約 651,615 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/32158.html
登録日:2015/05/09 Sat 00 36 28 更新日:2024/08/06 Tue 18 42 34 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 いっしん虎徹 刀 山本兼一 日本刀 時代小説 鍛冶 鍛冶師 長曽祢虎徹 山本兼一の時代小説。 『別冊文藝春秋』上において2005年11月号~2006年11月号までの間に連載されていたのが初出。翌2007年4月に単行本として発売された。現在は2009年10月初版の文庫本が文春文庫から出版されている為、それが最も手を出しやすいであろう。 □概要 最上大業物にも名を列ねる稀代の刀鍛冶、長曽祢興里(後の虎徹)の刀工としての生涯を描いた傑作時代小説。 著者の山本兼一は、安土城の築城を任ぜられた宮大工と仲間たちによる落成までの困難とその克服を描いた「火天の城」や、信長のもと、南蛮由来の鉄砲の有用性にいち早く気付きその量産に心血を注いだ男の一生を描く「雷神の筒」等といった「技術者的視点から見た歴史」を題材とした作品を得意としており、本作にもそれらで培われた表現の技術が存分に活かされている。流石に一刀工である長曽祢興里を題材とした本作では、歴史的に大きな転換点に関わることは無いものの、その分「技術者としての生き方」を全面に押し出した小説として完成しており、前述した二つとは似ているようで違った魅力を持っていると言える。 特に、綿密な取材を元に描写された、たたら製鉄による大鍛治のシーンや、緊迫感溢れる作刀のシーンなどは、興里の心理的な描写も相まって下手なアクションシーン以上の迫力を持って進められている。 ただ、興里を主人公としており、そのライバルとして実在の刀鍛冶である越前康継が登場するが、物語が興里の視点で進むこともあって康継が徹底的にdisられている為、越前康継のファンは要注意。 【物語】 越前から重病の妻とともに江戸へと向かった鍛冶の秘めたる決意。それは、「己が作った兜を、一刀のもとに叩き切る刀を鍛える」という途方もないものだった。 後に彼の刀を、数多の大名、武士が競って所望したという伝説の刀鍛冶、長曽祢興里こと虎徹の、鉄と共に歩み、己の道を貫いた炎の生涯描く傑作長編。 〈文庫版、あらすじより〉 【登場人物】 ○長曽祢興里(長曽祢虎徹) 「いい仕事をするにはな」 「なによりも、志を高く持つことだ。志を高くもち、けっして満足せぬことだ。自分をごまかさず精進すれば、いつかはそこに必ずたどりつける。それを信じることだ」 本作の主人公。 言わずと知れた名匠であり、彼の鍛錬した刀は古今を問わず人気が高い。その分贋作も多く、刀剣業界においては未だ「虎徹を見れば偽物と思え」の訓示が存在する程。 そんな彼も本作では時に迷い、失敗を重ねる一鍛冶師に過ぎない。そんな一個の人間としての興里を描き出すのが本作の主筋である。 興里はもともと、越前に祖を持ち、鉄に携わることを生業としてきた長曽祢一族のひとりであり自身もまた鎧兜を打つ甲冑鍛冶として生計を立てていた。 甲冑鍛冶としての腕は高く藩内の品評においては第一等に選ばれた程であり、鍛冶場には弟子も多く在籍していた。そして妻との間に4人の子宝にも恵まれ、それを養えるだけの収入もあった。だがそんな生活も寛永の大飢饉を機に一変する。 徳川が天下を握って数十年。世も泰平に向かい、大きな戦も既に失せた世にあっては鎧兜の注文も少ない。それでも腕の良い甲冑鍛冶である興里は家族と弟子たちを食わせるだけの収入を得ていたが、そこにきて大飢饉である。困窮した武士たちも鎧兜に使う程の扶持の余裕もあるはずがなく、客足は途絶え、弟子は去り、満足に食えない子は次々と命を落としていった。 結局、夫婦二人のみが生き残ったものの、生き延びた妻のゆきもまた病で床に伏せがちになる。 最早、田舎の甲冑鍛冶では碌に食えず、ゆきの病が治る見込みも無いと悟った興里は、泰平の世に有りながら、武士の魂として地位を保つ刀を打つ為、江戸へ上がる事を決意する。 作中でも言われているが、鉄に対し真摯な男。その真摯さ故に人に認められ好かれる事も多いが、逆に人と衝突し嫌われる事もある。また、鉄に真摯であるが故にそれ以外のことに対しては視野が狭く、時には周りの人間に知らぬ間に無茶を強いる事も。 ただし、嫁に対しては鉄と同様に真摯であり、自らの行いが嫁に負担をかけていたと知った時には己の矜持を曲げて嫁に尽くしていた。 初期においてはとにかく我が強く、自らの腕に大きな自負を抱いた男として描かれる。そしてその自信から傲慢な態度を取る事も多い。無論、自信に見合うだけの腕は持っているのだが、それも甲冑鍛冶としての話。刀工としてはまだ駆け出しであり、その矜持が完膚なきまでに砕かれた際には目も当てられない程に荒れていた。でもいくら荒れていたにしても健気な嫁に対するあの仕打ちには思わず殺意が湧いた人もいるだろう。 そんな彼も多くの出会いや別れ、失敗と成功を経て、正に名刀の如く、折れず、曲がらず、粘りを持った芯の強い人間へと成長していく。そしてそんな、人間としての深みを持った彼が打った刀は遂に――。 ○ゆき 「ゆれているんですね」 「ゆらいで、ふるえているんですね。鉄も、光も、池も、蓮も、風も、空も、音も匂いも、わたしの命も、あなたの命も、みんなゆらいでふるえているんですね」 興里の妻。 嫁入りして暫くは健康で、興里との間に4人もの子供を儲けたが、興里の鍛冶を長年に渡り手伝っていたことと飢饉による栄養不足が祟り労咳(肺結核)と眼病にかかっており、現在は床に伏せる事も多い。今では治療法も確立しているが、当時労咳と言えば死病の類であった。 身体は弱いものの精神的には強く興里を精神的に支える事になるが、時にその強さから興里を優先し自身を顧みず無茶をすることも。良くも悪くも、夫を支える妻の鑑と言える女性。 興里の打った刀を見る事を楽しみとしているが、本人曰くこれは名刀を見たいのではなく興里の毎日のすがたを見たいらしい。いくら興里が嘘を言おうと「刀は嘘をつかない」らしいが、この辺は夫婦の妙が成せる技であろう。尚、この事に関するやり取りは作品の終盤あたりに存在するが、この時の彼女は悶えるほどかわいい。 「ふふ」 「教えて、あげません」 本来鍛冶場は女人禁制。あるいは禁制では無いにしても立ち入りが厳しく制限されているが、彼女はある程度鍛冶にも通じている。上にも書いたように興里の鍛冶を長年に渡り手伝っていた事が原因であるが、これは興里が甲冑鍛冶であった頃、弟子が去り、子供も死に絶え、向槌を打つ相手が居なかった事に依る。いくら鍛冶師の腕がよかろうと、鍛冶は一人では出来ないのである。 その為、(興里が刀工となってから雇ったような)下手な新弟子よりも興里の鍛冶の呼吸を理解しており、時に不如意な身体を押してまで鍛冶場に立つ事も。もっとも、病状や興里の状況の変化もあり物語が進むに連れそんな無理を通す事も少なくなっていくが。 鍛冶場に立つ事がなくなってからも興里を陰に日向に支えており、彼女の言葉により作刀のヒントを得たりすることも少なくない。添い寝もしてくれる。正に理想の嫁であろう。 ○正吉 「親方の一字をいただいて、いずれ興正とでも名乗らせていただければ、鍛治としての喜び、それ以上はございません」 越前福井の刀鍛冶貞国の息子。後に興里の弟子となる。 貞国は、興里が越前に居た時に鍛刀の仕事を見学させてもらっていた、云わば興里の最初の師とでも呼ぶべき人物であり、その息子である正吉と興里も面識を持っていた。が、興里が江戸へ向かうのと前後して貞国は何者かに殺害され、秘蔵していた行光の短刀が盗み出されてしまう。 本来人には見せない行光を貞国が興里には見せていた事を知っていた正吉は、(貞国が興里の江戸行きに前後して殺害された事もあり)興里が行光を奪って逃げたのだと思い興里を追う。 出雲で興里に追いついた正吉は、紆余曲折ありながらも興里の「鉄に対する真摯な姿勢」を目の当たりにし誤解を解く。以降は、弟子として興里を助けるようになるのであった。 刀工の息子だあって刀鍛冶に関する事は一通り修めており、後に二人の新弟子が入ってからも興里は正吉を重宝していた。 正吉もまた、興里の事を尊敬しており、将来的には家系の「貞国」を継ぐのではなく、興里の「興」の一字を貰い、「興正」として身を立てたいとまで言う程。その割には康継に騙され唆されてハンマーで興里を叩き殺しに来るが。きっとそれだけ康継の口が上手かったのだろう。 因みに余談であるが、後に虎徹を継ぎ「二代虎徹」と呼ばれる事になる刀鍛冶は「長曽祢興正」という。こちらも最上大業物に選ばれる程の名工であった。 ○長曽祢才市 ――人間は、かまえだ。かまえができてなくちゃ生きていけねぇ 興里の叔父で鍛冶師。江戸銀町で多くの弟子を抱えながら鍛冶屋を経営しており、お抱えではないものの御用鍛冶として幕府の用いる金物を主に打っている。 その才智故に才市の名をたまわった程の鍛冶師であり、長曽祢一家の中でも特に大成した人物。作中では日光東照宮の金具や、幕府の御金蔵の錠前を打ったとされている事からも、その才覚がうかがい知れるであろう(日光東照宮は家康の霊廟、御金蔵は幕府所有の財宝を収める場所であり、双方共に重要度は非常に高い)。 江戸に上がった興里が最初に頼った人物であり、それ以降も刀工として身を立てようとする興里を幾度となく助ける。ゆきの主治医として腕の良い医者を選べたのも、後に興里の師となる刀工、和泉守兼重に弟子入りできたのも切っ掛けは才市の人脈があったが故と言える。 多くは語れないものの彼もまた鉄に生き、鍛冶師としての仕事に矜持を持つものである。鍛冶師の矜持に殉じたその壮絶な最期は興里の心に鍛冶師のなんたるかを示した。 ○山野加右衛門 「おまえの刀が折れなければ、わしの目が節穴である。そのままわしを切り捨てるがよい。その刀に加右衛門切りの銘を切れ。世にも稀な名刀となろう」 刀の切れ味を試す試刀家。こっちの項目に詳しいが、泰平に向かいつつあるこの時代においては刀の切れ味を試す機会もそうそう有るはずが無い。それでも切れ味が知りたい!という欲求から需要が増加したのが試刀家と呼ばれる職である。 試刀家は、屍体を用いてで切れ味を試す。その屍体には罪人の屍体が使われており、罪人の屍体を多く手に入れられる首切り役が副業として行っている事が多い。 加右衛門も例に違わず普段は小伝馬町の首切り役をしており、依頼があった際に試刀を行っている。 とはいえその実力は相当に信頼のおけるものであり、刀を売る際、加右衛門の銘が入った截断名(どれほどの切れ味があるかの証明。通常は「二つ胴裁断」「三つ胴落し」のように、一太刀で何人の屍体の胴が切れたかを記す)があれば値段が一気に跳ね上がるという。 興里と初めて会った際には興里渾身の一振を叩き斬り、鉄に対する自負を完膚無きまでにへし折った。その後、興里に何か光るものを感じたらしく、後に興里の強力な後ろ盾となる大僧都圭海を紹介する。 ○圭海 「おまえの兜も刀も、まこと一心に打ち鍛えてあった。鉄は日輪を孕んだがごとく光り輝いておる。それゆえの法名じゃ」 寛永寺の大僧都(その寺で一番高い位のお坊さん)。加右衛門の紹介で興里と知り合い、興里の打った刀に可能性を感じ支援するようになる。 いろいろあって興里も恩義を感じており、尊敬もしている模様。作品中盤に興里は僧籍に入ることになるのだがその際、 一心日躰居士 入道虎徹 の法名を授けたのも彼。虎徹の名は興里自身とても気に入っており、「自らが本当に納得出来た刀が打てた場合のみ”虎徹”の銘を切る」という自分ルールも定めていた。 坊主ではあるがなかなかに腹黒……というよりは権力欲の強い人物で、現在の大僧都という地位に満足していない。 興里の刀に対しても、可能性を感じたのは事実であるが、それよりもむしろ興里の刀を足がかりにもっと高い地位へ上り詰めようという野心の方が強かった。そんな彼も興里の打つ刀が完成に近づくと共に徐々に考えを変化させて行き……。 恐らく作中、最も興里の影響を受けた人物。最終的には生粋の虎徹マニアへとジョブチェンジする。 ○和泉守兼重 「ああ、下手がいいのう。下手がいい」 「下手なやつほど手を抜かずにやる。懸命に、必死にやる。ありがたいことに、鉄はそんな男が好きだ。下手のままでいろ」 越前出身の刀鍛冶で神田紺屋町に鍛冶場を構えている。現在は藤堂家のお抱え鍛冶師であり、藤堂家から禄も貰っている。 興里が五年の間、鍛刀の技術を学ぶ事になる師匠。初登場の時点で齢五十になる壮齢の鍛冶師であるが体力気力共に充実し、新しい知識の吸収にも余念が無い。興里が金策の為に鎧兜を鍛造していた時には、作刀に役立てるためかしきりに質問しながら眺めていたという。 作刀の腕も然ることながら、人間的にも出来た人物。興里自身、作刀のみならず刀鍛冶としての心得も兼重から教わっていた。 ○四郎右衛門康継 越前の刀鍛冶。本作における興里のライバル……の、ようなものだが技倆はかなり劣る。 康継は茎に三葉葵を切ることを許された幕府お抱えの御番鍛冶であり、これは言ってしまえば幕府が公認の名鍛冶であることを示している。実際、康継は名工と呼んで良い程の鍛冶師であり、三葉葵の紋に相応しい程の刀を打つことの出来る技倆を持っていた。初代は。 四郎右衛門康継は初代康嗣の三男、即ち三葉葵を許された鍛冶師の息子である。三葉葵は康継銘に対し許されたものであるため四郎右衛門も切ることは出来るものの、その技倆は興里に言わせれば「初代は兎も角二代目以降は駄作(意訳)」との事。実際、現在の地位も刀の出来というよりはも政治的な駆け引きにより保っている側面が強い。 だが、四郎右衛門は三葉葵を己の打った刀の全てに切っている、初代康継ですら自作の中でも本当に限られた物にしか切らなかったのに対し、である。その傲慢もまた、興里が康継を嫌う一因となっている。 初代の息子で四郎右衛門の兄に当たる二代目康継が没し、現在は二代目の嫡子との間で三代目の相続争いをしている真っ最中。これに関しても色々と根回しの最中なのが本編の描写から見て取れる。気の早い事に四郎右衛門は既に自身の打った刀に「三代康嗣」の銘を切っているらしい。史実を見れば四郎右衛門は相続争いに敗れる訳だが。 興里と四郎右衛門は、興里が甲冑鍛冶だった頃からの因縁がある。 その当時越前福井藩では、藩主の令により刀と甲冑の藩内第一等を決める品評会が行われていた。その品評会では、刀の第一等として四郎右衛門の作、甲冑の第一等として興里の作が選ばれたのである。 