約 2,621,225 件
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/38.html
ちょっと季節外れのみこくろ…のようなもの こういったの書くの初めてなんで 気に食わなかったらスルーしてください 今日は日曜日。学生である私と黒子は休みということで、買い物に出掛けていた。 初春さんと佐天さんも一緒の予定だったんだけど… 「…わかったですの。それでは。」 「初春さん、どうしたって?」 「ご友人が風邪をお引きになったので、佐天さんとお見舞いに行くそうですの」 「そっかー。季節の変わり目は風邪引きやすいって言うもんね、まあそうゆうのことなら仕方ない、今日は黒子とふたりで行くか」 「お姉様とふたりきり!これはデートですの!」 「いやただの買い物よ」 「恥ずかしがらなくてもよろしいですのに」 恥ずかしがるとかいう問題ではない。 黒子は目をキラキラさせ、頬を赤く染め、心なしか息も荒い。 今日はただこれからの季節に合わせていろいろと買い替える必要があり、そのために出掛けているだけ。 この時期は初春さんたちの友達みたいに体調を崩しやすいものだし、備えあれば憂いなし。 「あんたは風邪なんか引かなそうよね。なんとかは風邪引かないって言うし」 「お姉さま!わたくしをバカだと仰りたいんですの?けどまあ『お姉さま馬鹿』という事でしたら甘んじてお受けいたしますが」 「な、なによそれ。」 黒子の思考回路はいまだに理解できない。いや多分出来る人なんてそんなにいないだろう。 なんせ超電磁砲の私の電撃を浴びながらも付きまとってくるような奴だし。 まあ慕ってくれるのは嬉しいけど。 「もしお姉さまが病気になられた時はこの黒子が付きっきりでお世話をして差し上げますわ。ドゥフフ」 息を荒げ、手をワキワキとさせ、にやけている黒子に、私は寒気を覚えた。 前言撤回、こんなのに慕われても嬉しくない。 黒子に看病なんかさせたら、病気とは別の理由で頭が痛くなりそうだ。 「あんたが病気になったら、今度こそ変な妄想できないようにしてあげるわ」 黒子は、体を隅々まで舐めるように拭いてあげますわとか、お粥は口移しがよろしいですわよね、とか妄想の世界に行ってて聞こえてないだろうけど。 トゥルルルル 「はい、白井です、ええ…ええ、わかりました。今すぐそちらに向かいますわ」 「ジャッジメント?」 「そうですの」 電話にでて、今までのおふざけモードから一転して、真面目な顔つきになったのでもしやと思ったが案の定だった。休日でもこうしてジャッジメントが呼び出されることは良くあることだ。 「お姉さまはこの後どうなさいますの?」 「そうね、このまま帰ってもなんだしもう少しぶらぶらしてから帰るわ」 「わかりましたですわ。せっかくのデートなのにごめんなさいですの。それでは行って参ります。」 私がデートという発言を訂正する前に黒子は走っていった。 「まあいいや、このままひとりで歩き回ってもつまんないし、立ち読みでもしていくか。」 ひとりきりで暇してるときに限って誰にも会わないのよね。 少し立ち読みした後、誰か知り合いに会えるかもと思って一人でぶらぶらしてたんだけど。 わざわざ誰かを呼び出すのも悪い気がして、結局私は何もしないで帰ってきた。 ひとりきりで買い物をするのも自由でいいけれど、最近はみんなで楽しくする事が多かったのでそちらに慣れてしまっていた。 「黒子は遅いなぁ。暇だな…」 私はベッドに寝ころびながらゲコ太のぬいぐるみをぎゅっと抱き締めた。 …トゥルルル 携帯電話の着信で私は目を覚ました。 気付けば私は眠っていたみたいで、外は真っ暗。天気予告通り雨も降りだしていた。 「えっと、初春さん?」 携帯電話を手に取り、ディスプレイをみると初春飾利の名前。 普段頻繁にとまでは行かないけどそれなりに連絡はとっているが、彼女からこんな時間にかかってくることは珍しかった。 私は胸騒ぎをかんじながら電話にでた。 「もしもし?」 「あ!御坂さん!初春です!白井さんと連絡が取れないんですけど、御坂さんの所にいますか?」 部屋の明かりをつけて、まわりを確認するしたけど、黒子が戻ってきているという痕跡はない。 さっき眠りにつく前のままだった。 「寮には戻ってきてないわ。何があったの?」 「ジャッジメントで今追ってる事件があったんですが、白井さんが犯人を捕まえたあとどこかに行っちゃったんですよ。」 「それならそのうち帰ってくるんじゃ」 「白井さんは風邪を引いてたんです!調子悪そうだったから今日は待機しててくださいって言ったんですけど聞かなくて… それでこの雨ですから悪化してどこかで倒れているかも。」 「え?風邪?だってそんな感じは…」 「御坂さんの前だったから弱っているところは見せられなかったんだと思います。」 今思い返してみたら確かにいつもより顔が赤かったし、何よりあの電話の後にテレポートを使わなかった。 いや使えなかったんだ。 「黒子が居なくなった場所はどのあたり?」 「セブンスミストと御坂さん達の寮の間くらいの場所です」 「わかった、私も探すわ!」 その言葉を言い終わる前に通話をきり、すぐに黒子の携帯番号に電話する。 トゥルルル… ガチャ 「もしもし黒子!?」 ゛…ただいま電話にでることができません。ピーという発信お…゛ 留守電、やっぱり何かあったんだ! 私は他のものに目もくれず部屋を飛び出した。 「ああもう!どこにいるのよ!」 雨で視界が悪く、手がかりもほとんどない状態で、ひたすらに捜し回った。 トゥルルル 「もしもし!黒子?」 「初春です。御坂さん。白井さんが居なくなった場所から支部までの道には居ませんでした。 大通りの監視カメラには映っていないのでどこかで雨宿りしてるのか、監視カメラの無い道に居るのか。」 ただ雨宿りしているなら電話には出られるはずだ。 「じゃあ私はもう一度寮までの道で監視カメラが無い道を捜すわ」 雨合羽を着る間もなく出たため雨で濡れた制服がとても重い。さらに夜の寒さが容赦なく体力を奪っていく。 「こんなのどうってことない。すぐに見つけるからね、黒子」 気づいてあげられなかった。無理させてしまった。自責の念に囚われながらただひたすらに捜した。 「…いた!黒子!」 黒子は壁に寄りかかって地面に座り込んでいた。 多分壁を支えに歩いていたが、途中で力尽きてしまったのだろう。 黒子を抱え上げると、寒さによる震えが私にも伝わってきた 「黒子。今すぐ暖かい所に連れて行ってあげるから。ここからだと、寮に戻った方が早いわね」 私は、黒子に負担がかからないよう気をつけながら寮に向かって走り出した。 寮に戻ったら寮監が一瞬驚いていたが、私から黒子を受け取り静かに、だが早急に私達の部屋まで連れて行ってくれた。 「ひとまず私が見ているから」 私はそう言われて、初春さんに連絡を取ったあとシャワーを浴び、少し体を温めた後ですぐに部屋にもどった。 黒子は着替えさせられ、たくさんの毛布をかけられ、濡れタオルを頭にのせていた。 「とりあえずこんなものだろう。これ以上悪化する事もないだろうが、一晩様子をみよう。 なにかあったら私の所に来なさい」 黒子のそばにいた寮監はそう言うと部屋から出て行った。 「黒子…」 私は黒子のベッドのそばに座り込んで黒子を見つめる。 毛布をかけられてはいるが、未だに寒いのだろうか震えていた。 「まだ寒いのね?…私が隣に入ったら暖かくなるかな」 私はそうひとりごちると黒子のベッドに入り込んだ。 シャワーを浴びたとはいえ、温まりきらなかった体に黒子の高い体温はとても気持ちよかった。 私の体温を分け与えるように、体温を分けてもらうように、黒子をギュっと抱きしめた。 「…ぅん…おねぇ…さま」 「起こしちゃっ…てないわね。」 抱きしめた事によって目を覚ましてしまったかとも思ったけど、ただのうわごとだったみたい。 このような状態の時はまわりの音が聞こえていたりする。 「今はゆっくり休みなさい」 「は…い、おねぇ…」 耳元で静かに囁くと、呂律の回らない口調だったが、しっかり返事を返してきた。 「何か欲しい物とかある?」 飲み物でも食べ物でも、起きた時にでも用意してあげるから。私になにか出来ることがあるならやらせて。 「…おねぇ…ま…しい」 「なあに?」 恥ずかしがるように先ほどより小さい声だったので、この近さでもうまく聞き取れなかった。 もう一度聞き直すために、覆い被さるような体勢で黒子の口元に耳を近づけた 「おねぇさまが、欲しい…です」 今度は聞こえた。思いもよらない言葉に黒子を見る。 いつものおふざけで言われる言葉は、冗談として思いっきり突き放すことが出来る。 だが、いくら黒子でも熱にうかされた状態で冗談は言えないだろう。 熱で火照った頬、弱りきった表情、ベッドに広がる長い髪、上下する胸元。 それら全てに目を奪われた。視線を外せなくなった。 「黒子、私が欲しいのよね…あなたが欲しいって言ったからだからね」 ―ちゅっ 黒子の言葉を免罪符にし、誰に対してかもわからない言い訳した後、ほんの一瞬だけ唇を黒子の頬に触れさせた。 触れた唇から感じた体温は高く、しかしその頬の柔らかさはもっと感じていたいと思うほど心地よかった。 「黒子…」 「…う…ん」 「…!」 黒子が身じろぎしたおかげで我を取り戻した私は、もう一度キスをしようとしていた自分に気がついた。 このまま黒子のことを至近距離で見続けると、おかしな気分になりそうだったから、慌ててベッドから抜け出そうとしたができなかった。 いつの間にか私の背中には緩やかにだが黒子の手が回されていた。 無理矢理ほどいたら流石に目を覚ましてしまう。 ふと回された腕から気付いたことがあった。 「寒さは感じてないんじゃない。」 苦笑いをこぼす。 震えは止まり、呼吸もだいぶ落ち着いてるし。 つまり今は寒さで抱きついてきてるわけではなく、ただ甘えてるだけ。 「まあいいわ。今は甘えさせてあげる。」 私も黒子のことを抱き締め返した。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/27.html
