回りも大きくなり、見るからに強そうだ。 「ハヤシガメ、はっぱカッター!」 進化したハヤシガメの力は、なるほど、確かにナエトルのそれとは段違いに強い。 僕は次々を下っ端を倒し、奥へと進んだ。 「あら、下っ端達を倒してきたのね」 奥に居たのは赤い髪をした女の人。 その服装や態度から見るに、ギンガ団の一味である事は間違い無い。 「中々やるようね……私はマーズ。ギンガ団幹部のマーズよ」 そう言うと、マーズはモンスターボールを放った。 マーズのボールから出てきたのは、太いネコ。 図鑑によると、ブニャットというらしい。 「ブニャット、だましうち!」 素早い攻撃で僕のハヤシガメを圧倒するブニャット。 やはり、ギンガ団幹部の称号は伊達じゃない。 しかも、僕のハヤシガメはさっきの戦闘で大分消耗している。 最早僕に勝ち目は無かった。 『もう……ダメか』 僕が諦めかけた、正にその時だった。 「おーい、のび太くーん!」 不意に、懐かしい声が耳を通る。 僕は考えるまでもなく察知した。 「ドラえもん!」 そう、傍らのムクバードを従えて立っていたのは……ドラえもんだ。 「ムクバード、翼で打つ!」 ハヤシガメが大分消耗しているとはいえ、実質二対一だ。 いくらギンガ団幹部でも、勝てる確率は限りなく低い。 結果僕達は見事に勝利を納め、マーズは発電所から去っていった。 ひとまず僕達はポケモンセンターに戻り、今までの事を話し合った。 「なるほど、ギンガ団がねぇ……」 神妙な顔をして頷くドラえもん。 ドラえもんも僕と同じくこのゲームは未プレイなので、当然ギンガ団の存在は知らない。 「多分、この後も何らかの形で接触する事になるだろうね」 そう言うと、ドラえもんは空を眺めた。 『この後も何らかの形で接触する……』 僕が一人考えに耽っていると、ドラえもんが言った。 「もう暗くなってるし、今日はここで泊まらない?」 僕は迷う事無く賛成した。 今日は色々あって疲れ切っていたからだ。 数時間後、僕達はベッドの上に居た。 「ねぇ、ドラえもん」 「何だい?のび太君」 「いや、何でもない。もう寝よう」 「うん」 僕はドラえもんに何か言おうとしたが、止めた。 『明日に備えて、寝るとするか』 僕は前座がてら欠伸をすると、ゆっくりと目を瞑った。 皆の手持ち のび太(ハヤシガメLv18) ドラえもん(ムクバードLv16 他不明) 翌日、僕等は朝早くに起床した。 「早く行かないと、ますます遅れるよ?」 と、ドラえもん。 確かに尤もな意見なのだが、どう足掻いてみてもまだ眠い。 僕は半ば睡眠状態のまま、ポケモンセンターを出た。 「眠いよ、ドラえもん……」 「すぐに覚めるって」 「はぁ……」 そんな他愛の無い会話をしている内に、不気味な森が見えてきた。 どうやらハクタイの森と言うらしい。 「は、入るの……?」 「当たり前じゃないか、のび太君」 おそるおそるハクタイの森へと入っていく僕達。 並居るトレーナー達をダブルバトルで倒し、出口に着く頃には僕もドラえもんもフラフラだった。 「ふう……やっと着いたね、ドラえもん」 「そうだね。どうやらこの町にはジムがあるらしいよ」 そのドラえもんの言葉を聞くやいなや、一際目立つ建物へと歩き出す僕。 「のび太君、どこ行くの?」 「ジム戦だよ、ジム戦!」 僕は疲れているにも関わらず、ジムの中へ入っていった。 何故だか知らないけど、勝てる気がしたからだ。 それから数分後には、トボトボとジムを出る僕の姿があった。 無論、負けたからだ。 「はぁ……やっぱダメだな」 弱点を突けないハヤシガメは中々決定打が出ず、数で押された末に倒されてしまったのだ。 『新しいポケモンを捕まえるしかない……か』 ひとまず僕は草むらを探索した。 すると…… 「あっ!……あれはホーホー?」 いつの間にか辺りは暗くなっていた。 これなら夜行性であるホーホーが居るのも頷ける。 『飛行タイプなら……丁度いいや』 僕はホーホー向かってモンスターボールを投げた。 それから暫くして、僕は再びジムの中へ入っていった。 結果は……快勝。 ドラえもんはと言うと、ムクバードの翼で打つで余裕だったそうだ。 「下のサイクリングロードに行くには自転車が必要らしいね」 メモ帳を見ながら言うドラえもん。 わざわざメモを取る所がドラえもんらしい。 「でも……自転車屋さんの店長はあのビル……ギンガ団のビルで囚われているらしいんだ」 「ギンガ団……だって?」 過剰に反応する僕。 僕達はポケモンを回復させると、ギンガ団の居るビルへと足を進めた。 月明かりが町を照らす中、冷たい夜風が容赦無く僕達を吹きつける。 「流石に寒いね、ドラえもん」 「そうだね……早くビルの中に入ろうよ」 このシンオウ地方は北の大地がモチーフとあって、かなり寒い。 僕達は急ぎ足でビルに入ろうとするが…… 「木が邪魔で入れないよ、ドラえもん!」 そう、ビルの前には僕達の行く手を阻む木が立っていた。 「どうしよう、ドラえもん……」 「どうにも出来ないよ……」 僕達が半ば諦めかけたその時、黒い服を身に纏った金髪の女の人がやって来た。 その人は名をシロナと言った。 どうやらポケモンの神話について研究しているらしい。 だが、肝心なのはそこからだった。 「まあ、あなた達はポケモン図鑑を持っているのね……」 僕達がポケモン図鑑を持っている事を知ったシロナさんは、ある物を渡してくれた。 「これは秘伝マシンのいあいぎり。ポケモン図鑑を完成させる為の助けになるわ」 とのこと。あっけにとられる僕達を尻目に、シロナさんは去っていった。 「もしや、これで中に入れるんじゃない?」 ドラえもんが秘伝マシンを見ながらボールを取り出す。 「出ろ、コロトック!」 ドラえもんは秘伝マシンをコロトックに使い、僕達は何とかビルに侵入する事が出来た。 中の様子は僕が予想していたものと殆ど同じだった。 「ホーホー、つつく!」 「ムクバード、翼で打つ!」 二人がかりでどんどん下っ端を蹴散らしていく僕達。 無論、下っ端如きに負けるハズも無い。 最上階で僕の目に映ったのは、紫色の髪をした女性だった。 『ギンガ団幹部だ!』 僕はすぐさま悟った。 だが、口を開いたのはドラえもんだった。 「お前、ギンガ団幹部だな!」 「あら、良く知ってるわね……そういえば、マーズから連絡が来てたわ」 マーズ……発電所で戦ったギンガ団幹部だ。 「メガネをかけた小僧と青いタヌキに負けちゃった、ってね……行きなさい、スカタンク!」 「僕はタヌキじゃない!猫型ロボットだ!」 「行くよ、ドラえもん!」 僕はホーホーを、ドラえもんはムクバードを繰り出す。 幸い二対一なので、相手が幹部とはいえ有利にバトルを展開出来る。 数分後、見事に幹部を倒した僕達は自転車をゲットしていた。 皆の手持ち のび太(ハヤシガメLv20、ホーホーLv16) ドラえもん(ムクバードLv20、コロトックLv15) 「う、うわああああああアッー!」 自転車に乗り、サイクリングロードを下る僕とドラえもん。 だが、面倒な事に僕達は二人とも自転車を上手く乗りこなせない。 やっとの事で下り終えた時の疲労は、町内を一周した時のそれを軽く上回っていた。 「タウンマップによると、次の目的地はヨスガシティらしい」 「それってどこ?