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☆Intro☆ とある喫茶店に二人はいた。 「その…どうだったのでしょう?」 その言葉につかさは珍しいにんまりした笑顔を見せる。 「えへへぇ、」 鞄をごそごそと探って一枚の紙を取り出す。定期テストの結果表。びしっとみゆきに向かって広げた。 「じゃん!」 「あっ!」 満面の笑顔。 「うん!目標達成だったよ!」 「良かった!嬉しいです。」 「えへへ、ゆきちゃんが手伝ってくれたおかげ、ちょっと自信ついたかも。」 「一緒に頑張ったかいがありましたね。」 「でもやっぱりゆきちゃん凄いよね、学年トップ。」 「実は私自身いつも以上にやっていたんです。つかささんのフォローのためといいますか、つかささんとの勉強が楽しくて…。上手くいって本当に嬉しいです。」 「うん。」 つかさは少し視線を下に落とした。 みゆきは疑問を浮かべて首をかしげた。 「つかさ、さん?」 「…あのね、私、もっと頑張っちゃおっかなって。その、」 声がか細くなる。 「…ゆきちゃんの隣に名前がのるまで、なんて。ゆきちゃんと、一緒に…。」 上目で不安げにみゆきの瞳を覗く。 「む、無理だよね、迷惑…だよね?」 みゆきはにっこりと微笑んでいた。 「無理だなんて全然思えませんし、迷惑なんかじゃないですよ。それに結局私のためにもなります。一緒にやりましょう。」 つかさはちょっと顔を赤らませながら幸せに笑んだ。 「うん!」 ~つかさとみゆき~ ☆第一幕☆ どうすれば… 「一緒」になれるのでしょう。 多分、役割みたいなもの。 私らしくある限り、きっとこれは埋まらないんです。 ある日、つかさは机にうっぷして元気がなかった。 理由は単純で、努力したテストで思うように点がとれず、自分の要領の悪さとだんだん分からなくなる内容に途方にくれていたのだ。 こなたとかがみが買い物で、二人っきりの帰り道、つかさが相談があると言って、近くの喫茶店によった。悩みを打ち明けると、みゆきは一緒に勉強することを提案したのだった。 二人はあれこれ考えて、週に三回、みゆきの家で二人だけの勉強会を開くことに決めた。 初日、教科書を読んでいるつかさはうつらうつらと眠りに入っていた。 「つかさ、さん?」 「はぅ!?」 驚いたように目を丸くしてみゆきを見つめるつかさ。 「わぁ、寝ちゃうとこだった…」 みゆきは少し困る。彼女には、わからないところを訊かれたら答える、そんなスタイルしか勉強会のイメージがなかった。 しかし、初日でこの様子ならば当人の質疑を待っていているだけだと週に七回やっても、大して進まなそうな気がする。 「う~ん…あ、」 みゆきはピンクの髪をふわりと揺らして指をたてた。 「つかささんはきっと、文字に慣れてないんじゃないでしょうか?」 「へ?…もじ?」 「教科書じゃなくて、新聞や本を読んでても眠くなりませんか?」 つかさは上目に記憶をたどってからうなずいた。 「あ…、うんっ。そうかも。」 「慣れない事は、誰だって疲れて眠くなっちゃいます。もしかしてそれかなって思ったんです。」 つかさはぱあっと明るくなった。 「そうかも~。うん!難しいのだと余計そう!ゆきちゃん凄いよ!」 「なんとなくそうかなって思っただけです…」 「う~ん、どうすればいいかな?」 「毎日ちょっとでも文字に触れるといいかも知れません。何か面白い本を少しずつ読んだり。」 「なんか楽しそうかも。」 「ただちょっと、遠回りなアイディアかも知れませんね。でも、次のテストまでは時間もありますし、価値はあると思います。」 つかさはぼうっとみゆきを見つめていた。 「あの、やっぱり遠回り…でしょうか?」 つかさは焦って首を振った。 「うううん!なんか…ゆきちゃんって凄いな、と思って。」 みゆきは、いえ、そんな…とはにかんでから 「次は絶対成功させましょうね。」 と力を込めて言った。 「うん!」 つかさも両手を握りしめた。 翌日つかさはみゆきと駅前の書店に寄って、自分なりに好きな本を選んで買った。 つかさの好みはちょっと変わっていたが、みゆきは「面白そうですね、毎日読んで下さいね。」と優しく微笑んだ。 その翌日は「なんだか読んでたらすぐ眠くなっちゃって…。」としょげたが、毎日少しずつ読むうちに本に引き込まれていった。 「それでね、その彼氏だった人がね…、えと、私の説明、わかる?」 「わかりますよ。聞いていても面白いです。」 「ホント!?えへへ…、でね…」 毎日一度は休み時間にみゆきの席に訪れ、つかさは自分の本の面白いところ、発見したところを一生懸命伝えていた。 語っているうちに気持ちが入っていってやや興奮気味になるつかさは、みゆきから見て新鮮な上、少し可愛かったりもした。 そうこうしながら定期的に行われる勉強会でも、つかさは集中力が増してきて、みゆきが器用に手伝った事も相まって、終わる度に充実した気持ちになれるようになっていた。 そうして1ヶ月が過ぎた。 「う~ん!頑張ったぁ!…ちょっとお腹空いたよぉ。」 と、背伸びするつかさ。 「今日はケーキがあるんですよ。」 わ~い、と手を合わせる。 「ちょっと待ってて下さいね。あ…」 と、つかさのノートを見る。 何か間違いがあるのかな…。 「何かへん?ゆきちゃん。」 みゆきは目を丸くした。 前ならばこういう時、つかさは休憩が中断される事に落胆していた。 まして甘党のつかさで、休憩にはケーキが待っているのだ。 しかし、今の彼女の瞳は間違いを直して正しい知識が得られる可能性を楽しんでいる。 「目標、もう少し高くしちゃえそうですね。」 「そうなの!?」 「えぇ、最近つかささんが凄く頑張るので、私の予想以上に進んでまして、ホントに凄いです、つかささん。」 つかさは顔を真っ赤にして、下を向く。 「ゆきちゃんの、おかげだよぉ…」 「いいえ、私は何も…、最近は自分の勉強ばかりで…」 「うううん、ゆきちゃんが頑張り屋さんだから傍にいると私もなんか頑張れちゃうんだ。」 「…いいえ、頑張り屋さんはつかささんです。」 「違うよぉ、ゆきちゃんだよ」 「いいえ、つかささんです…」 「そんなことないよぅ…」 二人とも、恐縮そうに頭を下げて上目に相手を伺ったので、その目が合った。 なんだか可笑しい。 「あは、あはははっ」 「うふふっ」 「あ、じゃあ、頑張り屋さん同士、って事にしようよ。一緒なの。」 つかさは自分の言葉に照れながら満面に笑んだ。 「ふふっ、そうですね。私達、どこか似ている気がします。」 つかさはその言葉が自分にはもったいないようで恥ずかしくて、でも嬉しくて、小さな声で呟いた。 