「んー、まだこんな時間・・・」 夜中に突然目が覚めて時計を確認するとまだ午前三時。 明日、いや、今日は休日だから別に二度寝してグダグダやってもいいんだけど・・・全く眠くないしどうしよう。 「・・・お姉様」 隣のベッドから小さな声で呼ばれた。 黒子のこと起こしちゃったかしら? 「あ、ごめん黒子起こしちゃった?」 そう問いかけるも返事がない。 ちょっと疑問に思って、ベットから起き上がり近づくとすーすーと幸せそうな寝息を立てている黒子がいた。 「なんーだ、寝言か」 念のため、枕元に両肘を乗せて顔を近づけ本当に寝ているか確認する。 ・・・反応なし。こりゃ本当に寝てるわね。 よく見ると、右頬に絆創膏、左肩に包帯、首筋に殴られた痣など怪我が結構目立つ。 さらに他にもあるだろう傷跡を想像して、ため息が出た。 「まったく。肋骨にひびが入った状態で仕事しようとしたりとか、日ごろから無茶しすぎなのよ」 黒子も風紀委員として頑張ってるのよね。 私より年下の癖にたくさん無茶して、怪我作って。 ま、今ぐらい褒めてやるか。 「頑張ってるわね。黒子」 そうして頭をなでてやると元から幸せそうだった表情がふにゃりと柔らかくなり、 とても嬉しそうだった。 風紀委員の仕事中の厳しい表情や、普段の表情とは全然違う。 無防備で、とっても柔らかい笑顔だった。 何時も変な事してくるけど、おとなしく寝てれば可愛いわね。 なおもなで続けてやると、黒子が私の腕にすりすりと顔を摺り寄せてきて、 私の腕を両腕で抱え込んでしまった。 「あー、離れられないじゃない」 こんな風にぎゅっとすがり付いてくる手を振り払うわけにも行かず、そのままの状態でいると黒子が何事か呟いていた。 耳を近づけよく聞くと、こう聞き取れた。 「たすけ、ありがとう―ざいま―お姉さま、大好―すの」 「~~~っ!」 バッと自由な左手で自分の口を押さえた。 きっと今の自分の顔は相当真っ赤になっていることであろう。 何時ものように冗談っぽくや変態的行動ではなく、ただ単にそう言われて、 嘘偽りのない寝言でそう言われて、嬉しいと思ってしまった自分が居た。 「あ~、この状態で朝まで過ごすの?」 嬉しいような、拷問のような、複雑な心境だった。 「ふぁ・・・もう朝ですの?」 右手で目を擦り、抱えている腕を抱きなおしつつ健やかな二度寝へと移行・・・いやいや待て。 抱えている腕?Why?お姉様と一緒に寝るという妄想で、ついに私頭がおかしくなったようですわね。 目をきちんと開け目の前を確認する。 なんと言うことでしょう!そこには私に腕を抱えられて困っているお姉さまの姿が! 「・・・?・・・・・・・・・へ!?」 「あ、おはよ、黒子」 「お、おはようございますお姉様。これは、どういう?私お姉さまのベッドに進入した覚えは夢の中でしか」 少し眠そうなお姉様に挨拶を返しながら疑問をぶつけてみる。 「はぁ、夢ならあるのね・・・。夜中に立ちくらみがして手をついたら、寝ぼけたあんたがしがみついたのよ」 「そ、そうでしたの。そういえば寝ている途中ですごく幸せな気分に」 その言葉に納得し、記憶を振り返った。 が、そう言った途端に何故かお姉様が俯き顔を抑えた。 「っ・・・」 「ど、どうかなされました?」 「い、いやなんでもないわよ?」 再び顔をあげた美琴は少し赤かった。 ばっと抱えていた手を離し起き上がる。 突然の動作に驚き少しのけぞるお姉様。 「な、何?」 「顔が赤いですわよ。どこかお加減でも悪いんですの?」 「いや、大丈夫だから!」 顔を近づけながら聞くと、また赤くなるお姉様。 やっぱりお風邪をひいたのでは。念のため熱を測りませんと。 「失礼しますわ、お姉様」 「へ?」 体を前に乗り出し、とんっと額をくっつける。 くっついた額から熱が伝わってくるがその温度はほぼ変わらなかった。 同じくらいですし熱はなさそ、ん?じわじわ上がっているような気が・・・? 「お姉様、やっぱり少し熱が」 「大丈夫!直ぐ普通になるから!ね!?」 そう言いながら私の両肩をぐいっと押し、離れるお姉様。 何を慌てていらっしゃるのかよくわかりませんが元気そうなので一安心ですわね。 お姉様の具合が悪いなんて心配ですから。 「わ、分かりましたから落ち着いてくださいな。まだ明け方ですので起きていない方もいらっしゃいますわ」 「あ・・・ごめん」 「いえ、しかし珍しいですわね。お姉さまがこのようなことを忘れるなんて。どうかなさいましたの?」 そう問いかけると何故か怒るような呆れるような微妙な表情を見せた。 あれ?私なにかやりましたの? 特に妙な行動をとった覚えがありませんし、どうしたんでしょう。 「なんでもないわよ。眠くなってきたから少し寝るわ」 そう言って立ち上がろうとしたお姉様の手を取り、日ごろの訓練の要領で引っ張る。 すると、綺麗にベッドの中に背中から着地した。 その上から布団をかけて思いっきり抱きついた。 あー、何て幸せな休日の始まりなんでしょう。きっと今日はラッキーデーですわ。 「眠いなら黒子のベッドでお眠りくださいな」 おまけ 「ちょ、ば、離しなさいよ!」 「いやですの」 「暑苦しいのよ!」 「では、パジャマを脱ぐということですわね!」 「誰が脱ぐか!」 「そうですか、つまり脱がせろ。と言いたいわけで」 「この変態がぁっ!」 ビリッ! 「あうっ!ふふふ、私がそれくらいで離れると思いで?」 「ちょ、あんたもしかして耐性ついた?」 「うふふふふ、愛の力ですの」 「んな訳あるかっ」 ビリリッ!! 「きゃん!!」 美琴視点版 あー、何か空が明るくなってきた。もう夜明けかしら。 でもまあ、人が起きるのにはまだ早い時間よね。 後どれくらいこの体勢なんだろう。 「ふぁ・・・もう朝ですの?」 あ、起きた。黒子早いわね。 まあ、何時も休日は私が起きるより前に絶対起きてたけど。 何時もこんな時間に起きてるとか風紀委員も大変ねえ。 黒子は寝ぼけているようで目を擦りながら私の腕を抱きなおしている。 ぼんやりと目を擦る黒子は年相応かそれ以上に幼く可愛らしい顔をしていて、 何時もの大人びた言動や寝顔とも違いちょっとどきっ、いや、してないしてない!どきっとなんかしてない! 黒子の間の抜けた声でわれに返り返事をする。 そして夢の中でベッドに進入したと聞いて軽く脱力。 寝顔を眺めていたこと等は言いたくなかったのでそれらしい言い訳をもっともらしく言ってみた。 「はぁ、夢ならあるのね・・・。夜中に立ちくらみがして手をついたら、寝ぼけたあんたがしがみついたのよ」 「そ、そうでしたの。そういえば寝ている途中ですごく幸せな気分に」 つっ、全く。頭なでたときの幸せそうな顔思い出しちゃったじゃない! あー、顔赤くなってきた。何であんな柄にもないことしちゃったかな私。 「ど、どうかなされました?」 「い、いやなんでもないわよ?」 黒子の疑問を顔をあげて慌てて打ち消す。 すると突然抱えていた私の腕を離し、起きあがった。 と、突然動くんじゃないわよ、心臓に悪い。 「な、何?」 「顔が赤いですわよ。どこかお加減でも悪いんですの?」 そんなことを言いながら顔を近づけてくる黒子。 何時ものように変態的な行動で近づいてくるわけじゃないから別に良いんだけど。 何故か、何故か心拍数が・・・・・・っ。 「いや、大丈夫だから!」 手をぶんぶん振りつつ軽く後ずさると、何を思ったのか黒子が首をかしげて何かを考えている。 そしてスッと視線をこちらに戻し 「失礼しますわ、お姉様」 「へ?」 自分の額を私のと重ね合わせた。 ・・・・・・・・・へ? 状況を把握した途端、先程とは比べ物にならないくらい顔が赤くなった。 ただ体温を測っているだけで、前に初春さんに私がやってもいるんだけど、 何故かとてつもなく羞恥心と言うか何かがこみ上げてきた。 「お姉様、やっぱり少し熱が」 「大丈夫!直ぐ普通になるから!ね!?」 あーもう! 何で何時も何時も変態行動ばっかとるくせにこういうときは何も考えずにただ私への心配だけで行動するかな! ふざけたような顔じゃなく心配そうな顔でこういうことされると調子が狂うのよ! ぐいっと黒子をベッドに押し戻しながら赤くなった顔をどうにかしようと努めるもどうにもならなかった。 「わ、分かりましたから落ち着いてくださいな。まだ明け方ですので起きていない方もいらっしゃいますわ」 「あ・・・ごめん」 確かにその通りなので声を意識して小さくする。 そんなことも忘れるなんて動揺しすぎね、私。 「いえ、しかし珍しいですわね。お姉さまがこのようなことを忘れるなんて。どうかなさいましたの?」 あんたのせいだ! 「なんでもないわよ。眠くなってきたから少し寝るわ」 ただ不思議そうにしている黒子を見て力が抜け、眠気が襲ってきたので寝ることにした。 ゆっくりとベッドに戻ろうとすると突然黒子に手をつかまれ、気がついたときには視界が反転していた。 どうやらベッドに倒されたようだと思ったときには布団に包まれ、黒子に抱きつかれていた。 「眠いなら黒子のベッドでお眠りくださいな」 そんな風に言われて怒りもわかずそうしようかなと素直に思ってしまった自分が何処かに居た気がした。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/3564.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン) 第2部 第12話 第二章(6) 8月15日 (土) 5時30分 私が着信拒否をした結果、一方通行奪還部隊の代役はアイテムに決まったらしい。 監視カメラの映像で事実として確認する。 学園都市4位の麦野沈利を中心とする女性だけの暗部。 巡洋艦の装甲を一発で貫通する粒機波形高速砲を放つ麦野を AIMストーカの滝壺がサポートし、強大な破壊力を持つ統括理事長直属の 暗部組織のひとつであるアイテム。 構成員は他に爆発物のプロであるレベル4のフレンダ、同じく レベル4で窒素装甲を有する 絹旗の計4名と統括理事会のマル秘ファイルには記載されている。 今回スキルアウトは、強力なキャパシティダウンを使用しており、能力者は半径1km以内 は正常に能力を発揮できない。脳へ直接音波を送る改良型のために耳せん程度では防ぐ ことはできない。 麦野が粒機波形高速砲を連射し、複数の遮蔽物を突き破り キャパシティダウンを破壊するのが上策だが、監視カメラの画像を見る限り キャパシティダウンに一方通行が縛られており、 攻撃すると人質の命が失われる危険があり麦野は簡単には行動できない。 これは長引くな・・・ 私は、麦茶を飲みながら嘆息する。余り体力があるとは言えない一方通行の体調も不安だ。 自分がキャパシティダウンを壊しにいけば簡単に終わるが、暗部の仕事を奪うと後が面倒だ。 ( 先に風呂でも入るか ) 私は浴槽に41度に設定した温水を入れ始める。 少し気が緩み思考が柔軟になった時にふっと気がつく。 (あれは木原・L・テレスティーナ謹製よね。キャパシティダウンの遠隔操作ソフトが どこかにあるんじゃないのかしら?) 私は研究所のクラウドにアクセスし、キャパシティダウンを解析するために入手 したOSを解析する。幾重にもロックのかかった領域を能力で解析し、遠隔強制停止 ソフトとキャパシティダウンと交信する周波数の情報を入手する。 私は遠隔強制停止ソフトを起動し、研究所のアンテナから停止信号を送る。 もくろみどおりキャパシティダウンは停止する。 (さあ・・ボランティアは終わり。麦野さん頑張って・・) さあ風呂だ。気が付けば41度の温水はほぼ満水状態。 手を伸ばし、疲れをとる。疲れ知らずの体が悲鳴を上げている。 (それにしてもな・・) ここんところ凡ミスが多い。昔経営学の本で読んだハインリッヒの法則を思い出す。 「1つの重大な事故の背後には29件の軽微な事故があり、その背景には300件の異常がある。」 こうゆう軽微な事故が重なるのはやばい。そのうち重大な事故を引き起こしそうだ。 私は41度の湯につかりながら瞑想する。事件の背景を心を無にして瞑想する。 何点が疑問点が浮かぶが明確な像を結ばない。 (まだ情報不足か・・もう少し情報を入手するか) 私はモニターに目を移し戦況をうかがう。 麦野の粒機波形高速砲が数十人はいた銃器やアタッチメントで武装した首謀者達を 粉砕する。スキルアウトは自動小銃でアイテムに抵抗するが、フレンダは陶器爆弾と 会話で翻弄し、しだいに追い詰められ、そこを絹旗の怪力で金属製の重量物を放り投げ 逃げ惑う。最後は麦野の原子崩し(粒機波形高速砲)が戦意を削ぎ、投降を始める。 麦野は首謀者らしき人物へ迫るが、突然地下室から現れたモデルケース・ファイブ・オーバ レイルガンの一斉射撃を食らう。麦野の除く3名は慌てて床に伏せなんとかしのぐ。 麦野は原子崩しを反射板を使い乱射し盾にする。絹旗が搬送機械を投げつけ 麦野を補助する。そのわずかな時間を利用し、態勢を立て直し特大の原子崩しが ファイブ・オーバに突き刺さり、射撃を停止する。 そして多少もたもたはしたが制圧は完了する。なぜか型遅れの モデルケースファイブ・オーバレイルガンが1台あったのが 気に障るがそれはあとで調べよう。 (まあ当然よね...ただあっけなさすぎるわね) 一方通行が解放されたことを確認し、モニターを切る。 表面的にはあっさり事件は解決したようだが、 なんともいえない違和感が 心の中でわだかまりとして残り続ける。 一体何だったんだ?まあいい今日のところは解決したんだから。 私は、この時点ではまだ、この件の本質には辿り着いていなかった。 「魔術という巨大な存在」が現実世界を侵蝕しつつあることを。 ・・・・・・・・・・・ さあ。。 たった2日しか入院していないのに。 あの凛々かった御坂美琴はどこにいったの? 心が寂しい。心が満たされない。無性に当麻を抱きたい。無性に当麻に抱擁されたい。 ちょっと前まで恋なんて心の病とさげすんでいたのは誰? 若干14歳で、学園都市の最先端の研究所で、ファイブ・オーバーシリーズを はじめとする、最先端の研究チームを引きいる敏腕主任研究者なんて関係ない。 統計学の学習の一環で、常盤台のお嬢さま達のこずかいを元手にそれを 幾何級数的にふくらまし、金融危機のどさくさで、食蜂と共同で、ほとんど 片手間で大財閥に比肩する富を築いたことなんて関係ない。 あの上条当麻のまえでは、私はただの恋する乙女にしかすぎない。 それは、当麻が世界の基準点たるなぞの右手を持っているから? それは、当麻が神をも殺す八龍の力を持っているから? 私は心の中で叫ぶ 「そんなの関係ない」 裸が売りの芸能人の決め台詞を頭に思い浮かべ、私再度言う。 「そんなの関係ない。] 私は当麻のまっすぐな、何者にもとらわれない。何者も恐れない、 まっすぐな、ぶれない心に惹かれたのだ。 だから・・私は決心する。何があっても、何よりも当麻とともに 生きぬくことを優先すると。 さあ御坂美琴 当麻を迎えにいくわよ。 ......... AM 9:00 当麻の病室は綺麗に整理され、退院準備は整っている。 冥土帰しの医師の腕は確かで、当麻の骨折や傷はほぼ回復している。 「当麻、迷惑かけたわね。もう2度と当麻をケガさせない」 「美琴は気にしすぎだぞ。悪りいのは頭に血が上った一方通行だ。 だけど・・美琴はすごいな。あの火球を消したんだからな・・」 「もしもプラズマ火球を消さなけば、学園都市は10万単位で死者が出た。 人工密集地で戦術核兵器に匹敵する出力で、たかが喧嘩で当麻に叩きつける 無謀さに怒りを通り越して、殺意すら覚えたわ。だから消した。」 「あれはそんなにやばかったのか?」 「ええ。あの時点で広島型の原爆の10%ほどの威力はあった。 TNT火薬1キロトンの威力になるわね。 多分火球が地面に到達するころには広島型原爆並みになったわね」 「一方通行はやばいな。ようは目的のためには手段を選ばずか」 「ええ・・しかも精神と能力のバランスがとれていない。彼は子供よ。 でもその子供は世界を滅ぼしえる力を持っている。」 「そうだな。」 「私はこの問題をうやむやにはしない。」 「力を持つものはそれに伴う責任がある。一方通行だって例外ではない。 いえ強大な力を持つ彼だからより責任は大きいわ」 「ああ・・そうだな」 「そしてそんな彼を甘やかし、スポイルした開発者の責任だって私は問うわよ」 当麻は何かに目覚めたような美琴の変貌ぶりに目を見張る。 自分の衝撃の過去を知り、吹っ切れたようだ。美琴にいままでにない オーラを感じる。美琴は淡々と話し続ける。 「その道は険しいし、敵は多い。私はそのために命だって失うかもしれない。 だけど、誰かが止めないと学園都市は・・このままではうまくいかない。 きっとダメになる。学園都市1位の私にはその方向を少しでもましな方向に 変える責務があるんじゃないかな。そう思っている。」 「美琴・・」 感情がこらえきれなくなったのだろうか。 美琴の瞼からボロボロと涙があふれでている 当麻には信じられない。あの勝気で快活な美琴が 儚げな表情を浮かべているのが。 強大な力と財力、卓抜した頭脳、 神に寵愛された少女がただの可憐な年相応の 少女にしか見えない。いつも生気と自信にみちあふれた天才少女の面影はどこにもない。 年齢の割には大きいはずの身長161cmの美琴が今日は小さく見える。 当麻は心の中でつぶやく。 (美琴てこんな華奢だったのか?) 普段は勝気な口調と、強大な能力が覆い隠しているが、こんな可憐な美少女が 学園都市の230万人の頂点に君臨する化け物なんて今は誰が想像できよう。 いったん力を振るえば世界さえ崩壊させ、そして再生できるほどの。 だけど、上条当麻は目のまえの運命の打ちひしがれる少女を放置なんてできない。 上条当麻は、美琴を見つめ、言葉を紡ぎだす。 「俺には美琴の抱えている難しい問題は正直理解できない。だけど、いくら 力があろうとも、簡単にはそれを行使しない、人を殺さない美琴の覚悟はよくわかって いる。だから一緒に無理せずやれるところから少しづつやろう。 俺は美琴を信じるし、どこまでもついていく」 当麻は、立ち上がり、美琴を優しく抱擁し、接吻する。 「美琴、俺は地獄の底までお前についていく。だから美琴は自分の好きな道を歩めば いい」 美琴は涙をぬぐい、当麻をみつめなおす。涙が鼻に入ったのだろうか 少々鼻声になりつつも言葉を発する。 「当麻ありがとう。今の私には、当麻だけが心の支えよ」 美琴は素早く心理的な再建を果たし、いつもの勝気で精彩にあふれた表情を取り戻す。 「じゃ当麻 そろそろでよう。会計は自動精算機で済ましているわ 今タクシーを呼ぶわね」 美琴はタクシーの配信サービスで手配を終え、到着時間を確認する。 「後5分くらいだから、もうでましょう」 「ああ」 2人は荷物をまとめ、エントランスへ向かう。 すでにタクシーはエントランス前のロータリーに停車し、乗車を待っている。 当麻は美琴の頭の回転の速さと日常生活での手際のよさに感心している。 万事そつなく無駄がない。当麻が普段あたふたやっている作業が流れ作業にように 何事もなく終わる。自分の不幸は、結局は自分の要領の悪さにも起因していることを いやでも悟らざろう得ない。 宿題を後回しにしない。面倒くさいことを先にやる。わからないことはわからないと はっきりさせ、とことん調べる。美琴は年下だが、学生として社会人として優れた 素質を持っている。 自分は甘えていた。自分はいつも不幸と嘆くだけで、なぞの右手を有することを 理由に、日常の努力を怠っていた。 美琴と自分を比べる。彼女は元々、幻想殺しという強大な才能のない、ただの レベル1だった。 彼女は自分の才能のなさに打ちひしがれこともなく素直に自分の足らないものを、たゆみ のない学習と、鍛錬で獲得し、ついにレベル5に上り詰めた。 その努力が、大きな事件を引き起こすが、結果的に才能のないはずの彼女は頂点へ上った。 当麻は心の中で誓う。 (もう不幸だ・・なんて自分を茶化すことはやめよう。) ・・・・・・・・ タクシーの後部座席で、美琴に密着しながら、当麻はすっかり、自信を取り戻し 眩いばかりのオーラを放つ美琴の横顔を眺める。 機嫌もよさそうだし。あの不幸な美少年を助けたい。 いまなら大丈夫だ。当麻はそう判断し、発言する。 「美琴 一方通行はどうなる?」 「さあ統括理事長しだいだけど、電極は取り外さないかもね」 「ええ?」 「あの凶暴な一方通行へ取り付けた首輪だもん、簡単にははずさないと思うわ」 「美琴・・許してやらないか」 「ごめんで済むならアンチスキルはいらないわよ」 「美琴の言うことはわかる。美琴が簡単に許せない気持ちは分かる だけど、一方通行は所詮は駒だろう?」 「当麻・・どうしたの?」 「いや・・拳を交わして思ったんだが、アイツがそう悪い奴には見えない」 美琴は、少し唖然とするが、当麻の発言の真意を5秒ほど考え苦笑いする。 そして口を開く 「最低限本人の謝罪と誠意がいるわよ」 「分かっている」 「善処はするけど保証はできないわよ。つてを使ってためしてみるわ でも本人の謝罪なしにはダメよ」 「ああ俺が一方通行に謝罪させる」 「そう・・まあいいわ。だけど金銭的な補償は別よ。」 「わかった。」 