約 3,753,545 件
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2138.html
旧本編スレの第7章以降の纏めはこちらです。 それ以前の纏めはこちらです。↓ こちら 14章第2部以降は2ページ目に移転しました。↓ http //www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/990.html まとめ編集者よりお詫び。 量が増えたのと書き手のご要望により一部オリキャラの設定を追加したため本文がかなり下の方に行ってしまっています。 申し訳ありません 【オリジナルキャラ】 ↑ここにあるオリキャラは旧本編スレで登場したオリキャラです。 ▲ 第七章『とある聖夜のバカップル』 第一部 12/23 プレゼントどうすんの? この手のイベントは女性のほうが楽しみにしているんですの。 午後、バカップル達が動く 嫉妬する女達 とあるおせっかいな母親たち コスプレバトル!? コスプレ大会の参加者の方ですよね? コスプレよ永遠なれ! 膝枕も永遠なれ!! コスプレの代償は大きいんだよ! B級映画のススメin学園都市 驚愕の事実 忘れてないか?今日がクリスマスって事を! 偶然が招く史上最大の不幸 戦闘というのも馬鹿らしい?大騒ぎ 学園都市最強=ロリコンの不幸 パーティーに参加しますよね 学園都市最強の悲劇? 思い込みはほどほどに とある大忙しな初春 プレゼント交換 第二部 東京経由○○行き? ドタバタの予感… 驚愕の事実2 招待客多すぎ!! 新居 移動 寄り道at東京 親たちも頑張った? これもカップルかな? 空から降って来る系の『人びと(複数形)』 同時進行で進む。 人の欺瞞はかくも邪悪なり? 第三部 パーティー 参加者来る。 男達の悲劇HIGEKI 世界一騒がしきパーティー 女たちの晴着HAREGI 破壊音は時と場所を選ばない 困難、もしくは意味のない証明 バカップルのドタバタ 上琴を震源とする騒乱~序章~ 前略~第2章~ パーティーの出し物が…… 喜劇と悲劇の同宿 ▲ 第八章 とある年越し 年末のドタバタは… 年末の内戦 年末の世界大戦 鎌倉戦線以上ありまくり!!! モトハル エリハル 年越しそば 女2人 ▲ 第九章 とあるあけおめ 初詣への道 とある危険な初詣 不意うち これGame?あァ最高のゲームだよォ!! まだかランチ とあるシスターの敗北 ゲームはお好きですか? アレイスターの遊び ▲ 第十章 とある高校のとある日常 帰 朝 始 雪 業 乱 4 5 仕事 食 とある風紀の「異常なし」 戦 覚悟 宴 旗男 宴の終わりは突然に。 夜 ▲ 第十一章 適者のみ生存す 合宿へ… 地下要塞準備よろし! サバイバルの始まり 初夜? 教師達のIKUSA ラストオーダー 打開策 搭載せしは通常弾頭にあらず 恐るべきVIP 逆襲 帰還と停戦 宣戦布告と玉音放送? ハンター 真の修羅場における行動マニュアル サバイバルとはかくも危険なり。 The End of サバイバル いつもここに来ることになるのはなぜでせうか?そりゃ、アンタがアンタだからじゃない? 終わりなきバカップル …最後はやっぱりドタバタなのね…不幸だ。 ▲ 第十二章 テストと戦争の融合at学園都市 諸々の始まり 集結 氷結光線(レーザースノウ) エリハル弐号機 ブレイン 女王エリザード 心理掌握 新居パート2 何かの因縁!? 集合 カオス 上琴の個室 移動中… 二つのバカップル 決着 それぞれの感想 叫びと説教 学園都市最強vs聖人 元アイテムの一人vs新たなる光の一人 初の新居訪問者 とある一人の思い 義妹の告白 ▲ 第十三章 とあるバカップルの一日 第一部 とある英国人達の学園都市探訪 起床 連絡 教会へ移動中… 聖人or学園都市最強vsアステカの魔術師 集合 学園都市最強の怯え 学園都市最強の暴走&絶望 とある一人の地味な仕返し 事情聴取 第二部 とある新居の大騒動 聴取終了後の行動 寮監の後悔 とある昼食の会話 上条勢力、やはり只者じゃないなbyアレイスター 家にアミューズメント!? 数ヶ月前の空間移動 何でこンなに燃えているんだァ、この三人は… 二人の義妹の答え 一発芸 ▲ 第十三.五章 とあるバカップルの反省 反省 ▲ 第十四章より先は2ページ目に移転しました。(携帯閲覧の枠を越えたとの通報により。) 2ページ目 ▲
https://w.atwiki.jp/anipicbook/pages/1088.html
【第一期 DVD/Blu-ray】 +※情報を見る際は+をクリックして表示させて下さい。 【とある科学の超電磁砲 第1巻】 とある科学の超電磁砲 第1巻 通常版 [DVD] とある科学の超電磁砲 第1巻 初回限定版 [DVD] とある科学の超電磁砲 第1巻 通常版 [Blu-ray] とある科学の超電磁砲 第1巻 初回限定版 [Blu-ray] 発売日 :2010年1月29日 収録内容 ・1話 電撃使い エレクトロマスター ・2話 炎天下の作業には水分補給が必須ですのよ ・3話 ねらわれた常盤台 【初回限定版特典】 (DVD&BD共通) ・冬川基描き下ろしイラストBOX(1~4巻収納) ・特殊パッケージ仕様 ・書き下ろし小説 電撃GE文庫『とある魔術の禁書目録SS』 ※全て集めると一つの文庫に!8つのエピソードが絡み合う「禁書目録」神裂火織編! ・「とある科学の超電磁砲」解説マニュアル(12Pブックレット/予定) ・特典ディスクCD-ROM ※WEBラジオ「とある“ラジオ”の超電磁砲」収録(MP3音源にて収録) 【通常版共通特典】 ・音声特典:オーディオコメンタリー ・映像特典:ノンテロップOP&ED 【とある科学の超電磁砲 第2巻】 とある科学の超電磁砲 第2巻 通常版 [DVD] とある科学の超電磁砲 第2巻 初回限定版 [DVD] とある科学の超電磁砲 第2巻 通常版 [Blu-ray] とある科学の超電磁砲 第2巻 初回限定版 [Blu-ray] 発売日 :2010年2月26日 収録内容 ・4話 都市伝説 ・5話 とある二人の新人研修 ・6話 こういうことにはみんな積極的なんですよ 【初回限定版特典】 (DVD&BD共通) ・特殊パッケージ仕様 ・書き下ろし小説 電撃GE文庫『とある魔術の禁書目録SS』 ※全て集めると一つの文庫に!8つのエピソードが絡み合う「禁書目録」神裂火織編! ・「とある科学の超電磁砲」解説マニュアル(12Pブックレット/予定) ・特典ディスクCD-ROM ※WEBラジオ「とある“ラジオ”の超電磁砲」収録(MP3音源にて収録) 【通常版共通特典】 ・オーディオコメンタリー(第5話:新井里美&豊崎愛生) 【とある科学の超電磁砲 第3巻】 とある科学の超電磁砲 第3巻 通常版 [DVD] とある科学の超電磁砲 第3巻 初回限定版 [DVD] とある科学の超電磁砲 第3巻 通常版 [Blu-ray] とある科学の超電磁砲 第3巻 初回限定版 [Blu-ray] 発売日 :2010年3月26日 収録内容 ・7話 能力とちから ・8話 幻想御手 レベルアッパー ・9話 マジョリティ・リポート 【初回限定版特典】 (DVD&BD共通) ・特殊パッケージ仕様 ・書き下ろし小説 電撃GE文庫『とある魔術の禁書目録SS』 ※全て集めると一つの文庫に!8つのエピソードが絡み合う「禁書目録」神裂火織編! ・「とある科学の超電磁砲」解説マニュアル(12Pブックレット/予定) ・特典ディスクCD-ROM ※WEBラジオ「とある“ラジオ”の超電磁砲」収録(MP3音源にて収録) 【通常版共通特典】 ・オーディオコメンタリー(第8話豊崎愛生&伊藤かな恵) 【とある科学の超電磁砲 第4巻】 とある科学の超電磁砲 第4巻 通常版 [DVD] とある科学の超電磁砲 第4巻 初回限定版 [DVD] とある科学の超電磁砲 第4巻 通常版 [Blu-ray] とある科学の超電磁砲 第4巻 初回限定版 [Blu-ray] 発売日 :2010年4月28日 収録内容 ・10話 サイレント・マジョリティ ・11話 木山せんせい ・12話 AIMバースト 【初回限定版特典】 (DVD&BD共通) ・特殊パッケージ仕様 ・書き下ろし小説 電撃GE文庫『とある魔術の禁書目録SS』 ※全て集めると一つの文庫に!8つのエピソードが絡み合う「禁書目録」神裂火織編! ・「とある科学の超電磁砲」解説マニュアル(12Pブックレット/予定) ・特典ディスクCD-ROM ※WEBラジオ「とある“ラジオ”の超電磁砲」収録(MP3音源にて収録) 【通常版共通特典】 ・オーディオコメンタリー(第12話佐藤利奈&田中敦子) 【とある科学の超電磁砲 第5巻】 とある科学の超電磁砲 第5巻 〈通常版〉 [DVD] とある科学の超電磁砲 第5巻 (初回限定版) [DVD] とある科学の超電磁砲 第5巻 〈通常版〉 [Blu-ray] とある科学の超電磁砲 第5巻 (初回限定版) [Blu-ray] 発売日 :2010年5月28日 収録内容 ・13話 ビキニは目線が上下に分かれますけどワンピースは身体のラインが出ますから細い方しか似合わないんですよ ・14話 特別講習 ・15話 スキルアウト 【初回限定版特典】 ・冬川基描き下ろしBOX(5~8巻収納) ・特殊パッケージ仕様 ・書き下ろし小説 電撃GE文庫『とある魔術の禁書目録SS』 ・「とある科学の超電磁砲」解説マニュアル(12Pブックレット予定) ・特典ディスクCD-ROM WEBラジオ「とある“ラジオ”の超電磁砲」収録CD-ROM(MP3音源にて収録) 【通常版共通特典】 ・オーディオコメンタリー(13話 伊藤かな惠&寿美奈子) ・ノンテロップ2ndOP&2ndED 【とある科学の超電磁砲 第6巻】 とある科学の超電磁砲 第6巻 〈通常版〉 [DVD] とある科学の超電磁砲 第6巻 〈初回限定版〉 [DVD] とある科学の超電磁砲 第6巻 〈通常版〉 [Blu-ray] とある科学の超電磁砲 第6巻 〈初回限定版〉 [Blu-ray] 発売日 :2010年6月25日 収録内容 ・16話 学園都市 ・17話 夏休みのつづり ・18話 あすなろ園 【初回限定版特典】 ・特殊パッケージ仕様 ・書き下ろし小説 電撃GE文庫『とある魔術の禁書目録SS』全て集めると一つの文庫に! 8つのエピソードが絡み合う、『禁書目録』神裂火織編! ・「とある科学の超電磁砲」解説マニュアル(12Pブックレット予定) ・特典ディスクCD-ROM WEBラジオ「とある“ラジオ”の超電磁砲」収録CD-ROM(MP3音源にて収録) 【通常版共通特典】 ・オーディオコメンタリー 【とある科学の超電磁砲 第7巻】 とある科学の超電磁砲 第7巻 通常版 [DVD] とある科学の超電磁砲 第7巻 〈初回限定版〉 [DVD] とある科学の超電磁砲 第7巻 通常版 [Blu-ray] とある科学の超電磁砲 第7巻 〈初回限定版〉 [Blu-ray] 発売日 :2010年7月30日 収録内容 ・19話 盛夏祭 ・20話 乱雑開放 ポルターガイスト ・21話 声 【初回限定版特典】 ・特殊パッケージ仕様 ・書き下ろし小説 電撃GE文庫『とある魔術の禁書目録SS』 全て集めると一つの文庫に! 8つのエピソードが絡み合う、『禁書目録』神裂火織編! ・「とある科学の超電磁砲」解説マニュアル(12Pブックレット) ・特典ディスクCD-ROM WEBラジオ「とある“ラジオ”の超電磁砲」収録CD-ROM(MP3音源にて収録) 【通常版共通特典】 ・オーディオコメンタリー 【とある科学の超電磁砲 第8巻】 とある科学の超電磁砲 第8巻 〈通常版〉 [DVD] とある科学の超電磁砲 第8巻 〈初回限定版〉 [DVD] とある科学の超電磁砲 第8巻 〈通常版〉 [Blu-ray] とある科学の超電磁砲 第8巻 〈初回限定版〉 [Blu-ray] 発売日 :2010年8月27日 収録内容 ・22話 レベル6 神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くもの ・23話 いま、あなたの目には何が見えてますか? ・24話 Dear My Friends 【初回限定版特典】 ・書き下ろし小説 電撃GE文庫『とある魔術の禁書目録SS』全て集めると一つの文庫に! 