「ゆきちゃんのばかぁ…」 「え…!?」 「あ、うんと、ゆきちゃん、私ね、明日新しい本買いに行きたいんだけど、ゆきちゃんにも一緒に行って欲しいんだけど、だめ?」 「もう、あれも読んじゃったんですか?」 「うん!あの作者のは大体読んじゃったからぁ、次新しい作家を探したいんだよね。」 「じゃあ、一緒に探しに行きましょう、私もちょうど何か本が欲しいので」 「じゃあ一緒のやつ買おうよ!」 「えぇ、いいですね。」 「わ~い!」 ちょっと不経済ですけど、一緒の本を持っているってなんだか嬉しい気がします。 みゆきは今までにない不思議な気持ちを感じていた。 小さい頃から友達は多かったが、中学にさしかかって以来、みゆきに対しての友達の印象には高嶺の花のような感じが漂っていた。 高校に入ってとても素敵な三人の友達に巡り会えたが、それでも、その小さな孤独は公然と芯に残っていた。 どうすれば… 「一緒」になれるのでしょう。 多分、役割みたいなもの。 私らしくある限り、きっとこれは埋まらないんです。 それが、どこかで溶け消え始めている。そういう気持ちだった。 ☆第2幕☆ それから数日後。 「いや~、つかさと帰るのなんか新鮮だねぇ」 電車のつり革に指先を引っ掻けたこなたは言う。 かがみは隣でこなたがいつ揺れに耐えきれなくなってもフォロー出来るように意識しながらその言葉につっこむ。 「一昨日も一緒に帰ったじゃない。」 勉強会は週に3日、大体は火、木、土とやっていて、今日のように無い日はいつもの三人で帰っている。 「えへへ…。」 「でもさ、最近一緒に帰るの減ってるでしょ、みゆきさんとこにしょっちゅう行ってるから。なんか新鮮なんだよねぇ。」 「まあね、でもつかさ、おかげで今回結構自信あるみたいよ」 おぉっ!とこなたはつかさを見る。 「うん、ゆきちゃんのおかげでかなり自信あるよ。」 「うぅ…、もしかしてヤバいの私だけ?」 かがみはそれにニヤニヤと返す。 「なんなら私が明日1日教えに行ったげよっか?ゲームや漫画に触ったら黒井先生ばりに制裁してあげるから。」 …て、こんな言い方じゃオッケーしないか。 つかさはわたわたと言う。 「わ、私は明日ゆきちゃんと勉強するから、行けないよ…」 「みゆきさんと追い込み勉強?」 「うん!」 そのつかさの笑顔はいつになく幸せそうだった。 それを見たこなた。 「ふぅ~ん…。私もかがみにお願いした方がいいかなこれは。」 かがみは少し嬉しい展開にときめきながらも平静に話す。 「あんた一夜漬けじゃないの?」 「ま、まぁなんか今回授業ノートが全くなくてね…一夜漬けどころじゃないのだよ。」 「あんた授業中なにしてたんだ?」 「素直に言わせて貰うとDSだね。」 「ほぉ、それで私のノートが欲しいと。」 「ぶっちゃけ…」 「貸すと今後のためにならないと判断しました。」 「うわ~ん、かがみ~ん!」 「知らん。」 「うぅ、じゃあ私もみゆきさんとこ行こ。」 「あんた節操ないな…」 「と言うことで、つかさ、明日みんなでみゆきさんのとこ…あれ?」 つかさは少し困ったような顔をしていた。 「そ、そだね…一緒に。」 「う、う~ん?」 こなたの言葉に逆につかさは驚いた。 「あ、ふぇ…!?」 あ、あれ?…なんで私嫌がってるんだろ。 「あんたじゃ足引っ張るだけだとさ。」 「うぁわ!?そこまで私おいてかれてんの!?」 「少しは懲りて自分で頑張るのね。」 こなたはがっくりと肩を落とす。 「うぅ…。かがみぃ…、ノート見ないから…、一緒に手伝って…。」 弱々しい瞳がかがみを射止める。 「いいわよ。その甘えが直るように厳しくいくからね。」 「うぐぅ…出来れば優しくお願いします。今日深夜アニメで夜更かしするので。」 「その甘えを直したいんだっつの。」 はぁ…、なんで私、こなたなんだろう。 それでもそう意識するだけでも気持ちが込み上げてくる。 うぅむ…深夜アニメ録画にしたらかがみ褒めてくれるかな…。…それはそれで厳しいな。 と、こなた。 私、ゆきちゃんと二人っきりが楽しいのかも…。なんかケチだなぁ…。 と、つかさ。 なんだかよく分からないため息と沈黙が流れ、やがてこなたはつかさに訊いた。 「ねぇつかさ?」 つかさはさっきので少し自己嫌悪気味だ。 「なにこなちゃん?」 「みゆきさんの事好き?」 つかさはみゆきの事を考える。なんだか嬉しくなる。 「うん、大好き!」 「それはライク?それともラブ?」 「ら、ライクだけど…?」 何かを見透かされたようでドキッとする。 「あんたなに訳のわからんことを…」 「やっぱリアルで百合ってあるわけないね。」 「聞いちゃいないわね。」 少なくとも、今の言葉でこなたはそういった感情を誰にも持っていない事になる。それはかがみの心に少しばかり刺さった。 「まあ、あれだね、お互い明日は頑張ろう。」 「うん、こなちゃん、頑張ろうね。」 つかさは最後まで「皆でやろうよ」と言い出せなかった。 ここにみゆきがいたら四人で勉強することになっただろう。そうふと考えて、つかさは自分の友情の形が変になってきてるようで不吉な気持ちになったのだった。 ☆幕間☆ 「なぁ、柊ぃ。」 こなたとかがみの、この酷く無能な作者の物語を演じている報われない労働のつかの間に彼女はあらわれた。 「何?」 「これさぁ、このみゆきってのが柊を、んでチビっ子が柊の妹を好きになったら凄くね?四角関係。」 「それってどうなのよ。不毛過ぎない?」 「そっか…、オール百合だと簡単に出来ちゃうね。どうせなら、10角関係とか?どうかがみ?」 「だから不毛だって。絶対まとまらないじゃない。」 (いったんおしまい) コメントフォーム 名前 コメント ええ、素晴らしいですね -- 名無しさん (2008-04-03 02 19 34) 続きが気になるー! -- 名無しさん (2008-04-02 18 46 52)
