約 2,593,873 件
https://w.atwiki.jp/niconico2nd/pages/501.html
とある悪魔の自縄自縛 ◆uv1Jg5Qw7Q 運が悪い。 今日の俺は運が悪い。 いや、今日だけではないのだが…… 今日は特別、運がないらしい。 青いマフラーの青年―――KAITOは、ただ一心不乱に走っていた。 別にスポーツで汗を流そうとしている訳ではない。 お魚咥えたどら猫を追いかけている訳でもない。 強いて言うなら――――リアル鬼ごっこ。 制限時間はなく、ルールもない。 KAITOが逃げ切るか、"鬼"が殺すか、というシンプルなルール。 「畜生、畜生、畜生!なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ…!」 「貴様が逃げるから、だろう」 「うわああッ!!!」 不幸を嘆いた瞬間に襲い来る槍。 KAITOは咄嗟に上体を捻り、それを躱す。 追撃は来ない。 鬼の表情は見えないが……恐らく、嘲笑っているのだろう。 必死に生に縋り付き、醜く逃げ回るKAITOを。 「クソ、嘗めやがって!」 KAITOは自身の武器に手を伸ばし、撃つ。 大きな威力を持った武器だが……しかし。 ドンッ 人には当たらず木に吸い込まれる。 どうやら鬼は、身を移したらしい。 (これで、五発。あいつは弾切れを狙ってるのか…? 弾切れにして精神的に追いつめられた俺を殺す…クソ、悪趣味な野郎だ…) KAITOは舌打ちすると、また逃走を始めた。 ◇ ◇ ◇ 「……五発目にしてやっと目で追えるようになったか。 しかし完全に見切るにはあと一発…いや、二発は必要か」 鬼―――呂布は、木に突き刺さった弾丸を見て呟いた。 武器を持っただけの弱者を殺さない理由、それは鬱憤を晴らすためではない。 今までに見たことのない攻撃を見切る、修行。 最終的に弾丸を真っ二つに斬るところまでやりたかったのだが、武器が即席である為断念。 故に、目前で躱す事を目指すことにした。 ……今更言うことでもないが、化け物である。 「……む、考え事に耽ってしまったか。 さて男は何処へ行ったか…」 呂布は気配と足音を探り、足を踏み出す。 そして鬼ごっこは、繰り返されていく…… ………ことはなく、一人の乱入者によって止められた。 呂布は手に握った槍を、思い切り投げた。 狙われた人物は、目の前に刺さった槍によって行く手を阻まれる。 「―――、勘が良いのね。驚いたわ」 「何者だ? 力無き民、というわけではあるまい」 「…私は十六夜咲夜。しがないメイドよ。 これも縁だし、一つ質問させてもらって良いかしら」 呂布は、その声の主より武器を返される。 暗闇である為、顔までは分からない。 ……だが、身にまとった冷たい殺気から、その者が強者であることはありありと見て取れた。 「良いだろう。言え」 「恩に着るわ。…この先にある病院に、人はいるかしら」 「…知らん。俺が行った時は居たはずだが」 呂布が淡泊に答えると、咲夜は数秒動きを止めた。 そして思い出したように呂布の槍を見つめ、問う。 「ありがとう。じゃあ序でにもう一ついいかしら?」 「構わん」 答える呂布の表情が、変わる。 如何にも、面白いものを見つけたというように、口元が歪む。「貴方は――――私を殺す気かしら」 「わざわざ質問することでもあるまい…!」 その言葉が戦闘開始の合図。 呂布は即座に槍を構えると、神速で突き出す。 咲夜はそれを紙一重で躱し手に持ったナイフで払い除けた。 そして地面を蹴ると、呂布の頭上から刃を振り下ろし―― 「フン!」 槍の元によって弾かれた。 が、それも計算の内であり、体勢を崩すことなく着地する。 そして背後から追撃をかけようとして、急停止。 刹那、咲夜の目の前に銀色の軌跡が出来た。 「…そういえば貴方の名を聞いてないわ」 「死にゆく者に名を聞かせる必要があるか?」 「確かに、微塵もないわね」 今度は呂布が地を蹴る。 そして咲夜と肉薄し―――槍を支柱にしての回し蹴り! 予想だにしてなかった咲夜はその鋼のような脚を腕に受け、表情を苦悶に歪める。 が、それは呂布も同じであった。 「……今のは効いたわ。 成る程、甲冑に身を包んでいるだけある」 「フン、この俺に血を流させてそれを言うか」 呂布はそう言うと、頬から滴る血を手で拭う。 その背後の木には果物ナイフが、深く刺さっていた。 「じゃあ改めて、名を聞かせてもらおうかしら」 「…くく、良いだろう。俺は呂布奉先、貴様を討つ"漢"よ…」 「呂布、ね……その名は墓標に刻んであげるわ」 「下らん戯れ言を!」 呂布は力強く怒声を上げ、槍を突く。 それは初撃と同等の速度で―――しかし、打ち出される数は桁が違う。 まるでマシンガンから出た銃弾のような攻撃を、咲夜はもう一本のナイフを使い防ぎきる。 一撃を受け流すごとに火花が散り、金属音が響いた。 が、それでも戦闘用の武器と調理用の家具では戦闘にはならなかった。刃こぼれしていくナイフ。 咲夜の体は、グレイズによって傷を増やしていく。 咲夜は圧倒的に不利と見なし、後退した。 しかし、状況は変わらない。最早、呂布の攻撃から逃れることは出来なくなっていた。 呂布は占めた、とばかりに深く突き出す―――! 「……でも、甘い」 しかし、呂布の槍は動きを止めた。 否、止められたのだ。不意に現れた第三者の介入により、呂布は身動きが取れなくなっていた。 「…チッ、また人形か!!」 呂布は筋肉が隆起した大男を睨みつけ、槍を掴んでいるその腕に手刀を打ち込む! ――当たり前のごとく躱される。が、男も槍を手放した。 それを期に、咲夜・呂布の両者とも背後へと飛び退いた。 緊迫する空気の中で、呂布が口を開く。 「…貴様はDIO殿の仲間か?」 「……?」 突拍子もない質問に咲夜は首を傾げる。 だが、それは一瞬。瀟洒なメイドは瞬時に思考を開始する。 (このタイミング、間違いなく"あの男"を出したことへの疑問…。 つまり彼の言うDIOという人は、私と同じ能力を持っている……ってことかしら? それは私にとって厄介…リスクを伴わずに消せる方法は―――) 呂布とDIOを戦わせ、相打ちにさせる。咲夜が呂布の一言から、一秒余りで考えた結論はそれだった。「……知らぬのか?」 「いえ、知っているわ。…貴方は、あの人とどんな関係なの?」 「彼は………私の、仲間だ」 呂布はぎこちなく答える。 まるで"友達"という言葉に頬を染める少年のようで、咲夜は一瞬吹き出しそうになったが…そんな場合ではない。 咲夜はこの答えから、またも考察する。 (仲間、ね。私も紅魔館の図書館で軽く読んだ程度だけど…もしこの男があの『三国志演義』の呂布奉先本人だとしたら、 この場で出会っただけの参加者を仲間呼ばわりして信用するとは思えない。 それにかなりぎこちない言い方だったから、"仲間"という言葉自体、初めて使うのかもしれない。 とすると、話術で言いくるめるなんて柔な話じゃない。これは催眠術か、洗脳の類でしょうね…… でも能力が制限されている以上、効果は強くない。さすれば――)洗脳されていることを気づかせ、それをした可能性のある人物に敵意を抱かせる。自分の矛盾に精神力が低下しているなら、逆手にとって洗脳することは難しいことではない。「……貴方はDIOの仲間ではないわ」 「何だと…?」 「貴方はね、DIOによって洗脳されているのよ。 だって貴方は仲間であることを望んでいない…そうでしょう?」 「馬鹿を申すな。洗脳なんぞ出来る人間が…居るわけがないだろう」「ふーん…実は心当たりがあるんじゃない? 私も詳しくは知らないけど、DIOには隠された秘密があるらしいわよ?」 「何……!?」呂布の顔に困惑の表情が浮かび上がる。(勿論、DIOなんて聞いたことも無いけど…誰にだって隠された秘密はあるもの。 実際『仲間』である呂布に"あの男"のことを詳しく話してないようだしね。 最早、あと一息…これで彼を籠絡することが出来れば―――) 咲夜は勝利の笑みを浮かべる。 頭脳だけを使い、自分の命を賭けない戦い。 