約 3,141,691 件
https://w.atwiki.jp/sasarin/pages/42.html
https://w.atwiki.jp/nothing/pages/396.html
「先に行っててくれ、キラ!」 アスランが急に反転して通路を戻っていく。警告が鳴り渡って揺れが始まるメサイアの中、キラとアスランは中央司令所からフリーダムとジャスティスを停めたドックに戻る途中だった。制御を失い、シールド失った移動要塞はゆっくりと月面に向かって降下しており、数分後には衝突爆発する。 かく言う今も、所どころで小さな爆発が起こっているのか、キラの目の前でガタンと隔壁が落ちた。ダンと冷たい壁を叩くキラ。 「ちょっと待ってよ、アスラン! どういうつもっ」 「やっぱり俺には、このまま置いていくことはできない」 壁の向こうから声が聞こえた。 「何言ってるのっ。今すぐ出ないと、ここはもうっ」 最後まで言わなくても結果は目に見えている。事態は一刻を争うのだ。 「助けられる人をそのまま見捨てて逃げて来たなんてカガリに知られたら、またどやされるよ」 キラが隔壁をこじ開けようとパネルを操作するが動かない。それもそのはずだ、内側からアスランが上がらないようにつっかえをしていたからだ。 「月面にもまだ助けたい奴がいるんだ。手のかかる後輩達だけど、頼む、キラ」 シンという名の少年。 キラもアスランから聞いて、オーブで家族を失い、インパルスでフリーダムを落とし、そして、脱走しようとしたアスランを撃墜したという後輩のことを知っている。アスランが彼のことをとても気にしていたことも。 「アスラン! 絶対、戻ってきてよ」 「当たり前だろ。お前も気をつけろよ」 遠ざかる気配にキラは両手で隔壁を叩く。パイロットスーツのグローブ越しに伝わる衝撃が痛かった。くっと歯を食いしばって隔壁を後にする。ドックにたたずむフリーダムとジャスティス。キラは隣の深紅の機体を見つめて、フリーダムのコックピットに滑り込んだ。 もうその頃には要塞が分解する盛大な音が響き始めていた。その中で、ドアが空くモーター音にタリアがおもむろに顔を上げる。彼女の腕の中には身動きしない議長と、泣き疲れて息を殺すように身体を預けているレイがいた。 「グラディス艦長!」 「アスラン・・・何をしに来たの!」 驚いてタリアが咄嗟に叫ぶが、アスランは既に中央指令所の崩れた天井や柱を乗り越えていた。彼女が目を見開くうちに3人がいる一段高い場所に上がる。 「一緒に脱出するんですっ!」 「あなたは、早く逃げなさいと言ったはずよっ」 タリアが手を振る仕草は、まるでアスランを追い払うような手つきだったが、彼はそれを上手く避けてレイの肩に手を置いていた。 「レイ。立てるか?」 アスランの手の下のレイはまるで置物のように反応がなかった。全てをあきらめた抜け殻のような状態。理由は違えど、一度は自分も死を覚悟した。 「シンも、ルナも無事だ」 返事は無いけれど、レイの肩がピクリと震える。 守りたいものが無くなったから、生きている理由が見つからないから、責任を取らなくてはならないから。死を選ぶ理由は様々にある。 「しっかりしろ、レイ! 君はちゃんと状況を確認したのか、議長はまだ死んじゃいない。撃たれたショックで気を失っているだけだっ」 レイがタリアから頭を浮かして、目を閉じたままの議長を見る。 「・・・ギ・・・ル」 「そんな、でも、彼は」 アスランがデュランダル議長の上着を開いて、撃たれたと思わしき箇所を探る。応急処置を始める彼が、視線は手元の議長に落としたまま、口を開く。 「お子さんがいらっしゃるのなら、こんな所で死ぬべきじゃありません。親を亡くした子供程、弱くて悲しい存在はいません」 アスランがパイロットスーツの救急キットからテーピングを取り出して止血していくが、すぐに血の赤い色が浮かび上がる。 レイと顔を合わせず、彼の後ろに回る。本当に時間がないのだ。 「レイも・・・シンやルナに言うことがあるだろう」 呆然とするレイの背中の救急キットも漁って、さらに議長の胸に巻きつける。一通り手当てを終えた彼が、この時になって二人を見る。 「二人とも立ってっ! レイ、二人で議長を支えるんだ。艦長、レイを頼みます」 レイが生死を確認しようとデュランダル議長に手を伸ばすが、要塞が崩壊する音がすぐそこまで迫っていた。 「早くっ!!」 力の抜けた大の男にアスランとレイが肩を貸す形で立ち上がらせ、体格的に負担のかかるレイをグラディス艦長が支える。中央指令所は既に半分が瓦礫で埋まり、そこかしこで火花が上がる。通路に出てもそれは同じで、意識のない重症人を連れてまっすぐ歩くことすらおぼつかない。 レイの表情は読めないが、それでもなんとかデュランダル議長を支えていた。タリアが眉をしかめて通路の先を見るアスランを盗み見る。彼はなぜ危険を承知で戻って来たのか、ただ自分達を助けるためにしては物足りない気がする。その疑問を察したのか、アスランが口を開いた。 「約束です、議長との」 「約束?」 「はい。『道を間違えた時は正してくれ』と」 ドン。と、爆発が起こって通路が大きく揺れる。 「それに・・・俺はずっと、何と戦わなければならないのか、考えてきました」 「最終的に俺は、オーブに付いてザフトと敵対しましたが、議長の言うこと全てに反対ではありません」 先ほどの爆発で重力制御が利かなくなったのか、4人の身体が浮いた。 息を注ぎながらアスランが話す。 遺伝子によって適正を決め、自由な未来を奪うようなディスティニープランには勿論反対だけれど、かと言って、それが議長のやって来た事全てを否定することにはならない。ロゴスと言う戦争を煽る存在を暴露し、一時的にでもナチュラルとコーディネーターが手を合わせることに成功したのは彼の成果だし、なぜ争いがなくならないのかと世界に問いかけたのも、彼だ。 