8つのエピソードが絡み合う、『禁書目録』神裂火織編! ・「とある科学の超電磁砲」解説マニュアル(12Pブックレット) ・特典ディスクCD-ROM WEBラジオ「とある“ラジオ”の超電磁砲」収録CD-ROM(MP3音源にて収録) 【通常版共通特典】 ・オーディオコメンタリー(第24話出演メインの4人) 【とある科学の超電磁砲 DVD_SET1】 とある科学の超電磁砲 DVD_SET1 発売日 :2013年4月24日 収録内容 Disc 1 ・第1話 電撃使い(エレクトロマスター) ・第2話 炎天下の作業には水分補給が必須ですのよ ・第3話 ねらわれた常盤台 ・ノンテロップOP・ED Disc 2 ・第4話 都市伝説 ・第5話 とある二人の新人研修 ・第6話 こういうことにはみんな積極的なんですよ Disc 3 ・第7話 能力とちから ・第8話 幻想御手(レベルアッパー) ・第9話 マジョリティ・リポート Disc 4 ・第10話 サイレント・マジョリティ ・第11話 木山せんせい ・第12話 AIMバースト 【とある科学の超電磁砲 DVD_SET2】 とある科学の超電磁砲 DVD_SET2 発売日 :2013年4月24日 収録内容 Disc 1 ・第13話 ビキニは目線が上下に分かれますけどワンピースは身体のラインが出ますから細い方しか似合わないんですよ ・第14話 特別講習 ・第15話 スキルアウト ・ノンテロップOP・ED Disc 2 ・第16話 学園都市 ・第17話 夏休みのつづり ・第18話 あすなろ園 Disc 3 ・第19話 盛夏祭 ・第20話 乱雑開放(ポルターガイスト) ・第21話 声 Disc 4 ・第22話 レベル6(神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くもの) ・第23話 いま、あなたの目には何が見えてますか? ・第24話 Dear My Friends 【とある科学の超電磁砲 Blu-ray BOX〈初回限定生産〉】 とある科学の超電磁砲 Blu-ray BOX〈初回限定生産〉 発売日 :2013年7月10日 収録内容 ・TVシリーズ全24話 + OVA全1話(特典ディスク) 【特典】 ・OVA「とある科学の超電磁砲」(GNXA-1230)Blu-ray Discを同梱 ・「とある科学の超電磁砲」オリジナルサウンドトラックCDディスク2枚を同梱 GNCA-1251「O.S.T 1 SPARK!!」 GNCA-1252「O.S.T 2 MOMENT」 ・キャラクターデザイン田中雄一新規描き下ろしイラスト三方背BOX ・デジパック仕様 ・ブックレット(100P予定) 【映像特典】 ・ノンテロップOP/ED 【音声特典】 ・オーディオコメンタリ― 【第二期 DVD/Blu-ray】 【とある科学の超電磁砲S 第1巻】 とある科学の超電磁砲S 第1巻 (初回生産限定版) [DVD] とある科学の超電磁砲S 第1巻 (初回生産限定版)(特典ディスク付き)[DVD] とある科学の超電磁砲S 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray] とある科学の超電磁砲S 第1巻 (初回生産限定版)(特典ディスク付き)[DVD] 発売日 :2013年7月24日 収録内容 ・第1話:超電磁砲(レールガン) ・第2話:寿命中断(クリティカル) ・第3話:超電磁砲量産計画(レディオノイズけいかく) 【メーカー特典】 ・新作おまけアニメーションDISC「MMRIII(もっとまるっと超電磁砲III)」の特典付き 【初回限定版特典】 ・デジパック仕様 ・特典CD サウンドトラック1 ・三方背クリアケース ・解説書(12P) ・原作者・鎌池和馬書き下ろし小説(イラスト/はいむらきよたか) ・「とある魔術の禁書目録SS -『必要悪の教会』特別編入試験編-第1章」 【通常版共通仕様】 ・アニメ版権描き下ろしジャケット ・音声特典:オーディオコメンタリー(第1話 出演:佐藤利奈&新井里美) ・映像特典:ノンテロップOP/ED 【とある科学の超電磁砲S 第2巻】 とある科学の超電磁砲S 第2巻 (初回生産限定版) [DVD] とある科学の超電磁砲S 第2巻 (初回生産限定版) [Blu-ray] 発売日 :2013年8月28日 収録内容 ・第4話:妹達(シスターズ) ・第5話:絶対能力進化計画(レベル6シフトけいかく) ・第6話:あたし・・・みんなのこと見えてるから 【初回限定版特典】 ・冬川基描き下ろしイラスト収納BOX(1巻~4巻収納) ・デジパック仕様 ・特典CD(とあるラジオの超電磁砲え~すぺしゃるCD vol.1) ・パーソナリティ:佐藤利奈&ささきのぞみ ・三方背クリアケース ・解説書(12P) ・原作者・鎌池和馬書き下ろし小説(イラスト/はいむらきよたか) ・「とある魔術の禁書目録SS -『必要悪の教会』特別編入試験編-第2章」 【通常版共通仕様】 ・アニメ版権描き下ろしジャケット ・音声特典:オーディオコメンタリー(第5話 出演:佐藤利奈&ささきのぞみ) 【とある科学の超電磁砲S 第3巻】 とある科学の超電磁砲S 第3巻 (初回生産限定版) [DVD] とある科学の超電磁砲S 第3巻 (初回生産限定版) [Blu-ray] 発売日 :2013年9月25日 収録内容 ・第7話:お姉さまの力になりたいですの ・第8話:Item(アイテム) ・第9話:能力追跡(AIMストーカー) 【初回限定版特典】 ・原作者・鎌池和馬書き下ろし小説(イラスト/はいむらきよたか) ・「とある魔術の禁書目録SS -『必要悪の教会』特別編入試験編-第3章」 ・特典CD(とあるラジオの超電磁砲え~すぺしゃるCD vol.2) ・パーソナリティ:佐藤利奈&葉山いくみ ・デジパック仕様 ・三方背クリアケース ・解説書(12P) 【通常版共通仕様】 ・アニメ版権描き下ろしジャケット ・音声特典:オーディオコメンタリー(第7話 出演:新井里美&豊崎愛生&伊藤かな恵) 【とある科学の超電磁砲S 第4巻】 とある科学の超電磁砲S 第4巻 (初回生産限定版) [DVD] とある科学の超電磁砲S 第4巻 (初回生産限定版) [Blu-ray] 発売日 :2013年10月23日 収録内容 ・第10話:原子崩し(メルトダウナー) ・第11話:自動販売機 ・第12話:樹形図の設計者(ツリーダイアグラム) 【初回限定版特典】 ・原作者・鎌池和馬書き下ろし小説(イラスト/はいむらきよたか) ・「とある魔術の禁書目録SS -『必要悪の教会』特別編入試験編-第4章」 ・特典CD(とあるラジオの超電磁砲え~すぺしゃるCD vol.3) ・パーソナリティ:佐藤利奈&小清水亜美 ・デジパック仕様 ・三方背クリアケース ・解説書(12P) 【通常版共通仕様】 ・アニメ版権描き下ろしジャケット ・音声特典:オーディオコメンタリー(第10話 出演:佐藤利奈&小清水亜美) 【とある科学の超電磁砲S 第5巻】 とある科学の超電磁砲S 第5巻 (初回生産限定版)(特典ディスク付き) [DVD] とある科学の超電磁砲S 第5巻 (初回生産限定版)(特典ディスク付き) [Blu-ray] 発売日 :2013年11月27日 収録内容 ・第13話:一方通行(アクセラレータ) ・第14話:約束 ・第15話:最弱(かみじょうとうま) 【初回限定版特典】 ・ 【通常版共通仕様】 ・ 【とある科学の超電磁砲S 第6巻】 とある科学の超電磁砲S 第6巻 (初回生産限定版) [DVD] とある科学の超電磁砲S 第6巻 (初回生産限定版) [Blu-ray] 発売日 :2013年12月25日 収録内容 ・第16話:姉妹 ・第17話:勉強会 ・第18話:お引越し 【初回限定版特典】 ・ 【通常版共通仕様】 ・ 【とある科学の超電磁砲S 第7巻】 とある科学の超電磁砲S 第7巻 (初回生産限定版) [DVD] とある科学の超電磁砲S 第7巻 (初回生産限定版) [Blu-ray] 発売日 :2014年1月19日 収録内容 ・第19話:学園都市研究発表会 ・第20話:フェブリ ・第21話:闇 【初回限定版特典】 ・ 【通常版共通仕様】 ・ 【とある科学の超電磁砲S 第8巻】 とある科学の超電磁砲S 第8巻 (初回生産限定版) [DVD] とある科学の超電磁砲S 第8巻 (初回生産限定版) [Blu-ray] 発売日 :2014年2月26日 収録内容 ・第22話:STUDY ・第23話:革命未明(Silent Party) ・第24話:Eternal Party 【初回限定版特典】 ・ 【通常版共通仕様】 ・ 【OVA「とある科学の超電磁砲」】 OVA「とある科学の超電磁砲」 [DVD] OVA「とある科学の超電磁砲」[Blu-ray] 発売日 :2010年10月29日 【映像特典】 ・ノンテロップOP&ED 【音声特典】 ・オーディオコメンタリー
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3556.html
【種別】 人名 【元ネタ】 黄金の夜明け団に在籍していた実在の魔術師。 Wikipedia- アーサー・エドワード・ウェイト 【初出】 新約十八巻 【解説】 『黄金夜明』に所属していた魔術師。 ベストやスラックスを着用し、首に長いメジャーを引っ掛け、ズボンのベルトに計算尺を突っ込んだ仕立て屋風の中年男性。 タロットの扱いにおいて右に出る者は居ないとされる実力者。 彼が宣言したのならそれは事実とまで言われるタロット占いを始め、大アルカナの一つ「塔」を使った雷を誘導する魔術や、カード自体で物体を切断する魔術などを使用する。 ダイアンやブロディとネイキッドショッピングセンターを襲撃し、「塔」のタロットでアレイスターの首を落とそうとするも、ロールシャッハ・テストを応用した幻影に騙され全身を燃やされる。 さらにタフサーサーラスの爆撃を受けるも不死性により無傷で凌ぎ、その後は他のメンバーと共にスコットランドへ向かう王室派を襲撃する。 そしてアレイスターの魔術によって地脈の供給を断たれ、他のメンバー共々タロットへと戻っていった。
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/2681.html