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さかもとみゆきをお気に入りに追加 さかもとみゆきのリンク #blogsearch2 Amazon.co.jp ウィジェット さかもとみゆきのキャッシュ 使い方 サイト名 URL さかもとみゆきの報道 gnewプラグインエラー「さかもとみゆき」は見つからないか、接続エラーです。 さかもとみゆきとは さかもとみゆきの93%は毒物で出来ています。さかもとみゆきの6%はビタミンで出来ています。さかもとみゆきの1%は罠で出来ています。 さかもとみゆき@ウィキペディア さかもとみゆき 楽天売れ筋ランキング レディースファッション・靴 メンズファッション・靴 バッグ・小物・ブランド雑貨 インナー・下着・ナイトウエア ジュエリー・腕時計 食品 スイーツ 水・ソフトドリンク ビール・洋酒 日本酒・焼酎 パソコン・周辺機器 家電・AV・カメラ インテリア・寝具・収納 キッチン・日用品雑貨・文具 ダイエット・健康 医薬品・コンタクト・介護 美容・コスメ・香水 スポーツ・アウトドア 花・ガーデン・DIY おもちゃ・ホビー・ゲーム CD・DVD・楽器 車用品・バイク用品 ペット・ペットグッズ キッズ・ベビー・マタニティ 本・雑誌・コミック ゴルフ総合 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ さかもとみゆき このページについて このページはさかもとみゆきのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるさかもとみゆきに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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あとよろしく 12 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2009/01/13(火) 22 38 37 ID OpUpeMZL
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長太とみを 903 ◆AN26.8FkH6様 わたしの世界は狭い。 家を出れば、家の裏口の小さな井戸と井戸を共用している隣家、そしてその先の数軒がよりあつまった村のなかほどと、庄屋さんのところまで。 裏口の少し先には小さな川があって、その先は山。わたしは、川があることを知っているけど、そこまで行ったことがない。危ないから近づいては駄目だと、父さんに固く言いつけられていた。 その父さんも三年前に死んだ。 今は、父さんが残してくれたこの小さな家と、わたしに子守を頼んでくれる数軒を往復して暮らしている。 日中は小さな子供を預かってあやし、夕刻、皆が畑から戻ってくると子供たちを家に帰し、家に帰って分けてもらった夕飯をいただく。火はつかわない。やはり、危ないからお前は使ってはいけないと父さんに言いつけられているから。 今日は、ふかした芋を隣家から分けてもらった。 すこし風が入るので、なるべく風がこないところ、部屋の隅によって芋をいただいていたら、戸口から軽い物音がした。 誰かが戸口を叩く音だ。 「みを、居るか?」 「いるよ」 わたしが答えると、戸口がそろりと開いて、寒い風と共に誰かがぬっと入ってきた。 獣くささと汗と血の匂いがした。 その匂いを嗅ぐと、わたしはうれしくなってしまい、顔がゆるんでしまう。 長太だ。 「また芋なんか食ってるのか。少し待て、兎捕ってきてやったから」 「本当?うれしい」 「その前に火つけさせてくんな。こう暗くちゃ何も見えね」 軽く石の打ち合わさる音がして、少し周りが明るくなった。 うちに灯りはない。油も灯り台も、彼がいつの間にか持ち込んでいたものだ。 長太は、わたしの幼馴染だ。昔からわたしを気にかけてくれ、あれやこれやと世話を焼いてくれていた。父さんが死んでからは、夕刻になるとよく顔を出してくれる。 父さんがいたころは、父さんに遠慮していたのか、よくこっそりと肉だの木の実だのを夜のうちに届けてくれていたりもした。 ごそごそと囲炉裏に鍋をかけ、火を入れ、捕ってきた兎をさばいているのか生臭い匂いが鼻先にひろがるのを嗅ぎながら、わたしはぼんやりと待っていた。 長太が何かしている時にわたしが手伝おうとすると、邪魔だから手伝うなと怒られるのだ。 何をするのだって長太の方が手際がいい。 「長太、ふかし芋食べる?」 「おう、一口もらうか」 差し出した芋を、大きな手が小さく千切っていった。 一口で食べてしまったらしく、食べる音もしなかった。長太は大男なのだ。昔は私と同じぐらい小さかったくせに。 「もっといっぱい取ればいいのに」 「ばか、女の食いもんを全部取っていくようじゃ男じゃねえ。男は、女に飯を食わせてなんぼなんだ」 パチパチと火のはぜる音を聞きながら長太と話すのはうれしい。 「なんでェ、何にやついてるんだ」 「へへ」 照れくさくなって笑うと、長太に手をひっぱられた。 「ほら、そろそろ兎が煮えるぞ、こっちこい」 火の近くに座らされて、長太と手をつないだまま温まる。暖かい。 わたしも火をつかえたらよかったんだけど。 できたぞと手にあたたかな椀と木べらを握らされて、すくってみると小さくなった兎の肉が、口の中に広がった。兎は、小さいころに生きているのを触ったことがある。ふわふわした毛が気持ちよかったけど、撫でたらぶるぶるしていた。死んだ兎は毛を剥がされておいしく食べられてしまう。 長太が隣でガツガツと食べ始める。 「長太、おいしいよ」 「おう」 ぶっきらぼうな返事がやっぱりうれしかった。 最近長太は、三日とあけずに来てくれて、こうして色々と作ってくれる。 父さんと同じ猟師なのだ。山で獣を捕ったりしているらしい。 彼の作ってくれるご飯もおいしいのだけど、わたしは長太と一緒に過ごせるのが一番うれしい。 食事が終わると、囲炉裏に火は入れたまま、鍋と椀を片付けられる。 寒いので長太の背中にくっついていると、「ねこみてぇだな、おめえ」と言われた。 「ねこってなに?」 「ねこってのは…あー、兎みてえな、ちっこくてふわっこいいきもんだ。寒い時は人にくっついてきやがる。あとにゃあにゃあ鳴いて鼠や鳥を捕ったりもすんな」 「へえ!うちの近くにはいない?」 「村の反対側の笹吉の家で飼い始めたらしいぜ。隣村からもらってきたんだと。 ねこ、ほしいのか?」 「わかんない」 「今度見つけたら、つれてきてやるよ。自分で食い扶持は稼いでくるらしいからみをでも飼えんじゃねえか」 「うん」 本当は、ねこじゃなくて長太がいればいいなって言葉は言わないでおいた。 大きい手がわたしのほっぺを撫でて、髪を撫でて、わたしはその手にほっぺをつけて暖かさと大きさを楽しんだ。 なにしろ、彼の手はかなり大きい。わたしの顔をひとつかみで掴めちゃう。 毛も生えてるし、ゴワゴワしてて、そのくせとても器用だ。 髪を撫でてくれてた手がするすると着物のあわせから、潜り込んできた。 ふにふにとお乳を触って、さきっちょをちょこっとつままれる。 「ん…」 「ちっとも大きくなんねえなあ、お前の乳は。