約 2,995,486 件
https://w.atwiki.jp/genshikenss/pages/23.html
その一 惠子と荻上 【投稿日 2005/10/27】 カテゴリー-1月号 荻上が浴室の扉を緊張しながら開けると、中は薄暗く少し怖い感じがした。 暗がりから声がする。 大野「触ってみますかっ」 咲「だからいいっての(怒)」 荻上「何をしてるんですか?もういいんですか?」 咲「ああ、いいよ。男どもは大人しくしてるだろうね。あたしらが着替えたら惠子も呼びなよ」 大野「とっても良い温泉ですよ」 荻上「何か怪しいですね。何してたんですか!」 咲 「別に何でもないよ、大野がやらしいだけだって」 大野「なっ何を言うんですか!誤解を招くような事を!」 そう言いながら二人は浴槽から上がった。薄暗がりに二人の裸体が浮かび上がる。荻上は顔を赤らめながら横を向いて見ないようにした。 咲 「男どもはあたしたちがしっかり見てるからゆっくり入ってきなよ。おーい惠子―。」 惠子「はーい」 惠子も浴室に入ってきた。 咲 「かー、四人も入ると狭いねー、どれ、あたしらは着替えたし、ゆっくりね」 咲と大野は浴室から出て行った。 惠子「きゃー、温泉!温泉!」 そうはしゃぎながら、惠子は衣服をたたみもせず脱ぎ捨てた。 荻上「外からは・・・見えませんよね・・・」 不安げに荻上も服を脱ぎ始めた。 惠子「大丈夫でしょー、あの二人だって入ってるんだし、中の電気つけなきゃ見えないって!」 荻上「ならいいんですれど・・・」 そそくさと荻上は浴槽に身を沈めた。他人と風呂に入るのは修学旅行以来だ。同性同士でも自分の裸をしげしげ見られるのは嫌だった。 惠子「高坂さん!やっぱ、寝顔も可愛いよね!けっこういい買い物もできたし!軽井沢来て良かったよね!んでさー・・・。」 惠子は普段以上にはしゃいでいる。荻上も惠子と二人きりになることがなかったので、気まずい気がしていたが、惠子も同じように感じているらしく、それを打ち消すようにしゃべり続けた。 荻上「・・・すごい買い物でしたよね。春日部先輩からお金借りたとか・・・」 惠子「あっああ、やっぱり、春日部ねーさんはすごいよね。いや、お金があるとかじゃなく、きっぷがいいというか、一生ついてきますみたいなー。えっ返すあて?そんなもんあるわけねーじゃん!いざとなったら春日部ねーさんの店で働いて返すよ!」 惠子はさばさばした様子で言った。だが借金の話はあまり触れて欲しくないらしく、話題を変えた。 惠子「兄貴とうまくいってんの?」 荻上「!・・・ですからオタクと付き合う気はありません・・・。」 惠子「かー兄貴かわいそー。脈無しかー。好きになったらオタクも何も関係無いけどね。あたしや春日部ねーさんみたいに!あっ高坂さんはだめだよ!」 荻上「あの人もオタクです!」 惠子「(むっ)あんただってオタクじゃん!つーか、あたしは自分の気持ちに正直に生きてるけどあんたは嘘つきだよね!」 荻上「私のどこが嘘つきだって言うです!」 惠子「ていうかさ、あんたは女オタクが嫌いっていうけどホントは自分が嫌いなだけなんじゃないの!オタクと付き合わないんじゃなくてオタクの自分は誰にも愛されないと思ってんじゃないの!」 荻上「!・・・あがります・・・。」 惠子も言い過ぎたと思い、口をつぐんだ。浴槽からあがった荻上の肢体は外からさしこむ薄い光にぼんやりと浮かび上がった。それを惠子は見つめて言った。 惠子「あんたさー。けっこう綺麗な体してると思うよー。自信持っていいと思うよ」 荻上「!いっいやらしいこと言わないでください!」 顔を赤らめて荻上は叫んだ。 本編に続く
https://w.atwiki.jp/imasss/pages/1137.html
美希「あちちちち……」P「美希!何やってんだ!」 執筆開始日時 2012/02/14 元スレURL http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329224792/ 概要 美希「ハニーへのバレンタインチョコを作ってるの!」 事務所のテーブルにはガスコンロで湯銭されている大量のチョコが入ったボウル それとは別のボウルを手に持ちながら、自分の体にチョコをかけている美希がいた。 突っ込みたい所は山ほどあったが、とりあえずPは目線を逸らして質問をした。 P「なんで裸なんだ……?」 美希「だって服着たままだと汚れちゃうでしょ?」 P「いや……まあそうだが。」 美希「待っててね!もうちょっとでできるから!」 美希はマイペースでチョコをかけ続ける。 ご丁寧に床にはサランラップを引いている。 P(こんなのエロ漫画だけの世界だと思ってたよ……) タグ ^星井美希 まとめサイト ストーリア速報
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/2150.html
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/03/30(金) 21 58 59.57 ID RD7dsN/fO [6/11] ツンデレとタンポポ 女「……」ニコニコ 男「……何してんだ、梓」 女「うわぁ!? な、何さ、急に声かけないでよ!!」 男「お前こそ、こんな河原の土手で何をしている」 女「え……えーと、日当たりいいから昼寝しようかな、って」 男「それにしては寝そうな気配もなく、やけにニヤニヤしてたよな」 女「ニヤニヤなんかしてませんー!」 男「怪しい……その貧相な体の陰に何か隠しているな」 女「隠してないって! それと貧相言うな!」 男「どれ、何を隠しているのか見せてごらん」ヒョイ 女「うわー! 止めろ見るなー!」 男「お……タンポポじゃないか」 女「あぁ……見られちゃった。せっかく一人で楽しんでたのにぃ……」 男「こんなとこで寝転がってタンポポ鑑賞とか、小学生並の自由奔放さだな」 女「だって、今年初めて見たんだもん……」 男「ま、そういう子供みてぇな感性も必要なのかね」 女「また子供扱いするー! タカシなんかさっさと帰っちゃえばいいのに!」 男「嫌です帰りません。俺も一緒にタンポポ鑑賞します」 女「タカシが見たら、タンポポ綿毛になる前に腐っちゃうでしょ!」 男「お前俺を何だと思ってんの?」