ドラえもん」 「このテンガン山を抜けたとこ……かな。とりあえず行こう」 暫く歩いていると、やがて薄っすらとテンガン山が見えてきた。 「なるほど……あの山の洞窟を抜けるというわけだね、のび太君」 ドラえもんの先導により、僕達はテンガン山へと入っていった。 「ん?あれは……」 ドラえもんが斜め前方を丸っこい手で指している。 そこには青髪の男が居た。 見ると、こっちへ向かってきている。 「君達は世界の始まりを知っているか?」 何やら難しい事を言う男。 僕は意味がわからなかった。 「昔は争い事など無かった……争っても何の意味も無い。 君達もポケモントレーナーならその事を考えて欲しい」 そう言い残すと、男は首を傾げる僕達を尻目に去っていった。 その後僕達はテンガン山を抜け、やっとの事でヨスガシティに着いた。 「はぁ……疲れるよ、ドラえもん」 「そうだね……僕も限界だよ」 僕とドラえもんは既に息が切れている。 やっぱり僕って体力無いんだな……と改めて実感した瞬間だった。 暫くしてここのジムリーダーが居ない事を知らされた僕達は、別行動を取るようになった。 別行動といっても、この町の中での事だ。 「コンテスト会場に行ってみたいんだ」 と、ドラえもん。 僕は特にする事も無いので、町の中を散策する事にした。 「それにしても、この町は民家が多いなぁ……」 僕がそう呟いた時の事だった。 「やあ、野比君」 不意に、僕の後ろから聞き慣れた声がする。 間違い無い……出木杉だ。 「出木杉じゃないか」 そっけない返事をする僕。 僕は元から出木杉の事を良く思っていない。 「この世界に来てから初めて会うね……じゃあ、僕は先を急ぐよ」 特に話すことも無いから、と言いたげに去ろうとする出木杉。 だが、僕はそれを引き止めた。 「待ってよ、出木杉。僕と……勝負だ!」 僕に勝負を挑まれ、少し戸惑う出木杉。 『現実の世界では負けちゃうけど……ポケモンでなら勝てるかも知れない』 自分でも幼稚な考えだと思ったが、僕は引かなかった。 前々からこいつだけは気に食わなかった……静香ちゃんとの関係が一番の理由だ。 「いいよ、受けて立とう」 出木杉から返事が来た。 僕と出木杉のバトルが始まる。 「ユンゲラー、サイケ光線!」 「ああ、僕のハヤシガメ……」 勇んで切り出したまでは良かったが、そのバトル内容は酷いものだった。 勝負を挑む時の威勢が嘘のように静まってしまう僕。 自分でも情けなかった。 「それじゃあ、僕は行くから」 ユンゲラーを戻し、何事も無かったかのように去っていく出木杉。 僕はそれを遠い目で見るしか無かった。 『……畜生!畜生!』 宛も無くトボトボと歩いていく僕。 いつの間にか空には夕日が出ていた。 それから暫くして、僕はドラえもんに再会した。 「のび太君、何をしてたんだい?」 「いや、何にも……」 無論、真っ赤な嘘だ。 僕はさっき出木杉に負けた……だが、そんな事は口が裂けても言えない。 「ねえ、ドラえもん。今日はここに泊まらないかい?」 僕が提案する。 「えー?もうちょっと進んでからにしない?その方がいいって」 ドラえもんが反論するも、僕はわがままを押し通した。 だが、その理由は疲れたなんて安直なものじゃない。 夜の内にここを抜け出し、一人で旅に出る……それが本当の理由だ。 ドラえもんには悪いけど、何だか一人になりたかったのだ。 そしてこの町に泊まることを決めてから数時間……僕達はポケモンセンターに居た。 「もう寝ようよ、ドラえもん」 本当は寝る気なんて無いのに、わざと眠たそうな顔を作る僕。 だが、僕の心配とは裏腹に、ドラえもんはすぐに眠ってくれた。 夜空では星が幾つか輝いている……いよいよやる時が来た。 「ばいばい、ドラえもん」 僕は小声でそう呟くと、書き置きをドラえもんの枕の傍に置き、忍び足で抜け出した。 「……よし、行くぞ!」 僕は無理に自分を奮い立たせると、夜の草むらに足を踏み入れた。 いつに無く早足で進む僕。 この夜でなるべくドラえもんと差をつけたいからだ。 『追いつかれちゃったら面倒だしな……』 そんな事を考えていた矢先、高い塔が僕の目に映った。 一見するとただの不気味な塔だ。 『入ってみようか』 無性に好奇心が沸いてきた僕は、駆け足で塔へと入っていく。 「これは……お墓ばっかりじゃないか」 塔の中は、正に不気味という言葉がそのまま当て嵌まるような光景だった。 その奇怪さに比例して僕の足も震え出す。 『とりあえず一番上の階まで行こう』 震える足を押さえ込み、無理に階段を上っていく僕。 背筋に冷気が走っていくのが自分でもわかる。 そして、最後の段を上り終えた時…… 「のび太じゃないか……」 最上階に着いた瞬間目に入ったのは、あのスネ夫だった。 この世界で会うのは二度目になる。 「久しぶりだね、スネ夫」 僕が声をかけると、スネ夫はやけに真剣な表情で僕を見据えた。 「なあ、のび太。ギンガ団って知ってるかい?」 突然切り出すスネ夫。 「知ってるよ。旅の途中に戦ったからね」 僕がそう告げた途端、スネ夫は暗い顔になった。 「このタワーを上る途中にスキンヘッドが居ただろ? そいつのポケモン、ギンガ団に殺されたらしいんだ……」 「えっ……」 僕は驚きを隠せない。 『ギンガ団……そんなに悪い奴等なのか』 「僕は既に知っていたけど、いざこうして聞いてみると悲しいな……」 スネ夫の顔には紛れも無い怒りが表れていた。 「それじゃあ、僕は行くから」 そう言って、立ち去っていくスネ夫。 僕は棒立ちになってそれを見つめていた。 「僕も戻ろうか……」 やがて下の階へと下りていく僕。 だが、その足取りは重かった。 この塔が醸し出している雰囲気もあるが、一番の理由はスネ夫から聞いた話だ。 「あ、町だ……」 ふと窓を覗くと、小さな町――というより、村が目に映った。 幸い眠気が襲ってきた所なので、丁度良い。 僕はそこで一夜を過ごす事にした。 皆の手持ち のび太(ハヤシガメLv26、ホーホーLv19) ドラえもん(ムクバードLv25、コロトックLv22) スネ夫(不明) 次へ
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ハナダジムを難なくトップ通過した出来杉は数枚の写真を見ながら考えていた (ライバルになりそうなのは…やっぱりしずかちゃんだろうな) 後半大事な局面で必ずぶつかるであろう最大のライバル 早めに潰して差を付けていた方がいいかもしれない 「…こっちから仕掛けてみてもいいかもな。 よし、行こうかリザード。」 そう言うと写真をしまって、元来た道へと歩き出した バッグにしまった写真の裏にはそれぞれこう書かれていた 【便利な金づる】 【将来負け組】 【脳みそきんにくん】 【俺のペットになってたら世界征服出来てた】 【しずかちゃんお風呂中!!part3】 レベル上げを済ませニビジムを突破したしずかは順調に進んでいた― しずか「やっと出口かぁ。無駄に長いのよ」 おつきみ山を出て空を見上げるときれいな月が出ている しずか「満月ね。星もきれいだわ さすが田舎」しずかは舌打ちをした。 (とりあえず今日は休もう) まだ先は長い。