そこで終わっていれば良かったのだが、福井藩主は「四郎右衛門の刀で興里の甲冑を斬ろうとしたらどうなるのか」と疑問を覚え、実際に競わせてみた。だがその結果は興里達には知らせらされず、どうなったか不明のままにされたのだ。 その為今でも「どちらが勝利したのか」という事で興里と四郎右衛門は互いに因縁を持っているのである。 ○桜井直重 出雲の鉄師、可部屋の三代目当主。 鉄師とは砂鉄から鉄を作り出す鍛冶師の事。刀鍛冶や甲冑鍛冶のような鉄を加工して作品を生み出す鍛冶師を「小鍛冶」と呼ぶのに対し「大鍛治」と呼ばれる事も。 無論製鉄には多くの人力が必要であるため、直重はそれら「可部屋の製鉄に携わる者達」のまとめ役である。因みに桜井家と言えば、この時代の日本において大部屋の御三家の一つに数えられる程有名な鉄師。当時の和鉄はほぼ全てがこの御三家の内から生み出されていたといっても過言ではない。 刀を打つ前に鉄について知りたいと考えた興里が江戸に上がる前に出雲を訪れ、そこで直重出会う事となる。たたら製鉄と呼ばれる製法により巨大な炉の中で鉄が生み出される様は、興里に八岐大蛇を幻視させた。 ここで教わった製鉄についての知識が興里の火床(刀に火を入れる炉の様なもの)にも活かされており、この経験なくして名刀たる”虎徹”は生まれ得なかっただろう。 鉄師だけあって鉄にはうるさいが、刀を見る目はあまりよくない模様。 とはいえ自らの炉から生み出される鉄に関しては利点も欠点も知り尽くしており、良い鉄師だと言える。彼もまたエキスパートなのである。 中盤以降は物語が江戸に移るため出番がさっぱり無くなるが、終盤になって意外な形で再登場する。なお、その時の興里に対する言動は紛うことな気ツンデレである。いやマジで。 【興里の打った刀】ネタバレ注意 虎徹は、贋作が多いことで有名な刀であるが、銘の変遷が激しいことでも有名な刀である。 本作においてはこの銘の変遷が興里の心情や状況を反映しており、銘の変化が興里の環境や心境変化とマッチしているため、その辺も読みどころの一つと言える。 本項では、興里が実際に打った刀の内、銘の入ったものを登場順に紹介していきたい。なお、銘を切られていないものは興里的に言えば駄作になるためここでは割愛する。 ○長曽祢興里入道/三寸(約九センチ)/小刀 興里が初めて銘を切った刀。古鉄を卸して(卸し鉄と呼ばれる)精製された鋼で打たれた。 よい古鉄で、尚且つ同じ種類の古鉄を使う事に拘った結果、少量の鋼しか精製出来ず、わずか三寸あまりも小刀となった。 刀身に明王の彫り物、柄に「思無邪(思いに邪な事無し)」の文字を刻んである。 自慢の一刀を加右衛門に叩き折られた興里が、これに失敗したら刀鍛冶を諦めるという思いを込めて打たれた刀であり、この成功によって刀を打ち続ける事を決意する。 本作自体は、ゆきに守り刀としてプレゼントされた模様。 ○長曽祢興里古鉄入道/一尺六寸二分(約四九センチ)/脇差 明暦二年に打たれた脇差。上のものと同様に卸し鉄を用いて打たれている。 ようやく納得の行く刀が打てたものの、それは興里自身の力ではなく古鉄が良かったからだ、という思いから「虎徹」ではなく「古鉄」と切られている。 大僧都圭海に納められた。 ○長曽祢興里/一尺六寸二分(約四九センチ)/脇差 明暦の大火のすぐ後に打たれた脇差。大火により焼けた大量の古鉄を古鉄屋から買い取り、それを用いて打たれた。 古鉄の力に頼りきっていた前作とは違い、(古鉄の力もあるが)自らの実力もあって打てた刀であるため「古鉄」銘は外されている。 然し、未だ地肌(波紋等の日本刀の芸術的部分)に師匠である兼重の影響が抜けていないため「虎徹」としては不足としてこのように銘を切られた。 町奴の幡随院長兵衛に渡される筈だったが、長兵衛が謀殺されたため結局生きている間に渡せず、供養として供えられた。 ○長曽祢興里虎徹入道/一尺五寸八分(約四八センチ)/脇差 初めて虎徹銘の刻まれた脇差。明暦の大火により得た古鉄が用いられている。 虎徹ファンには馴染み深いであろう。倶利伽羅像と梵字の彫られたアレである。本作においてこの装飾は「大火で得られた古釘から打たれているため、大火で亡くなった人々への供養」として彫られたとされている。傲慢な態度の多かった初期の興里からの成長が垣間見える。 大僧都圭海に納められた。 ○以南蛮鉄長曽祢興里入道/五寸以下(詳しくは不明)/小刀 南蛮鉄を用いて打たれた小刀。大僧都圭海の伝手で手に入れた南蛮鉄であったが、不純物が多く、折り返し鍛錬をする内に小刀程の鉄しか残らなかったため小刀として仕上げられる。南蛮鉄は日本刀には向かないということを証明した一作。 龍虎梅林(猛々しいだけじゃダメよ。やわらいだ情緒も理解しなきゃ)と彫られている。 大僧都圭海に納められた。 ○長曽祢興里入道虎徹/二尺三寸五分(約七一センチ)/打刀 初めて「虎徹」銘を切ってから二年。安定して「良い刀」を打てるようになった興里の、その中でも特に良い刀。最早天下の名刀に名を連ねても不思議ではない程の出来となっている。 本項目では統一してあるが、「興」の字が略字体から普通の字体に変化している。これは画数が多くなる分、形を取るのが難しく、興里としてはこれを以て腕が上がったとの自負を込めたつもりであった。 大僧都圭海に納められた。 大僧都に三百量の値を吹っかけた(ゆきの薬代のため。南蛮由来のもので金が相当にかかる)ら切れられ、ブチ切れた興里がなんとこの刀で灯篭を斬った。 地味に作中、初めて虎徹の銘が刻まれた太刀である。 ○銘不明/一尺五寸八分(四八センチ)/脇差 額田藩主、松平頼元の依頼で打たれた脇差。据え物斬りを意識した造りになっており、本人曰く「これであれば三つ胴や四つ胴も切れる」との事。 松平頼元に納められた。 ○銘不明/一尺八寸(五四センチ)/脇差 無実の罪で捕らえられた才市の生き胴試し(生きた人間を使った試刀。斬首より罪の重い罪人に用いられる処刑法)に依る処刑の為に用意された脇差。無実の罪といえど、最早才市の裁決は覆しようがなかったため、興里の刀による処刑は最後の慈悲と言える。 刀身に不動明王の梵字と、蓮台が彫られている。 才市の処刑に使われたが、以後の消息は不明。 ○乕徹入道興里/三尺二寸(九七センチ)/大太刀 本作における、興里が打った最後の刀。桜井直重の手で運ばれてきた可部屋の銑(たたら製鉄により生み出された鋼の屑)を卸して精製された鋼を用いて打たれた。 当代一流の刀工の作を集めて行われる品評会に出す為に打たれた。因みに品評の方法は兜割りで、どれだけ兜に切り込めたかを競う。兜が切れること前提ってやっぱりこの時代の刀鍛冶ってちょっと頭おかし(ry 遠心力を用い切断力を上げるため、長尺の太刀となっているが、他に装飾等は施されておらず、最後を飾るに相応しいシンプルながら美しい太刀となっている。 銘に使われた「乕」は「虎」の俗字であり、己を誇示するが如くつけた「虎」の虎徹銘を恥じた興里が大僧都圭海に相談してつけたもの。 兜割りに使われて以降の消息は不明。 追記・修正よろしくお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1062.html
商品に含まれる主な成分 名無しの人間とその会話 新建造物 ありすのすっきり 新解釈 生き残るゆっくり ゆっくり専門店 ありすホイホイ 馬車の幌に入ると妙ににこやかな店主が一人。ここは移動型ゆっくり専門店「ゆっくりらんど」。 商品は各種ゆっくりと、飼育用品。そして虐待道具だ。 特に虐待道具はアマチュアの虐待師から買い取ったものまで販売しているためやたら種類が多い。 近くにこの店がやってきたのは久しぶりなので新商品を冷やかしに来てみたのだ。 「おっちゃん、この足を焼いたまりさはえらい高い値札の割りに普通に見えるんだけど、 値段に見合うすごい細工してあるの?」 「ああ、それはありすホイホイと言いましてね。ごーかんまのありすをすっきりさせて殺すんですよ。 新作で自信作、私が作ったお勧めの一品です。」 変形とか期待していたのに、店主から返された答えに拍子抜けしてしまった。 それでもこんな店を開くような人間の作品だ。普通の仕掛けじゃないだろう。 しかし、ごーかんまのありすはすっきりましーんだ。並大抵のまりさでは1時間と持つまい。 「毒でも入ってるんですかね?」 「いやいや、そんなことをしたら野良ゆっくりを食べれなくなりますからね。 それの中にはこいつを埋め込んであるんですよ。」 そう言って店主は戸棚からU字に曲がったチューブ状のゆっくり皮を出して来た。 乾燥していてよくわからないが、チューブということはぺにぺにを加工したものなのだろう。 「まあ、効果は実際見てもらった方がいいですね。御時間に余裕はありますか?」 実演販売されても値段高すぎるので無理と考えたが、見せびらかしたいだけのようなので頷いておく。 にこやかな顔で手近な檻からありすを2匹掴み出して小刻みに揺らす店主。 ありすは最初は身をよじって抜け出そうとしていたが、すぐにおとなしくなった。 「これがとかいのあらなみなのねぇぇぇ!」とか、 「うつくしくはばたくちょうになるのよぉぉぉ!!」とか言っている。 ちょぉノリノリである。 店主はすっきりする寸前で2匹を空の柵の中に放り込み、棚からまりさを取り出してくる。 「もうありすとすっきりしたくないよぉぉぉ!!!。どぼじでまりざにごんなごとざぜるのぉぉぉ!!!」 見た目も性格もごく普通のまりさだ。檻にいれて・・・前後からありすに突っ込まれている。 「わいるどなまりさにとかいはのしゅくじょのありかたをおしえてあげるわぁぁぁ!」 「とっぽいまりさをきれいにこーでぃねいとしてあげるわぁぁぁ!!」 二匹のありすは言葉とは逆に激しく打ち付けるように波打っている。 ただ、まりさの言葉だともう何度もありすと無理矢理すっきりさせられているようだが、 肌荒れもなく餡子がへっている様子もない。避妊処理をしただけなら売値が高すぎる。 「ああ、分かりましたよ。さっきのチューブをまむまむに繋げて餡子を外に捨てるんですね。 それならにんっしんしないしありすは中身出しすぎて死んでしまう。と」 「半分ほど正解です。そろそろ終わりますよ。」 「んほおおおおお!!!すっきりー。」 「んほおおおおお!!!すっきりー。」 「んぎっもぢい゛い゛い゛ぃぃぃい!!すっきりー。」 「まりさのまむまむはそこなしにふかくてわいるどだったけど、それじゃあとかいはにはなれないわね!」 「いなかくさいまりさはありすのこどもをそだてるしよーにんにしてあげるわ。」 「ちゃんとすっきりしたかったよ・・・・」 (ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ) まりさ自体は普通の固体だったようでぐったりとしてしまった。 「気付きませんねー、仕方ない。 口の周りべとべとに汚れたありすの何処がとかいはなんだかー」 「ゆ?そうだね。あのありすはおくちのまわりにきいろいのがべたべたでいなかくさいね!」 「ゆ?そうだね。あのありすはおくちのまわりにきいろいのがべたべたでいなかくさいね!」 顔をカスタードまみれにしたありすはまりさを挟んで反対側のありすをお互い田舎者認定した。 言ってから何かおかしいと気が付いたようで、こちらから見えないようにまりさの影に駆け込む。 (もーぞもーぞ) (ぺーろぺーろ) (しあわせー☆) でてきた二匹のありすは糸を引く唾液でもうべっとべとだ。隠れる前とあまり変わってない。 「おにーさんはばかだね。こんなにかわいいありすのおかおがよごれているわけないじゃない。」 「きっとおめめがよごれてるんだわ!きったなーい♪」 酷い言われ様だが、店主は気にした風も無く聞き流している。 逆に横で見ているこちらの寿命がストレスでマッハなのがしんどくなってきた。 「まだまだすっきりしたりないわ!れでぇにふさわしいかわいいまりさをよういしてね!」 「にんっしんしたまりさはもういらないから、おにーさんはもっとかわいいまりさをつれてきてね!」 「あらら、今日のありすはだいぶ足りてないようですね。困ったもんだ。 おまえたち、まりさがどうしたって?」 「なにいってるの。まりさはありすのあいのちからでゆっくりにんっしんしたのよ!」 「これいじょうすっきりー!したらおなかのこがゆっくりできないでしょ!そんなこともわからないの?」 「まりさがどうしたって?」 「だから!にんっしんしてまりさのおなかがおおきく・・・・なってないわね。ねぇ、なんで?」 ありすはこちらを見てわからないよーとでも言いたそうな表情だ。 しかし、見ているうちに口というか、顔のパーツが上に移動しているような気がする。 「ほら、わかりますかね。 にんっしんしてるのはまりさじゃなくてありすの方なんですよ。」 「なんでありすがにんっしんしてるのぉぉぉ!!!」 「ありすがぼてばらじゃすっきりできないでしょぉぉお!!なんでぇぇぇ」 襲った側のありすに気づかれること無く立場を逆転させる虐待のようだ。 「ほう…ありすに精子餡をかけて逆ににんっしんさせたんですね!」 「それも半分正解です。ゆっくりの餡子に精子餡という区別は無いみたいなんですよ。」 「まりさ!とかいはれでぃになかだしするなんてさいていのれいぱーね!」 「ゆるさないわ!せきにんをとってゆっくりおかしをもってきてね!」 「というと?」 店主はひょいとまりさを持ち上げ、ありすの体当たりが届かないテーブルへ置く。 「すっきりした後に体の粘膜が取れる前にゆっくりの中身を体内に取り込むとにんっしんするんですよ。 だから、さっき口の周りのカスタードを食べさせたわけです。 例えば、以前すっきりさせた直後にまりさの古いうんうんを食べさせたらまりさをにんっしんしまして! そのときの感動と言ったらもう開いた口がふさがりませんでしたとも!!」 この店主、テンション上がってきてキモチワルイ。 「うわー、それはまた適当な。でも、すりすりだけでもにんっしんできるんじゃないですか?」 「皮が厚くなった成体はすりすりだけだとすっきりに至るほどきもちよくはないようですね。 それにこのまりさは動けませんからね。突っ込むしかないですよ。」 それもそうだ。野良ありすがすりすりだけで満足するのも考えにくい話だし。 (´-`).。o(口に出されたらアウトってことね。欠陥商品だね、わかるよー。) 「「ちょっときいてるの!」」 「ありすおうこくのくいーんありすにゆっくりごはんをもってきなさい!」 「ありすのおしろにすまわせてやってるんだから、おにーさんにゆっくりするけんりはないのよ!!」 「で、れいぱーのありすは母体経験なんてないから皆これと同じ事を言いますよ。にんっしんした時にどうす ればいいかも分からないで、死ぬまで自分からは動かない!子ができたから自分は世界の頂点になったとい う失笑ものの勘違いだ!!!そんな馬鹿な話があるわけないだろう?このほいほいにかかったありすは全て 自分に罪が跳ね返って自らその重みで潰れるのみ!!!…はっ!?これは失礼。」 よかった。帰って来たようだ。 「えー、あー…まあそんなわけです。ありすが自分で自分を虐待するこの商品、いかがです?」 「すっきりするまでこいつらしあわせー☆なのがいただけませんね。いらんです」 「「ゆぐっ!?」」 店主は言葉も無くありすを店の外に蹴り飛ばした。半泣きでぷるぷるしてるおっちゃんきもい。 「とりあえず透明な箱二つください。加工所ブランドの成体ジャストフィットの奴で。」 会計を済ませ馬車の幌を出る。本当に動こうともせず転がってる二匹のありすを箱につめて帰ることにした。 補足 にんっしん=餡子・分泌液に含まれる子種うぃるすに感染として 動物型にんっしん→分泌液が相手の免疫力を低下させ、餡子注入された側が感染した結果 植物型にんっしん→すりすりしすぎて傷ついた皮から感染 ということで進行しています。 店主もアマチュアなので、今回の商品がうっかり植物型のにんっしんするケースを想定できていません。 そこらへんに居る趣味の虐待お兄さんの自作虐待道具を販売する店がきっとあるに違いない。 そんな想いで書いた。仕事帰りの満員電車の中で。 羊の羽 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/702.html