【名前】ソフィ=エッジクラスト 【性別】女 【所属】魔術 【能力】『月虹の吸血鬼(ナイト・レインボウ)』 【能力説明】 血=虹と見立て血液を虹色にしたり血から様々な虹を創造する魔術を端に発し、遂には吸血鬼創造にまで届いた虹魔術。 とはいえ世に言う『カインの末裔』を創造したわけでは無くとある地方に伝わる吸血妖怪を創造したわけだが、幾つかの共通点からソフィは吸血鬼という呼称を用いる。 古来より虹は血と同一視される伝承が世界各地に存在する。また、虹を指で指してはいけないという伝承は更に多く世界に存在する。 それは虹に敵対する行為を禁忌と見做し、禁忌を冒した者達は虹によって災いを齎され、遂には虹に喰われてしまうと考えられていたからである。虹は神秘であり不気味でもある怪物のような存在で、敵対すると祟られるという構図である。 虹の色は虹の血であると同時にそんな喰われた者達の血であるという伝承も存在し、ソフィはそこから血=虹と見立て、血液を虹色にしたり血から様々な虹を生み出す魔術『鮮血の虹』を作り出した。 これは世界に散らばる虹伝承を魔術として行使する為の土台だったが、ソフィは東南アジアに暮らす民族に伝わる吸血鬼伝承を元に自らを吸血鬼にする魔術を創造した。 およそ人体において血液が関与しない部位は存在せず血液が骨肉を作り出し支えているのである。よって、『魔術的な血液は骨肉を魔術的に作り変える事ができる』という解釈の元、ソフィは人体を東南アジアに存在する伝承中の吸血鬼に作り変える魔術『月虹の吸血鬼(ナイト・レインボウ)』を生み出したのだ。 魔術『月虹の吸血鬼』によって吸血鬼化したソフィだが、元の吸血鬼の人間に負けた逸話から各地の吸血鬼に見られる怪物的な膂力は存在しない。 しかしながらその身体は虹の特性上身体を霧散化する特質を有している。骨や内蔵さえも虹色の霧となって散り、後に再生する。 ソフィが扱う伝承における吸血鬼や虹は水を吸い、水を扱う象徴であった事から莫大な水を縦横無尽に操る数々の水属性魔術を会得している。 水属性魔術の中で一番強力なのは莫大な虹色の水を双頭の蛇のように操り対象を圧倒的な奔流で以て圧砕するだけで無く与えた傷口に虹色の水が付着し体内の血液を抜き出す仕様を有する『双頭の虹蛇(ベルラン・カン)』。 人体を魔術的に作り変える魔術によって自分の身体だけで無く他人の身体を作り変える事ができる。具体的には他人の身体を流れる血液を抜き出し、代わってソフィが作り出した虹色の水を注入する事で作り変える(伝承的に血の代わりが水で務まった逸話から水から様々な血を作り出せるようになっている。勿論血は虹に変化させられる)。 他人を吸血鬼にする事はできないが、吸血鬼もどきにする事は可能。ソフィに絶対服従し、血に飢えた生物となる。 この他に虹を橋と見立て撃墜術式を受けずに空中を移動する&虹を釣竿と見立て一方向限定ながら虹の端から端へ瞬間移動する魔術『虹梁』、虹の発信地点である自身の周囲に発生させた虹に物品を収納する『虹甕』、 乱射する数多の虹に触れた物体を腐食させる『虹蜺』、目に見える太陽もしくは月の周囲に暈を発生させ祟りの始点とする呪術魔術『白虹』(太陽の場合)or『月虹』(月の場合)などを操る。 元の吸血鬼が夫婦の妖怪であり、日中に見えるような濃い虹が夫・夜間に見えるような薄い虹が妻だった関係から日中は男・夜間は女の吸血鬼に変化している(その方が力は増す)。 【概要】 非十字教系の魔術結社『異なる力(ヘテロダイン)』に所属する魔術師。魔術名『艶やかな鮮血の上を鬼が闊歩する(lamia666)』。 ハワイ出身。魔術を操るネイティブハワイアンの末裔。幼い頃マウナケアで目にしたナイト・レインボウに偉大なる神秘性を抱き、虹にまつわる伝承を扱う魔術師となった。 マウナケアに建設される天文台に現地民が反対の声を挙げている活動にも参加しているなど自己主張をはっきり行う勝気な女性だが魔術による実力行使は控えている。 世界を旅している間にベトナムに存在する吸血鬼伝承を知り、『虹魔術を存分に扱う身体』として虹の化身たる吸血鬼になる魔術を開発した。この時今の魔法名を己の胸に刻んだ。 『異なる力』内では捕らえた敵対魔術師の尋問役をこなす。敵を吸血鬼もどき化させ情報を引き出し、更にはその敵を元の魔術組織に送り込み内部崩壊させる手管を見せる。 実は男嫌い。現代風に例えるなら合コンなど見向きもせず女子会に没頭するタイプの女性。よって男性タイプの吸血鬼になる事がとても苦痛。 魔術名の『月虹の吸血鬼』を『白虹の吸血鬼』にしなかったのも男性タイプの吸血鬼を表す文字より女性タイプの吸血鬼を表す文字が良かったから(後は単純に『月虹』に吸血鬼らしく『月光』を掛けている言葉遊び)。 しかし、日中の魔術戦闘においては男性タイプの吸血鬼の方がより力を増す為嫌々ながら変化している。間違ってもソフィを「男装趣味の痛い女性」とか「ヒーフィメール」などと呼んではいけない。即刻吸血鬼もどきの仲間入りである。 逆に女の子は大好き。ボスのセルウィー=アウスウェイトを溺愛し、可愛らしい彼女に近付く悪い虫(=男)をしっしと追い払っている。 とはいえ、結社内の男性魔術師と実戦で連携する際に齟齬を来すような愚かな真似は犯さない。ようは気分の問題でありそれ以上でもそれ以下でも無いのだ。 十字教と科学サイドによって破壊された多神教関連の遺跡を保護する活動の性質からか似たような理念を有する魔術結社『多からなる一(イ・プルーリバス・ウナム)』の魔術師と行動を共にする機会がある。 時には情報交換を、時には共闘するなどを積み重ねていった結果現在では『多からなる一』と交渉する際の窓口のような立ち位置となっている。 【特徴】 透き通るような黒い長髪は毛先が針のように尖って見える程癖っ毛が無いサラサラ感を携えている。切れ長の虹色の瞳。伸ばす髪により右目が隠れがち。身長168センチ。20代後半。 鋭く尖った牙を生やす。男の吸血鬼に変化する時は牙が更に伸び長髪は白髪となる。女の吸血鬼に変化する時は爆乳になり長髪は銀髪となる。男性時は渋い低音ボイス。女性時は高めの可愛らしいボイス。 虹の透かし装飾が入ったノンバイトーを被る。ホワイトカラーの生地に虹色の蛇が描かれたアオザイドレスを着こなす。各所にアレンジを施しており、メンズ用としても通用する。 【台詞】男性タイプ・女性タイプ問わず一人称は「私」で統一。比較的口調は荒い。 「えぇと、『多からなる一』の連中と接触するのは明朝でいいんだっけか。共闘までは期待しねぇが精々有益な情報交換になる事を期待しようかね。あの辺は奴等にとっても大事な文化遺跡だ。鬱陶しい連中に汚される事を良しとはしねぇだろう」 「しっし!お前等にセルウィーちゃんに触る権利はこれっぽっちもねぇ。セルウィーちゃんを抱っこしていい子いい子するのは私だけの特権だぜ?」 「ああん?お前今何て言った?『男装』?おーおー、そうかいそうかい。わかったよ。痛い程理解したぜ。お前が死ぬ程血に飢えた化物に仲間入りしたがってるって事はよ。なら、さっさと喰われちまいな…血塗られし虹色の吸血鬼(おに)にな!!」 【SS使用条件】 特になし
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/2341.html
【種別】 魔術理論・魔術 【初出】 四巻 【解説】 黄道の12・北天の28・南天の48を合わせた88星座のどれかを利用した魔術。 正確には、星座(実際の星の配置)そのものに力があるわけではなく、 天球図上に浮かんだ規則性のある図形を魔法陣として利用する術式である。 簡単に言ってしまえば、実際の星の配置そのものではなく、 見掛け上の光の配置を魔法陣にしているわけである。 星座というのは見た目上は近くても、 実際の星間距離は非常に長く、ひとまとめにするには無理がある。 しかし、魔術や星占いが成立した当初の人類はそのようなことは知らず、 天球図(プラネタリウム)のように、 「宇宙とは大地を覆うお椀のようなものである」という宇宙観を持っていた。 当時の宇宙観を利用することで、 実際の距離や星の力を無視して、星座を魔術に組み込むことができる。 星座は図形としては単純だが、 スケールが巨大であるために力があるし、しかも単純ゆえに様々な術式に応用できる。 そのため非常に使い勝手の良い魔法陣であり、星座の魔術は珍しくない。 しかし星座という特性上決まった場所・日付にしか使えないし、 見掛け上の光を利用するために陽光で星光がかき消される日中には使えず、 地上からの光で星光がかき消されても効力を失ってしまう。 なお全ての星を利用した魔術が同じ性質をもつというわけではなく、 金星の光を利用したトラウィスカルパンテクウトリの槍は昼夜関係なく実際の金星の位置が重要となる。 使徒十字に使用された他、 ミーシャ=クロイツェフ(神の力)が夜空全体を魔法陣として利用した。 なお、ミーシャ(神の力)は、天体制御によって、 星座を魔法陣として使用するために自分の都合のいい配置に変えてしまうこともできる。 その為、フィアンマは天体制御の為にミーシャを再召喚し、 星座の配置を正しい位置へと戻すことにより、四大属性の歪みを修整することを目指した。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3594.html
ア行 朝霜冴美(あさじもさえみ) 朝霜芽吹(あさじもめぶき) 電解取引(イオントレード) 院内契(いんないちぎり) カ行 学園都市汎用裁判所 コールドスリープ殺人事件(未編集) サ行 社会科見学 タ行 第一学区 辻中京果(つじなかきょうか) ハ行 火の玉事件 ファイアバグ マ行 松陸頼太(まつおからいた) ラ行 ループホール ワ行 わんこ検察官
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1391.html
三沢塾。 そのビルの内部にある、校長室というプレートの下がった部屋。 豪華だが品のない内装をしたその部屋の奧には、校長が座るのだろう、黒壇と黒革の座席のセットが鎮座している。 その、黒壇の前に。 およそこの部屋の雰囲気にそぐわないものがあった。 丸テーブルと、向かい合って置かれた二つの腰掛け。 真っ白いそれらには、腕のある職人が彫ったのだろう、精密で美しい西洋風の模様が刻まれており、周囲の成金趣味丸出しの調度品とは一線を画している。 そして、カフェテリアから丸ごと抜き出してきたかのようなそのティーテーブルの一席に、 「…………………………」 垣根帝督は憮然とした表情をして座っていた。 「断然」 そんな垣根に、部屋の隅にて、薬缶の火加減を見ながら、アウレオルス=イザードが声をかける。 「我としては珈琲より紅茶の方が好みなのだが、貴様はどうだ? 珈琲を、というのならわざわざ入れてやらんこともないが、味は保証せん」 「……どっちも要らねぇよ」 「では紅茶だな」 「………………」 アウレオルスは、ティーテーブルと似た意匠のポットに茶葉を入れ、薬缶の湯を注ぐ。 しばらく蒸らしてから、ポットと同じ模様のティーカップを2つ用意し、それぞれにポットから香り高い紅茶を淹れると、そのうちの一つを垣根帝督の前に、もう一つを対面の席に、砂糖やミルクのセットを載せた盆をその中間に置いてから、自身は垣根の対面に設置された席に座る。 そして―― 「突然」 湯気を立てる紅茶をストレートのまま一口飲み、 「まずは、何から話してもらうか」 これから茶話でもしようかという口振りで、アウレオルスは垣根に問いかけた。 「武装解除せよ」 垣根に剣を突きつけられた体勢のまま、アウレオルスが厳かに命令した。 「は?何言ってやがん……!?」 あまりに場違いなその発言に、呆れた垣根が言葉を言い切る前に、変化は訪れた。 垣根の身体が意志を離れて勝手に動き、自身の持っていた剣を手放し、さらに右手に装着していた籠手まで抜き取って地面に捨ててしまったのだ。 ――アウレオルスの、言葉の通りに。 (なんだこりゃ!? 精神……いや、肉体を操作する能力か?) 垣根が逡巡する間に、アウレオルスはスーツのポケットから太い鍼を一本取り出し、自身の頸に突き刺す。 「ハッ、動機付けってか? 不便だなぁオイ。能力は成る程トリッキーだが、そいつはまんま弱点だぜ!」 相手の『言葉』に怯まず、新たな『未元物質』を作り出そうとする垣根。 しかし―― 「一切の攻撃行動を禁止」 鍼を地面に放りながらアウレオルスが一言呟くと、 「んなっ……!?」 垣根が頭の中で組んでいた『未元物質』の数式が、一瞬にして瓦解した。 (馬鹿な……精神にも干渉出来んのか?) 何度組み直そうと、『未元物質』は数式の途中で崩壊する。 (だったら、直接殴りに行ってやろうじゃねぇかよ!) 思い、足に力を入れる垣根だったが、 「くっそ……」 まるで床に縫いつけられたかのように両足がその場から動かない。 (マジで攻撃が禁止されたってのか? ――野郎の言葉通りに) 額から嫌な汗が一筋流れる。 アウレオルスはそんな垣根の目の前に悠々と近づいてくる。 「当然。貴様を一度殺し、記憶を消去した上で結界の外へ捨て置く……ダミーが出来なかったそれを、我がすることは可能であるし、容易である。しかし、貴様のダミーを倒したその能力に興味が湧いた。断然。殺すよりは、茶でも沸かして語り合った方が面白そうである」 自分のことを殺すと宣言した人間に対して、アウレオルスは突拍子もないことを告げる。 「はぁ? 誰がテメェなんぞと一緒に仲良くお茶しようって? フザケんじゃねぇぞ」 「全然。貴様の意見など聞いていない。――我について来い」 「っ!!」 アウレオルスの言葉に素直に従い、歩き出す垣根の身体。 それを疎ましく、気味悪く思いながらも、 (くそっ、訳がわかんねぇぞ!?) 垣根に抵抗する術はなく、アウレオルスの後に続いて階上へ上っていったのだった。 「あぁ? テメェに話すことなんざ一つもねぇよ、アウレオルス=イザード」 垣根は出された紅茶に手さえも触れず、アウレオルスの問いを乱暴に撥ね除ける。 「そうだな、まずはその特異な能力について教えてもらおう」 「だーかーらーよ―」 「何度も言おう。貴様の意見など聞いていない。――我の質問に対して、一切の虚偽なく返答せよ」 「『未元物質』。この世にもとより存在しない物質を生み出し、操作する能力だ………………っ!?」 勝手にしゃべり始めた自分の口に驚愕する垣根に対して、アウレオルスは涼しい顔でその内容を吟味する。 「この世に存在しない、か。超能力とやらの仕組みは知らぬし、興味もないが……自然、そのような物質があるならば我の『リメン=マグナ』が破られることもあろう。だが、フン。その程度か。ならばいくらでも対処の仕様がある、つまらぬ能力だ。憮然。生かしてここに連れてくるだけの価値すらなかったやもしれぬな」 「テメ、言わせておけば……」 「まぁいい。次の質問だ。或いは、本来ならばこちらを先にすべきなのかもしれぬが……貴様、名は?」 「垣根帝督」 「所属」 「先進教育局、木原研究所」 アウレオルスの問いにスムーズに答えていく自分の口に苛立ちを感じるも、垣根にはどうすることも出来ない。 「ならば、目的は?」 ――どのような仕組みかはわからない。 だが自分はアウレオルスの言葉の通り、彼の質問には正直に答えることしか許されていないらしい。 故に垣根は、自らがここに来た『目的』を嘘偽りなく答えた。 「姫垣を――妹を守るためだ」 これが垣根でなかったなら、雇われたから、金のため、異分子の排除――いくらでも他の答えが出てきただろう。 しかし、垣根の、垣根帝督という人間の『目的』とは、ただひたすら垣根姫垣に集約される――それこそ、その他のあらゆることはそれに連なる『手段』でしかないように。 だからこそ、垣根帝督はこれ以外に答えを持たない。 「……………………………ほぅ」 垣根の答えを聞いた瞬間、アウレオルスの声音が変わった。 『未元物質』に対する興味が失せた後、平坦になっていたそれが、最初以上の好奇心を窺わせる色に変わったのだ。 「妹を守る、か。――詳しく話せ」 貴様の生に興味が湧いた。 そう付け足すアウレオルスの表情に、垣根は先程までは見えなかった何かを垣間見た気がした。 それはおそらく――人間らしさ、と呼ばれるものだったのだろう。 「足りんな」 垣根から全てを聞いた後。 アウレオルスの発した第一声はそれだった。 「…………テメェ、人にさんざしゃべらせといて、まだ聞き足りねぇってのか?」 もう諦めた面もあるのだろう、垣根は自分の前に置かれているすっかり冷めた紅茶を一気に飲み干して、喉を潤してから言う。 「全然。そうではない。足りぬのは貴様の覚悟の方だ。貴様が真に妹の平穏を、救済を望むのであれば、貴様の覚悟はまるで足りん」 「……んだと? どういう意味だテメェ」 「敢然。垣根姫垣のために、それ以外の全てを利用し、切り捨て、敵に回すだけの覚悟。何もかもを――或いは自身の身さえも、彼女のための犠牲に強いる覚悟のことだ」 「ぁ? だから俺は――」 「ならば何故、貴様は姫神秋沙を差し出せという木原幻生の依頼を承諾しなかった?」 「――っ!」 「それで貴様の目的に少しでも近づくのならば、貴様はその依頼を断るべきではなかった」 「だが……」 「木原幻生に貢ぐような行為が嫌だった、そう言いたいのだろう。だが、否。真実は異なる。貴様は姫神秋沙を関係ない人間だからと同情し、守ろうとしたのだ。そしてその言い訳に木原幻生への嫌悪感を持ち出そうとしているに過ぎない」 「……………」 「歴然。図星だな。それが貴様の甘さだ。関係ないから何だと言うのだ。それが貴様の道を阻むのなら破壊しろ、完膚無きまでに叩き潰せ。利用できるなら利用し尽くせ、不要になったら切り捨てろ。どちらでもないなら無視しろ、貴様の行動の結果それが生きようが死のうが関心を持つな。――あれもこれも守ろうなどと、愚劣にも程がある」 「……テメェに言われる筋合いなんざねぇよ」 絞り出すように呟く垣根。 しかしそれは、アウレオルスの言葉に反論できないと言っているようなものだ。 「フン。昂然。ならば我も語ってやろう」 まるで垣根のその言葉を待っていたとばかりに、アウレオルスは唇を歪める。 「我がここに来た理由、我の救出すべき女性(ひと)のことを」 「……秘密なんじゃなかったのかよ?」 拗ねるような垣根の態度に、アウレオルスはやはり余裕を持って答える。 「言ったであろう。貴様のことが、少しばかり気に入ったのだよ」 そして、アウレオルスは席を立ち、再び薬缶を沸かし始めた。 「少し長くなる、もう一度紅茶を入れよう」 「魔術、ね。どうやらカルト教団を乗っ取ったのは、テロ屋じゃなくまた別のオカルティズムだったらしい」 アウレオルスの話を聞き終えた垣根は、もはや飲むことに抵抗のなくなった三杯目の紅茶に口をつけ、そんな感想を漏らす。 「当然。貴様の反応はもっともだ。純正な科学育ちの貴様に理解しろとは言わぬ。何より、魔術だ何だなぞは些細なことだ」 「魔道書とかいう核爆弾の設計図みてーなもんを十万飛んで三千冊も頭ん中に詰め込まれ、おまけに一年間の記憶しか持つことを許されていない、禁書目録……テメェはそいつのためだけに、テメェの属していたロシア成教を、そして世界中を敵に回した」 「純然。我は禁書目録のためにここまで至った。他のあらゆることを排除し、無視し、利用し、切り捨てて。この三沢塾も、ここに通う学生たちも――そして姫神秋沙も」 「俺とは違って、か?」 「当然」 「ちっ……」 舌打ちし、しかし垣根は今聞いた話を即座に頭の中で整理し、意趣返しとばかりに一つの事実をアウレオルスに突きつける。 「だが、一つ言っとくとよ、その魔道書を記憶しているせいで一年しか記憶が保たねぇってのはイギリス清教の方便だ。そっち方面にそこまで詳しい訳じゃねぇが、確か人間の記憶のキャパってのは140年生きてても埋まりゃしねぇらしいし、そもそも脳の中の情報を記憶する部位と思い出を記憶する部位とは全然別個らしいぜ?」 「顕然。そんなことはとっくに知っている」 「あ?」 得意気に語った知識を簡単にあしらわれ、うっかり大口を開けて呆然としてしまう垣根。 「魔術師だから科学に疎いなどと思うな。何より我は錬金術師である。錬金術とは、科学と魔術の両面を持つものだ。我には化学をはじめ、自然科学の知識は十分にあるし、禁書目録を解放しようと、脳科学にも手を出した。直接最大主教の下についている必要悪の教会の魔術師どもはその言葉を疑わぬだろうが、我はもとよりあの女狐を信用していないからな。一年間しか保たない記憶など嘘であることは、とっくに気づいていた」 アウレオルスは紅茶で喉を潤し、静かに続ける。 「そして、我はその記憶の絡繰りをすでに解き明かしている。禁書目録は、一年毎に記憶をリセットする霊装――『首輪』とでも呼ぶべきものをつけられているのだ。そして、その『首輪』を破壊すれば……」 「……禁書目録は解放される」 「そしてそのための力も手に入れた。『黄金錬成(アルス=マグナ)』。この術式さえあれば、どれほど強固な術式をも破ることが出来る」 「イメージ出来んのか? その強固な術式を壊すっつーよ」 過去を話す中で語られた、アウレオルスの完成させたという術式の弱点を指摘する垣根だったが、 「明然。他の事物はいざ知らず、それが禁書目録のためであるのなら、我の思考に不可能はない」 アウレオルスはそれにしっかりと答えを返す。 その瞳は、全く揺るがない。 「成る程、な。だがそうすると一つわからねぇ。どうしてテメェは吸血鬼なんてもんを追い求める? 『首輪』を破壊すりゃいいなら、無限の記憶なんざ必要ねぇだろ」 「ならば、少し考えてみよ。例え『首輪』を破壊しても、禁書目録は依然として十万三千冊の魔道書を抱えていることに違いはない。それがある限り、禁書目録は魔道書の知識を求める輩によって危険にさらされ続けるであろう」 「確かにそうだが……いや、待てよ」 得られた情報から、学園都市第二位の頭脳は一つの結論を導き出した。 「じゃあ……まさか、テメェの本当の目的は……十万三千冊の魔道書に関する全ての知識を吸血鬼の脳味噌に移し替えること、なのか?」 「ほぅ、快然」 心なしか声を弾ませて言うアウレオルス。 「なかなか優秀だな。その通り、先程の説明は最大主教のそれと同じ方便。禁書目録を吸血鬼に噛ませる? 馬鹿を言うな。守るべきものを人外に変えるなど、出来ようはずがない。我は『首輪』を破壊した後、禁書目録から魔道書についての知識を抜き出し、吸血鬼に植え付け、それをイギリス正教に差し出すつもりだ」 「それは……」 確かにそうすれば、魔術的観点から見て禁書目録に存在価値はなくなるだろう。 禁書目録を、完全に救えるだろう。 だが―― その過程において、三沢塾の塾長らは殺された。 学生たちは、死んでは生き返りの苦痛を繰り返すことを強制された。 その結果において、禁書目録の身代わりとなった吸血鬼は、その自由を奪われることになる。 それも、不死たる吸血鬼に、終焉が訪れることは決してない。 永遠の生き地獄だ。 そして、それは姫神秋沙と交わしたという協力関係に完全に違反することでもあるのだろう。 姫神秋沙を裏切ることになるだろう。 それでも、この男は――アウレオルス=イザードは、躊躇なくそれらを行うと言う。 大衆は、おそらくそれを悪と、或いは非人間的と罵るだろう。 どこかのツンツン頭の少年は、間違いなく右の拳をアウレオルスに向かって振り下ろすだろう。 だが、垣根帝督は。 そんなアウレオルス=イザードに全く異なる感想を抱いた。 「何だそりゃ――格好いいじゃねぇかよ」 姫垣のために生きる自分と。 禁書目録のために生きるアウレオルスと。 そこには似通うところがあって、しかしアウレオルスの方がずっと高いところにいる。 長い会話の末、そのことを悟った垣根は、アウレオルスに憧憬の念さえも抱いていたのだ。 「いいな。そういうの、本当に」 「現然。ようやく我が貴様を連れてきた理由を了解したか」 「あぁ……」 垣根は椅子からゆっくりと立ち上がる。 「それが俺の道を阻むのなら破壊しろ、完膚無きまでに叩き潰せ。利用できるなら利用し尽くせ、不要になったら切り捨てろ。どちらでもないなら無視しろ、俺の行動の結果それが生きようが死のうが関心を持つな――その通りだ。全くもって俺は甘かった。こんなんでヒメを守ろうなんて、そのもの愚劣だった。だから……」 「だから――俺はテメェをぶっ殺すぜ」 「……ほう」 アウレオルスの目が、細くなる。 「俺の仕事は三沢塾を奪い返すこと。そして今の三沢塾の支配者はテメェ。つまりテメェは俺の道のど真ん中に胡座かいて座ってやがるってことだ。だったら、俺はテメェをぶっ殺すべきだ――それしか道は、ねぇんだからな」 テーブルから退き、いまだ座ったままのアウレオルスとの距離を測る垣根。 