彼女にとって一番の選択であったが、それは叶わなかった。 ドンッ 「………ッッ」 大きな銃声。皮膚に突き刺さる銃弾。 咲夜の体はびくんと反り、そのまま前のめりに倒れていく。 その背中からは、翼が生えていた。真っ赤な、鮮血によって。 「…誰だ?」 呂布は予想外の出来事に驚き、しかし平静に問う。 睨みつけた先にいたのは、青いマフラーの青年。 その手には黒い拳銃が握られ、銃口からは硝煙が昇っていた。 「そんな怖い顔しないでくれ…俺はアンタを助けたんだよ。 追いつめられてたんじゃないのか?俺にはそう見えたんだが」 「……俺を助けることで見返りを求めたのか? 貴様は俺に追われていることを忘れているようだな……!?」 「だから待てって!俺はただ―――ひっ!」 手を大きく振って弁解する青年――KAITOの目の前に槍が突き刺さる。 それは呂布が、全力を以て投擲した鉄槍だった。 怒りの形相を保ったまま、呂布は告げる。 「失せろ」 「………っ」 KAITOは小さく頷き、背を向けた。 その行動は呂布と初めて出会ったときのような恐怖から、 そして身体が震えるほどの、嫌な予感がしたからだった。残された呂布は、KAITOが離れていくのを見届けた後、咲夜を瞥見した。 容態は悪くない。 夥しい量の血ではあるが、今から止血すれば間に合うだろう。 が、呂布は手を差し伸べるのを憚った。 (俺は…殺し合いに乗っている。 強者がいれば容赦なく斬り殺す考えだ。なら、この女を救うことは意志に反する。 だが、それは最早言えまい…) 咲夜の言葉が蘇る。 『貴方はね、DIOによって洗脳されているのよ。 だって貴方は仲間であることを望んでいない…そうでしょう?』 (DIO殿が俺を洗脳しているとは思えないし、そんな隙もなかった。 だが、DIO殿は強かったはずだ。あの時俺達は、殺し合っていたのだから。 何故俺は見逃し――そして、仲間となったのか?) 呂布は、咲夜の体に触れる。 そこに敵意はなかった。 「この女には、まだ聞かねばならぬ事があるな……」 【D-4 南西/1日目・真夜中】 【呂布@iM@S演義】 [状態]腹部に打撲 、全身謎の液体まみれ、足と腹部に傷、肉の芽による洗脳状態、苛々 [装備]竹槍状の鉄パイプ、イージス@FF11 [道具]基本支給品×2(食料・水-1) 三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、 葉団扇@東方project 包丁@現実 射命丸文のカメラ@東方project サバイバルナイフ@現実 果物ナイフ@現実 拳銃(0/6予備弾24)@デスノート スナック菓子×3 飴×3袋 [思考・状況] 基本思考:DIOの為に参加者を減らす。 1:女(十六夜咲夜)を助け、問いつめる 2:DIOへの疑惑。 3:術師には負けない。 4:チルノ、馬岱、メタナイト、ブロリー達とはまた会ったら決着を着ける。 5:いずれ主催者も殺す。 ※イージスは意思を持っていますが、封印されているのか本来の持ち主でないためか言葉を発しません。 ※斬馬刀は破壊されました。 ※塚モールで呂布がわずかに破壊活動を行いました。 ※肉の芽の洗脳力が低下している可能性があります。ただし方向感覚は若干戻っているかもしれません。 【十六夜咲夜@東方project】 [状態]疲労(大)、左腕複雑骨折、両手の甲にダメージ、右腕打撲、全身に切り傷、背中に銃痕、気絶 [装備]時計型麻酔銃@名探偵コナン、果物ナイフ [道具]基本支給品(食糧は4人分-2食分、水は四人分-1本)、 時計型麻酔銃の予備針(残り2発)@名探偵コナン、計量匙×1@東方バトルロワイアル 、フジキ@ゆっくり村×12 、美鈴の帽子 [思考・状況]基本思考:優勝し、死亡者含め全ての参加者を元の所に戻すと主催に望む 0:…………。 1:呂布を籠絡し、利用する。 2:応急処置品と痛み止めがほしい。 3:どうしようもない場合は即座に暗殺。 4:手の治療後、本格的に行動する。 5:まともな投擲武器が欲しい 6:連合は組まない。 7:首輪解除の技術はわりとどうでもいい 【備考】 ※七夜志貴の名前を知りました。 ※ときちくは姿しか知りません。 ※時間操作は2秒が限度です。停止した後に使用するには数秒のブランクが必要です。 ※飛行が可能かどうかはわかりません。 ※主催者側が参加者を施設を中心として割り振ったと推理しました。 ※高い能力を持つ参加者は多くが妖怪と思い、あえて昼間挑む方が得策と判断しました。 ※僧侶のネガキャンを聞きましたが、その情報を完全には信用はしていません。 ※やる夫のデイパックは列車内に放置してあります。 ※サムネホイホイ(出だしはパンツレスリングだが、その後別の映像は不明)は、A-5の平原に投げ捨てられました ※カミーユ・ビダンの死体を確認。首輪を解除しようとしてる人がいると推測しました ※一度幻想の法則から外れた者ももう一度幻想の法則の中にもどせば幻想の法則が適用されると推理しました。 ※ヤバいDISCがINしました。スタープラチナが使えますが、真の能力には気づいていません。 ※E-5橋付近にフジキが計6本あります(八本ほど咲夜が回収していきました) ※D-4の木に果物ナイフが刺さっています。 ◇ ◇ ◇ 「クソッ、やっぱり不運だ…!」 KAITOは、ただひたすらに逃げていた。 かなり走ったが、それでもペースを落とすつもりはなかった。 (あわよくばあの化け物を頼るつもりだったのに…やっぱ無理だったか。 でも、あの銀髪の女は殺したし…結果オーライだな) KAITOは醜悪な笑みを浮かべ、愛おしそうに銃を撫でる。 (やっぱり銃は強い…! これなら、人間は軽く殺せるぞ……っと) KAITOは建物を発見する。 どうやら病院らしく、電気の消えかかった看板が点滅していた。 KAITOは正面へと周り、中を覗き込む。 「…そこに、誰かいるのか?」 「!!」 突然の声に、KAITOは飛び上がった。 あまりの驚きで腰が抜け、尻餅をつく。 「…む、驚かせてしまったか。 すまないな…手を貸すよ、立ち上がれるかい?」 男の声は、少しずつ近づいてくる。 KAITOは咄嗟に銃を構え、声を上げた。 「ち、近づくな!…それ以上近づいたら撃つ!」 「待ってくれよ、私は君に危害を加えるつもりはない…。 武器は捨てる!だからその銃を向けないでくれ…」 地面に何かが落ちる音が聞こえる。 どうやら、声の男は本当に武器を捨てたらしい。 KAITOが見ると、そこにはメスが何本か転がっていた。 (武器を捨てたから信用するって訳ではないが…こいつはゲームに乗っていない…だろうな。 あの男のように殺気を感じないし……アレックスみたいなタイプなんだろ。 気にくわないが…ここまで勝ち残ってる奴だ、強者で間違いなさそうだしな) 「ああ…、疑って悪かったな」 「いいとも。ほら、手に掴まってくれ」 男は優しい笑顔で、手を差し出してくる。 KAITOは遠慮せず、その手を掴んだ。 「よっと…助かったよ。えっと…名前は何って言うんだ?」 「私か?私は――DIO。ディオ・ブランドーだよ」 「そうか、有り難うDIO。俺はKAITO―――…DIO?」 ―――貴方はね、DIOによって洗脳されているのよ。 背後から近づいた際に、女が発した言葉。 あの言葉が本当なら、この男は――― 「ん、どうしたんだカイト。 私の顔になにかついているのか?」 「……いや、なんでもない。 じゃあな…DIO。俺は行くところがあるんだ…」 顔を青くしたKAITOが、DIOに背を向ける。 しかし、既に手遅れ。 「………あ」腹から生える手。真っ赤な。もう一本生える手。真っ赤な。「フフ、光栄に思うと良い、KAITO。 貴様がこのDIO様の、最初の生け贄となるのだからな…?」「い、いやだ、あああ、いやだ、」KAITOの腹に生えた手が、筋肉と内蔵を引き裂き、外へと開かれていく。KAITOの目が大きく見開かれる。そこには、期待も絶望もない。