※ゆっくりしかでてきません! ※前作fuku.2224ある植物型奇形妊娠の話のアナザーです。 そっちから読んだ方が話の趣旨は取りやすいかもしれません。 ※以前にも増して虐待分が少ないです。真正鬼井さんは不愉快になるかもしれません 季節は実りの秋、人も妖怪も干渉しえない森の中…… 崖を背に立つ、老樹の洞の中…… ここに、一対のゆっくりが住み着いていた。 片やゆっくりれいむ種、片やゆっくりまりさ種。 共にゆっくりの中ではポピュラーな種である。 見る者が笑みをこぼすほど仲睦まじく、人間の夫婦でさえここまで純真に付き合っているものも少なかろう。 おまけに周りからの信頼も厚く、頼りにされているほどだ。 しかし、こんな二匹に後々訪れるのは、稀有で過酷な運命だとは何と残酷なことであろうか…… とある寓話を体現した様なお話であるが、どうかお付き合い頂きたい。 ある動物型奇形妊娠の話 にんっしんの兆候が見られるはずの二週間が過ぎても、二匹の間に変化が出ず、半ば諦めかけていた。 それからさらに数週間たったころ、このつがいのゆっくりは、互いに体調の変化を感じていた。 『ゆぅ~あたまがおもいよまりさぁぁぁ』 『なんがぎぼぢわるいんだぜぇれいぶぅぅぅ』 ただ事では無いと、早めに狩りを切り上げ、森の知恵袋であるゆっくりぱちゅりーに相談することにした。 『むきゅ!それはおめでたね!!あかちゃんをだいじにしてあげてね!!』 なんということだ。 通常ゆっくりは、父母に分かれるのだが、何の因果か両方母体となってしまったのだ。 このぱちゅりーも、前例の無いことだから知らずに祝福している。 しかし、この時のぱちゅりーには今がどんな時期で、これがどの様な意味を持つのかまでは気付くことができなかった。 当の本人たちは、すぐに問題に気づいた。 二人とも母体となってしまっては、狩りに行くこともままならない。 しかもこの時期……実り豊かな秋も既に終わりかけている。 もうエサも満足に採れない。 巣には、早めに冬ごもりのエサが貯蔵されていたが、とても赤ちゃんを養えるほどではない。 『ど、どうしようまりざぁ』 『ゆゆ!みんなにたのみこんできふしてもらうんだぜ!!』 まりさが行動に移った時には既に一刻の猶予もなかった。 周りのゆっくり達が巣にこもり始めたのである。 まりさの親交の深い友人宅を回り始めた。 むちゃいわないでね! なにいってるの!?ばかなの?しぬの? わっわたしのおっとになってくれればわけてあげてもいいんだからね!! ショックだった。 正直なほどにスッパリと断られた。 今までまりさの素行が悪かったわけではない。 むしろ感謝されるべきことを行ってきた。 負傷し、動けない者のために代わりにエサを採ってきた。 仲間が捕食種に追いかけられていた時には囮になった。 子供が病気だと相談されれば、険しい山道を行き、薬草を持ってきたこともあった。 見返りを求めたことは一度もない。 ただ純真に困ったみんなを助けたかっただけだ 助けた後にはみんな決まってこう言ったのだ。 “ありがとうまりさ!こんどこまったことがあったらいつでもたすけてあげるからね!!” その言葉をただ信じ、頼りにきたのに…… 『ゆびゃ!ごめんだぜ、ゆるしてほしいんだぜ……ほかをあたるんだぜ』 あまつさえ、にんっしんしているのが分かる体型にも関わらず、体当たりで追い返される始末である。 それでも、自分に非があると信じ、すぐに引き下がっていた。 本来まりさ種は、雄としての役割を持つことが多く、基本的に運動能力に優れ、血気盛んである。 母体となったこのまりさは、その面影が微塵も感じられなかった。 唯一の頼みの綱であった先のぱちゅりーも、つがいのまりさに追い返されてしまった。 今までの自分の信念が揺るぎだしたが、どうにもならない。 まりさは帰路に着いた。 『ぱちゅりーよかったのかだぜ?あのまりさはおまえのなかよしだったぜ』 『むきゅ?わたしが!?じょうだんいわないでよ!あんなちせいのかけらもないやつなんてなかよしでもなんでもないよ!!』 『でもいつもは、いっしょにあそんだりなかよさそうだったぜ!』 『やくにたつうちはなかよくしてあげてたほうがつごうがいいの!どうせにんっしんのおいわいでもせびりにきたのよきっと!!』 『ゆ!ぱちゅりーはやっぱりあたまがいいぜ!!そういえばあいつはいつもゆっくりしてなくてきもちわるいやつだったぜ!!』 『『ゲラゲラゲラゲラゲラ!』』 巣には既にれいむが出産を迎えようとしていた。 『ゆ!?れっれいむ!ゆっくりがんばるんだぜ!!』 『ばっばりさ!よがっだまにあっでぐれで!!』 れいむの産道が、ミチミチと拡がり赤ゆっくりの頭が見え……ポンポンポンと三匹の赤ゆっくりを出産した。 あまりにもあっけなく出産が終わったが、赤ゆっくりのサイズが異常に小さかった。 植物型のそれと同等かそれ以下の未熟児である。 産声を上げるどころか、すぐにも息絶えそうに痙攣をし始めた。 『どっどぼじでごんだにじっじゃいの゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?』 『あっあがじゃん!ゆっぐりじでね!!ゆっぐりじでねぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』 『『『びゅっ…びゅっ……びゅ………』』』 親の必死の叫びもむなしく、赤ゆっくり達は間もなく黒ずみ、この世を去って行った。 時期外れのにんっしんに、十分な栄養と休養が得られなかった結果である。 二匹はしばらく泣いていたが、すぐに涙を拭った。 『れいむ、あかちゃんはかわいそうだったけど、そろそろすごもりしなくちゃゆっくりできなくなるぜ……』 『ゆ゛ぅ゛!わがっだよまりざぁ!!まりざのあがちゃんといっじょにゆっぐりじようね!!』 不運とは、如何に重なることか…… この年の冬は、かつて無いほどの寒気に覆われ、豪雪地帯と化した。 異常気象である。 雪圧で木が軋み、巣の中に冷気が容易に侵入する。 『がちがちがち……』 『ざぶぃ゛ぃ゛ぃ゛!!』 れいむの産後、間もなくこの冷気にさらされたせいで、表皮が固まり産道が閉じなくなってしまった。 固まったせいで、にんっしん中の体型のまま固定されてしまった。 まりさは、あまりの寒さに赤ちゃんを宿した大きな体を常に震わせ、歯にヒビが入るほどであった。 寒さは確実にこの二匹を蝕み、徐々に弱っていく……もはや食欲も出ない。 早く春になってほしい。 早くお日様の当たる暖かな外に出たい。 できることならば、まりさの赤ちゃんを無事に産んであげたい。 最早、二匹共通の淡い希望で繋いだ気力のみで生きているに等しかった。 ふと、風雪の中から聞き覚えのある音が聞こえてきた。 親友の……いや、親友だと思っていたゆっくり達の足音だ。 『『『おべがいじばずぅぅ!ながにいべでぐだざいぃぃぃ!!』』』 『びゅ!?どどどどどうじじじだの゛の゛?』 まりさは、れいむを庇うようにして入口を少し開けた。 そこに立っていたのは、ぱちゅりーのつがいを始めとした森中のゆっくり達であった。 しかし、中には子だけ、親だけの個体もちらほらいた。 お互い震えながらの必死の会話から伺えたのは以下の事柄だ。 今回の異常気象はこの群れの中で、誰も経験したものでなく、その誰もが従来の対策では凌ぎ切れなかった。 ある者は冷気にやられ、またある者は、巣ごと積雪に押しつぶされた。 ここに来たのはその中でも運良く生き延びた者達であり、辿り着けなかった者も多数いたという。 まりさは迷うこと無く、その全てを受け入れた。 ここまでたどり着けたゆっくりは十匹足らずである。 巣の広さは十分あったし、彼女らを野ざらしにして置くのも酷だと思ったからだ。 れいむも他のゆっくりに身体を見られなければ、良いと言ってくれた。 『ずぐなぐなっじゃっだげど、ごれがらはみんだでゆっぐりじようね!!』 『『『『ゆっぐじじようね!!』』』』 まりさはあの日以来、みんなの家を訪ね回ったあの日以来、初めて仲間を大切に思えた。 今までの自分は、何も間違っていなかった!! このまりさ以外では、何が正解で、何が間違いなのかは誰にも分からないことだろう。 その日は異常気象にも負けずに、ゆっくりと睡眠をとることができた。 翌朝、まりさは奇妙な物音で目を覚ました。 ビュッ! ビュゥッ! ビチャッ!! 『ゆぅ?れいむなんのおとな――』 まりさはその光景を見て絶句した。 まだ寝惚けているのではないのか!? もしや、まだ夢を見ているのではないか!? しかし、徐々に覚醒してきた意識、身体に感じる寒さが夢ではないと表した。 『びゅぅっ!びゃぁっ!ゆびゅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛』 『きもちのわるいゆっくりはいらないよ!ゆっくりしんでね!!』 『おねぇしゃん!こいちゅのうえではにぇるとおもちろいよ!!』 『『『ゲラゲラゲラゲラ!!』』』 昨日寝る時まで、自分の後ろに隠れていたはずのれいむが、助けた群れの中心にいる。 しかも、その群れはれいむの醜い体をさらすように仰向けに押さえつけ、暴行を加えていたのだ! 体当たり、噛み付き、上に乗って跳ねるなど、思い思いの方法で……全員がもれなく参加していたのだ!! 『だに゛ぼじでる゛んだぁぁ!べびぶがらはだべろぉ゛ぉ゛ぉ゛!!』 『『『はなれろだってさ、おおこわいこわい』』』 『ば……ひゅ…り……さ…………』 『『『ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!』』』 れいむの顔面は陥没し、産道から漏れた餡子の量は既に致死量。 そんな姿になっても、れいむは愛する者の姿を見るや、笑みを作った。 『どぼじでごんばごどぼじだのぉ゛ぉ゛ぉ゛!?』 『むきゅっおしえてあげるわばかなまりさ。ここはきのうからぱちゅりーたちのおうちになったの!このみにくいれいむはぱちゅりーのおうちにいらないわ!!』 『なにい゛っでるのぉ゛ぉ゛!?ごごはばりざどべいぶの―――』 『ほんとうにばかね!みんなのるーるはたすうけつだったでしょ?だからここはぱちゅりーのおうち!だかられいむはいらないの!!』 この群れでゆっくり同士の争いが起きたら多数決で裁決を取っていた。 言わば、この巣は群れの縮小と化していた。 まりさは現状を把握し、押し黙ってしまった。 『むっきゅ!と・こ・ろ・でみんな!このまりさとれいむはもういらないとおもうの!!』 『いらないよ!』 『やくたたずはゆっくりきえてね!!』 『こんなれいむをまもるやつなんかといっしょじゃゆっくりできないよ!!』 満場一致、間もなく二匹はこの巣を蹴落とされるかの様に追い出された。 巣の入り口はすぐに閉まった。 『むきゅぅぅ!たべものをいっぱいもってきたらあけてあげてもいいわ!!』 巣の中では、ぱちゅりーを中心とした一種の社会体系が出来ていた。 知識を頼りにする者たちにとって、ぱちゅりーはすでにトップに立つ存在となっていたのだ。 『ぱちゅりーのいうとおりだったぜ!あのばかなふたりをかんたんにおいだすことができたんだぜ!!さすがはまりさのおくさんだぜ!!』 『むきゅっ♪そんなにほめないでよまりさ♪ありときりぎりすっていうおはなしどおりだったものおかしいくらいうまくいったわ!!』 『このよのしくみがよくわかるおはなしなの♪みんなにもおしえてあげるわよ♪』 はたらきもののありさんたちはなつのうちにせっせとたべものをすにはこびました―――♪ 『れいぶぅ゛ぅ゛ぅ゛!じっがりずるんだぜぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』 『…………』 突き飛ばされたれいむは、既に意識がないのか、返事もしない。 やがてふゆとなり、なつのあいだあそびほうけていたきりぎりすさんはおいしいえさもあたたかいすもありません―――♪ 『あぞごな゛ら゛、あぞごまでいげばゆっぐじでぎる゛んだぜぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』 『…………』 まりさは何を思ったのか、自らも既に自由を奪われた身体で、れいむを引きずるように歩きだした。 きりぎりすさんはありさんたちにたすけてもらおうとしましたが、つめたいゆきにうもれてしまいしんでしまいました―――♪ 『ほっほら!れいむ!みるんだぜ!きれいなおはなばたけが……ちょうちょも……あたたかなばしょがみえるんだぜ!!』 『…………』 まりさが辿り着いたのは、巣である老樹のすぐ裏……底が見えない程深い崖だ。 『あぞごならばびざの゛あがじゃんぼいっじょにゆっぐじでぎぶよ!!』 『…………』 まりさには何かが見えるのか、崖に向かってためらいもなく、れいむと共に飛び降りた。 『―――というおはなしなの♪つまりかずがおおくてきりょうのいいありさんだけがいきのこるけんりがあるってことよ!!』 『あのまりさはえさをせびりにくるし、なかまはれいむだけ!ばかなきりぎりすはしぬぎむがあるのよ♪』 『むきゅう♪つ・ま・り、かしこいはせいぎ♪おろかはつみなのよ♪』 まりさとれいむはまだ落ち続けていた。 落ちるスピードも一定になり、刺す様な冷たい風も心地よく感じられる。 『ま゛……び…ざ……』 『ゆ゛ぅ゛!?』 『ご……べん…ね゛』 『ゆびゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!』 まりさが最期に挙げた悲鳴は、死に迫る恐怖からなのか? 仲間に裏切られての憤怒の叫びなのか? それとも…… それから間もなく、ゆっくり達が集った老樹に雷が落ちた。 多数に分かれている根がアースとなり、ゆっくり達にはなんの影響もなかった。 ただ、その衝撃で老樹の周りの地盤が崩れ、周りの土地ごと崖の中へと消えていった。 まりさが最期に見たお花畑とは、ぱちゅりーの持論は正しいのか、誰にも分からないだろう。 ただ、一つだけ付け加えるとするならば、まりさとれいむとその赤ちゃんはきれいなお花畑へと辿り着いた。 そこには、ぱちゅりー達の姿が無かったという事ぐらいである。 後書き 以前上げたSS、「ある植物型奇形妊娠の話」と並行して構想を練っていたものです。 最初は、両方混ぜたものにしようとしましたが、長さから個別にしました。 前作と比べちゃうと、奇形妊娠が活ききっていない感がありますが、不幸な末路を辿るという点で納得してください。 陰鬱なものが続いたから、次はギャグっぽいのに挑戦したいと思ってます。 今まで書いた作品 紅い弾丸 ある新人ゆっくりーだーの話(前・後) ある植物型奇形妊娠の話 byケラ子 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/300.html