話しながらアスランは、議長がパトリック・ザラのことを「平和を求めた」と評したことを思い出す。求める世界は誰もが同じ、ただその方法を間違えたのだと言っていた。あの言葉は、ザフトに引き込むための甘言なのかも知れないが、非道だと頑なに父を拒絶するアスランの心に確かに届いたのだ。 「これからプラントは、ラクス達クライン派が中心になって立て直していく事になるでしょう」 彼女は議長が利用したいと思うほどに大きな影響力を持っていて、彼女を慕う信奉者も多い。それはプラントの中枢まで入り込み、条約違反のMSを建造するまでに及ぶ。 「そして、おそらく・・・彼らに都合の悪い事を、ある事ない事、議長は背負うことになる」 「そうね。諸悪の根源のように言われるわね」 議長に肩を貸すアスランをタリアが見る。 2年前と同じ。死者は何も語らないのだ。 パトリック・ザラは憎悪を撒き散らした独裁者として、ラウ・ル・クルーゼは世界を破滅に追いやろうとした狂人として吊し上げられ、プラントでは激しいバッシングが起こった。何処までが真実で、どこからが虚構だったのか、ここにいる二人は少なくともそのボーダーラインを知っている。 この期に及んで自ら死を選ぶと言うことはないだろうが、アスランは一言も発しないレイに言う。 「その為にも君は生きて、彼の、ザフトの名誉を守れ。事実を正しく伝えなければ駄目なんだ」 一番恐ろしいのは情報操作で、敵対する考えを封じ込めてしまうことだ。 「この先どうするかは、世界の人々が決めればいい事だ。選択肢は多い方がいい」 「だが、人は自分と違うものを区別し、受け入れない。人は恐れ、争う」 ようやく口を開いたレイの一言目は、誰の言葉だったのか。 欲望の果てに生まれ、絶望を見た男なのか。 「だからと言って遺伝子によって全てを決定するというのは行き過ぎだ」 「あなた方のやり方では戦争は無くならない」 「ああ、俺もそう思うよ」 レイが言っていることも間違ってはいない。 自由な未来を唱えることは、アスランの探している問いの答えにはならない。せいぜい、今ある現状を悪化させないだけ。悪くならない代わりに良くもならない。 どちらも、正しくない。 「難しいな。たった二人の間でさえ答えがまとまらない」 この世界には幾億の人がいるというのに。 だから。 「世界は許容しなければいけないんだ」 エレベータが止まっているから、細長い構内をワイヤーに沿って上に向かう。 「分かり合えるなんて言わない。ただ、そういう考え方もあると認めなければ、お互いに否定し合うばかりで何も始まらない」 他者を恐れ、認めない。 他者の存在を許さない世界。 例えるなら。 この崩れ行く要塞の中で、お互いを『傲慢だ』と言って。 銃を向け合ったように。 「それが私達を助ける理由?」 「それもあります。でも、悔しいじゃないですか」 アスランが笑う。 状況は少しも楽観視できないのに、彼の声はどこか楽しそうだった。 「プラントの市民が議長を選んだ。なら・・・プラントの市民が裁くべきです」 タリアが一瞬、目を見開く。 プラントにはプラントの自負があるのだと、彼が言っている。 「あなた、結構、言うわね」 エレベーター構から扉をこじ開けて通路に出る。 タリアが乗ってきたランチを停めた場所を思い出しながら方向を示す。帰る事は考えていなかったから会っているかどうか不安だと笑う。 しかし、笑った傍から大きな衝撃。 「この先のドックよ」 「急げっ」 進行を妨げる通路に浮かぶの残骸に半ば体当たりするように進んで、ようやくランチに辿り着く。 「頼んだぞ、レイ」 「あなたはどうするの!?」 ランチの中から、議長を抱えたタリアが叫ぶ。当然、一緒に乗ると思ったのだろう。 「俺には持ち帰らないといけないものがあります」 核エンジン搭載のMS。ジャスティス。 要塞と共に爆発でもさせたら被害がさらに大きくなってしまうだろう。 アスランは右手を上げて敬礼する。 レイも敬礼をする。 二人が視線を合わせたのは僅かな時間で、すぐにレイは身を翻してランチの中に消えた。 アスランもジャスティスを停めたドックへと向かう。その後ろでランチがドックから飛び出した。 アスランは振動と明かりの落ちた通路を進む。非常隔壁が半分閉じた向こうにジャスティスが見えた時、メサイアがついに月面に落ちた。 メサイアが墜ちる。 月面から虚空に向けて光が走る。その巨大な火柱に浮かぶ黒い点が少しずつ大きくなる。やがてそれは輪郭を浮かび上がらせ、羽根を広げて飛んでくる。 「・・・シン!」 「あれは・・・フリーダムっ!?」 月面でメサイアの最期を見ていたシンとルナマリアが、目の前で膝を折るフリーダムを見上げた。デスティニーは色を失い、インパルスもとても戦える状態にない。白兵戦を仕掛けるにしても、二人には今そんな気力はほとんどなかった。 ぼんやり見つめる先でフリーダムのコックピットからパイロットが降りて来る。キラだ。 「君がシン?」 答えないシンをルナマリアが見る。 「えっと、ルナマリアさん?」 「・・・そうよ」 一呼吸置いてルナが答えると、オーブのパイロットスーツの男が手を差し出した。 「救助に来たんだ。月面にいるはずだって・・・助けたい奴がいるから頼むってアスランが・・・」 名前に反応してシンが身じろぎする。 ルナも目を見張って、キラを見る。 「アスランはレイって子を助けにメサイアの中を戻って、僕には君達の事頼むって・・・だから、助けに来たんだ」 ルナがキラに起こされて立ち上がる。地上よりもずっと楽に立ち上がれるけれど、シンにもその手が伸ばされるはずだった。 「・・・レイ。っ! レイっ、メサイアって!?」 爆発は今も続いていて、破片が頭上をいくつも流れていく。シン達に見えるのは、月面に突き刺さる巨大な墓標。シンの途切れたはずの涙が流れ出す。