栄養が足りなかったかな。毎日揉んでたらでかくなるって聞いたんだけどガセか」 「そ、そんなに小さい?」 「でかくはない」 きっぱり言われるとちょっと悲しい。 「毎日長太が揉んでくれたら大きくなる?」 「毎日おれに揉ませてくれんのか?」 「うん」 「そいつはいいな」 背中から抱っこされて、長太はあいかわらずお乳をふにふにと揉みながら楽しそうに笑った。 背中が温かい。長太の手も暖かい。 長太が着ている毛皮とか、ガサガサの荒い布の着物とかを通して、長太の体温がわたしに伝わる。 もう片方の手が足の間にきて、ふとももを撫でながらおまたの中に入ってきた。 くちゅっと音がした。 「…ぁっ」 「とろとろだな、みをの中」 「ちょ、長太がさわるからだよお…」 太い指が何本もはいってきて、ぐるりとかき回された。にちゃっにちゃっと音がして、足の間がものすごく濡れてきているのがわかった。 「んん……っあ…っ、気持ち、いいよお……」 「最初は痛い痛いって泣いてた泣き虫が、慣れてきたもんだ」 「だってぇ……」 「お前わかってるか?今、おれの指、四本くわえ込んでんだぞ?」 「そ、そんなに入ったら、広がっちゃう、よ…っやっ」 「気持ち良さそうに下の口開けて、蜜垂らして何言ってんだ」 「やっかきまわしちゃ…っんあ…っ」 ぐうっと奥まで広げられて、おなかの中まで見られちゃいそうな気がして、恥ずかしくなって足を閉じようとしたら、指を抜かれてしまった。 腰を持ち上げられて、長太の膝の上に、長太と向かい合わせになるみたいに置かれた。 足の間に、熱いものが当たっていた。 「みを、腰落としてみな」 「や………っ」 「ほら、いいから」 長太がわたしの腰を下にむりやり落とそうとひっぱってきて、足の間の熱い塊が入り込んできた。 「ひあっおなかっおなかの奥まで入っちゃ…っ」 「もっと奥まで欲しいだろ?」 「やだっやだやだやだぁ……っ」 大きな、長太の手ぐらいあるんじゃないかって大きなそれが串刺しにするようにわたしのおなかの奥まで入ってしまって、どこかわからないけど奥まで当たってきて、下から突き上げてきた振動にひいって声が出て、おなかがぱんぱんで、気持ちよすぎて苦しかった。 「あう…ッ長太のでいっぱいに…っあっああッ」 おなかを触ったら、長太のものでボコっと中から形がわかってしまうんじゃないかと思うぐらい長太のものが突き上げてきて、その度に長太の固い毛の生えた胸にしがみ付いてしまって、爪を立ててやったけど長太は全然どこ吹く風という感じでわたしのほっぺを舐めたり、口吸いしてきたりした。ぐちゅぐちゅといやらしい音が下から聞こえて、「みをに俺が食われてるみたいだな」と言われて背筋がぞくぞくとした。 わたしは長太に食べられているんだと思ってたけど、わたしが長太を食べてるんだ。 ゴッゴッゴッとおなかの奥のさらに奥まで当たって、わたしを抱きしめた長太が、ぐうっとさらに奥まで、わたしを串刺しにしてしまうぐらいの勢いで突き上げてきた。 「ひあああああっ!!いやっああああっ!!奥っ!奥まで来てるっ!!」 「みを…ッ出すぞ!みをん中にタップリ出すからな!!」 「長太っ、長太ぁ……ッ!!」 痛いほど抱きしめられて、おなかの中に熱く激しい波が広がって、その波を奥底まで叩きつけられて、わたしも長太にしがみついて絶叫した。 「なあみを、おれんちこないか」 「え?」 「その、通うのも面倒だし、一緒に住めばいいんじゃねえかって…」 「長太の……家?」 「おう、山ン中だがこれでもなかなかキレイにしてんだ」 「行く!!」 「来るか」 「どこだって行くよ!」 「おれの……その、なんだ、嫁になるんだぞ」 「長太のお嫁さんになるよ!」 「お前は知らないだろうが、おれは不細工で醜い男だ」 「長太は良い男だよ」 「顔だって見たことないくせに」 「手があったかくて、体が大きくて、いろんなところに毛が生えてて、料理が上手くて、わたしに優しい良い男だよ」 「……」 黙ってしまった長太に体をこすり付けて、その大きな手を握って、ごわごわした毛むくじゃらの足に足を絡ませて、わたしは長太からはがされまいと力いっぱい抱きついた。 「長太が大好きだよ、だから、お嫁さんにしてよ、長太。わたし、色々できるようにがんばるから。いいお嫁さんになるから。ねえ、お願い」 「………ったく、お前には適わねえ」 嘆息と共に、長太はわたしを抱きしめてくれた。 足の間から、ふとももを伝ってゆっくりと子種が流れてくるのを感じて、わたしは目を閉じた。 それから長太は、うちにこなくなった。 何日もたった。 いつもこまめにやってくる長太は全く顔を見せず、嫁取りの準備に忙しいにしてもこれだけ顔を見せないのはけしからんとわたしは怒っていたが、十日たち、それ以上たち、さすがに心配になってきた。 まさか、山の中で怪我をしてたらどうしよう。 病気かなにかで、苦しんでいたらどうしよう。 村の人に聞いてみたのだが、何故だか皆一様に「長太なんて猟師はこの村にいない」と言うのだ。 幼馴染の何人かに確かめてもみたが、長太と一緒に遊んできた彼等は「そんな子なんか知らないよ」と言う。 何がなんだかわからない。 夜、部屋の隅で父さんの残してくれた毛皮にくるまっていると、泣きそうになった。 長太とのことが思い出されて、目から勝手にひとつ、こぼれ落ちた。 一度こぼれると、涙はあとからあとからこぼれてきて、止まらなくなった。 「長太…長太ぁ……会いたいよ、長太……」 めそめそと泣いていたら、戸口を叩く音がした。こんな遅い時間にくるのは、長太以外考えられない。 「長太?!」 毛皮から飛び起きる。転びそうになりながらはだしで土間に下り、戸口に走った。 立て付けの悪い戸をギシギシと軋ませながら開けると、「お前がみをか」と、知らない声がかかった。 村の誰でもない、聞いたことのない、知らない声だ。 「だ、誰……?」 思わずあとずさると、その知らない人は「入るぞ」と勝手に入ってきた。 他に、何人も入ってきたみたいだった。 「……なるほど、魅入られただけのことだけはあるな。なかなか美しい娘だ」 「誰ですか!は、入らないでください!」 怖い。こぶしを握って、その人に叫ぶと、足元に何かドサっと重い音がした。 「それを開けてみろ」 「え?」 「お前の足元の木箱だ」 言われて、足元に置かれたのが箱だとわかった。しゃがみ、手探りで足元の土間の土を撫でると、大きそうな箱があった。それは横長で、何か長い物が入ってるみたいだ。 継ぎ目を撫でて、その箱を開ける。 箱の中に手をのばしたら、指先にゴワゴワしたものが触れた。そして、冷たいもの。 「ひ……ッ!」 