「さあ当麻ついたわ」 2人はタクシーをおり、自宅へ向かう。 「さあ、久しぶりにやろう」 「ああ」 「午後1時にうちでるから、1時間くらいかしら」 美琴は当麻と手をつなぎ、マンションのエントランスへ向かう。 (雨降って地固まるか・・当麻ありがとうね。) 2人は新婚さんがひさしぶりに再開したかようにいちゃいちゃしながら、手をつなぎあい 自宅へ入る。 美琴は満足げに寝室へ入り当麻へねだる。 「じゃ 当麻後は頼むわね」 ・・・・・・ 19:30 研究所 「所長、御無事で」 「ああすまん。御坂さんに手間をかけたファイブ・オーバシリーズ・ ロールアップおめでとう」 「ええ、開発責任者として感無量です」 「後で、竣工記念を行おう。ところで幻生先生は、留置所か?」 「ええ。ですが、保釈手続が終われば釈放されるでしょう 私のほうで 保釈手続済みです。8月末には釈放されるでしょう」 「御坂さんに朗報がある」 「一方通行の条件つき赦免が決まった」 私は当麻が一方通行を説き伏せ、事件への謝罪と反省の意を示した映像を思い出す。 そしてその映像を見て所長経由で一方通行赦免の根回しをしたのだ。 「条件?」 「御坂さんに訪英後アメリカ合衆国へ訪問してほしい」 「理事会の特命事項ですか?」 「ああそのとおり。理事会の依頼だ。 実は天井という研究員が妹達の実験データと テスタメントのOS及び、一方通行のDNAデータを 合衆国へ持ち出した。」 「はあ?天井は暗部の監視下にあったのでは?」 「実は統括理事の1名が裏切り、天井とともに訪米した。」 「私がその問題を解決しろと?天井の拘束には 米国の国家主権の問題がありますが」 「これは合衆国の国家元首とも了解済みだそうだ。」 「米国が学園都市へ要請するなど通常ならありえませんが」 「どうやら合衆国で超能力者による国家転覆計画が進行中らしい」 「なるほど。だから米国は要請したんですね。 ですが、精神系なら食蜂の専門分野では?」 「食蜂君もあとで合流する。それから何名か支援要員が合流するらしい」 「わかりました。今回は上条当麻を同行させますが、よろしいですか?」 「チームの指揮運用は御坂さんに一任されている。構わないよ。御坂さんが いないと閉店休業状態だが、研究所は私が留守番をするよ」 私は、その超能力者が魔術師だとあたりをつける。 私の力だけでは容易には解決できない事態がいよいよ到来したことを確信する。 美琴の頭にとある人物の影が浮かぶ。 米国の影の支配者オーレイ・ブルーシェイク 世界最大の複合コングロマリットの総帥。世界一の大富豪。 ふう・・アンタを追い落とすなんて わくわくするわ。 私はこの陰謀がさらなる大きな陰謀の序章にすぎないことをまだ知らない。 そしてその陰謀が何を引き起こすかもまだしらない。 だけど私には確信がある。当麻の大いなる龍の力が大きく世界を変えると。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン)
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/1437.html
【種別】 霊装 【元ネタ】 アステカの8部族の一つ、トラスカラ族における狩猟神[Mixcoatl]。 「雲の蛇」の意。また、「天の河」も意味する。 トルテカ=チチメカの伝説的指導者「セ・テクパトル・ミシュコアトル」が死後に神格化されたもの。 【初出】 とある科学の超電磁砲SS 第一話 【解説】 翼ある者の帰還が所有する、魔術を動力源とする兵器。鋼板などを使わない謎の船舶。 木で出来たカヌーを上下二つ合わせた様な形をした、全長5メートル前後の楕円形の機体をしている。 ボディ前方左右からは、布や黒曜石などで作られた大小2枚ずつの羽を下向きに生やす。 コクピットも存在し、中には謎の象形文字と数字が羅列されていた。 羽根の先端部分だけを海面につけ水を蹴るようにして時速1200キロ以上で海上を爆走し、 学芸都市のラヴィーゼ飛行隊と渡り合う。 その速度でも海面上で完璧な機体制御を行い、 細かいギザギザの軌道でのミサイルを回避や戦闘機の頭上を取る跳躍も可能。 水素系の燃焼材を使ったミサイルも搭載しており、それによる狙撃が主な攻撃手段。 緊急脱出用のハッチ、自動操縦モード、自爆装置などの機能も存在。 ただし陸上での行動は考慮されておらず、乗り上げたビーチでは虫が這うように動くのが精一杯。 自爆を図るが、美琴の操る砂鉄に捕まり超電磁砲の砲弾として射出され遠い水平線の向こうで塵となった。 消えた操縦者と、その金属部品を使わない機体による高機動性は美琴に疑問を抱かせる。
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/4.html
ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ひなこい】最強ひな写ランキング - ひなこい攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - ヨコハマ経済新聞 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトの評価と性能詳細【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ガーディアンテイルズ】ギルドレイド戦(秘密の研究所)の攻略とおすすめキャラ【ガデテル】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ” - 沖縄タイムス 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】アップデート情報・キャラ調整まとめ - ポケモンユナイト攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex】シーズン11の新要素と最新情報まとめ【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) ロストジャッジメント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Among us】新マップThe Airship(エアシップ)の解説【アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) ハーネスについて小児科医の立場から考える(坂本昌彦) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ゼルダ無双攻略Wiki|厄災の黙示録 - AppMedia(アップメディア) ウマ娘攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) ゲトメア(ゲートオブナイトメア)攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【白夜極光】リセマラ当たりランキング - 白夜 極光 wiki - Gamerch(ゲーマチ) お蔵入りとなった幻の『スーパーマリオ』 オランダの博物館でプレイ可能?(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「ITreview Best Software in Japan 2021」のTOP50に選出 - PR TIMES 真女神転生5攻略Wiki|メガテン5 - AppMedia(アップメディア) 【B4B】近接ビルドデッキにおすすめのカード【back4blood】 - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンスナップ攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 富野由悠季「ブレンパワード」作り直したい!ファンを前に意欲(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ウマ娘】査定効率から見た取るべきスキルとおすすめキャラ【プリティーダービー】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】カズヤの評価とコンボ【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) ナレッジ共有・社内wiki「NotePM」が「ITreview Grid Award 2021 Fall」で、チームコラボレーションとマニュアル作成部門において「Leader」を5期連続でW受賞! - PR TIMES メモ・ドキュメント・wiki・プロジェクト管理などオールインワンのワークスペース「Notion」が日本語ベータ版提供開始 - TechCrunch Japan 【ギアジェネ】リセマラ当たりランキング【コードギアス】 - ギアジェネ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンスターファーム2(MF2)攻略wiki|アプリ・Switch移植版 - AppMedia(アップメディア) 【ブラサジ】最強キャラTierランキング【ブラックサージナイト】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】鬼滅の刃コラボ情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【SPAJAM2021】第3回予選大会は「クイズ!WIKIにゃんず!」を開発したチーム「かよちゃんず」が最優秀賞! | gamebiz - SocialGameInfo 検索結果における「ナレッジパネル」の役割とは・・・ウィキメディア財団とDuckDuckGoの共同調査 - Media Innovation ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「BOXIL SaaS AWARD 2021 Autumn」にて「コラボレーション部門」を受賞! - PR TIMES 【ポケモンユナイト】カメックスの評価と立ち回り【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) Wikipediaが「中国人編集者の身の安全を守るため」に一部の編集者アカウントをBANに - GIGAZINE 【ドッカンバトル】3.5億ダウンロードキャンペーン最新情報 - ドッカンバトル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) BTS(防弾少年団)のV、8月のWikipedia閲覧数が韓国アーティストで1位!