しずかはハナダの民宿に泊まることにした ポケモントレーナーのための民宿やホテルが各地にあるので、長期の旅でも支障がないようになっている そしてバッジの数によって泊まれる所のランクも上がるシステムだ しずかはポケモンセンターで泊まれそうな宿を捜した しずか「ごめんくださぁい。」 甘い声でしずかは入った そこは老夫婦がやっている民宿で普通の一軒家だ もちろんしずかはホテルが良かったのだがこの際文句は言うまい。 (しばらくの辛抱ね) しずかは話好きのお婆さんに愛想笑いを振りまき、適当にあしらった後で部屋に入った。 「話が長いのよ、あの婆さん。 ふぅ…」 今日はとにかく疲れた。一刻も早く癒さることにしよう 「まぁ、風呂の用意が出来てるだけあの婆さん救えるわね。」 しずかは三度の飯より好きなお風呂に入ることにした しずかは知らない そこで出来杉のコレクションが一枚増えることを カシャ 背後に気配を感じた しずか「のび太さん!?」 反射的にそう叫ぶと持っていた風呂桶を、入れていたお湯ごと投げつけた バシャーン! 逃げていった少年を確認しようとしたが暗かったため誰かまでは特定できなかった…しかし 「こんな所まで来て覗くなんて、もはや変態ね」 しずかには犯人がわかっていた しずか「あの出来損ないが。」 出来杉のガッツポーズと引き替えに、のび太にあらぬ疑いがかけらてしまった 一緒に忍び込ませたコラッタからの報告によると、もうすぐ契機が訪れるらしい… 後はポッポからの合図待ちだ ドキドキドキドキ 失敗は許されない。鼓動が高鳴っているのが自分でもわかる 出来杉「大丈夫、僕ならやれる。今までだってやってこれたじゃないか。」 出来杉はしずかちゃんのお風呂コレクションを見返しながら自分に言い聞かせた。 ポッポ「ポッポゥ」 ターゲットが風呂に入った合図だ! 数分ほど待ち、出来杉はタイミングを見計らっていた…そしてついにその時が来た チャンスは一度きり 窓の外からゆっくりとカメラを構え― カシャ 「のび太さん!?」 まずい気付かれた! 頭にお湯をかけられながら出来杉は必死に逃げた! まずいばれたか?作戦は完璧だったはずだなんだあの反射神経は?速すぎる僕がいっつもやっていたせいか?慣れてしまったのかどうしようもしばれていたら僕が今まで築き上げてきたものが崩れて落ちてしまう栄光の未来が無くなってしまう 出来杉はびしょ濡れになりながらも必死に走った! 今までの人生の中で一番走った! 出来杉「はぁ…はぁ…はぁ……」 どれ程走ったかはわからないくらい走って出来杉は草むらに腰を降ろした (どうしよう) 出来杉は考えていた のび太さんと叫んだところでは僕に気付いていなかった しかし後ろ姿を見られ、ばれた可能性はある ここでしずかちゃんと顔を合わせるのは不信感を持たれるかもしれないのでマズイ…というより恐くて会えない ―出来杉は【しずかちゃんアルバム2】を見ながら決断した 「しばらく隠れて先に行かせよう」 先に進むと追い付かれる可能性がある 万が一会って話し掛けられたらぼぼぼ僕は普通じゃいられない。 それよりも先に行かせた方が安全だ かくして策士出来杉は計画の変更を余儀なくされた その頃― コラッタとポッポは必死にご主人を捜していた ポッポ「ポッポゥ。ポッポゥ」 せつない声でポッポが鳴いている 主人とはぐれたのだ 短い間だったがポッポは、もうご主人のことが大好きになっていた ヒトカゲにやられそうな僕を助けてくれたご主人 どんな時にも臨機応変に対応するご主人 アルバムにどの順番で写真を入れるか考えているご主人 そんなご主人が大好きだったんだ! 絶対に見つけてみせる―とポッポは心に誓った そんなポッポは次の日、しずかのイーブイの糧となる もう12時を過ぎた。しかし出来杉は寝付けなかった。 枕下にしずかアルバム(通称しずアル)を敷いているにも関わらず、だ。 普段なら考えられないことである 【花田の八百屋】 出来杉がお世話になっている民宿だ その二階の部屋を出来杉は使わせてもらっている 出来杉はあの後自分の宿へ戻ったのだが― その時に気付いてしまったのだ 自分が泊まっている宿と、しずかちゃんの民宿がかなり近かったことに この辺りは入り組んでいるというのもあるが、しずかちゃんを追うことに夢中で出来杉は周りが見えていなかったのだ しかも宿を特定した後はすぐに風呂を覗ける裏口に潜んでいたから 出来杉が気付かないのも無理はなかった 出来杉「くそっ風呂のことしか頭になかった」 正直者の出来杉は頭を抱えた 本当は戻りたくなかったが荷物を全部置いているため戻らざるを得なかったのだ これでは鉢合わせの確率が高くなってしまう もちろんそんな偶然はなかなか起こらないだろう 出来杉が家の中にずっと居れるなら― そこに出来杉が寝付けない理由があった ポケモントレーナー達はたたで民宿に泊まらせてもらえる 代わりに何でもいいから、その家の人の手伝いをするのがルールとなっているのだ ただで甘やかしてはいけない。いい風習だろう しかし、それが出来杉を悩ませていた原因だった 出来杉は店番を頼まれたのだ。つまり外に出なければいけないのである それでは、しずかちゃんが民宿から出てきた時に気付かれてしまうかもしれない それだけは避けなければならなかった 「うーーーーん…」 いくら考えても結局完璧な答えは出なかった。 まぁ幸いしずかちゃんの民宿からここは、角度的に見えるかな?くらいなので店の影に隠れるようにすれば大丈夫だろう。 もし近くを通ってもその時だけ奥に行けば問題ない (意外と気にすることはないかな) 満足した出来杉の意識は薄れていった もちろん出来杉の考えは正しいであろう しかし世の中にアクシデントは付き物である 次の日宿代の代わりとしてお使いを頼まれたしずかちゃんが花田の八百屋を訪れるのだった かくして出来杉の第2Roundが始まった― しずか「それくらい喜んでしますよぅ。」 軽い物ばかりだが品目が20近く書かれたメモ紙とお金を渡されて、しずかはお婆さんにお使いを頼まれた。 サチコ「じゃあお願いしますね。」 しずか「はぁい。行ってきまーす。」 しずかはサチコに手を振って買い物に出かけた― 「ち、くそババアが。」しずかは舌打ちをした しずか「なあんで私がこんな面倒くさいことしなくちゃならないのよ。あんなボロ民宿、泊まってやるだけありがたいと思いなさいよ…金、持ち逃げしようかしら。」 と可愛らしい文句を言いながら買い物をして…いなかった しずか「ほら、イーブイ。あなたはこの町の外れのスーパーに行ってメモ紙に書いてある物を買ってくるのよ。難しいけどできるかなぁ?」 イーブイ「ブイ!」 しずか「そう、さすが私のイーブイ。普通のペッ…ポケモンとは一味違うわね。 私の自慢のポケモンよ」 そう言って頭を撫でた イーブイ「ブブイー」 イーブイはうれしそうだ (まあ普通の犬よりは使えるわね) 「じゃ、その間に私は残りの物を買うからね」 後は人参、白菜と玉葱だけですよ、しずかさん イーブイは何も知らずにうれしそうに駆けていった しずか「ふぅ…。しっかし、あの婆さんケチねぇ。 野菜は高いから八百屋で買ってきてなんて。たいしたもの作れやしないのに。ましてやあんな遠いスーパーなんて行ってられるかっつーの。」 