歯を食いしばっても、首を振っても、目の前の現実は変わらなかった。 「レイ・・・くそぅ。行くなよお前、お前が」 「まだ、そうと決まったわけじゃない! 生きてるさっ、アスランが助けにいったんだっ!!」 それでも、シンは泣きながら首を振る。視線だけはそらせずに、残骸となったメサイアを睨みつける。デスティニーは敗れ、メサイアは墜ち、議長は勝てなかった。戦争の無い平和な世界、その夢の成れの果て。輝きを失った世界で、シンの視界の片隅に残された色があった。 インパルス。 コア・スプレンダーなら。 まだ、飛べる。 「俺、行かなくちゃっ」 突き上げる衝動。 「死なせるもんかっ。レイも・・・アスランもっ」 ピクリと震えたキラの手を跳ね除けて、月面に勢い余って飛び上がる。ルナが一瞬不思議そうに見つめ、シンの視線にある機体を見て、目を見開いた。 「シンっ!!」 「ルナっ!」 二人がインパルスに乗り込む。 キラの目の前で各部を切り離して、コア・スプレンダーがメサイアへと向かう。その時にはキラもフリダームに向かって飛び上がっていて、青い羽根を広げて残骸を纏ったメサイアへと向かった。 飛び散った破片をものともせず、コア・スプレンダーがメサイアの周りを飛ぶ。レーダーは利かず、二人の4つの瞳が必死に探す、その先の破片の向こうに漂う光は。 ミネルバのランチ。 ランチの中からタリアが近づいてくるコア・スプレンダーを見上げる。キャノピーが開いて、赤いパイロットスーツ姿が飛び出す。その光景を少し離れた所にいたフリダームからキラが見つめていた。 フリーダムのコックピットのモニタにランチからの映像が映る。それにはタリアが映っていた。 タリアの瞳に浮かぶ涙。その横で、レイを抱え、肩を震わせてうつむくシン。キラが二・三言、言って静かに目を閉じる。タリアが答えてモニタが切れた瞬間、キラの手がフリーダムのスロットルをきつく握り、フッと離れた。 結局、議長は助からなかった。 途中で息絶えたのか、アスランが現れた時に既に亡くなっていたのかは分からない。ゴンドワナに移送され、残ったザフト兵達の敬礼の間を静かに棺が通り過ぎた。 レクイエムに撃たれなかったオーブの首相官邸では、カガリが、復興に向けていち早く世界の団結を呼びかけるメッセージを送る。アークエンジェルからもたらされた通信の最後にキラがいて、その口の動きを読んだ若き代表は最後まで涙を流さず、通信が切れた後に天井を仰いで泣きながら拳を握りこんだ。 エターナルがプラントへと入り、ルナとメイリンがポートで抱き合う。デュランダル議長の専制を批判するラクスを初めとするクライン派と、レイとタリアがもたらしたザフト側からの情報で戦後のプラントは混乱の中にあった。 数を減らしたプラントがまだ無残な姿をさらし、墓地には延々と墓石が立ち並ぶ。 白い軍服姿の青年が足を止める。目的の墓石の前に人が立っていたのだ。その中に眠るべき戦友が。 後ろにいた緑を着たザフト兵が慌てて手を伸ばすが、白い軍服の青年が銀髪を揺らして殴りかかる、その手は寸前で止まり、相手の胸を拳で付き返した。後姿の青年と何かを話し、彼は肩を怒らせ、掴みかかろうとして、急に力を抜きゆっくりと頷いた。その後、指差したまま乱暴に去っていく。後ろにいた緑のザフト兵が手を上げて別れを告げ、同じように去っていく。 プラント臨時政府の会議場に向かうラクスが見たのは、議場の反対側に座る、2年前にもこうして臨時政府の議員を務めたイザーク・ジュール。そのブルーの瞳が薄く笑い、多数を占めるクライン派であっても、喉元に銀のナイフを添えられたままプラントの戦後が動き出した。 地球では。 一時、ロゴスが滅びようとも、また新たに別の企業がたくましく経済活動を再開していた。指導者を失った大西洋連邦でも、副大統領による臨時政府の元で大統領選挙の準備が進められる。 ベルリン郊外の湖が漣一つない湖面に青い空を映していた。 街はまだひどい有様だったが、ユーラシア西では連合の脅威が去ったガルナハンで、少しずつ自治が回復されて行く。基地が建設されようとしていた島では住民達が自分達の生活を取り戻し、大量の連合の機体をジャンク屋に売り捌いていた。 そして、オーブでは。 沿岸部の幹線道路がようやく全線繋がり、慰霊碑近くまで車で乗り入れできるようになる。 2度目の戦火で再び荒れてしまったオーブの慰霊碑。 2年前のあの日のように、大地が抉れ、海水を被って枯れ果てた草花が黒いバイクの向こうで風に揺れていた。 土台を残して吹き飛んだ慰霊碑の前に立っている少年が、車のブレーキの音で振り返った。まだ日の出前だけれど歩いてくる女性を見つけて、白んでいく世界の中で少年が唇をかみ締める。 「アンタ・・・」 「・・・シン?」 女性の方も先客を見つけて歩調を緩めた。 「一番乗りは私だと思ったのに、先を越されてしまったか」 彼女はこの国の代表だった。 シンと呼ばれた少年は、慰霊碑を吹き飛ばしこのオーブを銃を向けた敵軍の兵だった。さらに言えば、2年前のこの場所で家族を失ったこの国の民だった。 「何しに来たんです?」 「ようやく道が繋がって、ここに来れるようになったと聞いたから、一番に来ようと思ったんだ」 シンが目を逸らして慰霊碑のある場所からオーブの海を見つめる。まだ光のない暗い海。 「言い訳をしに来たんですか」 窮地に国を出ていたカガリが再び戻った時、オーブは世界の敵を抱え、市街地にまで被害が及ぶ激しい戦闘が繰り広げられた。さらに、プラントのデュランダル議長の唱えたデスティニープランに反対を表明して、撃たれる前に宇宙軍を差し向けた。 「そう、かもな。またアスハは国を焼いた。理想を唱えて、国民と国土を危険に晒してしまった。最悪の事態は免れたけれど、お前が言ったように綺麗事でまた私は・・・っ」 とつとつと話していたのに、最後の方だけ語気に力が入る。 