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/1354.html
63 :1/2:2008/03/23(日) 21 57 24 ID h8tcObMg 【ナンパされているツンデレを助けたら】 とある休日。まつりは一人買い物に出かけた。普段は家の者に任せているのだが、今日は天気がよかったので、散歩がてら街に出たのだった。 だが、それが悪かった。買い物帰り、軽薄そうな男に声をかけられた。 「ね、キミキミ、ちょっと俺と遊ばない?」 まつりは男を一瞥すると、何も言わずその場から去ろうとした。だが、男が行く手を遮る。 「無視するなんてヒドイなー。ドイヒーだね」 金色に染められているが、毛の根元付近は黒い髪、浅黒い肌、だらしなく開けられた胸元、チャラチャラと目にうるさい金色のネックレス、極限まで下げられたズボン。まつりの嫌悪感を引き出すには充分すぎる格好の男に、まつりは顔をしかめた。 「二度は言わん。そこを退け」 「へ? なになに、俺? 俺に言ってんの?」 「二度は言わんと言ったはずじゃ」 「え? え? なに、俺舐められてマスか? この街しきってんの、俺の友達だよ? あんま俺怒らせない方がいんじゃね?」 まつりは一つ息を吐くと、面倒くさそうに男を見た。さて、どうしたものか。家の者を呼ぶか。いや、この程度の小物、一人で充分か。そう思案していると、見慣れた顔が視界に映った。 「ん? あ、猫だ」 「誰が猫かッ!」 「冗談だよ、まつり」 見慣れた顔──別府タカシはまつりに軽く手を上げて挨拶した。次いで、彼女の行く手を遮るように立っている男を見る。 「あァ? なに見てんだよ」 恫喝する男を無視し、タカシはまつりに向き直った。 「ふむ……にゃるほど。ナンパ?」 「見て分からぬか。ほれ、とっとと助けぬか、阿呆」 「えー」 「えーじゃないわいっ! ほれ、頑張らぬか!」 「はぁ、しゃーねえ……つーわけでそこの人、これは俺のなんで、ナンパは別のピーマン頭の女性にしてください」 「あァ? なめてんの? あ?」 「まつり、ダメだ。なんかニワトリみたいに頭が上下してる。この人は実はニワトリではないだろうか。ニワトリは言葉が通じないぞ」 「それはニワトリに失礼じゃぞ。それと、わらわはおぬしの物ではない。決してない」 「あー……あーあー、もーダメ、許せねー。超ぶっ殺しけってー」 男はポケットからナイフを取り出し、二人に見せ付けるようにちらつかせた。 「つまらぬ男は凶器までつまらぬのう。ナイフなぞ、珍しくともなんともないのじゃ。のう、タカシ?」 「ひぃ、怖い! 逃げろ!」 64 :2/2:2008/03/23(日) 21 57 44 ID h8tcObMg 「あっ、こら! 何をするか!」 タカシはまつりを抱きかかえると、一目散に逃げ出した。 「あっ、テメェ待ちやがれ!」 しばらく男の追ってくる音が聞こえていたが、それもやがて聞こえなくなった頃、タカシはまつりを降ろした。 「何故戦わぬ! あの程度の輩、ちょちょいのちょいじゃろう! スキだらけじゃったろうが!」 降ろした瞬間、まつりは噛み付かんばかりの勢いでタカシに詰め寄った。 「ぜーぜー……いやほら、刃物怖いし」 「情けない……なんと情けないことか。はぁ、おぬしもつまらぬ男じゃのう」 まつりは呆れたように首を振った。 「それに、まつりが巻き込まれて怪我しても嫌だし」 「ぬ……」 「という言い訳を今思いついた」 「そういうことは言わなくていいんじゃ、たわけっ!」 叱りながらも、まつりは自分の身を案じてくれたタカシに感謝した。この人は不器用なのでこんな言い方しか出来ないが、実際はこれが本音なのだろう。 「ま、誰も怪我なくてよかったじゃん。な?」 タカシはまつりの頭に手を置き、にんまり笑った。 「ぬ……ふ、ふん。別にタカシの助けなぞなくとも、わらわ一人で切り抜けられたのじゃ。まったく、いらぬ世話を」 「助けろって言ったの誰だっけ」 「うっ、うるさいのじゃ! ほれ、帰るぞタカシ! お供せい!」 「あ、いや、俺買い物の途中なんだけど……まいっか。お供しますよ、お姫様」 「うむ、苦しゅうない」 まるで本物のお姫様のように鷹揚に頷くまつりを見て、タカシは苦笑した。 「そだ、おてて繋いで帰りましょう。なーんて」 「……ま、まぁ今日はおぬしもわらわが怪我せぬよう頑張ったからの。と、特別に許可してやるのじゃ」 まつりは頬を赤く染め、タカシの手を握った。冗談のつもりで言ったことが成功してしまい、少し驚いたタカシは、思わずまつりの顔をまじまじと見つめてしまう。 「……な、なんじゃ、その目は。……い、嫌なのかえ?」 「や、ちょっと驚いただけ。嫌なわけないじゃん」 まつりの不安げな顔に、冗談なんだけど、という言葉を飲み込む。 「そ、それもそうじゃな! わらわに手を握ってもらえるなぞ、特別の特別なんじゃぞ? 感謝せい!」 嬉しそうににっこり笑うまつりと一緒に、タカシは帰途に着いた。
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4646.html
王隠堂ぼたんには悩みがある。 二、三日前から変な電話がかかってくるのだ。 prrrrrr prrrrrr prrrrr 「はい、もしもし」 「私メリーさん、今」ガチャン これだ。 意味も意図も分からない悪戯電話。夜中にもかかってきたため、ぼたんは寝不足である。 それ自体は携帯電話の電源を切ることで解決したのだが、電源を入れればすぐに携帯が鳴りだす。 これでは友達と連絡もとれない。 prrrrrr prrrrrr prrrrr 「……はい、もしもし」 何度目かの着信にぼたんはうんざりしながら、携帯を耳にあてる。 ぼたんは、そろそろきっぱりと言ってやらなければなるまい、と考えていた。 「私メリーさん、今あなたの後ろn」 「貴女ね、迷惑って言葉知ってます?」 「えっ」 「昼も夜も電話してきて、こっちにも都合があるんですよ?だいたいこの電話番号どこで知ったんですか?ストーカーですか?警察呼びますよ? 貴女、声からしてまだ子供でしょう?