※ゆっくりしかでてきません! ※前作fuku.2224ある植物型奇形妊娠の話のアナザーです。 そっちから読んだ方が話の趣旨は取りやすいかもしれません。 ※以前にも増して虐待分が少ないです。真正鬼井さんは不愉快になるかもしれません 季節は実りの秋、人も妖怪も干渉しえない森の中…… 崖を背に立つ、老樹の洞の中…… ここに、一対のゆっくりが住み着いていた。 片やゆっくりれいむ種、片やゆっくりまりさ種。 共にゆっくりの中ではポピュラーな種である。 見る者が笑みをこぼすほど仲睦まじく、人間の夫婦でさえここまで純真に付き合っているものも少なかろう。 おまけに周りからの信頼も厚く、頼りにされているほどだ。 しかし、こんな二匹に後々訪れるのは、稀有で過酷な運命だとは何と残酷なことであろうか…… とある寓話を体現した様なお話であるが、どうかお付き合い頂きたい。 ある動物型奇形妊娠の話 にんっしんの兆候が見られるはずの二週間が過ぎても、二匹の間に変化が出ず、半ば諦めかけていた。 それからさらに数週間たったころ、このつがいのゆっくりは、互いに体調の変化を感じていた。 『ゆぅ~あたまがおもいよまりさぁぁぁ』 『なんがぎぼぢわるいんだぜぇれいぶぅぅぅ』 ただ事では無いと、早めに狩りを切り上げ、森の知恵袋であるゆっくりぱちゅりーに相談することにした。 『むきゅ!それはおめでたね!!あかちゃんをだいじにしてあげてね!!』 なんということだ。 通常ゆっくりは、父母に分かれるのだが、何の因果か両方母体となってしまったのだ。 このぱちゅりーも、前例の無いことだから知らずに祝福している。 しかし、この時のぱちゅりーには今がどんな時期で、これがどの様な意味を持つのかまでは気付くことができなかった。 当の本人たちは、すぐに問題に気づいた。 二人とも母体となってしまっては、狩りに行くこともままならない。 しかもこの時期……実り豊かな秋も既に終わりかけている。 もうエサも満足に採れない。 巣には、早めに冬ごもりのエサが貯蔵されていたが、とても赤ちゃんを養えるほどではない。 『ど、どうしようまりざぁ』 『ゆゆ!みんなにたのみこんできふしてもらうんだぜ!!』 まりさが行動に移った時には既に一刻の猶予もなかった。 周りのゆっくり達が巣にこもり始めたのである。 まりさの親交の深い友人宅を回り始めた。 むちゃいわないでね! なにいってるの!?ばかなの?しぬの? わっわたしのおっとになってくれればわけてあげてもいいんだからね!! ショックだった。 正直なほどにスッパリと断られた。 今までまりさの素行が悪かったわけではない。 むしろ感謝されるべきことを行ってきた。 負傷し、動けない者のために代わりにエサを採ってきた。 仲間が捕食種に追いかけられていた時には囮になった。 子供が病気だと相談されれば、険しい山道を行き、薬草を持ってきたこともあった。 見返りを求めたことは一度もない。 ただ純真に困ったみんなを助けたかっただけだ 助けた後にはみんな決まってこう言ったのだ。 “ありがとうまりさ!こんどこまったことがあったらいつでもたすけてあげるからね!!” その言葉をただ信じ、頼りにきたのに…… 『ゆびゃ!ごめんだぜ、ゆるしてほしいんだぜ……ほかをあたるんだぜ』 あまつさえ、にんっしんしているのが分かる体型にも関わらず、体当たりで追い返される始末である。 それでも、自分に非があると信じ、すぐに引き下がっていた。 本来まりさ種は、雄としての役割を持つことが多く、基本的に運動能力に優れ、血気盛んである。 母体となったこのまりさは、その面影が微塵も感じられなかった。 唯一の頼みの綱であった先のぱちゅりーも、つがいのまりさに追い返されてしまった。 今までの自分の信念が揺るぎだしたが、どうにもならない。 まりさは帰路に着いた。 『ぱちゅりーよかったのかだぜ?あのまりさはおまえのなかよしだったぜ』 『むきゅ?わたしが!?じょうだんいわないでよ!あんなちせいのかけらもないやつなんてなかよしでもなんでもないよ!!』 『でもいつもは、いっしょにあそんだりなかよさそうだったぜ!』 『やくにたつうちはなかよくしてあげてたほうがつごうがいいの!どうせにんっしんのおいわいでもせびりにきたのよきっと!!』 『ゆ!ぱちゅりーはやっぱりあたまがいいぜ!!そういえばあいつはいつもゆっくりしてなくてきもちわるいやつだったぜ!!』 『『ゲラゲラゲラゲラゲラ!』』 巣には既にれいむが出産を迎えようとしていた。 『ゆ!?れっれいむ!ゆっくりがんばるんだぜ!!』 『ばっばりさ!よがっだまにあっでぐれで!!』 れいむの産道が、ミチミチと拡がり赤ゆっくりの頭が見え……ポンポンポンと三匹の赤ゆっくりを出産した。 あまりにもあっけなく出産が終わったが、赤ゆっくりのサイズが異常に小さかった。 植物型のそれと同等かそれ以下の未熟児である。 産声を上げるどころか、すぐにも息絶えそうに痙攣をし始めた。 『どっどぼじでごんだにじっじゃいの゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?』 『あっあがじゃん!ゆっぐりじでね!!ゆっぐりじでねぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』 『『『びゅっ…びゅっ……びゅ………』』』 親の必死の叫びもむなしく、赤ゆっくり達は間もなく黒ずみ、この世を去って行った。 時期外れのにんっしんに、十分な栄養と休養が得られなかった結果である。 二匹はしばらく泣いていたが、すぐに涙を拭った。 『れいむ、あかちゃんはかわいそうだったけど、そろそろすごもりしなくちゃゆっくりできなくなるぜ……』 『ゆ゛ぅ゛!わがっだよまりざぁ!!まりざのあがちゃんといっじょにゆっぐりじようね!!』 不運とは、如何に重なることか…… この年の冬は、かつて無いほどの寒気に覆われ、豪雪地帯と化した。 異常気象である。 雪圧で木が軋み、巣の中に冷気が容易に侵入する。 『がちがちがち……』 『ざぶぃ゛ぃ゛ぃ゛!!』 れいむの産後、間もなくこの冷気にさらされたせいで、表皮が固まり産道が閉じなくなってしまった。 固まったせいで、にんっしん中の体型のまま固定されてしまった。 まりさは、あまりの寒さに赤ちゃんを宿した大きな体を常に震わせ、歯にヒビが入るほどであった。 寒さは確実にこの二匹を蝕み、徐々に弱っていく……もはや食欲も出ない。 早く春になってほしい。 早くお日様の当たる暖かな外に出たい。 できることならば、まりさの赤ちゃんを無事に産んであげたい。 最早、二匹共通の淡い希望で繋いだ気力のみで生きているに等しかった。 ふと、風雪の中から聞き覚えのある音が聞こえてきた。 親友の……いや、親友だと思っていたゆっくり達の足音だ。 『『『おべがいじばずぅぅ!ながにいべでぐだざいぃぃぃ!!』』』 『びゅ!?どどどどどうじじじだの゛の゛?』 まりさは、れいむを庇うようにして入口を少し開けた。 そこに立っていたのは、ぱちゅりーのつがいを始めとした森中のゆっくり達であった。 しかし、中には子だけ、親だけの個体もちらほらいた。 お互い震えながらの必死の会話から伺えたのは以下の事柄だ。 今回の異常気象はこの群れの中で、誰も経験したものでなく、その誰もが従来の対策では凌ぎ切れなかった。 ある者は冷気にやられ、またある者は、巣ごと積雪に押しつぶされた。 ここに来たのはその中でも運良く生き延びた者達であり、辿り着けなかった者も多数いたという。 まりさは迷うこと無く、その全てを受け入れた。 ここまでたどり着けたゆっくりは十匹足らずである。 巣の広さは十分あったし、彼女らを野ざらしにして置くのも酷だと思ったからだ。 れいむも他のゆっくりに身体を見られなければ、良いと言ってくれた。 『ずぐなぐなっじゃっだげど、ごれがらはみんだでゆっぐりじようね!!』 『『『『ゆっぐじじようね!!』』』』 まりさはあの日以来、みんなの家を訪ね回ったあの日以来、初めて仲間を大切に思えた。 今までの自分は、何も間違っていなかった!! このまりさ以外では、何が正解で、何が間違いなのかは誰にも分からないことだろう。 その日は異常気象にも負けずに、ゆっくりと睡眠をとることができた。 翌朝、まりさは奇妙な物音で目を覚ました。 ビュッ! ビュゥッ! ビチャッ!! 『ゆぅ?れいむなんのおとな――』 まりさはその光景を見て絶句した。 まだ寝惚けているのではないのか!? もしや、まだ夢を見ているのではないか!? しかし、徐々に覚醒してきた意識、身体に感じる寒さが夢ではないと表した。 『びゅぅっ!びゃぁっ!ゆびゅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛』 『きもちのわるいゆっくりはいらないよ!ゆっくりしんでね!!』 『おねぇしゃん!こいちゅのうえではにぇるとおもちろいよ!!』 『『『ゲラゲラゲラゲラ!!』』』 昨日寝る時まで、自分の後ろに隠れていたはずのれいむが、助けた群れの中心にいる。 しかも、その群れはれいむの醜い体をさらすように仰向けに押さえつけ、暴行を加えていたのだ! 体当たり、噛み付き、上に乗って跳ねるなど、思い思いの方法で……全員がもれなく参加していたのだ!! 『だに゛ぼじでる゛んだぁぁ!べびぶがらはだべろぉ゛ぉ゛ぉ゛!!』 『『『はなれろだってさ、おおこわいこわい』』』 『ば……ひゅ…り……さ…………』 『『『ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!』』』 れいむの顔面は陥没し、産道から漏れた餡子の量は既に致死量。 そんな姿になっても、れいむは愛する者の姿を見るや、笑みを作った。 『どぼじでごんばごどぼじだのぉ゛ぉ゛ぉ゛!?』 『むきゅっおしえてあげるわばかなまりさ。ここはきのうからぱちゅりーたちのおうちになったの!このみにくいれいむはぱちゅりーのおうちにいらないわ!!』 『なにい゛っでるのぉ゛ぉ゛!?ごごはばりざどべいぶの―――』 『ほんとうにばかね!みんなのるーるはたすうけつだったでしょ?だからここはぱちゅりーのおうち!だかられいむはいらないの!!』 この群れでゆっくり同士の争いが起きたら多数決で裁決を取っていた。 言わば、この巣は群れの縮小と化していた。 まりさは現状を把握し、押し黙ってしまった。 『むっきゅ!と・こ・ろ・でみんな!このまりさとれいむはもういらないとおもうの!!』 『いらないよ!』 『やくたたずはゆっくりきえてね!!』 『こんなれいむをまもるやつなんかといっしょじゃゆっくりできないよ!!』 満場一致、間もなく二匹はこの巣を蹴落とされるかの様に追い出された。 巣の入り口はすぐに閉まった。 『むきゅぅぅ!たべものをいっぱいもってきたらあけてあげてもいいわ!!』 巣の中では、ぱちゅりーを中心とした一種の社会体系が出来ていた。 知識を頼りにする者たちにとって、ぱちゅりーはすでにトップに立つ存在となっていたのだ。 『ぱちゅりーのいうとおりだったぜ!あのばかなふたりをかんたんにおいだすことができたんだぜ!!さすがはまりさのおくさんだぜ!!』 『むきゅっ♪そんなにほめないでよまりさ♪ありときりぎりすっていうおはなしどおりだったものおかしいくらいうまくいったわ!!』 『このよのしくみがよくわかるおはなしなの♪みんなにもおしえてあげるわよ♪』 はたらきもののありさんたちはなつのうちにせっせとたべものをすにはこびました―――♪ 『れいぶぅ゛ぅ゛ぅ゛!じっがりずるんだぜぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』 『…………』 突き飛ばされたれいむは、既に意識がないのか、返事もしない。 やがてふゆとなり、なつのあいだあそびほうけていたきりぎりすさんはおいしいえさもあたたかいすもありません―――♪ 『あぞごな゛ら゛、あぞごまでいげばゆっぐじでぎる゛んだぜぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』 『…………』 まりさは何を思ったのか、自らも既に自由を奪われた身体で、れいむを引きずるように歩きだした。 きりぎりすさんはありさんたちにたすけてもらおうとしましたが、つめたいゆきにうもれてしまいしんでしまいました―――♪ 『ほっほら!れいむ!みるんだぜ!きれいなおはなばたけが……ちょうちょも……あたたかなばしょがみえるんだぜ!!』 『…………』 まりさが辿り着いたのは、巣である老樹のすぐ裏……底が見えない程深い崖だ。 『あぞごならばびざの゛あがじゃんぼいっじょにゆっぐじでぎぶよ!!』 『…………』 まりさには何かが見えるのか、崖に向かってためらいもなく、れいむと共に飛び降りた。 『―――というおはなしなの♪つまりかずがおおくてきりょうのいいありさんだけがいきのこるけんりがあるってことよ!!』 『あのまりさはえさをせびりにくるし、なかまはれいむだけ!ばかなきりぎりすはしぬぎむがあるのよ♪』 『むきゅう♪つ・ま・り、かしこいはせいぎ♪おろかはつみなのよ♪』 まりさとれいむはまだ落ち続けていた。 落ちるスピードも一定になり、刺す様な冷たい風も心地よく感じられる。 『ま゛……び…ざ……』 『ゆ゛ぅ゛!?』 『ご……べん…ね゛』 『ゆびゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!』 まりさが最期に挙げた悲鳴は、死に迫る恐怖からなのか? 仲間に裏切られての憤怒の叫びなのか? それとも…… それから間もなく、ゆっくり達が集った老樹に雷が落ちた。 多数に分かれている根がアースとなり、ゆっくり達にはなんの影響もなかった。 ただ、その衝撃で老樹の周りの地盤が崩れ、周りの土地ごと崖の中へと消えていった。 まりさが最期に見たお花畑とは、ぱちゅりーの持論は正しいのか、誰にも分からないだろう。 ただ、一つだけ付け加えるとするならば、まりさとれいむとその赤ちゃんはきれいなお花畑へと辿り着いた。 そこには、ぱちゅりー達の姿が無かったという事ぐらいである。 後書き 以前上げたSS、「ある植物型奇形妊娠の話」と並行して構想を練っていたものです。 最初は、両方混ぜたものにしようとしましたが、長さから個別にしました。 前作と比べちゃうと、奇形妊娠が活ききっていない感がありますが、不幸な末路を辿るという点で納得してください。 陰鬱なものが続いたから、次はギャグっぽいのに挑戦したいと思ってます。 今まで書いた作品 紅い弾丸 ある新人ゆっくりーだーの話(前・後) ある植物型奇形妊娠の話 byケラ子 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1028.html