あるのは、耐え難き苦痛―――――「あああああ、あ゛、嫌だあああ゛ぁあぁぁ゛あぁっぁあ゛あああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」その様は、まるで怨霊に殺される罪人のように。美しく。ただ美しく、真っ赤な華を咲かせていた。◇「む、そういえば私の名前を聞いて怯えていた理由を聞いていなかったな… ……フン、まあ些細な事よ。どうせ今夜中に私を知る者は皆消えるのだからな」全身を真っ赤に染めたDIOは、覇気を込めて宣言した。その足下には、先ほどまで人間だったモノが落ちている。身体が強引に裂かれた、凄惨な肉塊。嘗て自分を悪魔だと豪語した男の死体。「それにしても派手にやったものだ……これでは外に出れないな。 確かこの病院には風呂があったはず、放送前に湯浴みするとしよう」しかしDIOは微塵も気にせず嗤う。100年を生きた帝王の前では、悪魔は前菜にも満たなかった――――。 【KAITO@VOCALOID 死亡】 【C-4 病院 1階待合室/1日目・真夜中】 【DIO@MUGEN、ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]去勢、右腕骨折(自然治癒中)、背中強打(自然治癒中) [装備]ライトセイバー@外人が想像したとてつもない日本が出てくるゲーム(RedAlart3)、阿倍さんのツナギ@くそみそテクニック 、メス10本、痛PSP@現実 [道具]支給品一式(水抜き)、マスクザ斉藤のマスク@ニコニコRPG、便座カバー@現実 [思考・状況] 基本思考:殺し合いの参加者はもちろん、あの主催者どもも全て殺す。 1:返り血を流す。 2:サンレッドを殺す、そのためなら手段は問わない。 3:次の放送まで病院で待機する。 ※自身の能力が制限されている可能性を理解しました。 ※剣崎達にはザ・ワールドの存在を教えていません。ザ・ワールドの時止め能力が、時間を空けないと使用できないこと、次の使用までの制限時間が30分である事を理解しました。 ※禁止エリアが重要そうな施設にかかることは殆どないだろうと判断しました。 ※殺し合いを円滑に進めるために強力な参加者がいると考えました。 ※呂布から今まで会った人物の話を聞きました。 sm205 サーキット オーバーロード 時系列順 sm207 夜は続くよいつまでも sm205 サーキット オーバーロード 投下順 sm207 夜は続くよいつまでも sm196 三国時代の戦闘裁判 呂布 sm216 世界 sm203 正義の味方 -Round ZERO BLADE BRAVE-(状態表) 十六夜咲夜 sm216 世界 sm190 どうしてこうなったⅣ ~カイトの本性~ KAITO 死亡 sm199 狩猟解禁 DIO sm216 世界
https://w.atwiki.jp/meteor089/pages/121.html
とある魔術の禁書目録 その他CP作品 発表日 タイトル メインキャラ 作者 引用元 戻る
https://w.atwiki.jp/anipicbook/pages/1140.html
+※商品数が10個以上あるので隠しています、情報を見る際は+をクリックして表示させて下さい。 とある科学の超電磁砲S 大判マウスパッド 美琴 黒子 とある科学の超電磁砲S 大判マウスパッド 美琴 黒子 発売日 :2013年9月21日 発売 商品情報 ・本体サイズ:長辺230×短辺155×厚さ1mm ・ヘッダーなしOPP袋入り とある科学の超電磁砲S 大判マウスパッド 集合 とある科学の超電磁砲S 大判マウスパッド 集合 発売日 :2013年9月21日 発売 商品情報 ・本体サイズ:長辺230×短辺155×厚さ1mm ・ヘッダーなしOPP袋入り とある科学の超電磁砲S マウスパッド とある科学の超電磁砲S マウスパッド 発売日 :2013年8月31日 発売 商品情報 ・サイズ:約180×160mm とある科学の超電磁砲S とあるゲコタのマウスパッド とある科学の超電磁砲S とあるゲコタのマウスパッド 発売日 :2013年7月31日 発売 とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 美琴&黒子 とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 美琴&黒子 発売日 :2010年10月29日 発売 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 御坂美琴 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 御坂美琴 発売日 :2011年1月27日 発売 商品情報 ・商品サイズ:縦150×横180×厚さ1mm 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 発売日 :2010年2月18日 発売 商品情報 ・商品サイズ:縦150×横180×厚さ1mm とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 御坂美琴 とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 御坂美琴 発売日 :2010年10月29日 発売 とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 集合 とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 集合 発売日 :2010年10月29日 発売 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 美琴&黒子 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 美琴&黒子 発売日 :2011年1月27日 発売 商品情報 ・商品サイズ:縦150×横180×厚さ1mm とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 美琴&黒子Ver.2 とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 美琴&黒子Ver.2 発売日 :2011年9月9日 発売 商品情報 ・本体サイズ:長辺230×短辺155×厚さ1mm 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 初春飾利 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 初春飾利 発売日 :2011年1月27日 発売 商品情報 ・商品サイズ:縦150×横180×厚さ1mm とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 花畑 とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 花畑 発売日 :2011年9月9日 発売 商品情報 ・本体サイズ:長辺230×短辺155×厚さ1mm 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 白井黒子 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 白井黒子 発売日 :2011年1月27日 発売 商品情報 ・商品サイズ:縦150×横180×厚さ1mm 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 佐天涙子 3Dマウスパッド とある科学の超電磁砲 佐天涙子 発売日 :2011年1月27日 発売 商品情報 ・商品サイズ:縦150×横180×厚さ1mm とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 御坂美琴Ver.2 とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 御坂美琴Ver.2 発売日 :2011年9月9日 発売 商品情報 ・本体サイズ:長辺230×短辺155×厚さ1mm とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 初春&佐天 とある科学の超電磁砲 大判マウスパッド 初春&佐天 発売日 :2011年9月9日 発売 商品情報 ・本体サイズ:長辺230×短辺155×厚さ1mm