電話は玩具じゃないの。こんな事したら、お母さんやお父さんが悲しみますよ。夜中に意味も無く起こされたら、 貴女だって嫌でしょう?だいたい」 「うっっさいわあああぁぁぁ!!」 「後ろにいるって言ってんだから振り向きなさいよ!何なのよ!?いつまでもくどくどと!!」 喚く少女の声にぼたんは渋々という風に、後ろを見る。 蜂蜜色の髪を腰まで揺らせながら、白いワンピースの少女が若干涙目になっていた。 「ハァ……。 それでですね。もし夜中に電話すr」 「まだ続くの!!?」 ぼたんの話は長いとは、彼女の家族の談である。 「だいたい、どうして貴女そんな上から目線なんですか?『うっさい』とか『後ろ向け』とか」 「あなた、私が怖くないの……?」 「何ですか、話を逸らさないでください。」 「私メリーさんよ!?都市伝説よ!?もっとこう、何かあるでしょ!?」 「貴女が都市伝説な事は今は重要ではありません。今は貴女の常識はずれな行動について話をs」 「足は、いらんかねぇ?」 「はい?」「え!?」 二人の会話に介入してきた声の方を向く。 にこやかなお婆さんが大きな風呂敷を背負いながら立っていた。 都市伝説「足売り婆」 すぐにソレだと分かったメリーさんは、すぐに逃げる準備を始めた。 (これ以上この女の長話なんか聞いてらんないわ。婆が襲ってる間におさらばよ。) 「足はいらんかね、お嬢さん達。」 「…………達?」 メリーさんも襲う対象であった。 足売り婆、足はいるかと尋ねてくる都市伝説。 いらないと答えれば足を取られ、いると答えれば、無理矢理足を付けられる。 マイナーなのか、口裂け女のべっ甲飴やポマード、赤い紙青い紙に別の色で答えるような有名な対処法が存在しない都市伝説。 「ちょっと!なんで私にも聞いてんのよ!?同じ都市伝説同士でしょう!?」 「足はいらんかね?」 「私の方を向きながら言うな!!」 「落ち着いてください、メリーさん。こういう場合は契約です。」 「そ、そうね………………て、違うわぁ!!」 「あれ?何か間違いました?」 「契約ってのは都市伝説から人間に持ち掛けるのが話のセオリーでしょ!?なんであなたから契約の話してんのよ!!」 「そういうメタな発言はちょっと……」 「知るかああああ!!」 二人は完全に足売り婆を無視していた。 「足いらんかねぇ…………」 「このままじゃ埒が明かないわ。さっさと契約して終わらせましょう。」 いろいろと諦めてメリーさんはついに投げ出した。 「じゃあ契約ですね。」「ええ、力を貸してもらうわ。」 長い言い争いの果てに、やっと二人は契約した。 「それで、貴女は何ができるの?」 「敵の後ろに瞬間移動できるわ。」 「ありきたりですね。しかも敵を目の前に能力をばらすなんて……」 「あんたが聞いたんでしょうがあぁぁぁぁ!!」 言い争いは終わっていなかったが。 「じゃあ、とりあえず足売り婆の後ろに移動してくださいな。」 「いや、なんでよ!?待ち伏せされるじゃん!!」 「能力をしゃべってしまったのは貴女の責任ですよ?」 「あれ、私のせい!?」 「ほら早く能力使ってください。ほらほら。」 「だー、もー、やけくそだー!!『私メリーさん、今足売り婆の後ろにいるの』!」 突然、メリーさんの姿が消える。ソレと同時に足売り婆は後ろを向き、 「足はいらんかね。」 瞬間移動したメリーさんの足を掴む。 「うわぁ!やっぱ待ち伏せされ」 ドガンッ 「足、いら……」ズガンッ 「貴女、押し売りって知ってます?」ズガッ「迷惑なんですよ」グリッ「いらないっていったら?」グチャッ「取る?」グチ 「日本語って難しいと思いますよ?」ズチャ「でも、それだったら」ガンッ「いるって言った時は何もしない」ニチョ「そういうものでしょう?」 「ス、ス、ススス、ストォォォォォップ!!」 「何ですか、メリーさん」 「何、やってんの……?」 「何って、」 ぼたんの手には、高校生ぐらいの女の子の手より、工具箱の中が似合いそうな、金槌。 足売り婆がメリーさんを襲う為に振り向いた瞬間、ぼたんはソレを足売り婆の頭に振り下ろした。 何度も何度も。足売り婆が死に、光となり消えるまで。 「な、なんで、そんな物持ってんのよ……」 「二、三日前からかかってくる悪戯電話にいらいらしていたから。つい♪」 「あ…………………………そう」 「あ、そうだメリーさん」 「ハ、ハイ!?」 「契約したのですから、これからよろしくお願いしますね?」 「え、えぇ、よろしく……」 自分に使われていたかもしれない金槌を見つめながら、複雑そうにメリーさんは呟いた。 終
https://w.atwiki.jp/dgsl/pages/66.html
壁の向こう側 なぜ生まれたのかわからない。 どうしてここにいるのかわからない。 真っ黒な回廊に響き渡る声。 ごそごそと駆け回るネズミたち。 「まだ生きてんのか?」 どこからか男子生徒の声が聞こえてくる。 「まだ死なないよ」 別の声が受け答える。 「起きてんのか?」 「まだ眠ってんじゃない?」 男子生徒と女子生徒の二名は笑ってる。 何がおかしいんだろう。何がおかしい。 目の前で、刃物が舞っている。 目の前で、火花が散っている。じゃばじゃばと水の音が耳元からする。 頭が、腕が、足が、胸が、鼻が、体のあちこちが痛い。 笑ってる。 何がおかしい? 何がおかしいんだろう。 水の滴る音がする。どこからか誰かの悲鳴がする。 痛い、痛い痛い痛い。 叫ぶ声、笑う声。歓喜? 何が? わからない。 「死ねよ、死んでみなよ、痛いならさ」 声が頭の中でかんかんと木霊する。 「泣いてんの? 早く逝けよ」 どうして、私はここにいるんだろう。 どうして、彼女は笑ってるのだろう。 どうして、彼は嬉しそうなのだろう。 苦しい。 鉄のにおいが鼻をくすぐる。 鎖の音がじゃらじゃらと鳴り響く。 「ミンチにでもするー?」 オクターブの高い声が、つまらなそうにつぶやく。 男子生徒がにんまりと口元をゆがませる。 モーターの回る音が響く。男子生徒が両腕を振り上げてる。 何かがバリバリと引き裂かれる音がした。 何かがぐちゃぐちゃと、砕かれてる音がした。 誰かが泣いてるような気がした。 『まだ生きてんのか?』 自分でももう分からなかった。