「俺にそのトンデモ能力……『アルス=マグナ』っつったか? その仕組みを教えちまったのは迂闊だったな。どんな能力だろうが、タネが分かっちまえばいくらでも対処のしようがあるんだよ」 ハッタリでは、ない。 本当に『アルス=マグナ』がアウレオルスの精神状態に由来するものであるのならば、相手の言葉の裏をつくこと、或いはそれこそハッタリを仕掛けることで、能力に穴を空けることは可能なはずだ。 「一応礼を言っておいてやる。説教じみててウザかったが、なかなか有意義な話だった。ありがとよ」 言い、右手に『未元物質』の剣を出現させる垣根。 (やっぱりな。もう『攻撃禁止』の命令は解けてる。『アルス=マグナ』の根幹は言葉ではなく意識。アウレオルスが自分の下した命令を意識しなくなれば効果はなくなるってことだ) 一方、アウレオルスは席から立ち上がらないまま、垣根を見据えて変わらぬ調子で言葉を紡ぐ。 「励然。礼を言うのはこちらだ。我も貴様のような、我と同じ行動原理を持つ人間に会い、話すことが出来たのは僥倖である」 「ハン、言ってろ。俺は俺の道を阻むテメェをぶっ殺す。姫神秋沙は幻生に差し出し、利用する。そしてその結果――テメェの大事な禁書目録がどうなろうが興味はねぇ」 大きく跳び、ティーテーブルの上に土足で踏み乗る垣根。 「悦然。それで良い。それが正解だ。貴様が口先だけの男ではないと分かると喜ばしい。故に――サービスだ。貴様のことは見逃してやろう」 「それがテメェの言う甘さだろうが!」 (野郎は意志を言葉にすることで強固にする。つまり一度に行える命令は一つまで!) 垣根はテーブルの上をアウレオルスの方へ向かって高速で駆ける。 「我の道はすでに終端に近いのでな。この程度の障害は誤差でしかないのだ」 「だったらその誤差にやられちまえ!」 (『武装解除』なら、素手で殴りに行く) 垣根に踏み荒らされ、倒れ、砕けるティーセット。 (『攻撃禁止』なら、防御は可能なはず。とびきり固い『未元物質』を纏ってこのスピードのままぶつかれば、ダメージは与えられる) ついにアウレオルスの目前に迫り、垣根は西洋剣を高く振り上げる。 (さぁ、どう来るっ!) 「忘れよ」 「ん?」 垣根帝督はふと、寄りかかっていた愛用のバイクから身を起こす。 「寝ちまってたのか……?」 軽く目を擦った垣根は、そこで空が僅かに赤色を帯びているのに気づいた。 「夕方かよ……おいおい、どんなけ寝てたんだ。つーか、ここどこだよ」 辺りを見回し、自分が見覚えのない区画にいることを確認する垣根。 後方の巨大なビルからは、学生らしい少年少女たちがたくさん吐き出されている。 どうやら塾か何かのようだ。 無論、垣根にはまるで縁のない場所である筈だが―― 「こんなところに用事でもあったのか俺は? つーか何も思い出せねぇ。確か午前中は幻生んとこにいたんだよな。その後は……んー? 何なんだよ、ったく。酔っ払いじゃあるまいし」 右手で頭をがしがしと掻く垣根だったが、当然そんなことで記憶が戻ったりはしない。 「あ、今日ってヒメ友達と遊びに行ってるんだよな。もうそろそろ帰ってくる時間か? やべ、買い出し行かなきゃならねぇ」 結局、垣根は違和感を抱えつつも、それを無視してバイクを発進させ、タイムセールに間に合うようスーパーに急ぐことにした。 ――それが貴様の道を阻むのなら破壊しろ、完膚無きまでに叩き潰せ。利用できるなら利用し尽くせ、不要になったら切り捨てろ。どちらでもないなら無視しろ、貴様の行動の結果それが生きようが死のうが関心を持つな。 頭の隅にこびりついて離れない、誰とも知れない者の声を聞きながら。 そして、 『……………………』 走り去っていく垣根のバイクを、ビルの物陰から見つめる存在があった。 それは――機械で出来た動物のような形の四足歩行型のロボットは、ゆっくりと物陰からその身を現すと、軽い身のこなしで、垣根が去っていったのとは反対方向へ駆けていった。 『記憶が消去された、のでしょうか。少なくとも、三沢塾内部で垣根帝督に何かしらの処理が行われたのは間違いありませんね。三沢塾がただのカルト教団に支配されているだけ、という確率は低いと思われます――博士』 学園都市内にある、とあるオープンカフェにて。 丸テーブルに向かい合って座る二人の男がいた。 一人はダウンジャケットを着込んだ若い男。 もう一人は白衣に眼鏡をかけた、眼光の鋭い老年の男。 白衣の男は耳に携帯電話をあてており、そこからは先ほど男を『博士』と呼んだ少年のような声が響いている。 「フン、おおかた魔術なぞというものの仕業であろうよ。アレイスターに報告すれば、後はあの『人間』が勝手に処理を進める」 『では、そのように。木原幻生の監視の方はどうしますか? 今日は垣根帝督を追っていましたが、明日からはまた私が?』 「いや、お前はそのまま垣根帝督の監視に回ってくれ。最近お前の監視が木原幻生にバレ始めている、馬場」 『えぇ、そんな感じはしていましたが……』 馬場と呼ばれた電話の向こうの声が、少し困惑した調子を見せる。 『そもそも監視していることは暗黙の了解となっていますし、今更隠すことではないのでは?』 「それはそうだが、こちらの真の目的は、監視という名目で木原幻生の研究を盗むことだ。奴に好き勝手に研究させていれば、またこちらを出し抜こうとするに決まっているからな。だが、監視されていると分かれば、下手に研究を晒さないように警戒されるかもしれん」 『それも……そうですね』 「そういうことだ。明日からは木原幻生の監視は私と査楽で行い、お前は幻生の研究対象である垣根帝督の監視に移れ」 『はい、了解です』 通話が切られ、『博士』は携帯電話を白衣のポケットにしまう。 「アレイスターも、『停滞回線』の使用を許可してくれればいいものを」 テーブルの対面に座るジャケットの男、査楽が『博士』に話しかける。 「あれは学園都市の技術の結晶だ。老いぼれ研究者の監視にはもったいなさ過ぎる」 「まぁ、ですね。そういえば今回は、『停滞回線』が侵入できない、という理由で三沢塾に垣根帝督を送り込んだんでしたっけ」 『もうその時点で、三沢塾が異界であることなんて、明白な気もしますけどね』 突如、先程の馬場の声が近場から聞こえた。 いつの間にか、四足歩行型のロボットが、『博士』の足元に陣取っている。 それを確認すると、『博士』は席から立ち上がった。 一呼吸遅れて、査楽とロボットがそれに続く。 オープンカフェを後にしながら、『メンバー』のリーダー――『博士』は、誰にともなく呟いた。 「三沢塾の件も、数日中には解決するだろう。――この街には得体の知れない技術が溢れている。逃げ切る事など出来んさ」 垣根帝督の十番勝負 第『三』戦 『アウレオルス=イザード』 対戦結果――不戦敗 次戦 対戦相手――『馬場芳郎』
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/2564.html
1. 【種別】 魔術 【元ネタ】 ラテン語で『Ex voto』と書き、『(願のかなったお祝いの)』奉納物を指す。 イタリア語でも『Ex voto』で通じる。 【初出】 二十二巻 超電磁砲SS2でも登場 【解説】 歴史上の守護聖人に代願する事で、 第三者を迂回して『神の子』へ要求を伝え、奇跡を起こしやすくする手法。 代願が叶った証として、 守護聖人の聖壇へ代願に関連する対価を奉納することで儀式は終了する。 アニェーゼ部隊のシスター達が得意とする術式であり、 日本の願掛けやまじないのように「治して欲しい部分」の模型を教会に奉納して祈る。 原理としては偶像の理論に属する回復魔術。 彼女らはロシアの大地に訪れた際に、要救助者を助けるためにこの術式を展開。 『神の子』の産着と飼い葉桶の理論を応用して大規模なシェルターを建造した。 その場にある魔術的に意味のある記号を組み合わせ、簡素なものでも大きな効果を得ることが狙い。 彼女達が「シェルター」と呼んでいるものは、 具体的には木の骨組みと白い布を組み合わせたテントのようなものに過ぎないが、 それでも普通に組み上げるならば、とても数秒から数十秒で組みあがるものではない。 魔術的知識の無い兵士から見れば、 バネ仕掛けの玩具が自動的に物凄い速さで展開されていくように見えるらしい。 2. 【種別】 魔術 【解説】 カリーチェが使用する術式。 アニェーゼ達は(建造するシェルターの形をした)模型を納めたが、 カリーチェの場合は『代願内容を記した羊皮紙』を奉納物に指定。 レッサーの見立てではロシア系結社の手法でイコンにも対応させていたようだ。 聖油を詰めたボールペンや文房具を媒介に発動し、 術式が執行されると虚空から羊皮紙が銃器の空薬莢のように排出される。 羊皮紙には代願内容が記載されている関係上、 敵対魔術師に羊皮紙の内容を見られると、術式を逆算されてしまう可能性があるのが欠点。
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/908.html
『INDEX Z.O.E』 『有史以来、人類は様々な力を手に入れ、 文明はその力によって導かれて歩んできた。 では、天使ほどの力が導く文明の行き先は何だ』 学園都市理事長――アレイスター・クロウリー。 「配達に出る」 『上条当麻、注文受付――配達まで二十』 イギリスの日本人街。 自転車に乗った一人の少年。 ポケットから飛び出した携帯電話のゲコ太ストラップが揺れている。 「珍しいな」 『何です?』 「シスターだ――それにしちゃ随分変わってる」 倒れ伏している銀髪碧眼の白い少女。 『この日本人街にシスターが?』 「それも馬鹿に小さい。何だありゃ」 少女を束縛する異能の力。 「魔術――」 科学の生み出した力――『超能力』が襲い掛かる。 「自転車と寿司をやられた!学園都市の奴らだ……」 『学園都市って、日本の?――さん……!』 「……!」 幻想殺し――イマジンブレイカーが少女の戒めに解く。 「動けぇぇッ!!」 「おはようございます。戦闘行動を開始します」 「魔道書図書館、『禁書目録』――インデックスです。術式の説明を行いますか?」 「ここ半年で、世界の事情は大きく変わったわ。今の学園都市の戦力は圧倒的よ。 魔術サイドも必死の抵抗をしたけど、戦争ってほどのものも起こらなかった。 世界が学園都市のものになるまで、あっという間だったわ。 ヒューズ・カザキリはもう起動準備に入ってるわ。 ヒューズ・カザキリを動かすことも止めることも、この二人にしかできない。 この二人を手にしたものが人類最高の権力を握るって仕組みね」 上条当麻の右手が雷撃を打ち消す。 「目的はインデックスか!?」 『さあ?』 『超電磁砲』――レールガンと呼ばれる少女が青白い電光を身に纏う。 「学園都市にしたってやり方が荒すぎる!……指揮官は誰だ」 『カミヤン――』 立ち塞がるのは、怨霊が憑依した機械仕掛けの人形。 無数の折り鶴が羽ばたく。 「おまえ――土御門か!?」 『禁書目録は学園都市の中枢で自爆するようセットされているけり。 必要になれば禁書目録は術式を起動させる――そういう命令であるのよ』 イギリス清教、最大主教――アークビショップが運命を告げる。 自らの意思で『守る』ために戦う白髪の少年が、上条当麻の前に現れる。 『学園都市に行くのか?おい、クソガキ――答えろよ。学園都市に行くんだろォ?』 「だったら何なんだ」 『そのガキはなァ、学園都市の中枢で死ぬするつもりなんだよォ!!』 「ぐあああ!あああああ!うう……ああ!」 少女に支えられ、失われた少年の記憶が蘇る。 「インデックス、後はお願いね」 『超能力者』――レベル5の第3位、御坂美琴が少年に拳を振るう。 「何でこの輸送機に乗って来たの!?」 「天草式の皆に何かあったら許せねぇ……」 「殺してはいないわ」 「信用できねぇよ」 「もう一度死んだも同然の身だ――俺は、自分で蹴り着ける」 幻想殺しの少年が、決して引き返すことの出来ない道へ踏み出す。 「駄目よ――!」 「見ろ!