※ゆっくりしかでてきません! ※前作fuku.2224ある植物型奇形妊娠の話のアナザーです。 そっちから読んだ方が話の趣旨は取りやすいかもしれません。 ※以前にも増して虐待分が少ないです。真正鬼井さんは不愉快になるかもしれません 季節は実りの秋、人も妖怪も干渉しえない森の中…… 崖を背に立つ、老樹の洞の中…… ここに、一対のゆっくりが住み着いていた。 片やゆっくりれいむ種、片やゆっくりまりさ種。 共にゆっくりの中ではポピュラーな種である。 見る者が笑みをこぼすほど仲睦まじく、人間の夫婦でさえここまで純真に付き合っているものも少なかろう。 おまけに周りからの信頼も厚く、頼りにされているほどだ。 しかし、こんな二匹に後々訪れるのは、稀有で過酷な運命だとは何と残酷なことであろうか…… とある寓話を体現した様なお話であるが、どうかお付き合い頂きたい。 ある動物型奇形妊娠の話 にんっしんの兆候が見られるはずの二週間が過ぎても、二匹の間に変化が出ず、半ば諦めかけていた。 それからさらに数週間たったころ、このつがいのゆっくりは、互いに体調の変化を感じていた。 『ゆぅ~あたまがおもいよまりさぁぁぁ』 『なんがぎぼぢわるいんだぜぇれいぶぅぅぅ』 ただ事では無いと、早めに狩りを切り上げ、森の知恵袋であるゆっくりぱちゅりーに相談することにした。 『むきゅ!それはおめでたね!!あかちゃんをだいじにしてあげてね!!』 なんということだ。 通常ゆっくりは、父母に分かれるのだが、何の因果か両方母体となってしまったのだ。 このぱちゅりーも、前例の無いことだから知らずに祝福している。 しかし、この時のぱちゅりーには今がどんな時期で、これがどの様な意味を持つのかまでは気付くことができなかった。 当の本人たちは、すぐに問題に気づいた。 二人とも母体となってしまっては、狩りに行くこともままならない。 しかもこの時期……実り豊かな秋も既に終わりかけている。 もうエサも満足に採れない。 巣には、早めに冬ごもりのエサが貯蔵されていたが、とても赤ちゃんを養えるほどではない。 『ど、どうしようまりざぁ』 『ゆゆ!みんなにたのみこんできふしてもらうんだぜ!!』 まりさが行動に移った時には既に一刻の猶予もなかった。 周りのゆっくり達が巣にこもり始めたのである。 まりさの親交の深い友人宅を回り始めた。 むちゃいわないでね! なにいってるの!?ばかなの?しぬの? わっわたしのおっとになってくれればわけてあげてもいいんだからね!! ショックだった。 正直なほどにスッパリと断られた。 今までまりさの素行が悪かったわけではない。 むしろ感謝されるべきことを行ってきた。 負傷し、動けない者のために代わりにエサを採ってきた。 仲間が捕食種に追いかけられていた時には囮になった。 子供が病気だと相談されれば、険しい山道を行き、薬草を持ってきたこともあった。 見返りを求めたことは一度もない。 ただ純真に困ったみんなを助けたかっただけだ 助けた後にはみんな決まってこう言ったのだ。 “ありがとうまりさ!こんどこまったことがあったらいつでもたすけてあげるからね!!” その言葉をただ信じ、頼りにきたのに…… 『ゆびゃ!ごめんだぜ、ゆるしてほしいんだぜ……ほかをあたるんだぜ』 あまつさえ、にんっしんしているのが分かる体型にも関わらず、体当たりで追い返される始末である。 それでも、自分に非があると信じ、すぐに引き下がっていた。 本来まりさ種は、雄としての役割を持つことが多く、基本的に運動能力に優れ、血気盛んである。 母体となったこのまりさは、その面影が微塵も感じられなかった。 唯一の頼みの綱であった先のぱちゅりーも、つがいのまりさに追い返されてしまった。 今までの自分の信念が揺るぎだしたが、どうにもならない。 まりさは帰路に着いた。 『ぱちゅりーよかったのかだぜ?あのまりさはおまえのなかよしだったぜ』 『むきゅ?わたしが!?じょうだんいわないでよ!あんなちせいのかけらもないやつなんてなかよしでもなんでもないよ!!』 『でもいつもは、いっしょにあそんだりなかよさそうだったぜ!』 『やくにたつうちはなかよくしてあげてたほうがつごうがいいの!どうせにんっしんのおいわいでもせびりにきたのよきっと!!』 『ゆ!ぱちゅりーはやっぱりあたまがいいぜ!!そういえばあいつはいつもゆっくりしてなくてきもちわるいやつだったぜ!!』 『『ゲラゲラゲラゲラゲラ!』』 巣には既にれいむが出産を迎えようとしていた。 『ゆ!?れっれいむ!ゆっくりがんばるんだぜ!!』 『ばっばりさ!よがっだまにあっでぐれで!!』 れいむの産道が、ミチミチと拡がり赤ゆっくりの頭が見え……ポンポンポンと三匹の赤ゆっくりを出産した。 あまりにもあっけなく出産が終わったが、赤ゆっくりのサイズが異常に小さかった。 植物型のそれと同等かそれ以下の未熟児である。 産声を上げるどころか、すぐにも息絶えそうに痙攣をし始めた。 『どっどぼじでごんだにじっじゃいの゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?』 『あっあがじゃん!ゆっぐりじでね!!ゆっぐりじでねぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』 『『『びゅっ…びゅっ……びゅ………』』』 親の必死の叫びもむなしく、赤ゆっくり達は間もなく黒ずみ、この世を去って行った。 時期外れのにんっしんに、十分な栄養と休養が得られなかった結果である。 二匹はしばらく泣いていたが、すぐに涙を拭った。 『れいむ、あかちゃんはかわいそうだったけど、そろそろすごもりしなくちゃゆっくりできなくなるぜ……』 『ゆ゛ぅ゛!わがっだよまりざぁ!!まりざのあがちゃんといっじょにゆっぐりじようね!!』 不運とは、如何に重なることか…… この年の冬は、かつて無いほどの寒気に覆われ、豪雪地帯と化した。 異常気象である。 雪圧で木が軋み、巣の中に冷気が容易に侵入する。 『がちがちがち……』 『ざぶぃ゛ぃ゛ぃ゛!!』 れいむの産後、間もなくこの冷気にさらされたせいで、表皮が固まり産道が閉じなくなってしまった。 固まったせいで、にんっしん中の体型のまま固定されてしまった。 まりさは、あまりの寒さに赤ちゃんを宿した大きな体を常に震わせ、歯にヒビが入るほどであった。 寒さは確実にこの二匹を蝕み、徐々に弱っていく……もはや食欲も出ない。 早く春になってほしい。 早くお日様の当たる暖かな外に出たい。 できることならば、まりさの赤ちゃんを無事に産んであげたい。 最早、二匹共通の淡い希望で繋いだ気力のみで生きているに等しかった。 ふと、風雪の中から聞き覚えのある音が聞こえてきた。 親友の……いや、親友だと思っていたゆっくり達の足音だ。 『『『おべがいじばずぅぅ!ながにいべでぐだざいぃぃぃ!!』』』 『びゅ!?どどどどどうじじじだの゛の゛?』 まりさは、れいむを庇うようにして入口を少し開けた。 そこに立っていたのは、ぱちゅりーのつがいを始めとした森中のゆっくり達であった。 しかし、中には子だけ、親だけの個体もちらほらいた。 お互い震えながらの必死の会話から伺えたのは以下の事柄だ。 今回の異常気象はこの群れの中で、誰も経験したものでなく、その誰もが従来の対策では凌ぎ切れなかった。 ある者は冷気にやられ、またある者は、巣ごと積雪に押しつぶされた。 ここに来たのはその中でも運良く生き延びた者達であり、辿り着けなかった者も多数いたという。 まりさは迷うこと無く、その全てを受け入れた。 ここまでたどり着けたゆっくりは十匹足らずである。 巣の広さは十分あったし、彼女らを野ざらしにして置くのも酷だと思ったからだ。 れいむも他のゆっくりに身体を見られなければ、良いと言ってくれた。 『ずぐなぐなっじゃっだげど、ごれがらはみんだでゆっぐりじようね!!』 『『『『ゆっぐじじようね!!』』』』 まりさはあの日以来、みんなの家を訪ね回ったあの日以来、初めて仲間を大切に思えた。 今までの自分は、何も間違っていなかった!! このまりさ以外では、何が正解で、何が間違いなのかは誰にも分からないことだろう。 その日は異常気象にも負けずに、ゆっくりと睡眠をとることができた。 翌朝、まりさは奇妙な物音で目を覚ました。 ビュッ! ビュゥッ! ビチャッ!! 『ゆぅ?れいむなんのおとな――』 まりさはその光景を見て絶句した。 まだ寝惚けているのではないのか!? もしや、まだ夢を見ているのではないか!? しかし、徐々に覚醒してきた意識、身体に感じる寒さが夢ではないと表した。 『びゅぅっ!びゃぁっ!ゆびゅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛』 『きもちのわるいゆっくりはいらないよ!ゆっくりしんでね!!』 『おねぇしゃん!こいちゅのうえではにぇるとおもちろいよ!!』 『『『ゲラゲラゲラゲラ!!』』』 昨日寝る時まで、自分の後ろに隠れていたはずのれいむが、助けた群れの中心にいる。 しかも、その群れはれいむの醜い体をさらすように仰向けに押さえつけ、暴行を加えていたのだ! 体当たり、噛み付き、上に乗って跳ねるなど、思い思いの方法で……全員がもれなく参加していたのだ!! 『だに゛ぼじでる゛んだぁぁ!べびぶがらはだべろぉ゛ぉ゛ぉ゛!!』 『『『はなれろだってさ、おおこわいこわい』』』 『ば……ひゅ…り……さ…………』 『『『ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!』』』 れいむの顔面は陥没し、産道から漏れた餡子の量は既に致死量。 そんな姿になっても、れいむは愛する者の姿を見るや、笑みを作った。 『どぼじでごんばごどぼじだのぉ゛ぉ゛ぉ゛!?』 『むきゅっおしえてあげるわばかなまりさ。ここはきのうからぱちゅりーたちのおうちになったの!このみにくいれいむはぱちゅりーのおうちにいらないわ!!』 『なにい゛っでるのぉ゛ぉ゛!?ごごはばりざどべいぶの―――』 『ほんとうにばかね!みんなのるーるはたすうけつだったでしょ?だからここはぱちゅりーのおうち!だかられいむはいらないの!!』 この群れでゆっくり同士の争いが起きたら多数決で裁決を取っていた。 言わば、この巣は群れの縮小と化していた。 まりさは現状を把握し、押し黙ってしまった。 『むっきゅ!と・こ・ろ・でみんな!このまりさとれいむはもういらないとおもうの!!』 『いらないよ!』 『やくたたずはゆっくりきえてね!!』 『こんなれいむをまもるやつなんかといっしょじゃゆっくりできないよ!!』 満場一致、間もなく二匹はこの巣を蹴落とされるかの様に追い出された。 巣の入り口はすぐに閉まった。 『むきゅぅぅ!たべものをいっぱいもってきたらあけてあげてもいいわ!!』 巣の中では、ぱちゅりーを中心とした一種の社会体系が出来ていた。 知識を頼りにする者たちにとって、ぱちゅりーはすでにトップに立つ存在となっていたのだ。 『ぱちゅりーのいうとおりだったぜ!あのばかなふたりをかんたんにおいだすことができたんだぜ!!さすがはまりさのおくさんだぜ!!』 『むきゅっ♪そんなにほめないでよまりさ♪ありときりぎりすっていうおはなしどおりだったものおかしいくらいうまくいったわ!!』 『このよのしくみがよくわかるおはなしなの♪みんなにもおしえてあげるわよ♪』 はたらきもののありさんたちはなつのうちにせっせとたべものをすにはこびました―――♪ 『れいぶぅ゛ぅ゛ぅ゛!じっがりずるんだぜぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』 『…………』 突き飛ばされたれいむは、既に意識がないのか、返事もしない。 やがてふゆとなり、なつのあいだあそびほうけていたきりぎりすさんはおいしいえさもあたたかいすもありません―――♪ 『あぞごな゛ら゛、あぞごまでいげばゆっぐじでぎる゛んだぜぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』 『…………』 まりさは何を思ったのか、自らも既に自由を奪われた身体で、れいむを引きずるように歩きだした。 きりぎりすさんはありさんたちにたすけてもらおうとしましたが、つめたいゆきにうもれてしまいしんでしまいました―――♪ 『ほっほら!れいむ!みるんだぜ!きれいなおはなばたけが……ちょうちょも……あたたかなばしょがみえるんだぜ!!』 『…………』 まりさが辿り着いたのは、巣である老樹のすぐ裏……底が見えない程深い崖だ。 『あぞごならばびざの゛あがじゃんぼいっじょにゆっぐじでぎぶよ!!』 『…………』 まりさには何かが見えるのか、崖に向かってためらいもなく、れいむと共に飛び降りた。 『―――というおはなしなの♪つまりかずがおおくてきりょうのいいありさんだけがいきのこるけんりがあるってことよ!!』 『あのまりさはえさをせびりにくるし、なかまはれいむだけ!ばかなきりぎりすはしぬぎむがあるのよ♪』 『むきゅう♪つ・ま・り、かしこいはせいぎ♪おろかはつみなのよ♪』 まりさとれいむはまだ落ち続けていた。 落ちるスピードも一定になり、刺す様な冷たい風も心地よく感じられる。 『ま゛……び…ざ……』 『ゆ゛ぅ゛!?』 『ご……べん…ね゛』 『ゆびゃぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!』 まりさが最期に挙げた悲鳴は、死に迫る恐怖からなのか? 仲間に裏切られての憤怒の叫びなのか? それとも…… それから間もなく、ゆっくり達が集った老樹に雷が落ちた。 多数に分かれている根がアースとなり、ゆっくり達にはなんの影響もなかった。 ただ、その衝撃で老樹の周りの地盤が崩れ、周りの土地ごと崖の中へと消えていった。 まりさが最期に見たお花畑とは、ぱちゅりーの持論は正しいのか、誰にも分からないだろう。 ただ、一つだけ付け加えるとするならば、まりさとれいむとその赤ちゃんはきれいなお花畑へと辿り着いた。 そこには、ぱちゅりー達の姿が無かったという事ぐらいである。 後書き 以前上げたSS、「ある植物型奇形妊娠の話」と並行して構想を練っていたものです。 最初は、両方混ぜたものにしようとしましたが、長さから個別にしました。 前作と比べちゃうと、奇形妊娠が活ききっていない感がありますが、不幸な末路を辿るという点で納得してください。 陰鬱なものが続いたから、次はギャグっぽいのに挑戦したいと思ってます。 今まで書いた作品 紅い弾丸 ある新人ゆっくりーだーの話(前・後) ある植物型奇形妊娠の話 byケラ子 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4767.html
いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 あるところに、一匹のゆっくりれいむがいました。 ゆっくりれいむは原っぱの真ん中でとてもゆっくりしていました。 ゆっくりしていたれいむは、ふとゆっくりの気配がする事に気付きま した。 「ゆ?」 れいむはきょろきょろと周囲を見渡します。すると、草の陰に一匹の ゆっくりの姿を見つけました。 れいむは元気良く声を上げます。 「ゆっくりしていってね!」 その草の陰にいたゆっくりは、れいむの元気な挨拶にこう答えました。 「んほぉー! れいむかわいいわー!!」 そして勢い良くれいむに飛びかかると隆起したぺにぺにをれいむの体 にこすり付けます。 そう、このゆっくりはれいぱーありすだったのです。 「ゆ? ゆ?」 れいむはいきなり飛びかかられ、混乱してしまいます。 しかし、れいぱーありすはそれ以上に混乱していました。 「どぼじでまむまむがないのーーー?!」 そう、このれいむはぺにまむのないタイプのゆっくりだったのです。 「ごれじゃずっぎりでぎないーーー!!」 大声で泣きながらもぺにぺにをこすり付けるのはやめません。 それまで混乱しながら様子を伺っていたれいむは、閃いたように頭上 に電球を出現させ、ほっぺをありすのほっぺにくっつけて小さく震わ せ始めました。これはぺにまむ非装備型ゆっくりのすっきりです。 「ゆっゆっ!」 れいむの顔が次第に赤くなっていきます。 すっかり落ち込んでいたれいぱーありすもれいむの意図を理解したよ うで元気な声で、 「んほぉー!! れいむったらだいたんねぇーー!!」 と叫びました。 やがて、二匹の顔は真っ赤に染まり、そして絶頂に達しました。 「「すっきりー!」」 快感に陶酔し、ぴったりと息の合った声が響きます。 が、次の瞬間、れいぱーありすは自身の頭上から伸びたその蔓の存在 を感じ、驚愕して叫びました。 「どぼじでありずがにんっしんっじでるのー?!」 そう、ありすはにんっしんっしていたのです。すりすり型のにんっし んっは交尾した二匹のうちどちらがにんっしんっするかわからない両 刃の剣。下手をすればどちらもにんっしんっする事すらある玄人好み の扱いにくすぎるにんっしんっ方なのです。なのになんだってありす の野郎は目先の快感に囚われてそれを忘れてしまったのでしょうか。 「ごれじゃじばらぐずっぎりでぎな……ゆ゛っ?!」 失意の底にあるありすを更なる悲劇が襲います。 「な゛、な゛にごれっ?! や゛だ! ゆ゛ーーーー?!」 自身の体に起きた異変にありすは思わず頭上に生えた蔓を見上げなが ら悲鳴を上げます。 その蔓は、ありすの頭の上でじゅるりじゅるりと異音を放っていたの です。そして、その音が響くたびにありすの顔がみるみるうちにやつ れていくではありませんか。 「や゛べで! ずわないで! がずだーどざんずわれだらゆっぐりで ぎないでじょーーー?!」 そう、ありすは頭の上に実った赤ゆっくり達に急速に養分を吸われて いるのです。しかもその速さはありすの中の常識を激しく逸脱するほ ど早く、このままでは命の危険すらあるほどに。 ありすは近い未来訪れる身の破滅を予感しながら、近くにいるれいむ に助けを求めました。 「でいぶーーー! どがいはなありずをだずげでねーーー?!」 そしてれいむは、ありすの頭上を見上げてにこやかに笑いながら答え ます。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっぐりでぎないーーーーーーー!!」 ありすもまた大声でお返事しました。 そしてその間も養分は吸われ続け、もはややつれる部分すらなくした ありすはやがて体色を黒く変じ、 「も゛っ……ずっぎり……じだがっ……」 すっきりから1分後、そう言い残してこの世を去っていきました。 と、同時にありすの頭上に実っていた赤ゆっくりがぷるぷると震え出 し、そして蔓から離れ、萎れたありすの残骸を踏み台にして地面に降 り経ちます。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「ゆっくりしていってね!」 そして目の前の親へ元気良く挨拶をしました。 親となったれいむは、生まれた我が子を頭上に乗せ、ありすの死骸に 一言「ゆっくりしていってね!」と告げると、そそくさとその場を立 ち去っていきましたとさ。 ところで、子供達がありすを吸い殺したのにも当然訳があります。 実はありすとすっきりをしたこのれいむ、かなり古い時代……具体的 に言うと、にんっしんっから出産までが異常に早く、更にすっきりの 直後には母体が黒ずんで死んでしまう事が一般的だった頃の生態を保 持したゆっくりだったのです。このれいむとすっきりをした事であり すはれいむと同様の特性を持ったにんっしんっをしてしまい、黒ずん で死んでしまったのです。 哀れありすは一度のすっきりで命を落としてしまいました。そしてれ いむはありすに貰った子供達を大事に育てて幸せに過ごしましたとさ。 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 めでたしめでたし。 おわり おまけ やがて子供は育ち、立派なゆっくりれいむとなってひとり立ちしまし た。 ひとり立ちしたれいむが原っぱでゆっくりしていると、一匹のゆっく りまりさに声をかけられました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 二匹はそのまま意気投合し、友達になり、日が落ちることにはつがい になっていました。 そして、その晩二匹はまりさのおうちで愛を育みました。 「「すっきりー!」」 絶頂の声が上がり、れいむの頭上からひょろりとした蔓が伸び、その 先にいくつか小さな丸いものが実ります。 まりさは感涙しながら言いました。 「ゆゆーん! すごくゆっくりしたおちびちゃんだよ! ほらほら! れいむもみてみて! れい……」 そして、まりさはれいむが黒ずんで死んでいるのも見つけました。 「で、でいぶーーーー?! ゆ゛あ゛ーーーー!! どぼじでごんな ごどにーーーー?!」 まりさは非ぺにまむ装備ゆっくりでしたが、すっきりの後にすぐ死ぬ ゆっくりではありませんでした。なので、れいむが死んでしまったの はきっと自分があまりに激しいすっきりをしたせいだと思い込んでし まったのです。 「でいぶごべんねぇーーー!! ばりざが、ばりざがぁーーーー!!」 まりさは黒くなってしまったれいむの頬に激しく頬を擦りつけながら 謝り続けます。すると、頭上からぼきんという音が響き、目の前を細 い何かが横切って地面に落ちました。 まりさはきょとんとした顔でそれを見下ろします。 蔓でした。 先には三匹の未熟な赤ゆっくりが実り、しかしそのどれもが見る見る うちに黒ずんでいきます。 そう、まりさが母体を激しく動かしたため脆くなっていた土台が崩れ 蔓が落ちてきてしまったのです。 「お゛、お゛ぢびぢゃんまでぇーーーー?! どぼじでーーーー?! ばりざはだだゆっぐりじでだだげなのにーーーーー?!」 一日にして得た最愛の妻と子供達を一夜の内に失ってしまい、まりさ は今まで生きてきて経験したことがないほど泣き叫び、そして巣の中 に溢れた自分の涙であんよが溶け、それが原因で死んでしまいました。 最後の言葉は、 「みんなでゆっくりしたかった」 だったそうな。 めでたしめでたし。 おしまい このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2638.html
いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~ 取替えられた子 お前なんかドスじゃない ばーさすちれーでん ねるねるねるゆ ゆっくりを飼うって難しい ゆっくり分身 あるところに、一匹のゆっくりれいむがいました。 ゆっくりれいむは原っぱの真ん中でとてもゆっくりしていました。 ゆっくりしていたれいむは、ふとゆっくりの気配がする事に気付きま した。 「ゆ?」 れいむはきょろきょろと周囲を見渡します。すると、草の陰に一匹の ゆっくりの姿を見つけました。 れいむは元気良く声を上げます。 「ゆっくりしていってね!」 その草の陰にいたゆっくりは、れいむの元気な挨拶にこう答えました。 「んほぉー! れいむかわいいわー!!」 そして勢い良くれいむに飛びかかると隆起したぺにぺにをれいむの体 にこすり付けます。 そう、このゆっくりはれいぱーありすだったのです。 「ゆ? ゆ?」 れいむはいきなり飛びかかられ、混乱してしまいます。 しかし、れいぱーありすはそれ以上に混乱していました。 「どぼじでまむまむがないのーーー?!」 そう、このれいむはぺにまむのないタイプのゆっくりだったのです。 「ごれじゃずっぎりでぎないーーー!!」 大声で泣きながらもぺにぺにをこすり付けるのはやめません。 それまで混乱しながら様子を伺っていたれいむは、閃いたように頭上 に電球を出現させ、ほっぺをありすのほっぺにくっつけて小さく震わ せ始めました。これはぺにまむ非装備型ゆっくりのすっきりです。 「ゆっゆっ!」 れいむの顔が次第に赤くなっていきます。 すっかり落ち込んでいたれいぱーありすもれいむの意図を理解したよ うで元気な声で、 「んほぉー!! れいむったらだいたんねぇーー!!」 と叫びました。 やがて、二匹の顔は真っ赤に染まり、そして絶頂に達しました。 「「すっきりー!」」 快感に陶酔し、ぴったりと息の合った声が響きます。 が、次の瞬間、れいぱーありすは自身の頭上から伸びたその蔓の存在 を感じ、驚愕して叫びました。 「どぼじでありずがにんっしんっじでるのー?!」 そう、ありすはにんっしんっしていたのです。すりすり型のにんっし んっは交尾した二匹のうちどちらがにんっしんっするかわからない両 刃の剣。下手をすればどちらもにんっしんっする事すらある玄人好み の扱いにくすぎるにんっしんっ方なのです。なのになんだってありす の野郎は目先の快感に囚われてそれを忘れてしまったのでしょうか。 「ごれじゃじばらぐずっぎりでぎな……ゆ゛っ?!」 失意の底にあるありすを更なる悲劇が襲います。 「な゛、な゛にごれっ?! や゛だ! ゆ゛ーーーー?!」 自身の体に起きた異変にありすは思わず頭上に生えた蔓を見上げなが ら悲鳴を上げます。 その蔓は、ありすの頭の上でじゅるりじゅるりと異音を放っていたの です。そして、その音が響くたびにありすの顔がみるみるうちにやつ れていくではありませんか。 「や゛べで! ずわないで! がずだーどざんずわれだらゆっぐりで ぎないでじょーーー?!」 そう、ありすは頭の上に実った赤ゆっくり達に急速に養分を吸われて いるのです。しかもその速さはありすの中の常識を激しく逸脱するほ ど早く、このままでは命の危険すらあるほどに。 ありすは近い未来訪れる身の破滅を予感しながら、近くにいるれいむ に助けを求めました。 「でいぶーーー! どがいはなありずをだずげでねーーー?!」 そしてれいむは、ありすの頭上を見上げてにこやかに笑いながら答え ます。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっぐりでぎないーーーーーーー!!」 ありすもまた大声でお返事しました。 そしてその間も養分は吸われ続け、もはややつれる部分すらなくした ありすはやがて体色を黒く変じ、 「も゛っ……ずっぎり……じだがっ……」 すっきりから1分後、そう言い残してこの世を去っていきました。 と、同時にありすの頭上に実っていた赤ゆっくりがぷるぷると震え出 し、そして蔓から離れ、萎れたありすの残骸を踏み台にして地面に降 り経ちます。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「ゆっくりしていってね!」 そして目の前の親へ元気良く挨拶をしました。 親となったれいむは、生まれた我が子を頭上に乗せ、ありすの死骸に 一言「ゆっくりしていってね!」と告げると、そそくさとその場を立 ち去っていきましたとさ。 ところで、子供達がありすを吸い殺したのにも当然訳があります。 実はありすとすっきりをしたこのれいむ、かなり古い時代……具体的 に言うと、にんっしんっから出産までが異常に早く、更にすっきりの 直後には母体が黒ずんで死んでしまう事が一般的だった頃の生態を保 持したゆっくりだったのです。このれいむとすっきりをした事であり すはれいむと同様の特性を持ったにんっしんっをしてしまい、黒ずん で死んでしまったのです。 哀れありすは一度のすっきりで命を落としてしまいました。そしてれ いむはありすに貰った子供達を大事に育てて幸せに過ごしましたとさ。 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 めでたしめでたし。 