https://w.atwiki.jp/anipicbook/pages/1126.html
とある科学の超電磁砲Sロールスクリーン 【カーテン魂】[とある科学の超電磁砲S]とある科学の超電磁砲Sロールスクリーン 発売日 :2013年8月7日 発売 商品情報 ・横幅100cm×高さ178cm×1枚組ロールスクリーン とある科学の超電磁砲 美琴&黒子 マルチシャワーカーテン とある科学の超電磁砲 美琴&黒子 マルチシャワーカーテン 幅125cmx丈178cm 発売日 :2013年3月28日 発売 商品情報 ・サイズ:幅約125cm×丈約178cm [とある科学の超電磁砲]散歩カーテン 【カーテン魂】[とある科学の超電磁砲]散歩カーテン(横幅90cm×高さ135cm)×2枚 遮光なし 発売日 :2012年9月24日 発売 商品情報 ・(横幅90cm×高さ135cm)×2枚組カーテン [とある科学の超電磁砲]ジャンプカーテン 【カーテン魂】[とある科学の超電磁砲]ジャンプカーテン(横幅90cm×高さ185cm)×2枚 遮光あり 発売日 :2012年9月24日 発売 商品情報 ・(横幅90cm×高さ185cm)×2枚組カーテン
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1573.html
とある空想の未知世界(ストレンジワールド) 【本文】 序章 第一章 それぞれの少し違う日常 In_Unknown_World 第二章 それぞれの物語の始まり Respective_Movements 行間1 【初出】 2011/03/23禁書自作SSスレPART10で連載開始 【著者】 10-276(トリップなし) 【あらすじ】 ある日 上条はステイルに霊装の破壊を頼まれ、インデックスと共に向かう。 上条がその箱に触れた瞬間、箱が壊れ術式が展開されてしまった。 煙が晴れた後に上条が見たのは、高校生になったインデックスとステイルだった。 【解説】 22巻後のパラレルワールドの世界を舞台にした物語 上条は復活済み
https://w.atwiki.jp/anipicbook/pages/1158.html
+※商品数が10個以上あるので隠しています、情報を見る際は+をクリックして表示させて下さい。 とある科学の超電磁砲S iPhone5カバーシール 御坂美琴 とある科学の超電磁砲S iPhone5カバーシール 御坂美琴 発売日 :2013年9月25日 発売 商品情報 ・本体サイズ:56×120mm とある科学の超電磁砲S iPhone5カバーシール 美琴&黒子 とある科学の超電磁砲S iPhone5カバーシール 美琴&黒子 発売日 :2013年9月25日 発売 商品情報 ・本体サイズ:56×120mm とある科学の超電磁砲S とあるゲコタのもふもふスマホケース とある科学の超電磁砲S とあるゲコタのもふもふスマホケース 発売日 :2013年7月31日 発売 とある科学の超電磁砲 iPhone5ケース iPhone5対応 新型アイフォン スマートフォン用 IPH-029 アイフォン5ケース とある科学の超電磁砲 iPhone5ケース iPhone5対応 新型アイフォン スマートフォン用 IPH-029 発売日 :2012年11月3日 発売 とある科学の超電磁砲 iPhone5対応 iPhone5ケース IPH-016 翌日出荷*土日以外とある科学の超電磁砲 iPhone5対応 iPhone5ケース IPH-016 発売日 :2012年11月2日 発売 HAKUBA キャラ iPhone 4S ケース レールガン 発売日 :2012年8月20日 発売 HAKUBA キャラ GALAXY S2 WIMAX ケース レールガン 発売日 :2012年8月20日 発売 HAKUBA キャラ XPERIA HD ケース レールガン 発売日 :2012年8月20日 発売 HAKUBA キャラ XPERIA HD ケース レールガン 発売日 :2012年8月20日 発売 HAKUBA キャラ ARROWS μES ケース レールガン 発売日 :2012年8月20日 発売 HAKUBA キャラ MEDIAS LTE ケース レールガン 発売日 :2012年8月20日 発売
https://w.atwiki.jp/ln_alter2/pages/94.html
【とある魔術の禁書目録】からの支給品 【缶ジュース×20(学園都市製)@とある魔術の禁書目録】 クルツ・ウェーバーに支給された。 初出は014二人の選択 【七閃用鋼糸(7本セット)@とある魔術の禁書目録】 零崎人識に支給された。 初出は008たいがーころしあむ 【七天七刀@とある魔術の禁書目録】 黒桐幹也に支給された。 初出は019どこにでもある、普通の出会い 神裂火織の使用する二メートルを越える長さの日本刀 【発条包帯(ハードテーピング)@とある魔術の禁書目録】 キョンに支給された。 初出は069コロシアムをもう一度 学園都市製の超音波伸縮性の軍用特殊テーピング。 筋肉を補強することができる。 名前からすると関節を外側から引っ張る人口筋肉のようなものだと思われるが、 「高機動では肉離れを引き起こす」と言う記述からすると、筋力そのものも強化しているらしい。 駆動鎧に使われている身体強化を行う部分のみを取り出したようなものであるとのこと。 結果として、増大した力に使用者自身が耐えられず、長時間の使用は使用者自身にダメージを与える。 【フランベルジェ@とある魔術の禁書目録】 浅上藤乃に支給された。(ただし、手に取ったのは如月左衛門) 初出は034忍法 魔界転生(にんぽう しにびとがえし) 天草式十字凄教の教皇代理、建宮斎字の武器。 波打つ刃を持つ、全長180センチを越える両刃の剣。 金属製では無いようだが、材質は不明。ちなみに真っ白。
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/115.html
イギリスのウォータールー駅から徒歩五分の所にある日本食街。 その一角の中にある、とあるスシレストラン 『AMAKUSA』 は、開店してから日が浅いものの、従業員の接客や、 メニューの豊富さ、さらにイギリス人好みの味付けなどにより、すっかり地域に住む人の人気スポットとなった店である。 時刻はまだ朝を迎えたばかりであるため、人通りは少ないが、ランチ時や夜などにはお客の絶えないところでもある。 そのレストランからさらに10分ほど離れたところには、そこで働く従業員一同が住めるよう、アパートメントひとつを 丸々借り切った建物がある。 そのアパートメントの一室で、一人の少女が一心不乱に作業をしていた。 「ふんふふんふんふーん♪」 鼻歌交じりに作業を続ける彼女。ともすれば簡単そうな作業に見えるかもしれないが、意外に手先の器用さが求められる それを、しかし、鮮やかな手捌きでこなしていく。 そうして、彼女がなおも作業を続けていると、 『トントン』 と、ノックの音が響いた。 「はいはーい。どうぞー」 手元の作業を止めずに、返事だけを返す少女。 部屋の主の返事を聞いて、キィ、という音とともに扉が開けられる。 「五和ー、準備できたー? もう朝ごはんだよー………って、うわっ、何これ?!」 