グループでは4ヶ月連続トップ - Kstyle 【イース6オンライン】リセマラ当たりランキング|召喚ガチャの開放条件は? - Gamerch(ゲーマチ) BacklogからNotePMへwiki情報を自動API連携する「Backlog to NotePM」をSaaStainerに掲載開始 - PR TIMES ライザのアトリエ2攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) 真女神転生3リマスター攻略Wiki|メガテン3 - AppMedia(アップメディア) タスクも文書もWikiもデータベースもまとめて管理できる「Notion」とは? - ASCII.jp ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が、見るだけ専用ユーザー『無料』の新プランを発表! - PR TIMES 【かのぱず】リセマラ当たりランキング【彼女お借りします】 - Gamerch(ゲーマチ) 【乃木フラ】リセマラの必要はある?【乃木坂的フラクタル】 - Gamerch(ゲーマチ) メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】生放送まとめ|パワフェス2021 - パワプロ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ルーンファクトリー5攻略wiki|ルンファク5 - AppMedia(アップメディア) シャーマンキングふんばりクロニクル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 簡単操作で自分専用Wikiを構築できるMarkdownエディタ「Obsidian」のモバイル版を使ってみた - GIGAZINE ディーサイドトロイメライ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 情報マネジメントツール「Huddler」がwiki機能を刷新 - PR TIMES シェアエコ配送アプリ「DIAq(ダイヤク)」のアンカーアプリで、高層ビル・商業施設の入館方法などお役立ち情報をまとめた「DIAqwiki」を公開 - アットプレス(プレスリリース) 異常熱波のカナダで49.6度、いま北米で起きていること(森さやか) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ツイステ】マスターシェフの攻略~辛味のふるさと~【料理イベント】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ラグナロクオリジン】リセマラは不要?おすすめ職業は?【ラグオリ】 - Gamerch(ゲーマチ) 白夜極光攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【バイオミュータント】2.02アプデ|アップデート1.4情報 - バイオミュータント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ニーアレプリカントリメイク攻略wiki|ver.1.22 - AppMedia(アップメディア) 【ウマ娘】ゴルシウィークはいつから?キャンペーン情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) シーズン66 - 【超速GP】ミニ四駆 超速グランプリ攻略まとめwiki - 電撃オンライン 乃木坂的フラクタル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 「こんなことになるとは…」13年前のエイプリルフールについた“嘘”がネットで… ある男の告白(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ウマ娘】DMM版のデータ連携のやり方とメリット【プリティーダービー】 - Gamerch(ゲーマチ) 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki)「Nerve」シードラウンドで総額約3500万円の資金調達を実施 - PR TIMES Nerve - 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki) ローンチカスタマー募集開始のお知らせ - PR TIMES パニシンググレイレイヴン(パニグレ)攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 稲作アクションRPG『天穂のサクナヒメ』における「農林水産省攻略wiki説」は本当なのか? - AUTOMATON スタスマ攻略Wiki【スタースマッシュ】 - Gamerch(ゲーマチ) 無料とは思えない多機能っぷりなWikiインフラ「Wiki.js」レビュー、自前でホスト&外部サービスと連携可能 - GIGAZINE Microsoft Teamsの基本と活用(24) TeamsのWikiを使う - マイナビニュース 『ゲーミングお嬢様』での提起が話題に “企業系wiki”に横たわる問題点とは - リアルサウンド 「エイリアンのたまご」,自動周回機能と公式wikiが登場 - 4Gamer.net 【リゼロス】Re ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories攻略まとめwiki - 電撃オンライン 【世界初!】モノの背景を全方位で執筆できるVintage Wiki「VOV」を正式リリース - PR TIMES 足もとのベストアンサーを“編集”! Wikiペディキュア! - ビューティ特集 | SPUR - SPUR.JP パワプロ2021/2020攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ヌーラボ、「Backlog」の絵文字入力の補完機能やWiki編集の自動マージ機能を改善 - CodeZine(コードジン) ヌーラボ、プロジェクト管理ツール「Backlog」の絵文字入力の補完機能・Wiki編集の自動マージ機能を修正改善 - PR TIMES アサルトリリィ Last Bullet 攻略Wiki【ラスバレ】 - Gamerch(ゲーマチ) SHOW BY ROCK!! Fes A Live攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) Backlog、Wikiにファイル添付が容易にできる機能をリリース -- グローバルバーの視認性改善なども実施 - PR TIMES GK川島、パンチング失点でWiki書き換え炎上 「セネガル代表」「プロボクサー」... - J-CASTニュース Wikipediaで「ヒト」を象徴する画像が、タイの男女に決まるまで 5年の激論を経て選ばれた「1枚」の物語 - WIRED.jp
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/77.html
【一杯の拉麺】ア・ボウル・オブ・ラーメン この時間ではとてもどこのスーパーも無理だ。 白井さんにいきなり押し付けられた デスクワークのお陰でとっぷり夜も更けてしまった。 ヒトに押し付けて白井さんが何をしてたかといえば、 初春「出動のたびにボロボロになるって、まるで特●2課の2号機みたいですよね」 黒子「可憐でエレガントな美少女を捕まえて、重機械よばわりしないでくださります?」 で、ついでに戻ってきた白井さんの手当ても含めてこんな時間になってしまった。 春上さん、おなかすかせてるだろうなあ・・・ そう考えているとメールが入ってくる ===================================== 【件名】つき合わせてしまって申し訳ありませんですの 【本文】 春上さんを養わなければならないなら、 こちらのラーメン店などいかがでしょう? ラーメンタンメン僕イケメン- 初春の家からも程近いですし。 お勧めはニンニクドリアンラーメン、 お姉さまは特盛り替え玉5個を召し上がるほど 絶賛してましたわ。 【添付ファイル】位置情報0001 ====================================== 白井さん、ありがとう。でも替え玉5個って何処に入っていったんでしょう? ~~~~~~~~~~~~~~~ 初春「・・・・・・あ、あ、あのぉ春上さん?」 春上「・・・・なに?」 これだけは聞いておきたい。なぜなら、「ラーメン食べに行きましょう!」 そう言ったときに、かすかに、本当にかすかに、春上さんの表情が曇ったから。 初春「あの、・・・ラーメン、苦手とかそういうの大丈夫かなって・・・」 返事がイエスなら、迷わずファミレスにでも切り替えよう。 春上「・・・・施設にいたとき、ラーメンっていうものをときどき食べたことがあるの・・・」 初春「・・・・・・・・」 春上「スチロールのコップにはいってて、・・・ぬるくて、かたくてなんだか・・・ あまりおいしくなかったの・・・」 やり場のない怒りがこみ上げてくる。 「施設」にいたとき、春上さん達は適当な即席ラーメンを、 さらに手抜きに過ぎる調理でおざなりに与えられていたのだ。 【チャイルドエラー】【置き去り】 その言葉の意味とその子供達の境遇を思ったとき、 胸に苦いものがこみ上げる。 では、今日この瞬間、目の前にいる春上さんにしてあげられることは何だろう。 