思わず、声が漏れた。 恐る恐る、もう一度触ってみる。 冷たい、毛の生えた、大きな、腕。 腕だけ。 腕は、途中で切れていて、その断面は何か固くなっていて、この大きな手のひらや、剛毛の生えた太い腕は、わたしが知っている誰かの腕に、よく似ていた。 体が、勝手に震えだした。 「我々は、都から鬼討伐にきた鬼狩りの者だ。この村に、鬼に誑かされた盲(めしい)の娘がいると聞いてやってきたが……鬼は仕留めた、安心するがいい」 「いや…」 「何だ?」 「いやあああああああああ!!!!なんで!!なんでこんなひどい事!!!」 箱の蓋を掴んで、その人に投げたつもりだったけど、蓋は重くて投げられず、箱から少しずれて落ちただけだった。 「長太は!何も悪いことなんかしてない!!長太は優しくて良い男だ!!!」 「おい娘が錯乱したぞ、取り押さえろ!!」 「娘さん、落ち着くんだ!あんたが慕っていた男は、鬼だったんだぞ!!」 誰かに右腕を掴まれて、その人を蹴飛ばしたけど固くて、逆に足が痛かった。 「離して!離してよ!!長太!!長太ぁあ!!」 わたしは全力で暴れたけど、その人の腕が痛いほど強く掴んできて、どうしても振りほどけなくて、情けなくて涙が出てきた。 「鬼でも何でもいいのに…返してよ……長太返してよお…ずっと一緒に居たのに……」 「どうしますか、この娘?」 「ふむ、鬼の気が抜けないとみえる。都につれていくか?盲とはいえ、美しい娘だ。都ならば色々と幸せにも暮らせよう」 「いやだ……長太ぁ……」 この人たちが憎かった。長太は悪いことなんかしてない。ただ、わたしに優しくしてくれただけだ。 わたしのせいで、長太は退治されたのだろうか。こんな、腕を切られるなんてひどい仕打ちを受けたのだろうか。 長太は私に、おれの顔を知らないくせにと言ってたけど、わたしは長太を知っている。 声を知ってるし、匂いを知ってるし、手触りを知ってるし、体中ごわごわの毛だらけなのも知ってるし、優しく触ってくる大きな手を知ってるし、わたしにくちづける唇を知っている。 子供のころからずっとそばにいてくれたのを知ってるし、夜明け前にこっそり家を出て行くのを知っている。 たまに、わたしに触れようとして、一度手が止まるのだって知っている。 長太を、知っている。 あとからあとから涙が出てきて、もう、声にならなくて、感情がぐちゃぐちゃになって、目もくらむほどの憎しみと、怒りと、悲しさで頭が張り裂けそうだった。 このままわたしごと弾けてしまえばいいと思った。 「そんなに泣かれたら、男冥利につきるってもんだな」 わたしの右腕を掴んでいた人が、ぼそりと耳元でおどけたように呟いた。 その人は、いきなりわたしを片腕で抱き寄せた。 「キャッ!」 「おいお前!何をする!!」 むくりと、その人の体が膨らんだみたいだった。 「その腕はやるよ、おれは嫁をもらう」 「き、貴様…ッまさか生きてたのか!!」 ゴオっと風が吹いた。すごい風。 何人もの悲鳴が上がった。 「みを、しっかり掴まっとけ!腕が一本じゃ、間違って落としちまうかもしれねえ!」 「うん!!」 わたしはしっかりと、両腕をその人、長太の首に回してしがみついた。 目も開けていられないほどのものすごい風が、吹き荒れていた。 音が轟々と鳴る中で、風にもっていかれないように、長太の耳元でわたしは叫んだ。 「もうわたし、長太のお嫁さんだからね!!長太が嫌だって言っても駄目だからね!長太が鬼でもなんでも許さないんだからね!!」 「ははっ」 みをにはかなわねえやと風の中、長太が笑ったような気がした。 昔、あるところに盲(めしい)の娘がいたそうな。 たいそう美しい娘で、その娘に焦がれて求婚する男がおった。 娘と男は恋仲になるも、実は男、たいそう醜い黒鬼だった。 黒鬼の噂を聞きつけた都の侍に追われ、鬼は腕を落とされて逃げ去り、そこで侍、娘に鬼の腕を持たせ、愛しい男は鬼であったと告げたそうだ。 それを知った娘はたいそう悲しむが、侍の家来に化けていた鬼、たちまち正体を現して娘を取り返し、大風を起こして侍を吹き飛ばし、風に乗ってどこぞへ去ったそうな。 どっとはらい。 ↑ 名前 コメント すべてのコメントを見る タグ … 人間♀ 鬼
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L5676個室、11月度結果 ヨンマ サンマ L5676個室、11月度結果 http //tenhou.net/ranking_tool.html 集計所 http //tenhou.net/stat/rgz.shtml ログ置場 一番後ろにスペースが入ってしまうようなので、 編集画面から結果コピペするとうまく集計できます。 (最終更新日時 2012年12月03日07時08分50秒) 集計結果 ヨンマ ■L5676通算得点ランキング(1戦以上) 順位 通算得点 平均得点 対戦 1位/2位/3位/4位 平均順位 プレーヤ名 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 93.0 46.50 2 2/ 0/ 0/ 0 1.00 bi- 2 90.0 30.00 3 2/ 0/ 1/ 0 1.67 とよとよ 3 76.0 25.33 3 2/ 0/ 0/ 1 2.00 ぐっさんw 4 51.0 51.00 1 1/ 0/ 0/ 0 1.00 二代目らりっくま 5 47.0 47.00 1 1/ 0/ 0/ 0 1.00 あんすらぁ 6 45.0 45.00 1 1/ 0/ 0/ 0 1.00 坂本真綾 7 43.0 8.60 5 2/ 1/ 1/ 1 2.20 UCPちゃん 8 33.0 16.50 2 1/ 0/ 1/ 0 2.00 プルス 9 32.0 10.67 3 1/ 1/ 1/ 0 2.00 クィル 10 24.0 6.00 4 1/ 1/ 2/ 0 2.25 TAMA@堕天使 11 17.0 8.50 2 0/ 2/ 0/ 0 2.00 TAMA@天使 12 14.0 7.00 2 1/ 0/ 0/ 1 2.50 ゆきち☆ 13 12.0 12.00 1 0/ 1/ 0/ 0 2.00 sonson 14 11.0 11.00 1 0/ 1/ 0/ 0 2.00 しょんちゃん 15 9.0 1.00 9 2/ 3/ 2/ 2 2.44 いあ 16 5.0 5.00 1 0/ 1/ 0/ 0 2.00 青葉りん 17 -16.0 -1.45 11 2/ 4/ 2/ 3 2.55 へびまる 18 -23.0 -23.00 1 0/ 0/ 1/ 0 3.00 紫木ー姫 19 -34.0 -34.00 1 0/ 0/ 0/ 1 4.00 ゆいあず 20 -37.0 -7.40 5 0/ 2/ 3/ 0 2.60 Tomo1220 21 -38.0 -19.00 2 0/ 1/ 0/ 1 3.00 はっやりーん 22 -41.0 -41.00 1 0/ 0/ 0/ 1 4.00 やっさんさん 23 -42.0 -8.40 5 1/ 1/ 1/ 2 2.80 武神@ 24 -42.0 -8.40 5 1/ 1/ 1/ 2 2.80 hageooo 25 -42.0 -7.00 6 1/ 1/ 3/ 1 2.67 モーリー 26 -62.0 -15.50 4 0/ 1/ 2/ 1 3.00 ぞぞぞ?