おわり おまけ やがて子供は育ち、立派なゆっくりれいむとなってひとり立ちしまし た。 ひとり立ちしたれいむが原っぱでゆっくりしていると、一匹のゆっく りまりさに声をかけられました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 二匹はそのまま意気投合し、友達になり、日が落ちることにはつがい になっていました。 そして、その晩二匹はまりさのおうちで愛を育みました。 「「すっきりー!」」 絶頂の声が上がり、れいむの頭上からひょろりとした蔓が伸び、その 先にいくつか小さな丸いものが実ります。 まりさは感涙しながら言いました。 「ゆゆーん! すごくゆっくりしたおちびちゃんだよ! ほらほら! れいむもみてみて! れい……」 そして、まりさはれいむが黒ずんで死んでいるのも見つけました。 「で、でいぶーーーー?! ゆ゛あ゛ーーーー!! どぼじでごんな ごどにーーーー?!」 まりさは非ぺにまむ装備ゆっくりでしたが、すっきりの後にすぐ死ぬ ゆっくりではありませんでした。なので、れいむが死んでしまったの はきっと自分があまりに激しいすっきりをしたせいだと思い込んでし まったのです。 「でいぶごべんねぇーーー!! ばりざが、ばりざがぁーーーー!!」 まりさは黒くなってしまったれいむの頬に激しく頬を擦りつけながら 謝り続けます。すると、頭上からぼきんという音が響き、目の前を細 い何かが横切って地面に落ちました。 まりさはきょとんとした顔でそれを見下ろします。 蔓でした。 先には三匹の未熟な赤ゆっくりが実り、しかしそのどれもが見る見る うちに黒ずんでいきます。 そう、まりさが母体を激しく動かしたため脆くなっていた土台が崩れ 蔓が落ちてきてしまったのです。 「お゛、お゛ぢびぢゃんまでぇーーーー?! どぼじでーーーー?! ばりざはだだゆっぐりじでだだげなのにーーーーー?!」 一日にして得た最愛の妻と子供達を一夜の内に失ってしまい、まりさ は今まで生きてきて経験したことがないほど泣き叫び、そして巣の中 に溢れた自分の涙であんよが溶け、それが原因で死んでしまいました。 最後の言葉は、 「みんなでゆっくりしたかった」 だったそうな。 めでたしめでたし。 おしまい このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1867.html
種付けゆっくり・前編 ある山のふもとに大きな村があった。その村の人々は主に農業により生計を立てていた。 しかし近年山のゆっくりが増え、村の畑を荒らしに来ることが多くなった。 村の人々はあらゆる手段を用いたが、ゆっくり達の数が多いために思うように行かなかった。 今日も村恒例のゆっくり対策会議が行われた。 畑を荒らしに来るゆっくりの対策を練るのであるが、今回は少し普段と違う。 最近村に越してきた虐殺お兄さんも会議に加わっているのである。 「今までこの村では様々な手段を講じてきたが、どれも良い成果はでなかった。 畑に罠を仕掛けるのは当然として、ゆっくりを駆除する山狩り等も行った。 それでも奴らは減らない。今の時期はともかく冬前までには駆除したい。何か良い方法はないものだろうか?」 村長はそう尋ねた。 「この村は森に囲まれていて、地の利はゆっくり達にあります。普通に罠を仕掛ける等ではうまくは行きません。 山狩りを行うにしても、ゆっくり達が散らばって逃げてしまえばそれまでです。」 村の人々も分かってはいたが、そこを指摘されて皆渋い表情をしていた。 「しかし」 お兄さんは続けた。 「手が無い訳ではありません。」 皆がどよめいた。 「この辺りのゆっくりを普通に駆除するのは非常に厳しいです。全滅させるとなると不可能です。」 村の人々は 「ではどうすれば良いんだ?このまま放っておけとでも言うのか!?」 お兄さんはさらに続けた。 「減らせないなら逆に増やせば良いんです。つまりゆっくり達を繁殖させるんです。」 その場に居た全員が顔を顰めた。 お兄さんは気にせず話を続けた。 「例えば成体ゆっくりが100匹いたとしましょう。100匹がそれぞれつがいになった場合 にんっしんするゆっくりは50匹になります。 残りの半分はにんっしんしたゆっくりの世話を行います。それがゆっくりの繁殖の基本です。 では残りの50匹もにんっしんしたらどうでしょう?」 皆ははっとした。 「世話役のゆっくりが居なくなるので子供が無事生まれる確率が極端に下がりますし、 にんっしんしたゆっくりも無事に過ごせる確率が下がります。」 「理論上はそうなるだろうが、どうやって全てのゆっくりをにんっしんさせるんだ? ゆっくりありすを使えば出来なくは無いだろうが、この辺りには殆ど生息してないぞ。」 「それについては良い方法があります。適当なゆっくりが3匹も居れば十分です。 あとは加工所に協力をしてもらえば大丈夫です。」 「ではどんな手を使うのだ?」 「ゆっくりを改造して野に放つだけです。 ゆっくりは敵意のないほかのゆっくりに対して、頬を擦り合うという習性があります。人間で言う握手の様なものです。 改造ゆっくりはその際に相手のゆっくりに精子餡を染み込ませます。 交尾とは違い精子餡が体内に到達するのに2日弱掛かりますが、確実ににんっしんさせます。 また、改造ゆっくりと頬擦りしたゆっくりも、改造ゆっくりと同じ性質を持つようになります。 ちなみにこの性質に変化する時間は、頬擦り後5~10秒程度ですので、群れ全てに広がるのには時間は掛かりません。 また、にんっしんまでの時間は2日弱ですが、にんっしんさえしてしまえばその後は早いです。 加工所仕様のゆっくりの様に、子供の量も孵化までのスピードも通常の3倍以上となります。 植物型であれば20匹程度、動物型であれば8匹程度の子供が急速に成長します。 大半が子供の成長に母体が耐えられずに死んでしまいます。 仮に耐えられて子供が孵化できても、孵化直後に改造ゆっくり化した親ゆっくりに触れてしまう為、 1~2日後に蔦を生やして黒ずんで死にます。そのショックで親ゆっくりも死んでしまうかにんっしん不能になります。 大体1週間もあれば山のゆっくりの大半が死滅します。」 村の人々は信じられないと言う顔をしているが、他に良い案もない為お兄さんの案を採用した。 「ではその案で行こう。今すぐにでも取り掛かれるのかね?」 「加工所にはこれから私が出向いて必要な機材を借りてきます。ゆっくりの調達はゆっくり達が寝静まった頃に行いましょう。 ゆっくりが寝ている内に処置をして、夜の内に巣に戻しますのでその時は協力お願いします。」 具体的な内容も全て決まった為、ゆっくり対策会議はそれで終了した。 その後お兄さんは加工所に行き必要な機材を用意した。 そしてその日の夜に村人2人を連れてゆっくりの生息地へと向かった。 生息地に着いた3人は早速ゆっくり達の巣を探した。 巣は程なく見つかった。その中でつがいになっていないものを探した。 つがいでないゆっくりの方が、他のゆっくりと接する機会が多い為である。 最終的にまりさ種とれいむ種の成体ゆっくりを2匹ずつと、それぞれ別の巣の子ゆっくり2匹の計6匹を持ち帰る事にした。 それらのゆっくりに麻酔を打ち、絶対に起きない状態にしてお兄さんの家に持ち帰った。 お兄さんは早速処置に取り掛かった。また、手伝いの2人も処置を手伝う事になった。 処置自体は割と簡単な作業だった。3種類の妙な色の液体を注射した後、機械でゆっくりを1分間振動させ、 薬液に2分程浸し、ゆっくり用乾燥機で乾かした後に小麦粉と薬を混ぜた粉をつけて傷付けない様に揉む。 10分程して表面がほん少しだけ湿ってくれば完了である。 処置が終わったゆっくりを巣に戻しに行く。時々ゆっ、ゆっ、と声が漏れるが、麻酔の為起きる様子は無い。 巣にゆっくりを戻し、巣のカモフラージュ等も元通りにした後、村に戻り、それぞれ家に帰る。 あとは数日後に出る結果を待つだけである。お兄さんは今から楽しみでしょうがない。 「「「「全滅まで何日掛かるかワクワクするぜぇえぇぇ!!今からテンションあがってきたぁああぁぁぁああ!!! フォォォォオォォォ!!!!!」」」」 お兄さんの夜はまだ長い・・・。 続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2019.html
種付けゆっくり・前編 ある山のふもとに大きな村があった。その村の人々は主に農業により生計を立てていた。 しかし近年山のゆっくりが増え、村の畑を荒らしに来ることが多くなった。 村の人々はあらゆる手段を用いたが、ゆっくり達の数が多いために思うように行かなかった。 今日も村恒例のゆっくり対策会議が行われた。 畑を荒らしに来るゆっくりの対策を練るのであるが、今回は少し普段と違う。 最近村に越してきた虐殺お兄さんも会議に加わっているのである。 「今までこの村では様々な手段を講じてきたが、どれも良い成果はでなかった。 畑に罠を仕掛けるのは当然として、ゆっくりを駆除する山狩り等も行った。 それでも奴らは減らない。今の時期はともかく冬前までには駆除したい。何か良い方法はないものだろうか?」 村長はそう尋ねた。 「この村は森に囲まれていて、地の利はゆっくり達にあります。普通に罠を仕掛ける等ではうまくは行きません。 山狩りを行うにしても、ゆっくり達が散らばって逃げてしまえばそれまでです。」 村の人々も分かってはいたが、そこを指摘されて皆渋い表情をしていた。 「しかし」 お兄さんは続けた。 「手が無い訳ではありません。」 皆がどよめいた。 「この辺りのゆっくりを普通に駆除するのは非常に厳しいです。全滅させるとなると不可能です。」 村の人々は 「ではどうすれば良いんだ?このまま放っておけとでも言うのか!?」 お兄さんはさらに続けた。 「減らせないなら逆に増やせば良いんです。つまりゆっくり達を繁殖させるんです。」 その場に居た全員が顔を顰めた。 お兄さんは気にせず話を続けた。 「例えば成体ゆっくりが100匹いたとしましょう。100匹がそれぞれつがいになった場合 にんっしんするゆっくりは50匹になります。 残りの半分はにんっしんしたゆっくりの世話を行います。それがゆっくりの繁殖の基本です。 では残りの50匹もにんっしんしたらどうでしょう?」 皆ははっとした。 「世話役のゆっくりが居なくなるので子供が無事生まれる確率が極端に下がりますし、 にんっしんしたゆっくりも無事に過ごせる確率が下がります。」 「理論上はそうなるだろうが、どうやって全てのゆっくりをにんっしんさせるんだ? ゆっくりありすを使えば出来なくは無いだろうが、この辺りには殆ど生息してないぞ。」 「それについては良い方法があります。適当なゆっくりが3匹も居れば十分です。 あとは加工所に協力をしてもらえば大丈夫です。」 「ではどんな手を使うのだ?」 「ゆっくりを改造して野に放つだけです。 ゆっくりは敵意のないほかのゆっくりに対して、頬を擦り合うという習性があります。人間で言う握手の様なものです。 改造ゆっくりはその際に相手のゆっくりに精子餡を染み込ませます。 交尾とは違い精子餡が体内に到達するのに2日弱掛かりますが、確実ににんっしんさせます。 また、改造ゆっくりと頬擦りしたゆっくりも、改造ゆっくりと同じ性質を持つようになります。 ちなみにこの性質に変化する時間は、頬擦り後5~10秒程度ですので、群れ全てに広がるのには時間は掛かりません。 また、にんっしんまでの時間は2日弱ですが、にんっしんさえしてしまえばその後は早いです。 加工所仕様のゆっくりの様に、子供の量も孵化までのスピードも通常の3倍以上となります。 植物型であれば20匹程度、動物型であれば8匹程度の子供が急速に成長します。 大半が子供の成長に母体が耐えられずに死んでしまいます。 仮に耐えられて子供が孵化できても、孵化直後に改造ゆっくり化した親ゆっくりに触れてしまう為、 1~2日後に蔦を生やして黒ずんで死にます。そのショックで親ゆっくりも死んでしまうかにんっしん不能になります。 大体1週間もあれば山のゆっくりの大半が死滅します。」 村の人々は信じられないと言う顔をしているが、他に良い案もない為お兄さんの案を採用した。 「ではその案で行こう。今すぐにでも取り掛かれるのかね?」 「加工所にはこれから私が出向いて必要な機材を借りてきます。ゆっくりの調達はゆっくり達が寝静まった頃に行いましょう。 ゆっくりが寝ている内に処置をして、夜の内に巣に戻しますのでその時は協力お願いします。」 具体的な内容も全て決まった為、ゆっくり対策会議はそれで終了した。 その後お兄さんは加工所に行き必要な機材を用意した。 そしてその日の夜に村人2人を連れてゆっくりの生息地へと向かった。 生息地に着いた3人は早速ゆっくり達の巣を探した。 巣は程なく見つかった。その中でつがいになっていないものを探した。 つがいでないゆっくりの方が、他のゆっくりと接する機会が多い為である。 最終的にまりさ種とれいむ種の成体ゆっくりを2匹ずつと、それぞれ別の巣の子ゆっくり2匹の計6匹を持ち帰る事にした。 それらのゆっくりに麻酔を打ち、絶対に起きない状態にしてお兄さんの家に持ち帰った。 お兄さんは早速処置に取り掛かった。また、手伝いの2人も処置を手伝う事になった。 処置自体は割と簡単な作業だった。3種類の妙な色の液体を注射した後、機械でゆっくりを1分間振動させ、 薬液に2分程浸し、ゆっくり用乾燥機で乾かした後に小麦粉と薬を混ぜた粉をつけて傷付けない様に揉む。 10分程して表面がほん少しだけ湿ってくれば完了である。 処置が終わったゆっくりを巣に戻しに行く。時々ゆっ、ゆっ、と声が漏れるが、麻酔の為起きる様子は無い。 巣にゆっくりを戻し、巣のカモフラージュ等も元通りにした後、村に戻り、それぞれ家に帰る。 あとは数日後に出る結果を待つだけである。お兄さんは今から楽しみでしょうがない。 「「「「全滅まで何日掛かるかワクワクするぜぇえぇぇ!!今からテンションあがってきたぁああぁぁぁああ!!! フォォォォオォォォ!!!!!」」」」 お兄さんの夜はまだ長い・・・。 続く? このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/620.html