https://w.atwiki.jp/shinmanga/pages/20.html
何にでも「お」をつけりゃ綺麗になると思ってんだろ?ナニはどうする、ナニは ◆lDtTkFh3nc ◇ ◇ ◇ オナベ【お-なべ】 職業上、男装して男性のように振る舞う女性や、女性同性愛者のうち男性的な出で立ちで 男性的に振る舞う人、女性から男性へ性転換した人に対する呼称。 ◇ ◇ ◇ 苦労性の少年と眠る少女を見送った後、暗い夜の森の中で柳生九兵衛は地図を見つめていた。 ランタンの光を出来るだけ漏らさぬように気をつかいつつ、目的地を定める。 (浅月さんは高校側に向かった。僕は東…しかし、東といっても広いしな…) 地図を眺めてみると、この島の東側と呼べる場所に記されている施設は7つ。 もちろん市街地には他にも何かあるだろうが、行動の目安としてはここから選ぶのが妥当だ。 博物館や灯台、教会といった施設のある北部に比べ、南部にはデパートをはじめとした役に立ちそうな施設が多い。 人捜しの為に目指すなら南部であろうが… (逆に施設が多すぎる。放送が行われたら一度神社に戻らねばならない事を考えると、 むしろ北部の施設を全て確認しておいた方がいいかもしれない) 先ほど別れた浅月と合流の約束をした神社は森の中にある。 南部の市街地側からでは森を突っ切っていかねばならないが、北部からなら整備されていると思われる道が通っている。 これなら九兵衛の足をもってすれば放送後すぐにたどり着けるだろう。 (ひとまず北部を目指すか…新八君、無事でいろよ) 目的地を決定し、立ち上がる。 もたもたしてはいられない。速く新八君を見つけて……見つけて、どうする? 移動の為に大通りを目指しながら九兵衛は考える。 最初の説明に偽りがなければ、これは殺し合い。しかも最後の1人になるのを求められている。 彼を見つけて自分は、何をしようというのだろう。 これが柳生の者を狙った悪行なら、自分には彼を護る責任がある。 彼を護る?なら自分はどうする…あるいは他に知り合いが参加していたら? 父、祖父、柳生四天王、万屋、そして……妙ちゃん。 誰か1人しか助からないとしたら… 浅月さんやあの少女も手にかけねばならなくなるのではないか…? 「……?なんだ…?何かが聞こえる…」 そんな思考の螺旋にズケズケと飛び込んできた音に、思わず1人で呟く。 誰も周りにいないことを思い出して少し恥ずかしくなったが、それどころではない。 背後から聞こえる何かは徐々に大きくなる。どうやらその発信源は、大通りをこちらに向かって来ているようだ。 (こんな場所で大声を出して動きまわるなどと、命知らずな…いや、相当腕に自身があるのか…?) ひとまず人間がいるなら確認しておきたいと、九兵衛は慎重に音源に近づいていった。 ◇ ◇ ◇ オカマ【お-かま】 男性同性愛者の一部や異性装をする男性、あるいは女性を装う男性を指して言われる言葉。 ◇ ◇ ◇ 結論から言えば、そこには人間がいた。 あれは男だろう、間違いない。しかし、そう言い切ってしまうのもはばかられた。 かといって女性かもしれないとは絶対に思えない。 要するに、大柄なオカマが踊りながら歌っていたのである。 「所詮~~んこの世は~~男と~~女~~♪しかし~~オカマは~~男で~~女~~♪」 誰が聞いている訳でもなし、それでもオカマは歌い続ける。 背中にはご丁寧に「おかま道」と書かれていた。 「だ~~か~~ら~~最強!!! 最強!!! オカマウェ~~イ♪ あー最強!!! 最強!!! オォ~~カマ~~ウェ~~イ~~~♪」 奇怪な動きに合わせて歌いきると、どこか不満げに回転を止める。 部下達による合いの手が無いことが不満だなどと、隠れ見る九兵衛には想像もつかないだろう。 彼女はこの人物に声をかけるか激しく迷っていた。 (どう考えてもおかしな人物だが…一応参加者のようだし…) 首輪をつけている以上、彼(?)は参加者だろう。 おかしな人物=危険人物ではない。 それでは自分の周囲の人間は大抵危険人物としてしょっ引かれてしまう。 覚悟を決め、九兵衛は姿を現した。 「そこを行く人よ、話を聞いて欲しい!僕は柳生九兵衛!柳生家の当主だ!」 こちらの存在に気がつくと、オカマは「くるり」とこちらに向きなおした。 「すーー」っと爪先立ちで接近してくるその光景は、九兵衛が経験した中でも5本の指に入るシュールさだった。 「なーによう、アンタ。あちしに何か用なのう?」 「僕は人探しをしている。眼鏡をかけた、志村新八という少年と会っていないか?」 ある程度の距離を保ったまま、九兵衛は質問を投げかけた。 あえて、妙ちゃんや他の面々については尋ねない。彼女達は巻き込まれていない…そう信じたいのだろうか。 「あちしはまだ歩ちゃんっていう普通の女の子と、変態仮面にしか会ってないわよう。 アンタこそあちしの部下達と会ってなぁい?」」 『歩』という名前に少し反応するが、女の子ということでこれは違うと判断する。 変態仮面の方は…心当たりが多すぎてちょっとわからない。 「僕が会ったのは浅月という少年と、金髪の少女だけだ。あなたの部下にそういった人物は?」 「いないわねい…残念ながらお互い無駄足だったみたい。じゃあねい」 早々とその場を去ろうとするオカマに、九兵衛は慌てて声をかける。 「待ってくれ!あなたがこの殺し合いに乗らないなら、協力しないか?」 不意の申し出に、オカマは不振そうな目でこちらを見てきた。 九兵衛とて相手を完全に信用した訳ではない。むしろ、かなり不審な人物だと思っている。 だが外見と裏腹に、中身は比較的まともそうだ。殺し合いへの参加は否定しないものの、 こちらとの接触より仲間捜しを優先しているということは、積極的に殺しを行うつもりはないのだろう。 説得の余地アリと判断し、申し出たのである。 「…アンタねい、わかってんの?あのガキンチョが言ってたことが本当なら、これは殺し合いなのよう?」 「わかっている!だが僕は、こんな理不尽な殺し合いで誰かが死ぬなんて認めたくない。 僕の力の及ぶ限り戦い、護りたいと思っている」 言葉が自然と出てきた。 こちらの目を見つめ返し、オカマがなにやら迷っている。 顎に手を当て、奇妙な表情で考えること数秒…オカマは口を開いた。 