半分ほど開いた扉から顔を覗かせながら少女に呼びかけた女性はしかし、部屋の中のありさまを見て思わず声を出した。 「これって、アイリス………? こんなに沢山、いったいどうしたのよ………って、あんた何やってんのよ?!」 慌てて問いかける女性の目を追えば、五和と呼ばれた少女が傍らに挿してあった花瓶の中からアイリスの花をまとめて 何本か引き抜き、その茎から葉っぱをむしっているところだった。 「何って、見ての通りですけどー?」 問いかけられた五和の方にはしかし、慌てた様子は無い。 おもむろに全ての葉っぱをむしり終えると、葉っぱを手元に取り置き、残りの花を別の花瓶に挿し替えていく。 そして、何枚かの葉っぱをまとめると、違う葉っぱでそれを器用に縛っていく。それが済むと違う葉っぱをまとめ上げ、 また葉っぱで縛っていく。そうして手元の葉っぱが無くなれば、また花瓶からアイリスを引き抜いて葉っぱをむしっていく。 彼女は先ほどからこの作業を繰り返していたようである。 「…………いやまったく分かんないんだけど?」 部屋に入ってきた女性がその光景を見ながらなおも問いかける。まあ、うら若き少女が部屋にこもって一心不乱にむしった 葉っぱを束ねているのを見て一発で何をしているかなんてまず分からないだろう。これが花を束ねているのならばまだ理解も しやすいというものだが、葉っぱの方をとなると、首を捻るしかないというものである。 そんな女性の様子に、五和は手元の作業をやめて向き直り、説明をする。 「もう、今日は五月五日ですよ。端午の節句じゃないですか。だから、その準備をしてたんですよー」 そう言われても、女性の方は今ひとつ理解しかねている様子である。 「いや、今日が五月五日で端午の節句だってのは分かるけどさ、何でアイリスの葉っぱをむしってんの?」 もっともな意見である。端午の節句にアイリスは関係ないはずである。……いや、直接的な関係は無かった、筈? それに対して、 「あ、それはですねー、本当は菖蒲(しょうぶ)を用意したかったんですけど、ここじゃ用意できなかったんでアイリスで代用して みたんですよー。やっぱりこういうのは形が無いと盛り上がりませんからねー」 どうやら菖蒲の代わりにアイリスの葉っぱを使って何やらやっているのか、と答えを聞いた女性は再び作業を再開した五和と その周りにある幾つかの出来上がった品物を見て、ようやく合点がいったように呟いた。 「ああ、なるほど、薬球(くすだま)か………」 端午の節句。 古代中国にその起源を持つとされるそれは、中国においては邪気を払い健康を祈願する日とされ、野に出て薬草を摘んだり、 蓬で作った人形を飾ったり、菖蒲(しょうぶ)酒を飲んだりする風習があった。蓬や菖蒲は邪気を払う作用があると考えられていた。 現代の日本においても菖蒲や蓬を軒に吊るし、菖蒲湯(菖蒲の束を浮かべた風呂)に入る風習が残っている。 日本においては、男性が戸外に出払い、女性だけが家の中に閉じこもって、田植えの前に穢れを祓い身を清める儀式を行う 五月忌み(さつきいみ)という風習があり、これが中国から伝わった端午と結び付けられた。 宮中では菖蒲を髪飾りにした人々が武徳殿に集い天皇から薬玉(くすだま 薬草を丸く固めて飾りを付けたもの)を賜った。 かつての貴族社会では薬玉を作りお互いに贈りあう習慣もあったという。(現代電子演算相互互助辞典:Wikiより引用) 「で、こっちのやつは何なの?」 そう問いかけられた先には、薬球と呼ばれた品物よりも幾らか作りの甘いようにも見受けられる物があった。 「そっちのは、菖蒲湯に使うためのものですよー」 言われてみれば、確かに菖蒲湯に使うものはあまりガチガチに固めておいては上手くいかないだろう。 しかし、 「菖蒲湯をアイリスで、ねぇ………」 「えー、良いじゃないですか。手に入らないのならあるもので代用すればいいんですし。私たち天草式はその土地その風土に 溶け込んで発展していくものですよー。菖蒲もアイリスも似たようなものですし、大丈夫ですよー」 対する五和は実に楽観的に話している。 しかし、五和の部屋にあるアイリスの花から作られたもの、いや、現在進行形で増え続けているものは明らかにその量が 多いように思える。この部屋全体を埋め尽くすほどのアイリス、まあ、そこから葉っぱだけを取ったとしてもその数は今現在 このアパートメントに住んでいる住人全てと照らし合わせてもいささか多いように見受けられる。 それについて尋ねられると、五和は、えへへ、と照れたように笑いながら、 「あの人にも、あげたくて……」 と体をもじもじとさせながら言った。 ふむ、と女性は軽く息を吐きながら考える。 彼女が言う 『あの人』 とは、故郷である日本の学園都市と呼ばれるところに住んでいるある学生のことだろう。 以前起こったとある事件の折に知り合って以来、どうも五和はあの少年のことを想っているようである。 彼女と歳の近い者たちは何かと五和のことを応援? していたようだが……。 そんな彼女の耳に五和のさらなる声が聞こえてくる。 「それに、この前の上巳のときに送ってもらった内裏雛は上手くいかなかったみたいですから、今度は霊装自体が失敗しても 菖蒲湯にしてもらえば大丈夫ですし………」 五和の視線の先には、一体の人形が机の上に置かれていた。 どことなく五和の姿に似せて作られたそれの隣には、何か、似た大きさの物が納まるような空間が空いている。 『内裏雛(だいりびな)』 内裏が代理に繋がる霊的意味を持つこの人形には、本来もう一つ男の形をした人形が存在する。 いや、存在した、と言った方が正しいか。 過ぎる三月三日の上巳の節句の折、内裏雛の片割の、ある少年の姿を模した人形はやはり海を越えて学園都市に送られた。 そして、少年の身の回りで起こる災厄をその身を挺して少年を守るという使命を立派に果たしたのだが、あらゆる異能の力を 打ち消す少年の持つ右手によりその存在を終えた。 そのことを同じ霊装である女雛たる人形を通して知った五和は、今度は霊装自体が壊れても大丈夫なようにと、次善の策まで 用意しているようである。 「なるほどねぇ……」 想いを持つ少女の行動に対し、いささかの呆れと感心のこもった言葉をついた女性は、もうしばらく好きにさせていようとそのまま 部屋を出ようとする。 「ま、何はともあれ早くしなさいよ間に合わないわよ?………」 「それに、菖蒲湯で朝風呂に入ると気持ち良いですし………」 二人の声が重なる。 「え?」 「え?」 ぽかんとした五和に対して、慌てたように女性は尋ねる。 「あ、あんた、これ、朝風呂に使ってもらえるように渡すつもりだったの?!」 そのただならぬ様子に不安げに顔を曇らせながら五和が 『は、はい、』 と返事をすると、 「ば、馬鹿! あんた時差のこと考えてなかったでしょ! “イギリスのこっちが朝だったら日本のあっちはもう夜じゃないのさ!!”」 その、言葉に、 「あ………ああああああーーーーーーっ!! しまったーーーーーっ!!」 アパートメント中に響き渡るほどの声を上げて五和は頭を抱えていた。 「なになに、今の声?」 「なんかあったの?」 「ちょっとー、昨日遅かったんだからこんな朝から大声出さないでよー」 部屋という部屋から彼女たちと同じ天草式の面々が飛び出して五和の部屋の前に集まってくる。 彼らが恐る恐る部屋の中を覗き込むと、床にへたり込んでがっくりとうなだれている五和の姿があった。 というか、かなり尋常じゃない位の落ち込みっぷりである。 何かを呟いているようなので耳をすませてみれば、 「うう………、わたしのわたしの馬鹿ばかバカ………!! ちょっとした思い付きでいい気になってるもんだからこんな単純な事に 気付かないのよ………っ!! こ、こんなことだからいつまでたってもあの人に伝わらないのよ………っ!! ………!!」 見ていて哀れを通り越して不憫である。 最初に五和を呼びにきた女性から訳を聞いた面々もさすがに居た堪れなくなったのか、 「ド、ドンマイだぞ五和。これくらいの失敗は誰にだってあることだ!!」 「馬鹿! そんなありきたりの励ましなんかじゃ駄目だろ!」 