にんぷさん 11KB ◆ 皆さんのSSを読み、触発されて初投稿に至った次第です ◆ 拙い文章だとは思いますが、感想フォーム等を参考に、今後の改善に努めたいと思います ◆ 性的描写あり ◆ 虐待よりもギャグの方が目に付くかもしれません、こんな筈じゃなかったのに・・・! ◆ 実は一作目が頓挫して二作目を投稿してるのは内緒 『にんっしんしたゆっくりを虐待したい。』 そう思い立ったのはつい最近のことだ。 通常の虐待に行き詰まりを感じ、僕にゆ虐を教えてくれた先輩にアドバイスを請うたところ にんっしんしたゆっくりの虐待を薦められたのである。 にんっしん虐待・・・そういうのもあるのか! やはり先人達は偉大だ。 『新しい命の誕生を踏み躙る・・・その背徳感と、目の前で赤ん坊の命をもぎ取られたあいつらの顔がたまらないのよ! 』 嬉々として語る先輩の顔は、ある意味神々しかった。 でも饅頭に命っていう概念はあるのかな? 「ただいまだぜ。れいむ、きょうもたっくさんえさをとってきたんだぜ! 」 「ゆゆっ、まりさはさすがだね! かりのめいじんだよ! 」 「ゆっへん! それほどでもないんだぜ! それよりいっぱいたべて、げんきなあかちゃんをうむのぜ! 」 「まりさ・・・」 「れいむ・・・」 「「す~りす~り・・・ゆゆぅ~♪」」 今回の虐待には、我が家の軒下に(勝手に)住んでる番のこいつらを使おう。 二匹の大きさはおよそバスケットボール程、そして都合の良いことに、れいむは胎生にんっしんをしている。 ちなみに、まりさの言う『えさ』とは僕がこいつらが餓死しないようわざわざ庭に置いておいた生ごみのことだ。 そりゃたっぷり取れるわな。 「はいはい、お楽しみのところちょっと失礼しますよ。」 「ゆゆっ、にんげんさんはゆっくりできないよ! まりさ、なんとかしてね! 」 「まかせておくんだぜ、れいむ! まりさにかかればにんげんさんなんていちころぎゃぶぅっ!? 」 やかましいので、ハエタタキで二、三発殴りつけて黙らせておく。 大抵のゆっくりにとって、『人間=ゆっくりできない』程度の認識らしい。 相手の強さを測る能力なら、イヌやネコにも備わってるって誰かの右手が言ってた気がするが・・・。 こいつらは一体どうやって野生動物として生き延びてきたのだろう。 ・・・いや、動物などと言っては生命に対する冒涜かもしれない。口を謹んでおこう。 「まりさ、まりさ! しっかりしてね! 」 「ゆぴぃ・・・からだじゅうががんがんするのぜ・・・」 ハエタタキの振動はゆっくりの全身に伝わる。 つまり、頭部のみで構成されるゆっくりの体が脳震盪を起こした形になるのだ。 加えて、ゆっくりは体全体が聴覚器官の役割を果たしているため、その衝撃は計り知れない。 まりさがおとなしくなったところで、二匹を虐待部屋に連行する。 「にんげんさん、れいむとまりさをゆっくりはなしてね! れいむはにんっしんしてるんだよ!? 」 「だから苛めるんだよ! ゆっくり理解してね! 」 「どぼじでぞうなるのぉぉぉぉぉ!? 」 軽く会話のキャッチボールも済ませたところでさぁ虐待だぁ! さて、取り出しましたるは特製アイテム「にんっしん促進薬」。 要はレイパーと名高いアリスの特濃体液汁だ。 こいつを注射器にセットし、やや内角をねらい・・・ 「ゆゆっ? おにいさん、なにそれ? なんだかゆっくりできなさそうだよ・・・」 えぐりこむように打つべし! 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁ!? 」 あ、いけーねいけね。針全部刺しちゃったよ。 薬は注入されたみたいだからいっか。 「ゆがぁ・・・? ぽんぽんさんがへんだよぉ・・・」 れいむの膨れ上がった下腹部が蠕動を始めた。 早くも薬が回り始めたらしい。次の段階に移らねば。 先輩によれば、通常は『まむまむ焼き』で産道を塞ぐらしいが・・・。 今回はもう少し趣向を凝らすことにする。 アイテムその2、「ゆっくり用瞬間接着剤(小麦粉製)」の登場だ。 「さーて、れいむちゃんの下のお口はどこかなー? 」 顎の中腹よりやや下辺り、不気味にひくひくと蠢く穴があった。 穴があったら入るのが男ってもんだぜ! ま、入るのは僕じゃないけどね。 「ゆぅぅぅぅ!? れいむのぷりてぃーなまむまむになにするのぉぉぉぉぉぉ!? 」 「はいはい、良い子だからおとなしくしようねー」 れいむのぷりてぃー(笑)なまむまむに接着剤を流し込む。 これで子供は産めず、出産の時には産道が広がる代わりにまむまむを激痛が襲うことになる。 あ、そうだ。あにゃるの中にも接着剤流し込もう。こいつら適当な体の構造してるからな。 尻から産まれた桃太郎なんて駄洒落にもならん。 「ゆっ・・・はなせぇぇぇ! れいむにさわるなぁあぁぁ! 」 腹部を庇っているせいか、れいむがこちらにあにゃるをぷりぷりと振りかざしてきた。 わっしとばかりにそれを掴み、興味本位であにゃるに中指を突っ込んでみる。 たまには違う穴でもいいよね! 「ゆぴ・・・? おにいさん、ゆびぬいてぇぇぇぇぇぇ! 」 「ふふふ・・・コリコリ弾力のある中枢餡に触っているぞぉ、れいむ・・・」 指を少し下げると、丸っこい感触のものがあった。これが赤ちゃんかな? あにゃるに親指と人差し指も突っ込み、可能な限りに拡大し、れいむの胎内に向かって叫んだ。 「ゆっくりしていってね!!! 」 『ゆっ・・・して・・・ね・・・』 僅かだが反応があった。胎教ってきっとこうやるんだな。勉強になった。 予定通りあにゃるも固めておく。 「ゆひゅぅ、ゆひゅぅ・・・れいむ、もうおこったよ! にんげんさん、ゆっくりしないでかくご・・・ゆぎぎぎ・・・! 」 れいむを解放してしばらくすると変化が起こった。いよいよ出産の時がきたのだ。 「うっ、うっ、うばれるうぅぅぅ・・・!? 」 下膨れた顔に、もこもこと隆起する二つのテニスボール大の凹凸。どうやら二匹の子宝に恵まれていたようだ。 れいむのまむまむが塞がれているため、出る場所がわからずに戸惑っているに違いない。 「ゆぎぃ・・・あがぢゃん、もうちょっとゆっくりじでいってね・・・」 でなければ、親の腹から生れ落ちようとはしないはずだ。 「れいむ、れいむ! いまたすけるのぜ! 」 ハエタタキに殴られて、先程まで無様に失神していたまりさが駆け寄り、必死に介抱しようとする。 が、この状態でゆっくりに出来ることなどたかが知れている。 「ど、どうなってるのぜ・・・!? れいむのまむまむはどこなのぜ!? 」 「ゆがぁぁぁ・・・でいぶのあがぢゃん、おねがいだがらうごがないでね・・・」 博識な皆様方ならご存知だとは思うが、ゆっくりの出産時に飛び出す子供の勢いは中々のものだ。 原理は知らないが、例えるならば腹の中でパチンコ玉を撃つ様、と言ったところか。 その衝撃が、内側かられいむの腹部に加えられているのだ、痛みは推して知るべし。 「でいぶのおなががぼごぼごしてるぅぅぅ! きもい! おもにはらがぎぼいぃぃぃぃぃ! 」 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ!? ばでぃざはでいぶのおむござんでじょぉぉお!? ごどものぜぎにんどっでぇぇぇ! 」 二匹が昼ドラめいた会話を繰り広げる中、れいむの懇願も虚しく赤ゆっくりは外に出ることを止めようとはしなかった。 れいむのもっちりでっぷりとした腹部がメリメリとひび割れていく。 出産の勢いは母胎の強度に勝ったようである。 「うがぁぁぁ! おやをぐるじめるようなあがぢゃんはうまれないでゆっぐりじねぇぇぇ! 」 同時にれいむの自己愛も母性(笑)に打ち勝ったようだ。 胎児にとっては産まれることなど無意識の行動であろうに。 「もっと・・・ゆっぐりじだがっだ・・・」 断末魔の声にかぶさり、ブチブチと母親の胎を食い破りながらも、赤ゆっくりが生れ落ちた。 「「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!! 」」 赤れいむと赤まりさの番が産声をあげたが、 「れいむ!? おへんじしてよ、れいむぅぅぅ! 」 遺された親まりさは動揺して構う余裕はなかったようだ。 エイリアンの如く産まれた子供を前に、そりゃ冷静で居られるわけがないわな。 ・・・あ、そうだ。赤ゆっくり同士も胎生にんっしんさせてみよう。 オレンジジュースに浸しながらドッキングさせれば、栄養不足で死に至ることもないはずだ。 「ほ~ら、ご飯でちゅよ~。」 「ゆぴぃっ!? 」 「ゆひっ!? 」 先程の特濃アリス汁を赤ゆっくりに注射し、溺れない程度のオレンジジュースで満たされた容器に浸しておく。 「さぁ、お次はすっきりしましょうねー。」 「れいむぅ・・・。ゆ? おちびちゃんはすっきりしちゃだめだよぉぉぉぉ!? 」 やっと気付いたようだがもう遅い。親まりさには剣山という特等席を用意しておいた。 彼女には、生れ落ちて間もない我が子同士が交尾するのを、心行くまで見ていてもらおう。 「ゆぎゃぁぁぁ!? までぃざのあんよがぁぁあ!? 」 「ほーらおちびちゃん、す~りすり~♪」 「「ゆ・・・ゆゆっ? 」」 赤ゆっくりの番に振動を与え、強制的に発情させる。 子供でも一応発情する事は先達が証明済みだ。 「にゃ、にゃんだかからだがあちゅくなってきちゃよ・・・? 」 「まりちゃ、もうがまんできにゃぃぃぃ! 」 つくづく単純な体構造してるな、ゆっくりって。 しかし普通に交尾させるだけじゃつまらないな。 まりさのぺにぺににとんがりコーンでも被せておくか。 うん、実にお洒落なルーデサックじゃないか! 滑稽だよ、まりさ。 「いれりゅよ、れいみゅ・・・」 「はやくちてぇ・・・れいみゅのきょきょのうじゅきをしじゅめてよぉ、まりちゃ・・・」 そんな僕の気遣いを知ってか知らずか、いそいそと交尾の準備を始める二匹。 この台詞回し、こいつら本当に赤ん坊か。 既に二匹の体表はぬめぬめとした粘液に覆われ、電灯の光を受けて怪しく輝いている。ぶっちゃけきもい。 人間で言う四つん這いの格好になった赤れいむのまむまむに、 赤まりさが己の股間に聳え立つとんがりコーンを荒々しく挿入する。 「ゆゆ? れいみゅのきょきょはなんだきゃきゃたくてゆっきゅりできないよ? 」 「いちゃぃいいぃ! さけちゃうううぅ!? 」 各々勝手に感想を漏らしつつも、ぬちゃぬちゃと音をたてながら体を重ねあう。 前後運動が激しくなり、聞こえてくる音が更に濁ってきた頃。 「ゆふっ、ゆふっ、れいみゅ、ちょろちょろ、だちゅよ? 」 「ぽんぽんがごりごりしゅるよ、いぢゃいよぉぉぉ!!」 「「すっきりぃいぃぃぃぃぃぃぃ!!! 」」 二匹が絶頂を迎えた。 「ゆぐっ、ぐずっ、ばでぃざの、あがぢゃんがぁぁぁ・・・」 深い悲しみに包まれた親まりさは目から砂糖水を垂れ流している。 さぁ、第二ラウンドと行こうか! 親まりさを剣山から外し、赤ゆっくりのいる容器に放り込む。 荒い息の赤ゆっくりに、再び薬を打ち込んで発情させる。 今度は己の親が性欲の捌け口となるのだ。 おっと、とんがりコーンも忘れちゃいけねぇぜ。 赤まりさのはれいむの体内に残ってしまったようなので、二匹それぞれに被せておこう。 「ゆけけけけ・・・おかしがいのありちょうなまりちゃがいるのじぇ」 「うしろはれいみゅがもらっちゃよ! 」 「やめてね、やめてねおちびぢゃん・・・ゆぎぃっ!? 」 薬のせいか、生まれ持った性質なのか、赤ゆっくりの口調はゲスのそれに近いものとなっている。 それにしても子供の交尾を見せられた挙句、その子供に犯される親の心境は之如何に。 加えて前からも後ろからも、生殖にはとても向かない異物を挿入されているのだ、肉体的な苦痛も大きい。 「ゆふぅ、まりちゃのここはゆるゆるだよ? とんでもないばいたじゃにぇ!」 「やめちぇといいながらもていこうしにゃいなんて、いんらんなのじぇ! 」 「ゆっぐ、ゆっぐ、おぢ、び、ぢゃん・・・」 突かれる衝撃で喘ぎながらも我が子に懇願する親の姿は、子供の目には映らなかったようだ。 悲しみに打ちひしがれてはいるものの 「「「ずっぎりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」」」 不思議とここだけは声を合わせるんだよなぁ。 先程と比べてその声には疲労が滲んでいるが。 「ゆげぇっ・・・もう、すっぎりは、いやだよ・・・」 赤ゆっくりが吸収したため、容器にオレンジジュースはもう僅かしか残っていない。 親まりさは餡子を吐き、生まれたことを、或いは生み出したことを嘆きながら絶命した。 それと入れ替わるように、赤れいむの産道がみちみちと開き始める。 「ゆぎゅ!? う、うばれりゅよぉぉ・・・」 産道からゆっくりのふてぶてしい顔が覗き、次の瞬間。 「れいみゅのあきゃちゃん、ゆっきゅりうまりぇて・・・ゆぴぃっ! 」 赤れいむの体が四散した。胎内の赤ゆの成長が、特濃汁によって異常に促進された結果である。 成体ならともかく、赤れいむの体では自分の体ほどもある赤ゆの出産には耐えられなかったのだ。 「ゆ? ゆ!? にゃにがおこっちゃの!? 」 「ゆっくりしちぇいっちぇにぇ! 」 「・・・は? 」 流石に驚いて声をあげてしまった。新たに生まれた赤まりさ(孫まりさと言うべきか)の生殖器が・・・ 「「どぼじでどんがりゴーンなのぉぉぉぉぉぉぉぉ!? 」」 ● 「ひっさつのどりるぺにぺにをくらうのぜ! 」 「ゆぎゃぁぁぁ、もうゆるぢでぐだざぃぃぃぃ!! 」 「おにぇーちゃん、すごーい!! 」 「ゆぷぷぷ、にきゅべんきはぶじゃまだにぇ!! 」 結局、意図せずして新種の開発に成功してしまった僕は、彼らを新たな虐待道具として使うことにした。 ちなみに成長した赤まりさはとんがりコーン専用の肉便器として現役を貫いている。ま、今は貫かれてるけどね。 呆れたことに、奴らはとんがりコーンを介して生殖行為を行ったため、その特徴をも子に引き継いでしまったらしい。 しかもこのとんがりコーン、あたかもドリルの様に回転するのだ。 従って、貫かれる側は体内の餡子をかき混ぜられ、五臓六腑を引っ掻き回されたような錯覚に陥るのだという。 無論、まむまむとの間に擦過傷も発生し、その痛みも尋常なものではないだろう。 「さぁ、つぎにつらぬかれたいやつはだれなのぜ? 」 さぁ、次はこいつでどんな虐待をしようか? おやつのとんがりコーンを口に含みながら、僕は新たな虐待方法を考えることにした。 完- <あ・と・が・き> 深夜のテンションって怖いですね、次からはちゃんとプロット立ててから書こう、うん・・・。 もっと精進せねば。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る とんがりコーンが食べれなくなるでしょおおお -- 2016-03-15 22 40 09 申レN -- 2014-07-30 14 26 57 最強とんがりコーン -- 2013-01-16 12 49 36 どりるぺにぺに… -- 2012-02-22 10 55 31 よく食いながらかけるな(苦笑) -- 2011-02-17 22 17 25 ドリチンw鉄男みたいだなw -- 2010-09-05 05 19 12