「あいつはどうしてるんですか。フリーダムのパイロット」 「キラか? キラならここにはいない」 カガリも同じように海へと目を向ける。 もう少しで夜明けだ。 「2年前にあんな思いをしたのに、私達は肝心な所で間違えるんだ。何と戦えばいいのか。どうすれば憎しみの連鎖を断ち切れるのか、答えを探しに行ったよ」 シンはディオキアで議長と会食した時、彼が口にした言葉を思い出していた。 「簡単に見つかるもんか、答えなんて」 「ああ。だから、答えを知っている奴を探すってさ」 シンがカガリを見る。 その時、水平線に光の帯が広がった。 「夜明けだ」 顔を出した太陽は赤く、暗かった海が光に染まる。浮かぶ雲が空に影を落とす。 去っていく女性を見送りもせず、シンは一気に明るくなる世界と、背後に広がる惨状が照らされていくのを見る。 彼はこの時初めて自分が力を求め、力を振るった結果を知ったのかもしれない。 ひたすらに突き進んだ跡痕を。 願ったのは戦争のない平和の世界。 それは救世主のそれか、破壊者のそれか。 守った命も、守れなかった命もある。 彼のその手で奪った命もあった。 夜明けを迎え、海と空の間で明日は今日になる。 ひび割れた大地に立つ少年も、また明日に向かって歩き出す。 おわり 妄想は尽きることを知らず、ただ流れ出すのみ。と言う分けで、だからん的最終回です。日記から再録です。やー、私の中ではアスランはレイとタリアを助け、シンとルナマリアをキラが助けに行くって事になってますから。花がどうとか言わず、罪を背負い、罰を受けなさい。世界が万人にやさしくあればいい。
https://w.atwiki.jp/trpg_summary/pages/3217.html
シナリオ ディズム 配信 クリック/タップで詳細 GM:ディズム 22/12/20 TRPG / なんちゃってメモリアル #伝説の初恋クリスマス
https://w.atwiki.jp/wiki7_kuma/pages/19.html
みっつの道 先日、他のプロマシアMのLSの話を聞く機会がありました。全員60以上キャラが複数あるケースって少ないんだなあ~って思いました。ジョブ構成もある程度限定された状態でやってましたが、本音は「きつい」そうです^^;あと、そのままリンバスLSになるケースもあると聞きました。 -- じぃやん (2006-01-24 12 55 40) ふむふむ~私の所属する空Lsメンバーも最近リンバスを楽しんでいるようです。TeamKumaは未来は!? -- くまー (2006-01-24 20 17 31) 名前 コメント プロミヴォンヴァズ フレの誘いに乗って、12/18 プロミヴォン-ヴァズに行ってきました。 -- じぃやん (2005-12-19 18 50 38) フルアラで行ったのですが3時間ほどかかりました。 -- じぃやん (2005-12-19 18 52 17) 1PTだとかなーりしんどいとおもいました -- じぃやん (2005-12-19 18 52 44) じぃやんなるほど!予定では2PTのアラ程度で行く予定だったので、今のうちから経験者に声かけておきます。 -- くまー (2005-12-19 19 39 49) ヴァズが6日金曜日に決まったみたいですが、今さらですけど、弱体アニマ皆さんもってますか?わたしはありません;;なので5日(木)3国プロミヴォンの雑魚でねらってみるのはどうかなと。有志募集でっす! -- Airin たしか「驚きのマニア」が使用しないまま眠ってるか -- くまー (2006-01-05 08 37 52) 人数不足と気分悪かったので、アニマ取りやりませんでした。ごめんなさい。 -- Airin (2006-01-06 00 04 15) 参加者情報 礼拝堂参加者のLeonahさんが参加したいそうです。PT単位でないので「明日はNPC救出だけでBCできないかも」という条件で受けています。 -- Airin (2006-01-06 00 05 44) また「1/6(土?)でヴァズやるというサチコだしてたKyokyoさんに「こちら1/6の21時からヴァズ予定です。こちら、現在1PTちょっとのメンバーです。もしお互い都合あえばNPC救出等ご一緒できればと思います」というTELL入れておきました。 -- Airin (2006-01-06 00 08 44) 只今帰宅ぽlol -- くまー (2006-01-06 00 24 29) 残念な追加情報 Kyokyoさんのは「1/7 土」が正解 合同は白紙に -- Airin (2006-01-06 00 31 56) 合同できなくて残念です。おいらも探してみますね。ちなみにそのKyokyoはおいらのリアルフレです^^ -- じぃやん (2006-01-06 13 33 04) おおおおおお!こんな偶然もあるんだね^^ -- くまー (2006-01-06 19 43 14) 礼拝堂50制限 23日の鍵取りはDS倒して珊瑚の鍵2本とるでいいのかな?それなら視線解除はしなくてもいい(やっても貯まるから)なので。 -- Airin (2005-12-22 11 10 30) まちがったー。こっちだった。23日の鍵取りは、珊瑚の鍵2つをDS倒して取るでいいのかな? -- Airin (2005-12-22 11 13 59) おいての週間予定ですが・・・ -- じぃやん (2005-12-22 11 53 56) 水曜日:裏。金曜日:空 になっております。次回金曜日は空に上がってます。ごめんやさい;; -- じぃやん (2005-12-22 11 55 20) じぃやん了解!