天使との完全なる融合――全てを終わらせる破壊を!!」 世界が白い闇に染まる。 その中で、二人の少年が各々の思いと共に――光の中心へ駆ける。 黒い翼の羽ばたきと、竜の咆哮が重なる。 「うおおおおおおォォ!!」 「止まれえええッ!!」 「あんたは今、失った記憶を魔術で補強しているわ。 その魔力はインデックスが供給されてる。 つまり、インデックスから離れれば――全て忘れてしまうのよ」 『この二人の力は互角』 冥土帰し――ヘブンキャンセラーが語る。 『だが、幻想殺しがアレイスターに対抗するためには 一つ、欠けているものがある。能力を最大限に引き出す術式だ。 勝てるかどうかは能力者しだい――」 上条当麻の拳が幻想を壊す。 「邪魔だぁッ!!」 その力は幻想を殺す――上条当麻。 その運命は世界の救済を、命と引き換えに――禁書目録。 その力は正しいと思えることに――御坂美琴。 その運命の『向き』―ベクトル―を変える―― 一方通行。 「アレイスターの目的は支配ではない。 ――破壊だ」 破滅へのカウントダウンが始まる。 「来た……!」 『ねえ……私がいなくなっても、必ず――必ずあの子達を止めて』 少女の願いは―― 「アレイスター……!うおおおォォ――!!」 「待て、一方通行!」 『天使は私を選んだ。世界の意思が…人類の無意識が、終末を望んでいるのだ。 見ろ!これが神の意思だ!!』 二人の少年が絶望に立ち向かう。 「妹達――シスターズが何人死んだと思ってる!」 元・世界最強の魔術師であり、現・世界最高の科学者が少年の記憶――思い出を奪う。 「うあああああ!?」 『喜べ。おまえも計画の一翼を担っているのだ』 『私達、仲間でしょう?』 少女の思いは――少年に託される。 『おまえは私の元へ帰ってきたのだ』 アレイスター・クロウリーが少年を出迎える。 そして、妹達20001号、最終信号、打ち止め――ラストオーダーが静かに眠る。 『戦闘終了――アレイスター・クロウリーの勝利です。お疲れ様でした』 「御坂。一仕事できちまった」 『どうする気?』 「また記憶を無くしたら、思い出させてくれ」 『……あんたは負けないわ』
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1235.html
1 不完全な静寂が延々と続く。僅かに聞こえるのは、か細い呼吸音と足音。 日の光が完全に遮断され、黒ずんだ壁に囲まれたこの部屋で一人の少年が 落ち着かない様子で、コツコツと乱れた拍子を現代的なデザインの杖で奏でながら 右往左往していた。頭頂から靴の末端まで白一色に染まっている彼は この一室では浮いて見える。 少年の名は一方通行。その整った顔からは嫌悪、焦燥の表情が絶え間なく 作り出されていた。動揺が隠せないからだろうか、寒気を感じる。 (……結果はまだ出ねェのか?) その目線の先には、少し薄汚れたベッドで眠りにつく少女があった。 少女の名は打ち止め。かつての天真爛漫で、元気を振りまく姿は 一切その様子からは想像出来ない。以前の衰弱しきった病態から抜け出せたのが せめてもの幸いだったが。 (やはり畑違いの人間じゃこの苦痛を取り除く手段はわからねェってワケか) 仮の答えを弾き出した一方通行は自分の考えを整理していく。 あのヒーロー……いや、あの『上条当麻』との再戦に破れた後、 奴が打ち止めに右手で触れた瞬間、打ち止めとエイワスの繋がりは一時 断ち切られた。少なくとも生命の危機からは辛くも逃れられたようだ。 その後二人は上条達が率いる軍用車の群から離れ、金髪碧眼の男と同行することと なった。その者はオッレルスと名乗り、打ち止めの体を検査してみようと 提案した。一瞬罠かと頭をよぎったが、例えそうだとしても、 打ち止めに害意を加えない限りは利用出来ると踏んで、一方通行はそれを承諾した。 第一、あの上条達に誘導され出会った人物だ。おそらく学園都市の傘下に属す者では無い。 そしてそのままこの建物に辿り着いた。外観からしても相当老朽化した建造物とわかる。 今、オッレルスは席を外している。おそらく別室で文献を漁っているのだろう。 (だとしても、俺のやるべき事はもう決まってる。このガキのためなら……) あの一戦から一方通行の思考はより尖っていった。今までの自分との剥離、 根源とも云うべき心の主柱の変化を自分自身でも確かに感じていた。電流が走ったかの様だった。 これまでの彼は『自分がこうあるべき』、『自分が果たさねばならない事』といった 義務感、使命感、自分勝手で自己満足的な、まるで子供が思念する目標を掲げ 動いているだけだった。あの少女が突きつけた言葉の通りに。 それだけでは結局は何も変わらない。身勝手な理想論を無理矢理描き、その実現に 走り続けるだけではこれより先に控える試練は絶対に乗り超えられない。 (だったらどォする?) ならば、『自分がなりたいもの』、『自分が本当に成し遂げたい事』と心が叫ぶ 直接な願いや直感に従えばいい。無粋な言葉で語れば、夢、などとも言おうか。 そうすればもはや心身は揺るがない。もう心がどんな残虐な所行に引き裂かれても、 体の四肢を全て捻り切られようとも、どんな痛みにも耐えられる。突き進められる。 偶然にも、この理念はあのツンツン頭の少年の行動指針と重なる一面があった。 それに気づかない一方通行だったが、その転換に確実な手応えを感じていた。 ーーそうしてその後、彼は気怠そうに、明らかに意識してふと何気なく振り向き、こう呟いた。 「で、何でオマエがここにいンだァ?」 その背後には、かつて彼の心を打ち砕いた茶髪の少女が微笑みながらちょこんと座っていた。 少女の名は番外個体。第三次製造計画によって生み出された、新たな『妹達』の一人だ。 2 「やっほう。やっとミサカの存在を受け入れてくれたね。第一位。ずっと後ろで ひたすらアピールを繰り返してた努力が実って嬉し涙が出そうだよ」 愛想を振りまく天使の様な笑顔を見せつけながら番外個体は少年に抱きつこうと迫って来る。 一方通行は溜息をつかざるを得なかった。何せ自分と打ち止めを殺しに馳せ参じたはずの 人物が、背後から吐息を吹きかけたり、体に触れて微弱な電流を流してきたりするのだ。 逆に関わりたくなくなるのが当然の反応だろう。 「あのなァ、オマエが抱えてた任務とかが頭からスッパリ抜け落ちてンならまだしも、 どうして俺の側に平然といられンだ?俺がオマエにナニやったか覚えてねェのか?」 当然の疑問をこのアバズレ少女に投げかけてみるが、その回答はまたおかしな物だった。 番外個体が、その意外と膨らみがある胸を張って答える。 「もちろん覚えてるよ。第一位がミサカのこの美顔に何度も豪打したのも、ミサカの使命も。 でもそれらの事情はこの番外個体における現在の行動には全く干渉しない」 どういうことだ?今一不透明で番外個体の本心が読み取れない。話を続けて聞くと、 「ミサカは超能力者第一位の一方通行と、ミサカネットワークの統制者である打ち止めを抹殺し その後ミサカ自身も『セレクター』によって処分されるはずだった。でも第一位の『温情』に よって偶然生き延びてしまった。破壊された『セレクター』には学園都市がミサカを監視、 制御する機関が備わっている。それが無くなった今、もはや誰もミサカを縛る事は出来ない」 『温情』という言葉に引っかかりがあった。一方通行は確かにあの瞬間だけは番外個体を救おうと した。しかしその感情と行動は、この世界への憎悪で全て吹き飛んでしまったわけだが…… 「つまり、ミサカは第一位の手によって自由になった。だからもうミサカはかつての目的を捨て、 新たに築かれた欲求に従って動く事にした」 ピクン、と一方通行の心臓が反応した。何か嫌な予感がする。 「ミサカは、あなたに興味が湧いた!」 番外個体の顔が彼の唇に触れそうになるまで近づき、そう言い放った。 「打ち止めというちっぽけな存在のために学園都市に逆らい、妹達という恨まれてもおかしくない 群衆のために奔走し続ける、論理的に考えてもおかしいあなたはもうミサカの目を釘付けにした。 だからずっと着いていく。ミサカが第一位を寸分まで理解するまで。 あ、こんな可愛いミサカを傷物にしてくれた責任も取ってもらおうかな。だからミサカの事も 大事に扱ってよ。そこで寝てるあの打ち止めの様にね!」 そう熱弁した直後にまたもや番外個体は一方通行を抱擁しようとダイブしてくる。 これは、好意からくる行動とは、違う、と思う。負の感情が芽生えやすい番外個体が ここまで自分を好くのには、どうしても違和感を感じる。自分を憎んでいたのではないのか。 ……とつい勘ぐってしまう。裏があるんじゃないか、そんな気がしてどうもこいつを 受け入れられない。うざそうにあしらってから、話題を変えた。 「そォいや俺はオマエをさんざん痛めつけたンだったな。なら何で外傷が一つも 残ってねェんだ?『肉体再生』なンざ使えるワケでもねェし、俺はそこまで 治療した覚えは無いンだが」 確かに今の番外個体は不思議な事に一方通行が負わせた傷も一切無く、健康そのものだ。 叩き折ったはずの腕の骨すら完治している。そんな状態で傷物とか言われても釈然としない。 ニヤニヤしながら、艶かしく手で全身を伝わせつつ答えてきた。 「『暗闇の五月計画』を覚えてるよね?第一位の演算パターンを元に自らの『自分だけの現実』を 最適化させる実験があったんだけど、その中には第一位のベクトル変換能力を応用して 生体電気を制御し、自分の細胞復元速度を早める能力データが残されていた。 あなたを殺す際に『書庫』にアクセスする機会があったから、それを知って流用したの。 体内の電子情報を操れるミサカなら、あなたとほぼ同じ精度で体を癒せる。 理論上なら他の妹達にも実行可能だったろうけど、大能力者であるミサカ以外は 実戦投入は無理だったかもね。そもそも絶対能力進化実験の障害になるから 知らされていなかっただけかも」 「ほォ。ちゃんと理由があったンだな。だったらこのガキも類似した事が可能なワケだ。 そいつを引用してこいつの中の異変を取り除けねェのか?」 そろそろ余興とも言える会話は打ち切るべきだろう。時間は待ってくれない。 ここで一方通行は核心に触れられるよう、また話を移行させた。番外個体も重要だが、 それより優先すべき事は山積みだ。何より打ち止めを救う可能性があるなら何でも試す必要があるからだ。 だが、番外個体は返答せずに頬をぷくーと膨らまし、そっぽを向いた。 自分より打ち止めを重く扱った事に不満があるらしい。面倒な奴だな、と思いつつ 番外個体に正誤を問おうとした瞬間、 一方通行の腹下部に重圧が掛かった。 3 この合図はここに来た、いやこの男にあった瞬間にもあった。明らかに異質な反応。 かつて一方通行が海原と接触した時に感じた物と同じだ。 オッレルス。打ち止めと一方通行(と番外個体)を迎えいれた人物だ。 胡散臭さは感じない。むしろあらゆる人生の困難を全て切り抜けてきた経験がその肌に 刻み付いているかの様だった。その威厳はそこらの一般人ではまず発揮出来ないだろう。 そんな彼が羊皮紙の束を抱えてこの部屋に飛び込んできていた。待ちわびた。 「やっとこの子を治癒する手だてを思いつき、術式を構築出来たよ。君達に説明すべきだろうから 包み隠さず話そうと思うが、いいかな?」 術式などとあまり耳に入った記憶の無い言葉を聴いた気がしたが、もはやどうでもよい。 このロシアまで渡って来た目的がやっと成就するのだ。一瞬の歓喜と焦りを感じた。 一方通行はその餌に食らいつく。 「ああ、よろしく頼む。さっさとこのガキを楽にしてやりてェからな」 「まぁ待て。その前に俺は君達の名前も抱えてる事情も完璧には把握出来てない。 順序が逆になったが、そこら辺の背景を大雑把に教えてくれ」 確かに出会ったすぐからオッレルスは検査と思案に入ってしまったせいで説明不足に なってしまった。この男の、人を救うのを優先する気質が先行したからだろうか。 とにかく解説を早く済ませて打ち止めを直して欲しかったが、 「はい!