「話くらいなら聞いてあげるわ」 ◇ ◇ ◇ お話【お-はなし】 話す人を敬って、その話をいう語。また、「話」の丁寧語。 オカマが「離せ」という意味でよく使う「おはなしっ!」とは別物。 ◇ ◇ ◇ 大通りから少し外れた森の中で、「男女」の二人組が会話をしていた。 詳しくは記さないが、会話の内容はまさに押し問答。 殺し合いにはのらない、仲間も護ると主張する男装剣士。 そんな綺麗ごとじゃ早死にするだけだと鼻で笑うオカマ拳法家。 オカマはMr.2 ボン・クレーと名乗った。 随分変わった名前だったが、浅月さんの探し人ではなさそうだ。 おまけに彼は、殺し合いへの参加を明確に否定はしなかった。 彼に言わせれば先ほど別れた浅月だって、放送後の合流を求めたのは計算があってのことだろうと言う。 参加者や死亡者によってはスタンスを変える可能性があるからだと。 言われてみればそう思えなくも無い。だが、九兵衛も譲らなかった。 永遠に平行線をたどるかと思われた議論だったが、ひょんなことから変化が生じる。 「そんなにそのダチが大事なら、とりあえずそいつらだけ護ればいいじゃない」 Mr2の言葉に、思わず押し黙る。それみた事かと、彼は言葉を続けた。 「とりあえずそいつら見つけて護って、一緒に脱出すればいいでしょう? それにそいつが死んでたり、誰もいなかったら帰る為に他の連中なんて遠慮なく倒してけばいいのよう!」 確かに、彼の言うとおりだ。 自分が護りたいものを護る。それはつまり、護るべき対象以外は排除しても構わない。 浅月さんや眠りこけた少女、それに目の前のオカマも全て倒せば、仲間や自分の生存確率は上がるのだ。 そういう意味で、彼の言い分は間違っていなかった。 それでも… 「……それではダメなんだ。それでは、本当の意味で相手の幸せを祈っているとは言えない」 神妙な面持ちのまま、九兵衛はひねり出すように言葉を紡いだ。 気恥ずかしいのであまり気は進まなかったが、自分と幼馴染の少女の間に起こった出来事を、己の生い立ちも含めて語りだす。 自分が柳生家の跡取りとして生きる為、男として育てられたこと。 幼馴染の少女を愛するあまり、憧れるあまり…想いを押し付けてしまったこと。 それは多くの人に護られていることに気づかなかった、いや気づいていながら認めなかった己の弱さが原因だったこと。 そしてそれに本当の意味で気づかせてくれた、勇敢な侍達のことを… 「…ということだ。わかるだろう?相手や自分の幸せを本当に願うなら、そんな方法ではダメなんだ。 それではきっと妙ちゃんも、新八君も……誰も心から喜べはしない。誰にも僕は顔向けできない」 あるいはあの騒動の前の九兵衛なら、妙ちゃんや知り合いを護る為に、あるいは彼女達と再会するために… 他の者達に刃を向けたかもしれない。それは否定できない。 だが、あの時思い知ったのだ。本当の意味でその人の幸せを願うなら、その人の笑顔を願わねばならない。 護りたい者の志まで護ってこそ、本当の笑顔を見ることが出来る。 己の過去と心中を語り終え、決意と共に伏せていた顔を上げる。 ところがなぜか話し相手は首だけを180度捻り、顔が見えなくなっていた。 「おい、ちゃんと聞いていたのか?」 プルプルと震えるばかりで返事が無いことに不満を覚え、九兵衛は顔を見ようとする。 しかし、その度に器用に体を動かし、絶対に表情を見せない。 それはなぜか… (ヘヴァァァ…な、なんでがなじい過去を背負っでるのよう… づ、辛い過去を乗り越えて、最高のダチに巡り会えだのねい……えがったぁ……) それはその表情が涙と鼻水に塗れた、一発で泣き顔とわかるものだったからである。 眼鏡をはずし、見えないトコロで顔をゴシゴシと拭くと、Mr.2は真剣な表情で九兵衛に向きなおした。 「わかったわよう!あちしも協力してあげる!!」 「う、うわぁ!!なんだその顔は!?」 マスカラが流れた真っ黒な顔を急に近づけられて、九兵衛が驚く。 ただでさえ迫力満点の顔が更に破壊力を増していた。 しかし、何とかわかってもらえたようだとほっとする。 「あ、ありがとう。力を合わせればきっと活路も開ける」 こうして、何とか二人の間に協力関係が生まれた。 改めて簡単な自己紹介を終えると、Mr.2の提案で二人は支給品の確認に移った。 九兵衛のほうは既に1つ確認済みだったのだが、Mr.2のほうが未確認だという。 「Mr.2殿は、武器を必要とするタイプではないのだな?」 「やーねい、堅苦しいからボンちゃんでいいわよう」 (やや一方的に)打ち解けた二人は、まず未確認のバッグから調査する。 最初に出て来たのは奇妙なコインケースだった。 中にはコインが12枚入っているが、うち3枚が半分欠けていた。 「7枚目と10、11枚目が欠けているな。誰かが持っているか、どこかに隠されているか…」 「全部揃えると、何かがおこるのかしらねい。いいわねい、お宝っぽくてワクワクするわ!」 次に出て来たのは、妙に軽いフードと剣。 フードの方はひとりでにフワフワと動いており、普通のものではないのがすぐわかった。 「こっちには説明書がついてるわねい…なになに…」 説明書によると、このフードと剣は風の精霊の力を宿しており、不思議な力を操れるという。 剣は羽箒のようで頼りなかったが、実際に振るってみると数m先の木の枝を切り落とした。 どうやら風を操りかまいたちの類を発生させる武器らしい。 直接攻撃に使うと相手を殺しかねないが、風を巻き起こす力は相手の抑止に役立ちそうだ。 改造バットと上手く使い分ければかなり戦力になるだろう。 今のところ殺さずの決意を曲げるつもりは無い。 胸を張って、護りたい人たちの笑顔を見るために…… 「これはあちしには必要ないわねい。アンタにあげるわ」 ボンちゃんはそう言うと、ためらうことなく思考していた九兵衛にそれを投げ渡す。 「お、おいボンちゃん、いいのか…?」 「いいわよう、さっきいろいろヒドイ事言ったお・わ・び! それに、アンタの支給品であちしに使いやすそうなものがあったらそっちを貰うわよう」 勝手に九兵衛のバッグをあさりながら返事をしてくる。 彼女の持ち物の1つであるバットは趣味じゃないと既に拒否されている。 