水と金は毎週なのかな? -- くまー (2005-12-22 12 48 52) 23日といやあパン屋にとって激しく忙しい日じゃないか^^;参加できるかわからんぽ・・・ -- チタン (2005-12-23 01 07 25) 私の会社も年末は激しく忙しいです・・・orz -- セナ (2005-12-23 18 02 29) 12/27 参加です^^ -- じぃやん (2005-12-26 08 58 45) 今日のインは20:30~くらいになりそうです。年内は・・・orz -- セナ (2005-12-27 09 39 15) 応龍 尾羽根取りおつぽ~^^ -- くまー (2005-12-18 23 12 55) 応龍 注意事項 -- くまー (2005-12-18 23 37 18) 1.寝せるのでスリップ系は禁止 -- くまー (2005-12-18 23 40 33) 2.Ouryuが飛んだら石で落とす 優先順位 セナ5個>>ゴル2個 -- くまー (2005-12-18 23 42 28) 3.HP半分まではなんとか耐えて、半分切ったらスリプル>インビン>フリーズ×2>全力で攻撃だ! -- くまー (2005-12-18 23 45 22) 4.中盤の削り途中MPやヴぁくなたらスリプル>MP回復で -- くまー (2005-12-18 23 47 17) がんばりましょう^^ -- くまー (2005-12-18 23 48 51) 20日は帰宅が20:30~になりそうです…orz -- セナ (2005-12-19 18 18 48) セナたそ了解!可能なら今日のうちにできるだけ準備よろです。 -- くまー (2005-12-19 19 36 25) 今日はタブナジアで落ちるとです^^ -- セナ (2005-12-19 21 49 21) 仕事でもしかしたら帰宅が21時になるかもです^^; -- チタン (2005-12-19 21 51 15) チタンたそ了解!師走はみんな忙しいぽ^^ -- くまー (2005-12-19 22 49 05)
https://w.atwiki.jp/seraphim_sun/pages/15.html
好きなことを書いてね クリスマス仕様いいですね(≧▽≦)b - ヒバ 2009-12-07 17 39 41 BGM確認、さすが姉s^^ - ARCHER 2009-12-12 09 23 31 足跡 たんすにゴン - サリ 2009-12-22 12 54 14 メリークリスマス♪ - ありえす 2009-12-24 02 10 25 明けましておめでとうございます 今年もよろしくー - サリサリ 2010-01-01 06 04 00 G入って1ヶ月? よーやくHP発見 - Ran 2010-01-08 14 00 31 ちょっと放浪の旅にでます(´・ω・`)ノ - Ran 2010-01-13 16 02 53 捨てアドです 何かあったら捨てアドで連絡でもw lineage2.senyou@live.jp - Ran 2010-02-10 20 33 14 過疎が激しいのー何か面白いMMOはないかなー - アリエス 2010-02-18 19 36 16 久々にINしてみたらやはり誰もいなかったw - Ran 2011-01-25 20 23 50 名前
https://w.atwiki.jp/83452/pages/12537.html
―――――――――――――――――――――――――――――― ――――――――――――――――――――― ――――――――――――――― ――――――― 手術は無事成功し、唯の状態は急速に回復へと向かっている。今は術後の経過入院で様子を見ている状態だ。 「はあ、夜はやっぱり暇だよー。皆が病院にお泊りしてくれたら楽しいんだけどなー」 面会時間が終了すると当然みんな帰ってしまうので、夜は暇で仕方ない。消灯時間も過ぎているので本当は 寝なければならないのだが、どうも目がさえてしまっている。 「うーん、図書室で借りた絵本でも読もうかな」 ベッド横に置いてある電気スタンドのスイッチを入れて、絵本を開く。タイトルは『ブロスと愉快な仲間たち』だ。 「さーて、どんなお話なのかなーって、あれ? なんだろこの紙」 絵本を開くと、1ページ目に地図が挟まれていた。地図の裏には『いつかキミがこの病院にいることがどうしても 耐えられなくなったとき、この地図を頼りに異世界へ脱出してごらん』と書かれていた。 「異世界かあ……冒険だね! 面白そう!」 地図に示された場所はトランスターミナル内の森の奥で、唯の好奇心を存分に刺激した。 「ようし、上着来てー、お菓子もってー、唯隊員しゅっぱつ!」 善は急げとばかりに唯は病室を飛び出した。廊下は既に消灯されていて薄暗いが、それが余計に冒険心をくすぐる。 「でも外に出るにはどこから行けばいいんだろ? エントランスから出て行ったらさすがに看護師さんにばれちゃうよね」 悩みながらもとりあえず廊下を進んでいくと、病室とは少し毛色が違う雰囲気のドアから看護師が出てきた。 唯は咄嗟に物陰に隠れてやり過ごす。 「危ない危ないばれちゃうトコだったよ……でもあの看護師さんが出てきた部屋はなにかな? 秘密の通路があったりして」 好奇心にまかせて唯はその部屋に入っていった。しかし、期待したような通路はなく、そこは普通の病室のような部屋だった。 唯一のベッドには、ごてごてとした機械に繋がれた男性患者の姿があった。 「あ、ご、ごめんなさい! 普通の病室だとは思わなくって! 勝手に入っちゃいました……」 慌てて唯は謝罪し頭を下げる。 「あれ、もしかして、唯ちゃん?」 聞き覚えのある声がして、唯は頭をあげて男性患者の顔に視線を合わせた。 「え? あ……ヤスヤス先生!