嫌な思い出のラーメンを避け、別の食事を選ぶのか・・・? 悩んだ結果は、前向きに「NO」だ。 初春「春上さん・・・じゃあ、”あったかくておいしいラーメンを食べに行きましょう!”」 春上「?・・・うん・・・」 初春「だいじょーぶです!御坂さんなんて、5杯くらいおかわりしたそうですよ! ほんっと、何処にそんなに入っていくのかって感じですけど♪」 春上「・・・うんっ・・・」 ようやく微笑んでくれた。 ======================================== 店員「へいらっしゃいせぇー!」 春上「ラーメン屋さん・・・っていうの?」 初春「はい、色々な雰囲気や味のお店があって、それを比べてみるのもまた楽しいのですよ」 カウンター席を取り、メニューを見ながら品定めする。 やはりここは白井さんの薦めにしたがっておきましょうか? 店員「へい兄ちゃん、バナナチャーシュー並盛りお待ちぃッ!」 初春「え、えぇ・・・?」 わたしは大誤算に気が付いた。 並盛りという掛け声と共に隣の学生さんに渡されたそれは、 私の知っているラーメンどんぶりのスケールを大きく超えていた。 男子の学生さんで一抱えはあるだろうか。 初春「(あ、あれは・・さすがに食べきれないです・・!)」 店員「へぇい、ウニナマコラーメン特盛りお待ちッ!!」 ちなみにその特盛りとやらのどんぶりは、私の目には どう見ても中華ナベと大差ない代物だった。 メニューを見ても、「お子様向け」「ミニ」といった文字は見当たらない。 春上さんがいくら食いしんぼといったって、そんなに大食できるわけではない。 喧嘩上等的肉体派の白井さんや御坂さんならいざしらず。 初春「(白井さん・・・薦めてくれたのはいいですけど、もう少し考えてほしかったです・・) それにしても、ほんとうに御坂さんはあのどんぶり5玉を何処にどう収めたのだろう、 レベル5とは大食いレベルのコトじゃなかったと思うのですが・・・。 ======================================= 黒子「(あっ・・・そういえば量のコトを忘れてましたの・・ま、いいでしょ)」 美琴「ぶぇーっくしょ!うぅ~、さっきからくしゃみ連発よ、風邪ひいたかしら?」 黒子「お姉様が風邪をひかれる事はまずないでしょうが・・・その、オヤジくさいクシャミはなんとかなりませんの・・?」 美琴「馬鹿って言いたいんじゃないでしょうね・・?」 大体あってます。 ======================================= 店長「お嬢さん!量にびっくりしちゃったかい!」 初春「え、あ、あのぅ・・・」 店長「実は別に小さいのも作ってやれるけどさ、それよりお二人さんで 半分こすればいいよ!そのほうが値段もお得だしどうだい!」 初春「え、ええ、そのぉ・・・!」 春上「わたしは・・それでだいじょうぶなの。」 初春「え、え、えぇえええ・・・!////」 ========================================= と、いうわけで私と春上さんは、二人して ニンニクドリアンラーメンの器を顔を寄せ合ってすすっている。 春上さんは、ちゃんとしたラーメンなんて初めてなのか、 そもそもラーメン自体慣れていないのか、 まるで始めての創作料理でも見るようなキラキラした目で ラーメンをほお張っている。 ただ、どうしてもまだ不器用なのか、うまく麺をつかめないのか、 食べるペースはゆっくりだ。 でも、大丈夫。こんなときこそ私の能力の出番。 ラーメンがずっと、暖かいままにあるよう、定温保持-サーマルハンド-を、 添えたままの左手でかけておく。 初春「おいしいですか・・・?」 春上「・・・うんっ♪」もぐもぐもぐ やっと、「暖かくおいしいラーメン」を食べさせてあげられた、 そのことにちょっと安堵する。 春上さんは、おっとりのんびりしているけど、決して頭が悪いとかそういったことはなさそう。 むしろ教えたコトはどんどん吸収するみたいだ。 彼女に足りないのは、知恵じゃなく、知識。 わたしたち、普通の子供達が当たり前に見てきた、遊園地や、花火、ゲーム、 テレビアニメ、海、山、スポーツ、おしゃれ・・・ そういったモノをほとんど与えられることなく、ただの「お荷物」として 取り扱われてきた境遇を何度も聞かされた。 でも、今は、違う。 いま、御坂さんがいて、白井さんがいて、・・・佐天さんがいて、 わたしがルームメイトで暮らしていて・・・。 だから、わたしたちが見せてあげればいい。 おしゃれな服とかも一緒に見に行こう。 それに、佐天さんなら今風の曲とか流行りモノに敏感だから、 そういったものにも触れさせてあげよう。 あ、でも佐天さんのことだから、またエッチな下着を薦めてきたり、 あと、あの、ヘンな、佐天さんがしょっちゅう見るような、その、えっちっちいサイトを教えたりしないように、 わたしがちゃーんと見張っておかなくちゃ。 ====================================== 佐天「へっくし!えぇと、zipでくれ、と。」カタカタ ====================================== そうやって・・・春上さんが、いつか大人になるまで・・・ 色んなものを、できるだけ、たくさん見せてあげたいな・・・。 春上「・・・どうしたの?」 初春「・・・ふぇ?あれ?」 どうやら、夢想にふけっている間、手が止まってしまっていたようだ。 いけないいけない。 初春「・・・あ、な、なんでもないですよ!ちょっと、考え事!はははっ」 春上「・・・考え事・・・。なんだかちょっと楽しそうだったの。にこにこ笑っていたの。」 けっほけほっ、けほっ。けほっ。 春上「・・・??だいじょうぶなの?」 初春「ら、けほ、だいじょーぶですよ、ちょっとむせただけです! 春上さん、いーっぱい食べてくださいね。」 春上「・・・うん♪」 なぜだか涙がこみ上げてきた、これはきっと、 のどに入ったコショウのせいだ・・・うん、そういうコトにしておこう。 【fin】
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/10.html
関連ブログ @wikiのwikiモードでは #bf(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するブログ一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_161_ja.html たとえば、#bf(ゲーム)と入力すると以下のように表示されます。 #bf
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3257.html
【種別】 人名 【初出】 とある科学の一方通行 第一話 名前やパーソナリティは第三話 【CV】 渡部 紗弓 【解説】 二之腕高校1年の女子生徒。 レベル2の『発火能力』を所持する。 何らかの事情で精神的に追い詰められ、川に飛び込み自殺を図った。 しかし一度は心肺停止状態に陥ったものの、『DA』が用意した救急車の中で蘇生。 能力が戦闘向きなことと「自殺をという悪を犯した罪人」という『DA』の判断基準から、 素体として利用するため、呼吸器を通して大量の水を注入され溺死させられた。 その後、遺体は『棺桶』のプロトタイプに組み込まれて利用された。 レベル4相当の『発火能力』を操って見せたが、一方通行によって一蹴。 機体を破壊され、コックピットから投げ出されたところを回収された。 『警備員』の依頼で死体を確認したカエル顔の医者によれば、 防腐処理されて見た目は綺麗だが、それ以外は死後二日の普通の遺体だったとのこと。 ただし口に護符の様な物が含まれており、 それを見たエステルは低位の霊格の札と推測。 遺体は死霊術により霊的回路が開いたままで、 このままでは墓に埋めても這い出してくるような状態だったという。 エステルは彼女の霊的回路を閉じ、 正しく「終わらせる」ための処置として、「偽りの魂」である『禍斗』を憑依させた。 処置が終わり次第、術式を解除する予定だったが、 禍斗を定着させた直後に遺体を処分するために潜入した『DA』と遭遇。 エステルを守るために『禍斗』として再起動し、その力を振るうことになる。
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/64.html
「ちっとばかし二人で話したいことがあります。この部屋には誰も入らねえでください」 私、アニェーゼ=サンクティスは、部隊の皆にそんな指示を出すと、オルソラを連れて個室に入った。 アニェーゼ部隊の面々は私とオルソラの仲をよく知っている。 なぜ人払いを、などとたずねてくる野暮な者は一人もいなかった。 「ったく、手間かけさせねえでくれませんかね」 そう言って私は霊装に拘束されたオルソラを突き飛ばす。 彼女はバランスを崩して床に倒れ込んだ。 「シスター・アニェーゼ……私は……、うっ!?」 腹に蹴りを入れてオルソラの言葉を遮る。 「言っておきますがね、先に裏切ったのはあなたの方なんですよ」 「……」 「もともと私は、こんな風にあなたを足蹴にするつもりなんてなかった。 ううん、あなたが望むなら、組織を離反してでも……」 ローマ正教の教え自体は教団から離れても貫ける。 たとえ追われる身となろうと、オルソラと主さえいれば他に何もいらないと思っていた。 「なのになのになのに! どうして私の元から逃げた! どうしてよりによって異教徒なんかを頼った!」 「……」 「信じてた! 私はあなたを微塵も疑わなかった! なのにどうして!」 「私は怖かったのでございます」 「そんなに死ぬのが怖かったんですか? はっ、死後が怖いとは信心不足もいいところですね」 「確かに、死が怖くないと言えば嘘になります。 ですが私が一番恐れたのは、あなたまで私のように……」 ああ、そうか。 オルソラは私を巻き込むのが嫌だったんだ。 そういう考え方はよーく分かる。 そう、嫌というほどに―――。 「目を閉じてください」 オルソラは素直に目をつむった。 私はしゃがみこみ、彼女の唇に自分の唇を近付け……、寸前で思いとどまった。 そして無言で立ち上がると、オルソラの腹に思い切り靴の先をめり込ませた。 「がふっ!? け、けほっ、けほっ!」 「これがアニェーゼ部隊のリーダーからのあなたに対する答えです」 今の私は約200人を率いる立場にある。 そんな私が任務中に不穏な動きをとればあの子達まで巻き込みかねない。 (大好きでしたよ、シスター・オルソラ) だからアニェーゼ=サンクティス一個人としての甘い答えは、そっと胸の奥に封じ込めた。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/86.html