彼は「スワンちゃんが欲しい」とよくわからない事を言っていたが… 九兵衛は自分のバッグに、彼にとって役立つものが入っている事を願った。 「あーら!これはいいじゃないのよう!」 結局出て来たのは、つま先に針が仕込まれた靴だった。 足技を得意とする彼にとって、なるほど相性の良さそうな武器である。 ただ1つの問題を除けば… 「あ、待てボンちゃん…」 「決まり!これを貰うわよう!華麗に回るあちしにぴったり!」 そういってさっそく靴を脱ぎ、支給品を履こうと試みるが… 「…んん??これは……ふぬ、ぬ、がぁぁぁぁぁぁ!!!!」 野太い叫び声がこだまする。 履けない。そう、履けないのだ。それもそのはず、その靴は女性用である。 おまけに小柄な人物の愛用品らしく、かなり小さめだ。 自分ならともかく、鍛え上げられた肉体を持つボンちゃんにはいささか小さい。 それを無理に「はめ込もう」としている。 「ボンちゃん、足を痛めるぞ!僕のフードはいらないから…」 「ぬぐぐ……ダメよう!一度あげたからには返されるなんて許せないわ! あちしは別に、こんな靴どうでも……グス、どうでもいいのよう……」 下唇を噛み締め、明らかにガッカリした様子でオカマがうなだれる。 かわいらしい靴なので、乙女心から履いてみたかったのかもしれない。 これ以上この件に触れるのは酷だと思い、九兵衛は話題を変えた。 「そ、そういえばさっき言っていたマネマネの実の能力とやら、見せてくれないか?」 先ほど自慢げに語られた彼の能力。右手で触った相手とそっくりに変身できるという。 その代わりカナヅチになるという副作用があるらしいが… 落ち込んでいる時には得意なことを披露させるのがいいだろうという、彼女なりの気遣いだった。 「…気になる?」 「あぁ、すごく気になるな」 「しょーがないわねーーい!!」 一気にテンションを上昇させ、ボンちゃんが立ち上がる。 くるくると回りながら九兵衛の顔にタッチすると… 「目ん玉かっぽじってよーく見なさいよう!!」 「おぉ!」 そこでは奇妙な服装と白鳥を身にまとった九兵衛が回っていた。 「どーよう!?すごいでしょうが!」 「うむ…なんだか奇妙な感じだな。声まで変わるのか」 自分そっくりの顔で奇行を行われるのは少々嫌だったが、何より彼が元気になってくれたようで安心した。 「そーれだけじゃないのよう!あちしの能力はなんとメモリー機能付きぃ! 一度触った相手の顔はいつでも再現……?」 語りながら次々と顔を変えていくボンちゃんだったが、何人かの顔を見せたところで止まってしまう。 「どうした?」 「どーゆーことよう、あちしのメモリーが消されてるわ…… さっき会った歩ちゃんと麦ちゃん一味、それにBWのメンバーの顔しか残ってない……」 どうやら本来より変えられる顔が限定されているらしい。 九兵衛は、最初の説明で言われた「細工」という言葉を思い出していた。 ボンちゃんも同じらしい。 「やーってくれるわねい…ますます気に食わないわ」 そちらにはあまり気落ちすることなく、むしろ主催者への不満を募らせたらしい。 その後九兵衛は、知人だという彼が変身できるメンバーの説明を受けた。 ◇ ◇ ◇ お説教【お-せっきょう】 教え導くために言い聞かせること。 年上のかわいいメイドさんなんかにされるとキュンとする。 ◇ ◇ ◇ 情報交換も終えた頃、急にボンちゃんが顔を接近させてきた。 (か、顔が近い…) 「ところでねい、九ちゃん。あちし、あんたにこれだけは言っときたいんだけど…」 巨大な顔を間近に寄せられ、やや引き気味に九兵衛は 「な、何だ…?」 と返した。 真剣なんだかよくわからない迫力のある顔で、ボンちゃんは語りかけてくる。 「アンタ、自分が男でも女でもない中途半端な人間になったのは、自分が弱いからだって言ってたわねい?」 確かに、先ほど自分の生い立ちを語る際にそういった旨の発言をした。 「あ、あぁ…父上やお爺様にそう育てられたとはいえ、僕の心がもっと強ければ…」 そこまで言ったところで、ボンちゃんは回転しながら叫びだす。 「ンノォォォォォォ!!違うわ九ちゃん、そうじゃないのよう! いい?あちしたちオカマは確かに半端……そう、『あやふや』よう!でもその何が悪いの? 男でも女でもない。逆に言えば男でも女でもある。『あやふや』は武器でもあるのよう!」 完全に予想外の発言に、九兵衛は戸惑う。ボンちゃんは何を言っているのだろうか。 「それはオナベも一緒!大事なのは、性別が『あやふや』でも、確かな自分を持つこと! あちしはあちし、アンタはアンタ!男だろうが、女だろうが……どーーっちだっていいじゃないのよう!! だってあんたはいい奴だものねい!!さぁ、歌うわよう!!」 そう言って更に回転を増すと、最初に出会った時の歌を歌い始めた。 「所詮~~んこの世は~~男と~~女~~♪しかし~~オカマは~~男で~~女~~♪」 最初は完全に戸惑った九兵衛だったが、その言葉をよく噛締めてみる。 自分は柳生家の当主である為、男として育てられた。それが嫌だった。 女の子としての生活に憧れ、妙ちゃんみたいに優しくて強い女の子になりたかった。 だが、その劣等感もあの時の過ちを呼んだのだ。 妙ちゃんはあの騒動の後、自分にこう言ってくれた。 『九ちゃんは九ちゃんよ…男も女も関係ない。私の大切な親友』と… 「だ~~か~~ら~~最強!!! 最強!!! オカマウェ~~イ♪ あー最強!!! 最強!!! オォ~~カマ~~ウェ~~イ~~~♪」 半端だったのは自分の覚悟の方なのだろうか……? 不思議な事を教えてくれるこの友人は中々面白いなと、九兵衛は少し微笑んだ。 「な~にしてんのよう!アンタも歌いなさい!」 「う…む、そうだな…よし、歌おう!」 こうして夜中の森で、肩を組んだオカマとオナベの大合唱が始まる。 「「所詮~~んこの世は~~男と~~女~~♪ しかし~~オカマ(オナベ)は~~男(女)で~~女(男)~~♪」」 男としてとか、女の子らしくとか……難しく考えすぎていたのかもしれない。 もう少し適当に、肩の力を抜いてもいいのだろうか。そう、あの侍の様に…… 「「だ~~か~~ら~~」」 「最強!!!」 「最強!!!」 「最強!!!」 「最強!!!」 「「オカマウェ~~イ♪」」 「あー最強!!!」 「最強!!!」 「最強!!!」 