ぞえぞえ 27 -225.0 -37.50 6 0/ 0/ 1/ 5 3.83 泥。 サンマ ■L5676平均得点ランキング(サンマ/1戦以上) 順位 通算得点 平均得点 対戦 1位/2位/3位 平均順位 プレーヤ名 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 107.0 5.63 19 7/ 7/ 5 1.89 泥。 2 44.0 44.00 1 1/ 0/ 0 1.00 プルス 3 19.0 2.38 8 3/ 3/ 2 1.88 Tomo1220 4 15.0 1.36 11 6/ 1/ 4 1.82 あんすらぁ 5 0.0 0.00 1 0/ 1/ 0 2.00 ぞぞぞ?ぞえぞえ 6 0.0 0.00 3 1/ 1/ 1 2.00 NoName 7 -44.0 -44.00 1 0/ 0/ 1 3.00 クィル 8 -141.0 -7.42 19 3/ 8/ 8 2.26 TAMA@堕天使
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田鍋 とよたろう・猫士アイコン サイベリアン ヒマラヤン 力量不足で狸気味です(汗 より目の癖に離れ目なのがかわいいと思います スフィンクス 雑種
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ピット攻略法へ 内部はわかりにくい螺旋構造になっている。 螺旋の通路は大きく分けて3本存在する。 通路① 入口前の螺旋通路 通路② 通路①とは逆側にある螺旋通路 通路③ 3Fにあるバルブの奥にある短い螺旋通路 以上の3本の螺旋通路沿いに各エリアが点在している。 入口の階層を「1F」とした時の各エリアの階層は以下である。 通路①沿いにあるエリア:赤 通路②沿いにあるエリア:黄 通路③沿いにあるエリア:紫 【4F】バックアップ・ジェネレーター(予備電源室) 【3F】バルブ 【2F】セキュリティ・センター、インテイク・コントロール・センター メイン・ブレーカー・ルーム 【1F】入口 【B2F】ビルジ・コントロール・ルーム 【B3F】ファーナス(加熱炉) 【B4F】メイン・コントロール・ルーム ①バルブ【3F】 入口から左に進み、道なりに進むとある螺旋通路を1階分下りる。 (もしくは、螺旋通路の手前で1階分飛び降りる。) 同じ螺旋通路ではなく、逆側の螺旋通路を道なりにそこから3階分上るとある。 ②バックアップ・ジェネレーター(予備電源室)【4F】 ①のバルブに向かって右側の細い通路奥にある螺旋通路を1階分上るとある。 ③ファーナス(加熱炉)【B3F】 【バックアップ・ジェネレーター(予備電源室)からの移動方法】 バックアップ・ジェネレーター(予備電源室)の前にある螺旋通路を1階分下りる。 近くにある①のバルブに移動し、バルブの前にある螺旋通路を5階分下りるとある。 【入口からの移動方法】 入口から左に進み、道なりに進むとある螺旋通路を1階分下りる。 (もしくは、螺旋階段より手前で1階分飛び降りる。) 同じ螺旋通路ではなく、逆側の螺旋通路を道なりにそこから2階分下りるとある。 【フェザー・フォールがある場合限定・超簡単移動方法】 一度、一番下の溶岩地帯まで落ちる。 そこから梯子を2回上ったところにある螺旋通路を半階分上るとある。 ④セキュリティ・センター【2F】 【ファーナス(加熱炉)からの移動方法】 ファーナス(加熱炉)の前の螺旋通路を2階分上り、逆側の螺旋通路に移動。 その螺旋通路を1階分上り道なりに進むと入口に戻る。 入口の前にある螺旋通路を1階分上るとある。 【入口からの移動方法】 入口の前にある螺旋通路を1階分上るとある。 ⑤ファーナス(加熱炉)【B3F】 【セキュリティ・センターからの移動方法】 セキュリティ・センターの前の螺旋通路を1階分下り、入口に戻る。 その後は行き方②と同じ。 【入口からの移動方法】 入口から左に進み、道なりに進むとある螺旋通路を1階分下りる。 (もしくは、螺旋階段より手前で1階分飛び降りる。) 同じ螺旋通路ではなく、逆側の螺旋通路を道なりにそこから2階分下りるとある。 【フェザー・フォールがある場合限定・超簡単移動方法】 一度、一番下の溶岩地帯まで落ちる。 そこから梯子を2回上ったところにある螺旋通路を半階分上るとある。 ⑥メイン・ブレーカー・ルーム【2F】 【ファーナス(加熱炉)からの移動方法】 ファーナス(加熱炉)の前の螺旋通路を道なりに4階分上るとある。 【入口からの移動方法】 入口から左に進み、道なりに進むとある螺旋通路を1階分下りる。(B1F) (もしくは、螺旋階段より手前で1階分飛び降りる。) 同じ螺旋通路ではなく、逆側の螺旋通路を道なりにそこから2階分上るとある。 ⑦メイン・コントロール・ルーム【B4F】 【メイン・ブレーカー・ルームからの移動方法】 メイン・ブレーカー・ルームの前の螺旋通路を道なりに5階分下りるとある。 【入口からの移動方法】 入口から左に進み、道なりに進むとある螺旋通路を1階分下りる。(B1F) (もしくは、螺旋階段より手前で1階分飛び降りる。) 同じ螺旋通路ではなく、逆側の螺旋通路を道なりにそこから3階分下りるとある。 【フェザー・フォールがある場合限定・超簡単移動方法】 一度、一番下の溶岩地帯まで落ちる。 そこから梯子を2回上ったところにある螺旋通路を半階分下りるとある。 ⑧ビルジ・コントロール・ルーム【B2F】 【メイン・コントロール・ルームからの移動方法】 メイン・コントロール・ルームの前の螺旋通路を道なりに2階分上るとある。 【入口からの移動方法】 入口から左に進み、道なりに進むとある螺旋通路を1階分下りる。