しずかの毒舌はとどまる事を知らない。 「さっさと終わらせよ。ええっと花田の…八百屋…っと。あそこか。 …すみませーん。」 しずかが店に入った― 「…すみませーん。」 しずかは奥にいる少年に声をかけた 出来杉「はーい。いらっしゃjkvmぢg?kぎひでぶ」 目にも止まらぬ速さで少年は店の奥に走って行った― (ななななんあなんてことだ。ぼぼべ僕がどどどおわどをしてここにいることがわかったんだ?) 出来杉はパニくった 「おおをお落ち着けー考えろーいつもの自分を取り戻せー。」 出来杉はしずかが自分を訪ねて来た理由を考えた。そして― すぐに結論は出た (そうか、昨日僕の後をつけたんだ。そうだそうに違いない!僕を調べたんだ やっぱり僕がののの覗いたのがばれてしまったんだ) 焦りまくっていた出来杉がこの答えを出すのは仕方がないことだった 出来杉「終わりだ。もう終わりだー。僕の光り輝く未来へのレールが消えていく…」 出来杉の頭の中を今までの思い出が走馬灯のように駆けていった しずかは困っていた― 自分が声を掛けた途端奥にいた少年がさらに奥へと逃げていったのだ。姿はよくみえなかったが… しずか「あのーすみませーん?」 もう一度しずかは呼び掛けた。しかし返事はない (どっかで見たことある人だったわね。それにしても何をそんなに驚いてたのかしら?) と疑問に思いながら、しずかも考えていた (さては…)しずかが何かに気付いた― 「のび太さんね!」 そう、そう考えれば全て辻褄が合うのだ なぜ見覚えのある姿だったのか、なぜ自分を見て逃げたのか。 それならば話は早い しずか「待て、この変態!! 今日という今日は警察に突き出してやるんだから!」 出来杉はバッグを抱えて窓から飛び出した 涙を流しながら―
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ジャイアン「のび太!釣りしに行こうぜ?」 ページ一覧 1ページ目 2ページ目 3ページ目 4ページ目 5ページ目 6ページ目 7ページ目 8ページ目 9ページ目 10ページ目 トップへ
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=コンピューターおばあちゃん= 【1】 【2】 =ポケモンバトル鉛筆= 【1】 【2】 【3】 【4】 =まぁ普通の短編= 【出木杉】 【ジャイアン】 【ピカチュウ】 【バンギラス】 =波乗りバグ= 【オリジナル】 【アレンジ】 =ミュウ氏作殺人事件= 【1】 【2】 【3】 =挑戦者氏作サバイバルゲーム= 【1】 【2】 【3】 【4】 =赤髪作殺人事件= 【1】 【2】 【3】 【4】 =バトルロワイヤル= 【1】 =初代のび太プレイ日記= 【1】 【2】 =ドラポケバトル大会= 【1】 【2】 =その他短編= 【短期連載Ⅱ】 【改造の悲劇】 【ジャイアンの悲劇】 【コゴミ】 【プロジェクトX】 【鯉になった狸】
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前へ 「勝負の方式はダブルバトル、使用ポケモンは二体だ」 俺はナギサジムの床に足を踏み入れている。 最後のジム戦……ナギサジムに挑戦しようとしているのだ。 「では行くぞ! 出て来い、オクタン、デンリュウ!」 「行け! ラグラージ、グレイシア!」 この二体ならば、電気タイプ相手に有利に戦うことのできるはず……勝負! 「オクタン、水の波動を乱れ撃ちしろ!」 オクタンは水の波動をそこらに乱射する。何か作戦があるのか? グレイシアに冷凍ビームを命じる、対象はデンリュウだ。 しかし、冷凍ビームは青い防御壁によって阻まれる。『護る』の技か。 なら今度はオクタンだ。 「ラグラージ、オクタンに瓦割りだ!」 オクタンに接近するラグラージ、オクタンのスピードなら回避するのは困難だ。 「エナジーボール!」 緑色のエネルギーがラグラージに命中する。その攻撃を受けたラグラージは苦しそうな表情を表す。 しまった……ジムリーダー程の実践を積んでいれば、 鈍いオクタンを攻撃されるシチュエーションなど、何度も経験しているはず…… だからこそあそこまで冷静な対処ができたのだ、油断した。 グレイシアの技では、オクタンに大きなダメージを与えることができない。 かといってラグラージで接近すれば、さっきの要領でカウンターを受ける。 一つだけ……一つだけ攻略法があるが……この方法は取れない。 「グレイシア、ラグラージ、デンリュウを集中攻撃しろ!」 二体のポケモンはデンリュウに接近する、護るは連続で使用できないから今度は…… 「デンリュウの援護に行けオクタン、エナジーボール!」 オクタンはラグラージに標準を定め、エナジーボールを発射する。 「目覚めるパワーで相殺しろ、グレイシア!」 紅い球を発射し、エナジーボールを相殺する。 「今だ、冷凍パンチ!」 デンリュウは冷凍パンチを受け、後方に吹っ飛ばされる。 「追撃だ、グレイシア、冷凍ビーム!」 「こっちも冷凍ビームだ!」 グレイシアが発射すると同時に、オクタンも冷凍ビームを発射し、巨大な氷塊が完成する。 「パワージェム!」 吹っ飛ばされていたデンリュウが、不思議な岩でグレイシアを攻撃する。 「グレイシア!」「まだまだ、ラグラージにエナジーボール!」 オクタンがエナジーボールを発射する。駄目だ、回避できない。それなら…… 「傍の氷塊をオクタンにぶつけてやれ!」 冷凍ビームの激突でできた氷塊、これをオクタンに向けて打ち込む。 ラグラージが氷塊を打ち込んだ瞬間、戦闘不能になる。 だが氷塊はオクタンの急所に命中し、オクタンも戦闘不能となった。 「よし、これで一対一だ……」 「残念だったな……この勝負、もう終わった。10万ボルト!」 「そんな位置から届くわけが……」 10万ボルトは、地面を伝ってグレイシアを襲う。その攻撃はグレイシアのHPを一撃で奪い去った。 「馬鹿な……なぜ10万ボルトがここまで……それに威力が強すぎる」 「最初の水の波動でフィールド全体が濡れていた…… 戦っているうちにその水がグレイシアにも付着して、10万ボルトの威力が上昇したんだ」 最初の水の波動乱射にはそんな意味が……… 「君……ポケモン達を労わりすぎてないか?」 「ど…どういう意味だ?」 「さっきの局面、接近せずにラグラージに地震を命じていれば、おそらく俺は敗北していただろう だが君は……グレイシアを気遣って使わなかったんじゃないか?」 そう……なのか?確かに地震を使っていれば、かなり有利に戦闘を進めれたはずだ。 だが無意識のうちに使うのを拒否した。それが…… 「……またの挑戦待ってるよ」 ポケモンを労わりすぎてるか…… ジムを飛び出して、俺は砂浜に足を進め、腰を下ろした。 確かにラグラージ、グレイシア共に相手に決定打を与えられない状況で 地震を使用していれば、一瞬にして状況は変化しただろう。 だが使えなかった……グレイシアを巻き込むのが怖かった、 結局、勝負にも負け、ポケモン達を傷つけた…… それならいっそのこと……駄目だ! それではスモモ戦の時に行った行為と変わらない。ポケモンを道具と見る行為。 そんなの……そんなの…… 思わず頭を掻き毟る。