ど、どうしたの! なんか、凄そうな機械にいっぱいつながれてるけど……」 「いや、ちょっとね、人工心臓うめこんじゃったんだよ。あはは……」 どうということもないという風に、ヤスオは笑顔をこぼした。 「人工心臓って……大丈夫なの? ヤスヤス先生」『人工心臓』という言葉の響きに唯は急に血の気が失せた気がした。 「ああ、大丈夫。すこぶる調子がいいくらいさ。いや、まあ、ちょっとしんどいんだけどね。『調子はいいけど超しんどい』なんてね」 そう言って笑うヤスオの表情は優しげだった。 「唯ちゃんは、どうしてこんなところに?」 「えっと……ちょっと、冒険に……」 「冒険?」 「うん、地図を見つけたの。それで、その地図に描かれた場所にちょっと行ってみようかなって。この建物から出てすぐのところにある森の奥なんだけど」 「……冒険か……それ、明日にする訳にはいかない?」 「明日? どうして?」 「明日なら、僕も一緒にいけるかなって思ってさ」 「え、で、でもヤスヤス先生、こんなにたくさんの機械に繋がれてるのに大丈夫なの?」 「大丈夫だよ、明日、そうだな、中庭あたりで待ち合わせしよう。11時、11時を一分過ぎても僕が来なかったら、 悪いんだけど唯ちゃん一人で行ってくれるかい?」 ヤスオの体調は心配だが、本人がこう言っているのだし、それに冒険の旅は一人でするよりも二人でした方が楽しそうな気がした。 「うん、わかった。11時だね。中庭の大きな木の下で待ってます」 「うん、約束」ヤスオは右手の小指を唯の方へと差し出した。 「えへへ、約束!」 唯は指切りを交わした後、笑顔で自分の病室へと帰った。 5月22日 夜11時まであと5分弱、といった時間にヤスオは現れた。 「ヤスヤス先生! 来てくれたんだね」 「あたりまえだろ、唯ちゃん。約束したんだから」 ヤスオの足取りはしっかりしたものだったが、胸の前に妙なハンドルが付いている。まるで手回し式で氷を削るかき氷機に ついているようなハンドルだ。ヤスオはそのハンドルを右手でくるくると回転させながら唯の方へと近づいてきた。 「ヤスヤス先生、その胸についてるの、なんですか?」 「これ? これは、あれだよ、今はやりの手回し式補助人工心臓。名前は『モーリー』っていうんだけどね。『モーリーで元気モリモリ』、なんちゃって」 「あはは、手回し式の心臓なんて聞いたことないよー」 「いやいや、本当なんだけどね。実際このハンドル回すのやめちゃったら、僕死んじゃうから」ヤスオはなんでもないことのように話すが、その内容は正直言って唯には驚愕だった。 「え、う、嘘! 大丈夫なの? そんな状態で出歩いたりして」 「大丈夫だよ、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけで良いから、僕も冒険してみたいんだ」 そういうヤスオの顔はまるで幼い少年のようなあどけなさだった。 「うーん、わかった。でもちょっとでも体調が悪くなったら言ってね」 「ああ、そうするよ」 とりあえず、唯とヤスオは地図に従って歩き始めた。冒険の旅の始まりだ。と言っても、所詮は病院の敷地内 でのことなので、目的地にはほんの十数分で到着してしまったのだが。 「ここ、みたいだね」唯が辺りを見回すが、特に変わったところはない。森の奥で、少々開けた原っぱのように なっているだけだった。ここが、地図に描かれていた異世界というやつなのだろうか。 「唯ちゃん、こっちこっち、大発見だ」 「え?」 「これ、この穴、たぶん防空壕だよ」ヤスオが示した場所には直径1メートルくらいの穴がぽっかりと開いていた。 それはまるで異世界への扉のように唯には思えた。 「ちょっと暗いな、明かりがないと中には入れないかも」 「あ、大丈夫ですよ、懐中電灯持ってきたから」唯はポケットからペンライト型の懐中電灯を取り出し、穴の中を照らしてみた。中は結構広いようだ。 唯は懐中電灯で照らしながらその穴の中へと入って行った。ヤスオもハンドルをくるくる回しながらそれに続く。 「まるで、秘密基地みたいだな。そういえば子どもの頃、空き地に作った秘密基地のなかでマンガ読んだりしたなあ」ヤスオは昔を懐かしむようにつぶやいた。 「私も私も! 幼馴染の友達と、妹といっしょにダンボールで秘密基地作ったことあります」 唯とヤスオは隣同士で壁に寄り掛かる形で地面に座り込んだ。 「はは、今思いだすと、すっごくくだらないんだけど、ガキんちょだったときは楽しくてしょうがなかったんだよね」 「私も、すっっっごく楽しかった。日常にありがとうって奴ですね」 「日常にありがとう?」 「うん、私、病気になってから生きてるってことに感謝するようになったの。『明日はもう生きられないかも』って思いながら過ごすと、 一日一日がどんなに大切で、貴重で、特別なのかがよくわかるんですよ。そういうのに気付くと、過去の何でもなかったような日常も、 とっても大切なものだったんだって思えるようになったの」 生と死は表と裏なのだ。死を意識するからこそ、生きていることを、日常を謳歌することができる。 「私ね、高校の軽音部に入ってるんです。病気にかかる前は毎日ギー太弾いてたの」 「ギー太?」 「あ、ギターの名前。私ギターに名前つけてるの」 ちょっと変わったセンスだけど、唯には不思議と似合っている、とヤスオは思った。 「部活中にお菓子食べたりお茶飲んだりする、ちょっと不真面目なクラブなんだけど、そういう軽音部の友達と 過ごす日々ってね、いざ失くしそうになってみると……途端にとてもとても愛おしくなってくるの」 唯は両手を組んで胸に当て、朗らかに微笑んだ。 「そっか、えらいな唯ちゃんは、僕はこんな状態になるまで日常の大切さに気付けなかったよ」 「こんな状態?」 「そう、胸にハンドル付けた状態ね」 ヤスオは右手でハンドルを回転させながら左手の親指で胸を指し示した。 