PPPPPPPPPPPPPPP PPPPPPPPPPPPPPP 黒「はい、・・・はい、わかりました。近くにいますので急行します。」 初「白井さん、事件ですか!」 黒「12学区で乱闘事件ですの、初春、サポート頼みますよ。あ、お代はこれでお願いしますの!」ダダダ 初「あ、そういうことですので、失礼します!あの、お金、」あたふた 佐「だいじょうぶ、立て替えておくよ!利子3倍で!」 初「すごく理不尽ですぅ!あ、失礼しまーす!」どたどたどた 御「気をつけてね・・・!」 佐「・・・。」 御「・・・・・。」 佐「・・・・・・・・。」 御「・・・・・・・・・・・・・。」 佐「あ、」御「え、」 うわぁ、気まずい。しかも御坂さんとタイミングかぶちゃったし。 御「あ、・・・佐天さんお先どうぞ!」 佐「い、いえいえ御坂さんこそ」 御「・・・・・・・・」 佐「・・・・・・・・」 御佐「「あのぉ、ちょっとお話が」」「したいなぁって」「あるんですよ」 う・・ほんとうにどうしよう、この空気。初春かむばーっく・・・。 ~【-Vender Striker- 販機蹴手】~ どうすりゃいいんだ、「公園でも散歩しませんか?」ってどこの デート初心者だよわたし。 うん、そりゃ御坂さんと腹割ってお話するには人目のあるファミレスじゃ 具合が悪いのはわかってるけど、だからって 「あ、あの、別にヘンな意味じゃないですから!そういう意味じゃないですから!」 はないだろう・・・どこのツンデレキャラだよ自分は。 というわけで、会話も無く目もあわせず、 公園をブラブラするわたしと御坂さん。 ああ、どこかから猫でも飛び出してきて会話のきっかけでもできないかなぁ。 …却下。御坂さんは電磁波を出していて動物には寄り付かれないからそんなチャンスは無い。 この際幽霊でも強盗でもいいから出てきてほしい… ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ほんとうにどうしよう。真剣な顔の佐天さんに「公園でも散歩しませんか?」って 言われてなすがままにいっしょに歩いてるけど、 会話のきっかけもつかめない。 ちらりちらりと佐天さんの横顔をのぞくけれど、 困っていることぐらいしか表情から読み取れない。 …あの、AIMバーストの核から聞こえてきた 佐天さんの声が、いまでも耳から離れないままだ。 確かに、あのとき聞こえてきた声は、私を責めていた。 直接にそうは言っていない、でも。 高いトコロにいる人にはわからない、 少なくとも、私にはそう届いた。 あのときの事は、佐天さんは覚えているのだろうか。 そちらはともかくとしても、もうひとつ、私の無責任に放った言葉を、 佐天さんは忘れもしないだろうし・・・ 赦してもくれないかもしれない・・ ”レベルなんて、どうでもいいことじゃない。” 金持ち喧嘩せず、などとは良くいったものだ。 持たざる者の不幸を、理解しない持つ者だけが放てる無責任な言葉。 真意は測りかねるけど・・・佐天さんは、 そのときの言葉を責めるつもりなのだろうか。 そのとき、わたしには反論の余地なんてこれっぽっちもない。 こんな空っぽな頭でよければ、いくらでも下げる。 赦してもらおうなんて、ずいぶん都合のいい考えだろうけど・・・。 ~~~~~~~~~~~~~ 本当に困った、マジで切り出せない。 御坂さんは御坂さんで何か言いたいことはあるんだろうけど、 わたしが話を始めるきっかけを見失っているように、御坂さんも 糸口に困っているっぽい。 だれか、ここにちょっとしたきっかけでいいからください。 !・・・あった。 佐「み、みっ御坂さん、じジュースでも飲みません!!」 そういえば、もう訳の分からない緊張でのどはからからだ。 御「あ、そそそうね、わたしものど渇いちゃったし!!」 御坂さんも安堵の表情になった。 やっぱりきっかけを探していたみたいだ。 ~~~~~~~~~~~~~ 佐「あれー?・・・出てこないし。お金入れたのに・・・」 見るからにぼろっちい自販機。どうやらいつも通りにコインだけ飲み込んだらしい。 だが、奥の手がわたしには残っているのよ佐天さん。 御「佐天さん・・・えーと、自分の飲みたいもののボタンを押しといてもらえるかな?」 佐「へ?・・・あ、はい・・・」 角度60度、高さはこのへん、・・・ 御「ちょいやぁーーーー!!」どがしゃあ! ~~~~~~~~~~~~~ 御坂さんに言われるままにゴーヤレモンのボタンを押してみる。 唐突に片足を高々と上げる御坂さん、あ残念、下はやはり短パンかぁ。 御「ちょいやぁーーーー!!」どがしゃあ! 自販機がぶっ壊れる勢いでハイキックをかます御坂さん。 ボタンを押している指にはっきりと衝撃が伝わってくる。 あのぉ、常盤台のお嬢様がそれはどうかって・・・ がっしゃん。 って、えええええええええええ・・・ きっちりと、ゴーヤレモンが一本取り出し口に降ってきた。 そういえば、自販機の赤い筐体は、見るも無残にぼこぼこにたたかれている。 いまクリーンヒットした、まさにそこが。 御坂さん、まさかコレあなた一人で・・・? ~~~~~~~~~~~~~ 御「てぇありゃぁあーーーーーーーーーーーーーッ!」ばっこぉおおん!! うん、われながらほれぼれするほどキレイに入ったね。 がっしゃん。 御「よっし、今日もいいヒット!」ぱしゅっ 佐「あのー・・・御坂・・・さん?」 佐天さんがおずおずと尋ねてくるのを横目に、 とりあえずカレーサイダーをのどに流し込む。 御「んー?なに?」ごっきゅごっきゅ 佐「もしかして・・・毎回、こんなふうにジュース買ってるんですか?」 ぶはっ ~~~~~~~~~~~~~ あ、こりゃ盛大にジュース噴いたなぁ。図星を突いちゃったみたいだ。 御「・・・けっほ!けほ!こほっ!あ、あの、違うーヨ!私じゃなイーから。」 佐「いやぁ、御坂さんがヒットしたポイントばっかり、 見事に集中して凹んでるじゃないですか。あからさまにカタコトですし?」 ばふっ あくまで自然体の笑顔でボッコボコになった鉄板を指してみると、てき面に噴く御坂さん。面白いなぁ。 佐「あ、ごめんなさい図星みたいd 御「イヤ違ーウヨ!ホラ!コノアイーダ都市伝説デサ!60度ノ角度デ蹴飛バシターラ 出テクール自販機ッテアッタカラーサ!ネットデ見ーテソノ、ミンーナ蹴ッタンダーヨ!!」 やばい面白すぎる。カタコトの御坂さん面白すぎ。 佐「ほっほォ、毎日20サイト近い都市伝説ウェブを巡回しているわたしが まだ知らないネタがあったンですかァ?」ニヤニヤ 御「・・・・・嘘つきましたごめんなさい」 ごきん。 ~~~~~~~~~~~~~ 御「あ、そ、それより今ヘンな音しなかったかな!!」 とりあえずなんとか話題を逸らしてみる。 佐「ヘンな音ー?実は御坂さんが自販機にとどめさしちゃったとかじゃないですか?なーんて☆」 失敗。っていうかさらに墓穴を掘ったかも。 がきん、がちん。 佐「・・・・なーん、て」 がき。めき。がちゃがちばきん。 御「なーんて・・・。」 ばっきん☆ 佐「まさか、ね」 がらがらがらごんがらがらがらがらがらがらごろごろごろごろごろごろーーーーー 一気に中の缶ジュースを大量に排出する自販機。 なぜかわたしはゲーセンのメダルゲームの大当たりがこんな感じだな、ってぼんやりと連想する。 がらごろごろごろごろ ぴーっ!ぴーっ!ぴーっ!ぴーっ! あたり一面が色とりどりの缶に埋め尽くされ、けたたましい防犯装置のブザーが響く。 こういうときは昔の格言に頼ろう。 「・・・自販機アラシノ・・・タダチニ・・・」 三十六計逃げるに如かず、だっけ。 向こうから警備ロボットの音までしてきたし。 御「佐天さん?」(にっこり) 佐「はい?」(ひきつり笑顔) 御「走るよ!」ぐいっ 佐「え、あのちょ、待っ!!うわわ!!!!」 わたしは佐天さんの手をとると、そのまま全速力でダッシュした。 ~~~~~~~~~~~~~ 御「このへんまでくれば大丈夫ね・・・公園の反対側だし。」 佐「もー、・・・はあ、はあ、勘弁してくださいよー・・・はあ、はあ、」 警備ロボットの視界から外れるまで走ったあげく、二人してベンチで休憩。 御「ごめんごめん、でもあのままだと捕まっちゃうし」 佐「・・・ぷふ、ふふふ、あはははは!」 突然笑い出す佐天さん。 御「な、なによ!わ、悪かったわね!!」 佐「いやー、ごめんなさい、はは、いやそれにしても御坂さんいいなぁ、すごくキャラいい!」 うぐ、わたしは一応上級生だぞ。 御「・・ど、どういう意味よ、もう!」 佐「だぁってー、ふつうに考えたらありえなくないですか!? 常盤台のお嬢様がガンガン蹴飛ばしてて、ぶっ壊して逃走って!」 御「いやわたし別にお嬢様とか意識してないし・・・」 佐「ごめんなさい、でもヘンな意味じゃないですけど、なんつーか、 こういうのギャップ萌えっていうんですかね、ほんといいキャラだなぁって。」 御「あ、はぁ・・・」 萌えられてしまってもその、なんだ、困る。黒子だけで手一杯だあたし。 佐「あの、気を悪くしないでくださいよ。わたしは御坂さんに逢うまで、常盤台のお嬢様って おーっほっほっほとかいう風に笑って常に扇子で顔を覆ってるようなイメージとかあったんですよ」 ぶはっ。 御「けほ、けほ、・・・知り合いに一人そんなステレオタイプがいるけどね。」 それにしても今日はわたし何度噴けば許されるんだ。 佐「ええ!やっぱりそういう人もいるんですか?」 御「あー・・・頭は残念気味だけどね」 ~~~~~~~~~~~~~ 婚「・・・えっきしぃ!風邪かしら・・・」 湾「大丈夫ですか? (あなたに限ってまず風邪はありえないですけどね。それにしても これは看病イベントのフラグを無理矢理立てるべきところかしら)」 泡「無理なさらないでお休みしたほうが・・・ (・・・もしかしたら、ココはお互い裸で暖め合うという 絶好のチャンスかもしれませんフフフフ)」 婚「・・・・うう、寒気までしてきましたわぁ」 ~~~~~~~~~~~~~ 「しっかし、御坂さんはほんと真反対ですよね、ほんと初めてあったときから」 「そうそう、クレープ屋さんでゲコ太ストラップくれたんだっけね。