なんだか頭痛もしてきた…… 「どうかなさったのですか?」 背後に目をやる。そこには白いワンピースを着た、俺と同じくらいの少女が居た。 「……誰だ?」 「あたしはミカンと言います。ジョウトのアサギシティで、ジムリーダーをやらせていただいてます。あなたは?」 俺は名前だけを告げる。するとミカンは微笑みながら、俺にこう告げた。 「ここのジムリーダーの方に負けたのですか?」 「ど、どうしてそれを!?」 いきなり確信を突かれ、動揺を隠せない。心を見透かされたのか? 「あたしもジムリーダーです。あたしに敗北した方と同じような表情をしていましたから……」 なんだ……流石に心を見透かすなんてできないよな。 「でも…あなたはその人たちよりも難しい顔をしていますね。私でよければ相談に乗りますよ」 ……この人に相談すれば解決できそうな気がする。 俺は自分の悩みを洗いざらいに話すことにした。 「……そうなのですか、あなたはポケモン思いなんですね」 ポケモン思いか……本当にそうなのか? 自分では分からない。 「あなたのポケモン達を見せていただけますか?」 その質問に黙って頷き、五つのモンスターボールを宙に放り投げた。 ミカンは、しばらくの間俺のポケモンを凝視し続けた。 「どの子もいい目をしています。あなたのことをとても信用しているのですね」 ミカンの話を聞いていると、ルカリオと目が合った。 初めて旅立った時……リオルの頃と比べるとしっかりとした目をしている気がする。 他のポケモン達とも目を合わせる。皆、最初に会った時に比べると目が光っているような気が…… 「あなたのポケモン達は皆あなたを信頼しています。 それはあなたがポケモン達のことを思っているから…… そして、ポケモン達はあなたの期待に応えようとしています」 俺の期待?それは――― 「しかし、あなたはそれを受け取らなかった…… ポケモン達が、あなたの期待に応えようとしているのならば あなたもポケモン達の期待に応えなければならないのです」 ポケモン達の期待に応える……この言葉を聞いたとき、俺の中で何かが吹っ切れた。 「そうか…そうだよな……ありがとう、ミカンさん。またジムに挑戦しに行ってみる」 「そうですか……健闘をお祈りしていますよ」 ミカンは俺を見て再び微笑んだ。 俺は立ち上がり、そしてジムへと一歩ずつ進んでいった。 ナナシ ルカリオLv49、クロバットLv46、ロトムLv45、 ラグラージLv47、グレイシアLv45 「再戦しに来たのか、何か作戦でもできたのかな」 「さぁな、だが今回は絶対に勝利してみせる」 「ほぉ……ならそれを証明してみろ、勝負だ!」 デンジは二つのボールを放り投げる。出てくるのは前回と同じオクタンとデンリュウ。 俺が選択した二体も、前回と同じ、ラグラージ、グレイシアだ。 「同じ二体か……さっきのリプレイにならない様に注意するんだな。オクタン、水の波動を乱射しろ!」 さっきと同じか…… 「グレイシア、オクタンに向けて水の波動だ!」 グレイシアがリング状の水をオクタンに放つ。 それは命中したものの、オクタンはまるで効いていないような涼しい顔をしている。 だがデンジはそれと対照的に、苦い顔をしているのであった。 「大した威力じゃないのに、決定打を打ち込まれたような顔だな」 俺の一言でデンジは顔を歪ませる。 「俺は不思議に思った。なぜフィールドを水浸しにするのに 広範囲を一気に潰せる波乗りでは無く、水の波動を使用したか…… その答えは簡単。波乗りを使用すると、俺達のポケモンだけでは無く お前のポケモンまで濡れてしまうからだ。濡れれば、当然デンリュウの電撃を受けるからな だからお前は自分のポケモンに水技が命中するのは絶対に避けねばならなかった、どうだ?」 沈黙がジム内に訪れる。不思議と口元の筋肉が緩んでいく。 「まさか見抜かれるとはな……だがこれでデンリュウの電撃を防いだと思うな オクタン、冷凍ビームでフィールドを凍らせろ!」 オクタンが冷凍ビームを地面に発射する。濡れていた地面はみるみるうちに凍結していった。 「この隙を逃すか、デンリュウに攻撃だ!」 二体のポケモンがデンリュウに攻撃を仕掛ける しかし、青い防御壁に二体の攻撃は阻まれてしまった。 「このシチュエーションも何度と体験している、簡単に通ると思うな」 いつの間にか水浸しのフィールドは、透き通った氷のフィールドへと変化していた。 だがこれも計算の内……見てろよ 「デンリュウに接近しろ、グレイシア!」 グレイシアは氷の地面を駆け抜けていく。氷のフィールドの力が作用してスピードが上昇している。 「デンリュウ、パワージェムだ!」 宝石のような石を飛ばしが、足場の悪さで狙いを外してしまう。 「冷凍ビーム!」 冷凍ビームを命じると同時に、デンリュウが腕を十字にし体を丸める。 だが俺が狙ったのはデンリュウじゃない……オクタンだ。 不意を突かれたオクタンは、冷凍ビームを諸に受ける。 「不意を突いたつもりか? 効果がいまひとつだぞ」 「ダメージを狙ったわけではない、オクタンを見てみな」 デンジの目前には、下半身が凍結したオクタンが居た。 「体の向きを変えられない以上、デンリュウのサポートをすることはできない。これで事実上の二対一だ」 「ならデンリュウだけで二体倒してやる、掛かって来い!」 デンリュウも体を奮い立たせ、いかにもやる気のあるという面構えになる。 「行くぞ! 冷凍ビーム!」「10万ボルトだ!」 強力な冷気と電撃の押し合いが数秒続き、爆発が起こる。 それにより煙が発生し、ジム内を静寂と共に包み込んだ。 そんな状態が十数秒続く……そろそろだ。 『今だ! 一気に片付けてやれ、冷凍ビームだ!』 俺の声が木霊した数秒後、強力な光を煙の中で感じる。 その光が消えると同時に煙は晴れていった。そこには氷漬けのデンリュウが…… 「な……嘘だろ?」 デンリュウは青い防御壁に包まれている。護るか!? 「油断したな……煙が発生した時点から既に護るのバリアーを貼っていたのだ」 自信満々に笑みを浮かべるデンジ。それを見て手で顔を伏せる。 「ククク……やはりそう来たか、読んでたさ……あんたがこの局面で護るを使うことくらいな」 「な、なに!?」 「俺が見えないフィールド内で行いたかった行動は二つ…… まず一つはグレイシアを俺の近くに戻すこと… そして二つ目は……デンリュウに護るを使わせることだ!」 「まさか……次の攻撃が――」 「ラグラージに飛び乗れグレイシア!」 グレイシアは、ジャンプしてラグラージの頭に飛び乗る。 『地震!』 ラグラージが強大な地震を発生させる。 氷の地面に亀裂が走り、轟音と共に倒壊する。 そして、動くことのできないオクタン、防ぐ術を持たないデンリュウを容赦なく呑み込み 相手のポケモンを、一瞬にして戦闘不能へと追いやった。 「ふぅ……完敗だよ、君みたいなトレーナーには久々に会ったよ これがビーコンバッジ、最後のジムバッジだ」 ビーコンバッジを手渡され、胸の高鳴りを感じる。 これで……これで全てのバッジが揃った。 「ポケモンリーグはナギサシティの北にある海から――」 安堵していた俺の耳に爆発音が飛び込んでくる。 「な、なんだ!?」 