「最強!!!」 「「オォ~~カマ~~ウェ~~イ~~~♪(ハモリ)」」 「あ~~テンションが上がってきたわ、あちし!!回るわよう!!」 久々に合いの手つきのFull ver.を歌い、猛烈に高まったテンションに任せて回転を増すボンちゃん。 「そ、それより次の行動に移ろう。僕はこれから教会を調査しに行こうと思う。 時間が無いからひとまずここだけ見たら戻ることになりそうだが…君はどうする?」 冷静になり少し恥ずかしくなってきた九兵衛の問いに、ボン・クレーは回転を止め、悩んだ。 部下達を捜したい気持ちは変わらない。 しかし、今はこの小さいながらも立派な友人に協力せねば、オカマがすたるというものだ。 「もーしよければ、手伝ってもいいかしら?」 真剣な顔つきになっての友人の返事に、九兵衛もまた少し迷う。 彼が信用に足る人物だということは短い付き合いながらも理解できた。 力を借りられるなら正直、ありがたい。 本来なら先ほど浅月と別れたように、バラバラに動いた方が人探しに効果的だ。 しかし少々はしゃぎすぎて思わぬ時間のロスをしたため、放送まで3時間程しか無い。 教会のみを見に行く事にしたのも、放送までに調査出来そうなギリギリの距離だと判断したからだ。 全力で走って回れば間に合うかもしれないが、それこそ誰かと出会い情報交換する可能性を考えれば あまりギリギリで時間を計算するのは好ましくないだろう。 今から別行動をしてもお互いに大した情報もなく合流しそうな気もする。 それに…1つ気になることもあった。 「む…そうだな。ではとりあえず、放送まで共に行動しよう。 後はその時の状況に合わせて対応していけばいい」 同意を得て、やっと行動を開始する。 空はまだまだ闇に包まれていた。 「……ボンちゃん。1つだけ確認したい」 「んん?なーによう?」 出発の際に問いかけた言葉に、ボンちゃんが振り返る。 「やはり最初の放送で君の友達や部下達が死んでいたり、参加していないと分かったら… 君は殺し合いに乗るのか?」 黙ったまま、またしても真剣な面持ちになるボンちゃん。 こうして見ると男っぽいな、などと九兵衛は思ってしまう。 そういえば彼に触られた時も触った時も、投げ飛ばさずにすんだ。 オカマだからだろうか…? 「き―まってるでしょう!ダチがいたら、殺し合いなんかしないわよう!」 「いや、それが1人もいなかった場合の話…」 そこまで言って、ボンちゃんの笑顔に気がつく。 「少なくとも目の前に1人、いることがわかってるからねい」 ◇ ◇ ◇ お友達【お-ともだち】 互いに心を許し合って、対等に交わっている人。 時には命を懸けて、支えあう関係にある仲間。 または、「ダチ」 ◇ ◇ ◇ 【F-6/大通り/1日目 黎明】 【柳生九兵衛@銀魂】 【状態】健康 【装備】 シルフェのフード@ベルセルク 【所持品】支給品一式 改造トゲバット@金剛番長 シルフェの剣@ベルセルク 【思考】 基本:殺し合いにはのらない。大切な人の志まで含めて護る。 0:新八君…無事でいろよ 1:ボンちゃんと教会に向かい、知り合いを探す。 2:最初の放送後、神社で浅月と合流。 3:新八や他にも知り合いがいるなら合流したい。 4:卑怯な手を使う者は許さない 5:妙ちゃんもこの会場に……? 6:男……女……あやふや? ※参戦時期は柳生編以降。 ※西沢歩、麦わら海賊団(アラバスタまで)、BWオフィサーエージェントの顔と名前を知りました。 【改造トゲバット@金剛番長】 唐鰤 三信が使う釘バット。 改造済みなので普通の釘バットより威力はあると思われる。 【シルフェのフードと剣@ベルセルク】 風の元素霊(エレメンタル)シルフェの加護を受けたフードと剣のセット。 フードは風を身に纏い、高く飛び上がったり弓矢を逸らしたりしてくれる。 剣は羽箒のような形で旋風を起こし、かまいたちで敵を切り裂く。 風の元素霊に好かれるとより強く力を発揮するらしい。 ちなみに参加者のパックも「一応」風の精霊。 【Mr.2ボンクレー@ONE PIECE】 [状態]: 健康 [服装]: アラバスタ編の服 森あいの眼鏡@うえきの法則 [装備]: [道具]: 支給品一式 スズメバチの靴@魔王JUVENILE REMIX コインケース@トライガン・マキシマム [思考] 基本:友達や部下を見捨てるようなマネはしない。脱出する。 0: ちょっと待っててねい、可愛い子分たち! 1: ひとまず放送まで九ちゃんの人探しを手伝う 2: 巻き込まれているかもしれない子分たちや麦ちゃんを捜す。 3: 殺し合いなんてどうでも良いけど自分の邪魔する奴や友達を襲う奴は許さない [備考] ※アラバスタ脱出直後からの参戦 ※グランドラインのどこかの島に連れて来られたと思っており、脱出しようと考えています ※マネマネの実の能力の制限 メモリーが消去されています。現状変身できるのは消されていない 麦わら一味(アラバスタ編まで)+BWのオフィサーエージェントと、 直接顔を触れた人物→西沢歩、柳生九兵衛 その他の制限はまだ不明。 【スズメバチの靴@魔王JUVENILE REMIX】 スズメバチが使う、つま先に針が仕込まれた靴。毒が仕込まれているかは不明。ちょっと小さめ。 【コインケース@トライガン・マキシマム】 レガートがゲームの為にとヴァッシュに渡したコインケース。 12枚のコインを収納できるが、コインは全て半分に分けられGUN-HO-GUNSのメンバーがそれぞれの片割れを所有している。 正体は特製超小型超磁場発生装置。 全て揃えるとボタンが出現し、それを押す事でレガートの魔技である人体操作を封じる超磁場を発生させる。 欠けているコインは今回参加しているGUN-HO-GUNSの物だが、本人達が所有しているかどうかは不明。 時系列順で読む Back それは小さな小さな『棘』 Next 奮戦せよ12thブラック 正義崩壊の序曲!? 投下順で読む Back それは小さな小さな『棘』 Next 月光条例 008 西沢歩の受難 ~私と、変態と、変態と~ Mr.2 ボン・クレー 081 犬も歩けば棒に当たる? なんで棒? 031 たった2つの冴えないやりかた 柳生九兵衛 081 犬も歩けば棒に当たる? なんで棒?