「そ、そうです五和、今回は駄目でしたが、今度頑張れば良いじゃないですか!!」 「今度っていつだよ!?」 「えーっと、そう、次は七夕です七夕!! 次の節句の時にはこの教訓を生かせばいいだけのことです!!」 「そ、そうだぞまだ次の節句があるじゃないか落ち込むのはまだ早いぞ!!」 そんな励まし? の言葉に、うずくまっていた五和がようやく顔を上げる。 やがて、言われた言葉を反芻してようやく理解し終わると 「そうですよね! これくらいであきらめたり落ち込んでいたりしてちゃ駄目ですよね!? 分かりました! 次の七夕の時には この教訓をちゃんと生かします!!」 えらく立ち直りの早いもんである。 「ようし、次の七夕に向けて早速準備するぞ!」 「今度の節句には天草式が全面的に協力するからな!!」 「どうせなら今度だけじゃなくて節句ごとにするってのはどう?」 「いいなそれ!」 「じゃあこれから節句ごとに五和がプレゼントするのを応援するって事で!」 「「おーー!!」」 とたんに沸き立つ天草式の面々。揃いも揃ってノリノリの様子である。 だから当然、 「え? ちょっと? これから節句ごとにこういうことするの? 本気なの? ちょっと?!」 という女性の意見があったことは誰の記憶にも残らなかったのである。 「で、盛り上がってんのはいいけどよ。こんだけの量の薬玉と湯種をどうするつもりなのよ?」 皆に遅れてやってきた一人の男、天草式十字凄教教皇代理、建宮斎字は呆れながら尋ねた。 それに対して一同が固まっていると、質問をした建宮はガリガリと頭をかきながら 『しょうがねえなぁ』 と呟くと、集まっていた 面々に指示を出す。 「あーっと、あれだ、薬玉の方は一人一個ずつもらっとけ。こんだけいりゃなんとかなるってもんよな。あと、残った湯種の方は どうすっかなあ……。ま、いいか。なんとかなるのよ。あてもいくつかあるもんだしのよ」 その夜、イギリスのランベス区において少なからぬ浴槽に奇妙なものが入っていたという。 「はあ、何やら今日のお風呂は不思議な物でございますね。何か変わった趣向なのでございますか?」 「趣向なんてたいしたもんじゃねえだろうよ。ただの草が放り込んであるだけじゃないのかしら?」 「ええっ! これ、ただの草なんですか?! なんだか汚そうですよぅ!」 「あらあら、でもなんだかいい香りもしますですよ」 「む、そういわれてみればかすかにいい香りがしないでもないでやすね」 「貴女は本当にそう思っているのですか? なら何故さりげなく葉っぱを遠ざけようと波を送っているのですか?」 「とっ、遠ざけようとなんかしちゃいやせんよ……!!」 「ご心配なく。これは日本に伝わる風習で薬湯浴のようなものです」 「ふーん。相変わらず日本ってのはおかしな風習があるもんなんだな極東宗派」 「(しかし、菖蒲の代わりにアイリスを使うとはいったい何を考えているのやら………)」 「ん? なんか言ったか?」 「いえ別に。とにかく、害があるわけでも無し、ゆっくりと湯につかったらどうですか?」 「へいへい」 「なっ、なんでありうるのよこれは!? 湯船という湯船に怪かしげな草が放り込んであるとは、一体どういうつもりでありうるのか!? さてはこれは一日の激務で疲れた体を癒すための私のささやかたる楽しみを奪わんがための陰謀に違いなきのことね!! くっ、イギリス清教のために身を粉(こ)にして励みたる私に対して何たる仕打ちたるのか!! されど、かかる仕打ちに対して いまさら湯を交換している時間もなし……。ええい、やむを得んのよ。今宵はこのままで湯に浸かりたるしかなしにつきなのよ。 ううっ………………あら? 何だかかすかにいい香りがするのことよ。ふむ……、意外にそれほど悪しきものでもないのかも しれなきね………。ふむふむ………」
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/259.html
「なに!?旗立師の異名を持つ上条灯子がバレンタイン用のチョコを、とある平凡なる我が校一階の調理室の窓際(体育館側)で作っているだって!?ホントか!?」 「もちろんだにゃー、貴様は俺が人の、それも調理室に緊張した面持ちで入る!そんな女子(おなご)のことを見間違えるとでも思うのか?」 「ありえないな……ん、新情報?な、何だってー!?」 「どうした?なんなんだ!?」 「あの天井まで調理室に入っていったらしいぞ!神作と一緒に!」 「さすがにそれはないだろう」 「いやいや、毎日亜衣たんを目で追っているボクが調理室に緊張(ry」 「………クソッ!貰える幸せ者は一体誰だ!?」 とある高校のバレンタイン バレンタイン、もちろん殉教した聖バレンチヌスのことではない。 とあるチョコ会社の陰謀により生まれた乙女達の聖戦記念日である。 ゆえに男子達は盛り上がったり盛り下がったり、果ては乱闘騒ぎになる。この高校の生徒なら五年前の流血沙汰は周知の事実だろう。 諸君、我輩にチョコを渡したい場合は至急!3階放送室にブツと一緒に持ってきたまえ!繰り返すぞ、我輩に(ry ……これは失敬、我輩も男ゆえテンションが上がっていたようだ。ではただの司会進行役を務めよう。 ~調理室~ そこには60℃のお湯に命を懸ける女達がいた。 60℃とはチョコを溶かす上での適温であり、溶かしている途中に温度が変わってしまうと舌触りが悪くなってしまう、らしい。 つまり今調理室に残っている女子達は皆その舌触りのためだけに一時間以上かけていたりするのである。 そんなガスコンロやら熱意やらの熱気の中、一組だけ第一の関門を突破したらしい三人組がいた。上条灯子、天井亜衣、神作ひのである。 「さすが天井、ぴったり60℃だな!」 「私の亜衣の能力はこういうのに便利ですし、ジャストなんて簡単です」 「いちいちうるさい!気が散るだろう!」 ふむ、天井亜衣という少女は何かしらの能力を使って温度を上昇させたのだろう。 その証拠にガスコンロは使用されておらず熱気のこもる部屋の中で若干涼しい。 「ほら、こっちは私に任せてそっちをやっとけ」 そっち、とは準備のことだろう灯子が板チョコやら生クリームやらココアパウダーやらを取り出していた。トリュフか…… 「チョコはひのが刻むです。得意ですし」 そういって神作ひのはどこからか大振りのナイフを取り出し、板チョコを豪快かつ繊細に刻みだした。 その速さたるや手首から先が見えなくなるほどである。実の所この右腕は『エンゼル様』が動かしているのだがそれでも速い。むしろ多分『エンゼル様』は関係ない。 刻み始めて三十秒、その神速の右腕がピタッと止まった。spしてまな板の上には粉状になったチョコ……粉? 「神作スゲー!普通ここまで出来ないよな…物理的に」 「まぁ溶けやすくて助かるが、ひの、あと二十六枚あるからな」 「合点承知です!大丈夫ですよねエンゼル様?」 そう自分の右手に問うとナイフが傍らの板チョコに字を刻む。 《No Problem》 ちなみにこの右腕、英語の筆記試験だけは常に満点である。 皆、チョコ作りに命を懸けていて自分だけ浮いている上条灯子はというと… 「ん~俺暇だな……コンビニ行って昨日読み損ねたサ○デー読んでくるわ」 そう言って調理室を後にしようと思ったら、背後からガシッと肩を掴まれた。 「灯子?アンタなんでここにいるか覚えているの?」 「え?え~と……あれ?」 「アンタの右腕の効果で!」「この調理風景を!」「男子達の能力で見られないためでしょうが!」 口々に言われ頭をくらくらさせながら恐る恐る首肯する。 「よし、分かったら亜衣ちゃんたちの所に戻りなさい」 カクカクと、操り人形のように窓際まで歩いていった。 すでにチョコを溶かし終えたらしく天井たちが彼女を待っている。 「やっと来たか、何もしないのは悪いから何かやるといったのはお前だろう」 「ん、スマン」 「私は温度を調節するために手が使えないし、ひのは切る以外の技術が壊滅的だからな」 「KILLですか?」 「ひの違うぞ!そっちじゃない……まぁ任せろ!」 