爆発音は外から……リッシ湖の方から聞こえる 「緊急事態らしいな……ナナシ君、俺は先に行くから後から駆けつけてくれ!」 デンジはそう言うと急いで去っていく。それと同時にポケッチから電子音が聞こえた。 ナナシ ルカリオLv49、クロバットLv46、ロトムLv45、 ラグラージLv48、グレイシアLv45 ――キッサキシティ 俺は父さんの指令を受け、再びここへ訪問した。 指令の内容は「キッサキ神殿にある金剛玉と白玉を入手してこい」というものだ。 そして、俺はキッサキ神殿の入り口へとやってきた。 入り口には一人の女性が立っている。 「ここへ入らせてもらうぞ…」 「この神殿は、ジムリーダーのスズナさんに許可を得なければ入れません」 「……なら、仕方が無いか」 こうはしたくないが、任務は最優先させなばならない。 なるべく相手を傷つけることなく済ませよう。 「ここを通さなければ、少々痛い目にあってもらうことになるが……いいのか?」 傍にクロバットを待機させ、脅す。これで引き下がってくれれば―― 『嫌です! なにをされようとここは通しません!』 「ならクロバ――うっ」 俺の頭の中に血塗れのスネオが浮かび上がる。駄目だ…攻撃できない。 『待ちなさいっ!!』 雪の大地を物ともしない速度で走ってくるその女性は―――スズナ 「ギンガ団なんかは絶対にここには入れないわよ!」 ……こうなった以上、勝負は避けられない。 「波動弾だ、ルカリオ!」 ルカリオの発した波動弾が命中し、マンムーのその巨体は地にひれ伏す。 「そんな……なんて強さなの、私じゃ勝てない」 スズナのポケモン三体は既に全滅した、もう追撃は無いだろう。 「入らせてもらうぞ……キッサキ神殿」 物言わぬスズナを最後に見て、俺はキッサキ神殿内へと足を進めた。 ――キッサキ神殿内部 中は肌寒いうえに暗く、ロトムの明かりを頼りに先に進んでいる状態。 床が凍りついていて一回転倒した。頭が痛い。 下の階に行くごとに肌寒さは増して行き、床の凍りも大きくなっていく。 この下に二つの宝玉はあるのか……それにしては警戒心が無さ過ぎる。 おそらく最下層には何かがある、常に警戒態勢を取れ…… 吐いた息が白く染まる。多分次が最下層だな。 不自然な明かりが漏れ、肌寒さなどまるで感じない。 最下層はまるで別空間のようだ。 だがそんなことはどうでもいい、なぜなら俺の目の前には他とは比較にならないほどの物があるからだ。 そいつは俺より三倍ほども背丈があり、今までに無いような威圧感を受ける。 ……こいつはポケモンなのか?ピクリとも動かない。 動かないなら好都合、さっさと宝玉入手して立ち去るだけだ。 部屋の中央に宝箱のようなものがある、おそらくあれが―― 宝箱に手をかけた瞬間、地面の揺れと共に巨大な物体は動き出した。 そいつはゆっくりと迫ってくる。目標は間違いなく俺。 俺の身長ほどもある拳が迫ってくる、なんとか回避したものの衝撃で吹っ飛んでしまった。 こいつを何とかしなければ、宝玉は持って帰ることは出来ない。 「行け、ラグラージ!」 見た目からはタイプが全く想像できない。唯一つ分かるのはかなりの鈍足だということだ。 「地震だ!」 指示を受け地震を発生させるラグラージ。だがそいつは大してダメージを受けていないようだ。 このことからあの巨人は、飛行、電気、炎、岩、毒、鋼、の可能性は消えた。 「次だ、冷凍パンチ!」 冷凍パンチを命中させるが、先ほどの同じく平気のようだ。 これで、草、ドラゴン、地面、の可能性は消えた。 だが巨人の反撃を受け、ラグラージは痛手を負ってしまった。もう交代させよう。 「戻れラグラージ。行けルカリオ!」 ラグラージと交代にルカリオが姿を現す。 調べた中で残ってるタイプは、ノーマル、悪、格闘、エスパー、虫、氷、水、ゴースト。 その中で可能性的に高いのは、悪、エスパー、ノーマル、格闘、ゴーストの五つ。 この四つならば全てルカリオで探りを入れられるはずだ。 「悪の波動!」 禍々しい波動を巨人に命中させる。今までと大差が無い このことから、エスパー、悪、格闘、ゴースト、は除外される。 となると残りは一つ。ノーマルタイプだ。 『行け、波動弾!』 ――少しずつではあったが波動弾のダメージが蓄積して、ついに巨人を撃退することができた。 倒れている巨人を背にし、宝箱に手をかける。 中には黒い球と白い球、二つの宝玉が収められていた。 これを手に取った瞬間、地面が再び揺れる。 恐る恐る背後に目を向けると、倒したはずの巨人が復活をしていた。 「くそっ……波動弾だ、ルカリオ!」 巨人に波動弾を発射するが、弾かれてしまう。 そのまま突っ込んで――なっ!?早い!! 今までのスピードとは二倍近くの差がある。こんなのじゃ…… 巨人の一撃を受け、ルカリオは戦闘不能になる。 まずい、俺に迫ってくる。 「クロバット、催眠術だぁ!」 ボールから出てきて即座に催眠術を使用する。 そして、そのまま巨人は動きを止めた。 安心してる場合じゃない、催眠術だってすぐに解けてしまうかもしれない。さっさと立ち去ろう。 最後に巨人が追ってこないことを確認し、神殿の階段を登っていった。 ナナシ ルカリオLv51、クロバットLv46、ロトムLv45、 ラグラージLv48、グレイシアLv45 クロバットと共に神殿を出ると、いつの間にか雪が降り注いでいる。 数日前の遭難を思い出す、さっさと立ち去ろう。 『ユキメノコ、吹雪だ!』 突然、猛烈な吹雪が襲い掛かってくる。 「お前は……出木杉!」 出木杉がこちらを睨んでくる。まさか―― 「君の正体はのび太君達に聞かせてもらったよ、ナナシ君」 自分の名前を呼ばれ、体中の血液が冷たくなっていく。 これでもう全員に知られたか…… …こいつを突破するのは今の俺の手持ちでは困難、どうする。 「追撃だ、シャドーボール!」 黒い球体がクロバット目掛けて発射される。それを素早く回避するが 二発目が即座に飛んでくる。かなりの素早さだ、こうなったら…… 「黒い霧だ、この辺一帯を包み隠せ!」 「甘い、吹雪で霧を吹き飛ばすんだ!」 黒い霧で辺りが包まれたのも束の間、その僅か数秒後には霧は吹き飛んでしまった。 「そう簡単に僕から逃げれるなんて思わないで欲しいね、シャドーボール!」 ………出木杉は指示を出したものの。ユキメノコは動かない。 「どうしたんだユキメ――馬鹿な!?」 ユキメノコは戦闘不能になっている。だが出木杉の目に飛び込んできたのはそれだけではないはず。 間違いなく……出木杉の目には色違いの白いグレイシアが映っている。 「どうしてここにグレイシアが居るか?って顔してるな そいつは当然俺のポケモンだ、そしてさっきの黒い霧は囮 あれを処理するために、お前が吹雪を使ってくるのは読んでいた その隙にグレイシアを出し、めざめるパワーでユキメノコを仕留めたのさ 雪隠れの特性に加え、そのグレイシアの体色のせいで全く存在に気づかなかったんだな」 こう言うと、俺を乗せたクロバットは上昇を始める。 その光景を見て、出木杉は下唇を噛み締める。 「言っておくがこれを卑怯なんて言うなよ?これはポケモンバトルじゃない それが理解できていなかった時点で、お前の負けは決まっていたんだよ。じゃあな」 グレイシアをボールに戻すと同時に、クロバットは加速した。 ――ギンガトバリビル 「ごくろうだったナナシ、これは受け取っておく」 このビルの最上階には、前回と同じく俺を含むギンガ団重要人物五人が集合していた。 「これで……全ての準備が整った。アグノム、ユクシー、エムリットから 赤い鎖を作り出させ、二つの宝玉も我が手に……私の野望もあと僅かで達成する」 外を見て笑みを浮かべる父さん。これでギンガ団の『野望』も達成されるのか。 『アカギ様大変です!』 突然、部屋の中に一人の団員が入ってくる。息が完全に上がっている。 『どうしたのだっ!?』 「このビルに数名のトレーナーが乗り込んで来ようとしています! 既に周辺の警備をしていた団員は全滅しました!!」 『『『なにぃ!?』』』 周辺に居た団員は五十人近く居たはずだ。それをたった数人で…… 「くそっ……こんな時にぃ、全員で太刀打ちして時間稼ぎをしろ!」 「わ、分かりました!」 団員はそう言うと去っていく。父さんは苛立ちを隠せないようだ。 数人のトレーナー…まさか―― 「これより作戦変更をする、よく聞け!」 父さんの怒鳴り声に近い声で、三人の幹部と俺は前方に目をやる。 「マーズ、ジュピター、サターン、お前らはこれから私と一緒にテンガン山へ付いて来い」 この言葉を聞くと、三人の幹部は揃って返事をする。 「そしてナナシ、お前はここに残って侵入者の足止めをしろ」 侵入者の足止め!?そんなの一人で出来るわけが…… 「分かっている、お前一人では止められないことぐらいはな。 まず制御室で待機し、侵入者を防御壁などで阻む そして戦闘になり、万が一敗北した場合は、制御室からワープした部屋の先に テンガン山へワープできる扉がある、そこからこちらに向かうんだ。 一度転送したら、制御室のワープパネルは作動しないようになっているから安心しろ」 咄嗟の判断でそこまで考えてある……流石は父さん、抜け目がまるで無い。 「分かったな、では付いて来い、マーズ、ジュピター、サターン!」 ――数十分後、ギンガトバリビル制御室 防御壁のほとんどは侵入者に突破された、残された団員もほぼ全滅。 このビルももう終わりだな…… 周囲に目をやる、そこには緑色の液体が入ったカプセルに監禁されている三匹のポケモンが居る。 随分と虚ろな目をしている、思わず目を逸らしてしまう。 さっきから何度もこの行動を繰り返している…… ……侵入者四人のうちの一人がこちらに向かってきている。 決戦は避けられないだろう。リュックの中に入っている五つのモンスターボールを手に取る。 侵入者……その正体はなんとなく掴めている。 だが来て欲しくない、もう―― ……壁越しに足音が聞こえる。もう少しで勝負だ。 心臓の鼓動音は一段と高くなり、冷や汗が出てくる。 来るな――来るな―― その瞬間、爆発音と共に部屋の中に明かりが入ってくるのを感じる。 頑丈なはずの扉が破壊されたのか…… 侵入者の顔が俺の視界に入ってくる。 侵入者の正体は――のび太。 「ナナシ君……だよね?」 「………」 「その仮面外してよ……僕は君のこと知ってるんだから、仮面で顔を隠す意味なんて無いだろ?」 「………」 「……会話する気は無いんだね、じゃあはっきり言うよ」 『ナナシ君、僕は君をここで倒す!!』 暗い部屋にのび太の声が木霊する。 「……ほぉ、やれるものならやってみろ!」 俺はグレイシアのモンスターボールを宙に放り投げる。 「行け、グレイシア! 冷凍ビ―――」 「エテボース、猫騙しだ!」 突然現れたエテボースがグレイシアに攻撃を加える。 「続いてダブルアタック!」 猫騙しで怯んでいるグレイシアに、エテボースは尻尾で二回攻撃した。 二連続で攻撃を受け、グレイシアはゆっくりと崩れる。 「な……」 『僕は絶対に君に負けない……だから次のポケモンを出せ!』 ナナシ ルカリオLv51、クロバットLv47、ロトムLv45、 ラグラージLv48、グレイシアLv45 のび太 エテボースLv43 残りの手持ち不明 出木杉 ユキメノコLv46 残りの手持ち不明 倒れているグレイシアをボールに戻す。 「エテボースの特性は『テクニシャン』弱い技の威力が上がる特性… さらにタイプ一致+シルクのスカーフで、威力は数倍にまで跳ね上がっているんだ!」 道具まで使いこなすようになっていたか……ここの警備を突破できただけはある。 「ならこいつでどうだ! 行け、ルカリオ!」 フィールドに姿を現す波動の戦士、その波動に空気が震える。 「君の最強のポケモン……でも負けないよ、ダブルアタック!」 エテボースが軽快なスピードで接近し、尻尾で攻撃を加える。 「無駄だ! 反撃しろ、波動弾!」 尻尾の攻撃を難なく耐え切ったルカリオは、次の瞬間波動弾を発射する。 相性の悪い攻撃を受けたエテボースが、その攻撃を耐えられるはずが無かった。 「相性を考えるんだな、鋼タイプに対してノーマルタイプの攻撃は攻撃は効果いまひとつだ」 「分かってるさ、行け、ムウマージ!」 エテボースと入れ替わって出てきたのはムウマージ、不気味な笑みを掲げている。 「くくく、悪の波動だ!」 禍々しい波動がムウマージを襲う。その攻撃を受けムウマージは地に落ちてしまった。 「波動弾が効かないゴーストタイプを選んだつもりだったのだろうが、 油断したな、そのくらいは対策してあるんだよ」 「……君のルカリオを見てみなよ」 そう言われフィールドに目を移す、そこには魂の抜けたように倒れているルカリオが居た。 「ハッ……まさか」 「道連れを使わせてもらったよ。ごめんねムウマージ」 のび太はムウマージをボールに戻し、仕舞う。 こちらもルカリオをボールに戻し、次のボールを手に取った。 「ロトム!」「アゲハント!」 宙に姿を現す二体のポケモン、これで仕切りなおしだ。 「身代わりだ」 ロトムの体力を少量削り、身代わりの人形が出てくる。 そして、アゲハントはその人形に痺れ粉を吹きかけ始めた。 「補助技を使うことぐらい読んでたさ、そのための身代わりだ」 「なら身代わりを破壊するまでだよ、サイコキネシス!」 念力波が身代わり人形を襲う。それを受け身代わり人形は消滅した。 だが破壊している隙に、電撃波がアゲハントを貫いた。 ロトムはまた身代わりを作る。だがその光景を見てのび太は笑みを浮かべる 「やっぱりそう来たね……だけどこの技は防げないよ、吹き飛ばしだ!」 アゲハントが突風を引き起こす。その突風に身代わりもろともロトムは吹き飛ばされた。 「身代わり状態でも一部の技は通用するんだよ、その一つが吹き飛ばしなんだ」 ロトムと入れ替わりにクロバットが出てくる。 そして、次のクロバットの攻撃でアゲハントは戦闘不能になった。 「ありがとうアゲハント……行け、ライチュウ!」 ついに出てきた……おそらくこいつがのび太の切り札だ。 飛行タイプだから出したのだろうが、こちらの方が素早さは上だ。 一撃で倒せなくとも、次のポケモンに回せば倒せる。 予想通りクロバットが先に動き出し、ライチュウにクロスポイズンを命中させる。 そしてライチュウの10万ボルトで、クロバットは戦闘不能になった。 「ご苦労だった、行け、ロトム!」 HPがちょうど半分のロトムが姿を見せる。これでジ・エンドだ。 だが慎重に行こう……思わぬ反撃を受けるかもしれない。 