今でもつけてるんだよ。」 携帯を取り出して、あのときのストラップを見せる御坂さん。 「でもまたかわいらしいの集めてますねぇ」ニヤニヤ 何しろゲコ太グッズばかり10個はじゃらじゃらとぶら下がっているのだから。 ”おこちゃま趣味”っていう白井さん同様の評価は胸にしまっておこう。 「い、いいじゃないの!可愛いんだから!」 いやあ、御坂さんは実にツッコミがいがあるなぁ。ホントいい。 しかし、せっかくほぐれた空気な上、わたしのペースだ。いましかチャンスがない。 佐「それでですね、御坂さん・・・」 意を決して、本題を切り出そうとするわたしを、 御「・・・待って!」 御坂さんがさえぎった、痛みを伴った顔で。 ~~~~~~~~~~~~~ 佐天さん、ごめん。ここは長幼の序に頼らせてもらう。 御「・・・あの、ごめん。わたしから・・・先に話させてもらっていいかな?」 佐「・・・はい、いいですよ」 微笑みとともに佐天さんは認めてくれた。 御「・・・・あのさ、・・・いつか、そう、佐天さんが帰り道に御守りを見せてくれたことがあったよね・・・」 胸の奥から苦い想いがこみ上げてくる。 ちらっと横目で見た佐天さんは、かすかな微笑みのまま、黙って聞いてくれている。 御「そのとき、佐天さんにひとつ、わたし、ひどいこと・・・言ったよね・・・。」 ひとつひとつ、言葉を搾り出す。 御「”レベルなんて、どうでもいいことじゃない”って・・・うん、ほんとうに、わたし、わかってなかった。」 御「ハードルがあれば飛び越えればいいじゃないって思うのは、 飛び越えたわたしだから言えた話でさ・・・ どうしたって飛び越えられない人も、 飛べなくてあきらめちゃう人だっているんだって・・・ そんな簡単なことを、わかってあげられなかった。」 自然と早口になりそうになる。てのひらがひどく汗ばんできた。 佐天さんは、そのまま、黙ってきいてくれている。 御「あの少しあと、だったよね。佐天さんがレベルアッパー使って倒れたのは・・・。」 御「天狗のバカだよね、あたし。目の前にいたはずの友達がそんな事になるまで苦しんでいたのに・・ 大変な事になるまで気づいてあげられなかったんだから。」 御「・・・何がレベル5、常盤台一位よ・・・中身はただの無神経女じゃないかって。」 自分の腹をえぐるような想いを吐き出すと、 目頭にうっすらなにかがこみ上げてきた。 でもここは、泣けばいいってもんじゃないだろう。 その前にやるべき事が、とるべきケジメがあるだろう。 がたっ。 わたしは、意を決してベンチから立ち上がり、佐天さんの正面に回る。 佐「あ・・・御坂さん?」 がばっ。 御「佐天さん、ほんとうにごめん。無神経なことを言って、佐天さんを傷つけて・・・」 90度以上、深々と会釈。いっそ土下座でもよかったのかもしれない。 御「佐天さんが倒れるまで、何もわかってあげられなかった! 許してほしいなんてずうずうしいことはいわないけど・・・!」 佐「御・・・坂さ・・ん」 御「・・・なんだったらぶん殴ってもいいよ、それで佐天さんの気持ちが少しでも晴れるなら・・」 ~~~~~~~~~~~~~ 違うんだ、違うよ御坂さん。 わたしが求めているのはそんなことじゃない。 佐「御坂さん・・・いいですから。とりあえず、・・顔をあげてくださいよ」 わたしもベンチから立ち上がる、 顔を上げた御坂さんの顔は紅潮して、明らかに目が赤くなっていた。 わたしはここでどうすべきだろうか、と5秒考えて、わたしは、 手のひらで、御坂さんのほほを・・・ ~~~~~~~~~~~~~ ぺち。 佐天さんの手のひらが、私のほほに当たった。 しかしこれはビンタとは言わない。ビンタくらいは覚悟していたけど、 御「・・・うみょっ?」 これはほっぺを押されているっていったほうが正しい。両手で。 御「ふぁてんさん、あにょ、なにを?」ぐいっ。 そのまま、顔を持ち上げられてしまう。 佐「・・・御坂さん。あの、違うんですよ。そうじゃないんです。」 違う?何が違うんだろうか・・・ 手を離すと、わたしをまっすぐ見すえて 佐「わたしは、そんなにうじうじ自分を責めている御坂さんとか見たくないんです!」 そう言った、佐天さんの紺緑の目は、ものすごくまっすぐで。 だから、なんだろう、わたしの中に佐天さんの言葉もまっすぐ入ってきた、そんな気がした。 佐「御坂さん・・・倒れるちょっと前にですね、初春に言われて、すごく助けられたことがあるんですよ」 佐「”能力なんてなくたって、佐天さんは佐天さんです”って・・・。 バカなのはわたしです、レベルにこだわって、大切なものをぶち壊しにしそうになって、 周りのみんなが、そのためにボロボロになって・・・」 御「佐天さん・・・・・」 佐「なんていうか、そもそも自分って何よ?みたいなガラにもなく哲学みたいなことを思ったりしたんですよ」 佐「・・・ま、結局行き着いたのは初春の言ったまんまなんですけどね・・・、だから・・・」 佐「御坂さんは御坂さんでいてくださいよ!」 御「佐天、さん・・・・・・」 佐「・・・空気読めないわたしだってさすがにわかりますよ、 レベルアッパー事件のあと、わたしとお話しづらいような御坂さんは・・・だから、」 佐「悩みなんかないみたいにいっつも前向きで! なにかあっても電撃でドバーーーって吹っ飛ばして! 自販機蹴っ飛ばしたり、キレて電撃かましたりする、 ゲコ太大好き、そんな御坂さんで!」 御「・・・・・・・もう、自販機はやめてよ・・・ふふっ」 佐「いーじゃないですか!それも御坂さんの個性ですよ! …だから、・・・だからそんな御坂さんらしくない姿、しないでください・・・」 御「・・わたしは、・・・わたし・・・らしく・・・か。・・・うん、・・・。」 佐「御坂さんのね、なんていうか・・・やっぱりそんな御坂さんのいいところがなくなっちゃうのは、 なんだろう・・・さびしいじゃないですか、単純に。」 御「・・・。ごめん、・・・ありがとう、佐天さん・・!」 佐「・・・!よっし!これであたしは言いたいことは言ってすっきりしました! 御坂さん、・・・おーけー?」 御「・・・ふふ、・・・ありがとう、佐天さん。・・・ほんとうに、ありがとう」 胸の底にたまっていた、どろどろした痛みが消えていく。 佐「よっし!じゃあパーッと景気付けにゲーセンでも行きませんか、ゲーセン!」 御「・・・よーし!じゃあまたパンチングマシーンで勝負しない?」 佐「うーっし、何か賭けますか!?そうだなあ、負けたら喫茶マウントのパフェカレー一気食いとかどうですか!」 御「ちょ、ダメージでかすぎだから!もうちょっと普通のにしようよ!普通のに!」 佐「えー・・・じゃあですね、こんなのはどうでしょう。負けたほうに二つ名をもれなく進呈、なんて?」 御「へ?ふ、二つ名って、あたしのRailgun~超電磁砲~みたいなやつ・・・?」 どう考えてもいやな予感しかしない。罰ゲームで二つ名って。 佐「そうですねー・・・御坂さんが負けたら・・・うーん・・・」 御「いやいや、いらないからね!そんなに一生懸命考えてくれなくていいから!」 佐「・・・決めました!Vender Striker~販機蹴手~なんてどうですか!ワイルドっぽくていいかもですよ!」 ぶばっ ジュースも飲んでないのに、今度こそ盛大に噴いた。 あんまり過ぎるネーミングに。 御「ダメよそれ!まるで自販機をガンガン蹴りまくってる不良みた、い・・・じゃない!!」 自己矛盾しまくってるけど気にしちゃいけないし第一してられない。黒子が大笑いする顔が今から見えるようだ。 佐「うんうん、即興にしてはわれながらすばらしいと思いますよ!」 御「やー!いやー!」 佐「女に二言はないですよ!じゃ行きますよー!」だっ 御「あ、待って、佐天さんー!もう一度考え直そうよー!」だだっ ~~~~~~~~~~~~~ がさがさがさ 二人が公園から走り去った後、ベンチからほど近い茂みの中、 擬装ネットに身を隠す二人の風紀委員がおりました。 事件?なんでしたっけソレ。 黒「一見落着、ですわね」 初「雨降ってなんとやら、ってやつですよぉ」 草の擬装で身を隠したネットのてっぺんから花だけ出ている、 それはとてもシュールな風景。 擬装ネットから長距離スコープだけ顔を出して設置したその様は、 はたからはどうみてもスナイパーです。 黒「・・・それにしても初春、たいそうな度胸ですわね」 初「なんのことですかぁ?」 黒「無理矢理二人っきりにさせるなど・・・荒療治が過ぎるというか・・・ 何か間違いがあったらどうするおつもりでしたの」 初「間違い?性的な意味でですかぁ?・・・NTR上等です、 もちろん略奪し返しますよ(キッパリ)」 黒「・・・どのくらい冗談だかわからないのが初春の怖いところですの」 初「まあ冗談はさておいて、あの二人なら大丈夫に決まってますよ?」 黒「ま、確かに・・・上手くやってくれそうな二人だからこそ、わたくしも賛成したわけで」 初「もちろんですよ!でもまぁ二人ともああ見えて照れ屋さんですからね。 ちょっときっかけを与えてあげればあとはどーん!ですよ。」 黒「どーん・・・ってあなた・・・。ま、・・・それもそうですわね! なんだかんだ言っても根はまっすぐな者どうし・・・」 初「あとは当事者が向かい合う以外、本当の解決法などないものですよ・・・。」 黒「初春にしてはなかなか分かったような口を利きますのね?」 初「さ、ここはそ知らぬ顔してゲーセンで先回りしましょうよ。元の仲間がいるじゃないかっていう演出ですよ!」 黒「いえ、私たちは事件解決に向かったことになってるわけですわ?」 初「もう解決済みで、戻る途中でたまたま二人を見つけたとかてきとうに言えばいいんです、サプライズですよ、サプライズ!」 黒「あーはいはい」 びひゅん!! ~~~~~~~~~~~~~ 佐「うーん・・・二つ名はダメですかぁ・・・じゃあ、イカの塩辛ショコラで手をうちましょうよ!」 御「だーかーらー!それも無理だってー!」 ~~~~~~~~~~~~~ 結局、隠し持っていた擬装ネットやスコープ、くっついた木の葉を見つけられて、 尾行も作戦も全部ばれちゃいました。 佐天さんが、御坂さんに二つ名を進呈するチャンスを 佐「絶対かっこいいと思うんだよなぁ、販機蹴手・・・」 あきらめていないのは、また、別のおはなし・・・ 【fin】 名前 コメント