(B1F) (もしくは、螺旋階段より手前で1階分飛び降りる。) 同じ螺旋通路ではなく、逆側の螺旋通路を道なりにそこから1階分下りるとある。 【フェザー・フォールがある場合限定・超簡単移動方法】 一度、一番下の溶岩地帯まで落ちる。 そこから梯子を2回上ったところにある螺旋通路を1.5階分上るとある。 ⑨ファーナス(加熱炉)【B3F】 【ビルジ・コントロール・ルームからの移動方法】 ビルジ・コントロール・ルームの前の螺旋通路を道なりに1階分下りるとある。 【入口からの移動方法】 入口から左に進み、道なりに進むとある螺旋通路を1階分下りる。 (もしくは、螺旋階段より手前で1階分飛び降りる。) 同じ螺旋通路ではなく、逆側の螺旋通路を道なりにそこから2階分下りるとある。 【フェザー・フォールがある場合限定】 一度、一番下の溶岩地帯まで落ちる。 そこから梯子を2回上ったところにある螺旋通路を半階分上るとある。 ⑩インテイク・コントロール・センター【2F】 【ファーナス(加熱炉)からの行き方】 ファーナス(加熱炉)の前の螺旋通路を2階分上り、逆側の螺旋通路に移動。 その螺旋通路を1階分上り道なりに進むと入口に戻る。 入口の前にある螺旋通路を1階分上り、セキュリティ・センター前の橋を渡るとある。 【入口からの移動方法】 入口の前にある螺旋通路を1階分上り、セキュリティ・センター前の橋を渡るとある。 ピット攻略法へ
https://w.atwiki.jp/poki10/pages/284.html
◆ 確かな何かがあればいいと思う。 いつかおばあちゃんは言った。 人が高価な車を買ったり、美しく着飾るのは、自分の価値を目に見えるものにしたいからだって。 確かに、目に見えないものは不安だ。 そして、今現在私が必要としているのもそれだ。 鍵穴と鍵のように、唯一無二でぴったり嵌る、そんなつながりがあればいいのに。 このままでは、何かふわふわと空をさまよって、世界の歯車から外れてしまいそうだ。 帰った家は、人が増えたというのに前にも増して静かだった。 おばあちゃんが、大きな寸胴鍋にポトフを作っていた。 あの2人がリビングにいないのを確認すると、私は何故かとても安心した。 「ただいまを言ったかしら? 聞こえなかったわ」 「ただいま」 そういって薄く笑うおばあちゃんは、一気に10歳くらい年を取ったように見える。 直兄さんが、バイオリンを手にしたままリビングに入ってきた。 おかえりと言って直兄さんが微笑むと、家の温度が上昇したように感じる。 そうだ、一昨日までの雰囲気をすっかり忘却しているみたい。 こんな空気の流れる家は、誰だって好きではないのだ。そこから軌道が外れてしまったならば、戻せば良いだけの話なのだ。 おばあちゃんは大きめのごつごつした野菜や肉が踊る寸胴鍋に蓋をして、「さてと」と言った。 「お茶にしましょう。色々とお話ししなければならないこともあるしね」 「お話し」という単語に少し緊張したが、おばあちゃんは昨日までと違って笑っている。 これが貫禄ってやつかもしれない。 たとえ作り笑いだって、私を励ましてくれるのだから。 台本あわせをしたみたいに、丁度あの2人が入ってきた。 直兄さんと目が合った両親との間に、一瞬だけ凍った空気が立ちこめた。 見なかったことにしておきたい。 「大人数居ると華やかねえ」 おばあちゃんは笑いながら、クッキーの缶を開ける。 私と言えば、手に汗までかいているっていうのに。 目の前にアールグレイの湯気が立ちこめて、少しだけ緊張が和らぐ。 そうだ、いつかはやらなくちゃいけないのだから、先延ばしにしてばかりも居られない。 私はナッツがいっぱい着いた分厚いクッキーを口の中に放り込んで、ごりごりと噛み砕いた。 「私達は今、モンマルトルに住んでいるのだけれど」 お母さんが独り言のように話し始める。 モンマルトルって言われてもぴんと来ない。 確か、国の名前ではなかったはずだ。 「モンマルトルってどのあたり?」 「え、まりあ知らないの?」 直兄さんが本当にびっくりしたように言う。モンマルトルを知らないって、そんなに世間知らずな目で見られてしまうくらいのことなのだろうか。 「パリで一番高い丘。芸術家の町だ」 パリと言うことはフランスにあるのだろう。なんだかずっと日本で暮らしている私には遠い世界の話に聞こえてしまう。 直兄さんの目は明らかに揺れていた。 芸術家の町。ヴァイオリンだって、その町ではよく響くだろう。 「きっと世界が広がると思うの。ねえ、一緒に来てみない?」 ねえと言われても困ってしまう。私だって外国に興味がない訳じゃない。ましてやフランスなんて日本人が最も訪れる観光地だ。 「いいんじゃないかしら。ねえ、直、まりあ」 意外なことに、おばあちゃんがそんなことを言い出した。 だからねえと言われても困るのに。 「でも、おばあちゃんは」 「私がどうかしたの?」 とぼけなくてもいい。おばあちゃん、今の言い方ではフランスに行く気はさらさら無いらしい。 でも、そんなことをしたら、おじいちゃんが居ないおばあちゃんは一人きりだ。 当の本人はにこにこしながら私にウインクまでしてくる。 「大丈夫よ。若いうちに色々な経験をした方が良いでしょう?」 おばあちゃんにそんなことを言われたら、こちらの立つ瀬がない。 私がおろおろしていると、お母さんは「じゃあ決まりね」と嬉しそうに言った。お父さんも笑っている。 「学校の手続きとか時間かかるんだけど、1週間ぐらいで出発できるようにしようね」 まるで遠足前の計画を話すようにお母さんは言う。 ちょっと待って。私の意見はまだ何も聞いて貰っていない。 「待って待って、私のことも考えてよ! 直兄さんもだよ!」 直兄さんは固まっていた。それはティーカップから立ち上る湯気を見つめているようにも見える。しばらくして、兄さんは静かに口を開いた。 「ごめん。僕ちょっと行きたいかも」 何てことだ。 この前あんなにとっくみあいの喧嘩をしたばかりなのに。 そんなにモンマルトルが魅力的なのか。 とはいえ、私にも明確に反対する理由はない。 ただ、何となくおばあちゃんのことが気がかりで、この目の前の二人と共に暮らしていくことを考えると、胸に鉛が詰まったような気持ちがするのだ。 目の前のお母さんは、一件落着と言った様子で、分厚いクッキーをかじっている。 私は、急に嵐の中に置いてけぼりにされた心地がした。 何とも不安な1週間が始まってしまった。 クラスの友人にもなかなか言い出せない。新学期でも何でもないこの時期に、転校なんて絶対深い家庭の事情があるのだろうと思われるに決まっている。 