「身代わりを作れロトム!」 この戦闘中見慣れた身代わり人形が出てくる。こいつを破壊するには最低でも二回攻撃を加えなければならない。 もう勝利は目の前だ。 「そう来るのは分かってたよ、アンコールだ!」 「なにっ!?」 ライチュウがロトムに拍手をする、これでしばらくは身代わり以外の技を出すことができない。 無意味な身代わりを繰り出している最中に、悪巧みを積むライチュウ。 次も同じ行為を続けるロトムの身代わりに、10万ボルトがヒットした。 当然これで身代わりは消滅する。 そして、次の瞬間には再びライチュウが強力な電撃をロトムに加え ロトムは瀕死になってしまった。 これで俺のポケモンは最後の一体、だがそいつはライチュウでは絶対に崩すことのできない壁。 「くくく……まさかこれほどまでに熱い勝負ができるとはな。だがこれで終わりだ!」 最後のモンスターボールを投げる。その中から出てくるのは――――ラグラージ。 水、地面タイプを合わせ持ち、電気タイプの攻撃を一切遮断する。 「くそっ……電光石火だ!」 素早く動きラグラージに体当たりを加えるが、まるでダメージが無い。 「地震だ、砕け散れぇぇえええ」 地震が発生し、ライチュウを呑み込む。 その威力は、もともとダメージを負っていたライチュウを瀕死にするには十分すぎる威力だった。 ライチュウをボールに戻すのび太。勝った……俺の勝ちだ。 「俺の勝ちだ、さっさと仲間と一緒に立ち去れ!」 「まだ僕は負けてないよ」 なんだと!?ライチュウは倒したし、他のポケモンだって……ハッ ライチュウが切り札だとは一言も言っていない。俺が勝手に勘違いしただけだ。 「まだ僕のポケモンは一体残っているんだ、それはこいつだ!」 のび太が宙にボールを放り投げる。 そこから発生した光はどんどんと広がっていく、一体の生物のシルエットを描く。 それはやがてシルエットでは無く、現実のものとなる。 その正体は―――カイリュー 「こいつが正真正銘僕の最後のポケモン、そして最強の切り札だ!」 なんて威圧感……まるで伝説のポケモンと対峙しているようだ。 だがこちらにも勝機はある、ラグラージは氷タイプの技『冷凍パンチ』を覚えている。 こいつを一発でもぶち込めば、カイリューであろうと一撃で倒せるだろう。 「ドラゴンダイブだ!」「滝登り!」 技と技の激突、まさに一触即発と言える。 やがてお互いが弾き飛ばされるが、すぐにカイリューは体勢を立て直し、ラグラージに突進する。 ドラゴンダイブが命中し、苦痛の表情を浮かべるラグラージだが、致命傷には至ってない。 「反撃だ、冷凍パンチ!」 この攻撃が当たれば――――しかしラグラージは動こうしない。 「さっきのドラゴンダイブで怯んだみたいだね、次の攻撃で僕の勝ちだ! ドラゴンダイブ!」 三度ドラゴンダイブの体勢をとるが、ラグラージの方では無く、のび太の方に突撃しようとしている。 「そ、そっちじゃないよカイリュー! 向こうだよ!」 のび太の指示に対応することが出来ず、結局カイリューはのび太の周辺の地面に突撃してしまった。 そうか、ドラゴンダイブはあまり命中率の高い技ではない。 だからのび太の方向に…… のび太はなんとか直撃は避けれたようだが、足を痛めてしまい、動けないようだ。 そしてカイリューも同じ、頭を強く打ってボンヤリしている。 「最後の最後に不運だったな、これで本当に終わりだ……ラグラージ、冷凍パンチ!」 右手に氷を宿し、動けないカイリューに突進するラグラージ。 これで今度こそ―――― この瞬間、頭の中にある静止画が浮かび上がる。それは血塗れになっているのび太。 ……今、ラグラージで攻撃したら、カイリューが吹っ飛んで後ろののび太にまで―――― ナナシ ルカリオLv51、クロバットLv47、ロトムLv45、 ラグラージLv48、グレイシアLv45 のび太 カイリューLv55、ライチュウLv47、アゲハントLv41、 ムウマージLv42、エテボースLv43 次へ
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外伝スレのテンプレ(ルール) 必読 1用テンプレ ここは、ドラえもんやのび太達がポケモントレーナーとして活躍する小説の**スレ目です。 このスレでは自分の書いた小説を投稿することが出来ます。 基本ガイドライン ▼喧嘩せずに仲良く利用する。 ▼自演はしない。 ▼荒らしには反応せずスルー。 ▼sage進行 その他 ▼次スレは 970が立てること、 容量で埋まってしまった場合はバーボンスレにて候補を挙げること ▼現在のスレを使いきる前に新スレ誘導をすること。 詳しいガイドラインは 2-5あたりに提示。 前スレ http //game11.2ch.net/test/read.cgi/poke/**********/ バーボンスレ 雑談専用スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/38986/1184595831/ まとめwiki 投下された作品はここでまとめて読める ttp //www21.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/1.html ポケモン関係SSwiki 1乙作品がここで読める ttp //www24.atwiki.jp/pokess-keeping/pages/4.html 避難所 http //jbbs.livedoor.jp/game/38986/ 避難所 携帯用入り口 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/game/38986/ ドラえもん・のび太のポケモン小説専用 ロッカールーム(携帯可) http //chat2.whocares.jp/chat/cr.jsp?rn=pokedora 2-5用テンプレ 作者ガイドライン ▼作品を投下する際には酉と作者名を入れる。 ▼自分の作品の質を向上させるよう、日々精進する。 ▼一度始めた作品は何があっても完結させる。 ▼作品を投下する時は、酉と作者名は必ずつける事。 ※酉のつけ方:名前欄に作者・作品名#好きな文字列(全角最大4文字半角最大8文字)と入力 ▼読みやすいように自分の前作品に対しアンカーをつける事。 読者ガイドライン ▼作者が投下した後には、何かしら励みになるようなレスをする。 ▼作者への批判や悪口は控える。 ▼投下中には絶対に割り込まない ▼作品の評価書き込みは冷静かつ客観的にお願いします。 ドラポケ避難所に作者考察スレがありますのでそちらも活用して下さい。 ▼自分の気に入った作品の作者には応援書き込みをしましょう。 皆様の応援が作者の小説作りへの励みとなり、活力にもなります。 ▼これは常識ですが、荒らし又はそれに反応する人は全てスルーして下さい。 荒れる元です。 ▼作品を書くのは大変な作業です。 やたら「過疎、過疎」等と言わないで下さい。 作者、読者ともに以下の事に注意して下さい。 ▼スレに偉い人は居ません。 皆平等です。 差別、中傷行為は止めましょう。 またその相手をすることも止めましょう。