そういって上条はチョコ液をザックリと混ぜたり、匂いを嗅いだり、ちょっと舐めて天井に睨まれたり(ひのは既に舐めていたり) 「うん、あまい…そろそろ冷やし始めていいと思うぞ」 「私か?それとも甘いのか?」 そう言う天井の能力は温度を調節できるらしい。分子の動きを操ることが出来るのだろうか?まぁ多くは語れない。 彼女が冷やすためにボウルを持ち上げるが、服の袖が手首まで降りてきてしまう 「あ、ひの少し袖をまくりあげてくれないか?」 「スマンです。ナイフについた細かいチョコを掃除しているので手が離せないです」 「じゃあ上条………」 「さっき他の女子生徒に恫喝されて手伝わされてます。主に力仕事です」 「……吹寄、やってくれるじゃないか」 しょうがなくボウルを持ったまま両手を挙げ、重力によって二の腕辺りまで戻そうとする。一度ボウルを置こうと思わないのは自分の仕事に対する誇りだろうか。 そして事件はまさにその誇り、もしくは意地のために起こった。 「…………!?」 さて、少し前の悶々としている男子たちの話でもしようか。 どうやら扉の前で聞き耳を立てていた男子は誰が誰と協力し、どこで作っているかを土御門&青ピのコンビで割り出すことに成功したらしく話題はある一組に集まっている。 「あの三人の作るチョコか……きっととても甘いんだろうね」 「生クリームに溺れて見る夢?イヤナンデモナイ」 「いやいや、ここは何を入れたの!?ってぐらい不味いのもそそるものが……」 「ううん、トーコは料理巧いからそれは無いよ」 「く、毎日手料理を食ってる奴だから言えるセリフだよなぁ」 「あら?お兄様羨ましいんですの?男の嫉妬は何とやらと言いますよ」 「そそそ、そんなこと無いぞ!」 他校生どころか、いつのまにかブラザーまで来てたりするが…… 「気にするな少年、旗立師には誰も抗えんさ……あのバカ二人以外にはな」 「そんなことはないにゃー」 「ボクたちはとっくに立てられてるんやで」 「なに!?」 「戦友(とも)フラグだけどにゃー」 「なんだ……(上条灯子唯一の汚点か?)」 「そして今一番熱いのはこの男!神裂にーやん!」 「な、なんで私なんですか!」 「なんでって、にーやんとぼけちゃダメにゃー風呂に一緒に入った仲だからにゃー」 「ナ、ナンダッテー!!!Σ(゚Д゚)」 「違います!あれは彼女がいきなり風呂場に!」 「もう一回ナンダッテー!!!Σ(゚Д゚)」 「いや、それはその!」 暴走もとい妄想する漢たちには変な連帯意識が生まれており……? 「にーちゃん、抜け駆けはダメじゃないか」 「アンタ強そうだけど……この大人数に囲まれたらな」 「まぁ口を割ってもらおうじゃないか、抵抗するなら本物の電気あんまをプレゼントしてもいいけど……」バチバチ 「え!?いや!あの!」 第二回漢達の血の婆煉蛇因魔津裏(バレンタイン祭り)の開催だろうか? 「ウオオォォォォ」 「ドリャァァァァぁぁ」 「セイヤァ!」 「トゥ!」 「ウッ、ック、甘い!あなた達が何人集まろうとも私にはウゴッ!」 「にーちゃん隙だらけだぜ!」 離そうとしている間に後ろからわき腹を蹴られたようだ。隙云々より狡いとかだと思うが。 「人のセリフを邪魔するとはインデックス、あなたという者は………私を怒らせましたね、そうですかそんなに死にたいですか、それなら聖人の力を見せてあげましょう」 「にーやん刀は…」 「土御門!元はと言えばあなたのせいでしょう!」 「そ、そんなことしたら……!」 壁が縦に裂けた。有り得ないと思うかもしれないが実際に有り得たのでしょうがない。 裂け目の向こうには刀を振り下ろした形で「やっちまったよ」的にフリーズしている聖人の姿。 事態がなんとなく分かったのは上条ぐらいだろう。 (あぁ土御門たち、神裂を怒らせたんだろうな~) その結果がこれである。しかしまだ事件は終わっていない。 神裂がようやく再起動を終え刀をカチンと鞘に収めた瞬間、天井の頭上のボールが斬れたのである。それどこのゾ○?それとも五○衛門?並みではあるが、斬撃が飛んだのである。 そしてもちろん切れたボウルの中のチョコは全てこぼれ、天井の小さい体に降り注いだのである。 余談ではあるがこの三人、特に渡す相手もいなかったので学年全員にチョコを渡す気だった。 その量は比較的小さい天井の体をチョコ色に染めるには十分すぎる量で、 「…………………………………あ」 もう一度全ての人がフリーズする。 それと同時に天井は腰を抜かしたように床にへたり込む。ペタンという感じに。目に浮かんでいるのは涙であろうか。そしてゆっくりと口を開く。 「あ………………」 「え?」 声が小さかったため皆聞こえずに聞き返すが内心それどころではない。女性の涙とは男にとってそれほどの威力なのだ。魅力的でもあるが。 「…熱い…………」 「あー!大丈夫か天井!?良かったな!後数十センチ下だったら死んでたぞ!いやぁよかったな~」 「いいのか?……そんなことよりにーやん!早く謝ったほうがいいにゃ~!」 フォローに入る土御門の軽薄な物言いにも若干の緊張が見て取れた。 天井はキレるとヤバめなのである。そしてそういう人は泣くともっとヤバいのである。 「わ、わ、分かりました!」 そういうと聖人はチョコの魔人と化した少女の近くにより膝と手を床につき、頭を深々と下げ、 「すみませんでした!」 すると少女は 「気持ちが篭っていない」 と小さく呟いた。これは死刑宣告か!?と神裂は震えもう一度頭を下げる。「なにとぞご容赦を~」と言っているのは空耳ではないだろう。 他の男子達も少しでも一緒に騒いでいた罪を軽くしようと土下座をする。異国の少年神父でさえ、その行為の意味も分からないまま同様にしている。 それほど天井亜衣の出すオーラは危険だった。目に見えない分インフルエンザウィルスの方がましだろう。 「……まぁいいか」 そういって上条たちのもとへ戻ろうと後ろを向く。このときの男たちの顔と言ったら言葉では言い表せないほどに輝いていた。 そして天井は一度後ろを向いて、 「む………そうだ」 この瞬間、神作ひのと上条灯子の表情が凍ったのには誰も気づかなかった。 天井は目の前のそんな顔を気にもせず振り向き 「服がチョコまみれで動きにくい……お前達喰うか?」 顔には妖艶な笑みを浮かべ、そう続けたのである。 『…………………………ゴク』 その言葉に誰もが唾を飲み込んだ。ついでに彼女と同じ組だった二人は既に姿を消していた。 男たちも頭の中では(絶対ありえねぇだろ……)と理解していたのである。 しかし一人、また一人、と徐々に前に行く者に釣られぞろぞろと、結局全く動かなかったのは頭を下げ続けている聖人と言っている意味の分からなかった少年神父と既に逃げた上条を追うか悩んでいたLv5だけだった。 そしてもう一度全員が示し合わせたようなタイミングで唾を飲み、 「い………いっただっきまーす!!」 いわゆるルパンダイブをである。 その瞬間、天井の体が光り始め………………… とある有名病院 「先生、急患です!」 「どんな感じだい?」 「患者は頭部裂傷、また全身に火傷および擦過傷!咳き込んでいることから内臓にも何かしらの異常があると思われます」 「それは…爆発にでも巻き込まれて吹き飛ばされ地面を散々滑った挙句頭から壁に激突、さらに追撃とばかりに飛んできたコンクリート塊が腹部に命中…てな目にでもあったのかな?」 「さぁ、それは……」 「まぁいいや、ボクは手術を……」 「急患です!」「大至急手術を!」「重傷を負った少年が入口に!」「救急車が十台強当院に向かっている模様です!」 「……さすがにそれはボクにもキツイかなぁ、死んだ人は専門外だからね、まぁこの金髪の子をいじってくるから他の人たちはお願いするよ」 と言い残してだんだんと血が滲んでくる担架を押しながら女医は手術室(せんじょう)へと向かっていった。 「ところで君、実際予断を許さない状況だけど何か言い残すことは有るかい?」 「………まぁこんなオチなのは分かっていたけど、ここで引くのは男じゃないにゃー、ゲフッ」 余談だが神作ひのと上条灯子が目撃した天井の表情は雪女より冷たく、なまはげより禍々しい悪戯を思いついた顔だったという。 結局急患が30人もいたのも余談である。ついでにそれを全部一人の女医が救い「久しぶりに熱くなってしまったよ」と言ったのもである。 我輩が顔の大きさの割りに大きいサングラスをした幸せそうな顔で白線をなぞる様に歩く金髪の少女や、「死ぬ、生きていけない、死ぬ……」と道端でブツブツ呟く青髪の少女を見たのなんかはもう全く関係ないだろう。