まあ、実際そうなのだろうけど。 私の部屋と言えば一見片付いているようで、クローゼットを開けると酷い有様だ。直兄さんに「ごきぶりワンダーランド」と名前を付けられたことさえある。 でも、荷造りをする気は何となく起こらない。 放課後も、真っ直ぐ家には帰りたくない。 あのお茶会の後から、直兄さんと両親は少しだけ話をするようになった。兄さんもあれだけ激怒しておいて、現金な人だと思う。 だから、そんなに家の雰囲気は悪くない。それなのに、やっぱり居心地が悪い。 ◆ ローファーで踏みしめる地面には、まだ誰も踏んでいない真っ白な雪と、アスファルトの黒を吸い込んで汚れた雪が歩道にマーブル模様を描いている。粉のようにぱらぱらしているわけではないその雪は、朝より少しだけ暖かい空気を思い出させてくれる。 吐き出した溜息が、凍った空気にじんわり溶かされた。 つま先は、どこか寄り道を探している間にもどんどん冷たくなっていく。 適当にCDショップをうろついてみたけれど、特に欲しい物もなく、指先が温まったらすぐに出て行った。 私は一体何をやっているんだろう。やらなくてはいけないことは山積みなのに。 最後に、少しだけ小春さんに会ってから帰ろうかと思った。 急にめまぐるしく変わりだした私の周りの中で、彼だけはいつも定位置にいる。 変人だとか言いながら、実のところ救われていたりもする。 よっぽど暇なんだねと言われてしまうかもしれない。小春さんに言われたくもないけど。 ここ最近で見慣れてきた電話ボックスの中には、やっぱり甚平姿の小春さんがいた。 また狭い中で壁にもたれかかるように座っている。 「こんにちは、寒いね」 私は何か温かいお土産を持ってくればよかったかなと後悔しながら、冷たい取っ手を引いて、ドアを開けた。 ドアの方に寄りかかっている小春さんだが、今日はちゃんと話しかけながら開いたので大丈夫だろうと思っていた。 しかし、小春さんはそのまま倒れた。ずる、と力なく、黒髪が雪の上に横たわる。 目は閉じられている。眠っているのかと思ったが、冷たい雪に目を見開くどころか、きゅっと伏せてしまった。 明らかに様子がおかしい。 「え、ちょっと小春さん、大丈夫?」 私が慌てて地面に着いた肩を持ち上げる。まるで軟体動物みたいに、力が全く入っていない。 おまけに熱を帯びている。暖炉の前に、長時間座っていたみたいに。 なんとか体を起こすと、小春さんは蚊の鳴くような声で「まりあ?」と言った。 「お馬鹿!」 緊急事態だ。前々から気になっては居たけれど、それでも小春さんなら大丈夫なのかと勝手に納得していた。 風邪を引かないわけがないのだ。 細い腕を自分の肩に回して、一緒に立ち上がろうとした。私よりもかなり上背があるから、なかなか上手くいかない。 「ちょっとちょっと、小春さん頑張ってよ!」 「なに、これ」 早く、一刻も早くこの人を温めないと。 直兄さんがいればいいのに、と私は思いながら、ほぼ自分に乗せるようにして、小春さんに肩を貸した。 「家に帰るのよ!」 ずるずると、後ろで足を引きずる音がしたが構わない。 私は、普段運動不足な自分の筋肉や関節が軋む音を聞きながら、ゆっくりと家路をたどり始めた。 おばあちゃんは外で冬眠中の庭の手入れをしていた。 私の上に乗っかっている甚平姿の男を見ると、かなり驚いた様子だったけれど、事情を説明して、深緑のマフラーを見ると「ああ」と納得した。 「早く毛布でぐるぐる巻きにしてあげなさい。すぐ私も行くわ」 流石に腰に負担が大きいのでおばあちゃんに手伝って貰うわけにはいかず、私は自分の部屋まで小春さんを担いで行く。 「ごめん、まりあ」 小春さんが消え入るような声で言った。子どもが泣き出す前の、精一杯の声みたいだった。 脱皮するみたいに、背負っていた小春さんをずるんとベッドに下ろす。 小春さんはそのまま動かない。私はその上にありったけの毛布を被せた。 「すごく暑いんだけど」 「気のせいよ」 一度上がってしまった熱は上げきってしまえばいい。そうやってウイルスと戦っているのだから、無理に薬で下げたりしたら長引いてしまう、というのは全部おばあちゃんの受け売り。 あっという間に、小春さんも芋虫さんになった。 「あ、なんかまりあのにおいがする。せっけんみたいな」 「黙って寝る」 「まりあ臭だ」 しばらく独り言のようにぶつぶつ小春さんは喋っていたが、おばあちゃんが生姜と蜂蜜がたっぷり入った紅茶を持ってくるまでに、小春さんはくたばるように寝てしまった。 おばあちゃんが体温計を持ってきたので、起こそうと思ったけれど、なかなか起きない。 誠に勝手ながら、毛布の中に手を突っ込んで、体温計を脇に挟ませて貰う。それでも起きないのだから、相当しんどいのだろう。 それでもおばあちゃんは気楽そうだ。 「貴方はこの子が寝てる間に部屋の掃除でもしておきなさい」 おばあちゃんが意地悪そうに笑う。私はクローゼットを睨んだ。パンドラの箱は、意外と身近にあるのかもしれない。 おばあちゃんはお粥を作ると言って、また出て行ってしまった。 芋虫さんと私だけの部屋は、ストーブがちかちかと静かに燃える音以外しなくなった。 しばらくして、くぐもった小さな電子音が聞こえ、そろりそろりと体温計を取り出すと、画面は38度9分を示していた。大丈夫、病院に搬送するほどではない。 「ゆっくり休んでね」 それから私は、大きなゴミ袋を引っ張り出してきて、クローゼットの扉を開けた。 中はどこから手を付けてよいかも分からないくらい散らかり放題だ。私の記憶が正しければ、物心ついた頃から、整理したことなど一度もない。 取り敢えず、燃えるものは要る物以外全て捨てよう。 埃の被ったいらない教科書やノートも積み上げられている。 捨てるという作業は、かなり勇気と思い切りが必要だ。 未練を振り切るように、ごみ袋に思い出たちを詰めていく。 やっと、少しだけ、私はもうこの家から出て行ってしまうのだと実感し始めた。 おばあちゃんと離れて、まだ良く馴染めない両親と共に、知らない土地へ行くのだ。 そう思うと、なおさら思い出を捨てる作業も遅くなってくる。 中学校時代の物はあらかた捨ててしまって、小学校のころの物が目立ち始めた。 アルバムが出てきたりして、見嵌ってしまいなかなか作業が進まない。 ノートよりも一回り小さい、自由帳や塗り絵絵本に取りかかった頃だった。 ファンシーな表紙で、ビニールのカバーが付いた物が出てきた。 小さな南京錠のようなものまで付いている。 「なんじゃこれ」 開けようにも、錠が外れず、見ることができない。 一夜ひとよに 続き3へ進む