https://w.atwiki.jp/gdgdtales/pages/127.html
何言ってんの? 愛されていました笑。 何言ってんの? コメント入力後、カキコミを行う為のボタンの名称。 元ネタは「ずっと俺のターン!」より。 愛されていました笑。 2016.3.13、なんかヘンテコだし判りやすくしようと思い、 「俺(私)のターン!」を「発言♪」に変更しました。 そうしたら”あれ気に入ってたのに!”との声を多数頂きました。 皆様よく見ておられるなぁ…と同時に、 そういう非常に細かい部分にこのサイトらしさを見出して 気に入って下さったりしていることに、 非常に感動しました。ありがとうございます。これだから管理人やめられない。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/54061.html
【検索用 かふせる 登録タグ 2023年 CeVIO Rosso. oino か ナカノ フユウ 星界 曲 曲か 薬屋 裏命】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:フユウ 作曲:フユウ 編曲:フユウ MIX:Rosso. 絵:薬屋 動画:oino タイトルデザイン:ナカノ 唄:裏命・星界 曲紹介 制御不能だ 罰アタリ リ リ 曲名:『カプセル』 『ボカコレ夏2023』ルーキーにて38位を獲得した。 歌詞 (作者配布ファイルより転載) 廃屋屋台のその奥で 軋めく暑さにやられてる あの手もこの手も尽きちゃった アナタを当てんの どうやんの? 散々散財 反省デキナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 完全犯罪 全然タリナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 何千万回 正論イラナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 我慢は限界 もう懲り懲りなんです 生存依存で 症状異常で 消えてしまいたいな 今日も 共存依存で 感情異常で シアワセ 全部 堕ちてきて 痛みが滲む 夏の夜 制御不能だ 罰アタリ リ リ 何もナイナイ アタシには アナタを見れば 大アタリ リ リ OVER DOSE やめなさいなんて聞けないわ (NYA-!) OVER DOSE 大ハズレなんてうるさいわ (NYA-!) どうにかしてよ もう引けない ハマっちゃってんだ 許しちゃってんだ だ だ CAPSULE 知らずにエデン もう気付けばペテン アナタ拝みたくて待ってんの 神頼み もう言葉鵜呑み 少し悪いコトもやってんの (NYA-!) 散々散財 反省デキナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 完全犯罪 全然タリナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 何千万回 正論イラナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 人生メチャクチャ もう懲り懲りなんです 誰も見ないで これでもアイで 誤魔化しきれないや どうしよう 夏の誤算で 1・2・(の)3で シアワセ 全部 堕ちてきて 堕ちてきて 溶けだしてゆく 夏の夜 制御不能だ 罰アタリ リ リ 散々なんです でもいつか アナタがいれば 大アタリ リ リ OVER DOSE やめなさいなんて聞けないわ (NYA-!) OVER DOSE 大ハズレなんてうるさいわ (NYA-!) 今更遅い もう引けない ハマっちゃってんだ 許しちゃってんだ だ だ ハマっちゃってんだ 許しちゃってんだ だ だ CAPSULE + パート分け歌詞 裏命 星界 廃屋屋台のその奥で 軋めく暑さにやられてる あの手もこの手も尽きちゃった アナタを当てんの どうやんの? 散々散財 反省デキナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 完全犯罪 全然タリナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 何千万回 正論イラナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 我慢は限界 もう懲り懲りなんです 生存依存で 症状異常で 消えてしまいたいな 今日も 共存依存で 感情異常で シアワセ 全部 堕ちてきて 痛みが滲む 夏の夜 制御不能だ 罰アタリ リ リ 何もナイナイ アタシには アナタを見れば 大アタリ リ リ OVER DOSE やめなさいなんて聞けないわ (NYA-!) OVER DOSE 大ハズレなんてうるさいわ (NYA-!) どうにかしてよ もう引けない ハマっちゃってんだ 許しちゃってんだ だ だ CAPSULE 知らずにエデン もう気付けばペテン アナタ拝みたくて待ってんの 神頼み もう言葉鵜呑み 少し悪いコトもやってんの 散々散財 反省デキナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 完全犯罪 全然タリナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 何千万回 正論イラナイ ガチャラニャガチャ (NYA-!) 人生メチャクチャ もう懲り懲りなんです 誰も見ないで これでもアイで 誤魔化しきれないや どうしよう 夏の誤算で 1・2・(の)3で シアワセ 全部 堕ちてきて 堕ちてきて 溶けだしてゆく 夏の夜 制御不能だ 罰アタリ リ リ 散々なんです でもいつか アナタがいれば 大アタリ リ リ OVER DOSE やめなさいなんて聞けないわ (NYA-!) OVER DOSE 大ハズレなんてうるさいわ (NYA-!) 今更遅い もう引けない ハマっちゃってんだ 許しちゃってんだ だ だ ハマっちゃってんだ 許しちゃってんだ だ だ CAPSULE コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/682.html
224 名前:・ツンデレに夏休みなのにどこにも行かないの?って聞いたら[] 投稿日:2011/08/08(月) 12 40 30.45 ID 9ACegosO0 [1/5] 「夏休みなのにどこにも行かないの?」 蝉の鳴き声が、環境雑音のメインになって久しい昼下がり。なぜか俺の部屋に入り浸っているちなみさんに、訪ねてみた。 『行かない……。めんど……い』 彼女は人のベッドに勝手に寝転がり、人の漫画を読みながら答えた。 何がめんどいって、お前の質問に応えるのが一番めんどいよ、と言わんばかりだ。 ……癪に障ったので、俺もベッドの縁を背もたれ替わりに、続けてやることにする。 「ほら、夏と言ったら海」 『……紫外線が、強い。日焼けしない体質の私が行ったら、大変。まさか、人を皮膚癌にするつもりか……むしろ前がなれ、なって死ね』 物凄い言いがかりだ。恐ろしいので話題を変えよう。 「じゃ、じゃあ山とか!」 『暑い。疲れる。何故ド糞暑い時期に山に……。まさか、私を埋めるつもりか……むしろお前が埋まれ、そして死ね』 もはや意味が分からない。 しかもこれだけ言って視線は全く漫画から外さないとは……。片手間に罵られた俺の立場とは一体。 「んならどこがいいって言うんだよ」 ちなみさんに向き返り、そう尋ねる俺。 『どこにも行かない、と……さっきから言ってる』 ぐだぐだと横たわりながら漫画を読む彼女の姿は、ヒトデか何かのようだ。 と、そう思っていたところで彼女もこちらに向き返り……いや、ごろごろと転がり返り、上目遣いで尋ねてきた。 『なんでそんなに……何処かへ行かせようとする……の?』 「いや、なんでつったって……」 『……私は、これでいい』 一瞬ためらったように見えたのは気のせいだろうか。 すぐにぷいと(寝転んだままだが)体を翻し、元の状態で読書に戻るちなみさん。 俺はというと、暑さで呆けた脳みそを更に呆けさせ、ぼおっと彼女の表情を反芻させることしかできなかった。 『JESUS砂塵航路面白い……。……これ読めればいいや』 「なんとなんと」 ぶち切れた俺に拉致られて海水浴に連れだされるお話は省略されました。すべて読むにはここをクリック!