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1451.html
第一章 十月のとある日 学園都市統括理事長との接触Ⅰ 人間はある映像を観ていた。 男にも女にも大人にも子供にも聖人にも囚人にもどんな人間にも見えてしまう人間はビーカーの中で逆さ釣りになり興味ぶかく映像を観ていた。 昨夜、彼か統べるこの街・学園都市に一人の侵入者が現れた。 侵入者の目的は牽制、交渉。学園都市が集めた『原石』である子供たちを無闇に扱うなというものだ。この際、学園都市・超能力者の第七位と戦闘になったが侵入者……名前は手元のとあるレポートによればオッレルス…『魔神』になれなかった男になす術なく敗れてしまった。 「魔神か。やはりアレでは気づいてないか…」 『魔神』魔界の神という意味でなく魔術を極め神に等しい存在になったモノ。 人間は如何なる科学技術か空中に浮かぶモニターを眺め呟く。 ここ学園都市第七学区にある『窓のないビル』は大能力者(レベル4)以上の空間移動(テレポート)系の能力が無ければ入ることは出来ない。 当然今ここに居るのは人間、彼一人のみだ。 「しかし、最大の『原石』があの程度とは……。やはり『プラン』には向かないか…」 魔神の方は放っといても問題ないだろう。理解できない、説明できないと思っている時点では支障はない。だが、第七位の方は問題だ。いくら『プラン』に向かないチカラとはいえあれ程の力の差があるとは。 彼のいう力の差とは文字通りの意味ではなく、理解しているかいなかだ。つまりは最低でも自覚的に『説明できない力』を使えなくては話にならないと言う事だ。 「理解できる・できない。違う意味だが同じ意味でもある。君はそうは思わないか?」 自分以外誰もいない部屋に人間……アレイスターは問う。 「魔神と聖人、原石と開発、魔術と超能力。全て人間離しているってだけの話だろう?」 返って来るはずない答えが返ってくる。いつの間にかアレイスターの前に一人の少年が現れた。 「ちゃんと気づいていたか。引き籠ってばかりだから鈍っているかと思ったが…。まぁ、あんなに盗撮機をばらまきゃ解んない方が可笑しいか」 皮肉げに笑いながら少年は右手を挙げる。 少年の右手には金属製のグローブがはめられていた。 『超微粒物体干渉吸着式マニピュレーター』通称ピンセットだ。 学園都市の空中に漂う滞空回線(アンダーライン)と呼ばれる超小型の偵察機みたいなものを操作する物だ。 「いつもながら感心するよ。いったいどこからそんなモノを手に入れるか不思議としか言いようがないな」 「良く言うぜ!あの警備は何だ?まるで穴だらけ。魔神候補が侵入してくるのを待っていたとしか言いようがない」 少年はアレイスターを睨めつける。そしてココに来た本題を話始めた。 第一章 十月のとある日 学園都市統括理事長との接触Ⅰ 人間はある映像を観ていた。 男にも女にも大人にも子供にも聖人にも囚人にもどんな人間にも見えてしまう人間はビーカーの中で逆さ釣りになり興味ぶかく映像を観ていた。 昨夜、彼か統べるこの街・学園都市に一人の侵入者が現れた。 侵入者の目的は牽制、交渉。学園都市が集めた『原石』である子供たちを無闇に扱うなというものだ。この際、学園都市・超能力者の第七位と戦闘になったが侵入者……名前は手元のとあるレポートによればオッレルス…『魔神』になれなかった男になす術なく敗れてしまった。 「魔神か。やはりアレでは気づいてないか…」 『魔神』魔界の神という意味でなく魔術を極め神に等しい存在になったモノ。 人間は如何なる科学技術か空中に浮かぶモニターを眺め呟く。 ここ学園都市第七学区にある『窓のないビル』は大能力者(レベル4)以上の空間移動(テレポート)系の能力が無ければ入ることは出来ない。 当然今ここに居るのは人間、彼一人のみだ。 「しかし、最大の『原石』があの程度とは……。やはり『プラン』には向かないか…」 魔神の方は放っといても問題ないだろう。理解できない、説明できないと思っている時点では支障はない。だが、第七位の方は問題だ。いくら『プラン』に向かないチカラとはいえあれ程の力の差があるとは。 彼のいう力の差とは文字通りの意味ではなく、理解しているかいなかだ。つまりは最低でも自覚的に『説明できない力』を使えなくては話にならないと言う事だ。 「理解できる・できない。違う意味だが同じ意味でもある。君はそうは思わないか?」 自分以外誰もいない部屋に人間……アレイスターは問う。 「魔神と聖人、原石と開発、魔術と超能力。全て人間離しているってだけの話だろう?」 返って来るはずない答えが返ってくる。いつの間にかアレイスターの前に一人の少年が現れた。 「ちゃんと気づいていたか。引き籠ってばかりだから鈍っているかと思ったが…。まぁ、あんなに盗撮機をばらまきゃ解んない方が可笑しいか」 皮肉げに笑いながら少年は右手を挙げる。 少年の右手には金属製のグローブがはめられていた。 『超微粒物体干渉吸着式マニピュレーター』通称ピンセットだ。 学園都市の空中に漂う滞空回線(アンダーライン)と呼ばれる超小型の偵察機みたいなものを操作する物だ。 「いつもながら感心するよ。いったいどこからそんなモノを手に入れるか不思議としか言いようがないな」 「良く言うぜ!あの警備は何だ?まるで穴だらけ。魔神候補が侵入してくるのを待っていたとしか言いようがない」 少年はアレイスターを睨めつける。そしてココに来た本題を話始めた。 第一章 学園都市統括理事長との接触Ⅱ 「でだ。アレイスター。なんで俺がここに来たか解っているよな?」 パラパラと少年は左手に持っていた封筒から紙を取り出した。 紙…どうやら何かのレポートの様で数枚の紙をクリップで留めたものが幾つかある。 そのレポートの一枚目にはそれぞれ『禁書目録』『三沢塾』『妹達(シスターズ)』『御使堕し(エンゼルフォール)』などここ数カ月の間におきたとある少年が巻き込まれた事件のキーワードが書かれている。 「アレイスター。俺の友達を巻き込むのはよしてくれないか?」 少年は冷やかに笑う。 「『神の右席』あいつらは…いや『右方』は冗談では済まない。計画を今すぐ辞めろ」 「うん?その少年は偶然にも事件に巻き込まれただけのはずだか?」 人間は気にも留めない。 「あくまで白を切るか…。そんなに俺を怒らせたいか?」 「さて…。確かその少年の特徴は『不幸』だった気がするが?」 空気が張り詰める。少年は人間を睨み、人間は少年を見つめている。 「いいだろう。だが覚えとけアレイスター。アレはおまえの幻想など軽くぶち壊すと言う事を」 意外にも少年は背を向け歩き出す。 「フッ。この前にも似たセルフを聞いたばかりだ。しかし、君と彼が友達とはいつも不思議に思うよ」 人間の言葉に応じる気はないらしい。少年は最後に言う。 「暫くはこの街にいるつもりだ。何かあれば知らせろ」 少年はその場から消えてしまった。誰も居なくなった部屋で人間は呟く。 「『幻想創造(イマジンクリエイト)』と『幻想殺し(イマジンブレイカー)』か。さて両者の違いとは何だろうな」 少年がこの場でチカラを使えば学園都市は落ちただろう。 少年は魔術師であり能力者であり、聖人であり原石でもある。そして魔神であり超能力者である。彼はいてはならない人間だ。ジョーカーは一枚で十分だ。 モニターを切り替えると『プラン』の進行状況が写し出される。 プランEX 『創造殺し(アンノーン)』稼働率34パーセント 「さあ、楽しい時間はまだ続くぞ!」 人間の幻想は止まらない。 Next 第二章 十一月のとある日 錬金術師との親交