ミサカとこの人、一方通行は夫婦でこの子を助けたくてここまで来たんです」 (…………は?) 横槍が入った。いつの間にか番外個体が一方通行の片腕を抱きしめつつ懇願していた。 「学園都市の医療技術でも、ミサカとこの人の間に生まれたこの子の命を持たせられないのが わかって、どうしていいかわからなくて全国を経由してこの辺境まで行き着いたんです。 お願いです!ミサカ達はどうなってもいいから、何でもしますからこの子を苦痛から 解放してやって下さい!」 涙ぐむ仕草まで仕込んである。傍目にみれば本当に番外個体や一方通行と、打ち止めが 親子だと誤解してしまいそうな程の迫真の演技だった。 (……こ、こいつ人が黙ってりゃ嘘をペチャクチャ吐きやがって……!?) ある事無い事吹き込む番外個体のデマカセを正そうと、声を荒げようとする一方通行だったが そこで異変に気づく。 声が出ないのだ。 妙だ。まるで人為的に喉が働かなくなった感じがする。何かがおかしい。思わず番外個体の 方を向くと、オッレルスに見えないように、小悪魔的な含みを持つ笑顔を一方通行に見せつけていた。 そこで原因がわかった。こいつのせいだ。体内に残留した『シート』で一方通行の首元に 装着されている電極を強制的に誤作動させているのだ。 (な……言語機能を俺から奪いやがったのか!?器用なマネしやがって!) といっても、常識的に観察すればこんな虚言などすぐにバレる。普通は信じるワケが無い。 常人なら「いや、それはありえない」と即座に突っ込む程度のウソだ。 と、オッレルスの反応に期待する一方通行だったが、 「そうか!それは難儀だったね。大丈夫だ。君たち親子の平穏が再び訪れるよう、俺も全力を尽くすよ!」 本気で信じちゃったよこの人。そういう変人だったのか。 こんな奴に打ち止めを預けた俺が間違ってたのか。いや、馬鹿だからこそ上条はこいつを推薦したのか? 歪曲した首肯があまりにも馴染みすぎている。もう訂正するのも諦め、事態が好転するのを待つ事にした。 自分が滑稽な扱いを受けてそれで済むなら大歓迎だ。今日までもそういった色眼鏡で見られてきた。 そうしている内にオッレルスが口火を切った。 「よし。必要な情報は揃ったし、本題に戻るとしよう。……申し訳ないが、 奥さんは席を外してくれると有難い。君が娘さんを心配しているのは重々理解してる。 しかし、先に彼だけに述べておくべき事が少しだけあるんだ。短時間で済む。いいかな?」 想定外の滑り出しだった。同時に危機感が一方通行の脳裏に行き渡った。これは艱難の暗喩だ。 打ち止めの治療に何らかのデメリットがあると、暗に示している。考え過ぎであってほしい。 そうとも知らず、口車に乗せられた番外個体は意外にもすんなりと申し出を受け入れ、 「そうですか!確かに懸念が残りますけど、どうしてもと言うなら指示に従うまでです。 この子を頼みます……」 と着飾った決まり文句を漏らしながら、ドアを開けて廊下に出た。同時に妨害電波も 次第に減退していき、一方通行は平常に戻った。ここからが本番だ。固唾を飲んで、宣告を急かした。 「アイツが漏らした通り、このガキは科学の枠に留まる技術じゃどォにもならねェ。 この病状自体が学園都市の差し金で惹起したからだがな。それで俺達は奴らと反目した。 そこで『全く別の法則』とやらが必要になると聞いた。それを求めてここまで来たワケだ」 「先刻までの戯言は彼女に真実を知らせない為の詭弁だよ。混乱を招くからな。 君の抱える問題も学園都市の策謀もこの子に降り懸ってる異常の根源も承知している。 あのアレイスターの聖守護天使がこの子を踏み台にして顕現したんだろう。 正確にはミサカネットワークによってAIM拡散力場を前導させるのを 強引に打ち止めを『始動キー』として、持続させている」 一方通行は目と耳を疑った。この男は今、打ち止めの病状の原因を明かすどころか、 学園都市が抱える闇そのものの正鵠を射った。門外漢かと思いきや、一方通行以上に現状を理解している。 どこからそれほどにまで正確な情報を知り得たのか、疑問は残るが、 ならば話は早い。先程の発言に引っかかりと底知れぬ不安を感じるが、今は前に進むしかない。 「そこまで把握してンのなら、さっき口走った『治癒』も的確なンだよなァ。 だったら、ここまで焦らす必要は毛頭無ェはずだ。……何を隠してやがる?」 一番の不安材料にメスを入れた。打ち止めの『治癒』に弊害があるならば、全て排除するまでだ。 だが、その弊害についてはこの男は黙ったままだ。まさか、そこまで事態は深刻なのか? オッレルスは重い口を開いた。 「『治癒』の方法は二つある。一つは最終信号をミサカネットワークから断絶させる事だ」 何? 「聖守護天使は最終信号を『始動キー』としているが、本来なら顕現した時点でミサカネットワークを 間借りするだけでAIM拡散力場を永続的に連結し続ける事が可能だ。 しかし、どうやらアレイスターは念には念を入れて『始動キー』を常に待機状態に設定し、 万一聖守護天使が崩壊したとしても、すぐまた現世に回帰できる体制を取っているようだ。 故に最終信号に、極難解で不安定な演算を常に無意識の内に反芻させるような仕組みを植え込んだ」 つまり、エイワスとの戦闘時に奴の『核』を弾いたにも拘らず平然と復活したのは、 打ち止めに『始動キー』を埋め込まれた証拠だという事か。 それが理由。最終信号としての役割を果たすため、望んだ訳でもない不条理な重荷を背負わせ続ける。 彼女は何も悪い事をしていないのに。一人の人間なのに?どうして道具としてしか彼女を扱わない? 「……じゃァ、その仕組みを解けばいいんだろォ?どうしてこのガキをミサカネットワークから 切り離すなんて解決法が取られるんだ?」 打ち止めがミサカネットワークから外される。即ち、ミサカという大脳からの脱却とは 妹達との意識疎通がされなくなり、情報や記憶の共有が途切れる事を指す。 いや、ミサカネットワークの司令塔である彼女がいなくなれば、学園都市は同機能を持つ新たな個体を 刷新するはずだ。それか、それこそが伴う痛み、なのか? 「『始動キー』は、最終信号個人の脳だけではとても抱えきれないほどのヘッダを持つ。 つまりこの子の頭で処理出来ない部分は他の妹達に分割され、代理演算をさせるように 最終信号が上位命令文を妹達に送りつけているんだ。即ち、最終信号が上位命令文を出せない状況に なれば『始動キー』は不完全な計算式の固まりと化し、最終信号に埋め込まれた『始動キー』そのもの も自然と意味をなさなくなる。こうなれば後は学習装置で治療出来るレベルまで落ちる」 ここまで判明しているなら、問題は解決したと同義ではないか。一方通行はここでようやく 心のしがらみが和らぐのを自覚した。 しかし、現実はまだ一方通行と打ち止めを許さない。 「ミサカネットワークと最終信号を切り離すにあたって、俺の術式を施すわけだが、 ここで一つの欠点があるんだよ。最終信号の超能力を人為的に消し去る必要があるんだ」 ……つまり、科学以外の手で能力を消滅させる。 電流を操れなくなれば打ち止めはミサカネットワークと繋がらずに済む。 『全く別の法則』に乗っ取って。 それは、その結果が齎すデメリットは、 「……彼女の言語機能と計算能力を削ぎ落とす。今の君の様に、だ」 4 死角からの残酷な事実。覚悟を背負ってここまで来た。打ち止めのためなら、 自分の信念も生き様もプライドも、自己の破壊に当て嵌まる犠牲なら、それらを受け入れる覚悟を。 だが、実際の代償は覚悟だけでは足りなかった。 つまりは、打ち止めを救うなら打ち止めそのものを犠牲にしろと言っているのだ。 一方通行は嘲った。打ち止めを敵に回してでも戦う決意があろうとも、 打ち止めの属する世界をぶち殺してまで、打ち止めを守り抜く手腕が無かった自分を。 言語機能、計算能力への後遺症。その重みは苦渋を洩らすほどわかる。 一方通行本人も、あのカエル顔の医者に与えられたチョーカー型電極によって ミサカネットワークの補助を受けなければ廃人に限りなく近い存在になってしまう。 打ち止めがそうなったら?もう光は途絶える。彼女をミサカネットワークから切り離す為の処方だ。 一方通行と同じ埋め合わせは不可能。待つのは物事を楽しみに笑う彼女、 自分にだけ向けてくれる、無邪気で、バカらしくて、こっちも笑い飛ばしたくなる太陽の様な笑顔、 それらが抉りとられた灰色の世界だ。 絶望が境界線を逸脱して光の世界にまで浸食してくる。その光の中心にいるはずの打ち止めに向かって。 だが、頭の中は驚愕するほど冷静だった一方通行はどうしても拭えない考えに至っていた。 (イイじゃねェか。簡単だ。この『治癒』が終われば、少なくとも学園都市のクソったれどもは もう打ち止めを奪ったり、始末しようとはしねェはずだ。打ち止め本来の役割が白紙になるからな。 言語機能?計算能力の低下?それだけの犠牲で済むなら大満足のハッピーエンドで終幕だ) そう、自分が頷いてしまえば。もう終わるのだ。戦いも、打ち止めの災難も。 自分の脳裏に焼き切れるまで刻み付けた、打ち止めのいる光の世界を守るはずの、自分の覚悟さえも。 「どうするんだい?この『治癒』なら10分で準備できる。やるなら今しかないだろう。 学園都市にこの末路を漏洩させないためなら、ここで打ち止めの『自分だけの現実』を無くすんだ」 オッレルスが何かほざいている。学園都市?そんなものもあったっけ? 放心状態だった。だが理性はこれに従えと煩く後押ししてくる。やれ、やってしまえ。 でも、でも、それでいいのか?一方通行は自分の脳、心、魂に真義を問うた。 自分の本心。未来の夢。それは、 「ォ断りだ」 はっきりと言い放った。誰かに命令されたワケでもない。熟孝して導いた論理的に正しい結論でもない。 「……このガキの生涯まではオマエも片耳でしか聴いた事ねェだろォ?こいつはな、 本来なら本当に小せェ存在のはずだったんだ。普通に大きくなって、ダチ見つけて遊んで、 黄泉川や芳川に恋愛相談なんかして、騒がしいモンには野次馬気分で覗きにいって、 それで最後に自分から笑う。そんなどこにでもいるただのクソったれの子供でいられたはずなんだ」 一方通行は信じていた。あらゆる闇や暗躍するクソ共を駆逐しきれば、打ち止めもただの少女として 生きられる。そんな純朴な幻想を。 それが本心だった。そうしたかった。ウソは無い。本当にそうしてやると無意識に願い続けていた。 だから、引き下がれない。善人だろうが悪党だろうが関係ない。 一方通行という個人のみが持つ、譲れない思いだった。 「そいつを乱すようじゃァ、納得出来ねェンだよ。言語機能?計算能力?ンなモン捨てなくても 門は開いてゆく筈だ。もし無かったとしても、俺が学園都市最強の力で風穴開けてやる。 ……だからオマエの申し出は受けられねェ。すまなかったな」 一方通行は頭を下げた。オッレルスも打ち止めの心配の末に この『治癒』を提案したのだ。無下にはできない。本来なら人に会釈する一方通行などありえないはず。 それを実感して、オッレルスは深い笑みを浮かべて頭を上げてくれと言い、 「そう決断すると予想してたよ。そうだ。どうせ未来を切り開くのなら より輝かしい方が良いに決まってる」 未来か。 「ンじゃ、俺らはここにはもう用は無ェな。夜が更けたら出てくが、それでイイよなァ? こっちもか細いヒントを幾つか持ってるしな。そいつを手がかりに動くさ。世話になった」 「ふむ……君らしくない。少し前の要点を忘れてないか?」 少し前?第一『治癒』の壮絶さに戦慄したせいか、些細な情報を抜け落としたかもしれない。 が、ここで前の記憶を取り戻した。打ち止めを救う手段は『治癒』だけではない。それは、 「第二の手段だ。禁書目録を呪縛から解放し、彼女から完璧な治療法を聞き出すんだ」 5 禁書目録。エイワス、上条と一方通行の力の及ばぬ強者達が示した最大のヒント。ここまでの パズルのピースの欠片だけでは人名なのか、書物の集積かもわからぬ得体の知れない言葉だった。 