「僕のこのハンドルね、さっきも言ったけど、こうやって回し続けてないと死んじゃうんだ。つまり『生きたい』と思ってるから 回してるわけ。そうやって考えると生きてるってすごいことなんだなって思うよ。普段は何も意識しなくても心臓は勝手に動い てくれるわけだからね。今すぐにでも死んでしまいたいって思ってる人の体の中でもやっぱり心臓は動いてるんだよ。何かが 心臓を動かしてるんだ。その『何か』とは何だろうって考えてみると不思議にならない? 僕はさ、その『何か』ってやつは、 唯ちゃんの言うような『何でもないけど大切なもの』って奴だと思うんだ」 ヤスオの言葉にこくりとうなずくと唯はまっすぐにヤスオを見た。 「でもねヤスヤス先生、そうやって大切なことに気付くのと同時に、自分がすごく嫌な人間に思える時があるんです。 先生ならわかると思うけど、ドナーが現れるのを待つってことは、誰かが命を落とすのを待つってことでしょ。 自分が生きるために誰かが死ぬのを望むなんて、心臓をくれた人にすごく申し訳ないなってたまにすごく落ち込む時があるの」 唯のその言葉に、ヤスオは急に血相を変えて叫んだ。 「唯ちゃん! それはちがうよ! 絶対ちがう!」 思わず大声になってしまい、ヤスオは慌てて声を低くした。 「僕が保証する。唯ちゃんに心臓をくれた人は、間違いなく心臓をあげてよかったって喜んでるはずだよ……たぶん、天国で」 「どうして『たぶん』なの?」 「いや……天国でたぶん喜んでるだろうなって意味。日本語って難しいよね……『ヘブンでたぶん』なんちゃって」 そう言って笑いかけたヤスオの表情が途中で固まった。眉間にしわがより脂汗が浮いている。 ヤスオの異変に気付いた唯が心配そうに顔を覗き込んだ。 「先生大丈夫?」 「ちょっと……疲れちゃったかな」 ヤスオは緩慢な動作でのそりと起き上った。 「残念、僕の冒険はここで終ってしまった。ちょうどお迎えも来たみたいだし」 「お迎え?」 突然、穴の中に強い光がさした。唯が穴の入口の方を見るとスーツの男が大きな懐中電灯をもって覗きこんでいた。 「ごめんねキョウヤくん、お手を煩わせて」 「いえ、こんなところにいたんですね、さあ、帰りましょう」 ヤスオにキョウヤと呼ばれたスーツの男は疲れたような声音で言った。 「ねえ、唯ちゃん」 「なに? ヤスヤス先生」 「僕の冒険はここで終っちゃったけど、君の冒険はこれからもずっと続いて行くことを祈ってるよ」 「……ありがとう、先生」 「じゃあね、唯ちゃん」 ヤスオは少々ふらつきながらも、キョウヤに傍らで支えられながら歩き出した。 6月8日 今日も唯は病院のベッドの上でマンガを読んでいた。退院まであとほんの数日だ。唯自身はいますぐ学校にいっても 問題ないと考えているのだが、主治医の話では退院後もゆっくりと体を慣らしていかなければならないらしい。 コンコンと、ふいに病室のドアがノックされた。唯は「どうぞ」と答える。 「こんにちは」 「……こんにちは」 ノックの主はあの夜にヤスオを迎えに来た男、キョウヤだった。今日はスーツではなく、医者が着るような白衣を着ている。 「ちょっといいかな?」というと、キョウヤはそばの丸椅子をベッド脇に引き寄せ、ゆっくりと腰をおろした。 唯は軽くうなずいた後、読んでいたマンガをぱたりと閉じた。 「なに読んでたの?」 「マンガです。『BECK』っていうやつ」 「『BECK』? ああ、僕も読んだことあるよ。ギターのリュースケってキャラが格好いいんだよね」 「あの、なんの用ですか?」 「特別用があるわけでもないんだけど、ヤスヤス先生がよろしく伝えてくれって言ってたもんだからさ」 『ヤスヤス先生』という言葉を聞くと、唯は二、三度瞬きをした。 「今どうしてるんですか? ヤスヤス先生、あれから病室に会いにいってもどこにもいなかったんですけど」 「いま日本のあちこちに行ってるみたいだよ」 「あちこちでなにしてるの?」 「さあ、そこまで深く聞かなかったから、わからないや」 「……そっか」唯は少し声の調子を落として呟き、残念そうにうつむいた。 キョウヤは間をつなごうと辺りを見回し、ふと唯が手に持っている漫画に目をやった。 「『BECK』好きなの?」 「好きですよ」 「そっか、軽音部だもんね」 唯は少し驚いてキョウヤに向き直った。 「何で知ってるの? ヤスヤス先生に聞いたんですか?」 「いや、聞く暇なんてなかったよ。僕ね、人の心が読めるんだ。独身だけに読心術、なんちゃって」 「変な人ー」 唯は小さく笑みをこぼした。 「じゃあ、私がギターにつけてる名前は? 心が読めるんならわかるよね?」 「うーん、ヘンドリックス?」 「ブッブー不正解」 「変だなぁ、ヘンドリックスだけに変だぞ。あ、わかった『ギー太』だ」 「え、うそ……まさか。でまかせで言っただけだよね? それともやっぱりヤスヤス先生に聞いてたんでしょ」 唯は目を丸くした。 「まさかマッカーサー、でまかせで負かせ」 「あはは、やっぱり変な人だ」 唯はついに声をあげて笑いだした。 「そんな変な人からひとつお願いです!」 キョウヤは深く息を吸い、厳かな口調で言った。 「君の心臓の音、聴かせてくれないかな?」 戸惑う表情を浮かべた唯に、キョウヤは慌てた様子で付け加えた。 「いや、もちろん服の上からでいいから」 「それは気にしないけど」 唯はベッドの上で正座すると、パジャマのボタンを外しキョウヤに体を向けた。 「……失礼します」 キョウヤはひとつ咳払いすると、聴診器をゆっくりと唯のはダリ鎖骨下あたりに当てた。 気管を通る呼吸の音に混じり、心臓が鼓動を刻むリズミカルな音がキョウヤの鼓膜を震わせた。 耳を澄まし、じっと心臓の音に聞き入るキョウヤの目からひとすじの涙がこぼれた。唯が不思議そうに首を傾げた。 「どうして……泣いてるんですか?」 ――― Report 大東泰雄(安田ヤスオ)の臓器・組織等は日本各地のレシピエントに移植された。 左腎臓 レシピエント名:梶山元子 肝臓 レシピエント名:本山信二 右下肢 レシピエント名:沢向亮介 両上肢 レシピエント名:森島健伍 心臓 レシピエント名:平沢唯 脳 レシピエント名:京谷貴志 唯「――――っていうSSを書いてみました! 入院中ヒマだったので!」 和「いや……心臓病って……あんた、たしか盲腸で入院したんじゃなかったかしら?」 唯「そうだよ。盲腸だけにもう、超痛い、なんちゃって」 和「……」 和「ところで、心臓がビヨーンとなる病気ってなによ」 唯「原作のヒロインは拡張型心筋症なんだけどね、拡張型心筋症は体への負担を考慮してある程度の 就労制限はかけた方が良いものの立派に働くこともできる病気なんだ。当然、病状の進行具合によって は辛い闘病生活をしいられている人もいるんだけど、SSの中での私のように発病後すぐに心臓移植が 必要というわけでもないんだよ。当然、患者によって個人差はあるけどね。まあ、無用な誤解を避ける ためにもSS内で病名を明言するのはやめておいたんだ」 和「そ、そう……(意外と考えてるのね)」 和「それはそうと、あんた水嶋ヒロのファンだったの? 『KAGEROU』の二次創作なんて書いちゃって」 唯「うん、天道総司の頃からのファンだよ」 和「へぇ、知らなかったわ……(天道総司ってなにかしら?)」 唯「私のSSを読んだだけではヤスオの境遇とかがわからなかっただろうから、興味がわいたんだったら 和ちゃんも『KAGEROU』を試しに読んでみると良いよ。巷では文章が下手だって言われてるけど、 私の書いたSSよりは当然上手だし、難しい表現が無いから子供でも読めるよ。 さらに言うなら、水嶋ヒロ物語、私小説として読んでみると意外と面白いと思うよ」 和「そう、じゃあ気が向いたら読んでみるわ」 唯「内臓が無いぞう、なんちゃって おわり!」 戻る
https://w.atwiki.jp/saikinmm/pages/180.html
リゾナントとなんちゃって恋愛の子って一緒じゃね? 971 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/28(金) 02 00 35.70 O リゾナントとなんちゃって恋愛の子って一緒じゃね? 974 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/28(金) 02 04 36.35 0 >>971が意味不明 子ってなんだよ 975 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/28(金) 02 05 15.61 0 歌詞の主人公のことだろ 俺にはわかる 979 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/28(金) 02 10 50.36 0 >>974 リゾナント ブルー の主人公はなんちゃってよりすれてる気がする なんちゃってのほうが歳を重ねたとゆうか落ち着きがあるとゆうか・・・ 980 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/28(金) 02 13 35.23 O 車とか格好とかそんなの自慢はもういいからあーーっぁー 990 名前:名無し募集中。。。 [] 投稿日:2009/08/28(金) 06 59 07.73 O あっそんな肉ぅ~じゃないカレー丼♪ 編注 990は 36thシングル「リゾナント ブルー」 の高橋パート「Ah そんなに苦じゃないけれど」。 40thシングル「なんちゃって恋愛」 4ハマリ [2009年]
https://w.atwiki.jp/kechi/pages/11.html
お正月 去年に続いてメタボになりそう。
https://w.atwiki.jp/namata-kame/pages/93.html
「絵里……」 背中越しに優しく呟かれたかと思うと、彼女の両腕が胸の前へ回される。 一瞬にして温もりに包まれ、彼女の甘い香りが鼻をくすぐる。 「っ……れいな…」 「田中さん」と呼びかけそうになったが、必死に堪えて、絵里がそう呼ぶように返した。 心臓が高鳴り、呼吸が浅くなっているのが分かる。 だが、衣梨奈はそれを悟られないように、れいなの腕に自分の手を重ねる。 「逢いたかったっちゃん…」 耳元で囁かれた言葉に顔が紅潮する。 こんなに甘くて優しいれいなの声を、衣梨奈は聞いたことがなかった。 それがそのまま、れいなの絵里に対する愛情の深さだということも、分かった。 「絵里も……逢いたかったよ」 れいなの気持ちが、そして亀井絵里の気持ちが分かるから、衣梨奈は嘘をつきたくなかった。 此処にいるのは絵里ではなく衣梨奈だと。 田中さんの想っている亀井さんじゃないのだと、声を大にして言いたかった。 このまま嘘をつくことが、れいなを傷つけるのではないかと、衣梨奈は思った。 「絵里…」 だが、その嘘を突き通す以外、衣梨奈には方法がなかった。 甘くて切ない声に誘われたかのように振り返ると、衣梨奈の唇は、そのままれいなと重なった。
https://w.atwiki.jp/fullvoice/pages/109.html
【登録タグ RPG SFC 個人 削除 原作重視】 なんちゃってフルボイスでロマサガ3 【元ネタ】ロマンシング サ・ガ3 【作者名】take 【完成度】更新停滞中 【動画数】 【part1へのリンク】http //www.nicovideo.jp/watch/sm3729786 【マイリストへのリンク】 【作品の傾向】原作重視 【備考】 名前 コメント