しかし、その詳細を今一番心底から望んでいた。何しろ打ち止めの命脈に直接関与する大きな意味を持つ。 それを知っている人物が目の前にいる。あまりの衝撃に目眩が思わず走った。都合の良さに腹を抱えたい。 「学園都市に属す人間では、一部の例外を除けば意味不明としか形容出来ないだろうな。 だが『こちら側』では現在、最も着目されている存在でもある。……だからこそ手を付け難くもあるが」 「待て。オマエが言ってる禁書目録ってのはコイツと関連性はあンのか?」 と、懐から拳銃を除けて一枚の拉げた紙を引っ張りだす。それに書かれた文字列を読み取らせた。 Index-Librorum-Prohibitorum° 上条が一方通行に残した、禁書目録の意を含む単語の羅列。 これが繋がるのなら目指す道の一つが浮き彫りになる。それに対してオッレルスは賛意を感じたようだ。 「ああ。それこそが鍵だ。これは禁書目録の個人名とも言い換えられるがな。よく手に入れたな」 「個人名?超能力名じゃねェのか?」 事の拍子に乗って馬鹿げた解釈を吐いてしまったが、先刻学園都市とは関係無いと断言されたばかりだ。 それを知っていたエイワスとは何だったのか。第一上条がこんな情報を見聞きしていたのもおかしい。 科学には幾千もの知識の引出しを構えている一方通行だが、 オッレルスの言う『こちら側』への理解は素人同然だった。 だが、遂に禁忌の扉をノックしてしまった。 そして知る。掌握の手から溢れ出かねない、かつて所属していた世界を外藩へと退かせる智識を。 切れ筋の跡が辛うじて見受けられるオッレルスの唇から発せられる『こちら側』の世界の概要。 それは一方通行が心得る既知の常識とは、あまりにも懸け離れた物だった。 天地が反転したのか、と忌まわしい錯覚が一方通行の全身を張り巡る。理屈はわかる。道理は通ってる。 むしろこの説明によって埋没する疑問の方が圧倒的に多い。 打ち止めを侵したウィルスの名称『ANGEL』、海原に感じた重圧、 垣根帝督の最後の呟き、エイワスの現出、 偶然回収した羊皮紙、襲撃者達の氷撃を『反射』した時に生じた七色の光。 あの黒い翼が発現した原因。 科学の枠、いや学園都市がひた隠しにした未知の現象全てに納得がいく。 「は、はは」 笑いが止まらない。白く、白皙し、白禍した一方通行は、自らを白痴と罵った。 学園都市最強の超能力者の頂点に君臨する彼は、天上から見下ろせば無知無学な赤子同然だったのだ。 気付くチャンスなら今日に至るまであった筈なのに。 例えば土御門や海原が稀に自分の能力や認識を語る時にも魔術、の一言が混じっていた。 彼らは俺を裏で笑っていたのか?闇を喰らい闇に生きるとほざいても真の闇を知らない愚か者だと。 『グループ』に在籍していたあの時期に問いつめれば、彼らも禁書目録について話しただろうか。 禁書目録。求めて探して掴み取った情報はとても簡素な物だった。 10万3000冊の魔導書、『原典』の知識を一字一句正確に記憶する少女。 インデックスと自称し、白い修道服(『歩く教会』と言うらしい)を纏うシスターだという。 (インデックス……?聞き覚えがあンのは記憶違いか?) 衝撃を無理矢理押し込めて、大雑把な追想を行うと答えは自ずと出た。 ハンバーガーを食い漁り、恩返しを勘違いし、 『一字一句正確に』バッテリーの正式名称を復唱したあの修道女か。 嘲笑した反動だろうか、今度は愉快な苦笑が芽生えて、あんな近くに鍵があった情実が馬鹿らしくなった。 だったら、そいつの頭根っこを引っ張ってでも打ち止めの治療法を教示してもらおうかと 思った境に、今度は世界情勢の現状にまで話が進んだ。どうやらそう簡単に聞き出せる状況でないらしい。 「今、禁書目録は自己制御を奪われ、イギリスの聖ジョージ大聖堂に隔離されているとの事だ。 呪縛を解くには彼女の意識を操作する遠隔制御霊装を破壊するしかない」 「つまりはその霊装とやらを保有してやがる外道を微塵に料理しちまえばいいワケか」 「だが、その外道もそれ相応の実力者だ。現時点でそいつを打破しようと動く一派も尽力しているが、 どうも成功にまでは至らないようだ。右方のフィアンマ、今は名前だけ知っていればいいだろう」 なるほどね、と頭のメモに書き殴っておく。面倒な道程が待ち構えているのには腹が立つが、 一方通行の気はむしろ晴れていた。目的が一筋に限られて、気分が高揚してくる。 「まァ、ヤル事山積みだっつーのもこの世の尋常なンだろォな。そいつが『原典』とかいう 雑誌の立ち読みにどんな魅力を感じてンのにもカスっぱちな興味があるが、戦争引き起こす代償とは 釣り合わねェ。ガキ救ったら世界も平和になりましたとか爆笑モンだな」 久々に冗談を走らせる余裕が出来た。それでも本筋は変わらない。 打ち止めのいる光の世界、それを乱す奴なら率先して潰してやる。 あのシスターも、そこにいるべき人に決まってる。 だったら両方に救済の手を差し伸べるのが一方通行の生き様だ。 「そのフィアンマっておめでた野郎のいる場所を探すのがまず第一歩か」 「そうだな。だがもう夜も遅い。明日まで待てるか?」 短時間で済むと番外個体に嘘をついたが、確かに太陽が頭を何時出してもおかしくない時間になっていた。 仕方ない、か。とドアを抜けて廊下まで歩き番外個体の様子を確認したら、 壁に凭れながら寝ていた。緊張感の無い奴だと思いつつも、自室に戻るオッレルスを見届けながら 毛布を掛けてやった。 「……風邪でも引いたら即置き去りにすンぞ」 と苦言を洩らしても、本当は連れて行くつもりでいた。息が浅い。まだ睡眠に入ったばっかりだ。 自分なりに話を聴いて、役に立ちたかったのかもしれない。少しこいつへの抵抗感が払拭された気がした。 一方通行自身もベッドに横たわる打ち止めを視界に入れつつ、徐々に微睡む眠気に従っていった。 5.5 今買ってるコーヒーに飽きた。最後の一滴が舌に潤いと苦さを与えた際にそう確信した。 ソファーに横たわっていた一方通行は今飲んでいた飲料の空き缶をゴミ箱に投げ捨て、 床に倒してあった現代的なデザインの杖を地面と垂直に立てて直立し、玄関へと向かった。 刺激的な匂いが鼻に付く。寂れていた筈のキッチンは今や選抜きされた食材と 使い込んだ調理具が並んでいる。それらを手に取り料理を進める茶色の毛髪の女性を横目に見つつ 外へ出た。近所のコンビ二に新商品のコーヒーが入荷した筈だ。 「堅苦しくてタマンねェな」 ジジ臭い文句を呟きつつ杖をついて前進する。晴天で日光が眩しい。紫外線を反射しようが目に焼き付く。 しばらく歩くと横道から誰かが飛び出してきた。無意味と知りつつも条件反射で電極のスイッチを入れる。 右手で触れられた彼は『反射』が適用しているにも拘らず、比重に耐えられずに横倒しになった。 杖がガシャンと鉄骨が落下したような不快音を放ちつつ地面に転がった。 接触した男がそれを拾い上げ、テカってしょうがない笑顔を浮かべつつ一方通行に手渡す。 「いやー義兄さん、マジですいません。この『御坂』当麻と不幸を共有しちゃうのも嫌ですかねぇ?」 ツンツン頭の男は学園都市最強の怪物だった彼に軽口を叩く。ハァ?と一方通行は口が開いてしまう。 「オマエを義弟と認めた覚えが無い」 「あっー!この人、未だにツンツン態度が途切れてない!俺そんなに嫌われてるの!?」 能力使用モードを解除しながら再びコンビ二を目指す。関わったら負けだ。 「いや、でも口を訊いてくれるだけ有難いかなーとも思うワケですよ。最初は顔合わせたら ちゃぶ台やら電灯をぶん投げられちゃって、もうこの人俺との姻戚関係を人生の汚点と考えてるんじゃ ないかと思う度に涙が滝の如く噴出して……って無視ですか!?耳ほじってるし!」 足が自然と早くなる。時間の無駄は所詮損だ。男はそれからも「これはもうDVの域だよ……」とか 「家内に相談しようかな……」などと呟いている。絡んでほしくて仕方ないようだ。 心底怒りを込めて真正面に立って怒鳴った。 「あのなァ!何度も繰り返すが、俺と同居してンのはあくまで妹達であって、オマエの家庭とは 何の接点もねェンだよォ!俺はオマエの義兄じゃねェ!親戚面してンじゃねェぞコラ!」 が、御坂当麻は真っ向から向かい合って、 「そんなに恥ずかしい事じゃないって俺も何度も言ってるじゃないか!妹達も美琴の『妹』に かわりないだろ!?だったら家族だと誇って当たり前だ!血?体裁?まだそんなの気にしてるのか!?」 言い合うとすぐこれだ。こっちが口火を切っても、必ずペースを奪われる。 「そりゃ過去にも色々あったさ!でも大切なのは俺達が勝ち取った『今』だろ!手を取り合って 助け合わなきゃ、また昔みたいな争いになっちゃうだろ!?第一、いがみ合ってるのは俺と 義兄さんだけじゃないか!」 「だからその義兄さんってのをやめろっつってンだよォ!」 あっという間にヒートアップする二人。その内に民衆が集まってきてザワザワとひしめき合う。 それに一足先に気付いた一方通行は嫌々矛を鞘に戻し、周りを睨んで人を払った。 今度こそコーヒーを買いに行こう。とまた歩行を始めると、 「第一位~!お財布忘れてるよ~!」 「またあの人と言い争ってるし!いい加減、過去は水に流して欲しいってミサカはミサカは御坂家の 安穏をもう一度祈ってみたり!」 声域が全く同一かつ、一方通行の『嫁と娘』が夏に見合った服装を靡かせながら坂道を駆けて来る。 顎が外れそうになるのを空いた左手で押さえつつ、ハァ、と重い、重ーい溜息を深く吐いた。 その様子を確認した当麻が二人の助力を期待しつつ、状況の一変を狙う。 「あ、義兄さんお金持ってないんですね?だったら俺がタダで貸しますよ! 財布持ってきてくれた二人には悪いけど、ここは義兄弟の親睦を深めるという大義名分に乗っ取ってど」 「なにそれ!気の使い方にも善悪があるって力説してたのあなたじゃん!ってミサカはミサカは 言動の整合性にツッコミを入れてみたり!」 「うむ、でもミサカはあなたの作戦は意外と的確だと言わざるを得ない。 金の切れ目が縁の切れ目なら、金の繋がりは縁の安寧だとも言えるよね!」 「……オマエらそこまでして俺を懐柔させたいワケか?逆に癇癪玉が破裂しそォだぞ……?」 正直さを追求して、ついうっかり文句を滑らせたら、かえって三人の説得がエスカレートした。 「また怒って破壊活動か!?俺にあたるのは良いけど周辺への被害、いや、自分の保守のために ミサカ達の思いをこれ以上無下にしようっていうなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す」 「この人は悪くないし、あなたを一番心配しているのはこの人なんだよって客観性を捨てて 涙を浮かべてみたり……ってミサカはミサカは本気で悲しみを背負ってみる」 「第一位は素直になってほしいな。ミサカは知ってるよ?この人が仕事でヘマした時も 第一位がフォローに回って、謝りの電話を代わりに深夜にかけ続けたのを。 本当は家族として認めてるんだよね?」 あのな、と本心を述べようとさすがに思い、ただ俺は義兄さんと呼ばれるのに羞恥心を感じているだけで 普通に一方通行と言い換えて欲しいだけなんだ、といったニュアンスを伝えようとしたら、 「……ほぉおー。どうやらまたこの二人にお灸を据える必要があるようねぇ……?」 『御坂』当麻、打ち止め、番外個体の背後から、重圧を超越した色濃い気配が二つ飛来してきた。 三人の動きがビクゥ!と石像の如く静止する。そしてすぐグダダダダと鐘の様に小刻みに振動していった。 「これ以上おいたが過ぎるようなら、即刻断罪を執行しますとミサカは最後の警告を腹黒く押し通ります」 一方通行だけがその鬼気迫る激情を直視した。あいつの恐妻とその姉妹が 正に世界の終焉を開闢させる瞬間を。歯が小刻みにガタガタ鳴る。 『反射』を展開しても耐えられるかどうかわからない攻撃を察知して、 一方通行はただただ汗と血の匂いに怯えるが故、底知れぬ恐怖に震える指先をスイッチに持って行った。